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61回国会衆議院1969/03/25

社会労働委員会 第6号

発言数
131
登壇者
9
会派数
3
開催日
1969/03/25

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  東北開発株式会社における労働問題調査のため、本日、東北開発株式会社総裁小倉俊夫君及び理事高見豊治君に参考人として御出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。山本政弘君。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 前回の質問で、開発局長のほうから答弁をいただきましたけれども、それが私に納得いきませんので、もう一ぺん答弁をしていただくことにさしていただいたわけです。  例の二億九千二百五十七万余円というのと、二億九千二百五十八万円というのと、これは端数があるかないか。会計検査院のほうでは端数がある。こういう報告が出ている。しかし、企画庁のほうでは、これはゼロになって端数がないということになっているのですけれども、この辺のひとつ御説明をいただきたいと思います。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 前回答弁を申し上げましたときに、若干資料を手元に持っておりませんでしたために、説明不十分だったことをおわびいたします。  決算上の四十二年度の収支の数字は、正確に申し上げますと、二億九千二百五十七万九千九百三円という数字でございます。これを会計検査院は、万円単位、以下余万円という表現をいたしますので、二億九千二百五十七万余円、こういう表現になっております。  それから、私どもの調製いたしました資料は、前回も御説明いたしましたとおり、千円以下、つまり百円の単位で四捨五入いたしましたので、二億九千二百五十八万円、こういう表示になるわけでございます。  考え方は、前回御説明申し上げたとおりであります。端数まで申し上げますと、以上のとおりでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 重ねて確認したいのですけれども、セメント事業部の四億二千三百九万九千円というこの九千円は、百円単位を四捨五入したことになるわけですね。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 セメント事業部も正確に端数まで申し上げますと、四億二千三百九万九千三百八十三円ということでございまして、百円単位四捨五入の数字でございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、総裁お見えでございますから……。これ御承知ですね、ありませんか、お手元に。――これの一番最後のページに「土地造成事業」というやつの地図があります。ここに、山形県の酒田というところの近くに、高砂地区五万二百五十四平方メートルだと思いますが、そこに造成地区というふうになっているんですね、この数字は間違いありませんか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 間違いないと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 企画庁のほうでも、どなたでもいいんですが、きちんと、間違いがあるかないか、もう一ぺん確認したいんですけれども、間違いありませんか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 ただいま、私のほうがこの問題に関して報告した資料を、手元に持っておりませんが、間違いないものと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、「土地造成事業」の、そこにまるく「合計面積」と書いてあるのがありますね、左の上のほうに。そこに五万二百四十五平方メートルと書いてあるんですけれども、この数字は間違いないですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 印刷してございますから、私、この場では間違いない、こう思っております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 もう一ぺん、その高砂地区と、いま私が申し上げたまるい面積の図と、数字をよく見てください。そこに間違いが明瞭に出ておるんですよ。間違いないと言っておるけれども、間違いが明瞭に出ておるんです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 これは私の見方が悪かったので、ミスプリントだと思いますので、調べまして訂正いたすことにいたします。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 総裁に私はお伺いしておるんですが、これはあなたのほうでおつくりになった「概要」ですよ。「概要」の中でそういう間違いがあるということ。私が指摘したいことは、いままでのあなた方の御指導のしかたというものについて、非常に私はあいまいさがあるんじゃないかと思うんです。数字ですから、こういうものはきちんと私はやらなきゃいかぬと思うのです。これは字が少なくともさかさまになっておるのを、間違いましたで済まされる問題で私はないと思うから、それで私はお伺いしておるのです。これは一ペんきちんとして、あとでもけっこうですからお知らせいただきたいと思うのです。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 ただいまの数字につきましては、詳細調べまして資料を提出いたします。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それじゃ、せんだって、局長のお答えだったと思うんですけれども、万石浦で海面の権利を取得したとかいうお話で、まだ現実にはお仕事をやっておらない、どういうふうにやるかということは計画中だというのですけれども、この海面の権利はどういう法律によってお取りになったのか、私よくわかりませんけれども、これは水利権とか、あるいは陸上でいえば地上権というのがあるんですけれども、現実にそれはお取りになっているのかどうか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 万石浦の場合には水面でございますけれども、水面下の土地について所有権があったということで、その所有権を買収したというふうに承知しております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 水面下の土地というのは、その海の下の土地に所有権があるということですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 そういうことでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私はよく知りませんが、海面の下の土地に所有権があるという法律があるのだったら、どういう法律に従ったのか、ひとつ教えていただきたいのです。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 このような事例は、全国にたくさんあるわけでございます。大体そういう事態が生じますのは、以前陸地であったものが、何らかの事情で水面下になってしまった、あるいは塩田であったものが、あとその使用をしなくなった、自然に水面になった、こういうような場合でございまして、ここの場合には塩田であったところでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 四十二万二千六十九平方メートルが塩田であったのですか。――私は確認いたしますけれども、これは公有水面埋立法という法律に従ってあなた方は仕事をおやりになるつもりで権利を取得したのかどうか。あるいはいまあなたがおっしゃったように、海面の下の土地というもの、私はそういう法律を知りませんけれども、そういう法律があって、それによっておやりになったのかどうか、その点をひとつはっきりさしていただきたいのです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 あの塩田あとを当社が入手いたしましたのは、だいぶ古いことでございまして、当時のいきさつを全部、ただいま資料を持ち合わせておりませんですが、あの塩田は、当社があそこに開発を進めるという意味合いで塩田地区を、もちろんこれは県のほうとの交渉も十分あったと思いますけれども、合法的に入手いたしましたのですが、その後まだ整地を十分いたしていない場所もございまして、これをいかにして利用するかということで目下進めておりますが、この塩田地区につきましては、これは陸地になっておりまして、これははっきり当社が土地そのものの所有権を持っております。で、水面につきましては他のいろいろな漁業権その他のこともございましょうが、ただいまのところ私のほうは漁業はいたしておりません。塩田地区内で若干の養殖はいたしておりますけれども、海面の利用は現在のところいたしてございません。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 総裁、お答えそれでいいのですか。間違いありませんか。あなたのほうは、石油コンビナートを万石浦におつくりになるということで土地の買収交渉をして、そしてたしか三十六年の七月ですか、この交渉はうまくいかなくって、土地の調査をしたら軟弱だということで、たしかその年の十一月でしたか、契約を解除されたはずですよ。契約を解除されるということは、その土地の所有権をお捨てになったということを意味するのですよ。そしてそのときに、違約金として一千六百万円か何かをお払いになったはずでしょう。解約をしたのだったら、それに対する土地の所有権といいますか、たとえ水面下にあろうが、いま残っておろうが、そういう権利というものは、あなた方は放棄をされたことになるのじゃないかと思うのですけれども、いまそれが現実に四十三年八月のこれに出てきているとするならば、これは私は非常に筋が違うのではないか。あなた方が誤解をされているのか、もしくはその辺にいきさつがあるのか、私はよくわかりません。ともかくも、その点をはっきりしていただきたいと思うのです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 万石浦の地所は、二つに分かれておりまして、一つは塩田地区でございまして、それから水路を隔てて背後地がございます。これはたんぼになっておりますが、いまはっきりした地積は存じておりませんが、あそこを当方で買収の予約をいたしまして……

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 総裁、もう少し大きい声でないと、奥のほうに声が通りません。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 買収の予約をいたしたのでございますが、その背後地のほうは、工場誘致をいたしますについても、工業用水が出ませんものですから、当方におきまして利用方法のこれという目当てはつきませんでしたが、地元のほうで、もし当方が買収しないとすれば、違約金を払って戻してほしい、こういうことがございましたので、一千五百万円だと記憶いたしておりますが、その違約金を払いまして売買契約を解除いたしました。それは万石浦の塩田地区から水路を隔てた背後地のほうになっております。そちらのほうは所有権はございませんけれども、万石浦の塩田地区のほうにつきましては当方が所有権を持っておる、こういうことでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 そうすると、万石浦というのは一部は陸地になっており、一部は海面下に没したことになっているわけですね。全部陸地ですか。その点はどうです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 ただいま塩田地区は、若干水没しているところもございます。しかし、大部分が陸地になっておりまして、先ほど申しましたようにまだ整地をいたしておりませんものですから、それから中には水路なんかが通っておりますので、必ずしも全部陸地だと申し上げられないのでございますが、大部分は陸地になっております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは局長さん、やはり多少訂正をしていただかなければいけませんね。せんだってのお答えは、海面下とか水面下とか、そういうおことばをお使いになったと思うのです。その点はひとつはっきりしてください。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 万石浦の土地につきまして、水面下にある部分があるということを前回申し上げたわけでありますが、全部が水面下にあるような御答弁をいたしたとすれば、ただいまの総裁の答弁のとおりでございますので、訂正をいたします。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 あとで唐橋さんが御質問をされるそうですから、私は簡単に終わらしていただきたいと思いますが、ともかく私が申し上げたいことは、これはきょうで三回目ですけれども、いままであなた方のお答えなり数字なりというのが、非常にちぐはぐですよね。これは監督官庁としても、それから開発株式会社自体としても、私はもっと慎重にやらなければいかぬと思うのです。中央から金を出させればいいのだ、それで資金というものは出てくるのだというお考えをもしあなた方がお持ちであるとするならば、東北開発の使命というものは半ばなくなったにひとしいと私は思うのです。開発株式会社というものは、国の金を使う以上は、もっと慎重であってほしいし、もっと十分な検討をしてほしいと私は思うのです。そういうものが、福島工場の民間移転という形で結果的には出てきているのじゃないかと思うのですよ。それをひとつ今後きちんとやっていただきたいと思うのです。  そこで、お伺いしたいのですが、開発株式会社では、たとえば年間予算をお組みになるときに、定期昇給というものについて、それをひとつ頭の中に入れて予算をお組みになっているのかどうか、この点はどうでしょう。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 定昇分につきましては考えております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 定昇の期日は、私は毎年三月の二十一日というふうに理解しておるのですけれども、それに間違いありませんか。昇給の時期ですね。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 お答えいたします。  東北開発株式会社の給与規程によりますと、私のところは職員の身分が一般職と生産職――生産職と申しますのは元の工員でございますけれども、その二つの身分によっておりますが、大体これは定例的に定期昇給を行なうことができるという規定でございますけれども、生産職の場合は三月二十一日、そして一般職の場合は四月一日ということで定期昇給ができるという規定が、給与規程の十一条に載ってございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、高見さんにお伺いいたします。  あなた方が予算をお組みになるときに、生産職でもいいです。これは現場の工員の方々だと思うのです。その方々についての定期昇給の予算というものを、今年度の予算に、前もってお組みになっておりますか。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 私の会社の場合は、予算ということでなしに、毎年度その年度の卒業計画を作成いたしまして、これを承認していただいて事業を行なっておるわけでございますけれども、この事業計画を作成いたします段階におきまして、もちろん物価の上昇その他いろいろなことを勘案いたしまして、定期昇給のほかにもしベースアップというものが必要であるならば、そういうものの財源を見越して事業計画を作成しております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 その事業計画は、あなたの御説明はよくわかるのですが、だから私のお伺いしたいのは、定昇分というものを、これぐらいだということでちゃんと予算の中に入れておられるかどうかということをお伺いしたいのです。私の手元にあるものの中には、それは入ってないような気がするのです。だから、その点を私はきちんとしてほしいのです。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 それは定昇として幾らというふうなことでなしに、事業計画でございますから、それぞれ――たとえば生産現場においては固定費の中に入っているとか、本社の場合には一般管理費の中に入っているとか、それぞれの基本的な計算にはそういう定昇に該当するもの、もちろんその場合にベースアップが必要であるとするならば、会社で許されるベースアップの財源というものは、それぞれの中に計算して事業計画をつくっております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 それでは、三月二十一日の定昇分として、あなた方はどれくらいお考えになっておるのですか。少なくとも会社が民営に移管するのは、四月以降ですね。そうするとその定昇分について、あなた方はちゃんと頭の中に置いて、退職に対する条件とかなんとかということをお考えになるはずだけれども、その辺は一体どうなっているのです。私は、少なくとも労使の交渉の間では、そのことについては一言半句も触れてないような気がするのです。同時に、定昇分についてあなた方はお考えになっておられないような気がするのです。その点はどうなっていますか。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 ちょっと質問の趣旨がよくわからないのですが、毎年度の事業計画には、そういう人件費の財源として織り込んでございますから、たとえば四十四年の三月二十一日と四月一日に、もしこれを定期昇給させるといたしますならば、これは四十四年度の事業計画の中に織り込んで当然事業計画を作成するということに相なろうかと思います。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 私が申し上げておるのは、それは四十三年度分に織り込むべきであるものではないのですか。三月二十一日というものはどうなんですか。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 ですからそれは三月二十一日と四月一日と、生産職の場合は前月の二十日締めでその月の給料を支払っております。ですから定期昇給いたしましたならば昇給分、それはすべて新年度から上がった額で支払うということに相なります。ですから、それはその年度の事業計画に織り込んでおるということになりますから、四十三年度の三月二十一日の昇給は、三月分につきましては三月二十五日というふうに相なりますけれども、そういうものは計算上その場合には一月分でございますから織り込んでございます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 織り込んでおるということで私は善処してもらいたい、こういうことをお願いいたして、あと最後に一つだけ御質問したいと思うのですけれども、昭和四十三年の十二月の十四日に「基本協定書」というのをおつくりになっておりますね。これは現実に、東北開発と福島製鋼とで調印したかどうか私はわかりません。その基本協定書の中の第四項に、「甲は、この営業譲渡後も三カ月間、カーバイドその他従来の製品の販売を引受けるほか、これら製品の生産及び販売が円滑に行なわれるよう乙に協力するものとし、その方法については、別途甲、乙双方が協議して定める。なお、乙は、必要により、これら製品の販売を第三者に委託することができるものとする。」こういうふうにあります。この場合、甲というのは東北開発株式会社、乙というのは福島製鋼株式会社ですけれども、「三カ月間、力-バイドその他従来の製品の販売を引受ける」というのがあって、第六項に、「甲は、従業員の引継ぎにあたり、福島工場及び、高萩アセチレン充填所に勤務する従業員を退職せしめるものとし、乙は、その全従業員を採用し、乙の他の従業員の待遇と」云々、こういうふうに書いておるのですが、その前の第五項に、「乙は、営業譲渡により甲から譲受けた固定資産については、特別な事由によりあらかじめ甲の承諾を得た場合をのぞき引渡し日から満二年間他に譲渡しないものとする。」ということでありますけれども、この「二年間」は、カーバイドの仕事をおやりになるということを意味しておるのですか。三カ月間販売は甲のほうが引き受ける、そうして二年間については乙のほうが責任を持ってカーバイドの仕事をするという意味だろうか、あるいはその三カ月間たてば、その時点において移転をするというのか、その辺をひとつはっきりしていただきたいと思います。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 この三カ月間販売を引き受けるということを書きましたのは、譲り受け人の福島製鋼が、まだカーバイドの製造、販売をいたした経験がございませんので、譲り受け人のほうからの希望によりまして三カ月間は当方で引き受ける。カーバイドの販売につきましては、いろいろな代理店もございますし、それから大手の注文社もございますので、製造と違いましてまた販売の方面にはやはりそれだけの知識、経験、あるいは顔なじみがございますので、そういう意味で引き受ける。またカーバイドはこの一両年間くらいは継続すると思います。相手方に譲り渡しましたものですから、相手方の都合もあろうかと思いますが、いまのところの話し合いでは、一両年くらいはカーバイドの製造を続け、その先はまだはっきりとしておりませんが、カーバイドは斜陽の産業でございますので、順次製鋼のほうに移動させていくということでございますので、過渡期といたしましては、三カ月に限らずなお継続する計画で進んでおります。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 ほかに質問したいことも二、三ありますけれども、時間が来たようでありますから、最後に私、東北開発株式会社に対して申し上げたいことは、政府向けのきれいな計画書や、それからその作文というものは、この際私はやめていただきたいと思います。安易に、中央から金をもらっていけば東北開発がなし得るというようなことは、むしろ東北開発に関して私はある意味でガンになっておると思うのです。これはたびたび私が指摘したように、あなた方は現実に数字が違ったり、それから海面あるいは陸地とかいうようなことで、答弁に食い違いができている。そういうことが実は東北開発をしながら東北開発に阻害をぼくは与えていると思うのですよ。ある意味では、これほど住民をばかにしたことはないのです。あなた方の御都合に従って、赤字だから民間に移転したほうがいいだろうというようなことに、私は問題があるのじゃないかと思うのです。ですから、この点について、現実にはあなた方の責任ですよ。いまさら、カーバイド産業が斜陽であるということは、ついこのごろのことじゃないのです。だからあなた方は、例の十一億円とか六億円とかいう金を計上しながら計画をお立てになった。しかし、その計画というものが、実施をされぬままに今日にきたわけでしょう。考えてみれば、これは少なくとも働いている人たちの責任じゃありませんよ。少なくともあなた方の責任ですよ。同時に、開発ということに関すれば、東北の人たちに対するあなた方の責任なんですよ。その点をひとつ十分に考えて、今後の対策に対する条件なり何なり、これは唐橋さんがあとで質問すると思いますけれども、この点についてひとつ配慮していただきたいと思うのです。  同時に、企画庁についてお願いしたいことは、これは私がもう申し上げるまでもなく、監督の義務があるのですから、もう少しきちんとした監督をしていただきたいと思います。そして開発に関しては、厳格な態度でもって会社に対しては臨んでいくべきではないだろうか、そしてその上に立って指導すべきではないか、私はこう思うのです。この点について総裁と局長の御答弁をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 いろいろ御忠言のことにつきましては、私どもも今後とも反省して、努力していかなければならぬと考えております。ただ、私考えますのは、開発事業というのは先行投資であるということで、いろいろ、非常にむずかしい点がございますので、私もこの四年間、頭を悩ませてまいりましたが、幸いにしまして、三十九年度に政府から御命令を受けました五カ年計画はほぼ達成いたしまして、ある意味では五カ年計画を追い越した数字をあげるに至りましたことは、これは私どもの努力というよりも、日本の経済の進展のためと考えてはおりますが、幸いに事業部門で黒字も昨年度から出しておるようなわけでございますから、これをくずさないように、ただいまの御忠言を十分考えまして、経営に当たってまいりたいと思っております。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 総裁のおことばを聞けば、私は反発したくなるのですよ。開発事業というのは先行投資ということはよくわかります。ただしかし、もしもあなた方が、たとえば秋田地区においてでも、要するに先行投資をした結果というものがどうなっただろうか、万石浦の先行投資はどうなっただろうかということを考えたならば、あなた方はばく大な利子を払っているのですよ、ばく大な投資をしながら。私が申し上げたいのは、これは政府からの資金ですよ。これは考えてみれば国民の税金ですよ。なるほど黒字は出ました、出ましたけれども、第三期の営業報告書の冒頭に、あなたのことばが書いてあるのですよ。そのことばの中には、前途多難だということもお書きになっているのですよ。そして土地を買ってきたけれどもボーリングが軟弱であったとか、逆に秋田地区では、岩盤が初めからあって、どうにもならなかったというような事態が出てくる。そういう調査なしに開発をやろうとしても、私はむだだと思うのですよ。結果的には赤字を招来する以外にないのですよ。そういう安易なことをおやりになっては困る、私はそういうことを申し上げているのです。その点の反省を十分してもらわないで、いまや黒字になった、先の見通しは明るいということだけで手放しに自画自賛することは、私はやめてほしいと思うのです。  これで私の質問を終わります。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 御指摘を受けましたとおり、三十九年に東北開発会社の再建ということで財政的な措置もとらなければならないというような事態でございました。それ以前のいろいろな計画について、監督官庁として、経済企画庁においても責任があるということは、御指摘のとおりでございます。ただ、再建過程に入りまして後は、現在の小倉総裁以下の執行部の方々が、非常に厳正に会社の運営をやっていただき、私どももそのつもりで努力をいたしております。  最近の事態としては、私どもは非常にその点は改まっておる、かように考えております。ただ、ただいま御指摘もありましたように、答弁の点でいろいろ不手ぎわがありましたことは、おわびを申し上げます。

山本政弘日本社会党

○山本(政)委員 再度私は、それではお願いをいたして質問を終わりたいと思いますけれども、営業成績というのは、赤字の会社を民間に移行すれば、これはもう残りのものは黒字なんですよ。だから、それをもって営業成績がよくなったということは一がいに私は言えないと思う。赤字をいかに克服して黒字にしたかというならば、これは営業成績です。しかし、赤字を手放して、そして残りが黒字だからというのは、これは私は必ずしも、あなた方のおっしゃるように、帳面づらだけの――つまりこれが一つの民間の企業であれはそういうことが言えるかもしれません。しかし少なくとも国策、国の資本金がかなりの部分を占めている東北開発株式会社とすれば、もっと考えていいのだろうと思います。その点をひとつ企画庁並びに東北開発株式会社の今後の問題として十分御配慮願いたい。  同時に、いわゆる従業員の問題も、率直に言ってあります。簡単に黒字のものにせよ、黒字になったからどうだということでは困るので、そういう点についてはひとつ従業員に対する配慮というものをしてもらいたいし、民間に移行する福島工場の従業員に対してのいろいろな条件について、金がないというところだけでなしに、国鉄の前副総裁でいらっしゃるから、率直に申し上げると、国鉄の方々を相手にされた小倉さんが、福島の二百何十人の人たちを相手にするのは、場合によっては赤子の手をねじるようにやさしいかもしれぬ、しかし私は、ともかくそう簡単なものではないと思います。率直に申し上げます。そういうことをお願い申し上げて私の質問を終わらせていただきます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 唐橋東君。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 山本委員の質問に引き続きまして質問いたしますが、東北開発三法が提出されまして、その当時のこと、私も当時は県議会におりました。福島出身です。したがって、地域の人たちは、おくれたこの地域を、この三法によってということで、ものすごい夢を持ちました。しかし、いまその夢は悲しいかなむざんに打ち破られていると言っても決して過言でないと思うのでございますが、それらのことは別といたしまして、東北開発三法によってこのような状態になって以来、何年になりますか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 東北開発三法が制定されましたのは昭和三十二年でございますので、十二年ぐらいになると思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 その間、現在の小倉総裁まで、何代の総裁がかわりましたか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 小倉総裁は、三代目に当たられるわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 失礼ですが、三代の総裁のおのおのの前身と申しますか、出身、その前に枢要な位置につかれていた方々がこの総裁になられたと思うのですが、その出身畑はどういう方々ですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 たしか初代の渡辺総裁は、日本鋼管の社長をおやりになって、やめてしばらくたっておられたと思います。それから第二代の伊藤総裁は三菱鉱業から苫小牧開発株式会社の社長をおやりになっておられた、こういうふうに記憶をいたしております。小倉総裁は、先ほど山本先生からお話がございましたように、国鉄の副総裁をおやりになりまして、しばらくたって後に、総裁に御就任になられました。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いま御答弁がありましたように、三代の総裁とも、日本のいわゆる実業界にとっては、全くりっぱな腕のある人だと私たちは大いに期待を持っていたわけでございます。しかし、いま申しましたように、これらの方々が非常に努力されても、この目的が十分に果たし得なかったということにつきましては、地元の人たちの夢を実現できなかったということにつきましては、いろいろあると思うのでございますが、それにはやはり東北開発株式会社の基本的な民間企業と違った性格があると思います。小倉総裁は、他の民間会社と違って、あなたが苦労されておる会社の性格を、どのように把握していらっしゃいますか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 御指摘のとおりに、東北開発株式会社は特殊法人でありますために、民間の会社とはだいぶ趣を異にしております。それは、民間の会社でありますと、営利追求ということが本来でございます。しかし、世の中は営利追求だけで済ませるものではなく、民間の会社としましても、多かれ少なかれ若干の公共性は持っておると思いますが、主たるものは営利追求でございます。当方につきましては、民間と違いまして、そのほかに、公益的な性格を多分に持っておりまして、公共事業の遂行のために法律ができ、定款ができております。しかし、またいかに公共的な事業といいましても、採算を度外視しては成り立たないのでございますから、特殊法人といいましても、やはり一面におきましては採算性も考えていかなくちゃならぬ。それでありますから、開発会社としましては公益性と営利性と、両方を踏まえていくというところに性格の複雑さがある、こう考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そのようにお考えになって現在まで苦労されたと思うのですが、先ほど山本委員からも指摘されましたこのパンフレットで、もっと明確に総裁は書かれていますね。といいますのは、この会社は、一つは東北の未開資源の開発に役立つということですね。もう一つは、民間では経営が困難である、このような事業を東北開発が受け持つんだということ。もう一つは関連産業を育成していく基幹産業とでもいう位置を占めるものだ。こういう三つの性格、この上にいま総裁が言われたような基本的なものがあるだろう、こう私は理解しておるのですが、どうですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 御指摘のとおりでございます。私もそう思っております。先ほどは簡単に申し上げましたので、ごく基本的な性格論だけを申し上げましたが、当方の使命とする事業は、東北の開発を促進するために先行的、公共的な事業を営むことが一つと、それから関連産業につきましてこれを育成助長していくという役割りと、それから直営事業におきましても、民間がすぐに進出できないような事業を経営していくという、御指摘のとおりの三つの柱があると存じます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そういう性格の上に、先ほど議論ありましたように、五カ年の年次計画は皆さんの御協力で黒字になってきた。こういう中において、福島工場が民間に経営譲渡する、こういういうことを考えますときに、他方は黒字になってきた。他方は民間企業と比べて、初めから経営が困難であることを予測されておる。こういう性格のものを基本的に持っておる。この二つを考えていくときに、福島製鋼に経営譲渡するという問題は、なまやさしいものではないと思うのです。ですから、ここまで決意された総裁の基本的な心境を、まず私はお聞きしたいと思います。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 開発会社は、開発事業ということを営んでまいりました。その反面、犠牲も多くて、赤字が累積してまいりましたことは御承知のとおりでございます。そして赤字があまり累積するということで、各方面からの御指摘を受けまして、三十九年に再建五カ年計画というのができたわけでございます。これは政府の御指導にまつところがあったのでございますが、その当初から、赤字をなくすためにはいろいろな命令を受けました。  たとえば機構の簡素化であるとか、あるいは事業の合理化であるとかいうことがございましたが、そのうちの一つに、やはり福島工場の合理化ということが五カ年計画の当初から織り込まれておりました。  それは何ゆえかと申しますと、もうすでに昭和二十七、八年ごろからカーバイドの事業は、将来継続するのになかなか困難だという経済常識がございまして、カーバイドは斜陽である。と申しますのは、石油系が進出してきまして、カーバイドの主たるはけ先は、有機合成製品部門でございますが、これに対するカーバイドの原料に対しまして、石油系のほうが格段に安くできますために、カーバイドは結局は斜陽になるということで、大手筋でもどんどん業種の転換をはかってまいりましたようなわけでございます。そういう点から福島工場はやはりカーバイドに専念しておりますれば、いつまでも赤字が出るという見通しでございました。現に、三十九年度以降、毎年大体一億五、六千万円の赤字がずっと継続してまいりました。昨年度、今年度は若干減りましたけれども、やはり将来は一億、二億という赤字が単年度で出てくるという算定がはっきりいたしましたので、福島工場はただいま開発会社が持っております三つの工場のうちで一番古い工場でございまして、かつてはいろいろ開発に貢献をいたした工場ではございますが、やはり経済情勢、技術革新という波には抗し切れませんので、ここで徹底的な合理化をはからなければ、会社としての政府に対する責任が達せられない、こう考えましたので、こういうことに踏み切った次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 最終的に総裁の心境は政府に対する責任で、経営困難な、将来斜陽産業の代表というようなものだから切ったのだ、こういうことですが、そこなんですね、私は。先ほど申しましたように、民間では経営困難であるというのはもう初めからわかり切っており、そうすれば、この産業は斜陽産業であるとすれば、中途において、さっき申し上げました三条件の中で、年次的な産業内部の構造の変換あるいは製品の変換というものがなぜできなかったのか、ここに私は責任の所在を非常に感ずるわけでございますが、なるほど経過を聞いてみますと、四十二年度には六億円、その前の年、四十一年度には十二億円予算を計上して、酢酸ビニールあるいは塩化ビニール等の生産も計画してあった、こういうことはやはり経過としてはわかるのでございますが、要はこれだけの歴史の深い工場を、あなたたちの手から民間に移譲するということは、あなたは政府に対する責任だというけれども、それだけを切り離して民間に、財産をなくしてしまうわけですね。私はむしろその責任をどうお考えになるのか。いままで与えられた範囲のものを、一部民間へ移譲していくという責任、このことこそ私は、東北開発のあの希望に燃えた人たちに対する一つの責任だと思うわけです。東北を開発していただきたいという希望を持っておる人たちへの責任だと思う。同時に、政府に対してあなたたちは事業を拡張して健全なものにしていく、こういう責任がある。それを切り離してしまって、経営合理化だけなんだ、採算ベースだけなんだ。こういうことは三代の総裁の中で、ほんとうに大きな責任があるんじゃないか、こういうことを私は感ずるわけでございますが、政府に対する責任に対して、もう一度あなたの心境を聞きたいのですが、切り離して、健全になった、この責任、切り離すということに対してはどう考えるか。あなたは経営を健全にさせるために切り離すのだというのですが、いままで持っている規模を縮小したことでしょう。これについてはどうですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 私、就任いたしましたときに、福島工場へ参りまして、福島工場の方々から、おまえ福島工場をどうするつもりだといわれましたときに、もう極力生かして、この福島工場をもり立てていくつもりだ、こう申しました。それが結局は、かように分離ということになりましたことにつきましては、私も少なからず相すまないという感じはいたします。しかしながら、企業が大きくなりますれば、その部分部分におきまして、時世に合わないで赤字を出すという部門が出てくる場合が住々ございまして、そういう場合には、やはり会社全体の健全性を考えるためには、その部分を縮小するとか、あるいは転換するとかいうふうな手当てをいたしませんと、結局全体の健全性が失なわれてくる、こう思います。  それで先ほど来申し上げましたように、福島工場はかつて会社の重要なる工場でございましたが、何と申しましても、石油系の進出というふうな巨大な技術革新には抗すべくもございませんでして、何とか転換をはからなければいかぬ。それで先ほど先生も御指摘になりましたとおりに、四十年、四十一年ごろには、ぜひこれを酢ビに転換いたしたい、こう考えまして、強力なる大手筋ともタイアップして計画を進めてまいったのでございますが、これも酢酸という最も重要な原料が、どうしても入手困難で、これができなかったわけでございます。  それから次に、カーバイドの大手筋に引き受けてもらおうということも考えましたのですが、これまた引き取り条件が非常に過酷でございましたので、こちらから破約を申し込んだような次第でございます。  今回につきましては、やはりこれは地元の産業でございまして、従業員の方々も居つきのままで、全従業員が完全再雇用であるというふうなことでありますれば、これはやはり合理化という世間のいろいろなケースから見まして条件がよろしい、こう考えましたので、工場に働いておる方は、開発会社ということから離れるという郷愁の念は、これは私十分お察し申し上げますが、やはり事業を生かす、あるいは土地の繁栄というふうなことで、大所高所から考えますれば、やはりこの道が最善であったのではないか、こういう心況でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 総裁の心況も、一応は理解できるのですが、私はいまのようなとり方は、最も消極的なものである、もっと積極的に、三原則と申しますか、東北開発の性格の上に立って、少なくとも五カ年計画ぐらいで目的を達する。内部の産業再編、産業転換をなすべきであったということは、私は個人として持っておりますが、それらの点は議論してみても始まりませんので省略しますが、先ほども言うように一億五、六千万円の毎年の赤字だった、こういうのが福島工場の実績なんですが、いま財産譲渡の中において、三月末を目途にしておりますので、累積の赤字というのはどれくらいですか。     〔委員長退席、渡辺(肇)委員長代理着席〕 これはもう明確に交渉段階に入っていると思いますので、確実に近い数字をお示し願いたい。特にその内容を、十年間ですから年次的なものをひとつメモをして私によこしてください。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 正確な数字は、別途御提出申し上げてけっこうだと思いますが、私の記憶に存する限りは、三十九年、五カ年計画発足のときには、福島工場の赤字がたしか八億円ございまして、それから四十二年末にはたしか十三億円ぐらいだったと記憶いたしておりますが、なお正確な資料を調べまして、はっきり年次別にしてお手元まで差し上げるつもりでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 ちょっと係で御答弁できませんか。累積赤字ぐらい、三月末になってすぐに提出できないのではしかたがないですよ。あなたたちは、三月の末に福島工場を営業譲渡しようとしているのでしょう。そのときに、国会の場で重大な問題だということで議論されているときに、最も基本になる現在の赤字の累計、その累積赤字があるから譲渡するのでしょう。それが出せないような状態でどうするのです。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 累積赤字等累年額を申し上げます。三十八年度八億一千七百七十六万四千円、間を飛ばしますが、四十二年度十三億五千三百七十三万六千円、間の数字は必要があれば……。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 あとで資料でいただきます。  そうしますと、この福島工場の累積赤字は、先ほど総裁が答弁なされましたように、全体を見れば黒字になってきた。しかし、福島工場はこのとおりに赤字だというときに、営業譲渡の基本として、福島工場全体の赤字を解消するために民間に営業譲渡するんでしょう。それが他に黒字のところがあるからそれを埋めていく。会社としてこういう二つの方法があると思うのですがね。その基本方針はどうなんですか。――私の質問ちょっとくどいのですがおわかりになりますか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 はあ、大体……

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 単独の福島工場の営業譲渡ですから、福島工場の一切の赤字はそれで解消していく、こういう基本方針なのか。それとも総体において東北開発は総裁の御努力等によって黒字になってきたので、そういう中において譲渡をしていくのか。その基本的なたてまえは譲渡の場合の一番重要なものだと私は思うのですが、そのどちらをおとりになるんです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 当社では事業勘定を再建勘定と申しておりますが、再建勘定のほうでは黒字が出てまいったと私先ほど申し上げましたけれども、この黒字は累積赤字をどんどん消していかなければならぬものでありまして、安易に使うわけにはまいらない黒字でございます。それで、ただいま仰せのように、黒字をもって福島工場の赤字をつぶして考えたらどうかというふうに……。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうではないのです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 それではもう一回御質問いただきまして……。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 失礼いたしました。そういう意味ではないのです。福島工場を今度、簡単に言いますと民間に全部売っ払っちまうわけですわね。そうすれば、この財産処理の場合に、原則として福島工場のずっと累積した赤字を全部消し得るような形で譲渡していくのか、それとも、いわゆる東北開発会社全体の経営の中で、十一ですか十二ですか、この会社の経理全体の中で、福島工場の赤字も加わっておるが、そういう中でいま福島工場だけを分離譲渡していく、こういうことなのか。私はあとでも議論いたしますが、そのことはあなたたちがこういう公益事業に携わる場合の責任の所在として大切な基本態度だと思うのですよ。その点なんですよ。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 ただいま申し上げましたように、四十二年度には福島工場における累積赤字が十三億余ございます。今年度末におきますれば、それがまた若干ふえたことと思いますが、これは譲渡の場合におきまして工場にはつけませんです。と申しますのは、譲り受け人が、それだけの借金も一緒に引き受けたらおそらく買い手がございません。でございますから、それだけの累積赤字はやはり開発会社が引き受けまして、これをなしくずしに消していくよりほかない、こう思っております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうしますと、いままでつくった借金はつけないで、この借金は一切東北開発株式会社のほうで負うのだ、そのかわりに借金なしの福島工場を譲り渡すのだ、こういうことなんですね。そういうふうに確認していいですね。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 そのとおりでございます。借金は一切向こうへつけてまいりませんです。ただ、流動資産のように出入りがあります場合には、これは累積赤字がございませんから出し入れば計算いたしますけれども、累積赤字は、先ほど申しましたように、過去の決算におきまして出てきました赤字は、今回譲渡の場合には相手方につけて回さないつもりでおります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それではこの財産譲渡の場合に、あるいは営業譲渡に伴って、相手側からどれだけの金が入りますか。総額はどれだけで営業譲渡をするのですか。いままで福島工場では約十四億の赤字をつくりました、借金はつけませんから。しかし、今度は営業譲渡するのに、相手側からこれだけの金が入る。これはひとつ明確に出していただきたい。その差額が、実はあなたたちが、今度東北開発会社として埋めていかなければならないものになるわけです。そうでしょう。ですから、今度はどのくらいの金で営業譲渡するのですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 ただいまの時点におきましては、目下団体交渉中でございまして、はっきりした譲渡契約まで結んでございませんです。それからまた、譲渡価格につきましては、これは準国家的な資産の譲渡でございますから、監督官庁の意向も、あるいは第三者の鑑定も、いろいろな手続を踏まなければなりませんので、私はいまここで予断をもって申し上げるわけにいきませんですが、大体の見当を申し上げますと、固定資産につきましては二億五千万円ないし三億円の間ぐらいで、そのほかに流動資産、負債の出入りもございますし、それから付属施設の算定もございますので、総額をはっきり幾らということはまだ申し上げかねる状態でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私もこういう場合の取り扱い方は、しろうとなりに判断してますので、まだ今後の手続、いろいろ残っておりますね、たとえば総会その他。ですから、何もここで一切の譲渡財産、そういうものを明白にしなさいということは私は要求していません。しかし、少なくとも方向として、このものはこのくらいのものだというものだけは明白にしていただかなければならないと思いますし、たとえばそのうちの基準になっております公の土地鑑定士その他による評価価格というようなものは、当然明らかになっていいと思うのです。あとその他、全体のこういうものだということは、これはなかなかめんどうだとしても、しかし、少なくともこれは他の民間の財産譲渡ではないのです。御承知のような性格の財産譲渡なんです。そうすれば私たちだって、国会議員の立場でそれらを知る義務もあり、権利もあると思うのです。こういう中において、三月末に譲渡をしていこうというときには、おおよそ煮詰まったものというよりも、この程度だけは国会で明らかにしなければならないという準備は、当然あなたたちはできていていいと思うのです。まだできていませんということだけでは私は了承できないのです。おおよそ二億五千万円から三億円ですということだけでは、ちょっと不十分ではないですか。もう少し明らかになりませんか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 ただいま申し上げました二億五千万円ないし三億円というのは、固定資産でございまして、そのほかにたなおろし資産だとか、それから付属設備とか、こういうものがございまして、三月末日でないと、たなおろしができませんものですから、それはいまの段階ではまだはっきりいたしておりませんが、少し幅を持たせていただきたいと思いますが、それらも全部入れますと、四億五千万円ないし五億円くらいでありますか、おおよそそのくらいの見当になると思います。しかし、これは、また鑑定人の鑑定であるとか、政府の御意見だとかいうことで狂ってまいるかもしれませんけれども、私の大体の見当としてはその辺かと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 一応いまの時点ではその答弁で私も了承せざるを得ないと思いますが、これが譲渡になり、譲渡が終わって総会にも全部かかった、こういうようなことのあとで、ひとつ財産評価の内容を私の手元に届けていただくことを約束できますか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 お約束いたします。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それから東北開発は、政府出資もさることながら、地方公共団体、東北六県、あるいは市町村、それから農業協同組合、これらの出資もあるわけですね。この地方公共団体のパーセンテージは、おおよそどのくらいになっておりますか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 当方は政府出資がもちろん大部分でございまして、その像かに各県、それから市町村、それから各組合のようなものが出資いたしておりまして、その株主数はおおよそ五百にわたっておりますので、なかなか分類がめんどうでございますけれども、そのうそ政府の出資は――それでは高見理事から。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 現在のところ当社の資本金は百五億ばかりでございますが、そのうち各県、福島県、新潟県、青森県、秋田県、宮城県、山形県、岩手県、七県の総計で発行済み株式数に対する持ち株比率は〇・九三%でございます。それから市町村は〇・〇一%でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 パーセンテージは非常に低いのですが、現在、東北の地方自治体というものの財政は、総裁はあちらのほうで事業されておりますから理解されておりますが、非常に困難な中から出資しておるということも御理解いただけると思うのです。そうして冒頭に申しましたように、協力した中で東北開発をやっていこうというような意味で、進んで出資はしているわけなんです。こういう中で、いま福島工場を切り離していくというようなことについては、出資者に対する大きな責任だと思うのです。しかもこの出資者は、すべてその出資の内容は、公金です。市町村であろうと、農協関係であろうと、いわゆる公金でありますね。     〔渡辺(肇)委員長代理退席、委員長着席〕 公金を預かった人たちがいまのような趣旨で出資しておる、こういうわけでございますので、やはり普通の株式会社のような考え方であってはならない、こう考えますときに、この出資者に対する責任と申しましょうか、義理とでも申しましょうか、それについてはどう対処されるおつもりですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 当社の株主構成はただいま申し上げたとおりでございますが、先生が御指摘になりましたとおりに、小額の株主が、全体としての表決権は少ないのでございますが、非常に貴重な出資者でございます。それですから、私もかねがね政府御当局に申し上げておるのですが、政府は九十何%の株を持っている、それで表決は間違いないけれども、しかし、そのほかに五百の小額の株主があるということを決して忘れては困りますということを始終申し上げている次第でございます。  ただいま福島工場を放すことは、株主に対してどうかというふうなお話がございましたが、私の記憶するところでは、福島工場を設置するために、福島県でも特に出資していただいたことがあったように記憶しております。そういう点で、私も二度、三度福島県に参りまして、長官その他にお会いしまして、この辺についてはいろいろお話しいたしました。その際に、やはり地元の繁栄になるような方向で、しかも、従業員を困らせるようなことはしないでほしい、こういうふうな条件をお出しになりましたので、その線でいっております。私のかってな言い分でお気にさわるかもしれませんが、あのままでカーバイドの生産を継続してまいりますと、どんどん縮小生産しなければなりません。そうして人員もどんどん減少していかなくてはならない。それから見ますと、地元の日の当たる産業で、それだけ従来の居つきのままで働ける条件になっておりますので、地元としましては、あすこでだんだん工場を縮小してまいりますよりも、この際業種を転換して、そうして地元の開発に金を落とすように、開発に役に立つようにしていくほうがあるいは地元のためになるのではないか、言い過ぎかもしれませんが、そんなふうにも考えられるということでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私は、いまの総裁の考え方と多少対照的な考え方を持って先ほど申し上げましたように、五年なら五年計画の中に、内部的に別な業種をできなかったか、そういう積極性がなかったか、こんなような考え方なので、多少なりとも総裁の考え方を理解しようとしても――私もこれに対する意見はありますが、この種の議論は別といたしまして、いま御答弁いただきましたように、やはり地方自治体からの出資であり、これが、たとえパーセンテージは少なくとも、いま私が申し上げましたように、他の株式会社とは違うから、五割以上の株を持っている者が全部を支配する、こういうようなことはできない性格だという認識の上に立たれている総裁の心境は了としたいと思います。そしてその上で、地元との特に関連の深い福島県当局との交渉もなされた、こういうことをお聞きして私も非常に了解し得るわけですが、その間の交渉の状態をもう少し詳しくお聞きしたいのです。といいますのは、この譲渡がきまってしまってから福島県当局が知ったのか、それとも県と話し合いをしながらこの譲渡を進めたのか、いろいろこういう場合のむずかしさというものはおありだと思うのですが、実際はどうだったんです。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 私はこの件につきましては、たびたび県にお伺いし、長官にも、それからその他の幹部の方にもお会いしております。そうして福島工場を何とか、分離ということは別としまして、合理化していかなければならぬということは、もう三十九年以来たびたび話が起こっておることでございますから、決して突然なことではないと思います。それで今回の福島製鋼に譲渡を――これはまだきまったわけではなく、認可を受けなければならぬことですが、私の考えとして譲渡をするという方向に向かう前に、長官以下にお会いいたしました。これはいつごろのことでございましょうか、あるいは二、三カ月前かと思いますけれども、その際に私は、このまま置きますとカーバイドは斜陽でございますので、どんどん縮小していかなければならぬ、そうしますと従業員の処置などに非常に苦労いたします。しかし、今回は地元でございます。福島製鋼というのは地元の会社でございまして、しかもカ-バイドと違いまして、日の当たる産業であるから、十分従業員の引き継ぎ、待遇については考慮いたす、そのつもりで進みたいがどうかということをお尋ねいたしましたらば、先ほど申しましたように、他国者と申しちゃなんでございますが、関東以西の大どころに譲渡するのでなく、地元であるということがいいことだ、それからカーバイドの斜陽ということもよくわかるので、今後あの工場が、業種は転換しても、前よりも繁栄するというふうなことであるならばけっこうではないか、しかしその場合に、くれぐれも従業員の待遇措置に関しては、遺憾なきを期してほしい、こういう話でございました。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いま県との交渉の中で、最終的に出たものは、従業員に対する対策を完全にしてほしい、こういうことであったということなんですが、それと同時に、先ほどの議論の中から出てきたものは、数字で申し上げますと大体十三億ないし十四億の赤字を、今度財産譲渡の場合には、いまお話ありましたように四億五千万ないし五億、その差し引き額は会社の欠損として、いわば政府の責任においてその赤字を消していくことになる。いわば政府出資という形における国民の金によって赤字を消していく、こういうことも考えられる。しかし、営業の伸展によって、この赤字をほんとうに急速に消していくのだ、こういう責任の上に立っておられると思うわけでございますが、要は非常に重大な責任が二つの面において残された。一つは経理上の責任、一つは従業員に対する責任、この二つが明らかになってきたと思うわけでございますが、経理上の責任は、いま申し上げましたように、今後の経営の一つの利潤によって埋めていくという基本方針であろうと思いますので議論いたしません。残るものは、くどいようですが、今度従業員に対する責任というものがあろうかと思うわけでございます。先ほど山本委員も言われましたように、従業員には、経営上の問題ですから、責任がないわけですね。そうしますと、いま県が要望されましたように、従業員をほんとうに十分待遇してもらいたい、処置してもらいたい、こういう問題が残ってくると思います。これに対して、完全に雇用していくのだという基本方針であるわけでございまして、この完全雇用は当然だと思うわけでございますが、現在までの交渉の中で、どのような経過と現時点における問題点を従業員との間に持っているか、まず、その状態をひとつお伺いしたい。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 まだ団交が続いておりますが、会社といたしましては、正規のこういう場合の給与の規程がございます。退職金規程がございます。そのほかに、会社の都合によりまして整理する場合は、これが再雇用になるならぬは別といたしまして、三割程度の割り増しがございますが、それもおつけしましょうということで、しかし、そのほかのことにつきましても、いろいろ組合の側からの御提示もありますので、そういう点につきましては、ただいま団交を重ねておる次第でございます。  それから、その退職金はすぐ即金で払うということにいたしております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 今度、大臣のほうにお伺いしたいのですが、いままでの議論の中で御了解できたと思いますし、また議論がなくとも、所管大臣として福島工場の問題は、当然手がけていらっしゃると思うのですが、いまのような経過の上で、やはり政府が監督されておる、政府が出資しておる会社、これが一切民間に全部移譲する、こういうような場合に、議論しましたように、相当会社側に責任がある。会社側の責任は、一つは経理上の責任であり、一つは従業員に対する責任だ、こう考えますときに、従業員に対する責任を、やはり国の立場において十分考えていただかなければならないということは、いままでの議論の中でも当然おわかりいただけたと思うわけでございますが、これに対して、いわゆる労働関係の所管大臣としては、どうお考えになり、そうしてそれらに対して、もし現在までいろいろ指導されたとするならば、指導されたことがあったとするならば、その経過等をお伺いしたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 唐橋さんのいままでの質疑応答、一々拝聴いたしました。また、参議院においてもその問題を取り上げられて、よく存じております。それで、私どもといたしましては、ここまできましたのですから、東北開発会社のほうにおいても、従業員に対する処遇は現在よりも悪くしないということを申しております。そういうわけでございますし、将来福島製鋼へ移りましても、この会社は繁栄するし、もとが繁栄しなければ、やはり処遇をよくせいと言ってもそう簡単にいきませんが、事業としても繁栄していく。それで、よそに行かずに地元の事業体でやっていける。しかも、その処遇は現在よりも悪くしないというのでございますから、私ども労働省といたしましても、ぜひ労使双方において歩み寄って、自主的にひとつ話をすみやかにつけていただきたいということを、切に願っておるような次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いまも団交が続けられておる状態だと思いますが、その中において、現在の政府の立場は、いま大臣がお答えになりましたように、みだりに労使の交渉中に政府側が口をいれるというような点は、これは慎まなければならないと思います。しかし、会社の性格が普通の民間会社と違って、政府に責任のある会社ですから、ある程度政府の連帯責任の中において考えていただかなければならない、こういうような点も感ずるわけでございますが、要は、現在の団交の中で、最大の困難になっている問題は何か。これは総裁よりも、むしろあるいは担当の理事の方のほうがおわかりだと思いますが……。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 今回の福島工場の合理化ということで組合と折衝してまいりましたのは、十二月の十六日に組合に話をしまして、無慮二十回ぐらいにわたる団体交渉を持ちまして折衝してまいりましたけれども、昨日も私、団体交渉を終えてこちらに来たわけでございますが、現在この合理化について、最大のポイントとして交渉事項となっておりますのは、退職給与金についてでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それに対するいわゆる労使の言い分の相違は、どういう点ですか。

高見豊治東北開発株式会社理事

○高見参考人 退職給与金にきましては、会社側といたしましては、ただいま総裁が説明いたしましたように、既定の退職給与金というもの、さらに東北開発会社の退職給与金規程を分解いたしますと、基本退職給与金、これは普通に退職する場合に出るものでございます。それに勤続年数による勤続加給というものが約一〇%から一五%くらいございます。それに会社事由退職というのがございます。これも総裁が申しましたように、こういう場合には、この三〇%の加給を適用するというのが大体会社の規程になっておるわけでございます。その給与金は全部支給いたしたいということが会社の申し出でございます。  それに対しまして組合側は、その基本退職給与金にさらにプラスアルファとして二億数千万円を支給してほしいというのが組合側の主張でございます。それに対しまして会社側といたしましては、その退職給与規程以外にそんな多額のプラスアルファはなかなかなしがたいから、会社の責任においてわずかのプラスアルファでひとつ納得していただきたいというのが、いま交渉の争点になっておるところでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 従業員は今後いろいろ作業内容等においても苦労はあると思います。そしていままで議論しましたように、会社の責任において――このような状態におとしいれたということに対する責任は、いままでの議論の中に、明白に感じておる、こういうことであるとするならば、従来の現在ある規程というものは、もちろんこれは尊重しなければなりませんが、このような特殊な事情における場合には、規程以上のものを、今回に限ってやはりこのような状態であるから支給するという基本態度がなければ、私はいまの問題は解決しないと思うのでございますが、これに対する考え方はどうでございますか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 私どもも、従来同じかまのめしを食ってきた人たちが離れるのでございますから、できるだけの手厚いことをいたしたいとは考えております。ただ当社は、御承知のとおりに再建五カ年計画でございまして、赤字もかかえておる。これをまた申し上げるとしかられますけれども、とにかく私どもとしましては、やはり会社の健全性ということを考えていかなければならないので、そしてその原資がくふうできる限りはいたしますけれども、それ以上のことはいたしかねる。また、そういう点につきましては、今後よく団体交渉の間で折衝いたしまして、納得をしてもらいたい、こう考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私からいえば、退職の場合は何か最大限に努力すると言いますが、現在の規程の中の最大限度で、決してそのワクより出るものではない、こういうことを私は感じているわけです。しかし、いままで議論された経過の中で、ほんとうの責任というものは、総裁、あなたがやはり第一番に負わなければならないと思うのです。そして他方あの譲渡社に対しては、先ほどのような財産で、赤字は一切しょわせないで財産を売り払っちゃうのですから、こんなことは民間の合併あたりではありませんよ。これは譲渡ですから、そういう形が民間の場合には出ることはあると思いますが、それで残ったのは、相当の負債がそれでもあるわけでしょう。累計の赤字を残したまま五億くらいで売るのですから、十四億の赤字に対して、そちらのほうはうんとゆるいのですよ、私から言えば。そうしながら他方今度従業員は、現在の規程の中だけでものを処理していくという考え方を、ひとつそのワクを破っていかなければならない。あなたたちの責任において従業員は今度他の会社に身売りするわけでしょう。一たん向こう側の従業員になったときの身分の確保やその他はずいぶん議論されましたが、しかしほんとうは行ってみなければわからないのです。二年後、三年後、今度はあなたの所管ではないのですから。そういう不安なんというものは、出したのはだれの責任なんですか。あなたの責任でしょう。そうすれば、あなたが総裁としての立場上、現在の規程というものは尊重しなければなりません。しかし今回に限って、そういう状態のときに、いわば現在の規程以上のワクを越えてこういうふうな措置をするということこそが、現在あなたの使っていた部下に対する最大の施策でないですか。私はそこを言いたいのですよ。そして、それをひとつあなたがはっきりと前向きの姿勢をとっていただきたいということを、私は念願しておるのです。これに対してどうですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 これにつきましては、前々から申し上げておるとおりに、私としましては、カーバイド工業がこういう状態でございますから、鋳鋼のほうに転換することはやむを得ないことだ。また将来性が開けると思います。それで私は、これは団交の席上でも申しましたけれども、うちは退職金制度というのは、決して他に比較して悪い規程ではございません。それから、今回のいろいろな四囲の条件も、譲渡という場合に、必ずしもそんなに悪い条件だとは私は思っておりません。しかし先生がおっしゃるとおりに、ただ規則だけでいってもそこには人情が移りませんし、いろいろな去る人の郷愁もございましょうし、またそういうこともございますから、そういう点で若干できるだけのプラスアルファは考えるつもりはいたしております。しかし、ただそれがあまりにけたがはずれておりましては、私はのみ込めません。そういう意味合いで私も考えはいたしております。     〔田邉委員「ちょっと委員長。現実の退職金の問題にしても、交渉しておる当事者が、相手方に対して郷愁だなんて、そんな感覚で団体交渉しておるのじゃ話になりませんよ。答弁としても不穏当ですよ。それはちょっと言い直しなさい。そんな答弁じゃ質問と全然合わない」と呼ぶ〕

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 理事が言うのは、私は気持ちはわかるのですよ。郷愁じゃないですよ。現実ですよ。いままで苦労して技術を身につけ、今度新しい技術も習得しなければならないのです。自分のいままでの主人と思っておる人が今度がらりと変わるのですよ。そういう状態におとしいれた責任はあなたが感じておる、こういうことはいままでしばしば出てきておるわけでしょう。そういうふうになったのは、これは経営上の問題なんですよ。先ほどいろいろ議論したように、カーバイドが不振になるということは初めからわかっていたのですよ。そうすれば、その間なぜ処置をしなかったのか。考えてみたができなかったというのか。そうしていけば、これは普通の労使間の問題のワクをはずれた一つの特殊な事実なんですよ。しかも公益事業に携わっておるというあの会社の事実なんです。だから、いままでの規程の最大限だという処置のしかたでなしに、もう一歩進んだ前向きの姿勢をとっていただきたいということを要望するのです。  その前に、大臣、こういう場合、大臣はどうお考えになるのですか。というのは、普通の労使間ならば、現在の規程を使用して団体交渉の中で解決をしていく、こういうことなんですが、いままでのような経過の中で行なわれておる労使間の交渉、そうすれば、従来あるような退職金規程のワクを多少はみ出した――私は当然はみ出してもらいたいと思うのです。はみ出していってもこれはあたりまえでしょう。労使間においてはみ出してもあたりまえでしょう。それ自体は私はそう思うのです。大臣はどうなんですか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 だんだん話が詰まってきておるのでございますが、いま東北開発の総裁のお話によると、規程による正規のものにおいても、退職金はよそに比べてそう悪くはない、これが第一点。第二点は、いま唐橋さんのおっしゃるように、こういう特殊事情をよく勘案して、規程は規程としてそれ以外に考慮すべきものである、こういう御趣旨でございますが、それに対しても総裁は、規程以外にプラスアルファは出しましょうと言うておりますので、その額は幾らになるか、これはひとつこれから労使双方において御検討願い、御協議願って、すみやかに自主的に決着をつけられることを、労働大臣としては切に望んでおる次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 プラスアルファをよけいに、それを突破口にして労使間の解決をしたいというのが大臣の考え方だろうと思いますが、規程のワクというものをひとつくずすということは語弊がありますが、越えてものを考えていただきたいということが私の最終の要望であり、それと同時に、会社の総裁として今後のとるべき態度ではないかという考え方を持っておるわけですが、総裁、比較論ではものは解決しませんよ。これよりもっと高いのは幾らもありますよ。資料を出せと言えば、あすにでも私は総裁のところに持っていきますよ。他と比べてみて多少条件がいいからあなたたちがまんしなさいという比較論ではこの問題は解決しない、私はそう確信しています。要は、あなたが責任をとって、こうするんだという考え方――あなたが現在までいわば使ってきた人たちですよ。それを全員他の会社に譲渡するのですよ。その場合に、比較論でものを考えたのでは解決しませんよ。他と比べてみていいんだなどということは、取り消していただかなければならないと思うのです。もっといい材料はいくらでも出しますよ。これだけは取り消してください。比較論でものは考えないということを言っていただきたい。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 それでは、その言は取り消しさしていただきます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 もうだいぶ時間もたちましたので、最後にもう一度くどいようでありますが……。  総裁は、ほんとうにあなたの責任と、それからあなたは、いまのように政府間の交渉において――大臣も、私の理解では、いわば前向きの姿勢でものを考えて答弁されているように理解いたしました。そうすれば、そのような状態の中で、最終的に煮詰まってきた労使間の問題を、従来のものの考え方、いま取り消されたような比較論の考え方でなしに、ひとつ前向きの姿勢で取り組むということを確約していただきたいと思うのですが、どうですか。

小倉俊夫東北開発株式会社総裁

○小倉参考人 いろいろ御趣旨の点につきまして反省いたしまして、できるだけの善処をいたします。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それじゃ終わります。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 小倉、高見両参考人には、御多用中御出席願いまして、まことにありがとうございました。お帰りください。  さらに質疑を続けます。大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋委員 現在、中学卒業者の集団就職などが非常に話題にのぼっておりますが、本日は、青少年の労働力の問題、あるいは就職等の問題にからめまして、二、三その欠陥を指摘いたしまして、労働省の考え方、それに対する対策等につきまして、お尋ねしたいと思います。  特に、若年労働力の不足の問題につきましては、年々深刻化しつつあるわけでございますが、ことしあたりは求人が六倍をこえるのではないか、このような話も聞いております。その反面、最近労働省の調査を見ますと、中卒者で就職をした者の半数以上が就職後三年間で離職をしている、こういう資料が私の手元に届きました。このような現実について、労働省は離職の理由をどのようにとらえておられるのか、まずお尋ねしたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 これは、過般私も閣議で報告いたしまして、その離職者の非常に多いのに驚いておる次第でございます。この対策をすみやかにやりたいといま鋭意苦心努力中でございますが、やはりこれはまず二つの原因があろうと思います。  第一は、就職する場合に、本人の適性というのをもう少しよく考慮してあげることがやはり必要である。ただ、会社その他から引っぱりに来たから、人集めに来たからそこへ行くというようなことでなくして、もう少し、適性がこの子供にあるかどうか、ことに若い者ですから、どういう仕事が向いておるか、その性格がこうだからこういう仕事がいいじゃないかというようなことについて、その適性を相談しなければならぬ。それで、来年度、四十四年度から、そういう趣旨に基づきまして、勤労青少年相談員制度というものを今度創設いたしまして、相談に乗ってあげる。ただ人集めに来たのに乗っていくということでなく、そういうほうで、その他安定所を通してくるものも、まずそういう適性をよく見きわめて就職の世話をしてあげたい、これが第一点であります。  第二は、就職してくる先も、東京だとか大都市へ地方から来る人が多いのですが、いわゆる郷愁を覚えたり、さびしがったりして職場をかわったり、くにへ帰ったり、いろいろ移動をされる。どうしても職場を魅力あるものにするために、勤労青少年のために福祉施設、慰安、慰労のレクリエーション施設等のことをやりたい。ことし予算がとれまして、最近、東京中野に勤労青少年センターというものを、約六十億の巨費をもって二十一階建てで、勤労青少年のレクリエーション、教養等々のセンターにする。また、地方から来た勤労青少年の親戚、友人等の宿泊の便宜をはかる。あるいは会議場にする。遊びの場にもするし、スイミングプール、ボーリング場も備える。休みの日あるいは仕事の終わったあと、そういうところで健全な遊びをやる等々の施設をいま鋭意やっております。その他、勤労青少年ホームというのを全国的にだんだんふやしていきたい。それから働く青少年手帳の活用をいたしたい等々、あの手この手、青少年の重大事になりましたので、これを推進いたしたい、こう思っております。そういう程度で、ひとつだんだんと……。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 中学を卒業して就職していく、そうした人々は、青雲の志を抱いて、とにかく希望に満ち満ちていくわけですね。それが三年もたたないうちに半数以上が離職していくのには、大きな問題が横たわっていると私は思うのです。私の感ずるところは、求人条件が就労条件とものすごく違うのじゃないか。たとえば、こういう仕事がありますからいらっしゃい、このように誘っているけれども、現実に行ってみるとまるで条件が違うということで、希望をなくし、またいい仕事に移っていく。ところが、そのいい仕事だと思っていたのがさらに不利な条件であったというようなことから、このような現象が起こっているのではないか。あるいは企業が求人対策といたしまして、とにかに最初のうちは優遇的な措置を講じているけれども、半年もするうちには、それこそ冷たい姿に変わっていくのではないか、このようなことをいろいろ考えるわけです。  いま労働大臣は、その対策についてもいろいろお話しでありましたけれども、私が一番気にしていることは、求人条件が就労条件と違う、こういう点、職業安定局の立場からどのように見られているか、お答え願いたいと思います。

村上茂利労働省職業安定局長

○村上政府委員 御指摘の点につきましては、私どもも非常に注意をいたしておるところでございますが、たとえば求人条件が現実とは違うじゃないかといった点は十分懸念されますので、勤労青少年手帳を交付いたします際には、その求人条件を手帳に明記をいたしまして、そして事業主に確認をさせて就職をしてもらうという方法をとっておるわけでございます。  そこで現実に離職した勤労青少年の意識調査をやってみましたところが、たとえば賃金その他のいわゆる労働条件について不満を持ったというものよりも、仕事の内容に不満を持つ、それから将来の昇進その他不安だといったような、賃金その他の直接的な労働条件よりも、そういった点についての不満がかなりあるということが明らかにされております。そこで、今後紹介をいたします際には、そういった点をより明確にいたしまして、たとえば、いわゆる求人条件ですと、将来の昇進その他について必ずしも明らかでないという場合がありますので、就業規則でどのようにそれがきめられておるのか等、より仕事の内容その他具体的に把握いたしまして、行ってみたら違っておったということのないように今後一そう努力したいと考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 労働省から発行されております「新規中学校卒業就職者の就職離職状況調査」というのが私の手元にありますが、この表を見ますと、特に四十年と四十一年と四十二年、この三年間の調査でございますが、一年目を見ましても、三〇数%の離職が明示されております。しかも四十年から三年間たったその離職率を見ますと五二・五%というのですね。半数以上のパーセントが示されているわけです。中でも北海道の場合は、四十年三月に卒業した人のことのようでありますが、一万五千四百四十一人就職した中に一万二百九十三名離職した。六六・六%である。それから青森は、二千八百六十八名就職したうちに二千七十八名が離職をした。七二・四%です。それから長崎県、これがまた二千七百六十四名就職したのに千七百四十二名、六三%。このように大きな離職の姿が出ているのですが、これは何か特殊な事情があると思うのですけれども、一体何ですか。

村上茂利労働省職業安定局長

○村上政府委員 御指摘の点、私どももこの結果表を見まして、なぜ北海道、青森、長崎が連続して高い離職率を示しておるか、この原因を至急調査させたわけでございますが、現在まで把握しております点を申し上げますと、北海道、青森につきましては、安定所で全部お世話をしたというより、むしろ縁故で就職をいたしまして――手続処理は安定所でやっておりますが、実質はほとんど縁故で就職した建設業関係の学卒者が、常用の形式で雇用されますけれども、そのうちに、日雇いのほうが賃金が高いものですから、日雇いに転換していくといったような、賃金によりますところのそういった引きつけ、そういう誘因がございまして、離職して転換した。しかも労働そのものが、建設業ですと積雪地では冬離職する、そういうかっこうをとりますものですから、毎年毎年繰り返し離職率としては高いものを示してきております。一方、長崎のほうは、御承知のように地元に企業がそう数はなくて、主として造船関係の下請業がたくさんあるわけでございます。そこで、造船関係の零細規模の下請事業に就労はいたしますけれども、大会社と比べていろいろな点で条件が劣るものですから、そういった点で離職傾向が強く見られるといったような原因がわかってまいりました。それぞれの事情があるわけでございます。そこで、安定所で全部一から十までお世話する場合と、安定所の窓口を経由して手帳は渡しておりますけれども、実質は縁故で就職しておるといったようなものにつきましても、今後ひんぱんに離職を繰り返すということは好ましくありませんので、もっと適切な方法はないかという点について、さらに企業側とも十分連絡をいたしまして対策を進めていきたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまの説明でやや理解できるわけですけれども、先ほどの中学卒就職者の離職率の高いのは、賃金とか労働条件ではなくて、仕事の内容に不満を持つ者が多くてそうなるのだということと、いまの青森あるいは北海道、長崎は、逆に、仕事の内容ではなくて、やはり賃金のほうが主体になっているふうな感じを受けるのですね。非常にこれは矛盾を感ずるわけですが、確かに建設業に日雇い労働として働きにいけば賃金が高い。また北海道、青森等は、冬場は失業という立場で失業保険をもらって生活するということで、私は、大いに賃金の問題からこういう姿になっているのではないか、もっとこうした立場からしっかりした対策を立てねば、これはほんとうの解決にはならぬのではないか、こういうふうに考えているわけであります。  労働大臣にお尋ねしますが、このような矛盾した現象が出ているわけですけれども、これに対して大臣としてどのような考えを持っていらっしゃるか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 いまの青少年の離職の問題ですが、これは全国的な問題と、また各県独特なところ、やはり二色ございますので、これをよく把握して、その職場職場、個々について指導することが、非常に具体的にやらぬとどうもうまくいかない。きめこまかくこれはやりたい。私の私見では、これはあまり中学だとか高等学校へ会社が直接行って求人をやるというのは、いろいろ差しつかえがある。学校の先生と飲食をするとか問題を起こしたりすることがございますから、これは何とかもうちょっと強力に指導して、職業安定所を利用してよく指導してあげて、カードにも書き入れて間違いないことを確かめて、その子供の適性等を考えてやらすというようなことも、もうちょっと積極的にやることが私はきわめて必要である、そう思っております。  賃金から申しますと、たとえば二十五歳見当で見ると、中学出た者も、高等学校出た者も、大学出た者も、大体同じくらい。だから、わりあい悪くないのでございますが、将来四十歳、五十歳になってくると、大学出た者が賃金が非常に高くなってくる。それで私自身も、大学偏重を打破せよ、ホワイトカラー偏重を打破して、もっとブルーカラーを尊重せよということを、あらゆる機会にこれは労働省としても叫んでおります。勤労者を、実力主義をもっと尊重して、能力主義を尊重して、何も学歴だとかだけにこだわることなく、適当な者があれば、これを工場長にもするし、あるいは重役にもするというふうにもすべきものであるということを言いまして、中央雇用対策協議会という日本の経営者の代表の集まる会議においてそれを発言して、賛成を得て、やりますという言明もとっております。そういうふうにして、将来、いわゆる勤労者が、天井が低くてどうも頭がつかえるようなことで一生送るのはまことに気の毒なので、天井をはずして青天井にして、どこまでも伸びていけるようにすべきものである。いわゆる青天井人事管理方式というのをいま唱えて盛んに方々で訴えております。それがまた日本でも、聞いてみますと、ソニーであるとか、松下であるとか、若干そういうきざしができて、優秀会社はそういう方向でやっておるということを聞いて、非常にいま前途望み大いにありと思っておるような次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 なかなかすばらしいお話でございますが、私がいま尋ねているのは、その四十、五十歳の問題ではなくて、勤労青少年の離職、それから転職問題が非常に多い。青少年の離職率は、成人の離職率よりもかなり多いそうですね。労働力不足の時代です。そういう時期ですから、私はこれも当然のことであろうと思いますけれども、また職業選択の自由という立場から、その原則は尊重されるべきだとは思いますけれども、問題は、新しいその職場に失望して、そしてまた転職していった先が一そう不利な条件にある、このような現実問題、そういうことから、だんだん職業が変わるたびに気持ちが暗くなって、最後には青少年のいわゆる非行化につながっている。私は離職、転職と非行の問題を直接結びつけて云々したくないわけでございますが、法務省の調査を見ますと、その例が出ておるそうですね、統計的に。確かに離職を何回もやった者ほど非行に転落した者が多い。こういうところからあわせまして、特に青少年の安定した職業といいますか、その方向に何らかの力を、また対策を立てなければだめだ、従来の対策ではだめだ、こう考えていま聞いておるわけです。  そこでもう一回言いますが、賃金の問題は先ほどの労働大臣のビジョンからいきまして、それは当然そうあるべきだと思いますけれども、青少年の賃金の問題をもう一回あらためて検討してもらいたいということと、非行化していくこととの関連性、これをどうとらえていらっしゃるかということについて、お答えをいただきたいと思います。

村上茂利労働省職業安定局長

○村上政府委員 先ほど大臣から、きめこまかく企業を指導するというおことばがありましたが、それに関連してまいりますので、私から申し上げます。  先ほど先生がお使いいただきました離職の現況の調査でございますが、この調査の結果、どの安定所で、どの会社で青少年労働者が離職するのが多いというのがわかったわけです。従来これはわからなかったのですが、大体の目見当だったのですが、このトータルの基礎になっております個別表は、どの会社で三年間どのくらい離職者が出たというのがわかるわけであります。そこで私どもはそういう企業を個別に指導したい。その場合に、これも大臣が冒頭に御答弁いただきましたように、勤労青少年の相談員というものを来年度から新設をしまして、明らかになったデータと突き合わせて、相談員が具体的に指導してまいる、こういう具体的な方法で問題を進めていきたいと思います。そこで賃金の問題も、それから非行化の問題も、今後ずっとフォローすることができるわけでありますので、その相談の過程で、企業主については労働条件の適正化を一そうお願いし、そしてしばしば転職する勤労青少年に対しましては、相談員があたたかい相談指導をいたしてまいりたい。これが調査の結果はっきりしたものですから、今後の指導というものは、非常に具体的にかつ強力に実施できるだろうと存じておる次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 確かに、一般の中小企業に就職した者よりも零細企業に就職した者のほうが定着率がいい、こう聞くのですね。それは、やはり技能とかどうとかいう問題をはずして、親身になって生活相談を受けておるということらしいですね。そういう意味からいきますと、いまおっしゃった年少就職者の相談員とかいうこの制度は、私は非常にいいと思いますが、このやり方というものがもっと検討されるべきではないか。具体的にはこれからでしょうけれども、これは深く突っ込んであり方を検討してもらいたいと要望しておきます。  次にまいりますが、最近中学生に対して青田買いなんということばがはやっているのですね。つまりまだ在学中にすでに職業あっせんをするということらしいんですが、これに非常に問題がからんでいるようです。これはきのうの新聞なんですが、「兵庫県警と姫路署により摘発された。中卒者の就職あっせんをめぐる汚職で、中学教諭三、職安の係官二、業者五人がすでに贈収賄容疑で逮捕され、ほかに十数人の教諭が任意で調べを受けている。教諭や職安の係官はあっせん依頼料として繊維メーカーからカネを受取っていた。」このような記事がずっと続いているんですけれども、このことは御承知でしょうか。きのうの新聞なんですが……。

村上茂利労働省職業安定局長

○村上政府委員 新聞に出ておりました事案につきましては、私どももそれ以前に報告を受けまして、はなはだ遺憾に存じており、その処分につきましても、厳正に処置いたしたい、かような方針で臨んでおる次第でございます。  ただ、個人的な問題としてでなく、制度的にそのような誘惑を生じやすいという欠陥があるのではないかといったような問題につきまして、慎重に検討し、近く新規学校卒業者の職業紹介業務の取り扱い方針を地方に示達する考えでございますが、その中で、求人関係において発生しますそういった問題をなからしめるように、厳格な方針で臨みたいと存じております。たとえば、求人活動のために家庭訪問をするというのを禁止するとか、それから学校訪問につきましても規制をする。しかし、その規制のやり方は、学校との関連がございますから、その県の教育委員会と十分連絡をして、学校訪問をどの程度チェックするかどうかというような、具体的なきめ方につきましては、一律に参りませんけれども、県の教育委員会とも相談をいたしまして、学校における会社側に対する対応のしかたというものについても規制する方向で臨みたい。そして、最終的に決定する決定のしかたを、学校なら学校、職安なら職安が独自にやりますと、ごく少数のものがやりますと、いま言ったような問題が発生しますので、今後は、その紹介先の決定につきましては、合議制で処理する。一、二の者が動かされて処理するということじゃなくて、合議制で就職先を決定するというような仕組みを考えたいと存じております。はなはだ遺憾に存じておりますので、この防止につきましては、いま申しましたような点から、制度的に厳正を期してまいりたいと存じております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 このような事件がひんぴんとあちこちで起こっておるようでございますが、事件の主役になりますのは、企業から派遣されたいわゆる駐在員というのですね。たとえば九州の鹿児島県の場合、五、六百人もの駐在員がいるそうです。しかも、その駐在員が大体学校訪問をするのは、七月ごろに集中的に行なわれるということです。会社案内のパンフレットの持ち込み、説明会を開く。一校当たり、二、三十回も訪問するんだそうですね。この訪問攻勢で授業に支障を来たして、学校もたいへんらしいですね。これは文部省の問題でもあるわけでございますが、またこの駐在員というのは、いまおっしゃったように、知人や友人をたよって生徒の自宅に押しかけていく。しかも、親を料亭などに連れていって、子供の就職を口説いてしまうというわけですね。駐在員の求人競争の醜い言動やあるいは行為が、学校と父兄との仲を引き裂いているという事実もあるそうでございますので、いまの局長の答弁の中には、駐在員に対する対策のことは何ら触れておられませんが、これは大きな問題だと思うのです。これに対して大臣はどう考えられますかな。

村上茂利労働省職業安定局長

○村上政府委員 非常に具体的な問題でございますので、私から御答弁を申し上げます。  確かに、駐在員という問題が求人についての不公正競争をもたらしておって、いろいろな弊害を生ずるということは、私どもも、先生御指摘のように、非常にこれは重大であると考えておるわけでございます。ただ、制度的にこれを規制するという手がかりが、実は、直接募集のための募集人でございますと、職業安定法に照らして規制できるのですが、そうじゃなくて、ふだんの家庭訪問という意味で、もうすでに就職した勤労青少年の家庭訪問という意味で出かけるとか、そういうことになりますと、募集とは違うじゃないか、こういう問題も生じましてなかなかむずかしい。それから、私どもがはっきりつかみまして許可しているものもありますが、実はそれは氷山の一角でございまして、それがさらに、現地の有力者にもいろいろ頼み、はなはだしい場合には保険の外交員まで使うといったような極端な例もあるそうです。そういう事例はだんだん明らかになっておりますので、私どもも、そういった不公正な求人活動をした企業には新規学卒者を紹介しない、この際保留するといったような強い態度で臨むことによって、できるだけ規制をしてまいりたい。そういった関係も、近く出します行政通達におきましては明らかにしたいと存じておるような次第でございます。不公正な求人活動を規制して、それを具体的な紹介面におきましてコントロールしていく、こういう強い措置を講じたいと存じておる次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 この駐在員がまき散らす害毒というものは非常に大きいと私は考えておりますので、いまの局長の気持ちが実際に行政面で反映できるように措置をしてもらいたいと思います。  それから、職安が企業の下請になっているのじゃないかという批判が非常に強いと思うのですよ。こういう声が高いわけですね。つまり、会社の企業内容も知らないで、割り当て主義で機械的に処理をしていく、また親とか生徒の希望などを認めないでさっさと就職させていく、こういうことは私は最もよくないことだと思います。そういうことを含めて、最後に労働大臣から所感を伺って終わりたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○原国務大臣 さいぜんの青田買いというお話、私もああいう事件が起こらなくても非常に重大事だと考えております。それでさいぜんからもいろいろお話があったように、離職者が青少年の中に多いというその一つの理由も、こういう青田買いという、大ぜいの駐在員その他が行って引き抜きをやる、その間に不公正が行なわれる、これにやはり一つの原因があろうと思います。でありますから、これからこういう不公正をなくするように行政通達をやる。これは早くやりませんと、また七月、八月にきまりますから、四月早々の閣議にこれを発言しまして、文部省その他等の協力も得て対策をすぐ実行いたします。  それからもう一つの、職安がどうも企業のために、こういう点もございますので、職安を通じてもう少し、ことに若年労働力を持っておる方々の適正等々を十分指導をしていきたい、もっときめこまかくやることを指示いたしますから、御了承願います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次回は明後二十七日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十分散会

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