建設委員会 第31号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/07/04
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、前回質疑を終了いたしております。 ただいま、本案に対し、金丸信君外二名から修正案が提出されております。
○始関委員長 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。金丸信君。
○金丸(信)委員 建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案をお手元に配りましたが、字句を挿入した点について御了承願いたいと思うのであります。 一応読み上げます。「必要な事項(建築物に関する工事に従事する者に対しては、建築主若しくは建築物に関する工事の施工者の氏名又は名称及び住所に限る。)について質問する」こういうことを挿入いたしましたから、御了承願いたいと思います。 修正案につきまして、自由民主党、民主社会党、公明党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準を定めたものでありますが、法制定以来、社会情勢の変化、建築技術の進歩等に即しましてたびたび改正を行なってきております。 最近におけるわが国の産業、経済の発展に伴いまして建築活動も一段と活発となり、これがため建築行政の執行体制に実情に沿わない点が生じましたので、このたびの改正となったのでありますが、改正案は、去る四月二十五日本委員会に付託されて以来、参考人の意見を聴取するほか、委員会及び理事懇談会におきまして慎重に審査を進めてまいりました結果、違反建築物の是正措置等につきまして若干の不備な点が指摘されましたので、これらの点につき修正を行なう必要があります。 以上が建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨でありますが、次に、修正案の要旨を御説明申し上げます。 第一点は、特定行政庁は、違反建築物等に対し必要な措置を命じた場合、命令を受けた者が、その措置を履行しないときは行政代執行法により代執行を行なうものとすることであります。 第二点は、特定行政庁は、違反建築物等の建築主等に対し違反是正を命令した場合は、その違反建築物または建築物の敷地内に標識を設置して公示するものとし、建築物または建築物の敷地の所有者等は、標識の設置を拒みまたは妨げてはならないものとすることであります。 第三点は、特定行政庁は、違反建築物等の建築主等に対し違反是正を命令した場合、違反建築物等の設計者、工事監理者、工事請負人、宅地建物取引業者について建設大臣または都道府県知事に通知するものとし、建設大臣または都道府県知事は、それらの者について免許の取り消し等必要な措置を講じ、その結果を特定行政庁に通知するものとすることであります。 第四点は、建築主事または特定行政庁の命令等を受けた都道府県、市町村の吏員は、確認、検査または命令をしようとする場合、関係する物件を検査し、または試験することができるほか、建設物等の所有者等及び工事の施工者等に必要な事項を質問することができるものとすることであります。 第五点は、特定行政庁は、確認の申請書に関する図書について、建設省令により閲覧させるものとすることであります。 第六点は、政府は、建築基準法の規定による工事の施工の停止命令等の履行を確保するための措置について検討を加えるものとすることであります。 以上が、建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨及びその要旨でありますが、委員各位の御賛成をお願いいたしまして、説明を終わることといたします。 —————————————
○始関委員長 本修正案について別に発言の申し出もありませんので、これより内閣提出、建築基準法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、修正部分を除く原案に対しまして反対の意思を表明いたしたいと存ずるのであります。 現行の建築基準法がざる法に終わっておる一つの大きい原因といたしましては、わが国における土地政策、住宅政策が欠除しておることに根本原因があることは論をまたないところであります。現在、国民三千万世帯のうちの約一千五百万世帯が実は自分固有の住宅を持っていない現状であります。さらに、昭和六十年には三千五百万戸に及ぶところの住宅不足が見込まれておる現状であります。しかしながら、都市に人口の集中する現在、しかも全国総合開発計画によりますと、昭和六十年には、全人口、すなわち、一億二千万人の人口のうちの七割五分ないし八割までが関東地方、東海地方、近畿、瀬戸内海に集中するという推測がなされておるのであります。この際におきまして、政府といたしましては、土地政策、住宅政策を強硬に行なわない限り、幾ら建築基準法のごとき法律をいじったところで、国民の住宅事情を緩和する方策はないと考えるものであります。住宅事情が悪いがゆえに悪質な建築違反ということも起こってくることをこの際銘記すべきでないかと存ずるのであります。特に昨年の国会以来都市三法あるいはまた住宅三法が立法化されました以上、強力に政府はこの土地政策並びに住宅政策に取り組むべきでありますけれども、東京近郊を見てみましても、通勤一時間以内の土地の値段の高騰は、昭和三十年を一〇〇といたしまして、現在に至りますと実に一五〇〇に及んでおるのであります。かかる土地の高騰によって庶民大衆は土地を取得することが困難になり、あるいは土地を取得しようとしても、一般庶民大衆はわずかな面積しか得られないというのが現状でありまして、そこで一人当たり一室の住居をつくろうということになれば、建築基準法に違反ということに相なっておるのが現状ではないかと私どもは考えられるのであります。したがいまして、この際、土地政策並びに住宅政策を政府は根本的に大胆に行なうべきであると私どもは提言をいたすものであります。これが本建築基準法に反対する理由の第一点であります。 わが党は、今国会におきましても提示いたしましたごとく、宅地の国家管理を断行して、社会化住宅を大量に建設することによって国民の住宅不足を緩和させようという方策を提示いたしました。政府におきましてもこのようなことをひとつ十分に勘案して、この住宅不足に対する諸問題の解決に邁進せられんことをこの際要求いたしておくものであります。 反対する第二点といたしましては、建築指導行政がいままでは機関委任事務となっております。地方自治体に対しまして、いままででございますと、府県に対しましては機関委任事務でございますが、これは元来町村あるいはまた市の国有事務にすべきであると私どもは考えるものであります。したがいまして、地方自治を拡大し、いままでの建築基準法にうたわれておる権限、あるいはまた財源を大幅に地方に移譲することによって、その都市その都市の特性を生かした都市づくりを行なうべきであると私どもは考えるのであります。画一的に基準法によって基準を定めていくということにつきましては一考を要すると思うのでございます。 特にこの際の改正案の中には、ある程度地方の条例に委任し、また人口二十五万以上のものに対しましては、特定行政庁として指定することには相なっておりますけれども、これをますます強化いたしまして、各市町村にまでこの権限及び財源を付与してその町特有の町づくりを行なっていくのが、ほんとうの町づくりでなかろうか、このように考えるものであります。 特に、建築基準法がざる法に終わっておるといわれておる原因の一つといたしましては、これは何と申しましても人員の不足、予算の不足が自治体にしょわされておりますがゆえに今日に至っておるのではないか、このように思うのであります。いまや年間三万八千件から四万件に近い違反建築物が続出しておる今日におきましては、もはやいままでのごとき建築審査会のあり方を改めて、労働委員会あるいは農業委員会のごとく、行政委員会として独立した委員会を設置して、仮称でございますが、建築委員会という行政委員会に独立さすことによってこれに権限を付与して、これによって建築行政をやっていくのが至当ではないかと私どもは考えるわけであります。その際には、先ほども申しましたように、国は大幅に財源を付与しなければならない、このように考えるものであります。 特にこの際申し上げておきたいのは、何がゆえにこの独立した行政委員会を設置するかと申しますならば、現在のごとく、不作為義務によって生じた違反建築、これは人間が住んでしまえば居住権が確立する、違反建築もみすみす見のがしておる現状におきましては、この際、修正案附則にうたわれておりますように、間接強制の方法を政府におかれましても今後も十分に検討しながらこの実現を期すべきである、このように考えるものであります。これができないときには、独立した行政委員会、すなわち建築委員会なるものをつくって、この命令によって裁判所が仮執行を行ない、違反建築を停止せしめるという方法をとらなければならない、私どもはこのように考えるものであります。 反対する第三点といたしましては、現在建設省並びに各県における建築事務に関係しておる違反取り締まりの職員が、意欲が低下いたしておる点であります。現行法規におきましてもかなりの実績はあがるにもかかわりませず、これをやっておらないのは、まさしくいままでの建設省の指導が十分でなかったことを物語るものではないかと思います。昭和四十二年の十一月十五日に出した建設省次官通達によりましても、違反摘発件数というものは非常に少ない。しかもその間におきましては、悪質なる宅建業者によって庶民大衆は非常な迷惑をこうむっている現状におきまして、建設関係職員は心を引き締めて違反建築に対処すべきであると私どもは考えるものであります。 第四点といたしましては、第二種住居専用地区のごとく、容積率を大幅に上げました。あるいはまた、第一種住居専用地区におきましても、建蔽率、容積率を大幅に引き上げました。しかしながら、これによって将来の都市の機能がはたしてこれで十分か、レベルはダウンしたけれども、一体将来の都市づくりの上において障害にならないかということを私どもは危惧いたすものであります。西欧各国におけるところの都市の再開発が、二回、三回にわたってやらなければならなかった実情にかんがみ、わが国においてこの原案によりまして行ないますと、十年、十五年後には必ずや都市の再開発を行なわなければならない実態になるのではないかということを私どもは憂えるのであります。これが反対する第四点であります。 第五点といたしまして、悪質不動産業者に対しましては、この修正案によってきびしく取り締まるようにはなっております。しかしながら、悪質業者というものは、これはあとを絶たないと思います。その際に、被害者に対する救済の方策がこの基準法の中にないことであります。私どもは、この被害者救済の方策を講じなければならないと存じますが、これが入っていない。 以上、五点の観点からいたしまして、原案に対しましては私どもといたしまして反対の意思を表明せざるを得ないのであります。ただ、この際申し上げておきますが、各党におきましては各委員は熱心に修正案につきまして修正に御努力されましたことに対しまして心から敬意を表しまして、反対の討論を終わります。(拍手)
○始関委員長 吉田之久君。
○吉田(之)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております、内閣提出、建築基準法の一部を改正する法律案並びにその修正案に対し、賛成の立場を明らかにいたします。 今回の建築基準法の改正の骨子は、第一に、建築基準法の適用を人口に二十五万以上の市に義務づけること、第二に、現在の建蔽率を緩和し、商業地域は敷地の八割、住宅地区など、それ以外の地域は六割ないし三割に改めること、第三に、違反建築に対する取り締まり体制を強化し、新しく建築監視員制度を設けることであり、さらに第四には、公共建築物等の防災対策を促進すること、第五には、建物の高さ制限を原則として廃止し、容積率によって制度化すること、第六に、住居地域、商業地域といった用途地域を整えることなどであり、全体としてかなり前向きの改正案であると考えます。しかし、本改正案には、執行体制や違反建築是正措置等に関し若干の問題点が指摘されなければなりません。 まず第一に執行体制についてでありますが、現在七百名の建築主事が年間九十万件の確認を行なっておる現状でありまして、いわば一特定行政庁に七名程度の人員で非常に手数のかかる確認申請や違反建築の処理に当たっていることになり、今回若干人員がふえるとはいえ、人手不足はまさしく今後の執行体制の最大の弱点として浮き彫りされるでありましょう。 第二の、違反建築是正措置については、従来、その発見、防止、是正が、その内容の複雑さのために、遺憾ながらほとんど行なわれてこなかった現状であります。違反建築に対しては迅速適切な措置が行なわれなければ、連鎖的に拡大していくことは言うまでもありません。したがって、今回の改正案により、建築監視員制度が設置されることになりましたが、さらになお一段の努力が必要であると考えます。 さらに、違反建築物に対しましては、本改正案による公示制度の適用のほか、命令不服従者に対し行政代執行法の適用など、徹底した措置をすみやかに行なえる体制を確立しなければなりません。 また同時に、日照権の確保が期待できないこと、建蔽率制限を緩和したことによって都市の過密化を促進するといった懸念もなしといたしません。 しかし、本改正案の主眼点は、急激な都市化あるいは地価高騰の中で、すでに現実離れした現行法を、いわゆる守られる法律に近づけることにあり、そのために建蔽率を緩和して現実に適合させるとともに、違反建築に対する取り締まりを強化し、建築規制を実効あるものにするところにあると考えます。 現在、都市の過密、都市生活の複雑多様化の中で、都市住民の生活環境の悪化が加速度的に進行いたしております。これに対処するためには適正な法規制が必要であり、今回の法改正が生まれた理由もここにあるはずでございます。 同時に、国あるいは地方自治体が住民の生活福祉向上のために当然整備すべきさまざまな施策については、各地域の特色を最大に生かしつつ行き渡らせなければなりません。そこで、特にこれらの諸点については、政令で画一的に縛るのではなく、条例等を十分に活用し、その都市に合った特色ある町づくりができるよう、地方自治体にまかせる施策を講ずるよう強く要望いたします。 最後に、都市計画法に続き都市再開発法、建築基準法の大幅な改正が行なわれ、基本的な都市対策に必要な諸法律が一応出そろったことになりますが、さらにこれに加えて地価対策が強力に実行されなければ、その基盤は確立しないと考えます。さきにようやく地価公示法が施行せられることになりましたが、その内容は決して十分なものであるとは言えません。わが党は、昨年、土地価格抑制法案を提出いたしましたが、建築基準法もまた、地価対策を強力に行なわなければ、その真価を発揮し得ないことをここに重ねて強調いたしまして、建設当局の勇断を強く要望いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
○始関委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、公明党を代表いたしまして、内閣提出の建築基準法の一部を改正する法律案に関しまして、修正案並びに修正部分を除く原案に対し、賛成の意を表明するものであります。 現在私は一つのことを言いたいのでありますが、この建築基準法を審議するにあたりましてわが党が最も遺憾に思っておりますことは、この都市計画法を主体とした都市再開発法、建築基準法の都市三法の充実でありますが、その最も大事な都市再開発法案の審議に際しましては、遺憾ながら、われわれの意見も盛り込むことなく強行採決されたことをはなはだ残念に思うのであります。この点につきましては、今後とも多くの国民大衆の意見を都市政策の中に反映し得るような姿勢というものをお互いに持続していかなければならぬことを付言するものであります。 さて、言うまでもなく、二十世紀後半におきますところの内政的重要課題は都市問題であります。その都市問題の最大のネックといわれておるのは、住宅問題の解決であります。都市行政一体となった正しい建築行政のあり方また運営が、都市問題の解決の甲乙を決するものであるといっても過言ではありません。 基本的にわが党がこの法案に求めるものは、建築審議会の答申もしくは建設省の当初の原案より相当後退しており、この程度の改正では、天下のざる法としてもの足りなさを感ずるところであります。今後におきましてもなお一そう問題点を究明すべきであります。 以上のような基本的な観点に立って、次に具体的な問題点を若干述べることにいたします。 第一は、二重登記、土地の二重利用についてであります。 悪質不動産業者が敷地を二重に使用して、そのために一般の善良な市民が迷惑をこうむっており、したがって、敷地が使用されているかどうか、宅地を把握するために、敷地台帳制度を設けることが重要であります。しかし、本法案は敷地台帳制度が採用されないままに改正に至ることは、今後ますます悪質不動産業者を野放しにするのではないかという懸念を抱かせるものであります。 第二には、執行体制についてであります。 守られる法律ということで、土地の不足、地価高騰という現状から建蔽率を緩和したことはともかくとして、現行法最大の欠点である悪質違反者に対する規制がなまぬるいという点であります。これでは真の目的を十分に果たすことが不可能であり、実効ある建築行政が期待されるかいなか、はなはだ疑問であります。 第三は、集団規制についてであります。 都市計画法を補完することで、一宅坪について建築基準法で規制するものでありますが、住居においては、第一種、第二種住専、住居地域と三地域でありますが、これでは断層が激しく、ますますスラム化を助長するものであり、それゆえ一区画についての詳細なサブディビジョンコントロールが必要であります。 第四は、違反建築であることを知らずして建築物を自己の居住の用に供しようとして悪質業者と契約しまたは入居した者に対する契約関係の処理、損害の補償、住居の確保等の救済措置に欠けているということであります。 私は、修正案及び修正部分を除く原案に対して賛成はいたしますが、これは、修正案が理想的最善のものであるがゆえに賛成するものではないのであります。わが党は最善のものを求めて鋭意努力をいたしてまいりましたが、次善の修正に終わったことは、最善を望みながら次善に満足せざるを得ないという、人間の宿命的な問題であるかもしれないのであります。しかしながら、大局的に見て、建築行政の一つの進展ということができます。 最後に、私は、この住宅問題の解決にあたりまして、わが党提出の住宅基本法案に対し、すみやかにこれを審議され、もって大局的、また大所高所から都市問題の解決に鋭意努力なされんことを望むものであります。 以上をもちまして私の討論とさせていただきます。(拍手)
○始関委員長 以上で討論は終局いたしました。 これより採決いたします。 まず、金丸信君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立多数。よって、建築基準法の一部を改正する法律案は、金丸信君外二名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○始関委員長 ただいま可決されました建築基準法の一部を改正する法律案に対しまして田村良平君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。田村良平君。
○田村(良)委員 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党の四党を代表して、その趣旨を申し上げます。 御承知のごとく、わが国の都市は、人口と産業の過度の集中によりまして、市街地における建築活動はきわめて活発でありますが、その反面、都市施設との不均衡、各種用途の混在、密集等により都市環境が悪化し、種々の問題を生じてきております。 われわれは、これらの問題に対処するため、さきの国会で新都市計画法を制定し、また、先日、都市再開発法を制定したのでありますが、ただいま修正議決されました改正案は、これらの二法と相まって、都市における土地の合理的な高度利用及び秩序ある発展をはかるための建築物の容積及び用途の規制に関する基準の整備、建築物の防災対策、建築基準行政の適正な執行、特に違反建築物の是正等に対する強力かつ迅速な処置等、まさに時宜に適したものと考えている次第であります。 しかし、これら改正内容をさらに充実させ実効あるものにするため、政府は、法の施行にあたり、次の諸点につきまして適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきことを強く要望してやまないものであります。 すなわち、その第一点は、違反建築物に対する措置を強力に講じて、その絶滅を期するため、告発及び行政代執行の徹底、建設士、建設業者、宅地建物取引業者等の建築関係業者に対する厳正な監督処分、電気、水道、ガスの供給停止を行なうことであります。 第二点は、執行体制の整備強化をはかるため、建築関係職員の人員及び予算の確保についての特段の配慮、職員研修制度の拡充強化により職権乱用の戒めをすることであります。 第三点は、極的積な行政指導、技術指導により、日照、通風等、良好な環境実現の方途を提示し、住民の自発的協力を強化することであります。 第四点は、住民と密着した建築行政とするため、執行権限をできるだけ市町村に委譲するよう指導するとともに、政令の制定等改正法の施行にあたっては、条例に委任するなどの方法により、自治体の実情を生かした運営ができるよう配慮することであります。 第五点は、都市環境の抜本的改善をはかるため、著しく立ちおくれている地価、宅地、住宅対策等、及び共同利用施設として、公園、緑地、広場、遊び場、運動施設等の空間確保について格段の努力をすることであります。 以上が建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨でありますが、委員各位の御賛成をお願いいたしまして、説明を終わります。 ———————————— 〔参照〕 建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 都市化が急激に進展しつつある今日、住みよい街づくりを進めるために、政府は、本法の施行に当つて左の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、違反建築物に対しては次の措置を強力に講じて、その絶滅を期すること。 (一)告発及び行政代執行の徹底 (二)建築士、建設業者、宅地建物取引き業者等の建築関係業者に対する厳正な監督処分 (三)電気・水道・ガスの供給停止 二、執行体制の整備強化を図るため、建築関係職員の人員及び予算の確保について特段の配慮をするとともに、これらの職員の研修制度を拡充強化し、職権の濫用をいましめ、適正な建築行政の執行を期すること。 三、改正法の運用に当つては、単に住宅環境の悪化を追認するにとどまるが如きことのないように、積極的な行政指導、技術的指導により、」日照、通風等良好な環境実現の方途を提示し、住民の自発的協力を強化すること。 四、住民と密着した建築行政とするため、執行権限をできるだけ市町村に委譲するよう指導するとともに、政令の制定等改正法の施行にあたつては、条例に委任するなどの方法により自治体の実情を活かした運営ができるよう配慮すること。 五、都市環境の抜本的改善をはかるため、著るしく立ち遅れている地価・宅地・住宅対策等及び共同利用施設として、公園・緑地・広場・遊び場・運動施設等の空間確保についていて、格段の努力をすること。 右決議する。 —————————————
○始関委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立総員。よって、田村良平君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、坪川建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。坪川建設大臣。
○坪川国務大臣 一言ごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。 去る五月七日、建築基準法の一部を改正する法律案、重要法案を本委員会に提案申し上げまして御審議をお願い申し上げましたところ、連日にわたりまして慎重適切なる御審議をいただき、本日議決を賜わりましたことは、まことに感激にたえません。ここに政府を代表いたしましてつつしんでお礼を申し上げたいと思う次第であります。とともに、御審議の中にお寄せいただきました貴重な御意見あるいは御要望、御叱正等はもちろんでございますが、本日各党共同の提案によりまして議決をいただきました修正並びに附帯決議等の御趣旨につきましては、十分ごそんたくを申し上げますとともに、ことに執行体制の整備、あるいは違反是正等に対するところの強化措置等の問題、これらの点を含みながら、今後、法の運営に適切なる措置と、各位の御要望に沿うよう万全の措置を講ずる覚悟でございます。 ここに連日にわたる委員各位のまことに貴重なとうとい御審議と、委員長はじめ委員各位の寄せられました御高配に対し厚く感謝申し上げまして、私のごあいさつにかえたいと思う次第であります。どうもありがとうございました。(拍手) —————————————
○始関委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○始関委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。佐野憲治君。
○佐野(憲)委員 まず大臣にお尋ねしたいと思いますが、富山県の神通大橋の橋脚が沈下したという問題につきましては、大臣のほうに報告がもたらされておるだろうと思いますが、まず、大臣も最近の状況を伝える新聞をひとつごらん願いたいと思います。 〔佐野(憲)委員、坪川国務大臣に新聞を示す〕 この神通大橋は、富山−高岡を貫く富山県の中枢の道路であります国道第八号線にあたるわけでありますが、これが二日の早朝からの増水によりまして突如沈下を始めまして、二メートル五十八センチ沈下をいたしたわけであります。と同時に、路面も切断されまして、電車その他の全面通行禁止がとられましたが、幸いにも人命に損傷はなかったのですが、これはひとえに、建設省の富山土木工事事務所の職員が早期に異状を発見いたしまして措置をとりましたことが幸いだったのでありまして、私どもも職員の努力に対しまして非常に感謝いたしておるわけでありますが、私は、きのう開かれました全国治水同盟大会にあたりまして、社会党を代表して出席いたしたわけでありますが、この全国治水大会が開かれたその中でこのような惨事が引き起こされたわけであります。ですから、治水大会におきましていろいろな問題が提起されましたけれども、全国から参加いたしました一千五百名の諸君らがこの現場を見てまいりまして、このような問題に対しまして、原因は一体どうなんであろうか、これに対する復旧対策はどうなのだろうかと、一斉に質疑がなされておるわけであります。建設大臣代理として古賀技監も参っておりましたし、早期から建設省土木研究所の諸君らもかけつけてまいっておりました。また、北陸地建の松本氏も現場にはせ参じておったのでありまして、原因は一体どこにあるだろうか、こういう問題につきまして、当然すでに大臣のほうに対していろいろな報告が行なわれておると思いますので、この沈下は一体どこに基因するであろうか、こういう点について大臣から御報告をいただきたいと思います。 時間の関係もありますので——現地におきまして治水関係の皆さんが大きなショックを受けると同時に、この原因に対しましていろいろな点から問題提起がなされておったようでありますが、その中の一つは、自然的条件が河床を変えたのではないか、山奥におけるところの異常豪雨がこの惨事をもたらしたのではないかという点もあげられておりました。 第二点としては、ダム建設その他によりまして非常に河床の沈下が出てまいっておるのではないか。 第三の点といたしましては、砂利規制が十分なされていないのではないか。砂利採取によってこの原因がさらに重なってまいったのではなかろうか。特に富山県神通川上流における砂利採取の乱暴な採掘の状況を目の前にいたしております県関係の皆さんからそういうような意見も出ておったわけです。 第四の点といたしまして、上流には神通川第二発電所があるわけです。ここでは、二日の午前六時四十分、毎秒二千五百七十八トンの放出流量がなされておるわけです。しかしながら、この場合におきましても、いわゆる警戒洪水流量は二千三百トンだとされておる。すでにこれをオーバーいたしておるわけです。五年ぶりにオーバーいたしておるわけでありますが、このオーバーいたします場合におきましては必ず下流に何かの災害をもたらしておる、こういう経験を得ておる地方住民の間から、これらに対するところのいろいろな問題点も指摘されておるわけです。ですから、そういう点につきましても、幸い局長もお見えになっておりますから、大臣としてはどのような御報告を受けておられるか。やはり原因調査を厳正にやっていただきたい、再び惨禍を引き起こさないためにも、この原因をあくまでも科学的に究明していただきたい、このような要請が治水大会に参加した皆さんの声でありましたので、一応お聞きしておきたいと思います。
○坪川国務大臣 去る二日、国道八号線富山大橋の橋梁が沈下いたしましたことは、まことに遺憾のきわみでございまして、心から遺憾の意を表し、おわびも申し上げたいと思う次第でございます。 報告を受けました私といたしましては、直ちに工事事務所はもちろん、県当局の土木並びに建設省北陸地建局長等に命令をいたしまして、その原因の究明、解明を急ぐとともに、今後の復旧措置等に対しましても、国道八号線という富山県の大動脈、生命線でもございますので、厳正なる立場に立ってこれらの措置を緊急に講ずるよう命令もいたしたような次第でございます。 私といたしましては、佐野委員が御指摘になりましたとおり、まことに遺憾にたえない次第でございますので、いま数々御要望されました点等につきましては、十分配意をいたし、心得まして、これらの措置を緊急にとりつつあるような次第でございますが、これらに関します問題点等につきましては、道路局長並びに河川局長から答弁させていただきますので、御了承願いたいと思いますが、責任者の立場としては、私はいま申し上げました決意をもってこれに対処いたす所存であることを表明申し上げておきたいと思います。
○蓑輪政府委員 富山大橋の洪水による沈下につきましては、原因はいまいろいろ探求中でございます。あの構造を見ますと、橋梁台帳によりますと、昭和十年につくっておりまして、大体五メートルの深さのウエルを据えて入れております。この辺は砂利層で、非常にかたい地盤でございます。この点から考えますと、洗掘が相当激しく、それによって傾いたのじゃないか、こういうように考えられますが、どういう水の流れによって洗掘されたか、その他、これは復旧の方法にも非常に関係がございますので、そういうものをはっきりさせまして至急復旧をはかりたいと思います。これにつきましては、先生も御指摘のように、国道八号線でございまして、交通量が毎日約二万八千台通っております。とりあえず、早く歩行者の通れるようなことにするということと、災害用の応急仮橋を早くかけまして利用者の不便を除きたいというように考えております。
○坂野政府委員 関連してお答えいたします。 大臣からの指示もございましたので、私どもは、原因の究明、その他河川の立場からの実態等至急調査いたしたいと思っておりますが、現在までに私のところに来ております報告によりますと、まず河川の河状の変化というものが、ここ十年ばかりの間たまたまピアの下がったこの地点を中心として、従来まん中を流れておったものが次第に左岸寄りに低水の流心というものが移動しているということが判明いたしております。そういった偏流というものが主原因となってそこに今回の出水を見て、何らかの原因でそういった洗掘状態というものが起きたのじゃないかというぐあいに考えておるわけでございます。 しからば、何がゆえにそういう偏流を起こしたかというと、これはなかなかむずかしい問題でありまして、砂利採取の状態等を報告によって見てみますと、最近四十二年ごろから砂利の採取というものを相当規制いたしまして採取量も減らしておりますし、それから、特に四十四年四月から一級河川に編入されたわけでございまして、この後におきましては引き続き県の従来の線というものを踏襲いたしまして砂利の採取規制というものをかなり厳重にやっているつもりでございます。 それから、上流にたしか昭和二十九年から三十一年にかけて第一ダム、第二ダム、第三ダムという電力のダムができておりますが、しかし、それはそういったダムのできたための影響だとか、あるいは砂利を採取したための影響がどの程度そういった偏流に影響しているかどうかということは、なかなか技術的に判定のむずかしい問題でございます。 それから出水の関係を見てみますと、二日の朝七時ごろに一番高い水が出ております。その水の出た状態が四時間ないし五時間くらい過ぎてからどうも沈下が始まったのじゃないかということを考えますと、引き水で、何といいますか、そういった部分的に河床の砂が持っていかれたのじゃないかというぐあいに考えるわけでございますが、いずれにいたしましても、現象的にはどうもそういった河川の偏流状態が最近はなはだしくなってきたのじゃないかということで、その辺が直接の動機となって、この出水の現象等に伴って何らかのそういった沈下を促進するような現象が起きたのではないかというぐあいに考えられますけれども、なお、詳細につきましては今後十分調査いたしたいと思っております。
○佐野(憲)委員 私は大臣に質問いたしましたが、原因調査を徹底的にやっていただきたい。そしてそういう危険な状況が県下の各地に実は起こっておるのではないか、あるいはまた、高岡近くにあります一級河川、庄川大橋もまたこういう危険性にさらされておるのではないかという点が指摘されておるわけであります。と申し上げますのも、これと前後いたしまして、県道、早月川にかかっております早月橋、これがやはりくの字に実は沈下したわけです。国道にかかっておる神通大橋、県道にかかっておる永久橋である片貝橋で同じ状態が同時刻に出てまいった。それだけ全国治水大会に集まりました皆さんの関心も深いわけです。この場合におきまして、片貝川の場合を見てまいりましても、やはり砂利の乱掘に対し十分な規制がなされていなかったところに原因があるのではないか、こういう点が指摘されておるわけです。ですから、片貝川を見てまいりますと、非常に砂利の問題が大きな原因をなしておるということが明らかに出てきておるということから、私はやはり原因調査というものを科学的に徹底的にやっていただきたい。と申し上げますのも、富山県の調べによりますと、片貝川の片貝橋が沈下し、やはり交通全面禁止をやっております。十三カ所同じ条件下に立たされておる、こういう点を明らかにしておるわけであります。そうしますと、神通大橋の問題は単なる自然現象による河状の変化とだけとらえることができない問題点を含んでおるのではないかという点を心配するわけです。もしそうであるとするならば、一体どうするかという問題が考えられるわけですけれども、そういう危険な状態にさらされておるという点につきまして、局長、富山県からそういう報告がきておりますか、どうですか。
○蓑輪政府委員 実は昨年の飛騨川の事故以来、こういう構造物、ことに橋梁その他いろいろございますが、そういうものの点検をさせております。特にいますぐ危険というようなものについてはことし補強の方法を講じておるわけでございます。いま先生のおっしゃいましたところについて、すぐ特に危険というような報告はいまのところ出てきておりません。
○佐野(憲)委員 富山県の報告によりますと、片貝橋のようなのが十三カ所ある。ところが、ここでひとつ深刻な問題としてそういう危険状態がわかったもので、砂利採掘が大きな原因をなしておることもわかっておる。補強しなければならない。しかし、補強するのには三百万円から五百万円の金を要する。交付税を見てまいりましても、あるいはまた、河川対策費の中にそういうものはほとんど組むことができ得ない。十三カ所ですから、いわば数千万円の金があれば、県道の場合ですが、補強することができるのだ、こういうことを言っておるわけです。こういう点に対してはどうですか。くの字に折れてしまう、こういう危険な個所を十三カ所すでに県としては指摘いたしておる。片貝川のときも予期されたんだ。予期されたんだけれども、実はいまの交付税の中における河川費並びに河川対策費の中からそれだけの金をつくり出すことはできないんだ。実はこれが沈下した場合におきましては災害復旧として復旧工事ができるんだ、それまで待つよりしかたがないというのが、現在におけるところの県の河川行政の実態だ、深刻な声を現地の河川課長はあげておるわけですが、これに対して大臣はどうお考えになりますか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました問題点、私どもはことに日本の河川行政の立場から考えてみますときに、先ほども佐野委員が御指摘になりましたような急流の河川が非常に多い、しかも土石流という問題点等、いろいろの問題が伏在しておる。こうした悪条件の中にあっての橋梁建設、橋梁工事の推進という立場からくる恒久橋の技術上の問題点等、これらにおきまして、建設省といたしましては、それらに十分配慮いたしながら、ことに建築研究所等の科学的な背景に立っての橋梁建設、道路行政の推進もいたしておりますので、これらの点を十分考えながら、今度の不幸な事件に対しましては、科学的に厳正に私はその原因の解明、究明をいたしまして、こうした不幸のないような道路行政並びに橋梁建設の推進をはかってまいりたいと、こう思っておるような次第でございます。個々にわたる具体的な問題点に対する私の考え方をいま直ちに申し上げるということも軽率のそしりを受けると思いますので、私はいま申しました方針をもってひとつ取り組みたい、こういう気持ちでおり、その原因等がわかりましたら、緊急に本委員会にも御報告を申し上げる所存でございます。
○佐野(憲)委員 神通大橋に戻りますけれども、神通大橋が、昭和三十三年に県から国に移管されておるわけですね。ところが、こういう状態になってまいりまして、どこに原因があるか、当時の設計はどうだ、こういうことになってまいりますと、実は資料は何もない、こういうことが明らかにされてまいったわけです。少なくとも道路法によって道路台帳をつくらなくてはならない。と同時に、県河川から一級河川に移管するときに、当然それらの資料というものはついていなくてはならない。ところが、ないというので、現地に行ってまいりますと、当時の設計者はだれだ、どこの業者がやったんだ、そこに記録が残っているかいないか、それを見なければ、一体どういう橋だったのかさえわからない、応急対策にしても、それがないと判断がつかない、こういうことで、てんやわんやの騒ぎをしているわけです。こういう点につきまして、私たち、建築基準法の場合も主張いたしましたように、違反建築を阻止するための敷地台帳の必要性を主張してまいりました。同じことがやはり言えるのではないか。一体建設省はそれを移管する場合におきまして、そういう設計図もない、当時におけるところの入札工事人もわからないという中で、しかも非常に危険性を増してきておるんだ。これは一般のしろうとが見ても、昭和十一年ですから、当時の戦争と呼応いたしまして連隊橋としてでき上がって、戦車その他が通過できる八トン程度を目標として、当時としてはそういう形でできたことは、県民のだれしも知っていることだ。相当の重量に耐えるという、それにしても八トン程度じゃなかろうかといわれておる。いま二十トンの車が走っておるわけです。そうなってまいりますと、これに対する補強を何かしなければたいへんだと考えても、実は設計図もなかったということで、建設省としても、ついうっかりしておったということを言っておられるわけです。こういうことがあっていいのかどうか、こういう点についてどうお考えになりますか。
○坪川国務大臣 こうした工事に関連するところの資料、あるいはそれらに要したところの行政事務資料の統一的な保存ということは、私は、国土開発の大きな立場からも非常に重要な問題点として、行政の処理に対するところの厳正化というものに対して、今後十分取り締まりといいますか、これらに対するところの行政配慮をいたしてまいりたいと考えます。ただ、言いのがれというような立場で申し上げるのじゃございませんが、御承知のとおり、その間におけるわが国の客観的な背景に、いわゆる不幸な空襲ということが起きまして、かなりそうした書類に対する焼失というものが各県、各行政機関を通じてあったということは、決して言いのがれじゃございませんが、御理解はいただけるものと考えるのでございます。ちょうど昭和の十年でございますので、富山におけるあの空襲等も考えますときに、いわゆる工事事務所あるいは地建等においての保存あるいは県庁におけるところの書類の問題点も、そうしたところに支障を来たしておることと私は想像いたしますが、今後——といいますか、そうした後の日本のこうした問題に対するところの貴重な資料、文献あるいはこれらに関連するところの書類の保存という問題には、十分私は行政措置として厳にこれらの取り締まり、またこれらに対する問題点を推進してまいりたい、こう考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○佐野(憲)委員 私の言っているのは、十年前にこの神通大橋が国に移管されたときに、なぜそういう移管を記録とともにしないのか。建設省のやったのは十年前です。空襲のあとです。それをやられていない。ですから、そういう関係に対して、いまになってから、設計者はだれだった、何はだれだったと大騒ぎをしなければ、応急対策も講じられないというようなことを考えますときに、やはり道路法なり河川法に特に土地台帳制度というものを強く私たちが要求いたしましたのも、こういうことを未然に防ぎたい——違法建築に対しましても、やはり敷地台帳を設けなければならないのだといっている私たちの主張が——案外、法律はできましたけれども、簡単に考えられるところに、やりは私はその真相を追及していくために妨げとなる一つの問題点だ、かようにも考えますので、一応言ったわけですが、治水大会におきましても、これらに関連いたしましてやはり指摘されているのは、たとえば河川法は昭和三十九年に通過して、河川管理に対する構造令を定めることになっている。この構造令が現在もなおできていない。もう五年たちますけれども、五年間たってなお構造令ができていない。道路の構造令は、不完全でありますけれども、できているわけです。しかしながら、河川の場合におきましては構造令もできていないじゃないか。政府は治水に対して——水を治めるものは国を治めるのだ、こういうけれども、一体どうなんだ、こういう質疑が治水大会に出席された皆さんから出てまいるわけであります。政党の責任も追及されるわけです。皆さんは法律をつくる、なかなかりっぱな目的がうたわれておるが、実際はどうか、構造令もまだできてないじゃないか、こう言われて、私たち非常に責任を痛感をしてまいったわけでございます。だから触れさせていただいたわけでございます。 最後に、こういう状態に対しまして、一体復旧工事はどのようにして進められるか。八トン車の重量にしか耐えられない神通大橋、これを単なる原形復旧という形において処理されていくのか。今日の交通は二十トンをこす、そして一日三万台の自動車が通っている。しかも電車は、さっきも言いましたように、へし折れてしまっている。全くもうたいへんな事態がここに起こっておるわけでございます。しかしながら、そういう事態は事態といたしまして、一体この復旧工事というものはどういうような形でなされるかということ、いつごろまでにこれを完成される準備を進められるか。現在の原形復旧の形だけでも半年はかかるんじゃないか。半年間——多くの人が工場に通勤する幹線的な電車、この路面電車がへし折れてしまっている。しかも自動車も通ることができない。下流、上流でようやくやっている。しかもここで問題になってまいりますのは、すでにもはや四キロも自動車が連ならなければならないという、全く混乱した状況に対しまして、昭和四十二年に国道八号線のバイパスが採択されてこの工事に着手いたしておるわけでありますが、わずか程度しか進捗していない。ここにもやはり地域住民から見れば建設行政に対する非難の声が出てくるわけです。昭和四十二年に決定しながら、一体どれだけの工事が進んでおるのだろうか。ほとんどやっと始まったばかりというこの現況に対しまして、怠慢だという声が非常に起こっておるわけです。現在ですらも交通が渋滞しておるところへ持ってきて、ここでこういう中枢の神経ともいうべき唯一の神通大橋がこのような形になってしまう。たいへんな事態だ。この事態を六カ月かからなければ復旧することができないんだ、これではたいへんではないかと考えるのですけれども、この御報告を受けて、しかも私のほうが質問しないうちから、すでに、復旧に対しましては誠意をもって当たるという、非常に力強いことばもいただいておるわけですけれども、しかし現実は一体どうなのかということを考えますと、やはり今日における最大の技術を動員されてこういう問題に対して早急な対策を立てる、それに対する大臣の所信を聞かしていただきたいのと、やはり八トン車程度の原形復旧にとどまるのか。今日における道路の事情、並びに今度の災害の原因となりましたところの神通川が持っておる諸問題——原因追及の中から明らかにされてまいるでありましょうけれども、そういう原因追及の中から、再び惨事を引き起こさないための措置として、原形復旧にとどまるのか、改良復旧という段階においてこの問題を処理しようとしていくのか、この点に対してお聞きをしておきたいと思います。
○坪川国務大臣 私自身も、富山大橋というあの橋につきましては、よく認識といいますか、よく御縁を持っておる橋でございますが、先ほど申しました誠意をもってそれらに対する復旧措置を講ずるということは当然でございますが、さしあたりまして、建設省といたしましては、応急緊急措置の問題に取り組む、そしてそれと並行いたしながら恒久復旧措置を講じたい、この二つの方針をとりつつあり、指示をいたしておるような次第でございます。技術の問題にも触れますので、そうした具体的な点につきましては道路局長から答弁をいたさせますが、私としましての方針は、そうした方針で臨んでおるということで御理解いただきたいと思う次第であります。
○蓑輪政府委員 ただいま富山大橋が橋脚が沈下したために交通をとめております。とりあえずの措置といたしましては、現在下流の神通大橋と上流の有沢橋に一方通行で上下線を通しております。両方の橋とも六メートルか七メートルくらいの橋でございますので、とてもこのままではどうにもならぬという状況でございます。この復旧でございますが、通勤通学の歩行者も相当多いところでございますので、まずいまの橋のこれはあるいは下流になろうかと思いますが、応急木橋で歩行者用の通路をつけたい、これがいまのところ約二週間くらいかかるのじゃないかという見当をつけております。また、いまの橋の上流側に災害の応急橋を二車線かけたい。これは各地方建設局でその応急橋を持っておりますので、それをかなり数多く集めてこういうことをするわけでございます。これがいつ開通するか、ちょっといまのところはっきり申し上げかねておりますが、大体一カ月か一カ月半くらいはかかるのではないかというふうに考えております。その間にいまの橋梁の本格的な復旧の工法をきめまして、さっそく本復旧にかかりたいと思います。 ただいま先生から御指摘のございました八トンということの問題でございますが、この橋は昭和十年にかけまして、相当昔の橋でございますが、現在荷重の制限をしておりませんので、大体二十トンは通っております。ただ問題になりますのは、橋のけたのほうは十分でございますが、けたの上に乗っておりますコンクリートの床板の部分、こういうものをさらにこの際改良して二十トンが十分通れるようにするかどうか、これは検討いたしたいというように考えております。
○佐野(憲)委員 次の重要な質疑がありますので、私のほうは緊急質問で入りましたので、非常に時間をとりまして恐縮でございますが、治水大会で私たちに言われましたことは、政府も政党もやはり治水対策という全国大会にあいさつを送られる、しかし、いま目の前に起こっておるこれに対してどう対処されるか私たちは見守りたい、こういう形で発言が多かったわけであります。おそらく、大臣、特に坪川大臣に対する期待も大きくて、この大会に坪川さんが来ておられればどう答えるだろう、こういう声が起こってまいったことも、ひとつそういう会場の空気だったことも知っていただきたいと思います。と同時に、こういうことを市長さんが意見発表の中で私たちにぶつけるわけです。水を治める者は国を治める、まことに名言だけれども、どうも最近は、国を治めることを知って、水を治めることを忘れておるのじゃないか、こういう意味における政党並びに政治に対するところの皮肉な質問も出てまいっておりました。あえてこういう皮肉を飛ばさなければならない市長さんの心中を思いますとき、壇上の私はやはり胸を締めつけられるような思いがいたしたわけであります。そういう点も考えられまして、ほんとに全国の治水関係者、自己犠牲をいとわず、献身的に治水を守るために戦ってがんばっておるこの人たち、いま富山に起こっておる県道と国道の二つの永久橋の状態を目の前に見て、大きなショックを受けるとともに、国はこれに対してどういう対策をとるだろうかと非常に注視いたしておりますので、こうした治水関係者の期待にこたえるためにもひとつ抜本的な対策を要請いたしまして、一応私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○坪川国務大臣 全く同感でございます。治山治水という問題、それは国土開発の上、また国民生活の上において最もきびしい重要な厳粛な問題であります。政府といたしましても、私といたしましても、治水五カ年計画を、閣議決定を本年お願いいたし、決定いたしました気持ちもここにあるような次第でございます。政府といたしましては、御指摘になりましたこれらの問題点につきましては、万全を期すべく最善の配意をいたす覚悟をもって臨みたい、こう考えておる次第でございます。 ————◇—————
○始関委員長 内閣提出、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。葉梨信行君。
○葉梨委員 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御質問をいたしたいと思いますが、まず最初に、道路公団その他の団体が管理しております有料道路について少し事務当局よりお話を伺いたいと思います。 まず、道路公団が昭和二十七年に発足以来いままでに建設しました有料道路の延長並びに建設費、それからその他の有料道路の延長並びに建設費についてお聞かせ願いたいと思います。
○蓑輪政府委員 日本道路公団の現在の有料道路の延長を申し上げます。 一般有料道路につきましては、現在六十二路線を供用しております。延長が六百六十四キロでございます。工事中のものとして十八路線ございまして、その延長が二百九十七キロございます。そのほかに高速自動車国道、これは現在三路線を供用いたしておりまして、これが六百二十二キロございます。そのほかの高速自動車国道として現在工事中のものが十四路線、千九百六十六キロメートルございます。この金額でございますが、ちょっといまその金額の詳細を持っておりませんので、後刻報告いたします。
○葉梨委員 それにつけ加えまして、その他、県や市が管理しております地方の有料道路についてのデータをお聞かせ願いたいと思います。
○蓑輪政府委員 現在、そのほかに一般有料道路といたしまして、地方公共団体が行なっておりますのが四十三路線供用中でございまして、延長が四百十五キロ、工事中が二十五路線で、三百十五キロとなっております。なおそのほかに、首都高速道路公団が現在六十一キロばかり供用しております。阪神高速道路公団が現在四十キロばかり供用しております。このほかに、道路運送法で一般の民間その他が行なっております有料道路といたしまして、一般自動車道と名前をつけておりますが、これが五十五路線供用しておりまして、四百三十キロございます。そのほかに、工事中のものが十三路線、百キロほどございます。
○葉梨委員 これらの有料道路が特に日本の経済の発展に非常に大きな貢献をしたと思うのですが、これらの経済効果について、建設省当局でどういうような評価をしておられるか、ひとつお伺いしたいと思います。
○蓑輪政府委員 有料道路の制度が始まりましたのが、やはり目的といえば、道路は無料公開の原則で、特殊な渡船その他は道路法でも有料にできるようになっておりましたが、その後非常に車の台数もふえまして道路整備が追いつかないということで、やむを得ず料金を取って、その料金で償還をするという制度、有料道路制度を始めたわけでございまして、その後、いま言いましたようなキロ数がおのおの道路公団その他でも実施されております。実はこれに伴いまして地域的な交通はかなり利便を受けておると思います。これをどう評価するかということになりますと非常にむずかしいかと思いますが、少なくともいまの有料道路のためにその他の一般道路の整備を相当償っているというように考えております。また、先ほども申しました路線以外に、当初有料道路として計画されておったものですでに無料に開放になっているものも数路線ございます。いまやっております有料道路も、いずれものによりましては無料に開放になる時期も早いと思います。そういうことも考えますと、有料道路の制度というものが、いまの車の増加、交通需要の増に、交通の緩和の面で非常に役に立っておるというふうに考えております。
○葉梨委員 さきに発表されました全国総合開発計画では、国土縦貫の新幹線道路網と並んで、高速自動車道五道でございますかが主要な役目を果たすと聞いておりますが、それと同時に、また有料道路についてもこれからもいろいろな計画を立てて有効に利用しなければいけないと考えるわけでございます。将来どのように国土開発計画とマッチさせて有料道路を建設していくか、概略のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○蓑輪政府委員 国土をめぐります道路網といいますと、幹線自動車道から市町村道まであるのでございまして、やはりこういうものが一貫した関連において整備されなければ、単に一つの高速道路ができただけではいけないと思います。そういう意味で、われわれの道路の整備も、数次にわたります五カ年計画を改定いたしまして、交通の需要に見合う道路整備を拡大してまいったのでございます。やはり今後の方針といたしましては、私たちでやっておりますのは、将来の交通の需要を推定いたしまして、それに伴います全国的な道路網を整備するということに尽きるわけでございますが、その中で、やはり幹線自動車道七千六百キロを主体といたしまして、それを補完する一般国道、さらに都道府県道、市町村道というものをいかに関連づけて整備していくか。この中で、やはり有料道路の問題になりますと、交通、走行の便が非常に多いもの、こういうものから料金を取りまして、いまの道路整備の一環として進めてまいりたいというふうに考えております。
○葉梨委員 本改正案につきましていろいろ御提案なさっておりますが、まず第一番目に伺いたいのは、合併採算制を導入されるわけでありますが、これに対してどのような効果をねらっていらっしゃるか。
○蓑輪政府委員 現在の法律でいきますと、有料道路は、一つの道路につきまして採算をとって、償還が終われば無料にするというたてまえになっております。ところが、非常に交通上密接な関係のあるようなものになってきますと、早くつくりました道路は建設費も安いわけであります。そのために料金も安く、あとからつくったものは料金が高くなり、かつ償還が長くなる。前につくったものはただになって、あとからつくったものは金を取られるということになりますと、利用者からいいましても費用の負担が非常に不公平になるということもございまして、そういうのは地元の住民の利益とも相当密接に関係いたしますので、地元がこういうようなことを望むならば、二つ以上の道路を合併採算いたしまして、利用者の費用負担の公平をはかりたいということでございます。
○葉梨委員 その合併採算制を行なうことができる道路につきましては、いろいろな条件をつけておられるわけでございますが、どういうわけでそういうふうに限定されるのか、その理由を伺いたいと思います。
○蓑輪政府委員 いまの合併採算といいましても、一例をあげますと、北海道と九州というものの有料道路を合併採算するということになると、利用者も非常に異なっております。また、全国をみなプールするということになりますと、いま言いました利用者が違っているがプールされるという結果にもなりまして、費用の負担も公平を欠くということで、特に交通上密接な関係があるということになりますと、ほとんどそれが利用者も密接な関係のある路線になりますので、そういうものに限定してプール採算をやるのが、いまの段階では必要ではないかというように考えております。
○葉梨委員 「通行者又は利用者が相当程度共通」な道路という条項がございますが、これはどの程度共通であればいいのか、また、そういうような条文に適合する個所が何カ所ぐらいございますか。
○蓑輪政府委員 「相当程度共通」ということは、何割ということをはっきりすることがいいかどうか、問題があろうかと思いますが、一割か二割ぐらいではあまり共通とは言えないかもしれません。いま例をとってみますと、現在道路公団でやっております長府の道路と関門トンネル、また、箱根新道と小田原−厚木道路、そういうものになりますと、ほとんどが共通する利用者が多いのではないかというように考えておりまして、先ほど言いました関門トンネルにつきましては、関門の橋梁等の問題がありまして特殊な場合でございますが、箱根新道とか小田原−厚木とかを考えても、箱根に行くときには両方通るというようなものがやはり交通上密接な関係があるというように見られるものと思っております。
○葉梨委員 それから「相互に代替関係にある」道路というようなのもございますが、これは全国にそうないと思いますが、具体的にどことどこを予想しておられますか。
○蓑輪政府委員 これは、たとえばいま特に問題になっておりますのは、箱根に行く登山道路がございます。これは道路公団で行なっておる登山道路と、県営で行なっておる登山道路がございます。これはおのおの阿蘇の登山道路でございますが、行くところは別のところになりますが、やはり阿蘇に登るという点では同じ目的だと思います。両方が別々になりまして、一方がただになってしまう、一方が非常に採算がとれないということもありまして、いま言いました代替というような条項も入れた次第でございます。
○葉梨委員 そこで、この案を採用して法案が通った場合に、合併採算制度が発足するわけでございますが、具体的に採算の見通しはどうでしょうか。まずその点をお伺いいたします。
○蓑輪政府委員 採算の見通しにつきましては、たとえば箱根の有料道路を一本にして合併採算にいたしましても、償還する金額は同じでございます。そういう意味からいえば、現在一本一本で採算がとれるものであれば、二つ合わしても十分採算がとれる。さらに、二つを一本にすることによって、場合によっては料金の徴収を簡素化するというような利点も出てくると思います。そうなれば料金の徴収期間もまた短くなるのではないかというふうに考えております。
○葉梨委員 将来の問題としまして、たとえば東名高速道路と名神あるいは東北縦貫道というものが接続する時期がくると思いますが、そういうときにやはり同じように合併採算ということを考えられるかどうか、その点をお伺いいたします。
○蓑輪政府委員 これにつきましては、現在道路審議会で、有料道路の中の高速道路の将来の料金のあり方とか、合併採算の問題というものを審議してもらっております。私たちやはり常識的に考えます、東名高速ができましたが、これから五道——北陸道、東北道その他は工事をいたしまして供用をするわけでございますが、東名高速が早くできたからただになってしまった、北陸道、東北道はあとからつくったから金をとられるということは、やっぱり常識に合わないのではないかということで、私、将来の方向としては、ある程度の合併採算——それはどの程度にするか、問題はあろうかと思いますが、合併採算が必要ではないかというふうに考えております。
○葉梨委員 それからこの改正案のもう一つの柱としまして、法案では第二十七条にございますが、道路公団の有料道路を地方公共団体に引き継ぐことになるかと思います。これはどういう効果をねらっておられるか、お伺いいたします。
○蓑輪政府委員 ただいまの合併採算につきましては、同じ管理者でないと非常にやりにくいという点もございます。現在道路公団が管理しております道路には、国道も県道もございます。道路公団は、今後の有料道路の建設の主力を全国の幹線自動車道の建設に充てたい、そのために、県道の有料道路というのは今後ほとんどできなくなるということも考えられます。また、そうなりますと、現在の公団が管理しております県道は、必要であれば早く県に移管して、それをもとにする——と言いますと語弊が出ますが、それと関連するような有料道路を合併採算にして建設するということも考えられますので、やはり県がそういうことが非常に望ましいと望む場合に、できるように法律を直した次第でございます。
○葉梨委員 その場合に、事務的な問題でございますが、引き継ぐ前の道路の建設に要した費用の償却であるとか、あるいは料金、あるいはまた、その徴収期間等については、そのまま移行するのか、そこら辺の点をお答え願いたい。
○蓑輪政府委員 道路公団から県に引き継ぎました場合には、これは原則としていまの料金の徴収期間とか料金そのままで引き継ぎたいというふうに考えております。
○葉梨委員 道路公団の話ではございませんが、首都高速道路公団のことについてちょっと関連してお伺いしたいと思います。 首都高速道路公団の一号上野線が五月三十一日に開通いたしまして、本町から北上野までの三・五キロメートルの延長がございますが、これが開通してみますと、下りでございます入谷から北上野に向かう車がたいへん殺到しまして非常に混雑しておって、三・五キロメートルを大体三十分かかって通過したという新聞記事を見たのでございますが、現況はどうでしょうか。混雑は緩和されてきましたでしょうか。
○蓑輪政府委員 入谷ランプと北上野のランプを五月三十一日に開設いたしました当初、非常にわれわれの推測が甘かったと思いますが、交通量が非常に多く、数日間は出口の先の街路の右折で非常に込みました。警察と相談いたしまして、右折を禁止いたしました。それで現在のところこの渋滞は緩和しておるというふうに聞いております。実はもう一本首都高速の六号線というのがございまして、それができれば、そちらのほうに行く方がその線に乗るということもございまして、その六号線ができない前に一号線ができたために、一号線の北上野ランプをおりてすぐ右折していく車が非常に多かったと思います。その辺は、いま言いました右折禁止をいたしますことと、早く六号線を開通いたしましてそちらのほうの車をそちらに回すということが根本的な解決になるかというふうに考えております。
○葉梨委員 そこで、この上野線の計画についてちょっとお伺いしますが、これは計画者はどこでございますか。
○蓑輪政府委員 上野線は、高速道路一号線ということに私ども言っておりますが、これの計画は、都市計画その他に基づきまして、建設省の都市局、東京都を含めまして、これの延伸を計画しておる次第でございます。
○葉梨委員 それは計画が決定しましたのは何年でございますか。それから計画決定後着工の年度と、両方お答え願いたいと思います。
○蓑輪政府委員 正確な計画決定と着工年度を調べまして御報告申し上げます。
○葉梨委員 私が新聞で読んだところでは、これは朝日新聞でございますが、昭和三十四年に建設省が事業決定を告示されて、昭和四十年に首都高速道路公団が着工しておる、こういうふうに出ておりますが、これは事実でしょうか、どうでしょうか。
○蓑輪政府委員 ちょっといま計画年度、事業決定の年度の資料がございませんが、四十年に着工したことは間違いございません。
○葉梨委員 そうすると、事業決定は、おそらく、三十四年でないとしても、三十四年前後だろうと思います。 そこでもう一つお伺いしたいのは、こういう計画を決定する場合に、首都高速道路公団がございますと、首都高速で計画を立てて建設省に持ってきて許可を受けるのか、あるいは建設省で計画を立ててそれを首都高速道路公団に指示してやらせるのか、そこら辺の計画あるいは認可等についての仕組みをお教え願いたい。
○蓑輪政府委員 こういう計画につきましては、最初から言いますと、これは都市計画の面も入れまして、建設省及び地元の東京都あたりの計画を練りまして、それに基づいて首都高速が実施計画を立てて建設大臣の承認を得るということになっております。
○葉梨委員 その事業決定の年次がはっきりいたしませんが、おそらく十年前だろうと思う。そして四十年から着工されたとしても、その間十年間に自動車の交通量というものは非常にふえたわけでございます。 そこでお伺いしたいことは、昭和四十年あるいは完成の前後二、三年の間にこの計画について変更するとかあるいはチェックするように指示なさったというようなことはございますか。
○蓑輪政府委員 その問題は、特にいまの東京都の中の交通量が非常にふえてくるということもございまして、この計画そのものを変更するか、またそれを緩和させるような別の計画にするかということもございまして、この計画そのものについては当初の計画で現在施工されておるものと思います。
○葉梨委員 私は一人の市民としまして、その点そうであるとするならば、たいへん遺憾だと思うのです。もう具体的にあのように混雑があった。そして、いまは多少混離が緩和されたといいますけれども、右折禁止ということは、右折して水戸街道に入る車が迂回しなければならぬという不便もある。それから直進車についてもいろいろ制約を受けるというようなことで、たとえばそういう交通規制のほかに、あのランプを、交差点をクロスして先でおろすとか、そして右折車については交差点の手前でおろすとかいうような手直しを、計画の段階で、あるいはもう着工しても最終的なランプができる前に、指示をなさるとか協議をなさるということが必要じゃなかっただろうか。百億の工費をかけて、その点、せっかくたいへんな事業費をかけてやるにしてはちょっと画竜点睛を欠いたんじゃないかということを感じるわけでございます。いま私が取り上げましたのはそのことで、国土縦貫高速自動車道路その他有料道路もこれからたくさん建設していただかなければならぬわけでございますが、いろいろわれわれが予想できなかった事態に対して、たとえばいまの首都高速道路公団の都内を回っておる環状線、羽田線、横浜線その他の、七、八年前の予想と比べて、たいへん交通量がふえて渋滞を来たしておるというような経験的な事実があるわけです。その経験的な事実を生かして、それではいまのこの工事についてはこうしろとかいう御配慮があってしかるべきではなかっただろうかということを申し上げたいわけであります。この点について、一々の問題について建設大臣が監督をなさるということは御無理でございましょうけれども、事務当局を督励してもう一歩突っ込んでくふうを加えてほしいということを御指示いただきたいと思いますが、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○坪川国務大臣 葉梨委員のまことにごもっともな御指摘でございます。私も実はけさ首都高速道路を通りまして閣議に臨んだのでございますが、あまりの渋滞で閣議に十分間も遅刻するというようなことに相なったことを率直に申し上げますが、そうした点を考えるときに、やはりこれらに対するところのいま御指摘になりました諸般の問題につきましては、今後の道路行政、高速道路行政の上において十分こまかい配慮をいたさなければならぬ。取りつけ道路の問題、あるいはランプの問題、あるいはその他工法の問題、線形の問題、あらゆる点をやはり細部にわたって十分考慮いたしながら、こうした重要なる幹線自動車高速道路の建設、設計及び事業推進に当たりたいということを十分関係当局にも指示もいたすべきであり、またいたしつつございますが、御指摘のとおりに私はそれぞれの立場で推進をいたしたい、こういう決意であることを表明申し上げて、御理解をいただきたいと思います。
○葉梨委員 ただいま御答弁のように、ぜひそのような態度でひとつこれから当たっていただきたい。 これで質問を終わります。
○始関委員長 次回は、来たる九日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十五分散会