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61回国会衆議院1969/06/25

社会労働委員会 第30号

発言数
122
登壇者
9
会派数
3
開催日
1969/06/25

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  国民年金法の一部を改正する法律案に関し発言を求められておりますので、これを許します。八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 国民年金法の一部を改正する法律案に関して質疑の続きをさしていただきたいと思います。  この前には、拠出制年金の重要な諸問題、諸点について論議をいたしまして、それを各同僚の委員間、理事間で御協議をいただきたいということを提起をいたしておきました。きょうはその続きをやりまして、それからその大事な根本点に最後に戻りたいと思います。  最初に、この前御出席になりませんでした労働大臣に、質問を先にいたします。  先日、労働大臣は私どもの出席要求にかかわらず御出席になりませんでした。再三出席要求を委員長のほうからしていただきましたけれども、あのような状態になるまでに御出席がなかったことは非常に当を得てないことだと思います。これは、労働大臣がなまけておられたのか、あるいは途中の連絡が不十分であったのか、どちらかと思いますけれども、どちらにいたしましても、こういうことのないようにひとつしていただかなければならないと思いますが、労働大臣のこの点についてのお答えを願いたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 過般の当委員会のお呼び出しがございましたときには、参ることは参ったのですが、少し時間のズレができまして、私がこの三階の廊下へ赤坂のほうからかけつけてきまして、この入口から五十メーターのところまで来たときには、もうすでに大きな声で、もう散会したときで、ようやく間に合うかと思って来ましたところが、間に合いませんでした。まことに申しわけなかったと思っております。どうぞあしからず。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その際、労働政務次官や局長に伺ったわけでございますが、実は厚生大臣を中心に国民年金法の一部を改正する法律案について質疑をいたしておったわけでございますが、国民年金の適用者というのは、非常に条件の悪い、またはいろんな権利が確立されておらない労働者がたくさん入っているわけでございます。通常の労働者は、厚生年金保険を中心としていわゆる共済組合の長期給付あるいは船員保険の年金部分というところに加入をされているわけでございますが、五人未満の事業所が適用になっていなかったり、あるいは日雇い労働者が適用になっていなかったり、そういうことで、非常に条件の悪い中で苦労をしていられる労働者の方々の年金制度が非常に不十分なわけであります。その問題を根本的に解決するために、厚生省の所管事項であろうとも、労働者に対して積極的に問題を進めなければならない省を主管され、また、こういう問題について同じ社会保障の問題を担当しておられる省でもあり、また国務大臣として、こういう問題について厚生大臣と協力をして内容を充実する、そしてルートに乗るというような努力をされなければいけないと思います。その点について労働省関係に御質問を申し上げたわけであります。これは、日雇い労働者あるいは五人未満の事業所の労働者に厚生年金が適用になるように、厚生大臣と協力をして閣内で一生懸命な御推進をしていただかなければならないと思いますが、それについての労働大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 この零細企業の労働者に対する社会保険の充実、強化につきましては、労働省としても大いに意を用いておるところでございます。それで、失業保険とか労災保険の改正法案も、本国会に提出いたしておるような次第でございます。お尋ねの国民年金につきましても、これらの労働者の福祉向上のために十分関心を持っておりまして、今後ともその充実については、厚生大臣とよく話し合い懇談して十分力をいたしたい決意でございますので、ここにその決意のほどを申し上げておきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私は早口だからかもしれませんが、労働大臣、質問申し上げたことを十二分に理解しておられない。取り違えて御答弁になっておるように思います。  順次申し上げますけれども、いま申し上げたのは、すべての労働者に労働者の年金を適用するために、厚生年金保険法を五人未満の事業所または日雇い労働者に適用するために、厚生省と協力をして推進をされるかどうかという問題であります。ひとつ前向きな決意をぜひ明らかにしていただきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 お説のとおり、社会保険の一環としてそういう方面に向かっても、厚生大臣と協力して十分積極的に努力する考えでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そこで現在は、そのような非常に生活に苦闘している労働者の方々が、国民年金法の適用を受けているわけであります。その国民年金法の改正案がいま審議をされているわけです。そこで、その国民年金法の改正案が、そのような生活が楽でない労働者にとって、比較的に見てもぐあいのいいように、悪くならないように、その問題が労働者にとって役立つ方向に国民年金がよくなっていかなければならないと思う。ところが今度の国民年金法では、いわゆる所得比例制というのが先につくられて、それで収入があると称して、たくさん収入のある人がその適用を任意で受けられる、そして国庫負担の二五%を引っぱり出すことができるということになっているわけであります。所得の少ない人たちは、それは事実上適用を受けられないということになっているわけであります。特に、国庫負担というような国の大切な貴重な資金を使うわけでございまするから、これが公平にみんなに均てんするように、特に低所得の労働者に均てんするように、そのような仕組みにならなければいけないのに、今度の原案はその点では非常に欠陥があると思うわけであります。その点については厚生大臣を中心として論議をいたしました。先ほども申し上げましたように、一番大事な点でございますから、きょうの最後の締めくくりでその論議をいたしたいと思いますが、労働大臣はそういう問題について、所得比例制ができるなら、どんな貧しい家庭でも一軒一人はみんな適用を受けられる、強制適用である国庫負担が一軒一人は全部回ってくる、しかも強制によって保険料があるならば、それを納入する困る労働者に一たとえば、いま失対労働者の諸君であれば、普通の国民年金の拠出制は免除になっております。それが、そのような二段階目のところも免除が適用になって、しかも、いまの不十分でございますが、その国庫負担の部分だけは、保険料を払わなくても年金原資として積み立てられているわけでありますが、そのことが今度の新制度にも及ぶようにならなければ——及ぶようになってもまだ不十分なんですけれども、及ぶようにならなければ、そうした意味において社会保障の逆行になるわけです。そういう点を厚生大臣はじっくり考えていただいておりますけれども、それを、ほんとうに閣内でちゃんとそれが早くスムーズにいかれるように、労働者保護の立場にある労働省を主管される労働大臣は、この問題をほんとうに深く理解して、真剣に考えて、厚生大臣とともに、そのように、いわゆる所得比例制が正しい方向にいくように努力をされる必要があろうと思います、それについての労働大臣の見解と決意のほどを伺っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 いま八木先生の御説のとおりでございまして、必ずしも御期待に沿わない点もあろうかと思いますが、厚生省のほうも逐次これを改善したいという意向を申しておられますし、私たちといたしましても、御趣旨に沿うように、これから厚生省を励まし鞭撻して御期待に沿うように尽力する決意であります。また、閣議等におきましてもそういう発言をして、御期待に沿うことをここに御約束を申し上げます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 では、その問題についてまた労働大臣に御発言をいただくこともあると思いますが、厚生大臣を中心にこの前の残りのほうを先にやります。あと一番本題のほうにまた戻ってまいりたいと思います。  この前、拠出制年金の問題について、積立金運用の問題について御質問を申し上げようと思ったときにあのような混乱になりましたが、積立金の運用についてはいまどのように行なわれているか、これは政府委員でけっこうでございますから、簡単にひとつ伺っておきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 積立金は資金運用部資金に預託されておるのでございます。財投計画の一環として運用されておりますが、そのうち二五%は、いわゆる還元融資といたしまして、直接被保険者の生活に関係のある施設の造成等に利用されておる、こういう状況でございます。をやりまして、それからその大事な根本点に最後に戻りたいと思います。  最初に、この前御出席になりませんでした労働大臣に、質問を先にいたします。  先日、労働大臣は私どもの出席要求にかかわらず御出席になりませんでした。再三出席要求を委員長のほうからしていただきましたけれども、あのような状態になるまでに御出席がなかったことは非常に当を得てないことだと思います。これは、労働大臣がなまけておられたのか、あるいは途中の連絡が不十分であったのか、どちらかと思いますけれども、どちらにいたしましても、こういうことのないようにひとつしていただかなければならないと思いますが、労働大臣のこの点についてのお答えを願いたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 過般の当委員会のお呼び出しがございましたときには、参ることは参ったのですが、少し時間のズレができまして、私がこの三階の廊下へ赤坂のほうからかけつけてきまして、この入口から五十メーターのところまで来たときには、もうすでに大きな声で、もう散会したときで、ようやく間に合うかと思って来ましたところが、間に合いませんでした。まことに申しわけなかったと思っております。どうぞあしからず。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その際、労働政務次官や局長に伺ったわけでございますが、実は厚生大臣を中心に国民年金法の一部を改正する法律案について質疑をいたしておったわけでございますが、国民年金の適用者というのは、非常に条件の悪い、またはいろんな権利が確立されておらない労働者がたくさん入っているわけでございます。通常の労働者は、厚生年金保険を中心としていわゆる共済組合の長期給付あるいは船員保険の年金部分というところに加入をされているわけでございますが、五人未満の事業所が適用になっていなかったり、あるいは日雇い労働者が適用になっていなかったり、そういうことで、非常に条件の悪い中で苦労をしていられる労働者の方々の年金制度が非常に不十分なわけであります。その問題を根本的に解決するために、厚生省の所管事項であろうとも、労働者に対して積極的に問題を進めなければならない省を主管され、また、こういう問題について同じ社会保障の問題を担当しておられる省でもあり、また国務大臣として、こういう問題について厚生大臣と協力をして内容を充実する、そしてルートに乗るというような努力をされなければいけないと思います。その点について労働省関係に御質問を申し上げたわけであります。これは、日雇い労働者あるいは五人未満の事業所の労働者に厚生年金が適用になるように、厚生大臣と協力をして閣内で一生懸命な御推進をしていただかなければならないと思いますが、それについての労働大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 この零細企業の労働者に対する社会保険の充実、強化につきましては、労働省としても大いに意を用いておるところでございます。それで、失業保険とか労災保険の改正法案も、本国会に提出いたしておるような次第でございます。お尋ねの国民年金につきましても、これらの労働者の福祉向上のために十分関心を持っておりまして、今後ともその充実については、厚生大臣とよく話し合い懇談して十分力をいたしたい決意でございますので、ここにその決意のほどを申し上げておきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私は早口だからかもしれませんが、労働大臣、質問申し上げたことを十二分に理解しておられない。取り違えて御答弁になっておるように思います。  順次申し上げますけれども、いま申し上げたのは、すべての労働者に労働者の年金を適用するために、厚生年金保険法を五人未満の事業所または日雇い労働者に適用するために、厚生省と協力をして推進をされるかどうかという問題であります。ひとつ前向きな決意をぜひ明らかにしていただきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 お説のとおり、社会保険の一環としてそういう方面に向かっても、厚生大臣と協力して十分積極的に努力する考えでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そこで現在は、そのような非常に生活に苦闘している労働者の方々が、国民年金法の適用を受けているわけであります。その国民年金法の改正案がいま審議をされているわけです。そこで、その国民年金法の改正案が、そのような生活が楽でない労働者にとって、比較的に見てもぐあいのいいように、悪くならないように、その問題が労働者にとって役立つ方向に国民年金がよくなっていかなければならないと思う。ところが今度の国民年金法では、いわゆる所得比例制というのが先につくられて、それで収入があると称して、たくさん収入のある人がその適用を任意で受けられる、そして国庫負担の二五%を引っぱり出すことができるということになっているわけであります。所得の少ない人たちは、それは事実上適用を受けられないということになっているわけであります。特に、国庫負担というような国の大切な貴重な資金を使うわけでございまするから、これが公平にみんなに均てんするように、特に低所得の労働者に均てんするように、そのような仕組みにならなければいけないのに、今度の原案はその点では非常に欠陥があると思うわけであります。その点については厚生大臣を中心として論議をいたしました。先ほども申し上げましたように、一番大事な点でございますから、きょうの最後の締めくくりでその論議をいたしたいと思いますが、労働大臣はそういう問題について、所得比例制ができるなら、どんな貧しい家庭でも一軒一人はみんな適用を受けられる、強制適用である国庫負担が一軒一人は全部回ってくる、しかも強制によって保険料があるならば、それを納入する困る労働者に一たとえば、いま失対労働者の諸君であれば、普通の国民年金の拠出制は免除になっております。それが、そのような二段階目のところも免除が適用になって、しかも、いまの不十分でございますが、その国庫負担の部分だけは、保険料を払わなくても年金原資として積み立てられているわけでありますが、そのことが今度の新制度にも及ぶようにならなければ——及ぶようになってもまだ不十分なんですけれども、及ぶようにならなければ、そうした意味において社会保障の逆行になるわけです。そういう点を厚生大臣はじっくり考えていただいておりますけれども、それを、ほんとうに閣内でちゃんとそれが早くスムーズにいかれるように、労働者保護の立場にある労働省を主管される労働大臣は、この問題をほんとうに深く理解して、真剣に考えて、厚生大臣とともに、そのように、いわゆる所得比例制が正しい方向にいくように努力をされる必要があろうと思います、それについての労働大臣の見解と決意のほどを伺っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 いま八木先生の御説のとおりでございまして、必ずしも御期待に沿わない点もあろうかと思いますが、厚生省のほうも逐次これを改善したいという意向を申しておられますし、私たちといたしましても、御趣旨に沿うように、これから厚生省を励まし鞭撻して御期待に沿うように尽力する決意であります。また、閣議等におきましてもそういう発言をして、御期待に沿うことをここに御約束を申し上げます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 では、その問題についてまた労働大臣に御発言をいただくこともあると思いますが、厚生大臣を中心にこの前の残りのほうを先にやります。あと一番本題のほうにまた戻ってまいりたいと思います。  この前、拠出制年金の問題について、積立金運用の問題について御質問を申し上げようと思ったときにあのような混乱になりましたが、積立金の運用についてはいまどのように行なわれているか、これは政府委員でけっこうでございますから、簡単にひとつ伺っておきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 積立金は資金運用部資金に預託されておるのでございます。財投計画の一環として運用されておりますが、そのうち二五%は、いわゆる還元融資といたしまして、直接被保険者の生活に関係のある施設の造成等に利用されておる、こういう状況でございます。をがさがさ言う者がある。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 どうぞ……。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 どうぞでなしに、静粛にするように言ってください。特に齋藤君みたいに、質問の最中に横あいから言うくせのある男は、二、三回言ったら退場を命じてください。  したがって、いま資金運用部の中で、郵便貯金の郵便局関係のほうの資金と年金の資金を分けて考えておられる。これを資金運用部審議会というところで、資金運用部というところで一括をしておられるけれども、この年金についてはその部門で別な審議会が必要だ。またその部分を七五%と二五%に分けていられるようだけれども、一〇〇の一〇〇までは年金は国民のために役に立つほうに入れなければいけないし、またその中の還元融資の率は、これは飛躍的に増大しなければならない。  いま理財局の次長は大蔵省のベースで答えられた。大蔵省のベースとしては猛烈に反動的ではないけれども、大蔵省ベース自体が反動的でありますから、これはいかぬのです。二五%が妥当であるような発言があったようだけれども、それではいけない。二五%は本来は一〇〇にしなければいけない。いまの時点で、そのほかの省があるとしても、少なくとも五〇%くらいに高めなければいけない。そして資金運用部資金の中から年金の運用については別の審議会をつくる、また特別融資あるいは還元融資の運用についてはそれ自体の審議会が必要である、そういうことにならなければ、ほんとうの年金の積立金についての権利を持っている人たちの権利が抑圧をされる。ほんとうの年金の積立金の運用の精神に合わないことになるわけです。  そのようなことをひとつぜひ深く認識をされて還元融資の率を上げる。そしてまた郵便局、郵便貯金関係のものと、それからもう一つ年金積立金関係の間の扱いを変えるためにそういう審議会をつくる。還元融資、特別融資についても審議会をつくる。そこには労働者や被保険者が過半数参加をして、いわゆる学識経験者の人たちの意見だけではなしに、ほんとうに被保険者の意思によって運用が行なわれる、そのようにしていかなければならないと思うわけであります。その前向きの方向をぜひ出していただきたいと思います。そういう精神を少しでもわきまえれば、いまの厚生年金の二百億について、七十億になった、三五%になった、おくればせに今度はふえた分だけそうした、そのようなちょびっとしたことを国民年金にすぐできないという答弁はないはずだ。それはすぐ出せるはずだ。そういうことについて、おくれていて申しわけありませんというような答弁がなければならないと思う。運用について被保険者の意見を重んずる方向で、審議会にそういうような被保険者の代表も過半数入れるようにすること、そして特別融資のワクを広げるようにすること、具体的にはさっき言ったようなことを即刻やることを約束すること、そういうことについて厚生大臣の明確な前向きな御答弁を伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 御意見の次第ももっともと思います。しかし私は、過半数云々ということはどうかと思いますけれども、しかしおっしゃったような精神に従って運用のできるように前向きで検討をいたしたいと思います。また、国民年金の還元融資に使う率も、厚生年金同様に来年度はふやしてまいりますように、最善の努力をいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣の全面的な御推進を期待いたしたいと思います。労働大臣もせっかく出ていられるのですから、それをよく聞かれて、厚生大臣と腕を組んで、それを実現するようにやっていただきたいと思います。大蔵省の方は聞いておられましたから、大蔵大臣に出席してもらい答弁をいただいてもいいのだけれども、断じてそれにブレーキをかけてはならない。厚生省が何を言っても、大蔵省みずから、積立金は被保険者のものである、厚生省はなぜそういうことを主張しないのか、そのくらいのことを言ってもらわなければならない。いまのような間違った考えを脱却して、大蔵省理財局も主計局もそのように考えることを要求いたしておきます。  次に、今度は拠出年金の中で障害者の問題について伺いたいと思います。  これは本会議で厚生大臣にも総理大臣にも御質問を申し上げました。厚生大臣にはこの点について非常に前向きな姿勢を示しておられました。その点、厚生大臣に私は敬意を表しておきたいと思います。その敬意が本物になるように、これからぜひやっていただきたいし、いまも明確な前向きな御答弁をいただきたいと思うわけです。労働大臣にも聞いていただかなければなりませんし、簡潔にその問題を申し上げます。  たとえばいま障害年金というものは、被保険者になってから、一番少ない場合で、保険料を一年間全部払った後に起こった障害でないと適用が受けられない。それ以外、この中に免除があったり何かすると、また妙な制約があるというような状態であります。ただ、その前に一部障害があってその後障害があったときに、その障害は全部足した観点で支給をするというような、ごくわずかな改正が数年前に行なわれましたけれども、その後一向に停とんをいたしております。  この問題で、二十歳から入って一年間の保険料納入後ですから、たとえば二十一歳に全盲になった人と、十五歳に全盲になった人と、五歳に全盲になった人と、生まれつき全盲の不幸な人、それを考えますとき、これは厚生大臣に前に御答弁をいただきましたが、そのように早くから一級障害を受けた人のほうがはるかに気の毒であるし、その方々には、これは残念ながらいまの制度では障害年金の適用がなくて、障害福祉年金というごくわずかな年金、しかも所得制限という制限がついて、全部が適用になるわけではない、そういうような状態で非常な不公平、アンバランスがあるということを申し上げました。厚生大臣は、この点についてほんとうに考えていただいて、これは解決をしなければならないという姿勢を示していただきました。歴代の厚生大臣の中で齋藤さんが、その点について、ことばの表現はとにかくとして、気持ち、決心として一番前向きのお気持ちになっていただいている点を、私うれしく思うわけであります。ぜひこれを至急に、二十一歳未満の人も、生まれつきの人も、全部障害年金の適用が受けられるように推進をしていただきたいと思うわけであります。  私は、ことしの改正案に、実は与野党の熱心な先生方に御相談をして、これの修正を本委員会でしていただきたかったわけであります。しかし、なかなかそこまで話が煮詰まっておりません。その点は残念でございますが、与野党の先生方も、この点については満場一致で、何回も附帯決議がついております。お気持ちは同じでございます。でございますから、政府のほうがその決意をしていただくときじゃないかと思います。少なくとも次の改正案に、この問題が解決した法律案を出されるということをぜひやっていただきたいと思うわけであります。  巷間この問題について、問題の焦点をずらす意図としか思えないことで、児童手当の関連で取り上げたらいいというような妙な議論があるわけであります。ところが、障害者になってから日本人の平均寿命から考えますと、二十歳以後から七十何歳まで生きるとしますと、障害者の部分が大部分なわけです。また、子供のときには親が何とかそれを扶養している部分が多いわけです。したがって、障害年金の問題として解決をされるのが本則であり、それが筋道であります。児童手当関係の付加規定のようなものでやろうということは、それがそのままのことでございましたら、その精神は未熟であります。それはけしからぬことではありますけれども、これは未熟ということであります。そうではなしに、意識的にこれを児童手当の問題だというように論点をすりかえて問題の決定推進をおくらすようなことがあれば、それは非常に悪意なものであります。どっちか知りませんが、そういう議論が二、三あるからということで問題の解決がおくれるおそれがございますことを憂えております。どうかひとつそういうことじゃなしに、ばちっとこのような二十歳未満の人たちの障害年金が支給されるように、法制的に固めていただくことを至急にしていただきたいと思うわけであります。その点について斎藤厚生大臣のぜひ前向きな御答弁を期待をいたしたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいまの点につきましては、前々から御意見を承っておりまして、私の意見も申し述べておる次第でございます。  私は、年金原理から言うと、なかなかむずかしいということを事務当局から聞いておりますけれども、しかしながら、実際問題として非常な不均衡がおかしいということは私も同感でございますので、あるいは擬制的な方法を用いてでも、年金制度の中で解決をするように、事務当局にすでに検討させているわけでございます。私も十分事務当局の検討の結果を聞きまして、そしてできるだけ御趣旨に沿うようにいたしたい。私はその点は八木委員と同じ気持ちでおります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 有意義な御答弁をいただきました。非常にうれしく思います。斎藤厚生大臣の御性格として、非常な熱意を持っておられても、大きな声で断じてやりますと胸をたたいてお答えにならない。そういう御性格でございますが、いまお答えになったことは、そういうゼスチュアがあろうとなかろうと、断じてやり抜くという御決意の御発言だと私は理解をいたしたいと思います。そのことについて非常にうれしく思います。ぜひやっていただきたいと思いますが、それを少なくとも来年度に法制的に確立するようにぜひ御推進を願いたいと思いますが、再度前向きの御答弁をひとつ願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 来年度の改正の際にはぜひこれを織り込みたいと思います。私の気持ちといたしましては、もし違ったような事務的な意見が出てまいれば、知識比べをやって負けてしまえばしょうがありませんが、負けないようにやりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 非常に有意義な御答弁でありがたく、前向きな御答弁で力強く存じます。事務当局も、大臣の御決意をそばでちゃんと聞いておられるし、この社会労働委員会の決議もあなた方は読んでおられるわけであります。それをほんとうに生かすためにも、大臣の御決意を生かすためにも、事務当局がその方向でまっしぐらに努力して、早く成案のいくようにしなければ、事務当局としても責任を負ったものとは言えないと思う。でございますから、いまの大臣のおっしゃった線を実現するために、命がけで全力をひっさげてこれを推進するということを、事務当局を代表して伊部君からきっぱりと明確に御答弁願いたいと思います。もしそれが答えができなければ、即刻年金局長をやめていただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 大臣の御指導を受けまして、万遺憾なきを期したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 もう一回あれですが、大臣にその点感謝の意を申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)喜ぶべきことは喜ぶし、不十分なことはがんがんやる、あたりまえの話です。  その問題に関連いたしてでございますが、私の研究が十二分ではございませんで、一つ抜けておったことがございました。一番社会的に問題ですから申し上げるのですが、いま二十歳未満のことを申しましたけれども、レアケースで予算的にも対象者はごくわずかでございますが、同じことがございます。  たとえば、六十五歳以後に老人が一級障害になり二級障害になったときに、いまの制度では普通の老齢年金というものしか支給されない規定になっている。これもまた同じ趣旨であります。これは非常にケースも少のうございます。予算的にも、いまの二十歳以下の者に比べればはるかに数は少ないのでございますが、これを正確に申しますと、六十歳以上の場合と六十五歳以上の場合がございます。強制適用の場合を考えると、六十歳をこえた者についてはそういう制約があります。任意適用で六十五歳から入る者は六十五歳以後でありますが、その人たちがその時点以後に障害を受けたときに障害年金を受けられるように、ひとつ御推進を願いたいと思います。ぜひ厚生大臣の前向きの御答弁を願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 理屈は同じことだと思いますから、一緒にやりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、この問題に関連して行政運用上の問題を二、三簡単に伺いたいと思います。  障害年金は、先ほど端的に、保険料は全部一年間払ったときにその適用を受けられると言いましたけれども、いろいろそのほかごちゃごちゃ複雑な条件がついているわけです。たとえばその間免除適用があったときには少し年教が違うとかいう条件がついているわけです。そこで実は、長いこと結核で療養しておられる人が、前に保険料を払っておったがあとで保険料を払っておらなかった場合があります。年金は住居主義になっていますから、たとえば斎藤さんの御郷里の三重県の人で東京の療養所に入られたというようなときに連絡が悪いわけです。長期療養ですから、ずっと居住地以外に住んでいて、そのため保険料納入をしていない場合があります。また年金制度は非常にむずかしゅうございます。病気になったせいもありますし、ほうっておいて忘れておったとか、免除申請をして、それから後の免除が適用になったときに、その前まで免除が適用されておると思って前の保険料を払っておらなかったとか、あるいは通知や連絡が来ないで忘れておったとか、いろいろなケースで保険料が部分的に納入されていない場合があるわけです。そういう人たちに、いま紋切り型に、障害が確定してから後、その直前の一定期間の保険料納入がないと、障害年金の適用を受けられないという状態になっておりますけれども、年金制度が非常にわかりにくいこと、住居主義になっていることを考えて、そういう人たちは障害を受けるような長期疾病でございますから、ほかのことを考えられなかった要件がございますので、そういう方々には、気がついたときに前の保険料を納入して障害年金の適用が受けられるように、ひとつあたたかい行政運用をしていただきたいと思うわけです。その点について大臣または局長からひとつ前向きの御答弁をいただきたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘のような問題もございまして、前回の改正におきまして資格期間を障害認定日で見ることにいたしたのでございますが、それにいたしましても、ただいま御指摘のような問題もあるかもしれないと思いますが、そういう点は、施設の管理者等に対しましても、それぞれの所管の局を通じまして適切な注意を喚起するよう努力いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 注意を喚起していろいろ説明をされることは、行政当局として当然されるべきことだと思いますが、そのことのために、形式的に直前の保険料の納入がないので障害認定になっても障害年金が支給されないということは、その障害者にとっては非常に不幸なことでございますから、これは強制適用ですから、この障害が起こって、もしそこで保険料納入がかりに要件に達していなくても、さかのぼってそれを払って障害年金が支給されるように、ひとつそういう行政的な配慮をお願いしたいということであります。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 追納することはできます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 障害が起きてから、障害認定があってから追納できますね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 時効期間は二年でございますので、その間は追納ができます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 時効期間が二年という問題も、これは一つの問題です。民法上の問題と違ってこんな時効を短く設定する必要は一つもないので、国民年金はむずかしい制度だから国民が理解するのに時間がかかるということであれば、国民の権利をほんとうに完全にするためには時効期間というのはできるだけ長くするということを、ひとつ本則的に考えていただかなければならないと思いますが、いま言ったような、時効期間がもしはずれておっても、障害年金を受けるという状態は非常に生活に困る状態でございますから、強制適用で——障害というのはむろんだれもなりたくないものですから、逆選択のおそれは全然ないわけですから、そういう点で、時効二年という問題ではなしに、追納を全部認めて、それで障害年金が支給されるように、ぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思うわけでございます。それについてひとつ……。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 年金制度は、申し上げるまでもなく保険料を集めてそれによって給付を行なうわけでございますので、ただいま御指摘のようなケースはあまり望ましいケースではないのでございますけれども、しかし現実に発生しましたような場合に、時効期間の範囲内におきましては追納はできる、かつ廃疾認定日において資格の有無を判定いたしますから、あとで補正をするということはできるわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ちょっと技術的なことははっきりわかりませんでしたけれども、大体私の申し上げたことをそのとおりやっていただけるということだと思います。  もう一回はっきり申し上げておきますと、認定日のときに、いまの厚生省の障害年金の給付規定に入らなくても、当然これは一番障害年金の必要な人ですし、それから年金制度はむずかしい、連絡が悪い、また住所が変わっておる点もありますから、時効二年ということだけにとらわれずに、そういう点さかのぼって納入をして障害年金の適用を受けさせるようにすることを、これは規則や何か変えなければならないと思いますが、行政的にぜひすぐ前向きにやっていただきたいということについて、ひとつもう一回前向きの御答弁をお願いいたします。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 時効二年間というのは法律の規定でございますので、その点は現行法におきましてはやむを得ない点もございますけれども、いずれにいたしましてもそういう漏れが起きないように最善の努力をいたしたい、かように考えます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 では、ほかの問題もありますからあれですが、こういうことについて周知徹底するように。特に療養所で長期療養の人たちは非常にそういうことがありますから、徹底するように。また、保険料の納入とか給付を受けるというところが、住居地、たとえば三重県で受けなければならないということでなくて、東京でも受けられる、納入できるというようにする。それから、いまの時効のことは法律条項だと言っておるけれども、行政的にそういうことをやっていくと、時効の二年がじゃまになると思います。じゃまになるのだったら、時効二年というものも、二年でなければならないという理屈は一つもないと思います。このケース以外でも、国民の権利をちゃんと保持するために、二年という時効は一般的に短過ぎると思う。これを五年なり長く延ばすように、そういう点でいま行政的にできる最大限度にやっていただく。法律の改正を要するものは、この次の改正のときにこれをやっていただくということをやっていただきたいと思います。総括的にひとつ厚生大臣から御答弁願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 政府がやっております年金制度は国民の福祉のためでございますから、営利会社がやっておるのと違います。したがいまして、善意であるいは納めるのを忘れておった、諸般の情勢から考えてそれはまことにもっともであったというような場合には、あるいは二カ年の時効にかかわらずやれるように法律の改正も必要であろうかと思いますが、具体的に検討をいたしまして、いままでの御趣旨の、善意ある人にはやはり効果が及ぶというようなやり方を考えて進めてまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 いま善意とおっしゃいましたけれども、非常にむずかしい制度ですから、極端に悪意じゃないものはひとつ善意と見て御判断を願いたいと思います。年金制度は、私は年金気違いですからずいぶん知っておりますけれども、しかしこのような手続の問題になると私自身がわからない。ほんとうにむずかしい制度ですからね。ほんとうに悪意が一つもなくても、わからなくて、それでまたほかのことで忙しかったり病気でしんどくて、そういうことで給付を受けられなくなるという人は非常に気の毒なことでございますから、極端な悪意がない限り、全部善意としてひとつ御処理また御推進を願いたいと思います。  その次に、もっと具体的なところに入りますが、時間もある程度経過をいたしましたから大きな問題に入りたいと思いますが、次に大きな問題に入る前に、拠出制の残りのものを少し申し上げておきます。  障害者の問題でございますが、拠出制年金、福祉年金両方に共通な問題でございます。いま、子供に対する加算はございますけれども、配偶者に対する加算というものがございません。障害者の場合には配偶者に対する加算というものが当然必要だと思うわけであります・ほかの場合と違って配偶者に対する加算がないということは、もっと最後まですっと言いますと、障害者は結婚をしないほうが普通の状態だ。もっと悪くいえば、障害者が結婚するということは普通の状態でないという思想まで裏にあるのではないかと勘ぐってもおかしくないような状態でありまして、障害者が当然妻を含めた家族の生活を見なければならないのに、所得能力を障害者ということで喪失をしておるわけでございますから、障害者自体の年金とともに、家族がある間はその生活がそれだけふくらんでいるわけでございますから、障害者の妻の加算というものを、これは障害年金においても、現行の福祉年金においても、考えていかれる必要があるわけです。ひとつ前向きに御検討を願いたいと思うのですが、厚生大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 この点は相当検討しなければならぬ問題だと思いますが、いまおっしゃいましたような御趣旨に従って検討を進めてまいります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、子供の加算の点でございますが、子供の加算について、拠出制年金は、子供が大ぜいになったときの加算が月額四百円で、この拠出制年金が始まってから据え置かれているわけであります。始まってからはもうずいぶんの年代がたっているわけでございまして、その間に、ずいぶん物価も上がっておりますし、生活費も上がっているわけでございます。これは、ほんとうに取りこぼしになったのか、悪意でなくて忘れられたのか、それとも、この辺は主計局がうるさいからがまんをしていこうということになったのか知りませんけれども、非常に片手落ちだと思うわけであります。国民年金の金額のペースが、最初のときに比して非常にたくさんになっております。結局、四倍のペースになっておる。最初の子供の加算が四百円だったんだから、その点でいくと、千六百円にならないとバランスが合わない。四百円でずっと食いとめられたのは、どう考えても不適当だと思います。ただし、ほかの年金との関係もございますけれども、一番年金制度の中核である厚生省の年金局が、ほかの制度の担当局がぼやぼやしていても、何をぐずぐずぼやぼやしているんだということで、あなた方が引っぱってやっていただかなければならぬ。まずもって国民年金、厚生年金等において、その問題をほんとうに時代に合うような金額に改定をされなければならないと思う。これについて厚生大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 子供の扶養加算につきまして、方向として改善を要するという点は先生の御指摘のとおりだと思います。今後その方向で努力をいたしたいと思います。従前は、いわば基本ベースの改善に非常に力を注がれてきたわけでございますが、今後は、もちろんそのこともありますけれども、と同時に、扶養加算につきましても今後も努力をしなければならぬ、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 いま年金局長のお答えがありましたが、厚生大臣にひとつお答えをいただきたいと思います。  これは、ほんとうに四百円が、この国民年金で具体的に十年近く、厚生年金もずいぶん長いこと、これはもうほんとうにおかしなことでございますから、ぜひ至急に、・両年金ともに、この多子加算について、福祉年金も含めて、これを時代に合うように引き上げていくということを至急にやっていただきたいと思います。それについての厚生大臣の御決意をひとつ伺っておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 年金局長の答えましたように、至急に検討をいたしたい、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 母子年金の最低保障額が、今度の国民年金法案では七千六百円になっていると思います。厚生年金のすべての最低基準が八千円になっていると思いますので、これは、七千六百円というのは、ちびったどころじゃなくて、八千円に合わせられてしかるべきだと思いますが、それについてひとつ事務当局のほうから……。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘のように、母子年金と厚生年金の遺族年金と若干差があるのでございます。これは、従来から国民年金の母子年金が子二人で二十五年の老齢年金のペースとそろえるという伝統に従ったのでございますが、今後の問題として、やはり両制度をそろえるような方向で努力したいと考えております。今回は、先生御存じと思いますが、遺児年金につきましては三倍の引き上げを実施いたしたわけでございますが、そういったこともございまして、まあ、若干差はあるけれども、今回はこれでこらえていただいたわけでございますけれども、今後はぜひそろえるような方向で努力したい、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 これは厚生大臣も同じお考えだと思います。先に進みます。  次に、では、根本的な問題を除いて、福祉年金のほうに移りたいと思います。  福祉年金のまず最初の問題でございますけれども、各委員からいろいろな角度で福祉年金の問題は取り上げられました。私も本会議で提起をし、その前から提起をいたしておりましたが、この中心であります老齢福祉年金については、本年度この改正案で月額千八百円、百円アップであります。ところが、国民年金制度の始まったときに、あのときの計算では、六十五歳開始三千五百円というものは四十年間保険料を払い込んだときの計算でございました。いま基本ベースとして、いつも言っておられる二十五年払い込みのベースは六十五歳、月二千円のベースであります。そのときに始まった福祉年金が月額千円であります。その後国民年金が夫婦一万円年金ということで、単独五千円で二倍半のベースになって現在に及んでおります。そのペースでいくと、現在までに老齢福祉年金は二千五百円に当然前からなっていなければならないところであります。今回国民年金法の拠出制年金が六割増しになって、一番最初からいくと四倍になっている。そうなると、今度は四千円ベースでないとバランスが合わないということになる。その四千円のベースであるべきところが、千七百円が千八百円、百円アップ、これはびっくりぎょうてんするほどの、まあ軟弱なへっぴり腰の態度です。大蔵省がさようなへっぴり腰なものに削減したのも言語道断でございますが、要求は、大体、千九百円要求、これが大体最もけしからぬ点であります。なぜそのような腰の抜けた要求をされたか。この点については徹底的に考え直して、腰を据えて福祉年金を引き上げる、急速に引き上げるという態度を示していただかなければならないと思います。それについての厚生大臣のお考えを伺っておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 この問題につきましては、本委員会において各委員の方からも御意見がございました。私は、福祉年金と拠出年金が当初できめられたそれに比例してずっと上がっていかなければならないかどうかというこの点については、ちょっと考えさしてもらわなければならないと思いますが、このたびの百円のアップは、これは十分ではないと考えます。来年度はこれに倍するぐらいのアップをぜひはかりたい、他の委員の方にも申し上げたとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この前ほかの委員が御質問のときに年金局長が答弁をしていられたのを私伺っておりました。その後、与党の方が相談があるということでそちらのほうに耳をかしましたので、それで全部最後まで聞いておりませんが、その委員の方に伺うと、年金局長の答弁は、いまも厚生大臣が、そういうことはあるけれども考えなければならないという前向きの姿勢で御答弁になりましたけれども、拠出制年金と福祉年金は性質が違うからというような御答弁を最初やっていられたのを承りました。これは伊部年金局長が、こういう答弁でいまの福祉年金の引き上げが少ないことをのがれようという防衛的答弁をなされたことは、これは間違いだと思います。しっかりその要求が少なかったことを反省されて、四千円にすべきである、力が足りなかった、これからもほんとうに命がけでやるという答弁があってしかるべきだと思う。特にその委員の御質問に対しては、福祉年金と拠出制年金が違うからとだけおっしゃいました。年金局長のほうは十分おわかりのところであります。福祉年金は、あとでこの問題の関連がありますけれども、いま七十歳開始です。しかも所得制限があるわけです。福祉年金を四千円にしたところで、まだ七十歳開始でありますから、四千円の七十歳開始を六十五歳開始に換算をすれば、二千円ちょっとにしかならないわけであります。四千円でもバランスが合わない。六千円ぐらいにしなければなりません。そういう問題点のあることをおっしゃらずに、福祉年金だから、問題が違うんだから、四千円にならなくてもいいんだというような考え方を原局の局長が持ったらとんでもないことです。原局の局長こそは、四千円がしかるべきだ、それだけでは足りないんだ、これは七十歳開始だから、六十五歳開始にしたら六千円ぐらいにしないとバランスが合わない。しかも所得制限をされているので、ほんとうに生活に困る老人に差し上げるのだから六千円が八千円になったって筋が通るのです。そのような考え方でこたえるような態度でなければ、福祉年金が多くならないと思う。そういう点について根本的に考え方を改めて、態度を改めて、福祉年金の増額要求をやるという決心をしてもらわなければならない。伊部年金局長の改心した上での明確な答弁を願いたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 福祉年金の改定につきましては、ただいま大臣から御答弁があったとおりでございます。年金局といたしましても、当委員会におきましていろいろな御議論があったのでございまして、それを十分参酌しつつ改善に努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣を差しおいて局長に質問して、その点、順序が違いましたので……。  しかし、年金局がこの数年来非常に腰が弱くて、大臣が熱意を持っておられても、それはなかなかいきませんとか、大体そういう状況なのです。ことしの二百円要求なんというのは問題になりません、これは。始まったときからいままでの物価指数——いまの千七百円というのは昔の千円と同じなのです。ひとつも年金制度は伸びていない。特に、いまの緊急な老人や、障害者や、母子家庭に対しては、伸びていないのです。それをひとつ、十分おわかりになっている厚生大臣ですから、いま年金局長も改心をしましたから、断固として来年は少なくとも四千円要求をする。それは大蔵省が、毎年百円か二百円だから、せいぜいそれくらいでとめておいてくれという低次元の、ただ数字合わせだけのそういう態度で応接をしたら、それは断じてけしからぬことになるということを、ひとつ大蔵省の人も耳をほじくって聞いていただきたい。いままでおくれておったのだから、毎年のぺ−ス二百円が間違っておったのだから、今度は四千円要求をされても、いままでの間違いを改心をして、四千五百円にすることを考えましょうかというくらいのことを言う、このような態度で主計局はそれに対処してもらわなければならないし、そういうことのためにも、この間船後君に言ったような、各省の要求を二五%に押えるというような紋切り型のやり方で主計局が政治のアクセントをなくしている。そういうことを反省して、主計局はこれに対処し、積極的に厚生省に協力する。厚生省がまけていたら、大蔵省自体、やはり大切な任務をあずかっているものとして、それでは少ないじゃありませんか、そういうことを言う、そういう態度で大蔵省は処理していただかなければならないと思う。船後君の答弁は求めませんが、大蔵大臣に即刻それを報告して、大蔵大臣がもしそれに疑問があったならば、社会労働委員会にいつでも出席をして、その問題について御意見を承りたいと積極的に申し出る、そういうふうにするようにしてもらいたい。政務次官おられますから、いまの問題について大蔵省を代表して、上村政務次官からひとつ前向きの答弁を願いたい。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 八木先生も予算編成につきましては、予算委員としてベテランでございますから、もう十分御承知と思いますが、大体二五%従来はやっておりまして、一応目安はつけておりますが、しかし、そのときの大蔵大臣の御方針によりまして、一応の下地をつくって、そして内閣の閣議でいろいろ御討議をされて方針を決定する。しかしながら、それは大体事務当局の見解の程度のならしでございまして、重要政策につきましては、各閣僚間におきましていろいろと御検討されたり、あるいは与党政治でございますので、党の御意見等も入ってきたりいたしまして、事務段階におきまして、昨年度の何%アップとかいうような一応の目安はつけておりますけれども、しかし、決してそのために各閣僚の御意見、あるいは各省の重要政策というようなものにつきまして、どうこうということではないわけでございますので、いま先生が御懸念になっておる点は今後十分気をつけていきたい、こう思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣に御質問申し上げます。  ほかの問題ももちろんありますけれども、この福祉年金の金額の大幅引き上げということを中に盛った改正案を、ぜひ来国会に出していただかなければならない。それについての厚生大臣の明確な答弁を願います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 来年また福祉年金の引き上げの努力をいたしますと申しますことは、この委員会で、また他の委員さんにもお約束をいたしました。また先ほど八木委員にもお答えいたしましたとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その場合に、毎年のペースの百円、二百円とか、三百円というようなつつまし過ぎる要求じゃなしに、いま大蔵省の代表として上村さんからも御答弁がありましたので、二五%のワクなんということは閣議で取っ払っていただかなければなりませんし、そういう点でほんとうに国民の立場に立って、いままでのようなちびったペースではなしに、勇敢に当然の要求をなさるということをやっていただきたいと思います。  次に、その場合に関連してでございますが、老齢福祉年金のことを申し上げましたけれども、障害福祉年金、あるいはまた母子福祉年金についても同様であります。私は障害福祉年金について非常に大切だと思うのですが、先ほど申し上げました、厚生大臣が熱意を示した、お約束をいただいたことを解決するならば、障害福祉年金の問題は解決するわけであります。でございますから、障害福祉年金は非常に大事だけれども、あまり詳しくは触れません。しかし、ぜひ先ほどの問題を解決して、障害福祉年金の問題について論及しないで済む、障害者は、全部障害年金がもらえるようにしていただきたいと思います。母子福祉年金についても当然これを引き上げるということをやっていただきたいと思います。また、障害福祉年金が残念ながらあと一年間残らざるを得ないという場合には、障害福祉年金の引き上げ、またはその配偶者の加算、あるいは子供の加算、そういうことについても一連の質問で申し上げたと同じように、ひとつ積極的に対処していただきたいと思います。それについて前向きのひとつ……。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいまの御意見、先ほどからもお答えいたしておりまするように、前向きにやってまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、非常に大事な問題を申し上げる前に、肩のこらないように、もう少し簡単で、しかもほほえましい問題について申し上げます。  実はいますべての福祉年金の支給期間が一月、五月、九月ということになっております。それからもう一つ拠出制年金の支給期間が二月、五月、八月、十一月というふうに規定をされております。これが実際に合わないわけであります。実は福祉年金が一、五、九になっているのは、四カ月を一かたまりにしております。金額が非常に少ないけれども、名目金額が少しふえてまいります。もちろん来年度福祉年金も飛躍的な増大をしていただくわけであります。したがって、一年に三回払いではなしに四回払いのほうが至当ではないかと思うわけであります。     〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕 年金はほんとうは金額が多くなって、毎月払うようにならないと、ほんとうの老人保障、障害保障、母子保障にならないけれども、金額が少ないということで、かためて四カ月分を三回にやることに過渡的にやっておられるので、将来は毎月払いにならなければいけない。そのためには金額が多くならないと一カ月分が少ない。そういうことになりますが、いまの時点で来年福祉年金がふえることをお約束をされたわけでございますが、少なくとも年三回払いを四回払いにしていいのではないか。その四回払いという時節は三、五、九、十二に限ったら一番いいのではないか。というのは、いま一月払いというのは老人の方々がやはり暮れにいろいろなことでお金が要る。また暮れに、クリスマスに、あるいはお年玉のときに、お孫さんに自分のお金で何か買っておあげになりたいと、いろいろなことがございます。そういうときに一月支給では、同じ金でありながらありがたみが少ないわけです。十二月支給のほうがいいわけです。また三月というのは、いろんな転勤があったり、学校の入学があったり、また孫の入学祝いをやるというときで、三月のほうが至当であります。十二月、三月、それからその次が六月ということは、またお盆の前で、ほかの人がボーナス景気でやっておるときに、お年寄りは金がなくてつつましい、若い者はいいなということでは、これはやはりお気の毒で、お盆の時節に支給を受けられたほうがいいと思います。九月は、いまも九月でございますが、年寄りを大事にする行事の多いときであります。そのときにそういう福祉年金をもらわれたほうがぴたっとそういうことがいくと思います。そういう点で年三回払いを四回払いにされて、十二月、三月、六月、九月というふうな、お金には関係ありませんけれども、お年寄りの気持ち、具体的にお使いになるには非常に適切な時期で、お喜びになる時期に変えていただく必要があろうと思うわけであります。そういうことをぜひひとつ御推進を願いたいと思いますが、厚生大臣のお考えを伺いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 老人のお小づかいの時期としては、まことにごもっともな時期だと思います。事務的によく検討いたしまして、できる限りそういう方向に進みたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ひとつ事務的に御研究になって、できるだけやっていただきたいと思います。現に、遺族年金の場合には、違うことですけれども、一月だけ繰り上げて、一月支給を十二月に支給されているわけであります。一月を十二月に繰り上げるという措置よりも、いまのように四回にするほうが、はるかに根本的にいいと思います。それまでの間、一月を十二月支給ということを過渡的にひとつ考えていただいてもいいと思いますので、ぜひひとつ御推進を願いたいと思います。  では、今度は非常に重大な問題について、少し肩のこりがおりましたのでひとつ申し上げたいと思います。  福祉年金で一番質的に問題にしなければならない問題が迫っております。十年年金の拠出制年金が昭和四十六年に支給をすることになっているわけであります。そのときに、その十年年金の支給を受けられる人は、任意で入った人でございましたから、あの年金発足当時に五十五歳ですね、局長。五十五歳の人までがいまの一番最初の任意十年年金を受けられる年数でございました。そのときに五十六歳の人は、年金をほんとうに理解して、ほんとうに年金制度というものの適用を受けたい、そのために保険料を払うのだったら喜んで払いたいという気持ちの人でも、これは入れてくれなかったわけであります。  ところで、四十六年に支給が始まりますと、その支給を受けられる人の一つ上の人、かつて年金発足当時に五十六歳だった人は損して、一つ年の若い者が年金をもらう。しかも年金制度を理解させるために、有効なものにするために、別な意味では非常に善政でございます五千円という底上げアップを今度やることになる。月額五千円というものがお隣の六十五歳の老人には支給されている。隣の老人は六十六歳で、これはびた一文支給がされないという状況が起こるわけであります。隣の老人は五年間待って七十になって、しかも息子さんの収入が少ないとか、自分の収入が少ない所得制限の範囲内になったときに、わずかに、それよりはるかに少ない老齢福祉年金の支給を受けるということになるわけです。非常な断層になろうかと思います。現在六十六歳以上の人でございますから、ほんとうに年金制度のことを熱望しておられても、その当時政府がそれをしてもらわなければ困るということを発言する勇気もありません。一人、二人、そういうことをやられても、大ぜいの声にはなりません。でございますから、これは国民の運動にはなりませんし、いわゆる圧力団体にはなりません。しかし、そうでない人のことこそ政府が、厚生省が考えてあげなければならないと思うのです。  そこで、完全な形にいかなくても、老齢福祉年金を昭和四十六年にはどうしても六十五歳開始にする。六十五歳開始にしても、これはずいぶん損なわけです。たとえば片方は五千円、片方は四千円になっていますね。いまもらったら千八百円ということになります。しかも、所得制限を受けるという条件がついているわけでございますから、そうなってもまだまだ大損なんです。しかし、そこまで下げたら大きな断層が幾ぶんなだらかになって、そういう非常に不幸な境目の外にある老人の方々が、政府はわれわれのことも考えてくれておったのだ、われわれをはきだめに捨て、うば捨て山に送る考えではなかったのだという気になられようと思う。ぜひとも昭和四十六年までに、老齢福祉年金の六十五歳開始ということを実現をしていただきたいと思うわけであります。  それで上村さんなり、船後君によく聞いておいていただかなければならないのは、これは金がかかると、主計局ほかの点では頭がよくても、ものわかりの悪い方がまた渋い顔をされることがあると思う。しかし、これは時限的な支出増であります。任意適用の期間を合わせて十五年、強制適用の期間だけでは十年、それから後にはそういうものがなくなるわけであります。その差の一時的な金額の増大だけであります。一時的でなく永続的であっても、支出をすべきものは支出をしなければならない。主計局は積極的にこれに協力をしなければなりませんけれども、主計局の中で財政に頭をごちゃごちゃ悩ましておる人が多いだろうと思いますから、安心なさるように言っておきますけれども、とにかく十年ないし十五年の一時的な支出であって、永久的な支出増にはなりません。そういうことを大蔵省もよく頭に置かれて、厚生省の方々もそういう点で——上村政務次官がほんとうにりっぱな態度で首を縦に振っておられます。そこで確信を強められまして、そういう問題を進めていただきたいと思う。これはそうしてもまだ不公平は多分に残っておるわけです。ぜひいまから始めていただかないと、これは一ぺんにするのだったら、また大蔵省あたりの困ったという考え方が強いと思いますから、階段的に、たとえば来年は六十七にする、それから六十五にする、そういう方法が考えられてしかるべきだと思う。これと至急にひとつ前向きに取り組んでいただくという御決意を厚生大臣から伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 その点も確かに問題点だと存じます。できるだけ検討をいたしてまいりたいと思いますが、先ほどからもお約束をいたしました数々の問題がありますので、全部が全部、引き受けましたというわけにいかぬかと思いますが、しかし、この点も問題点といたしまして前向きに十分検討いたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ぜひ前向きに実現をしていただきたいと思います。数々の問題点はございます。斎藤さんが厚生大臣のときに一番問題点が多く出て、その点で御苦労が多いと思いますが、また斎藤厚生大臣として、ほんとうに政治家としてやりがいのある仕事だと思う。またやっていただかなければならぬ仕事だと思う。私どもがこういう論議をしておりますのは、厚生省が当然やられることをやりやすくするために一生懸命やっておるわけでございますから、いま言った問題の中におのずから重点の差は少しはありますけれども、全部が全部必要なことであります。その点について、ぜひ急速に推進をしていただくように、ひとつもう一回前向きの御答弁をお伺いしておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、前向きにやってまいりたいと思います。すべてこの制度発足のときからの問題が、今日までずっと残ってきている問題だと存じますが、しかし、いずれも重要な問題点と考えまして、真剣に取り組んでまいります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、所得制限についてひとつ提起をいたしたいと思います。  所得制限は、毎年名目的に緩和をしておられる。実質的の分も少しあるかもしれませんが、貨幣価値が下がって、名目的な賃金その他の収入が多くなっております。このために、前の年には福祉年金の適用を受けられたけれども、今度はむすこさんの月給が名目だけ上がったためにはずれる、そういうことが非常にたくさんございます。大体この所得制限というものはないほうがいいわけでございますが、一ぺんに取っ払われないとしたならば、急速に所得制限を緩和するとともに、もう一つ、いままでやった方向に加えてくふうが必要だと思うわけです。でございますから、たとえば昭和四十二年に本人の所得並びに子供の所得について、福祉年金適用の範囲内に入っていたという方が、次に四十三年に、ちょっと子供の収入がその制限から五十円ほどふえたらペケ、翌年には月給が上がらなかったらまた入る、というようなことであっては事務的にも繁雑でございますし、またそのお年寄りの気持ちとしてはほんとうに残念ですし、子供の気持ちも残念ですし、政府は一体年金制度をどういうふうに考えているんだろう、なぜ所得制限みたいなめんどうなものを取っ払ってくれないのかということになると思います。松下幸之助さん、あれだけ財産、収入のある人に、あの人が年寄りだから老齢福祉年金をあげてくださいというふうには私どもも申し上げるわけにいかないと思いますから、いま所得制限全面撤廃ということは、理論としては全く賛成でございますが、松下さんにもやれというようなことを政府はすぐに踏み切るとは思いませんですから、いままでの方式をもっと拡大してやるほかに、一回所得制限範囲内で適用になるということになれば、少なくとも三年くらいは、だれから見ても特別の——その人がどこかの大会社の社長になったとか、その人が金塊か何か発見されて何億円もうかったとか、そういうような、世の中でわかるような事件がない限りは、一回あったら三年間くらいはごちゃごちゃいわないで適用する、三年目くらいにまた所得を調べて、そこの時点で入るなら続けてやるし、その時点で所得制限範囲外であればそこでチェックをするというようなことを考えてもいいんじゃないか。そういうような、いままでの所得制限の問題について新しいくふう、新しい方法をひとつ考えられて、世の中の要望に沿うようにしていただきたいと思います。ひとつ御検討を願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいまの御提案も、事務簡素というような面からも考えるべき問題と考えますから、事務的に十分検討いたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に社会局長、厚生大臣からお答えいただいてもいいんですが、福祉年金に関して、生活保護を受けておられる方々は、残念ながらいまの法律で福祉年金と併給は受けられないという制度がございまして、そのために対処をして、生活扶助の中に老齢加算、母子加算、障害加算という制度が置かれまして、福祉年金の増大と同じ金額をふやしていくということが行なわれているわけであります。今回の福祉年金改定についても、当然社会局でそういうことをやらるべきだと思いますが、それについて厚生大臣または社会局長、どちらでもけっこうですが、お答えいただきたい。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 従前もそういう方式で加算という制度ができておりますが、今回も当然にその線に沿って考えるというふうに思っております。従前と同じような方法で今回のものも当然考えるというふうに思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 考える、じゃ困る。従前と同じ方法でやるという御答弁でなければならないと思いますが、ひとつ言い直して御答弁願います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 実際は、来年の一月一日の告示改正ということになると思いますが、その所存でおります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣からひとつ、来年一月一日に、こっちがふえるのですが、それと同じ時期に、生活保護法の中の生活扶助で障害加算、老齢加算、母子加算も同じように対処をするとお答えをいただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 お説のとおりに考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは、福祉年金の問題から最初の根本的な問題に返りたいと思います。  今度の国民年金法の中の一番大きな問題点は、いわゆる所得比例制、正確にいえば二段階制といいますか、そういう制度の導入でございます。この所得比例制については二五%の国庫負担がついております。年金制度に積極的に国庫負担をつけられたこと、それに大蔵省が賛成されたことは、これは前向きのこととして評価をいたしたいと思いますが、そのやり方についてまだ非常に不合理、不十分な点があると思います。特にこの二五%国庫負担というのは、年金局長に確認しておきますが、給付時の国庫負担ですね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 そのとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そうしますと、いま保険料の五割の国庫負担が一般の国民年金にございます。保険料の五割の国庫負担というのは、給付時には給付の三分の一の国庫負担ということになりますね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 そのとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この二段階制の上のほうは、給付の二五%の国庫負担ということになるわけですね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 そのとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 でございますと、ずいぶん近い問題なんです。五割と二割五分というと、何か所得比例制のところをだいぶ遠慮をして一われわれはあまり遠慮をしてないと思いますけれども、五のところを半分にしたからずいぶん遠慮したように見えます。ところが、それはからくりがあって、片方は給付の三分の一ですから三割三分三厘三三三……こういう国庫負担であって、片方は二割五分の国庫負担である。非常に近い国庫負担だ。半分ではないわけです。非常に似た高率の国庫負担ということになる。国庫負担を高率にすることは私賛成であって、けっこうでございます。しかしそのような厚味のかかった国庫負担が、任意適用で所得ありと認められて保険料を納めたその人が引っぱり出せるということになると、国庫負担の使い方としては非常に不公平だと思う。恵まれた人で自分は保険料を払っても高い年金額のものがほしいという要望はわかります。それについて、たとえば事務だけを普通のあれと一緒にやってあげる、ほかのところでは事務費がかかるからやってあげるという程度だったら、これはかまいませんけれども、そうでないところに——恵まれた人が保険料を出せばたくさんの国庫負担が給付につくということであれば、国庫負担を比較的に金のある人に積み増しをしようということになって、ほんとうの社会保障の使い方とは逆になるわけです。そういう点で非常に欠陥がございます。ですからこの二段階制というものを国民が要望しておられるならば、そういう欠陥なしにしていくとするならば、この前申し上げたような方法があります。  私の基本的理念は本会議で申し上げたように、国庫負担はたくさん出さなければならないけれども、それを出すなら、たとえば保険料に対する五割の国庫負担を、六割、七割、八割に上げる、給付に対して三分の一の国庫負担を四割にする、五割にするということで、基本的な点に国庫負担を出すことによって全国民にこれが均てんをして、最もいい出し方だと思うわけであります。本会議ではそれを申し上げました。  しかし、いま政府与党のほうでは二段階制をどうしても考えるというような状態でありますから、その立場において不公平な国庫負担の使い方をしないとするならば、これはまず強制適用でなければならない。強制適用のときに、金持ちのうちは一軒で五人が全部適用を受けられる、貧乏人は一軒に一人も適用にならないということでは、公平になりません。いま日本では世帯主というものがありますから、その中の世帯主が強制適用になる、一軒に一人は必ず給付に対する二五%の国庫負担を引っぱり出すことができる、そういうシステムにしないと非合理的だと思うわけであります。  次に、そのような強制適用になりますれば、いまの第一段の保険料のほかに二段階制、いわゆる所得比例制の保険料を負担しなければならないことになります。その場合に低所得者階層のいまの免除を受けている人がそれにプラスした二段階制の保険料を払うことは困難であり、至難であります。また、その人たちについては、現時点的に非常に困る。でございますから、その免除規定を、今度は強制適用になりますから二段階制のところまで広めてその免除を適用するということをすべきだと思うわけであります。現に、保険料の免除を受けた人の処遇についてはもっと厚みをかけるべしという附帯決議を、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党、あらゆる政党が一致をして何回もつけております。本則的にはいまの、たとえば保険料に対する二分の一の国庫負担分だけを積み立てて三分の一の年金を確保しているのじゃ足りない。少なくとも同額にしなければならない。財政がどんなことがあっても三分の二ぐらいにはいまはなっていなければならない時代でございますが、これは据え置きになっている。  これをいま所得比例制のところに免除を高めてその分の国庫負担を積み立てておいても、それが三分の一が三分の二になったところまでいきません。三割三分が三割五分になったところにしかいきませんけれども、せめてもそういう免除を受けた人の処遇をもっとよくすべしという方向にしなければならない。十分の一でも、十分の二でも、これで実現をすることになるわけであります。そういう点も全部勘案をされて、とにかく強制適用にする、その対象者は世帯主にする、そして現状といたしましては、免除規定はその二段階制、いわゆる所得比例制まで適用する、そしてその免除規定のあった部分の人たちの年金原資計算は、この所得比例制分の免除規定も入れる、そういう方式でこのいわゆる所得比例制の欠陥をなくしてやっていく必要があろうと思います。  この問題についてはこの前もいささか申し上げましたし、また各党で御論議もいただいているようでございます。どうか厚生大臣の、ほんとうに年金制度をよい方向に、正しい方向で充実した方向に進めるためのお気持ちで前向きの、いまの私なりに一生懸命に申し上げましたことについての御答弁をいただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 所得比例制の導入につきましては、これで完全だとは思っておりません。むしろ非常に不完全な導入のしかただとかように考えております。したがいまして、御意見の点も十分かみしめまして、御意見のとおり全部が全部できるかどうかわかりませんが、とにかくそういう点も十分かみしめながら、今後強制適用に持っていくという方針で検討をいたしたい、そして実現をはかりたいと思います。  なお、その際の低所得者に関する問題につきましても、とくと検討いたしてまいりたいと考えます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 いま総括的に厚生大臣から、私の一生懸命申し上げました提案について、それを前向きに受け入れられたお気持ちの御答弁がございました。非常に大きな問題でございますから、私の言うとおりという御答弁がいますぐいただけなくても、いまの御答弁で、その申し上げたことを生かして、そういう方向で前向きに、積極的に、急速に検討されるというお気持ちだと理解をいたしました。ぜひその御努力を心からお願いをいたしたいと思います。  上村君がおられなくなって残念でございますが、大蔵省もいまこの論議がありましたことを聞いておられたと思いますので、厚生省の前向きの御努力について、ひとつ大蔵省として積極的に協力していただきたいと思うわけでございます。上村次官がおられませんので、これは理財局や主計局だと思いますが、前向きの御努力について船後君からひとつ表明をしていただきたいと思います。こまかいことは要りません。厚生省の努力について、大蔵省も一生懸命に協力をしてやっていくということの答弁をいただきたいわけであります。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 いわゆる所得比例の導入は、年金制度の根幹に触れる非常に重要な問題でございまして、今後日本の年金を充実する上でこれをどのように持っていくか、非常にむずかしい問題だと存じます。先生のお考えも、私非常に筋の通った考え方ではないかと思う点もあるわけでありますが、何せ現実的にどう適用するかというところに実は問題点があるわけでありますから、厚生省のほうでせっかく御検討されるのでございますから、私どももそちらから御相談がございますれば検討いたしたいと存じます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 船後主計局次長から大蔵大臣なり、主計局長なり、政務次官、事務次官に、きょうの論議、厚生大臣の御決意のほどを伝えられて、厚生大臣の前向きな前進に大蔵省を全面的に協力さすように、さっそく報告、伝達をするようにしていただきたい。  それから伊部さんに御質問申し上げたいと思いますが、いま厚生大臣の御答弁になった線に従って、事務当局の責任者はあなたですから、それを全面的にひとつ早く前向きに検討されて、私が一生懸命申し上げたことを十二分に生かされるような方向で提案を至急にしていただきたい、お願いをいたしたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 本委員会の御審議を通じまして、八木先生からもいろいろ貴重な御意見をいただいたのでございます。国民年金を改善をしようという御熱意につきましては、かねて深く敬意を表し申し上げているところでございまして、大臣の御指示を受けつつ国民年金の一そうの改善に努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、国民年金基金について先日申し上げました。この問題についても、社会保障制度審議会の中ではいろいろと問題点を提起した中で、この問題については特に特に慎重に配慮をしろ、それから年金審議会もそうであります。非常に重大な問題でございますから、私ども申し上げたように、私はこの国民年金基金というのは不要だと思います。しかし、政府は必要だと思って出しておられるわけでございますが、この問題についてもここの論議、あるいは各審議会の論議も参考にされて、慎重にひとつ御検討を願いたい、なるたけやめていただきたいということについて、そういうことも含めて、慎重に急速に御検討をいただきたいと思いますが、厚生大臣の答弁をお願いいたします。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 年金基金の設け方につきましても、おっしゃいますように関係審議会、またこの委員会における御意見等を十分参酌をいたしまして、あやまちのないように運用をいたしてまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは少しこまかい問題に移ります。  この前、実は私がかんしゃくを起こしているときに、年金局長が答弁した問題で、先に進みました再加入の人の問題であります。再加入の問題で、あのときは年金局長は鬼局長だとかなんとかいう表現を使いましたけれども、その点についてはたいへんぶっきらぼうな、国民に対して冷たい答弁でしたけれども、それから日にちがたっておりますので、またじっくり考えられたと思います。再加入の人を五年しかさかのぼらせないという問題、それからその再加入の人の保険料がばかに高くなっておりますね、そのどっちかについてお考えになったかどうか、ひとつ伺っておきたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 再加入の方々の保険料につきましては、給付を非常に優遇いたしておりますので、御了承いただきたいと思っておるのでございます。     〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 八木先生から、五年でなくてもう少し長く入って年金額を高めるようにしてはどうかという御提案があったのでございますが、その際、たとえば六十八歳といったような年まで保険料を払っていただくというのは異例の措置でございます。そういう状況でございますので、五年で切りたいということを申し上げて先生からおしかりを受けたのでございますが、制度発足するのはこれからでございますので、制度発足いたしまして被保険者の方々からの強い御要望があれば、またその時点において十分検討さしていただきたい、かように思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 局長、さすがにあとで考えられたようで、その点けっこうです。前にあやまちがあってもよくなられれば非常にけっこうです。厚生大臣にその点について申し上げておきたいと思いますが、今度十年年金ができる前に、年金制度がわかりにくいために知らなかったり、あるいはまたこれは三十六年にりっぱな運動で効果を示した部分もあるのですが、政府の年金制度の欠陥をわんわん指摘された時代があるわけです。指摘の八割ほどは当たっております。一、二割は少し強調され過ぎた点がありますけれども、その運動の影響を受けてか、あるいは自分が何だかわけがわからなくてそういうものに入っておられなかった方があるわけですね。いま年金制度が熟して定着をしてきて、これは大切なものだということがみんなわかるようになってきたときに、これで再加入の道を開いたことはいいんですが、それを十年さかのぼらせなくて五年しかさかのぼらせない。六十八歳の人があるからとおっしゃいましたけれども、六十八歳の人でも六十九歳の人でも入りたいという人はあるわけです。無理に払わせるというけれども、これは任意適用ですからね。ですから、いやな人は入らない。そういう点について、もう少し五年と限らずに、七年でも八年でも十年でもさかのぼらせるようにひとつ御検討をいただきたいと思います。  それから、この保険料は七百五十円になっておりますね。そうでしょう。七百五十円ですね。——いままでの方々が払った保険料は三百円、最初は二百五十円、一番最初は百五十円、百五十円払った人、二百五十円払った人、三百円払った人、そういう方々が十年年金で五千円になる。ところが、そのときは残念ながらわからないで入らなかった人が、あとから入ろうとすると、百五十円、二百五十円、三百円にあたる部分が一ぺんに七百幾らになるわけです。普通のほうの年金も、まだこれが通りましても四百五十円ということで、二年後に五百五十円、この人たちだけ七百五十円、こういうことになっているわけです。親心を示したようで、かっこうだけ示して、そのかわりおまえさんたちは前に忘れていて協力しなかったのだから、うんとこさ取るぞという内容になっている。この七百五十円も対象者は少のうございます。これはあまりひど過ぎると思いますので、これもひとつ再検討をしていただきたいと思います。その点について厚生大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 これは、いままで保険に入らなかったから、その罰にという趣旨ではなくて、保険数理からきているんだ、かように考えます。今回はこれで出発をさしていただきまして、後刻検討をいたしてまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 保険数理からきているといいますと、全部そうなんです。たとえば今度のものも、ほんとうの保険数理というと六百何十円になる。ところが、修正積立金方式でとると、四百五十円、二年後に五百五十円、しかも前のほうは利息はつきますけれども、貨幣価値は下がりますから、最初に入ったときには百五十円で入った。それが七百五十円、これはあまりにひどいですからひとつ検討をして、そういうレアケースの、あとから入った人、特に年寄りですからね。そういう人たちにだけ保険数理を適用して、大ぜいの人たちには修正積立金方式で具体的に考えられるということでは、年寄りたちに少し気の毒だと思う。そういう点でひとつ再検討をしていただきたい。もう一回ひとつ再検討の点について御答弁を願います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 将来十分再検討をいたしてまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 具体的な点についてまだまだございますけれども、その中の大事な点についてあらまし御質問を申し上げました。  その中でかなり前向きな御答弁をいただいて、その点非常にうれしく思います。ことに大切な問題は、根本的な問題は、いわゆる所得比例制、二段階制の問題を筋の通ったものにして、低所得者階層に均てんをする。高い保険料負担という苦痛じゃなしに、免除規定の適用も受けて均てんをする。そういう形でやっていただくことが拠出制年金の中の一番の重点だ。  それから、質的に見て一番大切な問題は、厚生大臣が前向きに御決意になりました障害者の拠出制の障害年金適用の問題であります。福祉年金のほうで大切な問題は、各福祉年金の年金額の引き上げと、それから四十六年に十年年金ができるときまでに老齢福祉年金の支給開始年齢を六十五歳に下げる、これが大きな問題点でございますが、どれ一つもこれはほんとうにゆるがせのできない問題であります。  一番最初の問題は、貧しい人が特に必要な年金の適用を受けるべきなのに、比較的高くなった年金の適用を受けられないんじゃ困る。またそこで保険料負担をさせられたんじゃ困るから、免除を第二段階のところまで適用しなくてはならないし、その免除の適用を受けた人の年金がふえなくてはならないという問題であり、次の障害者の問題は、再々申し上げたから申し上げられませんが、質的に見てこれほど大切な問題はないと思います。福祉年金全体の問題は、これはとにかくいまの年寄り、いまの障害者、いまの母子家庭の生活に対して、ほんとうに政府が積極的に御協力申し上げなければならない部分でございますから、いままでがおくれておりましたので、これからの上がり度合いが多くてもそれは多過ぎるということではないわけです。いままでがおくれ過ぎていたので、これは飛躍的に増大をしていただく。そしてその発足時の断層であります福祉年金と拠出制年金の境の六十五歳の人たちの問題も、政治の大きな断層があって、断層の外側にあった人たちがほんとうに政府の年金に均てんせずに、人によっては六十八で死んでしまう人もあるわけでございますから、そういう人たちにあたたかい政府の年金が及ぶようにぜひしていただきたい。全部が大事な問題でございますから、ぜひ全部について決意を込めてやっていただきたいと思いますし、大蔵省は、主計局、理財局来ていただいておりますけれども、いままでがおくれておったので、厚生省がどんな要求をされてもそれは全部当然な問題であるということで、積極的に大蔵省は受けられるということを要望をしておきたいと思うわけでございます。  年金制度について、実はぜひ内閣総理大臣にも御出席をいただいて、この問題を討議をしたかったわけでございますが、非常に熱心なまじめな厚生大臣がおられますから、厚生大臣がそのお約束をしたことを必ず実現をしていただく、厚生大臣のお約束は、佐藤内閣自体の完全なお約束であるというふうに私は理解をいたしまして、この質疑はこれだけにいたしておきたいと思います。どうかひとつ積極的に、年金制度また社会保障制度について、さらに一般と勇敢に、急速に、そして正しい方向で、社会保障的な考え方で問題を推進していただくことをさらに強く要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これにて国民年金法の一部を改正する法律案に関する八木一男君の発言は終了いたしました。      ————◇—————

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次に、厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 国民年金法の質疑は終わったことになっていますが、私も実は国民年金法について質疑をするつもりであります。実は、私、この法案の審議中に発言の場をいただきまして、二時間ばかり大臣にお聞きしたい、こう思って用意してきたのでありますが、こういう事情で時間も非常に短いのであります。しかし、その中で主要な問題を、ほとんど氷山の頭をなでるように二、三お聞きしたいと思います。  最初に、いまも八木委員の御質問の中にありましたが、所得比例制の問題をお尋ねしたいのです。  私どもの考えによりますと、年金制度に所得比例制を入れるということの意味は、これによって所得の再配分というようなものが目的になる。厚生年金といいますと、給与の大小によって保険料は違っておりますが、それによって、半分は定額制で一応ここで低所得者の年金を保障する、こういうことになっておりますから、いわゆる所得比例制という意味は、かなりそういう意味では意味を持つと思います。しかし、今度の国民年金制の中へ入れられた所得比例制は、保険料も定額ですし、それからまた国庫補助も定額でありますし、そして、これが普通の基本的な年金とは無関係に運営されていくのでありますから、したがって、いま申しましたような所得の再配分という意味は毛頭ない、そういうものだと思うのですが、こういうものをどうして国民年金制の中へ取り入れられたか、これをお聞きしたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 御案内のとおり、国民年金は定額制で従来登足をしてきたのでございますが、より多くの保険料を払って、より多くの給付をもらいたいという御要望は、実は制度発足の当初からあったのでございます。これが百条の形におきまして、いわゆる付加年金という形で現行法にあるわけでございますが、今回これを、いわば思想的にはそれを出発点といたしまして——また、年金制度の中におきましても、所得比例がある年金が全部でございます。国民年金だけが定額でございますので、やはり他の年金制度のように所得比例というものを加えて、より多くの保険料を出してもらうことによって、より多くの給付をするという可能性を制度の中につくっていこう、これはまた、国民年金の非常に多くの被保険者を占めております農民の方々からも、そういう御要望が出ておるのでございます。  そこで、今回一段階制の所得比例制を設けたのでありますが、これはそういう御要望がありましても、行政の運営といたしましては、まだ初めでございますし、今後いろいろPRあるいは被保険者側の御了解も得る必要がある、あるいは事務上のいろいろな問題があるということから、一段階、任意制ということで発足をしたのでございます。  しかしながら、今後、先ほど大臣から御答弁がございましたような強制適用といったような方向を打ち出してまいりますれば、ただいまお話しのような点は今後は導入されてくる要素があると思いますけれども、ただいまは、そういった農民その他の皆さん方の御要望にこたえて一段階としての所得比例を設けていく、さらに今後被保険者のいわば御了解を得つつ、所得比例制をも含めた国民年金の改善をはかってまいりたい、かように考えた次第でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それはよくわかるのですよ。所得の多い人が、もっと高い年金をいただきたいということでこういうものをつくってもらいたいという、そういう要望のあることも私ども知っております。しかし、私の申しましたのは、所得比例制というものを年金制度に取り入れるということの根本的な意味ですね。これはもちろん所得の多い人には負担も多くしてもらって、年金も多くするということの意味はありますけれども、それ以上に、所得の低い人にも、高い人が入ることによって均てんされる、所得再配分ですね、そういう意味を持っているところに大きな意味があるのじゃないか。そういう点から見ますと、これは普通の国民年金に二重に入ればいいということになると思います。  特に、国民年金の場合は、他の年金制度と違って特別な内容、意味を持っております。それは低額所得者、ボーダーライン層がかなり対象になりますので、この年金だけが保険料の免除規定があるとか、あるいは福祉年金の規定があるとか、そういうようなことばある。その点から見ましても、金をよけいもうける人から保険料をよけい取って、将来またたくさん年金を与える、こういう考え方を入れることは、国民年金の性格からいって、皆さんのことばで言えば非常になじまない、私に言わせれば、これは国民年金制度それ自体の意義の破壊になる、こういうふうに考えるわけです。これに対して、国庫補助がどうだこうだという問題がありますけれども、それ以上に根本問題が違うのじゃないかと思うのです。この点はやはりお考えを聞いておきたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 基本的な方向といたしまして、年金制度の中に所得比例制を導入していくということは、日本の年金制度の全体の体系から申しましても、あるいは諸外国の年金制度の流れからいたしましても、一つの正しい方向であろうと思うのであります。その場合、高額所得者が入ったことにより、低額所得者のほうにそれが回っていくということは、方向としては非常に正しい方向だろうと思います。ただ、厚生年金は、御案内のとおり、今度の改正法案におきましても、最高標準報酬十万円という線まで上げるわけでございますけれども、今回の国民年金の所得比例制は、厚生年金の本人負担に換算をしてみますと、ほぼ四万円程度、厚生年金で申しますと、現在の平均標準報酬よりは若干下回る程度の水準でございます。そういった事情は今日あるのでございますが、今後強制適用の要素を加える、あるいは段階をさらに上のほうにつくっていくといったような方向とも関連をいたしまして、ただいま御指摘のような点は十分考えてまいりたい、かように思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この年金の支払いは二年後になりますか、一番早い人は。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 老齢年金は二年後でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 老齢年金は二年後であることはわかりますが、この場合は、したがって、やはり二十五年ということになりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 二年後に支払われるのは、十年年金でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 結局、十年後にこの年金も併給されるようなことになりますね。その後は、十年後でなければやっぱり払わぬわけですから。いまのところ、十年間保険料を取るということだけが先行をいたします。しかも、いま申しましたように、所得比例制といいながら、所得の多い人がこの制度を通じて将来が保障される、ボーダーライン層を相手にしているこの年金にそういうのを加えていって、しかも十年後から払うというふうになるのでありますから、やはり当分金集めが目的だというふうにわれわれは考えざるを得ない。この年金制度からいったら全く異質のものを入れてくる、これを入れる必然性は何もありません。強制加入するとかいろいろおっしゃっておりますが、これは将来のことです。当分は違うと思うのです。そういう点で、私どもは納得できないのであります。  時間の関係で、先へ進みますが、農民年金との、例の年金基金との関係でございます。この前、大臣だったか、局長でしたか、この年金基金を今度つくったのは、もちろん厚生大臣の許可を得て同種の業の方であればだれでもつくれるわけでありますが、主として当面は農民対象だ、こうおっしゃったと思うのです。  そこで、政府がいま言っております農民年金との関係はどういうことになりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 先ほどの点でございますが、十年年金は、定額の方々が明後年から支払いが始まるのでございますが、所得比例で明年十月から入られた方は払った期間に応じて給付が直ちに出るわけでございます。  なお、農民年金問題につきましては、ただいま農民年金部会、あるいは農林、厚生両省におきまして必要な調査を実施しておるところでありまして、まだ検討中の段階でございます。しかしながら、国民年金基金と申しますものは、業種ごとに集まって、その業種に必要な特殊のニードに保険料を出し合ってこたえようという仕組みでございますので、農民年金基金が、今後の検討によりましてはこれを利用するということもあり得るというふうに考えるわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 農民年金のことについては、まだ政府は構想が固まってないというふうにおっしゃっていることも私は知っております。しかし、この間の小沢さんの御発言によりますと、農民年金の目的は、農民の老後保障の充実ということにもあるので、そのおもな目的は、老農民に年金を支給して、経営から引退を促進する、経営を移譲させて、農業経営規模の拡大をはかる、そういうことに目的があるのだというようにおっしゃったのであります。したがって、こういう目的の農民年金をどういうふうにするかについては、まだ、政府部内も意見が一致しないという状況にあるようでありますけれども、しかし目的は小沢さんの御発言で非常にはっきりしている。  そういたしますと、この年金制度を認めるといたしまして、老後の保障という意味では一つの、同じ意味があるわけです。しかし、経営を移譲させるとか、それによって経営規模の拡大をやるとかということになりますと、これはもはや老後の生活を保障するということよりも、農業政策ということになるわけです。これも異質なものになります。もちろんここは、この問題を論議するところではないから、この農民年金構想につきましては私ども意見がありますが、しかしそのことはここで論議いたしません。けれども、この点からいいましても、もしこの国民年金に、今度つくられる年金基金というものを、こういう意味の農民年金に発展させるとしますと、これまた国民年金の本来の趣旨から逸脱をすることになる。私は小沢さんの話を聞いておって——きょう小沢さんがおりましたら、時間があったらゆっくり聞きたいと思ったのですけれども、経営を移譲して若返らせるということが経営の拡大になるのか、どういう意味で拡大になるかを聞こうと思ったのですけれども、きょうは、いまも申しましたようにこれは論議いたしません。  しかし、おっしゃることはあるいはねらっておられることはわからぬことはない。若い者に経営を移譲する。若い者がこのごろほとんど外に出ておる、あるいは農業経営なんかうまくないというような考えが非常にはびこっておりますから、そういうところで耕地を手放すだろうという見通しではないか。その中で、いろいろ自民党の政府のほうでは構想を持っていらっしゃるが、大農経営、機械化、近代化、そういう方向を持っていらっしゃる。つまり零細の、あるいは中農以下の土地を、こういう年金制度でもって集中する、そして集約的経営に切りかえていく、それを推進するという目的を持っておることになります。  そうしますと、いま申しましたように、年金制度から全く逸脱した農業政策にこういう年金制度を利用する、言いかえれば農民の支出で、いまの自民党政府のいわゆる新農政を推進するということになりますから、この制度を利用することは許してはならないというふうに私どもは思うわけです。そこらのところいかがですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 小沢政務次官は、現時点における農民年金のいろいろな問題点を申し上げたかと思いますが、ただいまも御答弁申し上げましたように、この問題はただいま検討中の段階でございます。関係者の意向を煮詰めまして、十分目的を達し得るような農民年金制度を明年発足する目途で、種々検討に当たっておるという段階でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この問題は、この年金制度の中に農民年金を発展させるということに私どもは反対なので、もっと詰めたいのですが、時間がないから先に進みます。  これもこの間、大臣が八木さんの質問にお答えになった、こういうことをおっしゃったと思うのです。今度保険料を四百五十円に上げた、それから二年してまた五百五十円に上げる、それで八千円年金をまかなう上で将来足りないという時期には、年金を三万円くらいに上げてその中で保険料を上げるというふうにおっしゃった。これは具体的にはどういうことでしょうか。非常に重大な御発言だと私は思う。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私の申し上げましたのは、今日の時点においては二万円年金というのがまず相当であろう。しかし、これから日本の経済の発展、国民の生活水準の向上を考えますると、三万円くらいに上げなければならぬ時期はそう遠からずして来るであろう、こういう予想のもとに申し上げたわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 その中で、保険料を上げるとおっしゃったのではないですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 その場合には、やはりそれに見合った保険料というものを考えなければなりませんから、その中で、というわけではなくて、その際に、ということであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私は時間がないから非常にはしょったことを言わなければなりませんが、ここで整理資源の問題について触れたいのであります。  大臣のこの間の御発言を、私が非常に注意深く聞きとめておりましたのは、現在の四百五十円、二年して五百五十円、これが八千円年金をまかなう上でうまくいくだろうかどうだろうかという問題が出てくるだろう、その時期にどうするかというのが八木さんの御質問であったように思うのです。  そのときに三万円年金に上げて、料金も上げていくというふうなお答えのように思ったので私は伺ったのですが、実はあのときに論議になっておりましたのは、保険料の上がり方が非常に激しい。特に八千円年金に対して考えた場合に、前に五千円年金に上げた時期よりも、年金の上がる率のほうが激しい率で上がっているということが論議になったと思うのです。  そこで私は、その点も非常に大事だと思うのですが、八千円年金にいたしましたこの時点でもし平準保険料をきめたら、これは局長幾らくらいになりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 国庫負担は別といたしまして、八百四十四円になります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 これはたいへんな上がり方になるのです。この間の八木さんとの御論議では何か、——私は遠くてよくわからなかったのですが、前の五千円年金にしたときよりも今度の上がり方がそんなに激しくないのだ、何割何分か何%かと言っておられたのですが、私はこれが非常に激しい上がり方になってきておると思うのです・これはこの前、四十一年のときの国民年金法の改正のときに、局長と私の間でかなり長時間にわたって、一時間余りにわたって私がいろいろお伺いしたことがありますので覚えていらっしゃると思うのですが、私は現在のインフレーションの中での国民年金の制度は、あとになるほどいわゆる整理資源というものは大きくなっていく。正当な保険料以上に、過去の保険料が安かった分を負担するという意味で、あとの者がたくさん負担するということになる。これは幾何級数的に拡大するということを私は主張したのです。この点について、今度は非常にそれがはっきり出てきていると思うのです。  繰り返すようでありますけれども、わかるために申しますと、三十六年にこの制度ができましたときに年金が二千円で、それから平準保険料として、現実的には百円と百五十円になりましたが、平均するとこれは百二十円にいくと思います。これが平準保険料で、百二十円さえ払っておけば二千円は将来にわたって確保できる料金だ、局長はそうおっしゃっておりまして、ちゃんと記録はございます。この割合でいきますと、五千円のときには、その二・五倍ですから三百円。ところが当時、これも現実には違いましたけれども、平準保険料をつくった場合は四百円かかると局長もおっしゃっている。三百円でいいものが四百円かかるのは——その他局長は人数の問題をおっしゃっておりましたが、人数がふえればかかってきます。減れば違ってくるわけでありまして、これは一応別といたしまして、この差額というものが過去の保険料の不足分ということになる。今度はその割合でいきますと、四百八十円でなければならぬですね。ところが、いま平準保険料をこの時点でつくると八百四十四円だとおっしゃる。五千円年金にしたときの増す分の割合は三三・三%——割合はちょっとなにするわけにいきませんが、おそらく五〇%近い割合でいわゆる整理資金というのは加算されるわけですね。これをどうするかということがはっきりいたしませんと——大臣、これは私、非常にまじめに言っておるのですが、これを全部保険料にぶっかけていけばずっと大きくなります。こういう傾斜を持って整理資源というものは保険料に加算されることになります。これは行く行くは、将来になると、この制度の破綻を招かざるを得ないというような状況にあるので、これをどうするかをいまから考えておくことが、この保険制度を将来にわたって発展させる上で非常に大事なことだ。今度の改正で、たとえ十分でないにしても、政府がこういうものをお考えになるものと思っておりました。しかしそれは出ておりません。国庫補助は相変わらずやはり五〇%ということになっておる。この点をどうなさるかということをきょうはほんとうは詳しく聞きたかったのであります。簡単でありますけれども、大臣にお答えをいただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 整理資源は、整理資源をどう解釈するかという問題もございますが、既裁定年金のみにしぼれば、国民年金にしましてもまだ六円程度でございますけれども、過去の保険料の不足分の穴埋めということを考えますと相当な数字になるのでございます。  そこで、将来整理資源がふえてくるかどうかということは、財政方式のやり方でございます。整理資源を将来ふやさないような財政方式をとろうと思えば、現時点において修正率を弱めるということで対処するわけでございますが、先般も御説明申し上げましたように、現在の国民年金におきましては、将来の経済成長を見込みまして約六割五分程度の修正率を考えておるのでございます。今後の整理資源につきましては、たてまえとしてはやはり国庫、被保険者が従前の負担割合に応じて負担をするたてまえになっておるのでございますが、既裁定年金の引き上げについては種々御議論もあったのでありますが、今後なお検討してまいりたい、かように考えておるのでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 時間がないという紙がすでにきておりますが、だから全くしかたがない質問になるけれども、しかし、これは大臣もよく聞いておいていただきたいと思いますが、この整理資源の問題がいま六割程度とおっしゃいましたけれども、私の考え、また計算では、インフレーションの時期には、おそらく十年目ごとに、先ほど大臣がおっしゃったように、現在の年金の貨幣価値を維持しようと思うと、これは名目的にずっと上げていかなければならない。上げるたびに、この整理資源というものがふえる。これは局長も認めておるわけです。それは六割程度で済むことではありません。この前いただきました資料によりますと、今度いただかなかったのですが、四十二年の改正の状況でやっていけば、昭和八十年になると全く積立金がゼロになるということをおっしゃった。それでこの問題が大きな問題として残る。  これを実際にそういう危機に追い込まないためには、いまのうちからはっきり政府としても、これをどうするかということを考えませんと、ただ保険料を上げることによって解決しようというような考え方は——高度成長経済の発展で所得が多くなるということを、盛んに政府はおっしゃいますけれども、インフレーションで名目賃金はうんと上がるかもしれませんが、実質的な所得は決して多くなりません。これは論理上そうなります。  そういうものを見越しながら、これを将来の者に負担させるということになると、これは容易ならぬことになると思うので、これは単に保険料を上げて済ませるというのではなしに、一般的にいま出しております国庫のほかに、国としてどうするかという問題を考えませんと、この制度は必ず破綻するというふうにいまから予言しておいてもいいと思いますが、そういう問題だと思う。これをひとつ政府としてもぜひ考えていただきたい。もしこれをお考えにならないとすれば、将来どうなってもいい、当分金を集めることだけが目的だという世間の批判に答えることはできないと思う。これを私は強調して、今度の改正のときには、必ず整理資金について国がどうするかという問題を出していただきたいというように思うのです。大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 将来の年金制度の安定という見地からの御所見、また御心配であろうと存じます。この整理資金の問題は、現実的な問題でございますので、ここで即答はよういたしませんけれども、そういう問題を御提起になっておられるという点を銘記いたしまして、保険制度が将来破綻しないように、その心配があるならば、適切な措置を適時講じていくようにいたしたいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 もうこれでやめますが、今度はゆっくり時間をいただいて、この問題を根本的に皆さんと論議してみたい。これは非常に重大であります。これをほっておきますと将来必ず——私らは一ぺん前の戦争のときに経験がある。前のように急激ではないにしても、それと同じことが必ず来る。だから私どもは、この制度に反対している。そういう矛盾を含んでいるという点を強調しておきたいと思う。どうもありがとう。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次回は明二十六日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十九分散会

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