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61回国会衆議院1969/08/01

産業公害対策特別委員会 第23号

発言数
146
登壇者
11
会派数
4
開催日
1969/08/01

会議録

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。河上民雄君。

河上民雄日本社会党

○河上委員 公害基本法の定めるところによりまして、本年初めて公害白書が政府より発表されたのであります。  公害対策について考えてみますると、昭和四十二年、公害対策基本法が出ましたことは、ある意味において画期的なことだと思うのですが、それに次いで公害白書が出たことの意義も非常に高く評価したいと思うのであります。しかしながら、この公害白書を拝見いたしました印象からいたしますと、非常にいろんな多くの問題を感じますので、若干質問をしてまいりたいと思うのであります。  この公害白書の序説というところを拝見いたしますと、わが国における公害問題の歴史的な展望、過去の経過というものが述べられておるのでありますが、私は、ここでふしぎに思いますことは、現状並びにいままでの経過を叙述しただけであって、公害対策が十分でなかったために数多くの公害都市を生み出し、また多数の公害病患者の発生という非常に痛ましい悲劇を見るに至った社会的な責任あるいは政治的な責任に対する反省がないことを非常に遺憾に思うのであります。そういう点につきまして、政府は、ことに、この公害白書を作成された方々は、どういうように感じておられたのか、この点をまず初めにお伺いしたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先生の御指摘は、公害問題について、いろいろ問題が起きました点についての問題点の指摘について、対策の不十分であった点について、反省なりそういう面からの指摘がないではないか、こういうお話でございます。  基本法によります公害年次報告書の問題は、やや事務的な答弁になりますけれども、第七条では「毎年、国会に、公害の状況及び政府が公害の防止に関して講じた施策に関する報告を提出」する、それから、第二項で、これから「講じようとする施策を明らかにした文書」を出せ、こういうことで、いわゆる年次報告書の形態をとっておるわけでございまして、法律上の問題からしますと、いわば第一章で取り上げましたような過程の問題は、この法律からは出てこないわけでございますが、まあ第一回の年次報告書ではございますし、これまでの歴史的な経過に若干触れたほうがいいんではなかろうかという私どもの発意で、若干触れたわけでございます。  そういうような点で、先生が希望されます問題点の指摘という点につきましてはやや不十分であった点は私どもも否定いたしません。  ただ、公害白書の三ページ等をごらんになりますれば「経済成長に重点を置いた施策がとられ、ややもすれば公害防止に十分な配慮がなされなかった事情もある。」というので、そういう点につきましては、具体的な反省的な記述もいたしておるわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 まあ私といたしましては、いまの厚生省担当者の御答弁は非常に不満でございます。と申しますのは、やはり公害問題の性質上、また、この公害白書が最初に発表された——戦前から戦後にわたって数多くの公害問題があったことは、この公害白書それ自体が認めているわけでありますが、そのような経緯を考えてみましても、これまで放置した責任というものをこの際明らかにすることが、やはり今後の公害対策を真剣ならしめる第一歩であったのではないかというふうに考えるのでありまして、その点非常に残念に思うのであります。  先般、国連がウ・タント事務総長の名におきまして発表いたしました報告書を見ても、公害による全世界的な環境の危機を訴える非常に気魄に富んだ論調で一貫されておるのでありますが、やはりせっかく公害白書を出される以上、そういうものが根底になくてはならないのではないか、こんなふうに私は思うわけであります。どうしてそうであるかということの一つの原因といたしまして、政府の態度、ことに政府を代表しておる佐藤総理が、この前の本委員会においても、また参議院の本会議における答弁においても言及された、あの「公害は必要悪」ということばがやはり問題なのではないだろうか、こんなふうに思うのであります。白書の序説の中でも、戦前及び戦時中においては、生産力あるいは国防力の増強を最優先とする思想が強かったということが指摘されておりますが、先般の佐藤総理の「公害は必要悪」ということばは、戦前から戦時中、そして戦後も続いてきた思想の連続を感じさせるのでありますが、私はこの際、佐藤総理が言われた公害は必要悪というこの思想を徹底的に断ち切らなければならないのではないか、こんなふうに思うのでありますが、本日は総理はおられませんが、公害は必要悪という思想を一体この白書は認めておるのか、認めていないのか、その点、白書の作成者として、関係者の御答弁をいただきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 総理の公害は必要悪であるというおことばにつきましては、総理に私どもとしては確かめておりませんので、真意が那辺にあるかは一応想像するわけでありますが、急激な都市化問題、工業化問題が起きまして、国連の事務総長の報告でも述べられておりますように、いろいろ問題が起きておるということは、やはり都市化並びに工業化の急速な発展過程においては、どうしても公害問題というのはやむを得ずして発生する可能性があるし、でき得べくんば、もちろん公害が発生しないということが望ましい姿であるけれども、現実にいままですでに発生してきているし、今後もこれを全く除去するということが、それはできるだけの対策が必要でございますけれども、やはり想像としては、やむを得ざるものとして出てくるのではなかろうかという立場にお立ちになって、ああいう御発言があったものというふうに私どもは理解しております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 経済企画庁の政務次官もお見えになっておられますが、いまのような御答弁は、佐藤総理の発言を補強されるというか、弁護されるお気持ちから出たのだと思うのでございますけれども、やはりこの公害は必要悪ということばは、へたをいたしますと、一種のキャッチフレーズになって、公害対策の熱意をさましたり、あるいは公害対策を怠った者の弁解に使われるおそれが非常にあると思うのです。そういう意味で、佐藤総理が使われた真意というものについていろいろそんたくして弁護されることも、お気持ちはわかるのでありますけれども、しかし、それが流布されていくことによってもたらされる社会的弊害というものは非常に大きいと思いますので、ひとつ政務次官から、そういう弊害が起きないように、ここで明確なお答えを承りたいと思います。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 河上委員のお説はごもっともだと思います。総理の発言については、私は承知いたしておりませんが、とかく今日まで日本の経済が非常に進歩した、また日本の経済が非常に進歩するための手段方法として、やや等閑視されていた公害問題が、今日大きく浮き上がってきた。これは、人命尊重ということは何よりも大切なことでありまするから、まずわれわれの生活環境、われわれの健康保全ということが、第一義的に取り上げられなければならないものであります。ようやく今日都市化の問題あるいは公害の多様化というようなものが急激に複雑化し、また多発してまいったので、政府としても、皆さんの御要望、並びにわれわれとしてもこれを早急に取り上げて、これが解決に全力を尽くしたい。ただいま私ども政府所管事項といたしましては、公害は何よりも優先すべきものである、かように考えて、今後厳重にこれの対策を早急に進めたい、こういう趣旨であります。またそういう気持ちで、今後行政を取り扱っていく所存でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いずれにせよ、佐藤総理のあの発言は、政治的にも社会的にも非常に有害だと思いますので、これは何らかの形で、政府としては取り消されることを、私は強く要望しておきたいと思うのであります。  御承知のとおり、わが国の公害問題というものは、非常に悲惨な姿をとって今日に至っておると思いますが、例の公害病の認定にしても、病人が発生して以来十七年たっておる。その間、ああでもないこうでもないということで過ごしてきた無責任というものは、ほとんどこの公害白書の中では言及されておらないということを、私ども遺憾に思うのでありますが、特に私はスウェーデンの公害問題に関するある論文を読みまして、非常に強く感銘を受けたのでありますけれども、その中で、日本の例の有機水銀中毒の事例が取り上げられておるのであります。スウェーデンにも同じような問題があったのでありますけれども、スウェーデンの場合は、鳥がたくさん死んだ。その鳥が多数死んだという現象から、水銀性の殺虫剤の散布が原因となって、穀類が汚染され、それをついばむ鳥がたくさん死んだのだということが明らかになった。それから水銀中毒問題というものがスウェーデンでは大きな社会問題になった。そして、日本では水俣病が起こっておるというようなことが例としてあげられておったのであります。私は、同じ公害問題を取り上げる場合にも、スウェーデンのほうは、鳥がたまたま死んだという事実から対策が直ちに出発しているのに対して、わが国の場合は、人命が失われるまで何ら手が打たれておらなかったという事実をもっと深刻に反省すべきではないか、こういうように思うのであります。水俣の場合でも、まず魚が死に、それから漁業上のいろんな経済的補償問題が起こり、その次に人体への障害というものが起こってきて、そこで初めて公害対策というものがようやく動き出す、しかも公害病認定が十七年かかる、こういうような経過というものはよくよく反省しなければならないと思うのであります。私は、そういうような点が公害白書全体にみなぎっていないことをたいへん残念に思うわけなんです。そういう点をもう少し、公害白書をつくる場合に、せっかく最初のものでありましたから、最初申しましたように、いままで放置してきた社会的責任というものを強く自覚したことばがほしかったということを、私は繰り返して申し上げたいと思います。  なお、この公害白書の中で、集団発生の形をとりました公害病についてはいろいろ報告されておるのでありますけれども、推測するところ、個人的に孤立して発生した公害病というものもかなりあったんじゃないかと思うのでありますが、そういうようなものについてはほとんど報告がなされておらないのでありますが、個人的に発生の公害病について、厚生省ではどういうように捕捉しておられるか、伺っておきたいと思うのです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 率直にお答えいたしますと、公害問題についてのいろんな統計調査というものが、中身のいろいろな複雑性等もありまして、それからまた、関係各省のほうでそれぞれ捕捉されていることでございますので、厚生省で統一的にこれを把握することについては十分でない点があることは、私も十分認めるわけでございますが、いまおっしゃいました個々の公害問題としてあがったものをどうとらえていくかということにつきましては、実はやはり公害という問題は、ある程度集団的なものとして把握される、あるいは把握されないと、それがまた公害であるかどうかということの認識ができないということもございまして、個々のいろいろの小さな事件等につきましては、よほどそれが裁判その他政治的な問題にならなければ、私どもの耳には入らないという弊害はございます。しかしながら、各地方公共団体等では、それぞれ苦情処理あるいは陳情等を通じて、そういう小さい問題についても問題を把握しておりますし、それから法務省等では人権問題としての扱いをやっておりますので、そういう面についての統計等については、私どものほうも法務省なり自治省を通じて承知いたしております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまの御答弁で、私どもはちょっと印象づけられるのでありますけれども、公害問題の状況についての調査というものは非常にしにくいことはよくわかるのであります。こういうことは、将来もう少し厳密な、完全な調査というものができるというようにお考えになっておられますか。いかがでございますか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 調査統計等につきましては、主として大きな問題になっております問題、たとえば、大気汚染でありますれば、亜硫酸ガス等についての各地の状況を、時系列的にあるいは年次的に検討して、その統計の解析をするというようなことは、一番現在の中では進んでおるのではないかと思いますが、そのほかの、たとえば水、騒音等につきましても、やはり年間を通じての統計的な調査ないしは解析という点が、いろいろの都合で非常にわれわれの希望する程度までは至っていないということは、現に私も認めているわけでございます。そのほか、この公害白書を編集するときにも、いま先生の御指摘がありましたいろいろの事件等につきましても、内容の一々の具体的な問題は別としまして、都道府県等を通じての統計調査というものがもう少し的確に把握される必要があるということは痛感しております。したがいまして、今後は現状よりもさらに把握できると思いますし、また把握しなければならない、かような認識に立っております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 実は私、きょう質問するに先立ちまして、法務省の関係の方に公害裁判というものの実態について問い合わせをいたしましたところ、統計上そういうものは取り出しにくいということでございました。私が特に伺いたかったのは、昭和四十二年公害基本法ができ、またそれの関連の実施法ができるに従って、公害問題に関する集団的あるいは個人的な裁判でありますが、そういう裁判の判決の上にどういう変化があらわれてきたかということを伺いたかったのでありまするけれども、どうも法務省で掌握している限りでは、そういうことを明らかにする手がかりがないというようなお話であったわけであります。私は、公害裁判の判例というものが、やはり公害対策を進める上で非常に重要であるし、また公害対策なりまた公害法の整備というものが、公害関係の判例に少なからぬ影響を与えるのではないか、こんなふうに思うのでありますが、どうもそういうような資料がほとんどできていないし、したくても手がかりがないというようなお話だったわけなんであります。それならきょうはそれについてのあまり詳しい質問をしないということにいたしましたのですけれども、これはひとつ政府のほうで各省お互いに連絡して、これは、公害白書というものは今後年毎年次報告で出されるわけでございますので、公害問題に関する各面にわたる調査、統計というものをもう少し整備していただくように、私はここで希望しておきたいのであります。質問という形では、きょうはやりませんけれども、特にこの点を希望して、次の問題に移りたいと思うのであります。  次に、今後の対策についての問題でございますけれども、対策という二とになりますと、大体三つに分けることができるんじゃないかと思うのであります。一つは、すでに発生しておる公害の除去。それから第二は、発生が予想される分野に対して予防するということ。第三は、公害が大事に至らないうちに中期に発見する努力といいますか体制といいますか、そういうような三つの側面があると思うのであります。そのいずれをやってまいります場合にも、当然少なからず金がかかるわけでありますけれども、予算について、公害防止対策に関係している方々はどういうお考えを持っておられるか、この際伺っておきたいと思うのであります。四十四年度厚生省で公害対策のために獲得された予算は幾らぐらいで、そしてそれが全厚生省予算の中で占める割合はどのくらいか、まあ各省でいろいろあると思いますけれども、厚生省をひとつ例にとりまして、伺っておきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 厚生省の公害関係の予算は非常に僅少でございまして、公害白書の中に予算項目がございましたかどうか記憶しておりませんけれども、私の記憶では、大体七億六千万程度でございます。厚生省の予算は御承知のように九千億でございますので、比率等、非常に少ないわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そういたしますと、私はあまり億という金を見たことがないのでわからないのですけれども、例のファントム4Eですか、防衛庁が百数機つくることに決定をいたしましたけれども、あれはたしか一機が二十億弱、十九億何千万円でございますから、どうもその半分かあるいはその三分の一くらいにしか当たらない予算のように思うわけであります。省の予算がもし九千億としますと、これはもちろん一%以下、〇・〇何%になりまして、へたをするとPPMになってしまうおそれもあるのですけれども、これはまあ公害対策が緒についたばかりだからということで、多少は恕すべき点があろうかと思いますが、しかしこれでは、なかなかさっき申しました三つの側面について、それぞれ抜かりなく手を打つということが非常に困難なんじゃないかというふうに、私はおそれるものであります。  そこで、厚生省ばかり責めては申しわけないのでありますけれども、予算面で昭和四十五年度には大体どのくらい計上するようにしたいと思っておられるか。さらに向こう三年後、四十七年度くらいには大体どのくらいまで増加させたいという目標を持っておられるか、お伺いしたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 来年度予算については、現在厚生省の内部でいろいろ準備をしておりまして、明年度どのくらいを希望しておるかということをここでお示しすることはまだできませんけれども、厚生省の予算自身が、いろいろの補助金その他、他の官庁のように大々的に補助をするというような性質のものはございませんで、主として調査費的なものが中心でございますので、一気に何十億というようなことは考えられませんが、私どもとしましては、今後の公害対策の予算につきましては、厚生省としてはやはり、公害防止事業団の予算は別といたしまして、調査費的なものを大幅に増したい、かような考えでおります。

河上民雄日本社会党

○河上委員 きょうは大臣がお見えになりませんので、あまりそうはっきりと目標を言われなかったと思うのでありますが、やはりこれはある程度、ここいら辺まで伸ばしていきたいという目標を立てて毎年の予算要求をされないと、なかなか公害対策というものが予算面から充実していかないのじゃないかというように思うのであります。少なくとも省予算の〇・〇何%というような状態ではなくて、やはりパーセントの中に乗るくらいの予算をぜひ獲得するように、ひとつ公害部長も御努力願いたいと思うのです。  いまの厚生省を例にあげたのでありますけれども、通産省では、公害関係の予算と省全体の予算との比率は大体どのくらいになるというようにお考えですか。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 通産省の四十四年度の予算は、通産省プロパーで約十二億八百万でございます。この十二億八百万に対しまして、通産省の全予算は、私いま正確な数字を覚えておりませんが、たしか八百五十億くらいではなかろうかと思います。したがいまして約一・五%弱くらいに相なるのではないかと思います。  それから、予算はそういうことでございますが、公害対策につきましては、通産省といたしましては、一般会計予算だけではなく、財政投融資、税制のほうにも非常に重点を置いているわけでございまして、これはいまの十二億の中にもちろん入っていないわけです。これは一般会計ですが、財政投融資におきましては、たとえば重油の脱硫に対する開銀融資ということで四十億の特ワワクがございますし、それから中小企業金融公庫では、やはり公害関係を含む産業衛生ワクということで、十億というようなものもございまして、こういう財政投融資の面からも大いに推進いたしたいと思っておるわけでございます。財政投融資に関しては、また公害防止事業団も、厚生省と一緒になってやっておる、こういうわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 この公害白書を拝見いたしまして、大気汚染についてはかなり詳しくいろいろ書いてあるのでございますけれども、先ほど私は、公害対策には三つの側面があるのじゃないかと申しましたが、その第一のすでに発生しているものの除去という点から見まして、大気汚染の最もはなはだしい地点が幾つか述べられておりますけれども、それを下げる見通しというものがほとんど述べられておらないのであります。たとえば大阪西淀川、川崎大師、このようなところは、一体いつごろまでにどういうふうにするかということについてはほとんど言及がないのでありますが、現地の人たちに言わしむれば、ともかく十年間待ってくれというようなことでは、そこに住んでいるわれわれはどうしてくれるんだということになってくるのでありますけれども、対策を立てる以上は、現状ひどいところはこれ以上悪くしないというだけではなく、やはりこれを下げていくという見通しを立てなければならないのではないか、こういうふうに思うのですが、それについて厚生省からお伺いしたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 確かに先生のおっしゃるように、環境基準は閣議決定できまって、十年以内というようなことが書いてありましても、一体その十年以内ということを具体的にどうするかということがなければ、住民の方々も非常に不安になるだろうと思います。  実はこの公害白書ができましたのはつい最近でございますが、半年以上前から原稿をつくっておりましたので、最近の動きというものは、実は遺憾ながら、織り込まれてないわけでございますが、たとえばいまの問題につきましては、低硫黄化対策というものを通産省が中心となって非常に推進しているわけでございまして、現在エネルギー調査会の中に低硫黄化対策部会というものをつくりまして、鋭意その具体的方策を作成中でございまして、この秋にはできるわけです。そういうわけで、本来ならば、その低硫黄化対策の内容を織り込むべきだったわけでございますが、最近の動きでもあったもので、遺憾ながらこれに盛られなかった。しかし盛られている盛られていないにかかわらず、低硫黄化対策というものを早く具体化して、これを推進すべきものだと思います。

河上民雄日本社会党

○河上委員 水質の問題についてかなり詳しく出ておるのでありますけれども、経済企画庁が担当でありましょうが、先般、水質保全法の改正法案もこの委員会で審議をいたしましたけれども、経済企画庁では、水というものをどういうふうに考えておられるか。水質保全法では、精神といいますか仕組みというのは、一定の汚染度に達した場合にのみ規制の対象にするということになっておる。先ほどもちょっと申しましたが、公害対策の非常に重要な側面である予防という考え方が、必ずしも強く出ておらないというふうに私は理解しておるのでありますが、つまり現在きれいな水をいつまでもそのままにしておくというような姿勢ですね。そういうようなものを、経済企画庁として、今後の水質汚濁防止対策として取り上げられるお考えはないだろうか。私は今度の白書をいろいろ拝見いたしましたが、どうもそういう点があまりはっきり出ておらないのでありますが、水質保全法はそういう仕組みになっているからしょうがないんだということではなしに、いまきれいなところが悪くなってきたら初めてそこで押えるというのではなく、きれいなところはいつまでもきれいにしておくということを、公害対策の中に一つの柱として入れるお考えはないだろうか、それをお伺いしたいと思います。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 水という問題は、これは人間の生活として一番大事な問題でありますが、また水を利用するということがわれわれに課せられた——いろいろな日非生活を営む上において、一つの企業、産業、これも水を利用して発展していき、やがてはわれわれの人間生活に便利を与えるというようなわけで、その地区は今後は工場を設置してはいけないとか、あるいは水をよごしてはいけないということは、これはなかなかきめかねる問題だと思います。国立公園とかあるいは特定な地域のように、法律的に取り締まられているものは別でありますけれども、全般的な問題としてきれいな水域にこれを及ぼすということは、非常にむずかしい問題であろうと思います。しかし私どもとしては、水質保全法を預かっておるたてまえ上、水の最低の限度あるいはわれわれが日常の生活環境を守る上において絶対に必要であるというものは、これはあくまで積極的にそういう線を守っていきたいという考え方で進んでおるのでありまするが、しかしきれいな水をいつまでもよごさないでいる、それを日本の水質全体的な考え方に及ぼすということは、なかなかむずかしいことであろうかと思います。河上委員のおっしゃるその真意は、われわれも非常によくわかるのでありまするが、これを法律的に、また行政的にどう処置していくかということは、なかなかむずかしい問題であろうと思います。ですから、そういう具体的な問題が発生した場合には、できるだけそれに対処していく。また今後地方の水域を利用して工場が進出するというような場合、地方庁と連絡いたしまして、今後水が汚染されないように厳重に監視していきたい。こういう地方自治体との連絡協調という点も、今度の水質保全法の改正の一部の重要なる要件として加えたわけでございます。そういうわけで、積極的に水はよごさないという趣旨には変わりはございません。

河上民雄日本社会党

○河上委員 それでは厚生省にお伺いしますが、国立公園というのは厚生省の管轄だと思うのでありますけれども、厚生省の管轄している国立公園の中には、湖なんかもかなりあると思うのです。そういう場合の水質基準というものはどういうふうに取り扱っておられるのか。一般的な意味の水質基準と、美観維持のための水質基準というのがあるのかどうか知りませんが、それとの間には、当然若干違いがあると思うのです。そういう点は、厚生省ではどういうふうに考えておられるのか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 国立公園の中におきます水質の問題につきましては、これは公園としての維持をはかるという意味で必要ではないかということがいわれておりまして、この点につきましては、現在水に関する環境基準の条件というようなものを、厚生省としては、水道あるいはこの前から問題になっております海の海水浴の問題、それから公園における水の問題を調べたらどうかということで、三月から準備をいたしております。  いずれ公園につきましても、こういう環境基準的なものの条件をぜひつくりたいという希望を持って、現在調査中でございます。現在衆議院で御審議中の海中公園等におきましては、特にこういう点が問題になろうか、かように考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そうすると、近く国立公園における水質基準といいますか、別な角度からの水質基準を考えるということでございますね。たとえば、北海道の摩周湖なんかもあると思うのでありますけれども、諏訪湖はどうなっておるか知りませんけれども、諏訪湖の汚染というのも一方では問題になっております。ひとつそれはしっかりやっていただきたいと思うのです。  それから、経済企画庁に、公害対策の観点から見てお伺いしておきたいと思うのですが、経済企画庁で取り扱う水というのは、大別すると、経済企画庁だけではないのかもしれませんが、飲料水、工業用水、農業用水、漁業用水と分けられるかと思うのですけれども、その中で一番重視しておられるのはどの部門でございますか。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 そもそも水質保全法なるもののできた由来は、先生御承知のとおり、廃液が河川を汚染するその程度が非常にはなはだしくなる、それをまずよごさぬというたてまえからできた法律でありますから、その水の限度を維持する、われわれの生活環境に、あるいはその他の産業上に及ぼす影響等を考えて、その防止に対して万全の策を講ずる、こういうわけでございますから、われわれのほうとしては、水質を預かる意味においては、産業上、その産業がどんどん進出してその河川をある一定の基準以上汚濁してはいけない、そういうたてまえで、言いかえますならば、産業の公害防止をまず念頭に置いて、これを厳重に今後とも監視していきたいというふうに考えております。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 水の人間に関係する関係のしかたはいろいろ多面的でございます。たとえば、先ほど先生がお話しになりました飲料水あるいは農業用水あるいは工業用水等々、いろいろな形で人間の生活あるいは生命あるいは人間の生産活動に関係するわけでございます。たとえば水俣の場合は直接飲料にはしなかったわけでございます。しかし、魚類を中間に媒介項として置きまして、人間の生命に非常に大きな問題を起こしたというようなことでございますが、まずどの水をどういう使い方をする場合に最も問題かというよりも、やはり第一義的には、人間の生命にどういう影響をするか、それから生活環境あるいは産業にどういう影響があるかという目的的な意味で、おのずから順位がきまると思います。それから第二は、一つの河川をとりましても、極端な場合には全然飲料にはしないという川もある。その場合に、農業と工業、あるいは漁業と工業というような場合には、おのずからその間の調和をはかっていくというようなことでございまして、川ごとにあるいは海域ごとにそういう関係というものは違うわけでありますから、その場合にはそれぞれその具体的な状況に即して、ただいま申し上げました第一義的な目的の順序に従って、それを判断していくということになるかと存じます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 少し話題を変えまして、公害白書が出ました前後に、少しおくれてでありますが、先ほど申しましたように、国連のウ・タント事務総長から、一九七二年にスウェーデンで開かれる人間の環境に関する国際会議に提出すべき報告書を発表されたのでありますが、これは朝日新聞にかなり長文の翻訳が出ておりまして、非常に教えられるところがあったのでありますが、日本政府は、一九七二年にスウェーデンで開かれるこの国際会議にどういう態度で臨むおつもりなのか、それはまだきまっておらないのか、すでに準備を始めておられるのか、何らかの報告書をそれぞれの各国政府が提出することを求められておるのか、あるいは求められていなくても日本としては出してみたいとお考えなのか、要するに日本政府のこの会議に対する態度というものについて、いまおわかりになる限りにおいて、お答え願えれば非常に幸いだと思うのです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 この問題につきましては、外務省から正式に、この問題に対する関係各省の対応策というものをどうするかという事務的な連絡はまだありません。従来の慣例、あるいはこの問題の重要性にかんがみまして、当然関係各省の間で十分この問題の討議をし、しかるべき意見を述べたりあるいは報告をするということになろうと、私どもは想像しております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そうすると、まだあまり具体的な作業はしておられないというふうに理解してよろしいわけですね。  去年の秋から暮れにかけまして、国連関係では、幾つかの公害問題に関するいわば白書といっていいような報告書が出ているわけですが、その中で、すでに一九七二年に人間の環境に関する国際会議といいますか、ア・ユナイテッド・ネーションズ・コンファレンス・オン・ヒューマン・インバイロンメントというようなもの、こういうものを開くということをきめておるのです。おそらくそれに基づいて、ウ・タント事務総長がいち早くこういう発表をされたのだと思うのですけれども、もう一度伺いますけれども、この問題について、国連から日本政府に対して正式に協力方の要請があったのかなかったのか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 正式の要請があったかどうかにつきましては、現在ここに出席しております政府関係者においては承知しておりませんので、あったかなかったかということにつきましては、なお外務省に連絡をしてお返事を申し上げたい、かように一思います。

河上民雄日本社会党

○河上委員 先般も厚生省の方とお話ししたときに、やはり日本の公害対策というのは、世界的に、ある意味で注目されておる。それは逆にいえば、世界に冠たる公害国であるという事実が、そうさせておるのだと思うのでありまして、そういう意味で、やはりこれに対してはかなり積極的に、日本政府しても協力あるいは参加すべきではないか、こういうふうに思うのであります。もちろん日本の実情については、特にスウェーデンでは、水俣病事件を通じて、これを契機として、非常に深い関心を寄せられておりますし、またかなり正確な情報も伝わっておるようでありますので、日本の現状に関し、良心的な報告をする必要があろうと思うのであります。いずれにせよ、ひとつこの問題は早急に日本政府として取り組むように要望いたしまして、この点についての質問を私は終わりたいと思います。  せっかく政務次官お見えでございますが、ひとつこの点について態度の御表明をいただきたいと思います。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 河上委員の御提案のとおり、もしそういう申し出があれば、これは世界各国においても当然共鳴するであろうと思います。特に日本は国土が狭いし、非常に産業が発達しておりまして、産業公害というものは、われわれとしても現実に問題になっておりますから、そういう申し出があれば積極的に参加して、大いに国連の一員として責任を果たしたい、かように考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 ひとつその点はよろしくお願いいたします。  いずれにせよ、いまのお話、国連からの協力なり、何かそういう要請というものがあるかないかも、まだはっきりしてないかの状態のようでありますが、ひとつその点を早急に確認して、直ちに作業に取り組まれるよう希望したいと思うのであります。  それでは、このたびの公害白書の内容に再び触れまして、二、三御質問したいと思います。  その一つ、ややこまかくなりますけれども、公害対策に関する施設をつくった場合の優遇措置について述べられておるような部分が、うしろのほうにございますけれども、それはこの委員会でも再三問題になりましたが、いわゆる産業廃棄物の処理に関しまして、優遇措置をいろいろ考えるべきではないかという意見が強かったのでありますが、ここに出ております優遇措置の対象の表によりますと、いわゆる第二次公害の処理施設については、税制上の措置あるいは公害防止事業団からの融資の上での便宜というものは、全く入っておらないのでございますが、これは過去これまでの状況でございますけれども、今後そういう点についてお考えになる御決意がないかどうか。特にこの前の、再三いま引用いたしております国連のウ・タント事務総長の報告の中でも、産業廃棄物の問題は、大気汚染並びに水質汚濁と並んで、公害の最も重要な三つの様態の一つとしてあげられておるのでありまして、そういう点から見まして、いま言ったようなことが非常に必要ではないかと思うのですが、これにつきまして、厚生省あるいは通産省はどういうふうにお考えになりますか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 現在、公害防止事業団では、排煙あるいは排水等につきましての公害防止設備をやる場合に、いろいろの援助策をやっておるわけでございますが、先生の御指摘の点は、そういうものを回収するようなものにもいろいろ優遇措置を与える、そういう事業の推進をはかることは、公害防止の推進に役立つのであるから、そういう面の助成策も考えたらどうか、こういうことであろうと思います。この点につきましては、現行の公害防止事業団の法律あるいは考え方等からいきますと、やはり企業そのものが公害を出す場合に、それを除去するものについての援助策をとる、こういうたてまえになっておりますので、いまのところむずかしいわけでございますけれども、そういう業務が公害防止にもつながるような問題につきましては、やはり企業の育成助長ということを考えるべきでないかと思います。したがいまして、そういう点につきましては、いわゆる直接的な公害防止の観点とは違って、そういう企業の育成については、通産省と一緒になって促進をいたしたい、こういうことでございますので、現在直ちに現行法なり現行制度でその点を考えるということはむずかしいと思いますので、検討いたしたいと思います。なお、そういうような企業が中小企業等でありますれば、当然中小企業の特別の施策で考える、あるいは協同組合等の諸制度で考えられる、かように考えておるわけでございます。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 産業廃棄物につきましては、昨年から本年にかけまして非常にクローズアップしてまいりまして、その防止の重要性が非常にいわれているわけでございますが、それに対する助成策としては、やはりまずもって現在の公害防止事業団の活用、これによってやっていきたいと思っております。現在の公害防止事業団法並びにその施行令なり、その他のこういう取りきめからいうと、若干の疑義があるかと思いますけれども、そういう点、制度的な取りきめというものは克服して、公害防止事業団を活用して融資を進めるというふうにやってまいりたいと思っております。  それから、税制のお話がございましたが、税制につきましては、産業廃棄物をストレートに対象にした税制はございませんが、これまた、現在の公害防止施設に対する一般的な税制措置を何らか活用して、そういう道を開くことを考えたいと思っております。  それから第三番目に、これはちょっと助成と直接関係ないかもしれませんけれども、産業廃棄物の処理技術というものが全然研究されていないわけでございまして、これは公害対策全般に通ずる問題で、先生のさっきの御指摘の第一点と第二点ですね、既存の公害の処理と今後起こる公害の処理と両方に関連するのですが、公害防止技術の開発ということは大事なんですが、その一環といたしまして、この産業廃棄物の処理技術というものを早急に研究開発するというために、工業技術院を中心としてやるということを考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 それでは最後に、先ほど私は三つの側面をあげたわけですけれども、第二の側面に関係することでございますが、今後の予防という点から見まして、公害の源になっております石油の問題ですね、原油の問題、それからまた自動車の問題ですね、これの今後の見通しということについて伺いたいと思うのであります。  再三で恐縮ですが、ウ・タント事務総長の報告の中でも、これは世界的な問題であるということが指摘されておりますが、たとえば原油の生産量は一世紀前にはごくわずかであったけれども、しかし一九六六年までに年産十六億四千百万トンに達した。一九三七年から一九六六年までの間に、年間生産量は六倍にふえたというふうに指摘しておるのであります。さらにつけ加えまして、「今世紀初頭には、ほとんど知られていなかった乗用車の生産は、同じ期間に年産五百万台から千九百万台にふえるというスピードだった。」こういうようなことが指摘されておるのでございます。このような、原油の生産量がめちゃくちゃにふえていく、あるいは自動車の生産台数がめちゃくちゃにふえていく、こういう事態をそのままにしておいては、なかなか公害対策というのはうまくできないのではないかと思うのであります。原油につきましては、先ほどお話しがありましたように、脱硫対策をかなり思い切ってやらないとうまくいかないのではないかという気がいたしますが、それについては、先ほど通産省からちょっとお話がございましたのですが、重ねてこれについて、将来の見通しですね、日本に関しての事情でございますけれども、ここで述べていただきたいと思います。  さらにまた、自動車の生産台数につきましても、向こう五年間あるいは十年間に大体どのくらいになるという展望をお持ちになっているか、そしてそれは産業上の見地から見てどの程度が望ましいか、あるいは、公害対策の見地から見てはこれ以上ふえることは困るというようなお考えをお持ちになっておるかどうか、さらには生産台数の制限というようなことを、通産省としては将来考えるお考えがあるかどうか、これらについてお伺いしたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 石油の問題と自動車の問題でございますが、若干の数字をまず申し上げまして、それから対策を申し上げたいと思います。  石油の関係は重油が問題になっておるわけでございますが、重油の数字で申し上げますと、いまの四十四年度の数字が八千四百万キロリットルということになっております。これが五年後の四十八年度には一億二千万、それから十年後の五十三年度には一億七千五百万、こういうような大ざっぱな数字が考えられております。比率にいたしますと、この十年間に二一三%の増加、それから五年後には一五〇%の増加ということになるわけでございます。で、ウ・タント事務総長の報告にありますように、世界的に見ましても、石油の消費量というものは非常にふえるという傾向にあるわけですが。わが国におきましても、そういうように五年後には五割増し、十年後には倍以上というようなことになるわけです。でき得れば硫黄分を含んでいないものでもってやるということで、原子力発電の開発ということをできるだけ早くやらなければならぬわけでありますが、そういう現在見通される原子力発電の開発の進行状況を織り込みましても、こういうような数字に相なるわけでございます。  それから次に自動車の関係でございますが、これも先に数字だけ申し上げまして、対策はあとで申し上げます。四輪車の合計で申し上げますと、四十四年度の新車の需要が三百八十八万台という数字でございます。これが昭和五十年の数字をいいますと五百七万台、こういうような数字に相なります。傾向といたしましては、四十二、四十三、四十四、四十五と、この最近の数年間においては非常に高い伸び率を示しておりまして、たとえば四十三年度であれば対前年比一六%アップ、本年度の四十四年度であれば対前年比一四%、来年は一〇%アップ、こういうような非常に高い増加率を示しておりますが、増加率は逐次鈍化いたしまして、五十年度五百七万台と申し上げましたが、これは前年の四十九年の五百三万に比べてほぼ横ばいでありまして、四十九、五十くらいの年度になりますとほぼ横ばいということで、自動車に関しましてはほとんどさしたる増加を来たさない、そういうのが現在の見通しでございます。  以上が数字でございますが、そこで対策といたしましては、先ほど申し上げましたように、重油の消費量自身は十年後には二倍以上にふえるわけでありますけれども、低硫黄化対策を強力に推進するということによりまして対処したい。しからば低硫黄化対策というのはどういうことかと申し上げますと、まず原油の輸入構造を相当程度変えまして、現在の中東のようなサルファの高いものはなるたけ減らして、その他の地域から東南アジアあるいはアフリカその他から硫黄分の少ない原油を大いに輸入するという、原油の輸入構造を変えるようにしていく、これが第一でございます。それから第二は、やはりそう申しましても、大幅な輸入構造の変化ということもできないので、ハイサルファのものが入りましても、それを国内におきまして脱硫するということで、先生も御承知のとおり二つの方法があるので、石油会社が重油を脱硫するということを大いに推進する。それから電力その他大口の需要者の段階におきまして、煙の中からとる排煙脱硫というものを大いに促進する、こういうことが考えられます。それから第三番目に、主として火力発電その他でございますが、硫黄分のない天然ガスというものを開発し、輸入して使うということによりまして対処したい、こういうようなことが低硫黄化対策の内容でございます。  それから次に自動車につきましては、まずやはり自動車の排気ガスの問題につきましては、排気ガスの防止技術というものを早急に開発するということが第一番の重要なことではなかろうかと思います。そのために通産省としましては、かねてから工業技術院の中に自動車安全公害センターというのがありますが、そういうものを二、三年前からつくりまして、公害防止技術の開発につとめ、同時にその成果に基づいて、自動車業界に必要な行政指導を行なっておるわけでございます。これが自動車排気ガスに対する一番大きな対策ではなかろうかと思います。先ほど先生は、自動車の生産を制限するようなことも考えたらどうかというようなことにも触れられましたけれども、自動車の生産制限というのはなかなかたいへんなことでございまして、かりに国内の自動車の生産制限をやったとしても、それは輸入車にかわるというだけでございまして、先ほど申し上げました需要は、そうべらぼうにふえるわけじゃない。四十九年、五十年にはむしろ横ばいになるということですけれども、いずれにしてもある程度増加する、そういう需要増加を、国産の制限ということによってだけではだめなんで、結局それは輸入に取りかわるというだけでございまして、そういう需要面の抑制というものにはやはり限界があるということでございます。したがいまして、先ほど申し上げました公害防止技術の研究開発、これの一そうの強化ということが第一だと思います。防止技術の研究開発の促進のうらはらといたしまして、この進展に応じて排出ガスの規制——ことしの九月から二・五%になるわけですが、そういう線でもって排出ガスの規制を漸進的に強化するということが、またうらはらの対策として重要な問題じゃないかと考えます。そういう基本的な対策を検討するとともに、必要に応じまして、局地的な交通規制の強化ということもこれは大事でございますので、そういうようなことによって対処いたしたいと思っております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまのお話で、通産省の二つの大きな公害源、原油と自動車に対する対策についての基本的な姿勢を伺ったのですが、自動車についてちょっと申しますと、例の排出ガスの規制を二・五にしたいというようなお話でございました。すでにこれは巷間周知しているところでありますけれども、輸出用という、つまりアメリカに輸出する場合の車の生産については厳格な規制を施し、日本国内に対する自動車の生産に際しては排出ガスの規制をきびしくしておらないという事実があるわけであります。こういうような指導方針を見ますると、どうもやはりまだ依然として、企業側に対して通産省が甘やかし過ぎてきたのではないかといわれておるのでありますが、そうした一面がなお続いているような危惧の念を一そう強くしておるのであります。ひとつそういう点は公害対策という観点から、アメリカに輸出するものはきびしくする、それは向こうがそうしなければ輸入してくれないだろうということでしょうけれども、そういうことではなくて、輸出する新車も国内で消費する新車も同じような基準で監督するのは当然だと思うのです。どうもそういう点、今日もなおかつ企業側に対して通産省が少し甘やかし過ぎているのではないかという懸念を持つのでありますけれども、一体そういう点はいかがでございますか。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 あとで詳しく御説明しますが、最初に私の申し上げることは、現状でいい、たとえばこの九月からやる二・五%でいいので、これ以上何もやらなくていいのだということを言っているわけじゃなくて、先ほどの御質問にも答えましたように、防止技術の開発に伴って逐次強化していくわけでございまして、その点、弁解するのではないということをまず冒頭に申し上げまして、御説明いたしたいと思いますが、公害白書の一二六ページにもございますように、ここに日本とアメリカの規制値の比較というのが書いてございます。これを見ますと、日本の規制値は全部三・〇%、アメリカのほうは二・三とか二・〇とか一・五とか、そういうふうにして、表面的には日本よりも低い数字が出ているので、この点については、先生御指摘の、輸出にはきびしく国内には甘いという御批判があると思います。  ところで、この日本の三・〇というのは九月から二・五になるわけですが、この左のほうに排気量というのがございまして、アメリカのほうはcc別に排気量が違っておるわけであります。実際問題として、現在日本がアメリカに輸出しているのは、排気量では八百二十ないし千六百四十ccというレンジのものでございまして、ブルーバード等はみなこれに入るのであります。それ以上の千六百とか二千三百とかいう非常に大きいものは、現在はもちろん、当分アメリカに対する輸出というものは考えられぬわけでございまして、アメリカへの輸出車と日本の国内車と比較する場合には、八百二十とか千六百四十のものについて比較すべきものと思います。この場合に、日本のほうが九月から二・五、アメリカのほうは二・三でございますが、これでもまだコンマ二だけ日本のほうが甘いという表面的な数字が出るわけですが、その上に書いてありますように、日本のほうは最大値規制ですから、いかなる場合におきましても二・五をこえてはならないというわけですが、アメリカのほうは平均値規制でございますので、その点性質が非常に違うということで、見方によりましては、最大値二・五のほうがきびしいということも言えるのではないかと思います。それが第一点であります。  それから第二点は、その前の一二五ページに図が書いてございますが、自動車の走行モードというようなことで、簡単に申し上げれば、この排気ガスをきめる場合の走行パターンというのが、日本とアメリカでは全然違っているわけでございまして、これはアメリカと日本の道路の事情あるいは走り方の違い等を勘案して走行モードができていて、走行モードが違うので、一がいに、この二・五と二・三が甘い辛いということは言えないのではなかろうかと思います。そういうことを見ますと、現在の二・五と二・三と比べますと、どちらが甘いか辛いかは簡単に判断できないので、見方によりましては、日本の二・五のほうが、最大値規制でもあるしするから、日本のほうがシビアーではなかろうかという見方もある次第でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 私も、矢島部長が御説明になった部分を拝見いたしまして、一生懸命考えたのでありますが、これはなかなかしろうとにはよくわかりにくい点でございまして、公害問題になりますと、非常に技術的な説明が出てまいるのでありますが、しかしもう少し直截に公害対策というものは打ち立てられていなければならないという気がいたすのであります。部長のお話によりますと、日本のほうが、むしろ見方によればきびしいくらいだという御答弁でございましたけれども、やはり輸出用と国内用とを分けて指導してきたという事実は残っているわけでして、輸出用のほうを甘くしたというようなことであってもおかしな話だと思うのであります。  いまの御答弁を伺っておって、私ちょっと思い起こしたのでありますが、この委員会でも、私はもう二年ほど前に、ちょっと引用して皆さんに申し上げたので、あるいは御記憶かと思いますけれども、わが国の国会における公害問題を叫んだ先駆者であります田中正造代議士の質問に対する当時の農商務省の答弁書を見ますと、しばしば、現在の政府のなされます答弁と非常に似たような面がまだあるのであります。やはりそれでは困るので、何かもう少し、もう一歩進んだところが望ましいように私は思うのであります。これはいまの御答弁と直接関係はないのでありますが、例の渡良瀬川の問題について、田中正造代議士が言ったときに、政府が答弁書を明治二十四年に出しておるのですけれども、それは三つあるのですが、一は「群馬栃木兩縣下渡良瀬沿岸の耕地に被害あるは事實なれども、被害の原因確實ならず。」、二が「右被害の原因に就ては、目下各専門家の試験調査中なり。」、三が「鑛業人は成し得べき豫防を實施し、獨米より粉鑛採聚器を購求して、一層鑛物の流出防止の準備をなせり。」、こういうような答弁が出ておるのです。  公害基本法ができましてから、一昨年、昨年そしてことしと、幾つかの公害関係の法案ができましてから、政府の態度というものはだいぶ変わってきたように私ども思うのでありますけれども、なお、原因結果という問題になったり、あるいは対策という点になりますと、明治二十四年当時の明治政府の態度とあまり違わないお答えが出てくることが間々ございまして、冒頭に私が申し上げた例の佐藤総理の、公害は必要悪ということばが、何かいまの答弁から尾を引いておる一つの流れというものを私は感じておるのであります。今回、公害白書がせっかく出されまして、非常に御苦労なされたことは、私もその御努力を高く評価したいのでありますけれども、同時に今後の公害対策を真に実効あらしめるためには、明治以来今日まで、昭和三十年代まで、全く公害対策というものを、あるいは公害問題というものを、放置してきた社会的責任というものを強く反省せられることが必要ではない分、こういうふうに私は考えるわけであります。そのような意味におきまして、これは御答弁は必要ございませんけれども、公害白書をせっかくつくられたのでありますから、ひとつそういう点について、もう少し関係各省の強い反省と決意の御表明をいただきたかったということを申し上げまして、私の公害白書に関する質問を終わりたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先ほど先生の、国連の報告書に関しまして、政府部内で検討を進めているかという御質問に対しまして、まだ正式な連絡を受けていない、こういう話をいたしました。念のために先ほど私が厚生省に確かめたところ、実は内部の連絡の不十分で、私の耳にはまだ届いてなかったのでございますが、現在厚生省では、担当官のもとでこの報告書の検討を行なっておるそうでございます。したがいまして、おそらく各省でも、外務省のほうから連絡を受けて、いま第一次的に検討をされておることと私は思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 岡本君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私は、弗素化合物の公害につきまして、若干質問をしたいと思います。  最近、弗素化合物があちらこちらにその被害を起こしておりまして、こちらの調査によりますと、まず福島県の喜多方市に昭和電工という会社があります。ここは昭和十六年に設立されたわけでございますけれども、そのころは戦時中であったので、たいした生産はなかった、公害はあまり問題にならなかった。ところが、昭和二十五年にこの工場が増設されて以来、農産物の被害が相当出ておる。そして被害者に対して補償が行なわれておる。三十一年まで続いてきたのですが、三十二年にまた団体交渉をして、その農産物の補償問題の解決に当たっておる。ところが三十五年にまた増設されて、最近は非常に大きな被害になってきておりまして、四十三年には農産物の被害が千七百万、このような膨大なものになっておるという状態でございます。これに対して、厚生省として、人体被害を最近盛んに心配しておるわけですが、どういうような手を打っておるか、また対策を講じておるか、これをお聞きしたいと思うです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 弗素によります公害問題でございますが、いま先生御指摘の福島県について申しますと、先生のお話がありましたように、過去においてたびたび問題が起こっていることは、私どもも県当局から連絡を受けておるわけでございますが、福島県立医大の角田という先生が、文部省の研究費によりまして、約三年間学童調査をされまして、それによります結果では、人体には直接の被害はない、しかしながら、農作物に対する被害は認められるという研究の結果を発表いたされております。私どもといたしましては、本年度の調査研究の一環としまして、いま申しました角田先生を中心といたしまして調査研究班をつくりまして、七月の下旬から二週間程度の予定で、地域住民への影響調査を現在行なっているわけでございます。  それから、当委員会で、いまの福島県以外の弗化物についての事件の御質問等がございましたし、最近あちこちでアルミ製錬等の問題が起きておりますので、大気汚染防止法に関します、弗化物によります問題の研究調査委員会を先般設けまして、この問題についての研究を重ねたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 千葉県の市原におけるところの昭和電工の千葉工場ですが、ここでも広範囲にわたって稲が枯れておる、そういうような被害が起こっておる。また、いまあなたの話がありましたように、福島大学の角田さんですか、この助教授の発表によると、被害地の米に相当弗素が多量に含まれておる、こういうような発表をしておるわけでありますけれども、そうしますと、やはり農産物にこれだけの被害があるということは、相当やはり人体にも被害があるのではないか、こういうように考えるわけでありますけれども、私は過去からの経過を見まして、この福島大学の角田助教授は、昭和四十三年の十二月、昨年の十二月に発表しておるわけでありますが、それまで厚生省は、こうした農業被害からして、あるいは人体に被害があるのではなかろうかということで一ぺんの被害調査もしなかったのかどうか、これをひとつお聞きしたいのですが、どうですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 現在私どもが府県からの報告を受けております範囲では、人体に影響があったあるいは影響があるおそれがあるのではなかろうかという点については、報告を受けておりません。しかしながら、いわゆる農産物について被害が起きておりますので、そういう点につきましてさらに調査をする必要があるという点を考えまして、学者の研究委員会等を設けたわけでございます。弗素によります公害問題で、人体の影響等について考えられますことは、いままでの外国等の文献等を見ましても、歯に対する影響、それから呼吸器の粘膜を刺激するというような先例がございますので、そういう点もあわせて検討する必要があろう、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この弗素の人体に関するところの関係で、大体飲料水の場合はどれぐらいが許容限度になるのか、あるいはまた弗素によるところの被害——いま歯の問題の話がありましたけれども、おそらく外国でも、これは許容限度というものが出ているはずなんでありますけれども、米あるいはまた農作物に被害が出たものを食した場合、人体にどういうような影響になってくるのか、この方面の厚生省の見解はどうでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 現在、水道法によりますいわゆる飲料水の基準では、弗素につきましては〇・八PPM以下であることという基準がございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 では、空気中ではどれぐらいが許容限度ですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 それについては、許容限度があるかということにつきましては、現在厚生省では確定的な意見がございませんので、現在そういう点につきまして、学者の先生方等におきまして、環境基準あるいは排出基準あるいは許容基準というようなものの検討をやっていただきたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私が調べたところの医学大辞典あるいはまた化学大辞典によると、空気中の弗化水素、これは三PPMが限界である、こういうように出ておりますけれども、いま厚生省として、弗素によるところの人体研究というものは、いままで全然やっていなかったのか、あるいはまた、被害が起きてから初めて、これから研究するというようなことでは、ちょっとぼくは非常に手ぬるいのではないかと思うのですが、この点についてどうですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 手元に労働衛生上の資料がございませんので、正確にお答えできませんけれども、労働衛生の観点では、当然そういう問題の基準があると私は考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこで、今度の大気汚染防止法第二条第五項、この施行令第二条の中に、弗化水素について特定有害物質の指定項目に入っているように聞いているのですけれども、そうした指定があるならば、厚生省のほうで、あるいは大気中あるいはまた水の中、要するに飲料水ですね、それについてもっとはっきりした基準というものをつくっておかなければ、この各工場、要するにアルミ精錬工場あたりが、じゃどの辺まで規制していいのか、あるいはどのくらいまで排出を——全然排出しないというわけにいきませんから、そうした工場において、はっきりした基準が出ないと、対策が立てられないんじゃないか、こう思うのですが、どうでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 ちょっと労働衛生の基準がいま手元にございませんので、お答えできかねますけれども、大体労働衛生の基準の、まあものによりますけれども、大体百分の一から三百分の一程度が、普通外国では環境基準的な一つの基準と考えて運用されておりますので、そういう点が一つの参考になろうかと思います。ただ先生御指摘の、大気汚染防止法の特定有害物質に指定されているけれども、いろいろの基準等がないではないかという点でございますが、この点は、この弗素のみならず、ここに書いてあります特定有害物質についての排出基準等も、通産省と一緒に検討を、法律改正のときにはいたしたわけでございますが、現在なかなか技術的に——特にこの特定有害物質についての排出基準等をどういうふうにきめるかという点につきましては、なお技術的に相当研究を要するということで、この基準がきめられていないわけでございます。こういう点につきましては、やはり先生御指摘のようにいろいろの研究をいたしまして、できるものから、多少腰だめ的にでも、排出規制等の基準等をきめていくべきではなかろうか、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私どもの調べによりますと、住友化学、これは愛媛県ですけれども、あるいはまた昭和電工の大町工場ですか、これは長野県にある。あるいはまた日本軽金属の蒲原工場ですね、これは静岡県にある。あるいはまた住友金属の名古屋工場。こういうものを見ますと、日本の国に相当あちらこちらにこうした被害が出ておる。農業被害も出ておるわけですね。そのほかにまだ三菱化成の富山、坂出あるいは大牟田あるいは苫小牧、こういうようなところに工場が建設計画中であるということですと、この弗素の被害がすでに起こっているところもあるし、またこれから建設されて起こってくるであろうということを考えますと、やはり一日も早くそうした基準というものをきめて、そして各企業にも指示をしてあげないと、この前、私は、実はカドミウムの問題で三洋電機へ行きまして話を聞いたんですが、じゃどの辺まで規制したらよろしいんでしょうか、そういう指示が出てないんです、これで私どもは困っているんです、というようなお話もありましたように、結局、排出基準あるいはまた許容限度と申しますか、それをはっきりして、そして環境基準の中に入れていきませんと、これはただ法律の上で特定有害物指定項目なんて、そんなところへ入れたところで何にもならないわけす。この問題について、通産省との間に話し合いができないのか、あるいはまた、人体被害調査というものがはっきりしていないからできないのか、一体いつごろをめどにこういうものをつくっていくのか、これをひとつお聞きしたいのです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 特定有害物質についての排出規制の問題は、考え方としては、主として事故時の措置におきます問題を処理するために、大気汚染防止法についてはきめられているわけでございます。しかしながら他の亜硫酸ガスあるいは粉じん等のように、慢性的ないろいろな影響があるということでありますれば、やはりその点を排出規制なり環境基準等できめていく必要があることは当然でございます。ただ、この特定有害物質について指定されておりますものの中には、これはものによりましては、排出をどの程度許したらいいか、あるいは許さぬようにするかという点についての技術的検討が、通産省御自体でもなかなかむずかしいような様子でございます。しかしながら、現に日常の操業状況においていろいろ問題が起きている。これにつきましては早急に技術的に検討する必要があるということは、御指摘のとおりでございますので、通産省とよく打ち合わせまして、こういう面の技術的な検討を進めていくようにいたしたい、かように考えます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私どもの調べによりますと、弗化水素の形で吸入すると中毒を起こす、目が結膜炎を起こしたり、あるいはまた刺激が非常にきつくて肺炎を起こしたり、あるいは肺水腫を起こしたりすることがある、こういう事実がすでにあちらこちらで出ているわけですが、私はこの問題についてあなたのほうにはっきりと、質問をしますよということを通告してあるわけです。ところが何も調べぬで来て、そして適当にあしらうような答弁では相ならないと思うのです。もっとはっきりした、ではどういう研究でどういうようにやっていく、この研究はどこに委嘱して、こうしてこうしてというような、厚生省のはっきりした態度がなければ、公害行政というものははっきりしないですよ。通産省のほうでやってくれるだろう——通産省のほうは企業を育成するほうですから、なかなかそこまではいかない。したがって、もっと厚生省のほうで公害に対して——特定有害物というのは、ちゃんと被害があるから、こうして施行令の中に出ているわけです。いつできるやらわからない、まあたいへんむずかしいようでありますなんて、そんなばかな答えで納得できるわけがないじゃないですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先ほど申しましたように、人体影響、植物被害測定関係について、それぞれの専門家を選びまして委員会を発足させたということを御説明いたしましたが、その委員会の調査結果によりまして、私どもとしては、先生の御指摘の点については結論を出したい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 ではお聞きしますが、七月二十四日に平河町の都市センターで行なわれた委員会の経過、そのときの調査研究委員会の調査結果はいつ発表するのか、あるいはその調査費用は幾らなのか、あるいは人員は、場所は、これについてひとつはっきりお答えいただきたい。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 委員は、名古屋大学の門田教授ほか九人でございます。いっこの調査結果がわかりますかは、これはやはり先生方の研究の結果でないとわかりませんが、私どもとしては、なるべく早く結論を出していただきたい、かように考えております。  なお予算につきましては、これは厚生省で持っております調査研究委託費の中から支出する予定でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この予算、調査予算ですね、それから人数、それからどの辺を対象にして、この弗化水素に対するところの研究をするのか、ここをはっきりしてもらいたいですね。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 員数は、先ほど申しましたように、門田教授ほか九人の先生方の御意見で結論を出したいということでございます。  予算は、先ほどから申しますように、先生方の会合費等は、調査研究委託費によって、研究の事務的な経費を考えたいということでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 その予算の総額がどれくらいをとってやっているのか。私がなぜこの問題を問題にするかといいますと、ただ調査やってください、必要なだけ出しましょう——必要といったところで、その予算の総額がどのくらいの規模でやるのか。何といいますか、この姿勢が——現在の厚生省の公害防止に対するところの熱意がそこにあらわれてくると私は思うのですよ。ですから、ただ、ひとつお願いします、やってください、研究費用は調査費から出します、ただこれだけのことでは、はっきりした答えが出てこない。なぜかといいますと、私過去において富山県のイタイイタイ病ほかずいぶん研究しましたけれども、はっきりした調査が委託——だけしてあって、それをどんどん進めていくという、要するに厚生省主導型ではないのですね。お願いして、もうまかしてある。いつ出てくるかわからぬ。それでは被害が起きてから、これは次々と被害が起こってくるわけです。それで、はっきりした症状にあらわれるというのは、なかなかはっきりしないわけですね。たとえばイタイイタイ病の場合でも、ぼくは厚生省の前の環境衛生局長に質問したら、これは栄養失調である一そういうような、最近日本の国の中に奇病みたいな何かわからぬような病気がずいぶん出てくるのは、そこらあたりに基因しているのではないかと私は思う。したがって、とめることのできる公害であれば、病気にならずに済ましてあげるのが、ほんとうに思いやりのある厚生省としての態度ではないだろうかと私は思うのです。そうしたことによって公害基本法ができ、そしてこうした産業公害の特別委員会ができてやかましゅう言っているわけですから、いままでと同じような姿勢であれば、これは何ぼ基本法ができても、精神規定みたいなものだ。だから、人数も少ないかもしれぬけれども、大臣おったらもっともっと徹底的に言わなければいかぬと思ったのですが、私がやかましく言うただけで、言わなかったならばいつまでたってもほったらかしておる。これでは国民はたまったものじゃないと思うのですよ。もっと強力に力を入れてもらいたいと思うが、どうですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 いま私どもとしては研究会を発足さしたわけでございますが、この点はいままでのいろいろな各地の状況を考えまして、厚生省自体として、前向きに取り組んできたわけでございます。この結論がいつごろ出るか、こうおっしゃいましても、やはり学者の方々のいろいろな御判断、御意見の一致ということを待たなければ、先生先ほどお話しになりました弗化水素の大気中の基準は、一応三PPMということを考えられているけれども、そういう問題の検討等も最終的にはできないわけでございます。なるべく早く御意見の一致を見て、たとえば排出基準等の考え方、あるいは測定についての考え方、あるいはいままで考えられております三PPMについての考え方がいいかどうかという点の結論を早く得たいというわけで、決して私どもとしては、一日もこれをのんべんだらりとして、結論が出るのを待っているわけではございません。それから、やはり工場等につきましても、この弗化水素の問題につきましては、ある意味の電解工場それからガラス等を製造する場合あるいは肥料を製造する場合に、この弗化物が出るわけでございますので、そういう点につきましても、十分通産省と連絡をとって、対策の万全を期したいということでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 時間がありませんから、商工へ行かなければならぬので、次の日にこれを送るといたします。昨年の十二月に、福島県の知事のほうからも、いろいろと厚生省のほうに報告があったはずなんです。強力にこれはやってもらいたいと思います。  そこで次に、これは話題が変わりますれども、静岡県の富士市に、今度は東電の火力発電所が建設される、こういうようなうわさでしょうが出ておりまして、いま御承知のように、富士市においてはたくさんの製紙会社、そういうものがあって、自家発電をやったりあるいはいろいろな公害が出ておるわけです。それに対して、またこうした火力発電所ができると、これはしんぼうできないというわけで、特に周辺の富士宮市やあるいは芝川町あるいは富士川町あるいは蒲原町、由比町、ここらあたりが非常に反対の態度をとっておるわけでありますが、これについて通産省の立地公害部長から見解を発表してもらいたいと思います。それから藤井技術長出ていますね。技術長からも……。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 詳細につきましては、公益事業局の藤井技術長からお話があると思いますが、私どもといたしましても、本件の問題点は十分承知いたしておりまして、非常に慎重に扱っているわけでございます。東電の富士川火力発電所が建設された場合に、現在の富士市の周辺の各市町村にどれだけの汚染が行なわれるかという点につきましては、すでに相当程度科学的な調査をやっておりますが、さらに通産省の総合事前調査、それの現地調査もちょうどきょうで終わるわけでございます。これに基づきまして、風洞実験、電子計算機による拡散試験というようなものをやりまして、早急に最終的な科学的な調査の結論をまとめたいと思っておるわけでございます。  他方、後ほど話があると思いますが、電力の需給関係からいいまして、やはりあの地点につくる必要性はあるだろうと思いますので、かりにやる場合におきましては、できるだけの公害防止施設を設置させるということをまず考えなければならぬ。できるだけの公害防止施設をもとにいたしまして、地元の方々に十分に御説明をして、納得のいった上で、本件を処置いたしたいと思っておる次第でございます。

藤井孝通商産業省公益事業局技術長

○藤井説明員 富士川火力につきましては、静岡県の東部における需要が非常に伸びてまいっております。現在六十万キロでございますが、さらに四十五年には七十万キロ、五十年には百二十万キロというように、相当増大する予想を持っております。これに対しまして、地元の電源が非常に少ないということで、送電系統上からいきましても、ある程度いきますと送電線も一ばいになってしまうということで、地元に電源を確保する必要があるわけでございます。このような電力事情からいたしまして、できるだけ早く富士川火力の結論を出すことが望ましいというふうに考えております。そのために、富士川火力につきましては十分な公害防止措置を講ずるべく、地元と電力会社との間の話が進んでおるわけでございますが、ただいまお話がございましたように、周辺市町の反対というものも現在ございます。したがいまして、県のあっせんによりまして、何とかうまくまとまっていくようにしたいと思っておりまして、これに期待をかけておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私のほうで調査に行ったところでは、この富士市内を横切る国道一号線、これを車で走ると、この辺はちょうどタマネギの腐ったようなにおいで、もう少しすると吐きけを催しますというのが、車の運転手さんの話でしたが、この富士山麓、富士山の南、この富士市には、製紙、あるいは化学、電気機器あるいは機械等の大小の工場が非非に多い、そして年々公害に悩まされていく率が多くなってくる、非常に深刻になってきた。そこへきてまた今度こうした富士川の火力発電所ができるということになりますと、これはもうしんぼうができなくなる、こういうわけで、私どもが同県で、そのあたりの約二万名からアンケートを取ったところが、八〇%までが反対である、こういうことでありますから、電力も必要ですけれども、いますでに公害で深刻なそういうふうな状態になっておる、そこへもう一つ持ってくれば今度はよけい公害がひどくなる、こういう面をひとつ考えて、そうして措置をしてもらいたい、これをひとつ申し入れておきます。  私は、これから商工委員会がありますので……。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先ほどの岡本先生の質問の中で、答弁漏れがありましたので、ちょっと申し上げます。  予算関係につきましては、福島の調査を含めまして、百六十万でございます。それから、研究会の結論の目標としては、一応年内を考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 終わります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。     午後二時十六分休憩      ————◇—————     午後二時五分開議

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。塚本三郎君。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 私は、木曽川でアユが大量に死んだというショッキングなニュースが流れましてから約五十日の月日を経過いたしておりますので、この際、冷静にその原因と対策について、特に木曽川の水を飲料水としております名古屋市民の立場から、お尋ねをしてみたいと存じます。特に、私はこまかい科学的・技術的なことにつきましては専門家でございませんから、質問もまたきわめて素朴になると思いますので、答弁に立っていただく方にはその点をくみ取っていただいて、わかりやすく御答弁いただきたいと思います。  新聞等ですでに御承知のとおり、この大量にアユが死んだそもそもの原因は何か、そのことを突きとめない限りは、この水を飲んでおります二百万の名古屋市民及び愛知県民にとりましては、たいへんな不安というものを隠すことができない。上水道を担当いたしております名古屋市当局者は、上水自身は絶対に心配がないということは繰り返し言明いたしております。しかしながら、それにもかかわらず、そのアユが一度に大量に死んだという原因については、実はこれだという原因の探究がなされておりましても、その結果に対してはっきりとした結論を得ておらない。このことは、愛知県民、名古屋市民にとってきわめて不安をかき立てておることは事実でございます。もうこの段階になったならば、おおよその見当がついておらなければならないのではなかろうか、あるいはわかっておっても、企業者の立場あるいは各お役所の所管の立場等から、実は責任の分かち合いをしておるのではないかという、悪意ある報道までときにはなされておるのも事実でございます。これはたいへん残念なことでございますので、ひとつこの間のいきさつ、原因がほぼどこにあるのか、この辺のところをまず通産省のほうからお答えいただきたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 先生御指摘のアユの大量斃死事件というのは、六月十五日ごろから起こったわけでございまして、おっしゃるとおり、本日までにもうすでに二カ月近く経過をしておるわけでございます。それで、名古屋におきましては、この種の問題がほかにも一この種の問題と申しますのは、水質汚濁に限らず、大気汚染につきましてもいろいろ起こっておるので、東海地方産業公害連絡会議というのがすでに組織されておるわけでございます。これは建設省の地方建設局あるいは農林省の地方農政局、それから私どものほうの通産局、それから厚生省の関係は主として府県衛生部等でやっておりますから、関係府県の衛生部あるいは水産部、そういうようなもので組織しておるわけでございまして、それが直ちに招集されまして、いわゆる総点検と称して、総合調査を実施したわけでございます。総合調査と申しますのは、原因と思われる発生源の状況を見ることですね。今度は、被害サイドといたしましては、先生の御心配の名古屋の水道の問題もございますし、それからアユそのものの検討、それからあるいは水そのものの状況、そういうことをやったわけでございますが、遺憾ながら、相当期間にわたってその後調査研究をいたしたわけでございますが、重金属類、カドミウムとか亜鉛とか、こういうものも考えられる、あるいはシアン類似物も考えられる、あるいは農薬も考えられる、あるいはその他の工場の排水関係も考えられるというようないろいろな問題があるので、それをそれぞれ点検したわけでございますが、アユにつきましては、アユそのものが死んだことにつきましては、こういうものはきわめて微量しかないあるいはほとんど痕跡がないということで、残念ながらきめ手とするに至らなかったわけでございます。それで具体的には、一応締めくくりといたしまして、その協議会で七月の九日に発表いたしまして、いま私が申し上げましたように、いろいろなものにつきまして検討したけれども、いずれも微量ないし痕跡にとどまり、きめ手とするに至らないということを発表いたしまして、今後は諸データを専門家に提供して、さらに死因の研究、解明をまちたいということでございます。  そこで、今度は愛知県が中心となりまして、いままで得られた諸データを、名古屋大学、東京大学、水産庁の淡水区水産研究所をはじめとする大学、研究機関の専門の学者九人に提供いたしまして、さらに死因の研究を続けている次第でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 通産省には企業に対する立ち入り検査の権能がおありだと思います。そうして、聞くところによりますと、一工場ずつシラミつぶしに立ち入り検査をなさったやにも承っております。にもかかわらず、それがこの段階で原因究明ができなかったということは、裏を返すならば、立ち入り検査をなさった範囲内においては、その原因となるべき痕跡をつかみ得なかったということでございますか。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 現在、立ち入り検査の権限は、ことしの四月から愛知県、岐阜県に委譲してございますが、その立ち入り権限の有無にかかわらず、今回の総点検にあたりましては、その愛知県なり岐阜県と一緒に、木曽川筋の工場に立ち入りしまして検査したわけでございますが、その結果は全部いわゆる水質基準を満足していたかと申しますと、二、三の工場につきましては、水質基準をオーバーしている事実がございました。しかしながら、その工場自身に水質基準を若干オーバーしているところがあったけれども、それが直ちにアユの大量斃死の原因というところまでは突き詰めることができなかったわけでございます。やはりアユの大量斃死は、アユそのものを解剖いたしまして、専門家が、その中にどれだけの毒物がよけい入っていたかというような検討のしかたをした上でないと、直ちにどこが原因者であるということは断定できないわけでございます。  なお、水道につきましては、厚生省の所管でございますから、厚生省のほうにお聞き願いたいと思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 七月九日、おたくのほうから、いま御説明のありました、こういう、「木曽川におけるアユの大量死問題について」という印刷物を拝見いたしました。このことは、もはや今日の段階では、立ち入り検査も権限あるなしにかかわらずやりました、そして若干の水質基準をオーバーすることはあったとしても、それが大量の死に結びつくということは断定しがたい状態でございましたということで、一応まとめのような、こういうものをお出しになったと思うわけでございます。そういたしますと、もうおたくのほうでも、実際手がかりとなり得べき科学的な、いわゆる原因を追及することは今次段階においては不可能なんだというふうな、あるいは学者の中であらゆる科学検査によって、そういうことがあり得るかもしれないけれども、現在通産省あるいは東海産業公害連絡協議会の範囲内で、学者にもまかせてしまって、自分たちのつかみ得た資料の中では、立ち入り検査したにもかかわらず、大量死のその原因を探求することは不可能であるというのが、今日通産局がいわゆる幹事として東海産業公害連絡協議会をまとめておいでになる立場では、そういういわば一つの壁にいま突き当たっておる、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 先生のおっしゃるように、通産局なりあるいはその連絡協議会では今後もう何もできませんということではないと思います。それから、確かに壁といえば一つの段階には来ているわけでございまして、ちょっといますぐは進め得ないような状況になっておりますけれども、決してそれで進まないというわけではなくて、いま九人の専門家の方に依嘱してやっていますから、その結果がはね返ってきまして、またさらに検討をいたすということになることかと思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 そういたしますと、私たちは、なぜ死んだかということが、ともかく十万匹あるいは三十万匹なりが一挙に浮き上がったということ、しかもその水をわれわれが飲んでおるのだということで、きわめてショッキングな問題ですね。だからこの原因がはっきりしないことには、二百万市民にとっては、たいへんやはり将来においてもあり得ることなんだということで、もちろんそれは市としては浄化あるいは消毒に対するあらゆる万全の措置をとっていることは信頼申し上げておりますけれども、にもかかわらず、その水源自身の問題でこういうことになった。だからいまおたくの立場で想定いたしますると、もう付近の流す工場の立ち入り検査を一切してみたけれども、つながるべき原因はなかった、そうすると、どこかでためておいた、たまっておったものを一度に暫定的にざあっと流してしまったのか、あるいはよそ者が来て、毒物をばあっと、故意か過失かはわかりませんけれども、流したことによって、恒常的に非時工場が事業しておるその排水によって死んだものではないという想定しか立ち得ないというふうに、私はただいまの御説明を聞いておって、そういうことならば安心だと思うのです。実際のところは。それならそれでいいと思うのですけれども、なお私たちはその点に若干の戸惑いを感じておる。  しかも、これは聞き流していただきたいのでございますけれども、東海の産業公害連絡協議会は、通産局という、いわば事業側に立つべきいわゆる所管官庁が幹事をなさっておいでになる限り、原因の探求は不可能なんだ、これは厚生省側にやらしたほうがいいんだという、こういう口さがない声等まで私どもの耳に入ってきております。私も実は商工の常任委員として、そういうことを耳にすることはたいへん遺憾でございます。しかし、おたくたちがその実情を知っておって公表しないというようなことは万々あり得ないと私は思っております。しかしそれにもかかわらず、そういう声のあることをお伝えいたしまして、何らかの形で一刻も早くこの原因の探求をしていただきまして、そうしてこれを利用しておりまする県民、市民に安心のできる道を開いていただかないことにはならないのではないかというふうに思いますので、再度御見解を賜わりたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 先生は、アユの大量斃死について、名古屋の二百万市民がこの水をとにかく水源として水道に入れているということについて、非常に不安に思っておられる、その点が問題だという御指摘で、もし今回の点検の結果、名古屋の水道局の水源の取水口におきまして、原水が基準をオーバーしているというような事態があればまことに問題だろうと思いますが、これは後ほど厚生省のほうにお聞き願えばいいと思いますが、その対策会議の検討結果では、少なくとも名古屋の水道の水源に関しては全く問題ないという結論は出ておりますから、その限りにおいては解明が十分できておりまして、その答えは問題ないということを申し上げたいと思います。ただ、アユそのものが死んだのは一体何だということになりますと、先ほどから申し上げておりますように、原因がわからないという点ははなはだ遺憾でございます。ただ、申し上げますと、そのときはアユは相当数死んだわけでございますが、その後についてはそういう事態はないわけだし、それから工場サイドをずっと見ますと、たまたまその総点検のときに、二、三、ちょっと問題なところがあったわけですが、その後におきましては、その二、三のところについてはもちろん直ちに改善を命じてございますし、そのほかの工場につきましても問題がないわけでございますから、六月十五、六日は、どういう原因かわからないが、はなはだ遺憾な事態を生じたけれども、現状におきましては、そういうことはこれまた問題ないということは言えるだろうと思います。ただ残るところは、六月十五、六日のときだけ何らか異常な事態が起こって、原因がわからないけれどもアユが死んだという事実、それだけが解明されないままに今日に至っているわけでございます。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先ほどの先生の御質問で、水道について、名古屋市民が非常に不安に思っている、こういう御指摘でございますが、この点につきましては、厚生省といたしましては、この事件が起きまして、所管省として一番心配したわけでございまして、直ちに名古屋市の水道局に報告を求め、その点検をいたしたわけでございますが、先ほど矢島部長のほうからお話がありましたように、あるいは先生から御指摘がありましたように、市の水道局としましての検査の結果につきましては、水道の水質基準を上回っておることはないということでございます。この点につきましては、さらに私どものほうが、後ほど、事件が起きました直後、水道課長を派遣いたしまして、その前後の資料等も専門家の目で確認いたしておりますので、まず間違いはない、かように考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 再度お尋ねをしますけれども、これは一時ニチボー犬山工場からの隠し排水口があったという、これまたショッキングなニュースが一部の新聞に報道されたので、実はこのことは、どうもそうじゃないというふうな否定的な意見が当局から出されているようでございます。しかし私どもそういうニュースを市民に聞かされて、そのまま、その後のことについては情報が入っておりませんので、もしそうでないとするなら、企業に対してもたいへん御迷惑な情報であったと思います。もしそれがそういう危険性があるとするなら、これまた責任をもった処置のしかたをしていただかなければならぬというふうに思いますので、いずれにしましても、この隠し排水口というようなものの実態というものをもう少しここで詳しく説明していただきたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 いわゆる隠し排水口の問題でございますが、まず第一番に、このニチボーの犬山工場につきましては、三十八年に排水口を届け出てあるわけでございますが、それは排水処理をしたあと、パイプでもって約二キロ通しまして、木曽川そのものに出す、こういうのがその実情であろうと思います。そこでいわゆる隠し排水口につきましては、問題は——問題といいますか、言われている点が二つあるわけで、二つに分けて御説明をいたしますと、第一はピットと通常申していますが、これはむずかしいことばで、廃液を処理したあと貯水する槽ですね。排水を貯水する槽、そういうものがあるわけでございますが、そこからいま私が言った、届けたパイプ以外のみぞを通って、木曽川ではなくて、近くの郷瀬川に流したのではないか、こういう疑いがあるわけでございます。これは後ほど詳しく説明します。これが第一点であります。それから第二点は、再洗機というものがございまして、御承知と思いますけれども、毛は非常にあぶらがあったりきたなかったりするので、原毛について洗うわけですが、それではなくて、一応そういう水洗いその他が済んだあと、もう一ぺん最後の段階で洗うという再洗機というものがあるわけですが、この再洗機の廃液を、同じく届け出てないところの水路から近くの郷瀬川に流しておったのではないか、この二つの問題があるわけでございます。  そこで、その第一の貯水槽です。貯水槽に廃液が入って、それからそれが別なところから流れたのではないかという疑いについて、通産局その他が調査した結果を申し上げますと、そこは集中豪雨などというような異常な事態が発生した場合に、普通の場合には冷房用水とか寄宿舎の雑用水のような全然問題のない水を流しているみぞがあるわけですが、そこから、そういう集中豪雨の場合にあふれ出まして、普通のルートでは処理できない場合が起こる。そうすると工場が浸水する。要するに普通の問題ない水を流しているみぞが、普通は問題ないのですけれども、集中豪雨のときにはあふれ出てしまう。その場合を処理するために、その貯水槽に、問題にされている貯水槽に臨時に入れて、そこからいまの届け出の排水口に流す、これはポンプアップその他の措置がありますから、強力に送れるのですね。そういうような臨時の措置が講ぜられることになっているわけです。ところがこの場合は、そういう集中豪雨のような臨時の水が流れるのは、工場排水が貯水槽に流れるよりも非常に高いところから落ちるようになっているわけですから、逆流するということは普通考えられないわけですね。それが第一です。それからもう一つは、高いところから入るわけですが、かりにこちらのほうが排水の水位が上がって、こちらのほうに行っても、ここに弁がございまして、向こうには流れないということになっております。こっちのほうにしか流れないような弁になっておる。したがって、かりにその排水がふえてこうなってきても、弁でとまるような仕組みになっている、こういうことでございますから、そこから排水のほうが逆に流れて、そして普通のみぞのほうに行くということは考えられないことになっております。これでもって、第一のいわゆる排水溝の問題は、調査の結果、問題がないということに相なっているわけでございます。  それから第二の問題でございますが、これはさっき言いましたように、再洗機の排水がそっちの別なルートに流れているのじゃないかということなんですが、これまた再洗機の廃液といえども、ちゃんとパイプを通って、正規のさっき言った処理場に入って、正規のパイプから流れる仕組みになっているわけですが、夏場は冷房用水を非常に使うわけですね。冷房用水を使う時期になりますと、正規のルートだけではちょっと処理できなくなる場合がやはり臨時的に起こり得るわけでございまして、その場合に、正規の排水口以外に逆の方向にあふれ出まして、その冷却用水、これはきれいな水でございますが、その冷却用水と一緒にあふれ出て別なほうのルートを通って流れることがあったことは事実なんでございます。これは先ほど申し上げましたように、夏場の冷却用水をうんと使う水の場合でございますが、全体として見れば、量的にいうと、再洗機自体の廃液の一、二割、年間ならしてみると一、二割のものが正規なルート以外の別なルートから流れたというわけでございます。ただ実際問題といたしまして、これは再洗機の廃液でございますから、廃液としては非常に薄いわけで、基準値よりも非常に低い数字になっております。数字は一応省略いたしますが、きわめて少ない。しかもそれがいま言った冷房用水で薄められますから、ますますもってこの廃液なるものは薄いわけで、実際的には全く問題のない排水であったわけであります。そういうわけでございまして、この第二の点は、実際問題として全く問題ない。ですから、正規な届け出がなされておれば——そっちのほうにも行き得る、別なルートで水が行き得るということについて、正規な届け出がなされておれば何ら問題がなかったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、きわめて一時的なあふれた水だ、それから水量も一、二割で少ない、それから実際上の水質も問題がないというふうなことで、会社側が届け出をしておらなかったというわけでございます。  以上が事実でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 しかし、いまの御説明ですと、私どもが受け取っておる、隠し排水口なんということがありますと、ひどい企業なんだ、実は届け出しておる、皆さま方から検査を受けるべきそういう基準のところだけは問題のない水を流しておいて、基準を越えるところの悪い、そういう排水、汚水というものを、別にないしょでいわゆる木曽川に流しておったのだ、実はそれが見つかったのだ、というような受け取り方に、おそらく二百万の市民は受け取っておる。私も実はそういうふうに受け取って、この企業はたいへんけしからぬというふうに。だからこういう原因を、通産省は企業を守る立場、育てる立場だから、実は口をぬぐって原因究明をしなかったのじゃないかというふうに、実は不肖ですけれども、私はそういうふうに思っておりました。だからおそらく市民はそう思っているでしょう。しかし、いま説明を聞いてみますと、全くそんな意図もなければ、そういう心配もない。ただ一時的にあふれた水は実はあふれた水であって、冷房用の水だから、より薄められて危険はないということになりまするならば、私は企業側の受ける迷惑というものははかり知れざるものがあるというふうに思うのでございますね。だから、この点、私は無責任な発言、こういうものは何らかの形で、やはり新聞紙上を通じてなり何なり、これは訂正をしておいてあげる必要があるのじゃなかろうか。何かしらいわゆる原因の悪玉は全部あそこへ集中して、これだけにおっかぶせていくというふうな形にさえも受け受られる心配がある。だからこの点はひとつ通産省のほうで、希望として、御配慮いただきたいというふうに思うわけでございます。しかし原因は、いまのところ、いろいろお調べいただいたがわからなかったということでございますから、私わからぬものを無理にでっち上げて犯人をつくるわけにもまいりませんし、さらに鋭意これからもまた御努力いただくということでございますから、そのことに御期待申し上げたいと思います。  そこで、厚生省にお尋ねいたしますが、厚生省はかつて、阿賀野川あるいは神通川でございますとかあるいは水俣湾、こういうところには直ちに相当の人数による調査班を出して、そうして原因究明に直ちに乗り出しておいでになるように伺っております。にもかかわらず今回は、もちろん直ちに人体に被害のあった問題ではないから、そこまでいたす必要がないと言われればそれまででございますが、しかし影響の範囲はきわめて広いという意味において、なぜ厚生省は独自に直ちに調査班をお出しにならなかったのか、この点を御説明いただきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 木曽川の事件につきまして、どうして厚生省は直ちに、ほかの例のように調査班をやらなかったか、こういう御指摘でございます。この点につきましては、こういうふうに私どもとしては考えているわけでございます。  阿賀野川あるいは水俣あるいは神通川のような問題は、先生の御指摘を待つまでもなく、これは現に人が死亡し、あるいは多くの方が患者になっておられるということでございまして、いわば人体に対する事故が、非常に社会的な不安あるいは問題としてとらえられておりました点と、それからやはりその原因その他の調査につきまして、府県レベルあるいは市町村等のレベルではとてもつかめないというふうなことがございまして、その二つの点で、いわば厚生省が乗り出したわけでございます。今回の木曽川の問題につきましては、もちろん飲料水等につきましては、市あるいは県当局には、十分私どものほうとしては技術的な関心がございますので、技術的な監視、指導の助言をいたしたわけでございますが、被害そのものが、一つは魚であったという事実と、それから現地で地方公共団体のみならず出先の関係官庁が連絡会を持たれて、原因調査あるいは立ち入り調査等をもすでに開始せられておりました事実にかんがみまして、その内容の結末あるいはその影響、結果、あるいは地元の御意見というものを十分追尾してまいったわけでございまして、その状況からして、直ちに厚生省として以前の事件と同じような対策をとるというところまでは、私どもとしては判断しなかったわけでございます。しかしながら、これは事件としては、一地方の小さな事件として看過するような性質のものではないという認識には立っておりまして、現に水道課長、公害課長をその後派遣しておりまして、その問題の調査には当たらしたわけでございます。決して、この問題が魚であるから厚生省は知らないという態度で終始今日まで至っているわけではございません。その点は、今後とも問題の内容あるいはその結末等につきまして、十分地元の御意見をくみまして、必要あらば、こういう問題につきましては前向きに取り組んでいきたいという所存でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 もちろん上水道については心配があったらたいへんなことでございますから、そんなことは思いも及ばないことだと思いますけれども、しかし浄化をしそしてまた消毒をし、だいじょうぶには違いございませんけれども、しかし二百万の市民が飲んでおります日々の水が、浄化をさらに強化しなければいけない、そしてまた消毒をどんどんと強化しなければいけない、こういうことになると、水の味が変わってしまうというふうなこと、東京でもそんなことが言われております。人体に被害があるというところまでには——今日の科学の時代でございますから、万全な措置は、市水道局がおとりになっておることに信頼申し上げておりますが、しかし何といいましても、もはや本来の水でなくなってしまうということでございますから、水源の確保ということは、これはやはり厚生省にとってのたいへんな使命であろうかと思っております。したがって、アユが死ぬ前と死んでからでは、何らか変わった措置を厚生省としてはおとりになっておられるかどうか、その点はどうでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 この問題が起きまして、現地の名古屋市が検査しておりますデータ等を、私のほうの水道課長以下が検討いたしまして、問題がないという結論でございましたので、現在のところ、上水道についての対策としましては、別に特別の変わった措置を考えておるわけではございません。  ただ一般論としまして、私どもがこの事件について今後どういう対策をとるべきかということにつきましては、一応厚生省は厚生省なりとしての結論を出しておりますが、特に水道を所管しております厚生省としては、こういうふうに大量の住民が水道の原水としてとられており、なおかついろいろの工場がどんどんふえていく、そして汚染も進む可能性があるという地点につきましては、やはり常時監視するという体制をとる必要があるのじゃなかろうかというふうに考えております。  諸外国では、たとえばアメリカ等では常時自動測定的な機械をもちまして、時々刻々上流、中流、下流でどういう性質の水であるかということが把握されておりまして、たとえばその状況が変わった場合は、いつどの程度に変わったかということが把握されるような仕組みになっておるそうでございます。こういう制度を、やはり東京、名古屋、大阪、こういった大都市の地区にありましては、その水道原水を求めております、たとえば大阪でありますと淀川、名古屋でありますと木曽川、東京でありますと多摩川、こういうところにはそういう装置をとられて、やはりこういう問題を事前に予防的に監視するということが必要でなかろうか、かように考えます。  先生御承知のように、名古屋では以前にフェノールが入りまして大騒ぎを起こしたこともございました。これも、上水道の中に入ってきてしまってからつかまえたのではおそいのでございまして、やはり事前にこういう点を予防的にやる必要があるのじゃなかろうか、こういうことを痛感しておるわけでございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 それを具体化されるのは、大体いつごろになる予定ですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 ちょっと話が、だいぶ理想的なことをいま申しましたので、いつということを申し上げかねますけれども、この点につきましては、実は相当費用もかかりますし、関係地方公共団体等とも十分打ち合わせねばいけませんので、来年度の予算には、ぜひこういう問題を、国として予算措置として考えたいという段階でございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 大体それは一台つけるとどのくらいの金がかかりますか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 地域の状況なり測定点の場所等によっていろいろ違うようでございますけれども、やはりどうしても大々的にするためには数億の金が要る、かように担当から申しております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 大気汚染に関してはそういうものがあるようですね。愛知県も十二カ所、そういう自動測定の装置を配置して、そしてある程度亜硫酸ガスが濃くなってきたらすぐわかるように、何か表示できるような形がとられておるようでございます。数億という話が出ましたけれども、それならば、水道会計から考えてみまするならば、国と地方公共団体が協力してやれば、そんなに驚くべき数字ではないというふうに思いますので、これは今月あたり、具体的に予算の骨子が組まれるようですけれども、ぜひそれは組み込んでいただくように、これは強く希望しておきますが、大体それは間違いございませんか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 来年度は、全国一斉というわけにはいきませんけれども、まずモデル的にどこか少なくとも一カ所、最低一カ所はぜひ設けたいということで、現在予算を準備している段階でございまして、厚生省としてこれを大蔵省に要求するかしないかという問題につきましては、最終決定にはもうちょっと時間がかかると思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 どうでしょうか、最低一カ所なんという話でなくて、少なくとも六大都市、これはもう指定都市には——これはおそらくひとり木曽川と名古屋市民との関係のみでないと思うのですね。だから一斉というわけにまいらぬでしょうけれども、しかしそんなに各所に配置しなくたって、取り入れ口の近くに一つ配置すればいいのですから、数億といってみたところが、全部ではそんなに大きな金額でありませんし、地方公共団体と分担し合って、県なり市なりというようなことでややっていくならば、三等分でもいき得ることでございましょうし、いずれにいたしましても、金額はそんなにたいしたことはない。もうこのことは、おそらくアユが大量に死んだということは、実は新聞がショッキングに警告してくれたから、こうしておそらく当委員会へ——これが初めてでなくて、前にもこの問題はここで議論されたようでございますが、各委員会においても、関連各所においてこの議論が操り返されております。しかし、そのことはいわゆる全国的な上水道に対する縮図と見て、これは取り上げていただかなければいけない。こういう意味で、少なくとも百万以上の市民が一つの河川を利用しておりますところに対しては、まず設置していただく、このことを強力に推し進めていただかなければならぬでしょうし、もし必要がありますならば、その恐怖の心を持っております名古屋市民が、大量にこのことを国会に要請してもいいんじゃないかという気がいたすわけです。再度公害部長のほうから、これは少なくとも一カ所というあれでございますけれども、少なくとも百万以上の市民が利用しておるところにはまずつける、こういう方針で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 私自身としましては、先生の御質問のとおりのように感じているわけでございます。何ぶんにもまだ厚生省として最終決定をいたしておりませんので、先生の御意見のあります点については十分検討させていただきたい、かように思っております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 わかりました。私どもも利用者として、何らか厚生省に対して政治的にお役に立つところがあったら、助勢の措置を講じてみたいというふうに思っております。  経済企画庁にお尋ねいたしますが、水質保全法に基づく水質基準、これは木曽川に対しては三項目、二業種の指定がなされていると聞いております。しかし、もはやこれは相当過去のいわゆる指定であって、最近ではさらに業種も広げていかなければならぬでしょうし、さらにまた項目も、重金属等を指定していただかなければならぬという世論でございまするが、おそらくそのことについても、この問題が発生してから御検討いただいておると思いますが、どんなところにいまいっておりますか、その今日の態勢をお聞かせいただきたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 ただいま御指摘になりましたように、木曽川上流につきましての水質基準によります規制は三十八年の年末でございました。当時のあの地帯の工業化の状況、あるいは都市化の状況からいたしまして、まあそういうことで、いまお話しになりました項目にいたしましても、三項目というようなことで一応まいったわけでございます。確かに今回の事件、先ほど来の質疑応答の中で明らかになりましたように、必ずしもいまだ原因がはっきりいたしておりませんけれども、いずれにしましても、あの地帯がそれ以後なお著しく工業化いたしております。都市化もいたしております。そういうところから見まして、木曽川の水質基準をこの際見直す必要がある、あるいはそれはむしろおそきに失したかもわからない、というふうに感じられますので、今回の事件を契機にいたしまして、これはもちろん関係各省からもそういう御意見があったわけでございますが、愛知県、岐阜県、名古屋市等からも御要望もございましたし、ただいま申し上げましたような、私どものほうもやはりこの時期ということもございまして、地元愛知、岐阜両県と最近話し合いをいたしまして、八月以降早急に新しい水質基準をかけるべく調査に入ろうということで、ただいまのところ、最終的に計画が細部にわたってまではさまっておりませんけれども、流水をどこで採取をするか、あるいはどういうところでどろをとるか、その回数はどれぐらい、あるいは対象工場はどういう工場か、五十工場ぐらいでどうだろうかというような話を詰めております。当然、従来ありました三項目以外に、新しくフェノールであるとかあるいはシアンであるとか、その他無機物を大きく今度は対象にしよう、約七項目程度はふやす必要があるということで、調査を進めてまいろう。大体計画といたしましては、流量その他いろいろなことを勘案しまして結局設計をするわけでございますが、大体年度内に調査を完了して、来年度基準がかけられるように、そういう段取りで、今年度の予算措置で、愛知県、岐阜県と共同して調査をやっていくということをきめております。したがいまして、大体八月中にそういう基本的な具体的な調査のやり方の設計をやり、ほぼ九月以降現地で調査に入るという段取りでございます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 おそきに失するという御反省の発言が最初にありました。けっこうなことですから、ひとつぜひ、これはやはり圧倒的な世論でございますから、企業者自身も、公害の発生源となってはもはや企業の運営は不可能だということを、地元の工場長みずから、その世論のきびしさというものにえりを正しております。だから通産省や経済企画庁は、何にも遠慮なさらず、彼ら自身がもはやこういう世論の中では自分たちが発生源となるようなことではたいへんだというふうに、みずから発言をいたしておりますから、遠慮なく万全の措置をとっていただかなければいけない、かように申し上げておきます。  先ほど厚生省のほうから、いわゆる自動測定装置の点で発言がありましたが、これはもちろん飲料水そのものの自動測定は厚生省でしょうけれども、本来ならば、河川自身の汚染度というものは経済企画庁みずからが自動測定なさって、そしてこの点はどの程度ということをなさるのが、私は公害という立場からいうならば、たてまえだと思いますが、どうでしょう。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 たとえば具体的な取水口の近所で一つの施設をやりまして、そして従来分析方法なりが比較的簡単であるという項目については、先ほど来お話がありましたような自動測定機というようなものも外国に例があるようでございます。なお、通産省等でもそれぞれ水質に関連する自動測定機の開発等をおやりになっていただいておると承っておりますが、ただ私どものほうで一般に流水のアフターケアをするという場合に、たとえばCODであるとかBODであるとか、そういうものをつかまえてすぐ自動的に測定するというふうな点については、いまの段階ではまだ十分自動測定機の開発ができていない。まあよそのことを申し上げてあれですが、たとえば大気汚染の場合は、亜硫酸ガスというものをつかまえる、あるいは一酸化炭素というものをつかまえるということなんですが、ただいまも申し上げましたように、自動測定をやる場合に、従来の三項目自体が有機物でもありますし、それからさらに七つの項目をふやす、それを全部自動測定するということになりますと、これは非常に複雑で膨大な機械になるというようなことで、私どものほうも、アフターケアをする場合に、いたずらに人力を要して経費をかけるよりも、簡便な自動測定機があればそれにこしたことはないわけでありますから、そういうものが開発されていけば、次第に人手によるアフターケアをそういう方向にかえていきたいと思っておりますが、現在の段階では、私どもの観点からするいわば包括的なつかまえ方ができる自動測定機というのは、まだ技術的にきわめて未開発であるというふうに聞いております。ただいま厚生省のほうからお話しになりましたようなところまでは考えておりませんけれども、将来の技術開発も十分頭に置きまして、検討を進めていきたいと思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 これはアユであってよかったわけですよ。知らずに——もちろんこれは水の取り入れ口よりも下流ですから、上にそういう毒物が上ってくることはあり得ないということではございましょうけれども、しかし同じ水の流れの中で、ほんの一キロ足らずのところでこんな事態が起こったわけでございます。ですから、そういう立場からすると、これはやはり神通川、阿賀野川、水俣、こういうところのいうならば人体に対する政治問題化するような重大な事件が起こらずして、アユが十万か三十万死んだだけで、それで事もなく過ぎていった。しかし私たちがこんなに騒いでおりますことは、申し上げるまでもなく、アユでよかったのだ、だからこそ、この際は先回りをして、そして消毒だけではいけないので、汚染させないように、少なくとも上水道に使うべき水源だけはこの際これ以上悪化させないという措置をとるというふうな、前向きの姿勢でこれをしていただこうということでございますので、ほんとうからいうならば、厚生省が取り入れ口に対する測定をなさるということでしたら、私はもう一歩前に、もともとそういう産業公害というものとまっこうから取り組まなければならぬ——厚生省は防衛の立場ですね。だけれどもあなたのほうは先に進んで、いわゆる発生源になるんだから、より大きな予算で、より積極的に、そういうものに対する他国の例等も御検討いただいて、そして汚染に対する自動測定の問題を御検討いただかなければならぬのではないか。政治家でないおたくにそういうことを申し上げては筋違いかもしれませんけれども、ほんとうからいいまするならば、あなたのほうから先におやりにならなければならぬような気がいたすのですけれども、いかがでしょう。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 水の汚染をどういうふうにして防いでいくかということにつきましては、まず加害者として申しますか、汚濁源の規制、それから、それで十分のはずでございますけれども、やはりその規制がうまく行なわれているかという監視と申しますかアフターケアと申しますか、それで本来十分であるはずなんですが、なおかつそれでうまくないということもありますので、おのずから被害者のほうでも自衛的ないろいろなことをやられるということになるわけでございます。したがいまして、お話にありますように、まず発生源のところから、やはり体制を整えていくということが必要であろうと思います。また、その体制が十分整いましても、なおかつ万一ということに対する監視、そういう意味におきまして、私ども、先ほども申し上げましたように、従来の基準項目あるいは規制の程度というようなものは、必ずしも現状に即していなかったということを認めざるを得ないわけでございます。その体制を整え直すということで参りたいと思っております。その際にどういう調査のやり方をするか、どういう監視のやり方をするかということは、これは当然予算措置あるいは人員の配置の問題もございます。その点について、必要にして十分なことをやらなければならない。その意味におきまして、先ほど申し上げましたように、適切な機械があれば、これは機械を使うということは必要であろうと思います。私どもいろいろ水質基準を議論いたしますときにいつも問題になりますのは、どういう分析の方法でするか、あるいはどういう調査をするかというのが問題になって、学者の方にいろいろ知恵をお借りしておる状況でございます。そういう意味におきまして、今後ともできるだけ新しい機械と申しますか、合理的な装置を使うということにつきましては、私どものほうとしましても、関係各省の御助力を得まして、努力をいたしたいというふうに考えます。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 時間が参ったようですから、簡単に結論だけをお聞きして、終わりたいと思います。  再三申し上げておりますように、私は、要はもう、立法作業あるいは行政の問題、いろんな問題等があろうかと思いますが、しかし、いま厚生省のほうでその測定装置をつけようというところまで進んできておるとするならば、その汚染の源となるべき企業側の立場あるいはまたおたくのほうで、しかも考えてみますと、上水のほうはそんなによごれておらないところが、それでもなおかつ装置をつけようとしておいでになる。ところが一般の河川の上水の流れの中で、いろいろ発生源となるべきところに自動測定装置をしようとするならば、より私はとらえやすいと思うのですね。もしそういう汚染する危険性があるとするならば、そういう意味で、私は科学的のことはよくわかりませんけれども、厚生省がおやりになろうとする装置よりも、経済企画庁が、そういう河川に対する汚染度を調べる装置等は、その気になるならば、なお私は科学的には簡便にいくのではないかというふうな気がいたすわけでございます。しかしなかなか科学的にむずかしいような表現を使って見えますけれども、私、ちょっとこれはしろうとですからわかりませんよ。わかりませんが、厚生省のように、純度の高い、そんなによごれていない、あるいはそういうよごれる危険性がちょっとでもあるなら、それをキャッチして防ごうとする。だとするならば、そういうよごれる源となるべき企業から流れる汚染度を調べるぐらいのことは、もっと反応がはっきりしておるはずでございますから、私はその測定の装置というものは、それよりは簡単だと思う。それを、科学的にまだむずかしいというような表現ですけれども、はたしてそんなものでしょうか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 工場の排水におけるそういう問題については、実は通産省のほうでございます。先生の御質問、つまり工場の排水から水が出てそうして流水一般については私ども。だから、流水の中では、これはなかなかいまの段階ではむずかしいということを申し上げたので、工場そのものから排水するときについては、また通産省のほうからしかるべきお答えがあろうと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○矢島政府委員 名古屋地区におきてましては、かねてこういう問題もあるので、名古屋に通産省の名古屋工業技術試験所というのがございます。ここは数年来、汚水の自動測定装置というものを研究しておりまして、私も二年ばかり前に行きましたけれども、実用化に近い段階に至っておるわけでございます。そういう意味で、こういう自動測定機あるいはさらに進んで自動調整機というところまでいかなければならないと思っておるわけでございます。先ほど御質問のありましたニチボー犬山工場につきまして申し上げますと、たとえば今回の事件が起こりましたので直ちに自動測定機というものはつけたわけでございます。そういう意味におきまして、自動測定機はほぼつけ得る段階に一般的に来ているのではなかろうかと思いますので、私どもといたしましては、そういう自動測定機を大いにつけるように持ってまいりたいと思います。  さらに、その工場では将来の問題として、恒久措置として自動調整機——いまの自動測定機は、アルカリがふえたらそこでベルが鳴って人間が来て逆に硫酸を入れて調整するというふうに、人手がかかるわけでございますが、やはり理想的な姿としては自動調整機、アルカリがふえたら自動的に酸が出て調整する、こういうところまでいかなければならぬと思いますが、そういうものも恒久措置として設置する計画があるということは、すでに自動調整機も実用化の段階に来たのではなかろうか、かように考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 それじゃ最後に一言だけ。  厚生省及び通産省はもうそこに踏み切って見えるようですから、私はあとは実施についてのいわゆる実現を御期待申し上げます。  流水についてはきわめてむずかしいという表現でございました。しかし私どもの立場からいいますならば、本来やはり公害そのものは、言ってみるならば、一般的には流水としてよりとらえにくい、こういうことでございますので、おたくのほうでも、流水についてもそういう調整まではこれは全く不可能だろうと思いますが、自動測定のところまでは、具体的に御検討いただかなければならぬのではないかというふうに思っております。したがってそのことについて具体的に何か、科学的にもむずかしいような表現でございますけれども、考えてみますると、厚生省や通産省がもうすでに具体化する段階に来ているのに、それが流水についてはむずかしいというのは、何かおたくのほうだけ一歩おくれておるという感を私ども受けるわけでございますので、その点、ひとつそういうことのないように御検討いただくよう、最後に御答弁を求めて、質問を終わりたいと思います。

官内宏経済企画庁国民生活局参事官

○官内説明員 たとえばBODのようなものが指標になって、水がきれいかきたないかという尺度を規制しておるわけでございますが、そういう場合、たとえば要するに毒物ではなくて、汚濁しておるものでございます。それに酸素を加えることによって、どれだけの酸素を消費してきれいになるかというふうなはかり方になるわけでございます。それがたとえば、やり方といたしましては、通常二十度、五日間かかってどれだけの酸素が消費されるかというふうなことを測定しておるわけであります。だから自動的に瞬間的に出てこない、そういう項目があるわけです。言いかえますと、そういうものをどういうふうに瞬間的にとらえていくかというふうなことが、まだ技術的に十分完成されておらない、そういうふうに思います。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 私どもよくわからないのですけれども、きれいにしてくれというわけじゃないのですよ。どれだけの汚染になったかということです。流水に対して、いわゆるこれは酸素が不足しておるとか、あるいは重金属がこれぐらい流れておるとか、あるいはまた何やらの化合物がこういうふうに入ってきているということが自動的にわかるような装置をつけていただけば、その後の対応策が講じられるのだ、魚が浮いてこなければわからぬというようなことでは困るのだ、こういうことを申し上げておるのであって、それをどうしたならばきれいになるかということは、それはそれに対応する水の利用の立場からお考えいただけばいいことであって、そうじゃなくして、いまこれは何と何と何が入ってどうよごれてきておるのだ、こういうことさえわかれば、直ちに対応策が——幸いアユが死んでくれたから、何だかして毒物が入ったのだということで大騒動することができて、未然に被害を食いとめることができたけれども、しかしそういうことが二度とあってはいけませんので、そういう現象があらわれなくても、いわゆる水の流れの中でどういう性質のものがいま流れておるかということぐらいはわかるような装置というものがあるのじゃございませんか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 たとえば十なら十の基準の項目があるといたします。そういたしますと、工場のうちで全部が全部、十の種類の水を流すわけではありません。ある工場はAの基準、ある工場はC、D、たとえばある工場はPHをどうこう、ある工場はCODに特に関係がある、いろいろあるわけであります。それが十なら十あるといたしますと、その工場ごとにそれぞれおのずから水質基準がかかわるわけでございますから、まず第一次的には、その川を一定のきれいさに保つためには、十であるか十一であるか四つであるかはとにかく、基準項目をどれにするかということをまずきめまして、そうしてその基準項目をそれぞれ工場に割りつけるといいますか、その工場なりその他の汚濁源へ割りつけて、そこへまずいまのようにできるだけ自動的にそういうことが測定され、自動的に調整されるということが行なわれるとすれば、まず第一次的にはかなり迅速になるわけでございます。ところが今度は、そういうふうにしたいろいろなものが川へ流れてまいりまして、それを全体として、いろいろな地点でそれぞれ自動的に測定する、流水として測定する場合の問題点がいろいろあるということを申し上げておるわけであります。  その一つとして、ただいまBODについて例をあげたわけでありますけれども、BOD以外の、たとえばPHであればあるいは簡単にいくかもしれません。しかしBODの場合には、何らかの装置をそこへつくりましても、現在の段階では、二十度で五日間という状況で酸素がどれぐらい食われるかということをやるわけでありますから、なるべく自動的に瞬間的にやるとすれば、むしろ現在の二十度、五日間というものが、かりに三十秒で、しかもどういう水温ででもこれぐらいだということができるようになれば、これはまた第一歩を進むわけでありますが、現在ではそういうことがなかなかできないというので、結局二十度、五日間の間、やはり一応実験をしておるということでありますから、そういう意味においてはなかなかすぐ自動化はしない、川の中に何らかの装置をつけて、それで何月何日の夜の時点でこうなった、しかし、やはり現在の段階ですと、その水が二十度にならなければ正確でない。ところが水温は必ずしも二十度ではない。十七度の場合もありますし、それから二十五度の場合もある。しかも五日間待っていなければならないというようなことがございますから、やはりなかなか技術化がむずかしいということを——これは私は正直に申し上げまして技術のほうは暗いものですから、説明としては不十分かもわかりませんけれども、そういう意味で、流水の中では非常にむずかしいということを言っておるわけです。しかも流水でございますから、つまり工場なり浄水場の取り入れ口の特定の固定した施設ということではなくて、川の中のあちらこちらということにもなるわけであります。そういうところで多くの装置を、しかもいまのように技術的に項目によってはなかなかむずかしい自動的な装置をつくるというのは、いまの段階ではむずかしい。しかし先ほど来申し上げましたように、技術が進めば当然新しい技術を採用していくということはもう必要なことでございますから、その点については、私どもできるだけその方向でこれに対処していくということは当然だというふうに考えております。

塚本三郎民主社会党

○塚本委員 終わります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 いま塚本議員からの質問の中に非常に重要なことばがありましたので、政府側のほうではおわかりと思いますが、私のほうからちょっと申し上げておきたいと思うのです。  昭和三十八年に行政管理庁が公害防止の査察をやって、そうして報告書を出しておる。その報告書を受けて行政審議会のほうで答申を出しておりますが、その答申の中の説明に、産業を保護する立場にある大臣は公害の防止については不適任である、大体こういう文句だったと思う。これは公害行政の一元化への建言ではないかと思いますけれども、非常に意味深長なことばですから、もう皆さんお読みになっておわかりだと思いますけれども、十分ひとつこういうことも考慮に入れて、今後の公害行政については協議をしていただきたい、このことを申し上げておきます。  島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いま塚本委員のほうからの質問は、委員長から若干の補足はございましたけれども、基本的にこれは重要な示唆を含んだ質問なのです。この問題に対しては、通産、厚生を問わず、いずれの省でも、この問題の対策には今後熱を入れなければならない重大な要素を含んでいます。しかし答弁そのものを聞いていると、まだ机上のブランのような感じがしてならない。やはりこれは私は具体的に聞いてみないと、今後の園づけにならないような気がします。塚本委員はほんとうにいい質問をしておりました。もう一回重ねて聞きますが、水の汚染をどのようにして今後規制するのですか。同じ質問をしますから、私にも答えてください。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 従来のやり方につきましては、すでに島本先生よく御承知のとおりでございますが、あえて一応簡単に申し上げますならば、まず汚濁源が何であるかということをつかまえる。その場合に、現在の水質保全法では、従来工場排水法あるいは洗炭業等の法律の対象になったものだけであったわけでございます。そうしまして、その汚濁源から出ます汚濁の程度というものでは水がよごれる、あるいはよごして重大な被害を与えるおそれがあるというような場合に、これは水質基準というものを設定してかけていく。水質基準がかかりますと、それを守るように各工場排水法等が働きまして、そしてそういう汚濁源が規制をされる。ただいまも塚本先生のお話に対しまして申し上げましたように、自動的にと申しますか、そうなっているからといって必ずしも安心はできませんし、それからその後の地域の変化等もございますから、やはりそのあとはアフターケアというようなことをやってまいりまして、そして汚濁をそれ以上進行させないという形で、従来まいったわけでございます。すでに当委員会で御議決いただきましたように、その後の状況から見ますと、著しく汚濁源がふえております。幸いにしてもしその法律が通りますならば、今後はそういう新しく規制でき得ます汚濁源をも捕捉しまして、そうしてさらにそういう体系でもって水質の規制をやっていくということでございます。ただ現在のような経済の伸展の状況あるいは都市化の状況——都市化あるいは経済成長だけではなく、その他いろいろな原因で、水の汚濁という問題はともすれば進行をいたします。私どもといたしましては、これに対して十分な心がまえが必要になろうかと思います。そういう意味におきまして、これは関係各省それぞれの立場で協力をいたしまして、そして行政的にそれに対応していくということが必要ではないかというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ちょっと聞いているところでは、答弁違うようですね。別な人がやるからといって、そう違えなくともいいですよ。じゃ、いま言うように、水質基準を守るようにしてやれば——水質基準をきめたって、なおさら水が悪くなった、こういうような基準では困るではないですか。水質基準をきめて、それを守って、なお水がよごれたという例はありませんか。聞いていませんか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 水質基準をきめますのは、水質基準自体が、これ以上よごしちゃいかぬということで設けるわけでございますから、本来、その基準をきめたら、それ以上よごれたということはあり得べからざることでございます。ただ現実の問題としまして、水質基準をきめた、そうしてそれをそれぞれの排出責任者は守っておっても、なおかつそれ以外の汚濁の原因が出てまいって、そうして現実に何年何月にきめた水質基準以上によごれておるというような例は、残念ながらやはりございます。それに対応いたしましては、やはりわれわれとしては、新しくその水質基準をきめ直す、見直す、そして残念なことではありますけれども、もう一ぺんやり直してその事態に対応するということが必要である場合があるわけであります。今度の木曽川等の場合におきましても、やはりそういう残念な例として、考えざるを得ない一つの例であろうというふうに私どもは考えております。木曽川についても、やはり新しくもう一ぺんつくり直す必要があるというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 水質基準をきめて守るように指導する、その具体的方法としては、工場の排出基準をきめてやる、きめてあれば、そのままにしてあとはほっちゃらかしておくから、こういうようなことになっちゃうのじゃないですか。きわめて端的な例です。だからだれも罪悪感は持っていない。自分できめられたとおり、指導されたとおりいたしております、それ以上のやつはやっておりません。ところがそれを守ってたって、だんだんよけいになったら、基準そのものはどうなるんですか。悪くなる。下がっているのです。きめっばなしであとはほっちゃらかしておくから、そうなっちゃうのですよ。これはやはり体制が十分でないということになっちゃうんだ。もうすでに具体的に、この問題では方々に被害が出ておりますよ。それに対して、いまいろいろ監視したり、被害者の自衛手段、こういうようなものを認めたりするというような、いろいろな御意見が出ておるようです。まことにけっこうです。しかしながら、やはり基準をきめて国のほうが責任を持ってやったならば、それを守らせるように指導すべきですよ。やってないじゃないですか。排出基準だけきめてあって、全部合わしてみたらなお悪くなってしまった。基準は何のためにきめたかわからなくなった。こんなことをしておっては、これは官庁としては失格です。もう一回これはやり直さぬとだめじゃないか。もしいままでどおりでよかったとするならば、それに対する確信と、これからの是正する方法を申し述べてもらいたい。私はだめだとここで断言しますから。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 特定のA河川に工場が三つありまして、その工場に対して、この河川をこの程度にきれいにしておくためにはこの程度の排出基準を守るべし、というようなことで従来やっておるわけでございます。そうして、その水がこの程度きれいであるべきであるという場合、たとえばその川の下流のノリが生育するためにはこれくらいであろう、あるいは飲料水取水源としての必要なきれいさはこの程度であるというようなことを頭に置いて、それぞれさかのぼって、流量であるとかその他を勘案しまして、結局その工場に対する排出基準をきめておる。したがいまして、流量の変化あるいはその下流地帯の利用の状況等が変わらなければ、一応理論的には、その工場が守れば、その状態は維持できるわけであります。ただ、一つの従来のやり方の問題といたしましては、A工場が著しく能力を大きくする。そうすると質としては排出基準は合っておる。しかし排水量自体がその当時想定された以上に大きくなっておるので、したがって、流量等の関係からいくと従来よりもよごれてきた、というような例が現にあるわけでございます。それはやはり御指摘のように、一つは排出基準のきめ方、あるいはきめたあと、今度は、これだけの排水量であるならばこうであるというようなきめ方の問題があろうかと思います。そういう点が一点でございますから、これは私ども今後とも、現行の体制で運用する場合にも、当然改良し、運営を改善していく必要があろうというふうに思います。  それから、これは先ほど来繰り返しておりますが、その水質規制をかけました時点におきます地域の状況が、その後変わってまいった、そういたしますと、これはやはりそれだけ汚濁源がふえるわけでございますから、かりに従来の規制をかけられたところがきちっと守っておりましても、御指摘のように、やはり川というものはよごれてしまうということでございますから、現在の段階では、都市河川方式その他で、新設の新しい工場等ができます場合には、既存の工場よりはずっと基準がきびしくなってまいりますから、その点について配慮がないというわけでは決してございませんけれども、やはり事態の変化に対しては不十分な場合が、これも残念ながらあったと思います。そういう点につきましては、今後その地帯の経済の成長による地帯の変貌というようなことを十分考慮した上で、それを組み入れた基準というものをかけていく必要があろうというふうに考えております。そういう意味におきまして、先生が仰せになりましたように、従来私どもやっておりまして、そうして一ぺんかけた、それでもう全く御安心願えるという状況ではなかったということは、これは言わざるを得ないと思います。しかしそういう点についての運営の、私どものやってまいりました欠陥と申しますか、どこを改善すべきかという点については、私どもも反省をいたしております。今後そういう点に十分に気をつけてやってまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 結局はむずかしいということになるのでしょうね。一つの例証として、企画庁自身が行政的にあまり強力な指導力がないのじゃないのか。知事にまかせてしまっておくから、その段階ではほとんど知事のほうで、監視やいろいろな点については、住民との間で、産業との調和でもって、何にもならないような状態にしてやってしまっておる。それが被害になってあらわれて、ようやくあなたが答弁に立って苦しい思いをなさっている、こういうようなのが実態じゃないのですか。おそらくそういうふうに私は思って、同情はしつつも、あまりにも皆さんが、法律は出しておっても法律まかせ、行政官庁というのはどうも強力な指導力がない、こういうような気がしてならないのであります。これは、そうじゃない、無礼なことを言うなと、あなたが切り返すくらい、ひとつやってもらいたいのだ。私は無礼なことを言っていますよ、まことに。あなたたちは法律は出しても能力がないじゃないかと言っているのですから、これ以上無礼なことばはないのですよ。これを切り返しなさいよ。そんなばかなことを言うな、十分に知事を督励し、監視し、監督して、そして水質保全のためには万全を尽くしている、あなたはどこの川を指摘してそんなことを言うんだ、これくらい切り返しなさいよ。そうしないとだめですよ。どうも皆さん国会へ出てくる官僚陣は腰が弱い。その場を通ればいいと思って、終わればさっさと逃げてしまう。百年河清を待つということばは、そこから生まれてきたのだ。あまりにもこれはだらしない。少しあなたに切り返されることを私は期待しているんだが、あなたもう一回文句を言ってください。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 御承知のように、公害の問題というのは、特に私どものほうの川の問題、大気の問題というのは、やはり地域の実態に即するということが、一方ではきわめて必要なことでございます。私、わずか一年少しの水質保全行政の経験からいたしましても、地方地方の知事さんのそれぞれのビヘービアと申しますか、あり方というのは、確かにある意味で地方自治の最もいい点であろうかと思いますが、いろいろなニュアンスがございます。ただ、私どもとしましては、いま言いましたように、水質保全行政というのは、地域の実態に即するということも、これは当然でありますし、それから各地方地方が、それぞれ知事さんの考え方によっていろいろなニュアンスがあるというのも、これまた当然だとは思いますけれども、しかし、一本筋を通しておく、これは本省の行政の態度として当然のことである。そういう意味におきまして、私ども、切り返せとおっしゃいましたから、ほんとうはもう少し荒っぽいことばで言うべきかもわかりませんが、私どもとしましては、多少の紆余曲折はございますけれども、ねらっておるところは譲る気はございませんし、そういう形で指導をしていくということについては、私どもとしてははっきりしておるつもりでございます。ただ、先生が横からごらんになりまして、少しぐずぐずしているんじゃないかとか、地元、地方からの少し不合理な要求にも、企画庁はわりにふにゃふにゃとして対応しているんじゃないかというようなことが、あるいは場合によってはあるかと思いますが、気持ちのいわば向き方と申しますか、姿勢としては、そういうふうにして、くずすというようなことはないつもりであります。今後とも、そういうことでやってまいりたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 もっと遠慮しないで、言えと言ったときは言いなさいよ。そんなことじゃだめですよ。  それで、流水の汚濁調査はむずかしいのだと、こうおっしゃっています。それはむずかしいでしょう。しかし通産サイドでは、もう汚水自動測定機までできているし、汚水自動調整機、こういうようなのが実用化の段階だ、もう胸を張ってそれはおっしゃっておる。それらあたり全部取り入れさせたらいいですよ。あなたがいまいいことを言った。地域の実態に即することは大事だけれども、国としては筋を一本すぱっと通すのだ、これもなお大事なことであります。両方とも大事だということにはならぬのだよ。それは一体どっちのほうが大事なんだ、これでもう実際迷っているんじゃないの。地域の実態に即することが大事だ、では試みに、私が一番よく知っているところに例をとって説明してもらおう。北海道の常呂川、それから十勝川、石狩川——石狩川はもうだめです。しかしながら、あそこは全部、日本でも有数なサケの遡上川でしょう。日ソの漁業条約によって、増殖のために日本が責任を負う河川というのが何ぼかあるでしょう。サケをふ化させる、それが遡上する、そして国際的な条約の義務を果たす、そういうような川は、いまや日本海岸にはなくなっちゃった。かろうじて残っているのはオホーツク海岸でしょう。そこの十勝川、常呂川はいまでものぼっておりますけれども、群れをなしてのぼるようなのはだんだん減ってきている。この原因は——業者は業者で、ちゃんと基準を守って排出をしております。どこ一本筋の間違っているところはない。しかしながらサケの遡上が年々だめになってきている。その原因はでん粉かすだという。じゃ、でん粉かすは何だというと、北海道ではこれは農業立地上重要な一つの産物である。したがって、それを育成し助成しているのが北海道庁でしょう。むげにそれを断わるわけにはいかない。水をよごせば困る、ジャガイモによってでん粉かすをとる、これをやめろというわけにはいかない。それとて若干のことがあっても、これは中小企業であり、農民である以上は、これを認めるということになる、いままでなっておった。それが結局は水をよごし、またパルプのいろいろな工場誘致というような問題も加味されてきて、だんだん水が汚れていった。地域の実態に即して、知事としては、これはもう認可せざるを得ないというのでやっている。やればやるほど、だんだん悪くなってきている。国は筋を通すと言いながらも、通した筋は水質基準。水質基準そのものは一片のほご紙になってしまっている。みんな排出基準を守っているという。排出の基準を守っていながら、水質はだんだん悪くなってきている。それで国が一本筋を通したと言えますか。知事にまかせれば、そういうようなことになる。それを筋を通すならば、ここに科学的なデータをはっきりさせて、これ以上だめだぞということで、これに対しての監視並びにアフターケアだけは怠らないようにする。たとえば知事にまかせておいたら、知事はやはり自分の行政上のニュアンスを考えるでしょう。よごれてもやむを得ないという態度をとるかもしれない。それを国の方でなぜばりっとやらぬか。いまや水をよごしてもいいという企業はございません。これは国際問題にまでなる可能性——もうなりつつあります。そうならないうちに手を打つというのが、皆さんの一つの行政的な義務です。この問題は、委員長のほうが私より詳しい。だから最後になったら、この問題は一言では済まない。これは皆さんしかられるかもしれぬから、いまから答弁を十分考えながらしなさい。地域の実情に即してやる、地域の実態に即することが大事だというと、そういうようになる。国として一本筋を通すというと、直接の監視機関がない、全部委任だ。これだったら、悪くなるのはあたりまえじゃないですか。口ではいいことを言いながらも、実際は行政能力が全然ない、法律はつくってもあなたまかせである、こういうようなのが、経済企画庁の水質保全に対する実態である。どうですか政務次官、言われて残念じゃありませんか。もう少し、おまえ無礼なことを言うな、そうじゃございません、常呂川の実態はこうだ、石狩川の実態はこうだ、十勝川の実態はこうだ、国際的に見てこれは間違いない——ひとつ確信のあるような答弁をもらいたいのだけれども、この三川について、これから少し入っていきたいと思います。いままではまだその前哨戦ですよ。しかし、いま言った答弁は、まことにそつのない答弁だったのです。これは、地域の実態に即することも大事だ、それに対して筋を一本通しておくのも大事だ、この両様かみ合って、水質保全の手は完ぺきを期するのだ。しかし実態はといったら、全部権限は知事まかせです。知事のほうではもういいようにやっていますいら、それがどのようになっても、アフターケアさえ、監視機関さえ持っていない。報告どおり、それは認めざるを得ない。それが実態です。これでは、弱き者なんじの名は経済企画庁なり、こう言わざるを得なくなってしまう。それでもっていま完ぺきだと言っているから聞くのだけれども、私のほうが間違いでしょうか。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 水質保全法を扱っているわが経済企画庁としては、法律に照らして水の汚濁を厳重に守るのが私のほうの権限だと思います。ただ先生のおっしゃるとおり、地方別によりまして、そういう矛盾と申しますか、地方団体と私のほうとの委任事項において、そういう実態があるとするならば、やはり再調査して、お互いに協議し合って、そして私のほうの主張と地方の実態とをもう一ぺん再検討する必要がある。工業が地方に分散されつつある現状において、今後あらゆる河川についてもう一ぺん総ざらいすることはぜひ必要である。そういう意味合いにおいて、今後、このたび出しました水質保全法の改正に伴う地方自治体との連絡協調、それからアフターケア、こん二点について注意したい、こういう念願のもとに、一部改正法を出したようなわけでございます。御承知のとおり、私のほうにも大いに責任がありますから、法がうまく運用されるように、ぜひとも事務当局を激励して、御趣旨に沿うような方向で努力したいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 公共用水域の水質保全に関する法律の改正法案、これはほんとうに大事な法律です。これだけは通さないといけません。いま言ったようなのは、ただ答弁だけにしておきたくないのです。それで、たとえばいま問題になっているいろいろな川がございますけれども、具体的に常呂川水系の本支流ともに、年平均BOD3PPM以下にしてもらいたいということは、おそらくは水を扱う人たちの念願であるはずです。それにさえなっておらないということになりますと、この問題に対しては困るのじゃないですか。こういう問題に対しては、あなたまかせにしておいたら全然だめになってしまうおそれがあります。いま法律が通れば、これはすぐできることだと思いますけれども、汚濁源のすべてを規制対象にするという点を、はっきり行政庁として自治体のほうにくさびを入れておかないと、特定のものだけはやるけれども特定のものの手を抜く、こういうことがあっては、これはでき得ないことなんです。下水道はもう法律がありますね、ですからあれが通ってしまったら、地方自治体といろいろ話し合ってできるでしょう。それからガス供給業に対するフェノールというのですか、こういうような類に対しては、あの法律にはないのだけれども、こういうような点についても十分考えておかないと、水質汚濁に対する根本を少し規制するといいながらも、まだあの法律の中では抜けているものもあるのじゃないか、こう思われます。そういうような点等についても十分考えておいてほしいと思うわけです。いま言ったのはまことに具体的な例になりますけれども、常呂川に限定して、いまのような問題に対しては完ぺきにいっておりますか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 常呂川につきましては、ただいま御指摘になりましたように、四十年の七月に水質基準の規制をかけたわけでございます。その後のアフターケアの状況から見ますと、やはりもう一度考え直す必要があるような状況でございます。そういう意味におきまして、従来の工場排水規制法によります対象業種であるでん粉、ビートあるいはバルブ等ももちろんでございますけれども、幸いにしてこの国会で水質保全法の改正がもし御可決いただけますならば、やはり北見市の都市化ということも影響しておるようでございますから、さらに汚濁源を拡大するということもできるわけでございますので、そういう暁には、それらも十分考慮の中に入れたい。  一般的に申しまして、今回水質保全法の改正がもし可決になりましたらということで、かねがね当委員会でも問題になっておりました、その他の法律とどういうふうにうまくドッキングさせるかというようなことについても、関係各省と私どものほうで、現在かなりな程度に事務的に話を詰めております。さらに水質審議会におきましても、新しい汚濁源がつけ加えられました場合には、従来そういうもので対象になっていなかったものを、さらに多くの川について、いわゆる増加補正をしなければいかぬだろうというふうな段取り等についても御相談を申し上げたいということでやっておりますので、当然各地方自治体に対しても、ただいまのような観点からもう一ぺん川を見直していく、特に新しい汚濁源が法律改正に基づいて補足できるようになったということがありますれば、さらにやっていくということを連絡いたしたいというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まあ、いろいろやっていますけれども、具体的な問題で困っているのは、やはり増水時と渇水時があって、その増水時は何をしてもいいのだ、渇水時だけ気をつければいいのだということでやる、ところが、仕事がそのようにうまくいかない場合があるものだから、それがちょいちょいごちゃごちゃになってしまうんですよ。ちょうど雨降り時期に雨が降らなかったりして、渇水時と同じような状態のときに、その汚濁源からもうもうたる汚水を流しているような事態になれば、それがやはりあとずっと尾を引いていくようになる。これを行政当局としては当然考えないといけない。渇水時だからこれほどにする、増水時だから流してもいい、こういうのを置くのがおかしいのです。だから不正はその辺から始まってくる。すなわち、やらなくてもいいような——こういう施設は、公害防止事業団を通すなり、あるいはそのほかの金融機関を通すなりして、完全にその措置を講じさせたらいいじゃないですか。その方面の指導も不十分になっておる。ことにでん粉なんか、こういうものは北海道ではホクレンが経営し指導しているのでしょう。これなんかだったら、いろいろ言えば話がわかるはずなんです。いま合理化工場ができておるのです。その合理化工場がまた問題であって、六〇%ぐらいできるなら九〇%ぐらいできるように技術開発をして、これは賢明なる通産省もいることですから、そことよく相談し合ってやって、川の水だけはいつでもきれいに保っておく、こういうふうなことをしないといけません。水の多いときはこれまでいいんだ、水が少なくなったらこうすればいいのだ、こういうことをやるから、その調整がうまくいかない。いつもこういうふうにきれいな水を流しなさい、こういうようなところまで一歩踏み出して指導するのでなければだめだ。そのための費用は、公害防止事業団から自由自在に出せますというのだから、ましてそんな施設であるならば、大業者がそれをやって、あとから支払いさせることも可能だというのですから、これはどっちのほうになるのかわかりませんが、農林省かもしれませんが、そっちのほうから強力に指導すべきですよ。まして、あなたのほうは間接的に監視すべきですよ。監督すべきですよ。公害に類するようなことは窓口は厚生省だと大言壮語している以上、そういうことは言われたらすぐ手をつけて、そんなことのないように、厚生省がやるべきですよ。技術的にいろいろできているということだったならば、通産省あたりはそういうのを、農林省の範囲だってかまわない、公害のうちだったら、立地公害部長あたりどんどん出ていって指導してやってください。そうしないとだめです。したがって一元化が必要でありますと、こう言ったのに対して、総理は、強力なる公害対策会議の会長が総理なんだから、その気になったら何でもできる——公害基本法を出したときの総理の言明なんです。その何でもできるのが、いまできないというのがおかしいんだから、皆さん自信と確信を持って、もっともっとやりなさい。  渇水時と増水時をそれぞれ分けて対策を立てる、この辺からそもそもおかしくなってくる。したがって、BOD三PPM以下にしておく。これを基準にして、すべてもう一回洗い直すということは当然なんです。それと同時に、汚濁源のすべてを規制対象にするというのは、川のいかんを問わず、もう一回慎重に考えてみてください。せっかく受け皿が、四つも法律ができているでしょう。改正法案ができたといいながらも、まだまだこれから漏れるのもあるようです。もっと検討してやってもらいたい。それから、あれは早く参議院を上げるように、次官のほうで毎日日参してもいいから、これをやってやってください。私どもはそれによってあなたの政治力を高く評価し、見つめていたい、こういうふうに思うわけなんでありますす。そういうようなことからして、十分体制を強化してやってほしい、こういうふうに思うわけですが、いまの十勝川の場合は現にこれからも調査にも参りますけれども、サケの遡上期間にもうなっているわけですが、年々減ってきているのです。その中に水綿なんというのが出てきているらしいです。その水綿は何のために出るか、でん粉かすですよ。そういうようなことをして、水産業と農業とけんかばかりやっていても何にもならないですから、けんかさせないようにするのが行政指導ですから、この点、経済企画庁、厚生省、通産省、こういうようなところから農林省に強力にやってやって、そんなことけんかしなくても施設としてやれるのですから、この施設を完全にするようにして、やはり母なる大河北海道にありというようなことで、日ソ漁業協定なんかでも、条約を守ってやっているのが北海道なんだ、日本なんだ、国際信義の一つだに欠いてないぞと、胸を張って交渉団がやれるようにやるのが皆さんの使命だ。しかし、これを言わざるを得ないのは、いままでやっていないということなんです。口で何と言ってもだめなんです。やっていません。知事の権限にまかせておくと、やはり産業間のいきさつで十分いかない。現にやっていないんだ。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 速記を始めて。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いまそっちのほうにやったのは、水産関係の新聞です。その新聞に載せられているように、北海道の道庁の中の各部と課、この中においてのトラブルさえもあるのですから、こういうようなのは、水に関する限りは経済企画庁、政府でやっておいてもらいたい、こういうふうに思うわけなんです。  それと同時に、最後に、どうですか、川のほうだけは切り上げておきたいのですが、大体いままでの皆さんの答弁は、きれいなように見えても、何だか踏み入りが悪いのだね。いまもせっかく水質の基準をきめながらも、何にもならない基準をきめているんだ。基準をきめてなお悪くなったという例は常呂川ですよ。だんだん悪くなった。じゃ石狩川はどうなんだ。あの石狩川の水質の汚濁源、これをはっきり把握したのかどうか。A、B、Cにこの地域を分けて、はっきり基準を出したんだが、この基準によって石狩川はきれいになりましたかどうか、ひとつ確信のある御答弁を願いたいのです。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 ただいま手元にありますそのアフターケアの状況の数字でございますが、石狩川はいまお話のありましたように、甲、乙、丙、つまり上流、中流、下流というふうになっておりまして、たとえば上流におきましては、主たる汚濁源としてパルプあるいは蒸留酒ということでございまして、BODについてはかっておりますが、一応指定前の状況は、昭和三十四年でございますけれども、八・四PPM、そこを目標としまして六・四という目標水、質をきめたわけでございます。その後の三十九、四十、四十一、四十二年の状況は、目標六・四に対しまして、五・三、六・二、三・九、三・八というふうなことになっております。ただしこれは年間を通じてではございませんで、いわゆる先ほど先生がお話になりました五−八月のかんがい期、つまり豊水期ではあるわけです。それから石狩川乙につきましては、これは主として石炭でございます。SSでございますが、指定前は五七というのが、目標を五二にしようということでございましたが、これはどうも残念ながら、その後のアフターケアではいずれもはるかに突破いたしておりまして、四十一年が一二一、四十二年が一〇七というようなことでございます。それから石狩川の丙、これはBODでございますが、これは三十六年の調査で三二あったわけでございますのを、目標を三・〇ということに置きまして、その後のアフターケアの状況では、四十年が三・二、四十一年が二・三、四十二年が二・九ということで、まあまあということかと存じます。一番問題になりますのは、いわゆるサケマスにとって、サケマスの稚魚の放流あるいはサケの遡上、いずれもサケマスに関係の深い石狩川乙というところが非常に目標を上回った状況になっておるということでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 目標を上回ったところに対して、どういうアフターケアをしておりますか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 この地帯は御承知のようにいわゆる石炭で、したがいまして、水洗炭業法というものを経まして、石炭鉱山に対する規制がかかっておるわけでございます。残念ながら、現在の段階では、鉱山のほうでなかなかその目標を守る形でおやりいただいていないようでございます。私どものほうとしましても、なお今後通産省等に御連絡申し上げて、非常に水質が悪くなっておりますから、なかなか困難だとは思いますけれども、十分に連絡をして、善処するようにしたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはやはり善処しようといったって、やれないのですよ。石炭がこういう状態でしょう。それなのに、もうそれをなお上積みして規制するようなことをやったら、山はばったばったとつぶれていっちゃう。おそらくそのためにつぶれるような山はない。つぶれるならば、それ以前につぶれるわけですけれども、それをやっても当然重荷になるわけですから、おそらくいままで手を抜いているところは、この辺が一番手を抜かれているのではないでしょうか。これに対して、通産省のほうでは一番手厚いような援護をしているのですから、その中にもう少しこれを入れてやって——あれも一つの資源ですよ。水で洗ってきたなくなった——きたなくなったんじゃないですよ。あれは沈粉ですよ。沈粉をもう一回取れるようにしておけば、それだけでまた一つの資源になるのですよ。取らないで流すから、汚濁になるのです。ちゃんと取れば資源になるのですよ。そのままいまのように風を入れてやったら、石油以上の火力をまた発揮するような状態になるのですよ。そもそも鉱害というのは——これは自然の資源なんですよ、資源をそのまま物で出すから鉱害になる。これを十分活用してしまえば鉱害なんかならぬし、なおこれのために一つのりっぱな企業ができ上がるほどですよ。いままで例をあげてみたらたくさんありますからね。ですからこれを企業化するように、逆にこれを大いに推進してやったらどうですか。この不況だといわれる石炭、斜陽だといわれる石炭に、重い足かせをはめるのじゃなくて、そのかわりそこから川に流れるそのものを、ある池を必ず通して、その池を広くして何時間か置いてやるようにしたら、みんな下に沈んでしまう。そしてきれいな上澄みだけ流すようにすれば、サケが喜んで上がってくる。下にいったやつは、ほんとうに砂よりももっとやわらかい一つの石炭ですから、そういうものはほんとうに月から持ってきたものよりも、もっと貴重であるかもしれないものですよ。ですから、そういうようなところの企業化まで、これはうんと考えて指導してやり、せめて企業化できないまでも、そういうような防除施設の点については、十分やれるんですから、やってやって、石炭産業にあまり重い足かせをかけないようにしてやる。こういうような指導が、通産省、ほんとうは必要なんですがね。これは、いま国は、石炭産業に対して手厚い手当てをしている、こういいながらも、経営者にばかりやっているのです。銀行を通して、融資の面だけでやっているのですよ。だから山がつぶれても、経営者はぬくぬくなんだ。ほうり出されるのは労働者だけなんです。つぶれるのは自治体だけなんです。経営者のほうはぬくぬくなんです。こういうようなのが、いまの指導方針なんですから、そういうものの犠牲になって、川までよごされてはたいへんですからね。この手厚い保護をする際にも、こういうような条件をちゃんとつけてやって、進んで企業化するように、これは指導してやってほしい、こう思うのですが中流地帯に、いわゆる汚濁のアフターケアができていない。そういうような一つの新しい展開も、皆さんのほうで発想の中に入れておいていただけないだろうか、こういうふうにも思うわけです。これは建設的ですがね。  そのほかに、いろいろと規制対象を広げたり——やはり水はきれいにしておいてあたりまえなんです。きたないのは水じゃない。あれは水利権を持っても、水を使うだけでよごしてもいいということにはなっていないんだ。ところがよごすのが普通になっている。きれいな水を使ったら、きれいな水にして返すのがあたりまえだ。きれいな水を使って、きたない水を流していいというのは、これほど横暴な経営者はいない。それを管理するのはあなたたちだけですから、それをやってください。法律をやっても、アフターケアの監視がまだ怠られているのが実態ですから、今後はこういうことのないようにちゃんとやっていただきたい。この際強く要望します。山がつぶれて、そのままぶん投げていっちゃう。この山の監視、それを十分にしておかないと、そこから流れて川の水がよごれたという例があるのです。最近のように、東南アジアから油を輸入してくると、この油は硫黄分が多いからだめだ、そうすると硫黄分の脱硫をやる。それからとれるのは純粋硫黄だ。それは輸出用にはけっこうで、しかもいい油にして、その硫黄をうんと安くして売ってやると、硫黄山がつぶれてしまう。つぶれると、そのまま逃げてしまう。そうして廃液がそのまま出て、その辺はまさに黄色い地帯になってしまって、水産関係、農業関係にも悪影響がある。これをこのままにしておく通産行政——いま見えませんから、この問題だけはあと回しにします。きょうはもっとやるつもりでしたけれども、時間がだいぶ長くなってしまったのですが、これはまだ終わったわけではないのです。  次に、これはどうですか、水に関係のあるところで、海水浴場の大腸菌について、いろいろ問題があっても、すらすら逃げているようですが、厚生省で一応大腸菌についての基準を出した意図と、これからどういうふうにするつもりなのか、せっかく武藤さんが残っておられるようですから、水の方向を変えて、海水浴場の大腸菌についての御高見を承っておきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 実は私は大腸菌問題を所管しておりませんけれども、新聞をにぎわしておりますので、一応私の知っている範囲でお答え申し上げます。  厚生省は、昭和三十一年に海水浴場の指導基準をつくって、地方を指導しております。この基準を、最近の海水汚濁あるいは水質汚濁の状況にかんがみまして、いろいろ海水浴場の汚染がひどくなっているということで、またあるいは十年以上たった基準でありますので、改定する必要があるのではなかろうかという話が出ておりまして、ことしの三月ごろから、この問題を他の水道や港湾の水質と同じように検討を始めたわけであります。学者の先生の中でいろいろ検討されまして、維持されることが望ましい基準、いわば環境基準的なものの検討が進められて、その数値が専門委員会で中間的にまとまったわけでございます。したがいまして、これを新聞に発表した際に、昨年度の海水浴場のおもなところのデータを一緒に新聞にお示ししたわけでございますが、そのときに、この中間的にまとまった望ましい基準、いわば理想的といいますか、きれいな望ましい基準というものと、昨年よごれております各地の海水浴場の基準と比較をされて、これは全部落第だというようなことが新聞に載って、大騒ぎになった。その際に、十年前にきまりました基準を全部それに変えるのだというような話がまた伝えられて、二度大騒ぎになったという実情でございます。  実は厚生省におきましては、一つには、十数年前きめたいわゆる許容基準的な限度を検討すべきではないかという意見と、それからやはり望ましい基準というものもひとつ検討すべきではなかろうか、こういう二つの要請にこたえて、検討を学者にお願いしたところ、許容基準と望ましい基準との混乱、それから汚染されている地域の現状との比較ということで、非常な混乱を生じたわけでございまして、厚生省としましては、この望ましい基準の中間的なものをさらに検討しまして、そういう基準を出すかどうか、それから過去の許容基準的なものをさらに改定して、もう一ぺん改める必要があるのではなかろうかということを、やはり今後早急に検討する必要があるという考えでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ここにおられます本島委員なんかのいろいろな質問に対する答弁も以前からあったようですが、それに対して、ちゃんとそれを規制するどころか——それをりっぱなきれいな水にしてやるように消毒してやるというようないい意見も出たようですが、海水浴場に限っては——あらゆるいろいろな産業の部門で水質汚濁、これは川だから水質汚濁なんだ、海へ出てしまえばあとはかまわないのだ、これでは困る。そこでもって泳ぐんですよ。それを二回も三回も変えた。混乱ばかり起こすのが厚生省の指導方針、これでは困るのです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 二回も三回も変えたわけではございませんので、十数年前のいわゆる許容基準を変えることを検討している矢先に、この望ましい基準というものが学者の専門家の間から出ました。そしてそれを発表したときに、その過去の許容基準と望ましい基準との差異が非常に大きいということと、それから現在汚染が非常に進んでおります海水浴場との現状比較ということが問題になって混乱を生じたということで、私どもが新聞に発表する際には十分もっと説明をし、誤解のないように報道さるべきであった、その点は十分反省しておるつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 海の場合とプールの場合は違いますよ。消毒したりして直せるのはプールなんです。海の場合は、消毒したりして水をきれいにする方法というのはどういうふうにするのですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 もちろん海の場合は、プールのように限定されておりませんので、むずかしいわけでございます。現に、私どものところに、海水浴場の共同組合の方から非常に文句が出ておりますのは、私どもが去年、片瀬ですかで調べて発表した数値は、もう海水浴が済んだあとの数値ではないか、現に海水浴が行なわれている時期には、河口に塩素を流して大腸菌を少しでも減らすように、いろいろ対策が市では講ぜられておるのだ、そこのところをとらえないで、きれいにしているところをとらえないで、きたないところをわざと発表してわれわれをいじめるのだ、こういうようなお話でございまして、私どもとしては、地元でいろいろくふうをして、海水浴場をきれいにしようとされている努力は十分認めているつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、これはいろいろ動けば動くのです。水を調べるといっても、沖へ行って取ってくればきれいな水だ、川のきたないところでやればきたない水だ、そういうことで数値はすぐ出ますよ。しかしやはり健康が第一番なんだから、その場合、厚生省ともあろうものが、業者が一、二度陳情に来たら、すぐやわらかい指導方針に変えたということでは、権威がなさ過ぎる。それでなかったら、これはどういうわけであんなことになったのか。二度、三度やったって、結局は同じことじゃないですか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 別に業者の方が見えたので数値を変えたわけでもございませんし、新聞でいろいろ報道されて、それであわてて通牒の基準を変えたということでもございません。ただ正確に伝えるためにいろいろ方法をとったことが、何か二転、三転変わったような印象を世間に与えたことについては、非常に遺憾に思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 営業が成り立たないというような意味でだいぶ陳情も来ました。それで、あなたたちのほうで成り立つようにしてやる。これはあなた単なる方法じゃないですよ。やはりこれは、もっと慎重にやるべきです。それから海の水の場合なんかだったら、ことにいろいろな意味で、夏の一つの健康保全のためにも必要なことだし、子供の教育のためにも必要なことだし、あらゆる意味でもう大事なものですから、特にこれは慎重にやっておいてほしい、こういうように思うわけです。しり切れトンボになったけれども、きょうはこの程度でいいです。もう一回あとでやらせていただきます。時間が時間だけに申しわけないのですが、これで私はやめます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 本日の請願日程の請願全部を議題とし、審査に入ります。  本日の請願日程に掲載されております請願は、諏訪湖の浄化促進に関する請願、同趣旨のもの十二件のほか、木曽川水域の水質保全に関する請願及び神奈川県海老名町大谷地区の地盤沈下対策に関する請願、以上十四件であります。  各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じますが、さらに先刻の理事会において慎重に御検討いただきましたので、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  日程第一ないし第十四の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 この際、御報告申し上げます。  本委員会に参考のため送付されました陳情書は、水質汚濁防止関連法の改正に関する陳情書外一件など八件でございます。念のために御報告申し上げます。      ————◇—————

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりをいたします。  産業公害対策に関する件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間及び承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時十八分散会

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