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61回国会衆議院1969/04/15

交通安全対策特別委員会 第8号

発言数
34
登壇者
8
会派数
3
開催日
1969/04/15

会議録

内海清民主社会党

○内海委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最初に警察庁にお尋ねいたしますが、保安課系統のことでございましょう。最近深夜のボーリング場ないしはスケート場等におきますところの徹夜的な営業が、周辺の住民に対しまして一つの非常な不安を与えております。そのために、三月の中ごろ、警察庁は管内の関係団体の代表か何かを呼ばれまして、少年非行の原因になるようなおそれもあるというような、何か自粛を要望されたということも聞いております。しかし、この深夜のボーリング場とかないしはスケート場等の規制をする法律がありませんので、今後この深夜営業について何か規制する法律をつくろうじゃないかというような動きもあるやに聞いております。しかし、実際調べてみますると、なかなかそういうように自粛を呼びかけられましても、営業時間を十二時以後に延ばしたり、あるいは未成年者の深夜入場等をやったり、あるいは酒類の販売等をやります。そうすると、そういうように有名無実な自粛でございますと、その飲酒したあとの青少年が深夜の道をスピード超過の疾走をいたしまして、自動車事故の原因になるようなこともありますし、周辺に住んでいる住民に非常な不安を与えておる。こういうようなことが多いのでございますが、警察庁としては、単にボーリング場だけではありません、特にこれからスケート場等の殷盛をきわめる等のことがありますから、そういう現在規制外の事業場における青少年たちの深夜遊興、それに伴う自動車の騒音ないしは道交法違反、スピード違反の走行等に対して、何らかの取り締まりの方向を持っていらっしゃるかどうか、確信がありますかどうか、これについて警察庁からお答えをいただきたいと思います。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 お答えいたします。  先ほどの営業関係につきましては、御承知のように、従来の国会でも問題になったところでありますけれども、風営法の対象にするかどうか検討しておる段階で、現在では行政指導でやっておるというふうに了承しております。ただ、私の主管であります自動車の騒音の関係は、いまの営業に関連いたしまして、やはり公道における、特に少年たちの数が非常に多い。しかも二輪車を利用して騒音を出して、住民に迷惑をかけておるというような事例が多うございます。最近でも、京都それから原宿周辺で、集団的な、子供による自動二輪車の騒音を出しての走行が見受けられましたが、これはおのおの京都及び警視庁の交通機動巡ら隊が計画的にかつ継続的に取り締まりをやりまして、この点はなくなったようであります。現在のところ、道路交通法の第六十三条の二によって取り締まっておりますが、結局消音器などをつけないで人に迷惑をかけるようなことで運転をしてはならないということの取り締まりでありますが、昨年中は五万八千件の取り締まりが行なわれたようであります。ただ実際問題といたしまして、警察力の特に車両による取り締まりの手薄な深夜に、これらの連中が走行するものですから、非常に取り締まりに困難を来たしておるという面がございます。ただこれのみに重点を向ければ当然昼間のほうが手薄になる。限られた人間と車両の中でやるわけでございますから、結局重点的にかつ計画的にやるということで、ときどき夜の取り締まりをやっておるわけでありますが、そういうものの中で計画的かつ継続的にやるよりしかたがないのじゃなかろうかというふうにただいまのところは考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 取り締まりもさることながら、全部やろうといったってなかなか手が回りかねるということはおっしゃるとおりだと思うのです。したがって、何か法的な規制を加える必要があるのじゃないか。そういう点について動きはありませんか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 現在のところ、私、了承しておりませんけれども、運輸省との関係もございますので、この点協議をしてみたいと存じます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省もありましょうが、厚生省もありましょう、それぞれあると思いますから、この際深夜を野放しにしておるということじゃなしに、やはり深夜に対しても規制を加えるというために、現在根拠法がありませんから、深夜営業等の取り締まり、規制、これを禁止というふうに踏み切っていただきたいと思います。これは後日またあらためてお尋ねすることにいたします。  その次に、先回来お尋ねをいたしております都市交通の問題についてお尋ねをいたします。  それは、まず第一に、現在の都市交通というのは、非常に無秩序になっておりまして、まことに先行きまっ暗というような状態でございます。久保局長さんが御就任になりました先回の当委員会におきましては、都心への一般自動車の乗り入れ禁止というような問題につきましては、これはいろいろ考えなくちゃならぬ点が多々あるという問題を掘り起こすという程度の御答弁でございましたし、それから場合によっては、バス・アンド・ライドというような新しい交通秩序の確立というような御答弁もあったのでありますが、私はこの際どの都市を見ましても、これは警察庁に、いわば国家公安委員会あるいは地方の公安委員会にそういう道交法上の乗り入れ禁止だとか、あるいは各種の自動車通行の禁止等の規制措置を一任しておくことはもう間に合わないのではないか。手に負えないならば、この際市長なら市長、都道府県史事なら都道府県知事にそういう交通規制の権限を与えてしまったらどうだ。あなたのほうでやらなかったら、宝の持ちぐされだ。だから市長なり知事にこれを渡すべきだと思うのですが、まずそれからひとつお答えいただきたいと思う。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 道路交通の規制につきましては知事あるいは市町村長と申しますか、その前に建設省に移管してはどうかという意見があることは確かであります。しかしながら事実問題といたしまして、交通事故なり交通の流れの第一線で具体的な問題にぶつかっておるのは警察官でありまするし、いかに警察官が街頭に出るのが少ないとはいえ、やはり他の機関がこれにかわるようなことはなかなか困難ではなかろうかという感じがいたします。したがいまして問題があろうかと思いますけれども、現在のところではやはり警察が道路交通の規制を行なうほかしかたがないのではなかろうか。また、いま私どもは道路交通の規制について手をあげている段階とは考えておりませんで、まだまだ手を打つ余地はある。したがってわれわれの今後やるべき分野というものは相当残されておるというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 お手あげでないというお話ですから、私はそれは非常に心強く感じていいと思うのですけれども、しかし現実に見まして、東京都の交通渋滞から見て、都心への乗り入れを禁止されたということを聞いたことがない。横浜においてそういうことが行なわれておるということを聞いたことがない。名古屋、京都、大阪、神戸、指定市において一つもそういうことが行なわれておるとも聞いておりません。ただ大型の貨物自動車の乗り入れ禁止はありましても、一般自家用車の乗り入れ禁止というところまでいっておらないのです。おやりになるのでありますか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 規制の一方的な強化ということ、あるいはまたそれに関連いたしまして各種車両の乗り入れの制限ということは、方向としては考えねばなるまいと思いますけれども、何ぶん地域住民なり関係業者なり、その他一般の方々との利益に関連する問題も多いのでありますので、漸を追ってやるということも考えられるのではなかろうか。たとえば御承知のように、東京の場合にクリアウエー作戦を講じておるのが青梅街道ほか三線あるわけです。それからこれに準じましたのが環七をやっておりますが、警視庁の目標といたしましては、昭和四十四年度で十六路線を同様な方向で規制をしてまいりたい。昭和四十五年度で残りの十五路線を講じてみたい。東京都内の主要幹線は三十一路線あるそうでありますから、こういうようなことが一つ考えられます。さらに、これはまだ私の私見の段階であるかもわかりませんが、車種別あるいは用途別の車両の乗り入れ制限の前に、たとえば賦課金をする問題、あるいは賦課金をかける以前に、一方交通あるいは駐車禁止などの規制を強化する反面、路上の有料駐車場、つまりパーキングメーター方式をもう一度採用してみるというような両々相まった措置、しかもパーキングメーターの場合、現在駐車場法によりますと、一時間五十円をこえざる範囲ということになっておりますし、大阪、名古屋あたりでは一時間三十円くらいですか、そんな見当で金を取っておるようでありますが、賦課金の前にこういったものの金額をいま少し上げることによって、規制に対する一つの逃げ道をつくると同時に、また賦課金にかわるべき規制がそこで行なわれるというような方向も考えられるのではなかろうか。したがいまして、われわれが行なうべき規制の方向につきましては、一つや二つということではなくて、あれもこれもといろいろな面から詰めていくことは、まだ十分に残されておるというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 四十四年度十六路線、四十五年度十五路線を、何を規制するのですか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 駐車禁止、これは全面的になりますか、あるいは区間を限るか、それぞれのいま実査をしておる段階でございますが、駐停車の禁止でございますとか、それから右折の禁止でありますとか、あるいは一方交通にはその点ならないかもしれませんけれども、それから信号機の高度化、つまり系統化をやるわけです。特に都心部につきましては、これはそれぞれの路線を限らないで、地域的に電子計算機に連動させた面におけるコントロールを考えるというようなことであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 この際、総理府副長官にお尋ねをいたしますが、現行法体系のもとにおいて、優先通行権の認定をするとか、あるいは交通量の規制するとか、そういうことのできる官庁というのはどこでございますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 ただいまの御指摘の優先通行権の問題でございますが、現在道路交通法で、これは主として危険防止という観点から物的な優先通行権を定めておりますが、この優先通行権を定める根拠は道路交通法でございまして、これは公安委員会の所掌でございます。ただ、御指摘の点がもしかりに用途別の何か優先通行をどこできめるかという御質問であるといたしますと、その点につきましては、現在法体系上そういう用途別の優先通行権を定める根拠はございません。したがって、現行法では、用途別と申しますか、目的別の優先通行権は、法律上定めることになっていないわけでございます。  それから乗り入れ規制につきましては、乗り入れ規制の態様によると思います。先ほど警察庁の交通局長がお答えいたしましたように、たとえば都心部の駐車禁止を強化するとか、そういう方向で間接的に乗り入れが規制される場合、これもございます。これの場合は当然公安委員会の所掌でございます。それから道路の物理的な問題、つまり道路そのものが危険であるとか、大型車両がそこに入ると危険である、こういうような場合には、同じく公安委員会もしくは道路管理者の規制により、事実上乗り入れ禁止が行なわれております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、いまの大都市交通の秩序化ということは、現行法ではまずやれないということでございますね。用途別優先通行権なんというものは根拠がないということだったらやれない。それから、いわば乗り入れ規制というものも、間接的なものはやれるけれども、直接的な、目的的なものはやれないということになれば、根拠はないのだから、全部お手あげじゃありませんか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 それは政治家の皆さんもおいでになることですし、法律は十分改正されることですから、いまの用途別の乗り入れ制限ができないということは、現行法下ではできないということでありますので、宮崎室長もお考えのように、あるいは関係官庁もあろうかと思いますけれども、どういうやり方があるのか、あるいはその相当ドラスティックなやり方の前に、もっと卑近なやり方で残されているものがないかどうかということを十二分に検討して、もしどうしても法律の改正しかないということであれば、改正の上新たな手を打つということであろうかと考えます。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 総理府といたしましても、ただいま交通局長がお答えしたのと大体同じように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省にお尋ねしますが、そうすると建設省も先ほど、道路が危険だというような場合にはこれは交通規制、乗り入れ規制の措置がとれるということでありますが、現在の非常に混雑した、交通量が多くて、これではとても道路のキャパシティーですね、交通量にたえられないと考えた場合においては、自動車が通ることを禁止する、こういう措置ができるのでございますか。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 ただいまの御質問に対しまして建設省からお答えいたしますが、ただいまの事例につきましては建設省としては交通規制はできません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省は、都市局の山下参事官も来ていらっしゃいますが、都市問題を解決する場合に、自動車がどんなにふえてきても、それはふえれば渋滞するのが当然、そうしてまた、渋滞すれば事故が起きてもあたりまえ。そうかといって、六兆六千億の予算がきまった中においてそれを解決する方法はない、したがって、これは成り行きまかせという計画でございますか。ひとつ都市局の山下さん、何かあなたに所見はありませんか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 都市内におきます交通渋滞問題は、私ども都市局関係の仕事をしております立場として何とかこれを解決の方向に持っていかなければならぬということで種々の検討を進めておるところでございますが、特に都市局の関係といたしましては、交通の渋滞を解決する方法ということはいろいろの方法があるわけでございますが、特に街路の拡幅であるとか、あるいは改良の強力なる促進であるとか、舗装の促進であるとか、いろいろの方法があるわけでございますが、何せ今日のような交通の渋滞状態でございますので、ただ単に街路を拡幅し、あるいは改良し舗装しということだけでは十全な施策がとれるとは考えておりませんので、この点はやはり道路交通の取り締まりの関係で交通の状況等をできるだけ早くドライバー等にキャッチさせることとか、あるいはそのほかいろいろの交通情報をできるだけ早くキャッチして、混雑の少ない方向へ交通が流れるような方向でこの交通渋滞の環境をできるだけ緩和するような方法があるわけでございますので、道路交通取り締まりの関係官庁とも十分打ち合わせを遂げ、またこれを解決するような方向で検討を進めたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省に都市交通課があるのですから、運輸省としては、どうなんですか、これは道路の上の交通規制というものはいまの現状ぐらいのなまぬるいものしかやれないんでございましょうか。そうすれば勢い渋滞する。渋滞すれば見のがすわけにいかないから、都市交通課、運輸省としては少なくとも大量輸送機関というものを完備して解決するということになるでしょうね。道にまかしておくとか、警察官にまかしておくことはできない、そういうことになると思うのですが、現在各省どこも手が出ない。周辺において関所を設けるといってはおかしいのですが、あるところからこっちに入っちゃいけないというわけにもいかない。乗り入れ規制することはできない。あるいはバスだけを優先通行させようとしても、それもできない、そういうことになる。現行法体系でそういうことがどうしてもできないということになれば、じゃ運輸省としてはどういうことですか、何か対策がありますか。

井上弘運輸大臣官房審議官

○井上説明員 都市交通の混雑いたしております現状にかんがみまして、これを円滑化していくという方法として、私どもとしては、現状を見ますと、都市の内部の輸送機関別の輸送量を見ますと、やはり鉄道関係が六四%くらい果たしているわけでございます。したがいまして、地下鉄を中心とする輸送機関を充足させるということが、ひいては路面の輸送の混雑を緩和する一つの方策であろうというふうに考えております。  なお、いずれにいたしましても、今後路面の混雑ということはますます大きくなることだと思います。したがいまして、そこにおきます方法といたしましては、先ほど警察庁あるいは建設省、総理府御当局のお話しになりましたように、いろいろの施策を漸進的にでもやっていかなければなりませんが、私どもといたしましては、バスのターミナルだとか駅前広場だとか、そういった路面の混雑を吸収していきます方法を整備充実していくということも必要な施策だというふうに考えます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 昭和六十年に、千代田、中央、港三区の昼間人口が三百七十八万人と推定されておるでしょう。それが大体三百万台の車を持っておるという、このモータリゼーションの進行をわれわれは信じますね。三区の就業者が三百万台の車を持っておりましたら、駐車場のスペースは六十平方キロくらい要るのだが、現実にその都心三区の面積は大体三十八平方キロしかないのだから、半分くらいしかないわけですね。そうして、これまた走ればその三倍のスペースの百八十平方キロ要るのだ。こうなると、三区全部を地下も含めて六階建てのビルにして、そこを駐車場か道にしておかなければいけない。だからみんなが車を持つと、車を置いておいたり走ったりすることだけで仕事をすることができない、事務所がなくなってしまうのだから。そういう妙な話になるのです。だからいまのうちから、根拠法がないとか、やることはやれても間接的だというようななまぬるいことを今日言っておることがおかしいのであって、実はそれは総理府なら総理府において、これは根本的に乗り入れ規制ないしは目的を持った優先通行権というものについて法的根拠を確立する準備がなされておるとお答えいただくと、私も安心する。同時に、その場合においては、自治体の長というものに対しても規制権を与えるべきだ、こういうことを私ども思うのですが、それが何にも手がつかぬということはどうも情けないことですが、交通問題の統括は総理府じゃありませんか。副長官どうです、何か御研究なさっていらっしゃるならおっしゃっていただきたい。これもお手あげということでは情けないと思うのですが、いかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 お答えいたします。  問題はおっしゃるとおりでございまして、それもこれもお手あげというわけではないのであります。御案内のとおり、交通関係閣僚協議会が去年の十一月十五日におおむね七つの問題を提示をいたしまして、これについて総理府が統括して各省とよく連絡の上、対策を立てるようにというお話があったわけであります。その七つのうち、私どもで並べた順序に従いますと第五番目と六番目がまさに太田先生の言われることであります。五番目は、交通管制施設の整備を促進するとともに交通規制の強化をはかること、六番目は、大都市を通行する自動車の一部に対して賦課金を課すことによって路面交通の抑制をはかることなどであります。  そこで、これらについて鋭意各省庁と連絡をしておるわけでありますが、私見として申し上げますならば、いまお話に出ておりました目的別の規制を将来するというようなことになれば、これは法律を新たに御制定を願うというようなこともあろうかと思いますが、だんだん申し上げましたように、現在の状態の中でやり得ることはないかというような点について、いまだ結論の出ていないことはまことに申しわけのないことでありますが、鋭意努力をいたしておるところでありますので御了承願いたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 規制の強化とか一部賦課金というようなことでございますけれども、規制の強化程度のことならば確かに現行道交法でできます。だがいまの警察庁の答弁から見ますというと、環七でやっております駐車禁止とか右折禁止程度くらいでありまして、真実の交通量の規制というわけにはいかないわけです。それから賦課金なんというのは、これはたしか運輸省がやろうとして、一年くらい前に試案を出してだいぶたたかれて、あれはしゅんとしてしまったんじゃないですか。まだ生きておるのですか。それから自治省においては右折禁止というものを中心とするバス通行優先方式というのが検討されていた。これもそのうちどうやらこうやらになってしまったようなんですが、何か現在、大都市の交通を安全に円滑に秩序立って進行せしめるという具体的な基本方針というものがあるんでしょうか。その賦課金を取る運輸省の案、それからバスの優先通行権、自治省案、警察庁もそれを考えていたかどうか知りませんが、そういうものはどうなったんですか。お答えいただく方だれかいますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 最初に賦課金の問題を申し上げますと、賦課金の点につきましては、御指摘のように昨年運輸省が一つの試案として提起をいたしたわけでございます。これを交通関係閣僚協議会でお取り上げになりまして、結論は別としてひとつこの問題も都市交通問題を解決する一環として検討してみろという御指示がございまして、月来検討しているわけでございますが、当時から賦課金につきましては相当賛否両論がいろいろございまして、たいへんその点は申しわけございませんが、私たちとしてもまだ結論を出しかねているという現状でございます。これはあくまでも先生御指摘のように、都市におきます交通需要の抑制の一環として取り上げられた問題でございますので、私たちはそれ以外にも交通需要を抑制する何か有効的な方法がないかということを現在いろいろと検討している段階でございます。  それからバスの優先通行の問題でございますが、現在これもさらに総理府におきまして関係省庁と打ち合わせをしている最中でございます。いろいろ問題点がございます。特に一般的にバスの優先通行と申しますと、交差点で一般の車両は右折禁止にもかかわらず、バスだけは右折させているという例はいろいろございますが、諸外国等の例を見ますと、道路に一定のバス専用あるいはバス、タクシー専用のレーン、車線を設けまして、その車線はバスあるいはタクシー以外は通れない、こういう規制を実施している国もございます。具体的に申しますとフランスのパリでございます。そこで具体的な問題としまして、日本でもそういうことができるかどうか、これをいま検討しているわけでございます。この点の具体的な問題はあるいは警察庁からお答え願ったほうがいいと思いますが、そういったわけでございまして、バス優先通行につきましても決して手をこまねいているというわけではございませんで、できる限りのことはやってみようじゃないかということで現在検討中でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 検討なさることに異存があるわけじゃございませんけれども、すみやかにこれはやっていただかないというと間に合わぬじゃないですかね。現在大都市交通の中において、特に公営企業などにおきましては、地下鉄を掘ればこの資本費の負担にたえかねて赤字、赤字、赤字でしょう。じゃ、道路の上を走るバスならば建設費は要らなくてよかろうと思えば、いまのラッシュ、渋滞、どうにも動けなくてこれまた収入は支出金額に及ばないで赤字、赤字、赤字でございましょう。こんなことをやっていったらどういうことになるのです。いまに公営企業は倒れますよ。運輸省のほうにおきましては一〇%程度の補助金を地下鉄建設等に出していらっしゃるが、実質的には八%くらいでありまして、金利に見合うもの程度しかありません。そこで道路の電車もはずそうということになったのは、自動車に席を譲ったわけです。自動車に席を譲るために路面電車を廃止した。そうするとあと調子よくいくかというと、そうじゃなくして、やはりバスのほうに転化するようなことがなくてみんな困っている。バスのお客さんは依然として少ない、あてにならないから。そういうことにすると、都市の交通というのは最後はどうしても地下鉄だけになる。それで地下鉄だけにして道路の渋滞をそのまま放任することはできないので、大衆交通機関の優先通行権というのを考えていかなければならぬということです。大衆交通の優先通行権というのは、路面の上の話でありまして、相当むずかしいとするならば、地下を走る地下鉄ぐらい思い切って道路のかわりとして建設すべきではないか。これは建設省が建設していいじゃないですか。建設省どうですか。道路じゃもうお手あげだから、ひとつ地下鉄の建設は私のほうで建設しましょう、そういうことになりませんか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 地下鉄の関係、それからいわば私鉄の整備等の関係につきましては、いずれも都市計画の観点で、運輸省と主務省を同一にしておるわけでございますが、特に都市計画の観点からこういった地下鉄の果たす役割りがきわめて重要であることにかんがみまして、道路交通と総合的な一体性を持つと申しますか、互いに補完性を持った役割りを果たせるようなことで地下鉄の整備は当然はかるべきでありますし、またいろいろ地下鉄と相呼応して、街路の関係でございますが、できるだけ立体交差を進めて、そうして交通の渋滞の原因の一つであるところの立体交差の不十分なところをできるだけ立体化していくということを強力に進めてまいりたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは総理府副長官、お聞きいただいて、どれもこれも頭が痛いのに、めしを食わせておるような、関係ないとは言わないけれども、いささか間接的過ぎますね。何か抜本的に優先通行権、大量大衆交通機関に対する優先通行権、それから全面的な乗り入れ規制、こういうものの法的根拠をつくる必要があると思う。その話はもう少し先にいたしましょう。  きょうはどうも私の期待申し上げておりますお返事がいただけないので、少し私も研究してみますが、現行体系でもできるような気がしてしようがない。高橋さん、そういう道路というものをそれほど考えていらっしゃるとするならば、名四国道というのを東海道一号線に接続させる、近くこれは竣工する運びになっておりますが、それから先が全然渋滞したままになって、一向に改良されないで、どんどんあるところだけは開通するけれども、先のことは成り行き次第だというふうに見えるのですが、名四国道を東海道の一号線に接続させて、東京方面へのトラック等の交通はさばけるのでございますか。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 名四国道は名古屋、四国を結ぶ国道でございますけれども、太田先生も御指摘のように、ただいま鋭意工事中でございますが、ことしの十月に一応豊明までは完成することになっております。先生の御指摘は、それから先静岡のほうに向かっていく一号線はどうなるかということでございますが、建設省といたしましては、ただいま二つの案を持っております。最終的な抜本的な対策といたしましては、名四国道と同様に第二東海道とも申すべきバイパス道路としまして、現道から全く離れて、バイパス道路として専用道路的な道路を建設したいというふうに考えておりまして、この準備を進めております。  なお、そのバイパス道路につきましては数百億の巨額の金がかかりますので、着工いたしましても十年近くはかかろうかと思われます。したがいまして、とりあえずの措置といたしまして、現在の国道一号線を、二車線を四車線に広げて、交差点付近はなるべく立体交差するように改良して交通の渋滞を除去したいということで、この方面の二車線を四車線に広げる工事はすでに各所において着手しております。  なお、名古屋におきましても四十四年度はまた大規模にこの工事にかかりまして、できるだけ交通の隘路をなくしたいというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうことでしょうね。したがってそれを側面から見ると、もういまの交通需要にこたえ得られる道路というものはどこにもできないということだと思うのですよ。そうすれば都市の大都市交通というものは、地下鉄とそれからその毛細血管的な役割りというものはバスによるものだ。ところがその地下鉄も公営バスもともに赤字であって何ともならぬという状況になっておるときに、規制の方法もできなければあるいはまた優先通行権の問題も考えられない。それから国家公安委員長ないしは地方の公安委員長が交通規制権を持っておるということはあっても、それを市長ないしは知事に委任するということもどうも考えておられないということは、しばらくの間みんな困っているところは困っていらっしゃい、混雑すること大なれば大なるほどおもしろいというような傍観者的にすべて施策が見られるのですが、交通局長さん、久保さんどうですか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 私はいまお話しになったようなことは関係各省各機関を通じてさらさらないと思います。おそらく相当程度みんな真剣にやっておるわけですけれども、単に一つの分野だけから攻めようとしてもこれは解決ができるものではないので、やはり交通行政というものは総合的なものだから、各省各省がそれぞれ持ち場に応じてできるだけのことをやっていくということでしかない。  それからもう一つつけ加えて申しますならば、たとえば大都市についての官庁とか工場とかの疎開というような問題もありましょう。たとえばロンドンで現在流出入の台数が近年はほぼ横ばいであるということですが、これは都心部に来る機関と外に出る機関がほぼ並行しているからだそうであります。それから、たとえば都心部でビルディングに駐車場を設置する義務をつけているのはロンドン、パリ、ベルリンだそうですが、ニューヨークはそれをつけてない。なぜかなれば、それは車を中に入れないように措置しようということだそうでありますが、わが国の場合はまだそこまでの段階に立ち至っていないので、一応スムーズに何とか処理することを考える、その余地は十二分にあるということを先ほどるる申し上げましたが、そういったところを考えてなおかつできない分野があれば、それは法律改正に依存するということになろうかと考えます。私たちが十分に真剣にやっておることだけは少なくとも御承認いただきたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 予鈴が鳴っていますからこれで終わりますけれども、久保さん、あなたはそういうことを一生懸命やっておるとおっしゃるけれども、一生懸命でやっておるということも足踏みして走っているようなものですよ。いまのように大衆輸送機関の優先通行権の法的根拠がないとか都市への乗り入れの規制権そのものが法的根拠がないということで、一生懸命やっておるということにならないし、それから都市疎開法というものができれば私はけっこうだと思うが、そんなに自然にいくものですか。それは百年先のことだ。お互いの命のないころようやく東京は昔の三菱ケ原に戻りましたといったところで何ともならぬでしょう。  私は総理府副長官にお願いしておきますが、あなたのほうは交通安全基本法をつくるということをすでに言明されていらっしゃる。この提案がまだなされておりませんけれども、そういう交通安全基本法の精神の中にそういうことが入っているかないか私知りませんけれども、少なくとも大都市に対する交通の使命というものを明らかにする、そのための法的な根拠なり対策などの確立ということに手続上遺漏のないようにするには総合的コントロールの必要がありますね。だから警察庁に交通規制権を持つということが——いままで持っておったのだからこれから持っていくということはないのだけれども、みんなあなたのところにとってしまったらどうですか、建設省であろうが運輸省であろうが。これは脱線しようがない。こういうことについてあなたのところでもう少しぱっとしたものをつくってもらわないと困ると思う。これは宿題にしておきます。また御答弁は後日あらためていただくことにして、きょうはこれで終わります。

内海清民主社会党

○内海委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十五分散会

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