産業公害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/02/12
会議録
○赤路委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 ――――◇―――――
○赤路委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりをいたします。 産業公害対策に関する件について、本日、参考人として、公害防止事業団理事長原文兵衛君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤路委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ――――◇―――――
○赤路委員長 この際、産業公害対策に関し、所信の表明をお聞きしたいと思います。原田運輸大臣。
○原田国務大臣 運輸大臣といたしまして、公害対策の所信を申し述べたいと存じます。 今日、運輸省が直面している交通公害のうち、主要なものとして、船舶の油による海水の汚濁、自動車の排出ガスによる大気汚染、並びに航空機等の交通機関による騒音の三つが特に指摘されるのでありますが、私といたしましては、これら公害問題の解決のため、公害対策基本法の精神にのっとり、国民の健康保護、生活環境の保全を基本理念として、各般の施策を推進し、国民各層の期待に添い得るよう、最善を尽くす決意であります。 次に、この機会に、運輸省の公害対策に関する具体的施策について若干申し述べたいと存じます。 まず第一に、船舶の油による海水の汚濁につきましては、第五十五特別国会におきまして、船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律の成立及び同法関係条約の承認を見ましたので、同法に基づき、船舶からの油の排出の規制、廃油処理事業等の適正な運営の確保及び廃油処理施設の整備が実施に移されております。 特に、廃油処理施設の整備の促進をはかるため、所要の補助金支出あるいは財政融資等につき、予算措置を講じております。 第二に、自動車排出ガスによる大気汚染の防止につきましては、昨年十二月一日から施行されました大気汚染防止法による許容限度及び道路運送車両法に基づく道路運送車両の保安基準といたしまして、ガソリンを燃料とする新車について、一酸化炭素濃度を三%以下とするように規制しております。 さらに、昭和四十四年度には、外国車等についても排出ガス規制を開始するとともに、使用過程の車について検査実施の準備体制を整えることとしております。 第三に、航空機等の交通機関による騒音対策についてであります。 航空機騒音につきましては、第五十五特別国会におきまして公共用飛行場周辺における航空機の騒音による障害の防止等に関する法律が可決成立を見ましたので、同法に基づき、航行の方法の指定、学校、病院等の防音工事に対する助成、共同利用施設の整備に対する助成、空港周辺の建物等の移転補償及び農業経営上の損失に対する補償等を行なうこととしており、特に、明四十四年度予算案においては、本年度の約二倍に相当する約十億円の補助を予定する等、強力に対策を講ずる所存であります。 また、自動車の騒音につきましては、道路運送車両法に基づき所要の規制を行なっておりますが、現在特に問題の多い不良マフラーにつきましては、その使用の禁止等を強力に指導いたしております。 さらに、新幹線の騒音につきましては、学校、病院等の付近に防音壁を設置する等の騒音防止対策を一そう促進いたしております。 第四に、交通公害防止技術の研究につきましては、その重要性にかんがみ、特に自動車の排出ガスによる公害防止の研究、新幹線の騒音の発生自体を抑制するための車両及び施設改良、海水油濁防止のためのオイル・セパレーターの開発研究等を今後一そう推進していく所存であります。 以上、当面の重点施策等の一端を申し述べまして、私の所信表明を終わります。(拍手)
○赤路委員長 では、引き続いて、床次総理府総務長官から所信をお聞きいたします。
○床次国務大臣 第六十一回通常国会における当特別委員会の御審議をいただくに先立ち、総理府総務長官として、所信の一端を申し述べたいと存じます。 公害問題は、申すまでもなく、現在緊急な解決を必要とする国民的課題でありますので、政府といたしましては、これを解決するため、公害対策基本法の精神にのっとり、各般の施策を講じております。 その施策の実施にあたっては、公害現象が、その種類により性質が異なる等、きわめて多元的で複雑なものである関係上、関係各省庁がそれぞれの専門的知識を生かしつつ、その実態に即応し、効率的に、しかも責任をもってこれを実施できるよう、総理府といたしまして配慮いたしておるのでありますが、特に、行政機関が多岐にわたるため不統一で実効があがらないことがないよう、公害行政の一貫性、総合性の確保につとめております。 総理府は、各行政機関の施策及び事務の連絡調整をその任務としており、公害行政についても、公害対策会議、同幹事会、各省連絡会議等の場を通じて、各省庁にまたがる問題につき、政府部内の意見の連絡、調整にあたってきたのでありますが、今後と毛、公害対策基本法の方向に沿って、積極的に公害行政の推進に努力してまいる所存であります。 次に、明年度の政府の公害対策の重点施策の一つであり、今国会におきまして御審議を願うことといたしております、公害の紛争処理制度について申し上げたいと存じます。 この公害紛争処理制度は、公害対策基本法第二十一条におきまして、公害の被害救済制度とともに、その確立が要請されているものであり、総理府に置かれております中央公害対策審議会からも、昨年十月、具体的な御提案をいただいておるものでありまして、四十四年度においてぜひその具体的施策を講じたいと考えている次第であります。 総理府は、本制度の趣旨並びにその内容が多くの省庁にわたること等から、中心となって本制度の確立の推進をはかっておるわけであります。 その内容の詳細につきましては、近く国会に提案いたす予定としております公害紛争処理法案(仮称)につきましてご審議願いたいと存じますが、いまその骨子のみを申し上げますと、それは、中央に総理府の機関として中央公害審査委員会(仮称)を設けまして、公害紛争について調停、仲裁等を行なわせ、また地方公共団体におきます紛争処理機構の整備をはかる等の内容のものであります。 御承知のとおり、公害紛争は、加害と被害の因果関係の究明が困難である等、公害の持つ性質から、これまでその処理が必ずしも迅速に行なわれていないうらみがありましたが、本制度の確立によりまして、かかる公害紛争が迅速かつ適正に解決されると期待するものであります。 以上、公害対策に対する私の所信を申し上げましたが、委員各位におかれましても、よろしく御協力、御支援のほどをお願いいたす次第であります。(拍手)
○赤路委員長 引き続いて、大平通産大臣から発言を求められております。これを許します。
○大平国務大臣 第六十一回通常国会における産業公害対策特別委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業大臣として、所信の一端を申し述べたいと存じます。 公害問題を解決し、国民の健康の保護と生活環境の保全をはかることは、経済の発展の推進とともに、通商産業行政の重要な課題であり、通商産業省といたしましては、公害対策基本法を軸として、産業及び生産技術の実態に即した実効のある公害対策を、今後一段と積極的に推進してまいる所存であります。 第五十八回通常国会においては、大気汚染防止法、騒音規制法及び公害防止事業団法の一部改正法が成立し、公害対策基本法に基づく公害対策強化の第一歩が踏み出されたのでありますが、昭和四十四年度においては、特に次の点に重点をおいてまいる所存であります。 第一は、公害防止技術の開発促進の問題であります。公害問題を解決するためには、何よりもまず優秀な公害防止技術を開発しなければなりません。この点につきましては、従来に引き続き、大型工業技術研究開発制度により、脱硫技術の開発を強力に推進するほか、各種の公害防止技術の開発を一段と促進することといたしております。 特に、脱硫技術のうち、排煙脱硫技術につきましては、本年度から明年度にかけまして、大型工業技術研究開発制度による研究計画が終了する予定となっておりますので、そのあとを受けて、できるだけ早くその実用化が行なえるよう必要な対策を講ずる考えであります。 重点を置く施策の第二は、公害の未然防止対策を徹底するとともに、公害に対する法的規制を着実に実施することであります。 通商産業省は、以前から、公害の発生を予防するための対策として、新規の工業地帯を中心として、産業公害総合事前調査を実施し、適切な公害防止措置を講ずるよう、関係企業等に指導を行なっておりますが、明年度は、調査地点の増加、調査方法の充実など、産業公害総合事前調査の徹底をはかることといたしております。また、公害対策基本法に基づく公害防止計画についても、とりあえず四日市など三地域について策定し、引き続き他の地域につきましてもその策定を行なうことにより、計画的な公害防止対策を進めてまいる考えであります。 さらに、昨年十二月一日より施行されました大気汚染防止法、騒音規制法をはじめ、法律に基づく規制措置についても、着実にその実施を進めてまいる考えであります。 第三の課題は、公害防止施設等に対する助成措置の拡充であります。その中心となる公害防止事業団につきましては、中小企業向けの金利の引き下げを行なうとともに、事業規模の大幅な拡大をはかることといたしております。 さらに、大気汚染防止対策の緊要性にかんがみ、重油脱硫装置の建設に対する開銀融資を特利、特ワクで確保するとともに、ばい煙処理施設等に対する特別償却制度の実施、排煙拡散用高煙突に対する固定資産税の軽減など、公害防止施設に対する税制上の優遇措置を強化することとしております。 硫黄酸化物に関する環境基準につきましては、本日の閣議において、政府としての環境基準を決定いたしました。通商産業省といたしましては、今後その実現に向かって全力を傾ける決意であります。このため、特にその実現の前提となる各種の低硫黄化対策を強力に推進することとし、脱硫技術の開発及び実用化の推進、重油脱硫装置の設置の促進等の諸対策の充実、強化につとめてまいる所存であります。 また、紛争の処理と被害者の救済制度の創設につきましては、すでに中央公害対策審議会から意見の具申がなされ、基本的方向が示されており、現在、関係省庁と協力し、この線に沿って法文化を急いでおりますので、成案を得次第、本委員会の御審議をいただき、一日も早く新たな制度を発足させたいと考えております。 以上、通商産業省の今後の公害行政の重点について申し上げましたが、委員各位におかれましても、一そうの御支援と御協力を賜わりますよう、お願い申し上げます。(拍手)
○赤路委員長 引き続いて、経済企画庁でございますが、長官が海外出張中でございますので、登坂経済企画庁政務次官のほうから所信をお聞きいたします。
○登坂政府委員 ただいま委員長の御紹介のとおり、菅野大臣は海外出張のため、私がかわって、経済企画庁における公害対策の基本姿勢について御説明申し上げます。 近年わが国の経済は、目ざましい発展を遂げ、国民の生活水準も著しい向上を見せております。 しかし、その反面、急激な都市化の進展及び産業の大規模化の過程において、大気汚染、水質汚濁、騒音等の各種の公害が発生し、国民生活を脅かす重大な問題となっております。 このような公害問題を解決するため、政府は、関係各省が一体となって、公害対策基本法に定める方向に従い、国民の健康を保護するとともに、経済の健全な発展との調和をはかりつつ、生活環境を保全することを目的として、総合的な公害対策を推進しているところであります。 国民生活行政を所掌する経済企画庁といたしましては、経済成長の成果が真に豊かな国民生活の実現に結びつくよう、人間尊重及び生活優先の基本理念にのっとり、公審対策を推進してまいる所存であります。 次に、公害対策の一環としての水質保全の問題について申し上げます。 経済企画庁は、従来から公共用水域の水質の保全に関する法律に基づき、水質の汚濁防止に鋭意努力してまいりました。すでに同法に基づき百三十六水域について水質調査を実施し、五十九水域については、指定水域の指定と水質基準の設定を行ない、関係各省庁及び地方公共団体の協力のもとに、水質基準の確保につとめているところであります。 さきに問題となりました水俣病及び新潟水銀中毒については、このような事件の発生を今後未然に防止するため、その原因物質とされたメチル水銀が排出されるおそれのある水銀使用工場にかかる水域について、二月三日、メチル水銀を検出してはならない旨の水質基準を設定いたしました。 また、水質保全の一そう強化をはかるべく、規制対象の拡大等について鋭意検討を続けております。 以上、経済企画庁における公害対策の基本姿勢について申し上げました。 本委員会及び委員各位の御支援と御鞭撻を賜わりますよう、お願い申し上げます。(拍手)
○赤路委員長 ちょっと申し上げますが、いま橋本理事が予算委員会に行きましたから、厚生大臣が予算へ入って答弁していなければ、こちらのほうへ来ていただく。そうしますと、大臣のほうの所信表明は全部済みますから、少しそのままでお待ち願いたいと思います。 厚生大臣がお見えになりましたので、厚生大臣から所信の表明をお聞きいたします。厚生大臣。
○斎藤国務大臣 第六十一回通常国会における当特別委員会の御審議をいただきますに先立ち、公害行政に関しまして一言申し述べ、各位の御指導と御協力をお願いいたしたいと存じます。 私は、昨年十二月、当委員会において所信の一端を申し述べましたが、自来その考え方によりまして、四十四年度政府予算の編成に努力をいたしてまいりました。その内容はいずれ予算御審議の際等に御説明申し上げまして、御審議をわずらわしたいと存じておりますが、いまその概要に触れつつ、公害問題を解決するための主要課題について申し述べたいと存じます。 公害問題を解決するための対策につきましては、公害対策基本法に定められた理念と方向に従い、各般にわたる施策を総合的、効率的に実施することによりまして、問題の根本的解決をはかることが必要でございますが、そのためには、企業の努力、国、地方公共団体の施策はもちろん、国民すべての理解と協力が不可欠でございます。 私は、国民の健康と生活環境を守る立場に立ちまして、公害を防止するための諸施策を従来にも増して積極的に推進し、公害のない快適な社会を実現するために邁進をする所存でございます。このために、厚生省といたしましては、当面、次のような施策に重点を置いて、公害対策の拡充強化をはかってまいる考えでございます。 第一に、公害の紛争処理及び被害救済制度の確立であります。本制度につきましては、中央公害対策審議会による意見具申をもとに成案を取りまとめ、明年度から実施いたすべく、予算措置を講じております。本制度の具体的内容は、紛争処理制度については、中央に、総理府の付属機関として、公害紛争について調停及び仲裁を行なう特別の機構を設けますとともに、都道府県段階における紛争処理機構の整備等をはかることといたし、被害救済制度につきましては、大気汚染及び水質汚濁にかかわる著しい疾病にかかっている者に対し、都道府県知事等から医療費等の給付を行なうことといたし、それに要する費用は、産業界、国及び地方公共団体の三者によってまかなうことといたしております。 このような内容を盛り込んだ関係法案を今国会に提出をいたし、御審議を願う所存でございます。 第二は、環境基準の設定と公害防止計画の策定でございます。環境基準につきましては、さきに、硫黄酸化物にかかる環境基準について、生活環境審議会からの答申があり、その後、これに基づいて、関係各省等の間で作業を進めてまいりました結果、このたび、本日、正式決定を見たところでございます。引き続き、一酸化炭素、騒音等について、逐次設定をいたしてまいる所存でございます。 また、公害防止計画につきましては、公害の著しい主要工業地帯等について、すみやかにその基本方針を決定をいたし、関係都道府県知事に指示するよう運んでまいる所存でございます。 第三に、公害防止のための助成措置の拡充についてでございます。公害防止施設は、その助成の拡充強化が強く望まれているところでございますが、明年度におきましては、公害防止事業団の行なう事業について、本年度に引き続いて、政府出資金の計上等により、金利の引き下げを行ないますほか、事業量の飛躍的増加をはかることといたしております。 第四に、公害の監視測定及び調査の充実についてでございますが、昭和四十四年度においては、微量重金属の排出規制の実施のため、水銀及びカドミウムによる環境汚染の実態調査を行ないますほか、保健所における公害関係業務体制の充実、地方公共団体における騒音、自動車排ガス等の監視設備の整備強化等をはかることといたし、さらに、引き続いて、国設の大気汚染測定網の拡充等により、監視測定体制の整備促進をはかることといたしております。 以上申し上げました施策を通じまして、今後公害対策の一そうの拡充をはかる所存でございますが、私といたしましても、誠意をもって全力をあげて努力をいたしたいと思います。どうぞ委員各位におかれましても、よろしく御支援を賜わりますよう、お願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○赤路委員長 以上で、関係各大臣の所信表明を終わりました。
○赤路委員長 引き続いて、昭和四十四年度産業公害対策関係予算等について、それぞれ関係各省の説明を聴取いたしたいと思います。 まず、総理府野村参事官。
○野村説明員 総理府関係の公害対策予算につきまして、お手元にお配りしてあります横書きの一枚の「総理府関係公害対策予算(案)の概要」という資料に基づきまして、御説明申し上げます。 内容は三つございまして、第一が中央公害審査委員会――これは仮称でございますけれども、委員会に必要な経費でございます。これは、先ほど総務長官からも所信表明がありましたように、公害紛争処理につきまして、四十四年度から新たに、総理府の機関としまして中央公害審査委員会というものを設立することにいたしておりますので、これに必要な経費でございます。 この委員会の内容は、備考欄に書いてございますように、調停、仲裁等を行なう機関でございます。その組織は、委員会は、常勤の委員長一名、常勤委員二名、非常勤の委員三名、計六名の構成を考えております。それから、実際の事務を行ないます公害審査室が、室長を含めまして二十一名、このうちには兼務五名を置きまして、二十一名でやるように考えております。それに伴う人件費としまして、ここに書いてございますとおり、常勤委員三名、職員十六名として千三百四万、それから委員会経費としまして、非常勤委員の給与、調査費、その他で三百万、それから公害審査室経費としまして、職員の旅費とか庁費その他の経費としまして二千三十五万、合計いたしまして三千六百三十九万の予算をお願いしてございます。これは、この委員会設立を十月一日ということで考えておりますので、半年予算でございます。 次に、公害対策会議に必要な経費、中央公害対策審議会に必要な経費でございますが、ここに書いてございますように、大体前年どおりということでお願いしてございます。内容は、諸謝金、参考人等の旅費あるいは委員手当でございます。 なお、この公害対策会議及び中央公害対策審議会は、総理府の審議機関でございますので、一応総理府にこういう経費を計上してございますが、実際の事務は、その庶務を厚生省環境衛生局でやっておる関係上、具体的な、たとえば印刷費等の予算につきましては、厚生省の予算に計上してございます。 以上、簡単でございますが、総理府の公害対策関係の予算を御説明申し上げました。
○赤路委員長 それでは、引き続いて、厚生省の武藤公害部長から説明を求めます。
○武藤説明員 厚生省関係の資料は、こういうふうな資料でございます。これの新規事項それから増額になった点を中心に、概略御説明を申し上げます。 四十四年度の公害関係の厚生省の予算は、最初にございますように、七億六千八百万で、一億六千百万の増、前年度対比で二六・六%の増でございます。 第一は、公害被害救済対策費でございますが、最初の八百万の費用は、医療調査費等その他の事務費でございますが、その次の二千三百万、これが本年秋から実施の予定の、公害医療救済法によります医療費用あるいは医療手当等の中身でございまして、つまり国で負担する分でございます。いまのところ、関係企業から半分と残りを国と地方公共団体で持つということが考えられておりまして、ただ、市が入ってまいりました場合は、企業が持ちました残りをそれぞれ国と市と県で持つというようなことを、いま関係各省の中で調整中でございます。それから、これのいろいろ事務的な財界あるいは府県との連絡事務は、公害防止事業団でやる予定でございますので、その関係の人員増、その他の事務費がここに二百万計上されております。 次は、公害防止事業団の関係でございますが、総額三億四千五百万で、二億一千五百万はそれの事務費でございますが、本年度も、昨年度に引き続きまして利子の引き下げを、中小企業と地方公共団体につきまして行なう予定でございます。それの利子補給金を二千九百万掲げております。 内容といたしましては、そこにございますように、現在、共同公害防止施設につきましては、当初三年間は六分でございますのを五分、それから四年目以降六分五厘でございますのを五分五厘というように、一分の引き下げでございます。それから一般の施設につきましては、現在六分五厘でございますが、これを六分に引き下げるという予定でございます。大企業は現行どおりでございます。それから事業計画でございますが、債務負担行為、いわゆる契約ベースのワクが百六十億と、昨年の九十億から約八割増しでございます。それから資金ベースでは、財投の百五億を含めまして、昨年の六十六億から約倍の百二十六億という大幅な資金ベースの拡充をはかっております。 次は、地域公害防止計画の推進でございますが、まず環境基準につきましては、先ほど所信表明にありましたように、硫黄酸化物につきまして本日閣議決定を見ましたが、明年度は一酸化炭素、騒音あるいは粉じんという点につきまして、計画を進めたいと思っております。事務費は前年どおりでございます。それから公害防止計画は若干費用がふえておりますが、これは基本方針の策定を、四十四年度は京浜、大阪地区等を対象といたしますので、若干ふえております。 それから次の公害規制の関係でございますが、新しいものとしては、騒音関係の法律の施行費、それからその次の環境汚染規制対策費でございまして、先ほどの所信表明にありましたように、水銀あるいはカドミウム等の特定の有害物質の環境汚染調査をやりたいということで、予算を計上いたしております。 それから、次の公害の事前予防と監視測定の関係でございますが、その中では、昨年に引き続きまして、大気汚染測定網の運営費として、国設の二カ所を増設の予定を考えております。それから地方公害監視等設備整備費の中では、八千七百万から九千百万にふえておりますが、新しいものとしては、大気汚染防止法の施行に伴いまして、主として自動車の排気ガスの一酸化炭素の測定、あるいは騒音規制法の施行に伴いまして、主要都市の騒音測定、そういうものについて、項目として自動記録装置等を補助できるような予算の計上をいたしております。それから一般的な衛生研究所等の整備費補助は三千五百万、前年どおりでございます。それから新しい項目として、公害対策のために、保健所に、これは主として都会の公害問題が起きておる保健所でございますが、三十三カ所で人一人とそれから若干の検査機器等の補助金を新しく計上いたしました、これが二千六百万。 それから公害調査研究等の拡充につきましては、一億三千万ということで、あと厚生省関係の研究機関でございます衛生試験所と公衆衛生院につきまして、約一千万の増でございます。 その他のところで、若干減になっておりますところを御説明しますと、昨年、紛争あるいは救済制度を研究するということで約百万程度計上されておりましたが、それが本年できますので、その分が九十三万減ったということと、それから公害医療研究費補助二千万でございますが、これが本年度の秋から、一部これでめんどうを見ています医療費が、医療救済制度のほうでめんどうを見るということになりましたので、四千万の減になっております。 概略、以上であります。
○赤路委員長 次に、通商産業省の矢島立地公害部長。
○矢島説明員 通産省関係は、お手元に縦書きの資料がございますが、それを見ていただきたいと思います。「昭和四十四年度の通商産業省の産業公害対策について」、これでございます。これに基づいて御説明いたします。 それでは、一ページは前文でございますので、二ページから御説明申し上げます。 第一に、産業公害総合事前調査の拡充ということで、八千五百万円が一億二百万ということになっているわけでございますが、この産業公害事前調査は、昭和四十年度から通産省が実施しておりまして、来年度はちょうど五年目に相なるわけでございます。毎年調査個所をふやしておりまして、ここにございますように、大気関係は六地域から七地域、海域関係は四地域から五地域、河川は一地域、こういうふうに毎年ふやしておるわけで、四十四年度におきましても、この合計十三地域につきまして、従来と同じ手法でもって引き続いてやっていくわけでございます。 それから次に、二番目に、基本法十九条に基づく公害防止計画策定のための調査の充実、これも四十三年度に引き続いてやっていくわけでございますが、予算も大幅に増額してあるわけでございます。特色といたしましては、二ページの一番最後に書いてありますように、「新たに、調査後の立地計画の変更によって生ずる公害面への影響を電子計算機を用いて迅速に調査することにより、当該地域の公害防止計画の策定、実施に資する。」というふうに書いてある点でございまして、これは要するに、一の事前調査等の結果を全部電子計算機に覚え込ませる、すなわちそこの立地条件あるいは気象条件、あるいは山の状況、川の状況、あるいは工場の張りつき方、煙突の数、高さ、あるいは使用燃料の状況その他を、全部電子計算機に覚え込ませておきまして、そこでその工場が少しふえるとか、煙突が高くなるとか、あるいは燃料がふえるというような結果が、直ちにその電子計算機でもってわかるというようなことをやろうということでございます。その点が新味でございます。 それから三番目は、産業公害に対する規制の強化というのが幾つかございますが、一番目の公害防止対策の拡充は、これは大部分、従来からやっておる公害に対する規制に伴う所要の経費でございますが、若干特色のあるものは、三番目の騒音、振動、悪臭対策費一千三百万円と、一千万ばかりふえまして、これは騒音につきまして特に全国三個所を選びまして、一の総合事前調査的なものを――たとえば燕なら燕というような、特に騒音の問題となっている町につきまして、総合的に事前対策指導はどういうことができるかというのをやってみようという点が新味でございます。 それから二番目の、水銀公害の調査三百万円、これは、四ページに参りまして、メチル水銀の問題がうるさいので、これに対する全国五十の通産省所管の水銀を使用する工場の立ち入り検査を行なっていこうということとともに、その水銀処理施設、いろいろありますが、そういうものを早く整備するように指導するわけでございます。 三番目の砂利公害対策、これは前年度に引き続きやることでございますが、特に前国会で成立いたしました新砂利採取法の厳正な運用を行なうということに主眼を置いておるわけであります。 四番目は、石油精製の公害対策ということでございますが、新味、重点は、この二行目にありますように「重油の集中脱硫の可能性につき調査する。」本日環境基準もきまったわけですが、この環境基準を達成するためには、言うまでもなく、低硫黄化対策というものを強力に推進しなければならぬということで、いろいろなことをやっておりますが、一つの方法として、重油の集中脱硫の可能性というものを一応研究したい、こういうことです。 五番目は、火力発電所の公害防止調査で、火力発電所につきましては、従来もいろいろやっておりますが、さらに、発生量が非常に多いために、諸般の対策を講じたい、こういうことです。 それから四番目の、産業公害防止技術の開発促進、五ページに参いりまして、十三億円が九億七千万円と、約三億円余り減っておるわけでございますが、これは、その次の「うち大型プロジェクト研究開発費」が減っておる分に見合うわけでございまして、その大型プロジェクトの減った分だけ減ったわけです。その点だけを御説明いたしますと、大型プロジェクトにつきましては、その次の行に書いてありますように、排煙脱硫と重油脱硫との二つをやっておるわけでございますが、排煙脱硫につきましては、ここに書いてある活性炭法のほかに、活性酸化マンガン法というのがございまして、二つの方法を用いて排煙脱硫をやっておりますが、その活性酸化マンガン法は本年度をもってすでに終了いたしておりますし、活性炭法も来年の半ばでもって終了する予定になるわけでございまして、そういう関係で、排煙脱硫の金額が大幅に減ったというために、金額は減っておるわけでございます。重油脱硫のほうは、四十六年度まで引き続くわけでございます。それ以外に約五億円ばかりの研究費があるのでございまして、これがいま言った脱硫以外の、諸般の排水関係あるいは自動車の排気ガスの関係、あるいは燃料電池、電気自動車、その他のようないろいろな研究をやっておるわけでございます。 五番目の公害防止施設等に対する助成の強化、(一)は公害防止事業団の事業の拡充強化、これは先ほど厚生省のほうから説明がありましたので、内容は省略いたします。 六ページに参りまして、開銀等金融上の助成措置の拡充ということで、特色は(イ)の重油脱硫施設に対する開銀融資で、その次に書いてありますように「重油の脱硫施設に対する開銀の融資資金を特利・特枠で確保する。」この点が重点でございまして、再び環境基準でございますが、低硫黄化対策のためには脱硫を早急に進めなければならぬ。そのためには、開銀融資も特利・特ワクでやっていこうということで、四十億円の特ワク、最初の年なものですから、金額は要求どおりつきませんでしたけれども、四十億円、金利も七%という特利をとったわけでございます。それから次の中小企業金融公印、これは十億円が二十四億円、従来の線を引き続いてやっておるわけであります。中小企業振興事業団の関係も、共同排水処理施設に対する事業を、従来に引き続いてやっておるわけでございます。金額は、三億円から一億三千万円と減ってございますが、これは事業の確実に行なわれるものだけについての金額でございまして、振興事業団では、百億円以上の資金がございますので、現実に計画が出てくれば、そのワク内でもってやる余地を残しておるわけでございます。 それから三番目は、産業公害防止施設等に対する税制面からの助成措置、税制面というこで、二つ大きい問題がございまして、一つは一行目に書いてありますように、いろいろな施設に対する特別償却を創設するということでございます。従来こういう防止施設については、耐用年数を十五年から七年に減らすというようなことでもって対処しておったわけですが、その耐用年数短縮の線は、一応原則としてそのままといたしまして、それにオンして、初年度三分の一の特別償却をつくったわけで、これによりまして、こういう腐食が激しかったり陳腐化の激しい防止施設につきましては、初年度においては大幅な償却ができるということでございます。それから二行目の「また、」以下にありますように、排煙拡散用高煙突等に対しては、従来固定資産税の減免がなかったわけですが、新たに二分の一の減免が行なわれているということでございます。 最後に、工業立地適正化対策の推進で、従来に引き続きまして、工業立地の適正化をはかるための分散、誘導等の措置を講ずる、またそのため所要の立法措置を講ずるわけでございます。 以上でございます。
○赤路委員長 次に、経済企画庁八塚国民生活局長の説明をお願いいたします。
○八塚政府委員 経済企画庁の説明は、差し上げておきました一枚の紙でございます。 私どもは、公共用水域の水質の保全に関する行政をやっておるわけでございますが、昭和四十三年度四千二百万のところを、昭和四十四年度は五千三百万何がしということで、約一千万、二五%の増でございます。そのうち、その下にございます、水質審議会あるいは水質保全事務費は、いずれも事務的な経費でございますので、説明は省略いたしますが、(3)の水質調査費、これが約九百万ふえておるのでございます。その説明のところにございます、水質基準調査あるいは水域指定調査あるいは指定水域保全調査というふうな順番になっておりますが、作業の段取りといたしましては、水域指定調査があり、その水域指定調査が終わったところで水質基準調査をやる、その基準調査が終わりましたところでその解析をやりまして、水域の指定及び基準の設定ということをやるわけでございますので、ちょっと順序が逆になったのでございます。今年度は、その水域指定調査、まん中の、作業としては最初になる水域指定調査が、前年度二十六水域でございましたが、それを八水域にしまして、手のかかると申しますか、具体的に基準の設定にかかる水質基準調査のほうを、前年度五水域から十一水域にふやしたわけでございます。そうして若干ストックがございますのを、基準の設定に力を入れていきたいということにいたした次第であります。なお、指定水域の保全調査、いわゆるアフターケアは、本年度一般が三十九、なお先ほど政務次官が申し上げました水銀につきましては、この二月三日に指定の告示をいたしましたので、そのアフターケアということで、アフターケアに前年度よりも力を入れることにいたしました。なお特殊問題といたしましては二項目、これは従来の項目はほぼ達成したのもございますので、新しい項目を選びながらやってまいりたいと思います。 なお、水質紛争仲介事務費、これは御承知のように、私どもの法律の体系の中に紛争仲介がございますが、先ほど総理府の方からお話がございました、全体としての紛争の処理の法律として出る予定で、その体系の中で処理するということになりましたので、減になっております。 なお、これは経済企画庁で申しますと、私どもの局ではございませんで、総合開発局でございますが、地盤沈下につきまして、審議会のお世話をいたしております。その経費が、地盤沈下対策に必要な経費ということで上がっておるのでございます。 以上、簡単でございますが、私どものほうの予算の御説明といたしました。
○赤路委員長 続いて、運輸省の井上審議官にお願いいたします。
○井上説明員 運輸省関係につきましては、横の二枚の資料を配付してございますので、見ていただきたいと思います。 まず第一に、海水油濁防止対策でございますが、これは四十四年度予算要求額といたしまして三億六千八百二十七万円でございまして、この内訳を申し上げますと、第一に、港湾あるいは船舶におきます油の検査体制の整備をはかろうというものでございます。具体的に申しますと、これは地方海運局に対して事務をさせるわけでございますが、職員の研修を行なうこと、それから油の検出をいたします機械を持たせる、むずかしいことばになりますが、油分濃度計というものでございます。これを、本年度から引き続きまして計十基を設置いたすことに相なっております。 それから第二は、船舶から油を排出いたしますことに対します取り締まりの体制でございますが、これは海上保安庁にさせるわけでございますが、この取り締まりに必要なる機械十二基を設置いたすものでございます。 それから第三に、被害者救済対策でございますが、内航船舶によります油濁事故の処理状況を調査しようということでございまして、具体的には、委員会を設けまして、そこで調査いたすわけでございますが、船主あるいは市町村に対しまして調査すること、あるいは市町村漁業協同組合等を介しまして、被害者から調査いたすこと、特に重大な事故につきましては、この委員会が直接調査いたすというふうに考えております。 それから第四の廃油処理施設の整備でございますが、これが金額的にも最も大きい項目でございますが、港湾管理者が整備いたします廃油処理施設に対しまして、補助金を出すものでございます。これは前年度に比べまして減額しておりますが、これは最近民間におきまして自主的に整備をいたす機運が強くなっておりますので、そういった関係からでございまして、施設の進捗は順調にいっておるものでございます。 第二に、自動車の排気ガス及び騒音防止対策でございますが、第一に、新型車の排気ガス並びに騒音の検査につきましては、従来どおり施行いたす予算でございます。 それから現用車、新型車でない一般走行車につきましては、昨年の秋、保安基準というものによりまして義務づけをいたしておりまして、これにつきまして、特定の自動車の追跡調査あるいは一般走行車のうちに任意抽出の調査を行なおうというものでございます。 それから第三の外車の排気ガス検査でございますが、これは新規でございまして、外車につきましても、基準は新型車と同じ基準を考えてやっていこうというものでございます。 それから第四の被害者救済対策でございますが、自動車の排気ガスによります被害者の実態調査を行なおうというものでございまして、これにつきましては、汚染地区、非汚染地区を抽出いたしまして、そこにおきまして、まず書面によるアンケート調査と面接調査といったものからいろいろ実態を調査して、将来の対策を確定いたしたいと考えておるわけでございます。 それから、排気ガス並びに騒音につきまして、研究体制を整備強化いたそうというものでございます。 それから第三に、航空機の騒音防止でございますが、東京、大阪空港周辺におきます騒音の測定というものがございますが、四十四年度におきましては、いままで羽田に測定塔一基ございましたのを、さらに東京、大阪それぞれ一基ずつ増設いたしまして、調査を強化いたしていこうというものでございます。第二の騒音防止対策事業の補助でございますが、東京、大阪国際空港周辺におきます学校及び共同利用施設に関する騒音防止工事に対する補助助成を行なおうというものでございます。 なお、このほかに、鉄道車両事業あるいは造船事業におきます工場の排水にかかる予算。 それから気象調査関係でございますが、四日市地区におきます大気汚染の観測の実施、こういったことを考えておるわけであります。 それから最後に、国の予算でございませんが、国鉄の予算といたしまして、東海道新幹線の騒音の対策措置を講じておりますが、前年に引き続きまして、学校、病院等の騒音防止の措置を実施する、並びに騒音防止に必要な種々の研究を引き続いて実施していくというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○赤路委員長 続いて、農林省荒勝参事官。
○荒勝説明員 ただいまから四十四年度の農林省関係の予算の御説明を申し上げます。 一ページ目をお開き願いたいと思いますが、これが農林省の全部でございまして、一番下の欄にありますが、十三億二千九百七十六万七千円が総額でございます。その内訳につきましてはこれから御説明申し上げます。 なお、下の欄に未定とありますが、6の試験研究費の配分につきましてなお未定な点がございますので、これにつきましてはまだ計上をいたしておりません。 まず第一番目に、水質汚濁対策調査費でございます。二千九百二十万円でございますが、農業用水のいわゆる汚濁によりまして、農業関係の被害面積が、昭和四十年の現在で約十三万ヘクタールになっておりますので、これにつきまして、今後水質汚濁対策の調査を進めたいということで、下の欄に(1)(2)(3)(4)(5)というふうに設けまして、特に四番目の対策として、重要だというので、今年から四十六都道府県、いわゆる全都道府県にわたりまして対策調査を実施することにいたしました。 それから、次に三ページでございますが、水産資源保護対策事業で、合計五千八百六十万九千円を計上いたしておりますが、これにつきましては、1、2で調査いたしまして、三番目の保護水面を管理する助成金として三千八百万円を計上しまして、今後こういう水産物に被害が及ばないように努力してまいりたい、こういうように思っております。 それから、次に四ページ目の家畜ふん尿処理実験施設関係でございますが、特に家畜ふん尿処理実験施設設置事業で三千二百五十六万七千円を計上しておりますが、これは最近、いわゆる養豚業が中心になりまして非常に大規模化してきた、しかもそれが比較的都市近郊になったということで、このふん尿処理が非常に公害問題と結びついてまいりまして、いろいろと最近各地で紛争を起こしております。したがいまして、今後この紛争をどうするかということとあわせて、その水洗化といいますか、浄水化処理の問題を検討していくということで、実験事業として約三カ所を、こういうことでこの一、二年さらに実験してまいりたい。これでめどがつき次第、何らかの形でまた別の対策を打たねばならないのではないか、こう思っております。 次に四番目で、五ページでございますが、畜産経営の移転等調査費、ただいま申し上げましたように、畜産の大規模化に伴いまして公害がありますので、最近そういうことで、移転といいますか、追い出されるといいますか、いわゆる都市近郊から奥地のほうに逃げて、公害事件を起こさないような地点に移転せざるを得ないということで、そういう移転の前例が出ておりますので、移転に伴ういろいろな問題点を処理いたしまして、今後こういった公害をなるべく避けて畜産経営が営めるようなことを検討いたしたい、こう思っております。 次に五番目の、農林関係工場の公害の実態調査でございます。下の二番目になりますが、騒音に関する基礎調査、これが初めてことしから始まります。製粉と製材業が比較的大きな音を立てますので、これを入れまして調査をいたしてまいりたい。上のほうの工場排水に関する基礎調査等というほうは、これはいわゆる食品産業が比較的大量に汚水を排出いたしますので、その調査を進めたい、こう思っております。 六番目の六ページでございますが、6の試験研究、これは農林水産生物の生育環境保全に関する研究で、比較的農業関係では被害が多いのにもかかわらず、いままで公害関係にかかわるいわゆる試験研究が比較的おくれておりましたので、そういう基本的な調査をいたしたいというので、六ページの中ほどから下のあたりに1、2、3、4、と項目を掲げまして、大気汚染関係、家畜関係というふうに、それぞれ基本調査を研究いたしてみたい、こう思っております。 それからあと七番目は、そういう事務費関係、紛争処理の関係でございます。 それから次に、公害関連予算で、七ページに、いわゆる新潟地盤沈下対策費で十一億六千九百十万四千円計上いたしておりますが、これは御存じのように、新潟地区で天然ガスの採取に伴いまして、まあ地下水の大量揚水等に起因されるということで、地盤沈下が起こっています。その地盤沈下をただいまいろいろ修復いたしております。その事業費の計上をいたした予算でございます。 以上が、農林関係予算の全体でございます。
○赤路委員長 次に、建設省山下参事官の御説明を願います。
○山下説明員 「建設省公害対策関係予算一覧」と、まとめてあります縦の資料に基づきまして、御説明申し上げます。 建設省におきましては、河川、道路、住宅、公園、下水道等、各般にわたる公共事業の実施を担当いたしております。これらのうち、特に公害対策に関連いたします予算について御説明申し上げます。なお、表中に数字を記載していないものは、四十四年度の予算の具体的な配分案がきまっておりませんので、数字を確定しかねるものでございますので、御了承願います。それから表の備考中でございますが、張り紙をして訂正したものがございます。これはいずれも行政部費でありますので、御訂正いただきたいと思います。 初めに調査費等でありますが、公害防止計画基本方針策定調査費、広域公害対策調査経費、これは都市計画及び地域計画において、主として大気汚染による公害に対する土地利用計画上の対策を樹立するために必要な調査費であります。また水路水質調査費、河川水質調査費、河川浄化対策調査費は、河川等の水質汚濁の状況を把握しまして必要な対策を樹立するために必要な調査費であります。それから地盤沈下対策調査費は、新潟地方における地盤沈下の状況を測定するための調査費であります。 次に、事業実施関係予算について申し上げます。 第一に、緩衝緑地造成事業に対する補助金でありますが、これは、公害防止事業団が都市計画事業として行なう緩衝緑地の造成事業に対しまして、補助を行なうものであります。事業団から譲渡を受けてこれを都市公園として管理する市町村が、事業を行ないやすくしようとするものでございます。補助率は、企業者負担分を除いた事業費に対しまして、三分の一を考えてあります。また事業は継続二カ所、新規一カ所を予定いたしております。 第二に、都市河川環境整備事業でありますが、これには、建設省直轄事業である浄化用水導入事業と、国庫補助事業として行なわれる堆積汚泥のしゅんせつ事業、及び河道整備事業がございます。直轄河川の浄化事業は、大阪の寝屋川で行なわれている事業でありまして、淀川から水を取り入れて、寝屋川の水を浄化する事業であります。後者は、東京、大阪、名古屋、尼崎、福岡等の都市内の汚濁河川に堆積しております汚泥を取り除くことによりまして、河川の浄化をはかろうとするものであります。昭和四十四年度には継続五都市、新規二都市の河川について予定いたしております。また河道整備事業は、河川敷地の整備を行なって、河川の環境の改善をはかる事業であります。 第三に、下水道事業補助金であります。水質汚濁による公害の防止、及び地盤沈下地帯等の排水不良地区における浸水防除のためには、下水道の整備がそのきめ手になるものでありますので、建設省におきましては、下水道の整備の促進に努力をいたしておるのであります。特に流域下水道は、都市地域の拡大に伴い、行政区域を越えて、河川の流域を単位といたしました下水道幹線の整備を行ない、集中的に高度の処理を行なうものでありまして、河川等公共水域の水質の保全にきわめて効果のある方式であります。昭和四十四年度におきましては、継続七カ所、新規二カ所を予定いたしております。また、特別都市下水路は、もっぱら工場排水処理のために建設されます都市下水路でありまして、事業費の四分の一について企業に負担させることといたしております。四十四年度には、継続六カ所、新規三カ所を予定いたしております。 最後に、地盤沈下対策事業補助金でありますが、これは、天然ガスの採取による新潟の地盤沈下地帯の中小河川、これの堤防かさ上げ事業を行なって、災害の防除につとめるものであります。 以上をもちまして、建設省の公害対策関係予算の説明といたします。
○赤路委員長 以上で、関係予算のほうは説明を終わりました。 この際、公害防止事業団の事業概要について、参考人原理事長から説明を聴取いたします。公害防止事業団理事長原文兵衛君。
○原参考人 お手元に横書き横長の十枚くらいつづった資料を差し上げてございます。「公害防止事業団の事業について」と題した資料でございます。これに基づいて、御説明を申し上げたいと思います。 まず、一に、公害防止事業の実施状況でございますが、御承知のように、公害防止事業団は昭和四十年の十月に創設されまして、業務開始以来現在までの事業の実施状況は次のとおりでございます。すなわち、造成建設事業として百六十億、貸し付け事業として五十一億九千万、合計二百十一億九千万の事業をいたしております。造成建設事業につきましては、三ページ以下に、いままでやりました事業を詳細に載せてございますし、貸し付け事業につきましても、さらに六ページ以下に貸し付け先、金額等を載せてございます。 公害防止事業団の行ないます造成建設事業といいますのは、四つの種類がございまして、第一が、たとえば排煙とか排水とかいうものを、共同公害防止施設で共同に処理をして、きれいにして出すという事業でございます。二番目は共同利用建物、いわゆる工場アパートの建設でございます。三番目は工場の移転団地、たとえば騒音公害等を出しているような工場を、埋め立て地その他市街地から離れたところに共同で移転させるための移転団地の造成でございます。四番目は、工場地帯と住居、商業地帯とを分離するための緩衝緑地の造成でございます。 現在まで行ないました造成事業のうち、第一の事業は一件、二億三千万、第二の工場アパートは五件、二十一億八千四百万、工場移転団地、第三の事業は十二件、六十七億一千九百万、緩衝緑地の造成、四番目の事業は五件、六十八億六千五百万と、大体の概要の数字は、そのようになっております。 二番目に、昭和四十四年度の予算案等について、若干御説明申し上げたいと思います。 先ほど厚生省のほうで申し上げましたので、ややダブるところがございますが、昭和四十四年度の政府予算案におきましては、当事業団の事業の進展に伴いまして、いろいろな措置が認められることになったのでございますが、まず四十四年度の事業計画、事業規模が相当拡大いたしました。すなわち、資金ベースにおきまして、四十三年度六十六億でございましたのが、四十四年度百二十六億、契約ベースにおきまして、四十三年度九十億が、四十四年度百六十億という予算案になったのでございます。 次に政府出資金は、四十三年度初めて一億が認められたのでございますが、本年度も一億増加されまして、合計二億になる予定でございます。さらに、政府補給金といたしまして、二千九百七十二万が認められております。この四十四年度の政府出資金一億の増加と政府補給金二千九百七十二万によりまして、金利をさらに引き下げる財源とするものでございまして、それは、四十三年度も金利引き下げがある程度認められたのでございますが、四十四年度におきましては、先ほど申し上げました建設事業のうちの第一の事業、すなわち共同の公害防止施設につきましては、現在中小企業及び地方公共団体は、当初三年間が六%で、四年目以降六・五%となっておりましたのを、一%ずつ下げまして、当初三年間を五%、四年目以降を五・五%とする。中小企業及び地方公共団体のその他の施設と、個別に公害防止施設をつくる者に対する融資につきましては、現行六・五%を六%にする、すなわち五厘引き下げる、こういうことでございます。大企業につきましては、四十四年度特別の金利の引き下げはございませんで、従前どおりでございます。したがいまして、従来、創設以来大体中小企業と大企業の金利差が五厘でありましたのが、四十四年度からは一分になるということになるのでございます。 四番目に、緩衝緑地の建設補助金でございます。これは先ほど建設省のほうの予算説明にございましたが、公害防止事業団の行なう第四の事業すなわち緩衝緑地は、これはつくりましてから、地方公共団体すなわち市に譲渡いたしまして、これが都市公園として維持管理されるわけでございますが、その建設費の一部を企業が負担するのでございますが、その場合に、それ以外の分につきまして国から約三分の一という率でもって補助が行なわれる。その補助は一応当事業団のほうに参ります。結局、それはそれだけ譲渡を受ける市のほうの負担が減る、こういうぐあいになるわけでございます。 以上が、簡単でございますが、公害防止事業団の事業を四十四年度の予算についての概要でございます。 以上で御説明を終わります。 ―――――――――――――
○赤路委員長 この際、環境基準について、厚生省の武藤公害部長から発言を求められておりますので、これを許します。武藤公害部長。
○武藤説明員 本日の閣議で、懸案の「いおう酸化物に係る環境基準について」という問題が閣議決定を見ました。いまお手元に、こういう横書きの袋に入ったのが行っておりますが、それに基づきまして、概要を御説明いたします。 この基準は、公害対策基本法に基づきまして、いろいろの大気汚染の防止対策を進めていく上での目標として定められるものでございまして、個個の工場を直接規制するための、いわゆる排出基準ではございません。ただ、排出基準をきめる場合のいろいろの前提として考えていく、また基本法に基づきます公害防止計画の達成目標となるものでございます。 この基準、条件は、その一ページ目の(1)に(ア)(イ)(ウ)、それから(2)と(3)というふうに、非常にややこしい数字が書いてございますけれども、この数値は、厚生省に置かれております生活環境審議会――旧公害審議会におきまして、まる一年半、その後各省と半年ぐらいの折衝を経てきまったものでございまして、数値そのものは、厚生省の環境審議会におきまして答申されたとおりでございます。その条件は、二ページをお開きいただきますと、(2)の、「年間を通じて、一時間値の年平均値が〇・〇五PPMをこえないこと。」とするということと、その次の、緊急時の措置を必要とする汚染の日数が三%、つまり年間で十一日程度以下に押えるということを基本にして、この(ア)(イ)(ウ)というものが出てきたわけでございます。 具体的に申し上げますと、大体東京、大阪の中程度の汚染地帯、たとえて申しますと、東京の新大久保程度の汚染水準に当たるわけでございまして、この基準を越えているところは、これまで下げる、それからこれを越えようとするような工業地帯あるいは都市につきましては、これを越えないようにいろいろな総合対策をやるということが、今後の問題でございます。したがいまして、二ページの「達成期間および達成の方途」というところで、環境基準のためのいろいろの基本的な条件を、各省の間で総合的に進めるわけでございますが、まず達成期間については、二ページの下のほうの(1)のところで、非常に人口が集中して大気の汚染が著しい地域につきましては、おおよそ十年程度を目途としよう。この場合に、中間値を目標値として置きまして、そうしていろいろな燃料対策の検討を行ないまして、この達成につとめたい、かように考えております。(1)の地域に当たるものとしては、大体御推察のように、京浜、阪神地域内のような汚染が進んでおる地域が考えられるわけでございます。 それから第二の地域でございますが、大規模の工業開発が進行している地域で大気の汚染が生じつつあるかまたはそのおそれがある地域は、五年前後を目途とする。つまり、ちょうど環境基準が若干の地域では越えている、あるいはその他の地域ではこのままほっておくと越えるおそれがあるというような地域につきましては、「また、」以下にありますように、複合汚染の場合の一時間値の最高値を〇・二五という一つの指導基準を設けまして、それによって、越えないようにいろいろ努力をしていこうということでございまして、具体的にいえば、千葉とか、岡山の水島とか、あるいは茨城県の鹿島というような、現在大規模の工業地域について、この手法で環境基準の達成を考えていきたいというふうに考えております。 それから、次の四ページの(3)のところに「新たに大規模の工業開発が予定されている」云々、これは、これから新しく工業地帯を開発していくという地域で、具体的には周防灘とか、あるいは東三河というようなところで、まだ工場のレイアウトもできていないというような地域でございまして、こういう地域は、最初から環境基準は越えぬように、いろいろな手を考えていくべきじゃないか。まあ全国を(1)(2)(3)の地域に分けて、いろいろ公害防止計画を立てていくわけでございます。多少地域によっては、この(1)と(2)の中間とか、あるいは(2)と(3)の中間というようなことが出てくるかもしれませんけれども、おおよその目標をこの三つの類型に分けて、具体的に地域の対策を立てていきたいということでございます。 それから四ページの「達成のための対策」でございますが、前文はここに書いてあるとおりでございますけれども、やはりこの硫黄酸化物の環境基準について一番大切なことは、低硫黄化対策の推進が一番大切で、これがなければ達成できないのだという立場でございまして、これにつきましては、そこの(ア)(イ)(ウ)に具体的に書いてありますように、低硫黄原油とか、あるいは天然ガスの探鉱とか、あるいは輸入の促進、それから(イ)にあります重油脱硫技術の開発あるいは排煙脱硫技術の開発、それから重油脱硫装置とか排煙脱硫装置設置の促進、こういうことについて、いろいろ財政、金融、税制等の適切な助成措置を講じていくということが、(1)に書いてあるわけでございます。 この対策と同時に、そのほかいろいろの対策、(2)に掲げてあります問題としては、具体的に一番大切なのは公害防止計画でございまして、これは各地域ごとに、政府と地方と一体になって、その地域の公害防止計画を立てていくわけでございます。それから、(イ)に書いてありますのは、これは、地方がこの環境基準を守るためにいろいろの対策に相当費用がかかりますので、その援助が必要である。それから(ウ)は、何といいましても、この都市計画なりあるいはいろいろのばい煙発生施設の新増設を行なう場合の、工場に対しますいろいろの指導調整ということが必要でございますし、現在計画されております国土総合開発計画においても、やはり公害という問題を考えて、地域開発はやる必要があるということが書かれてあるわけでございます。それから具体的な対策として、排出規制を、地域的な状況に応じて、強化をしていく。それからまた、具体的に、現在の状況がどうなっているかというようなことにつきまして、監視測定体制を十分にやっていくという必要があることは言うまでもございませんので、それが(2)の最後に書いてあるわけでございます。 以上、非常に概略でございますけれども、本日閣議決定を見ました環境基準、並びにそれの実施のための諸方策についての概要を御説明したわけでございます。
○赤路委員長 それでは、一応当初予定いたしましたものは済みました。何かありますか。――別段ございませんか。 それでは、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十分散会