社会労働委員会 第23号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/06/04
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案、及び、国民年金法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
○後藤委員 一番最初に、この前問題になりました児童扶養手当と、それからこれは母子福祉年金の関係でございますが、大体三百円の差額の問題でございます。厚生大臣としては、この三百円の差というのは不合理なように思う、直したい、こういう御意向が西風君の質問のときにも出ましたし、またこの間も発表されたようなわけでありますが、大蔵省としては、大体母子福祉年金と児童扶養手当というのはその性格がおのずから違う、だからこういうふうなかっこうになっておるのだというような説明がございましたが、そのことは、今度の国会だけではなしに、前々の国会におきましても十分審議が行なわれまして、しかも附帯事項の中にもこれは入っておるようなわけでございますが、この前の発言に基づいて、ぜひひとつ厚生大臣から統一見解を発表していただいて、この三百円問題に対して今後どう対処するか、意見を承りたいと思います。
○斎藤国務大臣 もう理由は申し上げませんが、いろいろお話を伺い、また、いままでのたびたびの当委員会の附帯決議等にもございますので、私も、三百円の手当額の相違はないのが当然じゃないだろうかという気がいたします。もちろん、制度ができました際には、国会で御審議を願って違う制度ができたわけでありますけれども、しかしその後いろいろと御意見もあり、また、私も考えてみましてごもっともに思いますから、次の機会には、これが違いのないように私は最善の努力をいたしたいと思います。 今年の予算においてそれができませなんだのは、はなはだ申しわけありませんで、実は予算折衝の際に、附帯決議まであってというところまで私は十分存じておりませなんだので、今度の場合には、大蔵大臣とも、もし事務的に話がつかなければ折衝をいたしまして、そうして御期待に沿うようにいたしたい、かように思います。大蔵省の先般の御答弁も、この前の予算の査定のときにおける考え方をお述べになっただけでございますので、主計官もそこの事情はよく御存じでございますから、おそらく大蔵大臣にもそのことを十分お伝えになるだろうと思いますし、そういうわけで、次の際にはぜひ実現のできるように最善の努力をいたす所存でございます。
○後藤委員 大蔵省の考えもお聞かせいただきたいと思います。
○辻説明員 ただいま厚生大臣のお答えになりましたように、この問題につきましてかねてから御議論、御意見がございますことは、私どもといたしましても十分承知をいたしております。いろいろと関連する問題もございますけれども、それらとの関連を勘案いたしながら、今後厚生省と相談いたしまして検討してまいりたい、かような考え方でございます。
○後藤委員 そうしますと、いま厚生大臣は、次には次にはと、こう言われましたけれども、この前も強く要請いたしましたように、できればひとつ十月から何とかならぬだろうか、検討をいただけぬだろうか、こういうことで強く話を今日まで継続的に進めてきたようなわけでございますが、無理なことは十分わかりながら、大臣みずからが当然のことだというような強い要求もございますから、ここでひとつ十月から実施の方向でお骨折りをいただけぬだろうかという気持ちを十分持っておるわけでございますが、大臣はじめ大蔵省としていかがでしょうか。全然見込みがない、何ぼがんばってもだめなんだ、こういうことなのか。ごもっともな話だから十月を目途にひとつ全力を尽くしてみよう、こういうような強い決意を持っていただくようなことにならぬだろうか、こう私は考えるわけでございますけれども、十月実施目標ということに対する、厚生大臣なり、さらには大蔵省の御見解を、ぜひひとつお聞かせいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 いろいろ御熱心な御趣旨の点はよくわかりますが、しかしながら、先ほども申しますように、他の制度とも関係を持つところもあると思いまするし、願わくはひとつ来年度の予算で実現をさしていただくように御了承を願いたいと思うのであります。
○辻説明員 前回お答え申し上げましたとおり、四十四年度予算につきましては、従来どおりの考え方に基づきまして予算を組みまして、御審議をいただきまして成立を見ているところでございますので、四十四年度の予算の問題といたしましては困難な問題ではなかろうか、かように考えております。
○後藤委員 そうしますと、ただ私感ずるところは、一たん提案されてしまうと修正というのはほとんど不可能である。これはこの社労関係の法案だけではなかろうと思うのであります。そこで、いまの三百円の差異の問題につきましては、この前の国会における附帯決議にもありまするし、また今度の委員会にもこれだけ真剣に御論議をいただいたわけでございまするから、来年は必ずこの三百円問題は前進させる、こういう御確約をぜひひとついただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 私といたしましては最善の努力をいたします。確約と申しましても、結局予算を伴うわけでありまするし、私一人が申し上げたらそれでというわけにはまいりませんが、しかし最善の努力をいたしまして、そうしてその次の国会には後藤さんにお目にかかれるようにいたしたいと思います。
○辻説明員 先ほどお答え申し上げましたように、いろいろと関連する問題もございますが、大臣にもよく伝えまして、厚生省と相談いたしまして検討してまいりたいと考えております。
○後藤委員 それでは、いまの三百円の問題につきましては、ぜひひとつ解消する方向で、しかも来年度は実施に移す、そういうことで厚生大臣はじめ関係の皆さんには全力を尽くしていただく、こういうことでお願いをいたしたいと思います。 それから、これもこの前お伺いしたわけでございますけれども、児童手当の関連でございます。この前は、国会の中もああいうふうな情勢でございまして、どうも落ちついた質問もできなかったわけですから、ある程度重複する点があるかもわかりませんけれども、ぜひひとつ御了承いただきたいと思います。 それで、新聞等によりますと、大体五月一ぱいに児童手当の審議会を発足させたい、しかもこの構成につきましては、十八名でひとつ構成をしたい、その十八名の中には、労働者代表からあるいは主婦の代表も入れる、こういうような新聞報道が行なわれておるわけでございますけれども、現在厚生省として、もう六月でございますが、この児童手当制度の審議会の構成等については、今日どういうふうにお考えになっておられるのか。労働者代表なり主婦の代表等は、一体どういうふうなお考えをしておられるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○斎藤国務大臣 できるだけ早く発足をいたしたいと考えておりますが、まだ参議院を通っておりません。したがいまして、参議院におけるいろいろな御意見等も伺って、そして人員の構成の内容等もきめてまいりたい、かように考えておりまして、ただいまのところまとまった考え方を持っておりません。一日も早く参議院で通過をしていただいて、児童手当を設けることのできる法律の成立をお願いをいたし、その上でできるだけ早く発足をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○後藤委員 いま具体的にはまだきまっておらない——参議院における設置法の一部改正の関連だろうと思いますけれども、そこで大臣に、具体的には決定しておりませんけれども、主婦の代表なり労働者側の代表を審議会の構成に入れる考えがあるのかどうか。これは具体的にはこれから選出されるわけでございますけれども、その方針等はもう決定しておられると思うのです。われわれのほうとしましては、ぜひ、主婦の代表なりあるいは労働者側の代表等も、十八名の中には入れていただきたいという強い希望を持っておるわけでございますが、現在の方針をお伺いいたしたいと思います。
○斎藤国務大臣 私のただいまの考え方といたしましては、国会において皆さんがそれぞれ国民の代表をしていただいているわけでございます。したがいまして、審議会はできるだけ学識経験者をもって充てまして、そしてそういった意味の御検討をいただくのがいいのじゃないか、かようにただいま考えております。
○後藤委員 そうしますと、学識経験者を中心にして主婦の代表なり労働者の代表を入れるのだ、こういうことじゃないんですか。
○斎藤国務大臣 学識経験者の中には、あるいはそういう方もおられるかもわかりません。しかしながら、それは、主婦の代表であるとか、労働者の代表であるとか、あるいは事業家の代表であるとかいう意味では選考はいたさないほうがいいのじゃないだろうか。国会において十分御審議をいただくと思いますから、要点は、学識経験者という観点からお願いをするのがいいのじゃないかと私は考えます。
○後藤委員 そうしますと、もう少し具体的にお尋ねいたしますと、財界の代表であるとか、あるいは学識経験者であるとか、労働界であるとか、主婦の何とかとかいうふうな区別ではなしに、学識経験者というものの中でそれらの人を含めて選考をしたい、そういうことでございますか。
○斎藤国務大臣 あの人は財界の代表みたいな人じゃないかといわれるような人が学識経験者の中にあるかもわかりません。あるいは主婦の代表といわれるような人が入ってくるかもしれませんけれども、しかしそういう趣旨でお願いをするわけではない。そのほうがいいんじゃないかと思っておりますので、結果論としてどう見られるかわかりませんけれども、そういうにおいのある人は、はねてしまうというつもりはございません。
○後藤委員 どうも大臣、わからぬのですけれども、いま言われたことが。そういうにおいのある人は選びませんけれども、労働者の代表やら主婦の代表を学識経験者の中に含めて選ぶのだというようなことで、どうも言われることがつかみにくいのですけれども。たとえば制度審議会は十八名の構成で行なう。その十八名の中には——大体もう委員長もきまっておるらしいのですが、そうなってまいりますと、日本国民の各階層の代表をその中に入れて、そこで真剣に長いこと論議になっておる児童手当の御審議をいただく、これが一番すなおな考え方ではないかと私考えておるわけです。そういう気持ちでお尋ねしておるわけなんです。別に私、とやかくいちゃもんをつける気持ちでお尋ねしておるわけではございませんので、そこをひとつ、歯に衣を着せずに率直にお答えをいただきたいと思うわけです。
○斎藤国務大臣 別に歯に衣を着せているわけではございませんが、各階層の中から、学識経験に富んだお方、児童手当を審議してもらうのに適当なお方を選びたい、かように思っております。ただ、そこで、いまおっしゃいました、主婦の代表としてどなたとか、あるいは働く人の代表としてどなたとかいう趣旨ではございませんが、しかし、主婦の方々の考え方もわかるお方、働く人の考え方もわかるお方、そういうお方もできたらお入りになられるようにお願いすることがいいのではないか、かように考えております。
○後藤委員 そうしますと、主婦の立場のわかる人、働く人の立場のわかる方、そういう点も十分考えて委員を選出する、こういうことでございますか。われわれのほうとしましては、これは昭和四十年でございますか、佐藤総理大臣が言明されて以来、なかなか実施に移されない児童手当制度でございますので、ぜひひとついま言った階層の代表らしい人も入れていただいて、真剣な、りっぱな案をつくっていただくようにお願いしたいと思います。 そこで、この前も私一ぺんお尋ねしたわけですけれども、もう一ぺんお尋ねしたいわけです。それはなぜかというと、先ほどの三百円の金額の母子福祉年金と児童扶養手当の関係のように、一たんきまってしまうと、これはなかなか動かすことができないだろうと思うのです。一たんきまってここで提案されてしまえば、これを修正したりすることはなかなか容易でない、そういうことを十分考えた前提に立ちましてお尋ねするわけでございますけれども、この児童手当と現在審議されておりますところの児童扶養手当との関係、これはこの前簡単に大臣等のお考えをお聞きしました。現在検討中である、こういうふうなこともお聞きしたわけでございますけれども、この児童扶養手当というのは、もう私が言うまでもなく、お子さんの扶養のその一部を社会が責任を持つ、あるいは労働人口を確保するための児童扶養手当制度をひとつつくりたい、根本はそういう考えだと思うわけです。現在審議されておりますところの児童扶養手当につきましては、これはおのずから条件がありまして、普通の正常なる生活をしておられる人とはおのずから違いがあると思うわけです。そういう点から考えてみますと、児童手当と児童扶養手当あるいは特別児童扶養手当、これらは当然併給すべきものであると私は考えているわけです。その方向で話を進められるならば、われわれとしては話がわかるわけでございますけれども、これはいま検討中だ、検討中だということで、来年の通常国会には変わった姿で出てまいりますと、これは全然手直しがきかぬし修正もきかぬ。一たん出たものは、過去の経験から、全然直すわけにまいらぬというようなこともございますから、念を押すような形で再度お尋ねするわけでございますが、この点大臣として、あるいは大蔵省、予算関係にも問題があろうと思いますけれども、これらの点、どういうふうな方向で児童手当制度を考えておられるか、お尋ねいたしたいと思います。
○斎藤国務大臣 先般もお答えをいたしましたように、児童手当制度の内容と関係をいたしますので、その内容もまだきまっていないわけでございますから、ここで申し上げかねるわけでございますが、児童の扶養手当あるいは母子福祉年金等は、それに必要なといいますか、ニードと申しますか、社会的必要性を認めて現在制度化をいたしているわけであります。児童手当制度ができました場合にその必要性がなくなるかなくならないか。私は、この社会福祉的な面の児童扶養手当の特別なニードというものは、児童手当制度の中には含まれないものというのが大体の原則的な考え方だと思います。しかし、児童手当制度という中にこういったものも含めてやるという考え方も、また立ち得るわけであります。しかしその場合には、それだけのニードをよけい認める、ニードのある人にはニードを認めるという形にならなければならないだろうと思います。そういうわけでございますので、原則的には、児童手当制度というものが一律にできた場合に、今日まで必要であると考えておった社会的ニードを必要がないというようには、これは考えられない、かように考えます。
○後藤委員 そうしますと、いま大臣がおっしゃいましたことは、児童扶養手当の問題なり特別児童扶養手当の問題につきましては、児童手当制度ができましても何らかの形で考えるべきである。いわば児童手当の中に含まれるかもわからぬ。それはそれなりに、現在ある扶養手当のこの問題を含めたところのものになるかもわからないし、あるいはまた、これをワク外に置いてそのまま併給というような形になるかもこれはわからぬけれども、いずれにしてもその内容がおのずから違いますから、当然これは何らかの形で置くべきである。そういう方向で児童手当制度については来年度の国会には提案してひとつ実行に移したい、こういうふうに私聞いたわけでございますけれども、そういう方向を確認さしていただいていいでしょうか。
○斎藤国務大臣 私の基本的な考え方はそのとおりでございます。まあ審議会等もございますから、どういう御意見が出るかわかりませんが、私は、基本的な考えとしてはそうすべきものだ、かように考えるわけであります。
○後藤委員 そこで、もう一歩進めて児童手当の問題をお尋ねしたいのですが、いま言われた方向で、大臣としては、とにかくひとつやるんだ、来年度からこの児童手当の問題につきましては実行に移す方向で今日準備を行なっておる、来年はひとつぜひ日の目を拝ましたい、こういうことでやっておるんだというふうに確認さしていただいてよいかお尋ねいたします。
○斎藤国務大臣 私といたしましては、その方向に最善の努力をいたしたいと思います。
○後藤委員 それから次には、特別児童扶養手当の年金との併給の関係です。現在どうなっておるか、御説明いただきたいと思います。
○渥美政府委員 特別児童扶養手当と公的年金との関係でございますが、御承知のとおり特別児童扶養手当は、重度の心身障害者あるいは肢体不自由の者たちに対する、特別介護を要する者に対する手当でございます。しかしながら、その性格におきましては所得保障的な点も十分あるわけでございます。したがいまして、たとえば老齢福祉年金等の併給の場合を除きましては、公的年金とは、現実の制度といたしましては、併給されておりません。しかしながら、また一方、この特別児童扶養手当につきましては、介護料的な面もないことはないわけでございます。したがいまして、公的年金との併給の問題等につきましても、今後の十分な研究課題である、かように考えております。 〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕
○後藤委員 そうしますと、いま公的年金では、拠出制の国民年金と厚生年金、これらは併給されておるわけですね。そうじゃないのですか。
○渥美政府委員 私の申し上げましたのは福祉年金のことでございます。
○後藤委員 いや、私がいま言いましたのは特別児童扶養手当の問題でございますが、この特別児童扶養手当の問題で、公的年金と併給するようにしなさいというようなこの前の国会の附帯決議がついておるわけなんです。これが今度の国会でどのように前進したかっこうで提案されたか、ここでお尋ねしておるわけです。
○渥美政府委員 特別児童扶養手当と他の福祉年金の併給の問題につきましては、老齢福祉年金を除きましては併給されておらないのでございます。ただ、児童扶養手当と特別児童扶養手当が、ある特殊の場合におきましては併給されるという場合もございます。先般の国会の附帯決議におきまして、併給すべきであるという御意見をいただいたわけでございますが、その点に関しましては、今回におきましては、十分検討をして努力をしたのでございますが、まだその実現を見ておらないのをたいへん残念に考えています。
○後藤委員 そうしますと、検討したけれどもまことに残念である。検討されまして実行に移せなかった原因を二、三点教えていただきたいと思います。
○渥美政府委員 先ほど申し上げましたように、特別児童扶養手当自体が所得制限の規定等もございまして、したがいまして、一種の所得保障の一環であるというふうな性格を持っているわけでございます。一方、介護料的な性格を持つわけでありますが、内容的には所得保障であるというふうな観点から、公的年金との併給が実現を見なかったわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、その介護料的な性格というものを十分に訴えて、その併給をいたすように努力したのでございますが、従来の制度の経緯もございまして、その点の予算化の実現を見なかった、こういうことでございます。
○後藤委員 そこで、この特別児童扶養手当の別表でございますが、別表の第九を読んでみますると、これはカッコの中だけ読みますが、「内科的疾患に基づく身体の障害を除く。」と、こういうことが書いてあるわけです。これと、この前の国会で問題になりました附帯決議の第四ですか、このことを意味しておるのではないかと私思うわけですが、一体なぜこれは「内科的疾患に基づく身体の障害を除く。」ということになっておるのか。こういう別表の中でこう書かれておる精神、これに対する説明と、もう一つは特別児童扶養手当のこの前の通常国会における附帯決議ですか、これはやはり相変わらず附帯決議に終わっておると思うのです。実行に移るようなかっこうの提案にはなっておらぬと思うのですけれども、その辺のいきさつ、関係をひとつ御説明いただきたいと思います。
○渥美政府委員 先般の第五十八回の附帯決議の第四項に「特別児童手当の支給事由となる障害の範囲を拡大すること。」このように附帯決議をいただいておるわけでございます。実はこの障害の範囲の拡大となるべき障害につきましては、御承知のように、結核の子供の問題があり、あるいは精神病のような問題があり、あるいはさらに内科的な心臓疾患、その他いろいろな疾患があると思うのでございます。このような点につきましても、附帯決議の趣旨に沿いましていろいろと検討をさせていただいたわけでございますが、実は、この結核あるいは精神病——自閉症みたいな子供であるとか、それから心疾患、こういうものにつきましては、児童福祉法の中におきまして、療育医療とか、あるいは育成医療という給付の対象にもなるわけでございます。したがいまして、当面そのような療育医療あるいは疾患の治療の給付、こういったものの範囲を、児童福祉法上の措置といたしましては、予算を増額し拡大をいたしまして、そのような面でこの手当てをした、かようになっておるわけでございます。もちろん、たとえば筋肉が非常に萎縮するという場合には、これは当然特別児童扶養手当の対象になるというような取り扱いにいたしておるわけでございますが、しかしながら、一応はそういうようなことで、他の障害につきましての予算の拡大等をはかったのでございますが、なおやはり問題といたしましては残っております。附帯決議にもございますので、これも今後の問題といたしまして十分努力をいたしたい、かように考えております。
○後藤委員 そうしますと、私、いまの説明で聞き漏らした点があるかもわかりませんけれども、この別表の九のカッコの中に書いてある該当者につきましても、この適用がされておる人も一部あるということですか。
○渥美政府委員 たとえば、筋肉が非常に衰退をして、それ自体におきまして外部的な機能が障害を有するというふうな方につきましては、特別児童扶養手当の対象となるということがあると思います。
○後藤委員 そうしますと、その内部疾患であるとか精神病というのは、どういうわけで適用されないのですか。何かいま説明を聞いておりますと、外部にあらわれておらぬことには特別児童扶養手当が支給されない。内部疾患であるとか、あるいは精神病等については、カッコで除外されてしまっておる。これは、いままで国会におきましても再三再四論議が行なわれまして、内部疾患なり、さらには精神病についても適用すべきである。だから、附帯決議の第四項として、これは一回だけではなしに、二回、三回と書かれておるのじゃないかと私は思うのです。ただ、附帯決議は読んでいただくだけで実行に移らなかったら、これは何の権威もない一つの作文に終わってしまうわけでございます。内部疾患であろうと、あるいは精神病であろうと、身体障害に私は変わりはないと思うのです。そのことが十分やられてこの附帯決議となってあらわれておるのです。当然これは実行に移した形の提案がされてあたりまえであるし、しかも、そういう提案をする義務があなた方のほうはあるのじゃないですか。いかがでしょうか。
○渥美政府委員 いま御指摘の、たとえば結核でございますとか、精神病あるいは心臓疾患の子供たちの問題でございます。内部障害の問題でございます。こういう方々はまだ子供の時期でもございますし、最近の医学的な面におきます発展ということもございまして、むしろ医療の面におきましての給付を拡大するという点に大きく寄与していると思います。したがいまして、心疾患の子供に対しましての医療の給付を拡大をするということも、その子供たちに対しましては非常に効果があるわけでございますし、あるいは結核につきましても、児童福祉法では療育の給付というものをやっております。そのように、他の治療的な方面におきましての対策というものを強化するということ。しかも対象が子供でございますから、そのようなことで、児童福祉法上の療育の給付とか、あるいは治療の給付とか、十分そういった制度を拡大していくということをまず当面考えたのでございます。そういうふうな意味で、医学的にもまだ発展の余地もあるわけでございますから、その点において強化をいたしまして、今回の予算の中には、今度の制度上の改革につきましては、内部障害を取り入れることはいたさなかったわけでございます。しかしながら、意識を持っておりますので、今後の問題としましては十分努力をしてまいりたい、こういうことでございます。
○後藤委員 いまの御説明ですけれども、一口に申しますと、いま申し上げました内部疾患なり精神病については適用されておらぬけれども、これは子供であるので、治療なり医療が非常に大切だ、医療の面で拡大し、あるいは強化する——すると言われたのだか、したと言われたのだか、これはわかりませんが、そういうことで今度の提案の中には附帯決議が生かされなかったというふうに私は聞くわけです。それなら一体、内部疾患と精神病については、医療の面でどのようにいままでより拡大されて強化されたのか、その点の御説明をいただきたいと思います。
○渥美政府委員 たとえば心疾患、先天性心臓の奇形に関する医療の給付等におきましては、単価を一件につきまして二十五万円のものを三十万円に拡大する、またその件数も倍以上に拡大する方法もとりました。また精神疾患の中では、自閉症の児童等に対しましての施設の整備をはかるとともに、その療育につきましては、児童福祉法上の給付といいますか、補助も本年度から開始することにいたしております。
○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われたように、確かにやられたと思います。そのことが、こういう子供をかかえておる家庭に対してどういう影響——いままでとは変わってきたのか。たとえて申しますと、この特別児童扶養手当を支給されるということになりますと、毎月二千何ぼですか、これが行なわれるわけです。少なくとも内部疾患なり精神病についてもその中に含めるべきである、こういうことで、二回、三回といままでの国会におきましても論議をされておると思うのです。ところが、いまの御説明でございますと、そういう内部疾患なり精神病については治療が非常に大事だ、まだ一人前でもないのだからその方面に力を一ぱい入れた、二十五万を三十万にした、件数も倍にした、こういうことで治療に専念することが説明されたわけでございますけれども、そういう病気の人はそういうことで治療されるかもわかりませんけれども、各家庭個人個人を考えてみるときには、内部疾患であろうと、あるいは精神病であろうと、あるいはそれ以外の身体障害であろうと、家庭の親が受けるところの被害、と言うとこれは変な表現でございますけれども、受ける負担というのは変わりがないような気がするのです。そうなりますと、当然これは特別児童扶養手当の支給内容にすべきであると私は思うわけなんです、各家庭単位の支給でございますから。政府のほうで、こういうふうに治療、ああいうふうに治療と、いろいろな医療機関を整備される、これはまことに私はけっこうなことだと思いますけれども、内部疾患なり精神病で家で親にかける負担というものは、ほかの身体障害でも変わりがないと思うのです。そういう点を考えるときには、家庭に対する特別児童扶養手当の支給の対象にして当然ではないか、そうすべきであるというふうに思うわけなんです。この点いかがでございましょうか。
○渥美政府委員 先ほどから申し上げましたように、そういった内部疾患に対しますところの医療の給付等の制度の拡大というものも、これは当然やらなくちゃいけないことでありますので、やっておるのであります。そうしてまた、附帯決議の趣旨もございますし、先生のお話もそのように私も考えておりますが、まだまだそこまで至らないで、こういった従来のような制度になってしまったというのが現状でございます。しかしながら、御説のような問題というのは十分私も意識しておりますし、したがいまして、今後さらにこういった内部障害の問題についての予算化に努力をいたしたい、かように考えております。
○竹内委員長代理 関連の申し出がありますので、これを許します。河野正君。
○河野委員 いま後藤委員から、いろいろ内部疾患あるいは精神障害者に対する適用問題についての議論があっておるわけですが、それに対する局長の答弁を伺っておりますと、確かに一部についてはお答えになったと思うのです。しかし私は、後藤委員のすべてについての回答だというふうに理解するわけにはいかぬと思うのです。 私どもも、内部疾患に対してどれどれに適用をはかっていくのかというようなことについては、非常に技術的にむずかしい面があることは承知いたしております。しかし、その中でも最も単純なのは精神障害者だと思うのです。しかも一方においては、重度精薄については適用が行なわれておるわけですね。主としてこれを中心として特別児童扶養手当というのが創設されておるわけです。なぜ精神障害者について適用をはずされるのか、この点についてはもう少し納得のいくような答弁をしてもらわぬと、私は引き下がれぬと思うのです。もう少し誠意のあるお答えを願いたいと思う。
○渥美政府委員 精神障害の児童に対しまして特に御指摘をいただいたわけでございます。まさに私もそのように考えておりますが、精神障害の中にも、他の内部障害と同じように、いろいろと技術的にあるいは医学的に判断いたしまして、どこまでをその対象にするかという問題もあると思います。特に精神障害につきましては、子供に対する治療効果ということも考えました場合には、やはり医療の面におきます内容を充実していくということも、一つの大きな方法であろうと思います。しかしながら、お話のように、精神薄弱あるいは精神障害というものは学問的にも非常に近接領域でございますので、今後の問題といたしまして、そういったものを一つの重点といたしまして検討させていただきたい、かように思います。
○河野委員 私は、重点として検討する段階というものは、もうすでに経過しておると思うのです。今日そういうことを言われることについては私ども了承しがたいのです。特にいま、精神障害者についてどの程度適用するのか、判断というのは非常にむずかしいとおっしゃっておるけれども、現実に精薄については適用されておるわけでしょう。しかも特別児童扶養手当というものは、創設当時ば重度精薄を基幹としてできておるわけですね。それにもかかわらず精神障害者については今日までこの適用から除外されておる。こういう点については、どうも精神障害者に対して厚生省がべつ視の観念があるのじゃないか、差別の観念があるのじゃないか、こういうことを私ども今日まで痛感をしてきておるわけです。特に、いままでいろいろな福祉対策というものが講ぜられてまいりましたけれども、その中で、ややもすると精神障害者については非常に偏見で取り扱われておる傾向というものが強いと思うのです。 先般、精神障害者の家族会の全国大会がございました。厚生大臣もおいでで御祝辞をいただいておるわけでございますが、これはもうしょっちゅう問題になりますのは、どうも精神障害者に対する福祉対策というものが非常に軽視されておる。一般のいろいろな障害者に対して比較する場合に、そういう傾向というものは非常に強いと思うのです。それはどういうことに基因しておるのかわかりませんけれども、私どもに言わせますならば、むしろ精神障害者に対するべつ視の観念からそういう方策というものが出ておるのではなかろうか、こういうことを痛感をするわけです。なるほど、局長のおっしゃったように、自閉症についてはそれはそれでけっこうです。しかし自閉症が即精神障害者ではないですね。ですから、なぜ精神障害者についての適用が除外されるのか、これは私どもはいままで長い間疑問を持ってきた。ところが今日、なおさらに検討いたしますというようなことでは、これは納得するわけにいかぬと思うのです。もう検討の段階というものは過ぎておると私は思うのですよ。ですからこの席上においては、ぜひ具体的に今後どうするんだというようなことを聞かぬ限り、この議事進行をはかってまいるわけにはまいりません。
○渥美政府委員 先ほどお答え申し上げました答弁の趣旨でございますが、自閉症につきましては、精神障害の、特に小児の領域におきましての一つの重要な事項であるということで、自閉症児のための特別あるいはその療養費の補助ということはいたしてあるわけであります。 精神障害自体につきまして、特に小児段階におきます障害につきましての限界といいますか、特別児童扶養手当を支給するための限界等につきましての技術的な問題はまだ残されておるというふうに感じまして、今回はそれを取り入れることを断念したわけでございますが、先生のお話もございますし、その点はさらにもう少し検討さしていただきましてがんばっていきたい、かように思います。
○河野委員 私は検討する段階は過ぎておると思うのです。これは、三十九年にこの特別児童扶養手当制度が創設されて、その当時から議論が沸騰したところですね。なるほど自閉症の問題、わかります。わかりますけれども、自閉症が即精神障害者ではないですね。しかも私は、現実には精薄よりもより精神障害者のほうが手が要ると思うのです。これは油断できませんから。そういう実態というものがあるにもかかわらず、なお技術的にむずかしいということになれば、これは何をか言わんやです。それをいまから検討するというようなことでは、これは児童扶養手当制度の審議を続行するわけにいかぬと思うのです。委員長はひとつ誠意ある回答が出てくるような処置をとってもらいたい。
○竹内委員長代理 答弁ございますか。
○斎藤国務大臣 ただいまの、精神障害者を児童特別手当の対象にするかどうかということにつきましては、局長からもお答えをいたしておりますが、私といたしましては、この点につきましては、いまおっしゃいます御意見の立場に立って、技術的にまた医学的に十分検討をいたしまして、そしていま御両所の御意見の立場に私は立って進めてまいりたい、かように思いますので、ひとつ御了承願いたいと思います。
○河野委員 検討という段階は、私はすでに経過しておると思うのですよ。そこで、ことしは残念ながらできなかったけれども来年は具体的にやるのです、こうおっしゃるならば話は別ですよ。それを、いまなお前向きで私どもの意見を踏まえて検討するというようなことでは、私は納得するわけにはいかぬ。これはぜひ理事会を開いて意見の調整をはかってもらいたいと思う。
○竹内委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後零時九分休憩 ————————————— 午後二時六分開議
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 先ほどの後藤委員の御意見で、精神的内部疾患を持つ児童を特別児童扶養手当の支給の対象にすべしという御意見につきましては、私のほうもごもっともに存じます。しかしながら、具体的に医学的な問題がございますので、これを具体化いたしますために、中央精神衛生審議会にはかりまして、そうして善処をしてまいりたい、かように思いますので、御了承いただきたいと存じます。
○森田委員長 質疑を続けます。後藤俊男君。
○後藤委員 じゃ、いま大臣が言われました方向で、ひとつぜひ来年は実施の方向で努力をしていただきたい。お願いします。善処ということはそういうことを意味しているのではないかと思います。 それから、これはひとつお尋ねするわけですが、私、中身についてはあまり詳しゅうないわけですが、午前中問題になりましたのは精神病の問題でございますけれども、重度の身体障害者、あるいは精薄、あるいは精神病、あるいは自閉症とか、これはいろいろあると思いますが、現在全国的に、家庭で治療しておられると申しましょうか、在宅しておられる人と、あるいは国立療養所へ入って治療に専念しておられる人と、これは一体どういうふうな数になっておるのでしょうか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○渥美政府委員 心身障害児の症状によりまして、重症心身障害児、あるいは精神薄弱児、肢体不自由児、いろいろと分けられるわけでございます。たとえば重症心身障害児につきましては、全国で約一万六千五百名の方が施設に収容する必要がある、かように推定されますが、現在までベッドは約四千四百ベッドくらいでございます。したがいまして、一万二千人以上の方がまだ在宅でいらっしゃる。精神薄弱児、肢体不自由児につきましても、まだ在宅の方は相当数にのぼっておる、かように考えられます。
○後藤委員 そこで、いま言われたベッドの数が四千四百である、だから残りの一万二千何ぼというのは在宅で治療しておられるということでございますけれども、それは一体どういうふうに——たとえばお医者さんに見ていただいて、おまえは入院すべきである、あるいは療養所に入るべきである、あるいは在宅で治療せよというふうな判定は、どこでどういうふうにして行なわれるのであるか、その点御説明いただきたいと思います。
○渥美政府委員 重症心身障害児につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ一万二千名の方が、施設に収容することが必要であるにかかわりませず在宅でいらっしゃるわけでございます。こういった在宅の方に対します御指導は、児童相談所あるいは福祉事務所等におきまして、児童福祉司あるいは保健婦等の訪問指導がまずあるわけでございます。それからまた、本日御審議いただいておりますような、特別児童扶養手当の支給ということもございます。それからなお、経済的に困難な方に対しましては、その介護を容易にするために、手で容易に調節できるようなベッドを貸与しております。あるいはまた、これは行政ベースではありませんけれども、親の会の方々が相互にいろいろと相談、指導をするという方法もとられておるわけでございます。そのような在宅者対策につきましては今後とも力を入れて、収容ができるまでいろいろの手を講じていきたい、かように考えております。
○後藤委員 そうしますと、大体全国に国立療養所が百近くあると思うのですけれども、この国立療養所に四千四百のベッドがあって、そこへ先ほどから話が出ております条件の人が入院をしておられる、こういうことでございますか。
○渥美政府委員 そのような施設は国立療養所及び民間の施設もございますが、そういった施設に入所をきめるのは、児童相談所長が父兄の御意見を聞きつつ、判別の機関がありますので、そういった方々と相談しながら児童相談所長がきめてまいる、こういうことでございます。
○後藤委員 そこで、国立療養所の看護婦さんの問題について、これもやはり児童福祉に大きい影響がありますので、お尋ねしたいと思うのです。 局長は参議院のほうらしいので、看護課長さんに来ていただいておりますが、これは厚生大臣も、この前の委員会でございますか、山本委員のほうからもかなり突っ込んだ話がございました。現在、去年の三月の新潟県立病院をトップに、かなり数多くの病院で、看護婦さんの数の問題、あるいは一カ月間における徹夜回数の問題、さらにもっと身近では慶応病院の闘争、これらがあったわけであります。この前の山本委員の質問に対する説明によりますと、国立病院関係として昭和四十四年度には二百六十一名の看護婦の増員を考えておる、こういうような説明があったように私記憶をいたしておるわけでありますけれども、現在看護婦の問題につきましては人事院の勧告等がございまして、徹夜回数の問題、あるいは勤務体制の問題、あるいは定員等の問題その他いろいろな問題が、今日、日赤なり国立病院なり、その他民間病院でも問題になっておると思うわけです。そういう点から考えてみまするときに、先ほどから申し上げておる非常にむずかしい患者をかかえる国立病院として、現在看護婦の数というのは一体どういう情勢になっておるのか、この点をまず第一番にお尋ねいたしたいと思います。
○北川説明員 ただいまお尋ねの国立病院並びに国立療養所関係の看護婦さんの数でございますが、これは医療職の日でございまして、これに相当する数は四十四年度で一万九千四百七十六名でございます。ただ実際上は、この医療職の日といたしまして定員がございますほかに、いわゆる看護婦でない看護助手の方々が相当多数おられますので、そういったことを合わせますると、実際の看護力はこれをはるかに上回っておる、このように考えます。
○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われた看護婦の数ですが、これだけが九十四の国立病院でございますか。
○北川説明員 いま申し上げましたのは、国立病院及び国立療養所を合わせました全部の施設でございます。
○後藤委員 そこで、現在問題になっておる徹夜回数の問題とか、あるいは定員の問題あるいは勤務体制の問題について、いま言われた国立病院なり療養所なり全部含めてこれだけの数がいらっしゃるわけでございますけれども、問題になるような体制ではないかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○北川説明員 ただいまお尋ねの、いわゆる夜勤の回数でございますとか、あるいは夜勤の複数制でございますけれども、この点は、仰せのとおり四十年の五月に人事院から判定が出まして、大体月の夜勤回数は八回を目標にして計画的に達成するように、また複数夜勤につきましては、全部の病棟について必ずしも複数夜勤ということは必要ないかもしれないけれども、できるだけ重点的な配置をして、必要に応じて二人夜勤の回数を行なう病棟というものをふやしていくというふうな趣旨の判定があったわけでございます。私どもといたしましては、ただいま仰せのとおり、この人員の問題以外にも、いわゆる夜勤の環境の整備というような問題も判定に出ておりまして、そういう関係もございましたので、四十一年度以降、そういった環境の整備とか、あるいは必要な施設の整備、そういう面に努力をいたしてまいりますとともに、また夜勤につきましても、既定の人員の範囲内でできるだけ傾斜の配置をいたしますとか、そういった病院、療養所の実情に応じた措置をとってまいったところでございます。しかしながら、ただいま御指摘のとおり、重症心身の問題あるいは進行性筋ジストロフィーの患者の問題というような、特殊な手のかかります患者、まれそれ以外の医療の進歩に対応いたしました看護の高度化というような問題もございますので、特に四十四年度におきましては、夜勤体制の改善ということで、ただいまお話の中にありましたが、二百六十一名の定員上の増員措置を講じたような次第でございます。
○後藤委員 そうしますと、昭和四十四年度に看護婦さんを国立関係として二百六十一名の定員増を行なう、それによって、現在一般的に問題になっておるような労働条件は、全部文句のないようなかっこうで運営ができるのだ、人事院勧告に沿う方向でやっていけるのだ、こういうことですか。その点お尋ねします。
○北川説明員 ただいま申し上げましたように、定員措置につきましては今年度は初めてでございまして、何ぶんにも、二人夜勤あるいは月の平均の夜勤回数八回という問題は、なかなか単年度で達成できる問題でもございません。特に定員につきましては、国家公務員の場合には三カ年で五%削減というふうなきわめてシビアーな環境にありますために、そういった中で、なおかっこの問題につきましては特に重点的な配慮をして二百六十一名の増員をしたわけでございまして、私どもは、今年度だけでこの計画が人事院判定の趣旨に沿った線ででき上がると思っておりませんけれども、なお今後もこういった趣旨の増員につとめまして、できるだけ早い機会にこの計画が達成をできるように努力をしてまいりたいと思っております。
○後藤委員 そうしますと、いまの問題の中身はわかるわけですが、四十四年度だけではできないので、これから先ひとつ人事院勧告に沿う方向で看護婦問題の解決をしていきたい、こういう説明だと思います。そうなりますと、四十四年度に二百六十一名増員したというのは、いまあなたが説明された計画の一部だと思うわけなんです。現在あなたのほうで計画されておる看護婦の充足の問題については、何年かかってどういうような計画のもとにやろうとしておられるのか、その点の御説明をいただきたいと思います。
○北川説明員 ただいまの年次計画と申しますか、何年間を要して人事院判定の趣旨を達成するかという問題でございますけれども、これは先生が最初に御指摘になりましたように、現在すでにこの判定を受けました国立の病院、療養所以外のいわゆる地方公共団体等の病院におきまして、この問題が、あるいは争議のかっこうをとり、あるいはまた話し合いのかっこうでいろいろ計画が策定されつつある段階でございます。そういう状況でございますので、単に国立病院、療養所の場合の人事院判定の趣旨の達成ということ以外に、いわば国全体といたしまして、できるだけそういう趣旨に沿って夜勤の体制を整備をする、あるいはまた月の夜勤回数というものをあまり多くしない、それによって看護婦さんの勤務環境というものをできるだけ改善をいたしまして、そうしてかたがた充足をはかっていく、こういうことでございますので、なかなか長期の計画につきましては慎重に検討を要するところでございます。したがいまして、現在私どもは、長期的にそういった問題を大体何年ぐらいかけてどのような手順で計画を遂行していくかということにつきまして、いろいろの面から十分慎重な検討を加えておる段階でございます。
○後藤委員 これはいま説明されたとおりですね。全国的に民間の病院からそういう医療関係の病院全部に対して、人事院勧告というのは当然適用というとおかしいのですが、やられるわけでございますけれども、一番関係の深い、しかも、あなたのほうでやっておられる国立の関係についてはあなたのほうで計画をして、今日の看護婦問題をこういうふうにして解決すべきである、こういう計画をあなたのほうでなされるのではないかと思って私は質問をしたわけでございますが、一般の問題についてはあとから厚生大臣にお尋ねしよう、こう考えておるわけです。 そこで、四十四年度は国立関係として二百六十一名の看護婦を増員する。昭和四十年には人事院の勧告が出ておる。徹夜の回数からいろいろな問題がある。現在五十五万から看護婦志願者がおりましても、労働条件が悪いとかいろいろな関係で二十五万ぐらいしか就職しておらぬ、養成機関が非常に不足しておるというような多くの問題をかかえておるわけなんです。とりわけその中で、国立関係が一番政府として責任を持つというとおかしいのですけれども、責任を持った立場でやっていかなければいけない。国立関係の療養所なりあるいは病院関係が、この人事院勧告に沿う方向で早急に看護婦問題を解決するためには、あなたが先ほど言われたように、四十四年一年間だけでは解決できぬ、とりあえず二百六十一名ふやします、そういうことなら、これから三カ年間かかってこういう計画で看護婦問題についてはこういうふうにやります、とりあえず第一年度は二百六十一名ふやしましたということなら話の筋はわかるわけです。何かわからぬけれども二百六十一名ふやしました、あとの対策は、大きい問題でございますのでいま検討中でございますというようなことでは、ただ国会の答弁に終わってしまうのではないかと私は思うわけです。いかがですか、この点。
○北川説明員 私がお答えを申し上げましたのは、そういうようなふわっとしたお答えをしたつもりではございません。むしろ私のほうは医務局当局でございますので、国立病院も両方も含めたことを申し上げたわけでございますけれども、病院、療養所について申し上げますと、これは先生御指摘のような問題がありますけれども、現在整備をやらなければならない療養所もたくさんあるわけでございます。またさらに整備を進めなければならない病院も数多くあるわけであります。したがいまして、単に現在の状態で何名要るかということ以外に、そういった整備の状況とか、あるいはまたベッドの中身のいろいろな今後の見込みとか、そういうものをいろいろ勘案いたしました上で今後の計画を立てる、こういうことになりますので、現在四十五年度予算の編成の時期にもあたってまいっておりますので、その過程で今後の計画を十分に煮詰めたい、こういう趣旨のことを申し上、げたわけでございます。
○後藤委員 じゃ厚生大臣にお尋ねいたします。 いまの看護婦関係の問題について、先ほどから申し上げましたように、大体昭和四十年度からでございますか、かなり全国的に問題が起きております。日赤を問わず、あるいは国立病院を問わず、民間病院を問わず、この間うちは慶応病院で問題が起きておりました。その問題の中身はやはり労働条件の問題だと思います。現在患者四名に一人でございますが、これは聞くところによると、戦争の終わった当時の定員だそうでございます。この定員も何ら根拠がなくして、戦争の終わった当時に、患者の数を看護婦の数で割ってみたら四名に一人になったから、四名に一人という定員が二十年たった今日もそのまま行なわれておる。あるいは徹夜の問題にいたしましても、労働基準法その他の関係なり人事院勧告等の関係からいくと、もうこの辺で根本的に看護婦問題につきましては、社会保障の中の一つの重大なる問題としてこういうふうに具体的に計画的に解決するのだ、これがあってしかるべきではないかと思うわけです。国会でもこの間も問題になり、あるいは前の通常国会と、国会を通ずるごとに看護婦の問題は論議をされておるわけなんです。それをあなた方も努力されておるとは私思っておりますけれども、もう少し熱意を持って現在の情勢を把握していただいて、これを一体どう計画的に進めるべきであるか。もちろん予算の裏づけも必要だと思いますけれども、こういうような点について、厚生大臣として来年度の予算編成等に向かってどういう考え方で進めようとしておられるのか。もちろん養成機関の問題からいろいろあろうと思いますけれども、現在大臣として考えておられる具体的方針があらば、ひとつここでできるだけ詳細にお聞かせいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 看護婦問題は、今日の医療問題の中で最も大事な問題の一つだと考えております。いままでも厚生省は看護婦問題と取り組んでおりましたけれども、いろいろ検討をしてみますと、検討の足らない部分あるいは不用意であったような部分もなきにしもあらずという点を考えまして、ここ数カ月前から、看護婦問題については抜本的に洗い直しをやって、そうして対策を立てていくようにということで、いま事務当局は専心それにかかっているわけでございます。私は、看護婦問題は、次の国会までにどうしても厚生省としてやり遂げなければならぬ問題——児童手当の問題とか、医療制度の抜本対策の問題、看護婦問題、これは最重要な問題の一つだ、かように考えて、いまいろいろと調査といいますか、研究をいたしておるわけであります、 考え方は、看護婦問題が十分解決ができて、そして病院においても、また他のいろいろな施設におきましてもこと欠かないように、まずどれだけ将来要るものか、また養成をするのにどうしていったらいいか、今日の約二十五万といういわゆる潜在看護婦の方々にさらに顕在的に出てきていただく方策はどうかというような事柄等につきましても、いろいろ事こまかに研究、検討をいたしておるわけでございます。 いま各地方において争議の形態をもってあらわれておりますのも、大体三年以内に充足をしましょうというようなことで妥結をしているのが多いようでございます。これは、看護婦問題の実情を知っておられる看護婦側も、当局の方々も、そうであろうということで妥結をしていっているんではなかろうか、かように考えます。私どもも、できるならば三年以内にはそういうような事柄の充足もできるようにいたしたいと考えておりますが、養成には若干の時日を要します。また、看護婦の質を低下しないで准看護婦から正規の看護婦に上げる道はあるかないかというような点も考えているのでありますが、方策は非常に多岐にわたっていま検討さしておりますので、これはほんとうに真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけであります。
○後藤委員 斎藤厚生大臣が、昭和四十四年度の予算では看護婦を確保するため予算を大幅にひとつ計上したい、飛躍的な改善をはかる、こういうような言明もやっておられるわけです。それからさらに厚生省の医務局長あたりは、養成所の整備補助金を四十三年度の一億三千万円を四十四年度は五億一千万円を要求しておる、そうして増設をはかりたい、こういうふうなことで今日まで努力しておられることは、私わからぬわけではないわけです。 〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕 しかしながら、いまも大臣が言われたのと同じように、これは焦眉の急を告げる非常に大切な問題であろうと思うわけです。そうなってまいりますと、ここでただ大臣の一片の、失礼な言い方ですけれども、抽象的なものの言い方を、御返答を聞きまして、よくわかりましたというわけにはまいらぬと思います。四十年度から四十四年度でございますので、この看護婦を養成するたとえば学校の問題にいたしましても、今日、料理学校なりあるいは普通の洋裁学校ですか、こういうふうな形態で、しかも病院の付属というような形で養成しておられると思うわけなんです。これらの看護婦の養成機関について一体どうお考えになっておりますか。具体的問題をこれから二、三点お尋ねいたしたいと思うわけです。養成についてどうお考えになっておるか、お尋ねいたします。
○斎藤国務大臣 御承知のように、ただいままでの養成は、主として病院当局が養成をするとかいうような点が多かったわけでございます。こういう養成は結局医療費の問題にはね返ってくるわけです。そこで今後はさらに、そういった病院でなくて、国立あるいは公立の養成所、あるいは民間の養成所も立ち行くようなことを考えてまいらなければならぬと思っております。先般、政令を改正いたしまして、医療金融公庫の貸し付け資金の対象になりますものを、この看護婦の養成施設も対象になるというように、数日前に改正をいたしたのもその一端でございますが、そういう方向で進めていくべきだと検討をいたしておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、いま融資の問題その他も改正になったとおっしゃいましたが、学校教育法に基づく看護婦養成の学校をおつくりになる考え方はあるかどうか、この点をお尋ねいたします。
○北川説明員 お尋ねの文部省所管の学校につきましては、いわゆる衛生看護学校あるいは高等学校の衛生看護学科の問題であろうと思いますけれども、これは三年くらい前にこういう制度ができまして、現在八十八校か九校あるわけでございます。 〔澁谷委員長代理退席、竹内委員長代理着席〕 高等学校教育ということが非常に重大な段階でもございますし、今後ますます中卒者の高校進学率が高まってまいると思いますので、今後私どもも、こういう養成計画を立てます場合には、文部省ともよく連絡いたしまして、高等学校の衛生看護学科の増設ということにつきまして一段の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○後藤委員 それから、問題になっております看護婦さんの労働条件の問題です。これは、せっかく看護婦の資格をとりながら、徹夜が多い、あるいは賃金が安い、あるいはいろいろな労働条件が悪いというようなことも、今日起こっておる争議の中の一つの問題であろうと思うわけですが、これらの労働条件関係についてはどういうふうにお考えになっておるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○北川説明員 労働条件の中でまず基本になりますものは給与だろうと思います。給与につきましては、従来から、三十五年以来、非常な努力をしてまいりまして、国家公務員としての看護婦さんにつきましても、例年非常な改善を見ているわけでございます。実情から申しますと、むしろ国家公務員のほうが民間の看護婦さんの給与を上回っている、このような実情でございます。しかしながら、ただいま御指摘のとおり、非常に勤務条件の改善というふうな要請は強うございます。そういった意味から申しましても、なおこの看護婦さんの給与改善は、十分に今後いろいろな面から検討をして関係当局にも要請をしたい。ちょうど人事院勧告の時期も近まってまいっておりますので、そういった点につきましても十分な要請をしてまいりたいと思っております。なお、本俸ではございませんが、夜間看護手当というものがございまして、これも、従来からたびたび御指摘をいただいておりますように、百円というふうな額で、不十分な額であるということでございます。こういう問題もあわせて十分な改善をしていきたいというふうな所存でございます。 なお、給与の処遇以外の問題でございますと、やはり夜勤回数の問題を改善をする、また複数夜勤というふうな部門を漸次ふやして人事院判定の趣旨に沿っていく、こういうことが当面の問題でございまするし、なお、それ以外にも勤務環境というものにつきましてできるだけの改善をして、病院という特殊な職場、しかも夜勤というふうなことを伴う職場、こういうものが他の女子職員が勤務いたします職場に比較いたしましても劣らないように、進んで看護婦さんが病院に勤務していただけるように、また既婚者の看護婦さんがだいぶふえておりますが、そういった方々も安んじて勤務ができるように、いろいろな面から、おっしゃいましたような労働条件、勤務条件の改善をはかってまいりたい、このように考えております。
○後藤委員 労働基準法の第六十二条によりますと、女子の深夜作業というのは禁止されております。ただし業務の特殊性によりまして禁止から除外されておる。とはいうものの、女子の深夜作業というのは禁止というのが、基準法でいう精神であり原則であると私は思っております。ところが、全国的に見ますると、多いところは月のうちに二十回も徹夜をやっておるところがある。大体平均して月のうち十二、三回、これが今日実績の中から統計として出てきておると思います。人事院勧告によると大体月八回、こういうふうなことになるわけでございます。 そこで私、厚生大臣にお尋ねいたしたいのは、現在全国で看護婦さんが二十五万三千くらいでございますか、違っておりましたらあとから御訂正いただきたいわけですけれども、人事院勧告の線に沿って業務形態なり労働条件なり定員、定数なりを改正したとすると、一体どれだけの看護婦の増員が必要であるか、どれだけの看護婦がおらなければやることができないのだ、これは厚生省は鋭意検討中でございますから、計算されておると思うわけでございますが、この点の御説明をいただきたいと思います。
○北川説明員 ただいまお尋ねの点は非常にむずかしい問題でございます。ただ、先ほど申し上げたとおり、たとえば国立の施設の場合の改善のためにどういう程度の人数が必要かということを検討いたします場合には、単に定員の問題だけではなくて、物的な整備、病棟集約等いろいろなことを考えなければならぬ。そういう事情はほかの病院でもあろうかと思うのであります。したがって、私はこの段階で、先ほど大臣から申し上げましたように、非常に大事な問題であり、また非常にあらゆる角度から検討を要する問題でもございますので、まだ結論を得ていないということを申し上げておきます。ただ、たとえばある県で、最近、労働争議の妥結というかっこうでこの問題が決着がついたという場合の例の中に、現状に比べて三割以上の増員を必要とするというような計算が出ている県もございます。したがいまして、全国でどれくらいになるかということは、いまの段階ではまだ十分煮詰まった数字が出ておりません。
○後藤委員 そうしますと、全然見当がつかないということですね。現在二十五万三千名というのは間違いないわけですか。
○北川説明員 二十五万三千名でございます。 それから見当がつかないという点でございますけれども、いまお断わりを申し上げましたように、非常にむずかしい問題でございますので、いまの段階で、大ざっぱにこれくらいだというふうなことを申し上げるべき性質の問題でもございませんし、そういう意味で私が申し上げましたのは、最近の妥結をした県の例でいきますと、現状に比べて三割を上回るような数が要る、こういう例があるということを申し上げましてお答えにかえた次第でございます。
○後藤委員 そうしますと、全国的に全部の問題は次の問題としまして、国立関係ではどういうことでございましょうか。
○北川説明員 国立関係につきましても、ただいま申し上げたとおり、また先生御指摘のとおり、二百六十一名でいいはずはないわけであります。ただ、来年度の整備計画、また来年度以降の整備計画等との関連で、全体の数をいま計算をしておるところでございまして、的確にいま何千名ということは、まだ計算が出てない段階でございます。
○後藤委員 そうしますと、人事院の勧告が出て、できればその方向へ進めたい。ところが、現在のところではどれだけ看護婦をふやしていいやらわからぬけれども、大体四十四年度には二百六十一名だけふやしておこうかと、こういうことですか。
○北川説明員 年次計画で何カ年間でこの看護婦を充足をして、その初年度分として二百六十一名というようなことではございません。と申しますのは、根っこの年次計画何年間ということがまだはっきりいたしておりませんので、とにかく四十四年度にはこういう数でもってできる限りの改善をいたしまして、その後、ただいま申し上げましたようないろいろな条件を考えた上で計画的な改善をはかっていく、こういう考えでございます。
○後藤委員 どうも、あなたの説明でわかりましたと私は言いたいのですが、これは言いようがないほどわからぬ説明でございます。失礼な言い方でございますが。ただ私は、今日看護婦の問題がこれだけ大きな問題になっておりますのに……。
○竹内委員長代理 質問を聞いてください。
○後藤委員 耳をこっちへかしてもらえますか。 いまこれくらい看護婦の問題が大きな問題になっておるときに、あなたの説明のように、現在全国に二十五万三千名の看護婦さんがおいでになる。あちらこちらで争議が始まっておる、その争議の中身というのはもう十分御承知なんです。これは厚生大臣みずからが、もう焦眉の急を告げる解決をしなければならない重大な問題だ、そこまで責任ある厚生大臣がはっきり言明しておられるのに、具体的問題を研究し、計画を立て、さらに立案をされ、やっておられるあなたの説明としましては、全国的に人事院勧告に沿おうと思うとこれくらいの看護婦の増員が要るんだ、国立関係はこういうふうになるんだ。これは来年一年では無理だから、それなら向こう三年間、四十四年、四十五年、四十六年で責任もって解決します、これくらいな準備があってしかるべきだと私は思うわけなんです。大臣、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 その数字を出すことが大事なものですから、そこでいろいろと洗い直しをやらしているわけなんです。その数字がはっきり出たときには対策が立ったときだ、かようなわけでございます。いままでの一応の看護婦の増員計画というものも持っておりましたけれども、しかし、これらの計画はどうも事実に合わない点が多々あるというので、根本的にやり直せということでいまやり直しておるわけでございます。 そこで、国立病院につきましても、たとえばかりに現状のままで二八制度をあれするのにはどうしたらいいか、一応の数字が出てまいります。一応の数字が出てまいりますけれども、それは現状のままでというわけにいかないことはもう目に見えているわけでございますから、そういう数字をたよりにして、こういうことでありますというわけにはまいりません。したがって、今後国立病院のあり方をどうする、それについてはどれだけの看護婦が要るか、それを二八を満足するのにはどうしたらいいかという点までいきますのには、まだ若干の日がかかると思っておるわけでございますので、その点を御了承いただきたいと思います。
○竹内委員長代理 関連の申し出があるので、これを許します。山本政弘君。
○山本(政)委員 大臣の答弁があったからお伺いしますけれども、前の社会労働委員会で私が御質問申し上げたときに、大臣ははっきりと、党の三役にかけ、そして閣議にもかけますという御答弁がありました。できるだけすみやかにという御答弁もあったはずであります。私のほうでは、予算の編成期もそう遠くないことだから、具体的な法案を至急に出してほしいという御質問を申し上げたはずであります。すでにもう予算の編成に手がかかる時期だ、こう私は思うのですけれども、まだ具体的な計画というものを私はお示しをいただいておりません。一体いつになったらいただけるのか。
○斎藤国務大臣 党のほうでも、これはこんなことを申し上げるのはあれでございますけれども、特別の委員会をつくって看護婦問題を検討していただくことに相なりました。いま一生懸命検討してもらっております。 そこで私は、当初の考えでは、この国会は五月二十五日に終わる、そうすれば党も、また私のほうも、こういうものと専心的に取り組めると思っておったのでありますが、国会が延びまして、そのために夜をいとうわけではございませんが、いろいろとおくれてまいってきておるわけでございます。しかしながら、一方、国会と同時に並行的にいま一生懸命やっておるわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
○山本(政)委員 仄聞するところによれば、看護婦さんの卒業を繰り上げるというような話も、これは事実かどうかわかりませんが、そういう計画も私は仄聞しております。しかし、いずれにしても五カ年計画という計画があるはずですから、いつごろまでに出せるかということは見当はつけられるはずですよ。そうでしょう。予算の編成期は——おそらくもう手をつけていると私は思うのです。しかし、検討中でございます、検討中でございますということで、のんべんだらりとやられたのでは困るので、一体いつ具体的な計画をお示しを願えるのか。きょうはひとつぜひそれをお聞かせ願いたいと私は思います。それでなければ、あれからもう数カ月たっているはずなんですから、具体的な計画をいま洗い直しているという段階ではないはずなんですよ。ちゃんとそれは答弁してください。
○斎藤国務大臣 予算の要求は八月末までだったと——一応例年どおりであれはそういうことになるわけでございます。それまでには要求のできるようにいたしたいと考えておりますが、しかし、この問題は非常に大事な大きな問題でございますから、場合によればある留保をして、そして予算の提出といいますか、大蔵省に要求するのは若干おくれるが、このくらいは見ておいてくれということで出さなければならないことになりはしないかとおそれているわけでございますが、しかし精力的に進めてまいりたいと思います。
○山本(政)委員 八月三十一日までに予算を出さなければならぬということであるならば、おそらく大ワクはきまるわけでしょう。大ワクはきまるわけですね。そしたら、それから先に一応どのくらいかかれば具体的な計画ができるのかどうか。私はそれをお伺いしないと——これは大臣からお答えになれないと思うのですよ。時期はなるほど明言をされなかった。しかし、できるだけ急いでということであった。しかも私が申し上げたことは、予算編成期ということをちゃんと申し上げたはずであります。だから、それは八月三十一日に予算というものの大綱ができ上がる、こうおっしゃるのだけれども、しかしそれならば、大綱ができ上がったあとに、五カ年計画による初年度の計画というものを突っ込めますか。だからその点を、九月なら九月、八月末なら八月末、九月末なら九月末ということをきちんとやっておいてもらわなければ、それは困りますよ。トラブルはあちらこちらに起こっているのですから、国立病院だって起こりかねませんよ。率直に申し上げますけれども。検討中、検討中じゃ困るのですよ。それは、厚生大臣はたいへん慎重なお方ですけれども、ここまできたら、それは重大な問題であるかもわかりません。しかし同時に焦眉の急じゃありませんか。きちんとめどを出してください。あなたのほうで確約されているのですから。
○斎藤国務大臣 予算に間に合うようにと私は答弁をいたしておるわけであります。ことにこういう重要な問題になりますと、あるいは例外としてこれはおくれるけれども、しかし、政府が予算を決定する十二月幾日ごろ、それまでには決定のできるように——これはしかし最大限度おくれた場合のことでありますが、そういうことのないようにいたしてまいりたい。また党のほうでも検討してもらっておるわけでございますので、ただいまから申し上げますれば、八月一ぱいまでにはひとつやりたい。私は事務当局にも絶えずときどき中間報告を聞いて、どこまで進んでいるかということを検討しておる次第であります。
○山本(政)委員 一応八月一ぱいまでには努力するということを確認してようございますか。
○斎藤国務大臣 一応さように申し上げておきます。
○山本(政)委員 そうすると、ぎりぎりのときには十二月ということになりますか。
○斎藤国務大臣 さようでございます。
○山本(政)委員 終わります。
○後藤委員 いま一応、ぎりぎりという話がございましたが、いまの質問は、全国的に起きている看護婦問題をこういう計画で解決するという具体案をおそくとも八月一ぱいまでに示したい、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○斎藤国務大臣 さようでございます。
○後藤委員 それじゃ、この看護婦の問題につきましては、これは貴重な委員会の皆さんに御迷惑をかけて、何回も何回も討論させていただいておるわけでございますから、今度こそはぜひひとつ、具体的計画のもとにすきっとしたりっぱな計画案をつくっていただいて、できるだけ早く問題を解決する方向へ、大臣、ひとつ先頭に立って御尽力をいただきたいと思います。 特に、いまの看護婦問題でもう少し具体的にお願いしたいのは、先ほどから再三再四言っておりますような人事院の勧告関係もございますし、看護婦さんの徹夜の関係その他いろいろな問題がございます。これらの問題につきましても、よくわかるような計画方針をひとつつくっていただく、これだけはぜひお願いをいたしたいと思います。 それから、次は児童扶養手当問題でございます。これの一番中心というのが二百円の増額でございますが、さらには収入制限の緩和の問題でございますが、この問題の審議に入りました一番最初に、西風委員のほうから、二百円とは一体何事だ、きょうび子供に二百円やっても喜ばないではないかというような質疑が行なわれておったのでございますが、なぜ一体増額できなかったのだろうか、この点でございます。 さらには、この制限の緩和の問題については、一万円か、二万円でございますか、この表にあるように、これは改善されておるわけでございますが、これは何に基づいてこういうふうな金額の緩和の引き上げを行なったのか、この点の御説明もあわせていただきたいと思います。
○渥美政府委員 特別児童扶養手当あるいは児童扶養手当の引き上げ額の問題でございますが、これは制度的には、従来から母子福祉年金の引き上げ額にそろえて行なわれるわけでございますので、その額にそろえて引き上げをしたということに相なるわけでございます。内容的に申し上げますると、いろいろな観点があると思いますが、たとえば昭和四十二年から四十三年にかけての消費者物価指数の伸びその他の指数等を勘案いたしまして、今回は、児童扶養手当につきましては一一%の引き上げ額に相なるということでございます。 それから、第二点の児童扶養手当あるいは特別児童扶養手当の支給制限の緩和でございますが、たとえば本人の支給制限につきましては、この本人の所得を、従来までは二十八万円に扶養する児童一人につきまして七万円加算ということでございましたが、これを今回は三十万円にいたしますとともに、扶養する児童一人につきまして八万円の加算という額に緩和をしたのでございまして、これらにつきましては、地方税法等の額に見合いましてその緩和をはかった、こういうようなことに相なっているわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、この児童扶養手当並びに特別児童扶養手当でございますが、これは毎年毎年減少する方向が望ましいと私は考えるわけでございますけれども、昭和四十年以降今日にわたって支給されておる該当者の数というのは増加の傾向をたどっておるのか、減少の傾向をたどっておるのか、さらにこれからの問題として、上り勾配にあるのか、下り勾配にあるのかというような見通し等につきましても、ぜひひとつ御説明をいただきたいと思いますし、さらにこれらが増加の方向に向かうということになりますならば、ただ手当のみのことを考えておるということでは十分ではないと思います。増加の傾向をたどるとした場合に、手当の問題ももちろん考えなければいけないけれども、それ以外に、政府としてはこういう面、こういう面についても、十分考えていくべきである、これはもう上ろうと下ろうと、両方言えると思うわけでありますけれども、その点について考え方をひとつ教えていただきたいと思います。
○渥美政府委員 児童扶養手当の受給者の数について、昭和三十八年以来昭和四十年までは多少ふえてまいりました。具体的に申し上げますと、昭和三十八年におきましての受給者の数は約十五万五千人でございます。昭和四十年に相なりますと十六万六千六百名というふうになりましたが、最近に至りましてこの数は若干減少のきざしを見せておるようでございます。たとえば昭和四十二年におきましては十六万三千四百名という数字でございます。 特別児童扶養手当につきましては、これは発足以来改正がございまして、重度の身体障害児がこれにつけ加わったこともございまして、その傾向をここでにわかに判断するわけにいきませんが、現在、昭和四十二年度末におきましては、一万六千百六十二名という数字で、予算積算の基礎といたしておるわけでございます。 〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 いずれにいたしましても、附帯決議その他もございますが、この手当額の引き上げ、あるいは支給制限の緩和等をさらにはかってまいりたい、かように考えておるところでございます。 なお、附帯決議等の内容につきましては、先ほど来御審議いただきましたように、その改善について努力をしていかなければならないと思いますし、その点につきましての予算額の増高ということも、当然検討しなければいけない、かように考えております。
○後藤委員 そうしますと、いまお尋ねしました、昭和四十年度から減りつつある——わずかですけれども児童扶養手当のほうについては減っていく、こういう御説明だったと思うのです。さらに特別児童扶養手当の問題もあるわけでございますけれども、これはそういうことに該当する児童と申しますか、家族と申しますか、そういうのはどんどん減少していくことが国としては非常に望ましい姿ではないかというふうに私は考えるわけでございます。 ところが、十六万六千から十六万三千、大台は変わらずに、わずかに三千ぐらい減少の方向に向かっておるわけでございますが、こういう減少を厚生省として、さらに厚生大臣としてごらんになりまして、ただ、扶養手当であるとか、特別扶養手当のみのことを考えるだけでなくして、もっとそれ以外に考えることがないのか、あるいは精薄児の問題、あるいは重度身体障害者の問題とか、これはいろいろあろうと思うわけでございますけれども、それらの起こる原因というか、生ずる原因というのは、一体どこにあるのだろうか。これはもちろん政府としても今日研究しておられると思います。ところが、研究してもまだまだわからないという点もあるやに私も聞いておるわけでございます。そういう点については、私に言わすならば、手当以上に大事な問題ではないかと私は思うわけです。これらの点に対して、厚生省として現在どういうふうな研究をされ、しかもどういうふうなお考えでおられるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○渥美政府委員 まず児童扶養手当の支給対象でありますところの、いわゆる生別母子世帯に対する対策について申し上げたいと思いますが、従来からその母子が生活するための母子寮、こういった施設の拡充、あるいは老朽施設の復旧、こういうこともやっております。 さらに、母子福祉資金の貸し付け制度がございます。これらにつきましてもその内容の改善をはかってまいりましたが、昭和四十四年度におきましても、たとえば療養資金というようなものの新設もいたしたのであります。 そのほか母子相談員の活動をさらに拡充するというようなことで、母子世帯自体が社会的に経済的に自立するという方向の施策をさらに進めていかなければならない、かように思います。 次に、特別児童扶養手当の支給対象でございますところの、そういった心身障害児を持った家庭及び心身障害児自体の発生の予防ということについて申し上げますと、まず第一に、やはりこういった心身障害児を産まないようにするために、妊娠中、あるいは分べんの時期、あるいは新生児の時期、こういった時期を通じまして、母子保健対策というものをもっと拡充しなければならないということで、本年度におきましても妊産婦、あるいは新生児、あるいは三歳児等におきましての精密な健康審査、こういったものも公費の負担によりまして行なうような予算を計上いたしておるところでございます。 なお、市町村には母子保健推進員というものを昨年度から設置して、そこらの民間の活動をしていただくようにしております。 かつ、さらにもっと基本的に申しますると、このような心身障害児の成因なり、あるいは治療に関する医学的研究を推進するという必要がございます。この点につきましては、昨年度からやや大型の研究費の予算を計上いたしまして脳性麻痺でありますとか、自閉症でありますとか、蒙古症でありますとか、進行性筋ジストロフィー症でありますとか、こういった心身障害児の原因になる研究につきましても、学者に研究を委託して、さらに研究を継続しておるというのが実情でございますし、さらにこれは拡大をする必要がある、かように考えております。
○後藤委員 いま御説明いただいたことも非常に大事なことであろうと思いますけれども、ぜひひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思いますし、私の質問もこれで一応終わりたいと思います。 厚生大臣にもいろいろとお約束いただいたわけですが、母子福祉年金と児童扶養手当との三百円の差の解消の問題、さらには精神病にも適用をさせるという問題、それから看護婦問題を根本的に解決する具体的方針を出していただいて、できれば八月一ぱいにひとつお示しをいただく。その他いろいろ質問をいたしましたが、おも立った三つの問題は附帯事項の中にもございますので、ぜひひとつ解決の方向へ御尽力をいただきたいと思います。 以上、私の質問を終わります。
○森田委員長 山本政弘君。
○山本(政)委員 たしか五月四日だったと思いますけれども、児童手当について厚生大臣は四十五年度に必ず実施をしたいという御意見を新聞紙上に発表をされました。その点について大臣のお考えがいまもってお変わりになっておらないかどうか、そのことについてまず御答弁をお願いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 私は新聞に発表したわけではございませんが、国会の答弁等におきまして、絶えずそのことを申しておるわけでございます。いまもその考えは変わっておりません。
○山本(政)委員 それじゃ、五月の十五日の速記録を大体中心にして、広川委員、あるいは西風委員の質問に対する厚生省側の御答弁に対して、もう一度質問申し上げたいと思うのですが、五月十五日の社労委員会で、広川委員の質問に答えて大臣は、そのまま速記録を読みますと、「厚生省におきましては、児童手当懇談会を設け、すでにその答申も得ましたので、さらに児童手当審議会を法律の上に設けていただいて、そうして、でき得れば来年にでも実施のできるように進めたいと精力的に考えているわけでございます。」こういう御答弁があったと思います。そこで、なおそのあとの答弁の中で、歴代の厚生大臣、自民党総理もそれを公約されておる、こういう御答弁があったと思うのです。 そこで、児童手当審議会をいつ法律の上にお設けになるのか。これは今国会で、私はまだ児童手当審議会というものを法律の上に設けるというお話を承っておりませんが、この点について一体どういうふうにお考えになっておるのだろうか、大臣あるいは局長でもけっこうでございます。
○首尾木説明員 児童手当審議会につきましては、ただいま厚生省設置法の改正案を国会に提出しておりまして、去る四月十七日に衆議院の内閣委員会を通過したのでございます。目下、参議院で継続中でございます。
○山本(政)委員 そうすると、今国会でかりに厚生省設置法の改正が行なわれれば、審議会が設けられ、そこで審議されるわけですね。そうですね。——そこで審議されると、私は時日の経過からいえば、その審議を経てからおそらく児童手当制度というものが法案化され実施される運びになる。これは本国会の承認が要るのですが、しかしその場合、大臣のおっしゃるように、四十五年度実施ということが時日的に可能かどうか、この点はどうなんですか。
○斎藤国務大臣 児童手当懇談会の答申をすでにいただいておりますので、そこで相当基礎的な検討はしていただいたわけです。もちろんそれをさらに精密にするために、児童手当審議会を設けるべくお願いをいたしておるのでありますが、私はできるならば、その審議会に政府案、あるいはそれに近いものとして御諮問を申し上げたい、かように考えております。
○山本(政)委員 そうすると、厚生省の設置法案がかりに今国会で通る。そして審議会が設置されれば、すみやかにそれが、何といいますか審議をする。それは厚生省の案をひとつできるだけ法律に即応するような、何といいますか、案を出して審議するということで、四十五年度に実施するということを一応確認してようございますね。
○斎藤国務大臣 さようでございます。
○山本(政)委員 児童手当制度がかりに発足した場合に、児童扶養手当あるいは特別児童扶養手当、これを調整するというふうな御答弁があったと思うのですけれども、その際に、——私個人は児童手当制度と児童扶養手当制度というものを、分けたほうがいいという考え方を持っております。しかし、たしか、私の記憶に間違いがなければ、局長の御答弁も大臣の御答弁も、できるだけ調整をして一本化をしたらどうだろうかというような御意見に私は理解をしているのですけれども、もう一度確認をしたいのです。
○斎藤国務大臣 これは一本にして調整をするか、両建てにして調整をするか、いままだ私、腹をきめておりません。いろいろ御意見を伺った上にきめたいと思います。
○山本(政)委員 そうすると、懇談会の報告どおりにかりになるとするならば、政府案はどうなるか、これは別問題としまして、懇談会の報告どおりにするならば、拠出制児童手当というものは月額一人三千円ですね。それから無拠出の児童手当というのが、たしか千五百円です。そうすると、拠出、無拠出いずれにせよ、児童手当というのは、懇談会の報告に従えば、これは三千円、千五百円。これは両親がおるわけです。ところが児童扶養手当というのは、生別だということでお話があったと思うのですけれども、この金額が、児童一人の場合は月額二千百円になるわけですね。そうすると、両親のおる人たち、そういう児童手当制度というものが三千円出すのですよ。それなのに両親のおらない児童扶養手当制度というものが二千百円というのは、これは一体どういうわけであろう。むしろ両親がおらない場合には、もっと上げ幅があっていいのではないだろうか。少なくとも三千円をこしていいのではないでしょうか、こう私は思います。常識的にはそうでしょう。しかも月額一人三千円ですから、二人になったらこれは六千円と理解していいと思うのです、拠出制の場合は。それから無拠出の場合だって、二人の場合は三千円と理解していいと考える。そうすると、かりに無拠出制の場合を考えますと、二人児童がおった場合には三千円ですよ。そうしたら、児童扶養手当の場合には、これは二人の場合には二千八百円です。片一方は親がおって三千円結局もらえる。無拠出制の場合ですらもらえる。しかし、生別をした人が——生き別れをしている親子の場合に、児童に対する手当は二人合わせて二千八百円。額が少ないわけですよ。それが一体論理的に成り立つのかどうか。その点をどうお考えになるのかお尋ねしたい。
○斎藤国務大臣 まず第一に、拠出制と無拠出制、この二本建てがよろしいかどうかということについて、私個人としてはまだ疑問を持っておりまして、できるならば一本のほうがいいのじゃないだろうかと考えております。 それから三千円、千五百円という答申が出ておりますが、これは父親があるとかないとかそんなことに無関係に、両親がそろっていなければ出さないというわけではございません。母親だけでもこれは出すわけであります。 そこで、先ほど児童扶養手当と児童手当との関係を後藤委員も御質問になられましたが、児童扶養手当制度は、社会的にそれだけの必要性があっていまこの制度が認められているわけでありますから、児童手当制度をやることによってこの必要性がなくなるというなら格別、なくならないと私は思いますので、なくならない限度でこの制度はやはり必要である。制度といいますか、一本にするか二本にするかは別にいたしまして、扶養手当が少なくてそれでおまえのほうはよろしいのだというわけにはまいらない、かように私は申し上げておきます。
○山本(政)委員 では大臣にお伺いしますけれども、無拠出制と拠出制というものは、大臣個人としては拠出制に一本化したほうがいいとお考えになっているのか、無拠出制に一本化したほうがいいとお考えになっているのか、それはどちらでしょう。
○斎藤国務大臣 結局その場合に、児童手当の原資をどう求めるかという問題になるわけでありますから、いまのものは、いわゆる被用者グループと自営業者グループと二つに分けてあるが、分けないほうがいいのじゃないだろうかというだけでございます。ただその場合に、いまの三千円とか千五百円、これをどうするかというお尋ねがあるかもわかりませんが、金額の問題も私はいま留保いたしておきます。
○山本(政)委員 一本化という精神というのは、少なくとも無拠出制の、つまりそういう家庭の子供に対してでも、拠出制と同じような金額というものを当然与えるべきだという考え方というものが根底にあるはずでしょう、議論のあれからいえば。そうでなければ一本化というものは出てこないはずなのです。少なくとも一本化をするのだったならば、児童手当の性格からいえば——性格といったらおかしいが、児童手当制度の精神からいえば、これはむしろ高かるべき方向に一本化させるというのがほんとうの姿じゃないのでしょうか。その点はいかがですか。
○斎藤国務大臣 率直に、素朴に考えますと、被用者の方々、あるいは自営業者の方々も、児童手当という面においては同じであるという考え方に立ちたいと私は思っております。
○山本(政)委員 そうすると、話が少し飛びますけれども、つまり無拠出制の場合に千五百円、ですから一応これも懇談会の考え方からすれば、無拠出制の場合でも最低は千五百円を出すべきであろうという考え方が出ていると思うのです。そうすると、児童扶養手当というものが一人の場合は月額二千百円。二人の場合に二千八百円ということは、再度押し返すようですけれども、低過ぎやしないだろうか。大臣は二本建てにすべきだ、こういうお話でありましたけれども、児童手当制度というものが実施をされた場合に、児童扶養手当制度というものは別ワクで考えたほうがいいのではないかという、これはおそらく大臣の私見だろうと思いますが、しかし、その場合でも児童一人の場合の月額二千百円、二人の場合には二千八百円、そして三人以上の場合は二千八百円プラス一人ふえるごとに四百円というのは、私はいかにも安過ぎると思います。片一方は、児童手当の場合は親がおるのですからね。こちらの場合は親がおらぬわけですから、むしろ手当としては厚くすべきではないでしょうか。その金額を幾らにするとかなんとかいうことは別としても、大臣のお考えは厚くすべき——つまり多くすべきか、いまよりも多かるべきが当然かどうかということをお聞きしたいと思います。
○斎藤国務大臣 総額としては、多かるべきだと私は思っております。
○山本(政)委員 児童扶養手当の受給者というのは昭和三十八年からずっと数字的にはほとんど変わってないわけですよ。 局長にちょっとお伺いしたいのですけれども、三十八年を一〇〇とすれば、ピークは昭和四十年がピークですね、一〇七・五ですから。そして四十二年、四十三年はほとんど変わっておらない、一〇五・四あるいはせいぜい一〇六ぐらいではないかと思うのです。そうすると、大臣は児童手当よりも児童扶養手当のほうの月額のほうが多かるべきだ、私見としてはそう思うというお話がいまございました。局長は一体どうお考えになるか。つまり私は、人数としてもふえていないということになれば、多少予算措置というものをお考えになればもっとふやすことが可能ではないかという考え方をするわけですよ。いかにも二百円アップというものは安いと思う。これは西風委員も言われたと思うのですけれども、この点についていまは別としても、将来つまり児童手当制度創設のことも考えたら、飛躍的にふやさなければならないと私個人としては考えております。その点についてあなたはどうお考えになっておりますか。飛躍的にふやすということを、あなた自身は一体どうお考えになっておりますか。
○渥美政府委員 児童手当の構想、内容等につきましては、まだこれからいろいろと部内におきましても検討することと思われます。私自身といたしまして、児童扶養手当の内容あるいはその趣旨から考えますと、児童扶養手当自身といたしましては、これは当然その増額をさらにはかっていかなければならない、かように考えております。
○山本(政)委員 その増額をさらにはかることは、これは逐年増額をされておるわけでしょう。私が申し上げるのは、要するに児童手当が創設された場合には、それとの見合いにおいて、つまり両親、父親がおるかおらぬかという問題と、片一方は父がおるのですから、両親がそろっておるわけですから、そういう問題を勘案したら、児童扶養手当はもっと飛躍的にふやすべきじゃないかというのですよ。あなたのおっしゃるように、現実的にはきわめてわずかだけれどもふえてきているのですよ。しかし、この次にはもっと大幅に上げるという考えはあるのかないのか。これは大臣でも局長でもどちらでもけっこうです。
○斎藤国務大臣 この児童扶養手当制度は、大体所得保障というような意味合いから設けられておると思うのでございます。そこで、今度児童手当制度をつくりました場合に、児童扶養手当だけ全部プラスするかしないかは別といたしまして、やはり児童手当制度をつくった趣旨が、いまの生別家庭にも及ぶようにいたすべきではないか、いたすべきだ、かように考えております。
○山本(政)委員 たいへん理解のある答弁をいただいてありがとうございました。 同じ日の西風委員の質問で、母子福祉年金と児童扶養手当制度との手当額の差について質問があったと思うのです。再度確認しておきますけれども、渥美さんに簡単でいいから、何で差がついたのかということをちょっと聞かしていただきたいのです。
○渥美政府委員 母子福祉年金の創設後、児童扶養手当制度が発足したわけでございます。それが一つ。 それから母子福祉年金の場合には、世帯を同じゅうする父がなくなったという条件があるわけでございますが、児童扶養手当の場合におきましては、世帯を一にしておっても一にしなくても、父親がいないという現象、それをとらえて母子世帯に対して何らかの援護策をやるのだ、こういう点が内容的にあったと思います。 そういった点でそれだけの差が出てきたというふうに考えております。
○山本(政)委員 それではお伺いしますけれども、創設後であったら、何で何年もたってその差が依然として縮まらないのかということ、つまりあなた方のお話からお伺いすれば、精神としては、母子福祉年金も児童扶養手当制度も同じ精神だと思うのですよ。しかし、片一方は、母子福祉年金のほうは早く創設されたから支給額が高いので、片一方はあとだから低いのだということは、私は成り立たぬと思うのですよ。かりに母子福祉年金を二百円上げるのだったらば、児童扶養手当というものは二百五十円なり三百円上げて、母子福祉年金に追いつくような上げ方をするべきではありませんか。それが私はあたりまえだと思うのだけれども、これは何年たっても——何年たってもという言い方はおかしいけれども、依然として同じ額しか上がってない。その幅というものは、一向縮まってないということは、あなた方のおっしゃる精神からいけば私は筋が通らぬと思うのです。
○渥美政府委員 私のお答えが、少し舌足らずだったわけでございますが、発足の時期がおそかったという意味は、母子福祉年金を補完する意味において児童扶養手当制度というものができた、こういうふうな意味でございます。したがいまして、内容におきましても、仕組みにおきましても、目標におきましても、いわゆる死別母子世帯、しかもその世帯において生計を同じくする父が死んだときに母子福祉年金が出る。父の世帯に属しておらない場合でも、母子世帯というものを目標にしまして児童扶養手当が出ておる、こういう目的が違っておるわけでございます。こういうこともあると思います。
○山本(政)委員 それではお伺いしますよ。「世帯類型別児童扶養手当受給世帯数」というのが、昭和四十三年三月末現在ということで、これは厚生省の児童家庭局から出ている数字かと思います。ではちょっとお伺いしますけれども、この世帯は十六万三千六百八十九ということに間違いありませんね。
○渥美政府委員 そのとおりだと思います。
○山本(政)委員 それではその分類を申し上げましょう。あなた方は生別と死別ということで母子福祉年金と児童扶養手当制度というのを区別されている、こうおっしゃっているけれども、この中には死別母子世帯というのが二万九千百七十六世帯あるじゃありませんか。これは一体どういうことなんです。これは死別ですよ。母子福祉年金も死別だと言うのだったら、児童扶養手当制度の中へ入っているこの数字というものは死別でしょう。これはどういうわけなんです。
○渥美政府委員 児童扶養手当を受ける対象の中に、死別の母子世帯もあるわけでございます。これは先ほども触れましたように、生計を一にしておらない父がなくなったといった場合に児童扶養手当が支給されるわけでございます。母子福祉年金の場合におきましては、生計を維持しておりました父がなくなった場合に、母子福祉年金が支給される。この差が一つあると思います。
○山本(政)委員 そうすると、生計を一にしてないということは、正規の法律に基づく婚姻がなかったということですか。そういうふうになるのですか。ちょっとそれを説明していただきたいと思うのです。と申しますのは、児童扶養手当法の第四条には、支給要件として「父母が婚姻を解消した児童」、こういっておるのです。それから「父が死亡した児童」、それから三、四、五と各号ありますけれども、父が死亡した児童というのは、ここには生計を一にしたとか生計を別にしたとかいう規定はないですよ。だからその点ひとつ説明していただきたい。
○渥美政府委員 児童扶養手当法は、あくまでも公的年金であります国民年金法の補完的な機能を持っておるわけでございます。したがいまして、国民年金法の第六十一条によりまして、「夫が死亡した場合において、死亡日の前日において次の各号のいずれかに該当し、かつ、夫の死亡の当時夫によって生計を維持した被保険者たる妻が、夫の死亡の当時、夫又は妻の子であって、義務教育終了前」の子供を持っておるという場合に母子福祉年金が出る、こういうふうになっております。したがって、これに該当しない場合の措置といたしまして児童扶養手当が支給される。それを児童扶養手当法の第四条の第一項第二号に「父が死亡した児童」としてここで救っておる、こういうことでございます。
○山本(政)委員 だから、該当しないというのはどういうケースがあるかということを実はお伺いしたいのです。どういうケースの場合に該当しないのか。
○渥美政府委員 先ほど婚姻解消ということもありましたが、これはむしろ事実問題でありまして、夫が死亡したときに、その夫が生計を維持しておらない母子世帯、こういうことでございます。
○山本(政)委員 それはこの児童扶養手当制度にそういう例外規定というのが書いてありますか。つまり母子福祉法に適用しないケースにおいて児童福祉手当制度というものを適用するのだということがここに書いてありますか。
○渥美政府委員 先ほど申し上げましたように、国民年金法が優先いたしまして、それの補完的なものでございますので、国民年金法の適用にかかわらないところの夫の死亡した、あるいは父の死亡した児童に対して支給する、こういうふうな解釈でございます。
○山本(政)委員 どうも私ははっきりわからないのですけれども、児童扶養手当というのは要するに所得保障でしょう。つまり父がなくなって生計をするのに困難だろう、だから児童扶養手当をやるのだ、こういうことなんでしょう。母子福祉年金も基本的にはそういう考え方ですね。そうすると、児童扶養手当の場合だって、父が死亡した児童というのは、この四条一項二号ですか、「父が死亡した児童」というのは、少なくとも父が生計を維持しておった、その父が死んだからその児童にやるのだ、こういう精神がここにあるのじゃないですか。そうじゃないのですか。
○渥美政府委員 実は児童扶養手当法の第一条に「父と生計を同じくしていない児童について児童扶養手当を」出す、こういうふうになっておるわけでございます。したがって、父が従前その母親と子供を養っていないにかかわらず、児童扶養手当は出そう、こういうことでございます。それから一方、母子福祉年金のほうにおきましては、これは、要するに夫と妻との関係でございまして、夫が生計を維持しておりましたその家庭に対しまして、義務として母子福祉年金が出る、こういうことなんでございまして、国が義務として母子福祉年金を出すというのがやはり優先するわけでございまして、それを補完して、児童扶養手当法ができた、こういうふうに理解しております。
○山本(政)委員 大体わかりました。ありがとうございました。 そうすると、もう一つ、きわめて事実問題としてお伺いしますのですが、婚姻をしている、それが婚姻を解消した。解消したけれども、父として扶養の義務を持っておる。だから、その別かれた妻子に対して月々生計費を送るといった場合には、これは児童扶養手当は適用されるのですか。
○渥美政府委員 ケースによって少し違うと思いますが、原則的にはこの児童扶養手当が支給されるわけでございますが、ただ、その、何といいますか前の夫の仕送り等の金額が多いということになりますれば、この所得制限のほうにかかりまして、児童扶養手当はもらえない、こういうことでございます。
○山本(政)委員 それでは、遺棄世帯というのが二万四千九百六十七世帯ありますね。遺棄世帯、つまり父親が蒸発してしまったという世帯だと思うのですよ。あるいは蒸発したのか、あるいは妻子を捨ててどこかへ行ってしまったか、あるいは父親が出かせぎに行って、どこに行ったかわからない。これは別といたしまして、この二万四千九百六十七世帯というのは、死別した世帯とのパーセンテージからいえば非常に多いですよね。この遺棄世帯というのは、全くいま言ったように、いまさっきの事実問題からいけば、父親のほうから妻子に対して仕送りもないわけですね。母子福祉年金というのは、父親が死亡したという現実があるから、これはあきらめがつくかもしれませんよ。しかし、蒸発してしまった、父親はどこへ行ったかわからぬ、こういう場合には、むしろ事態としては、遺棄世帯のほうが実態としては気の毒なケースが多いんじゃありませんか。多いんですね。その点、どうなんですか。
○渥美政府委員 これは、児童扶養手当法の第四条の第一項の第四号の、「父の生死が明らかでない児童」という条項に該当するようになるような遺棄世帯、蒸発世帯であるならば、この児童扶養手当の支給対象になります。
○山本(政)委員 ですから、その場合に、状況としては、死別ならまだあきらめもつくと言うんですよ。遺棄世帯というのは、帰ってくるのかどうかもわからぬ。捨てられたという状態でしょう。生活のめどは、むしろこのほうが立たぬかもしれませんよ。その人のほうが、母子福祉年金よりか安いというのも私は納得がいかない。遺棄世帯なら遺棄世帯として、なぜ母子福祉年金を適用させないのかということを実はお聞きしたいわけなんです。
○渥美政府委員 この場合、遺棄世帯の内容も、千差万別まではいかないといたしましても、いろいろなケースがあると思うのでございます。いずれにしましても、極端な例から極端な例まであると思うのでございます。いろいろなことを勘案いたしまして、生別母子世帯の範疇に属しているということでございます。
○山本(政)委員 死んだということは、これは厳然たる否定できない事実ですから、これはもうよくわかります。しかし、捨てられて、それで父親がどこにもおらぬということも、これも厳然たる事実じゃありませんか。どこに千差万別の——遺棄世帯に対して千差万別さがあるのだろう。私にもわからないのですよ。親子がおって、そうして父親だけがどこかへ行ってしまったというのは、これは明らかに父親がおらぬということははっきりした事実じゃありませんか。それならなぜ母子福祉年金というものを適用できないのだろう。死亡ということだけで、画一的に手当あるいは年金といいますか、その月額の手当というものが異なるということにむしろ納得がいかないので、あなた方は、法的に弾力的な運用をしようということを、年金の場合だってお考えになっているじゃありませんか。それならこの場合だって、なぜそれが母子福祉年金並みに取り扱えないのか。父親がおらぬということは、現実的な問題ですよ。死んだ場合だって父親はおらないかもしれないけれども、遺棄世帯だって父親がおらぬことになるでしょう。そうして、生別とも明らかに本質的には違う問題ですよ。つまりいわれる生別とは違うわけでしょう。
○渥美政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、遺棄世帯という場合には、おそらくその夫がその母子と同一の生計になかった。したがいまして、母子福祉年金の適用を受けられない、こういうふうな——これは法律的な解釈でございますが、そういうふうなことで母子福祉年金が支給されない。したがって、児童扶養手当のほうで救う、こういう理論構成になるわけでございます。
○山本(政)委員 つまり、だから児童扶養手当を改正をするのだったら、同時に母子福祉年金もそういう配慮のもとに改正してしかるべきではないのだろうか。何でそういうことができないのだろうか。厚生大臣、そういうお気持ちになりませんか。遺棄世帯というものは、死別よりかもっと悲惨だとぼくは思うのですよ。
○斎藤国務大臣 そういう気持ちになりましたので、来年度はひとつ同じようにしたいと先ほども答弁いたしております。
○山本(政)委員 同じようにしたいということは、じゃ生別、死別を問わず、同じ金額にしたいということですね。そう理解してもいいわけですね。
○斎藤国務大臣 さようでございます。
○山本(政)委員 それじゃ、先ほど内臓疾患のことで話がありました。内臓疾患の場合に、これが外部に、たとえば筋肉とか何とかというものに障害が起きるという場合には、特別児童扶養手当というものが適用されますね。そうしますと、たとえば、せんだっての新聞にありましたように種痘の注射をした。そうして脳性麻痺の症状を呈している。この場合に特別児童扶養手当というものは支給しておりますかどうか伺いたい。
○渥美政府委員 脳性麻痺の後遺症によりまする肢体不自由、そういった方々につきまして、ここに定める障害の程度でありますれば、それは支給の対象になるわけでございます。
○山本(政)委員 そうすると、これはちょっと公衆衛生局長にお伺いしたいと思います。 予防接種法というのが敗戦後できておりますね。そうしてこれには、「何人も、この法律に定める予防接種を受けなければならない。」ということが義務づけられておりますね。そうしてさらに念の入ったことには、違反者には三千円以下の罰金を課する、こういっておる。そうしてもう一つは、強制をしておきながら実費は徴収する、そういうことになっておりますが、これは間違いないでしょう。その点どうですか。
○村中政府委員 そのとおりでございます。
○山本(政)委員 それでは、その前にちょっと一つだけお伺いしますけれども、伝染病予防法と予防接種法に——伝染病予防法第一条には、伝染病と称する病名というのですか、それが列記されております。そして予防接種法には第二条の二項に、予防接種を行なう疾病に対する病名が列記されておる。これには、予防接種法には列記されておるけれども伝染病予防法には列記をされておらない、伝染病予防法には列記をされておるけれども予防接種法には列記をされていないという病名が幾つかある。伝染病ならば、全部予防接種をすべきではないのだろうかという、私はしろうとですからよくわかりませんが、そういう感じがするのですけれども、なぜ伝染病予防法と予防接種法の間にそういう違いがあるのか、これを一つお伺いしておきます。
○村中政府委員 伝染病予防法につきましては十幾つかの疾病をきめまして、国あるいは地方公共団体の責任でそういう伝染病予防の対策をとるというたてまえから伝染病予防法がつくられているわけでございますが、これは承御知のとおり、相当古い、明治の中ごろにできた法律でございまして、その後幾たびか医学界その他の進展に合わせまして改正を行なって現在に至っておるわけでございます。 予防接種法につきましては、戦前には両方含めた形で法律がございましたが、戦後予防接種を必要とするというふうな疾病を切り離しまして、予防接種法の中でこれを、あるものは義務接種、あるものは勧奨というふうな振り分けをして予防接種法が制定された。 この違いにつきましては、申し上げましたように、予防接種を、広い範囲で接種をすることによって、その地域の住民が急性伝染病にかかることから免れる予防的な措置ができるというふうな、及びそういう効果をあげ得ることのできる予防接種の方法が開発されたというふうな場合には、しかもこれが公共団体の責任で処理をすることが効果をあげる上に非常に適当であるという場合には、予防接種法の中できめていく、そういう違いがあると私は思います。
○山本(政)委員 それでは話をもとに戻しますけれども、法律によって予防接種を強制をし、違反者には罰金を取り、そしてしかも注射の実費まで取っておる、そういう中で、たとえばこれは五月二十八日の新聞ですね。ここにあるのは、種痘々受けて、その結果脳性小児麻痺のようになった。しかし現行法ではこれを国が補償しない。伝染病予防接種というのは国が強制しているのですよ。国が強制をしておって、しない人には罰金を取って、しかも注射の実費まで取っておって、そして予防接種によって、つまりここの場合には種痘によって脳性麻痺症状が起きたときには、国が補償しない、こういうばかなことはないでしょう。そういうことはあり得ないと私は思いますけれども、これは大臣、お答え願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 どうも、私としても法制の欠陥ではないか、かように考えております。でき得べくんばそういった法改正をやるべく、審議会等にもしかるべく諮問をして結論を得たいと考えております。
○山本(政)委員 局長、いかがですか。
○村中政府委員 大臣がお答え申し上げましたとおり、実は先ほどもちょっと触れましたが、新しいいまの時点に若干そぐわなくなってきておる点も考えられますし、昨年の五月、大臣が伝染病予防調査会に諮問をいたしまして、伝染病予防法及び関係の法律の全面的な再検討をお願いしております。現在部会を開きまして、ここでいろいろ検討が行なわれておるわけでございます。
○山本(政)委員 昨年の七月九日です。腸チフスの予防接種でやはり事故があって、そのときに——厚生省の後藤さんお見えになっておりますか。厚生省の後藤防疫課長のお話では「厚生省としては、公式に定期接種をやめることはできなかったが、厚生省の手落ちと認めざるをえない。義務づけられた定期接種なのに、現実には大部分の人がうっていないのだから、ことしからでもやめるような便法はあったかもしれない」、こう言っておるのですよ。これは腸チフス、パラチフスの場合の死亡事故のことでしょう。そうして今日また種痘が出ておるのですよ。種痘によって子供が小児麻痺になっておる。これは渥美局長のお話によれば特別児童扶養手当を支給するのだ。しかし、そんなものを支給されても、一度脳性麻痺になった子供はもとに返らないのですよ。あなた方は四十三年にそういう事故があったときに、なぜそのことを検討してないのですか。一年間いまたっておるじゃありませんか。そうして同じような、似たような事故がまた起きておるじゃありませんか。厚生省は手落ちだったといって認めておるのです。一体、一年間ほっておいたというのはどういう意味ですか。局長でも大臣でもけっこうです。
○村中政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、六つの伝染病の予防接種が予防接種法の中で規定されまして、御指摘のような義務接種という定期の接種をいたしておるわけでございますが、この予防接種につきましては、それぞれ目的がございますし、効果の判定ということもありますし、現実に流行の様相という問題もあるわけでございます。それぞれに見合った形で現在これを実施しております。 御指摘の種痘につきましては、これは国際的に見ましても大体の主要国におきましては義務接種、あるいは義務接種に近いような形で種痘の接種をやっておりまして、幸いに現在国内に、戦後数年以降については流行がない状態でございます。これは私は種痘による効果がほとんど一〇〇%期待される、そういう結果だと考えております。しかし、残念ながら統計的な数字を申し上げますと、毎年数名の人々が種痘後脳炎というふうな形で死亡の診断の報告がございます。これの改善につきましては、それぞれ専門の委員会をつくりまして現在調査と申しますか、いろいろ改善の研究をいたしている段階でございます。そういう結果によって結論が出ますれば、あるいは種痘の方法その他についての改善が加えられると思います。 なお、その他の予防接種につきましても、接種液の開発、改良につきましては、常時研究委託その他で行なっておるわけでございますが、第二点の御指摘の腸・パラにつきましても最近の発生は非常に減りまして、年間数百名というような状態にまでなっております。しかも腸チフスが流行すると予想される環境の改善ということもからみまして、そろそろ義務接種というふうな強い定期の接種からはずすような時期がきておるのではないかというふうな学者の意見もございまして、これは法改正でやりたい、こう考えておるわけでございます。 最初の御指摘の予防接種の義務という全般的な問題、それからそれを受けない場合の罰則の問題、さらにこれに対する公共団体、国の事故の起きた場合の責任の問題、こういう基本的な問題につきましては、大臣もお答え申し上げましたとおり、やはり一部手直しということではなく、全般的な法改正という中で処理するのが適当ではないかというふうな判断をいたしまして、現在、この問題を含めて調査会で御審議をいただいておる、こういうことでございます。
○山本(政)委員 局長、私は、誤解をされちゃ困るんですけれども、予防接種というものを否定しているわけじゃないのです。強制もしなければならぬでしょうし、それから、それをやらない場合には罰金も取らなければならぬだろう、まあ、実費の問題は別といたしましても。予防接種によって、そういう種痘の患者というものが著しく減ったということもよくわかる。だけれども、現実にそれじゃ、そのことによって死んだ人については一体どうなるのか、そういうことを私は言っているわけですよ。強制というものがあるんだったら、国が強制しているんだから、国は、そのことによって死んだ人たちに対して、あなた方は国として補償しなければならぬ責任があるでしょう。義務があるでしょう。あなたはいま、種痘によって死んだ人は数人、年々残念ながら数人と言っておった。しかし、数人じゃありませんよ。厚生省の統計はこういっているじゃありませんか。厚生省の統計調査部は、毎年十人以上の被害を受けているといって、昭和三十五年は十三人、昭和三十六年は十二人、昭和三十七年が十三人、昭和三十八年が十二人、昭和三十九年が十人、昭和四十年が十四人、昭和四十一年が八人ですよ。これは死亡という否定できない数でありますよ。これは種痘ですよ。それ以外に死んでいる人、病気によって事故を受けている人があるわけでしょう。たとえば、日本脳炎の注射で眼球の球後視神経炎というものを起こしている人たちも現実にはおるんですよ。そうして、いま申し上げたように、腸・パラのチフスの注射が人を死なした例もあるわけでしょう。そういう例を全部やってごらんなさい。種痘だけで十何人という人が死んでいるなら、そういう一切の伝染病の注射による事故は、もっとはるかに多くなりますよ。そういう人たちに対して、国が補償しないということに問題がありはしないだろうかというのです。いままで見舞い金で過ごしているでしょう。何で国が補償するようなことを考えないのかということですよ。あなた方は、それをいまからとにかくその調査をして、何というか、ワクチンですか、こういうものに対する研究も進めるというのですけれども、そんなことをしている間に、現実には死んでいるわけですよ。しかも、お金だってむだになっているわけです。四十三年の七月九日の、これも新聞ですけれども、六月の一カ月間だけで東京都が腸チフス、パラチフスの予防注射をやったということによって一億八千万のお金を出しているわけです。全国では数億円の金が出ているわけです。しかも、腸チフス、パラチフスというものに対する予防接種というのは、あなたのおっしゃるように、学会ではもうすでに要らぬと言っているわけだ。都の衛生局の防疫課長の斉藤誠博士も、これは要らぬと言っている。それから、あなた方の国立予防衛生研究所細菌第一部長福見秀雄さん、この人もちゃんと言っているわけじゃありませんか。もはや腸チフス、パラチフスというのは予防接種は不要だ、こう言っているわけですよ。やめたらそれだけの金が浮くわけだ。やめた金だけそれを使えば補償にたりますよ。なぜそれができないのか。なぜそれを踏み切らせないのかというのですよ。一年間ほったらかしているために、死者が出ているわけでしょう。それをあなた方はいつやるのですか。後藤さんは間違っておったと、こういうふうにおっしゃっているんだ。いつそれをやるか、お答えを聞きたいのですよ。検討して、検討して、お役所はいつも、検討してでしょう。いつまでにやりすすというはっきりしたものがあっていいと私は思うのです。この国会に間に合わなければ次の国会にははずせるものははずすというものがあっていいじゃありませんか。それについての意見を聞きたいわけですよ。
○村中政府委員 腸・パラの予防接種の定期からはずすことにつきましては、いろいろ御意見をいただきましたが、伝染病予防調査会からの意見具申もありまして、定期からはずすことの法律改正を、許可、認可等の整理に関する法律案、この中に込めまして現在提案中でございます。これは、御承知のとおり、いろいろな都道府県、地方公共団体に指導して行なわせている業務の中で、すでに目的を達したもの、あるいは十分効果があがって、これ以上いろいろ行なうことについてはあまり意味がないではないかというふうな事項の整理統合ということが行なわれておりまして、この中の一環の法律事項で、現在提案中でございます。
○山本(政)委員 まだ国会には提案されておりませんね。
○村中政府委員 現在、内閣委員会に提案されております。
○山本(政)委員 それじゃ私申し上げますが、提案されたというので私はまああれだと思いますけれども、いま大臣が審議会にかけてというお話がありましたけれども、伝染病予防調査会において決定されたのが昨年の五月三十一日ですよ。本来なら、決定されて、検討されても、昨年の通常国会には出せておるはずですよ。私に言わしたら、厚生省は怠慢じゃありませんか。すでに一年経過している、その中で事故が起きているわけですよ。何でそういうものが出たらきちんとおやりにならないのか。その点あなた方の失態じゃありませんか。五月三十一日に答申が出ているわけですよ。それが、一年たった今日内閣委員会に提案されておる。私は、そういう点では非常にルーズだと思うのです、あなた方のおやりになっていることは。その点は一体どうなんです。
○村中政府委員 審議会の意見が出ましてから私たちがそれを行政に乗せるまでに、相当の期間がかかったことはただいま御指摘がありましたが、そのとおりでありまして、御承知のとおり四十四年度の予算編成、さらに国会提出法案の準備というふうな段階で、四十四年度から実施しようということになったわけでございます。
○山本(政)委員 それじゃお伺いいたしますけれども、国の防衛に、戦死した人は、遺族も含めて多額の国費がさかれておりますね。国民の健康を守るというのは、同じ国の防衛ですよ。それが実費を徴収されて、強制されて、そして生命を失なわれて、それで国家の補償ができないというのはどういうわけですか。それについて国家の補償というものを、あなた方はお考えにならないのかどうか。これは見舞い金で済ますのか、将来国家補償というものをお考えになるのかどうか、あるいはこの次に予算の中にそういうことも含めてお考えになるのかどうか、それをひとつはっきりさせていただきたいと思います。
○村中政府委員 予防接種に関係があるということで、障害を受けたというふうな判断をされた場合の措置についてでございますが、これは御承知のとおり公務の執行の中で、しかもそういう事故が起きたというふうな場合には、国家賠償法に関われるというのが第一の段階でございますが、現在の国家賠償法の立て方としては過失責任という問題と、それから因果関係というふうな問題がありまして、なかなか——たとえは特異体質による事故というふうな場合には、その因果関係の追求が困難だというふうなことで、従来も国家賠償の対象として論議されたこともありますし、あるいは裁判の中でいろいろ検討されたこともありますが、いままでの段階では、国家賠償という結論が出たというふうには聞いておりません。 ただ、後段の何らかの国の補償が考えられないかという点につきましては、私どももいろいろな研究を実際にやっておりまして、現在あります原子力関係の補償の問題とか、あるいは鉱山でありますが、鉱業関係の補償の問題でございますとか、そういうふうな制度などを研究いたしまして、できることならば、先ほども大臣が御説明を申し上げました予防接種法の全面的な改正の中で、そういう補償の問題も含めて検討いたしたい、こういう決心でただいま御審議を願っておるということでございます。
○山本(政)委員 私が申し上げたいのは、そういうつまり予防接種でなくなった方というのは、特に子供さんなんというのは、個人の犠牲じゃないのですよ。予防接種法というのは、社会的な健康というものを守るという立場でしょう。そうすると、その人は実は社会の犠牲になっておるわけですよ。そうすると、体質がどうだとかこうだとか、あるいは公務執行かどうかというようなことでやられると幾らでも抜け道が出てきますよ。たとえば注射した人が民間のお医者さんだったら、これは公務執行になりますか。その点はどうなんですか。
○村中政府委員 定期の予防接種の場合、市町村長が民間の医師に、定期の接種の業を委託するという場合には、公務に関連するだろうというふうな法的な見解がございます。
○山本(政)委員 公務に関連するだろうでなくて、公務でしょう。そうじゃないのですか。公務員でなくても、民間のお医者さんでも、注射することは公務になりませんか。なぜかといったら、予防接種法によってそれをやるわけですから、公務になるはずですよ。あるいは特異体質だというのだったら、特異体質については注意をしなさいと書いてある。そうすると、民間の人が公務員になりかわって公務を執行しているときに、特異体質かどうかということを確かめないでかりに事故を起こしたら、これは公務執行の際にそういう事故が起きたということにしかならぬでしょう。つまり私が申し上げたいのは、医学紛争だってそういうことがたくさんある。ところが、いままで医学紛争というのは、被害者のほうが泣き寝入りをするか敗訴するようなケースが多いのですよ。事態が幾らかでも患者のために改善されたのは、最近ですよ。声が大きくなったからです。しかし、本来ならばそれはあたりまえのことなんです。そのあたりまえのことが、なぜそういうような理由づけによって、国家補償がやれますということが言えないのかと言うのです。それを聞きたいのです。
○村中政府委員 ただいまの、民間の医師が公務に従事しているという判定の点でございますけれども、私が関連があると申し上げましたのは、たとえば医師会を通じて民間の医師を市町村が雇い上げるという場合には、公務ということには相当遠い、直接市町村長が医師を雇う場合、これは公務という判断である、こういう両方を入れたつもりで御返事を申し上げたわけでございます。 それから国家的な補償の問題でございますが、私どもの判断では、残念ながら、国家賠償法に基づいた国の責任の問題と、もう一点は民法による補償の問題、この二点が両者とも、事故と予防接種との因果関係の立証という問題、それから接種者の過失の問題というふうな点が論拠になっておるようでございまして、この点については従来のケースはなかなか立証しがたい面が出てまいる、こういうことでございます。 それで繰り返しますけれども、今回の伝染病予防法の改正の中では、そういう場合にでも何らかの方法で補償の道がないのかという点についての検討をお願いしたい、こう考えております。
○山本(政)委員 それじゃ、ひとつ前向きの姿勢でそういうことをやっていただくことにして、ちょっとお伺いしますけれども、十二条の一項に、腸チフスまたはパラチフスの定期予防接種について、「定期の予防接種後満六十才に至るまでの間において毎年」注射しなさいと書いてありますけれども、これは改正されますね。——それじゃ、渥美児童局長、これありますね。逐条説明というのがあります。その二ページに、「第十条中「それぞれ次の各号に規定する額」を「政令で定める額」に改め、同条各号を削る。」こうありますが、その中で、「要旨」で、「母である支給対象者本人の配偶者又は扶養義務者の所得により支給を制限する場合の基準額に関する規定を整備したものである。」と、こうあって、「説明」の中で、「母である支給対象者本人の配偶者又はその母と生計を同じくする扶養義務者の所得により、児童扶養手当の支給を制限する場合の限度額が従来法律で定められていたものを改め、政令で定める額とすることとしたものである。なお、政令で定める限度額は扶養親族等がない場合七二万五、〇〇〇円、扶養親族等が五人の場合二九万二、五〇〇円を基準として定める予定である。」こうあるのです。私は法律に明るくないので、ちょっとお伺いいたしたいのですけれども、扶養義務者というのは、これは一体どの範囲をいうのでしょう。
○渥美政府委員 これは民法でいう扶養義務者でございますので、三親等以内の親族、それは世帯を同じうする、そういう意味でございます。
○山本(政)委員 親族というのは、六親等内の血族、それから配偶者、三親等内の姻族でしょう。しかし扶養義務者というのは違うはずですよ。
○渥美政府委員 これは児童扶養手当法の第十条にありますように、「民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者」となっておりますが、これは直系血族等と、それから裁判所が定める者ということに相なるわけでございます。先ほどの私のお答えは訂正さしていただきます。
○山本(政)委員 そうしますと、その説明の中で、——私は実はこれを教えてもらいたいのです。「母である支給対象者本人の配偶者又はその母と生計を同じくする扶養義務者の所得により、児童扶養手当の支給を制限する場合の限度額が」云々というのは、支給対象者は母でしょう。児童扶養手当ですから、母ですね。そうすると、本人の母である支給対象者本人の配偶者ということになると、これは父になるわけでしょう。
○渥美政府委員 そうです。
○山本(政)委員 そうすると、父がおるならば、児童扶養手当というのは要らぬのじゃないか。生別した場合に、児童扶養手当を渡すでしょう。そうしたら、母である支給対象者本人の配偶者、すなわち父があるならば、これは児童扶養手当制度というのは適用できないはずなんですよ。その説明がどうも私にはわからないのです。
○渥美政府委員 これは児童扶養手当法の支給対象の第四条の支給条件のところにありますが、たとえば夫が廃疾であって、しかも株の配当なんかもらっている、こういうふうな場合もこの配偶者の中に入り得るわけでございます。したがいまして、ここで配偶者ということを使っております。
○山本(政)委員 廃疾の場合はわかりました。それじゃ、生別母子世帯の場合にはどうなりますか。生き別れしておるわけでしょう。それは廃疾者の説明にはこれは適用できるかもわからないけれども、この法律というのは一般的適用でしょう。だから生別母子世帯でも、死別母子世帯でも、未婚母子世帯でも、廃疾母子世帯でも、遺棄世帯でも適用できるはずでしょう。一つだけだということはないはずです。
○渥美政府委員 この配偶者と定めてある場合の適用の一つは、先ほど申し上げましたとおり廃疾の問題でございます。もう一つの場合は、これはたとえば後妻にいったような場合に、この児童扶養手当自体がその前夫の子供を扶養するという場合もあり得るものですから、そういうことも想定はされております。しかしながら、申し上げましたように、廃疾の場合が主たる適用の状態になる、かように思います。
○山本(政)委員 利子や配当で食べている人は、それはわかりますがね。それから後妻の場合もわかります。しかし、後妻にいったら、後妻にいった先に主人がおるわけでしょう。そうしたらそれは生別母子世帯にはならないでしょう。子供がおるといっても、その後妻の先には、主人がおるわけでしょう。説明がきちんとならぬですよ。とにかく十条というのをあなた方きちんと把握してほしいのです、ぼくに言わしたら。
○渥美政府委員 繰り返すようでございますが、夫が廃疾の状態にあった、そして夫に収入がある。株の利益配当というふうな場合には、配偶者自体はあるわけでございます。そういった適用が一つございます。それから先ほど申し上げましたように後妻に入ったのですが、その子供については実父ではない、そして所得もないといった場合には、その子供につきましては児童扶養手当が出る。したがってその場合には法律的な配偶者はある、こういうふうな状態が第二の例である、かように思います。
○山本(政)委員 それでは後妻にいった人が実父でないという場合には、養子の場合もあるわけでしょう。養子の場合には扶養の義務があるわけでしょう。
○渥美政府委員 その場合は、養子にしないである場合です。
○山本(政)委員 この第十条というのは、つまりそういうものもあるでしょうけれども、いま先ほど申し上げましたように、生別母子世帯、死別母子世帯、その未婚母子世帯ですか、廃疾母子世帯、それから遺棄母子世帯、これにとにかく適用できるものでなければならないはずなんですよ。それでなければ、——これは一般規定ですからね。だから廃疾世帯にしか適用できないとか、あるいは後妻の入った場合にしか適用できないというのでなくて、もっと一般的なものがありはしないだろうか。実はようわかりませんよ。そういうものがあるだろうと思うのだけれども、どうも私の納得する御答弁をいただけないので、再度質問しているわけなんですよ。
○渥美政府委員 したがいまして、ここでは配偶者または扶養義務者、こういう両方並列して書いてあるわけでございます。一般的に適用になるというのは扶養義務者の所得制限の所得が問題になるのでございまして、順序といたしまして配偶者というのが先に出てまいりまして、そのあとから扶養義務者というものが出てまいります。それは順序はそのようになっておりますが、実態的には扶養義務者の所得が問題になる、そういうことでございます。 重ねて申し上げますが、扶養義務者の場合は、たとえばその母の兄で、世帯を同じくしておりますところのにいさんの場合もありますし、その母のおとうさんの場合もあるし、おかあさんの場合もある。いずれにしてもその母を扶養するところの義務者が同一世帯におって、いろいろ仕事をされて収入が上がる、そういった場合の所得制限を規定しているのが、この所得制限の規定でございます。
○山本(政)委員 そのお話はわかります。そのお話はわかるのだけれども、私、理解できないのは、その具体的な場合の説明というのが、十条が一般的な規定であるとするなら、ただそれだけの説明では私は実は満足できないのですが、これは一ぺん局長のほうでも研究していただいて、この次にでもきちんとした答弁をひとついただきたいと思うのですよ。 それではもう一つお伺いしますけれども、その後段の「なお、政令で定める限度額は扶養親族等がない場合七二万五、〇〇〇円、」扶養親族がない——扶養親族というのは一体何ですか。そういうことは——たとえば扶養義務者というのは法律上はありますね。私もそれは昔思い出せば出てくる。それから親族というのもわかるのですよ。ただしかし、扶養親族という場合には、これが扶養義務者なのか、あるいは一般的にいう親族なのか、この辺が私にはよくわからないのです。
○渥美政府委員 この場合に、支給を受けるのはその母子世帯の母でございます。この支給を受ける対象者はその母でございますね。扶養している者が受けるわけでございますから、一般的にいっておかあさんが受ける。その母を扶養する義務のある者、これの所得の問題でございますから、扶養義務というのは、さっき御説明しましたように民法の八百七十七条できめられているものでございます。したがって、その扶養義務者が扶養している扶養親族、これは世帯を同一にしておる扶養親族でございますが、その扶養親族がゼロというこの説明になっておりますが、この場合には、その母自体に所得がある程度あるという場合には扶養親族はゼロになるわけであります。したがいまして、ここの二ページの「説明」の「なお、」以下の文章のところで「扶養親族等がない場合」というのは、これも非常にレアケースでございまして、普通ならばおかあさん一人と子供一人でございますれば扶養親族は二人ということになるわけでございます。しかしながら、一応理論的には扶養親族がゼロということもあり得るので、ここに解説といたしましては、この「ない場合」ということをこの説明に書いてあるわけでございます。
○山本(政)委員 つまり、こういうふうに理解していいわけですね。母以外に扶養義務者がない場合——つまり扶養義務者というものかありますね。扶養義務者というものがとにかくある。その人が全くおらない場合には七十二万五千円ということですか。
○渥美政府委員 そういうことではございませんで、もっと端的に一つの例をあげて説明いたしますと、夫が生死が不明でありましてそこに、残された母と子がおる。母と子が一人ですから、二人おるわけでございますが、その二人のうち、母を扶養する義務を持っておるところの、母のおとうさんがおる。おとうさんがおった場合に、そのおとうさんが扶養義務者になるわけでございまして、その場合の扶養親族というのは、その娘である母と、その孫である子供ということになる。したがって、二人が普通は原則である。その扶養義務者の所得がどうなっているか、それによって緩和をはかる、こういうことなのであります。
○山本(政)委員 いまの説明でよくわかりました。 それでは、なんでその扶養義務者というものをここに書いておきながら——つまり扶養義務者でもその扶養をしない、つまり扶養をする意思のない人が出てくるわけですね。今日なんというのは、特に核家族なんという世帯になってくると、扶養義務がありながら扶養をしようとしない人が出てくると思うのですよ。特に母子家庭なんというものは、ほんとうはきちんと扶養していなければならぬと思うのだけれども、そういう場合に、つまり義務がありながら扶養しない人たちに対して、これは罰則がないでしょう。ありますか。これこそ、私は罰則というものをきちんとつけなければいかぬと思う。
○渥美政府委員 これは、児童扶養手当法自体にはございません。
○山本(政)委員 だから、ございませんで済まされないのじゃないかというのですよ。要するに普通の家族関係ならば、それはまた話は別ですけれども、母子という限られた家庭の中で、扶養義務者がありながら扶養しない場合に、その罰則規定がここにないというのは法の不備ではありませんか。法の精神に反するでしょう。
○渥美政府委員 これは母子というものが非常に孤立しているという状況に目を向けて、その子供の成長を願うというのが趣旨でございます。したがって、扶養義務者が扶養義務を放棄したということについては、これは一般民法その他で解決すべき問題である、かように考えますし、この場合の扶養義務者は、その母と生計を同じくしているところの扶養義務者でございますので、生計を別にしておる場合には、その所得制限云々については関係はなくなってくるわけでございます。
○山本(政)委員 最後に、辻さんにちょっとお願いしたいのですが、たとえば家族が五人ある場合には、税の控除の最低限というのですか、勤労所得の税の控除の最低限というものは幾らくらいですか。
○辻説明員 ただいまちょっと正確な資料を持っておりませんが、四十三年分の給与所得で申しますと、年間所得九十万程度は非課税になっております。
○山本(政)委員 私のお伺いしたい本旨は、その支給制限なんです。渥美さんの答弁といったらおかしいですけれども、この改正法案については、支給対象者本人の所得制限について、二十八万円を三十万円に上げた。そして加算については現行七万円を八万円にしたというけれども、低過ぎはしないかということなんです。そこで勤労所得というのか、そういう場合の控除の制限額は、五人家族で九十三万円か四万円になっておるのじゃないかと思うのです。そうすると、つまり児童扶養手当の場合に支給制限というのが低過ぎはしないかということなんですけれども、二十八万から三十万にした根拠は一体どこにあるのだろうかということをちょっとお伺いしたいのです。
○渥美政府委員 二十八万を三十万にし、加算、子供につきまして七万円を八万円にしましたが、これは住民税の課税の限度額、これに合わせてそろえたわけでございます。
○山本(政)委員 それじゃ質問を終わります。
○森田委員長 次回は明五日午前十時委員会、委員会散会後理事会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会