建設委員会 第27号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/06/18
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、井上普方君から発言を求められておりますので、これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 昭和四十二年十月に行政管理庁から建築行政に関する勧告という勧告書が出ておるのであります。これは、われわれがただいま審議いたしております建築基準法の一部改正法案と密接な関係がございますので、この勧告文書がわれわれの手に入るように御配慮願いたい、このように思う次第でございます。
○始関委員長 ただいまの井上君の資料要求につきましては、委員長において善処いたします。 —————————————
○始関委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 議題となっておりまする建築基準法につきましては、今日までかなりこさいにわたって審議が進んでまいりました。特に本法の非常に重要な改正点と思われます建蔽率その他用途区分などにつきましては、核心に触れた質疑が行なわれまして、これにつきましては相当具体的に検討を進めなければならないやに思われます。しかし、私はきょうはその点につきまして重複した質問は避けることといたしまして、角度を変えまして、この基準法を改正しなければならなかったところの原因などにつきまして特にお尋ねを申し上げて、さらに進んでは、法律の細部につきまして一、二私の疑問といたすところをお尋ねいたしたいと思います。 まず最初に、基準法を改正しなければならないような事態となったものの一番大きな問題は、都市に人口が集中してきておる、その集中のしかたがあまりにも激しいということからいたしまして、宅地の利用その他につきまして、あるいは公共施設がこれに追いつかないというような問題を引き起こしておるようであります。そこで私は、まず第一にお尋ねいたしたいのでありますが、この一番大きな問題、原因と思われまする都市への人口集中の傾向というものは、最近どういうふうに進んでおると見られておりますか、それから今後どういうふうに進むものと考えておられますか、まずこれを大臣からお答えをいただき、さらにそのこさいにわたっての、地方を含めての状況を関係局長から承りたいと思います。
○坪川国務大臣 お答えいたします。 金丸委員御指摘になりました都市への人口の集中というものが最近ことに顕著に相なってまいりましたことは、御指摘のとおりでございます。この根本原因が那辺にあるかということは、もう私から申し上げるまでもございませんが、やはり国土全体の均衡ある施策ができ得なかったということも私は否定いたすものではございません。したがいまして、政府といたしましては、均衡のある国土開発、建設をいたす場合における最も集中的に鋭意努力しなければならぬ施策は、過疎対策を十分いたさなければならぬという最も重要なきびしい問題がここにあることを私は痛感いたしておるような次第であります。したがいまして、今後過疎対策の問題に真剣に積極的に取り組みましてこれらの人口集中抑制をいたすということが、最も重要な課題ではなかろうか、建設省といたしましても、この点を踏まえまして、いま過疎対策に対する諸般の具体的な施策を検討、また実行に移す段階に、時と競争いたしながら、すべきであるという方針でいたしているような次第でございます。したがって、これらの抑制をいたしながら、現在の人口集中に対する現実の問題に対しまして当然都市対策として打ち立てなければならぬ問題の一環といたしまして、ただいま御審議をわずらわしておる建築基準法の御審議をいただいているゆえんもここにあることを御理解いただきたいと思うのでございますが、具体的な数字等につきましては局長をして答弁させたいと思います。
○大津留政府委員 昭和三十五年におきます市街地の人口を一〇〇といたしますと、五年後の昭和四十年におきます市街地の人口を地区別に見ますと、東京圏におきましてはこれが指数で一一二になっております。東京圏と申しますのは、東京、千葉、埼玉、神奈川を含みます。それから阪神圏におきましては、ほぼ同じく一二一という、二一%増になっております。中京圏——愛知、岐阜、三重の中京圏におきましては、一一四という指数になっております。それ以外の地方都市におきましては一〇九で、九%の増、こういうふうに相なっております。 今後の見通しでございますが、建設省の推計によりますと、昭和六十年におきます市街地人口でございますが、東京圏におきましては二二六、阪神圏におきましては二二一、中京圏におきましては三一〇、その他の地方都市におきましては二一七ということで、全国の市街地人口が九千三百万、全人口の約八〇%、こういう推定をいたしております。
○金丸(徳)委員 大臣は、都市集中を悪と見て、これを改善しなければいけないという御意見のようであります。国土を平均的に開発する、また均衡ある成長を望む、これは私も同感なんでありますが、現実には、ただいまお答えがありましたように、都市へはどんどん人口が集中しておる、産業が集中しておるということであります。幾ら悪と見ましても、この悪が助長されている、成長されているという事実はどうも否定しがたいのであります。これはどういう原因があるか。都市集中はきのうきょう始まったわけではありませんで、戦後、特に高度成長政策が非常に強力に進められて以来というものは、その激増の状況が一そう激しくなっているということであります。ことばをかえてみますれば、悪が一そう強まってきたというように見ざるを得ない。どういうようにしたらよろしいか。過疎対策ということでありますが、具体的にはどういうお考えの中にこの問題をとらえておられまするか、承っておきたいと思います。
○坪川国務大臣 その悪の除去、この悪の現象をどう解消するかということに対する政府の施策といたしましては、過疎対策に対する重点政策を打ち出すその具体的なものとしてはどうあるべきかということになりますと、建設省として目下考慮いたし、また注視いたしておりますのは、第一に、魅力のある生活圏を確立する、魅力のある生産の場を確立するという立場から考えますときに、やはり山村振興道路あるいは山村産業開発道路あるいは林道の開発というような、奥地産業の開発の基盤をなす道路政策に重点を置いてまいりたい。とともに、中小河川あるいは零細な小規模河川対策に重点政策をいたさなければならない。それには、急傾斜地に対する対策もあり、また砂防対策もあり、地すべり対策もございます。また、危険個所の修復等も踏まえまして、そうした不幸な土地環境というものを整備、造成して、生産の場をつくる最も重要な根底の政策がここにひそんでおる、これに万全を期することによって、これらの方々がその地を捨てないで生産にいそしんでいただき、喜んで生活していただく、こういうような環境づくりに私は重点を置きたい。したがって、それらに対していま建設省として考えておりますのは、八地方建設局の中において最も過疎現象の激しい地点を選びまして、そこに一つの標準規模都市をつくってまいりたいということで、今年四月から調査を急いでおりまして、いまそれが決定をいたしつつございますので、いずれ最終的な決定が得られましたならば発表もいたしたいと思います。そして、それの交通の対策、通信の対策あるいは情報その他あらゆるものの対策も併合いたしまして総合的につくり上げまして、そうした地点を全国的に拡大強化していく、具体的な都市を拡大していく、数をふやしていくというような一つの政策を現実の上に具体的に打ち出してまいりたい、当然そうすべきであるというのが一つの方針であるとともに、国土総合開発の一環としての重要な幹線道路あるいは重要な国道の昇格とか、あるいは一級河川の根本的な改修その他を行ないまして、その水系に属するところの中小河川、小規模河川の改修がそれによって完成されるというような問題、あるいはその他あらゆる交通通信網体系を整えまして、過疎地域に対する一元的な行政を打ち出してまいりたいということで、私がいま当面いたす重要な施策として具体化を急いでおることを御理解いただきたい、こう思っております。
○金丸(徳)委員 実は、私が結論的にお伺いいたそうと思っていたことを、たまたま大臣のほうからお触れになりました。私が冒頭こんなお尋ねをいたしましたのは、こんなことからであります。大臣もいまお触れになりましたように、国土をできるだけ住みよく、働きよく開発していくのだ、それも、全国均衡のあるようなテンポでいけば、それにこしたことはない、こういうことであります。私は、それ自体たいへんいいねらいだと思います。思いますが、それが思うようにいかなかったのは、国土全体を均衡ある形において同じようなテンポで進めていくということは、理想としてはいいけれども、たいへんな金もかかるし、たいへんな労力、技術も要するということでありまして、結果的には、一番安くできる、一番便利なところから進められたというようなことで、結局、既成の都市が手がつけやすいし、金もかからず、便利だというようなことで、それになったことだと思います。したがって、いま過疎対策ということでありますが、これを簡単にいえば、その既成都市を開発し、さらに助長していくという施策を取り上げて、いま大臣もおっしゃるように、地方のほうに模範的都市をあらためてつくって、あるいは都市に準ずるような地域をつくって、それにどんどん金をかけて、そこへ人口を引きつけるということで足りるわけであります。しかし、私はどう考えましても、経済の成長を急ぐ、あるいは、ことにこの国際的競争力を強めていかなければならないというような現段階におきましては、人口の都市集中ということば別にいたしましても、産業をまずやりいいところで開発する、定着する、そこに成長させるということはどうしても避けがたいことで、産業がそういう形をとりますれば、したがって人口も当然に水の低きにつくがごとく集まっていくだろうと思います。だから、大臣がおっしゃるように、国土全体の均衡ある安定成長をはかるということでありますと、いまのようなお考えの中からは出てこないのじゃないか。遠い百年も二百年もあとのことは別といたしまして、さしむきむしろ現実は逆の方向へ進んでおると見なければなりません。どこか考え方の基調を変えていかなければならぬのじゃないかとも思うのでありますが、いかがでございますか。
○坪川国務大臣 いま金丸委員が御指摘になりましたそこがやはりお互い苦悩いたしておるという大きな問題点だと思います。いろいろの都市開発あるいは過疎対策に対するところの考え方あるいは理論的な体系、背景等も、私は私なりに検討いたしておりますと、これらの進み方に対する考え方がおのおの違ったといいますか、おのおの具体的な最終の到達目標は同じでございますが、その具体的な方法論としては、それぞれの見識を持った方法論を述べておられる意見なども私は読んでおり、また聞いてもおるのでございますが、さっき申し上げましたような地方への均衡のとれた過疎対策を並行していたしますとともに、もう一つ、やはり現在の都市の不幸をどう除去していくか、これと真剣に取り組むということが非常に必要であろう。きょうも実は、御案内のごとく、都市計画法施行五十周年記念に際しまして皇太子殿下並びに妃殿下の御臨席をいただきましたが、その始まる前に十分ばかりお会いをいたしましたけれども、皇太子殿下のおことばの中、また皇太子殿下が御心配になっておられる御指摘の点なども非常に私は恐縮いたしておったのでございますが、やはりいまの都市化現象に対する皇太子殿下の御心配のような点なども、いまおっしゃったような問題点と共通する批判をちょうだいいたしておるのでございます。そうしたことを考えるときに、これでもう都市化現象が解決できるとは私は決して申しませんけれども、これを積極的に打ち出してまいりたいということで、いわゆる工業地区、商業地区、住宅地区というようにそれぞれ分け合った、秩序あるところの、スプロール化現象を解消した姿の都市建設をいたすという場合において、都市計画法の推進、並びに御議決をいただきました都市再開発法のこれに対するところの万全な施策の運営と、いま御審議をいただいておりますところの建築基準法、こうしたそれぞれの持つ問題の目標を立法措置を講じ得ましたことによって、三者一体となって一つの関連性を持ちながら具体化してまいりたいということで、御審議をいただいているゆえんもここにございますので、現実の都市化現象に対して政府が万全の積極的な対策を鋭意打ち出し、努力していくということによって、いまの不幸を幾ぶんなりとも除去してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 大臣の言われんとするところもよくわかるような気がいたします。ことに、いまおことばの中にありましたように、皇太子さんもその点を御心配になっておられるのは、都市化傾向をこのままほっておいてはいかぬではないか、簡単に言いますれば、都市にあまり力を入れないで、地方あるいは山の中のほうに——具体的にはどういうお考えかわかりませんけれども、そういうことにしたほうがよろしいのではないかというふうに聞こえるように思うのであります。もしほんとうに国土の均衡ある開発成長を願うといたしますれば、この辺で全く政策は変えなければならないのではないかと私は思うのです。均衡ある開発あるいは成長を望むといいながら、実は政策の重点が都市にかかっているといたしますれば、ねらいはそっちにあってもあるいはこっちにいってしまうということになるわけですから、結果的には逆になり、皇太子さんが御心配になられたようなことにますますならざるを得なくなると思うのです。したがって、その腹をきめてかかりませんと、たいへんこの問題は取り組みにくい、逆な取り組み方をしておるのではないか、こんな心配を持つ。たとえて言いますれば、今度問題になっているこの法にいたしましても、あるいはこれの母法とでも申しますか兄弟法とでも申しますか、都市計画法、都市再開発法というものをとってみましても、これは都市化傾向に対して現状からやむを得ずつくるということになるかもわかりませんけれども、これによって結果的には都市はますます住みよくなり、ますます便利になり、ますます働きよくなる、したがって人口は自然に引きつけられるということにならざるを得ない。こういうふうに助長しないほうが、むしろ大臣のおっしゃるところの国土の均衡ある開発の方向に具体的に進んでいくのではないかと思うのですが、いかがでありますか。
○坪川国務大臣 いろいろと御意見もあり、また、金丸委員のお考えも一つのよき貴重な資料として私もお聞きいたしておりますが、総合的な計画的な施策を過疎対策としてとり、都市化現象に対する都市対策も並行していたすということで、一方のみに集中するということは、かえってその格差を助長するだけにすぎないのではないかというような気持ちがありますので、過密、過疎対策について積極的に両方から推し進めてまいることが最もよき方法ではなかろうか、こういうような気持ちて、重点的に過密だけ——しかし、御承知のとおりに、こうした家族の細分化あるいは非常に結婚適齢期の人間の増加、いろいろのことを考えてみますと、もう一日一日というものがやはり時間と競争していかなければならぬ時代だ、私はこう思うときに、こうした現象も十分心にとどめながら、過密、過疎両方をきびしく打ち立ててまいりたい、これを私の方針として進めたい、こう考えております。
○金丸(徳)委員 わかりました。大臣の方針は、現にあるところの都市における人間の問題をほうっておくわけにはいかないから、それに対する対策を講じてやっていく、しかし、同時に過疎対策を強化して、言ってみまするならば、地方にもっと魅力ある条件をつくり出して、自然にそちらのほうに産業もいく、人口もいくようにするのだ、こういうことのようであります。それはたいへんりっぱな御意見であります。私も満腔の賛意を表したい。 お伺いいたすのでありますが、具体的に大臣の御方針というものは——ことしは、大臣、急傾斜地帯の崩壊を防止するという法律をお出しになりました。あのときも私は残念は思ったのでありますが、その裏づけがあまりにも少ないものですから、ただもう看板倒れになりはしないか、こういうことを思った。いま基準法を審議するにあたりましてもあらためて思うのでありますけれども、政策の重点が、また、国なりあるいは個人なりの資本というようなものが、都市に投ぜられるに見合うだけ、あるいはそれ以上のものがなければ、大臣の方針というものは具体化されないわけです。それ以上のものが地方に向けて投じられておりましょうか、私は現にはないと思う。これからほんとうに投じられるのでありましょうか。力が、金が、技術が、政策の重点がそういう方向に進むお見通しがあるのでありましょうか、いかがでございましょう。問題は、そうは言いながら、やはり都市に力が入っていってしまうということになると、結果的には逆になると思う。ほんとうに過疎対策を立ててその過疎対策によって地方に魅力を持たせ、自然に目が向くということにするためには、相当の決意、相当の金が要ると思うのですが、いかがでありましょうか。
○坪川国務大臣 全くごもっともな御意見でございますが、ここ四、五年の公共事業の実態というものを予算的に考えてみましても、かなり立ちおくれといいますか、経済硬直に関連する一つの問題から、あるいは景気刺激に対する問題点から、社会資本が非常に立ちおくれてきておる、公共事業投資が非常に立ちおくれてきておる、こういうようなことを非常に痛感いたしまして、この社会資本の立ちおくれを取り戻すということが、建設予算の根本的な目標、考え方にいかなければならぬ、こういうような気持ちで、昭和四十四年度の予算編成に対しましても、私はそうした気持ちを持ちながら大蔵当局と強く折衝をいたしたのでございますが、昭和四十五年度の予算編成も、もう八月からいよいよ事務的段階に入るわけでございますので、いま申し上げましたような過密、過疎対策からくる社会資本の立ちおくれというものをぜひ取り戻す意味において、第二年の四十五年度に対する公共事業予算編成に対しては、もっともっと積極的なる強い方針をもってひとつ予算編成に取り組みたい、こう考えておるような次第でございます。
○金丸(徳)委員 この問題につきましては、あまり長く時間をかけるわけにもいきませんけれども、私は、その点につきまして過疎対策の具体的なものをお示し願えると、なお安心できると思う。過疎対策というのは、ただ人口が過疎であるから人口をそちらのほうに持っていけばいいということではない。もしそうであるならば、山の中に人が住めといっても、これはたいへんなことであります。また、非常な不便なところに産業を興し、そこでほかのもっといいところの産業と競争しろといっても、たいへん無理じゃないか。にもかかわらず、山を安定しなければ、国土の均衡ある発展、国土全体としての明るさを願うわけにはいかないとしまするならば、政策が過疎対策ということで終わってはいけないと思うのです。といいますのは、国土全体を安定させるということに重点を置く、ですから、過疎対策の前に、考え方の基調としては、不便な山も、また荒れ地も、祖国の大事な国土であるということを基調とし、たとえそこに人が住まなくとも、たとえそこが産業的にあまり効率のあるものでなくとも、やはりそこは安定させることが、国土全体の安定の基礎だ。ことに、山などというのは下流にうんと影響しますから、それは利用価値がないからといってほっておくわけにはいきません。その意味におきまして、国土としての平均的扱いをすべきではないか、こう思う。それは過疎対策という考え方ではなくて、国土を愛するという考え方に立っていくべきじゃなかろうか、こう思うのです。結論に入ってしまったのですが……。
○坪川国務大臣 私は金丸委員と全く考え方を一にするので、いま傾聴いたしておるのであります。単なる一つの過疎問題とか、単なる現象をとらえての問題でなくて、やはり一つの社会正義感といいますか、国土に対するところの公平な愛情の立場から考えるときに、いわゆる弱い産業、弱い人間生活、弱い生活環境、不幸な産業、不幸な人間生活、不幸な生活環境、この三つを、最も幸福な、魅力のある、しあわせな人間形成の生活の場、産業の場、土地環境の場につくる、これがやはり愛情と社会正義感から立脚した正しい政治の姿勢である、ひいてはこれが過疎対策、過密対策になるのだ、こういう政治理念といいますか、政治信念といいますか、使命感をもって私はこれに取り組んでまいりたい、こう考えておるような次第であります。
○金丸(徳)委員 ぜひひとつそういう方向で強力にお進め願いたいと思うのであります。私はこれを結論として大臣にお伺いしたがったのでありますが、たまたま結論のほうが先に出ました。 もとに戻りますが、基準法の審議にあたって、私ちょっと行き当たりましたのは、都市集中の傾向は現実の問題としてさらにどんどん進むであろう、願う、願わないは別といたしまして、現実にはそういうことであろうと思います。最近私は何かの書物で読んだのですが、東京都が一時郊外にどんどん広がっていった傾向が、また再び都心に集中しつつある。これは工業その他としては地方に分散しておるようでありますが、その他の産業、ことに住宅などは、高層住宅の開発、建設というようなこととからみまして、かなりまたもとに戻ってくるような傾向が見えるというふうに承ったのでありますが、事実ははたしてどうでありますか。また、これは東京都あるいは首都圏というところだけの特殊現象であると見るのか、あるいは近畿圏、中部圏というような大都市圏においてのみ見られるのか、それとも、地方の中都市圏までがそういう傾向にあるのかどうか、これをまず承りたいと思います。
○坪川国務大臣 現在、いわゆる大都市であるところの首都圏、東京都を中心とする都市化現象、あるいは名古屋を中心とする都市化現象、また近畿圏の阪神を中心とする都市化現象と、地方都市の都市化現象というものに、相通ずるものもございますけれども、かなりその圏内において一つの特殊的な現象があるのではないか、私はそういうような気持ちを持っておるような次第でございます。しかし、いずれにいたしましても、私は、今度の、制定、施行いたしますところの新都市計画法の推進、また御審議をいただきました都市再開発法の施行等によって、共通あるいは特殊性の中にも、それぞれの法の適用によってかなり正常な都市化現象のブリッジになっていけるのじゃないかという期待は多く持っておるような次第でございます。
○金丸(徳)委員 私は実はこの問題について全くしろうとで、勉強も足りぬのでありますが、都市局長なり住宅局長なりからもう少し専門的に教えてもらいたいのであります。 東京都という、日本で一番進んだといいますか、大きさでいけば世界一だそうでありますけれども、そういう都市において見られるところの近代都市というもののあり方はどういうものだとつかんでおりましょうか。まあ近代都市の特徴としては、公共施設も非常に整備されておるというようなことと同時に、非常に建物が高層化されて、住宅なども集中されてきておるというように思うのでありますが、これらはどういうふうにつかんでおられて、そうして新都市計画法の運用に当たっておられるか、その辺をひとつ専門的にお教えをいただければありがたいのでありますが……。
○竹内政府委員 先生おっしゃいますように、最近、東京をはじめとする大都市、それから地方都市におきましても、かなり建物の不燃化、中高層化というものが進んでおります。こまかい数字は持ち合わしておりませんが、大体日本の上から数えまして六、七十番目ぐらいまでの都市におきまして最近の建築状態を見ますと、床面積にいたしまして六割ぐらいがもう不燃化された建物が建っておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、東京等におきまして住宅というものに民間のアパートがかなり建っておるということは御承知のとおりですが、過去十年分ぐらいのアパートが最近一年で建っておるというようなこともいわれておるわけであります。ただ、人口の動態でいいますと、いわゆる夜間人口、居住いたします人口というのは、最近の統計を見ましても、まだ郊外に出ていくということが多うございまして、東京都の区部の人口等も停滞しているというのが実態でございます。夜間人口がふえるというようなところまではまだいっていないのじゃないかというふうに判断しているわけでございます。 それから、昭和四十年に国勢調査が行なわれたわけでございますが、この次の国勢調査は四十五年でございますが、それまでの人口動態というのは、いわゆる登録人口というようなものをのぞいてみるよりほかはないと思うのでございます。最近人口問題研究所あたりで出されている学者の論説等を見ますと、人口移動の伸び率が若干減っているような傾向が出ているというようなことがいわれておる。一つは、御承知のように、いわゆるベビーブームで育ちました若年層がだんだん少なくなる時代に入ってまいっておりますので、若年層を中心といたします人口移動というのは当然少なくなってくるというようなこともございましょうし、また、全国総合開発計画等に基づいて行なわれました各種の産業都市の建設と工業の分散政策というものが若干効果をあげてきているのじゃないかというようなことも考えられるわけでございますが、これらの点につきましては、四十五年の国勢調査というものをあけてみなければ断定的なことは言えない、こういうふうに考えるわけでございます。
○金丸(徳)委員 実は私が局長にお尋ねをしたかったのは、近代都市の特徴が古い都市生活と比べてみてどう違うかということだったのです。どうも私はしろうとでよくわからぬですけれども、近代都市の特徴として一番ぴんとくるのは、産業と住宅とが分離していくのです。いま局長が、夜間人口と昼間人口とが非常に違うという、私は丸ノ内の状況などを新聞で承知して、なるほどそうだと思うのでありますが、非常に違う。ということは、働く場所、働く建物と、住む場所、住む建物とが違ってきておる。昔の都市は、同じうちに住んで店をやり、あるいは工場も裏に建てた。ですから、働く場所と住む場所とは一緒だった。そういう都市人が集まって一つの都市をなしておった。したがって、そこには混然たるものもある、いわゆる平面的でなければならぬという条件もそこから生まれてきているのじゃないかと私は思う。最近、都市が特に中心地にいくに従って高層化してくるというのは、働く場所と住む場所とが分離されて、それが顕著にあらわれているからそういうことになるのではないか。そう考えてみますと、昔の都市と、これからの都市というものは、同じ都市計画でもだいぶ違う。同じ都市生活の条件としての公共施設の整備条件も違う。夜間人口のないところに夜間の施設を置く必要はないと——まあこれは端的な例でありますが、そういうことになるんじゃないかと思うのです。 したがって、大臣に聞きたいが、新都市計画法の基調は、その新しい都市生活を土台として計画されているのか、前のような都市生活、惰性による都市生活がまだこれから相当続くものとして計画されているのか。あるいは利用区分などもこれからたいへんやかましくなると思うのであります。この基本が間違っておる、あるいは行き違いがあると、たいへんな問題を起こしはしないかと私は思うのですけれども、どういうことに考えておられるか。
○坪川国務大臣 私の、いま御指摘になりました御制定を願いました両法案の最終的な都市づくりの目標といいますか、大きな夢と申しますか、構想は、やはり緑と光と青い空、すべてを含めました魅力のある都市づくりということを、人間生活の至上のしあわせな生活環境をという気持ちでこの制定をお願いいたした理由もそこにございますが、しかし、現実はそう安易なものでないということも私よく了解いたしております。私の責任大臣として考えております夢は、いま申し上げましたような大きな一つの夢、アイデアを持ちながら、今後これらの運営と、さらに積み重ねなければならない都市対策を打ち立てたい、こう考えておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 確かに、古い都市の理想は、大臣のいまおっしゃるように、光も緑も、いい空気も、いい水も、その他の利便一切備えたものが必要であったと思います。しかし、新しい都市、これからの都市、私がそういうことになるのじゃないかと思うような都市は、たとえば産業地域、これは産業は工業と違う別の第三次産業であってもいいわけです。あるいはオフィス街、官庁、銀行の集まったそういうところでもよろしゅうございます。要するに働く場所、これも都市なんです。高層建築物の集まった都市なんです。そういうところと住宅とが分離されてきますと、この住宅地域にはそれは確かに緑もあったほうがよろしい、いい空気があるべきである、いい眺望もほしい、その他のものも十分あったほうがむろんよろしいのですけれども、働く場所としての高層建築街、市街におきましては、そういうものはそれほど、前の都市ほどには必要がないのではないか。現に三十六階という建物の中で働く人たちにとっては、あまり緑はほしくない、自然の空気はそれほど必要でない、むしろほしいのは、よく調整された、寒いときにはあたたかい空気を、暑いときには冷たい空気を、そうして濁りなき、清浄化された空気が室内にほしいということであって、古い都市人が要求したところの自然の空気でもなければ、自然の眺望でもない。いわんや、働く人たちにとっては、光というものも、あればこれにこしたことはありませんけれども、そうあれではないと思うのですが、これをどういうようにお考えですか。
○坪川国務大臣 いわゆる都市の目標というものは、単なる冷たいコンクリートの建物で一ぱいになっておるという現象でなくて、いま金丸委員も御指摘になりましたように、やはり商業地区は商業地区としての特殊性、工業地区は工業専用地区としての特殊性、また、住宅専用地区は住宅専用地区としての特殊性を持っておる。しかもその中にあって、副都心部というようなものの一つの大きな存在価値、また、都市形成の一翼をなす施設、あるいは流通業務あるいは問屋業務のそうした大きな商業、工業地区を一定の地区に分散体系にいたし、そしてそれぞれの緩衝地帯を設けながら住宅地区をつくり上げていくというような形態、いわゆる殺風景な、単なる冷たいビルが建ち並んでおるコンクリートの町でなくして、整然とした姿の中にそれぞれの特殊性を持った都市環境の規模づくりをやっていきたいというのが、私の都市計画の一環としての目標でございます。
○金丸(徳)委員 実は夜間人口がうんと少ないところがある。これは、オフィス街といいますか、働くだけの場所だ。そういうところには、緑があったほうがいいけれども、そこには緑以上にもっとほしいものがある、もっと働きいい、能率をあげなければならぬものが必要である。ですから、一つの建物の中に何十何百という会社が集まっている。そのほうが能率がいいのです。交通通信の便もよろしい、その他一切の便もよろしいわけです。ですから、そういうところにはせいぜいいい街路樹でも植えつけてやればよろしい、あるいは屋上に若干の緑があればよりいい程度ではないか、それ以上にほしいものがあるからであろう、こう思う。大臣はいま住宅のことをおっしゃいました。私もこの次に住宅についてお伺いするつもりだったのです。そういう市街地を中心として、それに伴う住宅街を必要とするのでありますが、最近の住宅はだいぶ高層化されておるようであります。これは数字的にお示しが願えればいいのでありますが、大臣がいま進めておられるところの公営住宅におきましても、やはりできるだけ高層化したいというようなことであります。この住宅の高層化というのは、土地が高いからやむを得ずそういうことにならざるを得ないということなのか、それとも、元来は——元来はと言うとことばがおかしい。これからの都市人の住生活というものは、やはり高層化して、なるほど日照は若干差しつかえるかもしれない、緑は少ないかもしれない、通風についても不便があるかもしれないが、それらはその他の方法によって救済されて、たとえば通風その他につきましても、エアコンディションの方法がもっと安く整備されてくればそういう必要もないということで、そうしたものをほしい以上にもっとほしいものを整備してやるということができることになって初めて高層化されていくのじゃないか。都市人というものの願うところの住居というものは、前の都市人が願っておるように、広い邸宅の中に、だれにも影響されないようにへいをめぐらして、自分だけで大きな築山を楽しみ、自分だけで池の水を楽しむということではなくて、みんなと一緒に、みんなと一緒でなければ楽しめないような利便を楽しみつついくのが、近代人の都市生活の願いじゃないか、そういうところから都市の高層化というのが自然に生まれてくる。たまたま土地が高いということで拍車をかけられたとはいうものの、元来そういう方向に進んでいくのではないかと思うのでありますが、いかがでありますか。
○坪川国務大臣 金丸委員のお考えと私全く同感でございまして、しあわせな需要供給関係が満ち足りる国であり、また、そうある姿であるならば、やはり水あり山あり、庭園ありというような環境が最も至上の目標であると思いますが、いまの日本の需給事情の関係からいってはとうてい望み得ない環境であることを考えると、せめてもやはり国の政治の力、姿勢によってそれぞれの補いをして、満ち足り得る施策を総合的に打ち立てる。たとえば、土地の有効利用をいたしまして住宅の中高層化をいたし、そして都市への環境に公園あるいは緑の植樹というような問題歩道の整備というようなことをなし遂げて、幾分なりとも満ち足り得ないものをお互いが共用いたし合いながら生活のしあわせを求めていくという姿で取り組む以外に、いまの立場からはでき得ない、また、それがいまとるべきよりよき方法である、こう考えて、全く私は金丸委員と同感でございます。
○金丸(徳)委員 大臣、私と同感と言われますが、実はたいへん違うのです。私の新都市というものは、かりに土地があり、金があり、何らあれがなくとも、やはりああいうところに住むのが都市人じゃないか、こう思うのです。そして、金のある者は別に第二の住宅を山の奥深く持ってもよろしい。それこそ豪壮なる一山全山を自分の屋敷の中に置いてやってもよろしい。しかし、都市で働き、都市に住むとする、その住むというものは、ああいうマンション、多くても四部屋あるいは五部屋程度、そのかわりに近代文化の粋を集めた住宅である。そこでもし何ならば会社へ行くのにも車は要らぬというようなところで働きたいというのが、都市人としての——都市人の都市生活の一番のねらいは、生活の能率化なんです。当然にそうなるであろう。広い住宅で、非常に個人的にはいいけれども、社会的には非常に不便な暮らしをするということであってはならないように思うのです。もしそういうことであるとしますと、この基準法にとられておるところの第一種住宅専用地域というものは、一体近代都市をねらう、たとえば東京なら東京の中のどこにどれだけお認めになったらよろしいのか、こういうことにならざるを得ないものですから、まずその基調をお伺いをいたしたのであります。いかがでありましょうか、都市の一局層化というものはこれからも進むべきである、自然の願いとして進んでいくであろう、こう押えますと、それが近代都市の理想であるとしますと、第一種住宅専用地域というのは一体都市の中のどういう役割りを果たすのであろうか、こう思うのですが、いかがですか。
○坪川国務大臣 私といたしましては、やはり現在の都市化現象から言いました場合には、中高層化建築を進めてまいるという方針はぜひとってまいりたい、こう考えておる次第でございます。 また、これに関連するいまの後段の御質疑に対しましては、住宅局長から答弁させます。
○大津留政府委員 都市人の住生活のあり方として、高層住宅に能率的な生活を営むのがいいじゃないかという御指摘でございます。私どもも確かにそういう面が大事なものとして考えなければならぬと思います。しかし、反面、土のある生活に対する郷愁といいますか、そういうものも実に断ちがたい根強いものもございます。したがいまして、どちらかというふうに割り切るということもなかなかむずかしい面があろうかと思います。現在の状況に応じまして、御指摘のように、今日の土地の状況あるいは通勤の状況等を見ますと、やはり高層化ということが当然の趨勢であるということは、私どもも認めます。ただその際に、共通の庭としての公園、そういうものの整備がやはり伴いませんと、ただコンクリートの狭い住居の中で生活しろといいましても、これはなかなか満足しない、こういう面があろうかと思います。そういうことから、この第一種住居専用地域というものをどういうところに想定しているかというお尋ねでございますが、やはり市街地の周辺部におきましてはそういう地区も将来とも必要ではなかろうか。東京で具体的に申しますと、環状七号線の外というようなところにおきましては、場所によっては高層化の地区、場所によっては低層の住居地域というようなものが適度に配置されまして、やはり町全体として、そういう空間あり、適当な密度あり、そしてその間にいろいろな都市施設が整備されているというようなことではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。もちろんこれは固定的なものでなく、今後いろいろな社会事情、経済事情の変動に従いまして変貌を遂げていくものではなかろうか。したがいまして、この都市計画上のそういう地域の指定におきましても、社会的な趨勢、経済的な趨勢を見きわめまして、五年ごととか十年ごとにはその指定を再検討していく、こういうことが必要かと考えております。
○金丸(徳)委員 私は第一種住宅専用地域というものが全然必要でないなどとも思いません。ただ、これが古い都市の郷愁だけでもって残されるというと、近代都市化のじゃまになりはしないかと思うのです。近代都市の特徴は、高層化とともに、公共施設の充実であろうと思います。いまもおっしゃるように、非常にコンクリート攻めになっているような地域なればこそ、よりりっぱに整備された公園なり緑地地帯なりというものを備えなければならないわけであります。逆に言うならば、そういう地帯をほしいがゆえに土地の効率化を願い、土地の効率化を願うがゆえに、私は、第一種住宅専用地域というような、とかく能率の悪い、また公共的に使うことの不便な地域というものはできるだけ少なくしたほうがよろしいのではないか。それから、その分を公共施設に使うと同時に、その分を高層住宅の便利といいますか、整備化に向けたほうがいいんじゃないか、それこそが近代都市のあり方じゃないか、こう思うものですから、特に強くお伺いをいたしたわけであります。 そこで、もしそういう意見が許されるとしますならば、現にあちらこちらにあるところの近代都市にふさわしからぬ邸宅あるいは宅地というものについては、何かの指導なり何かの方法なりによってこれをもっと都市化らしい方向に効率化する、もっと高度に利用できるような道を開いておかなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。そういう方向に進められるような立場において今度の基準法が考えられておりますか、どうですか。
○大津留政府委員 基準法は、国民の方々が家をお建てになる場合にこういう基準でお建ていただきたいという最低の基準を示すものでございます。したがいまして、積極的に町をこういう形に持っていきたい、あるいはこういうふうな改造、改革をいたしたいという積極面は、実はそれほど持ち合わせていないわけでございます。したがいまして、そういう積極面は、都市計画法あるいは再開発法という事業法によりまして、そういう低利用あるいは非能率的な利用をしておる町を改造していくという積極的な事業と相まちまして、いい町づくりに寄与する、こういう立場にございます。そういうわけでございますが、今回の改正でそういう方向に向かっているということが申せるかと思いますのは、住居地域を分化いたしまして三つに区分した、御指摘のように、高層の利用を促進すべき地域、それから低層のままとっておこうという地域、そういうものを画然と分けまして、しかもそういう地域には、静かな住生活にじゃまになるような用途のものは建てさせない、そういう用途の純化というものをきめたわけでございます。したがいまして、将来の都市のあり方を見ながら、その都市都市に応じましてその地域を指定していくということによって将来の町づくりに寄与していく、こういう関係に相なっておるような次第でございます。
○金丸(徳)委員 この新しい基準法が、審議の過程において非常に問題になりました宅地の細分化、あるいはそれに伴って建蔽率の問題模範的なざる法だといわれるような状況を来たしておる。それで、今度の改正によってもこれが完全にすくい出されそうもないというような心配をしなければならぬ状況になっておる。私はそれも大切なことだと思います。思いますけれども、都市計画全体からしますと、そういうこともさることながら、いまの中心地における逆なスプロールといいますか、残された不便なる土地というものに対しても、これは強権を発動するかどうかは別といたしましても、行政指導なりその他、計画の中に相当含めて考えを進めていきませんと、せっかくの都市計画が、法律としてはりっぱに整備されたけれども、でき上がった東京都、でき上がった京都市、あるいは地方の何々市というようなものが、そういうことの二、三によって、あたかも建蔽率が十分に守られなかったところのごしゃごしゃした住宅があると同様に、逆の意味におけるぶざまな都市ができはしないか、こういうことを思うのです。これらについては、繰り返すようですけれども、これからどういうふうな指導法をとっていかれるか。もっと突っ込むならば、この基準法の基本の精神はそういうものに対してどういう態度で臨んでおるかを簡単に伺うことができればありがたい。
○大津留政府委員 先般も建設大臣がこの席で答弁されましたように、建築基準行政は、その前提となる土地対策あるいは住宅対策、あるいは都市計画、そういうものと相連携いたしまして総合的な運営をはかることによりましていい町づくりに寄与していくという、まあ共同作戦の一翼をになっている関係にございます。したがいまして、御指摘のような弊害を除去するという問題に対しましては、この基準法の役割りというのは、いわば最低の基準を定めまして、それ以下の建築あるいはそれに反する用途を押える、規制するという、どちらかというと消極面を受け持っておるわけでございます。そこで、住宅の建設あるいは都市再開発事業という各種の都市計画事業が積極面を受け持ちまして、密集した不良住宅地区はそれを改造する、低利用の街区は高層化して機能的な町づくりをするという、それぞれの機能を相連携して行なうことによっていい町をつくっていく、こういうことに相なると考えております。
○金丸(徳)委員 基準法でなくても、都市建設全体の立場から、それらについてきめのこまかな、同時に長い目をもって見た計画の中で、事業としてでもよろしい、行政指導という面においてでもよろしいと思うのですけれども、進められないと、せっかく法律はできたけれども、やっぱり妙なものができちゃったということになりはしないか、こう思うから、お尋ねをいたしたのであります。 これで私のちょうだいした時間がもう来てしまいましたが、最後に、今度の基準法は都市の住宅建築というようなものをねらっておるのでありますが、最近の社会状況といたしまして、ほとんど個人の生活というものは都市の中でも地方でもあまり変わらなくなってきた。衣食にわたって特にそれが顕著なんです。いなかの人たちも昔はずいぶん服装が変わっておって、これがいなかだ、これが都会だとすぐわかった。いまやわからなくなった。全く平均化した。食においてもそうだ。ただ違うのは、若干住居の面において違ってきた。いなかの住居と都会の住居とは違ってきたのですけれども、それすらも最近はかなり平均化して、地方においても不燃性あるいは二層楼、三層楼の農村住宅というものも見られるようになった。ますますその傾向は私は進んでまいると思います。したがって、その他の建物一般については別といたしましても、もしこういう住宅というようなものについて基準を定めて、そうして理想の日本人の住居というものを都市は近代的な都市なりに進める、地方は地方なりに理想的な住居を進めるとしますと、そこにもやはり何らかの基準、何らかの指導精神というものがあってしかるべきじゃないかと思う。今度のこの基準法についてはそれはうたわれてないようなんでありますが、それでよろしいとお考えでありましょうか。まあ防災的見地からいたしましても、道路に沿うところの建物などについてはやはり都市的な配慮というものが、最近の交通状況などを考えまして、ある程度必要ではないか。したがって、市街地ならずとも住居建物に対する基準というものは一応考えておかなければならないと思うのですが、いかがでしょう。
○大津留政府委員 住宅が、人間が生活するのに必要な安全性また衛生の面からいいましても、そういう最低の基準がなければならないということは、御指摘のとおりでございます。従来ともそういう観点から安全、衛生面についての基準が設けられております。今回の改正におきまして住宅に関して取り上げました問題は、共同住宅、つまり、アパートで隣の部屋の話し声が筒抜けに聞こえるというようなことは、非常にプライバシーの面からいいましても、あるいは赤ん坊がおるというようなことで非常に気がねをするというようなことで問題がございますので、そういう共同住宅におきましては、隣の住戸との界壁——壁ですね、これが防音上有効な構造でなければならないということにいたしまして、その技術的な基準は政令にゆだねておりますけれども、そういうことで、共同住宅、アパートというのが今後もますますできてまいります、そういう際に、隣の住戸といいますか、隣の部屋との音の遮断ということを一そう配慮したわけでございます。 なお、先生御指摘の都市における住宅のあり方あるいは地方における住宅のあり方、それぞれにつきまして基準を定めまして行政指導をやるべきだという御指摘、ごもっともでございますが、その点は基準法の問題とはいささかずれるのじゃなかろうか。私どもが公的住宅あるいはその他の住宅政策を進めてまいる際には、御指摘のような観点から、その規模あるいは間取りその他の施設設備におきまして少なくとも生活として最低限の機能を確保し、また快適な生活ができるようにということで指導してまいっているような次第でございます。
○金丸(徳)委員 私のお伺いしたがったのは、交通状況が非常にひんぱんになってきて都市と地方との交流が盛んになってくる、そうすると、山の中の一軒家でも、防災的に見ますと、そこが防災的に非常に不十分である、それで火事が起きた、それによって交通が遮断される、途絶するという場合もあろうから、それは都会地における建物と同じような効果といいますか、同じような配慮を必要とするのじゃないか、こういうふうに思ったわけです。 もう一つは、たとえば、最近ははやりで、山の中に民宿と称する、一般の農家のうちで夏休みなどは都会の家族を預かって休養してもらうというのが非常に盛んにはやっている。私はいい傾向だと思うのです。都会の生活が近代化され、高層化され、あじけない一週間を送る、週末には民宿のところへ行ってゆっくりする。私は、第二の住宅を持たない者は、そういう簡易な第二の住宅を持ってもいいと思うのです。ただ、それだけに、地方の都市ならざるあるいは市街地ならざる住宅に対しても、都会の住宅と同じような基準、同じような指導というものが必要じゃないか。そういう時代を迎えつつあると思うから、この基準法で考えられておるのか、あるいは考えられないとするならば、それはどこでいつどう考えられるかということをお尋ねしたかったのであります。
○大津留政府委員 先生御承知のように、基準法は、全国どこに建てる建築物にも適用されるという基準と、それから都市計画区域内においてそれに加えて規制を受ける基準とがございます。したがいまして、御指摘のように、最近高速道路等の完成によりまして地方もどんどん都会的な様相を呈してきております。したがいまして、必要に応じて都市計画区域に指定することによりまして、この基準法による都市建築物としての規制がここに及んでいきます。さらにそれが市街化区域、調整区域に区分けをされまして、市街化区域に指定されたところには住居地域だとか商業地域だとかいう用途地域がかぶってまいりますので、それに応じた基準法上の規制も受ける、こういう関係に相なるわけでございます。したがいまして、先生御指摘の一番の問題点は、そういう都市化されるであろう、あるいはそれが進みつつあるというような地域におきましては、都市計画区域に指定するということによりまして、御指摘のような都市としての建築物の規制をかぶる、こういうことに相なるわけでございます。
○始関委員長 時間が参りましたから簡潔にお願いします。
○金丸(徳)委員 これで終わりますけれども、結論的に私の申したいのは、もう都市とか何かということでない時代を迎えつつある、ただ、都市と地方との違いというものは、都市は非常にコンパクトされつつある、これから一そうそうなるであろう、それから働くところと住むところとがだんだん分化されていくであろう、また、それの影響を受けて地方ではそういう建物がどんどん出てくるのじゃないか、だから都市とか何かという概念でなく建築基準につきましても考えなければならないときがくるであろうということを申し上げておるところであります。 それで私は、時間が来ましたから終わりますが、大臣、私は冒頭になにしました実はあれを結論としてお伺いいたしたかったのであります。過疎対策の底にあるものをすっかりつかんでいただいて、強力に大臣のお考えを実現化していただくことを最後に要望申し上げて、私のお尋ねを終わりたいと思います。
○坪川国務大臣 いろいろの御指摘になりました御要望、またいろいろの御高見、十分拝聴いたしております。ことに最終的にお述べになりました点につきましては、それぞれの立場で建つ建物に対する建築基準法としての適用、ことに私は人命尊重、防災の観点からこれらに対しましての適用というものにつきましては万全を期したい、こう考えておりますとともに、過密過疎に対するところの施策につきましては、ただいま申し上げましたような方針で御期待に沿うよう最善の努力をいたしてまいりたい覚悟でございます。どうかよろしくお願いいたしたいと思います。
○始関委員長 広沢賢一君。
○広沢(賢)委員 私は、建築基準法一部改正の法案に関連しまして、その母体となる、今度参議院で通りまして衆議院で強行突破された都市再開発法の問題点が残っておりますから、それについて御質問いたしたいと思います。 まず、私がこの問題を非常に重要な問題であると思う理由は、実例をあげますと、ここに一つアメリカの「ニューズウイーク」誌の五月五日号に有名な記事が載っております。その記事は、東京についていっているのですが、ちょっと突拍子もないから、驚かないでいただきたいのですが、芸者は普通豪華なアパートをあてがわれているので、東京の高級アパート地帯はほとんど外人の家族と芸者で独占されている、これはちょっと話がオーバーですが、外国人はそう見ているのです。それからもう一つ、東京問題調査会の第一次提案というもの、学者がずっとそろっていますが、その学者の人たちが言っている、全部集約した文面の中に、東京の住宅事情について、都心部の二十三区内の全世帯の四分の一が現に居住している民間アパートの住宅条件は、第一に狭く、一人当たり畳数か三畳未満が全体の二分の一——三畳未満ですよ。さっきの海あり、山あり、空気がいいなんという話じゃないのです。それで設備が悪い。便所、炊事場の両方または一方が共同であるものが全体の四割。四割ですよ、共同便所が。それから環境条件が悪くて、日照権、ばい煙、排気ガス、騒音、振動、悪臭。条件のすべてが良好であるものは全体の四分の一。だから四分の三はひどい条件にある。地震、火災などの災害に対して全く無防備である上に——これは建築基準法の問題に非常に関係しますが、家賃が高い。月収三万円以下の階層では、家賃が全所得の二〇%つまり一万円の家賃なんというのはまだまだあれで、六千円であっても所得の二〇%を占める世帯が二分の一ある。ほんとにたいへんな状況です。こういう住宅事情が、したがって、建設委員会のワクを越えて、若い人がゲバ棒をふるったり何かするそういう政治不信の問題に非常に響くのですね。一つ重要な政治課題になっている。それほど重大な問題なんです。国の政治を非常に大きく動かす重大な問題なんです。 そこでお聞きしますけれども、今度の都市再開発法というのが通って、参議院で附帯決議がつきました。その附帯決議については建設大臣よく御存じだと思うのです。大蔵省の主計局次長もよく聞いていただきたいと思います。そこで、第一番目の附帯条件の中で、「市街地再開発事業により建設される住宅については、国民生活の実態に応じて利用ができるようなものとするよう指導すること。」と書いてあります。指導の内容ですが、三井不動産社長の江戸さんは都市再開発には非常に熱心ですが、その江戸さんですら、結局マンションばかりふやすなという点については、国の費用でやる公社、公団は、低所得層のために思い切った住宅供給をやり、それ以外は民間にまかせるべきだと思っているということを言っております。それからもう一つ江戸さんは矛盾したことを言っておるのですが、もう一方では、自由主義経済で危険をおかしているのだから、いろいろマンションを建てたり都市再開発でうんとビルや何か建てて、あとで成功した場合は当然利潤をあげることになるだろうと言っておる。ここが問題なんです。いろいろな条件も聞く前にまず第一番目にこういうことなんですが、都市再開発法が通って、今度どんどん組合ができて、それが金持ちの地主さんのいるところで、できるところからどんどん建てる。金がないところはあせる。そうすると、いわゆる民間デベロッパーというのが食指を伸ばしてきて、一口乗せれば建ててあげますということになる、建てると、江戸さんの言ったとおり、やはり利潤を目的にしておりますから、マンションになってしまう。だから、都心部で高級マンションがばりばりばりばりできて、それでいままで住んでいた間借り人なんというのはどこかに行かなきゃならないようになってしまう。不燃焼住宅ですから、ビルですから、建築費が高いとか、いろいろなことがあるということになって、庶民が追い出されてしまう。しかし、大きな組合のある人は別です。公務員の方は安い住宅に入っている。ところが、そうじゃなくて、下町でくつ屋さん、印刷屋さん、その他都心部にいなきゃならぬという人たちは、組織もないし、所得も低いしということで、追い出されてしまうことになったり、たいへんなことになって、さっき私が読み上げた外国人が言ったことは、うそでなくなるのです。ますますそうなる。そうすると、都心部は非常に形がいいように見えて、冷たい。近代的なビルが一ぱい建っているように見えて、きわめて非人間的な内容になって、ますます若い人は言うことを聞かなくなるということになってしまったらたいへんです。そこで、これから三、四年間、五、六年間が一番重要なんです。どんどん建ってしまって、建ってからあと、今度国が待ったといって、それでもって、公営住宅を建てればよかったといっても、空中圏がそういう形で全部マンションになったら終わりです。ということで、まず建設大臣にお聞きしたいのですが、建ってしまったらだめだから、四、五年が一番大事だ。それに対しては、何かいままでの措置ではとうてい考えられない、もっと抜本的な対策を立てないと、これは後悔先に立たずですね。たいへんなほぞをかむ。後藤新平さんが泣いてしまうということになると思うのです。そこで、この四、五年の間は非常に重大な時期だ。この法案を通したからには、それについての決意を承っておきたいと思います。
○坪川国務大臣 いま広沢委員がいろろいの資料を御紹介になりながら御質問になりました問題点でございますが、もうすでに御承知のとおり、再開発法案の目標というものは、やはり土地と建物と住居とを三位一体の立場からこれを打ち立てていく、しかも空中圏を利用する、横よりも縦の流れに重点を置くというのが本法の大きなねらいであったような次第でございます。私は住宅政策に大きな意欲を、微力ではございますが、燃やさせていただきながら進めておるのでございますが、四十四年度の公営住宅における中高層建築におきましては、御承知のとおりに三千戸をすでに建築いたしつつある、また、公団住宅におきましては、やはり中高層建築を重点に置きまして、一万戸以上の建築を急いでおるというようなことも、私は、この法案に順応いたしましていわゆる空中圏の利用によって住宅の建設を推し進めてまいりたいという一環であったことは、ひとつ御理解賜わりたいと思うのでございます。したがいまして、この法案が御制定をいただきました以上、私といたしましては、あくまでも新しい五カ年計画を明後年に控えまして、四十五年度における第一次住宅計画はもちろんでございますが、新たなる第二次住宅計画に対しましても、いま御心配になられましたあらゆる資料から御意見に盛られましたこれらの弊害を除去いたしまして、公営住宅に力を入れながら中高層建築に最大の力を入れてまいり、職住近接等もはかってまいりたいと考えておりますので、御了解いただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 明後年から画期的にやるというお話ですが、まだその数字をはっきり言っていない。四十四年度の数字では、とてもじゃないけれども、追いつかないのです。これはばりばり目の前に建っていくので、一万戸以上というのは、建ってしまったあとではだめですから、そうすると、東京、大阪を中心に——神戸もひどいんですよ。この間テレビに出ていたが、がけっぷちのところにあぶない形でやっているので、したがって六大都市でもってどのくらい画期的に建てるのか。たとえば五年間なら五年間に、重大な時期だから、足りなければ起債をしても強行突破しなければならぬと思うが、どのくらいか、もう少し具体的に示してください。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、新第二次住宅建設計画の数字に対しましては、たいへん恐縮でございますけれども、いま直ちにその具体的な的確な数字を御答弁申し上げる段階に立ち至っていないことはひとつお許し願いたいと思うのでございますが、御承知のとおり、昭和六十年度をリミットにいたしますと、二千九百万戸ないし三千万戸が需要戸数として必要であることは、もう厳然たる一つの事実でございます。したがいまして、われわれといたしましては、そのきびしいリミットを頭に入れながら新しい第二次五カ年計画に対する数字の具体性といま真剣に取り組んでおり、国会等においても与野党からいただいているそれぞれの適切なる御提言、また、目下住宅宅地審議会に対して諮問をいたしており、大体九月の初旬にはその答申も出てまいることを大きく期待いたしておりますので、それらの点を踏まえまして、来年度の住宅建設計画は、残り二〇%前後に対する民間及び公営、公庫の公的資金によるところの住宅建設の数字はもう厳然と残っておりますので、これだけはぜひとも第一次五カ年計画の目標達成として必ずこれが建設でき得るという体制のもとに予算編成をいたす方針でありますし、新たなる第二次五カ年計画に対しましては、いま申しましたような諸条件、諸情勢を勘案そんたくいたしながらひとつ取り組んでまいりたい、こういうような方針でありますので、御理解いただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 そうすると、住宅宅地審議会に、私がいま申し上げましたように、これから五、六年がたいへんだ、都市再開発法が通ったからどんどん建つ、だから画期的にやる、そのためにはどうするというようなことについては、もうちゃんと大臣は諮問をされておられるのかどうかということです。
○坪川国務大臣 お答えいたします。 私も住宅宅地審議会には必ず参りまして、各委員の意見等も十分聞いてもおり、また、最初私はいま広沢委員御指摘になりました方針で諮問をいたしておるということで御了承いただきたい、こう思います。
○広沢(賢)委員 それで、昭和六十年までに二千九百万戸ですから、これに要する費用はどのくらいか、計算すればすぐ出ます。そうすると、そういう方向で大蔵省に要求する。大蔵省がそれをずたずたに切ったならば一ぺんにわかりますから、国民的な反撃はちゃんと大蔵省のほうに向かっていきます。だからこれは非常に重要な問題だろうと思います。そこで問題は、予算はとったけれども、今度は民間の各地主さんがいるわけでしょう。その上に建てるわけですね。そうすると、江戸さんがもう言っているし、それからここでもって法案で出ている、金融、税金、その他いろいろ政府がめんどうを見てあげますという問題があります。そのめんどうを見てやりますという内容が問題です。たとえばアメリカ式のめんどうの見方がある。それからそのほかの国のめんどうの見方がありますが、都心部で再開発をした場合に一番重要なことは、金を出すのだったら、口も出さなければいかぬですね。政府が民間に対して、たとえば造船利子補給のように国民の大切な税金を出して、金を出しておいて出しばなしだったら——これはすべてやむを得ないのだという御答弁がいつもあるのですが、やむを得ないと思っていると、もうかったならば造船会社の資産としてふところに入ってしまう。それじゃだめなんです。そうすると、アメリカ式に、都心部をずっとさら地にする、それの費用を助成するということも非常に大事です。アメリカは思い切って国が金を出しているのですね。ただし、それまでは江戸さんも言うのです。だが、それだけじゃ国としては全然損かもしれない。そうしたら、たとえば、さら地にして今度建てる場合にどういう条件をつけるか。それから、いろいろ低利でもって開発銀行から出すなんという案もあります。やはり利子の問題です。低利で出したりいろいろなことをした場合に、低利で融資を受けてお金をもらった、それで再開発組合が建てた、デベロッパーがいろいろ安い利子や何かを政府から借りて建てた、建てたらおれのものだ、上のほうもみんなおれだ、マンションにしてしまうというのでは、金を出して口を出さないということになるから、とてもじゃないけど、あれだと思います。大学や何か教育のほうは、金を出して口を出さないほうがいいです。ところが、これと反対に、民間私企業、営利でもって高い家賃をとって毎月毎月勤労者を苦しめるのだったら、やはり政府は、金を出したら、条件としてきちっとしたものをとらなければいけないと思う。それでなければ、民間の土地に上乗せはすぐできないと思うのです。だから、やはり金を出すなら口を出すという厳然たる政府の方針でこれに臨まなければならぬと思いますが、それについて大臣どうですか。
○竹内政府委員 再開発を推進するために相当資金が必要でございますので、それに対しまして長期低利資金を融資したいということで考えておるわけでございます。一番大きな長期低利資金の融資の方法といたしましては、住宅金融公庫が現在行なっております中高層耐火建築物等の融資というのがございます。これが一番大きな働きをすると思います。現在におきましても、この融資によりまして貸し付けた建物につきましては、譲渡価格、家賃等について制限を加えておるわけでございます。したがいまして、政府が金融をいたしました場合に、それに相応いたしまして計画上の制限をつけるなり、あるいは建物なり家賃につきまして制約を加えるということは、今後もやってまいりたいと考えております。
○広沢(賢)委員 それではもっと具体的な問題に入ります。そういう場合に、たとえばいまの例で2DKで家賃はどのくらいになるかということです。たとえば、いま公団で五分でいろいろやっていて、家賃が二万数千円かかるというのでは、とてもじゃない、三万円の月給だったら、家賃二万数千円払ったらぱあぱあになってしまいます。そうでしょう。 まとめて聞きますが、今度は開発銀行でいろいろ考えるという、その開発銀行でどのくらいまで出てくるのかわかりませんが——開発銀行は都市再開発なんかにいく以外に機能がないといわれているんだから。開発銀行、それからいまの住宅公庫、そのほかずっとケースがありますね、そのケースで大体どのくらいか、基準を示していただきたいと思います。
○竹内政府委員 2DKの場合に、これは敷地によって違いますが、かりに一戸当たりの価格が四百万くらいかかるといたしますと、金利五分で計算いたしますと、家賃が二万五千九百円くらいに相なります。それから、かりに九分で計算いたしますと、約四万円になります。七分の場合の計算をちょっとやっておりませんが、大体その中間くらいになるのじゃないかと思います。
○広沢(賢)委員 そうしますと、大臣に聞きますが、九分だったら、民間の基準でやっているわけです。民間のデベロッパーや何かにまかせると、大体四万円の家賃である。これは最低ですよ。2DKだと、五分で大体公のいろんな資金でやるとすると、二万五千円。そうすると、いまの平均給与の人、それからたとえば印刷屋の職工さんや何かで二万五千円の給料ではとてもやっていけませんね。大臣、どうですか。
○坪川国務大臣 ちょっと前後をとだえておりますので、適切なお答えになるかならぬか、お許し願いたいと思いますが、私の住宅家賃の基本的な方針といたしましては、所得の大体二〇%前後で押えてまいりたいという方針で家賃の適切な指導を進めてまいりたい、こういう方針であることでひとつ御理解いただきたいと思います。
○広沢(賢)委員 先ほど、都心部ではもう猛烈な勢いで六十年までにがんばりたい。それで住宅宅地審議会の答申を得るということで、量はずっとやるとする、そうすると、その内容として、六万円の平均の月収だったならば、二〇%以内というと、家賃は一万二千円ですね。そうすると、いまの公の賃金でもってやっても二万五千円、それと一万二千円の差額ですね、この差額を一体大臣どうするか、ちょっとお聞きしたい。
○坪川国務大臣 数字的な点で非常に重大な問題でございますが、私の住宅政策の方針といたしましては、いわゆる住宅産業の工業化をいたしてまいりたい、これによってコストダウンをねらうという方針をいま打ち立て、また推進していく、これによって、いま御指摘になりましたような問題点をひとつ何とか解消の方向に努力してまいりたい、こう思っておりますので、御理解いただきたい、こう思います。
○広沢(賢)委員 コストダウンで家賃が二万五千円から一万二千円まで下がるはずがないと思いますが、そうしますと、やはり外国でやっているように、たとえばアメリカで家賃補助なんかやっていますね。こういうようなこととか、もしくは、これは大蔵省の管轄になると思うのですが、五年後に人間性豊かな都心部を形成するという都市再開発法が意図している方向に向かってやるというためには、どうしても大蔵省が大奮発をしなければならぬと思うのです。建設大臣としてはそれは大蔵省に強く要求しなければならぬと思いますが、いかがでしょう。
○坪川国務大臣 私は、一つの方法としていま検討を命じており、また大蔵省とも今後折衝を重ねたいと思いますことは、一つの傾斜家賃という方法でございます。いわゆる低所得者の方々は低家賃でお入りいただいて、そして所得が漸増することによって次第に上げていただくというような方法も、よりよき一つのシステムじゃないか、こういうような考えでいま検討をさせているような次第でございますので、建設省といたしましては、低家賃政策に対しましては真剣に取り組んでまいりたい、こう考えております。
○広沢(賢)委員 新聞にも、「傾斜家賃制度を計画」、家賃を傾斜していくということが出ていますね。そうすると、この傾斜家賃計画を立てても、やはり一番初めの段階では、大蔵省からも融資なり資金援助、相当支出をしてもらわなければならぬと思うのです。それで、大蔵大臣にかわって大蔵省の主計局次長にお聞きしますが、この五、六年間の、いま私が申し上げた問題について相当力点を置かなければならぬと思うのですが、いま衣食住の中で、食は、うそつき食品なんかずいぶんあるし、食品公害はあるけれども、しかし一応足りてきた。衣も大体これは足りてきた。住の問題が言われていますね。やはり日本の政治の重点をそこに置かなければならぬのですが、ただいま住はやはり一番焦点だと思うのです。(発言する者あり)与党の諸君も賛成しているのだから、主計局次長、はっきりとした御返事を願いたいと思います。どういう準備をされているか。
○相沢政府委員 住宅対策の問題につきましては、私どもも、他のいろいろの公共事業の強い要請がございますが、特に今年度の予算におきましても重点を置きまして予算の編成を考えたわけでございます。ただいま御質問にございました、住宅公団等における家賃を、所得の増加を勘案して傾斜的に上げるというような方法をとったらどうかという御意見でございますが、確かに、今後における所得の増加を勘案いたしまして家賃を傾斜的に取るという考え方には合理的な面もあると存じますが、何ぶんまだ建設省のほうからそのような具体的な御要求には接しておりません。御要求がございましたら、十分慎重に検討いたしたいと思います。 なお、そのような家賃の徴収方法をとりました場合には、当然初期における家賃が従来の計算よりも低くなるというようなことからいたしまして、住宅公団等の資金面において従来よりも配慮が必要になるというふうに見ております。主として財政投融資の面でございますが、そういうような資金が投融資計画全体の中でどのようにしてまかなわれるかというようなこと等も勘案いたしまして、十分慎重に検討いたしたい、かように存じます。
○広沢(賢)委員 建設省からいろいろ具体案が出ればこれは相当のことを考える——とは言っていなかったが、ある程度のことは考えるというのですが、ここに問題があるのです。だから建設省は相当のけんかは覚悟で大蔵省に要求しなければならぬということが一つ。それから、いままでの予算でもって出しているというけれども、とんでもない話でして、ことしの予算を見たって、住宅対策費は、金額からいったって、これは全然重点予算ではないのですね。そこで、ことしばかりではなくて、数年来、たとえば都市再開発についてこういう事態になるから、アメリカばかりではないけれども、大体さら地にする費用ですね、それから公園なり何なり、公共建設物を建てなければならぬ、そういうことについての費用をいろいろ建設省が要求してきたと思うのです。それに対して大蔵省はどのくらい削ったか、その実情について率直に承りたいと思うのです。都市再開発について建設省が要求した予算がいろいろあるでしょう。それについてお聞きしたいと思います。
○相沢政府委員 大都市問題の一環といたしまして、都市の再開発が現状におきましてきわめて重要であることは、私どもといたしましても十分認識しているつもりでございますし、また、都市の再開発事業には特にタイミングが重要であろうというふうに思っております。したがいまして、従来も、都市の再開発事業につきましては、一般の予算の面でも、また財政投融資の面でも、できる限りの配慮はしてまいったつもりでございますが、なお都市の再開発を促進する上におきましてはまだまだ不十分な面もあろうかと存じます。そういった点につきましては、今後建設省の御要求を待ちましてなお検討いたしたい、かように存じております。
○広沢(賢)委員 たとえば防災地区についてのいろいろの要求があったでしょう。だから、いまのような抽象的でなくて、もっと具体的に聞くのはあと回しにいたしますけれども、それでは前向きに今後の目標として——たとえばこういう問題があると思うのです。先ほど私が言いましたけれども、開発銀行が都市再開発のほうに向かっていくという問題があると思うのです。その開発銀行が、いままでのように、たとえば民間デベロッパーに低利の融資をする、観光事業、たとえばホテルや何かに開発銀行がちょくちょく融資を始めて、これは地域開発でございますなんて、ていのいいことを言って、庶民の生活にちっとも潤さない、そういうことのない開発銀行の貸し方にしなければならない、これが一つ。 それからもう一つは、今度は、都市再開発というのは、たとえば先ほど言いましたくつ屋さん、印刷屋さん、それから雑多の小さな問屋さん、その他、都心部を離れることのできない企業もあるのです。下請企業、内職、そういう人たちは大体五十万とか七十万とかいわれますが、そういう人たちは、もう職住接近どころか、普通のサラリーマン以上に残業をしたり何かして、ちゃんと都心部でしなければならぬ仕事がずいぶんあるのです。都心部にはそういうのがずっとあるのですね。そういう人たちに対して、たとえば中小企業の近代化をやるいい機会なんです。建物を一緒にしちゃって流れ作業にするとか——というと、範囲は住宅建設ばかりでなくて、中小企業近代化の構造改善の仕事とかなんかとも関連して、きわめて重要になる。そうすると、これはただ単なる住宅政策じゃなくて、たとえば中小企業金融公庫とかその他との関係も生じてくるのですね。これは第二点。したがって、これについての金融機関等についてどういうような構想でいくのか。この構想がなくて、法案だけ強行突破したというのでは、これは無責任ですよ。建設大臣も責任があるのですよ。 それでもう一つは、一般論として例をあげますと、たとえばふろ屋さんなんか、都心部でふろ屋さんやっている人いないです。もうこんなに広い地域でもって高い地価になっておるから、ふろ屋で安いふろ代でやられたらかなわぬ、ビル建てちゃおうかなということになってしまう。そうすると、都心部の江戸っ子はもうふろ屋に行かれなくなってしまう。そうすると、ビルを建てて、地下室はふろ屋さんにしてそして営業が立ち行くようにするという方法もある。いろいろ創意くふうをこらせば、先ほど建設大臣が言った山も海もという潤いのある都心ができるのですよ。ですから、そういう問題についての総合的な計画、こういう問題について、ただ単なる、民間にまかせっぱなしでいいのだ、デベロッパーでいいのだ、そうすれば何とかなるだろう、おれのところは法律つくっておけばそれで何とかみんなでやらせてしまうという無責任な態度じゃいけない。それについて、今度は建設大臣に伺いますが、そういう多面化した都市ですね、これは各省——通産にもわたるけれども、そういう問題についての構想についてひとつお伺いしたいと思います。建設大臣があれでしたら、都市局長から……。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりましたような数々の、建設省が大きな意欲を燃やしながらその制度の進展を続けております金融問題といたしましては、先ほど都市局長が申し上げましたような、任宅金融公庫の中高層耐火建築等の融資、あるいは中小企業振興事業団というような事業団を通じまして、店舗集団化の資金等を対象といたしまして貸し付けを行なっておるというような問題、あるいは小売り商業店舗共同化の資金、いわゆるスーパーマーケットのような形式を対象の融資、並びに商店街近代資金、いわゆる町ぐるみの商店街改善に対する対策、並びに日本開発銀行の大都市再開発及び流通近代化資金というような方法による貸し付けの対応、また、中小企業金融公庫等によるところの中小企業者に対する融資という、これらの金融貸し付け制度、及び商工組合中央金庫によるところの貸し付け制度の問題、あるいは国民金融公庫によるところの個人の企業、その他資本金一千万円以下の法人で従業員百五十人以下のものに対するところの貸し付けというような、これらのあらゆる金融機風を通じまして一般零細なる国民に対するところの金融制度を確立、拡充いたしてまいりたい、こう考えておる次第であります。
○広沢(賢)委員 そうしますと、それを全部建設省から大蔵省に御要求なさるのか、これに関連する閣僚が全部会議を開いて、それで総合計画を立てて、まとめて大蔵省と折衝するのか、これについてお聞きしたいと思います。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、各省庁間にまたがる制度上の貸し付け内容も含まれておりますので、各省庁の間においてこれを大蔵財務当局に要求いたし、そうして建設省がイニシアチブをとりながら財務当局の責任者である大蔵省のほうにおいて統一的なまとめをお願いしているというような状況でございます。
○広沢(賢)委員 それじゃ、この次の予算要求の機会に、これらをまとめて一本にしてどういう構想が描かれるか、どのくらいの金額になるか、これをお示し願いたい。それから、大蔵省がどのくらい削ったか、どういう理由でそういうふうにするかという問題についても明らかにしていただけば、与野党通じて責め立てるということがあると思います。これはもうきわめて重大な問題ですから、その点についてよろしくお願いしたいと思うのです。
○坪川国務大臣 承知しました。
○広沢(賢)委員 じゃ、その次に、これだけの金を出していろいろやると、先ほど言いましたように、金を出したら、口を出さなければいけないと思うのですね。そうすると、やはり民間デベロッパーに対して開発銀行がいろいろめんどうを見たというようなときには、これは造船会社にしても同じなんですが、やはり金を出したら口を出す、その口を出すいろいろな基準、具体的にはまだ無理だと思いますが、やはり大蔵省としてはそれはきちっとやるのだ、たとえば面開発でもって上の空間をきちっと規制するのだというぐらいの、そういう形にしなければ、出したって損でしょう。そうですね。だから、その点について大蔵省としての考え方を聞きたいと思うのです。
○相沢政府委員 政府の関係金融機関でございます開発銀行等からそのような融資をいたします場合には、当然御指摘のように、その融資の目的が十分に達成されますようにいろいろと条件をつけることになろうかと存じます。むしろ、従来のあれからいいますと、大蔵省はやかましい条件をつけ過ぎるというようなおしかりが多いのでございますので、まあ条件をつけないで野方図になるというような御心配はないのではないかというふうに存じております。
○広沢(賢)委員 やはり、実情を知らないと、そうか、賛成賛成と言のです。ところが実情を見ますと、大口に対しては条件がゆるいのです。それで、小口だとか、そういうところに対しては、税金面とか、非常にきついことをやるのです。これは大蔵省の上の方は知らないかもわからないけれども、私ども実際面を見ると、国民金融公庫の貸し付け、それから中小企業金融公庫の貸し付けでも、中小の人たちが非常に苦労して、開銀でもって大口でどこかの地方の開発だとか観光ホテルなんかに貸し出すのは、きわめてずさんなゆるい条件でやっておる、こういう点は厳重に考えないと、マンションがばりばりできて、アメリカの「タイム」にからかわれるような結果になりますから、その点十分気をつけなければならぬと思うのです。 もう一つは、これは参議院でずいぶん議論になったと思うのですが、建設大臣、間借り人の問題です。結局間借り人ははみ出されてしまうのですね。はみ出されるけれども、坪川建設相と竹内都市局長は、借家権というものは、でき上がっている建物を使う権利であって、その建物と土地を処分する権利ではない、借家人の権利を不当に侵すことはもちろん許されないが、市街地再開発の性格、権利から見て、借家人、間借り人も組合に参加されることはおかしいと答弁——ここでも議論になったと思うのです。そこで、これは民法上からいっても、社会の慣習法上からいっても、間借り人が権利金を出すわけです。そうすると、やはり法律上は相当の尊重をしていますね。それが今度の場合には、権利は尊重するといいながら、実際は、たとえば新橋の例を局長は知っていると思うのですが、ちょっと新橋の例で申し上げますと、新橋のところを不法に占拠した、簡単に言うと、悪徳地主というのですか、そういう人たちは相当のお金をもらっている。ところが、借家人はどうしてくれるのだというので、今度東京都も建設省も往生してしまって、それに対しては都側から余分にお金を出して、それで借家人の補償もある程度やったのだけれども、それの結果、建てた大きなビル、いま新橋の駅ビルが建っていますが、あそに入るについては高い家賃を払わなければならぬということになって、とうていだめだからというのでやめてしまう。そうすると、お役人さんの考え方は、いや、もう焼き鳥屋やっている時代じゃないんだというのですね。そういう見方でいるから、借家人というのはどんどん都心部から押し出されてしまう。まして、もう少し行って、新宿の中心街から下がったところで、一ぱいごみごみしたところへ入っている、先ほど私がお示ししましたようなところの間借り人、勤労者、月給でかつかつ食べている印刷職工さんの若夫婦なんというのは、近代的なビルができ、近代的なアパートができるに従って都心部からどんどん押し出されるということになる。そうすると、さっき言ったように、組織を持たない人たち、従来も、下請企業の職人さんとかなんとかいうのは、昔から江戸っ子ですね、こういうのはとてもいじめられることになる。そういう関係について、新橋のことは、都市局長は準備されて答弁しようと思ってうずうずしているけれども、大臣からいまの間借り人をどういうふうにするかということを基本的にお示し願いたいと思うのです。
○坪川国務大臣 先ほどから御指摘になりました新橋の問題につきましては報告も受け、私も聞き及んでおりますが、細部にわたり非常に微妙な問題点もありそうでございますので、竹内局長から答弁させることをお許し願いたいと思います。
○竹内政府委員 再開発をいたしまして、従来借家人であった人たちがどうなるかということに対して、この法律におきましては、まず、床はその従前の価値に見合うものを確実に与えるということにいたしております。ただ、その床が、高層の建物になりますために建築費が上がる等のことによりまして、従前利用していた床だけもらえないというような事例が出てまいります。その場合には床を増して与えるということにいたしております。 この場合に二つございまして、一つは、借家人の方がこの際そのビルの床の一部を自分で持ちたいという場合もございます。この場合、新橋におきましては、特別分譲と称しまして、一般に売り渡す床を優先的にこういう方に割り当てるということをいたしております。 それから増し床になりますと、当然家賃なり価格なりがふえるわけでございまして、その分はお金で出してもらわなければいかぬわけでありますが、それにつきましては、通常の場合十年の割賦を認めております。さらに、新しい法律におきましては、こういう方々は特に住宅の場合において問題でございますので、住宅金融公庫の五分五厘の普通の個人貸し付けのお金を優先的にお貸しすることにいたしておるわけであります。また、場合によりましては、どうしても出ていかなければならないという場合がございます。その場合には、当然借家権の価格を評価する、あるいは移転料その他の通常損失となる補償はいたします。と同時に、都市計画事業によりまして移転を余儀なくされるわけでございますので、公営住宅に対します優先入居あるいは公庫資金の優先貸し付けというようなことをやってまいるということは、すでに言明しているとおりでございます。 そういうようなことによりまして、借家人の方は、借家権という法律上の制約から、組合の組合員になれませんけれども、この法律におきましては、あらゆる角度から十分保護するようにというような規定を置いているわけでございます。
○広沢(賢)委員 一番初めの市街地改造法のときよりも、いろいろもんちゃくが起きてから、だんだんよくなってきたといわれているのです。ところが、問題は、建設大臣いまお聞きになったのですが、こういうことなんですね。いままで商売をしている人は、幾ら補償をもらっても、私は生涯それにかけているんだ、ふろ屋ならふろ屋、何なら何、そういう人たちは、損得抜きでやっているのです。江戸っ子ですからね。だから、そういう人たちはやはりここで商売したいというのですね。新橋の駅ビルなんというのは極端な例ですが、それから一歩下がってみます。下がってきた下町でもってそういう問題が起きたときに、それは近代的になったのだからしようがないなんて言えないと思う。そういうときに、間借り人の職人なり、そういういろいろなうんといる庶民大衆ですよ、組織労働者より多いかもしれない、そういう庶民大衆に対してどういうような救済措置があるか、これについてひとつお聞きしたいと思います。
○大津留政府委員 先ほど都市局長が答弁いたしましたようないろいろな方法を講ずるわけでございますが、それでもなおやむを得ずその建物には入らない、よそに行きたい、あるいは行かざるを得ないという借家人に対しましては、公営住宅の優先入居及び住宅金融公庫の住宅資金の優先貸し付けという措置を用意しております。
○広沢(賢)委員 それじゃ答えにならない。私がお聞きするのは、そうすると、新しくどんどん都心部に再開発の近代的なビルが建ったならば、いままで先祖代々東京に住んでいる人なんかが、生業について、下でもって事業所ができて、ずっと流れ作業で印刷でもいろいろなことでも共同作業をやる、それで上で住めるようにするにはどういうようにしたらいいかということについて、都市再開発法では十分審議しただろうと思うのですよ。もっとも、衆議院は強行突破したから、衆議院の責任ではないけれども、参議院のほうでは十分やったろうと思うのですよ。それから、法律をつくる前に、やはりあたたかい気持ちがなければいけないと思うのです。足りなければ、資金も大蔵省に要求して、東京が人間味ある近代的な都市になるように、そういうところまで考えなければいけないのです。そういうことについてのいろいろな配慮があってこれだけの予算が必要だということで大蔵省に要求したら、与野党を通じてそれは大いに推進すると思うのですよ。 そういう点で、たとえばここに書いてあるのですよ。参議院の附帯決議——院の決議ですからね。ちゃんと書いてあるのです。「市街地再開発事業の実施に伴い、権利を失うこととなる零細な居住者の補償等について、十分に配慮すること。」これは補償等ですから、補償ばかりではなくて、金ばかりではなくて、いままでのところに住んで何かしたいということについては、ちゃんとしたいろいろな親切な配慮、行政措置が必要なんです。だから、今度は政令その他でもってあたたかい配慮を私たちはお願いしたいと思うのです。そういうことなんです。
○坪川国務大臣 広沢委員の非常に配慮ある、しかも人情味のある御質問と、また御提案、われわれといたしましても、その執行にあたりましては、十分愛情きめこまやかに行政指導をいたし、またそれなりの誘導措置なども講じたい、こう考えております。
○広沢(賢)委員 大蔵委員会からわざわざ出てきたのですから、あまり時間をとってはなりませんが、いまの参議院の附帯決議のとおり実行するには、たいへんな難事業であると思うのです。それを建設省が各省と連絡してしっかりと取り組んでいただいて、それで大蔵省に対していろいろ要求する。相沢主計局次長は、そういうことを非常によく考える主計局次長だと思うのです。よく大蔵大臣に伝えていただきたいし、これから大蔵委員会においても融資その他について十分建設省を応援しまして、もう全力をふるってやりますから、ひとつよろしくお願いします。
○始関委員長 次回は、来たる二十日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十一分散会