社会労働委員会 第19号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/05/20
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、労働保険の保険料の徴収等に関する法律案、及び、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を議題として審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
○田邊委員 失業保険法の改正が提案をされましたが、これは日本における現在並びに将来にわたる政府の雇用政策に関連をすることは言うまでもございません。現在労働問題として一番大きな問題は、一つには雇用の問題であり、一つには賃金の問題でありまして、これが相互に関連をしていく中で、全体の労働政策が構成されるということになっておるだろうと思うわけであります。 そこで、はなはだ恐縮でありまするが、失業保険法の質問に入ります前に、いま申し上げた観点から、当面をする賃金の問題に対してごく簡単にお伺いをいたしまして、引き続き雇用問題に入りたいと思うわけであります。 御案内のとおり、春は労働者の賃金引き上げの闘争が行なわれるのでありまするが、今年も例年のごとく、六九年賃金引き上げの闘争が、労働組合によって展開をされてまいりました。大体この賃上げ闘争も、終結に近づいてきたという昨今だろうと思うわけであります。労働省は、いままでの六九年賃金引き上げの状態について発表いたしておるようでございまするけれども、いままでのところで、一体今年度の賃金引き上げの状態というものは何ほどになっておるか、まずお伺いしたいと思います。
○松永政府委員 本年の春闘の賃上げの状況でございますが、まだ各産業全部が妥結をしておる状況でございませんので、総結末は出ておりませんが、現在までのところ大体のところを申し上げますというと、賃金引き上げの額におきまして約六千七百円程度、それから賃上げ率におきまして一五%余りという状況でございます。 なお、全部が終わりました後におきましては、また正確な数字が出ると思っております。
○田邊委員 いま労政局長のお話のように、大体六千七百円前後、一五%ばかりの賃金引き上げになったということであります。この間のあなたのほうの発表によりますと、六千六百八十円、一五・七%という発表をいたしておるようでございまして、大体いまの御報告と大差はないところでございますが、私ども大体そのように承知をいたしておるわけであります。 そこで、例年になく高い賃金引き上げが行なわれてくるというように思うわけでございますけれども、この高賃金引き上げの要因は何であるか、きわめて端的でいいですから、お答えいただきたいと思います。
○松永政府委員 例年に比べまして、昨年は御承知のように五千二百十三円でございましたので、相当大幅な賃上げがあったわけでございますが、詳しい要因については、私どものほうも目下いろいろ調査検討をいたしておるところでございますが、考えられますことは、一つは御承知のように産業界がきわめて好況でございまして、岩戸景気に引き続きまして七期連続黒字決算というような状況でございまして、経営者側に支払い能力があったということが一つの大きな原因であると思いますが、同時にやはり消費者物価の高騰ということから、労働者側の生活に基づく要求というものが相当強かったことだと思います。その他いろいろあるかと思いますが、、大体おもなる要因としましてはそのような点かと考えられます。
○田邊委員 したがって、産業界が好況を続けており、労働者側から見た場合には、物価の値上げ、生活水準の向上等が、その主要な要因であることはいまお話しのとおりでありまして、これは日本のいわば働く労働者にとっては、すべてそういった考え方に立つのは当然だろうと思うわけであります。 そこで、時間もございませんからお聞きいたしたいのでありますが、公共企業体等労働関係法の適用を受けるいわゆる三公社五現業といわれる人たちに対しては、さきに調停委員長裁断等の措置によりまして、賃金引き上げの額が示され、これがそのまま仲裁裁定となったわけでございまして、基準内賃金の八%プラス千円という形になったのでありますけれども、これは加重平均でいきますと四千八百十七円となるわけでございますが、そこでこの仲裁裁定は単純にパーセントに直しますと大体何%になりましょうか。昨年は三千四百五円でございまして、これが何%であったということに比較をして今年は何%に当たりましょうか。
○松永政府委員 本年の公労委におきます、三公社五現業の職員のベースアップについての仲裁裁定でございますが、ただいま先生御指摘になりましたように、加重平均におきまして四千八百十七円でございます。単純平均におきまして四千八百五円でございます。単純平均について率を申し上げますというと、一〇・一〇でございます。それに定昇が入りますので、民間との関係におきましては民間が定昇込みでございますので、比較の意味で申し上げますというと、単純平均におきまして定昇込みが六千五百五十円、アップ率におきまして二二・七七%でございます。加重平均では六千六百八円、パーセントにおきまして一三・八五%でございますが、お尋ねの昨年の仲裁裁定でございますが、昨年におきましては賃上げの額におきまして三千三百七十四円、単純平均でございます。これに定昇込みにいたしますと五千三十六円でございます。賃上げ率は定昇込みで一一・八五%でございます。なお、加重平均におきましては五千百三十二円、一一・九五%というふうになっております。
○田邊委員 そこで、大蔵政務次官おいででございますのでお伺いしたいのでありまするが、仲裁裁定は守るべきことは当然でございますけれども、三公社五現業、公社も含めてでございますからなかなか比較しづらいので、精密にお聞きしたいのでございまするけれども、実は時間がございませんから簡単でけっこうでございますが、一体どのくらい予算にこのベースアップ分はお組みでございますか。
○上村政府委員 予算措置としましては、定昇の部分しか計上してございません。
○田邊委員 そうしますると、今回の仲裁裁定を実施するために必要な財源は、どのくらいになると大蔵省は試算をされていますか。
○上村政府委員 数字の点でございますので、いま給与課長が参っておりますので、給与課長から答弁をさせていただきます。
○相原説明員 お答えいたします。三公社五現業を合計いたしまして、八%、千円の裁定額に見合う所要額は、千百五十三億四千万円といま計算しております。
○田邊委員 そこで、まあ各現業あるいは公社別にそれぞれ予算の形態が違いまするけれども、おおむね予備費等でもって捻出をしてまいったのがいままでの例でございますが、今回仲裁裁定をどうしても実施しなければならぬということに対して、大蔵省はこれに要するところの財源は、当然措置をしなければならぬと思いますが、その点いかがでございますか、政務次官。
○上村政府委員 田邊先生からいろいろ御指摘がございまするが、実はこの公共企業体の給与の改定につきまして、仲裁裁定が四十四年五月十四日に御案内のように出たわけであります。それで大蔵省としましても、今回の仲裁裁定は予想以上に高額であった。各公共企業体の経理内容から見まして、その実施はなかなか容易でないであろう。けれどもが、いま先生も御指摘のように、仲裁裁定は尊重して、そしてやっていかなければならぬ関係もございまするが、仲裁裁定が各公共企業体の経理及び事業計画に、どのような影響があるだろうかというようなことを、いま慎重に検討いたしております。そして公労法の三十五条などの規定によりまして、結局政府の態度というものにつきましては、ここに労働大臣もお見えでございますが、結局政府として検討されて態度を決定される、こういうふうに思っております。
○田邊委員 そこで労働大臣、あなたは当然仲裁裁定を完全実施をする立場に立っておる大臣でございまして、仲裁裁定が十四日の四時に出された時点からいいますると、十日以内に公労委に対して措置模様を通知するということになっておるようでございまするから、少なくとも二十三日中にはその状況を通知をするということになるだろうと思うわけでございますが、三十二年以降完全実施をしてまいりました政府としては、今年、いかような事情がありましても、この仲裁裁定は完全に実施をするということは理の当然だろうと思うのでございまして、ひとつ原労働大臣、あなたに、政府を代表して、この際その点に対して明確な決断をお聞かせいただきたい、このように思うわけであります。
○原国務大臣 田邊さんにお答え申し上げます。 御承知のように、去る十四日に仲裁裁定が下されまして、その十日以内というのでございますから、来たる二十三日の閣議でこれは正式に政府の態度を決定することになっております。その前にやはり、このたびの三公社五現業の公労委の仲裁裁定は、相当高額なものでございますので、各公社、企業体等の経理内容から見て、実施はそう容易なものではないと思われます。それで政府といたしましては、企業体の経理や事業の計画等もよく調査して、二十三日の最終閣議にかけるまでに一度関係閣僚の間で財源その他いろいろ検討を加えて、そうして二十三日に最終的に政府の態度をきめたい、こう思っております。 お尋ねの、労働大臣といたしましては、過去十二年間仲裁裁定を完全実施いたしておりますので、その経緯にかんがみましても、従来どおり仲裁裁定は完全に実施さるべきものであると考えております。またその線に沿うて、最大の努力をいたす所存でございます。
○森田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十時三十五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕