交通安全対策特別委員会 第20号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/09
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。 ただいま本委員会において審査中の交通安全対策基本法案及び交通安全基本法案について、来たる七月十一日午前十時三十分参考人の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
○内海委員長 次に、内閣提出にかかる交通安全対策基本法案及び久保三郎君外十三名提出にかかる交通安全基本法案の両案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 交通安全対策基本法案につきまして、関係各省に対しまして逐次お尋ねをいたしたいと思います。 最初は総理府でありますが、最近自動車の数が非常にふえてまいりまして、陸上交通の危険というものは予測のできないほど拡大してまいりました。千三百万台の自動車といえば、これは全く脅威というべき数でありまして、これが国内特に過密地帯を中心として縦横無尽に走っておるのであります。これがいままでに六百五十万人くらいの国民を死傷させておるということについては全くもってわれわれとしてもショックでありまして、やむを得ない事情もあろうかと思いますけれども、道路は無制限に広がるものではありませんから、自動車のみがいたずらにふえてまいりまして、そして次々に死傷事故を起こす。特に一時間に二人の死者が出るということについては、全く本委員会としてもお互いに深く戒めなければならぬことであろうと思うのです。私は、自動車というものが産業、文化の発展に貢献した功績を否定するものではありませんけれども、自動車の殺人性というものはどうしても除去しなければならぬと思います。現在四人に一人は免許証を持っておるそうでありますから、ほとんどの人が免許というものの重要性並びに運転のむずかしさ、複雑性ということなども認識があろうと思うのですが、どういうことかこの自動車の殺人性というものがなくなりません。したがって、私は、この際総理府総務長官にお尋ねしたいのは、自動車の殺人性というものを除去する見通し、確信あるいはその道がはたしてあるのかどうか。基本法をお出しになったたてまえから、あなたの所信のほどをお述べいただきたいと思うのであります。
○床次国務大臣 交通機関、特に自動車の激増によるところの災害、事故の増加ということについてはまことに遺憾な問題でありまするが、しかしこの問題は、いろいろの要素から私は解決すべきものでもあろうと思うのであります。結果的には自動車の増加によりましてやはり事件も増加してまいりまするが、しかし原因を探求してまいりますると、道路そのものの欠陥というものもあるし、車そのものの欠陥、車を運転する者の欠陥、同時に通行いたしまする歩行者のほうの欠陥並びに歩道橋その他の施設の問題もあるわけであります。こういういろいろの要素というものを改善してまいりまして、極力これは減らさなければならないと思うのであります。これはいわゆる交通戦争といわれておりまするが、これに対しましてあらゆる努力をいたしまして、その減少を期するということが本法におきましての本旨とするところでございまして、この第一条に掲げておりまするが、公益を守ると申しまするか、この「交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって公共の福祉の増進に寄与する」ということが私どもの最終の目的であります。別な形をもって言いますならば、人間尊重ということの一事に尽きると思います。
○太田委員 まあ言い古されたことばであるような気がしてしょうがない。交通安全対策基本法をつくろうというのは両三年来のほんとうに当委員会の悲願でありましたから、これをつくろうという各党の熱意があり、一番最初にはわが日本社会党が完全無欠な基本法を出した。それに対して各党が刺激されまして、わがほうにも考えがあるというので次々お出しになりましたのを政府提案としておまとめになったように聞いておるのでありますけれども、それぞれ特徴はあろうかと思いますが、ここで審議されますのは、閣法としてあなたのほうでお出しになった交通安全対策基本法案を中心として審議をされるわけです。いまその責任者としてあなたが第一条の目的をお読みになったということは、私は第一条の目的の表現のしかたにも問題があるかと思うのですけれども、これは過去に何回も言われたことであり、目新しいものじゃないですね。何か目新しいものがありますか、お答えいただきたい。
○床次国務大臣 交通災害というものはすでに長い間の問題でございますが、これに対しまして各方面からいろいろ御意見を承りまして、そしてこの基本的な対策というものが確立いたしたのであります。したがって、その基本問題といたしましては、格別新しい着想でもってできたというものではなくて、いままで検討いたしましたものがここに集積されまして、その骨子というものがここに出てまいった、かように私ども考えております。
○太田委員 それではちょっと聞きますが、いままで交通の安全に関し国及び地方公共団体等の責務というのは明らかにされておらなかったのですか。
○床次国務大臣 こういう関係者の責務というものにつきましてはそれぞれ論じられてはおりましたが、法律の形におきまして明らかにされたということは、私は従来いわれておりましたことが今回の基本法によりまして実現いたしたことと考えております。
○太田委員 あなたのおっしゃるのは、いままであるものをこうまとめてみたのだ、したがって、これができたからといって新しい施策というものは何も出てこないのだ、そうでしょう。そういうことになりますよ。そういう理解でこれを読んでよろしいですか。
○床次国務大臣 ただいま責任の問題についてお尋ねがありましたものでありますから、いままでいわれておりました国あるいは公共団体、事業者あるいは運転者その他のいわゆる責務というものを書いておるわけでありまするが、しかし、いかにして基本的な対策を完全に実施するかということに対しましては、以下書いてありまするごとく、国の責務といたしまして、国といたしましてはやはり中央におけるところの交通安全対策会議を設置する。これなんかは新しい構想であり、最も効果的な今後の実施のための機関であると私は思うのであります。なお、そのために安全計画もつくり、これを国、府県、さらに市町村を通じまして徹底して実行するというところが新しいといえば新しい問題でございまして、私はこの法律ができることによりまして格段の進展を期待することができると予想しております。
○太田委員 念のために、審議の参考にいたしたいと思いますから、格段の進歩発展が認められるようなそういう施策とは、例としてどんなものが考えられますか。
○床次国務大臣 本法におきましては国民総ぐるみと申しまするか、国、地方団体等が協力一致するばかりでなしに、それぞれの関係業者あるいは直接運転に従事する者、また歩行者、物をつくりますメーカーというものが協力一致いたしまして災害の防止につとめるというところ、この運動そのものも私は非常に大事なことだと思うのでありまして、ばらばらにやっておりましたものを、ほんとうに今度は精力を集中いたしまして安全対策のために努力をするというところに私は本法の特色を掲げることができると思います。
○太田委員 国民総ぐるみの体制の確立をはかることが何よりも必要である、そういう考え方、そういう規定のしかたが、この基本法の中心をなし、この基本法からあらわれてまいりました一つの現象である、こういうふうに理解をせよということでございますが、どうもこれは国民何とか総動員法か何か、昔のことを思い出すような気がしてしようがないのですが、国民総ぐるみということは、すべてが平等に責任を負うということでございましょうが、いままでどの層が責任を負うことが薄かったのですか、そういうことがありましたらお答えいただきたい。
○床次国務大臣 国民総ぐるみとまとめて申し上げましたが、しかし、国民全体の関係者の努力におきましては、それぞれ責任の度合いが違っておると思うのであります。ここに本法におきましては、国、地方団体の責務を規定し、なおこれに協力するそれぞれの立場を書いてあるのでありますが、第三条以下、国の責務、地方団体の責務、その他のそれぞれの立場においての責務があるのでありまして、それぞれの責務のいわゆる軽重が明らかにされておるのでありまして、この責任をそれぞれ十分に踏まえました上におきまして対策に努力するというところに、私国民総ぐるみというふうに申し上げた。決して国あるいは地方団体が責任を回避するものではない。おのおの自分の立場における責任を十分に承知しました上におきまして、それぞれの努力をするというふうにしてもらいたい、かように努力をいたす考えでおります。
○太田委員 坊主総ざんげのような基本法でございますね。第八条を見ますと、ここに初めて具体的に、仕業点検を運転する者は行なえということが書いてある。その他は具体的なものはないのですね、措置しなければならない、つとめなければならない、配慮しなければならない。なぜ八条だけ仕業点検という具体的な行動を指摘したか。これが本基本法の中心であるとするならば、目であるとするならば、何かいまのあなたのおっしゃったことといささか違うような気がするのですが、いかがですか。
○床次国務大臣 それぞれの責任につきましては、それぞれの特別法におきましても従来規定しておるわけでございまして、かような趣旨におきましてこの規定はできておるのでございます。
○太田委員 だれか答えられる人に答えてもらいたい。なぜ八条に仕業点検という具体的な行動を表現したか、出したか。
○宮崎(清)政府委員 この三条から十条までには、先ほど長官が答弁いたしましたように、それぞれの責務を書いてあるわけでございますが、ただいま御指摘になりました仕業点検等を行なうということは、車両を運転する者が一番守らなければならないことでございますので、一番大きな例として出しております。それ以外の条項におきましても、それぞれ大事なことは行為であらわしておりまして、たとえば八条の二項におきましては、船員は発航前の検査をしなければならないとか、通報しなければならないとか、こういうことを規定しておりますので、それらと全く同じ意味で規定してあるわけでございます。
○太田委員 運転手が気をつけることが仕業点検ですか。そんな考え方では、交通安全対策基本法なんというものをつくるのは私はおかしいと思う。欠陥車問題が出たから仕業点検のことを書いたのじゃありませんか。仕業点検が運転者に一番大事な問題だ、これは運転する者でしょう。ドライバーでしょう。こんな一番大事なことですか、念のために聞いておきます。
○宮崎(清)政府委員 繰り返しお答え申しておりますとおりに、国民各層のいろいろな方に、それぞれの立場において交通安全に寄与していただく ことを本法はねらっておるわけでございまして、その場合、運転者としては二つございます。一つは、自分が運転する車両等が安全であるかどうかということをあらかじめ確かめる。それから実際に運転にあたっては、これは当然のことでございますが、注意をして運転する、そういう意味で仕業点検を規定した次第でございます。
○太田委員 一番気をつけなければならぬことは、運転手は人を殺さぬことでしょう。けがをさせぬことでしょう。車両を運転する者は歩行者に危害を及ぼさないようにする等、車両の安全運転につとめなければならない、歩行者に危害を及ぼさないようにしなければならない、必ずしも歩行者じゃありませんけれども、そういう死傷事故を起こさないことに重点を置くことはよくわかる。かりに具体的に出されたとしても、仕業点検とはきまり切ったことである。運輸省が御指示になっていることをやる、すなわち、とんとんたたいてみたりすることでしょう。それは十分であった、やれやれ安心、これで完全な仕業点検を行なったからといって、運転中居眠りをいたしまして死傷事故を起こした、第八条の運転者の責務の第一の点については完全無欠であったけれども、実はその次の法のことは第二だと思いまして、いささか気がゆるんで事故を起こしましたというんじゃ、これは話にならない。なぜ人身事故を起こさないという点を中心になさらなかったのか、この辺はいかがですか。
○宮崎(清)政府委員 これはあるいは表現の問題と申しますか、立法技術の問題ともなろうかと存じますが、私たちは、もちろん御指摘のように、運転者にとって一番大切なことは死傷事故を起こさないことであることは十分承知いたしております。その点を後段に書いたわけでございます。ものごとの順序と申しましてはたいへん常識的な話で恐縮でございますが、運転者は、まず運転する場合に車をよく確かめて運転する、こういう順序で普通行ないますので、その順序で書いただけのことでございます。
○太田委員 それはよくわかります。イロハはイから始まってンで終わるというならよくわかる。初めにやることだから、運転者のイロハのイだから、仕業点検というのは例示としてとにかく出したのだ、それならわかりますよ。はたして基本法を制定された場合の一番大きな精神というものがどこにあるかどうもわからないので、私は先ほどから聞いておるのでありますけれども、これはそういう意味におきますと、大臣がお答えなさいましたように、すべて国民総ぐるみ、政府も地方自治体も、あるいは雇用者も、団体も、運転管理者も、運転者も、歩行者も、住民も、こういうわけですね。そういうことであるなら、これはそういう意味で読めばいいのですから、別段議論するわけじゃないからいいのですけれども、しかし、これを読んだ場合に、仕業点検という点だけを抜き出された点がどうも欠陥車擁護のにおいがしてしょうがない。何か通産省からそういうことを言われたのですか。あなたが感じたのですか。運輸省から言われたのですか。だれがこんなことを考えたのですか。
○宮崎(清)政府委員 この仕業点検ということばは、はっきり条文のスタイルにあらわしていたかどうかは、ちょっと私も記憶がさだかでございませんが、昨年以来総理府の立案の過程においては考えていた事柄でございます。
○太田委員 まあ正直なお答えとして聞いておきます。 中央交通安全対策会議――総理大臣と関係行政機関の長、この関係行政機関の長とはどういうものであるか、一度具体的に第十五条についてお答えください。
○床次国務大臣 中央交通安全対策会議のメンバーでございますが、委員には総理府総務長官並びに指定行政機関の長のうち各省大臣及び国務大臣をもって充てるところの外局の長を任命する予定でございます。 個々に申し上げますと、現在のところは、総理府総務長官及び国家公安委員会委員長、行政管理庁長官、科学技術庁長官、法務大臣、大蔵大臣、文部大臣、厚生大臣、農林大臣、通商産業大臣、運輸大臣、労働大臣、建設大臣、自治大臣等を予定しております。
○太田委員 したがって、閣僚の中にははずれる方はないわけでございますね。全員でございますね。
○床次国務大臣 外務大臣と官房長官というのは抜けております。
○太田委員 いままでも交通関係閣僚協議会というものがあっていろいろやらなければならないことになっていたが、なかなかおやりにならなかったがために今日の事故がふえたと思います。基本法ができた、なるほど基本法ができたからいいことになったなあ、さすがにりっぱだなあ、交通事故が少なくなったということにならなければいかぬと私は思っておるのでお尋ねしておるわけですが、そうすると、閣議のようなところで中央交通安全対策会議として交通安全基本計画をつくり、実施の推進の事務をおやりになるわけですね。それでは交通安全基本計画をそこでおつくりになるとするならば、そういう基本計画というものは、たとえばサンプル出していただけませんか。どんなものですか。交通安全基本計画をその中央交通安全対策会議でおつくりになるのでしょう。外務大臣と官房長官だけ除いた大臣諸公がおつくりになる、どんなものをおつくりになりますか。
○床次国務大臣 いかなるものをつくるかは第二十二条に明らかでございますが、「中央交通安全対策会議は、交通安全基本計画を作成しなければならない。2 交通安全基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。一 交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱二 前号に掲げるもののほか、交通の安全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必至な事項」、過去のいろいろの交通事故等につきまして十分検討いたしまして、なお現在の趨勢等を踏んまえ、将来のことを予測しながら基本計画を立てるというように考えております。
○太田委員 私はどうもまことに浅学非才にしてそういうむずかしいことはわからぬのでありますが、交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱というのは何ですか。この中にほかに大臣いらっしゃいませんか。大臣一人もいらっしゃらないようですね。あなたはその中でどんなことを具体的に考えていらっしゃるのか。私の言うのは具体的なことを言うのであって、長期的な施策の大綱、これではわからぬということです。
○床次国務大臣 具体的の大綱につきましてはこの会議においてきめるのでありますが、どういうことが大綱としてきめられるかということにつきましては政府委員からお答え申し上げます。
○宮崎(清)政府委員 現在本法案の立案の過程におきまして私たちが考えました交通安全基本計画の内容でございますが、簡単に申しますと先ほど長官も答弁されましたように、今後数年間に起こり得る交通事故の態様、これをできる限り正確に予測いたしまして、その予測に基づきまして政府としてはどういう施策を講ずべきか、こういうことを長期的な計画としてきめようというわけでございます。内容につきましては、先生十分御承知のように、現在の交通安全につきましての有効な対策といたしましては、非常に大ざっぱな柱で申しますと交通環境の整備でございますとか、車両その他船舶等の安全性の向上でございますとか、あるいは交通安全思想の普及でございますとか、そういう柱が出てくるわけでございまして、それぞれの柱につきまして、たとえば五年なら五年間に何をするか、どういう施策を講ずるかということの計画でありまして、またその場合にこれを当初からはたして完全なものができるかどうかということは率直に申しまして私たちも十分な自信を持っておりませんが、俗に申しますトライアル・アンド・エラーでこの計画を逐年、より正確なものにしていきたい、このように考えております。
○太田委員 私は、肩書きで交通安全対策基本に関する総合的かつ長期的な施策の大綱というものはきまらぬと思う。あなたのほうが、その責任は各省の大臣をもってこれに充てるとおっしゃるから、実は中央交通安全対策会議なるものは蜃気楼のごときものではなかろうか。あるといえばある、見れば見える、そばに行くと何もない、そういうものだ、蜃気楼の中央交通安全対策会議だ、こう思うのです。日本社会党の久保さんほかの御提案の中には交通安全対策審議会というものがありまして、これは委員三十人であり、学識経験のある者の中から内閣総理大臣が任命するというのですが、これなら一応案ができると思うのです。たとえば床次さんがお考えになるよりも宮崎さんのお考えになったほうが大綱になるかもしれない、あるいは国家公安委員長よりもそこにいらっしゃる久保交通局長のほうが実はいいのかもしれないということになって、実は中央の対策会議というのは大臣が委員ではなくて、その下の政府委員である方が中心になるのではなかろうかと思うのです。もし大臣のあなたたちがおやりになるとするならば、いまの話のような抽象的なものであって、私たちはこう思うから各省ひとつ努力してくれとかそういう教書のごときものをおつくりになるような気がする。念のためにお尋ねしますが、具体的なものが出るのですか。交通安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱とは具体的なものであるのか抽象的なものであるのか。
○床次国務大臣 まずこの交通安全対策会議でありますが、これは先ほど申し上げましたように各省の長が中心になって会議が行なわれるわけでありまするが、これによりまして各省の行政を一元化しまして、安全対策という中心目標に合わせましてこれを強力に実行したい、そのための組織でございまして、したがって、もちろん大臣だけが直接話し合って結論がすぐ出てくるものではなくて、大臣が話し合う前におきましてはそれぞれの関係部局におきまして十分検討いたしまして、そして最終的の決定をこの会議において実行するようになっておるわけでございます。いわば幹事会というような各省の直接の担当者において検討しておるわけでございます。したがって、これによりまして一元的な強力な運用ができるというところにこの中央安全会議の特色があるわけであります。他のたとえば審議会等の案でありますると、案はできますが一元的な統制ある実行というものに対しては相当問題もあろうかと思うのであります。特にこの点はその実効のあがることを考慮いたしましてこういう会議をつくった次第でございます。なお意見等におきましても、閣僚だけでは足りないじゃないかという御意見もあろうと思いますが、この点に対しましてはやはり十分な意見を考慮いたしまして取り入れて、実行し得るようにいたしておるのであります。なお、たてまえといたしまして、ここに掲げてあります施策の大綱をきめるわけでありますが、必要ありましたならば具体的なことにおきましてももちろん検討することができます。
○太田委員 わからないからもう一ぺん角度を変えてお尋ねしますが、二十四条に交通安全の業務計画というのを行政機関の長はつくらなければならぬということになっておりますが、それでは運輸省なら運輸省が必ず毎年この交通安全業務計画をつくり、それを交通安全基本計画にとけ込ませ、そうしてそれが実施に移されていく、こういう手順になるのでございますか。
○床次国務大臣 十分中央で立てましたところの安全計画というものが徹底できるようにいたしたいという意味でありまして、交通安全業務計画なるものは、交通安全基本計画に基づいて各指定行政機関がそれぞれ所掌の業務に関して作成する年度ごとの実施計画であります。たとえば運輸省は運輸省の所掌事務について作成して実施する計画でございます。
○太田委員 だからそれは上から来るのですよ。中央の交通安全対策会議でつくった基本計画に基づいてそれぞれの行政機関の長は業務計画をつくるのだ、こういうふうに理解すればいいのですね。
○床次国務大臣 中央の安全計画というものによりまして下ができるということによりまして一元的に安全対策を実行できるところに特色を持っておるわけであります。
○太田委員 二十九条から先に――第四章でございます。「交通の安全に関する基本的施策」というのがありますね。二十九条から先三十六条まであるわけですね。これが大体一つの具体化ですか。ある程度こまかいものでありますが、「交通環境の整備」というのが二十九条に、まっ先に出てきますね。交通環境の整備というのは、施設の問題、それから施設を拡充強化するとかあるいは交通規制を考えるとか、道路使用あるいは水域使用の適正化をはかる、こういうことに、歩行者の保護がはかれるように配慮するものとするとあるのですが、そういうところが二十九条にまっ先に書いてあるとすると、交通安全施設の整備ということは交通環境の整備であろうと私も思います。そこでちょっと大臣にお伺いしますが、その施設とは何のことですか。
○床次国務大臣 交通安全施設というのは、たとえば信号あるいは歩道橋等のごとき施設がこれに当たるわけであります。
○太田委員 交通規制とは何ですか。
○宮崎(清)政府委員 一般に交通規制と申します場合は、陸で申しますと車両なり歩行者なりに一定の行為を禁止、制限いたしましたり、または一定の行為を義務づけてそれによって交通の安全を保つための行為でございまして、具体的に申しますと、陸につきましてはたとえば一方交通でございますとか、あるいは右左折の禁止でございますとか、駐車禁止でございますとか、こういうことにしております。
○太田委員 そうすると建設省と警察庁とそれから運輸省に関係のあることであるわけですね。そういうことについて中央の対策会議がどのような認識を持つかということは重大問題だと思う。いまの橋、いまの跨道橋、いまの歩道作成計画といまの信号機の増設計画というものはこれで十分だということになれば、別にそのことに対して重点をお置きになる基本計画というものがつくられるわけはない。よほど中央の各大臣というのは専門的にというか、事情に通じていらっしゃらなくちゃならぬわけですね。交通規制ということ一つに問題をしぼって考えてみても、交通規制とは何のためにやることであるか、いまも一方通行だとか駐車の禁止などとおっしゃったが、交通規制というのはどうしてやるのですか。交通したいんでしょう。人間も交通するところから交通文化が生まれて、交通文化の中から人類の繁栄というのができて、そうして国家というのもできてきたんだから、交通というものを規制するということは何ですか。本来いうと人類の進歩に反逆することでしょう。だから人間歩いちゃいけないとか、車が通っちゃいけないとか、そんなことおかしいじゃありませんか。今後はだからその基本的なものは、いまの道はあぶないからなるべく子供は通っちゃいかぬよというようなこと、あるいはいまの道は狭くてとても建設省の六兆六千億の予算ではそんな裏町の道路などに自動車が通れるような道はできないから、だから自動車はそこを通っちゃいけない、あるいは駐車しちゃいけない、こういううしろ向きのことをきめるのですか。交通規制ってそういうことでございますか。
○床次国務大臣 ここに交通環境の整備に関して数項目の項目があがっておりますが、交通規制管理ということは一つの例でございますが、交通施設の状況、交通量、交通事故の発生状況等を的確に把握して、これらの状況の変化に即応して交通規制の内容を適切なものに改めるということがこの規制としてはやはり非常に大事だと思います。しかしこの点につきましては交通工学の研究の結果等も考えなければならない、科学的に合理的な実施をいたさなければならないと思いますが、具体的には陸上交通につきましては一方交通の大幅な採用と交通信号機の高度化あるいは系統化をはかること等でありまして、海上について申しましたならば、近代的な機械を導入することによりまして信号作業の合理化をはかる等であり、あるいは航空の交通について申しましたならば、電子計算機利用によるところの航空路及び空港のターミナルの管理等の合理化をはかるというようなことがこの交通規制の例として申し上げることができると思います。
○太田委員 私は、この基本法の目的というのが先ほど御説明いただきましたけれども、いわば各関係者全部が総ぐるみになって協力して公共の福祉の増進に寄与することを目的とする、こういうことになると思う。その公共の福祉の中には、先回の加藤委員のご質問によりまして、これは国民の生命、身体、財産を含むのは当然であるというお答えである。国民の生命、身体、財産を交通の危害から保護すること、それも含んでおるというならこれはわかりますから、私もそれは了承します。わかりますが、いまの基本計画をつくるという点を第四章から見ると「交通環境の整備」という中には、交通の規制とかいうような、なんですか、もうここは何ともならないんだ、お手あげだという思想があるわけですね。だから最初にお尋ねしました。いまの自動車がこれほどふえる時代において、千三百万台の自動車が現在走っておる。こういうときに、自動車の殺人性を除去する確信はこういう中から生まれてくるのですか。まずこれだけでも私は心配する。殺人性をなくするためには自動車がなくなればいいけれども、そんなわけにはいかぬでしょう。積極的に殺人性をなくしながら、これを解消しつつ、さらに国民生活の中に入り込んだ前向きの自動車文化というものを認めていかなければいかぬわけです。だったら、交通の規制というのも私も別に悪いというわけじゃない、必要なことではあるけれども、これはいささか消極的な手であって、積極的なものがないという気がするのです。何かもう少しすかっとしたものがこの基本法の中にどこかその表現がなければならぬのですが、ないかないかとさがしてみましたが、どうも見つからない。念のためもう一回承ります。これからこの第四章の「交通安全に関する基本的施策」の中でいろいろなことをお考えになりますが、一番金がかかるのが「交通環境の整備」という二十九条です。これだけで殺人性の除去というものと、この日本の現状に照らして国民生活の中に入り込んだ自動車文化というものの芽を伸ばさんという二つの問題が解決できるのかどうか。確信がありましたら、お答えをいただきたい。
○床次国務大臣 ただいまお話しがありましたが、自動車の殺人性と申しますか、これを防止するための国の施策だけでも、ここにありますごとく二十九条以下各項目にわたりまして、それぞれ整備をすることを考えておるわけでありますが、ただこの中に――ちょっとお考えの中にあるいは入っておったのかとも思うのでありますが、道路そのものの整備、道路計画そのものは実は入ってないのです。これは建設省自体の本来の仕事として十分拡張しなければならないが、しかし、あります道路そのものにつきましての環境の整備その他の問題がここに書いてある。これが本法の立て方でございます。
○太田委員 だから、私はあなたに確信があるのですかといった。道路のことは建設省にまかし切りであって――では建設省、どの局長いらっしゃいますか。
○内海委員長 道路局の次長が来ています。
○太田委員 道路局次長さんがいらっしゃるなら、次長さんにお尋ねします。あなたのほうは、交通安全基本計画というものと関係なしに、今後道路計画というものをお立てになるのでございますか。その点を……。
○多治見説明員 お答えいたします。 今後基本計画がどういうふうにできてまいりますか、具体的にその基本計画ができてからいろいろ検討の余地があろうかと思いますが、現状といたしましては、もちろん道路をつくる際に交通の安全については建設の段階から十分考慮して、交通安全を考えながら道路を建設していくということでやっております。
○太田委員 次長さん、一年にどれくらい車がふえると見込んでいらっしゃるのですか。
○多治見説明員 お答えいたします。 現在、道路の建設にあたりましては、御承知のとおり五カ年計画がございまして、その計画に沿って道路建設を進めておりますが、この計画を立てる際に、われわれのほうといたしまして想定いたしました数字は、昭和六十年には自動車台数が約三千万台になるであろうという数字をめどにして一応計画を立てておるわけでございます。(「それは少ないぞ」と呼ぶ者あり)
○太田委員 これは総理府にお尋ねしますが、どなたでもけっこうです。三千万台になったときの道路に占める自動車の占有率。たとえば道路にずっと並べてみたら、昭和六十年には主要地方道に一ぱいになってしまうのかどうか。市町村道まで入れて置かなければ、道の上は乗せることもできないという状態が起きるのではないか。現在たしか一台当たりにしても、舗装道路だけを考えてみると、占有し得る長さというのは三メートルぐらいしかない、舗装道路の延長を自動車で割ってみると。舗装道路へ自動車を並べた場合は、三メートルの長さに一台ずつ自動車を並べるということになる。その割合は六十年三千万台というときには、一体どうなるのですか。ふえるのですか、減るのですか。
○宮崎(清)政府委員 率直に申し上げますと、ただいま建設省のほうで答弁いたしました昭和六十年の三千万台、この予測につきまして、その場合におきます自動車の道路占有率がどれだけになるかということは、現在まだ私のほうとしては的確に把握しておりません。
○太田委員 だから私は聞くのであって、道路計画ははずしてしまっておって、陸橋だとか一方歩通禁止だとかいうような枝葉末節だけが交通安全対策基本法の対象だということについては、現象がふわっと出てくる。あっといって驚いて自動車が洪水になったら何ともならない。そういうことになりましては交通安全どころの騒ぎじゃない。自動車は並べておくものなりということになる。アクセサリーになる。それでもいいでしょう、動かない自動車は殺人性がないですから。それをねらっていらっしゃるのならわかりますが、いまの三千万台という数字について過小であるという話もありますが、これから車を走らせないように建設省はくふうして道をおつくりになると思うので、それもいいでしょう、むやみに車をつくるより。使用の本拠なんといったところで、警察庁はいろいろなことを言うているけれども、北海道の車も九州の車も、東北、中国、近畿、すべての車が東京に来て走っておるじゃありませんか。そうすれば、東京の町は自動車で一ぱいに埋まってしまうのです。だから交通の規制ということが入ったということになるなら先見の明がある。どうして道路計画というものがはずされたか私はわかりませんが、道路計画までやったら日本の建設省というのが半分ほど総理府に移ってしまってどうもまずいから、蓑輪さんに敬意を表してしばらくはずしておこうということでしょう。このような現在の年にふえる自動車の数というもの、これは補外して、昭和五十年なり六十年をお出しになっているのは総理府のほうでお持ちになっていらっしゃると思う。膨大な数字になると思う。だから、これをどうしてセーブするかという問題もある。道路のことをそういうふうにはずされたというのはわかりました。 通産省に伺います。あなたのほうは車をつくるのが商売であって、そのつくる会社をいろいろと監督指導しながら――この間板川委員がここで安全性の問題、いわば欠陥車の問題等についていろいろ質問されて、意見を述べていらっしゃいました。私も通産省そのものに直接的の責任があると思いませんけれども、重工業局長さんにお尋ねしますが、自動車の直接的な殺人性という問題が交通安全では何といっても一番問題だ。鋼鉄と肉体とぶつかって、肉体が勝つということはあり得ぬでしょう。鋼鉄と人間と争って鋼鉄の車を負かすということは、足柄山の金時ならいざ知らず、ちょっとないんじゃないですか。だから、殺人性というものを除去することは、あなたのほうに確信がおありでしょうか。
○吉光政府委員 御指摘のように、自動車が一般的な乗り物として国民の中に浸透してまいっておるわけでございますけれども、この安全性を確保するということ、これは非常に重要な問題でございまして、すでに御承知のとおり、二つの面からの措置が必要であろうかと思うわけでございます。一つは、先ほど来お話の中に出ておりましたように、歩行者その他の第三者に対して安全性を確保するということ、そして第二番目には、自動車内におきます人に対する安全性を確保するということ、この両面からの安全性の確保ということが必要であろうと思うわけでございます。あとのほうの問題といたしまして、もちろん自動車があるという、自動車の鋼鉄が人間のからだに対して常に強い立場にある、これは当然の前提として考えなければならないわけでございますけれども、せっかく便利な車をそのまま人間にぶつけるという意味ではなくて、いろいろの交通事情の問題等もあろうと思いますけれども、車としてできる安全性の確保、これは徹頭徹尾追及されなければならない問題であると考えるわけでございまして、もちろん最近までの技術開発だけでは充足し得ないものにつきましても、さらに技術開発力を培養しながら安全性の確保をはかってまいるということも必要になってまいると思いますし、具体的な問題といたしまして、これはまだ研究の課題でございますけれども、自動車の前面にネットを創設するというふうな研究も現在すでに行なわれているような状況でございまして、諸般の構造問題、その他のすべての問題をひっくるめまして、安全性の確保という点についての研究がさらにさらに続けられる必要があろうかと思うわけでございます。
○太田委員 ネットですくうというような、アイデアとして、考え方として、その辺までしかないということになると、どうも人間がドジョウと一緒になっちゃってまずいですね。それくらいのことしかないのですかね。ネットにはおそれ入りましたね。 その次に、スピードについてはどうお考えになりますか、重工業局長さん。
○吉光政府委員 先ほどネットの話を申し上げましたのは、これは研究の一例として申し上げたわけでございまして、これによって安全性が絶対確保されるという意味で申し上げたわけではございません。これは研究の一例として申し上げただけでございます。 それからスピードの問題でございますけれども、結局のところ、自動車というものがどういう意味で交通手段に採択されておるか。要するに、利用者が自動車をどのようなつもりで交通手段として利用するかというふうなこととの関連において考えられるべきものではないかと思うわけでございます。したがいまして、それぞれの態様に応じまして車の機能的な制限、速度と申しますか、速度を機能的にある一定のところでとめるというふうなことになりました場合、現実め交通スピードというものが、それぞれの道路によりまして違った時速できめられております。したがいましてそこらの、それぞれの道路だけしか走れない車というふうなことに限定して車を製造するというふうなことも、非常に困難な問題があろうかと思うわけでございます。したがいまして、それらの現在の道路交通の規制におきまして与えられておりますところの速度を前提にした車というものが、現実には生産されてまいるということになるわけでございます。ただ最近、イギリス等では一部実用化いたしておりますところのバッテリーを使った自動車の開発というふうなこと、これも実は、いわゆる現在走っております車との対比におきます経済性の問題その他につきまして、現在のままでそのまま採択されるというふうな状況ではないわけでございます。したがいまして、そういう面についての研究開発ということもまた促進してまいる必要があると考えます。
○太田委員 これは総理府と通産省の局長さんと両方からお答えいただきたいのですが、通産省は、世論によれば製造業者側を不当に必要以上に保護し過ぎた。国策であるか知りませんが、必要以上に保護し過ぎた。それが、そういう過保護に甘えて製造業者が欠陥車というようなものにほおかぶりしたということもあれば、あわせて殺人機たる性能を持つような超スピードの車を送り出しておるということにもなるのだ、こういうふうにいわれておる。そこで、総理府並びに通産省としてはそういう過保護の問題については反省されておると思うのでありますが、今後製造者側に十分ひとつその対社会的、対人間的な国民的な責務を感じていただいて、この基本法ができたらば交通安全対策、少なくとも車は鋼鉄、人はなま身だ、この認識のもとに絶対の安全性を見つけてもらうために努力してもらう、こういうことについては異議はないのでしょうか、こういうことができるのでしょうか。これをお尋ねします。
○宮崎(清)政府委員 車両の安全性の向上をはかることが、交通事故防止の大きなきめ手であることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、本法案におきましても車両の製造事業者等の責務を特に規定したわけでございまして、今後これらの車両等の製造事業者は、現行の車両の保安基準に合致しておる車をつくること、これは言うまでもないことでございますが、単にそればかりでなくて、将来の交通の態様に即応して車両等の安全性の向上に関する研究開発をはかって、より安全な車を今後生産するように指導してまいりたいと思います。
○吉光政府委員 自動車産業が一面におきまして基幹産業でございますと同時に、有望な輸出産業であるという点に着目いたしまして通産省におきましては従来自動車産業の育成につとめてまいったわけでございます。ただ御指摘のように、自動車産業の育成ということが安全性を無視しているということでは決してないわけでございまして、当然に前提条件として安全性を確保するということ、これまた自動車業界に与えられた一つの課題であると考えるわけでございます。したがいまして、現実にとれる安全対策、これはすみやかにとるべきでございますが、同時にまた、将来の安全性を確保するための技術開発力の強化という点につきましても、積極的に努力してまいりたいと考えるわけでございます。
○内海委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めて。
○太田委員 通産省のたしか予算の中に自動車安全研究の強化予算というのが一億九千百万円だったか、あったというような気がするのですが、先ほど来技術的な開発に対して努力をするとおっしゃいましたが、基本法ができましたからこの予算がふえるということにもならぬような気がするのですが、通産省のその腰の入れ方というのは、一体安全対策の研究強化のために十分であったのかどうか、何か回顧して感想はございませんか。
○吉光政府委員 安全、公害一緒にいたしまして、現にございますところの試験場を中心に安全公害研究センターというものが設置されておるわけでございまして、そのうち自動車安全対策費といたしましては、ただいま御指摘ございましたように、本年度予算として一億九千万強のものが計上されておるわけでございます。このセンターは、実は四十二年度から五カ年計画でこのセンターの拡充をはかってまいってきておるわけでございまして、現状におきましては、その五カ年計画を順調に達成いたしつつあるわけでございますが、特に安全性あるいは公害対策等に関する重要性ということはますますふえつつあるわけでございます。したがいまして、新たに、この計画期間中におきましても、さらに第二次の長期計画を組みまして、研究の充足につとめてまいりたいと考えておるわけでございます。
○太田委員 そういう態度でおやりいただくということは、この基本法ができて、さらに一そうそれが強化されるということになれば、国民もいささか安心すると思うのです。 そこで、欠陥車の問題について、そういう問題が今後この基本的ないろいろな計画の具体化の中にどう取り入れられるかわかりませんが、車両の安全性の確保という、法三十二条がそれに当たるのではなかろうかと思います。これは車検の充実とか技術的基準の改善というものでございます。 車検の充実、技術的基準の改善という中には、運輸省の関係もあれば、通産省の関係もあろうと思いますが、欠陥車の問題に例をとって、欠陥車として明らかになったものに対しては、製造は中止させられたのでございますか。それともそれは、その型式の車は新たにつくることについては、そこを直せば認めるということになったのでございましょうか。これは運輸省ですか、通産省ですか、両省からお答えいただきたいと思うのです。
○黒住政府委員 いわゆる欠陥車の問題でございますが、これは欠陥車といたしまして報告をメーカーから徴します。で、それをすみやかに回収をいたしまして、欠陥部分を直すということでございます。いま回収しそれを点検中でございまして、来月の月末までには、今回指摘されました欠陥車を点検して整備するということで、現在メーカーのほうで計画を実施中でございます。
○吉光政府委員 ただいま自動車局長がお答えになりましたと全く同じ方向で考えておるわけでございます。と同時に、現実に指摘されました五十数件にわたります欠陥事項につきまして、それぞれの原因を先ほどお答え申し上げました安全公害センターとの協力のもとに分析をいたしております。したがいまして、そこで分析いたしまして出てまいりました結論をさらにどう修正していけばよろしいかというふうな点につきましての具体的な作業を行なっておるわけでございます。回収問題その他につきましては先ほどのお答えのとおりでございます。
○太田委員 欠陥車をリコールすることはあたりまえの話です。私は欠陥車として、その型式が該当したならばその製造は中止すべきじゃないか。新たなる型式の申請をして、あるいは何とか番号をつけるか何かして新たなる形にして申請をして、陸運局の新たな承認を得て、それから製造に進むべきだと思うのですが、ある型式の車が欠陥車とわかったら、いままでに出したのはどれだけであったからそれを回収をいたします、回収して点検、整備をさせます、それからまたどうしてそうなったかということについては安全公害センター等において協力して研究をいたしますということではさらに続々欠陥車が生み出され、街頭に売り出されるということがあり得るじゃありませんか。こういう心配はいまの法体系のもとではどうにもならないのでございますか。
○黒住政府委員 欠陥車というごろには、ことばからいいまして二つあると思います。一つは規定に違反しているもの、すなわち自動車の場合に保安基準というのがございます。それから法律に基づきまして型式指定規則というのがございます。型式指定規則の中に規定されておりますところの項目は、仕様諸元表で約三十項目ございます。それから副次的な諸元といたしまして約二百以上のものがございます。これに触れておるものは型式指定規則の十一条によりまして運輸大臣に届け出をして、その部分の改善につきまして承認を受けなければならないということになっておりますから、それらの車については当然その手続を要するわけでございます。ところが、今回のいわゆる欠陥車といわれておりますものは、保安基準なり型式指定規則なりに触れるおそれがある、危険性をはらんでおるというものでございまして、その一定の型式の中に数台のものが発見されましたので、同じ型式の他のものにつきましてすみやかにこれをリコールする、そして点検をいたしましてその部分を調べて、その結果必要ならば取りかえるということでございまして、直接保安基準、型式指定規則に触れるおそれのあるものでございますから、製造禁止等の措置をとらないで、すみやかに回収をしてこれを点検して、必要ならばその部分を直すというふうな処置をすみやかにとることによりまして安全を確保していきたい、かように考えております。 なお今回の場合にいわゆる公表の制度につきましては、従来わが国においてはこれを採用しなかったわけでございますが、すみやかに回収をして点検をするためには、アメリカで行なわれておりますような公表の制度を導入することが必要であるということで、将来に向かいましてはこの制度を実施いたしまして安全を期していきたい、かように相なった次第でございます。
○太田委員 総理府総務長官にお尋ねしますが、三十二条の車両等の安全性の確保というのは、「国は、車両等の安全性の確保を図るため、車両等の構造、設備、装置等に関する保安上の技術的基準の改善、車両等の検査の充実等必要な措置を講ずるものとする。」これに国の基本的な施策としてきめた以上、いまお答えになるようなことはこれからございませんね。現行法ではその触れた欠陥車である型式の車に対して製造をとめることは運輸省はできない。通産省のほうも原因の研究に努力するということであって、通産省もそれをとめるということはおっしゃらない。自主的にとめるということ以外には製造はとめられない、販売もとめられない。三十二条ができたらそういうことはとめられますね。これから欠陥車というものができたら三十二条によってそのようなことを改善されて、欠陥車の引き続きの発売は防止されるものと理解してよろしいですか。
○床次国務大臣 両省の局長からお答え申し上げましたが、それぞれ改善の努力をいたすわけでありまするが、三十二条におきましては、やはり総合的にここに掲げてありますごとく車両の安全性をはかるため云々ということが書いてあるのであります。この趣旨に従って行なうべきでありまして、具体的のそれぞれの措置につきましてはそれぞれの規定がございますので、その規定に従って各省とも努力することと私どもも考えております。
○太田委員 各省が現行の法の規定に従って改善に努力するというだけなら欠陥車は堂々と大手を振って売られるじゃありませんか。そんなことなら基本法をつくる必要はないじゃないですか。基本法をつくったら少なくとも現在よりも不安は解消される、国民の生命、身体、財産を守り、社会福祉に貢献することにならなければうそだ。一製造業者の利害に関係するから目をつぶろうということがあってはいけないし、運輸省も、いまの法律がそうなっておるから運輸省にまかせておけ、責任は運輸省、車検は運輸省だということになったら、いまのままで済むのじゃないですか。あなたのほうは業務計画に改善を勧告して、そういう欠陥車問題について対策に手ぬかりがあったならば、今後新たなる製造は中止しなさい、その措置をとりなさいくらいのことは言うべきだと思うのですが、それは言えないのですか。
○床次国務大臣 法律におきましては「必要な措置を講ずるものとする。」という形になりまして、各省ともそれぞれ前向きに努力しなければならないと思います。それぞれ具体的な各省の動きを検討いたしまして、必要があればこれを改善するということにいたしたいと思います。
○太田委員 わからない。それじゃ同じことじゃないですか。基本法をつくってみても何もならないのではないかと私は思うのです。欠陥車というものは、たとえば走っておってブレーキがロッドや何かに触れて摩滅してブレーキがきかなくなったり、あるいは火が出て火事になったりする車があったりする、そういう構造上の欠陥があるのでしょう。仕様書の欠陥でしょう、設計上の誤りでしょう。そういうことがわかったら、その型式は、指定をし続けておる運輸省に対してあなたのほうは注意をしなければならぬだろうし、運輸大臣と話し合って、この何々社の何々という型式のものはこういう欠陥があるから古い売り出したものは回収しなさい、点検改修すべきだ、新たにつくることはとめなさい、こういうことをしなかったならばこれは意味をなさないじゃないですか。安全性の確保、努力をするということなら、すべて最初のところに一条だけ書いて、今後各省は交通安全のためにそれぞれ施策において安全性の確保のために努力することといえばそれだけでいい。何もこまかく書く必要はない。堂々と中央対策会議だとか業務計画とかいいながら、欠陥車一つの問題が野放しになっておるのはどういうわけですか。
○床次国務大臣 欠陥車の問題につきましても、この三十二条の精神によりましてそれぞれ各省は努力すべきもの、かように考えます。
○黒住政府委員 さっき申し上げましたように、運輸省といたしましては道路運送車両法に基づきます保安基準あるいは型式指定規則がございます。この規則に触れるようなものにつきましては、型式指定と取り消すという行為が可能でございます。型式指定を取り消された場合におきましても、一両一両の検査に相なりますから、したがいまして、保安基準等に十分適合しない限りは検査に通らないということでございますから、それに合うように車をつくらなければならないというふうになっております。 なお今回の場合につきましては、いま保安基準あるいは型式指定規則に直接触れるというものでなくして、そのおそれがあるというものでございますから、すみやかに回収をして点検するという措置をとったものでございます。先ほど申し上げましたように、規則に直接触れるものにつきましては、その型式を取り消すということが現在の法律でも可能でございますし、将来に向かいましては、これらにつきましての監督の体制、それから法律の適用につきましては、事保安に関することでございますから、今回の基本法等の趣旨にのっとりまして、十分の体制をもって仕事をやっていきたいと思っております。
○太田委員 これは専門のことだから、私にはわからないから、通産省の重工業局長さんにお尋ねしますが、型式指定に合格した、合格するときには、いろんな点検、検査等を得るのでありましょうから、それは最初の車は合格したが、あとの車が質が落ちてきたということもあり得るわけです。でありますから、交通安全という責務の問題から考えて、通産省としても、重工業局としても、そのような車については社会的な責務があることですから、すみやかに一応製造を打ち切ったらどうかという勧告ぐらいなされたほうが私は道義的だ、良心的だと思うのですが、そういうことはできないのでしょうか。
○吉光政府委員 ただいま御指摘いただきました型式指定の際には発見されてなくて、そしてそれが市場に出回った後に欠陥が発見された、そういう場合の想定であったと思うわけでございますけれども、一たん欠陥が発見されました場合には、先ほどの自動車局長の御答弁にもございましたように、その欠陥部分を、すでに出回っておる分につきましては、回収するわけでございますけれども、現に製造過程中にあるものにつきましては、その欠陥部分を取りかえまして、欠陥のないものとして製造してまいるというふうなことが当然とられるべきでございます。したがいまして、その新しいものをつくる部品等がないという場合には、これは当然製造をとめざるを得ない状態になるのだろうと思うわけでございます。したがいまして、車を販売しようという気持ちがある限りは、少なくとも欠陥部分は新しいものに取りかえる。したがいまして、その間にあるいは製造中止をいたしておるということもあるかもしれませんし、そしてあるいは新しいものを入れることによりまして、製造を続けていくという場合も考えられるわけでございまして、その事態事態に応じて措置を考えるべきであろうと思います。
○太田委員 黒住さん、運輸省のほうがちょっと体制がおくれてはいませんか。通産省のほうは、道路運送車両法の担当でないから、一々あれになった、これになったということを確認する責任官庁ではありませんけれども、あなたのほうは、いまの欠陥車の対策について一たび適合する法案を出した以上、メンツがあるから、断固押し通すんだという感じの御答弁ですけれども、いまの重工業局長さんのお話によれば、少なくともそこのところは改めて、取りかえて新たにつくるというのが製造業者の良心であり、当然そうあるべきである、こうおっしゃった。そうなったら新たに型式指定をしなければいかんじゃないですか。ひとつあなた、弱気にならずにもうちょっと強気でいかがですか。そういうことにならなければ、三十二条生きないですよ。
○黒住政府委員 いまの欠陥車問題につきましては、少し説明を省略したかと思いますけれども、回収して点検するということは、当然その欠陥部分を取りかえるわけでございます。材質その他が悪いということが、その型式について発見されました場合におきましては、それを取りかえるということが行なわれます。それから組みつけの関係等で、締めぐあいがその車について、ある程度期間使用しておると、その部分がゆるんでくるというふうな欠陥が発見されるものがあります。そういう場合におきましては、その締めつけの関係を回収してやり直して出すというふうな措置をとるわけでございまして、当然いま重工業局長がおっしゃったとおりの措置でございます。なお型式指定で指定を受けましたものにつきましては、メーカーのほうのいわゆる完成検査終了証というものを発行するわけでございまして、メーカーの工場から出ます場合においては、車両検査場で行なっておりますと同じような検査基準をもちまして、これを検査するというための人的体制、あるいは機械の体制等は、型式指定をいたします場合に、運輸省といたしましては厳格に調査いたしまして、指定の可否をきめるということになっておるわけでございます。今度の欠陥車の問題はなるべく早く回収する。従来はそれがわかってダイレクト・メール等の方法によりまして、ユーザーに接触しておるわけでございますけれども、今後はそれをすみやかに回収をする。回収する場合におきましては、欠陥分は当然直して市場に出すのが、ユーザーにお返しするのが当然でございます。なお保安基準、型式指定に違反するようなものが、後に発見されました場合におきましては、その部分につきましては、さらに運輸省の承認を得て、その部分をやり直すということは、現在の規則になっておるわけでございます。なお型式の規則の要目表を、さらに従来よりもプラスいたしまして、今回の経験にかんがみまして、項目をふやしていくというような措置も、この際同時にやりたいと思っております。
○太田委員 両者の御説明を聞きますと、私は通産省のおっしゃった態度は非常にりっぱだと思うのです。やはりそうならなければいけない。そうすれば運輸省としては、道路運送車両法の規定によります省令等の定めによりまして、その型式指定があったからそのままでよろしいとか、そこの部品の品質とか何かをかえたからよろしいというのじゃなくて、もう一回やり直さなければいかぬ、こう思うのです。そういう安全ということは生命に関することですから、厳重にやったらどうですか。そうでないと三十二条が生きない。三十二条つくる必要はない。各省の自由裁量なら、何もこのような基本法をつくっても何にもならぬじゃないですか。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 それで車一台ふえれば国の予算というものは大体二百万円ふえるといわれておるんだから、車一台二百万円の予算がつく、たいへんなんですよ。しかもそれが欠陥車で殺人機だったらどういうことです。 それで私は運輸省にちょっとこの際お尋ねしますが、新車もいっそのこと車検をしたらどうだ。製造業者にまかせるだけでなく、車検の対象としたらどうだ。型式指定ということによって逃げるということは、交通安全対策という立場から、あるいはまた人命尊重という立場からいったらひきょうだと思う。これは将来のことですから、いますぐ法体系の中でそういうことになっておるわけじゃありませんから、別にあなたに御答弁いただくこともないと思いますが、交通安全対策基本計画をおつくりになり、中央対策会議においては十分その点を検討してほしいと思うのです。いま運輸省は、そういう検査する方、型式指定の申請があったときに、それを調べる方は十人ぐらいしかないとか、あるいはそれは船舶研究所に属しておって独立しておらぬとか、いろいろなことをいわれておりますけれども、運輸省ももっと力を入れて、安全対策のためにはほんとうに力を入れているんだという実を示してほしいと思う。こういうことがあるということは、運輸省の自動車局長御存じですか。たとえば欠陥リストというのは、系列の整備工場にはマル秘の書類で常にわかっていたのだ。外見をはばかるマル秘の書類によって、欠陥リストというのは系列整備工場とか整備係にはわかっていた。こういううわさがありますが、事実はどうですか。
○黒住政府委員 今回報告を徴しました国内車五十八件、それから輸入車七十七件につきましては従来わかっておりまして、メーカーのほうがディーラーを通ずるなり、あるいは直接ユーザーに対しまして通知をいたしまして回収し、点検をしておるものでございまして、それらにつきましては、いわゆる型式指定規則に触れているものは運輸大臣に届け出をしてその承認を受けなければならないけれども、それまでに至らないものにつきましては、従来からメーカーのほうで直接自発的に回収し整備をしておったわけでございます。この制度は、ヨーロッパにおいてもそうでございますが、アメリカにおきましては、そういうことをやります場合にメーカーのほうは自発的に新聞等に公表いたしまして、回収のスピードを上げるという措置が行なわれておったわけでございます。 〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 われわれは今回回収のスピードアップをいたしますために、一般に周知徹底する制度について新たに採用しようということにいたしたわけでございます。今回のものにつきましては、すでにメーカーのほうで平均いたしまして五〇%前後のものは回収を終わったものでございますけれども、今回はそれらについて全部報告を徴して、その回収、点検して直すという期限を八月一ぱいまでに全部やってしまうというふうな措置をいたしたわけでございまして、従来ではメーカーのほうで、公表ではなくして、直接ディーラー、ユーザーに接して回収をしておったというものでございます。
○太田委員 運輸省が鉄道から自動車、それからいままた船と飛行機というぐあいに交通機関のすべてを掌握され、それを監督されるということになるならば、私もたいへんな御苦労だと思うのです。したがって、いまの欠陥軍なんという問題ができてきたことについて、世の中からいろいろいわれていることについて御同情申し上げる、実際苦労していらっしゃる皆さんに申しわけない。これは通産省のほうの態度が先ほどのように非常に明朗である限りにおいて、私は製造業者も御指導には心よく服されると思うのです。ですから、法の運用においてはどちら側にゆるやかにするかという場合になりますと、それは被害をこうむるほうの立場をまず考えて、そちらには緩であってよろしいけれども、もとをつくる原因車のほうには厳でなくちゃならぬと思うのです。だから欠陥リストというのは、どこに欠陥があり、問題点があるかということは、新車が発売されるとき、整備員の者はちゃんとわかっていたのですよ、それはないしょになっていた。まあいいでしょうね、今後一生懸命やってくださればそれでけっこうですか……。 そこで、ちょっとついでに自動車局長さん、整備の問題は、このごろ運輸省の御方針というのは各陸運局を通じてそれぞれ末端のほうに伝わっておりまして、いわば民間指定工場というものをふやしていって、そこに自動車検査員というものを多く配置することによって直接的な車検場における陸運局の検査というものをなるべく少なくしていこうという動きになっておると思う。これは時代に適合しておることですからいいことだと思う。同時にこれは非常に大規模でないとそういう指定を受けられない。ですけれども、いま車検場における直接検査主義というものは外見にどうしてもとらわれちゃう。きれいに掃除されて、あるいは塗りかえられていきますと、まあポイント、ポイントは検査されますが、はたして分解検査をなさっておったかどうかというところまではいかないわけなんです。だから車検さえ通ればいいという悪徳車検業者もあるのですから、これを防ぐためにどうしたらいいかということになれば、この自動車時代におきまして直接陸運局が一台一台検査するというような原始的なことはもうやれない、一つの曲がり角に来ておるのじゃなかろうか、少々規模が小さくても、その構造が、たとえばその責任者ないしはそこに実際におる検査員に相当する者がりっぱな整備士であったときには、信用し得るものならば指定工場として、指定工場もふやして車検の充実というものを期するのがほんとうだと思うのです。それが三十二条の精神に合うと思うのだが、そういうことになるかならないか。
○黒住政府委員 現在継続検査につきまして国の検査と民間車検工場とがありまして、民間車検工場のシェアは一六%強でございます。われわれといたしましては四十八年度を目標にいたしましてこれを七〇%にしたい。車の量が非常にふえてまいりますと、車両検査の業務量がふえるわけでございますから、国の検査と民間車検を十分活用いたしましてこれに対処しようとするものでございます。国にかわって現車を検査するわけでございますから、整備工場に対する監督というものを厳にしなければならないことは当然でございます。従来から指定の基準がございますけれども、これの運用を厳重にやっていきたいと思います。 なお、小規模のものでございますが、現在の指定整備工場の指定基準によりますと工員六名以上いなければならないというふうになっておりますけれども、六名といいますとそう大きな規模ではないわけでございます。その場合に、国が行なっておりますところの整備士技能検定制度がございますが、それに合格した整備士を三分の一以上置かなければならないというふうになっております。同時に、この検査をやるわけでございますから、検査の機械器具等は国が指定いたします基準にのっとって整備しなければならぬということになっておりますが、それらの整備基準を厳格に適用いたしますと同時に、ふだんからの監査を十分やりまして、国と相ともにこの激増する車両に対する検査というものに万全を期していきたい。いま先生が御指摘のとおりの方向に向かって進んでいく計画でございます。
○太田委員 私は、陸運行政として、特に自動車の安全性確保のための車検業務というものは、直接車検をするのではなくして、抜き取り検査はよろしいけれども、監督を強化する、すでに指定を受けておる指定工場でも資格がどうもあやしいと疑われるというような工場も散見されるわけでありますから、監督行政を徹底的におやりになるべきだと思う。監督権の発動というものに誤りがないようにおやりくだされば、一々自分のところの検査員がたたいてみたり踏んでみたりというようなことをしなくても済む。もうそれでは間に合わないです。かえってそれはあぶない、こういうことを思います。指定工場あたりは高いですから、大体指定工場となると車検料が、修繕費と申しますか、いろいろ費用がたくさんかかるから、どうしても民間のものは、もぐりと言っちゃなんですが、指定でないところのたとえば二級整備だとかなんとかいうところへ行ってしまうわけですね。ですから、そういう金の安いほうへ安いほうへと車が流れていって、そこで曲がりなりにも車検の口を覚えた修繕工がよろしく整備しておいて、そうして車検だけ通ってしまえば、普通車の場合、あと二年間よろしいということはたいへんな反社会的行為だと私は思うのです。そういうことがないように制度を確立される必要があると思うのです。それはいまの局長のお話で大体けっこうでありますが、車検の業務はいよいよ重大なときに来ているのですから、行きがかりにとらわれたり、メンツにとらわれないで、新時代に適応するようにやってほしいと思います。 通産省の方にあわせてお伺いしたいのは、先ほどおっしゃいましたが、公害と技術のセンターですから公害問題もそこで研究していらっしゃると思いますが、一酸化炭素と亜硫酸ガスの発生率を極力押えるということについては実用化されておるのですか、研究過程にあるのですか。これは都会におきましては、基準以上のそういうガスが交差点等におきましては充満しておるという報告が東京都などにはあるわけです。ですから、一酸化炭素の発生、亜硫酸ガスの発生というものは極力押える。この基準が何か三%だとかいうことであるそうですが、それを一・五%なら一・五%とか、極力低位に押えるという研究が成功して、それが実用化されておるのかどうか。実用化されておるならおる、おらなければいつごろそれが実用化されるか、こういう点についてお答えをいただきたい。
○吉光政府委員 排出ガスに対します直接的な規制は運輸省のほうでおやりになっておるわけでございますが、確かに御指摘のように、このガス規制をもっと強化すべきであるという点につきましては、私どもといたしましても全く同意見でございまして、そういう方向で現在運輸省を中心に新しい排出ガスの基準がきめられたわけでございます。ただ、現在きめようといたします排出ガス基準をさらに押えてまいるということのためには、どうしても新しい技術開発が必要でございまして、先ほど安全の問題のときにお答え申し上げました安全公害センターの公害のほうの関係といたしまして現在さらにその研究を進めておるわけでございます。ただ、これが研究を進めておりますけれども、さらに研究所における研究から、実際にそれを使用する、あるいは企業化してまいるというまでの過程には、まだある程度の時間がかかろうかと思うわけでございまして、現在そういう研究所における研究のほかに、さらに各メーカーにおきましても、アメリカのビッグスリーとこういう公害問題につきましては技術提携を結んでおりまして、お互いに公害の技術を知らせ合うというような体制がすでに整いまして、したがいまして、向こうで開発されました公害防止の関係の技術もこちらで積極的に取り入れるという方向での体制を現在整備いたしておるところでございます。
○太田委員 交通局の局長の久保さんがいらっしゃいますからちょっとお尋ねをいたしますが、いま高速道路時代になりましたし、それから軽自動車時代といってはなんですが、案外三百六十㏄の自動車がたくさん走っておるわけであります。この三百六十㏄には車検がありません。ただあるのは半年ごとの点検であります。そこで、六カ月ごとの検査を繰り返しておれば軽自動車は車検を受けなくても別段法令に違反をしない。ところが、軽自動車といえども、いまの道交法等によりましてスピードの許容が寛大です。軽自動車というものに対して久保交通局長は、一体今後現行のままでいくのか、スピードはどう規制していくのか、何か新しいお考えがおありでしたら御発表いただきたい。
○久保政府委員 現在特に軽自動車の事故件数が多いというわけではございませんけれども、ただ軽自動車の性能向上に伴いまして、従来も免許証などで特別な扱いをしておったのを一本化するということがありましたが、そういう性能向上に伴う交通行政のあり方ということはもう一度考えてみる必要がある。そこで現在格別の案があるわけではございませんけれども、道交法の改正にも関連して、その中で検討をしてみたいと考えております。
○太田委員 具体的な案があったら言っておいてください。ないですか。
○久保政府委員 具体的にはまだ私の手元にあがってきておりませんので、承知いたしておりません。
○太田委員 では伺いますが、高速道路においていま軽自動車を通行禁止にしておらない理由はどこから出たのですか。
○久保政府委員 通行禁止にいたしておりませんが、特に禁止しなければならない理由がまだ出ておりませんので、そういたしております。
○太田委員 高速道路において三百六十㏄がいま許されておるスピードと、そのスピードによって走行可能な延べキロとはどれくらいに見ておられますか。
○久保政府委員 高速道路は最低限が五十キロになっておりますので、五十キロ以上であればよろしいわけですから、軽車両といえどもだいじょうぶでありますが、ただどの程度といいますか、私は距離数を存じません。少なくともインターチェンジがたくさんありますから、それぞれの能力に応じて走っておることと思います。
○太田委員 まあ久保局長は私のほうの久保さんと同じ名前で、私は交通の問題はくろうとと思っておりましたが、また非常によく勉強していらっしゃるようですが、御着任以来日も浅いことでございますので、あなたの感受性ならば相当早くマスターされると思いますから、早くそれを熟知してほしいですね。インターからインターまで行くというふうに軽自動車が使われるなら確かにこれはいいのです。高速道路も東京から名古屋とか京都、大阪まで行くなんということを考えるのは、私は小型自動車、軽自動車などにおいてはいささか冒険過ぎるものだという気がしてしようがない。しかしそれをチェックする方法はいまの道交法でないでしょう。あの小さな車、車検がなくて、わっぱが小さいから、走るのに五十キロ以上出して八十キロで走っていくのもたいへんだと思う。しかしそれが案外とほかの車を追い越すのですね。この実際を見てみますと交通事故は起きますよ。だから高速道路と軽自動車という問題はすみやかに割り切ってほしい。そして軽自動車というのは高速道路にはあまり入ってもらいたくないという気がしてしようがない。もし入ることを許すならば、その性能と申しますか型式指定等、道路運送車両法による運輸省の基準を高めてもらいたい、こう思うのです。場合によっては車検を必要とするまで持っていってもらいたい。たとえば車検を受けた軽自動車ならば、一般の小型車と同じように見るとか見ないとか、何か新しい対策をお講じになりませんと、軽四輪の事故というのは多いじゃありませんか。乗用車で四十一年度に対して四十二年度の件数が一番ふえておりますのは軽四輪。これは貨物においてもそうでありまして、乗用車の場合は、普通車が三九・四%ふえて、四十二年度の発生事件件数十三万四千九百十八件、これに対して軽四輪は四五・一%の増でありまして、絶対数では一万二千九百二十八件で少ないのでありますけれども、どんどんふえておるという点は軽視しては相ならぬという気がするのです。こういう点については運輸省の局長さんいかがですか。
○黒住政府委員 軽自動車も、最近に至りましては相当スピードも出ますし、また車両数にいたしましてもおそらく四百五十万台をこえておるような状況でございます。したがいまして、この安全につきましては相当考慮をしなければならないと思う次第でございます。 運輸省では、車両の構造につきまして、その安全性の維持をはかる仕事をやっておるわけでございますが、現在の道路運送車両法におきましては、軽自動車の場合におきましても型式認定の制度がございますので、メーカーのほうにおきまして、軽自動車を使用いたします場合におきましては、完成検査を厳重にやっておるわけでございます。使用の過程に入りましたものにつきましては、定期点検をやらしていることは御指摘のとおりでございますし、それから整備工場の問題につきましては、普通の自動車の整備工場と同じようにこれを監督しておるわけでございます。しかし、車両検査をするかどうかという点につきましては、車両の欠陥によりますところの事故の状況を見ますというと、軽自動車以外の、いわゆる自動車に対しまして約半分でございますので、いまのところ直ちに車両検査の制度を実施するという計画はございません。 なお現在民間の団体で全国軽自動車協会連合会というのがございますが、これを指導いたしまして、軽自動車使用者に対する定期点検実施時期の連絡通知、それから定期点検実施の確認、定期点検整備済み標章の貼付というふうなことを指導して、定期点検整備の励行につとめておる次第でございます。今後の軽自動車におきますところの車両欠陥の事故の趨勢を見まして、将来これに対する車両検査制度を導入するかどうかにつきましては検討させていただきたいと思っております。
○太田委員 新たなる時代は高速自動車道の時代、ハイスピードの時代というところから自動車は盛んにスピードを一つの条件として宣伝をし、またそれが購買意欲をそそっておるのでありますから、軽自動車といえどもやがては車検制度に組み入れるということが必要のような気がします。特にシャフト折れ等を私は心配をするのでありますが、これも点検で何とか確認はできるでありましょうが、軽自動車を持っておる人はそういう認識がない。またその運転技術も未熟でありまして、しばしば急ハンドルを切るようなこともありますから、くれぐれも軽自動車対策ということについては軽く見られないで積極的な対策を、本法案ができたらばやるということにしていただかなければならぬと思います。 そこで、局長さんに重ねてお尋ねしますが、あなたのほうの道路運送車両法というものは、第一条に目的が書いてありますが、これがしごく技術的な表現でありまして、新しい時代に即応したような、この交通の混雑、交通事故の激増、死傷者の増大、交通秩序を守らなければ何ともならぬというような時代、すなわち車が道路に比して多過ぎるという時代を迎えて、そこで、その道路運送車両法はそのことに全然関係なく――関係なくというと誤解がありますが、それを直接解決するために身を入れるというような積極的な身がまえがないままに登録制度、車検制度があるわけであります。車検の制度についてはいまお尋ねしましたが、登録制度も、所有権の公証というようなその必要から登録制度がある。いわばナンバーというものはそれによってつけられるのでありまして、陸運事務所は、所要の手続を経れば道路がどうあろうと、あるいはその町の交通事故がどのようであろうとおかまいなしに所有権の公証をする、登録の許可をされるのであります。登録制度というのは新しい時代に即応して、この交通安全対策基本法というものができて、そして車両等の安全な運転というような三十一条ができた限りにおいては、新しい時代の登録制度というものをつくり出すべきじゃないかと私は思う。何か御所見はないでしょうか。
○黒住政府委員 いま、道路運送車両法におきましては、登録ということと検査あるいは整備事業の監督というようなものを規定しておるわけであります。主として技術的な保安の面からの規制、それから登録につきましては所有権の公証をするということによりまして動産的な扱い方をしております。したがいまして、この自動車は自動車抵当法の対象に相なっておるわけでございまして、現在の車両法の規定につきましては、保安の問題あるいは登録の問題につきましては相当完備した法律であると思っております。しかし時代の進展に即応いたしまして、たとえば先ほど御指摘の指定整備工場をさらに育成して強化していくこと、それから膨大なる仕事量に即応いたしまして登録、車検を機械的に能率的にいたしますために、本日法律として御可決願ったわけでございますが、道路運送車両法の改正をいたしたわけでございます。保安を確保すると同時に仕事を能率的に行ないますためにそういう体制を整えたつもりでございます。 しかし、自動車のふえ方につきまして登録というふうなことでチェックしたらどうかというふうな御意見もありますけれども、先年車庫の規制の法律ができております。一定の要件を備えた場合におきまして、自家用車の使用を禁止するというふうな法律はいまのところ世界的にもないように聞いております。われわれといたしましては、保安上十分な車であり、それが適正に登録されたという車でなくちゃならぬことは当然でございまして、その車の事故防止等につきましては、今回の基本法におきましても基本的に規定をされておるところでございます。われわれといたしましては、運輸省といたしましての分担する範囲内におきまして適正な登録と保安の確保ということに一段の努力をいたしたいと考えております。
○太田委員 建設省の次長さんいらっしゃいましたね。――建設省にお尋ねしますか、東京都内に使用し得る車というのは現在の道路からいってどのくらいのものでございますか。二百万台いま走っておるということになっておりますけれども、これはとてものこと東京というのは走れないでしょう。歩いたほうがいいのじゃないかということになり、やがて地下鉄が一番いいから地下鉄に乗ってあとは歩くとかということになりつつあるのです。自動車の効用がだんだん減っておりますが、東京というのは、二百万台ある現在の車の量からいって、現在の道路の実情からいったらばどのくらいの許容量があると見ていらっしゃいますかということです。
○多治見説明員 お答えいたします。 御質問のように現在東京都内の道路事情は非常に逼迫しておりまして、自動車の効用が低減しておるということはお話のとおりでございます。ただ現在の東京に何百万台までの自動車が運行するのが限界かという御質問だと存じますが、私どものほうでそういった数字を正確につかんでおりませんが、現行の車両が現在の状況よりもより効率的に運行できるように今後大いに改善すべく目下努力しておるところでございますので、道路条件の変化に従いまして、まだ何百万台まではだいじょうぶというところまではいきませんが、現在の車両以上増加したら絶対都内の交通が麻痺するというところまではいかないでしのいでいけるという状態が続くんではないかと考えております。
○太田委員 私は道路はあまり伸びないと思う。道路の伸びる率は常識的に三%、それから車の伸びる率が五%、こんなことをいっておるのですが、とにかく車の伸びのほうが道路の伸びをこしておるのでありますから、それはすぐに詰まってしまうということはさまっている。だから、建設省としては道路計画六兆六千億というものをお立てになった、それは一体何台の自動車が安全走行できるものであるかという点を私は疑問に思っているのです。何台の車を想定していらっしゃるか。先ほど言うと三千万台、三千万台といったらもうすぐ目の前に来てしまっている。こう思うのです。二百五十万台も生産されておるのですから。車の生産について通産省がおやりになるはずはありませんし、それからいまの運輸省のお話ではナンバーはじゃんじゃん出す、じゃんじゃんということは語弊がありますから取り消しますが、適正な申請をされた車に対してはナンバーを出すことを制限することはできないとおっしゃっている。そうするとあとその被害を受けるのは建設省とお互い住民であります。だから建設省のほうでどれくらいの車までは認めるおつもりでいらっしゃるかということをお尋ねしたのですが、できるだけ効率をよくしてうまく動けるようにしたいとおっしゃる、それはそうだね。効率をよくすればいいということですが、東京の道なんというのは自動車が完全に走れる道はわずかであって、裏道なんというものは、建設省あなたのほうでお出しになった車両制限令にほとんど抵触しているのじゃありませんか。車両制限令というものは、一方通行の道では車の通ったあと幅がどれだけ残っておればいいのですか。
○多治見説明員 お答えいたします。 車両制限令は御承知のように道路の条件によりまして通行できる車両を制限しておるわけでございますが、お話しの一方通行の道路につきましては、車両の幅に加えまして一・五メートルの余裕があればその道路は通行してよろしいということになっております。
○太田委員 総理府長官、あなたに具体的な話でちょっと聞きますが、国会から赤坂のプリンスホテルまで行こうとしますね。そうすると参議院の裏の信号を通って、その次の高速道路の下の信号を直進をいたしまして、狭い道です、一方通行ですね。そうしてその次の道を左に曲がるとプリンスホテルの前に出る。あの道はいまの一・五メートルという幅があるのですか。長官、お通りになったことがありますか。
○床次国務大臣 私あの道ははかったことはありませんが、通ることはよくありますが、あれは一方交通になっておりまして、通行を許しておるようです。
○太田委員 警察庁にお尋ねしますが、あの道はいまの車両制限令に適合しておりますか。
○久保政府委員 私もいまぴんとまいっておりません。
○太田委員 実に東京というところはアクロバットな運転をしないと通れない道ばかり多くて、曲芸的な自動車が通ればこれは当然その付近の住民というものは軒下から外に出るわけにいかぬですよ。長官、ほんとうに庶民の苦しみというのはそこにあるのですよ。うちをつくった、そうしてへいをかけて、長いことここに住んで、住みごこちがいいところだなという目の前を、大通りの右折禁止があるために、その前をじゃんじゃんとじゅずつなぎに車が通る、それは車両制限令を犯している。ところがそこを通らなければ何としても――特にプリンスホテルに行くお客さんというのは貧乏人じゃありません。歩いていく人はない。歩いていくと、あなたはどこの人かと門前払いを食う。だからしょうがないから車に乗る、車に乗ればあそこは電柱に車体がすれそうな狭い道でございます。それでやむを得ないので一方通行としてある。私は警視庁も苦肉の策だと思うのです。それからそういうところは幾らでもある。杉並や練馬など郊外地域に行けば幾らでもある。それは通れないのに通行禁止になっていない。そうすると車両制限令というのは、これは建設省がおつくりになって、そうしてそれを監督するほうは警察庁ですか、警察というのは何でも引き受けるところでございまして御苦労だと思いますけれども、一ぺん道の幅を調べたりそれからその付近の住民の感情を調べたり、もう少し車両制限令を的確に守るなら守る、どうせ使わないならいっそのことこれはやめてもらいたい、こう思うのです。どんなものですか、何か御感想はありませんか。
○久保政府委員 都政白書によりますと、東京都内の道路で四・五メートル以下の道路が六二%を占めておると書いてありました。したがいまして四・五メートル以下でありますから、非常に狭い道路が多いということは確かでありまするし、特にバス路線などで制限令すれすれのところもあろうかと考えます。 そこで私考えますのは、この制限令の是非については建設省とも御相談しなければなりませんが、特に子供の通行の多いような狭い道路については通行を制限してみる、車の通行を制限してみるということも考えてみてはどうだろうかという気がいたしております。そこで実は現行の道交法から申しますると、必ずしも一〇〇%だいじょうぶとは申せませんけれども、大ぜいの人が喜ぶ善政であるならば、いまの法令を活用してある程度そういう地域があるのではなかろうかということを考えます。したがいましていまやろうとしておりますることは、さしあたって夏休みの期間についてまずやってみて、それの結果を見てまた期間的に延ばすなりあるいは地域的に延ばすなり、これは特に地域住民の要望とよくにらみ合わせて、その場所を選定してみたい、こういうことを考えております。
○太田委員 建設省の方にだれか随行の方がいらっしゃるから、制限令を一ぺん見てください。車両制限令というものは私はこう考えておる。路肩というのは大体〇・五メートルでありますから、路肩というものを残せということだと思うのです、一方通行の場合に。そうすると、一・五メートルでなくて〇・五メートルだと思うのです。それさえも現在犯しているのです。ですから一方通行でない道はやはり路肩だけ半分にして、あとは車が通れるだけの幅ができればよろしい。二台の車が通れる幅があれば路肩は〇・五メートルということを残せということだと思うのです。たしかそうだと思うのです。路肩が弱くて落ちた、落ちたということがありますが、路肩というものは〇・五メートルじゃないのですか。その辺建設省の専門家が、簡単なことを教えていただくと困るのですけれども、私のほうが違っているのか、あなたのほうが違っているのか。
○多治見説明員 お答えいたします。 車両制限令の第四条の問題かと存じますけれども、この場合市街地を形成している区域で道路の交通が少ない区域と、それから市街地で車両の交通の多い区域と分けて規定してございます。両方とも、路肩を除きまして、車道の幅員から、先ほど申し上げました交通量の少ないほうは〇・五メートルを減じたもの、交通のひんぱんなほうは一メートルということでございます。
○太田委員 だから、路肩を控除するというのが一メートルあれば、両方あれば一・五メートル。しかし東京の場合は路肩というものが実際上はないと私は思う。〇・五メートルの幅があるかというと、それがない。すれすれ一ぱいのところを自動車が通るというこのことは、私は車両制限令というものが骨抜きになっておるという気がしてしょうがない。だから、警察庁はそれを取り締まるために、万やむを得ずして一方通行をこの狭い裏道に認めたということはあり得ても、これは暫定的なものであって、すみやかにそういうものはなくして、広い道に車を停車させて、そこで乗っておる方にはおりていただき、所用のところには歩いていただくというような習慣をつけてもらいたい。どんなところにも車を乗り入れて、それで玄関まで行かなきゃいかぬというような、そんな車の使い方を認めるこの制度というものは、私はいささか問題があるような気がする。局長さん、いかがですか。
○久保政府委員 現在の法体系から申しますると、交通の安全と危険防止をはかるため、こういうふうになっております。 そこで、交通の安全ということでそれが読めるかどうかということで、ややわれわれのほうでは、法律的な考え方からいいますと、なかなか踏み切りにくいところでありますけれども、場所の状況によっては交通の安全をはかるために交通規制はやる、つまり車の通行禁止をするということが考えられるのではなかろうかということで、全面的にではありませんけれども、先生の言われるような方向で、いま進みつつあります。
○太田委員 大臣がいらっしゃらないから、せっかく楽しみにした質問も大臣にできないのだが、専門家の宮崎さんに尋ねるかな。 いまトラックや大型車、バスですか、特にトラックにわかりますね。青い電気が、緑の電気が三個ついているのは速度灯でございますね。あれはどういう区別になっておるのですか。
○宮崎(清)政府委員 どちらからの順かちょっと私忘れました、左からか右からかちょっと忘れましたが、二十キロ、四十キロ、六十キロのそれぞれの速度に達するとあのランプがつく仕組みになっておると理解いたしております。
○太田委員 調べてください。ちょっと違うな。運輸省聞いているから、教えてあげてくださいよ。四十二年の六月、おととし実施したのですよ。
○宮崎(清)政府委員 たいへん失礼いたしました。先ほどのは間違いでございます。 最初の、四十キロメートルに達しましたときに一個つきまして、その次に、四十キロメートルから六十キロメートルの間で二個つきまして、六十キロメートルをこえますと三個つきます。
○太田委員 御名答でありまして、宮崎さん、そういうものですよね。ところが、あなたが御承知にならぬように、現在の閣僚諸公が自分の車で東京都内をどこか走っていたときに、青いあかりをつけて走っておるトラックを見つけて、あのトラックは三つついているからきれいだなと言った人がある。三つついているのは違反でしょう。運輸省どうですか。ちょっと聞きますが、そういうためにつけたのではないですか。
○宮崎(清)政府委員 最高速度がトラックにつきまして六十キロ未満で押えられております道路で三つつけて走っていれば、それは違反になります。
○太田委員 国道一号線、当然それは、六十キロは違反ですよね、国道は。高速道路でない限り……。だから、四十二年の六月の運輸省令によって速度灯というものが制度化されたのでありますけれども、あれは、運転手さんは、要領よく、つけないようにする方法も覚えていらっしゃる。これは裏を知っていらっしゃる。あまり効果はないようですけれども、しかしまじめな運転手は確かにあれを確実に作動させておりますから、三つついて走るやつがあったら違反だ。まず普通の場合違反です。久保局長、交通局、どうですか、そういう違反があがったのはどれぐらいあるですか。
○久保政府委員 三つついていれば六十キロ以上であることは確かのようでありますが、ただ問題は、私どものほうとしましては、違反になりますると検察庁に送るわけですけれども、検察庁のほうの態度としては、あのランプだけですぐに取り締まりはできない、やはり警察の定められた測定機によってそれが七十五キロであるとか八十キロであるとかいうことが明確にならないと、地検のほうでは受け取らない。なぜかと申しますと、ここでは若干申しにくいわけでありますが、たとえば六十キロを数キロこえておるからといって、すぐに違反として検挙しておるわけではありません。もちろん警告指導ができる場合にはやっておりましょうけれども、それだけで検挙するわけにはまいらないということで、ランプがついているからということで即取り締まりということにはなっておらないというのが現状のようであります。
○太田委員 だから、そういう現行制度のいろいろな思いつき――思いつきであり、かつまたそれが具体的に効果を発揮しておらないもの、そんなものは、やめちゃえばいいじゃないですか。今度の交通安全対策中央会議が、対策委員会ができたならば、そんな役にも立たぬようなものはやめて、そしてもっと役に立つものに重点を置かれる必要があろうかと思う。 運輸省にお尋ねしますが、速度灯というものは今後どうするつもりですか。単に、あいつは違反しておるな、まじめに運転しておるなということを対向車にわからせるために、今後とも継続するのか、どうなさるのですか。
○黒住政府委員 これは保安基準に規定しておるわけでございまして、やはりこの規定をつくりましたときには、運転手のスピードに対する、制限に対する自覚を喚起するというふうなことであれが設置されたものであると思います。また、一定の車につきましては、タコメーターというふうなものも義務づけておるものがございまして、やはりわれわれといたしましては、その種の保安的な装置につきましては、これはやはり継続したほうがさらにいいのではないか。 さらに、そのほかの方法等につきまして、もっと有効適切な方法があるかどうかにつきましては、現在検討をしておる次第でございまして、あれによってスピード違反が絶滅できるものではございませんけれども、それ相当な警告をする、自覚を促すというふうな意味におきましては、有効なものであると考えております。
○太田委員 東条大将の言うような精神訓話が多いわが交通安全対策の諸制度でございます。私は、本基本法ができるとするならば、それはそういう精神的なものでなくして、もっと実効ある措置がすみやかにとられるというものでなければ、これは屋上屋を架す以外の何ものでもないという気がしてしようがない。その点について私はいまの速度灯については無用の長物のような気がするけれども、二年やそこいらでやめては少々問題でありましょうから、もうちょっと続けてみてください。 それから、久保局長さんは取り締まりの対象にはならぬとおっしゃるが、これは弱ったことで、取り締まりの対象にしなければ、せっかくおつくりになったものが意味ないですね。自分の車が何キロで走っているかは自覚の問題である云々ということでありますけれども、目の前にスピードメーターがあるじゃありませんか。自覚だけならば、タコメーターの設置を義務づけておけば、あとでその車はどの辺を何キロのスピードで走ったというのはすぐわかるじゃありませんか。これは警察庁の交通局長さん、いかがですか。
○久保政府委員 結局いろいろな器材の信頼性の問題と、それからどの程度から取り締まるかという問題で、若干違反であったからすぐ取り締まるということだとなかなか納得は得られない。明白に大きく違反をしており、それが危険であるといったような事態で初めて違反者も納得されるということではなかろうかと思います。したがいまして、私はいまありますタコメーターにいたしましても、スピード灯にいたしましても、やはり業者側の管理体制の問題として考えたほうが今日の状況ではよろしいのではなかろうか。もしこういうものがもっと改善されていけば、取り締まりと結びつくことも可能かと考えます。
○太田委員 何かたよりがいのあるような力のある音量があなたから出るから何かたよりがいを感じてしまうのですが、結局よく考えてみると、速度灯については取り締まりができないということであれば、タコメーターで十分じゃないかと言っても、いや、幾らあってもいいのだということで、それはタコの足は八本もあるのだから、人間は二本ということだから、タコも二本ということにいかぬでしょうけれども、法律を幾らでもつくられて、いまのように速度灯は整備されなければいかぬでしょう。政令によって義務づけられれば整備しなければなりませんが、ずいぶんこれは故障、つきっぱなし、幾らでもこれが走っておるのです。私はそういうのをこの際何か基本法というものをつくるという段階におきましては、総理府において体系立った方針を確立して業務計画の中に入れてもらいたいと思う。副長官どうですか。いまのお話を聞いていらっしゃって、大臣にかわって何か所感はございませんか。
○弘津政府委員 いま初めてお伺いして、まだ全体の雰囲気はよくわかりませんが、もう少し関係当局と相談しまして検討していきたいと思います。
○太田委員 これは警察庁の交通局長にお尋ねします。自動車学校の問題ですが、年間二百万人ぐらい入学しておるところの自動車学校という制度について、現行制度を変える御意図があるのかないのか。基本法ができましたら、基本法というものの精神に従いまして、自動車学校制度というものに何か手をつける御意思はございませんか。
○久保政府委員 現在自動車学校については法律では一カ条しか出ておりません。ところで、いまおっしゃいましたように、自動車学校の卒業生は二百万をこえておりまするし、反面昨年の中学卒業生が百八十六万でありましたか、そのくらい大きなウエートを占めている。つまり社会教育の立場から見ましても、非常に大きな地位を占めておるように私ども感じるわけであります。そこで、自動車学校側からも自分たちの地位と内容の充実について十分考慮してほしいという要望が出ております。そこで、具体的には何を望むのであるかということをいま自動車学校側に申し入れて出してもらうことにしております。したがって、私どもとしましては、自動車学校の内容の充実強化ということは当然でありまするし、またその指導と監督の強化ということも当然であります。そこで、その上に立って具体的に何をやるかということは自動車学校側と相談しながら考えてみたい。いままだ具体案は出ておりません。そういう状況であります。
○太田委員 さきほど登録の問題について、条件さえ備わっておれば登録は自由である、こういう結論でありましたから、登録制度の改正は本案によって期待されない。免許証の場合は、これまた自動車学校を出なければ免許証をやらないじゃなくして、これは実地試験、学科試験等を試験場に行って直接受けることもできるわけであります。けれども指定自動車教習所というのは、実地試験の免除、技術試験、技能試験は免除でありまして、学科の一般学科と構造とは直接公安委員会の試験を別に受けなければならない。この現行制度についてこの際メスを入れて、自動車学校というものが交通安全対策の一つの大きなかなめになるように位置づけたらどうかという気が私はするのです。あなたも、自動車学校から何か要望があるから要望を検討してみてきめたいとおっしゃいましたけれども、自動車学校の指定をする場合には、十分様相を見きわめて御指定をしていただきたいと思います。昔は妙な時代がありまして、自動車学校の面積の基準というのがやかましく言われたときがある。自動車学校で面積をやかましく言われた。しかたがないので赤坂の自動車学校は一階建てになった。しかし自動車学校のコース上の練習というのはあくまでもコース上の練習でありまして、これは街頭におけるところの実技、技能とは結びつかないのです。初めのころには道路交通の渋滞とあぶないから、仮免許によっての道路上の走行ということはなるべく自粛したほうがいいじゃないかという意見があったときがあった。けれども今日は逆に公道面において、街頭において実際を仮免許を得て勉強する。それが何時間であるかということは、基準でありますから別に警察庁がおきめになればよろしいが、相当時間をかけて街頭の実地走行、技術訓練をやる必要があると思う。そのほか幾多問題があると私は思うのですが、それが交通局長がかわったら変わってしまうと、何だか前のいろいろな意見は全然また没になって、もう一ぺんやり直しというのはたいへんであって、もしそういうことが人がかわってやり直しになれば、交通安全基本法だって、床次長官がいつまでもいらっしゃるという前提でつくるならいいけれども、任期中だけというのだったら時限法になる。自動車学校の改革要網とか試案というものはないのでございますか。重ねてお尋ねします。
○久保政府委員 いまお話のありました中で、路上の運転は仮免許を得た後に現在は二時間以上五時間以下ということでやっております。したがいまして、先般も新聞紙上問題になったことがありまするけれども、現実に行なっておることは行なっておるわけです。 そこで、教習所の内容の改善ということにつきましては、実質問題といたしましてカリキュラムの具体化というものをこの七月から実施いたしております。しかしながら、制度そのものとして何を具体的に要望されるのかということが実はまだはっきりわかっておりません。と申しますのは、たとえば自動車学校側から従来要望されておりましたことは、たとえば単独法をつくってほしいあるいは資金の援助をしてほしい、そういったような面でありまするけれども、それは現行法のたてまえの中でやれる。したがって、道交法の中で位置づけるあるいは単独立法としてでも、どのようなことがいまの法律で定められている以外にほしいのであるか、そこのところをわれわれは知りたいということを申し入れているわけであります。そこで、われわれとしましては、現実にそれらの学校側からの要望に応じたものを取り上げていきたい。もしそれが資金援助であるならば、たとえば中小企業の振興法でありますか、そういうものの中に指定されることを望むのであれば、現行法の中でわれわれはそういった指定に協力をする。したがって、何か新たな立法を要する事柄であるか、そこのところは私どものほうで明白になっておりませんので、あらためて業界といいますか、指定教習所連合会のほうに申し入れをしておるわけであります。
○太田委員 免許も四人に一人免許証を持つというときになってきたのだから、運転手が足らぬわけではありませんけれども、一億一千万人がみんな免許証を持つということも別にとやかくのことではありませんから、これからいろいろと各地において自動車学校というものがふえていくと思うのです。これがふえると、指導員というものの資格についての問題が起きてくるのです。指導員はいま普通免許でできるでしょう。第二種の免許を持っておらなくても指導員になれる。ここのところにも警察庁としてはあまりにも手ぬるい点がある。そういうような、いままでやむを得ず過渡的な便法によって、簡便法をもって認めてきたものを、この際本格的に組みかえていくということになれば基本法は生きてくる。指導員の資格については、普通免許のままで指導員資格を認定していくというようなやり方についてどうお考えですか。
○久保政府委員 現在第一線からの問題点としてはあがってきておりませんが、ただ全般的に指導員に対する教習あるいは講習というものを従来も行なっておりますけれども、この常時における指導員に対する指導、教養という点にいま少し徹底を要する点があるのではなかろうかというふうに考えております。
○太田委員 指導員の素質を高めてください。指導員の素質を高めれば、その人格的な影響も受けて、精神的な安全思想というものも身につくのであります。ところが荒ら荒らしい、ただ技術がうまいとか、その人が資格要件に合っておるというだけで、精神的な面と申しますか素質の面に目を向けないところの認定では、指導員というのはこれはロボットにひとしいのでありまして、かえって逆効果を与え、荒ら荒らしい点が相手に移ってしまうのであります。ですから、指導員制度ということでも十分考えるべきだ。同時に、自動車学校というのは、これから免許証を与える中心の位置づけをなされるべきでありまして、自動車学校の正規の教育課程を経ない昔について免許を与えては相ならぬぐらいの思い切った改革はできないものか、こういう気がするのです。これは警察庁のほうではなしに、宮崎さんどうですか、あなたのほうでそういうことについて何かありませんか。
○宮崎(清)政府委員 現実にもう現在運転免許取得者のうち約七〇%は指定自動車学校の卒業者であると聞いております。したがいまして、そのパーセントは今後ますますふえると思いますので、運転免許の取得について指定自動車教習所の果たす役割りは非常に大きなものになると思います。ただこれは制度の立て方の問題でございますが、たいへん恐縮でございますが、現在の運転免許というのはいわゆる警察許可という性格を持っておりますので、すべて一定の何か資格を、一定のある教習を受けていなければその許可がとれないということにいま直ちに踏み切ることは、いろいろ問題があろうかと存じます。たとえば教科所に参りますと何がしかのと申しますか、かなりの金銭的な負担もかかりますし、そういう問題をどう解決するかいろいろ問題がございますので、御指摘の点はごもっともだと思いますが、時間をかけて検討させていただきたいと思います。
○太田委員 まあ時間をかけて研究されるということですが、いまに始まったことではないでしょう。こう言っておるうちにも、三十分ごとに一人は死んでいるという現実のきびしい姿というものをわれわれは忘れてはいかぬということを言うのです。この場合の加害者というのがみんな免許証を持ち、自動車を持った人なんです。戦争なら、敵がいま向こうに攻めてきて六郷の川を渡ったというときに、この中でじっとしておれますか。この中で二人は一時間のうちに殺されなければならぬというときに、そんなときはじっとしておれないでしょう。交通の事故のときにはしごくあたりまえの公害のごとくに見られておる、人の生命が軽んじられておるということは私は残念に思います。久保さん、あなたのほうですか、「安全運転の知識」「警察庁交通局監修」というきれいな本がございますね。これにも非常にきれいな絵が書いてありまして、絵を見ればわかるようになっておりますが、その中に人間と地球とをはかりにはかっている絵がある。そうしてこの絵は人間のほうが重くて地球が軽いとなっている。いいことですね。だけれども、まさかこの地球というのは地球儀ではありませんでしょうね。ここに書いてある。これがあなたのほうでは非売品だ。なぜこういうものかあったら――複製を許さずとあるか、これはこういうものを出すなら出すで、わかりよく読ませたらどうですか。この三ページに地球と人命とのはかりがある。人命は地球よりも重いということわざどおりの絵が書いてある。何でこれの複製を許さぬのか。いいことは幾らでもまねしてもいい、じゃありませんか。昔ばなしではないが、お殿様が親孝行のまねは幾らやってもいい、そしてまたまねをした者に同じようにほうびをお出しになったという話がある。いいことをまねるならばいいじゃありませんか。なぜこれを複製を許さぬということにしなさるか。私はそういう点からいって、あなたのほうの運転手の養成、この免許制度というものが自動車学校を通じて行なわれていくのでありますから、自動車学校と免許とは公安委員会の所管することだというのを思い切って新時代に合うようにこれを直してもらいたい、修正してもらいたい、改めてもらいたいと思うのです。それの具体的な一つの提案ですけれども、自動車学校の重みを重くするためにはやはり学科試験というものを実地試験と同じように学校に委任したらいかがですか。その御検討はなさっていらっしゃいますか。
○久保政府委員 この問題はずい、ぶん以前から問題にされておるようでありますが、私どもの考えといたしましては、学科についてはやはりどの程度勉強し、どの程度身についておるかということを確認したい、そういう意味でわれわれのほうで試験をしておるのであります。したがいまして、従来普通であれば、学校を出ておれば知っているはずであるかもしれませんけれども、どのような授業の受け方をしておるか、そこについての確認がない。つまり居眠り半分で時間さえ過ごせばそれだけの知識が身についたとみなされるわけでありますけれども、その点をやはりわれわれのほうで確認すべきであるという点から、学科試験について学校側に委任するということはしておらない、そういう次第であります。
○太田委員 あなたのお話を聞いておると、学科試験は自動車学校のほうに委任されそうもない。これは逆でありまして、私は長年言っているので、あなたには恐縮ですが、実地試験をあなたのほうでおやりになるのならよろしいが、学科試験をあなたのほうでおやりになることは逆だと言っているのです。腕が未熟なのに免許証を出したというのが千葉県にあったでしょう。これは千葉の館山かどこかの学校です。そしてこの間は館山のどこかの街路におきまして、学校から帰る学童の列の中に突っ込んだドライバーがあった。あの直後にそういうことが出ておりますので、その学校の卒業生じゃないかとふと思いますよ。実技というか運転技術が未熟だというのが実に問題だ。だから、いまの学科試験もやらせたらいいじゃないですか。あなたのほうの学科試験はどんなことを出しているのですか。次のような場合においては警音機を鳴らすのは間違っておりますかというような問題を出しておる。一、二、三、四と番号を打って、いろいろなことが書いてある。前の車を追い越ししようと思うとき、電車のそばを通るときあるいはまた交差点を通るとき、あるいはまた前車を追い越すとき、そういうような四つの問題を書いて、どれかにマルをつけるでしょう。試験というものは全部そうでしょう。四問も出して、その問題の中で間違っておるのはどこか、正しいのはどこかという、早く言うとこういうひねくれた問題を出すわけです。警音機を鳴らすときは、危険防止のためにやむを得ないときにやるのでありますから、前の車を追い越すときというのが間違いだというそこのところの番号に丸をつける、そういう問題の七割か八割、それに合格しませんと、学科は通らないでしょう。交差点における曲がりかどの複雑な、非常にむずかしいことを書いて、迷うような表現をしては、これの正しいのに丸をつけろ、その次の間違っておるのに丸をつけろということで、なるべく振り落とそうとしている。何回も受ければ、受験料というものがふえるから、あなたのほうは、商売でこれをやっているような気がしてならない。 では、総理府長官にかわって副長官にお答えいただきたい。あなたは、自動車に乗ることがあるでしょう。夜あなたの車が、あなたを迎えに来ました。運転手は室内灯をつけるべきでありますか、つけないのが正しいのですか。
○弘津政府委員 私は、どうもあまり専門的でないので、間違った答えをするかもしれませんが、室内灯をつけないほうがいいと思っております。
○太田委員 タクシーにお乗りになったことがあるでしょう。タクシーはつけておるでしょう。それでは、これは間違いですか。何のためにタクシーはつけておるのですか。
○弘津政府委員 いまの御質問は、あいている車につけているというわけですか。乗っている車につけているというのですか。
○太田委員 乗っているときです。
○弘津政府委員 タクシーはつけていないんじゃないでしょうか。
○太田委員 そういうことが、いまの学科試験で出るんですよ。いいですか。学科試験には、そういうことを出す。タクシーはつけるのが正しくて、その他の車はつけないのが正しいのですよ。そういうひねくれた問題を出すから、問題がこんがらがって、なかなか受からないけれども、もし、ほんとうにその人が知っておるかどうかということだったら、たくさんの問題を出して、いまのように、いわゆる路面電車が止まっておるときに、その左側を追い越すことが、通り抜けることができますかというようなことを聞いたり、そういうときはどうしますかというような問題をいっぱい書いておいて、全部能力のありたけ答えられるようにするのなら、私は、その人の学科の理解度というのはわかると思うのですよ。ひねくれて、間違うように出すというのは、あまり感心しないですね。だから、学科試験というのは、私は、その学校にまかしたほうがいいと思う。実技の試験を警察本庁、公安委員会がやるのが、私はほんとうは正しいと思う。そしてまた路上教習というのは、はなはだ混雑して、渋滞を招く原因ではありましょうけれども、それがなかったら事故を起こしますから、路上教習というものにも重点を置くように改めなければならない、こう思うのです。こういう学校の教育については、よほどお考えになりませんと、今度の基本法に合わぬじゃありませんか。そういうことは、資格制度の合理化というのがあるでしょう。三十一条に運転者の資格制度の合理化というのがあるでしょう。これは免許証で、学校の教育のほうですが、いまのままでいいなら、何でこんなところに合理化と書くのか。そういうことを、私は、この基本法ができたならば、あなたのほうで具体的な中央対策会議の御方針に基づいてそういうものをおつくりになって、そして次から次へと斬新的な改革案が実施されていくということなら、それはいいですよ。どうもそうでなさそう、だから私は心配する。試験問題について、何か所見はありませんか。
○久保政府委員 学科試験を指定教習所に譲る気持ちはございませんけれども、試験の内容そのものについては、従前から問題がありまして、以前、警察庁からもサンプルを府県に送って、それを参考にしながらつくらしたこともございます。したがいまして、先生の御指摘のありましたような事案も、従来あったかと思いますが、最近は相当よくなっているはずだと確信いたしております。ただ多くの中で、しかも各県独自に試験問題を考えるわけでありますから、しかも似た問題を出すとその次に困るというようなこともあって、中身の新しい内容の試験問題を出すのに苦労している。その中には、御指摘のようなものがまざっているのではなかろうかと考えます。 ただ今後の問題としまして、われわれが検討しておりますのは、全然問題についてふぐあいがないというわけではありませんので、たとえば多くの問題をあらかじめ公示をしておいて、その中から試験問題を出すというようなあり方あるいは七十点、八十点取れば合格というのもおかしいのであって、車を運転する上に絶対に必要な事柄については、百点を取る、その他については若干点数を落としてもよろしいといったような試験のしかたもあるのではなかろうかというふうに考えまして、学科試験のあり方については、私どもいま検討しております。
○太田委員 大いに検討してください。 ついでに免許証書きかえの問題についてお尋ねしますが、免許証を書きかえるときには、視力テスト程度しかありませんから、実技がどんなに落ちていても、いわばペーパードライバーと言われて、単に免許証だけを飾りに持っている人たちでも、視力さえ十分ならば書きかえができるわけですが、実技を課すことは考えていらっしゃいませんか。
○久保政府委員 現在、免許更新の場合は、講習を行なわせております。一昨年の春ごろの調査では、全国の約半数の県が実施しておりましたが、この四月に調査したところでは、全県で講習を行なっております。それで免許更新を要する者の約九〇%をこえる者が講習を受けている実態であります。 ところで講習の内容が、一応視覚的な教材も使ってはいるわけでございますけれども、私は、いまこれが十分ではないというふうに考えているわけであります。そこで、きのうまで運転しておった者が講習を受けないと、免許更新ができないということでも困りましょうが、講習の中身をよくしていく、つまり大ぜいの更新者に対して、その視覚と感覚を利用した、あるいはまた運転者の判断を知ることのできるようなそういう教材がないものであろうかということで、先般研究を始めさせたところでありまして、外国の教材なども参考にしながら講習内容をよくするということによって実技にかわるべきもの、実際に運転するということもなかなかたいへんでありますので、それにかわるべきものを開発していきたいというように考えております。
○太田委員 実技にかわるべきものを開発する、それも一つの着想でございますが、とにかく何か飾りと申しますか、それを持っていることが気分がいいからというので、ずっと更新、更新で免許証を持っていらっしゃって、実際にはあまり運転をなさらぬ方もあります。しかし、たまに運転をなさることはあぶないと思いますから、免許更新の際には、必ず実際の技能テストも加味されることを私は望みたいと思う。少し旧套を脱していただかなければ基本法をつくる必要がない。 そこで、あまり時間をたくさん私が使うと、おこられそうですから、これは、これくらいにして、次に海上保安庁の方がいらっしゃいますから、同じ交通でも船のことをちょっと聞いておきたい。 このごろ霧の中で船がしばしば衝突を繰り返しておるのですが、海上衝突予防法なんという法律があっても、一向役に立たぬとはどういうわけでございましょうか。
○林政府委員 確かにいま先生から御指摘のありましたとおり、海難中相当大きな部分、一割以上が霧によって発生しているような現状でございます。昨年四十三年の例をとりますと、霧による衝突と乗り上げが百八十隻ございまして、うち四十隻が衝突で百四十隻が乗り上げというような実情でございます。このような霧による海難が多いものでございますから、これに対しまして対策といたしましては、霧が発生しましたときに気象庁、気象官署と密接に連絡をとりまして気象情報を早期に商船、漁船に伝達するようにつとめております。さらに濃霧発生の際には巡視船、巡視艇を付近海域に配備いたしまして未然に防止するようにいたしまして、さらに一たん海難が発生いたしましたときには至急救難に当たれるような体制をとっております。ことに旅客船、フェリーボートなどがひんぱんな瀬戸内海のような場所におきましては、視界が悪いときには自主的に旅等船の運航を中止したりあるいは運航規制を行なったりするような方法をとり、指導によって安全運航に万全を期しておるような次第でございます。
○太田委員 もうあと一つ、重ねてお伺いしますが、海上衝突予防法があってもそれだけでは十分でないというので海上交通法の制定という動きがあるのですが、漁民各位の利害が相反しましてなかなかそれができないという実態であると私は思うのです。しかし霧の中の衝突というのは悲惨なものでありまして、視界がきかないのでありますから巡視艇その他僚船等が気がつかない場合があって、したがって海難事故というものが大きくなるおそれもあるので、この際運輸省としては、海上保安庁としましては、極力新しい時代の海上交通のふくそう化に備えて新しい対策を講ぜられるように私は希望したいし、それがこの基本法から生まれてくることを望みます。 そこで、この間二十万トンをこえるタンカーが生まれました。やがては三十万トンというところまで大きくなるようでありますけれども、これがいまの小さな漁船やはしけ等のおる港の中に入ってくるというと、ちょっとさわっただけでもたいへんな事故を起こすし、身の自由がきかない大型のずうたいでありますから、私はこの二十万トンタンカー時代に備えて、その航路とかあるいは出入の港とかそれからまた時間とか具体的な規制をして、事故を未然に防ぐように措置されなければならぬと思いますが、二十一万トンのタンカーがもう通航しておるようでありますが、何かそういうものについての措置を講じていらっしゃるのでしょうか。
○林政府委員 大型タンカーの航行によります海難発生の危険の対策といたしましては、現在海上交通法がない事情のもとにおきましては主として指導によりまして対処しております。狭水道を通航いたしますときには事前に航行予定時刻を船主から通報させまして、巡視艇が出ましてその前方とか側方を警戒し、さらに万一火災などが発生いたしましたときには巡視船艇の持っております消火能力を使って火急に緊急に消火につとめるというような体制をとっております。しかしながら、ただいま御指摘がございましたように、二十万トンあるいは三十万トンのタンカーが狭水道を通って人口密集地帯へ入ってくる、そこに小型の船舶が航行しておるところへ入ってくるということは非常な海上安全上危機をはらんでおりますので、交通安全のみの見地からいたしますとそのような海域には入港しない、あるいは少なくとも夜間航行などはしないということが望ましいわけでございます。しかしながら、現実にそのような狭水道を通りませんと入ってこられないような場所に大型の石油コンビナートなどがございますときには、やはり産業経済の面から大型タンカーの通舵を海上保安庁の権限のみで規制することは非常にむずかしいところもございます。たとえば鹿児島県の喜人のような場所に石油海運基地をつくるということは非常に好ましいわけでございますが、大型タンカーの入港を禁止ないし規制するということは、単に海上保安庁だけとか運輸省だけの立場ではなかなかむずかしい要素をはらんでおるのではないかと思います。全体の交通体系、産業立地条件、国土計画などとも関連のある問題でございますので、今後とも各省庁と調整をはかって努力を重ねたいと思います。
○太田委員 ほんとうはこの対策基本法については海や空は入れないつもりでいらっしゃったようですが、あぶないので、事実非常にむずかしい事故が起きておりますので、これがつけ加えられた、こういうお話もあるわけで、しかしそれかといって海上交通というのは問題ないわけではない。ぜひひとつ海上交通法も漁民の反対のないような形でできることを望みますし、それからこれは要望しておきますが、モーターボート等は夏の海水浴の季節になりますと非常にむちゃな航行をいたしますから、ひとつ十分安全対策ということ、人命尊重という立場は貫いていただきたいと思います。 それからこれはひとつ運輸省にお尋ねしますが、このごろ警察庁の久保さんのほうで踏切一たん停止は廃止したらどうかというような考え方が若干提供されたようであります。警察庁のほうでは踏切一たん停止を廃止することによって渋滞を防ごうというねらいであるようですが、実は踏切一たん停止の廃止というのは非常に危険だと思う。 そこで運輸省に伺いますが、踏切にありますところの警報機と遮断機――遮断機は人間が操作します場合にはしばしばミスがありますが、警報機というのはこれは機械ですからまずミスがないと見なければなりません。しかし警報機にミスのあるという場合があると思うのですが、いかなる場合でございますか。
○山口政府委員 踏切の一たん停止でございますが、これは現行法が一たん停止義務を規定しておりますゆえんのものは、やはり鉄道の性質というものと自動車の性質というものの違いに根本的な原因があるのじゃないかと思うわけでございます。鉄道の場合には先生十分御承知のとおり制動距離が非常に長い。ブレーキをかけましても速度の二乗に正比例をいたしまして制動距離が長くなっておるということでございまして、したがいまして、非常にとまりにくいという実情にございます。したがいまして、踏切上に自動車が停止をいたしました場合に、これを発見いたしまして制動をいたしましても直ちにとまれないから事故になる。したがいまして、踏切上の自動車の渋滞というものは即踏切事故に結びつくというような性質がございます。こういうふうな観点からいたしまして、自動車が踏切に入る場合には踏切の前で一たん停止をいたしまして十分に列車が来ないことの確認をしていただく。さらに自動車が踏切へ入りました場合に、途中で線路上で渋滞しないように、これを十分に突き抜けるだけの余裕を持ったところで線路上に入っていただく、こういう趣旨から一たん停止義務が現在課せられておるわけでございまして、道路交通法の改正によって一たん停止義務が入ったのがたしか三十六年だったと思います。それ以降踏切の整備と並びまして踏切事故が減ってきたというのが実情だと思います。したがいまして、今後こういう問題につきましては、この一たん停止義務を解除するということにつきましては、われわれとしては十分慎重に考えていかなければならぬ性格のものである、このように考えるところでございます。 なお踏切の信号機の故障でございますが、これは非常に少ないわけでございますが、絶対にないとはいえないわけでございまして、そのような場合におきましても、できるだけフェールセーフと申しますか安全側に働くということであるわけでございますが、そういうような事故の場合におきましても、踏切事故がないというためには、やはり一たん停止義務につきましても慎重に考えていかなければならぬ、このように考えておるところであります。
○太田委員 交通局長さん、いまのお話でありますが、踏切一たん停止の問題に関連して、警報機の機能の問題ですが、警報機というものは、列車が通らないときには何も光を出しておりません、表示しません。それから、列車が来ると、方向を指示したり、あるいは警報機が鳴ったり、それから明るい点滅灯がつく、こういうわけです。ところが、列車が来ても、近づいても、一向に方向指示機も出さなければ、明るい光も点滅させなければ、鐘も警報も鳴らない、こういう沈黙を守るという場合もあり得ると思いますが、あり得るのでしょうか、あり得ないのでございましょうか。
○久保政府委員 先般、国鉄とある会議をやりましたときに、私からむしろ質問したところでございますが、必ずしも絶対だいじょうぶというお答えではなかったのでございます。しかしながら、いまの問題は、つまり踏切において一たん停止をするのをやめるかどうかということは、まだ決心をしたわけではありません。国際道路条約の中に――外国ではその規定がないので、わが国もそれにならうべきではなかろうかという意見が部内から出たわけでありますが、また同時に、せっかくいままでできておるいい習慣をここでやめるのは妥当かどうか。さらにいまの信号機の信頼性の問題なんかがありまして、これは今後の問題かと考えております。
○太田委員 これは局長さん、その機能というものは技術的なものでございますから、いまさら計算機にかけてみたら云々ではなくして、わかっていることなんです。ですから、万に一つあるんです。あるんだから、その万に一つということを考慮に入れて対策をお立てになりませんと、重大事故が起きますよということだけ申し上げておかないと、道交法の改正というものがこの中にあるでしょう、道交法を改正するから、外国はとまらないから、アメリカのように安全と思ったら突っ走れということでは、こわくてこわくて、私はそれこそたいへんだと思う。日本人の性格に合わない。日本人というものはある程度きびしくしませんと、だんだん野方図になるおそれがありますから、向こうのほうから電車が来る、汽車が来るのに、よし、このスピードで行けばもう突っ切れるなんていったら、ひゅうっと横断してしまいますよ。しかもなお警報機というものは、万に一つ、近づいても全然赤信号も出さなければ、何ら表示しないということはありますから、安全なようになるように作動するようになっておると山口部長さんはおっしゃいましたけれども、必ずしもそうばかりじゃございませんから、お気をつけいただきたいと思うわけです。 それから、文部省おいでになっていらっしゃると思うんですが、いらっしゃいましたら、お答えをいただきたいのですが、教育の問題でございますけれども、一体交通安全の教育はどういうように教育――これは最初のほうにありますね、二十九条から始まって三十条に、もう安全思想の普及なんてある。安全思想の普及なんてものは、いわなくたって、本能的に、自動車にぶつかれば死ぬとかけがするとかいうことはわかっているし、だれが好んで危険なことを求めるでしょう。しかしその思想の普及をしなければならぬことは、まことに情けない話でありますが、その教育の振興とは学校教育でありますか、社会教育でありますか。双方であるとするならどんな計画があるのでございましょう。
○田説明員 交通安全の教育につきましては、学校教育と、いま御指摘のございました社会教育と、これは両面進めていかなければならないものと考えております。 学校教育につきましては、今度、昭和四十六年以降、小学校、中学校、高等学校と、教育課程の基準でございますところの学習指導要領が改定になりまして、その中に交通安全思想というものを一そう強化するというようにいたした次第でございます。 それから社会教育につきましては、率直に申し上げまして、最近盛り上がりは見つつございますけれども、必ずしも学校教育と同一歩調で進んでいるとはいいがたい面もございます。今後のことでございますが、特に婦人学級あるいは家庭教育学級、青年学級、こういったようないろいろな講座の活動、それから青年団、少年団あるいはPTA等の社会教育団体の自発的な活動、あるいは公民館その他の社会教育施設の活動、こういうものを通じまして、交通安全思想の普及ということにさらにつとめてまりたい、こういうように考えておる次第であります。
○太田委員 文部省の田学校保健課長さん、具体的なことですけれども、いま踏切のお話をやりましたが、踏切の上でエンストをして、そして何ともならないとか、あるいは前輪、後輪を軌道上に落として何ともならないときに、たいていの踏切には列車停止装置の非常ボタンがあるわけです。そういうもの等を活用するように、これは学校等をはじめとして具体的な教育をしてもらいたいと思うのですね。みんな本能的に知っているのだから、みずから身を守りますけれども、よほど教えてもなかなか飛び出すことは直らないと思いますが、そういう初歩的なこともさることながら、実際上社会生活に必要な具体的な知識も身につけるようにしてほしい。踏切にありますね、列車停止非常ボタン、御存じでございますか、こういうことを教えていらっしゃるでしょうか。
○田説明員 具体的な内容は、私はいま持ってまいりましたが、「交通安全指導の手びき」というのをつくりまして、小学校から中学校まで、それぞれの発達段階に応じまして、指導目標、指導内容というものはきわめて具体的に示しております。その中に小学校の高学年のところで、いま御指摘のありましたような、踏切の渡り方の問題を、これは低学年、中学年は多少無理な点もありますので、高学年でそういう問題を取り上げております。
○太田委員 厚生省いらっしゃいますか。
○内海委員長 厚生省おられます。
○太田委員 それでは厚生省にひとつお尋ねしますが、救急医療機関の充実問題は、対策で、長い懸案でございましたが、特にむち打ち症対策というものが、これは完成しないままに今日を迎えておる。むち打ち症対策は、いま私は医療機関のことはさておきまして、むち打ち症対策というものは、これは完成いたしておるのでございましょうか。医療機関の充実整備に関連し、むち打ち症をなおす確信とか治療の基本的方針というものは固まったのでございましょうか。
○上村説明員 むち打ち症の診断、治療に関しましては、この委員会でも再々御指摘になりましたところでございますが、四十三年度に引き続きまして、四十四年度もその診断、治療の方法についての研究を学会に委託しておるような状況でございますから、はっきりでき上がったというふうにまだ申し上げられないような状況でございます。
○太田委員 それでは高速自動車道路ができまして以来、それぞれその町では救急体制等の整備を迫られておるのでありますが現在救急病院というものは警察の要望にこたえられるだけの準備ができておるかどうか、将来の展望はいかがですか。
○上村説明員 救急病院、診療所として告示されておりますのがことし四月で約四千百四十ばかりでございます。四千百四十ばかりでございますが、何と申しますか、県によりますと、相当数配置されました県と、まだきわめて不十分な配置状況でしかない県とあるわけでございますから、消防庁が行なわれる搬送業務に十分応じられる状況にはまだないと考えております。
○太田委員 ぜひひとつ、充実すると書いてあるのだから、充実するために、予算等の措置とか対策を早急に講じてほしいと思います。 これは自治省にお尋ねいたしますが、現在自賠保険が非常に問題になりまして、当委員会におきましてもいろいろ議論がありました。私は、現行自賠保険の問題には触れませんが、交通災害共済制度というのがございます。これは一日に一円を出すことによって、死亡五十万円、あるいは負傷の場合の治療費十万円までの支給が受けられる。この制度が相当伸展をいたしておるのでありますが、この制度から見れば、自賠保険というものは限度が低いことはわかる。したがって、自賠保険が五百万円になればこの交通災害共済制度というのはやめるように御指導なさるのか。それとも現在は黒字だから、さらに引き続いて強化するという御方針であるのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○横手説明員 ただいまの問題につきましては、今後の状況も勘案しながら、十分検討してまいりたいと思っております。
○太田委員 検討される、それしか方法がないでしょうが、時間の関係でそれ以上のことをお聞きしませんけれども、交通災害共済制度というのは三百六十五円を納めることによって五十万円ということは魅力でございまして、これが相当発展をしておるわけです。だんだん市町村連合となり、やがては府県単位となるまでこれが発展するということが考えられる。そのためには相当市町村の持ち出し分もあるわけでありまして、私は自賠保険制度の不備というものを痛感するのでありますが、自賠保険が五百万円になろうと十分じゃありませんから、ぜひこれも十分な指導をしていただきたい。 それでさらに、自治省に交通安全対策の財源の問題についてお尋ねしますが、自治省としては――このころ建設省は地方道に対していやに冷たくて、地方道の交通安全施設、通学路等は地方の責任でやりなさいというわけで、建設省はあまりおやりにならないわけです。宮崎さんのほうもちょっとそれについて熱意を失われたんじゃなかろうかと思うのですが、あなたのほうに全部くれば、あなたのほうは今後交通安全対策として通学路等あるいは市町村道の舗道設備等についてこの基本法に沿って十分財源措置をするだけの御決意がありますかどうか。
○横手説明員 ただいま先生からお話しがございましたが、本年度を初年度といたします交通安全施設の新三カ年計画、こうしたものもできておるわけでございまして、こうした計画に基づきます地方団体の所要額、こうしたものにつきましては十分財源措置を講じてまいりたい、かように思っております。
○太田委員 課長さん、あなたはそれでいいですが、地方の交通安全施設のおくれというものはすごいですよ。ですから、何でも地方で受けてしまって、あなたのほうはしりぬぐいするというようなことは私は賛成じゃない。しかし、地方自治体ですから、ひとつ大いにがんばってください。 それから建設省にお尋ねしますが、最近道路照明というものに対して、あまり金がかかるからやめろというような指示をなさったということがあるようでありますが、ほんとうでございますか。
○蓑輪政府委員 道路照明につきましては、一部新聞で、経費がかかるからやめろということが出まして、それが事故につながるという新聞も見たのでございます。実は私のほうで考えておりますのは、道路の照明をふやしたいということは考えております。また、直轄の非常に交通の多いようなところについては、照明をふやすようにしておるわけでございます。ただ、いまの照明を見ておりますと、朝になって明るくなっても照明がついておったり、こういうようなむだはやめるべきじゃないか。その辺は交通の量によりましてできるだけ合理化をはかるというような考えを持ったわけでございます。それが現地へ行きますと、電灯料が非常に高いからやめろというように、逆にとられた向きもあるかと思います。私のほうの趣旨といたしましては、交通照明によって危険が防止されるところを消すというような考えは毛頭ございません。やはり照明の中でもいろいろな合理的な照明があろうかということで指導しておる次第でございます。
○太田委員 蓑輪さん御承知のとおり、自動車というものは両方からライトを照らし合いますと、まん中に盲点ができて、その人が夜光塗料のものを持っておらぬ限りにおいては、まさに人間が蒸発した形になりまして、現認しがたいものがあるのです。それがしばしば事故を起こすと思う。ですから、道路を明るくするということは非常に必要なことだ。昼よりも夜のほうがあぶない、これは常識でございますから、あまり銭金ということにこだわらないで、自然にスイッチがきくようなものでもいいじゃありませんか。あるいは遠隔操作によるスイッチでもいいじゃありませんか。その辺のところはあなたのほうで技術的に何か開発なさって、道路照明ぐらいけちって事故を起こすということは、蓑輪さん、あなたちょっと寝ざめが悪いですよ。それは金をけちることだけはやめていただきたいと思います。けっこうです。 消防の方がいらっしゃいますから、消防の方にお尋ねしますが、あなたのほうは、十六コースの避難路というものを東京都がつくったことは御承知だと思います。この十六コースの避難路の中にはいまの環状七号線だとか外堀線だとか、千葉街道、中仙道、日光街道というものが入って、十六の路線が、もしも大震災、大火災があったときの避難街道だ。その街道は、実は交通が非常に渋滞しておりまして、いざというときに避難道路としての役をしない。これに対してあなたのほうは、交通安全対策の立場からどうなさるつもりですか。この十六コースというものは絵にかいたもちになっておる。ここには絶対に駐車を禁止するとか、右折を禁止するとか、避難路としての形をつくっておかなければならぬ。避難路としての定型はいかなる条件のものであるか、何かお考えがあったらこの際御発表しておいていただきたい。
○山本(弘)政府委員 太田先生から御指摘のありました点につきまして、実は背景がございまして、これは東京都の防災会議で、耐震火災対策、すなわち関東震災級の地震が起こった場合にいかなる対策を立てるべきやということが問題にされて、現在研究中でございます。その中の地震部会の中で広域避難地というものを決定いたしました。四十六、広域避難地がございます。それに至る幹線道路を十六このたび指定いたしたわけでございます。もちろん幹線道路に行くには自力で行くわけでございますが、幹線道路に出れば、その幹線道路はかなり広い道路で指定されておりますから、徒歩でもって避難地へ行けるということでこれを決定して都民に明らかにしたという経緯があるのでございます。 そういった背景でございますので、一たん関東大震災のような大地震が起こったという場合でございますから、この場合におきましては、自動車で避難するとかそういうことは一切考えておりません。環状七号線から入る自動車は一切交通規制をして、警察等によりまして入れない。また現在動いている車――出るものはいいが、新しく自動車を駆使して荷物その他を持っていく、あるいはまた避難するということは禁止されるという前提のもとの話であります。避難幹線指定道路として指定された十六の避難道路につきましては、山の手方面その他につきましては消防の消火活動と相まちまして――これは一つの約束でございますので、想定が前提になっております。かりにその想定どおりに起こるならば避難道路として当然確保される、かように考えております。ただ葛飾あるいは江東地区に指定されておるところにつきましては問題があるものがございます。すなわち葛飾区の一カ所と江東区の二カ所につきましては、これは相当混雑しております。したがって避難道路として指定された道路を避難道路として役立てるための、消防先頭の側面から申しますならば、ポンプ車十一台あるいは水槽二十台、さらに消防屯所でございますが二カ所、こういった施設装備の強化をすることによって消火活動ができ得るという前提のもとではあるいは避難道路として期待し得る、こういう結論になっておる次第でございます。
○太田委員 山本次長さん、十六ばかりのコースじゃ不足じゃありませんか。たくさんの方がこの避難場所に行くにしても、その裏道やその他、それぞれ人口密集地帯から行くんですから、幹線だけを指定しておくということだけでもやむを得ざることとして、それも一つの道ではありますけれども、さらに外の裏道のほうも指定しなければならぬと思うのです。そのためには、私が申すことは、先ほど来、裏道を盛んに自動車を通して車両制限令をじゅうりんしておるような現実が警察庁においては見のがされておるけれども、あなたのほうはやかましく言って、警察庁に、道路というものはもうちょっとあけておいてれく、消防活動ということだけじゃない、避難道路としてもそのコースにつながる道はなるべく自動車等が渋滞したりじゃまがないようにすべきじゃないかという点をはっきりおっしゃっていただかなければいけないと思うのです。だから避難道路として指定された裏道は、一切駐車禁止にしなければならないと思うのです。こういうことも、あなたのほうが率直にこの際おっしゃることが必要であろうと思うが、そういう点についてはいかがですか。
○山本(弘)政府委員 確かにおっしゃるとおりでございます。ただこの避難道路を明らかにいたしましたゆえんのものは、そこの道路からは安全な広域避難地に行けるのだということを明らかにしたわけです。したがってその指定避難道路に出る裏道が問題である、これはおっしゃるとおりでございまして、この裏道の交通整理その他がなくては、この避難道路が有効に使われないということになりますので、その点につきましてもこれは現在、先ほども申しましたように東京都の防災会議が、いわゆる六十九年大震災回帰説に従ってそれぞれ警備に入っておるから、いまの時期において大規模な都市改良をやらなければだめだという観点のもとに行なっておる研究でございます。まだいろんな、主として避難という点から取り上げておりまして、諸般の施策がこれに関連をして、これに連なって出てくる問題でございますので、そういった趣旨を十分踏まえまして、われわれといたしましては意見のあるところは、東京都防災会議に意見を申し述べたい、かように考えておる次第でございます。
○内海委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会