建設委員会 第10号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/04
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の公営住宅法の一部を改正する法律案、及び井上普方君外七名提出の公営住宅法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。北側義一君。
○北側委員 先日に引き続きまして、公営住宅法の一部を改正する法律案を質疑してまいりたいと思います。 先般申し上げましたとおり、特に住宅難の激しい大都会、この方面の用地取得、これは最近非常に困難になっております。先日の御答弁によりますと、大体東京、大阪、この辺では坪七万円のいわゆる標準価額を考えておられるようですが、やはりこれはあくまでも建設大臣がその標準価額をきめるようになっております。ところが、この際、起債ですから、できたらその実情に見合ったものにこれをやらなければいけないと思うのです。というのは、これを実情に見合ったものにやらないと、すべての基礎が非常に大きく変わってくるんじゃないか、このように思うわけなんです。そういう点で、いま一度お尋ねいたしますが、この標準価額を実情に見合ったものにやるようにやっていかなければならない、こう思うのですが、その点はどうでしょう。
○大津留政府委員 御指摘のように、補助の場合も起債の場合も、その単価が適正であるということが一番肝心でございます。従来、補助の単価が実情に比べて非常に低かったというのが問題でございましたので、今回融資に切りかえるにあたりましては、その単価を大幅に是正いたしまして、平均して七割以上の単価アップにしております。そういうことによりまして、それを標準価額として起債をいたします。したがいまして、四十四年度は実際に見る価額にほぼひとしい単価になったんじゃなかろうかと思いますが、これは、ことしそういうふうに実情に沿ったからといって安心はできませんので、今後やはり地価の動向に即応いたしましてこの標準価額を改定していくということが肝心だと思います。その点につきましては、大蔵省、自治省等とよく協議いたしまして、こういう切りかえをいたしました趣旨がそこなわれないように、今後とも逐次その実情をよく調べましてそれに追いついていくということに話し合っておるような次第でございます。
○北側委員 最近の住宅事情を見ますと、だんだん都心から離れてドーナツ化現象を示しておる。これはもう御存じのとおりなんです。この東京圏にしましても、また近畿圏にしましても、そういう点は非常に大きく目立ってきておるわけです。 そこで、この標準価額というものが、たとえば非常に実情に合ったものでない場合には、どうしても用地買収は安いところへ安いところへと、いままでの実情としては、いっておるわけなんです。そうしますと、そこには交通機関も何もない、私の見た目では、いままではそういうところが非常に多いわけです。そういう点が非常に心配でありますので、職住近接、こういう面から考えても、適切な標準価額というものが大事であろうと思うのです。いま局長さんの御答弁では、これはその地価に合わしてやっていく、このような御答弁なんですが、大臣、その点どうでしょうか、どういうやり方で……。
○坪川国務大臣 やはり住宅の都心部から離れていく傾向というものは、御指摘のとおりでございます。それに対処いたすべく、建設省といたしましては、やはり職住近接という大方針のもとにおいて再配置を行ない、また職場を併置したニュータウンを建設する等の改善を進めるとともに、住宅の建設につきましては、御承知のとおりに、私が基本方針として申しましたように、国公有地の活用あるいは工場あと地の利用、あるいは店舗、公共施設等の上空利用等に十分配意をいたしましてこれらに対処する決意でおる次第であります。
○北側委員 そこで、先日少し触れた問題なんですが、いま大臣が申されたとおり、公共用地のあと地その他ですね、建てかえについても出てくるんじゃないか、こう思うのです。その構想の、特にいまの工場あと地とか、そういう場合は都心部に多いわけなんですね。たとえば一例をあげますと、私の住んでおります大阪市のほうでは、市電がなくなったそのあと地に住宅を建てるとか、校舎があって、その校舎をつぶして住宅を建てるとか、そういうように考えてみますと、都心の一番便利なところにあるわけなんです。そういう住宅を建てる場合に、ことしの建設省の内容を見ますと、高層が大体三千戸、このようになっております。開くところによりますと、この高層の分につきましてはそれの倍以上の要求が各県からあった、このように聞いております。そういう点から考えましても、大臣は、最近、政府として職住近接、このようなこともおっしゃっておられるわけです。そういう点、これは大蔵省のほうで削られたのじゃないか、このように思うのですが、そういう場合には、やはり高層の十一階とか十二階、こういうものを建てなければいけない、私こう思うのです。そういう点が半分削られた、こういうことになりますと、建設省の言われることとなされることが違いがある、このように私は感じるわけなんですが、その点どうでしょうか。
○坪川国務大臣 その点につきましても、建設省といたしましては十分配意していかなければならぬ。その方法といたしまして、いま参議院のほうにおいて御審議をわずらわしておりますところの都市再開発法の議決をちょうだいいたしまして、そして都心部におけるところの土地と建物と住宅と一体化した施設を行なっていまの問題の解決の大きな一助にさせていきたいということとともに、市街地におけるところのいわゆる都市区画整理を制定いたしまして、そして無秩序な周辺地区に対するところの土地の利用、及び交通機関その他の生活環境等における諸施設等においても配慮いたしまして、これらの隘路を打開してまいりたい、こういう考えでおる次第であります。 〔発言する者あり〕
○始関委員長 御静粛に願います。
○北側委員 私のいま申し上げたのは、公営住宅の分として申し上げたわけなんです。それは三千戸、要望の約半数、もっとその倍近くあった、このように聞いておるわけなんです。それが半分に削られた。これでは、大臣の言われることと事実とは違うというのです。それを申し上げているわけです。
○大津留政府委員 御指摘のように、まさに高層化を推進する時代となってまいりました。本年度はわずか三千戸でございますけれども、しかし、予算面においてこの高層公営住宅というのが顔を出したのは、実はことしが初めてなんでございます。大蔵省におきましても、そういう時代の要請というものをだんだん認識してきてくれておるようなわけでございますので、今後これはまた大幅にふやしてまいりたいと思います。 なお、この三千戸でございますが、実施の段階におきましては、いろいろ中層等をやりくりいたしまして戸数を少しでもふやして、できるだけ公共団体の要望に沿いたい、こういうことで、いまいろいろくふうをしておるような最中でございます。
○北側委員 そこで、特に私思いますのは、それはその都道府県によって違うのです。その中でも特に市域の狭いようなところ、こういうところは、やはりもっとそういう高層にする必要が多分にあるのじゃないか、このように私は思うわけなんです。その点、特に考慮を払っていただきた い、このように思います。 それから次に、高額所得者の明け渡しを容易にするために、その措置として、事業主体が公的資金で住宅あっせんする、このようになっております。そこで思いますのは、おもに公団住宅ではないかと思います。そこで、公団住宅の場合、最近面開発を行ないまして建てております公団住宅では、非常に家賃が高いわけなんですね。高いところでは二万八千円近くなっております。そういう点で、この住宅もどうしても郊外へ伸びていくような実情になっております。そういう点で、たとえば高額所得者で、住宅をあっせんされた、しかもそれが非常に郊外である、こういう面が出てくるのではないかという心配があるわけなんです。しかもまた、家族の収入の三分の二、これは加算される。ところが、加算する時点というのが非常に大事じゃないかと思うのです。もしその時点を誤りますと、たとえば息子が出ていく、こういうこともあり得るわけなんです。そういうことも当然皆さんのほうではよく考えられてこれはやられることである、このように私は思うのですが、そういう点、公団住宅のほうのこういうあっせんのやり方はどういうぐあいになっておりますか。
○大津留政府委員 明け渡しをしていただく方の行き先のお世話は、非常に大事なことでございますので、公団なり公社住宅等で募集の際に、たとえば二割なら二割をそういう公営住宅の明け渡し者の受け入れとしまして別ワクをとっておきまして、その分については優先的にお入りいただく。郊外の新規団地はもちろんでございますが、市街地の面開発の高層住宅を御希望ならそのほうにごあっせんしますし、また、あき家につきましても同様な扱いをいたします。また、住宅金融公庫の分譲住宅あるいは個人住宅の融資につきましても、同じように別ワクを設けまして優先的な扱いをしたい、こういうふうに考えております。
○北側委員 それではお尋ねしますが、昭和四十四年度の予算単価による日本住宅公団の家賃、これはどのようになっておりますか。
○大津留政府委員 郊外の団地のアパートでございますと、一万五千二百円程度でございます。それから市街地のいわゆる面開発の高層になりますと二万三千九百三十円、こういうふうになっております。
○北側委員 そうしますと、現在、たとえば郊外の団地、これは中層の場合ですと、一万五千二百円見当ですね。やはり面開発になりますと、二万三千円、約八千円、九千円近くよけいにかかってくるわけです。その場合のいわゆる家計、これがいままで払っておった家賃とあまりにも格差が大きいので、そこでいろいろな問題が生じてくる、このように私は思うわけなんです。そういう点で、この問題につきましても、たとえば住宅公団の面開発の賃貸住宅にしましても、団地の中層の住宅にしましても、聞くところによりますと、もう用地は都市周辺部で非常になくなってきておりますので、どうしても郊外へ郊外へ伸びていく、そうでなければ、実際の問題としてはこういう家賃じゃないわけです。そこらがあまりにも大きな重圧になってかかってくるんじゃないか、このような心配がされるわけなんです。その点どうですか。実際の問題としては、家賃のことを住宅公団のほうも何とかぼつぼつ考えなければいけない時期にきておるのではないかと思うのです。このままいくと、ますます上がっていくんじゃないか、こういう心配があるわけなんです。
○大津留政府委員 御指摘のような心配がございますので、先ほど大臣から答弁がございましたように、公共施設のあき地を極力利用するとか、先ほどお話しの市電の車庫のあとを高層化するというようなこと、あるいは公営住宅の建てかえを促進するというようなことで、既存の宅地を極力有効に利用するということが一つの方法だと思います。 それからなお、そういうような措置をとったとしましても、市街地に建つ高層賃貸につきましては相当な高い家賃になりますので、いわゆる傾斜家賃、入居当初は割引をいたしましてだんだんもとに復するというようなことも、いませっかく研究をしているような状況でございます。
○北側委員 たとえば、初めの日本住宅公団なりいろいろな公共住宅は、勤労者のために実際は建てられるようなそういう趣旨であったと思うのです。ところが、現在の内容を大体新聞等、その他資料によって調べてみますと、いまは、実際入居なさっている方たちは、勤労者よりは、むしろ、会社の役員とか弁護士、事業をやっておる方、そういう人が非常に多いのですね。いまこういう実情になってきておりますので、これはやはりこういう問題から根本的に改めなければいけない時期が来ておるのじゃないかと思うのです。たとえば、いま一時は、いろいろな工場あと地とか、そういうものがありますが、これも限度があります。だから、根本的に考えるようなそういうときが来ておる、私はこのように思うわけなんです。その点、いまあなたは傾斜家賃と言われましたが、この傾斜家賃にいたしましても、その傾斜が問題だと思うのです。これは後において結局やはり高いそれだけのものを出していくわけなんですから。そうしますと、大体二万円でありますと、これは八万円以上の収入がなければ入居できない、こうなってまいります。いままで大体郊外の団地で一万五千二百円程度ですと、これはもうしばらくしますと、いろいろな用地費、また工事費、これが値上がりをしますと、二万円になるでしょうね。これもおそらくそう遠くはないと思います。そうなりますと、これは根本的に考えなければいけない時期が来ておるんじゃないか。大臣、その点どうでしょうか。
○大津留政府委員 御指摘のとおり、家賃が年々高くなっておりますので、これに対する対策もいろいろな検討をしております。一面、幸い所得の水準も年々向上しておりますので、勤労者の所得、つまり家賃の負担の能力というものと見合いまして、家賃のベースをどの程度にすべきか、これもやはりあまり高くなるようでございますと、建設資金のコストを、現在五分で建設しておりますが、これを国の資金を入れまして四分とか四分五厘に引き下げてやるというようなことが必要になってこようかと思います。そういうこともあわせていまいろいろ研究をしておる状況でございます。
○北側委員 当然ですね。収入のほうも上がっていくことはこれは間違いない事実ですが、しかし、地価の値上がり、これは一番激しいのですから、それがやはり家賃にかかってくるわけですからね。収入の上がり方とは全然スピードが違うのです。その原因がいまの問題としてクローズアップされているわけです。そういう点、やはりいまあなたが言われたとおり、何らかの措置をここで考えなければいけない時期が来ているのではないか、このように私は思うわけです。それから、これは小さな問題ではありますが、あき家になって、現に一年半も二年もあいている家がずいぶん方々にある。これは私知っておりますので、何だったら場所を申し上げてもいいのですが、あき家にして一年半も二年もほうっておくということはちょっとおかしいと思うのです。事実そういう点があるのです。そして、高額所得者は立ちのきだ、これではちょっと話が違うように思うのです。それであれば、それだけのことをやって、一日も早く入居させる。特にそういう住宅は建てかえの住宅らしいのです。聞くところによると、建てかえるときに入れたらたいへんだ、こういう思想があるらしいのです。これなんかも大臣の精神と少し違うように思うのですが、数にしたらこれはずいぶんあります。全体の数にしたらそう大したことはないですが、立ちのきはわずかですから、そういう面から見ると大きな数になってくると思う。そういう面も配慮してもらいたい、こう思います。 それから建てかえについてですが、これは各都道府県によってその措置、方法が違うのです。たとえば家賃の問題、それから、ここに書いてありますとおり、住宅をあっせんするとか、そういうことも中にはあります。この場合、具体的に建設省としては家賃その他の問題について大体の指示はなさっておられるわけですか。
○大津留政府委員 建てかえに際しまして仮住まいを提供する、これは各事業主体ともみなやっておりますが、やり方はいろいろあります。それから、新しい住宅の家賃につきまして軽減措置をとるかどうか、これは事業主体によって扱いは必ずしも同一ではございません。軽減をしていないところもございますが、大多数のところは、一年ないし二年程度三割軽減するとか、あるいは三分の一軽減するとかというようなことでやっておりますが、私どもといたしましても、新旧家賃の差がはなはだしい場合は、その家計に与える影響が非常に大きいというので、激変緩和の意味で、二年程度一定の割合で引くのが適当ではないかというので指導しておりますが、何年何割引きにしろということを必ずしも統一的には扱っておりません。これはやはり事業主体の事情によりましてこの辺の程度はいろいろあろうかと思いますので、これは自主性にまかせておるような状況でございます。
○北側委員 やはりこれは建てかえの人たちにとっては大きな問題点になると思います。ある県では、建てかえについての家賃の減額措置、これは非常に大きく講じておる、片方では小さい、こういう問題も、かりにこの法律案が通ったら、非常にやりにくいですよ。私はそう思うのです。あそこはこうじゃないか、ここはこうだ、これは出ますよ。それに対して、建設省としては、できるだけのめどというものを示さぬといかぬと思います。示さなければ、事業主体のかって気ままなやり方によってやっていきますね。これから非常な問題点が浮かび上がってくると思います。そこらのこと、建てかえの場合がこの法律では明らかにされておりませんので、非常に心配になるわけです。 時間もありませんので、もう一、二問だけお聞きしたいと思いますが、先般、「住宅対策」、これをいただきました。これについてずっと読ましていただいたのですが、その中で、特定目的公営住宅というのがあります。これについて、現在の高齢世帯、これを調べたところが、七万九千世帯、このように書いております。政府のこれに対する建設戸数が、三十九年から四十二年までで、私の調べたところでは千三百三十六戸、このようになっております。昭和四十四年度はこの高齢世帯の住宅は一体どのくらい建てられるのですか。
○坪川国務大臣 御指摘になりました特定住宅、すなわち、母子世帯あるいは老人世帯、あるいはいわゆる身体障害者の各位、また、特別の同和対策住宅というようないろいろの問題がございます。私といたしましては、予算委員会においてもお答え申し上げましたごとく、また、いまお触れになりました新しい住宅対策の私の基本方針といたしましても、こうした気の毒な方々に対する特定住宅対策はひとつ特別に考えてあげなければならぬことは当然だ、こう思っておるような次第でございます。したがいまして、四十四年度におきましては、数が間違っておりますならば後ほど住宅局長からも補足説明をいたしますが、大体四十三年度はそれぞれ三千戸平均ではなかったかと思いますが、四十四年度におきましては、私はその倍の六千戸という計画を打ち立ててまいりたい。同和対策住宅もまたしかり。私はこれらのお気の毒な方々に対する住宅政策には十分配慮いたしたいという考えでおることを御了承願いたいと思います。
○北側委員 では、時間も参りましたから、個別に聞きたかったのですが、一応これで私の質問を終わらせていただきます。
○始関委員長 金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 私は、ただいま提案されております公営住宅関係の議案につきましてお尋ねをいたします前に、実は先々月の末の委員会におきまして、大臣が中途席をはずされたものですから、大臣にお尋ねをいたしたい分だけ残してあったものですから、それから入らせていただきます。その問題は決して公営住宅法案に全然無関係のものとも思いませんし、私の狭い考え、見方からいたしますと、なかなか重大なる関係を持つものと思いますので、それにつきまして一、二十分だけ時間をちょうだいいたしまして、本案のほうに入らせていただきます。委員長、さよう御了承いただきたいと思います。 先般の委員会におきまして、私は、大臣の所信表明に関連いたしまして、今年度の予算執行上、特に道路、河川、住宅関係で資材費の値上がりを相当予想しなければいけないのではないか、そうしますと、はたしてこの十何%の予算の伸びがそのまま事業費の伸びとなってあらわれていくかどうかについて心配をしなければならないということで、その一つのなにといたしまして、特に骨材の需給関係、値上がりを取り上げてみたのであります。だんだん建設事務当局のほうのお話な承っておりますと、私が問題にいたしておりましたところの骨材、砂利、砂につきましては、相当需給関係が潤沢であり、価格も安定しつつある、こういうことでございます。しかし、先般来私の聞いておるところによりますと、骨材、砂利、砂がそう潤沢に急にふえてきたようにも思えませんし、そしてまた、価格が安定するということもなかなか想像できませんものですから、そういう楽観的見通しの中で本年度の工事量なり何なりを見ていっていいかどうか、たいへん心配になります。そこで、事務当局は楽観的見通しであるが、大臣としてはどんなお見通しであるか、そういうことでございますが、詳しく申しますと時間がかかりますし、おわかりでありましょうから、それについてのお考え方をまず承りたい。
○坪川国務大臣 金丸委員御指摘のとおりに、いわゆる建設資材のコスト上昇、骨材等におきましては私は一二%上がるのではないかという想像もいたしております。一般の砂利とか、あるいはそういう面の資材においては四%、五%という率だと私は想定いたしておりますが、しかし、いずれにいたしましても、予算の上昇だけで安易な気持ちをもってこれで足りるというような考えはみじんも持ってはならない、やはりコスト高に即応する住宅対策を打ち立てなければならぬ、こういう気持ちを持ちましたものですから、いわゆる新しい住宅対策の裏づけとならなければならない大きな問題は、建築資材等の工業化、適正化、これが私は重大な問題であろう、こういうようなことで、発表いたしましたあの最後のところに工業化を強くうたった気持ちもここにあるような次第でございますので、今後もこれを目標にいたしまして、なるべくコスト高に即応して低廉なる建築資材の確保に最善の努力と行政配慮を尽くしてまいりたい、こう考えております。
○金丸(徳)委員 その大臣の御配慮にもかかわらず、私は何か非常な不安を持つものであります。といいますのは、ちょうど私がお尋ねをいたしましてからしばらくいたしまして、これはNHKのテレビだったと記憶いたすのでありますが、砂利採取業者が、いよいよ河川砂利だとか山砂利だとかいうことでは門に合わなくなって、これは神奈川県だったか静岡県だったか知りませんが、あの辺て、もう畑、たんぼに手を伸ばして——これは土地改良という名にも合うし、実にも合うのでありましょう、畑、たんぼの底にたまった砂利、砂を採取する傾向になってきた。ところが、ある夜こつ然としてひそかにそこに大きな沼が出現した、大きく言いますれば、湖水ができてしまったというような現象が見られる、そしてそれがまた別の意味における社会問題として出てきそうだ、こういうことで報道いたしておりました。その報道を契機として私も私の県における事情を見てみますと、まさにそういような心配を起こしそうな気配が見えるのであります。業者は盛んに遠く山の奥のほうまで手を伸ばしておりますけれども、しかし、よく見ますと、そんな山の奥に行かなくとも、あの扇状地帯におきましては、たんぼ、畑の下に幾らでも地下資源としての砂利、砂があることにだれでも気がつく。ただ、価格の点、その他それに関連するいろいろな問題があるものだから、いまはそこまで手をつけないけれども、やがての日においてはそういうことにもなろうかなどとも思っているもので、こういうことにつきまして建設省とてしはどういうふうに見ておられますか。
○坪川国務大臣 砂利採取の規制の強化、あるいは河川敷におけるこれらの利用度の促進をはかることはもちろんでございますとともに、私といたしましては、もう金丸委員御承知のとおりに、いわゆる砕石の新資材の確保ということにも十分力を入れてまいりたい、こういうような気持ちでおるわけでございますが、詳しい点については住宅局長をして答弁させていただきます。
○大津留政府委員 住宅建設の、つまり砂利の需要者、利用者という立場から申し上げます。 先生御指摘のように、天然砂利が非常に枯渇して、従来は御承知のように河川敷からとっておりましたが、これがもうありませんし、また、これ以上とったら非常に治水上危険があるというようなことで、河川管理者としてはこれを制限しておる、あるいは禁止しておるわけであります。したがいまして、山砂利あるいはいまのたんぼの底をさらうというような現象が出てまいっております。これらにつきましては、農地関係のほうで、農地の保全上支障があれば、これを制限する、あるいは規制するというようなことをやっておりますが、しかし、基本的には、ただいま大臣が申されましたように、砕石転換というのが一番大筋だろうと思います。この転換がスムーズにいきませんと、コストの関係がございますので、やはり小資本の零細業者が小規模にやったのではなかなかコスト倒れになりますので、それらの業者が組合をつくって大同団結してやるとか、あるいは相当な資力のある企業がこれに乗り出すということが非常に期待されるわけでございますし、また、その資材行政のほうはそういうことを指導しておるわけでございます。また一面、砕石のみならず、いろいろな廃物利用というようなことで骨材にかわるというようなこともいろいろ研究を進めておるような次第でございます。
○金丸(徳)委員 そういうことで間に合う予定ですか。砕石になりますと価が上がることは御承知のとおりで、あなたのほうで身をもって痛感されておりますので、山砂利というようなもので奥へ行くに従って運搬費だけでも相当上がってくることは、常識的に考えられる。したがって、いま大臣が言われたように、一二%程度の値上がりとかなんとかいうんです。とうていそれは間に合いかねると思う。そこで、いまもお話が出たのですけれども、河川局のほうでは、治水、治山の関係上これに制限を加えているというようなお話がありました。これはどうも建設当局内において意見が相反しているように思うので、これは大臣としてこれの調整をとった御答弁を願いたいと思って、先般私の質問を留保しておいたのでありますが、大臣、いかがですか。河川局長にもお聞き取りをいただきたかったので出席を求めておいたのですが、まだお見えになっておりません。大臣は河川のことはよくお勉強になっていらっしゃるから、河川局長以上に高い立場から御答弁をいただきたい。 そういうように、おか砂利、山砂利、すべてさがしておるのですけれども、値段は上がってくる、再び河川に戻らざるを得ないような状況になってきた。これは常識的にも考えられる。大臣の立場からすれば私はそこに落ちつくと思うのです。これからはどういう見通しをもってこれに対処なさろうとしておりまするか。建設省は、昨年度の予算において、特にこの問題を重視されて、たしか一千万円の調査費を計上して、これについての根本策を練っておられる。その結果がどうあらわれておるか、その一千万円はどういうふうにお使いになって、それからその結論をどういうふうに見つけておるか、同時に、昨年度だけでは間に合わないとしまするならば、ことしはそういう大きな問題についてどういう対策をお持ちになっておられますか、ひとつそれから承りたい。
○坪川国務大臣 御要望になりました河川局長が来ていなかったことを申しわけなく思っております。いま直ちに呼んでおりますから、御了承願いたいと思います。 これは私の立場から申し上げますならば、片方で、河川局としての立場から、河川管理の立場からの砂利問題というものを持っておる。片方は、利用者という立場からの住宅局の立場から需要供給をしなければならぬという問題があります。その両者間の調整というものもいたさなければならぬと考えておりますので、これらについての、いわゆる利用者側の立場からどう利用促進をいたすか、あるいは河川管理の立場からこれらを踏まえて砂利の供給をどう求めるかというような点について、私といたしましては、両者間の配慮をいたしながらこれらの促進をはかってまいりたいというような基本方針でおりますので、御了承願いたいと思います。 先ほどの一千万円の調査費その他につきましては、関係政府委員をして答弁をさせます。
○金丸(徳)委員 そういう大事な問題につきまして、高い立場から大臣に御検討願わなければならぬのであります。私は先ほどテレビのことを申しました。それを見ながら思ったことでありますけれども、国土というものはほとんど大部分といってもいいくらい扇状地帯であります。程度の差こそあれ扇状地帯であって、その扇状地帯の上に河川の流心が一応安定している。その上に堤防をこしらえ、堤防を強めて水の管理、河川の管理をしているということであります。その中においてあらわれてきている現象というものは、扇状地帯の河川がまことに不安定な状況で、天井川という名においてますます堤防を高くし、堤防を固定しておる。しかし、それは上のほうの山の不安定を反映いたしまして流域住民にとってはまことに不安な存在であります。そこへ持ってきて、あらためて砂利問題に関連して大きな問題が起きてきた。それは、その河川の両側にあるところの扇状地帯の下の砂利、砂が砂利業者によって目をつけられまして、地下資源としてそれを掘ってきておる、そういう現象が出てきておる。その扇状地帯、急傾斜地帯になればなるほど、そうした砂利、砂の地下資源は多いものですから、業者がこれを捨ておくわけはない。そうなりますと、従来の河川管理の方針からしますれば、川は堤防を固定して足りなければ高くすればいいんだ、狭ければ広げればいいんだ、こういうことであったのですけれども、それではますます相対的に不安定になる。片や、川のわきは掘られて砂利、砂をとっていく、川はますます川底が上がっていく、こういうことになりますから、たいへんこれは困ったことになります。 そこで私は、再び、大臣が初めに表明なさったところの所信表明で非常に印象深く受け取られた一節を思い出さざるを得ない。大臣は、国土の一大改造期に直面してこれを懸命に乗り切ると言われたが、私はこのことばはなくてもいいと思うのです。均衡ある豊かな国土を二十一世紀に残すために重大な決意をもって取りかかると言われております。私はこれを非常に重大視し、また敬意も表しておったわけでありますが、この国土の一大改造期に直面するということは、都市問題だけではないのです。都市問題だけではなくて、地方も同じような問題で国土の改造期に直面している。その国土の改造期に直面して、河川というものの管理につきましても、ほんとうに根本から見直してかかるべきときが来たのではないかと思うものですから、こうした新しい事態に処して大臣はどういうふうに河川行政をお進めになろうとなさっておられますか、この点についてお伺いいたします。
○坪川国務大臣 非常に重要な問題点を御指摘いただきまして、私も非常にうれしく思います。また、感銘もいたしております。私の基本方針といたしましては、やはり均衡ある国土開発ということでありまして、その根本問題は過疎対策にあると私は考えておるのであります。したがいまして、具体的な問題をいろいろ申し上げたいこともございますけれども、要約いたしますならば、昭和四十四年度の予算配分におきましては、地方道と中小河川の地方配分というものに非常に気を配ったわけでございます。長時間、時間もかけまして、私も局長、担当課長を交えまして、そうして一本一本にわたっての予算配慮をいたしておる。そのときの私の頭にいつも浮かんでおる基本姿勢は、やはり地方の地方道の整備、それから中小河川、小規模河川に対するところの予算配慮になるべくウエートを置きたい、これが私の基本方針で、一日の予算の議決をいただくとともに私は最終的に決裁をいたしました気持ちもここにあるような次第でございます。したがいまして、金丸先生御指摘になりましたごとく、今後も私は均衡のとれた国土開発の基本方針は、不幸な過疎地域に対する国土開発の諸般に取り組む、こういう気持ちでおりますことでひとつ御了察願いたい、こう思います。
○金丸(徳)委員 大臣のかたい決意を承りまして私も安心もいたし、また希望を持つものであります。 そこで、河川局長お見えになりましたから、いま私が問題にいたしておりましたことは、きょうここで初めて申し上げるわけではなく、河川局長との間には何回かお話いたしました。ただ私があらためてここで問題にいたしますのは、砂利、砂等、建築資材の大宗をこれからなすと思われるところの骨材につきまして、新しい問題を河川の付近の田畑について起こしかけておる、現に起きておる、ますます起こりそうだということにつきまして、河川管理、いつまでも従来のように堤防保持のためにああいうような態度をとらなければならないのか、とっておることが大臣のそういう基本方針に沿うものかどうか、これについて河川局長としての御見解を承っておきたい。
○坂野政府委員 先生御指摘の河川の問題と砂利採取との調整といいますか、そういう問題でございますが、確かに、先生御指摘のように、砂利採取に伴いまして、あるいは河川の洪水の出かた等によりまして、河川の河道の計画上の問題がいろいろ起きておりまして、こういう状態につきまして、私ども昭和四十年ごろから実はこういった調査費をつけまして、いわゆる河道計画調査ということで調査を進めてまいっておりまして、だんだんその成果が出ておるわけでございます。そこで、一方におきまして、先生御指摘のように、骨材資源が枯渇する、特に河川砂利が枯渇をしておるために、おか砂利あるいは山砂利の採取問題に伴って実はいろいろな公害問題が起きておるわけでございますので、それに対処するために、できるだけ治水上支障のない範囲におきまして河床の掘削あるいは切り広げというようなことにつきまして、河川管理と砂利採取との調整をはかりながらひとつ今後の計画を計画的に進めて、できれば砂利の計画生産にも資するようにもっていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 先ほどもお尋ねしたのですけれども、たしかおたくの関係ですか、骨材なんかにつきまして昨年の予算に一千万円を計上して調査を進めておられる、こういうことを承った。これは建設委員会ではなくて、商工委員会で砂利採取業法の審議のときに、私はたしか建設省から承ったように思うのであります。その実態と、また結果、それからこれからの方針を承りたい。
○坂野政府委員 私どもは砂利採取に関連いたしまして二つの調査を実は考えております。一般的に、砂利の賦存量、採取の可能量、そういった河川生産物調査というようなことで私どもは調査いたしておりますのが、いま先生のおっしゃったものでございまして、それ以外に、先ほど申し上げましたように、河川の河道計画の調査というのを別個に四千万昨年実施いたしておりまして、その両方あわせて今後の砂利の生産問題あるいは河道計画の調整をはかっていきたいというぐあいにやっているわけであります。これは今後ともさらにできるだけ進めてまいりまして、今後のそういった計画に資するように持っていきたいというぐあいに考えております。
○金丸(徳)委員 その河道計画の調査はどれくらいの期間やられるのか。いま当面の大きな問題について間に合うのかどうかということを心配するのですけれども、その計画の調査の期間なり実態なり、これらの見通しを承りたい。
○坂野政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和四十年から実施いたしておりまして、特に大きな問題のある河川につきましては、二十二河川すでに実施いたしております。その中にはいろいろ主として大きな河川が入っております。それから現在調査中でございますのが十六河川ございまして、この十六河川もできるだけ早い機会にひとつ調査を完了いたしたいということでございます。調査の完了した河川につきましてはおよそのそういった成果も出ておりますので、砂利のいろいろな対策上には、もうすでにそういった調査の済んだ河川は役に立つわけでございますので、できるだけ早い機会にひとつ調査を促進いたしまして終了いたしたい、かように考えております。
○金丸(徳)委員 国土の一大改造期に直面して、その改造の基本になると思われるところの河川、特に河道の調査、それからそれに伴ういろいろ施行計画なども進められる、私はそうなければならないと思います。ただしかし、それにつきましてもう少し掘り下げて承りたいのでありますが、この場では時間もありませんし、他の機会に詳しく承り、また私の考えもお聞き取りをいただきたいと思います。 そこで大臣に、ちょっと横道にそれたのでありますが、大臣の御計画なさっておるところの住宅問題で何が一番問題かといいますれば、やはり宅地をどこにどう求めるかということと、できるだけ安く公営住宅などを提供しなければならないという意味における資材の値上がりを押えていかなければなるまいということから、これからおそらく不燃性住宅あるいは高層住宅になるであろうと想像いたしますだけに、この骨材の問題を取り上げてみたのであります。いまのようなことで、どうも私は不安を多々持つのであります。しかし、いろいろと苦心を重ねておられますから、私は、それがすみやかに実って、大臣の施策を強力に推進するために間に合うようになってもらいたいことを念願するにとどめたいと思います。 そこで本論に入らしていただきますが、公営住宅法が提案されまして審議をする、私もこれにつきまして種々勉強を進めてみたのでありますが、進めておる間に私はたいへん根本問題に行き当たったのであります。根本問題といいまするのは、わが国のこの社会情勢からいって、一体住宅というのは、ざっと言いますと、それぞれがそれぞれの好むところに従って自分の家を持つという方向にお進めになられるおつもりなのか、それとも、これからわが国の産業経済は、だんだん農業人口が減ってきて、都会の人口がふえて農業以外の他の産業に従事する人々が多くなるに従って、人口は、あるいは住宅的にいいますと流動的にならざるを得ない。その流動化するところの社会情勢を踏まえてみると、はたして持ち家主義という大方針のもとに推し進めるのがいいのか、それとも、そのときそのときによって自分のいいところに自分の家族に合うような家をわりあいに気楽に求め得るような、これは持ち家主義に対する——何といったらいいのでありましょうか、借り家主義とでもいいましょうか、そういう方向へ持っていったほうがいいのか、これにつきまして、建設大臣は、基本的にはどういう方向でお進めになるおつもりですか。
○坪川国務大臣 金丸先生御承知のとおりに、いまの五カ年計画の建設省の基本方針は、いわゆる持ち家を五〇%、借家を五〇%という一つの目標のもとにおいての五カ年計画であることは、御了承のとおりでございます。しかし、実際上の今時点におけるところのいわゆる進捗率を見ますと、持ち家が四三・三%、借家が、いわゆる給与住宅を含めまして、五六・七%というような状態であります。私はこの数字を一つ踏まえておりますとともに、もう一つ、私は、私自身もほんとうに真剣にこの住宅問題——道路も河川も大事でございます、下水も大事でございますが、国民の生活に直結する一番の毎日毎日の問題はやはり住宅問題であるということを思うと、あらゆる問題に真剣に考えておることは当然でございますし、事実でございますが、その中にあって頭を悩ましておるといいますか、頭にいつも浮かんでくる大きな問題は住宅政策にある、こう考えて、まあ個人のことを言いまして失礼でございますが、一人でおる場合に——家におりましたり、あるいは大臣室にいてときどきひまなときといいますか、一人でものを考えておるときに——事実、私の心境をきょうは打ち明けるのでございますが、この住宅政策に一つの大きな転換期を迎えなければならぬ問題が出てくるのじゃないか。それは、そういうような借家、いわゆる給与住宅等の需要度の多いことなど考えていきますと、新しい五カ年計画に際しましては、一つの住宅に対する改造期——大げさなことばで言いますと、改造期を迎えておる、これには私は真剣に取り組みたい、こういう夢を持って、はたして住宅宅地審議会からどういう答申が出てくるか、それを踏まえて、いまの流動する社会情勢下にあって、需要度の多いこの住宅政策をどう打ち立てなければならぬかということの分岐点といいますか、一つの大きな転換期に来ておるというような印象といいますか、考えが私の頭に非常に強くあるわけなんでございます。そうした場合に、私は、いわゆる借家といいますか、公営住宅を一方に徹底的にひとつ打ち立てたいなという夢、それとともに、もう一つは、新しい二十一世紀に残す、その場合におけるところの日本の所得水準なり総生産からいっての住宅というものが、さすがは日本の住宅はイギリスやあるいは北欧に劣らないというところのすべての住宅の姿であってほしい、そういうことにおいての持ち家政策といいますか、民間の力にも仰がなければならぬという……(「だめだ、そこは」と呼ぶ者あり)まあ私の真剣に取り組んでいるほんとうの気持ちだけです。まだ結論じゃないですから、批判はこれからひとつお願いしたいと思うのです。私は、その一つの悩みといいますか、分岐点に到達しながらも、一人で何か夢を描いているというのが私の偽らぬ心境であることを、ひとつ御了承願いたいと思います。
○金丸(徳)委員 大臣が非常に大事な問題に取り組んでおられる気持ちを承りまして、実は私もその問題に行き詰まって、そして住宅問題などについて長い間苦労をなさっておられます事務当局を含め、あるいはまた、建設省を取り巻く多くの学者の諸説などをもこの場合に承っておいて、わが国の住宅政策というものは、どこをどうねらって、わが国の国情に即し、わが国の産業経済、わが国の社会に即応するところの住宅というものはどういうものであろうかということをこの機会に明らかにしておきませんと、この公営住宅法案の核心に触れた結論というものは得られないのではないか、こう思ったものですから、承ったわけであります。大臣は夢と言われましたけれども、この夢は私は非常に大切な夢だと思う。どこまでもひとつ追求していただき、そして実現の方向へ持っていっていただきたいと思うのであります。 そこで、私は事務当局のほうにお伺いするのであります。わが国の住宅政策というものは、戦前はむしろ貸し家が多かったように思います。地方における農家というものは別といたしまして、都市関係におきましてはそういうことであります。そうして終戦を迎えて、当時の住宅事情からして、あるいは戦災応急住宅、全く犬小屋にひとしいような——とにかく住まいをということで、あの防空壕からはい出してきたところのわが国民をして、とにかく一応畳の上にというようなことで推し進められてまいったのであります。その戦後の十年間を経て、そうして三十年以後高度成長政策と相なり、二十六年には公営住宅法というようなものも施行されてまいりました。いまやそういう産業経済の高度成長を踏まえて、そうして大臣のおっしゃったような、新しい日本に即応するところの住宅は、ほんとうに持ち家主義でいくのか、それとも、給与住宅的にいくのか、それともまた、再び戦前に戻っていって、営利を目的とするような貸し家主義にいくのかどうかということになったのであります。 そこで事務当局にお伺いするのでありますが、この十年間、こういう住宅の足取りというのはどんなふうに進んでおるのでありましょうか、もし数字が承れれば、ひとつ数字から承ってまいりたい。
○大津留政府委員 最近建設されました住宅の持ち家及び借家の比率でございますが、昭和三十八年におきましては、全建設戸数のうち、持ち家が四八・六%、半分よりやや少なく、借家が五一・四%、これは給与住宅を含んでおります。これは民間自力も公的施策も全部含めた全住宅であります。三十九年は、持ち家が四七・七%、借家が五二・三%、四十年に至りまして、持ち家が四九・七%、借家が五〇二二%、四十一年は、持ち家が五三・一%、借家が四六・九%、四十二年におきましては、持ち家が五五・三%、借家が四四・七%ということで、過去五年の推移を見ますと大体半半でございますが、三十八年は持ち家のほうが半分より下回っておったのが、最近はそれがずっと上回ってきた、借家のほうは逆に半分を上回っていましたが、それが下回ってきたという傾向が見られます。大体半々というところをめどにそれを土下しているというような状況でございます。 なお、戦前の状況は、先生御指摘のとおり、これは都市における住宅の割合ですが、持ち家が約四分の一、借家が四分の三でございます。
○金丸(徳)委員 いまの数字は、都市と農村と区別してみるとどういうことになりますか、
○大津留政府委員 これは、都市と農村に分けてみますと、四十年の国勢調査でございますが、都市部におきまして持ち家が五二・五%、借家が四七・五%……(「都市部とはどんなところだ」と呼ぶ者あり)市と名がつくところでございます。郡部におきましては、持ち家が八〇・五%、借家が一九・五%。これは先ほど申しました数字とちょっと違うのは、現にございます住宅の割合を示しております。先ほど申しましたのは、その年に建った住宅でございますから、ちょっと基礎が違いますけれども、都市と農村の差はこれしかちょっといま持ち合わせがございません。
○金丸(徳)委員 その辺がたいへんむずかしいところだと思うのです。現につくりつつあるものがどうであるか、それから全体としての住宅を見た場合にどうであるかということ、これは見方がなかなかむずかしいと思います。ただ、いま数字を承っておりまして、農村地帯においては持ち家がほとんど八〇%、もしくはもっと多いかもしれない。もちろん、これも当然のことだと思います。したがって、先ほどの数字を見ますと、そういうものを差し引いたものが五十何%とか六〇%ということではなさそうに思います。やはり借家、つまり非持ち家のほうがずっと多いのじゃないか、こう思うのであります。その傾向なんですが、たとえばいまここで問題になっているところの公営住宅というようなもの、それから会社その他の給与住宅、住んでいる人の自分の自由にはならない住宅、みんなのための住宅というものの数は、年々非常に高い率でふえていっているんじゃないかと思うのです。この点はどういうふうにつかんでおりますか。
○大津留政府委員 最近の建設の傾向でございますが、ここ数年は先ほど申しました数字のとおりでございますけれども、これを傾向としてみますと、新たに建設される住宅の中では持ち家の割合が少しずつふえてきているという傾向が見られます。逆に借家の数が減っている。これが建築統計に見られた傾向でございます。したがって、その結果といたしまして、持ち家を建て得る階層の住宅難は急速に解決に向かっているんじゃなかろうか、したがって、持ち家を建設し得ない階層の住宅難にしわが寄ってきているんじゃないかというように、逆に読み取れるのじゃなかろうかと思います。したがいまして、公的施策の住宅におきましては、そういう方々に対する賃貸住宅の供給に重点を指向すべきであろう、大ざっぱでございますが、そういう感じがいたします。 なお、こまかい統計は、実は昨年の十月一日で非常に詳細な住宅統計調査というのをやっております。この結果がことしの中ごろ以降に判明いたしてまいりますから、それに立脚いたしまして新しく五カ年計画を打ち立てようということで、大臣の御指示のもとに作業をやっておるようなわけでございます。
○金丸(徳)委員 現在の現象としては、持ち家というようなこと、マイホーム主義などという一つのあれがありますから、現象としてはあるかもしれません。しかし、そこが、私は、住宅政策の基本を練られておるところのあなた方のもう少し掘り下げた検討を願わなければならぬところであると思います。苦しくとも頭金をもってなりあるいは月賦なりで持ち家でも建てなければさしむき困るからということじゃない。もしあなたのほうで十分なる公営住宅が供給されておるならば、何を苦しんで、これから十年住むかわからない、もっといいところに住めるかもしれない、家族状況によってはもう少し変わったうちに住みたいという念願があるのにもかかわらず、現段階において苦しんでそういうわが家を建てなければならぬと思い当たらざるを得ないのであります。いまそういうふうに持ち家の減少を来たしておるからというのは、これが本来の姿じゃなくて、やむを得ざるに出た措置である。問題は、国がもっと潤沢に公営住宅なりあるいは給与住宅なり、その他住宅の本質に即応するような、住宅問題の本質に合うような施策が十分とられておるならば、こういう現象というものは起こらぬのではないかと思うのですが、この点はどうでしょう。
○大津留政府委員 非常に基本的な問題につきます御質問でございますが、私どもいろいろな形での需要調査というものをやっております。庶民の方々がどういう形の住宅を御希望になっておるか、これは、今日土地の状況等からいたしまして、御指摘のように、持ち家を持つというのは、他に適当な賃貸住宅がないからということも私は否定はいたしませんけれども、一つの財産といたしまして住宅を持とうという御希望も非常に強いものがあると思うのです。したがいまして、そういう自分の力で、多少の金融的な援助で自分の家が持ち得るという方には、そういう形の援助で持ち家を持っていただくということも、住宅政策としてやはり欠かせない一つの柱じゃなかろうかと思います。しかし、あわせて、先ほども申しましたように、そういう自分の家を持ち得ない方々が多数おられますから、そういうところに住宅難のしわが寄っていっているということが十分想像されますので、公的資金の住宅は、先生おっしゃるように、公営住宅をはじめ公的な賃貸住宅というものに重点を指向していきたいという考えでおるわけでございます。 なお、先生当初に御指摘のように、この居住の安定と同時に、流動性ということ、これは家族構成も異なってきますし、勤務地も変化することがございます。したがいまして、そういう住宅の流動性ということは、これは非常に大事なことだと思います。持ち家政策をとる場合にこの流動性に欠けるじゃないかという御心配、これも確かにございますので、今後の一つの課題といたしましては、持ち家につきましてこの流動性を持たせる、つまり、持ち家の売買、あるいはそれを他に借りたい人に貸すというようなマーケットができまして、その辺がより円滑にスムーズにいくということが、住宅政策の一つのこれからの課題じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○坪川国務大臣 私は、この問題は、住宅政策を精神的な面から非常に重大な気持ちで考えておるわけでございます。言いかえますならば、持ち家であろうと借家であろうと、その家族の方々の生活環境に応じた規模あるいは内容という設計をいたさなければならぬ場合に、借家であろうとも、住んでおられる方々が、自分のマイホームであるという愛着といいますか、もう永久に自分はここから離れられないのだという、魅力というほどまではいきませんけれども、そこまでの執着といいますか、その家に対するありがたさ、とうとさ、あるいは愛着というものを持たせるような気持ちでやはり公営住宅の設計とか、あるいは維持管理、修繕等に私は配慮すべきであると思う。国がわが家族を入れるのだという気持ちで、政治がその気持ちになっていかなければならぬというところに——先ほど私が大きな悩みを持っておるというのはそこなんでございます。したがって、いま局長も申しておるがごとく、そうした気持ちで、建設省もいまいろいろと——ありきたりのことばではございますけれども、配慮する、また、きめこまかに考えなければならぬということでいきますならば、住まっておられる方々も、自分の家だという気持ちで——何だ、これはもう借りている家だというような気持ちでは、おのずから破損度が多くなったり、あるいはいろいろの危険度が多くなるというようなことを考えますときに、私は精神的な気持ちをここに踏まえまして、建設省の住宅政策は、公的にしましても、あるいはその他の住宅対策にしましても、その基本方針を私は持っていくべきであり、持っていくよう建設省といたしましてはいまそうした配慮をいたしておることだけを申し上げておきたいと思います。
○金丸(徳)委員 大臣が住む人の気持ちをくんで、住む人がそういう愛着心を持って住めるような住宅政策をお進めくださる、それは私はそういうふうにいっていただきたいと思う。いまはむしろ逆でして、その愛着心を持ちたくても持ち得ないような条件の中に置かれているということであります。大臣、これはひとつこれからも大基本方針としてはそう進めでもらいたいと思うのです。 そこで、さっき住宅局長のお答えの中で、はからずも、私もそう思っていたことに触れてきたのでありますが、持ち家の流動性に気がつかなければいけないのだ、こういうことであります。私はそこが非常に大切なことだと思うのです。住宅が土地と同じように不動産として扱いを受けておる。これはただ財産としての不動産ということも——これは法律的にそういうことでありましょうけれども、私は、住宅は土地と同じように非常に公共性の強いものじゃないかと思う。土地は個人のものではないという強い意見もあった。土地は商品にあらずなどと前大臣は言われた。有名なことばだった。それほどに公共性が強い。私は、土地ほどではないけれども、住宅もそういうものじゃないかと思う。言ってみますれば、属人性の薄いものである。私が家を建てます。その家は私だけの家ではなくて、私の家族の家である。同時に、現在の家族のみの家ではなくて、これから子々孫々続く限りの家族の家であると思っている。同時にそれは、さっき住宅局長も言われたように、流動性を持っておって、だれが住んでも役に立つ財産である。焼くか、たたきこわさなければ、だれが住んでも役に立つ家である。つまり、住宅はきわめて——と言っていいかどうかわかりませんが、他のものと違って非常に属人性の薄いものである、公共性の強いものであるという意味におきまして、住宅政策はその基本に公共性を強く打ち出した立場から推し進めなければ、ほんとうのものにならぬのではなかろうか、こう思うのであります。したがって、持ち家でいく場合におきましても、建てる人のみの家ではないはずだという意味における国の配慮が必要じゃなかろうか。いまたとえば税制におきましても、その他の面におきましても、いろいろ配慮がされております。しかし、これは建築を奨励するかけ引きのそろばんずくのことのように思えるのですが、そうではなくて、住宅の公共性に基づいての奨励策、一つの家ができれば、それは建てた人のためばかりではなく、社会一般のためである、現在のためばかりでなくして、後世のためでもある、こういう考えにおいて強い税制における補助政策なり、その他の面における助成策なり奨励策というものが国においてとられなければならないと思う。こういうことについてはどういうふうにお考えになりますか。
○坪川国務大臣 全く同感でございます。
○金丸(徳)委員 同感だと同時に——私は、どういうふうにお考えになるかと言っております。特に公営住宅関係につきましてもう少し強い態度で強力に推し進めになる必要があるのじゃないか、こういうことであります。
○坪川国務大臣 これを具現化するよう最善の努力をいたしてまいりたい、こういう決意でございます。
○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間はもう終わりに近づくのであります。実は私は、この公営住宅法を勉強しております間に、いまのような基本論に立ち向かいまして、基本はどうしても、いま大臣がおっしゃったように、公営住宅というものを強く進めてくださるのでなければならないと思いました。しかしながら、出されたものは、あまりにこう薬ばりなんです。カンフル注射にも及ばぬような、とにかく、中の基本問題は別といたしまして、あらわれておるところの傷に対してばんそうこうを張ってみたり、ちょっとうんでいるところへメスを入れてみたりという程度でありまして、基本論に触れておらない。これは私は非常に遺憾に思うのであります。願わくばその基本に触れた対策をこの機会に——大臣はひまがあればお考えになってくださっておるそうであります。そのお考えを進めてくださって、公営住宅法の一部を改正する法律案の中にこれらの願いというものがお示し願えるならば、私も安心してこの法案の審議を進めることができるのでありましょうが、いかがでありましょうか、最後に大臣の強い御決意を承って、私の質問を終わることといたします。
○坪川国務大臣 先ほどから申し上げておりますがごとく、公営住宅でありましょうとも、その他の住宅でありましょうとも、私は、新たなる今後の住宅対策につきましては、いま数々御指摘になりました点を十分そんたくいたしまして、最善の配意をいたしたい、こういう決意でおりますので、ひとつまたよろしく御指導願いたいと思います。
○始関委員長 この際、午後零時一二十分まで暫時休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後零時四十三分開議
○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 払い下げ分譲の問題ですが、かつて二十六年に公住法が成立を見ました際の審議の経過を見ますると、払い下げをするということについて相当明快な意思表示をされておるわけでありますが、三十四年の改正と今回の改正で、この払い下げ先に対しまして、この法律が成立を見ました当時とは全く逆な関係を規定するということになるわけですが、私どもは、政治の任務は、やはり約束をしたことは守るということが前提だと思うのです。したがって、この払い下げ分譲をする、こういう審議経過がありますものは、その以降、法律をつくってこれをチェックするという場合には、その法律の改正をいたしました以降のことについて、その払い下げ分譲しないということを適用してまいりますることはあり得ることだと思うのですが、その以前に、二十六年の法成立の当時にすでに建設をされて、三十四年あるいは今回の改正の以前に入居をしておった皆さんは、おそらく払い下げ分譲が行なわれるものという前提で入っておったと思うのです。その辺のところは一体どうなりますか。約束を破るという問題についてはどうなりますか。
○大津留政府委員 公営住宅法制定当時の住宅事情、あるいは特に都市における土地事情というものが、当時におきましてはそれほど切実でなかったという状況を反映いたしまして、公営住宅法に規定されております、耐用年数の四分の一を経過した後においては、管理の必要があればこれは払い下げることができるという規定から、管理主体の担当のほうでそういうようなことを申したというような事実があったと思われます。しかし、当時の法律におきましても、払い下げということは、そういう管理人なり県の課長などだけで払い下げが決定できるのではなく、これはやはり建設大臣の承認を経た上で行なうということになっておったわけでございます。したがって、大臣の承認というようなことはもちろん得ておりませんし、そういうことよりも、だんだん御承知のような土地事情になってまいりまして、特に都市部におきましては、非常に貴重な土地をいかにして有効に利用するかということが大きな課題になりまして、建てかえを促進しようという機運になってまいったわけでございます。もちろん、約束とか公約とかいうことは非常に大事なことで、これをお互いに尊重するということは申すまでもないことでございますが、この公営住宅の払い下げに関しましては、こういうようないきさつから、この取り扱いにつきましては特に慎重でなければならぬ。大都市等におきましてはこれはもう払い下げすべきではない。ただし、地方の町村等においてはおのずから事情が異なってまいりますから、そういういきさつ等がある場合には、そういうことも考慮いたしまして処置するということが適当かと考えます。
○阿部(昭)委員 そうしますと、今後も情勢が変われば、前に約束しておったことは幾ら破ってもよろしい、こういうことになりますか。
○大津留政府委員 約束を尊重するということは、個人間におきましても、あるいは公的な行政面におきましても、非常に大事なことであると考えます。しかし、一面、そういう間におきましても事情変更の原則ということがいわれておりますように、いろいろ客観情勢が変わってまいりますと、おのずからその間に違った扱いをせざるを得ないということになろうかと思います。まして、そういう法律に基づきます明確な権限のあるものによる処置というものが済んでおりません段階におきましては、こういう今日の情勢に合った取り扱いにせざるを得ないというふうに考えるわけでございます。
○阿部(昭)委員 いまの与党自民党幹事長の田中角榮氏が当時の公営住宅法成立当時の常任委員として、議員立法として提案をする際に提案説明を行なっております。その提案説明の一部を申し上げてみますと、「公営住宅が建設後一定年数を経過し、入居者も安定したあかつきには、」「無理に地方公共団体の管理下に置くことは、住宅そのものの保全上からも上策ではないのでありまして、入居者の希望によっては譲渡の道を開くことは適切と思われます」こういう提案説明を当時行なっておるのであります。それは現在時めく自民党の幹事長であります。そういたしますると、事情変更の原則という日本語があるわけでありますが、それは私もわかります。わかりますけれども、政治は、事情さえ変わればどんなぐあいに曲げても、当局にとって都合のいいようにしていいというものにはならぬと思うのです。そういうことをやってまいりますると、いわば政治に対する不信というものの原因になってくると思う。そういう意味で——三十四年の法律改正てこの払い下げ分譲というものを相当きびしくチェックいたしました。その以降の入居者につきましては、やはりその前提を踏まえた上での入居でありますから、問題は私はまた別になってくると思う。いわんや、今回の改正以降におきまして、今回の改正というこの事実を踏まえて入居をする者につきましては、これは私も三十四年改定以前の入居者と同じに取り扱うべきだなどとは思わぬのです。少なくとも、あとから事情が変わったからといっていろいろ理屈を言って、当時こういう明快な経過があるにかかわらず、その経過を、情勢が変わりましたと言ってひっくり返すことは、これは政治に対する国民の不信をつくり出す一番大きな原因になる、私はこういうふうに思うのです。そういう意味では、いまの局長の答弁はちょっと三百代言的ではないか、こう言わざるを得ないのですが、大臣、どうです。大臣はあまりうそをつかぬ人のようですから……。
○坪川国務大臣 いま局長が御説明申し上げましたように、いわゆる公営住宅の住宅環境の整備をいたす意味において建てかえを進めておる、こうした建てかえによって良好な住宅を促進いたす、あるいはまた、将来都市計画などで必要な土地に建てられている住宅等も考えますと、そうした点において直ちに譲渡をいたさないという方針は御理解いただけるんじゃないかと思いますが、しかし、地方の町村等の実情あるいはその住宅の状況等に応じまして、これらに対する譲渡を場合によってはいたすということについては、私はやはりある場合には認めることが適当でもある。自分の小さい経験を申し上げて失礼でございますが、私が福井の市長をやっておりましたときなど、場合によってはそれを建設省の了解を得まして譲渡いたした場合もございます。それでございますから、決しておことばを返す意味じゃございませんが、政治というものの姿は一貫した方針でとることも必要であり、また、場合によっては臨機応変の措置を講ずることもやはり政治上必要なことではなかろうか。それによって不信感を来たすというようなことにおいての変更というようなことは、私はなるべく避けていきたいと思いますけれども、これが国民に、あるいは住民に必要であるというような場合においては、臨機応変の措置をもって既定方針を変えざるを得ない場合もあるということも御理解いただけるんじゃないか、こう思っておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 大臣も、結局、前の約束はどうあろうと、情勢が変わればうそ偽りを言ってもかまわぬ、こういう、いわばえんまさんに舌を抜かれるような答弁をするのはまことに心外にたえない。えんまさんに舌を抜かれるような答弁は、これは局長どまりかと思いましたら、大臣もやはりえんまさま大王に舌を抜かれるような答弁というのは私は納得がいかないのですが、私も実は無理なことを言うんじゃなくて、三十四年の改定以前、この以前の皆さんは、ほとんど、入居をする際に、いずれ皆さんに払い下げするのですから、管理その他、あるいはこまごましい修繕は一々役所に持ってくるな、おのおの入居者個人個人がやれ、必ず将来皆さんに払い下げになるのですから、そういう意味で管理、営繕に、そういうものに心をいたすようにということを言われて、三十四年以前の入居者というものはほとんどそういうかっこうで入っておる。もちろん、そういう約束をした皆さんは、もうすでに——この世の中にいるのか、あるいは何をやっているのか知りませんけれども、いま現実にそういう約束を破らなければならぬ、えんまさんに舌を抜かれるようなことを言わなければならない立場に立ったのが局長であり、坪川建設大臣ということになると、これは若干お気の毒に思うのですけれども、私がおそれるのは、三十四年を境にしてその以前と以後というのはやはり区別をしないと、政治に対する不信というものの原因になる。特に当時の提案説明者は自民党の実力者の田中幹事長、一体これはどういうことになるのですか。私がいま言ったのは、情勢が変わればいつでもうそを言ってもいいということになるのですか。情勢が変われば、当時言っていたことを全部ほごにしていいものなのかどうなのか。これは大臣、えんまさんに舌を抜かれぬような答弁をもう一回明快に聞いておきたい。
○坪川国務大臣 裏切ってそうしてうそを平気で言うということの政治姿勢あるいは行動ということに対しては、全く阿部委員おっしゃるとおりで、私はそうあるべきでないということは同じでございます。ただ、御承知のとおりに、激動の時代の流れ、流動というものも考える場合に、あらゆる社会現象の激動するということも、賢明な阿部委員御理解をいただけるのじゃないか。そういう立場に立って、その前言といいますか、前の約束をやはり履行いたすことによってくる問題等も考えるときに、やはりそう裏切るのではなくして、それに即応した対応策を講ずることも必要ではあるということは、御理解いただけるのじゃないか。たいへんややこしいよう表現をいたしておりますが、帰するところ、私は阿部委員と一緒な気持ちでございます。やはりなるべくその方針でいきたい。いきたいが、時代に即応する、激動下のこの流れの中にあって、やはり十分深い注視を持ちながら適応な施策を変えるべきは、これは万やむを得ないということでございます。
○阿部(昭)委員 大臣、私と同じだというが、ちっとも同じじゃない、これからも世の中はますます激動すると思う。政府自体に長期的な見通しを欠いておったがゆえにこういう問題が起こってきておると思うわけです。責任は私は政府にあると思うのです。 そこで私が聞きたいのは、その三十四年以前の——何というのですか、建てかえなり分譲禁止、こういうふうにぴしっとシャットアウトすることを、今回、三十四年よりも明確にしようとしておる。三十四年のあの改正以前の、いわば公営住宅でしかも平家二戸建てみたいな、こういうものはどのくらいあるのですか。
○大津留政府委員 三十四年以前の建設にかかる戸数で現在管理しておりますのが、約五十万戸ということでございます。その中で、いわゆる中耐——鉄筋コンクリートの建造ですね、これは当時でございますから、まだ四万五、六千でございます。したがいまして、その余の四十五万をこすものは木造または簡易耐火の建造ということであります。
○阿部(昭)委員 その中で、先ほど、福井の市長さん時代に大臣は分譲払い下げをした、そういうことで建設大臣に要請をしたこともございます、こういうことを言っておりましたが、今回のこの改正では、分譲が全部おしなべてすべてシャットアウトされるかっこうになりますね。地方の中小都市などは一体どういう扱いになるか。そうすると、私は、将来も過密過疎の問題があって、いわばメガロポリスと呼ばれる地域において、いまの分譲とか払い下げとかいう問題が主として問題になるもあだと思うのです。そういう意味で、四十五万戸程度のものがそういう対象になりそうなものだというのですが、中央、地方いろいろあって、当面、先ほど言った、えんまさんに舌を抜かれようとも、情勢が変わったから、どうしてもしなければいかぬ、こういう大臣の言う部分のものは一体どのくらいあるのですか。
○坪川国務大臣 いま阿部先生御指摘になりました、この法律の改正に伴って今後一切譲渡はシャットアウトするのだというおことばがございましたが、そういうような方針ではございません。やはり希望に応じまして、その客観的な条件等も十分勘案いたしまして、場合によっては譲渡をいたす場合もあるという方針でございます。
○阿部(昭)委員 いまのあれは、もう一つの大都会を除く——大都会でいま問題になるのはどのくらいの戸数か。
○大津留政府委員 大都市——まあ地方都市におきましても、その枢要な地域にあるものは、処分をいたさずに建てかえをしようというわけですが、これに適した住宅の戸数は約十五万戸でございます。
○阿部(昭)委員 そうしますと、四十五万戸中三十万戸は将来とも分譲の対象たり得るというふうに理解していいわけですね。三十四年以前ですよ。
○大津留政府委員 これは現在の段階で建てかえ計画にのってぐる、適する状況にあるものがという意味でございまして、三十四年以前の建設のものでも、これから時間の経過とともに十五年たち、二十年たちということで建てかえにのってくる、こういうものも生じますので、いまの十五万を除いたものが全部処分の対象というわけではございません。
○阿部(昭)委員 そこで、たとえば、二十六年当時以降三十四年の間を特に私は重視ししたいのですが、この間に、いずれ分譲もしくは払い下げをするという意向を、入居者に対して当該地方公共団体の関係者、役人がいろいろ話をされておった経過のもの、そういたしますと、入居者の側では、いずれは払い下げをしていただける、こういう前提がありましたために——今日ほど地価の高騰も来たしていなかった。東京都下などでも、三・三平米当たり三百円ないしは五百万程度で土地の手当てが可能であった、それが現段階に至りますと、その土地はもはや十万円程度する、いまこういう情勢に変わってしまった。それこそ。情勢は大きく激変をしたわけです。そうすると、将来この建物は分譲もしくは払い下げは相ならぬものなんだ、こういう前提に立っておれば、今日のように地価の高騰などを来たさざる間に宅地の手当てなり住宅の建設なり、たとえば住宅金融公庫といったようなものであったわけでありますから、いろいろとやり得ただろうと思う。しかし、いずれ払い下げになるというお話でありましたから、皆さんは安心して管理、営繕に努力をする、将来の払い下げになった段階の増改築の計画等をも夢見ながら、それこれ、先ほどの大臣のあれじゃないが、あれを思い、これを思いしながらバラ色の夢を持ってきておった人々が非常に多かったと思う。今回これが一切建てかえ計画の中に入るのでまかりならぬということになると、いまそれならば三・三平米当たり十万やその他の膨大な金を利用して宅地を手当てし、持ち家を持つ、こういうことが可能かということになると、そんな簡単なわけにいかぬという。そういう意味では、入居者である国民に対し、政府あるい関係機関はたいへんな不利益を及ぼしておる、こういうことになると思うのですが、その辺はいかがですか。
○大津留政府委員 先生御承知の、昭和三十四年におきます公営住宅法の改正におきまして、従来の払い下げの方針を改めまして、特別の事由があるもの以外は払い下げをしないというたてまえをとったわけでございます。その時点におきまして、いまから申せばちょうど十年前の時点におきまして、それ以前の方針を改めて、原則としては払い下げをしないということにしたわけでございます。その改正も、国会でいろいろ御審議の上そういう御決定をいただいたわけで、その時点におきまして、ただいま仰せのような事情が根拠の法規も変わったわけで、その旨をだんだん管理主体も入居者に御説明をいたしまして、今日におきましてはそういうことも大体御理解いただいているというふうに私は理解しておるのでございます。したがいまして、今回の法改正でどうこうということではなく、三十四年の改正におきまして、いま御指摘のようなことは一応そういうことで方針が改められておるわけで、そのとき以後、いろいろ入居者の方も将来の生活設計等も考えいただいておるのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
○阿部(昭)委員 しかし、局長、それはいささか三百代言的——全く三百代言的言い方じゃありませんか。私が言うのは、三十四年のときにすでにがしゃっと不利益なことを覚悟さしたのだからいいんだということにはならぬということなんですよ。とにかく、二十六年のこの法律発足以降、入居者とその地方公共団体、公営住宅の管理主体のほうとの間に、いろいろな、たとえば払い下げをするとか、いずれは皆さんのものになるのですから——こういうことは一つの契約だと思うのです。そう思いませんか。契約は、文章で書いたものだけが契約ではない、そういう話の中で主体と客体との間でいろいろ取りかわされておったことも、私どもの認識では、少なくとも契約だと思う。約束ごとだと思う。その約束ごとを、三十四年のときに一方的に破棄をしておるのですから、もう問題ないのですというのは、これは妙な議論じゃありませんか。
○大津留政府委員 管理主体がそういうことを申したといたしましても、これはちょっと契約というふうには当たらないのじゃないかと思います。それから、三十四年におきます法改正で、そういう、法律的にも、特別の事由がある以外は処分しないということを明確にいたしましたが、それ以前の法律におきましても、積極的に譲渡するという規定でなかったことは、先生御承知のとおりだと思うのです。それ以前の規定におきましては、管理上必要がある場合には払い下げをすることもできるというような表現の規定でございます。そこで、法律の制定当初、二十六年ごろの情勢はそういうようなことでございましたけれども、だんだん事情が変わってまいりまして、この法律の運用につきましても、そのつど通牒で方針を示しております。で、二十八年の住宅局長通牒によりまして、この公営住宅の譲渡処分というのは積極的には行なわない、原則としてはこれを行なわずに、なるたけ——もう当時からすでに、土地の高度利用のために高層の住宅に建てかえることが必要だから、そういう観点からこの処分の適否を判断するようにという通牒を出しておるわけなんでございます。したがいまして、まあだんだんにその方針なり考え方が変わってきたということは事実でございますけれども、三十四年ににわかに変わったということではなく、すでに二十八年ごろからそういう方針で末端に指導いたしておるような次第でございます。
○阿部(昭)委員 そうしますと、当時、いわば公営住宅の主体側の係の人、これが関係者を回っていろいろな話をしている経緯があるわけです。その場合のことは、これは一切不問になる、その責任は何らないし、免れるというんでしょうか。私はそうはならぬと思う。したがって、もし必要があれば、いろいろ私どもの知っておる限りでも、中央、地方各方面でずいぶん、払い下げされますということを、公の場所でいろいろ主体の側から入居者、客体の側に対して言明されておることは、たくさん立証される事実があるのであります。これは一片の文書や何かで——局長のほうは、通牒を出しましたから、それできまっているのですというようなわけにいかない。私どもが特に重視をする、政治に対する信頼の関係の根幹に触れる問題だ、こういう認識をしておる。 そこで問題は、さっき私が申し上げました払い下げといったような、そういう期待感や何かを一切持たせなかったというなら別ですが、持たせておった、そのために——当時ならば宅地も何も非常に安かった。しかし、いずれ払い下げになるであろうという前提でございましたから、その土地の手当てや何かにだれもが手を出そうとしなかったわけです。いまになってそういう土地の手当てや何かをやろうとしても、とうてい手の届くような状態にはいかないわけです。この不利益に対してやはり一定の配慮がなければならぬのじゃないか、こう思うのです。 そのことはさておいて、これは建てかえをします、したがって明け渡しなさい、いや明け渡さぬということになった場合に、どうするのですか。たとえば土地収用法ということになるのでしょうか、あるいは民事訴訟で争うということになるのでしょうか、これは一体どういうことでしょうか。
○大津留政府委員 建てかえの際に古い住宅を明け渡していただくその際に、どうしても明け渡していただけないという場合は、いまおっしゃったように、民事訴訟によりまして裁判所に訴えまして、明け渡すべしという判決をいただいて執行していただくということに相なります。
○阿部(昭)委員 どうでしょうか、そういう場合に、すらすらと、きょう裁判所に申請いたしました、十日か二十日で判決がぽんと出ました、はい、判決に従います、こういうぐあいになっていくというお見通しでしょうか。
○大津留政府委員 これは過去におきましてもそういう裁判で争われたという例もございますし、また、明け渡すべしという判決が出た判例がすでにございますし、そういう裁判の結果につきましては私は疑いませんが、そういう判決が出た後の扱いでございますわ。
○阿部(昭)委員 判決が出た後じゃないのだ。判決が簡単に出るというような理解をなさっているのかどうか。
○大津留政府委員 これはいままでもそういう判例も幾つかございますし、それから、特に今回改正をお願いしている建てかえ事業、一定の要件を備えて手続を踏みました建てかえ事業につきましては、その必要性あるいは正当性ということが明確になるわけでございますから、判決も非常にすみやかにやっていただけるものというふうに期待しております。
○阿部(昭)委員 それは局長、少し甘くありませんか。私どもはいまいろいろな争いになっておる事実を知っております。そう局長が言うようにすらすらと、明け渡し請求を出しました、一幕、二審、最高裁までずばりきまりましたというようなわけにいくというふうには私は理解しておらぬのです。
○大津留政府委員 従来のそういう法律上の規定がないときにおきましても、そういう管理上の必要によって建てかえ事業をやるということのために明け渡しをお願いする、これについての訴訟、争いでございますね、これにつきましてもすでに幾つかの判例が出ておるわけでございますから、今回の法改正が実現いたしまして、そういう要件が明らかになり、手続が明らかになった上におきましては、従前の判決よりはこれは少なくともすみやかに行なわれるであろうということは、私、疑わないわけでございます。
○阿部(昭)委員 これは非常に重大な答弁だと思うのです。もしそうだとすると、今回の改正に対するいわばわがほうの対応のしかた、これも相当考えなければならぬと思う。従来私ども認識しておりますのは、やはり、現在明け渡しを請求される入居者に対して、とにかく話し合いをして、そうしてたとえば次の入居の問題なり、あるいは仮設住宅の問題なり、あるいはその中のいろいろな条件なり、こういうものを十分話し合って円満裏にひとつ話をきめていこう、こういう努力をとにかく最優先さしていく、こういう説明が従来あったと思う。民事訴訟で、今回のこの法律改正が行なわれれば、従来よりは、明け渡しで、入居者の持っておるいわば居住権というか、これをぽんとひっくり返すことが非常にやりやすくなるということを確信しておるということになると、ちょっと私、この法律の取り扱い、対応のしかたについて考えなければならぬ点があるように思う。特にその際に、三十四年以前ということを何度も何度も私どもはきびしくここで言っておるわけです。それはそう簡単なわけにいかない。この法律発足当時の速記録やその他、いろいろのこの法の生まれました経過等を考えてみると、それはちょっと局長が言うような簡単なわけにいかない問題点がたくさんあるように思う。まあこの問題は、もし必要があれば、あとで私どものほうもさらにしかるべき方面と協議をして、問題の所在をもう少し突き詰めていきたいと、こう思います。したがいまして、き、一うは答弁はもらいません。 それから次に、一体、公営住宅というのは、私ども理解に苦しむのですが、大臣、私ども、たとえば演説会などでもやりますと、会場に学校や何かの建物を借ります、そんな際に借りておるものと似たものなんでしょうか。——いや、大臣に聞いているのですよ。局長は演説会なんかやったことがないだろう。
○大津留政府委員 いわゆる公営住宅が学校などと同じような営造物かどうかというお尋ねかと思うのですが、地方公共団体の財産であり、また、一つの公の政策に基づきました施設であるということには変わりございませんけれども、しかし一面、大ぜいの方がお使いになるというような公会堂とか学校とかいうものとそこはやはりおのずから違った性格を持っておるというふうに考えます。したがって、入居契約というのも、公的な契約か私契約かというような御議論もございますが、これは一応民事的な契約であるというふうに考えておるわけでございます。 それからなお、先ほど阿部先生御指摘の、建てかえ事業による明け渡しの問題、私の答弁があるいは御質問の趣旨をもちょっと取り違えておったのかもしれませんけれども、この法律改正によりましても、建てかえ事業をやるに際しまして、入居者の方に十分御説明もし、御理解もいただいて御協力いただくという基本的な姿勢につきましては、もちろん変わりございません。ただ、私がお答え申し上げましたのは、そういうことで裁判に訴訟としてかかった場合の判決がなかなか時間がかかるではないかというお尋ねかと解しまして、その間につきましては、裁判の判決も従来に比して比較的短時日のうちに出るのではなかろうか、こういうことを期待しているということを申し上げたわけでございます。
○阿部(昭)委員 公的な契約か私的な契約かということについて、一応私的な契約というのですが、私ちょっと理解に苦しむのですが、一応というのは、これはどういうことでしょうか。
○大津留政府委員 民法ないし借家法の適用を原則としては受けます。したがいまして、その限りにおきましては私契約と基本的には同じでございますが、ただ、公営住宅がそういう一定の政策目的のために設けられた公共団体の財産でございますので、公営住宅法に規定いたしますいろいろ管理上の規定というのは、民法ないし借家法の特例規定としてこれに付加されるというふうに解釈しております。そういう意味におきまして、一応私的な契約でございまするけれども、そういう意味では多少公的な要素が加味されておるのだ、こういうわけでございます。
○阿部(昭)委員 ちょっとわからないのですが、非常にあいまいなものですね。あいまいということが、問題を非常にこんがらかす原因じゃないかというふうに思うのです。それならば、これと似たようなものはどういうものがありますか。いまみたいに、一応とか、二応もあるような、妙に含みのある言い方、これと同じような性質のものは他に例がありますか。一応は私的だが、二応はどうも違うような言い方、これは何か別にもっとあるでしょうか。
○大津留政府委員 一応とか二応というのは、はなはだあいまいな表現でございますから、正確に申し上げますと、公営住宅の賃貸借関係、これは、先ほども申しましたように、民法ないし借家法に基づく民事契約の分類にはやはり入ると思うのです。ただそれだけなら一般の私契約と全く同じかということでございますが、公営住宅という一つの政策目的のためにつくられた、公共団体の管理するものでございますから、公営住宅法に規定されました管理上のいろいろな規定を受ける、制約を受ける、その範囲におきましては一般の民事契約と異なった要素が付加されることになると思います。そういう意味におきまして、一般の民事契約とは異なった要素もある、こういうことを申し上げたわけでございます。
○阿部(昭)委員 これはあとで私どものほうでも法制局その他と少し煮詰めますけれども、どうもすらっとこないのですね。民事契約であります、借地借家法、民法、これらの規定に基づく、その適用を受ける私的契約であります、こう明快に言い切って、しかし、いまの公営住宅法の管理その他のそれ、これはちょっとおかしいのではありませんか。もちろん、いまの公営住宅法に基づく管理規定やその他を契約条項の中にみんな明瞭にしておるわけでしょう。その適用のしかたは、借地借家法もしくは民法の規定、それに基づいて契約の具体的な締約はしておるのではありませんか。
○大津留政府委員 たとえば、法律の改正によりましてその契約内容が法律の内容と抵触するに至るという場合には、その契約の部分が効力を失いまして新たな法律の規定に従うということにおきまして、純然たる民事契約と異なった面があるわけでございます。
○阿部(昭)委員 そこで、これは大臣に伺いたいのですが、ですからこそ、私は先ほどから問題にしておるのです。法律は、世の中が激動し、流れていき変わっていって、変われば、いかようにでも——議会で多数さえ持っておれは、男を女にする、女を男にかえる以外のことはたいがいのことはやれます、いまの自民党の皆さんはこう言っておるのです。そうすると法律はいろいろ変わると思うのです。変わると、その前に取りきめられておった約定というものをくつがえすということはいつでもあり得る、こういうことになりますね。これは大臣、そのとおりでしょうか。いつでもそういうことをやるのですか。
○坪川国務大臣 私は、そうした重要な厳粛な問題をしゃくし定木的にやり得るものでもなく、やるべきでもないと考えております。
○阿部(昭)委員 どうですか、局長の答弁と大臣の答弁は——大臣は、そういう厳粛な問題はしゃくし定木にやるべき問題ではないと、何か非常に思いやりのある、何か非常にある種の情感のこもった、そういうお話である。局長のは、いまの大臣のことばでいえば、何かしゃくし定木的な考えみたいに聞こえる。どっちがほんとうなんです。
○坪川国務大臣 私が申し上げましたのは、いわゆるしゃくし定木にやるべきでないという対象になる問題は、いわゆるいいこともですね、いまおっしゃったように、既定の事実としての法律の内容につきましても、やはりそれに即応した考え方で、改めなければならないときには改めるべきであるということも含めまして、私はしゃくし定木的にやるべきでないということを言っておることを御理解願いたいと思います。
○佐野(憲)委員 関連。ただいまの阿部委員との間の質疑応答は、非常に重大な問題を含んでおると思います。本委員会におきましても、この問題に対する慎重な審議を必要とするのではないかと考えますので、一応いまの局長の答弁の中でちょっとただしておきたいと思いますのは、昭和三十四年九月八日、大阪地裁の民事第四部の判決がありましたね。この判決の中に、「昭和三十四年の改正後も公営住宅法には、その利用関係を公法関係として扱う趣旨を定めたと認めなければならない規定はない」、こういう判決がされておるわけです。今回の新しい改正法案の中に、どこが公法関係として改正になっておるか、この点もう少し明確にしておきたいと思います。
○大津留政府委員 その裁判所の判決のとおりでございまして、公営住宅の賃貸借関係、使用関係は、民事契約と見られるべきものでございまして、その民事関係の中におきまして、公営住宅法に規定されておる内容は、民法ないし借家法の規定の特例法としてもし抵触する部分があれば、それにかわってこの公営住宅法に基づいて契約内容が規制される、こういう関係でございます。したがいまして、具体的に申しますと、公営住宅法でそういう民法ないし借家法の特例的な規定をしておりますのは、たとえば家賃のきめ方、あるいは明け渡しの請求の事由、それから入居者の募集の方法などもこれといえようかと思います。なお顕著な例といたしましては、割り増し賃料の徴収。したがいまして、今回の改正によります高額所得者の明け渡しというようなことは、まさに民法ないし借家法の特例であるというべきでございます。また、建てかえに伴う明け渡しの請求ということもそれに該当するといえようかと思います。
○佐野(憲)委員 これは非常に重大な問題だと思いますので、次の委員会において、法制局なり、あるいはまた法務省の民事局なりを呼んで、一体いま言われるその個所がいわゆる公法関係として認められるかどうか——これは裁判においても判決でそういう点において指摘しておるわけです。それを今回の改正の中で公法関係として具体化する、特定する、そういうことがいまの説明では非常に不明確だと思うのです。はたしてその個所が公法関係に該当するかどうか、特定されたものかどうか。ただ解釈によって——というと何ですけども、解釈によって、一応はどうだこうだとか、借地借家法の特例法としてとか、こういうことばは全くあいまいだと思うのです。これは、委員長、いわば立法府としてもう少し究明しておかなくてはならない重大な問題を含んでおるのじゃないかと思うのです。そうしないと、阿部委員の言うように、法の解釈によってこうだああだ、こういう公権力を持つ側からかってな解釈が出てきて、しかも居住者の正当な権利というものがあいまいにされる、これは重大な問題だと思うのです。こういう問題が発生して、結局は、公務執行妨害であるとか、いろいろな忌まわしい関係に発展する危険性もあると思いますが、単に民事上だけでなくて、そういう事態が発生してから、実は法律があいまいだった、裁判の結果、全く不明確な規定しかやっていないじゃないかというようなことになることは、非常に重大な問題だと思いますので、委員長におかれましても理事会で十分検討していただきたいと思います。 以上で、阿部さんの質問を続けてください。
○阿部(昭)委員 それでは、いまの問題は、佐野理事の関連質問で申し上げましたように、次の機会により明確にしていただくようにしたいと思います。 私はこの機会に局長に伺いたいのですが、私どもは国会に出てまいりまして、議員宿舎の八畳一問にがんばっておるわけです。最近の公務員住宅、これはたいへんりっぱなものが建っておるということをお聞きしておるのであります。私は、九段の議員宿舎から出てまいります途中に、これはもちろん高級官僚でしょうから、違うのですが、警視総監の官舎の前をいつも通ってくるのであります。公務員住宅全部が警視総監の建物ほどりっぱかどうか知りませんけれども、最近の公務員住宅の構造は一体どういう程度のものになっているでしょう。
○大津留政府委員 公務員宿舎の管理あるいは公務員宿舎法の所管は大蔵省でやっておりますので、詳細なことは私のほうはいま直ちにはわかりかねます。
○阿部(昭)委員 私が局長に伺いたいのは、とか設備、これは少なくとも、建物でありますから、建築確認を受けて建設されておると思うのです。したがって、構造のことも大蔵省に聞かなければわからぬということになるのでしょうか。
○大津留政府委員 実は国の建てます建物というのは、基準法の確認の手続は省略されることになっておりますので、確認はやっておらないのですが、私自身公務員宿舎を利用させていただいておりますので、最近建ちます宿舎は、四DK程度のものが建っております。
○阿部(昭)委員 その家賃はどのくらいですか。
○大津留政府委員 ちょっと私正確なことはわかりませんが、おそらく四、五千円程度じゃないかと思います。
○阿部(昭)委員 四DKで四、五千円程度ですか。
○大津留政府委員 じゃないかと思います。
○阿部(昭)委員 そこで、間もなく代議士会が始まりますので、先ほど金丸理事ともお約束しておるのでありますが、私は間もなく一応取りやめたい。来週の定例日の際に、いま関連質問で問題になりましたような問題点などをもう少したださしてほしい、こう思います。 しかし、大臣、この三十四年以前ということに私は何度もこだわるのですが、そのあたりに三百代言的言辞をもっていろいろにつめを立てることもさることながら、もっと問題は、先ほど私は、大臣が非常に正直な、おおらかな夢を持っておられる御意向の表明を聞きまして、実はほのぼのと、何とはなしに明るい感じを持たされたのであります。ところが、実際いまの公営住宅法の審議に入って、当面の責任者であり、具体的な責任を持っておられる局長との一問一答をやってみますと、大臣のおっしゃるほどおおらかなバラ色の気持ちにはなり切れないきびしさというものを実は感ぜざるを得ない。そこで、帰するところは、やはりいまの六百七十万戸の五カ年計画にいたしましても、そのうちの二百七十万戸だけがいわば公的ないろいろな関係の建物、あとの四百万戸というのは民間自力に求めている、しかも、その六百七十万戸の五カ年計画というものも、正確に五カ年の間に達成されるのかどうかということについても、私も、正直言いまして、危惧を持たざるを得ない現状にあるのです。そこで私は、この公営住宅を中心とする大量の住宅建設という、先ほど大臣が、私どもに非常に希望と、ある意味での明るい何かを感じさせるような御意向の表明のようなことをされたことが、真にやられるかどうかということにやはりかかってくるように思うのです。 そこで特に、大臣も福井県の御出身、私も同じように雪の深い日本海海岸の山形県。そこで、農村の地域を見ますると、大臣の御郷里も私のところも同じように過疎現象というのが急激に起こっている。そうすると、きのうも趣旨説明をやられましたが、出かせぎ者の皆さんが、今度失業保険制度の改悪によって、さらにきびしく農村地域にいたたまれないような圧迫というものが加えられてくるように私ども判断しておるわけです。そういたしますると、農村からのメガロポリス地域に対する労働力の流出というものがますます急激に進んでくるであろう。そのことを、今日の政府も、また財界の側も、強くねらっておるところであるように私ども思うのです。そういたしますると、人口はますますメガロポリスに集中する。ところが、住宅建設は現状の状態でまずまずというので、局長はじめ建設省がたいへん力こぶを入れております五カ年計画さえ、五年の間に、はたして、大臣があれを思い、これを思っているほど、その中でほんとうに思いを尽くしてやられるようなテンポで進むのかどうかということについても、私ども疑念を持たざるを得ない。 そこで、やはり根本的な解決は、二十六年当時公営住宅に入ったがゆえに、いずれ払い下げてもらえるというお話があったがゆえに、そこで、当時土地やその他も安かった時代に、持ち家を持とうということを離れて、将来この建物を払い下げてもらえるというお話できておった方々のこの問題につめを立てただけで問題の根本的な解決になでるあろうかといいますと、私はならぬというふうに実は思うのです。抜本的な問題は、何といっても、大臣の先ほど言われましたような、徹底的に大量の住宅の建設をやるのかやらぬのかというところに私はかかってくるように思うのです。どうも先ほどの大臣のお話も、前段のほうはたいへん私どもにバラ色の希望を与えたのですが、あとのほうを聞いてみると、なかなかそうでもないみたいな、行きつ戻りつという感じを持たざるを得ないのです。 そこで、これからの世の中がどのように流れていくか、いまの世の中の体制は、流すほうが大臣のほうで流そうとしておるのですから、いまの世の中の流れというものは、これは自然発生的に流れているのではなくて、政府の総合的ないろいろな施策の結果で、流れをつくっておる原動力というのは、やはり私はいまの政府の側にあると思う。だとすると、流れさせておいて、そのしりぬぐいは、大臣のほうであれを思いこれを思いでやらぬというのでは、やはり話にならぬと思う。そういう意味では、私は何度も言うようですが、公営住宅発足当初の、いずれ払い下げをするということで期待をされておった方々につめを立てたところで問題の解決がつくのではなくて、問題は、やはりこれから政府が責任をもって果たそうとする施策の中で解決されなければならぬものなんじゃないか、こういうふうに思うのです。 きょうはこれだけ申し上げまして、若干先ほどの関連の問題等もございまして来週に持ち越さしていただきます。
○坪川国務大臣 一言答弁申し上げたいと思います。 先ほど冒頭に御指摘になりましたいわゆる三百代言的な気持ちということ、阿部先生どうお感じ取りになったか、これは自由でございますが、私どもとして、三たび繰り返しておっしゃるような気持ちで、この問題をその場逃げでいくというような気持ちでないということだけは御信頼いただきたい。私も局長も同じ方針であり、同じ気持ちであり、ことに、阿部先生も私たちも佐野先生たちもお互い日本海のいなか生まれでございますから、素朴な点においては相通ずるものがあろうと思いますので、どうかその点はひとつ、偽善者というような気持ちで三百代言的な答弁を申し上げているようなふまじめな気持ちでないことだけは、私やはりはっきり申し上げておき、局長もまじめに取り組んでおり、私は局長の性格なり方針を高く評価している一員でございますから、その点ひとつお許し願いたい。 二番目に御指摘になりましたいわゆる過疎対策の問題、これは私はあらゆる問題をとらえて過疎対策の解消をひとつ積極的に打ち立ててまいりたい、こう思います。 それから公営住宅の譲渡の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、しゃくし定木的に、もう渡さぬのだ、譲渡せないのだというような方針をとっておるというようなことでなくして、いわゆるいまの低所得者の方々が非常に住まいを待ちわび、待ちこがれていることを思うと、それを譲る気持ちになり得ないという気持ちも御理解いただけるのではないか。私は、そういうような意味において、善意の気持ちにおいて、その譲渡の方針をなるべくきびしく守っている気持ちもそこにあることだけはひとつ御了解願い、また次の機会にそれぞれ答弁させていただきたいと思うのであります。
○阿部(昭)委員 それでは、先ほど申し上げましたように、本会議ももう間もなくで、代議士会も始まっておりますので、来週にいまの関連の問題等で指摘されました問題を続けさせていただきたいと思います。
○始関委員長 次回は、来たる九日委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十七分散会