社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1969/02/04
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 この際、委員長就任にあたりまして、一言ごあいさつ申し上げます。(拍手) 申すまでもなく、社会労働委員会は、国民の生活に密接な関係を持ち、国民各層からの関心も強く、私どもの任務はきわめて重要であります。したがいまして私は、厚生、労働行政の各般にわたりまして問題の理解を深め、懸案解決への努力を委員各位とともに重ねてまいりたいと存じます。もとより非才の私ではございますが、公正円満な委員会運営を期し、その任務を遂行してまいる所存でございます。 何とぞ委員各位の特段なる御支持、御鞭撻を心からお願いいたしまして、ごあいさつにかえる次第であります。(拍手) ————◇—————
○森田委員長 この際、理事の辞任及び補欠選任についておはかりいたします。 理事橋本龍太郎君及び藤本孝雄君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、さきに理事小沢辰男君及び粟山秀君が委員を辞任されたため、現在理事に四名の欠員を生じております。その補欠選任を行ないたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認め、理事に 谷垣專一君 澁谷直藏君 竹内黎一君 渡辺肇君を指名いたします。 ————◇—————
○森田委員長 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する事項 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上の各項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○森田委員長 次に、厚生関係の基本施策に関する件について、厚生大臣から発言の申し出があります。これを許します。厚生大臣斎藤昇君。
○斎藤国務大臣 第六十一回国会における社会労働委員会の御審議に先立ちまして、この機会に厚生省所管行政に関し、一言申し述べたいと存じます。 私は、昨年十二月当委員会において所信の一端を申し述べましたが、自来その考え方によりまして四十四年度政府予算の編成に努力をいたしてまいったのでございます。その内容は、いずれ予算御審議の際等に御説明申し上げまして、御審議をわずらわしたいと存じますが、いまその概要に触れつつ、厚生行政の当面する主要課題について申し上げたいと存じます。 まず第一に、医療保険の問題でございますが、制度の抜本的改革につきましては、関係各方面の調整と相まちまして、早急に政府案を作成をして御審議をお願いいたしたいと考えておるのでございますが、今日の段階におきましてはいまだその目鼻がつきかねておりますので、この点はなはだ申しわけないと思っておる次第でございます。 他方、一昨年御審議いただきました健康保険法及び船員保険法の臨時特例法は、本年八月末をもちまして失効いたしますので、抜本対策が実現いたしますまでの間、暫時、この特例措置を延長さしていただきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。なお、医療保険における分べん給付の改善、日雇健康保険法の改正は、抜本改正と切り離してこの際行ないたいと考えております。 第二に、年金制度につきましては、人口構造の老齢化傾向にかんがみまして、所得保障に対する国民の関心も高まっておりますので、厚生年金、国民年金両制度を通じまして、いわゆる二万円年金を実現すべく、大幅な改善をはかる所存でございます。また、福祉年金につきましても、年金額の引き上げ、所得制限の緩和のほか、懸案の夫婦受給制限の撤廃等をはかる所存でございます。このため、今国会に関係法案を提出いたしたいと考えております。 第三に、公害対策につきましては、明年度におきまして、被害救済制度及び紛争処理制度を確立いたしますために、今国会に関係法案の提出を予定しております。また、有機水銀等による環境汚染の調査、環境基準の設定及び公害防止計画に関する基本方針の策定について、引き続き努力を重ねてまいりますほか、公害防止事業団融資の改善をはかり、公害防止施策の実効を期してまいりたいと考えております。 第四に、社会福祉の分野では、まず、生活保護につきまして、国民の消費水準の向上、消費者物価の上昇等を考慮いたしまして、生活扶助基準を一三%引き上げますとともに、各種扶助の改善をはかることといたし、また、老人、心身障害児等に対しましては、きめこまかくあたたかい配慮の手が届きますよう、施設の整備、運営の改善その他福祉施策の一そうの拡充をはかってまいる所存でございます。 特に、近年における老齢人口の増加、核家族化傾向等に伴いまして、老人福祉対策の推進が焦眉の問題となっておりますが、明年度は、特に、いわゆる寝たきり老人のため、特別養護老人ホームの増設をはかりますほか、家庭奉仕員の大幅増員、訪問健康診断の実施等の居宅対策の強化を考えております。 次に、心身障害者対策といたしましては、重度の障害児のための施設整備の推進をはかるほか、新たに、親なき後の心身障害児の生活安定のための心身障害児扶養保険制度につきまして、助成とその合理的運営をはかるための措置を講ずることといたし、また、身体障害者福祉対策として、在宅の重度障害者のための援護措置の充実、国立補装具研究所の新設等を考えております。 このほか、母子保健対策の面では、健康な子を産み、そして健康に育てるための条件づくりを進め、また、保育対策として、保育所の増設、保母の増員等施策の強化をはかることといたしております。 なお、中高年寡婦福祉対策として、新たに、福祉資金貸し付け制度を考えております。 第五に、保健衛生の面では、ガン対策、脳卒中予防対策等の成人病対策、結核対策及び精神衛生対策を推進するとともに、交通事故等による傷病の急増に対処するため、救急医療センターの整備、医師の研修等救急医療体制の拡充につとめる所存でございます。 このほか、昨年発足した医師の臨床研修制度に対する助成措置の拡充、看護職員の確保対策の推進をはかりますとともに、らい療養所入所患者のための福祉措置等も講じてまいりたいと考えております。 第六に、戦傷病者戦没者遺族等の援護につきましては、対象の拡大、給付内容の改善等その施策の充実をはかってまいる所存でございます。また、戦没者の遺骨収集につきましては、引き続き計画的にその実施を進めますほか、昨年復帰いたしました小笠原の硫黄島につきましても実施をする予定でございます。 以上申し上げました事項のほか、厚生行政を推進するにあたりましては、なお、重要な課題が少なくございませんので、今後とも各位の一そうの御指導、御鞭撻をお願いする次第でございます。(拍手)
○森田委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について、労働大臣から発言の申し出があります。これを許します。労働大臣原健三郎君。
○原国務大臣 第六十一回通常国会にあたり、当面の労働行政の諸問題について一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 私は、今後の労働行政の基本的な課題は、次の二つであると考えております。一つは、労働者の能力の開発向上と有効発揮をはかり、労働力の面から経済の安定的な成長を確保することであります。第二は、労働条件の向上、職場環境の改善、福祉対策の拡充を進めて、労働者とその家族の豊かな生活を実現することでございます。 私は、このような考えに基づいて、積極的に労働行政を推進してまいる所存でございます。 まず、雇用対策について申し上げます。労働力不足の傾向は、最近、経済、社会の全般に急速に浸透してまいりました。しかし、今日の労働力不足は、西欧諸国におけるような完全雇用の状態とは異なり、婦人、中高年齢者等についてなお雇用促進の余地が残っております。国民各層がこの事態をよく認識し、安易に人手にたよる傾向を是正することが肝要であり、すべての労働者がその能力を十分に生かすことができるよう、経済の効率化を促進しなければならぬと思っております。これと相あわせて、今後は、労働力不足時代にふさわしい雇用対策を展開することといたします。当面は、重要産業、特に輸出関連中小企業への雇用促進、公共職業安定所の窓口における職業紹介の即時処理化を進めてまいります。 中高年齢者、家庭婦人及び身体障害者については、その特性に応じた職業への就職を促進いたします。特に家庭責任を持つ中高年齢婦人については、安心して職業生活を送ることができるよう諸条件の整備をはかってまいる考えであります。 失業対策事業については、来年度も就労者の賃金を一二%引き上げることといたしました。これと相まって失業対策事業の運営管理が適正に行なわれるよう、引き続き努力いたしたいと思っております。 今後の石炭対策のあり方につきましては、さきに閣議決定を行ないました。労働省といたしましては、この閣議決定の趣旨に沿って、石炭鉱業の雇用確保、離職者に対する援護、産炭地域の雇用安定等の諸施策を講じてまいる考えであります。 最近、生産現場の中核をなす技能労働者の不足は著しく、昨年の不足数は、百八十四万人にも及んでおります。また、技術革新が急速に進展するにつれて、生産設備の近代化が進み、技能労働者の職務内容にも質的な変化が見られるようになってまいりました。 このような事態に対処するためには、職業訓練制度を時代の要請にこたえ得るよう刷新整備することが緊急の課題となってまいりました。このため、昨年七月の中央職業訓練審議会の答申に基づいて、現行職業訓練制度を全面的に改正し、整備するため、職業訓練法の改正法案を今国会に提出し、御審議願うべく目下準備を進めておるところでございます。これとあわせて、公共職業訓練所の拡充、事業内職業訓練に対する助成の強化、技能検定の飛躍的な拡大実施をはかることといたします。なお、昭和四十五年にわが国で開催されまする技能オリンピックについても、所要の準備をいま進めております。 以上のような施策を通じて職業訓練行政を質と量ともに拡充してまいりたいと思っております。 次に、労働災害の発生状況は、逐年減少の傾向をたどってまいりましたが、いまなお年間六千人に近い死亡者を含め、多数の死傷者が発生いたしております。しかも最近、災害発生率の減少傾向が鈍化し、まことに遺憾にたえません。しかも、今後は、高年齢労働者や未熟練労働者の増加から、災害が増加するおそれがあり、楽観を許さない実情でございます。 労働災害の防止は、労働行政の最重点課題であります。今後も、労働災害防止基本計画の線に沿って、科学的な労働災害の防止対策と職業性疾病の予防対策を、積極的に進めてまいる所存でございます。 労働者の労働条件は、全体として向上してまいりました。しかし、労働災害の防止や中小零細企業における最低労働条件の確保はまだまだ十分ではございません。労働基準行政の推進については、今後とも一そう努力いたしたいと存じます。 次に、家内労働対策については、昭和四十一年以来家内労働審議会に対して、総合的家内労働対策の樹立について審議を願ってきたところであります。昨年十二月答申を得ましたので、これに基づいて今国会に家内労働法案を提出し、御審議をいただきたいと存じております。法制的措置を含め、今後実効ある家内労働対策を強力に進めてまいる考えております。 次に、最低賃金制については、改正最低賃金法に基づいて、わが国の実情によりよく即応した効果的な最低賃金の普及につとめているところであります。最低賃金制の基本的なあり方については、目下中央最低賃金審議会において検討を願っておるところであります。答申が得られ次第、これを尊重して、最低賃金に関する所要の措置を講じていきたいと思っております。 勤労者の生活を長期的に安定するためには、勤労者財産形成政策を推進することがきわめて重要であると思っております。今後も、その一環として持ち家取得を中心として、勤労者財産形成政策を積極的に進めてまいりたいと考えておる次第であります。 次に、失業保険及び労災保険制度についても、失業保険法と労災保険法の一部改正法案、両保険の適用徴収事務を一元化するための法律案、及びこれらの法律の施行に伴い関係法律の技術的整理を行なうための法律案を今国会において提出し、御審議いただくことといたしております。その内容は、五人未満事業所への適用拡大をはかるとともに、失業保険給付の改善と制度の健全化をはかり、あわせて両保険の適用徴収事務を簡素化するための事務処理の一元化を行なうことであります。労災保険制度の改善につきましても、労災保険審議会において、本格的な検討を願っているところであります。審議会の今後の審議状況を参酌しつつ、具体策を検討してまいりたいと考えております。 次に、勤労青少年は、あすの日本をささえる原動力であります。心身ともに成長期にある勤労青少年が、健全な職業人、社会人として成長することができるよう、職業安定機関と学校との連係を強化し、職業選択から就職後の生活設計にわたる一貫した総合的な施策を進めてまいります。 最後に、労使関係について申し上げます。組織労働者の増加に伴って、労使関係の動向が、政治、経済、社会の各般に大きな影響を及ぼすようになってまいりました。今後の複雑な内外諸情勢を考えるとき、労使関係の安定は、従前にも増して強く要請されるところであります。 私は、労使が経済社会の発展のにない手として、相互の立場をよく理解することが肝要であると考えます。そして労使が、国民経済的視野から、良識をもって、賃金問題をはじめとする労使間の諸問題を、話し合いで、自主的に解決することを期待いたしております。私といたしましても、そのような機運の醸成に最大の努力を今後払っていきたいと思っております。 以上、当面する労働行政の諸問題について私の所信を申し上げた次第であります。これまでの著しい経済発展に伴って、就業構造の近代化が進み、労働行政の対象である労働者とその家族はすでに国民の大部分を占めるに至りました。内政における労働行政の比重は、一段と高まってきております。このような労働行政の重要性に対応し、労働行政の課題をよりよく達成するためには、中央と地方が一体となってその行財政の力を十分に発揮できるよう労働行政全体の総合的な運営をはかる体制を確立することが不可欠となってまいりました。このような観点から、労働省においては、昨年来、労働行政機構の抜本的な改革について検討を加えてまいりました。昨年十一月、労働大臣、自治大臣及び行政管理庁長官の間において改革の基本的事項について合意に達したことは御承知のとおりであります。目下、この合意に基づいて、関係各省との折衝を重ねつつ、労働省設置法その他国係法の改正案を整え、今国会において御審議いただくべく準備を進めております。各位におかれても、今回の労働行政機構改革の趣旨をよく御理解いただきまして、格段の御協力を賜わりますようお願いする次第であります。 なお、今後の労働行政の推進にあたりましては、各位の御意見を十分拝聴しつつ、一そうの努力を払ってまいりたいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○森田委員長 次に、先ほどの厚生大臣の発言に関連し、昭和四十四年度予算の概要について、厚生省会計課長から説明を聴取いたします。厚生省横田会計課長。
○横田政府委員 お手元にお配りいたしてございます「昭和四十四年度厚生省所管予算案の概要」につきまして、厚生省所管の予算の概要を御説明申し上げます。 最初に、予算規模について申し上げます。 一般会計につきましては、先ほど申し上げました資料にございますように、要求額が九千三十九億三千二百万円でございまして、前年度予算額七千六百八十六億七千五百万円に対しまして、一千三百五十二億五千七百万円の増額となっております。これを伸び率で申しますと、前年度に対しまして、一一七・八%になっております。 このほか、厚生省所管の予算といたしまして、厚生保険特別会計をはじめ、五つの特別会計がございますが、それぞれの歳入歳出規模につきましては、この資料の三〇ページ及び三一ページにしるしてあるとおりでございます。 次に、主要経費の概要につきまして、順次御説明申し上げます。 保健所対策費についてでございますが、前年度に対しまして、八億七千七百万円の増額になっております。新規事項といたしましては、脳卒中による死亡率の高い地方におきまして、検診をするための経費を計上したことでございます。 原爆障害対策費につきましては、数項目の新規事項がございまして、金額の上では十四億八千八百万円の増額になっております。 新規の数点を申し上げますと、まず最初に、白内障を医療費の対象にしたこと、被用者本人の一部負担を公費で肩がわりすることにしたこと、特別手当の所得制限を緩和いたしまして、所得税額二万三千円以下の方々に対しても、月額五千円の手当を新設することにしたこと、それから認定患者に対しまして、一万円の葬祭料を支給することにしたこと等でございます。そのほか、二ページの末尾にございますが、数日間収容いたしまして健康診断をする必要のある方に対する施設を、新たに長崎市に一カ所設けることにいたしております。現に広島には一カ所存在するわけでございます。 日本脳炎特別対策費につきましては、この疾病がきわめて死亡率の高い疾病であることにかんがみまして、予防接種の対象人員を大幅に増加することといたしております。そのほか、より効果の高いワクチンの開発をいたしますためにビールスの型の同定を行なうなどの基本的な研究を実施することといたしておりまして、そのための経費三千八百万円を計上いたしております。 精神衛生対策費につきましては、金額的には二十七億九千七百万円の増額になっておりまして、措置入院、通院につきましてそれぞれ三千人、二千人の人員増を計上いたしておりますし、それから精神病床の増設のための補助金も相当額計上してございます。そのほか、新しい問題といたしましては、患者の社会復帰の促進をはかりますために収容治療のあり方をこの際検討する必要がございまして、そういったことなどを調査いたしますための経費を計上いたしておること、それから在宅患者の地域社会における管理の適正を期しますために、相談員の資質向上をはかるための経費の計上等をいたしておる点が、新しい点でございます。 結核対策費につきましては、おおむね従来の施策を踏襲いたしております。 らい予防対策費につきましては、金額で五億四千万円の増額になっておりまして、内容は、らい療養所に入所しておられる患者さんの福祉向上のために、患者慰安金の増額をはかろうとしておりますほか、特に不自由者であられる患者に対しまして不自由者慰安金を月額二百五十円から千七百円というふうに大幅に増額することにいたしまして、患者の処遇の積極的改善をはかることといたしております。 水道事業対策費について申し上げます。金額におきまして十億二千五百万円の増額になっております。上水道の水源開発につきましては、地方公共団体の実施する分について八億四千万円から十五億五百万円に増額いたしておるのでありまして、伸び率は一七九%でございます。このほか水資源開発公団実施分につきましては、備考のカッコ書きにございますように、経企庁計上予算になりますが、この点につきましても二億二千九百万円の増額になることになっております。簡易水道につきましては三億六千万円の増額でございまして、伸び率で申し上げますと、一二一%の伸び率になっております。 清掃施設整備費について申し上げます。四十二年度を初年度とする五カ年計画の計画に基づきまして、四十四年度は三年目の予算の計上をいたしておるわけでございます。し尿処理施設及びごみ処理施設につきまして、それぞれここにございますような相当額を計上いたしております。 環境衛生金融公庫費につきましては、資金ワクを三百五十億円から五百十億円、大幅に拡大いたすことになっております。 公害防止対策費について申し上げます。金額では一億五千二百万円の増額になっております。中身は、七ページにございます公害被害救済対策費でございますが、この経費につきましては救済の制度を確立することに伴いまして、そのための国の負担分の費用を計上いたしておるわけでございます。 他の事項につきまして備考の中から拾って御説明を申し上げますと、特定物質、つまり水銀、カドミウムによる環境汚染の調査をするための経費、自動車の排ガス、騒音監視のための設備費の計上、大都市保健所三十三カ所に公害関係の専任職員と測定機器を設置いたしまして、いわゆる町の公害紛争を処理するための第一線の業務をやるというようなことなどが、おもな事項でございまして、このほかに公害防止事業団につきましては、九十億円から百六十億円まで大幅に事業ワクを広げることといたしておりますほか、四十三年度に引き続きまして、中小企業向け貸し付け利率の引き下げを行なうことにいたしております。 がん対策費につきましては、一億七千六百万円の増額でございますが、内容はおおむね従来の施策の踏襲でございます。 救急医療対策費について申し上げます。この対策につきましては、従来施策を踏襲いたしまして、救急医療センターの整備とか、医師の研修を実施いたしますほか、交通事故の大型化、広域化などの実態に即応する救急医療体制を整えるための調査費を計上いたしております。 へき地医療対策費につきましては、おおむね従来施策の踏襲でございます。 医師臨床研修費について申し上げます。金額的には五億九千八百万円の増額でございます。昨年発足いたしました新しい研修医制度を、より円滑に実施いたしますために、公私立大学付属病院及び指定病院に対する指導経費の補助金を、研修医一人当たり四十万円に引き上げることといたしております。そのほか、国立病院における研修医の処遇の改善を行なうなどが、おもな内容でございまして、国立大学付属病院における研修医につきましては、同様の経費が文部省予算に計上されるわけでございます。 医療金融公庫費について申し上げます。事業規模の拡大をはかりますほか、契約ワクでは三十五億円、資金ワクでは二十五億円増額をはかっておりまして、それに要する一般会計の負担分の増額を計上いたしております。 看護職員確保対策費について申し上げます。看護婦の供給不足はきわめて深刻な問題でございまして、さらに新生児の看護など新たな要素が出てまいります関係上、この需給のバランスをはかることは、きわめて大事な施策と考えております。そのため、貸与金の貸し付け対象人員を増加すること、養成所の新増設に対する国庫補助金を増額すること、潜在看護力活用のための施策を進めること、この三つの施策をより前進させるための費用を計上いたしております。 次は、医薬品安全対策費につきましては、従来施策の踏襲でございます。 民間社会福祉事業育成費について申し上げますが、市町村社会福祉協議会に対する職員設置費の増、単価引き上げなど、その活動をより円滑積極的にするための経費を計上いたしております。 生活保護費について申し上げますと、金額では百八十九億四千三百万円の増額になっております。まず、生活扶助につきましては、昭和四十四年度の経済見通しによる消費水準の伸び率を参考にいたしまして、一三%のアップをいたすことにしております。これによりまして、一般勤労者世帯との格差も相当縮小することになるわけでございます。そのほか、教育扶助につきまして八%のアップをすることをはじめ、各種扶助につきましても、それぞれ所要の改善をはかることにいたしております。 身体障害者福祉対策費について申し上げますと、金額的には六億二千七百万円の増額でございます。相談員の増員分とか、家庭奉仕員の増員など、従来施策の拡充をはかるほかに、重度身障者に対する特殊な便所などの日常生活に必要な設備を助成することなど、在宅者の援護措置の拡大をはかることにいたしております。このほか、諸外国に比べまして、戦後きわめて立ちおくれを示しております補装具の研究開発を進める必要がある関係上、国立身体障害者更生指導所に補装具研究所を設置することにいたしております。 老人福祉対策費について申し上げます。老人福祉対策費につきましては、金額の上では二十五億円の増額になっておりまして、これは四十四年度の当初施策の中で特に重点を置いておるものの一つでございます。老人対策はあとで御説明申し上げます年金の改善という所得保障政策が中心になるわけでございますが、このほかにいろいろきめのこまかい施策が必要とされる分野と考えております。したがって、四十四年度の施策といたしましては、居宅の寝たきりになっておられる老人の数は、六十五歳以上の方がおおよそ四十万人、七十歳以上の方がおおよそ二十万人と推定されておりますが、これらの方々に対しまして、従来施策の健康診断などでは保健所等に出ておいでになれない方が多いわけでございますので、あまり実効があがらないというような観点から、医師を派遣いたしまして健康診断を実施するとか、身の回りの洗たくなどのお世話をしていただく家庭奉仕員を派遣いたしますとか、特殊ベッドの貸与をいたすなどという居宅対策を実施することにいたしております。このほか、あとで御説明申し上げますが、特別養護老人ホームなどの収容施設につきましても、大幅に増設する計画にいたしております。 地方改善対策費につきましては、地方改善対策事業は、その施策が数省にまたがるわけでございますが、厚生省の従来から実施しております施策の分につきまして、もろもろの施設改善経費を、対前年度一四〇%の伸び率の予算を計上いたしておりますほか、隣保館の職員の増員など、必要な経費をそれぞれ計上いたしております。 社会福祉施設整備費について申し上げます。 四十三年度三十六億円に対しまして四十三億円、つまり七億円の大幅な増額を計上いたしております。特に、先ほど御説明申し上げました老人福祉施設につきましては、従来ベースの特別養護老人ホームを増設することのほかに、特に三億四千万円の補助金を上積みいたしまして、おおむね十億二千万円程度の特別養護老人ホームの増設の補助金を予定いたしておるわけでございます。 社会福祉施設処遇改善費について申し上げます。施設職員の給与改善をはじめといたしまして、各種施設ごとの職員の増員は緊急を要する重要な問題でございます。まず、給与改善につきましては、公私立を通じまして、あるべき給与との格差を三カ年間で解消するための所要経費といたしまして、おおむね十八億円程度新たに計上をいたしております。職員の増員につきましては、保育所の保母の定数を、備考にございますように、三歳児、ゼロ歳児などきわめて手のかかる向きにつきまして、それぞれ二十五対一を二十対一に、六対一を三対一というふうに大幅に増員改定をいたしております。それらがおもな内容でございます。 次は、数ページ飛びまして、保育対策費について御説明申し上げます。金額的には八十一億円の増額になっておりまして、その中身は保育児童を大幅に増加することにいたしております。備考にございますように、おおむね十万人に近い保育児童の増加を見込んでおりまして、そのための経費を計上いたしております。 重症心身障害児(者)対策費について申し上げます。この対策につきましては、従来施策を年次計画的に推進することが中心でございまして、施設の増設、居宅保護の両面にわたって、従来施策を伸ばすことにいたしております。施設につきましては、国立療養所で九百六十床、公法人立の国庫補助によりまして六百床の増床を見込んでおりますし、居宅保護につきましては特殊ベッド千五百台等の計上をいたしております。 進行性筋萎縮児(者)対策費について申し上げます。この疾病は、疾病として学問的に十分究明の必要がありますので、あとで御説明申し上げる研究費の中に相応の研究費を計上いたしますほか、収容施設につきましては国立療養所に二百八十床の増床をいたす計画にいたしております。 心身障害児(者)コロニー設置費について御説明いたします。高崎市の観音山付近に施工中のコロニーは、可能な限り早期に開所するということに重点を置きまして、現在施工中の五百五十人収容規模の施設といたしまして、昭和四十六年一月一日開所を目途に、必要な工事費等の経費を計上いたしておるわけでございます。 心身障害児扶養保険制度助成費について御説明申し上げます。身障または精薄の子供さんを持たれている親の方々にとって最大の心配は、親なきあとの子供の生活の問題だと考えられます。そこでなるべく安い掛け金で、なるべく大きい保険金が、信頼できる機構を通じて支給されるようにするというための施策を考慮いたしておりまして、社会福祉事業振興会に中央機構としての仕事をお願いし、地方公共団体に第一線の仕事をお願いすることによりまして、民間保険会社の行なっておる保険を、可能な限り有利に利用する方策を講じておるわけでございます。そのための中央機構、それから地方公共団体に対する事務費を一般会計で負担するわけでございまして、そのための所要経費三千六百万円を計上いたしております。 身体障害児等対策費について申し上げます。フォコメリーの子供さんに対する新たに開発された電動義手を支給すること、自閉症児治療訓練費を新たに計上することとしたことがおもな事項でございまして、金額的には一億三千二百万円の増額になっております。 精神薄弱者福祉対策費について申し上げます。金額的には六億の増額でございまして、相談員の増員などの施策を推し進めるほか、従来施策の拡大を子それぞれはかることにいたしております。 母子保健対策費について御説明申し上げます。健全な子供さんを産み、そして育てていただくための経費をきめこまかに計上いたしておるわけでございます。あとで御説明申し上げる医療保険における助産費の増額と並びまして、低所得階層の妊婦と新生児につきまして、一般の医療機関に行かれた場合でもその費用を公費で見てあげるということにいたしておりまして、従来共かせぎなどの理由のために、保健所で診断を受けられることがきわめて不便であった向きに対する改善をはかっておるわけでございます。それから児童相談所の機能の活用をはかりまして、精神発達の程度について精密検診を行なう必要のある子供さんの検診を児童相談所で行ないまして、自後の措置の合理化をはかります。そのようなことを行なうことによりまして、精薄児対策を積極的に前進させることにいたしておるわけでございます。 寡婦福祉対策費について申し上げます。新たに戦争あるいは交通事故による未亡人に対する貸し付け金の制度を創設することにいたしております。国庫補助金で二億円、三分の二の補助率でございますので、都道府県の予算と合わせますと三億円という貸し付け原資になっておるわけでございます。 国民健康保険助成費について申し上げます。対前年度増加額五百三十九億四千百万円でございます。医療費の増高傾向等にかんがみまして、それに必要な金額を計上いたしておりますほか、備考の(5)にございます助産費の補助金を計上いたしております。これは現在助産費として二千円給付されているものを一万円に引き上げる。ただし、一律に全市町村についてこれを実施することは、いろいろ無理もございますので、実施可能の市町村から順次三カ年計画で実施いたすことにいたしておりまして、それに要する国庫補助金三分の一額を計上しておる点が新たな事項でございます。 農民年金の問題につきましては、調査費一千万円を計上いたしております。 年金福祉事業団費につきましては、事業規模を百八十億円と大幅に拡大いたすことにいたしております。 戦没者遺骨処理費につきましては、硫黄島につきましての遺骨処理を新たにいたすほか、外地につきましてはフィリピンのセブ島等の遺骨について処理をいたすことにいたしております。 戦傷病者特別援護費については、ここにございますような額の引き上げをいたすことにいたしております。 戦傷病者戦没者遺族等援護費につきましては、恩給関連事項につきましては恩給並みの引き上げをいたすことにいたしておりますし、その他の未処遇の問題につきましては、援護問題懇談会の報告などに基づきまして、備考にございます数項目についてそれぞれ所要の解決をし、そのための必要な経費を計上いたすことにしております。 医療保険国庫負担金について申し上げます。医療保険国庫負担金につきましては、抜本改正がこの予算までに間に合いませんでしたので、特別措置を延長することを前提といたしまして、おおむね従来ベースの国庫補助金を計上いたしております。ただし、助産につきましては、先ほど国民健康保険で申し上げましたような本人については二万円、家族については一万円に引き上げることを考慮いたしておりますし、日雇健康保険につきましては、助産を含む給付の改善をはかることといたしております。その反面、段階別に相応の保険料率の引き上げをはかる制度の改善を考慮いたしております。なお、助産につきまして、政府管掌健康保険では千分の一の料率引き上げにその財源を求める形にいたしております。 厚生年金国庫負担金について申し上げます。厚生年金保険につきましては、昭和四十四年十一月からいわゆる二万円年金を実施することにいたしておりまして、それに必要な経費を計上いたしております。 国民年金国庫負担金について申し上げます。 まず、拠出年金につきましては、昭和四十五年七月から夫婦合わせて二万円の年金を実施することにいたしておりまして、それに必要な費用を計上いたしております。 次は、福祉年金でございます。福祉年金につきましては、おおむね三点の改善をいたすことにいたしております。まず第一点は、老齢年金につきまして百円、障害、母子につきましてそれぞれ二百円、月額の年金額引き上げを四十四年十月から実施することにいたしております。第二点は、四十四年十月から夫婦受給制限の撤廃をいたすことにしております。第三点は、扶養義務者の所得制限の緩和を四十四年五月から実施することにしております。この三点が福祉年金についての改善事項でございます。 国民年金市町村事務取扱交付金につきましては、超過負担解消計画に基づきまして所要の経費を計上しております。 科学研究費につきましては、可能な限りその増額をはかることにいたしたわけでございまして、結果的にはここにございますように一億一千七百万円、二〇%弱の増額を計上いたしておるわけでございます。 児童手当準備費でございますが、児童手当準備費につきましては、児童問題懇談会の報告に基づきまして、それをさらに検討いたしまして、実施可能な案をつくるための正規の審議会を厚生省内に設置することにいたしております。そのための経費三百万円を計上いたしております。 国立公園等施設整備費について申し上げますと、直轄分、補助金分、それぞれにつきまして、それぞれ必要な金額の増額を計上しておりまして、その結果前年に対しまして八千四百万円の増額になっております。 きわめて簡単でございますが、以上が昭和四十四年度厚生省所管予算の概要でございます。
○森田委員長 次に、先ほどの労働大臣の発言に関連し、昭和四十四年度予算の概要について、労働省会計課長から説明を聴取いたします。労働省藤繩会計課長。
○藤繩政府委員 昭和四十四年度労働省関係予算の概要につきまして、御説明を申し上げます。 まず最初に、予算の規模でございますが、お手元にございます資料にありますように、一般会計は昭和四十四年度要求額千百四十三億二千九百万円でございまして、前年度に比較いたしまして四十五億二千六百万円の増額でございます。一〇四・一%でございます。労災保険特別会計は千八百七十一億六千七百万円でございまして、三百七十七億一千五百万円の増額、一二五・二%でございます。失業保険特別会計は二千三百八億八千七百万円でございまして、二百四十億七千万円の増額、一一一・七%でございます。石炭対策特別会計の労働省分でございますが、七十六億三千七百万円でございまして、前年度に比較いたしまして二十五億四千六百万円の増額、一五〇・〇%でございます。 次に、おもな事項につきまして御説明を申し上げます。 まず第一に、総合的雇用政策の展開でございますが、就業構造の変化あるいは新規労働力の供給の減少、人口構成の変化等によりまして、新たな積極的な雇用政策の展開が要請されるわけでございますが、その第一といたしましては、労働力の不足対策の推進でございます。そこで、最初は事務費的なものでございますが、そういった問題に対処いたしまして、雇用計画に関する調査研究あるいは雇用対策法に基づきます年次雇用計画の策定、推進といったような経費が計上せられております。 それから次に、新たな施策といたしましては、労働力を輸出産業その他特に必要と認められる産業に誘導していくための施策といたしまして、その一環といたしまして、新たに共同福祉施設を設置するという考え方を打ち出しておりまして、来年度は十カ所に、一カ所三千万円の福祉施設、計三億円のものを設置するというものを新たに計上いたしております。 三番目といたしまして、職業紹介の効率化の推進でございますが、その中身は、そこにございますような広域職業紹介業務の即時処理化の実施、それから雇用情報の作成提供などの雇用サービスの充実、それからパートタイマーのための講習会というようなものがおもな内容でございますが、特に第一の広域職業紹介業務の即時処理化でございますが、これは、広域紹介にあたりまして、求職者がみずから自分に適する遠隔地の求人内容というようなものをすみやかに知ることが必要である。それを知って、そうしてそこで即時に紹介ができるような体制を打ち立てるというために、御承知の労働市場センターを中核といたしまして、すでに整備を進めてまいっておりますが、これを非常にスピードアップをするという装置を、来年度は大阪地区二十九の安定所を結びまして試験的に実施してまいりたい。そして、それが成功すれば、さらに京浜、中京というような大きな労働市場について逐次進めてまいりたいというような関係の予算でございます。トータル十五億五千二百万円を要求いたしております。 それから、四番目の雇用促進住宅でございますが、これは例年の規模で、来年度は一万戸の要求をいたしております。単価等の値上がりが増額分でございます。 それから財政投融資の関係で、雇用促進融資の拡充改善でございまして、来年度は百四十三億を見込んでおります。内訳といたしましては、住宅関係が百十九億、福祉施設関係が十二億、通年雇用関係が七億、身体障害者関係が一億、職業訓練関係が四億というような内容になっております。 次に、職業研究所の設置でございますが、懸案でございましたが、このたび雇用促進事業団にその設置を認められまして、新たに職員数十五人ということで発足が認められたわけでございます。 その他、雇用関係の統計の整備というようなことをあわせまして、労働力不足対策の推進をはかりたいというのが第一でございます。 第二は、地域の実情に即しました諸般の雇用対策を強化してまいるということでございまして、その第一は、大都市圏の雇用対策といたしまして、勤労青少年センターを東京の中野に建設するという考えでございます。三ページの右の上のほうにございますように、全体といたしましては六十一億六千二百万円で、四カ年計画でこれを実現いたしたいということでございます。前年すでに実は二十億の土地代が入っておりましたので、その関係で今度の予算では、六十一億を四カ年でやるということで、初年度十三億九千万円の計上になっておるわけでございます。 次に、地方の雇用対策といたしましては、開発拠点地域における勤労者総合福祉センターを建設するということで、前年一カ所認められておりましたが、四十四年度は二カ所、二年計画で設置をしてまいろうということでございます。 それから中小企業のレクリエーションセンターにつきましては、前年に引き続きまして二カ所やってまいる。そのほかに新たに新しい個所二カ所につきまして若干の調査費を計上いたしております。 それから新しい政策といたしまして、勤労青少年体育施設というものを一カ所三千万円、六カ所ということで一億八千万円計上をいたしております。そういうような諸般の福祉施設を地方の拠点地域につくっていくということによって、雇用対策の推進をはかろうというものでございます。 それから第三番目の新規学卒者対策でございますが、御承知のような学卒の事情にございます。そこで新規学卒者に対する職業指導、職業紹介というものをさらに強化してまいることは当然でございますが、特に明年度以降におきましては、その新規学卒者が就職しました後のアフターケアの強化をはかってまいるということでございまして、その一環としまして、新たに、職場適応促進のための年少就職者相談員というものを新規に三百人、大都市を中心に配置をいたしまして、そういったアフターケアに従事せしめ、またそのために年少就職者の指導記録票というようなものを整備する、あるいは子供たちに「働く青少年手帳」を持たせる、さらに勤労青少年についての講座を開設するというような諸般の施策を進めてまいりたいというわけでございます。 四番目といたしましては、中高年齢雇用促進対策の強化でございますが、この予算につきましては減額を若干いたしておりますが、内容は職業転換給付でございまして、最近の実績にかんがみまして、予算額としては減額いたしております。ただ、内容といたしましては、従来の職業転換給付の制度に加えまして、新たにいわゆる就職促進措置の対象とならないものにつきましても、三十五歳以上のものを中心にいたしまして、大いに職業訓練を促進するという意味におきまして、訓練手当を支給する、あるいは訓練所に入りますまでの間、訓練待期手当というようなものを支給するという制度の拡充をいたしております。 それから、人材銀行でございますが、すでに五カ所ございますものに、さらに来年度二カ所新設をいたしたいというものでございます。 五番目は、総合的な身体障害者職業対策の展開でございますが、その一つといたしましては、就職援護措置の充実ということで、身体障害者の社会復帰センターというものをつくってまいりたいという構想を持っておるわけでございまして、大きな公共職業安定所の建物に付設をいたしまして、もっぱら身体障害者の職業関係の相談あるいはアフターケアというようなものを専門的に、本格的にやってまいりたいということでございます。昭和四十四年度は上野の職業安定所の新設に伴ないましてこれを付設するという構想が認められまして、予算といたしましては土地代の二億五千万の二万の一が入っておるような次第でございます。 そのほか、就職促進指導官の増員でございますとか、あるいは身体障害者に対する職業訓練の拡充ということで、新たに身障訓練所を一カ所新設することになっております。 さらに、重度労災障害者に対しましては、リハビリテーション対策を強化するということで、北海道にリハビリテーションの作業所を新設するというような構想も入っております。 六番目といたしまして、雇用の促進、安定のための諸般の特別対策でございますが、一つは愛隣地区における日雇い労働者対策の推進でございまして、愛隣につきましては、すでに本年度までに政府あるいは大阪の地元関係等で福祉センターを設けておりますが、来年度はそういった中に設けられております労働安定所の職員の増員というような経費が認められております。 それから、港湾労働対策といたしましては、港湾労働福祉センターを増設するということでございまして、来年度は四カ所新たに要求をいたしております。それから港湾労働者の住宅も例年のように増設をしてまいりたい。それから、港湾労働法に基づきます雇用調整手当につきましても、そこに書いてございますように単価を引き上げまして改善をいたしてまいりたい。その他、労働条件の近代化、労働災害防止のための指導の強化、あるいは就職促進指導官の増員というようなものが港湾労働対策の中身でございます。 それから、駐留軍関係でございますが、就職促進手当の引き上げ、それから新たに住宅確保奨励金の新設というような改善をいたしております。ただ、駐留軍関係につきましては対象人員が減っておりますので、そういう意味での予算額の減額はございますが、制度としては内容を充実いたしております。 同和地区の雇用対策につきましては、就職促進指導官をふやす、あるいは新規学卒者に対するきめこまかな施策の強化というようなことをはかっておるわけでございます。 次に、建設、出かせぎ労働対策の強化と万博の労務対策でございます。 建設、出かせぎ労働対策につきましては、さらに実態調査を進めますと同時に、出かせぎ労働者手帳を発給あるいは台帳の作成、整備等を続けてまいります。そのほかに、新たに就職促進指導官の増員が認められましたし、また、出かせぎ相談所の新設も一カ所認められております。それから、積雪地帯におきまして、できるだけ出かせぎ労働者が年間を通じて雇用されますようにということで、通年雇用融資あるいは通年雇用奨励金というものをやってまいっておりますが、来年度におきましてはこれを大幅に拡充するということでございます。 それから、万博関係におきましては、来年度がピークでございますので、労働者の確保対策というものをはかると同時に、災害防止の徹底、適正な労働条件の確保というようなものをはかってまいる。それぞれそれに必要な予算を計上いたしておるわけでございます。 それから産炭地域の労働対策でございますが、このうち六ページから七ページにかけまして、(1)から(5)までは大体従来の対策の拡充でございますが、(6)が新たなものでございます。 そこで(1)は緊就でございます。吸収人員を若干減らしておりますが、単価は二千三百円から二千五百円に引き上げてございます。 それから雇用促進事業団、従来どおり援護業務を進めてまいる。 それから広域職業紹介、転職訓練等、従来どおりでございます。 それから就職促進手当は金額をごらんのように引き上げております。 最後の産炭地域開発就労事業の実施でございますが、筑豊地区等に典型的に見られますように、産炭地域で諸般の離職者対策、振興対策が行なわれておりますけれども、なお、雇用安定というものの必要性の上に、地域につきまして特に開発就労事業を新たに行なうということにいたしまして、吸収人員三千二百人、事業費単価三千六百円、三分の二の補助でございますが、四十四年度は二十五億二千四百万円をもってこれを行なうという予算を計上いたしております。 失業対策事業につきましては、ごらんのように、最近の就労対象者の状況あるいは雇用情勢等にかんがみまして、一日平均吸収人員を十四万七千といたしておりますが、労力費単価は一二%引き上げておるというようなわけでございます。それから特別失業対策事業につきましては、金額は例年どおり四十一億でございますが、吸収人員を四千から三千にいたしております。 その他雇用奨励制度等は大体従来のとおりでございます。 さようなことで、失対事業は全体といたしまして四百十八億三千九百万円という規模でございます。 以上が雇用対策でございます。 第二は職業訓練制度の全面的改正でございまして、技能労働力の不足、技術革新というようなものに対応いたしまして、訓練制度を全面的に改めようというわけでございます。 1はその訓練制度を体系づけるわけでございまして、それらに要する若干の事務費でございます。 2といたしまして、企業内職業訓練の振興、これが今度の改正の一つの重点であることは、先ほど大臣からも申し上げたところでございますが、特に指定職種に重点を置きまして、そこにございますように、企業内の訓練につきましては、対象人員を増加いたしますと同時に、特に補助単価につきまして前年の千六百円を三千二百円と倍額にいたしまして、その飛躍的拡充をはかったわけでございます。そのほかに、職業訓練施設の補助につきましても単価を引き上げておるわけでございます。そういうようなことで、内容は二億九千九百万円ということになっておるわけでございます。 公共職業訓練につきましては、まず第一には、一般訓練所と従来いっております職業訓練施設につきましては、大体前年どおりの規模で進めてまいりますが、高等職業訓練施設、従来総合訓練所といっておりましたものでございますが、これにつきましては新たに七カ所、特に七カ所のうち一カ所は沖繩にこれを設置するという計画を持っておるわけでございます。職種も若干ふやしております。それから身体障害者の職業訓練施設は、先ほども申し上げましたが、一カ所新たに増設をするという内容になっております。 能力再開発訓練、これは従来、転職訓練といっておりますものでございますが、これも訓練手当の増額等をはかっております。 それから次に、職業訓練指導員等の資質向上と養成確保ということでございますが、特にこの中でも職業訓練大学校の充実ということが重点でございます。現在の職業訓練大学校は小平にございまして手狭でございますので、適当なところに本格的な大学校の施設を移したいということでございまして、総額十九億八千万円、約二十億の予算が認められまして、十万坪の敷地を確保したいということでございます。これを二カ年計画で確保するということで、一年度分九億九千万円が計上されておるものが主たる内容でございます。その他は、そこにございますような養成課程の充実等でございます。 それから次に、新規訓練職種の開発と訓練内容の充実等でございますが、これもそこにございますような、技術革新が進んでまいりますのに対応いたしまして新しい職種をつくる、あるいは既存の職業につきまして再検討いたしまして訓練基準をつくるというようなこと、あるいは養成訓練を終わりました者につきまして一種の卒業試験のような技能照査という制度をつくっていくというようなことが内容でございます。 それから、技能検定の拡大を特に重視するということが今度の改正の重点であるということも先ほど大臣から御説明申し上げましたが、従来、技能検定は国と地方公共団体が直接やってまいりましたが、その職種も増加してまいりますので、検定体制を本格的に整備する必要があるということで、今回技能検定協会というものを中央、地方に設立いたすことにいたしました。明年度は年度途中からこれに着手するということで、六カ月分一億五千五百万円の予算が認められておりまして、それが中心でございます。 それから、職業訓練による国際協力の推進でございますが、技能オリンピックが近く開かれるわけでございまして、すでにその施設につきましては、四十三年度予算でも相当拡充をいたしております。そこで明年度はさらに、大集会場の整備あるいは冷暖房の整備というような整備費を計上をいたしておるわけでございます。それから、そこにございますようなブルーカラーの労働者の海外派遣あるいは海外からの受け入れ、職業訓練専門家の交流、あるいは海外に職業訓練の調査団を派遣するというような諸般の施策によりまして、国際交流を推進したいということでございます。 それから最後に、従来やっております卓越した技能者の表彰ということも拡充をしてまいりたいというわけでございます。 以上が職業訓練でございます。 第三に、産業構造、社会環境の変化に対応する労働基準行政の展開でございまして、労働者の都市集中あるいは技術革新の進展等に対応いたしまして、労働態様につきましても著しい変化が見られます。それに対応しまして、第一に労働基準に関する基本的な調査研究をやってまいる。単年度限りではございませんで、少し時間をかけまして、労働基準に関する法制的、実態的な研究を進めたいということで、その関係の若干の経費を計上いたしておりますと同時に、従来からやっております単調労働対策、労働時間対策の推進をさらに進めるというのが第一でございます。 それから第二番目といたしましては、近代化のおくれた分野、社会的な問題となっている分野の労働者に対する施策でございまして、一つは、最低労働条件確保のための監督体制の充実、特に最近重点を置いてやっております自動車運転者の労務管理改善対策というようなことにつきまして重点を置いてやってまいりたい。それから最賃につきましては、改正法に基づく最賃の普及をはかってまいりたい。それから重度障害者につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、労災の面で特にこれを強化してまいりたい、リハビリテーションの作業所もふやしてまいりたいということでございます。それから、遺族に対します援護の強化ということで、生活の実態調査、それから葬祭援護施設の設置、これも前年度から引き続きやってまいりたいということであります。 総合的家内労働対策につきましては、家内労働法を制定し、そして最低工賃制あるいは安全衛生措置等の家内労働条件の適正化を進めるということで、労働基準局、若干、婦人少年局の分も入っておりますが、そういった必要な経費をふやしておるわけでございます。 それから、合理的な賃金制度の推進ということで基本的な検討を進めますと同時に、賃金相談室をさらに十局分ふやしまして、相談機能の充実をやる、実態調査をやるというような経費でございます。 勤労者の財産形成につきましても、前年度に引き続きまして、諸般の調査、PR等をやってまいる予算でございます。 次に労働災害防止のための抜本的対策の確立と推進でございまして、技術革新によりまして、新しい種類の災害、職業病の発生というような危険が高まっております反面、労働力不足に関連いたしまして、未熟練労働者、高齢労働者等がふえてまいっておりまして、そういう意味でも労働災害の防止ということが特に重視されるわけでございますが、施策の内容といたしましては、労働災害防止計画、法に基づきます計画の普及促進ということ、それから安全衛生関係の意識の高揚、教育の促進というようなことをさらに進めてまいる。それから産業安全研究所、労働衛生研究所の研究活動の強化あるいは機械設備の安全性の向上、技術基準の開発、さらには科学的災害調査の体系的実施というようなことを進めてまいる。それから、職業病の対策につきましても、ここにありますような、有害環境の実態把握、それから特定有害業務の従事者に対する作業基準等の健康管理対策を進める、あるいは産業医に対する職業性疾病特殊健康診断手法の指導というようなことをやってまいるというような、従来の施策をさらに一段と進める経費でございます。最後の安全衛生技術の国際交流のところにあります国際労働衛生会議でございますが、本年の九月に日本で行なわれますものにつきまして、二千万円ばかりの政府から経費の援助を行なおうというものでございます。 それから、災害防止サービス網の確立、中小企業、危険有害業務企業等に対する指導援助の積極化でございまして、災害防止サービス網の整備確立といたしましては、安全衛生コンサルタントの活動等、労働災害防止協会がございますが、これに対する育成をさらに強化する。それから、安全衛生サービスセンターというものを本年度も一カ所新設していくというようなこと。それから、当然のことでございますが、災害多発危険有害事業所への重点的な監督指導を行なっていくというようなことが中身でございます。 それから、婦人の能力の有効発揮と福祉対策でございますが、まず第一に、婦人の労働能力の有効発揮と地位の向上につきましては、中高年齢婦人の雇用の円滑化ということでございまして、先ほども雇用対策の面で触れましたように、こういった雇用のさらに活用という見地から、その雇用の円滑化をはかるという経費でございます。そのほか、そこにございますような、短期職業講習の拡充でございますとか、家事サービスの訓練の充実とか、あるいはパートタイマー対策というようなものをさらに進めてまいるという経費でございます。 それから婦人の地位の向上につきましても、婦人週間のやり方につきまして検討を加えまして、新味を出していこうという予算になっておるわけでございます。 それから、特に婦人労働者、労働者家族の福祉増進といたしまして、働く婦人の家を増設していこうということで、そこにありますように、来年度は四カ所の働く婦人の家をつくっていこうということでございます。A級七百五十万円、B級五百五十万円のものでございます。それから内職の補導所を二カ所つくってまいりたい。それから、労働者家族及び家族従業者の福祉増進といたしまして、いろんな実態把握の調査というようなものをやってまいりたいという予算でございます。 それから一五ページに参りまして、勤労青少年のすこやかな成長のための総合的施策の樹立推進でございまして、先ほど雇用政策のところでいろいろ触れましたようなものと重複いたしますが、新規学卒者に対しまして、先ほど申し上げましたような年少就職者相談員の新設でございますとか、あるいは働く青少年手帳の配布でありますとか、勤労青少年講座でございますとか、そういうものをさらに進めていくということ。 それからもう一つは、勤労青少年に対する福祉施設を拡充するということでございまして、これも、先ほど触れましたような中野のセンターでございますとか、あるいは地域の勤労者総合福祉センターでございますとか、あるいは体育施設でございますとか、そういうものを拡充いたしますほかに、婦人少年局の所管といたしまして、一六ページの上にございます勤労青少年ホーム、これはA級とB級、先ほど働く婦人の家で申し上げましたような、A級七百五十万円、B級五百五十万円の単価でございますが、これも大幅に拡充をしてまいりたいというわけでございます。 その他、勤労青少年の余暇活動、従来どおりの指導援助を進めてまいりたいということでございます。 七番目といたしましては、社会経済情勢の変化に即応する積極的労政行政の展開でございまして、一つは、労働経済などに関する長期的展望に基づく労働政策の樹立ということでございまして、政治、経済、社会の変化に対応いたしまして、労使関係あるいは労働運動の動向の把握というような点、それから国民経済と労働運動の関連における労働経済の総合的な把握、分析、長期展望というようなことで、諸般の調査、分析を進めてまいるという関係の事務的な予算でございます。 それから次の労使関係の安定促進は、労働委員会あるいは日本労働協会等への助成等の経費も含めまして、労働教育関係の予算でございます。 それから三番目の中小企業労働対策でございますが、これも従来からやっております中小企業集団に対します助成というものも一千万円ばかりふやしてございますが、そのほかに、中小企業退職金共済事業団をはじめとする共済事業に対する助成をふやしてまいっております。 次に労働保険制度の改善でございますが、大臣の説明にもありましたように、労災、失業保険の零細企業への適用拡大その他の内容を含みました改正案をいま検討中でございまして、ただいま中央職業安定審議会あるいは社会保障制度審議会、その他関係の審議会におきまして御検討をいただいておりますが、やがて今国会に提案の上、御審議をいただくことになっておりますが、そういった法改正の中身を盛りました予算でございまして、そこに計上してございます九十八億七千七百万円という数字は、そういった制度の改善分でございます。 制度改善といたしましては、零細企業における労働保険の段階的な適用拡大をはかるということ。それから失業保険受給者に対する給付の適正化、就職促進というようなことでございます。それから三番目といたしましては、失業保険給付内容の改善ということでございます。これに関連いたしまして、失業保険財政の現況にかんがみまして、失業保険料を千分の一引き下げるということも考えておるわけでございまして、そういう予算になっております。 それから、失業保険給付内容の改善といたしましては、一般保険におきましては、低い等級の者の日額の引き上げでありますとか、扶養加算額の改定でありますとか、あるいは非常に長期な被保険者に対する給付日数の延長でありますとか、そういう内容をいま考えておるわけでございます。日雇い失業保険につきましては、保険日額の改善をはかるというようなことを考えておるわけでございます。さらに福祉施設におきましては、従来の就職支度金という制度がございますが、これにつきましても思い切った拡充をはかる。それから移転費につきましても、着後手当というようなものを新設する等々の改善を検討をいたしておるわけでございます。そのほか、従来からいわれております季節的な失業保険受給者に対する対策、あるいは労災、失保両保険の適用徴収の一元化というようなことを検討いたしております。 それから予算的には、労働保険相談員というものを、そこにございますように二百五十人新規に設置いたしまして、諸般の相談に応ずるような体制も整えたいということでございます。 以上が労働保険制度の関係でございます。 最後に、国際労働行政の関係でございますが、まず第一にはアジア地域における発展途上国に対する技術協力の推進でありまして、ILOのアジア労働力計画というものが検討されておりますが、それに対する協力あるいは研修員の受け入れ、専門家の派遣というようなものを職業訓練について行ないます経費というものを計上いたしておりますほかに、ILOに対する協力というようなことの予算を計上いたしております。特に四十四年度はILOの五十周年に当たりますので、その関係の記念行事の予算も若干計上いたしております。 それから、ブルーカラーの海外派遣とか、あるいは技能オリンピック開催体制の整備というようなことは、先ほど職業訓練に関連して申し上げたようなことでございます。 それから最後に、海外情報の収集及び海外啓蒙活動の強化というのに若干の予算を計上いたしております。 簡単でありますが、以上が来年度の予算の概要でございます。
○森田委員長 皆さん御苦労さまでございました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十八分散会