災害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 312 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/19
会議録
○川村委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 本日は、まず昭和四十四年度災害関係予算の概要及び同年度災害復旧事業計画につきまして、関係政府当局から説明を聴取いたします。弘津総理府総務副長官。
○弘津政府委員 それでは私から、昭和四十四年度において実施すべき防災に関する計画について申し上げますが、まず、四十四年度の予算の概要を簡単に申し上げます。詳しい内容につきましては、お手元に配付してございます資料をごらんいただきたいと思いますが、同時に、関係各省係官が参っておりますので、引き続いて詳細な報告がございます。 そこで、まず防災科学技術の研究について申し上げますが、これは引き続き各省庁、消防担当研究機関の拡充強化をはかりますとともに、地震の予知、地すべり、冷害、産業災害等、各般の災害の防止のための研究及び各種の構造物の安全性等に関する研究を推進することにしておりまして、総額として二十八億七千万円の予算措置を講じております。 次に、災害予防でございますが、災害予防等に関する教育訓練を引き続き各省庁で実施いたしますが、また同時に、気象の観測あるいは通信、運輸、防火、水防等についての施設、設備の整備、充実をはかりますとともに、鉱山災害予防対策、道路の崩壊防止対策の措置を講ずることにいたしまして、総額七百十二億二千五百万円の予算を計上しております。 さらに、国土保全につきましては、国土の保全が防災の基本でございますので、特に東京、大阪等の重要地帯、砂防・地すべり地域、主要海岸、地域開発等によりまして急速に発展する地域等における災害の防除に重点を置き、治山治水、海岸保全、農地防災等各種事業を実施することにいたしまして、総額二千三百五十八億八百万円を計上しております。 災害が発生いたしました場合におきましては、迅速かつ適切な救助活動が実施できるよう防災体制等を確立し、応急救助その他災害の実情に応じた必要な応急対策を講ずることにしております。総額四億七百万円の予算を計上しておりますが、しかし必要に応じましてはさらに予備費等の支出等も考えておりまして、適宜適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えます。 最後に、災害復旧につきましては、昭和四十一年から四十三年までに発生いたしました災害のうち、激甚なものにつきましては、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づいて特別の財政援助または助成を行なうことにしております。また、昭和四十一年の災害の復旧事業はこれを完了させることにいたし、昭和四十二年の災害及び四十三年の災害は、直轄事業についてはこれを完了させ、補助事業につきましては所要の復旧をはかるとともに、災害融資等必要な金融措置を講ずることにし、このため総額千七百六十億九千七百万円を計上いたしております。 以上、簡単に申し述べましたが、科学技術の研究あるいは災害予防、国土保全、災害応急対策及び災害復旧に対する事業費の総計は四千八百七十億七百万円になっております。 昭和四十四年度における防災関係予算概要を簡単に御説明いたしましたが、もとより災害の予防に重点を置きまして、その総合的対策を講ずるとともに、災害が発生いたしました場合にも、迅速かつ適切な応急対策をとりながら、災害の復旧に万全を期してまいりたいという所存でございます。
○川村委員長 次に大場農林省予算課長。
○大場政府委員 四十四年度農林関係防災予算につきまして簡単に御説明申し上げます。 資料のページ一にございますが、農林省関係の予算措置といたしましては、科学技術研究一億七千万円、災害予防関係といたしまして六千八百万円、国土保全関係五百十七億二千二百万円、災害復旧等八百六十二億三千七百万円、このほか農林漁業金融公庫からの融資ワク百八十三億ということに相なっております。 以下、内容につきまして御説明申し上げたいと思います。 資料の二ページ中ほどにございますが、科学技術の研究でございます。科学技術の研究につきましては一億七千万円を予定してございます。このうち農作物災害防止に関する研究につきましては、農作物に対する気象災害対策に関する研究等九千四百万円を計上し、農漁業用施設の保全等に関する研究につきましては五千四百万円を予定しております。これは農地の地すべり、侵食等に関する調査研究、海岸保全対策についての研究等を実施することとしております。次に、治山技術の確立及び森林災害の防止に関する研究につきましては千六百万円を計上してございます。このほか、漁船の安全操業に関する研究につきましては七百万円を予定しております。 次に、三ページのところに参りまして、災害予防でございます。災害予防といたしましては、農林省関係といたしましては六千八百万円を予定してございます。このうち、漁船の事故防止のために四千八百万円の助成を行なうこととしております。これは小型漁船の事故防止をはかるため、検診技術員の常駐、漁船の事故防止奨励金の交付、都道府県が行なう漁船乗り組み員に対する技術修練会の実施等の関連予算でございます。森林国営保険の契約地等の森林を保護するため、巡視員の配置、火災防止用標板、携帯無線機等の設置を行なう等、森林火災の予防をはかるため千七百万円を計上しております。そのほか、乾パンの備蓄、雑穀種子の予備貯蔵に要する経費といたしまして三百万円を予定してございます。このほか、不時の災害に備えまして、応急仮設住宅用等の復旧用材として国有林材約五万立方メートルを全国主要営林署に備蓄することとしております。 次に、五ページに参りまして、国土保全事業につきましては五百十七億二千二百万円を計上しております。このうち、治山事業につきましては、第三次治山事業五カ年計画に基づきまして、治山事業を計画的に推進することといたしまして、三百十三億四千九百万円を計上しております。保安林整備管理事業につきましては、保安林整備計画に基づきまして、保安林配置の適正化、施業の合理化あるいは保安林の適正な管理を行なうため二億二千二百万円を予定してございます。海岸保全事業といたしましては四十九億九千九百万円を予定し、農地海岸、漁港海岸につきまして、海岸保全施設の整備を行なうことといたしております。農地防災事業につきましては百十四億九千万円をもって、防災ダム、湛水防除、老朽ため池の補強、農地保全等の事業を実施することといたしております。地すべり対策事業につきましては、農地、農業用施設、保安林、治山施設等に被害を及ぼすおそれのある地区につきまして対策事業を実施するため、三十三億五千四百万円を計上いたしております。災害関連事業につきましては、農業用施設、治山施設、漁港施設等につきまして七億八百万円を計上してございます。 次に、六ページに参りまして、災害復旧等につきましては八百六十二億三千七百万円を予定しております。まず、農地、農業用施設、海岸保全施設、治山施設、林道施設、漁港等の災害復旧等につきましては、補助事業、直轄事業とも一定の進度をもちまして事業の促進をはかることといたしまして、関連予算二百二十五億七千三百万円を計上してございます。農林漁業関係災害復旧等の融資につきましては、開拓営農振興臨時措置法に規定する要振興開拓者に対しましては、農業用施設復旧費または農業経営費に充てるための資金を開拓者資金融通特別会計から融資するため、一億円の融資を予定しておりますほか、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法に基づきまして、過年度災害融資についての利子補給費及び損失補償費の補助につきまして、十六億六千万円を計上しております。災害補償関係経費といたしましては、農業災害補償、森林国営保険、漁業災害補償及び漁船損害補償に要する経費といたしまして六百十九億四百万円を予定してございます。以上のほか、農林漁業金融公庫の融資につきましては、農地等の災害復旧に要する資金を融資するほか、被害の実情に応じまして自作農維持資金を融資することといたしまして、百八十三億円の資金を貸し付け計画に計上いたしてございます。 以上でございます。
○川村委員長 次に坂野建設省河川局長。
○坂野政府委員 三ページをお開き願います。この中で建設省関係の科学技術関係の研究が予算で二億二千一百万円でございます。洪水の予知、山地崩壊、侵食、地すべりの予知と防止、ダムの安全管理、河道計画、海岸災害対策あるいは地盤災害の防止等に関する研究が一番目でございまして、第二番目は建築物の防災性向上に関する研究が主体でございまして、その内容としては、軟弱地盤対策並びに建築物の地震及び風応答等、並びに建築材料の防火性、耐火性等の研究あるいは密集市街地に対する防火対策の研究。それから三番目といたしまして、地震予知実用化の基礎資料並びに水害予防及び傾斜地崩壊対策の基礎資料とするための研究を行なうというのが内容でございます。 その次が五ページでございまして、災害予防の関係でございまして、百六十三億八千四百万でございます。第一番目は、水防関係の水防活動に必要な施設を整備する。第二番目は、積雪寒冷地帯における道路交通を確保するためのいろんな施設の整備あるいは機械の整備を推進する。第三番目には、道路の崩落を防止し、トンネルの補強、海岸及び河川沿いの道路護岸の決壊防止等の事業を実施する。第四番目が、都市における災害の防止、土地の合理的利用の増進及び環境の整備改善をはかるための防災建築街区を整備する。以上のほか、住宅金融公庫におきまして四十二億の融資を行なって、防災の完ぺきを期することといたしております。 資料の六ページを見ていただきます。この中で国土保全に関する関係でございますが、予算が千七百六十二億三千六百万でございまして、第一番目としまして治水事業でございますが、これは第三次治水事業五カ年計画の第二年目といたしまして計画的に実施するものでございまして、その他急傾斜地の崩壊防止事業とかあるいは災害関連事業というものを推進する、あるいは海岸保全事業を推進することにいたしております。 資料の六ページの終わりごろに災害復旧関係がございまして、予算が四百五十三億一千万円でございます。第一番目の公共土木施設災害復旧事業でございますが、先ほどお話しございましたように、直轄災害は二カ年で完了する、過年災害にかかる事業はすべて完了する、また補助災害については、緊要事業は三カ年、全体では四カ年で完了するという方針で進んでおるわけでございます。なお、事業の円滑な実施のため、補助災害については国庫債務負担行為七十億三千万円を予定いたして、事業を促進することにいたしております。第二番目といたしましては、都市施設災害復旧事業でございます。二カ年で完了する方針により、四十三年災害の復旧を完了する予定でございます。第三番目が、災害公営住宅建設事業でございまして、災害によって住宅を滅失した罹災者に貸与するための公営住宅を建設する。以上のほか、住宅金融公庫で融資十億を考えておりまして、被災住宅の復興をはかるために建設及び補修資金の融資を行ないます。 以上でございます。
○川村委員長 次に、内村運輸省官房参事官。
○内村説明員 運輸省関係といたしましては、運輸省、海上保安庁、気象庁、それに日本国有鉄道、これを一括いたしまして概略御説明申し上げたいと思います。 第一ページをごらんいただきますと、まず、科学技術研究といたしましては、運輸省、海上保安庁、気象庁、日本国有鉄道、全部ひっくるめまして三億九千百万、それから災害予防につきましては、国鉄も含めますと総額が百九十一億五千四百万、国土保全が七十億八百万円、災害復旧が十四億九千二百万、以上の合計が、国鉄を含めますと二百八十億四千五百万、国鉄を除きますと百八十億五千八百万となっております。 以下、その内容について御説明申し上げます。 科学技術関係でございますが、まず二ページをごらんいただきまして、運輸省関係として二億一千四百万計上されておりますが、この中の大きなものは、大型平面水槽を港湾技術研究所に新設するための予算でございます。これは四十四年度を初年度といたしまして、二カ年計画で整備するわけでございます。それからそのほかに、沿岸波浪の特性を研究いたしまして、港湾及び海岸保全施設構造物の建設技術の合理化に資することとしております。 次に、海上保安庁関係の千八百万でありますが、これにつきましては、地震予知のための基礎資料を得るため、地震多発海域におきます海底地形とか地質構造でありますとか、そういったものの測量とか観測に必要な経費が千二百万。それから、船舶航行の安全をはかるために、洋上波浪の実態を測定するための計器の試作開発、こういうための経費が六百万ほど計上してございます。 それから次に、気象庁につきましては一億五千九百万が計上されておりますが、その内容といたしましては、九千二百万が一般の気象、地象、水象等に関する経常的な研究に要する費用となっております。さらに、特別研究といたしまして六千七百万を計上いたしまして、それによりまして台風、集中豪雨、地震、こういったようなものの機構の解明、あるいはロケット観測による超高層大気の研究でありますとか、あるいは航空機の航行安全に及ぼす悪気象の研究、こういうふうなものを特別研究として予定いたしております。 次に四ページに参りまして、災害予防の関係でございますが、これにつきましては、運輸省といたしまして五億七千一百万計上しております。その内容を申し上げますと、地方鉄道、軌道、こういうものの豪雪地帯における輸送を確保いたしますために、そういった地帯における地方鉄道、軌道に対しまして防除雪設備を整備するための補助金を計上しております。そのほかに、航空路の管制施設、航空保安施設、こういったものを整備することにしております。それからさらに、空港の消防、除雪体制の強化ということもやっております。 次に、海上保安庁でございますが、三十八億五千百万円計上されております。この内容といたしましては、おもなものを申し上げますと、航路標識の整備、これが二十一億八千百万ばかりございます。内容といたしましては、新営が約百九十カ所、改良改修が約三百程度考えております。次に、航空機あるいは航空基地の新設あるいは保安署、巡視船艇等の整備増強に対する費用といたしまして十三億五百四十万円を計上しております。その中で、巡視船艇が二十一隻代替建造を予定されております。なお、航空機につきましてはベル型一機、ビーチクラフト機一機の購入が予定されております。それから、タンカーもだんだん増してまいりますし、大型化してまいりますので、その火災発生の危険性に備えまして消防船の建造を予定しております。これは一億九千八百万が計上されております。そのほかに、保安通信体制を確立し、あるいは巡視船艇にレーダーをつけるというようなことで一億四千三百万。それからさらに、大型タンカーのいわゆる油が流れた場合の拡散防止に必要な資材、器材あるいは流出の油を処理するための薬品といったようなもののために二千四百万を計上しております。 次に、気象庁の四十七億四千四百万でございますが、これにつきましては、一般の気象観測及び予報業務の整備強化に充てますものとして、気象資料自動編集中継装置であるとか、通信施設あるいは気象ロケット観測業務の整備強化、なお観測測器の近代化を行なうために二十五億九千六百万を計上しております。さらに、レーダー観測網あるいは地震観測施設あるいは気象観測船の新造というようなもののために十三億八千万を計上しております。さらに、航空気象業務の整備強化をいたしますために、沖永良部空港出張所の業務開始に伴う経費、そのほかに、既設の航空気象官署の観測測器その他の施設の充実を考えております。それからまた、農業気象業務の整備として二億二千五百万円を計上しております。また、小笠原諸島の復帰に伴いまして、父島及び南鳥島の気象観測所の整備充実をはかるために一億四千八百万を計上しております。 次に、日本国有鉄道につきましては九十九億八千七百万を計上しておりますが、そのおもな内容は、橋梁、それから橋けたの改良工事、降雪多量地における防除雪設備の整備、老朽隧道の改修等の工事、幹線における地すべり地帯の線路変更その他がおもな内容となっております。 次に、六ページの国土保全にまいりまして、七十億八百万計上されておりますが、そのうちの七十億は海岸等の事業費でございまして、東京とか大阪等主要な港湾海岸二十七カ所、それから一般の港湾海岸百七十九カ所の海岸保全のための経費でございます。そのほかに、港湾施設災害関連事業費といたしまして八百万を計上しております。 それから次に、災害復旧でございますけれども、十四億九千二百万を計上しておりまして、そのうちの十四億八千八百万が直轄事業及び補助事業を含めた港湾施設の災害復旧事業でございまして、残りの四百万が空港施設の災害復旧補助事業でございます。 以上でございます。 —————————————
○川村委員長 引き続き、旅館等の火事による災害対策について調査を進めます。 まず、消防法施行令の改正等につきまして、消防庁当局から説明を聴取いたします。山本消防庁次長。
○山本(弘)政府委員 消防法施行令の一部を改正する政令につきまして御説明申し上げます。 お手元に要綱を配付いたしておりますが、第一及び第二は、昨年度の通常国会において成立しました消防法の改正に伴うものでございます。第三、第四、これは有馬火災あるいは磐光ホテル火災に伴いますところの消防設備等の整備強化でございます。 第一から申し上げます。第一は共同防火管理に関する事項でございます。これは超高層あるいは地下街等におきましては、権限の異なる多くの管理者が防火管理の責任を持っておるわけでございますが、これらの方々は共同で防火計画を立て、防火管理に任ずることといたしました。この改正に伴いまして、政令にゆだねられている部分につきましては十六項に掲げる防火対象物、いわゆる複合用途の防火対象物で、地階を除く階数が五以上のものといたしたのでございます。 第二は、防炎防火対象物の指定等に関する事項でございますが、これも昨年度の消防法改正によりまして超高層、地下街あるいは劇場、キャバレー、飲食店、百貨店等、また旅館等、病院、老人福祉施設、幼稚園等並びに映画スタジオ等におきまして使用するところのカーテン、暗幕、どんちょう、その他舞台において使用する幕並びに工事用シート等につきまして、防炎性能を有する物品を使用しなければならないとしたのでございます。その防炎性能の基準につきましては、残炎時間、残じん時間、炭化面積及び接炎回数が一定の数値以内で、自治省令で定めるところによるものといたしたのでございます。 第三は、消防用設備等の規制の強化でございます。これは対象がおもに旅館、病院等になるわけでございますが、まず、自動火災報知設備の規制の強化でございます。その一つは、スプリンクラー等の設置をしておりますところの防火対象物が、従来は自動火災報知設備の設置義務がなかったわけでございますが、これにつきましても設置義務を課しました。また、耐火構造物で内部の仕上げを不燃材料等でした防火対象物に対する設置義務面積の緩和規定を削除いたしたのでございます。また、自動火災報知設備には必ず非常電源を付置しなければならないというようにいたしました。さらに、この改正による規制の強化は、既存のもの、すなわち昭和三十六年四月一日以前のものでもいわゆる遡及適用する、かようにいたしたのでございます。 次に、電気火災警報器でございます。これは、従来は用途とか規模によって規制をいたしておりましたが、このたびは契約電流容量が五十アンペアであります場合は設置の対象といたします。また、耐火建築物でありましても、鉄網入りの床、壁または天井を有するものについては設置しなければならないことといたしたのでございます。 次に、非常警報器具または非常警報設備でございますが、これは器具、設備の設置対象の区分を明らかにするとともに、設置対象を拡大をいたしました。また、非常警報設備に放送設備を加えました。非常警報設備には、先ほどの自動火災報知設備と同様に、非常電源を付置しなければならないというようにいたしたのでございます。これによりますと、たとえば三百人以上を収容する旅館等におきましては、非常ベルのほかに放送設備を設けるというふうになるわけでございます。 次に、誘導灯でございます。これも同様に、避難口誘導灯及び通路誘導灯の設置対象の範囲を拡大いたしますとともに、非常電源の付置義務をすべての誘導灯に拡大をいたしたのでございます。 次に第四、検定に関する事項でございます。火災報知設備の中に、新たに煙感知器を検定対象に加えたのでございます。したがいまして、ホテル等の廊下部分あるいは階段部分、そういったところには煙感知器を付置さすことによりまして、温度よりも先に煙の拡散がすみやかでございますから、すみやかに火災を感知する、こういうふうにいたしたのでございます。 以上でございます。
○川村委員長 これにて説明は終わりました。 —————————————
○川村委員長 昭和四十四年度災害復旧事業計画等並びに旅館等の火事による災害対策について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。天野光晴君。
○天野(光)委員 先日の委員会で質問をいたしまして、厚生省のほうに要求をしておきました事務の取り扱い方についてきょうは質問をいたします。 いま消防庁で消防法の施行令の一部を改正された、これはけっこうだと思うのですが、どのように改正しても、その施設なりそうした設備が完全にできないうちに営業を始めるようでは、これはどうにもならないわけであります。そういう点で、建設省のほうは建築基準法に基づく許可を与え、消防庁のほうでは、消防署関係は消防法に基づく安全性を確認した上で、厚生省が営業の許可をするというのが手順でなければならない。ところがいままではそうではなくて、全然別々にこれをやっておったきらいがあるようであります。特に厚生省のほうは、衛生関係だけが完全であればそれで営業を許可するという方針をとっておったのがいままでの慣例であったようであります。そこで私はこの前質問したことは、建築基準法で規制を要求したことがそのとおりでき上がったかでき上がらないかを確認して、消防法に基づく規制も確認した上で営業の許可を与えるように、各省間の事務的扱いができるはずだから連携をとってほしいという希望を申し上げておいたのでありますが、その点について厚生省のほうでは現在までの段階においてどのような手続をされて、どのような話し合いをされて、今後どのように措置されるか、伺いたいと思います。
○赤穴説明員 この前も若干御説明申し上げたのでございますけれども、建築基準法と消防法令との関係につきましては、建築基準法につきましては従来から、建築確認と営業許可につきましては、事実上の行政措置といたしましてはかなり相互にリンクをとっておったわけであります。磐光ホテルにつきましても、福島県の郡山土木事務所長と郡山保健所長との間におきまして、営業の許可あるいは確認に際しまして、前後六回にわたりましてその確認、営業の許可についての相談をいたしておるわけでございます。しかしながら、従来とかく消防法令関係につきましては必ずしも十分な連携がなかったわけでございますので、この点につきましては、昨年末以来各省連絡会議におきまして種々検討いたしました結果、消防法令関係につきましては、消防関係機関の通報を得た後におきまして旅館業の許可を与える、その確認をいたさない以前におきましては旅館業の許可は差し控える、かような措置を本年二月一日からいたしております。この点につきましては、先般私どものほうの各県の主管課長会議を二月二十七日に開催いたしたわけでございますが、このときにおきましても十分そのような措置を今後とも徹底するように指示をいたしております。 なお、法令上におきましてこのような措置を具体化するにつきましては、確認の問題、特に建築基準法との関係におきましては確認の問題と竣工検査あるいは使用承認、この辺の関連をどのようにするかという問題がございますので、私のほうといたしましてどの点をとらえていいかという問題もございますので、法律改正をするかしないか、あるいはどのようなものを取り上げたらいいかということについては、十分検討いたしたい、かように考えております。
○天野(光)委員 この前とやや同じような答弁の内容なんですが、そうしますと、法律改正をして三者一体になって許可をするという方向に持っていくまでにはこれから検討をしたい、現在の段階では、建築基準法に基づく扱い方は大体事務連絡でやっておったが、消防法関係については連絡の不備の点もあったので、事務の取り扱い方として消防署と地元の保健所との間で連絡をとって、そして消防法並びに建築基準法に基づく許可が出た段階において営業を許可する方針だ、こういま説明されたと思うのですが、万が一その手続が無視されて、そして営業だけ許可するというようなことがかりにあった場合においては、法的な裏づけがなければこれはどこにもしりを持っていく場所がないんじゃないかと思うのですが、そこらあたりはどうですか、その扱い方については。
○赤穴説明員 この点につきましては、すでに各県が保健所長を集めまして、具体的な措置についてその取り扱いを私どもの指示いたしましたとおりにやっております。すでに福島県におきましても、磐光パラダイスの火災が起きる前後におきましては、かなりの程度、三分の二程度まではそういう措置をすでに末端の保健所まで徹底しておったことも私ども承知いたしております。そのような保障が法律上あるかないかという問題は、それはございますと思いますけれども、事実上すでにそういう措置でほとんどカバーできるもの、私どもはかように考えております。
○天野(光)委員 消防庁のほうにお尋ねしますが、そうしますと、いま厚生省の環境衛生課長から説明のあったように、消防庁のほうでも各末端の消防署に対して、営業の許可との連携上必要な事務的な措置は相議するように命令が出ておるのですが、そういう扱い方の方針はきめてあるのですか、それはどうなんですか。
○山本(弘)政府委員 ただいま厚生省のほうから御説明を申し上げた内容につきましては、有馬火災以降、関係各省庁で構成いたしました連絡協議会において十分練りまして行ないました行政措置でございます。厚生省は厚生省の系統でもってその趣旨を徹底さしておりますとともに、私たちは消防機関に対しまして、今後旅館等の許可の取り扱いについては、厚生省はこういう方針であるから、消防機関としては、営業許可申請を保健所に願い出た場合に、保健所がそれを受け取ります、それが直ちに消防機関に通報されますから、すみやかに査察をして、そうして消防設備の点検確認をして、そして保健所に連絡をするように十分に徹底をさしてございます。
○天野(光)委員 それでは私の質問はこれで終わりますが、希望を申し上げておきます。 いまの扱い方では、やはり何といっても不備な点が最終的に出てくると思うんです。そうですから、この前厚生省は、粟山政務次官が出まして、立法措置を考慮するという答弁をしております。きょうは大臣も政務次官も局長も来ておりませんので、責任ある答弁はできかねると思いますが、あくまでも必要な措置を講じられた上において営業の許可はやるんだというはっきりしたものをつくっておく必要があると思います。そういう点で立法化を一日も早くやるように希望しておきます。どうしても立法化ができないというなら議員立法で扱いをいたすようにしますので、その点よく大臣に申し伝えまして、一日も早く立法措置のできるように希望を申し上げて、私はこれで終わります。
○川村委員長 神田大作君。
○神田(大)委員 私は、この消防法の施行令の改正につきましては、いま手渡しを受けたので、こまかく検討するいとまがありませんから、後の機会にまたこれについては質疑を申したいと思います。 さしあたっては、過般の磐光ホテルの火災について、これは各委員からいろいろと質問をされましたが、その後のその質問に対する当局の措置についてですが、こういう問題はいっでも中途はんぱになってしまう。徹底的にこれらに対する善後措置をしないために、引き続いてこのような大災害が起こるのでありますから、これらについて若干お尋ねをしたいと思います。 まず消防庁に、消防法の違反があの磐光ホテルにおいてもたくさんありました。違反といいますか、あるいは監督不十分といいますか、たくさんありましたが、これらのことについて、消防の責任者はその後どのような処置をしておるか、お尋ね申し上げます。
○山本(弘)政府委員 磐光ホテルにつきましては、調査によりまして、消防用設備等の設置義務に違反をしている部面が認められたわけでございます。したがいまして、大部分は焼けておりますが、ニュー磐光と称する部分が残っておるわけでございます。その部分につきましても消防用設備等の不備がございますので、それに対しまして早急に消防用設備を設置するように、措置命令を出すように勧告をいたしました。と同時に、残存部分が旅館として使用するには非常に不適当であるという見地から使用停止の措置をとるように、これまた勧告をいたしたわけであります。それを受けまして、郡山市消防長といたしましては直ちに旅館側に対しまして措置命令なり使用停止の処分をいたしたわけでございます。 以上でございます。
○神田(大)委員 あのときの火災の起こりました劇場というものは、ホテルの劇場のわきでございまして、これは劇場として認めておらないところで火災が起きたわけですね。これは建築法にも触れるし、消防庁としても、それら劇場としてやってはならないようなところでそういうことをやったことは、私はこれは重大な違反であると思いますが、このようなことをあえて許した管理者に対してはどのような処置をしておりますか、お尋ねします。
○山本(弘)政府委員 あの磐光ホテルにつきまして、大広間等について実質上、興行場法による興行場にひとしい使われ方をされておったわけでございます。これにつきましてその後調査の結果は、興行場法による許可を得ておるとのことでございました。また火の使用の点等につきましても当委員会で問題になりましたが、ああいったショーが火を使用して行なわれるということは、郡山市の火災予防条例の違反であるというふうに考えられるわけでございますが、この条例には罰則がございません。したがいまして、これについていわゆる刑罰等、告発というような処置はいたしておりません。
○神田(大)委員 今度の消防法の施行令の改正ですが、これでは罰則は改正はできないだろうと思いますが、そのような重大な、届け出をしなかった、そういう違反をした者に対して、これらの責任追及ができないということになりますと、今後何回警告を受けましてもそれをやらない、そしてそのような重大な災害が起きてもそれを処罰できない、このようなことに対しましてどう考えていますか。
○山本(弘)政府委員 先ほどの答弁でちょっと落としたわけでございますけれども、消防設備が法律に基づく基準どおりに設置されていない場合は、これに対して設置するように措置命令を出すようになっております。措置命令をかけましてもなお設置しないという場合は告発ができる、こういう法のたてまえでございます。 この磐光ホテルの例について申し上げますならば、消防用設備の不備がございました。消防機関も査察をいたしておりましたが、いわゆる行政指導の範囲内にとどまっておりまして、措置命令をかける、すなわち設置せよという正式な命令を出していなかったわけでございます。したがって、告発をするという法的な条件が満足されていなかった、そういう意味で、消防設備等の設置義務違反に対しては告発もなし得ない状況なのでございます。 なお、火災予防条例違反の点につきましては、これは条例そのものに罰則の規定がございませんので告発ができない、こういうことでございます。
○神田(大)委員 告発をしなかったから処分することができないというが、われわれが調査したところによると、これらの催告は五回ないし八回やっているように聞いております。実際地元の消防長としては五回も八回もそれに対しまして警告をした、そしてあのような災害が起きたが、告発しなかったから罰せられない。それは法律上そういうことでしょう。しかし、そうなると、八回もそういう警告をしながら、なおかつ告発しなかった消防長に責任があると思いますが、どう考えます。
○山本(弘)政府委員 こういった行政法規につきましては、たとえ罰則適用の規定がございましても、ある程度しんぼう強く、根強い行政指導を行なうというのが通例でございます。違反がある、それを見て直ちに命令をかけて、聞かないからすぐに告発に持っていくということじゃなしに、行政指導を根強くやっていく。通常の場合はそれによって設備設置義務を果たさす方向にいくわけでございますから、そういう方向でもって郡山消防長においては行政指導をしておられた、かように考えられるのでございます。しかしながら、従来、消防は予防査察いたしまして欠陥を発見いたしましても、単なる口頭による行政指導にとどまっておる、そのために法の目的が達せられないという面も出てきておることも事実でございます。したがって、今後におきましては、消防法に基づく規定の運用をもっと厳格にやったらどうか。そういう意味で、第一線の消防機関は査察を励行するとともに、査察によって発見した不備は法に基づく措置命令によって是正していく、それが果たされない場合においては、これは好ましいことではございませんが、やはり告発等の断固たる措置をとる、あるいは場合によっては、火災予防上危険だ、あるいはまた人命に危険があるという場合には使用停止をする、こういったこともちゅうちょすべきでない、こういう考えでもって現在は第一線消防機関に対する指導を行なっておる次第でございます。
○神田(大)委員 私は、これは大きな、法の施行令を改正するというようなことでなしに、消防法そのものをもっと検討しなければならぬ問題だと思います。施行令のあちこちをいじったくらいではこういう問題は済まない。水上温泉から有馬温泉、それから磐光ホテルと引き続いてこの旅館における大災害が起きた。水上温泉から有馬温泉になった場合に、この委員会においても相当強く消防庁に対して、こういう危険防止、災害防止をするように各委員から要求があったはずだ。にもかかわらず、何百人もお客さんを泊めるホテルの災害に対する不備を、八回も警告してそのままにしておくというところにこの災害が起きた。そういう態度ではこれからも必ず起きるでしょう。温情ある態度もけっこうですが、それも限度がある。その温情がかえって大災害を起こしたじゃありませんか。この問題は、単なる行政指導というようなことではなしに、一般の家屋であればとにかく、旅館、劇場、学校あるいは病院、こういうような多数の人が集まっておるようなところにおいて、七回も八回も警告してそのままそれを見過ごさせて、何らの管理者に対する責任追及ができないというような、こういうばかな話がありますか。私は、施行令の改正ももちろん大事でありますけれども、その前に消防法に対して根本的にこれを改正する点がたくさんあると思うので、この点についてはひとつ厳重に検討を加え、あなた方において出さなければ議員立法でも何ででも出さなければならぬが、先ほど天野委員が言ったとおり、もっと根本的に考えてもらいたい。 それから、劇場であるということの許可を受けてあると言いますが、この前の委員会で、劇場として許可を受けてあるのは、観客がいて、舞台で踊ったところです。火が起きた、この役者が準備をしていたところは、それは隣のホテルのところですよ。これは劇場として許可してないわけです。劇場として許可してないところから火が起きたわけです。劇場として許可しておらないところで火災が起きた。そういうところでそういう危険な準備をしたことに対して、管理者にこれは大きな違反があり責任があると思うのでございますが、消防庁ではどう考えますか。
○山本(弘)政府委員 あの場合は、三階で通常行なっていたショーを、当日風雪のために停電をいたしましたために、急遽一階大広間に会場を変更した。したがって、その準備のための楽屋と申しますか、そういうものに隣の本館の大広間の一部の部屋を使ったというふうになっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、その場所における火の扱いが悪かったということからああいった惨事を引き起こしたのでございます。したがいまして、先ほども申しましたように、消防法上どうだこうだということになりますと、消防法によるところの罰則適用の問題は若干、先ほど申しましたような意味で困難でございますが、いわゆる経営者におきまして業務上の過失等が認められるという場合においては、その面からの追及と申しますかは十分検討の余地はあるのじゃないだろうか、かように考えておるのでございます。
○神田(大)委員 それについて建設省、どうですか。劇場として許可を受けないところで劇をやって、それで火災を起こしたことに対する責任はどうなんです。
○沢田説明員 私どものほうは、それの確認はホテルということで実は確認が出てきておりまして、ホテルの大広間という条件で確認をしております。通常、ホテルの大広間は、いままでのところ普通の宴会ということが通常の使用の態様としては考えられるわけでございます。そこで、先生のおっしゃいますような、火を扱って非常に危険なことをやるというようなことが確認の際に予想されておりません。したがいまして、そのような内装制限その他の処置がその部屋についてはされておらなかった。したがいまして、これは責任問題はもちろんございますけれども、こういうようなものの使い方が最近あるいは今後におきましても非常にふえてくるだろうということを考えまして、要するにホテルならホテルということで確認はできない。実際の使われ方に従って確認をしようということにいたしまして、今回の予定をしております。建築基準法の改正によりまして、中間用途というものを入れまして、たとえばああいうふうな大広間につきましても、劇場に近いような用途で使うという場合は、それなりにきつい制限をかけることができるような適用拡大、これを実はやりたい、かようなかっこうでいま原案をつくっておる次第でございます。責任問題につきましては、建物のほうからの確認に関する責任は一応私どものほうとしてはないと思います。
○神田(大)委員 厚生省はどうですか。
○赤穴説明員 先ほど消防庁の次長のほうから御説明がありましたように、磐光パラダイスの一階の大宴会場で当日ショーが行なわれたわけでございます。その控え室として、いわゆる楽屋として旅館側の大広間の一部を使ったわけでございます。その使われ方が多少問題はあろうと思いますけれども、問題は、その際に火気を使用したというショーが提供されたところに問題があるのではなかろうかと思います。したがいまして、この問題は火気の使用という点からのいわば業務上の問題、これはこの磐光ホテルなり磐光パラダイスの管理者の業務上の問題あるいは刑法上の業務上過失の問題、あるいはさらには重過失といいますか、失火させたという原因がそのショーに使いました火気が原因になるわけでございますから、その失火という点から当該ショーを行ないましたセブンスターズの責任者、これはすでに死亡いたしておりますが、これの取り扱い上の問題ということで、問題はもっぱらその火気を使用したという点がこの責任の大きな問題になるのではなかろうかと思います。劇場でなければそういうショーを行なってはならないという規定は必ずしも興行場法にもございませんし、一般論としてショーは劇場以外のところで提供される場合も間々あるわけでございますから、興行場法におきましてはもっぱらそういうところについての衛生上の措置の適用をきめておるわけでございますので、この事件の問題といたしましては、主としてそういう刑法上からの業務上過失の問題あるいは失火の問題ということでの取り扱い方が通常の取り扱い方になると思います。
○神田(大)委員 ちょっとおかしな話ですね。届け出をして劇というものはやるのでしょう、どこそこで劇をやると。ところが、劇場でないところ、届け出と違う劇場、ホテル等——建設省でもはっきり言っているとおり、ホテルという場所で準備をしたということは、これは厚生省の関係で、そういう劇をやらせるということは、無届けでどこでも何でもやらせるのですか、お尋ねいたします。そして入場料を取っているのですよ。
○赤穴説明員 そういう興行形態につきましては興行場でやるわけでございますが、興行自体につきましては、確かに当日におきましては興行場法として許可を受けた大広間で興行がなされたわけでございます。その楽屋と申しますか、控え室というものにそこを使ったという事態が起きたわけでございます。その管理という面から、その旅館なり興行場というものを管理している管理者として業務上十分な注意をしたかどうかという点が、もっぱらこの火災の大きなポイントになるであろうということを、私は申し上げているわけであります。
○神田(大)委員 それでは警察庁にお尋ねしますが、警察庁はこのような管理者の重大な不注意、管理の不行き届きに対していままでどのような経過と、措置をしたか、お尋ねします。
○田村説明員 お答えいたします。 経営者側の刑事責任についてどのような捜査をいたしたか、こういう御質問でございましたが、福島県警本部におきましては、本件発生以来所轄郡山署に捜査本部を設けまして、現在まで慎重に懸命な捜査を進めているところでございます。それで、捜査の対象事項といたしましては、捜査中でございますので詳細の点につきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、たとえばパラダイスの二階の非常口と階段の問題であるとか、あるいはパラダイス三階の出入り口あるいは磐光ホテルのとびらの開閉の問題、あるいは火災報知機の問題、あるいは先ほどから問題になっております三階の劇場を使用しなかった問題、あるいは裸火の使用と郡山市の条例との関係、あるいは消防署の行政指導との関係などにつきまして、現在経営者側をはじめ従業員、宿泊者などにつきまして取り調べを行ないますと同時に、消防機関等の立ち入り検査の状況あるいは行政指導の実態等につきましても照会をし、あるいはいろいろと事情をお聞かせいただいて捜査につとめておるわけでございます。しかしながら、何ぶん宿泊客や従業員が相当離散をいたしておりまして、その取り調べなどに相当時間を費やしているような状況でございまして、現在のところまだ最終的な結論には到達いたしておらない、こういうふうな次第でございます。
○神田(大)委員 これは私は何も警察の取り調べに対してどうこう言うわけではありませんが、このような重大な過失をいたしました最大の責任者は管理者にあると私は思う。先ほど厚生省からも言われた厚生省の答弁等につきましても、楽屋であるから劇場でないという、そういう話はわれわれ聞けないのですがね。これは楽屋であろうと劇場の中であるべきだ。劇場の外に楽屋をつくってやるという、それは私は納得がいかないのでありますが、まずそのことをいま一回聞きましょう。
○赤穴説明員 私は楽屋が劇場でないと申し上げたのではございませんので、そういうところを楽屋としてたまたま用いるということは、あるいは経営者が共通であるがゆえに、場合によっては十分考えられることでございますので、そういうところを楽屋としてたまたまそのときに使ったということで、興行場法違反というようなことにするには非常に難点があるというふうな配慮から申し上げたわけでございます。
○神田(大)委員 そういうことになりますと、管理者が火を使うショーを、非常な不注意、重大な不注意なやり方でもってやってあのような災害を起こしたのであるから、私は管理者に相当の責任があると思う。それから非常口等も、非常口というしるしがあって、そこへ行ってみたところが外からかぎがかかってあかない。そのためにあの辺に十何人かの死者ができたのですね。こういうのもこれは管理者の重大な責任であって、消防法のいわゆる誘導灯を幾らつけたところで、非常口にかぎが表からかかっていたのではどうにもならない。こういうことは管理者の重大な責任で、もしこれがそのとおりにあがっていたならば、三十一人の死者というものはできなかったわけです。表へ出られたはずです。こういうことでもって、私は今度の磐光ホテルの火災の最大の責任者は管理者になると思うのですが、この管理者を処分せずして、まだこの金粉ショーをやった者や何かを重過失罪か何かで取り調べているようでありますが、もちろんそれはそういう罪に合うでしょう。しかしながらそういうところでそういうショーをやらせたホテルの責任者をなぜあなたたちは徹底的に追及しないのですか。このごろ災害がひんぱんに起きるのは、いつも最初ぎゃあぎゃあ騒ぐが、あと始末をしないでしり切れとんぼにするからだ。私は、この点を各官庁とも徹底的に追及をして、このようなずさんな経営、ずさんな管理をするとこういう災害が起きるということをはっきりと示さなくちゃならぬと思う。警察庁、どう考えますか。
○田村説明員 ただいま御指摘のように、常識的に、あるいはごく普通に考えまして、多くのあやまちがあり過失があるというふうに考えられる場合もこれは相当あると思います。しかしながら、これが刑法上の犯罪として成立するかどうかということにつきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように犯罪ありというふうに判断をいたすということも、これまた重大な問題でございますので、徹底をした綿密な捜査というものを私どもやらなければいけない、こういうふうに考えておるのでございます。福島県警におきましても、慎重に、綿密に、落ちのないように徹底した捜査を現在やっておるということでございますが、何ぶん、一例を申し上げますと、宿泊人も三百人ほどおりまして、また従業員も三百人近くおったというふうに聞いております。ショーにおりました人も百五十人くらいおったということでございます。この火災後、宿泊者あるいは従業員等も相当出身地等に帰りまして、福島県警といたしましては東北、関東の各県まで出張捜査をいたしまして、当時の状況等についてただいま綿密な捜査をやっておりますけれども、何ぶんにも相手があることでございますので結論には到達いたしておりませんけれども、そういう意味におきまして予断というものを抱くということは捜査には禁物でございますが、福島県警におきましてはそういう立場から徹底をした捜査をやる、こういう態度、方針をもちまして現在捜査を続けておる、こういう状況でございます。
○神田(大)委員 それでは、だいぶ日にちがかかっておるにもかかわらず、まだいま捜査中であるということであれば、私はこれ以上申し上げませんが、これは今後の災害にも大きな影響を及ぼすことであるから——重大な業務上の過失といたしましてわれわれは常識的にこれは考えているわけです。三十一人の死者並びに多くの負傷者を出し、私らが見舞いに行ったときは、女の人が顔面全部やけどになって、これでは一生、私は死んだほうがいい、この顔でどうしますと言って、われわれに泣いて訴えた。このような重大な過失の原因をつくっておきながら法のさばきを受けないというようなことは、私は許されないと思うのです。そういう意味合いにおいて、今後徹底した捜査をし、今後の災害の戒めにしていただきたいと私は考えます。 最後に私は、この火災でなくなられた方の遺族に対して、その後どのような遺族補償が行なわれておるかどうか、これをお尋ね申し上げます。
○山本(弘)政府委員 火災直後に、県、市ともに被災者に見舞い金を出しておりますが、いわゆる補償交渉の問題でございます。これにつきましては、最初に会社側が葬祭料等も含めた意味で五十万円を出したというように聞いておりますが、その後遺族との交渉の結果、つい数日前に最低三百五十万という線でもって基本的な了解線ができ、今後は五月までに個別的に金額をどういうふうに積み上げていくかという交渉をする段階に至っておる、かように聞いておるのでございます。
○神田(大)委員 有馬温泉の場合はどの程度で話がついたか、お尋ねします。
○山本(弘)政府委員 有馬温泉の場合は、十二月に入ってからと思いますが、一人平均五百三十万円で話がついた、かように承知いたしております。
○神田(大)委員 補償の問題については、消防庁として、あるいは警察方面として口を入れるべきではなかろうと思いますが、しかしながら、あのような不慮の災難を受けた者に対しまして——いま交通事故等におきましても相当の賠償金が払われているわけです。その人が一生働いた場合における収入等と見合うと幾らになるというようなことで、いまは相当の賠償金が払われておるのでありますが、三百五十万というようなことでは、とうていこれは現在の補償の額からいえば問題にならぬ、そういうふうに私は考えておるのであります。これらについても、これら不幸な犠牲者に対してあたたかい思いやりを持って、これの弁償についてできる限りの助言をしてしかるべきであると私は考えるのでありますが、消防庁としてはどう考えますか。
○山本(弘)政府委員 補償の問題は経営者と遺族の問題でございます。いわば民事の問題でございますので、正式に消防機関が介入をしてどうこうするということはいかがかと思うのでございます。現地の実情はつまびらかに承知いたしておりませんが、遺族会と会社側との会合がすでに数回持たれておるようでございます。その結論が、いま申しましたように、最低三百五十万というところで一応の大筋をきめて、今後五月までの間にいわゆる個人的事情を加味した積み上げを行なっていくということでございます。消防機関として、この問題については幾ら幾らがいいからかように取り運ぶというような指導なり、あるいはまた考えを申し述べるということにつきましては差し控えるべきものであろう、私はかように考えるのでございます。
○神田(大)委員 もちろん消防庁がその中に介入するというようなことではなしに、一般の賠償の額というものが、世間大体もういろいろの災害等においてすでに支給されておる、そういう額等を勘案して、世間並みな、しかも遺族がそれでもって納得できるような額を国民世論として、そういう犠牲者に対しましては支払うべきだ、こういうふうに私は考えておるわけです。 いま一つ最後に消防庁に……。時間がないし、あと同僚議員の質問があるから私はここでやめますが、消防法に対するいろいろの欠陥、罰則の適用とか、いろいろの問題に欠陥があります。これを私は施行令だけの改正にとどめることではなしに、消防法の抜本的な改正をして、これからこのような災害を未然に防止すべきであると思いますが、消防法の改正等についてどのように考えておりますか、お答えを願います。
○山本(弘)政府委員 先ほども申し上げましたように、消防法自体の運用について、従来若干法の適用について問題があったということをわれわれも率直に反省をいたしまして、今後におきましては、現在の消防法の中で消防機関に認められておるところの権限を必要ある場合はフルに活用する。すなわち、場合によっては使用停止処分にする、また措置命令もかけるというような運用をいたすように第一線機関を指導してまいりたい、かように考えておりますとともに、ただいま先生が申されましたように、人命保護の見地から現行消防法の規定を一々徹底的に検討いたしまして、必要ある場合におきましては法改正をもって臨みたい、かように考えておる次第でございます。
○神田(大)委員 私の質問を終わります。
○川村委員長 福岡義登君。
○福岡委員 消防施設問題についてまずお伺いしたいと思うのですが、現在いわゆる消防施設がどのくらいあるかという点を聞きたいのですが、化学消防ポンプ自動車、それから普通の消防ポンプ自動車、こう大別いたしまして、基準に定められておるものに対して現在の施設はどれだけあるかということをまずお伺いしたいと思います。
○山本(弘)政府委員 消防施設の基準に対する充当率の問題でございますが、一般ポンプ自動車と化学消防自動車とを分けてお尋ねでございますが、全体として申し上げたいと思いますが、大体全国的には六〇%くらいの充当率になっております。
○福岡委員 私が調べましたのも大体そのくらいでございますが、充当率が非常に低い。どういう計画を持っておられるのかお伺いしたいと思う。
○山本(弘)政府委員 消防力充実のためには、補助金あるいは地方債等によってその充実をはかっておるわけでございますが、なおそのほか一般財源としまして、地方交付税において基準財政需要額の中で措置いたしております。年々消防施設の補助金を増額しておりまして、今年度は十六億数千万円になっておりまして、前年度より二億円以上の増額をいたしております。また起債等におきましても、本年度はまだ最終的にきまっておりませんが、昨年度は五十六億円というふうになっております。それから消防費全体について、市町村の基準財政需要額に昨年度は約一千億を見込んでおるのであります。これは地方交付税の中での消防費全体でございます。今年度は、それに対しましてさらに単位費用を伸ばすことによりまして、大体百五十億円前後の増、すなわち一千百五十億円くらいの基準財政需要額を市町村の消防費の中で見込んでおる次第でございます。
○福岡委員 いま御説明のあったようなテンポでまいりますと、一〇〇%の充当率になるのはいつごろになりますか。
○山本(弘)政府委員 私たちといたしましては、一応五カ年計画ぐらいを考えておるのでございますが、これは先ほど申しましたような補助金の伸び等を勘案した場合におきまして、いつごろまでに一〇〇%になるかという点につきましては、ちょっといま申し上げられないと思うのでございます。ただ、ただいまわれわれといたしましては、もちろん全体を伸ばすことも大事でございますけれども、補助金あるいはまた地方債等の運用におきましては、できるだけ重点的に配分を行なうことによって、火災危険度の強い市町村についてこれを配分して充当率を引き上げていく、かような方針でおります。
○福岡委員 まことに不満足なんですが、六二%しか必要量に対して現在の施設がない、そういう状態であるにもかかわらず、一〇〇%になるのはいつごろかわからぬというのは一体どういうことになるのですか。
○山本(弘)政府委員 実は、消防力の基準という、われわれが示しておりますところの各市町村の保有すべき消防施設の数量でございますが、これは昭和三十六年につくったものでございます。その後、交通が発達してまいりまして、たとえばいままでは車で行けなかったところが車で行けるようになったとか、あるいはまたポンプ自動車の性能も高まってまいっております。したがって、そういう点を加味いたしまして、消防力基準そのものも現在再検討する段階にある、われわれはかように考えておるのでございます。いままで申し上げております六〇何%というのは、昭和三十六年につくりました消防力基準に対しまする充当率でございます。新しく消防力基準をいま言ったような要素を加味して考えた場合に、どれだけの数になるか。パーセントがおそらく若干は上がってくるのではないか、かようにも考えられるのでございます。そういう意味もございまして、先ほど、いつになったら一〇〇%になるかどうかわからないということを実は申し上げたのでございます。 なお、いま問題になっておるのは、国として措置し得る補助金あるいはまた地方債の点からもっぱら申し上げておるわけでございまして、消防の基準財政需要額が最近相当伸びてまいっております。その中で、交付税として一般財源の中で見られておりまする消防費を、市町村がもっと防災という見地からそれに目を向けていただくならば、いわゆる補助金、起債によらぬところの単独による消防力の増強、こういうこともなし得るわけでございますので、われわれといたしましては、一般財源による消防力の増強という点につきましても、市町村に強く働きかけ指導してまいりたい、かように考えておるのでございます。
○福岡委員 それにいたしましても、防災関係を担当される消防庁としては、もう少し積極的な計画というものを持っていただきたいと思う。一般財源の中で市町村がその気持ちになればというお話なんですけれども、市町村財政は一ころに比べまして若干好転しているとはいいましても、やらなければならぬ事業というものを相当かかえておるわけです。ですから、いまおっしゃったような方向に気持ちは動いたといたしましても、実情はそうは許さない問題があると思う。ぜひ消防庁として、補助金を中心にいたしまして、その他のおっしゃったようなことも加味して、早急に一〇〇%の施設になるように検討していただきたい。昭和四十四年度の予算を見ますと、いまお話しになりましたように、四十三年度九億が十億五千万になっておることは間違いございません。しかし、予算規模からいいますと、一五・八%大きくなっておるわけです。それに対して消防自動車関係の補助金は一一%しかふえてないわけであります。正確に言えば一一・七%ですね。非常に少ないわけであります。積極的に気持ちでは考えられたかもしれませんが、数字としてあらわれておりますのは非常に少ない予算である。先ほど申し上げましたように、早急に一〇〇%の施設になるように計画を立てていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 それから次に補助率の問題なんですが、三分の一の補助率になっておるわけであります。かねて市町村のほうからは、三分の一では財政上困難であるから、二分の一もしくは三分の二ぐらいにしてもらえないだろうかという強い要望が出ておることは御承知のとおりなんであります。ただ、いつでしたか、はっきり記憶しませんが、離島振興事業によって補助をする場合は三分の二補助になっておるわけであります。あとはもう三分の一の補助であります。特に最近過疎現象がはなはだしい状態であります。それから、離島振興法のような、いわゆる山村振興法という法律があるわけでありますが、たとえば山村振興に指定をされた町村については三分の二補助にとりあえず改善をしていくかどうか。全体の補助率を三分の一から二分の一なり三分の二に引き上げていただきたいというのが原則でありますが、直ちにそれができないといたしましても、山村振興の指定を受けておるようなところは、離島振興と同じように三分の二の補助率に引き上げてもらいたいと思うが、そういう方針はございませんか。
○山本(弘)政府委員 一般的に消防施設の補助金の補助率三分の一を二分の一ないし三分の二に増率するという問題につきましては、私個人といたしましては、消防施設増強の場合大いに役立つものであるという考え方でございますが、ただ消防施設強化促進法が、いわゆる何と申しますか、当面消防力の増強の必要あるためとしてつくられた法律でございまして、そして市町村消防というたてまえからいいまして、この補助金の性格は省令補助というふうな形になっておるわけでございます。そうしますと、一般的にこれを二分の一あるいは三分の二の高率に持っていくということは困難であろう、かように考えるのでございます。しかしながら、離島の消防施設の整備につきましては、先生が御指摘のように昨年から三分の二の補助率にいたしたわけでございます。離島と同じような条件にあるいわゆる過疎、したがって財政力が弱い町村等につきましては特別の措置をすることにつきましては、今後十分に検討してまいりたい、かように存じます。
○福岡委員 その検討はいつごろまでに終わっていただけますか。
○山本(弘)政府委員 これは結局来年度の予算要求との関連になろうかと思うのでございます。したがいまして、山村振興法の運用に関連をして連絡をとりながら検討をしてまいりたい。予算編成、いわゆる大蔵省へ提出する時期までに検討してまいりたい、かように存じます。
○福岡委員 昭和四十四年度には間に合わないといたしましても、ぜひ四十五年度からは実現するようにお願いをしておきたいと思います。 で、つけ加えて申し上げたいのですが、離島振興の場合も既存のワクの中の配分方法として処理されておるわけであります。三分の一が三分の二になりましたら、どこかをくくってそっちに向けられておるということになっておるわけであります。問題は全体のワクが少ないということにあるのでありまして、全体のワクをふやすという努力と並行的にやっていただかなければ、たとえば現在やっておられますように、各都道府県にあらかじめ総額から逆算をされて目標額を出される、そのワクの中で各県が順位をつけてあげてくるというやり方では、実際仕事をする都道府県の側からいいますと、話はわかるのだけれども、たとえば離島振興なり山村振興が今度入ったといたしましても、そっちへ三分の二補助を向ければどこかのやつを食うわけですから実効がない、こういうのですね。全体のワクが広がらない限り、三分の二補助にいたしましてもあまり意味がない。当該の、市はございませんが、町村はこれは効果があります。しかし県の立場からいいますと、総ワクをきめられてくるのだから、その中で三分の二にされてもあまりありがたくないということがありますので、補助金総額の増額ということをぜひ並行的にやっていただきたいと思うのであります。 それから次の問題なんですが、この補助金を配分をされるときに、われわれが聞いておりますのは、市の場合は五十万円、それから町村の場合は三十万円、一件当たりいま申し上げました金額以下のものについては取り上げない、いわゆる少額補助といいますか、そういうような観点から今日取り上げられていない、そういう実情を耳にしておるのですが、そういう事実がありますか。
○山本(弘)政府委員 零細補助金というものはつとめて避けていきたいというのが国の方針でもございます。そういう意味から消防庁もその方針に従っておるわけでございます。したがって、その方針は堅持していかねばならないものと考えておりますが、一つの町村に消防施設の要望がありますときに、たとえば防火水槽なら防火水槽がございます。防火水槽一基につきましては十二万円ぐらいでございますが、それを三基やれば三十六万円以上になるわけでございますから、その制限に入らないわけでございます。そういった意味で、ちょびちょび整備していくのでなしに、整備するときはまとめて整備をしてもらいたい、こういう考えもあるわけでございます。したがいまして、町村の実情を県とよく相談をしながら、われわれといたしましては、補助金を現実に交付する場合には施設の補助が効果をあげる、こういう方向でもって運用してまいりたい、かように存じておるのであります。
○福岡委員 できるだけまとめてやったほうが効率の面から言ってもいいことはわかるわけであります。しかし、町村の実情からいいますと、苦しい財政の中でそうも言われない面があると思うのであります。ですから、画一的に一件当たり五十万、三十万というようなことで割り切るのではなくて、特にこの場合は市というよりも町村、市でも小さいほうの市ですね、それから町村にそういう問題が多いと思うのでありますが、画一的に処理をされないように、実情に沿うように改善をしていただきたいということを要望しておきたいと思う。 それからもう一つ、これも要望なんでありますが、最近過疎現象の中で町村の消防団員が非常におらないのです。男が出かせぎその他の関係でいない。婦人消防団というのが御承知のように相当できておるわけです。しかし、小さい火災である場合には婦人でも間に合うかもしれませんが、ちょっとした火災になれば婦人では仕事にならぬと思うのであります。そこで、広域消防その他の観点から、そういう過疎地帯における消防体制というものについて特段の御検討をお願いをしておきたいと思うのであります。 次は、厚生省関係の災害救助法についてお伺いしたいのでありますが、一般的にこの災害救助法による応急救助の基準が低いのじゃないか。たとえば避難所の設置は一人当たり一日に四円五十銭から六円七十五銭という基準になっておるわけであります。また応急の仮設住宅で見ますと、一戸当たり十六万三千円。ついでに申し上げてみますと、食品給与関係では一人一日百円から、これは四日目から百三十円に引き上げられる。被服、寝具その他生活必需品を見ましても四人家族の場合で夏が八千円、それから冬で一万二千六百円ということになっておるわけであります。それから生業に必要な資金の貸与につきましても、一件当たり一万二千円ということになっておるわけであります。それから学用品の給与にいたしましても、小学生で八百九十円以内、中学生で九百五十円以内、こうなっておるわけです。埋葬料を見ましても、一体当たり三千七百円というようになっておるわけであります。以下、申し上げればあるわけですが、災害救助法による応急救助基準がいま申し上げましたように低いのではないか。ぜひ改定をしていただいて、実情に合うようにしていただきたいと思うのでございますが、どうでしょうか。
○大和田説明員 ただいまの御意見につきましては、実は昨年この問題につきまして非常に強い御意見が出まして、私どもこの基準の改定につきまして財政当局と折衝いたしました結果、昨年ようやく改定することができました。それで、ただいま御指摘になりました点でございますが、避難所の設置、これが四円五十銭というものを二十円というふうに引き上げてございます。それから応急仮設住宅につきましても、五坪十六万三千円、こういった基準を、内容を改善いたしまして六坪にいたしまして、金額も十九万円に引き上げたわけでございます。それからたき出しにつきましても、先ほどおっしゃいましたように一人一日当たり百円以内、四日目以降百三十円以内とございますのを、原則といたしまして一人一日当たり百五十円以内といたしまして、ただし災害発生の日より三日間は百二十五円以内というふうに引き上げをいたしております。そのほか、先生が御指摘になりました問題点につきましても、被服、寝具につきましても八千五百円を九千円に引き上げております。これは夏でございますが、冬が一万二千六百円を一万三千六百円に引き上げております。また、その他埋葬料、生業資金等につきましても、それぞれ若干の引き上げを行なっております。これにつきましては昨年の七月に改定をいたしまして、これを昨年の四月からさかのぼりまして適用しております。これにつきましては本委員会の非常に強い御指摘もありまして、従来にない実は大幅な改定が実現いたしたわけでございます。その点、今後これによりましてかなり実のある救助が行なえるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。
○福岡委員 それは勉強不足でまことに認識不足だったのですが、いまお伺いいたしまして相当前進をしたことだけは事実を認めたいと思うのです。しかし被服、寝具、生活必需品関係を見ますと、八千五百円が五百円上がって九千円にしかなっていない。冬は一万二千六百円が千円上がって一万三千六百円である。大幅改定だとおっしゃいますが、五百円ぐらい上がって、あるいは冬で千円ぐらい上がって大幅改定だとは思えないわけであります。そのほかの各項についてみましても、確かに避難所の問題でいえば四円五十銭が二十円になったということで、五倍近く引き上げられておるのですから、その倍率は相当なものだと思うのです。しかし実際に日常の中でこれが現実的なものとして考えられるかといいますと、必ずしも十分なものでないのじゃないか。ですから、前進をしたことは認めるのですが、まだまだ実情に合わない面が多いのじゃないかと思いますので、さらに御検討を加えていただくように強く要望をいたしまして終わりたいと思います。 次に、火災保険関係についてお伺いしたいのでありますが、いわゆる地震保険というのが昭和四十一年の五月から発足をしておるわけでありますが、この内容が非常に不備だと思うわけであります。主契約の保険金額の三〇%以内とされておりまして、しかもその限度額として、建物の場合は九十万円、家財の場合は六十万円ということにされておるわけであります。これは、地震という災害の性格から考えまして問題点があることは、私どもある程度わかるのですが、九十万円と六十万円というのではあまりにも低いのじゃないか。これを改善する必要があると思うのでありますが、一体どうお考えになっておるのでしょうか。
○松永説明員 地震保険の問題でございまするが、この地震保険につきましては、昭和四十一年に地震保険に関する法律ができまして、その際、保険金額をどう定めるかという問題がいろいろ検討されたわけでございます。その際、考えられる問題といたしましては、保険会社の担保力、それから、これは超過保険方式によってやっておりますので、国としての財政力、さらに最終的には掛け金の問題でございますので、契約者の負担能力、こういったいろいろの要素を考えまして、どう定めるかということを検討されました結果、制度発足にあたりまして、先ほどおっしゃいましたように建物九十万、家財六十万、主契約である債権金額の三〇%というふうになっているわけでございます。 この制度が発足いたしましていままで約二年九カ月ないし十カ月になるわけでございますが、国の地震再保険特別会計におきます保険料と申しますのは、幸いその間大きな地震がなかったというような点から、四十二年度末で、概数で申しますと約二十億、ことし、今後三月末までに地震がないと仮定いたしました場合に大体四十億くらいになる。したがいまして、私どもといたしましては、国としての積み立て金あるいは保険会社における積み立て金、こういうものが今後増大してまいりました場合に、将来の問題として逐次その内容の改善について検討してまいりたいと思っておりますが、いまのところ、まだ制度が発足しまして三年足らずでございますので、直ちに内容の改善をすることは困難ではないかと考えております。
○福岡委員 やはり早急に改善をしていただきたいと思うのです。えびの地震の場合の支払い保険金は三十三件で七百八万六千円、それから十勝沖地震の場合の支払い保険金は、合計いたしまして百六十七件で四千七十八万四千円ということになっておるわけです。もちろん、この地震保険がまだまだ普及していって、加入者がふえるとか、あるいは大きい地震がさらに発生をするとかいうようなことによりまして、保険会社の経理上の問題もこれは当然考えられると思うのであります。しかし、この地震保険に関しましては、百億円までの支払い保険金である場合は全額保険会社が負担をしますが、百億をこえ五百億までは二分の一を国が持つことになっておる。それから五百億をこえ三千億円までは全額国が負担をすることになっておるわけであります。ですから、国の負担との関係を考えていけば、ある程度改善をすることは可能なのじゃないか。また九十万、六十万ということで、地震で壊滅的な災害を受けた場合にこれで再建できるかどうかということになりますと、これはもう説明するまでもなく不可能だと思うのであります。ですから、せめて建物の場合は、坪十万円かかるといたしましても、十五坪程度の最小限の家でも百五十万円はかかるわけであります。それに家財ということになりますと、六十万の家財というのはあまりにも少ないじゃないか。地震災害というのは、もういまさら説明申し上げるまでもなく、われわれが想像する以上のものがあるわけであります。私も十勝沖地震の現地を見ましたが、あの山津波で家がどこに埋まっているか全然見る影もないという悲惨な状態であります。ですから、災害の程度に応じて段階を設けられることは当然でしょうが、全壊をしたというような場合は、九十万円で家が再建できるとは考えられぬと思うのであります。ですから、せめて百五十万ぐらい、家財で百万ぐらいにはする必要があるのじゃないか。これは保険会社にだけ責任を持てということになっておらぬのですから、国の負担との関係を考えていけば改善は可能だと思うのであります。ですから、いまのお話では直ちに検討する気持ちはないというお話でありますが、ぜひ検討をして早急に改正をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○松永説明員 私の申し方が悪くて、直ちに検討する用意はないと申し上げたのは行き過ぎでございまして、検討は絶えずしなければならぬと思っておりますが、いますぐできるかどうか、この点についてはまだ私どものほうでも結論を得ておりません、こういうことでございます。おっしゃいますように、確かにただいまの限度九十万、六十万というのでは、建物が全壊したような場合に、そういう大災害のような場合において不十分であろう、こういう点はおっしゃるとおりだと思いますので、私どもとしても鋭意検討いたしまして、なるべくすみやかに内容の改善をはかってまいりたいと考えております。 ただ、現在国の再保険特別会計におきまして再高限、全体といたしまして三千億まで債務負担しておるわけでありますが、この現在の限度である九十万と六十万というものは、その三千億との関係でできておるわけでございます。これは保険数理上の計算でそうなっているわけでございますが、仮定の問題といたしまして、この制度をつくりましたときに、過去数百年の地震について、古いものについては必ずしも十分統計はございませんが、いろいろ調べまして、かりに関東大震災、こういうものと同規模の災害が発生した場合にどの程度の災害があろうかということを想定いたしまして、そしてそれに対する損害額、もしこれに対する保険金額との関係で保険料の負担をあまり高くしないというようなことからすると、やはり九十万、主契約の三〇%程度に押えざるを得ない、こういうことで実は計算が成り立っておる次第でございます。したがいまして、今後内容を改善いたしまして、限度をおっしゃいますようにたとえば百五十万とかそういうふうに上げてまいるためには、三千億というものをさらにふやしていく必要がある次第でございます。
○福岡委員 早急に検討していただきたいと思うのですが、いま申し上げましたのは地震でありますが、風水害の場合、主契約の一〇%でしかないわけです。しかも限度額として二十万円、こういうことになっておるわけです。これも実情にはほど遠いものがあるのじゃないかと思うわけです。あわせて検討をしていただきたいと思うのですが、どういうようにお考えになりますか。
○松永説明員 風水害あるいは雪害、そういう一般の災害につきます保険の面につきましては、現在、住宅総合保険あるいは店舗総合保険、こういう保険種目の中で取り扱っておるわけでございます。保険の立場から申しますと、風水害あるいは雪害というのは、御承知のように地域が特定されたところに起こる可能性が非常に強いものではないか、そういうような点から、大数法則というものに基づく保険としてはなかなか乗りにくいというものが本質的にあるわけでございます。地震保険の場合は、まあわが国の領土全域が一応地震地帯に入っておりますが、風水雪害というものは非常に一部地域に特定されておる、そういうものは地震保険以上に保険数理としてはむずかしい問題があるわけでございます。それで、過去においては、こういう風水害というものにつきましては、火災保険では必ずしも担保しておらなかったわけでございますが、おっしゃいますように、こういう災害に対して保険で何もしないというのは適当ではないというような御意見から、昭和三十五年に、この風水害あるいは雪害という危険を保険で担保するということで、制度を手直しいたしまして、最初のときは、実は主契約の火災保険の三%で出発したわけでございますが、これではあまりにも小さいわけでございまして、その後逐次保険の普及とともに内容の改善も同時にはかるべきだ、こういうように私どもも保険会社を指導いたしまして、昭和三十七年五月にこの三%を一〇%に上げまして、限度十五万円というものをやったわけでございます。さらに昭和四十二年四月には、一〇%の限度は従来と変わらないわけでございますが、金額の十五万円を二十万円に上げまして、現在に至っております。おっしゃいますように、確かに一〇%、二十万円では非常に低いのじゃないかということは事実だと存じますので、保険の数理という面から申しますと非常にむずかしい問題がございますが、私どもとしてもできるだけ検討いたしまして、御趣旨に沿い、内容の改善をはかっていきたいというふうに思う次第でございます。
○福岡委員 時間がございませんので先を急ぐのでありますが、やり方によっては、地震保険のように一定金額以上の災害の場合は国が持ってやるということをすれば、単なる保険数理だけではなくて方法があるわけです。ですから、問題は、政府がやる気があればできない相談ではないというように思うので、ぜひこれもあわせて検討をしていただきたいと思うのです。 それから同時に、この問題とも関連はありますが、いわゆる個人災害の問題についてお伺いをしたいと思うのであります。 現在の制度では、個人災に対しての援助というものは、たとえば農地であるような場合にはあるのでありますが、家屋とか宅地とか家財とかいうものに対しては、具体的な措置が講じられていないわけであります。十勝沖地震の場合に、現地調査を終えましてから、この委員会で佐藤総理にもその問題を提起したのでありますが、たとえば個人災に対する例をあげれば、個人災害援護法というようなものを制定するとか、あるいはそこまでいけないといたしましても、災害共済法という程度のものを考えるとか、方法は幾つもあると思うのでありまして、個人災の救済措置についてぜひ制度化する必要があると思うのですが、どのようにお考えでありますか。
○弘津政府委員 お説のように、個人の損害について国として何とか援助するということも、いつも問題になりまして、私のほうも御趣旨に沿うように検討を続けておりますが、問題が非常に各方面にわたりますし、なかなか大きいので、現在のところはまだ原則として、個人の損害は個人の自主的な回復に待つというたてまえでございます。それにしましても、一応災害救助法であるとか世帯更生資金であるとか、あるいは母子福祉資金であるとか生活保護であるとか、あるいは災害復興の住宅融資であるとか被災者用の公営住宅の建設であるとか、租税の減免であるとか、一つ一つ拾ってみますと、個人の災害、損傷に対して、国あるいは地方公共団体が積極的にこれを助けるという手だては若干ございます。そこで、私のほうとしましては、お説のような一つの個人災害に対して全面的に何か法制的な措置を講じてやるということについては、現在まだ結論を得ておりませんけれども、今後災害の実情に応じて適切な改善を、いまのようないろいろな法的な措置もございますので、運用その他で十分改善をはかるようにいたしておりますが、一つの課題として、今後ともなおもう少し検討してみたいということでございます。
○福岡委員 御検討をしていただくというお話、それでいいのでありますが、融資でありますとか税制上の措置でありますとか、これはおっしゃいますようにあることは承知しておるのであります。しかし、それで大災害にあった個人の人々が全部救済されるということにはなってないのは御承知のとおりであります。ですから、やり方はいろいろあると思うのであります。それは別に議論をするといたしましても、個人災害を何らかの形で救援する、援護するという方向だけは打ち立てたいと思うのであります。そういうことで、ぜひとも検討を加えていただいて、早急に何らかの制度化をしてもらうように強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○川村委員長 神門至馬夫君。
○神門委員 私は、気象庁の所掌にかかわること、もう一つは、いまの質問の中にも含まれておりましたから大幅に省きまして、局地激甚法の適用にかかわること、この二つに分けて質問いたします。 まず、最初に気象庁関係のことでありますが、具体的な問題として、二月の二十七日、三月の四日の東京地方の雪、この雪に対する予報が全くはずれました。各新聞とも最大限の非難をしていたことは御承知のとおりでありますが、これを具体的な事例として、現在の特に気象関係についてお尋ねをしてみたいと思うのであります。 それで、まず、これも三つに分けまして、一つは、この前の三月四日の東京都地区の予報と実況の大きな相違、この事実関係、もう一つは、そのような誤報をした原因というものは、一体どこにあるのか、三番目には、予報の精度を向上するためにいかなる考えがあるか、この三つに分けてひとつ質問してみたいと思うのであります。 御承知のように、あのときの新聞の一つの見出しを見ますと、「狂いっ放しの雪予報」こういう大見出しで「現況追うのに四苦八苦、降り出して六時間後に注意報、すっかり上がって警報を解除」、まことにこの上ないほめ方をしているわけです。これ以上のほめ方のないような予報がもたらした結果、とは言いませんが、その日の交通事故を調べてみました。そうしますと、三月四日には事故の発生件数が何と東京都で三百五十件であります。これは二月じゅうの一日平均事故が二百四十三・四件に対して一四四%に相当します。重軽傷、いわゆる人身傷害に関しましてはこれも三百六十五人、二月の平均が二百六十・一でありますから、これも一四〇%に相当するのであります。このような交通災害が、予報が的確であったからというので直ちに免れたということにはならないと思いますが、しかし、そのような予報によって、いま交通密度がここまで極限にきたときに、何かの対策が講じられるのではないか、このような事故も減少したのではないか、こういうようにも一つは考えられるわけであります。その日の新聞を大体総合してみますと、ある新聞でいっているいい方が大体共通しております。「久米予報課長の話によるとこの大雪を降らしたのは九州の南、奄美大島付近に発生した低気圧が南岸ぞいを北東に進んだところへ、三陸沖の高気圧から冷たい気流が流れ込んだためだ」、こういうことを久米予報課長という専門担当課長がおっしゃっておる。これは他の新聞も大体一緒であります。それからさらに同課長は「低気圧が奄美大島付近に発生することを予想することは現在、気象学では無理だ」、ほかの新聞では「現在の技術では無理だ」、こういうふうな表現がありますが、この点も大体一致するわけであります。「もし、この低気圧の発生がわかっていたら、どんな予報官でも雪を予報したでしょう」、こういうような三つに分けて、大体の新聞が一致してこの誤報の原因についていっておるのでありますが、このようなことは、表現の違いはともかくとして、大体間違いはございませんか。
○柴田政府委員 大体間違いございません。
○神門委員 それで、時間がないようでありますから、事実関係を一ぺんずっと確認したいと思うのでありますがそれはやめまして、その中で言っておいでになる、現在の気象学では無理だ、こういうことの意味、これを概論的にひとつ御説明願いたいと思います。
○柴田政府委員 それは純技術的のことになりまして恐縮でございますが、その前にちょっとおわび申し上げます。 三月四日の天気予報は確かにはずれました。これは気象庁みずから認めております。その理由はどうであろうと、結果的にはずれたということには間違いございません。したがいまして、私といたしましてこの席上をお借りしまして、それによって御迷惑をかけました一般国民に対しまして深くおわびを申し上げます。 その低気圧の発生を予測することは無理だ、これをもう少し詳しくお話し申し上げますと、西日本のどこかに低気圧が発生するであろうということは、現在の気象学といいますか、気象技術では推測可能でございます。しかし、それが奄美大島に発生いたしましてあのようなコースを通って東のほうに進むということを全部見きわめるということは、現在の気象学あるいは気象技術においてはその限界を越えておる点がある、こういう意味でございます。
○神門委員 そのような予測を理論的にあらかじめ把握することがむずかしいのだ、こういうことでございます。そのことでしたらわかるのですが、しかし現在の気象予測というものが、直ちにそれが理論的に解明されなかったから把握できないというものではないと私は思うのであります。ですから、そこに気象観測網の充実というものがある。あなたのほうからもらいました「今日の気象業務」、この中での気象官署の配置図を見ますと、たくさんの観測所が大小にかかわらず、あるいは精度のいかんにかかわらずございます。そのような中で、このような観測所はいわゆる常時監視体制というものを整えておるのかどうなのか、この点について、夜昼常時観測体制を整えておるのかどうなのか、この点をまずひとつ……。
○柴田政府委員 観測所にはたくさんの種類がございまして、毎時間気象観測をきめられておる気象観測所もございます。一日四回でいいというようにきめられておる気象観測所もございます。たとえばこの、問題の低気圧が発生いたしました鹿児島などは毎時間観測をやっておりまして、四六時中、一時間ごとに観測をやっております。その他の観測所では、先ほど申しましたように所によれば一日四回しか観測してないところもございます。
○神門委員 常時観測体制が、所によっては毎時観測、いわゆる二十四時間観測がなされておるところもあるが、ここにありますところの観測所には毎時観測体制というものがないのが多いのじゃないですか。
○柴田政府委員 全国的に見まして、たしか毎時観測の個所は二十何カ所だったと思います。そのほかは毎時ではありません。八回とか四回とか……。
○神門委員 そうしますと、この図で見ますと、名瀬と沖永良部、これから八丈島までのコース、ここにはいわゆる海上観測の方法しかないのですね。そうしますと、急速に発生した低気圧の進路を把握することによって関東地方の雪か雨かを判定し得る、こういうことになりますと、この間の観測は何によっておやりになりましたか。
○柴田政府委員 現在、大体その付近を航行しております船から入ってくる観測資料でございます。しかし問題は、この海上の観測点が非常に不足しているということが現在われわれの問題でございまして、そのためにいろいろなことを考えている次第でございます。
○神門委員 昨年でしたか、船上通信員の勤務態様が変わりまして、いわゆる夜間における通報義務がなくなりました。この海上観測をして報告する義務がいままであったのがなくなってきたわけですね。そうしますと、あのときに新聞で問題になりました、前の日に予測いたしました天気図、そしてその四日の日でしたかの朝三時の観測をした天気図、このようなものが非常に大きくおくれて、次々と後手後手になったわけですね。これも、名瀬から八丈島の間には海上観測を行なうという義務的なものがない、全くめくらになっておると見ていいのではないか。
○柴田政府委員 その点につきましては、もしもその近海に気象観測をする船舶がいない場合には、全然観測資料は入ってまいりません。
○神門委員 そうしますと、あの法律改正というものによって船舶通信員によるところの報告義務がなくなったということは、致命的にこのような被害をもたらす結果になる、こういうふうなことになりますね。
○柴田政府委員 船舶の通信員の問題につきましては、これは私も非常に苦慮しておりまして、その対策を考えておるのですが、現在のところ対策の一つといたしまして、船舶で気象観測はなされるのでございます、時間がくれば観測はするのですが、ただその通信員がいないものですから、その通信を日本の内地へ送ることができない。したがいまして、気象庁といたしましては、観測はされますから、その観測を自動的に機械に送ってもらおうじゃないかというような機械を考えまして、こちらから必要なときにスイッチを押せば、向こうから自動的に三時なら三時の観測が入ってくる、こういう機械を考えまして、これを早急に各船舶に取りつけてもらうというような対策をいま一例として考えております。
○神門委員 そのような気象の自動測器というものはまだ開発されていない。そうすると、いまはめくらで、たまたまそこに大きな船舶が通っていたときには、これは報告する場合がある。あるいはそれを把握した場合には道義的に報告する場合があるが、それ以外の場合は、あのような台湾坊主というものが異常なコースを通って、全く予測できない場合にはどうしようもなくてああいう災害をもたらすという結果になるわけですね。
○柴田政府委員 台湾坊主が発生しない前に、そこに発生するであろうということを予想するのは、これは理論的でございます。発生したらそれをつかまえるのが観測網の充実でございます。それから、天気図を書いてみますと、発生したら大体わかるのです。ここに低気圧が発生したということは、そこに観測点がなくても、天気図から、まわりの観測点の気象観測値から考えられる。等圧線の型などを勘案いたしますと、そこに観測点がなくても、そこに低気圧が発生したということが、天気図のほうからも推定できるわけでございます。そういうことで、実は四日も、気象庁としては低気圧の発生をつかまえたわけでございます。
○神門委員 そういう観測点がなくても、天気図を書けばよろしいということなのでしょうが、精密な天気図を書こうとすれば、やはりこの地上観測自体が行なわれる、あるいはレーダーが動いておる、あるいは高層観測が行なわれるという、いわゆる観測の三つの基本というものでかっちり資料を提供してこそ天気図が作成されるのですね。そうすると、観測点がなくても天気図をつくればとおっしゃるけれども、これはちょっと無理な話じゃないかと思う。そのようなデータを提供する体制になっていないところから、実は観測網の充実という去年の九月十九日の当委員会での気象体制の確立を目ざす初めての決議になったのですが、その点いかがですか。
○柴田政府委員 そのとおりでございまして、天気図から推定できると申しましたのは、そういう場合もあるということでございます。もちろん観測点及びその付近にありますレーダーによっても低気圧の発生はつかまえられますし、それから人工衛星、気象衛星の写真を見ましても、低気圧の発生はそれからつかまえられるということでございまして、天気図一本やりということを私は申し上げているわけではございませんので、御了承願います。
○神門委員 いま常時観測点が二十四カ所くらいあって、そして観測は二十四回だということですが、レーダーが動いているのは——夜中の平和状態というか、いわゆる異常な気候の変化が起こり得るだろうということを予測しない、第三種というのですか、こういう場合にはレーダーは何時から何時まで動いておりますか。
○柴田政府委員 これは担当官のほうからお答えいたします。
○大野説明員 レーダーの運用時間でございますが、これは、たとえば私のおりました仙台でありますが、年間約千五百時間でございます。それで、三百六十五日フルに運転するというわけではございませんで、光熱水料その他である程度制限されておりますが、しかし重大な災害があるというときには、問題なく幾日間でも働かせる、こういうことでございます。
○神門委員 重大な災害があると予測された場合にはもちろんそうですが、しかし予測されない場合には、レーダーは大体朝九時ごろから動き始めて、おそくとも夜の九時ごろまでにはもう終わってしまうんじゃないでしょうか。
○大野説明員 私ども予報官が、今晩大雪が降りそうだ、あるいは大雨が降りそうだ、少しでもそういう徴候が見えました場合には、随時臨時観測というものを実行しております。その点は、大体いまの状態でもほぼ満足な状態にあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○神門委員 大体満足だとおっしゃいますけれども、私が調べたところによると、要員不足によってレーダーを一日じゅう動かしておくことができない、昼はレーダーは動いているけれども、夜は定員の関係でほとんど寝ていて動かすことができない、こういうふうに私は把握している。 それでは、たとえばこの気象庁の観測要員というものが一カ所について何人が定員になっておりますか。
○柴田政府委員 レーダーが設置してあります平地におけるレーダー要員は四名、それから山岳のほうにあるレーダーについては六名ということになっております。
○神門委員 それがたいへん少ないと思うんですよ。というのは、そのようなことであるから、せっかくレーダーを設置しても、レーダーそのものの、いわゆる測器としてのレーダーの機能を最大限に発揮していない、そこに私は大きな問題があるのじゃないかと思うのです。たとえばそのときの朝日新聞には、「電子計算機を導入し、二十四時間天気図をにらんでいる気象庁だが、「カエルの予報よりあてにならない」」こういっているのです。カエルの予報より当たらない気象庁じゃ困ると思うんだが、ところが一般にはそういうレーダーというものは四六時中動いていると思うのです。それだけの人間というものがしっかり配置されて、しっかりレーダーで広範囲において、目測ではなしに、機械の機能というものを発揮していると思って新聞には書いているのですね。ところが実際見ると、これは要員不足によってレーダーは夜は寝ている、動かされない。よほどのいわゆる異常な状態、不測な状態でも起こると予測できる場合には体制を整えていますが、普通の場合は動いていない。たとえば自衛隊の気象レーダーですね、これは朝六時から午後五時まででしょう。その時間に毎時観測やっていますが、その四十一年の美保基地の定員ですが、十五名を必要としておるのですね。完全な毎時観測をレーダーをもって行なおうとするならば十五名を必要としておる。ところがいま長官がおっしゃったように、気象庁のレーダーについては、平地においては四名、山頂においては六名という、二名の連絡員及び交代要員のスペアがとってある、予備率が見てある、こういうことであるから、そこに自衛隊が行なっているような四六時中の完全なる常時観測体制というものがない、こういうふうに言ってよろしいのじゃないですか。
○柴田政府委員 レーダーに限らず、気象観測、気象予報の現在の体制でございますが、これは決して人員が十分ではございません。一番欲を申しますと、全国の気象官署全部が毎時観測をやり、レーダーも毎時ずっと引き続いて運転をするということが一番望ましいということでございます。その点は先生のお考えと私の考えは大体同じでございます。
○神門委員 大体同じだということでございますが、そうなってくると、私たちがしろうとで調べた段階においても、さっき言いました地上観測、レーダーによる観測、高層観測という三位一体的な観測体制の中で、機械的な、最も大きな範囲の現象をつかまえるレーダーそのものを見ても、これは自衛隊が完全なる体制として十五人を必要とする。気象庁は予算にしぼられて四名、六名という、このことでは、機械は据えてあるけれども実際は活用されていない、こういう問題が事実問題として起きている。 そうしますと、気象庁長官がお考えになっているような必要の人員というものを——いま五カ年計画を始めておいでになります。その中で、さっきも新聞に書いていましたように、これがたまたま東京に降ったからこれだけ政治問題になった。ところが、あっちこっちで集中豪雨でやられているのですね、大災害を。私もあとから島根県の瑞穂で起きました問題もお尋ねしたいと思うのですが、そういうようなものは政治問題として上がってこない、たくさん泣き寝入りしておるわけです。そうしますと気象庁としては、いま新しく五カ年計画を見ますと、秋田と長崎県の福江、稚内、釧路、四カ所の増設計画を持っておいでになる。この増設計画に対する必要な要員を何人くれということを大蔵折衝の段階に要求しておいでになるのか。あるいは既設のレーダー設置場所に対していまの人員では不足であるからどのような人員が必要だということを要求しておいでになるのか、お知らせ願いたいと思います。
○柴田政府委員 この気象五カ年計画につきましては、来年度はともかくといたしまして、再来年度以降については、非常にこまかい点においてはまだ十分の煮詰はございませんけれども、大体のところといたしまして、レーダーにつきましてのみならず、一般の気象業務につきまして必要な、少なくとも現在やっている仕事は完全に遂行したいということにその重点が置いてあるのでございまして、現在その業務体制を変えるというような考え方までこの計画には入ってはございません。少なくとも現在の業務体制で施設を増強し、人員を増員したい、せめてその最低の線で五カ年計画を立てたというのが、率直に申しましてこの計画の実情でございます。
○神門委員 現在の体制で不十分であるということを認められて、しかし、しかたがない、せめてそれほどでもほしい、こういうことの折衝でやっておいでになるということは、ある意味においては職務を完遂する意欲に欠けておいでになるのではないか。それをできないということを認めておいでになってその現状を要求しておいでになるということは、これはまことに、国民として気象観測をたよりにしておるのに当てにしないほうが安全だということでは、ますますたいへんだと思います。 あの飛騨川の事故のときの、あの事故と気象との関係というものを入手して見ました。あのときの一つの実態と観測のなにを見ましても、十七時十五分に全警報が解除になって、名古屋のレーダーは停止したわけですね。これを停止したというのは二十四時間常時観測体制じゃないわけですね。そしてバスが問い合わせたところが、御来光は拝めますからだいじょうぶでしょうと返事をしておるわけです。このときはレーダーがとまっておるときですね、調べてみますと。ところがその地区には、幸い富士山の山頂に確かにレーダーがあって、これがあの雲を見つけて、これが気象庁に連絡をし、そして気象庁から名古屋のレーダーのほうに連絡された時間が二十分ある、そして名古屋のレーダーが動き出し、警報を適切に出しておいでになる。これについての責任問題はないと思いますけれども、あのときに名古屋のレーダーがなぜとまっていたかということになってくると、やはりいまの要員の問題がこの場合も出てくる。百四名というものが死んでおる。これがもしあの富士山のレーダーの側面援助がないというような地域だったら、これは気象庁の大責任になっただろう。いまその責任は免れているが、大責任になったろうと思う。これは幸いにして免れましたけれども、このような一つの事実を見ても、もう少し強腰で大蔵省に、このような災害の直後ですから、要求をされるのが至当じゃないかと思う。今年度においても、まあまあ現状のものをというお考えですが、今後のお考えは、奮発をして、十四、五人は必ず必要とするならば、これは体当たりしてみる、こういうような気持ちはございませんか。
○柴田政府委員 たいへん御激励をいただきましてありがとうございました。その趣旨を体しまして、現状では満足せずにやりたいという意欲は私十分持っております。しかし、この五カ年計画に盛ってございます内容は、現状ではございますけれども、この現状のまま五カ年計画が遂行された暁には、相当予報精度が向上し、かつ災害も防げるであろうという強い確信は私は持っているわけでございます。 なお、名古屋のレーダーの問題ですが、おっしゃるように、そのとき、十七時何分でございますか、レーダーがとまりました。これは富士山のレーダーがあったということが確かに大きな要因でございます。あの当時は、御承知と思いますけれども、ちょうどレーダーをとめる時刻ころの天気模様は、もう雲が切れておりまして、名古屋は太陽がのぞいていたというのです。それで名古屋のレーダーで見ますと、岐阜付近にはもう集中豪雨を起こすと思われるような大きな雲は全然なかったのでございます。そういうことで一応名古屋のレーダーをとめて、幸い富士山のレーダーがございますので、何かあったらひとつ名古屋へ連絡してくれということを富士山に通知いたしまして、そして富士山のレーダーに監視を頼んだ、こういうのがあのときの実情でございます。
○神門委員 それはレーダーを例に出したのですが、ことし海上観測船のりっぱなのができるということが五カ年計画の中で書いてあります。これは八億ばかりかかるのですか、ところが、その観測船につく定員はことし何人ですか。
○柴田政府委員 財政当局に対しては五十三名の定員を要求いたしまして、その船ができますのが本年末か来年の初めぐらいにやっとできるわけでございます。それで、船を動かすのは来年度から動かす。それを係留するために十三名、その要員として大蔵省の内示がございました。そういう状況でございます。
○神門委員 この船は係留するためにつくってはだめだと思うのですよ。さっきも言いましたように、法律の改正によって海上観測というものは全くめくらになっているということなんですから、それを補うために、せめてある程度手の広がるところの近代的装備を持った観測船をその辺に泳がしておく。これによって観測網を充実するところに意味があると思う。これを係留さしておって——五カ年計画によるところの青写真では全く動いておる前提なんで、係留とはあれには書いてないわけなんですよ。この一つを見ても、もう五カ年計画が完遂されればりっぱなものになるであろうとおっしゃっているけれども、まことにさびしい限りだと思う。そういう機器はある程度できたとしても、手段はあったとしても、人間がいないのですね。ここに一つの問題があると思う。 それからもう一つ、いま長官は、レーダー一つを見た場合に、せめて現在の体制をもっていきたいということなんですが、ことしの一月十三日に管区の総務部長会議をおやりになっていますね。この総務部長会議で、大阪は二十四時間、いわゆる常時観測体制をとっていますね、東京に次いで日本の二番目の都市で常時観測体制をとっておる、この大阪の観測所について、これを三時間おきにしよう、八回にする、そして定員を二名減しよう、こういうことをすでに発表しておいでになりますね。これは地元でもたいへん問題になっている。そうしますと、あなたがいまおっしゃいました、せめて現在のレーダー要員体制というものを五カ年計画の中にずっと進めていき、まだ乏しいし、多くの要員がほしいけれども、このものは何とか確保していきたいということと、長官自身がおやりになっているこの大阪気象台において現在起きつつある問題とは相反することになりはしませんか。
○柴田政府委員 確かに一見相反するように考えられますが、大阪の問題につきましては、大阪の二十四回観測を八回観測にするということにつきまして、その一つの理由は、御承知と思いますが、定員削減の問題であります。公務員の定員削減、これは政府が決定した事項でございまして、政府機関の機構の改革をその中に含めて定員削減を各政府機関がやろう、こういう政府決定のもとにおいて、気象庁に一年間七十九名の定員削減の数が割り当てられております。現在の気象庁の定員そのものが決して十分でないと、私こういった委員会ではしょっちゅう申し上げているのですが、そういう現状のもとにおいてなおかつ七十九名の定員削減というものを持ってこられますと、気象庁としては非常に苦慮するわけです。特に、気象庁というところは現業官庁とも称していいくらいのところで、現業ができなくなればこれはしようがない。普通の事務官庁のように、早くいえばかんなで定員削減の数を出すというようなわけにはまいりません。したがいまして、気象庁としては業務のやり方を変更して、業務に差しつかえないような別のやり方を考え出すというよりしようがないのでございます。それからまたもう一つは、現在の気象庁の業務のやり方が必ずしも最善ということではございません。やはり気象庁みずから反省し、たとえば予報業務は現在のやり方よりもこういうように変えたほうがもっと能率的だというようなことも考えられますので、そういう観点もございまして、その二つの原因から、大阪の二十四回をかりに八回にしますとどういうような支障が生ずるかということを検討したわけです。これは大阪の管区気象台みずから検討いたしまして、たとえば気温だとかあるいは風とかいうものの値を大阪の気象台の予報課においても自動的にしょっちゅう見られるようにするとか、あるいは大阪の気象台にある天気相談所においてもそれが見られるようにするとか、そういうようなできるだけの対策を考えまして、二十四回を八回に落としても、まあまあ一般国民にはそう御迷惑をかけないであろうということになりましたものですから、現在のところそういうような方針で進んでいるというのが実情でございます。
○神門委員 一番最初にお尋ねしましたように、山頂における六名と平たん部における四名、これは実際問題としてはこれでは不足な人員だということは長官もお認めになっている。大阪の場合の高安山のレーダーは、いわゆる親子別で、測候所と離れたところですね。これが現在の人員を調べてみると五名なんです。六名の定員で長官のおっしゃるようにやるべきものが五名しかいない。これがまた一名を地元の地上観測のほうに持っていかなければならぬだろうというような話をしておるわけです。また向こうの予報課にいろいろ話を聞いてみますと、たいへんなことだというのです。そういうようなことは技術的にむずかしいことであって、いまおっしゃるように新しい近代化された、より高度の機械をもってその人員減を補充するというようなものではない、こういうことを言うわけです。それだけどこかにしわ寄せされる。観測器の進歩というものは、現在における自動車とか、あるいは一般大企業がオートメーションでどんどん製造するとか、メーカーが進出するようなものじゃありません。それらの進歩というものは他の一般の機械の進歩よりおくれている。それらをもって補うということはできないと言っているのです。それはいま、この三月四日の雪を、私が言いましたように理論的に発生を予測することができないとしても、現況把握によってその判断ができるわけです。いわゆる観測点の配置が不十分なために、それが名瀬から八丈島まではめくらになっている。このようなことが決定的なああいう現象をもたらす。そうすると、二十四時間観測が二十四カ所ばかりあるのに、さらに大阪という第二の都市のレーダーも三時間おきにされるということになる。これはやはり重大問題じゃないかと思うのです。それを、定員法による削減のしわ寄せはしかたがないんだということでは済まされないものだ、こういうように私は思うのですが、長官いかがですか。
○柴田政府委員 大阪の八回観測にするという問題につきましては、先ほども申しましたように、大阪のみならず全国の全部の気象観測所が毎時間観測をやったほうが一番望ましいんだという観点から申しますと、これは逆行しているわけであります。気象庁としましても、また私個人といたしましても、そういった逆行するということについては非常に困る、残念だと思うのでございます。しかし、先ほども申しましたように、現在の政府の方針といたしましてそういうことになっておりますので、これは気象庁といえども政府機関の一つでございますので、その政府決定事項につきまして、われわれのほうで部内の体制をできるだけ整えて、サービス業務の低下あるいは予報精度の低下ということを来たさないような方法を気象庁で考えるべきものという考えのもとにやっておるわけでございます。
○神門委員 長官、もしかこれが既成事実ができますと、いま二十四時間観測をやっておるものは全部いわゆる三時間八回体制になりますよ。というのは、いわゆる平時においては気象庁というのは忘れられておる。一たん事故が起きれば、当たってあたりまえ、当たらなかったらさっきのように一切の非難が集中するところなんです。ですから、事故が起きるまで、いわゆる天変地異が起きるまでは気象庁は忘れられておるから、その人員を二名削減し、二十四回が八回になったところで、それは直ちに反撃は出てこないでしょう。しかし、一たびこれが何かの事故が起きた場合にはたいへんな問題になりますよ。ですから、そのような人員削減の及ぼす結果としての苦肉の策としてはわかるが、いま一度長官のほうでこの問題に、ついて——大阪のこの二名減員というものはいわゆる三つの、地上観測というものにしわがくるか、レーダーのほうにしわがくるか、高層観測のほうにしわがくるか、あるいはこれが、一つの家の中で助け合ってやっておるのですから、津波観測のほうに影響を及ぼすということにもなるのじゃないかと思うのです。ですから、この二名減ということについて、ここで明言していただかなくてもよろしいから、ひとつ考え直し、検討し直すということをもう一ぺんやっていただくわけにいきませんか。
○柴田政府委員 気象庁の人員とか予算というものは、御承知のように、災害があるとふえるのです。災害がないと全然ふえません。これは過去の例がそうなっておるのです。だから、こういった定員削減問題が表面化するのは、先生おっしゃるように、何か大きな災害がある場合かもしれない。それはそれといたしまして、大阪の二名削減につきましては、これは定員削減という政府の方針に沿う限り、それにかわる、つまり二十四回を八回に落とすという業務変更にかわる何かの方法を考える必要があろうかと思います。ところが、それも十分考えたのでございますけれども、現在のところ——これにかわるほかの業務変更というものはないことはございません。が、しかし、この場合よりももっと予報精度の低下を来たす、あるいは一般国民に対する気象業務のサービスの低下を来たすというような心配がございますので、現在のところこれしかしようがないのだというのが率直に申し上げた実情でございます。
○神門委員 率直に申し上げてしようがないということは、あなたのほうとしてはこれではもちろん万全ではない、不十分なのがより不十分になるということをお認めになっておるのでしょう。その不十分になるのは、結局五万人削減という行管が出した三年間のあの定員減の計画の中に、どうしてもここにしわ寄せを持っていく以外に方法がないから持っていったのだ、こういうようにおっしゃっておるのだろうと思う。そういう機械的なものでなしに、いま気象予報というのが非常に近代化した、また現在のようにテンポの早くなった世の中にはこの予報というものは非常に必要になってきている、それがまたこの精度を失わしめるような状態になりつつある、こういうことについて、くどいようですが、もう一ぺん検討してみていただく、ここで問題になったのですから。あなたがいままでお考えになったことにはこれしがなかった、こういうことはわかるけれども、もう一ぺんひとつ検討してみる、こういうことを約束していただけませんか。
○柴田政府委員 その八回観測についての業務、こういうようにすればどの程度予報精度が低下するか、その他の業務について支障を来たすかということをもう一度検討してみたらどうかというような御趣旨に対しましては、別に私として異議はございません。何度でも必要であれば検討さしていただきます。が、しかし、現在の感覚としましては先ほど申し上げたような感覚でございますので、ひとつその点も御了承願いたいと思います。
○神門委員 感覚はそうでしょうけれども、これがもしか三時間八回観測で可能だということになれば、二十四あるとすればあと二十三も可能だということになりますね。そうすると、二十三の二名ということになると四十六名はもうすでに、これが可能だということになれば定員を置く理屈はなくなってくる、逆に言えばこういうことになるのですね。ですから、これはあなたのほうでそれだけのレーダーが完備されて、他の自動的な通報設備が完ぺきだという状態ではありません、現在の状態では。ただ、やむを得ずこの定員削減のしわ寄せをこういうふうな方法でやっていくのだ、こういうことでありますから、非常に悲痛であろうと思う。悲痛であろうと思うが、そこをもう一ぺん考え直して、これではどうにもならない、これ以上国民に迷惑をかけるようなことがあってはならないというようなことで、定員を削減しないでやれる方法というものを考えてもらいたい。このことをひとつ要望しておきます。 それから、通報所の廃止の問題ですが、あなたのほうからもらっておる資料によると、通報所が八十カ所になっておる。この八十カ所を調べてみましたら、実は八十カ所ないようですね。六十カ所くらいしかないですね。ほかの数字は訂正してありますが、この通報所は訂正がございません。この通報所にいたしましても、二十八年の災害から大きな問題になって、二十九年にこれが生まれた。通報所そのものは、さっきも話があったように、いわゆる地上観測網の一つの任務を果たすために、いろいろそこに働く従業員は、山の中で百八十日も宿直をするたいへんな労働環境の中で、生活環境の中で今日までつとめてきたわけですね。そのようなものが二十八年の災害で——さっき災害とともに気象庁はむしろ大きくなるというようなお話があったのですが、二十八年の災害の結果によって八十カ所の通報所ができ、そうしていままたこの通報所が八十カ所のものが二十カ所もなくなってくる。こういうことについて、これもいまのお話で、上からの定員削減でやむを得ない、こういうことになってくるとたいへん問題だろうと思う。昨年の九月十九日のこの災害対策特別委員会における気象観測網の確立、観測体制の整備、こういう決議にむしろ逆行しているのじゃないか、こういうようにも考えるのですが、通報所の廃止の問題もやはり定員上の問題からきておりますか。
○柴田政府委員 通報所の数につきましては、ちょっと私いま記憶しておりませんが、通報所の廃止問題につきましては、これは定員削減とは直接関係ございません。これは社会情勢の変化でございまして、先生おっしゃいましたように二十八年にできたということでございまして、それから十数年たっております。御承知のように、通報所の任務というのは、そこにございますダム管理所に対しまして雨量を通報したり、あるいは今後の雨量の予想を言ったり、あるいはそのダム管理所で観測しております観測点がございましたら、その観測点の資料をもらったりするのが通報所の任務でございます。ところで、機械もだんだん進歩いたしまして、そこに通報所がなくても、その付近の、雨の量が主でございますが、雨の量は、無線電波によりまして地方気象台のあるところで聞けるというような機械ができたわけでございます。そういうような機械を設置いたしまして、かつはまたもう一つ、ダムコントロールは二十八年ころはダムサイトでコントロールすることがございまして、そこと連絡をとっておったのでございますが、このごろはあっちこっちにダムができまして、そのダムを集中的に管理、コントロールするところは都会のほうの電力会社のビルのあるところでコントロールをやっております。そういたしますと、山の中の通報所の人間がそういった都会のほうに電話をかけて連絡をするよりも、その都会には地方気象台がございますので、地方気象台とその同じ町にある電力会社のコントロール場所とを連絡したほうがよっぽど連絡が密である。そういうような社会情勢の変化によりまして、社会情勢になお一そう適合するような考えのもとに、廃止したほうがかえって能率があがるのだというようなところを廃止——まあ廃止といっては語弊がございますが、大体併設しているような次第でございます。
○神門委員 しかし、いまおっしゃいましたようないわゆる自動気象計というようなものを、併設されたところには設置せずに、人間は後退しておりますね。そういう機械を設置してそこが廃止されるんだということになるなら理屈もわかるのですよ。ところが、そのような自動気象計というものが設置されること、それが引きかえ条件になされておりません。そういうような事実が二十カ所の中で何カ所あるか。もしかあればお知らせ願いたいと思うのです。
○柴田政府委員 実は私ちょっとことばが言い足りないところがあったかもしれませんが、どこか一つ例をあげたほうがわかりやすいと思います。東北地方の岩手県の南のほうに衣川というところがございます。あそこはダムがございませんが、あの小さい川がはんらんするということでそこに通報所が置いてある。ところが、その通報所の任務は、川の集水期に、自動無線降雨量計というのをあちこち配置いたしまして、この機械から観測資料を自動的に無線で衣川の通報所に送る、それを一関経由で盛岡へ持っていく、従来はこういう仕組みであった。ところが現在、この衣川の通報所で受信しなくても、その観測の資料が無線ですぐに一関経由盛岡に入るということになったわけです。したがいましてその通報所は要らぬ、そんな山の中に人を置いておくのはかえってまずいのだということで、その衣川の通報所を、どちらか忘れましたが、盛岡に併設したか一関に併設したか、しているような次第です。
○神門委員 そういうようにいわゆる自動機器を設置することによっての廃止というのは、私は二十カ所の中で非常に少ない例だろうと思います。一つの例をおっしゃっていますが、たとえば今年度の場合にも、岩手県の石渕、岐阜県の丸山、島根県の益田、この三カ所を廃止する計画がありますね。そして縮小する計画としてもあと四カ所ある。これらの三カ所のところに直ちにそういう機器が導入される、こういうようなものでないから、地元ではこれが廃止されるということに反対しておりますね。いままでそういうような通報所というものがあったのにと、私は島根県の出身ですが、地元が反対しております。そういうように、より機械化されてよくなるということについては反対するはずがございません。その辺の問題があります。一問一答でもう少し聞けばよろしいのですが、時間がありませんから、もう少し通報所の廃止については慎重審議していただく。そのような機器が必ず代替として設置されるというようなことを条件にする。それからこれが定員減にならぬように、いまのように非常に人員が不足しているのですから、全体の観測体制の中にこれを充足していく、こういうものにひとつ充てていただきたいと思います。 農業気象やらあるいは航空気象のことについてもお尋ねしたいのですが、もう時間が過ぎましたので、一応これはまた運輸委員会等でお尋ねをしていきたいと思います。 それで、総理府の方はおられますか。
○川村委員長 参事官がおります。
○神門委員 時間が過ぎましたから一つほどお尋ねしますが、先ほどの福岡君のほうの厚生省関係やらあるいは個人被災に対する補償の問題についての総理府の考え、これも実は私お尋ねしたかったのですが、答弁がありましたから大体これでわかりました。 ただ、局地激甚災害指定基準というものが昨年の十一月二十三日にきまりましたね。これは非常にありがたいことだと思っておるのです。ところがこの指定基準そのものの適用ですね。実は島根県の瑞穂町で昨年の八月八日に集中豪雨で、——これもやはり気象が、早期によく見つけなかったという集中豪雨に対する問題も一つはありますが、しかしそれが見つけていたとしても、これは免れなかったと思うのです。それで災害が十六億七千六百万円という大きなものになりました。ところが、そこにはいままで三十六戸あったのが、十戸ばかり挙家離村しているいわゆる過疎地帯です。最後に二十八戸が残って、何とか郷土の繁栄のために尽くしたい、こういう立場で生産基盤の拡大あるいは酪農振興につとめてきたわけです。ところがそのやさきに二十八戸の中で十五戸が全被災を受けまして、その被災も、猪子川というのがあるのですが、十三メートルぐらいの川が一ぺんに百メートルぐらいになってしまった。十三メートルの両側にたんぼがあったのですが、それが全部流されて生産手段をなくしてしまいました。そういう中で私たちが見ていきましたときに、局地激甚指定基準の改正がある、何とか恩恵があるだろう、こういうことで政府の宣伝をして歩いた。ところが結果的にはこれが適用基準に当たらなくて落ちたわけです。内容はくどく申しませんが、その適用基準の中にこういうのがあるのです。いろいろ条件があって、被災が「おおむね一億」こういうことがあります。その「おおむね一億」に足りなかったのです。一億という基準がいろいろそこの地方自治体の財政力にもよって、標準税収入の何倍ということで財政力が加味してありますけれども、そのような過疎地帯においての一億と、もうちょっと強い財政力を持っているところの一億とは全く違うわけなんです。そのようなことを政治判断をするということは、そこに不正を起こすもとにもなると思うのだが、私はこの事実を見て、せっかくできました局地激甚の指定基準の「おおねむ一億」という中に、何とかこの辺のものを運用するという一つのことがあってしかるべきじゃないか、それが法の精神、立法の趣旨を生かすことになるのじゃないか、こういうように考えるが、いかがでございましょう。
○川上説明員 お答えいたします。 ただいまの件につきましては、先生御存じのとおり、昨年八月八日の豪雨による災害でございまして、島根県邑智郡瑞穂町の区域にかかわるものでございます。これにつきましては、先生はただいま公共土木関係をおっしゃたと思いますが、農業関係につきましては、これは局地激甚の適用を受けております。その点をあわせて御報告さしていただきます。 なお、公共土木関係の被害でございますが、この被害額は、公共土木の建設省の所管分と申しますか、それにつきましては七千百九十八万五千円、それから公立学校でございますか、これは文部省関係が五十九万円程度で、合わせまして七千二百五十八万円程度という数字になります。先生がおっしゃいますとおりに、標税の二倍につきましてはこれは該当するのでございますが、全部の激甚に該当します市町村被害額の合計が一億に満たなかった。この一億には「おおむね」という字が入っております。これはたしか、先生がおっしゃいますとおり、一億にきめました経過はいろいろございますが、これにやや弾力性を加えまして一億をつくったのでございますが、この「おおむね」の場合どこまで救えるかという点でございます。しかしながらこの点につきましては、九千数百万という数字は、一億を割りましてもあれでございますが、ただいまのように七千二百万と申しますとだいぶなにが違いますので、私どもはだいぶ苦慮したのでございますが、まことに不幸な結果になりましたことをおわび申し上げます。
○神門委員 これは建設省の個々の行政措置によってもある程度カバーできることだと思います。確かに「おおむね」が九千万台だ、七千万台ではちょっと問題はあろうと思うが、私の言うのは、非常に過疎現象が進行しているときに何とか踏みとどまろうとしたこの農民の人たちが、これによってみんなが逃げていこうというような気持ちになっているのです。このようなことを助けていくということが一つは重要なこの立法趣旨ではないか、こういうことなんです。ですから、答弁は要りませんが、ひとつこのことについては再度このような運用の何かいい方法を、せっかく昨年きまりましたこのことについて運用を考えていただく。もう一つは、現在いろいろ制度的なものがあります。これに至らなかった場合には既設の制度運用の中でこのような災害をカバーをしていく、こういうようなこともひとつやっていただきたいと思うのです。 それから建設省のほうにお尋ねいたしますが、急傾斜地の崩壊による被災ですね。これが集中豪雨等に伴って非常に多い。島根県の昭和三十九年の七月十八日の場合にも、これは集中豪雨によって百八名死にました。急傾斜の危険地域というのがまだ五十戸以上のところが三十二カ所、五戸以上のものが三百八十二カ所もございますので、これに対して何か立法措置が考えられておるようでありますが、その経過とこれに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○坂野政府委員 急傾斜地の問題につきましては、先生御指摘のとおりに全国に約七千カ所ばかり危険個所がございます。それに対しましてできるだけ事業を促進したいということで、事業費のほうは毎年伸び率を最大の伸び率にということで進めております。法案のほうの関係は継続審議中でございまして、おそらく予算法案が通りましたらその直後に御審議いただけるものと思っております。その法案の成立を待ってさらに促進をはかっていきたいというような考えでございます。
○神門委員 では時間が来たようでありますから、以上をもって質問を終わらしていただきます。
○川村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 河川局長にお尋ねします。 第一に、第三次治山治水緊急五カ年計画のことについてお尋ねしますが、その規模、内容等は私どもにはよくわからないのです。一体どういうようになっておりますか、予算はどうなっておりますか、その点についてお尋ねいたします。
○坂野政府委員 全体の当初の規模が二兆五百億円ということになっております。その中で純治水事業というのが一兆五千億円でございます。残りの三千億円が県単あるいは災害関連事業ということに当て込んでおります。その他予備費が二千五百億円見込んでおりまして、現在それを御審議いただきまして、近い機会に閣議決定に持ち込みたいという段階でございます。昭和四十三年度が第一年度になっておりますので、四十三年度は一三%の達成率を見ました。四十四年度は、予算が成立いたしますと全体に対して二八%弱の進捗を見る予定になっております。
○小川(新)委員 このいろいろな全体のスケジュールまた規模等、私ども建設関係なんですけれども、まだ政府のほうからこれをいただいておりませんし、いまお聞きいたしますと、閣議決定がまだなされてない。ところが実際はこれがもう二年目に入っておられますが、そういうことになって、閣議決定になっていないにもかかわらず実際にはもう二年目に突入している。こういうことは一体どういうことでございましょうか。その点私ちょっと理解ができませんので、御説明いただきたいと思います。
○坂野政府委員 閣議決定はまだでございますが、閣議了解は——その前段でございますが、昨年の三月二十二日にやっていただきました。法律のほうもいろいろ御審議いただきまして、緊急措置法のほうで第三次五カ年計画ということを前提として御審議願って、法律も通っております。たまたま閣議決定がいろいろな関係でおくれたのはたいへん残念でございますけれども、そういうことでおぜん立てのほうは、法律のほうも認めていただいておりますし、閣議了解、それはすでに済んでおりますので、こういう線でいま進行している状態でございます。
○小川(新)委員 これは大臣にお聞きしなければいかぬ点なんですけれども、閣議決定を早急にやっていただかないとその全容が議員のほうに発表にならないということでございます。私ども非常に奇異に感ずることは、こういう第三次新規緊急治山治水五カ年計画の予算というものが組まれておりながら、なおかつそういった面で議員が全体の姿がわからないということははなはだ不都合だ。でありますので、これは局長のほうからひとつ大臣のほうに言って、至急閣議決定をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○坂野政府委員 先生の御指摘のとおりに大臣に伝えますし、今月の二十五日に閣議決定の予定にいたしております。
○小川(新)委員 急傾斜地のことで一点お聞きしたいのです。 昭和四十二年七月の集中豪雨が原因になって、神戸のカントリークラブで三十数名だか、なくなられた事件がありました。あのことはいろいろと問題が含まれておりますが、これはこういった急傾斜地——治山治水にも関係してくるのですけれども、この点についてはいろいろなことを聞いておられますか。 その要点は、第一点は神戸カントリークラブの経営者、こういう人たちが起訴されたかどうか。またこれが刑事的責任に発展したのかどうか。そういう面は警察関係の仕事でありますが、これは急傾斜地対策の面からいってこういう点の話し合いというものはなされたのかどうか。こういった宅地造成という面でこういう大きな損害が出たので、建設省としてはその後の経過はどうなっておるのか、建設省に聞いておきたいと思うのです。
○坂野政府委員 あまり詳しいことは実は私ども存じませんが、ゴルフ場はその後廃止になった。刑事問題等はどうなっているのか、実は存じません。ああいう経験にかんがみまして、われわれといたしましては、急傾斜地の対策を至急促進する必要がある。いろいろな宅造関係におきましても、そういった災害の危険地帯におきましてはそういった規制をできるだけ強化するという方向へ進んでまいりまして、急傾斜地の現在の法案につきましても、急傾斜地として指定された区域内におきましては、そういったいろいろな規制、行政行為というものは十分重点的に考えておるわけであります。
○小川(新)委員 これは建設委員会に付託になっておるのですが、この急傾斜地の問題はおくれているのですが、私がこれは警察関係から聞いたところによりますと、神戸カントリークラブの社長等は四十三年に起訴をされているのです。これは過失致死罪、そういった面で刑事問題に発展しておるのですけれども、建設省側としても、こういった事例がある以上は、そういう点で警察庁関係ともよく御相談の上、連絡をとって対処されたいと思うのです。ただ、その後の経過等もやはり知らないということはちょっとまずいと思うのです。その点ひとつ御忠告申し上げておきたいのですが、よろしくお願いしたい。 その次は、災害復旧費の緊急の問題は先ほどの三、五、二の割りでやるわけですけれども、緊急を要しない四年間で復興するというほうは比率は一体どうなっているか、ちょっとお尋ねしたいのです。
○坂井説明員 全般に、第一年目が三〇%、二年目が七三%、三年目が八九%、それから四年目に一〇〇%になる、こういう予算措置になっております。したがって、いま先生おっしゃいましたように、その中の緊要事業は三、五、二になり、残りのほうを計算いたしますと、大体一年目が九%、二年目が八%、三年目が二%で四年目が一一%、緊要でない事業の比率はこういうことになるかと思います。
○小川(新)委員 そうしますと、この比率が二年目になると下がるということはどういうことですか。
○坂井説明員 別段この意味はないと思いますが、全般的に緊要も非緊要事業も合わせて七三、八九ということで年々比率を高めていっておる、こういうことになるのかと思います。たとえば二年目を伸ばしますと、したがって三年目が減ってくるということでございます。
○小川(新)委員 これは私の誤解であればいいと思うのですが、こういった予算が下がっていくということはまずいと思いましたので、ちょっとお聞きしたわけです。そういう点がなければそれはけっこうだと思うのです。その点ひとつ注意してやっていただきたいと思うのです。 これは行政管理庁にお尋ねしたい。時間がありませんからどんどん端的に聞いてまいります。 昭和四十二年ですか、行管庁では関係の省庁及び団体に対して、災害防止対策に関する行政監察を行なっておりますが、この災害防止対策に関する行政監察はいままでに何回やりましたか。
○杉浦説明員 災害の問題につきましては、申し上げるまでもなく、治山治水その他いろいろの事業で監察をいたしますと関連があるわけでございますけれども、御指摘のような災害に直接結びついた監察は、昭和三十四年と、いまお話しのように昭和四十二年の二回やっております。
○小川(新)委員 第三次の監察は、予定はいつになっていますか。
○杉浦説明員 監察を実施いたします場合には、ある特定の分野につきまして計画的に循環的にやるというような方針を必ずしもとっておりませんので、結局政府の重要施策にのっとりまして必要なつどこれを実施するということでございます。したがいまして、いま直ちに第三次の総合的な災害監察を実施するという時期はきめておらぬわけでございますけれども、やはり災害というものは反復してこれを見ていくという面もございますので、したがって、これは最近におきましても、宅地開発にからみまして災害防止というのを四十三年度に実施いたしておりまするし、今年度四月から消防行政として監察を実施するというようなことにいたしております。
○小川(新)委員 まず、総理府にちょっとお尋ねいたしますけれども、行管庁から勧告を二十五件数受けておるわけですね。そのうち改善済みが六件、改善中が十九件、それが第一回の回答であります。その後、改善状況のうち改善済みが十一件、改善中が八件。昭和四十二年から四十四年の二年間で改善中が八件、これはどういうわけなんですか。
○川上説明員 ただいまの件でございますが、行管によります勧告につきましては多岐にわたっておりますので、私の総理府のほうといたしましてもいろいろと改善をはかっておりまするが、単に通達にとどまるのみならず、相当な強い実施をしなければならぬものがございますので、かなりの時間を要しておるという次第であります。
○小川(新)委員 これは行管庁にお尋ねいたしますけれども、いま総理府の答弁がありましたけれども、そのような時間をかけなければできないものをあなたのほうでは勧告をしたのですか。
○杉浦説明員 監察で勧告いたします事項は、直接非常に短期間に改善できるものと、それから改善の方向を打ち出して逐次改善をしていただくものと、こういうふうにあると思うわけでございます。今度の災害の御指摘の第二次の勧告につきましては、総理府のほかたくさんの、十五省庁にわたって勧告しておるわけでございますが、総理府の関係はやはり防災会議を中心とした中核でございますので、たとえて申しますと防災会議の運用でございますとか地方の指導でございますとか、これでいいというとどめが必ずしもはっきりしないというような点がございます。しかし、その内容につきましては、せっかく改善されておるということは私ども顧慮しておるわけでございます。
○小川(新)委員 お互いに顔を見合わせてまことに苦しいことだと思うのですが、そんな変な顔をしないで聞いてもらいたいのです。 これは八件も残っておるということは正確だと思うのであります。行政監察局が出した資料の数字ですが、二十五件のうち八件残ったということはあまり成績がよろしくない。それも二年間かかっておる、満二年間かかっております。そんなに早急を要しないものと、長期を要しないものという御答弁をいまいただいたわけです。特に中央防災会議、この中央防災会議の議長には御存じのとおり総理大臣。総理大臣が最高の責任者なんですから、これは相当圧力もかかると思うのですが、この八件残っておる内訳をちょっとお尋ねしたいのです。これはどうしても早急にはできないもののみが残ったのか。行管庁で出した件数は全部で八件ですが、この間総理府のほうへ注文をなされたのは何件なんですか。種類別でけっこうです。
○杉浦説明員 勧告をいたしましたのが二十五件でございまして、先ほど先生が御指摘になりましたように改善中のものが八件でございます。その内容といたしましては、中央防災会議の活用につきまして基本計画をはっきりした時点で改定されたらいかがかということが一つございます。それから、地方防災会議の協議会を必ずしも十分に運用しておらないという状況で、これをもう少し運用を活発にしたらどうかということでございます。それから、地域防災計画につきましても、かなり改善はされておるわけでございますけれども、なお完ぺきとは申しがたいというような点でございます。それから、その他災害予防の応急対策、被害報告の励行等につきまして、なお今後とも改善する余地があるということで、それをまとめまして一応改善の事項として御報告したわけでございます。
○小川(新)委員 それでは今度は総理府にお尋ねしますが、この改善中八件というのは今年中、少なくとも五月までにこれを改善できるという数字なんですか。
○川上説明員 内容から申し上げまして、たとえば地域防災計画というものを、これは本来都道府県及び市町村におきましてすべて持つべきでございますが、現在なお一〇%程度の残りがございます。これにつきましては、総理府といたしましても消防庁と連絡の上、再度指導しているわけでございます。各市町村におきましても努力を払っておることとは存じまするが、何ぶんにも五月とおっしゃいましても、それまでには相当準備が整わないだろうと思われる点もございます。 それからまた、基本計画でございますが、防災基本計画と申しますものはすべての、各省の業務計画のもとになるわけでございまして、いわば憲法とも申すべきものでございます。でございますので、この改正につきましては相当慎重なる考慮を払う必要があるということでございまするので、私のほうでも努力をいたしておる次第でございまするが、期限が五月とおっしゃられても、はっきり言えないわけでございます。なるべく早いうちに努力をしてまいりたいということで、行管のほうとも話をしておるということでございます。
○小川(新)委員 中央防災会議の設置のある総理府ですね。総理大臣が監督しているところ、いやしくもここは一番の大元締めですね。そこが行管庁から監察を受けまして、いまだに八件残っている。八件だからいいというものでなくて、特に私が残念に思うことは、防災計画や業務計画ですね、防災、業務計画ができていないという指摘があるわけです。御存じですね、これは。これはあなたのほうから市町村やその他に注意しなければならぬ立場じゃないですか。その総元締めのところで、防災基本計画はできておりますが、業務計画はできていない。業務計画はできていないということは、できていない省もあるというわけですけれども、そういうことは非常にまずいと思うのでございます。そんなに何年もかかるものかというのですよ。たとえば、一例をあげますと、国鉄の業務計画、これは今度の雪の問題だってそうじゃないですか。パンタグラフに雪が乗っかった。防災業務計画に当然載せなければならぬのですよ、こういうことは。業務をやっていくのに、災害が起きてきたら、当然載せなければならない。そういう問題が監督できないから、私鉄が動いているにもかかわらず国鉄はとまるのだ。こういうところをもっと指摘しなければなぬらと思うのですね。この点はひとつどうなんです。聞いててくれるのですか。はっきり、その点はどうなんですか。
○川上説明員 中央防災会議におきます庶務と申しますか、これをつとめておりますこちらといたしましても、中央防災会議の構成員である各省において、できておらない省もあるというのは、はなはだ遺憾だと存じますので、終始各省と連絡をとりながら努力いたしておる次第でございますし、先生のおっしゃる趣旨は体したいと存じます。
○小川(新)委員 これは行管庁にお尋ねしたいのですが、防災基本計画を手直しする必要があると思う点が多々ある。特に都市計画や市街地再開発計画——この集中過密都市というのが進んできますと、たとえば東京都の地下街なんというものは新しい防災計画に含まれなければならないが、これは入っていない。そういった防災基本計画とか業務計画というものも古いものですね。二十七、八年ころにつくられたままになっておって、それは行管庁でもここで指摘しております。それは一体どこでチェックするのですか、この全体は。この基本計画が新しいとか古いとか、いろいろ手直ししなければならぬ。これをチェックするのは総理府なんですか、それともどこなんですか、全体のものは。
○杉浦説明員 中央防災会議でございます。
○小川(新)委員 そうすると、それは中央防災会議ではチェックしているのですか。
○川上説明員 中央防災会議におきましては各省の施設状況等はもちろん把握しておりますが、基本計画の改正すべき点につきましては、なお多くの問題を持っております。たとえば、先生がおっしゃいましたように、地下街の問題、それから大震災の問題等がございます。これらの点につきましては実は根本論になりますので、大震災につきましては消防庁の消防審議会に審議していただくというような経過もございますし、いろいろの要素も加味いたしまして、私のほうで逐次修正していきたいと考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 この点であまり時間がかかると申しわけないのですが、行管庁にちょっとお尋ねしたいのですが、いま総理府の八件が一番多いのです。その次にまだ改善されていないという返事がきたのが経済企画庁、法務省、大蔵省、農林省、運輸省二件、労働省、建設省、自治省、こうなっておりますけれども、このうち総理府のはけっこうですが、残りの九件に対する督促はやっているのですか。
○杉浦説明員 この勧告に対してとられた措置につきましては、その節勧告をいたしました直後、その措置の回答をいただいておるわけでございます。その後六カ月を経まして、また重ねて改善の状況について回答をいただいておるわけであります。しかし、実際問題におきましては、事務的には常時連絡を申し上げて、その改善状況をいただいておる次第でございます。
○小川(新)委員 私はこの行管庁の資料にもちょっと文句があるのです。四十三年三月十二日と書いてあるのですよ。一年前のものです。いま四十四年三月ですからね。これは四十三年三月十二日現在で十七件になっておるのか、それはどうなんですか。
○杉浦説明員 これはまことに申しわけございませんが、四十四年のミスプリントでございます。
○小川(新)委員 四十四年が四十三年では大ミスになりますが、取り締まる側が取り締まられないようにひとつよろしくお願いしたいのですが、そうしますと、ここで一例を承りたいのですが、大蔵省はどんなことが改善命令を、言うことを聞かないのですか。
○杉浦説明員 大蔵省の一件と申しますのは、実は防災業務計画の策定がまだ具体的にできていないという状況で、この点につきましては、大蔵省もただいま策定中でございまして、近くつくる、こういう予定でおります。
○小川(新)委員 大蔵省の方、来ておられますか——来ていない……。 私はなぜ大蔵省を例にあげたかと申しますと、大蔵省は実にずるいですよ。ずうずうしいですよ。勧告件数一件について一件報告がないというのはゼロですよ。これはほかのところもあるのです。経済企画庁、これも一件の件数で提出していない。法務省——法務省なんというのは大体、人を取り締まっていろいろ文句をつけるところですよ。さばくところでしょう。おっかないところですよ。そういうところが行管庁から勧告を受けていながら依然改善をしないといろのは、これはおかしいですよ。先ほどちょっと総理府をいじめたようですけれども、ここは成績いいですよ。二十五件あったうち残りが八件、これはまだ誠意がある。ところが、経済企画庁とか法務省、大蔵省、それから労働省なんかは勧告をたった一つしか受けていないにもかかわらず、それを実行しないのですから……。どんなむずかしいことをやったのか知りませんけれども、この四つについて御説明願いたい。
○杉浦説明員 ただいま先生が御指摘の省につきましては、すべて防災業務計画の策定でございます。この点につきましては、法務省、大蔵省、労働省、これはいま策定中でございまして、近く完結を見るという報告を本日いただいております。それから経済企画庁につきましては、経済企画庁としての業務計画をどのようにつくるかということにつきまして、ただいま経済企画庁と防災会議と協議をして、その結果を待つという段階でございます。
○小川(新)委員 この防災業務計画がないとどういう支障が起きるのですか。
○杉浦説明員 防災業務計画というのは、法律に基づきまして、防災計画というのを計画的、立体的につくる上において、個々の所掌につきましての防災体制を整えるということに必要な事項をきめるということでございますから、やはり何と申しましても基本的な問題でございます。ただ、省としてのほかに特定の機関として、たとえば公団でございますとか電力会社でございますとか、そういうものの計画もまた別にあるわけでございますが、それと各省の業務計画とどういうふうにかみ合わせるかということも検討中で、時間がかかっておる問題じゃないかというふうに考えております。
○小川(新)委員 これは中央防災会議の議長が当然いろいろな面で諮問したり聞いたり、またそれに対する指導をしたりするのだろうと思うのですが、災害対策基本法の中でそれが義務づけられているのでしょう。違うのですか。
○杉浦説明員 御指摘のとおりでございます。
○小川(新)委員 そうしますと、たとえば経済企画庁または法務省、大蔵省、農林省、いろいろありますけれども、これは性格が個々にみな違うと思うのです。たとえば防災業務計画ができていないといっても、その省庁でできていないのか、または関係の指定団体ができていないのか、かみ合わせる場合、いま言ったとおりですね。これによって性格もまたずいぶん違う。防災計画の基本計画ができていない場合には相当大きな問題が起きてくるというのは私聞いておるのですが、災害多発地帯で業務計画やそういうものができていないために問題が起きたという事例はありますか。
○川上説明員 ただいまの件でございますが、いままで行管におきまして答弁を行なっておりましたのは、各省において作成いたします防災基本計画に基づきます防災業務計画でございまして、災害が起きました地域におきまして処理する具体的なものとしましては地域防災計画、こういうものがございます。これは先ほども申しましたように、作成率が一〇%程度行なわれていない。それを始終私ども督促いたしておりますが、これは各府県はもちろんできておりますが、市町村でできていないところがある。災害の多い府県に計画ができておって災害の少ない県にできておらないのかという御質問だろうと思われますが、これは例を出していいか悪いか、ちょっと存じませんが、十勝沖の地震の際におきましては、青森県下の市町村におきましては地域防災計画の作成率があまりよくございませんでした。しかしながら、その地震を契機といたしまして、最近非常に伸びておるということは御報告できます。
○小川(新)委員 いま御答弁をいただいたのは地域防災計画でございますね。地域防災計画というのは当然市町村団体または府県がやる、それはよくわかります。そうすると、いま私が聞いてるのは、そういった地域防災計画というものが市町村でつくられてない。ないということは結局、その災害がうちは起きないから必要がないのか、それとも地域防災計画をつくる能力がないのか、またはそういうものをほっといてもかまわないという観点なのか、いろいろあると思うのですが、特に私が聞きたいことは、防災会議を設置していないところが市町村段階では五百九十五市町村ですな。それから防災計画がないほうは一千二百二十三市町村、間違いございませんか。
○杉浦説明員 監察で調査いたしました資料におきましては間違いございません。
○川上説明員 この数字は四十三年八月一日現在の数字でございますが、このときにおきましては、防災会議の未設置市町村は三百八十三、防災計画の未作成市町村は五百五というふうになっております。
○小川(新)委員 この防災会議を設置していないというところはいま指摘されておりますが、この防災会議というものは市町村段階でそれほど必要がないのですか。
○川上説明員 非常に必要があると存じます。
○小川(新)委員 これは必要があるということでございますけれども、これに対する監督はどういうようになっていますか。これは今年じゅうに防災会議が設置でき得るように総理府では指導なさっておるのかどうか、この点……。
○川上説明員 総理府におきましては、災害というものは日本国じゅう至るところに発生すると思われますので、これは当然防災会議を設置するように常に督励してまいり、可及的すみやかに全部できるように努力いたしたい、こういうように考えております。
○小川(新)委員 可及的すみやかにということは、可及的すみやかでありますからすぐということなんですけれども、これは至急ひとつやっていただかないと困りますね。 その次に防災計画がない市町村。この防災計画は市町村段階ではそれほど必要がないのですか。
○川上説明員 防災計画は防災会議と同様でございまして、当然これは必要がございます。
○小川(新)委員 そうするとこの残り、いま設置していない市町村が一番多い県はどこですか。
○川上説明員 防災計画の少ない県と申しますのは多々ございますが、この数字は何ぶん八月一日現在でございまして、先ほど申し上げましたようにだいぶ数が増加しております。その点をお含み願いましてお聞き願いたいと思いまするが、このときにおきましては市町村段階で、たとえば青森県は防災計画は全体の二五%しかできておらなかった。しかしながらこれは最近は非常に上がっております。その点もお含み願いたいと思います。
○小川(新)委員 いまの青森県の例も、この間の十勝沖地震とか集中豪雨とか、いろいろとございましたね。特に私どもが視察に行ってよく知っているのですけれども、青森の大湊のほう、そういうところは全然できてなかったのですね。そういうところに急に災害が起きて、あわてて、自衛隊の要請も、どういう手段で、どういう機材をいつどれくらい必要かというような、防災計画にのっとったところの要請が行なわれていない。そのために、大型ヘリコプターが必要であるのにかかわらずヘリコプターが来ない。これは中央防災会議から指令してやっとわかったというような事例が出ている。でありますから、早急にこの防災会議または防災計画等の設置を、行管庁のほうから指摘なさっておられますけれども、ひとつ総理府のほうにお願いしたいと思うのです。よろしいですね。お約束していただきたいと思うのです。
○川上説明員 先生の御趣旨を体して努力いたしたいと存じます。
○小川(新)委員 では、時間がありませんから次に移ります。 この委員会で、御存じのとおりいろいろと決議されております。総理府へちょっとお尋ねしたいけれども、私どもは何回も何回もこれやっておりますよ。一つをあげますと、芳賀委員長のときに「自然災害の防止に資するための気象業務の整備拡充に関する件」、それから「昭和四十二年の豪雨による災害対策に関する件」、それから「昭和四十二年七月以降の干ばつによる災害対策に関する件」、「新潟、山形地方の豪雨災害による被災者の集団移転対策に関する件」、「地震による災害対策に関する件」、これだけいままでわれわれが審議して決議がなされたのですけれども、この決議に対してはどのような具体的な結果が出たのですか。
○川上説明員 決議につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたようにだいぶの件数がございます。これにつきましては、総理府といたしましては総理府副長官、もしくは各省政務次官におきまして、趣旨を尊重してまいると常に答弁してまいっておるところでございまして、この趣旨は十分生かしまして、各省と御相談の上、十分対処してまいっておるつもりでございます。 なお、結果につきましては、各省多岐にわたっておりますので簡単にはお答えいたせませんが、たとえば局地激甚災などもこのうちの一環でございます。
○小川(新)委員 これはまたあとで一つずつ時間のあるときに御質問さしていただきますが、本日はまだ大ぜいの方が控えておられますから私はこれでやめますけれども、行管庁にひとつお願いしておきたいことは、このようないろいろな資料があって結果が出たということに対して、私これ以上追及したくないのですけれども、どうかひとつ災害に対して万全の対策を立てられるようきびしく監督をしていただきたい。
○杉浦説明員 今後監察を実施いたしますにつきましては、先生御指摘の点を十分勘案して実施いたしたいと思います。
○小川(新)委員 以上で終わります。 —————————————
○川村委員長 次に、千葉県銚子港付近における漁船の遭難事故に関する問題について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。水野清君。
○水野委員 去る三月五日のことでありますが、利根川の河口において第二十八山仙丸、四十八トンの漁船が遭難をいたしました。このことについては先刻御承知のことだと思います。この遭難事故について少し伺いたいのでありますが、御承知のように、今回の遭難に、場所も時刻その他気象状態も非常に類似した事故が去る十二月十九日の夕刻にも発生をしております。これは第一稲荷丸といって六十トンの船でありますが、この事故のあとわずか三カ月もたたない間に起こった事故でありまして、事故の原因についてはもちろん海上保安庁その他関係省庁で検討しておられると思いますが、当委員会でこの問題について徹底的に見きわめてみたいと思うわけであります。今後の対策にひとつ織り込んでもらいたいという趣旨で御質問申し上げるわけであります。 まず、海上保安庁に事故の原因について、事故というのはいろいろな角度から考えられますが、ひとつどう考えておられるか、伺いたいのであります。 実は与えられた時間が短いので念のため申し上げておきますが、この点に触れて御回答をいただきたい。三月六日付の朝日新聞の朝刊に載っていたのでありますが、これは事実かどうかわかりませんが、警報の出しおくれではないかということが出ております。この朝日新聞の記事を要約して申し上げますと、銚子海上保安部が警報を出したのが夕方の四時五十分、第二十八山仙丸が銚子無線局にこれから入港すると打電をしてきたのが四時四十六分、四分前であります。そして山仙丸が遭難したと思われる時間が四時五十六分、非常に接近した時間であります。こういうわずかの時間を海上保安庁だけに責任を持てということは非常にむずかしいことだと思います。銚子の漁港の性格ということからもなかなかむずかしいことでありますけれども、この間の時間的な問題も含めて、はたして警報の出しおくれかどうかということの御回答をまずいただきたい。
○林政府委員 ただいま先生の御指摘になりました点につきましてお答え申し上げます。 警報の出しおくれかどうかという点をまず申し上げますと、三月五日の午後二時に、銚子海上保安部は銚子地方気象台から波浪注意報を受けまして、直ちに出入港警報発令をいたしております。これは波浪がきわめて高いから出入港は危険であるという意味の警報でございます。これを普通のルートによりまして銚子漁業無線局に連絡いたしまして、漁業無線局から漁業無線局所属の漁船に連絡していただくように伝達いたしましたのが十分後の二時十分でございます。御承知のとおり、漁業無線局は常時、所属の漁船と交信することができませんので、その割り当て時間を待ちまして、四時半ごろに第二十八山仙丸と交信を開始いたしております。それで、四時四十五分から第二十八山仙丸の交信の割り当て時間があるわけでございますが、そのときに通信士、これは助かっておりますが、山仙丸の通信士は警報を受けております。しかしながら、漁業無線局との間に交信の割り当て時間がございますので、その交信を済ませましてから船長のもとに警報が出ている旨を報告に行こうと思っておったところが、そのとたんに本船が転覆した、かように申しております。したがいまして、ただいま先生の御指摘のありました点につきまして、出しおくれということは必ずしも言えないのではないかと思います。
○水野委員 そこで伺いたいのですが、出入港警報というのは出入港警戒警報ですか、先ほど申された二時に出されたのは。要するに内容を……。
○林政府委員 銚子海上保安部では、波浪がきわめて高いから出入港が危険であるという警報でございます。
○水野委員 危険で入ってはいけない……。
○林政府委員 ではございません。法的には根拠がございません。
○水野委員 そのことでちょっと伺いたいのですが、波浪が高くて危険だから入らないようにということを、法的に規制するようなことはできないのかどうかということをひとつ伺いたい。
○林政府委員 銚子で出しております出入港警報の性質からいたしまして、本船の船型、大きさ、性能等によりまして、はたしてその船舶にとりまして危険であるかどうかがいろいろ違ってきますわけでございます。したがいまして、海上保安庁では、この場合には法的な根拠を持たせないでやったほうがいいのではないかと考えておるわけでございます。しかしながら、もし法的根拠を持たせることになりますと、港則法三十七条によりまして法的根拠があるにはあります。
○水野委員 銚子の河口というのは非常にむずかしいところでありますから、今後こういう事態が起こる可能性がある。いつもその出入港警報というような警戒警報だけを出しておられるところに一ぺん再検討していただく必要があるんじゃないか。といいますのは、この山仙丸の入港のときの条件を現地から聞いてみますと、一週間くらい伊豆沖かどこかに漁に行っていた。帰ってきて早く水揚げをしたい、家族にも会いたいというような状態であった。これは漁船の乗り組み員のほうはいつも通っている場所である。やはりなれで、強行突破をしようということは常に考えている。前の第一稲荷丸の場合も二、三隻そろって入ってきていて、その第一稲荷丸だけがひっかかってしまった。ですから、運が悪いというようなあきらめの考え方が漁業関係者には非常に多いわけであります。こういうものをやはり海上保安庁である程度規制なすっていかないといけないんじゃないか。私の聞いておりますところは、これは私はよくわかりませんが、間違っていればなんですが、那珂湊というのが茨城県にある。那珂湊の漁港の慣習は、あぶなかったらほとんど入れない、よそへ寄港させるというふうに聞いているのでありますが、その辺ちょっと伺いたい。
○林政府委員 銚子につきましては、第一稲荷丸と二十八山仙丸の教訓を生かしまして、今後こういうことが起きないようにいろいろと検討いたしておるところでございますが、ただいま先生が御指摘ございましたように、警報の伝達方法につきましてまだくふうの余地があるのではないかと思いまして、まず灯火をもって警報を伝達するというようなことも考えております。それからさらに、ただいま漁業無線局では必ずしも自分の割り当て時間の冒頭に警報を漁船に対して通信していないわけでございますが、これを割り当て時間の冒頭に通信していただくようにお願いしたい、かように考えております。さらに漁船側でも、ただいま先生のおことばにもございましたけれども、何日も遠洋で漁労に従事しまして帰ってきまして、一刻も早く入港したい。一刻も早く入港して鮮度の高い魚をさばきたいというような気持ちもございますので、警報を知っておりましても、必ずしもそれを一〇〇%守っていただいておらないというようなところもございますので、関係の漁業者にもPRをいたしまして、これを守っていただくようにお願いしたい、かように考えております。さらに、今度は入港の直前に、この山仙丸の場合には警報を知って通信士が船長に知らせます前に転覆したわけでございますけれども、まだ入港前に前広に一回確かめてから入ってきていただくようにお願いしたい、かように考えております。 那珂湊につきましても、あすこは御承知のとおり那珂川の河口でございまして、同じような危険な状態がございます。具体的なケースは川の流れその他によって違うと思いますが、銚子と同じようなことでございまして、これを法的に規制しているということはございません。
○水野委員 ちょっともう一つ伺いたいのですけれども、いま、法的に規制することもできないことはないというようなお話でした。それをいまの御答弁では、法的に規制したいとかするというお答えを得られなかったわけですが、何かそれを避けるような理由があるわけですか。
○林政府委員 先ほど申し上げましたとおり、船の大きさ、船型、性能によりまして、波に対します耐波性がいろいろと異なりますものでございますから、最後には船長の判断にまかせるという現在のとり方をとっておりますわけでございます。なお先生の御指摘もございますので、法的に規制することの是非も含めまして検討させていただきたいと思います。
○水野委員 次に、ただいまの御答弁の中にもちょっとありましたが、事故の発生後、現地において対策としていろいろ次のようなことがいわれております。海上保安庁の所管と思われることをあげてみますので、これは一つずつ簡単にお答えいただきたい。 第一は、出入のために信号を設置してほしい。交通信号のようなものを、銚子の河口の漁港の形からいって一ノ島灯台の先からその付近に、危険なときには危険なような、夜でもわかるような強力なあかりをつけてもらいたい、これが一であります。 それから二は、海上保安庁の救助艇が、できれば沖合いにいてもらって、強行に入港しようとする漁船を阻止して、ほかの付近の港に避難をするように、そういう港はあるわけですから、そういう措置がとれないかということです。 それから第三は、救助用の投光器を増設してほしい。この三点についてちょっと伺いたい。
○林政府委員 第一点の信号の設置でございますが、これにつきましては、灯火をもっていたします信号で警報と注意報を伝達いたしますように、早急に方策を講じたい、かように考えます。なお、場所それから設備の種類その他につきましては、具体的に最も目的に合ったものを設置させていただきたいと思います。 それから、波浪が高くて、三角波などが出ておりまして危険な場合には、巡視艇を河口に近いところに待機させまして、入港してきます漁船を指導し、かつ万一遭難事故が起きましたときには早急に現場にかけつけて救助活動をするようにいたしたいと思っております。 それから投光器でございますが、これは発電機つきの投光器が現在でもございますが、これの増強を考えさせていただきたいと思います。
○水野委員 それでは次に、水産庁の漁港部長さんに伺いたいのですが、この事故は歴史的な銚子の河口港としての宿命だといわれておるわけです。それを避けるためにいま銚子の漁港の大改修をやっておるわけです。ところで、この大改修の計画を、地元では予定どおりの計画を待っていたのではまたいずれ事故が起こるであろう、これを繰り上げることができるかどうか、なるべく繰り上げるようにやってほしい、これは予算上の問題が伴うわけでありますが、ということをいっております。 それからもう一つは、同じ漁港を急ぐにしましても、これは地図でたぶんごらんになっておわかりになると思いますが、銚子側に導流堤というのがあります。この導流堤の中側を将来通るわけですけれども、この導流堤の出口になっておる一ノ島灯台の右側、東側になるわけですが、川口町という町があります。その町の鼻先になっております。ここは非常に岩礁が多くてなかなか工事が難航しておるようですけれども、この部分だけを早く取り除いてもらって船が出入りできるようにすれば、いわゆる銚子の河口港を使わないで済むわけです。その工事ができるかできないか。 先ほどの第一点は、根本的に漁港改修を繰り上げてやる意思がないか。 第二点は、その中でも特に工事の手順をやりくりして、導流堤の中側を運河みたいなものを早く通してもらいたいということです。特に現地で聞いたら、これは工事会社をつかまえて聞いたのですが、これはハッパをかければすぐ工事ができるのだけれども、人家が近いからハッパを使わしてもらえないのだというようなことも言っているわけです。これだけ事故が多いと、一定の時間をきめて、地元の市と相談をなすってやれば、短時間の間にハッパをかけて工事を進めるということは私はできると思うのです。さく岩機を使うから工事が長引いているのだというふうなことも言っておりますけれども、その辺を含めてお話を願いたい。
○瀬尾説明員 銚子漁港の整備につきましては、先ほど水野先生がお話しになりましたように、現在の危険な利根川の河口を避けるということで工事を進めているわけでございますが、ただいま、昭和四十四年から、銚子漁港の整備は第四次漁港整備計画ということで、今後五カ年間で銚子の漁港を整備するということになっております。この計画が完成されますと、現在の難所とされている入り口からさらに東のほうに四百メートル近く離れますので、十分安全に入港できるのじゃないかと思います。しかしながら、もう五年もかかるわけでございますから、何とかこれを短縮して船だけでも安全に通れるようなことができないか、こういうことでいろいろ私どものほうでもまた県の関係のところへも連絡をしまして検討を進めておるところでございます。何ぶんにも現地は工事のしにくいところでございまして、特に川口町の前面は波もございますし、暗礁もございまして、なかなか工事がしにくいということが一つございます。したがいまして、航路の掘さくにつきましては、海側とその反対側と両面から攻めてくることをいま考えておるわけでございますが、海側のほうはなかなか波にも影響されるということがございますし、それからただいま先生がおっしゃいましたように、あそこの岩質が安山岩の非常にかたいものでございまして、これについて岩盤を破砕するかあるいは爆破するかという施工技術上の問題があるわけでございます。爆破をいたしますと工事はかなり早く進むんじゃないかということをいま考えておるわけですが、これにつきましては、以前にもあの近くを爆破したことがございまして、そのときに五、六百メートル離れた人家におきましても振動がある、あるいはガラスが割れたとかいうようなことがございまして、反対を受けたわけでございます。今回におきまして、やはり普通の砕岩ということではなかなかむずかしいんじゃないかということで、ハッパにつきましてもいろいろと種類があるわけでございますが、そういう事柄も十分検討しつつ、またこういう工事の性格としては非常な重要な工事でもありますので、そういう性格を地元の住民の方々にも十分認識していただいて、工事の促進にひとつつとめたいということで、これは私どものほうでも県並びに銚子市及び漁業協同組合等へも申し入れを行なっておる次第でございます。したがいまして、現在のところまだ、船を安全に通すということだけの工事の費用が幾らかということを積算し、検討を進めておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、銚子の全体計画は五カ年かかるにしても、この問題だけは少なくとも三カ年程度で何とか整備をすることができないかどうかというような考え方で、いろいろと目下検討を進めておる、こういう段階でございます。
○水野委員 もう一点伺いたいのですが、この山仙丸が遭難をした原因が、正確にはわからないかもしれませんが、一ノ島灯台のすくそはに、——これは最初保安庁にちょっと伺いますが、アカベ岩という岩が二つある。これは水面からすれすれのところにあるのだそうです。その岩に船腹をぶつけたのか、下をとられたのか知りませんが、ぶつかって転覆をしたらしいということを地元でいっておりますが、そういうことですか。
○林政府委員 私どもが現地の保安部から報告を受けておりますところでは、まだ究極的に遭難の原因を究明して結論を出すに至っておりません。
○水野委員 それならそれでけっこうでございます。 今度は漁港部長に伺いたいのですが、いま直接これが原因かどうかわからないという海上保安庁のお話ですが、そうでないにしても、一ノ島灯台のすぐわきにアカベ岩という岩だそうですが、二つあるのです。この岩がかなりじゃまになって、銚子の河口の水路の入港がただでさえむずかしいところをこの岩にぶつからないために、あるいはぶつかって遭難をする例が非常に多いというのですが、この料を爆破できるかどうか。かなりむずかしい技術だと思うが、実は私もこれは現地に参りましたときに、地元の海士組合といって、水にもぐる人たちの組合がある。その組合の人に聞いたら、夏の大潮というのですか、一番水が引き潮のときならば、自分たちはもぐってやれますということを言っておるわけです。やはりハッパをかけるわけです。そういうことを、あと三年ぐらいかかるならば、おやりになる必要があると思うのです。ひとつ検討しておられるかどうか、御意見を伺いたいと思います。
○瀬尾説明員 ただいまのアカベ岩の暗礁の除却の問題でございますが、アカベ岩の実態につきましては、私も銚子漁港の一ノ島灯台に行ったことがあるのでございますが、十分承知をしていないわけでございます。海図等によって見ますと、一ノ島灯台から北西のほうへ約三十メートルくらいのところに、干潮面下一・五メートルくらいでしょうか、直径が十メートル程度の暗礁が二つあるように見受けられます。この暗礁は、漁船が入港してくる航路の東端から約四十メートルくらい離れているのではないかと思います。したがいまして、通常の、あるいは多少の風浪等においては、この岩礁はそう問題はないんじゃないかと思いますが、この間のような荒天時になりますと、横波を食らって打ち上げられて、七、八十メートルも流されるというようなことになりますと、やはりこのアカベ岩というものが問題になるのじゃないだろうか。しかしながら、アカベ岩を取ったといたしましても、さらに三十メートル後に、一ノ島灯台のある防波堤がございますので、あるいは横波で流された場合に、このアカベ岩が除却してあっても、また灯台のほうへ行くのではないかという危険もある。したがいまして、現在のところこれも千葉県のほうへ連絡いたしまして、アカベ岩の実態の問題、またそこを通る漁船の船長や関係者の意見等も十分調査をいたしまして、このアカベ岩の遭難に対する実態等を見きわめて、また工事費も一体どういうふうに相なるかというような事柄も見きわめまして、この問題については適当な処置を考えたい、こう思っておる次第でございます。
○水野委員 ありがとうございました。私これで終わります。
○川村委員長 葉梨信行君。
○葉梨委員 いま水野委員から、この間の銚子漁港におきます遭難事故についていろいろ質問がございました。私はできるだけ重複しないように、簡単に問題点について質問をしていきたいと思うのでございます。 三月五日に第二十八山仙丸四十八トンが遭難いたしまして、十四名の乗り組み員のうち、死亡及び行くえ不明者が十一名という犠牲者を出したのでございますが、さっき水野委員からも話がありましたように、昨年の十二月十九日には第一稲荷丸六十トンが、二十三名の乗り組み員のうち行くえ不明、死亡者合わせて十四名の犠牲者を出しておるのでございます。また十年前の昭和三十四年の十一月二十五日には、やはり茨城県の漁船が遭難をいたしまして、二十九名の犠牲者を出しております。こういうように、銚子漁港、波崎漁港につきましては、単に操船の不手ぎわとか無謀というだけではなくて、地形あるいは気象状況等が特殊な、非常にむずかしいところであるということがいえると思うのでございます。また背景にあるものとしては、いま非常に不漁であるというようなことから、漁民が非常にあせっているというような心理的な要因も遭難に輪をかけておるのではないかと考えるわけでございます。 この地形について申し上げますと、利根川河口は魔の河口といわれておりまして、福島県の小名浜港や四倉港の漁民などは、銚子の川口てんでんしのぎというようなことを言っておるということも聞いております。また利根川の河口ぜきや逆水門ができましてから川底が上がって波も大きくなり、非常に危険になってきたということはだれしも否定のできない現実でございます。 それから気象につきましても、北東の風がよく吹き荒れて、これによって起こるうねりが直接利根川の流れにぶつかって三角波を発生させる、こういうようなこともよくわかっておることでございます。それから操船につきましては、一体安全運航をしていたんだろうかという問題があるわけでございます。 それから漁業家の現況といたしましては、最近、イワシ漁場の中心基地であった銚子、波崎がこのごろ不漁続きであって、地びき網、あぐり網漁業、いずれも不振にあえいでいて、漁業経営も不安定で中止するものも非常に多い。残った漁業家は悪天候でも無理をして出漁するというような状況があったわけでございます。 そこで、まずこの利根川の河口の地形について少し伺いたいのでございますが、これは建設省の所官になると思いますが、流水、潮流、河床、地質の変化状況とか、あるいは年間を通じての波浪の変化に伴う河床の移動状況、こういうような河口の状況につきましていままで調査をしておられたかどうか、これを伺いたい。
○坂野政府委員 建設省の所管といたしましては、いわゆる海岸線とそれから河川とのぶつかる海岸の汀線といいますか、そこまでが建設省の所管でございまして、したがいまして、そういった河川区域の中につきましては、これは建設省の直轄の管理区域になっておりますので、大体定期的に毎年河床変動の状態ということをやっております。問題は、河口といいますか、むしろ建設省所管の区域と海面との接触点あたりが問題だと思いますが、建設省でやっておりますのは、どちらかといいますと、ある適当の期間を置いて河川の河道の状態というものを主眼に置いてやっておるものですから、そういった潮流の関係だとかこまかい河床の変動というところにつきましては詳しいデータはないというぐあいに了解しております。
○葉梨委員 そうしますと、この河床の移動というか変動につきましては、どこの官庁で調査をしておられるか。建設省でないとすると、気象庁でございましょうか、あるいは水産庁でございますか。
○瀬尾説明員 いまお話のありました利根川の河口付近には漁港の区域というのを引いておりまして、漁港になっておるわけでございますが、そこを漁船が利用するわけでございまして、漁船の航行上、土砂の埋没状況がどういうふうになっておるかというようなことから、水産庁のほうにおきましては、過去におきまして昭和三十四年から六年あるいは七年にかかったかもしれませんが、その当時はかなり費用をかけまして、あの地域の深浅測量なりまた水理模型実験等を行なっております。その後建設省のほうでおつくりになった左岸の波崎の導流堤等が一応一段落をして、河口の物理的な条件が、見かけの物理的な条件にあまり変化がございませんので、その後は定期的に詳細な調査をするということはやっておりませんが、やはり時期の変わり目に目を荒く深浅測量等の調査をやっております。それによりますと、時期によりましてやはり浅い位置が変わりましたり、また一番浅いところでは、航路におきましても、水深マイナス二メートル六、七十、マイナス三メートルないというようなところも出てきております。そういうような意味で、水産庁のほうでは漁港における漁船の利用というような観点から一応の調査はしております。
○葉梨委員 その調査は年間何回くらいおやりになっておりますか。
○瀬尾説明員 最近におきましては、一応私どものほうで漁港管理者である千葉県のほうに指示をいたしておりますのは、大体春秋二回くらい、といいますのは、遭難の非常に起こりますのは季節風のとき、十一月末から三月ころなんですが、それからまた夏季は台風時でまた風の方向が逆になるのでございますが、そういう時期に、最も砂のたまりの不安定なところとか、そういうところを重点的に選びまして調査するように指示をいたしております。
○葉梨委員 ただいまの御答弁で、二メートル何十というような、非常に水深が浅くなったことがあるというお話でございますが、漁船の航行にとって、水深が浅くなったということは非常に直接的にも危険であると思いますが、そういう事態がわかったときにしゅんせつをさせるとか、何かそういう措置をおとりになりましたか。
○瀬尾説明員 利根川におきましては航路のしゅんせつということをたびたびやっております。それは異常な波浪によりまして埋まったものについては災害復旧ということでやる。またそうでなくて、通常の維持補修的なものは、漁港管理者である千葉県の単独の費用でやっております。それは実績がございます。
○葉梨委員 最近で、年間幾らぐらいの実額の工事をやっておりますか。
○瀬尾説明員 維持、しゅんせつ、いわゆる掘るという事柄については、利根川の河口におきましては、最近二、三年はやってないと思います。
○葉梨委員 私は、河口のそういう地形の状況、あるいはどういうふうにやっていったらいいかというような技術的な問題についてしろうとでございますが、何か非常に手を抜かれていたような気がしてなりません。そうでないならばそのように御答弁願いたい。
○瀬尾説明員 利根川の河口の航路の維持という問題は、これは非常にむずかしい問題でございます。波府側のほうには、御承知のように鹿島灘という大きな砂の補給源がございますし、それから利根川というわが国でも非常に大きな川が流れ込んでおりまして、あの河口はなかなかむずかしい現象を生じておるわけでございます。したがいまして、かりに浅いところを無理して掘ったとしてもまた、浅いところへいきますと波が砕けまして、波が砕けますとかなり砂を動かしますので、そういうことからも考えまして、維持、しゅんせつのみにたよっておったのでは、とうてい利根川の河口における航路の問題は解決しない、こういうような実は観点に立ちまして、そういう観点が一つと、それからまた、底が深くても、先ほどもお話し申し上げましたように、非常に難所でございまして、風浪時には難所であるというのを避けるのと、川の埋没といいますか、河底が漁船の航行に対して非常に不安定であるということのために、銚子漁港の整備計画の中で、別の航路を設けて、利根川の河口を相手にしない、こういうことでいま進めておるわけでございます。したがいまして、河口における調査につきましては、銚子漁港の始まったのはたしか大正七年ごろからでございますが、それからあの問題についていろいろと検討を進めておりまして、その結果、昭和三十七年でございますが、利根川の河口を今後は使わない、銚子の漁港へ入る漁船は別の航路から入る、こういうことにしたわけです。しかしながら、波崎でございますとか、またあそこに小さい漁船もおりますので、そういう漁船は荒天時でないときに、喫水の浅い漁船はそこを通っていく、こういうようなことで解決策をはかっておるわけであります。
○葉梨委員 その河底が浅くなったときに、浅くしない対策として、また三角波を防ぐ対策として、波崎漁港側から下流部、利根川左岸に延びております導流堤をもっと延長したらいいじゃないか、こういう意見が茨城県側に強いのでございます。その導流堤は、聞くところによりますと、昭和三十五年に現在の位置まで建設工事を進められて、いまストップをしておるということでございますが、なぜその後工事が行なわれていないのですか。
○坂野政府委員 先生御指摘の導流堤は、建設省の河川工事として行なわれたものでございまして、主たる目的は河口の水深の維持ということと、あわせて波崎港の水深の維持にも役立たせようという目的で導流堤が行なわれたわけでございますが、導流堤をだんだん延ばしておりますと、どうも波崎港の水深の維持にも必ずしもプラスにならないのじゃないかという現象があらわれてきておる。直接導流堤のすぐ前面は確かに深くなるというような状態がありますが、これ以上進めてもどうもその効果は疑問であるというような結論になりまして、現在中止いたしております。しかし、先ほど水産庁のほうからお話がございましたが、もう少し私のほうも、県のほうも要望がございますし、河口付近のそういった河床変動の調査、潮流の関係等、水産庁のほうともよく協議いたしまして、まず一応河床変動の状態等を調べまして、導流堤を延ばしたほうが全体的に効果がありそうだ、また河川の流水上からいっても都合がいいという結論が出てまいりますれば、その段階において導流堤を延ばすということを考えてみたいと思いますけれども、現在のところ、もちろん技術的にむずかしい問題で、必ずしもいい効果をもたらしてないということでございますので、今後十分検討してみたいと思います。
○葉梨委員 いまのお話でございますが、ひとつ水産庁と協力して、さっそく調査を始めていただきたい、検討ということばだけで終わらないようにお願いをしたいと思います。 それから、その河口の問題につきましては、波浪をいろいろ調査して、気象の面から波浪の立ち方であるとか、どうやれば波浪がおさまるかというような面についての調査も行なっていただきたいと思います。気象庁がおいでになっておったら、その点御答弁願いたいと思います。
○柴田政府委員 沿岸波浪の問題は非常にむずかしい問題でございまして、特に利根川河口のように、川が流れ込んでいるような海岸においてどのような気象条件とどんな波が立つかということを究明するのは、実はなかなかむずかしいのでございます。しかし、何とかしてこれは究明すべきでございます。先生のおっしゃっているように、調査すべきだと思います。現在、そこの海域を担当しているのは銚子の地方気象台でございまして、銚子気象台でもそれを平生心がけておるようでございますが、関係方面の方々と協力してやっているのではございますけれども、元来むずかしい問題でございますので、まだこれといった成果は私聞いておりません。今後そういうように努力したいと考えております。
○葉梨委員 長官の言われましたように、ぜひひとつその件につきまして進めていただきたいと思います。 そこで、特に波崎港、銚子港につきまして、漁港整備の面から伺ってみたいと思います。 波崎港は、先ほど冒頭に私申し上げましたように、利根の河口ぜき、逆水門等によりまして、第一次、第二次漁港整備計画が終わって、現在第三次整備計画が進行中でございますが、その計画策定時とはだいぶ状況が違っているんじゃないかと思うのでございます。現況につきまして、水深であるとか出入港する漁船の数、あるいは漁獲状況等についてお答え願いたい。
○瀬尾説明員 波崎の漁港の整備の問題でございますが、これは第三次整備計画と申しまして、昭和三十八年から始めておる計画でございますが、それにのせまして整備をやっておるわけでございます。それから、今回は四十四年から第四次整備計画に入るわけでございますが、それにも、必要な波崎漁港の整備につきましては、第四次整備計画にのせて整備をするように考えております。 それで、波崎港の一番の問題点と申しますのは、利根川の河口から入ってくるという河口における難所、これは現在のところは銚子と同様でございますが、そのほかに、利根川をさかのぼってきまして波崎港へ入るところが非常に浅い、こういう問題が一つあるわけでございます。それからもう一つ、港内が埋没をしておりまして、最近の漁船の大型化で大潮のときには船の底が当たる、こういうような状況になっております。したがいまして、この泊地の浅くなったところにつきましては、これは必要な進路だけしゅんせつをする。一番問題点の波崎の港の入口、いわゆる波崎港では河口部の端っこになるわけでございますが、そこのところが非常に詰まる状況でございまして、漁港管理者である県のほうでも毎年しゅんせつをいたしております。それで、いま最も急所であります利根川の中における波崎港の港口につきましては、県のほうでも連絡をとりまして、本年度からその波崎港の港口における埋没対策の問題を調査をすることにいたしております。その調査の結果を待って必要な整備をしていきたい、こういうふうに考えております。
○葉梨委員 茨城県の漁港としましては、河口港としましてほかにも那珂湊、大洗等がございますが、いずれも立地条件が悪く、その施設が不備でございます。そういう意味で、第四次漁港整備計画を実施されるにつきましては、的確なる目標を立てられて、そして関係漁民の期待にこたえるようにひとつお願いしたいと思うのでございます。 〔委員長退席、斉藤(正)委員長代理着席〕 次に、銚子港について少しお伺いしたいと思いますが、先ほど水野委員からも御質問申し上げましたが、一ノ島灯台の内側にございます掘り込み、いま工事中でございます。これは、聞くところによりますと昭和三十八年から四十八年にかけての予算九十億円、正式な名称は銚子漁港整備事業でございますが、これが完成していればおそらくその掘り込みを通って安全に入港したんじゃないだろうか、不幸は防げたのではなかろうかという声が強いのでございまして、早期繰り上げ完成を強く要望したいわけでございます。先ほど水野委員に対する御答弁でも水産庁側の御意向はよく承りましたけれども、もう一度その点についてお答え願いたいと思います。
○瀬尾説明員 銚子漁港の整備につきましては、利根川河口の難所における漁船の遭難等の問題もございますので、この促進を極力進めていこうということでものを処理をしていきたいと考えております。それから、これにはやはり事業費が多いわけでございますから期間もかかりますので、その銚子漁港の整備計画の中でも、漁船が安全に通り得る波よけとか、あるいは航路、平たく申しますと運河と申しますか、そういうような施設につきましては特に緊急性が高いので、ひとつ三年くらいで完成をいたしたいという姿勢で、いまその工事費の問題とかあるいは工事の施行技術の問題を目下検討しているところでございます。
○葉梨委員 そうしますと、昭和四十八年の完成予定が二年くらい短縮されるわけでございますか。
○瀬尾説明員 私の申し上げましたのは、漁船が安全に通り得るという関係の工事のことでございまして、そのほかに銚子の外港に魚揚げ埠頭でありますとか、そういう他の施設があるわけでございまして、したがいまして、そういうものを全部含めますといまのところ五カ年計画で四十八年完成、今回申し上げましたのはそういう魚揚げ埠頭等をどっちかというとあと回しにいたしまして、船の通り得るところだけを早くやるということについて、四十六年度くらいでそういうことをいたしたい、こういうことでございます。
○葉梨委員 私どもの要望しておるのも、船が安全に出入港できるという状態を早くつくってほしいということでございますので、ただいまの御見解のようにぜひ促進していただきたいということを要望しておきます。 銚子漁港整備事業に含まれているかどうかでございますが、銚子市内に外川、名洗という両外港がございますが、これは避難港といたしまして私ども茨城県の波崎港の漁船も使わせていただくわけでありますが、この完成予定をやはり短縮していただきたいと思います。
○瀬尾説明員 いまお話のありました外川漁港というのは、これは漁港でございますが、名洗は運輸省所管の避難港でありまして、名洗のほうは目下工事中でございます。外川漁港につきましては、あそこも潮差の多いところでなかなか漁船も困難するところでありますが、今回の第四次整備計画では、現在外川で操業しておりますような漁船が収容できるように計画を立てておりますので、これについても、財政上の都合その他いろいろあると思いますが、極力整備をしたいと思っております。
○葉梨委員 避難港の話が出ましたので、もう一つ御要望申し上げたいのですが、いま鹿島に工業港を建設中でございます。荒天の場合に漁船が鹿島工業港に緊急避難するのは当然でございますが、鹿島海の内側に一部漁港をつくってほしいという要望が出ております。これについて水産庁としてはどういう御見解でございましょうか。あるいは運輸省の所管かもしれませんが、所管官庁から御答弁願いたい。
○瀬尾説明員 鹿島港は漁港ではございませんので、運輸省のほうで直轄で工事をやっております。しかしながら、いま先生のおっしゃったお話は、先般私波崎に参ったときも、町長あるいは漁業協同組合の関係者からも聞きまして一応承知をしておるわけでございますが、鹿島港は非常に大きな船を入れる港でございまして、避難の場合には、漁船は避難をしようと思えば、水深は深いし、できるところだと思います。しかしながら、地元の要望等を聞いてみますと、単に避難をするだけでなくて、一たん避難した場合にあらしがおさまるまで二、三日かかる、そうすると積んできた漁獲物が腐ったりしても困る、したがいまして、鹿島港へ避難をし、かつ魚を揚げて売るようなことを考えているのだが何とかならないか、こういう趣旨の話が波崎であったわけでありますが、そういうことになりますとやはり漁船が利用する施設というものが要るわけでございまして、単に水面があればいいというわけではございませんので、私どものほうといたしましては目下茨城県の港湾課のほうとも連絡をとりましてそういう問題を検討願っておりますし、また必要によりましては運輸省のほうともよく相談をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○葉梨委員 漁業家の話になりますが、先ほどから出ておりまする緊急避難の場合、いま申し上げたような銚子市内の外港に入るわけでございます。その魚は銚子市場に水揚げをします。そうすると、波崎船籍の漁船ですが、魚も手数料も銚子にいってしまう。これを波崎の漁業家がきらいまして無理をするということもあるということも聞いておるわけでございます。こういうことは荒天時にはあり得ることでございますが、そこで、魚が揚がってもそういうときは手数料を安くするとか、何かそういう便法が考えられないものかどうか、これは陳情の問題になりますけれども、お伺いしたいと思います。
○瀬尾説明員 現在銚子の市場ではたしか四%くらいの手数料を取っておるかと思いますが、この銚子の市場へ波崎の漁船が魚を揚げた場合に、やはり同じように手数料を取られてしまいますと、波崎の漁業協同組合も困るというような事情で、その話も私どもかねてから聞いておるわけでございますが、これは銚子の市場のほう、あるいは千葉県等へ連絡いたしまして、銚子と波崎とは相対する漁港で、従来からも利根川の河口を共同して使って利用をしておったわけでございますし、今回の新しい計画におきましても、銚子側の航路を使って波崎へ行くというようなことにも相なりますので、銚子漁港と波崎漁港とは管理者は千葉県と茨城県とで違ってはおりますけれども、漁船が利用する、あるいは漁獲物が陸揚げされてヒンターランドへ行くというような問題については、やはりこの二つの漁港は総合的に統一的に考えなくてはいけないのではないかという考えを私ども持っておりまして、いま先生のおっしゃった波崎の漁船が水揚げした手数料等につきまして、市場のほうへ、何か波崎の漁船につきましての特典と申しますか、そういうようなものをひとつ考慮してやったらどうかということで目下指導をしておるところでございます。
○葉梨委員 たいへんありがたい、私ども茨城県側として望ましい方向にいっているようでございますが、具体的にお見通しはいかがでございますか。
○瀬尾説明員 私のいまからお話ししようとするのは、まだ県及び市場から確たる返事をもらっておりませんので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、今回の事件がありましてから、非常に波崎と銚子の距離が近くなったのではないかと思います。茨城県知事も波崎漁港の促進ということにつきましていろいろと努力を最近されるようになりましたようです。また千葉県側におきましても、やはり波崎の漁港と銚子の漁港とを一緒に考えていくべきだという考え方にも立っておりますので、いま申し上げたような問題も、ゼロにするというわけにいかないかもしれませんが、何ぶんにも波崎の漁港についてそういう考慮をするということは、見通しが明るいのではないかと考えております。
○葉梨委員 ぜひそのように御努力願いたいと思います。 そこで、冒頭私が申しましたが、波崎、銚子両漁港を中心とする近海漁業が非常に不振の傾向をたどっておるということに対しまして、水産庁として振興策を、具体的にどんなものを考えておられるか。また、近海漁業の経営者、船主に対して経営力をつけるということはまた働く漁船員に対する待遇改善にもつながるわけでございますが、漁場の今後の問題や、それから漁業経営者に対する助成の問題について、現在どういうことをお考えになっておられるか、御答弁願いたいと思います。
○瀬尾説明員 残念ながら私はそのほうの所管ではございませんので、はっきりした知識を持っておりません。しかしながら、漁業の不振ということにつきましては、最近サバの問題であるとかイワシであるとか、回遊魚が非常に減っておるわけでございまして、そういう自然的な資源的な問題がございます。これは漁業そのものにつきましては、いたし方のないことだと思います。 〔斉藤(正)委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら、銚子、波崎の漁港を根拠とする漁業につきましては、やはり種類がいろいろございまして、そういう他の漁場へ出かけていくというようなことにつきましても、これは考えなければならない問題であると思いますが、また漁業法上の許可とかいろいろな制限もあるのではないかと思います。そういうことで、水産庁のほうとしましては、全体的な施策としましては、水産物の需要が伸びているのは、漁獲生産が足りないから、漁獲の生産をあげなくてはいかぬ、こういうようなことでいろいろ施策をいたしているわけでございますが、波崎と銚子について具体的にどうあるかということは私詳しく存じませんので、また必要があれば担当の者に出席させて答弁させたいと思います。
○葉梨委員 今度の遭難事故につきまして、直接的な原因追及という面では漁港部の方とかそういう方で十分でございますが、やはりその背後にそういう漁業不振という問題があるわけでございます。そこで本来ならば、水産庁ではそういう担当者が全部出てくる、あるいは水産庁の長官がこの席に出席して答弁すべきであると思うのであります。私はたいへん遺憾に思います。そこでまたあらためて来ていただくというのも、お忙しいお役所に対してたいへん恐縮でございますから、私がたいへん遺憾に思っておった、これは単に波崎、銚子両漁港について私はお願いを申し上げているのではないのであって、近海漁業全体が決して上昇気流に乗っていないということに着目して質問をしているわけでございますので、ひとつ長官にそのことをよろしくお伝え願いたい。 次に、操船の問題について——操船といいますか、漁船の航行の問題についてお尋ねしたいと思います。 先ほど水野委員からいろいろ御要望がございました投光器をぜひ設置していただきたい、よろしいというお話で、たいへんありがたい御答弁をいただきましたが、そのほかにヘリコプターを常備していただきたいという要望がございますが、この点につきましてはいかがでございましょうか。
○林政府委員 海上保安庁全体といたしまして、ただいまヘリコプターは全国で九機持っているだけでございます。大型ヘリコプターはございませんで、中型機が五機、小型機が四機というようなことでございます。これを函館、羽田、新潟、広島、伊勢の五つの基地に分散配置しております。銚子は比較的羽田に近い地理的な状況でございますので、ただいまの保有状況では、まだ常時銚子に配備するまでには設備が整っていない、遺憾ながらそのような実情でございます。しかしながら、今後銚子に警報が出ましたようなときには、羽田のヘリコプターを常時警戒待機させまして、また必要に応じまして、危険度が高いときには銚子まで前進させまして、現場で待機させる等、機動的に運用させていただきまして、将来ヘリコプターがもっと整備されるときまで、とりあえずの間に合わせにしていただけたらと思っております。 なお、現在も防衛庁の各基地に、遭難船舶のありますときには出動をお願いしているわけでございますが、今後は、銚子で出入港警報を出しましたときに、そのつど防衛庁の関係基地に連絡して、防衛庁のヘリコプターも待機していただくようにして万全を期したいと思っております。
○葉梨委員 銚子に限りませんで、そういう危険な地域は全国にまだ何カ所もあるし、おそらくヘリコプターの常備を要望しているところもあると思います。そこで将来の問題としては、ヘリコプターの機数をふやすという方向に御努力願いたいと思うのでございます。いま、危険な警報が出たときには羽田から前進して待機するということも考えておるというお話で、たいへんけっこうなことでございますが、羽田と申しますと東京湾に面して、東京湾内にやはり海難事故が起こり、同時に銚子の周辺に海難事故が起こるということもあり得るわけでございまして、万全の策といえないと思います。 それから、念のために一つ伺っておきたいのは、羽田から銚子まで何分くらいで飛んでこられましょうか。
○林政府委員 約三十分でございます。
○葉梨委員 それから、遭難したときの状況でございますが、警報については先ほど水野委員から詳細に御質問申し上げましたので触れません。 新聞の伝えるところによりますと、船員は遭難するときに救命胴衣を着用していなかったと書いてございますが、それは事実でございましょうか。
○林政府委員 ただいま先生のお話にありましたとおりでございまして、救命胴衣その他の救命具を着用しておらないのでございます。この点私ども非常に遺憾に思っております。救命胴衣を着用しておりましたらあれほど多数の人命を失わずに済んだのではないか、あるいは、せっかく海上保安庁の巡視船が一名救助いたしましたのですが、病院に運び込んでからなくなっております。かようなことがなかったのではないかと思っております。今後は海難防止運動の一環といたしまして、救命胴衣をこのような危険なところを通航するときには必ず着用するようにというようなことも指導いたしたいと思っております。
○葉梨委員 いまの御答弁の趣旨をひとつよく徹底させていただきたいと思います。 それから次に、一番大事なことが最後になってしまいましたが、遺族の援護や補償の状況について伺いたいと思うのでございます。 波崎、銚子、いずれも同じような状況だと思いますが、漁船員の生活は、本人は乗船して賃金を得ておる、それから家族の者は内職をしておるというのが大部分ではないかと思うのでございます。内職というのはおもに水産加工業に従事しておるというように聞いております。今度の事件に対しましては船主からも補償が出たでしょうが、また一方、船員保険がかけられておったので保険からも遺族に対しましてお金が出ておると思うのでございます。そこでこの船員保険法について、どんな給付があるか、ひとつ御説明願いたいと思います。
○吉村説明員 船員保険で、被保険者が職務上の死亡をいたしましたときの事故に対しましていかなる補償があるかということでございますが、一つは行方不明手当金というのがございます。それから第二番目が遺族年金または遺族一時金というのがございます。それから最後に葬祭料、死亡した場合にはそういう三つの種類の補償を行なっております。
○葉梨委員 私が具体的に聞いたところをちょっと申し上げてみたいと思いますが、これは名前は申し上げませんが、昨年の暮れとことしの春の遭難に際しまして、最終報酬が二万四千円であった人は、加給金を入れまして遺族年金額が十六万二千七百五十円でございます。それから少し高い人、最終報酬が四万五千円だった人は、子供の分の加給金を入れまして二十六万八千百十四円。この最初の人は、十二で割ってみますと月額一万三千五百六十二円余り、それからあとの方は二万二千三百四十二円でございます。そうしますと、生前の報酬と差し引きしますと、先の方は一万一千円くらい、あとの方は二万二、三千円足らないということでございます。ということになりますと、これは遺族にとりましては生活上の非常に大問題であろうと思うのでございます。そこで、この船員保険でもって現状は非常に不十分だと私は思います。特に職務上の死亡に対しましてこういうことでいいだろうかという感じを強く持つわけでございます。一体こういう給付に対して、将来何かもっと遺族の生活を助けるような方向について考えておられるかどうか、御答弁を願いたい。
○吉村説明員 先生おっしゃいましたように、二万四千円の被保険者については、被保険者の期間あるいは被扶養者の数によって若干相違がございますけれども、大体十六、七万円、それから四万五千円の月収の方につきましては大体二十七万円程度でございます。確かに先生のおっしゃるように、船員保険で補償する年金額というのは低いではないかという御意見がございまして、ごもっともな点でございます。ただ、船員保険の職務上の年金につきましては、陸上の労災保険に見合います本来的な職務上の給付部分と、それから陸上の厚生年金に見合います一般給付分とを足して支給するということに相なっておるわけでございます。本来的な職務上の給付部分につきましては船員保険法との関係もございますし、また陸上の労働者災害保険の給付との関連もございますので、労働省、運輸省と協議いたしましてこの引き上げ等につきまして検討していきたい、かように思っております。 それからもう一つの厚生年金に相当いたします一般給付分につきましては、大幅な改善をはかるようにこの国会に船員保険法の一部改正法案を上程しております。いままで一万円年金であったものを二万円年金にするというくらいの改善でございます。したがいまして、一般の厚生年金部分に相当する部分につきましては、この国会でもし法案が通りますれば相当大幅な改善になる。さらに先ほど申しましたように職務上の本来的な部分につきましては今後とも検討してまいりたい、かように考えております。
○葉梨委員 大幅な改善をこれから望めるという御答弁はたいへん心強い限りでございまして、一日も早くそれが実現できるように期待しております。同時に、遺族の援護が十分でないということは、ただでさえ不振な漁業に従事し、あるいは新しく漁業者として参加しようという若い人たちの意欲をそぐことでございます。そういう意味では、この保険については厚生省、運輸省、あるいは労働省が所管庁であるかもしれないけれども、漁業者の立場からいうならば、水産庁もこういう点についてひとつ側面から声援を送って、そうして安心して働けるような体制をつくっていただきたいと思うのでございます。 きょうはたくさんの関係省庁の方々に御出席いただきまして御答弁を願いましたけれども、どうかこういう不幸な事件が二度と起こらないように、また漁業者がほんとうに張り切って水産日本の振興のために働けるような環境づくりをしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。 —————————————
○川村委員長 次に、昭和四十四年三月の異常降雪等による災害対策について調査を進めたいと存じます。 まず、農林省当局から、被害状況等について説明を聴取いたします。荒勝参事官。
○荒勝説明員 それでは御報告申し上げます。 去る三月十二日、日本列島の南洋上を東北進いたしまして発達した低気圧が、関東以西において相当量の降雪及び強風をもたらし、農林水産業に相当の被害をもたらした次第でございます。 被害は関東を中心として十八都府県に及んでおりまして、各都府県よりの報告によりますと、ビニールハウス等のいわゆる施設園芸の関係を中心とした系統が約十三億九千万円の被害、それからそれに伴う農作物等の被害額が約十八億一千万円でございます。さらに林業関係の被害が約二十億六千万円ほどありまして、合計いたしまして大体五十二億七千万円程度でございます。 主たる被害地は、関東を中心とした埼玉あるいは群馬、山梨、こういう方面、それから京都を中心といたしまして林木の被害が相当ありました。さらに西の愛媛あるいは香川あたりで多少果樹の被害があったようでございます。 それで、農林省といたしましては、同日直ちに、十二日の午後二時でございますか、事務次官を中心といたしまして臨時雪害対策本部を設けまして、第一回の会合を開き、応急対策を検討した次第でございます。 その応急対策としましては、いわゆる農作物の被害を極力少なくし、かつ今後の復元を基準にした指示をいたしますとともに、特に東京都民を中心とした生鮮食料品の確保についてもまた十分検討した次第でございます。 ただいま申し上げましたのは現在の段階での被害額を申し上げましたが、これは各都府県からの報告でございまして、まだ暫定的に各方面から逐次追加の報告も参っておりますが、農林省といたしましても、早急に統計調査部を中心に現在被害状況の把握を待っておりまして、あるいは月末になりますか四月の早々になりますか、その辺は少しまだ見当が——雲が十分に解けていない地区も山ぎわにはあるものですから、掌握いたしておりませんが、極力早い機会に、統計調査部の被害額を待って、今後の農家の救済に対策を講じてまいりたい、こう思っている次第でございます。 —————————————
○川村委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。中尾栄一君。
○中尾委員 すでに時間も六時半でありますから、委員長の御内示もございまして、はしょって質問してくれということでございますから、私もできる限りずばり単刀直入な質問をいたします。したがいまして、事務当局もぜひ具体的な事項をここに提示をしていただいて、御報告いただければありがたいと思います。 ただいまの報告の中に降雪概要が少しく盛られておりましたが、三月三日から三月十一日に、台湾の東南洋上に発生した低気圧が、次第に発達しながら北上して本州の東海岸を通過したために、三月四日から十二日まで、大体四国、太平洋沿岸並びに中部地方各県に多量の降雪たらしめた、私もこういう報告を受けているわけでありますが、この降雪は気象庁のほうから見ますと、気象庁の報告にありましたように、三月に至ってはことしに限ってまれな、いままでにない、気象台始まって以来の大雪であると承っておるのですが、これに対してちょっと御説明を願いたいと思うのであります。
○柴田政府委員 十二日の雪は東京で三十センチ積もったことは御承知のとおりでございまして、この三十センチという量は三月といたしましての第一位の量でございます。したがいまして、過去にはこういうような大量に雪が積もったことは三月にはございません。しかし一般的に申しまして、冬は、三月じゃございませんが、二月は四十何センチ積もったこともございますので、冬全体としては過去にもあった現象でございます。
○中尾委員 では、気象庁始まって以来というのは、三月にこのような降雪があったことはないのであって、いままでに一月、二月の間においてはこのような降雪があったということは、全県的にあるということでございますね。
○柴田政府委員 そうでございます。
○中尾委員 そういたしますると、私は今回の被害をずっと見てみまして——実は農林当局にも尋ねたいのでありますが、つい一昨々日、私は一泊二日で山梨、埼玉をずっと視察してまいりました。これは農林水産委員長代行という形で行ったわけでありまして、被害状況はつぶさに私も実質的に見て回りましたし、同時に私の手元にも各地区における陳情書が届いております。私の手元に相当写真集も届けられておりますから、関係当局にあとでごらんになっておいていただいて、それでよく御見聞いただきながらひとつ御検討いただきたいと思います。 ともかく、農林省並びに災害対策関係の関係庁は、この雪害に対して直ちに現地に行ってこれを視察なさったかどうか、それをまずお聞き申し上げたいと思います。
○荒勝説明員 現地に、農林本省からは蚕糸園芸局から担当官が出かけておりますし、また地元のいわゆる関東農政局のほうからも現地のほうの調査をしている次第であります。
○中尾委員 私はずっとこの被害状況を見てみまして、見ると聞くのとは大違いということばがありますが、まことに見て悲惨な感じを得たのであります。この雪の中に、特にビニールハウスが総くずれになっておる。私は、ただぼう然自失しながら鉄甘の倒れたのを直しておる農民に直接会いまして、再びこのような降雪のもとに毎年被害をこうむっておる農民、これを農林当局は一体どう考えておるのかという、非常にきつい詰問を受けたのでありますが、そういう観点に立って具体的に質問申し上げたいと思うのであります。 一つは、この事故に対しての緊急再建資金の融資という問題点について、農林当局はどのような措置をなさっておるのか、お聞きを申します。
○荒勝説明員 ただいま申し上げましたように、被害額の確定が現在の段階でまだできませんので、先ほど申し上げましたように、統計調査部からたぶん三月の末か四月の初めごろ出てまいりますので、その時点でいろいろな結論を出したいと思っております。
○中尾委員 その被害額というものがどうも——各県から私どもの手元に届いておるのは先ほど農林省で言われたとおりでありますが、視察をしてみますと、現地から出される被害額のほうが上回っておる状態が強いのであります。ちなみに私どもの山梨県で言いますると、果樹園芸、養蚕地帯でありますが、昨年の例でいきますると、ブドウのジベレリンの問題、桃の灰星病の問題、ブドウの玉割れの問題等をくるめましても、各県に農林部長で行っておられるのが、大体農林省の系統で送られておる方が多い、したがって、どうも各省に出す報告というのが、非常に少ない額をこちらのほうに報告をしている向きがあるのではないかという私は感じがするのでありますが、その点は農林当局に対して、はっきりした御答弁を願いたい、こう思うのです。
○荒勝説明員 農林省といたしましては、被害の把握のいたし方につきましては、各県からも報告はいただいておりますが、先ほど申し上げましたように、最終的には農林省が設置しております各県にありますいわゆる農林省の統計調査事務所の報告を待ちまして、それを中央の農林省で集計いたしまして最終的に決定をする次第でありまして、御指摘のように、各県との間にいろいろな事情を勘案して、被害の額を出すようなことはいささかもいたしていないつもりでおります。
○中尾委員 いまの農林省の統計調査部の問題でありますが、私どもの見解の中では、どうも被害の状況というものがいささか少な目に出ておるという結論を出さざるを得ないのであります。それは、たとえば私の出身県であります山梨県の現実の事態を見ましても、ここに持ってまいりました幾種もの陳情書の中には、被害総額というものは一つの市、町で三億という単位が示されております。しかし、山梨県から出ております総額は三億ということでありまして、これはあまりにも矛盾がはなはだしい。そこでよく内情を調べて、どういう形で被害のデータを出しておるのかということを調べてみますると、たとえばこのたびの果樹園芸のビニールハウスの倒れておる実態、鉄骨は折れ曲がっておる、そういうもう全然使いものにならない鉄骨や施設の崩壊、その現場に残っているものをも農林省の統計当局では加算して、被害の中からそれを割り引いて考えているということの実態が判明したのであります。その点もう少し統計調査部と話し合って、農林省のきびしいデータといいますか、きびしいという中にも農村の意見を十二分に取り入れていくという方途、これは統計調査部だけにまかせないで、農林省直轄の中でこの統計というものを出すような方途の裏づけというものはいままでなされたことがないのか、その点ひとつお聞き申し上げたいと思う次第であります。それは、こちらにきておりますデータと県の農務部長が私どもに報告するデータとあまりにも格差があり過ぎるということに、いささかながらわれわれも代議士として驚いているからでありまして、ひとつ農林省の責任者として御答弁願いたい、こう思う次第です。
○荒勝説明員 ただいま御指摘がありましたように、災害が起こりますと、とかく従来からも地元の方と県の報告と、さらに統計調査部の報告との間にいろいろ食い違いがございまして、われわれもその検討に苦労しておる次第でございますが、長い間農林省の統計調査部がこういう被害統計の把握に努力してまいりました結果、最近の時点では、いろいろの角度から検討しております関係もこれあり、精度が高まってまいりまして、それほど大きな被害の開きはないと理解しております。ただ、ただいま先生から御指摘がありましたが、現在農林省といたしましては、鋭意現地におきまして、農林省直轄の統計調査事務所が各県の地域をそれぞれ分担して調査しておりますので、まだ正式な数字はあがっていないので、われわれとしてはきょうここでどのくらいだということは申し上げられないのでございますが、ただいま私が報告いたしました数字は、県から一応中間的な報告としていただいている数字が合わして約五十二億円ぐらいだということを報告いたした次第でございます。
○中尾委員 先ほど私の言いましたのは、あくまでも農林当局と現地との食い違いがないように、いまからでもひとつ努力願いたいということの、あわせもって私のお願いでありまするが、そういたしますると、五十数億円の被害額といいますると、これは合わして天災融資法の適用ということも可能だと私は考えるのでありますが、緊急再建資金の融資としては天災融資法の対象にかかり得るかどうか、これも農林当局の御見解を賜わりたいと思います。
○荒勝説明員 ただいま私が申し上げました数字の内訳でございますが、五十二億円と申し上げましたが、そのうち農作物の被害が約十八億一千万円、それから林業関係の被害がただいまの段階では県から出ておるのは二十億円ちょっとでございますが、そのほかに施設関係、いわゆるビニールハウスとかトンネル、いろいろな施設関係等が約十三億九千万円ぐらいでございます。農林省で従来から天災融資法の対象としておりますものは、ただいま申し上げました農作物の被害と、それから林業関係の被害を合わした、ただいまの数字では約三十八億円ぐらいが対象となるわけでございますが、これはあくまで県からのいわゆる中間的報告でありまして、農林省の統計調査部から数字のあがるのを待ってわれわれとしては最終的な結論を出したいと思います。 なお、もうすでに御存じかとも思いますが、農林省の天災融資法の発動要件といたしましては、農作物等の被害が約三十億円をこえた場合が天災融資法の発動要件となっている次第でございます。
○中尾委員 そうすると、農作物が十八億、林業が二十億ですが、これは農作物の十八億が三十億の段階までくるということになりますと、天災融資法がかかる可能性が十二分にあるということに解釈していいわけでありますか。
○荒勝説明員 何度も申し上げるようでございますが、県からの報告だけではわれわれとしてはまだ最終的判断が出しかねる、統計調査部からの報告を待って、それが三十億円台になったところで天災融資法の発動要件を検討いたしたい、こういうことでございます。
○中尾委員 しからば一体、期日として、統計調査部が出し、県から出し、その総合調整としてあなた方が三十億円内外だと判定するのはいつごろになるのか、それをちょっとお聞かせ願いたい。
○荒勝説明員 先ほども申し上げましたように、雪がまだ山手のほうにも多少残っておりまして、十分な調査が困難をきわめておりますが、われわれとしましては統計のほうにさらに早く出すように指導しておりまして、それでも三月の末か四月の初めごろ、その前後にならないと最終的な報告が出てこないのではなかろうかというふうに考えております。
○中尾委員 時間の関係もありますから、この問題点は災害対策特別委員として要望にとどめますが、ひとつぜひとも、大雪によって困惑をきわめておるこれら農民の方々に対しても、天災融資というものをこの際緊急措置として実行してもらいたいと私は強く要望するものです。そうでなければ天災融資のかかるような事件なんというものは全くないのでありまして、ひとつその点農林省のほうとしても、これだけの大雪で、しかも気象庁始まって以来初めての三月の大雪に、具体的な対策措置が全くなされないままにこのような農村が疲弊し切っておる最中でありますから、緊急再建資金の融資という意味においても天災融資法の発動をお願い申し上げたいと思うわけであります。 引き続きまして、復旧作業がまことに遅々としてはかどっておらぬようであります。各地に行ってみますると、写真でもごらんのとおり——これをまたそちらのほうでごらんになっておいていただきたいと思いますが、まことにたくさんの農家の方々がいま親戚を動員し、消防団を動員し、そして折れ曲がったビニールハウスの雪をかき出しておるというような最中であります。この雪の下にあるところの蔬菜、山梨県でいうならばブドウ、これはほとんど絶滅であります。そういう意味におきましては、もうこの復旧工事だけであと約二週間はかかるであろうといわれております。したがって、早期にこの復旧をやっていくためには一体国としてはどういう援助策があるのか。復旧作業に対する国の援助策、たとえて言うならば、農村の方々は非常にシンプルに、自衛隊を動員してくれという要望も強くあるのであります。したがいまして、こういう観点に立って国の復旧作業に対する援助施策、農林省の指導、これはどういうものがあるのか、ひとつ農林省当局にお尋ね申し上げたい。
○荒勝説明員 具体的にただいま写真もお見せいただいたのですが、係官の報告によりますと、こわれましたビニールハウスにつきましても、全壊したものと、中壊したものと、小破したようなものについてビニールの被覆さえもう一ぺん取りかえれば使えるものもありますので、さしあたり緊急といいますか、臨時的に応急復旧といたしまして、使えるものは早急にもう一ぺんビニールの被覆だけでも張り直してやっていただきたい。全壊いたしましたものにつきましては、これはなかなかすぐそのまま使えると思えませんので、やはり基本的に次の農作業に入らなければならないのではなかろうかというふうに理解しております。さらに、地区によりまして作物の種類もいろいろありまして、ある程度、七、八割以上収穫物をすでに出荷したあとでビニール被覆がやられたものもありますし、それからようやく播種を終えて、温床敷に新しく種をまいた直後にやられた方もありまして、そういうのは早いところもう一度やり直していただくとか、それぞれ臨機応変に非常の災害に備えて農家でやっていただくよう、われわれも国の機関を通じ、さらに県でも普及員等もございますので、そういう組織を通じて、今後のいわゆる農家の災害復旧に大いに応援してまいりたい、そういうように考えております。
○中尾委員 その写真をごらんになっていただいた分ではあまりおわかりにならないのではないかという感じがいたします。それは、その写真の中で見ますると、いま農林省当局がお答えいただいたように、ビニールをつけ足せばそれでもって役に立つのではないかというようなことばもありますが、それは確かにそういうのもございましょう。しかしほとんどのものはビニールの取りかえだけでなくて、たとえば崩壊、倒壊しておらないものでも、たがを締め直し、さらに鉄骨をあと一回取りかえるという必要に迫られているものもたくさんあるわけでありまして、そういう点は実態をよくごらんになっていただいて、さらにこういうものの対策も考えていただきたいと思うのであります。 それも大事な問題点でありますが、復旧資材の早期確保というのが各地でいま問題になっています。たとえば針金、あるいは鉄骨、ビニール、こういうものもなかなか早期に間に合わない。非常に多量の散失をされたわけでありますから、それだけに非常に間に合わないというような岐路にも立っておる地区もあるわけでありまして、そういう点は、これは農林省というよりも農協関係のことになりますけれども、ひとつ農林省のほうでも農協のほうによく連絡をとっていただいて、この問題点も早急にめどをつけていっていただきたい、こう思うわけであります。詳しくこの点についてもいろいろとお話し申し上げたいのでありますが、皆さんもいささかお疲れであろうということを推察いたしまして、さらに次点に移さしていただきます。 次は復旧資金の問題、特に制度資金の償還の問題であります。これは各地区でほとんど要望事項の第一位にランクされておりますが、償還をひとつ延期してくれませんかという要望が強いのであります。これはもうまことに理屈のある話でありまして、昨年、一昨年と、農家をずっと見てみましても、ほとんどの農家が天災続きでありまして、ちなみに果樹園芸をやっておるような山梨県、埼玉県等におきましては非常に被害の甚大なることは言うをまたないのでありまして、特にブドウの問題では昨年だけでも御承知のようにジベレリン、あるいはなおかつ灰星病の問題、またひょう害の問題、昨年の二月十八日の大雪の問題、さらにまたことしになって大雪で倒れております。これではもう農家そのものがやっていく気力もなければ、やっていくバイタリティを失ったといっても差しつかえないのでありまして、それだけにこのような天災的な事件に対しまして、制度資金の償還問題だけはひとつ延期してやってもらいたいという地元の町当局の要望もありますし、各県の要望も強いわけでありまして、これに対して農林省はどのような具体的措置をはかっていただけるのか、お聞き申し上げたいと思います。
○荒勝説明員 具体的にではありますが、まず公庫資金も制度資金として、いわゆるビニール被覆を対象といたしましてすでにいろいろ融資しておりますが、それの系統につきましては災害の被害状況が判明し次第、逐次今後の償還計画については相談に乗ることができるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。 それからさらに、別途いわゆる系統金融機関と政府との間で共同というようなかっこうで、農業近代化資金という制度がございまして、これは何に使ってもいいようなかっこうで、ビニールハウスにも利用することができるようになっておりますが、この資金については、今後被害の状況に応じまして政令指定をいたしまして、政令で期限の延長をすることができるのではなかろうか、こう思っております。大体以上でございます。
○中尾委員 農業近代化資金というのは、これは利率はどうなっているのですか。
○荒勝説明員 農業近代化資金はいわゆる年六分の金利で、大体据え置き三年で十二年以内の償還期限という条件で出しておりまして、そういうのが通常の姿でございます。
○中尾委員 この年利率六分というのはいささか高いと私どもは思うのです。でき得ればこういう緊急の場合の措置としては、六分、五分をさらに下回った三分というような形で貸し付けていくような方途はとれないのか。これを具体的に農林省で検討する用意はないかという点をお聞き申し上げておきます。
○荒勝説明員 被害が非常に大規模で広範かつ激甚な場合には、天災融資法を発動いたしまして天災資金を貸すことになっております。その場合には年三分でやる。激甚災の場合に限りまして特別融資で年三分、一般の災害のときは六分五厘ということで、これは償還期限六年ということになっている次第でございます。こういうふうに広範囲にかつ激甚な場合には天災資金の発動で農家に救済方法を示していく。あとで、統計調査部の報告結果いかんにもよりますが、この天災融資法の発動がない場合にはやむを得ずいわゆる農業近代化資金とか、あるいは公庫資金とかいう六分かあるいは六分五厘というふうな金利のほうへ話が移ってまいる次第でございます。この公庫資金につきましても、昨年まではなかったのでありますが、昨年四国地方の徳島のビニールハウスに非常に豪雪災害がございまして、相当大破したものが多かったときに、農林公庫から天災資金、いわゆる公庫資金を災害用として出すということが、去年の一月だったと思いましたが、初めてきまりまして、それ以来、今後こういう金をビニールハウスにも災害に際して貸し出すことができるというふうになったようないきさつになっております。
○中尾委員 したがって、私は、天災融資法の適用措置というものがまことに矛盾をしておるということをつきたいのであります。それはなぜかというと、いま言うたように、三十億というような被害の総額をグロスアップされた場合にのみ天災融資法が適用されるのだ。しからば、山梨県みたいに非常に小さく、貧乏県のサンプルみたいな県であって、なおかつその特殊産業で生きておる、ブドウあるいは桃あるいは養蚕、そういうものが全くもう危機に立ったような、まことに生きていけないという実情に立たされたような被害をこうむる、これは完全に山梨県にとっては激甚なる損害であります。そういう激甚なる損害であっても、県が小さいなるがゆえに、農業経営が小さいなるがゆえに、これは天災融資法の対象にはなり得ない。しかし、一たんグロスをずっと全般的に、関東から広くこれが激甚災害地に指定された場合にのみ適用されるということに至っては、これは民主主義の政治の中において、激甚を受けたというその文句がまことに当てはまらない。それではもう山梨のような特殊産業をやっているところは、いつまでたっても絶対というていいほど天災融資法の対象にはなり得ない。こんな矛盾した天災融資法というものが一体この世の中にあるのか、こんな天災融資法だったらやらぬほうがよかろうと私は言いたいのであります。これをもう少し農林省当局で煮詰めて、一体どの農家が特殊産業をやっておるのか、そういうところは多少ささやかな地域であり、ささやかな農民の形態であっても、これはパーセンテージにとってみれば非常に大きな激甚災を受けた地域であるということがわかったとき、あるいはそれをわれわれ自身の範疇でもってノミネートできたとき、これは天災融資法にかけるべきである。これは三十億云々の問題ではなくて、民主主義政治における農民の死活問題であるという点から、こういう天災融資法というものは時宜を得ながらやっていくべきであると私は思うのであります。その点ひとつ農林当局に反省と同時に御答弁願いたい。
○荒勝説明員 農林省といたしまして、多少過去の例示的に御回答申し上げたいと思いますが、過去いわゆる豪雪の関係で天災融資法を発動いたしましたのは、昭和四十年に百十四億円という被害額の確定を待ちまして、このとき天災融資法を発動いたしております。それから四十二年にやはり、これは一月、二月でございますが、豪雪被害で、これは多少下回りまして九十五億円の被害額。それから四十三年、昨年の二月の豪雪に際しまして、これは三百二十九億の発動をいたしまして、四十三年災に限りまして激甚災の適用をいたしております。以上、大体過去のそういう例によって御報告いたしましたように、非常に大規模な場合、いわゆる三十億円以上につきまして発動しておりますが、過去の部分は相当大きな、三十億円をはるか上回る大規模な被害のときに適用した、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○中尾委員 私はこの問題であまり時間をとりたくないので、簡潔に質問をいたしますが、四十年百十四億円、四十二年九十五億円、四十三年三百二十九億円、これは一体何に対する天災融資法であったのか、具体的なことをお聞きしたい。
○荒勝説明員 こまかい資料を持っておりませんのでメモ程度の話でありますが、四十年は主として近畿地方を中心とした豪雪でございます。
○中尾委員 作物は水稲ですか、何ですか。
○荒勝説明員 これは冬でございますので、四十年三月の豪雪ということになっておりますので、二月、三月の豪雪でありますので、水稲とかそういうものじゃなくて、その他の作物でなかろうかと思っております。四十二年も一、二月でございまして、九州、四国、和歌山で、これは大体果樹を中心としたものだったように私は理解しております。さらに四十三年、昨年の二月の分も九州、四国、近畿地方にかけての大雪というふうに理解しております。今回の例になりますが、四国地方を襲いましたのも大雪でございましたが、去年の先例がありました関係もあって、農家のほうで雪落としに全力を尽くされたというように聞いておる次第でございます。
○中尾委員 四十年、四十二年、四十三年、これを見ましても、東北あるいは四国、九州という相当な農村県、しかもなおかつ相当金持ち県に多いわけでありまして、私ども山梨県みたいな貧乏県の中にもこういうものの適用を考えていくように、農林当局でも考えていかなければいかぬということを強く要望いたします。さらに、このブドウあるいは桃、こういう作物は金額としてはなかなか出しにくい点もあります。そういう点で農林省当局でも、統計調査部とも話し合いながら、天災融資というものは金額だけでない、被害の甚大という規模別で考えていただきまして取り上げていただくような方途というものも、後々ひとつ頭をひねってもらいたい、こう思うわけであります。 まだございますので、少しく早口に進めます。 被害農家に対するそういう意味における免税措置、昨年、一昨年と被害が続発しておりまして、今回の大雪で特にやられておる。しかも昨年、一昨年と近代化資金も借り切っておる。その近代化資金も払い終わらないうちに倒れておる。とても税などは払えるものではないという観点に立って、免税措置を考えてやるべきであるというふうに主張しておる一人でありますが、免税の問題についての農林当局の御見解を承りたい。
○荒勝説明員 税金の件に関しましては、ただいま御指摘のように、農家の方にとりましてはまことにたいへんだと思いますが、本件につきましては農林省のいわゆる正式な意味での所管事項でもございませんので、大蔵省の税務当局と今後話し合ってみたいと思っております。
○中尾委員 それから先ほどの近代化資金の問題ですが、これは災害地域に対しては優先的に貸し付けるという保証は今回の場合はとられておるのかどうか。これは先ほどあなたが御答弁になっておりますが、さらに私もここで確かめておきたい。被害農家に対しては近代化資金を優先的に貸し付ける用意があるのかどうか、これをさらにお聞きいたします。
○荒勝説明員 農業近代化資金につきましては、ただいま国会で御審議をお願いしておる予算の関係でことしは非常に増額いたしまして、約三千億円の近代化資金を貸し付ける計画を持っておりまして、いまの段階では、御要望に応じて相当融資の対象とすることができるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中尾委員 問題を変えまして、経済問題から、今後の恒久対策の問題について少しく質問申し上げたいと思います。 私は気象庁にも聞きたいのでありますが、私、一週間前に韓国に四日ばかり党の代表で行ってまいりました。韓国を私は寒いと思って行ったのであります。非常に厚着をして、しかもオーバーコートも二枚くらい持っていって、相当に寒さを耐え忍ばねばならぬだろうと思って行ったのでありますが、案に相違いたしまして、あの地区は日本の初夏とはいわないまでも、全く春びよりであります。したがって、私は韓国の町並みを歩くのにもオーバーをつけずにそのまま歩いた次第であります。これはまことに異常現象といわなければならない。国際的に気象関係が異常であるということは通説になっておりますが、そういう観点で、日本の気象というのはどうも当てにならぬ。昨年も一昨年も、言うことがどうも当てにならない場合もあるという二とが、巷間これ私どもの耳にもよく伝わるわけでございますが、一体日本の気象は全く判断つきかねる気象なのか、またあるいは、国際的に今日異常といわれておるだけに、来年の気象の見通しなどもとてもここにあげることができないという気象状態であるのか。ひとつ最近の気象学についてごく簡単に、三分間以内ぐらいでお話し願いたい。
○柴田政府委員 たいへんむずかしい御質問でございますが、世界的に現在異常気象でございます。これは確かでございます。これは日本のみならず、アメリカあるいはヨーロッパ、すべての国が異常現象を呈しております。その上に、日本という国は、御承知のようにアメリカなどと違いまして、非常に気象現象が複雑な地区でございます。したがいまして、これの解明は世界的に見ましても非常にむずかしい地区なのでございます。 ただいまの来年の見通しの問題でございますけれども、気象庁はことしの見通しとして、来年までの見通しは現在までいかなる場合においてもつきかねるのでございまして、この冬にこの夏の気温はどうかとか、雨はどうかという半年先の予報がせいぜい精一ぱいでございます。現在それを季節予報と申しまして気象庁から発表いたしておりますので、よく御承知のことであろうと思います。
○中尾委員 そこで、山梨の場合であれ埼玉の場合であれ、今回降雪に見舞われた各県はこの気象の問題にほとんど左右されておる。しかも、この気象によって全く死活問題のふちをさまよっておるといっても差しつかえないのであります。そういう観点の中で、大げさにいうならば、この雪というものの現象だけでこのように全く路頭に迷うような状態が生まれてくるということになりますと、これはもうわれわれ自身が、この雪であれ台風であれ、毎年あるものとして恒久対策あるいはまたそれに対する対応策というものを考えていかなければならぬというのは理の当然であります。 そういう観点の中で、昨年の一月二十日でありますか、やはり山梨、埼玉を襲った豪雪——埼玉、山梨だけではありませんが、あの雪でビニールハウスもやられております。今回、三月にやられたビニールハウスも昨年より何ら進歩発展の影はございません。同時にそれに対する農林省当局の施策もなければ、全くそれに対してインプルーブされた要素もございません。そういう観点の中で一体耐雪性のハウスの研究というものを農林省はやっておるのか。農民というのはもう生きるために作物だけをやっているわけでありまして、教えられたとおりにやっておるわけでありますが、そのために農林省といういわゆる政策機関があるわけでありますから、少なくともこれに対してはもっと手をとり足をとり教えていく施策がなければならぬと私は思うのであります。そういう点で耐雪性のハウス——山梨県でいえば耐雪性でありましょう、北海道でいうならば耐風雪ビニールハウスになるかもしれませんし、九州でいうならば耐台風対策になるかもしれません。そういう観点に立って農林省がこの雪に対する対策、ビニールハウスの恒久的なやり方というものを研究なさっておるのかどうか、これを具体的にお聞き申し上げたい。
○荒勝説明員 雪の地帯のビニールハウスの対策でございますが、御存じのようにビニールハウスが最近非常に急速に伸びてまいりまして、冬場の野菜とかあるいは一部のくだものが非常に値段がいいという関係もありまして、豪雪地といいますか、雪の多いところ、寒いところほど逆に非常に利用される傾向が急速に出てまいっております。特に新潟県の県境あたりのところまでもこういうビニールハウスが最近非常に伸びてきた、その関係で雪害を非常に受けておるような次第でございますが、われわれといたしましても、何とかしてこれがもう少し災害にあわぬようにという判断はいたしておりますが、技術的に、農家のつくるほうといたしますると安上がりに上げてしまうということで、まだ現在の段階でこういう非常な大雪が降りますと、特に春の雪のようにべと雪といいますか、水の多い雪にまで耐用性があるようなビニールハウスは非常にむずかしいのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。
○中尾委員 具体的にお聞きします。 このビニールハウスの現在の種類、これは一体幾つあるのか。それから一番高いビニールハウス、一番安全性のあるビニールハウスは何であるのか。それから一番安いビニールハウス、これは一体どういうものからできて、何であるのか、それをお聞きいたします。
○山下説明員 ただいまの御質問でございますが、ビニールハウスの種類と申しますと、御承知のとおりかまぼこ型と申しますか、まる屋根のもの、あるいはそれを三角にしましたもの、それからこれをいずれも連棟にしましたもの、簡単に申しますとそういうかっこうがあります。それで、経費でございますけれども、ただいま正確な資料を持っておりませんが、大体一棟三十万円程度が標準というふうに承知いたしております。ただ、これは支柱を非常にじょうぶにいたしますとかということではいろいろ経費もかかってまいります。 それから、先ほどの御質問にございました、昨年の降雪の被害にかんがみまして、御指摘のございましたように、農林省といたしまして従来ハウスにつきましての技術的な指導は、最近急速に伸びてきました関係もございまして必ずしも十分でございませんでしたので、四十三年度から施設園芸研究会というものをつくりまして、学識経験者を集めまして、ハウスの構造、御指摘の雪害とか風害とかに対してどのような構造にすればよいのかという点、それからもう一点、経済効果の点からの制約がございますので、経済効果の点と、それから通常予想される天災、風とか雪とかに対しましての耐久性、この両面からの検討を現在進めておるところでございます。
○中尾委員 どうも私は、農林省当局がこの問題にはあまり誠意を感じない、実際このビニールハウスそのものを農林省当局は研究なさっておるのかという感じがいたします。ビニールハウスの種類等も私はそんな簡単なものじゃないと思う。御承知のように、あなたが三角だと言われたのはCTAというもので、がっちりしたものであります。それから秋山式というのもあります。いろいろあるけれども、大体反当たり、どこの農家に行っても、埼玉でも山梨でも同じでありますが、一つは八幡式というのがある。八幡式は四千五百円、またCTA式というのは五千円あるいは六千円。本来やるならば、これは農家の中のキュウリなどを含む園芸蔬菜あるいはブドウ等救われるのであります。ただ山梨県や埼玉県、特に山梨県の場合は、その蔬菜をつくったあとに水稲をやるという観点から、ごく簡略にやっていこうという意図的なものもあるし、あるいは金がなくてとてもやっていけないという立場でやれないところもある。したがって、今回やられておるのがほとんどが連棟式です。そこに降雪して、かき出すのに一苦労しておるという状態です。これはもう園芸とか蔬菜をこういう方式でやっていく場合に必ず起こる問題だし、もう絶対に農林省当局の示唆でもってこの連棟式というものを一切撤廃しなければいかぬ。こんなやり方をしておったらいつまでたっても雪で悩まされるだけであります。 さらに私がお願い申し上げたいのは、国家的な経営をやっておる八幡や富士製鉄、こういうものと話し合って、こういう農家にもっと廉価でああいう形の鉄骨を普及し、また援助することができないのか。そういう観点に対して、もう少し親身になって御検討いただける余地があるのか、その点について農林省当局に御質問申し上げたい。
○荒勝説明員 ただいま御指摘になりましたように、農林省といたしましても、最近急速に伸びてきましたこういう新しい技術でありますだけに、十分な検討をしてないことも事実でございますし、また農家のほう自身、安直といいますか、安いもののほうに先に飛びついていくという次第でございまして、今後、こういったにがい経験を前提といたしまして、農林省も農家も共同でこういう災害に耐えるような諸施設をいろいろ検討してまいりたい、こう思っております。
○中尾委員 最後に締めくくりの質問をいたします。 今回の災害を見まして、やはり災害が起こったあとというものを絶えず考えなければならぬ。そこで今回の農林水産委員会でもこれは問題になりましたし、また取り上げられておりますが、果樹共済制度の問題、果樹共済によって農家を救っていくという方途、これは確かに金額はまだ微々たるものであります。しかし、これをやっていく意図というものを多としなければならないのであって、この果樹共済の問題点というものを早期充実化していくことに対して農林当局はどういうお考えを持っておるか、これをひとつお願いしたい。
○山下説明員 ただいま御指摘の果樹共済につきましては、御承知のとおり昨年から実験事業を農林経済局が中心になって実施をしております。現在、実験事業中でございまして、いろいろ問題点もございますが、経済局が中心となりまして、私ども果樹のほうを担当しております蚕糸園芸局も側面からいろいろ協力をしながら、これを将来本格的なものに実施できる方向でせっかくの実験事業をいたして、制度化する方向に努力いたしておるところでございます。今後その方向で努力してまいりたいと思います。
○中尾委員 国会をあずかっておるわれわれとしても、それは大いに側面援助をいたしますから、早急にその点は御研究願いたいと思います。 さらに、その果樹共済の中に、私の研究する範囲の中では、キュウリやナス等は入っておらぬ。入っておるのは大体トマト、タマネギ、白菜というようなものであって、今回特にビニールハウスでやられておるキュウリやナスというものは全く入っておらないということを承っておりますが、この問題点に対して善処するような方途あるいはそれに対して前向きに取り組んでいくような方向、これは農林省ではどうお考えになっておるのか。
○荒勝説明員 ただいま山下総務課長から御報告いたしましたが、果樹共済の、実験事業につきましてはあくまで果樹でございまして、また農林省といたしましても、野菜の系統につきましてはまだ共済の対象にはしておりませんし、現在まだそういう研究というか検討もいたしてない。むしろ野菜とかそういったものにつきましては、現在の段階では価格安定施策に重点を置いている、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○中尾委員 いまもおことばにありましたように、ひとつ価格安定政策という意味におきまして、その対象品目というものも十二分に検討されて、キュウリ、ナス等も入れるような措置をひとつお願い申し上げたいと思います。 最後に、われわれの山梨県並びに埼玉県、今回被害をこうむった各県の農民、特にこの農民の中には、ビニールハウスをやり蔬菜園芸施設をやるという人たちは、比較的若い青年層が多いのであります。これは農林当局も御承知のとおりだと思います。現在は農業後継者等が少ないのですが、しかもそれに積極的に取り組んで、日本の農業経営は自分たちが守っていくのだという非常に燃え上がる意図的な気持ちでやっておられる青年層が多い。これが現在ほとんどビニールハウスをやり、近代化農業を頭に一つ描きながら、しかもそれに前向きに取り組んでおる青年層であります。この青年層が、私ども今回視察をして回りますると、みんな自分たちの意図に反して、天必ずしも味方をせずに、すべてこういう形で、このビニールハウスをやれば倒れる、ブドウをやればやられる、農業というものはもうデスパリットであって、将来に全く見込みがないのだ、われわれは、やはり同僚が言うたように、中央、東京に行って、旋盤工の工員にでもなったほうがいいのだろうかと悩むような青年層が非常にふえてきたということであります。これはゆゆしき問題であります、国家的な大事な問題であります、私はそう言いたい。したがって、このような近代化に積極的に取り組んでおる青年たち、この意欲をさらに増進さしていくためには、皆さん方農林当局の各位が精一ぱいの御努力をしてやって、彼らの期待に沿ってやるという御努力も、これまた必要ではありますまいか。そういう意味におきまして、今回のこの青年各位の気持ちも考えて、特に後継者が多いという観点も考えて、天災融資という問題点を皆さん方の中でも特にこれを考慮に入れて、統計調査部から出してきた統計に基づくのはあたりまえでありますが、あまり官僚的にぎちぎちやらずに、これを十二分に取り上げていくという措置をはかっていただきたいということをあえて申しまして、私の質問にかえさしていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○川村委員長 本日は、この程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後七時二十九分散会