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61回国会衆議院1969/05/09

産業公害対策特別委員会 第13号

発言数
112
登壇者
13
会派数
4
開催日
1969/05/09

会議録

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法案及び公害紛争処理法案、角屋堅次郎君外十二名提出の公害に係る被害の救済に関する特別措置法案及び公害紛争処理法案、予備審査のため本委員会に付託されました小平芳平君外一名提出の公害に係る健康上の被害の救済に関する法律案、公害に係る紛争等の処理に関する法律案及び公害委員会及び都道府県公害審査会法案、並びに内閣提出の公共用水域の水質の保全に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。本島百合子君。

本島百合子民主社会党

○本島委員 紛争処理のほうからお尋ねいたします。  今回政府は、公害紛争処理法案並びに公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法案を提出されましたが、これは産業公害にとってはほんとうに待望久しかったという感じのする法律案でございます。  そこで、従来の公害被害者が、経済的にもあるいはまた病気の治療の上にも、新しいというような観点で、その方法がまだ十分研究もされていない、こういうようなことから、長年苦悩に耐えてこられておる被害者、こういうような人々を見ますときに、私どもは何としてでもこういう方々の苦悩を取り去ってやらなければならぬ、こういう責任を痛感するわけでございます。たとえば産業公害に対する紛争というものの中で、非常に時間的に年月の長かったもの、神奈川下流一帯のイタイイタイ病、あるいはまた阿賀野川下流の水銀中毒、熊本の水俣病、こういうようなものについては、その初期においてだれが研究に取りかかったのか、そしてまただれがこの問題についての紛争の解決に当たろうとしたのかというようなことを調べてみますときに、これはほとんど手が尽くされていなかった。そして一介の開業医の方々が、どうもふしぎだというような観点からいろいろの意見を発表されて問題化されてきた、こういうようないきさつを考えてみますときに、私どもは何としてでもこういう方々の解決をしてあげなければならぬ、こういうふうに思うわけなんです。たとえは町で起こっております産業公害の被害——いま申し上げたのは大きな事件でございますが、町で起こっておる事件というのは、御承知のとおり、振動が強いとかあるいは悪臭に悩んでおるとかあるいはまたその企業からくるところの周辺に対する悪影響というようなもの、自動車がひんぱんと入ってきて自分たちの通路さえもなくなるとか、トラックが置きっぱなしになるとか、こういうようなこまかい紛争に至るまでずっと見てまいりますときに、ほとんど被害者の方々は泣き寝入りするか、またがまんをしていくか、こういう方法しかなかったのであります。こうしたトラブルの解決をする方法というものがなかった。たとえば私ども議員などを訪ねてこられて、いろいろ両方の中に入ってあっせん等してまいりますが、利害関係が対立している問題というものはなかなか簡単に解決はできなかった、こういうようなことを経験してまいっておる私にいたしますれば、今回の紛争処理というものは、裁判にかけないまでもきちっとこれが裁判にかけただけの効果のあがるような、判決といわないまでも仲裁が行なわれる、こういうことになれば、ずいぶんいままでの紛争というものは解決していくのじゃないだろうか、こういう意味での期待を非常に持っているわけなのです。  そこでお尋ねいたしたいのは、第一条の目的のところに、「公害に係る紛争について、和解の仲介、調停及び仲裁」こういう制度を設けて、「迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする。」と、こういうふうになっておりますけれども、裁判、訴訟に至るまでの段階として設けられておるこの仲介、調停、仲裁というようなこと、これは一体どれだけの意義があるのかということでございます。このことばからきたものを見てまいりますと、大して権能もなさそうだし、また力もなさそうだというふうに思えるのです。利害関係が相対立している場合におきましては、ちょっとした仲裁程度ではなかなかケリはつかないのです。そういう場合の今回のこうした法律のたてまえ、立て方というものが、民事裁判と比較いたしまして非常に力弱いというような気がしてならないので、この点についてどうお考えになっておるか、法案提出者のほうからお伺いいたしたいと思うわけであります。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまお述べになりました御意見にも明らかになっておりますごとく、公害というものにつきましては、ずいぶん複雑な原因もあるし、またその発見も困難であった、また解決にも過去において非常に苦労しておったのであります。現実におきましても、十分に解明されておるというところまではいけないものが少なくないと思うのであります。それだけに、この解決方法に対しましては非常な努力を要する次第であります。過去におきまして、裁判によりまして解決が求められておったわけでありまするが、しかしそういう公害の特殊性から申しまして、裁判ではなかなか長期間時間がかかりまして、その間に関係者、当事者におきましても非常な迷惑をするという状態にもなっておったのが事実だと思うのであります。したがって、今般裁判によるところの、訴訟によるところの解決方法以外におきまして、当事者が互いに互譲の精神によりまして、話し合いをいたしまして、そうして解決しようではないかという気持ちに立った際におきましては、ひとつそれに当てはまるところの適切なる方途を講じようという意味におきまして、和解の仲介、調停及び仲裁という制度を設けた次第であります。したがって、これは裁判による解決以外の方法であります。しかもこの方法によりました場合におきましては、当時者の解決しようという意欲を前提としております関係上、当時者があくまでさような精神に徹する場合におきましては、非常にすみやかに、また円満な解決ができるものと私は思うのであります。その場合におきましては、従来にないところの、関係者に対する大きな利益を与えることができると思っております。  なお、和解の仲介、調停及び仲裁というものがどんなものであるかということでありまするが、簡単に御説明申し上げますると、和解の仲介というのは、民法上の和解契約の締結をあっせんすることでありまして、民法第六百九十五条では「和解ハ当事者カ互ニ譲歩ヲ為シテ其間ニ存スル争ヲ止ムルコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス」、ここに「譲歩ヲ為シテ」云々という字が入っておるのであります。これが民法に定める和解契約の締結のあっせんでありまして、和解の内容は問いませんが、相互に譲り合ったところに従って、争いの対象となったところの法律関係がきまり、一度きまった以上は、後になって真実の法律関係と一致していなかったという確証が出ましても、やはり和解契約に基づいて定められておるところの法律関係には影響を及ぼさないということになっております。ただし、争いの対象とされていない事項でありましても、和解契約の要素をなす事項につきまして錯誤ある場合には、和解は無効であるという余地が残っておるのであります。これが和解の仲介の特色であり、調停におきましては、やはり似たような精神になっておりますが、紛争の当事者の間に立って、第三者が事件の解決に努力することをいう、ということになっておりまして、これに対しまして、必要な機関として本制度によるところの機関ができておるのであります。したがって、和解の仲介も調停も、当事者の互譲のもとに自主的な合意があり、そうして紛争の解決を求めようというところに効果があるのでありまして、相互におきまして話し合いができまして調停を受けようということになり、それに従うということになりましたならば、非常にすみやかな過程によりまして結論が出てまいるわけであります。  それから仲裁というものは、当事者の紛争を第三者の判断によって解決することでありまして、第三者にまかせる、当事者が十分信頼しておりまする第三者にまかせるわけでありますので、したがって、仲裁に付するかどうかは、当事者の自由な意思でもってきまるわけであります。さような前提のもとに行なわれました以上は、やはり仲裁が十分な効力を生ずるわけであります。  なお、それが結論的に、調停によりましていわゆる和解契約というものが確定いたしました場合におきましては、その効果というものは、民法上の和解と同じように、その履行につきまして争う場合におきましては、裁判所の判断等を求めることができるわけでありますが、非常にすみやかにそれが進行できるというわけであります。  大体、気持ちといたしましてさような趣旨でありまして、本機関におきましては、裁判所のごとき作用を行なって、そうして結論を出そうというものではない。互譲の精神のもとに、これを前提といたしまして、すみやかに適切な解決をはかりたいというところに、本案におけるところの調停和解の特色を持っておると申し上げていいと思います。

本島百合子民主社会党

○本島委員 大体のことばはそうでございましょうが、実際問題として、その人が経済的な能力がある、ない、いろいろの点に関連してくると思うのです。そうした場合においては後にお聞きする中央審査委員会というものの仕事の内容にも関連してくると思いますが、私どもが経験した問題で申しますと、いまおっしゃったような形での和解というものはなかなか出てこないという気がするのです。そういう意味で、この紛争処理法案に盛られた第一条のこの目的というものがどのくらい生かされてくると想像されるか、推定されるのか、この点もう一度聞かしていただきたいのです。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この制度はいままでにない新しい制度でありますので、私どもは、どの程度まで活用されるかということに対しましては、はっきりとした見込みは持っておりませんが、現在すでにずいぶん紛争が生じておりまして、裁判所に訴えましてもずいぶん解決に困った事例があるのであります。非常に長引いておる、経費もかかるということを皆さん感じておられますので、したがって、本法によって解決しようというものも、私は今後出てまいるのではないか。むしろ積極的に大いにこの法律の趣旨の普及徹底をはかりまして、そうして解決をはかってまいりたいと思うのであります。先ほどもお話がありましたように、その公害というものの原因調査、責任というものの追及につきましては非常に複雑でありまして、最終的な裁判所の結論を得るまでにずいぶん手間がかかるのであります。しかし本法におきましては、そういうことをせずに、もちろん客観的な事実調査、研究は政府の機関を十分利用いたしまして、そうして公平な判断をするわけでありまするが、しかし当事者におきましては、何とか話し合いたいという気持ちのもとに利用いたしまするならば、適正な結論を得られるのじゃないか、私は、その意味におきまして、非常に効果があると思うのであります。なお、経費の点につきましてもあとで申し上げまするが、この制度におきましては、裁判所のごとき膨大なと申しますか、どれだけかかるかわからぬかのような、長年の争いで、弁護士等の費用がかかるということにつきましては懸念のないように、きわめて安い経費でもって行なえるようになっております。もとよりこの経費は当事者が負担することになっておりまするが、しかし委員会自体におきましては、十分な政府の調査機関等の協力を得まして必要な資料を得る、なお委員会自体におきましても、審査に関しましては専門員を持っておりまして、そういう調査を行なわせますので、裁判等と比較いたしまするならば、非常に安い経費でもって行なえるというところに特色を持っております。したがって、十分この制度を活用できるのじゃないか。私どもは今後の周知徹底にまって、効果をあげていきたいと思います。

本島百合子民主社会党

○本島委員 いまの総務長官のおことばに、さっきも出てまいりましたが、経費の点ですけれども、たとえば申請をいたしました場合に、三人の委員が任命される、そういう場合に、一人は弁護士というような資格の者が必要とされておるように、この法文の中で見たわけでございますが、そういたしますと、弁護士さんという一つの資格のある人というものには、仕事に対する報酬の基準というものがあるわけなんですね。そのような人を入れる場合に、その基準というものがどういうふうに取り扱われるか。また、そうした委員の費用、こういうものがどういうふうになるのか、非常に経費は安くなるだろう、いまこうおっしゃるけれども、実際上の問題としては、そういうふうにならないような感じがするわけなんです。弁護士さんを入れるとすれば、弁護士さんは正当な報酬ということにならざるを得ないのじゃないでしょうか。この点の関係をお聞かせ願いたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この委員会におきましては、中央におきましては中央委員会というものがありまして、ここは委員長と委員五名をもって組織しますが、これはいずれも法律の専門的な知識を有する法律家あるいは公衆衛生、または産業について学識経験を有する者から委員を選任するつもりでおります。  それから地方におきましては、それぞれ地方の審査会というものを設け、審査会を置かないものに対しましては、必要に応じまして委員を任命するように、候補者をあらかじめ十五名ばかりつくっておきまして、そういう方を審査会にお願いするわけであります。こういう人たちの中には、もちろん弁護士なんかも資格者でありますが、そういう人たちの必要な経費というものは全部国なり県なりが負担いたしまして、そうしてその費用を予算で盛っておる次第であります。したがって、直接のそういう経費は依頼者が持たなくてよろしい。ただ、依頼者が負担いたしますのは、申請をいたしますときに、申請の手数料が要るわけでありますが、しかし、この手数料もできるだけ安いものにいたしたいと思うのであります。  なお、当事者側から、あれを調べてくれ、これを調べてくれといって特別な要求がありましたときにおきましては、本人の負担になるわけでございますが、しかし、委員会が行ないますために必要な調査は、先ほど申し上げましたように、委員会自体が専門委員をもっております。そうして委員会の力で調査いたしますが、なお各行政機関、研究所その他の力も、政府のものにつきましては協力を求めることができまして、それは委員会で行ないますので、本人のほうの直接の負担にはかからない。これはもうなるべく委員会中心で行なってまいる。特別の費用は、本人の要求によるものは当然本人が負担するということになっております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 裁判にかけるよりはずっと格安といっては申しわけがないが、安い経費でできる、こういうふうにおっしゃっておるのですが、この点は特に力を入れていただかないと、町に起こっている紛争の解決等を見ておると、これはとてもできる相談ではない。また大体利害関係が相対立している場合ですから、ちょっとやそっとの仲介や何かでは問題は解決しないことが多いのです。そうすると、最後には裁判に持っていく、こういうことでやっとけりをつける、年月もかかることですが。そういうようなものを今度この紛争処理によってなさろうとするのですから、そういうところについての御研究を、特段にいただきたいと思うわけであります。  次に、中央公害審査委員会についてお尋ねいたしますが、その機構と性質等について、委員長を含めて委員が大体六名になる、こういうことですね。そういたしますと、三名は非常勤であるというふうになっていると思いますが、この非常勤という勤務のしかたには、国の制度の中ではいろいろさまざまにあるわけなんですね。そうして非常勤というものについての賃金は、非常に安いところからある程度高いところまであるわけなんです。たとえば売春婦のお世話をいたします婦人相談員等については、もう三年か四年になると思いますが、一万二千円か三千円のはずです。こういうものがあるかと思うと、通産省関係の非常勤の、ちょっと名前は忘れましたが、何かの委員は三万円か四万円非常勤でももらっている。こういう非常な格差があるので、この場合におきますところの非常勤と常勤のものに対する給与はどのようになさるのだろうか。法律を読んでおりましたところ、これは別に法律で定めると書いてございますので、幾らかわかりませんが、大体の御見当はおつきになっていると思います。非常勤勤務というものは私はもともとあまりすきじゃありません。ということは、人が片手間にものをやるということは、こんな大きな問題をやるときにできるものじゃない。だのに、なぜわずかのこの人数の人を非常勤と常勤とに分けられたのか、こういう疑問が出たものですから、この点をお尋ねしたいと思うわけです。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この仕事は最初の仕事ではありますし、どれだけの仕事の量があるかということもまだ確定いたしませんが、しかし非常にむずかしい仕事でありますので、専門的な経験者をほしいわけであります。今後とも、私はそういう方が多数一般的に必要になってまいると思っておるのであります。したがって、まず事件を処理いたします場合におきまして、やはり中心となって働く方はどうしても常勤の方にお願いいたしたいと考えておりまして、委員長並びに二人の委員は、常勤でもって、絶えず事件処理の中心となって活動していただきたい。大体、委員長は二十五万五千円、それから委員は二十三万五千円という地位を確保してあります。なお非常勤の方々は、公害の種類によって、お医者さんなりそれぞれの専門的な立場を代表されたいと思います。あるいは一般学識経験者の方も必要でありますが、お仕事を持った方も少なくありませんので、そういう方を非常勤でお願いすることになっておりますが、待遇といたしましては、予算面は一日大体六千円を見ております。決して多い額とは思いませんが、しかしこういう仕事に当たっていただく方に対しましては、他の委員会等との均衡から見まして、私はまあ適正なところではないかと思うので、もちろん専門家の方々に対しては決して高い手当とは思いませんけれども、しかしお願いできるのではないか、かように考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 非常勤の場合はどの程度——日にちその他事件がどのくらい来るかわからぬからとおっしゃるけれども、どうなりますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 非常勤の方は、いま申し上げましたように予算で六千円とっておりますから、一日おいでいただけば六千円、ただ、人によってこの点は多少の増減があるかと思いますが、予算はとりあえず一人一日六千円を見ております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 非常勤の方と常勤の方を区分するということ、紛争処理という形において、非常勤というのはどうしても片手間になりやすいのです。だから、そういう点で、大きな問題の解決ができるのかなと思うのですが、その非常勤の方々は、お医者さんであるとかあるいは特殊な研究をしている人とか、そういう人を任命する、こういうことなんでしょうか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 中央におきましては、委員長と委員が五名でありますが、これはなるべくいろいろの種類、各関係方面の方を代表して入れたいと思います。したがって、一般代表がだれになり、だれがどうということは、今日のところきまっておりませんが、この五人が、組み合わせによりましてと申しますか、チームになって十分な仕事ができるようにいたしたいと思いますが、しかしその中心になる方は、これは委員長と常勤の委員、この方は常勤していただき、専念していただくつもりであります。したがってその方を中心として、非常勤の方々が専門的な立場に立って意見を述べていただくという形になっていただく。初めからずっと常勤の方々が事件を終始見ておられるわけでありますので、御懸念のような形にはならないと思っております。ただ、将来非常に取り扱います件数がふえてまいります場合におきましては、これはなかなか手が足らなくなることもあり得るんじゃないか。これは事務局の問題にも関連しておりますが、将来非常に申請者が多くなれば、スタッフを充実しなければならないかと思いますが、まず当初のことでありますので、大体この程度から出発いたしたならばいかがかと考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 そこで、都道府県は条例の定めるところにより審査会を置く、そして調停、仲裁を行なわせることができる、こうなっているんですね。だから都道府県においては、中央公害審査委員会のように常時置かれる県もあるだろうし、置かれない県もあるだろうと思うのですが、こういう点です。やはり給与、待遇等、これはやはりこの中央公害審査委員会の人々に準じてなさるのでしょうか。  また、もう一つあわせて聞きますが、審査会を置かない都道府県は、公害審査委員候補者ということばになっておるのですが、その候補者を九人から十五人以内において、その名簿を作成しておかなければならない、こういうふうになっているのですね。そうしてこの審査会の設置というものが、二県にまたがるときには連合審査会を置く、こういうふうになっておるのですが、ここで、国の法律としてきめていかれる場合に、こうした非常に違った角度のものが出てくる——名簿方式ということばが何かに使われておったようですが、こういうようなのは、公害の出ることの少ない地方においてはこういうことになるのだろうと思うのですけれども、こういう場合のその人の身分、待遇というものはどういうふうになっていくんでしょうか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 各府県におきましては、すでにずいぶん公害が発生して、府県といたしましても公害対策に悩んでおられるところが、もう相当の数にのぼっておるわけでありまして、私どもは、そういう府県におきましては、当然常時対策の機関を置いているんじゃないか、かような意味におきまして、十三条におきましては、そういう常時に置いておくという意味におきまして、都道府県の公害審査会というものを置くことができるとしておりますが、現に公害のありますところは、これは私は当然置いてもらいたい。またぜひそういうふうに、私どもからも指導するつもりでございます。しかしまだそれほどでないところは、ふだんは、そういうことに当たる人をあらかじめつくっておいて、いざというときに活動ができますように、十八条におきましては候補者を設けておる。そして候補者の中から選んで活動していただくようになっておるわけであります。しかし各府県とも相当近ごろは公害がふえてまいりましたものですから、できるだけ多数の府県が置いていただきたいと思います。なおこの設置にあたりましては、もちろん経費がかかります。委員に対しましても、その地位を保障しなければなりません。なおここに規定がありますように、委員が公平に、しかも独立した機関として働かなければなりませんので、やはりその身分というものは、地方におきましても、中央に準じて保障いたさなければならないと思うのであります。この経費につきましては、自治省におきまして十分考慮していただくことになっております。具体的には、自治省のほうからお答え申し上げます。

近藤隆之自治大臣官房企画室長

○近藤説明員 委員の報酬については、御案内のとおり地方自治法の二百三条の報酬及び費用弁償の規定によりまして、条例で定めるところによって支給するということになります。御承知のように、県には各種の委員がございますので、そういうものとの権衡、あるいは国のほうにも非常勤の委員もありますので、そういったものを参考にしつつ、それぞれの府県がきめることになろうかと思います。  それからなお、これに要する費用、これは当然地方公共団体が払うわけでありますけれども、公害行政に関することでありますので、われわれといたしましては、地方交付税の中で財源措置をしていきたいと思いますし、なおこれが本年度におきましてどの程度開かれるか、開かれる回数によりまして、報酬の額、費用弁償の額等も違ってまいりますので、いまのところ見当がつきませんが、とりあえず地方交付税では、昨年度に対しまして約倍増して措置しておいたわけでございますけれども、もし万一足りないことがございますならば、前年度同様、特別交付税等によって措置してまいりたいと思っております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 その「名簿を作成しておかなければならない。」、その名簿方式というのは一体どういうことになるのですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 名簿は、九名から十五名という方々を候補としてつくっておくわけでありますが、これは公害の種類によりましてもかなり広範囲にわたるのじゃないかと思うので、事件のありました節、適当な方を、これは三名ずつになりますが、たとえば仲介の際におきましては三名、それから調停の際におきましても三名の調停委員をその中から知事が選んで働いていただくということになります。適当な方をその節お願いするわけであります。

本島百合子民主社会党

○本島委員 そういたしますと、こういう人の給与や何かはどうなっていくのでしょうか。依頼を受けた場合の実費弁償、こういうことになるのでしょうけれども、常時この予算は組まれていないという形のものではないでしょうか。

近藤隆之自治大臣官房企画室長

○近藤説明員 この候補者の名簿制度というのは、これが初めてではございませんで、御承知のように、いままで公害三法には、それぞれ和解の仲介ということで、こういう仲介の制度がおかれておったわけであります。各都道府県で、実は三つの法律で二十名ずつ、六十名をそれぞれ指定しておったわけであります。現実にはあまり活用されておりませんけれども、もしあるかもしれないということで、当初予算にかっこうだけつけておくというような形でやっておったと思います。おそらく今度こういうふうに制度が変わりまして、現実にたくさんこれが活用されるということになりますれば、それぞれの府県が見込むわけでありますけれども、見込み足りないならば、当然補正ということになると思います。

本島百合子民主社会党

○本島委員 何だかわかるようなわからぬような気がいたしますが、問題は、紛争というものが起きない場合には必要でないから、まずこういうようなことになったんだろうと思いますけれども、しかしたとえば市町村なんかでいろいろの苦情相談所を持っております。こういうところの相談をお調べになると、大体こういう公害関係の紛争というのは非常に数が多いということになるはずなんです。私のところの相談所におきましても、こういう公害に関する紛争というものは、月平均十件を下らないのです。こういうことから判断してまいりましても、これは名簿方式という形だけでは済まされない。ほんとうに積極的にこうした紛争というものを解決してやるというような気持ちでの紛争処理法ということになるならば、私はやはり、中央官庁のほうから都道府県あるいは市町村に至るまで、こうした問題については積極的にやれ、こういうようなことでひとつ活用していただきたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの御意見のとおりでありまして、先ほどお答え申し上げましたのは、府県の審査会並びに審査委員の候補者の問題について申しましたのですが、町村段階におきまして、実際は今日非常に大きく活躍しております。これは単なる六種の公害に限らず、一般的ないわゆるいろいろの相談事、苦情事がありまして、これに対しまして非常に活動しておりますので、特に本法におきましても四十九条に、市町村段階におきましては「公害に関する苦情について、住民の相談に応じ、関係行政機関と協力してその適切な処理に努めるものとする。」という規定を特に置きまして、従来から置いておられたそういう相談係が一そう仕事がやりやすいようにしてもらう。そうして町村でもってはかどらないものは府県へ持ってくるということになりまするから、地方でもって現実に非常に動いておりまするから、やはり県におきましても、必要なものに対しましては審査会を置くようになるのだと思います。審査会制度を活用してもらう。そうしてなお府県でまかなえないものあるいは中央のほうが適切なものは、中央のほうへ持ち出してくれるということになりまして、市町村の第一線におられるところの苦情相談所というものが、今日までも件数等におきましても非常に大きな効果をあげておられますが、今後におきましても、一番事情に通じた方々が有力な意見を出されて、解決に役立つものと私は考えておるわけであります。

本島百合子民主社会党

○本島委員 この紛争処理について考えますときに、どうしてもこの機関は、相当の権限を持っている、裁判所に準ずるというような形でやっていただかなければ、お願いするほうも何かたよりないという感じがいたすし、またいままでの御答弁を聞いていても、それで済むのかなという気がいたすわけです。そういう意味からいたしまして、これを三条機関になさるべきであったのじゃないだろうか。国家行政組織法の中での三条機関であるならば、これが準司法的行政機関として、省庁程度の強い権限を持ち得たのではないだろうか。だがしかし、この八条機関ということになると、これは総理府の付属機関というような形で、どうもそこらあたりが権限が非常に落ちているという印象が強いわけなんですが、こういう点について、この法案をつくられた場合にこれは論議になったはずなんですが、どういう見解に立ってこうした三条機関、八条機関という問題についてのケリがついたのか、お聞かせ願いたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この法律におきましては、第一条に書いてございますごとく、その目的とするところが和解の仲介、調停、仲裁ということになっております。この三つのことが目標であります。したがってこの三つの目標をいたしまするのにふさわしいだけの権限というもの、またその権限を行使するのにふさわしい委員の方々をお願いしておるというわけであります。  なお、根本的に問題となりますのは、和解の仲介、調停、仲裁、それ以外にいわゆる裁判所の裁判にあたる裁定というものを加えたらどうかという御意見があるわけです。しかし本法を制定いたします際におきまして、いわゆる裁定行為までいたしますことは、いろいろと検討いたしましたのでありまするが、まだふさわしくない、かように考えておるのでありまして、したがって裁定ということを除いたのであります。したがって裁定を除きましたものでありますから、それにふさわしいところのワクになってきた。八条機関でふさわしい権限は十分持てる、しかしこれに裁定を加えれば、これは当然三条機関にしなければならないという議論が出てまいるだろう、そういうことも私ども検討いたした次第であります。  現在の機関におきましては、八条機関におきまして必要とするところの要素は兼ね備えておると考えておるのでありまして、この点はすでに、どういう権限を持っているかということが、この法律に具体的に書いてありまするが、なおその任務を円満に遂行するためには、何といっても公平に行なわれなければならない。役所なり外部からの干渉があったのではいけないので、十分機関としての独立性、中立性は持たなければならぬということになっておりますので、さような立場に立って機関ができておる。同時にそれを保障するために、委員の方の立場、身分というものに対しましても、ここに少しくどくど規定がありまするが、十分に自分の権限を行使できるような身分を保障してあるわけであります。なお職務を執行するに際しまして、出頭命令権とかあるいは立ち入り検査権というものがやはり必要であると思いますので、それに対しまして、それぞれ権限を与えておるわけであります。もしも先ほど申し上げましたように裁定ということをさせるとなれば、これはもうほとんど裁判所と同じような権限を行使して、強制的に相手の意見もその決定に従わせるというところまでまいらなければなりませんので、これをやるとなれば、それにふさわしいところの権限も持たなければならぬし、機構その他におきましても若干形が変わるのではないかというふうに考えております。それを充実するとなれば、現在ではやはり裁判所というものとの関係がありまして、二重になるんじゃないかというような意見もありますし、はたして当初からそこまでやるということはいかがであるかという点についての問題があったわけであります。すでに、この法案に対しまして審議会で答申がありました際におきましても、裁定まで取り扱うことにつきましては、まだ早いんじゃないかと申しますか、これは必要でないんじゃないかという意味におきまして、和解の仲介と調停と仲裁という程度にとどまっておるわけであります。しかし先般来、裁定までやらなければ十分効果がないではないかという御意見もずいぶんありましたけれども、これに対しましては、政府といたしましては、今日の公害の実情から見まして、なかなか問題が多いというふうに考えておるのであります。したがってこのような形において審査会が動きますから、それにふさわしい行政機構であるとすれば、八条機関でよろしい、八条機関がふさわしいというふうに考えておるわけです。

本島百合子民主社会党

○本島委員 私はしろうとですから、いまの御説明を聞いて思いますことは、たとえば裁判所における簡易裁判というような形、それから家庭紛争等に際しましての家庭裁判所、こういう形のところまでの権限はあるのでしょうか。そこまではいかないものなんでしょうか。八条機関の限度というとおかしいけれども、権限というんでしょうか、これはそういうふうに理解していいものかどうか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この処理機関は裁判とは違いまして、両方の者が、解決してもらいたい、また解決しようという気持ちがあったときに話をつけて、和解なり調停なりをいたすわけであります。それから、裁判所の場合でございますると、一定の法律に違反しているかどうかということを判断して、本人の意思いかんにかかわらずこれを強制できるという立場において違うわけでありまして、この点は裁判、訴訟とは全く違っておる。基本的におきましては、やはり当事者が解決したい、お互いに話し合っていこうという気持ちが中心になっている。ここに大きな差があるのでありまして、簡易裁判所とどっちが機構が大きいかといえば、機構の大小からいうと、これはまた論外であると思うし、権限もちょっとありませんし、そういう意味においては、その点は全く違うというふうにお考えいただいたほうがいいと思います。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 ただいま総務長官から概要御説明申し上げましたが、たまたま家庭裁判所のお話がございましたので申し上げますと、これは行政上行なう和解の仲介、調停、仲裁でございます。ただ裁判所の介入した似たような制度としましては、民事調停あるいは家事審判法に基づく調停等の制度がございます。そういうものとはやや似た性格を持っております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 この紛争処理ということは、私は件数は案外多いと思うのです。ただ持ち込んでいく場所がわからないという方が非常に多いというふうに思うわけなんで、こうした点で、これから法案が通過いたしました後の御活躍に待つ点が多いと思いますが、きょうは私特にそれに従事する人々の給与なり仕事の権限なりというものに重点を置いて御質問したわけなんです。ということは、後顧の憂いがあったのでは、こういうような産業公害等による問題について全身全霊をあげてぶつかってやっていただくというようなことはとてもできないように思うからでございます。こういう意味で、今後とも特段な御努力を心からお願いいたしまして、紛争処理に関してはこれで終わらしていただきます。  次に、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法についてお尋ねいたしますが、この法案全般について、私は、今回のこの健康被害ということについての救済ですから、公害被害の全般に対する救済措置、こういうふうに考えておったわけであります。ところが、大気汚染とか水質の汚濁だとか、そういうことに非常に狭まれた形での法律案ということになっておると思います。そういう意味で、非常に私は不満に思うわけなんですが、こういう点は、せっかくの法律でございますので、なぜ公害被害全般に適用できるようなものが出されなかったのか、これをまずお尋ねいたします。

粟山秀自由民主党厚生政務次官

○粟山政府委員 今度の本制度は、通常の生活環境のもとで発生が予想される公害にかかわる健康被害を対象としようとして御審議いただいているのですが、このような考え方からいたしますと、大気汚染と水質汚濁については、現にいまその影響による疾病の発生を見ておるのでございますから、それについて確認をされているので、入れたわけでございます。その他の公害、騒音とか振動、悪臭とか地盤沈下などもございますけれども、これについては、まだそれが原因でもって公害といわれるほどの疾病がはっきりと認められないというようなところから、問題になっているそういういまの大気の汚染それから水質の汚濁、そういうものにかかわる健康被害にしたのでございまして、今後とも、そういう他のもので、これが公害の原因であるというようなことが究明されれば、当然入るべきでございましょうし、予防とか、こういうものが発生しないというような見地からも、いろいろと研究して方策を立てていくべきだろうと思います。

本島百合子民主社会党

○本島委員 私はやはりこの産業公害というものについては、あらゆる面での救済という角度から考えていかなければならぬ、そういうふうに思っておりますので、今回は初めてのことであるからこの程度だということであろうと思いますが、やはりこの産業公害に対しまして、あらゆる面での救済ということが必要になってくると思うので、またできるだけ早い機会に、そうした面の法律を提出していただくことを要望いたしておきます。  この法律案の中で、特に「事業活動その他の人の活動に伴って相当範囲にわたる著しい」ということばがここで使ってありますね。それから、「水質の汚濁が生じたため、その影響による疾病が多発した場合」とこうなっているんです。著しいとか、多発とか、こういうことばが使ってありますけれども、どういう場合でも、著しくなってきた場合には、被害というものは相当なものだろうと思います。また多発ということになれば、これはもう多数の犠牲が出てそれからだ、こういうことになるんですね。病気と同じで、こういう産業公害の場合におきましても、何かこう疑わしい患者が出てきた、これは何だ、もうそのときから研究と治療とが加えられてまいらなければならぬ。そして多発を最小限度に食いとめていく、これがこの救済の最も根本になるべき問題だと考えておるわけであります。そういう点が、この法律案の文章それ自体から私はおかしいと思うのですね。普通の病人の場合でも、早期発見、早期治療、こういうことがいわれておるのに、こうした産業公害で非常に広範なもの、そして非常に原因が探究されるまでには年月がかかる、そしてその治療がまた、いまの医学的に見てとても治療ができないような状況、あのイタイイタイ病の患者さんや水俣病の患者さんたちを見たときに、ほんとうに産業公害のおそろしさというものを私どもは知らされるわけなんです。そういう人々が、最初はぽつりぽつりと出て、そうして病院でもおかしいな、こういうことによって初めて町のお医者さんたちが研究に取りかかってきておる。私は厚生省としては、そういうものの報告を受けたならば、すぐさまその研究に取りかかっていただかねばならぬ、こう思うわけなんで、こうした点について、今度は健康被害に関する救済ですから、そういう意味では、従前の態度を改めて、そうして、逆に多発を防いでいく、そういうような形での法律に直していただきたいと思うのです。しかし、直らなければしようがありませんから、厚生省の運営としては、いま私が申し上げたような形での行動が必要ではないだろうか、こういうふうに思うわけですが、この点についてどのようにお考えになっておるか、伺いたい。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 ただいまの先生の御議論はまことにごもっともでございます。今回、この法案を提出しました理由は、先日来いろいろ御議論がありましたように、公害にかかわります健康被害で、緊急に措置を要するものに対しまして、行政上の救済制度を何らかの形でやるべきではないか、こういう御要望にこたえて、いろいろくふうをこらしまして、制度を考えたわけでございます。御指摘の点につきましては、理論的には先生がおっしゃるとおりだと思いますが、ここで先生の御指摘のような表現になりましたのは、やはり公害病として認定をしていろいろな制度に乗っけるという実態を現在見ますと、やはり著しい大気なりあるいは水質の汚濁の影響によります病気がある程度出ていないと一それが公害病であるという認定をするに至るまでには、やはりそういうような状況になっているのが実情でございます。したがいまして、その実情をとらえて、私どもとしては法律制度を考えたわけでございまして、公害の場合に、もちろん一人、二人の疾病者が出まして、それがはっきりと公害病であるという認定がされるような状況になりますれば、当然それは公害病として認定すべきだ、かように考えておりますが、現状から考えますと、やはり相当ひどい汚染によって、病気がある程度多発するという状況でないと、やはり公害病としての客観性が出てこないという実情をとらえまして、こういう表現にしたわけでございまして、決して、相当——数十人出なければ認定しない、二人、三人では認定しないのだという意味で、こういう法律をつくったわけではございません。

本島百合子民主社会党

○本島委員 そこで、いま著しいとか多発とかいうことばに基づいて、その指定地域というものをおきめになるわけなんですね。いまのお答えによってもそう感じとられますが、しかし、私はこれは日本の一大欠陥であると思うのです。じゃ著しいというのはどの限度か、多発というのはどの程度の人数から多発というのか、こういうことになると思うのです。そういう基準というものはないはずであって、だから奇病が出たというその瞬間から、もうそれが一人であろうが二人であろうが、それに対する研究と措置というものがなされなければならぬと思うのです。最近わからない病気が非常に出ておるのですが、その原因を探究するのに十年もかかった、患者さんは、十年たってからだにがたがきちゃって、もう生命の火が消えようとしておるというような状況なんですね。こういうことであってはならない。やはりこの指定地域等をおきめになるときの基準が、著しい、多発、こういうようなことばに左右されておるのですから、それでは、今回大体どういう地域を指定しようとされておるのか。過日新聞等に発表されたのでございますが、差しつかえなければ、あれ程度のものか、もう少し幅が広げられるものか——たとえば私の選挙区の世田谷なとは、一酸化炭素によるところのぜんそく、小児ぜんそくというものが非常にはやっておって、近所のお医者さんに聞いても、ほんとうに数がふえている、こういうようなことがいわれても、そういう統計は出ておりませんから、指定するわけにはまいりません。しかし四日市の場合は、もうさんざんテレビなり新聞なりでも報道されて、皆さん方も御検討になったことと思いますので、これはある程度指定になるだろうと私どもも思っておるのですが、こういう点はどうなんでございましょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 この法律が施行になった場合にどういう地域を指定するような準備を進めているか、こういう御質問でございますが、水の関係につきましては、阿賀野川流域、それからイタイイタイ病の神通川の問題、それから現在補償の問題が進行中でございますが、熊本の水俣、この三つが、一応現在のところ私どもとしては指定すべきではないか、かように思っております。大気の関係は、先生御指摘の四日市等につきましても、現在これは市でもってほぼこの制度と同じような制度が運用されておりますので、こういう点も当然指定すべきじゃなかろうか、かように考えております。そのほか大気汚染が非常に著しい京浜地帯あるいは阪神地帯におきましても、やはり四日市程度の患者の発生が確認されれば、当然そういう点につきましては指定すべきではなかろうか、かように考えておりまして、調査の準備を現在進めておる次第でございます。先生が具体的にお話しになりました大原町付近の世田谷の問題につきましては、いわゆる大原ぜんそくということが昨今来からありますけれども、いわゆるCOによります問題は、直接ぜんそくそのものではございませんで、いろいろな刺激症状等が起こることは、これは専門家の指摘するところでございます。ただぜんそく患者は、先生御承知のように、どこの地帯でもいるわけでございまして、COのせいなのか、あるいはそのほかの大気汚染の一般的な亜硫酸ガス等の浸透によって起きましたか、そういう点につきましては、今後の調査にまたないといけませんが、そのほか大原ぜんそくと称せられるような地域もほかにございますので、そういう点につきましては、十分地元の府県の調査等を待ちまして検討してまいりたい、かように考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 いま気の長いことをおっしゃっているので、聞いているほうがいらいらしてくるような気がします。たとえば神通川のイタイイタイ病は二十三年を経過していて、すでに百五、六十名がなくなっているということ、水俣病も、これもずいぶん古くなっておって、もう四十名からなくなっている。救済の援助の手が差し伸べられるときには、ぼろんぼろんみななくなっている、こういうことなんですね。こんなに長いことかけていかなければならぬというものの考え方、こういうことについてやはり改めるべき必要がある。厚生省機関としてはもう早急に手をつけ、調査をし、そして多少でも疑わしいというような場合においては、すぐさまそれを機関にかけてやるというようなことが必要になってくるのじゃないか、こう私は思うわけなんです。  そこで、時間があまりないものですから続けて伺いますが、今度医療費だとか医療手当、介護手当の支給というものをなさるようになっております。こういうようなものが、かりにまだ公害と認定されない初期の段階において、貧しい人々、いわゆる生活保護にかかっている人たちは、医者にかかるときに、医療保障という形で、自分の出費は要らない、交通費と時間をかけるということで済みますけれども、そうでないボーダーライン層の人、こういう人たちは医師に見てもらうということすらできないわけなんですね。ですからいま申し上げたようなこんな大きな事件までおこって、そうして救済の手が差し伸べられるときにはもう死んでいっておる、あるいは老齢化してきておる、こういうようなことを見ましたとき、あまりにも痛ましいと思うわけなんです。そういう意味で、先ほどからくどいように申し上げておりますが、少数の場合でも、そうして奇病だ、普通の病気とは違っているのだ、こういうことが認定されたら、もうそのときから、私はある種の公害病と見てやるべきだ、こういうふうにくどいように主張するわけなんです。もう一度この点についてのお考え方を、通り一ぺんのお役人さんかたぎで答弁されるとむかむかしてきますから、その点やはりあなたも一人の人間として答えてください。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 先生の質問には二つポイントがあると思います。一つは、公害病と認定された場合の医療手当、介護手当等につきまして十分見るべきではなかろうか、こういう御意見と、認定される前の段階で、そういう困った方に何らかの手を差し伸べるべきではないか、こういう御意見であろうと思います。認定された場合には、当然この法律によります諸手当を受けるわけでございますが、この点につきましては、生活保護等をお受けになっている方につきましては、従来の考え方からいきますと、差し引くというようなことも行なわれることになっておりましたけれども、今回はぜひ原子爆弾の関係法律と同じように差し引かないようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。  それから、この制度によります手当自身につきましては、やはり認定を受けた方でなければ手当は差し上げられないわけでございますが、そのほか現在いろいろの奇病等があちこちで起きておりますので、そういう方々については、やはり一般の社会保障制度の拡充あるいはそのほかのいろいろの予算上のくふうによりまして、困った方を救済すべきではないか、私はかように考えるわけでございます。

本島百合子民主社会党

○本島委員 どうしてもその点が私どもぴんとこない感じがしますが、この点については、やはり早期発見、早期治療という形で、もっと緩和をされてほしいと思います。同時に、いまもおっしゃったように、原爆被爆者と同じような特別措置法の基準にのっとってと、こう言われるのですが、これは昨日でしたか、私どもも質問したのですが、いまの物価高に合わない金の支給ということになっておりますね。たとえば介護手当なんか、一日三百円なんて、そんなことで介護に来てくれる人は絶対ありませんし、また所得制限がつけられておる。そうすると、原爆の場合はもう当然国の責任においてなされなければならぬ。非戦闘員の人たちがあの被爆にあったわけなんです。産業公害も、その人自身の不心得から起こったものではなくて、その地域にある特殊の産業があって、その産業からくる被害を受けたという形になるわけなんです。さすれば、こういう人々に対して所得制限などを設けて、あなたのところは金があるから自費でおやりなさい。金のない人だけは見てやりますよという、このものの考え方というのは、少しおかしいのじゃないでしょうかね。やはり平等に見てあげる必要がある。お金のある人はあるように、日本の税制をごらんになってもわかるが、累進課税で非常に高い税金を取られているのですから、さすれば、所得の多い人も低い人も同じじゃないか、こういうことなんです。そういう意味で、この所得制限は撤廃してもらいたい。同時に、生活保護を受けている人々がこういう支給を受けた場合に収入と認定される。そうして厚生省では、大体五千円程度はまあ目をつぶりましょう、それ以上になれば、それはもう収入と認定して、生活保護費から差っ引いていきます、こういうふうになっておるはずであります。こういうことも、ほんとうに防貧政策でつくられておるはずの生活保護法も、もうこれは貧乏のどん底まで落ちなさい、落ちたらある程度見てやります、ただし、一定の線以上に上がってきてはいけませんよ、それ以下にいなさいというのが、いまの生活保護法のたてまえになっているわけですね。だからほんとうに社会復帰をして、ものをやりたいと思っても、生活保護を受けておる人々はその勇気が出てこない、ゆとりがない、こういうことになる。ましてやこういう病気にかかっておる人々に対する生活保護費との関連において、収入認定をして生活保護費を差っ引くなんという、こういうことは、私はやはり政府としてもこれは改正すべきじゃないだろうか、こう思うのですが、こういう点についてお答え願いたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 生活保護法との関係につきましては、先生のおっしゃるとおりでございまして、生活保護法の関係を支給する場合に、この手当があわせて支給された場合に、差っ引くようなことはしないように、現在厚生省としては計画を進めております。  それから、問題の所得制限でございますが、この点は原子爆弾被害者に対します特別措置法と同じようなたてまえをとっておりますが、所得制限そのものにつきましても、先生の御指摘のような点がございますので、そちらのほうの法律の運用にも照らしまして、今後とも改善策に努力していきたい、かように考えておるわけでございます。

本島百合子民主社会党

○本島委員 その点、法律的にいまはできないとおっしゃるのですから、改正をするか、あるいは最低限五千円といわずに、これを一万円程度見てやったらどうでしょう、特別手当は一万円ですから。それを平均してもらえば、そうすると、この患者さんたちは相当助かってくると思うのです。五千円程度というのも、これは黙認のはずなんです。普通いま三千円程度見る、こういうことになっておるわけだと思うのですが、そういう考え方に立って、ひとつ厚生大臣とも相談されて、改正する、そういう前向きな御答弁ができないものでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 手当そのものにつきましては、法律改正を要しませんで、政令できめることになっております。したがいまして、予算措置等ができれば、この点は先生がおっしゃるとおりに、改善策ができるわけでございます。原子爆弾のほうは、これは全部国費でございます。この法律の問題につきましては、これは御承知のように、半分は企業のほうから実は補助をいただくわけでございます。この点の改善策につきましては、関係方面の協力を得まして、来年度以降の予算で十分改善策を考えていきたい、かように考えます。

本島百合子民主社会党

○本島委員 これにこだわっておると時間がなくなってしまうので、また別の機会に論争をさしていただきたいと思います。  もう一つ、公害防止事業団についてお尋ねいたしますが、その事業団の事業の内容は大体どういうことが主となっておるのか、それから、その資金は産業界の負担を一応当てにしておられるようですが、こうした問題についてどの程度の資金が集まるのか、そしてまた、聞くところによりますと、公害を発生した企業などは、とっつかまらないように逃げ回っておる、呼び出しかけてもなかなか出てこない、こういうのが多いと聞いております。ただし、これは小企業の場合で、大企業の場合は非常な設備の改善等を行なったりして、私どもも委員長に率いられまして、現地視察をしてまいった例もございますが、小企業の場合はそれがなかなかできない、そういうようなものの数のほうが多いのですから、大企業のどこかからある程度の金を別途受け取って、そしてこれで発足、こういうような形になるのじゃないだろうか。この産業公害という大きな問題をかかえて、特殊な大企業からの恩恵を受けてやるなんというようなことは、そもそも間違っているような気がするので、やはりこれは政府の基金によってやるべきだ、こういうように考えておりますが、この点はどういう状況になっておるのか、どういうふうに考えておられますか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 この法律で事業団の果たす役割りについて最初に申し上げます。  事業団は、国からの分と、それから企業からの分を集めまして、府県なり市町村にそれを補助する、こういう仕組みになっております。  それから、企業からはどの程度援助を仰ぐかということにつきましては、事業団と公害病の資金を納入する団体との間で契約を結びまして、このことが担保されるわけでございますが、現在そのための特別な法人が設立準備中でございます。その法人がどういう企業から金を受け入れるかという点につきましては、これはその団体にまかせておるわけでありますが、私どもが通産省のほうから話を聞いております範囲では、できるだけ広範囲の企業から資金を集めるというふうに私どもは聞いております。  この医療救済そのものについての資金につきまして、先生から、もっと公費をつぎ込むべきではなかろうか、こういう御意見もございました。この点につきましては、いろいろ御議論があったわけでございまして、結論的には、やはり原因者がわかった場合には、これはまさしく企業が全部持つということでございますが、やはり国、地方公共団体のいろいろ政策的な責任もございますし、原因者がわからない間は、関係者でそれぞれ持ち寄ろうということで話をきめたわけでございます。その場合に、企業のほうで一番負担を持っていただく、つまり半分持っていただく、残りを国と地方公共団体とで持つということで、この法律構成を考えたわけでございます。

本島百合子民主社会党

○本島委員 もう時間的にほかのことをお聞きできませんので、最後にお尋ねしたいことは、河川などが一番いろいろの問題で公害を起こしやすい。そうしますと、この河川というのが、下流ですとある程度集まっておりますが、上流になってきますと、非常に遠い地域になってまいります。その上流地域に公害が発生した、こういうような場合に、すぐ調査班の派遣とかあるいは専門的な学者を編成して実地検証してもらうとか、こういうようなことの準備が大体どういうふうにできておるものか。産業公害にとってこの調査班というものについての期待が一番大きいし、またこの人々の仕事というものによって、いろいろの問題の解明がなされると思いますが、そういう意味では、専門家の確保あるいはまたその養成、こういうことが、中央ばかりでなく、地方においてもなされなければならぬと思うわけなんです。それが見通しとして、中央ではある程度これができるとしても、地方の場合、もうすぐにその地域に起こった問題のときに、この調査班派遣ということをしていかなければならぬ。そうして中央のほうは、その報告を受け、その上に立って、もっとがっちりした調査ということになるのじゃないか、こう思うのですが、そういう意味での調査班の派遣とか専門家の確保とか養成、こういうことはどういうふうになっておるわけでございましょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 水の問題は各省にまたがるわけでございますが、厚生省で関知しておりますことを申し上げますと、そういういろいろ先生の御指摘があるような問題が起こりましたときには、やはり水の問題は非常に多方面にわたりますので、厚生省におります水の専門家だけでは、調査ができない場合が多々ございます。したがいまして、その環境調査の内容によりまして、大学とかあるいは試験研究機関等の専門家を、それぞれテーマごとに調査員としてお願いいたしまして、府県と一緒に調査を実施している実情でございます。それから厚生省自体の職員につきましても、御承知のように、水の専門家は大体衛生工学の系統でございますが、この学部も、各大学等に全部あるわけではございませんし、だんだんとふえてはきておりますけれども、公務員になっていただく方も非常に少ないということで、苦労しているわけでございます。  それから、現在厚生省では、国立公衆衛生院というものがございまして、ここに公害衛生学科というものを設けて、四十二年から養成を行なっております。まだ発足したばかりでございまして、かつまた、地方のほうで長期の研修等になかなか人がさけないということで、三カ月程度の短期コースが中心になっておりますが、現在のところ、大体五十人前後を一年に養成している、こういう状況でございます。それから、そのほかに臨時的なものとしまして、私のほうに環境衛生センターというものが財団法人でございます。ここで毎年大気、水、騒音のそれぞれのコースに従いまして、約二百名弱の人に短期間の講習を行なっている程度でございます。  御指摘のとおり、専門家の養成につきましてはまだまだ不十分でございますので、努力を続けなければならない、かように考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 新しく発足するからというようなことで、いまのお話を聞いておっても、ちょっとした災害が起こったとか公害が発生したとかいう場合に、ああ間に合わないなという気がするのですが、町の開業医の方々の利用というものは一応考えていられるかどうか。たとえば、いままでのいろいろの事件、いろいろな食品によるところの公害等にいたしましても、町の開業医の方々が患者を見て、これはおかしい、こういうふうにすべきじゃないかとか、こういう意見を出されておりますが、そういう場合に、あまり厚生省は耳を傾けない。新聞にでかでかと出ると、あわててそれから調査班を派遣、なんというのがいままでの例のように聞いております。それではとてもこの産業公害に対して対応はできない、こう思うわけで、こうした質問をしたわけであります。  実は水質保全のことも質問したかったのですが、時間がございませんので、これは委員長にお願いして、またの機会を与えていただきたいと思います。  そこで、最後に締めくくりとして、いま申し上げたこうした点については、開業医の専門家的な方々も動員をして、こういう問題に当たっていくという考え方があるかどうか、これ一点お聞かせ願いたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 そのことの実態を一番つかんでおる方あるいは専門知識の御経験のある方につきましては、現在公務員であろうとあるいは民間におられる方であろうと、これは差別すべき問題ではないと私ども考えております。したがいまして、先生の御指摘の点につきましては、十分専門家としての御識見は尊重すべきものだ、かように考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 それでは終わります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 岡本君。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 話は先般当委員会におきまして、また本会議におきましても、質問いたしましたが、この紛争処理法案の第五十条で、「防衛施設周辺の整備等に関する法律第二条第二項に規定する防衛施設に係る公害対策基本法第二十一条第一項に規定する事項に関しては、別に法律で定めるところによる。」、こういうように今度の紛争処理法案では除いておりますので、床次長官が来られるまで、防衛庁に対してお聞きいたしますけれども、現在防衛庁が出しておりますところの基地公害の救済措置で完全であるかどうか。その例をあとで申し上げますけれども、この問題について、防衛庁では現在どういうように考えておるか、これをひとつお聞きしたいのですが、どうでしょうか。

坂村吉正自由民主党防衛政務次官

○坂村政府委員 お答え申し上げます。  このたびのこの法案から基地の問題をはずしてありますことは、いままでも何回もいろいろ答弁を申し上げていることじゃないかと思うのでございますけれども、いま防衛庁がやっているのが公害に対して完全だということは、これはなかなか言い切れないかもしれません。しかし一般の産業公害や何かに比べますと、十分いままで手厚い対策を講じておるのでございまして、それと同時に、一面では、基地というのは日本の国の安全と平和を守るために非常に大事なもので、性格が普通の産業公害と違うものでございますから、そういうことで、この法律からははずしてあるという事情でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 手厚い保護を加えておる、こう言いますけれども、いまあなたのお話によると、国を守るためには少々の住民のことはかまわないのだ、こういうようにもとれるわけであります。そこで、現在極東における最大の空軍基地であるところの三沢基地をちょっと例にとりますと——わが党におきましては百四十五カ所の基地総点検をやりました。これを一つ一つやっていますと非常に時間がかかりますので、若干その中から抜粋をして質問したいのですが、騒音によるところの農業補償、これは日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律、いわゆる特損法ですね。これで進入表面投影下の地域が補償の対象になっているのですが、これは現在どういうようになっておるのか、もう一度ひとつ……。

山上信重防衛施設庁長官

○山上(信)政府委員 ただいま御質問のありました農耕阻害等の補償につきましては、ただいま先生も御指摘になったような、特別損失補償法それから自衛隊等の問題につきましては防衛施設周辺整備法、これらの活用によりまして、飛行場からの進入表面及び転移表面、これらの投影下と投影面と一致する区域、これらにつきましては、現在こういう農耕者が阻害を受けた事実を確認した上で、これらにつきましての必要な補償をいたしておるわけでございます。この場合、われわれといたしましては、こういった区域の中で特定の範囲内のものは一般的に基準を設けてやっております。それから投影面下で特定の範囲外のものにつきましては、実際に応じまして、必要な場合には阻害の補償をいたす、このような取り扱いをいたしておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 床次長官が何か用事があるらしいので、ちょっと質問を変えまして、先にお聞きいたしますけれども、今度の紛争処理法案につきまして、第三条機関——今度は八条機関、これはこの前少し論議をいたしましたが、時間がなかった。  そこで昨年この公害基本法を制定するときに参考人を呼びました。そのときに、現在の東大総長の加藤さんが、これはやはり独立委員会をつくるのがあたりまえじゃないか、ほかの公述人もそういう意見がずいぶんありました。また附帯決議にも、われわれはそういうふうにつけた。また佐藤総理も、善処するということを、そのときにはっきりと私どもに公約されておるわけです。なぜこれが三条委員会というような独立委員会から八条機関になったか、それについてひとつ論議をしてみたいと思うのです。  そこで、この間お聞きしまして、第八条機関で公害紛争を解決することができる、こういうような長官のお話でございましたけれども、国家行政組織法によるところの第八条、これには独立権限を有するものと諮問機関というのと、二つに分かれておると思うのですが、この独立権限を、独立機関として権限を有するもの、これは幾つありますか。これはあなたにお聞き——これは行管に聞いてもいいのですけれども、それがわからなかったら、これがいいと言うことはできないと思うので、まず長官から。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 具体的には政府委員からお答えいたしますが、まず第一に、三条機関にすべきか八条機関にすべきかという論議の先に、いかなる機能を持った、いかなる作用を行なうところの審査委員会なり、私のほうでは一応公害審査会という名前を置いておりますが、機関を設けるかということできまってくるのでありまして、この点は、政府案におきましては「和解の仲介、調停及び仲裁」、第一条にありまするが、これが使命になっております。しかしさような限度でありまするならば、これは八条機関で十分に処理ができるというふうに考えられます。しかし、今日までの委員会の御意見の中には、この制度の仲裁、それから調停、和解のほかに、裁定という考え方、裁判所で行ないますようなことをやらせたらどうかという御意見をお持ちの方があるわけでありまして、角屋案もその一つの例であると私は思っておりますが、さような機能を営ませるとなると、八条機関ではむずかしい、むしろ三条機関のほうが適当であろうと私は思う。これは委員会にいかような仕事をさせるかということによって本質的にきまるのでありまして、本法におきましては、この第一条に書いてあります目的がこういう目的でありますので、これにふさわしいところの衣を着せてあるということになりますが、なおそれにふさわしい権限等を持たせてあるのでありまして、八条機関におきまして必要な権限に対する、いわゆる委員会の独立性、中立性と申しますか、委員の身分保障、並びに委員会の権限等におきまするところの立ち入り検査権あるいは文書の提出権等に対しまして必要な権限を認めておるのでありまして、この権限によりまして、第一条の目的は十分に運用できるものと考えておるのであります。  なお、類似の三条機関あるいは八条機関、いろいろございまするが、この点につきましては、政府委員から具体的の事例を申し上げたいと思います。なお、これはいろいろの種類があります。特に八条機関におきましては、権限の大きなものと権限の少ないもの、単に諮問的なものとそうでないものと、いろいろありますので、具体的の事例について御説明申し上げたいと思います。

石原壽夫行政管理庁行政管理局審議官

○石原説明員 行政管理庁でございますが、ただいま先生の御指摘に、第八条機関というおことばをお用いになりましたけれども、第八条に基づく合議制機関ということでお答えを申し上げますと、御指摘のとおり、第八条に基づきます合議制機関の中には、諮問的なものとか参与的な機関とか、それから行政官庁的な機関、いろいろございます。先生がいま独立的なとおっしゃいましたのは、おそらく行政官庁的な機能を営んでおる審議会はどういうものがあろうかという御質問かと存じまして、それについてお答えを申し上げますと、法務省にございます中央更生保護審査会、大蔵省にございます公認会計士審査会、厚生省にございます社会保険審査会、中央優生保護審査会、それから農林省の農業共済保険審査会、同じ農林省の森林保険審査会、漁船再保険審査会、郵政省の簡易生命保険郵便年金審査会、労働省にあります労働保険審査会、建設省にございます中央建設工事紛争審査会、自治省にございます中央選挙管理会、大体このようなものが行政官庁的な機能を営んでおる合議制機関ではないかというふうに考える次第であります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 いまあなたがおっしゃいましたが、それで長官に聞きたいのですが、私どもが公害基本法を検討した際に、やはり紛争処理に対しては被害者の立場に立ってその基本的人権を守るという、そういう考えからつくってもらいたいということで、附帯決議もつけましたし、また最初に、佐藤総理も、善処する、私が言いましたように、各公述人もやはりそういうようにきちっと言っておるわけでありますが、これは第一条の目的が少しは後退しておるわけですけれども、だからあなたの言うように、裁定までしないということになればこれでいい、というような説明でありましたけれども、いま実際裁判に持ち込んで、そうして何年も何年もかかってかわいそうだ、この救済の立場から紛争処理法というものをつくったのでありまして、それでなければこの紛争処理法なんか必要ない。したがって、こうした紛争処理については、だれからも圧力がかからない、要するに独立した権限を有するものでなければならない。そしてこの八条機関の例をとりますと、いま十余り行管から説明がありましたけれども、この中で中央、地方の建設工事紛争審査会ですか、これが一番近いのでありまして、ほかとは全部性質が違うわけですね。しかしこの建設工事の紛争処理審査会も、これは工事の請負契約というものがすでにできておりまして、相手がはっきりしておる。だからこの八条機関でよいと思うのですけれども、御承知のように、イタイイタイ病など全く最初わからぬもの、こういうものが訴えられるということになりますと、結局その範囲というものは非常に大きいわけですね、相手方が。たとえば厚生省の担当になることもある、または通産省の担当になるかもわからない。また農業被害がありましたら農林省の担当になる、こういうことになりまして、非常に相手の範囲が広いということになりますれば、この八条機関では処理ができない、こういうように思われるのですが、長官どうですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま御質問の中にありましたが、本来基本法におきまして予定いたしましたものにおいて、裁定まで考慮すべきかどうかということは、基本法の論議の際におきまして議論のあったところでありまして、その後答申等を見ましても、裁定まではいき得ないのではないかという結論になっておるのであります。一部御議論になったことは承っておりますが、しかし裁定という字までは入らなかった。なお今日、本法をつくります際におきまして、御意見のような裁定まで加えるかどうかということにつきましては、政府といたしましても十分検討いたしたのでありますが、ただいまも仰せになりましたごとく、公害というものは非常に種類が多いし、なかなか原因の究明がつかみにくいのでありまして、それに対して裁定をするとなれば、やはり裁判所と同じように相当強力なものでもって、広範なものでやらなければならなくなってしまう。結局新しいこういう機関を設けたことが、やはり裁判所と同じことになってしまうのではないかという問題があるわけでございまして、したがって、むしろその裁定という問題に対しましては、従来の訴訟の行き方にまかしておいて、当事者が、妥結したい、互譲の精神を持っております者については、本法によって引き受けて解決しよう。一つの新しい解決方法だと私は思います。お互いが公害というものの性質にかんがみて、そうしてできるだけ話し合う、両当事者がさような気持ちになりましたものは、本法によって十分効果があがると思うのであります。しかし当事者の一方がどうしても言うことを聞かない。執行力を持ってこれを押えつけなければならぬというような場合、これはむしろ裁定に当たるべきものだ。そういうものを加える場合におきましては、やはり裁判所の力によらざるを得ないと思っておる。行政機関におきましてそれに類似するところの作用を営む、すなわち裁定という事項を新しくこの第一条の目的に加えるということになりますると、これは相当検討を要するものが少なくないのであります。はたしてそれでもって十分役立つかどうかということ、並びにわが国の訴訟法の裁判のたてまえから申しまして、はたして効果があがるか、結局裁判所と二重になるのではないかという問題もありますので、今後の検討にゆだねたい。本法におきましては、第一条の目的にあげました三つの事項の範囲にとどめた次第であります。したがって、そういうふうに考えますると、先ほど申しましたように八条機関でけっこうである。  なお、独立性の点を御心配になっておりまするが、この機関にありましても、第二章以下にありまするが、委員の任命等におきましても明らかでありまするごとく、第六条におきましては「人格が高潔で識見の高い者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」ということになっておりますると同時に、委員の立場というものを十分検討いたしまして、第七条、「委員長及び委員は、独立してその職権を行なう。」というふうにもなっておりますし、その立場というものは十分に中立性を保てる。第九条以下にその身分の保障があるわけであります。したがって他からの圧力、往々にして企業者の圧力を御心配になっておられると思いまするが、企業者からはもちろん、行政官庁からの圧力というものも排除いたしまして、独立的な中立的な機関として働けるように、法制的に整備いたしておるのでありまして、したがって御心配のような独立性は、本法によって十分これは守られ得ると考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それではお聞きしますけれども、この公害にかかわる被害のような国民の基本的人権を侵害している。こういう民事事件ですね、この紛争解決のために、第八条の中にある審議会で、どれがそれに当たるでしょうか。いま十余りあるその中で、どれがこの基本的人権を侵害しているところの紛争の解決、いままでのうちにどこがこれに当たるでしょうか。ひとつそれを……。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 今日まで、いろいろの行政機関におきまして、裁判所類似のような、基本的人権の争いに対しまして裁定をするという機関は、きわめて限られたものであると思っております。しかし公害審査委員会と似たようなものは、八条機関でどういうものであるかということになりますると、たとえば厚生省の社会保険審査会、これは当事者の被保険者の資格の問題、給付の問題、さらに審査請求の裁決という行為を行なうことができておりますし、先ほどお話ししました法務省の中央更生保護審査会、これまたそのおもな事項は、地方更生保護委員会の仮出所の許可取り消しについての不服の申し立ての裁決、一定の限られたことに対して、やはり裁決という字を使っております。また紛争調停を行なう例は、同様なものが、すなわち中央建設工事紛争審査会、これは調停、仲裁を行なうことになっております。大体この公害審査委員会と似たようなものがあるわけであります。似たような仕事を営んでおるわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私がさっき言いましたように、あなたがあげられたところの審査会は、大体一省が——、たとえば保険関係の問題だったらこれは厚生省だけですね。それから建設関係ですと建設省だけ、こういうように一省の間で大体いけるわけでありますけれども、公害のように、先ほど私が言いましたように、各省にわたるような場合、この紛争処理は、これの解決は、あなたが言ったように裁定する、こうおっしゃったけれども、非常にこれはむずかしい、こういうように私は思うのですが、長官の御意見はどうですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま御質問がありましたように、非常に種類の多い、省から申しますと各省にわたるような事件に対して、裁定行為というようなことをいたすのは容易なことではないということを、私ども考えておるわけでありまして、したがって本法においては裁定という行為はいたさないということになっておるのであります。非常に広い問題でありまするが、両当事者間において解決したい、妥結しようという気持ちを持っております場合におきましては、この処理機関で行なう。言いかえますならば、第一条にあげておりますところの和解の仲介、調停、仲裁、そこまでの限度ならば、非常に間口の広い公害問題でありましょうとも、この機関で扱える。すなわち行ないます仕事の範囲が仲介と調停、仲裁ということに限られておりますから、八条機関でできる。これを御意見のように、裁定ということまでやろうとなると、非常に間口の広いことになる。これは普通の行政機関ではなかなかなし得ることではない、というより、むしろこれは訴訟の対象となっていることで、非常に不便でありますが、これまたやむを得ない。まず当事者におきまして、ひとつ積極的に新しく設けます本法のこの機構によって解決に努力していただくということが、現在の公害問題に対して非常に大きな進歩をいたすことじゃないか、また人権の保護になることじゃないか、かような意味においての本法の提案でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 岡本君にちょっと委員長から。いま床次長官、ちょうど二十分になる。で、会合が会合ですから退席していただきますが、あとはまたあとで相談しましょう。一応長官に対する質問はここで打ち切ってもらって、長官に退席してもらいます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうすると、床次さんのかわりには橋口さんですか、審議室長おりますね。  そこで、本法は結局取り締まり法でなくして、住民から頼まれるような法律になる。したがって、双方の申請がなければ委員会で決定できない、こういうことになりますから、これはそこまでいけば、いままででも大体話し合いで解決しているわけです。しかし、事公害問題については、いままでの例として調停を頼んでやってもらう、そうしなければできない、そういう段階になっていない、相手の企業は非常に強い、それから被害者のほうは非常に弱い。それでありますから、結局相当強力な紛争処理の委員会でなければ、おそらく全然活用しなくなってくるのではないか。せっかくこうして何人かの委員を置いて、そして費用をかけても、結局現在の法案の姿を見ますと、ほんとうに困っている人が調停あるいは仲介のために使うことができない、こういうように思われるわけですが、その点についての見解はどうですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 公害紛争処理法案によりまして、中央、地方を通じて、和解の仲介、調停の機関を整備するわけでございますが、ただいまの御質問で、あまり活用されないのじゃないか、こういうお尋ねがあったわけでございます。これは御承知のように、現在大気汚染防止法、騒音規制法、水質保全に関する法律によって、和解の仲介の制度が設けられておるわけでございます。大気騒音につきましては発足後そう間もございませんから、それほどの実績はございませんが、水に関しましては相当程度の実績がございます。十年間の実績を見ましても、相当程度和解の仲介の申し立てがあり、またその和解の仲介が成立をいたしておるわけでございます。したがいまして、この制度ができますと、さらに調停、仲裁と一歩進んだ制度が用意されておるわけでございますから、相当程度の件数があるのじゃないかという見通しを持っておるわけでございます。  それからもう一つお尋ねのございました、双方の申し立てがなければ調停なり仲裁なりが行なえない、こういうことでございますが、和解の仲介、調停につきましては、当事者の一方の申し立てによって、仲介行為あるいは調停行為が開始されるわけでございます。ただ仲裁につきましては、仲裁判断に当事者が拘束をされるわけでございますから、これは当事者双方の合意に基づく申し立てによって初めて仲裁が行なわれる、こういうことになっておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 あなたは法案をつくっただけですから、実際についてはあまりおわかりにならぬと思うのですが、厚生省、来ておりますね。——そこで一歩退きまして、そういう和解、仲裁をしてもらいたいというような件数は、いま現在どのくらいと予想されているわけですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 全国的にどの程度の予定件数があるかということでございますが、的確な見通しは立てにくいわけでございますが、自治省の調査によりますと、現在都道府県なりあるいは市町村なりの相隣関係の苦情処理、隣のうちのラジオがうるさいとか隣の工場から煙が出るという相隣関係の苦情処理までも含めまして、年間相当の件数のものが出てきておるわけでございます。またその処理を地方団体が行なっておるわけでございます。ただそのうちどの程度のものがほんとうに和解の仲介なり調停、仲裁という段階まで持ち込まれるかということにつきましては、なかなか的確に予想が立てにくいわけでございます。ただ、先ほどもちょっと申しましたように、水の関係につきましては相当の歴史がございまして、相当程度の申し立てがあり、また仲介が成立をいたしております。そういう点から見まして、かなりの件数の申し出があるのじゃないか、申し出の多いことを期待するわけではございませんが、相当程度のものが中央、地方を通じてあがってくるのじゃないかというように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 相当程度といいましても、五百も相当だし、一万も相当ですがね。四十二年の十二月現在で自治省がまとめた公害苦情及び紛争の受理件数を見ますと、二万七千五百八十八件。そうした大きなものは年々ふえてくるわけですね。それで、いま地方においてはそういうことをやっておりますけれども、水の大きいものですね、たとえば富山県のイタイイタイ病、あるいはまた九州の熊本の水俣病、あるいは阿賀野川の水銀中毒事件、これが大体水の問題では代表されるものでありますけれども、そのほかに処理したというのは、どういうものを処理しておられるわけですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 いまお尋ねがございました自治省の四十二年度の申し立て件数二万七千件、これは自治省の調べで、御指摘のとおりでございます。この二万七千件の内訳でございますが、これも御承知かと思いますが、騒音が大部分でございます。約半分近く騒音で占めております。したがって先ほどもちょっと触れましたように、騒音関係ということになりますと、こまかい内訳の調べはございませんので、的確には申し上げにくいのでございますが、相隣関係の苦情が多いのじゃないか。それから、先ほどもちょっと申しましたように、地方団体が行政的に処理をするということによって解決する件数がかなり多いわけでございます。したがって地方団体の行政的処理、さらに調停、仲裁まで持ち込まれるということになりますと、かなりの件数がろ過されますので、一応私どもの見通しといたしまして、四十四年度の予算の積算の根拠といたしましては、月五件程度を見込んでおるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 月五件程度、こんなことではこれは子供のおもちゃですよ、こう言いたくなるのですね。それで一番多いのは騒音です。騒音を削除してありますが、こういうことを見ますれば、ほんとうに公害基本法の精神から見ましたら、だれが聞いても、国民の皆さん聞きまして、これはほんとうに、せっかくおつくりくださった法案ですけれども、もっと実情を把握してやっていかなければならない。私のほうのは、一つの提案といたしまして、現在十二名でやるというようなあれにしておりますけれども、ほんとうは公取のように百名以上、この十倍以上必要ではないか、こういうようにいまのところ計算で出てくるわけです。こまかい計算はいま言いませんが、そうしますと、基本法に基づいて紛争処理のあれをつくったというにすぎない、こういうふうに言われてもいたし方ないと思うのですが、その点の見解はどうですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 公害紛争処理法案を立案いたしますとき一番苦心をいたしました問題点の一つとしまして、中央の審査委員会と地方の審査会とにどういうふうに管轄を分けるか、地方にどの程度やらせて、中央でどの程度処理するかという点が、一番むずかしい問題であったわけでございます。それに関連いたしまして、法案にお示ししてございますように、二つの府県にまたがるというような場合には、特に連合審査というような制度までくふうをいたしまして、できるだけ住民の身近な段階で紛争の解決をはかるというふうに配慮いたしたわけでございます。したがいまして、先ほど月間五件という見通しを申し上げましたのは、中央審査委員会で取り扱う件数が五件ということで国の予算に計上いたしたわけでございます。したがいまして中央、地方を通じて月間五件というふうに申し上げたわけでございませんので、その点は御了承いただきたいと思います。  それから、いまちょっとお話しがございました、大気の汚染と水質だけということではございませんので、騒音を除いているというお話がございましたが、これは公害対策基本法に定める六つの公害全部を対象といたしております。したがって、水質の汚濁から騒音から地盤沈下等の六つの公害が対象になるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 この二十二条から二十五条まで削除、こういうふうに紛争処理法案の中の三二ページに出ておりますが、これはどういうふうに解釈していいのですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 御質問は附則の二十二条から二十五条までという御質問かと思うのでございますが、これは騒音規制法、水質保全法、それからちょっと前に戻りますが、大気汚染防止法、この法律で和解の仲介の制度を設けておるわけでございます。この和解の仲介の制度を、この公害紛争処理法の和解の仲介の制度に吸収をいたしたわけでございます。したがって、三法の和解の仲介の制度を廃止するという趣旨でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それで最初にちょっと戻りまして、この基本法をつくったときの附帯決議あるいは国会の公述人の議事録あるいは総理の発言をお読みになって、そうしてこの法案をおつくりになったのか、その精神がどこに生かされておるのか、ここのところは一番大事でございますので、ひとつお聞きしたいと思いますが、いかがですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 公害紛争処理法案は、公害対策基本法第二十一条を受けて立案をいたしたわけでございます。公害対策基本法制定の過程におきまして、特に二十一条は四党提案によって修正をされ、紛争の処理と救済と分けて、特に念入りな制度の整備ということを要請されたわけでございます。それから、ただいま御指摘がございましたように、衆参両院で附帯決議をちょうだいいたしておりますので、法案作成の際には、むろん附帯決議の線も十分勘案をいたして作成したわけでございます。ただ、紛争処理の制度をつくります際に、政府の行政当局のみで立案をいたしますよりも、補助機関としての中央公害対策審議会が設けられておりますので、この審議会の御意見も聞いて立案することが適当だということで、特に審議会の中に金沢良雄東大教授を小委員長とする専門委員会を設けまして、救済と紛争の問題について特に御勉強願ったわけでございます。法律的な問題点あるいは運営上の問題点等につきましても、ある程度の解明を受けまして、その小委員会の答申も十分参酌いたしまして立案いたしたものでございます。現段階においては、慎重な検討の結果、最善と信じて、こういう案を立案したわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それは一昨年の基本法の制定当時におきまして、要するに労働委員会のような行政委員会をつくりなさい、こういうような国民の意見をわれわれは代表して政府に申し入れしたり、あるいはわざわざ公述人を呼んで、そうして公述をさせてみたり、いろいろなそのほうの意見は取り上げずに——どっちかといえば、私はいまあなたがおっしゃったほうのやつは責任のがれじゃないかと思います。そういうように後退をした経過、これをひとつ審議室長から明確にしていただきたい、こう思うのです。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 先ほど岡本先生御質問の中に、中央公害審査委員会の人員が十二名というお話がございましたが、これは二十一名でございますので、その点ちょっとお含みいただきたいと思います。  で、この紛争処理のための中央の機構をどうするか、これも立案の過程の一つの大きな課題であったわけでございます。先ほど来御質問がございますように、行政組織法の三条の合議制機関にするか八条の合議制機関にするか、われわれとしまして、三条と八条との違いはどこにあるかということを、法制的、実務的に相当程度詰めたつもりでございます。その結果、三条と八条との間に本質的な違いはない、八条をもってしても十分三条と同じ程度の機能を発揮できるという確信がございます。それから、先ほど来総務長官が申しておりますように、紛争の調停、仲裁の制度としては、三条よりもむしろ八条によってまかなうほうが、いまの行政組織法上の位づけとしては適当じゃないか、こういう検討をいたしまして、いわゆる八条機関というふうにいたしたわけでございます。  ただ、これも前に岡本先生の御質問にお答えいたしましたが、八条の中にもいろいろな性格のものがございます。また、その総理府の機関を総理府全体の中でどういう程度の格づけにするかという問題もございます。そういう点から申しまして、総理府の機関としては、いわば最右翼の最も重要な機関としての格づけをいたしたわけでございます。したがいまして、この和解の仲介、調停、仲裁を行なう機関としては、事務機構につきましても、先ほど申し上げましたように、室長以下二十一名ということでとりあえず発足するということにいたしておりますが、そういう点を勘案いたしまして、これをもって十分対処できるというふうに考えておるわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 当委員会は公害対策特別委員会でして、国民の健康を存る立場から、私どもは特に取り上げて審議しなければならぬ、これは委員長以下みんな一緒なんですが、政府の姿勢が、公害問題については、この八条委員会にしたということによって、非常に甘い、こういうように考えるわけであります。大体社会不安を解決するために、要するに訴訟を起こさせないで早期に解決してあげる、これがこの紛争処理の精神でなければならない。しかして、先ほど長官に私はもっと言わなければならなかったのですが、行管から話があった十の種類をあげましても、公害から人権を擁護する、この問題から見ましたら、この「その他」というやつを非常に乱用している。拡大解釈している。一つ一つを検討いたしましても、私はいままでにどれにもこれに類似したものを認められない。そういうことになれば、これはもう、むしろ三条機関はこれは必要ない。たとえば公取も必要ない。こういったものまで考えてこなければならぬことになるわけです。その点についてどうですか。これは長官に言わなければならぬのだが……。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 行政組織の問題になりますと、行政管理の責任官庁としての行政管理庁からお答えいただくのが適当かと思いますが、私どもが、こういう機関として国会の御審議を仰ぐことにいたしました経過を申し上げますと、いま御指摘がございました公正取引委員会、これとはかなり性格を異にいたしておると思います。公正取引委員会は、御承知のように、独占禁止法のいわば番人としての性格を持っておるわけであります。つまり独占禁止法に違反する行為を取り締まる、こういう立場でございます。しかしながらこの紛争処理機関は、当事者間で話し合いを進めて、できるだけ互譲の精神によって妥結点に到達するために、国が特に委員会、審査会等を中央、地方を通じて設けて、国あるいは地方団体が国民に対してサービスを提供する立場にあるわけでございます。したがって、公正取引委員会のように、法を執行するために取り締まりを行なうというものとは、性格を異にいたしております。そういう観点から申しまして、先ほどおあげになりました建設工事紛争審査会等、これも一つ見本にいたしました。ただ、これは先ほどまさに御指摘がございましたように、契約に基づく紛争処理でございます。こういうものと同一に扱うことも適当でない。したがって、中央委員会の権限等につきまして、特に文書の提出要求権とかあるいは立ち入り権等の、他に類例を見ない制度を織り込んだわけであります。また中央建設工事紛争審査会のほうは、委員も非常勤でございます。わがほうは特に常勤を設けております。等々の点におきまして、一線を画して、八条機関としてのいわば十分な体制を整備するために留意をいたしたものでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そうすると、八条機関ではいままでこんなものはなかった、要するに大飛躍である、こういうように解釈していいんでしょうか。

石原壽夫行政管理庁行政管理局審議官

○石原説明員 実体法的な権限の問題につきましては、私のほうの所管ではございませんが、組織管理的な意味におきまして、特に合議制の機関を設けるという、つまり公正中立性を維持するために、独任制を排除して合議制の機関をつくるという立場から、この現在御審議をいただいております中央公害審査委員会を見てみますと、法の第三条には「所轄の下に」ということばを入れてあります。さらに七条には、委員長及び委員の独立職権行使をうたってあります。これは組織管理的な観点からいいますと、非常に強い規定でございまして、先生御案内のとおり、公正取引委員会と同様の組織管理規定でございます。その意味で、八条機関とは申しますけれども、八条機関も非常に幅が広うございます、先生御指摘のとおりでございますが、組織管理的な意味では、非常に三条機関に近い形をとっておる機関というふうに申し上げられるかと思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それで、私がそこのところを言わんとしたのですが、いままで八条にこんな、いまのような機関はないわけですね、考えてみますと、いまあなたがおっしゃったように、どれ一つをとってみましても全然類似しないわけです。したがって、私どもの意見であるところの三条にしたほうが——いまもあなたの答弁がありましたように、非常に三条機関的な性格を持っているんだ、こういうことになれば、思い切ってなぜ三条にしなかったのか。この点について、これは審議室長から聞きたいのですが、どうですか。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 三条機関、八条機関の、何と申しますか、境界線の問題がいわば論議の対象になっているというように私は理解いたすわけでございます。行政組織でございますから、それぞれの位置づけをします場合には、ものの考え方というものがあるわけでございます。原理、原則というものがあると思います。そういう点で申しますと、三条機関のほうがよりりっぱであるということは御指摘のとおりであります。ただ、三条機関の中にも、これまた相当の格差がございます。三条機関であって、しかも固有の事務局を持たないようなものもございます。それから、いわゆる八条機関であっても、事務局というものを持っておるものもございます。したがって、行政機構を考えます場合に、その底にはものの考え方というものがあってしかるべきだろうと思いますが、それと同時に、やはり行政機関の権威性と申しますか、権威づけと申しますか、そういうこともやはり加味されて、いまの行政組織というものはできておるのじゃないか。ことに、いわゆる三条の独立行政委員会は、戦後アメリカの制度を日本に導入したものでございます。行政管理庁の御方針としては、三条機関あるいは八条機関を通じて、この種の合議制機関の整理ということを将来問題として検討しておられるというようにも拝承いたしておるわけでございます。それやこれやを総合勘案いたしまして、現段階においては、八条機関で十分対処できるという考え方を持ったわけであります。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 そこのところは、要するに三条機関に近い八条機関であるというお話がありましたが、要するに行政の権限というものをあなたも考えているということになりますと、行政の権限は、たとえば建築の紛争処理、これと同じような考えで扱ったらよいものでしょうか。それとも、事人命問題でありますし、公害によるところの基本人権です。ですから、あなたがいまおっしゃったように、その行政委員会が、要するに基本的な人権を扱っておる、お金の問題じゃない、こういうように、あなたのいまおっしゃったことからも受け取れるわけでありますけれども、しかして、行管のほうでは、三条委員会に近いのだということになれば、これはやはり八条にせずに、三条にすべきではないか、また、三条はアメリカのシステムをとった。これは私どものほうで調べてみてもそうでありますけれども、従来日本の国は官尊民卑、こういうような封建思想が残っておる。(「いまや主権在民だ」と呼ぶ者あり)横からも話があったように、いまや主権在民でありますから、そうしますと、アメリカの民主主義を取り入れた場合に、これは、この委員会も三条にしてしかるべきではないか、こういうような感じがするわけでありますし、また、それでなければ、各省にまたがるところの公害問題というものは解決しない。絵にかいたもちみたいになってしまって、これはせっかく紛争処理法案をつくりましても、現実にはほとんどこれは活用されない。あるいはまた、活用されたといたしましても、互譲の精神、互譲の精神とずいぶん話がありましたけれども、たとえばイタイイタイ病でも、ぼくら現地に行きまして、あの悲惨な姿を見て、あれで譲れるどころではないのです。あれで互譲になっておるか。それならそれで裁判所に行ったらいいではないか、こういうようなけ飛ばすようなことばを、たびたび長官から聞きまして、私も憤りを感じた。何としてでも、たとえ少しでも被害者を救済してあげよう、こういう人命尊重の立場から見た場合、あなただって、三条機関として、強力に——公取にしても、今度の合併問題ですか、あれを見たって、非常に企業に押されておる。それから見ましても、最強力な行政委員会をつくって被害者を救済していこうというのであれば、これはこの紛争処理もよいと思いますけれども、あなたの発言を聞いても、要するに、公害にかかわるところのこうした紛争は少し格が下なんだというようないまの発言です。だから、これは私はとても許せない。もう一ぺんその点について伺いたい。いま、審議室長からはそういう答弁があった。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 公害問題が人の生命尊重に関する重大な問題であり、また、現に、公害をめぐっての紛争が生じていることも事実でございますが、紛争処理のための制度のみで公害問題を解消するということは、これはむずかしいわけでございまして、公害については、よく御承知のように、公害防止の対策ということも必要になろうと思います。それがいわば先決でございまして、現に生じているような痛ましいできごとが繰り返して行なわれるということは決して望ましいことではないし、ある意味におきましては、紛争処理のための制度があまり繁盛しないというような世の中になることが望ましいわけでございます。  三条、八条をめぐっての議論でございますが、政策の立法論としての御意見はありがたく拝聴いたしておるわけでございますが、私どもといたしまして、やや私見にわたりますが、公害法の整備なり、あるいは公害に対する対策、これはまだ整備の途上であろうと思います。先ほどいみじくも公正取引委員会のことでおっしゃったわけでございますが、ああいうふうにはっきりした法律に基づく行政行為という、いわば実体法の整備と申しますか、そういう法の改善、整備というものと、この紛争処理の委員会の制度の整備も、やはり表裏の関係をなすというふうに考えるわけでございます。この紛争処理法案に盛られたような内容の行為をする機関としましては、八条機関として十分な機能を持ち得る、こういう結論に達しまして、立案をいたしたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 こればかりやっておりますとあれですから、最後にあなたに言っておきますけれどもね。公害によるところの人命被害、これのほうは——公正取引委員会は三条で、軽視しているんだという考え、根底にそういう考えがあったように見受けられる。これだけは訂正してください。これだけ言っておきます。  次に、非公開、公開の問題でありますけれども、非公開を原則としておる、こういうような話でありますけれども、これは一つは企業側の秘密漏洩、これを一番もとにしておるように思われるわけでありますけれども、これは企業の、中小企業など特にいろいろ知られたのではぐあいが悪いですから、これはよいと思うのですけれども、しかし、今度は、委員会の構成から見ましたら、これは公開が原則であって、そして委員会の決定によってこれは非公開にせにゃいかぬ、こういうようにするのが、紛争処理、要するに人の命の立場から見れば至当ではないか、こういうふうに思われるわけですが、この見解についてひとつお伺いしておきたい。

橋口收内閣総理大臣官房審議室長

○橋口政府委員 調停行為は、当事者の互譲の精神によりまして、十分話し合いをして、いわば胸襟を開いて語り合う、それを政府なり地方の機関がいわばあっせんするという立場にあるわけであります。したがって、また、その話し合いの結果に基づいて、調停委員会として一つの解決案を当事者に提示する、こういうことになるわけであります。したがって、当事者に十分納得のいくようなりっぱな調停案を提示するということが、調停の本来の目的にかなうわけであります。したがいまして、調停委員会が当事者から話を聞きます場合、また調停委員会に対して話をする当事者も、他人に聞かれない、またこの調停委員会でしゃべったことは他に利用しない、そういう相互の信頼関係があって初めてりっぱな調停案というものが作成される。裁判、訴訟につきましては、御承知のように公開の原則がございますが、これは裁判なり訴訟の性格に伴う一つの公明性の原則でございます。それと調停とはいわば本質的に異なるものであります。したがいまして、調停の手続は非公開にしまして、その非公開の中で存分に話し合うということが、調停案の作成に最も適当だというふうに考えるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 あなたからも互譲の精神というのをまた聞くのは聞きづらい。なぜかといいますと、この被害を受けた人はぎりぎりの線へきているのですよ、それ以上譲れないわけです、譲れるのだったら調停なんかしてもらう必要ないですからね。その点が紛争処理の、たとえばイタイイタイ病で何十カ所も足が折れている、あっちこっちの骨が折れている、こういう一つの例を見ましても、これは互譲できますか、それ以上譲れるわけはない。まあしたがって、ともどもに話し合う円卓をつくる、それはあなたワルシャワ会談みたいなものや。そんなのでは、公害にかかって、しかもあなた病気で苦しんでいる者は、そういうところへ行ってすわって互譲精神が出るわけがない、ぎりぎりなんですよ。企業のほうはこれは譲ることはできるでしょう。しかし、そういう面で考えますと、これはあなたのいまおっしゃったことに対しても、ぼくは非常に納得いかない。たとえばその当事者で話し合う、その中へ入るということになりますと、それは広く国民の世論、大衆は愚にして賢なりです。そうした中から、これはおかしいじゃないかと、結局いま皆さんの、第三者の大ぜいの方の批判を受けて、初めてこれは企業も責任を持たなければいかぬなというところまできているわけです。私は企業をつぶすつもりはないです、何とかして企業も育成していかなければなりませんけれども、こうして年々ふえてくる公害病患者、いかに企業が発展しても、国民の健康がむしばまれるようであれば、これは健全なる企業の発展とはいえないのだ、経済の発展とはいえないのだ、佐藤さんがそのように言っておったのとえらい違いますけれども、それでぼくは前の基本法の制定当時にも、この点についてずいぶんやかましく言いました。それで、善処する、こういうことになっているわけです。したがってこの点も一応よく相談して、あなたに言ってもしかたがないから、長官によく言って、そうして修正するところはしてもらいたい、変えるところは変えてもらいたい、これをひとつ要求しておきます。  本会議がありますので時間があれですし、厚生大臣はおなかのぐあいが悪いそうですから、ひとつ医務室にでも行って休んでください、これこそ人命尊重ですから。  そこで防衛庁、先ほど質問いたしました三沢の基地の問題を取り上げまして、これでほんとうに十分であるか。たとえば補償額の算定の基礎数値につきましてちょっとお聞きしたいのですけれども、いま防衛庁当局が採用している方式は、一機一機、一機が一回離陸するまたは着陸する、その場合のこうした労働阻害時間、これによって、労賃の単価を出してそうして補償しているわけです。当局のほうは一般職種別賃金というのですか、これでやっているらしいのですが、地元ではその付近の賃金があるわけです、それによって出してくるわけです。そうすると、一つの例をとりますと、進入表面下補償額、昭和三十五年のもので古いのですけれども、A地区では三百六万円の申請に対して二十六万円しか支払っていない。また地区では二千六百四十七万、これは四カ年分の申請に対して、支給額は百八十八万、こういうようにとほうもなく少ない、こういうような事実があったことをお認めになると思いますけれども、その後それらに対してどういう手を打たれたか、これをひとつお願いしたいのです。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいま先生からお話しございましたように、この進入表面下の農耕阻害の補償額算定につきましては、過去におきましては、労働省で出しております職種別賃金表によりまして算定をしたころもございます。しかし、これはもうかなり以前から直しまして、現時点におきましては、市町村の農業委員会できめておりますところの協定賃金、あるいは農林統計資料による労務賃金、こういったものによって算定をしております。申請額に対してこちらの決定額が非常に少ないというお話でございますが、われわれのほうとしましては、離陸、着陸一回ごとの阻害時間を一分としまして、いま申し上げたような資料に基づいて、この超過労務に対して客観的な基準で算定をしておりますので、申請額とはかなり開きはありましても、よく地元と御相談をして、これまで一応円満に解決をしてきておる、こういう状態でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 政務次官にお聞きしますけれども、いままで全部円満に解決なさっておりますか。それとも、たとえば厚木基地あたりでもそう円満に解決をしていないように思うのですが、どうですか。

坂村吉正自由民主党防衛政務次官

○坂村政府委員 大体円満にいっていると申し上げていいのじゃないかと思うのです。といいますのは、三十五、六年ごろからいままで、最近まで大体千件前後のものが、いろいろ陳情だの何だのありましたけれども、その中で大体八割は非常に円満にいっておる。まだ処理中のものというのが二割あるいはちょっとくらい残っておるという程度じゃないかと思うのです。また今後も運用を十分考えて円満にやってまいりたい、こういうつもりでございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 政務次官は、この基地、たとえば厚木あるいは横田、こういうところへ行って、現地の方とお話し合いをしたことがありますか。ということは、厚木基地においては、算定するところの基準といいますか、そういうものをはっきり出せ、こう言っているけれども、一向にはっきりしない、こういうことをいまやかましく言っておるわけです。私どもは現地に参りまして——いま時間がありませんからこまかいことは言いませんけれども、たとえば横田基地周辺にいたしましても、都の調査を見ましても五十平方キロ、こういうところは非常にうるさい。騒音をはかりますと、大体七十ホン以上は法律の適用範囲になっている、ところが百ホンをみなこしておるわけです。こういうことによりまして、二万五千世帯の人はみんな何の補償もない。これで円満にいっているということは、あなたはわからないのと違いますか。

坂村吉正自由民主党防衛政務次官

○坂村政府委員 厚木にはまだ行ったことがございません。これは非常に申しわけなく思っておりますれけども、実は一番代表的な、大騒ぎになっておる水戸の射爆場は、私、就任早々ヘリで飛んでまいりまして、あの中まで入って、周辺の住民の皆さんとも直接いろいろとお話をして、そうしてあそこら辺の情勢も聞いております。まあ完全にというわけにはなかなか——世の中には完全というものはございませんから、完全にというわけにはなかなかいかぬと思いますけれども、いま、施設庁という、あの大きな役所まで持って、防衛庁では、それ専門に実はやっておるわけです。でございますので、まあまあ不満はございましょうが、とにかく最善を尽くしている、おおまかに言って、大体円満にいっていると申し上げてもいいのじゃないかという感じがしております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 わが党では各基地を一つずつ点検したのです。すでにその結果は、被害の状態あるいはいろいろなことを全部天下に公表した。それよりも、政府にちゃんとこれを出してあるわけです。で、防衛庁の政務次官としまして、これを一つ一つ点検をして、そうしてもっと実態に即したやり方をやってもらわなければならない。まだあなたは水戸だけしか行っていない。まあ選挙区かどうか知りませんが、ほかの面ももう少しよく検討して——もう一度質問します。  それでは次に、航空局長さんにお聞きいたしますけれども、大阪伊丹空港の問題ですが、私は再三この問題を取り上げて、今日まで言ってきたわけですけれども、一向に改善される様子がないわけであります。なるほど学校あるいはまた共同施設に対しては二十万円か何かやった。この点は前進したと思いますけれども、きょうは時間のないところから、要求したいのは、この救済法から航空機の騒音なんていうものは抜かれておる。そういうところから、きょうはちょっとあなたに確かめまたお聞きしたいのですが、航空機騒音障害防止に関する法律の中で、第九条、これは滑走路の先端から千三百メートルですか、ここまではいろいろと被害の救済のあれが出ておりますけれども、ちょうど伊丹空港のほうを見ますと、これから約二百メートルのところに高芝地区というのがありまして、これはもう行ってみましても、ものすごい、大体百ホン近い騒音があるのです。もう受忍限度を越えておるような状態です。これをもう二百メートルばかり延ばして、救済してやる考えはないか。それについてお聞きしたのですが。

手塚良成運輸省航空局長

○手塚政府委員 御質問の伊丹空港川西市の高芝摂代地区につきましては、御指摘のとおり非常に騒音が高いということで、ただいま住民の方々によって訴訟も出されるかというような話も仄聞しております。私どもも、現在の騒音防止法のたてまえは、先生ただいま御指摘のとおりで、千三百メートル、八百メートルという範囲につきまして第九条の適用をするということでありますが、しかしながら飛びます飛行機の状態あるいはその飛行機の頻度など、いろいろその後の情勢も変わってまいります。地元の実情もまたいろいろ変わってまいります。そういったことから、ただいまの摂代地区等につきましては、従来とも私どもは実態の調査を進めてきておりますけれども、さらにこういった調査を念入りに進めることにいたしまして、これらの調査の結論に基づきまして、さらに範囲を広げるその他の措置が必要である場合には、早急にそういった措置をとっていきたいというように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 一ぺん航空局長さん、あそこに行ってしばらくおってみなさい。いまごろ調査と言うたらおかしいですよ。ぼくは、自分の選挙区でもありますし、よく行っているが、ほんとうに、あの付近の人ば、飛行場に行って、火をつけたろうかなんて言っておるのですよ。ほんとうにおこっていますよ。だから、いよいよ民事訴訟でも起こすというぐらいに、いまぎりぎり一ぱいの線に来ておるわけです。それをこれからまた調査してというんじゃなくして、早急にひとつ——羽田空港も非常に騒音が激しくなってきましたけれども、あれは海のほうに向かって飛びますから、ずいぶんこれは違う。大阪伊丹空港は、内陸でやっておるわけですから、しかも今度は三千メートルの滑走路ができるということになって、国際空港でどんどんジェット機が、大型の飛行機が入ってきますから、これは将来どんなことが起こるかわからぬ。こういうことを考えますと、相当あなたのほうで腹をくくって、前の梶原さんは、あそこへ何日も通って、説得したりなんかやっておった。それに対して、行き過ぎだとか、そういうことを言っておったけれども、そういうことでなくして、ひとつ強力にやっていただきたい。いまのあなたの答弁では、さっそく調査してということだが、この調査は抜いて、もう調査みたいなものは終っていなければならない。だから、ひとつすぐやっていただきたい。そこで、これは例外として認めていっていただいていいんじゃないかと思うのです。もう二百メートルくらいは延ばす。  しかも一つ申し上げたいことは、次に第十条に補償の制度がありますけれども、移転補償とかいろいろありますけれども、現地の人たちは、どこかへ行きたいということを七百世帯の人たちが言うておるわけですけれども、そうもいきませんよ。さしあたって、いまのところでは、学校の防音装置をつくってみたり、あるいは保育園に防音装置をつくったり、そういうことをやっておりますけれども、各一軒一軒では、騒音のため子供が非常に引きつけを起こしたり、そして病院へ行くのが数が多いわけです。御承知のように、いま国民保険あるいは保険制度がありますけれども、そこにかけている主人ですか、その人は無料で行けるわけです。しかし子供さんの場合は、家族になりますから、その差額を払わなければならぬ、こういうような補償も考えていただきたい。航空機が飛ばなかったら、そんな引きつけを起こして、あわてて病院に連れて行ったり、お医者さんへ連れていったりすることはないわけですから。その点についていかがお考えでしょうか。

手塚良成運輸省航空局長

○手塚政府委員 先ほどの摂代地区の第九条適用範囲拡大の問題につきましては、先ほども申し上げましたが、三千メートル滑走路が最近完工いたしますので、そういう状況のもとにおいて、新しくそういう被害の状態を、従来もやっておりますが、引き続いて、その条件の変更に基づく調査をかねて、実態の把握を十分にいたした上で、必要とあらば措置を立てたい、こういうことでございまして、これから始めるということではございませんので、この点はお含みおき願いたいと思います。  それから、ただいまの小児の引きつけの問題でございます。航空機騒音と身体への影響の関連性につきまして、これは学問的にも非常にむずかしい問題であるようでございます。防衛施設庁におかれましては、三十六年以来、九大に委託研究をなされまして、最近その中間報告を私どもいただいて勉強さしていただいておりますが、それらの内容を拝見いたしましても、決定的に騒音との関連であるといわれるような身体影響につきましては非常に数が少ない、ほとんど、いろいろな諸条件のもとで、なお調査を必要とするという結論が大半のようでございます。御指摘の小児の引きつけが航空騒音というものが原因であるかどうか、そういったところは、今後これからなお一そう調査を必要とする問題だと考えます。そういった点におきまして、医学的に、理論的に十分調査をいたしまして、これも先ほどの答弁と似ておりますが、必要な措置が生じます場合には、そういった措置をとっていきたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 あなた実際にあそこで、そうですね、二日くらい住んでごらんなさい。これは航空機の騒音による引きつけであるということくらいは、もうはっきりわかります。また八市協議会というものがありまして、そこで阪大やあっちこっちの大学の先生に見てもらって、すでに調査が行なわれている。とにかくもうすわっておりますと、バーッとくる。ぼくらでもうつむく。ガーッと通り過ぎる。これくらいひどい。そこで生まれたての赤ちゃん、あるいは二つ、三つの赤ちゃんは神経質といいますか、非常に被害が多く出ておるのです。あなたは、被害は航空機の騒音によるものであるか、こういうようなことを調査してから、こういうようなことを言いますけれども、これは全部聞いておりますと、防衛庁のほうでいろいろと試験してもらったものを右へならえをするとか、そういう時代とぼくは違うと思うのです。厚生省のほうの御意見は——あなたのほうには、向こうに保健所なんかありまして、いろいろとそうした被害が申請されてきておると思うのですが、いかがですか。聞いておりませんか、どうです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 伊丹の問題につきまして、私どもの手元に、あるいは来ているかと思いますが、私は実は現在のところ承知しておりません。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 何を言ったか、ちょっとわからないので、もう少しはっきりしてください。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 私は承知しておりませんけれども、厚生省に参っているかどうか、後ほど調査して申し上げます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 もう一ぺん質問の点をはっきり言ってください。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 質問の点は、要するに、伊丹空港の騒音の問題で、騒音の被害によってお子さんたち、赤ちゃんたちが引きつけを起こしている、こういう例をあなたのほうでは把握しておりませんかと聞いているわけです。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 いろいろ苦情があることは聞いておりますが、具体的に乳幼児がそれによって引きつけを起こしているという、府県または市の報告については、私は聞いておりませんけれども、厚生省にそういう調査が参っているかどうかにつきましては、さらに詳細な調査をいたしたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 それはそれとして、航空局長さん、あなたのほうに、もう一度よく現地を——おかわりになってまだ間がないのかどうか知りません。だいぶなりますね、手塚さん。現地をよく見てください。おそらくこの前、高芝地区からも、この問題について陳情に来たはずです。これはあなたのほうにも連絡しておいたはずですが、それについてまだ何の手も打たれていない。こういうことでは職務怠慢といわざるを得ない、こういうように思うのであります。  それともう一つ、電話をかけております、そうすると、バーッとものすごい、この間電話をはずして待たなければならない。電話賃が非常にかさむ、というのが向こうの言い分なんです。また確かにそうです。あそこは全部市外ですから。そういう面についても、この前はテレビの受信料については免除していただきましたけれども、非常にこまかい話ですけれども、毎日毎日ですからね。三百六十五日、これは正月休みはないのです。ですから現地の皆さん方の言い分、また、私も行って直接いろいろと調査したその面から見ますれば、あなたがいま机上で考えておられるものとはずいぶん差があるのです。したがいまして、その点について前向きの姿勢をとって、さっそく調査して、あらゆる検討をして、それで善処する、こういうようにしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

手塚良成運輸省航空局長

○手塚政府委員 御指摘の騒音の被害につきまして、いろいろな問題が起こっておることは私ども承知をいたしております。航空局の騒音対策につきましては、現在東京と伊丹の二つの国際空港のみに限定して行なっておるわけでございます。これを実施いたしますにつきましても、時間的に非常に出足がおそく、防衛庁の飛行場との対比におきましては、ずいぶんおくれておると自覚をいたしております。そういうことから、現在全力をあげておりますのが、実は学校の防音施設の整備、あるいは共同利用施設の設置というようなことで手をつけておるわけでございますが、おくれておるからということではいけないのでございまして、こういった問題について、前向きで積極的に調査を進め、措置をとるということをおくればせながら早急にやる必要があると考えております。  仰せの問題点につきましては、今後できるだけ早急に、そういった意味で、前向きの姿勢をとりたいというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 前向きと言うても、やらぬと、ぼくはどこまでも追及しますからね、うるさいですよ。  それはそれとして、次は厚生省ですね。実はこういうように、航空機の騒音問題について、航空局のほうでは航空事業の育成というほうを非常に重点に置いておりまして、被害者のほうも泣き寝入りというのが非常に多い。まあ一生懸命やってもらっているような状態ですけれども、この学校騒音の問題でも予算がついたのは四十二年、四十三年ですね。それまで何もやっていなかった。飛行機が飛んだのはもっとずっと前からですから……。そういうことを見ましても、今度の被害救済の中に、やはり全部抜いてしまうということは相ならぬじゃないか、その点をひとつ加味していただきたい、これを要求したいのですが、どうでしょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法では、仰せのとおり大気と水だけでございまして、騒音の問題は入っておりません。先ほどから御議論がありましたように、騒音によります健康被害の問題につきましては、なかなか学問的にもむずかしい問題がございまして、労働衛生上の問題としていろいろ健康被害の問題についての基準その他は、これは国際的にも定まっておりますが、飛行機等のように、いわゆる断続的に起こります騒音によるところの疾病という問題については、確定あるいは認定等についての問題がまだ学界でも確立されておりません。そういう観点に立ちまして、私どもとしては、この騒音によります公害病の認定ということについては、まだ現在のところ踏み切る段階には至っておりません。したがいまして、航空機騒音によりますいろいろな被害者の問題につきましては、運輸省のほうで現在いろいろ、あるいは防衛庁等におきまして、予算等もだんだん増加されて組んでおられますので、こういう点につきましてはさらにその方面の御努力をお願いしたい、かように思います。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 時間が参りましたから、最後にもう一点厚生省に要求しますけれども、この人的被害、こういうことを検査する機関は、やはり肉体や生命の問題は厚生省になるんですね。したがって運輸省あるいはまた防衛庁ですか——防衛庁は国を守るほうの役目で、人を殺すほうですからね。そう言うと悪いけれども……。そうすると人命を守るほうは、これはどうしても厚生省にいろいろ試験機関もあるわけでございますので、そっちのほうはもうまかせました、こういうような、何といいますか、すげないことを国民に言わずに、保健所もあることでございますししますから、よく各所の、たとえば基地の騒音で被害を受けている人たち、事人命に関することにつきましては、この前私が要求しました悪臭の問題も、まだ的確な論議がされておりませんので、厚生省としては何とも言えません、こんな国民をばかにしたようなことを言わずに、ひとつ今後事人命に関することはうんと強力に研究し、そして自分のところの専門機関で研究して、各省に申し入れていく、これぐらいの力を出していただきたいということを、厚生政務次官、あなたは何も言わなかったからひとつ……。

粟山秀自由民主党厚生政務次官

○粟山政府委員 岡本委員のおっしゃるとおりだと思います。わがほうといたしましては、事人間の命に関することあるいは健康に関すること、とにかく快適に生活していかれるということ、これは重要な問題でございますから、これからもあげてそういう研究に早く結論が出るようにいたしまして、防止も、それから起きていることについても、どういうふうにしてそれに対する救済の措置をとるかとか、そういうことなど、いま関係の各省にも厳重にお願いをし、督促いたしまして、この人命尊重、人間の健康管理、これについてはつとめたい、そのように思っております。

坂村吉正自由民主党防衛政務次官

○坂村政府委員 防衛庁に対する御質問ではないので、どうも恐縮でございますけれども、御発言の中で、速記録に残るものですから……。防衛庁は人を殺すのじゃございませんで、これは日本人の人命、財産を守るための自衛隊を持っているわけでございますので、そういう観点から、公明党さんでもいろいろ基地を点検いただいて、非常に敬意を表しているわけです。私ども仕事をしていく上に非常に参考になりまして、われわれも全力を尽くしてできるだけ基地を点検をして、そうしてりっぱな合理的な基地を持って、そうして公害もできるだけなくするように、そういうぐあいに努力をしてまいりまして、人を殺さないで、日本人の人命、財産を守るために、一生懸命やってまいるつもりでございますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(き)政府委員 騒音によります生活妨害の問題につきまして、実は本年度、厚生省といたしましては、飛行場あるいは新幹線あるいは高速道路、こういった特殊の騒音によります受忍限度をどの程度にしたらよいかという問題につきましても調査をいたしたい、かように現在計画中でございます。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員 私は防衛庁が人を殺すということを言いましたが、しかしこの自衛力というものは、これは別に憲法で否定されているわけじゃありません。たとえばどこからか攻めてきたという場合は、やはり人を殺すためにけいこをしているのでしょう。見ておりますと、守るためにけいこをしているわけではない。内乱というのですか、ぼくは軍隊のことはあまりわかりませんけれども。攻めてきた場合はそうですからね。その点を私は言っておる。こっちから出ていくというやつは憲法違反です。だから、攻めてきた場合は人を殺す。殺しに来たら殺すのです。これは自衛力ですから別としまして、その問題ばかりでなくして、私の言っているのは、要するに被害救済のほうにうんとひとつ力を入れていただきたいということを言ったわけであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員長 午前中の質疑はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。     午後一時四十一分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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