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61回国会衆議院1969/06/18

社会労働委員会 第28号

発言数
289
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/06/18

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の国民年金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣斎藤昇君。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 前回の委員会におきまして山本委員からの御質問で、火葬場と屠場の整備について年金資金の還元融資はどうも還元融資の目的から逸脱しておるのではないかというお尋ねがございました。その中で私は、屠場の整備について地方公共団体がやります場合に資金を融資することについて答弁が若干あいまいでございましたので、補足をさせていただきたいと存じます。  屠場の整備は厚生省の環境衛生局の所管でございますが、先年、屠場を緊急に整備をする要があるという見地から五カ年計画を立てまして、その期間内は融資をするということを決定いたしておるわけでございます。お説のとおり、直接福祉という点から考えますると、若干遠のいておるように考えます。したがいまして、この緊急整備の計画が終わりましたら、屠場の整備につきましては還元融資は打ち切りたい、かように思いますので、御了承をいただきたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。山本政弘君。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 国民年金の積立金は昭和三十六年が三百四億、三十七年が三百四十億、こうずっとあって、四十一年が五百八十六億、四十二年が八百二十四億、四十三年の見込みは九百五十七億、これは間違いありませんですね。これは全部資金運用部資金として積み立てるわけですね。その点いかがでしょうか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 御指摘のとおりでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 間違いございませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 間違いございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、昭和三十六年に三百四億増加をした。その増加がもし間違いなければ、三十六年には三百四億が資金運用部資金として積み立てられているはずなんですけれども、現実にはそれが積み立てられておらないでしょう。三百億しか積み立てられておらないと思うのです。その点ひとつ御説明をいただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 資金運用部資金に預けられてある資金は六分五厘の利子がつきましてずっと預託されておるということでございますので、三十六年に預けられました三百四億という金は、三十七年以降六分五厘の利子がついて預託されておるということでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私の申し上げたいのは、三百四億が増加額としてされたわけでしょう。その増加額というのは、運用部資金の中へ全額原資として組み込まれるわけですね。三百四億全額が現実に原資として組み込まれておるのかおらないのか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 積立金に預託されます金は、資金運用部において安全確実に運用いたしておりますので、積立金の名目上、減価をいたすことはあり得ないのでございます。  ただ、先生の御質問をあるいは取り違えておるかもしれませんけれども、積立金を預託をする年度と会計年度とが多少違います。積立金のほうは三月三十一日現在の現金ベースでございます。それから特別会計のほうは出納閉鎖期がございますので、四月三十日までに収納いたすすべてが入るわけでございます。したがって若干の相違は出てくるのでございますが、しかし預託金のほうは、三月三十一日で切りますかわりに四月一日から始まる。ずっと一月ずつずれるということで多少の異同はございますが、大筋としては、特別会計から資金運用部資金に預託をした金が減価をいたすということはあり得ないのでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 要するに常識的に考えますと、三月三十一日に現金ベースで勘定したものと、四月三十日に収納したものとでは、四月三十日の分のほうが現金額としては、つまり帳簿額としては多いことになりますね。そうなりませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 現金ベースの場合におきましては、前年の四月が預託金の会計年度に入りますので、おおむね一致いたしておる。つまり一月ずつずれてくるわけでございます。したがって、多少の異同はございますけれども、おおむね一致をいたしております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 おおむね一致をしておることは私も疑わないのです。疑わないのですけれども、三月三十一日の時点で現金ベースであり、四月三十日は収納ベースであるということになれば、当然四月三十日のほうが多かるべきである。一月おくれたのだから、収納現金を含めての収納の結果的な数字としては、四月三十日のほうが三月三十一日よりも多かるべきが常識的には至当だ、こう考えるのですが、その点はどうなんですかと言っているのです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 会計年度と預託の年度と申しますか、やり方が違っておるのでございます。というのは、資金運用部というのは一つの銀行でございますので、現金ベースで考えるわけでありますが、その場合、ある年度から、たとえば昭和三十六年度から始まった。そこで、昭和三十六年度の御指摘のようなことを考えれば、そのとおりでございます。しかしながら、昭和三十六年度一年度限りで終わらないで、ずっと続くわけでございます。その場合、たとえば三十七年度を例にとりますと、三十七年度の収支は、資金運用部資金のほうのベースは、三十七年四月に入る現金はすべて三十七年度に入れるわけでございます。ところが決算といたしましては、四月三十日の出納閉鎖期までは前年度の三十六年度の収支に入るわけでございます。そういうぐあいに一月ずつズレがございますが、おおむね一致をする、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 つまり増加額というものは三月三十一日の締め切りになるわけですか。間違いありませんか。私のお聞きしたいのは、三月三十一日の現金ベースとあなたはおっしゃっているけれども、それは三百四億であるのかどうかということです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 積立金の累積状況といたしましては、資金運用部資金のベースでございます。三百四億でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 少し整理をしてほしいのです。申し上げますよ。資金運用部資金の中で国民年金の預託額というのは、昭和三十六年は三百億なんです。これは何月の締め切りになるのですか。それから増加額というのは三百四億になっておるのですが、これは旬月の締め切りになるのですか。それだけでけっこうなんです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま思い違いをいたしまして失礼いたしました。この三百四億は会計年度ベースでございます。特別会計においての経理上三百四億でございます。したがいまして、資金運用部におきます積立金の状況は、これより少ないことに相なります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、少なくなるということがあれなんですか。私は常識からいったら、三月三十一日に増加額が三百四億になれば、当然四月三十日は、一月間があるのだから、金額としては多かるべきだという感じがするのですけれども、昭和三十六年の場合は、三月三十一日の締め切りが三百四億で、四月三十日は三百億しかない。つまりあなたのおっしゃる言い方をすれば、日にちが一カ月ずれた段階で少ないのだ、こういう御説明なんですが、それでいいのですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 私は思い違いをいたしまして誤解を招いたわけでございますが、三百四億は四月三十日の数字でございます。したがいまして、三月三十一日の数字はこれより少ないのでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それではもう一回確認をいたしますよ。四月三十日が三百四億ですね。四月三十日がそうですね。そして三百億が三月三十一日の日付になりますね。それでいいわけですね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 三百四億は四月三十日のベースでございます。三月三十一日の預金部資金は、これより少ない二百五十三億でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、昭和三十九年のところをひとつごらんになっていただくと、増加額が四百三十一億、これは四月三十日の収納ですね。そうすると三十九年には、これより額が多くなって四百五十六億になっているわけですよ。昭和三十九年の場合は、あなたの論法からすれば少なくなるわけだが、数字としては多くなっているのですよ。これはどういうふうな説明になるのですか、ちょっとお伺いいたしたいのですけれども。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ちょっと質問の意味を取り違えるといけませんので、四百三十一億と何を比較して……。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 これ、おたくのほうにもあると思うのですけれども、ここの百四十三ページ、「年度別の資金運用部資金にしめる厚生年金保険・国民年金原資の割合の推移」というのがありますね。そこの昭和三十九年をとってみてほしいのです。国民年金は四百五十六億になっているわけです。あなたのおっしゃる言い方をすれば、これは四月三十日の収納分になるはずであります。その前ページに「厚生年金保険、国民年金積立金累積状況」というのがある。これは三十九年をとってみますと、四百三十一億円になっているわけでしょう。そうすると、三十六年と三十九年ではまさにさかさまになっている。ですから、伊部さんの説明どおりにいけば、私はちょっと納得がいかないわけですよ。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 説明があまりうまくなくて恐縮なんでございますが、国民年金は三十六年度に始まったわけでございます。したがいまして、過年度の収入はないわけでございます。そこで、御指摘のように、四月三十日で締め切るものと、三月三十一日の現金ベースとでは、当然四月三十日のほうが多いわけでございます。ただ、それからあとの年度になりますと、会計年度のほうは、それぞれ当該年度に発生したものを四月三十日まで計算をいたすわけでございますけれども、預金部資金のほうは、過年度収入でも四月に入ったものはもう新しい預金部資金のベースになるわけでございます。この場合はなお詳細調査をしてみますが、おそらく三十八年度、過年度の収入が非常に多くて、当該年度がむしろ繰り越したものが少ないといったような、一月のズレのお互いの差というものが出たのだと思いますが、なおこれは数字的に後ほど明らかにしたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、あなたのおっしゃるような言い方をしますと、四十一年度はまた違ってくるのですよ。それから四十二年度も違ってくるわけですよ。説明がつかないわけです。あなたのおっしゃるようなことをやればそうなりませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 つまり、ある年の四月に入ります前年度の過年度収入が多いか少ないかによって、これが多かったり少なかったりする、こういうことでございまして、三十六年度の場合は、過年度の収入があり得ませんので、したがって、当然に四月三十日のほうが多いわけでございますけれども、しかしその他の年度におきましては、過年度収入が多いか少ないかということによって相違が生じてくるわけでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 つまり年度によっては、片方が多くて片方が少ないというケースがあるわけですね。そうしますと、ここに書いてあるのですけれども、この増加額の二五%が直接、間接に社会福祉のほうに回される、投融資される、こういうことですね。それ間違いありませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 資金運用部の預託金の二五%でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしますと、四十三年の累積の増加額の見込みというのは四千三百十三億ですね。その金額が非常に多いということで、それを還元しろという声が出てきているというわけでしょう。この場合に、四十一年に行なわれた法律の一部改正によって、大体毎年一千億円ぐらいのものが積立金として増加をされるであろう、こういっているのですけれども、今度の改正によって増加をされる積立金の予想というのは、毎年どのくらいでしょうか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 四十五年度におきまして六千八百八十億円、その後累増いたしまして、昭和九十年には六兆という額になります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 昭和九十年に六兆ですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 保険料を引き上げますと、それに伴う積立金がまた利子を生むわけでございます。したがいまして、利子がまた利子を生むという筋合いになりますので、改正による増という場合には、全体としての比較ということになろうかと思うのでありますが、これは同じくピーク時で比較をいたしますと、昭和九十年に当初計算では三兆六千億円内外でございます。来年度は、現行法では五千五百四十四億の見込みでございますが、これが来年度末六千八百八十億円、四十六年度末は、改正法案におきまして八千五百五十億円の見込みでございますが、改正前のものにつきましては、ただいま数字を調べます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 つまり、改正によって毎年一千億をはるかにこえた額としてふえるわけですね。それが二五%還元されるわけでしょう。そうじゃありませんかね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 預託金の増加額の二五%が還元されるわけでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 先ほど何で預託金と積立金の増というのをお伺いしたかというと、そんなに数字としては変わってないんですよ。しかし、変わっていること自体不審だからお伺いしたんですけれども、あまり金額的な差異がない。そうすると、四十五年と四十六年では、おおよその見当ですけれども、一千七百億ぐらいな違いがあるわけでしょう。かりに一千五百億としても、毎年それだけの金額がふえてくる。それの二五%が大体直接、間接に社会福祉に役立てるために投融資されておると考えて差しつかえないんではないかという質問でございますが……。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 預託金増加額の二五%でございます。二五%を直接、間接の被保険者の福祉に還元をする、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 話をそらさないでください。預託金ということはわかっているのですよ。私は大体それぐらいを一つの目安としていいんではないかということをお伺いしているわけですよ。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 二五%ぴたりでございます。大体でございません。二五%を還元融資するということでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 二五%ぴたりですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 預託金増加額の二五%でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それは政令でですか。あるいは運用基準か何かできまっているわけですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 これは厚生省、大蔵省の協議によりまして、「積立金等の運用方針」という中に、二五%をそのような融資に充てるという申し合わせになっておるわけであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それじゃちょっと私も質問があるんですよ。詳しく計算したもので、ちょっと年を忘れたんだけれども、四十一年度か四十二年度は二五%になっていないはずなんですよ。二八%くらいになっているはずなんです。あとで私は御質問しようと思っておったのでちょっとあれですけれども、四十二年だったか、四十一年だったか、たしか私の計算では二八%になるはずなんですけれども、それはもう一ぺん確認いたします。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 二五%が還元融資のワクでございますが、ただ四十一年度におきましては、前回の法律改正によりまして保険料の引き上げが行なわれております。そこで、これらの引き上げと見合って、拠出意欲をふやす、高めるという趣旨でこの二五%のワク外に二十億円のプラスアルファをした。四十一年度と四十二年度たしかいただいておるのでございます。−失礼しました。四十一年度五億、四十二年度十億でございます。  そこで、国民年金の保険料の引き上げが明年度でございますので、保険料の引き上げに際しましては、われわれとしては、二五%のワク外に還元融資のワクをふやすように努力はしたいと考えております。まだ明年度の財投計画を作成する段階でございませんので、その点はまだ未定の状況でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 しかし、それならまあひとつこれからもあるのですから、四十一年と四十二年のところにはぜひコメントをつけていただきたいと思うのですね。そうしないと、ずっと二五%というて計算しまして、片一方二八%なんという数字が出てくるもんですから、私のほうでよけいな質問を申し上げなければならぬことになる。  それじゃ二五%としても、大体金額としては千五百億見当になるでしょう。非常に少なく見積もっても千三百億見当にはなりますよね。つまり、いままでは一千億見当増加するものが、一千三百億もしくは一千六百億見当。これはノーマルな年次計算でいけばおそらく四十六年度が一番正しいとり方になると思うけれども、要するに一千五百億見当の積立金が出てくるということになるわけでしょう。そうじゃありませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 四十五年度におきまして、前年度に比し千六百億程度の増加になる見込みでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから、そのふえた分について二五%でなくて、やはり社会福祉に直接、間接にかかわりのあるものについて、私はもっと還元融資すべきだと思うのです。そのことをひとつ大臣のお考えをお伺いいたしたいし、ぜひきょうそういうことについては確約をしていただけないか、こういうことなんです。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 このたびの改正によりましてふえました分につきましては、いままでの二五%よりももう少し。パーセンテージを上げてもらいたい、できたら三〇%にしてほしいということで大蔵省とかけ合って、これをぜひ確保をいたしたい、かように考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 大蔵省の方来ておられますか。——いまの質問わかりますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 お答え申し上げます。  大蔵省といたしましては、厚生省から二五%の現行の還元融資率につきまして引き上げを求める御要求があったことは確かでございますが、大蔵省といたしましては、資金運用部全体の資金の統合運用というたてまえから、これは財政運営の根幹に触れる問題でもございますので、私どもとしては、二五%の線がただいまのところ妥当であるというふうに考えておりますが、両省の間の問題でございますので、いま大臣の御発言がございましたが、従来申し上げております大蔵省の主張は変えるつもりはございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 国民年金というのはある意味では強制ですね。強制でしょう。強制をしておって国民から取り上げて——これは郵便貯金とか簡易保険と違いますよね。半強制ですよ。強制して取り上げておって、いつまでたっても二五%というもので、あとは出した国民に対して還元をしないということについて、あなた方は良心の痛みを感じませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 たびたび当委員会でも、いろいろな私どもの大蔵省の見解を御説明申し上げておりますように、還元融資そのものの考え方でございますが、御承知のように、国民年金、厚生年金、全体の国民の八五・六%近いものがこの両制度に関連しておるわけでございます。したがいまして、本質的には、こういう年金資金をいかに効率的に国民の福祉に役立つように運用するかということが、即国民への総体的な還元になるのだというふうに基本的には考えておりますが、それはその中でも特に二五%について——これは歴史的ないろいろな問題がございますけれども、二五%について特に直接還元を主体とした還元融資という形でとらえたわけでございます。したがいまして、その二五%を三〇%にふやすことが即拠出者の福祉に役立つものか、あるいは全体を統合して有利に効率的に運用するほうがいいかということは、かなり議論のあるところだと思います。大蔵省といたしましては、その点はやはり二五%という線が妥当だと考えておりまして、あとは七五%をいかに国民の福祉に運用するかということを考えるということで、二五%の線を現在適当だと考えている次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 どうもあなたの御答弁をお伺いしていると、風がふけばおけ屋がもうかる式だと思うのです。これは先だってもお話ししたのですが。  それでは直接伺いますが、これは厚生大臣にもお尋ねをしたのですけれども、火葬場に対する投融資は国民の福祉に役立つのですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 私は、国民の福祉に役立つというとらえ方でございますが、生活環境を整備し国民の生活に影響を与えるものはいろいろな形であると思います。したがいまして、いま御指摘のものが国民の福祉ということばが適当かどうかわかりませんが、国民生活については非常に密着した問題でございまして、これがやはり正常に運営されないということになりますと、国民生活としては問題かと思います。こういうような観点からとらえまして、全くこれを適当でないと言い切れるかどうかということについては自信がございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、あなたにもう一度お伺いいたしますけれども、基幹産業に対する投融資というのは国民の福祉役に立ちますね、あなたの論法からすれば。そういうことになれば、当然年金の中から投融資があっていいはずですよ。輸出の振興についてなぜやってないのですか。あなたの言い方からすれば、直接、間接に国民の福祉に役立つことでしょう。しかし、年金を基幹産業並びに輸出の振興になぜ出さぬかということは、おのずから限界があるから出さぬわけでしょう。そうじゃありませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 答弁が長くなって恐縮でございますが、国民年金並びに厚生年金の資金につきましては、御指摘のように、基幹産業に対する融資は行なっておりません。しかし、資金運用部全体の姿をごらんいただきますと、使途別分類にもございますように、基幹産業、輸出産業につきましてもかなり重点を置いております。しかしながら、資金運用部資金の全体の構成、性質上、これは郵便貯金、厚生年金、国民年金というような国民の零細な貯蓄でございますから、そういうものについては歴史的な変遷がございまして、かつて日本の産業がまだ未熟であったころには、かなり重点がそこに向けられております。しかし、相当成長を遂げました現在におきましては、漸次シェアを減らしております。まして国民年金、厚生年金のお金は、元来その性格からいきまして、基幹産業に対しては使っておりません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 あなた、それは間違いないですね。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 はい、間違いございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、生活の向上に役立つというのだったら、「国民年金積立金等の運用方針」というのは大蔵大臣と厚生大臣で協議決定したものでしょう、そこに何と書いてありますか。「特にその一部は厚生年金還元融資又は国民年金特別融資として、保険料の拠出者等の生活の向上に直接寄与する対象に運用する」と書いてあるじゃありませんか。直接でしょう、これは。あなたの言っているようなことにはならぬでしょう。あなたの言っていることがどこにあるのですか。その残余については、あなたのおっしゃるように「国民生活の安定向上の基盤となる道路、運輸通信、国土保全、地域開発等に運用する」と書いてある。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 いまの先生の御指摘につきまして、私あるいは誤解があるならばまた御叱正いただきたいと思いますが、年金資金を使っておりますこの使途別分類表をごらんいただきますと、一から十二までの分類のうちで、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、この三つにだけ国民年金の還元融資は使っておるわけでございます。したがいまして、この分類に関します限り、私どもはいまの御指摘の線に沿う融資を行なっておると考えております。     〔「厚生大臣の答弁と違うじゃないか」と呼び、   その他発言する者あり〕

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 私語を禁じます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 初めから読んでみますよ。「財政投融資計画の策定に当っては、極力国民生活の向上に重点を指向するほか、特に年金資金等の使途については、国民生活の安定向上に直接役立つ住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業等に最重点をおき」、これはあなたのいま言ったことでしょう。「特にその一部は厚生年金還元融資又は国民年金特別融資として、保険料の拠出者等の生活の向上に直接寄与する」というのでしょう。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 使途別分類についてもう一度申し上げますと、これは先生のお手元に表があるかと思いますが、一から十二までの表がございますが、その中で一−六分類と申しますのが、いまも御指摘のような、年金資金の使途については、極力国民生活の向上に重点を指向するほか、特に年金等については最重点を置くというものでありまして、年金資金についてはその八〇%をその分類に充てております。それから国土保全、道路等について二〇%。このいまの割合から申しますと、八〇対二〇という割合でこれを最重点としております。それから還元融資につきましては、その中で一−三分類、先ほど申し上げました住宅、生活環境整備、厚生福祉施設の三つにしか充てておりません。したがいまして、直接寄与するという面におきましては、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、この三つの分類を私は先ほどから申し上げておるわけでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 一番最後に「資金運用部資金運用審議会の組織を改め、年金制度の諸事情等をも十分に反映させつつ、資金運用部資金全体の公正、妥当な運営を図るものとする。」いままでは増加額が一千億だったものが一千六百億になるわけですよね。だから、年金制度の諸事情というのも、あなた方は勘案をしなければならぬはずでしょう。しかし、私の申し上げるのが間違っていたら訂正していただきたいのだけれども、資金運用部資金運用審議会というのは、いまのところはずっと機能を停止しているでしょう。しておりませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 資金運用審議会はほとんど月平均二回程度審議を開いております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 間違いありませんね。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 ございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それならなおさらのこと、年金制度をこれだけ大幅に変えるわけですよ。所得比例制も導入されるだろうし、それから高齢者に対しては七百五十円という、私どもから考えたらかなり高額なものを、たとえ任意であれ結局徴収する。そういう段階で、あなた方はまだなおかつ二五%必要だ、こう思っておられるのですか。私はその辺の心理がわからぬわけですよ。  つまり大蔵省というのは、よそのほうからの資金というものは吸い上げる、しかし出すほうについては一切おれにまかせろ、強制的に取り上げたものまで還元をしないという、そんなばかなことはないでしょう。少なくとも、逐年増というのが一千億だったのが、制度の改正によって一千六百億に毎年増加をする見込みがあるというならば、そのことについてだってもっと考えてしかるべきでしょう。そしてあなた方は高度成長をうたっておるじゃありませんか。国民生活は豊かになったと言っているじゃありませんか。それなら何でほかの直接年金を必要とする人たちのところに回さないのです。私のほうが議論としてはあたりまえでしょう。それはあたりまえか、あたりまえでないかだけ御答弁してください。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 一言であたりまえだと申し上げるには問題があります。またこちらがおしかりを受けるかと思いますが、あたりまえでないということを一言申し上げたのでは、私としてははなはだことばが足りませんので、もしお許しをいただければ、もう少し答弁をさせていただきたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 通常の、つまり一般的通念としては、それじゃ私の考えのほうを肯定なさいますか、なさいませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 若干議論がございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 どういうところに議論があるか、その議論の点をひとつ説明してください。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 これは私、一課長の答弁としては荷が重うございますので、それはまた……。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 厚生大臣は三〇%というんだから、私はあなたの答弁についてはいささかも異議をはさむものではありません。私はあなたのお考えはりっぱだと思うのです。むしろ悪いのは、大蔵省の考え方のほうに誤りがあると言っているのですよ。それでもまだ四〇%にされるというなら話は別です。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 この年金の還元融資に関しましては、たしか予算委員会また本会議におきましても、各党の代表者の方々の代表質問としてあったと私は記憶をいたしております。その考え方は、ただいま山本さんのおっしゃるような方向で、もう少し大きく見るべきじゃないか。私は、さように思います、次の投融資計画樹立の際にはそういった御意向を反映をいたして、こう答弁をいたしております。そのときに大蔵大臣は、投融資計画の際に検討をいたします——確かにそういたしますという約束はありませんでしたが、投融資計画の際にひとつ考えてみる、こういうことでございましたから、来年度、投融資計画を樹立いたします際に、私は大蔵大臣と十分折衝をいたしたい、そういう経過になっておりますので、御了承をいただきたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 あなたのほうに、大蔵大臣は毎年度年金積立金の運用計画につき厚生大臣と協議決定するという事項がありますね。そういう協議決定した事項というのが、いまお手元にありますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 毎年度協議決定はいたしておりませんが、協議決定したものがございますので読み上げます。昭和三十六年一月二十一日に「国民年金積立金等の運用方針」というものを協議いたしております。毎年はいたしておりません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 これは毎年決定することになっていないのですか。そうじゃないのですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 重要と考えられるときに両省で協議をいたすことはたてまえにはなっておりますが、いわゆる協議というたてまえを形の上には残しておりませんが、毎年予算折衝の際に両省の間で実質的な話し合いはいたしております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 昭和三十九年五月に資金運用審議会に特別委員会を設置することになっているでしょう。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 はい。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 これは四十年三月以降審議が中断されていると私は思うのです。この点は毎月やられておられるのですか、どうですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 先ほど申し上げました通常の審議会は開いておりますが、特別委員会はその後開いておりません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そこにまた私は問題があると思うのです。懸案となっている年金積立金運用基本問題の審議、検討のため特別委員会が設けられているはずですよ。それを、あなた方が特別委員会というものをネグレクトしちゃって、それで運用審議会だけでやっているということ自体に、私は、その二五%の問題にしたって、あなた方みたいに非常にがんこに二五%を主張される方々がおられるので——何でそれじゃ、特別にそういう年金積立金運用基本問題を審議するというものがこの段階になって一つもやられてないということは、おかしいじゃありませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 特別委員会は、御承知のように審議会の中の特別委員会でございまして、審議会のほうの審議では、ただいままでのところ二五%の率が妥当であるという判断をいたしております。したがいまして特別委員会を開いておりません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから私が申し上げるのは、二五%ということについては厚生大臣からのお答えがあったから、私はそれで、多少不満でありますけれども、了承したいと思うのですよ。だけれども、あなた方が資金運用審議会というものの中に特別委員会をつくった意味というものは、それじゃ一体何です。それは何ですか。どういうことのために特別委員会をつくったんです。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 特別委員会につきましては、数度にわたりまして審議をいたしました結果、問題が非常に複雑でございますので、結論を得ずに現在まできておるわけでございます。  私はちょっと説明不足でございましたが、大蔵省と厚生省とで、四十四年度の予算のときに協議をいたしまして、学識経験者等いわゆる四者で別途懇談会を開くことにいたしまして、目下第一回の会合をやったわけでございます。また、今後引き続きその会合を開く予定にいたしておりますが、そこでこの年金問題のいろいろな複雑な問題を討議していただくというたてまえになっております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ちょっとこの問題だけそれでは保留させていただけますか。二五%と関連をさせて……。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 速記を始めて。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 積立金の還元のパーセンテージの問題は別といたしまして、昭和三十五年以来、再三にわたって審議会ではこの管理運用について改善すべきことがいわれておったわけです。いま保険料も上がってくる。積立金も、いまお話をお伺いしたように、どんどんと高額になってくるという段階で一これは辻さんにお伺いしたほうがいいのかもわかりませんけれども、国債の利回りというものはいま六分九厘ですね。そうじゃございませんか。積立金の利回りというものは六分五厘ですね。そうしますと、毎年一千五百億ずつ積立金がふえるということになると、十年たてば一兆五千億ですか、そうなりますね。千六百億とすれば一兆六千億になるはずですね。かりに一兆五千億としましても、一厘違ったら十年たつうちに十五億違ってくるわけですよ。そうすると国債の利回りに対して積立金運用の利回りというものは低過ぎはしないだろうか。しかも特に長期なものがある。そういうことを考えると少な過ぎはしないかというふうに私は思うのですが、その点、利回りについて何かあなた方でお考えになっている点、あるいは検討しようとする点はおありかどうか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 積立金の問題につきましては、先生御指摘のようにいろいろな問題がございます。たとえば、ただいま御指摘のような、もっと有利に運用できないか、あるいは還元融資のワクをもっとふやすべきではないか、あるいは積立金を年金のものは特別勘定として別ワクでやるべきではないかといった、いろいろな議論があるのでございまして、このため、先ほど御指摘のように、前回の厚生年金改正の際に、資金運用審議会の中に特別委員会を設けたのでございます。しかしながら、その後審議は内容的には進んでおらないのでございまして、厚生省といたしましては、いずれもこの積立金問題につきましては前向きに解決していきたい、努力をしたいと考えておるものでございます。そのため、昭和四十四年度予算の編成に際しまして、先ほど大蔵省から御答弁ございましたように、学識経験者の資格ではございますが、関係のある審議会の会長——社会保険審議会の会長であります有泉先生、国民年金審議会の有沢先生、資金運用審議会の末高会長、財政制度審議会の小林会長の四名の学識経験者にお集まりいただきまして、基本的な問題を検討いたしておる段階でございます。厚生省としては、ただいま御指摘のような問題を前向きで努力したいと考えておるものでございます。現時点におきまして、大蔵省としてはいろいろ御意見があろうと思いますが、先ほど厚生大臣が御答弁いたしましたように、両省よく討議をいたしまして努力をしたい、かように考えておる次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 いま一厘上がったら十五億なんですよ。しかし、いま国債の利回りが六分九厘として、いまの積立金の利回りが六分五厘でしょう。そうすると十五億の四倍ですよ。六十億という金が毎年毎年出てくるわけですね。これは私は運用次第によってはもっと有益に使えると思うのです。そういうことから、特別委員会を開かないで審議会だけでやっていくというのではなくて、特別委員会をつくった理由があるのだったら、それをもっと活用する。しかも、あなたの言われておる使途別分類表によれば、道路に出されていますよ。運輸、通信に出されていますよ。地域開発に出されていますよ。これは大資本じゃありませんか。これは全部利用するのは大資本ですよ。保険料を出している国民じゃないのです。そういうところからはもっと高利回りで取ってさしつかえないと私は思うのですよ。そうして国民のほうで必要とする費用についてはもっと安くすればいいのですよ。そういうことについてあなた方で検討をする用意はありませんか。それもお答えになれませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局資金課長

○岩瀬説明員 ただいまの御指摘の点につきましては、運用の利回りの点についてはいろいろ問題がございますけれども、その年金資金の問題全体につきまして四者会談を開いて検討していただいておる次第でございます。したがいまして、特別委員会は現在開いておりませんけれども、四者会談の懇談会を開催いたしておるわけでございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、私は、与党、野党を問わず御要望のある点だ、かように了解をいたしております。したがって、そういう御要望を踏まえまして、大蔵当局、特に大蔵大臣と話し合い、実現に最善の努力をいたしたい。かように考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 この点については、もう一ぺん理財局長や何かがお見えになったときに再質問させていただくということにして、質問を進めてまいりたいと思います。  では、国民年金基金についてお伺いしたいのですけれども、法律改正の参考資料によりますと、「政府の行なう所得比例制を代行いたしますと同時に、業種ごとの特殊の要請に応える上積みの給付を設計することができるようにするため、厚生年金保険における厚生年金基金に準じた国民年金基金を設立する道を開くこととしております。」、こういう考え方が示されております。そうしますと、ちょっとお伺いしますけれども、農民年金の中間報告というのが十三日に出てまいりました。これとの関連は一体どうなるのか。この辺もひとつ御説明をいただきたいと思うのです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 国民年金基金は、ただいま御指摘のように、国民年金の対象者は被用者以外のすべての者でございまして、その業種も多岐にわたっておるわけでございます。国民年金本体といたしましては、これらの方々の平均的なニードに応じて制度の構築を進めていくほかないのでございますが、各業種別にそれぞれ特殊なニードが出てくるのであります。こういったものにつきまして、これを実施し得るという仕組みを今回の国民年金法改正法案の中に織り込んでおるのでございます。これは厚生年金におきましても現にそのような基金制度が設けられておるのでございまして、これらをも参考にいたしたのでございます。  なお、いわゆる農民年金問題につきましては、いろいろな要素を含んでおるのでございますが、農民の年金そのものを改善をするということにつきましては、今回の国民年金法の改正案自体が一つの回答でもあるわけでございますが、なおこれをもっても足りない、現在の農業で特殊な問題があり得る、こういった問題につきましては、制度上の仕組みとしては、国民年金基金を活用してこれらの特殊のニードに対応していけるではないかということが、先般の審議メモの要点でございます。  なお、その内容につきましては、今後関係者の意見及び部会の審議が煮詰まることを待っておる状況でございますが、年金の体系といたしましては、国民年金基金を活用していくということが、先般の審議メモの一つの要点になっておるのでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 業種ごとの特殊の要請にこたえて上積みの給付を設計する、こういうことになれば、たとえば中小企業なら中小企業、農民なら農民というものが、あなたのおっしゃるニードによってということになれば、国民年金というものを中心にして、むしろそれを基盤に置いて体系化されたものが私はあるべき姿だと思うのです。もしそういうふうなお考えによってなされるとするならば、国民年金を体系的に充実させるというのですか、そういう考え方と反対の方向、つまり逆行にしかならぬのじゃないか、私はこういう気がするのですよ。ひとつその辺の説明と、もう一つは、これは厚生省も御関係があると思うのですけれども、農民年金という制度の発想の根拠といいますか、そういうものをあわせてお伺いしたいのです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 基金制度が年金をばらばらにするのではないか、年金の体系を乱るものではないかという御議論があるのでございますが、しかしながら、この基金制度と申しますものは、農業なら農業、中小企業なら中小企業というものを、もとからばらばらにするという意味ではないのでございます。国民年金という制度を一つの共通のいわば土壌といたしまして、それを利用することによって利益を享受しつつ、その上に、国民年金の一般的な制度では達成し得ないものを、たてまえといたしましては、各関係者の拠出によってそういう特別な給付をしようということでございます。したがいまして、年金制度といたしましては共通の土壌の上に立つ、それぞれ特殊性に応ずるものでございまして、年金制度の体系を乱るものとは考えておらないのでございます。  なお、農民年金につきましては、先般の経済社会発展計画以来、主として農業を継続する者につきまして、国民年金の改善、活用等により特別の考慮を払うべきであるということがうたわれておるのでございますが、それらを受けまして、あるいは予算委員会における御審議等を契機といたしまして、国民年金審議会におきまして農民年金問題専門部会が設けられ、審議を重ねてまいったのでございます。ただいまは、その審議の状況を先週、国民年金審議会、親審議会に審議メモの形で報告したという状況でございますが、その報告のおもな点は、一つは、年金の体系としては国民年金基金を基礎として考えていく。さらに給付の重点といたしましては、国民年金制度の支給開始年齢は六十五歳でありますが、現在の農業が置かれておる特殊の状況からいたしまして、六十五歳より早期の経営移譲が望ましいので、その点を重点に考えてみてはどうか。その他いろいろな問題点が多数宿題として残っておるのでございますが、その二つの点がおもな内容というふうにわれわれは了解いたしておるのでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 農民年金をつくる創設の理由というのが早期の経営移譲ということにあるのだとするならば、農村の実態からいえば、五年あるいは十年の間に経営を移譲しなければならない。これが私は農村の構造変化の実態だと思うのですよ。だけれども、現実に農民年金を実施してその効果があるのは二十年か二十五年先でしょう。そうすると、あなた方の意図する経営の移譲というものと年金の給付というものには、非常な時期的なズレが出てくると私は思うのです。そういうものをいま創設していいのだろうかどうだろうかということが第一点です。  もう一つは、せっかく国民年金というものをずっと条件的によくしようとしているものが、農民年金をつくることによってあらためてまた格差をつくられる、こういう結果になりはしないだろうかと思うのです。  もう一つは、中学を出て農村に入るという人は約六万人くらいおるといわれておる。しかしその六万人ですら、いまの場合では労働力としては多過ぎるのではないだろうか。その政策はよしあしですよ。私はいまの政府の政策に対しては批判を持っておりますけれども、その政策は別として、六万人ですら多いといわれる段階で何で経営移譲ということに重点を置いてやられるのか、この点私は納得がいかないわけです。  もう一つは、これはついせんだっての新聞でありますけれども、農家の所得の伸びがとまっておるわけでしょう。そうして米価の問題から考えても来年は同じような傾向が出てくるのではないかといわれているけれども、あなた方の考えの中には「農村における生活水準の急速な向上などの事態に際して」ということがちゃんと明確にうたわれているのですよ。しかし所得の伸びは鈍化をしている、こういう実態もあるじゃありませんか。そういう中であえて農民年金を創設しようとする理由が私はわからないのです。私はあなた方の考え方というものは、考え方からいっても明らかに筋が通らないような気がするのですよ。これはひとつ大臣に御答弁をお願いしたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 農民年金という制度が必要であるかどうかという点はいろいろ議論のあるところでございましょう。わが党におきましては、農民年金というものは日本の農政上必要である、さように考えております。また政府も同様にさように考えております。そこで、いずれ御審議をいただく時期が来ると思いますが、その発想は、先ほど申しますように、日本の農政上特殊の条件を備えた農民については年金制度を設ける、かように一応思想統一ができております。  そこで、そのこまかい条件、適用される農民の範囲、また、どういう条件でという点は、いま審議会において審議中であり、同時に農林省におきましても、今後の農政とからみ合わせてただいま検討中でございます。それができましたら、私どもは、この国民年金の中においてやるのが適当だという結論になれば、そこで受けてまいりたい。そして国民年金と農民年金と二つもらう人ができるか、あるいはそういう人については合わせたものを一本にして農民年金と呼ぶか、これは法律のつくり方でありますから、そのときによく検討いたしたいと思います。  いまからやって急場の農政に役立つかという御議論に対しましては、農業のその対象者の方々の拠出と、それから給付、これをどうかみ合わせるかという問題であり、同時にそれには国費をどう使うかという問題でもあるわけです。したがって、二十五年たたなければ農民年金というものは出てこないというようには考える必要はなかろうかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、これは大臣のおことばからいえば、党と、それから政府もそうお考えになっている、こういうお話でありますが、ただ大臣と伊部さんに、個人的な見解でけっこうでございますから、もう一ぺん私はお伺いしたいのですけれども、経営の移譲ということでこの農民年金制度というものが創設されるとするならば、いま農業の労働人口というものは減っている。そして現在は、中学出てすぐ農業に入る人が、つまり農業一年生というのですか、そういう人が六万人おるといわれているけれども、それだけでも過剰だといわれているのですよ。これが第一点。  第二点は、いまの政府の行なおうとしておる農業政策というものは、五年ないし十年の間に改善を行なおうとしているのだけれども、そしてそれが経営移譲ということと結びついておるのだけれども、年金の効果というものが発生するのは二十年ないし二十五年以降でしかない。そこには大幅なズレがある。この点について、あなた方はどうお考えになっておるか、それだけでけっこうでございます。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいまの段階は、農民年金問題専門部会が研究中の状況を報告したということでございまして、厚生省なり政府がどういうふうにこれからこれを考えていくかというのは、いま少し部会の煮詰めを待つ、あるいは各種の調査を待とうという状況でございます。  ただ、第一点の六万人が過剰ではないかという問題につきましては、厚生省として所管でございませんので、お答えするのは適当でないと思いますが、第二点の年金制度につきまして、年金がその効果の発現につきましていわば即効的ではないという点は、御指摘のとおりでございます。御指摘のとおりでございますが、この点は、部会におきまして——この部会は、農政関係者が半分、社会保障等の年金関係者が半分、半々で相談をいたしておる部会でございますが、この部会の審議の中におきましても、そういう意味での即効性はないが、しかし今後の農業の近代化の上にいろいろな政策を考えなくちゃならぬだろう、その上の立場に立てば、経営移譲という問題について近代的規律を設定することが必要でもあり可能でもある。かつまたその上において、この年金制度というものが即効ではなくとも少なくともやはり役に立つであろう。したがって、それを考えてみてはどうであろうかというようなことが、議論としてこのメモに載せられておる状況でございます。この点だけお答えにかえて申し上げたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 拠出制の老齢者の任意加入の問題についてちょっとお伺いしたいのですけれども、昭和三十六年四月一日の時点で五十歳以上五十五歳までの人で任意加入しなかった人々について、昭和四十五年一月一日から翌年の六月三十日までに申し出て、これを被保険者にすることができる・こういうのがありますね。ここで、昭和三十六年四月一日に五十歳の人は、いまの時期では五十九歳になっているわけでしょう。それから同じく昭和三十六年四月一日に五十五歳の人は六十四歳になるはずです。それでお伺いしたいのは、これはつまり五十九歳の人が五年間保険料を納付したら老齢年金を受けられるということになるわけですか。つまりこれは救済措置だと思うのですけどね。     〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘のように、昭和三十六年に国民年金が発足した際に、当時五十歳から五十五歳の方々につきましては、いわゆる高齢任意加入の制度があったのでございます。この制度に入られました方は約百万人でございまして、二百万人が未加入でございます。そこで、今後の老齢問題を考えますと、たとえ年金額におきましては必ずしも十分でなくとも、やはり定期的な年金をもらいたいという方をなるべく急速にふやしていくということが今後非常に大事なことではないかということを基本線として考えておるのでございまして、このため、これら二百万人の方々につきまして今回再加入の道をつけよう。そこで、わずか五年で年金をつけるというようなことは、従来の年金制度では例がないのでございますけれども、いわば前例のない措置を講じまして、たとえばこの方々の必要な保険料は約三千三百円になる見込みでございますので、いわば赤字要因にはなるわけでございますけれども、長期的に見まして、なるべくある年齢層において占める年金受給者の割合をふやしていくという政策の一環として、かような問題を取り上げたという次第であります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、確認いたしたいのですが、昭和三十六年四月一日に五十五歳の人は、四十五年の時点では六十四歳になるわけでしょう。それから五年かけるわけですね。そういうわけでしょう。そうしますと、これは五十九歳になるわけですね。  厚生省、どなたかおられますか。日本人の平均寿命は幾らでしょう。男の平均寿命、女の平均寿命でけっこうです。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 ちょっと資料を持っておりませんが、申し上げますと、四十二年の統計によりまして、男が六十八・九一歳、女が七十四・一五歳であります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 日本人の平均寿命が六十八・九、六十八歳としてもいいし、四捨五入して六十九歳としてもいいのですが、平均寿命の六十九歳で死ぬときに、六十九歳まで五年間かけさせるのですか、あなた方は保険料を。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 制度といたしまして、五年間で年金をつけるという制度を今回導入いたしました。一番年齢の上の方におきましては六十九歳になるわけでございます。ただ、そのままで現行制度では何の手当てもいたしませんと、七十歳からの老齢福祉年金になるわけでございますけれども、それよりも年金額も多いし、所得制限もない。拠出年金につながりますと、再計算のつどいろいろな改善が行なわれるわけでございまして、このほうがやはりベターであろうと思います。  ただいま社会局長が申しましたのは、零歳時における平均余命でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 零歳時における平均余命もそうですけれども、たしか一番平均余命の高い六歳か七歳でも、せいぜい六十九歳だろうと思います。だから私はいま六十四歳になった人に五年間保険をかけさせて、平均寿命の六十八・九一歳ですか、かけ終わった瞬間になくなるということですよ。あなた方がせっかく老齢福祉年金、七十歳からというんだったら、何でそれを六十五歳まで下げるということをお考えにならないかというのです。そのことのほうが、むしろ考え方としては、あなた方のいう特別の配慮ということになりはしないだろうか。かりにその当時五十四歳の人でもいま六十三歳、それが五年間かけてもらって一年したら、平均寿命からいえばなくなってしまう、こういうきわめておかしいことが出てくるんですよ。場合によれば、かけている最中になくなってしまうというのがたくさん出てきますよ、これは。だから私は、平均年齢というものを考えた場合には、あなた方はせっかくそこまでの配慮をやるんだったら、なぜ六十五歳まで下げることをお考えにならないんだろうか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 七十歳におきます平均余命は男子九・五六年でございます。女子は十一・七二年でございますので、なお相当の余命があるということでございますが、この老齢福祉年金の年齢の引き下げにつきましては、かねて御要望のある点でございますが、いままでのところ、非常に多くの一般会計の負担を伴いますので、まだ達成し得ないでおるところでございます。かつまた、達成し得たといたしましても、福祉年金は一般会計でございますので、その給付の額におきましても限度がございますし、また所得制限もあるわけでございまして、やはり本来の拠出制の年金に結びつけられればつけられたほうがベターである。そういう意味合いにおきまして、こういう方々は、昭和三十六年当時は入る機会を失された方たちでありますけれども、もう一回機会を設けよう、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは七十歳というのを六十九歳にだって下げられるでしょう。老齢福祉年金というものを六十九歳に下げることだってできるでしょう。一挙に六十五歳にできなければ、六十九歳にだって下げられるのではありませんか。そういう努力があってしかるべきだと私は思うし、そういう努力をするというほうが、むしろ特別の配慮になるんじゃありませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 それも一つの努力だと思いますけれども、福祉年金を全体的に考えます場合におきまして、やはり一般会計でございますので、おのずから限度があるのでございまして、その場合に、どこに重点を置いて改善をはかっていくかということは、非常に重要な問題でございますが、いままでのところ年齢の引き下げまで、実は力が及んでいないという状況でございます。老齢福祉年金の支給開始年齢を引き下げるという問題いかんにかかわらず、拠出制年金をいろいろくふういたしまして、厚生年金においてもそういうくふうのあとがあるのでございますけれども、やはり拠出制年金をふやしていくという努力は、どうしてもしなくてはいけないというふうに基本的には考えておるのでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 たいへん不満ですけれども、時間のこともあるでしょうから先に進みたいと思うのです。  母子福祉年金が月額二百円上がっていますね。それから準母子福祉年金も月額二百円上がっている。それから障害福祉年金も二百円上がっているわけですね。あなた方の特別な配慮で任意制でおやりになることはけっこうですけれども、老齢福祉年金だけ何で百円になっているのか。ほかは全部二百円ですよ。老齢福祉年金だけ、上げるのは百円、半分だという理由はどこにあるのです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 百円引き上げということで十分であると考えておるわけではございませんが、百円引き上げに伴う予算額は約四十億円でございまして、なかなか大幅な引き上げはむずかしい状況でございます。今回の改正法案によりまして、明年度、平年度化いたしますこの改善に伴う経費が、現行制度はわれわれも十分とは思っておりませんけれども、これでも六十一億円に相なるのでございます。  そこで、今後ともこれらの問題については改善に努力いたしたいと思うのでございますが、障害、母子につきましては、生活の内容が、むしろ被扶養者というよりは扶養をする立場に立つ方々が多いのでございまして、そういう点を考えまして、多少ではございますが、老齢よりも若干待遇をよくして引き上げを実施した。従来ともそういう例があるのでございますけれども、そういう配慮から老齢は百円にとどまりましたが、障害、母子につきましては二百円の引き上げを実施しました。なお、これによりまして連続五年の引き上げに相なる次第であります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 扶養する必要があるというのだったら、ここであなた方がおつくりになったデータで私は申し上げますよ。つまり、総数を一〇〇とすれば、仕送りをしてくれる子供がおらぬというのが八九%ですよ。仕送りをしてくれる子供が一人おるのが七・三%、二人おるのが二・一%、三人おるのが一・四%、その他は不詳というのが〇・二%。そうすると、仕送りをしてくれる人がおらぬというのが八九%という数字は、たいへん高い数字であると思う。これは厚生省でちゃんと書いている高齢者実態調査の数字ですよ。扶養される必要があるという数字が圧倒的に多いじゃありませんか。極端な言い方をすれば、母子福祉年金と同じようなウエートを持たせていいはずですよ。それならば、母子福祉年金、あるいは障害福祉年金、そういうものを二百円上げるのだったら、なぜ老齢福祉年金だけ百円にするのか。理由にならぬでしょう。あなたは、扶養してくれる人がおるからというけれども、現実には仕送りをしてくれぬ人が八九%いるじゃないですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 いまの高齢者実態調査によりますと、子と同居いたしておりますのが七九・九%でございます。おそらくただいまのは、子と別居している一四・四%の方々についての資料であろうかと思うのでありますが、子と同居しておる方たちにつきましては、やはり広い意味での扶養があると考えられる場合の方が多いのではなかろうかと思うのでございます。これに対しまして、障害や母子の場合は、生計の中心者になるケースの方が多いようでございまして、こういった点、障害、母子を老齢よりも優遇した次第でございますが、今後とも老齢年金の改善につましては一そう努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 あなた方が当然二百円にすべきものを何で百円にしかしないかということの理由は、老齢福祉年金を受ける人が二百六十六万おるということなんですよ。そして、障害年金の受給者は三十二万、母子福祉年金は七万三千。そういうふうに、少ない人だから二百円、これは人数が多いから百円でまけておけ、こういうことなんですよ。そういう考え方というのが厚生省の底にあるのじゃないかということを私は指摘したいのです。それがほんとうの厚生行政になるかどうか、私はその点をよく考えてもらいたいと思うのですよ。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 福祉年金につきましては、今後とも改善の努力をいたしたい。従来のが必ずしも十分とはわれわれ思っておりませんけれども、引き続き努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私が最後に、ことしはこれでよかろうと判断をいたしましたのは、障害年金、母子福祉年金はもともと老齢福祉年金よりも高いわけであります。御承知のように、現在福祉年金は千七百円、障害福祉年金は二千七百円、母子が二千二百円ということになっておりますから、したがって、同じ率にはなっておりませんが、高いものをよけい上げるということが一つと、それから老齢福祉年金は、御承知のように夫婦受給制限を撤廃いたしました。これはすべての人がそろってもらっておるというわけではございませんが、相当大部分の人がもらわれるわけであります。ことしはその制度に初めて踏み切ったわけでございますので、本年はこの程度でどうであろうか、かように考えた次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 六十五歳以上の人口が約六百三十万七千人。これは「厚生の指標」です。その中で老齢福祉年金を受けておる人が約二百六十六万人。それで老齢福祉年金の受給者と恩給の受給者で七一%を占めているわけですね。しかし、私の計算ですから確かでないかもわかりませんが、老齢福祉年金を受ける可能性のある人というのは二九%になると思うのですよ。そうすると二九%という数字というのは、高齢者の中からいえばそんなに少ない数字ではない。大臣は、障害あるいは母子というものと老齢福祉年金と比べたら前者のほうが高い、こう言っているけれども、高いということで半分という、常に二百円、百円というもので逐年やっていかれるならば、私はその格差というものはずっと広がってくるのじゃないかという気がするわけです。ですからこの際やっぱり、ほかが二百円上がるのだったら——物価の問題もあるのです。これは審議会の報告にも出ているわけです。そういうものを勘案しなければいかぬ。そうすると老齢福祉年金についても、私は二百円というものを当然考えていいのではないかという気がするわけです。それをことしやることがむずかしければ、来年は少なくとも——来年制度が改正されるかどうかわかりませんが、制度が改正されるときには、少なくとも障害福祉年金、母子福祉年金、これと同じような額で上げるのが当然だと思うのですけれども、これはひとつ大臣のほうにお約束していただけませんでしょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 大体、当初設けられたときには、それぞれのバランスをとって設けられたものだ、かように考えます。したがいまして、物価の上昇あるいは生活水準の向上等と見合って上げてまいるわけでございますから、そういう意味におきまして、上げる率は大体同じものであってしかるべきだ、この御意見には私も同調でございます。そこで、あるものは四捨五入をしたり、あるものは切り捨てたりという関係になりますが、老齢福祉年金の上げ方がいつも四捨五入のような形になって、あるいは端数切り捨てというようなことで下がっているという現象もあるわけであります。したがって、ときには老齢福祉年金のほうを全部一律に二百円上げるという年もあっていいだろう、かように考えます。  そこで、それといま一つは、先ほど申しましたように、本年は夫婦受給制限を撤廃いたしたということもございまして、来年はまた、いまおっしゃいますようなそういう考え方に立ちまして、老齢福祉年金は毎年百円に限る、こういう原則を立てておるわけではありませんから、いままで百円ずつは少なかったということを念頭に置いて考えてまいりたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 伊部さんにお伺いしたほうがいいのか、あるいは今村さんにお伺いしたほうがいいのかわかりませんけれども、老人一人の生活費をいま幾らに見ておるのですか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 いろいろな環境が違いますので、生活基準は一級地から四級地いろいろありますけれども、普通の日常生活、最低基準というようなかっこうになると大体七、八千円から一万、それに住居費あるいはそのほかの医療費というふうないろいろな要素が加わりますので、ちょっと見当が……。定型的なものはつくっておりません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 少なくとも老人一人の生活費というものは一万五千円程度というのが私は常識とされておると思うのです。そうしますと、軽費老人ホームというものの場合を考えると、これは月額九千円から一万三千円出さなければならぬわけですよ。それから有料老人ホームになれば、これはもっと高くなって一万から一万八千円くらい出さなければならぬ。これは使用料といいますか、利用料といいますか、それを支払わなければならぬわけでしょう。そうしますと、いまの老齢の年金で軽費老人ホームにすら入れないという問題が出てくるのではないだろうか。つまり、年金制度というものをせっかくあなた方はお考えになっても、そして核家族というものがいまやもう増加傾向であるという段階の中で、それじゃ若い人たちから疎外をされて、そうして行くべきところがない。軽費老人ホームにでも入ろうとするけれども、いまの年金では入れぬという矛盾が出てきますね。だから、もし厚生省のほうでそういう点をお考えになって特別な配慮を高齢者になさるということになれば、少なくともそれだけのものが基準として与えられなければならぬのじゃないだろうか、私はこういう感じがしてならないのです。ですから私は、もう少し月額にしても上げるべきではないだろうか。重ねて……。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 扶養される方がなくて、そうして収入がないというお方には生活保護をいたしているわけでございます。したがいまして、この福祉年金は文字のとおり福祉年金であって、お小づかいの程度ということで、一人で生活のできない人には、十分でないとおっしゃればないかもわかりませんけれども、生活保護費で保護をいたしていく。これは生活保護を受けない方々、かように御了解をいただきたいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 高齢者の実態調査によりますと、自分の収入で暮らせない人が現実には六六・八%おるのですよ。それで若い人たちは、老人を見るということについて、そういう言い方はなにかもわかりませんけれども、こだわりを感じておる。だから高齢者はだんだんと疎外をされていく。こういう実態の中で、もっと大幅に高齢者に対する処遇というものを考えてやらないと、どうにもならない事態になってくるのじゃないだろうか。しかも昭和五十年になりますと、二百六十六万という高齢者が二百八十四万にだんだんふえてくるわけです。そして昭和六十年には三百万をこすという実態になってくるわけです。皆さん方は、あるいは六十年までには何とかなるだろうという安易なお考えをお持ちかもしれませんけれども、いまからやはりそういう対策をお考えにならないと、私は間に合わぬと思うのです。それは逆に言えば、積立金の問題で前回の質問のときに、いまから蓄積するのだという伊部さんのお話があったと思うんですよ。むしろ逆にそういう問題が起こるのじゃないだろうか、こう思うのです。だから私から言わせれば、もっと抜本的な対策を考えるべきだと思うし、長期の計画というものがあってしかるべきだ、こう思うのです。だけれども、いまのような実態のあり方でいくならば、私は将来に対する展望というものはお考えになっておらないような実は気がするわけです。その点をどうお考えになっているのか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘のような、老人問題といいますものは、現在すでに相当重要な問題でございますだけでなく、今後ますます重大化してくると考えられるのでございます。そのため、年金制度の改善といいますものは非常に急を要すると考えておるものでございまして、このため厚生省といたしましては、今回の厚生年金の財政再計算期に合わせて、同民年金につきましても改正を行なう、かつ国際水準に比較しても見劣りのしないレベルに両制度を改善しようと考えておるのでございます。今後とも、老齢の問題の重大化に伴いまして、レベルの改善、引き上げ、あるいは年金受給者をふやすといったような努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 だから、そういうものと関連をさしてもう一ぺんお伺いしたいのですけれども、老齢福祉年金の支給、つまり無拠出のあれですが、この年齢をもっと下げることができないのか、そういう考えはないのかということなんですよ。民間の場合ですと五十五歳で定年になります。そうすると、七十歳まで結局そういう谷間に落ちなければならぬわけでしょう。外国では老齢年金の支給というのは大体六十五歳でしょう。違いますか。もっと上ですか。外国の年金制というのは、ぼくは六十五歳ではないかと思うんですよね。それは間違いないと思うのです。日本の場合に老齢福祉年金は何で七十歳になっているのか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 外国の老齢年金の支給開始年齢は六十五歳が通常でございます。これは拠出制の老齢年金でございます。おおむね六十五歳でございますが、無拠出の年金は必ずしも持っておる国が多いわけではございません。たとえば、最近廃止をされるわけでございますけれども、英国の一九〇八年の無拠出老齢年金はやはり七十歳でございます。数年前の改正によりまして、アメリカの老齢年金の中に、事実上無拠出に近い、半年程度の拠出でもらえる——一年半たったか、ちょっと正確でありませんが、ほとんど無拠出に近い方にも年金を出すという制度を導入いたしましたが、これは七十二歳でございます。したがって、無拠出の場合で国際的に比較をいたしますと、七十歳というのは必ずしも高いとは言いがたい、かように申してよろしいかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ただ一番心配することは、老齢になって、たとえば定年で退職したという場合に、ある人は何割か賃金が安くなって働きに出るでしょう。あるいは退職金をそのまま食いつぶしていく人もおるんですよね。それから条件のいい人の中には、商売を始める人がおるかもわからぬ。それからもう一つ考えられることは、家族制度の中で、核家族云々といわれながら、その中で残って小さく生活していく、そういうことになるかもわからぬです。どうにもならない人たちが養護老人ホームに行くわけでしょう。そういうことを考えますと、老齢者の社会保障というのが一番私はおくれているのじゃないかという気が実はするわけです。そして退職をすれば、どうせこの次には話に出るでしょうけれども、健康保険というものが、いままで十割ですか受けておったのが、今度は国民健康保険ということで七割になっているでしょう。働いているときに比べると非常に条件が悪くなっているというような問題が重なってくるのじゃないだろうか。そういう場合に、その保障というものがもっと考えられなければならぬのではないかという気がするわけです。  そういうものから考えると、どうも大臣の御答弁があるけれども、二百円ぐらいは上げてもいいのじゃないか、一般並みに百円というのはどうも私は割り切れないんですよね。しかもこれは家族になりますと、国民健康保険というのは五割ですよ。十割いままでもらっていたのが五割は負担しなければならぬということ。自分がつとめているときはゼロ、今度は五割という、そういう面までやってくれなければ、高齢者というものは条件的にますます悪くなってくる。しかも核家族の中で家族と同居している人たちは小さくなっている。きのうの新聞ですか、なくなった人がおりますよね。養護老人ホームかどこかに行く途中で倒れて、そのままほったらかしにされてなくなったという事実もあるわけです。そういう事実を考えると、もっと手厚いことが考えられていいのじゃないか。年齢的にももっと下げてもいいのじゃないだろうか。申しわけないですけれども、長期的な展望も含めて、お考えをもう一ぺん聞かしてほしいと思うのです。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 長期的な展望ということになりますと、ほとんど拠出年金をもらえるようになる。したがって、いまの段階において夫婦二万円年金、それは低過ぎるという点もありましょうが、これも将来上げてまいりたいと思いますけれども、拠出年金をみなもらえるというようになれば、私は、大体それでよくなるのではないだろうか、大体これで外国の一流国並みだ、かように申していいと思うわけであります。したがって、長期展望よりも、むしろそれまでの間の、まだ福祉年金しかもらえないという人たちをどうするかという問題だと私は思います。そこで、百円は十分ではないと私は思います。しかし、先ほど申しますように、ことしは夫婦受給制限も撤廃したときでもありますしいたしますので、百円分ということできておりますが、来年あたりはもう少し考えなければなるまい、かように思っておるわけであります。  老人の医療費の問題につきましては、これは厚生年金とも特に関係を持つわけでありますが、いままで被用者としての保険に入っておられた方が国民保険に入ってくるという、この点は抜本改正の際に老人保険として特別に考えてまいりたい、そうしてあまり年をとってから拠出保険料をかけなくても相当の給付のもらえる保険にいたしたい、これが抜本改正の一つの山として考えているところであります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 大臣のほうで受給制限ということばがあったので、私はちょっとお伺いしたいと思うのですけれども、去年の七月の十五日だったと思うのです。老齢福祉年金を夫婦でもらう場合の受給制限というのは実態に合わないということで、東京地裁が牧野さんでしたかに判決をしましたね。あの結果は一体どうなっていますでしょうか。つまりそれ以後の事態ですね。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘のように、東京地裁におきまして、四十三年七月十五日、牧野氏の老齢福祉年金の受給に関する判決があったのでございますが、政府は七月二十五日、東京高等裁判所に控訴をいたしまして、ただいま控訴審が進行中でございます。  政府といたしましては、老齢福祉年金の夫婦受給制限は違憲とは考えておらないのでございます。かつまた、厚生省といたしましては、かねてこれを撤廃するよう予算要求を数年来いたしておったのでございますが、たまたま本年度に大臣折衝におきまして、これがようやくまとまったのでございますが、この判決そのものは、国会で成立をした法律が違憲であるという御判決でございますので、政府としては、さらに上級の裁判所の判断を仰がなければならない立場にあると考えておる次第でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうしたら、いま夫婦受給制限の撤廃を提案されているわけですね。これは私どもも賛成です。そうすると、これがかりに通ったら、その上訴というんですか、上告を取り下げになりますか。あなたは、国会の議決によってそうなったんだから、違憲ではないという考えであると思う。今度国会でこれが承認されたら、いまの上告をお取り下げになることになりますね。しなければならないことになりますね。と申しますのは、つまり七十歳過ぎて、そしてまあ老いの一徹か何か知りませんけれども、それで提訴した。それがまあとにかく一応実態としては認められて、それで受給制限をなくしたわけでしょう。そうして今度それがかりに通った場合には、これは国会の議決を経たわけですよ。しかも、そういう老人に対して、厚生省が大上段に振りかぶって、違憲であるとか違憲でないとかいうことをいま云々する必要も別にないような気が私はするわけですね。ましてや、受給制限というものがかりになくなった、撤廃をされたという段階においては、そのことについて再考慮をするということがあり得るのか、あり得ないのか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 この法律が国会で成立いたしますと、老齢福祉年金の夫婦受給制限はなくなるわけでございますが、しかしながら、昭和三十四年からこの法律が施行されるまでの間の法律があるわけでございます。この十年間、違憲の法律が存在したかどうかということが、やはり一つの大きな法律問題になるのでございまして、牧野さんの訴訟があったから夫婦受給制限を廃止するわけではなくて、厚生省としては、かねてから予算要求したものを今回ようやく達成をしたのでございますが、牧野さんのお立場からいえば、少なくとも本年十月以降は、違憲であるないの議論にかかわらず、事実上目的は達成された、そういう状況になっておるわけでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 園田さんはこう言っておるのですよ。「社会保障について述べた判決の趣旨には賛成だ。老齢年金受給者の強い要望にこたえて来年度から夫婦受給制限を撤廃する方針だ。」これは現実としては認めたことでしょう。法というものは、私は再三申し上げたことがあるのですが、運用だと思うのです。何もそういうことにこだわる必要もないし、そうして、老い先のそう長くない老人に対し、いまからこれは面目というかメンツというか、そういうものにこだわる必要もないと私は思うのです。そうして、これを控訴するというようなことを別になさらないでもいいんじゃないかという気が実はするわけですよ。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 これをとり下げるかどうかということは法務省の関係でございますから、私の考えといたしましては、それは、判決を下されて憲法違反だといわれたからやるのだということではない。しかしながら、牧野さんの要望も、これは憲法違反だからけしからぬというよりは、むしろ夫婦二人一緒にくれないというのはあまりひどいじゃないかということだろうと私は思うのです。それを弁護士が違憲だということで、裁判長もそういう判決をしたのでありましょう。しかしながら、今度やりましたのは、われわれも、これは憲法違反だからそれをやるという趣旨ではなくて、まあ牧野さんの、憲法違反というよりは、あまりにひどい運用じゃないかという御意思もあるでありましょう。したがって、これは牧野さんがああいうことをやられたから通ったといって霊を慰めてあげても、私はいいと思うのです。  しかしそれを、あの法律は憲法違反であるかどうかという問題は、これはやはり他の今後の立法の参考にもしなければならぬわけであります。われわれ国会において、皆さま方が憲法違反の法律を通したのだ、こういうようなことに最後までなるかならないか。もしあれが憲法違反だというのであれば、これに類似のものは憲法違反だということになるおそれがあるので、これを改正しなければならぬというものが出てくるかもわかりません。そういうような意味で、これはあるいは法制局長の分野かもわかりませんが、私は、やはり法律上は憲法違反であるかどうかということをはっきりしておいたほうが、将来の立法のためになるだろう。ただこの問題は、牧野さんがそういうきっかけをつくられたということで、牧野さんの霊を慰めてやってもよかろう、さように思います。だから牧野さんに何ら関係がないと私は申しません。これは五割か六割かある、こう考えていただいても私はいいと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それじゃ最後に一つ質問をいたしますが、「国民年金制度改正に関する考え方昭和四十三年十月十九日」の一審最後のところに「二十歳前に生じた廃疾の取扱いは、児童手当制度との関連もあり、なお引き続き検討することとする。」、こうあるわけですね。懇談会のあれでは、これが義務教育までということになると、義務教育が大体十五歳まで。そうすると二十歳との間に五年の開きがある。このことについて一体どうなのか。これはずっと引き続いて検討しっぱなしになるのか。いつめどが出るのか。児童手当制度がきちんと創設をされるまでは、この対策については従来のままになっておるのかどうか。このことをひとつお答えをいただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 二十歳前に生じた廃疾あるいは先天的廃疾の方は、二十歳になりました場合に障害福祉年金を受けられるわけでありますけれども、この方々につきましては、拠出制の年金を出すべきじゃないか、出してもらいたいという御要望がかねて強いわけでございます。国会のほうの御議論等にも多いのでございますが、この点につきましては、国民年金審議会にもその経緯を申し上げまして、かような御意見をちょうだいしたということでございますが、ここに書いてございます趣旨は、児童手当制度と申しますのは、扶養されておる状態の場合に、その扶養に対していわば支給をするというものでございますから、この二十歳前に廃疾があって、永久的に扶養されておるというような状況の場合は、児童手当の支給年齢を延長する、そういった形で解決されておる例が外国では多うございますので、そういう児童手当制度との関連をもう一ぺん考えてみる必要がある。年金制度としてもなおいろいろ検討しなければいかぬ問題があって、この時点では結論が出せない、しかし引き続き検討するということを宿題として残しておる、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、要するに義務教育の間は扶養だ、まあしかし私は、高校の場合も扶養されておると思いますけれども、それは別として、とにかく一応義務教育が十五歳で、十六歳から二十歳までの間にそういう児童扶養手当というものを延長していくという考えというものを、一応そういう方向で考慮されておるということは、たいへんけっこうだと思うのですよ。ですから、そういうふうな方向をたどっておるというふうに理解していいですか。     〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 そして要するに、二十歳になればいわゆるこういう年金制度ではめていく、そういう前向きの方向でやっているというふうに理解をしていいかどうか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 児童手当制度の延長ということで解決し得る可能性があるということでございまして、現在の段階でそう考えるということではございませんで、もしそういう方向で考えれば、廃疾の方につきましては、児童手当をずっと永久にこういう方々を扶養する方々に支給をするといったような解決方法になろうと思います。その他なお年金制度として検討を要する問題があるので、もう少しく検討したい、こういう趣旨でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、給付からいえば、厚生年金は二十年、共済年金も二十年、しかし国民年金の場合には二十五年、こういう問題が一つございますね。それから、厚生年金の場合は二十年で現在では単独が一万円、夫婦で二万円、国民年金の場合は二十五年で単独五千円、夫婦一万円。それから、厚生年金は給付開始の年齢が六十歳、国民年金は六十五歳。こういうのはいままでずっと縮まってないと私は思うのです。そういう点についてひとつぜひ御配慮をいただきたいし、それから退職なんかの場合でも、恩給の公務員、それから共済と国民年金とはだいぶ違うと思うのですよ。今後国民年金というものがやはり私は主体になってくるのじゃないかと思うので、その底上げをやっていきながら、一本化といったらなんですが、そういう方向に進むべきだと思うのですけれども、そういうことをひとつぜひ配慮していただきたい、そういうことをお願いしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 ここ数年非常に日本の高齢者人口がふえてきております。したがって高齢者問題もかなり深刻になっております。こうした人口構造によるいろいろな諸問題に対して、国として具体的な施策を講じていくのが国民年金の一つのあるべき措置だと思います。特にその中で無拠出の年金問題を中心にこれから伺ってまいりたいと思うのですが、特に高齢者対策の一部であります福祉年金。そうして、高齢者対策全般を見ますと、年金の問題、雇用の問題、疾病に対する対策の問題、住宅の問題、これらの問題が相互にからみ合って厚生省で行なう高齢者対策というものは満たされていくわけですけれども、こうした一般の高齢者問題に対しまして、年金を除いた各般の部分のいわゆる対策というものをお伺いしながら、年金の問題に入っていきたいと思います。これらは切り離しては考えられない問題ですから、そういう意味で、高齢者対策、老人対策についてお伺いをしたいと思います。  最近、老齢者人口がかなりふえてきたといわれておりますが、現在どの程度の数字を示しておりますか、お知らせいただきたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  昭和四十三年度、これは人口問題研究所の推計でありますが、総人口が一億百二十四万、これに対しまして、六十五歳以上が六百九十一万、総人口の六・八%。それから参考までに六十歳以上になりますと、一千三十九万、一〇・三%。大体六十歳以上が一割、六十五歳以上が七%弱ということでございます。ただ、これが人口老齢化の問題で、たとえば昭和六十年になりますと、六十五歳以上が千百五十万、九・九%。もう一〇%が六十五歳以上になる。それから、昭和八十年の推定になりますと千九百四十九万、約二千万で、総人口の一六%以上が六十五以上になる、そういうふうな状況でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 三十六年ごろから急激に老齢者人口はふえてまいりましたし、三十五年、六年までくらいはほぼ横ばいの状態だったと思うのですが、こうした高齢者人口がふえてきた原因は、どういうふうに厚生省は見ておられますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 やはり基本的には衛生問題、疾病に対する対策ということで非常に寿命が伸びてきた。たとえば、先ほど問題になりましたように、零歳における全国民の平均寿命というものが、明治、大正は大体男で四十二、三歳というふうなのが、現在四十二年度で六十八・九一歳、それから女性は七十四・一五歳というふうに伸びてきております。それと、やはり社会生活全般の栄養の問題にしても、あるいは住宅問題にしても、いろいろな面で生活が向上してきた。この傾向は今後ともどんどん伸びるのではないか、こういうふうに思っております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 医療関係の政策が進んで、衛生関係の政策も充実をしてきて長生きをしておる、それも一つの理由だと思いますが、最近の赤ちゃんの出生率はどれくらいになっていますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 最近出生率は激減をいたしておりまして、昭和四十年におきまして千対一六・六、四十五年の推計も一六・六ということで、世界でもきわめて低い率になっております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 出生率が世界最低に近い状態にいまきておるわけですね。昭和三十五年以前の出生率はどれくらいですか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 古いところを申し上げます。大正九年ころには人口千人当たり三六・二、それが昭和五年あたりで三二・四、十年が三一・六というふうな、大体三〇台をずっときておりまして、終戦直後、昭和二十二年に三四・三と、また相当上がっております。上がっておりますが、急激に減りましたのが、先生お話しのとおりに、三十六年ころが一六・七、三十六年から四十年くらいまでが大体一六・七ないし一七・七、それから四十一年くらいから急に一三・七、こういうふうに下がっております。こういう状況でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 この人口の中に占める高年齢者の対比というものは、やはり一億百二十四万の人口対比で考えますと、出生率というものが大きなウエートを占めるわけですよ。ですから厚生省としては、やはり老齢者の層が厚くなってきたというのは、いわゆる長生きをしてきて平均寿命が四十歳代から比べたら倍に近くなった、それは医療制度が進んでいわゆる衛生諸施設が完備されてきたからという言い方をなさるわけでしょうけれども、私はもっと客観的に見て、今日の老齢人口が厚くなってきたというのは、出生率が世界最低の率を示す傾向の中にこれが特徴的に出ておるのでございまして、いわゆる医療施設なり環境衛生の設備が充実をしてきたから老齢者寿命というものが伸びてきたというふうな見方は、私は間違いだと思うのです。それはやはり出生率の激減という相対的な関連の中で平均寿命が伸びてきておるわけですから、そのようにひとつ理解するのが正しいんじゃないかという気がいたしておりますが、いかがでしょうか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 先生のおっしゃるように、いわゆる平均寿命とかなんとかいいます場合には、やはり基礎ベースになる子供が減ってきたというので、その比率が非常に高くなってきておる。両面がありますが、たとえば昔、結核なんかでどんどん死んだのが、最近はほとんど結核の死亡が下がってきたとか、薬がよくなったとか、医療制度ばかりではございません、医療技術の内容というふうな面、それから国民栄養の向上というふうな面も、やはり考慮をしなければならぬのじゃないか。そっちはそっちでまたもっと進める対策を講じていかなければならないのじゃないか、こういうように思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 両面が加味されておるという立場を述べていただきたかったのですけれども、前者の医療問題なりあるいは環境の衛生設備その他の充実という立場のみを申されたところに若干の抵抗を感じたものですから。これが本来聞きたいわけじゃないのです。  そこで問題は、確かに六十歳以上のお年寄りが一千三十九万にことしはなってきた。こういうふうに日本の老齢者がふえてきた。そのことによって生じた幾つかの社会的な影響、こういうものがどのように変化を示してきておるか。特に老人の生活、就職、老人のいろいろなホーム、社会福祉の施設、そうしていわれておる核家族の現状、こういうものをひとつ示していただきたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 非常に広範な御質問で実は戸惑っておるわけでございますが、申し上げますと、核家族の問題でございますけれども、最近の情勢によりますと、明治以来ずっと大体五人世帯というのが相場でございましたが、昭和三十五年までは四・九七というので五人でございます。それが、昭和四十年の十年間で急に四・〇八、本年度あたりは推定で四を切っている、こういう状況だと思います。したがって核家族化も、アメリカやヨーロッパで一世紀かかって五人から四人に下がったものを僅々十年でやってしまった、こういう状況でございます。それだけ家族制度というのは、崩壊といいますか、変貌といいますか、非常にそれが大きいというのが一つでございます。  それから、それに伴いまして、ここからが先生の御質問だと思いますが、従来は老齢者というのは、疾病でも生活でも職業でも、大家族の中に包まれて、むすこや嫁が、いわゆる子供がかばっておった。したがって老人自身の生活というのはみんながかばっておった。家族制度の中で隠れておって社会の表面には出てこない。それは家族の責任だということになっておったんだろうと思います。それが最近、老人男子世帯あるいは高齢者の夫婦だけというふうなのがすでに百万世帯をこしております。これは昭和三十五年の五十万世帯が四十年の国政調査で八十万世帯と、五年間で六割ふえております。したがって四十三年度は百万世帯をとうに突破しておる、こういうように思いますが、それだけ家族制度から老人がはじき出されておる、こういうかっこうである。それが精神的にいいか悪いかというような問題、いろいろありましょうが、現実は今後もその傾向は進んでいくのではないか。したがって、そこで出てまいりますのが、第一に老人自身の生活の問題。それはもちろん職業の問題あるいは年金の問題、それから疾病の医療問題、住宅問題、そのほかに老齢者のいわゆる精神的な孤独感とかいろいろな悩みとか、そういうようなものをどう充実させるかというような問題、いろいろ問題は発展してくるだろうと思います。そういうふうに見ております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 かなり問題が多くなってきたということはお認めになるところですね。まあ確かに、民法が昭和二十二年に改正をされまして大家族主義がこわれて、そうして核分裂を起こしてまいりまして、小さな単位の家族になってきた。それが昭和四十年の調査で、一般家庭で三・七五人、老人の家庭で一・四七人。しかも昭和三十五年から四十年の間に六〇%も老人世帯がふえてきておる、百三万世帯、こういうことが厚生白書に出ておりますね。そうすると問題は、こういうことを客観的に動態をつかむということは、施策を行なっていくのにきわめて大事ですけれども、こうした老人世帯というものが、三十年、四十年、五十年と働き通してきて、安い賃金でどういう生活をいたしておるか、これをどのようにお考えになっておられますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 老人の生活の実態、これは厚生省でもそう詳細なものはございませんが、昭和三十八年度に高齢者実態調査という相当大がかりなものをやったわけでございます。それで収入面を見ますと、自分の収入で何とか暮らせるというのが三三・二%、そのうちで、働いておってそれで食えるというのが一六%ぐらいであります。それから恩給、年金が約一〇%弱、財産収入が約八%弱というふうなことで、三割三分、三分の一はとにかく何とか食える、三分の二は困るということでございます。その困る中で、さっき山本先生のお話ありましたように、自分の収入では暮らせないという六六・八のうちで、結局同居しておる子供の扶養というのが約九割。逆にいえば、自分一人で食えないという人の九割は子供と同居しておって、そうして扶養してもらっておる。別居の子供とかいろいろありますが。生活保護が全体の六六%のうちでありますけれども、二・二%というふうなことで、やはり自分の収入で暮らせるというふうになるように、いわゆる財産なり、労働行政の問題でありますが就労なり、あるいは年金なりというふうな問題の充実をどうするかということが今後の大きな問題になるのじゃないか、こういうふうに考えます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 三分の二の六六・八%は、いわゆるみずからの力で食っていくことはできない、こういう人なんですね。こういう人の中で、子供がかりになっておる、このことと比べてみまして、核家族を構成をするといういまの私たちの家族観、そうして三分の二、六六・八%は自力では食えないという人たち、ここの間に今日の一つの老人の悲劇があるんです。こういう問題をこれから少し明らかにしていきたいと思うのですが、もう一つ聞いておきたいのは、日本の生活保護世帯が幾らで、生活保護世帯の中に占める高齢者の保護世帯、これをひとつ聞いておきたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 保護世帯は、全部で世帯数にして五十六万世帯。月々変動がありますが、人員にして百五十万人、これは老齢者から子供まで全部入れて百五十万人。したがって、全国民のいわゆる被保護率といいますか、これが大体一・五%、千分の十五というのが日本全国の平均の状態であります。実は年齢階層別に詳細なものが課にあるんですが、持ってこなかったのですが、老齢者は、日本全国民の平均一・五%、百五十万人のうちで六、七%になるんじゃないかと思います。それはもう一ぺんいますぐ調べますから、ちょっと返事を待たせていただきます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 百五十万七千七百四十五人のうちで六十歳以上の老人の生活保護世帯が三十二万八百七十五人ですから、五分の一程度はそういう世帯だというふうに理解できますね。私は、このようにずっと数字を並べていただいたわけですが、少なくとも六十歳以上の一千三十九万人のうち三・三%は、どうにもならない生活保護老人である。このことを考えてみますと、いまの日本人の感覚では、生活保護を受けるよりか死んだほうがいい、こういう気持ちを持っておる老人がいるわけです。  このように並べて考えてみますと、ボーダーライン層というものはきわめて多い。おっしゃいましたように、六六・八%は少なくとも子供がかりでなければ生きていけない。せんだって長野県でも出ておりましたように、一緒に住んでいても部屋がない、やっぱり私は死んだほうがいいということで自殺をしたことが新聞に出ておりましたね。私、去年全国をずっと回りまして、老人ホームなりあるいは身体障害者のホームを視察をして回ったんですけれども、行く先々でやっぱり老人が訴える道は、国で行なってくれるべき施策がほんとうに少ない、若いころ一生懸命働いてきたけれども今日の収入保障がないわれわれに対して、国としてもっと分厚い援護体制をとってくれという要望が非常に強いわけです。こうした老人というものは一千三十九万人の六六・八%もいるということをこの際しっかり私が確認をいたしまして、これから中に入っていくわけであります。  まず老人の問題。年金は一審あとにいたしまして、ひとつよって持つ条件のほうを先にお伺いしていきたいと思うんです。  一つは老人の疾病、健康管理、この問題でございます。これはもう福祉国家論にいたしましても、民主的といわれる国家にいたしましても、あるいは社会主義国家にいたしましても、政治というのは、国民の健康をしっかり保障していく政治、生活をしっかり安定さしてあげる政治、この二つが一つになって近代的な国家というものを形成をしておるわけですね。その立場から見て、いまの六六・八%の老人が単独では生きていけない、こういう状態をつくり出しておることをどうお考えになるか、まずお伺いをしたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 そういうふうな老人の、いわゆる高齢者世帯、あるいは単独世帯で、たとえば健康というものについては自分自身の責任で何とかしなければならぬという事態をつくり出しておる原因ということですか、それをどう考えるか、ちょっと趣旨が……。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 結局、老人がみずから独立をしていけるいわゆる社会保障の制度というものがないがゆえに、独立した、あるいはみずからが生計を維持していけるという条件が備わっていない。だから、六六・八%という多くの老人が子供がかりで生きていき、あるいはいろいろな家庭的な悲劇を内蔵しながらも、その中で生命というものをようやく維持してきておる、こういう実態はお認めいただけるわけですね。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 現状はそういう実態だと私どもも思います。ただ、いまおっしゃるように、それからの問題は非常に、たとえば子供にかかってめしを食わしてもらうというので、しかも、御本人は働こうと思えば幾らでも働ける能力があり、健康でもあるというふうな者に対する就労の場を、どうつくっていくかという問題あるいは、もちろんきょう御審議になる年金の保障の問題というふうに、いろいろあるかと思いますけれども、そういうふうな問題がある。しかもいままでは、せいぜい農林漁業ぐらいしか、あるいは簡単な自営業ぐらいしか老人の働く場がなかった。しかし今後は、労働不足やなんかで、相当働く場所が出てくるのじゃないか、これは労働省とも連絡をして、広げれば相当広がる余地があるのだ、これも解決の方法だというふうなことで、いろいろなことは考えております。現状としては、むすこ、娘にかかって食わしてもらう以外に方法がないという状況が非常に多い、七割近くあるということはよくわかります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 六六・八%は、働けば十分食っていけるということじゃないのです。いわゆる自分の生活能力を持っておる人が三三・二%、現に働いて、たとえばお百姓で娘や子供と一緒に住んでいるけれども、野らに出て一生懸命働きをして、そうしてみずから食っている人が一六%もいるわけです。そうでなくて、もう働くにも働けないし、働くにも職がないし、そうして子供がなかったら食っていけないのだという人たちなんですよ、六六・八%というのは。この人たちを救済する方法というのは何があるか。よしんば子供が核家族になっていったり、あるいは何らかの事情で子供と別れたり、あるいは子供が死んだりしますと、さしむきもう食えない人たちなんです。その人たちが六六・八%であるということをひとつこの際認めていただかなくちゃならないし、そうしてそれらというものは、どのようにして将来に向けて救済の対策を立てていったらいいのか、これをまず聞いておきたいわけであります。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 最初に、私の老齢者実態調査の説明について、ちょっと不明快な点がございまして、修正さしていただきたいのですが、この実態調査で、自分の収入で家族にたよらぬでも食っていけるというのが三三・二%である、したがって、それ以外の人は、自分一人では完全に独立して食っていけない程度の収入しかないが、とにかく家族と一緒になって、むすこや娘と一緒になって生活をしている、しかし、それはれっきとした職も持つ、賃金は低いかもしれませんが、職も持つ、若干の財産はありますけれども、独立しては食えないというのでございます。いま先生がおっしゃいましたのは、その六六%のグループの中で、ぎりぎりもう完全無一物でどうにもならぬ、就職もできないというふうな、その部分の問題かと思いますけれども、そういう人がたは六六%のうちでどのくらいあるかというこまかい詰めを持ってきておりませんので、ちょっとどのくらいの規模かということは、小さいけれどもはかり知れない、最低の一審下のほうを言えば生活保護ということになるかと思いますけれども……。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 四十二年に、老人に対して健康診断をおやりになりましたね。この健康診断をおやりになってみて、百十四万人余りが受診をいたしまして、三十五万人が要注意といいますか、精密検査を受けなければならない、ところが精密検査には二十六万人しか行かなかった。これもあなたのほうの統計に出ておりますが、この行かなかった二五%、受診を放棄した人たちは、いわゆる自分の命ですからね、あなたはここが病気ですからもう一ぺん精密検査をしましょう、いやわしはもう精密検査は要らぬという人が、要注意者の二五%を占めている。これは一体どういう理由でございましょうか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 これは百十四万人の根っこそのものにももっと来てもらいたいというような気がするのですが、医者にかかっている人はなかなか出てまいりませんし、それから百十四万で三十五万の精密検査が要る、実際は九万人ほどは出てこないというのがあります。  その中身につきましては、私どもも県からいろいろ意見を聞いたりしておるのですが、先生おっしゃるように、たとえば医療費がないから行かないのだという人も相当おられると思います。しかし、相当慢性みたいなもので、もう行ってもしょうがないというふうな人もおりますれば、あるいは、行けばお医者さんにガンだとかなんだとか言われたのじゃどうも心配だというので寄りつかないという人もあるし、いろいろ理屈があるかと思います。そこのところはまだ詳細に詰めておりませんです。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 むすこや娘に寄りかかっておる人たちは、さっき山本委員からの質問にもありましたように、自分が健康で世帯主のときには、たとえば厚生年金の場合でも、組合保険の場合でも十割、それが五割になっていく、きわめて出費がかさむ、これは二五%、九万の行かなかった人たちのほとんど違わない意見ですよ。子供に、嫁に百円ほどきょうはこづかいが要るからくれと言いにくいと言うんです。これが私は今日の、情が厚いとか薄いとかは別として、私たちの社会にある一つの縮図だと思うのです。もうこれ以上医者に悪いところを見られて医者にかかれば金が出ない。自分のむすこや嫁の収入も決して多いことはない、これ以上迷惑をかけちゃいかぬという気持ちで、養生すればまだまだ生き長らえる命であるけれども、わしは医者に行かない、こういう気持が九万人のほとんどを占めておるのです。これは社会福祉協議会の調査の資料の中にも見られます。  一体、こういう状態を放置していて、あなた方は傾向をながめるだけ、データをとるだけではいけないと思うのです。こういう社会的な問題点が出たらこうしなくてはいけない、そこに政治、政策というものが具体的に表面化しなければいけないのだと思うのですが、どうしたらいいと思いますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 先ほども私は山本委員に申し上げましたが、被用者としていままで被用者保険に入っておられた。そして年がきてやめられた。そうすると、国民健康保険に入る。十割給付が、半額あるいは——七割ですね。国民保険ですから半分じゃありません、七割。そうすると三割だけが今度は自己負担になる。それで医者にかかりにくいというような点も、これはこれからどうしても考えていかなければならない問題である。そこで老人の保険は自己負担分を公費で見ろという考え方が出てきているわけでございます。  同時に、保険料の問題もあるわけです。いままで職場で払っていた保険料と、国民保険に入った場合の保険料、これはどちらが高くなるか、それはわかりませんよ。その人の資産その他の事情でわかりませんが、あるいは無料になるかもしれません、保険料は。しかしながら、いずれにいたしましてもそういうことで医療にかかりにくくなるということがあっては相ならぬ、かように考えているわけでありますが、このためには、ひとつ保険制度を変えて、そして老人保険というような別建てにしてみたらどうだというような案をただいまわれわれ検討いたしておるわけであります。医療保険の抜本の改正の際に、これをぜひ織り込んでまいりまして、そしていままでよりも、年寄りの方が医療にかかりやすくなってもらうようにいたしたい、かように思っております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 これはやはり国民健保のときの議論を深める一つの要素だと思いますが、いまの組合健保にしましても政府管掌保険にしても、統計を見ますと四十歳から五十歳ぐらいまでの治療に要する単価は百五十点でありますね。それが六十五歳をこえますと三百四、五十点、七十歳をこえると四百五十点になっていますね。いわゆるそれぞれの世帯主で健康保険の十割給付を受けているときには、非常に疾病率が少ない。そのときはせっせっと掛け金をかけていて、そうして今度は扶養家族になって、七割なり五割給付を受けるようになって四倍の疾病率をもつ。こうした一つの状態というものをやはり私たちはしっかり見定めていかなくちゃならぬと思うのです。  昨年の九月に園田前厚生大臣と会いまして、こうした全国のいろいろな問題を提起をいたしました。園田さんは、ひとつ党派を超えてヒューマニズムの問題であるから、せめて七十歳以上、年金をもらう老人に対して、病気になったときには公費で負担をしたい、そういう立場で大蔵省と折衝を続けるという強い意向をお示しになりました。私たちもそうした法律を出すべく用意をいたしてきたのでありますけれども、今回それがまたつぶれたわけです。大臣もおっしゃっていますように、こうした病気になっても医者にかかれない、三割も負担をする、今日の特例法で一部負担を受ける、こうしたような状態の中で、年寄りは医者に行けない、そういう状態を解決をするということで公費負担という立場が貫かれなかった理由は一体何だろう。厚生省はやる気だったのですよ。一体それを受けた大蔵省は、なぜこれができなかったのだろう。まず、厚生大臣のほうからひとつお考えを述べていただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私は、足らぬものはさしあたって全部税金でやれというのは簡単でございますけれども、先ほど御指摘になりましたように、いまの日本の保険制度を見ますると、そこに欠陥がたくさんあるわけです。とにかく若いときに、しかも、保険料の負担能力のあるときに、しかも疾病率の少ないときに、そしてまた給料の高い人たちは高い人たちだけでやる、給料の低い者は低い者だけでやる、そういった保険制度にいまおっしゃった欠陥の一つがあらわれてくる。  そこで、保険の抜本改正といえば国民皆保険でありますから、若いときに保険料を出せば、年をとっても保険給付ももらえるというような制度が、私は国民皆保険のもとにおいては望ましいものじゃないだろうか。今日のたくさん分かれている医療保険制度を抜本改正するという意味がそこに一つ大きくある。それをいまやろうとしておるときでございますから、その際にその問題を解決をいたしたい、かように思ったわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大蔵省お見えになっておりますね。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 ただいま厚生大臣が申されましたように、現在医療保険の抜本対策の検討が行なわれております。抜本対策についての結論が出ます前に、かりに老人医療費の公費負担制度というようなことを実施いたしますと、あとで全体として調整がつかないという問題もございますので、医療保険の抜本対策の一環として、さらに検討することにいたしたわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 私は、一般の制度のことをいま申し上げているのじゃございません。とにかく老人福祉ということを年金を含めて考えていく場合に、老人の疾病、それに要する諸経費というものと無関係に考えられないから申しておるのです。いまも私が申し上げましたように、六六・八%という人たち、九万の二五%という人たちは、病状が悪化しつつあるのを承知しながら医者にかかれない。この現状を救済するということは、もちろん保険制度の一環でもございますけれども、一般的な保険制度と切り離してきょうは伺っているわけですよ。この老人の対策については大きく一歩踏み出して公費負担制度というものを貫いていく。この決意は、検討するという一般論でなくて当面の問題として、気の毒な貧しい老人が余命幾ばくもなく苦しんでおるのですから、こういう具体的な緊急的な問題に対し、やはり踏み切っていくという決意を表明をしていただきたいと思うのです。検討するということは、もちろんその中に入るのでしょうけれども、来年度はこうした問題を含めて実行のために踏み切っていくのだ、そういう心強い検討をひとつ厚生、大蔵両省から私はきょうは聞いておきたいと思うのですが、いかがでありますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、医療保険の抜本改正の中においてこれを実現をいたしたい、私は、検討じゃなくて、実現をいたしたい。これが抜本改正の一つの大きな柱でございますから、これは医療保険制度の抜本改正の中においてぜひ解決をいたしたい、そういうふうにできるように、老人の方々が医療を安心して受けることができるように、検討いたしますではなくて、受けられるように保険制度の中において実現をいたしたい、かように申し上げたいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大蔵省も、いま厚生大臣のおっしゃったことに異存はございませんね。ただ、私、厚生大臣に、保険制度の中で老人対策を考えるのか、やはり一般会計で考えていくのか、ここにはいろいろとむずかしい問題があろうかと思います。だけど、おっしゃっていることは、保険制度の中で片づけていきたい、しかも実現する、検討じゃないと、こういう決意が述べられましたので、これはまた別の段階で議論をしていきたいと思いますが、いまの厚生大臣のおっしゃっていることは、大蔵省としてはよろしいわけですか。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 財政当局といたしましては、先ほど申し上げましたように、厚生省と十分相談いたしまして、抜本対策の際に慎重に検討してまいりたい、かような考えでおります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 いま老人の中で六十歳以上千三十九万と言いましたが、寝たっきりの老人というのはどれくらいおりますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 これは六十五歳以上で推計しておりますが、大体四十万人くらいというふうに見ております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 四十万の寝たっきり老人、この人たちは、御存じのように、家庭奉仕員その他によって見てもらっているかなりの部分の人がおるわけですけれども、しかし、四十万なり四十四万といわれております寝たつきり老人の総体数から見たら、顕微鏡で見なくちゃならぬような状態です。この状態をこのまま放置をしていくというわけにはまいりません。具体的な施策というものをどうお持ちなのか、厚生省の考えておられることをひとつ述べていただきたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 これはまあ四十万人一挙にというわけにはまいりません。実態を申し上げますと、約四十万人で、奥さんとか、あるいは息子とか、嫁とかいうようなもの、いわゆる家族に介護されている人が大体九割ちょっと、一割くらいが他人というか、そういうふうな人の好意にすがっておるというふうな状況であります。問題は施設の——もちろん非常に重い人でありますので、普通ではなしに特別養護老人ホームというふうなものを早急にどんどんつくってまいりまして、家族関係その他で非常に無理がきているという人について、ほかに方法がないという者は、特別養護老人ホームに入れていく。それ以外の人方あるいは特養に入らなければならぬが、急に設備がいますぐ間に合わぬという人に対しましては、四十四年から、特に大臣からのお話もありまして、寝たったり老人対策というのを、柱を立てたわけでございます。居宅でお医者さんが行く、あるいは看護婦さんが行く、それからホームヘルパーを派遣する、それから、これは小さなあれでありますけれども、ギャッチベッドのようなものを貸与するというようなことで、居宅についてとりあえずまず手をつける、それから収容施設のほうを強化していく、こういう考えでおります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 嫁さんに見てもらっているのが四九%、配偶者、奥さんに見てもらっているのが二五・六%、娘に見てもらっているのが一四・三%、あとの一一・一%が民生委員、近所の人、ホームヘルパー、こういうふうに社会福祉協議会の調査はなっておりますね。そのうち家庭奉仕員、ホームヘルパーに見てもらっているのは八千五、六百です。約六万近いこうした人たちは、ほとんど民生委員だとか近所の人におぶさって見てもらっているのです。なぜこういうふうな状態が放置されているのでしょう。今回四十四年度予算で四千六百ばかりふやされるということにホームヘルパーはなっておりますけれども、それで見てもきわめて限られた数です。もう病気になって五年、十年見捨てられた人生というものが、高度成長した日本の国の、しかも世界二位を占めるといわれておる国民総生産を上げておる国の中で、こういう現状が打つ手なく放置されておるということは、私は許せないと思うのです。いまあなたがおっしゃった特別養護老人ホームに収容するとか、ホームヘルパーをふやすとか、居宅診療をやるとか、いろいろいわれておりますけれども、ほんとに微々たるものなんです。いま特老はどれくらい収容能力がございますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 収容施設は、特別養護老人ホーム、これは四十三年の六月の時点でありますが、全国で八十カ所、約五千六百人、それから、そういう人方でも普通の老人ホームにだいぶ入っている人がおりますが、それが全国で七百六十五カ所、約五万六千九百人、両方合わせまして六万三千ほどというふうな数字でございます。したがって、この特養というふうなものを重点的に今後は大幅に整備していきたいというふうに考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 四十四万の寝たっきり老人と特養と比較をしてみまして五千六百ばかりですね、たいへんな開きなんです。一般の養護ホームがございますが、ここには原則として病人は入れないのです。しかし、この養護ホームの中にも三割が病人なんですよ。だから、どこの養護ホームに行きましても、特別養護ホームと併設をしてほしい、この病人に嘱託の医者を頼んでも百人につき一万円の報酬しかくれない、医者は来ない、どこでも聞く声なんです。いまあなたがおっしゃっているように、特別養護ホームなり一般養護ホームをふやしていく、けっこうです。しかし、その歩みは遅々たるものでしょう。一体そのギャップをどのようにして埋めていきますか。いま、具体的にもっと大幅にやりたい、大幅に増設をして収容するようにしたいということをおっしゃいましたが、大臣、特別養護ホームをこれから年次的に計画を立てられて、どれくらい増床をなさっていくつもりですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 養護老人ホームが足りないということは、私もさように認識をいたしております。  そこで、どれだけの養護老人ホームをつくったらよろしいか。老人の中ではできるだけ家族に見てもらいたいという方もあるわけです。しかし、そういう家族のない方もあります。したがって、どうしても特殊老人ホームへ収容をしなければならぬ方がどのくらいあるか、そしてそれを何年計画でやるかということをできるだけ検討してその対策を立ててもらいたいということで、ただいま実際事務当局において検討をいたしているわけでございます。それが同時に、おっしゃいますように、できるだけ病院に併設するか、あるいは病院の隣に置いて、そして必要ある場合には医者に行ってもらうというようにすることが望ましい、これを基本方針にしてまいりたい、かように思うわけでございます。  同時に、施設は金があればできるわけでありますが、これを介護する人、そういう人たちの養成も伴わなければなりません。しかもそれは養護老人ホームだけでなしに、今日社会的に要望されておりますのは、あるいは身障児の問題にいたしましても、その他たくさんあるわけでございます。そういうものをひっくるめまして、いわゆる人的の数をどれだけ必要とするか、その養成がどうして年次的にやっていけるかという計画を立てませんと、なかなか年次的な計画が立ちにくいので、きょう言ってあすすぐできるというわけではございません。関係各局、各課、そういう資料を全部持ち寄りまして、そして検討しようということにただいまいたしておるわけでございます。  さしあたっては、まず必要と考えるものをできるだけ予算を取って、というのがいままでの行き方でございましたが、しかし、それだけではどうも将来計画として安心ができませんので、できるだけ早くそういう計画を立てて、その計画に乗ってやってまいりたいと考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 さっき今村さんのお話では、老人の一人世帯が約四十四万人ぐらい、この人たちが、老人一人世帯ですから、病気になりますとどうしても−財政的に豊かな者は単独で一般病院に入れる可能性もありますけれども、こうした特殊な養護老人ホームを非常に多く希望しておるわけです。話し合いもできる年ごろの人も多いし、非常に希望している。ところが、いま大臣のおっしゃっているような進捗度合いでは、こうした核家族は増大していく一方、そうして老人は孤老になっていく、そうしてやがて病気になる、こういうふうな状態の中で、手を差し述べていく具体的な施策としては、私はまだもの足らない気がするのです。ですから、こうした周辺に並んでおる幾つかの条件というものをしさいに検討されて、要求を満たしていける政治、そういう対策の一環として特別の養護老人ホームというものを思い切って年次的に増設をしていく、こういう立場をとっていただきませんと、いわゆる社会福祉、社会保障というものが、世界から指摘されますように、日本は非常に貧しいのですから、日本国民のほんとうの要望にこたえていく政治に私はならぬと思うのです。もう一度大臣いかがでしょうか、もっと具体的に述べていただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 御意見全く同感でございます。  そこで、先ほどの長期的な計画は申し上げましたが、さしあたっては、少なくとも今日都道府県あるいは市町村、自治体において、あるいは社会福祉法人において、そういう養護老人ホームをつくりたいという要望が相当多くなってまいりました。それはそういう必要性の反映であろうと考えます。こういった要望を満たすことのできるだけのいわゆる資金的な準備、あるいは助成金というものだけはぜひ獲得をいたしたいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 二つ目の質問で、養護老人ホームに特別養護老人ホームを併設する。だから、一般養護老人ホームの中で、三割くらいは非常に老人病が進んでおる人が多いのです。こういう人たちも特別養護老人ホームのほうに移動できたり、あるいはそこにいることをあまり好みませんけれども、しかしそれも特別養護老人ホームの医者によって見させていく、こういうような併設の考え方というものは今日厚生省にはございませんですか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 それは私ども考えております。普通の老人ホームでわりあいに元気な人が入っても、一年、二年のうちに、たとえば中風になるとか、いわゆる寝たきりになるという人がおりますので、実はやむを得ず現在静養室というようなかっこうで別の室をつくって、そこで看護婦さんが一生懸命めんどうを見る、必要があれば病院に送るということをやっておりますが、その度合いというものは非常にしょっちゅう出てまいります。病院と特別養護老人ホーム、これは非常に密接に考えていかなければならない。養護老人ホームと特別養護老人ホームとの関連も十分考えていかなければならない、こういうことでいろいろ大綱を考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大綱を考えていただいておるのはけっこうです。私が考えるくらいですから、皆さんは専門家ですから考えていただいておると思いますが、具体的にどうしようとしておられるのか。いま計画をおっしゃっておるようならば計画があるのでしょうから、ひとつ計画を述べてください。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 これは、全国的に養護老人ホームが八百くらいございます。したがって、とりあえずいまのところは、病気になった場合に病院に送る、あるいは診療機関に通わせるというかっこうでやっておるわけでございますが、本来ならば、特養があればそっちのほうに移すということで、これは全国一斉にやっておるわけではございませんけれども、ところによっては、養護老人ホームと特養をくっつけてやっておるというところもたくさんございます。それから特養と病院とはなるべく近いところで、できれば隣同士くらいのところでやるというふうに、特養をつくるときにはそういう方針で県のほうでもつくってもらうということで、現実には進めております。  ただ、おっしゃいますように病院との関連はどうで、全体の配置はどうでということは、いま大臣からお話がありましたように、いわゆる施設整備の長期の計画、これはうちばかりではございません。児童でも、たとえば重度心身障害児の問題をどうするかとか、大きな問題がありますので、あわせて社会福祉の施設の長期計画というものをいま官署を中心として計画しておるという段階でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 全国の市町村に、公立病院がございます。市立病院、町立病院、そうしてそこにあるところ、ないところもあるのですけれども、老人ホームがございます。この老人ホームの三割近い病人に対してはそういう公立病院をもって見せしめる、こういうふうな立場から助成措置を行なうというふうなことはお考えになっておられませんか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 実際は、そういうリンクは全部つけさせております。問題は、そこのいわゆる老人ホームの場合に、小さな疾病ならば嘱託医さんというところもありますが、いざという場合には、大体公立がおもでありますけれども、その病院にいつでも行ってもらう、あるいはその先生に来てもらうというような話し合いをつけて、収容者が安心できるようにということを県を通じて盛んにリンクをつけさしております。相当程度ついているものと私どもは見ております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 全国歩いてみて、あなたのおっしゃるようになってないのですよ。その一つの理由は、申し上げましたように百人単位で一万円ですか、こういう一つの保障、謝礼報償、こういうものが低廉過ぎるという理由もあるようです。しかし、いまあなたのおっしゃっているような形で、ここでやりとりしたような形でスムーズにいってないのです。ですから、これが非常に老人の不満になっておりますから、いまあなたのおっしゃっているような解決方法でやられておるならば、きっちりと厚生省の指導のもとに具体的に乗り出して、おっしゃっているような政策が十分行き渡るようにやっていただきたいと思います。これは特にお願いいたしておきたいと思います。  それから、以上言いましたように老人が、非常に核家族になってきて、いわゆる老人単独の世帯がふえてきている。そこには孤老の不安、生活上の不安、こういうものがつきまとってきている。疾病の状態もいわゆる精密検査を受けても二五%はいけない、こういう状態が生まれてきておる。それからこうした老人を収容していくそれぞれの施設においてもきわめて少ない数しか収容できない、こうした状態というものが今日の老人の大きな不安なんです。  こうした問題を片づけていく一つの中心に、経済問題がなければならぬと思うのですね。この経済問題、生活問題と年金を切り離してはいけないと私は思います。ところが御存じのように、この年金というものも昭和四十三年度はわずか一月千七百円、一日五十円強である。ふろに入ってたばこを買ったら終わりだというふうな状態なんですね。こういう状態の中で、せめて年金が五千円か一万円あったならば、もっと私たちは生きがいを感ずるのにという老人のことばというものを、全国を歩きながら無理からぬことだと私は痛感をしてきたわけです。一体千七百円という年金の根拠、ことし百円ほど引き上げたという根拠、山本委員も聞いておりましたけれども、どうも私は理解できません。どういう根拠に基づいて千七百円、千八百円というものをおつくりになったのか、述べていただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 老齢福祉年金は、従来から物価の上昇等を勘案をいたしまして引き上げられてきておるのでございますが、本年も同様な考え方でその引き上げをはかったものでございます。それにより五年連続して年金額の引き上げを行なうこととなり、その間に六四%の増額となっておるのでございます。  なお、このほか大臣の御答弁にもございましたように、夫婦につきましては夫婦受給制限を廃止いたしますので、この方々につきましては相当大幅な引き上げになるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 物価上昇を基礎にして引き上げたのは百円だとおっしゃっておるわけですが、一体基礎が非常に低い。それに物価上昇という率を、一般並みのようなことばで考えられて言われておるわけですけれども、出発がいけないから、いまおっしゃっておる物価上界の率というものも、まことに不愉快に聞こえるわけですよ。一体物価上昇とおっしゃいますけれども、どのくらい見られて百円の算出をなさったわけですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 昭和三十四年を一〇〇といたしまして、四十三年が八一・〇でございます。福祉年金額はこの間に千円から千八百円にいま引き上げを実施しておるのでございまして、四十三年の千七百円から千八百円までは五・九%の引き上げの実施率になるのでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 昭和三十八年にできました老人福祉法の中の「目的」に、いわゆる老人の心身の健康の保持、生活の安定をはからなくてはならないのだと書いてあるわけですね。いま私が申し上げたようないろいろな劣悪な条件の中で苦しんでおる多くの老人に対して、この一月千七、八百円という年金の金額で、この老人福祉法に定めた健康の管理と生活安定を保障していくという精神にどのように合致しておるのか、きわめて私は遺憾なんですよ。せめてこの千八百円を五千円なり一万円なり支給することが、老人に対する福祉法に基づく一群当面の適切な方法であろうと思っておったわけですけれども、何と、出された金額は、きわめて微々たるものでございますし、しかも、物価上昇ということで五・九%は百円に相当する、こういうお考えで出されておるわけでありますけれども、先般来の審議の中でございましたように、国民年金にいたしましても、あるいは母子年金、身体障害者年金にいたしましても、きわめて零細です。国民年金が八千円になるというのならば、この出発当初は国民年金と福祉年金とはちょうど半分、五割の支給率でございました。その伸び率から考えていきますならば、八千円に国民年金がなっておる今日の段階で、せめて四千円には相当するのじゃないか。当初出発の五割の比率から考えてみましたら、八千円に対して千八百円では、あまりにも低いじゃないですか。一体これはどういうふうに受けとめたらいいのですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 福祉年金は申し上げるまでもなく全額一般会計の負担になっておるのでございまして、その引き上げにつきましては、一般会計全体の財政上の制約を受けるのでありまして、厚生省といたしまして、今回の引き上げで十分であると考えておるわけではございませんが、なお引き続き努力をいたしたい、かように考えておるのでございます。  拠出制の年金というものは、本来保険料を引き上げて給付も引き上げるという性質のものでございますので、拠出制と無拠出制とは、やはり本質的に性格を別にするものだというふうに考えておるのでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 努力をするということは、毎回御返事をいただいているところなんですね。私が申し上げているのは、努力をいただきたいということをお願いしておるわけではないのです。当初出発が、国民年金の半分であった。これで出発をしてきて、今日国民年金のほうは八千円で、福祉年金は千八百円。あなたはその中で、物価上昇を考えてスライドしたのだとおっしゃっているわけですね。そうして千八百円。国民年金は保険システムであるから、保険料がふえていけば金額が上がる。福祉年金は一般会計から出すから物価上昇だ。私は、老人の福祉、老人の生活安定をはかるという福祉法のたてまえから考えていけば、この年金の開きというのは、あなたのおっしゃっているおっしゃり方では理解できないわけです。なぜ福祉年金と国民年金とが、半分なら半分でけっこうですから、出発当初の金額を高めていくシステムをとれなかったのか、その点をひとつ御説明いただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 拠出制の年金が、昭和四十六年から出てまいるのでございますが、この方々の年金は現行法におきまして二千円でございます。それを今回五千円に引き上げるわけでございますが、これらの十年間の国民年金に加入された方々の、全部免除された方々の月額は千六百六十七円でございます。やはりこういったことも一つの数字になろうかと思うのでありますが、基本的に無拠出の年金というものが物価の上昇だけで十分である、これ以上引き上げる必要はないということを申し上げておるのではございませんが、拠出制の年金といいますものは、保険料を引き上げることによりまして給付を改善をする、それは被保険者が納得していただける限りにおいて給付を改善できるわけでありますが、無拠出の場合は、一般会計の負担でございますので、財政全体の制約を受ける。その制約を受けるわけでありますが、なお今後とも改善努力をしたい、かような趣旨を申し上げておる次第であります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 一般財政で払うわけだから財政の負担が重くなるので、保険システムと違って急に引き上げていくことはできない、こういうおっしゃり方のようですね。  大臣、いま国家予算に対比して、老人対策の予算というのはどれくらいを占めていますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 福祉年金の額は、一%だそうでございます。  先ほどから御意見を承っておりまして、福祉年金は拠出年金の半額、そういう考え方ははたしていかがなものであろうか。拠出年金は、とにかく国民年金の適用を受けられる方々の大体平均所得に見合った掛け金で、そうして老後のための備えということで、国民所得も上がってまいれば掛け金も上げてくるというのがこれはたてまえだと思います。  福祉年金は、これは掛け金のない年金でございまして、ただ国民の方々がお年寄りになって、そうして拠出年金の方にはそういう年金があるのに、一方にはないというと——やはり何らかの慰安になるための年金ということでございますから、当初の出発が間違っておったといえば格別ですけれども、当初千円で出発をいたしたわけでございます。必ずしも高い額だとは思いませんが、福祉年金としては当時の相場で千円、そこらが適当だろうということで国会で成立をした法律であろう、私はかように考えます。そうしますると、それからの物価の値上がりに準じたものを増していくということは、この当初の立法精神をそのままに体しているのだ、かように私は理解をいたしておるわけであります。ただ、物価の値上がりにも見合わないということであれば、それに追いつけるようにぜひしなければならない、かように考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 総予算の一%とおっしゃいましたが、正確には〇・九%強ですよね。さっきの質問でわかりましたが、現在約六百億でございますね。百円上げて三十億程度ふえるわけですが、一体この無拠出の福祉年金というのはやがて将来はなくなるわけですね。きわめて財政計画としても立てやすい状態なんですね。一体いつごろまでピークが続き、いつごろから下降線をたどるか、それをひとつ述べていただきたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 昭和五十年をピークといたしましてその後漸減をしてまいります。老齢年金につきましては昭和八十年ごろなくなるであろうと見込まれております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 昭和五十一年ピーク時はどれくらいの数になりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 老齢年金受給者は約三百二十万人でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 そういたしますと、昭和五十一年がピークでございますので、三百二十万——私のほうの推計では三百十万となっておりますが、これは二十万でけっこうですけれども、いずれにいたしましても、いわゆる老齢福祉年金を無拠出で受けていく層というものは、もう限られております。こうした人たちに対して一般財政から出すのであるから、財政負担がふえるときわめて困るから、百円なんだ、こういうおっしゃり方は、さっきから私がるる述べてまいりました老人福祉政策の重要性から考えていきますと、きわめて冷淡な気がいたすのです。しかも、一般財政の中に盛っているこうした老齢者政策はわずかに〇・九%、一%弱である。少なくともこれほど高度に発達をしてきた国で、しかも厚生省自身の昭和三十六年の白書を読んでみますと、いわゆる年金というものは、この年金で生活が営めなくてはならないのだと厚生省自身が厚生白書に書き上げておるでしょう。保険システムを中心に考えて金を出さない。この無拠出の福祉年金は例外なんだ。この人たちは制度的な拠出年金に入ることができない人たち。その老い先短いお年寄りが、一般会計から見なければならぬから、おまえたちは千八百円でいいんだ。百円ほど積み上げてやったんでいいのだ。こういうことで昭和八十年まで年金制度に入ることができないこうした年寄りというものは、国の政策の非情な仕打ちを受けて、さいなめ続けられていくんですよ。いや、老人が言うんです、もったいないと言うんだ。千七百円でももったいない、国がめんどう見てくれているんです、もったいないと言う。若いころから苦労してきて、貧しければ貧しいだけに、自分が生まれ育ったところが悪かったんだ。おれの貧乏というのは宿命づけられておるんだ、こういうふうに日本の幾つかの行政上、あるいは教育の政策を通して、日本人は思い込まされているんですよ。その年寄りは、国から千七百円もくれる。ありがたいことだ。この気持ちに乗っかっちゃいけませんよ。憲法二十五条はそういうことを言っているのじゃないのです。このお年寄りをしっかり救済をしていく義務が国家にあるんです。今日の核家族にしても、今日の老人の貧しい現状にしても、老人自身が解決できるそういう性格のものじゃないんです。国が片づけてあげなければ片づかないような社会構造になっているのです。国が片づけてあげなければならない。その国が片づけてあげなければいけない体制の人たちが、保険システムでないから一般会計で見なければならぬ。あなた方おっしゃっていることは、一般会計は、財政圧迫になるから見れない。一体これでは日本の厚生行政が私は国会で審議するにふさわしくないと思うのです。  私は一つの目盛りとしてさっき拠出年金の半額と言いました。これは厚生大臣が、そうではない。むしろ高い次元でお答えいただきましたので、申しませんけれども、しかし千八百円を百円でも三百円でも五百円でも引き上げてあげるというあなたの答弁、が、私はほんとうは聞きたいのです。もっと端的にいえば、いわゆる拠出年金の三分の一は国庫支弁です。国庫負担でしょう。せめて国庫負担分だけ無拠出の老人福祉年金に回すとしたら幾らになるか、二千六百六十六円でしょう。せめてこれだけは無拠出の老人に対してしてあげるというのが、拠出年金の保険システムと対比をしても当然じゃないですか。なぜそれができないのですか。大臣いかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私は、国費が将来ふえて困るから、無拠出年金の方はこれでがまんをしてもらいたい、こういうように申し上げておるのではございません。国民年金制度は若いうちから積み立てをやって、そうして老後に備えよう、これは私は健全なあり方だと思います。しかし、もうすでに年をとっておられる方は、それができないわけでありますから、そこで生活に困る、あるいは医療も受けられないというのは、生活扶助なり、医療扶助なり、それで見ていく。私は、これからまだ老人の方々で生活扶助や医療扶助で見ていかなければならない方は相当ふえてくるだろうと思います。そうして、扶助を受けなくてもよろしいというそれ以上の方には、この千七百円の福祉年金で、一応お年をとられたわけでありますから、まあ鼻紙程度、お菓子を買うのにも十分なものとは申し上げられませんけれども、当初一千円というので出発をしておるわけでありますから、まあ物価の値上がりに見合うもの、私は物価の値上がりに大体沿うておると思いますけれども、最近百円——百円というのはちょっと値上がりよりも低いと思います。そして本年は特に夫婦受給制限を撤廃をいたしたという一つの大きなあれもございますから、来年はひとつ二百円上げられるように努力をいたしたいと先ほど申し上げたわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 せめて私は、この老人の無拠出の人たちに対して、年齢的にも入れないわけですからね。だから国としては、おまえは子供の世話になれ。ところが、昭和二十二年以来民法が改正をされて、大家族がくずれていって、今日ではいわゆる老人一人の所帯が四十四万人もある。それでおまえ食えなくなったら生活保護になりなさい、病気になったら医療保護を受けなさい。あとはチリ紙代である。さっき私もちょっと触れましたように、国から千七百円でも年金をいただいておればありがたいという何人かの老人がおります。片一方では、生活保護を受けるなら死んだほうがいいという老人もいるのです。共通性があります。国からそういう援助をしてもらうということが、当然の権利として自分の体内に消化をされていない。ここに日本の過去の教育制度なり、政治制度の欠陥があるわけです。だから私は、食えなくなったら生活保護、病気になったら医療保護、こういうふうな立場以前に片づけてあげる社会保障の政策というものが必要なんだ。老人がせめて一日に牛乳を一、二本飲め、卵が何個か食べられて、リンゴやバナナが食べられて、長生きできるような、栄養をとれるような状態を、不満足ではあっても、一ぺん国の高い姿勢でめんどうを見てあげる。その金額を拠出年金制度その他に対比すれば、せめて保険システムの中の国庫負担分の分だけでも無拠出年金にやることは、対比すべきものとしてやるのだったらできるじゃないか。私たち社会党は五千円要求していますよ。三カ年計画で一万円を要求していますが、きょうはそれを言っているんじゃないのです。あなたの答弁に私の質問を合わせて、せめて法的に可能な措置として言い得るならば、拠出年金に国庫で負担する分だけ無拠出年金のほうに回せばどうか。二千六百六十六円でしょう。何とかそのことについて厚生省の前向きな話を聞きたいし、それによって大蔵省の意見も聞きたいわけです。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 いま大臣の御答弁にございますように、われわれといたしましても、今後福祉年金の改善をはかりたいという点に変わりはございませんが、ただ、ただいま御議論のように二千六百六十七円と申しますのは、二十五年免除の方の年金額でございます。この方々はまだ出ておらないわけでございまして、四十六年から十年年金が出てまいります。四十六年から出てまいります十年年金の全部免除の方々、これが比較の場合としては適切かもしれないと思いますが、この方々は千六百六十七円でございます。二十五年後に出るであろうという年金ではなくて、福祉年金は現に支給しておる年金でございますので、やはり比較をするのは四十六年に出る拠出制年金がどうであるか、こういう比較が適切であろうと思うのであります。いずれにいたしましても、さらに老齢年金の改善をいたしたいという点は変わりはございません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたのおっしゃっていることは、私もよく承知しているのです。承知をしていて福祉年金を引き上げる一つの根拠として私は申しているのですよ。だからあなたのおっしゃっているように、四十六年から支給される分については千六百何がしだ、それが国庫負担分であるならば、やはり老い先短い人生を貧困の中で苦しんでおる人たちに対して、国としてそれにどれだけプラスをしていくかという限界を、片一方の一つの法のたてまえから見れば、そういう制度も将来に広げておるのだから、当面気の毒な老人に対しては二千六百六十六円差し上げてもいいじゃないか、こういう立場で申し上げているのです。あなたのような割り切り方をなさいますと、日本の老人福祉というものは無拠出の人たちは救われませんよ。しかも医療制度にしても、それから老人福祉の諸設備にしても、非常に貧困なんでしょう。こういった中で、私たちはせめて老人福祉法に定めておるように、健康の保持と生活安定をはかるというたてまえから貫くならば、また三十六年の厚生白書を通して、年金というものはよく生活をささえ得るものでなければいけないというのならば、老人福祉年金も年金でしょう。母子年金も年金でしょう。身体の障害者も年金でしょう。そういう年金も、よく生活をささえ得るものでなくちゃならぬという立場を貫かれるのが、やはり三十六年度白書の厚生省の態度でしょう。それが大蔵省のほうにねじ向けられて、その後、厚生省の態度がどう変わってきたかということが私は残念に思うのですよ。しかし、いまあなたのおっしゃっておるように、この無拠出の老人福祉年金は、一般財源から見るのだから、財政的な圧迫がある。しかし、財政的な圧迫があるからと言ってみたって、百円の値上げじゃひど過ぎるじゃないか。山本君も申しておりましたが、せめて、一般の身障年金、母子年金と同じように、二百円ぐらい上げたらどうだ。私は気持ちとして老人に報いてやりたい。二百円上げたら十分だということじゃないんですよ。その老人の気持ちの中に、少しでもあたたかい気持ちを注いでやる、そういう性格のものでしょう、この老齢福祉年金は。せめてそれくらい、大臣どうなんですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 前に、山本委員にも申し上げましたように、本年は夫婦受給制限を撤廃いたしたときでもありますから、百円は少ないと思いましたけれども、さように決定をいたしました。明年は二百円に努力をいたしたいがように申し上げておるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 少ないと思うが百円にした、こんなのは答弁にならぬですよ。少ないと思うが百円にした、来年は二百円にしよう。それは日本で非常に不遇をかこっておる老人に対してしてあげる答弁にしては、私は非常にいけないと思うのです。いろいろ自殺をしたりする人も多い昨今ですからね。しかし、この問題については、まだまだこれから審議が続行されます。私の申し上げたことの中には、何とかして今日の不遇な老人にこたえてあげたい、その立場から生まれた福祉年金ですからね。その福祉年金というものを、国の政策として喜ばれる価値あるものにしていきたい、こういう気持ちから私は申し上げたわけです。  これから審議が続きますので、十分ひとつ御検討いただいて、少なくとも老人福祉の中で、年金政策というものがより一歩大きな日の目を見るような方向に、ぜひともこの会期中この委員会で結論をつけるように、大臣もひとつ十分検討いただいて御考慮を願うことを最後にお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 最初に、社会保障の長期計画について質問いたします。  社会保障の長期計画については、いままでいろいろ議論したことがあるのですが、ここであらためて、厚生大臣はどういうお考えを持っておられるか、確かめておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 社会保障の長期計画は将来望ましい。これをつくることは望ましいこととさように考えておりますが、ただいま厚生省といたしましては、特に私といたしましては、差し迫った児童手当制度の問題、それから医療保険制度の抜本改正の問題、こういうものをとにかく当面としてかかえているわけでございます。そうして過去十年間の日本の経済の発展を考えてみますると、既存の制度も、相当大きく考え直さなければならないときに突入をいたしておる、かように考えます。したがいまして、そういうものを踏まえまして、そうしてそれをもととして長期計画を考えていくべきではなかろうか、かように考えておりますので、長期計画の策定にかかるには、もうしばらく時間をかしていただきたいと私は思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 いつまでですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私は、一両年は時間をかしていただきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 一両年の間、あなたはずっといますか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 一両年たった後に、計画を立てるのに着手をすべきときではなかろうかと考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは、前の園田厚生大臣や、その前の坊厚生大臣の答弁と違いますよ。あなた、大臣がかわったら答弁変わってもいいのですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私は、責任の持てる範囲で答弁をいたしておるわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 では、前の園田厚生大臣、あるいは坊厚生大臣は、責任を持っていなかったのですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 前大臣は前大臣の能力において、責任をお持ちになったことだと私は思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 辻主計官、あなたは日本の社会保障でどこに欠陥がある、総合計画でどこを直さなきゃいかぬ、こういうお考えですか。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 社会保障の問題、これはいろいろと問題があると存じますが、たとえて申しますならば、日本の社会保障の現状で申しますと、医療保障に非常に片寄っておるという問題もあろうかと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 財政制度審議会の答申の中に指摘してあるのはそれだけですか。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 財政制度審議会におきましては、いろいろな点を御指摘になっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 どういう点ですか。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 財政制度審議会の報告は、御存じのように、かなり長文でもございますので、一々申し上げるのはいかがかと思いますが、たとえば第一には、いま私が申し上げましたように社会保障関係予算が著しく医療に片寄った構造となっているというような点を指摘いたしております。あるいは第二といたしましては、社会保険に対する国庫負担が著しく高い。第三には、既存の制度を維持するための経費が巨額に達しておりまして、最近における社会保障関係費の増加のほとんどが、いわゆる自然増の経費で占められておる等々、いろいろな点を指摘しておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 財政制度審議会の答申の中には、医療保険に対する国庫負担が非常に大きい、そういうことをいっておるのだ、——この当否はまたあとで言うから……。それから国民年金制度が非常におくれておる、所得保障がおくれておる、児童手当が実施されていない、これは最近の二回の答申に欠陥として出ております。医療費に対する国庫負担が多いというのは、国民年金や児童手当の制度がおくれているということじゃないのですか。比率が大きいということだけであって、全体ではそのくらいは公費負担の制度だって自民党は打ち出しているのだから、そういうことはないでしょう。相対的に医療費に対する国庫負担が大きいということをいっていて、それだけ宣伝するから、国民は誤解しちゃうわけだ。年金の未成熟、児童手当の未実施、こういうことが、あたかも医療費に対する国庫負担が多いような比率を表面上示しておる、こういうことなんです。財政制度審議会の答申を見てもそういうことなんです、中身を分析すれば。  経済社会発展計画について、経済企画庁は日本の社会保障の欠陥をどういうふうに思っているのですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 経済社会発展計画では、日本の社会保障水準がまだ諸外国に比べてたいへん低いので、その充実をはかる心要があるが、そのためには重点的には所得保障部門の充実をはかる心要があろう、ただ、医療保険制度の関係はかなり水準が高く、その給付の水準もほぼ西欧の水準に達しているようであるが、とにかく全体としてのバランスがとれていないということをいっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 そのほかに、社会保障についての長期総合計画については、どういうことをいっているのですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 お答えいたします。  計画の本文で書いておりますことは、社会保障の長期計画の基本的な方向としては、まず老齢者に対し、わが国の経済力や生活水準の上界に応じた安定した老後を保障し、経済社会の発展に対する貢献に報いることができるよう、各種年金制度の充実をはかり、また労働力の流動化、中高年齢層の再雇用に寄与する方向で失業保険の充実をはかり、児童手当の創設を促進するための検討を進めるなど、社会保障における所得保障部門の比重の拡大をはかるというふうに書いてあります。

大原亨日本社会党

○大原委員 社会保障の予算を充実させるという、そういう予算のワクについては、どういうふうに計画の中に書いておりますか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 計画では、計画の期間中に振替所得及び社会保険負担の国民所得に対する割合を、四十年度はこれが五・五、保険負担のほうは四・六%でございましたが、それぞれ二%程度上昇することを考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 そうしますと、昭和四十六年が経済社会発展計画の目標年でしょう。昭和四十四年度、本年の予算は大体どのくらいあればいいのですか。一ぺんにぽんと四十六年にいくわけにいかぬでしょう。いかがですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 その後の社会保障の予算の関係は、計画で大体想定した程度の伸び率を示してございます。若干低目だと思いますが示しておりますが、御存じのように、国民所得の水準が非常に高まりましたものですから、国民所得に対する比率で見ますと、いま申し上げました四十年度の五・五%程度の水準が、そのまま大体横ばいというふうに考えられます。そういう意味では、実質的な向上ははかられておりますが、国民所得との対比で見ますと、計画にうたわれておるようにはなかなかいかなかったというのが実情でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり私が言っているのは、あなたはこういう説明をするときには、国民所得が上がっているのが悪いようなことを言っているけれども、しかしながら、国民所得の膨張に伴うて、所得をどのような分野にどう配分するかというのが総合計画でしょう、そうでしょう。そういうことになれば、この計画を立案した昭和四十二年当時からこれは横ばい状況です。それで昭和四十六年までに総合計画が達成できるという見通しはないじゃないですか。これはどこに欠陥があるのですか、だれが悪いのですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 先ほど申し上げましたように、予算的には社会保障の予算というのはかなり充実がはかられていると思うのでございますが、財政全体の景気に対する調整的な役割りもございます。経済の伸びが非常に順調にといいますか、予想以上に大きくなってまいりますと、財政のほうといたしましては、どちらかというとやはり引き締めぎみにやっていくとか、あるいは中立を維持するというふうな形になりますので、そういう意味では、それぞれの経費を民間の経済活動が非常に大きいからといって同様に伸ばしていたのでは、なかなか経済全体の大きな変動を調整することができません。そういう意味で、四十年の不況から以後、かなり大きな経済の上昇期に当たってまいりましたので、その点財政の関係と民間の活動の水準とが計画で考えたよりもかなり大きな食い違いを示しておるのは、率直に認めざるを得ないと思うのでございます。その場合は、やはり財政としては、経済が非常に活発に伸びておるときには、重ねて申し上げますが、引き締めぎみにやっていくということになりますと、財政の中の非常に大きな柱である社会保障の系統につきましても、必ずしも十分にといいますか、経済の動きと同じように、あるいはそれ以上に伸ばしていくということが、なかなか困難な面もあろうかと思います。全体の財政の動きといいますか、役割りとしての一つのつとめがございますから、そういう面から見てやむを得ない面も多分にあるのではないかというふうに申し上げざるを得ないと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 経済企画庁というのはいまは総合官庁であって、他の省に遠慮することは要らないのです。これが指導性ですよ。はっきり見解を言わなければならぬ。経済企画庁は大蔵省に対しても遠慮する必要はないのだ。  お聞きいたしますが、国民所得の七・五%といえば、昭和四十五年度は幾らです。一ぺんには何だろうから、七%でもいい、年次計画があるでしょう。国民所得の五・五%から七・五%に至る年次的な段階があるでしょう。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 四十六年度の国民所得は四十九兆を想定いたしておりましたので、そのときに大体振替所得の水準として、三兆五千五百億程度のことを想定いたしておったわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 ことしの国民所得は、推定幾らですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 四十四年の国民所得の見通しは、四十五兆八千億という程度でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 その七%は。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 その七・五%は大体三兆三千億くらいになろうかと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは七%一ぺんには達成できないけれども、現在の振替所得は幾らでしょうか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 四十三年度で言いますと、二兆二千億でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生大臣、お聞きのように、ずいぶん経済社会発展計画で策定した総ワクよりは陥没しているわけです。佐藤内閣総理大臣は、昭和三十九年の十一月に確かに組閣をされたと思うのですよ。そのときの佐藤総理のスローガンは、池田君の経済発展成長計画とは違うのだ、これは人間尊重だ、社会開発と物価安定を中心にやるのだ、こういう公約です。だから、そのあとの昭和四十年の予算審議でも佐藤総理は社会保障の長期計画に関連をして、社会保障を最も重視をして、重要な政策の柱として長期計画の策定については責任をもって鞭撻する、こういう答弁をしているのです。これは国民に対する約束ですからね。それをやらないということは、やっぱり佐藤内閣の怠慢であるし、あるいは歴代の厚生大臣もその必要を認めていつも答弁しているわけですが、そういう長期計画、総合計画がないということが、毎年毎年大蔵省との関係においても堂々と太刀打ちができないし、八木一男委員がよく言われるのだが、他の省と同じように、何%にとどめると言われれば、一喝食らえばそれにとどまる、こういうのです。ですからその点については、経済企画庁長官とか、厚生大臣とかいうふうな、国民生活にとって大切なところや企画官庁というふうなものは、毎回大臣はかわってはいかぬわけです。大臣がかわっても、やっぱり前任者の意向を受けて、責任をもってやるという体制がなければ佐藤総理のイニシアチブはない。佐藤内閣としては責任を果たしていないということになる。  私どもが最も遺憾に思うのはどういう点かといえば、最近盛んに沖繩返還問題に関係して、三次防とか四次防ということがいわれている。二兆三千四百億円の三次防が今度の四次防では倍にする。そういう計画がどんどん放送されて、そして政府の大きな方針として位置づけられて、そしてその後についてもどんどん既定方針どおり増大しているのに、社会保障については何らそういう総合計画がない。こういうことは、おくれた所得保障や、特に児童手当の実施というような問題、あるいはこれから審議をする健保特例法の問題、そういう問題において、やっぱり私ども大きなネックになると思うわけです。そういう点についての見解はいかがですか。国務大臣として、斎藤国務大臣の見解をはっきり言ってもらいたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 それは佐藤内閣成立以来、やはり一般の総予算の伸びよりも、社会保障の予算の伸び率のほうが高くなっている。これは努力の一つのあらわれだろうとかように考えます。私が、長期の計画はなかなか立てにくいと申しますのは、長期的なこまかい計画が立てにくいということを申し上げたわけでありまして、とにかく、さしあたって今日欠けている児童手当制度というものを、来年は発足をさせたい。これができますと、私は相当いまの振替所得と国民所得の割合も変わってくるだろうと思います。そして二年以内には医療保険の抜本改正をやりたい、これにも私は相当国民の振替所得が大きくなる、かように思っております。そのほか先ほど申し述べましたように、当面の需要をまかなうためのいろいろな社会福祉のための施設、あるいは人的要件、これを整えるというのには相当金がかかると思います。そういうものを一応整えて、その上に立ってどうレベルアップをしていくかという問題が次にかかってくる問題だ、かように思うわけでございまして、今日は、いまの日本の現状に即した基礎をまず確立をする。その基礎を、どうレベルアップしていくかというのが長期計画になる、私はかように思うわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 経済企画庁にお尋ねしますが、経済社会発展計画は完全に行き詰まったわけでしょう。いかがですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 経済社会発展計画の掲げております目標数値と現実の経済の動きとは、かなり大きな乖離を生じてまいっております。経済社会発展計画についても補正をいたしたいということで、いま作業をいたしておる最中でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 どういう点で行き詰まったのですか、おもな指標について答弁願います。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 一番大きくは経済の成長が、想定いたしましたのが大体八%程度、具体的には八・二%程度の成長を予定したわけでございます。実績は本年度の見通しも含めて、四十二年度以降三カ年で約一二%程度の成長率、実質的な成長をいたしている。つまり目標に掲げた成長率に対しまして五割も上回った。特に民間の設備投資に至っては、目標の倍以上の高い率でもって投資が進んでおるということでございます。したがいまして、民間の投資の水準といたしましても、計画で目標に掲げました九兆八千億程度の水準を四十六年度に予定したのでございますが、すでにそれが四十四年度で十兆を上回る設備投資水準になるのではないかといわれております。そういう意味からでも、民間の一つの活動の指針としての性格が持ち得なくなってきているということが第一点であろうかと思います。  その次は、やはりいまお話のあった社会保障の水準についても、計画でねらったところにはなかなか近づきがたい。また公共投資の関係につきましても、計画で考えた程度の投資の増加は行なわれているわけでございますが、いま申し上げました民間設備投資とのバランスという面では、かなり大きな乖離を逆に生じてきているというふうな形で、その点でも計画についての見直しが必要になってきたというふうに考えられたわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 もう一つ大きく違ったのは物価じゃないですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 仰せのとおりでございますが、物価は四十六年度の目標年次に三%程度に持っていくということで考えられたわけでございます。初年度である四十二年度は、その前の四十一年度に比較してかなり物価が下がりまして、四・二%くらい消費者物価の伸び率が下がったのでございますが、四十三年度はまた再び上昇に転じ、四十四年度の見通しも五%で押えるのがやっとというふうなことでございます。そういう点ではやはりかなり大きな食い違いが起こっておると言えるかと思います。ただ、これはやはり一つは全体の成長との関係がございまして、想定した八%程度じゃなくて一〇%をこえ、一二、一三というような成長になりますと、どうしても消費者物価が上がっていくというふうな関係もございます。成長との関係も一括して考え直さねばならぬ、見直さねばならぬ時期に来たというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは、単なる経済社会発展計画の修正ではなくして、やはり中期経済計画をやり直したのか、御破算にしたのか。昭和四十年でしたけれども、やはりそれと同じ、それ以上の現象がいま出てきている、こういうふうに考えてよろしいと思う。いまの御答弁で、このことを主として議論するわけじゃないですが、つまり民間の設備投資、これが行き過ぎた、GNPが予想以上に増大し過ぎた、したがって、安定成長を通じて物価の安定と社会開発をやるという、そういう経済社会発展計画の目標が基本的にくずれた、こういうことです。ですから、過ぎたるは及ばざるがごとしということだ。そのとおりだ。ですから、民間の設備投資、つまり大企業や中小企業の設備投資も含めて、やはり設備投資のほうへ物や金が行き過ぎて、そのために物価が上昇したり、あるいは公共部門に対する投資やあるいは社会保障部門に対する分配というものが少なくなってきた、こういうふうな結果をもたらしているわけですね。これは、この経済社会発展計画を修正されるというか、いつを目標に経済企画庁はやっているのですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 作業といたしましては、本年度一ぱいで作業を仕上げたいというふうに考えております。計画を正式に閣議でおきめになる時期につきましては、この年末にできますか、あるいは来年に入ることになりますか。大体、全体の作業といたしましては、本年度一ぱいで仕上げたいという目標でいたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 来年度の予算にはどう影響をしますか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 来年度の予算を年内に作業を終わるということであれば、大体同時決定的にやってまいる、つまり来年度の予算が計画の初年度に相当するような形できめられる、現在のところはそういうふうに考えて大いに努力いたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それでは、今度の新計画は、四十五年度を初年度としての五年計画ですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 ただいまの点、四十五年度を初年度として、四十九年にいたしますか、あるいは五十年というふうにまるい数字のところをねらいにするか、そこいらのところをなお内部で検討いたしております。大体四十五年度を初年度とする五カ年計画というふうな考え方で考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 来年、四十五年度から五カ年計画とすれば四十九年ですが、五十年となれば六年計画ですね。佐藤内閣の寿命と関係ありますか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 私から御答弁いたしかねます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生大臣お聞きのように、いまそういう経済計画を策定中なんですよ。その中で社会保障計画をどういうふうに織り込むかということについては、厚生省は考えがなければいかぬと思うのですよ。それを称して長期計画というんじゃないですか。つまり、厚生省だけが自分だけで考えたのではだめであって、国民経済や国民所得の分配の中でこのことを正当に位置づけるというのが、厚生省の社会保障の長期計画ではありませんか。その点いかがですか。どういう認識なんですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 全体の計画が立ちませんと、その中で社会保障の計画をどう立てるかということは、実際不可能なわけであります。いま御議論があったように、長期計画もいま一ぺんやり直さなければいけないというわけで、どういうようにやり直していかれるか。これは厚生省として全体がわかりませんから、まあ全体を見ておられる経済企画庁で大ワクをおつくりになれば、その中に参画をさしていただけるものだと考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は少なくともこう思うのですよ。単なるワクをきめただけではいままでの蒸し返しにすぎない。これは社会保障制度審議会が、いろいろな不備な欠陥はあったけれども、たしか昭和三十六年にヨーロッパ水準に到達する十カ年計画をやったと思うのですよ。おそらくその当時できたものとしてはこれが唯一の社会保障の長期展望でした。いろいろそれらを議論をしながら、それで政府の長期計画の中にこれを織り込んでいったわけです。しかしながら、ワクをきめただけであって、そして中身を入れることを厚生省当局が怠ったのではないか。他の部面においては、やはり五カ年計画なり十カ年計画は、住宅等においては曲がりなりにできておるわけです。パンか大砲かという議論を私もしたこともあるけれども、佐藤総理は、絶対に大砲をパンよりも優先させない、こういうことを昭和四十年、四十一年の予算委員会やその他国会において答弁しているのですよ。問題は、中身をどういうふうにつぎ込んでいくかという長期計画を経済計画の中にどうはめ込むかということが、私は、厚生大臣の国務大臣としての任務であり、あるいは経済企画庁長官がそれを受けてやるという任務であると思うわけです。そういう点について私は、遺憾ながら厚生大臣は認識を改めてもらう必要があるのではないか。確かに健康保険特例法であなたの頭は一ぱいかもしれぬ。しかし、健康保険の停滞と、そして混乱、それから所得保障、特に年金のおくれ、児童手当の未実施、これらは日本の社会保障の大きな欠陥ですから、経済成長に見合わないひずみであり、所得の不公平な分配ですから、そういうことは大蔵省の財政制度審議会を含めて議論は一致いたしておる。ただし財政制度審議会は、遺憾ながら非常にてまえがってな議論でありますけれども、しかし認識のことにおいてはあまり変わっていない。そういう点、厚生省は積極的にその長期計画の中に、年金保障や児童手当の問題をどうはめ込んでいくか。あるいは健康保険の中で特に問題となった公的な医療保障の問題等を含めてどう考えていくか。全体の中で医療費の占める比率というものがどうなるか、国庫負担の比率はどうなるかという議論もあるでしょう。そういう問題を、これは非常に積極的な意味においてやっていかないと、沖繩の返還その他、安保の問題をめぐって大砲に押しまくられてくる、そういう可能性が十分あるのではないか、私はこう思うわけです。その点について厚生大臣は、もう二、三年のうちに、こう言われたけれども、そうではなしに、そういう点ではひとつお考え直しをいただきたい、私はこう思いますが、いかがですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 私はその意味において、社会保障制度としてまだ欠けている児童手当制度、この基礎をつくり、それからいま著しく改正、改革を要するといわれております医療保険制度、それから年金制度、これは三つの柱だろうと思うのであります。そのほかにたくさんございますが、これは小さな柱といえば小さな柱。そこで年金制度は、一応これで基礎といいますか、そういうものが確立をしたと思います。今度の改正をいただけば、厚生年金、国民年金を通じまして一応のあれだと思います。さらに、厚生年金と国民年金あるいはその他の恩給制度の間に、一ぺん地ならしをしなければならない問題を含んでおると私は思いますが、まずまず年金制度、医療保険制度は、いま大改革の要に迫られておる、こういうことです。大改革のしかたによって、今後、医療保険制度としてどうレベルアップをしていくかという問題が出てくる。児童手当の制度も来年は出発をいたしたい。  私はたびたび申し上げておりますが、この基礎づくりをやって、その基礎づくりの上に、日本全体の計画に見合ってどうレベルアップしていくかという問題が出てくると思うわけでございます。少なくともこの三本の柱を立て、そしていま著しく立ちおくれております他の社会事業的な施設その他、きわめて不十分であります。現在の段階においてこれを一応整えて、そのレベルにおいて、また他の諸国に見合うようなレベルアップをどうしていくか。基礎づくりをするのはいまの時だと私は思うわけです。その基礎づくりをいま一両年に整えて、そしてレベルアップをやってまいりたい。世界先進国の総所得と振替所得の割合を計算をして、日本もここまでにあれと、そんな数字は私は簡単にできると思います。しかし私はこれは砂上の楼閣だと思う。現実に地についたこの制度を毎年どうレベルアップしていくかという計画になりますと、私はそういった基礎がまずつくられなければならないと思う。もちろん基礎をつくります場合におきましても、先ほどおっしゃいました、先進国のあれに劣らない基礎づくりがまず必要だと考えておるわけでありますから、そういう意味で努力しておることをひとつお認めをいただきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは、かなりまじなめ答弁ではありますが、もう一歩進んでいない。それじゃだめです。経済社会発展計画の中で、何でも五カ年計画というふうにこれを全部はめ込んで便乗していこうという考えもあるでしょうが、しかし重要な柱では裏づけとなる長期計画がほとんどできておる。長期計画が重要な政策の柱の中でできておらぬのは、経済企画庁どうですか、社会保障だけじゃないですか。ほかのはほとんどできているでしょう。いかがです。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 具体的な社会資本の系統の長期計画は、おっしゃられますように、ほとんどできておるといってよろしいかと思います。道路とか住宅あるいは生活環境の問題等の投資の計画としては、できておるというふうに言ってよろしいかと思います。その他一般的なといいますか、投資以外の部面につきましては、必ずしもすべて長期計画的にやれというふうに計画をうたっておりません。この分野で必ずしも計画ができ上がっておるわけではないと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 だから厚生大臣、やっぱり長期計画、総合計画のGNPあるいはGNIの中で、どういうふうに所得を再分配していくかということが、言うなれば長期計画の一つの側面ですよ。ですから、高度成長の中で起きてきた貧富の差の拡大というものを社会保障でカバーしていくというのが、これが政治の一番大きな柱の一つです。ですから、そういう総合計画を立てながら、総ワクをきめながら、そしてそれと具体的な施策というものをマッチさせていく。そういうところに初めて大臣が言われたようなことがあるし、佐藤総理もそういうことを答弁しているのです。絶対に国民生活第一であるから、大砲よりかパンをあと回しにすることはしない、社会保障の長期計画について努力をいたします、責任を持って厚生省を鞭撻し経済企画庁を鞭撻してやります、こういうことを言っているのです。しかし私が調べてみると、社会保障の長期計画は、全体の計画はほとんど出そろっているけれども、出ていない。総ワクがきまらなければ——国民年金、所得保障の面についてはこれから質問いたしますが、たとえば児童手当にいたしましても、第一子からやるか、第二子からやるか、第三子からやるかという、こういうことだって総合的に私どもが年次的に計画を立てながら中身を充実させることができるのです。そうすれば結局第三子からということになるのじゃないですか。八月が近づいたからそういう計画を立てられるのでしょう。昭和四十五年からやるとすれば、児童手当をやるといいましても、第三子からやるということになるのじゃないですか。そうでしょう。そうなんですか。念のために聞いておきますが、あなたの腹の中は、第三子からやるのでしょう。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 まだここではっきり申し上げる段階になっておりません。そういう案も私の頭の中では考えております。第二子からという案も私の頭の中では考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生大臣、これはやたらに時間をとるために議論をしているのではないのです。国会は最高の議決機関ですから、論議を通じて政治を進めていくということです。ですから、つまり厚生大臣の考え方をさらに一歩を進めてもらって——いま一歩進んだようだから、さらに一歩を進めてもらって、児童手当についても、あるいは年金を中心とする所得保障の面にしても、社会福祉の面にしても、あるいは医療保障の面、特に公害その他が多くなった今日においては、医療費の公的負担の面においても、そういう面等を中心に、やはり経済が高度成長しているのだから、その中で公害も出ているし、交通戦争も出ているし、昭和五十年には八人に一人はけがをするというのだ。これは警察庁の推定でこの間出ておりました。ひどいものですよ。あなたも昔は警察におられたからよくわかると思う。八人に一人けがをするというのだ。そのうち死ぬ人間も出てくる。これはひどいものです。ですから、思い切ったそういう点についての社会福祉、生活環境を整備する政策を立てなければいかぬ。あなたにはできるだけ長くおってもらいたいけれども、在任中は思い切ってそういう点で——いままで口先だけで言うてきた厚生大臣のあとを継いでたいへん迷惑だが、園田厚生大臣も調子のいいことを言うて、それですぐやめるということを見越して言うたかもしれぬ。いまにして思えば何もしておらぬから。だから、それを乗り越えるだけの決意をもって、具体的な問題については来年度の予算編成期から長期計画の中に社会保障をしっかりと位置づける、こういう点で決意を新たにして議論してもらわないと、これから国民年金や厚生年金やあるいは健康保険の特例法の問題を議論する、抜本改正を議論する、そういう前提といたしましては、これは私は議論するに値しない、こう思うわけです。いかがですか、決意のほどを明らかにしてもらいたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいまおっしゃいますような事柄を私の念頭の中に置いて、さらにいまおっしゃいますように、日本のあるべき姿というものも、なるべく早く社会保障の国民所得に占める割合を頭の中に置き、そうして進めてまいりたいと思います。私は大原さんのおっしゃることと同じ気持ちでいるわけであります。能力が足りませんので、なかなかきょう言ってあすというわけにはまいりません。今日日本の社会保障の水準はいかにあるべきか、いま厚生省の研究機関においても検討してもらっておりますが、早く結論を出してくれと言うのでありますが、その研究機関においても、まだ一両年待っていただきたい、そう急には結論が出ませんと、関係の学者その他の人たちが言っておるわけで、私自身としては非常にまどろしく思っている、そういうようなわけでございますので、決しておろそかにしているわけではございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 いままでの厚生大臣をずっと五人も六人も思い浮かべるわけですが、いろいろ人間にはカラーがありまして、じみな人もあれば、てんぷらを言う人もある。しかし、三つに一つくらい当たるのもその中にあったりいたしまして、これはかなりよろしいという評価もある。しかし、あなたは、お見かけのように、にこりともされないというふうなまじめな方でございまして、しかし非常に頭の切れる人でまじめな人だということで、みな評価しているわけですから、この際腹をきめて、不言実行でなしに、少しくらいほらを吹けとは言わぬけれども、やることについては積極的に閣内においても表示されて、そして長期計画の中で正しく位置づけるように、ひとつがんばってもらいたいと思う。これはお願いしておきます。  経済企画庁、それを受けて、長期計画の中で社会保障をしっかり位置づけるように、いままでよりか軽視することが決してない、こういうふうな考え方で処理してもらいたいと思うが、いかがですか。

鹿野義夫経済企画庁総合計画局長

○鹿野政府委員 経済社会発展計画の補正にあたりましても、社会保障をどう考えていくか、非常に重要な課題であるというふうに考えて、真剣に取り組んでまいりたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 時間もかなりたちましたが、これはまだ序論の序論でありますけれども、大切な問題です。そこで厚生大臣、この長期計画を策定する、これから年金部門等改善するという見地に立った際に、つまり物価が上昇しておるわけですが、生活水準の向上に見合いながら、ベース改定等内容改善についてはどういうふうな方針をもって処置されていこうとするのか。国民年金の改善はたしか昭和四十二年に行なわれて、今回改善するということであります。厚生年金の改善はたしか五年目かであると思います。そういう点があるわけですけれども、中身の問題はともかくといたしまして、年金の水準をヨーロッパ並みに引き上げていく、こういうためには、やはりどういう点にそういうベース改定その他の考え方を置きながら進めていったらよろしいか、お考えがあればひとつお伺いしておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 まず大まかに申し上げますと、少なくとも、物価と、それから生活水準の向上、それに見合うもの——私はそれに見合ってとんとんだと思う。その上にどれだけさらに積み足していくか、こういう問題でございます。その一つのめどは、やはり年金ならば、他の先進国における年金の額、その国の生活水準に引き比べてみてどうかというものにまず合わしていくべきだ、かように考えます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは政府委員、局長でよろしいが、今回改正されます国民年金のベース改定八千円、八千円、四千五百円、ずいぶん寄せ集めて二万円年金などというような誇大宣伝をしたものだが、これが実際にその条件のものが手に入ってくるのは昭和何年からですか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 ただいま御指摘の八千円、八千円、四千五百円というのは、二十五年後の数字でございます。したがいまして、そのうち夫と妻の一万六千円部分は、すでに八年経過いたしておりますから、あと十七年で実現をいたしますが、四千五百円部分はこれから始まるわけでございますので、明年から始まって二十五年後に四千五百円が出てくるわけでございます。したがいまして、そのときにおきましては一万六千円はふえておりましょうから、おおむね二十年ないし二十五年後という程度のことだと思うのでありますが、なおこの点は厚生年金と国民年金とのバランスの問題でございますが、厚生年金は明年十一月に支給される受給者の実際の支給額を二万円としようという目標になっておるのでございますが、国民年金につきましては、まだ始まりましてから八年でございます。なお所得比例につきましては、これから始まるわけでございますので、実際に手に届くまでにはなお時間があるわけでございますけれども、今後急速に追いつく努力をいたしてまいりたい、かように考えるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 よく言われるのですが、国民年金がこれでできると、ヨーロッパの水準に近づくというふうに言われるわけです。それは確かに近づいておることには間違いない。しかし、いま御答弁がありましたように、八千円、八千円の夫婦一万六千円の年金は、これは二十五年で六十歳から、これは十七年後の話。それから四千五百円の上積みの問題は二十五年後の話。ただし十年年金では一部実施されるけれども、そういうふうに考えてみますと、物価はかなり急速度に上昇しておるし、現在支給を受けている水準というもので、ヨーロッパ先進国の水準とわれわれの水準とを比較いたしますと、これはかなりのギャップがあるということはもちろんですが、ことに高度成長の中で物価が上昇いたしておりますから、十七年、二十五年後には、合計いたしまして二万五百円年金も、かすのようなとは言わぬけれども、ほかの付帯年金があるから救われるわけですけれども、私はかなりきびしいものになるだろう。そういう点で、総合的に私どもの年金保障のおくれを取り戻すという点にいきますると、ヨーロッパ水準の所得保障、年金保障は大体どのくらいかという点をわれわれが考えてみるならば、これはかなりなギャップがあるという点を知らなければならぬと思う。私どもが長期計画を立てる際に、直ちにそれが目標とはなりませんが、局長は、先進国の年金、老人その他の所得保障は大体最低どのくらいであるというふうに御理解になっておりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 外国との比較というのは、いろいろむずかしい要素がございますが、たとえば支給開始年齢が違う。外国ではおおむね六十五歳でございますが、日本の場合は被用者年金におきましては六十歳、たとえばそういった違いがございます。また被用者でない年金、国民年金といった制度になりますと、ヨーロッパ諸国には実はあまりないのでございます。国民年金につきましては、むしろ存在しておること自体が日本のほうが先進国でございます。フランスやドイツは、自営業者に対する年金制度をつくろうという努力をいたしておる現状でございまして、この点は、EECの社会保障当局とも私は数回接触いたしておりますが、そういう報告が公式に出ております。しかしながら、ほぼ国民年金に該当すると見られます、たとえばドイツにおきます農民年金といったようなものを考えてみますと、これは拠出制でございますが、保険料が千八百円、夫婦で一万三千円程度の給付水準のように承知いたしておりますので、今回の改正法案におきまして、四十六年に夫婦で一万円という水準が実現をいたしますれば、やはり国際的に見ても相当のレベルに達したものと考えてよろしいのではないかと思うのでございます。  なお先ほど、二十五年後と申し上げましたが、実は先般の改正法案におきまして、夫婦一万円年金と申しますのは、二十五年後ではないかという御指摘があったのでございますが……(大原委員「あなたが答弁したのではないか」と呼ぶ)もちろんそのとおりでございますが、この一万円年金は、二十五年後ではなくて四十六年に実現するのでございます。こういった状況でございますので、急速にいわば厚年の実支給水準に近づける努力を今後ともいたしたい、かように思うのでございます。  なお、二十五年後におきまして実際に支給されるのはどういう額になるかということでございますが、それは先ほど大臣から御答弁ございましたように、あるいは国民年金法第四条に規定がございますように、その後の生活水準、物価等によりまして当然改定が行なわれるわけでございますので、実際の支給額はこれを相当上回るものと考えていただいてよろしいかと思うのでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 理事の指示がございましたからこれでやめますが、一応中断しますが、こういうことだ。いまの質疑応答はかなり重要なところにいくわけだが、いまの点についてはなお議論をする余地があるわけです。たとえば、山田委員がいまさっき指摘いたしましたけれども、やっぱり核家族の中で一番肝心なお年寄りの人は千八百円です。これは税金で出しても保険金で出しても所得の再配分ですよ。それで、保険主義をとるか、積み立て主義をとるか、あるいは賦課方式をとるかという議論をいろいろするわけだが、税金全体として再配分をするという考え方で、制度は分かれておってもいいわけです。だからそういう点からいうと、千八百円が昭和四十六年に幾らになるかわからぬが、これは何といってもこの水準はひどいです。ヨーロッパの社会保障は各職業別にずっと積み上げていった。労働者、被用者の年金、農民年金その他ずっと職業別にやっていった。日本は昭和三十六年に国民年金でぱっとワクをかけた。だから、身体障害者のような独自にやらなければならぬような年金にしても、福祉年金の水準は低い。あるいは老人の福祉年金にしましても、現在生きているわれわれがお互い年寄りを守っていこうという、そういう社会保障制度の精神からいえば水準が低いわけでございます。そういう点については、私は、総合計画の中で思い切って議論を展開して構想を提示してやってもらいたいと思うわけです。  きょうは、いま所定の七時も過ぎましたから、質問は一応これで中断いたしまして、明日いよいよ本論について質問を続けてまいりたいと思いますので、きょうはこれで終わりたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次回は明十九日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後七時五分散会

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