P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
61回国会衆議院1969/06/17

社会労働委員会 第27号

発言数
164
登壇者
13
会派数
2
開催日
1969/06/17

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  この際、労働大臣より発言を求められておりますので、これを許します。労働大臣原健三郎君。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 前回田邊先生から御指摘がございましたくだんの文書につきましては、地方自治体に対して何ら干渉するような意図は全くなかったのでございますが、その文言が適切を欠き、一部不穏当な表現がありましたために、誤解を招き、御叱正をいただきましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。責任者に対し厳重に注意を喚起し、今後かりそめにもかかる事態を生ずることのないよう、慎重に処してまいる所存であります。何とぞ御了承賜わりますようお願い申し上げます。      ————◇—————

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 内閣提出、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、労働保険の保険料の徴収等に関する法律案、及び、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を議題として審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ただいま労働大臣から、前回六月十日のこの委員会におきまして、いろいろ答弁に不穏当な点があった、こういうような意味で釈明があったわけであります。実のところ私もそれをあくまでもきょうは追及したい、こういうように思ってやってきました。  ところが、冒頭においてもうそれをやられた、こういうようなことでございまして、その冒頭において陳謝の意を表した、その意味は十分了解できるのであります。  ただ、昭和四十四年一月十八日に労働省の職業安定局失業保険課長、この差し出し人によるところの通達が出されております。この内容等について、それに付加して若干聞いておきたい、こういうように思うわけであります。  第一点は、「今回の諮問は、昨年十月新聞発表した法改正案の大要につき、中央職業安定審議会を四回、失業保険部会を三回開催し、ここで表明された意見を十分考慮して作成したものであって、今後さらに中央職業安定審議会の審議を経て、その答申を受け、さらに社会保障制度審議会にも諮問して、その結果に基づき最終の政府案を作成して国会へ提出する予定である」、このようにはっきりいっているわけであります。労働大臣として、この通達そのとおりに実行し、そのとおり意見を参酌したものであるかどうか、この点をまず伺いたいのであります。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 ただいま御指摘ございましたように、失業保険法の改正法案を国会に提出するにあたりまして、昨年の十月に労働省の考え方を発表したのでございますが、それに基づきまして昨年中に四回職業安定審議会、それから三回の安定審議会の中における失業保険部会におきまして、いろいろ基本的な事項につきまして自由に御意見の交換を願ったのでありますが、そういったことも含めまして本年の一年八日に政府原案を作成いたしまして、安定審議会に正式諮問をいたしました。その後さらに審議会において表明されました御意見等に基づきまして追加諮問等も加えまして本審議会を九回、部会を一回開きまして、二月二十八日に答申をいただいたわけでございます。  さらに、社会保障制度審議会におきましては、安定審議会におきます審議と並行いたしまして、本年の二月六日付で諮問いたしまして、五回にわたる審議会の御審議を経まして、三月三日答申をいただきました。  そういう答申の趣旨を十分反映いたしまして今回の改正案を国会に提出いたしておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 中央職業安定審議会昭和四十四年二月二十八日職審発第一五号で意見が出されております。発然これも参酌されたものである、こういうように思いますが、そのとおりですか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 おもな点を申し上げますと、政府原案において、第一条の改正を考えておったのでございますが、この点につきましては、審議会の御意見によりまして第一条の目的規定の改正は取りやめにいたしております。  また福祉施設について規定しております保険法の二十七条の二の規定の改正につきましては、これも御意見に基づきましてその改正を最小限度にとどめておるわけでございます。  それから一カ月間の基礎日数につきましては、諮問案は一月の基礎日数を十六日にいたしておったのでございますが、これまた御意見によりまして十四日に引き下げております。と同時に、通算制度を御意見に沿うように整備をいたした次第でございます。  さらに、不正受給者に対する納付命令制度でございますが、諮問案は不正額の二倍ということにいたしておったのでございますが、これも御意見によりまして同額に引き下げることといたしております。  また国、地方公共団体の職員に関する適用問題につきましては、これは適用除外等をしない、従来どおりの扱いにいたしております。  日雇失業保険の特例給付の受給要件につきましては、従来どおりの扱いとするというような点が、御意見に基づきます修正の要点でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その原案を私も見ながらいま聞いたわけですけれども、なぜ全部言わないのですか。漏れている点をなぜあなたは発表しないのですか。その点少し、答弁する側の態度としてはおかしくはございませんか。どの点が漏れていたか、もう一回全部言ってみてください。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 ただいま御説明申し上げましたほかに、審議会の意見と違う点について申し上げます。  第一点は、保険給付の問題でございますけれども、これは諮問案は改善を行なっておるけれども、一般失業保険、日雇失業保険を通じて、低所得層の給付を引き上げるため、「そうの努力を行なう必要があるという御意見がございますが、この御意見にもかかわらず、諮問案と今回の改正案は一緒でございます。  それから、福祉施設の問題につきまして御意見をいただいておりますが、その内容は、「福祉施設については、失業保険制度の本旨に従い、かつ、保険給付との均衡を考慮し、」「保険事故の予防又は解消のために必要な限度内において、節度をもって行なわれる必要がある。」こういう御意見をいただいておりますけれども、これは法運用についての御意見と考えまして、法案の修正は行なっておりません。  それから季節的受給者の現状にかんがみまして特別保険料の徴収はやむを得ないと認めるけれども、「特定の事業主に対して過大の負担とならないよう、特別保険料率の決定、離職率の算定方法の決定等にあっては、特段の配慮をすべきである。」これも法律制度の運用に関する御意見と考えております。  御意見と改正案との相違点は、以上のとおりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはりいま発表されたものでも十分ではございません。労働省は、省として考えて、これを政策として実施するのに都合のいい諮問だけを法律化している。同じに諮問案に対する答申が出されても、保険料、福祉施設の改善、充実や、そのほか、その福祉について、または特別保険料について、その他、都合の悪いところはさっぱり聞いておりません。こういうような諮問のしかたというものは少しおかしいじゃありませんか。  それと同時に、ほかの委員のほうから、失業保険法改正についての意見が強力に出された別な意見もあったようですが、その意見等については全然これを顧みないのですか。これを参考にしたのですか。参考にしないとするならば、その意見の悪い点を指摘しておいてもらいたいわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 いろいろ委員の中から御意見をいただいております。  たとえば保険給付の改善につきましては、給付率を現行の六割を八割に引き上げろ、あるいは最低額を六百四十円にすべきである。それから給付日数でございますが、これは二年間を目標にして再検討をすべきである。それから日雇失業保険について、最低級の日額を六百四十円とすべきであるというような給付面についての御意見。  それから福祉施設につきましては、先ほど申し上げました法律の規定の改正についての御意見、これは反対である、こういう御意見。それからその福祉施設の給付は、目的遂行のための最小限度の附帯的な事業にとどめるべきである、しかも、具体的には安定審議会の意見を聞いて定めた一定の限度を越えない範囲において審議会の意見を聞いて支出する。それから就職支度金、移転費については、従来どおり保険給付とすべきである。  さらに第三点といたしまして、国庫負担につきましては、現行の四分の一から三分の一に引き上げるべきである。  それから特別保険料の徴収につきましては、特に短期離職者が使用者の意思によって、労働者の意思に反して任意退職として取り扱われるような傾向を助長するから反対である。  それから被保険者期間の計算方法につきましては、非常に関係者に与える影響が多いから絶対に反対である。  それから不正受給者に対する納付命令制度の創設につきましては、これは他の社会保険制度との権衡から見ても反対である。  こういう少数意見が出されたのでございますが、私どもといたしましては、多数意見をもって行なわれました審議会の答申に従いまして、最終案の決定をいたした次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 前回、十日に田邊委員からも、この場所からいろいろな御指摘がありました。そしていまも労働大臣からも一部のことばの使い方や、十分表現し得なかったという点で陳謝の表明があった。しかし、いまこれを正式に見ましても、中央職業安定審議会、この多数意見でさえも中では聞き捨てにしているのもある。ましてこの四人の人たちからこれは重要だといって出されてあるこの意見については、ほとんど指摘すべき何ものもないにもかかわらず、全部これを没にしてある。これはなかなか私としては了解できないわけです。  それで、もう一回事務的にお願いしておきたい。保険給付の改善充実について、やはりこれからの労働政策としても、雇用政策としても、その間の暫定政策としても、これはまことに重要な要素を持っている。これは前の答弁でもはっきりしているところです。そのとおりにこれは言っているではありませんか。第一の、保険給付の改善充実をはかりなさいといっているではありませんか。あれだけ金を残しながらも、他のほうへこれを使っても、この改善充実をはからないという根拠はどこにあるのか。これを聞かないという理由はないはずなんです。ですからこれはどこが悪いのか、これを聞いているのです。それに対する答えがないわけです。給付日数についてもそのとおりでございましょう。日雇失業保険について、最低日額を六百四十円として、一般の賃金の水準の上昇に見合って、その引き上げをはかるべきである。これはどこか悪いところがあるのですか。そのとおりではありませんか。  それから福祉施設の充実についても、これははっきりいっているではありませんか。(1)、(2)、(3)、(4)、(5)と五つに分けて指摘してあるわけです。この少数意見は間違いない少数意見ではありませんか。「体どこが悪いのです。  私は、こういうような点では疑問を感じているのです。いいものであるならば、少数意見であろうとも、これは取り上げるべきではありませんか。まして国庫負担について、これは財政基盤の確立と、国、使用者と被保険者の負担の均衡をはかることを考えながら、これはやはり一つの提言をしているじゃありませんか。一体これのどこが悪いのでしょう。私どうもわからぬ。わからないという前提で、これに対してどこが悪いのだという注釈をつけてもらいたい。私はこれが悪いのでなければ、この法案全体がおかしい過程ででき上がってきたと疑わざるを得ない。おわかりでしょうか。ちょっと時間をかけてもいいですから、項目別に——悪いところないでしょう。私はそう思っている。お答え願いたい。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 まず保険給付の改善問題でございますが、御意見は、給付率を八割にしたいということ、それから給付期間二年ということでございますが、現在の失業保険の保険給付の原則といたしまして、これは六割給付を原則といたしております。他のいろいろな制度、たとえば災害の場合における休業補償とか、あるいは基準法の休業手当等、わが国における他のこれに類似する制度におきまして給付率が六割になっている、そういうような点も考慮いたしまして、制度といたしましては六割水準を考えているわけでございます。この水準は国際的に見ましても低い水準ではございませんので、そういう意味で、法案におきましては従来どおり六割給付の考え方をとっているのでございますけれども、低所得層を中心とする給付改善をはかるために、たとえば低等級者の保険日額に定額十円の積み上げとか、あるいは扶養加算の定額支給等をも考えまして、低所得層に対する給付改善をはかっている次第でございます。それから最低日額の問題でございますが、これは実は昨年の十月最低日額の改正を行なっております。今後給与水準の推移をにらみ合わせまして、そういう点の改善を行なうべきものと考えております。  それから福祉施設の問題でございますが、失業保険法は、先回の委員会におきましても田邊委員から御指摘がございましたが、あくまでも失業者の失業中の生活の安定ということが目的でございまして、福祉施設はその目的に対しまして従たる立場にあるということは申し上げるまでもないことと思います。そういう意味で、福祉施設の運用は節度をもって運営すべきである、こういう審議会の御意見をもいただいておりますので、そういう趣旨に基づきまして今後運用をはかっていきたいというように考えている次第であります。  さらに国庫負担の問題でございますけれども、この問題は実は三十五年に三分の一から四分の一に引き下げられたのでございますが、当時の国会の御修正によりまして、さらに三十四年度から三十六年度までの収支の実績を見て三十八年までにその検討を終えろ、こういう御意見による修正がございましたので、それに基づきまして、社会保障制度審議会等の御意見に基づきまして四分の「としたわけでございますが、そういう意味で、現在の四分の一の国庫負担は、必ずしも当を得ないものではないというように考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 全部書いてあるのですから、全部聞いてからにしたいのですが、疲れたのでしょう、その点はまあ了解しておきましょう。しかし、大事なところだけのかして答えてはいけませんよ。一つだけ指摘して、あとから、これはもう答弁要りませんが、肝心の福祉施設の充実についてのところに、これは目的以外の限度を越えない範囲においてこれらは職安審議会の意見を聞いて施設すべきである、このような重大な提案がなされているのではないですか。すべてこれによってやったかどうか。これは今後のためにも重要なんです。おそらくは、これはあとでまたやりますから、きょうはあなたもだいぶ疲れているようですから、これから先のほうへ進みましょう。  それで、ちょっと私のほうではなお聞いておきたいことがあるのですけれども、いろいろな諮問案、答申に基づいてやった、こう言いながらも、本答申そのものにも沿っておらない点がある。まして少数意見の点にはほとんど沿っておらない。まして重要な提案がなされておっても、あえてそういうような制度に対して見向きもしない。こういうようなやり方でこの法案を出してきた、このところに一つ大きい問題があるのです。  これは委員長もそういうような点十分考えておかないと、この問題に対しては悔いを千載に残しますよ。おそらくそういうようなやり方が、いま第三番目に書かれておる、この指摘された問題にまで発展してくるわけなんです。いままで審議を経てきた、形式的にもこういうような点が見えますが、内容的においてはほとんどだめ。しかし、第三番目に書かれておるこの事項は何たることですか。「特に最近、一、二の県議会において反対決議に類したことが行なわれたことはまことに遺憾であるので、都道府県又は市町村等において議会による反対決議をするような動きをつかんだときは、特にこれらの地方公共団体等の議会に対してその趣旨を正確に伝え、できる限り反対決議等の行なわれないよう又は、少なくとも審議会から答申が出され、あるいは国会提出の政府案が作成される以前に決議が行なわれることのないように努められたいこと。なお、反対決議等の動きがあった場合には、決議等が行なわれる前に緊急に電話等により本省に連絡されたいこと。」(「もう済んだよ」と呼ぶ者あり)これは、もう済んだと思って漫然としていることじゃないのです。それは大臣もいま簡単にあやまりました。あやまりましたけれども、これはもう大いにやりますぞ、やりますぞと言っておいたから、たぶん準備されてきて、先にこんなことをやったのでしょう。おそらくこの問題については大臣と重大な考え方の違いがある。今後こういうようなことを、二度と繰り返しては困る大きな問題があるのです。憲法の第十六条にももとりますよ。それから国家公務員としてこれをやったならば、憲法大十カ条に違反してますよ。こういうふうにしてこれをやったこと自体が、もう懲戒免に値するような事態なんです。これは坊主にならないとだめなような事態なんです。笑いごとじゃない。局長、課長、主査、かてて加えて大臣、この法案をほんとうに審議し、通す意欲があるならば、全員今後坊主になって出てきて、謝罪しながら、ここでもって真意を吐露する以外にないと思う。十六条によるとそのことがはっきりいわれているのですよ。九十九条は国家公務員である以上これを順守しなければならないという義務をうたっているのですよ。何も順守していないじゃないですか。地方自治法の第九十九条、「説明の請求及び意見の陳述、意見書の提出」、これにもはっきり載せられている。これも国民の権利ですよ。その第二項には「議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を関係行政庁に提出することができる。」はっきりここで手続までうたわれているのです。そのほかに憲法が出されたときに付属法典として請願法が出されております。二十二年五月三日、これによってももう国民として自由にできることになっておる。国会法の中の請願規定も七十九条によってはっきりしておる。こういうようにして、国民の権利を憲法も関係法も全部認めておる。それだのに、これはそれをやらせないようにせい、こういうようなことを通達によって堂々とやっておる。大臣、こういうことはやはり間違いですね。これはいけないことです円いけないだけじゃないですよ。あやまればいい問題ではなく、ほんとうに憲法、関係法すべてにこれは違反しているじゃありませんか。こういうようなことは今後許されない問題である、こういうように私は思っております。この件について、今後やはり進んでその意見を取り上げて、その意見に基づいて立法する、こういうような態度のほうが正しいのじゃありませんか。せっかく諮問しても、気にくわない答申は全部これは法案に盛らない。まして国民が一番待望しているような答申が出されても一つだに盛らない。こういうようなことがあっていい問題ではない。まして下のほうから上がってくる声は、全部これは上がってこないうちに切り捨ててしまう、こういうようなことを労働省が——少なくともこれは、もう残りますから、この文書は。こういうようなことをするのは今後絶対許されないし、これは立法権に対する行政権の侵害ということにもなる。大臣、この点では私の言うことは間違いないと思って確信をもって言っておるのですが、今後労働省として、このようなことを二度とやらないほかに、他にこういうような類似のものがある場合には、絶対これは慎まなければならない、あらためてこういうような点を点検しなければならない、こういうように思いますが、この際、大臣の決意を聞いておきたいのです。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 いま島本先生からいろいろ御注意をいただきまして、まことに御説ごもっともでございます。それで、御注意の点につきましては、われわれも大いに拳拳服膺いたしまして、二度とこういうことをやらないように、労働省全員気をつけていきたいと思っております。また他にこういうようなことがあるかないかもよく慎重に検討して、二度とそういうことを繰り返さないよう十分留意いたす決意でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この件については、大臣のただいまの答弁で私は一応おさめておきたいと思います。そして他のこれに類するような事例がある場合は、進んで改正するように、これも強く要望しておきたいと思います。この際ですから、間違いはないと思いますけれども、憲法によってこれらの——そこに並んでおります皆さん方も十分この点だけは気をつけておいてもらいたいと思うのであります。国会は唯一の立法機関であるということ、これはだれも言わぬでもわかっていることだ。内閣は行政事務を忠実に履行するのが使命であるということ、そして極端にいうと、予算、条約を提出することができるが、法律案を提出してもよいという、法律案を提出できるということは書いておらないということ、もし必要ならばこれは議案を出すことができる、この議案の中に法律案も入れる、この解釈で、憲法に基づいて、これは立法の府に内閣がいろいろ議案を出しているわけでしょう。  ところが、いつの間にか、行政府のほうが主になって、閣法を出すのがあたりまえで、議員立法はなるべくやらないようにせい。いまは逆なことになっているのです。その結果が、いま大臣の陳謝されたようなぐあいになって、そして一官僚——官僚というよりも、もっと下の事務レベルでも、このような気概を持って、自分ら以外には地方自治体もない、こういうような考えを持つようにだんだんなってくるのです。もう一回この機会に憲法を読み直して、そして国会、内閣、この違いを十分考えて、今後の立法の心がまえにしておいてもらいたい。これだけは強く要請しておきたいと思うのです。これを間違えるから、こういうようなことになるのです。この点、大臣ではなく局長、この心がまえ、いいですか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 ただいま大臣も申し上げましたとおりでございまして、さらに先生から貴重な御指示をいただき、今後十分心にとめまして、こういうことのないようにやりたい、こういうように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 次に、私は、もういろいろございまするけれども、この点はいかがでございましょうか。  昭和四十四年四月三日、衆議院の本会議で加藤万吉議員からの質問、これは不正受給の追徴金制度について、失業保険においては、職安の窓口で不当な給付の制限が加えられている、こういうような質問があったのに対して、大臣は、三十九年の通達、いわゆる給付の適正化の措置は、従来の安定所の窓口は漫然として保険金を支給していたきらいがあるので、本来の正しい運営にした、こういうようにして本会議で、大臣答弁されてあるわけであります。若干口語体を文語体にしたきらいがありますが、ほぼ間違いはないのであります。  こういうようなことがございまするけれども、これはどうなんでございましょうか。この通達によりますと、最初、失対の場合には、職安の段階で、これは規制するように考えられておって、そして受給資格をまことに、これは何というのですか、きびしく制限しておるようであります。結婚、妊娠、出産、育児、それから老病者の養護、農業、それから商業繁忙時に手伝いするために他に就職し得ない事情のある者、いろいろその他あるようでありまするけれども、こういうようなことが窓口を通じて過酷に扱われているようなことがありませんか。これだけはもっと注意しないといけません。  というのは、結婚した人に対しては夫の同意書があるかとか、または、もう子供を保育所に入れるというと、これはそうしてもいいという亭主の証明書を持ってきているか、こういうようなことを聞いている例もあるようです。  また、受給制限の問題では、妊娠の問題にからんで、こんなことあっちゃ困るのですが、婦人を横にならした上で、横から腹のふくらみぐあいを見て、そしてあとはおそれて次の日からその人は来ない、こういうようなことにやって規制をはかっている。こういうようなことがあったならば、これは人権問題なんです。こういうようなことがわれわれの耳に達しておりますけれども、これは四日市の石原産業につとめていた人に対しての仕打ちだったようであります。こういうようなことをしちゃいけません。幾らりっぱなお経を読んでも、実際の実施の面で現にこんなことをしておったならば、これは画竜点睛を欠くどころか、とんでもない人権問題まで発展するようなことを通達によってやっていることになる。大臣は本会議では、そういうことはない、こういうようなことを言っておりますが、はたしてこういうような傾向はございませんか、これは局長……。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 失業保険は、労働者が失業しまして、労働の意思と能力があるにかかわらず就業できない、そういう場合に、保険金を支給いたしまして、失業中の生活安定をはかろう、こういう制度であることは申し上げるまでもないところでございます。  従来、日本の労働力の事情も、これは先生御承知のように、昭和三十五年ころを契機といたしまして、労働力の過剰事態から不足事態に入っております。そういう意味で、非常に一方では求人難、一方では求職難、そういう観点もございまして、私どもとしましては、失業保険受給者の就職の促進ということにつきまして、安定所をあげて努力をいたしておるのでございます。そういう意味で、三十九年の通達は、ほんとうに失業者の再就職の促進という観点から出されたものでございますが、そういう趣旨によりまして運用されておるものと信じておりますけれども、ただいま御指摘のような極端な事例があったとするならば、これは通達の趣旨に逸脱している点もあろうと思います。そういうことがないようにその指導には十分気をつけてまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、いろいろ手元には調書があるわけですけれども、中央では、職安に失業保険課というものがありますか、ありませんか、これをちょっと聞かしていただきたい。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 中央と申しますのは……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 職安です。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 労働省で扱うのですか。

島本虎三日本社会党

○島本委員 東京です。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 東京の職業安定所では、中央というような名称の職業安定所はございません。たとえば板橋とか、新宿とか、上野とか、そういう安定所所在の地名が冠せられるのが例になっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 したがって、そこに、失業保険のみを取り扱う単独の課がありますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 大きな安定所におきましては、失業保険の給付をいたします給付課がございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 東京を一応中央と言いましたが、それ以外に、大きい大阪その他は別にして、その他の職安に、この失業保険の給付をするための保険課がありましたが、いまでもありますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 現在ございません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはどこへ代行さしていますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 職業紹介課で給付の事務を行なっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いま言ったように、一応中央には職安の失業保険課という給付の仕事をやらせるようなりっぱな課を置いておるのはわかる。地方のほうは、全部これを廃止してしまってあるわけです。そしてこれを紹介課で特にやらしておるわけです。ところが、紹介課のほうは片手間なものだから、なかなか十分親切に扱っておらない、こういうようなのがいまの実態として、下部から、いろいろわれわれは不平を耳にするわけなんです。十分手厚い処置をしておきたい、こう言いながらも、現に専門に扱う課がない。紹介課でこれをやらしている。やらしているとすると、当然それは付帯事務になってしまって、本務でないから、勢い手を抜く、こういうようなことからして、だんだんこれは冷酷に扱われている。こういうようなことに当然なるじゃありませんか。私はこういうような点からしても、もっともっとこの点は、——労働省としてはこの支給をやりたくないんじゃないか、なるべく門戸を閉鎖してしまいたいんじゃないか、こういうような傾向があるんじゃないか、こういうように思って残念なんですけれども、いま私が申し上げましたような傾向からして、労働省にそういうような考えがあるとすると、これまた重大だと思うのですが、そういうようなことはございませんか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 先ほど申し上げましたように、失業者はできるだけ早く再就職をしていただく、こういうことでございますので、就職の観点から失業の認定は職業紹介課で行なっております。給付は単に金の支給でございますので、これは迅速に事務的に取り扱っておるわけでございまして、そういう意味で職業紹介課で失業の認定をいたしております。そういう関係になっておりますので、紹介課で扱ったほうがかえって再就職の促進に役立つ、こういうふうに考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 引き続いて、日雇いの場合には失業保険を適用されていないところもずいぶんあるわけです。適用漏れになっているところは大体どれほどありますか。データございますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 これも先生御承知のとおり、日雇失業保険は、これは日々の雇用労働でございますので、失業も日々認定をいたす、こういう制度になっております。そういう意味で労働者が安定所を利用できる、こういうことが前提になっておりますので、安定所から非常に遠い地域、これは日雇失業保険の適用除外地域となっております。しかし、そういうところは労働者数も少のうございますので、全体の日雇い労働者の観点から申し上げますと、さほどの数になっていないものと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 離島なんかはどういうようになっておりますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 安定所なり、安定所の出張所、または分室のないところは、適用地域外となっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうような個所はどれほどありますか。事務段階ではっきりしておるんじゃありませんか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 それは地域の面積から申し上げますと、かなり広い地域になると思うのでございますが、労働者の数からいきますと、そう多くないというように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そう多くないとしても、一割くらいあったならば、これはやはり多くないなんて言ってはいけないことじゃありませんか。こういうデータがはっきりあると思って聞いているわけです。特にこういうような離島なんかは多いのです。  この際聞いておきたいと思いますのは、一般の労働者については、五人未満の事業所に対しては、適用の範囲の拡大をこの法律案でやろうとしているわけです。そして日雇い労働者については、いまだかなり適用対象外の未適用労働者がいまのようにあるわけです。同じような状態にいる労働者をこういうふうに差をつけることは好ましくないと思うのです。それでこれらの未適用労働者に対しては適用範囲を拡大して十分処置してやる必要があるのではないか、こういうように考えるのです。この問題についても、労働省はいままであまりにも冷淡だったようですが、この法案を提案した現在、考えを改めてしかるべきではないか、こういうように思います。この点は大臣でしょうか、局長でしょうか、決意としてはっきり申し述べてもらいたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 御趣旨は賛成でございます。いろんな事情で十分そういう御趣旨に沿い得ないのでございますが、安定所の利用可能な地域がかなり広がっておるものと思われますので、このような事情を考慮して、関係者の意見も十分聞いた上で、できる限り制度の恩恵を受けられますようにこれからやっていく考えでございます。だんだん、そういう制度の恩恵を受けられないような人のなくなるように、今後も努力いたす方針でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはそういうように進めることを、心から私も望んでやまない次第です。  それと同時に、先般田邉委員の質問がいろいろな角度でなされ、大臣も局長も、その質問に対するいろいろな答弁の努力がうかがわれたわけです。その中で、この法案の一つの重要なポイントである、五人未満の事業所の適用のことなんです。この適用については、完全適用、当然適用、このことばがそれぞれ出たようであります。法律用語としては完全適用というのですか、当然適用というのですか、この点私は不明にしてわからぬのですが、この場合はどういうように使いこなすのでしょうか。完全適用、当然適用、この二つのことばが出されている。これは事務段階。

増田一郎労働省職業安定局失業保険課長

○増田説明員 当然適用というふうに使っております場合には、法律上当然に、入りたくても入りたくなくても強制的に適用する、こういうように使っております。完全適用と申しますのはその範囲をさすわけでございまして、たとえば、現在におきましては、五人未満の方は当然適用にはなっておりません。これは同時に、適用範囲といたしましては完全適用にはなっていないわけでございまして、完全適用といいます場合には、全業種の全労働者につきまして法律上全部当然適用になるというふうに使っておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、いま労働省が今後適用させるために努力しておるのは、これは当然適用のために努力していることになるのですか。それとも完全適用を目標にして努力していることになるのですか。これは用語として、私は具体的にこれを理解することができないものですから、しつこいようですけれども、なおこの点を聞いて次に移りたいと思うのですが、この点はどうなんですか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 当然適用の範囲を広げまして完全適用を目ざす、こういうことで御理解いただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 現在、この適用拡大について、中小零細企業、これはまことに不安定な状態のもとに働いておるわけでありまするけれども、この場合は完全適用を考えさせてやるのが当然じゃないかと思うのです。これはやはり当然適用としてこの中小企業の場合の救済を考えるのですか、五人未満を。これをやる場合には完全適用ではありませんか、私はそう思って聞いているのですが。当然適用の場合には範囲をゆるくして、やらなくても自分のミスでないようにちょっと考えられる。完全適用であるなら、完全にやらなければならないのをやらないのだから、これはやはりやらないほうが悪い、こういうことになる。この辺のことばの使い方が、前回からなかなか私は理解に苦しんでいたのです。いま労働省が考えておる五人未満の職場の適用拡大、これは完全適用のために努力しているものである、私はこういうように理解しているのですが、この点はどうでしょう。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 御理解のとおりと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 五人未満の職場は、いまどれほど捕捉してありますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 一体五人未満の事業所の数がどれくらいあるか、これにつきまして総理府で行なっております事業所統計調査等によりまして、大体四十三年一月現在で百二十二万の事業所、それから労働者といたしまして約二百五十六万があるというように推定をいたしております。これに対しまして、現在五人未満事業所で失業保険に加入しておりますものの数が約十四万六千、被保険者が三十二万三千、さきの数字に対します適用率を推定いたしてみますと、事業所で約一二%、労働者の数で約一二・六%、こういうことになろうと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 全面適用は何年後に可能ですか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 ただいま申し上げましたように、全面適用を行ないますためには、百万の事業所を把握しなければならないわけでございます。現在五人以上の事業所の適用事業所が六十万強でございますので約一・五倍に近い事業所を把握しなければならない、事務的にもたいへんな整備を要しますので、これを一挙に適用をするということは困難でございますので、当面段階的にその適用の拡大をはかっていくことといたしております。当面四十六年の四月を目標にいたして建設業、製造業、電気ガス水道業、それから運輸通信業の四業種にこの適用を実施したい。  さらに、その後のそういう業種に対する適用の状況、あるいは事務整備の体制を急ぎまして、三年前後をめどにいたしまして、その他の業種に対する全面適用をはかっていきたい、こういうように考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはやはりちょっと重要な点もあろうかと思います。計画的にそれを実施していく、計画的に実施して拡大をしていく、そして農林水産関係だけはそのあとにやりたい、こういうようなことです。農林水産関係をやらないと完全適用にならない、こういうような事態にあるわけです。四十六年までの計画はわかるわけです。四十六年過ぎたならば、これは農林水産を含めて、いつこの零細企業に対して完全適用をやる計画でございますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 御審議いただいております改正案におきましては、農林水産業は任意適用の事業といたしております。その他の業種につきましては、当然適用の事業といたしておるのでございますが、農林水産業を除く他の事業の適用関係につきましては、先ほどお答え申し上げましたような計画で進んでまいりたいと思います。  ただ、農林水産業につきましては、産業自体が季節性を持っておる。そこに働く労働者が、年間の一定の時期に、定期的に失業を繰り返すというような状態になっておりますので、そういう点を考慮しまして、農林水産業を除く業種の適用状況と、それから農林水産業自体におけるそういった季節性の問題なり、あるいは雇用関係の実態を見た上でその適用を、当然適用を検討してまいりたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 現在五人未満の事業所への適用拡大、これは漸進的にはかろう、これはいまわかっておるわけです。ですから、このあとが一番問題、あとのあとまで農林水産がそのまま残されているということは、完全適用にならない。ですからこれに対する一つの青写真がほしい、こういうようなことなんであります。  いま現実に林業労働者に対してはどうなっておりますか、この経過をお聞かせ願いたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 任意適用事業の失業保険の加入につきましては、これは認可を要することになっております。これは御承知のとおりでございます。その認可の基準といたしまして離職率が一定率以下である、それから年間を通じて企業活動が行なわれているということを基準といたしまして失業保険に加入を認めておるわけでございますが、現在、四十三年九月をとってみますと、林業におきまして適用事業所が千七百七十六事業所、労働者といたしまして五万三千二百三十一名が被保険者になっている、こういう状況にになっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この場合は、特に農林水産業者の中でも、林業の労働者の場合には職業病としての白ろう病も発生しており、その対策等についてもまだ十分行なわれておらないような状態にあるように聞いております。これはやはり全面適用、完全適用を考える場合に順次及ぼしていく、この林業労働者のためにも、この点は十分対処しておかないとならない、こういうように思うわけですが、人事院、それから林野庁からいらしておりますか。——以前から人事院でも職業病ということにこれは認定しております。そうして農林省でもこれに対する対策をはかっております。労働省でも労災病院等を通じまして、いろいろ厚生省以上に抜本的な対策を講じておる。こういうようなことは聞いておるわけですが、はたしてそうであるならばこういうような質問をする必要はないわけですけれども、予防対策については、労働大臣も、二時間という時間を限ってこれを実施するような構想も発表されておりますが、これを実施する面になりますと、三省こぞってこれを行なうのでなければならないような重要性もあるわけであります。この予防対策についてどのように考えておられるのか、これはひとつ労働大臣からお伺いしておきたいと思うのです。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 本質的にはこの白ろう病の予防の根本は、やはり振動の多いチェーンソーなどを長時間使用することをやめるべきである。一日の労働が長時間であること、これが連日続くということがやはり白ろう病を起こすし、またそれが悪化する原因でございます。でありますから、本質的には、どうしてもチェーンソーなどという振動の多い機械を使う場合においては、一日二時間程度であるならば病気もあまり進まない、新しい人も病気にかからない、こういう大体の見当がついておりますので、こういう考えを持っておりましたところ、幸いに林野庁当局と全林野労働組合との話し合いで、一日二時間程度でひとつやろうじゃないかという一応の原則的話し合いに達しておるそうでございます。まことにけっこうなことでございます。それから、具体的にそれがやはり賃金に影響したり、いろんなこまかい問題が派生しますが、それについてはまたあらためて両者で話を進めていく、こういうことになっておると私は聞いております。  それから第二は、振動の少ないのこぎりを使うことが必要でございますが、振動が少なくて済むような機械を、いま労働省のほうにおいても鋭意研究させております。近くその成果があがるんじゃないかという発表も来ておりますが、そういう両面が大事だと思います。  さらに第三には、これの薬とか、治療法とかというようなことについては、厚生省にもお願いいたしておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 なるほど、なかなか前向きな、積極的な態度でありまして、こういうような確信あることを言ったときは、大臣、もう少し胸を張ってもいいのです。そわそわしないで、そういうふうにしていてもいいのだ。しかし、これはなかなかいいことです。二人制、いわゆる二人で平均二時間、これを守ったならばこういうような白ろう病の被害はない、こういうように思うのですが、林野庁のほうでも、いま大臣が言ったような状態で安全作業の確保、これと賃金の低下を防止する、この二つが重要なんですけれども、この点十分考えて、いま労働大臣が言った趣旨に沿ってこれを進めておりますかどうか、この点を聞いておきたい。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 レイノー氏病の予防の問題、先ほど大臣から答弁いただきましたが、確かに幾つかの原因があろうと思います。  大臣の御答弁のとおり、時間の制限の問題がございます。  それから振動の少ないチェーンソーを使う、これは現に防振装置を全部つけておりますが、さらに振動の少ない小型のチェーンソー、そういう方法をいま検討いたしておりますし、逐次そういうふうにいきたいと思っております。  三番目は保温、これは寒いところに発生するということがいわれております。保温関係の問題、それに対処していきたい。  それから四番目にはチェーンソーを使っている方に御協力をいただかなければならないと思うのですが、たとえば目立てその他が不十分でありますと、やはり振動が非常に多い、こういう結果がございます。したがって目立てその他もお互いにやはり話し合ってやっていかなければなりません。さらに伐木をする場合に、たとえば枝打ちというのがございますが、細い枝をチェーンソーで切りますと、振動がもろにからだにかかるという傾向があるようでございます。したがいまして細い枝等につきましては、むしろおので切るということのほうがよりいいのじゃないかということも含めまして、いわゆる作業のあり方、こういう問題は組合の方と十分話し合って、使われる方と十分話しながら進めていく、そういう四つの問題を総合して対処してまいりたい、これが妥当なものではないか、こう思っております。  それから賃金の問題につきましては、端的に申しますと、確かにいま林野庁の賃金体系というものは、職種によって非常に複雑でございます。したがいまして、今後の林業の近代化を含めた行き方としましては、やはり賃金が職種によって非常に違うという複雑な体系は、逐次統合していくという方向であろうかと思います。そういう意味も含めまして組合といま話を進めております。  なお、ただいま申しました職種転換等によりまして賃金が変わっていくという問題につきましては、先ほど申しました職種統合の中でこれはばかっていきたいと思いますけれども、なお病気その他でどうしても速急に転換しなければいかぬ、配置がえしなければいけないというものについても、これまた組合と話しておりますが、何らかの補償措置をとってまいりたい、かように思っておる次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはだいぶわかりましたが、その考え方の中で——決してこういうことはないと思います。一日二時間だけれども、本人がその機械を利用してやる、その場合には午前、午後に分けて二組ずつにしてやると合計四時間ということになる、それは本人がやらなければいいが、やはり低賃金である以上生活のためにやるような状態に追い込まれる、こういうふうなことがあっては、せっかくの配慮も画竜点睛を欠くようなことになる。林野庁としてもやり方は組合等と十分相談して、いまのようなことがないようにこれを実施してもらいたいことと、あわせて今度治療対策についても抜本的な対策を講ずる必要があろうかと思う。現在のところは治療方法というのは発見されておりません。これは特にきょうは厚生省の医療関係のほうから来てもらいたいと言ったら、労働省のほうでは、労災病院を扱っていて、それ以上の卓見があるから要らない、こういうふうなことでありますので、きょうは特に来てもらわなくても答弁はできる、こういうふうに思って呼ばなかったのです。したがって、いまここで聞きたいのですが、治療対策について抜本的な対策ができているのかできていないのか。そうして完全治療研究会、こういうふうなものまで設けてでもこの対策に当たらなければならない状態にあるのじゃないか、こう思いまするけれども、その根本的なものがまだない、こういうふうなことを聞いているわけであります。私はこれはまことに残念なんですけれども、この点についてはいかがでございますか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 この問題はもうずいぶん前からの問題でございますが、特に問題になりましたのは三十九年ころからでございます。以後労働省といたしましても、専門家に研究委託費を出したりいたしまして、このいわゆるレイノー氏現象と称せられるものの治療問題につきまして検討を続けておりますが、いまのところ、まだはっきりとした治療方法がないというのが現状でございます。これは単に労働省だけでなくて、林野庁におかれましても、あるいは人事院におかれても検討を進めておられると思いますが、現在の段階では、なかなかまだはっきりとしたものはない、なお、これは日本だけではございませんで、もう五、六十年前の問題でありますが、世界的にも治療方法がまだはっきりしていない、こういう難病でございます。しかし、そう言いましても、現実にその病気に悩んでいらっしゃる方もあるわけでございます。今後とも医療専門家に委託をいたしまして、検討を続けてまいりたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 確かにいまあなたおっしゃったように、以前からの問題なんです。人事院もこの問題で職業病と認定したのは昭和四十二年です。たぶんそういうふうに思っておるのです。それで間違いありませんか。

島四男雄人事院事務総局職員局長

○島政府委員 四十一年の五月でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは職業病としてはっきり認定して、医療機関であるならば、また関係機関であるならば、厚生省と労働省とを問わずその抜本的な治療対策の点においては、これは取り組まなければならないわけのものです。しかし、三十九年から始めていままでの間、職業病として認定した昭和四十一年からいままでの間、いまだにこれが問題にならない、そのままに放置しておく、こういうようないき方は、やはり皆さんとしてはまじめな態度じゃない、こう言わざるを得ないわけです。  第一番に、この抜本的な対策というものをいま考えているんですか、いないんですか。また、あるのですか、ないのですか。これをひとつ関係当局から伺いたのですが、これは林野庁でございませんか、それとも労働省がいいんですか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 この問題は、抜本的な問題としましては、予防問題と治療問題と二つあるわけでございますが、予防問題につきましては先ほど大臣からお答えを申し上げましたし、林野庁長官からお答えを申し上げましたようなことでございます。いずれにしましても振動をなくすることが最高でございますが、非常にむずかしい問題があるようでございます。私どもといたしましては、現在のところ、局所振動障害予防対策委員会、こういうものをつくりまして、機械の振動数の減少問題、機械の振動がどこまで減らされるかということ、現実に発売されておるこのチェーンソーの中でどういうものが振動現象の中で一番妥当なものであるかということ、それから重量問題、どの程度の重さのものであるか、どうしても機械から発生する振動を予防できないとすれば、防振バンドでもつける。先ほど林野庁長官は全部の機械につけてある、こういうお話でございますが、そういう方向で全部の機械につけて、しかし防振バンドをつけましてもなおふるえが来る、そうなりますと、一体どういう振動数のときに人体にどういう影響を与えるか、こういう生物学的と申しますか、そういう問題が出てくるわけでございます。こういう問題を兼ね備えて現在予防的の措置を検討いたしておるわけでございます。  それから、治療関係は先ほど申しましたとおりでございます。これは怠慢と申されますとまことにあれでございますが、専門家に言いましても、この病気の現象の姿が非常にむずかしい。結果的には毛細血管のところの問題であろうと思いますが、これが寒さの場合には非常に強い症状を呈しますが、ある時期にまいりますとなおってしまう。そういう関係からいいまして、関係の専門家にいたしましても、たいへんむずかしい問題で、直ちに早急な結論は出しにくいけれども、今後さらに続けて検討しますが、実際の問題を扱っていきたい、こういうことでございまして、決して私どもといたしましてこの問題を軽視をしているとか、ただ検討で済ませているという段階ではない、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 林野庁も同じですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 ただいま局長の御答弁に同じでございますが、若干補足いたしたいと思います。  林野庁といたしましても、この問題は非常にむずかしい問題でございますので、私のほうの管轄でありまする林業試験場を中心にしてやっておりますことと、それから労働科学研究所、それから東京大学等にそれぞれレイノー現象の病理の問題、治療の問題、それから衛生管理の問題、そういうものに委託をいたしまして研究をいたしておりますが、まだ結論は得るに至っておりません。したがって、この問題につきましては、今後とも真剣に総合的に関係各省と連絡をとりながら、林野庁としても真剣に取り組んでまいりたいと思いますが、なお経営問題といたしまして、やはりチェーンソーを使うことをなるべく合理化すると申しますか、少ない姿でこれをやってまいる、こういうこともあわせて、いわゆる木材の生産の姿を基本的に検討してまいりたい、こういう意味でやはり抜本的に取り組んでまいりたい、かように思っておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは少しくどいのですが、以前からこの問題が問題になっても、いろいろその場その場で対策が発表されるわけです。対策が発表されておっても、依然としてそういうような患者が出るわけです。その患者が出なくなったといって、ほんとうにいなくなったのかと思えば、今度は手続上認定が困難な状態にしてあるから、患者は依然として出ていってもそれが上がってこないという状態に放てきされているわけです。いま営林局あたりでも、いろいろなことが答弁ありましたけれども、現時点においても、たとえば静岡県でも、これが一人も上がってこないのです。おかしいじゃありませんか、現にいるのに。  そうすると、それが病気でないのか。病気です。そうして、行った場合には、ちゃんと手の色を見たり、いろいろなことをやる。いろいろなことをやるけれども、その現象がないからだめだと言われる。しかしそれは、また発生してくる。発生してきたときにちょうど医者に行かないとだめだ。そのときにはもう、医者に行ったときには普通の状態になっている。そういうようなのは認定されない。しかし、本人は病人なんです。こういうような問題については、あらゆる点でこれが救済ができるように指示してあった、こういうようなことなんですが、現地のほうに行くと決してそうじゃないのです。認定の時期、方法、こういうような点が、下部、末端のほうにまいりますと、なかなかこれはきびしいのです。上がってきておらない。これはなかなか問題だろう、こういうように思います。これは指摘しておきます。  それと同時に、うるさいほど言っておりますが、いまいろいろなものを読み上げる局長の態度、わかるのです。これはこの場のがれなんです。この場を終わってしまうと、忘れたように、まさにマンマンデーなんです。こういうようなやり方ではだめなんですよ。したがって、いま、いつまでにこの完全治療のための抜本的な対策を講ずるのか、この時期のめどだけは大臣、はっきりこの際つけでおこうじゃありませんか。これから研究をしてなんというと百年河清を待つことにならないとも限らない。そのうちに解散してしまうとどうなるかわからない。こういうようになってしまったらたいへんでありますから、いまこのめどだけはっきりさしておこうじゃありませんか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 いろいろ御注意をいただきましたが、決して答弁だけやってあとはほっておく、そういうことじゃございませんので、これはもうだんだんやりまして、予防のほうについてはかなり成果を——かなりと言うとちょっとぐあいが悪いが、若干成果をあげつつございます。さいぜん申したように、そのチェーンソーを使う時間を制限するというのが一点。  第二は、振動の少ない機械。これは労働省でいま鋭意やっておりますが、振動が少ない、あるいはほとんどない、このチェーンソーを年内に、期限を切れと申しまして、年内にこれを完成いたします。大体そうですが、まずおそくもそれを年内にやるめどがついております。  それから、第三の、治療のほうは、これは専門の医者でなければ、とてもそれはどうこういいましてもわれわれの手に届かぬ。その専門医、日本のそういう、東大から、労働省の労働科学研究所、東京の労災病院、その他林野庁等においても、専門の医師にお願いしてやっておりますので、そのほうでは、まだ、いつまで治療方法がめどがついたという報告を受けておりませんから——早くやれやれとせき立てましても、そういう専門家にせき立てるだけではどうも、らちがあくのか、せき立てるのはせき立てますが、大体めどがいつごろつくものか、もう一度、方々にたのんでございますから、その専門医の研究を取りまとめて、めどが、いまのところあまりついてないらしいですが、いつまでにつくか、つけるのかというようなことは、一応調査してみたいと思っております。その程度でございますが……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、重ねて、まあ今年中に、こういうような一つのめどを立てておかないといけないのじゃありませんか。これは酷な言い方かもしれませんけれども、一定のめどがないと、これはそのための努力を集中することができないのですよ。ですから、せっかくこういうことになって、これは人道上の問題にもなりますから、やはり本年中に、これはもう確立する、このめどを立てて進んでもらいたい。またそうしなければならない、こう思うほかに、多分に栄養の問題になっているようであります。こうなりますと、治療と療養のためには、賃金も一〇〇%払ってやるようにして療養させないと、これは十分栄養の面を補うこともできないような結果になる。こういうようなことが現にやられているのですから、これはどうにもしようがありませんが、この点は十分考えて、一〇〇%の賃金を支給してやって、そうして休まして治療に当たらせる。この態度もあわせて必要だ、こういうように思いますが、この点等については、林野庁いかがですか。よろしゅうございますか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 御指名でございますので、あとで人事院のほうからお答えいただいたほうが適当かと思いますけれども、私のほうは、国家公務員災害補償法によりまして、休業した場合に六割の補償をいたしますとともに、援護金として一〇%加算するということを、人事院と相談の結果実施している、このような現況でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 六〇%、これでは十分な栄養を取れないということ、現に山の中に行って、その人たちと話してみたらよくわかる実態です。それに一〇%加えて、これで専門に療養しなさい、これはもうなおらない証拠です。こういうようなことはできないのです。長官も、せっかくここへ来ているのですから、この際、人事院と労働大臣もいらっしゃいますから、いままで労働大臣はわりあいに確信を持ったいい答弁をしておりますから、ここでもう一歩進めてこの治療対策、また療養のための休業に対しては、やはりこれは特殊の、いわば職業病として認定された問題でもあるから、一〇〇%をめどにして努力すべきじゃないか、こういうように思います。大臣、これはどうでしょうか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 休業補償は、現在一般的には六〇%です。それと同じことが国家公務員の場合も、人事院の御所管ですが、同じく六〇%でございます。その六〇%を白ろう病の場合に上げるかどうかという問題は、非常に影響するところが大きいわけであります。社会保険全般の問題につながりますし、あるいは休業手当の場合にもつながる非常に大きな問題でございますので、法制的に六〇%を云々するという問題については、慎重な検討をさしていただきたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 したがって、この六〇%という失業保険の基準も現在問題になっておる。この法律案の六〇%の位置づけも変えなければならないというのです。これはやはり重大な問題ではありませんか。休んでいるだけでいるならば、これでいいかもしれないのですが、ほかに治療があるのでしょう。その治療の場合も、まだ抜本的な治療方法さえ開拓されてないでしょう。いろいろな薬なんかも、健康保険で認められないような薬でも当然使わなければならないでしょう。それでも六割しか出しておらないんだ、これがきまっているからやむを得ないんだ、法全体の改正も考えなければならないからできないんだ、——必要なことを改正してもやるのが政治じゃありませんか。皆さんの場合には、やはりこれはひどいと思ったら、あらゆる方法を講じて、これは一〇〇%まで上げてやる、こういうような態度こそ必要じゃありませんか。これが法律がそうなっておるからこれ以上できないんだ、こういうようなことであるならば、まさにこれは官僚答弁ですから、そんなものは必要としない。白ろう病は白ろう病として、かかった者は損だから、政府の施策ができるまではそのままでやりなさい、これじゃ治療にもなりません。私は、あえてこの点はっきり大臣に聞いておきたいと思うのですが、治療や療養に専念するためにも、休業に対しては六〇%にこだわらないで、一〇〇%を支給してやって、これによって治療が専門にできるように、療養ができるように、この辺まで考えてやって——職業病として認定している病気ですから、これは当然なんじゃないですか。現在ワクが六割である、何もできないんだ、これじゃ少し酷に過ぎるんじゃないか、こういうように思うわけです。これは大臣、努力目標としても当然じゃありませんか。他の人に言うと、きめられてある法律がそうだから、どうにもできないと言う。基準局長が出てきたならば何でもやれるということで、きょう来てもらったら、やはり官僚答弁の範囲を一歩も出ないわけです。これじゃしようがない。これは何としてでも賃金補償一〇〇%あたりまで考えてやらないと、白ろう病はなおりません。  それと同時に、今度どうしても片づかなければ、特別立法を考えて、そのために対処してやるという必要があるのじゃありませんか。この必要性がないというならば別ですけれども、そういうような必要性があるということで、私、いま質問しているわけなんです。これは大臣、林野庁長官、お二人でけっこうです。あとの人はこの答弁要りません。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 御承知のように、治療等につきましては、労災保険におきましては、治療費を出したり等々をやっていることは御案内のとおりでございます。その休業補償の額を六〇%よりもっと上げよというお話でございますが、これはいま急にそういう質問を受けまして、よろしゅうございます、やりましょうというようなことになりますと、これは社会保険全体に影響する非常に大きな問題でございますから、御趣旨の点はよくわかりましたので、慎重に検討してみたい、こういうふうに思っておりますから、ひとつ御了承のほどをお願いいたします。いま直ちにやるとかやらぬとかというような急の質問には、ちょっと答弁しかねますので、十分検討いたしたい、こういうふうに御了承願いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 大臣から御答弁ございましたが、所管官庁であります労働省とも十分打ち合わせの上、対処してまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは慎重に、前向きに、こういうようなことばもございますから——一応現体系のもとではできない、これはわかっております。わかっているから、それをやらないというなら、ここで審議する必要は全然ないわけです。したがって、これはわかっておるけれども、やらなければならない。何らかの方策をここで考えようじゃないか。法的な措置の場合には、いま大臣が言ったように、社会保険全体に及ぼす問題だから、これは慎重に考えたい。いままでこれは、考えて考えてどうにもできなかった問題だけれども、あえて大臣が言うならば、考えないよりも考えたほうがよろしゅうございますから、それを考えてもらいましょう。しかし、前向きにこれも考えて、現行法のワクの中でどうにもできないということではなくて、これはどうしても必要性がある。必要性があるから、やはり一〇〇%の支給まで休業に対しては考えて、何らかの措置をする。できれば、これは特別立法も考えざるを得ない。こういうようなところまで前向きに考えて、これから処置してもらいたい、こう思うのですけれども、その必要は当然あります。大臣、この点でおさめておきたいと思いますが、いかがですか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 御趣旨の点は私もよくわかりました。それで前向きの対策とか、あるいは前向きの法律改正等々一切含めて、前向きに検討いたしたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 林野庁の場合にはまず大体わかったのですが、これが林野庁だけで終わるか、こう思ったら、民有林関係の対策も放置されてあるわけです。民有林関係になったら労働省直接なんです。林野庁の場合には、これでもまだいろいろな手厚い措置があったわけです。民有林の場合、民間関係になりますと、これは逆にチェーンソーを自分で持って雇われていくという人さえあるわけですから、この措置はなかなか容易なことではございません。いま言ったような予防対策、治療対策、保障対策、これについてもやはり林野庁にある人と同様に民間にある人も考えてやらなければならない、こういうように思います。特に労働大臣、これは林野庁のほうだけやったからこれでいいのだ、こういうようなことにはならないのですから、あわせてこの点、しつこいと思うかもしれませんが、私はあまりしつこくないほうですけれども、この問題だけは特にひとつ入念にお答え願いたいわけです。予防対策についても林野庁と同様に民間のほうもこれを持っていくのかどうか、これも一つ。治療対策についても、これもはっきり答えてもらいたい。保障対策。三つお答え願いたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 島本先生の御意見をよく拝聴いたしまして、よくわかりました。いままで答弁いたしましたのは、これは林野庁関係だけでなく、民有林も含めたいわゆる白ろう病対策について申し上げた次第でございます。  労働省の調べによりますと、林野庁関係の人には白ろう病が非常に多くて、民間のほうがやや少ない、こういう調査になっております。それはチェーンソーを使う時間が少ないというような原因からきておるのではないかと思われます。  さいぜんから申し上げるように、予防対策についてはいま言ったチェーンソーを使う時間を制限する。第二にチェーンソーの振動の少ない機械、これを年内に皆さん方に提示することを約束申し上げます、第三のさいぜんからいろいろ申し上げます白ろう病の治療対策等につきましては、各関係の医師、専門家に依頼しておりますので、どうなっておるか、それらを私のほうでもう一度よく調べまして、なるべく早い機会にその医学的治療対策の結論が出されますよう催促もするし、また現段階でどこまでいっておるかということも調べますし等々、治療対策について大いにこれから力を入れていきたい。これは林野庁も民間も同様でございますから、決してほうっておいたりせずに十分努力を傾けていきたい、こう思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 民間の場合にはそういう患者が少ない、こういうような大臣の答弁があったわけです。これは最低やはり官庁並みに健康保険を実施しておるならば、そういうふうなデータも出てしかるべきです。ところが、そういうような症状を訴える者に対してでも民間の場合は自分で進んでやっておりません。したがって、そういうような患者の発見がなかなかむずかしい。しかし、いるのはいるけれども、そうなった場合はあきらめて黙っているのです。これは労働基本権に関する問題です。したがって、そういうようなことをなくするためには、予防対策はいま林野庁と同じ。  それと治療対策についても、せめて健康診断は法的に規制をちゃんとしてやって、これは行なわせるようにしてやること、これが必要だと思うのです。  それと今度はその症状を訴える者については専門医療機関、こういうようなもので、強制的に検診させる、こういうようなことだって行なっていいじゃありませんか。こういうような治療対策が民間にはないわけです。したがって、患者が上がってこない。しかし、実際にはそういう患者がいる、こういうようなことになるわけであります。この点等も十分考えておいて、大臣、対策を練ってもらいたい。  そのほかに、健康診断や精密検査、このための休業は、とりもなおさずそれが失業につながるわけであります。したがって、こういうような場合には、事業主の賃金保障という点も話し合いによってでも十分に考えてやらなければいけません。こういうような点等も十分考慮して対策を立てるべきである、こういうように思います。  あまりこの問題では長く触れたくはありませんけれども、いま言ったこの三つの点は民間労働者として重要な点でいままで落ちていた点ですから、これに対して大臣も的確なる措置をしておいてほしい、こういうように思います。決意を伺います。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 健康診断につきましては年二回やる義務が基準法上できておりますので、それのできてない場合におきましては、法の施行を厳格にやってもらいたいと思います。精密検査につきましても、その健康診断の結果によりまして専門医の診断を受ける。何かそういう問題がありました場合には、行政指導で民間業者の方々にそういう指導を申し上げたいと思います。  なお、その健康診断及び精密検査の場合の休んだ問題につきましては、法律的には事業者側が休業手当を支払わなければならぬということにはなっておりませんが、業務上から出てくる問題でございますので、事業者のほうでそういう賃金カットということのないような行政指導をあわせて行ないたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 どうも皆さんの官僚答弁はだめですね。幾ら聞いても一歩も前進しない。ただものを読んで書いてしまったら、あとはよそを向いて舌を出しているようなものだ。何にもやってない。(「そんなことはないだろう」と呼ぶ者あり)そうですよ。労災認定、これさえしてないじゃありませんか。ちゃんと春秋二回やることになっている、できなければ私のほうで督励して云々。いままで督励しないでいいのですか。してなければならない。それをしてないからこういうものが発生している。したがって、これはもう、こういうような状態に対しては、特にこれは規制を加えるように考えてもらいたい。それから認定に対してもこれはすみやかに行なうようにしてもらいたい。そのためにいま大臣の決意を聞いておるのに、そばからちょっときゅうすの口みたいにして、ちょろちょろ口を出して、変なことを言って流そうとしている。もってのほかだ。  私は今度は大臣にこれだけははっきり、この際ですから聞いておきたい。この治療対策、民間の場合には特にいま言ったような状態がありますから、労災認定を行なうためにもこれは精密検診を行なう、このことが重要であります。専門医療機関でこれはやらなければなりません。しかしながら、これをやるためにも、やはり事業主との間の賃金に対する取りきめや保障、こういうような対策も考えてやらないと、これ一つさえもできないのですから。これはただ、規則があります、やらないのが悪いのだ、こう言って、もしできなければ送検すればいいのだ、こういうような官僚的な考えじゃこの問題解決しないのです。したがって、いま大臣に、特に政治家として、労働基本権に関する問題だとして聞いておるわけです。これはもうほかには、官僚の答弁は要りませんから、ひとつ大臣の高邁なる答弁を伺いましょう。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 だんだん論議が煮詰まりましてやはり治療問題になってくるわけでございますが、いま先生からその治療についての具体的方策、さしあたり健康診断あるいは精密検査をやる、それからそういう場合における賃金カットをしない、それらの方法についてもよく考慮する、その三点について、ことに民間については実施するようにという御希望でございますが、御趣旨はよくわかりました。賛成でございます。すみやかに労働大臣の名において労働基準監督署へ指令を出しまして、御期待に沿うようにやりたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣としては、いままでかってないようなりっぱな答弁だったと思います。私はもういつも大臣はそういうようにして、胸を張ってりっぱな確信のある答弁をしてもらうように、心からその点はお願いしておきたいと思います。  では次に進ませてもらいたいと思うのですが、前回の答弁で若干気になったのは、この農林水産関係で五人以下の適用、これについて、農林水産の関係だけは、当分の間は任意適用にしていきたいんだ、そしてそのためにはいろいろな条件があることは前回からも指摘されておったところでありますけれども、任意適用にするということ、これはこの認可が当然必要ですけれども、その順守すべき基準というようなもの等についてもいままでどおりだとするならば、これも口だけで、さっぱり内容のないものになってしまうおそれがあるのではないか、こういうように思うのです。  この農林水産関係の任意適用に対して、林業関係では、奈良方式というようなものがあるのだと聞いておるわけです。この奈良方式というものはどういう方式で、今後これは他に及ぼすことができないものなのかどうか。そして、これがあるならば当分それで全企業そういうようにして持っていってもいいのではなかろうか、こういうようにも思います。     〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕 ひとつこの点等についても、はっきりした見解をお示し願いたい。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 農林水産業は任意適用になっておるわけでありますが、先ほども申し上げましたように、その業種自体が全体的に季節性が強い、これが任意適用にいたしております主たる根拠でありますが、農林水産業の中におきましても、季節性のない事業、企業がございます。こういうものにつきましては、当然任意適用を推進してまいりまして、できるだけ多数の労働者が失業保険の制度に加入できるようにしていきたい、こういうように考えておるわけでございます。  また、御質問の林業に対する適用の問題でございますが、これも先生御承知のとおり、林業の経営については、非常にその地方地方によります独自のものがあるわけでございます。そのような状態におきまして、奈良県におきましてもいわゆる一般失業保険の適用ではなくして、日雇失業保険の特例適用による失業保険調度への加入、こういうことが行なわれておるわけでございます。そこで、それにつきましては、いま申し上げましたようにそういう制度が適用し得る事情があるわけでございます。したがいまして、そうした事情が同じであるということであれば、当然他の県におきます林業につきましてもそういう制度の適用が考えられる、こういうように考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 林業関係は年間を通じてだんだん季節的ではなくなって、この適用が逆に任意よりも当然適用の要素を加えてきておる、こういうようなことが発表されておるようですけれども、そうなれば農林水産というようなものをいう前に、林のほうだけは先に当然適用のほうに踏み切っていいような状態になるのではなかろうか。任意適用を広めるよりも、逆に当然適用を大いに広めるような段階に来つつあるのではないか、こういうような認識の上に立って、いま奈良方式を聞いてみたわけなんであります。奈良方式そのものも、他の地域にそのまま実行できるような状態ならばけっこうだと思いますが、いろいろな条件、順守すべき基準というようなものがむずかしくて、これは他の地区にそのまま当てはまらないような傾向にあるということを聞いておる。そうなれば、終年これを雇用されるような情勢になってきたときには、当然これは任意適用じゃなくて、当然適用の段階にもう来ているのじゃないか、こういうように思っているわけなんですが、奈良方式じゃなく、当然適用方式にこれを切りかえて実施すべきじゃないかと思いますが、この点はどういうようなことになっておりましょうか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 ただいま申し上げましたように、農林水産業の中でも、たとえば農業といいましても、施設園芸等につきましては年間通じて企業活動ができるわけでございます。そういう事業につきましては、これは先ほど申し上げました離職率に関係なくて、任意適用を当然認可できるわけでございます。そういうような方針で適用の促進をはかってまいりたい。特に御指摘の林業につきましては、積雪寒冷地等非常に雪が多くて事業ができないというようなこと等がありまして、必ずしも通年事業の実施ができるかどうかという問題がありますけれども、他の農業とか水産業に比べまして、より通年性が薄い。要するに通年事業、通年雇用が可能であるというような実態にありますれば、先ほど申し上げました任意適用の認可基準には当然触れない、そういう意味で任意適用が促進されるということは当然のことであり、私どももそういう方向で対処してまいりたいと考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 このあとで、なお福祉施設の問題、特別保険料の問題、それから季節短期雇用者の給付に関する問題、この三つが残っておるわけでありますけれども、お昼時間になってまいりましたし、人畜に被害があるようでありますので、この際、私は次を保留したままで、ひとつ生理的な休憩を委員長のほうにお取り計らいを願っておきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長代理 午後一時まで休憩いたします。     午後零時十八分休憩      ————◇—————     午後一時十六分開議

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 先ほど来、島本委員から白ろう病に関してかなり広範な質問があったのでございますが、この対策として、労働時間の短縮や、あるいはまた各種の対策が必要であるということがいわれておりました。しかし、現在これにかかっておる人たちに対する治療の方法等についても十分な施策が必要でありますが、大臣からの御答弁も得ましたが、この専門的な治療に対する対策等は、各種の機関を動員をして対策に当たられる、こういう御発言がございました。これはこれなりに私は必要だと思うのですが、しかし、従前ややもすれば各省にまたがるこの種の問題に対する対策というものの責任の所在が明らかでないということが、対策をおくらしている一つの大きな要因になっているという過去の事例もございますので、この際、この種の問題に対して窓口を一本化して、その責任の中でもって問題の処理に当たる、早期に各方面と連絡をとられた結果について公表されて具体的な対策に入られる、こういう必要が当然あろうと私は思うのでありまして、これに対して、どうでございましょうか、対策に当たられる窓口の立場に立たれるところから、この点に対する統一的な見解をお示しいただいて、私のほうとしてはこの対策に当たっていただくことを強く念願をして、議事進行がてら質問をいたすわけでございます。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 ただいまの御質問、まことにそのとおりでございまして、さいぜん白ろう病の医学的治療について申しあげたのですが、政府の各種機関に御依頼して、鋭意その研究を進めてもらっておる最中でございます。それで、それが各機関にまたがっておりますので、窓口をきめて、その治療の研究の経過を知ったり、あるいはその結果を発表したり等々、進行面もよくしたいという御説は同感でございます。それで、いまいろいろ相談いたしました結果、労働省において窓口を承りたい、わけて労働省の労働基準局長のほうにおいて窓口となって善処いたすこと、それからほかの省とも連絡をとる、そうきまりましたから、ここに御発表申し上げます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 午前中の白ろう病の対策は、ただいま議事進行における田邊理事の発言で、はっきりした治療の根本的な窓口の対策が発表されました。まことに同慶にたえない次第でありまして、今後この根絶のために、労働省は率先して他の省をリードしながら、また指導しながら、この対策にあたって万全を期してもらいたい、このことだけはひとつ衷心からお願いかたがた要請をしておく次第であります。  次に、午前中に引き続きまして質問に入ります。これも十日の田邊委員が質問されたその解明に相なろうかと思うのであります。はなはだ午前中からくどいように質問してまいりました。いわば農林水産業の、現在季節性を持っているといわれるこういうような企業は、任意適用でこれを行なうようにしていきたい、こういうような当面の発表もあったわけであります。私どもとしては、それより当然適用の計画性の中にこれを入れて考えるべきであって、今後、あらゆる点で農業自身の現在の置かれている立場を考えて、この出かせぎ対策というか、いわば季節労務者のこの対策を、完全にうらはらを合わして解決するのでなければ、いまの農業の問題自体も解決にならない、また労働省自体の完全雇用の面の対策にもならない、こういうように考えているわけであります。  前回からこの点はいろいろ議論がされてあるところでありまするから、再びこの問題に触れることはこの程度にしておきますが、この兼業農家といわれる農家の傾向は、前回、田邊委員が発言したところによりますと、これはだんだんとふえてきている傾向があるようであります。この傾向等につきましては、やはり労働省としても十分対策を得なければならない、こういうように思うわけでありまするけれども、この季節出かせぎ労働者と申しますか、兼業によって行なっている農家、すなわち雇われ兼業というか、自主兼業というか、この実態を明らかにしてもらいたいし、今後その傾向等についてもはっきりここに解明してもらいたいと思うわけであります。農林省の方もせっかく来ておられますので、この点ひとつ解明してもらいたいと思います。

剣持浩裕農林省農政局調査官

○剣持説明員 ただいま先生がおっしゃいました、農家の兼業化が最近進んでいるのではないか、それからその中で雇われ兼業というものが多くなっているのではないかという御指摘でございましたが、おっしゃるように、農家の兼業化は若干進んでいるという傾向にございます。それで七割以上の農家が、何らかのかっこうで経営主または後継者が兼業に従事しているという農家になっております。それから兼業従事者の数といたしましても、総数で七百六十五万人程度、そのうち雇われ兼業が五百八十五万人程度ということで、かなりの数を占めておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その農家の一戸当たりの所得がこれで明確に——けさほどのテレビによると、だんだん下がってきたんだ、こういうような報道がなされたようですが、一家でどれほどになっておるものでありますか。

剣持浩裕農林省農政局調査官

○剣持説明員 ここ数年、農家の所得は上昇しております。ただ、農家所得を構成しますものといたしまして、農業所得と農外所得とがございますが、最近の傾向といたしまして、農外所得の伸びといいますか、農外所得の比重が高くなっているということは言えるかと思いますが、農業所得、農外所得を合わせました農家所得といたしましては、最近上昇しているということが言えると思うのでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、農家の所得は上がっているが、傾向として農外所得の比重が高くなってきているということは、農業本来の比重が下がってきている、こういうようなことに相なるのではないかと思います。そうなりますと、当然兼業農家と申しますか、農家そのものも兼業にたよらなければ生活ができないような状態にいまやなってきている傾向がある、こういうように思量されるわけでありますが、この傾向としては、そのように考えてよろしゅうございますか。

剣持浩裕農林省農政局調査官

○剣持説明員 全般的には農業所得以外の農外所得が農家所得のほぼ半ばを占めておりますので、農業以外の兼業に従事して農家が生計を維持しているということは言えると思います。ただ、階層別に見ました場合に、かなり上の階層では、依然としてやはり農業収入を中心としまして生計が営まれている、農家所得が構成されているというふうに言えるかと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは、おさらいのようになって申しわけございませんから、この程度でやめておきたいのですが、結論として、この兼業的出かせぎというのが恒例化すると専業的出かせぎになってしまうのではないか、こういうふうにも思われるわけですが、これはやはり通年雇用をはかってやるように指導して、この点においては所得を上げるように当然すべきじゃなかろうか。また、兼業の出かせぎと申しますか、農家だけで安定した生活をはかれないで、手近な居住地の近くに行って賃金をもらってくる、こういうような労働の場合には、やはりいろいろ保険の問題等も考えて、これは両立できるようにしてやるべきじゃないだろうか、こういうように思うわけです。したがって、指導そのものも、農林水産業界は任意加入の点で今後は指導していきたいというけれども、農林省自身は当然この適用をはかるように推進すべきじゃないのか、こういうように思うわけです。これはメンツの問題じゃなかろうと思うのです。おそらく農林省であるから、農家の個人所得がふえて、それによって完全に生活できるようにするのが指導の大綱であろうと思います。しかし、現在の情勢からして、とうていこういうような零細農家はそれで立っていかないのですから、その場合には当然並行的にこのような失業保険の点は考えて、そうして所得の面、生活の面も完全に把握してやらなければならない、こういうように考えるわけです。したがって、季節出かせぎ労働者、こういうようなものに対しては、締めつけを行なうようなことは進んで排除しなければならない、こういうように私ども思っているわけなんです。これは農林省の場合は当然私の言うのに賛成だろうと思うのですが、あなたは遠慮要りませんから、労働大臣もいますから、この場所ではっきり所信を申し述べてください。

剣持浩裕農林省農政局調査官

○剣持説明員 農家の家族員が多数、兼業といいますか、おもに出かせぎ等の不安定な兼業について、そこで所得をあげて農家の生計を維持しているという現状は、やはり打開しなければならないというふうに考えます。それは先生のおっしゃるとおりでございます。それで、農林省といたしましても、できる限りそういった不安定な出かせぎ等の兼業を安定的なものに切りかえていく。安定的なものに切りかえていくことによって、所得の安定、通年雇用化、そういったようなものも含めまして、この出かせぎ問題について対処していきたい、そういうふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 こういうようなことからして、労働省としても、いまの林業の問題は大体わかりましたが、農業、水産業の点も考えて、これはやはり計画にのせて、通年雇用と合わせて、これはもう保険の点等においても、当然適用、計画適用、完全適用、この辺に向かって計画的に進めるべきじゃないか、こういうように思うわけです。当然それは考えておられるでしょうけれども、あまり先のことですから、おそらくはこれができてから他のほうの改正をはかったほうがよろしいのじゃないか、こうさえ思うのであえて聞くわけなんですが、いまの農林省の答弁、あれでいいんでしょうな。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 先生御承知のように、失業保険におきまして短期の循環的な受給者約五十九万、こういう数字になっております。この五十九万のうち農家からの出かせぎが、別の資料によりますと約二十万強、こういうことになっております。  それで、この五十九万の短期受給者の受給状況を見ますと、いわゆる冬型受給者、つまり四月なり五月にかけまして就職して、それから十一月、十二月になって離職し冬季間失業保険を受ける、こういう冬型の受給者が八割ほど占めておるわけでございます。そういうところから考えてみますと、そういった受給者は、むしろ専業的な意味で四月ないし五月から年末まで就労しておる。それで冬季間は、たとえば積雪寒冷地におきまして、事業がないために就職先がない、そこで失業をしておる、こういうようなことが調査の結果わかっておるわけでございます。そういう意味でそういう労働者は、たとえば建設業に従事する労働者であるけれども、その就職している建設業は冬季間積雪寒冷のために事業が実施できない、そのために失業せざるを得ない、こういうような点が非常に多いわけでございます。そういう場合に通年一貫して事業ができる体制をつくる。そうしますと、そこに当然労働者が働き得るわけでございますので、そういう意味で通年事業あるいは通年雇用、こういう政策を強力に進めていく必要があるだろうというふうに考えておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはり通年雇用、それと計画就労ではございませんけれども、これは適用ですね、こういうような点をあわせて、この問題は雇用対策の一つとして十分配慮しておいてもらいたい、こういうふうに思うわけです。この問題は、次の点がありますからちょっとこれだけにして、終わったのじゃございません。ただ急いで聞いておかないと困る問題が一つあるのです。  これは福祉施設の予算の件になりますが、以前に、昭和三十八年だったのですが、これは労働省のうちでも基準監督局または監督署、こういうようなものが、どうも建設予算がうまくいかないということで、建設業者から寄付を仰いで庁舎を建てておった、こういうようなのが昭和三十八年までの一つのならわしであったわけです。三十八年のころから、これはいけないということで、今度は当然これは国のほうの予算で建てるようになったわけですが、以前は業者寄付、こういうようなことで建てておったのが実態であります。これが改善されて、私は、これは大いによかった、こういうふうに思っておりましたら、先般の質疑の中で、今度は、福祉施設の予算の中に当然組むべきではない、こういうふうにさえ思われる安定所の庁舎と申しますか、職員の宿舎というのですか、こういうような予算まで組んでおった、こういうことが田邊委員の質問によるところの皆さんの答弁であったわけです。昭和三十八年のころには基準監督署の庁舎の建築を業者に仰いだ、今度はそれをやらなくなったら、福祉施設の中で当然目的外と思われるような職員の宿舎や安定所の庁舎、こういうようなものまでその中からつくるようにした、こういうことは目的を逸脱している行為じゃないか、こういわざるを得ないわけでありまするけれども、現在も基準監督局なり監督署なりは、業者寄付によってやっておることは万々あり得ないと思いますが、一体どうなっておるのか、それも一応聞いておきたい。  それとあわせて、今度、施設整備費の中に安定所の庁舎や職員の宿舎、こういうようなものも入れておるということは目的違反じゃないか、こういうような疑念は当然持たれます。これは改めないといけない、こういうように思いますが、この二つの点についてどうなっておりますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 失業保険の予算におきまして、業務取扱費といたしまして約百四億、そのほかに施設整備費といたしまして七億九百万円の予算を計上たいしております。その施設整備費の内訳といたしまして、庁舎等の建築費等につきまして五億七千八百万円、これは十六安定所の建設に要する経費でございます。と同時に、要するに失業保険の特別会計の業務に従事いたしております公務員の宿舎建設のための費用といたしまして一億三千百万円、これは百六戸分を計上いたしております。これは実は、安定所の建設なりあるいは宿舎の建設につきましては、一般会計におきましてもそれぞれ予算を計上いたしておるのでございますが、安定所の実情を考えてみますと、これは申し上げるまでもないことでございますが、失業保険の関係業務、たとえば失業者に対する職業の紹介あるいは失業保険の給付の業務が大半以上の割合を占めておるわけでございまして、それに従事する六千六百名余りの宿舎を整備するということも、失業保険会計の円滑な運営上どうしても必要だという観点から、必要最小限度の施設整備費を計上している次第でございまして、その点どうぞお含み置きいただきたいと思います。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 監督署の庁舎の問題でございますが、三十八年までいろいろの事情もございましたが、先生御指摘のような、業者側に進んで御協力をいただいたような向きもございましたが、それに伴います弊害も確かにございました。一切取りやめまして、現在では全部国費で建設をいたしております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 現在そういうようにしてやっていないということになれば、まことに同慶にたえません。しかし、いま言ったことばはちょっと過ぎておりますね。業者が進んで出してくれるというので、それを受けてつくっていたというのは、これは違います。奉賀帳を全部出して集めてつくっておるのです。どうもそのことばも少しきゅうすの口です。これはいけません。あの当時予算委員会でこれが問題になったのですから。そうして、以後一切これはやめますということは、大臣が言明したことなんです。そういうようなことを進んで業者が協力したなんて、いかにももっともらしいことを言うのはちょっといけません。今後姿勢として気をつけて発言していただきたい。きょうあなたはこれてミス二回です。  それで、大体失業の予防のためのいろいろな施設も考えておられるようです。しかし、本来ならば、この失業予防、こういうようなのは国庫負担が前提であったはずなんです。それがやはり失業保険の特別会計の中のいわゆる施設費、福祉施設、こういうような中で考えられるようになった。これはどうもいろいろ問題があるんじゃないか、こういうように思われます。これは当然もう私があえて言う必要もないほど明らかな事態でありますけれども、福祉施設そのものは、財政的には国の負担によるのがこの場合は正しいのだけれども、便宜措置としてこれをやっている。便宜措置としてこれをやっているところが、それを拡大して、第一条の目的以外のところまでこれを進めるような傾向が生じてきた。これはやはり特別会計のあり方として気をつけなければならない点じゃないか、こういうように思うわけであります。失業保険金を支給する以外には支給の要件が出てこないはずなんですから、それ以外に出てきた、当然だ、こういうのは間違いであります。目的を改正しようとして、その目的さえも改正できなかった現在、事業だけこのようにして行なってしまうということは、これはやはりさっき言ったように、行政権が立法権に優先して事を処せんとするような、こういうような傲慢な態度に見られるわけであります。この点は今後やはり気をつけなければなりません。従たる目的として、一応皆さんのほうではこの方面の意向をいれて、一条の改正をはかりたかったには相違なかった。しかしこれは。ペンディグになっている。ストップになっている。なった以上、今度事業のほうも考えて予算措置をしなければならないはずですが、事業だけはそのまま出してやってしまった。そして一条はこのとおり正しゅうございます。一条で見れば、失業保険金を支給する、こういうのが目的のはずなんですが、その目的以外に全部使っている。まして二二%もやっている。そして公務員宿舎までつくっている。こういうようなことになれば目的逸脱である、こういうようにいわざるを得ないのじゃないか、こういうように私は思うわけなんです。これは何としても目的遂行のための最小限度の付帯事業に限られるべきです。宿舎がそれに該当するかどうか。拡大解釈すると、いまの安保みたいなもので、何でもこれは当てはまる、こういうようなことも言われるだろう、こう思いますけれども、しかしながら、この労働省の場合には、特にそこまで考える必要はない、この目的できめられたとおりにこれを実施していけばよろしいのではないか、こういうように思います。そのために失業保険の給付が制限されるのは、一条の目的からしておかしいのです。しかしながら、給付は六〇%にこれを制限するようにしていながら、逆に今度はそのほかの目的以外の付帯事業に、これはもう最小限度だという名において実施している。これはやはり行き過ぎじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。この見解が間違いであるのかどうか。これだけは私はこの機会にはっきりしておきたい、こういうように思うわけであります。支出に対しては歯どめ、基準、こういうようなものは当然必要であって、職安審議会の答申によってこれがいろいろ行なわれる以上、こういうような事業の範囲も、当然、福祉施設の点においても、これはもう諮問すべきであります。しかしながら、この辺まではちゃんとやっておらないようでございまして、この点は私は遺憾であります。  大臣にこの点はっきり伺っておきますが、先般、中央職業安定審議会からの答申に基づいてこれを行なった、こういうようなことになっておりますが、それも答申の中のあるものは取り入れ、あるものはそれを目をつぶっております。今後、この目的に合致したようにこれを運営するためには、支出の適正化をはからなければなりません。したがって、歯どめになると言うと皆さんは聞き苦しいかもしれぬけれども、法律本来の運営を完全にするために、今度は職安審議会の意向を十分聞き、そうして運営基準をきめた上で、これはいろいろな目的に沿うような事業を実施するようにされたらいいんじゃないか、当然これが法の精神じゃないか、こういうように思うわけです。いまの労働省は、その点を、目的以外にあるいは逸脱しているのじゃないかと思われるような方面にまで、将来の支出、事業の計画を立てておられるようであります。これはこの際やはりもう一回考え直して、給付の改善をはかり、八〇%までしてやるというほうが本来であって、これを六〇%にとどめてそのほかの目的以外の事業に回すということは、これはいけないんじゃないか、こういわざるを得ないのであります。  時間の関係もあって一気に言ってしまいましたが、これは時間を省略するためですから、大臣、この辺でこの問題のケリをつけて次へ移りたいと思うのです。といったようなあんばいで、これは運営基準を当然考え、今後この運営をすべきじゃないか、福祉施設についての運営はすべきじゃないか、このことであります。当然過ぎるほど当然ですけれども、大臣、今後これをやる決意ございましょうか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 この福祉施設については、過般来いろいろ御議論がございました。それで、これは主して失業の予防、再就職の促進のためにやっておる次第であります。そういう趣旨でやっております。  それで、いま御指摘の福祉施設については、今回の改正に関する審議会の答申もございました。中央職業安定審議会の意見にも、これを大いに節度をもってやるべしという答申がございましたので、この福祉施設についての運営等についても、節度をもってこれが運用をいたしていきたい。どの程度の節度をもってやるかというようなことは、大いに検討して御期待に沿うようにやっていきたい、こういうところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この際ですから、大臣、もう少しその点具体的に質疑に答えていただいて、そうして意見の一致を見た上で次に進みたいわけであります。  その節度をもってという点はよくわかりました。しかしこの支出運用について、これは基準が必要じゃないか。したがって、今後は職安審議会の意向を聞いた上でやるというこのやる前提として、当然この運営基準を考えて、そうしてどこからつつかれてもよろしい。あえて言うと、これをもって隠れみのにしてでもそれをやったら、私みたいなものにこづかれなくてもいいんじゃないか。こういうようなことをあえて言っているわけなんですけれども、この点は、いままでのように野方図にやると、必ずこれは批判が出てまいります。しかしながら、運用基準をここに明らかにして、そうして職安審議会の意向を聞いてこれをやったということになれば、これはあくまでも正しいじゃありませんか。私は、あえてこれはアドバイスみたいになってしまってぐあいが悪いのですが、これぐらいもあえてやらないで今後は福祉施設の運用をしてまいりたい、このように考えているのですかどうか、これは大臣、大事ですから大臣の御答弁を承りたい。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 御説はそのとおりでございます。口では、節度をもってとか、あるいは支出についても適当な基準を定めると、こう申しましても、その節度は何によってきめるか、基準は何によってきめるか、そこが非常にやはり問題でございますが、大体先生の御趣旨のような線に沿うて、これをどういう基準にきめるか、それがきまった場合に職安審議会にはかるかという一応検討をして、そういう御趣旨に沿うように進めていきたい、こう思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣のところにきたら予鈴が鳴ってしまったのですが、そういうようなことをあわせて大臣、もう一つ詰めましょう。  それは、西ドイツの事例で財政的にこれを運営した。これを皆さんが参考にしていま立案され、提案されているわけです。西ドイツの雇用促進事業にならっているようですけれども、日本もこれを決してまねているとは申しませんけれども、参考にしてこの失業予防のために回してもよろしいということで踏み切ったように思います。これは違ったらいいのですけれども、私はそう思います。そうすると、失業保険は膨大になって、財源は、今度は雇用対策のほうに回す関係上、初めはあり余るほどあったものが、最後には保険金の支払いを不自由にしてしまって、中身は逆に赤字になるような傾向を招来した、これが西ドイツの雇用政策に使った結果である、こういうようなことが私どもの調べによってはっきりしておるのですが、いまのようにやると、当然いま黒字の会計も赤字になってくる、このたてまえだけは十分覚えておいてほしい、こういうように思うわけです。そうして大臣にこの際、黒字であるこの会計、第一条の目的にかんがみて——六割保障がたてまえだ、こういうようなことを言っておられますけれども、余っているならば、財政投融資のほうに回すその前に、当然八割給付は考えてやってもいいのじゃありませんか。そして、八割給付が可能になっている現在ですから、これはその目標に向けて給付の改善には当然努力しなければならない。しかし八割給付、これは急に六割から八割までふえる、こういうようなことじゃありません。もうすでに家族の多い中高年齢の場合には、これは事実上扶養加算を入れるとそれに近くなっているのです。したがって、もうほんのちょっと手心を加えると、ここに世界に冠たる八割給付ができるのです。そこの一歩手前までいってこれをやらないで、六割給付だからいいのだ、こういうことを考えているのが官僚ですから、大臣は当然そんなことは考えておらない、こういうように思います。黒字になっておるこの財政を一条の目的に使うためには、今度、扶養加算も入れて八割給付まで、これは十分考えて対処してもらいたい、こういうふうに思うわけです。大臣の高邁なる決意を聞きたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 六割給付は、世界各国の例を見ましても、大体六割が最高になっております。それを日本で八割給付にせよという御趣旨で、趣旨としては非常に斬新、世界一のすばらしいものになるという御意見でございますが、何ぶんにもこれを直ちにいまここでやるとかやらぬとか申し上げましても、非常に影響するところ大きゅうございますので、世界水準まできておりますが、世界水準以上に出ようじゃないかという御趣旨の点はよくわかっておりますけれども、一応これは十分検討さしていただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まことに残念でございます。そこでわかりましたと言うて、これで終わる予定だったのですけれども、それを検討する段階では、先ほどの白ろう病みないなもので、あえてまた詰めなければなりません。しかし、予鈴もなった現在、これ以上やっていくとやはり困りますので、特別保険料の本来の問題、私はこれでやるつもりだったのが、前置き講座が長くて申しわけないわけですが、この問題を残します。そして同時に追徴金の問題、これもあるわけですが、この二つはついに残ってしまったわけであります。残念ですけれども、途中でやめることにして、私はきょうの質問はこれで終わらしてもらいたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 この際、暫時休憩いたします。本会議散会後再開いたします。     午後一時五十四分休憩      ————◇—————     午後三時四分開議

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。後藤俊男君。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 午前中にも島本委員からいろいろ御質問があって重複するかもわかりませんが、第一番目に、今度の改正で五人未満の事業所への適用拡大が行なわれる。しかしながら、なお未適用の産業があるであろうと思うのですが、その未適用の産業というのはどういうような産業であり、それがどういう理由で未適用になるのですか、お答えいただきたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 今回の改正におきまして五人未満への適用の拡大をはかっておるのでございますが、今回の改正で新たに当然被保険者になりますのは「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」、さらに「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業」、それから「教育、研究又は調査の事業であって、政令で定めるもの」、この事業以外のものは当然被保険者つまり当然適用にする、こういう考え方で改正案の御審議をお願いいたしておるわけでございます。     〔委員長退席、谷垣委員長代理着席〕

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま言われた農林、水産、畜産関係ではいわば季節的な雇用が多い。そこで、この失業保険にはなかなか手が回らぬというのか、なじまないというのですか、そういうことになっておる。こういう説明でございますけれども、たとえば農林なり、水産なり、畜産関係におきましても、季節的な雇用ではなしに、通年的に雇用されておる業務もあると思うのです。これらのことを考える場合には一括してこれらの業務を除外するというようなきめ方は間違っておるのではないか。  もう少し申し上げますと、いま御説明になりましたような関係業務、いろいろな産業があるわけでございますけれども、とにかく季節的な雇用であるからというようなことで一括してこれらの産業を除外するということにつきましては、これはやはり適当ではないように思うわけなんです。たとえて申してみますと、小型船舶の五トン以下の船におきましては、船員法の適用はないわけです。そうしますと、この船員については失業保険の適用があるのかないのか。これは具体的な質問でございますけれども、いま申し上げました船舶で五トン以下、これらに乗船しておる船員に対する失業保険は一体どうなっておるのか、この点をお尋ねいたします。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 五トン以下の船舶に対する適用でございますが、その船舶によってどういう事業をするかということによって、適用関係が違ってまいります。五トン以下の船舶を使って運輸の事業をやっている、こういうことになりますと、それは当然適用の事業、五トン以下の船を使っておりましても、水産業をやっている、こういうことになりますれば、それは任意適用というようになっておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いまの問題は具体的な問題でございますけれども、それでは五人未満の事業所に対する適用については、今度の改正に基づいてこれから具体的にどのように進められようと考えておるのか、その点をお尋ねいたしたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 五人未満の事業所の数は、現在当然適用になっております五人以上の事業所数約六十万強の倍以上の数になっております。これらの事業所を全部直ちに当然適用にするということにつきましては、事務の観点から言いましても、一挙にこれを実現することはできません。と同時に、それらの事業所におきます雇用関係、あるいは賃金支払い関係の実態等をも考慮いたしまして、当面五人未満の事業所であって、当然適用といたします業種といたしましては建設業、製造業、電気・ガス・水道業、運輸業、こういう業種をさしあたって四十六年四月から当然適用といたしたい。さらにその他の業種につきましては、これらの業種の適用の状況、あるいは事務処理体制の整備等をもはかりながら、その後三年程度を目途といたしまして、これが当然適用化をはかっていく、こういうように考えておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 今度の答申の内容で、これは労働大臣にちょっとお尋ねするわけでございますが、「国、地方公共団体等の職員の適用除外について」、これは諮問の一つの項目にあるわけです。これはこれなりに答申案として返答が出ておるわけでありますけれども、この法案の中には一切そういうことはさわられておらないわけであります。答申案の内容でこういうふうに出ておるけれども、この国なり地方公共団体の職員の適用除外については、法案で何もさわられておらないということはどういうことなんでございましょうか、この点をお尋ねいたしたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 でありますから、結局従来どおりということでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、現在、聞くところによりますと、国有林の事業関係で四万人ぐらい雇用されておる、その中で毎年解雇、雇用、雇ったりあるいはやめさしたり繰り返しておりますのが三万人くらいおいでになる、こういうふうに聞いておるわけでございますし、さらにいままでも林野の労働組合としましてはかなりこの問題につきましては、いわば臨時雇用員の形であろうと思いますけれども、この雇用問題については早く解決をしてもらいたい、早くはっきりした雇用制度にしてもらいたい、こういうふうな要求も強く出ておるだろうと思いますし、さらに五十一回の通常国会におきまして、国有林労働者の臨時雇用制度を改めて、雇用の安定をはかる、これは当時の農林大臣ですか、はっきり言明されておるようなわけですが、その後内容を聞いてみますると、以来三年以上になるわけでございますが、何ら労働省、林野庁はこの雇用安定問題につきましては具体的な措置が行なわれておらない、こう私聞いておるわけでございますけれども、やはり失業保険に関係の深い問題でございますから、現在林野庁として、臨時雇用員については一体どれくらいおいでになるのか、さらにこれらの人に対する失業保険の扱いは一体どうなっておるのか、あるいは失業保険のかわりに、退職金でございますか、そういうふうなかわる制度もあるように聞いておるわけでございますが、その辺のところを、扱いがどういうふうに行なわれておるのか、お尋ねいたしたいと思います。     〔谷垣委員長代理退席、委員長着席〕  もう一つは、林野庁関係の臨時雇用員の方で、非常にわずかな人は失業保険の適用を受けておる、これも聞いておるわけでございます。われわれといたしましては、当然これらの臨時雇用員のお方にも失業保険の適用をしてしかるべきではないかと考えておるわけでございますが、いま申し上げましたような数点につきまして、私もしろうとでございますので、よくわかるようにひとつ御説明いただきたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 林野庁の雇用問題の先生の御指摘でございますが、先生お話のとおり、大体概数で申し上げますが、常用作業員と申しますのが約  一万六百名ございます。それから定期作業員と申しますのが二万七千四百名ございます。臨時の月雇い作業員というのが約四千名ございます。そのほか日々に雇う、これは最盛期にちょこちょこ雇う日々作業員でございますが、これが六万六千名、大体以上のような形で雇用をいたしておりますが、先生御承知のとおり、林業そのものが非常に季節性の強いものでございます。  現状は以上のような形でございますが、前に国会で御答弁申し上げましたように、これは逐次通年化していこうという方向で努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、四、五年前と比べますと、いわゆる定期、常用の比率が非常に高まってきたというのが実態でございます。しかし遺憾ながら、常用を進める中におきましても、非常に積雪地帯であるとか、あるいは植物に関係いたすものですから、どうしても季節性を全部ぬぐい切れるというわけにはなかなかいかないわけでございますので、先ほど先生御指摘のように、定期、日雇い作業員というのはやはり三万名近くおるというのが現状でございます。  そこで、これらに対する社会保障と申しますか、失業保険、退職手当等の関係でございますが、これは最初失業保険に全部入りますけれども、月当たり二十二日以上、六カ月以上つとめますと失業保険がなくなりまして、いわゆる退職手当のほうに切りかわるわけでございます。しかし、そのような形でたとえば九カ月なら九カ月で退職された方は、いわゆる退職手当法に基づいて支給されますが、その場合に、退職手当の計算しました額が、失業保険法で計算されまする額よりも少ない場合には、失業保険法で計算されます額までに引き上げまして支払っておるというのが現状でございます。したがいまして、現在は退職手当法に基づく支払いのほうが圧倒的に多くございます。失業保険法で支払いますのは、ただいま申しました二十二日に満たないような形で勤務をいたした人を対象にして失業保険法を適用して払っておりますが、この額は、退職手当と比べますと非常に少ない額でございます。そのような形でいま対処いたしておりますが、われわれといたしましても、何とか通年雇用というようなことで労働組合とも話し合っておりますが、季節性の問題もございますので、十分打ち合わせながら進めてまいるということで対処しておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま御説明がありましたように、六カ月と、二十二日以上ある人は退職金をもらう、この退職金というのが失業保険より少ない場合には失業保険の金額を適用する、こういう御説明だったと思うわけですが、六カ月と二十二日にならずに六カ月と十日くらいの人は一体どういうことになるのですか、この点お尋ねいたします。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 ただいま申しましたのは、月二十二日以上六カ月でございますから、先生のお話しのとおり、二十二日にならずに、たとえば十五日というような場合には、失業保険法になります。今回十一日が十四日になりますけれども、そのような形の勤務日数でございますと失業保険法の適用、こういうことになります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、先ほど労働大臣が言われましたように、諮問の内容としては、国なり地方公共団体の職員は適用を除外したいということで諮問しましたけれども、諮問の内容は、現在そうやるのは適切でない、こういうことだから、今日の改正においてはさわらない、こういうことですね。  それとあわせて、先ほど言われましたように、林野関係の毎月雇われる人が四千名、日雇いの人が六万六千名、それから一万六百、二万七千四百と、これはいろいろな形で雇用されておるわけでございますが、これらの人も全部が退職金の適用になるか、あるいは失業保険の適用になる。ただし、その条件としては、先ほど言われたような、いわゆる普通の失業保険の期間が必要でございます、こういうことですから、失業保険適用の期間をやった人につきましてはどっちかが適用されるのだ、こういうふうに解釈して間違いございませんか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 先ほども御説明いたしましたように、月二十二日以上六カ月の場合には退職手当によって支給いたします。それ以下の場合、いわゆる失業保険法で定める、現在は十一日以上でございますが、その場合には失業保険法を適用する、こういうことになります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 次には、自治省へちょっとお尋ねいたしたいと思うわけです。  自治省関係につきましても、現在かなりの臨時職員の人がおいでになると思うわけです。私、正確な数はつかんでおりませんけれども、大体全国で十万人ぐらいに達するだろう、こういわれておるわけでございます。さらに、それ以外にもかなり臨時じゃございませんけれども、常勤のような形でもないけれども、いろいろな仕事をしておられる非常勤の職員のお方がおられると思うわけであります。  たとえて申しますと、母子相談員、あるいは老人家庭奉仕員、あるいは婦人相談員、身体障害者家庭奉仕員、こういうふうな人は常勤じゃございません、非常勤でございますけれども、しかしながら、今日の情勢から見ると、ほとんど一日八時間勤務で、一週六日働く、こういうふうな勤務体系でつとめておられる人もあるやに私聞いておるわけです。そうなってまいりますと、いま申し上げましたように、第一番には、十万人近いところの臨時人夫のお方に失業保険の適用は一体今日どうなっておるのか、どういうふうな形で扱われておるのか、これをお尋ねいたしたい。  二つ目の問題といたしましては、先ほど言いました非常勤の職員であるけれども、一週間ほとんど年じゅう働いておられる、こういう人に対する失業保険の関係は一体どうなっておるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部公務員第一課長

○石見説明員 お尋ねのございました地方公共団体に勤務しております臨時職員でございますが、現在、私たちが調査いたしましたところでは、四十二年度で約三万五千人ということに相なっております。  先生御指摘のございました十万人と申されましたのは、いわゆる臨時職員、通常で申します臨時職員以外の毎日、日々雇用される職員とか、あるいは採用試験のときに三日間ほど雇用されるとかというふうな、非常に短期な者もすべて含まれてその程度になっておることであろうと思うのであります。その点につきましては、勤務の実態が個々でございますし、何ぶんにも三千三百の市町村それぞれの形でそういう非常に短期な者を雇用しておりますので、実態が非常につかみにくいのでございます。雇用しまして、また切れてすぐ雇うというような形もございましょうし、その場合も一人ととらえるのかあるいはそれを二人ととらえるのかというふうなとらえ方もございまして、その点につきましては、私たちのほうでは調査をいたしてはおりますが、実態がほとんどつかめないような状態であります。  ただ、いま申しました三万五千人と申しますのは、先ほど林野庁のほうからもお話ございましたように、月二十二日以上勤務しております者、いわゆる通常臨時職員と申しておる者が大体三万五千人であります。そのほかに、先生おっしゃいましたように、このような臨時職員に似たような嘱託とか、あるいは種々な形で雇用されておる者があるわけでありますが、その者につきましても、先ほど申しましたように、実態がつかめておらないような状況でございます。  この点につきましての退職手当取り扱いなり、失業保険の取り扱いにつきましては、御承知のように、退職手当につきましては、それぞれの地方団体が、国の退職手当法に見合ったものとして、退職手当条例を制定いたしておるわけでございますけれども、大体この条例は国に準じておりますので、結果的には退職手当なり、失業保険の取り扱いは、すべて国の場合と同じ状況になっておるということでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、先ほど林野庁から御説明がありましたような形で、形としては失業保険か、あるいは退職金どっちかの形で、先ほど説明あったような形になっておる、こういうふうに確認していいわけですか。

石見隆三自治省行政局公務員部公務員第一課長

○石見説明員 地方公務員につきましての給与、勤務条件は、すべて国家公務員に準ずるということになっておりますので、先ほどのお話と全く同じでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そこで、話を一歩進めるわけでございますけれども、いま定年制法案が問題になっておるわけです。これは、これからの話だから先のことはわかりませんと言われればそれまででございますけれども、万一われわれの力が足らずに、あの定年制が日の目を見るようになった場合のことをお尋ねするわけてございますが、定年退職後、特定の職種に限って雇ういわゆる再採用、特別職として再採用するんだというような方向に進むと聞いておるわけです。これはこれからの問題でありますから、労働大臣にお尋ねするほうが私いいと思うわけでございます。そうなりますと、その特定職に再採用された人は、失業保険法は適用されるのかされないのか。これは定年制がしかれることを期待してお尋ねしておるわけじゃございません。これからの問題でございますから、やはり労働大臣も万一のことを考えると、そういうこともお考えにあるのじゃないかと思ってお尋ねするわけでございますので、感じられたことをお答えいただきたいと思うわけです。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 それは当然適用されます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それで、いまお尋ねいたしました林野庁の関係なり、自治省の関係につきましては、いままでどおりの扱いが行なわれるし、さらに失業保険か退職金のどちらかで行なわれるんだ、こういうことになっておるわけでございまして、まだまだ問題はございますけれども、次は給付の改善についてお尋ねいたしたいと思うわけです。  今度の給付の改善の中身について、ひとつ簡潔に数字的に御説明いただきたいと思うわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 今回の改正案に盛られております給付の改善について申し上げますが、まず第一に一般失業保険につきましては、低等級者につきまして、基本給付率であります六割原則の範囲内におきまして、日額に対して十円の加算を行なっております。  それから第二点といたしまして扶養加算制度がございますが、配偶の扶養加算につきまして日額十円の積み上げを行なっております。  それから第三点といたしまして、被保険者期間が二十年以上の者につきまして、従来、二百七十日の給付日数に対しまして、三十日を加えた三百日にいたしております。  次に、日雇失業保険の給付改善につきましては、現在一級が五百円、二級が三百三十円でございますが、今回は二級を五百円、一級を七百六十円にいたしております。  その他日雇失業保険の受給要件の緩和等をはかっておる次第でございます。  次に福祉施設による給付の改善でございますけれども、再就職の促進をはかりますために、再就職支度金を従来一定の残日数との関係におきまして三十日分、五十日分を支給していたのでございますが、さらに残日数の多い者につきましては七十日分の支給を新たに加える。  と同時に、着後手当につきましても今回新たに創設をいたした次第でございます。  大体以上が給付改善の内容でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、日雇保険のほうを先にお尋ねするわけでございますが、いま言われましたように、現行の一級が五百円、二級が三百三十円をそれぞれ七百六十円と五百円に引き上げる。  さらに、賃金の区分につきましては、一級は千円以上、二級は千円未満ということになっておるわけですが、そうしますと、実際に一級の七百六十円を受けられる人は、日給千円以上の者だけである、これは間違いないと思います。そうなると、現在一級の保険金をもらっている六百六十円以上の者が、自動的に七百六十円もらえるということにはならないわけですね。そうなりますと千円未満の者はやはりいままでどおり五百円です。結局、改善改善といわれますけれども、改善されないということになると私は思うわけなんです。千円以内の賃金の人は、いままでどおり五百円でございます。いままでも五百円だった、こういう関係になってくると思うわけです。その点いかがでしょうか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 御指摘のとおり、賃金区分千円以上の者が、今回の新しい一級の保険金を受けるわけでございますので、賃金が日額千円以上の者が七百六十円、したがいましてそれ以下、たとえば従来の賃金区分であります六百六十円以上千円未満の者につきましては、従来のとおり失業保険の額が五百円、こういうことになかろうかと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま御説明のあったとおりになるとしますと、これは三年間金額においては据え置きになっておるわけですね。そうしますと、いま言われた人たちは三年間据え置かれて、しかも今度の改正ではさらにはずれるというとおかしいですが、七百六十円の引き上げにならない、相変わらず五百円でございます。こうなりますと、物価の上昇から考えると、逆に引き下げの形になるのではないかと私考えるわけなんです。改正されるのならされるように、ほんとうに正しく改めてほしいわけなんです。改悪じゃございません、改正されるのですから、前向きに、いい方向に持っていこうとされるのなら、いい方向へ持っていけるような改正案を出していただくのが、私しかるべきだと考えるわけですが、この点いかがでしょうか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 この賃金日額の区分、及び一級、二級の改正の考え方は、大体一級、二級をもらっている者の構成比がどうなっておるか、こういうところから考えておるわけでございますが、たとえば昨年の六月から十二月までの間におきまして、一級の保険金を受けていた者が九五%、二級が五%、こういうような実情になっております。そういう意味で、ほとんど全部の者が一級の保険金を受けていた、こういうことでございますが、今回の改正によりまして千円にしたことにより、どの程度の者が新しい一級の額である七百六十円を受けることができるか、こういうことになるわけでございますが、これは、民間の日雇い労働者はほとんど千円以上の賃金でございますので、一級の保険金をもらえる、こういうことになると思います。その数字は約一五%強かと思います。それから失対就労者につきましては、これは現在の賃金の状況から考えますと、今回の改正によりまして約五%強の者が新一級の日額の改定を受けることができる。それから受給要件の緩和等によりましてさらに五%の人が新一級の日額を受ける、その他合わせまして三〇%強の人たちが新一級の日額を受けることになろうかと思います。  そこで、今後さらに失対就労者の場合について見ますと、直ちに一級の日額を受けるのは五%でございますけれども、失対就労者には御承知のように夏期、年末に臨時の措置が行なわれております。それが賃金として考えておりますので、そういう時期には一級の失業保険金の金額を受けることができる。今後日雇い労働者の賃金の上昇によりまして、日額が千円以上の日雇い労働者が、賃金の増加傾向から見まして、ふえるのは当然でございますので、そういう関係から賃金の上昇に比例いたしまして新一級の、日額がふえる者が増加してまいる、こういうような関係になろうかと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いまあなたが御説明になりました現在一級を受けておる人は日雇保険の関係で九五%残りの五%が二級である、こういうことは今度三百三十円から五百円に引き上げられる人が非常に少ないということですね。そういうことを意味しておると私は思うわけですが、そうしますと、一級が七百六十円、二級が五百円と言われますけれども、五百円に上がるという人は非常に少ない数だ。賃金が上がっておって、非常に少ない数だ、これは言えると思うのです。そこへいまあなたが言われましたように千円以上、千円以内ということでパーセントで出しますと、九五%の約五%ということですね。いま説明されたのはそういうことですね。現在一級を受けておる人は九五%おります。今度千円以上、千円以内ということで、七百六十円、五百円ということで区別した場合には、九五%の五%が七百六十円に上がる人たちです、こういう説明をいまあなたはなさったわけですね。そうでないとするならあなたの説明のしかたが悪いものですから、私のほうでわからなかったわけでございます。  そうなってまいると、どう考えてみましてもやはり現在一級をもらっておる人はいわゆる五百円そのままやりっぱなしされる、千円以内の人は。ところが、年末に手当てがある、夏季手当てがある。これらを何か過去のほうに二カ月ならして賃金を合計した金額が千円以上になっておれば一級を適用します、こういう説明だと私思うわけでございますけれども、そうでない人は相変わらずやはり五百円ということになるわけです。そうしますと、いままでも五百円だし、今度の改正についてもならして計算しても千円以内の人は相変わらず五百円でございますから、改正じゃございません。そうすると、五百円という金額は三年前にきめた金額でございますから、今度またいつ改正になるかわからぬけれども、相変わらず五百円でこれからいくということになると思うのです。そうなると、改正どころか、物価の変動を考えると下げられた形になってくる。貨幣価値が五%ずつ減っていけば五百円の人は五、五、二十五円減って四百七十五円になる。来年はさらに四百五十円になる。こういうようなことで下げられる方向へ進むようなことになるのではないか。そういうことは絶対ありませんということなら、そういう説明をしていただきたいと思うわけです。私は、改正なら改正のような内容の提案をしていただきたい、これを考えながら質問をしておるわけです。絶対にそういうことはございません、いままでよりよくなります、こういう関係でこうやってこういうふうによくなるのです、こういう説明があるのならその説明をしていただきたいと思うわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 私の説明が足りなかったかと思うのでございますが、新しく七百六十円の一級の額を受ける者が三〇%強、こういうように申し上げたわけでございます。したがいまして、現在の一級つまり五百円の支給を受けている者が九五%でございますので、その三一、二%の分が新一級の額を受ける。二七、八%になろうかと思いますが、そういう方が、少なくとも新一級の額、五百円から七百六十円の額を受けるようになる、こういうように申し上げておるわけでございます。  と同時に、年内におきましても失対就労者につきましては夏期、年末の措置によりまして、御指摘のように特定の月におきまして新一級の額が受けられる。と同時に明年の四月から最近の賃金の情勢等もございまして、失対就労者の賃金の改善も行なわれると考えておりますので、そういう意味で賃金の上昇に応じまして新一級の額を受ける者が増加してまいる、こういうように考えておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われた九五%の三〇%が一級に入ります、これは大まかな計算だろうと思いますけれども、それならその反対に、いままでどおり五百円で据え置かれる人は何%くらいあるのですか、お尋ねいたします。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 したがって残りでございます七〇%強のものが五百円、こういうことになると思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますといまあなたが言われた今度の改正で三〇%だけは千円以上ということで、いままで五百円もらっておった人が七百六十円に上がる、七〇%の人はいままでどおり相変わらず五百円でございますという、これは説明です。そうなるとこれは改正じゃないのじゃないですか。半分以上の人がいままでどおり据え置かれる。今度はここざっと読んで見ますと、少なくとも千円以上の人は一級になる。千円以下の人は二級です。五百円を七百六十円、三百三十円を五百円にいたします。ところが、これの改正によって、わずか三〇%の人だけが一級の五百円から七百六十円に上がるわけですね。残りの七〇%の人は相変わらず五百円で据え置かれる。来年の春闘のベースアップは知りませんよ、私は現在の金額で言うのですから。そうしますと改正で上がる人の三〇%の倍以上の人が五百円でそのまま据え置きになる。そういうことになるとこれは改正でも何でもないと私は思います。少なくとも半数以上の人が、今度の改正によってなるほど金額を上げてくれた、政府も考えておってくれるわい、こう思ってこそはじめて私は改正になると思いますが、十人のうち三人だけが金額の改正の恩典になるけれども、残りの七人は相変わらず据え置きだということでは、私は今度の改正案としてはまことに不適当な提案ではないかというように考えるわけです。重ねてこの点もう一ぺんお尋ねいたします。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 御指摘のように数といたしましては大体三割、それから新二級が七割、こういうことになろうかと思うのでございますが、今後の夏期手当の関係、あるいは冬期手当の関係、これが二カ月ずつ延ばして考えますので、そういう関係で四カ月につきましてはほとんど全員が新一級の金額を受けられるようになる。そういう意味で本年の恩典を受ける者の割合は先ほど申し上げました三〇%よりも高い率になろうかと思います。と同時に、明年以降におきましては非常に多くの者が新一級の金額を受けられるようになる。そういう意味で私どもはこれは改善であるというように考えておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それはいま説明がありましたけれども、来年、再来年のことを考えると改正であると言われますけれども、やはりこういう改正案というのは、現時点を基礎にして考えてよくするのが、私、改正案ではないかと思うわけです。たとえばいまあなたが言われましたように千円になる、来年になると千円以上がふえます、再来年になるともう一つふえます、三年後になると全部が千円以上になるかもしれませんが、そういう意味におけるあなたの言われる説明だと、三年たてば全員千円以上になりますから、七百六十円になると思うのです。そんな先のことを考えながらやっておったんでは、これは全然問題の中心にはならぬと思うのです。現在あなたが言われるように、三百三十円と五百円を改正する、金額を七百六十円と五百円に上げる、これは改正案なんです。それなら、この改正案によって恩典をこうむるのはどうかというと、十人のうち三人だけが恩典をこうむって、あとの七人は現状のままでございます。まあ三人は、三〇%というのは、あなたの説明のように年末手当なりいろいろな手当があって、前にですか、ならして、それは千円以上になる人もあると思います。それにしたところで、半数以下だと私は思うのです。それももしあなたのほうで手当関係をならして千円以上になって、こういうふうなかっこうになれば、いわゆる一級の適用者が今度の改正によって何%くらいになるんだ、こういうような計算がしてあればひとつ御説明いただきたいと思いますけれども、いまあなたが説明されたように、十人のうち三人だけが金額が上がるけれども、あとの七人は据え置きでございます、こういうことになると、ちょっと問題があるように私は思うわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 一つは、先ほど来申し上げておりますように、七割の者が五百円、こういうことになるわけでございますが、そのうちの五%程度のものが三百三十円から五百円に上がっておるわけでございますから、それと同時に、二カ月を延ばして考える、夏季、年末を考えますと、それが四カ月につきましては、七割の全部が新一級の額を受け得るようになるわけでございます。そういう意味で、今後来年の三月までを考えてみますと、一部の月におきまして、従来と同額の保険金を受けるけれども、四カ月は七百六十円の金額を受ける、こういうように御理解願いたいと思います。  と同時に、この改正の考え方は——従来の日額改正は、改正の時点における一級、二級の等級別構成のバランスが大体三、七というような観点から行なっておる前例もございます。そういうようなことも勘案いたしまして、七百六十円、五百円を定めたものでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま説明されましたように、なるほどその点はあると思います。現在三百三十円の人が五%程度は五百円に引き上がります。これは百七十円引き上がるわけです。さらにもう一つは、手当関係をならすと七割の人が全部一級の適用になるということは、私はないと思うわけであります。七割の人が全部一級を適用されるとあなたは−言われますけれども、そういうことになりますか。なったら、ひとつ資料をもって御説明いただきたいと思うわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 先ほども申し上げましたように、現在民間のみに就労しております日雇い労働者は、全部新しい一級の額を受けるものと考えております。したがいまして、失対就労者のみがどうなるか、こういうことを考えればいいわけでございまして、失対就労者につきましては、御承知のとおり夏季、年末の措置の金額がきまっております。国の分、さらに地方公共団体の措置分、そういうものを考えてみた場合に、全員が新一級の額になる、こういうふうに考えてけっこうかと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それで、今度の日雇い関係の保険料の改正ですね。これは大体いままでより五〇%か五二%の値上げになっておると思うわけです。そこでいま言われました五百円を七百六十円、三百三十円を五百円に引き上げるというのも、大体五〇%か五二%の引き上げになっておると思うわけです。両方とも大体五〇%前後の同じ率の引き上げになっておると思うのです。保険料だけは、同じように引き上げの率が適用されて引き上げになっておるわけですが、ところが中身はいかにと申しますと、あなたが言われますように、わずかに十人のうち三人しか引き上げの金額を適用される者がおらぬ。あとの七人というのは、いままでどおりの据え置きのような形になる。ただし、三百三十円の人が五百円に引き上がるのはわずか五%です。これは失対関係だと思うのです。そうなってくると、保険料だけは、金額の引き上げと同じように引き上げておきながら、この金額の引き上げを適用される人は非常にわずかな人です、現在は。その辺はどういうふうな関係で、両方とも五〇%程度上げたものであるか。  そこで私、お尋ねしたいのは、日雇失保関係の保険料につきまして、五〇%値上げした場合に、収入がこれだけになる、入る金がこれだけだ、今度の改正によっていままで以上、これだけのお金がたくさん要る。そうなってまいりますと、収入と支出というのをおおよそにらみ合わせた上に立ってこういうふうな提案がされておると私は考えておるわけです。私は数字的に計算しておりませんけれども、保険料だけは五〇%上げる、金額だけは、五〇%保険額は上がっておるけれども適用者は非常に少ない、そうなると、上げるほうは上げるけれども、与えるほうはさながら与えたごとく見せて与えておらないような気がするわけなんです。そこの関係を、ひとつようわかるように御説明をいただきたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 一つは、納付すべき保険料の引き上げの問題でございます。これは保険金日額のアップ率と同様の考え方で保険料を上げております。従来もそのような方針でやってきておるわけでございます。  それから収支の関係でございますが、この新しい保険料によります収入は四十九億七千四百万円、これに対しまして支出は六十六億五千八百万円、したがいまして赤字は十六億八千万円、こういうことになっております。ちなみに現在の時点におきますこの保険日額を改正しない場合のことを考えてみますと、収入が主十七億三千六百万円、支出が四十九億七千四百万円、したがいまして十二億三千八百万円の赤字でございます。これが給付改善を行なうことによりまして十六億八千万円の赤字となるわけでございまして、現行よりは四億三千万円ほど赤字がふえる、こういう収支状況に相なっております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうすると、いま言われたのは、日雇保険全部の収支でございますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 そのとおりであります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 私がいま言わんとしておりますのは、この日雇保険全部ではなしに、いわゆる失保の関係ですね、金額は忘れましたが、一日十何円納める、三分の一、三分の一、三分の一でございますか、これの関係をお尋ねしておるわけです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 新しく一級の日額をもらえる人について見ますと保険金でどれだけふえるか、こういうことでございますが、大体五百円が七百六十円になるわけてございますから、二百六十円ふえるわけでございまして、こういう方の平均受給日数が四・三日になっております。したがいまして二百六十円の四・三日分が千百十八円、こういうことになるわけでございます。  それから保険料をどれだけ余分に納めるか、こういうことでございますが、現行が十二円でございます。これが十八円になるわけでございますから、六円ふえるわけでございまして、平均保険料を納めております日数の二十・二日をかけますと百二十一円二十銭、こういうことになります。そこで千百十八円から百二十一円二十銭を引きました九百九十六円八十銭のものが増加になる。  それからもう一つ、古い二級から新しく二級になったものの勘定をしてみますと、保険金の増加は七百三十一円、保険料の増加が八十円八十銭、したがいまして、差し引き実質的にふえる額は六百五十円二十銭、こういうことになります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま説明されたのは、あるいは失礼な言い方になるかもわかりませんけれども、上がる人の一人一人の差し引き計算じゃないですか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 そうです。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうだと思うのです。それはそれでけっこうだと思うのです。そういうふうに適用される人が三割かおらぬとあなたはさっき説明されたわけです。あとの七割は保険料は上がりますけれども、これは適用されないわけなんです。その失保関係のトータルとして、保険料は上がるけれども、支給の金額は三割程度しか恩典に浴さぬとなってくると、差し引き勘定いままでより黒字がふえることになるのではないですか。その点を最初から私はお尋ねしておるわけでございます。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 どうもたいへん失礼いたしました。従来どおり五百円を受ける者につきましては、納付すべき保険料は変わらない。したがいまして、そういう方にとっては差し引きゼロと、こういう関係になります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 まだまだ問題残っておりますけれども、また来週に預けまして、四時で終われという御指示でございますので、これで終わらさせていただきます。  たいへんどうもありがとうございました。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次回は明十八日午後一時委員会、委員会散会後理事会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗