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61回国会衆議院1969/07/23

建設委員会 第33号

発言数
87
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/07/23

会議録

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これより会議を開きます。  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。金丸徳重君。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 議題となっておりまする道路整備特別措置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、二、三の点についてお尋ねをいたします。  提案になりました法律案自体は、事務を簡素化し、仕事を合理化するという意味におきまして、表向き自体といたしましてはそれほど問題にすべきこともないやに思われるのでありますが、表はそうでありましても、何か裏に大きく意図するところがあるのではないか、その一端としてこういうものがあらわれたのではないかのように思われる節もあるのです。それにつきまして、実は当初内閣のほうから予定法律案として本国会に提案されるものとしてその趣旨などを要約いたしました諸法案の中に、いま問題になっておりますところの道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を取り上げられまして、そのときの説明によりますと、地方道の整備促進の一環として、一定の要件を備える法人に道路整備特別措置法に基づく有料道路事業を行なわせる道を開くものとする、こういうねらいのもとに進められておったように思われるのであります。しかしながら、今回問題にされましたのは、そういうことではなくして、単に事務を簡素化する、あるいは合理化するというだけのようでありますが、政府の意図するところは、はたしてどちらがほんとうだったのでありましょうか。また、こう変えてきましたのには何か理由がおありだろうと思うのですが、その辺から一応御説明願いたいと思います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 実は有料道路の問題につきましては、この制度ができましてからもう十年以上になりまして、有料道路の制度ができました当時といまと比べますと、道路の整備の状況はかなり変わってまいりました。また、道路に対します投資の規模もかなり変わってまいったのでございます。最初に有料道路によります道路の整備をいたしましたいきさつも、やはり道路整備を促進する一つの暫定的な方法として、料金を取ってその料金で償還できるような有料道路という制度をつくったわけでございまして、それをいまの時点に当てはめてみますと、自動車の台数から見てまだまだ道路の整備がおくれているという現状から、有料道路の制度もまだ存続せざるを得ないということはあります。ただ、先ほど言いましたように、相当その当時といまの道路の状況が変わっておりまして、有料道路といっても、単に昔の道路の整備の補いをする有料道路と、いまの有料道路とはかなり性格が変わってくるんじゃないかということで、将来の一般の有料道路がどうあるべきかという問題をいま検討しておるわけでございまして、その一環として、これは道路審議会にも有料道路の問題につきまして諮問いたしまして、どうあるべきかを答申を受けたいというように考えておるのでございます。現在、道路審議会ではまだ高速道路、都市高速ということを審議しておりまして、まだ一般の有料道路の審議に入ってない状況でございます。そういうようなことを考えますと、やはりこの際、有料道路につきましては、まず地方で有料道路事業をやります際に一番困るような問題をとりあえず直してまいりたいということにしたわけでございまして、当初、やはりいろいろ各県に公社というものがございまして、これが有料道路をやっておったわけでございます。この有料道路は特別措置法によらない有料道路でございまして、道路運送法によります私道としての有料道路をやった例が非常に多いのでございます。そういう公社がそういうものをやっておりますと相当道路をつくります経験もございますし、そういうものにやらしてほしいというような希望もあったのでございます。ただ、これをいろいろ関係の各省で詰めてまいりますと、特別措置法の有料道路になりますと、地方道といいましても府県道が多いわけでございます。公社自身がそういう県の知事にかわって有料道路をつくり、またこれを管理するということになりますと、ある県では県の中に企業局というものをつくりまして、県知事がみずから有料道路をつくっておる県もございます。そういうものとの調整が非常にむずかしいということと、やはり府県道の道路管理者が知事と公社との二つになるということもいまの状態では非常におかしいじゃないか、もう少し根本的な考えをまとめるべきではないかということでございまして、そういうことで、公社が特別措置法の有料道路をやることは一応この際白紙に返して、さらに根本的な検討をしようということにしたわけでございます。実際の仕事という面になりますと、これは県から公社に工事を委託する、また料金の徴収を委託するということはいまのままでもできることでございますので、そういう意味で、将来の有料道路とその管理者のあり方という問題は、根本的な問題として後ほどの検討に譲ることにして、とりあえず、地方で一番困っており、また事務の合理化になるような地域のプール制と、公団の道路の府県委譲、そういう二つだけにしぼった次第でございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 実は私もこの法案の検討をいたしております間に、自動車というものがこれだけ普及発達し、これからなお天井知らずにふえていくというような時代に対処しますと、根本的に従来の道路政策の基本に触れて考えを新たにしてかからなければならないのではないか、こんなに思ったものですから、この法案に対して若干の不満を持ったのであります。それでいろいろと検討をいたしております間に、政府のほうにおきましても、実はいまお話しになりましたような経過に基づいて、道路政策、交通政策の基本に触れるようなところまで検討されて案を練られたようであります。私はそうでありたいと思う。ただ、お話を承っております間にふっと思ったのでありますが、世の中には冗談からこまが出たということがいわれておる。いまのお話を聞いておりますと、こまが冗談になってしまったような気がいたしてなりません。非常に大きな問題を解決しなければならない時代に処して、問題があまりに根が大きい、いろいろなところに関係が多いということで、とりあえずの措置として料金だけでも一本化しておこうとか、合理化しておこうというようなことでありますが、そういうような、言ってみますれば、何か大きな問題をかかえながら、ちょっと先っぽのほうの問題だけ片づけていこうということでいまの時代に間に合うかどうか。せっかく政府のほうでもこうしたことにまで触れてきておりますので、この際これはこれとして一応やらぬよりもやったほうが幾らかはよくなる程度でもありましょうが、これでいいとはとうてい考えられません。この基本のほうにもう一歩進められて強く進められるお考えがおありかどうか。これは大臣からひとつお考えを承っておきたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 本法の御審議を願っておるゆえんにつきましては、もう私から申し上げるまでもございませんが、有料道路の効率的な整備をはかる、これ以外に何ものもないようなわけでございます。しかし、道路全般に対するところの今後の進め方、取り組み方については、いろいろの問題点を含んでおることを私は重大視いたしておるようなわけでございます。そうした立場から、私は、この有料道路を含めましての日本の道路政策に対しましては、五カ年計画によるところの道路推進をはかることはもちろんでございますが、財源その他あらゆる立場から総合的、計画的に踏まえながらこの道路政策にひとつ取り組んでいくことこそ、国土開発の根幹をなす問題であろうと考えておる次第であります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 道路政策につきましては、いまとかく整備がおくれがち、建設がおくれがちの道路それ自体をすみやかに建設し整備するということと、同時に、いまのような時代になりますと、自動車専用道路と一般道路とをはっきり区別してかからなければならないようなときが来たのではないか、こう思うのであります。大体自動車がもう日常の必需品みたいになってきて、これだけふえてきますと、自動車道と一般道路とを混在せしめるというところにいろいろ公害のもとを起こし、かえって自動車の機能をそぐ、あるいは産業の振興にマイナスになるような事態も起きないとも限りません。現にそういう事態が起きておる。せっかくいい道路をつくったけれども、自動車が動かないというようなことが随所に見られる。これは私は、道路政策の根本に触れまして、たくさん道路をつくるばかりが能じゃなくて、その道路の使い方について根本的な考え方を新たにしていく、メスを入れてかかるべきときが来たのじゃないか、こう思うものですから、この辺でそういう方向に進められる腹をお持ちになってこうした最初の案もお出しになる、それがなかなか容易ではない、時間的にかかるということでとりあえずこういうことになったのかどうか、その辺をもう一度はっきりしておきたいと思う。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 金丸委員御承知のとおりに、現時点におけるところのわが国の道路整備の状況をつぶさに考慮、また調査いたしますときにおいては、一般国道においての舗装完了、整備完了というものが大体九四・八%でございます。また、御承知のとおりに、府県道のいわゆる地方道、これが大体において整備舗装の完了が三八%前後でございます。一般の市町村道におきましては、いまだ全く道遠しといいますか、七・四%というような、一般の市町村道の舗装整備の完了はそういうような状態であります。また、七千八百キロに及ぶところの国土幹線自動車道路の整備及び舗装、供用開始という時点から考えますとまだ三四%前後ということを考えますときに、私は、総合的な日本の道路政策というものに対して、こうした時点を踏まえながらやはり整備について真剣に打ち立てなければならぬ。いま金丸委員が御指摘になりましたごとく、自動車道路、また一般道路を区別していくという考え方も、私は、非常に考え方としては正しい、また、それを遂行するにおいては正しい行き方であろうかと思いますけれども、私といたしましては、やはり総合的な立場から、ことにいまの時点において真剣に考えなければならぬ問題は国土の均衡ある開発建設ということを考えますときに、地方道に対するところの問題点というものをやはり真剣に取り組んでいくということもございますので、私は重点をそれらのほうに置きながらひとつ進めてまいりたいというのが、私の偽わらない道路政策に対する決意であることを御了承願いたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 大臣のお考えはわかりましたが、実は、道路整備が国土の総合開発伸長のために非常に基本的なことであることはみんなわかっているのですけれども、それに対する財源が容易ではないということで思うにまかせぬようです。そこで有料道路という方法も考え、そうした方面から財源の補給も受けて国土の総合的均衡ある発展のための道路を一日も早く整備しなければならないということであろうと思います。その一つとして有料道路、特に自動車専用道路の有料化ということがいまの時代においては非常に重視されなければならないようなときだと思います。片方におきましては、ガソリン税その他を道路建設財源のほうに向けるというような方法もとられるようであります。こうしたことによって財源を補給していく、そしてその一番のネックであるところの、資金がないからおくれるということでないようにしなければならないということはよくわかります。そこで問題になってくるのでありますが、わが国の高速自動車道路の発端ともいえる、何か大磯にできたというような、あるいは京浜間の道路というような特殊地帯の有料道路は、当初有料ではあるけれども将来は無料、一般道路化するということのねらいでつくられておるように記憶いたしておるのであります。そして実際にもうすでに一般道路に編入されたものもあろうかと思うのでありますが、いままでにそうしたものによって有料道路から一般道路に無料化されたというものがどの程度おありか、そしてそれによって道路の利用状況がどう変わってきたか、これは事務当局のほうからでよろしいのでありますが、実情をお示し願いたいと思います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 ただいま、道路公団で建設しその後管理しておりましてすでに無料開放になった線が十二本ございます。ちょっとあげてみますと、大阪の鳥飼大橋、横浜の戸塚道路、福岡、佐賀の県境にあります大川橋、新潟の越路橋、三重県の参宮道路、福井県の武生トンネル、愛知県の衣浦大橋、佐賀県の住之江橋、埼玉県の上江橋、茨城、千葉間の芽吹大橋、愛知、岐阜間の濃尾大橋、広島県の幕之内トンネル、十二カ所ございます。これにつきまして、いろいろ有料の場合と開放後の前後一カ月くらいの交通量の差をとってみますと、非常にまちまちでございます。平均いたしますと、大体開放後は二七%、約三〇%くらいの交通の増加を見ております。これらの道路につきましては、大体がその有料道路を通らないで行く迂回路があるわけでございます。そういう迂回路を通っておったものが、有料道路が無料開放になったために、その迂回路を通らずにその道路を通るということで、平均いたしますと三〇%ぐらいふえております。しかし、この中には、福井の武生トンネルみたいにほとんど迂回路のないようなものについてはそんなにふえておりません。一割もふえておりません。ただ、迂回路のあるところにつきましては、たとえば福岡、佐賀の県境にありました大川橋あたりは、開放後約五割ふえておるというような状況でございまして、これは平均いたしますと二七%増というようなことになっております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 一般に開放された場合においては、従来と条件はただ料金を取らないというだけが違うのであって、その他は全く同じでありますか、いかがです。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 これは料金が無料になったということで、ほかは変わりありません。ただ、一部言われておりますのは、料金を取っておったときは、道路の清掃とか十分できておったのが、無料になったら非常にきたなくなったというような批判は一部ございますが、そのほかは変わっておりません。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 そこで、無料にするためには、すっかり建設費を取ってしまった、取り終えたということだろうと思うのですが、その料金算定の基礎になりましたところの建設費というものはどの程度に計算されておるのでありますか。私のお伺いしたいのは、その道路だけの建設費をねらっておったのか、つまり、その建設費全体をねらっておったのか、それとも、その一部を償還の対象に考えておったのか、あるいは両方に関連するところの道路の建設費までもしくは補修費までねらっておったのか。いままでの経験でどうなんでしょう。また、いまあるところ——いろいろ有料道路については場合場合があろうと思いますけれども、傾向としてはどんなでありますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 いままでの有料道路は、原則といたしまして、大体有料道路区間の建設費の全部、それと、その建設費を借りてくるために生じます建設利子、それと、無料開放までの維持管理費というものが償還の対象になったわけでございます。まれには、ある程度公共でやりまして、それがなかなかできないために、その間を有料道路に切りかえたものもございます。そういう場合は、公共でやったものを除きまして、あとから有料道路としての借り入れ金だけを償還の対象にしておるわけでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 それで、いままで十何本がもうすでに終わって一般化したというものの中には、当初の予定期間よりも早まったものがあるのではないかと思うのですが、あるいはおくれたものがあるのか、この点はいかがですか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 実はこの中にはいろいろございまして、当初の徴収期間が早まって無料になったものもございます。また、ちょうど期限にまいりましてさらに多少償還すべき借り入れ金が残っておるというものは、全体の損失補てん金から補てんしまして無料にしておるというものもございます。また、償還期限にならないものであっても、地元府県が償還に要する金を払いまして無料にしたという例もございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 そこで私のお伺いしたい主問題に入るのでありますが、高速道路ができまして自動車がそれに集中してきますと、今度はそれに関連する両末端の道路はもちろんでありますが、派線に入るところの道路もそれに集中してくるトラックその他に利用されまして、県道、市町村道というものがかなりいたむ、あるいは建設をまた新しくしなければならぬ、拡幅しなければならないというような事態をかもし出すと思う。実情そうだろうと思うのです。現に中央道におきましては、中央道ができて、あそこに車がうんと入りました。富士吉田の末端では、出てくる車をさばき切れずに、大急ぎでその辺の道をこしらえなければならないというような事態をかもし出しておるのであります。したがって、厳密に計算しますと、高速道路の建設費をカバーしたからそれで済むということには相ならぬのではないかと思う。とかく地方団体が財政に苦しむのは、川はもちろんでありますが、道路のことで非常に苦心しておる。したがって、そういう関連で修理あるいは拡充整備しなければならない道路に対してもその財源を見てやる必要があろうじゃないかと思うのですが、これは基本的にはどういうお考えでありますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、高速自動車道のような大規模な道路をつけますと、そのインターチェンジに入るような道路も、いまの、以前のままの道路では困るわけでございます。やはりそれに合わして拡幅その他をしていかなければならぬ。現在の状態では、そういうものは一般の公共事業という形で、県道であれば改築に国が三分の二を出し、県が三分の一を出すという形で実施されておるわけでございます。ただいま先生のおっしゃいました趣旨は、その原因が高速道路にあるのだから、高速道路をつくる場合には、そういう関連の道路について国がもう少し何らかの援助ができないかという趣旨だと思います。これにつきまして、私たち、いまの県の中の道路というものは、高速道路の関連道路以外でもまだまだ整備しなければならぬ道路は相当ございます。そういうこともありますが、やはり高速道路をつくればその関連道路を急がなければなりませんということで、関連道路の事業費というのは、できるだけ一つの県の一般の道路事業を圧迫しないような形で予算の配分を考えておりまして、またこれからもそういう考えでいきたいというふうに考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 実は、さっきのお話がありましたように、自動車専用道路については、その建設費、補修費、一般管理費一切、利用者たる自動車が持つということになっておる。公平の観念からいきましても私はそうでなければならないと思うのです。その考え方を広げていきますと、その関連する道路の建設、修理あるいは補修といった管理も、これを利用する自動車によって見てもらったほうがいいのではないか。国が一般に補助するとか、別の立場から補助するという考え方ではなくて、その利用者によって持ってもらうべきものじゃないかと、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 道路は、高速自動車国道、国道から府県道、市町村道までいろいろございます。こういうような高速道路から市町村道までが一つの日本の道路のネットワークをつくるわけでございまして、やはり市町村道から高速道路まで一連の関連があるわけでございます。現在の道路法のたてまえは、一応、高速自動車国道、国道、府県道、市町村道ということで一つの管理者をきめておりまして、おのおのの管理者が自分の道路を良好な管理をしていくということになっております。いまのお話は、やはり高速道路に入る車が非常にいためるというような県道がもしあったとすれば、それは法律のたてまえでは県が管理をするということになっております。ただ、そういう場合、その県道というのが、高速道路のアクセスとして利用されるという以外にやはり県道としての使命を持っておると思いますので、そういう意味ではそういうこともやむを得ないのではないか。ただこれがアクセスとしてだけ使われるものは、これは高速道路の一つの部分として建設までやって、維持管理もやるべきだというように考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 その管理者がだれであるとか、一般の交通あるいは道路の整備は国が責任を持つべきであるとかいうことは別個にしまして、一番先にお伺いしたように、いまや自動車というのがこうふえてきますると、いまから十年か二十年前のように大体としては歩行者だとか、あるいは馬車だとか、あるいは自転車だとかいうようなものが大部分便って、その合い間といいますか、ごく一部を自動車が使ったというような時代と違って、いなかの道は別といたしまして、その九割以上自動車が使っておるというような交通状況になっておる。そういう時代になってくると、その道路の管理者がだれだとかいうこととは別個にして、自動車というものについてもう少し目を広げていかなければならないのではないか、こう思うのであります。これは全体について一ぺんにそうするわけにいかぬと思いますから、せめて高速自動車道、有料道路等というそうした一つのたてまえができてきたのですが、それに関連するようなものについては、ずっと末端のほうまで自動車が持つべき経費なりとして計算してみてもいいのではないか、こういうのが私のお尋ねなんです。どうなんでありますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 高速道路を実際にわれわれ建設いたします場合に、いま先生のおっしゃいました、高速道路に関連しておるようなところの維持管理、これに要する費用、これもいまの高速道路を利用する車が負担をしたらいいじゃないかというような御趣旨だと思うのですが、いまの高速道路につきましては、やはり借り入れ金その他によっていろいろな設備もやっておるわけであります。問題は、やはり高速道路のいろいろな管理上の問題、これは救急の問題その他あるのでございますが、そういう問題については私たちやはり当然前向きで考えたいと思いますが、車がそういう代価を払うということは、現在の道路整備の財源、これが国が出す分につきましては、ほとんどがいまのガソリン税、そういうものでまかなわれておるという実情にございます。また、高速道路でそこまでとにかく維持管理の償還に要する費用の範囲を広げますと、やはりこれはすぐ料金にはね返る。また、現在の高速道路は、名神、東名、中央道というようなもの、これは御承知のように非常に交通量が多いのでございまして、そのために、そこだけ見ると採算は非常にいいのでございますが、さらに全国のネットワークとしてやります場合には、やはり東名みたいな、必ずしも採算がいいルートばかりではないわけでございます。その辺も考えますと、やはりいまの料金その他を考えまして、そういうような関連した府県道についてはやはり何かの形で処理すべきではないかと思うのですが、その処理する方法としては、地方に必要なおのおのの管理者がおって、その管理者が十分道路を管理できるような必要な財源をふやすというような形で考えていきたいというように考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私も実は自動車に持たせるということは、いまの料金をもっと上げるということを言っておるわけじゃないのです。料金はできるだけ低い料金のほうがいまの段階においてはいいように思うのです。ただしかし、だからといって、自動車がこれだけいろんな方面に影響を与えておるのに、どこへ行っても無料だ。ガソリン税という名における負担をしておるといえばそのとおりなんです。私は、ガソリン税を地方の道路整備のほうに回すという、それは自動車というものが道路のために持つ一つのあらわれだと思います。ただもう少し合理的に考えられないかということでお伺いしているのであります。  そこで、さっきお伺いしますと、もうすでに建設費の償還を済ましてしまったものもたくさん出てくるのでありますが、こんなに道路なり橋なりというものは十年か十五年の間に償還してしまわなければならぬものなのかどうか。三十年、五十年あるいは百年だっていいのですから、なるべく料金を軽くして、しかしながら償還期限は延ばしてやる、そうして負担の公平を期すということを基本に置いてこの問題を解決していかなければならないのではないかと思います。そう考えてきますならば、いまのような料金の中におきましても、関連する地方道なとについて相当財源——補修費なり拡張改良費なりを回していくことができるのではないかと思うが、この点はどうなんです、基本的な考え方として。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 実は、先ほど申し上げましたように、有料道路の制度ができました当時といまとは、国民の経済状況は相当変わっておると思います。やはり有料道路が道路整備を補う一つの補助的な手段としてやむを得ない制度として採用されておるという状況を考えますと、ここでどういうものなら金を取っていいか、その辺がやはりそのときそのときの時代によって変わってくるのではないかというように考えております。十年前につくりました有料道路で現在料金を取られておるものの中にも、いまから見れば、当然いまなら一般の公共事業でやられておるようなもの、こういうものについては、できるだけ私たちは早く無料にすべきではないかというように考えております。ただ、そうなりますと、やはりどういうものからいま料金を取るのが妥当かということになると思います。やはり一般の道路に比べて非常にサービスの度合いがいいもの、こういうものから料金を取って、一般の道路に比べて同じようなサービス水準のような道路については、できるだけ早く無料にすべきではないかというように考えております。現在の十二本無料になったものを見ますと、いずれもこれは大体ちょっと改築みたいなもので、いまであれば当然公共でやられておるというようなもので、こういうものはやはりできるだけ早い機会に無料にすべきじゃないかというような道路が大部分じゃないかと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 いままでのものは特殊なものだからというお考えのようであります。それはそういう面もあろうかと思います。ただ、できるだけ道路は無料であるべきだという基本的な考え、私はそうでありたいと思います、そうでなければならないと思いますが、現在におけるわが国の交通状況、道路の整備状況から考えて、それから、これから自動車というものの無限ともいってもいいくらいに発達する見通しに立ってみますと、はたしてそういうことで押し通せるかどうか、一般の公平な考え方からいきましてどうであるか。いま一番困るのは財源じゃないかと思います。その財源を何とか捻出しなければならないという場合においては、だれが考えましても、負担能力のあるものにまず目をつける。それがいまの有料道路制度だったと思います。そうなりますと、負担力のあるのは、単に高速道路、特別な幹線道路を通る自動車ばかりじゃないです。どこへ行っても自動車は自動車なりの効率をあげ、負担能力を持ってきている。なればこそ、高い料金を払ってもその道を使っておるわけです。そうなりますと、私は自動車利用者の考え方を率直にそんたくいたしますと、料金は出してもいいんだ、高く出してもいいから、そのかわりには、自動車らしく走れるような、自動車らしい効率をあげるような道を早くつくってくれろということになるのじゃないか。料金はなるべく安くするんだ、無料にしたいんだというその理想はありがたいけれども、その理想を追及するためにかえって道路整備がおくれておって、どこへ行ってもつつかえておって動かない、あるいは至るところで事故を起こすというような道路であっては困るのだというのが自動車利用者の本音じゃないかと思うのです。だから、あなたのほうで、かりに、一般道路、無料道路のほうが理想だ、こう言っても、ぴんとこないのじゃないかと思うのですが、この点はどうでしょう。現段階において道路政策の基本に触れてくる、そしていまの社会問題の一番大きな問題を自動車がかもし出しているのですよ。いわく、排気ガスの問題、いわく、交通事故の問題というようなことからいたしまして、自動車はやはり社会問題の大きな原因になっている。それはなぜか。道路の整備ができていないから、自動車らしい道路ができていないからじゃないか。だから、ある人たちに言わせれば、高くてもいいから道路を早くつくってくれろ、こう言うと思うのです。自動車というものに心あらしめて、口あらしめて叫ばしめたならばそう言うだろうと思うのですが、どうでしょう。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 非常に重要な問題点でございます。その問題点の多いことも、いま道路局長がそれぞれの観点から答弁を申し上げておるとおりでございます。私といたしましても、この問題点の多いこれらの問題を、どうあるべきか、いわゆるプール制の料金制度への導入等につきましても、非常にいろいろの問題が含まれておることを痛感いたしております。したがいまして、建設省といたしましては、これらの問題点に対しまして総合的な判断、計画を持たなければならぬ、こういう考えで、目下道路審議会に諮問をいたしておりまして、いずれあらためて答申も出てまいるのを待っておるようなわけでございます。その答申をまちました上に立って、料金制度を含めまして、いま御指摘になりました問題点の解明及びこれらに対するところの建設省としての今後の対策については真剣にひとつ考慮いたしまして、その抜本的といいますか、基本的な方途を講じたい、こう考えておることを御了解いただきたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私がこのようなとっぴなようなお尋ねをするのには二つの意味があるのであります。いま地方団体が財政上非常に苦しんでおりますのは、先ほど申し上げましたように、道路整備なんかに追われることも一つであります。もう一つは、地方団体が盛んに自動車事故によって苦しんでおるんですね。それは自動車が急激にふえてまいって、繰り返すようですけれども、これを受け入れるだけの道路体制ができていなかった。その道路体制ができていなかったのにもかかわらず、じゃんじゃんと自動車はふえてまいります。ドライバーはどんどんふえてまいります。そしてそのドライバーもまた、わが国の特性でもありましょうけれども、とかくどうも公徳心に欠けているといいますか、整備されたる道路の上に、自動車の遠慮のないスピードなりあるいはもう重量制限などを無視した運搬のしかたをしておるというようなことからいたしまして、地方当局というものはこの管理なり受け入れ体制なりに非常に苦しんでおる。私は、それをせめて財源的にも潤沢にやってやって、角を直すとか事故を起こさないような方途を講じてやる、あるいは橋もこわれざるうちに直すとかいうような、条件を整備してやる必要があるんじゃないかと思うのです。残念ながら、私どもが見るところによりますと、その点が欠けておると思うのです。せめて負担力のあるところの——負担してもいいから道路を整備してくれと叫んでおると私は想像するのですが、自動車からもう少し何らか形においてこれを出してもらってその方面の問題を片づけておく必要があるんじゃないか、こう思うのです。これはついて、どうもさっきから一般無料道路が理想だと言われることにあまり拘泥しておると、この問題解決のかぎがなくなってくるんじゃないか、これだけ差し迫った社会問題、これだけ差し迫った一般の公害問題などに対処するためにも惜しいのではないかと思うのですが、どんなものでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、私、一般道路は無料公開が原則であるという前提で申し上げました。とにかく、この原則だけでは、いま先生のおっしゃっております道路と自動車との関係をとても改善できないと思います。そういう意味で、有料道路の整備も、高速道路をはじめ、かなり有料制度でやっておるわけでございます。いま先生のおっしゃいました、やはり負担力のあるところから金を取って、その金でさらに道路をよくするという問題でございます。これはやはり有料道路の面から考えますと、私は、そういうことが地元からも望まれ、また利用者からも望まれるところは、できるだけそういう形で道路の整備をやってまいりたいということでございます。ただ、いま私のほうで提案をしております特別措置法でも、現在一つの有料道路がある、それと交通に非常に密接な関係ある別の道路がなかなか整備できないというような場合は、いまの有料道路の料金とあわせまして、いまの別の交通と非常に密接な関係のある道路も有料道路としてやれば、一つの道路として、利用者も有料道路の料金を払うけれども、快適な車の運行ができるというようにできるものと思っております。ただ、これには、やはり道路を早くつくってくれという地元の考えと、そのためには有料道路でもやむを得ないという地元の考え、こういうものが一致してこないと、有料道路の問題は、道路を整備するんだからおまえたちのところは有料道路だというふうに一方的にきめつけるものでもございませんので、やはりその辺はいまの特別措置法の今度の改正を生かしまして、できるだけ住民の意思を尊重しながら有料道路としての道路整備を進めてまいりたいというように考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 時間が過ぎてまいりますから、くだくだしいお尋ねは避けなければなりませんけれども、冒頭申し上げましたように、私は今回の法案を検討いたしております間に、プール制に入る糸口のように思ったものですから……。このプール制にするということのねらいが、一刻も早く有料道路から開放されて一般道路にするというねらいであるというと、そのねらいはいかにもいい。いいけれども、いまの実情に合わぬことになりはしないか、こう思ったものですから——これはいまの料金を上げろとかいうことではありません。ただ、もう少し時間を長くしてもいいから、できるだけ負担を公平にしながら基本の問題を解決するような方向に行けないものかどうか、こういうことが一つであります。  それからもう一つ、私なりにだんだんひねくっております間に、わが国のような状況におきましては、道路は、高速自動車専用道路、それから一般道路、こうはっきり分けてしまって、高速自動車専用道路は、自動車の持つところのスピード性、重量性、そういうものをフルに遺憾なく生かせるような状態に置く、その他、自動車と歩行者、あるいは緩行車もあわせていくようなところは、今度は逆に歩行者及び緩行車のほうが主であって、自動車はそれに合うような形できわめてゆるやかに走ってもらう、こういうことに分けていかなければ、自動車のためにもよくない、一般通行人にとってもますます交通地獄におちいるだけであります。そういうことにしたほうがいいのではないか、有料であるかどうかは別としまして。理想は、高速自動車専用道路といえども無料のほうがいいことはさまっております。きまっておりますけれども、そうなるまでにはまだまだわが国の道路状況というのはかなりの時間がほしいと思いますから、その間におきましてはかなりの期間有料でもいいと思います。有料でもいいから、自動車のために、自動車らしい道を、安心して効率よく走れるような道をつくってやるべきではないか。同時に、街路におきましては、自動車はそこを通ってはいけないとは言わぬけれども、一般のその他の利用者に遠慮しながら走るような基本の原則の中に道路が整備されていくべきじゃないか、こう思うのですが、いまの状況からいきますと、一般道路が高速自動車に使われてしまって、大事な人間の生活、歩行者も緩行車もまるで「下に下に」になっている。ひどいところになりますと、横断歩道は階段を上ってよけて通っていく。おじいさん、おばあさんはめいわくしごくなことですが、命が惜しいとなればそれしかないのですから、やってはおりますけれども——私は思うのですけれども、これではまるで本末転倒じゃないか。だから、そういうところは自動車のほうが遠慮して走ってもらう。そのかわり、自動車専用高速道路はもう遠慮なしに突っ走ってもらいたい。それも、たくさんつくってあげますということにならなければならぬと思う。それには財源も要るから、いまからそれを考えておくべきであり、それは自動車が負担し得る。いまの日本の経済状況から見ますれば、自動車こそが負担し得る。その他のものは負担し得なくても自動車は負担し得ると私は思う。大臣、いかがでしょう。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 先ほども申しましたごとく、均衡のとれた国土の開発建設をいたす基本的な問題は道路政策にある、こう考えておることは、もう私の基本方針でございます。したがいまして、これらの立場から、いま御指摘になりましたごとき高速自動車道路のあり方、有料道路のあり方、一般国道あるいは一般市町村、府県道、地方道のあり方、また、それに関連するところの道路交通、安全対策の問題、及びこれらを遂行する場合においての財源の確保という大きな問題が、それぞれの立場から問題点が多くあるような次第でございます。したがいまして、私はこれらの問題点を十分考えながら、国土建設の基本は道路にあり、しかも過密過疎対策の根本は道路にあり、また、国民生活環境の整備もすべて道路にありというような気持ちから、私は建設省の数多くある基本の大きな大黒柱の中にあって道路政策を最優先にいたしながらこの建設に取り組んでおるような次第でございます。したがいまして、私はそうした決意を持って現時点における五カ年計画の道路政策を推進することはもちろんでありますが、ことに、私は財源確保という問題点については、建設省といたしましても、来年度の予算編成が迫ってまいるこの段階においては十分ひとつ考慮いたしまして、財務当局とも連絡を密にいたしまして、前向きの姿勢でいま取り組みを急いでおるというような事情でございます。数々御指摘になりました点は、ごもっともな御意見でございますので、十分指針といたしましてこれらの問題点に取り組む覚悟であることを御了承いただきたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私のちょうだいいたしました時間が来ておるようでありますから質問を閉じますけれども、今回のこの法案は、これはこれといたしまして、当初計画されたところの有料道路事業を行なわせる道を何らかの形で広く開いていこうというねらいのようであります。これはさらに私は追求していただきたいと思います。その場合において特別の法人をつくるかどうかということについては、これはたいへん問題があろうと思うのですが、そういうことはともかくといたしまして、基本的に道路政策、交通政策というものにつきましてのわが国の現状を踏まえての、それから自動車の機能を踏まえての根本的な検討を、大臣のいまのお考えに基づいてすみやかに、きめこまかに、同時に、彫り深く掘り下げていただくことをお願いいたしまして、私は終わります。ありがとうございました。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これにて本案に対する質疑を終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これより討論に入るのが順序でありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書ば附録に掲載〕     —————————————

始関伊平自由民主党

○始関委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、理事会の協議に基づき、去る七月十日、鎌倉市における歴史的風土等の保存状況の視察を行ないました。視察された委員を代表して、金丸信君から報告を聴取いたします。金丸信君。

金丸信自由民主党

○金丸(信)委員 当委員会理事会の決定に基づき、私のほか、田村良平君、渡辺惣蔵君及び山下榮二君の四名は、去る七月十日午前八時より午後二時までの日程をもって、鎌倉市における歴史的風土の保存並びに風致地区の維持の現状を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。  近年におけるわが国経済の高度なる成長は、人口及び産業の急激な都市集中をもたらし、その結果、都市は過密化の現象を呈し、それに伴う都市周辺部のスプロール化はますます激しくなってきております。かかる状況に対し、昭和四十年十二月、議員立法による、京都市、奈良市及び鎌倉市等、いわゆる古都におけるわが国固有の文化的資産について国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承さるべき歴史的風土の保存を目的とした古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、略称古都保存法が成立し、翌年一月十三日に公布されましたことは、御存じのとおりであります。また一方、新都市計画法によって、風致地区の決定、決定された地区における建築物の建築、宅地の造成及び木竹の伐採等の行為は、都道府県等地方公共団体の条例によりその規制を行なう等、京都市、奈良市及び鎌倉市等の自然の保護については、国及び地方公共団体とも法制的にもその適切なる措置を講ずることとなっております。  われわれは、この中にあって、首都圏におけるその代表的な市であります鎌倉市の現状を拝見することができましたことは、将来の国土の保全を思うとき、たいへんに参考になりましたので、以下、鎌倉市の概況及び視察個所について申し述べることといたします。  鎌倉市の面積は約四千ヘクタールありますが、その中において、歴史的風土の保存区域が約七百ヘクタールあります。歴史的風土保存区域の中でも特にその規制をきびしくしております特別保存地区が、約二百三十ヘクタールあります。この約七百ヘクタールの歴史的風土保存地域が鎌倉市に占める割合は、約一八%となっております。また、風致地区は約二千二百ヘクタールありまして、鎌倉市に占めるその割合は、実に約五五%となっております。  かかる状況にあります鎌倉市が、近年における東京、神奈川等への人口集中と、これに伴います土地需要の増大によりまして、住宅地の開発に関する申請が急にふえ、神奈川県及び鎌倉市におきましても、もろもろの事情により、その取り扱いに対する適正なる判断に困難を来たしている実情であります。  なお、歴史的風土特別保存地区においては、不許可の決定をした場合、県がその土地を所有者の申し出により買い入れることとなっておりますので、特別保存地区では現在特別の問題があるとは聞いておりません。  われわれが最初に調査いたしました場所は、鎌倉の北部に属します今泉地区吉ケ沢、柳谷戸及び滝ノ入、別名散在ケ池周辺であります。本地区はもともと都市計画法による風致地区でありましたが、昭和四十一年、首都圏近郊緑地保全法によります第一次近郊緑地保全区域指定の際、首都圏整備委員会といたしましては、鎌倉市と横浜市との両地区を一体とした区域で指定するよう計画を進めておりましたが、当時、横浜市側における計画上の都合によりまして第一次の首都圏近郊緑地保全区域の指定は見送られ、その後、指定に対する調整がつきまして、本年三月、首都圏近郊緑地保全区域に指定され、現在は、都市計画上の風致地区でありますとともに首都圏近郊緑地保全区域にも指定されている地区であります。  まず。今泉地区の吉ケ沢、柳谷戸にわたる信販コーポラス株式会社による宅地造成地二十九万五千平方メートル、九百六十五区画の現場であります。本地区における住宅地の造成計画は、昭和三十九年六月、昭和四十三年三月にそれぞれ許可され、現在はほとんど事業を終了し、住宅の建築も進み、相当数の市民が生活しております。本宅地造成を許可した理由につきましては、当地区が鎌倉市の中心からは尾根で遮断されているため、直接に見えることはなく、また風致を害することもないとの判断からのようです。しかし、地区住民は、尾根の南側が歴史的風土の保存区域並びに特別保存地区になっております点及び現に風致地区であることから、自然保護に対する不安があるようです。ただ、本地区と隣接し、歴史的風土保存区域であり、風致地区でもあります山ノ内明月谷という場所に高層マンションの建築申請が出され、地元住民に不安を与えております。本申請に対し、県としては、計画の修正を求める等さらに検討を加えているとのことです。神奈川県及び鎌倉市におきましては、それぞれの事情はあることと思いますが、かかる地区における住宅の高層化につきましては、今後とも大きな問題ともなり得る要素を含んでおりますので、その扱いには特に慎重を期していただきたいと思うのであります。  次に、今泉地区の滝ノ入、別名散在ケ池周辺の宅地造成についてであります。  本地区は、日本開発株式会社が本年の三月に住宅地造成の許可を得たところでありまして、事業の本格化はこれからでありますが、本住宅地造成計画は五十万九千平方メートル、三百九十九区画が予定されております。散在ケ池、またの名を鎌倉湖と申しますこの周辺は、鎌倉市における唯一の湖を有する地区でありまして、市民並びに観光客にとっては、史跡と自然を結ぶハイキングコースとしても親しまれている地区であります。  かかる観点から、神奈川県及び鎌倉市としても、開発の許可をするにあたり、自然の美をできるだけ破壊しないような計画とする指導を行なう等、古都鎌倉にとってはなはだいわれのある本地区の宅造には詳細なる検討が加えられているとも聞いております。しかし、歴史的にも風致上からも重要な地区における開発は、慎重の上にも慎重を期し、絶対に悔いを残すことがあってはなりません。このため、地方公共団体、地域住民及び宅地造成者は十分に納得し合い、協力し合わなければ、古都鎌倉の保全という社会的大使命を達成することは困難と思われます。成造の許可については、地方公共団体の責任においてやられたことであり、とやかく申し上げませんが、宅地造成による切り取り部分の緑化、環境整備等については十分なる配慮と細心なる注意を払い、風致の維持に特段の努力をすべきでありましょう。  次に、十二所地区における住宅地造成計画についてであります。  本地区は鎌倉市の東部に属しておりまして、われわれが今回調査した個所のうち、唯一の古都保存法による歴史的風土保存区域に指定されている地区での宅造計画地であります。本地区の住宅地造成計画は、三井物産株式会社が施行面積三十五万六千平方メートルの申請をし、現在鎌倉市が受理いたし、市の都市計画審議会にて審議中のものであり、いまだ許可不許可の決定はいたしていない地区であります。  本地区は、さきにも申しましたとおり、歴史的風土の保存地区でありますが、御存じのとおり、古都保存法における特別保存地区は、不許可に対する土地の買い入れ規定がありますが、一般の保存区域は知事への届け出のみであり、必要に応じて知事が助言及び勧告をする規定となっておりますため、法律的にも強力に規制できる措置がありません。しかし、古都保存法の国家的、社会的重要性にかんがみ、その趣旨並びに意義を尊重して、地方公共団体及び地方審議会はあらゆる角度から鎌倉の将来を考え十分な検討と審議を尽くされることを望むとともに、本地区における歴史的風土保存の問題が、一鎌倉市のみの問題に帰することなく、その結論が今後における国土保全に対する健全な姿となるよう、関係者は率先して国民の期待に沿えるよう強く要望してやまない次第であります。  最後に、腰越における蟹田谷地区の宅地造成について申し上げます。  本地区は、鎌倉市の西部に属する風致地区内の宅地造成地であります。本宅造は、榎本商事株式会社及び株式会社湘南モノレールの共同事業であります。本事業の施行面積は十三万六千平方メートル弱で、その区画は三百九十八区画の予定であります。  本事業は本年六月に許可されたものでありますが、本事業に対する住民の不安は、鎌倉山一帯の風致が破壊されることはもとより、この宅地造成により、鎌倉独得の地形からくる塩害、風害のおそれがあり、さらに降雨による地すべり、鉄砲水の危険がある等、風致上、防災上からも不安があるようです。これら住民の不安危惧に対しては、県、市、さらには国の機関も、住民の立場を十分考慮し、住民に不安を与えず、住民の期待に十分こたえ得る対策のもとに、開発者に対し適切な指導を行ない、事業の実施に万全を期するよう強く要望いたします。  以上が今回の調査の概要でありますが、各種の問題について、直接の行政は神奈川県及び鎌倉市当局の自主的判断にかかっておりますことは申すまでもありませんが、鎌倉市は、国民の歴史的財産を数多くかかえ、さらには自然の緑地を十分に有している土地でもありますので、現今の都市問題解消への大きな歯車として、政府当局は、古都保存法並びに都市計画法等の適切なる運用をはかるとともに、その効力を遺憾なく発揮させるため、地方公共団体に対し、適正にして、かつ十分なる計画あるいはその実施の指導を行ない、鎌倉市におけるこれらの問題の提起が、一鎌倉市のみの問題にとどめることなく、わが国の将来における国土保全の問題として、その対策に万全を期するよう強く要望して、今回の調査報告を終わることといたします。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 以上で視察報告の聴取を終わりました。     —————————————

始関伊平自由民主党

○始関委員長 引き続き、質疑の通告がありますので、これを許します。山崎始男君。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 去る十九日に、建設大臣が、過去十二カ年にわたる本土・四国の架橋の問題に対して、明石−徳島ルート、下津井−坂出ルート、尾道−今治ルートの三本を運輸大臣その他と御視察になって、お帰りになってほやほやなんでありますが、まずその点に対する御感想、並びに、新聞で見ますと、九月には最終結論を出すということで、その間のスケジュール、実きはょう運輸大臣と篠原副総裁の出席をお願いしたのですが、ちょうど運輸委員会が開かれておりますので、あなたは全部の代表者として、御感想並びにスケジュール、この二つを建設大臣のほうからひとつお願いいたします。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 本四架橋の問題は、もういまあらためまして申し上げるまでもございません、わが国の未来像の建設につながる最も重要な国家的な大事業でございます。経済効果あるいは技術効果等の最後的な煮詰めも、試案も、それぞれ整えつつある段階でもございますので、こうした重大事業に取り組む責任上、両大臣は現場、現実をこの目で見ておくことも非常に重大なことである、こういうような考えをもちまして、御指摘の十九日の十時に羽田を立ちまして、約五時間半かかりまして、無着陸でそれぞれのルートをYS機に乗りまして、御案内のごとく、海上遭難用の、視察には非常に適切な窓などもそれぞれ備えつけられてありますので、高度約七百メートルから、それぞれの三ルートを二旋回、二往復いたしながら、つぶさに船舶の運航状態あるいは潮流の問題、あるいは海峡と海峡とのそれぞれの島との間の立場、地形的に、地勢的に——それぞれ三ルートを、いま申し上げました二往復いたしながら、幸い非常に快晴に恵まれまして視界も非常にはっきりいたして、あらゆる条件、あらゆる問題点が、われわれしろうとでございますが、それぞれの立場から視察のでき得ましたことを喜んでおるのでございます。それぞれの専門的な立場の係官も連れてまいりまして、そうして帰りましたような次第でございます。  印象といたしまして、私は羽田で運輸大臣と二人で記者団の皆さまにも発表をいたしましたが、それぞれのルートがそれぞれの一つの条件を備えており、それぞれの特殊性を持っておるということも、ありのままの印象として率直に申し上げたようなわけでございます。  したがいまして、こういうような視察を終えましたので、いよいよこれらの点につきまして——最初、御案内のごとく八月一ぱいということをめどに置きましたのですが、過般の当委員会でも御報告いたしましたごとく、国会もかなり大幅な延長もございまして、作業上もかなり渋滞といいますか、いろいろの支障を来たしておりましたので、八月というめどが九月に延びたということもひとつ御理解いただきたい、こう思うのでございます。したがいまして、八月中には少なくとも、われわれといたしましては、各関係省庁との間に、経済企画庁あるいは海上保安庁あるいは運輸省、建設省が主体になりまして事務的な作業の最終的な原々案というものを終えたい、それを終えました事態に立ちまして、御案内のごとく関係閣僚の方々にひとつ十分御審議といいますか、御協議を賜わりたいということで、本四架橋臨時関係閣僚協議会といいますか、そういうような立場でひとつ御協議をいただき、そうして御案内のごとく、鉄建公団の立場からくる、いわゆる併用橋その他からくるところの問題もございますので、いわゆる鉄道建設審議会、また道路審議会の御意見等も十分なにしまして、最終的に閣議において決定をお願いしたい。こういうような形でいきますと、大体九月中旬をめどといたしておりますが、そういうような作業を続けまして、最終的な閣議決定、政府の決定を九月にはぜひお願いしたい、こういうふうなスケジュールであること、及び、視察をいたしました率直な気持ちを申し上げて、御了承いただきたい、こう思います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 続いて、たしか昨日でしたか、閣議の終了後、建設大臣と運輸大臣が総理にお会いになって報告をされたという新聞を見たのですが、たいへん大切な問題ですから、国民は知りたがっていると思うのですね。総理にお会いになって——新聞では簡単な表現たったのですが、総理も九月中旬ころの決定を了承された、要点を言えばそうなんですが、その会見されました模様をちょっと詳しくお話しになっていただきたい。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 ほんとうにちょっとももっともということでもございませんが、いま申し上げましたとおりを総理に報告した、総理もそのとおり了承された、そうして総理の指示とかあるいは総理の感想とかいうようなことは何もお聞きせずに、両大臣がいま申しました問題そのままのことを御報告したという程度でございましたので、御了承願いたい。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 実は私、きょうこうやってお聞きしているのは、三ルートを代表したつもりで私はお聞きしておるのです。といいますことは、御承知のように、過去十二年間、この問題は、国としてもおそらく宅十数億の調査費を組まれ、すでに御承知のごとく一昨年の五月には土木学会の答申が出た。昨年はそれに基づいて建設省、鉄建公団が工期、工費の算定の結論を出された。残る一つは経済効果の問題、これは五月中に出すと言い、六月に延びたと言い、もうすでにこの経済効果の調査の完了というものはほとんどできておるはずでございます。そういたしますと、われわれ国民とすると、いわゆるどこへ橋をつけるかという、俗に申しますと、三種の神器とわれわれは呼んでおるのですが、一番大きな三つの要点がもう出そろってきている。それがどうも過去を振り返ってみますると、河野建設大臣は、たしか昭和三十七年、私が質問しましたときには、どこへ橋をかけるかという問題もさることながら、この橋はいっかかるかという時期の問題が非常に大切なのだという意味の答弁をされておるのであります。たしか昭和三十七年。いわゆる一年おそくかかれば、それだけ日本の経済のためあるいは産業のため、あらゆるためにマイナスになるのだ、大きな損だという、このことばがそういう表現になっておると私は見ております。そこにいらっしゃる保利官房長官は、建設大臣のときには、昭和四十三年度中には決定をするのだと、たしかおっしゃったはずだと思うのであります。それが、本年の二月の予算委員会で建設大臣は、たしか二月だったと思いますが、七月中には決定したいという、非常に進んだスケジュールを御発表になった。われわれは、さすがは坪川大臣と、実は感心したのであります。それが、たしか七月二日の運輸委員会では、あなたが七月と言われたのが八月に延び、そこにいらっしゃる保利官房長官は、八月はちょっと無理だろうと言う。同じ閣内におってそういうニュアンスの違いがそこに露呈されてきた。ようやく十九日に両大臣が視察された。そしていまのような一応の明確なスケジュールを言われたのでありますが、まだ私たちは疑いを持つのであります。というのは、過去にたびたびそういうふうにいわばだまされた。しかし、三種の神器は出そろった。十二年間もあれこれとてんやわんやしてきた問題がいつまでもこのまま延び延びになりますると、今度は政治の不信の問題が起こってくると私は思うのであります。そこで、もう今日現在では、将棋でいえば必至の状態、最後のもうあと一手という状態と私は見ております。それを、へたな将棋で、待った待ったでこれよりあとまだ待たされたら、政治の不信という立場からいいまして、私はたいへんだと思うのであります。  そこで、保利官房長官にお尋ねいたしますが、七月二日の運輸委員会だったと思いますが、そのときの答弁の食い違いは、今日の次元においては完全に一致されておりますかどうかということをまずお願いいたします。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 どの程度に準備が進んでまいっておりますか、二月というのが、なかなか二月にいかぬ、私が責任を持っておりましたころも、何とか四十三年中には結論が出せないものかという願いを持っておりました。そのことを当時申しておったように思います。しかし、いまお話しの運輸委員会に出ましてお尋ねの際に、八月にきめるのかというお話だったのでございますから、はてな、八月というと、準備がそろって、そこでどんぴしゃりきまるということでなしに、閣僚協議会でもって、これだけの世紀の——アポロ時代に世紀というのもおかしいかも存じませんけれども、とにかくわが国としては世紀の大事業になるわけでございますから、やはり相当慎重な検討を——単に、何と申しましょうか、申しわけの機関でなしに、実質的に閣僚協議会ではいろいろ審議があってしかるべき問題であると私は考えております。したがいまして、申しわけ機関でなくて、ほんとうに審議するならば、もうそのころは内閣へ問題が上がってきていなければいかぬのじゃないか、まだ内閣に何らの問題も上がってきてないのに、閣僚協議会でもって八月といっても、どうも物理的に時間的に少し無理じゃないだろうか。しかし、そういうことが無理でなしにすべての資料がそろって、何も議論の余地なしにこういくというようなことでございますれば、実質審議はいたすにいたしましてもそう手間のかかることでございませんでしょうし、したがって、建設大臣、運輸大臣の主管大臣がどういうものを持ち込まれ、どういう形で審議をするかということによって、閣僚協議会で物理的な時間をどの程度に必要とするか、ただいま坪川建設大臣のお話によりますと、九月ごろには結論をつけようというような意気込みのようでございますから、相当精密な、議論の余地のない資料が出てくるのではないかと私は期待しております。そうでございますれば、いま建設大臣のお話のようなことに結論づけられるのではないか。私は、結論づけられるものをつけないというような、ちゅうちょをするようなことは決していたしてはならぬ。もっとも、私もいま建設大臣のお話をこの席で伺っただけでありますから、ほかに何らの準備もしておりません。これだけ申し上げておきます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 まことに率直なおことばで、いまのお話を聞いておりましても、建設大臣は九月の中旬ごろまでにはきめると言っておるのですが、内閣の大番頭であられるあなたは、いわば条件つきのようなニュアンスを受ける、材料が出そろってくれば協議会にかけて云々という、どうもそこがすっきりしないのです。あなたのことばでは、九月の中旬までには建設大臣と同じようにきめますという答弁ではないのですね。どうもそこがまだ多少お気持ちの中が——いわゆる建設大臣、運輸大臣、官房長官との間の意思の疎通というものが完全に行なわれておるとは、私はいまの答弁では考えられないのです。そうでしょう。もう一ぺん念を押しておきます。これは大切な点なんです。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 完全な意思の疎通が行なわれていないじゃないか、そのとおりでございます。実はいま建設大臣のお話をここで伺っておるだけでございまして、私はほかの席でまだ伺っておりません。したがって、建設大臣、運輸大臣が内閣へ持ち込まれて、関係閣僚協議会をつくれ、そしてこれを審議してもらいたいというようなお話が出ましたときに初めて疎通すべきことであって、今日疎通するといっても、私としては、あれはどうしましたかということを本来は聞くべきだろうと思うのですけれども、それでは催促がましくなりますし、そうすべきではなかろう。大体準備ができたところで、さあどうだ、こういうふうになってくるわけでございますから、その段階になって意思の疎通を欠くようなことは絶対にいたしませんし、その点は御了承願います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 私が心配しているのは実はそのとおりなんで、これはあとで官房長官がいらっしゃらぬときに建設大臣にお尋ねいたしますが、建設大臣は七月と言うたが、それが八月に延びた。今度は九月に延びた。今度は、天変地異がない限り九月中旬は間違わぬというような発言もされていらっしゃる。それは公式声明ではございませんが、たしかそういう表現をされておられるはずなんです。九月中旬は間違わぬ。形の上から見ると、総理も、一応九月中旬と報告したら、了承された。内閣の大番頭のいまの御発言、いわゆる事務的な手順を踏む問題が九月中旬までに建設大臣はおきめになるということに対して、いま率直に官房長官がおっしゃったと同じ疑問を私は実は持っておるのであります。まず。運輸審議会に出す政府原案はどういうような問題なのか。九月の中旬といえば、鉄道建設審議会、道路審議会へ出すのなら出すで、もうすでに原案も腹の中になければならぬはずなんですね。それが、あとで聞きますが、そういう手順の関係からいいましても、どうも九月中旬までに云々というのが、天変地異のない限りきめるんだとおっしゃいますが、これも運輸大臣も了承した共同声明なんだというふうなニュアンス。しかし、私はいままでの過去の例から見て、そんなにてんごらやすくこの世紀の大事業が、予算の面からいいましても——私は実は大蔵大臣にもほんとうはお聞きしたがったのでありますが、予算の面も大きな問題です。それがてんごらやすく九月中旬にはたしてきまるものだろうか。順を追ってお尋ねいたしますが、私、官房長間のお時間が気になりますから、それは保留いたしまして、私もその点非常に疑問を持っておることだけ、いまの段階で申し上げておきます。  官房長官にお尋ねいたしますが、関係閣僚協議会というものは、これは西村建設大臣の時分に初めて——たしか丁昨年の五月でありましたか、私、予算委員会で質問したときに、関係閣僚協議会にはかるということも一つの方法として考えられるということばが出たのが初めてのはずなんであります。それは私はごもっともだと思うのです。それが今日、関係閣僚協議会という一つのルートを通って最終決定にいくということが大体はっきりしているのですね。そうすると、関係閣僚協議会というものは、これは当然官房長官とすれば党のほうとも相談されて、これは内閣の大番頭である人が原案らしきものをつくられて、それを皆さんに相談という形に持っていかれるのか、あるいは、あまり重大だから、閣議あたりの懇談会形式でも、官房長官のほうから、いよいよ大詰めにきたから関係閣僚協議会をつくりたいが、ひとつ皆さんでメンバーをお考えくださいというふうな出し方をされるのか、初めから原案は官房長官がおつくりになられるのか、私は、順序とすれば官房長官自身がおつくりになるべき性格のものではないかなと考えておりますが、その点に対しては、いまのお話を聞くと、まだ建設大臣のほうから正式に話がない、いまの話もきょう聞くのが初めてだと言われるのでありますが、関係閣僚協議会を生む手続、並びにその顔ぶれというものは、官房長官にすれば、きょう聞くのが初めてだと言われると、わしはそこまで考えておらぬと言われるかもしれませんが、そうなってくると、ますますこれは九月中旬なんということは大うそも大うそ、またまた延びていく。私は大切な点だと思うのであります。もうすでに将棋でいえば必至の状態なんですから、そのくらいな一つの構想といいますか、考え方というものがあるのが私はあたりまえだと思うのであります。その点に対する官房長官の御意見をひとつお聞かせ願いたいと思います。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 私も、建設大臣を西村さんから引き継ぎましたときに、関係閣僚協議会をやはりつくらなければいくまい、つくって、そこでしぼり上げるというか、結論を出すようにするか、あるいは関係閣僚協議会で別途の最終的な結論をつくってもらう審議会みたいなものをつくるかということ、そういう状態のときでございましたが、私は、やはりこれは政府の責任でございますから、関係閣僚協議会までつくれば、最終的には閣議にいたしましても、関係閣僚協議会でやはり結論を出すように持っていくのがいいんじゃないだろうか。まぎらわしい一まぎらわしいことはないが、また別途審議会をつくるようなことはしなくても、これはやはり関係閣僚の責任において結論を出すべきであろう、私はそういうふうに政治的には判断をしておったわけであります。お話を聞きますと、どうも現在の建設大臣もそういうお考えのようでございますから、そういうお考えでございますれば、つくらなければならない段階には——これは臨時でございましょうが、関係閣僚協議会を閣議了解の上でつくらしていただきたい。  しからばどういうメンバーにするのか、そこが問題であろうかと思いますが、これは建設大臣、運輸大臣は、主管大臣として当然のことでございます。先ほどからお話しのように、国家財政の上から見ましてどういう財政条件がこれにこたえ得るかという上からいって、大蔵大臣、これは御参加願わなければならぬだろう。もう一つは、この間決定発表になっております全国総合開発計画の主管省であります経済企画庁、それと内閣の番頭役でございましょうか、最小限その辺は当然考えなければならぬ。それをどう最終的になにしますか、一応はとにかく総理の御意向も伺って、私の手元でそういうことも原案をつくりまして閣議の御了解をいただかなければならぬか、かように考えておるようなわけでございます。それじゃといって、これは別に三年先、五年先のことではございませんので、建設大臣のお話のようであれば九月だと言われるくらいのことでございますから、もう目の前のことでございますから、大うそにならないように運ばせていただきたい、かように考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 まことに率直な御答弁で、いまおっしゃった官房長官の御意向とすれば、顔触れとすれば、建設、運輸両主管大臣並びに経済企画庁長官ということをおっしゃいました。それから大蔵大臣はもとより、あなた御自身も大番頭として入られることは当然でございましょうね。あなたの名前は落とされましたけれども、官房長官御自身もそれに関与する、そうですね。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 いや、申し上げました。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 いまのところは大体それくらいのワクの範囲だが、それはこれからまた相談をしてみなければいけないけれども、官房長官のお気持ちは、大体いまのように五人ぐらいだ、こういうことでございますね。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 総理大臣の御意向もまだ伺っておりませんが、最小限そういう方は当然御参加をいただかなければならぬのじゃないか。そこで、総理大臣がどういうふうにお考えになりますか、総理大臣の御意向も伺ってメンバーをきめていきたい、こういうように考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 率直な御答弁で、ある程度輪郭がはっきりしたわけです。ただ、いま官房長官が席をお立ちになるから私はちょっと申し上げますが、先ほども言いますように、三本どこへ橋をかけるかという問題は、もう十二年間ももみにもんできて、あらゆる材料が出尽くした。これ以上遷延するということは、ほんとうに国民の不信を買うということです。私はそれを心配するのであります。  御承知のように、アポロは、スプートニクが上がってから十二年間、この八年の間に二百四十億ドル、八兆六千七百億ですかの予算を使って研究した結果、御承知のとおりにああいう世紀の大事業をやった。特に、なくなったケネディは、一九七〇年までには人間を月にやって地球に帰すということを言いました。それが一年早く一九六九年にこの世紀の大事業をなし遂げた。振り返ってわが国の本四連絡橋を見ますと、十二年間やって、これからどこへかけようかという問題に最終的になってきた。工期、工費の算定の基礎から見ましても、どこへかけても、短いところで十二年、長いところでは十五年、これから実施計画に移ってもかかるんだという。過去十二年間、これからよしんば十三年かかっても、二十五年で完成することになるのであります。とにかく、国民総生産は世界二位だというて日本はいばっておるが、いわゆる明石ルートあるいは下津井ルートを見ましても、併用橋と単独橋の差がありましても、大体二千五百億ほどのちっぽけな金でできるわけです。アポロの八兆六千七百億から見ますと、三十四分の一というちっぽけな数字なんです。しかもこれが一年おくれたらどのくらい日本経済が損をするか。これはいまだにきまらないが、大詰めにきたので、私はこれ以上いやなことは申し上げたくないのですが、ほんとうにケネディのごとき決断力を持って、右左を見て顔色を見るようなことをせずに、一日も早く決定をしていただきたい。そうしなければ、何ぼ国民総生産が世界二位だといっても、三十四分の一でできるのが、これからまだ十二、三年かかるのです。どうぞその点は官房長官として閣僚の皆さんに大いにハッパをかけていただきたいと思います。その点を御要望申し上げて、十二時二十五分までお忙しい中をおいでくださいましたが、お引き取り願ってけっこうでございます。  次に今度は、運輸大臣がいらっしゃらないので、建設大臣お一人にお尋ね申し上げますが、あなたのほうから大蔵大臣といままで御協議になったことがありますか、ありませんか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 御承知のとおりの作業をいま続けておりますので、まだその結論というものについては私何ら聞いてもおりませんので、いま直ちに大蔵大臣とそれに対する予算措置の問題点を協議したりあるいは要望いたしたりしたことは全然ございません。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 予算措置の上で協議したことはまだないとおっしゃったのですが、それでは予算的な数字上のことは別にしても、九月中旬ごろに結論を出したいという趣旨のことは大蔵大臣のお耳には入れていらっしゃいますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 これらの点につきましても、やはり大事な問題でございますので、さっき申しました原々案というものの結論が出ました上においてそれぞれ協議いたしたい、こう考えておりますので、いまの段階においては何ら話はいたしておりません。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 そういたしましたら、ちょっと私御質問の方向を変えまして、大体建設大臣や運輸大臣の御意向は九月の中旬、総理もこれを了承されたということで、最終決定の時期の問題、これはある程度大詰めにきた、煮詰まってきたなという印象をわれわれは持ちます。しかし非常な不安を持っておりますけれども……。  その次に国民として聞きたいのは、一体どこへつくかという、今度は場所の問題ですね。そこで、これは時間を省いて質問の形でなくて、私から先に申し上げます。  おそらく推定をされる場所の問題は、AならAというルートを一本だけきめますというきめ方、これが一つある。次に、複数の同時着工というきめ方が方法論としてあるのじゃないか、それが二つ目。それから三つ目は、一番ずるいきめ方。最終結論が九月中旬までに出される場合の一番ずるいきめ方は、時期も方法も——方法というのは、単独橋とか併用橋とかなんとかいうことを言わずに、時期も方法も何にも言わずに三本ともきめますというきめ方。まさか三本同時着工なんというのは、これはおそらく常識的に考えてもあり得ぬだろう。先ほど言いました一つをまずきめるというきめ方、複数の同時着工というきめ方、三本をつけるといって、あとの順位や構造は数年間後になってきめていこうというきめ方、それは予算上の問題もあるでありましょうが、いま私が申し上げました三つのうちで、建設大臣とすればどの点をおとりになる構想なのか。それは最終結論は関係閣僚協議会にはかってみなければわかりませんとおっしゃるだろうと私は思いますが、少なくとも主管大臣とすれば、私はこう思うのだがという、建設大臣としてのお気持ちでもけっこうだと思うのであります。最終結論が違ったというても、それで、坪川、おまえうそ言うたじゃないかというようなことは申し上げませんので、ひとつ率直にお願いします。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 非常に大事な国家的な大事業でございます。国民の要望、また地元関係の皆さんの要望、切なる願いであると考えますときに、これらに対して早く結論を出したいということも、政治の姿勢としては当然だと思います。とともに、やはり国家的な大事業でもございますので、あらゆる立場からやはり真剣に慎重にこの結論を出すべきである、こういうような考えでございますが、私といたしましては、決して主観的な考え方からこれらに対する判断あるいは結論を急いで出すというようなことでなくして、やはり客観的な立場に立って冷静に判断すべきであるというような考えを持っておるような次第でございますが、いま山崎委員がいろいろの立場から三つの方法を御披露になり、私、初めて、そういう方法もあるのだなというような気持ちで傾聴いたしておる次第でございます。傾聴はいたしておりますが、それらに対しますところの考え方については、私といたしましては、それの結論を出す素材もまだございませんので、失礼でございますが、それに対して直ちに私の考えを一あとでは責めぬからというありがたいおことばはいただいておりまするけれども、いま申し上げられないことはひとつお許しを願いたいと思います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 それは大臣、ちょっと話がおかしいのです。あなたは九月中旬までにはきめたいとおっしゃっている。最終結論を出したいとまで積極的な時期を明示されている。九月中旬といったら、もうあと一カ月半くらいしかないのですよ。時間が長くなって御迷惑をかけたらいかぬと思って私のほうから申し上げておるのですが、いま言いましたように、きめ方が大体大別すると三種類あるが、九月中旬にきめようという積極的な御意図を持っている御当人が、わしはいまおまえが言った中のこれをとるのだ——それは結論的には関係閣僚協議会が最終結論を出すのだが、主管大臣とすると、財政の上から見ても、日本の技術屋の数の上から見ても、この中のどれをとりたいというくらいのことは、あなたの腹の中にないはずはないと私は思うのですよ。それがなかったら、九月中旬というのはうそになりますよ。それはあとからあげ足はとりませんから、率直におっしゃってください。いまの答弁では満足できませんよ。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 山崎委員に対してほんとうに真剣な気持ちになってお答えを申し上げておるし、申し上げたいと思う気持ちでございます。しかし、いまの時点におきましては、それらに対するお答えを申し上げられるだけの判断を下すものがまだ出ておりませんので、いまの立場は、全く明鏡止水といいますか、白紙といいますか、きびしい気持ちを持ちながら静かに考えておるということでひとつ御了承をお願いしたいと思います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 もう時間もありませんが、その点についてはほんとうに大切な点なんです。そういう御答弁だと、九月中旬ということはできっこないんですよ。矛盾してくるんですね。先ほどのあなたの飛行機に乗っての御感想を聞きましたら、各ルートともおのおの特徴がある云々ということばがあった。それはそうでしょう。それはあたりまえです。三本のルートともおのおの特徴があるということは、だれが考えてもあたりまえのことでありまして、そういうことばから類推をし、なおかつ、いまのあなたの御答弁として、九月中旬にきめたいと言っておきながら、私が、将棋の詰めではありませんけれども、細部にわたって出しておってなおかつそういう答弁をされるということは、九月中旬ということがうそなのか、実行できないのじゃないかという疑いを持つことが一点と、もし中旬がほんとうであった場合は、三本ともみな特徴があるのだから、政府とすれば、最終決定として、先ほど言いましたように、構造も優先順位も何も言わずに、三本ともつけますという結論をお出しになること以外には、九月中旬に最終結論を出すということは間に合わないと私は思うのであります。三本ともっけるのだというだけの結論なら、これは間に合いましょう。その具体的内容はあとにしてしまって——これはそういう矛盾が出てくるのです。私の疑いの点は、常識のある者なら、おそらく国民全部が疑うと思うのです。また九月中旬が延びるのではないか。大蔵大臣ともまだ一ぺんもやってないという話だ。これはたいへんな財政問題ともからんでくるので、九月中旬といえば、事務的折衝で、これこれかくかくのお金が要る、それをあと回しにしても、あなたと大蔵大臣の政治折衝の問題でありますから、九月中旬に結論を出すというのだが、大蔵省のほうも了承してくれ、これぐらいのことは、抽象的なことばだけでも御相談があってしかるべきだと思います。いずれにいたしましても、いま言う、漫然と、三本はつけるのだという結論を出されるおそれがある。いまの飛行機の感想を聞いておりますと、各ルートともおのおの長所がございますということばは、理論的に詰めていくと、九月中旬ということは本気に信用できないのですが、どうぞもう一ぺんだけ言ってください。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 山崎委員が本事業に対しまして非常に期待をされ、また憂えておられ、そうして非常に真剣に取り組んでおられるそのお気持ちは、私と同様のお気持で、ほんとうに私は敬服申し上げておるところであります。いずれにいたしましても、いま山崎委員が御指摘になりましたごとく、地元の皆さん、国民の、なるべく早くこれを決定してほしいという切なる要望を考えまして、あらゆる立場から客観的に真剣に取り組んで最終的な結論を出したいという気持ちでおりますので、この点をひとつ御賢察いただきまして、いま御指摘になりました三つのルートに対しましての印象あるいは感想というようなことを申し上げる段階にまだ立ち至っていないということでひとつ御理解を願いたいと思います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 この問題は、御理解いただきたいといっても理解できないので、大きな疑問が残ります。その疑問というのは、九月中旬というのがおそらくまた延びるのではないか。もし延びなければ、いま私が申し上げましたような、ばく然とした何だかわけのわからないような決定が出るのではないか。いまの御答弁からいくと、この両者以外には理解できない。そういう疑問を持ってこの点は終わります。  次に経済調査の問題なんですが、これはもうすでに、五月中旬にはと言われた。次は、六月中になった。もう七月も終わりにきたのですが、これは事務的に完了いたしておるはずだと思います。ところが、この点だけひとつお聞きしておきたいのでありますが、鉄建公団と建設省の経済調査は、最終には経済企画庁と調整をとった上で結論を出す、それが大体六月中には終わるのだと言うておられました。それでお尋ねしたい要点は、これは発表しないつもりだというふうにいままで聞いております。ところが、六月十六日には、朝日新聞がこの経済調査の内容に触れて、かなり大きく取り扱ってこれは出しております。また、七月の六日でありましたか、共同通信がやはりこの経済調査の内容について比較的うがった見方をした記事を大々的に出しております。私は、新聞記者会見をやっておたくのほうで発表されたものではないと思いますが、このようにどこからかそれが国民に出てくる。経済調査を発表しないといういままでの建設省なりあるいは鉄建公団、運輸省の態度でなくて、これから関係閣僚協議会なんか開かれる、当然いままでの三種の神器は、あるいは航行の安全性の資料だとか、お出しになるのだと思うのでありますが、そのときに隠しおわせるものではないと私は思っております。当然これはもう外部に漏れる。それほどなら、堂々と経済調査は発表されるべきだ、少なくとも国民が疑問を持たないように、ありのままに発表されるべきだと私は申し上げたいのですが、この点、建設大臣、どうでしょう。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 ごもっともな御意見でございます。目下経済効果の問題点についての作業も最終的な煮詰めの段階にきておりまして、それが原々案として出てまいる、そしてそれなどを一つの大きな問題点としていよいよ最終的な段階に入る。やはり国家的な大事業でございますから、納得のいく立場で国民の支持を得なければなりませんし、国民の御了解もいただかなければなりません。そうしたことを考えますときに、そうした段階においてやはりこれは発表すべきである、こう考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 そういたしますと、蓑輪道路局長さんもいらっしゃるのですが、いままでたびたび、事務当局とすると、これは建設、運輸両省とも総合意見として発表しないつもりだということを言うておられたのが、いまの建設大臣のお考えでは、発表するということを言われましたのですが、私は当然そうあるべきだと思うのでありますので、発表するということ、それはもう国民として私は当然納得すると思います。そうすると、その発表の時期というものは——これは見通しでけっこうであります。事務当局、道路局長でもけっこうですが、いつごろ経済調査を発表するかという大体の見通しをおっしゃっていただきたいと思うのであります。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 経済調査につきましては、昨年以来鋭意やっておりまして、この二月ぐらいに建設省としての一応の試算は終わったわけでございます。ただ、この経済調査そのものが——要するに、いまの橋がなくても国民所得はやはり増加いたします。そういう傾向を数年間の過去の資料に基づましていろいろモデルをつくって計算しております。それが、橋がかかることによりましていわゆる時間が短縮される、そういう経済距離の短縮によりまして、かからないときより国民所得がいかに伸びるか、そういう計算をしております。ただここでいろいろ問題になりますのは、前提条件があります。たとえば、そういう橋がかかった場合に、無料でかかる場合と有料になる場合があり、有料の場合はやはり有料の抵抗がございます。また、これを併用橋にいたしますと、鉄道の運賃がどうなるか、また、鉄道の貨物の輸送のための時間が今後の鉄道の輸送機構の改善によりましてどれだけ早くなるか、この辺が非常に将来の国民所得の増加に関係してくるわけでございます。そういうことで、うちのほうでつくりました原案で、いま鉄道建設公団の考えを入れましていろいろ部分的な数字の修正もやっております。また、将来橋がかかりましたときに、そういう計算に基づましてどれぐらいの交通量が出るかということになりますと、物の輸送からこれを交通量に換算する場合どれぐらいの換算の方法がいいか、そういう細部についていま鉄道建設公団と打ち合わせをやっておるわけでございまして、経済調査については、いままで、単独にこれを発表しないというようなことを私は言ったかと思います。これは先ほど先生のおっしゃいましたように、工費、工期も出ており、船舶航行についても出ておる、経済調査も出て、これを出しましてまだきまらないでは話にならない、やはり最終的な基本方針をきめる一つの——これは全部ではございませんが、経済調査が一つのもとになるわけでございますから、やはり基本方針をきめる時期に、いまの経済調査の結果はこうでございますというものを同時に発表したいというように考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 事務的操作の時間の関係もありましょうが、発表の時期におよそいつごろになるでしょうか。少々食い違ってもあとで責めませんから、どうぞ推定の時期をおっしゃっていただきたいのです。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 最終的には、先ほど大臣がスケジュールとして申しました九月中旬に本州−四国の橋梁の建設の基本的な考えをきめる、それと同時にこれを出したいというように考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 わかりました。  それから、時間がありませんので、端的にお伺いいたします。実は事業主体の問題が聞きたかったのでありますが、時間がありませんので、断片的にお伺いします。  橋をつける場合に外資導入の意思ありやいなやということが一点と、それから、外国技術を導入することがあり得るかあり得ないかということ、これは大蔵大臣にお聞きしなければならぬ問題だと思うのでありますが、この事業主体の問題に関連いたしましてその中の一点だけ、外資導入をすることがあり得るのかどうかということ、それからまた、技術問題として、技術屋さんが足らぬというような場合に、外国技術を導入することがあり得るかどうかということ、この点ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 外資導入という問題でございますが、これらの点につきましては、いまわれわれといたしましては何ら方針はきめておりません。  それから技術の問題でございますが、これらにつきましても、技術効果の進捗状況等、いろいろの点もございますので、いま直ちに外国の技術を導入してやらなければならぬかというような問題点などもまだ何らきめておりません。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 事のついでにお聞きするのですが、本年の九月か十月に、トルコのボスポラスでしたか、日本の橋梁業者が連合を組みまして、入札がたしかあるはずです。これでもし落札をすれば、日本が、三千万ドルでしたか、借款を年四分五厘でやるということ、こういうことを聞いておりますが、その点どうなのでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 実はトルコのボスポラスの架橋の問題につきましては私所管でございませんので、はっきりしたことを申し上げられませんが、伝え聞くところによりますと、いま先生のおっしゃいましたように、イギリスの会社がいろいろ設計いたしまして、日本が約三千万ドル、百億くらいの借款を与えて、日本の業界が入札するという話は聞いておりますが、はっきりした確認はしておりません。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 時間がだいぶたちましたので、事業主体の問題は大切な問題ですから実は聞きたいのですが、もうやめます。大体の要点はわかりましたけれども、建設大臣、あなたの信念は了といたしますが、もう少し詰めてやっていただかぬと、どうも私は九月中旬という問題に——官房長官のお話を聞いてみましてもまだ信をおけないので、最後に少々——九月か十月になってもよろしいが、十一月には総理も外遊される、せめてモミジのころまでには——どうもさっきの話を聞いておると、また延びるのじゃないかという感じがしてならないのです。しかし、あなたは、天変地異があらぬ限り九月の中旬はやる覚悟なのだという、予断ではございましょうが、そういうことをおっしゃっていらっしゃるのですから、九月の中旬、そうして国民が納得するように公平な結論をぜひひとつお願いしたいのです。それが一カ月くらいはまあしかたないとしましても、これより以上延びたら、これは国民が不信を起こします。それは長い間、過去十二年間にわたって関係のあなた方の部下の皆さんずいぶん苦労されてきている。そんれからまた、関係府県民も、いや陳情じゃ陳情じゃいうて要らぬ金使って、ほんとうにくだらぬことをしているのですよ、実際言いましたら。だから私は、いわゆるなきケネディのごとく、あれだけの大事業を七十年度までにはやると言った政治家はえらいと思うのです。どうも日本の政治家はあっちを見たりこっちを見たり、選挙のときには電信柱にまでおじぎをするような気持ち、こういう気持ちが、こういう複雑な問題を一日延ばし、二日延ばし、一年延ばし、三年延ばすという現状に今日及んでおると、こう私は解釈しておるのであります。いまこそ、私は、所管大臣である建設大臣、運輸大臣は、それは積極的に信念をもって一日も早く勇断をもってひとつぜひ公平に判断していただきたいことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 先ほどから山崎委員がほんとうに真剣な、しかも理解のあるお気持ちをもって取り組んでおられます問題点について、私は非常に傾聴いたしております。ほんとうに国家的な大事業であり、また地元の皆さまのお気持ちを考えるとき、また、事務当局がこの国家的な大事業に取り組んでいるという誇りと自覚の上に立って非常にまじめに連日連夜取り組んでおる実態を私は私なりに見ております。そうしたことを考えますときに、ほんとうに真剣にいまおっしゃったような勇断といいますか、リーダーシップを持ちながら、さっきも申し上げましたが、私は全く公平無私に、明鏡止水といいますか、月の世ですから、光風晴月と申しますか、ほんとうに私は真剣に正しい気持ちをもって山崎委員同様取り組むことだけはお誓い申し上げたいと思います。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 渡辺惣蔵君。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 時間がございませんので、きわめて簡潔に一言質問いたしたいと思います。それは、先ほど金丸理事から鎌倉の視察について詳細な報告がございましたので、この点について大臣及び都市局長に一言締めくくりの質問をしたいと思うわけです。  この鎌倉の古都保存に関する問題は、六月二十五日に私が委員会で質問をいたしまして以来、七月十日に現地視察を行ないました。その後、七月十二日に鎌倉でこの問題を中心とする公開討論会が行なわれて、竹内都市局長が参加されておるわけです。けさは、ごらんになったかどうか存じませんが、六時十分からNHKのラジオ及び七時二十分からNHKのテレビで「いざ鎌倉」と称する題で特集を放送しておるという状態です。そういう中できょう金丸理事の調査報告が行なわれたわけであります。従来の視察報告が、言うならば、観念化した形式的なものでありますのに、きょうの金丸理事の報告は、きわめて公正妥当な報告をなされましたことに対しまして、深い敬意を表するわけであります。  そこで、問題になりますのは、こういうような調査報告を行なわれ、世論がこの問題に集中されておりますときに、大臣はこれに対してどう対処なさるかという点について申し上げたいのであります。十二日に鎌倉で行なわれました公開討論会、出席者は、御存じのように、東洋大学の学長の磯村英一君が司会をいたしまして、東大の高山教授やあるいは竹内都市局長その他の人が出ておられるわけですが、この公開討論会の中で、読売新聞の特集によれば、ちょっと簡単に必要な部分だけ引例いたしますが、「講師と来聴者の発言は意見の差こそあれ、緑を残したいという気持ちで通いあっており、場内はヤジと拍手にゆれながらも保存ムードが圧倒的だった。」中断しまして、これに対し、政府代表の竹内氏は「古都保存法の特別保存地区拡大は、現在歴史的風土審議会が実現の方向で検討中である」と説明、またそのほかの欠陥行政については新都市計画法が解決の有力な手がかりを与えることを次のように明らかにした。「現行憲法では補償なしに私有財産に手をつけることはできない。しかし、国土の現状を考えれば、少なくとも都市区域の土地利用にだけは補償なしでかなりきびしい制限をしてもよいのではないか——こうした世論にこたえたのか新都市計画法の市街化調整区域(当分市街化を押える地域)である。市街化調整区域には自然景観を保護するところも含まれる。市街化調整区域が具体的に決まれば、今の風致地区もこれとからみ合わせて再検討する。新都市計画法ではいまの風致地区規則を条例に格上げし、時代にマッチしたものに改めることになっている。これらと関連して各市で都市計画をつくるが、その時は公聴会などで住民の意見を十分反映させる。」こう公開討論会の席上で竹内局長は答えられておるわけであります。ところが、今度できております新都市計画法によれば、第十八条の「都道府県知事の都市計画の決定」と称する条項の中で「都道府県知事は、関係市町村の意見をきき、かつ、都市計画地方審議会の議を経て、都市計画を決定するものとする。」いわゆる大臣から知事にその決定の権限が委譲されておるわけですね。したがって、知事の問題の決定というものがきわめて重要になってくる。その知事の決定——都市計画審議会の議を経て知事が決定をするのに対して、大臣はこれをチェックする能力、権限を持っておるのかどうかということが、この段階になってくるときわめて重要であると思います。この点は第三項でこう規定している。「都道府県知事は、大都市及びその周辺の都市に係る都市計画区域その他の政令で定める都市計画区域に係る都市計画又は国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画の決定をしようとするときは、あらかじめ、建設省令で定めるところにより、建設大臣の認可を受けなければならない。」という条項があります。ここでいまの対象になっておるものが国の利害に重大な関係があると考えられた場合、政令できめる、その場合は、大臣が都道府県知事の決定を調整するあるいは指導する、規制する条件が法律的に出てくるのだと思う。  そこで問題になりますのは、それではここでいう政令とは一体何なのか、それがいつできるのか、いまあるのか。もしこの政令が現実にできておらないということになりますと、その政令ができるまでの空間は救済できない問題が出てくる危険があると思うのです。ごり押しのようにかかって、県の都市計画審議会がまごまごしておりますうちに、ブルドーザーを入れて山の尾根をくずしてしまったという事実が——先般の質問でも明らかにしましたように、そういうような法令無視の事実行為を現に体験しておるのでありますから、したがって、ここで政令というものがどうなっているのかという点が明らかにならないと、この問題の処理にはならないのだ、私はこう判断をするわけです。特に、新都市計画法の五十八条の第一項では「政令で定める基準に従い、都道府県の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。」こううたっておるわけですが、都道府県のきめる条例、規制というものは、この条例に先行する政令がなければできないではないですか。そうすると、この建設省がつくる政令が一体いつ制定されるかということは、県の条例、規則をきめるのに重大な要素と条件をなすものであるから、少なくとも早急に先行しなければならない。都市計画法によれば、六月十四日に発効したので、その一年以内ということになりますれば、明年六月十三日までにきめればいいことになるわけですね。ということになると、向こう一年間、何をやっても法律にひっかからないということになりますから、その空間を縫って、いわゆる宅造業者がさらに一段と、この機会にやってしまおう、時をかせがなければならぬという非常手段が出てくる危険がないとは言えないし、あるいは届け出があった場合にはやむを得ないで許可するというような従来方式がこの時点に集中するという気がするのでありますが、一体建設大臣はここでいう政令をいつ定めようとしておるのか、あるいは同じことは都市計画法施行法の第五条でも、この「新法の施行の日から起算して一年を経過するまでの間は、なお旧法第十一条の規定の例による。この場合において、その期限の経過に伴い必要な経過措置については、政令で定める。」こうきめておる。政令の問題が出てきておるわけです。ここでいう政令はいつきめるのか、問題はこの一点に集中されてきておると思いますので、政令の制定の時期を明らかにしてもらいたい。政令の中には何を規定しようとするのかという内容を明らかにしてもらいたい。それから、政令ができ上がる前の、都道府県知事に権限を委譲した問題の場合に、その政令ができておらない、条例が整備されない、この空間にどういう指導の措置を講ぜられるのか、この点につきまして大臣及び都市局長の御答弁を願いたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 鎌倉の問題につきましては、非常に重大な国家的な問題として取り組んでおるわけでございますが、過般当委員会の各党の委員各位がわざわざ鎌倉へ出向かれまして、あらゆる立場から御視察をいただき、また金丸理事よりそれに対する調査報告をいたされましたことに対して感謝を申し上げ、敬意を表したい。先ほどの金丸理事の調査報告につきましても、私も深い関心と、その調査に対する立場に対しての重大性を痛感いたしながら傾聴いたしておる次第でございます。ただいま渡辺委員が御指摘になりましたような問題点について、すなわち、風致地区の規制、政令で規制を明確化するという問題点、また、御指摘のような特別保全地域の拡大の問題あるいは市街化調整区域の指定の問題、いろいろございます。ことに、政令で規制を明確にするというこの問題につきましての事の重要性につきまして、また時期、それらに対する具体的な措置ということにつきましても、私は関係局長、当局に十分検討を促進するよう指示いたしておる次第でございます。  具体的な点につきましては竹内局長より答弁をさせますが、御指摘になりました問題点について各党あげて真摯に取り組んでいただいておることに対して、あらためまして政府からお礼を申し上げたいと思います。また敬意を表したいと思います。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内政府委員 お尋ねの点が四点あったと思いますので、逐次御説明申し上げます。  第一の、特別保全地区の指定は一体建設大臣の認可にかかるのかということでございますが、その関係の政令はすでに出ておりまして、都市計画法施行令の十四条で、国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画といたしまして、特別保全地区の指定を書いてございます。これは知事が決定をし、建設大臣の認可が必要でございます。それから市街化調整区域についても、当然、政令の附則の四条で、市街化調整区域を定める区域の指定をいたしておりますけれども、鎌倉は首都圏の近郊整備地帯に入っておりますので、当然、市街化調整区域と市街化区域の仕分けの都市計画をやらなければいけないということになっているわけでございます。したがって、市街化調整区域は知事が指定することになりますので、これも建設大臣の認可にかかることになっております。  それからもう一つ、風致地区でございますが、風致地区は、先生おっしゃいましたように、いままでは県の規則で定めておりましたが、新しくきめられました都市計画法では条例できめるということになりまして、その条例の基準を政令できめるということになっております。その政令は、実は作業がおくれておりまして申しわけないのでございますが、まだ出ておりません。  政令はいつごろまでにきめるのかということでございますが、この条文にもございますように、従来の規則は一年たつまでしか有効期限がございませんので、早くつくらなければいけないわけでございます。いま鋭意作業中でございますが、私どもといたしましては、九月一ぱいぐらいまでにはこの政令をつくりたい、こういうふうに考えております。  それから、内容はどうかということでございますが、実は従来県がきめました規則は、一つは、やや表現があいまいな点がございまして、実際それを運用するにあたりまして行政庁の裁量にあまり多くかかり過ぎる、そのために運用がうまくいかなかったという面が一つある。それからもう一つは、何ぶん旧都市計画法に基づいてきめられております規則でございますので、現在のような大規模な宅地開発が行なわれる時代に合わない点が若干ある。そういう二点が、現在ございます規則の一番問題点じゃないかと思います。各県の風致規則は、それぞれの土地の状況によりまして規定のしかたが違いますけれども、風致地区の内容も、鎌倉のように、緑を残すという意味できめているところと、あるいは芦屋のように、住宅地の中に樹木をできる限り残すのだという考え方できめられておる風致地区もございます。したがいまして、風致地区というのは、それぞれ地域によりましてかなりニュアンスの違う形できめられております。したがいまして、その規則自体も各県によって多少違うわけでございますが、神奈川県の風致規則は、全国的に見れば、わりあいよくできているほうの部類でございます。それでもなおかつ鎌倉におきましていろいろな問題が出ているということは、先生御視察のとおりでございます。したがいまして、内容といたしましては、そういう不明確な点を明確に条文に書き得るような根拠を政令で与える、それから、最近の土地開発の状況にかんがみまして、大規模な宅地開発をかなり規制するような形の風致地区の規則をつくってまいる、こういうふうに考えているわけでございます。  最後に、そういう規制がなされるまでの間の——この前問題になりましたのは市街化調整区域だと思いますが、市街化調整区域なり風致地区の規則の条例がつくられますまでの間にどんどん宅地開発が行なわれてしまうのではないかということでございまして、これはあのとき私も討論会で申し上げたのですが、常に日本の法律の場合には、そういうものができないと規制ができないというかっこうになっておりますので、法律上は押える根拠はないわけでございますけれども、私どものほうとしましても、あのとき神奈川県の知事さんもおっしゃっておられましたけれども、いろいろな規制方法がございます。住宅地造成事業の規制でございますとか、宅地造成工事の規制でございますとか、いままで申し上げましたような風致地区規則の規制というようなものがございますので、いわゆるかけ込みの宅地開発が——市街化調整区域が今後きめられるわけでございます。これはいま作業中でございまして、神奈川県は、いま神奈川県の第一次素案を市町村におろして市町村で目下検討中の段階でございますので、ここはもう市街化区域になるということがはっきりしているところは別でございますけれども、それ以外のところで市街化調整区域になるかもしれぬというような地域につきましては、私どもといたしましてもまた県のほうと連絡いたしまして、できる限り行政指導で宅地開発が行なわれないような指導をしていただきたいというふうに——これは法律上はできませんけれども、指導でできる限りそういうことをやっていただきたいということは申し上げるつもりでございます。なお、その点につきましては、会議その他におきましてもその趣旨の徹底をはかっていきたい、こういうふうに考えております。ただ、神奈川県といたしましてはそういうことをやっていきたいという気持ちがあるようでございます。  大体以上でございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 神奈川県の知事自身も立場上非常に困っておる発言をこの席ではしており、国が方針を明確にしてほしいという要望もしておりますので、特段の配慮をしてもらいたいと思います。  特に、いま最後の答弁にありました行政指導というものが、建設省は建設省なりで苦労しておられると思いますが、次の政令ができるまでの断絶している間に問題が起こりました場合は、その間は一切の行為を押えるということはできますか。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内政府委員 法律上それを強制することはできないと思います。しかし、市街化調整区域はもうすでに第一次素案ができまして市町村に流されておる段階でございますので、知事さんなり市長さんなりが、それがきまるまでしばらく待ってくれと言うことは、これはできるのじゃないかと思います。それをやったら絶対いかぬと、どうしてもやるという者に強制することは、法律上はできない。ただ実際上は、そういう方がおっしゃれば相当強い効果を持つのではないかということを期待いたしまして、先ほど私は県のほうにそういうことをお願いしたいということを申し上げたわけでございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 せっかくいい答弁をしてもらたと思ったら、最後にどうもざる法みたいになってしまったのですが、そこのところ、ひとつ局長、行政指導の面——明らかにあとで政令ができるのですから、したがって、その政令ができない途中のことについて、もう少し自信のある指導、規制の方法はないのか。やられればしようがないという話では、しようがないのです。そこが一番問題なんですからね。あなたは九月中に政令をつくる予定なら、なぜ七月中にできないか。政令で早く網をかけてしまえば話をする方法が出てくるのに、そこが抜けているので押えられないという状況になってくるわけだから、政令を早める法はないですか。そういうようなことを行なわしめないために、あなたのほうは政令を制定する時期を早めて、それに基づいて神奈川県の条例の改正を同時に行なわしめ、ある程度の法的根拠に基づいた規制を行ない得るような体制を築かなければ、単なる行政指導だけでは、いまのような状況では容易ではないのじゃないか、どうもそこが一番問題になってきていると思うのです。将来計画の問題もありますが、当面している問題はそこにあるわけですから、宅造業者に良心的なことを期待するのは困難ですから、そうすると、やはり政府及び法律の規制がはっきりしなければ困ると思うのですが、何とか政令を直ちに公布するような準備は早急にできないのですか。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内政府委員 風致地区の規制というものは、先生御承知のように、補償とか買い取りとかいう規定のない、都市計画制限としてぎりぎりの制限でございまして、法律的には、私有権に対する制限でございますとか、非常にむずかしい問題を含んでいるわけでございます。私どもは、それを、都市地域におきましてはこれだけ土地利用の競合があるんだから、利用制限はかなり強くしてもいいという考え方で政令の案をいま考えているわけでございます。非常に法律的に問題がございまして、まだ法制局に持っていっておりませんので、法制局でかなり長く政令の審議がかかるのではないだろうかというふうに考えまして、先ほど、九月末、こういうふうに申し上げたわけでございます。最近、宅地開発をやります場合に、やはり公共団体のごやっかいにならなければなかなか宅地開発もできないわけでございますので、公共団体が真剣になって事業主体に強い指導をいたしますれば、かなり効果がある。その効果に期待して私どもは県のほうを行政指導したい、こういうふうに申し上げたわけであります。

田村良平自由民主党

○田村(良)委員 関連して。私も現地へ行った者として——いまの局長の御答弁では、ぎりきりまで強制することはむずかしいのではないかというお話ですが、いま金丸理事の報告にもありますように、鎌倉市の全面積は四千ヘクタールで、風致地区は二千二百ヘクタール、鎌倉市に占める割合が約五五%の多きを占めている。なお、歴史的風土の保存区域は約七百ヘクタール、これは鎌倉市に占める面積でいきますと一八%でありますから、鎌倉の市民、神奈川県民にとりましては、このように古都保存法の保存地区、風致地区に該当する、こうした非常に優秀な歴史的な文化を持つ土地だから安心だと思っておったら、片っ端から宅地造成が行なわれるということで、鎌倉の緑を守る会、風致を守る会ができて、皆さん非常に心配されておる。だから、私も渡辺委員と同じように疑問に思うことは、少なくとも、古都におけるわが国固有の文化的資産について国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承さるべき歴史的風土の保存を目的とした、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、略称古都保存法が成立して、四十一年一月十三日に公布されておる。そうすると、この法の保存地区に該当の鎌倉市の市長さんとしては、当然強制的にやれるわけですね。この風致地区は、この古都保存法に該当する鎌倉の面積は、宅地造成に協力できないんだ、あなた方は別のところでやりなさい、私たちは断じてこの歴史的文化を守るんだ、こういうことで条例を制定されたら、それに対して建設省からも支持を与える、政府もともに力をあわせて県民の歴史的な文化財を守っていこう、議員立法とはいいながらも、古都保存法だ、それがための風致地区だ。だが、宅地業者は何でもかんでも宅地をこしらえて、風致地区や古都保存法の該当地区の歴史的な文化財が金もうけのためにおかされる。それこそ、法律の権力で守ってあげるのが正しい政治だと思う。したがって、強制権がないからしかたがないでしょう、そのうちに政令をつくりまして何とか御協力いたしたいと思いますでは、これはどんどん進んでいく。この聞も行ってきますと、この向こうに見える山は全部風致地区でございます、これが全部宅地になってしまいましたという説明を聞くわけですね。これでは、何のために風致地区や古都保存法で文化財を保護するのか。二千六百年の豊かな日本の歴史と文化財を保護しようということでせっかく法律まで設けたものが、一宅地業者の金もうけのためにひっくり返されるということは、社会正義の上からも私はおかしいと思う。局長も、何かもさもさ、答弁しにくいように言っておられますが、これは非常におかしい。地元の人は、五五%も風致地区があるのだ、保存法に該当する地区があるのだ、そういう偉大なる歴史的文化があるというので安心しておったら、うしろからぽかぽかぶんなぐられたようなかっこうであります。渡辺委員も言われましたが、私も現地に行った者として、美しいものを守るのだから別段異議はないと思う。その点でもう少し明確に御答弁願いたい。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内政府委員 実は途中のことをはしょったものですから申しわけなかったのですが、風致地区は確かに五五%指定されておりますが、古都保存地区というのは、そこまでございません。一般地区についても風致地区ほど指定されておりません。古都保存地区では、先ほどの御報告にもございましたように、一カ所、三井物産がやっているところが問題になっております。それがいま審議会にかかっているということで、端的に申しますと、公共団体側でも強い態度で臨むのじゃないかというふうに私ども期待いたしております。  問題は、その古都保存地区以外の風致地区のところに今度は宅造がかかってくるかということでございます。それも、現在は神奈川県の風致規則があるわけでございますから、知事がこれを適切に運用すればある程度守っていける問題である。しかし、さらにそれを強化する必要があるのじゃないかという政令につきましては、先ほど申し上げましたような答弁になります。したがって、鎌倉という特殊性にかんがみまして、私もこの間の討論会で申し上げましたように、それはこれの規則を運用される運用権者がかなり強い態度で臨んでいけば相当のものが守れるということは、私どもとしても言えると思います。その点につきまして私どもの指導は当然強力にやっていかなければならぬということを省いたものでございますので、変な答弁になりまして……。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 まだ問題が残されておると思いますが、ひとつすみやかに建設省のこれに即応する態度を県当局に指示して、政令を即時制定されますことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 次回は、来たる二十五日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十八分散会

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