公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/03/19
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 去る三日、本委員会に付託になりました、内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○齋藤委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。野田自治大臣。
○野田国務大臣 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。 御承知のとおり、さきの第五十五回国会において成立を見ました住民基本台帳法は、一昨年七月二十五日に公布されたのでありますが、これによりますと、選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうこととされ、そのための制度を本年七月二十四日までに実施しなければならないこととされております。 政府といたしましては、選挙人名簿と住民基本台帳とを結びつけることにより適格者の把握を一そう正確に行なうことができるよう所要の改正を公職選挙法に加えるため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、選挙人名簿の登録は、市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民で、その者の住民票が作成された日から三カ月以上、また、転入者については、住民基本台帳法に基づく転入届けをした日から三カ月以上、その市町村の住民基本台帳に記録されている者について行なうものといたしました。 第二に、選挙人名簿の登録の時期につきましては、現行の公職選挙法では年に四回、すなわち、三月、六月、九月及び十二月に定時の登録を行なうことになっておりますが、できるだけ多くの有権者を登録するため、選挙が行なわれる際に登録を行なうこととするとともに、年一回、九月に定時の登録を行なうことといたしました。 第三に、選挙人名簿の登録は、市町村の選挙管理委員会が職権で行なうものとし、選挙人の責めに帰し得ない理由で登録の脱漏が生じた場合には救済できる旨の規定を設けることといたしました。 このほか、転出者等の選挙人名簿の登録の抹消手続の改正、船員選挙人名簿の廃止、詐偽登録に関する罰則の明確化等について規定の整備をはかることといたしたのであります。 以上がこの法律案の要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○齋藤委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○齋藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 前のこの委員会で、第六次選挙制度審議会の委員の任命、これを三月、今月一ぱいに任命を終わりたい、こういう大臣の御意向の表明がなされておったのでありますが、それがもうすでに、三月一ぱいということになりますると全く間もない期限であります。したがって、その任命が現状の段階でどういう状態に進んでいるのか。この任命を三月一ぱいに終わるということと関連をして、従来選挙制度に関する問題でしぼられておりました政治資金規正法の取り扱い、これも前の委員会でもいろいろ大臣の御意向の表明があったのでありますけれども、今月一ぱいに委員の任命が終わり、今次の国会の期間内にどういうめど、どういうスケジュールで問題を全体として進められよう、こういうふうに思っておられるのかということを、この機会にあらためてまずお伺いをいたしたいと思います。
○野田国務大臣 いま阿部さんの御指摘になりました選挙制度審議会の委員の任命でございますが、これはこの前申し上げましたとおり、三月末をめどとして任命を終わりたい、皆さんにお願いしたいということで、いませっかく段取りをいたしております。まあ実は、従来の御承知のいきさつがございますので、委員の顔ぶれと申しますか、お願いする筋でなかなかいろんな事情を控えておるので、ややこしい点も率直に言ってあります。しかし、何といたしても大事な審議会でございますから、これはもう、私が申し上げましたとおり、三月をめどとして任命を終りたいというので、いませっかくいろんな折衝を始め、また情報をとるという意味で——一応のめどは、最初申し上げましたとおりの今月末をめどとして大体の顔ぶれをそろえてお願いしたい、こういう考え方は変わっておりません。 それから政治資金規正法でございますが、これも先般申し上げましたとおり、何としても従来いきさつのあった法案でございます、しかし、当然この法案は提出して、御審議を願わなくちゃならぬという私の基本的な考え方は、これも少しも変わっておりません。そこで現在の、まあいわゆる現行法よりもどうしてもこれは一歩、二歩進んだものをこの法案の内容に盛り込まなくちゃならぬという、これも私の基本的な考え方でございますから、これは十分いま検討いたしております。しかし、その検討もだんだん進んでおりますから、これも大体案ができました上で、できるだけ早くひとつ提出したい、こう考えておりますが、まだいつごろに提出ができるかという段階までいっておりません。
○阿部(昭)委員 三月末に人選を終わりたいという考えは変わっておりませんということでありますが、もう三月一ぱいということになりますると、余すところ十日ちょっとでありますが、この時期までに至りますれば、考え方が変わっておらないということではなくて——そういうお話は前回も承っておるわけであります。この段階に至りますれば、大かたのめどは立ちましたと、こう言うくらいになっていなければうそなんじゃないかと思うのでありますが、具体的にはどうなんですか。
○野田国務大臣 私は、これはもう最初から、できれば三月一ぱいと申し上げました。その前にもできればいいがと思っております。これもざっくばらんに申しますが、予算審議その他でもっていろんな交渉の——できるだけ私がいろんな方にお目にかかってお願いもするし、御意見もお聞きしたいと思うのですが、時間的に多少の制約があって、私のスケージュールどおり進んでおりませんが、しかし、いま申しましたとおり、一応の段取りはつけてまいりましたから、三月末をめどにして、大体私の考えているような方向に具体化したいというように考えております。いま大体のめどがついたということまでは言えませんが、一応つくという、何といいますか私自身のスケジュールは大体進んでまいる、こう思っております。
○阿部(昭)委員 この前のわが党の島上委員の御質問あるいは堀委員の御質問、その場合の御答弁でも、それをめどとして人選したいということは言われておるわけであります。現状、委員の総員は何名で、話のついたのは何名、まだこれからという者は何名、このくらいまでは大体明らかになっているんじゃないかと思うわけです。その辺のところも、もう明瞭にされていい時期じゃないかと思うのですが……。
○野田国務大臣 委員は従来は三十名でございます。これは阿部さん、何人くらいがまとまったとかまとまらぬとか、なかなか一度ではいかぬ、二度、三度とお願いしなければならない方もあるし、またこれが、お願いして承諾していただけばすぐ名前も発表できますけれども、なかなかそこのところ、何人できたとかできないということは、人事ですから、相手のあることですから——私は、いま申しましたとおり大体そのめどでもってやっておりまするから、何人ぐらいできたとかできないとかいうことは、これはその人によって相互にまた関連がありまして、あの人が受けなかったらそれじゃ辞退するとか、なかなか人事はむずかしいものでございますから、中間的に何人できて何人あと残っているということは、きょうはひとつごかんべん願いたい。しかし、島上さんにもこの前お答えしましたとおり、申し上げた方針に従ってそのめどをつけて大体いま進んでおりますから、この点は御了承願いたいと思います。
○阿部(昭)委員 そうしますと、大臣、前にも強い願望、決意、こういう意味で表明されておったと私ども認識しておるのですが、今月一ぱいに人選は完了する、こういうふうに私ども理解してよろしいかどうか。
○野田国務大臣 いま申しましたとおり、大体めどは一貫して申し上げておりますが、三月末をめどにしてやっておりますから、三月一ぱいで、あと四月の二日か三日目、そのあたりのところは人事ですから、それは私のめどは私のめどで、大体それでいける。それは二日か三日の差があるかないか、これはそこまで言われますと、ことに人事の関係でございますからちょっと普通の事務とは違いますので、それは御了承願えると思っておりますが、大体その方針で進めております。
○阿部(昭)委員 とにかく三月一ぱに人選については完了する、こういうぐあいに——それは前にも言われておりますように一日、二日の問題はさておいて、三月一ぱいというところのものが四月の上旬一ぱいたってめどが立たぬ、ずるずるずるずる中旬、こういうことはあり得ない、こういうふうにも私ども信じたいと思うのであります。 そこで、いま大臣が言われましたこの人選の問題について、具体的な構成——相当のめどはそういうめどで進められておるということでありますから、第五次選挙制度審議会の構成に入られておられた方々あるいはその皆さんの中で、また第六次の委員にも任命される方は、なかなかそうもまいりませんで全く新しいメンバー、こういうものも入ってくる、いろいろになるのだと思うのですが、全体としていま大臣が折衝されておりまする人選の経過は、三十名おおよその目星は定めて、そして一応の話し合いは全部進められておるのかどうか。まだ実は三十名全部というところまで最初の話さえ入っていない、こういう段階なのかどうか。しかし、どういう段階であろうとも、大臣は三月一ぱいをめどとして人選を終わりたい、こういうのでありますけれども、一応は三十名目星を定めて、第一段階の話し合いは終わっておるのかどうか、この辺のところもお聞きしたい。特に三十名というものの中に、前の委員の方が大体どの程度で、新たな委員というのは一体どの程度になるのか。
○野田国務大臣 いま申し上げましたとおり、第五次の方が何人か、新たが何人か、こういうことも、ここでもって私まだ申し上げる段階でないということは、折衝していないということではなくて、受けるとか受けぬとかいうことは、これはもう御承知のとおりです。理屈ではないのです。あそこの事情はおわかりだと思うのです。最後は受けていただくかもしれぬけれども、なかなか容易じゃないという人が——ことにあのときは委員を辞した人もあります、途中でやめた人もありますから、そこでこの人事というものは、古いほうで何名が入り、新しいほうが何名というようなことも、まだ私、今日の場合申し上げにくい。大体古い方もお入り願うし、どうしてもいけなければ新しい方も入るし、そういうところでございますから、それも内容についての分析をせいということですが、これもいま申しました事情でございますから、その点はひとつ御了解を願いたいと思っております。
○阿部(昭)委員 委員全体の構成が三十名とするなら、三十名の皆さんには第一段階の話し合いは全部進められたのかどうか。まだ実はあれを考え、これを思い、そこで三十名全員とも必ずしも話は当たっておらぬという現状なのかどうか。
○野田国務大臣 それが三十名の方全部、三十名そろうかどうかは別として、一応三十名がめどですが、それは大体私の頭の中で、それから人間的にずっと考えて一応いま折衝——たとえばAの人の場合はBの人に関連があるという場合には、これも情報をとって、それから案外またうまくお願いすれば受けていただく、そういうこともございますので、まだこれは十日間以上ございますから、何もいままで三十名全部に当たってどうだということを言わなくても、これは私の一つの考え方ですが、そこで顔ぶれをひとつそろえてお願いする。それはいまの段階で三十名みんなに当たったか。三十名をそろえるには、五十名に当たらなくちゃならぬ場合もありますし、なかなか人事はわかりませんわ。そこのところは大体めどをつけて一生懸命にやっておりますから、その辺はひとつ御理解を願いたい、こう思っております。
○阿部(昭)委員 これはこの程度にいたしまして、今月一ぱい、おくれても一日、二日、そのくらいのところではめどが立つ、こういうふうに理解をしておきたいと思うのであります。 そこで、この第六次選挙制度審議会の人選が終わった段階で、今国会の間に、政治資金規正法につきましては前よりも前進した姿のもので実現をしたい、こういう御意向が表明されておるわけであります。前よりも前進した姿で実現をしたいとおっしゃる政治資金規正法の改正の内容というのは、前に審議会から答申をされた、あの答申の線から見てそれにうんと近づくもの、こういう理解をしていいのかどうか。そうだとすると、前の国会で廃案になったところの、お気にさわるかもしれませんが、非常に悪名の高い、大骨小骨を抜いたところのもので、それでさえも前進をしたのだ、こういう理解も一部にはあるようでありますから、前よりも前進した姿の改正のものを今度の国会では成立をさせたい、こういうことなのかどうか。どうも私ども、従来の経過があるものでありますから、前よりも前進したものを今国会に出したいなどといいましても、率直に申し上げまして、大臣の立っておられる与党の内部の皆さんといろいろお話をしたりなんか接触をして、仄聞するところでは、どうも政治資金規正法を、少なくともその答申の線から見まして前進をした、こういうふうにいわれるようなものを出して今国会の間に成立させようなどといった、いわば熱意、条件、こういうものは、大臣の立っておられる政治基盤たる与党の、私どもお話し合いをいたしておりまする関係の皆さんの中から感じられない。それだけに大臣御自身がどんなに熱意を持っておられましても、事を運ぶのにはそうしかく簡単でない事情があるように思うのですけれども、前進したものを今国会で出そう、しかもこれは実現をしようということだとすると、この辺の現状、この情勢の中で、一体大臣はどういう見通しの上に立って前進したものを出そう、成立させようと思っておるのかということも、もう少し懇切丁寧にひとつ御説明を願いたい。
○野田国務大臣 私の申し上げておるのは、現行法に非常な欠陥があるから政治資金規正法は新たに制定したらいいという、これは前々からのことでございますが、つまり現行法よりも前進を見なければ、新たな政治資金規正法ができましても意味がない。そこで、前にも提案されて廃棄になっておりますが、この廃棄も、私もよく存じております。これも現行よりも相当前進したものだと私は感じております。だから、少なくとも、いま阿部さんのおっしゃった答申とどういう関連があるかということも、これは当然考えなければならぬと思いますが、私の立場といたしましては、少なくとも現行法よりも進んだものをつくるという前提は変わっておりません。 それから第二に、いま御指摘になりましたとおり、選挙関係でございますから、私どもは、政党内閣として与党の意向というものを全然無視して、ただ事務的に考えるわけにいかない。これはいま御指摘のとおりのことでございまして、これまた政府・与党というものが一体となってやるべきことは当然でございます。そういうことで、党にも選挙の調査会もございますし、調査会においてもいろいろ練っておられます。政府といたしましても、いろいろな検討を加えております。したがって、その間の事情は阿部さんの御指摘のとおりでございまして、なかなか簡単に割り切って事務的だけの観念でいけないというのが政治の実情でございますし、そこに問題を多く含んでおった政治資金規正法でございますから、最後の成案を得るのになかなか苦労いたしております。さらに、その案が、ただ出しさえすればいいのだという案だと、これはどんな案をつくってもよろしいのでございますが、そういう無責任な態度はとりたくない。出したらひとつ御審議を願って、それを成立させたい。そういういろいろなことを勘案いたしております。実は率直に申しますと、大体前回廃案になった案もございますから、いろいろこれを、資料をそろえて検討することはそう困難ではございませんが、しかし、政治的な事情によって簡単に事務的にいけない、そういう事情が伏在しております。したがって、私が申しますのは、やはり現行法よりもそれは一歩でも二歩でも進まなければ意味をなさぬということでございますから、その案の内容その他につきましては、いまいろいろな点を総合いたしまして検討している段階でございますので、その草案ができますれば、またいろいろ打ち明けてお話もできると思いますけれども、今日の段階では、そういう情勢でございますから一応慎重に検討している。しかし、これはどうせ提出して御審議を願わなくてはならぬというその前提においていま検討している、こうお答えするほか、いまのところ、ちょっとはっきりしてどうこうだということは申し上げられない段階でございます。
○阿部(昭)委員 大臣も、長い政治経歴と多年にわたる政治家としての歴史をお持ちになっておられるわけでありますが、一体この政治資金の問題は、簡単にはまいらない、非常に多面的な角度から考えなければならないものであること、これは私どもも決してわからぬわけじゃない。しかしながら、そのためにこそ、いままでずいぶん長い年月をかけて、第一次から第五次までの選挙制度審議会、この中にいわば私どもから見まするといろいろ批判はありましても、とにかく現在の国民の英知を集める、こういう形で選挙制度審議会というものを設置して努力してきた。その審議会の英知を集めて答申された内容が、少なくとも政府・与党、この段階で踏みにじられてしまうということになりますと、これはひとつ政府の責任というよりも——政府の責任はもちろんでありますけれども、現在の政治不信や議会制民主主義の根幹に対する国民の不信を招く一番大きな原動力になっておるように私ども思っているわけであります。そういう意味で、大臣は長い政治生活、政治経験を豊富にお持ちなわけでありますが、この問題を今国会、もう時間的にはめどがあるわけでありますから、どの時期までに出すならば今国会成立可能、こういうふうに認識をなさっておるのかどうか。三月一ぱい、ここで人選が終わる、それから四月に入り、五月の末になれば今国会の会期は終わる、こういう段階の際に、一体どの時期までに大臣としての決意を固めて、現行政治資金規正法の改正案というものを国会に提出しなければならぬ、こういうふうにお考えになっておられるのかということも、私はやっぱり明らかにしてもらわなければならぬのじゃないかと思う。それはいろいろあるから、あれを思い、これを思い、ずるずる行っておったのでは、どだい国民から見ますると、政府自体は、今国会でもまた政治資金規正法を熱意をもって成立させようという意欲はないんだというふうに言われてもしようがないんじゃないかというふうに思うのです。したがって、どの時期までが今国会成立を目ざすという時間的なぎりぎりの限界かということについて、大臣はどういうふうに思っておられるかということもあらためてお聞かせ願いたいと思うのです。
○野田国務大臣 全くお話のとおりでございまして、やはり会期が大体きまっておりますから、ただ野方図に折衝したり検討したりして時間を費やしておるということは、今国会の審議をお願いする場合、時間的な制約を受ける、それはそのとおりでございます。これはまあいまの御質問とは少しそれるかもしれませんが、この前廃案になった法案もほとんど審議ができなかった。そういう状態になりますと、せっかく出しましてもこれはむだ骨になりますし、やはり審議の軌道に乗せてもらってこの法案の成立をはかりたい。そこで、そういたしますには、先ほど申しましたとおり、やはり与党との連絡、これの調整、こういうことに多少の時間をとるわけです。これはまあ常識的に、大体法案は、ことにこれは重要法案でありますから、簡単に一日や二日でこの審議が終わるものじゃないことは十分知っております。したがって、やはり相当の期間、これは普通の常識的な重要法案の審議に必要な期間というものは大体わかっておりますが、しかし、その審議も、この委員会において御審議を願う場合に、その委員会の審議の、何といいますか状態によってまたずいぶん時間が変わってまいりますし、そういうこともまたひとつ御理解願って、提出した以上はひとつできるだけ審議を促進していただく。いろいろな事情もございますから、一応常識的に私はいつごろまでぐらいで出れば間に合うというのはいま頭の中にありますが、なぜそれをはっきり申し上げないかというと、与党との連絡ということを先ほど私は特にお断わりしたのは、これは選挙法でございますから、それに関連する法律でございますから、事務的だけで考えておるようにまいらぬところに、非常にわれわれの困難する立場がございます。しかし、これはもう当然御審議を願う時間というものは尊重すべき、またそれを測定してやらなければなりませんから、これは常識的に大体五月何日に会期が切れるということを頭に置いて、そしてそのできるだけの時間を御審議願うという一応の腹づもりは持っております。いつごろそれを出せるかということが、いま申しました事情でございますから、ここで明快に申し上げられませんが、もうその案そのものを、いろいろな資料もございますから、そう一から十までやり直すこともないことでございますから、大体与党の調査会との連絡その他がつきまして、そうしてその間の調整ができますのも、そう時間も費やさぬと思います。その点はせっかくいまいろいろな考え方によって、与党とも折衝を始めております。また、与党の選挙調査会も、最近しばしば会合を開いております。そういう明瞭にいつごろは出す、出せますということは、この時点ではまだちょっと私は言いにくい、こういうところでございますが、いま申しますとおり、当然時間的な制約は頭に置きまして、それに間に合うように出す、そして御審議を願う、こういう腹づもりを持っております。
○阿部(昭)委員 非常に歯切れの悪い御答弁だと思うのです。私が申し上げましたように、大臣の政治的ないわば長い経歴その他から、国会というところはやはりそれなりに時間的な一定の刻みというか、そういうものがちゃんとあるということは私などより、申し上げますまでもなく大臣、これは十分御承知のとおり。したがって、この段階にまいりますれば、大体この時期には法案を出して、そしてめどとしては、衆議院はこのくらいのいわば日程で通過をするように努力をして、そうして参議院ではこのくらいの時間というようなことは、大臣の長い政治経験からいたしますれば、すでに計算の中にちゃんとあるはずだと思う。したがって、もう会期二カ月ちょっとしかない現段階になりますれば、特に重要法案であるだけに、上程をされました、さあ通りました、そう簡単にはいかない、相当慎重な審議を要する法案でありますことは、これもまた御存じのとおり。したがって、いまだなおかつ人選は三月末めど、これはわかるわけであります。その以降、この法案をどの時期ごろには責任をもって提出をする、このくらいのことが明確にならぬようでは、やはり大臣も、従来担当大臣いずれも批判されたと同じように、熱意をもってこの問題を今国会中になし遂げようという、いわば責任ある、熱意のある態度というものは残念ながら持っておらないのだ、こういうふうに実は国民から見ますると受け取られるんじゃないかと思うのであります。したがって、確かにそれは相当重要な、いろいろな意味で微妙な政治的な高い配慮を払わなければならぬ問題であること、私どももわかるのであります。しかしながら、この段階にまいりますれば、やはり大体この時期には出すように努力をしたいということを明らかにすべき時期に来ておるのではないかというように思うのです。いかがでしょう。
○野田国務大臣 私は、阿部さんの御意見もそのとおりだと思っております。ちっとも御無理じゃないし、あたりまえの御意見で、当然なことを示唆しておられるということは、私よくわかります。ただ、私の申しますのは、この前も廃案になっておるし、前後の事情からして、そういうどうなってもいいじゃないかというような気持ちでありますれば、これはいつ出してもそう困難はないのです。早く出しておいても、これは取り扱いによってどうでもできることですから、これも阿部さんの申されるとおりであって、委員会の取り扱いでどうでもできるようになります。しかしながら、ここまでいわゆる政治問題化した大きな問題でございまして、出した以上はひとつ御審議願って成立させたい、こういう私自身の希望を持っておるものですから、それにはこれは、与党のことを言うのは非常に恐縮でございますけれども、やはりこの問題は特に与党との連絡を必要とする案件なんでございます。それだけにやはり与党との調整ができて、与党の方々もそれで踏み切ろうという——いま踏み切っております。おりますけれども、案の内容のこともございますから政治的な考慮を払いまして、そしていまお話しのとおり、大体時間の制約も知っておりますから、御審議を願う相当な時間はひとつとってお願いをせなければいかぬと思っております。そういうことで、決して熱意を失っておるとかいいかげんだという、いろいろの御批判は、私これはやむを得ないことでありますが、形式的な無責任な、ただ形をつければいいのだ、形式主義であるというならばそう私も苦心いたしませんが、いま前言に申しましたとおりやはり提案した以上はひとつ成立を見たい、こう思っているだけに、多少いつごろとかなんとか申し上げることを実は遠慮しておる。先ほどの選挙制度審議会の人名なんかは、この間三月末めどという、これは私は自分で大体ほかの方にそう御相談しなくてもやれることでございますから、一応これは自分のスケジュールを申し上げて、そのように結論を得たいということは申し上げられるのでございますが、いまのこの法案につきましては、そういう事情でございますから、いまここで、いつごろ出すというようなことを言い切るということは、かえってこの問題を円満に調整していく上に支障があるような場合も起こりますし、いろいろな各般のことを考慮いたしまして——実は阿部さんから言われれば、ちっとも無理じゃないのです。そのおことばそのままのことですが、私がこの段階でまだはっきりといつごろまでに出しますとお約束いたしませんのは、そういう意味でございまして、お約束すればできるだけそのお約束を果たしたいというのが私の考え方でございます。そういう意味において、きょうのこの時点においては、いつごろ出せる、出しますということを申し上げることを差し控えたい、こういう考え方でございます。
○阿部(昭)委員 なかなか何度申し上げても歯切れが非常に悪いのですがね。 私ごとを申し上げてたいへん恐縮なんですが、私はかつて、私みずからの選挙を四回行なっております。四回の選挙の際に、選挙法に触るる行為、これをただの一度も私及び私の支持者はやったことがない。将来もいわゆる公明選挙というか、そういうものを貫きたい、そういうふうに思っているのですが、私は現状の、たとえば公職選挙法というのですけれども、私どもの衆議院選挙区における選挙を戦うにあたって、法定選挙費用で、たしか三百七十万くらいのものだったと思う。私どもは、その三百七十万の選挙資金、政治資金を調達するのにたいへん難儀をいたします。ところが現状の政治資金規正法というのは、私どもの立っておる、いわば政治活動の資金的基盤などとはどうもかけ離れた雲の上の金額で、現行いま問題にされておる政治資金規正法の論議も、実は額の問題で言うとはるかに高い水準なんですね。私は思うに、現状の政治、あるいは政治家、あるいは政党、これに対する国民の信頼というものが、今日の段階ほど、いわばその国民の信頼というものを失っている時期はもうないのじゃないかと思うのです。そういう意味では代議制民主主義というのですか、議会制民主主義というか、これが一つのその存在を問われておる根源は一体何かということになりますと、現在の政治資金、金のかかる選挙、ここに原因があるように思っているわけであります。したがって、いま大臣は、政党内閣、政党政治でありますから与党との意見調整を重視していかなければならぬということ、これは私も同意をいたします。しかし、同時に、ひとり与党の問題ではなしに、いまのこの政治資金に関する問題は、この日本における議会制民主主義、その基盤の上に立つ政党政治、それそのものがある意味で一つの存在を問われておる根源にこの政治資金の問題がある、こういうふうに私は実は理解をして、きわめて深刻に思っているのであります。私は、そういう意味で、佐藤総理も冒頭に、今国会では政治資金規正法を責任をもって成立をさせる、こういう意味の意思表明をされておる、大臣もまた、本委員会において何回かにわたって今国会に成立をさせたい、こういうふうに言われておるのでありますが、もし今国会で政治資金規正法の改正が実現し得なかった場合の責任は、一体どういうふうに感じられるのかということを承りたいのであります。
○野田国務大臣 総理もしばしば、いま阿部さんのお話のとおり、この国会でできるだけ成立をはかりたいと言われました。これが成立しなかった場合はどこにどう責任があるかという問題、これはこの前廃案になった案が出ました。別に私は阿部さんと討論するつもりはありませんが、ざっくばらんにお話しします。その場合の責任は、世間によっては与党が悪い、委員会が悪い、政府は出したじゃないか、こういうふうに最後の政治的責任というものは非常にむずかしいものでございます、法案というものは委員会に出すもので、委員会の審議によってそれが決定することなんですから。阿部さん、実は委員会に出さないで政府だけでやれる、政令なら政令でやれるということでございますと、いろいろ責任があるところは単純にかわってまいりますけれども、法案を提出した、審議をお願いした、委員会がストップして審議ができない、こういう事態でありますと、決して私は阿部さんと討論するわけでも何でもありませんが、これは全体の責任だと思います。全体の責任であるけれども、だれが一番重い責任を持たなければならないか、それはそのときの現実を調べて、政府に誠意がなかったときは政府の責任も介入してきましょうし、議会制度、そういう手だて、議会の運営と申しますか、そういうところ、いろいろな責任の所在があっちこっち出てくるものですから、提出して成立するかしないかは、委員会の委員の皆さんもまたいろいろお考えもありましょうし、その時点でなければ——そうかといって、委員会はけしからぬ、責任がある、こう言えない時点もあると思います。だから、現実の時点でその問題を考えて、どこに一番大きな責任があるか、それはまた反省すべきことは反省するというようなことになるのではないかと思っております。 そこで、いま政治資金規正法が国民の非常な政治不信の原因になっている、これは私もよく存じております。これは決して政府や与党だけのことではございませんし、政治全体の問題でございますから、御指摘のとおり、この問題が決して一党一派のものではない、広く国民のいわゆる政治不信につながる大きな政治問題だということも十分私は理解いたしております。そこで、きわめて答弁はあいまいでございましたが、その現時点で与党、また委員会、その他というようなことで判断していかなければなりません。いずれにしてもこの問題はなるべく早く解決を見たい、解決を見るには法案が出、成立を見たい、こういう希望は私は変わっておりませんし、またそうしたいと思っております。
○阿部(昭)委員 大臣の時間の関係があるようですから、私の質問は、きょうはこれで打ち切りまして、次回にお願いしたいと思います。
○齋藤委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時一分散会