建設委員会 第14号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/23
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地価公示法案、及び、内海清君外一名提出、土地価格の抑制のための基本的施策に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。北山愛郎君。
○北山委員 私は飛び入りの質問で、まことに恐縮なんでありますが、この地価問題については平素非常に関心を持っておりまして、約十年くらい前に予算委員会でこの問題を取り上げたことがございました。当時は政府としてもほとんど検討しておらないというような状態であったわけであります。しかし、その後この問題が非常に重要視されてまいりまして、建設省としても審議会を設けて数々の施策を出したわけです。しかしながら、地価の高騰というものはとうとうとして少しも衰えを見せないということであります。この点非常に残念に思っておるわけでありますが、従来の政府の施策というのは、宅地が足りないから高くなるんだということで、いわゆる宅地開発等の供給面をやってきたわけです。それから不動産評価制度、あるいは宅地取引の関係、あるいは土地収用というように、事務的な手続面等をやってまいりましたが、なかなか効果がない。私は、この地価問題の核心に触れておらないのではないか、こういうふうに考えるわけです。こういう中から、ことしの対策としては、建設省では地価公示法案が出ておる。それから税制面としては、初めて——というか、土地税制が出てきたわけであります。しかし、これも、私どもから見れば、実際の問題点に触れておらないのじゃないか、こう思うのでありますが、とにかく、まずお尋ねをしたいのは、一体地価公示法案というものは、すでに昭和三十九年の衆議院の決議の中にも入っておるわけでありまして、問題はもうすでに古いわけです。国会で決議したのは三十九年で、法案が出てきたのが四十四年ということでは、これ一つつくるだけでも五年もかかっておるのです。税制問題にしても、数々の審議会なり、あるいは地価対策閣僚協議会なり、いろいろな方面でいろいろな提案がなされておるにもかかわらず、これが具体的な政策になってこない、非常におそいということであります。こういうことは一体どういうところに原因があるだろうか。それからもう一つは、地価公示法というものに対して建設大臣は一体どういう評価をしているのか、これが効果があると考えているのか、その辺のところをひとつお聞かせを願いたいのであります。
○坪川国務大臣 北山委員がこの土地対策並びに地価問題に対する深い御見識から、これらの展望に立っての、過去の政府がとってまいりました施策並びに今後の地価に対するところの問題点の重要性を憂慮されながら指摘されますお気持ちについて、私はいま傾聴いたしておる次第でございますが、事実、御指摘のとおり、地価問題、土地問題に対するところのいままで政府がとってまいりました施策といたしましては、当面する問題を取り上げて、抜本的といいますか、基本的な問題に対する検討、施策というものがいささか不足がちであったということについては、私は否定するものではございません。したがいまして、これらの点を考えますときに、御承知のとおりに、昭和三十九年に与野党一致して御決議をいただきました地価公示制度、地価安定に関する政府施策に対する日月が四年もかかりました現時点に出されてまいったことも事実でございますが、弁明というようなことではございませんけれども、その間、この地価問題は単なる一つの問題点だけにおいて解決でき得るものではないというような考えのもとにおいて、政府は都市計画法の制定を昨年の国会においてお願いをいたし、また都市再開発法の御審議もお願いをいたしまして、審議未了という立場になったことも御存じのとおりでございまして、決しておろそかにしておったようなことではないわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても、根本問題といたしましては、ほんとうに地価問題は政府の重大な施策として取り組まなければならぬ、こういうような考えをもちまして、このたび地価公示制度の御審議をお願いいたしておるような次第でございます。私も就任いたしまして以来、すべての住宅、都市開発に優先するものは地価問題であるという考えのもとにおいてこれに取り組んで、地価公示制度の御審議を願っております。過般の委員会においても申し上げましたが、このことによってすべてが解決するものではないと思います。特効薬でもなく、また万能薬でもないと思いますが、しかし、これをやることによって、地価の抑制、また不正な取引、あるいは地価に対するところの一般民衆あるいは公共団体の一つの大きな指標になって、地価の安定への大きな一助となって、私は、役割りはかなり期待するものを感じておるような次第でございますので、この点御理解をいただきたい、こう思っております。
○北山委員 公示法案の内容については、すでに同僚からも御質問があったと思いますから、あまり触れませんが、今度市街化地域について標準地価というものを出すということでございますが、同時に、来年の一月一日現在でもって固定資産の再評価をやるわけであります。この関係ですね。すでに固定資産の評価という制度があって、市町村には評価員が置かれておる、また中央にも評価の審議機関も置かれておるということで、全国的に固定資産の評価制度というものはあるわけです。しかも来年の一月は新しい評価が行なわれるということでございますから、特に市街化地域なり都市の周辺における農地等の評価等については、地価公示法における評価と、それから固定資産の再評価における農地の評価、これらの関係は一体どういうふうに考慮されておるのか。特に市街化地域等に入ったあるいはその近傍における農地の評価について、来年の固定資産の再評価の際の方針等について承りたい。これは自治省からも承りたいのであります。それから地価公示法については、固定資産のそれらの地域における再評価という点をどういうふうに考慮しておるのか、その関連を承りたいのであります。
○川島(博)政府委員 地価公示制度は、本法が成立いたしました暁には来年度から実施をいたしたいと考えております。来年度は初年度でもございますので、まず東京、大阪、名古屋の三大地域を取り上げまして、この三大地域のうち約千地点の標準地を選びまして地価公示を実施する予定でございます。 公示の時点でございますが、一応現在の予定では、来年の一月一日現在で民間の不動産鑑定士を動員いたしまして実施調査をしていただき、これをこの法律によって新たに設置することになっております土地鑑定委員会が審査、所要の調整を加えて価格を決定し公示する、こういうことになっておりますが、この公示価格は、まず地点数が三大都市に限られて、しかも標準地が比較的少ないわけでございます。それから、調査の時点は一月一日でございますが、公示の時点は、やはり所要の調査、調整に時間を要しますので、四月一日ということになっております。したがいまして、対象地点から申しまして、固定資産税は全国全筆について調査を実施する必要がございますが、それとの関連で、非常にこの標準地点数が少ない、地域も限られておるということ、それから公示価格の公示時点が四月一日でございますので、相当時間的にもずれるわけでございます。そういう関係から、この公示価格を課税上の評価額とリンクさせますことは、課税の公平その他技術的な点からも相当問題があろうと思いますので、私どもは現在の段階でこの地価公示制度を制度的に課税上の評価額と結びつけることはいたしておらないわけでございます。将来の課題であろうということに考えておるわけでございます。 具体的な問題につきましては、自治省から答弁をお願いいたしたいと思います。
○山下説明員 地価公示法によります正常な価格と、固定資産税上の課税標準の基礎になります適正な地価、これは本質的には性格を同じにすべきものだと思いますので、基本的な考え方といたしましては、固定資産の評価にあたりまして、地価公示法によって公示されました正常な価格との均衡をはかるような方向で努力をしなければならないというふうに考えております。ただ、実際に地価公示法による正常な価格を使いますことにつきましては、ただいま計画局長からお答えがありましたように、技術的にいろいろ検討を要する点がございます。選びます標準地の数とか、あるいは固定資産税の評価に要します日数が相当かかるということからいたします時間的なずれというような問題がございますので、そうした面について今後検討いたしたいと思いますが、基本的には均衡をとるべく努力をすべきものだと考えております。 次に、四十五年度の問題でございますが、四十五年度につきましては、地価公示法による価格の公示が四月一日だと聞いております。固定資産税のほうは一月一日で評価をいたしました結果を三月二十日には台帳に登載して縦覧に供しなければならないという手続の面から見ますと、少なくとも四十五年度において地価公示法による価格を使うということは、実際問題としてできません。そうした事情も考えまして、今回行なわれます地価公示の状態並びに四十五年度の固定資産の評価の状況も見ながら、今後両者の関係の調整をどうするかということについて、将来の問題として検討いたしたいと考えております。 次に、御指摘のありました市街地近郊の農地の評価の問題でございますが、この問題については、土地対策の見地からのいろいろな考え方もございましたが、政府の税制調査会におきまして、市街地域に存在する農地につきましては、市街化区域内の農地で、かつ都市施設が整備された地域における農地については、近郊の宅地と均衡をはかることとすべきであるという答申をいただいております。私どもはこの方向で検討をさしていただきたいと思っておりますが、ただ、実際の問題といたしまして、市街化区域内の農地でございましても、都市施設が整備された地域というものを具体的にどう判断するかということになりますと、技術的に非常にむずかしい問題がございます。したがいまして、都市施設の整備された状況に関します具体的な認定の技術上の検討につきまして、目下検討をいたしているわけでございまして、そうした方向で適切な方向を見出すならば、市街化区域内の農地に対する調査につきましては、税制調査会の答申の方向で取り扱ってまいりたいというふうに考えております。
○北山委員 その辺が非常に問題だと思うのです。とにかく、都市近郊の場合において、かりに市街化区域と一方的に指定をしたとしても、その当該の農家が現実に農業を営んでおる、そうすれば、やはり農業を営んでおる土地、農地としての、言うならば収益還元というか、そういうものを基礎として固定資産税はかけなければならぬのじゃないか。もしこれは当然宅地化すべきものであるとするならば、そういう税制上の問題ではなくて、宅地化するような別な制度によって、国が買い取るなり何かすべきであると思うのです。それをただ、税の上で宅地並みの税を取る、成り立たないなら農業をやめてしまえというやり方は、政治としてよくないんじゃないか。ですから、いまお話しのように、近郊の付近の宅地と均衡をとるような価格をやるというのはおかしいじゃないか。税制の上でそういう制度をとるというのはおかしいじゃないか。もしも宅地化すべきものであるとするならば、宅地化するような別な制度でやるべきであるし、ただ税金の上で宅地並みの税金を取るというのはおかしいんじゃないかと思う。こういうことに関連をして、農業を続けていきたいという者は、市街化区域に指定されることを非常におそれておるわけです。また一方においては、宅地化したい者は、できるだけ市街化区域に編入してもらいたいという運動がある。こういうような混乱が起こってくるんじゃないかと私は思うのです。また、起こってきておるんじゃないかと思うのです。ですから、いまのような、税制の上で追い込んでいって宅地化をさせるというやり方は適当じゃない。もしも宅地化すべき土地であるとするならば、別な都市計画上なり何なりの措置によって宅地化をむしろ推進して、そして国が買うなり何なりをして宅地化すべきである。税金の上で追い込んでいくというようなやり方は私は適当な方法でないと思うのですが、それについて建設省でもお考えがあろうと思いますから、伺っておきたい。
○川島(博)政府委員 御指摘の問題は大きな問題でございます。私ども建設省といたしましては、何と申しましても、最近のような大都市近郊の無秩序なスプロール、これは先生も御承知のように、大部分がたんぼでありますとか畑というものを食いつぶして無秩序に広がっていくという状態であります。これを何としても食いとめたい。それは人口、産業がまだまだ集中傾向にありますから、完全に押えることはできないとしても、少なくとも計画的に都市の拡大を秩序づけたいということで新しい都市計画法をつくり、市街化区域、市街化調整区域という制度を新たに設けたわけでございますが、この場合に、この市街化区域をどういう標準で選定するかということでございますが、これはやはり今後の都市の発展の趨勢、これを合理的に測定判断いたしまして、少なくとも十年後の都市の人口、産業の拡大に間に合う程度の範囲の地域を市街化区域とする。その他の都市計画区域は市街化調整区域とするわけでございますが、この市街化調整区域は、十年以内に市街化することはまずあり得ない。しかし、十年から二十年の間には市街化する可能性が多分に濃厚である。しかし、場合によっては、二十年後も依然として農地として農業経営が続継されるかもしれない。そういう十年から二十年間における土地利用が非常に流動的未確定な地域でございます。そこで、市街化調整区域については、ただいま国会に提案されております農業振興地域の整備に関する法律、これが成立いたしました暁には、この法律と、それから都市計画法両方から、すなわち、都市サイドと農業サイドと両方からこの土地利用について調整を行なう地域とされておりますが、市街化区域については、少なくとも十年以内に市街化されることはまず一〇〇%間違いない区域というものを設定するわけでございます。したがいまして、課税上の評価は別といたしまして、私どもは、この市街化区域内が非常に望ましい形で市街化されるということを推進いたすことにいたしておるわけであります。
○北山委員 ただいまスプロールを防ぐというようなお話がありましたが、ただ図面に、ここは市街化地域である、ここは調整地域である、あるいは農業振興地域であるというふうに線を引っぱっただけではどうにもなるものじゃないと思うのですね。それなら、市街化地域以外に、宅地開発業者が土地を取得したり、そういうものを制限できますか。一体スプロールというものはなぜ起こるかといえば、やはり地価が高いからそういうところに行っちゃうのですよ。市街化地域に指定をして、地価公示法を出したからといって、地価は下がらないでしょう。下がらないなら、より安い遠いところに行くのはあたりまえなんです。それをあわせて規制するなり調整するような施策が伴わなければ、ただ図面にここは市街化地域であるといっても、それはむしろ土地が上がるか何かの結果が出るだけであって、いまのスプロール現象の根源にある原因を押える力はないんじゃないかと思うのです。この点は議論ですし、私どもは、こういう都市計画なり、市街化地域あるいは農業振興地域というような機械的な線の引き方でなくて、もっと実効のあがるような施策が伴っていかなければならぬじゃないか、こういうふうに考えるものであります。いずれにしても、いまお話があったような、都市近郊における農地の固定資産評価額を何を基準にしてきめるか、宅地並みの価格にするかということは重大問題だと思うのです。私は、意見としていま申し上げたように、税制の上からその地域を宅地化せざるを得ないように追い込んでいくようなそういうやり方はとらない。やるのなら、もっと別な方法で、もっと別な土地政策によってやるべきだ、こういうふうに考えるので、この点はひとつ考慮しておいていただきたい。そうでないと、私は非常に混乱が起こると思うのです。 それから、時間もありませんので、二、三、実態の把握をどうしておられるかという点についてお尋ねをしたいのです。 それは、一体一年間の宅地の取引ですね、土地の取引額というのはどの程度にあるのかという点について、建設省の調査があれば、それを承りたいのであります。
○川島(博)政府委員 わが国内におきます宅地の取引高でございますが、これは正確な資料は乏しいと申し上げなければならないと思います。公的なものといたしましては、わずかに昭和四十二年度の経済白書に、「土地の取り引き額は年間一兆円を下らないとみられる」という記述がございます。これがわずかに公的な文書に見られるものでございまして、このほかでは、信頼すべき資料は、私どもの調べたところでは、ないわけでございます。そこで、何らかの指標を使いまして推定をせざるを得ないわけでございますが、たとえば、昭和四十一年におきます宅地を含めた土地売買の登記件数、これを集計した法務省の資料によりますと、これが、昭和四十一年には、暦年でございますが、二百十大万件、そういうことになっております。一方、一件当たりの不動産取得税評価額、これは平均いたしますと三十八万九千六十八円という資料がございます。したがいまして、この両者を掛け合わせまして金額をはじきますと、年間の土地取引高は約八千四百億円となるわけでございます。ただ、これは四十一年の数字になるわけでございますが、常識からいたしますれば、これだけ土地が値上がりしておるのに、はなはだ過小であるという印象を免れないと思います。事実、これは不動産取得税の評価額を単価といたしておりますから、それは固定資産税の評価額そのものでございますし、固定資産税の評価額は実際に取引されております地価よりは相当程度低いということも、これは一般的な事実でございますので、実際の年間の土地取引高は、ただいま申し上げた八千四百億円という数字の二倍ないしそれ以上という金額であろうと推定されるわけでございます。
○北山委員 これは大蔵省なり自治省なりあるいは建設省が協力すれば、いまお話があったような、それ以外のいろいろな資料をあわせて大体の推定はつくわけです。それをやっておらないということは、私まことに遺憾だと思うのです。政府以外に有力な機関はないのですから、税法上のいろいろな資料、そういうものを基礎にしてはじけばいいのです。 いまのお話にありましたけれども、私は、譲渡所得関係の大蔵省の内部資料みたいですけれども、四十二年度で、いわゆる税法上の従来の収用特例なりあるいは買いかえ特例、これに当てはまったものだけを、しかも個人分だけを計算したものでありますが、それだけでも、収入が一兆二千四百十七億ということに相なっておるわけであります。それ以外、個人の一般譲渡分が五千四百億と見ておりますから、両方合わせますと、個人分の譲渡収入が一兆七千八百十八億という数字、こういう資料があるわけです。これ以外に法人分もあるわけなんですから、いま建設省からお話しになったのはきわめて過小という気がする。もっと別な、いま申し上げたような資料とか、いろいろなものを総合して考えれば、そういう数字にはならないんじゃないか。私は、この重大な地価問題について、一体どの程度の土地の取引があるのか、こういう実態を政府が捕捉しておらないという点は、まことに遺憾だと思うのであります。ばらばらな資料がばらばらに出ておるわけですね。たとえば不動産譲渡所得、取得税関係から見れば、坪当たり、四十一年で四千七百円ぐらいの単価になっておるわけです。三十九年の固定資産の評価の基準から見れば、七千四百二十三円かになっております。みんなばらばらですね。そういうものを資料としたのでは、どうにもならない。実態を捕捉するためには、やはり一つは大蔵省の譲渡所得税の関係がありますから、そういうものを捕捉せられて、あと法人関係は別な方法でやるということにしたならば、できると思うのですね。私はこれは怠慢だと思います。いま通俗には、金融関係では、三兆円ぐらいはあるだろう、三兆円以上あるだろうというふうにいわれておりますが、われわれは、もっとあるんじゃないかというふうに推定いたします。いま申し上げたような、大蔵省の税の適用を基礎にした個人分の譲渡収入を見ても、一兆七千八百十八億というが、これはまた表向きであって、実際はこれよりも上回っておるに違いない。しかも、参考までに申し上げますと、この譲渡収入に伴った譲渡益がどのくらいあるかというと、いわゆる買いかえ特例を利用したものが、一兆二千四百十七億の収入のうち、利益になった分、いわゆる取得価格等を差し引いた分は、一兆一千百七十四億になっておる。大部分が譲渡益になっておるわけですね。ですから、総体で一般譲渡の分を含めて個人の譲渡収入一兆七千八百十八億のうちで、譲渡益は一兆五千三百五十一億というような、土地の譲渡からこれだけの利益が個人分だけで生まれておる。ですから、非常に膨大なものだと私は思うのであります。こういう点も、資料を隠さないで、こういう資料もほんとうはどんどん国会へ積極的に出すべきだと私は思うのですが、こっちから行って頼まなければ資料は出してくれないような現状です。こういうものをどんどん出し、また各省とも十分協議をして、この土地取引の実態というものを正しく把握する、これくらいは私はやってしかるべきだと思うのです。そこで、その点は今後すみやかに検討していただきたいということを申し上げておきます。 それから、先ほど、いままでの宅地対策というものは肝心な点に触れておらないと申し上げたのですが、その肝心な点というのは、いわゆる仮需要といいますか、土地の思惑的な投資、こういうものに対する対策が出ておらないということなんです。私どもは、これが非常に大きいと思いますし、最近においては、実際に土地を買って家を建てるとか工場を建てるというよりは、むしろ、土地を買っておけば何よりも有利だ、株を買うより土地を買えというような形で、土地に対する需要がふえている。われわれが言わなくても、皆さんも御承知のとおりだと思うのです。ところが、これに対する対策がないということです。今度初めて土地税制の上で若干の対策が出てきたわけでありますけれども、いままでの税制は、この仮需要をむしろ刺激するような政策をとってきたのではないか。ただいま申し上げた居住用資産あるいは事業用資産の買いかえ特例にしても、これはむしろ弊害があって、仮需要というものをふやした。ですから、今度取りやめということにもなってきておるわけであります。こういうふうに、むしろ仮需要を刺激するような政策をとってきたのではないか。これはまことに残念だと私は思うのであります。 そこで、今度の土地税制は、いわゆる思惑投資というようなものを個人について若干制限するというような制度をとってきたわけであります。ただ、長期保有者が売る場合に、分離課税にして税率を下げた、この効果は、先日岡本委員がここで質問されているのを私は聞いておりましたが、私も同感なんです。今度のようなやり方で、分離課税で税率を下げて、段階的にせいぜい二〇%というようなかっこうでは、はたしてこれが誘導政策になるかどうか、私は非常に疑問だと思いますが、その点は問いません。ただ、個人の新規の土地購入を制限するような税制をやっておる。そうして法人については野放しなんです。法人については何ら今度は課税されないというようなことは、どういう理由に基づくのであるか、その点を明らかにしていただきたいわけです。ということは、数年前の建設省の考え方ですね、これは分離課税にした場合に法人の取り扱いについても明確にできるからということを建設省が省議として決定しているはずなんです。昭和四十年十月の建設省の文書を見ると、法人税について、他の損益と分離して土地の譲渡利益に対する課税を適正化することができる、だから法人の場合においても分離課税が適当だ、それから四十二年の十月、建設省の決定で、土地関係税制改善についてという文書の中にも、同じ趣旨があるわけであります。私どもも、土地の譲渡所得というものを分離課税にするというメリットは、やはり法人課税についてもこれを分離してそうしてこの税制が土地政策に役立つ、それだから分離課税にするというのが、一つの有力な理由であるわけでありますが、肝心かなめの法人を除外してしまったのでは、非常に効果が薄くなると思うのであります。むしろ、現在たくさん金を持ってどんどん土地を買いあさっているのは法人会社であるわけですから、そういうものが今度の土地政策から除外されておるのは納得がいかない。どういう理由で、こういう税制を建設省は容認し、また、大蔵省はどういう考え方でこういうやり方をやったのか、これを明確にしてもらいたいと思うのです。
○細見政府委員 事柄が税制でございますので、一応大蔵省から最初に御説明申し上げたいと思います。 第一点の、個人が土地等を買う場合にいわば抑制的な税制にしたではないかというお話でございますが、その点は、北山委員のほうのちょっと誤解であろうかと思います。と申しますのは、個人が土地を買いますことについて、税制は、奨励もいたしておりませんが、罰もかけておらない。ただ、これから、買ったものをもうけて売る場合は、税金は商いですよ、ですから、自分の土地の上に家を建てられる方については、税制は、奨励もいたしませんかわりに、罰をいたしておりません、ただ、そういう住宅なり土地を買うために貯蓄をされる方については、住宅貯蓄について特別措置をお願いしたことは、すでに御案内のとおりで、買う資金についての税制上の優遇はいたしましたが、土地そのものの売買については何らいたしておりません。 それから、法人につきましてなぜ分離課税ができないかということなんでございますが、私どもは、大きくは、個人と法人とのバランスを考えました場合に、個人でありましても、土地を宅地造成をして事業としてやっておられるようなものについて、これはやはり事業所得として課税せざるを得ないだろうと考えるわけです。同様に、法人につきましても、事業として宅地を造成して、それを個人に供給されるということになりますれば、個人個人がめいめい土地を埋め立てたりあるいは山を切り開いたりして宅地を造成するのに比べまして、ある程度大規模に法人組織の不動産会社等が土地を開発することは、少なくとも現段階においては国の住宅政策に協力することになっておろうと思います。そういうことを考えますと、いわゆる土地の造成を業といたします不動産産業について、これを特に重い税を課する、普通の法人よりも重い税をかけるというのは適当ではないだろうと思うのです。 ところで、不動産業は御承知のように免許になっておるわけでありますが、実際問題といたしまして、有益なもくろみをもって土地開発事業を始めるという会社について不動産業を免許しないということも、現状の法制においてはむずかしいだろうということを考えますれば、技術的な問題がございます。ただ、この点は建設省の問題でございますので、免許につきましていろいろ行政上の制約をなさることも可能であろうと思いますので、この点については立ち入って申しませんといたしまして、それでは、法人税でそういう区別した課税ができることについて技術上一体どういう問題があるかということでございますが、第一点は、御承知のように、法人でございますと、そのほかいろいろ多岐にわたる事業をいたしておりますと、どういうふうにして収入と経費——少なくともこの場合は、経費についてどういう割り振りをするかということが一つ問題になってくるわけです。通常、経費の割り振りと申しますのは、多くの場合、収入金に見合ったような形で割り振りをいたすわけでありますが、先生のおっしゃる意図の裏には、おそらく、土地の売買には非常に高額な利益があるじゃないかということでお考えになっておるとすれば、そういう高額な利益についてより高率の経費を割り振るというようなことにもなりかねないわけで、それをそういうものでなくて割り振るとすればどういうやり方があるかということで、一般管理費用を配分する問題が一つございます。それからもう一つ、法人でございますので、いろいろな事業をやっておる場合に、同じ事業間に損益をどう配分するか、ある部門は赤が出た、ある部門は黒だ、つまり、この場合であれば、土地部門は黒で、それ以外の部門は赤だという場合に、つまり、厚みの同じ値打ちの利益として相互に割り振っていいかどうかということ、これが一つあるわけであります。それからまた、それは事業部間の配分でございますが、さらに、事業年度を分けまして、今年度は黒字であったが、昨年度赤字であったというような場合、あるいは、ことしは黒字だけれども、来年赤字になった場合、その間の利益をどう割り振りするかというような問題、さらにはまた税率の問題がございまして、やや技術的になって恐縮でありますが、いつもこの点について御非難が多いので、この機会をかりまして詳しく申し上げようと思いますので、お時間をいただきますと、税率につきましては、留保分について、御承知のように、三百万を境として二八、三五という税率があり、それは留保した部分でありますし、配当部分につきまして、二二と二六という二つの税率があるわけです。そこへさらに新しい税率ができてまいりました場合に、三百万超と三百万以下とに分けてもう一つ特別の税率をつくるかどうかというような問題があるわけであります。それからまた、いまの法人税法が悪いという議論になれば別でありますが、現在の配当控除といいますのは、法人税を株主段階に譲渡する……(北山委員「そんなことを聞いてない」と呼ぶ)それでは簡単にいたします。 というようなことで、非常に技術的に——いま申し上げると、およそめんどうくさいことだからとおっしゃるようにお感じになるごとく、法人税法というのはごたごたいたしておりまして、特別な課税というのは法人税の中へ持ち込むということは非常にむずかしいわけであります。 ところで、それでは法人税については何もしておらないかということになりますと、いままで法人が土地について問題を持っておりましたのは、これは法人が買いかえ資産という形で多量の土地を購入しておった、従来の値上がりした土地を売って、より安い土地を非常に広く買っておった、それが今日の土地騰貴の原因の一つになっておったというようなことを言われましたので、この点について、御案内のように、思い切った規制措置をいたしておるわけであります。といたしますと、御承知のように、法人税は、実効税率で申しましても四三%強の税であります。まして、名目では五〇%近い税率がかかっておるわけでありますから、そういう譲渡の思惑がうまみがなくなるとしますと、このことだけで、土地を買ってそれほどの、半分の利益を国に持っていかれるものでありますれば、個人に比べまして特に法人がよくなることではない、むしろ法人負担は重いくらいでありますので、この買いかえ制度を押えることによって、私どもは法人における土地税制としては十分な目的が達し得た、かように感じておるわけであります。
○北山委員 しかし、現実に土地政策として、いろいろな思惑需要なり、そういうものを押える土地政策としての税制を考えた場合に、いまのままの法人がやっておる姿でいいかどうかという問題なんです。法人内のいろいろな事情があるだろうし、また、課税する場合、法人と個人とは違うでしょう。ですから、同じ率で、同じゃり方で法人にはできないかもしれない。しかし、いまのままで一体いいのかということなんです。不動産業を本業としないような法人だってどんどん土地を買っているのですよ。しかも、自分みずからもやるし、自分が金を出してたくさんの子会社、不動産会社をつくって、じゃんじゃん土地を買っているのです。そういうものをそのまま、法人税のほうはめんどうくさいとか、あるいは、会社についてはこれこれの事情がございますという同情的な見方をして、これは個人と違いますといってやったなら、土地政策はできないじゃないですか。そんな、法人側のいろいろな事情を代弁するような答弁でなくて、土地政策として税法を使う場合にどうするのか、法人についてはいろいろ困難な事情があろうけれども、現在の状態に放置することはできないのだとするならば、どうすべきであるか。たとえば、企業がどんどん土地を買っていることは、いろいろの統計数字にも出ているのですよ。大蔵省の法人企業統計を見ても、昭和三十五年に、法人企業の持っている土地は七千七十億、それが四十二年には三兆七千二百十七億、五倍余になっているのですね。これは総資産額が三倍ぐらいにしかふえておらないのに比べて、土地のほうがどんどんふえているということは常識ですよ。普通の法人でもそうなんです。その上に、いま申し上げたように豊富な資金を使って子会社をつくって、そうしてどんどん土地を買っているのですね。そういうものを野放しにしておいたならば、土地施策というのは成り立たぬじゃないですか。個人のほうは、これから自分の家を建てようとか、そういうことで買う土地はもちろん別ですよ。いま規制しているのは、個人については、新規に買った分を売る場合には高い税金を取られるということで、そういう面から個人の思惑のための活動は規制された今度の土地税制なんですね。法人については野放しにしてある、これでいいかということなんです。大蔵省はそんな答弁していいのですか。一体それでいいというのですか。もし税制でなかったら、一体どういう方法でこの法人のそういう思惑、土地投資活動というものを規制するのか。建設省としてはどういう考え方を持っておるのか。しかも、先ほど申し上げたとおりに、建設省の初めの考え方は、法人についても適用するメリットというものを考えておったのです。それがおそらく大蔵省のいまのような御意見でだめになった。個人だけが規制されるということになる。一体どうするのか。法人のいまのような活動を野放しでいいのですか。それで土地政策ができるのですか。これは予算委員会のときに大蔵大臣は答弁して、法人の問題については、税制じゃなく、別な方法でやってもらうんだという、その別な方法は何なのだ、政府として。
○川島(博)政府委員 今後の土地対策を進めるにあたりまして、土地税制の果たす役割りは、全体としては補完的、調整的であるかもしれませんが、少なくとも、ただいま問題になりましたような投機の抑制、仮需要の抑制、あるいは開発利益の社会還元、こういうねらいから見ますと、かなり大きな役割りを果たすであろうと思います。そういう意味におきまして、一昨年税制調査会に対しまして、個人の譲渡所得のみならず、法人の保有土地の譲渡所得に対しても何らかの特別の税制を考えるべきだという要請をいたしたことは、先生御指摘のとおりでございます。これに対しまして、税制調査会は、一昨年七月の答申におきまして、この法人の保有土地の売却益について特別な課税を行なうということは、法人税制の本質に関連し実務上及び法律技術的な困難等から不適当だ、こういう判断をしまして、むしろ直接規制によるべきだという答申を出しておるわけでございます。これに対しまして、私どもは、やはり土地の売却に伴う譲渡益を税という形によって収奪し、これによって地価を冷却せしめることが一番適切であろう。直接規制ということになりますと、法人の取引に国家が直接介入するということになろうかと思いますが、これは現在のわが国の行政からいたしまして非常に大きな問題でございます。のみならず、不動産の流通に対して大きな変革を加えることでございますから、相当慎重を要する。この段階においては、プライス・メカニズムという、価格を通じて国家が介入し投機を押えることが、やはり一番穏当適切な手段ではなかろうか。ただ、これを実施いたします場合には、私どもは税制の専門家ではございませんのでよくわかりませんけれども、確かに実務上あるいは法律上いろんな困難があろうかと思います。この点は、ひとつ専門家であります税制調査会並びに税制当局が十分御検討されてこれを解決していただきたい、こういう気持ちを持っておるわけでございます。
○北山委員 とにかく、税制の上でむしろマイナスのことをいままでやっていたのですよ。税制調査会だって私は信用できないのです。いままでもこの買いかえ特例の弊害を認めておるじゃないですか。その特例をやって、そういうものに対して減税までやって——大減税をやってきたのですね。そしてその結果として思惑の投資がどんどんはびこったから、今度やっとそれをやめる。これは反省してしかるべきじゃないですか。まあその点だけは私はプラスだと思うのです。いままでの悪かったことをやめて、そんな買いかえ特例やなんかを整理するということは私はプラスだと思うが、しかし、そういうふうなことじゃだめなんじゃないか。直接規制がだめだとかなんとか言いますけれども、たとえば、法人会社が、自分の事業用に必ず必要な土地以外の、見込みの土地をよけいに買っておくなんということは、規制できないのですか。一定規模以上の工場敷地を買うとかということについて、これを許可制にできないのですか。あるいは宅地開発にしても、宅地開発業者が事業認可を受けるでしょう。しかし、その前の土地取得について一体規制できないのですか。土地は買っておく、あと宅地開発の事業の許可を受ける、そのときになってから許可する、そうじゃなくして、その前に山林とかそういうものを買うときに、一定規模以上のものは許可を受けるとか、そういうことができないのですか。あるいはゴルフ場であるとか、遊園地であるとか、観光用地、こういうものを規制できないのですか。法人企業のそういう活動を野放しにしておいて、地価対策なんて立たないんじゃないかと思うのです。そういうことはできないのですか。建設大臣、そういう気持ちはありませんか。じゃんじゃん広いゴルフ場を取得してやる、そういうことはかってにできる、観光地も買うことができる、あるいは宅地開発を前提とした用地取得ができる、そういうものが全国要所要所みんな資金力にものを言わせて買っておるじゃないですか。そういうものを規制できないのですか。
○坪川国務大臣 北山委員、税制の上においても、また財政の上においても日ごろ非常に御検討になっておられます立場から、先ほど来建設当局並びに大蔵当局に対して貴重な御意見を述べられておられる御趣旨については、私も私なりに拝聴いたしておるのでございますが、川島局長、また大蔵省の審議官も申しましたような、いわゆる実際の実務の上において、また法律的な技術の上において、なかなか困難性のあることも、御了承いただけることと私は思うのでございます。したがいまして、これらの点について決して税制調査会の答申ということをたてにして申し上げるのでもございませんけれども、いま述べられましたそれらの、いわゆる許可を与える前においての何らかの技術的操作、作業というものが適当にあるのではないかというような点等も、私は十分検討を加える余地があるのじゃないかとも思いますけれども、いまの時点においては、予算委員会で大蔵大臣が、実情において困難性のあることを答弁いたしましたこと、また北山委員のあの委員会での御指摘に政府としての答弁もいたしましたようなことで御理解いただけるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、非常に重要な問題でありますので、法人のこの保有土地の譲渡に対する諸般の問題につきましては、政府といたしましては、また建設省といたしましては、大蔵当局と、その実務上、法律的技術上においてかくあるべきであるという問題点を十分解明もし、検討もいたしてまいりたい、こう考えております。
○北山委員 私は、その予算委員会の大蔵大臣の答弁で、これは別な方法でやるのだ、こう言うから、じゃ政府としては、法人のそういう活動を規制するのに別な方法といえば何だ。私は具体的に例をあげたのです。私どもは数年前に宅地法案要綱、まあ宅地対策というものを出した。その中に、やはりこういうふうな、特に法人などの大規模な土地取得についてはいろいろな規制をしなければならぬじゃないか、ゴルフ場なり観光地なり遊園地なり、相当広い面積のものを取得する場合に、規制できるのじゃないか、それは当然じゃないか、あるいは会社が必要以上の、不急不要な土地を余分にとっておく、こういうことも規制できるのじゃないか。これは当然規制できることなんですね。そういうことを検討する意思があるのかないのかということが一点ですよ。それをお答え願いたいのです。
○坪川国務大臣 先ほども申しましたように、現時点においては、実務上あるいは法律技術上非常に至難な点があることでありますが、いま御指摘になりましたように、これらの問題につきましては、税制調査会の答申等もありますので、これらの答申等もよく検討を加えながら、また、北山委員の日ごろの御賢察のもとにおいての考え方については、貴重な資料といたしましてわれわれといたしましては十分検討はいたしたい、こう思っております。
○北山委員 この点はそういう方向でやっていただきたいと思います。 この際、つけ加えて申し上げると、税制調査会にしても、土地税制部会の委員のメンバーの中に、大きな不動産会社の社長さんが入っておるというようなこと、あるいは住宅宅地審議会の中のメンバーにもそういう者が入っている。何もそういう人たちを入れなくたって、学識経験者はたくさんいるはずです。利害関係者を入れている。それだからこそ、法人関係がはずされているのですよ。政策がゆがんでくるのじゃないかと思う。一体、こういう重要な審議機関の中に利害関係者の代表みたいな者を入れておくことは適当じゃないと思う。どうですか。そういうものははずして、学者でも何でも、専門家はもっとたくさんあるはずなんです、だから、そういう中立的な人こそメンバーに入れて、そういう大きな不動産会社の社長のごときははずすべきじゃないか、こう思うのですよ。そうでないと、いい結論は出ませんよ。そういうこともひとつ考慮していただきたい。どうですか、見解があれば……。
○坪川国務大臣 委員の構成について、北山委員の御指摘になりましたいろいろな批判もあろうかとは思いますけれども、私の立場から、いまこれに対する御期待の線に沿う答えのでき得ないことも、立場をひとつ御理解いただきたい、こう思っております。
○北山委員 かつて、ある建設大臣は、土地は商品にあらずと言って、威勢のいいことを言われましたけれども、そういう状態だから、ますます商品化してくると思うのですね。私は、いまの問題は前から考えて、そういうメンバーは、これは学識経験者であろうから、そういう人が入っていればいい結論が出るかと思ったら、どうやら、そういうメンバーが入っているから、ますます、いままで私が申し上げたような、核心に触れた土地対策というものが出てこない。だから、私が理解するとかしないとかいう問題じゃないのですよ。いまの地価問題というのは重大な問題なんです。むしろ、経済の根幹をゆるがすような問題だと思うのです。それをそんなふうないいかげんなことでやっているから、そういう審議会などにまかしておくから、いい結論は出ないと思います。建設大臣、もう少し勇断をふるって、委員のメンバーも取りかえて、そしてひとつ抜本的なことをやってもらいたいと思う。 それから、時間もありませんから先を急ぎまして、地価公示法をやりますけれども、家賃地代の統制といいますか、家賃地代の公示はやらないのですか。特に地代の公示ですね。地代のほうは、この三年の間に三倍以上も上がっているのです。地価よりもむしろ上がっているとも言える。そういうものは野放しだということではいかぬじゃないですか。地価の公示をするなら、地代の公示もすべきじゃないですか。だから、地代家賃統制令——地代家賃統制令は死んだようなかっこうになっていますが、その精神を生かして、この際、適正な地代の公示もやってもらいたいと思うのです。じゃんじゃん上がっていますよ。
○川島(博)政府委員 現行の地代家賃統制令は、昭和二十五年の七月十日以前のものについて規制をしておるわけでございますが、最近の動きといたしましては、むしろ現行の地代家賃統制令は廃止すべきである、むしろ自由にまかせるべきだ、こういうことが大勢になっておるわけでございます。(「そんなことは国会で通っていないよ。あなたがそんなことを言ってはいかぬよ」と呼ぶ者あり)諸般の情勢でございまして、私が言っておるわけじゃございません。地価公示法案は、流通取引の対象となる土地の価格を公示するわけでございますが、別途、地代について今後どういう対策を講ずべきかということは、この地代家賃統制令の存廃問題ともからんで検討すべき重大問題であろうと思います。したがいまして、現段階でこの地価公示制度の中に地代の公示を含める考えはございません。
○北山委員 私は、含めろと言っておるのではない。地価の公示をするくらいなら、やはり地代の公示もすべきではないか。地価よりも地代のほうがもっと上がっておるかもしれませんよ。この三年間にたしか東京で三倍以上になっておるはずです。固定資産税が上がるとか、やれ何だとかかんだとかいって理屈をつけて地代を上げておる。おまけに契約更新料を取っておる。あるいはまた、その土地を借りて、かりに二階建てにしよう、そういうときに、地主の承認を受けるでしょう、その承認料まで取っておる。そういうことを一体野放しにするのかということです。かつての建設大臣は、土地は商品でない、こう言つっておったが、だんだん商品化する方向に——そういう思想で建設省は今後土地政策を進めていこうとするようなお話なんですが、それでいいのですか。
○川島(博)政府委員 そういう趣旨ではなく、地代についても、重大な問題だから、今後、地代家賃統制令の問題とも関連いたしますので、これらを含めまして別途検討いたしたいと思っております。
○北山委員 これは大臣にも聞いておきたいのですが、いまのお話の中で、やはり自由な取引の方向へいく、あるいは地代家賃統制令も廃止する方向だ、また、今度の地価公示は自由な取引価格なんだ、ただこれを公示するだけだ、こういう方向なんだ、そういう考え方だというふうに私には聞こえるのですが、それでいいのですか。
○坪川国務大臣 地代家賃統制令の果たした役割りの評価は、私は決して否定するものでもございませんが、いまの時点におきまして、地価統制令の採用といいますか、強化といいますか、これらの方向に向かうという方針は、政府といたしましてはいまは考えていないということで御了解を願いたいと思います。
○北山委員 何もかもうしろ向きのようなお話なんで、まことに残念ですが、最後に、国有地、公有地の活用、これについて、たしか数年前に行政管理庁から勧告が出ておったわけなんです。東京都内でも相当な未利用地がある、あるいは、手を加えればその利用をもう少し高度化できるような、そういう土地が何十万坪とある、そういうような勧告だったわけです。これについて一体大蔵省はどういう措置をとったか、とりつつあるかということをお知らせ願いたい。
○上国料説明員 国有財産の管理、処分につきましては、現下の土地問題にかんがみまして、できるだけこれに貢献するというような考え方から、効率的な活用をはかる方針を堅持しておるわけでございまして、このために、大蔵省所管の普通財産につきましては、公的な用途あるいは公共性の高い方面に優先的に処分するというような方針をとっておるわけでございます。それから、各省庁で国有財産をやはり持っておられるわけでございますが、大蔵省はこれを総括するという立場にございますので、この各省で使っておられます行政財産につきましては、使用状況を調査いたしまして、未利用になっているものとか、あるいは効率が悪いというようなものにつきましては、原則としてこれを大蔵省に引き継いで処分する、こういうような方針をとっておるわけでございます。それから、市街地に平面的に散在しておる庁舎とか、あるいはそういったようなために町の発展を阻害しているというような庁舎があるわけでございますが、そういったようなものにつきましては、できるだけ集約、一体化するとか、あるいは再配置するというようなことをいたしまして、そのあと地を、先ほど申し上げましたような公用とか、あるいは公共性の高い方面に活用するというような方針をとってきておるわけでございます。先ほど先生御指摘のございました、三十七年に行政管理庁で調査されましたものにつきましては、ただいま申し上げましたような方針によって処理を進めてまいってきております。大部分のものについては処理が終わっておると考えておりますが、中には三十七年の当時のままの状況で残っておるのもございますので、そういうようなものにつきましては、普通財産でございますれば、先ほど申し上げましたような見地から、公共性の高い方面に活用するという方針で今後処分を考えていきますし、また、各省庁で持っておられる行政財産でございますれば、先ほど申し上げましたような総括権の立場から、各省庁に要請をいたしまして、できるだけ効率の高い方面に活用してもらうというふうに持っていきたいというふうに考えております。
○北山委員 三十七年二月の行管の調査ですが、東京都内の調査で、供用可能な土地というのが九十三万三千五百八十五坪あるというふうに出ておるわけです。その中で、大蔵省所管の普通財産が五十七万五千四百九十三坪、各省庁の所管財産が三十一万五千三百四十一坪、公社所有地が二万七千八百六十八坪、こういうふうに順次出ておるわけであります。この行管の調査に基づいてこれらの分についてどういうふうな処理をされたのか。その坪数。しかも、その内訳が出ておりまして、供用可能な土地というのが十九万坪、それから、手を加えれば供用について検討の余地のある土地というのが七十六万坪ということになっていますね。こういうものに基づいて具体的に一体どういう処理をされたのか、その結果がわかりませんか。
○上国料説明員 先ほど申し上げましたような方針で具体的に処理を進めてまいりましたし、大体その結果はつかんでおります。
○北山委員 つかんでおるなら、大体の数字でもいいから、ここでお知らせを願いたい。いま申し上げた数字の中で、こういう指摘をされたものについてどの程度の処理をしたのか。
○上国料説明員 行政財産につきましては、ほとんどのものがほかへの転活用をはかっておりますが、中にはまだ三十七年の数字のままで残っておるものもございます。それはパーセンテージにしますとごく低いものでございまして、個別にはここに資料を持っておりますが、大部分はほかへの転活用がはかられておるような状況でございます。なお、普通財産につきましては、所管の課長がここに参っておりますので、そちらから御答弁を申し上げます。
○市川説明員 普通財産につきまして申し上げますと、当時指摘されました利用計画のない未利用地約十万坪につきまして今日までの処分状況を見ますと、国の庁舎等として利用しているものが約三万坪、それから東京都に対しまして学校、公営住宅等として売り払いをいたしましたものが二万七千坪、道路、公園等として無償貸し付け中のものが約二万二千坪、したがいまして、依然未利用になっておりますのは二万一千坪でございます。 それから、利用計画のある未利用地につきましては約三十一万坪でございますが、今日までの状況を見ますと、道路、公園等といたしまして無償貸し付け中のものが約二十万坪、政府関係機関に出資いたしましたものが約五万坪、国の庁舎等として利用しておりますものが約三万五千坪、交換いたしましたものが九千坪、東京都及び区でございますが、そういうものに対しまして学校等として売り払いましたものが約二万五千坪、それから駐車場として貸し付け中のものが約一千坪、以上でございます。
○北山委員 いまの資料の数字統計がございましたら、あとでいただきたいと思います。 いずれにしても、東京都内においても、そのように国有地あるいは公有地が何十万坪もあるし、また、われわれが毎日見ておるような地区にも、政府の施設、使っていないような倉庫みたいな施設、いつ使うだろうかと思って実は注目しているような施設も現にあるわけですね。そういうものがあちこちにあると思いますので、こういうものはやはり計画的にいまのような処理をどんどんやって、しかも、こういうふうな処理をしたということをやはり明らかにする必要があると思うのです。 大体私は時間ですからやめますが、以上、一部に触れたわけであります。何としても、いまの地価問題の中心をなしておる土地の仮需要といいますか、財産としての土地取得、この根を断たない限りは、地価問題は解決しないのではないか。ことにその中で最も力を持って現にどんどん全面的にやっているのは法人企業なんです。それを野放しにしておったのでは、地価の解決にはならないのではないかと思います。これは、お話がありましたけれども、税制の面でも私は検討の余地があると思うのであります。そうじゃなくて、やはり土地政策としていま至上命題なんですから、こういう点でくふうしていただかなければならぬし、また、先ほどいろいろな例を申し上げましたが、やはり直接の規制ですね。直接の規制も、手はたくさんあるのですよ。それをどんどん勇敢にやっていただきたい、こういうことを一つ要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○天野(光)委員 関連して。時間がないですから、ごく簡単に答弁をしていただきたいと思います。 この公示法が通れば、さっそく法律が発動するわけでありますが、その仕事の中心的な役割りを果たすのは、やはり地価を評価する鑑定士の問題になってくると思うのです。とりあえず、政府当局は、大都市、東京、名古屋、大阪周辺だけをやるといっておりますから、これは問題ないと思いますが、それ以外の府県にわたってまいりますと、鑑定士が現在の状態では非常に少ないわけでありまして、一人もいない県は現在ないようでありますが、東北地方などに参りますと、一つの県で三人鑑定士がいるという県はほとんどないくらいで、二人くらい。それで鑑定士会をつくって、評価委員会をつくって仕事をやるということになると、非常に問題だと思います。といって、大都市から移動してこれをやらしめるということになりますと、土地の問題は、土地勘がなくてはとてもほんとうの価値というものを算定することはむずかしいと思います。現在も、大都市から地方に出かけて鑑定をされておる鑑定士のやった仕事に相当問題が多くあるわけでありまして、そういう点から、どうしてもその土地その土地の土地勘を持っておる鑑定士を育成しなければいけないと思うのでありますが、現段階の法律の状態ではこれは非常にむずくかして、ことに、鑑定士の試験を通っても、これは自由営業でありますから、たとえば青森県所属鑑定士というようなナンバーをつけて鑑定士の免許証を与えるわけにはいかないと思うのでありますし、その鑑定士が大都会周辺にのみ集結するというような現在の状況において、さきに時限立法で鑑定士の採用試験の問題等をうたったのがあったのでありますが、これは時限立法で時間が切れてしまいまして、いわゆる土地勘のある地元のそうした者を救済する処置というものは絶たれているわけでありますが、この段階において、この地価公示法がおそらく今国会で通過するであろう、そうしてこの地価公示法が施行される段階において、大都市以外の土地にこの法律が施行される段階までに、私はどうしても土地勘のある鑑定士の育成強化をやる必要があると思うのでありますが、そういう点について建設省当局はどうお考えでございますか。
○川島(博)政府委員 不動産の鑑定評価制度が昭和三十九年に設定されて以来、鑑定評価の依頼の件数は年々増加をしてきておりますが、さらに今回の地価公示制度の発足に伴いまして鑑定評価制度に対する一般の認識が深まり、依頼の件数も飛躍的な増加が見込まれる次第でございます。そうなれば、不動産鑑定士等の不足あるいは地理的偏在が問題となってくることは十分に予想されますので、その対策について早急に検討いたしたいと考えております。
○天野(光)委員 早急に検討をするという考え方でありますが、その早急とは、時間的にいつごろまでをお考えであるか。今国会中にでも考慮願えるのかどうか。この法律案が今度通るのでありますから、そういう意味合いで、そこらあたりの含みは——早急ということばもいろいろありますから、日本語は複雑ですから、そういう点で今国会中にも御考慮願えるものと私は思うのでありますが、そういう点、どうですか。
○川島(博)政府委員 これはなかなか重大な問題でもございますし、政府当局のみならず、国会も含めまして御一緒にひとつ御研究願いたいと考えております。
○天野(光)委員 御一緒に御研究、たいへんけっこうでありますが、その態度がはっきりしないと、この法律案を通す意味において相当あとに問題が残ります。現在の段階でも、これはもう私が具体的に申し上げなくてもおわかりだと思いますが、東京の鑑定士が地方に出かけて鑑定をした結果、非常に問題を起こしておるわけでありますから、東京、大阪、名古屋だけに限ってやるというのなら、これは十二分ですからいいのですが、そうではなくて、これが各府県に波及してやるんだということになりますと、現在の段階では私は不可能であろうと思うのであります。それに対処できる措置を講ずるんだという明快な答弁があれば——このことは問題だと思いますので、そういう点もう少し明快に答弁をしていただきたいと思います。
○坪川国務大臣 天野委員御指摘になりました問題は、ただいま局長も申し上げましたとおり、非常に重要な緊急な問題点であろうと考えております。したがいまして、政府といたしましては、十分それらの意見を尊重いたしながら、すみやかに御協議もいたしたいと、こういうような立場でおりますので、その点で、誠意をもってなるべく早い機会——そのリミットはまだここですぐさま申しかねますけれども、誠意をもって早急に御協議、検討を加えて配慮申し上げたいと、こう考えております。
○天野(光)委員 大臣の話でどうも複雑快奇だが、日本語は、暫時といっても、一時間ということになったり、いろいろありますから、そういう点、タイムリミットを、希望するところは、今国会中ということで御検討を急いで——これは各党間にも問題があると思いますので、急いで検討をするということで、質問を終わりたいと思います。
○始関委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 大臣にお尋ねしますが、この地価公示制度が土地対策の一環として一歩前進の姿は認めます。だが、こういう公示制度をやるには、次には何を一体大臣は土地対策としてお考えの上にこの公示制度というものを御提案なされたか。土地対策というものは非常に複雑であり、また多角的な問題を含んでおりますので、税制の問題、または土地利用基本の問題、こう順次いろいろ考えられますが、さしあたって大臣は次にはどのような土地対策の手段を講ずるお考えのもとに、この問題をやるためにいまこれをやるのだということがあったら、お聞かせいただきたいと思います。
○坪川国務大臣 たびたび申し上げましたごとく、地価公示制度をもって土地対策の事なれりというような気持ちは、政府といたしましても、また私としても持っておりません。したがいまして、総合的に計画的に対策を並行いたしながら立てるべきであることは、小川委員も日ごろ御指摘になっておるとおりでございます。したがいまして、税制の上からも、あるいは土地の高度利用の立場からも、あるいは、先ほどお話がありましたような国、公有地、未利用地の開発利用というような問題、あるいは税制上の問題その他、私は、土地政策の推進、いわゆる御審議を願った都市計画法の五月よりの施行と、また都市再開発法の御審議によって制定をいただきました上に立っての土地開発の推進等、あらゆる政策を総合的に打ち出しながら、今後も土地対策問題に対しまして、地価問題に対しては鋭意配意をいたしてまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 総合的にということは——一ぺんにそれをお出しになるということはできないと思うので、次にはこれを出す、こういうお考えを——次の国会または今国会と、いろいろなタイムリミットの問題はありますが、その次の点は何を考えておられるのか。
○坪川国務大臣 やはり私はそれに次ぐというものは、いろいろそのウエートを——比較論を申すのではございませんけれども、やはり関連性の多いのは土地税制の問題であろう、こう考えております。したがいまして、土地税制等の問題については、いわゆる日ごろ御指摘になっておる問題点がありますから、これらについて議会で御質疑やらあるいはいろいろの決議等をいただいた点を十分そんたくいたして施策を進めてまいりたい、その中心は、いま申し上げました点を中心に置きたい、こう考えております。
○小川(新)委員 土地税制といってもいろいろございまして、課徴金の問題、また宅地開発税、それから不動産取得に関する税金の中に都市計画税、それから固定資産税、こういったものはもう再検討されなければならぬ段階にきていることは、大臣も十分御承知であると思いますし、まあ第二段階としてはすぐ税制の問題に手をおつけになられる、こういう点、私ども了解いたします。 それで、ちょっと専門的になりますので、これは川島さんにお願いしたいのですが、昨年十一月二十五日の住宅宅地審議会の答申と本法案との一番大きな相違は、税法との関連づけが削られている、こういうわけですね。技術的にこれが直ちにどうこうということはできないと思いますけれども、その関連において将来のための拘束力が非常に弱まるのではないかと思いますが、この点についてはどうお考えになりますか。
○川島(博)政府委員 確かに税制との関連につきましては答申と違っておるわけでございますが、しかし、大蔵並びに自治当局も累次にわたって答弁されておりますように、現在ただいまはこの地価公示が一部の地域だけを対象に実施されるので、直ちに課税上の評価と関係をつけることができないけれども、将来の問題としては、また、あるべき姿としては、当然この公示価格と課税上の評価額は一致すべきである、そういう方向で、将来この両制度の関連をつけるように前向きで検討するという御答弁をされております。私どもも全く同感でございまして、近い将来にはこれらの関連が制度上も確立されることを期待いたしておる次第でございます。
○小川(新)委員 もう御存じのとおり、この地価公示制度というものは全国一律に同じに適用されるわけではございませんで、適用されるところと適用されないところ、また、公示価格を課税評価額とリンクさせるための地域的な不公平が生じてまいりますが、そういう場合における大蔵省の見解というものはどうでありますか。
○細見政府委員 私どもと申しますよりは、むしろ固定資産税のほうになおより切実な問題があろうかと思います。と申しますのは、相続税でございますと、御承知のように、ある程度以上の財産のない方には相続税がかかりませんので、評価の問題がない時点も起こりますが、固定資産税はそうはまいりません。そういう意味で、今回できまする地価公示制度と固定資産税の評価とをどのようにリンクしていくかということにつきましては、先般も山下課長からるる御説明がありましたように、私どもも基本的には三つの評価が一致するものであろうと思います。したがって、そのための過渡期におきましては、たとえば、地価公示制度の結果、高い固定資産の評価になり、高い相続税の評価になって、こんなに高い評価か、買ってもらうつもりで地価公示をしておったところが、税金までそれでかかってくるのかというようなトラブルが必ず起こるであろうと思います。その意味で、これからかなり長い間、むずかしい、いわば制度創設のイバラの道を歩まざるを得ない、かように考えております。
○小川(新)委員 大臣、いまのような問題が起きてきて、イバラの道というのですけれども、このイバラの道を国民に歩ませるのか、それとも国がイバラの道を歩むのか、どっちなんですか。
○坪川国務大臣 政治の要諦は、何といいましても、民心の安定と、その施策によって国民の平等なるしあわせをつくることであろうと思いますので、かかるイドラの道のなきよう最善の施策を総合的に打ち出してまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 でも、大蔵省ではイバラの道を歩めといっているのですよ。歩まされる国民はたいへんで、とげだらけになってしまう。だから、これはトレーラーか何か持ってこなければだめだということで、いま答弁の中でこういう問題が非常に生じてくる。これをいまこの委員会で審議しているのであって、私は、こういうことで国民が犠牲になってはならぬ、不公平になってはならぬ、そのことによって土地対策が混迷してはならない。これは大臣も御存じのとおりだ。それに対する対策を講ずるのが議会であり、また、こういう専門の委員会なんです。その点は大臣も御了解いただきたいのです。こういう地価公示の問題が住宅宅地審議会の答申から多少なりともはずれてくるという点について、いま見解を聞いたのでありますが、その点、川島さんはどう考えていますか。
○川島(博)政府委員 地価公示制度は、累次申し上げておりますように、私どもは実際これからの本格的な土地対策のスタートラインがこれでそろったということだと考えております。したがいまして、税制のみならず、今後の土地利用計画を促進するにあたりましても、この地価公示制度がスタートしたということが、今後の土地対策推進にあたって非常に大きな意味を持ってくる。そういう意味におきまして、住宅宅地審議会の答申とは若干ニュアンスの違ったものになりましたけれども、今後はこの答申が完全に実施されるようにこの制度の改善についても十分努力をいたしたい、かように考えております。
○小川(新)委員 課税評価額と公示価格との関連性のリンクの問題は、これは私は完全に条文を落としてしまうということは疑義があると思うのですが、それはそれとして、前向きの姿勢で取り組まれるということで了解いたしますが、今後検討される問題であるということを忘れないでいただきたいと思います。 それから、土地鑑定委員会は建設省に置かれますね。それから事務局が建設省の計画局に設けられます。これは第二十条となっておりますが、このような地方性の強い、一筆ごとに評価していかなければならぬようなことを含んでいるような問題は、地方単位に委員会を設けたほうが効果があがるように考えられるのでありますが、この点いかがでありますか。 それともう一つは、将来事務量がふえた場合、中央の鑑定委員会や事務局だけでは仕事が処理し切れないのじゃないか、こうなったときには一体どうするのか。 この二点について……。
○川島(博)政府委員 地価公示を、全国的に統一した方針において、統一された調査並びに調整を経て実施するということで、私どもは、やはり国がその事務を処理することが適当と認めて、土地管理委員会を設置することといたした次第でございます。それから、具体的な土地調査に当たるスタッフにつきましては、これは役人をふやしてするということではなくて、現実に不動産鑑定士という民間のそれを専業とする専門家がおるわけでありますから、この民間の鑑定士に委託して行なうということが適当であろうと考えて、実際の現地の調査は民間の不動産鑑定士に依頼をして行なうということにいたしておるわけでございます。したがいまして、将来この公示地域がだんだんとふえてまいりまして土地調査にたくさんの人を要するようになりましても、これは逐次この依頼する民間の鑑定士の数をふやしていけば差しつかえないわけでございます。中央の役人はごく最小限度の人間をふやせば将来も足りるというふうに考えております。
○小川(新)委員 その点、私もちょっと疑問が生じたので質問したのですけれども、これはやはり地方にもそういったものを設けたほうがいいように考えているわけです。これもひとつ御検討していただきたいと思うのです。 鑑定評価額の決定の基準として、近傍類地の取引価格等から推定することが第四条にございますが、この資料を確保する手段として、土地登記の登録を登記所が鑑定委員会に送達する義務づけを行ない、また、それを措置するようなことを行なう必要があると思いますが、この点はいかがでありますか。
○川島(博)政府委員 不動産鑑定評価の方式の一つでありますマーケット資料比較法というのがございますが、これにおきましては、対象不動産の価格を求めますために、対象不動産と同じ類型の不動産について適切な取引事例を収集することが必要な作業とされております。この点に関しましては、不動産鑑定評価の専門家である鑑定士等は、このような資料の収集につきましては、商売柄、熟達をしておりまして、あらゆる取引事例を登記所から委員会に通告しておく制度をとらなくても、実際上の支障はないものと考えております。 なお、本法案におきましては、委員会が登記所から所要の資料の提出を求めることができるように規定を設けてはございます。
○小川(新)委員 最後に、この法案の公示価格が個々の土地の市場価格を示すことにはなりませんけれども、一般市民や業者が、この公示価格が最低価格であるというような認識を持って、それが最低ラインなんだ、それから上にいくというような考え方を持つように考えられますけれども、これに対するPRとか、そういった偏見を取り除くための当局としての配慮はどういうふうにやっていかれますか。
○川島(博)政府委員 せっかく価格の鑑定をねらいといたしました公示制度が、逆に最低価格として作用して価格の格上げに影響するというようなことでは困りますので、その点、誤解のないように十分なPRが必要でございます。この点につきましては、第一回の地価公示が来年の四月でございますので、ここに約一年間の期間がございますので、関係機関を動員いたしまして、その辺の誤解のないように、制度が発足いたしますまでには十分のPRをいたしたい、かように考えております。
○小川(新)委員 大臣、最後に、地価公示制度の実効を確保するために——附帯決議にもあるのですが、不動産鑑定士制度の充実につきましてはどのような対策をお持ちですか。
○坪川国務大臣 先ほど天野委員も御要望になり、また各党からもこれらの問題について御要望もございますので、これらの充実に対しましては、事業量の拡大化していくことを私たちは大きく期待もいたしておりますので、これらに対しましての万全の措置を講じたい、こう考えております。
○小川(新)委員 終わります。
○始関委員長 これにて内閣提出の地価公示法案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○始関委員長 これより討論に入るのが順序でありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 内閣提出、地価公示法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○始関委員長 なお、ただいま議決されました本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表して、金丸信君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。金丸信君。
○金丸(信)委員 私は、ただいま議決されました地価公示法案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 いままでの審査により提出の理由はすでに明らかでありますので、理由は省略いたしまして、附帯決議の案文を朗読いたします。 地価公示法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、左の諸点について、適切なる措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、適正な土地価格の形成とその確保を図るため、固定資産税、相続税等の課税上の評価にあたつては、公示価格との均衡を失しないよう努めるものとすること。 二、市街化区域内の地価の高騰を抑制し、同区域内の公共事業の施行による土地所有者等と一般の土地取引者との利益の調整を一図るため、一般の土地取引においては、公示価格を一定限度以上越える譲渡差益に対する課税の強化、同区域内の未利用地の利用促進を図るための空閑地税の創設等土地税制の積極的な改善を推進すること。 三、地価公示制度の実効を確保するために、不動産鑑定士制度の充実について十分配慮するとともに、標準地の選定は適正かつ稠密に行うこと。 右決議する。 というのであります。 全員の御賛成をお願いいたします。
○始関委員長 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立総員。よって、金丸信君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、坪川建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。坪川建設大臣。
○坪川国務大臣 一言お礼のごあいさつを申し上げたいと思います。 地価公示制度を本委員会に御提案申し上げまして以来、本委員会におかれましては、委員長はじめ委員の各位におかれましては真摯、適切なる御審議をいただきまして、ただいま満場一致をもって御議決をちょうだいいたしましたことは、私ども深く感銘いたしておるような次第であります。 御審議の中ばにいただきましたまことに適切なる御意見あるいはその他御質疑等につきまして、十分その御趣旨を尊重申し上げ、ただいま附帯決議として御議決賜わりましたこれらの点につきましても、われわれといたしましては、いかに重大であるかということを十分肝に銘じながら、適切なる法の運営を期しまして皆さまの御期待に沿いたく、万全の措置を講じたい覚悟でおります。 ここにあらためて委員長はじめ委員の皆さまに深く感謝と敬意を表し上げまして、お礼のごあいさつにかえさせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○始関委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○始関委員長 内閣提出、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律案を議題といたします。
○始関委員長 まず、提案理由の説明を求めます。坪川建設大臣。
○坪川国務大臣 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律案の提案の理由及びその要旨につきましては、昨年提案の際に御説明申し上げてございますが、相当の期間も経過いたしておりますので、あらためて御説明申し上げます。 わが国においては、近年、集中豪雨等のために急傾斜地の崩壊による災害が頻発し、特に一昨年兵庫、広島、長崎、佐賀、新潟等の各地において、急傾斜地の崩壊により多数の犠牲者を出したことは、なお記憶に新たなところでありまして、かかる事態に対処し、急傾斜地の崩壊による災害から国民の生命を守ることは、きわめて緊要なことと存ずる次第であります。 従来、急傾斜地の崩壊による災害の防止については、砂防法、宅地造成等規制法等の適用される地域については、これらの法律の規定に基づいて対策を講じてまいり、これらの法律の適用の対象とならない地域につきましても、昭和四十二年度から都道府県の施行する崩壊防止工事に対する助成措置を講ずることにより、その災害の防止につとめてきたところであります。しかしながら、急傾斜地の崩壊による災害の防止について万全を期するためには、有害な行為の規制の強化、急傾斜地における崩壊防止工事の施行等により積極的に急傾斜地の崩壊の防止をはかる一方、急傾斜地の崩壊による被害を軽減するための警戒避難体制の整備、住宅移転に対する融資等所要の措置を講じ、急傾斜地の崩壊による災害の防止のための総合的な対策を確立する必要があるのであります。 以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。まず第一に、急傾斜地崩壊危険区域の制度を設けることにいたしたことであります。 都道府県知事は、市町村長の意見を聞いて、その崩壊により相当数の居住者等に危害が生ずるおそれのある急傾斜地等を急傾斜地崩壊危険区域として指定することとし、この法律案が適用される範囲を明らかにしたのであります。 第二は、急傾斜地において有害な行為を行なう者及び急傾斜地の土地所有者等に対する規制措置を定めたことであります。 急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊を助長し、または誘発するおそれのある一定の行為を都道府県知事の許可にかからしめるとともに、これらの行為に伴う急傾斜地の崩壊を防止するため必要があるときは、都道府県知事は、土地の所有者、行為者等に対し、急傾斜地崩壊防止工事の施行を命ずることができることとしたのであります。また、一般に、急傾斜地崩壊危険区域内の土地の所有者等に対しても、都道府県知事は、急傾斜地の崩壊による災害を防止するために必要な措置をとることを勧告することができることといたしました。 第三は、都道府県が施行すべき急傾斜地崩壊防止工事の範囲を明らかにしたことであります。 都道府県は、宅地造成その他の行為に伴って必要を生じた工事以外の工事で、その急傾斜地の所有者、被害を受けるおそれのある者等が施行することが困難または不適当と認められるものを施行するものといたしました。 なお、都道府県が施行する急傾斜地崩壊防止工事については、国がこれに要する費用の二分の一以内を補助することができることといたしております。 第四は、急傾斜地の崩壊による災害を防止するため、都道府県または市町村は、急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊による危険の著しい区域を、建築基準法による災害危険区域として指定することといたしたことであります。 第五は、急傾斜地の崩壊による災害を防止し、または軽減するために、市町村地域防災計画に、急傾斜地崩壊危険区域ごとに、災害に関する情報の収集及び伝達、避難、救助等警戒避難体制に関する事項を定めることとしたことであります。 第六は、都道府県知事の勧告を受けて、急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある住宅の移転等を行なう者に対して、これを容易ならしめるため、所要の資金を住宅金融公庫から融資することといたしたことであります。 以上がこの法律案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
○始関委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、来たる二十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会