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61回国会衆議院1969/03/06

社会労働委員会障害者対策小委員会 第1号

発言数
31
登壇者
10
会派数
4
開催日
1969/03/06

会議録

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 これより会議を開きます。  障害者対策に関する件について調査を進めます。  先般、障害者対策基本法案の小委員長試案を委員各位にお示しいたしまして、各党の御検討をお願いいたしておきましたが、念のため、その内容について簡単に御説明いたしたいと存じます。  当初、各党から提出をされました試案は、「心身障害者対策基本法」となっておりましたが、関係団体と協議の上、「心身」の二文字は誤解を招く場合もありますので、これを取りまして、「障害者対策基本法」としてまとめました。  全体を四章に分け、第一章で「総則」、第二章において「心身障害の発生の予防に関する基本的施策」、第三章において「障害者の福祉に関する基本的施策」、第四章において「障害者対策審議会」をそれぞれ定めております。  その特に問題になります個所は、第一章の「総則」において、第一条、「目的」、「この法律は、障害者対策に関する国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、心身障害の発生の予防に関する施策及び医療、訓練、保護、教育、雇用、年金の支給等の障害者の福祉に関する施策の基本となる事項を定め、もつて障害者対策の総合的推進を図ることを目的とする。」といたしました。この中で、「福祉」ということばを、この法律に関する限りは医療、訓練、保護、教育、雇用、年金の支給等一切を含んだものとして定義づけております。  また、第二条、「定義」の項目は、」「この法律において「障害者」とは、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声機能障害若しくは言語機能障害、心臓機能障害、呼吸機能障害等の固定的臓器機能障害又は精神薄弱その他の精神的欠陥(以下「心身障害」と総称する。)があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に制限を受ける者をいう。」と定めております。この中で特に問題になります事項は、いわゆる一般疾病と障害者として対象になし得る固定的な臓器機能障害とを区分するために、他の障害は別としまして、臓器機能障害のみに「固定的」という制限をかぶせております。  また、第三条において「基本理念」を定めており、第四条においては「国及び地方公共団体の責務」、第五条において「国民の責務」、第六条において「自立への努力」、それぞれを定めております。  また、第七条において「施策の総合性」をうたい、「障害者の福祉に関する施策は、心身障害の種別及び程度に応じ、有機的連けいの下に総合的に策定され、及び実施されなければならない。」といたしました。  第八条において、政府のなさなければならない措置として、必要な法制上及び財政上の措置を定めております。  また、第九条において、「政府は、毎年、国会に、政府が心身障害の発生の予防及び障害者の福祉に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。」とし、同時に、「毎年、障害者の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。」ということにいたしまして、年次報告の義務を定めております。  また、第二章、「心身障害の発生の予防に関する基本的施策」、これは、第十条第一項でございますが、「国及び地方公共団体は、心身障害の発生の原因及びその予防に関する研究を促進しなければならない。」、第二項におきまして、「国及び地方公共団体は、心身障害の発生の予防のため、必要な知識の普及、母子保健対策の強化、心身障害の原因となる傷病の早期発見及び早期治療の推進その他必要な施策を講じなければならない。」と定めました。  また、第十一条以降を第三章として、「障害者の福祉に関する基本的施策」とし、十一条においては、「医療、訓練等」における国及び地方公共団体のなさなければならない事項を統一して定めております。  第十二条においては、「重度障害者の保護等」を定め、特に、「国及び地方公共団体は、重度の心身障害があり、自立することの著しく困難な障害者について、終生にわたり、必要な保護等を行なうよう努めなければならない。」と定めました。これは十一条の「医療、訓練等」を受けて、なお自立し得ない重度の障害者に対し、国及び地方公共団体の責務を定めたものでございます。  また、第十三条において、「在宅障害者の訪問指導等」、いわゆる日常の生活上の世話または訓練その他の問題につき、国及び地方公共団体が、在宅障害者の家庭訪問等の方法により、必要な指導を行なうようにということをまとめております。  また、第十四条で、「教育」の問題を定め、「国及び地方公共団体は、障害者がその年齢、能力並びに心身障害の種別及び程度に応じ、充分な教育が受けられるようにするため、」必要な措置を定めました。  また、第十五条「文化的諸条件の整備等」につきましては、各党の試案にはこの項目は一切抜けておりましたところでありますけれども、障害者の文化的活動を十分に行なわしめ、またその意欲を起こさせるための手段として、一条を加える必要があると感じ、小委員長として追加いたしております。  第十六条以降、職業に関する問題を定めました。  第十六条は「職業指導等」として、職業指導、職業訓練、職業紹介の実施その他、国及び地方公共団体のなすべき責務を定めております。  また、第十七条において「雇用の促進」を定め、民間の事業所において障害者の雇用を行ない得る条件をよりやすくするために、施設または設備の整備等必要なものに対する助成措置、あるいは税制上の特別措置等、そうした施策を配慮すべきであるということを定めました。  また、第十八条においては、雇用されるのではなく、自立しようとしている障害者に対し、事業の開始、就職、またこれらのために必要な知識技能の修得等を援助するための国及び地方公共団体の責務を定めております。  また、第十九条において、あらゆる意味での障害者に対する各種の判定、相談業務等が総合的に行なわれ、また、広く利用ができるように必要な対策を講ずるべきであるということとして、「判定及び相談」の項を設けます。  また、第二十条に、いわゆるアフターケアをまとめて記載をいたしました。自立した場合であれ、雇用された場合であれ、「国及び地方公共団体は、障害者が、障害者の福祉に関する施策に基づく各種の措置を受けた後日常生活又は社会生活が普通に営めるよう指導助言をする等必要な施策を講じなければならない。」としております。  また、第二十一条において、「年金等」とし、「国及び地方公共団体は、障害者の生活の安定を図るため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。」といたしました。  同時に、現在非常に配慮の欠けておる点でございますが、「住宅の整備等」を第二十二条に定めました。国及び地方公共団体は、障害者のための住宅を確保し、同時に、障害者に適した住宅の整備の促進をしなければならない。また、国及び地方公共団体は、障害者による交通機関その他の公共的施設の利用の便宜をはかるために、構造あるいは設備の整備等配慮するように、十分な措置を講じるべきであると定めております。  また、第二十三条において、「経済的負担の軽減」の条項を起こしました。「国及び地方公共団体は、障害者及びその扶養者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の特別措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。」、同時に、特に第二項として、「運輸事業を営む事業者は、障害者及びその扶養者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、料金等の減免について配慮するよう努めなければならない。」と定めました。  同時に、第二十四条において、最も障害者及びその周囲の人々から、強く要望されております、障害者の父母その他障害者の養育に当たる者がなくなった後、障害者の生活をどうすべきであるかということで一条を起こし、「障害者の福祉に関する施策の策定及び実施に当たっては、障害者の父母その他障害者の養育に当たる者がその死後の障害者の生活について懸念することのないよう特に配慮がなされなければならない。」と定めております。  同時に、医療、訓練等、教育、職業指導等、「第十一条第三項、第十四条第三項及び第十六条第三項の施設には、充分な数の専門的技術職員、教職員その他の専門的知識又は技能を有する職員が配置されなければならない。」と定め、「専門的技術職員等の確保」をこれにうたいました。同時に、国及び地方公共団体は、こうした専門的技術職員等の確保、養成、訓練につとめなければならないと定めております。  同時に、国がいかに措置をしてまいりましても、国民の障害者に対する理解が十分になければ、これは空文になります。特に、第二十六条に、「国民の理解」という条項を定め、「国及び地方公共団体は、国民が障害者について正しい理解を深めるよう必要な施策を講じなければならない。」と定めました。  第二十七条以下は、第四章、「障害者対策審議会」にかかわるものであります。  総理府に、「中央障害者対策審議会」を設置し、「中央審議会は、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、障害者対策に関する重要事項を調査審議」し、同時に、「意見を述べることができる。」としております。  第二十八条において、その規模、その内容等概略を定め、同時に、同様の審議会を地方公共団体がそれぞれに設置することを考えまして、地方障害者対策審議会の設置に関する条項を置いております。  法文の内容としては、一応こういう形のものでありますが、これについて昨年末試案を提示いたしました段階で、各党からこれについての御意見を承りたいとお願いをいたしておりました。  本日、各党の委員の方々が、それぞれに今日まで御検討になりました範囲内での御意見をお持ちと思いますので、順次これを承りたいと存じます。  渡辺肇君。

渡辺肇自由民主党

○渡辺(肇)小委員 小委員長試案の中に、厚生省に障害者福祉局を設置することになっておりますが、行政簡素化の中で設置はむずかしいと思うわけでございます。もちろん、設置されることは期待するが、もし認められない場合、基本法に対する影響はいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 小委員長自身といたしましては、こうした局ができることを期待はいたしております。正直に申しまして、現実なかなか困難な状況にあることは御指摘のとおりであります。そのために、障害者福祉局が設置されないために基本法の制定がおくれるようなことがあってはなりませんので、場合によっては、新局の設置とは別個とし基本法の推進をはかりたいと考えております。  ほかには……

渡辺肇自由民主党

○渡辺(肇)小委員 中央障害者対策審議会を設置した場合、関係各省にすでに存在する障害者関係の審議会をどうするかにつきまして……。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 総理府に、中央障害者対策審議会が設置されました場合、従来の審議会をそのままに残しておくことは、屋上屋を重ねることになります。廃止すべきものは廃止をしていただかなければなりませんし、同時に、他の審議会等にその業務の一部を譲る部分もあると思います。非公式ではありますが、行政管理庁に作業を依頼しまして、各省庁との間に検討に入るようにお願いをいたしました。  山本小委員が見えておりますが、社会党としての御意見は小委員長として大体承っておりますので、問題点は私のほうからまとめて申し上げたいと思います。  個々の条文についての問題は、これは後日の小委員会に譲ることといたしまして、第五条、第六条、「国民の責務及び」「自立への努力」は、当然の規定として削除すべきであるという御意見が出ております。これは、第四条に「国及び地方公共団体の責務」を定めておりますが、むしろ「自立への努力」あるいは「国民の責務」をうたうことによって、「国及び地方公共団体の責務」をやわらげるきらいはないかとの御趣旨からの御意見と承っております。小委員長としては、むしろこれはいずれも残すべき規定とは考えておりますが、その意見の可否につきましては、後日の委員会で検討さしていただきたいと思います。  また、特に強い御要請のありましたのが、第十七条の「雇用の促進」について定めました中に、民間事業所をも含めて、強制雇用を打ち出すべきであるという御意見をちょうだいしております。これに対しましても、私はむしろ個別法に譲るべきではないか。現在身体障害者雇用促進法という法律があります。この基本法が制定された時点において、関係法規の整備は当然行なわれるわけでありますが、その際に、基本法に定めるよりも、個別法の、具体法の中で処理をされるほうがよろしいのではないかと個人的な見解を申し述べておきます。しかし、社会党としては非常に強い御要請のありましたところでありますから、特にここで御報告をいたしておきます。  大きな点につきましては、日本社会党としてちょうだいいたしておる御異議はこの二点であります。  本島小委員。

本島百合子民主社会党

○本島小委員 この作成の途上におきまして申し上げたことですが、やはり各省にばらばらにまたがっておるということは、将来いろいろの意味で障害が起こるのではないかということで、どこかの一つの省に、局としてこれを設けていくということがなされない限り、完全なものが出てこないのじゃないか、こういう強い意見を持っておりますので、先ほどの自民党さんの質問に答えられて、厚生省云々ということがありましたが、もう少しこの点を検討していただいて、そしてはっきりとどこかの局に総合的になされるという措置を講じてほしい、こういう要望がございます。  それから、これもかつて申し上げたのですが、自閉症児あるいはハンセン氏病などを対象に、ことばとしてはどういうことばでもいいが、これは必ず適用が受けられるということを明記してほしい、こういう要望をまだしておりませんので、小委員長にこの点を申し上げておきます。  それから、いまの十七条の、雇用促進の問題ですが、やはりこれは義務化させる。まあ民間ではむずかしいとしても、少なくとも各役所等におきましては、雇用の定数をきめて、年々どのくらいのワクかを入れていくということを法文化してほしいということでございます。  次に、職業訓練に関してでございますが、これはもうすでにいろいろのものがありますが、施設の不足と、それから訓練を受けられる対象者が非常に数が少ない、こういうことで、この点の拡充強化ということがもっと強くうたい出されてほしい、こういうことを主張しております。  それからまた、生活安定のために年金あるいはまた……。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 こまかい問題については、後日にお譲りをいただきまして、基本的な問題点のみ御指摘をいただけませんでしょうか。

本島百合子民主社会党

○本島小委員 介護料等の引き上げ、こういうものは、現在政府で出されておるもの、こういうものが非常に低いもので、実際のその家庭にあっては、なかなか生活を維持していくことが困難じゃなかろうかということで、そうした介護料なり、あるいはまた年金等の引き上げ等を早急に考えるべきであって、この基本法ができると同時に、現行法で見られるものは見る。また、これが統一される時期が来たれば、そのときにこれは統合されて、きちっと生活の保障がつくという形での基本法にしてほしい。これは民間の団体からの強い要求でございましたので、少しこまかくなりましたが、入れさせていただいたわけです。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 いまの本島小委員の御意見の中で、個別法に譲るべき問題も多くございますので、それらについては特にこの際お答えは申し上げませんが、最初の、審議会の業務の事務局を引き受けるべき局の問題、これは先ほど渡辺小委員の質問にもお答えをいたしましたとおり、努力はいたしてみますけれども、その局をつくることのために、基本法自体がおくれることを私としては好みません。それだけに、なお検討の問題として残させてはいただきますが、場合によってはこれは後日に譲る場合もあり得るということを御了承願いたいと思います。  また、自閉症等の個別障害の問題にお触れになりましたけれども、現在の新しい一つの社会問題になりつつある障害の中で、いわゆるスモン病というようなものもございます。今後もどういう新たな障害が発生しないとも限りません。その場合に、個別症状を羅列することだけは私としては断じて避けたい。できるだけ広範に、多くの障害者を救い得るようにするためには、個別症状の羅列は避けたいと考えております。先ほどお尋ねのありました小児自閉症等は、いわゆる「精神薄弱その他の精神的欠陥」というところで法文上読んでまいります。  ハンセン氏病患者そのものは……

本島百合子民主社会党

○本島小委員 そこのところ、ちょっと文章的に、そうしたものが含まれているかどうかということなんです。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 自閉症は、当然含むべきものと考えておりますし、また含んで考えております。ただ、「精神的欠陥」ということばの中でこの自閉症は読んでまいりたいと私は考えております。また、これは行政当局としてもすでに同意を得ている点であります。  また、ハンセン氏病そのものは、これは障害者とは異なる一般疾病であります。問題とされて御指摘になりましたのは、ハンセン氏病患者が、病理学的には健康を取り戻しながら、外的症状を残した場合、後遺症状を残した場合のことと存じます。その場合には、肢体不自由なりその他の条文で当然読み得る範囲のものと考えておりますから、それはその点で御了解を願いたいと思います。  また、その他の細部の問題は別といたしまして、社会党からも御指摘のありました雇用の問題について、義務的に義務づけるべきであるという御意見は、確かに承りましたので、後日の検討の課題として残させていただきます。  伏木小委員。

伏木和雄公明党

○伏木小委員 この法案作成にあたりまして、第一条にもうたわれておりますように、身体障害者の施策に対しましては各省にまたがっておりますし、またその施策の内容も複雑多岐にわたっております。したがって、これを何とか統一的にできないものか。この法と法との谷間にある身体障害者が、法の加護を受けられないというような問題が出ております。一刻も早く、こうした谷間をなくしてほしいというところからこの法案の発想もあるものと思います。また、各種団体におきましても、この基本法の制定を一日も早くという要望も強いことであります。  わが党としての意見は、小委員長にも今日までいろいろ申し上げてまいりました。各党一致してこの法案を何とかつくり上げたい、こういうことで、私どもも譲るべき点は譲り、歩み寄る点は歩み寄って、これを一日も早く制定しなくてはならない、こういう見解に立っております。  問題は、昨年からこれがずっと当委員会の委員の方々においてもいろいろ議論されてまいりましたが、一年近くもこれが問題にされてきたわけであります。今日この小委員長の試案を見ますと、四月一日施行ということになっておりますが、もうすでに三月も相当日にちもたってまいりました。いたずらにこれがただ議論を重ねるのみであって、この制定がおくれるということは、考えていかなくてはならない、私どもこう思っております。したがって、これが早く制定されるということを望むわけですが、ここに四月一日というようになっておりますが、今後どの程度煮詰めていかれるか、この点小委員長としてのお考えを承っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 非常にいやな質問を受けましたが、正直に申し上げます。  行政当局との話し合いは、大体もう煮詰まってまいりまして、なお後ほど、各省庁からの補足的な意見等も聴取をいたしますけれども、各党の御同意が得られますならば、できるだけ早い機会にこれは議了して、四党共同で国会に提供をいたしたいと考えております。それについては作業の促進方をお願いをいたします。  なお、公明党からの御意見はすでにちょうだいをいたしておりますが、小委員長試案をまとめました段階でその大半は入れさせていただきました。  大体の御了解は得たように聞いておりますけれども、あと党として正式の御意見を提示されておられなかった社会党からも、本日内容を承りました。後ほどその詳細も申し上げ、各党においてさらに御検討を願うと同時に、行政当局の協力も得たい、そのように考えております。  四月一日というこの日取りは、実はヤマカンで書いたわけでありまして、必ずしも理由があってではありません。できるだけ早い機会に終了させます。それでよろしいですか。

伏木和雄公明党

○伏木小委員 はい、けっこうです。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 山本小委員。

山本政弘日本社会党

○山本(政)小委員 いま基本的な問題については小委員長からありましたけれども、もう一つだけ特に私のほうから申し上げたいのは、第三条の「基本理念」について「個人の尊厳」ということがうたわれておりますけれども、ここにもう一つ「権利」というものをひとつ強調していただきたいというように、この点についての文章をひとつ御検討いただきたいということです。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 いまの山本小委員からの御提案をさらに補足をいたしますと、日本社会党からの御意見は、第三条「すべて障害者は、その個人の尊厳が重んぜられ、これにふさわしい処遇が保障されるものとする。」というその条文の中に、「すべて障害者は、その個人の権利としての尊厳が重んぜられ」というふうに強調してほしいという御要望であります。ただこれについては、小委員長としましては、この「個人の尊厳」ということばは憲法のことばをそのままに持ってきたわけでありまして、わが国の基本的な法律である憲法の用語をここに記載した、内容には当然個人の権利というものが含まれておる、しいて強調をする必要はないのではないかという御回答も申し上げました。しかし、なお今日御同意がいただけませんので、これも今後の御検討の課題として残していただきたいと思います。  各委員からの御発言は、これで特にありませんか。——なければ、非常に異例ではありますけれども、議員立法とはいいながら、非常に大きな問題を持つ法律だけに、各関係省庁からのこれについての意見あるいは修正等を要望される点等もあれば、この際御発言を願いたいと思います。  渥美児童家庭局長。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 厚生省におきまして、心身障害者対策を従来から真剣に実施してまいったのでございますが、なおまだ行き届かない、不十分な点も多々あるわけでございます。同時にまた、このような仕事を進めてまいります際におきましては、どうしても他省の所管との関係、それの調整問題、こういう大きな問題があると思います。そういった二つの点から考えまして、今回の障害者対策基本法案の内容につきましては、第一の点につきましては厚生省の施策を十分に支援、援助していただくというふうな内容が盛られておりますし、また第二の点といたしまして、それの各省間の総合的な推進という点もはかられておるわけでございまして、そういった考え方に立ちまして、この障害者対策基本法案の内容あるいは精神につきましては、私どもといたしましてたいへん敬意を払い、もしこの法案が実施されるという段階におきましては、そのもとにおきまして十分な推進をはかっていかなければならない、かように考えておるところでございます。  その内容の幾つかの点につきましては、すでに数回にわたりまする小委員会の席におきまして、厚生省からも御発言をいたしましたので、大綱につきましては了承をいたしたい、かように思うところでございます。  なお、第二十七条あるいは第二十八条に規定されておりまする、審議会の庶務の担当部局の問題につきましては、これはなお政府内におきましてさらに調整が必要であろう、かように思うわけでございます。  以上でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 労働省道正職業安定局審議官。

道正邦彦労働省職業安定局審議官

○道正説明員 本法案を御立案いただく過程におきまして、小委員長をはじめ各党の先生方のお骨折りをいただきまして、心から敬意を表するとともに、感謝を申し上げたいと思います。  基本的には労働省といたしまして賛成申し上げたいと存じますが、細部の点につきまして三点だけ、できますれば御修正をいただきたいというふうに考えます。  第一点、第二点は第十六条に関係することでございますが、第十六条「職業指導等」の規定の二行目の「従事することができるようにするため」、次の「職業指導」の前に「求職者の登録」という字句を入れていただけないか。その趣旨は職業指導あるいは雇用の促進等を統一的に行ないます場合に、求職者の登録をいたしまして、一貫してお世話を申し上げるというふうにいたしております。その点をはっきりさしていただきたいということでございます。  第二点は、同じく十六条の三項でございますが、一行目の「前二項の施策を実施するために」の前に「一貫して」という字句をお入れいただきたいということでございます。これは指導から就職あるいは就職後のアフターケア、これを一貫して行なっておりますが、そのため施設、設備等につきましても、そういう配慮をいたしてまいりたいという趣旨でございます。  第三点は、ただいま渥美局長からも御発言がございました第二十七条、二十八条の関係でございまして、第二十八条の第三項中央審議会の庶務につきましては、できますれば各省間で調整をさしていただければ幸いだというふうに思っております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 文部省寒川初中局特殊教育課長。

寒川英希文部省初等中等教育局特殊教育課長

○寒川説明員 三点ばかりについて御要望ないしは意見を申し上げさせていただきたいと思います。  第一点は、第一条の「目的」でございますが、この条文の中に「医療、訓練、保護、教育、雇用、年金」ということで、教育が並列されて定められておりますが、教育は御承知のとおり人間の形成あるいは育成ということで基本的な事柄であろうと思います。したがいまして、この点を上にと申しますか、「心身障害の発生の予防」その次に「及び教育に関する施策」というふうなことで取り出していただきたいと考えております。それに伴いまして、四条、七条、九条等に「福祉」ということばがございますが、その上に「教育及び福祉」ということで「教育」を入れていただきたいと思います。  それから第二点でございますが、教育に関する条文は、十四条に定められております。これを第三章というふうな章を起こして、「障害者の教育に関する基本的施策」ということで、十一条として十四条を次のように修正して入れていただきたいのでございます。いま申しましたように十四条中「教育の内容及び方法の改善、充実を図る等」とございますが、ここのところを「教育機関の整備、教育の内容、方法の改善及び教職員の資質向上を図る等」というふうに直していただきたいのでございます。それから第二項につきましては、「教育に関する調査研究」とございますが、ここを「教育に関する調査及び基礎的実際的研究」というふうに直していただければ幸いでございます。以上が第二点でございます。  第三点といたしましては、第十二条といたしまして、二十五条の教職員に関する部分を独立して十二条ということで規定はできないものだろうかと思っております。したがって、十二条の第一項には「前条第一項の教育機関には、充分な数の教職員及び専門的知識又は技能を有する教職員が配置されなければならない。」第二項といたしまして、「国及び地方公共団体は、前項に規定する者の養成及び研修に努めなければならない。」というふうに御修正をいただければありがたいところでございます。  なお、先ほど労働省からも御要望のございました中央審議会の庶務を、総理府において処理するということが適当であろうというふうに私ども考えておる次第でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 二、三ちょっと聞きたい点があります。  ということは、いまのあなたの発言を要約すると、教育だけを取り出して、その他のものとは別個に全部書いていけということに尽きるわけですか。はっきり言えば、第一条の「目的」の「福祉」ということばの中に、「教育」を入れるということには異議があるということですな。

寒川英希文部省初等中等教育局特殊教育課長

○寒川説明員 「福祉」ということばで教育というものを総称するということについては、どんなものであろうかという疑問を持っておる次第であります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 ということは、必ずしも教育に限らず、医療も、訓練も、保護も、雇用も、年金の支給も、必ずしも福祉という従来の概念には適応しないものですが、この法律上わざわざ障害者対策の一切を含めて「福祉」ということばで表現したわけですが、それでは文部省としてはいかぬということですな。だから同意しがたいということですね。はっきり言ってください、ことばを飾る必要はないのだから。

寒川英希文部省初等中等教育局特殊教育課長

○寒川説明員 できますれば、そういうふうに教育というものを取り出していただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 御意見は承っておきます。  総理府岸野参事官。

岸野駿太内閣総理大臣官房参事官

○岸野説明員 審議会の設置を、総理府に付属機関として置くという条文でございます。この関係で、先ほど小委員長の経過の御説明の際には、何か行管のほうで御検討をいただいておるようなことも漏れ承っておりますが、まだ行管のほうから正式に私どものほうに御意見の聴取がございませんので、正式の見解を申し上げるという段階には至っておりませんけれども、この法案の提出が、現在各省で行なわれております行政の谷間を埋めるということに主眼があるというぐあいに承っておりますので、その点からはできるだけ既存の審議会との関係を明確にしていただいて、中央審議会の所掌事務を明確にしていただく、私どものほうの付属機関ということになりますればそのような御配慮をいただきたいということと、それから先ほど申し上げましたような、行政の谷間を埋めるにふさわしいような施策のあり方を、審議会で御検討いただくということになりますれば、先ほど文部省の課長は、簡単に総理府に置いたほうがいいのではないかというようなことを申されましたけれども、この点につきましてもできるだけ、現に身体障害者福祉行政を実際に担当しておられる、しかもかなり大きな分野を占めておられる、経験のあるどこかの省庁において、審議会の運営につきましての庶務をやるということのほうが、従来の審議会のお手伝いを私どもしておりました経験に徴しまして、公害対策審議会等の先例もあることでございますので、一段とひとつごくふうをいただければ幸いだというぐあいに考えております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 行政管理庁見えてますか。——管理官にはすでに非公式にお願いした点でありますけれども、あらためてこの小委員会の席上でお願いをいたします。  一つは、この法律案においては、中央障害者対策審議会というものを総理府に設置をいたすということを定めております。これは従来、各省庁ばらばらに行なわれておりました、心身障害者に関する各種施策に対する審議会の機能を一つに結びつけて、統一総合的なものとして推進していくために、その審議会を設けるということでございます。これを行管としても御検討願いたい。なお、その際に、既存の各省庁における関係審議会の統廃合の問題が出てくると思いますが、それらの点についての御検討を願いたい。それがまず第一点であります。  それから第二点は、この小委員長試案は、四党から提出されましたそれぞれの党の試案をまとめ上げてこしらえたものです。各党ともに、その名称のいかんにかかわらず、厚生省の中に何らかの局を新たに設けて、その局にこの中央審議会の庶務を行なわせるという構想になっております。現在いわゆる行政機構の簡素化の中で、行管として、いままで非公式に伺った段階では否定的な御意見をいただいておりますけれども、なおこの点についての御検討を願いたい。  この二点を正式にお願い申し上げておきます。それについて何か見解を述べられる点がありましたら御発言を願います。  川島管理官。

川島鉄男行政管理庁行政管理局管理官

○川島説明員 特に申し上げることはございません。慎重に検討させていただきます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本小委員長 なお、きょうここにおいでを願っておる各省庁は、行政管理庁と御相談を願い、審議会等の統廃合については至急相談を煮詰めて、この小委員会に資料として御提出を願いたい。これをこの際要望いたしておきます。  ほかに何か小委員の方々から御意見ございますか。——別に御意見もないようでありますから、次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時八分散会      ————◇—————

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