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61回国会衆議院1969/07/02

建設委員会 第30号

発言数
173
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/07/02

会議録

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これより会議を開きます。  建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、おはかりいたします。  本案審査のため、本日、国立公衆衛生院建築衛生学部長小林陽太郎君に参考人として御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。     ―――――――――――――

始関伊平自由民主党

○始関委員長 山崎始男君。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 建築基準法のいろいろの質疑は、すでに同僚の皆さんからだいぶん御質問になりましたので、なるべく質問の重なるのを避けたいと思います。  まず私、大臣にお尋ねいたしたいことは、この建築基準法のねらいどころは大体三つある。まあその第一に、建築取り締まりの問題が一点と、あるいは防災、防火という、そういうものを防ぐねらいが一つある、いま一つは、都市の過密化に対する――どう言いますか、用途の純化をはかって、高度の利用をやる、こういう点が建設大臣のねらいの三つだというふうに承っておりますが、私はまず第一にお尋ねしたいのは、この取り締まりという問題なんです。この点に対して、その建築基準法上の取り締まりというのは、大体が指導行政の立場に重きを置くのか、いわゆる――どう言いますか、純粋にぴしぴし取り締まっていくんだという考え方に重点を置くのか、どちらに重点を置かれるのか。私は、本来この建築基準法の取り締まりという気持ちは、どっちかというと指導行政的なものに重点があるんじゃないかというふりに思うので、まず、この理念的な問題をお尋ねをしてみたいと思うのであります。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 山崎委員が御指摘になりました本法案の改正趣旨といいますか、改正に対する私の考え方は、問題点の三点におしぼりいただいている点と私は全く同じでございまして、いわゆる違反建築物の非常に乱れてきておるこの問題点、また、不幸な、防災あるいは人命尊重というような立場からくるところのこの問題に取り組むといりこと、また、都市化現象のこの時点においての有効なる利用促進を行なうこと、そうして他の法案との姉妹編、車の両輪のごとき立場で都市問題に取り組むという三点は、全く山崎先生と同じできいます。その段階、その問題を前提に置きまして、本立法の問題点として考えるべき問題につきましては、過般の委員会以来諸先生方から累次にわたって御指摘、御質問になり、また、その必要性を痛感しております。  違反建築物の是正指摘、この問題に取り組むということでございますが、私といたしましては、いわゆる違反建築物をなからしめることが最大の目標でございます。しかし、御承知のとおりに、司法権あるいはそれらの捜査権あるいは警察権というものを持っておりません立場からきますときに、われわれ建設省といたしましては両方を願わなければなりませんけれども、実際の運営の上において適切な効果を生ぜしめるためには、建設省は、行政指導に対します的確な指導と、また、これに対するきびしい方針を進めていくということが、とる方法の唯一の道であるとともに、これに並行いたしながら、司法的な立場から警察捜査その他に対するところの犯罪の適用等に対するところの行政を、やはり各省庁との連絡を仰ぎながら十分でき得る範囲内においてこれを適用し、また指導していく、こういうような二つの方針であり、またウエートはそうしたウエートを持ちながらこの問題に取り組んでまいりたい、これが私の偽らない気持ちでございます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 実は私こういう問題をお尋ねする理由は、大局から見まして、今度の建築基準法の三つのねらいの中の防災、防火、その他高度の利用というあとの二つの問題点においては、まあまあ多少進歩しておる点もあると思っておるのでありますが、私は取り締まりをするなという意味でこの質問をしておるのじゃありませんので、この取り締まりの点というものは、これはよほど慎重にやらないと、単純なものでないということを私は心配するから、いまのようなお尋ねをしたわけなんであります。運用を誤りますと、これは非常に大きないろいろな派生的諸問題が含まれておると私は思うのであります。と申しますことは、かつて局長の御答弁にあったように、違反建築件数というものは相当ばく大な数字に及んでおる。違反建築の一番多いのが無届けだ。その数が二万件をオーバーしておるのですね。二番目が建蔽率の問題。三番目が、たしか接道義務を怠ったという問題。そういうふうに日本全国で一年間に非常に違反件数が多い。ますます住宅難あるいは経済の変動、産業の変動というものによってこの件数はもっともっとふえていくだろう。したがって、行政庁としてこれを取り締まらなければならないという考え方はわかるわけであります。ところが、最初に私の気持ちを率直に申し上げておきますが、これは私一人申し上げるのじゃございません、大臣も御承知のとおり、いわゆる地価対策と住宅対策というものの貧困が日本の政治の裏にあるということなんですね。そういうふうな反面に、人間というものは、まず衣食住、自分の城を築くという強い執念がある。ところが、金を持っている人も持っていない人も、これまた非常な断層がありますことは、御承知のとおりだと思うのです。したがって、そういう人たちが、あるかないかの金をはたいて城をつくる。そういたしました場合に、反面に地価の高騰がある、思うように土地が買えない、せいぜい精一ぱい三十坪前後のものを買ったといたしました場合に、ただの一坪でも二坪でも建蔽率を、悪くいえばごまかして、家族は多いし、何とかしたいというのは、違反をやっておるからおまえ悪いじゃないかときめつける反面に、これは政治として考えなければならない今日の現実の問題だと思うのであります。したがって、土地対策、地価対策の貧困というものが政治の裏にある以上、その表に出てきた違反にも、いわゆる建売業者のごとく悪質な違反を犯しておるものもございますし、実際に違反の実態を調べて見ておる私らの知っておる建築主事といいますか、取り締まる側の人が違反をあげに行って実態を聞いた場合に、逆に涙を流すような状態がたびたびあるということを現場の人間から私は聞いておるのであります。おそらくそれは私は実態だろうと思います。したがって、私は、住宅政策や地価対策の貧困があるにかかわらず、取り締まりということに対するこれを重点的に取り上げたものの考え方でやられた場合に、一つの例をとりますれば、戦争末期あるいは終戦後に権力のある者はトラックでやみ米を運んでもつかまえられなかった。食べなければならないというので一升買いをしてひそかにやった者が、やみ米を買ったという罪に問われた。これは申し上げるまでもございませんが、こういうようないわば必要悪といいますか、やむにやまれない必要悪というものが、人間の城をつくるという気持ちの中にある。そこに建築基準法という法規がある。そういたしますると、これは私は絶えないと思うのであります。ますます数がふえていく。地価はますます上がっていく、国民の所得もふえていく、お城をつくりたい、ますます違反件数はふえる傾向にあると見て差しつかえない。したがって、局長の御答弁じゃございませんが、監視員制度というものまで設ける、それをだんだん広げていって大いにそういう違反建築のないように防ぐんだというおことば、これまたごもっともだと思うのであります。だと思うのでありますが、非常に考えなければならないのは、ただいま申し上げましたような面があるのではないか。そういう点からいいまして、そういう立場から私は理念的なことを実はお尋ねしたのでありますが、戦前はたしか建築行政は警察が所管だったと記憶いたしておるのであります。それが終戦後こういうふうな制度に変わったのでございますが、われわれが心配するのは、取り締まりに重点を置くというものの考え方、いまも言います必要悪という、底を流れたものがある、件数はふえていく傾向にある、こういう問題を非常に心配して実はいまのような最初の理念的なことをお尋ねしたわけなんであります。  そこで私は、その問題に関連いたしまして、パトロールをやります、監督をして歩く監視員、これは一体どのくらいの数をふやしていくのか。それからまた、確認申請の作業をやっております建築主事と申しますか、それのお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 現在全国で建築行政に携わっておる職員が約三千名おります。この中で建築主事の資格を持っておる者が七百人おります。建築監視員というのは今度新たに設ける制度でございますから、それに該当する者は、現在そういう名称を持った者はおりませんが、建築主事の補佐役で、そういう現場にも行って監視をするという仕事をやっている職員がおるわけでございますが、これらの者から建築監視員に選びまして任命するということで、全体の職員を三千名から三年ないし五年計画で四千五百名ないし五千名程度にふやしたい、こういうもくろみでおります。その際に、建築監視員の充実に重点を置いてまいりたい。建築監視員を千五百名ないし二千名程度任命したいと思いますし、それから、建築主事は現在七百名程度でございますが、それを千名ぐらいにふやしたい、こういうもくろみでおります。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 現在の違反の実態を私はある県で聞きましたが、やはり建築主事の不足で、ものさしではかるぐらい書類確認申請がたまっておる。全部が全部とは私は申しません。私が知っておる県ではそういうことを白状しております。書類申請がたまって処理ができない。大建築は別でございまするが、庶民の建築は、御承知のようにいなかの大工さんに頼む。つゆが来ぬうちに建てようと思って計画をして契約はした。ところが、書類を出しても全然おりてこない。何べんもお役所へ足を運ぶが、もっと待て、待てという。もうつゆが来たらたいへんだというような、日本のような四季の移り変わりの多いところではそういう例は多多あることは、御承知のとおりだと思うのですね。そういう面も非常に違反件数をふやしておる原因の一つに私はなるんじゃないかと思うのですが、それでいまのようなお尋ねをしたのであります。  そこで、今度新たに監視員制度というものが設けられたというのですが、いまのお話では、大体千五百人から二千人ぐらい数年のうちにこの監視員を置くというふうなお答えでしたが、現実にその監視員というものは、いわゆる特定行政庁を設置いたしましたところでは全部置かれることになるんだと思いますが、これまた、監視員が適任か適任でないかということは、非常にむずかしい問題だと私は思うわけなんです。この適任か適任でないかをよほど考えないと、これはいろんな問題が起こってくる。私は非常にその点を心配いたしております。第一、この資格というのは、どういう人が資格者なんですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築行政の経験があり、かつ、公正な判断のできる人、こういう考え方で、現在建築行政の事務に従事しております職員の中で、先ほどお答えいたしましたように、ある程度の経験を積んだという人の中から任命する、こういう考えでおります。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 どうも私、いまの答弁では抽象的過ぎて、ほんとうを言いますと、わからないのです。建築行政にある程度経験のある者で云々というのですが、もう少し具体的におっしゃっていただきたいと思うのです。といいますのは、先ほども言いますように、監視員というものは、末端においてパトロールをして停止命令が出せる、中止しなさいという権限を持つということなんですから、片方は、城を築くために一生懸命、低所得者層の家を建てんとするものの衣食住の住に関係したものが、監視員の資格のいかんによってどういう判断をするか、あるいはまた、これは日本全体によくあることなんですが、特に末端の市町村へ行きますと、市町村会議員が動き監視員に圧力をかける、かけられてイのものをロにするという例は、これはこういう制度の通弊なんですが、これが直接住民に関係しておるだけに、私は、監視員の資格というものを抽象的なことばだけでは納得できない、もう少し具体的におっしゃっていただきたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築行政に関し相当な実務経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる職員というふうに考えておりますが、この相当な実務経験というのは、少なくとも三年以上そういう建築行政に関連した業務に携わった経験がある者、それからやはり、御指摘になりましたように、いろいろこれは圧力もかかり、あるいは誘惑もある職責でございますから、そういうものに耐えて公正な判断ができるという、やはり人物として信頼のできる人でなければならないと思います。そういう観点から、県庁なり市に勤務する職員の中から選んで任命する、こういう考えでおりますが、御指摘のように、現場に行きまして単独で判断し命令をするという権限をゆだねるわけでございますから、その判断をする基準、これにつきましては、恣意にわたることのないように全国的に統一の基準を定めまして、これに基づいてそういう監視員になるべき候補者につきまして研修、訓練を行なうというようなこと、そういうことによりまして、これからも養成をし、かつ基準を統一して扱いに甲乙のないようにする、こういうことでその適任者を得ていきたいと考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 ある程度はっきりしてきたのですが、建築関係に三年以上経験があるとおっしゃったのですが、私実は心配するのは、財政豊かな大都市ならいいのですが、これが末端の市町村へ行きますと、新たにこういう制度が設けられたといった場合に、へたをすると、財政上の問題からもその他の点からも、いわゆる手っとり早く消防署の――各市町村には消防署がございますが、消防署の人間に便宜主義的に監視員という資格を与えるようなことがあるのではないかというようなことが考えられるんですね。そこで、いま三年以上の経験というところで、手っとり早くそういうふうに便宜主義的に市の職員である消防署の人間を使うということはチェックできるような気がするのですが、そう理解してよろしいですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 この基準は政令で定めることにこの法案でなっておりますので、政令でそういう先ほど申し上げたような基準を定めますと、これは各特定行政庁ともそれに制約を受けますから、三年以上の経験となれば、それ以下の経験のない者を任命するということはないわけでございます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 その監視員の資格の問題はある程度理解できました。私はさっきのようなことを心配したからお尋ねしたのですが、いずれにいたしましても、心要悪という面を多分に持っておるだけに、それを取り締まる衝に当たる者の人選、これはよほど慎重に選んでいただきたいと思うわけです。  それから、断片的なお尋ねなんですが、よくわれわれが体験いたしますが、二車線ぐらいな国道が、民家が密集したあとからできた。そうすると、最初あった民家は、国道があとからできたのだから、それは別として、国道ができたあとで八百屋さんが建ったとか、いろいろな商売人がほとんど国道一ぱいに建てておる。そういたしますと、皆さん方も御経験のことだと思うのですが、バス一台が大きなおしりをして前へ停車したとしたら、日本の二車線という国道はあとは流れがとまることは、御承知のとおりなんです。八百屋さんなら八百屋さんというのは、国道一ぱいに建てておる。そこへ、八百屋という業種である以上、その他物品販売業である以上、何かやってくる。配達する中型のトラックがやってくる。荷をおろすまではどこを使っているかといったら、国道を使っているんですね。そうすると流れがとまる。これは道路という立場からいえば建設省の道路局なんですが、建築基準法でこういうものを防ぐというものの考え方が今回の改正で出されておるのかどうか、その点をひとつ伺いたい。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 御指摘のように、道路側でもいろいろ施設をし、あるいは駐車場その他の取り締まりを行なうべき面もございます。しかし、建築側から申しますと、一つは、大ぜいの者が出入りするような、すなわち、映画館であるとか劇場であるとか、あるいはホテル、こういうような建築物を建てる場合に、一定の幅以上の道路に面してつくらなければならない、つまり、狭い道路に面してつくってはならないという規定がございます。また、それらの施設は、観客が一度にどっと出るというようなことがございますから、道路から入り口がある程度離れて、余裕を持って建築しなければならないという趣旨の規定もございます。これらは、その町の状況等によりまして、こまかい基準は条例で定めるというきめ方になっております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 いまお尋ねした問題は、日本の国道政策といいますか、それと建築基準法との両方が考えなきゃならぬ問題じゃないかと私は思うのです。いまあなたのおっしゃった特定建築物の、バーであるとか、映画館であるとか、百貨店であるとかいうものは、二車線やそこらの道に筒一ぱいに建てるばかはおらぬのです。必ず駐車場が要るんです。ほっておいても引っ込めて建てますよ。私が言っておるのは民家なんですよ。それが国道ができる前に建っておるものはしかたがございません。あとから国道が割り込んできたんですからね。しかし、できたあとにどんどん建っていっておる。地方の中小都市の郊外方面でもだんだん道ができ、民家が建つ。これは自然の原理でございますから、その点の立場からお尋ねしておるのであって、いまあなたがおっしゃった特定建築物のことを言っておるのではない。八百屋さんなら八百屋さんが、あとからできておるのに道一ぱいに建て、しかも、へたをしたらミカンの箱、リンゴの箱を並べるのに歩道のへりまではみ出してきておる。これはあらゆるところで見受けられる現象なんです。そこで、国道ということである以上、天下の公道に建築基準法の制約というものが何がしかなければならぬと思う。建蔽率という問題についても、そういう特別に主要な道路のへりでは、建築基準法上当然考えられていいのではないかと私は思う。昭和二十五年に建築基準法ができたが、それ以前から建っている民家は、四メートルの道路がなくても、一・八メートル以上の道路があるならば、その中心点から二メートル引いて云々、これはいまの防災、防火というようなことを懸念されておるのだと思いますが、二十五年以前からあるのではない、最近建つ施設があるが、そういうものに対して私がいま言うのは、防火、防災ではなくて、国道そのものの流れをチェックしているところに非常に問題点があるということです。これは当然建築基準法の中でそういう特別のケースのものは別個に取り上げて規制を加えるべきではないか。それだから、今回の改正法で改正をやられるなら、道路局とこういう面について考慮してしかるべきではないか。われわれは苦い交通上の経験を経ている観点から、この基準法の中でそういうふうな大切な点が落ちているのではないかという気がしたので、お尋ねしておるのですが、建設大臣の御意見をひとつお願いいたします。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 御承知のとおり、国道等の道路政策の上において、歩道の設置と歩道の拡幅整備ということが、いまの交通安全を守る意味においても非常に大事な問題であるということで、歩道の拡幅整備につきましては、ある程度力を入れました四十四年度の予算配慮もいたしておるような次第であります。したがいまして、そうした道側の立場から考えての配慮と、また人の出入り等からくるところの住宅に対するところの配慮というような両方からいたしまして、いま御指摘になりました点等については今後十分行政指導をいたすべきは当然でございますが、そうした非常に交通のひんぱんな激しいところの家の設計その他に対するあり方なども、私たちは建築指導の場合においては十分配慮いたしながら指導していきたいと考えておる次第でございます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 ただいま大臣がおっしゃったように、それは歩道があればあまり問題はありません。ところが、国道でもいろいろ種類がございますが、歩道のない国道は一ぱいございます。私がいまお尋ねしているのは、そのない分で常にわれわれが日常生活において苦い体験というか、苦々しく、これが一体国道かという感じがいたしますもの、国道が国道の用をなしておらぬ。それは反面に、いま私が言うたような、建築基準法上当然考えてよい、そういう歩道のない国道のへりは何メートル引くとか、それを建蔽率に加味してでもとにかく道を有効に使う、いわゆる公の道なんでありますから、それを有効に使うという立場で、今度建築基準法の責任になってくるのじゃないか。今回の法改正でこういうことを落としておるということは非常な盲点だと私は思うのです。それで私お尋ねしておるわけなんですが、これは大臣、あなたはいま歩道のことをおっしゃいました。けっこうです、これはぜひやらなければいけません。と同時に、歩道のないもの、もうすでにつくろうにも歩道のできない国道、そういうものに対して、いまのような、国道は国道としての重要な機能を発揮するように、これは建築基準法でチェックするのが役目じゃないか、義務じゃないかと私は思いますので、これはひとつ十分御配慮願いたいと思うわけです。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 全く山崎委員御指摘のとおりでございます。したがいまして、盲点といいますか、これらに対するところの不幸な現象をやはり十分考えまして、歩道の拡幅整備、あるいは国道におけるところの側道というような点もどうすべきかという点、あるいはまた、避難といいますか、非常に緻密な住宅等のところに対する、いわゆる危険防止の立場からくるコンクリートの除去、あるいはその他レールなどを敷くというような点でも配慮いたしてまいりたいと思いますが、それとともに、やはりいま御指摘のありましたこうした盲点に対するところの建築基準というものの立場からくる建築の指導というものについては、ごもっともな御意見でございますので、今後そうした建築行政についてはこの盲点の問題等を真剣にとらえながら指導をいたすように私は指示いたしていきたい、こう考えております。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 いわゆる接道義務の関係の四メートル以上云々という問題に関連いたします私道の問題、これも同僚の皆さんからお尋ねがあったのですが、私はこの苦い経験を持っております立場から一点お聞きしたいと思うのは、これは家を建てるためじゃございませんが、私が住まっております近所の五軒ばかり裏に、昔、堀があった、その堀を四十年ほど前に埋めて宅地に変換した。ところが、その堀を埋める前にもうすでにずっと堀の南側一ぱいに家が建って、へいが建っておる。その北側の堀があったのを埋めて宅地にした。したがって、家を建てるために道をつくったのじゃございませんが、その間に長さ百五十メートルばかり、五軒ほどで一緒になって堀を埋めて宅地にし、道がおのずとできていって、きょう現在では四メートル近くのりっぱな道に自然となってきている。そうしますと、その北側のたんぼを埋め立てて、建築基準法の問題に関連するのですが、建築が許されている。それで、その百五十メートルほどの私道というものは、その東西に持っていっていわゆる市に籍のある市道というものがある、それに連絡をしている。きょう現在では不特定多数の者がもう堂々と通っておる。中型のトラックぐらいも通っておる。こういう現状になっておりますのにかかわらず、税金だけはいまだに四十年ばかりわれわれは払っておるのが現実なんですね。こういう例から見てみましても、この私道の問題というものは、これは今後の都市周辺――都市計画なんかされて新興都市で幹線道路がついた、そのへりへ家が建つ、少し奥のほうのたんぼに家が建つ、しかし道はない、結局私道をつくらなければならない、こういうふうになって、この私道がこれからの都市づくりに果たす役割りというものは、かなり大きな役割りを持っているのじゃないか。ところが、接道義務という義務を負わしておいて、それが四十年間も――先ほどの例は接道義務の問題じゃありませんよ。四十年間も放置しておる、使っておるのは市道と同様の役割りを私道が果たしている、税金だけは個人が持っている、こういう現象があるという立場から、私はおたくのほうの関係の接道義務の問題で――これは小さな問題だと思ったら私は大間違いだと思うのです。それを、税金の負担に耐える者は四十年でも五十年でもよろしい、しかし、私は、新興都市あたりの市街地の、ちょっと市外に出れば農村だ、家は建てたい、自分がたんぼを持っておる、たんぼを宅地変換をして建てようとする、四メートルの道がない、しかたがない、基準法違反になるからつくらなければならぬという場合がたびたびあると思うのです。特に市街地に接近した農村地帯ではそれが非常に多いのじゃないか。こういうときに、いままでの接道義務という義務を負わしておいて、つくったものに対して、いま一つの例でございますが税金問題を私は引きましたが、当然維持管理の問題もありましょう、この面に対して私は、これは建築基準法で接道義務というものを負わしている以上は、こういう矛盾点は解決していかなければ庶民はだいぶ困ると思うのであります。こういう点に対する大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思うのです。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 私道の問題、私は、広義な立場に立って非常に重要な問題点がいろいろ伏在しておるということは、都市再開発法を御審議いただいておるときにも、十分この問題についての広義な問題点のあることを承知もいたしており、また、これに対する対応策もやはり十分しなければならぬ。いま山崎委員からも御指摘になりましたように、いわゆる都市再開発あるいは都市計画の推進、運営等に関連いたしましては、非常に細分化していく都市現象を思うときに、この私道の問題についてはどうあるべきかということはやはり十分考えなければならぬ、こういうような点を私は計画局あるいは道路局等に通じまして、十分指示をいたしておるような気持ちであります。そうしたことで、いま山崎委員の御指摘になりましたお話については、十分私も関心を持ちながら拝聴いたしておるような次第でございます。いわゆる固定資産税等におけるところの減免措置等もでき得ますので、これなどを十分心得てひとつやってまいりたい、こういうような気持ちであり、計画であることを御了承願いたいと思います。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 この問題は小さいようで私は非常に大きな問題だと思いますので、ひとつ大臣も自治省やあるいは大蔵省あたりとよく御相談なさって、接道義務を負わされておる私道というものは、一ぺんにそれを公道に買い上げさせるとかいうことはむずかしいとすれば、五年なら五年以内には地方行政庁はそれを買い上げるとか、あるいは維持管理をもう移すのだというようなことは当然やっていただかなければ――たまたま私が自分で体験をしております――接道義務ではございませんが、いまのような例、四十年間から税金を払わされておるということなんですね。こういうことをこのまま接道義務を負わしておいて放任しておくということは私は非常に遺憾なことだと思いますので、いまのようなお尋ねをしたのでありますが、これはぜひ大蔵省や自治省なんかとよく御折衝になってやっていただかなければ困る問題だと思いますので、特にお願い申し上げておきます。  それで、いま一点、これも特別な例だけ私申し上げるのですが、住宅地域なんかに指定されております新興都市あたりで、自分の家があった、ところが、それが近所の工業地区へ行って工員さんとして板金なら板金というようなものの工場へ行っておった、自宅でもひとつ家内工業的に、いわゆる勤務が済んだあとで、自宅の土間を落として、あるいは納屋を建てて、そこで夜なべ仕事にというので、親子二人ぐらいやるような状態が実はずいぶん起こっておるのであります。そうすると、おたくのほうでは――これはいまも言いますような例でございますから、モーターなんかも非常に小っちゃくて済みます。しかし、かんかんちんちんとんとんという音はやはりするのであります。これは、いわゆる建築基準法ではいまの用途の指定というようなことで分けておられますが、あとからそういうものが出てきておるのは新興都市の通例なんですが、こういうものはどういうふうな関係から規制していくのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 先生御承知のように、住居地域内におきましては、ごく小規模な工場は許しておりますけれども、特に音を出すとか、においを出すというような工場は禁止しておるわけでございます。ところが、そういう建物を工場として建てるときは、その建築確認だ、何だで押えますけれども、一たん住宅として、あるいは小さな倉庫としてできておったところに、モーターを持ち込んで、あるいは工作機械を持ち込んで工場にするという場合はどうかという御指摘でございます。建築基準法は、建築を行ないます際の規定にとどまりませんで、それが後々適法に維持管理されておる必要がございます。したがいまして、御指摘のように、基準法に許されないそういう機械類を持ち込んで工場を始めるというようなときには、あるいはそういう状態が起きたときには、これが違反建築ということで建築監視員等の摘発を受けるということに相なるわけでございます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 そうすると、今後はそういう例は監視員の取り締まりの対象になるわけですか。――わかりました。  最後に、これは直接建築基準法の関連ではございませんが、間接的には大いに関連がございます。都市再開発法でああいうふうな幕切れになったものですから、私もちょっと質問しそこねたわけなんですが、一点だけ大臣にお尋ねしたいのです。  教育大学をはじめとする国家研究機関をあの筑波山ろくへ持っていって十六万の新興都市をつくるというので、十カ年計画でやっていらっしゃる、これは一つの都市再開発につながる問題であると思うのでありますが、この東京都の現状を見た場合に、私は常に思うのですが、これで万一大地震でもあったら一体どうなるのだろうか。過密過密という今日の状態、毎月毎月の人口増、これがいまの政治では――無制限というのは極端でありますが、ほとんどこの人口増というものは避けられない状態で放任されている。そういう立場から、これは住宅政策、地価対策というような問題にもつながるのでありますが、住みよい大都市をつくるんだという立場からいいまして、かつて、だいぶ昔のことでありましたが、松永安左エ門氏が東京湾の埋め立てという構想をたしか発表したような記憶を私は持っております。私はひとつ坪川建設大臣にお願い申し上げたいのは、副都心をつくるという立場から今日の東京湾がどういう役割りをしておるのか私はよく知りませんよ。知りませんが、これを埋め立てるかという松永氏流の考え方を、政治家であるならば、長期にわたってもいいのですが、打ち立てて、いわゆる大都市のほんとうの再開発というようなものに資する御計画があってもぼつぼつよい時期にきているのではないか、ほんとうを言えばおそいのではないかという気がいたしますが、いわゆる政治家としての長期展望に立った――この人口一千万以上の大東京都の万一地震その他の災害というものを考えた場合に、実際身の毛がよだつような気がするのですが、そういう関連からも、住宅政策の上からも、あらゆる立場からも、これは地価対策にも関係あるでしょう、ひとつ御構想をお聞かせ願いたいと思うのです。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 山崎委員が、現在のまことに過密化しつつある都市への人口、産業その他の集中による無秩序な現象を憂えられましての問題点を指摘されました点、深く敬意を払いたいと思うのであります。  私も、大臣に就任いたしまして以来、この問題については深い関心といいますか、ほんとうに真剣になって、リーダーシップを政府がとりながら、勇断をもってこれらの問題点に取り組むべきであるということを痛感いたしておる一員でございます。そうした立場から、私は、一時立ち消えとは申しませんでしたが、消極的な姿で非常に国家的な大事業が進展し得なかった筑波山ろくにおけるところの移転計画等についても、御承知のとおりの、ああした地元の村長さんたちが二、三名も自殺されていって、そうして土地を提供していただいたことなどを考えると、政府はこれにこたえるだけの積極的な姿勢を示すべきである、こういうような判断をもちまして、私は閣議その他を通じて発言いたし、各省庁との連絡も密にし、総理の指示も得まして私も現地に出向きまして、知事、地元側の協力に対するお礼の気持ちも表しながら、問題に取り組んだ気持ちもここにありますので、おかげさまで具体化をいたしまして、前期における十三機関の移転も決定いたしたような次第でございます。こうしたことは、やはり都市化現象に対する公有地の活用その他からくる土地、地価、住宅問題に関連する一環として私は考えているような次第でございます。  いま御指摘になりましたいわゆる東京湾の埋め立ての問題、これも私は非常に重要な問題だと考え、就任以来、この問題については、私は計画局、都市局等を通じながら、この問題に対する具体的な――というところまではいきませんけれども、いま私が構想を打ち立てておりますのは、湾岸道路、いわゆる東京湾を一体に結ぶところの、千葉から神奈川に至るまでの湾岸道路の建設とともに、千葉と神奈川を結ぶところの架橋の問題、これらを基本の政策に東京湾開発の一環としての重要な問題点として最初に手をつけてまいりたい。それとともに、いま御指摘になりました埋め立て問題等につきましては、前向きの姿勢をもって国家的な大事業としての二十一世紀に通ずる未来像の首都圏整備に関連する総合開発の点からも私は考えるべき重要な問題点としていま取り組むよう配慮をいたしておることを御理解いただきたいと思います。全く同感でございます。

山崎始男日本社会党

○山崎委員 以上です。同僚委員がおりますから……。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 先日時間の関係で質問が残っておりますので、その点につきまして質問申し上げたいと存じます。  まず第一番に、大臣にお尋ねいたしたいのでございますが、政府職員が党の審議会あるいはまた政調の懇談会等のメンバーになることは、私はどうも似つかわしくないと思うのでありますが、大臣はどのようにお考えになっておりますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 たいへん恐縮でございますが、いわゆる政府職員において党の審議機関あるいは調査会の委員等のメンバーに加わることは好ましくない、こういうような問題でございますか。――問題の内容によりますが、いわゆる公務員の立場から見て、これの内容がどうあるかというようなこと、あるいは政党活動、政治活動の関連性、一貫性のある問題であるか、いろいろの点がございますので、私といたしまして、いま直ちにこれらに対してどうあるべきかということについての結論はまだ出し得ないということはひとつお許しを願いたいと思うのでありますが、具体的な問題点をまた御指示をちょうだいすれば、それはまたそれとして考えてまいりたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし、政党の政策を立案する、あるいはまた、政党独自の政策を立案する過程において政府職員が関与するということは、私は好ましくないと思います。それは、参考人として出席するとか、あるいは意見を述べるというのでありましたならばいいけれども、その重要メンバーとして参加するというのは、私は好ましくないと思うのでございますが、どうでございますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いわゆる重要な国政の一環としまして法案の立法措置を講ずるとかいうような点で、それぞれの職員の行政的な問題点についての意見を聞いたり、あるいはこれに対してどうあるかというようなことの意見を聴取する、あるいはそれに対する意見を述べるということは、私は差しつかえないのじゃないかと考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 その点においては私はかまわないと思うのです。しかし、このたび、昨日の読売新聞に発表になりました、都市問題懇談会というものを自民党がつくられ、その中におきましては、学者はだれとだれとだれだれ、それから政府側としては志村清一、川島博、竹内藤男、大津留温、宮崎仁、党側としては瀬戸山都市政策調査会長以下党関係部会長ということが新聞に出ているわけです。こういうのは公務員としておもしろくない――というよりは、むしろ公務員として禁じられておる行為だと思いますが、どうでございますか。御存じございませんか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 私も新聞を通じて散見いたしておるのでございますが、ぎょうぎょうしいといいますか、活字となっている姿と、現実の上において協力する立場との内容という問題は、おのずからまた別個になるものでございます。新聞の活字の上に出ている委員ということが大きく響いているようでございますが、いわゆる助言あるいは提言、あるいは問題点を解明するというような姿で、軽度といいますか、あまり重きを置かぬといいますか、委員を嘱託す、よって何々をするというようなことでないということを私は期待をいたしておりますので、そうでもないということも私は考えておりまして、前段の活字のほうにあまりウエートを置かぬほうがいいのじゃないかというふうな気持ちを私は持っておるようなわけであります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、あなたは活字に重きを置くなと言いますが、日本は法律でも活字で書かれているのですよ。われわれは活字によって実態を知るわけなんです。この新聞記事にいたしましても、あなたは御存じですか、そしてこれが好ましい姿だと思いますか、どうですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 したがいまして、私は大事な井上委員の質問に決して軽々におことばを返すような気持ちで答弁申し上げるのじゃなくして、各党が政策を立案するときなどに、当事者の考え方はどうだ、どういうような現況であるかというような諮問に対する提言といいますか、解明を求めるというような立場で各党へ協力態勢をとるというのはいいのじゃないか、私はこう思うのであります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 だめだよ、大臣、そんな答弁じゃ。「三十日、学者、民間業者、政府、自民党の四者からなる「都市問題懇談会」を設置、七月四日午後四時から党本部で初会合を開くことになった。」こう出ているのですよ。そうして委員の顔ぶれはかくかくということになっているのです。これは望ましい姿と思いますか。あなたはひとつ具体例を示してくれとおっしゃいますから、具体例を示しておるのです。こういうのがはたして公務員として適格なのか。公務員というのは……(「おれらも公務員だ」と呼ぶ者あり)われわれは特別公務員だ。公務員は政党活動をしてはいかぬ。公正に国民に奉仕しなければならないのですよ。(「社会党からも政審に来いといえば行くよ」と呼ぶ者あり)そういう形じゃないですよ。正規の委員に任命せられておるじゃないですか。委員はかくかくだと書いてあるじゃないですか。(「だれが任命したんだ、新聞に載っておるだけじゃないか」と呼ぶ者あり)新聞に載っているのと違うのですか。これは、大臣、この実態を御存じなんですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 その記事は私も拝見いたしました。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それでは大臣、これが実態に即しておるものと違うのですか、どうなんですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 私のそれを見ましての解釈は、先ほども申しましたように、各政党の間でやはり問題点を研究し、あるいはこれに対する討議をいたす場合には、政府側も呼んで、政府側の意向というものはどうと、各党がいろいろとディスカッションされる、そうした軽いものだと私は解釈いたしておる次第であります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 軽いものじゃないと私は思う。学者と民間業者と党と――党といいましてもこれは自民党、それと政府の役人ということで構成せられておるのですよ。(「何でいかぬのよ」と呼ぶ者あり)公務員法を読みなさい。これであなた方はいいと思っているのですか。住宅局長、あなたはこれに対してどういう立場でこれに参画せられるか、あるいはまた、どういうような立場でやっておるのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 私、実は新聞も見なかったわけでございますが、自民党のほうからまだ何らのお話も承っておりません。もしお話がございましたら、その御趣旨なり、私どもをどういう立場で参加をお求めになるかということをよく伺いまして判断したいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 関連して。どうもおかしいのは、大臣、あなたのもとにある局長が、自民党の党機関の都市政策懇談会の委員に任命されておるのですよ。この新聞によると、委員として任命されておるのですよ。これは人事院規則によってあくまで禁止せられておることです。こういうことが、たとえば真偽がどうであるのか、こういう重大な、国民に疑惑を与える問題に対して、ただすのが当然じゃないですか、新聞記事が間違っているなら間違っていると。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いま住宅局長も申しましたごとく、いわゆる正式に何々を委嘱するというような辞令を出されるとか、あるいは何々の委員に任命するとかいうような問題でなくして、いま申しましたように、いわゆる各政党が各問題点を十分討議しあるいはディスカッションするときなどに呼ぶ、私はそうした軽いものとして解釈いたしておるような次第でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 軽いとか重いとかじゃなくて、自民党の党機関の中に設けられる委員会に政府役人が、あなたの指揮下にある局長が任命されておる。   〔発言する者あり〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 静粛に願います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 そういう自分の部下、あなたが監督しておる部下が、こういう自民党の委員に任命されておる。この記事が間違っておるとするなら、取り消すなり、真相はこうだ、こういうことを明らかにして、誤解のないようにき然たる措置をとるのが当然だと思います。井上委員から質疑を受けて、真偽の内容もたださない、これは重大な問題じゃないですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いろいろと誤解をされても何でございますから、よく党の意向なども聞きたい、こう思っております。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 もう一つだけ。局長、あなたはこの新聞記事を見てどう考えられますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 どういう立場で参画を求められておるのかを伺いまして、その上で判断いたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 特にこの際大臣は、こういうようにあなたの監督する部下が、ともかく公務員法あるいはまた人事院規則に違反することのないように、ひとつ厳重に注意されたい。  そこで、大臣にお伺いするのですが、このたびの建築基準法の改正案につきましては、まず第一番に、四十二年十月の九日に行政管理庁が勧告を出しております。この勧告によって執行体制が組まれたものと私は思うのでございますが、行政管理庁というところは、なるべく人員を減らさせ、簡素化をやらそうというところであるにもかかわらず、建築行政については、特に人員、財政ということを考えろとここに述べられております。この点についてどのようにあなたはお考えになっておられるのか、どの点を取り入れられたのか、ひとつお伺いいたしたい。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 昭和四十二年十月九日に、行政管理庁の勧告を受けておるような次第でございます。私どもはこの勧告の線に沿ってそれぞれの配慮をいたしたような次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それでは一つずつお伺いしましょう。  これにのっとってやられたとおっしゃるのでございましたならば、財政措置はどうされたのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 人員の増強並びに物件費の増加が必要でございますので、地方交付税の配分にあたりましては、その点を十分織り込んでもらうように自治省に交渉し、その旨の確約を得ております。こういうわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 どんな確約ですか。交付税の対象になるのは、財政需要額にはこれこれという、人口幾らといって、行政費目がずっとあらわれておるはずです。それをどの部分をふやすようになっているのですか。需要費のどこをふやすようになっているのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 人員の増加並びに事務費、物件費の増加を計算いたしまして、四十五年度におきましては総額六十四億余の金額が必要であるということで自治省のほうに要求しておるわけです。自治省のほうは、もちろんこれをいろいろな観点から検討して査定をすると思いますけれども、しかし、基準法の改正に伴う人員の増強、また物件費の増加、これは当然必要であるという前提のもとにこの増加について検討してくれという約束になっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 この物件費の増とかいうのは、自然増の場合は認めるのはあたりまえの話でございます。むしろ、監視員制度というような制度を法文上うたったときにこれを出してこなければならないと思うのです。需要額の中に入れなければならない。それには、法的な根拠をはっきりと示さなければならないと思うのです。それができないのじゃないですか。それが一つ。  それから、先日資料をいただきましたが、建築行政費の収支が、交付税で見ておると実際要っておる金額との間に非常に大きい差があると思います。これをどういうようにして埋めるかということが、建築主事なり、あるいはまた監視員なり、あるいは建築行政に携わる職員の量の確保、あるいはまた待遇の改善につながると思うのです。それがいまのところ地方特定行政庁から持ち出しになっておるじゃないですか。どうでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 来年度におきましては、改正法によりまして、人口二十五万以上の市が特定行政庁に法律上なります。また、人口十万以上二十五万未満の市におきましても、その一部を特定行政庁になるように指導しまして、大体二十市程度を特定行政庁に持っていきたい。これは四十八年を目標に逐次拡充していくという計画でございます。こういう計画に基づきまして、それらの新たに特定行政庁になりましたところの所要人員、また、すでに特定行政庁になっております府県そ他の市におきます人員の増強、これらが必要でございますので、そういうものを積算いたしまして、先ほど申しましたような金額を要求している、こういうことでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 要求しておるのであって、実際に特定行政庁がそれだけふところに金が入るのじゃないのですよ。あなた方は自治省に対して要求いたしましても、法的根拠がはっきりしなければ、交付税の需要額の算定の基準の中に入らないでしょう。どうです、その点は。でございますから、もう少しはっきりと書き込めということを私らは要求しておるわけです。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 都道府県が建築行政をやることは法律上明らかでございます。それから二十五万以上の市が義務づけられる、法定特定行政庁になる、これも今度の改正でなるわけであります。それ以外の市町村におきましても、知事と協議の上、特定行政庁になることができるというたてまえ、これは御承知のとおりです。そういうたてまえに従いまして、建設省の指導によって、二十五万未満の市におきましても、計画的になるだけ特定行政庁にしていく、その法律上の義務並びに行政指導に基づきまして、それに対応して所要の資金が必要になってくる、このたてまえ並びに基本的な方針を自治省としても了承いたしまして、それに必要な財源は地方交付税でめんどうを見るという基本的な線につきましては約束ができておるわけであります。具体的な積算につきましては、これはいろいろ検討、審査を加えられて、査定ということももちろんあり得ると思いますけれども、そういうことで、来年度におきましては六十数億のものを一応必要だということでいま自治省と折衝しておる、こういうわけであります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それでございましたら、局長、昭和四十五年には建築行政費は地方から持ち出しはない、こう考えて差しつかえはございませんね。それはお約束できますか、どうですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 本年度に比べまして相当増額し得るものと期待いたしておりますので、地方交付税で見ました額で十分処理できるというふうに考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それでは、地方交付税で見ただけで十分に四十五年はやっていけるということを、あなたはここでお約束できますね。そう私どもは期待してよろしゅうございますね。――それでは、その点は終えたいと思います。これは来年になってみればよくわかるのでございます。  それから続いては、「建築主事その他関係職員等による建築基準行政の適正な執行について、特定行政庁に対する指導を徹底するとともに、これら職員の養成研修制度の確立について検討すること。」ということが行政管理庁から出されておる。この点はどうなんですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 先ほど山崎先生の御質問にもお答えいたしましたが、現在建築行政に携わっておる約三千名の職員がございますが、建築監視員を中心として来年度は増強していきたい。その場合には、建築監視員が現場においていろいろ取り締まる、あるいは命令を出す、その場合の扱いの基準というものを全国的に定めまして、それにのっとって行なうように指導いたしますとともに、建築監視員並びにその候補者について建設省で研修をいたしまして、その取り扱いの要領といいますか、取り締まりの要領につきまして十分訓練をいたしたい、こういう計画でおります。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 関連。先ほどの井上委員の質疑の問題でもう少しお聞きしておきたいと思いますことは、たとえば労働基準法、労働組合法、建築基準法、これを交付税の中においてちょっと比較してみましても、たとえば建築審査会の委員長は一回に二千円、一年に出る経費は、二十回で四万円になる。片方、労働委員会の場合におきましては、別に労働基準法を守るための基準局なり、あるいはまた監督署がある。それは別にいたしましても、労働法による不当労働行為その他の関係をやるところの労働委員会の会長は月四万円。ですから、年間四十八万円というわけですね。同じ建築審査会の委員長が一回二千円で、二十回しか開かれないだろう、四万円しか出ない。片方は月に四万円もらっておる。これは問題にならないじゃないですか。委員の場合にいたしましても、一回千五百円だ。六人だ。二十回で十八万円である。片方におきましては、御存じのとおり月三万五千円だ。十一人も認められておる。こういうこと一つ比較いたしてみましても、行政委員会組織をとっておる労働委員会に対する手当は、職務を執行していくために当然受けるところの委員会に対する需要額を見られておりますね。片方においてはこういう形だ。しかも標準団体におきましては建築審査会が重要な役割りを果たす。今度の基準法の中におきましても、執行体制の強化だとか……。しかし、四十三年度における現況交付税の中身を見てまいりますと、これはてんで話にならないじゃないか。大臣、こういう点についてどうお考えになられますか。百七十万の県、この標準団体におきまして、二十回しか開かない。しかも一回は二千円だ。たった二千円ですよ。それを年間二十回しか開かないのだ。もちろん、委員も二十回だ。委員のときは一日かかって千五百円だ。しかも、確認だとか、その他建築審査の権限として持たれている事務の内容の重大性がある。片方は、非常勤であって、この人に対しまして一月四万円保障しておる。委員には三万五千円だ。この人たちはそれぞれ職業を持っておりますから、別途にこれだけの手当が出ているわけですね。これぐらい大きな問題がある。しかも、労働基準法違反に対しましては、労働基準局あるいは監督署がそれぞれ県にあるわけですね。そのほかになお労働法に対して審議する労働委員会の委員に対しましてこういう手当が出ている。これは全然違ってしまっているじゃないですか。先ほど井上委員が指摘したように、地方財政の持ち出しになるのかならないのか。人権問題なり建築違反の問題なり重大な問題を審議する権限を持っておる、同意を与えなければならない、聴聞会を開かなければならない、こういうことが義務づけられておる委員会が、わずか年に二十回しか開かないということを前提として組まれておる。労働委員会の場合は、非常勤でありますけれども、委員長には四万円、委員には三万五千円ですから、常時、問題があればかけつけるような体制になっている。これは全然違ってきておるじゃないですか。ですから、行政管理庁あたりでも、この問題を明確にしなければ地方財政の持ち出しになるではないか、いわゆる機関委任事務として権限を委譲するという場合に、こういう問題が起こるのじゃないかという点を指摘しておるわけです。収入面を見てみまても、三分の一は確認申請の手数料をもって満たしていく。しかも片方におきましては収入面は一つもないのですよ。労働委員会をやっていくための収入というものは見ていないのです。歳出はありますけれども、収入はない。こちらにおきましては、三分の一は確認手数料でやっていくんだ、こういうことになりますから、どうしても二千円などという数字が出てくるわけでしょう。この仕事は機関委任事務として当然全額を持つのだ、あるいはそのうちの三分の一を国が持つのだという特定財源を与えなければ、こういう問題は自然に発生してくるのじゃないですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 御趣旨のほどはよくわかるのでありますが、御承知のとおりに、それぞれの性格があります。いま御指摘になりました労働委員会のほうは、やはり一つの執行体制としての執行機関であり、私どものいま考えておりますこれにつきましては、諮問というような立場でございますので、性格の上においてはいささか違うのではないかと思っておる次第でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 建築審査会の任務、これを読んでみなさいよ。諮問じゃないですよ。諮問もあります。都市計画やその他に対して諮問もいたしますけれども、いわゆる九条によりますところの聴聞なりその他、あるいは九十四条によりますところの審査請求に対して裁決をやらなくちゃならぬでしょう。こういう重大な権限を持っておるのですよ。いわゆる工事中止命令、これを出すためには建築審査会のなにが要るわけでしょう。是正命令、移転命令、除却命令、これにかかわっているわけでしょう。その場合におきましては聴聞会その他の手続もとらなくちゃならないでしょう。あるいは同意を与える権限もあるわけでしょう。労働委員会の場合におきましても同じことですよ。労働行政で県知事からの諮問もあるでしょう。しかしながら、基準法を守っていく、執行体制をやっていくというだけ、向こうはまた別にいわゆる基準局を県に設置している。それから基準監督署をそのもとに設置しているでしょう。あるいは県知事に委任しておる。委任しておるけれども、全額国が持つ。労働組合法による不当労働行為なり、その他の問題に対する違反でしょう。ですから、収入は全然見ていない。金を取ってまでということは考えていない。と同時に、片方こちらのほうにおきましては、重大な建築基準法を守らなくちゃならない。その執行体制は国自体のなには一つもない。聞かなかったら首にするぞ、代執行をやります、こういう権限をあなたが持ちながら、特定行政庁に対しては、やれ、やらなかったらおまえ首にしてやるぞという強いものを持ちながら、国自体は何も見ていない。交付税で見ているというが、交付税は国の標準的な団体の住民福祉事務のためにある、こうなっておるわけですね。皆さんが機関委任事務をそこで取り上げておるけれども、交付税のたてまえからいえば、当然そういう場合に収入を見ていく。収入はどこに見ているのだ。建築確認申請で三分の一の金をまず見てしまう。ここ二、三年の間全部そういうことになっているでしょう。三分の一は建築確認申請手数料をもって見ている。あとの三分の二はいわゆる交付税の一般財源でやっていくんだ。国は一銭も出していないでしょう。命令権だけは持つ、機関委任で特定行政庁にやらせるのだ、しかもそれは、交付税という、一般地方行政の水準を維持するためのとうとい金を持っていく、こんな立法なんかないでしょう。国が地方自治団体にその仕事を委任する場合には、あるいは三分の二を持つとか、あるいは人件費は全額を持つとか、こういう形でやられるのじゃないですか。こんなことをやって地方自治団体が持ち出しをし、あるいは建築基準法に対するPRなりあるいは住民に参加を求めるなどということを言ったって、金がひとつも見られていないじゃないですか。そんなのがどこにありますか。試験によって建築主事を設けておられる。建築主事に対しては、財政上の職業配置表を見たって、何らないでしょう。単なる職員として、その職員の中で一定の試験を受けた者は建築主事の資格を持つということになって、建築主事はどのくらいの定員をもって標準団体に配置しなければならない、こういうものはないでしょう。あるいは保健婦なり、あるいはまた社会福祉主事なり、こういうものはちゃんと明確にしてあるでしょう。何人置かなくちゃならない、その人件費はこうだ――おたくの場合には共管事務になっているでしょう。一般の土木出張所の人間もまた共管事務をやるという形で三分の一。ここは三分の一、住宅のほうは三分の一、他の一般土木の中に三分の一、こういう形になって入っている。こういう中で監視員制度を持っていこうというのですよ。現況の中においてさえ財政需要が十分満たされていないのに、新しい制度をつくって、特定財源も与えないで、やれ、やれということだけでは、行管の勧告と同じことがもっとひどい姿で出てくるのじゃないか。後ほど私の質疑の時間にまたただしたいと思いますが、井上委員の質問に関連しまして、重大な問題でありますので、一応はっきりさしていただきたいと思います。これらに対してどう思いますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築審査会は、御承知のように、この法律で、同意をするとか、あるいは審査請求に対する裁決をするという職務が与えられておるわけでございますが、審査請求に対する裁決は非常に大事な仕事でございます。しかし、労働委員会のようにいわゆる行政委員会として行政を執行する機関とは違うわけでございます。したがいまして、独立した行政委員会である労働委員会とはやはりおのずからそこに差があると思います。したがいまして、この審査会の活動に必要な経費を含めまして、先ほどから申し上げておりますように、職員人件費、物件費を含めまして六十数億のものを交付税で算定の中に織り込んでもらうように自治省と折衝しておる、こういう段階でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 一言だけ――どうもおかしいのです。需要費需要費と言いますけれども、百七十万の標準団体で需要費がたった百万八千円しか見られてないのですよ。自動車を買ったって幾らかかりますか。パトロール車を一台買ったって幾らかかりますか。四十三年度一年間に対する需要費が百万八千円ですよ。需要費の中身が詳しく出ておる。これは建築審査会だけでない、建築士審査会の金も含めて需要費はたった百万円ですよ。これではやれっこないじゃないですか。地方財政は独自の立場で一般財源をここに投入しなければやっていけないという仕組みになっておるじゃないですか。ですから、行政委員会に切りかえるか、この建築基準法の改正と一緒に建築審査会の性格、位置づけというものは検討されなければならない。四十三年度で需要費を多く見た多く見たといったって、たった百万円でしょう。これは中身を一々詳しく申し上げてもいいですよ。詳しく公表されておるのですから。労働委員会はおのずから違うんだから独立の権限を持ち、行使し得る。あるいは農業委員会でもそうでしょう。独立の権限を行使するから、市町村長のもとに設置されておりますけれども市町村長の指揮監督を受けない、独立の権限を行使する。これは、農業振興政策その他をやるのに、農地の転用その他に対する決定権を与えてきておるわけですよ。異議の申し立てもできます。行政不服審査法によるそういう道を与えられているにかかわらず、建築審査会は、重要な任務があるにかかわらず、だれも責任を持たない。大臣は権限をもって知事を罷免するというおどかしをかけるけれども、しかし財政的にはおまえのところで都合してやれ――ということになってまいりますと、建築審査会に来たときには二千円ぽっちあげますけれども、二十回くらい来てもらえばいいんだ、こういう考え方になっておるわけでしょう。これで実際やれるかどうかという、井上さんが指摘された、行政管理庁が実態調査の中から出してきておるわけでしょう。民生、社会福祉事業に対するところの社会福祉主事の設置、これは法律で明確になっている。これに要する金は国で持つ、こうなっておりますから、そのままずぼり入ってくる。ここでは収入は見込まなくてもいい。こっちの場合は収入を見込まなくてはならぬ。三分の一は収入によってやっていかなければならない、こういう取り扱いをしているでしょう。これは地方自治体が持ち出しになると、皆さんが言われるところの、これで違反建築を絶滅するんだ、代執行もやっていきますよ、そういうようなことをやっていくために、一体実際問題として百万円の需要費でできますかね。財政面からも重要な問題です。権限は法律で明確にしておかなければやれないといういろいろな事情――他の事情も分析しなければならぬけれども、需要費がたった百万八千円しか見られていないという現状からいって、やれますかね。しかも現在の職員の中において共管――土木出張所において建築事務その他をやっている。これらのものを含めて共管として職員を配置されておる。そういう者が三千名だ。これは三分の一は建築基準法の関係で、あとの三分の一は、本来の土木出張所の仕事になったり、あるいは住宅行政、家賃問題なり公営住宅なり、いろいろな方面に使われておる職員もまぜてきて、あなたの言われる三千名というのが出てくるわけですね。だから、本来の建築行政をやるためにあなたの言われる三千名が全部フルに動いているのではない。他の職務を兼任しながらやっているということですよ。家賃統制令にいたしましてもあるいは別の項目で出てくるでしょう。住宅行政、これらのものもからんで大体三千名というのが出てくるわけでしょう。そういうことを考えてみますときに、この建築基準法の中に皆さんが声を大にして言われる執行体制の整備、しかもそれを裏づける財源問題からいえば、地方財政の持ち出しか、ないしは違法状態をそのまま黙認していくか、こういう二者択一のところに迫られているという状態のもとにあるだけに、これは非常に問題点の一つだ。それで、大臣、率直な御意見を聞かしていただきたいと思うのであります。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 財源の裏打ちというのは非常に大事なことでございまして、そういう点を御指摘いただいて非常に恐縮でございます。先ほどから御説明申し上げておりますが、現在建築行政に携わっておる職員の数が三千名と申し上げたわけですが、これは基準法の施行にもっぱら従事しておる職員の数でございます。実際には、ある一人の職員が建築行政とほかの業務をあわせ持っておるということは、これは実情としてはございます。そういう場合には、たとえばその割合に応じて三分の一人とか二分の一人というような計算をいたしました三千人でございます。また、先般資料としてごらんいただきました地方交付税におきまして積算されました建築行政費というのは、建築基準法の施行に要する費用でございまして、いわゆる物件費が過小ではないかという御指摘でございますが、先ほど申しましたように、建築監視員の増強を中心といたしまして職員の充実、並びに現場監視等に要するパトカー等をはじめとします物件費の充実、こういうことをいろいろ積算いたしまして、先ほど申しました全国で六十数億円というものを来年度交付税でひとつぜひ見てもらうということでいま話を進めておる、こういう状況でございます。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いま両委員が御指摘になっております点は、この法の成立をいただきました暁においては最も重要な問題点でございます。したがいまして、私どもといたしましては、執行体制の強化をはかる意味からも、また、違反建築等の取り締まりを強化する意味においても、その裏づけとなるべき予算配慮につきましては、私は積極的な態度で自治省に対して折衝をしお願いをいたすのは、私の責任において当然の道だと思いますので、いま算定いたしております一応の六十数億ということにおいての立場から折衝をいたしておりますが、最も重要な、いま申し上げました点から重要性を含めました問題点でありますので、私は、これに対するところの予算措置の考慮につきましてはもっとプラスになるものを考えて、積極的な配慮を自治省に対して要望いたす所存であります。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 最後に、大臣に、こういう問題につきまして、その実態は特定行政庁はどうなっておるのか、こういうことはやはり把握した上で臨んでいただきたい。というのは、たとえば本年度の場合に、こういう持ち出しをしなければならないという状態の中にことしの交付税が組まれておるわけです。厳正な運用をやっていこうとすれば金が足りなくなる。その場合に、ことしの予算編成において地方財政は余裕があるという一部の解釈が出てまいりまして、六百九十億円を国が借りる。当然地方が建築行政その他に回すべき金を、国が財政が硬直化しておるというので六百九十億円ことしは借りてきておるわけですね。その上に、都市計画におけるところの土地基金に対する準備が建設省はまだできていないんじゃないかということで、一銭も認められなかったですね。私たちは、都市計画法の中で土地基金制度というものの修正追加をして本院を通しましたけれども、土地基金に対して一銭もつかなかった。そこで、自治省としては、やむを得ず六百億円の交付税財源を持ってきて土地基金の中に繰り入れなくてはならない。ですが、この金は実は一般財源に使うべきもので、六百億円建設省がみずからの折衝において財源を確保することがついにできなかった。このままでは都市計画その他に重大な支障が起こるという判断のもとで、自治省は一般に配分すべき金を六百億円そこへ持っていった。しかもその上にまた六百九十億円を、国が財政が硬直化しておるからというので地方の財源として行政水準のために用意した金を取ってきておるのですよ。その中で、大臣の所管である都市計画なり、住宅対策なり建築行政なり、こういうものに対するところの実態は一体どうなっておるのかということを見れば、やはり大臣も、第三者の大蔵省対自治省の交渉というのではなくて、所管事項から考えても、当然発言されるべきではないか。金がなくてやれないんだ、だから手数料やその他によってやっておる。地方自治体に行政命令を加えておるけれども、気の毒だと考えるならば、これを充実させる、あるいはまた、法律によって特定財源を与える、こういう形をとっていかなかったらこれはできないんじゃないですか。そういう点、参考までに申し上げておきます。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 まことに適切な励ましの御意見、私も全く同感でございまして、これらの点につきましては、その実態というもの、その重要性が伏在しておる実態というものをよく解明いたしまして、いま御指摘になりましたそれぞれの点にわたりまして財政当局に強く働きかけをいたしまして財政配慮をいたす決意でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 実は予算関係が非常に窮屈でございますので、これが地方自治体あるいは特定行政庁がいままで監視制度が十分とれなかったゆえんだろうと思うのです。福井市長をやられていた建設大臣は、自治体の苦しさは身をもって体験せられておると思うのです。今度福井市も特定行政庁になるはずですね。今度なるはずでございましょう。そういうようなところを予算的に十分な配慮をお願いいたしたい、このように思う次第でございます。局長さんは、来年は特定行政庁は建築行政については持ち出しがないということを確約されましたが、私はこの点来年を期待いたしまして、話が違っておりましたら、来年もう一度質問をいたしてみたいと思います。  それはともかくといたしまして、続いて、私ども各党におきまして修正案がつくられつつあるのでございますが、特に違反建築物の設計者等の処分についてでありますが、昭和四十二年の十一月十五日に、事務次官通達によって、依命通達をもって「違反建築物対策の強化推進について」という次官通達が出ておるのです。その中の一つといたしまして、私どもが主張いたしました違反建築物対策の推進については、「建築士事務所、建設業者、宅地建物取引業者等に対しては登録取消、営業停止等の監督権を厳正に行使し、もって国民の期待にこたえられたく、命により通達する。」という通達が出ておるのです。これで一体効果がどれだけあったのでございますか。私どもがこのたび入れようといたしますところの違反建築物の設計者等の処分と、これとは非常によく似ておるのでございます。これによってどれだけの効果がありましたか。そしてまた、これによってどれだけの処分をなさったか。ひとつ四十二年十一月十五日以降の件数をお知らせ願いたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 四十三年度におきましては、建設業者の処分が八件でございます。それから建築士の処分が一件、宅建業者の処分が五百五十一件になっています。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 建設業者の処分が八件、しかも続いては宅建業者が五百五十一件といいますが、戒告が何件で、それから取り消しが幾らで、停止が幾らでございますか。またさらには、建築士につきましては一件とは少な過ぎると思うのですが、どうでございますか。年間に三十何万件あるのですよ。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築士の一件は、営業停止でございます。  それから、建設業者の処分は、営業停止が一、指示が三、合計四でございます。さっき八と申し上げましたのは間違っております。  それから、宅建業者は免許の取り消しが八、業務の停止が二十五、指示が五百二、告発が十六でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 おたくが四十二年に依命通達でこういうきびしい――この内容を見てみますと、あるいはこの法律よりもきびしいかもしれません。きびしい通達を出しておいて、違反件数に比しこれだけの少ない件数しか実行と申しますか、やれなかった原因は一体どこにあるのでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 弁解になりまして、私としてはなはだ気が進まないわけでございますが。この取り締まりないしそういう業者に対する処分が必ずしも徹底して行なわれなかったという原因でございますが、一つは、取り締まりの陣容が手薄であったということ、これははっきり認めなければならないかと思います。  それからもう一つは、現行の規定が実情にかけ離れておると申しますか、この法令どおりにやりますと、実情に比べまして酷に過ぎるという面がございました。  もう一つは、取り締まり官が第一線でいろいろ摘発し、これを告発するという段階におきまして、いろいろここで御議論いただきましたように、権限の面において、あるいは手続面におきまして迅速に行ない得ないような面がございました。こういう点がございましたので、違反の取り締まり等も徹底を欠いたうらみもございます。  今回いろいろ改正をお願いいたしまして、執行体制の強化もあるいは権限の強化も手当てをしていただきましたし、また人員の拡充等も、先ほどからいろいろ御心配いただいておりますような点を十分注意いたしまして拡充強化をはかって、この通牒の趣旨を十分実現してまいりたい、こういう考えでおります。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 非常に大事な問題でございますから、責任者といたしまして、私からも私の方針を申し上げておきたいと思います。  先ほど申しましたように、この法の制定をいただきました暁には、いま局長も申しましたごとく、いわゆる執行体制の強化並びに違反建築等に対するところの取り締まりの強化というものに対しては、私は強い方針をもってこれに臨み、処置をいたし、いま四十三年度の実態というものを聞くに及んでも、その場合における盲点あるいはそれらの点の多くあったことを思うときに、こうした不正というものに対しましては、政府といたしましては強い断固たる方針をもってそれぞれの指導と取り締まりを強化いたしてまいるという私の決意を申し上げておきたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 現行法が実情にかけ離れておるという点につきましては、これは現在の都市における地価の高騰、こういう点が私はあると思います。しかしながら、あとの執行体制の強化と言っておりますけれども、執行体制の強化がこのたびの法律においてどれだけ強化になったか、疑問に思わざるを得ないのです。  さらに、人員にいたしましても、いま三千人いるのを四千五百人にしたい、五〇%上げると言っておりますが、それも五カ年計画で五〇%上げる。一年にいたしますと、平均的に伸びるといたしますと、一〇%ずつ人員が増加することになるのですね。それでもってこの法律が厳正に行なわれるかいなやというのは疑問を持たざるを得ない。大臣、こういうような人員は、来年、四十五年度にも現在の三千人から三千三百人にしかならないのですよ、五カ年計画で五〇%伸ばすと言っておるのですから。四千二百人にしても人間足らないじゃないですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 一応私どもといたしましては四千二百名をめどにいたしまして体制を整えるつもりでございますが、これらの施行の現実を踏まえましてさらに増員をはかってまいりたい、こう考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし、十カ年計画で四千五百人にするのですよ。千五百人しかふやさないのですよ。来年にはいきなり千二百人ふやすと言っておりますけれども、三千人の上に千二百人ふやすのですね。それで厳正なるこの法改正が行なわれたときにこれが行なわれるかどうかということについて、私は人員の面において疑問を持たざるを得ないのです。手続等におきましては、政府が出した改正案において非常に手落ちがあるということで、これは理事間において、あるいはまた、各党間において折衝がなされたところではありますけれども、かなり改善せられた面が私はあると思うのでございますが、しかし、これとても、現在七百人くらいが少なくとも四十五年度においては千人くらいになるでしょう、それでもって一体できるかということを考えましたときに、厳重なる法律はつくったけれども、実際施行の上において、実施面においてできるか、こまかい点については疑問を持たざるを得ないのでございますが、大臣どうでございますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 ただいま申しましたごとく、この執行に対する現実面を十分注視いたしまして、私は積極的にこれに対する対応策を持ちたい、こういう決意でありますので、その点はひとつ御期待を願いたい、こう思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 作文は幾らでもできます。ことばでは幾らでも言えます。しかし、実効があがらなければ、これは意味がないです。だからそれを私は言っているのです。言うはやすく行なうはかたしということばがありますが、現在のような人員あるいはまた予算面からすると、そうならざるを得ないじゃないですか。そこで、大臣は、一生懸命金は取ると、こうおっしゃっておりますけれども、六十五億くらいの金で、特定行政庁にばらまいたら、一件当たり幾らくらいになるかということを考えると、この建築基準法の改正によってはたして実効があがるかどうか。予算面において、あるいはまた、執行体制が強化せられたというが、どこが強化せられたんだと私は言わざるを得ない。実際面において行なう行動については、現在の体制とあまり変わりないじゃないか。そして結局、取り締まりを厳重にしましたならば――現在の宅建業者の建て売り住宅の実態は、先日小川委員から説明されましたように、手つけ金を三分の二先に取ってしまう、そうしてつくられる家は建築基準法違反であるということになって、あるいは取りこわしになる、被害者は一般国民大衆になってくるというおそれがあるのです。  そこで私は大臣にお伺いしたいんだが、そういうような悪質な業者にひっかかった被害者に対して救済処置というものを考えなければならない、これが政治の要諦だと思うのですが、これが現在のところ全然考えられていない。ただ、契約したからそれが悪かった。判こついたやつが悪かったんだ、悪知恵の働く者がりこうなんだというような考え方ではならぬので、悪質業者に対しては、先ほども数字は示していただきましたけれども、悪質業者が特に宅建業者におきましては横行しておる。一年間に取り消しがわずか四件というような実態ではならないと思うのですが、この法の改正にあたって、大臣の特に悪質の宅建業者に対する取り締まり、あるいはこれらに対する建設省としての態度をお示し願いたい。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 おことばを返すような意味じゃございませんが、いわゆる先ほどの、言うはやすく行なうはむずかしい、これは私が申しましたように、この議決を賜わりました暁においては必ず実行する――いまの時点においては実行できないということは、御承知のとおりでございます。したがいまして、私は、その議決をいただきました暁においては、現実をきびしく踏まえましてこれに対するきびしい処置を講ずるという態度であるという決意のほどを申しましたので、この点は御理解願いたいと思います。したがいまして、いまの御承知のとおりの不正建築に対するところの取り締まり、これは厳にすべきだということは、全く同感でございまして、われわれといたしましては、これに対するところの契約の破棄並びにこれに対するところの賠償等の処置を講ずる、あらゆる立場から、不正なる建築業者に対する適切なる強い取り締まりは、私の方針として強く打ち出してまいりたい、どうか御期待を願いたい、こう思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いつでも私の質問のたびに、まことに適切なる御指摘で、あるいは、重要な問題でと、一つ一つおっしゃっていただきますけれども、それじゃ、大臣、あなた方建設省は、依命通達として次官通達を四十二年十一月に厳重に出しているのですよ。これが行なわれていない。しかも悪質の宅建業者が横行しておる現状において、取り消しがわずか四件でしょう。この建築基準法を修正いたしましても、取り消しの処置をとるのはこれは宅建業法なんです。宅建業法を厳重に行なうならば、これが四件なんという数ではないはずなんです。しかも、泣いておる国民は一体どれだけありますか。でございますから、言うはやすく行なうはかたいのだ。それにはもっと銭を出せ、こういうことを私は申し上げたいのと、もう一つは、県あるいは特定行政庁に建築相談員というような制度を一つ置いたらどうか。そこへ行って――この修正案にも盛り込まれておりますところの、建築物の敷地に関する図面というようなものをつくろうといった考え方で各党で一致いたしましたが、閲覧すると同時に、こういうような土地に対しては、あるいはこの土地を買おうとするときには、一体それが違法建築じゃないだろうかという相談を国民が持っていけて、それで初めて安心して土地を買い、あるいはまた家を買うというようなことができる、こういう制度を考えるべきじゃなかろうか。あるいはこれは一般行政の中に入るのだ、土地を買うのはそれは建築相談の対象ではないとおっしゃるかもしれませんけれども、それほど、現在の都市近郊において、あるいはまた中都市においても、宅建業者に悩まされ、あるいはまた建築業者に悩まされておる、泣かされておる国民が多い現状において、この建築相談員制度というものを一つ主管課の中に置いて、親身になって相談してやる制度をひとつ考えたらどうか、こう思うのでございますが、大臣、どうでございます。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 私は、行政の一番重要な問題は、あくまでも国民の側に立っての行政でなければならぬ、しかもその行政指導というものが単なる一片の法文化に終わるような無責任な行政態度であってはいけない、これは行政指導の責任者としての私は方針として打ち立てておる次第でございますので、これらの死文化、空文化によって、この次官通牒というものが出されたにもかかわりませず、そうした法律が効果をあげていない、その取り締まりが浸透していないというところにこの行政の不幸があるということを考えますときに、私はこれらの点を踏まえながら、また、議決をいただきました法的背景を打ち立てながら今後いたしてまいりたいと、こう考えております。  それから、後段に御指摘になりました点については、全く私は同感でございます。またおこられるかもわかりませんが、私といたしましては、先ほどもお話がありましたが、福井市長をやっておりましたときには、私は、横浜の飛鳥田さんじゃございませんけれども、市長室の隣に市民相談室を設けまして、そして庶民のあらゆる問題点を私の責任において聞き、私の責任において処置していくという方針もとりましたような関係もございますが、これらの点は、都ならば都民の相談室、あるいは市ならば市民の相談室というものを設けるということは、行政の民意をそんたくする意味においても非常に好ましい姿であり、それでまた、ほほえましい、人間と人間とを結ぶ、信頼を持った正しい意味の政治の姿勢も行なわれる、こういうようなことを考えておりますので、御指摘になりました点は十分私も行政の指導の上からもとってまいりたい、こういうような決意であることを申し上げておきます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、私、後段で申し上げたのは、そういう一般行政の相談室というのじゃなしに、建築に悩んでおる、しかも違反建築に非常に被害者が出ておる、これを未然に防ぐという意味において、建築指導の面において特に建築相談員――名前は何でもよろしゅうございますが、そういうように、建築課あるいは建築指導課へ行けば親切に相談に乗ってやれる、こういう制度をひとつ打ち立てることが必要だと思うのです。建築指導課なり、そういうところに人員を置くようなお考えはないか、こう私はお伺いするのです。どうでございますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 検討に値する貴重な御意見としていきたい、こう私は思っております。先ほど申しましたのは、あらゆる行政を含め、また建築行政も含めましての相談室である姿をほしい、こういうことを申したので、建設行政のみの相談室ということに対する一つの独自的ないまの井上委員の御意見につきましては、いま申しました線でひとつ検討していきたい、こう考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 これは行政指導でできることで、予算をつけてやればできることなんです。でございますから、その点は、――大臣、あなたはいつも検討検討とおっしゃられますけれども、ひとつ十分検討して――いま特に建築によりまして隣人との間のけんか争いというようなこともたくさん起こっております。しかも昭和三十七年に行政不服審査会に申し出ることができなくもなっております。こういうような点を復活させるということは私は必要だと思うのでございますが、いかがでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 行政不服審査法で、従来、そういう隣人が苦情を申し立てて審査会が取り上げる、これは実は当時の法制下でも、法律上はそういう方法はなかったわけでございますが、実際にそういうケースを取り上げた例は二、三ございました。もともと、不服審査というのは、御承知のように、行政処分あるいは行政処分を得べかりし相手方が、その処分あるいは処分をしないということについて不服を申し出る、こういうたてまえで設けられた制度でございますので、いわゆる隣人については対象にならないということになっておるわけでございます。しかし、先生御指摘のように、いろいろな影響を受けるわけでございますから、先ほど大臣も答弁いたしました、そういう都民なり市民の方々のいろいろな面からの苦情を受けていろいろ親切に相談にあずかる、あるいは指導するということは、きわめて有効な行政措置だと思いますので、そういう面を充実してまいりたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 どうも住宅局長のお話は私どもには納得がまいらないのであります。違反建築の被害者の不服申し立ての権利を、基準法によって改正してそして行政訴訟への道を開いてやることが、私は、被害を未然に防ぐ道でもあるし、また被害を受けた者の救済処置でもある、このように考えます。その道が開かれていますか、どうでございますか。開かれていないのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 行政不服審査法によりましては、行政処分の利害関係人ということで、先ほど申し上げましたように、行政処分を受けた者あるいは得べかりし立場にある者が、行政処分がないということに伴う不服を申し立てるという制度でございますが、したがいまして、いわゆる第三者を当事者に加えるということは、なかなか制度として問題があろうかと思います。ただ、先生御指摘のように、違反建築が隣に建ったということに伴いましていろいろな影響を隣人が受けるわけでございますので、そういう方々のいろいろな御不満を特定行政庁が承って、それぞれ処置すべきことは処置するということは、きわめて大事な行政上の問題だと思います。したがいまして、先ほど大臣も答えましたように、相談所という形で、あるいは御指摘のように相談員という制度が設けられますならば、そういう形でいろいろな申し出を受けて行政措置をとってまいりたい、こういうふうに考えます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 時間もございませんので、後ほどまたこれをお伺いしたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 関連して。問題は、いま井上さんからも指摘されておるのですけれども、こういう利害関係人の申請を建築審査会が受け入れる、こういうのは、たとえば、こういうふうにできないのですか。大十四条に不服申し立てがございますね。この第一項に、「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定による特定行政庁又は建築主事の処分又はこれに係る不作為(行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二条第二項に規定する不作為をいう。)」とあるが、これに、本法違反の工作物の工事によって被害をこうむる利害関係人の取り締まり申請に対する不作為を含むということにすれば、この取り扱う建築審査会の性格というのは生きてくるんじゃないですかということが第一点であります。  それから、それに伴いましてもちろんこの項目を入れかえなければならないが、その場合に、九条三項の中に、建築審査会は、本法の違反の工作物の工事に関する取り締まり申請時点においては、特定行政庁にわかって第九条の措置をとることができるということにすれば問題は解決するのではないかと思いますが、それがなぜできないのかというのが第二点です。それをやることによって、いま井上さんが指摘される相隣関係なり利害関係者の申請をここでやるのだ、それで特定行政庁にかわって建築審査会は取り扱いができるということを第三項に持っていって、第三項は第四項に譲っていくということでやれるのではないかと思いますが、どうですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 一つの御意見として拝聴したのでございますが、行政不服審査という制度のたてまえ上、ここにありますように、一つの行政処分、またはこれにかかる不作為、それの当事者である処分の相手方、あるいは処分を得べかりし相手方がいろいろ不服の申し立てをする、これが行政不服審査の本来の趣旨でございますので、御指摘のようないわゆる利害関係はあるといたしましても、いわゆる第三者がこの不服審査を申し立てるということになりますと、相当性格も変わってまいりますし、建築審査会の性格も権能も相当変わってこざるを得ないというようなことで、これはいろいろ問題点を含む御提案かと思いますので、十分研究をさせていただきたいと思います。  それから、九条の措置を建築審査会が特定行政庁にかわって一定の条件のもとにおいては行なうという道を開いたらどうかということでございますが、これも建築審査会が相当な強い権能を持つということになりますので、それに相応したいろいろな人員の整備も必要としましょう。しかし、先般来私どもがここでお答えしておりますように、特定行政庁の執行体制を強化して、あるいはいろいろその権能も強化していただくわけでございますから、それによって第九条の運営に遺憾なきを期したい、こういう考えでおりますので、できればひとつそういうことでやらせていただきまして、それではなはだ不満足であるというときにおきましてはそういうようなこともお考えいただきたいというふうに思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 私は、法理論的にそういう制度を設けてもいいではないかと思う。井上さんのは、行政不服審査法に基づくのではなくて行政訴訟への道をという考え方で、そういう一つの考え方と、もう一つは、いま私が指摘しましたように、建築審査会による不作為のなにをやる、同時に、利害関係人からの申請を受け付ける、それを特定行政庁にかわって第九条のなにをやられる、こういうことでやってまいりますと、やはり内容を充実しなければならない。先ほど、交付税の中ではっきりした姿が出ておるのに、わずか二千円の、二十回しかやらないという程度のものではできないから、そういう機能を強化することによって不作為の段階において裁判所関与の方向に持っていけるのではないか。裁判所関与によって――あるいは執行罰とか、いろいろ行政権によってやることによってなじめないとするならば、司法的な関与が必要とすれば、そういう形において司法関与がすぐできるのではないか。裁判所は一応停止を命ずるということによってできるんじゃないか、そういう道を開くためにもそういうようなことが取り入れられるような改正ができないかということですね。ですから、前に戻して、井上さんが指摘になる行政訴訟への道を切り開いていくという考え方か、もう一つは、建築審査会の方向を少し変えることによって――私はそうむずかしくないと思うのです。法律上はむずかしくないんだけれども、財政上はむずかしいということになってきますと、大臣は、財政の問題は心配せずにやるんだ、こう言われるのですから、そういう財政的な保障のもとで性格あるいは権限なりを強めることによって、逆に裁判所に対して、裁判の受理されたときには一応工事を停止させる、そこでいろいろなにをやっていくという道ができるのじゃないか、この不服審査法を生かしながらなおもできる方法があるのじゃないかという点に対して、私はもう少し煮詰める必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、どうお考えになられますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 佐野委員が御指摘になりましたいろいろの問題点は私もよく理解いたします。いまの時点におきましてはこの協力体制を強化していく、それを唯一の手段としまして御期待に沿うよう最善の努力をいたしたい、こう考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 私が権限なり性格をもう少し明確にしたほうがいいと言うのは、建築に対する執行体制の問題だけじゃなくて、いま井上さんが提起しておられるところの、たとえば、御存じのように、法務省の人権擁護局から出しておる類型別の人権侵犯の一番トップをいっているのは、建築住宅に関する相隣関係の苦情なんです。いわゆる最高の苦情が持ち込まれておるという中で、この問題は一体どこで解決していくのか。   〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕 いわゆる日照権なり、いろいろな形でくる相隣関係の紛争を一体どこで解決していくんだ。民事訴訟があるじゃないかというが、民事訴訟では救われないからこそ、手続上の問題もありますからこそ、人権擁護局へ持っていっているわけですね。法務省の人権擁護局へ問題を持ち込むよりしようがない。だから最高を示しておる。違反建築に対するところの担当の建設省の皆さんは、民事訴訟の道があるじゃないかという。しかし、民事訴訟の道を選ばずして、法務省の人権擁護局に持っていかなければならない、しかも取り扱いは最高だということになれば、この問題の解決の道を現行法において盛るとするなら、そしていま準備段階でできないとするならば、違反建築に対するところの相談室なり、それらの設置を義務づけて、そこで相談相手になるという方法をとるか、ないしは法理的にその解決の道を与える。違反建築に関する問題ですから、監視員は取り締まりだけはがんがんやっていく、しかしながら、それに対するところの最高の人権侵犯としてこの問題が持ってこられておる法務省はこれをどう解決していくか。そうならば、建築審査会の性格を強めることによってこれを受け付けることができるのじゃないかということが一つ。それと、いまの不服審査法に基づくものを審査するわけですから、それに対して第三者の申請も取り上げるのだという規定をここへ入れれば、ここでもできるわけですね。ないしは、旧に戻って、旧はそういう法的な義務はなかったけれども、そういう形において取り上げる道もあったのに、不服審査法の第二条第二項の不作為義務というふうに限定しますと、取り上げる道がない。だから、ここでこれをも取り上げるんだという項目を加えればいいのじゃないか。特定行政庁にかわって審査会はやれるのだという形におくことによって、建築の違反を取り締まることだけがぐんぐん出てまいってその中におけるところのいろいろな問題で悩んでいる人たちの相談相手になるというための一つの保証なりあたたかみがなければ、建築基準法なんというのはほんとうに冷たい印象しか与えないのじゃないか。もっと人間性あるヒューマニスティックな法律体系にするためにも、民事関係も、法務省まで行かなくても、ここでひとつ相談に乗りますよ、あるいは審判もしますよというためにも、審査会をいじくるか、ないしは行政訴訟への道を早く開く道をとるか、ないしは相談室を別に設けるとか、この三つを何かの形において取り上げなければ、相隣関係なり、いわゆる違反建築によって苦しめられている人たちは、民事訴訟でもって契約破棄をしろ、ちゃんと道はあるじゃないかというだけでは、それこそ、今日における民事訴訟の段階から考えてまいりまして、損害賠償なり違約金の倍額要求なりを実効性を持ってやっていくことはほとんど困難ではないか。だからこそ法務省にかけつけておる。建設省は、おれのところは取り締まりだけなんだ、これではあまりにも冷たいのじゃないかということを井上さんも指摘したし、私も質問したかった点ですけれども、井上さんが問題を提起されましたので、こういうことに対する問題をもう少し煮詰めていただけないか、大臣、どうでしょうか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 私が痛感しておりますことは、この法律案の御審議に際しまして、各党各派を越えられて強く要望され、また適切なる指摘をされました点は、いわゆる違反建築物に対する執行体制の強化並びに取り締まり等に対する配慮という点について非常に強く要望されている共通の大きい問題で、私は、いままでに至るまでの不法建築という立場から住民に大きな暗い影とまた生活に対する暗い問題点をいかに多く投げていたかということをつくづく感じておるような次第でございます。したがいまして、何と申しましても、いわゆる木の葉が沈んで小石が流れるような不正な姿の行政であってはならぬという私どもの政治姿勢から考えましても、これらの点につきましては、先ほどからたびたび重なるごとく申し上げましたような強い方針で臨んでまいりたいと考えておる次第でございます。問題点として三点御意見をお述べになりました。その三点にそれぞれの理由もあることも私承知いたしております。したがいまして、これらの点につきまして、いわゆる相談室の問題点、あるいはこれに対する法的な裏づけをするかせぬかということは重大な問題にもなりますので、こういうような点の行政配慮、指導をどうすべきかということ、あるいは民事訴訟におけるところの司法措置をどうすべきかというような、適切な三つの問題点につきましては、私どもはいまの御意見を十分踏まえながらこの法の適用、運営に厳正な態度で臨む覚悟であることを御了承願いたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 問題を少し変えましてお伺いいたしたいと思います。  大臣ちょっとおられませんので、局長にお伺いするのでございますが、先日も参考人を招致いたしまして御意見を伺いましたところ、コンクリートの永久建物が続々と建ち、マンションスラムになるのじゃないか、こういうようなときに、西欧諸国がもうすでに経験したような事柄にも日本はここ十年、二十年のうちになるのじゃないかと非常に御心配になる意見がございました。私もその点につきましては同感でございますし、西欧諸国がこの古い永久建築物をこわしてまた新しい永久建物をつくる、都市機能を回復させるために再開発をやっておる。これに要する費用はばく大なものであると思います。いままで日本におきましては木造建築物でございましたので、再開発というような点も費用の面においてはかなり安易にできたと思うのです。しかしながら、これがコンクリート、永久建築物になるということになりますと、これは費用も非常にかかってくるし、蓄積された民族の遺産といいますか、そういうものをともかくこわさなければ都市の再開発にならないというような点からしまして、今後建つ永久建築物に対しましては、私はそらおそろしい思いがするのでございます。しかも各参考人が指摘されましたように、マンションスラムになるのじゃないかというようなことを申されておりますので、この際、この建築基準法の改正と同時に、それを防ぐ方法として、道路幅と容積率との関係をもう少しきびしくしたらどうだろう。先日、石井首都整備局長が申されましたように、道路幅員の大体四掛けくらいにしたほうがいいのじゃないかというような御意見があったわけでございます。もうすでに東京の環状線内あるいはまた二十三区というところに、住宅産業と称するもの、マンションが多数建っておる。しかも、マンションが建っておりますが、これが将来におきましては、再開発の、あるいは都市形態の上で非常な障害になるのじゃないか、このように思いますので、この際、道路幅と容積率との関係をもう少し厳重にしたならばいいのじゃないか、こう思うのですが、局長、いかがにお考えですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 道路幅と、それに接して建てられる建築物との関係、これは都市構成上非常に大事な問題だと思います。それで、現行の基準は、御承知のように、道路幅の六掛けということで基準を設けておるわけですけれども、確かに、建築物によりましては、それでは容積率が高過ぎるといいますか、道路が狭過ぎるということが生じてまいります。したがいまして、マンションのような共同住宅あるいはその他の特殊建築物を建てる場合には、そういう特殊建築物の接すべき道路幅の最低限というものを、これは条例で規定ででるということになっておりますので、その都市都市の実情に応じまして、御指摘のように、マンションが建つとか、あるいはそのほかのスーパーマーケットができるとか、いろいろな特殊建築物ができます場合の道路幅の規制ということを、条例でその都市のその地域にふさわしい規制を行なうということが望ましいと考えております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 条例によって道路幅と容積との関係は定め得るのだと私は理解いたすものでございます。  そこで、もう一つ問題といたしましてお伺いいたしたいのは、先日も参考人を招致いたしました際に、第二種住居専用地域の様子を見せられまして実はりつ然としたわけでございます。大臣は、あの際、不熱心で、参考人の御意見をお聞にならなかったようでございますが、あの際にモデルをつくられて実はわれわれに提示せられました。建築基準法の改正によりましてこういうような第二種住専地域ができるのですよといって示されましたときに、これではあまりじゃないかというのが、この建設委員各人の持った感想だろうと思います。しかも第二種専用地域は、先ほども申しますように、コンクリートの永久建築物なんです。それがあのような姿で示されるということになりますと、これはまた日本は再開発をしなければならないという問題が出てくると思うのです。都市としての機能を発揮するためには、十年あるいは十五年後にもう一回再開発せざるを得ない運命に立ち至ると思う。それを未然に防ぐために、第二種専用地域の容積率をもう少し下げる必要があるのではないか、このように思うのですが、局長にひとつお伺いしたい。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 今回の改正案では、御承知のように、第二種住居専用地域におきます容積率は、二〇〇%、三〇〇%、四〇〇%と、この三つの段階を設けまして、これはその都市その都市の、その地域に応じまして、この三つの段階のうちのどれをとるかは都市計画で定める、つまり、市長あるいは場合によっては知事がこれを決定するというたてまえにしております。したがいまして、第二種住居専用地域と指定されましたところにおきましても、その場所柄からいたしまして、四〇〇%というのは確かに容積率としては高過ぎるという場所もございましょう。したがいまして、そういうところには三〇〇とか二〇〇といったパーセンテージを選んでそこに指定するということができるわけでございます。また、その地域によりましては、第二種住居専用地域といえども三〇〇%をこす容積がふさわしいという場合も出てくると思いますので、やはり二〇〇、三〇〇、四〇〇という、この程度の段階は、全国の都市によりましてはそれぞれ必要になってくるのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし住宅局長、先日のモデルを見まして、このような姿になるということを考えたときに、りつ然としませんでしたか。私は、四〇〇%のところを削ってもいいではないか、四〇〇%の率でああいうような姿になるのであれば、これを削る必要があると思う。しかも片一方、日照権については、北は北海道の札幌から南は九州の鹿児島に至るまで、緯度の違い、経度の違いというものを考えずに、いきなり角度をきめてしまっておる。片一方において、日照権の問題、北側斜線の問題につきましては画一的なものをつくっておる。北海道と九州は冬至における日照の角度というものはだいぶ違いますよ。それを画一的に一対一・二五にきめておる。片一方においては、第三種住専地域を二〇〇%あるいは三〇〇%、四〇〇%までこの法律で認めようとしておる。四〇〇%というものを削ったほうがむしろ適切なんじゃないか、私はこのように考えるのですが、どうでございます。あなたは原案をつくられた方だから、原案に固執するのはわかっておるのですが、大臣、どうでございますか。第二種専用地区の容積率をもう少し下げろというのが私の主張なんですが、改める御意思はありますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いまの立場からこの措置を講じましたことは、局長が申しましたとおりでございます。したがいまして、私といたしましては、いまこの時点で直ちに改める考えは持っておりません。率直に申し上げておきたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、ひとつあのときの、四〇〇%におけるところの都市の様子というものをモデルをつくってあるのを見てごらんなさい。これではまた十年か十五年すればこれを取りこわさなければならぬ。幾ら日本人が勤勉でも、永久建築物を十年、十五年で取りこわさなければならぬような事態がきたならば、これは働くことはないと思うのです。そういうような点からいたしますと、もう少しお考えになる必要があると私どもは考えるわけでございます。大臣はあの際モデルをごらんになっておらぬようでありますから、あらためて御提示いたしますので、見ていただきたいと思うわけでございます。  いろいろと申し上げたいことがたくさんございますが、後ほどにしましょうか。――それでは、私はここで一時質問を保留いたしまして質問を終えたいと思います。

金丸信自由民主党

○金丸(信)委員長代理 この際、午後四時まで休憩いたします。    午後一時三十一分休憩      ――――◇―――――    午後四時二十三分開議

始関伊平自由民主党

○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 このだびの改正法の中に、建築材料につきまして規定があるようでございますが、JISマークもしくはJASマーク、これらのものを用いなければならないというところがあるわけでございますが、現在の建築材料のうちで、JISマークもしくはJASマークは、一般に使用せられているうちでどれくらいあるものですか。数字をあげて御説明願いたいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 今日まで三十七条の規定によりまして建設大臣が指定いたしました建築材料は、セメントに関しまして、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメントの三つを指定しております。また、施行令に基づきまして、ワイヤラス、メタルラス、木毛セメント板、防火木材及び防火塗料、この四つにつきましても指定をいたしております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 しかし、これからのセメントにしましても三種類、あるいは防火建材にしても四種類、JISマークあるいはJASマークの材料を使わなければならないという規定にしましたら、実際上の建築をやっていく上において大きい支障を来たすのではございませんか。この点、どういうような措置をなさろうとするのですか。経過措置としてもどういうおつもりでやっていかれるのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築物の安全を保持するためにその建築に用いられる材料が適格なものであることが必要でございます。そういう趣旨で大臣の指定をするわけでございますが、しかし、御指摘のように、市場に出回っておる割合が少ないような品種を指定いたしましたのでは需要者が実際上非常に困りますから、この指定にあたりましては、このJISの材料が実際相当市場に出回っておる、したがいまして、こういう指定をいたしましても一般の需要者がこれを購入するのに困らないという状況にあるものを選んで指定をしておるという状況でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そうしますと、このたびの法改正によって使用するJASマークあるいはJIsマークは、現在まではこのわずか八種類だけしかきまっておりませんですね。それで、説明によりますと、建築物の主要な部分をこの八種類で大体できるおつもりなんですか、どうなんでございます。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 今回はJASのほうも同じような扱いに組み入れまして、木材等をこの指定の対象にするわけでございます。主要構造部は、もちろん、ここにあげましたような材料のほかに、いろいろ耐火性能を要求される資材を使うわけでございますが、それらのものにつきましても、逐次、先ほど申しました市場の出回りの状況等を見まして追加してまいりたい、こういう考えでおります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 木材についてもJASマークのあるものもありますが、現在市場に出回っておるのはまだこれは一割ぐらいだろうと思うのです。それにもかかわらず、こういうような規定を入れるということは、これは何と申しますか、ちと行き過ぎじゃないか。実際上ほとんどの市場占有率を占めておる、七割、八割を占めておるという場合においてJISマーク、JASマークの資材を建築の主要部分に使うというのでございましたならば納得がででますが、しかし、木材にしましても、まだ一割も実際市場に及んでいないJASマークのもの、それにこれを及ぼすというのはちと危険じゃないかと思うのですが、どうでございます。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 木材に関しましては、JASの指定がまだ市場の占有率が低いものもございます。しかし、集成木材とか合板あるいは難燃合板、防火戸用合板その他相当市場の占有率の高いものもございますので、御指摘のように、需要者が実際上困るというようなことのないよう、状況を見きわめまして指定を追加してまいりたい、こういう考えでおります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 特に建築材料の制限、主要部分にこれを使わなければならないというようなことをうたいます以上は、国民大衆が無理をしない範囲においてできるように、しかもJISをとり、あるいはJASをとり、あるいはまた、おたくのほうで規格を統一するということによって、これはまことに言いにくい話でございますが、それによる汚職が起こる可能性が出てくるのです。そういうようなことをひとつ十分に気をつけてやっていただきたい。同時に、先ほど申しましたように、国民大衆が家を建てたいという際に支障にならないように、この点は十分なる御注意を願いたいと思うのでございます。この点どうでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、私どもといたしましても全く同じ考えでおります。これは結局国民の住宅建設に安全ないいものができるようにという考えに基づいてこういうことをやるわけでございますので、一般の需要者が、市場の出回り率が低くて、求めたくてもその辺に売っていないというような状況では、幾らこれがいいからといいましてもそれはほんとうに需要者のためになりませんので、御指摘の点は十分意を体しまして運営に当たりたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 先ほども実はお伺いいたしたのでございますが、このたびの執行体制を整備するというために、現在三千人に及ぶところの建築行政係官を来年は四千二百人にする、将来は五カ年計画で四千五百人にするというのですが、建築主事につきましては、現在七百人であるのを来年までに千人にする御計画でございますか、どうでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築主事は非常に高い資格を要求しておりますので、年々の建設大臣が行ないます資格試験に合格する者が大体二百人程度でございます。それらの人がすべて地方庁の職員であるとは限りませんので、これを急に百人、二百人まとめて増強するということが、事実上なかなか困難な面もございます。三年計画くらいで千人程度に持っていきたい、こういうような心づもりでおります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そこで私はこの際申し上げておきたいのは、現在七百人の人員で確認事務をやっておるわけなんです。あるいは完工の確認もやっておるのでございますが、現在私ども庶民大衆が特定行政庁へ参りまして確認を得たいと思いましても、一カ月も二カ月もかかることがあるのですね。これは結局主事の数が少ないからこういうことになりはしませんか。一般大衆はこのことによって非常に苦しんでおるのが現状なんです。特定行政庁へ確認事務を書類申請しましても、許可の判こがなかなか来ない。あるいはまた、工事が完工いたしまして完工の確認をもらおうと思っても、なかなかやってくれないというのが現状じゃないかと思うのですが、これをわれわれがこれからきっちりと建築基準法に基づいてやっていくということになりますと、あるいは許可事項も多くなりましょうし、確認事項も非常に多くなってくると思うのです。そうでなければこの改正の意味はないのですから、そうなりますと、一体七百人やそこらの――しかも確認をするのは主事でしょう。主事がわずか三百人ぐらいふえたところで、はたしていままでどおりの事務がスムーズにいくかどうか、この点、私ども住民側に立って考えますときには、非常に不安なんです。現在もおくれおくれしておるのですね。この点どうでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 この確認事務がおくれて国民の方々に御迷惑をかけるという事態が往々して起きておったということは、はなはだ遺憾に思います。この基準法におきましてもそういう点を配慮いたしまして、住宅等の小さな建築物におきましては、受理した日から七日以内にこれを処理するようにしろということを命じております。また、いわゆる住宅以外の大きな建築物につきましては、三週間以内に処理するようにしろ、こういうふうに言っております。実際それが二週間ぐらいに及ぶというような例が間々ございますので、そういう点は今後とも促進をはかってまいりたいと思うのです。建築主事の責任において確認を行なう、これはそのとおりでございますが、実際の処理にあたりましては、補助職員が下審査を行ないまして、主事が最後に目を通してそれを確認する、こういう運営をやっておりますので、主事の増強並びに補助職員の増強によりましてその促進をはかりたいと思います。また、でき上がりました際に検査を受けて使用するわけでございますが、一般の住宅等の建築物につきましては、これが竣工の届けをいたしまして七日以内に竣工検査が行なわれないときは、それは竣工検査があったものとして使用してよろしいということになっておりますので、実際上その面で御迷惑をかけることはないかと思います。ただし、いわゆる特殊建築物につきましては、これは検査が終わった後でないと使用できないということになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 特に住宅の場合でございますと、ただいま六条の規定においてそういうことが書かれておるのでございますけれども、特殊建築物の場合、特に現在でも申請書の受理あるいは却下、並びに竣工検査がおくれておるのが現状だろうと思うのです。私も一例知っておりますが、ともかく、申し込みから二カ月も許可がならなかったというような事例もあるのです。国民にとっては迷惑しごくな事態ができておるのですが、このたびの法律でおそらく建築主事並びに監視員、建築行政関係者の事務は非常に多くなってくると思うのです。七百人を三カ年計画で千人にするとおっしゃっていますけれども、これでは実際上事務が行なえないのじゃないか、こういうおそれを私は抱く一人なんです。特に東京なんか見ましてもマンションが非常にたくさん建っておる。これも特殊建築物になりましょう。そうしますと、これらを建てようと思いましても、なかなか許可が来ない、あるいは竣工検査ができないというような事態で国民大衆に迷惑を及ぼす可能性が非常に出てくる。これからまたますますコンクリートの共同住宅が出てくると思うのですが、これの人員であなたは国民に迷惑をかけずに十分にやっていけるという自信がありますか、どうでございますか、局長。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 特別に特殊な工法を要する構造設計のものは、確かに時間がかかります。しかし、普通のマンションのような設計でございますと、これはその設計に当たる一級建築士もそういうことは十分習熟しておるわけでございますから、そんなにその審査自体は時間はかからないと思うのです。御心配の点は、人手の関係で間に合わぬおそれがありはしないかという御指摘でございますが、先ほども申しましたように、建築主事を増強するのみならず、補助職員も増強いたしまして、そのアシストを受けながら処理してまいりたい。竣工の検査におきましても、そういう特殊建築物のほうがどうしてもいろいろ問題が多かろうと思いますので、こういう点を重点に検査した上で許可をするということに持っていきたいと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 関連して。ただいま井上委員のほうから建築主事の問題並びに確認期限の問題について話があったのですが、具体的にどこでどういう例があるということをいまここで持ち合わせておりませんが、一週間以内に確認できない例は何回も聞くわけであります。長いのになりますと、一カ月をこえ二カ月近くになっても確認してもらえない、こういう例があるということだけは間違いないわけですね。今度この基準法を改正してきびしく取り締まっていこうということに向いておるわけですけれども、それならば、同様に国民の要求にもこたえる体制をしいておかなければいかぬと思うのです。  そこで、第一番目には、この前も私は質問をしたところなんですが、いまもお話がありました建築主事、現在員七百名を三百名ふやして千人にする、しかもそれは二年ないし三年計画である。それから補助職員をふやすとおっしゃいますけれども、千ないし千五百名の増員で、これも二年ないし三年計画でふやしていくというお話なんですね。ですから、この際は、あとでまた附帯決議などにおいても議論になると思うのですが、十分体制だけは整えていく必要があると思うのです。国民ばかり取り締まるような法律にして、行政庁のほうが負わなければならぬ責任が背負い切れない、責任が果たし切れないということではならぬと思うのです。ですから、定員の問題は、三百名ふやしたのではとうてい足らないというように私どもは考えるのですけれども、その裏づけになるのは、財政的な裏づけがなければなりませんが、責任ある体制というものをつくっていただかなければならぬということを特に強く要望しておきたい。  それから、それに関連してですが、この建築主事の現状が一体どうなっておるかということをこの前御質問しまして、いま調査中であるというお話なんですが、これだけ時間がかかってもまだその調査ができないということは、いままで建築主事の指導について十分やっていなかったということになると思うのです。各地方の実情を把握して建築主事の業務遂行について適当な指導をしておれば、私が求めておる資料ぐらいなことは、一時間もあればできなければならない問題である。それが十分できていないというのは、適当な指導をしていないということです。そこで、今度は相当この建築主事、監視員の権限も強化しようとしておるのですね。現場の従業員、いわゆる建築物に関する工事に従事する者に対しても質問をし、答えなければ、あるいは虚偽の答えをすれば罰金に処するというところまで権限強化をしておるわけですね。ですから、この際は、建築主事あるいは監視員、あるいは補助職員も含めまして、相当のやはり行政指導というものをしてもらわなければいけない。そのためには、もちろん、責任あるいは義務、権利権限あるいは服務基準、あるいはそれに伴う身分上の問題あるいは待遇の問題、そういうものもやはりきちっとしてもらわなければいけないと思うのです。これが第二の問題です。  それからもう一つの点は、いまもちょっと申し上げました建築物に関する工事に従事する者に対しても質問ができることになっている。現行法によりますと、確かに九条の十項かに、現場管理者がいない場合には、そこの現場で従事しておる人に命令を出すことができる、こうなっておるわけですね。今度の改正法では、いきなり工事に従事する者に対して質問ができる、答えなければ、あるいは虚偽の答えをすれば一万円の罰金、こうなっているわけですね。ここのところは、建築主事なり監視員なり補助職員の指導をしてもらうことは、いま申し上げたとおりなんですが、いきなり現場従事員に対してこういう規定のしかたをすることが適当であるように思わないのです。やはり現行法のように、たてまえは、現場の管理者といいますか、責任者ですね、これを現行法どおりにしておいてもらって、どうしてもそういうものがおらぬときには現行法のような規定をするのはいいと思いますが、いきなりこういう改正案のような規定をすることは少し問題がありはしないか。  以上、三点について関連して質問したいと思います。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 前回お尋ねの、建築主事の資格を持っておる者が、全国で約三千三百名ばかりおります。このうち、県庁なり市町村役場に吏員としてつとめておる者が千五百名ばかりおります。この中で建築主事としての職務に従事している者が約七百名おります。建築行政以外の、たとえば営繕の担当だとかいうような仕事に従事している者が八百名ばかりおるわけであります。これは部内の人の配置転換等によりまして、そのうちの幾らかは建築行政に転換でき得るものと思います。  それから、これらの者が、あるいは建築監視員が今度は現場で直接命令をするということでございますから、先ほど山崎先生の御質問にもそういう点がございましたけれども、やはりこれは考えようによってはたいへんな権限でもあるし、また誘惑もそれだけに大きいということでございますので、全国で監視員の扱い方が甲乙があってはならないと思いますので、建築監視員が現場におきまして取り扱う準拠すべき要領というものを定めまして、建築監視員並びに監視員になる候補者につきまして十分研修を行なって徹底をはかりたい。  それから、先般の御質問で建築主事の待遇の問題がございましたが、これは府県あるいは市によって必ずしも統一した扱いはやっておりません。取り急ぎ聞きました範囲におきましては、約十五の県、全体でいえば三分の一程度の県が、建築主事に任命する際には給与上特別の扱いをするという回答を得ました。特別の扱いというのは、この主事に任命したらこれを係長扱いにする、役付扱いにする、また特別昇給をするというような扱い方をしております。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 答弁が一つ漏れておるのは、現行法第九条の十項ですか、ちょっと読んでみましょうか、「これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、」云々と、こう書いてあるのですね。ところが、今度はもういきなり、そうじゃなくて、建築物に関する工事に従事する者に対して質問する、こうなって、きびしくなっているのですね。現行法程度でいいんじゃないかということを最後に質問したわけです。それをあとで答えてもらいたい。  関連して、さっき質問しました中で、三百名ふやしたのでは不十分のように思うけれども、これをしかも二年、三年ということではなくて、もう少し手当てをしなければならぬのじゃないかということを具体的にお伺いしておるわけです。どうも財政的なほうから逆算をされて三百名程度ふやす。まあ交付税の対象にするとしても、いろいろ事情があるのでいきなりふやすことは無理だというように、財政の立場から逆算して考えられておるように思うのだが、さっきも言いましたように、一週間以内にということにはなっておっても、相当これはオーバーしたような例もあるようだから、長いのは一カ月もこえておるようだから、どうしても三百名程度ふやしたのでは足りないと思うけれども、もう少しふやせないかということを答えていただきたいと思う。  それからもう一つ、建築主事なり監視員についてのお話なんですが、お話のように、取り扱いがばらばらなんですね。ですから、今後は、今後これだけの権限を与えるのですから、同時に義務を明確にし、待遇上の基準も統一的に指導していくことが必要だと思うが、そういう用意があるかどうかということを具体的に聞いておるのですから、その辺をお答えいただきたいと思う。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 政府提案の改正案に対しまして国会でいろいろ修正をお考えいただいておる、この改正案に対して非常にプラスになる面ばかりで、私どもとして非常にありがたいことだと思うのですが、その修正案の立案されました条文の考え方につきまして、ちょっと私からお答えするのが適当かどうかという気はいたしますけれども、御指摘の九条の十項の規定、これは御承知のように、工事の施工の停止の命令でございますから、やはり事の性質上、その請負人、工事監督者がおれば、もちろんそれをまずやって、それがおらないときに現場の労務者にという順序は、これは当然だと思います。今度修正に入ってくる質問あるいは調査権といいますか、質問というのは命令といささか違うので、これは対等に並べてもそれほどおかしいとも思いませんが、しかし、それを実際に質問いたします場合には、その順序といたしましては、御指摘のように、やはり監督者に聞いて、その上でまた労務者にも聞くというような順序になろうかと思います。  建築主事の増強を三年間程度で三百名ということでございますが、先ほども申し上げましたように、建設大臣が行ないます建築主事の資格の試験というのがわりあいに高度な試験なものですから、年々の合格者が大体二百名程度でございます。この中で、県なり町村につとめておられる方というのがその約半分程度でございます。したがって、新規に一年間ふえる公共団体の識員を全部主事に充てたとしても大体百人程度でございます。それから、先ほど申しました現に合格して資格を持っている者が県なり市につとめておる、これを配置転換するというようなことをいたしまして、大体三年間で千人程度になるのではなかろうか、こういう計画でございます。  それから処遇の統一的な扱い、これは非常に大事な問題だと思います。御指摘のように、通達等でそういう扱い等の基準を示して、できるだけ御趣旨に沿うような扱いが全国的にできるようにしたいと思います。

福岡義登日本社会党

○福岡委員 現場従事員に対する質問問題は、いまお話しのとおり、これは理事会で一ぺん議論してもらうことにして、これ以上はここではあれしません。私ちょっと勘違いしておったところもありますから、ぜひそういうようにしていただきたいと思うのです。  それから、いま最後におっしゃいました建築主事なり監視員の統一的な処遇、これは非常に重要だと思うので、局長もお話がありました研修の一定の基準をつくっていただいたり、国民のほうに取り締まりだけがいくようなことでなく、行政庁として十分国民の要求にこたえ得るような体制をとっていただかなければならぬのはここから出発しなければならぬと思う。それを強く要望しまして、関連質問を終わります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 関連。先ほど局長は、七日以内あるいは三週間以内、しかし、間々その期限のうちに確認やそういうものがされていない、こう言うのですが、これはされていないということを認めることができるのですか。法律では、第六条だと思うのでありますが、そこで明確に、その期限内に当該申請者に通知をしなければならない、こうしてあるのです。間々できていないということは、これはどういうことですか。法律違反を局長が認めるのでは話にならぬと思うが、どうでしょう。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 第六条によりまして、七日以内、二十一日以内にそれぞれ審査し、その結果を確認したときは通知しなければならない。そこで確認できないような問題があったときあるいはその他の理由でおくれた場合におきましては、その理由をつけて通知するということになっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 それでは、申請があったのに、理由も何も言わずに一週間たってもナシのつぶて、あるいは特殊建築等の場合に、三週間経過してもナシのつぶて、こういうことはあり得ませんね。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 法令の上からはそういうことはあり得ないということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 あり得ないことが現実にあり得るのです。あり得る場合、その責任はだれが負うのですか。国民が負わなければならぬというものじゃないと思う。政府が負わなければいかぬのじゃないですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 これは建築主事に課せられた任務、責任でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、なぜ主事がそれができないかということになると、いまも福岡委員が指摘をいたしましたように、決定的に人員が足らぬのです。そう思いませんか。人員が足らぬからできないという現状だと思うのです。われわれはそういうふうに判断をするのですが、局長はどうですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 人員も確かに不足しておると思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 木で鼻をくくったような答弁ですが、そこで、人は足らない。いままでの答弁を聞いておりますと、ふやすにいたしましても、半分は行政に残る、あとの半分は民間か何かに出ていく。しかし、これはいままでの傾向を言っておるのであって、少なくともこれだけの改正案を提案しておる政府が現実に何をなさんとするかということは、全然前に向かっているものは何もない。現状がそうだという説明をわれわれが幾ら聞いても、問題解決にならぬと思う。したがって、いままでは年間せいぜい二百人くらいで、半分は民間、半分しか行政庁に残らぬという傾向、そのままやっておれば、やはりそういう状態でずるずる続いていくと思うのです。そこで、これを政府がもっとより積極的に年間二百人なら二百人、三百人なら三百人というものは、必ず基準法を執行していくのに役立つような配置につけるように確保する、そういう前提に立った具体的な対策というか、やり方がなければいかぬのじゃないでしょうか。いままでの局長の答弁は、傾向がそういう傾向なんで、どうも……みたいな話で、そんなことを言ったら何にもできないと思う。より積極的にどうするのかということが出てこなければいかぬのじゃないですか。木で鼻をくくったような答弁じゃなく、少し生きた答弁をしてもらいたい。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建築主事の増強も確かに大事な問題でございます。そこで、三カ年で全国で千人程度に増強いたしたいというもくろみでございますが、この三百人の増強も、従来の傾向のままで当然にふえるというわけにもまいりがたいかと思います。したがいまして、御指摘にもございましたように、府県なり当該市におきましてそういう主事を増加すべく、現に従事しておる職員の中で、そういう資格をまだ持っていない人は、積極的に研修なり講習を行なって資格をとるようにすすめるというようなことをやりまして、この確保につとめたいというふうに考えます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 住宅局長が従来説明しております住宅政策、これによりますと、大体二千九百万戸から三千万戸程度これからの住宅建設が要求されておる、こう言われておるわけです。したがって、その際に、いまのように主事を三百人とかそんな話をやっておったのでは、全然話は進んでいかぬと思う。いままで建築確認申請を出したら、それは普通住宅で一週間後に確たる回答が来なければならぬことになっておるのに、ずるずる来ない。ですから、みんながめんどうになって、確認もしない建物――それはもう役所のほうも法律を守れませんから、国民のほうもだんだん法律を軽視するようになる。そこから起こってくるのが違反建築、こういう経過もあると私は思う。これから三千万戸の住宅を整備しなければならぬ政府が、主事の問題やあるいは監視員の問題は、いまの局長の答弁のようにちょっとも前向きなことをやろうとしない。いま大体日本全国で建築主事の試験を受ける対象になるような大学や何かもたくさんあると思うのです。政府が全然前向きにそういう要員を確保しようという努力をしなければ、ふえっこないと思うのです。傾向だけを幾ら言っておってもしようがない。地方行政庁の中に現在いる、しかも主事の資格をまだ持っておらぬ者に資格をとらすようにする――その皆さんは、現在みんな行政庁のワク内でいろいろな任務分担を持ってる。この皆さんに主事の資格を持たしただけでいまの問題が解決つくのかどうか。なかなかつかぬ部面も多いのじゃないかと思う。もっとより積極的に、いままで説明しております各部面をこれから新たに担当する要員の確保――主事や何かというものを現在まで行政庁内にいる職員に資格をとらして迎えるとなれば、逆に、いままでのその皆さんは別の仕事を担当しておるわけでありますから、そこを補充しなければならぬという問題も起こるわけです。私は、いまの三百人なんというけちな要員計画じゃなくて、三千万戸住宅整備に対応する体制を前向きでとらなければいかぬのじゃないかと思うのですが、大臣どうです。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 お話しのごとく、昭和六十年度を目標といたしますところのわが国の住宅供給数を達成するよう、政府は住宅行政に最大な力を注ぐべき大きな政治の課題のあることを考えますときに、その基礎の推進的な役割りを持つ確認業務の重要な使命を持っておる建築主事は、完了の検査あるいは使用の承認等、非常に伏在しておる仕事の量は大きく、使命も非常にきびしいかと思います。したがいまして、政府といたしましては、いまお話しのごとく、それらに対するところの時代に即応した技術の導入、研修あるいはそれらの養成に対しましては、いま局長が申しました気持ちもお許しいただけると思いますけれども、行政に優先する政治の立場から、私は、いまの問題点等については、予算上の問題から、あるいは地方財政の問題点も解明いたしながら、積極的にこれに取り組む覚悟であることを表明申し上げて、御期待にこたえたい、こう考えていることで御了承願いたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 さすがは大臣答弁を聞きまして少しすっとするわけであります。  そこで、私はもう若干ふえんして申し上げたいのでありますが、たとえば、県庁に参りますと、建築課があります。相当大きい市や何かに参りましても、同じような課があるわけであります。その中に働いておる人がいまいるわけであります。この皆さんは、たとえば学校の整備とか、いろいろなそれぞれの自治体の中における営繕の部面にほとんどのエネルギーをさかざるを得ない状態ですね。したがって、一般民間の住宅整備とか建築物の確認とかなんとかいうものに手が回るほどの余力はない。そんな人員を確保できるほどいまの地方自治体はのんびりはしておらぬのです。したがって、私は、いままでの人員で、しかもなおかつ、主事の資格を持っておらぬ者があるならば、それをとらして対応させるというけれども、なかなか自治体には、そういう、この法律を実行していくために対応できるような余剰人員なんというのはいまないのですよ。したがって、いま大臣御答弁のように、今回の計画はこれでまずやむを得ないにいたしましても、この法律をほんとうに実効あるものにしていくためには、いままで局長が答弁しておった――私どもことばの使い方は問題ですが、ちゃちな人員計画じゃない、もっと大幅な将来三千万戸の住宅建築に対応できるようなそういう要員の確保というものを前向きにやっていくということでなければ、ちょっと納得できぬわけであります。しかし、それは大臣がこれから大いに努力をするということでありますから、それに御期待をいたしたい、こう思うのであります。  もう一つの問題は、私は、今回の改正案で、前向きな部分と、もう一つは、非常にどこにしわが寄るであろうかという問題を考えると、現場で働いている従業員、労務者、こういう皆さんに対していままでよりはきついいろいろな問題が及んでいくと思うのです。その場合に、一体どこにその判断の基準というものを設定するかということになりますと、善意な労務者ですね、たとえば、上のほうのえらい親方さんのほうから、おまえはあそこへ行ってきょうは働いてきなさい、そういう命令だけを受けて行く。ところが、現場へ行ったけれども、現場でおまえはあの仕事をしてこいと言われただけで、詳しい事情が何にもわからぬ、そういう場合がうんとあると思うのです。その場合に、この皆さんに対してかりに質問をやって満足のいくような回答がこない場合はいろんなことになってくるということになると、結局そのしわは全部現場の善意な働く者に及んでいくということになるわけであります。その辺の線の引き方というものは私は相当慎重でなければならぬと思います。そういう点で、しわ寄せが現場に働いている善意な皆さんに及ばぬように、しかも違法建築などが起こらぬように、そこの線の引き方、兼ね合わせをどのあたりでやるかということが、非常なデリケートなむずかしい問題だろうと思う。これがこのままでまいりますと、どうも私は、違法建築を許さないという観点では相当の実効が期待できる、しかし、現場で働く善意な従業員、労務者が非常なきびしいことになるという、この二つの側面を持っておりますから、そこの現場での線の引き方というものは大いに慎重でなければならぬのじゃないか、デリケートな配慮がなければならぬのじゃないかと思う。局長、その辺はどうでしょう。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 御指摘の点は、運用上よほど注意をしなければ、御指摘のような現場に働く方方に非常に過酷な結果になって、ほんとうの悪質な計画を意図したような方には及ばないというような結果になりかねないと思います。先ほどの福岡先生にお答え申し上げたように、やはりそこに現場の監督者なり請負人がおりますならば、当然その者にまずいろいろ調査をし、質問もいたしまして、そこにそういう方がおられないとき、あるいはそれに付加して伺うというときに現場の労務者の方に及ぶということであるべきだと思います。そういう運用についても十分心してまいりたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 最後に、これは大臣に希望したいのでございますが、違法建築が建つその最大の原因は何か、今回こういう基準法を改定しなければならぬようになった一番根本の背景は何かということになりますと、土地政策がないということだと思うのです。その肝心の土地政策というものは、残念ながらまだ宙に浮いておると思う。それをそのままにして、この基準法で建物のほうだけをいろいろに規制を加えましても、これはやはり片手落ちだろうと私は思う。そこで私は、何としても土地政策、宅地政策、地価対策――やりましょうと言って、私どもずいぶんやってきましたが、これは政府のほうはなかなかしりが重いのです。この辺は大臣どうですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 地価、土地問題ということは、もう私何べんも累次にわたりまして私の所信は表明いたしておりますごとく、都市開発、都市計画の推進並びに住宅政策の推進に優先する問題は地価、宅地問題であるということは、もうたび重なって私の決意を申し上げているような次第でございます。したがいまして、このたび御制定をいただきました地価公示法の運営に対しての万全の配慮を期待いたし、また、これによって即効薬としてすべてを依存するというような気持ちもいささかもございません。これはやはり宅地、地価対策に対する閣僚協議会で決定いたしましたいわゆる公有地の活用の問題、あるいは土地利用の高度化の問題、あるいは宅地税制に関連する諸般の問題、総合的な計画的なる推進をいたすことによって解決いたしてまいりたい。しかも、このたびおかげで制定を得ました都市再開発法、あるいは十四日に施行いたしました都市計画法、また御議決を希望いたしておりますこの問題の三法をやはりこれらの重要な一貫した施策のもとにおいてとり行ないまして、地価問題、土地問題に対しましては政府は真剣に積極的にその問題点を解明いたしながら対策を総合的に打ち立てていく決意であることを表明申し上げて、今後ともよろしく御理解と御協力を願いたい、こう思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 時間もだいぶたっておりますので、私の質問申し上げたいことは、実は監視員制度、これは建設省は非常にお好きな制度でございます。河川監視員という制度をおつくりになった経緯があります。ところが、河川監視員という制度をつくりますと――住宅局長は自分の領域でないから、にやにやして笑っておられますけれども、非常に監視員がいばって住民が迷惑しておるというような実例が多々あるのです。府県の管理下にあるときの監視員と、一級河川になって国の監視員になったときとは、えらい違う。監視員が非常な権限を持って、あるいは竹の伐採であるとか、あるいは牧草の採草にいたしましても、これらに対して住民に威圧的な行動をもって及んだことを私は再三当委員会において発言したことがございます。そこで、ここにもまた監視員制度が出てくる、建築監視員制度が出てくるということになりますと、住民側から見ますと、またいばられるのかなという感もなきにしもあらず。したがいまして、この監視員制度を採用なさる場合には特に十分なる研修というものもやってやらなければ、住民側に非常な迷惑を及ぼすと思うのです。したがって、あなた方が、この監視員制度の中において、養成する過程において、研修制度についてどういう具体的な作業を進められるのか、研修制度についてひとつお伺いいたしたいと思うのです。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、この権限を与えますと、これは違反に対する措置といたしましてはきわめて有効な面もございます反面、御指摘になりましたような弊害もまた生ずるおそれがございます。したがいまして、監視員になります人に適任者を得るかどうか、また、その職務の執行のしかたにはっきり基準を与えまして、恣意的な判断、恣意的な行動に出ないようにいたす必要があることは、申し上げるまでもございません。そこで、先ほども申し上げましたが、この全国的な建築監視員の現場におきます取り締まりの要領といいますか、やり方につきまして基準を定めまして、これに準拠して現場の取り締まりを行なうという、そういう基準を定めますほか、建設大学校に全国のそういう方々を集めましてその辺の研修を実施するという計画でおります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 建設大学校というのはいつできたのでございますか。あるのでございますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留政府委員 建設省の付属機関として、建設省の職員あるいは公共団体の職員の教育、訓練に当たる機関として、建設大学校というのが小平にございます。ここにそういう地方公共団体の建築監視員の方々を集めまして訓練いたしたい、こういう考えでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 最後に申し上げたいのは、大臣、この建築基準法のいままでの基準というものを非常にレベルダウンしたが、一面において非常に取り締まりを強化していく。そこで、この取り締まりを強化する面に焦点を合わせますと、これはそこに働く労働者の方々に、一人親方のような方々に迷惑を及ぼす可能性もある。特に片方においては、また町づくりということを考えますと、将来においてはたしてこれが日本の都市づくりの上において、これでレベルダウンしたことによって弊害は起こってこないかということも考えざるを得ない。ましていわんや、半分が永久建築物でつくられつつある今日、先ほども申しましたが、西洋の二の舞いをやって、また再開発をやらなければならないというような可能性をこの法律は含んでおるわけなんです。再開発をやるということは――特に永久建築物は民族の財産として残るのです。先日も私がある本を見ておりますと書いてございましたが、フランスという国は豊かな国で、その建物はもう減価償却が済んでおる。ところが、日本の建築というものはまだ減価償却も済んでないじゃないか。三井ビルとかたくさんのビルが建っていますけれども、これらでもまだ減価償却の最中なんです。いわばあれは借金で建てておるのです。ところが、フランスとかイタリアとかイギリスになりますと、それらは現に償却が済んでしまっておる。まことに豊かな国だということを書いてあるのを私は見ましたが、いかにもそのとおりだと思うのです。ところが、一たんコンクリートで建てましても、またこれを十年あるいは十五年後には取り払わなければならぬということになると、民族のエネルギーというものはそれだけでも大きく喪失をするわけです。これはそれを含んでおる法律なんです。したがって、町づくりの上からいって、これではたして良好な町がつくられるかどうかという点につきまして、私も大きな疑問を持たざるを得ない。都市計画上から見ると、日笠東京大学教授のように、前に言ったこととあとで言ったことが食い違うようなことを平気で言っている教授もおりますけれども、とにかく私どもといたしますと、一たん建てたものは耐用年数がくるまでは使いたいという気持ちがあるわけです。それらが民族の財産となって残っていくゆえんだと思う。ところが、これは先ほども申しましたように、ゆるやかにしておりますから、取っ払うような可能性を持っている法律である。そういう考え方もせざるを得ないのです。したがって、この改正法が施行される際には、その運用において、都市計画法にいうところの町づくりがここ四十年や五十年の間確固不動のものになるというような運用をやっていただかなければならぬと思うのですが、この点についての大臣の御決意を聞いて、私は質問を打ち切りたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いまから二カ月ほど前でございますが、日仏両国が住宅建築を中心とした国際会議を開きまして、約四日間にわたります初めての企画、催しでございましたが、建設省、建築学会等のあっせんによりましてこうした国際会議が初めて持たれました。これは非常にたっとい一つの場として私自身もそこへ行きまして、各位の意見等も拝聴いたしておったのでございますが、いま井上委員が御指摘になりましたごとく、世界各国に共通する問題である住まいの生活環境、住宅環境ということは、人間のしあわせに通ずる至上最大最高のものであろうと考えておるのでございます。したがって、住宅問題のしあわせが民族のしあわせに通ずる一つの大きな資料になる、こういうようなことをそうした会議においても申し述べました。また、フランスの大使などもこうした観点から指摘され、フランスの代表の申し述べられたことも私は非常に感銘いたしながら聞いたのでございますが、そういうような気持ちをもって、住宅行政に対しては政府はほんとうに真剣に取り組まなければならぬ、これが民族のしあわせに通ずる至上の問題であるという観点から私は住宅政策に取り組んでおるのでございますが、まだ御期待に沿い得ない数々のあることを申しわけないと思っておりますが、そうした気持ちをもってやる場合において、民衆と直結される最前線においてあらゆる問題点が伏在しておるのが、この法律案に関連する執行の場合に出てくる問題点であろうと思います。民族の厳粛な問題を最前線の場において処理する立場にあることを考えますときに、法の運営あるいはこれに対する行政指導の配慮その他については非常に期待することも大きく、また、そうした点をきめこまやかな配慮をするということが政治の姿勢でなければならぬ、こういうような気持ちをもって、いま御指摘になりました点、住まいに早く入りたい、人生のしあわせに早く溶け込みたいと待ちわびておられる方々の気持ちも十分考えてあげなければならない、また、国家的な立場からくるところの建築違反というような大きな問題に対しては、法治国家として当然厳粛にこれに対する措置を講ずるというような点、非常にデリケートなきめこまかい配慮をもって指導しなければならぬというような点は、いままで各委員が御指摘になりました御意見を聞いておりましても私はなお一そう使命の重いことを痛感しているような次第でございますので、そうした観点から、いま御指摘になりました問題点にまじめに取り組んでまいりたいという決意を申し上げて、御理解をいただきたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私はこの程度で終わります。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 佐野憲治君。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 小林参考人に対する質問に入る前に一言申し上げますが、非常に長い間お待たせいたしまして恐縮に存じております。ほんとうにおわびいたしますが、時間もおそくなっておりますので、簡単に御意見をお伺いさせていただきたいと思います。  その一つは、私は、小林参考人が、健康と住生活環境に対する基本的な問題で幾つかの論文を発表されておられるのを実は拝見しておるわけであります。そうした意味におきまして、今日における日本の都市の不健康な住居生活の実態、こういう実態を見るにつけまして、小林部長さんの立場において、たとえばイギリスの住居法、一九六七年、あるいは世界保健機構、WHO憲章、並びに国際労働機構、ILOの勤労者住宅に関する勧告、並びにアメリカの公衆衛生協会の住居衛生委員会の提案による十項目、こういうものも私たちはばく然と実は読んでおるわけでございますけれども、こうした立場から一体日本のいまの不健康な住居環境に対してどういう点において考慮しなくちゃならないだろうか、そういうイギリスの長い歴史と伝統の中に守られてきた、あるいはアメリカが健康な住居生活のために守られねばならないとしておる諸原則から考えてみますと、日本の現状は一体どうだろうかという点が第一点。  第二点として、いま私たちが審議いたしております建築基準法の一部改正、おそらく部長さんも関心を持って実は御理解になっておると思いますが、特に私たちの前にいま示されている建築基準法の改正は、特に集団規制におきまして、形態規制におきまして、現在の状況よりも非常に水準を下げておるわけですね。緩和しておるわけであります。そういう意味で、建蔽率の場合におきましても、あるいは容積率あるいは斜線制限という中におきましても、前面道路あるいは隣地斜線、北側斜線、この場合におきましても、従来の基準から見ると非常に下げておるわけですね。あるいはまた、高さの制限にいたしましても、敷地境界線からの壁面後退、非常にこまかく規定はいたしておりますけれども、これらの基準というものは私は非常に心配だ。現在の最低基準、これですらも健康という面におきまして非常に心配される面があったのではないかということを学者の皆さんから指摘されておるのに、実はそれ以下に下げていこうとする、これは重大な問題じゃないだろうか。この中で日照権なり通風なり、国民の健康を守る、健康を確保する居住環境というものは一体できるだろうか、たいへんおそるべき状態が出てくるんじゃなかろうか。特にイギリスにおける住居法なりアメリカ公衆衛生協会の原則なんかを読みますと、はだえにアワを生ずるような気持ちにさえなるわけなんですけれども、こういう点に対して建築工学界の立場においてどのように判断されますか、そういう点を率直に、ひとつ政府の立場じゃなく、参考人としての立場においてお聞かせ願いたい、かように考えるわけです。

小林陽太郎国立公衆衛生院建築衛生学部長

○小林参考人 たいへん広範な御質問でございますので、十分お答えできるかどうかわかりませんが、第一番目の問題につきましては、私どもの国の建築の技術行政というものが生活行政と分かれているというところに、これは終戦後の問題であると思いますけれども、あると思うのです。そういう建築技術基準法というものと、それから都市における健康な市民の生活を問題にするいわば私法的、民法的なものとが別々になっているというところに私は大きい問題があると思います。  先ほどお触れになりましたイギリスの住居法、ハウジング・アクトと申しますのは、本来公衆衛生法の中にできたものでありまして、都市計画法も公衆衛生法と一緒になって出ておりますし、現在のビルディング・レギュレーションもパブリック・ヘルス・アクトの中の一つになっているわけです。そういうところから見ますと、今日の建築基準法のあり方自体に、やはりあまりに耐震耐火という安全を一生懸命考え過ぎたために、それはそれとして十分な意味がありますし、先輩方の御努力で今日の耐震構造というものが世界一になっておりますが、しかし、健康に生活するということ、その健康というのは、病気ではないというだけでなくて、先ほどお示しがございました世界保健機構で申しております健康というのは、病気でないというのは消極的条件でしかない、ほんとうに肉体的にも、それから社会生活の上でも、心理的にも福祉の状態にあるときの健康というふうにいっているわけです。そういうふうに考えますと、都市の産業をささえている働いている人たちの住居が、ほんとうに心理的にも愉快に生きておられるかといいますと、はなはだそれは残念な状態にあるといえると思います。そのことは「世界」にも書いてございますし、その他いろいろ私どもも発表しておりますが、それは私の考えでは、外国の例から見まして、建築基準法が手当てできる範囲、技術法が手当てできる範囲と、できない範囲がどうしてもあるのじゃないかということなんであります。すなわち、生活に関する行政の問題は、建築技術だけでは手当てできないのではないか。そのできない面が、イギリスの住居法という形で、市民の健康な生活の場を保護する、育成するという形であらわれていると思います。で、わが国でももうこんなに経済成長がしまして、都市にどんどん人口が集まるときには、やはり住居基準法というような、健康な住まいのあり方というものを国民のために手当てする法律が基準法の中から生まれるか、あるいは別につくられる必要がどうしてもあるということが、もう外国の例から明らかだと私は言えると思います。一番目のお答えについては、大体そういうふうに申し上げることができると思います。  第二番目の、今度の法律改正のことにつきまして、斜線の制限とか、後退であるとか、高さとかについての意見はどうかという御質問でありますが、建築衛生を研究しております私といたしましては、建築の技術者であると同時に、衛生のことをやっておりますので、両方の世界におります立場から申し上げますと、実はそういう数字にあらわれる前の健康な住まいの条件というものは一体何かということがはっきりしませんと、一・二五という線を一・五にしたほうがよいとかということは私は出てこないと思います。私、研究者として考えますのは、一体日照なら日照につきまして、少なくとも健康な生活をするために何時間の日照が必要かということから出発して、そうして斜線はどのくらいあったらいいかという形にしていただきたい、研究者としてはそう言わざるを得ないわけです。私どもとしましては、必ずしも十分な研究がありませんけれども、四時間居間に日が当たるということは許容最低限だ。だから、国民の健康で文化的な生活の最低水準を守るためには、四時間日照は必要であるといえると思います。それから六時間は暫定的な時間、それから八時間は最適値ということになっていると思います。そこで、それじゃこの四時間をどういうふうに守るかということと、もし四時間日照を守れなければどういうふうにすべきかということが、法律の裏にやはり考えられていなければ私は困ると思うのです。四時間日照が得られないとすればどうしたらいいかというのです。しかたがないから、五メートルの高さから一・二五の斜線でこういうふうに建築を制限するというのは、もう最後の行政的な措置だと私は思いますが、この四時間日照が確保されないときには、国は、健康な生活をする国民のために何かかわりでその日照を奪われたものを補償するというか、何かで補ってあげるということをしていただかないと困る。日本の国は過密であって、やはり建築は高くしなければ人口を十分吸収できませんから、どうしても日照時間が三時間なり二時間なり一時間になることはしかたがないけれども、この法律に書いてしまうと、そこまでは権利があるというようなことになってしまうと私は思うのです。そこらあたりから建築技術基準が手当てできる範囲を越えて、相隣関係とかいう私法的、民主法な問題が出てくる。わが国は、御承知のように、相隣関係という私法的な分野の法体系が非常に弱いわけでございます。その点がイギリスとかアメリカとかに大いに学ばなければいけない点だと思います。たとえて言いますと、ニューサンス――日本では公害と申しますが、われわれが健康な生活をするためにもらうべき光であるとか紫外線であるとかいうような種々の天然の恵みをできるだけ生かすということ、それから、よごれた空気とか、やかましい音とか放射線とかいうものをできるだけ少なくする、そういう健康な都市生活をするためにはどういう手当てが必要かということは、建築基準法がねらっていて必ずしもできない点じゃないと私は思うのです。そういうところでこの中から生まれるか、別に健康な住居、特に都市の住居のあり方を手当てする法律が必要であると思います。  それから、あと私が少し感じますことを申しますと、今日の法律は建築行為を取り締まることには非常にきびしいのでありますけれども――あるいはきびしくないとおっしゃる方もあるかもしれませんが、ともかく条文は多いわけですが、建ったあとの住居あるいは建物の状態を健康的に維持するということには必ずしも十分でないと思うのです。建ったあと何十年か生活するわけですから、その状態規定を何とかして健康な都市生活のためには入れていただきたいという気がいたします。  それから、建築士というのがありまして、この建築士が本来建築基準法を守ってそれを維持するために働いていただくべきであると、私はその趣旨から考えるのでありますが、建築士がはたしてそういうふうになっているだろうか。お役所からまた何か建築士を監視しなければいけないということでは、どうも建築士の働きが期待どおりでないということです。建築士がもっとその技術力と市民意識を持ってお役所に協力されれば、多くの問題がもっとうまくいくのじゃないかというふうに考えます。  それから、都市の住居問題では、マンションとか民営アパートが建っておりますが、やっと今度の法律で換気関係を入れていただきましたり、あるいは壁の音を遮断する能力、遮音力というのを入れていただきましたから、だいぶよくなるとは思いますが、まだまだ大部分の都市の勤労者が入っている民営のアパート、実は東京の各区で世帯の三分の一くらいが四畳半とか六畳というアパートに入っているわけです。遊び場もない、子供の健康に悪い、あるいは子供が交通事故にあう率が非常に高いというような、そういう形ではとても健康に過ごせない。そういう住居、貸し家を規制することも、私は生活行政としては非常に大事だと思います。  お答えになるかどうかわかりませんが、私としては、学者として一・二五とか一・五という線をいいか悪いかということをいま具体的に返事しろと言われても、非常に困るのです。その以前に、四時間日照というような健康保持の線をまずわれわれは主張さしていただきたい。それを確保する上に法律あるいは条例がある。それからもう一つ、いまのこまかい住民の健康生活を住民のほうから盛り上げていくような組織を育成するようにしていただく必要があるというふうに考えます。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 ただいまいろいろお話を伺ったのですが、もう一つお聞きしておきたいのは、国立公衆衛生院というのがありますね。この衛生院に、基準法の改正にあたりまして、皆さんのほうに検討しろとしていろいろな協議連絡があったかどうか、この点をお尋ねしておきたいと思います。

小林陽太郎国立公衆衛生院建築衛生学部長

○小林参考人 私が属しております国立公衆衛生院というのは、厚生省の研究教育機関になっておりますので、直接はございませんでしたが、建築センターというところがありまして、そこへ、建築基準法の改正の案の、特に設備に関する案の原案の作成の依頼がありまして、私個人はそこへ委員として個人的に建設省の法案の設備に関することにつきまして関与さしていただいております。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 わかりました。  大臣、お聞きのとおり、政府の行政機関であって、しかも建築基準法の形態規制ですか、この場合に、健康という立場からどうあるべきか、こういう点、いま御指摘がありましたような観点からお互いに検討する必要があるのではないか。一・二五がいいとか悪いとか、私はそういう意味で言うのじゃなくて、日本の現況において日照は一体何時間がいいだろうか、いま言われるように、四時間、六時間あるいは八時間が望ましい、しかしながら、一体そういう望ましい状態から建蔽率なり斜線制限というものがとられてきたのだろうか、どうなんですか。健康の問題、公衆衛生からイギリスの住居法が出発していったことは、私は歴史的にうなづけると思います。そうしたことから考えてまいりましても、日本の場合、一体何を基準としてこれをつくり出されたのか。現在の基準法の示しているその中で日照権が問題になってきておる。しかも大臣、いま御指摘になりましたように、日本の民法は相隣関係に対する非常にあいまいな規定しかしていない。非常に残念だと思います。そういう中にあって、だからこそ、先般の井上委員の質疑のときに申し上げましたように、相隣関係に対する人権侵害としていわゆる民法なり民事訴訟に訴えられない被害者は、大きな被害受けておる。国民として健康がむしばまれておる。適正な住居環境を維持するのではなくて、むしばまれている日常生活に対して、訴え出ない、いわゆる法務省の人権擁護局しかこれを取り上げていない、こういうことから考えてまいりますと、やはり公衆衛生の立場におきまして、望ましい勤労者の国民としての住宅環境はどうあるべきか、そこで日照権はどの程度まで健康の面において必要なのか、最小限度としてどの程度が必要なのか、こういう意味においての基準法の改正がなされるべきではないか、こう私は思うのです。大臣、そういう意味で、どうなんですか。  私はもう一つ参考人に――公衆衛生学の立場から考えてまいりましても、私は一・二五がどうのこうのというのではなくて、いまの日本の現状の中においてこの基準法が適用されてまいる、はたして日照権が、プライバシーが確保されるだろうか。いわゆるあすの再生産をする、しかも健康を守る環境が、この住居環境の中から生まれてくるだろうか。逆に、それを犠牲にすることによって住宅が建設されてくる。国民の健康という面から考えれば好ましくはないけれども、これをやらなくてはならないという理由を、私は政府の一カ月有余にわたる質疑の中の答えで求めることができないわけです。そういう意味において、参考人としては一体どうお考えになられますか。日照権なり国民の健康のために、最低限度の日照は一体どうだろうか、もしそれが日本の特殊事情によってさえぎられるという場合には、これにかわるべき手当てが必要だ。人工的な日照なり、いろいろな問題点をあなたは指摘されましたが、そういう点がこの基準法の中に含まれているのだろうか。今日の状況においてある程度の自然的日照権は制限をする、かわるべき人工日照なりその他に対する手当てがこの基準法においてなされておるだろうか。他の法律をもってなさねばならないのか。この基準法によってそういう手当てがなされているとお考えになりますかどうか、そういう点に対してお答え願いたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 たしか私、十一月に建設大臣に就任させていただきまして一カ月後の十二月の、最も日本の天候的にもあるいは気象的にも悪いとき、日を選びまして、江東地区あるいは墨田地区等の住宅街を視察してまいったのでございますが、そのときに私は痛切に感じましたこと、その対象は、おもにやはり公営住宅、低所得者に対する住環境のあり方、実態というものをよくこの目で見ておきたいというような気持ちで参ったのでございますが、その場合に、やはり陰気な住宅街の現状を見ますときに、まことに憂慮にたえない、寒心にたえないと思ったわけでございます。そうした気持をもって見ますときに、一番問題点となりますことは、やはり住まいの環境の日照の問題、これがあまりにも不幸であるということ、そう思いましたことから、私は、やはり住宅政策では日照権という問題に対しては真剣に措置を講ずべきであり、また考えなければならぬ、こういうような気持ちをもって、住宅局長、関係課長などとともにこの立法の草案に当たったわけでございます。とともに、そうした問題点を十分指示もいたしてまいったわけでございますが、いま参考人のお話を聞いておりますと、どうしても四時間の確保はしたい――ほんとうに私は四時間よりも六時間ということを大きな願望といたしておりますが、しかし、いまの事実からまいりまして、決して言いのがれではございませんけれども、その線に到達していないことも私は否定するわけではございません。そうしたことを考えますと、やはりこれを補う問題を真剣に対応策として考えなければならぬことは、いまも御指摘のとおりでございます。たとえば通風の問題、あるいは湿気の問題、あるいは構造の問題、あらゆる点について十分配慮しなければならぬ。これはいわゆる公害問題を含めての問題点――私といたしましては、この建築基準法の制定で事足りる、すべての万全策であり、これらに対する解消策であるというようなうぬぼれた気持ちはみじんもございませんが、私はそうした気持ちをもって今後も日照権問題に対しまして、あらゆる総合政策を、いま参考人が指摘されました点、あるいはかくあるべきであるという願望も含めまして、建設省といたしましては今後もこれに真剣に取り組んでまいりたい、こういう考えであることを申し上げて、率直に私は、いまの佐野委員の御指摘についてもともどもに共感をもってこれに対する対応策を十分考えなければならぬということを申し上げて、御理解をいただきたい、こう思います。

小林陽太郎国立公衆衛生院建築衛生学部長

○小林参考人 私は最初に申し上げましたように、建設省の方々の御努力というものはたいへん認めるのでありまして、この建築基準法がなければ今日のわれわれの安全というものは果たされないと思いますが、それだけではないということであって、すなわち、健康な生活というものは、生活の問題ですから、やはり消費者行政と同じ生活行政のことで、国が手当てをしなければいけない問題だと思います。そこでお願いしたいのは、私は厚生省の研究所におりますが、生活をあずかる厚生行政と建設行政とが離れ離れで仕事をなさらないで、これは一つの法律を二つの省が共管するかというようなことでは、生活のような複雑な、しかも市民のためのきめのこまかい行政というものはおやりになれないのではないかと私は思います。そのために、医師が建設省の中におったほうがいいし、私のようなエンジニアが厚生行政の研究所におるわけでございますから、自分の技術の範囲のことでは済まないと思うのです。生活というのは、赤ん坊もおるし、老人もおるし、病気の人もおるわけですし、健康で働かなければならない人もいるわけでありまして、それらの生活の問題は決して建築技術だけでは解決できない。しかし、できないからといって建設省を責めるだけでも困りますので、行政はもっと仲よく厚生、建設行政がやっていただきたい。それが一番のお願いでございます。こまかいことは私どもは建設省の人にも厚生省の人にも言っておりますので、私の結論はそれでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 時間もだいぶ過ぎましたが、大臣、いまお聞きになりましたように、建設基準法の改正を二十年ぶりでやろうとする。しかも、あの当時の敗戦後の貧しい中におきましても、国民の健康その他将来のことを考えて基準法を制定になった、そしてこの長い二十年間その努力が続けられてまいったと思っているのに、実はその基準すらも下げなくてはならない、はなはだ悲しむべき現実に直面しておると思います。しかも、下げることによって逆に国民の健康がむしばまれるような諸条件ができてくるのではなかろうか、そのことを考えますときに、私は、この大きな改正をやる前提として、国民の健康はどうあるべきかという観点から、やはり国の機関としての公衆衛生院なり、そういうものと、ほんとうに真剣に国民の健康を守るという立場において、やはり協議されるべきだっただろうし、今後もやっていただきたいと思います。ただ問題は、やはり質疑の中におきまして、なぜ改正しなければならないのか、なぜ下げなければならないのか、あるいは国民の健康とという立場において考慮されておるのではなくて、違法的な現実が出てきておるから、その現実に適用させるという技術的な手法しかとられていないんじゃないかということを実は非常に遺憾だとし、その点に対する質疑を集中的に私たち委員は続けてまいったと思います。しかしながら、なかなか明確な返答が得られないけれども、やむを得ないと思います。  それで、このためには、やはりそれにかわるべき手当てをやるべきではなかろうかということと、もう一つは、私、大臣にこの機会に言っておきたいと思いますが、大臣も、雪の北陸、福井市の市長に携わってまいりましたが、たとえば国の公的資金によるところの公営住宅、あれをながめてまいりましても、公営住宅の中に上下水道が一体どうなっておるだろうか、あるいはまた、雪の中におきまして、ふん尿その他が行き詰まってしまう、しかも雪の降るところと降らないところが一緒になっている、そういうところこそ上下水道が完備されなくてはならない。衛生面から考えても非常におそるべき状況だということは、市長さんとして経験されたと思います。赤痢や疫痢を心配しなければならなかった日も多かったろうと思います。そういう意味では、雪の中にあって、どこにも出ることができない、清掃車もやって来ないという中で、同じ基準の建築がなされておる。保温の状態を見てまいりましても、どうだろうか。雪の降るところと降らないところと同じような保温の形態が、公営住宅なり、住宅金融公庫の貸し付けの基準の中で設定されておる。あるいはまた、雪の中では物置きが必要だ、冬季間の野菜が重要なものだということは、市長さんをされたあなたは御承知のとおりだと思います。その場合に、福井県の状況を見て、野菜が不足しておる、どうしても冬季間におけるところの野菜を確保しなければならぬ、そういうことで貯蔵する施設も、雪の降らない、冬においても野菜をつくることができる地帯とやはり一緒の基準が設定されておるわけです。しかも、それらのところに七十戸、八十戸建っても、子供の遊び場なり、集会室なり、保育所なりが完備されていない。こういう中におけるところの健康というものに対するそういう形をほんとうに実現していくという中で問題があるとするならば、その問題は一体何であろうかということを煮詰める、そして建築基準法というものの改正に取り組んでいく、こういう姿勢がちっとも見られないわけですが、そういう点からいきまして……(発言する者あり)

始関伊平自由民主党

○始関委員長 御静粛に願います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 時間もおそいですから多くは触れませんけれども、委員長、やはりもう一カ月間くらいこの問題にそういう角度から真剣に取り組む必要があるんじゃないだろうかというふうに痛感いたすわけでありますけれども、一応次の機会にその質疑はさせていただきたいと思います。  参考人の小林先生にはおそくまで恐縮でした。  そこで、第二の点といたしまして、大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、何回となく論議されましたように、建築の性格上、いわゆる不作為義務命令、行為をやってはならないという停止命令、こういう停止命令をかけて、これを将来に向かって実効性をいかに確保していくか、もしこれが実体的な違法建築という姿になってしまいますと、人の城であり、居住権であり――憲法上、文化的で健康な生活としての居住権というものは、どうもこの中におけるところの違反建築に対する取り組みというものは、代執行ということがあったといたしましても、非常に困難だ、こういうことは質疑の中においても明らかになってくるわけです。といたしますと、この不作為義務の間に、建物が実体的な違法にならない間に、これをどうとめるか、こういう点に対する私たちの主張といたしまして、一つは執行罰という形において、いわゆる事後に対するところの処罰と罰金制度がありますが、ほんとうにこのあやまちを繰り返さないためにいわめる間接強制としての措置がとられないか。諸外国の中で制度としてとられている国と比較して、日本の場合によりそれがとられないものかどうか。もちろん、この場合に、私ども立法府として、憲法上重大な問題があるとするならば、それを採用することはできないと思います。日本の法理論上から見てこれは不適格であるという場合においては、私たちはこれを採用することはできないと思います。しかしながら、いままでの質疑の中において、憲法上の問題はない、法理論上もそれに対する疑義はないのだとするならば、なぜそれを制度として取り入れることができないのだろうか。それこそ、違反建築をした方も、違反建築の中に入った方も、隣人の方たちも、ともどもに苦しまなければならないとすれば、ここでそれを押える方法はないのか。実はそれを制限する制度というものが採用されていないわけです。執行罰というものは日本になじみがない、新しい制度として研究されていない、だから、実効性の面においてもう少し検討したいというなら、他に何かかわるべきものがあるだろうか、こう考えてまいりますと、いわゆる裁判所関係による強制執行ができるのではないか。しかし、そうするためには、建築審査会というものの性格、その機能、権限なりをもっと洗ってみる必要があるのではないか。そういう中において、日本の現行法の中でとられている諸制度を導入することができるのではないか。建築審査会がその権限なり権限においてたえられない、だから、それに移行することも困難だと言われるのならば、その機能を回復させることが必要ではなかろうか、こういう点を私たちは指摘してまいっているわけであります。それに対して、大臣、率直に言って、私たちは、質疑の中においても、また理事懇談会においても、そういう点をずいぶん追及をしたはずです。そういう問題に対して、私たち今日の段階において、それを法制化することが困難であったといたしましても、それに向かって努力していく、こういう考え方を行政府に要求しているわけですが、これに対して、どのような考え方を持っておられるかをお聞きしておきたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 佐野委員の二つの問題点をとらえての御質問に対して、私は私なりにお答えを申し上げたいと思います。  前段の問題につきましては、私は、何と申しましても、政府の責任、政府の施策によって、国民のしあわせに通ずる一つの問題点を、政府のあらゆる機関を通じてこれに対処する政策を今後推進していきたい。もう具体的なことは申し上げませんけれども、いわゆる日照権の問題一つを取り上げましても、やはり四時間以上を確保するという大きな希望を持ちながら、それが現実の上にでき得ないことを考えますときに、いわゆる子供の教育等も考えるときに、いわゆるがらくた公園あるいは児童運動公園というようなものの増設をはかってまいるということで、本年度、私は私なりに――格別とは申し上げませんけれども、かなり配慮いたした点もある次第でございます。と同時に、あるいは健康の面を考えましたときに、公営住宅に対するふろの設計を本年度から実施するということで、すべての指導を行なっている気持ちもここにある、あるいは歩道の問題、あるいは御指摘のとおりに緑の問題等につきましても、過般新聞を通じて発表いたしましたごとく、せめても緑のある住宅環境の整備、しあわせな環境を一つでも多くつくってまいりたい、こういうような一貫性を持って配慮いたしている気持ちだけはひとつ十分御賢察賜わりながら、いま御指摘になりました問題点には、十分今後もあなたと同様な観点を持って、決意を持って取り組んでまいりたい。  後段の第二点の問題については、もうすでに累次にわたり委員会において政府の立場を御説明もし、また佐野委員のとうとい御意見も十分承っておる次第でございますので、その点に関する問題点もひとつやはり考えなければならぬということを――弁明などは申さずに、今後これらの点に対して、執行あるいは運営等に対し配慮をいたしますとともに、いま申されました問題点が早くこれらの点で総合的な立法措置も講ぜられる日を念じ――といいますか、やはりこれらに対して真剣に取り組む体制をもって臨みたいということの決意を表明申し上げて、御理解いただきたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 大臣の述べられたことばは、執行罰その他につきまして、裁判所関与による強制執行を含めまして、政府も検討していると理解していいわけですか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 十分これらの問題点を究明といいますか、解明いたしながら検討いたしていくことは、私は当然だと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 次の問題として、私たちは敷地台張の創設を要求してまいりました。これに対しまして、現在における実情から考えてまいりまして、あるいは土地登記の問題その他とも関連いたしまして、いますぐ実行することが非常に困難な現況にある。しかしながら、二重使用によるいろいろな弊害というものはもはや明らかになってまいってきておるわけですから、確認申請に対する二重使用なり、こういう問題をやはり防いでいくために、新しい意味におきまして、これらに関するところの地所閲覧を義務づける、こういう形に変えてはどうかという御意見も伺っておるわけですけれども、一体大臣としてはどうお考えになりますか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 いわゆる敷地用地台帳の問題点につきましては、いま直ちにこれに取り組むといいますか、かなり問題点も伏在しており、これの立法措置によっての問題点がどうあるかということももう少し検討を加えたい、こう思いますが、政府といたしましては、また建設省といたしましては、関係省庁とも十分連絡をとりながら前向きの立場で検討を加えたい、こう考えております。

佐野憲治日本社会党

○佐野(憲)委員 ただいまの大臣の答弁も、私たちが一応修正案として用意をしておるこの段階を踏まえて、将来に向かって土地台帳制度を実施していくための努力を積み重ねる、こういうぐあいに理解していいわけですね。  最後にもう一つお伺いしておきたいのは、先ほど井上委員から、あるいは阿部委員から、いろいろ建築行政に対する、執行体制に対する問題が取り上げられております。それからまた、小林参考人も御指摘になりましたが、もっと身近いところで建築行政があらなくてはならない。住民が参加する、住民がともども健康な居住環境をつくり出していく、こういう体制がとられねばならないということを指摘しておるわけです。私は、その意味におきまして、いまのような、いわゆる国が権限を持つ、こういう形の国政事務として権限を持って特定行政庁に機関委任をする、もうこういう考え方を捨てていいのではないか、国は基準を明示する、あるいはシビルミニマムを明らかにする、こういうことは私は必要だと思います。しかしながら、建築行政というものは住民とともに歩いてまいらなくてはならない。そうするならば、特定庁主義を捨てて、やはりもっと住民の身近なところに建築行政があらねばならないのではないか、そういう意味におきまして、もっと地方自治体に権限をおろすべきではなかろうか、こう考えるわけです。というのは、機関委任事務でありますから、交付税の取り扱いにいたしましても、皆さん、建築主事といいましても、交付税では、一職員としてしか計上されてまいらない。と同時に、それに対する経費といたしましても、確認申請という、それによって三分の一の経費をまかなっていかなければならない。固有の事務として、財政需要として配慮されていないということは、先ほどの質疑の中でも明らかになったと思います。もっと身近なところに建築行政があらねばならないのじゃないか。そして基準法の前提となりますところの用途地域というものは市町村がこれを決定する、こういうことになっておるわけです。その中に入るものは国の権限で決定するんだという形をとっておるわけです。あるいは条例には委任しますけれども……。  もう一つ考えなければならないと思います点は、私は、県の場合に対しましても、あるいは特定行政庁に対しましても、機会あるごとに言っておるわけですけれども、一体そうした中から違法建築が建てられてまいる。皆さんは代執行だと言われても、なかなか憲法上の問題で代執行が使えないという場合におきまして、ここで不動産取得税があります。これは一度不動産取得税は悪税として廃止になっておるわけです。流通税の関係上……。ところが、また復活してほしいということで、これは県あたりの隠し財源として大きな財源になっておると思います。理屈にならないこれらの税金をあえて復活させたというのは、違法建築であっても、これから税金を取ることができる。不動産取得税を取っておるわけです。皆さんが特定行政庁に委任をしておる、その意味においては、違法建築を取り締まらなくてはならないその違法建築から、また片っ方で不動産取得税をいただくということをやっておる。あるいは特定行政庁が持っておる固定資産税にいたしましてもそうでしょう。片方において違法建築だからこわすかもしれぬ、こわすぞと言いながら、あるいは水道はとめるぞと言いながら、片方におきましては、その特定庁において占めておる大きな自主財源として固定資産税の徴収をやっておる。片方で違法建築を認めてそれぞれの税制が発動していっておる、片方においてこれを禁止するという二重人格の形の中にあるのが、特定行政庁というものの立場であろうと思う。こういう矛盾を解決するためにも、私は、地方団体主義、地方団体にそれらの権能と財源を委譲すべきではないか、こういう点を真剣にひとつ考えていただきたいと思います。そうでなければ、矛盾が矛盾を呼んでくるだろうと思います。その場合に、そういうことを聞かない特定行政庁ならば、あなたが公選の知事であろうと、公選の市長であろうと、この建築基準法におきましては罷免するんだぞと、だんびらを幾らかざしても、実効があがらないということを私たちに教訓を与えておると思います。実はこれらの問題を含めまして私は十分検討していただきたい。消防法によりますと、火災その他の面におきましては、小林参考人が申し上げますように、防災その他耐震という問題で世界一流の基準をつくり出してきておる。そういう中における消防というものの役割りが大きいのですけれども、消防はそれらに対するところの検査なり何なりの権限を持っておる。これは市町村といえどもそういう権能が与えられておるわけです。それによってみずからの町の災害なり火災から守ろうという努力がここに行なわれておる。こういうことも私は知っていただきたいと思います。そうするならば、もはや地方自治は民主主義の基盤として成長してきておるのだから、しかも住民参加によって不法な違法建築を押えていく。皆さん金を出して監視員をつくるのだといっても、現在の交付税のたてまえからいくと、私は少ないだろうと思います。七百人の人員がおるといいましても、たとえば、標準団体である百七十万県民のおる県庁に対しましても、雇用人を入れましてもわずか三十名の人員しかない。だから、その中で現在三千名の監視員になるべき要員がおると言われましても、現実自体はそういうものではないと思います。各機関委任事務という形を捨てて、固有の事務として町村にそれらの事務を大胆に委譲することによって、そして住民が参加することによって、住民の手によって違法建築を押えていく、住民お互いが被害者になるという観点に立ってこれを抑止することができるのではないか。住民を尊重する、住民が主人公だ、その町づくりをするのだという一番大きな命題にこたえていく。住民の自治能力、その中から違法建築をみずからの手によって取り除いていくべきだという体制がなかったならば、いかに規則を強化し、いかに機関委任事務としての強権をちらつかしても、私は問題の解決にならぬのじゃないか、こういう点を考えますから、そういう点に対しましても、あるいは本委員会としては附帯決議その他を付することになるかもしれませんけれども、そういう点に対しまして大臣も真剣に検討していただきたいと私は思います。そういう点を一言申し述べまして大臣の御所見をお聞きして質問を終わらせていただきたいと思います。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 佐野委員の詳細にわたる御意見、また、問題点あるいは矛盾点なども十分御指摘しながらの御意見をまじえての御質問でございますが、決して弁明するわけではございませんけれども、私は、この法律案の改正に対しましては、いま佐野委員が御指摘になりました点は、ある程度前進的に盛り込んだ改正点も多くあることは御理解いただけるのではないか、こう思います。しかし、これによってすべてが成れりというような気持ちはみじんも持っておりませんので、いま御指摘になりました問題点あるいは矛盾点等につきましては、絶えず住民、国民の立場に立ってこれらの問題点の解明と、それに対する改正点等については、今後とも、いま御意見を述べられました御指摘の点も十分踏まえまして真剣に検討いたし、また御期待に沿うような道を講じてまいりたい、また行政指導の配慮も十分いたしてまいりたい、こういう考えであることを申し上げて御理解をいただきたいと思います。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これにて本案に対する質疑を終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

始関伊平自由民主党

○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終了いたしました。  次回は、来たる四日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十三分散会

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