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61回国会衆議院1969/06/05

災害対策特別委員会 第6号

発言数
171
登壇者
22
会派数
3
開催日
1969/06/05

会議録

川村継義日本社会党

○川村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十四年五月の森林火事並びに降霜による災害対策について調査を進めてまいりたいと存じます。  まず、先般の岩手県等における森林火事による被害の状況及び対策の概要等について政府当局から説明を聴取いたします。松島消防庁長官。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 岩手県下に去る五月六日発生をいたしました山林火災の概況について御報告を申し上げます。  五月六日、岩手県下に発生いたしました山林火災は五件でございまして、お手元の資料にございますように、盛岡市、大野村、種市町、山形村、久慈市という五カ市町村において発生をいたしておりまして、このうち二件は山形村に発生をいたしました火災からの延焼に基づくものでございます。七日には三件が鎮火をいたしまして、それから久慈市の分は八日に鎮火をいたしましたが、山形村の分がかなり長く延焼をいたしまして、十日に至ってようやく鎮火状態に入った、こういうことでございます。なお、十日後におきましても、久慈市及び山形村において数カ所が一部再燃をいたしましたが、十三日現在になりまして全部鎮火をいたしております。  火災による被害は、山林面積にいたしまして三千六百六十ヘクタール、住家二十七むね、非住家二十二むねが焼失をいたしまして、罹災世帯は二十九世帯、罹災人員は百六十人となっております。  この山林火災につきましての消火活動の状況でございますが、地元の消防団、消防署はもとより、強風下の悪条件のもとで、自衛隊、営林署等と協力いたしまして消火活動に当たったのでございます。また、今回は初めての試みといたしまして、ヘリコプターによる空中消火も行なわれた次第でございます。  岩手県及び地元の山形村等では災害対策本部を設置いたしまして、各種の応急対策を実施いたしております。  消防庁といたしましては、調査官外二名を現地に派遣をいたしまして、火災の調査並びに消火の指導に当たらせたという次第でございます。  以上が岩手県下におきまする山林火災の概況でございます。  なお、五月十八日に発生をいたしました石川県加賀市片山津町におきます火災の状況について御報告を申し上げます。  出火をいたしました日時は五月十八日の午後一時二十分ごろでございまして、出火場所は片山津町の旅館白山荘でございます。  この火事は、おりからのフェーン現象の影響もございまして、かなり大きな大火となったわけでございますが、五月十八日の午後四時二十分には火勢制圧を一応終わりまして、六時には完全鎮火に至っております。  原因の詳細につきましては目下調査中でございます。  なお、この火災によりまして負傷者九名を出しております。この火災によって焼失いたしました家屋面積は約三万五千四百平米でございます。  この火災に際しましての消防関係の出動状況でございますが、火元でございます加賀市の消防本部、消防団はもとより、近隣の市町村からの応援も含めまして、車両五十七台、人員にいたしまして六百八十三名が出動いたしまして消火に当たっております。なお、このほかに陸上自衛隊からの協力として百五名の出動がなされております。  この火災は昼間の火災でございましたために、幸いにして人命を失うというような事態に立ち至りませんでしたが、水利が、非常に大きな湖に面しながらも不便であったということ、あるいは道路交通の事情が消防自動車の活動上非常に不便であったこと等、いろいろな問題を含んでおりますので、今後私どもといたしましてもこうした点について具体的な改善策を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 片山林野庁長官。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 ただいま消防庁のほうから御説明がございましたが、補足いたしまして若干御説明を申し上げます。  岩手県の五件の火事におきまして、特にひどかったのが先ほど御説明の山形村から発生した炭焼きの不始末から出た火事でございますが、これにつきましては、特に大規模になったことでございます関係から、初めてヘリコプターを飛ばしましてその消火に当たったわけでございます。御説明のとおり、おおむね十日に鎮火いたしまして、その後はあとの火の始末をやったわけでございます。  なお、それにつきましていろいろ対策のお話を詰めてございますが、まず森林国営保険の損害保険金の支払いでございますが、これは今月中旬ごろには可能であろうと思っております。なおまた造林に対する優遇措置ということでございますが、これも現在具体的に調査をいたしておる段階でございますけれども、ある一定規模以上に対しましては優遇の措置を従来とっております。したがいまして、今回の場合にもそれに当たるのではないかと思いますので、こういうことで対処してまいりたい。それから材の供給でございますが、これも現在準備いたしております。地元の要望に応じまして対処してまいりたい、こう思っております。それから生活資金その他のための雇用の場というものがもし地元の御要望にございますならば、当然あと片づけあるいは造林事業に必要ないろいろな事業がございますので、地元と打ち合わせながら対処してまいりたい、かように思っております。  大体その後の要望につきまして、われわれとってまいりましたのは以上でございます。     —————————————

川村継義日本社会党

○川村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は、いま御説明ありました岩手の山林火災について御質問いたしたいと思いますが、今回の岩手の山火事については、その発火の原因、それから消火の実態、防火体制、罹災者の救済等、多角的に私も検討いたしましたが、わが国の山林火災対策はほとんど満足すべきものが見当たらない、そういう感じを持ったので、これからの施設について、政策論を中心として担当各官庁から前向きの御意見を聞きたい、こういう趣旨でお聞きいたしたいと思うのです。  第一、私の調べたことから申しますと、発火の原因は全部人為的なものである。不可抗力でなくて人為的な不注意その他によるものであることが一つ。それから第二には、一度発火をしたならば自然消火を待っておるばかりだ。事実上は自然消火に期待をしているという姿であることが第二。第三には、山林火災地域は常に非常に貧しい山村で、罹災者は非常に貧しい生活でありますので、個人救済の立法が制度的に整備されていないために実態は非常に悲惨であるということ。それから第四に、山林火災の多発期間である四月、五月、六月、ここに山林火災が集中しておるのでありますけれども、これに対する特別の対策が、消防庁にしても林野庁にしても配慮がされていないということ。そういうことを考えてきましたが、ことにまた山形村の国有林からの発火でありますけれども、こういう場合について、国有林とその国有林を持っている自治体の消防あるいは防火体制というものに欠陥があるのではないか。こういうふうなことを私も多角的に検討してみましたけれども、非常に欠陥があるような感じがいたします。  それで、のどもと過ぎればということになってはいけないので、応急的な問題だけではなくて、今後の日本の国土の山林防衛というふうな立場から各関係の皆さんにお聞きいたしたい、こういうように思いますので、そのおつもりでお答えを願いたいと思うのであります。  まず、厚生省にお聞きいたしたいと思うのであります。  厚生省の関係においては、世帯更生資金貸付制度がありまして、災害救助法の適用にならない場合に、個人救済の制度としてはこれは唯一の国の救済制度といいますか、そういうものができまして、これを最大限に活用することによって個人救済のつじつまを合わせているというふうに私は見受けるのであります。これを中心にしてお聞きいたしたいと思いますが、まず第一に、一定の規模以上に災害のない場合には災害救助法が発動されない。これについて、厚生大臣は災害救助法の主管大臣でありますが、個人救済の立場から何か矛盾を感じられないかどうか、それをまずお聞きしておきたいと思う。

大和田潔厚生省社会局施設課長

○大和田説明員 お答え申し上げます。  災害の起こりました際に、災害救助法の適用は、一定の規模以上の災害にあたりまして災害救助法が適用されることになっているわけでございますが、これは災害救助法の目的からいたしまして、応急的に災害にかかった者の保護を行なうとともに、社会の秩序の保全を目的とするというようなことからいたしまして、一定規模以上の災害について国が乗り出していく、こういうたてまえで災害救助法が成り立っているわけでございます。それ以下の小さな小規模の災害につきましては、当然応急救助が行なわれるわけでございますが、これにつきましては、災害対策基本法のたてまえから、市町村等の自治体が行なうというたてまえになっているわけでございまして、そういう面で小規模災害につきましても応急的な災害救助が行なわれるというような形になるわけでございます。  なお、先生ただいまおっしゃいましたような個人救済という面につきましては、この災害救助とは別のサイドから検討しなければならないものだと思いますが、これにつきましては総理府が中心になりまして検討を行なっているところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 社会秩序その他を目的としているというので、災害救助法の本来の目的は個人救済でない。しかし一方罹災者からいえば、大規模であろうが小規模であろうが、受けた側からいえば、法のもとに平等の思想からいって、同じような国からの救済を求めるのは当然。それに対して災害対策基本法というものがあるが、これはまた基本法であって具体的な救済規定ではないわけであります。この点については総理府で答弁されておられるということでありますので、ひとつ検討している中身をお聞きしておきたい。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 お答えいたします。  ただいま厚生省の施設課長から総理府において中心となって検討している旨の発言がございましたので、その概要を御説明申し上げます。  個人災害につきましては過般からの問題でございまして、何らかの抜本的な方策を講ずる必要があるのではないかという議論が終始本国会におきまして議論されまして、私のほうといたしましても各省庁お集まり願いまして、数度にわたりまして会議を開いたのでございますが、いまだ結論が出ておりません。  現在まで政府がとっております態度と申しますものは、災害によりまして個人がこうむりました損害に対しては、現在の私有財産制度のもとにおきましては一応個人が自主的な救済につとめる、こういうたてまえになっておるわけでございます。しかしながら、災害を受けました個人の自立更生のためには、たとえば先生が例におあげになりました災害救助法とか世帯更生資金、それから住宅金融公庫によります災害復興住宅の融資、それから公営住宅の建設、租税の減免等の措置も講じておるわけでございます。しかしながらこれ以上の措置になりますというと、個人の自立救済の原則との関連等もございますので、非常に大きな問題をはらんでおるということで、基本論につきまして数回会議を開いておりますが、まだ結論には至っておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私有財産制度のもとにおいては、個人は、不可抗力で、あるいは他人の過失によってまる焼けになっても個人の責任で自立するという根本思想がある。いまその思想を発表されたが、これでは個人救済なんというのはできない。だから、やはりすなおに憲法をずっとながめて、二十九条の私的所有制と同時に、最低の文化生活を保障するという憲法の規定の、全体として憲法のコードの中でやはり個人救済の立法を総理府で速急にやるべきである。今度のような、ことに山火事の場合の罹災者というのは貧困そのものなんです。今度罹災したものの中にも生活保護世帯が数世帯ある。この火災のために永久にまた生活保護者になって立ち上がれない、そういうのが数世帯あるのです。ところが、そういう私的所有制度の中からは、個人は金もうけするのもかってだが貧乏もかってだ、貧乏の自由をそのまま認めるような思想の中で検討されては、これはなかなか結論が出ないと思う。ところが年々大きな災害がふえているものですから、そういうゆうちょうな考えでなくて、期限を区切って個人救済の立法の結論を出すべきだと思う。最高の責任者がいないのであなたには無理だと思うのですが、いまの考えでは私は結論は出ないと思う。年限を切って、一応のめどとして何年度までに結論を出すということを考えて検討されているのか。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの発言、少しきびしゅうございまして、個人救済の原則から簡単にはできないと申し上げますことを、個人救済の原則がありますのでできないというように受け取られたと思いますので、その点を再度繰り返しますけれども、現在までは個人救済の原則のもとにやってきておった。しかしながら、この問題については多くの問題があるのではないかという議論が終始展開されておりますので、もちろん総理府といたしましても、総務長官、副長官をはじめといたしまして、非常に心を痛めておりまして、何らかの方途がないものだろうか、たとえば各党からお出しいただいております災害共済制度につきましても、これは一つの救済方策ではなかろうか、こら考えられるのでございます。しかし、これにつきましても種々の問題点をはらんでおる。また先ほど先生から御質問がありました災害救助法の額の問題等の引き上げ、これも一つの方法ではなかろうかと考えるわけでございます。これ以外にも、先ほど申しましたように金融公庫の貸し付けとか、それから租税の減免とかいうようないろいろな措置もあると存じます。それからまた、これに若干関連いたしますが、昨年改正をいたしました局地激甚地帯に対します法律の適用の問題がございますが、これによりまして、激甚災害がありました農地等につきまして若干の個人救済的な色を加えたのではなかろうか、こういうように私は考えている次第でございます。  ただいま先生から最後に御質問がございました、いつまでにめどをつけてやるかということでございますけれども、これにつきましては相当大きな問題で、先ほど申しましたように、あくまで私有財産制度のもとにおきます災害対策と申しますものは、その原則との関係をどう調和し、どう持っていくか、どのようにしていくかという施策の問題でございますので、研究はしておるのでございますが、何ぶんにもここにおきまして適切なことを申し上げることはできないというような現状でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは大問題なので問題提起にとどめます。  そこで委員長にお願いしておきたいと思いますが、これは制度的な大問題と思うので、災害特別委員会で、ひとつ総理府の思想変更も含んで、こういう個人救済についての制度的なものの結論を促進するようにお願いいたしたいと思うのです。何となれば、一定の規模以上は罹災者は手厚い恩恵を受けて、こういう小規模のときは恩恵を受けないということは、やはり憲法の思想からいっても、法のもとに差別待遇をしていることになるのだし、どこか憲法の解釈の中で解決できる正当な解釈論は出るはずである。私的所有ということだけに偏見を持ったこの発想でおれば私は結論は出ないと思うので、問題提起をいたしまして、委員長のほうから総理府に、もっと偏見を持たないで個人救済の制度の完成を要望されることをお願いしておきたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員長 承知いたしました。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 次に厚生省に戻りますが、とりあえず微温的であるけれども、そういう場合に世帯更生資金制度が要綱行政として、法律に根拠を持たないで応急の罹災措置をおとりになっておることを、私も調べて確認をいたしました。しかし、その制度の中に非常に矛盾があるということを私は発見をいたしましたのでお聞きいたしたいと思うのですが、厚生省の世帯更生資金貸付制度については、最後に災害援護資金というのがございます。これは貸し付け限度が十五万円以内である。ところがその他の一般の更生のための、焼け出されたわけでもない、ただ資金が足らない一般市民に対する更生資金についても、生業費は十五万、それから住宅関係の改修費でも二十万の最高限がある。まる焼けになった者に対しては最高限は十五万である。このことにまず非常に矛盾があると同時に、据え置き期間においても、焼け出された者、そうでない者、同じように一年以内である。利子についても同じように利子三分である。償還期限についても同じように、大体六年、八年のものと六年である。焼け出されないで、普通の、これから商業に転換するために資金を厚生省から借りようという者、いまのように山林火災で、しかも国有林から自分の過失でなくて発火をされて焼け出された者、しかも非常に困窮な状態にあり、焼け出された世帯は八割は出かせぎである。京浜地方に働きに行っておるうちに家が焼かれておった、そういう悲惨な者に対して災害援護資金を出すのに最高限十五万である。この世帯更生資金貸付制度は、この点において非常に矛盾撞着であると私は思う。おそらく厚生省においてもその矛盾はお気づきのことであると思うのですが、いままで実際にこの制度を運用されてきた経験からこの制度についてのお考えをお聞きして、あとでまた私は御要望したいと思うのです。

大和田潔厚生省社会局施設課長

○大和田説明員 お答え申し上げます。  災害援護資金につきましては、これが一番最後とおっしゃいましたが、実はこの制度ができましたのは三十七年でありまして、ほかの貸し付け資金よりもあとからできたので一番最後に掲げられておるということでございます。ただ、一つ申し上げておきたいことは、災害援護資金の十五万というのは、これが限度であるということではないわけでございまして、災害援護資金としては十五万でございますけれども、これにその他の資金が重複貸し付けできる。災害の場合にはその重複貸し付けができまして、最高四十五万まで借りることができる。したがいまして、こういったようなほかの資金との重複貸し付けを受けることによりまして、罹災者の更生援護にはかなり役立っておるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。また、災害援護資金につきましても、この十五万という額も、昨年十万から十五万に引き上げたということで、これに関する引き上げの努力は払ってきておるところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 災害援護資金十五万、それに住宅資金の二十万を加えその他を加えて、最高四十五万まで貸せるという、便法ですね。制度の拡張解釈をして、便法としてその矛盾をなるたけ少なくしようという努力がいま答弁ざれた中に出ておると思うのであります。その努力については私も敬意を表するわけですが、制度そのものに欠陥があるので、なおもう少し質疑を続けて改善していただきたいと思うのです。  今度の場合、かりに最高額四十五万を焼け出された農民に貸し付けをする場合、私は現地に参りましたときに、山形村の国有林で焼け出された農家の人々に一々聞きましたが、これは林野庁長官もお聞き願っておきたいのですけれども、家を建てるにはどうしても百万要るというのです。おそらくこれは常識だと思うのです。製材については十五万、トタン十四万、大工さんの賃金二十万、建具を含んで大体最低百万円。東京で家を建てれば数百万円要るわけですから、それはうそではないと思うのです。かりに四十五万というとその半分である。したがって、貯金とかあるいは共済とかいうものでできる者もあり、全然無資力でどうにもならない者もありますが、しかし家を一応建てる以上は百万は要る。それが一つ問題がある。  それは別にして、かりに四十五万としたときに、焼け出された貧農の人が、この世帯更生資金貸付制度によりますと利子が三分である。したがって年間には、三分ですから一万五千円ですかの利子を払うことになる。一年据え置きで、二年目から六カ年の間に元本償還をしていかなければならない。そうすると二年目からこれを償還するのは年何ぼになりますかな——三、四万になりますか。そうすると合わせて年六万から七万くらいいつも支払っていかなければならない。焼け出された者が二年後からそういう金を返すということはとうてい不可能である。かりに百万の場合に十万程度、家財道具全部焼け出された農民が二年目から毎年十万ほど、このお金を借りたあと支払っていかなければならない、六カ年償還ですから。これは不可能なんです。できっこない。それを考えますと、この災害援護資金は焼け出されない普通の状態において借りた者と同じ、いわゆる償還期限六年にしておるということ、それから同じように利子を三分にしておるということ、こういうようなことであるから非常に酷な、焼け出されたこういう罹災者に対する災害援護資金という名に値しない資金である。焼け出されない者ならばいいですよ。だから私は非常に矛盾撞着を感じて、今度の農山村の、収入の六割を出かせぎで補っておるこの農家に対しては不可能な貸し付け条件であるということを痛感をしたわけです。  それを考えてみましたときに、私からいえば、こういう罹災者に対してはできれば無利子にしてやる。その無利子ができなければ、据え置き期間一年という、一年だけ無利子という制度ですが、この者に対しては少なくとも据え置き期間三年にして、三年間は無利子にする。償還期限は少なくとも十年以上、そういうことでないと私は罹災援護資金に値しないものだと思うのです。ぜひこれを改正するということを具体的に御返答願わないと、この人たちに対する貸し付け制度はあるけれども、借りたあと二年目から十万も支払っていかなければならぬとなれば、妻子を養うだけで精一ぱいで、六カ月も家を離れて京浜地方に出かせぎをして、そして先般のように災害にあって死んでいく人もたくさんあるのでありますから、これほど酷な冷たい制度はないと私は思うのです。一般の場合を想定をした世帯更生資金貸付制度なんです。そこへつけ加えて、災害援護資金を同じ条件で加えておるところに矛盾がある。一方に国家の制度というものは、いま言ったように個人救済というものが私的所有権の矛盾の中でそのまま停とんしておるような姿でおるのではまことにいかぬ。政治としてはこれは黙って手をこまねいて見ておる問題ではないと思うのです。  大蔵省の主計官に私は来ることを要請したが来ておりますか。——だれか大蔵省来ておりますか。——あなたですか。主計官はきょうは決算委員会に行っておるそうですから、それではあなた、私の話を聞いて、主計官はそれを聞くことに約束してあるのですから、確実に伝えてもらいたいのです。この世帯更生資金貸付制度というものがこういう矛盾のままに毎年計上されておることについては、私はおそらく厚生省もこの矛盾を感じて、予算編成の場合は改正の原案をもって大蔵省に折衝するはずである。していると思う。もしそれができないならば大蔵省のこの主計官の思想も私は変えてもらわなければならぬ。明確に伝えてもらいたいです。  厚生省は、私の言うことがなるほどそのとおりだと思えば、来年度の予算で——これは制度です、応急の運用は拡張解釈でやっても、制度的に改善する決意を私は披瀝してもらいたいと思うのです。御意見をお聞きいたします。

大和田潔厚生省社会局施設課長

○大和田説明員 世帯更生資金そのものは、実は年利率三分でございますが、御承知のように他の制度よりもかなり有利な制度になっておりますし、また据え置き期間も一年までは無利子でございますが、かりに災害を受けた方々も一年間たちますれば何とか立ち直っていただけるという場合もあると思うわけでありますが……(山中(吾)委員「認識不足だ、それは都市の場合だ」と呼ぶ)ただ先生のおっしゃるようなこともよくわかりますので、なおこれにつきましては財政当局とも相談をいたしまして、十分内容改善につきまして検討させていただきたい、かように申し上げたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは厚生大臣と一問一答してやらなければならぬのですが、そんな一年たてば利子は払えるなんという思想は、これはだめですよ。大体都市のサラリーマン、十万とかあるいは七、八万以上のサラリーマンだけの話です。農山村で山火事によって罹災をしたのは困窮者ばかりです。永久に利子は払えない人間ですよ。借金を払うことが精一ぱい。大体家を建てる場合の借金は最低五十万。いま私が実態を調べたら百万円要る、一番貧しい家を建てるのに。そうすると十万ずつ払っていかなければならぬのですよ。そこへ利子をつけて、一年据え置き、六年で払えるなんというその理解は東京の役所の窓からながめた感覚であって、それは大きな間違いである。いまの検討ということだけではどうも不安定で、どうしてもこれは来年実現をはかるべき——この資金制度は通牒制度ですから、法律でないものですから、行政官の努力によって処理すべきものですから、いま一度念を押して、最大の努力を払うというくらいは決意を示しなさい。あとは大蔵省に私も努力します。きっとここにおる委員の方もこれは努力さるべき最低の政治責任だと思うので、もう一度お聞きします。

大和田潔厚生省社会局施設課長

○大和田説明員 努力をいたしたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それじゃ課長の顔をよくながめておいて、来年を期待することにしますが、大いにがんばってください。  なぜそういうことを申し上げたかというと、あなたのほうの「世帯更生資金の取扱いについて」「昭和三十七年三月三十一日 社会局発第二百三十号 各都道府県知事宛 厚生省社会局長通知」を見ますと——先ほど、限度は十五万であるけれども他の部面と重複貸し付けすることができるからという説明をされた。しかしその重複貸し付けについての注意通牒といいますか、この中には、重複貸し付けをする場合、これは文章は省きますが、「借受人の償還能力等を十分検討したうえ決定するものとする」と書いてある。そうすれば、まる焼けになったものは何の能力もないですからね。これは重複貸し付けの制限をなるたけ厳重にしなさいという通牒なんですね、これを見ると。こういう指導通牒をお出しになっておって、そうして、災害援護資金制度は十五万であるけれども他のいろいろの制度と重複して貸し付けできるのでありますからという答弁では、私は、はいそうでございますかと引き下がるわけにはいかないのですよ。あなたの指導に矛盾がある。これがあるからやはり制度的にこれを解決しなければ具体的に罷災を受けた者は救われない。だから、現に来年度にこの要望を実現する制度の改革についていま努力すると答えられたので、これは局長及び大臣に必ず伝達をされて、実現を期することを期待しておきたいと思うのであります。  これは厚生省にばかり質問すると時間が足らなくなるのですが、なお消防庁及び林野庁の長官にも認識してもらいたいので申し上げたいのですが、山火事の場合については、とにかく山村の貧困者であるという立場から、災害救助法の適用を受けない場合には、本省では、そういう小規模のときには府県及び市町村で救済をしてもらうんだ、大規模の場合については地方自治体が財政的に非常に負担が重くなるので、そのときだけは国家が手をかすんだという思想なんです。ところが、そういう山火事の起こるような市町村は貧困市町村だ。国と同じような手当てをできるだけの財政力はない。したがって見舞い金程度に終わる。岩手の場合には四千円から二万円程度の見舞い金である。それで終わりになるんです。だから、行政指導のほうで、災害救助法の適用のない場合には同程度の救済を市町村及び府県がしなければならぬという義務づけの何かがない限りは、実際問題としてやらないと同じことになる。そういう状況にあるのでありますから、そういう欠陥を補うために、災害救助法は大規模のときだけ適用するという思想ならば、適用外のときには、国が責任をもって府県、市町村に同一の救助をする義務づけ通牒でも出さぬ限りは、私は片手落ちだと思う。それをやらなければ、総理府において法制的処置をしなければこれは許されない問題だと思いますから、その点は特に皆さんに認識を深めておいてもらいたいと思います。  もう少し深めていきたいと思いますけれども、質疑者が大ぜいあるそうでありますから、次に林野庁長官にお聞きいたします。  罹災の実態について一々お聞きしておると時間がないので、端的に要望質問に入っていきたいと思いますが、今回の山林火災のうちの最大の被害地域である山形村が国有林地帯であって、その国有林の発火による災害であるので、おそらく林野庁長官としては責任を感じておられると私は思うのです。対岸の火災視はされていない、身内の過失で迷惑をかけたという責任をお持ちにならなければおかしい。また、私は社会党の議員でありまして、今度の国有林活用法案はあるいは共和製糖事件の二の舞いをするすきがまだあるし、あるいは山林所有権というものは公共性があるので、個人にやたらに開放することは国土が荒廃に帰することになり、あるいはやがてまた他のものの抵当権その他の設定によってとられていき、弊害をつくるものであることを心配して、この国有林活用法案にわれわれは反対しておる。そういうときに、岩手の山形村のような、その村の山林がほとんど国有林であるという地域においては、住民はその山をながめながら、自分の貧乏と比較して、国有林というものに対して理解を持ってない、あるいは非常に恨みを持っておる者もある。入り会い権の設定も国有林にはないのである。そして営林署の役人が官僚的であるということを含めて、この国有林の開放については別の感情があるのであります。われわれはそれに対して、市町村に対し、山林の所有権の公共性を主張して、国の全体の山林の荒廃を防ぐ意味、あるいはボスによるピンはねなどを防止するために、所有権というものはやはり国が保留して、使用権を設定し、できるだけ便宜をはかりながら、国土の保全について、われわれ、あらゆる理解のない批判に対してもそれを説得しながら反対をしているわけです。そのときに、あの国有林による火災でまる焼けになった人々に対して、せめて国有林の木材を無償で払い下げをしてもらえないかと切実に農民が営林署長に願った場合、法律上できませんと突っぱねておるような答弁を最初はしておる。それでは、私は国土を守る立場からいっても、国有林の開放を願う農民に対してじゅんじゅんと説いていかなければ、国有林を保持するという立場はなくなると思うのです。林野庁長官はそういう実態を考えたならば、一片の法律解釈によって冷酷なる答弁、取り扱いをすべきではない。それに対してはやはり血の通った実際的な取り扱いをして、そして国有林というものがあることが国土の保持になり、同時にその住民に対しても国有林というものの中で恩恵を受けているという事実をお示しにならない限りは——私は、国有林の野放図な開放は汚職のすきを与える法律の性格があるので、無条件に支持することができない立場をとっているのであります。事実そういうものが出ておるのであります。そこで私は、林野庁長官にお願いを含んであなたの努力を期待いたしたいと思います。  それは、あの山形村小国の二十数軒の八割は出かせぎの農村である。二つは生活保護世帯。今度の火災で五つの保護世帯になってしまう。そして家を建てるについて資力のない者が半分ある。これに対して、法律的にはいろいろと欠点があっても、手厚くしてやる気持ちを持って、実際上は資力のない者にはそれに応ずる措置、資力のある者にはある程度に考えながら、一つ一つの農家等に対してきめのこまかい措置、少なくとも家を建てるだけの万全の措置をおとりになるべきだと思うのですが、手厚い救済措置をされることを——おそらくだんだんとされておられると思います。そのことについて実態をお知りになっておるはずでありますから、あなたの決心をお聞きしておきたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 山村の住民の方々に安定して生活していただく、特に国有林の多い地帯において、国有林の経営から考えましてもほんとうに安定して生活していただく、これはぜひ必要なことだと私は思っております。ただ、今回の火災もそうでございますが、一般に国有林における火災の現状を見ますと、大体山に入ってきておられる方のたとえばたばこの火の不始末だとか、先生から先ほど御指摘のありましたように、一般入山者の火の不始末が原因になっておることが非常に多いわけでございます。そこで、われわれといたしましてもそういう人々に対する啓蒙、それから山に対する理解、そういうことにつとめておるわけでございますけれども、残念ながら毎年毎年発生しているということでございます。そういう民間の方々の不注意につきまして、今後ともわれわれは啓蒙をしてまいりたいと思いますが、不幸にして発生した火災に対して、それによって家が焼かれたという方に対してどうあるべきかという先生の御質問だと思います。われわれといたしましてもいまここで、先生のおっしゃるように、材木はただでやるべきだ、あるいは半額ですべきであるということは、残念ながらなかなかお答えできないわけでございます。しかし、実際お困りの実態の中では、地先の市町村を通じましていろいろ御懇談の上で、法の許す範囲でわれわれは対処してまいりたい。たとえば今回の場合におきましても、夜具、ふとん、マットレス、そういうものを被災者に対して直ちに貸付いたしております。それから、私のほうの生産は原木、丸太でございますが、もしそういうことで御必要ならそれも十分対処してまいりたい。あるいは今後の雇用あるいは出材等に対しましても、雇用の場を通して何とか安定してもらいたい、こう思っておりますけれども、ただ先ほど申し上げましたように、原木を無償あるいは半額ということはできない。しかし地元の人たちに対しまして、何とか法の許す範囲的内で対処してまいりたい、こう思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 発火の原因は個人の過失であって、営林署の経営の過失ではない。だから私はむしろ無過失責任の思想で——膨大な国有林を経営しているものですから、少なくとも国有林から発火して焼けた人に対してはそういう感覚で処理をきれる実態がないといけない。国有林を国民に理解させ、国有林というものはやはり大事なものだ、そしてそれは同時に住民の便益もはかるのだという思想、その中からまた住民を守るのだという思想を住民に植えつけるのですから、そういう高次の思想をもって処理をしてもらいたいということなんです。だから国有林個人救済内規でもつくられて、法律的に災害救助法の適用がない場合でも、ある意味において経営者ですから、大きな会社が社員の救済規程を置くと同じように、その周辺の人々に対して損害を加えたときには守ってやる、そういうものは持ってもいいのではないかとさえ思うのであります。いま長官のお答えで大体その精神はよく理解できたので、きっとそれが実際に出るということは予想できます。法律論議でないのでありますからこれ以上申し上げませんが、最大の努力をお願いしておきます。  第二に、国有林から発火して焼けた民有林が相当あります。前木を植えて数年、それが全部まる焼けになって、苗木がないので非常に困っておるということを聞いたのですが、これも法律論でなくて、全国の国有林を経営しておる林野庁長官においては、苗木は全国的に考えたならば便宜をはかってやれる余地はあると思いますが、そういうこともお考えになってはどうか。それは実態をお調べになって、出先の営林局長その他の実態に基づいてやるべきだと思うのです。そういうことも含んで復旧造林について協力をすべきだと思うのですが、いかがでしょう。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 苗木の問題につきましては林野庁といたしましても、国有林ばかりでなしに、国有林、民有林を通じましてその需給調整というものに当たっておるわけでございます。大体県を単位としてやっておりますけれども、先生御指摘の、県で足りない場合においては、あまり遠方ですと苗木の性格上、土地柄上だめなわけでございますが、一定の地域の限界がございまして、その限界の中で需給調整をはかってまいっております。したがいまして、今回のように特に山火事が起きた場合には、その旨も含めて需給調整をはかって、そういう不円滑でないような指導をしてまいりたい、かように思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 次に、罹災者がこの機会に放牧の共同営農計画でも立てて、国有林に対して放牧地に活用させてほしいというふうな具体的な営農計画を立てて要望したときには、焼けた国有林に再植林するよりも、放牧地に一部することによってまた防火地帯にもなるのだし、そういうものも含んで協力をされることはまた一つの考えだと思うのですが、これもぜひしてやっていってはどうかと思うのです。それはいかがでしょう。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 先ほど申し上げましたように、生活資金としての対処のためには国有林の事業として雇用をしてまいるということでございます。いまの先生の放牧地としての活用いかんということでございますが、これは関係官庁もございますが、私たちとしては、一時的のものじゃなしに、やはり土地の利用の合理化上それが非常にいいことだということも含めまして、地元の要望を聞きながらそういう観点から対処してまいったらどうか、こういうふうに考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それから、今度の火災によって私知ったのですが、国有林にかけつけ手当というのがあるのですね。それが一日百円くらいですか、非常に私は少ないと思うのです。村その他において、あそこに動員をするのについては大体八百円を出しておる。それから営林署のほらではまた特別の、いろいろの口実をつくって、出動するために実質上手当を出して苦心をしておるようでありますが、こういう火災の場合について、ことにあの地域、山林の焼ける地域というものは過疎地帯であってほとんど人手がない。隣村地帯から集めないとどうにもならない状況にあるので、こういう非常時の場合の手当制度については実態に即するように処理をしてやるべきだと思うのですが、それも検討さるべき当然の事項だと私は思う。これは検討されてしかるべきだと思うのですが、いかがでしょう。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 いまのかけつけ手当の問題でございますが、確かに国有林といたしましては百円ないし三百円ということで一応きめております。しかし、この趣旨は、従来からのずっとしきたりでございますけれども、山火事が起きた場合に地元の人が出てくる、その場合にはほんとうに好意的に出動されておる、その実態に対しましてお礼の意味で実はやっておった、寸志の意味でやっておったというのが実態でございます。しかし最近のように、何と申しますか、非常に人も少なくなっておる、器具も非常に不十分であるというときには、むしろ好意で出てくる以外に、積極的にお願いしてもこれは来てもらわなければならぬ。今回もそういう意味で遠方からの応援を願った経緯もございます。したがいまして、単なるかけつけ手当、お礼の意味、御好意に対する寸志の意味で出しておったということばかりでなしに、やはりかけつけ手当全体の問題として、今後、諸情勢が変わっておりますから検討してまいりたい。しかし従来のいきさつはそういうことであったということで御理解いただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いままでは手当じゃなくてお礼という意味ですが、もう制度化しないとどうにもならぬ段階だと思うので、そういうお考えのようでありますから制度的にやはり定着をさして、ああいうときの動員がスムーズにできるようにしてもらいたいと思うのです。  委員長から盛んに督促がございますのでかけ足でやりますが、ぜひ聞きたいことはやはりひとつ聞かしていただきたい。  次に消防庁長官にお聞きします。  この消防庁からいただいた資料によりますと、昭和三十三年から四十二年に至る林野火災の状況を見ますと、年々火災が倍増してきておる。出火件数からいったならば三倍、それから焼損面積からいったら二・五倍、損害見積もり額からいうと六倍になる。年々林野火災というものが倍増しつつある。国の消防の政策というのは都市中心であり、案外国土の保全と結びついた林野の火災については手抜かりで、ほとんど対策がないと私は見受けられるのであります。そこで、これはひとつ消防行政としてはこの機会に——岩手県の問題だけで私論議していないのです、日本全体の消防体制の中で、林野の火災に対する対策というものを根本的に立て直すべきであると思うのですが、これはいかがでしょう。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 御指摘のとおり、最近林野火災が年々増加の傾向にございます。この点につきましては私どもも深く留意をしておるところでございます。今回の岩手県の火災だけの問題でなくて、むしろ私どもとして問題にいたしておりますのは、このように年々増加の傾向にあるという事実のほうが重大な問題であるというように考えているわけでございます。そこでこの対策のためには、従来からもその出火原因の大部分というのが、先ほど先生から御指摘のございましたように、たばこの火の不始末あるいはたき火とか火入れ等、人為的な原因によって起こることが多いわけでございますので、何と申しましても第一次的には出火防止対策を講ずる必要があるということで、林野庁とも御相談をいたしまして、本年度から火災予防週間というような場合には林野火災も対象に入れてPR活動等もいたしてきております。また林野庁も昨年来林野火災対策研究会というようなものをつくりまして、この林野火災対策の抜本的な対策について検討を続けてきたわけでございます。しかし何と申しましても非常に地理的条件の悪いところに発生をする、しかも大体気象条件も非常に悪い時期に発生しやすいということから、消火活動もなかなか思うようにいかないわけでございまして、雨の降るのを待つ、極端にいいますと御承知のような場合が過去においては多かったように考えます。  そこで、一方においては出火防止対策についてもっと強力な手を考えると同時に、やはり消防体制、消防器材の問題というものも、新しい時代の技術開発等の面も考えながら整備をしていく必要があるというふうに深く感じている次第でございます。そうしたことから、今回消防審議会に対しまして林野火災対策についての抜本的な対策について諮問をいたしたような次第でございまして、そこで根本的な検討もいたし、従来もやってまいったのでありますが、さらにその答申を得まして進めてまいりたいと考えております。  たとえば、出火防止の対策として、いままでは主として火事を出さないようにという面から、たばこの始末とかあるいはたき火の問題とかいうこともやってまいりましたけれども、この前の審議会の御意見でも、現在人手不足とかいろいろな事情が伴って、もちろん入山者がふえたということもございますが、他面において山自体が燃えやすい状態になっている。たとえば人手が足りないために草も十分刈っていない、それが火がつきやすい条件になる。あるいは枝を打ちおろしたのも、昔は燃料に全部整理をしたのが、最近、奥羽地方はどうか知りませんが、関西方面の方の御意見では、そのままにして山林にほうってある、それが火のつきやすい原因になっているというようなことの御指摘がございますので、そういった面も含めた出火防止対策というようなものも考えてまいりたい、かように考えている次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 発火の原因については、私は文部省に来てもらって、社会教育、学校教育の協力について質問をしようと思っておった。とにかく林野の火災というものはこの十年間に、あなたのほうからいただいた統計によっても倍増、三倍、四倍になっている。それに対して対策というものがどうも見られないのでいま質問を申し上げたのですが、これはいまの器材の問題もあると思うが、抜本的に御検討願う段階に来ていると思う。ことに平和憲法のもとでありますから、国土を火災その他から守るということは、私はある意味において、広い意味の、私らの主張からいえば、武力を持たない防衛体制だと思う。そのぐらいの規模を持って、都市における人命を守ると同時に、国土全体を空から守るという体制、平和意識に結びついた国土を守るという、そういう思想があって初めて私は日本の道が開けると思っているのですから、大きく考えて抜本的な対策をお立て願いたいと思う。  教育関係については、私らも一方で質問しながら教育していきたいと思います。  そこで、いまお話しになった一部でありますが、四月、五月、あるいは三月も含んで、異常乾燥地帯で——あなたのほうからいただいた統計を見ましても、大体一年間の山林火災の三分の二は三、四、五月なんです。ことに最近レクリエーションその他もあり、山菜取りその他も含んで山に入る者が、これもおそらく十年間に何倍か多くなっていると思うのです。そこでこの二、三月を特にある意味においては火入れの届け出を厳重にする、あるいは啓蒙運動も含んで、あるいは必要なら森林法の改正も含んで、この期間さえ防止をすれば三分の一に防ぐことができるということは統計に出ておるわけです。その点の検討をされるべきであると思うのですが、それはいかがでしょうか。答弁は簡単でけっこうです。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 御指摘のとおり、山林火災の発生時期というものは、地域的には多少異なりますけれども、大体二月から五月までの間が非常に多いわけでございますので、この期間におきます警戒体制といいますか、巡視、あるいは火入れの規制というようなものについては今後十分検討し、また強力に進めていきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それから、今度初めての経験だそうですが、空中消火ですか、ヘリコプターが出動して相当効果をあげた。ああいう不便な地域であり、山火事の場合は空からの消火ということがやはり最大だと思うのです。山火事に対する科学的な消火として、ヘリコプターを利用して空から消火するという体制はやはり一番大事だと思うのでありますが、それについて御検討される意思がありますか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 空中消火につきましては、当庁の消防研究所におきましても数年来研究を続けてきております。これはもちろん単に山火事だけを対象にした研究ではございませんでしたけれども、消火方法等について、あるいは消火技術等についても研究を続けてきたわけでございます。御指摘のとおり、山火事の場合は非常に地理的にも不便なところに起きますので、人の移動あるいは器材の移動というようなものも思うにまかせませんので、やはりそこは障害の少ない空中からの消火というようなものが必要であろうというふうに考えられると思うのでございます。  ただ現在の段階では、気流の関係等が山に入りますと非常に悪くなるというようなことから、ヘリコプターとしてどの程度使い得るかという問題も場所によっては起こり得ると思いますし、また投下方法としてはどういうものが一番効果的か、投下する薬剤というようなものはどんなものが一番有効であるかというような問題もいろいろございます。私ども従来のヘリコプターによる投下の研究等の結果を見ましても、結局ある程度量を多くしてまいりませんと、一たんはとまったように見えましてもすぐ盛り返してくるということもございます。特に山林火災の場合は火線が非常に長くなりますので、そこに相当量の投下を続けてやっていかなければならないという問題がございます。そうなりますと、そこに動員し得るヘリコプターなり、その動員体制というものをどういうふうに進めていくかという非常にむずかしい問題でございます。そういった問題も含めまして、私どもとしてはぜひ何らかの形で今回の教訓を生かすようにしていきたいと考えております。今回はたまたま営林署のほうでおやりいただいたわけでございますが、これを自治体でやるということになりますと、財政的な問題あるいは常時の整備体制の問題、いろいろなむずかしい問題がありますので、そういった点を今後検討していきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は一つ提案をしたいと思いますが、空中消火の場合、消火剤の散布、これは、風速二十メートルのところで山林火災があって、何千町歩が瞬間に焼き払われるようなところだから私はどうかと思うのです。何か消火弾を下に落としてその消火液が爆発するというかっこうのものなら、私は風速二十メートルという場合でも有効なものになると思うのですが、そういうようなもっと具体的な研究をされていくことが非常に大事ではないか。便法的に考えないで、もっと具体的に研究してもらいたい。  なぜ私がそう言うのかというと、これもあなた方からいただいた資料によるのですが、空中消火に関する研究費、これも実態は地震火災対策ですが、昭和三十九年の研究費の予算は百二十一万、四十年は七十二万、四十一年は六十四万、四十二年は九十七万、四十三年は六十五万、こんなちっぽけな研究費では私はできっこないと思う。研究はしていない。しているというのはうそだと思うのです。もっと本格的に——ヘリコプターを用いて空中消火の実験を日本の国で有史以来初めてしたのですから、もう一歩進めて消火弾なども研究をして、そうしてできるだけ、一度火がつけば必ず何千町歩焼けるという、そういう火災にならぬように具体的な検討をお願いしたいと思いますが、いいですか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 私どもも御指摘のような研究をいたしてまいりたいと思いますが、ただ、いま御指摘のございました予算は、三十九年千二百十五万円、四十年七百二十七万円、四十一年六百四十四万円、四十二年九百七十四万円、四十三年六百五十五万円で、これは万円単位で資料をつくってございますので、それをお含みいただきたいと思います。  なお、ヘリコプターの利用につきましては、直接消火のほかに偵察、指揮の空中からの問題あるいは消防用器材を運搬するという場合に使うというようなものもあわせて研究をいたしてまいりたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 万円単位ですか。研究に関する予算は上が千円単位で書いてあって下が万円単位にしてあるから間違うのであって、どっちも千円単位なら千円単位、万円単位なら万円単価にしておいてもらわないと困る。  いずれにしても、基本的にいま私は提案を含めて申し上げたので、速急にそういう空中消火体制を実現してもらいたいと思います。  次に、時間がありませんので一言ずつ、おいで願った方々に結論的な質問をいたします。  今度の山林火災についての応急費及び復旧費については、当然特別交付税はお考え願っていると思いますが、山形村では、聞くところによると大体一千万円くらい支出している、ああいう貧乏な村で。そこで、そういうものを含めて特別交付税の配慮をされるということをひとつ明確にしておいていただきたい。

山本成美自治省財政局地方債課長

○山本説明員 山林火災の場合の特別交付税でございますが、公共土木の災害は非常にたくさん出ておりますが、これは風水害のような場合と性質が若干変わっております。そういうようなものを反映いたしまして、勢い結論的には大きな金額にはならないようでございますが、一世帯初年度二万円、それから次年度になりますと一世帯一万円、かようなことで計算して山形村へ交付する、かようなことにいたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうしますと二十七、八軒だから五、六十万円ですが、そんなものしかないのですか。村の罹災に対して、あるいは府県、市町村の支出の実績に応じて交付してやるのじゃないのですか。

山本成美自治省財政局地方債課長

○山本説明員 交付税の性格といたしましてある程度標準的なものを基準としてつくっているわけでございますが、この私の申し上げた数字につきましても、過去におきます実績とそれから決算の状況から年々こういうふうなものをつくりまして、改定、改善をしながら進んできた結果でございます。  なお、山形村は御承知のように、先生も御指摘になりましたような非常に財政的にも困窮して、決して裕福ではございません。そういうふうな意味で、決算の時期が近づきまして、もし大きな赤字が出るとか、あるいは困窮した状態があるとすれば、それはそのときの決算のしかたの問題として、自治省としても特別交付税のほうでいろんな方法を講じなければなるまい、かように考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ところで文部省来ていますか。——だれが来ていますか。

川村継義日本社会党

○川村委員長 教育施設部長、それから学校給食課長、教科書管理課長。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは一問一答でずばっと答えていただいて終わりますから……。  罹災者の生徒に対して、いま教科書無償制度であるのに、罹災で教科書が焼けた場合には、二回目は有償になっておるそうですが、そんなけちくさいことをしないで、そんなときは全部無償でするという、いわゆる教科書無償制度を災害にも及ぼして、制度的にも明確にしてやるべきだと思う。それはいかがです。

塩津有彦文部省初等中等教育局教科書管理課長

○塩津説明員 今回の災害につきましては無償法が適用されない場合で、一定の災害の場合は、教科書協会という社団法人がございまして、そちらから教科書が無償で給付される仕組みになっております。今回の災害の場合は、五月九日に三百七十六冊ばかり、申請に基づきまして供給を完了しております。これは有償でやっております。教科書の場合は紛失、汚損等がなかなかしやすいものでございますので、どういう原因の場合にたとえば国とか市町村とか教科書会社とか、どういう主体がどのように措置すべきかということはなかなかむずかしい問題でございまして、先生のおっしゃることはよくわかるのでございますが、非常に困難なものがございまして、現在のところはこういう仕組みで供給をするようにしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それはやっぱり災害救助法が適用されないからだね。

塩津有彦文部省初等中等教育局教科書管理課長

○塩津説明員 そうでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 よく聞いておいてくださいよ。教科書無償制度というのはわれわれ非常に苦心してできたもので、単に無償というのではなくて、子供に対する思想というものも含んでこの制度はできているのですよ。災害救助法で一定の基準を越えたものは無償になり、二十数軒だけ焼けてその村の生徒数の何%以下だから無償じゃない。有償で買えなんて、これは文教政策としてはとうてい忍び得ざる矛盾なんです。もう少しあなたは聞いていて、うちへ帰ってえらい人にこらこうと話をして……。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 ただいま先生からそういう意味で怠慢ではないかという御指摘も受けたわけでございますが、御存じのように、総理府におきまして所管をいたしておりますのは中央防災会議の仕事でございまして、中央防災会議は各省より成立しております。でございますから、私、はなはだ潜越でございますが、ただいまいろいろ申し上げました事項につきましては、中央防災会議におきまして各省大臣、ざらに個人災害対策につきましては、総理府におきまして協議をなしております相手方というのが、大蔵省も含みますし厚生省も含みますし自治省も入っております。そのようないろいろな官庁がありますから、方々の他官庁につきましても十分先生の御趣旨をお伝えいたしまして、本問題を研究してまいりたい、こう考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これはさらに聞いておいてもらいたいのですが、学校の場合も、その村の学校の三分の一以上まる焼けにならなければ災害救助法の適用を受けない。したがって、たとえば山形村に十数校ある学校が一度に五校ぐらい焼けないと災害救助法の適用を受けないのです。それが一校焼けたら二千万、三千万の膨大な財政的負担を受けなければならぬのです。今度は焼けなかったからいいですよ。前の場合、田老町で焼けたので非常に困ったことがあるのですが、こういう矛盾もある。一校焼けた場合は災害救助法の対象にならぬ。数校焼けなければだめだ。少し焼けかけたらもっと焼けるのを期待するところさえもある。そういう災害救助法の矛盾があるのですが、文部省のほうでもその矛盾を感ぜられておると思うのです。総理府もいろいろの関係と協議をして、こういう矛盾をなくするために、それは改善の努力を示す必要があると思うのですが、菅野施設部長にお聞きをしたい。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○菅野説明員 ただいまの御質問の趣旨について、やはり研究すべき点はあると思っております。ただ現在の状況におきましては、御案内のように災害救助法自体は、都道府県知事が政令で定める規模できめるということになっておりまして、その災害にかかった者の保護と社会の秩序保全というものが目的になっておりますので、住民の被害と関係なく学校だけが単独に別に燃えた場合どうするかというような場合にはまた問題があろうかと思うのですが、通常の場合にはやはり学校単独ではなく、学校の周辺の住民その他の被害も起こるであろう、通常の場合には学校単独にあるということはむしろ少ないであろうというような考えに立っておるわけです。建築施設関係だけから考えますれば、建物の災害復旧につきましてはやはりその火災復旧の保険その他のこともあるというようなことで、直接建物自体と災害救助法自体との結びつきはなかなかむずかしいという点があります。しかし御意見のこともありますので、いろいろ研究はしたいと思っておりますが、現在のところ困難な状況にあるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 時間がないので、研究するということですから別の機会にまた大いに問題を深めたいと思うのですが、さらにひとつこの機会ですから申し上げますが、ああいう山村の場合はみな木造建築のために、山で囲まれておる部落というのは山火事になりますとほとんど全村やられる場合があると思うのです。そうすると一時的に、一週間でも二週間でも雨露をしのぐ場所がない。子供たちもどこにも勉強をする場所がない。そこで逆に言えば、山村の場合の校舎は鉄筋コンクリートにして、不燃性の建築にすることによって、その部落、ああいうところは学校だけが残る。それが一時的に全部落の人々の避難場所になる。そうして応急の処置をして、ようやくその部落の再建をはかることができる拠点になる。ところがどらも文部省の思想は、やはりこれも大都市は鉄筋——最初は大都市しか認めなかった。むしろ逆に、そういう農山村の場合には金をかけても、三分の二の補助をしても鉄筋にして、そうしてそういう災害の場合においてはそれを——学校は運動場もあり、相当大きい建物ですから、そこを部落の再建をはかる拠点にするという考えは、これは切実なものですね。そういう意味において、こういう山間僻地で火災の多いような地点も、そういう特殊な事情に基づいて、鉄筋コンクリートの校舎を特に優先的に認め、三分の二の補助、貧村ですからそういうことを考えてやることが私は血の通った、現実に即した政策だと思うのです。それについてはいかがでしょうか。

菅野誠文部省管理局教育施設部長

○菅野説明員 ごもっともでございます。それで校舎の復旧につきましては御案内のように、やはり災害の対象になります場合には公立学校施設災害復旧費国庫負担法の規定によりまして三分の二の負担ができるわけであります。その場合にやはり山村であっても鉄筋校舎を建てるべきじゃないか、むしろそういうところには奨励すべきじゃないかといろ御意見でございますが、非常にごもっともでございます。私どものほうでも前から、災害の場合にはやはり鉄筋の校舎が——火事ばかりでございませんで、やはり地震でありますとかあるいは水害、風害、いずれの場合にも鉄筋校舎が非常に災害のときの有効な施設に利用され、また実際に避難所に充てられるということも多いというようなことから、文部省としてできるだけ鉄筋校舎の普及あるいは実施を奨励してまいっております。そういう関係から、できるだけそのように復旧についても御協力いたしたいと思うわけでございますが、これはやはり設置者の意思によってその構造の種別を選定して希望し申請されるのをたてまえにいたしておりますので、文部省から鉄筋でなければだめだぞというようなことはいわれませんけれども、設置者のほうがそのように、鉄筋のほうがここには非常にいいのだ、なるべく鉄筋にしたいのだということから、いまおっしゃるような趣旨で設置者が鉄筋校舎の申請をいたすという場合に、できるだけその線に沿って努力し、いままでも山村で鉄筋を建てた例もございますので、できるだけそのように努力いたしたいと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体同じような思想ですからさらに進めていただきたいと思います。木造で学校を建てると同じ支出で村では鉄筋を建てられるという政策を立ててやればできるのですから、その地域の総合的なことを考えてみますと。鉄筋のほうが負担は多くなるということだから、貧乏な村ではやむを得ず木造にというようなことなので、補助の率その他の考え方は木造を建てると同じ負担で鉄筋が建てられるという、そういう実態を見た政策を検討していただきたい。大蔵省、聞いてましたね。そういうふうに検討してくださいね。  気象庁その他にお聞きしたいことがありましたが、盛んに督促をされておりますので、以上で私の質問を終わります。(拍手)

川村継義日本社会党

○川村委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 気象庁にお尋ねしますが、この山林火災についての気象条件、当時は、五月六日から五月の九日、この前後は非常に異常乾燥が続いておりまして、山林火災等々発生の条件を備えておったということで、各気象台から予報が出ておりましたが、それに対してはどのような実態であったのか、まずお聞きしたいと思います。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 大野主任予報宮が参っておりますので、大野主任予報官からお答えいたさせます。

大野義輝気象庁予報部予報課主任予報官

○大野説明員 当日の気象状況を申し上げます。  四月の中ごろから日本全般にわたりまして高気圧におおわれまして、各地とも降水量が非常に少なかった、こういうふうな気象条件がございます。その後、五日ごろ大陸方面に優勢な低気圧があらわれまして、五日から六日、特に六日を中心に日本海を通過した、こういうふうなことから日本全般に南西の風が非常に強まりました。六日の三時現在では、正午ごろでございますけれども、東北地方を通過して、その寒冷前線は太平洋岸に抜けた。このような前線の影響で、岩手県方面は六日の早朝あたりから南風が強まり、前線の通過後は北西の風が強く吹いた。以上のような状況から降水量が比較的少なく、また乾燥していたために各地で山林火災が発生した。こういうことがごく大ざっぱな状況でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その気象の、ことでございますが、観測体制の強化ということがこの委員会でもあらゆる災害のたびに要請されておる。当然この気象観測というものは、国民の生命、財産、また国土の防災等について非常に大事なかぎを握っておりますが、最近聞くところによると、これは当面の問題には関係しませんが、大阪管区気象台の観測等について、公務員定員の削減に関連してだと思うのですが、気象観測員を減らす、またその観測体制の数を減らす、こういうことがいわれておりますけれども、こういう森林火災や、またこれから夏から秋にかけて台風常襲地帯にあるわが国の気象観測体制というものは一体全うできるのかどうか、私どもは非常に危倶を感じておりますので、まずこの気象観測員の縮小並びに観測体制の縮小、これについてのお考えを承りたいと思います。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 御存じのとおり大阪では確かに二十四回観測を八回観測まで落としました。先生おっしゃるとおり定員削減の関連での一環の作業ではあります。ただ、常時隔測装置によりまして観測結果というものが観測員に把握できる体制は十分確保いたしておりますし、昼夜を分かたず二名の観測員がそういった意味で常時監視体制に入っておりますし、あらゆる異常気象現象に対しも十分対処し得るという判断のもとに、したがいましてことばをかえますと、そのために私どもやっております防災気象業務の弱体化あるいは大阪付近の皆さまに対する気象サービスの低下というものはないと一応考えてそういう措置に踏み切ったわけでございます。  観測体制の強化そのことは、全く私どもも同じような考えでございまして、今後とも観測機器の近代化あるいは観測網をより合理的に密度高く展開する等のことによりまして、十分観測体制の強化をほかっていきたいと思っておりますけれども、何せ実は気象庁は御存じのとおり、歴史的に沿革的に申し上げますと、中央の気象台だけがいわば政府管掌の気象台で、その他の地方の気象台は地方公共団体にまかされておったというのが戦前の姿でございまして、戦後気象庁として発足いたしました場合に、それをそのままの形で実は一緒くたにしております。そして実は、非常にことばが悪くなるかもしれませんが、いわば一種の積み木細工のようなかっこうでの業務の積み重ねといったような分野も確かにございます。いまそういう意味では、ほんとうの意味の全国的にあらゆる官署でどういうふうに観測回数というものがあるべきか、あるいはどういうふうに観測網が展開さるべきかというようなことも、全般的にあわせて検討しなければならない時期に参っているかと思います。この定員削減を機会にいたしまして、そういう意味で私ども気象庁の業務の合理化をはかり、その上でなお必要な要員の確保ということについては、別途いろいろ予算要求等で十分鋭意努力していきたいという所存でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そのお答えに対して、労働組合等が、気象観測に対して責任を負えないとか、また重大な災害に対してわれわれの任務を遂行するための万全の対策がとり得ないというようなチラシまたは宣伝がされておりますね。こういうことは、その是非はともかくとしても、国民に与える不安というものは非常に大きい。この前の十勝沖地震にしても、またあらゆる地震観測体制の質問のときに、あのときは総理大臣もおいでになったのだが、こういう体制に対しては強化していかなければならぬじゃないかと言ったときに、総理はすると言っている。その逆な方向に走っていく。先ほども空中散布のヘリコプターの話があったけれども、アポロ十号が月まで行く時代にいまだに消火剤が開発されないという、そういう態勢下に置かれておること自体が国民の不信を買うのですよ。だから、あなた方がいまいろいろ言った、地方公共団体と国の体制の違いとか、いろいろ不備はあります。そういう不備を改正しつつなおかつ十二分に過ぎる十二分の——こういう国民の生命、財産をつかさどっていく、また重大な影響を与える災害の観測、予報というもの、これは大事な問題だと思いますので、これに対して私どもは逆な立場から、あなた方にもっと強化してもらいたいという要請をしておるわけですよ。この点について意見が食い違ってしまったのでは議論になってしまいますので、時間がありませんからその点要請しておきます。  それで、当日の気象というものがそういう状態であることはわかりましたが、そのときに県内各地の、岩手県とか東北地方の、山火事が起きる条件を備えていた気象状態下にある炭焼きとかまたは牧草地の問題、こういう問題については林野庁とか気象庁とか消防庁、こういうところの関係——気象庁はそういう危険な炭焼きとか牧草をやっているようなところに対しては何らかの注意とか勧告とか、そういうものをしていたのですか。

大野義輝気象庁予報部予報課主任予報官

○大野説明員 具体的に岩手県について申し上げますと、一日の十時四十分ごろ異常乾燥注意報を発表いたしました。その後六日の六時五十分に、山林火災が発生したのと同時でございますが、六時五十分に強風波浪注意報に切りかえまして、それから同じく同日十三時三十分に再び異常乾燥注意報を発表した、これが気象庁の行なった予報でございます。  気象庁が発表しております各情報のうち山林火災に関係があるものといたしましては、先ほども申しました異常乾燥注意報、もう一つは火災気象通報、この二つがございます。異常乾燥注意報及び火災気象通報の基準は、災害の起こる気象条件がそれぞれ地域によって異なりますので、各気象台ごとにきめております。岩手県の場合を申し上げますと次のとおりになります。  異常乾燥注意報の基準でございますが、これは実効湿度六五%以下——実効湿度といいますのは前日、前々日、さらにその前、要するにきょうまできた湿度が上がったり下がったりいたしますが、それの効果が何%であるか、火災は主としてそういうふうな履歴によって起こりますので、そういう湿度を勘定いたします。それを実効湿度と申しまして、それが六五%以下の場合、それから最小湿度が四〇%以下の場合、風速が七メートル以上の場合、しかもその風が二時間以上も続く、こういうような場合に出されます。また、実効湿度が六〇%以下、だいぶかわいております。最小湿度が三五%以下、これもかわいております。こういうような気象状況が予想されたときに異常乾燥注意報を出すようになっております。  それから先ほど申しました火災気象通報でございますが、これは岩手県の場合第一種というのがございまして、これは条件を少しずつ変えております。申し上げますと、実効湿度が六〇形以下、最小湿度が三五%以下、こういうふうな場合に第一種と申します。第二種は、実効湿度が六五%以下、少ししめっております。最小湿度が四〇%以下、これも少ししめっております。最大風速七メートル以上が一時間以上続く、こういうふうな気象状況でございます。それから第三種と申しますのは、最大風速が十メートル、主として風速を中心としたものでございまして、これが一時間以上続くというようなものを三種といっております。  この場合、岩手県は地域が広うございますので、また地域を分けて、第一号地域と申しますと県下全般、第二号地域といいますと内陸地方、第三号地域と申しますと沿岸地方、このように三つに区分してございます。  なお、異常乾燥注意報と火災気象通報との区別でございますが、異常乾燥注意報のほうはごく一般的なもの、広く住民に伝えるためのもの、あるいは報道機関を通じて、また各官庁などに伝達されるものでございます。それから火災気象通報、これは各自治体が消防法の規定に基づいて火災警報などを出すための気象条件を気象庁から県庁に通知するものである、こういうことで連絡しております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ちょっと総理府にお尋ねをいたしますが、当日はそのあとにすぐ埼玉県の秩父の大滝村のほうに火災があったことを御存じですね。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 存じております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 こういうように一連の火災があって、秩父の場合は航空自衛隊のヘリコプターの出動を要請したわけです。ところが岩手県のほうへ出ちゃっていまないのだ、こういうことを地元では言っているのですけれども、一体航空自衛隊または普通の自衛隊の出動の埼玉県の要請に対して、それは事実であったのかどうか、ちょっとそれを関係のところにお尋ねしたいのですが……。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 ただいまの御質問でございますが、岩手県におきましての山火事につきましてはヘリコプターをチャーターしておりますけれども、たしか民間機のはずでございまして、自衛隊は出ておらないはずでございますが……。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 話が山火事のようにあちこちに飛び火してすみませんけれども、よく聞いておいていただきたいのですが、そういう理由によって埼玉県の大滝村、秩父の国立公園一帯も火事が続いて起きたわけです。こうやって連続して起きたわけですが、これは消防庁にお尋ねしますが、こういう森林火災に対して消防庁と林野庁とは一体どういう連絡体制にあるのですか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたように、最近山林火災が非常に多発する傾向にございますので、私どももその点憂慮をいたしまして、林野庁とも昨年来林野火災対策研究会というようなものをつくりまして、両庁間でいろいろ対策について打ち合わせをいたしてきております。なお、火災予防週間等に際しましても、今年度から林野庁と共同して、林野火災対策も含めて予防運動をするというような連絡をとりながらやってきておりますし、また今回、林野火災対策の根本対策について検討する必要があるということで、消防審議会に対しましてその対策について諮問をいたしておりますけれども、この審議につきましても林野庁の御参画を得まして進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 消防庁にお尋ねしますけれども、こういう過疎地帯の森林火災消防というものの唯一の消火の道は人海戦術による消防しかないわけですね。ヘリコプターをチャーターしたけれども出てこなかったとか、いろいろまだ問題が残されておりますが、そういう場合に、過疎地帯の、出かせぎに出て男の方がいないような山村地帯の消防団においては女の方がやるような場合もあるだろう。また消防団員の手も足りないような場合もあるでしょう。そういう過疎地帯における消防体制の確立というものは当面急務な問題になっておりますが、一体こういう問題については、消防庁としては今後どういう対策をとられていくのでございましょうか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 お話しのとおり、山村等におきましてはだんだん人口が減ってまいります関係上、消防団の団員を確保するということもむずかしいという状態になってきておりますことは、御指摘のとおりでございます。私どももこの機会に、消防団の組織あるいは運営の基準というようなものもあらためて検討をいたしたいと考えて、ただいまその作業を実施いたしておりますが、何と申しましても絶対数が足らないという問題につきましては、どんな基準をつくっても人が得られなければ何にもならないわけでございまして、そこのところをどう補っていくかということは、結局やはり機械化、近代化ということをあわせて進めながら問題を解決していく以外にないのではないかというふうに考えております。  したがいまして、消防器材の整備というような問題も取り上げてまいっておりますけれども、同時にたとえば、これは卑近な例ではございますが、一般の車両を運搬する車にして運べるように、消防ポンプ自動車につきましても、山村等ではなかなか金がかかってできませんので、ポンプを載っけて走る車、積載車と申しますか、そういうものに対しましても補助の道を開くというようなことで、機動性を持たせるというようなことも検討いたしておるわけでございまして、今後はそういった、一面においては山村地域等において新しく消防団の基準というものについて的確なものをつくると同時に、それを補うべく、近代化と申しますか、機械化というようなものを進めてまいりたい、かように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 消防隊出動の道路ですね。山形村から久慈市への山林火災の延焼防止のために出動しようと思ったけれども、消防ポンプの自動車も救援の自動車も通れない道路がある。そのために遠く迂回したために二時間も三時間もかかったというようなことを聞いております。こういう道路体制、車両通行可能の道路が整備されていればもっともっと早く応急の手が打てたという現地からの声があがっておりますが、これに対しては今後どのような対策を講じていかれますか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 これも林野庁ともいろいろ御相談をしてまいらなければならぬ問題でございますが、林道というようなものが整備されますならば消防活動もかなり円滑に運営できるという面もございます。また、林道そのものが防火線の役目をするという問題もございますので、山林火災対策といたしましても、そういった面も含めて整備をはかっていかなくちゃならぬというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それから、これは技術的な問題ですけれども、現在の消防ポンプとかホース、そういうものは全部都市の普通の火災を対象にしたものに設計されていると聞いております。特にいまお話がありましたように、山村地帯の場合には道も狭い、道路の運搬も困難である、こういう場合には、ホースなんかも燃えないようなホースを使うとか、それから口径も、六十ミリですか、何ミリときまっていますね、五十ミリから六十五ミリの口径より小さいものとか、そういうものの研究はされておりますか。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 私、技術的にはあまり詳しくございませんが、たとえば最近空気駆動式ポンプというようなものの開発について、消防研究所において研究を進めております。これは、通常のポンプでございますと気圧との関係から一定の高さ、水の位置とポンプの位置が七メートル以上離れると水を吸い上げることができないということになっておりますけれども、山村のような場合には深い谷から水を吸い上げるというような必要も生じてまいりますので、そこのところを解決すべく、空気駆動式ポンプと申しまして、それをある程度、三十メートルくらいまでの高さのところから吸い上げられるというような器材の開発も進めておるわけでございます。それからまた、山の中にポンプを持ち込むためには、現在のものでは積載車等でも道がなければなりませんから、たとえば分解して運べるようなポンプというものが開発できぬかというような研究もいたしておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 森林国営保険というものがございますが、これの対象が現在では人工林だけになっておりますけれども、これは天然林にもその適用がされてしかるべきであるという声がいま現地からあがっております。これに対するお考えをまずお聞きをしたいと思うのです。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 先生御指摘のとおり、国営保険につきましては人工林を主体としております。しかし、残念なことながら加入率が非常に低調でございまして、人工林につきましては三分の一くらいというのが現状でございます。  天然林についてはなぜできないのかという問題が一つございますが、これは評価が非常にむずかしいということがございます。しかし、現在火災保険につきましては、国営保険のほかに森林共済の関係がございます。それからもう一つは民間の保険がございます。この三者並立の形でいま保険を実施しておりますけれども、これらの問題については実は昨年から再検討をいたしまして、もっと新しい姿の中で森林保険を確立していったらどうかという声も世論としてございますので、ことし調査費を大蔵省からもらいまして、その準備をいたしておるわけであります。その中で天然林の問題も含めて解決いたしたい、かような考えでおります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その保険金の支払いというものは、現地の被災者の被保険者にいつごろ渡るのですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 大体調査も進みましたので、今月半ばごろにはできるかと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これはいまお話を聞きまして私もよくわかったのですが、加入者が少ない。こういう森林火災に対する防御というものが非常におくれているわが国においては、当然自衛措置としてそういう森林損害保険というもののPRをしていかなければならぬし、またいま言ったような点も研究なさって、そういう被災地に対して今後PRしていただかなければならぬと思うのですが、これに対する市町村または現地の自治体の考えはどういうようなお考えを持っていらっしゃるのですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 確かに森林の経営を安定させる意味におきましては保険がぜひ必要なわけでございます。自治体と申しますか、一応府県庁を通しましてその声を聞いております。また森林所有者からもそういう声がございます。そのような意味でこの二カ年で抜本的な姿を検討しておるわけでございまして、いずれ成案を得て出したい、こう思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 岩手県にしても埼玉県にしても、火災あと地の復旧造林ということが非常に問題になってくると思います。その場合に災害復旧造林に指定して再造林を行なうようなことをやらなければならぬと思いますが、埼玉県大滝村の場合にはどういうような経路でこれを指定していただけるのでしょうか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 造林の災害による優遇措置でございますが、これは一定の基準がございまして、一定の基準以上のものに対して優遇措置をやるわけでございます。点数加算という制度でございまして、再造林については百点、普通の場合は六十点ということでやっておるわけでございます。  そこで大滝村のことでございますが、いま調査をいたしておりまして、はたして一定基準に達しているのかどうか、これもいま検討中でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 その一定基準は非常に低いということなんですけれども、現在これをアップずる考えはないですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 これはそのつどいろいろ問題にはなるようでございますが、現段階といたしましては相当に低い基準でいまやっておりますので、先生のおっしゃる点は検討はいたしたいと思いますけれども、現段階ではなかなか困難だと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 確かに現段階では困難だ。いろいろな問題が出てくるのですね。災害になってくると一番議論の対象は、すべてそういうものがチェックされていった上で現況に合わなくなってきている点が指摘されているわけですね。先ほどの災害救助法の指定にしてもそうだと思うし、現状のいまの保険の問題にしてもそうだし、そのあと地の救済の問題にしてもそうだと思います。こういう点は非常に今後研究の課題になると思うのですが、前向きの姿勢でひとつ取り組んでいただきたい。  それから、岩手県のほうについてはそれはもう調査済みだと思いますけれども、再造林の造林補助の係数はもう一定基準に達しておるのですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 いま母体的に調査中でございますが、基準が二十ヘクタール以上の災害について適用いたすわけでございますから、岩手県の場合は大体当たる、こう思っております。詳細の書類がまだ着いておりませんが、大体当たる、こう思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 最後にちょっとお尋ねしておきたいことは、森林法の改正ということを考えられないかという声があがっておりますね。現状のままでは非常に問題がある。森林法の第二章の「営林の助長及び監督」の諸条項を再検討してはどうかという声が岩手県からあるのです。火入れ、たき火、入山等に関する規制が可能なように改正をしてもらいたい、こういう陳情が来ております。それともう一つは、森林法の罰則条項をもっと強化してもらいたい。この点についてはどのようにいまお考えになられているのか、また将来そういう問題についてどう対処なさるのですか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 森林法の改正の問題でございますけれども、現在火入れ等につきましては市町村長がそれぞれきめておるわけでございます。許可制をしいておるわけでございます。ただ、それ以上の問題につきましては、都道府県が火災予防の危害防止のための条例もまたつくり得ることにはなっております。ただその入山の禁止とかいろいろな問題、あるいは罰則の強化、この問題については、ただいたずらに罰則を強化することだけで済む問題ではございませんので、むしろもう少し徹底した認識を入山する人に与えてほしい、こういうようなことを中心にしてこれは啓蒙していくべきではないか、こういうふうに思っております。ただ制度といたしましては、先ほど申し上げました火入れについては許可制がしかれておりますし、さらに危害防止については都道府県条例でやり得ることになっております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私、時間がないのでこれで失礼させてもらわなければならないのですが、これは埼玉県の秩父の問題ですが、今度焼けたところは奥多摩の秩父国立公園の区域であります。これは貴重な更生林等の景観地帯でございまして、ここは東京都民と埼玉県民の、要するに首都圏のレジャー地帯になっている、そういう大事なところが焼けてしまったのです。こういう景観資源の保護は、国立公園の管理者としての国がこれらの防災処置を今後立てていかなければならぬと思うのですが、国立公園内でこういう火災が起きた、こういう点について国の責任もあると思うのです。こういう防災処置についてお尋ねいたしまして、非常に簡単な質問でございますが、時間の関係上失礼させていただきますが、この点だけ御答弁願いたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 大滝村の火災の原因については、はっきりしたことはわかっておりませんが、私どもが一応村から聞いておりますのは、惣小屋谷というところで魚釣りをされた方のたき火の不始末ではないかというふうに推定をされておるということでございます。これは決定的にそうだという断定は現在のところいたしかねますが、そういうような推定がされております。ということになりますと、先ほど御指摘にありましたように、国立公園とかそういう地帯にたくさんの人が入られる、そういう方の不注意が火災の原因になるということが多いわけでございまして、やはりこの問題は厚生省あるいは林野庁、私ども、相ともに、キャンパーとかあるいは登山者等に火災予防についての注意を喚起していくということについて、さらにくふうを重ねていく必要があろうというふうに考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そういう抽象的なことでは非常に困るのでありまして、その国立公園は一番首都近郊のもので、秩父両神村には今度ハイウエーが完成されたり林道が整備されたりして、非常にたくさんの人たちが自動車で来るわけでありますが、特にこういった山岳レンジャーのような、監視員のような者のパトロールと申しますか、こういう点の早期の火災予防の体制というものが非常にないようにわれわれ見受けられる。何か一つこういう問題が起きなければ前向きの姿勢ができないというようなことではなくて、こういうふうな人がたくさん入ってくるようなところはこういう点をやっていかなければならぬ。そういう点で私どもは注意を喚起しているわけでありますから、その点について何かひとつ具体的な構想というものをお聞かせいただきたい、こう思っておるわけです。

松島五郎消防庁長官

○松島政府委員 やはりこういう場合に対処いたしますためには巡視と申しますか、そういったものを強化するとかというような方策が一応考えられると思います。しかしそれにいたしましても、そういうためにはその方々の報酬の問題とかいろいろございますので、そういった面もあわせて検討してまいらなければならない面もございますので、そういった問題とあわせて、巡視と申しますか、監視というような点もこれから取り上げていきたいと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 以上で終わります。     —————————————

川村継義日本社会党

○川村委員長 次に、先般の福島県、山形県、長野県等における降霜による農作物等の被害状況及びその対策の概要について、農林省当局から説明を聴取いたします。荒勝農林大臣官房参事官。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 では、ただいまから先日の、五月七日の凍霜害の概況について御報告申し上げます。  五月六日、前線が本土上空を通過いたしまして太平洋上に移動した結果、全国的に非常に晴天となりまして、高空の寒気の影響と相まって、七日早朝、東北から近畿にかけて内陸部に相当量の降霜がありました。  その結果、果樹、桑等を中心に、農作物に相当の被害が発生いたしました。被害は山形、福島、長野の各県を中心に十四府県にわたり、被害の総額は、その後の統計調査部の調査結果によりますと約四十五億五千万円に及んでおります。  なお、その後さらに、五月二十日、二十一日、二十二日にも凍霜害の発生がありまして、その被害金額は約三億四千万円程度と見込んでおります。  これにつきまして、農林省といたしまして直ちに地方農政局を通じまして現地の被害状況の把握につとめますとともに、職員を派遣し、被害の把握と対策の指導を行なってまいりました。また応急の措置としては、開葉期の桑と、開花から幼果期に当たる果樹の被害が非常に大きいので、人工授粉等を実施するように指導いたしまして、今後そういう災害に基づきます被害を最小限度にとどめるようただいま指導している最中でございます。  以上が報告でございます。     —————————————

川村継義日本社会党

○川村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。湊徹郎君。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 ただいま農林省から説明のありました五月七日並びにその後における凍霜害について、当面の対策及び基本的な二、三の点について、この機会にお尋ねをしてみたいと思います。  災害が発生して以来約一カ月近くたつわけでございますが、再々委員会で申しておりますように、災害によって受けたショック、そのショックに対して一日も早く安心感を与えるということが災害対策の要諦であろう。そういう意味から、なるべく早い機会にこの災害に対しては、あるいは天災融資法の発動対象にする、あるいは激甚災の適用に踏み切る、こういうふうなことを一刻も早く時期を逸せずやる、こういうことが大事だろうと思うのでありますが、一カ月近くたった今日、ただいま申し上げました天災融資法の発動、もうそろそろ準備も数字も整ったようでございますし、その時期だろうと思います。同時にまた激甚災の適用等についてもある程度の目鼻がついておる時期だろうと思いますし、関連する各種の補助、助成策、これらについてもそれぞれ事務的には検討を終えておるととだろうと思いますので、以上三点、天災融資の問題と激甚災、それから各種の補助、助成策等について、その時期と見込みをこの機会に明らかにしていただたいと思います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 お答え申し上げます。  天災融資法の発動につきましては、統計調査部の結果を待ってわれわれ検討しておった次第でございますが、五月の七日並びに二十日系統の統計の整備もできましたので、一応ここで天災融資法の発動をしてみたらどうかということで、ただいま準備中でございます。まだ最終的に決定はいたしておりませんが、農林省といたしましては融資の対象を約四億円見当というふうに置きまして、この融資総ワクをそういうふうに実行してまいりたいと思います。  なお、お尋ねの件につきましては、いわゆる融資ということになりますと、天災のほうが二通りございまして、いわゆる三分資金の安い金利のほうが地方の農家の方々から見ますと非常に希望が強いので、われわれとしてはその点の調査をただいまさらに検討中でございますが、従来の実績等から勘案いたしますと、この四億円の総ワクのうち大体三億円見当はいくのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第であります。これは個々の村まで入りませんと、今後さらに県と十分折衝しないとわからないのでございますが、そういうことで大体八府県くらいが適用されるのではなかろうか、こういうふうに見込んでおります。  さらにこの融資につきまして、いま申し上げましたのは天災融資法の系統でございますが、農林省といたしましては自作農維持資金の災害ワクにつきましても、この被害の実態並びに資金需要の要求等を県当局と十分に連絡をとりまして、ざらにこの資金ワクを今後検討いたしてまいりたい、こういうふうに思っております。  以上、金融の二点でございますが、被害農業者に対します既貸し付け金の条件緩和等につきましては、五月十六日付をもちましてすでに通達を出しまして、金融機関に対し緩和措置の依頼をいたしておる次第でございます。  なお、申し忘れましたが、蚕繭共済につきましても同様に、五月十六日付で局長名をもちまして、直ちに被害の大きいところにつきましては概算払いができるように通達をいたしておる次第でございます。  なお、その他いろいろな指導措置につきましては、今回の被害はほとんど蚕糸園芸局のほうでの被害が大きゅうございますので、蚕糸園芸局長がお見えになっておりますからそちらのほうからお答えいたしたいと思います。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 ただいま官房参事官から御報告申し上げましたとおり、山形、福島、長野、三県連名で最終的に御要望のございました点につきまして、天災融資法の問題、自作農資金の問題、再保険金の概算払いの問題等につきましてはただいま申し上げたとおりでございますが、そのほかに農業改良普及職員あるいは蚕業改良普及職員、営農指導員等の技術指導に対する活動費を助成してほしいという御要望がございました。さらにその他個別に種々実情を訴えてこられる向きもございました。樹勢回復のための肥料、農薬等についての御要望もございました。局内で慎重に検討いたしましたが、樹勢回復のための維持費等につきましては、三十九年の非常に大きな凍霜害のときに種々検討いたしましたけれども、あの当時の考え方でも、個人別の非常に零細な助成になることは避けようということでございまして、国から直接補助いたすことは差し控えた次第であります。ただ、その際に関係の皆さま方の御協力をいただきまして、自治省との間に、特別交付税の配付の算定の基礎に凍霜害というものを特掲するということが当時自治省と話がつきました。これは三十九年の災害のときの一つの実績になっておりますので、今回もこういった面について、各地方自治体が迅速に地域の実情に即した措置をおとりいただきましたものにつきましては、交付税についてもいろいろ配慮していただく方向をわれわれとしては自治省にお願いしたいと思っております。  なお、営農指導員の設置費の問題は、これは蚕糸に、ちょっと特殊の問題でございます。これは蚕繭高に応じて、繭一キロ当たり幾らという形で経費を徴収いたしまして、養蚕団体が指導の経費に使うという慣例になっておるのでございますが、災害のために繭が非常に減収になるというようなことになりますと団体の活動費に支障を来たすのではないかという心配があっての、これはほかにちょっと例のない御要望になっておるわけです。この点は実は三十九年のときにもたいへんな議論がございまして、これは三十九年の被害が非常に広範かつ深かったということもございまして、当時異例の措置として若干の経費の助成をいたした例はございます。ただその後団体の力もだんだんついておりますし、また今回の被害が三十九年に比べまして、三十九年よりもひどいというふうには判定できないといったような実情もございます。もう一つは、春の繭だけで勝負がつくものではございませんで、夏あるいは晩秋蚕までの年間の収繭量を全部見きわめてみませんと、それぞれの地域ごとにどのような形になるかということも確認できません。この問題はいまの段階で判断いたすことは差し控えたいと考えております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 概略の御説明をいただいたわけでありますが、そうしますと天災融資のほうはここ一両日中に正式にきまるというふうに了解してよろしゅうございますか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 実を申しますと、農林省といたしましてはきょうの次官会議に天災融資の発動要件の手続をとりまして、予定といたしましては明日の閣議にはかりたいという手続で進めておる実情でございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それから過般来、激甚関係の取り扱いについては、非常に局地激甚、場合によっては町村段階までおろして拾う必要があるほど局部的にひどい被害状況の場合はそういう特例的な扱いもする、こういうふうなことになっておるわけでありますが、今回の五月に入ってからの凍霜害というのはおそらく十数年ぶりだろうと思います。三十九年も四月下旬でございましたから時期は大体似ている。いろいろ私ども現地に当たり、あるいは聞いている範囲でございますと、部分的にかなり被害のひどいところというのもございます。そういうところに対する激甚法適用の可能性というものはまるっきりないのか、また全然考えていないのか、そこら辺を明らかにしていただきたいと思います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 今回の災害がいわゆる台風等によります被害ではなくて、凍霜害だけでありましたので、いわゆる農業施設等には何ら被害がございません。この聞きめていただきました激甚法の適用は、主としてその補助率を、いわゆる土地改良事業系統の補助率に高額補助をするという姿勢でございましたが、そういう対象になるべき土地改良事業等の被害は全然ございませんので、今回は激甚法の適用の発動はいたさなくても済むのではなかろうか。それにかわりましてというわけではございませんが、極力天災融資法の安い三分資金の適用に努力いたしてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それから、蚕糸園芸局のほうからお話がございました各種補助でありますが、三十九年のとき、ちょうど当委員会で私も質疑をしたわけでありますが、あの年は桑と果樹を含めて通算六種類の補助金が出ているわけであります。先ほど話があった、そのうちの繭が減収したために団体の収入等がなくなる、それに対して、経営指導等をやっていく活動費について、これはあとの模様までひっくるめて見て考えるしかない、こういうお話でございましたので、その点は別として、ほかの恒久的な施設補助等もあの当時行なわれたわけであります。たとえば散水装置であるとか、あるいはリタンスタックヒーターあるいはスピードスプレーヤー、同じような牽引車、さらにそういう技術指導の活動費に対する補助もあったわけでありますが、これについては一応検討はしたのだけれども、今回の場合はそこまでいく必要はないというのか、これからもさらに検討していくつもりなのか、そこら辺はっきりしていただきたいと思います。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 三十九年の際の基本的な方向は先ほど申し上げたように私ども理解いたしております。今回もそれとの対比において種々検討いたしましたが、末端の県庁職員の活動費につきましては、三十九年当時でも御承知のように蚕業技術指導所の職員の活動費は十五万七千円というようなことでございました。今日、地方自治体に対するきわめて零細な補助は通常の場合でもあまり考えないたてまえでございますので、この辺はひとつ関係の県において御措置いただきたいというのが率直な私どもの希望でございます。  それから恒久的な防災施設を災害対策という形で特に措置するかどうかという問題でございますが、これは三十九年のときには確かにそういった点での措置がそれまでにまだ必ずしも十分でなかったということはあったと思います。重油燃焼器なども当時としては新しいことでございまして、それまで古タイヤを集めて燃すといったようなきわめて原始的な形が主でございましたが、リタンスタックを当時補助をして積極的に入れたというようなことがございます。その後稚蚕共同飼育その他きわめて濃密的に措置ができて、しかもそういう措置がきわめて必要性が高いというような部分につきましては、次第にリタンスタックあるいはスプリンクラー等の施設も導入されております。ただ、桑園全体というような形でこれらのものを常時配置をしておいて、有事即応体制というのは実は言うべくしてなかなか行ないがたいものでございます。三十九年から今日までかなりの年数がございますが、やはり今回の被害が、地域としてはもちろん部落等で当時よりひどいところも自然現象ですから当然あると思いますが、全体として三十九年のときの約半分の被害です。こういったようなことがたとえば七、八年に一回くる、これに対してあらゆる桑園なり果樹園にリタンスタックやスプリンクラーを配置するというわけにもまいらぬのではないか。やはり育苗圃とかあるいは稚蚕共同飼育というようなものに濃密的に適用したということで、その必要性を十分御理解いただいた後には、逐次、常時そういうものを整備する形でまいっておると思います。特に凍霜害の機会にこれを自動的に助成するという考え方は本年はとらないでもよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 いまの問題に関連して若干基本的な問題になるわけでありますが、御承知のようにいま農政は重大な転換の時期を迎えております。きのうから米価審議会が開かれ、農林水産委員会も現在開かれておる状態でありますが、その基本的な方向として価格政策から構造政策に重点を思い切って移していこう、こういうことを再々政府のほうは表明をされておるようであります。問題は、ここ数年来の価格の傾向を見ていきますと、毎年毎年七ないし八%の上昇をたどっておったのが、昨年はがたんと落ちて、御承知のように、ひとり米だけでなくて、野菜も果樹も畜産も、とにかく極言すればお先まっ暗というふうな状態になっておるわけであります。また数年来の農業総産出額で見てみましても、従来毎年一割、こういうことをめどにして伸びてきたものが、去年は五%ということで、総体がそういう停滞ぎみにあるときに受けた被害でありますだけに、特に被害を受けた農家のショック、不安感を持っておるところに災害を受けた、こういうことで、このショックというものはやはり相当頭に置いて対策を考えるべき段階ではなかろうか、こういうふうに私は思います。  二番目には、いま申しましたように、兼業所得と価格によってささえられてきた農業所得、これが頭打ちというふうな状態になる。そこで、構造政策というふうなことを言うておりますけれども、この災害というものはその底にある、いわば構造政策の底辺だろうと私は考えます。いわば基礎工事、したがって災害対策というものは大きな意味で申せば最低限の構造政策の一環であるというふうなお考え方をしていただかないと、農家がこれからひとつ伸びていこう、また受けたショックから立ち上がっていこうという場合に、これはいけないのじゃないか。そういう背景になっておる客観情勢というものをこの際特に考慮する必要があるだろう。いわんや価格及びそれに対応する所得のほうが非常に伸びが鈍化しているという実態からいたしますと、生産資材に対してむしろ積極的に助成をしていく。農機具、特に先ほど恒久的な施設について話もございましたし、あるいは肥料であるとか農薬であるとかは、従来零細補助というふうなことで一刀両断されてきたわけなんでありますけれども、いまのような環境の中で特に考えることが必要な時期であり、むしろ段階じゃなかろうか、こう私は思うわけであります。そういう観点に立ってみますと、三十九年当時とった措置、これは最低限この機会に実現するということが、政治的に考えれば当然の処置ではあるまいかというふうに思いますが、その点についてはどうお考えになりますか。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 再度の御指摘でございますが、被害農家の農家経済の運営の確保という観点からは、何と申しましても、たとえば養蚕の場合でいえば蚕繭共済、先ほど官房から報告のございました災害の被害融資、こういったことで基本的にはしのいでいただく。それから被害の異常発生を防止するための基礎的な施策につきましては、繰り返しになって恐縮でございますが、三十九年当時の経験をもとにいたしまして、その後平常時においても怠りなくそういうものを整備するという形で施策が行なわれております。たとえば、農政局の所管でございますので先ほどは申し上げませんでしたけれども、異常発生対策用の防除機具の設置といったような問題も、四十年度から四十三年度までの四年間に、合計七百四十一台の防除機具を主産地の市町村に設置する。このために約二億三千万円の助成をいたしまして、そういった高性能の防除機械をそれぞれ配置するというようなこともこれまでにやってまいっておるわけであります。やはり基本的に被害を防止し、あるいは被害が発生しました場合にできるだけ早期にこれを回復するということのために必要な施設であって、しかも新たな武器と申しますか、そういうものが出てきて、そういうものを助成する必要があるというような具体的なものがございますれば、必ずしも災害のときだけに限定しないで、通常年の予算の議論の中でも十分これを検討し、取り入れていくというような気持ちで事に処してまいりたいと思います。先ほど申しましたように、スプリンクラーもリタンスタックも、あるいはいまの高性能防除機械も、実はことし特に思いついた新兵器ということでございませんで、これがすでにその効能と、それから先ほど申しましたような経済的な限界といったようなものもある程度確認されておるものでございまして、それぞれの必要の場所にこれを設置するという方向で今後やっていただくのが適切ではないかというふうに考えておるわけです。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それから、これは災害のたびごとに繰り返される議論でありますが、特に肥料、農薬等につきましては、これまたこの委員会で再々私も御提案申し上げたわけでありますが、総合助成方式、これをとることによって零細補助の弊害は除けるのではないか。特に樹勢回復の肥料あるいは病害虫の防除用の農薬、種苗であるとかあるいは桑苗の輸送費であるとか、そういうこまかい問題、これについて、実はほとんどの災害常襲県、さらに場合によっては市町村、それぞれ災害対策措置をきめて、現実問題としてずっとやってきております。いわば定着してきている、こういっても差しつかえないのではなかろうか、こういうふうに思います。特に防災は基本的には国の責任でやっていくというふうなたてまえから考えましても、県なり市町村なりが今日一般化した形でやっておりますそういういろいろな措置に対して、総合的に国としても手伝っていく、こういう方式、これはとってしかるべき段階ではなかろうか、こういうふうに思います。特に国の場合も、特別法律上の根拠がなくともいろいろ要綱なり実施基準によって措置をすることも可能であるし、特に昨年でございますか、干害応急対策事業助成要綱、こういうようなことで、要綱によりまして、法によらずに措置をした前例もあるわけでありますから、そういうふうな形はとれないものかというふうに思うわけであります。その場合、事業の実施主体といいますか対策事業の責任者、これは当然市町村、場合によっては県にする。そしてメニュー方式でもって対策事業の中身はある程度限定していく。実施基準はなるべく共同的に施行するような事業、たとえば協業等の集団的生産組織を対象にするとか、あるいは営農団地の育成に側面的に役立つような形の対象農家、あるいは事業実施のしかたも共同防除や稚蚕共同桑園というふうに限定していくとか、そういうふうな形で、県や市町村がやっております独自の措置に対して国としても何か総合的にこれを手伝っていく、こういう方法は考えられぬものか。あるいは、例年話題になっておるのでありますから、いろいろ検討した結果こういう点に隘路があるとか問題点があるということであれば、そういう点も含めてお答えをいただきたいと思います。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 種々新しい御提案も含まれておるように思いますので、よく検討してみたいというふうに考えます。ただ地方自治体——県の場合でも市町村の場合でも、地方自治体の定着した一つの仕事として、異常事態発生の場合に臨時応急にどういう措置をそれぞれの地域社会がとるかということはまさに地方自治体の本来の業務の一部でございます。その中のきわめて基本的な施設の設置はむしろ基本的な財政需要の中に含まっている。また、先ほど申しましたように、異常なものが発生いたしました場合の特別の交付税というところに、三十九年のときに皆さま方の御尽力で凍霜害というものが特記されているということもございます。ただいま御指摘の中で十分私ども研究してみなければならない御示唆が含まっておると思いますが、ただ財政的裏づけという点からはいま申しましたような問題もあろうかと思います。いずれにしてもやや基本的な問題でございますので、十分研究させていただきたいというふうに思います。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 いまも、三十九年のときに特に自治省と協議をして、凍霜害については特掲の措置をとったというお話がございましたが、その点について今回の場合はどういうふうな自治省との協議になっておりますか。進めていらっしゃるのですかどうなんですか、その点……。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 現在の時点では自治省とは本件についてはまだ十分話し合いに入っていない、こういうふうに御理解願いたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 これからお話し合いをしていかれるお考えですか、どうですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 県、市町村における財政事情も変わってまいりますので、当然われわれとしては自治省とは話し合いすべき性格のものだと理解しております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それから、先ほど蚕繭共済の概算払いの話がございましたが、相当な額になるだろうと思います。三十九年の実績に徴しましても、これは当然そういう手続を急いでおられることだろうと思いますが、大体六月、今月の下旬ないし七月上旬にはそれはできますかどうか。時期的なめどをひとつお示しいただきたいということが一点と、それから府県のほうは府県のほうで連合会がおそらく、前渡しというのですか仮渡しというのですか、その手続を進めておるだろうと思いますが、その手続の進行状況と両方あわせてお伺いいたします。

松永正隆農林省農林経済局保険業務課長

○松永説明員 目下、県によりましてその事務処理の進行状況は必ずしも一様ではございませんが、福島県の場合には大体二回ぐらいに分けまして、六月の上旬と、それから地勢とか被害の態様によりまして若干おくれておるところは七月上旬、こういうような目当てで、連合会におきまして保険金の仮渡しの実施をする。なおそれと相前後いたしまして国の再保険金の概算払いを行なう、こういうようなことで大体仕事は進行いたしております。  以上でございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 次に、天災融資の基本的な二、三の点についてお尋ねをしたいわけでありますが、先ほど来、大体のワクが四億である、そのうち三億程度は三分資金に回るだろう、こういうお話があったのですが、まず、例の特別被害地域の指定、これも天災融資の発動と同時指定になるのかどうか、こういうことが一点。それからあと融資の条件等について若干お聞きをしたいわけでありますが、いまの点、まずお答えを願います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 先ほどお答えいたしましたように、明日たぶん金融の融資のワクが決定いたしますので、それに基づきまして直ちに各府県の資金需要を見はからいまして総ワクの配分をいたしたいと思います。それに基づいて県当局で各市町村別といいますか、被害農家別に手続をおとりになりますので、われわれといたしましてはなるべく早くその末端の決着がつくように努力いたしたい、こう思っております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 次に融資条件についてでありますが、これも再々の委員会で、要するに災害という異常事態なんだから特に三分資金——三分五厘を三分にするときもそうでございましたが、極論すれば無利子でもいいじゃないかというふうな議論も繰り返されてきたわけであります。実態を見ますと、特に昭和四十年ごろまでは六分五厘資金というのもかなり配分したやつが消化されておったのですが、四十一年ごろ以降になりますとほとんど実態は三分資金に集中して、六分五厘資金はなかなか受け手がない。そして悪くいえば、この際妙に渋ると次回以降災害があったときにぐあいが悪いから、まあひとつ責任額として割り当てを受けておこうじゃないか、極端にいえばそういうふうな議論すら実際問題としてはあるわけでございます。まして最近各種の制度資金が、どんどん種類もふえましたし、また条件もよくなってまいりました。特に近代化資金の中でことしから団地営農資金については五分にする、こういうふうなことで、近代化資金一般も六分になっておる。それと自創資金のかね合いもあるというふうに考えますと、災害資金が六分五厘というのは、これはどう考えても常識的に理解がいかぬわけであります。この点について、これは一刻も早く改正して、できれば三分資金一本立てであればなおいいのでありますが、それぞれ基準もあるようでありますから、とにかく六分五厘というやつだけはもう改正する必要がある、こう思いますが、その点についてのお考えはいかがですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 天災資金の六分五厘について、現状にそぐわないのではなかろうか、こういう御質問でございます。われわれといたしまして現在この天災融資法に基づきまして融資の手続をとっておりますが、実際面といたしまして、過去におきましては六分五厘のワクも実際は相当に適用してきたわけでございます。最近の時点におきましてはいろいろな検討をしております結果、実際問題といたしましては、この六分五厘のワクはあることはあるわけでございますが、そのワクの実際の内ワクといたしましては三分資金のワクにほとんど重点がかかっておりまして、実際の実行上の過程では、ちょっときょう手元に資料は持ち合わしておりませんが、約九割近いものが三分資金の融資ワクということで、それほど六分五厘の資金のワクで農家の皆さんに無理なことをお願いしてはいないと理解しておる次第でございます。  なおそのほか、いわゆる制度資金といたしましても、災害のあれといたしましては自創資金のほうでこれも相当の額が出ておりますが、多少低い、いわゆる五分の資金で実施いたしておりまして、先ほどの天災融資法のほうは県のほうで金利の負担を半分ほどしていただく制度になっております関係から、あとのほうの自創資金のほうは全部国庫が利子を負担しているというようなことで、両方相かね合って、天災資金の制度としてはわりあいにうまくいっているのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 関連して井出一太郎君。

井出一太郎自由民主党

○井出委員 関連して。  ただいま湊委員の非常にきめのこまかい御質疑で大要は尽くされておると思います。私も長く災害の問題に取り組んでまいりまして、大体これはパターンはできているといいますか、特に凍霜害は三十九年の前例に準じておやりをいただけば大体被害地も納得するのではないかと思います。  そこで、いま質疑が展開されましたうちで、たとえば三分資金を流す場合の激甚地域の指定でありますが、市町村合併の結果、局所的には、昔の一村であったものが今日では大きな市の一部に入ってしまったので、そこで行政範囲とすれば何か水が薄まったような感じがするのでありますが、この辺ひとつ十分に御留意をいただいて、旧町村単位ということが有権的にできるかどうか問題ですが、実施の場合にそういった配慮をお願いいたしたい、こう思うわけであります。  それから、桑の場合は年間を調べてみないとなかなか的確な把握ができない、これはさっき局長の言われたとおりであります。私の聞いておるところでは、ことしの霜害は従来と違って副芽が出ないという報告があるようであります。これは技術的には私はよくわかりませんけれども、そんな点も御留意をいただきたいと思います。そしていまお話しになりました、これは養蚕の場合は特殊な例でありましょうが、蚕業技術員の経費の負担、これは従来、この前三十九年には相当額国から出ておるわけでありますから、これらもひとつ如才なく配慮いただきたい。  ざっとこの程度を希望いたして私の発言を終わりますが、最後に園芸局長に、果樹共済、これはただいまどんなふうに進んでおるか、この一点だけお答えをいただいておきたいと思います。

松永正隆農林省農林経済局保険業務課長

○松永説明員 果樹共済は、四十二年に果樹保険臨時措置法が成立いたしまして、四十三年から実施に入っております。全国の成園面積の一割を基本にいたしまして、種目は温州ミカン、ナツミカン、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃、この六種類につきましてとりあえず実験実施——五カ年間の期限を区切りまして実験実施をするということでスタートいたしております。本年の凍霜害等によりましてとれらの対象種目が災害を受けますれば、収穫期に評価いたしまして保険金を支払う、こういうたてまえになっておるわけでございます。  なお、実際この損害評価等の技術的な問題あるいは樹体保険をどうするかというような非常にむずかしい問題、いろいろございまして、これらの問題をこの実験実施の期間において十分究明いたしまして、必ずしも五カ年間全部かからなければ本格的な実施に移り得ないというわけではございませんが、一応そういう予定で目下実験実施をいたしておる最中でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 続いて関連、鹿野彦吉君。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私は湊委員の質疑に関連して若干質疑をさせていただきたいと思います。  山形県の今回の凍霜害の実情を私もつぶさに見てまいりましたが、農業災害は、政府当局も十分御承知のことと思いますけれども、これは災害が起こりますと根本的な全滅的な姿で災害を受けるというようなことが実情でございます。ことに今年は三十九年の災害と違いまして、今度の凍霜害の起きた後もたびたび寒さがやってまいりましたというようなことから、立ち直りが非常に悪いというような特殊な事情もあることを前提として、簡単に私は個条的に、あるいは重複するかもわかりませんが、質問をいたしたいと思います。  まず、天災融資法の適用についてはどのように政府は考えておられますか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 天災融資法の発動につきましては、統計調査部の被害調査が先ほど御報告申し上げましたように確定いたしましたので、早急に手続をとりまして、四億円というワクで今週中にも決定いたしたい、こういうふうに思います。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 自作農創設資金の特別ワク設定についてはどういうふうになります。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 自創資金のワクにつきましては、天災資金が確定いたしまして直ちにそのワクと相並行しながら、各都道府県と折衝いたしまして、資金需要額並びに被害の態様に応じて決定してまいりたい、こういうふうに思っております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 再保険金の概算払いなどについてはどういうふうに考えておりますか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 これもすでに五月十六日付をもちまして通達を出しまして、いわゆる概算払いを支給するようにということで、被害の大きかった県につきましては直ちに手続が進んでおると思います。先ほど御説明申し上げましたように、六月の上旬から中旬にかけておおむね手続が進むのではなかろうか、こういうふうに理解しております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 この際、農業その他の問題について、蚕糸に対する技術指導員はおりますけれども、果樹などについての技術指導員があまりおらないようですが、今後この果樹に対する技術員の増強ということについていまどういうふうに考えておりますか。  あるいはまた、今回の災害において、果樹などについて水を散布するというようなことによって災害が完全に防がれた事態も実地に見てまいりましたけれども、こういったことについて、やはり農家だけの費用ではいかないので、政府が大いに補助金を出すなりして、そしてこうした設備が行なわれるようにしなければならないのではないかと思うが、こらしたことについてもあわせてひとつ御意見を承りたい。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 養蚕だけは昔からの伝統で別の指導の組織を持っておりますが、果樹につきましては先生御承知のように、農業改良普及所の中にできるだけ多く果樹の専門技術を習得した者を、果樹の主産県につきましては充実さしていきたい、こういう方向で農政局と私どものほうと相ともに努力いたしておるつもりでございます。なお、その専門技術の習得のために一斉に普及員が休むわけにもいきませんので、年数をかけて順々に交代にその研修をやっておるというような実情にあると承知をしております。  それから、災害の場合の重油燃焼あるいは散水といったような形での被害の食いとめ、あるいは被害後の樹勢の回復といったような問題は、御指摘のようにきわめて有効に働く場合があるわけでございます。ただ、先ほど湊委員の御指摘に対してもるるお答えしたのでございますが、今回もたとえば稚蚕共同飼育といったような場所で適期にこれを活用いたした場合には十分の効果を発揮いたしております。また、今後どうするかという点につきまして、実は三十九年のときにリタンスタック、重油燃焼に対して、当時としては全く新兵器というようなつもりで助成をいたしたことがございますが、これもその後の推移を見ますと、苗圃とかあるいは稚蚕共同飼育とか、そういう限られた地域でみんなで気をつけて、比較的早い時期に共同でやるという場合には十分ペイいたしますけれども、果樹園あるいは桑園が非常にいろいろな地形のところにたくさんあるわけでございます。その中でこういう凍霜害が常襲する、凍霜害の通り道になるというようなところで果樹園などかなりの施設をしておるものもございますけれども、一般論としては、何年目かに参りますこういうものについて、いま御指摘のように農民の力だけでは無理だということでございます。しかし、全額国庫というわけにもまいりませんので、やはり生産者も負担しなければならぬということになりますと、これはどのように扱ったらよろしいのかということはなかなか検討を要する問題ではないか。三十九災のときには、むしろリタンスタックといったようなものを、当時古ターヤを燃すというような原始的な方法にかえて主産地の方にはっきり御理解いただく、そのために、災害のあとでございますけれども、そういうものをモデル的に設置するものを災害対策というワクの中で予備費的に支出してやったということでございますが、恒久的な防除の対策につきましても、年々の予算の中でできるだけ、新しい知恵が出ました場合には、これに予算的裏づけをするという方法で常時検討してまいりたいという気持ちでおります。御理解願いたいと思います。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 ただいまの問題について、確かに一般的な補助金を出すというようなことはたいへんなことになると思いますが、やはり凍霜害の常襲地帯というものは大体毎年度の実例からわかるわけですから、そうした地帯に対してはやはりもう少し積極的なそうした補助、助成というようなものを今後大いに研究をしていただきたい。なおまた、現在の米の問題を中心として総合農政の推進という意味からも、果樹栽培というようなことには非常に大きな重点がかかってくるわけでございますから、こうした点に対するところのものを、担当局長は引っ込み思案ではなくて、もっと積極的に予算の獲得に大いに取っ組んでもらって、そしてやはり技術指導員などのもっともっと積極的な増員をはかることが、私は賢明な行き方じゃないかと思いますから、このことを要望いたします。  次は、樹勢回復促進用の窒素肥料を購入するについての助成というような、いわゆる今回の凍霜害を肥料の面から少しでも被害を少なくさせるというようなことについての助成についてどうお考えでしょうか。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 樹勢回復等のための肥料、農薬等消耗資材の問題につきましては、三十九年の凍霜害の際にも十分な御討議をいただきました結果、やはり個人に対する零細助成になるということで、国としてはこれを助成いたさないということにいたしたことがございました。今回も考え方としては同様にやりたいと私ども思っております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 蚕種の予備催青費に対する助成についても同じでございますか。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 同様の考え方でございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 そういう方針はあまりいい方針じゃありませんから、これはきょうの問題にはいかないと思いますけれども、局長は至急に大臣と相談をしていただいて、こうした凍霜害が起こった場合にそうした面からの補助、助成をしていくというようなことをぜひ検討を願いたい。ということは、繰り返して言いますが、総合農政というような政府の政策推進の意味からいって、稲作を他に転換させるというような大目的達成のためには、こうしたことについての十分なる心がまえがなければ農政の実効をあげるわけにはいかないと考えられますから、十分ひとつ大臣と相談していただいて、そして具体的にその方向に持っていかれるように強く要望いたしておきます。  以上をもって私の質疑は終わらしていただきます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 お待たせいたしました。湊徹郎君。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 時間の関係もございますので、天災融資に関しては四つの点を申し上げて今後検討願いたいということを申し上げたいと思います。  第一番の点は、六分五厘というみっともない金利を今日残しておくことは、ほかの制度融資とのかね合い上、はなはだもって——特に災害でありますだけに、これは一刻も早く三分資金、五分資金くらいにひとつしてもらいたいということが一点。  第二点は償還期限でございますけれども、これも系統融資を原資といたしましてやっている制約もございましょう。しかしながら資金の性格から申しますと、形の上では経営資金ということで前向き資金、こういう形ではありますが、実質的には穴埋め資金、こういうことになっておるわけでございまして、特に自創の二十年という長い償還期限とのかね合い等もございますし、据え置き期間が現在ございませんから、据え置き期間についてもひとつ二年くらい考えてもらうと同時に、償還期限を延ばすことについても検討願いたいということが第二点。  三番目には貸し付けの限度でありますが、御承知のように総合資金という制度が新しく発足をして、本来は青天井なんだけれどもとりあえず八百万円をワクにしてやろうというぐあいに、今日の農業がどんどん大きくなり、そうして設備資金のみならず運転資金等についても資金需要がふえておるときに、一般の災害資金について二十万円、こういうふうなことはこれまたいかにも時宜に適しないワクである、こういうふうに思います。要するに必要でない金は借りないのでありますから、高い限度を設けながらあとは農家の選択にまかす、こういうふううな形に貸し付け限度についてもひとつ御検討を願いたい。  四番目には特別被害農林漁業者をきめます基準でありますが、これは減収量と損失額と両方を目安にいたしておるようであります。三割以上の減収というのはこれはある意味で当然だろうと思いますが、もう一方の損失額、これが平年総収入額の五割以上ということは、これはたいへんな事態でありまして、五割以上というのは、常識的に考えてこれもまあ三割程度ということにしていいんじゃなかろうかというふうに思います。  以上四点について、ここで議論しておりますとこれにえらい時間をとりますので、局長にひとつ御検討願いながら次の機会に申し上げることにしたいと思います。以上は要望であります。  それから、気象対策について最後に簡単にお伺いしておきたいと思いますが、先ほど御質問がありました山林火災とも気象条件は全く軌を一にして、同じときに発生をいたしておるわけであります。今回の気象の状況等からいたしまして、これはげすの知恵はあとから出るとよく申しますが、あとになってから振り返ってみればなるほどそうでもあったかという節があろうかと思いますけれども、しかし六日の日からある程度異常な気象の状態というのは予測されたわけでございます。そうして七日の早朝になって、今度もかなり広範な災害を受けた。それについて農業気象の観測体制、これは東北の場合は仙台の気象台あたりが中心になって逐次整備をしてきておるはずでありますが、その気象観測の結果、これが情報として末端に伝達された模様、これは現地で聞きますと、必ずしも臨機に間に合わなかったというふうな言い方をしておるところもございますし、それに対応する現地の警戒体制、さらに予防体制等について不十分な点もかなりあったと思われますが、そこら辺について気象庁、並びに関連して農林省のほうの警戒予防体制等について、今回特にこういう点が問題であった、今後こういうふうに直していかなければいかぬというふうな点がございましたら、この機会にお答えをいただきたいと思います。

窪田健次気象庁観測部産業気象課長

○窪田説明員 お答えいたします。  農業気象業務につきましては、昭和三十四年から逐次全国に対しまして開始いたしまして、四十四年度で一道十六県が整備を終わりまして、なお逐次、次々と整備をいたすようになるわけでございます。  福島県につきましては、農業気象観測所は、気象官署が五、農業気象観測所が十六、補助農業気象観測所が二十、計四十一カ所の観測所を設けておりまして、この県内の農業気象観測所から毎朝九時に、定時に気象の状況の電報が入ります。それを福島の地方気象台で解析いたしまして、そして今後の気象の状況の予想を立てまして、さらにそういった異常な低温あるいは霜害があるような場合には情報、さらに霜注意報といったようなものも適切に関係方面に通知いたしまして、できるだけ予防措置が十分にとれるように十分協力しておるつもりでございます。  なお、いまの気象観測の測器につきましては、福島県の例で申しますと、三十四年、五年の二カ年で整備いたしました測器がもらすでに十カ年を経過しております。その間に四十年、四十一年に分解修理をいたしておりますからまだ当分十分使えるのでございますが、何しろ最初に設置してから十カ年を経過しておりますので、これはやはり材質に相当不備な点が出ておりますので、測器を更新するということについて目下予算を要求するように検討しておるわけでございます。そういったわけでございますので、こういった凍霜害に対してはわれわれの気象観測通報の面で十分体制がとれるのじゃないかというふうに考えております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 以上で終わります。

川村継義日本社会党

○川村委員長 唐橋東君。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 時間がありませんので議論等は省略いたしまして、いままで湊委員その他の委員から出された問題の中で二、三気がついたところを申し上げて御意見を聞きたいと思います。  一つは、先ほど湊委員からいろいろと天災融資法の問題について話がありましたが、聞いておれば非常にふしぎに考えるのです。といいますのは、おおよそ四億円だ、そのうち三億円が三分だ、こういう説明があり、あとでなお、いままでの実績はその中で九割が三分資金なんだ。こういうような実績であるならば、私がいまふしぎに思ったのは、今度四億円見当という場合に実際の申し込みがほとんど三分のほうにいってしまって、あとせっかくのワクが一億余るのか。こういうようなことは非常にむだでないのか。ということは、いま湊委員が言われたように、初めから三分の低利ということでもう割り切っていいのではないかというふうに感じました。それについてひとつ。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 私先ほど御指摘に対して御説明申し上げた中で、総ワクは四億円、これは三分を含める総ワクでございまして、まだ個々の被害農家と手続を進めておりませんので、実際は四億のうちどれだけが三分資金になるのかまだわからないが、少なくとも過去の実績からいたしますと三億円程度はまあ間違いないんじゃなかろうか、こういう感じで申し上げたわけでございます。従来の貸し付けの実績からいたしますと九割前後までいっておる。ここ二、三年の実績は四億のうち九割前後までが三分資金だ、こういうふうに御理解願いたいと思います。  われわれといたしましても、この資金がいまの六分五厘ではなかなか農家のほうで需要も少ないし、また金利体系としてはいろいろな問題点も含んでおるというふうに理解しておりますが、全体の金利体系の一つだけをいじるというわけにはまいりませんので、いろいろな金利体系ともからみますので、本件につきましては慎重に今後検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それからもう一点は、貸し付け条件の緩和については通達を出した、こういうことでその内容等についてはまだ説明がなかったのですが、従来どおりの内容なんですか。それともまた多少新しい緩和措置がそれに加味されましたか。ということは、いま湊委員が言われたように、農家経済その他によって、十分緩和のワクを広げていかなければ実質借り得ないという状態が私は予想されますので、緩和措置の内容の通達は現在よりも前進したのか、それとも従来のような内容なのか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 一応通達の内容を読ましていただきまして多少お答えにかえたいと思いますが、昭和四十四年五月十六日付の通達でございまして、見出しは「昭和四十四年五月上旬の降霜による被害農業者に対する既貸付金の条件緩和の依頼について」「農林漁業者等に対する融資については、格別のご配慮を賜わり深く感謝している次第であります。今回の五月七日の降霜によって、東北、関東および近畿地方を中心として果樹、桑、茶、野菜等の農作物にかなりの被害が発生しております。このため、被害農業者としては、既貸付金の償還に支障をきたすことも考えられますので、貴職におかれても、この実情をご理解のうえ、既貸付金の償還猶予など貸付条件の緩和措置について何分のご配慮を煩わしたく特にお願い致します。」  この通達の対象者は農林中央金庫、それから全国相互銀行協会、それから全国銀行協会、全国地方銀行協会、全国信連協会、それから全国信用金庫連合会会長それぞれでありまして、なおこれらの写しが農林漁業金融公庫総裁あてに別途経済局長から出ておりまして、これによりまして、いまお読みいたしましたように特に強く具体的には触れずに、要するに緩和方を依頼申し上げておる、こういうかっこうでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 その程度ならば全く前進しない、私はこういうように考えます。時間がありませんので議論は省略いたしますが、少なくとも系統資金に対する条件緩和ということは、当然政府の責任においてできると思うのです。したがって、そういうような内容については十分検討をして、償還の緩和内容、こういうことまで検討していかなかったならば、単に通達を出したから緩和できるのだろう、そうしてそれは都道府県あるいは特に個人個人の交渉条件に残しておくということでは非常に問題がある、私はこういうふうに意見だけを申し上げておきます。  それから次には、恒久対策の一つとして防御用施設、これを全部強化された、こういうことなんですが、何かお話の中で私感じましたのは、自主的にやれるところはだんだんやっていくのだ、こういうような考え方なんですが、先ほど鹿野委員からも言われましたように、凍霜害の常襲地というのはやはりあるのです。とするならば、先ほど説明された中において七百四十一台を例としてあげられたのですが、そういうような場合に充足率というようなものを当然考えておいた上で恒久対策を立てているのですか。それともまた、その出てきたものを補助対象にする、こういうような発生的な考え方でやっておられるのですか。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、農政局の所管でございますのであるいは私の理解がまだ不徹底な点があろうかと思いますが、私の承知しておりますところでは、異常発生面積を一応四十六万ヘクタールというふうに過去の経験から押えまして、この四十六万ヘクタールのおおむね半分を対象に必要な台数を充足するというのが、一応先ほど申しました予算の考え方の基礎になっております。それで一応約千台必要ではないかというような計画を立てまして、毎年大蔵省にかけ合いながらやってまいりまして、結果的に、地元の受け入れ態勢等の問題もございまして、七百四十一台というところで一応の整備計画を終わった、こういうふうに承知いたしております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 質問を先へ進めます。  先ほど実在の指導員関係の問題が出ましたが、三十九年度を見てもいろいろ議論されて、補助関係やその他の問題はあったわけですが、私がお伺いすることは、ことしは三十九年度から見れば総額において半分だ。ですが地域的に見れば大きいと思うのです。そういう場合に、たとえば福島県なら福島県の場合には、いわゆる団体に対しての補助というものは、三十九年度にあったのですが、ことしはそれまでないのですか。県の養蚕連、それに対する補助は三十九年にはあったはずなんです、個人個人まではいかないけれども。それまでことしはやらないつもりなんですか。ここをひとつ明白にしていただきたい。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 先ほどもその点に触れたと思いますが、三十九年当時と今回と、全体としては被害が半分程度であるということと、また養蚕の場合には春の養蚕だけでは年間の総体の規模が定まりません。今後の晩秋蚕顧での、ことしの養蚕全体の姿を見きわめながら、この問題は引き続き検討したいという姿勢でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 自治省来ておりますか。——先ほど農林省の立場からの特交の問題を言われたのですが、自治省としてはこれは当然の問題として私は考えていいと思うのですが、おおよそこの災害についての今後の農林省との交渉に対する基本的な考え方、これをひとつはっきりとお伺いしておきたいと思います。

山本成美自治省財政局地方債課長

○山本説明員 先ほど農林省のほうからお話のあったとおりでございまして、現状は干害、冷害等と同じく、県市町村分につきまして、いずれも農林省の調査によります農作物の被害額に〇・五%を掛けまして、この金額によって特別交付税を増加して交付する、かような取り扱いをやっておるわけであります。  なお、この数字が小さ過ぎるか妥当であるかという問題につきましておのずから議論が出てまいると思いますが、ただいまのところ、私どもは過去のいろいろ経験値から判断いたしまして、一応は安定した形ではなかろうか、かように考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 最後に国税庁関係でお伺いしたいのは、まあ災害ですから収入がなかった、それに対しては、所得というものに対する税金ですから、一応減免的な考え方が結果として出てくるのでございますが、私がはっきりお伺いしたいのは、災害の場合の欠損の繰り越し控除に対して、原則として青色申告の場合は前年度の欠損もことしの収入に見られる、こういうようなたてまえがあるのですが、農家の実際はなかなか青色まで行けない。しかし他方災害がある。そういう場合に、はっきり災害というようなものに対しては、おまえは白色だからだめだ、おまえは青色で出したからいい、こういうようなたてまえは私は矛盾していると思うのです。欠損金の繰り越し控除についてはどのように考えられているのですか。

元木精一郎国税庁直税部審理課長

○元木説明員 通常の事業によります欠損金につきましてはただいまお説のとおりで、青色申告によりまして収支計算をいたしまして、その結果赤字が出た場合におきまして繰り越し欠損金が認められているわけでございますが、災害による損失につきましては特別に規定がございまして、これは青色申告者でなくても繰り越し欠損の控除が認められる、こういう制度になっております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 終わります。

川村継義日本社会党

○川村委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 いろいろこまかく、同じことを二度お聞きになった人もありますし、わかりました。それから、時間ももちろんありませんし……。  お聞きいたしますが、小暮局長は山形においでになったこともございますし、いろいろ土地の事情もおわかりだと思いますので、固有名詞を使いますからひとつごかんべん願いたい。  今度の霜害で特に桑が害を受けたところというのは白鷹であるとか朝日であるとか、最も貧乏な地帯なんですね。これは私にも責任があるかもしれない。山の中で桑を植えろ、山の中の山村の振興には桑以外にないとその当時私は考えて、農林省に特にお願いしたのですが、予算はつけられなかったのでございますけれども、県独自の立場で山村の桑ということに、養蚕ということに力を入れた、そこがやられているわけです。そういう状態で、私そういう関係もありますので、山の中に入りましてそれらの人々に会ってまいりました。これらの地帯の人々は多く出かせぎ者です。そして夏の間、桑を、養蚕をやる、奥さんはわずかばかりの土地を耕す、こういう地帯なんです。そこでいろいろ御相談に乗ったんでございますが、この人たちの言うことに私は答えられないことがある。これから一体私たち何をして暮らしていくのかと言う。とにかく一年の家計がございますから、その相場はどうあろうとも、春の蚕、繭を売ってそして収入を得てそれで暮らしていく、そういうふうなプランが立っているわけです。それが入らない。掃き立てばおそらく半分になるだろうというふうなことを言っておりますが、答えられないですね。これはどういうふうに答えたらいいものですか、教えてください。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 山村振興の一つの手段として山間部での養蚕を取り上げるというのは、華山委員御指摘の山形だけでなしに、ほかの山村を含んだ地域でもかなり広く行なわれたことでございます。やはりこれらの地帯で養蚕を振興いたします場合に、間々そういう形での凍霜害をほかの地帯よりも受けやすいことはやむを得ない現実であろうかと思います。ただ養蚕の場合には、もちろん適地を度外視してやっていいと私思いませんけれども、何年かに一ぺんの被害は残念ながらあるにいたしましても、土質あるいは地形あるいは営農形態等から見て、養蚕が山間部の農家の営農上適当なものであるという場合には、他によるべきものがないような地帯でございますから、これを指導するということは決して方向としては間違っていないと思います。ただそういった地帯が、蚕繭共済というようなものの立場からいけば、平場の比較的安全なところと相互に、いわば保険理論で相補うというような形での一つの相互担保の問題もございます。やはり全体としては、そういった地帯の養蚕であっても、何年かに一ぺんの被害でくじけることなしに、できるだけこれを再建していくということが基本的な考え方ではないかと思います。ただ、もしかりにこれまでにやや自然の条件を無視して組み込み過ぎたような地帯がありとすれば、これはやはり毎年被害を受けるというような形になるはずでございますが、そういうものがもしございますれば、これはやはり営農指導としては行き過ぎではないかと思います。しかし、三十九年度あるいは今回のような被害が山間部で激しいことは事実でございますけれども、これはある程度避けがたい自然の現象ではないかというふうに思っておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私お聞きしておるのは、営農が間違っているとは思いません。それは、そこに養蚕をやるかどうかということについては、十分に研究をした上で補助金を与えたり何かしているのでございますから、間違えているとは思いません。また現実におきまして、必ずしも山間がひどかったというわけではありません。御承知の最上川流域のあの辺、むしろ平地のほうがひどかったかもしれません。しかし困るのは、こういう山間地にそういうことが起きますと食っていけなくなるということなんです。それで、いまおっしゃいました天災融資法に基づく資金あるいは自作農創設資金、こういうもので食ってはいけないのでしょう。これはそういうものに使ってはいけないのじゃないですか。どうなんです。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 ただいま御指摘のように、災害の資金につきましてはいわゆる農家の営農用ということで、使途が明記されておりますのでむずかしいのじゃなかろうか、こう思います。ただ自作農創設資金につきましては、その農家自身がいわゆる本来の趣旨からして農業をやっていくためには相当弾力的に必要とする資金ということで、これはまあ取ってしまっていいというふうに言えるかどうかわかりませんけれども、相当弾力的に取り扱われている、こういうように御理解願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 それですから天災融資資金は評判が悪い。自作農創設資金を借りたがるのですよ。そこを考えていただかなければいけないと私は思うのです。両者は併給できるのですか。同じ人に二つの資金が出せるのでございますか。私よくわかりませんけれども……。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 たてまえといたしましては、いわゆる天災資金と自作農維持創設資金とはそれぞれ異にいたしておりますが、実際問題は、自作農維持創設資金のほうでいわゆる天災分というワクを別途設定いたしまして、これは相当な金額になっておりますが、それで天災融資法の発動を受けた農家に限って自作農資金がいくような制度になっておる。しいてはっきり言えば併用されておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういうことで、実際上聞きますと、本来その目的であるところの天災融資資金、これはあまり評判よくないですね。自作農創設資金のほうは何とか借りたいという。しかし自作農創設資金だけ農林省に申請したのではぐあいが悪いから両方やるというふうなことが実態なのですね。私はそこに食えないという実態があるからだと思うのです。それは自作農創設資金だってそういうことに使っては本来はいけないのでしょうけれども、使い方についておっしゃるとおりある程度のゆとりがある。ところが天災融資資金のほうはこれは全くぎりぎりだ、こういうことだろうと思うのでございます。先ほどお話を聞くと、四億という金に何か組み合わせて出すのだということでございますが、こっちの四億というもの、これを各地方に分けて、その何倍とかあるいは何分の一が自作農創設資金になるのだというふうに、何か規格みたいなものがあるのですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 先ほど私の御説明があるいは多少間違っておったのかもわかりませんが、この四億円のほうはいわゆる天災融資法に基づきます資金ワクでございまして、この中にいわゆる特別被害農家の分の金利の安い三分の分といわゆる六分五厘の分とが一緒に入っております。それをさらに被害農家の実情をよく調べました上で、三分資金の総貸し付け額がきまってくる、こういうように御理解願いたいと思います。それで、さらに自創資金につきましては、これと並行しながら別のワクといたしまして、各県と折衝いたしまして、資金需要と被害の実情に応じてワクを決定いたしたい、こういうように思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私しろうとでよくわからないのですが、一体この両方の資金というものは何か関連してあるのですか。希望に応ずるとかなんとか。どういうことなんです。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 これはまさに例外かもわかりませんが、被害を受けられた方の中でも場合によってはお借りにならない方もあるということで、資金需要額というものをやはり一応申請していただきまして、その中から被害の実情に応じて政府のほうで検討してまいる、こういうふうに御理解願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 両方は関連がないのですね。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 関連は、天災融資法の発動が一応の要件になっておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 とにかく各県の実態もありますし、貧乏な者は天災融資資金というふうな非常に条件のむずかしいものじゃ食っていけない。今度の桑の害についてはそういう貧乏人が多いのですね。そうだからそういうものにつきましては、県の事情等もありましょうが、要望に対しまして、自作農創設資金ですか、このほうをできるだけ増していただきたい。そういうふうにお考え願いたいと思うのです。  この点は、私ごとになりますけれども、小暮局長も困ったことがありましたね。県会等ではこんな額じゃだめだだめだというわけですね。それで農林部長は東京まで来られて、ようやくワクをもらったところが、実際は借りる者が一人もなかったということがあった。よほど実態を考えて、どういう金であるならばどういう地方、どういう程度の人々に向くのか。大農家で蓄積等のある者であるならば、金利が安くて天災融資法によるような資金がいいと思いますし、いま現実にものを食えないというふうな農家にとっては、またそういう農家が今度は多いのでございますけれども、自作農創設資金が適当だ、こういう実態もありますから、どうぞひとつあまりきちょうめんに四角ばってやらないで、せっかくの金なんですから農家が喜ぶような方法で出していただきたい。くれぐれもお願いいたします。重ねて申しますが、われわれは一体どうして食っていくのだという質問を受けたときに一番困る。  それから、先ほどからもお話がありますけれども、これから総合農政、選択的拡大、こういうことになりまして、三十九年のときから果樹共済ということがございましたね。その果樹共済につきまして、簡単でよろしゅうございますが、いま実験の段階のわけでございますけれども、どんな点が一番問題になりますか。

松永正隆農林省農林経済局保険業務課長

○松永説明員 先ほどもちょっと簡単に触れたのでございますが、果樹の果実の保険だけでなしに、樹体がいろいろ損傷を受けた場合に、その損害をどう補てんしていくかという樹体の問題、これはその樹体の価値なり補てんの方式なり損害てん補の方式なり、非常にむずかしい問題でございます。それから実際損害を受けた場合に、どの程度の損害かということについての評価のしかた、これもきわめて技術的にいろいろ問題があるわけでございます。なおまた、実験実施に移りましたけれども、その前の試験的な調査期間としましてはわずか三年か四年でございます。したがいまして、保険の基礎になります保険料率、これも必ずしも最近の果樹の被害の実態に即応するものであるかどうか非常に問題があるわけでございまして、これらの料率につきましても、今後の実験期間に実験を続けながら適正なものに安定をしていく、こういうような基本的な問題があるわけでございます。その他こまかい点もいろいろあろうかと思いますが、主要なものを申しますればいまのような問題でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 きょうは大臣もいらっしゃいませんので何でございますが、局長によく気をつけていただきたいと思うのでございますけれども、とにかく選択的拡大、果樹を植えるというふうな方向に今後も向かうと思うのでございますが、その際に従来の共済保険の考え方ではだめだと私は思うのです。これにつきましては、果樹に災害があってもだいじょうぶなんだ、安心なんだというふうなものの考え方でいかないと私は拡大しないと思うのです。とにかく県等に行ってみましても、三年に一ぺんは受ける、そういう地帯がありますよ。そういたしまして、果樹というものはそんなにかえられるものじゃない。それはリンゴの木をかえていくとか、そういうことはできても、果樹園をほかのものにかえるというわけにはいかない。そういうことであって、共済は保険の観念ではいかないのじゃないか。局長は先ほど、平地のほうは少ないから、そのほうと山地のほうとでその共済をということをおっしゃいましたけれども、私はそうはいかないと思う。そうしなければ、いままでのような共済の観念では、私は安心して果樹に移れないのじゃないだろうか、こんなふうに考えますので、やはりその点は局長ひとつお考えおきを願いたい。どうでしょうか、局長ひとつお答え願いたい。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○小暮政府委員 果樹共済の問題につきましては、ただいま御指摘のような問題点のほかに、価格変動についても考えられないかといったような要望もかつてはございました。その要望自身もまだ完全に消えていないと思うのですけれども、しかし、少なくとも災害等の場合に安心して営農が継続できるような形での共済制度になることが望ましいと考えます。いま実験実施の段階でございますので、その成果等を十分見きわめて、御指摘の点も含めてよく勉強いたしたいと考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃ、やめろという御注意がありましたから、これでやめます。

川村継義日本社会党

○川村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後二時十三分散会

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