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61回国会衆議院1969/07/10

災害対策特別委員会 第8号

発言数
158
登壇者
29
会派数
4
開催日
1969/07/10

会議録

川村継義日本社会党

○川村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による被害状況調査のため、先般当委員会より現地に派遣されました委員から報告を聴取することといたします。湊徹郎君。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 私は、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による被害状況調査のため、議長の承認を得て、去る四日から七日までの四日間、宮崎県、鹿児島県及び福岡県の三県に派遣されました派遣委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党の水野清君及び私、湊徹郎、日本社会党の川村継義委員長及び斉藤正男君、民主社会党の稲富稜人君、ただし同君の場合は福岡県を除く鹿児島、宮崎の二県であります。それに公明党の小川新一郎君、以上の六名であり、ほかに地元選出議員多数の御参加を得ました。  特に今次調査はいままでと違って、梅雨前線による豪雨が調査時点においてもなお引き続いており、重なる災害が現に発生しつつある渦中において、なまなましい被害の実態をつぶさに調査してまいったわけであります。したがいまして、ただいまから申し述べる被害状況は、災害が進行しつつある過程で、各県、市町村等が応急対策に忙殺されているかたわら、あとう限りの範囲と方法で調べられたものであり、まだまだ被害はふえる実情にあることをあらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  なお、本日は時間の都合できわめて簡単に御報告申し上げることをお許しいただき、詳細は、県及び市町村からの陳情書等、資料を委員長のお手元に提出いたしてありますので、それを御参照願いたいと存じます。  われわれ調査団の調査経路は、宮崎県、鹿児島県、福岡県の順であり、鹿児島県から福岡県に至る列車の中で熊本県の被害状況についても、知事をはじめ関係者から説明を聴取してまいりました。  まず宮崎県について申し上げます。  県の報告によれば、六月二十四日から七月一日にかけて霧島山で八百九十六ミリという異常な豪雨に見舞われたため、県南のほとんどの河川がはんらんし、堤防及び道路の決壊、がけくずれ、家屋の浸水等による被害が続出したのであります。特に被害のはなはだしい都城市におきましては、即刻、災害救助法を発動し、自衛隊の出動を要請するとともに、臨機応急の対策に万全を期したのでありますが、われわれの調査時点においてもなお三時間に六十ミリをこえるという降雨があり、その後も降り続いておりますので、被害はますます増加している状況であります。  被害は、七月八日現在、死者四名、浸水家屋三千戸、田畑の冠水五千七百ヘクタール、先ほどの副知事から報告がありましたとおり総額四十九億円にのぼっております。  われわれ調査団は、最も被害の大きかった都城市の被災現地六カ所を、副知事、市長等の案内で調査するとともに、四名の死者を出した三股町の事故現場を視察してまいりました。  三股町における死亡事故は、女子中学生四名が下校の際、近道であるため、土砂くずれにより通行どめになっていた幅六メートル程度の町道の高さ一メートル余の擁壁の上を歩いて渡ろうとしたところに二度目の崩落があり、土砂に巻き込まれたもので、不幸な条件が重なったまことに痛ましい事故と申すほかありません。  典型的な内陸盆地であります都城市は、数十年来例を見ない降雨量により、周辺一帯の水を集約して、同市を貫流する基軸河川、大淀川が満水となり、ために、各支川から流入する水がバックウォーターとなってはんらんし、随所に堤防、道路の決壊をはじめ、耕地の流失、埋没、冠水、家屋の浸水による被害が発生するとともに、シラス土壌地帯であるため林地の崩壊、がけくずれが多発し、四日現在、総額十二億円余の被害をこうむったのであります。  志比田橋ぎわの堤防決壊、水田埋没現場におきましては、二十年来災害がなかったために地元民が用地買収になかなか応ぜず、建設省が予算化して改良しようとした工事も実施できなかった経緯があった由であり、かえって今次災害を機として用地買収もスムーズに運ぶものと思われるので、早期改良に踏み切ってほしい旨の強い要請がありました。  西岳地区の土砂くずれによる家屋八棟の倒壊現場におきましては、降りしきる豪雨の中でいまにも再度の崩落が発生しそうななまなましい傷あとの前に立って調査を行ないましたが、幸いに崩落を予期して事前に住民を避難せしめていたために、人命の事故がなかったことは、まことに不幸中の幸いであり、適切な措置といわなければなりません。ただ、避難している住民は家屋、家財、食糧等すべてを失っているのであります。当面の対策が災害救助法による三日間のたき出しのみでは、土地を手放す以外に立ち直る方法がないという窮状にありますので、救助法による給付期間の延長、さらには生活資金の貸し付け等、国のあたたかい措置が望まれておった次第であります。  その他の被災現地におきましては、保全措置ないし改修のおくれている個所がそのまま被害につながっている状況が歴然と把握されたのであります。  県及び市の要望事項も以上の状況を克明に反映しております。  そのおもなるものは、第一に、中小河川の改修の促進についてであります。第二は、市のし尿処理施設の復旧のための高率助成措置についてであります。第三に、農地保全事業の採択基準の緩和と予算ワクの拡大についてであります。第四に、伝染病予防措置の制度化についてであります。その他、公共施設災害の早期復旧と財政援助が強く望まれておりました。  次に、鹿児島県について申し上げます。  県の報告によりますと、六月二十八日夜半来、未曽有の豪雨が県下全域を襲い、特に鹿児島市及び北薩地域に被害が著しく、即刻鹿児島市、川内市及び東郷町に災害救助法を発動し、引き続き東市来町をも追加し、自衛隊の災害派遣を要請するとともに、知事の専決によって四千万円を支出し、さらに県議会の了解を得て二億五千万円の応急支出をきめて、査定前に緊急措置を実施できる態勢を整えた由でありまして、調査時点においても積極果敢に応急対策を実施中でありました。  被害は、七月七日現在、死者、行くえ不明五十二名、負傷者百十七名という戦後最大の人的被害に加えて、全壊、流失三百五十余世帯、半壊三百四十余世帯、床上浸水六千世帯、床下浸水世帯一万三千六百世帯など、総額百四十八億円にのぼり、その後も降り続いた降雨により、被害は増加することが予想されております。  鹿児島県は、シラスの特殊土壌地帯が県下全域の六割を占めているため、県においても林務、土木、農政の三部面から、かねて恒久対策の樹立に鋭意取り組んでいるところでありますが、同じシラスといっても、硬質のもの、軟質のもの等性質が異なり、今後の研究にまたなければならない点も多々あり、応急、恒久のシラス対策について、国の特段の配慮が強く要望されたのであります。  また、人的被害の発生状況について警察本部長から説明を聴取いたしましたが、被害が一カ所にまとまって起こったものではなく、県下全域にわたって一、二名ずつ散発的に発生しており、市町村警察も地域住民も特別に危険を予想していなかった地点が大部分であることなどから、今後の防災計画の策定にあたっては、シラス土壌地帯の特殊性から、がけ下に散在する部落及び家屋に十分留意し、検討を要するとのことでありました。  われわれは鹿児島市におけるなまなましい崩土災害の実情並びに下流平坦地域にある川内市及び東郷町のいまだに湛水したままの異臭鼻をつく被災現場など、激甚の一語に尽きるありのままの姿をつぶさに調査してまいったのでありますが、そのおもな状況について申し上げます。  鹿児島市の調査を行なった五日は、前日来の雨が降り続き、一時は時間雨量六十ミリをこえるという激しさであったため、水源地が被災し、市内全域断水のやむなきに至り、自衛隊、消防団はもちろんのこと、乳業会社の運搬車まで動員して、かろうじて飲料水の供給が行なわれておりました。  また、小野地区においては、当日、昼ごろまで通行していた道路が幸加木川のはんらんによって通行不能となり、浸水家屋百数十戸、耕地が流失、埋没して川となり、本川がどこにあるのか見分けがつかない状況でありました。  原良地区の四十万坪にのぼる県住宅供給公社の宅地造成地におきましても、われわれの視察の数時間前、前夜来の豪雨により大崩壊を起こし、台上から六段階に分けて設けられている沈砂池及び砂防堰堤のうち、最上段の沈砂池を含め二カ所を残してすべて崩壊し、このため用水路は流出したシラスの土砂、軽石に完全に埋め尽くされ、浸水家屋は四百戸にのぼったのであります。幸いに人的被害はありませんでしたが、最上段の沈砂池が崩壊していたら大惨事に至ったであろうことは想像にかたくなく、まさにりつ然たる思いでありました。  田上地区におきましては、がけくずれにより家屋二棟が押しつぶされて、四名の人々が遭難し、これを助けようとした人々までが、二度目の崩落によって犠牲となり、一挙に死者九名を出したとのことであります。同地区では前後五カ所に及ぶ崩壊があり、シラス土壌の脆弱さをうかがい知るに十分なものがありました。  鹿児島市の被害は、五日現在、死者十八名、住家全半壊八十棟、浸水家屋三千百余棟、被害額は一日までの降雨によるもののみで六億円余となっており、避難者は一千名をこえ、各小学校、公民館、農協等に収容されている状況であります。  川内市及び東郷町は、同市町内を貫流する川内川に四つの支川が合流する地点に位置しておりますが、川内川の水位が危険水位六メートルをこえる六・七二メートルの最高記録となったため、支川の破堤、溢水が相次ぎ、市、町の中心街をはじめ耕地に長期間湛水し、きわめて激甚なる被害をこうむったのであります。  「かいと橋」ぎわにおいて、開聞地区の湛水状況を視察したのでありますが、家屋が一面に水浸しになっており、住民は市民会館等に避難中でありましたが、浸水家屋から物を運ぶため腰まで水につかって歩いている人、あるいはいかだを組んで行動している光景が見受けられ、まことに同情を禁じ得ないものがありました。  川内川の右岸に設けられた農林省の補助施設、県営湛水防除事業による三百五十馬力のポンプ四基を備えた排水場は、今次の豪雨による出水の二日前に試運転を行なったばかりとのことでありましたが、市街地及び田畑の湛水防除に遺憾なくその威力を発揮、当日も、三台のポンプで毎秒九トンの排水を行なっておりました。皮肉にも同じ川内川の左岸と右岸で排水施設の有無がくっきりと明暗を振り分けた端的な姿をまのあたりにして、早急な内水排除施設の必要性を痛感してまいった次第であります。  また、東郷町においては、コンクリートの永久橋は完全に残っておりますが、これに接続する道路が数十メートルにわたって決壊、水没している状況などを視察し、堤防の改良促進及び内水、湛水の排除について強い要望に接してまいりました。  川内市の要望のうちおもなものは、下流低位にある同市の地形的条件から、上流の改修が進めば進むほど、出水が急激かつ集中的となり、市の中心部に長期間湛水する実情にかんがみ、一日も早い内水排除施設の建設が望まれ、特に都市排水に問題があるので、国の直轄施行で措置されるよう切々たる要望に接してまいりました。  また、災害救助法の給付内容が貧弱であること及び事務手続が複雑で災害の実情に合わないことなどが指摘され、市単独で贈った見舞い金とともに、県において即決で措置した一万円ないし三万円の生活資金の貸し付けが大きな効果をあげたとの報告があり、何らかの形で被災当座の励ましと立ち直りのため、生活資金の援助を制度化することが、強く要望せられたのであります。  鹿児島県の要望事項について時間の関係上、項目だけを申し上げますと、まず、激甚災害の指定及び指定基準の緩和、シラス対策の技術的研究、災害査定の早期実施、罹災者に対する国税の軽減措置、災害特別資金ワクの設定及び金利の引き下げ、天災融資法の発動及び自創資金、漁業経営資金ワクの確保並びに既貸し付け債務の据え置き、返済条件の緩和、水稲再播種用種子の救援、シラス対策事業の補助率引き上げと採択基準の緩和及び予算ワクの拡大、湛水排除事業の新規採択とワクの拡大、住宅金融公庫災害復興住宅の適用基準の緩和、中小河川対策、交付税の繰り上げ及び特交の増額、小災害の起債充当率の引き上げなどであります。  次に、福岡県について申し上げます。  県の報告によれば、六月二十八日からの雨が七月一日ころから激しくなり、時間雨量五十六ミリを記録し、四日間の総雨量は、立花町で五百六十二ミリに達したため、県南地区において河川のはんらん、堤防の決壊、山くずれによる道路の寸断、家屋の浸水、農業、水産業施設等に多大の被害が発生いたしました。特に被害の著しい瀬高町、吉井町、浮羽町の三町には即刻災害救助法を発動して応急対策を講じ、自衛隊の派遣を要請するとともに、備蓄毛布を急送するなど、救援活動に万全を期したのであります。  被害は、八日現在、床上浸水千五百戸、床下浸水六千余戸にのぼり、ただいま副知事から報告がありましたように、総額三十三億円と報告されております。  われわれ調査団は、瀬高町の矢部川排水施設損壊の現場、浮羽町の巨瀬川堤防決壊の現場及び吉井町隈上川長野橋ぎわの堤防決壊の現場を視察するとともに、瀬高町、高田町、浮羽町、吉井町、田主丸町、山川町、黒木町、立花町の各町村長及び関係者からそれぞれ被害の実情について説明を聴取してまいりました。  矢部川の損壊現場は、急激な増水によって旧式な四つの手動式排水用水門のうち、一つが締め切り操作不能におちいり、水門わきの堤防が根底から破れ始めたが、水勢が激しいため仮締め切りに難渋をきわめ、ロープをつけた自動車三台に土のうを満載して投入するなどの非常措置によって、かろうじて決壊を食いとめたとのことであります。  巨瀬川の堤防は約八十メートルにわたり決壊し、八千俵の俵によって応急の締め切り措置を施してありましたが、平常ほとんど流量のない、いわゆる天井川であり、しかも直線部分で決壊している状況から推測いたしますと、数年前の県によって施された護岸工事の切れ目から破堤したものと思われます。  隈上川の長野橋わきの決壊状況は、橋の取りつけ部分から道路、農地を含めて深くえぐられている状況から、当時の水勢の激しさが歴然としており、以上三地点の調査を通じて、同地方の被害はいずれも、二十八年以来大きな災害がなかったため、中小河川改修のおくれがもたらしたものと考えられる次第であります。  各町村長からの要望は県の要望事項の中に集約されておりますので、福岡県の要望事項を簡潔に申し上げます。  第一に、局地激甚災害の指定、第二に、中小河川改修の促進、第三に、砂防施設の整備増強、第四に、巨瀬川上流の治水ダム建設の早期実現、第五に、天災融資法の発動及び自創資金ワクの確保並びに農地、農業用施設の小災害に対する国庫補助、第六に、水産施設の復旧、第七に、中小企業に対する金融措置、第八に、地方交付税及び起債による財源措置、以上各項目についてそれぞれ強い要望がありました。なお、山間部の各町村は、急傾斜地が多く、地すべり、山くずれが頻発している実情にかんがみ、急傾斜地における災害の防除措置について特段の配慮を要望せられたのであります。  さらに、熊本県について一言つけ加えて申し上げます。  県の報告によりますと、調査時点で三十二億円といわれておった被害が、きょうの知事の報告によりますと四十五億円、こういうことになっておりますが、激甚なる被害が発生しており、特に土砂崩壊等による道路の被害が多く、交通途絶四十カ所を数え、また、中小河川のはんらんにより、家屋の浸水をはじめ農業関係の被害も著しく、被害はそのほとんどが未改修区域に発生していることから、中小河川の改修促進について、国道、県道等の災害防除並びに復旧事業の促進とあわせて強い要望があったのであります。  なお、公共土木施設災害の災害復旧年限の短縮について早急に改善されたいとの要望のほか、激甚災害の適用など、他の各県と同様の要望に接してまいりました。  八代市長からは、駅頭において、球磨川にかかっておる金剛橋が五日の夜倒壊したことにより、橋のかけかえについて切実な要望がありましたことを申し添えておきます。  最後に、私ども調査団として、今次の梅雨前線豪雨による災害の現地調査を終えて感じました点を要約して申し上げますと、すでに各県からの要望にもありましたが、第一には中小河川の改修促進であります。その態様は、山間部、平野部、盆地、都市部、それぞれに特異性を持ち、対応のしかた、対策、工法、またそれぞれに画一的にはいきますまいが、同地方は台風常襲地帯でもあり、これ以上の連続災害を防止する上からも、治山治水五カ年計画を繰り上げて現地に即応した適切な対策を早急に実施せられるよう強く要望いたしておきます。  第二に、今次災害においては、不幸にも人命の被害が顕著でありました。これは、シラス土壌地帯の特殊性に起因する点が少なくないと考えられます。南九州を中心としたシラス地帯における災害の防除については、恒久対策とあわせて、国において早急に研究体制を確立し、諸般の対策について特段の配慮を行なうよう強く要望いたしておきたいと存じます。  第三に、各被災市町村において、たとえば十万円未満の小災害が非常に多かったこと、標準税収入はおろか、年間予算額をすらこえるような大被害に遭遇し、当面の措置に目安が立たないで心痛している。このために零細な市町村財政が極度に窮迫していることなどの声が各地で聞かれました。以上のような状況にかんがみ、特別交付税はもちろんでありますが、それ以外の総合的な財政援助等の措置について特に検討、配慮されたことであります。  その他、災害救助法に基づく給付内容の改善と、家屋、家財、生産手段等を喪失した被災者に対する当座の生活資金の援護措置について検討すること。次に、上下水道、簡易水道し尿処理施設など、日常の生活につながる環境施設の復旧については特に優先配慮されたいこと。川内市及び東郷町、福岡県における瀬高町に見られますように、洪水時における内水や長期湛水の排除施設については、農地、河川、都市計画、それぞれが緊密に連絡をして早期建設につとめること。次に、矢部川、巨瀬川など被害の大きかった主要河川については、直轄指定による改修促進を検討することなど、各県、市町村の切実な要望について、政府の積極的な措置を強く要望しておきたいと存じます。  終わりに、今次調査に種々御協力、御配慮を賜わりました関係各位に深甚なる謝意を表して報告といたします。(拍手)

川村継義日本社会党

○川村委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。  派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。      ————◇—————

川村継義日本社会党

○川村委員長 昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による災害対策について調査を進めます。  まず、現在までの状況及び政府においてとった措置の概要について、政府当局から説明を聴取いたします。弘津総務副長官。

弘津恭輔総理府総務副長官

○弘津政府委員 昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線による豪雨災害について御説明いたします。  先般の本委員会におきまして、気象状況など、災害の概要と政府調査団派遣につきまして御報告いたしましたが、まず、この調査団の報告の概要を御説明いたしたいと思います。  調査団の報告によりますと、今回の災害は、記録的な雨が鹿児島市周辺のシラス等の特殊土壌地帯に降り、これにより生じた山くずれ、がけくずれによりまして住宅被害が多発し、人的被害が大きかったこと、都市周辺部の中小河川がはんらんしたこと、また、冠水のため水稲を中心とした被害が出たことなどが特色でございます。  このような報告に基づきまして、政府といたしましては、特殊土壌地帯における宅地造成に対する指導、規制などの強化、シラスなどの特殊土壌対策の促進、中小河川の早期改修、急傾斜地防止法の施行を早めることなどを、各省庁連絡会議におきまして決定いたしました。  なお、その後の被害状況の概要について御報告いたします。  六月二十四日以降、一般被害といたしまして、死者、行くえ不明者八十九名、負傷者百八十二名、建物全半壊、流失五百十九棟、罹災者四万七千百二十三人などとなっております。  次に、施設関係などの被害といたしましては、県報告によりますと、公共土木施設など三百八億円、農地など百七億円、農作物等六十五億円、中小企業関係十五億円等、総計いたしますと五百六十九億円にのぼっております。  次に、政府のとっている措置について申し上げます。  災害対策といたしましては、災害救助法をさらに鹿児島県の一市三町に適用いたしまして、合計四市七町に対して応急仮設住宅の設置、避難所の設置、たき出し等により、万全を期しております。そのほかに、先般御報告いたしましたように関係各省庁において鋭意目下努力いたしておりますが、さらに被害状況の調査の促進をはかりまして、激甚災害の指定を検討いたしておりますなど、財政措置をはかる予定でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 これにて説明は終わりました。      ————◇—————

川村継義日本社会党

○川村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

川村継義日本社会党

○川村委員長 速記を始めて。  池田清志君。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 今回の集中豪雨にあたりまして、私は鹿児島県下に、七月二日から三日にわたりましては政府の渡辺災害調査団と同道をいたし、五日から六日にわたりましては衆議院の川村委員長を団長とする災害調査団に現地参加をいたしました。そして、知事の災害の報告並びに要望を聴取いたしました後、県下におきまする特殊な災害地点でありまする鹿児島市の小野団地、原良団地の宅地造成地や田上の二重遭難地、あるいはまた川内市及び東郷町の湛水地域等の調査をいたし、さらにまた単独で県下各所の被害状況等を調査いたしたものであります。その実情につきましては湊団長から御報告があり、あるいはまた県知事から御要望等もあったわけであります。  なお、先ほど政府の報告によりますと、今回の一連の災害によりましてすでに五百六十九億円の被害が出ておるということです。そうなりますと激甚災害の指定は、もうこれは明らかにやるべきである、こういうことでありまするが、私はやるというたてまえのもとにおきまして、いつやるかということをお尋ねいたします。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 今回の災害に伴います激甚災害法の指定につきましては、できるだけすみやかに決定いたしたいと思いますが、ただいまのところは、農地、農業用の施設あるいは法五条の関係につきましては、B基準によりますると一都道府県が大体十億円以上くらいの標準でございますので、この標準からいいますると、今日鹿児島県におきましては大体すでにこのB基準には達するものと予想しております。  なお、中小企業関係につきましては、局地激甚の基準は一千万円、一〇%以上の市町村が目標になっておりますので、今回の被害におきましては川内市が約十二億円になっております。中小企業の標準と申しますか、これをやはり上回っておりますので、いずれも該当するのではないかというふうに予想しております。できるだけすみやかに指定の手続をいたしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 ただいま長官のお話では、局地的な激甚災害指定のような御報告がありましたが、私は全体を対象とする激甚地指定の要望をいたしておきます。なお、現実に調査もありましょうから、それによりまして必ず広い意味合いにおきます激甚災害指定をお願いをします。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 先ほど私が申し上げました農地、農業用施設、法五条のもの、これは全般的な広い意味のB基準によるところの指定でございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 同じような財政の問題でありますが、天災融資法の適用並びに自作農維持資金のワクを広げるということについては政府はいかがですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 天災融資法の発動につきましては、今回の災害が非常に大きかったことと、それからまだ連続的に災害が続いておりますので、都道府県に設置してあります農林省の統計調査事務所の調査は多少手間どっておりますが、その被害額が近日中に確定するものと思っております。それに基づきまして、各県等の資金需要額を待ちまして、できるだけ御要望に沿いたい、こういうように思っております。  自作農維持資金につきましては、いわゆる天災融資法が発動になりますと、自作農維持資金のワクもまだ十分余裕を残しておりますので、当然に自作農維持資金の災害ワクの適用を十分考慮いたしたい、こういうように考えております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 同じような問題でありますが、国民金融公庫、中小企業金融公庫、これの問題についてはいかに進めておりますか。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 災害の発生とともに直ちに政府系三機関、つまり国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の三機関に対しましては指示をいたしまして、現地の実情に応じまして、貸し付け期間あるいは貸し付け限度、償還期間といったようなものにつきまして実情に応じた配慮をするように、直ちに現地に人を派遣いたしまして措置をいたしております。さらに激甚災に指定になりますれば、金利の上でも緩和措置がとれるということで現在手続を進めておるところでございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 住宅金融公庫におきまする災害復興住宅の適用についてはいかがでございます。

白川英留建設省住宅局住宅総務課長

○白川説明員 住宅金融公庫の災害復旧のための資金の貸し付けにつきましては、特に今回の災害における住宅被害が相当ひどうございますので、主務大臣による災害指定をすることに決定いたしまして、ただいま手続を進めておるところでございます。大体十二日に官報に告示される予定でございます。そういたしますと災害復興住宅の資金の貸し付けができます。災害復興住宅の資金の貸し付けにおきましては、一般の貸し付けよりも一件当たりの金額が相当高額になりますし、三年の据え置き期間が設けられますなど、一般の貸し付けよりも相当条件が有利でありますので、住宅の復旧には遺憾のないように措置ができる、こういうように考えております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 鹿児島県は県下の六〇%以上をシラス地帯で埋めております。今回の災害はこの土壌の特殊性、シラスにあり、こういわれておるわけでありますが、鹿児島県知事をはじめといたしまして、シラス対策を強化されたい、こういう要望がありました。そこで、一つの提案でありますが、私は、このシラスの上にできておりまする家及び住んでおる人、これを保護するために宅地基準法というようなものをつくる意思がないかどうかということをお尋ねします。そのシラスの上に建てまする建物については建築基準法でいろんな規制がありまするが、その土台でありまする宅地そのものについてはほとんど手がつけられていない、規制ができていない、できようがないという状態であります。これはいけませんから、この機会に宅地基準法というものをつくる意思なきやいなや。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 お答え申し上げます。  現行制度で申し上げますと、こういった危険区域におきましては宅地造成等規制法というのがございまして、これによりまして、一メートルの切り土とか二メートルの盛り土、そういったものがございませんでも五百平米の宅地開発が行なわれます場合には許可が要るという制度が行なわれております。また新しい都市計画法で市街化区域あるいは調整区域というものが指定される段階になりますと、それぞれの宅地造成といいますか開発行為につきましては、市街化区域では三百坪までは許可が要る、こういうふうなことになっておりますので、そういった許可の場合の技術的な基準を、こういったシラス地帯でございますとか、その他の特殊土壌地帯に適合した立地的な基準を確立いたしまして運用いたしますれば、大体においてはカバーできるのではなかろうか、こういうふうに考えておりますが、さらに漏れるような小さな問題につきましては引き続きまして検討いたしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いま宅地造成の話をされましたが、鹿児島県は鹿児島市だけがいわゆる過密地でありまして、平地がないところでありますから丘のてっぺんまで宅地を開かなければならぬというので現在開きつつある。ところが都市計画法によりまして、それが調整区域などに入ろうものならそこに市街地ができないということになるのでありますが、鹿児島の場合におきましては丘のてっぺんまで都市計画区域に指定する方針ありやいなや。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 私の所管ではございませんのではっきりとした答弁はできないのでございますが、現在都市局におきまして各県と市街化区域の指定の下準備を進めております。先生の御意見は都市局にお伝えいたします。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 各知事から御要望もあり、あるいは湊団長からも御報告がありましたが、河川の問題にうんと力を入れなければならぬということを強く主張するものであります。今回の鹿児島県におきまするこの災害のもとは、土壌がシラスであるということと河川があふれてしまったということであります。それによりまして人家がこわれましたり、あるいはまた農地が壊滅いたしましたり、などなど相当の被害があるのであります。そこで中小河川、準用河川はもとよりでありますが、準用河川にも入っていないいわゆる水源河川と申しますか、そういうところにまでうんと国の力で手を入れなければ水を治めることができない、こう思うのです。それがためには治水整備あるいは治山整備五カ年計画というものを早期改定して力を入れるようにしなければならぬ、こう主張するのでありますが、政府のお考えいかがでございますか。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり確かに中小河川あるいは小河川の水源地における災害が近年激増しておりまして、今回の九州地方におきましても明らかにそういう現象があらわれておるわけでありまして、これに対しましては建設省におきまして、先生御承知のとおり、今次第三次五カ年計画におきましてもそういった中小河川の対策あるいは中小河川の水源地における砂防施設等の増強というものを重点的に考えておるわけでございまして、五カ年計画の改定という話もございましたが、当面現在の五カ年計画においてそういうものを重点にいたしておりますので、それをひとつ計画どおり、あるいは計画以上に進めるように最大の努力を払ってまいりたい、そういう面で大いにカバーしてまいりたいと存じております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 湊団長からも知事からも御要望もあり報告もありましたが、川内市と東郷町の湛水防除施設を国の力でつくるべしということを主張するものです。川内市におきましては、川内川の右岸のほうは幸い農林省の湛水防除施設がありまして被害がございませんでした。ところが左岸のほうはそれがないものですから水がたまりっぱなしであります。相当の被害を受けております。これは川の堤防ができ上がりまして、堤防の中に被害がある、こういうことでありますから、おのずから水がたまって流れない。池みたいになったわけです。前後三回すでにつかりました。ですからこれは国の力で湛水防除施設をやるべし、こういうことを強く主張するのでありますが、政府当局いかがでございます。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり、川内市の周辺におきまして内水の被害が非常にひどかったわけでございまして、この内水の問題につきましては、御承知のとおり、農林省関係に属するもの、あるいは建設省関係でも下水に関するものあるいは河川に関するもの、いろいろあるわけでございますが、ともかく今般の災害の特にひどかったのは、春田川という小さな河川がございます、その流域を中心とした内水の問題が特にひどかったわけでございまして、これにつきましてはできるだけひとつ内水の排除計画をやりたいということで、たまたま今年度もそういう計画の一環として、四十四年度の四月から一級河川にしたばかりでございまして、それに対する調査、計画の段階で災害を見たことはまことに残念でございましたが、これにかんがみまして計画を早めまして、今年度から春田川の内水排除のポンプ施設に着工いたしたいというぐあいに考えております。  なお、全般の問題といたしましては、河川の進め方といいますか、まず本川のはんらんによる水を防ぐということがどちらかというと従来重点的に行なわれておりましたので、ある程度そういった事業の進んだものにつきましては、今後ひとつ中小河川あるいは内水排除の問題に、先ほども申し上げましたように重点的に取り組んでまいりたいというぐあいに考えておりますので、御了承をお願いしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 川内市の春田川の湛水防除については本年度から建設省はやる。けっこうです。早めてもらいたいと思います。ところが、市街一連になっておりますところの川内市のいまの春田川の下流のほうにあります市街地、たとえば開聞町、東開聞町、向田町などなど、これについては何ら内水防除施設が考えられていないということはおかしいじゃありませんか。政府としては建設省がどうの農林省がどうのということでありましょうけれども、つかってしまうところの湛水地域の住民にしてみればどこがやろうがかまわないのであって、水をのけてもらいたい、こういうわけでありますが、この点については総務長官いかがでしょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの御意見は、いろいろ所管に分かれておるので不公平ができるのではないかという御意見だと思います。現地の実情というものはすでにごらんのとおりであります。十分ひとつこの間は意見を調整して、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 総務長官から、政府におきましても前向きで進めていく、こういう強い決意の御表明がありました。川内市及び東郷町、水につかっております湛水地域に国の力で湛水防除施設をいたすべきであるということを強く要求いたしておきます。  次に、災害救助法の基準を広げるという問題です。鹿児島県下でも災害救助法を受けたところが二市三町。ところが災害救助法の基準に満ちそうで、はずされておるところがあるわけです。それは基準のとり方による、そういう差別であるわけですが、この基準といたしましては、家屋の全壊、それから半壊は二分の一に計算する、こういうことのようでありまして、それが四十戸にならなければ適用されない、こういうことのようです。ところが災害救助法におきましては、罹災者の方々にとりあえず食事を差し上げるとか、あるいはかぶりものを差し上げるとか、休むところ、あるいは避難してもらうとかいうようなことだと思うのですよ。そうすれば、家が全壊であろうが半壊であろうがかまわないのであるし、あるいはまた、危険区域でありますから避難してくださいというところもありましょう。床上の浸水も同じだし、あるいは床下浸水だって一時難を避けて避難所に行くという例がなきにしもあらず、たくさんあるのですよ。そうするとそういう方々までも救済する必要があるのではないか。そうすると災害救助法の基準を拡大すべきである、こういう主張になるのでありますが、いかがでございます。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  いまの基準は、いろいろな場合を想定してありまして、普通の場合には全壊に換算して総世帯数の何割あるいは何十戸というふうにありますが、ところによっては、鹿児島のように一つの市町村では災害救助法の基準に合わないけれども、全県下ぽつぽつと非常に広範囲にわたっているとか、あるいは僻地あるいは交通の非常に困難なところにおいては、基準とは別個に特定の判断で知事が厚生大臣と相談してやれる。いろいろな四種類ほどの区分できめられておりますけれども、現在でもやはりおっしゃるように特定地域に特定の場合にやらなければならぬのじゃないかということをわれわれいろいろ検討しております。適当な基準がまだ見つかっておりませんけれども、できるならばそういうふうな方向について至急もっと検討してみたいというふうに考えております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 災害救助法の基準を拡大せよということを強く要望いたしまして、終わります。

川村継義日本社会党

○川村委員長 先ほどの池田清君の質問に対して農林省から……。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 ただいま池田先生の御質問の中に、湛水防除につきましての配慮がどうも足らぬじゃないかということがございました。私どものほうの、右岸でございましたか左岸でございましたか、湛水防除施設が完備いたしましたところは非常に被害がなくてよかったようで、おほめをいただいて恐縮でございましたが、いま九州農政局に命じまして、できるだけ管内のポンプを集めまして応急措置をとるように指令を出してございます。できるだけ善処をいたしたい、かように思います。

川村継義日本社会党

○川村委員長 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 第一点、経企庁のほうにお伺いをしたいのでございますが、今度新しい国土総合開発計画が確立されておるわけでございますけれども、昨年の十勝沖なりあるいはえびの地震等に見られるような地震災害、さらに今回の集中豪雨によるところのこの南九州の特殊土壌地帯における道路あるいは河川、住宅など、全く異常な状態を呈しておるわけでございます。やはりこの際現行の特土法なりあるいは宅地造成等規制法等の法律だけでは、今後の開発計画というものに重大なる支障をもたらすと私は考えるわけで、この時点におきまして、特に南九州を中心とするこの特殊土壌の地域における開発対策について根本的な改革を加える必要があろうかと思うわけですが、これに対する御所見を承りたいと存じます。

島村忠男経済企画庁総合開発局参事官

○島村説明員 ただいまの南九州におきまする特に特殊土壌地帯におきましての問題でございますが、先生御指摘のありましたように、私ども全国総合開発計画も新しくつくっていますし、当然のことでございますが、南九州地帯におきましても将来相当大きな開発を行なわなければならぬと思っております。ことに今回発生いたしました災害の状況にかんがみまして、従前のいわゆる公共事業的な防災的な事業の欠陥が今回の災害をもたらしたというよりも、むしろ新しい開発途上の問題がさまざま起こってまいっておるようでございますから、その辺にも十分留意をいたしまして今後の対策を考えていきたいと思っております。  ただ、御質問のように法律を改正するかどうかということでございますが、まだ十分検討はいたしておりませんけれども、何が足りないのかということはこれから十分検討いたしたいと思っております。その上で、もし必要があるということならばそのようにひとつ前向きに考えてまいりたいと思っております。  以上は特殊土じょう法の関係について申し上げたのでありますが、宅地造成の規制関係につきましては、先ほど建設省からも話がございましたが、建設省のほうでもこれは十分考えていただきたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この点は、時間がございませんので、また後日十分討議の機会をつくりたいと存じます。  次に、農林省並びに林野庁関係にお伺いしたいのでございますが、今回鹿児島、宮崎、熊本等の現地の実情を見まして特に感じますことは、現行の農地保全事業の採択基準というのが、一地域においてその基準が二十ヘクタール以上となっております。しかし、現実に農地保全事業の行なわれた地域とそうでない地域においては、被害にほんとうに目に見える格差というものが十分把握されます。その点から、現地の要望としては、この採択基準というものを少なくとも五ヘクタール程度に引き下げていただきたい、こういう要望がたいへん強いわけでございますが、採択基準の変更について御見解を承りたいと存じます。

井元光一農林省農地局参事官

○井元説明員 現行の農地制度における農地保全事業の採択基準は、御存じのように一般地区は五十町歩以上としているのに対しまして、特殊土壌地帯地区につきましては特別に二十町歩まで引き下げて県営事業として行なっているわけでございます。これ以下の地区につきましては、合併して二十町歩以上の地区になるように指導してまいっているわけでございます。  なお、採択基準を五町歩以下に引き下げることにつきましては、今回の被災地の調査結果を分析の上で今後十分検討いたしたいと考えておるわけでございます。また、予算ワクの拡大につきましても、今後引き続いてその推進に努力したい考えでおります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 再度お伺いしたいのでございますが、特に南九州地域の特殊土壌地帯、しかも非常に降雨量が多いという状態、また昨年のえびの地震によってなおさらこの農地保全ということの緊急性あるいは必要性ということが主張されておるわけですが、こういう特殊土壌ということに対しての対策というものをもう少し積極的に考えるべきだと思うのですが、なぜ基準の引き下げが非常に困難なのか、その理由はどこにあるのか、この点再度お聞かせをいただきたい。

櫻井芳水農林省農地局建設部災害復旧課長

○櫻井説明員 お答えいたします。  ただいま農地局参事官から申し上げましたように、特殊土壌地帯につきましては特別に採択基準は下がっておるわけでございます。われわれのほうでもただいまの参事官のお答えのように、できるだけ小規模のものをたくさんやるよりもまとめてやったほうがよろしいのではないかということで、これは御存じのようにシラスは宮崎県と鹿児島県だけでありますので、両県のほうとも十分打ち合わせしながらやっております。ただ、今回の実態に応じまして、五ヘクタール以上二十ヘクタール未満の地域がどの程度あるか、おそらく私のほうで実施いたします査定結果に基づきまして実態が出てくると思いますので、先生のただいまの御質問に対しましては、その災害の実態を査定結果からもう一度分析して検討いたしたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、農林省関係にお伺いしますが、農地並びに農業施設の早期復旧ということで、特に南九州地域は現在ほとんど水稲の植えつけ直後でもありまして、これの緊急な復旧と同時に、査定を早急に行なってもらいたいということ、同時にまた、復旧計画というものが大体いままでの例では四年程度かかっておるわけでございますけれども、復旧の計画について、少なくとも初年度の三〇%程度のワクを五〇%程度のワクに拡大をして、早期復旧をはかるべきだと思うのでございますが、農林省の見解を承りたい。

井元光一農林省農地局参事官

○井元説明員 農地の災害復旧はかねてからその早期完工につとめておるわけでございますが、緊急を要するものにつきましては、暫定法第三条の規定によりまして、災害発生年度を含む三カ年以内に完了するように、財政の許す範囲内で措置しているわけでございます。特に緊急の個所につきましては、その緊要度を勘案いたしまして実施するように考慮しているわけでございます。しかし、復旧個所数が非常に多いので、あるいはいろいろな事業との関連等におきまして早期に着工することがしばしば困難な場合もあるわけでございますので、実情に応じて予算配賦等を行ないまして、復旧工事を効率的に進めたいと考えておるわけでございます。  なお、いままでの予算進度から申し上げますと、十分御存じのとおりとは思いますけれども、初年度三〇%、二年度七三%、三年度八九%になっておりますが、これは国庫債務負担行為でやれることになっておりまして、二年度は八一%、三年度は九五%まで予算を配賦することができるようになっておりますので、参考までに申し上げておきます。  なお、査定を早くせよというようなおことばでございまするが、今回は緊急査定を、特に熊本県及び宮崎県につきましては七月十四日から二十日まで、福岡県につきましては七月十六日から十九日まで、鹿児島県につきましては七月十九日から二十六日までに実施する予定に現在なっておるわけでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この際、政務次官にお伺いしたいのでございますけれども、現在までの状態から判断しまして、先ほど池田委員からも要請がありましたが、天災融資法の適用ということと同時に、同法の二条五項による特別被害地域の指定ということがきわめて重要ではないかと考えるわけでございます。特にこの点は関係県が強く要望している点でございますので、これについての見解を承りたいと思います。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 御承知のとおり、天災融資法を発動いたします場合の被害総額の限度というものが約三十億であったと思います。そこで、最近まで各県の農産物に対する被害の報告を累計いたしてみますと六十億をこえておるわけでございます。ただ私どもとしては、やはり従来とも農林省みずからの手で調査をいたしまして、その被害額が確定をした上で天災融資法の発動をやるということになっておりますので、早急にひとつ調査をいたしまして——おそらく私は十分対象になるし、またしなければいけないと思っておりますが、そういう詳しい調査をできるだけ急ぎまして、御趣旨に沿うように努力をいたしてみたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、建設省のほうにお伺いしたいのでございますが、宮崎県なり鹿児島県等においても相当の死傷者が出ておるわけですけれども、道路管理者としてこういう異常災害時における通行規制等について、もう少し事前の徹底した警報なり指導をしていただきたいと思う。今回宮崎県下において起きましたような、下校する際に四名の学童ががけくずれのためにとうとい生命を失っておりますが、道路管理者としてもう少し徹底した指導が行なわれたならば、このようながけくずれのところの死傷事故というものが防げたんじゃないか、このように考えるわけですが、これらに対してはどういうような措置をとっているのか。  同時にまた、急傾斜地の崩壊による災害防止法が成立を見ておるわけでございますが、特に今回のこの南九州地域における状況から判断しましても、早期の適用並びに重点的な適用ということが痛切に感ぜられるわけでございますが、これに対する取い扱いについて見解を承りたい。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 ただいまの第一点の道路管理者の問題につきましてお答え申し上げます。  昨年の飛騨川におきますバス転落事故を契機にいたしまして、建設省は、直轄はもちろんのこと各都道府県に通達を出しまして、総点検を実施したわけでございます。それによりまして、まず直轄事業につきましては直ちに昨年度に直すべきものは直し、また今年度も引き続き直しておりまして、災害を未然に防ぐような手当てをするとともに、現在、われわれ道路管理者側といたしましては、場所によりましては降雨量が非常に多い場合にはとても防止できないので、交通規制を行なうということになりまして、区間ごとに降雨量ないしは連続降雨量によりまして交通規制を実施しておるような状況でございます。たまたま今回市町村道におきまして起きました事故につきましては、たいへん残念に思っておりますが、まだようやく緒についたばかりでございまして、国が直轄で行なっております指定区間についてはほぼ万全を期せる段階に至っておりますけれども、県道、特にそれ以下の市町村道につきましてはまだ十分な体制ができておらないのが今回の事故のもとかと存じます。したがいまして、今度の事故を契機にいたしまして、もう一度各市町村に対しまして、強く道路管理者としての責務を認識させ、こういう事故の起きないように指導していきたいと思っております。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 後段の、急傾斜地の問題についてお答えいたします。  急傾斜地の法律は公布になりました。予定でいきますと十月一日から施行ということでございましたが、七月一日公布で、少し早めまして八月一日を目途にいたしまして施行するようにいま段取りをやっておりますので、その段階におきまして、できるだけ先生のおっしゃいますように、早期に、かつ重点的に指定をいたしまして、その指定をいたしました地域につきましては、行為の規制あるいは警戒避難体制の整備、あるいは必要に応じて自然がけに対する急傾斜地崩壊防止工事というものを早急に実施するように取り計らってまいりたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、特に今回の災害の実情から類推されることは、中小河川等におきましても、河川の堤防等が改修された地域と改修されてない地域とにおいて、特にこの被害の状態というものが非常な格差があるわけでございます。新治水五カ年計画についても、この際中小河川改修を重点とした、いわゆる計画の短縮実行ということがきわめて必要ではないかと考えるわけですが、これに対する建設省の見解をお聞きしたい。  同時にまた、今回の道路の決壊等から見ましても、原形復旧ということでなくして、特殊土壌地帯における全面的な改良復旧ということを考えなければ、同じ災害の繰り返しをやるんじゃないかと考えるわけですが、この二点について御見解を承りたい。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 お答えいたします。  中小河川の問題につきましては先生御指摘のとおりでございまして、大河川といえどもまだまだ治水の施設というのは不十分でございますが、特に最近中小河川を中心とする被害が激増いたしておりまして、今回の災害におきましても中小河川の未改修部分のはんらんが相当ございました。そのために激甚の災害を受けたわけでございますので、これを重点的にやってまいりたい。御指摘のとおりに、治水事業五カ年計画においても中小河川の改修というものを重点に考えておりますので、そういう方向で今後ともひとつ進めてまいりたいというぐあいに考えております。  なお、災害復旧につきましては、御指摘のとおり従来も改良復旧の方式でやっておりますけれども、今次災害につきましても、できるだけ災害の関連復旧事業あるいは災害助成事業というものを十分活用いたしまして、あるいは橋梁の復旧等にいたしましても、できるだけ改良的な復旧の工法によって処置いたしたいというぐあいに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 時間が参りましたので、あと二点にしぼってお伺いいたしたいと思います。  これは総理府長官にお伺いいたしたいのでございますけれども、現行の災害救助法の適用期間というのはきわめて短い。そのために現実的に、たとえば川内の場合にしてもあるいは鹿児島にしても、宮崎県の場合等におきましても、被災農民なり被災市民というものは、相当長期にわたり、市当局等からの財政的な援助なくしては全く生活ができない、こういう悲惨な状況に置かれている家庭が相当数あるわけでございますが、やはり現状に適応するためのこの災害救助法適用期間の延長ということはきわめて必要じゃないか。同時に、これは先ほど池田委員からも指摘がありましたが、基準の改定ということについて長官の見解を伺いたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの問題は厚生省所管でございますので、一応厚生省当局からお答え申し上げます。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  災害救助法は、暫定的にそういう社会的な非常に不幸な事態の場合に避難所あるいはたき出しというようなことをやるのだということで、恒久対策ではありませんので一応一週間というふうに運用で区切っておりますが、現実にたいていの災害の場合には、それの期間更新ということで、電話一本で、実情に応じまして、現に鹿児島でもやっておりますし、そういうふうな運用をいたしておりますので、決しておっしゃるような矛盾のないようにいたしたいと考えます。  それから、第二点の基準の問題でありますが、これは御指摘のようにいろいろな問題がございます。したがってこれは毎年というほど、財政当局といろいろ話をいたしまして基準単価を上げる、どうしてもそのとおりいかないというふうな場合には特例承認というかっこうにして、電話連絡をいたしまして特別の基準をつくるというふうな場合もございます。基本的には現在の基準をもっと上げなければならぬというふうに私ども思っております。今後とも努力をいたしたいというふうに考えます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 さらに厚生省にお伺いしますが、特に今回は長期の雨であり、しかも各地域におきまして、し尿処理槽等の施設がだめになって、特に伝染病の発生ということが十分に懸念をされるわけであります。特に経口伝染病等に対する予防に対して、関係の各市町村においては相当数の内服薬を市民に配布しましてこの予防対策に万全を期しておるわけでございますが、現行法におきましてはこのような予防対策についての国からの補助というものがないわけであります。これについて、当然このような予防対策に対応する制度をこの際確立して対応すべきではないかというのが第一点であります。  それから第二点としましては、特に上水道あるいは簡易水道または水源地の埋没等によって、相当上水道、簡易水道等の被害というものが起きるわけでございます。特にこのような住民の生活に関係の深い水道施設の復旧については高率補助の適用ということが、前のえびの地震の際等にも強く要望されたわけでございますが、このような措置についてはどういう対策をとられようとしておるのか、二点についてお伺いしたいと思います。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 伝染病発生時の予防内服ということでございます。こういう災害発生時、特に伝染病予防が非常に緊急な仕事になってまいりますけれども、現在のところ幸いなことに浸水地区に患者の発生はございません。ただし、県全体としては数カ所でございますけれども、これは浸水地区ではございません。ただ、そういう段階において予防内服をやればどうかというお話でございますけれども、私たちは、やはり伝染病予防対策の一番重要な点を患者の早期発見ということに心がけているわけでございます。現在、たとえば鹿児島県ですと十班以上の検診班が出まして、災害地区の各家庭を見て回っております。それによって初めて患者が発見されまして次の防疫対策が確立し、迅速にやられるわけでございますけれども、ただ、このような水害発生時の場合、そう言ってもおれない事情がたまたま出てくるだろうと思います。たとえば、ある医療機関のない部落が孤立して、しかも、どうも赤痢患者らしい、あるいは下痢患者が多いというような場合は、とりあえず予防内服といいますか、一定の薬剤を与えますけれども、そのあとで、たとえば水が引いたあとで、やはり本来の患者発見、健康診断というものを早急にやる。あくまで早期発見が基本でございまして、予防内服を与えるということは、補完的な意味で伝染病予防法で見ることもございます。というのは、予防内服自体、たとえば赤痢に対する予防内服薬剤として適当なものがあるかという問題でございます。治療薬としていま使われておる抗生物質だとかございますけれども、いろいろな薬剤の耐性の問題とか、それから薬剤による副作用の問題というようなことで、水害が発生した場合にすぐ予防内服をやれということは、かえって防疫の初動をおくらせる、あるいは住民に誤った安心感を与えるというようなことで、これを全般的に制度化するというようなことはちょっと考えられませんけれども、非常に緊急を要する、これ以外にないのだというような場合、これは予防内服を従来も認めた場合がございます。でございますので、災害発生時、予防内服をすぐやるのだという制度化をしろという要望がございましたけれども、これについては相当慎重に検討しなければいかぬと思います。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光政府委員 水道の災害につきましては、御説明がございましたように、今回の集中豪雨によりまして上水道あるいは簡易水道が相当の被害を受けておるわけでございます。それで、この復旧につきましては強力に進めておりまして、現在におきましてはまず一応復旧して、支障がないというような状態になっておるわけでございます。  この復旧に対する補助の問題でございますが、一般的には上水道は起債で設置いたしておりますし、また簡易水道は三分の一ないし四分の一の補助でございますが、こういった災害の場合には、予算措置としましては二分の一という高率補助ということでございます。しかしながら、また特別な災害の場合にはさらに高率な補助で補助をしておるという場合もございますので、こういった点につきましては、全般の問題と関連いたしまして十分検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 もう時間が参りましたので終わりますけれども、先ほどの防疫課長の答弁はきわめて不満である。出先の県、関係の市町村としては、予防対応策として相当の金を使って実際に効果をあげているわけですから、もう少し前向きの姿勢で厚生省は取り組んでいただきたいということを最後に要望して終わります。

川村継義日本社会党

○川村委員長 稲富稜人君。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 まず、気象庁にお尋ねしたいと思います。  これは念のため気象庁にお尋ねしたいと思いますことは、ここ数年来異常な集中豪雨というものが襲いまして、各地に非常に災害をもたらしていることは御承知のとおりでございます。こういうような最近の集中豪雨というのは一時的な天候異変によるものであるか、あるいは将来ともこういうことがなお続き得るものである、こういうことが考えられるのであるか、まずこの最近の気象状況に対する気象庁としての考え方を承りたいと思うのでございます。

毛利圭太郎気象庁予報部長

○毛利説明員 お答え申し上げます。  最近の気候の変動の状況でございますが、北半球全般を考えますと寒冷化、つまり温度が次第に下がる方向を現在たどっておりまして、何らかの形でこういう影響が日本に及んでくるということは考えられるわけでございます。また、われわれといたしましては、そういう状況の一つの過渡期であるというふうに考えております。これが大体現在の世界の気候学者の定説となっております。こういうふうな大きな気候の考えのもとに、長期予報などにも、たとえば今度の集中豪雨その他につきましても、変動が大きい天候があらわれるだろうというふうな予想をわれわれしております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 そうしますと、現在のこういうような集中豪雨は、過渡期といえどもなお将来続き得る、こういうような見当を一応つけておかなければならないということになるのでございますか。

毛利圭太郎気象庁予報部長

○毛利説明員 お答え申し上げます。  北半球全体の傾向と申しますと、やはり長年のことでございまして、大ざっぱに申しますと、次第に天候が約八十年前に戻りつつあるという見当になりますので、こういう形はやはりしばらく続く可能性があるというふうに思われます。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 ここにおいて、まず建設省にお尋ねしたいと思いますことは、最近の集中豪雨のために異常な災害というものが起きる。今日の治水対策というものは、おそらくこういうような天候異変の以前の治水計画というものが多かったと思うのでございます。もちろん直轄河川等におきましては、二十八年以来の集中豪雨等によりますいろいろな改修その他が行なわれておるのでございますが、この直轄河川ならざる中小河川においては、これが以前のままに放任されておるという点が非常に多いのでございます。今回われわれが災害の実態を調査いたしましても痛切に感ずることは、これは今年ばかりの現象ではございません、数年来続いている水害の被害の実態というものは、集中豪雨による中小河川のはんらんによる被害というものが非常に大きいのでございます。そういう点から、こういう集中豪雨等の異変も十分考慮に入れて治水対策を行なうことが必要であるということが痛感されます。特に今回の水害等から考えまして思うことは、いわゆる直轄河川ならざる中小河川というものが非常にはんらんしている。これは最近非常に水が少ないために、中小河川等は管理が非常に不十分に行なわれている。その管理の不十分な中小河川に集中豪雨等によりまする水が一斉に流れ込んで被害をこうむっている点が非常に多いと思いますから、この直轄河川ならざる中小河川に対する対策というものを私は十分やらなければいけないと思うのであります。  そこで、特に建設省にお伺いしたいと思いますことは、たとえば今回の実例を申し上げますると、福岡県を流れております矢部川、あるいは巨瀬川、あるいは隈上川、こういうものはもう直轄河川と中小河川とのすれすれのところにあるのでございまして、こういうような被害をおもんぱかって多年直轄河川等の要望があったのでございます。ところが、これが直轄河川でなくして、中小河川として、県営河川として取り扱われておった。これが今回の被害を非常にもたらしておるという現象もあるのでございますから、こういうような中小河川に対しては、直轄河川に何とか指定をして、そうしてこういう河川の管理を十分やるということが必要であるということを、われわれは今回の災害を通じて非常に感じたわけでございますが、これに対して建設省としてはどういう考え方を持っておられるのか、この機会に承りたいと思うのでございます。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 お答えいたしたいと思います。  御質疑の要点に対するお答えに先立ちまして、このたびの梅雨前線による集中豪雨によって非常な災害を受けられました各地に対しまして、建設省といたしましては深甚なるお見舞いのまことをささげたいと思います。とともに、とうとき人命を失われました皆さまのみたまにも、深く哀悼のまことをささげたいと思う次第であります。  御指摘になりましたとおり、わが国の地理的あるいは地形的あるいは気象的現象というものは、まことに悪条件下にあるような次第でございます。この悪条件を克服いたしながら、災害の諸般の問題あるいは治水、治山の問題に取り組まなければならぬのでございますが、われわれは決してそうした悪条件ということを理由にしてこれらの措置を軽んずる気はみじんもございません。昨年、私が建設大臣に就任いたしまして、建設行政の内奏を陛下に申し上げましたところ、陛下はやはり御下問の第一点として、災害の復旧の問題について非常にお心をおとどめいただいておる御下問をちょうだいいたしましたときに、身の引き締まる思いがいたしたのでございます。  建設省といたしましては、御承知のとおりに、本年私は新たに第三次治水五カ年計画の閣議決定をお願いいたしまして、国家的な立場からこれらの問題に取り組む決意をいたしておるような次第であります。とともに、御指摘になりました中小河川の問題につきましては、砂防の点から、あるいは治水ダムの点から、あらゆる立場からの河川行政を打ち出さなければならぬのでございます。私といたしましては、こうした角度から、中小河川の改修等につきまして、小規模河川を含めまして、改修、治水あるいは砂防問題に取り組んでおるようなわけでございます。具体的ないまの福岡県の各河川に対する御要望、御指摘の点につきましては河川局長から答弁をいたさせますけれども、御指摘のとおり、やはり中小河川というものがこうした災害の大きな要素を含んでおるということを考えますときに、建設省といたしましては、治水基本法、いわゆる災害基本法の制定を願っておる今日、この法に対するところの諸般の行政的措置を講じますとともに、中小河川に対しましては最大な配慮をいたしまして、災害の復旧その他万全の措置を今後とも強く進めてまいりたい決意を表明申し上げまして、御理解をいただきたいと思う次第であります。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 具体的な問題につきましてお答え申し上げます。  矢部川の問題につきましては、確かに今回の水害の経験にかんがみまして、私どもは出水前に、実は事務次官通達というようなものを出しまして、県に対して、河川の水利あるいは河川の管理その他の管理施設の点検を十分に行なうように、また出水時の管理を十分に行なうように指示をしておったわけでございますが、矢部川につきましては、不幸にして水門の故障を生じて、そのために内水の被害を見たという不幸なできごとがあったということはまことに残念でございます。二級河川、あるいは一級河川の中の県知事に管理を委託している部分につきましても、十分に指導はやっているつもりでございますが、しかし先生の御指摘もございましたように、直轄河川に編入して管理を的確にやるという問題もございますので、今度の災害の実態等をよく分析いたしまして、先生の御意見を十分配慮いたしまして、その辺のところを早急に検討してまいりたいと思っております。  なお、巨瀬川及び隈上川につきましては、両河川を合わせまして治水ダムをつくるなり、あるいは河川改修、あるいは分流というようなことを総合的にひとつ考えまして、早急に抜本的な計画を立ててまいりたいというぐあいに考えております。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 せっかく大臣が見えておりますので、ここで大臣の認識を改めてもらうために申し上げたいと思いますが、ただいま河川局長から申しました矢部川のごときは、矢部川改修というものが昭和二十五年に計画されております。そして遅々として進まないでおるというのが現状であるのでございます。しかも、矢部川という川は、これはほとんど直轄河川にしてもいいというような大きな川であるけれども、これがやはり直轄河川でない、こういう点もあると思うのであります。かくのごときは一日も早く国の直轄にして、それから今回災害をこうむりましたが、これは非常に河川の下に水がたまりますから、この内水排除の問題等もあわせて、ひとつ改修工事とともに行なわなければ毎年こういう被害をこうむると思いますので、特にこの問題については大臣も頭に入れておいていただきたいと思います。  それから、巨瀬川、隈上川のごときは、今回の災害を見ますと、日ごろ管理を怠っていたということでございますから、この点についても十分考えていただきたいと思います。  さらに、この機会に申し上げたいと思いますことは、最近の集中豪雨等によります傾斜地の決壊等が非常に多いのでございます。これはやはり農林省にも関係があるのでございますが、非常に土地造成、土地開発等が山間でも行なわれる、こういうことがやはり集中豪雨とともに土砂が決壊することにもなると思いますので、そういう将来の土地造成等に対しても、並びに土地開発に対しても、十分農林省としてもこれは考えなければならぬ問題であると思います。こういうものに対する砂防対策というものは、これが建設砂防でありましても農林砂防でありましても、これに対する砂防対策というものは、当然怠りなくやらなければならないと思うのであります。こういうものに対する建設省並びに農林省の考え方を、あわせてこの機会に承りたいと思うのでございます。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 お答えいたします。  御承知のとおりに、宅地造成等規制法の制定されましたのは昭和三十七年でございますが、その規制法によりまして、これらの造成をいたす場合には知事の許可を必要とするというような問題、あるいは排水に対する義務づけをいたしておるような問題、これらを通じまして建設省としては行政指導もいたしておるような次第でございます。幸いにいたしまして国会で成立をいたしました急傾斜地に対する特別措置法も、私は施行を二カ月早めまして、いまの予定では八月一日に施行いたしまして、そしてこれらに対する問題点を早急に解決をはかりたい、こう考えておりますとともに、わが国の急傾斜地、地すべり等の危険区域を考えますときに、七千三百カ所に及んでおるようなことを考えますときに、私どもはこの問題にはほんとうに真剣に取り組まなければならぬ、こう考えまして、年次計画を立てまして、最も危険な一千百有余カ所に対しましてはここ三、四年でぜひひとつこれらに対するところの措置を講じてしまいたい、こういうような方向でまいりたいと思っておるような次第であります。  また、シラス地帯におけるところの問題等につきましても、いわゆる土質工学会の得た結論をそれぞれ行政指導いたしまして、これらによるところの不幸を避ける方針をとっておりますが、これらシラス地帯と関連いたします地質の問題に対しましては科学的な根拠をさらに打ち立てまして、適切なる行政指導と法の運用に万遺憾なきを期したいと考えている次第であります。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 農林省からはあとで一緒に答弁していただきます。  それで建設省に対しましては、今回の災害復旧に対しましてももうちょっと単年度の復旧を考えていただきたい、こういうことを特に要望申し上げたいと思うのであります。  次に、農林省に対してお尋ねしたいと思います。時間がありませんのでまとめてお尋ねしたいと思うのでございますが、今回のこの災害の実態を見ますと、樹園地等におきまする土砂くずれ、こういう点におきまするミカンその他の被害というものが非常に大きいのでございます。これはまだ十分調査できておりません。そういうような山間地帯には、ほとんど途中の道路が決壊いたしまして車が行かないというような状態でありますので、遠くからはるかに見て、あの地すべりのところは何町歩くらいあるだろう、三十年生のミカンが五町歩くらい決壊したとか、あるいは四十年生のミカンが二町くらいはもう下のほうへ落ちてしまっておるというような測定をするような状態に置かれているのでございます。  それで、ひとつ農林省にお尋ねしたいと思いますことは、こういうような地すべり、決壊等によりまして樹園地が損害を受けております。ところがこういうような樹園地というものはすべて土地造成資金とかあるいはパイロット事業等によりまする補助事業によって樹園形成をなして、そして樹木を植えているというところなのでございます。ようやく据え置き期間の三年が終わりまして、本年度から借りている金を返せるというような状態にあるところがすでにそういう崩壊をいたしております。こういうところが、復旧ができるところであるならば将来また返還ができるということも考えられますけれども、おそらくもう復旧不可能であろうというように山くずれが出ております。こういうようなところのいわゆる借り受けている資金というものをどういうようなことによって返済するのであるか、こういうことに対する農林省としての見解をひとつ承りたいと思うのでございます。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 樹園地の災害復旧につきましては、農地等の災害復旧と同じように取り計らいをいたしまして善処をいたします。崩壊したところ、緊急を要するような場合には、土どめ工なりあるいはまた水路の関係なりその他をできるだけ災害復旧事業として進めてまいります。せっかく補助事業なりあるいは融資で樹園地を形成したものが、今年から償還が始まるというのに災害でやられたという場合には、当然その実情によりまして融資償還期間の延長やその他の措置をはかってまいります。そういう制度はございますので、具体的によく事例を検討いたしまして、樹園地の農業の運営、経営に支障のないように、ひとつできるだけ配慮してまいりたいと思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 その償還期間を延長していただいて、償還能力があるならいいのです。ところが全部これは決壊してしまって収穫がありません。復旧もできない。こういうところはすでにその土地から何も収穫は得ないわけでございます。こういう点の償還というものをどう考えればいいかということなんです。ここに大きな問題があるので、復旧をして、将来それから収穫を得るというならば、これはまた償還を延期してもらいますれば将来償還能力があるわけでございますけれども、全然復旧の見通しのないというようなこういうところが、いま申したように国庫資金その他の融資を受けておる。どういう方法で返還することができるか、どういうような方法でやればいいのか、こういう点に対する親切な農林省としての考え方を教えていただきたい、こういうことをお尋ねしておるわけでございます。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 ただいまの制度の中ではどうも、おれは払えぬから一切水に流せ、こういう制度がありませんけれども、しかし、現実に払えないものは取りようがないというのは、これはまた確かでございます。したがってケース・バイ・ケースでよく検討させていただきませんと、制度論や一般論として私がここで——先生も専門家でいらっしゃいますが、答弁として、一般論といいますか、そういう場合には制度があります、一般的に、災害を受けたからいままでの借金はみな棒引すると言うわけにもいきませんので、さりとて、そういう事例が具体的にはあるだろうと思いますので、ケース・バイ・ケースでよく検討させていただきまして善処いたしたいと思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 もう時間がありませんから一点だけお尋ねいたします。  こういう問題に対しましては、農林省といたしましても十分実情を調査の上、温情ある対策で、農民が次の生産にまた意欲を燃やせるような手を差し伸べていただきたいということを強く要望いたします。  最後にお尋ねいたしたいと思いますことは、今回の長雨等によります被害の現状というものは、農業に対しましてはいわゆる十万円以下の小災害というものが非常に多いのでございます。この復旧に対する費用の問題は非常に困るわけでございます。顧みますと、二十八年災害のときはこういう十万円以下の小災害に対しましても、特別立法の処置等によっていろいろな方法をとられたのでありますが、今年度のこういうような小災害の問題に対しても、何とかひとつ農民が次の生産意欲に燃えるような対策をとらるべきである、かように考えますが、これに対してはどういうような方法で農林省は対処していこうと思われておるのであるか、この機会に承りたいと思うのでございます。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 確かに小災害につきましては災害復旧の救済方法について、他の規模が大きいものと少しやり方を異にしておるわけでございます。御承知のとおり、激甚法の第二十四条の規定によりまして地方債の発行を許されるわけでございまして、そういうことでやっていただきまして、その元利の償還について国が補給をしていくという形で災害復旧事業の促進をはかっているわけでございますので、そういう方法でひとつ県でも、あるいは市町村ともよく相談をいたしまして善処してまいります。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 最後に、今回の災害というものは御承知のとおり非常に甚大でございます。たとえば福岡県の災害にいたしましても、先刻福岡県の副知事の報告によりますと三十三億とかいっております。私たち見て回りますと、報告では一町村で十五億というような町村もまだありますので、県全体の災害の被害というものは相当大きいと思うのでございます。こういう問題に対してどう国が処していただくかということは、罹災民がひとしく非常に憂慮しているところであるのであります。これに対しましては、もちろん災害の実態等を十分調査していただかなければできないと思いますけれども、局地激甚等の指定等によりまして、何とかひとつこの災害の苦しい中から国民がまた立ち直る、こういう姿勢を与えることが一つの善政である、かように考えます。どうか総務長官、こういう実態から、この激甚地指定等に対しましてもひとつ特段の意を払って、この罹災者に対する十分なるあたたかい手を差し伸べていただきますことを最後に強く要望いたしまして、政府の所見を承りまして私の質問を終わりたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 福岡県の災害に対しましては、他の地方と比べまして次第次第に災害が激化してくるように見えるのでありまして、新しい調査を得次第、すみやかに対処いたしまして、遺憾なきを期したいと思っております。

川村継義日本社会党

○川村委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 最初に、先ほど兒玉委員から質問した伝染病対策のことで、兒玉委員も指摘しておりましたが、はなはだ答弁が不親切です。私は聞いておって腹が立ってたまらないのでありますが、後藤防疫課長は一体現地に行ったのか、どろ水の中に入ってきたのか。そういうこともはっきりしないでいまのような答弁だったら……。現地の市町村では経口伝染病の薬を飲ましている。悪いと知ったらなぜそれをとめないのですか。人の命にかかわるような問題を、薬がはっきりしないとか——現地の市町村ではいまにも伝染病が起きるかと思ってたいへんな騒ぎをしているのです。そんなにあなたがたいへんな意見の相違があるのだったら、なぜ通達しないのですか。まことに私は遺憾と思う。第一、自分が行ってどろ水の中に入ってきたか。何日も何日もくそ水があふれて異様なにおいのする中で、疲れ切ってどうしようもないから助けてくれというのが現地の声じゃないですか。それをみんなが心配して、現地の市町村長も県知事も、伝染病が発生したらたいへんだというので薬を配ったのです。金の問題じゃないのです、私の言わんとするところは。そういうことが医学上だめであるなら、なぜ早くそれを通達しないのですか。なぜそれにかわるべき薬を指定してあげないか。そんないいかげんな態度がありますか、一体。これに対して答弁してください。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 私の先ほどの答弁、御不満のようでございますけれども、私自身、先ほど予防内服の制度化ということについて重点を置いてお答えしているわけでございます。現に各県の要望も制度化しろという要望がございましたので、その辺が頭にありまして、そこに重点を置いて御返答申し上げたわけでございますけれども、今度のような水害、特に御指摘のように汚物も一緒に流れておりますこういう時点においては、いま緊急にやらざるを得ない。確かに伝染病に対する不安が非常に大きいわけでございます。従来もそういう場合、伝染病予防法で見た場合もございますので、今度の場合もこれに準じまして——私先ほど言いたかったのは、ケース・バイ・ケースであるということを言いたかったのでございますが、今度の場合もひとつ前向きに検討してまいりたい、こう思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 人の命はケース・バイ・ケースで定まりますか。伝染病対策というものはちゃんとしたケースがあるんじゃないですか。じゃそのときそのときに違った対策が出るのですか。事は人命ですよ。からだの健康状態なんだ。それをケース・バイ・ケースで、そのときそのときに定める、そんないいかげんな防疫体制、そんな防疫に対するモラルの低下——じゃ発生してからどうするか。だから、その薬品が経口伝染病予防の根本に触れているんだったら触れているでいいのです。私はしろうとだからわかりませんが、それに対する何らかの、そういう混乱を防ぐような問題を提起しなければならぬということを言っている。ケース・バイ・ケースという、そんなおかしなことでは困ります。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 お答えいたします。  先ほど、災害の中に風害、それから火事、いろいろなものがございますので、災害一般の制度化という意味で私は答えておりますが、やはり伝染病予防の見地からは、今度のような水害では非常に汚染される傾向が強いわけでございますので、今度の場合も県当局とよく相談いたしまして、できるだけこれを見ていきたい、こう思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 あなたの言うのは、薬を飲ましたら伝染病の早期発見に困るという答弁だったから、じゃ一体薬を飲ましたほうがいいのか悪いのか、その点がはっきりしなかったら困る。伝染病予防対策の基本問題じゃないか。現地ではどんどん配っているのです、金を出して、そこで飲ませて一週間かかる。だから、あなたのほうの医療の根本的な問題医者の立場からいけば、防疫の立場からいけば、そういうものを飲ますと早期発見ができないとか、またそういったものを隠してしまう、いろいろな問題が出てくる、免疫の問題が出てくる、だからそういう問題はいけないのだということで、そういうことは制度化するのは危険なんだというなら話はわかるけれども、その点の態度が私には理解できないからさっきから言っておるのだ。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 確かに予防内服は、ことに赤痢に重点を置いて申し上げますけれども、赤痢も非常にむずかしい問題があります。必ずしもいまの医学の体系でこれをやれば赤痢の発生を防止するのだという段階ではなかなかないだろうと思います。しかしそうも言っておれないというのが現状でございますので、とりあえず予防内服を与えたあとで、水が引いた場合、早急に検診班を出しまして、患者がいるのかいないのかはっきり見て、しっかりした防疫体制を進めたい、こういうことでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それでは飲ましたほうがいいのですね。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 たとえば水害の場合におきまして、医療機関も多いというようなところは、やはり検診班の最初の動きが一番大事だろうと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そんな検診班なんか来てはいないじゃないか。現地へあなたは行ってみたのか。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 私は行っておりません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それじゃわからないじゃないか。わかりもしないことを言うな。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤説明員 現地とは絶えず連絡しております。それで現地ではすでに、先ほど申し上げましたけれども、十班に及ぶ検診班が出ております。ですから、予防内服をすればいいのだということではないのであって、予防内服として適正なもの、これは大いに伝染病予防法の対象として考えていこう、こういうことでございます。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光政府委員 ただいま御指摘の予防内服の問題につきましては公衆衛生局が担当なので、私からも公衆衛生局長に十分話しまして、十分めんどうを見てまいるようにいたしたいと考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 総務長官、こういう実態であります。とにかく伝染病対策というものは、現地では悲痛の声があがっております。それが、薬を配ることが医学上どうであるかこうであるかということは、私はしろうとだからわからない。だけれども、必要であるならばただで配るのがあたりまえなんです。それをああでもない、こうでもないということでいまだにはっきりしないということ自体、政治の貧困を現地の市町村長が言っておるのです。総務長官の立場からいかがですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 私、しろうとでございますが、御意見を承っておりますと全くごもっともなことだと思っております。さような誤解と申しますか、あるいはちゅうちょということが、今日の伝染病の発生にかえって原因を与えるようなことがあってはいけないので、この点では十二分に厚生省と連絡して処置をいたしたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大きな声を出したことはたいへん失礼いたしましたから、おわび申し上げます。  その点はひとつはっきりした線を出して、今後の災害に備えていただきたい。  それから次に、建設大臣はおられないのですか——。  総務長官にお尋ねいたしますが、鹿児島県や宮崎県、長崎県は台風常襲地帯であります。このシラス地帯は、長官も御出身地でありますからよくおわかりと思いますが、今回ぐずぐずに地盤がゆるみ、相当な被害を受けました。この次に大型台風が襲ってきた場合にはもう一たまりもない。そういう台風常襲地帯における今回の前線による被害、これを考えたときにはりつ然といたしますが、この対策についてはどのように御配慮いただけますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 台風常襲地帯の原則といたしましては、できるだけすみやかにその際の災害を押え、しかも次の発生の拡大することを防止することにあると思っておるのであります。したがって今回の災害にあたりましてすみやかに処置をいたしまして、来たるべき台風によって大きくならないようにいたしたい、この点をよく関係者に伝えたいと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それから、原良団地の件でお尋ねいたしますが、この原良団地は県の住宅供給公社の建設であります。地元の新聞によりますと、この団地は宅造法違反である、事前着工した、こういうニュースが載っております。私も現地に行きまして、このような大きな災害を受けて鹿児島県もたいへんである。そのたいへんな鹿児島県を責めるわけではございませんけれども、現在の都市問題、人口問題、住宅問題等にからんで、こういうシラス地帯を開拓しなければならぬ鹿児島県の実情というものを考えたときには同情に値しますが、こういう県という公共団体、また住宅供給公社のような機関がやったものが、宅地造成法違反、要するに定められていた施工の期間より前からやっておったとか、いろいろそれに準ずるものをやらなかったということが出ておりますが、これに対しては建設大臣、いかがでございますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 たいへん失礼ですが、政府委員をして答弁させます。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 ただいま御指摘のありました鹿児島県住宅供給公社が施工いたしております原良団地、これの宅地造成等規制法の手続におきまして疑点があるというお話しは私も最近聞きまして、目下調べておるところでございます。かりに住宅供給公社ともあろうものが法律の手続に違反するようなことをするということはもってのほかであると思いますので、鹿児島県に限らず、今後こういう点につきましては厳重に法律を守るように指導いたしたいと思います。  なお、言いわけがましくなりますけれども、供給公社のほうでは、事実上県の係と技術的な打ち合わせが済んでおったので、そういうふうな手違いがあったのだというような説明をいたしておりますが、これはもちろん形式的には間違いでございますので、今後十分に注意いたしたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これは建設大臣にお尋ねしたいのですが、宅地造成にいたしましても、または造成されたところにあっても、急傾斜の危険であるというところにいろいろな事件が起こるのですが、地元住民というものはよく知っているわけですから、市とか県にこういう問題で陳情に行くわけです。たとえば今回の長雨によって広島県の尾道市においては七人生き埋めで三人死にました。これは尾道市高須町の大元山の山はだがくずれた。この大元山の上に尾道市の浄水場があるのです。その浄水場をつくったときに山を切り開きましたものですから、その五十メートル、百メートルの山の急傾斜地の下にいる方々が、切り開くときに、この安全はだいじょうぶかと再三市に尋ねた。また、それから以後、造成されて浄水場がつくられてから三回も地くずれがあった。そのために住民が市に対していろいろそういった問題で陳情に行った。こういう危険な急傾斜地の上につくられてあったのだから、あなたのほうで直しなさい。そして四十五度に直した。今度の急傾斜地の法律では三十度ですね。ところが四十五度になって、今度くずれて人が三人も死んだ。再三再四陳情しておるにもかかわらず直してくれなかった。こういう、市民をいいかげんに考えているような市町村、というところはないでしょうけれども、そういうことで生じた問題というのは建設大臣の立場から見て——急傾斜地の問題等もありますが、こういう市民が危険を訴えておるにもかかわらず市当局が直さない、急傾斜地の今度の新しい法律に照らしても法違反だ、こういうようになった場合、これは国家賠償にも値するように私は思う。この点について、こういう建設関係の最高責任者である坪川大臣の見解をまず承りたいと思うのです。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いま小川委員が具体的に御指摘になりました問題点、いわゆる国家賠償等に関連する御質疑に対しまして、私といたしまして、これが対象になるかならぬか、たいへん恐縮でございますが、いま初めて聞く大事な問題でございますので軽々にお答えはいたしかねることを御理解いただきたいと思いますが、前段の急傾斜というこのきびしい問題に対しましては、私は非常に憂慮もいたし、また非常に大事な問題点として建設省はこれに取り組まなければならぬという覚悟を持ちましたものですから、御承知のとおりに急傾斜地災害防止法の制定をお願いいたしました気持ちもここにあるような次第でございます。先ほども申しましたごとく、具体的な問題につきましては、昭和三十七年に制定されました宅地造成等規制法に基づきまして、それぞれ県知事等が危険であると認める場合においては、これを許可することはできないということにもなっており、また排水に対するところの義務づけもいたしておるのでございます。いずれにいたしましても、さきにも申しました、四月に起きました新潟県下の地すべりの不幸な事件、それを合わせまして、この春、二月、三月、四月までの間に地すべりからくる不幸な事件が七、八十カ所もあったというような問題、急傾斜に対する七千三百カ所以上に及ぶところの問題、これなどに対しましては、ほんとうにきびしい姿勢をもってこれに対応する具体策を講じたいと思いますとともに、やはり一般の執行者である自治体の首長の各位もそこに一つの使命感といいますか、倫理感を持って、そして人命につながるきびしい問題であるという自覚の上に立っての指導をいたしてもらいたい。これが私は行政家、政治家の一番優先する問題点であろうと考えますので、私はそうした観点から今後ともこれらに対するきびしい措置並びに行政配慮、法の制定、運用等に万全を期したい覚悟でおることを表明申し上げまして、御理解いただきたいと思うのでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 いまの尾道の問題は市に相当責任があると思いますが、地方行政関係でどうでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

成田二郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の浄水場の問題につきましては、所管の財政局公営企業二課のほうで調査をいたしておりまして、きょう担当者が上京してまいりますので、いさい判明いたしました暁におきましてはなるべく早急に善処するようにいたしたいと存じます。また、事情判明次第、先生のほうにも御連絡を申し上げたいと存じます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 時間がありませんから、あと一点お尋ねいたします。  これは総務長官にお尋ねいたしますが、今回の鹿児島県その他の被災県で被災されたところで、九十九市町村のうち二十四市町村は地域防災計画が出されていないというようなことを行管庁から指摘されておる。こういう地域防災計画や基本防災計画の出されていない市町村が災害を受けたわけです。私はこの前も指摘したのですけれども、大体防災計画も出されてないそういうところに災害が起きた。でありますから、先ほどの災害救助法の発動もまちまちであるし、災害救助法が一週間はできるというのに三日しかできないというように考えているのもいますし、まことに現地の市町村の担当の方々ではその点がはっきりしておらない。こういう点はわれわれはまことに理解に苦しむのでありますが、一体総理府長官としてはいかがお考えでございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 御指摘のように、基本法によりましてそれぞれの地域におきまして防災計画を確立して、そうして万一の際に備える、この体制を持っておることが最も災害対策に対して必要だと思っておりますが、現実におきましては、御指摘がありましたごとく、まだこれが確立しておらない市町村が若干あるのはまことに遺憾に存じます。今後ともこういう計画を樹立しておらないものに対しまして一そう督励をいたしまして、そうして万全を期するように努力をいたしたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それでは、いろいろと私まだ述べたいことがありますが、時間が参りましたのでこれでやめさしていただきますが、災害常襲地におきますところの各市町村または県知事さんにおいては、寝食も忘れて過労の中で戦っておりますことをお伝えしておきます。  それで最後に一点だけでございますが、こういった被災市町村の人事の異動というものが当然行なわれてくるということは非常に困るというのです。あと始末があるというのです。これから査定の書類の提出だとか査定だとか、こういうことがありますのに、人事異動が行なわれたのでは困ります、なれた人がいなくなると困る、そういう声があがっておりますが、これはひとつ自治省のほうにちょっとお答えいただきまして、私質問を終わらしていただきます。  どうかひとつ総理府長官におかれましても、災害対策本部もできましたことでありますが、これからもまた次から次と起きてくるであろうこの災害に対して、なぜこのような災害が同じような場所で起きるのだろう、こういう点、また日豊本線や鹿児島本線のように、ちょっとした災害でももう九州方面の大動脈の交通の足が乱れる、こういうこと等、まだまだたくさんの問題をかかえておりますので、その点十分なる御配慮、また閣僚会議におきましては予算措置等お願い申し上げます。  それでは、その点だけお答えをいただきまして、私の質問を終わらしていただきます。

成田二郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 お答え申し上げます。  御指摘のとおりでございます。担当のほうを通じまして関係の地方団体のほうに行政指導してまいりたい、こう思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま御指摘がありましたごとく、特にシラス地帯のごとき地方におきましての災害につきましては、十分に平素から気をつけなければならないし、なお今後台風の襲来もあるわけでありまして、私も地元の出身でありますので、事情は御指摘のごとくよく承知しておりまして、今後とも十分な配意をいたしたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ありがとうございました。

川村継義日本社会党

○川村委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 初めに確認をいたしておきたいと思うのでありますが、激甚災の指定については、公共施設の三条関係についてはこれは被害総額が基準に達しない、したがって困難である。五条、六条関係の農地等については、これは対象として適用される見込みである。さらに農作物の被害等については現在調査不能であるので、集計の結果を待って調査するが、そういうような基準に達し得る見込みがあり得る。局地激甚災の指定等については、その基準に達しておるような市町村はそれを発動する用意がある。こういうようなふうに、まとめて言えば受け取れるような政府側の発言であったと思うのでありますが、そのように確認をしてよろしゅうございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 現在被害の調査中でございますので、まだ確定しない点もあるわけでありまするが、五条の問題農業関係につきましては、大体今日までの数字におきまして適用になると考えておるのであります。  なお、中小企業の局地の激甚につきましては、すでに川内市はそれに該当するものと思っておりますが、その他の問題につきましては、あるいは被害の増加ということによりましてやはり検討しなければならないものと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 三条関係の公共施設災害は、標準税収等の積算をいたしてみますと、現在の段階においては困難視されると私は思うのであります。いかがでございますか。そうして農作物の被害は、大体各県の報告なりあるいは農林省のほうで概括的にまとめた報告等見るならば、天災融資法の対象であるとかいうようなもの等については、当然希望が持てるという一応の見通しを、災害対策ですから私はつけておくべきだと思うのでありまして、その点を長官にお尋ねをしておるわけであります。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 公共施設につきましては、今日までわかりましたものは、まだ数字がお話しのように少額になっておりまするが、この点につきましては関係政府委員からお答え申し上げたいと思います。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 お尋ねの点は、農作物の被害の程度に応じまして天災融資法の発動も見込みがあるのじゃないかと思うが、その理解で間違いないか、こういうお尋ねだと思います。  先ほどもお答え申し上げましたのですが、私どもが、県からとりました農作物の被害総額が、いまのところは六十五億という数字が出ております。ですけれども、統計調査部でこれはやっぱり詳細に調査をいたしてみませんと、過去の例から見まして、このままの数字で直ちに天災融資法の発動という事務的な処理をするわけにはちょっとまいらないわけでございますので、統計調査部のほうに鋭意調査を急がせまして確定をいたしたいと思いますけれども、あまり大きな開きがないとすれば先生のおっしゃるような見込みになるのではないだろうか。ただ三十億にまとまってきませんと、従来の基準からいいましてできないものですから、もし県の報告等が大きく変わってまいりますとこの点はどうなるかわかりませんので、とにかく急いで調査をして、できるだけ救済のほうに重点というか、考え方を置いてひとつまいりたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 農林省のほうにお尋ねいたしますが、大体従来都道府県から報告された報告額の七掛けくらいが実績として出ていると私たちは聞いているのであります。だから、それから言うならば一応の基準に達するはずだという算定をしておるのでわれわれ被害地の立場であります。いま水沈状態になっておる地域がありますから、調査が不能の地域もございます。だからそういうような点については、いま政務次官が言われたように、早急に対策を講じてもらいたいと思うのであります。  この南九州の豪雨災害に関連をいたしまして、稲作転換をこの際考えたらどうかというような記事が新聞に出ました。私はこの問題については、豪雨の中で水稲がやられた、だからこの際もう稲作を転換して他の作物に切りかえよというような記事が出ること自体が、まことに災害農民の気持ちをくみ取らない考え方であると思っておるのです。現在苗不足の状態があります。その苗不足に対しまして種もみを確保しなければならないという問題が当然出てまいります。現にもう植えつけが全部といっていいほど完了をいたしておりますから、予備苗を一日かかって集めてみましても、せいぜい一反歩から二反歩ぐらいしか集まらないというのが大体の状況であるという報告を聞いているのであります。かつて激甚指定を受けましたところ等につきましては、たしか小沢さんのところもそうだったと思うが、新潟災害等のときには、種もみについての輸送費あるいは苗しろの仕立てに対する補助金というものを農林省のほうが出したことを記憶しているのであります。だから、今回の場合も非常にそういうような状態が出ているわけでありますから、種もみ等に対する準備と、それに対する政府の補助金という問題について対策を講じてもらうべきではないかと思うのですが、そういうような用意があるか、その点についてお答え願いたい。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 その点はもう心配ございません。そういう御希望があれば、手配は万全の措置をとりたいと思います。詳しい数字が御必要であれば、係官がおりますから答弁をさせます。輸送費その他についての補助も従来どおりやるつもりでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 時間が制約をされておりますから、詳細な説明は後ほどお伺いをいたします。  そこで建設省にお尋ねいたします。  政務次官は現地まで調査団長として調査に行っていただいて御苦労さまでしたが、あなたが帰ってこられてから報告をされたその中身が、中小河川の大幅改善をやるべきだ、それから地方財政の救済をやるべきではないか、第三点として、がけくずれの防止の繰り上げ施工をやるべきだという報告をされた。ところがそれを受けまして各省の対策連絡会議できめられたのは、シラス地帯の基礎的研究を急いで抜本対策を講ずる、それから宅地造成等の規制法やあるいは新都市計画法、建築基準法等で宅地造成の行政指導を強化しよう、それに急傾斜地の崩壊防止法を八月一日から実施するんだ、こういうようなふうに、団長の報告よりも一歩後退したといいますか、そういうような意味の記事が新聞に出たのでございますが、中小河川の大幅改修なりあるいは地方財政の救済の問題等については一体どういうふうになっているのか。この点は現地に行かれた渡辺団長並びに防災の担当であります床次長官のほうから、両方お答えをいただきたい。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○渡辺政府委員 お答えいたします。  新聞でどういうふうに伝わりましたか私はわかりませんが、団長として大体御報告を申し上げましたその席上におきまして連絡会議も引き続きお開きをいただきまして、その方針、対策等も講じていただいたのでありますから、私は別に後退いたしておるとは思っておりません。特に地方財政につきましては自治省のほうからお答えがあると思いますが、ああいうようないわば過疎地帯といいますか、財政力の貧弱な自治体が多いわけでありますから、交付直後であったようでありますが、必要であれば交付税の繰り上げ交付、あるいはつなぎ融資、最終的な問題としては財政措置をもっていろいろな欠陥を補う、こういうことが必要であろうというふうに御報告いたしましたし、そういう方向で処理をするということは連絡会議におきましても確認されておりますから、御了承いただきたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま調査団長である渡辺政務次官からお答え申し上げましたが、私も、各般の問題につきましてかなり適切な御報告を承っておる次第でございまして、したがって各省の連絡会議等におきましても、その御報告を中心といたしまして今後の対策を承認した次第でありまして、御指摘のような問題につきましても、十分各省ともこれは了承しておることを申し添えたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 建設省にお尋ねをしますが、川内川の直轄河川の上流に鶴田ダムがあります。この鶴田ダムが豪雨の初期の段階においてはたいへんな洪水の調整等をやりまして、それだけ効果をおさめているわけであります。ところがその後なおずっと連続して大雨が降ってまいりました。やはり一定量の貯水を確保した後は放出をしなければダム自体がもたないことになりますから、そのために満潮と放水とが合致して、そのために水位が非常に上がってきたという事実があります。それと同時に、その本流のほうの水位が依然として警戒水位から下がらないくらい水量が出されているわけであります。そのために水門を閉じて内水の支川の水を本流のほうにはかすことができない、そういうような状態が続いておりますので、湛水地帯は一向に水がはかない。だから十日間も水浸しの中で、悪臭と汚濁の中で生活を余儀なくされておるという実態が出ているのであります。  だから、先ほど河川局長のほうから御説明がございました春田川の改修については、国が四分の三、県が四分の一持つ、そういうような方式でやる。しかしながら市街地に降った雨については、これは総務長官も調整をしたいということを言っておられました。その調整の意味でございますが、そういうように上のほうにダムができたために、河川の本流のほうが調節をやるために放水をしなければならぬ、一向に水位が下がらないから、その市街地の雨も本流のほうに還元できない、こういうような状態の中で生活をしているわけです。これは一級河川に春田川を指定したからその地域だけは国が責任を持ちます、そのほかの隈之城川というような川の下のほうの、先ほど池田先生触れられました開聞町の周辺やら若松町の周辺は、これは都市の雨水なんだからわれわれは関知しませんというのでは、それは全体的なとらえ方の中においては問題があるのではないか。したがって、このダムの問題、本流の問題、支川の問題、そうして県の管理する普通河川の問題、こういう問題を総合的にとらえて、そして調整をする。その調整をするという意味は、水の中で十日間も生活をしているが、軒先まで来ている水の中で生活はできないのでありますから、そういうような湛水の排除の問題については国と県が責任をもってやるのだという意味における調整の意味だ、こういうように確認をしたいのですが、総務長官いかがでございましょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの問題につきましては、かなり地区地区によりまして事情が異なっておるのではないか、かように私拝聴したわけであります。なお、所管等も異なっておるように承りますので、この点につきましては十分関係者の意見を聞きまして対策を講じたい、さような意味において調整ということを申し上げたのですが、具体的には関係政府委員からお答え申し上げます。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○渡辺政府委員 ただいま村山先生のお話でございますが、御承知のように事業によりまして、建設省が直轄でやります排水等につきましては四十四年度から着手するようにいたしたいということにしておりますが、事業の内容としましては、あるいは下水道の問題もございますし、県でやっていただく仕事もございますから、できる限り負担を軽減する方向を考えまして、総合的にひとつ万全を期してまいりたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 都市計画事業でやる仕事だからというようなことで自己負担を課していくような方式はやめていただいて、そういうようなダムができ、提防ができて、本流との関係の中における排水の処理の問題だという立場で問題をとらえていただくように、その点を要望申し上げておきたい。  それから、最後に、時間が参りましたので、厚生省にお尋ねをいたします。  私は災害のたびに災害救助法の中身の問題について追及をしているのでありますが、いま聞きますると一日の食事代が百二十五円、それは一日、二日、三日までは百二十五円、そのあとの四日間についは百五十円ということでやっておるようであります。しかし考えてみますと、着のみ着のままの形の中で、半壊の世帯については一人被服代として千五百円だけの、夏場ですから、その被服代が支給される。その千五百円で一体何をまとって、そしてその百二十五円であなたは生活をしなさいというふうに言われたときに、これで災害救助であるということが言えるであろうか。今日世界で二番目の国民総生産力なんだということを大語している日本の国として、全く話にならないと私は思うのであります。で、今度の豪雨のために、駅の駅長のところで——これは専決処理を管理局長がやるんだそうですが、もう列車が駅にくぎづけになりまして運行が不能になった、そのときのたき出しの基準について駅長に聞いてみたのであります。一食六十円で私のところはたき出しをいたしました、こういうようなことを言っているのであります。とするならば、基準は別にないそうでありますが、まあ汽車に乗って旅行をする人については、これは汽車の中に乗っている限り被服がよごれているわけじゃありません。まあ食費については国鉄がめんどうを見るということになっているわけでありましょう。これは一日百八十円ですよね。それに比べて百二十五円とか百五十円というのでは、災害の救助の実、救済をするという意味においては、非常に無理じゃなかろうかと思うのであります。この点について、これを改善をする意思があるのかないのか。先ほどのお話ではレベルアップをしたいということでありますが、大蔵省がこれを認めていないのであれば、担当主計官も見えているようでありますから、お答えをいただきたいのであります。  そしてその次に問題になりますのは、今回のように十日間も雨水が滞留をしている。その中において悪臭がただよっているわけですが、最大の問題はし尿処理の問題であります。共同し尿処理工場が水びたしになって十日間も機能を回復をしないという状態になっておる。ではバキュームカーはどうかというと、これも六台ぐらいしかない。そういうような中において、川に便所の水を捨てなければならないけれども、これは河川法で河に投棄することはできないことになっている。一体そういうような場合に、非常措置としてもう本流のほうに投棄する以外に道はないのではないかということを、生活を守る立場から議会あたりで主張をされているようであります。だからこういうような問題については、厚生省なりあるいは建設省と相談をして、緊急の場合における措置というものについては、河川法やその他の法律もあるでありましょうが、実情に即した措置をとるようなことをやはり指示をされていいのではないか、こういうように考えるのでありますが、その点についてはどういうようにお考えになっているのか。  それから、ちょうど川内、東郷という地域は、ボーダーライン層以下の人たちが約二千世帯ぐらい、災害の資金を必要といたしているようであります。世帯更生資金であります。これはワクは一世帯十五万円ということであるようでありますが、そういうような状態で、もう貯金も何もないという人たちについて、はたしてこういうような措置をとることができるのかどうか。  それから最後に、自治省お見えであれば自治省のほうにお尋ねをしておきますが、各市町村なりあるいは県が災害見舞い金というものを出します。この前新潟の場合等については、県知事をはじめ市町村長が相当多額な見舞い金等を出したようであります。こういうようなことを考えてまいりますると、やはり災害救助策といいますか、法外援助といいますか、そういうようなものを行なった場合には特別交付税あたりで、これはただばく然とした特別交付税ではなしに、そういうふうなものについて十分配慮をした計算方式によって、出したものについては国のほうでもめんどうを見てやるというような方式をとることが必要ではないかと思うのでありますが、それに対する配慮があるのかどうか。この点は中央防災会議の担当の床次長官のほうからお答えをいただいてもけっこうでございます。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  第一点の飲食物費の点でありますが、これは仰せのとおりに駅弁でも六十円、一日百八十円という点から見ますと、四日目以降の百五十円もまだ不十分ではないかというので、私どもいろいろ現地なり、あるいは資料集めなりということをして、例年その内容改善ということをやってきておりますが、今後とも努力をいたしたいというふうに存じます。  それから第三点でありますが、世帯更生資金、これはたとえば本年全国で十二億円国庫資金がありまして、鹿児島、福岡、宮崎三県それぞれ数千万円ずつ出しております。県が二分の一をつけ加えまして、鹿児島県では新規追加資金が四十四年度大体九千六百万円、従来の原資が約五億ぐらいございます。その償還分もある。それからまず充当していただいて、さらに若干私ども災害の分ということを考えておりますので、県の要望がまとまりますならば、しかるべくお話をいたしたいというふうに考えております。

井上幸夫大蔵省主計局主計官

○井上説明員 お答え申し上げます。  私、実は厚生省の担当をしておりませんので、現在私のほうの厚生担当のところと厚生省とのお話がどういうことになっておるか、具体的に承知しておりませんけれども、いま厚生省に伺いましたところでは、何か検討を始めておるようでございますので、担当のところに伝えておきます。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光政府委員 し尿くみ取り処理につきましてお答え申し上げます。  災害の場合のし尿の処理でございますが、大体におきましては隣接町村等の施設を利用させていただいて処理をするということを第一義的にはいたしておりまして、そういうことも行なわれておるわけでございます。そういったことができない場合でございますが、やはり衛生上の判断で、非常処置と申しますか、処置は行なわざるを得ない場合があると思います。その方法としましては、川に絶対に捨ててはいけないという意味ではございませんけれども、まず素掘りというようなことで衛生的に処理をしていただくというような指導をいたしてやっておるような次第でございます。

成田二郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 お答え申し上げます。  自治省におきましては、従来特別交付税を災害に関連しまして交付いたします場合、一応のルールらしいものはつくってございます。申し上げますと、公共事業の関連の災害復旧事業費と並びに被災世帯数あるいは農作物の被災面積または被害救助費その他災害対策の諸経費、こういうものを参考にしまして、それを総体的に勘案しまして府県並びに市町村を通じまして試算いたしますが、さらに市町村につきましては、その当該被災市町村の家屋の全壊あるいは半壊、そういう実態、または死人が出ました場合はそのなくなられました方の数とか、あるいは行くえ不明の方の数、こういうものを勘案しまして、財源の補てんに遺漏のないように措置してまいっております。見舞い金につきましても同断でございます。勘案してまいっておるわけでございます。(「らしいとは何だ」と呼ぶ者あり)総合的にいろいろな要素を勘案しまして出しませんと……。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それは入っているの。

成田二郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 入っております。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま自治省の関係者からお答え申しましたように、その点も十分加味して配慮しておるようでありますが、今後ともさらに一そう御趣旨を尊重して実行するようにいたしたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 シラス地帯の問題は、道路、河川、治山、耕地、宅地、たくさんございます。しかし、これらの問題を取り上げてまいるのは時間的にも不可能でございますので、特に宅地の問題を中心に伺いたいと思います。  まず第一に、先般の本委員会においても、シラスの問題については、四十一年度の予算で土質工学会に頼んだのだ、こういうことでございますけれども、これはシラスに対する学術的な、工法的な研究をこれでなしたのかどうかという点、どうも先ほどの大臣の答弁もこれは明確でないと思うのです。それから先般の建設省側の答弁も、どうもはっきりしなかったと思うのです。だから、学会に依頼をしたその研究というものができましたら、膨大なものであるならば簡単なダイジェストでもけっこうですから、ひとつお願いしたい、こういうふうに思います。  そこで問題は、建設省自体の機関でこのシラスに対する学術的な、あるいは正法的な研究というものを少しやってもらいたいと思うのです。アポロ十一号が月に行って岩石を持ってきて研究をやる、これもたいへんいいことでしょう。しかし、毎年毎年、先ほど小川委員の御指摘にもありましたように、近づく台風でも非常に心配をされるわけです。ですから、巨大科学に対する非常に無理をした投資もあるわけでありますけれども、この点については、ここで、こういう際でありますから、抜本的にやっていただきたいと思うのです。この点をまず渡辺次官にお尋ねしたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○渡辺政府委員 ただいまの川崎委員の御質問にお答えをいたします。  四十一年度に土質工学会で研究してもらいました内容につきましては、後ほど宅地部長から御答弁をいたします。  それから、建設省の機関で今後しっかり対策を立てろということにつきましては、御承知のように特殊土壌地帯の防災対策ということを対策会議等を通じまして進めておりまして、すでに御説明を申し上げたと思いますが、当初二百十九億くらいでありましたシラス対策事業が、最近におきましては約十倍くらいの事業費になって進めておることは事実でございます。今回の鹿児島市内に起きましたところの宅地造成に伴います災害等にかんがみまして、これは建設省といたしましても、市街地のシラス地帯におきます宅地造成というふうな問題につきましては、さらに新しい観点に立って検討あるいは抜本的な対策を進めてまいらねばならない、かように考えておりますので、ひとつ十分対策を進めてまいりたい、かように考えております。  土質工学会にお願いいたしました内容はこれから申し上げることにいたします。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございました社団法人土質工学会に対しまして委託いたしました調査は、特殊地盤における盛り土及び切り土ののり面崩壊現象並びに擁壁に関する研究をしてくれ、こういう趣旨でお願いいたしましたものでございます。その結果といたしまして、一応擁壁をどのようにつくればいいのかというのを、宅造関係といたしまして重点を置いて調べてもらったわけでございますけれども、必ずしも完全な結論が出ておるわけではございません。なお引き続き検討する必要が若干残っておるわけでございますけれども、大ざっぱに言いますれば、シラス地帯の地盤の安定につきましては、特に関連区域の水をどう処理するかということに最大の重点を置きまして、特にのり面に水があまり行かないようにすることが先決であるということと、それからのり面の切り方でございますけれども、この切り方につきましては、必ずしもゆるやかなほうが安全だという一般常識は通用しないのでありまして、どちらかといえば七十度以上の傾斜のほうが水を含みにくいだけに危険性が少ない。ないわけではございませんが、危険性が少ないという結論が出ております。  この要約につきましては、後刻先生のお手元にお届けいたしたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 具体的に鹿児島で、その学会の研究の結果、それは完全じゃないというお話でしたが、完全でないにしろ、一応それを具体的に実施をしてある場面があるのですか。そして、それが今回の災害の場合にどうだったか、そこらはどうですか。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 まず第一点の水の問題でございますけれども、これは先般も申し上げたかと思いますが、鹿児島県におきましても十分間雨量が二十二ミリ……

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、そうじゃなくて、その研究の結果を具体的に鹿児島でやってみたが今度の災害ではこうだったというふうな、そういう具体的なあれが済んでいるのですか。つまり、学会に委嘱した研究は、中間にしろ結果が出ていますね。そのことは鹿児島なり宮崎なり、そういうところでもう具体的に実施をしてみたのかどうか。その結果はどうなっているのか。せっかく学会に頼んで出てきても、それが間髪を入れずというか、どんどんやられてみて、やってみたがやっぱりだめだったというならまた変えなければいかぬわけでしょう。理論的だけではどうにもならぬわけですよ。だから、それをやってみたのですかという、こういう具体的なことです。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 その具体的な問題につきましては、私まだ詳しくは存じていないのでございますけれども、この研究はもちろん鹿児島県、鹿児島大学も一緒にお願いをいたしましてやった問題でございますので、関係技術者は十分その内容は知っておるわけです。確実にこうすれば間違いないというところまで結論がいっておりませんので試行錯誤的に使ってみるということで、県規則でこれを基準化するとかなんとかいうところまではいっておりませんけれども、実際工法の上におきまして試験的に取り入れておる段階でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に宅地造成の規制の問題、これはシラス地帯については特別に検討しょう、こういうお話のようでありますが、現在宅地造成については届け出制度になっているわけですね。先般、川村委員長はじめ理事の皆さん行っていただいて、一緒にそれぞれ見たし、関係者の要望等も伺ったわけでありますけれども、そのときにもこの規制の強化ということについては相当要望もあったわけです。現在の届け出制度の宅地造成については、これを監督官庁にしてみれば届け出があるだけで、あともう実際やってしまうわけですね。そこで、いつから、あるいはどういう工法で、どういう経過をとってというふうなことはやはり許可事項にしてもらって、少し強く、あるいは監督をしやすくするというふうなことも必要ではないかと思うのです。その点検討していただいておるのかどうか、そういう方向に進めていくのか、伺いたいと思います。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたさないので、あるいは間違っておればあとでまた答えますが、おそらくいま御質問になりましたのは、国または地方公共団体、県の住宅供給公社も公社法の施行令の二条で府県とみなして扱うことになっておりますので、そういったものが行なう場合は知事と協議すればいいというお話ではないかと思うのですが……。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 民間の宅地造成にしても、これはただ届け出だけでしょう。やはりきちっと……。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 民間の宅地造成を行ないます場合には、宅地造成等規制法の八条の規定によりまして知事の許可が要るということになっておるわけでございます。もしその点で届け出ということでございますと、十四条に、この規制区域がきまりましたときにすでに工事を行なっておる業者なり個人がおりました場合には、その人はこういうことをやっておりますということを二十一日以内に届け出なさいということになっておるわけであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 許可の場合、工程計画はどうなるわけですか。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 許可の場合に、先ほど申しました八条の第三項で、工事施行中の災害を防止するために必要ないろいろな防災措置につきましては、知事さんが許可するときに条件を付することができる、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、知事さんが民間業者に対しまして許可をお出しになります場合に、工事中の防災措置につきまして、もちろん業者のほうからも原案を付して申し出るわけでございますけれども、これに対しましてその可否を検討いたしまして、必要があれば新たにこういう措置を講じなさいという条件を付しまして許可いたしておるということでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そうすると、基準の問題については検討するということですから、強めてもらうという方向でお願いしたいと思います。  それから、急傾斜地崩壊防止事業の問題です。先ほど建設大臣からも御答弁はあったのですが、年度計画でやるのだ、こういうことですが、具体的には四十四年度の計画というのは一応もうきまっているわけですね。しかし、今回の災害によってこの年度計画を改定する、そして先のものを引き寄せてやる、こういう計画変更という点についてはいかがですか。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 お答えいたします。  四十四年度は百四十カ所を予定いたしておりまして、その中で百二十カ所はすでに定めておりますが、あとの二十カ所は緊急の災害に備えておりますので、その二十カ所につきましては、今度の災害が起きた個所につきまして、法律の施行等と相まって緊急に実施したい。なおそれでも足らないような場合におきましては、財政当局とも十分打合わせて、万遺憾ないよう重点的に考えていきたいというぐあいに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 万遺憾ないというのは、かまえとしてはたいへんよろしいと思うですが、ただ、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法という昭和二十七年にできた法律が、今日たいへん大きな予算もついてまいっておるわけですね。だから農地等においては、今回の非常な異常降雨に際しても災害が少なかったという点については、相当効果をあらわしておるというふうに見られるわけです。ところが、都市の宅造地については、これは地形の変更その他で大きな災害を受けておる。そこで、この特殊土じょう地帯災害防除法というものは、実際には今日においては都市部の問題が入ってこないという問題があると思うのです。そこで、これは宅地造成等規制法なり急傾斜地の今回の法律なり、こういうものとの関係になってくるわけでありますが、そうなると、これは現行の制度の中で私はやはり十分に重なっていない面があると思うのです。これはやはり現行制度の体系、現行の法体系の運用だけでいいのかという点については、先般来からもたいへん問題にもしておるわけであります。だから、その点が現行制度あるいは今日の予算制度というものの中で十分に果たし得ない。先ほど河川局長は万遺憾なきを期したい、こう言われたのだが、シラス地帯については必ずしもそうでない、こういう懸念があるわけです。  そこで、土壌の浸食、崩壊の防止とか、あるいはそういう生活基盤にかかわっております公共施設という問題等については、やはり特別にここで制度的に検討してもらう必要があるのじゃないか、こう思うのです。ですから、従来の特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法、こういうものとの関連においてもここで再検討してもらう。特にシラス地帯は鹿児島が七四、五%宮崎が二四、五%ということで、今日鹿児島、宮崎に限られておりますこの地帯の問題についてはそういう検討を願いたい、こう思うのです。このことを防災会議の事務局長であります床次長官と、それから渡辺建設次官のほうから御回答を願いたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 御指摘のごとく、元来が特殊地帯でありますが、しかしその特殊地帯におきまして、最近におきましては非常に膨大な宅地造成という新事態ができておる。そういうものによりまして発生した災害というものは、従来に予期しなかったものがあり得ると私どもは考えております。これに対する対策はいろいろ検討しなければならない。この点につきましてはすでに政府委員からも宅造法その他の問題について指摘しておるところであります。将来の問題として検討させていただたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○渡辺政府委員 ただいまの川崎委員の御意見は非常に大事な問題であると思っておりますが、私ども現地を見せていただいた感想から申し上げますと、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法あるいは砂防法あるいは宅地造成等規制法、こういうような法律を重複いたしましてきめこまかくやってまいりますれば、やはり問題は予算の問題になってきて解決つくであろうと思っておりますけれども、こういうような問題が起きたときでありますから、さらに検討いたしたいと思います。  ただ、宅地造成につきましては、こういう特殊地帯あるいは大規模な宅地造成を行なう場合におきましても、大体知事が中心になってこれをやっておるという体制でありますから、そういう場合には技術基準あるいはまた何らかの形で建設省もチェックできるようなことを、今後考える必要があるのではないかということを私は痛感いたしております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 最後に、たいへん御苦労いただいた特別委員長、災害地を視察されて現地をごらんになったわけでありますが、委員長にお尋ねしたいのです。  現地でも特別立法についての要望もあるわけでありますけれども、このことについて委員長としてどうお考えになるか。これはひとつ理事会等でもはかっていただきたいと思いますけれども、委員長としての、災害を具体的にごらんになった上での御見解を伺いたい、こういうふうに思います。

川村継義日本社会党

○川村委員長 わかりました。後日理事会等に御相談いたしまして、川崎委員の切実なる御期待に沿えるように努力してみたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 終わります。

川村継義日本社会党

○川村委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間がありませんのでまとめて御質問申し上げて、そのお答えによって再質問もいたしたい、こう思います。  最初に、おととし九州地方はたいへんな干害にあったわけです。その干害の際に、災害対策委で干害対策をたいへんやっていただいたわけですが、その節、天気予報に関連して、どこから出たか知りませんけれども、長期予報として、ここ数年間九州は干害で困るだろう、水に困るだろう、こういうことがいわれたのでありますけれども、昨年、ことしと、水害に次ぐ水害、こういう状況になっております。そこで私は、科学的にいろいろむずかしい点があるのでありますけれども、あまり信用にならない長期予報なんというのはお出しにならないがよろしいのではないか、こういうことをひとつ申し上げておきたいと思うのであります。もしお答えがありましたら遠慮なくお聞きいたします。  第二番目でございますが、これは総務長官からお答えいただきたいのでありますが、私はずっとここ数年来の災害等を見ています。また私自身も体験したことでありますけれども、激甚災に対する財政援助の法律というのは、政令も含めて、今日実態に合わないのではないか。おそらく現在の法律は伊勢湾台風あたりを尺度にしてつくられたといわれておるわけでありますが、どうもすでに実態に合わない。特に地方公共団体はさいふは一つであります。にもかかわらず、公共土木は公共土木、農林土木は農林土木、中小企業は中小企業と、こういうふうに切り離しまして、それぞれについて基準を設けて、補助率のかさ上げが行なわれるかどうか、こういうような形になっております。したがって、公共土木の災害は受けられない、農業土木については若干の特例補助が受けられる、こういう例もありますが、いずれの場合もわずかの差でこの法の適用を受け得ない、こういうことがありますので、災害が起こるたびに激甚指定、こういう陳情が起こってまいるのではないかと思うのであります。たとえば、せんだって起こりました福岡県の浮羽町というところを例にとりますと、私どもが参りました時点で総被害額が五億一千二百万円、こういうふうになっております。ところが、このうち県公共土木は一億五千七百万円でありますが、町の公共災害は五千六百万円でございます。そういうことになりますと、この町は税収で一億二千万くらいあるわけでありますから、これはひょっとしますと、これだけの災害を受けて、わずかに四億九千万くらいの年間の財政規模の町がそれを上回る被害を受けておるにかかわらず、この激甚に対する恩恵というものは、受けてもほんの微々たるものになっていく、こういう実態であります。でありますから、もっと実情に即するように、激甚災についての財政の特例の法律は現時点で再検討する段階に来ているのではないか。  同時に、先ほど来意見がありました災害救助法、現実にはこれは相当の法外適用というのをやらざるを得ない。たとえば畳が全部ぬれてしまったのに、もらえる畳は二枚か三枚だ、こういうようなことでありますので、どうしてもこれは一番住民の生活に密着している市町村等が畳をかえてやらなければいかぬ、表だけではいけませんから、床までかえてやらなければいかぬということで、災害救助法についての法外適用というのが事実上の超過負担として、地方団体にたいへんかぶさってきております。でありますから、災害救助法ももっと実情に即するようにお願いしなければならぬのではないかと思うのであります。  私がこの問の災害で感じたことは、浮羽町という巨瀬川の上流の町があります。その下流のほうに吉井という町があります。その境が八十三メートルにわたって決壊したわけです。ですから、決壊した浮羽町の公共土木は多いのでありますけれども、水は下のほうに流れていきますから、それをかぶったのは吉井町ばかりです。ところが吉井町は公共土木災害というのは上流に比べるとあまりない。町のふところの痛み方というのはなみなみならぬものがある、こういうことを痛感いたしました。したがって、この重要な二法について現時点で再検討すべきだと思いますがいかがか。これをひとつ大臣なり直接現地に参りました渡辺政務次官から率直な印象をお聞かせいただきたいと思います。  それから次の問題は、仮工事ということでやりますけれども、河川の場合は地元の要求も多いのでありますが、応急本工事をやっていただきたい、こういう声がたいへん強いのであります。これをひとつお願いをしたいと思うのでありますがいかがかということであります。  それから、河川の問題について稲富委員からございましたが、矢部川なり、巨瀬川の本流の筑後川は筑紫次郎といいまして、これは直轄河川でありますけれども、その支流である巨瀬川は直轄でない。やはり河川を一体として把握していくことが災害を防除するゆえんでありますから、そういう河川の重要な支流、支派川というものは、これはやはりある程度までは直轄でやっていかなければ河川を守ることができないのではないかと思います。  それからもう一つの矢部川というのは、実は筑後地域一体というものをかんがいしている非常に重要な河川であります。勾配からいきますと日本三急流の一つであります球磨川以上の勾配があるわけであります。ですから、昔から有馬藩と立花藩が左岸と右岸で水争いをやったという歴史がいまでも歴然として残っておる非常に重要な川であります。長さは七十キロぐらいでありますが、上流にはダムも一つできたわけでありますけれども、これはやはりその重要度からいっても河川法の趣旨からいっても、即時に直轄河川にすべきであると、私も稲富委員と同様に痛感をいたしております。これについて先ほどもお答えがありましたが、どうもはっきりいたしませんので、はっきりとしたお答えをいただきたい、こう思います。  それから、感じたのでありますけれども、山門郡の瀬高町の水害というのは、四門ある水門の一門が閉じられなかった、ふさぐことができなかったのであります。現地でお聞きしますと、豪雨がありますとその水門を締めるチャンスというのは前後三十分しかないというのであります。三十分早ければ被害が起こらぬ。三十分おくれればもうその樋門を締めることができないということであります。いわゆる水圧が川のほうからかかったりこちらからかかったりするわけですから、そういうことでわずか三十分で災害が防げるか防げないかということは、もうすべてそのときの判断、結果にまつこと以外にないということを痛感いたしました。そこであそこの地形から考えまして、いわゆる矢部川本流、その支流である飯江川に囲まれた三角地帯でございます。ですから、これは三十分を争う水門による自然排水だけではなくて、私はやはり強制排水ということが必要ではないかと思う。したがって、地元も言っておりましたように、内水排除のためのポンプ施設というものがぜひ必要ではないか、こういうふうに私は痛感いたしました。地元の町長さんも、血の叫びとして調査団に言っておりました。これについてどうお思いなのか、ひとつお聞きしたいと思います。  もう一つ、これは通産省の関係もあるかと思うのでありますけれども、地元の町長から災害防除の有効な一手段として、河川からの砂利等の採取については、管理者が許可権を持っておるのでありますけれども、関係市町村長の了承を得るようにしてほしいという強い要望がありました。ですから、ひとつ法律の中で、管理者である知事なり、あるいは直轄河川の場合は建設大臣でありますが、関係市町村長の意見を聞いて、砂利業者についての許可を与えるか取り消すか、こういうことをひとつやっていただきたいと思うのであります。  最後に、自治省の先ほどの答弁で、災害等に対しては特別交付税等でルールらしいものがある、こういうようなおことばでありました。らしいなんということはけしからぬのであって、これをやはりぴしゃっとルールに乗せてやらなければ地元のほうでは災害対策ができませんし、工事もできませんし、また安心してやっていくことができない、計画的に工事を進めていくこともできない、こういうことになろうかと思うので、そのルールはこういうものであるということをひとつお示しいただきたい、こう思います。  以上です。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 第一に、長期予報を慎重にしろという御意見でございましたが、気象庁の者がおりませんが、この趣旨につきましては関係者のほうへよく伝えたいと存じます。  それから第二に、激甚災害の基準の問題でございますが、実はこの点各方面からの御要望がございましたので、昨年の十一月二十二日に中央防災会議におきまして、局地激甚災害の指定基準というものを大幅にアップいたしておるのでありまして、今日この上げました基準を適用しておりますので、実情には大体合っているのじゃないかと私ども考えておりまするが、御意見がありまするので、将来の問題としてこの点は研究させていただきたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○渡辺政府委員 お答えいたします。  ただいまの災害の各種日別にやっていることについてはどうかということでございますが、昨年局地激甚制度が御協力によりましてできましたので、これによってある程度救済されるであろうと私は思ってはおります。ただ、災害はケース・バイ・ケースで非常に事情が違っておるわけでございますから、そういう実情にかんがみまして、さらに今後検討する必要があろうというふうに考えております。  それから、本工事を早くやれということにつきましては、ただいまとりあえず応急工事をやっておりますが、続いてなるべく早く本工事を行ないまして、御安心いただけるようにするつもりでございます。  なお、巨瀬川等を直轄にしたらどうかということでございます。改修につきましてはすみやかにこれを進めてまいるつもりでありますが、その川自体につきまして直轄にするかどうかということにつきましては、御承知のように河川審議会等もございますから、十分検討いたしましてなるべくひとつ災害を未然に防げるようなことについて努力してまいりたいと考えております。  なお、お話しのございました飯江川の湛水排除等につきましては河川局長からお答えを申し上げます。  それから、地元の市町村長の意見を聞いて砂利等の採取は許可したほうがいいのではないかということにつきましては、ごもっともな御意見であると思いますが、今後十分検討してまいりたい、かように考えております。

坂野重信建設省河川局長

○坂野(重)政府委員 具体的な問題でございますので私のほうからお答えいたします。  問題の水門につきましては、私どもは前々から一般的に水門の操作あるいは点検等においては十分遺憾のないようにということを、事務次官通達で県のほうを指導しておったわけでございますが、問題の水門は、県がまた地元の町に管理、操作を委託しておったわけでございまして、不幸にして操作中に急に本川の水位上昇を来たしまして、そのために水門が故障を起こして閉鎖ができなかった、そのために本川の本流が逆流してきたということでございまして、そのため内水といいますか、一帯が相当なはんらんを起こしたわけでございます。この水門は非常に古い水門でございます。私どもは、古い水門につきましては逐次改築をいたしておりますので、とりあえずできれば本年度からでもこの改築に着工いたしたいということを考えております。なお、ポンプを併設するかどうかという問題につきましては、今後早急にひとつ検討いたしまして結論を出したいと思っております。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど先生申されました、基準が低いために市町村の法外負担が多いということにつきましては、これは食物の問題家屋補修の問題あるいは被服、寝具の問題、個々のいわゆる基準の改定の問題だと思います。これは前々から申し上げますように、実情に合ったようなかっこうになるべく早急に直したい、こういうふうに考えておりますので、御了承いただきたいと思います。

成田二郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、特別交付税におきましてはルールを一応やってございます。それは先生御案内とも存じますけれども、先ほど申しましたように、府県、市町村を通じまして、災害関連の復旧事業の経費、それから農地の被災面積、それから被災世帯、こういうものに一%ですか、こういうものを一応ルールとして出します。それからそれ以外にも、市町村につきましては別途先ほど申しましたように、死者の数、それから被災世帯、それから全壊、半壊等の戸数、こういうものを積算しまして、それで別途当該団体におきまして、たとえば競馬、競輪等の収益事業がございますれば、こういうものは差し引きまして適正に配付してまいる、こういうふうにいたしておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 一応御答弁いただいたわけでありますが、具体的な問題については、時間がありませんから、あらためて具体的にお伺いする機会があるかと思いますので、それに譲らせていただいて、きょうはこれで終わりたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後二時十一分散会

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