商工委員会 第2号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1969/02/12
会議録
○大久保委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件及び私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。 まず、大平通商産業大臣から通商産業の基本施策について所信を承ることといたします。大平通商産業大臣。
○大平国務大臣 第六十一回国会における商工委員会の御審議をいただくに先立ちまして、通商産業行政に関する私の所信の一端を申し述べたいと存じます。 御承知のとおり、最近のわが国経済は、当初の見込みよりもかなり高い水準で拡大を続けており、一方、国際収支も輸出の急伸と輸入の落ちつきとにより総合収支においても相当の黒字となっております。 このように、わが国経済の最近の推移はきわめて順調でありますが、これを取り巻く内外の経済環境は決して容易なものではありません。 国際的には、残存輸入制限の自由化、資本取引の自由化の進展、特恵供与の問題等が当面の課題になっております。加えて、国際通貨問題に見られるとおり、世界経済はいまや激動しつつあります。また、国内的には、労働力の需給の逼迫、都市の過密化、公害、物価問題等の早急な解決を迫られております。 このような時期において通商産業行政を担当いたします私といたしましては、その責任の重大さを痛感しており、次に申し述べる事項を今後の通商産業政策の重点として、その実現に努力してまいりたいと考えております。 まず第一の課題は、貿易の振興と経済協力の推進であります。激動する世界経済の中で積極的に輸出を増大し、貿易規模を拡大していくことは、わが国経済が今後とも持続的成長を実現していくための基本的な条件であります。このため、プラント輸出等を促進するための日本輸出入銀行の資金の充実をはかりますとともに、アジア諸国との貿易を伸ばすための一次産品の開発輸入の促進等の施策に取り組んでまいる考えであります。 第二に、資本自由化の進展など経済の国際化は、今後いよいよ本格化する情勢にありますが、産業がそれぞれ強い国際競争力を持つことこそこれを乗り切っていく力であります。したがって、わが国産業の国際競争力をさらに強化するため、企業体質の改善をはかりまするとともに、合併、業務提携、共同投資、専門生産体制の整備等の手段によって産業の構造改善を推進してまいる所存であります。 第三に、発展途上国からの追い上げ、特恵関税の実施、資本自由化の進展と労働力の不足等の情勢に対処しまして、中小企業の近代化を急速に進めることが緊要であります。現在、中小企業の近代化高度化の意欲は旺盛であり、共同化、協業化のための各種の事業計画がもくろまれておりますが、これらの事業に低利資金を供給する中小企業振興事業団の資金量の拡充をはかるとともに、中小企業関係政府金融機関等の資金を充実して中小企業施策の強化をはかってまいる考えであります。 また、中小企業の左かでも特に緊急に構造改善対策を実施する必要がある業種の構造改善につきましては、税制面その他の助成措置を強化することとし、そのための法律の改正をはかりたいと考えております。さらに、繊維工業の構造改善対策強化の一環として、新たに染色業とメリヤス製造業の構造改善に着手いたしたく、そのための法律改正につきましても、当委員会の御審議をお願いしたいと考えております。 第四に、産業の国際競争力の基盤をなす技術開発力の培養と技術的最先端産業の育成が必要であります。このため、大型プロジェクトについて、新たに海水淡水化と副産物利用をテーマとして追加する等その拡充推進をはかるとともに、技術的最先端産業を育成強化する考えであります。 さらに、情報産業につきましては、情報社会への展望に立って、その育成を着実に進めてまいる所存であります。 また、現行特許制度につきましては、時代の進展に即応し、出願の処理を迅速化するため、出願の早期公開、審査請求制度等を採用することとし、このため、特許法等の改正を行ないたいと考えております。 第五に、新石炭対策につきましては、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申に沿って石炭鉱業の再建、雇用の安定、保安の確保、産炭地域の振興等の施策の推進をはかりますとともに、増大するエネルギー需要に対処しての海外石油資源の開発の拡充、わが国経済の発展に伴う内外鉱物資源の開発の推進及び原子力産業の育成に努力する所存であります。 また、ガスにつきましては、液化石油ガス小規模導管供給を簡易ガス事業として位置づけ、所要の規制を行ないますとともに、ガス事業者に対する保安監督を強化し、並びにガス用品の安全確保のための取り締まりを行なう等のため、ガス事業法の改正を考えております。 第六に、経済の高度成長と繁栄の過程において特に重要となってまいりました公害問題につきましては、国民の福祉向上の見地から積極的にその解決に当たりたいと考えております。このため公害の規制の強化、産業立地の適正化の施策を拡充する一方、公害防止技術の開発、企業に対する事前指導を強化する考えであります。 第七に、最近の消費者物価の上昇が国民生活に影響を及ぼすに至っていることは遺憾なことであり、私としては、物価の安定を重要課題の一つとして取り組んでまいりたいと考えております。このため、中小企業、流通などの低生産性部門の生産性の向上をはかるとともに、国内の需給動向を勘案しながら緊急輸入政策の弾力的運用を行なってまいりたいと考えております。 これらの施策のため、現在御審議いただいております昭和四十四年度一般会計予算に、通商産業省分として約九百十六億円、石炭特別会計として約八百八十四億円を計上するとともに、通商産業省関係の財政投融資計画として一兆百五十九億円を計上いたしております。 私は、以上の諸施策を通じまして、わが国経済の繁栄と豊かな国民生活の実現のため最善を尽くしてまいる覚悟であります。何とぞ委員各位の深い御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。 ————◇—————
○大久保委員長 次に、第六十回国会、内閣提出、日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案を議題といたします。
○大久保委員長 本案の提案理由説明を聴取いたします。大平国務大臣。
○大平国務大臣 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律は、昭和三十二年六月に、当時年々増大する原料ゴムの需要に対し、低廉かつ安定的な供給を確保するため、合成ゴムの国産化を大規模設備により急速に実現する必要がありましたが、民間のみの出資による事業をもってしては、これが困難な事情にありましたので、合成ゴムの製造事業に対し政府出資を行ないますとともに、設備に要する資金についても政府がその確保に努めることを主旨として制定された法律であります。なお、出資につきましては、当初は、とりあえず日本開発銀行からの出資によることとし、翌昭和三十三年の法律改正によりまして政府の直接出資に切りかえたものであります。 同法の対象となる合成ゴムの製造事業を行なう会社として、昭和三十二年十二月に日本合成ゴム株式会社が設立されましたが、政府といたしましては、同法の趣旨に従い、同社に対し十億円の出資を行なったほか、必要な設備資金の開銀融資をあっせんするなどにより、その育成につとめてまいりました。 これら政府の措置が同社の適切な事業運営と相まちまして、昭和三十五年四月に操業を開始して以来、同社は順調な発展を遂げ、わが国の合成ゴム製造における中核的会社に成長し、その経理的基礎も確立したものと考えられます。このような同社を中心としたわが国合成ゴム製造の発展により、今日では、生産能力において、米国に次いで世界第二位となりました。 したがいまして、合成ゴムの国産化体制の確立という目的は十分達成されるに至ったと考えられるのであります。 同法第十一条には、「政府は、会社の経理的基礎が確立したと認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、その所有する会社の株式を処分するものとする。」と規定しておりますが、以上の事情にかんがみ、政府といたしましては、昨年七月に政府が所有する同社の株式の処分を全部終了いたしました。 以上申し上げました事情でございますので、政府といたしましては、すみやかに同社を純粋な民間企業に移行させ、その自主的事業運営により一そうの発展を期することが適当であると考えまして、このたび同法を廃止することにいたしたものであります。 以上この法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○大久保委員長 次に、公正取引委員会委員長から、公正取引委員会の業務概況について説明を求めることといたします。山田公正取引委員会委員長。
○山田政府委員 昭和四十三年における公正取引委員会の業務の概略につきましては、お手元に資料をお届けいたしておりますが、そのうち主要な点につきまして御報告を申し上げます。 まず、経済体制の変化に即応して、独占禁止政策を有効適切に推進し、そのあり方につきまして広く各界と意見を交換いたしまするとともに、その一そうの理解を求めますため、独占禁止懇話会を設置し、昨年、その第一回の会合を開催いたしました次第でございます。 次に、私的独占禁止法の施行に関する業務といたしましては、まず、国際契約等の届け出は千五百二十四件にのぼりましたが、企業合理化をはかるための技術導入契約がその大部分を占めております。 会社の合併、営業譲り受け等の届け出は、それぞれ千十件、三百五十一件と相なっておりまして、その内訳は中小規模の会社が、近代化、合理化をはかりますために合併を行なうものが大部分を占めておりますが、国際競争力の強化等のための大企業の合併も増加傾向を示しております。公正取引委員会といたしましては、大企業の合併につきましては、特に私的独占禁止法第十五条の規定を厳正にかつ慎重に運用してまいる所存でございます。 再販売価格維持契約制度につきましては、物価対策の見地からその規制の強化をはかることといたし、現行指定商品の契約実施状況及び法的要件の適否につきまして引き続き再検討を加えておりましたが、昭和四十三年には化粧品及び医薬品につきまして告示の改正を行ない、その分類を現行日本標準商品分類に改めますとともに、特殊な用途に使用される品目及びこの制度が有効に利用されておらない品目を削除いたしました。 公正取引委員会といたしましては、今後も引き続き指定商品の再検討を続けますとともに、個々の契約の内容につきましても、それが正当な行為の範囲を逸脱したり、また一般消費者の利益を不当に害することのないよう厳重に監視を続けてまいる所存でございます。 なお、昭和四十三年における再販売価格維持契約の成立届けは九件、累計百二十四件となっておりまして、また新たに契約を実施いたしました製造業者の数は五社で、十二月末現在九十三社が契約を実施しております。 私的独占禁止法に基づく共同行為につきましては、昭和四十三年には、企業合理化のための共同行為として、麻糸など三品目について、いずれも実施期間の延長を認可いたしました。 不公正な取引方法に関する業務といたしましては、不当な歩積み・両建て預金につきまして、その実態を把握いたしまするため、昭和四十三年五月末及び十一月末の二回にわたり、貸し出し先の中小企業者を対象に、アンケート調査を実施いたしましたが、最近におきましては、拘束預金率は一〇%前後と減少してきてはおりますものの、まだ十分満足すべき状態ではなく、公正取引委員会といたしましては、調査の結果を慎重に検討いたしまするとともに、大蔵省の行政指導の成果をも勘案いたしました上、適切な措置をとってまいりたいと考えております。 私的独占禁止法違反被疑事件につきましては、昭和四十三年中に二百二十七件につきまして審査を行ない、そのうち法的措置をとりましたものは、勧告三十二件、審決二十七件となっておりまして、過大な景品つき販売、消費物資の価格協定などがおもなものでございます。また一昨年から引き続き、テレビジョンや牛乳の価格協定、家庭電器製品の再販売価格維持事件など八件について審判を行なっております。 下請代金支払遅延等防止法の施行に関する業務といたしましては、昭和四十三年中に、下請代金の支払い状況を中心に四千四百九十七の親事業所に対しまして調査を行ない、そのうち十一件につきまして、法第七条の規定に基づく勧告を行ない、四百三十四件につきましては行政指導による事態の改善措置をとりました。 また手形期限の短縮を促進いたしまするため、主要業種ごとに標準的な手形期限を設け、関係団体の協力を得て、機会あるごとにその周知徹底をはかっております。 不当景品類及び不当表示防止法の施行に関する業務といたしましては、第三条の規定に基づき、精麦業における景品類の提供に関する制限を告示いたし、さらに第六条の規定に基づき過大な景品類の提供を行ないました販売業者十名、不当な表示を行ないました観光みやげ品製造業者、宅地建物取引業者、家庭電器製品販売業者、寝具販売業者等六十四名につきまして排除命令を行ないました。そのほか飲用牛乳等六業種について公正競争規約を認定いたしました。 また、同法の運用に資するため、消費者モニターを選定いたし、景品つき販売、不当表示等に関する意見を求め、これを公正取引委員会の行なう消費者行政に反映させるようにいたしました。 このほか、昭和四十三年におきまする経済実態の調査といたしましては、企業間信用の調査のほか管理価格の調査、流通支配に関する調査及び主要産業二百十一業種における生産集中度調査を行ないました。 最後に、昭和四十四年度の公正取引委員会の予算案でございますが、本国会にお願いいたしております公正取引委員会の予算は、総額四億七千二十五万六千円でございまして、昭和四十三年度と比較いたしまして五千五百二十八万五千円の増額と相なっており、事務局定員八名の増員、私的独占禁止法施行経費、下請代金支払遅延等防止法施行経費、不当景品類及び不当表示防止法施行経費の増額がおもなものとなっております。 今後、公正取引委員会の業務はさらに繁忙の度を加えるとともに、その重要性を増すものと考えておりますが、本委員会の委員皆さま方の御支援をいただきまして重責を果たしたいと思っております。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。 —————————————
○大久保委員長 次に、土地調整委員会委員長から、土地調整委員会の事務処理の概要について説明を求めることといたします。黒河内土地調整委員会委員長。
○黒河内政府委員 ただいまから昭和四十三年度に行ないました所掌事務の処理の概要を、お手元に配付してあります土地調整委員会事務処理概要に基づきまして、要旨をかいつまんで御説明を申し上げたいと存じます。 当委員会の所掌事務を大別いたしますと、第一は鉱区禁止地域の指定等に関する事務であります。第二は鉱業権の設定その他鉱業、採石業または砂利採取業に関する特定の行政処分に対する異議の裁定に関する事務であります。第三は事業認定、収用裁決等、土地収用等の関係の行政処分に対する不服審査関係の主務大臣に対する意見の回答に関する事務であります。第四は、以上三種に属しないその他の事務でございます。これらに関する案件は、年々増加の傾向にありますが、昭和四十三年も前年に引続きその傾向の著しいも一のがありました。 以下これらについて、ただいま申し述べた四つの種類ごとに総括して説明申し上げたいと思います。 第一に、鉱区禁止地域指定等でございますが、昭和四十二年中に当委員会で処理手続を進めましたものは十五件でありました。いずれも鉱区禁止地域の指定請求事案であって、その解除の請求はありません。その十五件のうち十件は、前年から係属中のもので、五件は、昭和四十三年新たに請求のあったものであります。これら事案の請求理由は、ダム関係のものが十三件で大部分を占めておりまして、その他は、水道水源、景観、文化財、観光地等の保護に関するものであります。請求者別に見ますと、建設大臣六件、農林大臣三件、都道府県知事六件でありまして、請求面積は最小のものでも百二十五ヘクタール、最大のものは千二百七・三ヘクタール、平均約七百九十ヘクタールとなっております。これら地域の各部にわたって具体的に地形、地質、鉱床及びその他各般の関係を調査、検討し、決定をするのには時日を要するのであり、ことにダム関係には、往々計画の確定を待つ必要とか、用地取得または補償交渉等の推移に応じて措置を進める必要等により、当委員会の処理手続を進めがたい場合もあって、処理を了したものは三件で、そのうち一件については四地域として指定しました。その他の十二件は目下審議中であります。 また、その指定に際し、通商産業局長に対して鉱業権の取り消し等の勧告を行なった事案はありませんでした。 なお、このほか前年処理を了しましたが、所要の公示は、本年当初官報で行なわれたものが二件ございます。 第二に、異議の裁定でありますが、昭和四十三年中当委員会に係属した事案は八件で、そのうち一件は、通商産業局長の四件の処分について一個の裁定申請により、その取り消しを求めてきたものであります。 これら事案は、鉱業法の規定による通商産業局長の処分に対するもの六件、河川法の規定による河川管理者の処分に対するもの及び森林法の規定による処分に対するものがそれぞれ一件であります。その八件の事案のうち二件については、申請の取り下げがあり、また、一件は請求の理由がないとして棄却の裁定をいたしました。他の五件のうち一件については、公開審理を了し、一件については、申請人の申し立てにより審理保留中であり、また、その他の三件は、目下審理中であります。 第三に、土地収用等の不服審査等に関する意見でありますが、昭和四十三年中に当委員会で処理手続を進めましたものは二十三件で、いずれも建設大臣が意見を求めてきたものであります。 これらの事案は、道路関係十三件、地方鉄道、空港関係四件合計十七件が交通関係で、そのほかに電力関係、住宅関係各三件となっており、その約半数は東京都と大阪府に集中しております。 これら事案は、建設大臣の事業認定を不服とする一件を除き、その他は、すべて収用委員会の収用裁決を不服とするものでありますが、実質的には事業認定に対する不服をも包含しているものが相当ありました。 これら事案のうち、十三件については回答済みであり、その他の十件については、引き続き審査中であります。 第四に、その他の事務でございますが、この際特に申し上ぐべきものはありません。 以上をもちまして、はなはだ簡単でございますが、当委員会の昭和四十三年中の事務処理の大要を申し述べさせていただいた次第であります。 なお、土地調整委員会設置法に定められた所掌事務処理状況の報告書を目下準備中であり、近く所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○大久保委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十三分散会