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61回国会衆議院1969/08/02

社会労働委員会 第38号

発言数
13
登壇者
5
会派数
2
開催日
1969/08/02

会議録

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員長代理 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事竹内黎一君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、委員長より指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員長代理 御異議なしと認め、理事に田川誠一君を指名いたします。   〔橋本(龍)委員長代理退席、田川委員長代理   着席〕

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 この際、私より一言申し上げます。  前回の委員会の運営につきましては、まことに遺憾に存じます。今後は、委員各位の御協力を得まして、円満なる運営をいたす所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  この際、暫時休憩いたします。    午後一時二十一分休憩      ————◇—————    午後二時三十八分開議

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  河野正君外十一名提出の家内労働法案、及び、内閣提出の家内労働法案の両案を議題とし、審査を進めます。

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 順次提案理由の説明を聴取いたします。まず、枝村要作君。

枝村要作日本社会党

○枝村議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました家内労働法案につきまして、提案理由並びにその概要を御説明申し上げます。  御承知のように、今日の日本経済の目ざましい発展は、一方ではあらゆる分野に格差やひずみを生じ、特に家内労働の性格にも大きな変化があらわれ、物価高に対する収入を確保するため、ホワイトカラー、公務員などを含むあらゆる階層の労働者の主婦が家内労働に従事する傾向が強まってまいりました。また経営者にとりましても、電気器具、プラスチック製品、メリヤス、紙器などの分野では、若年低賃金労働力の不足に対処するため、家庭主婦の家内労働への活用が増大しておるのであります。  労働省の調査によりましても、現在、家内労働者は百万人以上にのぼり、その八〇%が家庭の主婦で占められております。地域的には六大都市に集中し、産業別に見ますと繊維工業及び雑貨工業がその八〇%以上を占めているのでありますが、この家内労働者の工賃は驚くべき低さでありまして、一時間当たり三十円から六十円という実態は、現行の最低賃金法の水準よりもさらに低位であります。しかも労働環境はきわめて劣悪でありまして、かつてベンゾール中毒による死者が出て社会問題となったことがありますが、現在でも、じん肺、プレスによる手指の切断など災害は絶えず発生しているのであります。このような労働条件、労働環境の整備及び家内労働者の保護を、早急にはかる必要があります。  しかも今日の家内労働の増大は、学卒労働力の不足からくる賃金上昇のために、中小企業が家内労働に依存する結果あらわれた現象でありまして、わが国経済の質的向上、二重構造の解消という意味からも、きわめて重要な問題といわなければなりません。また家内労働が増大すればするほど、雇用労働者の労働条件の向上を阻害する要因となっていくことは明らかであります。わが国低賃金の温床的役割りを果たしているこれら家内労働者を、苦汗労働から解放し、あわせて家内労働に依存せざるを得ない諸産業の近代化を促進する上からも、いまや抜本的な立法措置を講ずることは国家の急務であり、年来、わが党が主張してきたところであります。  このような実情と必要に迫られて、政府も臨時家内労働調査会を設置して対策を研究し、また家内労働審議会における具体的検討を経て、今国会に初めて家内労働法案を提案されているのでありますが、政府案は、家内労働者の実態が従属労働の本質を持っていることについて明確なとらえ方がなされておらず、労働者保護の基本的立場が貫かれていないのでありまして、きわめて実効性に乏しいといわなければなりません。ここにあえてわが党の家内労働法案を提案する理由があるのであります。  以下、この法律案の概要について御説明申上げます。  まず第一に、本法案の適用範囲は、同居の親族以外の者を使用しないで家内労働に従事する者に限ることとし、事業主がこれらの家内労働者に物品の製造等を委託する業を営む場合は、行政当局に届け出なければならないことといたしました。  第二に、家内労働者には家内労働者手帳を交付し、労働条件などを委託に際して明記させ、もって委託者の不正を規制することといたしました。  第三に、家内労働者の最低工賃は、社会党提出の最低賃金法案による一般労働者の最低賃金額に見合う額で、都道府県労働基準局長が、地方家内労働審議会の議を経て決定することといたしました。  第四に、家内労働者の労働時間、危険有害業務の委託等について若干の規制を加えるとともに、労働基準法の規定を大幅に準用することといたしまして、一般労働者と同様にその労働条件の改善をはかることといたしました。  第五に、家内労働者が団結して労働条件等につき、委託者またはその団体と労働協約の締結等の交渉をするため、家内労働組合を組織することができることとし、これに労働組合法の規定を準用するとともに、家内労働関係の当事者間において争議行為が発生した場合における、あっせん、調停について規定いたしました。  以上が本法律案の提案理由とその主たる内容であります。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申上げます。(拍手)

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 次に、原労働大臣。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 ただいま議題となりました家内労働法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現在わが国では、問屋や製造業者から委託を受けて、物品の製造、加工等に従事しているいわゆる家内労働者が多数存在しており、その数は、把握し得たものだけでもおよそ百万人に達しておる次第であります。  これらの家内労働者は、作業場所こそ一般に自宅でありますが、委託者から原材料等の提供を受けて、一人で、または家族とともに物品の製造、加工等に従事し、その労働に対して工賃を支払われておるものでありまして、その大部分は、実質的には、雇用労働者に近い性格を持っているものであります。  ところで、これらの家内労働者は、工賃や安全衛生等に関する労働条件が一般的には低く、従来から問題が少なくなかったのでありますが、特に最近の経済の発展に伴い、雇用労働者の労働条件をはじめその他の就業者の就業条件が向上している中にあって、その遅れは特に著しいものがあります。  このため、家内労働に関する対策の必要性は、かねてから指摘されていたところでありまして、政府としては、昭和三十四年、最低賃金法の制定により、さしあたり、最低賃金と関連のある家内労働者については、最低工賃を決定し得ることとして工賃面についての保護をはかったものでありますが、たまたま同時期に、ヘップサンダルの製造に従事する家内労働者にベンゼン中毒問題が発生し、これらを契機として、総合的な家内労働対策樹立への要請が高まってきたのでございます。  このような情勢にかんがみ、労働省は、昭和三十四年十一月、臨時家内労働調査会を設置して家内労働の実態把握と家内労働対策の検討をお願いいたしていたところ、昭和四十年に、「わが国家内労働の現状に関する報告」を提出されるとともに、今後の家内労働対策の進め方について見解を示されたのであります。  これにより、わが国の家内労働の実態は、きわめて複雑で、かつ、多岐多様にわたり、その対策は、なお慎重な審議を要することが明らかとなりましたので、政府は、同調査会の見解に従って、昭和四十一年、労働省の付属機関として家内労働審議会を設置し、法制的措置を含む総合的家内労働対策の検討をお願いして、昭和四十三年十二月、同審議会の全員一致の答申を受けたのであります。  この答申は、臨時家内労働調査会以来十年の長きにわたって調査審議した結果に基づくものでありまして、政府としては、これを十分に尊重して、ここに家内労働法案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。  第一には、委託者と家内労働者との委託関係を明確化するため、委託者は、家内労働者に家内労働手帳を交付しなければならないことといたしております。  すなわち、委託者と家内労働者との間における契約内容は、従来必ずしも明確でなく、無用の紛争の原因ともなっていますので、委託者が交付した家内労働手帳に、委託等のつど、必要事項を記入することにより、家内労働者の工賃等の権利保護に役立てようとするものであります。  第二には、家内労働者及びその補助者の就業時間が長時間のものとならないよう委託者及び家内労働者に対して努力義務を課するとともに、行政官庁が就業時間の適正化に関し必要な勧告をなし得ることといたしております。  すなわち、家内労働者が何時間就業するかは、家内労働の性格からして本来自由でありますが、その健康を害し、工賃単価にも悪影響を及ぼすような長時間の就業は好ましいことではありません。しかし、家内労働の実態から画一的にこれを規制することはきわめて困難でありますので、このような措置により、その自主的な努力を促そうとするものであります。  第三には、工賃の確保をはかるために、その支払い方法について必要な規定を設けております。  すなわち、工賃は、原則として、全額通貨により物品の受領後一カ月以内に、または毎月一定期日を工賃締め切り日とする場合はその日から一カ月以内に支払わなければならないことといたしております。  なお、産地等の実態により、直ちにこの規定を適用することが著しく困難な場合については、行政官庁は、審議会の意見を聞いて、当分の間、別段の定めをすることができる旨の経過措置を設けて、無用な混乱を生じないよう配慮をいたしております。  第四には、工賃の低廉な家内労働者についてその改善をはかるため、行政官庁は、審議会の意見を尊重して、最低工賃の決定をすることができることといたしております。  すなわち、最低工賃については、現在最低賃金法において、最低賃金の有効な実施を確保するため必要な限度においてこれを決定し得ることとなっておりますが、今後は、最低賃金との関係のみでなく、家内労働者の工賃の問題として、最低賃金との関係も考慮しつつ、工賃の低廉な家内労働者に対し工賃の最低額を定め得ることとしたものであります。  この場合において、最低工賃を決定するにあたっては、同一地域における同一又は類似の業務に従事する労働者に適用される最低賃金との均衡を考慮することといたしております。  第五には、委託者及び家内労働者は、危害を防止するために必要な措置を講じなければならないこととするとともに、行政官庁はこれらに対し、必要により委託の禁止、その他必要な措置を命じ得ることといたしております。  すなわち、安全及び衛生の確保に関し、委託者及び家内労働者が守るべき必要な措置を労働省令で定めることとし、この場合、家内労働者の補助者についても、必要な保護がなされ得るよう配慮いたしております。  第六には、家内労働に関する重要事項を調査審議するための審議機関を、中央及び地方に設けることといたしております。  すなわち、労働省に中央家内労働審議会を、政令で定める都道府県労働基準局に地方家内労働審議会を置くこととし、地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局の地方労働基準審議会に家内労働部会を設けることといたしております。また、これらの審議機関は、家内労働者代表、委託者代表及び公益代表各同数の委員をもって組織することといたしております。  その他、委託の打ち切りの予告、委託者の届け出、労働基準監督官の権限及び違反の防止等に関する所要の規定を設けるほか、関係法令に関する整備を行ない、もって本法案の円滑な実施を期しておるのであります。  以上申し述べましたとおり、本法案は、最低工賃を除き、従来全く法律の対象になっていなかった家内労働者に対して、新たに法的保護を加え、家内労働者の労働条件の向上をはかり、もってその生活の安定に資することを目的とするものであります。  しかしながら、家内労働問題は、各般にわたる困難な諸問題を内包しておりますので、これが運用にあたっては、法制定の趣旨について関係者の十分なる理解と協力を得て、実情に即しつつその円滑なる実施につとめるとともに、今後とも引き続いて検討を重ね、本法の施行その他の行政措置の結果をまって、逐次法的整備をもはかってまいりたい所存でございます。  以上この法律案の提案理由及びその概要につき御説明申し上げました。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。      ————◇—————

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 次に、厚生年金保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。     —————————————年金の支給範囲を拡大する等両制度について改善を加え、被保険者に対する年金による所得保障の充実を図る必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。     —————————————

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 提案理由の説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいま議題となりました厚生年金保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  まず、厚生年金保険法の一部改正について申し上げます。  厚生年金保険は、昭和十七年に発足して以来すでに二十七年の歳月を経ておりますが、現在二千万人をこえる被保険者を擁し、年金受給者は九十万人をこえる状況となっており、国民年金と並んでわが国公的年金制度の中核となっているのであります。本年はちょうど財政の再計算期に当たっておりますが、従来からこの財政再計算期には、同時に給付の改善をもはかってまいっているのであります。前回の財政再計算期におきましては、いわゆる一万円年金の大幅な改善が行なわれ、それまでとかく社会保障各制度の中でも立ちおくれがちであった年金制度が飛躍的に向上したのでありますが、その後も国民生活水準の上昇は目ざましいものがあり、他方、人口の老齢化現象は、ますます年金制度の国民生活の中における重要性を高めているのであります。  このような事情を背景として、現に年金を受けている人々あるいはこれから年金を受けようとする人々の制度改善に対する要望も年を追って強くなっております。このため、今回の改正におきましては、まず年金給付の水準の一そうの充実をはかることとし、改正の翌年度の中間にあたる昭和四十五年十月に新たに発生する年金についてその平均的な年金額が、妻に対する加給年金を含めおおむね月二万円と、また単身の場合でも昭和四十六年十月には同様におおむね月二万円となるよう改善を行なうことといたしたものであります。  以下、改善法案のおもな内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、基本年金額の引き上げについてであります。  まず、定額部分につきましては、現行の被保険者期間一月につき二百五十円でありますのを四百円に引き上げることといたしております。また、報酬比例部分につきましては、平均標準報酬月額の算出にあたり、昭和三十二年十月前の低い標準報酬月額は計算の基礎とせず、それ以後の標準報酬月額を用いること及び過去の一万円未満の標準報酬月額を一万円とみなすことにより、その引き上げをはかることといたしております。  第二に、加給年金額につきましては、現行では一人につき一律に四千八百円でありますのを、配偶者については一万二千円、第一子については七千二百円にそれぞれ引き上げることといたしております。  第三に、老齢年金の支給対象者の範囲の拡大についてでありますが、第一点といたしまして、現在の制度では、六十五歳未満の者は、被用者として働いている限り年金は支給されないこととなっておりますのを、報酬月額が一万円以下である被保険軒につきましては、この要件を緩和し、老齢年金の八割相当額に加給年金額を加えた年金を支給することといたしております。  第二点といたしまして、高齢者について老齢年金の受給資格期間を短縮し、明治四十四年四月一日以前に生まれた者については、十年の被保険者期間があれば、年金を支給することとしております。  第三点といたしまして、退職後老齢年金の受給開始年齢に到達するまでの間に一級または二級程度の廃疾状態となった場合には、現在老齢年金を繰り上げて支給することとなっておりますが、これを三級程度の廃疾にまで広げることといたしております。  第四に、障害年金及び遺族年金の最低保障額につきましては、現行の六万円を九万六千円に引き上げることといたしております。  第五に、標準報酬につきましては、最近の賃金水準等の実態を反映させ、現行の七千円から六万円までの二十三等級を、一万円から十万円までの二十八等級に改めることといたしております。  第六に、保険料率の改定についてであります。  保険料率は、現行法では、昭和四十五年五月には一般男子の場合で千分の六十に改定されることとなっているのでありますが、今回の改正においては給付の大幅な改善を行なうこととしておりますので、料率も千分の六十五に改定することとし、女子、坑内夫についてもそれぞれ同程度の料率改定を行なうことといたしております。なおこの料率は、前回の改正と同様、修正積立方式をとることによる暫定保険料率でありまして、今後、保険財政が均衡するまでの間、段階的に引き上げられるべきものであります。  第七に、五人未満事業所の適用についてであります。  五人未満事業所につきましては、厚生年金の適用拡大をはかる方針のもとに、他の社会保険制度との関連も考慮しつつ、さらにこれが実現のため努力をいたすことといたしております。  第八に、既裁定年金の引き上げについてであります。現に支給されている各年金につきましても、以上申し上げました改善と同様な方法でそれぞれ年金額の引き上げを行なうこととしております。  次に、船員保険法の一部改正について申し上げます。  船員保険制度は、陸上労働者に対する社会保険各制度に対応する各部門を包含しておりますが、本改正案は、年金部門についてさきに述べました厚生年金保険の改正に準じ給付改善、老齢年金の支給対象者の範囲の拡大等をはかるとともに、標準報酬、保険料率について所要の改正を行なうものであります。  最後に、実施の時期につきましては、昭和四十四年十一月一日からといたしております。  以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 次回は明後四日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時一分散会

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