産業公害対策特別委員会 第22号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/23
会議録
○赤路委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 先般、当委員会で、神奈川県の地盤沈下について御調査をいただきまして、当該地域の関係者はたいへん感謝を申し上げております。この席をかりてあらためてお礼を申し上げます。 きょうは、調査いただきましたうちの高座郡海老名町の地盤沈下について、政府側にいろいろな点をただして、今後の施政に供したい、かように考えております。 もう御案内でしょうけれども、それぞれの関係省御出席いただきましたから、内容についてはくどくどしく申し上げる必要がないと思います。問題は、海老名町大谷地区における地盤の沈下が一体何によって起きているかという事実の究明と同時に、当面その地域の住民はたいへん心配をしているわけですから、これに対する対応策を、それぞれ地方自治体なりあるいは政府の機関を通して確立しなければいけないのじゃないかというのが、私の最終的な結論であります。ところが、この問題を扱ってまいりますと、非常に広範に問題がわたりますし、またその対策も各省間にまたがるものですから、地元の住民はもちろんですが、当該自治体にいたしましても、一体どのような策をもって、この抜本的な対策なりあるいは当面の対策を立てるか、非常に困惑しているというのが実情でございます。昨日も、当委員会並びに各省にそれぞれ請願、陳情を行なっておりますが、その経過を見ましても、どの省が、あるいはどの機関がこの問題を取り扱い、しかも深く検討し、あるいは施策を立てるところであるかということが、率直に言って不明確であります。産業公害と思われる事案ではありますけれども、その関係省間の本問題に対する見解というものは、きわめて遠くを回ってなでるような形で、私ども率直に言って不満を表せざるを得ないというのが、各省間にわたる陳情の結果であります。 そこで、私は最初にお伺いいたしますが、大谷地区の地盤沈下は、一説には周辺の工場すなわち厚木ナイロンをはじめ各工場の地下水のくみ上げ過ぎではないか、その結果地層に変化を生じて、その地域が陥没の状態にある、そういう結果ではないかというふうに実は思われるわけであります。ところが、いろいろ皆さん方の御意見を聞いてみますと、どうもそれだけではなさそうだ、たとえば地層上の変化というものが、この際地盤割れを生ずるような形になってあらわれているのではないか、あるいは、相模川水系における砂利採取等によって、その地域が特別に何らかの現象を生じているのではないか等々の御意見があるわけであります。 そこで、私は最初に武藤公害部長にお伺いしますが、公害部長はもうお聞き及びでありますから、このような事態は一体どの省が責任を持ち、またどのような、地方自治体からの各省間への連絡あるいは窓口といいましょうか、一体どの省が本問題について扱うのが一番至当なんであろうか、この点について御意見をまずお聞きしておきたいというふうに思います。
○武藤(き)政府委員 地盤沈下の問題として、この問題が当初取り上げられたのでございますが、この事実関係はまた別といたしまして、地方で公害問題が起きました場合には、やはり地方公共団体が地元でできるだけの調査なり検討をいたしまして、そうして関係の深い省庁に連絡をし、それからまたそのほか関係のあるところには、それぞれその省なりあるいは地方公共団体から連絡をして、対策が立てられるというのが通例でございます。本件の問題につきましては、先生御説明のように、何による地盤沈下か、あるいは地層のいろいろの地割れが生じたかというようなことについては、まだ実は原因がわからないわけでございまして、したがいまして、どこの省がこの問題の対策を立てるかということについては、まだ実は解明できないわけでございます。あるいはどこの省が担当するということについては、まだ決定ができないわけでございます。したがいまして、やはり十分な調査をいたしまして、そうしてその結果に基づきまして、地盤沈下であれば地盤沈下を担当するところ、それから道路によるいろいろな問題であれば、それぞれ道路を所管するところというふうに担当すべきではなかろうか、かように考えております。
○加藤(万)委員 その一番最初のところなんですよ。結局何が原因かという、その何が原因かを探るところは一体どこなんでしょうか。たとえば、いま部長は、地方自治体の調査によって云々ということもありましょうけれども、それをかりに——いずれにしても地盤沈下が起きているという現実だけは、これは現実にあるわけです。したがって、何が原因かという、その何が原因かを探るための窓口というのは一体どこが当たるのが至当なんでしょうか。いま一ぺん御答弁願いたいと思います。
○武藤(き)政府委員 何が原因であるかということを調査するのがどこが適当かということでございますが、この問題は、まだ何が原因かがわからぬわけでございますから、できますれば、やはりいろいろ考えられる原因について、それを担当している省庁が中心になってやるのが適当ではなかろうか。その場合に、いままでのいろいろの行政先例等を考えて、ほかの省がそれに参画するということが適当じゃなかろうかと思います。
○加藤(万)委員 経済企画庁にお聞きしますが、従来地盤沈下問題は経済企画庁が各省間の窓口になってそれらを調整し、各省にまたがる問題として、調査なりあるいは検討されるというように聞いております。このような、いま私と公害部長とやり取りをいたしましたが、そういう何が原因かを探る場合の窓口としての経済企画庁の存在はどうなんでしょうか。
○塙阪説明員 お答えいたします。 経済企画庁におきましては、長官または関係大臣の諮問に応じまして、地盤沈下対策の基本方針という重要施策につきまして調査審議をするための地盤沈下対策審議会というものだけ持っております。したがいまして、そこではいわゆる地盤沈下対策の重要問題を審議検討いたしまして、そして、そこで方針をきめまして、関係省庁に流しまして、それぞれの所管に応じまして、仕事をしていただく、こういうシステムになっております。そこで、いま御指摘の海老名町におきます地盤沈下対策につきまして、あるいは経済企画庁が話し合いの中心になったらどうかという趣旨の御質問かもしれませんけれども、審議会のたてまえからいいますと、先ほど厚生省の部長さんが御答弁されましたように、関係省庁あたりからまずグループをつくりまして、地元でよく調査をいたしまして、そしてその結果、やはり地盤沈下対策審議会でそういう審議検討をして、大きなオリエンテーションを出すべきだということの指示がございますれば、それから経済企画庁は関係省に連絡しまして、工業用水道を引くとか、何々するとかいう具体的な対策につきまして、いろいろ御意見を出すというふうなシステムになっておりまして、こういう地割れ現象を生じたからといって、すぐに審議会を開きまして、方針を検討するというふうにするのはいかがかと私は存じております。まずその現場調査を関係省庁が組み合ってやる。その結果を見て、審議会にかけるかどうかをきめまして、方針を決定していただく、こういう順序だと思っております。
○加藤(万)委員 結局、率直に言ってどこが窓口かというところがないのですよ、いろいろ聞いてみますけれども。実は海老名町という自治体でも、若干町なりの調査はされたわけです。そこで当面のことですから、当然神奈川県という県の自治体に問題を提起してみたわけです。最初は、地割れですからいわゆる防災関係、地震、災害等に基づくものではないかという扱いをされたそうであります。だんだん、だんだん話を聞いていきますと、たとえば地層の問題、あるいは水のくみ上げの問題、地下水の問題等を見ますると、これは公害ではないかということで、今度は公害関係のセクションが当面は当たるというようになられたようであります。したがって、地方自治体でも、どこが原因究明の前の段階の窓口かというところが、率直に言ってはっきりしないわけであります。 私は、今度公害紛争処理法案が通りまして、実際上これは公害ではないかというので、紛争事項として紛争処理が提起されたときに、一体これはどこが扱うのだろうかということで、実は疑問を持ったわけです。原因がわからないわけです。原因はわからないけれども、昭和三十四年ごろから確かに地盤沈下が起きてきた。しかも、昭和三十四年ごろから宅地の造成が一方では始まり、一方では工場の建設が始まる。周辺では日産一万五千トンぐらいの水が取水される。地下水がくみ上げられる。したがって、それによって地盤沈下が起きていることだけは間違いがないのだから、したがって、住民から見れば公害という形であることは間違いがない。何の公害であるかは別ですよ。したがって、それがかなり紛争処理法案の中の紛争事項として取り上げられた場合には——これは武藤さんにお聞きしたほうがいいのですけれども、その場合は、一体どこがこの問題を扱うのでしょうか。
○武藤(き)政府委員 紛争処理法案の場合に、この問題が提起された場合に、どこが扱うだろうかという御質問でございますが、まず紛争処理法案では紛争処理を扱っている事務部局がございますから、そこで一応訴えあるいは問題提起の理由を聞きまして、やはり主たる原因となっていると思われることを担当しているところでいろいろ調査をするということだろうと思います。したがいまして、御指摘のこの問題もいまだ原因がわかりませんけれども、地盤沈下——それがたとえば工場の地盤沈下だということを御主張なさるならば、まずそれを担当している部局が、その点を、そうであるかいなかということをまず調査をするということになろうかと思います。
○加藤(万)委員 紛争処理条項として扱うのは厚生省公害部ですね。——公害部というか、いわゆる厚生省ですね、所管省としては。
○武藤(き)政府委員 紛争処理法案は、厚生省が最初は法案の準備をいたしましたけれども、各省間にまたがる問題でございますので、総理府のほうでこれは担当しております。
○塙阪説明員 私、先ほど先生に対する御答弁の中で、私のほうはいわゆる地盤沈下対策審議会を所管しておりまして、審議会のする仕事はどういうことかという形式的な問題を申しましたので、若干誤解を与えたかと思いますので、補足さしていただきますけれども、うちはいわゆる企画庁でございますので、審議会という仕事だけが中心なんでございますけれども、審議会を開催するということを契機にいたしまして、地盤沈下関係の仕事をしている関係省庁との連絡というようなことは、データを流しましたり、データをいただきましたりいたしまして、連絡はいたしております。したがいまして、事実上そういうふうな海老名問題等の話がございますれば——どこが窓口かはっきりしないという点は確かにそうなんでございますけれども、どこが窓口かはっきりしない段階でも、——ございましたら、これはひとつ関係省庁、といいますると、厚生省とか通産省とか農林、建設あるいは企画庁あるいは科学技術庁、どこでも相談されますれば、それはすぐに横に通じます。関係省庁が寄り合いまして、大体分担をきめて動き出すというふうなつもりで動いているわけでございますから、はっきりしない点は確かにそうかもしれませんけれども、どこかに話を通じていただきますれば、どこかが動き出すというシステムになっておりますから、そういう点を御活用いただきまして、やっていただきますとけっこうではないかと思っております。少なくとも企画庁はそういうつもりで仕事をしていきたいと思っております。
○加藤(万)委員 先ほど、公害部長、私は認識を誤っていました。訂正しますけれども、総理府、そこの事務局に問題を提起して、そして各省間にわたる問題については、各省の合議によって紛争処理条項——たとえばそれが通産に関係あれば通産、あるいは建設に関係あれば建設、こういう具体的な処理になっていくわけですね。そういうふうに理解していいわけですね。
○武藤(き)政府委員 中央のレベルの問題でありますれば、そういうことになろうかと思いますが、この問題は、神奈川県におきます問題でございますので、かりに、もし提起が行なわれる場合には、多分、神奈川県におきますそういう紛争処理委員会でそういう処理が行なわれる。それがいろいろ健康上の問題あるいは二府県にまたがるというような問題、それから、当事者同士でなかなか話がまとまらないということで、上級に上がりますれば、総理府で担当する、かようになろうかと思います。
○加藤(万)委員 建設省にお聞きしますが、この原因は、一つには相模川水系の河川の砂利採取との関係もあるのではないか、一説にはこういうふうにいわれているわけです。相模川は御案内のように、二級河川から今度一級河川になりました。したがって、もし、相模川のそういう地下水を含めた——砂利採取ももちろんですけれども、含めた水系上の問題として問題が提起をされてくる、こういうことになった場合には、どうでしょうか。いま、公害部長は二都道府県にまたがる場合には、中央の問題ではあるけれどもと、こう言いましたけれども、もし、一級河川についてそういう問題が提起された場合には、これは中央の問題になるんでしょうか。地方自治体の問題になるんでしょうか。
○南部説明員 先生、おっしゃいましたように、ことしから相模川は一級水系になりました。建設省といたしましては、いまお話しのように、河川の河床低下が原因ではないかというふうな意見もあるように聞いておりますが、事実、私ども最近調べてみましたところが、小用急の橋の付近、実はあの付近ではあそこにしか測点がございませんけれども、調べてみましたら、過去十四、五年くらい前からの資料しかございませんが、そのころから、いろいろな原因により、あるいは採掘もあるかもしれませんが、多少の平均河床の沈下という現象が起こっております。そこで関係する措置といたしましては、三十七年の六月から、砂利の採取の全面規制をあの付近でいたしております。そこで、いまお尋ねのこの海老名町の地盤沈下の現象が河川と関係があるというふうなことがはっきりいたしました場合には、その時点で、いまの原因、結果につきまして、局部的なものであるか、あるいは水系的なものであるかというふうな議論も起こるかと思いますけれども、現段階では、私どもといたしましては、河床の低下そのものが、あの辺は相模川にあります沖積層、砂礫層でございますので、直ちに低下に伴います付近の地下水の変動、これもまた変動がどの辺まで影響があるかということも、実はつまびらかでございません。そうしたことによって、この地盤沈下が起こったものとは、現在は考えておりません。 以上でございます。
○加藤(万)委員 いや、その答弁でいいんですが、私が言う場合には、かりにそういう一級河川で河床低下によって地盤沈下が周辺に起きた、たとえば雪印の会社を見てみますと、川のすぐそばで地下水をくみ上げているわけです。しかも、相当の量ですから、必ずしもないとは言えないわけです。かりにそういう現象が起きたとしたならば、その紛争処理は地方自治体、神奈川県の紛争処理委員会でやるものでしょうか、中央のいわゆる各省間にまたがる問題としてやるべき問題でしょうかということを明らかにしてもらいたいのです。
○南部説明員 その先生の御質問に対しますお答えは、建設省といたしましては、私がいま申し上げましたようなことでございますので、これはやはり紛争処理は所管しております所管省の総理府のほうでお答えいただくのが適当かと思います。
○加藤(万)委員 武藤さん、これは立法の段階ではどうなんでしょうか。一級河川に問題が起きた場合には、一体これは地方自治体でやるものでしょうか。中央でやるものでしょうか。
○武藤(き)政府委員 この紛争処理法案の管轄の問題は、やはり地域的な問題を主体としてこの管轄を考えておりますので、御設例の問題につきましては、やはり神奈川県の委員会で処理が行なわれる。その場合に、一方の当事者が国のことがあり得る、こういうことだろうと思います。
○加藤(万)委員 どうも納得いきませんね。一級河川というのはいわゆる建設省、国が所管する河川でございますね。そういう観点から見れば、もし河川が関係があって地盤沈下が起きたとするならば、当然国が処理すべき問題ではないでしょうか。
○武藤(き)政府委員 国が管理もしくは設置している施設におきまして問題が起きれば、もちろん国が責任がありますし、対策すべきことだと思いますし、訴えの相手方は国だろうと思いますけれども、どこの委員会で処理するかは、やはり二府県にまたがる問題であるかどうかという問題で、これは処理がきまるかと私どもは考えます。紛争処理法案では、やはり二府県にまたがる問題、それから重大な健康被害の問題、それから当事者同士で話がつかなくて中央のほうで引き受けるというふうになった場合に、中央でやる。その場合に、一番最後に申し上げた問題に発展する可能性があるということは私は想像できますけれども、最初は、やはり第一次的には地方の段階で行なわれる。その場合に相手方が国でありますので、なかなか話がそこではつかない、したがって、両当事者の話で中央に持ってこられるということはあり得るかと思います。
○加藤(万)委員 この論議、やや原則的な論議ですから、これ以上しませんが、この今度の海老名町の地盤沈下について、私は四点やはり問題があると思うのです。一つは、総合的調査をどういう形で実施をするか、これが第一の課題であります。それから第二には、沈下状況が起きていることは、これは事実でありますから、その沈下状況をどのように防止するかということが第二、これは当面の対策まで含めてでありましょう。それから、当然そのことに関連して第三には、当面の対策と住民の救援対策をどう行なうのか、これが第三番目の問題であろうと思うのです。そして第四番目には、原因究明が明らかになれば当然のことですが、補償問題をどうするかという問題が出てくるわけです。しかし当面は、まだ一、二、三の問題がそれぞれ解決しないわけですから、四の段階までには、率直にいって問題を推し進めることはできないと思います。 そこで総合調査の実施という問題ですが、これはあとで科学技術庁なり、あるいは経済企画庁にいろいろとまたお尋ねをしてまいりますが、当面の対策をどうするのか。いずれにしても家屋が裂けて割れている状況でありますし、それぞれの家の敷地が地割れを生じているわけですから、その対策をどうすべきかということをまず第一に考えなくてはいけないと思うのです。 そこで、私は実はあまりこの例を知らないわけですが、どうでしょうか、建設省にお聞きしますが、何が原因かわからないけれども、とにかく家が割れ、裂け、あるいは地面が割れている。そして一たん地震があれば、これはたいへんなことになるわけです。さらに、現地を御視察願いましたけれども、あそこには横須賀に水道を送っている水道管がたいへん太いパイプで入っております。これも最近は亀裂を生ずるのではないかという状態にまで実はなっているわけでして、横須賀市民にとっては水の問題でたいへんな条件が起きるわけです。さらに加えて、御案内のように、あすこには東名高速道路が走っております。従来いわゆる地盤沈下地域が千五百メートル程度の距離ではないか——。ところが最近横浜の国大の先生あるいは当該自治体で調査をしたのを見ますと、それがさらに南に延びて、東名高速道路を渡って向こう側まで地盤沈下が起きておるということが明らかになってまいりました。こういう状態でありますので、こういう家屋あるいは人に対する救援、あるいは水道に対する問題、あるいは東名高速道路に対する対策等を含めて、当面こういうものに対する対応策というものは、建設省の場合にはどのようにお考えになっているのでしょうか。また全国的にそういうケースですね——原因はまだ判明しないけれども、当面家が倒れておる、あるいは地盤沈下が起きておる、地割れが起きておる、しかももし天災があった場合にはたいへんな事態が起きる、そういう事態に対応する対策というのはどういう処置を講じられておるのでしょうか。また全国的にそういう事例というものがあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○南部説明員 いま先生がお尋ねの当面原因、因果関係のはっきりしない現象、しかし現実にはいろいろ起こっておる、そういう問題に対しましては、建設省といたしましては、そういうものを建設省の所管の行政の中の措置としてやるということは、現在そういうことになっておりませんし、過去にもそういうふうにはいたしておりません。それぞれ建設省が直接所管いたしております行政と直接因果関係のはっきりしたものにつきましては、いろいろな措置をやっておりますけれども、お尋ねのような場合について、これが建設省の行政として現在建設省がやるというふうには考えておりません。
○加藤(万)委員 それではこれは通産省にお聞きしますが、例の群馬県の松井田の地すべりというのですか、これに対する対応策は、自然災害として取り上げ、通産省で研究ないしは対策を講じられておるというふうに聞いておるのですが、この場合に、松井田のあれは例の鋳型のベントナイトの採石が原因ではあるけれども、当面とにかくそういう状況に対しては、自然災害という形で検討なり対策を立てておる、こういうことがありましたね。この関係はどういうように見たらいいのですか。いまの建設省の御意見等を踏んまえますと、私は少し各省庁間の行政上の矛盾があるような気がするのですが、いかがでしょう。
○矢島政府委員 先生ただいま御指摘の群馬県松井田の例は、ベントナイト採掘に伴って付近に障害を与えておるという事象でございますが、これは私の承知しているところでは、通産省は鉱山局が中心になりまして砕石、石を砕く採石法というのがございまして、採石に伴う公害というものは最近各地に起こっているわけでございます。それでいまから半年くらい前に、ことしの初めごろ、こういう採石公害を防止する観点から、採石法を背景にいたしまして——災害が起こりそうなところあるいは起こるような場合には、採石業者に対して採石法を背景にしていろいろな指導をやっておるわけでございます。いまの松井田のベントナイトの例もおそらくその例だと思いますが、そういうことで、採石法は通産省の一応守備範囲でありますが、その守備範囲において、できるだけのことをやっているわけでございます。 以上が松井田の例だと思います。
○加藤(万)委員 しかし、案件としては、それ自身が原因かどうかはまだわからないわけですから、結局自然災害という形で検討あるいは研究をされているのではないですか。いわゆる採石法に基づく条件としてそれが起きている。もしそれが原因だとするならば、その採石を行なっている企業に対する補償責任が当然生まれてくるわけでしょう。しかし、それはその企業であるかどうかわからないけれども、とにかく地すべり状況が起きておることは間違いないから、それは自然災害ということを課題にして、そしてそれに対する当面の対応策あるいは原因究明の対策を立てているというのが現状ではないですか。採石法、あるいは通産省の所管事項の中に原因があるのかもしれないけれども、その原因の究明とは別個に、当面の対策を自然災害という対策でやっているというのが松井田の事例ではないでしょうか。
○矢島政府委員 私、きょうは具体的に松井田の例を正碓に調べてこなかったので、私の答弁は一般論になりますが、一般論で申し上げますと、採石法に基づきまして、予防的な——要するに災害を起こすおそれがあるという場合においては、予防的に必要な措置を採石業者に対して命ずることができることに相なっておるわけであります。そういうことで、因果関係が正確に確定できなくても、予防的に採石法に基づいてできることになっておるので、おそらくはその自然災害も一部の原因かもしれないけれども、砕石、すなわち石を砕いてやることも原因になるかもしれぬというような両方のファクターがあると思いますが、そういうことも考えて、予防措置として採石業者を一指導していく、こういうことだろうと思うのでございます。これは一般論でございますが、おそらくそういうことではないかと私は思っております。
○加藤(万)委員 そうしますと、今度の場合、海老名町の場合に、地元の人は地下水のくみ上げ過ぎではないか、こう言っているわけです。しかし、それが最終の原因であるかどうかはまだ不明です。地下水のくみ上げだということになると、これはもう通産省の関係に当然なるわけですね。そうすると、私は松井田の例を引き合いに出しましたけれども、今度の場合地下水が原因ではないかというのは、幾らかは原因であろう。何か当該工場でも、補償はとてもできないけれども、見舞い金程度は出さなくちゃいかぬじゃないかという話が、町当局との間にあったそうです。ですから、当該企業も、当然のこととしてそれはある程度認めているという現象も見られるわけです。そうなってきますと、今度のこの海老名の場合には地盤沈下が地下水のくみ上げだとするならば、予防措置として当然何らかの手段がとられていいのではないでしょうか。その手段はどんなことがあるでしょうか。
○矢島政府委員 結論から申し上げますと、採石法の場合には、法律上、ある程度おそれのある場合、というような場合に、予防措置がとれるようなたてまえになっているわけですが、一般的な工場の地下水くみ取りに基づく問題に関しましては、不幸にしてそういうような法律のたてまえになっていないわけであります。これは形式論から申したわけであります。 それで、実際問題としてどういうふうにやっているかと申しますと、地盤沈下の問題は、江東地区をはじめとして大都市周辺において十数年前から起こっている問題でございまして、すでに昭和三十一年に工業用水法というのができまして、それに基づいて必要な措置をとっているわけでありますが、工業用水法のたてまえは、まず十分な調査をやる——それで、この調査は慣例として全部関係の府県にやってもらっています。全国十数カ所について、あるいはもうちょっと多いと思いますが、やっております。関係の都道府県が全部精密な調査をやって、それに基づいて工業用水法の措置を考える、こういうことでございます。 それから、その場合におきましては、やはりくみ取り地下水の過剰くみ上げが原因である場合に、それに対して代替水源として工業用水道を設置するというような、代替水源を設置してそれができそうなころからくみ取り規制をやる、こういうようなことに相なっておるわけでありまして、そういうのが法律のたてまえであると同時に、従来、昭和三十一年以来十年以上とってきたやり方でございます。松井田の例をお引きになったわけでございますが、松井田の例とは、やはりやり方、たてまえが違うのでありまして、同様な措置はちょっとできないのではなかろうかと思います。
○加藤(万)委員 通産からも現地に視察をお願いしたわけです。それでいろいろ問題があるのでしょうけれども、たとえば、あそこでくみ上げている工業用水が還元処置ができないのだろうか、たとえば各工場で使っておる冷却水にいたしましても、あるいはクーリングタワーというのですか、そういう方式をとることができないのだろうか、したがって、全体の地下水のくみ上げ量を制限するというのはおかしいですけれども、別の、工場の合理化によってそれを全体的に量的には縮小させる、こういうことは、ぼくは行政指導としてあってしかるべきだと思うのです。その工業用水に原因があるのではないかと言われているわけですから、必然的にそういう処置があってしかるべきではないか。たとえば周辺の工場は八千トンないしは一万四、五千トンの水を使っているわけですが、もしもそれを還元処置——たとえば横浜あるいは鶴見を当日視察いたしましたけれども、それぞれ工業用水は非常に貴重なものですから、還元還流の処置を講ずれば、私はその減少を多少でも防ぐことができるのじゃないかと思うのです。地元の住民の陳情書が私の手元に参っておりますけれども、それを見ましても、たとえば工場が休みの日には井戸水の水位が上がるわけです。工場が稼働すると水位がずっと下がってしまう。したがって、それがたいへん影響があることは明らかなんですね。そういう処置というのは行政指導上行なわれていいのではないかと私は第一に思うのですが、どうでしょうか。
○矢島政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和三十一年以来、各地区の地盤沈下というものに取り組んできたわけでございますが、すべてのケースにつきまして、いわゆる工場の地下水くみ上げに伴う地盤沈下という現象は、相当広範囲にわたって漸進的に地盤が下がってくる、こういう現象がすべてでございまして、本件の場合のように、約二千メートルにわたりまして、地盤の水準そのものは下がらないけれども地割れをしておるというケースは、いままでの工場に基づく地盤沈下にはなかった現象でございまして、そういう点から、従来の地盤沈下と現在直ちに同一に取り扱うことはちょっとむずかしいのじゃないかと思います。もちろんその事態というのはいろいろありまして、もちろん例外的なケースがないことはないと思われますので、厚木ナイロンその他の工場という結論が出るかもしれませんが、いまの段階では、従来と全く違う現象なものですから、直ちに工場に責任ありというようなことでもって措置するわけにはまいらないと思います。ただ先生のおっしゃるように、水使用の合理化という問題は、やはり一般的に工場全体として考えなければならない問題でございまして、何も今回の海老名の工場に限らず、通産省といたしましては、全業種につきまして水使用の合理化ということは推進いたしておるわけでありますし、そのための指導書をつくって、こういうふうな方法をやれば水使用を合理化できるというようなこともやっておるわけでございます。そういう全般的な水使用合理化の一環として、本件も考えられないことはないと思っておる次第であります。
○加藤(万)委員 あまり一般論に置きかえてもらっては困るのです。あなたはさっきこう言ったわけでしょう。因果関係が判然としないけれども、そこに関係があると思われる場合には、それぞれ行政上の指導がある、因果関係あるいは原因がそこに判然としなくても、事前の予防措置としてはこういうことが存在すると言われたわけでしょう。たとえば松井田の例をとりましても、予防措置としてはそういうことがあり得るものだということになれば、この現地の実情から見て、あるいは皆さんが調査された結果から見ても、因果関係なしとはしないわけです。ただそれが決定的なことかどうかということは、調査、究明しなければわからないでしょうけれども、少なくとも何かの関係があることは明らかなんです。したがって予防措置としても、私は行政指導として、たとえばこの場合、海老名における地下水に対する制限といいましょうか、あるいは合理的な使用をされるように指導されることが必要ではないかと思うのです。これが第一です。 それからいま一つは、先ほどいわゆる原因究明について、地方自治体に対して、とにかくあなた方よく調査をしなさい、そうしてそういうものを吸い上げて、結果的にそれが工業用水に関係があるならば、通産なら通産がそれに基づく対応策を立てる、こうおっしゃいましたが、そうしますと、私はいまの状態では、前に言われたことですが、いわゆる調査をしなさいということが、この際きわめて重要な意味を持つと思うのです。したがって私は、通産当局として、この際神奈川県なり、あるいは当該自治体に対して、本委員会でもこういう問題が出たのであるから、当然のこととして、この調査なり原因究明についてもう少し言明される必要があると私は思うのですが、いかがでしょう。この二点について……。
○矢島政府委員 先生の御質問の第一点からお答えいたしますと、先ほど申し上げましたように、松井田の場合とは、法律のたてまえも違いますし、それから運用も違うので、同様に扱うわけにはちょっとまいらないと思うわけであります。 それから第二点の、県の調査でございますが、これは先ほど申し上げましたように、三十一年以来、工業用水法の措置は、まず県の精密な調査というものを待ってやっておるわけでございます。ただ県の調査県の調査といって待っているのは、私どもとして正しい態度ではないので、本件につきましては、神奈川県に対しまして、早急に本件の調査をやるということを指示してあります。 なお、神奈川県の調査経費その他は、神奈川県費でやるかと思いますけれども、私どもといたしましては、それを推進するため、あるいはよりりっぱな、より精度の高い調査ができるように、通産省におきましては、地質調査所その他におきましてエキスパートが相当おるわけでございますから、そのエキスパートを必要に応じてその県の調査に参画させまして、より迅速な、より精度の高い調査というものをやらせたいと思っておる次第でございます。
○加藤(万)委員 何回も申し上げるようすが、当面の原因究明について、いまおっしゃられたことを確実に地方自治体に指示をされる、あるいは、通産省が当該局署になるわけですから、そういう意味では積極的な姿勢をぜひ示していただきたいというふうに私はお願いしておきます。 農林省にお伺いをいたします。 昨日、省に参りまして、地元の人からたいへん陳情申し上げたわけですが、かんがい用水がこの地盤沈下によって田に流れ込まないわけです。結果的には、相模川の左岸水利組合と当該農民がお金を出し合ってかんがい用水を田に引き込む、こういう状態にあるわけです。私はいろいろ事情を調べてみまして、二つ問題があるというふうに思いました。一つは、かんがい用水が田に流れ込まないために起きる補修、そのための農民の犠牲、これが第一であります。それから第二には、相模川水系にあります永池川、これは相模川が一級河川になりましたから、当然のこととして、その水系として一級河川になるそうでありますが、永池川全般が地盤沈下しておるのであります。そして永池川の周辺はおおむね百町歩くらいになりましょうが、その周辺が、永池川が沈下したことによって排水ができないわけです。水が流れ出ないわけです。先般もたくさん雨が降りましたけれども、それによって、この周辺のたんぼは三日も四日も水につかってしまうという状況であります。農民の人に聞いてみますと、従来は反当たり、よくいう畝取りというもので、一畝一俵という形ですが、いま反当たり大体四俵から五俵だそうです。あの辺は水田地帯としてはたいへん優秀なところであったのですが、おおむね半分に収穫が減っている。そのために田をだんだん埋めていっちゃうわけですね。そして東名高速道路ができましたから、ときには倉庫に改装してみたり、あるいはまた宅地にしてみたり、あるいはそのまま野放しにしておいたりというような状況にあるわけでして、あの辺の、特に田を中心とする専業農家では、もう五、六俵の反収ではとてもじゃないけれども農業維持ができない。したがって、この際、一つには、いま言った田に水が冠水をしない処置、結果的には永池川の改修工事になるのでしょうが そういうことをしなければ離農者がふえてしまう、こういう状況にあるようであります。 そこで第一にお伺いしますが、こういう農民の、当面農業放棄をしてしまうような状況、あるいはかんがい用水に対して自己犠牲をしなければならないような問題、これに対しての農政保護といいましょうか、そういう観点はどういう道筋があるのでしょうか。どういう形でしていけば、この農民の地盤沈下によるみずからの被害を除き去ることができるのでしょうか。私もよくわかりませんから、農民の人にも、こういう方式をとればという道筋があれば、ひとつ教えていただきたいというふうに思うのです。
○井元説明員 昨日もいろいろ御指摘を受けて、まことにお恥ずかしい次第でございますけれども、農林省といたしましては、出先には県の耕地課というのがある。そういう耕地課でもまだ現状を十分にキャッチしていないようなわけでございます。実はきのうもきょうも来てもらって、いろいろ調査をやったり、打ち合わせをしたりしたわけです。先生からいろいろ御指摘を受けて初めて、農林省のほうでもわかったわけでございます。おっしゃるような内容でどういうふうな方法があるかというようなことを考えるについては、もっとよく現状をキャッチしないと、これがいい、あれでやれ、こういうような行政指導は県に対してもなかなかできないわけです。ただ、県は、実際問題としては私どものほうのやる仕事の内容は非常によく知っているわけでございますから、県のほうでもっとよく現状をつかんでおれば こういうような仕事で救済することができる、こういうような方法がいいんだというようなことを進言できると思うのです。この二、三日、いろいろ相談をしてきたわけでありますけれども、まだ、こういう事業で当てはめたらいいんだというような確信は出ていないわけです。二、三かすれる、まあさわるくらいな事業、この種類、この種類がいいんじゃないかというような程度のことは考えられるわけでありますけれども、議論をして、これでやったらいいんじゃないかという決定まではまだ見通しが出ていないわけです。ただ、非常に多くの農家に御迷惑がかかっている、非常にお困りであるということだけは今度のことでキャッチしたわけでありますから、強力に県当局を指導して、私どものほうでできるだけのことは考えていきたいと思います。
○加藤(万)委員 永池川の改修については、当該自治体からも、県あるいは国に対して要請をしている模様であります。したがって、これは建設省との関係あるいは来年度の予算との関係もあるでしょうが、そういう側面からの御援助をお願いしなければいけないと思う。そうしませんと、永池川と地盤沈下によって河床が下がり それが結局水のはけを全体的に悪くしているという状況がありますし、同時に、いま一つは、そういう状況ですから、上から流れ込む悪水が田に流れて減収を生じておる、こういう二つのことが重なっているわけです。したがって、そういうことは、地方自治体が要請している改修に対する積極的な姿勢を、農政の面からもぜひ建設省なりあるいに関係当局に御要請を願いたい、こういうように思います。 第一の、当面かんがい用水が流れ込まないものに対する処置、これは聞いてみますと、昨年から左岸組合等含めて二百八十万ぐらい金をかげて、水を引き込んでいるそうです。反収五俵、六俵で、その用水の受益面積はおおむね三町歩といっておりますから、二百八十万お金をかけて、三町歩からあがる米は百五十俵ですね、採算がとれぬですよ、どう見ても。しかも、とりあえずは左岸水利組合で多少の負担はしているのでしょうけれども、おそらく農家の持ち出しも結果的にはあるわけです。したがって現状がわからないといっても、そういうものに対応する、これは県の段階になるかもしれませんけれども、補助あるいは援助というものが何かの形で、あって私はしかるべきだと思うのです。それを、先ほどの家屋の問題も同じですけれども、一切被害者にかぶせたままでほおかむりするというのは、どうも私は地方行政あるいは国の行政を通して結局好ましいことではない。したがって、当面その問題に対するサゼスチョンを農林省の本省の側から、どこが主体になるか私わかりませんけれども、サゼスチョンされる必要があるのではないかというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
○井元説明員 気持ちとしては先生のおっしゃるとおりでございます。
○加藤(万)委員 実はきのう農民の方が参られまして、一番明確な答えがあったのは農林省だ、率直に言ってこう言われたのです。先ほどの問題を通して各省に陳情をいたしまして、結果的に一番当面の処置を出してくれるのは農林省ではないかという期待を、皆さん非常に持ってお帰りになったようです。私も実はそういうように感じました。もし神奈川県なりあるいは海老名町で、本問題に対する国なり県なりに対する要請事項があれば、それに乗れる道筋というものを明らかにしてもらえればというお答えがあったものですから、そういう意味では非常に期待をしてお帰りになったようでありますので、いまの第一の問題、第二の問題を含めて、ぜひ農林省側の積極的な姿勢をもう一ぺんひとつ御確認をいただきたいというふうに思います。いかがでしょう。
○井元説明員 御存じのとおり、いろいろ小さい事業は農林省が関係しておるものですから、大きな事業ばかりやっているところよりは比較的当てはめやすいかもしれませんけれども、何ぶんにもそれでも基準がございますから、必ずしもどこに当てはまるということは現在申し上げられませんけれども、応急処理あるいは恒久対策というような方面から考えて、できるだけのことは指導していきたいと思います。
○加藤(万)委員 経済企画庁、科学技術庁に一つお伺いします。 いまずっと各省間の具体的な問題について、それぞれ御答弁をいただきました。答弁を聞いておわかりになりますように、それぞれ各省は、たとえば通産は工業用水を通して、あるいは建設は、もし東名高速道路にひびが入る、そういう問題が起きるということになれば、当然これは建設省が取り扱わなければならない問題でしょう。あるいは当面の地割れという自然現象に関する何らかの処置というものは、地方自治体を通してその状況を把握をされ、吸収されると私は思う。これはおそらく各省とも全部そういう状況だと思うのですね。そういう状況でありますから、いまのところは、原因究明に対して、各省がそれぞれ自分の持ち分、自分の省の管轄範囲内で、それぞれの調査なり、あるるいは追及をしてみましょう。こういうお話なんです。そこで、それをまとめて、一体どこでお世話を願えるのですか。そういう各省がそれぞれやってみましょうというお話です。そのやってみた結果を——因果関係もございましょう、あるいは各省にまたがる問題もあるでしょう。したがってその結果を持ち寄って、たとえば科学技術庁は科学的な解明を願えるのだろうか、あるいはそれを把握といいましょうか、センターになってもらえるところが、一体経済企画庁になるのか、公害部になるのか、これはわかりませんけれども、そういうところの省は、いまのお話の経過から、経済企画庁、あるいは厚生省はどうようにお考えになるでしょうか。また各省がいろいろ科学的な分析をされ、あるいは検討されるわけですから、それに基づいて、科学技術庁はどういう対応策がこの中から生まれてくるのでしょうか。各省それぞれ御答弁願いたい。
○塙阪説明員 ただいまの御質問に対しまして御答弁いたしますが、先ほど来矢島立地公害部長がおっしゃいましたように、当面県を主体にいたしまして、関係各省庁がそれぞれの立場からこれを支持し、応援するということで調査をいたしていただきまして、そしてその調査の結果によりまして、いまおっしゃいましたような趣旨で、どこが中心になってまとめられるかということは、調査を見てから相談をしてもどうだろうかと思います。これは私個人の見解でございます。
○加藤(万)委員 それでは調査をしたもの、各省がどのくらいまで調査したんだろうかということをさらに探索をしてもらうと申しましょうか、あるいはまとめてもらうのは、経済企画庁やってもらえますか。あるいはこれは公害部になるのですか。どこでやってくれますか。ただばく然と、私は率直に言って、通産はやりました、農林はやりましたといいますと、問題はやった結果だけは、その省の分野だけは出てくるわけです。あるいは地方自治体に対してものがいえるわけです。あるいは当委員会でもその分だけはいえるでしょう。しかし総合的にそれをまとめ上げていかなければ、私は因果関係の原因究明は出てこないと思うのです。これは科学技術庁にあとで御意見を伺いますけれども。工業用水になるか、あるいは宅地造成によって地下水の浸透が少なくなったのか、あるいは河川の砂利採取によって相模川の河床が落っこったのか。各省ごとには出てくるでしょうが、そのものをばらばらにしておいたのでは、相互の因果関係、あるいはまとめができないわけですね。その橋渡し、その仲介役を、どうでしょう、経済企画庁あるいは科学技術庁でもいいですが、できるでしょうか。これは厚生省になるかもしれませんが、御相談してお答えいただきたいと思います。
○塙阪説明員 お答えいたします。 確かにおっしゃるように、調査のまとめというものは必要でございましょうから、実は私たち、先ほど来そういうグループで調査の結果を分析した上で、どこが中心になってまとめるかきめたらいいじゃないかと申しましたが、われわれ地盤沈下対策審議会のメンバーである関係各省庁は、地盤沈下対策の問題について、絶えず横の連絡がございまして、一つのグループを形成しておりますから、したがってばらばらであるということはあり得ないのであります。ことに本委員会で先生から十分御指摘をいただいておりますから、これのまとめにつきましては、どこが主管でやるということについては、いま一がいに言いかねますけれども、関係省庁とよく連絡いたしまして、御満足のいくようなまとまりをつけたいと思っております。 それから科学的究明その他むずかしい問題がありますれば、やはり科学技術庁に御出馬いただいて、特に科学技術庁に中心になってまとめていただくという点もあります。またかりに関係工場の地下用水くみ上げによる原因が最大の原因であるということになれば、通産省に中心になっていただく。その辺は、調査の結果を見ないと何とも言えないという感じがいたすのでございます。
○鈴木(春)政府委員 いままで経済企画庁その他から御答弁がありましたとおりでありまして、科学技術庁といたしましては、現在現場で詳細に具体的な調査をする、そういった手足の機関がないわけであります。したがいまして、各関係のところでお調べになった資料、そういったものをちょうだいすれば、それをいろいろ判定するというような専門家もおりますし、かたがたまた資源調査会にもそういう関係の専門家もおりますから、そういう方に十分協力していただける、こういうように考えております。要は各関係の省庁、あるいは地方自治団体、そういうところで十分調べていただく。それを経済企画庁のほうで声をかけて、補助もいただいて、それを科学技術庁としても十分受け入れて協力をいたしたい、かように考えます。
○加藤(万)委員 視察をいただいてから間がないわけですから、各省間の打ち合わせも、率直に言って最終的にはしっかりしていないと思うのですけれども、いま御答弁をいただきました範疇でも、地元の人はたいへん期待をしておるわけですから、そういう意味でのせっかくの御努力を、さらに要請しておきたいと思う。 私はこの際、最後にお願いをしておきたいのは、御承知のように、神奈川県は、京浜工業地帯が、それぞれ工業地域としては埋め立て以外にはもう伸びないわけですね。したがって重化学工業は臨海工業地帯、いわゆるコンビナート地域に入りますけれども、軽工業、機械工業はほとんど内陸工業地帯にどんどん発展をしておる。神奈川の場合は第三次総合計画をつくっておりますが、人口は六百万と推定をし、それに基づく水資源、あるいは交通その他を確保するという第三次総合計画をつくったわけです。ところが実際はコンビナート地帯の非常な拡大によりまして、それに伴う内陸工業地帯の拡大、人口流入等で、率直に言って六百万の限度ではもう行き詰まっておるわけです。昭和五十年度における第三次総合計画は事実上破綻です。そこでたとえば、工業用水にいたしましても、今度の根岸の工業用水をつくるために、四百万トン酒匂川からとる。酒匂川からとるには、工業用水道を引かなければなりませんから、それが水道料金の値上げにはね返っておる。こういう状況下にある。しかも相模川水系は率直に言って、地下水がそういう意味では豊富ですから、内陸工業地帯がどんどんこれから入ってくる可能性がある。その結果起きてくる地盤沈下現象が、住民にたいへんな問題を投げかけておる。したがって海老名に限らず、たとえば平塚市などでは、全般的な地盤沈下現象です。これも市でいま調査しておりますけれども、粘土層というのですか、その下の層から地下水を汲み上げておりますから、それに伴って全般的な地盤沈下が起きておるという状況であります。したがってそれらを含めて、急速に発展する内陸工業地帯、これに対する、たとえば工場に対する規制もありましょう。あるいは地下水に対する規制もありましょう。あるいは地盤沈下に対する規制、調査、そういう点が非常に多く要求される地域だと私は思う。そういう意味で、この海老名の問題は、そういう全般的な神奈川県中部地域の地下水、あるいは地盤沈下対策の一つとして、またそういうことが起こる可能性を持っておるわけですから、その先鞭として調査研究をされたいというように思うわけです。単に二千メートルにわたる地域であるからという、非常に縮小した問題の把握ではなくて、いま言った観点からの問題の把握を、各省間に直ちにお願いをしておきます。 第二には、当面は何といっても、地方自治体がこれに対してどういう策を講じてくれるのか、住民に対しては割れつつある家に対してどういう援助を地域の自治体がしてくれるのか、あるいは井戸水のどんどん低下するのに対しては、地方自治体が水道をどのように配給してくるのか等々、問題がたくさんあろうかと思うのです。 それから、いまの私とのやりとりでも、地方自治体を通してということが非常にあるわけです。そうなりますと、地方自治体に対して、各省が積極的に指導され、あるいは要請される、そういう事態がなければ、この問題は前に進まない、こういうように私は思いますので、以上の二点については、特にこの際、この全般的な対策を立てられる、その一番基本的な問題として把握をいただいて、御指導を、せっかくの御努力をお願いをしたい、このように思うわけです。 なお、最後に公害部長に特に私は要請しておきますけれども、いま私とのやりとりのあった経過のとおりでございます。私はま、さに個人的なしろうと考えですけれども、おそらく公害であろうと思うわけです。したがって、そういう意味では、公害対策としても、この際、事実上住民生活がそういう形で破壊されているわけですから、そういう意味での公害対策としての角度から、各省間の御努力に、まあ推進役をひとつしょっていただきたい、このように思うわけです。その決意といいましょうか、意思のほどをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○武藤(き)政府委員 先ほどから、通産省をはじめ各省から、それぞれの専門的立場で御答弁がございました。なお、地盤沈下のことを主として取り扱っておられる経企庁からも、いろいろ前向きの御答弁がございました。公害の問題一般の責任官庁としまして、厚生省といたしましても、住民の方がいろいろ不満に思っておられるということにつきましては、関係各省ともよく御連絡をし、かつ地元の県あるいは市を十分督励いたしたいと思います。 なお、昨日私は地元の陳情を受けたわけでございますが、ちょうど神奈川県の担当官が来ておりましたので、県のほうには、予算を組む問題、それから、県自体として、現在いろいろの県内の地質調査を計画されているように聞いておりましたので、まず第一に、この地域について地質調査を優先的にするように、担当官には私からお願いをしておきました。 簡単でございますけれども、本問題についての厚生省の所見でございます。
○赤路委員長 ちょっと当局のほうへ……。いままで加藤君の質問に対していろいろ御答弁願いましたが、少し納得いきませんね。ちょうど現地調査をして十五日になるんです。その間、できるだけ当局側のほうの意見を統一して、そうして話し合ってもらおうというので、半月質問を待ってもらったわけなんです。ところが、いまのもばらばらです。いま加藤君の質問の一番の焦点は、一体総合調査をどこが窓口になってやってくれるのか、こういうことなんです。ばらばらにやるのなら何もいままで待たなくてもいいはずです。だから、その点がどうも納得がいきません。 それから、塙阪さんが最後に御答弁になった地盤沈下対策審議会ですか、そこで、各省関係者が寄ってまとめておやり願う、こういうことなら、経済企画庁が一応窓口として取りまとめてやっていく、こういうふうにおっしゃっていただいたほうがいいのじゃないかと思います。この点は、これ以上申し上げません。そこで、藤尾政務次官、これは全部お聞きになっていない。まだ次官も大臣もどなたも出てきていない。法律だとか、省令だとかいろいろな関係があって、官庁側のほうでは非常にむずかしいと思いますけれども、この際政治的裁断をもって、きちんとひとつ窓口をきめて——毎々やるにしても、調査をするにしても、窓口をきめてやっていただきたい。これは各官庁にまかしておったのでは解決がつかぬように思いますので、ぜひその点はお願いいたします。 島本虎三君。
○島本委員 私の言うことは、特に一、二を除いては、新しい質問にはならないのです。いままでの質問のあるいは繰り返しになりますが、総理答弁をはじめとして、保留になっておる点で、この場所で、もう会期末も近づきましたし、もうそろそろ意思の統一をはかっておかなければならない、こういうような点で、一、二質問をしてみたい、こういうように思うわけであります。 それで、本来ならばこれは大事な公害対策でございまして、大臣がここへ参るという一つの慣習があるわけです。しかし国会末でもあり、参議院等の関係もあり、特に私どもが要請して、これは厚生、通産両政務次官ともに、これはもう大臣と同等もしくはそれ以上の見識と力があるものである、こういうような考えのもとに、きょうは特に大臣よりも政務次官を要請した次第でありますから、その点をとくと心に据えて答弁を願いたい、こういうような考えを持っております。御理解を願いたいと思います。 これは六月の二十日、公害関係の紛争処理と被害者の救済の二法、公共用水域の水質保全に関する問題、この法律を三つ含めて参考人の意見を聴取したことは、御存じのとおりであります。その聴取した意見の中で、いまもはっきり記憶に残っておるのは、日弁連の代表の意見で、公害は社会的殺人である、公害の侵害は著しく階級的である、このことばを冒頭に述べて、意見の開陳に入ったわけであります。下って六月の二十五日に、いよいよこの三法を上げる段階になって、各大臣をはじめとして、総理の出席を願って、ここに統括的な質問を展開したわけであります。その際に、六月二十五日の朝の十時ごろでございましたけれども、総理がはっきりと言ったことは、公害は必要悪である、このことばを吐いたわけであります。この問題では、実のこところ私もがく然としたわけであります。せめて、そういうような傾向ありとしても、口には出すべきではない。一国の総理が一たん口に出した以上、軽々にこれの取り消しもでき得ない、こういうような一つの傾向をはらんだところの重大な発言をしたわけであります。一方は社会的殺人であるという参考人の意見が出たあとで、その法律を上げる最後の締めくくりになって、必要悪であるという政府当局の代表した答弁があったということは、私としてはこのままにして過ごすことはどうしてもできないわけです。ことに公害を処理する両省、代表窓口である、こう言われるのは厚生省、いわば業者関係では通産省でしょう。これを受けて立つ今後の事態の解決というものは、考え方によってはもう重大な問題をはらむ。それで私は、この件についてひとつ、総理答弁に対して政務次官が補足する、こういうようなことはとうていできることではない、こういうように思います。しかしながら、やはり与えられている厚生行政の中で、また通産行政の中で、大臣を補佐しながら、実務上これははっきりとして行政的に対処しなければならない心がまえがあるはずです。これはやはり重大な言い過ぎだ、こういうように思いますが、この件についてどのように考えて行政に当たっていくつもりですか。これをまず両政務次官から特に承ったあとで、具体的な質問に入らせてもらいたいわけであります。藤尾政務次官のほうから順次お願いを申し上げます。
○藤尾政府委員 お答えを申し上げます。 総理大臣がどういうつもりでそういう御発言をされたのか私は知りませんが、御案内のとおり、公害という問題は、この問題自体が提起された時期が非常におくれておった。私どもが戦争に敗れて以来二十五カ年間、何としてでも日本の国を復興させ、繁栄させていかなければならぬ、国民福祉を増大させていかなければならぬ、こういうことで無我夢中になって一路邁進してまいったと思うのであります。そうして国民の非常な御努力と卓越した頭脳、こういったものが結集いたしまして、今日の繁栄を来たしておるのではないか、私はかように考えております。そういった、息せき切って夢中になって走ってきた、どうにかこうにかやっと息をつけるところまでまいったというときにあたりを見回したところが、亜硫酸ガスの問題でございますとか、あるいは水質の汚濁の問題でありますとか、こういった問題に気がついてがく然としたというのが、、この公害の問題に対する、私ども政治的立場からいたします正直な判断であろう、かように考えるのであります。したがいまして、今日までそういった、本来かくすればかくなるということを知りながらやってまいったということではないのであって、夢中でやってきたところががく然とする事件が起こってまいったというのが、今日の公害問題のとらえ方であってしかるべきである、かように考えます。でございますから、私どもは、過去二十五カ年間私どもがやってまいりました国民全体の経済復興に対しまする一切の行為、それを否定してかかってきて、そうしてこれを、とにかく初めからこれは悪なんだけれどもやらざるを得なかったんだというような表現自体は、私はたとえ総理大臣の表現でありましても、それは穏やかではない、思考のしかたが少し違っているんじゃないか、こういう考え方でございます。したがいまして、私どもといたしましては、今日この段階になりまして、いよいよ産業の発展ということも今日までまいった、これから今後も続けてまいらなければならぬということも、一方において国民的要請であり、国家的要請であるという認識はいたしておりまするけれども、同時に、ここに私どもが気がついたときにがく然とした一つの公害というような大きな問題、この問題を座視するということには、私どもは賛成しがたい。ここで産業的な一つの考え方を一転しなければなるまい、こういう大臣のお考えで、私どもの、新年度というか来年度に対しまする政策の取りまとめを、大臣の指示によっていたしました。その第二番目に、私どもは、国民生活への影響ということを十二分に考えた行政をしていかなければならぬぞということを、高く旗を掲げておるわけであります。その第一の問題がこの公害の問題でございまして、私どもは産業自体に対しまする制肘を加えようとは思いませんけれども、しかしながら、そのこと自体が国民の御生活に何らかの悪影響を及ぼすということになれば、これは産業自体、企業自体にまかしておくことはできないということで、通産省が国を代表させていただいて、その産業全体に対して、かくしてもらいたい、かくしなければならぬぞというように、行政の指導をとってまいらなければならない、こういうお考えで新政策の第二番目ができ上がっておる、私はかように理解をしております。したがいまして、私どもといたしましては、新年度を待たないまでも、もうすでにそういった旗が掲げられたのでありますから、これは私どもの大臣の御方針であり命令である、かように理解をいたしまして、ただいまから、そういう立場でこの公害という問題と取り組んでまいる。何といたしましても、国民の健康、福祉ということを第一義的に考えさせるような行政指導をしてまいらなければならぬ、かように考えております。 以上が私の見解でございます。
○粟山政府委員 社会経済の進展、高度化などに伴って、各種の公害問題が発生いたしておりますが、これはわれわれはまことに憂うべき重大な問題である、そのように思います。総理がおっしゃったことがどのようなお気持ちでおっしゃったのか、その場にいて前後して全部をお聞きしたわけでございませんので、そのお気持ちをそんたくすることはできませんけれども、われわれ厚生省といたしましては、公害対策基本法の理念と方向、これに従いまして、人間尊重の立場から、各般にわたる公害防止のための施策を推進しているところでございます。今後も、国民の健康を保護いたしますとともに、これは経済の健全な発展ということとの調和ということはございますけれども、やはり国民の健康を保護するということが人間尊重の一番大事なことでもございますので、生活環境を保全するために、地方公共団体、事業者等の協力を得まして、各種の施策を総合的に計画的に推進し、公害のない快適な社会の実現、そういうものを目標に、その実現に努力を続ける、そういう覚悟でございます。
○島本委員 私としては、その気持ちでひとつ行政の場を貫いてもらいたい。必要悪ということはあきらめがあります。第一番に、公害は、資本主義社会で資本が利潤追求する産業活動によって社会に流す害毒であって、社会的犯罪である、こうまでもいわれておる段階、もう一つは、行政の中へ入りますと、これは少しなんですけれども、企業擁護の立場と住民擁護の立場、両方相いれない立場に立つ企業擁護と住民擁護、この二つをどうするのだということになると、必要悪ということばは、当然企業擁護を優先させるというふうに置きかえられるおそれがある。また、生命財産に重大影響があっても、日本経済の高度発展のためにはあきらめなさいという一つの提言になる、こういうような意味を持つ必要悪ということ、これはやはり今後是正しなければならない。これはもう行政の府である一これは赤路委員長も、今後総理と、このことばの問題でもはっきりさせなければならないということは、その場所ではっきり言明してありますが、この場所で総理のことばを訂正させることはできません。しかしながら、やはりそのままにしておくことはできませんから、とりあえずできることは、行政の場でいま言ったような気持ちを貫いてもらいたい。この点だけは、私として強く要請しておきたい、こういうように思うわけであります。 事務当局も来ておられるようでありますが、必要悪というのは、これは日本語ですか。どこのことばですか。両公害部長のほうから、ひとつ所感を申し述べていただきたい。
○武藤(き)政府委員 日本語だと思います。
○島本委員 日本語だとすると、どの辞典に載っておりますか、通産省……。
○矢島政府委員 私も、必要悪ということばにつきまして、不勉強にしまして、日本語の辞書も英語の辞書も引いてはおらないわけでございますが、私は、どうもこれは英語のネセサリーイーブルということばから始まって、それを随時日本語に直訳して使っているのじゃなかろうかと、いま思っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、英語の辞典、日本語の辞典、両方とも見ておらないので、正確なお答えにはならないと思います。
○島本委員 これはまだ日本語ではないのですよ。日本語であるけれども、日本の辞典にはまだないのです。ナポレオンの辞典にもないのです。まだ日本の辞典に、必要悪というのは載録されておりません。これは、われわれの尊敬する河上民雄教授の御意見をいままでずっと拝聴してまいりました。その語源を探求してみますと、避け得ない災いと、災いを肯定するような意味合いがあるというのです。こういうような意味合いのあるものを、軽々に一国の総理ともあろうものが発言しては困るのです。正規の語源にのっとった日本語で発言してもらわないと困るわけです。政務次官も、こういうような段階ですから、行政の場で十分気をつけてくださいよ。そして政務次官会議で、総理に、日本語の辞典にもないことを軽々に発言するなということは、二人仲よくはっきりやったならば、これは大勢を支配できますから、これはがぜん攻勢を展開してやってほしいと思うわけです。いろいろありますけれども、いわゆるネセサリーイーブルという語源からきていることだと思いますけれども、これがまだ正規に日本の辞典にまで載っていないようなものを、いろいろな意味合いで、必要悪というようなことについてもまだまだ研究しなければならないのに、こういうようなことを軽々に発言するということは困ると思います。皆さんにお願いしておきたいのは、行政の面で十分これを克服して当たってもらうように、ある場合には、政務次官会議で総理に、こういうような発言をするなということを強く要請するなりして、皆さんの高い知性と存在価値を明確にしておいてもらいたい、こう思うわけです。その点はいいですな。いま言ったことに対して、お二人から御意見を伺って、次に進みます。
○藤尾政府委員 私もあまり学がございませんので、日本語か英語か何かというようなことをいま言う意思もございませんし、またそういったものを批判する力もないわけです。しかしながら御指摘のとおり、私が先ほども申し上げましたように、ともかくも公害という問題は、新たに気がついて新たに出てきた政治課題でありますから、そういった問題について新たな対策を立てるのは当然でございまして、これを何か従来からまるまるわかっておった悪であるというような観念のしかたというものは間違いである。これは総理大臣であろうが、神さまであろうが、仏さまであろうか、いかぬと私は思いますから、私は私なりに、もし総理大臣がそういうことをいまだに申し上げておるということになれば、総理大臣に直接、そういうことはいけませんということは言うつもりでございます。
○島本委員 了解しました。粟山さんのほうはございませんね。——それと関連して、こういうようなことがあるわけです。これは厚生省関係に特に聞いておかなければならないのですが、やはり必要悪であるということで手を抜いては困る。ことに粟山政務次官は女性ですから、女性の立場から、いまあなたは総理にもっと強い姿勢で抗議しなければならない問題があります。それは国のいわゆる姿勢の正しくないという点です。イタイイタイ病の患者はほとんど全部が女性です。この患者はもう何の過失もないのです。何の過失もなくて、しゅうとの教えを受けて、そうして嫁に来てからささやかな、つつましやかな幸福を求めて暮らしてきた婦人たちなんです。そういうような人がイタイイタイ病にかかるわけです。今度は、もう一たん病気になってしまうと、精神面だけのおわびも、どこからも一つも来ない——なったほうが悪いのだ、まさに必要悪である、神岡鉱山を立てるために、おまえら病気になるのは必要悪だ、あきらめなさい、もちろん企業家から何のおわびも来ない、医療方法も何も開発されていない、経済的にも打撃が大きいわけです。そういうような状態の中で、おそらくはもう病躯をかかえて呻吟しているのはほとんど女性ですよ。私が聞いた一婦人のことばですが、訴訟に踏み切った、その人は婦中町の患者です。声を自分でそっと忍びながら、私は金をとりたくて訴訟をしているのではないのだ、私の母も、嫁に来たしゅうとも、この病気で死んでしまいました、いまついに私もかかっております、からだが痛みます、いま私が食いとめてやらないとだれがやるだろうか、こう思って、私は訴訟に踏み切ったのです、こう言っているのです。何の罪もない、ささやかな家庭的な幸福を求めていって、それがカドミウムの水を飲み、その米を食べ、それで節々が全部折れる、六十六カ所も骨の折れた人が入院しているのです。だれの罪ですか。これを必要悪だと言っているが、女性のために、いまほんとうにその解決に声を高く言えるのはあなたしかない。私は藤尾さんは尊敬しております。堂々とやられ、その意欲も私は高く評価しております。しかし、やはり女性の立場で一番愛の手を差し伸べてやれるのは、粟山厚生政務次官だと思うのです。イタイイタイ病の患者をそういうような状態にして、病苦に呻吟している、そうしてもう公害病というように認定されて以後も、企業のほうでは、それに対して全然やさしいことば一つ出ないどころか、年間七百五十億の生産をあげて、半期七億の利潤を生んでいながらも、これで死んだ人五百万円、生存している人四百万円、それから要観察者というような人を含めて三百万円程度、合計六億円程度の損害賠償をいま出して争っても、私のほうは白だと言っておるのが三井の神岡鉱山ですよ。病床に呻吟しいる。ほとんどこれは主婦です。子供を生むために一生懸命努力して、五人も子供を持ったら、水に溶けたカドミウム、これは母親の体内に全部吸収されるでしょう。水を飲む、米を食べる、カドミウムを吸収する、それが全部病源になっているということははっきりしている。いま病床に呻吟していても、何ら新しいこれに対しての対策もないわけです。これはやはり裁判をいましているのですが、その間でも二十四人の人が死んでいる状態です。弁護士に払う金もないという人です。女性です。総理が必要悪だ、こんなことを言った陰には、私として許せないということは、やはりこういうような人道上の問題もあるから、これはやっぱり女性という立場で、この問題をもっと積極的に取り上げて解決するのが、いまのあなたの一つのつとめじゃないか。ほとんどの人が女性です。子供四人または五人以上生んだ女性は例外なくかかっているのです、婦中町で。そしてまた水俣病、こっちのほうに至っては、もうすでに四十一名も患者が発生して、中には女性もいます。生まれてくる子も、予想もつかないような体質の子供でしょう。やはり全部婦人がかかる。ここでひとつあなたは奮起しなければならないし、この解決のために今後あらゆる行政力を尽くして、厚生省のメンツにかけてもやらなければならないのです。一、二聞く前に、いま私が言ったこれらの問題は具体的な事実ですけれども、厚生政務次官として、女性的な立場からしてこれに対する考え方をまず聞いておきたいと思います。
○粟山政府委員 女性同士ということでなくても、人間として、ほんとうにたいへんむざんなことである、お気の毒というようなことばでは言い足りない感じを持っております。そしてこの方たちについては、わあらゆる救済の方向に向かって役所として、あらゆる熱意を持って対策を強化することにつとめなければならないのはもちろんでございますし、やる覚悟でございます。そしてまた、こういう方たちが今後起きないように、そのことをも含めての研究、対策、そういうことについては、あらゆる努力をしなければならない。私ももちろん、厚生省の各関係者に努力をさせるように、熱意を持って先生の御要望にこたえるようにいたします。
○島本委員 こういうようなことですけれども、患者と直接話してみたところが、公害病と認定されても、企業から何一つおわびのことばも、知事からの何一つの慰めのことばもこない。これは政務次官も、もしひまがあったら、国会が終わったらお見舞いぐらいなすったら、これはよほど喜ぶ。喜ぶだけじゃない、やはり生きることに対しての張り合いと意気込みが違うと思う。やはり行政の面を正す一つの姿勢を、私は自民党はきらいですけれども、やっぱり政権を握った以上、あなたはそれをやれるんですから、それはやはり十分やっておいてほしい、こういうように思うわけなんです。見舞いはあなたがやれます。また当然やってもいい、それもひとつやってほしいと思います。いいですか。
○粟山政府委員 御注意ありがとうございます。
○島本委員 それともう一つは、そういうような場合に、やはり企業側に対しても、カドミウム七百五十億ほどの生産をあげ、昭和三十一年以降、原子力の開発とともに、中性子制御剤として日本の全生産額の二〇%を上げるようになってきておる。わからないときには、それを排出して、病気を公害の名において国民に与える、そしてそれが利潤の対象になったら、それを生産してまたもうけておる、そして純利潤は半期七億。こういうようになった場合には、少なくとも六億程度の損害賠償には進んで応ずるのが、これが企業の一つの姿勢ではなかろうか。こういうものに対して、政務次官としても、今後の指導方針として、企業そのものに対して、裁判になった以上あくまでも白だ白だとがんばるのでなくて、やはりこれからの企業のモラルとしても、そういうことになった場合に、はっきりしたことですから、やはり応じてやって、円満に解決できるにしても、決してつぶれる企業ではなかろうと思う。半期利潤七億、損害賠償総額六億、それをやってやっても一億の黒字、こういうふうになるじゃありませんか。企業のモラルの点からしても、公害に対しても、企業側は、まだまだ自分らは国のために尽くしておるのだ、したがってもっともっとわれわれは優遇されていい、こういうような考えを持って臨んでおるのではないか、これは私はまことに悲しむべきことである、こういうように思います。ことにイタイイタイ病の場合には、これは大正十一年に発見されておる。昭和二十一年これは問題になっておる。死亡した者はもう二百名をこえておる。むざんじゃありませんか。水俣病の場合も、昭和二十八年に発生して三十一年に問題になっておる。これが四十一名死亡しておる。第二水俣病といわれる阿賀野川でも、昭和三十五年に発生し、それから多数発生しておるのです。その時点からいろいろ見てみますけれども、これの治療法というものは一体どうなっておるか。公害病として認定しても、治療法が、厚生省としてあらゆる機関を動員しても開発されていない。これは一体どうなっておるのですか。国が公害病として認定したら、少なくとも認定した時点から、患者に対しての救済また予防に責任をもって当たるのが、公害病として認定した厚生省としまして当然の責任じゃありませんか。いまだにイタイイタイ病それから水俣病の治療法が開発されていないということは遺憾です。この治療法は一体いまどうなっておるのですか。
○武藤(き)政府委員 患者対策につきましては、公害病として認定をした時点あるいは認定する前の時点から、いろいろ研究費等を支出して、対策には全力をあげております。なお、衆議院を通過いたしました法案が国会で成立いたしますれば、現在こうした補償問題が解決するまでは、この法一律によっていろいろ対策が講ぜられることは当然であります。 それから、先生が一番御不満に思っております治療法の問題でありますが、この問題につきましては、現地の大学あるいは担当医の間でいろいろ研究等は行なわれておりますが、なお、最終的にどの治療が一番適確であるということについては、なおいろいろ現在重ねて検討中でございます。しかしながら、さらに現在の患者の状態におきまして、対症療法によりまして、いろいろ究明、並びに治療が行なわれております。やはり、非常にむずかしい病気でございますので、なお確定あるいは統一ある治療方法ということにつきましては、なお日にちがかかるのではなかろうか、かように考えます。
○島本委員 武藤さんの答弁は、語尾がはっきりしないのだ。こういうふうに一番近いところにおってもはっきりせんから、もっとはっきりしてもらわなければいけない。 私がやはり心配なのは、この病気が発見され、それが公害病として認定され、発見されてから十年、二十年、三十年もたっている。公害病として認定されてから何年もたっていても、治療法が開発されないということは、これは一体どういうことなんだ。やっているという。じゃあどういうふうにやっているのか、補助金出してだれかにやらせているのか。または専門にその問題に対して、人体実験を含めて、これは十分やっているのかどうか。こういうのを含めて、いわゆる何年たってもこれが出てこないということは怠慢ですよ。これで、環境衛生局長でも、医務関係の人でもと呼んだら、公害に関してはあんた全部やれるからといって全部断わってきたから、呼ばないんだ。だからこれはあんた答弁しなさい。
○武藤(き)政府委員 厚生省としましては、この問題についての治療方法については、早く確立するように願っておるわけでございますが、いろいろ学問上の問題がございまして、なお最終的な確立ができていない状況でございます。しかしながら、現在地元の金沢大学なりあるいは富山県の県立病院なり、あるいは地元の萩野先生なりが、それぞれの場所で十分研究を続けておられます。私どもは一日も早く最終的に統一ある治療方法が確立することを望むわけでございますが、イタイイタイ病がどういうふうにしてなるのかということについては、いろいろ学問上もまだ議論があるようでございます。先般、全国の学者を集めましていろいろ議論を行ないましたけれども、その過程におきましても、まだいろいろ学問上の議論があるようでございます。私どもとしては、一日も早く治療方法の最終的な確立ができますことを希望いたしておるわけでございます。これは何ぼ行政当局が努力いたしましても、やはり学問の世界のことでございますので、やはりその専門家の努力に待つほかはない、かように考えます。
○島本委員 ちょっとくどいけれども、現地に行って直接それを見てくるなり、それを督励するなり、あなた責任者として、やったことありますか。
○武藤(き)政府委員 私はいろいろの事情で、現地には参っておりませんけれども、私のほうの局長なり担当課長なりあるいは担当大臣が、現地にはいままでしばしば行っております。
○島本委員 有機水銀の中毒患者に対して、じゃあどういう方法がいまとられていますか。それから、カドミウムの患者に対して、治療方法、いまどういうふうな方法をやっておりますか。かってなことを言っちゃいけません。
○武藤(き)政府委員 有機水銀中毒患者につきましては、現在熊本なり新潟におきまして治療が行なわれておりますが、(島本委員「どういう治療」と呼ぶ)有機水銀につきましては、この治療方法が、症状が固定している状況でございますけれども、さらにリハビリテーション等の治療を、現地の医師は努力して、症状の回復あるいは症状が少しでもよくなるように努力をしておりまして、それについては、いろいろの改善の徴候も患者によっては見られておるようでございます。
○島本委員 それでやっても、たとえばカドミウムに対しても、カドミウムを抜いたほうが治療法になるのか、栄養分を与えたほうがいいのか、栄養分はどういうようなものがいいのか、それさえもまだ結論が出ないのだよ。そういうような段階でやっているのに、——もっと幼稚だというのは、もうほんの初歩の段階です。まだこういうような段階でも結論が出ないような治療法ばかり、一生懸命やっていますといったって、これは聞こえませんよ。少なくとも、こういうようなことじゃだめだし、少なくとも企業者側のほうでも、政務次官、自分が出しておいて、公害病と認定されたら、企業側でもその救済について責任を持つように、厚生省として指導すべきだと思うのです。
○藤尾政府委員 私は御趣旨はまことにごもっともだと思います。しかしながら、こういうこともあるということをひとつお考えいただきたい。ガンとか早い話が水虫に至りまするまで、まだその病原はわかっておりません。でございまするから、科学といいまするものが必ずしも万能でない。また、そこに集中されたからそれでもってできるというものでもない。そういった科学的ないろいろの学問上のむずかしさはあると思います。したがいまして、これは私の所管外でございますけれども、厚生省であろうが何であろうが、このような重大な問題が起きて、これを一日も早く、一分一秒でも早く解決をいたしまして、こういった不幸な、むざんな病気におかかりになった不幸な方々に対しまして、十二分のお手当てを申し上げなければならぬ、こういう意図は、心の中にはあり余るくらいあふれておるだろうと私は思うのです。しかしながら、それに対してどうしたらいいのかということになりますと、私は、いまのところは、情けないかな、学問的な、技術的な十二分な手当てができていない。もしかりに、これが予算的な措置だけでできないのだというようなことであれば、その責任というものは、私は行政当局がとらなければなるまい、そう思います。 それから、カドミウムその他の問題につきまして、適切なる御注意、御見解が表明されたわけでありますけれども、私はこう思うのです。これはひとつ私の個人的な見解としてお聞きとりをいただきたいのですが、たとえば神岡にいたしましても、カドミウムは、三井鉱山が行ったからそこにできたわけではないのであって、昔からそこにあった。でございますから、たとえば、私どもの選挙区で申し上げますならば、那須の殺生石とかあるいは何とかというような、地方的に昔からおそれられておった伝説、そういったものの背景をよく調べてみれば、結局そこにそういった何らかの科学的な根拠が結びつけられるのではないか、こういう気がいたすのであります。したがいまして、カドミウムがそこにあったということは、三井鉱山が行こうが何が行こうが、その前からあったのであって、そこに川が流れておったので、自然に溶けてきたものも私はあったと思います。したがいまして、そういった自然現象のあったところに一つの金属鉱業が立地をいたしまして、そこでいろいろな金属精錬をやる。本来ならばそのときに気がついていなければならなかったことが、当時勉強ができていなかった、学問が未開発であった、そういうことのために、何らかの精錬をやっておったその間に、副産物であったところの重金属が流れ出しておった、より以上にその濃度が濃くなっておった、そこで魚がモを食った、その魚をいままでもその他方の慣習として食べておられた、こういったことが、一つのイタイイタイ病なり、あるいは水俣病なりといいまするものとの関連が非常にクローズアップしてきた問題ではなかろうかと思うのでございます。これは私見でございますから何とも言えませんけれども、したがいまして、たとえば神岡鉱山の場合でいえば、神岡鉱山自体が金を出すことかなんとかいうことに、いささかも逡巡しておるとは私は思いません。その責任も十二分に感じておると思います。しかしながら、これが法的に、どうしても直結してそれに結びつくのだ、それ以外にないのだ、こういうことになりますと、私は、その鉱業所自体の性格、こういったものまでが非常に存立できないような状態にもなりかねない、そういったおそれが鉱山当局にあるのではないかという気がするのであります。したがいまして、金を出し惜しみするとか——あるいは、それに金を出せ、病気の解明のためにお前たちは進んで協力せいといえば、進んでするだろうと私は思う。しかしながら、そのことと、自分がその原因をなしておる、自分がそれのはっきりした唯一無二の病気をつくっておる原因者であるとみずからがそれを認定をするということとの間に、少しばかり距離があるのではないか、こういう気がするのであります。したがいまして、こういった現状の段階におきましては、そこでこれは間違いなくお前であるといってきめつけること、これは私どものいたすことでないのであって、裁判所のされることでありますから、それに対して私どもはとやかく言うつもりはございません。しかしながら、この段階におきましても、なお一半の責任を持って、その病気の解明に進んで協力するなり、あるいは当然そういうことがわかった以上は、これはいままでにやっておることでもございますけれども、重金属であるカドミウムならカドミウム、水銀なら水銀というものを一切出さないという措置をするというようなことは当然のことであって、これをやらなければどうかしておる。これは行政的に処罰しなければいけません。そういう受けとめ方をするほうがよろしいのではないかという気がいたします。したがいまして私どもといたしましては、もし先生の御主張のように、この病気の解明のために鉱山自体がもっと積極的に協力したほうがよろしい、こういうように協力をすれば、これだけの金を出せば、これはこういうふうになるのだというようなことがもしかりにありますれば、当然鉱山としてやるべきことをやらせる、当然のことだと思いますし、それ以前に、国自体がやるべきことを全部やる、こういう姿勢が非常に必要ではないかという気がいたすのであります。私どもはそれをやるにいささかも逡巡はいたしませんから、どんどんやるつもりでございますから、どうかそういった点は十二分に御了承願いたいと存じます。
○武藤(き)政府委員 現在裁判が進行中でございますけれども、会社自体としても、日赤は、一千万の金だったと思いますが、金を委託されまして、その費用は現在患者のいろいろの健康診断その他の対策に有効裏に使用されております。
○島本委員 有効裏にやっておられるのに、現在の裁判が、いま答弁されたのと反対に、こういうような怨嗟の声に満ち満ちているような状態にあるということは、私は理解できないのだ。まずはっきり言って、政府みずからがこの企業責任をはっきりさせるように指導すべきですよ。何かそれをやると、自分が出した原因者であるということをいわれるのが社会的に困るのだというような、一つの自己逃避じゃありませんか。企業家としてこの企業をやった以上、すべてに対して、もうけるけれども責任は持つ。企業として十分採算の合うように運営する、社会的にこれはやっておる、もうけさしてもらう、そのかわりそれによって少しでも害毒を流したような点に対しては進んで責任を持つ、この企業責任ということに対してあくまでもはっきりさせるということが、指導の基本じゃないかと私は思う。それからもう一つ進んで言うと、そういうような公害を防除できないで排出しておるような企業は、真に健全な経営じゃないということを、もっと指摘して指導してやるべきだ。たとえばカドミウムの問題だって、やるようにやればもうけられる。東南アジアのほうから油を入れる。硫黄分が多くてだめだというと、脱硫装置を完全にすると、そこから純粋の硫黄がとれて、硫黄鉱山自身を破産に導くような状態にまでやっていて、ちゃんと輸出用のいい硫黄がとれる。また鉄鉱業の煙のすす、これだってやるとメッキ用の亜鉛がつくれる。一トン八百円で買ってきて三万円で売れる。また、それだけじゃない。排気ガスだって、考えようによってはこの中からりっぱな工業生産物がとれる、こういうような段階でしょう。そういうような段階なのに、国民に害悪を流すような指導をしておる。これは通産行政としてはもっと企業者にきつく、お前ら企業家としての風上に置けぬやつらだ、企業家としてあたら資源を流しているじゃないか、こういうようなことをきつくしかりながら指導してやるべきじゃないか、これが通産省としていま置かれている一つの指導的な立場じゃないか。まず責任を明らかにさしてやる、それから出さないように指導してやる。そこからうんともうけるのだったら、幾らもうけたっていいじゃありませんか、まさに人畜に被害がないというのはそこから発生しているのです。いままでのやり方は被害がある。やはり政務次官、そこは必要ですよ。
○藤尾政府委員 お説のとおりだと私は思います。したがいまして、私どもはさような見地から、企業に対する強い指導をいたしておりますし、また企業側も最近は非常に考え方が変わりまして、そういったことを十二分にやるのでなければ新しい立地はできぬ、こういうように変わってきております。これは非常に大きな進歩である、この産業公害対策特別委員会の先生方の非常な御功績である、私はさように高く評価をいたしておるわけであります。 それからいま御指摘になられました脱硫装置でございますとか、あるいは排煙の脱硫装置でありますとかいう一つの装置でございますが、これは非常に膨大な金がかかるということと同時に、まだ技術がほんとうに完成をしていない。そこに私はまだこの段階で完全に踏み切れないものがあるのではないかという気がいたすのであります。したがいまして、こういった問題は、化学技術といいまするものの振興と並行いたしました指導というものが必要であろうと思います。しかしながら、そういったことに先行して、先生がただいま御指摘になられました指導精神を持って行政をするということは当然のことでございますし、そういう精神を持たざる企業家は今度は日本国内で企業するようなことのできないような一般的風潮、そういったものをつくり上げるような政治が必要であろう、かように考えるのであります。
○島本委員 いまの答弁から一歩を進めてもらいますと、不十分ながらも、紛争処理、被害者の救済という法律がいま参議院まで送り込まれました。全面的じゃないとしても、これは一つの制度としてスタートして、大きい前進である、こういうようなことが言えると思います。厚生省に言わせると、世界にも例のない公害対策、こういうように言うわけです。しかしこの世界に類のない公害対策をやらなければならないほどの公害国としての悲劇があるということも、同時に注目しなければならないことです。この驚異的な産業の発展に伴っていろいろと公害が発生をしてくるのと同時に、法律もでき上ってきて、またそれに対して規制措置も講ぜられてくる、こういうような段階をそれぞる踏んでいるようですけれども、紛争処理だとか医療救済の面だとか、あくまでもいままでやられている点は事後処理の面が多いわけです。しかしこれは予防という、こういうような点にもう一歩進んで足を入れないとだめなんです。その予防はどこから始まるか。これは工業立地規制から始まらなければならない。工場の届け出制を許可制にするのでなければだめだ。この二つの予防がいままだ足踏みをして、通産、厚生でけんかをやっている、こういうふうなことでは少しいただけませんが、しかしここら辺あたりは、もう少しいままでの高道な一つの考え方、いままでほんとうに私が尊敬する答弁を承ってまいりましたけれども、いまのように予防策を一歩これから踏み出す、こういうような意味上からしても、立地規制の問題と工場の届け出制を許可制にするという計画、これは当然もう考えを立てて立法化すべきじゃないか、または現在ある法律を改正すべきじゃないか、こういうように思うわけです。この二つの点について、政務次官、どうですか、これはお二人から伺ったらちょうどいいと思います。
○藤尾政府委員 お説まことにごもっともでございまして、私どもは別に主管争いをしているわけでも何でもないと思います。しかしながら、立地という問題につきましては、これは御案内のとおり、ただ産業という問題だけでありませんで、都市の立地、たとえば太平洋メガロポリス地帯にすべての人間が集まってくる。そこにいろいろな問題が新たに発生をしてまいるというようなこともございますし、そういったことも含めまして、日本全体のスケール、あるいは日本を越えて全アジア的なスケールというようなものにおきましても、私は立地は当然考えてしかるべきであるというように考えておるわけでありまして、こういったところがまだまだ——これは経済企画庁もおやりになっておられますし、私どものほうでもやっております。また建設省でもおやりになっておられますし、厚生省でもおやりになっておられるということで、まだはっきりとした方針が、それぞれの連絡機関を通じて討議をされておる段階、出し合っておる段階で、きまっていないのだ、かように御理解をいただきたいと思います。私どもは、どこが主管をいたしましても、この立地といいます問題は、そういった大きな、人間の、国民の福祉という問題と結びつけられて考えられなければこれは政治にならないというつもりで、この問題に対処いたしていきたい、かように考えておるわけであります。これが一点。 それから第二点は、予防的なところにすべていかなければならないわけである、これはほんとうに御卓見でございまして、私どもの所管ではございませんけれども、いまの医療問題にいたしましても、病気が起こったからこれは治療するということでなくて、病気を発生させないようにしていくという予防医学というようなところに、世界的な一つの方向が模索されておるように、私は考えるのであります。同様でございまして、この産業問題につきましても、公害が起こってから公害に気がついてばたばたするというようなことは、愚の骨頂でございまして、公害が起こらないようにものを考えていく、そのために、公害が起こりそうなところの産業立地というものについては、企業に対して、届け出さえすればそれでよろしいというような甘い考えではなくて、先生のおっしゃるような、これはこういう条件を整えてこなければいかぬというような条件を付する許可制に移っていくということも当然のことである、かように考えております。私どももそのように措置いたしたい、かように考えておるわけであります。
○島本委員 これはやはりいまのような考え方は、私はもう高く評価させていただきます。それと同時に、現行の大気汚染防止法、四十三年十二月一日に施行されているものですけれども、この内容は、いわば具体的な問題を含めて、まだ問題があるようであります。それは都道府県知事に届け出制になっている。知事が、規制の地域に定められたばい煙の排出基準を越えた工場には改善命令を出すことができる。しかしこれは工場の新増設を届け出制にしているために、排出基準を越えてからでないと、知事が規制ができない。事前にこの問題に対して何らチェックする方法がないということ。この排出基準は、工場地域にも都市地区にも同じ基準を適用するために、これはやはり都市公害というか、ビル暖房の大気汚染が著しいような都市の実情には、まことにそぐわないようなことになってしまっておる。こういうようなことからして、やはり通産、厚生両省で、これは許可制ということにしてこれをやろうじゃないかということに対して、意見の不一致を見て、今回お流れになったのが、これが大気汚染防止法の一部改正法案だった、こういうふうに聞くのですが、いま藤尾さんの高邁なるお考えを承って、私安心したのですが、それだとすると、この問題はすぐもうこの次の段階でも解消していい問題ですが、やはりこの問題は早く解消するようにしてください。
○藤尾政府委員 ただいま御指摘の問題につきましては、もうすでにありますもの、これにつきましては、これはどうしてもあるのですから、いまさらそれをぶっこわせというわけにもなかなかまいりませんが、しかしながら新しく新増設される工場につきましては、きわめてきびしい特別排出基準というものをすでに適用いたしておりまして、事実上抑制をさせておるわけでございます。詳しいことは、私のほうの矢島公害部長からお聞き取りをいただきたいと思います。
○矢島政府委員 ただいま政務次官からお話ししました特別排出基準というのは、昨年成立した大気汚染防止法に盛られているわけでございまして、四条二項にうたわれているわけでございます。既設の分はいま一般の排出基準を逐次強化してやるわけですが、問題は新増設でございまして、新増設をいかに押えていくかということが大気汚染防止対策上重要であるということで、四条二項で、きわめてきびしい特別排出基準を設けておるということでございまして、いま、現在やっていると申しましたけれども、この七月末に特別排出基準というものが制定されまして、現在の一般の排出基準の四分の一というようなきわめてきびしい基準が適用されるわけでありまして、これによりまして、新増設は事実上押えられるという結果になると思っております。
○島本委員 少し急ぎます。 それと同様に、これから大きい問題になり、今後の一つの対策として、通産、厚生両省ともに留意してもらわなければならない問題に、この都市公害と積極的に今後取り組んでもらわなければならないという問題があります。いままでは、この委員会自身が産業公害対策特別委員会で、都市公害という問題に対しては、これはもう従たる立場に考えていたわけです。ところが最近のような状態になってまいりますと、産業公害即都市公害、こういうような状態にだんだん置きかえられてきております。この都市公害に対しても、いままで以上に今後通産省自身も当たってもらわなければならないような状態にもうきております。それは産業廃棄物による公害の除去、こういうようなことからも感じられるわけです。都市におきましてのこの排出されるごみの数量、それと今度都市への人口集中、こういうようなことと、その排出と処理が、いまの厚生省のほうで清掃法に基づいて、これは自治体に、この発生原因者というのですか発生源者というのですか、その方面の義務制ということに義務づけられておるようです。ところがこの排出量そのものを見ると、一日百万トンほどの、いわゆる家庭用ごみの百倍ほどが工業用の廃棄物になって出てきている。こういうようになってまいりますと、こういうような問題の解決をそのままにしておくということはなかなか困難な状態になってきているようです。産業廃棄物は、一都市のごみ、こういうようなものの比ではないけれども、清掃法の規制によってやる、こういうようなことになりますと、なかなかこれに困難なような状態になってきはせぬか。この点は厚生省に主体を置いて、通産省あたりが、この廃棄物の処理、この問題に対してもっともっと対策に本腰を入れてやるのでなければ、この方面から逆に高度成長政策がくずれるおそれがあるわけであります。ひとつこの点も十分考えてもらわないといけないんじゃないか、こういうように思います。最近ちょっと聞いたところによりますと、この年産の産業廃棄物の量というようなものはばかにならない。家庭用の二十倍、三十倍というような量に及んでいる。鉄鋼の生産の五倍にも及んでいる。こういうようにしてみても、米の生産額の二十五倍だ。相当のもののようであります。こういうような状態からしても、産業廃棄物の処理、この問題に対しては、もっともっとこれは具体的な問題として取り組まないとだめだ。通産、厚生両省で、公害防止事業団を通していろいろ融資をはかっている面があるうよです。しかしその融資もわれわれがいままで調べたところによっても、見てきたところによっても、まだ官僚的な運営です。そして私どもがようやくのことで、その問題について、中小企業としても、日本鉱産株式会社、こういうようなところが、いわゆるこの産業廃棄物のうちのすすというのですか、製鉄所ばい煙、こういうようなものを集めて、有効なるすずの原料をつくり出している。こういうようなものに対して公害防止事業団の融資がほとんどないんです。そして市中銀行から高い金を借りてやっている。こういうのではやれません。幾ら言ってやっても聞かない。もしできるならば、ほんとうに原文兵衛理事長を呼び出して、この問題等についても質問したいところなんですけれども、きょうはできなかった。この点は次官のほうからも十分言ってやって、これはかゆいところに手の届くようにしてやってこそ、この産業廃棄物を処理する一つの姿勢と受け取れるんじゃないか、こう思うのですが、まだあっても十分効果を発揮しておりません。これとひとつ取り組んでもらいたい。
○藤尾政府委員 まことに御指摘のとおりでございます。この間も河上先生から、神戸におきます産業廃棄物の問題の御指摘をちょうだいいたしました。さっそくこれの処理に関して命令を発したわけでありますけれども、こういった、ありとあらゆる産業におきます共通しているものがあり、別個のもの、それぞれ企業別及び産業別のものもあろうと思いますが、こういったものの処理技術、これ自体がまだ未開発である。したがいまして、これの開発に対して意を用いなければならぬということで、来年度予算にはこの技術開発に対する予算を確実に成立いたさせたいということで、現在すでに予算計上について踏み切っております。 第二番目には実用化の問題でございますが、これはいま御指摘のとおりの、事業団による融資というものを十二分に御利用いただくということでございます。この問題についても、まだこの事業団を十二分に活用するという態勢が産業全体に行き渡っていないということもございます。また事業団自体も、まだその産業廃棄物というものに対しまする十二分の勉強ができていないということもあるだろうと私は思います。この問題につきましても十二分に指導いたしまして、今後とも事業団が十二分に活動ができるように、私どもで指導をいたすつもりでございます。 第三番目は、当然これによって起こってまいります、一般の方々あるいは企業者の方々あるいはそれぞれの職務にあられる方々、こういった方々に、処理方法というものを十二分に開発されたものから実用化していってもらわなければならぬということでございますので、これの指導あるいは研修というようなことを、地域的に十二分にこれを指導し徹底いたさなければならないという問題が起こっておるであろうと思います。この問題につきましてもすでに研究を進めておりまして、新しい技術ができれば、それに対する指導書を十二分に行き渡るようにするとか、あるいはテレビ利用による広告をやるとかというような方法をもちましてやると同時に、各通産局あるいは本省におきまして、研修会を十二分に活用いたしまして、そして産業廃棄物の公害というような問題にいかに対処すべきかという体制の整備をいたしたいというように考えておるわけであります。
○島本委員 特に私から強くお願いしておきますが、これが中小企業の場合あるいは大企業の場合、それぞれありますが、その融資の点や何かの場合には、やはりこれは産業廃棄物即原料ということになるわけですから、この点は通産省のほうでいかような状態でもこれを推進してやるということが、公害を予防する立場からも、この廃棄物を処理する立場からも有効適切なんです。これをいろんな条件に当てはめて、これはものさしにはまらないからだめだとか、こういうような考え方で、いまの公害防止事業団そのほかの金融機関を運営するということは、やはり仏つくって魂を入れないようなそしりを免れませんので、この点十分考えてこれを活用してもらいたい。このことだけ、私から強く申し上げておきたいと思う。残念ながら、いま政務次官が言ったような現状とまだまだずれが多いのが実態です。それも矢島さんよく知っていますから、あとからよく聞いておいてもらいたい。 それと、この際ですから、厚生省にも急いで聞きますが、この公害対策基本法にある防臭、このにおいの関係の施設に対する融資は、現在どうなっていますか。
○武藤(き)政府委員 公害防止事業団で、現在その問題については取り上げております。
○島本委員 これがまたやり方が官僚的なんだな。もう少しあなた、これは通産、厚生両省所管ですから、このやり方をもっと監視してやらぬといけませんよ。いまのところは、国は防臭関係の融資は対象にしていないそうじゃないですか。においを消すほうは、これを間違いなく対象にしているのですか。これは矢島さんのほうも関係あることですが、これは両方でよく相談して答弁してごらんなさい。国のほうで、防臭関係の融資、これを対象にして出していますか。においを消す公害基本法にあるやつです。
○矢島政府委員 すでに先生も御承知と思いますけれども、悪臭に関しましては、魚の処理に関連する悪臭は方々で、問題になっているわけでございまして、公害防止事業団といたしましては、いわゆる工場アパートというようなものをつくりまして、それを共同でもって処理する施設をやるという制度はすでにございまして、その制度に乗りまして、たとえば宮城県の塩釜ではもうすでにそういう共同処理施設ができておりますし、それから東京におきましても、これは魚ではないのですけれども、同じく悪臭除去を目的とするそういうような共同処理施設というものができております。こういう方法を用いまして、悪臭防止に対して、公害防止事業団は積極的な努力をいたしております。
○島本委員 積極的じゃないという証拠を言わなければならないのはまことに残念でありますが、この悪臭除去のための企業化をはかるということで、鶏の飼料かまたは肥料をとる、こういうような事業がもうあるわけです。つい二、三日前、直接私のところへ来た報告によりますと、これは北海道の例ですが、魚がとれます。魚がとれると加工いたします。加工いたしますと臓物が出る。これは委員長は水産関係の大家ですからよくわかるのですが、この臓物の処理が問題なので、悪臭の原因は魚の臓物なんです。これはもうかすにしても、そこが問題になるのです。それから鶏の飼料もつくる、こういうようなことで工場をつくってやっても、この悪臭関係のやつは融資の対象になっていないからということで、融資はない。そうしてこれはオホーツク海方面の網走の飼料会社、資本金一千五百万円の会社です。ここでは水洗い方式ですが、悪臭除去は、この方法を取り入れてやっても六〇%より取れない。これを九九%取るようにするためには、高圧式電流で焼く装置を入れなければならない。約五百万円かけると、悪臭はほとんど解消できる。この五百万円の融資に対しては全然応じないそうじゃないですか。これはどういうことなんですか。
○矢島政府委員 ただいま御指摘の網走の問題につきましては、結論を先に申し上げますと、本件は北海道庁において取り上げておりまして、北海道庁が、公害防止事業団の融資よりも若干有利な融資条件でもって融資することを考えておりまして、近くその決定を見ることになっております。 それから、公害防止事業団に対しましては、いまだ融資の申請がないわけでございます。おそらくは、北海道庁においてやや有利なものがきまるということで、融資の申請がないのだろうと思いますが、念のために申し上げますけれども、公害防止事業団におきましては、万一北海道庁のほうの融資がうまくいかない場合におきましては、取り上げる用意があると聞いております。以上が結論でございます。 それから、先生のおっしゃるように、水洗式は六〇%ですが、高圧放電式は、きわめて悪臭除去の能率の高いものでありまして、九〇%以上取れるわけでございます。われわれとしても、こういう能率のいい方式は大いに推進いたしたいと思っております。
○島本委員 せっかくこれはその辺まで調べて処置するならば、完全にしてもらいたい。これはせっかくですから、議事録にとどめておきます。完全にできるように指導して、少なくとも魚の処理から出る悪臭、こういうようなものを消して、公害対策基本法にのっとって、この中にある悪臭除去のために積極的な姿勢をとっているということを如実に示してやってもらいたい。ただし、北海道庁云々と言いますが、あれは四カ所から出ているのを二カ所にしぼって、あとの二カ所ははずれるのですよ。そういうようなところまで調べないといけません。ワクがないからですよ。ワクがないから、四カ所から申請が出ているのに二カ所にしぼって、あとの二カ所は泣き寝入りですから、そういうようなことをさせないように、今後十分指導してやってください。まあ部長は十分できると思いますが、せっかく藤尾政務次官もおりますから、この点は強力にやってほしいと思います。
○藤尾政府委員 責任をもっていたします。
○島本委員 大急ぎで進みますが、やはりいろいろとありますけれども、これはどういうものでございましょうか。私どもも前に総理のほうへ質問して、総理のほうから、近々これはやるということになっておりますが、公害対策基本法二十二条によるところの事業者の者の費用負担の件ですが、これはもう公害防止企業負担法の制定ということをあくまでも——大気汚染防止法、公害防止法、今度できるはずの紛争処理法、それから被害者救済法、こういうようなものが一つ一つ単独立法として、関係立法として制定されて動く段階に来ております。しかし、先ほどの必要悪ではございませんけれども、基本法にきめられている企業家の費用負担、この法律がまだでき上がっておらないということは、地方自治体のほうでいろいろ公害関係の事業をする上において、自治体自身がどこに重点を置いてやるのか困るじゃありませんか。やはりこれを具体的に動かすためには、基本法の要請する公害関係の経費の負担法、こういうようなものをはっきりきめてやって、そして自治体を動かす必要があるのじゃないか、こう考えられるのですが、この点は全然抜け穴じゃないのですか。この点もはっきりしてもらいたいと思います。
○武藤(き)政府委員 御指摘の点につきましては、基本法で、確かに法律によってその問題を定めるということになっております。現在は、こういう費用関係の問題につきましては、各地で、四日市や千葉等におきまして、地方公共団体のほうで事業者のほうといろいろお話し合いになって、事業が進められておりますが、いずれはやはり基本法の二十二条によります法律をつくる必要があるのじゃなかろうか、かように考えております。したがいまして、これにつきましては、現在厚生省としましても検討中でございますが、いずれ通産省等とも十分打ち合わせまして、この次にはこの問題につきましての法律案を提出いたしたい、かように考えます。ただ、これにつきましてのいままでのいろいろな先例その他につきまして、なかなか事例が少のうございますので、いろいろ法律技術的に内容がかなりむずかしいとは存じますけれども、できるだけこの次の国会には提出いたすように努力をいたしたい、かように考えます。
○島本委員 これも、いつも、できるだけできるだけじゃだめなんです。これがはっきり出されない限り、費用の負担の面から、地方自治体自身が公害防止のための第一歩を踏み出せないことになるので、やはりまっ先に急がなければならないのがこの法律なんです。それを総理に言ったら、可及的すみやかにやると言われた。あれ以来もうだいぶたっているので聞いてみたら、まだまごまごしている。これじゃだめですよ。ほんとうにこれは急いで出さないとだめなんです。間違いないですか。政務次官いかがです。
○粟山政府委員 御希望どおり行くように、急がせます。
○島本委員 希望どおりは即刻なんですよ。すぐつくれということですよ。希望どおりですか。ありがとうございます。 最後もだいぶ近くなりましたけれども、どうですか、特定有毒物質規制、いわゆる微量重金属排出規制基準の強化、これとあわせて法制化、この問題も通産、厚生両省でなかなか意見がまとまらないようですが、現在の状態ではこれも急がせないとだめだ、こう思っております。この原因は通産側にあるように聞いておりますが、矢島さん、これはどうなんでしょうか。特定有害物質規制法の制定促進は、通産者側に異議があって、なかなか進まないそうじゃありませんか。すぐ出させないとこれこそだめですよ。時間もありませんけれども、あなたにお伺いします。
○矢島政府委員 特定有害物質の問題は、カドミウムとかメチル水銀とかいうような問題が出ておりまして、この点が非常に問題になっておるわけですけれども、私どもといたしましては、別に特定有害物質の法律がどうのこうのということではないのでございますけれども、まず現行の法体系で十分対処できるということで、新しい法律をつくるということは別途検討いたさなければならないわけでございますけれども、事態は一刻も放置するわけにはまいらぬ、やはり現行の法体系でできるものは全部やろう、こういう考え方に立っておるわけでございます。したがいまして問題のメチル水銀につきましては、先般、水質保全法に基づきまして、全国五十工場に対して、全部水質基準をかける、カドミウムでも同様なことをやる、こういう考えでおるわけでございます。要するに、現行の法体系でできるものは全部やろう、それで大体目的を達するのではなかろうかというのが私どもの考えでございます。
○島本委員 現行の法体系でできないから、現在までいろいろな問題が発生しているのですよ。いままで法律を改正したり、制定したり、公共用水域の水質の保全に関する法律さえもできました。しかしながら、やはり依然として残されるのが特定有毒物質規制法、この問題が残るので、これもつくって完全にしておくのが為政者としての立場じゃありませんか。行政官庁としてのつとめじゃありませんか。やはりあるものを改正したい、改正したくてもこれはなかなか手が出ません。もっともっと話を煮詰めるようにして、次には必ず出すというところまで行かぬといけないと思うのだけれども、これは武藤さんどうですか。
○武藤(き)政府委員 いま矢島さんのほうから、特定有害物質につきましての御意見もございました。私どものほうとしましては、できますれば、いろいろいままでの経過あるいは実態等とらえまして、こういう法律が必要ではないかというような点もあわせて検討を続けております。
○島本委員 だいぶ長くなって申しわけないと思いますが、まことに重要なことだと思っていままでやってきたわけです。質問を残します。残すけれども、これだけは聞いておかないといけない。 昭和四十四年二月十二日閣議決定の亜硫酸ガスの環境基準の基礎データに対して、横浜、川崎両市で、そのデータを要求したが、通産省は企業の秘密に触れるということで拒否した、こういうようなことが報ぜられております。この排出量だとか排出条件だとか降下濃度なりは、企業の秘密に全然触れる条件じゃないのに、なぜそういうのを拒否するのです。これはどこかで問題になったでしょう。こういうような問題は遠慮なしに知らしてやるべきで、オープンな立場でよろしい、こう思います。企業の秘密なんかこれにはありません。排出量はどうなんだ排出の条件はどうなんだ、濃度はどうなんだ、これは各市で知りたい。企業の秘密と関係なし。これをどうして秘密にに触れるということで拒否されたのか、いまだ疑問ですが、これに対して解明を願っておきたい。
○矢島政府委員 いまのお話の問題は、二月で、もう本日は七月の末で、だいぶ前の話でございますが、すでに問題はすっかり解決いたしておりまして、結論から申しますと、先生の御指摘の排出量その他の問題は、横浜市にも十分説明いたしておりまして、横浜市と一緒になりまして、本件解決に対して進んでいるわけでございます。全く問題は解決しております。たまたま当時、第一次の暫定的な報告が来た段階で、意思の疎通を若干欠いておりまして、誤解があり、これが新聞紙上に出ただけのことでございまして、その後すっかり問題は解決しているわけでございます。
○島本委員 これは、単に意思の疎通を欠いたぐらいのもので、基本的な考え方は、厚生、通産両省ともかわりがないものである、こういうことであるならば了承しておきたい、こう思うのですが、えてしてそうでない場合のほうが多いのです。今後も公害の問題に対しては、必要悪云々ということばの、これは何ですが、平生からこういう行政の面でこれを克服してやっていく姿勢がはっきり示されたわけです。公害の窓口といわれる両省の中で、意思の疎通を欠くようなことがあってはだめだ。企業のお守をするといわれる、企業擁護の立場に立つ通産省は、企業を擁護するためには、住民擁護の立場に立たなければ企業の擁護にならないということを、一歩を進めてこれから考えておいてほしい。それでなければ完全な対策にならない。同時に、住民擁護の立場に立つ厚生省自身も、常に擁護するもの自体の意思の疎通は十分はかって、少しでも、つめのあかほどでも疎通を欠くことがないように、今後十分行政の面に配慮して運営してもらいたい。このことを強く要請して、だいぶ腹もへりましたから、この辺で終わらしてもらいたいと思います。
○赤路委員長 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時四十七分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○赤路委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岡本富夫君。
○岡本(富)委員 運輸大臣が来るまでに、厚生省関係の質問を終わりたいと思います。 当委員会におきまして、六月二十五日に佐藤総理に対して私が質問した中で、航空機による騒音問題で、人体被害が非常に出ておる。これは私は、ある小学校の五年生の方からつづり方が出ておる、それを読み上げまして、この前質問いたしましたが、それについて、人体被害調査は非常におくれておる、こういうように佐藤総理からも答えがあって、運輸省と厚生省で検討させよう、こういうことになっておりますが、その後とった処置について、まずお聞きいたします。
○武藤(き)政府委員 六月の下旬に、総理大臣への御質問がございました。その前にも、たしか私の記憶では、当委員会で、大阪の騒音問題について御質問があったと思います。 厚生省といたしましては、この騒音問題につきましては、非常にむずかしい問題でございますので、地元といろいろ打ち合わせをしてきたわけでございますが、やっと地元との事務的な話し合いができまして、今月十八日に大阪府におきまして、兵庫県と大阪府それから厚生省の三者で、伊丹空港の航空機騒音の人体への影響調査を実施したらどうかという打ち合わせを行ないました。それで、現在地元で関係市町村を含めまして、どう調査内容なり調査の範囲をきめるか、それから研究班の構成をどうするか、それからいつ実施するかというような点について検討をされております。これにつきまして、おそらく来月にはこれについての一応の報告が来ると思いますので、これに基づきまして、実際の項目を厚生省で検討いたしまして、関係省特に運輸省とも十分協議の上に、この調査をし、実施計画を立てたい、かように考えております。 ただ、航空機によります騒音の影響調査につきましては、非常にむずかしい問題でございますし、とても単年度では判断することはできない、かように考えております。したがいまして、今後の実施計画あるいは実態によりますけれども、やはり一年だけでなくて数年間の継続調査が必要ではなかろうか、かように現段階では考えております。
○岡本(富)委員 政務次官に。この問題につきましては、大阪空港の人体被害について、この前、航空機による騒音防止の法律は、これは運輸省から出ておりますけれども、人体被害については厚生省でなければできない、こういうように話しましたところが、あなたのほうもそういうように了承があって、そしてさっそくやらせるようにいたしますというような話があったわけでありますけれども、そこで、端的にきょうは結論から申しますと、大体この騒音被害は八市にわたっているわけでありますけれども、特にひどいのは川西市、要するに航空機が上がるところですね。そこにおいては非常に被害が大きい。そこで、川西市は御承知のように保健所がありません。それで、いまも話がありましたように、相当長期にわたらないとはっきりした結論が出てこないということになりますと、これは伊丹には保健所がありまして、いまは伊丹保健所管轄になっておるけれども、人・数も少ないし、また長期的にやるためには、川西市に保健所をつくってもらいたいということを、佐藤総理にも話したし、あなたにも話したわけでございます。そこで、人口によるというような話もありましたけれども、川西市には今度阪神間の大きなニュータウンができるわけですね。そこで相当に人口がふえてくる。それを見越して、同時にひとつここに早く保健所をつくってもらいたい、こういう申し入れを私はしたいと思います。それでこれだけ、二万三千、こうして現地から、主婦の方が中心となりまして署名を持ってきておる。ですから、こういう面からも考えて、ひとつこの点いかがでしょうか。
○粟山政府委員 いまのところでは、県のほうでも、人口の数からいっても、既存のところで間に合うというような意向でいるようでございますけれども、問題が問題でもございますので、地元にもよく話を聞きまして、そうして前向きでやらなければいろいろな問題に対する調査も進まないと思いますので、御要望を体しまして、結論を出して、私どもとしましては、御期待に沿うように、役所内で話を詰めていきたい、そう思っております。
○岡本(富)委員 この要望を見ますと、川西市は近年阪神工業圏のベッドタウンとして、人口は昭和四十二年は六万七千人、四十四年五月には七万六千人。県下では一番増加率が多い。しかも住宅造成事業の急速な進展によって、昭和五十年には十四万四百三十七人、五十五年には十七万、六十年には十八万八千人、こういうような急増になっている。保健所は、御承知のように、住みよい町づくりに最も必要とする衛生思想の普及、公衆衛生の向上及び住民の健康保持、公害防止、予防医学、住民の生命を守る機能を持つものである。しかるに県下二十一市のうち川西市のみがいまだに設置されず、われわれ七万市民はひとしく保健所の誘致を要望する次第である。また河川の汚染、井戸の飲用不適の増加、浄水場汚染事件等、市民生活を脅かしておる。また大阪空港の飛行機の騒音により、市民の健康生活は破壊されようとしております。これら公害問題について、また住民の健康を守り生活環境をよくするために、保健所の設置の早期実現を望むものである、こういうふうに言ってきているわけでありますが、これは主婦同盟の議長さんである矢追さんからこう言ってきているのです。あなたも御婦人でありますから、特にこの妊産婦の方——赤ちゃんが引きつけを起こしている、こういうことを見ますと、妊産婦の方には非常に騒音の、何といいますか、障害が多いのではないか、こういう面から見ますれば、できるだけ手を打って、そうして住民のみなさんの要望をいれてあげる、こういう姿勢がなければならないと思います。ただ、いままでの考えで、人口がこれだけしかないから、だからできない、そういうような規定にはまったような考えでものごとを処置はできないと思う。したがって、もう一度もっときびしく現状を直視してやってもらいたい。その点どうでしょうか。
○粟山政府委員 帰りまして、よく役所内を調べまして、そして御要望に沿うように、こたえるように、御趣旨は重々そのとおりだと思いますので、十分御期待に沿えるように努力いたします。
○岡本(富)委員 やっていただくまで、私やかましく言いますから……。ということは、そんなに地元の人たちが困っているわけですから。 次に、運輸大臣が見えましたから、運輸大臣に一つ質問をいたしますけれども、運輸大臣も御承知のように、大阪伊丹空港の問題はよく御存じだと思います。そこで、東京羽田あるいはまた大阪伊丹空港は、わが国の国際空港で、最近五カ年間に特に大型ジェット機の乗り入れによって、航空機の騒音の被害が多発している。それによるところの被害状況あるいはそれに対したところの対策、運輸省としてどういうような対策を講じてこられたのか、これをお伺いしたい。
○原田国務大臣 騒音対策につきましては、運輸省といたしましては、私が承知いたしております問題につきましても、私自身がタッチしまして、昭和二十九年に騒音対策の法律ができまして、伊丹空港の周辺、まず螢池小学校、原田小学校、神津小学校、この三つを最初の事業として取り上げて、騒音対策をやってまいりました。その後現在までに、これらの騒音対策についてはだんだんと範囲を広げ、対策を講じてまいっております。そのほかにテレビ障害というような問題が生じてまいっておるという問題を取り上げまして、騒音によるところの対策をいたしまして、具体的な措置を講じておる、こういうような例もございます。そのほか、飛行場周辺につきまして、できるだけ騒音による影響の少ないように措置を講じてきておる、こういうのが実態でございます。
○岡本(富)委員 そこで、東京羽田空港では四十一年度から、午前六時から午後十一時までの間は百ホン以下、午後十一時から午前六時までの間は九十五ホン以下というような基準がつくられて、規制が実施されておる、こういうふうに聞いておるのですが、それはどういうように運営されておるのか、お聞きしたいと思います。
○原田国務大臣 たいへん問題が具体的になってまいりましたので、私は先ほど一、二の例をあげて申し上げたのでございますが、ただいまの問題は、夜間における騒音対策として、飛行機の発着をできるだけ夜は行なわないようにという要望に対応するためにとっておる措置でございます。これらの問題に関しましては、政府委員からひとつ答弁をさせます。
○手塚政府委員 先生も御承知のように、深夜におきますジェット機の発着につきましては、東京国際空港におきましては、三十七年十二月二十一日の閣議了解で、ただいま仰せのとおり、午後の十一時から翌日の午前六時まで、ジェット機の発着を原則として禁止する。特殊なものについてはその例外を認める。こういう時間的な制限をひとつつくって、騒音公害の防止をするというようにいたしております。 大阪国際空港につきましても、四十年十二月二十四日の閣議了解をもちまして、東京と同様な措置をとっておるということでございます。 ただいま先生のおっしゃいました騒音の程度、限度というものをひとつ考えるという考え方、これは騒音防止法の第四条によりますところの航行の方法ということで、そういった騒音限度というものをひとつきめて、それ以上のものを出すものについての特殊の取り扱いを考える、それを出さないような努力をさせる、こういうようなことを現在考えておるわけでございます。ただ、この騒音をどの地点でどの程度に押えて航行させるかという問題につきましては、いろいろ航空機側のサイドにとりましては、やはり安全性との関連もございます。一方で公害の問題とのかね合いということに相なるわけでございまして、そういった意味で、相当各方面のいろいろ慎重な検討、考慮を要する問題だと考えておりまして、現在そういう問題につきまして、関係の向きといろいろ検討をしておる最中でございます。
○岡本(富)委員 大臣は、大体自分の選挙区でありますから、非常に細部にわたってももう御存じだと私は思っておりますが、御承知のように、大阪国際空港周辺の八市、すなわち伊丹とか宝塚あるいは川西、尼崎、あるいは豊中市、あるいは池田市、こうした八つの市でもって、空港の騒音対策協議会というものをつくって、再三陳情に来ておる、そういうことは御存じだと思います。そこで、私、当委員会において再三この騒音問題については質問もし、また申し入れしておりまして、いまやっと兵庫県の川西市に設置された騒音監視塔というのですか、これができましたが、この二日から運転を開始したところが、連日百ホンをこえる離着陸時の飛行機の騒音を記録しておる。しかし肝心の規制基準がきまっていない。東京の羽田空港においては、先ほど私が説明したように、基準がきまっておる。しかし大阪空港においてはその基準がきまっていない。したがってこの監視塔をつくっても、あ百ホン以上こえたな、それだけであって、何にもならない、こういうようなわけで、現在地元の人たちは、ことしでちょうどもう六年、六回目のやかましい夏を迎えるのだというわけで、非常に非難の声が出ておるわけでありますが、この基準決定をいつごろやるのか、それでなければ、監視塔をつくってみたところで何にもならない。仏つくって魂入れず、こういうことになるのでありますが、この点はいかがですか。
○手塚政府委員 ただいまおっしゃいましたように、久代小学校に騒音測定塔を去年つくったわけでございまして、この近辺は、大体従来の調査からも、一応百ホン程度ということは、われわれも承知しておるわけでございます。で、この大阪空港につきましては、来年の一月以降におきまして、いわゆるBランウエー、新しい三千メートル滑走路の供用の開始をいたしたい。三月から特に万博開催ということもございますので、そういう供用のしかたを考えておるわけでございますが、この供用の開始に伴いまして、大阪空港が本来的な運用のしかたになります。したがいまして、騒音問題につきましての対策も、特にこの久代小学校におきます騒音測定塔における、ただいまのような騒音の規制という問題について、その時期までには何らかの措置を講じて、両滑走路の完全運用における騒音の問題の解消につとめたい、航行上の規制という意味においての解消につとめたい、かように考えておりまして、時期といたしましては、Bランウエーの供用開始までを目標に、いろいろ検討しておるということでございます。ただ、この規制というのは、再度申しますように、航空機の種類あるいは運航のしかたあるいは気象、地形、種々の観点で、航空機サイドの安全という問題とまた非常に密接な関連がございますので、そういった総合的な観点からのことでございますので、われわれとしては慎重を期したいと、かように考えております。
○岡本(富)委員 この大阪空港におきましては、羽田空港よりも住宅が非常に過密しておる。だから東京よりきびしい基準をきめてもらいたい、こういうように地元では要望しておるわけでありますけれども、二日から始まった運転の結果の記録によると、六日の午後一時には百七ホンを記録しておる。また、この二週間で五十余機が百ホンをこえる猛烈さ、こういうような状態でありまして、一日も早くせめて基準をきめて、そうして航空機の騒音を少しでもなくしていこうという強い姿勢がなければならない。航空機の安全も必要でしょうけれども、それに対して地元ではどう言っているかといいますと、大阪空港にジェット機が乗り入れた三十九年以来、騒音問題で非常に悩んで、ついに、川西南部地区飛行場対策協議会、これは会長さんは十七己之助さんという人ですが、運輸省は住民の基本的人権を無視している、わしらは空港ができる前から住んでおるんだ、こういうふうに憤慨をしておる。したがって、一日も早く地元の要望をいれて——新しい滑走路ができてから、できてから……。新しい滑走路はいつできるんだ、そういう現在の状態において、どこまでするかという姿勢が一つ必要じゃないかと思うのです。毎日毎日、あそこに住んでいる人たちの騒音被害というものは、もうたいへんなんです。いま局長さんからそういう話があったけれども、もっと早く、現在の時点において、どこまで規制するかということができないのかどうか、これについてひとつ……。
○手塚政府委員 現在の状態は、こういう測定塔をつけて調査をいたしておるという段階でございます。単に何ホンということでとどめることは非常に簡単ではございますけれども、やはりそういったホン数でどの程度にとどめるのが適当であるかということは、ただいま申し上げましたような観点、それから、地元におきます公害の範囲というようなもの等々、いろいろ総合調整の上できめるべきではなかろうか。御趣旨のように、早急にこういうものをきめるということに対しましては、私どももそういう気持ちでおります。万博を控えまして、この両滑走路によっての飛行機の離発着というのは、率直に申し上げて、現在以上に多くなるということは確かでございまして、万博の性質上、私どもも、まあ、飛行機でおいでになるのはできるだけ規制を避けたいという一方の気持ちがございます。そこで、それに対する騒音の対策というのは、それなりに、できるだけ十分に早急にとらなければならない、かように考える次第でございまして、仰せのように、早急にということも、私どもは念頭に置きながら考えておるつもりであります。現在、鋭意そういう方向で努力すべくやっておるつもりであります。
○岡本(富)委員 大臣、いまもお聞きのとおりでありますけれども、新しい滑走路ができてからと、いつもそういう答弁ばかりだった。きょうは大臣に出席願って、現在の時点において、やはりある程度きちんとした基準もきめて、そうして、たとえ少しでも住民の皆さんに被害のないように、こういう手厚い対策をせなければならないと思うのですが、大臣の所見はいかがですか。
○原田国務大臣 私は、個人的に、あの飛行場の近くに住んでおりますので、あなたのおっしゃっておることはよくわかっておるので、これらの対策については、私は、実際は人一倍にやっておるつもりであります。まあ、私以上にできる人があるだろうかと思うぐらい、一生懸命やっておるつもりであります。 やはり一番根本的な問題は、あそこに飛行場がある限り、飛行機が発着をする、こういうことはとめようがない。飛行場を移転してなくしてしまわなければ問題は解決できない。この問題は、結論としていいますと、現在あるのでありますから、これに対する、あなたのいまおっしゃるような対策というものによって、これをカバーしていかなければならぬ。その一つの根本的な今後の対策としては、やはりもう、ああいうところにあれ以上の飛行機を持ってくるということは問題の解決にならぬことは言をまちませんので、今後の拡大するところの航空需要に対応するための新しい飛行場を、ぜひどこかにつくらなければならぬというのが、根本対策の一つである。 いま一つは、大量の飛行機ではお客さんを運んで、何とか飛行機の発着を少なくできないだろうかという問題が一つあると思います。しかし、今後は、飛行機の需要というものが私は非常に伸びておる現状から、これはそういうことになるというような推測はなかなかむずかしい問題であるというようにも考えております。いままでの質疑の中でも、たとえばこれからバス的に、東京と大阪とを、ジャンボジェットなら四百人運べるわけですが、これを一ぺんにやったらいままでの発着が減るではないかという御議論もあるわけでありますが、一方、飛行機を利用するところのお客さんは、一方において需要はまだまだ強いということで、時間があいたらそこへ入っていきたいという要望があるわけであります。したがって、この現在の時点で規制ができることといいますと、正直なところ、非常にむずかしい。そこで、時間的に、夜飛ばないというような問題で対策をやったり、あるいは、起こっている問題に対する障害について何らかの処置がとれるなら、それによって処置として講じていく、こういうことをいたしておるわけであります。 いまお話しの、久代に設けたところの調査結果、百ホンというのが何か連日のように出ておるということでありますが、ほんとうに前から住んでおる方々にとっては、迷惑千万なことであろうと思います。私自身も、冒頭に申し上げましたように、向こうに住んでおって、このやかましいということは十分わかっておりますが、英和を集めて、できる限りの対策を講じていきたい。まあ専門家の中で、いま局長からお話をいたしておりますが、何かいいものがあったら、それは取り上げまして、すぐ実行していく、こういう心がまえで対処していきたい、このように考えております。
○岡本(富)委員 あなた、いま何かいいことがあれば、それによって対処していきたいという、こういう決意はわかりましたが、そこで、現在、これは騒音防止法の第九条ですか、滑走路の先端から千三百メートル、そこまでは移転補償ができる、それからすぐ先に、いまやかましく言っておるところの高芝摂代地区というのですか、これがあるわけです。ですから、防衛庁の基地がありますから、それ以上伸ばせぬなどということを言った人がありますけれども、この防衛庁の基地は、これは大体こうした土地のすぐそばじゃなくして、離れておる。伊丹空港の場合は、大阪空港の場合は、もうちょうど過密都市の中にあるわけですから、したがって、その点を考えますと、この移転補償地域を延ばせばいいのじゃないか。これは金で済むことなんです。ですから、いま大臣は、ほかにこれ以上の方法があればひとつその方法も考えていきたい、こういうことなんですから、そうなれば、この地区を、滑走路の先端から千三百メートルというやつをもっと延ばしたらどうですか。そうしたら、その人たちが移転補償してもらって、もっと被害のないところに行く、こういうことを、私再三、これは手塚局長にも言うてきたのですけれども、これはまあ大臣でないと、政治的配慮がなければできない、こういうわけで、きょう私、来てもらったわけですが、その点についていかがでしょうか、大臣。
○原田国務大臣 どこからどこまでがその補償の対象になるかということは、非常にむずかしい問題であろうと思います。私自身が、いま運輸大臣という職にありますが、そうでないときには、いろいろな面で、運輸省に対して、あなたと同じような問題の取り上げ方で、そうすべきではないかという問題と取り組んだわけです。たとえば騒音防止法というものと特損法というものをつくるときでも、非常に困ったことは、一方においてやかましい、やかましいといわれておりますけれども、そのやかましいところへ、新しく家を建てて入ってくる人があるわけです。住んでくる人があるわけです。そうすると役所のほうでは、あなたそんなことをおっしゃるけれども、新しく住んでくる人があるということになると、どういうことになるのでしょうか——これは私はしろうとですから、そういうことになるとすぐ、なるほどな、それじゃどこでそういうことを防ぐのだということで、それじゃ専門的にこの問題をひとつ調査して、世界じゅうでどうなっておるかということをきめてやろうじゃないか、あなたと同じようなことをとっくに私は言うてきた。ところがなかなかその問題が結論が出ないので、いまの一応の線というものが出てきておる、私はそのように承知をいたしております。したがって、これらの問題について、私ども自身でもどういう影響があるだろうかというようなことをつぶさに調査をして、そうして結論を出す、こういうことで、そこのいまの調査というために久代に一つのものをこしらえたということも、その前向きの形からやっておるというように御了承賜わりたいのであります。 なおこれは、いま厚生政務次官も来ておられましたが、そういう問題についての一番の役所というのは厚生省でございますから、厚生省等とともに協力して、そういう問題についての研究、検討、調査ということも進めてまいりたいと考えておりますが、私ども自体でも、いまたとえば学校の子供にどういう影響があるかというようなことを進めております。そういうことの結論が出たならば、私が決断を下すことはできると思いますが、いまの段階で、まだそこまでは来ておらない、こういう状態にあるということを申し上げておきます。
○岡本(富)委員 大臣、ちょっとそれは——あなたもここの付近に住んでおられて一番よくわかると思うのですけれどもね。確かに、新しく家を建てているところも私は見ました。しかしその地域は、この高芝地区とは全然、やはり騒音の被害というものは少なかった。私もずいぶん調査いたしました。この高芝摂代地区というのですか、ここはちょうど大阪製鋼の元の社宅のあとで、その付近が一番被害が大きいわけです。したがって、この千三百メートルということに拘泥せず、もう調査、調査といいますけれども、ずいぶん調査はできておるはずなんです。ですから、ここで私が特にきょうは大臣に来てもらってお聞きし、また今後前向きに検討していただきたいというのは、ただ机上計算で千三百メートルあるいは八百メートル横、こういうように簡単にものごとをきめずに、千三百メートルをもう少し延ばせば、この高芝地区がひっかかるわけです。したがって、ほかの地域においては——東京の羽田空港もありますけれども、あそこは海のほうに向かって飛んでいるわけで、非常に大阪空港から見れば心配はない。したがって、ここ一つだけならどうでしょうかね。大阪空港、伊丹空港のこの地域だけをまず延ばして、その実情を調査して、法の適用をしてあげる、こういうような考えはいかがでしょうか。
○原田国務大臣 このいまきめられておるところの区域について、それ以外のところにも適用するということ、いまの土地の補償という問題は別にいたしまして、先ほどお話のありましたテレビの受信障害対策等も、飛行機が回る率が、川西地区がおっしゃるように一番高いというようなところから、そのホンの研究等も進めて、それを実施するようにという指示を私はいたしておりますが、いまの高芝地区だけを拡大するということについてどういう問題点があるかということは、今後ともよく調べて、やはり調査というものがあって、万人を説得するだけのものがなければならぬと思いますので、私はあなたのお考えを、先ほどから言っておるように否定するつもりは一つもないのです。私自身は、騒音公害という問題といわゆる前向きの姿勢で取り組んでいくことをたてまえといたしておりますので、十分それに適応することができるような姿勢をもって今後とも検討はしていきたい、このことだけは申し上げておきますが、いまの段階で、ここできょうお呼び出し願って、岡本さんに、やりますと言うところまで進んでおらないということはまことに残念でありますけれども、調査を進めていくということを先ほども申しておりますのは、これはやらないということではないというふうに御了解を賜わりたいと思います。
○岡本(富)委員 よくわかりました。じゃ大臣は、特にこの地域をよく御存じなはずですから、さらにひとつ深い調査をし、そして進めてもらいたい、こう思います。 そこで、航空局長さんから、この前、五月の九日だったと思いますが、人体被害調査について九大に委託研究をやった、こういうような答弁がありましたけれども、どのような調査をどんな機関でやったのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。
○手塚政府委員 そのとき私のほうで申し上げましたのは、私ども自体でこの調査をやったということでお話ししたつもりではないのでありまして、防衛施設庁が九州大学に委託をいたしました、板付基地の周辺の航空騒音に伴う人身影響調査というものがございます。そこで、そういうものが、人身の影響としまして、ほかの基地周辺あるいはわれわれの伊丹、大阪の周辺にも参考になるだろう、こういうようなことを申し上げたわけでございます。この防衛施設庁の内容等につきまして、当時は申し上げるあれではなかったのですが、その後におきまして、いろいろさらに詳細なる内容等を私どものほうも承知をするようなことに相なりました。 なおその節御指摘がございましたが、要するに航空局自体でこういうようなことも勉強しなければならぬではないか、直接調査をするようなことも考えなければならぬではないかという御指摘もございました。その点につきまして、私どもは、このテレビの受信障害等の解決をさせておりますところの財団法人の航空公害防止協会、ここにその後直ちに指示をいたしまして、先ほど大臣からもお触れになりましたように、人身障害についての調査ということを独自の立場においてやろうということで、いま諸般の打ち合わせをして手配をしつつある、かような状態でございます。
○岡本(富)委員 結局、ここの伊丹空港の、要するに大阪空港の調査をやったのではなくして、ほかの調査をやったことなんですね。ということは、この間、私佐藤総理にも、この航空機騒音によるところの人体被害調査ができていない、佐藤総理も、これは確かにおくれておる、こういうことを認められて、運輸省と厚生省によく話をして善処するように約束する、こういうふうに話をされたわけでありますけれども、この問題については、航空局のほうで、要するに運輸省のほうで人体被害調査ということは、ちょっとぼくは無理だと思う。なぜならば、あなたがいまおっしゃったように、公害防止協会に対して人体被害調査をやってくれ、そんなことはできない、そんなことはぼくは筋違いだと思うのです。公害防止協会で扱っているのはテレビ受信料の減免措置、そういうようなものをやっておって、人体被害調査はこの協会では別にやれるような施設もないし、またそんなことをできる立場じゃないのじゃないでしょうか、どうですか。
○手塚政府委員 おっしゃる御趣旨で、公害防止協会自体では、そういったお医者さんなりあるいは医学的な専門家というものはおりませんので、この協会自体でやるということはできません。ただ個々の防止協会が、たとえば地元の阪大のような病院に委託をいたしまして、そういう調査をやるというようなことだと思うのです。で、この防止協会の使命は、やはりテレビの聴視料減免のいろいろな手続なりそういったことをやっておりますが、そのほかに、そういった公害全般に対しますところの調査、その対策の研究というようなことも、寄付行為の事業内容の一つとして掲げております。 先生も御承知かと思いますが、従来飛行機から黄色い汚物のようなものが落ちるので、これが一体どういう内容のものであるかという問題、あるいは進入経路の真下にある畑等におけるそういうものが一時枯死したことがございますが、そういったものが航空機との関連においてどういう内容のものであるかというような問題等につきましても、実は私どもとしては、防止協会を通じまして、しかるべきところに委託調査をお願いして、一応そういう結論を得ておるというようなことをやっております。そういうような形態におきまして、防止協会も今後ひとつ活躍をしてもらおうと、かように考えておりまして、この人体の問題にいたしましても、先ほど厚生次官もお話になりましたように、正式な所管として本格的におやりになるのは厚生省ということであるし、また厚生省との協力のもとに、私どもも事態の解決をはかっていきたいというふうには思っておりますが、とりあえずの問題もいろいろ提起されておることでもございますので、そういった本格的な調査のほかに、私ども自体としてでき得る限りの調査もやりたい、かような立場において、ただいま申し上げたわけでございます。
○岡本(富)委員 答弁のための答弁であってはならないと思うのですよ。そんないかげんなことを答弁したって、だれもこれは承知しませんよ。やはり人体被害調査は、これは長期的にわたってやるためには、厚生省の役割りになる。公害防止協会で、いまあなたがおっしゃったように、黄色いものが落ちたとか、あるいはまた農業被害があったとか、そういうものに対してはできると思いますけれども、たとえば阪大にお願いしたところで、相当長期的にやらぬと、これは人体被害の調査ということはできない。そんないいかげんな答弁でごまかそうと思ったって、これはもう話になりませんよ、そんなものは。ただ人体被害調査については、厚生省にお願いをしてそしてやってもらおう、こういう姿勢ならばぼくはわかると思いますけれども、まして私いまあなたに話したいことは、公害防止協会ですか、ここにはそんなたくさんな予算がないと聞いておる。これについて、私いまあなたに話したいことは、テレビ受信料の減免なんかにつきましても、幅が八百メートル、長さが千三百ですか、その範囲内であって、そこからちょっと拡大されるともう予算がない。たとえば川西の花屋敷あたりでは、ちょどその区域内よりもまだひどい障害が起こっておる。そのような処置を公害防止協会でやってもらいたい、こういうように私が話しますと、予算がないという。そんな本職のことが予算がないのに、人体被害調査までもやれ、こういうことは私、過酷ではないかと思う。いまあなたのおっしゃったことは、これは答弁のための答弁です。その点、ひとつもっとはっきりしたやり方をやってもらいたいですね。 大臣、きょう私が申し上げたいことは、この公害防止協会ですか、ここも、ただ幅が八百メートルの、縦が滑走路先端から千三百メートルですか、この範囲を越えたところが、相当やはりテレビあたりで障害があるとか、こういう地域からも相当な苦情がきているわけです。ただその計算だけでなくして、そういう方面もひとつぜひ処置をとってもらいたい。それにつきましては、やはり予算措置というものを含めなければならないと私は思います。これはやはり大臣として政治的配慮が必要でないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○原田国務大臣 このテレビ受信障害助成制度というものも、実は私が音頭をとって一生懸命推進をしてまいりましたけれども、なかなかできなかった。そこでNHKの予算を認める際にもこの問題を取り上げて、必ず実行をするかということで、それで踏み出したものであります。それをどういう方法にしてやるかという相談をしたときに、運輸省では、公害防止協会というものをこしらえて、今後いろいろ公害の問題について、これだけでなしに問題が出てくるであろうから、これを中心にいろいろな方面の問題と対処していきたい、こういうことを言われたので、それもけっこうであるということから具体化したのでございます。具体化するについては、この範囲の問題についてもいろいろ議論がございましたが、やはり具体的にはいままで実施されておる方面との関連においてまず出発しようということで、今日の範囲というものがきめられておりますので、いまお話しのように、これらの範囲拡大については、お金も要ることでありますが、それらの問題については公害防止協会の予算を拡大するように努力をいたしますとともに、よく地元とも相談をして、これらの範囲をできるだけ広げるという姿勢をもってひとつ対処していきたい、このように考えております。
○岡本(富)委員 それで、これは局長に話しますけれども、予算が非常に少ない、これについて、聞くところによると、八市の対策協議会の会長さんあたりが、何とかして目的税をとって、そして公害防止をやってもらいたい、こういう話をされたそうですが、そのときにあなたは、予算についてはそんなものはもうよほど金があるのだから、一々くちばしを入れるな、というようなきびしい態度をとられたそうであります。お金は幾らでもあるんだ、こういうような話をされたようにぼくは伺っておりますので、やはり現地の住民の代表として、もうやむにやまれぬ気持ちで陳情にも来ているわけです。それに対して高圧的なそういう言い方はぼくは相ならないと思う。それについて、ひとつあなたはここで釈明をしてもらいたい。
○手塚政府委員 公害全般につきまして、運輸省として非常に積極的に前向きにやらなければならないという態度で、特に現大臣御就任以来、大阪地区につきまして、かねがねの懸案を解決したいということで、慎重に検討いたしておるわけでございます。昨年の予算におきましても、そういうような態度で、まあ結果といたしまして、従来四十三年度で五億三千万円のものにつきまして十億というほぼ倍額の予算の獲得ができたわけでございます。これらの財源措置について、いろいろ地元の御相談なり御意見がございました。その御意見において、十分参酌できるものは私どもで考慮いたしたわけでございますが、その御意見の中に、全般的に考えまして必ずしも適当ではないというようなものもございまして、いろいろ意見の交換があったことは事実でございます。ただ私どもは、この騒音防止法全体の中、そして公害、騒音防止と同時に学校の騒音対策、こういう全般を通じましてどういうふうにやるかということで、いろいろな手段方法を考えたわけでございます。現在また来年度予算策定時期にもかかっておりまして、そういう中で特別なことをひとつ考えていかなければならぬというようなことで、いろいろサゼストもございました。それをわれわれとしては十分考慮に入れまして、いろいろな税金を歳入に考える、あるいは公害防止協会としての歳入をふやす、そういうような面を検討しておるわけでございます。去年につきましても同様なことを考えたわけでございますが、騒音については全般的に最優先的な予算の対策を考えていきたい、こういうことで、財源を含めまして十分なる対策を検討し、考えていきたい、かような次第でございます。
○岡本(富)委員 まあ、あんまりはっきりしたお答えじゃなかったのでありますけれども、それはそのくらいにしておきまして、大臣に最後にお聞きしますけれども、まあ要望もあることですけれども、たとえばいまお話がありましたように、テレビの障害で困っている人は、その区域のほかにたくさんある。たくさんというたところで、ものすごくあるわけでありませんけれども、こういうものはやはり今度の措置に入れてあげる。それに対していろいろと予算措置はあなたのほうで考えてもらう。たとえば私がこの前提案したのは、飛行機の燃料は非課税になっておる、だからそこから少しでも課税をするとかして財源をつくる、こういうような考えもして、そしてたとえ少しでも公害に悩んでおる人たちを救済していく。今度の公害の救済法には、その騒音に対するところの救済が入っていない。それで、私は特に佐藤総理にも、この問題を取り上げて話をしたわけでありますけれども、そういう面から考えて、ひとつ一日も早くこの騒音問題で悩んでおる人たちを救うために、またその人たちの要望にこたえていくために、そうした処置をしてもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○原田国務大臣 先ほどもお答えを申し上げまして、重ねてのお答えになるわけでございますが、騒音防止のための対策として、今後できるだけの努力を続けていきたいと思います。いまガソリン税の免除措置の廃止という具体的な問題を提案されておりますが、これは目的税にするということはなかなかいろいろな問題もあろうと思いますが、いずれにいたしましても、現在の飛行機、航空に対するところの需要は非常に強うございます。これに対応するための施策というものがなかなか追っつかないというのが現状でございます。したがいまして、運輸省といたしましても、この対策のために特別会計制度というものをつくってやっていくほうが、今後の日本の航空体制、空港整備、騒音対策、その他全般についていいのではないかという考え方も現在検討中でございまして、これらを勘案いたしまして、それなりに要する財源の一つに、あるいはガソリン税あるいは着陸料あるいは通行税等々、いろいろな関係税もございます。これら等も充当するというような考え方をもちまして、対策についてひとつ努力してみたい、このように考えておる次第でございます。その節はひとつ何とぞ御協力をお願いいたしたいと思います。
○岡本(富)委員 大臣はどこかに行かなければならぬらしいですから、もう一つだけ。 ガソリン税全部かければ二百九十七億ですか、あるいはもっと多いんじゃないかと思いますけれども、そんなに取らなくてもいいと思うんですが、その点をひとつ考えていただきたい。 なお、地元の対策協議会のほうから特に要望しておりますのは、地元の要望を入れた規制基準を早急につくること、それからもう一つは、騒音監視塔を来年じゅうに三基ふやしてもらいたい、規制をできるだけ早く実施してほしい、こうした三項目の要望をしてきておるわけでありますけれども、これについてもひとつ早急に検討して、対策を立てていただきたい、これをお願いしておきます。
○原田国務大臣 ただいま御要望を入れた御意見がございました。十分心得ておるつもりであります。先ほどから局長も申しておりますように、あの飛行場は、今度のBランといいますか、一二千メートル滑走路を完成することによって、大体あの飛行場の目的というものはフルになるわけであります。それ以上の拡張ということは私ども考えておりません。したがって、この時点におけるところの大阪空港の対策というものを十分に立てなければならぬ、このように承知をしておりますので、今後とも、御意見は承っておりますので、鋭意努力をいたしていきたいと思います。
○岡本(富)委員 じゃ、大臣はこれで……。 最後に局長さんに、三千メートルのB滑走路がいつごろできて、大体いつごろこうしたいままで大臣とお話しした問題が解決するか、その見通しをひとつ、最後に結論を出してもらいたいと思います。
○手塚政府委員 滑走路の工事自体は、今年十二月末までにおそらく完成をするべく、いま努力をいたしております。できますと、一月から一応試験運用ということを始めることになり、二月から正式な運用開始、かような行程を考えて、目下その予定で準備に鋭意努力をいたしておるわけであります。これに伴います騒音の防止の対策ということで、先ほどお話のございました規制基準というものは、その正式運用までには何らかのめどをつけたい、かような方向で目下検討中でございます。 そのほか、先ほどの予算あるいはそれに伴う財源問題、こういった問題については、来年度の予算との関連ということで、目下鋭意検討いたしておるわけでございます。 そのほか、この騒音についてのいろいろな各般の問題があると思いますが、私どもは、地元の皆さんとの間にも御承知のとおりの騒音対策協議会というものをつくっておりまして、時期を待たず、でき得るものはそのつどやっていきたい、かような考えで、それぞれ努力をしていく所存でございます。
○岡本(富)委員 では、来年の二月をめどとされるということを聞きましたから、私はあなたに対する質問を終わります。 そこで、次に厚生省に、これは話がまた全然変わるわけですけれども、簡易水道の取り締まり規則はどういうようになっておるのか。これは大体毎年夏から秋にかけまして赤痢が非常にはやる。この赤痢の発生原因を調べますと、簡易水道に多いことが、いままでの過去のデータを見ますと、出ておるわけでありますが、簡易水道の取り締まりの規則、あるいはまたどういうようにしてこれを規制したりあるいは取り締まったりしておるのか、これをひとつお聞かせ願いたいのです。
○武藤(き)政府委員 簡易水道も、やはり水道法の適用を受けておりまして、水道法第四条によります水質基準の適用を受けます。 詳細は、水道課長が見えておりますので、水道課長から答弁させます。
○国川説明員 ただいま部長から申し上げましたように、簡易水道も、水道法の中のいわゆる一般水道と同じような扱いを受けておりまして、水質の基準あるいはその施設の基準、あるいはつくります場合の施設が基準に合っているかどうかといった確認を受けるとか、そういった行為、あるいはその維持管理等に対する衛生上の措置等につきまして、水道法を全面的に適用されておりまして、実務的にはこれは都道府県知事に委任されておりまして、都道府県知事のもとに、建設並びに管理につきまして指導監督を行なわせております。
○岡本(富)委員 この簡易水道の場合、あるいは普通の水道も同じてしょうが、末端の残留塩素、これは大体何PPMに押えておるわけです
○国川説明員 末端の残留塩素は、水道法の施行規制にもございますが、給水せんにおきまして〇・一PPM以上の遊離残留塩素を保持するように行なうこと、というのがたてまえになっております。
○岡本(富)委員 この水道の殺菌方法につきまして、現在はたいがい塩素殺菌になっておりますけれども、カルキが混入されて何分くらいで殺菌が完全に行なわれるのか。カルキをばっと入れたからといって、すぐには殺菌しないはずです。どのくらいの濃度でどのくらいで完全殺菌するのか、これをお聞きしたい。
○国川説明員 塩素の注入量にもよりますが、水と攪拌されて接触する時間が必要なわけでございますが、非常に短ければ、希釈状況にもよりますが、数分間程度以上あれば一応消毒効果が出てくるというふうに考えられますが、これは長ければ長いほど安全性が増すというように考えられます。
○岡本(富)委員 混入するところのカルキの量によってそれは変わるということはわかりますけれども、いまは水道法で、たとえば簡易水道で何PPMを、たとえば〇・四PPMを点滴した、その場合は何分かかるか、その水が全部殺菌されるのは、滅菌するのは、何分かかるか、こういう計算は、やったことはありませんか。
○国川説明員 塩素を入れましてから末端に出てくるまでの時間といいますのは、これは施設の規模の大きさにもよりますし、水道その他によっても違います。あるいはその中間に配水池あるいは配水塔のようなものがありますと、そこで数十分あるいは一時間程度の滞留時間のかかる場合もございますから、これは水道の規模によっていろいろ異なってくると思いますが、消毒殺菌の効果と申しますか、消毒の効果から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、水中のいわゆる雑菌と申しますか、病源菌等も含めまして、いわゆる一般的な消化器系伝染病の病源菌等でございましたならば、理論的には、接触いたしますとほぼ瞬間的にということになっておりますので、したがいまして、一応水との希釈が十分に行なわれれば、先ほど申し上げましたように、数分間以上のものがあればほぼいいのではないかというように考えられておりまして、実際にそのようなことの試験と申しますか、私どものほうでは、まだやったことございません。
○岡本(富)委員 これは医学的に、塩素をかけてからすぐに死ぬということはない。いままでの実験証明によると、やはり、あなたの言うように、数分程度かかっておるわけです。やはりそうした規制が行なわれていなければ、ただ残留塩素、末端で〇・一PPM、これだけでは、いまあなたのおっしゃったように、沈でん池なんかあって、そこへ三十分なり一時間沈でんさして、そして出てくるのだったらいいのですけれども、普通見ていると、沈でんさしているのは、きたない水をきれいにするために、そして流すところに塩素滅菌機をつけてある、そこに点滴しておる。じゃ口からすぐ何分もたたぬうちに出てくるところだったら、まだまだ完全殺菌できていない。 それはそれとして、今月のたしか十日か十一日だったと思うのですが、東京都の東村山市ですか、あそこで赤い水が出て騒いだことが新聞に報道されておりましたけれども、この点については、厚生省のほうで何か手を打たれたか、あるいはまた、そのままほったらかしか、これをひとつ公害部長、あなた環境衛生局長にかわって来ているのだから、ひとつ……。
○武藤(き)政府委員 いま先生御指摘の東村山市の赤い水の問題ですが、率直に申しまして当方としては新聞でこれを承知したわけでございますが、東村山市の当該事件が起きました給水装置につきましては、都が前から、この問題については改良の必要があるということで、しばしば都のほうで、市のほうを指導監督をしておったやさきのようでございます。それがすべて完了しない前にこの問題が起きたというふうに、私どもは報告を受けております。このこの点ははなはだ遺憾だと、われわれとしては考えております。
○岡本(富)委員 そこで、日本住宅公団の東伏見団地、ここもやはりさく井給水をやっているわけでありますが、簡易水道で給水をしておる。こまかいことをあなたに聞いてもわからないと思うのですが、ぼくは、ここで末端で残留塩素を何PPMに押えておるか、これも聞きたかったのでありますけれども、あまりそれの答えができないようでありますが、ここの住宅公団の伏見団地に実際にぼくも行ってみてきたわけでありますが、日曜日には褐色の水がじゃ口から出てくる。これをコップにとってみますと、どろ状ですね。そして非常にもやもやしたものが一ばいある。白いものを洗たくすると、ところどころ褐色になる。この一つの姿を見ますと、私はさく井の給水が非常に少ないのではないか、全体が一ぺんに使うから、こういうような状態になるのではないかと思うのです。そういう状態を考えますと、この塩素滅菌は完全に用をなしていない。ちょっと飲んでみますと、全然塩素のにおいも何もしません。こういう一つの例を見ましても、非常に危険じゃないか。現在、この日本住宅公団の各団地におけるところの、さく井給水している団地はどれくらいあるのか、またどこどこなのか、またこの塩素滅菌を完全にしておるのかどうか。この点について調査したことはありますか、どうですか。
○国川説明員 公団住宅の水道でございますが、これもその公団住宅の水道の規模によりまして、一定規模以上のものは、水道法の適用を受ける専用水道ということになるわけでございます。したがいまして、この専用水道の場合には、専用水道といたしまして、みずから塩素消毒をしなければならないという義務を負いますので、専用水道となっておりますものは、すべて行なわれているというように考えておりますが、最近におきまして、その実態を詳しく調査したことは——各都道府県ごとにやっておる場合はありますが、国といたしまして、厚生省といたしまして、全国的に統一した調査は、最近やっておりません。
○岡本(富)委員 最近もやらないし、初めから何もやっていないのですか、それともああした毎年毎年簡易水道によって、あっちこっちで赤痢の災いが起こっている。これに対して、一ぺんも住宅公団に対しても注意を促さなかったのか、あるいはまた、いままでほったらかしておったのか、これを聞きたいのです。
○国川説明員 管易水道でございますので、一応全面的にその施設並びに管理につきましては、都道府県知事に委任されておりますので、私どもとしまして、しておりませんことは、はなはだ遺憾に思っております。
○岡本(富)委員 毎年こういうような状態が起こっておって、それに対して全然検討もしなかった、こういうことでは、いまあなたおっしゃったように、まことに遺憾なことをと言うけれども、そんなことでは許されないと私は思うのです。 建設省は来ておりますか。——現在、住宅公団でさく井給水をやって簡易水道で送っているところは何カ所あって、それはどういうところか答えてもらいたい。
○野崎説明員 現在、住宅公団でさく井をいたしまして給水をいたしております団地は全国で二十団地でございます。ほとんどの団地につきましては、一般水道の給水を受けておるわけでございますけれども、給水能力等の関係から、この二十団地につきましては、さく井給水をいたしておる次第でございます。 団地名につきましては、住宅公団の組織が各支所別になっておりますので、支所別に申し上げますと、まず東京支所管内におきましては、ひばりヶ丘団地、久米川団地、東伏見団地、石神井団地、新川団地、柳沢団地、神代団地、蓮根団地、豊四季台団地、以上でございます。関東支所管内におきましては、上野台団地、霞ケ丘団地、鶴瀬第一、第二団地、宮原団地、西本郷団地、名古屋支所管内におきましては、稲沢団地、小幡団地、岩倉団地、江南団地、鳴海団地、以上の二十団地でございます。
○岡本(富)委員 いまあなたが読み上げたところのその二十団地に対して、給水あるいはまた殺菌装置、こういうものはどこがこれを管理しておるのですか。
○野崎説明員 各団地につきましての管理は、住宅公団の組織といたしまして、各支所が監督、管理をいたしておるわけでございますが、直接的には各営業所並びに各管理主任が管理をいたしておるわけでございます。水道につきましての直接管理は、管理主任自体ではその能力がございませんので、別途団地サービスに業務委託をいたしまして、団地サービスの管理技術者によって管理をいたしております。
○岡本(富)委員 ここに住んでおる住民の方々は、日本住宅公団がやっている水なんだから、安心して飲んだり、あるいは使ったりしていると思うのです。こんな危険な水を給水しておるということは、これは非常にゆゆしき問題であると思う。私は、ただ保谷市の東伏見団地五百五十八世帯ですか、ここのところ一つだけしかまだ見ておりませんけれども、いよいよこの夏から秋にかけての赤痢の蔓延する時期において、これを一斉に点検して、住民の人たちの健康保持をすべきじゃないかと私は思うのですが、どうですか。
○野崎説明員 公団団地の専用水道につきましては、従来とも支所に水道技術管理者を置きまして、厳重にやらしておるつもりでございますけれども、先生がいまおっしゃいますような事実につきましては、私まだ詳細を承知いたしておりませんが、今後の問題もございますので、住宅公団に命じまして、さらに詳細に点検し、欠陥があれば補正をさせるようにいたしたいと思います。
○岡本(富)委員 厚生省も、こういう問題がすでに起こっておるわけですが、これは都道府県知事にまかしてあるから私のほうは関係ないのだというような態度では、私は相ならぬと思うのですよ。おそらくこの簡易水道なんかを許可するときには、あるいはまた助成金なんかを出したりいろいろなことをしているはずです。したがって、厚生省としてこの点についてもっともっと注意をして、都道府県に言うなり、あるいはまたその結果どうなったかということを報告させるなりしないと、そこに住んでいる住民の人たちは安心して水を飲んでいるわけですから、そういう点についていかがですか。
○武藤(き)政府委員 先ほどちょっと水道課長の説明が不十分でございましたけれども、先生御指摘のように、毎年赤痢がいろいろ起きておるわけでございますけれども、その中でも簡易水道によります事件はあるわけでございます。そういう事件が起きますと、厚生省では当然その問題につきましては報告を求めますし、関係のところにはそれぞれ注意をいたしているわけでございます。これから夏のいわばあぶない時期を迎えて、もう少し注意を促す必要はないか、こういう御意見でございますが、ごもっともでございまして、水道法では、月一回水質の基準を必ず検査するようなことになっておりますけれども、重ねて全般的な赤痢対策の徹底ということを考えまして、先生の御要望につきまして、当然私どもとしては府県市町村を指導督励いたしたい、かように考えております。
○岡本(富)委員 建設省に対しては、この問題はまた建設委員会で、公団の責任者に来てもらって、強力に追及するつもりでおります。まだまだこまかいデーターがあるのだけれども、時間の関係できょうはやめます。その点について、あなたのほうの決意なりを、あるいは建設大臣にかわって言いなさい。そのとおりまた実施しなければなりませんよ。
○野崎説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、公団としては、でき得る限りの管理体制をとっておるつもりでございますが、生命にも関することでございますので、万が一のことがあってはなりませんので、今後こういう水道につきましてはさらに点検をいたしまして、あやまちが、また補整すべき点がございますならば、直ちに修理をいたしまして、完全な状態で給水をいたすようにいたしたいと思います。
○岡本(富)委員 点検をしてそういうことがあったら、と言うのでしょう。あったのですよ、事実。なかったら私はこんなことは言わないわけだ。私はこの目で見て、そして住宅公団の何とかいう理事にも、こういう状態があるから気をつけなければならぬですよというように言ってある。あなたも聞いているはずだ。そうしましたら、そういうことがあったらではなしに、事実があるのですから、だからこれだけの分は全部総点検を行なう、そうして安心して住民の皆さんが居住していただけるように総点検をいたしますと、こうはっきり言いなさい。そうなればはっきりする。まだ、そういうところがあったら——なかったらそういうことは言わない。そんななめた言い方ありますか。
○野崎説明員 私の発言のしかたが悪かったのかもしれませんが、総点検をいたしました上で、欠陥がありますれば、全部補整をいたしますという意味でございます。
○赤路委員長 厚生省、岡本君のいままでの質問は、産業公害と直接関係はないようですけれども、非常に重要な問題です。東村山浄水場の原水は多摩川の上流の水なんですね。だから多摩川浄水場の原水の薬品処理の費用からしますと、村山の分は大体十六分の一で済んでおるのです。それほど原水の条件がいいわけです。そのいい原水の条件のもとで赤い水が出るということになると、これはやはり問題がありますから、都の水道局のほうでおやりになるのでしょうけれども、十分厚生省としてもそういう点は注意をして、すぐ手を打てるように。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会