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61回国会衆議院1969/07/31

交通安全対策特別委員会 第25号

発言数
81
登壇者
15
会派数
3
開催日
1969/07/31

会議録

内海清民主社会党

○内海委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる交通安全対策基本法案及び久保三郎君外十三名提出にかかる交通安全基本法案の両案を一括議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 前回に引き続いて、政府提案の交通安全対策基本法案に関係して二、三お尋ねをします。  まず一つは、第十一条でございますが、これはいかなることを意味しているのか。いわゆる「施策における交通安全のための配慮」、こういうことでありますが、かいつまんで中身を御説明いただきたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 第十一条におきましては、国が施策をいたしました場合におきまして、交通安全に関連がありますものにつきましては積極的に、ここにありますごとく、「一体として交通の安全に寄与する」ように配慮しなければならぬということを書いておりますが、どういうような仕事かと例をあげてみますると、たとえば幹線道路を建設するというような場合におきまして、やはり当然交通安全上の考え方を置かなければならないということ。あるいは間接の問題として他の例を申し上げますると、学校を設置するというような場合にありましても、直接学校設置そのものは関係がないようでありまするが、しかしこれは児童の交通という点から申しますと非常に影響のある問題でありますので、やはりその点も配慮しなければならないというようなことであります。なおその他の例といたしましては、港湾の区域内におけるところの埋め立てを行なって工場敷地を造成するというようなことにつきましても、やはり海上の交通ということを考えまする場合におきましては、そのことを配慮して計画すべきだという意味におきまして、特に規定をいたした次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話だというと、たとえばの話でとりますと、これから学校を建てる場合には交通安全の条件、そういうものを考えて建てねばいかぬ。一つの例をお示しになりましたが、これは当然これからの話だと思うのです。ただ、現行のいわゆる制度なりあるいは実態、これを新たな観点から改善する、交通安全の観点から改善するという、そういう意味の積極さは持っておらないのだ。言うならば、現実にある実態、現状の中でこれを交通安全の観点からそういう制度なり施策というものを変えていくということと、これから新しくそういうものを中心に置いて施策を実行していくという二つのとらえ方があると思う。いまの御説明だというとどっちか片方に片寄っているように受け取ったわけでありますが、それはどういうことですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 この点は御趣旨のとおりでありまして、現在ありますものにつきましても不完全なものがありますならば、交通安全上配慮すべきものは配慮するように積極的にはからなければならないわけであります。まあ直接、たとえば学校の通学道路あるいは踏切道路というものにつきましては対策を講じておるわけでありますが、なおその他交通安全に支障のありますものにつきましては、やはり現状にいたしましてもこれをそのままに放置しておいてよろしいというものじゃなくて、積極的に改善をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで、現行制度というかそういうものの中でも、交通安全上からいけばかなり相錯綜しているものがある。たとえば道交法では車の駐停車についての制限があると思うのですね、さだかな条文はわかりませんが。もう一方、これは建設省の関係でありますが、車両制限令というものがある。これは違っているようでありますが、道路上におけるところの、いわゆる狭い道路におけるところの車両の通行のことを制限しているわけであります。これは、その制限する者はだれかというと道路管理者がしている。道交法のほうはいわゆる公安委員会がやっている。こういうものが制度上実態的に何かこうそぐわない面があると私は思うのですね。そういう制度の改善もこの十一条は予定しているのかどうか。まず、その予定しているかどうかを総務長官にお尋ねしましょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの例は、なお十分調整を要するものもあると思うのであります。その点は前向きに努力してまいりたいと思いますが、規定そのものから申しますと、十一条自体をそういうふうに読むのでなしに、むしろ今日までの、たとえば御例示になりましたような問題は交通規制の問題として考えなければならないのじゃないか。なお都市交通の立場から見ますと、なお積極的にいろいろと施策すべきものが非常に多いと思う。この点に対しましては十分に関係者において話し合いまして積極的な努力、必要なものに対しましては法規の改正まで及ばなければならないものもあると思うのであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話だというと、そういうものはこの十一条からは出てこぬようなお話ですか。十一条からはそういうものは出てこないのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 ただいまたまたま先生が例としておあげになりました駐停車の禁止とそれから車両制限令との関係のような問題は、十一条でかりに読むといたしますと、それは直接的な施策になろうかとも存じます。したがって十一条で読めないというわけじゃございませんが、一方におきまして国の施策といたしましては交通規制の合理化を今後ますますはからなければならないということを規定いたしておりますので、交通規制の合理化という見地からただいま御例示になりました問題は積極的に取り組んでいくべきであろう、とこういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ことさらに「一体として」という文字がございます。これは、「一体として」というのは現行制度の中でも一体的でないものがたくさんある。だから、一つの例示としてこれが適切であるかどうかわかりませんが、いま申し上げたような道交法と車両制限令のような問題ですね、それは当然だというが、私から質問していまのお話しだというと、何かそういうものは原則としては含まないが当然それはやるべきことだというふうにとったのでありますが、これはそういう意味ではないですか、もっと積極的ですか。これはぼくが言うように積極的なんですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 御趣旨のとおりに解釈していただいていいと思います。全般としてそういうふうにやってまいりますが、具体的な例といたしましては先ほど申し上げましたような趣旨におきまして、道路の規制という問題で扱われたような事例もあるわけでありまするから、道路の規制として取り扱う例もありますが、全般的な気持ちといたしましては、本文は全般論としてお読みいただきましてもけっこうだと思います。かような趣旨において御解釈いただきたい。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これはなかなかむずかしいことなんです。いま私が例にあげたことなどは非常にむずかしいことなんですね。これは道路管理者と国家公安委員会との関係、なかなかなじまない面が出てきます。ここを通っちゃいけませんというのは道路管理者の問題、そこへ車をとめちゃいけないというのは公安委員会の問題、そういうふうになってくるわけであります。しかし車に乗ったりあるいはそこを歩く人間から言えば、それは何も区別のない話です。同じような実態、同じ機関というか、そういうものでとらえて生活をしているのであります。ところが役所のセクショナリズムというか、そう言っちゃ悪いかもしれませんが、やはり権限のしからしめるところで、当然のごとくそういうものが人間の生活を分断しているわけですね。そこにやはり生活が犠牲にされていることがたいへん多いと思うのです。これは理屈に走ったことばでありますが、そういうことを考えていかない限りは、ほんとうの人間中心の交通安全というかそういうものは守り得ないのじゃなかろうかと思う。この条文はたいへん進歩的だと思ったのですが、いままでの御答弁ではあまり進歩的じゃなくて当然な話くらいだと思う。しかし当然な話でもあげておくことはけっこうだが、しかし実行はどうするのかという問題です。これは一番重大です。総理大臣を頭にした交通安全対策会議ですか、そういうものでは残念ながらこういうものは検討できません。これはおそらく検討できないと思う。計画を立てることはできはしようが、それじゃ十一条にのっとった現行制度なりこれからあるべき姿についての検討はどこでやるのかといったら、おそらく権限のないところでやってもだめだろう。だからそういう意味からいってもわれわれの提案では、対策委員会という一つのいわゆる行政機関でそういうものを総合的な観点から検討して、実際的に家務的にやらなければいかぬですね。ところがあなたのほうの提案では、そんなものをやるところはいまの宮崎室長を頂点とするところだけでやるという。宮崎さんは最近局長になるという新聞辞令が出ていますから、それはけっこうな話でありますが、代がわりになればどういう専門家が出てくるのかわかりませんが、おそらく基本法ができたけれども期待するところなし、こういう極端な言い方かもしれませんが、私は心配しているのです。これも私はアリバイのために質問をしている。あのときおまえは言わなかったじゃないかと言われると困るから、ちゃんとここで、もしもそういうことだと思われるなら私が申し上げるようなことは心配ありません、やります、どこのセクションでやる……。  そこでもう一つ聞きます。これは道路局長にお聞きすることがいいのかどうかわかりませんが、建設省代表として道路局長だけしかおいでになりませんから、あなたの自由な発言でいい。あとで言質なんかとりませんから。ただ問題は、ことしの七月ですか六月ですか、新しい都市計画法が御案内のとおり実施されてまいりました。都市計画法の中で交通安全という交通の問題では、御承知のようにいわゆるターミナル問題だとかそういう問題、駐車場とかそういうものが出ておりますけれども、それじゃ交通安全の観点から都市計画というのは、いま例示されたたとえば学校区域とか公園区域等に関連して、その都市のあり方はどういうふうな規制なりあるいは配慮をすることになっているのでしょうか。あの条文だけ見たり、それに関連した法律を見ていっても、決してそういうものはどこにも見当たらない。もちろんこれは実際の計画の上に出てくるものでありますから、そういう法律や規則の文言には出てこぬのでありましょうけれども、われわれからすればどうも何か忘れている点があるのではなかろうかというふうにとれる。  これはどうですか。あの都市計画法を審議する際に——これは警察庁の交通局長も来ているからあわせて聞きましょう。あなたのほうの観点から、いわゆるああいう都市計画法というのはあらためてつくられたのかどうか、交通安全というものも入れてつくられているのかどうか、それを聞きたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 一般論といたしまして、先ほど御懸念になりました所管の違いまするような場合におきまして、別々の立場でもっていろいろ規定を出しておる例をおあげになりましたが、そういうことも現実にあると思うのです。私どもはそういう問題点はやはり解決をしなければならない。この問題はやはり安全会議におきまして問題点として取り上げまして、具体的に関係者が下部機構といたしまして検討いたしまして、そうして処置いたしたいと思うのであります。  なお、中央のみならず都道府県、さらに市町村と具体的の会議がありますので、それぞれの会議におきまして、特に地域団体になりますならば、きわめて具体的な問題としてそれぞれの責任者が会議に出席しておりますので、その場所におきまして取り上げることができると思うのであります。そういう措置によりまして解決していく。しかも解決いたします場合は、一たん処置がきまりました以上は、関係者はそれぞれの決定に従ってこれを実施する責任がありますので、その実施の責任という立場に立ってまいりましたことを励行するということによりまして一元的に今後処理ができるのではないか。今回の安全会議というものも総理を中心として、いままで個々にやっておりました行政というものを一体化するというところに趣旨があるのでございます。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 都市計画法につきましては、実は私の道路局の所管ではございませんが、これも非常に道路に関係ある問題でございまして、都市計画法はやはり都市計画に関する基本的な基本法だと思います。これに伴っていろいろ新しい都市計画法の中には都市施設の基準とか、それの設置基準というようなものをうたっております。具体的には交通安全ということを考えた条項はないように思いますが、実はこの運用にあたりまして、やはりそういうような都市計画を実施いたします場合には地区の用途、どういう用途に使うか、そういうものの中で鉄道とか道路とか、こういうような都市の必要な施設、ただいま先生のおっしゃいました公園とか学校とか、こういうものをどう配置していくかというような具体的な都市計画の決定にあたっては、当然道路の上を歩きます歩行者、また学校の配置がどういうふうにあるべきかということできまるものだというふう考えております。そのきまる中には当然いまの交通安全的なものが考えられるものだというふうに考えております。これはいまの雑然といたしました都市につきまして考えますと、やはり工場地帯の中に学校がある、また住宅地域と工場地域が雑然としているというようなものを整然と直していき、文教地域、住宅地域というものを設けますれば、いま言った交通安全という面からいっても、十分それに伴った施策ができるものだというふうに考えております。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 交通安全は警察だけの所管ではありませんので、関係各省それぞれの立場でお考えいただいていることと思います。  そこで、いまの都市計画法でありますが、従来の経緯については私存じませんけれども、ただいま総務長官もお話しになりましたように、いろいろな機会を求めて、私どもの立場から要求したいことを要求する、こういうことでまいりたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 御答弁では私の申し上げたことは取り入れるというお話でありますが、これはここだけの話になりますので、実際は都市計画法をつくる場合に、交通安全というか、そういうものが全然考慮外であったのだろうと私は思っておるのです。しかもこの都市計画法というのは、御案内のとおり大正八年にできたものが全面改正になった。そして新しい二十世紀というか二十一世紀における都市のあり方をきめよう、その場合に公害とかたいへんいろいろな問題は一応この中には入っているのですね。しかし動くところの交通事故というか、そういうものに対しては入ってないのですね。これは忘れたわけではないのだろうが、言われれば気がつくのでありますが、まあ言うならばあまり気がつかないできたということですね。都市というのは動かぬものでしょう。それで公害はその地域にある。この間も地域住民の責務についてお話が出ました。御説明では、公害基本法では地域の住民というものが密着しているのです。これはいいのです。交通事故の場合は違うのですね、これは流動的なんです。だから都市計画法のとらえ方というのはいわゆる動的なとらえ方はしていないのですね。交通事故——交通というのは単にターミナルをつくるというのが交通じゃないのですね。ターミナルを中心にしてトラックやバスや何かが動くことが交通なんですよ。AからB、そういうところの空間を走るのが交通なんですね。都市計画法は動的ではなくて、静的に押えた形の交通なんです。だからそういうものは交通ではないと私は思うのでありますが、いずれにしても都市計画法の中にはそういう重大なる改正をしながら入っていない。いまだに建設省を中心にして政府はこの道路、その中における人間の扱いは非常に希薄じゃないかという気持ちがするのです。それは道路局長は別かもしれませんけれども、法律は違うのです。これはやはり直さなければいかぬと私は思うのであります。これは例をあげればこういうものはたくさんありますよ。だから、そういう意味で私はこの十一条というのは書いてあると思ったのだが、どうもそうでもなさそうに思うわけでありまして、非常に残念であります。しかし、これはここできっちり修正してもらえるならば修正してもらったほうがいいと思うのであります。日本語でありますから解釈が二通りか三通りはっきりできるのですね。しかもこれは非常に表現がきちんとしていない。何が一体なのかわからぬが、まあ場合によってはぼくが言うようなものも一体としてとらえるということになればなりそうだと思っているわけであります。こういう点ももう少し明確にできるならするし、またそれだけの答弁だけでなくて、いまある制度について再検討をする、そういう部署はどこでやる、それから総務長官から安全会議にそれぞれのところから出しますと言われたが、これはいまの制度の中で出すまでにはいきませんよ。たとえば警察庁が出したいと思っても、建設省との間でとっぴもなくぱっと会議に行って出すわけにはいきませんよ。警察庁が出そうといったって、建設省に関係があるものなら一応下相談してこれを出すのがあたりまえです。そうすればこれはちょっと困る、車両制限令に手をつけられては困る。建設省から道路交通法について、これはちょっとぐあいが悪いから出したい、こう言ったって、それは困ると警察庁が言うに違いないのです。いまの行政というのはそういう仕組みになっているのです。だから私どもは、専門家によるところの交通安全対策委員会をつくって、そうしてそこでそういうものをチェックしようと、こういう考え方なんですね。私はわれわれ自身の法案を固執するわけではありません。少なくともやる気があるのならば対策会議はやめて——やめてというよりは、行政機関としてこういう委員会をつくって強力にやはり義務的に一つは押えていかなければ私はだめだろうと思うのですね。御所見を伺いましょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの御意見は、各省の間の意見が対立しておったならば、現実には解決できないんじゃないかというお考えに基づいておるんだと思いまするが、今後におきましては、むしろ交通対策につきましては、積極的に、いわゆる調整と申しますか、作用を発揮させるということが今度の安全会議を設けましたところの主眼であるわけであります。従来におきましても、連絡、調整はいたしておりましたが、今後におきましては、安全対策上の重大問題は、この会議に持ち出して、そうして総理の指揮監督のもとにこれを結論を出していくというふうにいたしたいと思っておるのであります。それだけ問題の解決が進んでまいるというふうに私どもは見ておるわけであります。  なお、御提案の行政委員会でありまするが、行政委員会等におきましても、問題点は全部あがってくると思います。しかし、出てまいりました問題を実行いたしますのは、結局各省庁の関係でございまして、省庁が実行できなかったならば、やはりその趣旨は全うせないのでありまして、この点におきましては、安全会議をとるか、行政委員会制度をとるかという一つの理論的な問題として大きな問題でございますが、現実のあり方から申しますると、私どもは安全会議によりまして、政府の方針をきめました以上は、各関係省の責任においてこれを実行するという体制を確立するということによって、私は十分できると思うのでありまして、はたして行政委員会たるものが結論を出しまして、そうして各関係省に実行させるということがうまくいけるかどうか、私は結果的には同じことになるのではないかと思うのであります。むしろ、端的に総理を中心としましたところの安全会議によりまして結論を出して、そうして各省庁がこれを実行するということのほうが、私は結論をすみやかに得ると同時に、実施上におきましても、円満にまいると思っております。  なお、現在の役所の組織でございまするが、ほかの省に都合の悪いことは、なかなか意見を出しても通らないというような傾きも過去においてはあったと思いますが、今後におきましては、積極的にこの点を取り上げまして、解決をしていく、これが総理府の連絡調整の私どもの大きな使命である、漸次この点は実効が上がりつつあると私は思うのであります。特に基本法が成立いたしました以上は、一そうその点が私は効果的に行なうことができるものと考えておるのでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これは意見の分かれるところでありまして、あなたの御答弁は御答弁として聞いておきますが、私は別にそれに同意するわけにはまいりません、現実として。そこで、なぜそういうふうに私が言うかというその例を申します。たとえば、この海上交通あるいは航空交通、そういうものについて、地方との協議、こういうものを特にこの中で書いてある。たとえば二十七条でありますか、あるいは二十八条ですね。こういうところに、地方公共団体との関係をこれは特別に書いてあります。こういうのも、見ようによっては、言うならば、それぞれの権限にこだわり過ぎたいわゆる妥協の産物かと私は見ているわけなんであります。もちろん妥協は必要でありますから、妥協を別に非難することはありません。しかし、妥協でありますから、どこまでもむずかしいところにいったときには、なかなかそのさいはいが振れないのではなかろうか、こういうふうに思います。たとえば、この間も申し上げましたが、海上交通法ができない。できない面は、政府が強力ならこれはできますよ。政府が強力でなくて、それぞれの行政機関というか、各省庁が強力なために、これを統括するいわゆる内閣というものが、これをなかなか調整ができない。調整ができないために、海上交通法もいま世上いろいろいわれているんだが、なかなか現実の法案として今日出てこぬというわけですね。こういうものを一つとれば、あなたがどう抗弁しようとも、私はそれはむずかしいなという感じがするわけであります。  そこで、そのことはもう時間もなんですから先にまいりましょう。いずれにしてもそういう制度的な欠陥を今後直すことが大事ではないかというふうに私は考えております。そこで、この前の質問のあと、残りの質問を申し上げておきましたが、関係の方々がおいでになっていますから、その方々から、こういうことを聞きたいのですということをこの前申し上げておきましたので、簡単にここで御回答いただきましょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 いまお話しのありましたところの海上と航空関係につきまして、都道府県の取り扱いが異にしておりますが、これは海上と航空につきましては陸上と異なりまして、所管するところがほとんど本省が多いのでありまして、中央の交渉において話し合いがつけば解決がつくことが多いというのが実態なんでございます。したがって、地方におきましては、地方の公共団体との関係におきましては、連絡協議会というような形でもって実施しまして、中央の話がつけば、その趣旨でもって地方に話をいたしますれば問題なく解決できるというふうな考え方によって組織が異なっておるわけでありまして、意見がまとまらなかった妥協のための形というだけじゃなしに、実態がそういうわけでありますので、実態に即したように処置いたしました次第でございます。

高林康一運輸省船員局長

○高林政府委員 前回の御質問は、船員の不足ということと、それから航行の安全ということ、ことに船舶職員制度の改正の場合におきまして、これをどのように考えるかという点が中心であったかと思いますけれども、確かに先生御指摘のとおり、船員の不足ということは現在内航あるいは漁船というような部門において特に著しいという状況でございます。また、外航につきましても、当面は充足は可能でございますけれども、二千五十万トン計画の後半期におきましてはかなり充足が困難になってくるというふうに予測されるわけであります。これに対しましては、船員教育機関の充足、充実ということをまず主眼におきまして、たとえば本年度におきましては、商船高等専門学校の生徒の定員を四百名から六百名に増員する、あるいはまた海員学校を一校増設いたしまして、四十六年度より開校するというような措置をとっておるわけでございます。しかしながら、特に需給が逼迫しておりますところの内航、漁船部門におきましては、船舶職員法におきまして、定員とか資格とかということをいろいろきめております関係上、これを下げるという要望が強いことも事実でございます。ただ、船舶職員制度は、法律の第一条にございますように、あくまでも航行の安全をはかることを目的にいたしておりますので、船舶が不足するから船舶職員制度を緩和するということは、安全上は決して妥当ではないと考えます。そういうような観点で昨年から船舶職員制度の改正につきまして、海技審議会におはかりしおりますけれども、その場合にやはり航行の安全を第一義に考えるべきであろうという前提に立って検討を進めております。ただ、しかしながら、船員が不足するということも現実でございます。これをどのように調和させるかという考え方といたしまして、いままでの船舶職員制度におきましては、国家試験によるところの免状ということが大きい要素をなしております。しかしながら、この場合におきまして、学術試験に偏重されるというような傾向もございますので、実地経験の豊富な人につきましては、これを上級職に昇進させる道を開くというようなことによりまして、まず航行の安全上はそれが十分担保される、しかも、それによって職員不足というものは、結果としてある程度は解消されてくるという方向をまず第一にとりたいと考えております。  それから第二には、やはり今後の問題といたしましては、省力化ということが需給逼迫の状況から見て必要であろう、しかしながら、また、安全を同時に考えます場合には、船舶の自動化というものを推進していって、そうしてその船舶の自動化によりまして過重労働を排し、しかももう少し少ない人間で配乗できるような、そういうような自動化推進、また自動化に伴いますところの職員資格のあり方というものも検討してまいりたいというような観点で、現在海技審議会で検討をお願いしているわけでございます。いずれ結論を得ました場合においては、所要の措置を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 欠陥車問題に対する対策、その後の状況はどうかというお尋ねであると思います。  欠陥車の問題が発生いたしましてから、運輸省といたしましては、六月の十七日に、国産車及び輸入車の関係業界に対しまして、欠陥車の現状とその改善計画につきまして早急に報告を求めたわけでございます。同時に、自動車使用者に対する周知徹底のための適切な措置を講ずるよう通達いたしました。  さらに、当省といたしましては、欠陥車の発生を未然に防止するために、自動車メーカーにおいて、品質管理の的確化、耐久試験体制の充実強化につとめさせるとともに、新型式車に関する審査及び監査体制の強化、自動車型式指定規則の改正、研究体制の充実等の方策を積極的に推進してまいりたいと思っております。  型式指定規則の改正につきましては、現在大体案ができまして、八月一ぱいにはその成案を得たいと思っております。  審査体制、監査体制の強化、研究体制の充実等の点につきましては、現在予算の要求の作業を実施いたしておりまして、目下省内で検討をいたしておりますが、審査のためのセンターを設ける、それから研究所に事故解析部を設ける、そうして研究所を独立させるというような点につきまして、具体的に作業を進めております。  省令の内容につきましては、型式指定の規則にありますところの明細項目が約二百八項目ございますが、これを百項目近くふやす、それから、欠陥車発生の場合に届け出の義務、公表の制度等につきまして規定をいたす予定でございます。  欠陥車の対策の実施状況でございますが、六月十六日現在におきまして調べたものを、さらに七月十五日におきますところの実施状況を報告を徴しまして、七月十五日の現在におきます国産車、外国車を含めての対象の車両数は約二百四十五万両でございますが、そのうち実施率が七八%に達しております。六月十六日現在におきましては四七%であったわけでございますが、これが七八%というふうな進捗を示しております。さらに八月一日現在、それから八月の十五日現在におきまして、そして最終は八月の末ということになっておりますので、十五日刻みで報告を徴してさらにチェックをしていきたいというふうに考えております。なお、地方の陸運局、陸運事務所に指示いたしまして、八月の中旬から九月上旬にかけまして、販売業者であるとか整備業者に対して、欠陥車の回収状況を監査するというような指示をいたしております。  以上、欠陥車問題が起きましてわれわれがとりました対策と、現在におきますところの回収の状況でございます。今後におきましては役所の仕事の体制を整えまして、将来この問題に対して遺憾なきを期してまいりたいと思っております。

山下英明通商産業省重工業局次長

○山下説明員 お尋ねの通産省としての欠陥車に対する対策をかいつまんで申し上げます。  御承知のように六月十日に自動車メーカー自工会に通牒を出しまして以来、この通牒は全般的な生産、品質管理その他安全に関するものでございますが、その後さらに過度の広告を自粛するような通牒を六月二十八日に出しております。それから六月二十七日には安全対策協議会というものをつくってもらいまして、これはシャシーメーカーのみならず、自販連、販売業者、整備事業者及び部品工業会網羅いたしまして、現在まで二回、七月十日に第二回目を開いて、あらめる角度から関係業界の安全問題に関する討論をしてもらっております。  それから、私ども輸出担当をしておりますので、この面についてさっそく在外公館、ジェトロに事情調査を依頼して、その報告がただいま入っておりますが、同時に生産業者に対して、海外市場で欠陥車の問題が起きないようにと——アメリカで起きた問題ですが、特に他市場、東南アジア等における対策を至急講じてもらっております。したがいまして、かりに国内で欠陥車と称せられたものはもちろん輸出いたしませんし、問題は、すでにその市場に出ていたものをどうするか。これは東南アジア、後進国等における販売、整備の組織が日本と違いますので、これについて今後とも対策を進めていく。   〔委員長退席、稻村委員長代理着席〕 現に台湾からは日本の欠陥車の輸入禁止問題が起きておりますが、これも現地に人を派遣して実態的な交渉に入っております。  それから、政府部内の問題といたしまして、今回の経験から通産省自動車課に産業公害班を特別に設置するよう、現在省内で交渉中でございますが、これはそういう生産責任のわが省が、同時に従来より一そう運輸省あるいは警察庁その他政府部内の関係機関との連絡をとりつつこの安全問題に取り組みたい、こういうことでございます。  また、私どもの担当しております安全公害研究センターの予算及び関係業界の安全に関する研究補助金、これを来年度予算にさらに重点を、欠陥車の経験にしぼって進めていきたい。  なお、先生が特に御指摘のありましたタイヤについて一言つけ加えますと、タイヤは自動車タイヤ協会、これは自動車工業会と違う業界団体でございますが、幸いタイヤ関係は大手六社が中心でございまして、従来ともタイヤの安全に関しては自社責任できわめて真剣に研究しておったわけでございます。ただ日本の悪い道路の条件でタイヤの安全をどう確保するかというのが中心であった過去に比べて、高速道路における高速性、タイヤの安全ということが新しく課題になっておりますので、この動的試験を中心としたJIS指定の原案をただいま作業しておる次第でございます。JISはすでに数種タイヤについて指定しているのでありますが、それを強化する。なお自動車タイヤ協会では最高技術会議というものを設置いたしまして、タイヤの安全性に取り組みたい、こういう体制でございます。なお高速道路におけるタイヤの安全について政府部内でも通産、運輸、警察等と連絡をとって進めていきたい、こう思っております。

手塚良成運輸省航空局長

○手塚政府委員 御質問は二点あったかと思いますが、一つは訓練飛行場を早急に設置すべきではないかという問題、それからもう一つは空の管制を再検討すべきではないか、この二つの御質問かと思います。  第一の訓練飛行場を早急に設置する問題でございますが、現在乗員の訓練をいたしておりますのはいろいろなコースと方法、場所によりまして行なっております。御承知のとおり国内用のプロペラを主としました乗員の訓練につきましては、国内の飛行場を数カ所使っております。中心となります航空大学校におきましては、御承知の宮崎を使い、各日航、全日空等の自社でやっておりますもの、あるいは航大の分校で最近仙台に設置をいたしまして、これらでやっております。これらを基地にいたしまして、その先の国内の飛行場を使っておるものもある。しかしながら、実は私どもが一番問題にもしておりますし、先生の御指摘の御中心もそうだと思いますが、ジェット機用の訓練飛行場というものが国内に現在ないわけでございます。これを現在実施しておりますのは当初におきましては、ここ数年来まではハワイにおいて実施をいたしておりました。昨年の十一月から米国のシアトルの南にございますワシントン州のモーゼス・レークの飛行場、ここに日航が中心になりまして、訓練センターといいますか、そういったものをここに置きまして訓練を実施しておる。なおまたこれ以外に米国の会社の訓練専門の会社に委託をしてやってもらう、こういう事態になっております。幸いモーゼス・レークにおきます飛行場は、従来米軍がB52の基地として使っておりました非常に広大な場所でございまして、この空港からこういった米軍の軍隊が全部撤収をいたしましたので、地元も大いに誘致につとめまして、そこへ日本航空が乗り込んだ、かような経緯になっております。現在までのところ、この空港ではさして支障はございませんが、ここでは先々まで永久的にやるかということになりますと、やはり問題があるわけです。たとえば外貨にいたしましても、年間約邦貨八億円に該当するような外貨が流出する、あるいは教官、機材等の法律的な運用という面において必ずしも適当ではない。そういうことで訓練の会社、回数、機数というものがふえつつあって、現状のままでいきますと、またこういった状態で相当窮屈なことになってくる、かようなことが予見される問題であるわけでございます。なお先般ここで事故もあったわけでございまして、事故の原因については目下調査をしておるわけでございます。  そういったことを総合的に考えますときに、われわれもかねがね検討、調査をしておりましたが永久的な、いま申し上げました不都合を解消するようなジェット専用の訓練飛行場をどこかに求めたいということを考えておるわけでございます。御承知の空港整備五カ年計画におきまして、やはりそういった問題を考えて予算面も進めてまいっておるわけですが、現実の問題といたしましてなかなか適地が見つからない。巷間いままで話題になりましたたとえば硫黄島にいたしましても、内地の空港から相当距離が離れておりますために、ここで飛行機が飛びますのには訓練時間が非常に制約を受ける。オールタネートの飛行場までの燃料等を搭載したままで訓練をいたしますので、非常に訓練時間に制約がある。あるいはここへ訓練用の燃料を輸送するのに非常にコストが高くつくというような問題等がございまして、必ずしもここは適当ではないというようなことになっております。  訓練飛行場で一番やはり重要な要件と考えますのは、ただいま申し上げましたような効率的な訓練ができるということが第一だと思いますが、さらにジェットの訓練でございますので、騒音が非常にはげしいということで、周辺に対しましてそういった騒音等が問題にならないような場所ということがどうしても必要な要件になると思います。そういう意味で実は基本的には島というのが適当ではなかろうかというので、ただいま申し上げました硫黄島などは候補の有力なものとして考えてまいったわけでございます。そのほか内地等におきましても、やはり島で適当なものがないかということでさがしてまいりましたが、一長一短がございまして、どうも内地並びにその周辺におきましては現在までのところ結論に至る適地がないという状態でございます。ただ一方、これも御承知かと思いますが、沖繩の一部の島に、いまの騒音問題あるいは運航の能率あるいは気象、そういった問題として適地ではなかろうかと一応考えられますようなものが二、三現在考えられております。飛行場設置に伴いまして地元の皆さんに御迷惑のかかることのみならず、土地の取得の観点からいきましても適当と思われるものでございます。ただ沖繩の現在の地位その他にかんがみまして、やはり地元としての琉球政府の御協力が得られなければわれわれとしては独自にこれを推進することもいかがかというようなことで、現在力を入れておりますのはこの地元の御協力が得られるかどうかという点で、実は琉球政府と密接な連絡をとりながら、できればこの沖繩はいかがかということで、最も有力な候補ということでただいま検討しておるわけです。昨年来二、三回当方もここに出かけまして、いろいろ検討いたしましたが、そういう状態でさらに検討を進められれば進めていきたいという考えでおります。  次の空の管制の再検討の問題でございます。  御承知のように飛行機の交通量が非常にふえてまいりまして、私どもの長期の見通しといたしましては、五十年におきまして、空港周辺の交通として現在の約二倍、エンルートの交通といたしましてやはり九十三万機という、現状の二倍くらいになると想定をいたしますし、六十年になりますと、さらに空港周辺で現状の五・三倍くらい、エンルートも約三倍くらいになるだろうと想定をいたしております。現在羽田等におきましては、御承知のような工事という問題もかみ合いまして、そういったやや混雑を来たしておるという事態がございますし、こういった増加に対処すべき成田の新空港というものも近く運用が開始される予定で努力がされておる最中でございます。こういった現状から見まして、御指摘のとおり管制について十分これらに対処するような検討は行なわなければならないと考えております。  検討の方法、現在やっております内容といたしましては、やはり緊急な対策と長期にわたる対策という二方面から検討を進めております。羽田の混雑のような状態につきましては、やはりこれに対処する緊急対策が必要だと考えております。これにはやはり器材、管制用の施設の整備、要員の増員あるいはこれらの訓練、さらには管制方式といたしまして、御承知の木更津一方からのILSによる誘導というものをさらに効率的にルートを分けるというようなこともただいま検討をいたしておりまして、これらも一つの緊急対策と考えて鋭意急いでやっておるつもりでございます。   〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕 新空港ができ上がりますと、関東周辺におきます航空路、空域というものをこれまた全面的に改定をする必要がございます。これにつきましても現在鋭意努力をいたしております。  長期の問題といたしましては、これは専門用語になって恐縮でございますが、いわゆる特別管制空域を設定をする、あるいは広域管制区を拡大をしていく、さらには管制間隔を短縮して、やはり数の多くなるものの能率よいさばき方を考えるというような問題がございまして、中の、いま申し上げました一部につきましてはある程度の実施をやっておるところもございますが、こういったものも全面的に使用していくことを考えなければならぬと思っております。  さらに、やはり米軍飛行場なり関東地方の空域との関係もあるかと考えるわけでございますが、こういったものも米軍飛行場との関係をいかにするかというような関連におきまして、根本的に再検討していかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 時間もありませんから、私から再質問といってもなんですから、一言申し上げて終わりにしたいと思うのです。  欠陥車についてまず第一、通産省に申し上げておきますが、通産省からいろいろ御説明がありましたが、いままで通達なり何なり出したものについてはその写しを参考資料として出していただきたい。  それから、安全協議会が持たれて二回ほどいろいろお話があったそうでありますが、お話の内容についてこれまたお知らせをいただきたいと思うのです。  それで、一つはタイヤを含めてでありますが、品質の管理というのが、政府のほうでいうならばやはり通産省で、運輸省のほうはあまりこれに関係ないようにも思うのであります。この間タイヤの問題では、JISの規定には安全というのがなかった、これは安全というのを入れてやりましょうということで動態試験を始めるということでありますから、これはいいのでありますが、やはり品質の管理というか、品質については、いままで役所でありますから、通産省がJISを含めて全面的に責任を持つのかどうかですね。いわゆる自動車運送車両法にいう保安基準というのは品質管理ではなくて、それ以外の、いうなら構造、こういうものの責任を運輸省が持つということなのか。もし間違いがあればどちらかから答弁をしていただきたいです。そういうことに区別をしていかぬと、何か保安基準でもう全部が尽くされるような考えでいままでいたのじゃなかろうかと思うのです。自動車運送車両法に基づく保安基準で、自動車の安全というか、そういうものは全部包括されているようにも思っていたわけなんです。ところがタイヤの欠陥の問題に関連して、先ほど申し上げたように、どうもそうでもなさそうになってきておるわけですね。だからこの辺のところもひとつ整理して安全確保にすきのないようにしてほしいというのが私の考えなんであります。これはあとでまた機会を見てお尋ねしますから、回答はあとからでいいです。  それから提言でありますが、欠陥車がここまで出てきては、いうなら第三者によるところの監視機関というか、そういうものを設けて、公正に、的確にやったらどうかというふうに思うわけであります。これも御検討いただきたいということであります。  それからジェトロから報告が来ているということでありますが、その報告の内容も差しつかえがないだろうと思うから、ひとつ委員会に参考として提示していただきたい。  それから航空局の問題でありますが、いわゆる空の管制の再検討でありますが、これは日本の空を一ぺん白紙に戻して、民間航空をやはり優先的にとるとしたらどうだというような青写真を一ぺん描いてみたらどうか。そういうことは、いうなればしばしば問題になっておりますブルー14の問題が一つございますね。こういう問題も、いわゆる航空路の優先というのはだれがとるのか、占領下におけるところの航空管制路というものを基準にして、その網の目をくぐって日本の空をどう管制していこうということにいままでのお話は尽きるわけでありますが、そうではなくて、もはや戦後ではないのでありますから、一ぺん白紙に戻して、その上で日本の航空管制路といいますか、そういうものを描いてみて、それに支障があるものについては、必要があれば外交交渉にものせていく、あるいは国内における空港の配置についても再検討していくということがこの際は心要だろうということでお尋ねしたわけでありますから、これまた機会をあらためてお返事をいただければいいと思っております。  大体そういうことでありますが、遠からずこれはこの委員会を通ることでありましょうが、少なくとも幾つか問題がありますので、要は、この実行の問題もありますと同時に、どうもやはり最後まで気になるのは、政府側の取り組みの姿勢であります。基本法が出てしまえばそれで終わりになるのかということで非常に心もとなく思っておるわけであります。  最後に、これは簡単に御答弁いただければと思いますが、厚生省に、脳神経外科医のいわゆる陣容の強化、それの養成、そういうものに対する長期の計画というか当面の対策というか知りませんが、そういうのがあるのかどうか、あるとするならば荒筋はどうなのか、お答えをいただいて私の質問は終わります。

北川力夫厚生省医務局次長

○北川説明員 救急医療の中で、特に救急医療機関で医療に従事をいたします脳神経外科関係の医者の問題でございますが、統計によりましても、交通事故関係の中で、死者の中で頭部外傷によるものが六六%でありますとか、あるいはまた負傷者の中でも頭部の損傷を受けておりますものは四三%近くあるというふうな現況でもございますので、私どもはつとにこの問題については強い問題意識を持ちましていろんな施策をやってまいっておるわけであります。  脳神経外科関係の医師は、御承知のとおり、現在のシステムから申しますと、いわゆる専門医と申しますか、脳神経外科会の認定医制度というものをとっておりまして、現状を申し上げますと、その学会に参加をしておると推定されます者は約三千人ございます。それからみずから脳神経外科を専門としております医師が九百六名、さらにただいま申し上げました学会で認定を受けました医師が二百五十六人ございますが、近く本年度の認定を行ないますので、おそらく三百人近い数になるものと思われます。  脳神経外科の関係の医師の現況は以上のとおりでございますけれども、医療機関のサイドから申し上げますと、現在、脳神経外科の診療科目を有する医療施設が五百五十三、これは四十二年末の数字でございますが、ございまして、四十年末に比べて約二倍になっております。さらに救急医療体制の中で相当高度の診療機能を有します、いわゆる救急医療センターというものを現在百十一カ所整備をいたしておりますけれども、この中で脳神経外科を持っておりますものが、標謗いたしておりますものが四五%という状況でございます。  以上のような状況でございますので、結論から申し上げますと、現在のように非常に交通事故の多い、しかも頭部外傷の多い状況に比べて、こういったもので、決して満足とは思っておりません。基本的にはこれに対しまして、まず大学のいわゆる医師の養成過程でさらに脳神経外科の講座をふやしていくということが先決かと思います。現状から申しますと、現状では全国四十六の国公私立の大学の中で脳神経外科の講座を持っておりますものは二十四でございますから、これは文部省方面にもお願いをいたしまして、さらにこういった基礎的な医師の養成というふうなものについて努力をしてまいりたい、これが第一点でございます。  それからそうは申しましても、これは時日のかかる問題でございますから、当面現在診療に当たっております医師について、脳神経外科の面についての研修を強化していく、そういう意味では、四十三年度から研修の予算を計上いたしまして、昨年度二十人を二カ月間にわたって、救急医療センターの医師について、脳神経外科領域における研修を実施いたしました。さらに本年度もそういった研修をさらに大幅にやってまいりたい。今後もいま申し上げましたような方向で、大学における講座の増と同時に、いまの研修というものをさらに来年度以降も強化をしてまいりたい、このように考えております。  大体以上でございます。

内海清民主社会党

○内海委員長 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最初に、これは運輸省にお尋ねいたしますが、二十七日でありましたか、京成電鉄におけるところの追突事故が発生いたしました。これに対しまして、新聞等によりますと、早くいうと、非常にぼんやりした事故であるというようなことが大きく各紙に書かれておりまして、監督官庁の運輸省の責任を問われるような世論がありますが、これに対して、こまかいことはよろしいが、大ざっぱに、何が原因でそういう事故が起きたのか、これを簡明にひとつ御説明をいただきたいと思うのです。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  国鉄及び私鉄の運転事故は、経営者並びに従業員の努力によりまして、近年減少の傾向をたどっておりますことは非常に喜ばしいことでございますが、しかしながらごく最近におきまして、また悪質な事故等が見られるというのは、まことに遺憾でございます。先ほど御指摘がございました京成電鉄の事故でございますが、これは新聞紙等で報道されましたが、京成本線の船橋と大神宮下の間におきまして、前行の列車に対しまして後行の列車が追突をしたという事件でございます。  それで、この事件の原因でございますが、調査中でございますけれども、一応いまの段階でわかりましたところでは、信号機の故障という異常時におきまして、運転取り扱いの打ち合わせを誤ったということが原因ではないかと思うわけでございます。  私どもこの種の事故に対しまして今後どうなるかという問題でございますが、結局問題は三つ実はあるのではないかと思うわけでございまして、一つは事故を起こさないような設備上の問題というものをできるだけ解決をしていくということになろうかと思うわけでございまして、近年運輸省といたしましてはATSの整備その他各般の設備の問題につきまして全力を注いでまいったわけでございます。こういう設備上の問題を解決していくということが、やはり第一の問題であろうと思うわけでございます。第二にこの種の事故は、やはり従業員の方の教育訓練というものも大切でございまして、そういう面の教育訓練も強化していかなければいかぬだろう。特にただいま申し上げましたような各般の設備上の部面が進展いたしましたものとの関連におきますところの従業員の訓練というものも考えなければいかぬじゃないか。ATSその他の設備が、自動的な設備が進捗するに伴いますところの異常時の場合の職員の動作その他に対しまする教育訓練の強化ということが必要じゃないかと思うわけでございます。それからいま一つは、私どもやはりそういう設備の強化に伴いまして、あるいは列車運転の頻度が高くなるということに伴いまして、やはり仕事の体制といいますか、そういったものももう少し検討する必要があるのではないか。たとえば異常時におきますところの代用閉塞方式というものにつきましても、もう一ぺん深く掘り下げて検討する必要があるのではないか、このように考えるのでございまして、この基本的な三つの方向に向かいまして私どもとしては今後できるだけ事故の絶滅に尽くしまいりたい、このように考えるところでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その中で大事なものがあろうと思うのですよ。考えてみれば京成電鉄の追突事故というのはしろうと的な事故でありまして、こんなものを新聞等で大きく取り上げられたというのは、結果が大きいから大きく取り上げられたのであって、ミステークというものは小さな問題だと思うのです。ただ打ち合わせ不十分というものじゃないでしょう。打ち合わせ不十分だとかいうものでもなし、ATSの設備の問題が不十分だったという問題でもない。これはATSは完ぺきじゃありませんか。そのものに問題があるんでなくて——それから新聞等においては、ATSは働いていたのに切って走ったからいかぬというようなしろうと論が載っておるけれども、あなたのほうは、もうちょっと社会に発表する場合に問題点を明らかにして、こうだということをおっしゃっていただかなればならない。その点が、調査というのは私は不十分のような気がするのですね。ATSというのは何も切って運転して悪くないでしょう、あの場合通常の閉塞、通常の運転方式じゃないんだから。ということになれば、新聞等がATSの問題だけを取り上げるのはおかしい。そうじゃない。これは本来いうと、上下線一本ずつの信号機の故障に通信方式とか、いまあなたのおっしゃった新しいそういう場合の安全方式、閉塞方式ですね、非常時の安全方式というものをやる場合に、あまりにも一本の信号機の故障を重大視し過ぎた。あれはほっておけばいい。信号機が故障したらとまってそれから十五キロないし二十キロの制限があるでしょう。規則どおりやればいいんじゃないか。規則どおりやらぬからああいう事故が起きた。そこの点を明らかにしてほしい。いまの規則というか制度というものは完ぺきじゃありませんか。何ら問題ないと思う。ATSが不十分だった。そんなものは不十分じゃない。これは完ぺきだ。何も問題がない。切ったことは悪くない。あたりまえです。切ったっていいですよ。そこのところに問題はない。その点がしろうとですよ。そういう点を運輸省が新聞社等に対していろいろな説明を十分していただきたいと思う。  だから私はそこでちょっと聞きたいことは、今後も各方面にあるかもしれない、起きるかもしれない。たいへんだから、問題の一番大事な点に、設備が云々なんという問題じゃないからあまり大きくしないで、今後普通のことは普通に扱いなさい。普通にやりさえすればよろしい。そのことに私は重点を置いてもらいたい。  念のために聞きますが、今後、ATSということを盛んに書いてありますから、新聞に書くから、私は新聞等の対策のために聞いておきたいのですが、ATSというものは、これは国鉄、私鉄を問わず、単線運転になろうと信号機故障になろうと、常時スイッチを入れて作動するようにしておくのがほんとうの指導方針じゃありませんか。これはどうなっておるのですか、あなたのほうは。別にこのことは問題はないけれども、今後ある次の珍しい条件の事故が起こりそうだから聞いておきますが、ATSというものは非常の場合においても切ってはいけない、そういうことになっておるのじゃありませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 ただいまの第一点の問題につきましては、まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、今回の事故におきましてもATSの故障等はございません。またATSも完全に働く状態であったわけでございます。また仕事のやり方等につきまして、先生のおっしゃいますように、代用閉塞の方式を用いず通常の方式によりまして、時速十五キロで閉塞区間に進行するというようなことでよかったわけでございますが、掛員のふなれと申しますか、そういう点で、その場合に通常の方式によらないで入ってもよろしいというような通告をしたことが事故の一つの原因であろうかと思うわけでございまして、こういう点につきましては、職員の教育訓練等につきましては今後とも十分つとめてまいらなければならぬと存じます。  それから第二のATSの機能でございますが、ATSは原則として常に作動をした姿で運用するということが必要でございますが、ただ事故の場合、信号機の故障等の場合におきましてATSを動かしますと列車が運行できないというような場合におきましては、ATSを働かない状態にいたしまして、そうして運行するということもやむを得ない場合があるということであろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は二つに分けて、本事故はやらなくてもいい非常事態方式というものをとったというところに問題があったのであります。こんなことはしごくあたりまえのことで、普通にやればいいのを非常事態方式に切りかえたから事故が起きた。その場合に注意力の不足というようなことがありますね。十五キロないし二十キロで走っていればそういう問題は起きなかったと思うから、それはそこに問題がある。十分私は会社当局に——常日ごろラッシュ等に時間がおくれることを苦にしないで、こういう場合に早く走らせるということについて会社当局、経営者に注意していただきたいと思うのですが、十五キロないし二十キロのスピードを守る、これさえ守っておればこんな事故も起きなかった。  それから第二の、いまのATSの問題は、将来のために私は心配して念のためにお聞きしておきますが、これはいかなる場合でもスイッチを切ってもらっては困るのではないか。うっかり切りますと、その次の正常区間に入ったときに、今度はそれを切ったままで忘れてしまって走るという問題が起こる。次の大事故を防止するためにATSというものは常時入れておくことが条件だ、使わなくても、じゃまになっても。それで、十五キロないし二十キロのスピードでそういう場合は運転すべきだ。この辺のところはあなた方も十分指導していただかぬと、またこの次大きな事故が起きますよ。この点を私は交通安全という立場から運輸省に対する御注文として申し上げておく。十分ひとつそういう点については——たいして事故になるべきでないのに事故が起きたということで私は残念でしかたがない。何も設備が悪かったとか云々ということじゃない。  そこでついでに国鉄のことを聞いておきますが、競合脱線の問題ですが、競合脱線と機関車一人乗務という問題がいま非常に問題になっておりますが、この問題はこの交通安全対策基本法ができますと一体解決するのかどうか、私はしないと思うんですよ。関係なしにこの問題は別個に問題点として残っていくような気がするのです。そこで競合脱線の原因というものは、いろいろ北海道で調査しておるというけれども、そんなことは国鉄の人はわかっておるじゃありませんか。きょう国鉄の人に聞こうと思わないが、監督官庁の運輸省としてはわかっておるはずだ。脱線しないように走らせるためには、その車両とその線路とそのスピードということにきまっておるじゃありませんか。スピードが適正であるか、線路が適正であるか、車両が適正であるか、その三つにきまっておる。だから、たとえば普通の軌条などに重い車を走らせるのじゃなくて、重軌条交換ということを奨励して、なるべく線路の蛇行ですか、浮いたり下がったりしますね、汽車が通りますと。ああいう反復振動を繰り返さないようにして車輪の浮き上がるのを防ぐことだと思うんですよ。同時に、線路そのものの保守ということに対して、このごろ人員削減ないしは合理化等によるいろいろな作業のあり方の改変によって、保守というものが、昔のような保守、人間の手、人間の責務によって保線掛がやっていたような効果をあげずして、線路保守というのは非常に乱調子になっておると思う。この点について確認がなされておるかどうか。こういう点などを監督官庁としては十分国鉄に指示してもらいたいと私は思う。人間を少なくするとか経費を少なくする点について再建計画はあるけれども、保守を十分にして安全度を増すということについては何ら配慮がない。これらの点について監督官庁としての運輸省の心がまえはいかがでありますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 先ほどの事故に関しまする先生の御見解、まことにごもっともでございまして、まさに今回の事故は代用閉塞その他の方式によらずして、通常の閉塞方式によりまして十五キロの運転で信号機内に入るということになれば防げた事故でありまして、運転上の問題につきまして今後経営者その他につきましは無理な仕事をさせないようなふうに十分指導しなければならぬ、このように考えておるところでございます。  なおATSの取り扱いでございますが、これはATSを解放いたします条件がございまして、その条件といたしましては、たとえば信号機が故障をするというような場合に、ATSが働きますとこれは列車が進行できないということになりますから、徐行で閉塞区間に入る場合に信号機が故障しているというような場合には、ATSを解放するというようなことに相なろうかと思います。  それから、国鉄の再建計画等と特に保安との関係でございますが、これは国鉄の再建計画の基本というものは、国鉄の経営の再建というものと同時に保安の重視ということであろうかと思うわけでございまして、この点は先般御審議をいただき、そうして成立を見ました国鉄財政再建特別措置法におきましても、保安の確保ということはその基本的な目標の一つでございます。したがいまして、今後の再建計画におきましても、保安を無視した姿の再建計画を立てさせるということは非常によくないことであろうかと思うわけでございまして、この点につきましては、省としても鉄道の安全というものの上に立った再建計画をやはり立てなければならぬ、このように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ATSについてはちょっと見解を異にしますから……。将来大事故が起きることを心配して私は申し上げておるのですよ。一たん解放しておきますと入れることを忘れてしまうのですよ。平常の場合になって入れることを忘れておったらたいへんな事故が起きるから、ATSは常に解放すべきじゃない、こういう原則が確立されていいじゃないですかということをあらかじめ老婆心から、この際の事故にかんがみて申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、いまの競合脱線の問題についてはひとつ研究してください。保守というものに手を抜かないということ。合理化で支出予算の削減にのみ重点を置いて、保守を疎外するということは私はたいへんだということを申し上げたい。  それから、機関車の一人乗務制の問題もこの前からいろいろと問題になっておるのでありますが、私はこれはあなたのほうの運輸省のほうでよほど指導してもらわなければならぬと思うのです。大体二人置いて雑談して運転するということはたいへんだと思いますから、雑談は困る。自動車の運転手でも、隣に乗ったお客さんに運転手に話しかけないでくださいというのがこれはほんとうのことだ。だから機関車でも、二人乗っていて雑談しているようなことでは困るのでありますけれども、深夜を運転する機関車というものの一人乗務制の危険というのは、私はこれは現実に非常に大きなものがあると思うから、運輸省の監督官庁の皆さんは、一人乗務制、二人乗務制の問題について安全上の議論がなされておることが少ないので、ひとつあなたたちはそういう立場に立って深夜の機関車に乗り組んでその実際の体験をされる必要があると思う。そういうことをなされた方がありますか。ありましたら、この際お答えいただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 機関車の一人乗務制の問題につきましては、これは一つにはもちろん国鉄の経営上の問題として、職員の数を少なくして合理的な運営をするということもありますが、同時にそれよりも、それ以上に安全の問題というものを無視した姿でそれを行なうということはいけないことは言うまでもないことでございまして、したがいまして、この問題につきましては、国鉄におきまして先般労使双方から推薦いたしましたところの委員によりましてEL・DL安全関係の調査委員会というものをつくりまして、その答申をいただきまして、その答申の線に沿いまして現在国鉄と労働組合の間におきまして、そのやり方、労働条件等について協議をし、ほんの一部実施に移し、今後本格的な実施につきましてはさらに両者の協議を待って実施するという運びになっております。いずれにいたしましても、私どもといたしましてはこの安全問題というのは非常に大事でございますので、特にその点を気をつけて推進してまいりたいと思います。  なお、深夜の機関車乗務を私どもしたかという点につきましては、残念ながら私は最近いたしておりません。昔は、そういうことをずいぶん経験したこともありますけれども、やっておりませんし、最近ちょっとそういう話を聞いたことがございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 山口さん、一ぺんだれかに乗させてください。体験しなければわかりませんよ。頭の中で考えておったのでは私はできないと思う。ぜひ深夜に睡魔に襲われながら輸送の大使命に挺身しておる第一線の機関車労働者、従業員の苦労というものですか、その中から出てくる安全というものに関連する事故というものについては体験し、分析して結論を出していただきたいことを要望しておきます。そういうことをしないと、それは団交で力関係でこの問題は解決するんじゃないんですよ。安全の角度が大事ですよね。  それから、これはついでに運輸省の自動車局にお尋ねしますが、このごろ過疎地帯のほうからだんだんとバス路線を減らしていく。それに対して路線維持の助成金も出ておるが、とてもそんなことでは焼け石に水だからやめる。やめてしまうと、過疎地帯はますます過疎地帯としてさびれるから、市町村なりないしは農協なり各種団体なりがマイクロバスによって通勤通学、病院に通うというような巡回バスを運転したらどうだろうか。ないしはその集落に住むだれやらさんがトラックなり乗用車を持っているから、その人に免許を与えてもらって運賃をとって便乗を認めるように、こういう制度もとってほしいというようなことが議論されて、それが法律と相なり、運輸省はそういう免許に対しては協力を要請されておると思うのです。ところが安全上の問題がこれに抜けておると私は思う。利便という問題からはけっこうでありますが、安全上の問題が抜けておる。とりわけ山間僻地のあぶないつづら折りの坂を第二種免許もないような一般のマイクロバスの運転手が、第二種免許のいわばくろうとが運転したバスにかわって運転するということは一体いかなる意味を持つのか。便利には違いないが、一朝事故が起きたときにはたいへんじゃないか。最近マイクロバスの転落事故が非常に多い。警察庁のほうがこれを第二種免許にするがこれを第二種免許にするかしないか、これは警察庁の関係だが、そのことはどちらでもいいのです、事故さえ起こさなければ。ところが、あなたのほうが簡単にマイクロバスに運賃をとってお客さんを乗せることを認めるということになれば、いままで第二種免許でなければハイヤー、タクシー、バス等はいかぬということの例外をつくることになるのだが、その制度に対してあなたのほうは研究されて安全上間違いないという結論に達せられておるかどうか、御見解がありましたらお答えいただきたい。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 過疎地帯におきましては、バスが公共交通機関としては最後のものであると思います。したがいましてわれわれは、なるべく路線バスを維持していきたい。維持いたしますためには、経営の内容等がたいへんでございますので極力補助の制度等をとりまして、これは国と地方公共団体とが協力いたしまして推進をしてまいりたいと思います。本年におきましてもその予算は計上しておりますけれども、来年度におきましてはさらにこれを増額いたしまして善処をいたしたいと思っております。  しかしながら、さらにそれ以上の過疎地域におきましてすでに交通機関がないような、バス事業の路線がないような場合において、地方で自家用車の共同使用の方法、あるいは市町村、農協等が免許を得まして運行するという方法をいま地方ごとに研究をされております。事業として免許いたします場合におきましては、一般のバス事業者に対する免許と同じでございます。自家用の共同使用ということになりますと、いま御指摘のようなマイクロバス等を使用するということも起きるかと思うわけでございます。しかし保安の点につきましては、車両検査等はもちろん厳重にやっておるわけでございますし、整備、管理の方法、あるいは道交法によりますところの安全運転管理者というものを一定の車両になりますと設置義務等があるわけでございます。われわれといたしましては、そういうところの交通を確保するということの必要性と同時に、安全ということはきわめて重要な点でございますから、それを軽視するということがないように、十分注意をしてそれらの点等も調査の上、特例の措置といたしまして自家用の共同使用等の許可ということを実施をいたしたいということでございまして、あくまで例外的な措置でございます。例外的な措置でありますけれども、保安という面は十分注意をして善処したいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは運輸省の道路運送法の例外扱いであるかもしれませんし、共同使用ということで白ナンバーで運賃を取って乗せるということを認めることであるかもしれませんけれども、過疎地帯という、全国千なら千の町村において、そういう問題が、簡便法が実施されるということは、人命の安全という点から私は問題があると思うので、対策上十分の配慮がなされ、検討がなされた後ならばよろしいけれども、単にそれが便利だろうという観点からやったときにはたいへんなことになる。安全のことは親切ではいけない。お客さんが早く出ろと言ったからめちゃくちゃに走ってぶつけた事故と同じでありまして、それは親切というものが親切にならない。私はその点は厳然たる方針で安全上の諸条件を守ってもらいたいと思う。それはあなたのほうで御検討なさることでありまして、要望しておきます。時間がありません。  建設省にお尋ねしますが、交通安全対策の三カ年計画ですね、先回三カ年計画は新三カ年計画に御修正に相なりましたが、先回どこやらの委員会におきまして蓑輪局長は、来年四十五年度からこれも再修正をして新々三カ年計画を策定するやのお話がありました。現在行なっておる三カ年計画は四十四年度から四十六年度までの間に事業費七百四十九億円の中央予算、地方において五百二十億円ということに相なっておりますが、これが新三カ年計画になりますとどれぐらいの規模になるものでございましょう。およそどれぐらいになるか、もしそれ腹案、素案等がありましたら、この際ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 交通安全施設等の三カ年計画につきましては、これは御承知のように四十一年度から四十三年度まで実施いたしまして、ことしさらに、四十四年度から四十六年度まで新しい三カ年計画をつくるという意味において法律の改正もしていただいた次第でございます。いまのところ、この四十六年までの計画を着実に実施しょうということで、さらにそのほかに新しい計画をつくるということは考えておりません。  いまの新しい計画の規模でございますが、ただいま先生国費で言われたのだろうと思いますが、道路管理者の分といたしましては、事業費でいいますと、四十一年度から四十三年度の事業費が七百二十二億、これが国が実施しまた補助するものの事業費でございます。それに対応いたします新しい三カ年計画として、現在七月末を目標に調査が都道府県から集まってくる予定にしておりますが、その規模はおおよそ七百数億円ぐらいになろうというように考えております。ただ、前の三カ年計画に比べまして、四十四年度から四十六年度までは交通反則金に基づきます地方単独事業が約三百億ぐらい道路管理者分として予定しておりますので、そういう全体を見ますと、いままでの過去の三カ年計画よりかなり事業がふえるというような見込みでございます。その中で特に重点を置きたいのは歩道の設置でございます。歩道の設置を最重点にして新しい三カ年計画をつくりたいというように考えておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 よくわからないから……。私は、あなたのどこやらのお話で、新しい計画、新しい計画というのは、いま言われておる新三カ年計画、四十四年度から四十六年度までの計画ではなくて、新たに四十五年度から四十六、四十七年度の三カ年計画をつくるということであるのですか、それとも、すでに言われておる四十六年度までの新三カ年計画といわれるもののことでありますか、もうちょっと具体的にお答えいただきたい。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 現在私たちが新しい計画と申しますのは、四十四年度から四十六年度までの計画をさしております。これがいま言いました国が実施または補助いたしますものとして七百数億程度というようなことでございまして、いま先生のおっしゃいました四十五年度からあとのものということは、いまのところまだ考えておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 という状態で、安全対策の予算も基本法ができてふえそうな見通しがないということがわかりました。  そこで、この組織のことでちょっとお尋ねをいたします。総理府長官にお答えをいただきたいのですが、災害対策基本法というのをモデルにしてこの基本法もできておるようにこれは聞いておるのでありますが、中央の対策会議というのは中央防災会議とはだいぶ組織、使命ないしは機能というものが違うような気がするのです。どうして中央防災会議と同じ組織というものを一どうせ災害対策基本法がモデルであったら、中央防災会議と中央の組織も同じようにならなかったのか、何か事情があるんでしょうか、念のために聞いておきたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいま御指摘になりましたところ、法律の構成から申しますと中央防災会議と安全会議と、まことにこれはほとんど類似しております。ただ異なっておりますのは、事務局が設置してあるかないかというところが大きな差であろうかと思います。なお委員の中におきまして、学識経験者を入れておると入れておらないというような差がございますが、しかし実質的におきましてはその点を配慮いたしまして、今回専門委員制度を設けました。そして計画の立案に遺憾なきを期しておるわけであります。  なお、事務局は設置しておりませんが、安全対策室というものを設けまして、その仕事に当たらせることになっておるわけであります。  なお、多少根本的に考えられますることは、災害はやはり災害の質のよってずいぶん規模が違ってまいるので、そのつどいろいろの対策を講じなければならないと思いますが、交通安全に対しましては、常時戦わなければならない交通戦争であると思います。したがって対策法も、安全計画ができ、なお実施計画が常時の仕事として確実に事故を減らしていくように努力しなければならぬ、かような意味において心組みと申しますか、仕事のあり方自体が私は変わってくるのではないか。法文のていさいはかなり似ておりますけれども、実施のあり方が、災害はときどき発生し、規模が非常に違うし、態様も違う。しかし交通対策としては、常時あるものである、したがって常時これに対して減らさなければならぬという仕組みが、私は根本的の大きな差であろうと思うのであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 長官、中央防災会議というのも災害が起きてから開かれるのではなくて、基本計画を策定するんでしょう。ですからそれは同じじゃありませんか。交通安全だって事故が起きてからやるんじゃなくて、事故を防止するためにやるんで、使命は私は一つだと思う。片方は事務局があるが、片方は「庶務は、内閣総理大臣官房において総括し」と、何か交通安全対策のほうは軽く見られておるような気がする。それが即いまの建設省の予算だって、これはできるからといったって何も予算が伴ってこないでしょう。いま四十五年度予算の策定期にあって、これが大きく変わるような、伸びるような展望がないなんということは、結果は同じじゃありませんか。だからその点は組織をもう少ししっかりして、単に閣僚だけでなくて学識経験ある方も対策会議の中に任命して入れるということのほうが強くなって専門化して統一できるじゃありませんか。そういう点で、中央防災会議と組織が違うことは私は残念に思う。同じ政府でつくった基本法であるならば、なぜせめてそこまでいかなかったか。あなたのほうはあたりまえだとおっしゃったけれども、長官それはほんとうですか、これでいいんですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 防災と交通安全と軽重をつけたわけではなくて、現下やはり最重要点の問題として、防災と並んでこの事故対策、むしろ最近の事象から申しますと、非常にふえておりますので重点的に取り上げておるのであります。なお機構におきまして若干の差がありまするが、最近の行政の運営から見まして十分この形で足り得る、補い得ると申しますか、効果をあげ得ると考えたわけであります。したがって、たとえば専門委員のごときは多少置き方が変わっておる。しかし民間の学識経験というものを十分会議に反映できますようにいたしておるわけでございます。  なお事務局におきましても、従来からありましたものを拡充いたしまして、そうして努力してきておるわけでございます。今後非常にふえました際におきましては、やはり考えなければならないと思いまするが、今日におきましては、現在の機構に増員いたしますので処理できるのではないか。  なお実施官庁といたしましては、ほとんどの各官庁自体が実施してまいりますので、その連絡調整というところが重点でありますので、この際これでもって間に合わせたい。できるだけ簡素化というものもありますので、軽く見た意味ではないのでございます。十分にひとつ目的を貫徹できますように努力いたしたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは、各省が自主的に安全対策をやるのを連絡調整するのが対策会議の具体的な活動であるとするならば、交通安全対策の建設省の予算が一向に変化がないということに対して、あなたのほうは文句を言うことはできない、注文することもできないし、これをふやせというということも増額の主導権をとることもできない。道路の歩道とかあるいはその他の安全施設、あるいは警察庁の信号機等の施設というものはすべてそれぞれのほうにおまかせきりだということになるんですか。ちょっとあなたのほうの影は薄くなっちゃうですね。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 今後の問題につきましては、基本法というものを制定して、これを実行するという前提のもとに予算等も計上いたしておるのでありまして、なお将来の問題につきましては、安全計画等を策定いたします際におきまして検討いたしまして、不十分でありますものにつきましては増額をいたしたいと思っております。  なお増額をいたします際におきましては、十二条でありまするか、財政方面また融資等の問題につきましても、積極的に考慮すべきよう特に一条を加えてあるのでございまして、必要に応じましてまた現在の交通対策ということにかんがみまして、この点は十分配慮をいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は予算をふやし得る見通しがあるかどうかという点をいまお尋ねしたわけですが、結果的には努力をなさるということは伺いましたけれども、建設省のほうにその腹づもりはない。私は特に道路関係の安全施設の問題だと思いますから、床次総務長官にがんばってもらって、対策会議の機構は少々弱体であるけれども、十分御期待に沿い得るという確信を述べていただきたかったのであります。あなたはもともとがきついことをおっしゃる方じゃないからソフトにおっしゃったと思いますが、それを私は翻訳して拡大して聞いておきます。  第九条の問題をひとつこの際、これも総務長官と警察庁にお答えを願いたいのでありますが、第九条「歩行者の責務」を入れたことはどうしてもわからない。これは道交法にあるからそれでいいんじゃありませんか。歩行者というのは道路上の人間でありますから、道路交通法にある以上これは問題ない。しかし道路交通法では歩行者の規制はもう抜いてしまうから、そのつもりでこの九条に入れたんだというなら、先を見越したものとしてわからないことはないが、道路交通法に現在あるんだからいいじゃありませんか。これをわざと入れたことは、即今後の自動車と人間の戦いにおいて、人間に責任を負わせて自動車の免責条件を拡大するものであるとわれわれとしてはいささかひがまざるを得ない。それは交通安全対策にならない。どうも人間を道路からほうり出す、駆逐する、道路というものは自動車が通るものであって、人間が通るべきところじゃないという概念を確立するために第九条があるような気がしてしようがないのでありますが、九条をどうしても置かなきゃならぬという理由をもう一回おっしゃっていただきたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 現在の規定におきましては、道路交通法によって歩行者の義務があるのでありまするが、今回の基本法におきましては、単に道路交通法の対象たる歩行者というばかりでなしに、国民総ぐるみでもって道路交通の安全を期するという意味におきまして、いろいろ規定をいたしておるのでありまして、御指摘のように歩行者というものがきわめて弱い立場にあるわけでありまするが、しかしなお歩行者としての立場におきまして協力してもらうべきことも少なくないのであります。さような意味におきまして規定をいたしたわけでございます。この点は一そうの道路交通の安全を期する意味においての規定でございます。  なお、具体的には政府委員からお答えいたします。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 一般の交通におきまして歩行者が優先さるべきであるということは当然であり、基本的な考え方であります。しかしながらさればといいまして、歩行者が何をやってもよろしいということではありませんで、道交法の上では、歩行者が守るべき規定が連ねられておるわけであります。ところでその規定の中でも罰則がついておりませんように、必ずしも罰則をつけてまで担保すべきものであるというふうにもなっておりません。法律というものは最小限の規制をなすべきものでありまして、法律さえ守っておればあとは何をしてもよろしいということではありませんで、たとえば社会通念あるいは道義念、そういうものにゆだねられておる分野もございます。そして道交法は、一応現在において最小限と見られるものを規定しておるわけでありますが、それ以外のものにつきましても、全般的に歩行者が守るべき義務というものがあるんですよということを基本法という形で述べておることは、必ずしも当を失するものではなかろうと私は考えます。一般に申しまして、自動車は凶器とかわるべきものであるかもしれませんが、それを生産し、かつ運転を許しておりますのは、自動車側でもまた歩行者側でも、お互いにルールを守って運転し、歩行するであろうという考え方、つまり相互信頼の原則というものがそこに成立しているから認められておると思うわけでありますが、そういった信頼にこたえるようにという車側及び歩行者側からの要請を基本法の上であらわしておる、そういうふうに私は考えます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、九条を特に入れたということを心配するのは、将来の自動車損害賠償保険法等の適用について争いが起きたときに、九条が援用されて、あなたの歩行のしかたが悪かった、あなたの通っていたところが不適正であったというふうに、基本法でも歩行者の責務を強調し、陸上交通に危害を生ぜしめないようにつとめなきゃならない、法令を励行しなきゃならぬと特に書いたのは、歩行者にも今後事故を避けるために、事故を起こさないように積極的に自動車に道を譲るとか、原因をつくらないようになるべく道路を歩くなとか、そういうことに協力をしろということで、事故が起きてけがをした人に、あなたは道路の端を通れというのに中央を通ったじゃないか、だからあなたに責任がある、あなたは損害賠償を請求する権利がないというふうに、だんだん損害賠償の請求などにおける争いにおいて歩行者の方が不利になるということが私は考えられると思うのです。警察だってそうだろうと思う。君はどこを歩いていたんだ、もっと右を歩かなきゃならないのにちょっと左のほうに寄り過ぎておったじゃないか、うしろからも前からも自動車が来ることはこの道ではわかるだろう。右側を通っていたところで、一車線のところでは、全体対面交通だから車は前からもうしろからも来ますよ。そうしますと、その場合は、右側通行であっても厳格には対面交通になるわけじゃないのでありますから、そういう点からいうと、今後争いが起きたときに、私は歩行者の不利になるような気がしてしょうがない。そういう点、この条文が置いてあっても心配はないのですか。これは警察庁の久保さんにお答えいただきたい。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 この基本法はあくまでも基本法であり、一般的な注意義務規定的な感じであります。したがいまして、具体的に歩行者に要請されることは、やはり道交法に書いてあります各条文でありまして、このような抽象的な規定からして、すぐに歩行者がどうしなければならない、また、それをしなかったからその人の責任が問われるということにはならないと考えます。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 総理府といたしましても、ただいま交通局長から御答弁申し上げたとおり理解いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 念を押します。  本法による、第九条が設けられたということによって、道交法以上に歩行者の責任が問われるということはあり得ないのである、単なる精神的に、気をつけてくださいよという責任分担の、何ですか戒めという程度のものである、そういうふうにとってよろしいですね。現行法以上に、道交法の責任以上に責任は問われない。よろしいですね。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 一般的に、二つの法律がございまして、一方においては抽象的な規定をしており、他方におきましては具体的な規定をしております場合には、その適用関係は、その具体的な規定がまず先に適用されることは言うまでもないところでございます。したがいまして、先ほど交通局長が申し上げておりますし、また私自身もそう考えておりますが、この基本法の九条の規定は、非常に抽象的な注意義務を課した、いわば努力義務であります。「努めなければならない。」となっておりますので、努力義務を課しておりますが、これに対しまして道路交通法の規定は、おおむね危険防止のための具体的な行為、これを、一定の行為を禁止しあるいは一定の義務をなすべき規定を置いておりますので、歩行者の過失、不注意の問題が出ました場合には、その具体的な規定が適用されまして、先ほど御指摘のような免責の問題その他が生ずるであろう、このように理解いたします。

太田一夫日本社会党

○太田委員 警察庁からも、念を押しておきますから、確言をしていただきたい。これによって新たなる責任が通行者に加えられるものではない……。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 宮崎室長の御答弁と全く同じでありまして、法的責任は道交法に規定されておる要請にこたえるかどうかということにあると考えます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大臣にお答えを願いたい。  今後のいろいろな各種の訴訟等において、本法ができた後において歩行者の不利になるということはあり得ませんね。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府委員からお答えを申し上げましたように、この規定は不利になるということを考えておるものではなしに、通行者が交通安全のために協力をしてもらいたいという精神的な規定でありまして、したがって処罰その他の問題につきましては、御心配のようなことは生じないと私ども考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 終わります。

内海清民主社会党

○内海委員長 板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この前、時間がなくて若干残っておりますので、質疑を何点かいたしたいと思います。  まず、これは運輸省に伺いますが、自賠法の扱いの問題です。昭和四十二年の二月に行政管理庁から、自賠法の自家保障の問題は官公庁も強制保険に加入するように法律改正をしたほうがいいじゃないか、それまでの間、官公庁は被害者に対する支払いをすみやかにするようにという注意までされておりますが、全日本交通安全協会の調査によりますと、交通事故にあって損害賠償の示談成立という問題になりますと、次の順序で実は示談する度合いが悪いそうであります。  第一番は国です。二番は公社です。三番は都道府県。四番は大都市地方公共団体。第五番目が大企業、すなわち自家保障の認可を受けてやっておる企業。  こういうように、官公庁なりこれに準ずるところが、示談する場合に一番めんどうくさくて、なかなか結論が出ない。あるところへ行けば、それは向こうだ、あるいはいろいろなところと相談しなくちゃならないといって、簡単に示談が解決しない。事務の複雑もありましょう。それから他の振り合い、要するに前例というのをさがして、前例どおりなら文句はないだろうということになると、古い例がさがされて、それが基準になる。その間に若干時代的な変化があっても、古い前例に固執をするということがあって、こういう、国や、公社や、都道府県や、大都市、こういうところの車で事故を起こされた場合に、被害者の救済がはなはだ不十分である。こういう実態を行管でも指摘しておるのでありますが、この点をその後どういうふうに改善をされましたか、これは運輸省から答弁してください。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 適用除外者につきましては、法律的にもう初めから適用しないということになっておりますので、その役所なりの事務処理につきましては直接運輸省が監督しておるわけではございません。しかし、行管の御指摘のように、被害者のほうから見ますと、一刻も早く示談を成立しまして、支払うべきでありますから、各省おのおのその方向で努力をされておるところであると思います。運輸省としましては、自家保障者の関係は直接許可をいたしまして監督しておるわけでございます。これは監査の際その他で、早く支払うこと、またその支払いの金額につきましても、保険に入っておるよりも低額であるということは絶対に許されないことでありますから、支払いの早くやるということと、支払いの金額の適正であるという点を、特に重点的に監査をいたしまして指導をいたしておる次第であります。  さらに、自家保障制度等を廃止したらどうかというような御意見もございますので、われわれといたしましても、その点は検討いたしております。しかしながら、この自賠法の制度は、できまして十四年にもなるわけでございますので、その他の点につきましても、最近の情勢にかんがみまして相当手直しをしたほうがいいのではないかというふうなことも考えられますので、総合的にその改正につきまして現在検討いたしておりますし、現に最近、大蔵大臣の諮問機関の保険審議会が開催をされておりますので、そこにおきましても、制度の改正点といたしまして御議論が始まっております。いま御指摘の自家保障の点につきましても、御議論があるわけでございまして、これらの結果等を見まして、制度の根本的な改正ということに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 総務長官、国や公社、都道府県、これは除外されておるのです。しかし、確かに、いま指摘されたような問題があるのですね。私は、こういう、国や公社や都道府県でも行管が指摘されたように法律を改正して、やはり自賠法の適用を受けてすみやかに救済すべき点は救済する、結果的には同じなんですから、こういう扱いをしたほうがいいじゃないかと思うのですが、どう思いますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 まず第一段の、国がほかのものと異なりまして賠償に対する金額が少なかったり不親切であったり、あるいは手続がおくれるということ、これはまことに不親切のいたすところであり、この点に対しましては機会を得まして十分に注意を促したいと思います。  なお、保険制度そのものでございますが、元来国の持っております建物その他の保険等にいたしましてもいわゆる保険の対象としない取り扱いをしてまいったわけであります。しかし自動車賠償につきましては今後とも賠償金額、補償金額がふえてまいりますと、必ずしもいままでのような考え方でいいかどうかということも考えなければならぬ問題で、これはやはり問題の一つであろうかと思います。この点につきましては十分にわれわれも慎重に検討さしていただきたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうですね。ほかの、国のそういう場合にあえて保険に入らないという振り合いもあるかもしれませんけれども、しかし被害者側から  いえば、確かに国やあるいは地方自治体や公社に持っていって、あっちへ引き回され、こっちへ引き回され、実際どこへ話したら——おのおの責任が分在化しておりますから、そういう点で、これ  は何らかの措置をしておかなくてはならぬじゃな  いか、私はこう思います。ぜひひとつ検討していただきたいと思います。  それから次に、警察庁に伺いますが、事故の際の警察官の採証活動といいますか、警察官が事故現場の見聞調書をとられる、これに対する一つの態度を実は伺いたいのです。  御承知のように、この見聞調書というのがその後、たとえば起訴か不起訴かという場合にも一番ポイントであります。同時に、それによって示談がどうなるかということも、その事故の見聞というのが、お互いに当時者同士の意見が違った場合には、警察が調べたことが一番中心になるということで、示談の際にもあるいは将来の民事訴訟上にも大きなポイントになっておるのです。  ところが、私がある事件に関与してみますと、警察官の事故現場におけるそういう採証活動といいますか、これはどうも片寄った感じがいたします。これは全国的に一般の問題だと私は思うのです。それはどういう点かと申しますと、たとえば交通事故が起こった、被害者は重体である、病院に運ばれておる、したがって、その場合にまず現地の調査をする、と同時に加害者からまず意見を聞くことになるだろうと思うのです。で、加害者というのは、中にはしょちゅう起こすやつは心得ておりまして自分が不利なことは一切言いませんから、そうすると加害者の意見を聞いた上で見聞調査がある程度骨組みができる、そうしてしばらくたって被害者が状態がよくなったというのでそれを聞きに行くということになると、被害者のほうもぼんやりしておったり、大きなショックで十分な表現ができない、結果的に加害者に有利で被害者に不利な見聞調書ができるという傾向があるように私は思います。  たとえば、私、例を申し上げますと、埼玉県北葛飾郡松伏町で起こった事故なんですが、たとえば加害者が当日病院で、本人を見舞いに行きまして、その親戚や大ぜいの前で、たとえばこう言っておるのですが、加害者の金子寅次が来て付き添っておりました私に「自分の不注意でこんなことになってしまって申しわけありません、どんな償いでもいたしますからかんべんしてください」こう言って、そのときに、私は「できたものはしかたがないから償いだけはしてくださいね」と言いました。  それからまた——私というのは被害者の父親ですが、「こんなにひどい事故になるには、少なくとも六十キロ以上スピードを出していたんじゃないのか」と聞いたらば、加害者は「はい、六十キロ以上出ておりました」と言いました。そのとき義兄が「よそ見をしていたのではないか」と言ったらば「そのときうしろの人からちょっと話しかけられたものだから振り向いたその瞬間のできごとでした」こういうふうに加害者は率直にその事件の自己の非を認めておりました。加害者は「何と言われても私が悪いんですからいたし方ありません」と言っておいて——被害者の父、母、それから十人以上の人がその話を聞いておるという陳述をしておるのであります。  あとで申し上げますが、それから被害者の乗っていたバスのうしろの車の運転手も事件を目撃して、そうして被害者は手をあげて通ったけれども、相手の車が暴走してきて事故を起こしたという趣旨のことを言っておる、これまた陳述をしております。  それから二人が同じ事故にあったのですが、片方の小けがで済んだ他の一人もそのことを陳述しておるのですが、それから被害者と同じ車に乗っておって、それを見ておった人たちが大ぜいおりました。それが陳述をしておる。  それから交通指導員というのが、当時事故の加害者の車の通ったところを指導しておったのですが、その指導員がやはり事故の目撃をしておるのです。  そういうような、実は加害者のほうが悪くて被害者のほうが悪くないというのに、その事故の見聞調書というのは、加害者の陳述を主として取り上げたようでありまして、その前にダンプがとまっておったということはない、ダンプを、前にとまっておるのを追い越してきて事故を起こしたのですが、その車がとまっていないと言ったり、あるいは前の交差点で一時停止しておったから、したがってスピードは出していない、こう言っておる。全く歩行者がやぶから棒に自動車の陰から飛び出してきたのだから歩行者が悪いのだというような見聞調書になっておるようであります。  そこで不起訴になり、そうして不起訴になったらどうなったかというと、加害者は自分に一切非はない、落ち度はない、だから不起訴になったのだ。一切を弁護士にまかせたからと言って、見舞いも示談にも一切応じない、こういう態度に変わっておるのだそうであります。最初、事故を起こしたときに、自分が悪いのだと言ったことは一切認めない。だから不起訴になったのだ。したがって示談その他一切弁護士にまかせておるのだから、話をするならそっちにしてしてくれということになっておるそうであります。  この例など見ますと、警察官が事故現場で、非常に危険なところで調査するのはなかなかたいへんと思うのですが、どうも加害者のほうの意見を聞き、それが先入観になって、あとから被害者が実情を言っても、それは被害者が自分の立場をよくするために、あとから地位をきかしてやっているんじゃないか。被害者が自分の立場をよくするためにうそを言っているんじゃないか、こういうような扱いをする傾向があるんじゃないか、こう思うのでありますが、この事例から見て、そういう傾向があるとすれば問題ないのでありますが、この警察官の事故現場における調査というものは、どういう態度でやっておられるか、ひとつ関係者から答弁をしていただきたい。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 私もいまお話しになりましたような事件を直接、陳情と申しますか、抗議を受けたこともありますが、警察のイロハといたしましては、現場で検証をやる場合には、まず事件があった場合に目撃者をさがすことが大事でありまして、したがいまして、目撃者が何人かおれば、比較的事件も固まりやすいわけであります。目撃者が全然いない場合には、いまお話しのように、往々にして被害者と加害者の立場が違いますので、証言が違ってまいります。そこで警察がやることは、基本的にはまずスリップのあとをさがすわけでございます。それから車のペイントの削れとかいろいろな破損がどこに落ちているか、センターラインの右か左かということは非常に重要でありまするし、そういったようなもののあり方で、歩行者と車の関係を推測する。それからスリップが始まる前に、頭、つまり脳で決心をして、ブレーキがかかるまで何分の一秒かだそうでありますが、これは距離が、したがいまして二メートルなり三メートルなり計算ができるわけですが、したがってスリップ痕が始まるところがはっきりしますと、どこでブレーキをかけたかわかりますが、そういうことでそのスリップ痕の長さをはかりますと、車のスピードというものが出てまいります。したかいまして警察の場合には——往々にして私もそういうお話を伺うわけでありますが、警察の立場としてスリップ痕がこうであった、それからペイントの破損状況はこうであったというような状況を勘案して、総合的に見ると、こうだということになるわけでありまして、証言がない場合、一般の目撃者がない場合に、非常に困難ではありますけれども、そういったわれわれの立場からしますると、科学的な根拠に基づいてやっておるつもりでおります。ところが、どうも陳情者から聞いた範囲では警察署が不親切で、いまおっしゃったようなことを、そんなことはないと簡単に取り上げない節が、どうも私はあるような気がしてしようがないわけでありますが、それは間々の例だと思います。全般的な例だとは思いませんが、そういう例もあるかと思いますが、私は常になるべく大ぜいの人、特に被害者の立場といいますか、被害者の言い分をよく聞いて、それがそうであるかないかということをよく聞いて、御本人が納得をされるような捜査をやりなさいという指示をいたしておるつもりでおります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 実は当事者の、被害者の父親に会ったのでありますが、その娘のところに来て、あんた生きていてよかった、自分の不注意でそういうことになったんだから生きててよかったんだ、感謝すべきだなんというようなことを言って、全く被害者側の話は聞こうとしない。それは私は加害者の、最初組み立てられた陳述なりを、そうだろうというようなことで、うのみにしてしまうということではないだろうかと思うのです。この事件は、警察庁にも資料を見せてあるわけですから、こまかい説明は省略しますけれども、乗っておったバスの人とか、あるいは父親とか、さらにそこに、バスのうしろにとまって見たであろうマイクロバスの運転手とか、そういう人たちからは陳述も何もとっていないのですね。ただ加害者だけの陳述を唯一のものにしておるようにとれました。それからタイヤのスリップのあとといいましても、舗装された上ででもあれば、タイヤと舗装道路との間のスリップのあとがある程度わかりますが、一般のいなかの道路ですと、雨でも降っていなければ、そのあと何台か車が通ってしまうとわからない場合がありますね。いずれにしましても、交差点の十字路で信号を無視して歩いてきたわけではないのに、そこで事故を起こした場合には、やはり加害者のほうにその責任ありという立場を、私はだれでもまず考えなくてはいけないと思うのです。それをどうも被害者のほうが悪いんだということであれば、よほど被害者が悪いという証拠でも、見聞でもあげて、被害者が悪いということにならなくてはならないと思います。この事故を見ますと、どうも警察のそういった調書が、何かめんどうくさがって、加害者のほうだけの意見をとっていく。その先入観で処理したような感じがします。私はそういうことがあり得るのではないかと思うので、十分ひとつこのことは各方面にも、何かの機会に伝達してもらいたいと思うのです。  いずれこの問題は裁判になっておりますから、そういう証拠をあげて、どっちが正しいかということは結論が出ますけれども、ひとつこれを機会に、警察官にもそういう採証活動といいますか、証拠をとる活動については、被害者の立場を守れるように扱っていただきたいと思います。  もう一つは、警察庁は今回の自動車の欠陥問題で、六月十三日に、全国交通課長会議を開いて、過去の事故を洗い直して、車の欠陥に基因するものが運転手または事業者の責任となっておることが明らかになった場合に、あらためてメーカーの刑事責任を追及する方針をきめ、目下過去の事件を洗い直し中ということが新聞報道されておりました。  そこで伺いますが、四十二年三月六日、鈴鹿トンネル内におけるトラックの火災事故で、自動車メーカーに対して運輸省は設計変更をその後指示したのであります。これは鈴鹿のトンネル内でトラックがエンジンの下から燃え上がって火災を起こし、トンネル内を損傷した。そのほかの車にも類焼して、大きな火事になったことは御承知のとおりですが、その後、運輸省が自動車メーカーに対して設計変更を指示した事実があります。そうしますと、自動車の欠陥による——全部が全部と言いません。自動車の欠陥というものも、この事故のある一部分をなしているのではないだろうか、これを単に運転手の取り扱い上のミスであるということにしぼるのは、私はちょっと問題だと思うのでありますが、この洗い直した中にこの事件が入っておられるかどうか、そうだとすれば、いまの問題をどういうふうに考えておられるか伺いたいのでございます。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 洗い直しておる事件は、再々この委員会でも申し上げましたが、本年に入って以来、六月までの事件についてであります。今月一ぱいで報告を求めるようにしておりますので、本日現在どこまで集まっておりますか、まだ確かめないでこちらへ参りましたが、この四十二年の事件は、今回は入っておりません。   〔委員長退席、田中(榮)委員長代理着席〕  私の知っておりますのは、ことしの三月に京都で起きた事件、これは該当する事件で、科学警察研究所で鑑識をやっておりますが、この事件につきましては、私どもが聞いておりまする範囲では、サイドブレーキなんかがついておりまする取りつけ板であるアイランドボードというものだそうですが、その周辺にすき間があって、それについては風を防ぐためのブラッシュがついておった。それが摩耗して用を果たさなくなったので、運転者が古タイヤを利用して、それをゴム板にして、厚くアイランドボードを巻いておった。そこでエンジンから出ておりまする排気をする管のようでありますが、エギゾーストマニフォールドというものが、これは坂道なんかを上がっておるとだんだん過熱をして非常に高温になる。そこに接触をしたということで、結局風を防ぐために古タイヤを利用してそういった装置をしたことが、この場合の火災の原因であった。その前にもいろいろ運転手の過失が認められるわけでありますけれども、そういったことで、運転者の過失そのものは間違いありませんが、いまのようにアイランドボードの周辺にすき間があるということについて、車の構造上のものの刑事責任を追及するに至る欠陥であるかどうか、これはやはり刑事責任の場合には、原因と結果との間に相当の因果関係がないといけないと思いますけれども、これは現在刑事責任になってはおりませんが、いま私が判断するに、その相当因果関係を認めるのは、少し酷ではないかという感じがいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 運転手が下から煙が来ないように、チューブか何かを巻いておった、たまたまそれがパイプの近所で過熱のために燃え上がってきた、こういうことのようですね。確かに私はメーカーの刑事責任を追及というんじゃないですが、実はこの問題で最近運転手に十カ月の禁錮の判決があったわけです。そうしますと、私はメーカーにも若干の責任がある。もちろん運転手の不注意ではありますよ。ですけれども、全く一〇〇%運転手の不注意というのはどうかなという感じがするわけであります。私が言いたいのは、メーカーの刑事責任を追及すべしというんじゃなくして、この点についてはメーカーにも若干責任のある部分を負担してもらうべきではないか、こう思うのですが、そういう質問に対する感覚としての答弁はいかがですか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 警察が扱います場合には、当然刑事責任でありますが、いまおっしゃいましたような意味での、たとえば常識的な責任、社会的責任と申しますか、あるいは刑事責任がなくても、民事責任があり得る場合があるそうでありまして、そういったような問題、これは具体的には世間及び裁判所の決定することであろうかと思いますけれども、そういった意味では、全然、その問題がないという感じもいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 いずれにしても私は、メーカーにも若干責任がある、運転士が全部悪いというわけにいかないんじゃないかという感じがします。これはしかし警察庁の判断を求めるということではございませんからけっこうですが、運転士が現在十カ月の禁錮を言い渡しをされて控訴中であります。この発言によって若干今後軽減されれば一つの目的はあるなと思われるものですから、発言しておきます。  それから最後ですが、これはこの委員会でも各委員から何回か取り上げられておりましたが、浦賀水道の安全性ですね。御承知のように、浦賀水道は入り口が非常に狭隘である。交通量が非常に多い。しかも東京湾内には港が幾つもありますために、中が錯綜しておる。大型船が非常に多い。そうして二万トン以上の船の中で九〇%がタンカーだといわれておる。大型船のほとんどが石油を運ぶタンカーだ。御承知のように、入り口に海堡が三つあって全部それが使えない。使えるのは第二、第三の間だ、こういうようなことで、東京湾内における大型タンカーの衝突事故等によって、もし東京湾内にかつてのトリー・キャニヨン号のような事故が起こった場合に、一体どうなるだろうかという心配があるのであります。大型タンカーによる災害防止の研究のために運輸省では海難防止協会に調査を委嘱してあるというんでありますが、この調査を委嘱したその後の結果、どういうような対策というものをこの調査の結果立てておられるのか、この点質問しておきたいと思います。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 お答え申し上げます。  浦賀水道の航行につきましては、日本の危険な狭水道の中でも、非常に危険度の高いものといたしまして、海上保安庁でも前々から対策に腐心しておるところでございます。現在東京湾内には巡視船を四隻と、巡視艇十七隻配備しております。その中に大型消防船が一隻ございます。それから消防艇二隻、そのほかに巡視船二隻と巡視艇三隻には、高性能の化学消防施設を付与してございます。ことに大型化学消防船、ことし三月に就航して、横浜に配属してございます「ひりゅう」という船でございますが、これは世界に比類のない大型の消防船でございまして、毎時約八百トンの化学消火液を放出できるような施設であり、かつ高いやぐらを持っておりまして、大型タンカーの甲板上に火災が発生いたしましたときにも、やぐらの上から放水をいたしまして対処するようなふうになっております。ちなみにこの消火能力でございますが、陸上の化学消防車に比較しますと、水を放出しましたときには、二十台分、それから化学消火液を放出いたしましたときには十五台分に相当するものでございます。それ以外にも、まず根本的な交通環境をよくしますために、昨年及び本年に、浦賀水道、それからそれに接続いたしまして北のほうに、千葉のほうにいっております中ノ瀬の航路がございますが、そちらのほうに灯浮標、現在でもございますけれども、灯浮標の増設を実施し、かつ本年も引き続き計画いたしております。そのほか常時少なくとも一隻は巡視船艇を浦賀水道に配属しておりまして、交通整理と申しますか、右側通行の励行、あるいは浦賀水道を横断いたします船舶が、これを斜めに横断するようなことは非常に危険でございますので、そのようなことがないようにということで指導いたしております。そのような状況でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 船のことは私しろうとなんですが、何か大型タンカーが二十ノット程度で来ますと、前のほうに船が停泊しておるから、それを避けるよう、ブレーキをかけてとめようとしても、六キロぐらいの距離は惰性で走ってしまう、こういうことだそうですね。ですからあぶないなと思っても六キロも走ってしまうのですから、そういう意味では、浦賀水道に入るときの大型タンカーのスピードはどのくらいに制限をしておるのですか。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、船舶と陸上の自動車等との相違は、ブレーキをかけましたときに急に停止することができないというところにございます。かつまた、浦賀水道のように屈曲しております航路におきましては、あまりにも減速しますと、またかじがきかないというような逆のほうのむずかしいことがございます。そのために陸上以上に余裕を持った水路の上を航行さしておるわけでございますが、しかしながら、大型タンカーの場合には、ことに二十万トンのタンカーのような大型のものの場合には、万一事故が起きましたときには非常に重大なことになります。かりに小船、たとえば漁船等を引っかけましたときには、漁船の船員等に危害を与えるわけでございますけれども、前にございました京浜運河のブロビッグ号のような火災を起こしましたときには、東京湾内の工業地帯、人口密集地帯に大災害を起こすようなことになるわけでございます。したがいまして、先ほど申し落としましたが、大型タンカーが入ってまいりますときには、事前にその航行の予定時刻を海上保安部署に通報させておりまして、巡視船艇、特に、先ほど申しました大型化学消防船等の科学消防能力を持ちました船を出しまして、浦賀水道の入り口のところでこれを出迎えまして、前路側方等を警戒し、かつまた、危険なスピードを出したりなどしまして漁船に衝突したりあるいは火災等が発生することのないように、未前に防止するように指導いたしております。   〔田中(榮)委員長代理退席、委員長着席〕

板川正吾日本社会党

○板川委員 浦賀水道を通行するタンカー、これが大体五年に二倍くらいの割合でふえておると思うのですが、いまの割合でタンカーがふえていって、将来、大型船同士で衝突事故でも起こって、油でも大量に流出するということになりますと、それで、いま、その「ひりゅう」とかいう化学消防船で、大型タンカーの衝突のような場合に十分対抗できるのですか。その点、心配はないのですか。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 東京湾沿岸諸地域の工業化が進みまして、石油の消費量が進み、かつ、石油コンビナート等ができてきますに従いまして、ただいま先生御指摘のとおり、タンカーの浦賀水道の通行量は、隻数におきましても、さらに、その大型化という点で、毎年非常なカーブをもって上昇しておるようなところでございます。  ただいま申しました「ひりゅう」でございますが、これも、ただいまわれわれの考えられるところ、さらに、予算の範囲内においては、最善の対応措置としてとっておるところでございますけれども、万一大型災害が起きましたときには、これはりつ然たるものがあるというのが現状でございます。そのようなことになりませんうちに、何かより完全な、より万全な措置、対策を講ずるように努力いたしたいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そういうタンカーの衝突なんというものは、予算の範囲で起こるわけじゃないですから、そういう事故が、たとえば東京湾の入り口で起こるとか、あるいは、湾内で起こるとかいうようなことになると、実はたいへんなことになるだろうと思うのでありますが、その何とか協会に調査を依頼しておって、そこでの調査の結果というのは、起こり得るであろう災害、それを防止するためにはどういう規模の防災対策というのが必要であるのか、こういう点をいま少し明らかにできませんか。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 海難防止協会に調査を依頼しておりますが、海難防止協会はいわば海上保安庁とうらはらになって調査といいますか、対策を検討しておりますような段階でございます。それで、根本的には、大型タンカーの航行を規制するような措置が、単に海上保安庁の海上交通安全確保の面からだけ申しますと一番望ましいわけではございますが、これまた産業計画、それから、国土計画との見地から総合的に考えられることではないかと思いますので、まあわれわれ海上保安庁だけといたしましては、与えられた条件のもとでいわば交通規制をし、それから、安全を確保するというような任務を与えられておるところでございますので、われわれだけではなかなかいろいろとむずかしい問題があるというのが現状でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 結局、いろいろそういう調査をして、この分でタンカーがふえたらば将来不測の事態もあり得る、だから、たとえば政府に対して、将来これ以上タンカーは通行を制限するような一つの建策といいますか、そういう政策を打ち出して、そうして、いま入っているやつをとめるわけにいきませんから、ふえる分は工業立地として、東京湾内でなくて、他の方面に工業立地指導をすべきである、こういう考え方もとるべきじゃないでしょうか。それで、その前には、やはりあの浦賀の入り口の狭水道ですね、海堡が三つある。この前、どなたか質問されたときに、将来あすこは、何か橋をかける場合に海堡を利用するんだ、そういう利用価値があるから海堡をとっておくんだという話があったように思いますが、私は、あすこへ橋をつくって、千葉県側とこっちの神奈川県ですか、そこの交通の便をはかるというよりも、海堡を全部取り去って、浅瀬を掘り下げて、そして十分な船の交通量を確保するということのほうが、日本経済、国民経済的な立場から見ても有効じゃないだろうか。橋をかけるために浅瀬をそのままにしておくよりも、あの場合には全部海堡を取り払って、浅いところは掘り下げても、船の航行を確保したほうが私は妥当な扱いじゃないか、こう思うのです。将来、千葉県側に行く自動車の便をはかるために金をかけて、船の通行を制限するよりも、そのほうがほんとうじゃないかという感じがします。  まあ、議論として疑問を提出したのですが、将来ひとつ検討して、そういう事故の起こらないようないろいろの施策をひとつ考えてもらいたいと思います。  以上をもちまして、私の質問を終わります。

内海清民主社会党

○内海委員長 ほかに質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

内海清民主社会党

○内海委員長 なければ、これにて内閣提出にかかる交通安全対策基本法案及び久保三郎君外十三名提出にかかる交通安全基本法案の両案に対する質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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