建設委員会 第9号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/02
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 理事辞任の件についておはかりいたします。 理事岡本隆一君から理事辞任の申し出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、理事の補欠選任を行ないます。 これは、先例によりまして、委員長において指名することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に佐野憲治君を指名いたします。 ————◇—————
○始関委員長 理事会の協議により、道路に関する件について調査を進めます。 この際、新四ッ木橋工事中の事故について、坪川建設大臣から発言を求められております。これを許します。坪川建設大臣。
○坪川国務大臣 お許しをいただきまして、皆さまにつつしんで御報告を申し上げたいと思うのでございますが、昭和四十四年四月一日、昨日の午後四時四十分ごろ、直轄施行中の新四ッ木橋七号橋脚で、間組が施工中でございますが、環状げた締め切り工法による締め切り工が破壊する事故が発生いたしまして、労務者の各位、八人が生き埋めになられましたことは、皆さま御承知のとおりでございます。 まことにお気の毒な、まことに遺憾なできごとでございまして、ただいまの現時点におきましては、御遺体が二収容されたのでございますけれども、残りの六方の点ももう絶望視されているような状況でございますので、ここにつつしんで委員の皆さまとともに哀悼のまことをささげたいと思う次第であります。 この不幸な事件につきましては、建設省といたしましては、まことに重大な問題でもございますので、本日施工者である間組の首脳部を呼びまして厳重に警告を発しますとともに、もう一つ工事中でございました鹿島組の同じ工法による工事も中止を命じまして、建設省の関係係官が多数出向きましてその原因を究明いたしておるような次第でありますとともに、直ちに技術者を中心といたします調査委員会を設置いたしまして、これらの不幸な原因の解明にいま努力をいたしておりますとともに、今後かかることのなきよう施工者あるいは管理者を通じまして厳重に通告を発しまして、かかる不幸のないよう措置を講じつつありますとともに、私といたしましては、まことにお気の毒、哀悼にたえませんので、きょう、委員会が終了いただきましたならば、直ちに現地に出向きましてその現状をつぶさに視察いたしまして、その時点を踏まえましてさらに建設省としては誠心誠意善後対策をいたしたい、こう考えておる次第であります。 ここにつつしんで哀悼のまことをささげながら、御遺族の皆さまに対しましてもつつしんでおくやみを申し上げて、御報告をいたしたいと思います。 詳細の点につきましては道路局長より御報告をいたさせます。
○始関委員長 道路局長。
○蓑輪政府委員 昨日の直轄施行中の新四ツ木橋の下部の橋脚工事でございます、これの事故につきまして、まことに申しわけないと思っております。実は、この工法につきましては、いままでの工法でございますと、四角の矢板を打ちまして、その矢板と矢板の間にほとんど縦、横十文字に木材その他でばりをかいまして、それで中の掘さくをするわけでございます。こういう工法でございますと、中に空間がとれないためになかなか施工が困難だったということで、いま特許を申請されておるそうでございますが、このリングビーム工法というものの採用を認めたわけでございます。これは実はこの新四ツ木橋の下流の小松川橋、これはことしもう完成するわけでございますが、そこにも採用いたしまして、非常にうまくいっておりました工法でございまして、そういうものを採用したわけでございます。これは矢板を丸く打ちまして、その外からかかる水圧、土圧を受けるためにリングビームを中に置きまして、そのリングビームのアクションで外圧を受けるというような考えの工法でございます。これを実施いたしまして、逐次河床より下の土を掘っておったわけでございますが、掘るにつれましてそのリングの数をふやしてまいるわけでございます。その途中でこういうリングが全部つぶされるというような事故になったわけでございます。 この原因につきましては、これからいろいろ調査してみないとはっきりわかりませんが、考えられますことは、やはりこういうリングのアクションで外圧を受けるというような考えでございますので、外の圧力が非常に片寄った圧力になる場合に問題があろうかと思います。そういうような原因でこれがつぶれたのか、また、別のショックで矢板の中の土が急に吹き上げるクイックサンドというような現象になったのか、その辺ははっきりいたしませんが、いままで国鉄その他にもかなり実施例はございます。今回の場合は、小松川橋で実施いたしましたものより矢板の径がちょっと−小松川橋は二十一メートルでございましたが、二十三メートル、大きくなっておるわけでございます。大きくなっただけ矢板の厚さ及びリングの強度を増しておりますが、こういう結果になりまして、私たち、この工法を今後どういうような補強をするか、そういう点を事故の原因の調査とともに究明してまいりたいというように考えております。 現在のところ、被災者の方は二遺体を収容いたしておりますが、けさから八十トンのポンツーンを入れますので、大体きょうじゅうには全部収容ができるのではないかというように考えております。以上であります。 —————————————
○始関委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 私はこの新四ツ木橋の事故につきまして心から犠牲者の方に対しまして哀悼の意を表したいと思うものでございます。 ただいま大臣並びに道路局長から御説明がありましたが、私は問題はかなりあると思うのです。その一つは、けさの新聞を見まして、直接まだ十分な調査もいたしておりませんが、一つには、建設省直轄の仕事で、間組の仕事である、しかも、中に入っておった犠牲者の方々は、全部が出かせぎの人たちです。この点につきましてどうも割り切れないものがある。間組の組員であるとかあるいは社員である人が一人でも犠牲をこうむっておるのなら、私はこの点については一応納得もいたしますけれども、全部が全部出かせぎであるというところ、一体直轄工事としてどういうような方法でやっているのか、この点を疑問に思いますので、ひとつこの点の御解明をお願いしたい。これがまず第一点であります。時間がございませんので、感じましたところを簡単にひとつ申し上げてお聞きしたいと思います。 それから、原因を追及しておる、やがてはまた調査委員会をつくる、こういうお話でございますけれども、しかも、道路局長のお話によると、現在特許を申請中の工法だというお話です。そうするならば、この安全度はどうなるのかということ。これは、おたくにも土木研究所というものがあるはずです、ここらで十分検討の上で、こういうような被害、事故が起こらないという確信が持てて初めて工事を実施すべきではなかったか。これが第二点です。第三点といたしまして、一体こういうような工事で、あなたは小松川では直径二十一メートルが、今度の新四ツ木橋は二十三メートルになったから、その間の事情であろう、あるいはまた、矢板を打った中のサンドが吹き出したために事故が起こったのではないか、あるいはまた、リングが外からのいびつな圧力によって動いたのではないか、あるいは別のショックが考えられるのではないか、こういうようなことをおっしゃっておられますけれども、こういうような工法をするときには、一たん矢板を打ち込んだならば、これは一体どの程度安全率を見込んでいるのか。安全度と申しますか、圧力に対する許容度というものをあなた方は考えるはずです。それはどのくらい見ておられるのか。これはおたくのほうもすでに、先ほども申し上げましたように、特許申請中の工法でございますから、当然あなた方は、一体どれほど許容度があるものかということはお考えになった上で工法をやられたのであろう、採用されたのであろうと思います。その点につきましてもう少し——調べていないのなら調べていない、わからないところはわからないでよろしゅうございますから、ひとつ御答弁をお願いしたい。
○蓑輪政府委員 最初の直轄の工事で、間組がそれの施工をいたし、それの現場の労務者がこのたび出かせぎの方ばかりであるという問題でございます。これは、直轄に限らず、いい悪いは別といたしまして、一つの建設業界の施工の実態ではないかと思います。いわゆる建設業というものは非常に大きな工事を請け負っております。その工事を全部自分の社員でするようなことではなくて、その中の一部をやはりそういうような出かせぎの別の労務者、この労務者にしても、この場合どうなっているかはっきりわかりませんが、大体いつも間組なら間組で頼んで来てもらうというような、半常用的な——季節的な常用だと思いますが、常用的な出かせぎではないかというように考えております。この問題は、やはり建設業の業界のあり方と、その実際工事をやります労務者のあり方、この辺が一つの大きな問題ではないかと思います。これにつきまして、やはり建設業全体としてのこれからの改良すべき点は十分私たちも考えております。いまのところまだまだこういうような出かせぎという労力をもとに都会では工事がされているというのが、残念ながら実態ではないかと考えております。 次の、安全度の検討でございます。実はこの工法につきましては、先ほど言いましたように特許申請中でございますが、現に相当の施工実例がございます。先ほど言いましたように、直轄でも、まずこの下流の小松川の橋のときに実施しております。また国鉄及び水資源公団でも実施した例もございます。県でもやっております。ただ、こういう工法がどんな場合、場所でも全部同じような強度を持つとは限らないと思います。直径が非常に小さなリングであればもっともっと信頼性があろうかと思いますが、大きなリングになる場合にだんだんこういうような危険性が出てくるということは、技術的な常識でも考えられると思います。この辺につきましては、小松川の実例をとりまして、それから半径が大きくなった分だけ矢板の強度も増し、ビームの強度も増したわけでございます。 許容度という問題になりますと、鉄の一つの許容度、こういうものはどれくらいの安全率をとらなければならないかということは簡単に出ると思います。ただ、そういうものの継ぎ手の問題とか、そこら辺になりますと、理論どおりの計算したような応力が必ずしもそのとおりに出てくれるか、それ以外の、計算に出なかったような応力が出るのではないかということも考えられますので、許容度ということになりますと、いまのところ、そういう継ぎ手その他の許容度についてはっきりした計算のしかたもないわけでございます。その辺は、経験によりまして、さらに補強するものは補強するというようなことが多いと思います。現在、この工法の応力的な問題、それの許容度の問題は、私資料がございませんが、今後の調査委員会を通じましてこういう問題もあわせて解明してまいりたいと考えております。
○井上(普)委員 直轄施行で、間組がやっておる。ただだいまの局長さんのお話によると、半常用的な労働者であって、しかも業界のあり方に問題があるのだとおっしゃられます。この点、いまの建設業のあり方が非常に前近代的なやり方をやっておる点は私も認めます。しかし、犠牲者八人ともが出かせぎの人たちであったというところに大きな問題があるのじゃないか。かりに一人でも間組の社員とかそういう方が入っておるならば、私も、この点につきましては、なるほどなということが言えると思うのです。しかし、全部が全部出かせぎの方々であるというところに問題があると思うのです。こういうような業界のあり方を大臣はどうお考えになりますか、これを御答弁願いたいと思うのです。 さらには、もう一つの問題といたしまして安全度。理論的な計算と実際とが違うというお話がございました。それはそういう場合もありましょう。私もあると思います。しかし、こういうような事故が起こって初めて研究するのではなくて、新しい工法を取り入れようというときには、建設省にはりっぱな土木研究所もあるのですから、そこにおいて理論的に計算を十分にやって、許容度を幾ら見るかということまでお考えになって、しかる後にその工法を取り入れるべきじゃなかったか。 さらには、新聞紙上でいわれておりますが、新技術であって、工費も安く作業時間も短縮できるという。人手も省ける、費用も安い、材料もこれまでの半分、こういうような利点があるから、それで特許の新工法を使っておるんだということがいわれておる。私は、こういうような非常に新しい技術を導入するのもいいと思うのです。やらなくてはならないと思います。しかし、それには、人命の尊重ということをまず第一番に置いて、一体安全度がどれほどあるのか、あるいはまた、この工法によって外圧に対する許容度が一体どれくらいあるのかということを十分に調査しなければならないと思うのです。この点についてのいまのお話によると、道路局長は、理論的な計算ではずれた場合は、それ以上は経験によるというようなお話もございましたが、経験によるのもけっこうですけれども、まず第一番に、土木研究所で十分にこの点を研究して工法を取り入れたのかどうかが一つ。それから、水資源であるとか、あるいはまた国鉄が使っておるからだいじょうぶなんだろうというようなばく然とした考え方でお使いになったんじゃないか、この点どうでございますか。土木研究所で御研究になった上でこれを取り入れられたのかどうか、この点いかがでございますか。
○坪川国務大臣 第一に御指摘になりました公共事業の推進にあたりましての工事施行に伴う労務者の問題は、私から申し上げるまでもなく、先生御承知のとおりで、現状はなかなか労務者の確保のむずかしさの点のあることも御理解いただけると思うのでございます。しかし、それに伴う技術、あるいはあらゆる面を含めまして、これらに対しましてはやはり十分配慮しなければならぬということを私は痛感いたしております。きのうの夜も私は労働大臣とも話し合ったのでございますが、これらに対する労務対策ということについて、十分ひとつ協調をしながらこれらの解決をはかっていこうということを話し合っている次第でございます。さらに、これらの点につきましては、労務対策という立場から、雇用の立場から非常に重要な問題でもございますので、私といたしましては、十分ひとつ各省庁と連絡を密にいたし、そして関係施工者の具体的な現実もよく調査をいたしまして、これらに対して即応いたしました労務対策を打ち立ててまいりたい、こう考えておる次第であります。
○蓑輪政府委員 この工法の取り入れにつきまして土木研究所で十分研究の上取り入れたかどうかという点でございます。実は、私、現地と土木研究所の間でこの工法がどの程度土木研究所で検討されたか、報告を聞いておりませんので、はっきりしたことを言えませんが、大体こういうような工法については、すでにその他でもやっておりますので、こういうような工法をするという、そのもとになりますものの考え方、技術的な考え方、これについては、われわれが考えてもこれは当然そういうような考え方は正当だろうということで、この工法の考え方については問題ないと思います。ただ、それのこまかい応用のしかた、ことに、現地の水深がどのくらいあるか、また、土圧が土によって変わりますので、土がどんな状態であるか、そういう点の応用が問題だと思うのでございます。そういう点では、現在のところ、土木研究所でいろいろ最悪の場合についてこの工法について実験をしたという話はいまのところ聞いておりませんので、やはりそういう応用の問題は、現地の技術者の考えにまかしてあったんだと思います。ただ、私たち、こういう問題を——今度の事故が起こったからそういうことを言うのも非常におそまきでございますが、やはり一つの工法につきまして、それの考えがよくても、その応用の範囲というものは、今度の事故にかんがみまして十分検討していかなければいけないんじゃないか、そういう点で、これからはやはりそういう応用の範囲というような問題につきましては、十分土木研究所の力も動員してまいりたいと思っております。
○井上(普)委員 私は、特に大臣に、業界のあり方、それにつきましては十分にひとつ御検討願いたいと思うのです。技術屋という人が全然犠牲になっていない、それが一つです。もう一つは、おそらくこの事故が起こるまでは、直轄工事でございますがために、建設省から監督官が行っておったはずです。監督官が行っておったにもかかわらず、これらに対する——おそらく、事故が起こって初めて皆さん方のところに御報告が参ったと思うのです。おそらくなかったんじゃないかと思うのです。こういうような監督の不十分というような点も、私は指摘すれば指摘できると思います。しかし、何をいいましても、こういうように人命にかかわる問題です。とかく世の中の風潮として人命を軽視する風潮があって、金が安く、あるいは時間が早ければ、多少危険なことをやってもいいじゃないか、新しい技術を導入したらいいじゃないかというような風潮があれば、私はたいへんだと思うのです。そういうような点をひとつ——土木研究所においてもまだ研究もしていない。局長さんのところに御報告がないのだから、おそらくやってないことだろうと思います。こういうような点は、私らも考えまして、おそらく、中に輪をつくるならばいいだろう、一つの思いつきにすぎないと思うのです。これは特許と申しますけれども——それはそうすればいいことはわかります、ただ思いつきで特許をとったという点じゃないかと思うのです。そういうような新しい土木技術を導入するときには、いかなる弊害があるか、いかなる危険があるか、これは十分に調査の上でやっていただきたいと思うのです。もうとやかく申しませんけれども、これを一つの前車の轍として、戒めとして、ひとつ皆さん方におかれましては、工事施行の、特に新しい工法を取り入れる際には、十分なる安全度というものを盛り込んだ上で技術の開発を進められて、特に人命の尊重ということを中心にしながらものごとをお考えになっていただきたいことを申し添えまして、質問を打ち切ります。
○坪川国務大臣 御指摘になりました問題は、最も重大な大問題でございます。われわれといたしましては、工事施行の監督、また技術の改革等に関連いたす諸般の問題につきましては、いま先生おっしゃったとおり、あくまでも優先、前提に考えなければならぬ問題は、人命尊重、安全の確保ということが前提にならなければならぬ、こう考えておりますので、建設省といたしましては、今後業界としての労務者対策の問題、また新たなる技術導入に伴うところの工法の革新、これらの点につきましては、あくまでも人命尊重ということを念頭——というよりか、最大な前提条件として考えまして、そしてかかる不幸のなきよう最善の努力と行政指導を私は厳重にいたしたい、こう決意をいたしておるような次第であります。 私も、きょう午後現地に参りまして、つぶさに現場監督の立場からどういうような経過であったか、また、現況に対する考え方、今後の方針等についても十分聴取いたしまして、かかる不幸のできごとのなきことを念じながら最善の措置を講じたい、また指導いたしたい、こう考えておりますので、御了承賜わりたいと思います。
○始関委員長 吉田之久君。
○吉田(之)委員 私も、井上君に引き続きまして、きのう荒川放水路の新四ツ木橋架設工事現場に起こりました八名の死亡事故につきまして、非常にこれは重大な問題だと思う。ある日どこかで、ある個人がある業者に仕事を命じて、だれかが死んだという問題とは全然違います。これは建設省みずからが直轄している工事である。しかも、日本の最も大手である、一流とされている一つである間組が請け負っている仕事、そういう最も完全であるべき仕事において、しかも八名もの出かせぎの人たちが一挙に水没してなくなられたという事故なんです。先ほどから局長の話を聞いておりますと、リングビーム工法というものを採用してやっておられる。これはおそらく、建設省みずからが、この工事はリングビーム工法でやりなさいということを間組に命ぜられてやられている工事でございますね。その点いかがですか。
○蓑輪政府委員 われわれ直轄の工事を出します場合には、やはり施工の目的物を指示いたしまして、その施工の方法については業者の自由にさしております。ただ、こういう重大な架設工事につきましては、どういう工法をとるか、こういう工法を建設省が承認しておる状況でございまして、そういう意味からいえば、業界がやったということでございますが、やはりどういうような工法がいいかという点については事前に十分建設省も相談を受けまして、この工法でいいということでございまして、この工法を採用したことについては、形は業界が採用したことになりますが、監督をいたします建設省としても、十分これについて相談を受けて関与しておるものでございます。
○吉田(之)委員 もう少しその辺をはっきりしていただきたいのですが、間組から、この工法についてはリングビーム方式でやりたい、だから建設省よろしいですか、こう言ったのか、あるいは建設省が、いまいろいろと新しい工法が発見され、しかもこれが非常に今後推奨されるべき工法だと思うので、ひとつテストケースという意味でもぜひこれでやってほしいということを指示されたのか、どちらがこのリングビーム方式でやろうとする一つのアクチブの形をとられたか、その辺をはっきりしてもらいたい。
○蓑輪政府委員 はっきりということになりますと、やはりこの工事を入札する場合に、この工法についてはほかの工法と非常に金額も変わってまいりますから、建設省としてはこの工法はリングビーム工法で十分できるというようなことで、業界のほうも、それに合わせまして、そういう工法で積算をして入札をしたものだと思います。
○吉田(之)委員 それで、はっきりいたしました。要するに、建設省が積極的に、いろいろとこの工事を実施するにあたってはこの工法でやってほしいということを指示されたものだと、われわれも了解いたします。しかもその工法によってこの事件が起こった。しかもそれは、異常なショックが突然に起こった、地震があったり、あるいは近所で爆発が起こったり、あるいは特別の震動が何らかの作用で起こったということでこれがくずれてしまったということではないようですね。これは調べてみればわかると思う。別にそういう現象があったとはわれわれは聞いておらない。そうすると、リングビーム工法それ自体に問題があったということしか答えは出てこないと思うのです。 そこで、先ほど聞いておりますと、いままで例はある。小松川において直径二十一メートルのリングビーム工法では一応成功しておる。ここまでの例はある。どうせ数少ない例だと思うのです。何百回も何千回もやっておる例ではないでしょう。まあ一、二回の例があるのでしょう。しかも直径二十一メートルのリングビーム工法です。今度はそれを二十三メートルにしているのですね。これは常識で考えても、そのリングというのは小さいほど強いわけですね。大きくなればなるほど、それは事実上リングでなくて、一つの直線になったり平面になるわけでしょう。だから、二十一メートルまでのささやかな実験例はある。しかし、二十三メートルというのは、全然これはわが国において初めてなんでしょう。しかも二十三メートルで事故が起こったならば、非常に危険な冒険なやり方を建設省が指示したといわれても、決してそれは弁解できないというふうな気がするのです。それほど初めての工法です。円周が大きくなればなるほど強度というものは弱くなるというのは、これはもう物理学の常識だと思う。そういう危険な工法を命じながら、しかも建設省自身何ら直接指導にも当たっていなかった、あるいは間組自身が、全然なれていない出かせぎの農夫である人たち、人夫等の人たちにやらせておった、私はこれは重大な問題だと思う。井上委員がいま指摘されたとおりです。その辺について、これは建設省は非常に大きな責任を持つものだと私どもは考えますけれども、大臣いかがですか。
○坪川国務大臣 井上委員、また吉田委員が御指摘になりましたごとく、私どもといたしましては、まことに申しわけないできごとであり、その責任の重きことを痛感いたしておるような次第であります。したがいまして、これらのことにつきまして、その決意のもとに、その気持ちのもとにおいて、今後かかる不幸な事件がなきよう、技術の上からも監督の上からも、また、指導の立場からも、ひとつきびしく方針を打ち立ててまいりたい。それに対応いたしますのには、直ちにいま設けました技術者を含めました調査委員会において、あらゆる角度から十分調査いたし、そしてその工法、その技術、その指導等に細部にわたるところの結論を打ち出すまでは、この工法については一切中止を命じたい、こういうような考えでおるような次第でありますので、この点、建設省といたしましては、責任をもって具体策についての対応策を講じ、そして調査を推し進めてまいりたい、こう考えておる次第であります。
○吉田(之)委員 事人命に関した問題なんです。なぜそれを事前にやられなかったのか。八名もの大切な人命を失ってから、建設省があたふたと、これから調査しましょう、いろいろと研究しなければなりませんでは、私は済まされないし、遺族はがまんできないと思うのです。 特に局長にお聞きしたいのですけれども、先ほど井上委員に対する御答弁の中では、工法としては完全だと思う、どうもふしぎでならないというふうなお答えのように承りましたけれども、局長のほうで、たとえばその材質の問題ですね。リングビーム方式をとるとしても、材質がほんとうに完全であるのかどうか、どこか溶接に危険性がなかったのか、ほんとうに完全な強度を保ち得るテストあるいは検査を十分になさったのかどうか、あるいは先ほど申しましたいわゆる円周ですね。直径はこれは常識的にどこかに限界があると思うのです。二十一メートルまではだいじょうぶなのか、二十五メートルまではだいじょうぶなのか、五十メートルでいいのか、どこかでそれ以上は伸ばせられない一つの限界がある、この辺をいままで検討なさったことがあるのかどうかということです。その点いかがです。
○蓑輪政府委員 このリング工法がどこまで安全にこういう工法でできるかという問題になりますと、実はこれは直径二十七メートルで利根川の河口ぜきをやっておりますが、ただ、これはちょっと私よく調べないと何とも言えませんが、やはり直径が大きくなっても、それに伴う土の土質、これが相当問題だと思います。土質のいいところであれば、また水深が浅いところであれば、そう水圧もかかってこないというようなところであれば、これは問題ないと思いますが、やはり今度の二十三メートルのリングビームを取り入れたにつきましても、先ほどから言いました小松川の場合は二十一メートルでやっておりましたけれども、小松川より、いまの新四ツ木のほうが、これは荒川も小松川のほうが下流でございますので、多少は土質がいいという点も、いまの取り入れた一つのあれだと思います。また、直径が大きくなるに伴いまして、矢板の厚さ、リングビームの厚さは小松川橋よりは相当増しておるのでございます。ただ、こういう事故が起こりましたが、実はこの個所でももう一カ所やりまして、これは高水敷でやっておりますが、これについては問題なくできておるように聞いております。とにかくこの事故から考えますと、問題は、そのリングビームは、二十三メートルのいまの矢板の中に、リングビームでありますから、約七十メートルぐらいのリングになるわけでございますが、これを五メートルから六メートルぐらいの一つのセグメントに切りまして、それをつなげるわけです。問題は、この辺の継ぎ手が非常に問題かとも思います。継ぎ手につきましては、これは円周で外から圧力を受けますと断面に直角の応力しか出ないというような理屈からいえば、継ぎ手は何にもしなくてもそのままついておるはずでございますが、実際にはそれ以外の力もかかるということで、継ぎ手をボルトで締めておりますが、この辺が十分できたかできないかということが一つの問題かと思います。 実は私のほうがリングビームの工法をサジェストしたわけでございますが、これにつきましては、同じリングビームの工法でも、土質によっていろいろ補強の方法も異なってまいります。この点が、やはり間組から実際にやります工法を御提出願って、それを建設省も十分検討して、これならできるだろうということで出発したわけでございまして、この中では、一般的に言えますことは、リングが非常に大きくなりますと、われわれが応力的に考えておるもの以外のものに対する安全性も相当見なければならないということを痛切に感じた次第でございます。
○吉田(之)委員 それで、大臣、力学的にはいろいろ検討をしますけれども、それは水圧がどうだろうとか、土質がどうだろうかという最悪の状態をトータルしてなおかつ想像される程度の地震があったってこれはだいじょうぶだというものでなければ、いやしくも建設省でこの工法でやりなさいというふうなことは言えたものじゃないと思う。その辺に重大な落ち度がある。しかもこういう事故が起こった。犠牲者が出た。責任は建設省がとらなければならない。いわゆる犠牲者に対するいろいろ補償の問題とかいうものについて大臣はどのようにお考えですか。
○坪川国務大臣 先ほども申しましたごとく、工事施行に対する態度、また監督、その他企画、すべてを含めまして、私といたしましては、あくまでも人命尊重、安全度の絶対確保ということの方針のもとにおいて今後指導もいたしてまいりたいと思う次第でございます。いずれにいたしましても、いま数々の技術的な点から、力学的な点から御指摘になりました点も、ごもっともでございます。これらの問題点は、設置いたしました調査委員会において十分解明をいたしまして、あらゆる角度から万全を期した結論を立てますまではこうしたことに対する施工を中止させまして、そしてかかる不幸な事件が再びできないよう最善の配慮と指導をいたしてまいりたいと考えておる次第であります。
○吉田(之)委員 それから、特に大臣と局長に私は申し上げたいのですけれども、最近、この事件だけではなしに、大会社においては、非常に危険な仕事あるいはきたない仕事、まあ、いやな仕事と申しますか、そういう仕事は全部直接自分の会社の社員にはやらせないで下請にやらせたり、あるいはこの事件のようにいわゆる季節的な常用夫にやらせているという傾向が非常に多うございます。これはひとり建設だけではなしに、たとえば製鉄工場の場合でも、あるいは電気関係の工事におきましても、そういう事例が非常に多うございます。どこへ行って聞いてみても、最近事故はありませんか、社員の事故はありません、しかし、下請に事故がありました、あるいは常用夫に事故があります、出かせぎに事故がありますというのが、非常に最近の多い事例になってまいりました。私は人権問題だと思うのですね。しかも、こういう多少危険性のある、テストケースに近い工法をとらせる場合に、なぜ間組のしかるべき現場の責任者が一緒に現場の中に立ち会っていないのか。もしもそういう不測の事態が起こったときに、なれた、経験がある、判断でき得る指導者がおれば、あるいはまた被害を最小限度に食いとめることができたかもしれない。あるいはまた、これは何万べんも繰り返した工法ではないから万が一のことがあるかもしれない、ならば、そのときにはこういう脱出装置をすぐ利用してくれというくらいの手当てはしておかなければ、これはたいへんな社会問題になると思うのです。危険なことは出かせぎにやらせようか、直接の自分の社員は全部だいじょうぶです、完全に尊重しているけれども、そういう他の不安定な雇用関係の人たちを軽視しているという問題がもしも今日の社会的な風潮であるとするならば、これはたいへんゆゆしい問題だと思います。その点、大臣と局長はどのようにお考えになるかということを伺いまして、私の質問を終ります。
○坪川国務大臣 工事施行に伴う最前線といいますか、最も重要な部門で働いていただいている労務者の対策、また指導ということにつきましては、いま吉田委員御指摘になりましたとおり、非常に重大な問題であると私は考えます。したがいまして、これらの労務者の方々が安心して工事に働き得るという具体的な客観的な場をつくるということが最も必要である、私はこう考えておりますので、今後これらにつきましては厳重に各工事の業者等に通告をいたしまして、これらのことのなきよう配慮もいたしてまいりたいと思いますとともに、労務者確保、業界におけるところの労務者対策等につきましてもつぶさに検討を加え、労働省とも連絡をとりまして、こうした点の不幸のなきよう最善の——いわゆる革新といいますか、刷新をいたしたい決意であります。
○蓑輪政府委員 実は私も現場でそういう工事をやったことがございますが、やはり土木の工事につきましては非常に危険が伴うようなことが多いのでございます。たとえば、こういう大きな事故ではなくて、単に上から物が落ちてくるとか、いろいろそういうようなことがございます。そのときにやはりいかにこういう事故を起こさないかという安全の訓練ということは、こういうような危険なところに作業する人がみな考えなければならないものだと考えております。いま言いましたように、なるべく社員は安全なところにおって、出かせぎの者だけが危険なところにおるというようなことでは私もいけないと思いますし、やはり今後社員が率先してそういう危険なところへ入るということは、これは昔の戦争でもそうだったと思います、やはり社員がみずから行くというような気概を持たなければ、なかなか困難な工事を安全に遂行することはできないと思います。そういう点は、今後請負業の一つの工事の施行の問題として十分私たちも業界と話をして進めてまいりたいと思います。ただ、出かせぎの方というのはとかく非熟練者が多いのでございまして、これの安全の訓練ということも忘れられない問題だと思いますので、そういうこともあわせまして、未然にこういう事故を防ぐようなことを今後一つ一つの現場で、建設省が業界にかわっておのおの意見を出し合って、できるだけ安全な方策を見つけてまいりたいというふうに考えております。
○始関委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 ただいまいろいろと言われたとおり議論が集中しておりますが、私は、この責任の問題ですけれども、これをちょっと大臣にお尋ねしたいのです。 直轄工事でこういった事故の起きた場合には、その請け負っている業者が責任を負うのか、それとも国が責任を負うのか、どちらなんですか。
○坪川国務大臣 責任の所在ということにつきまして、建設省がその責任がないというような、ふまじめといいますか、あるいは不謹慎な、そんな態度であっては私はならぬと思います。あくまでも、指導者であるところの建設省が責任感を十分持ちましてこれらの工事遂行に対する監督をいたしたいというのが、私の方針でございますとともに、ただいま局長も申しましたごとく、いわゆる現場監督の秩序の維持、また、これらの労務者に対する技術の行政指導、こういうようなものも十分ひとつ強く推し進めて、これらの不幸な事件がなきよう期したいと思います。
○小川(新)委員 具体的に言うとどういう責任をとるかという問題になるのですが、これは国家賠償法に抵触するとお思いになりませんか。
○蓑輪政府委員 国家賠償法、国の営造物の管理に瑕疵があったという問題とは、またかなり様子の違った問題ではないかと思います。ただいま先生のおっしゃることの中には、建設省が工法を指定して、その工法どおりやって事故になったのだから、国が責任を負うべきじゃないかというお考えではないかと思います。実はこの工法そのものについては、先ほど言いましたように、建設省はリングビーム工法というようなものを示唆したわけでございますが、これをどういう形であつらえするかというのは、やはり現場で実際の工事をいたします間組から、いろいろ架設の段取り、設計、そういうものが出てまいりまして、それを建設省が十分検討して、これならだいじょうぶだということで工事に着手させたものでございます。そういうこまかい設計の問題になりますと、やはり請負の間組がまず設計をし、それを建設省の両方で協議をして、これでいこうということになったものだと思います。
○小川(新)委員 そうしますと、間組に対して国が契約していることは民事契約ですね。民事契約でありますけれども、一体工事そのものはどこでやっているのですか。国なんですか、間組なんですか。
○蓑輪政府委員 工事の施行主体というのは国でございます。その工事を契約によりまして間組が実施しておりまして、その契約によりまして、こちらの設計図のとおりできるまでは、これは間組のものとしてあるわけでございます。完成の暁にそれを建設省に引き渡すというような契約になっております。
○小川(新)委員 そうすると、国が間組と民事契約を結んでいる場合には、監督のそういった責任、そういうものは国にあると思うのですけれども、当然、監督責任ということになると、先ほど局長が言われましたように、ちょっと見てみますと、国家賠償法の第二条に「公の営造物の設置管理の瑕疵に基く損害の賠償責任・損害の責任者に対する求償権」というようになっておりまして、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」云々とありますけれども、そうなってくると、間組が全責任を負うというような形になってしまうようにとられるのですけれども、その点どうなんでしょうか。
○蓑輪政府委員 いま甲、建設省、乙、間組の間で契約書が取りかわされておりますが、その契約書では、やはり甲の責めに帰するような理由によって乙に損害を与えたり、また工事が増高したりするような場合には、甲が契約を変更するようになっております。また、乙の責任の場合は当然乙の責任でこれを処理するということになっており、甲乙の責任がわからないような紛争になった場合には、調停委員会がこれを裁決するということになっております。
○小川(新)委員 これは大事な問題ですね。これからもこういった事件が起きないという保証はない。そうすると、国と間組との契約は、民事契約をを結んでおった、その契約の内容によっては、国が責任を負わなくてもいいというように理解されてしまうおそれがある、そういうことになって、こういった出かせぎのような法律的に無知な方々が、一体どこを賠償の対象としてこれから進めていくかという問題になってきますと、これは重大な問題だと思うのです。先ほどから議論されておりますように、日本の労務対策の中で、こういった建設の下請業の第一線に立つものが出かせぎの人たちによってささえられているというところに、まず第一大きなあれがあるのですが、この点、まず国としては明確にこれから立てておかなければならぬと思うのです。この点、大臣いかがですか。先ほどからの大臣の御答弁は非常に抽象的なんですよ。その点、こういった具体的な例が出たときには、国は一体どういう補償をとり、また契約は、いま民事契約を結んでおるのだから——間組とか何々組にやらせる、これは営利会社にやらしておるのだ。これは営利会社ですから、先ほども議論が出たように、もうけるためには手抜き工事も考えられる。そうすると、責任範囲というものはどこだかぼやけてくる。そういう場合には、国が監督権の一番大元締めなんですから、国が責任を負わなければならぬという考えを持っておるのですが、この点お答えを願いたい。
○坪川国務大臣 私といたしましては、いまその原因がいずこにあったか、また、現在の時点においてどういうような対策を今後打ち立てなければならぬかというような大きな問題を控えておりまして、この問題の結論が出ました上に立って今後の方針をひとつ十分きびしくきめてまいりたい、こういうような感じをいたしておりますので、いま直ちに私といたしまして具体的にこうした方途を講じますということの結論を申し上げることにおいては、やはり慎重を期する意味において、大事を期する意味において、具体的なことを申し上げ得られない立場であることも御理解いただきたい。いずれにいたしましても、私は、これらの不幸のないような最善の、きびしい態度で今後の方針と、また解決策を打ち立てたい、こういう気持ちでおることだけ申し上げて、御了解いただきたいと思います。
○小川(新)委員 私は、姿勢の問題で、たとえば間組に責任があったにしても、国が直轄の事業を契約してやらしているんだ、だから間組が、おまえたちが責任を負うのだというような根本的な問題でなくして、たとえ間組に落ち度があったにしても、国は監督と責任は有しているのです。そうでしょう。その問題に対して、国が検討してみなければわからないんだ、間組じゃないかというような姿勢が、わからない。その点は、最終的に、国が親なんだから、たとえ国が自分の子供にやらしたとしても、その責任というものは、直轄工事の責任者として国家賠償法の適用を受けるのではないかという考えから、私は先ほどから聞いておるわけなんです。国が全然責任がないとは認めないわけです。
○坪川国務大臣 決して私は国が責任をとらないんだというような逃げた気持ちで申し上げているのじゃございません。先ほどからるる申し上げましたごとく、あくまでも私はこれらの点にはきびしい態度で臨む決意でおりますので、具体的な方針といたしまして、いま直ちに私は賠償法を適用して国が補償をいたしますというようなことを申し上げることにおいては、まだいささかその時点ではないということを申し上げているのでございまして、私はあくまでも責任者の立場から、これらの具体的な方針をなるべく早く急いで結論を出し、また対策を講じて、当委員会にも御報告を申し上げ、御了承をいただきたい、こう思っておる次第であります。
○小川(新)委員 時間がありませんからこれで終わりますが、これは特許権を得ている工法なんでしょうか。これは特殊なこういった新工法でありますから、特許を得ていると思います。この資料を要求したいと思います。
○蓑輪政府委員 現在私が聞いておりますのは、特許申請中だと聞いております。でございますので、現在時点ではまだ特許ということではないと思います。
○小川(新)委員 これはちょっと問題がありますね。特許権申請中にこういった大きな事故が起きたということは——特許というものは、あらゆる角度から、安全とか、そういうものを認めた上で特許する。それもない上に、不完全なままに工事を施行してこういった大きな事故が起きたということ。これは、最後に建設大臣にお尋ねいたしますが、こういった大きな事故が起きた場合には、これは特許権も得られないと私は思いますが、その点のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
○蓑輪政府委員 実は特許の問題につきましてはいま申請中でございますが、問題は、この工法で実施した例が相当ございますから、これがどの程度応用されてどういう場所に応用されるか、こういうことがあろうかと思いますので、これによってこの特許が——私たちはそういう特許をするしないという権限があるものでございませんが、一般的な技術的な常識から言いますと、十分安全な場所でこういう工法を施行されるということは、特許ということになるのではないかというように考えております。先ほど言いましたように、どんな工法であっても、新しい工法であっても、それがその現地で合わない、危険があるようなものでは、それを採用するということは許されるべきではないという考え方でございます。 ————◇—————
○始関委員長 内閣提出の公営住宅法の一部を改正する法律案、及び井上普方君外七名提出の公営住宅法等の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
○始関委員長 井上普方君外七名提出の公営住宅法等の一部を改正する法律案について、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。井上普方君。
○井上(普)議員 ただいま議題となりました公営住宅法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 住宅は、雨露をしのげばこと足りる施設ではなく、豊かな社会生活を保障し、社会の進歩の基盤となるものでなければなりません。しかるに、今日の住宅事情の実態は、激烈な公共賃貸住宅の応募率をはじめ、狭い居住、高い家賃、危険な老朽・密集居住、粗悪な設備環境、不便な遠隔地居住、スプロールの拡大、ウナギ登りの地価高騰等の悪条件が一そう強められているのであります。 住宅難の解決が見通しのないまま放置されている最大の要因は、住宅水準の保障に関する国の責任が不明確とされているところにあります。今日までの個人責任を主体とする住宅解決が、ますます住宅難に拍車をかけ、生活環境の悪化と混乱を深めているとき、国の責任のもとで住宅水準の抜本的改善をはかることが緊急に必要とされているのであります。 わが党は、かかる基本方針のもとで、住宅難を緊急に解消し、国民の住生活の向上を全面的に保障する施策として、この法律案を提出することといたした次第であります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 まず第一は、住宅建設の中心を公営住宅とするため、特に国の大幅な財政身担を確立し、地方公共団体の過重な財政負担を軽減して公営住宅建設の意欲を強化しようとするものであります。そのため、建設費補助を実支出額とすることはもとより、補助率にいたしましても一律三分の二に引き上げ、また住宅規模や構造に関しても、第一種住宅、第二種住宅の差別を廃止して、平等な居住条件を実現しようとするものであります。 次いで第二は、公営住宅の家賃についてであります。公営住宅の家賃は近年大幅に上昇せざるを得ない事態にありますが、そのため、同じ公営住宅であるにもかかわらず大幅な格差が生じております。家賃は、安心して生活を営める金額である必要があります。そのため、政令で定める控除による収入に対しほぼ一割以内の金額を家賃として定めようとするものであります。これに関連して、収入超過者に対する割り増し賃料の徴収や明け渡し要件の必要性をないものとするものであります。 第三は、今日の抽せん制度のもとで、住宅難世帯はその解決の見通しのないまま放置されておりますが、これを市町村自治体による登録制度によって住宅難の実態に応じて計画的かつ確実に住宅の保障をはかろうとするものであります。 以上は、公営住宅の一部を改正する主要点でありますが、次に説明申し上げますものは、住宅建設計画法の改正にかかわる問題点であります。 その第一は、住宅建設五カ年計画についてであります。公営住宅建設は住宅建設五カ年計画に基づいて実施されておりますが、現行計画は所期の目的から完全に遊離し、住宅難を解消し得ないものとなったことは明白であります。そのため現行五カ年計画を昭和四十四年度の四カ年目で打ち切り、昭和四十五年度を初年度として、職住近接、一人一室等の住宅水準の実現を目標とした住宅建設五カ年計画を発足せしめ、その住宅建設総戸数七百六十万戸のうち、公的資金による住宅は総建設戸数の六割、さらに公営住宅は公的資金による住宅の総建設戸数の六割、二百八十万戸を建設することによって、住宅難の緊急解消、安心して生活できる豊かな住環境の実現をはかろうとするものであります。 第二は、宅地の公的管理についてであります。宅地の供給難は、公営住宅建設の最大の障害となっており、今年度からの都市計画法の実施により市街化区域内での地価高騰が一そう憂慮されているのであります。公営住宅の適正立地、良好環境、公共施設の事業整備、公共事業費の効率化等を実現するためには、市街化区域の宅地を市町村管理とし、その権限のもとに住宅建設の強化はもとより、当該地域の良好な環境施設を全面的に実施しようとするものであります。 以上が、この法律案を提出する趣旨でございます。何とぞ慎重な御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたすものでございます。
○始関委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○始関委員長 これより両案に対する質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田之久君。
○吉田(之)委員 公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして御質問をいたしたいと思います。 まず住宅問題で先日来のこの委員会で各委員からたいへん論議されておる一番の問題点は、昭和六十年までに一体何千万戸の住宅をこれから建てなければならないのかという点で、あらためてこの辺で建設省としてはっきりした数字を示されるべきだと思うのです。現在行なわれております現行五カ年計画では、昭和四十一年から四十五年まで最初の五カ年間に六百七十万戸必要だ、こうおっしゃっております。だとすれば、これを四倍すれば昭和六十年になりますから、昭和四十一年からですと二千六百八十万戸要るという、非常に単純な算術計算でいきますと、そういう数字も出てまいります。この間社会党の渡辺委員の御質問では、三千万戸必要なのではないかということで、わが党では二千九百万戸と推計いたしております。一体、電子計算機時代に、建設省としては、そろそろこの辺で、昭和六十年までに何千万戸の家が必要だという数字をやはりセットされなければ、これからの論議ができないのではないかという気がするのです。その辺のところを詳しく御説明いただきたい。
○坪川国務大臣 御指摘になりました六十年度をめどといたしております需要戸数の想定でございますが、一応二千七百万戸と踏まえておりますけれども、最近の人口の都市集中、及び家族の分散あるいは結婚の世帯人口の増加等などを踏まえますと、私は、二千七百万戸から三千五尺こういうふうに踏んでおりまして、社会党さんのおっしゃる三千五尺民社党さんのおっしゃる二千九百万一尺建設省もその三千万戸前後ということを想定いたしておりますので、各党の想定される戸数と大体一致していくんじゃないか、こういうような気持ちでおります。
○吉田(之)委員 一方、人口から見ますと、現在一億でしょう。それから一億二千万人くらいになるのです。昭和六十年に二千万人しか人口はふえません。家が三千万戸ほんとうに要るのだろうかというような点——もちろん、建てかえがあります、空家も要ります、人口流動に応じてのいろいろな措置が必要でしょうけれども、やはり三千万戸要るのでしょうね。少なくとも二千七百万戸。どうなんですか。その辺。途中でくらくら変えられますと困ります。
○坪川国務大臣 私は、二千七百万戸よりプラスアルファ幾らになるかということにおいての的確な数字の答弁をいま申し上げることはできませんけれども、私は、やはりさっき申し上げましたような二千九百五尺三千万戸ということを想定して住宅年次計画を打ち立てていくことが建設省の方針でなければならぬ、こう考えております。
○吉田(之)委員 そうすると、さっきの間組の問題ではございませんけれども、ものごとにはやはり完全な安全度というものを踏んでおかなければなりません。そうすると、やはり三千万戸くらいを目標としていろいろな計画を立てていかなければ、またあとでたいへんなそごを来たすと思うのです。かりに三千万戸として、民間自力開発はやはり六割、公的資金によるものを四割と政府はお考えのようです。われわれはそれを逆に考えておりますが、なかなか政府は考え方を変えようとなさらない。そこで、百歩譲って政府のお考えどおり六対四で進むとして、そうすると、どうしても公的資金によるものが千二百万戸要りますね。その千二百万戸のうち、公営住宅は二割だとおっしゃいますね。そうすると、昭和四十一年からの計算で昭和六十年までにどうしても二百四十万戸、現在できておりますのが百四万戸、それからことし四十四年度につくろうとするのが十万戸——十万戸ずつでは、これはあと十七年ではとてもできませんね。だんだんカーブが上がっていくというか、ピッチを上げなければなりません。そういう状態でございますが、一方、三月二十日の、これは朝日新聞ですけれども、「公営住宅しぶる自治体」という記事が出ております。大臣も局長もごらんになったと思います。昭和四十四年度の各都道府県から出ている計画戸数というものは、政府が考えている戸数に達しないというのが現状のようでございます。事実そのとおりなのか、現在でどうなのか、ちょっと御説明いただきたい。
○坪川国務大臣 いまの計画におきましての公営住宅の目標は、御案内のごとく五十二万一尺そして四十四年度、ことしの十万八千戸を入れますと、大体三十七万戸ということになるわけでございます。そうすると、残り十五万戸という戸数に相なるのでございます。そうしたことを考えまして、私といたしましては、住宅宅地審議会の答申を八月ごろに待ちまして、そしていよいよ第二次五カ年計画の目標を打ち立ててまいりたいと思いますが、その場合において、私は何といっても公営住宅に一つの重点を置きたいというのが、私の方針であります。したがいまして、これらについていま御指摘になりましたような某新聞の数字等につきましても、私も読んでおる次第でございますが、建設省といたしまして、これらの具体的な自治体、公共団体の方針がどうあるかというと、あながちそれの結論でなくして別な結論も出ておることを見ますときに、私といたしましては、公営住宅にやはり重点を大きく置いて今後の方針を打ち立ててまいりたい、こう考えております。
○大津留政府委員 地方公共団体から四十四年度に公営住宅を建設したいという要望は、建設省に対しましては十万戸をこえる数字を要望してきておるわけなんです。したがいまして、その必要性を勘案いたしまして配分するという作業を現在進めておるわけでございますが、その新聞に出ましたのがどういう根拠なのか、実は私どももちょっと不審に思っておるような状況でございます。
○吉田(之)委員 この新聞はお読みになりましたね。ここで相当詳しく書いております。たとえば一番大口の東京都の場合は、さしあたり都営の一万六千戸だけを申請して、市町村営住宅は保留しておる。大阪府の場合には、八尾市の五十戸などは四十四年度の計画を中止しておる。秋田県では、秋田市の百十戸が計画を中止しておる。かなり詳細に載っておるわけなんです。だから決して単に想像で書いた記事ではない。そうすると、それから四月一日までの現在の中でもう一度あらためて申請を追加してきておるのかどうか、どうなんですか。十万戸をこえたとおっしゃいましたね。
○大津留政府委員 建設省といたしましては、実は昨年の四十四年度予算要求の段階でも概算の要求をまとめております。また、この予算の政府原案がまとまった段階におきまして、各公共団体から確実な希望数をとっております。そのいずれも十万戸をこえておるわけで、その新聞に載った数字、部分的にはそういう現象が確かにあったかと思いますけれども、全体の数字はどうも私どもは得心がいかない数字であります。
○吉田(之)委員 それでは、局長がそうおっしゃるのですから、全体の数字はほぼ建設省が計画しておられる戸数に見合うものとなったというふうに了解をいたします。そこで、やはり各地方公共団体では、今日の公営住宅というものが現時点において少し手狭過ぎる、だからどうも入居希望者が少ない、そういうことを反映して少し申請を渋るという傾向がやはり多少出てきておるのではないかというふうな気持ちが私どもも一方においてするわけなんです。 〔委員長退席、田村(良)委員長代理者着席〕 そこで大臣、一方、東京のほうを見ますと、東京都だけでも現に住宅に困る低額所得者が約七十万もの公営住宅希望者となってあらわれてきておるという記事をわれわれは拝見いたします。やはり都市集中と申しますか、人口の流動化に伴ういろいろな、場所場所によって違った要求が出てくるだろうと思うのです。こういうことを見越せば見越すほど、これからの公営住宅を政府がよほど適切にかつ思い切って積極的にふやしていかなければ、問題は処理しないのではないかというふうに考えます。大体大臣も同じ考えだろうと思いますが、間違いないですね。
○坪川国務大臣 私も吉田委員の御希望といいますか、御指摘になりましたとおり、考えをともにしておる次第であります。
○吉田(之)委員 そうだとするならば、今度のこの公営住宅法の一部改正法案、政府が提出しておられますこの法案は、一向勇ましくないと思います。どうも積極的なものとは思えないと思うのです。いろいろ解釈のしかたはございます。しかし、まず初めに、用地取得のためのいままでの補助金を打ち切って今度は融資制度に切りかえよう、これは見たところちょっと当面は非常にやりやすいように思えますけれども、結局は、政府自身が負担してきた補助金というものを放てきして地方自治体に肩がわりさせた。長い将来を考えれば、それは地方自治体の大きな負担となって残るということになりますね。これは積極的な改正だと言えるでしょうか。
○坪川国務大臣 いろいろと考え方はあると思います。また批判もあることも私は了解いたすのでございますが、御承知のとおりに、家賃補助などもいたしておりますので、直ちに自治体の財政を圧迫させるような問題ではなくして、公営住宅の建設を促進するものも反面ある、私はこう期待いたしておる次第であります。
○吉田(之)委員 それでは、その次に、建てかえによる一時的な明け渡し、この面はすなおに、大いに積極的だと思いますが、特に問題になります高額所得者をひとつぜひ立ちのいてもらおうじゃないか、これは社会的には確かに問題もありますし、うなずける点もあります。しかし、その対象となる人たちは非常に少ないわけですね。これに非常な力点を注いでいるかに見えて、しかもこれによってこの公営住宅法に対して非常な批判、反論、不満が出てきております。その辺のところを考えてみると、まことに何か公営住宅の建設が進まないので、高額所得者を追い出して、それによって一部分穴埋めすることによって問題を糊塗しようとしておるのではないか、どうも政府の考えていることは本音はその辺にあるらしいというふうに一般国民が受け取っておりますけれども、どういうふうに弁解されますか。
○坪川国務大臣 そうした御批判といいますか、そうした考え方をお持ちになることも、私は決して否定するものでもございませんけれども、さしあたって低所得者の住宅困窮者の方々に一戸でも多く家を提供したい、この気持ち一ぱいなことで一この方針をとったようなわけでございます。決して責任のがれからしてこうした一方に犠牲を強要するというような気持ちでこの法の改正をいたしたのではないことをひとつ御理解いただきたいと思います。
○吉田(之)委員 その高額所得者の問題につきましてはあとでいろいろと論議をいたしたいと思うのですが、その前に、公営住宅の入居基準とか、それから収入超過基準、明け渡し基準、それが第一種、第二種に分かれて非常に複雑な定めをしてある。しかも今度の明け渡し基準については、これから入る人たちと、現に入居している人たち、当然二つに分けなければならない。公営住宅の基準というものが非常に複雑過ぎて、よほど頭のいい人でもなかなかのみ込めないと私は思うのです。この辺のところを、この機会にもう少し明快な、だれにでもわかるような単純な数字で区切っていく。あるいは一種と二種もこの辺でそろそろ形式としては廃止していく。実質的にはいろいろと配慮しなければならない点は残ると思います。しかし、国鉄にしたって、一等と二等の区別を形式上なくしようじゃないかという時代に、一種、二種の区分というものを今後とも相当持続的に堅持していこうという考え方を大臣はお持ちなのかどうか、あるいは一種、二種というのはそろそろ時代の変化と見合わして再検討すべき時期ではないかというふうにお考えにならないか、いかがですか。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、一種、二種の割合を見ますと、大体二種が六割を占めております。御案内のごとく、補助は二分の一と三分の二の区別がされておる。改良住宅等を含めまして、これらの問題点について統一する方針があるかどうかという結論の御指摘だと思います。これにつきましては私は十分検討を加える問題点もあると考えておりますので、いわゆる新たなる住宅五カ年計画の策定に際しまして、これらの点について、住宅宅地審議会の答申を待ちました上において、よく検討をいたしてまいりたい。直ちにいまここで私結論は申し上げられませんけれども、一応検討しなければならぬということを私は頭に置いておるような次第であります。
○吉田(之)委員 特に検討の際に、二種はこの坪数以下でなければならないとか、一種はこうだとか、非常に二種のきめ方というのがみみっちいと思うのですよ。私はこの間、この問題もございますので、同僚議員と一緒に大阪の公営住宅団地をいろいろつぶさに見てまいりました。団地というのは、普通の村落とか旧来の町と違う特殊な要素を持っております。しかも団地の中で一種と二種という区分、これが何となくお互いの中に一つのみぞをつくっておる。かきねをつくっておる。おまえは二種のほうじゃないか、おれらは一種だ、こういう弊害が、現に社会的な弊害として出てきておるようです。したがって、二種の、いわゆる低額所得者に対する特別な配慮は何らかの形でなさなければなりませんけれども、坪数で区分してみたり、あるいは家賃で区分したり、あるいは入居基準ではっきり分けたりするようなやり方は、だんだん時代にそぐわないのではないかというふうに、われわれは大まかに考えるわけなんです。したがって、この点は特に大臣も、こういういろいろな法改正を試みられるときに、もっと時流に合ったような思い切った問題点を取り上げていかれるべきではないかということを、特にこの機会に強く申し上げておきたいと思うのです。 その次に、数字をちょっとお聞きしたいのですけれども、第一種の場合、入居基準は二万四千円から四万円までということになっておりますね。ただし、これは昭和四十三年度の標準世帯給与所得者の粗収入に換算すれば、二万四千円は四万九千五百八十三円のことである、四万円とは六万九千五百八十三円以下をいう、こういうふうに一々読みかえなければならないと思うのです。この論法でいきますと、いわゆる、収入超過基準ですね、割り増し賃料を取るのは、第一種の場合には月額五万円以上ということになりますね。そうすると、これはいわゆる粗収入でいえば幾らになるわけですか。
○大津留政府委員 月の収入が八万一千二百九十六円でございます。
○吉田(之)委員 ついでに二種のほうも……。
○大津留政府委員 二種は、三万円をこえるといいますと、その三万円は、粗収入月額五万七千八十三円でございます。
○吉田(之)委員 そうすると、今度この法改正によりまして明け渡しを請求する場合の明け渡し基準は、月収十万円、現入居者は十四万円、こういうように想定しておられると聞いておりますが、それじゃ粗収入は月収幾らになりますか。
○大津留政府委員 十万円の場合が、粗収入で十三万二千三百三十三円、既入居者の十四万円と申しますのは、粗収入で月十七万二千三百三十三円でございます。
○吉田(之)委員 要するに、この収入超過基準の場合の五万円に対する粗収入というのは八万幾らですね。十万円の場合には、それが十六万にならないで十三万になるわけですね。この距離というのはだんだん縮まってくるということは、概念としてはわかります。これは非常にややこしいですね。これじゃとても入っている人たちもわからないし、入ろうとする人たちもわからないし、ずいぶんややこしい、頭を使わなければならぬと思うのです。こういう数字を、まあ一応換算は必要でしょうけれども、そこで何かのラウンドの数字にかえて、わかりやすい数字にかえて、たとえば十三万二千三百三十三円なんてだれも覚えられませんから、これならば十三万五千円とか、あるいは十七万五千円だとかというふうにさっときめていく。そして当然こういう基準というのは年々スライドされなければならないと思うのです。五・五%物価が上がると政府自身が認めるとするならば、その年においてはこういう基準も当然上げていかなければならない。その上げる基準は、上のほうの数字でとるのか、下のほうの数字でとるのか、その辺のところいろいろと技術的な問題もあろうかと思いますけれども、局長、どうお考えですか。その前に、大臣、まず、もう少しこれをわかりやすいものにすべきだという考え方には御同意なさらないですか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました入居基準等の数字の問題につきましては、またこれを制定いたしましたときには、それぞれの理由と根拠があったものだと私は考えております。したがって、それを決して無視するわけにもまいりませんけれども、やはり時代の流れに即応いたしまして、改むべきところは改めなければならぬということが政治の姿だと思います。このことを考えるときに、これらの問題点等も含めまして十分に慎重に検討を加えてまいりたい、こう考えております。
○大津留政府委員 お尋ねの入居基準あるいは超過になります基準を改定いたします場合には、お説のように、物価の変動あるいは所得水準の上昇の度合いを見まして、それで実は粗収入をその変化に合わせてまずセットいたしまして、それを逆算いたしまして収入基準をきめる、こういう経過でございます。
○吉田(之)委員 大臣は慎重に検討を加えるとおっしゃいましたが、慎重に検討を加えるということは、これはだれでも言えることですけれども、大体いつの時点でほんとうにそうしようと思うか。たとえば、今度せっかくの法改正の時期に、いろいろと政令で各数字等について——今日の時代に、ややこしい三百三十三円なんて、そんなのは実際に意味がないと思うのです。今度の法改正がどういう形の改正になるかは知りませんけれども、それに伴う施行令の改正のところに、数字は一ぺんにきちんとだれにでもわかるような数字として置きかえるということを御確約いただけますか。まずその点。
○坪川国務大臣 先ほども申しましたごとく、私は新たなる住宅五カ年計画に対応いたします方針といたしましては、公営住宅に重点を置きたい、こういうような方針でもありますので、七月か八月ごろ、御承知のとおりの住宅宅地審議会の答申も出てまいりますので、その時点において、いま御指摘になりました点等も十分ひとつ大きな検討事項の中に入れまして、それぞれの措置を講じてまいりたい、こう考えております。
○吉田(之)委員 七月ごろ住宅宅地審議会の答申が出てくる、そうすると、来年でも——まず、その前に、年々スライドするということははっきりと確約なさいますか。こういう一切の数字を——いまだったら、大体三年くらいの様子を見て、そうして五千円上げようかとか、一万円上げようかというふうな上げ方をなさっていると思うのです。それは理屈に合わないと思うのです。特にそれが割り増し賃料の基準になる、あるいは明け渡し基準の重要な——入っている人にとれば、非常に重要な数字としてあらわれてくるわけですね。この点、必ず年々スライドすべきであるという点は御同意なさると思うのですが、必ず年々スライドする、来年からでもいま申したように数字をきちんとすると同時に、今後適切なスライドを年々行なっていくということをこの機会に御確約いただけますか。
○大津留政府委員 御指摘のように、これは物価の変動なり所得水準の変動に応じまして適時適切に改定をすべきものだと考えます。今日のような物価の変動の時期におきましてはあるいは毎年そういう必要が出てくるかと思いますが、たてまえとして毎年変更すべしときめることもどうかというふうな感じもいたしますが、その辺は審議会の御意見等も伺いまして十分検討さしていただきたいと思います。
○吉田(之)委員 住宅宅地審議会は、これは年々開かれるのですか、問題に応じて開かれるのですか。
○大津留政府委員 これは建設省の付属機関でございまして、必要に応じて継続的に御審議がなされるわけでございます。
○吉田(之)委員 継続的ということは、公営住宅の問題というのは絶えず継続しているのですが、それじゃ、来年も必要に応じて絶えず——年々相当期間慎重に研究を続けられるということですね、大臣。
○坪川国務大臣 そうでございます。
○吉田(之)委員 だとすれば、大臣は、先ほど、こういうややこしい数字をひとつすんなりさせることには賛成だとおっしゃいました。そうして、できるだけ慎重に検討を加える、しかも早急にやりたいという気持ちを持っておられたと私は解釈いたします。まず住宅宅地審議会に数字をだれにでもわかるようにもう少しはっきりさそうじゃないかという問題——私の考えでは、粗収入でいいと思うのです。会社の給料の明細をもらってくるときに、一々、給与所得控除を引いた額は幾らで、家族一人当たり三千円引いたら幾ら、そんな数字は、受け付けたほうで計算するわけでありまして、もらってくるほうは、いわゆる給料袋に入っている粗収入の数字を事業所からもらってくるわけですから、それに基準を置いて、計算はいろいろと政府のほうでやられたらいいと思うのです。もともとの基準があるんですから。それからどういうふうに変化し、どういうふうにスライドしていくかということは十分計算されて、結局の基準となる固定の数字は粗収入でけっこうですから、だれにでもわかる、せいぜい五千円刻みくらいにはっきりさせるべきではないかということで、一一それを住宅宅地審議会にかけなければならぬようでしたら、おかけになりまして、そしてそれの答申を求めるということをおやりになりますか。 それからスライドの問題につきまして、局長は、年々やるのはいかがなものかと思う、しかし、趣旨としては——これは理屈としては、まとめてやるという手はないと思うのです。年々やるのが一番合理的でございますので、一切のこういう数字の基準は年々必ずスライドしていきます、スライドしながら、端数は切り上げるとか若干は切り捨てるとかいうかっこうで、だれにでも、万人にわかるような新しいスタイルに切りかえていきたいと思う、ついてはどうかということを具体的に諮問なさいますか。
○坪川国務大臣 私といたしましては、当然な行動でございますけれども、住宅宅地審議会の審議のときには私は欠かさず出席いたしまして、私の考え方、また、委員の各位のディスカッションといいますか、意見の交換をいままでやっておるような次第でございます。したがいまして、いま御指摘になりましたそれらの問題も、私は、いずれ近く開かれる会議においても大事な一つの問題点として提起をいたして、委員の各位の御意見等も十分ひとつ聴取をいたしまして、その答申の結論をまった上で私の態度をきめていきたい、こう考えておる次第であります。
○吉田(之)委員 では、その答申の結論をまたなければこういうことは一切きまらないという機構になっているのですか、この種の問題でも。
○坪川国務大臣 そうじゃございませんです。
○吉田(之)委員 民主的にその審議会のいろいろの意見を聞かれる、大いにけっこう。しかし、この席で、大臣としては、まず来年からでも、政令に定めるいろいろな数字に関してはそのようにいたしましょうということ、あるいは必ずスライドするというふうにいたしましょうというようなことは、私は大臣できめられると思うのです。その辺をはっきりしてもらわないと、この公営住宅法に対するわれわれの態度がきまらないのです。いかがですか。
○坪川国務大臣 大事な問題でございます。いま直ちに私の方針を確答申し上げることも当然だとも思いますけれども、私といたしましては、やはり住宅宅地審議会においてこの問題等も含めまして非常に真剣に論議をかわされておりますさ中でございますので、私は、いま吉田委員御指摘になりました御意見をそんたくいたしまして、その方向の御期待に沿うような結論を出すよう努力してまいりたい、これだけ申し上げて、御了解をいただきたい、こう思います。
○吉田(之)委員 だいぶ御答弁の内容がはっきりしてきたし、前向きになってきました。もう少しあとで、またはっきりとしなければこちらの態度もはっきりできないので、その点はまたそのときといたしまして、実は葉梨委員はじめ社会党の各委員が御質問なさっておりました高額所得者の問題ですね。高額所得者、年収二百万をこえる人たち、こういう方々についてひとつ出てもらおうではないかということ、まあ理論的には正しいと思うのです。二百万という線が正しいかどうかは別ですよ、しかし、どこかで一つの線を引いて、それ以上明らかに収入が上回る人たちについては、乏しきを分かち合うという意味で、もっと低所得者で困って入れない人たちがあるんだから、ぜひ出てもらいましょう、この考え方は、私は社会通念として正しいと思うのです。しかし、問題は、その収入の場合に、家族の収入を合算するということだけは、どうしてもわれわれはなじめないというか、了承できないのです。先日来の答弁によりますと、妻は別として、子弟の収入と申しましょうか、それについては三分の一は控除したいというふうな考え方を政府は明らかになさいました。しかし、問題は、三分の一控除しようと、二分の一控除しようと、きわめて一時的な収入でしかない子弟の収入、これが生殺与奪の権といえば大げさですけれども、その家族にとっては、いま住んでいる住宅からほうり出されなければならないか、とどまることがでるかという重要な基準に合算されるということは、これはたいへん問題があり過ぎると思います。たとえば、今日、この入居基準等から申しますと、粗収入にいたしまして約五万円ですね。第一種の場合、五万円以上の収入がなければ入れないわけでしょう。そうすると、いま大学を出て就職する人たち、これはすぐには月収五万円の収入はないと思うのです。われわれの想像で、大体三万円から三万五千円くらいからスタートすると思うのです。そうすると、この人たちは自力で第一の公営住宅に入るわけにはまいりません。したがって、おやじ、おふくろと一緒にいなければならないということになります。ないしは、どこかで下宿か、独身寮に入るかという方法しかないわけなんです。しかもこの子供たちはやがて結婚して、そしてこういう入居基準の資格を得るころに、いわゆる核分裂と申しますか、新しい一戸の家庭を持つ、また持たさなければならない、これが佐藤総理大臣の趣旨であり、政策であり、建設大臣の一番念願しておられることだろうと思います。そういう子供たちの収入をおやじの収入に合算して、それで、いまあなたは二年間の経過を見れば明らかに高額所得者であるから、明け渡しに応じなければならないというふうなきめ方をしていいのかどうかという問題なんです。一方、子供が大学を出るころ、あるいは娘が高等学校を出るころのいわゆる世帯主の収入というものは、大体今日の数字では明け渡し基準ぎりぎりのところまでいっている、いくであろうというのが、われわれの判断でございます。だから問題は、二百万ですか、厳密にいえば二百六万八千円ですか、その数字、たとえば百九十五万から二百万に近づいてきた、しかし、先ほど大臣がおっしゃったように、この基準が年々スライドされて——入っている側にはよくわかります。政府が今度の物価の値上がりは何%に押えるとはっきり言うわけですから、それではこれは何%スライドされるであろう、自分の計算からすれば、今度の給料は大体どのくらい上がるだろう、それはスライドでキャンセルされる分が幾らだ、そうすると実質もう二年くらいはいけるだろう——だんだんそれ以上に給料というのは上がるべきものでございますから、いろいろ家族が相談して、そろそろこの公営住宅からは出なければならない上限にだいぶ近づいてきたけれども、いろいろ考えてみればこれであと二年は大体がまんしてもらえる、あるいは三年は待ってもらえるだろう、その間に、たくわえが何がしあるから、あるいはしかるべき公的資金を借りて、ひとつどの辺かに自分の家を持とうじゃないか、あるいは別な賃貸住宅に入ろうじゃないかといういろいろな計画が立つわけですね。人間、住居というのが一番重要な計画だと思うのです。ところが、そう思っているやさきに、娘が高等学校を出て就職した、あるいはむすこが大学を出て、あるいは高等学校を出て就職した、やれ、うれしやと思った瞬間に、それが三分の二だけでもがばっと合算されるということになれば、この計画は一挙に狂ってくるわけです。いやでも応でも二年後には明け渡しに応じなければならない、指示された日から六カ月以内には飛んで出なければならない、これは重大問題だと思います。しかも、さらに問題が残るところは、よしんばそうして合算してほうり出された——ことばは何でございますけれども、ほうり出された。今度は子供たちが結婚いたします。独立いたします。そうすると、だんだん中年から初老に入って、もとの年寄り夫婦に戻る。収入はもう上がりません。子供たちの合算した分を除けば、もともとどおりあの住宅に入っておれた二人の年寄りである。しかし、われわれはすでに公営住宅から出されてしまった。子供たちは独立した。これはどういうことになるのですか。そういうことを考えますと、三分の一控除されるという気持ちは、多少の配慮としてはうなずけない点ではありません。しかし、基本的には子弟の収入をその世帯主の収入に合算されて、その合算された額が明確な明け渡し基準の数字となってあらわれてくるということは、非常にゆゆしい問題だと思うのです。どうせ、こういう高額所得者というのは、そこに該当する人たちは一%あるかなしかなんですよ、というふうなことは答えになりません。一%であろうと〇・一%であろうと、現にその人たちの最も大事な住宅ということの計画を、子供の就職という喜ぶべき一つの事件が一挙に非常に不幸な要素となってあらわれてくるということは、われわれは承認することはどうしてもできないと思うのです。この点、大臣はどのようにいままでお考えになってこられたか。この際、子弟の収入というものは一切所得の合算の対象としないという線を打ち出すべきであるとわれわれは考えますけれども、大臣はそうお考えにならないですか。
○坪川国務大臣 吉田委員が、立ちのきをお願いする立場の側に立って、いろいろと理解のある御指摘をいただきました理論につきましては、私は深く傾聴いたしておりました。私といたしましても、この問題に取り組む場合においては、立ちのきをお願いする側の立場に立ってやはり十分勘案せなければならぬというのが、私の基本方針でございます。したがいまして、家庭の状況とかあるいは所得の実態等に応じまして、無理のないような話し合いを進めてまいりたいというのが、私の基本方針でございます。したがいまして、世帯主以外の同居親族の収入のうち、どの程度の額を合算し、あるいはどの程度これを控除すべきかということについては、十分考慮いたし、また、出ていかれる人の立場、また、入居を望んでおられる国民側の立場に立って検討をいたしたい、こう考えております。
○吉田(之)委員 そういう抽象的な答えでは、何も答えていただいたことにならないのです。局長さんひとつ……。
○大津留政府委員 吉田委員御指摘のように、そういう子弟の収入を合算することがいいかどうか、また、合算するとした場合に、どの程度が妥当かということは、実はこの制度改正を検討する場合の一つの大きな問題点でございました。そこで、実は私どもといたしましても、一応こういう案がどうかという一つの案といたしましては、先ほど御指摘のように、所得の三分の一を控除する。所得でございますから、先ほど先生御指摘のように、計算の方法がやや複雑でめんどうでございますけれども、かりに年収粗収入が三十万といたします。これは高校を出て就職した当初の年収が約三十万程度だと思います。この場合は、先ほど来御指摘の給与所得控除というのが十四万ございます。残りが十六万ということになります。そそれの三分の一、つまり五万余を先ほどの給与所得控除額と合算して引きますから、三分の一控除といいましても、実は三十万所得の場合には十九万三千円を控除するということになるわけなのです。そういうことで、三分の一程度の控除でどうであろうか、適当じゃなかろうかというふうに一つの案としては考えましたが、ここの御審議を通じまして、そういう率という考えも一つだけれども、問もなく独立するような子弟の少ない収入は全額控除したらどうかという御意見も、確かに貴重な御意見でございますので、定率でなく定額による控除も一つの考え方かと、実はそういうことでいろいろ研究しておるような段階でございます。かりに粗収入三十万なり三十五万なりの、そういう新制高校を出てどこかにおつとめなされた方の額はとにかく全額控除する、それをこえる収入がある方については、そのこえる部分を合算しましょうというような考えをとりますと、年収三十万程度の方はゼロになる、また五十万程度の方も、三十万なり三十五万を控除して残りを合算するということになりますから、その辺が実態に応じた制度ということになるのじゃなかろうかというふうな感じもいたしておるわけでございます。
○吉田(之)委員 大臣、お開きのとおり、いま局長のほうでもいろいろとそういう点では配慮なさっているように思います。ところで、高校を出て年収三十万円、それから控除するもの十四万円、残りが十六万円、それの三分の一を引いてとか、いろいろ計算なさっているようですけれども、そういう実際の小さい数字、こういう子弟の小さい収入を多少とも合算しようとする考え方自身がどうかしていると私は思うのです。大臣、これは理論的に申しましたら——いわゆる入居基準ですね、第一種だと思うのですが——第二種の入居基準というのは、少し歴史的な経過から見て意味が違うと思うのです。二種でもいいですけれども、私は一種だと思うのです。第一種の入居基準に該当するような資格を持つに至るまでの子供たち、これは合算すべきじゃないでしょう、理屈から申しまして。第一種公営住宅にも入れてくれないでしょう。粗収入五万円までの者は、高等学校出であろうと、第一種の公営住宅に入居する資格を持たないのですね。第一種の公営住宅にも入居する資格を持たない子弟である。これは親が預からなければしようがないでしょう。それで親が預かっているのに、たとえ三分の一でも二分の一でも控除するとはいいながら、若干でも上のせしていくということは、理屈に合いますか。その点、大臣は、そのむずかしい数字、こまかい数字はわれわれもよくわからないのです、しかし、概念としてそうだとお考えにならないですか、どうですか。
○大津留政府委員 この法改正も、実は住宅宅地審議会でいろいろ御審議いただきましたその際に、収入の合算の問題につきましては非常にいろいろな意見が出たわけでございます。全然合算すべきでないという御意見も、少数ながらございました。しかし、大多数の方は、そういう公営住宅でございますから、やはり配偶者はもちろん、その他の親族におきましても、収入がある場合は、これをいかなる場合も全然見ないというのはいかにもおかしい、また、確かに、同居親族といいましても、家計に貢献する度合がまちまちでございますから——実質的には家計の中心になっているような親族もまれにはございます。しかし、いま問題になって御指摘になったような、子供が学校を出てどこかに就職したというようなそういう小額の所得につきましては、これはやはり全額控除するなり、あるいは、合算するといたしましてもごく小額を合算するというのが、やはり実態に即した考え方じゃなかろうか、こういうふうに感じたわけでございます。
○吉田(之)委員 いろいろ頭のいい政府の皆さん方が、机の上で理論的につじつまを合わせる意味では、多少はやはり合算すべきであろうといって数字をはじかれた努力のあとは、私も認めるにやぶさかではございません。しかし、そういうことば実際には意味のない数字なんですね。ほとんど大部分には関係しない。しかも、与える心理的な影響は、場合によったら、子供の収入まで合算されるのかということで、理論的にはやはり非常に弱い面を持ちます。これはどう常識的に考えたって、独立する能力を持たない、入居基準にも達しない子供たち、これは親が預からなければならないのに、しかもほとんど家の足しにもならないのに、また、化粧品やくつを買ってやらなければならない娘たちの収入を、どうして合算しなければならないのか。こういう大切な問題を時代の動きを洞察して決断されるべき人は、大臣だと私は思う。努力はわかるけれども、そういうものはあまり意味がない、しかも心理的にいろいろ影響、悪評を与えるだけだ。しかも確かに一部分の人には大きな矛盾を来たすことになる。だから、やはりきちんと、高額所得者、二百六万ないし二百七万をこえる人たちについては、これは明け渡しに応じてもらう。そのかわり、入ってもらうべき新たな住宅を政府の責任においても十分にあっせんする、用意もする、こういう点、もう少し公営住宅というような問題をずばりずばり、大まかにだれにでもわかるように、だれもが納得できるように、みみっちい考え方でなしに、大いにわかった、おいらは入ろう、おいらは出よう、おいらはまだ残れるわ、こういう点がみんなにぴしゃっとわかるような制度に私は改革すべきだと思うのです。この点、非常に大事な問題ですから、ひとつ大臣から……。
○坪川国務大臣 こまやかな理解と愛情の上に立っての御指摘、私も十分傾聴いたしております。したがいまして、私といたしましての方針は、この法の成立をいただきました上に立って、これらのお気持ちを十分そんたくいたしながら、政令等において配慮をいたしてまいりたい、こう考えております。
○吉田(之)委員 私の質問を終わります。
○井上(普)委員 ただいまの出席状況を見ますと、過半数に至っておりませんので、ひとつここいらできようは流会にさしていただきたい。
○田村(良)委員長代理 ちょっと速記をとあてください。 〔速記中止〕 〔田村(良)委員長代理退席、委員長着席〕
○始関委員長 速記を始めてください。 北側義一君。
○北側委員 このたびの公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、各委員からいろいろと質問がありました。やはりこの公営住宅の一部改正を審議する前に考えなければいけないことは、このたびのこのような改正案が出されてきた、そこで問題は、政府が四十一年から四十五年まで住宅建設五カ年計画を立てられて、そして一世帯一住宅をキャッチフレーズにしていわれたわけです。事実は、第四年度の本年度予算、また最終年度の来年を考えてみましても——ちょっと静かにしてください。
○始関委員長 静粛に願います。
○北側委員 そのように事実上は一世帯一住宅の目途はやぶれたわけです。 そこで、一体いつまでに住宅難というものが解消するのか、また公営住宅を今後どのようにやっていくのか、そのめどが立たなければ、この改正法案を審議しても、ただそれだけの部分で終わってしまうのです。そういう点でまず私はお聞きしたいのは、昭和三十五年から今日までの年度別の住宅の建設総戸数と、公営住宅年度別のこの対比を一度教えていただきたいものです。
○大津留政府委員 ちょっと三十五年の数字はございませんが、三十八年度から申し上げます。 三十八年度の全建設戸数が八十万一千戸、このうち公営住宅が五万六千戸でございます。三十九年度は、全建設戸数が八十八万八千戸、うち八営住宅が五万八千六百八十戸でございます。四十年度は、全建設戸数が九十九万八千戸、公営住宅が六万五千四百戸、四十一年度は、全建設戸数百九万戸、公営住宅七万二千五百戸、四十二年度は、全建設戸数が百二十二万七千戸、公営住宅の建設戸数は八万二千戸、四十三年度は、全建設戸数が、これは一部推定が入りますが、百三十九万六千戸で公営住宅の建設戸数が八万八千戸でございます。
○北側委員 いま言われたのは建設戸数でありますが、私の持っております資料によりますと、三十八年度は総戸数に対して公営住宅が七・八%、三十九年度が七%、四十年度が六・五%、四十一年度が六・六%、四十二年度が六・四%、四十三年度が六・八%、四十四年、これは十万戸としてざっと見積もった額、これはまだできておりませんからわかりませんが、六・四%になるのではないか、このように言われております。この率から見ますと、やはり公営住宅の建設戸数が全建設戸数から見て非常に低いということです。まずこれが一番大事なことではないか、私はこのように思うわけなんです。これがきちんと今後定められなければ、これから特に非常に人口の流動化する際、また核家族の非常に多い際、住宅難はここ何年たっても解決しないよりに思うのです。そういうものをきちんと定めた後においてそうしてこの公営住宅法の一部改正の審議がなされていいのじゃないかと思うのですよ。片っ方ではそのようになされて、片っ方では、そういう住宅難をいつまでに解消する、またこのようにやるということを国民の前に明白にしないということは、これは私はけしからぬと思うのです。それが入居者に全部おぶさっていくようなそういうやり方ではないか、こういうように思うのです。先ほどから吉田委員も質問しておりましたが、大体昭和六十年をめどに二千七百万戸プラスアルファ、このように大臣はおっしゃっておられたわけでありますが、実際の問題として、この現況の社会的な非常に大きな問題になっておるところの公営住宅の不足、これをどのようにして、住宅難は大体いつごろまでに解消する自信があるのか、その計画はどういう計画であるのか。これは先ほど、七月、八月の宅地審議会、これで検討してやっていく、このように述べておられるが、そういうことはすでにここ何十年来私たちは言っておるわけなんです。いまさら宅地審議会の審議を通してそのめどを立てなければいけない、私はそういうものじゃないように思うのです。小さないろいろな部分につきましては当然宅地審議会の意見を取り入れてやるべきものであろうと思いますが、大規模の公営住宅を大体幾ら建てる、そういうことについては、もうはっきり建設省としてはその決意を持っていなければいけないと思うのです。また、建設大臣としては、当然そういうことを明らかにしなければいけないと思うのです。それなくして、ただこの一部改正法の審議を進めていく、これはいけないと思います。その点で、大臣、そういうめどをはっきりと国民の前に明らかにしてもらいたいと思うのです。
○坪川国務大臣 北側委員御指摘になりましたこの問題につきましては、私といたしましては、先ほども申し上げましたごとく、六十年度を時点とする需要戸数は大体三千万戸に及ぶのではないか、こういうようなことを考えますときに、第一次のこの五カ年計画が明年度をもって終了いたしますので、この上に立って第二次の住宅五カ年計画を本年内においてひとつぜひ立てたい、こういうような考えでおるわけでざいまして、御指摘になりましたことは、私はこの点で御理解いただけるのじゃないか、私が直ちに第二次五カ年計画が何千万戸ということを決定するということについては、私はいささか軽率にわたるものと考えておるのであります。したがいまして、住宅宅地審議会の委員各位があらゆる角度から検討をされまして、七月の時点において答申を得ました場合に、われわれといたしましては、その時点に立ってあらゆる角度から十分検討をいたしまして、来年度予算編成にも際してくるのでありますから、私たちといたしましては、新たなる五カ年計画のいわゆる量、質、そういうようなものを含め、しかも私は、先ほどから申し上げておるがごとく、公営住宅の建設に十分力を入れてまいりたい、こういうような方針のもとにおいて量、質の問題に対しての最終的な取り組みをいたしたい、こう考えておる次第であります。
○北側委員 ただいま言われた大臣の答弁は、私は思うのですが、いわゆる公営住宅については大量に建設する、そのことはいままでの大臣のどの方も全部おっしゃっております。坪川大臣だけがそうおっしゃっておるわけじゃないのです。しかし、事実上は、総建設戸数が、ただいま私が読みましたとおり、四十年から見まして、四十年は六・五%です。四十三年は六・八%です。このようにずっと見ますと、このままのいわゆる建設状況では——なるほど公営住宅の戸数は少しずつ上がってきておるでしょう。しかし、総建設戸数のいわゆる需要から見た場合の公営住宅の建設は非常に少ないということが言えるわけなんです。それが解決しなければ、公営住宅の大量建設がはっきりしためどがなければ、住宅難は解決しません。私はそう思うのです。大体、いまどうですか、日本の国で公営住宅法でいわれておるところの、たとえば、低所得者に公営住宅を供給しなければならない、こういう公営住宅法の第一条、また第三条の精神から見て、公営住宅に入居させていかなければならない、そのように思う世帯は大体のどくらいあるのですか。
○大津留政府委員 この五カ年計画を立てます際に、住宅の不足として算定いたしました中で、年収百万円未満の方々に対して公的な施策によって住居の安定に資する必要がある、こういうことで計画を立てたわけでありますが、その中で、持ち家を希望される方、それから借家を希望される方がございます。そのそれぞれの御希望に応じまして、また、その所得の段階に応じて、公営住宅の一種、二種、あるいは公団、あるいは公庫の融資、こういう計画を立てたわけでございます。
○北側委員 大体どれくらいの戸数が必要かということを私はお聞きしているわけなんです。
○大津留政府委員 百七十八万世帯をその対象に考えております。
○北側委員 そうしますと、百七十八万世帯、これが大体現在のめどとして公営住宅に入居をさせなければいけない世帯になっておる。これに伴って、御存じのとおり、非常に大都会においては人口の流動が激しい、また家族構成もだんだん細分化されてきておる、そのようないろいろな事情から見ますと、この数字というものはやはり相当上がってくるのじゃないか。先になれば先になるほど上がってくる。いままでの傾向はそうなっております。四十一年から四十五年までの五カ年計画、これについて、一世帯一住宅ならなかった一つの原因として、先般の大臣の答弁ではそういう答えをなさっておられるわけです。だから、それを見越した計画というものを立てなければいけない。そういう点で、住宅難は、こういう公営住宅の建設を見込んでいつまでにどの辺まで解決していく、こういう見通しを持っておられるのですか。
○大津留政府委員 先生御指摘のように、住宅難は、所得の低い階層にだんだんしわ寄せされていく傾向がございます。したがいまして、御指摘のように、公営住宅を中心とした公的施策住宅が重要さを増してくるわけでございますが、この住宅難というのは、所得の向上に伴いまして住宅に対する要望もだんだん皆さん強まってまいりますから、したがって、これが何年までに解消するという、その解消のめどといたしましては、どの程度の住宅を何戸供給するという計画になるわけでございます。しかし、その供給をいたしましたところが、すでに所得が上がって住宅に対する欲望がだんだんそれ以上に強まってきておる。また御指摘のように、世帯が細分化されまして新たな住宅需要もふえてまいります。そういうことで、先ほど大臣が申されましたように、長期の目標といたしましては、昭和六十年度までに二千七百万戸から三千万戸程度の戸数を、また、その規模といたしましては、二戸平均八十五平米当たりの規模を持ったものを提供しよう。それで、段階的に規模も上げてまいりますわけですが、そういう住宅に対する要求というものがだんだん強まってくるのに応じて提供されていくというふうに考えておるようなわけでございます。
○北側委員 現況は、御存じのとおり、たとえば東京都営住宅の公募人員を見ますと、昭和四十年が、これは一回平均ですが、公募人員は五万七千六百八十九人、倍率が四十一・七倍、四十一年が七万二千三百七十九人、倍率が四十三・一倍、四十二年が八万九千七十五人、五十三・八倍。このように、年々公募人員は一回平均上がってきておるわけなんです。ということは、それだけ需要が多い、このように見て差しつかえないと思うのです。そういう点から考えますと、いまあなたが言われたとおり、昭和六十年までにこの住宅難の解消をめどとしていきたいという。私思うのは、何というか、非常に長い、のんきな考えではないかと思うのです。戦後二十四年たっております。また、諸外国——といいましても、当然いろいろな国があるわけですが、一例として、イギリスなんかでは、わずか十七年間で、その建設戸数をずっと見てみますと、平均年二十五万戸建てております。そういう率から見ますと、非常にスローテンポだと思うのです。その問題は一番早急に建設省が頭を切りかえてやらなければ、私は、このたびの一部改正法案も水泡に帰してしまう、そう思うのです。先ほど大臣は、たとえ一世帯の住宅にお困りの人もその中に入れてあげたい、このようにおっしゃっておられますが、その気持ちはよくわかるのですが、実際問題として、大もと、根本をがっちりしないで、小さいところを幾らやったって同じだと私は思うのです。そういう点をやはり国民の前に明確にして、その後法案というものは審議されるべきだと思うのです。そちらのほうははっきりしてない、こちらだけはっきりしているというのでは、非常に矛盾があるような気がするのです。大臣、その点どうでしょうか。
○坪川国務大臣 北側委員御承知のとおりに、公営住宅の五カ年計画の中に入っております計画といたしましては、五十二万戸の建設であります。その目標に向かいまして、四十四年度十万八千戸を加えますと大体三十七万戸に相なりますので、残りの十五万戸というものが昭和四十五年度におけるところの公営住宅の建設目標に相なるわけでございますが、私といたしましては、たびたび申し上げておりますごとく、今後の住宅計画の中にあっては、公営住宅に最重点を置いて、建設計画等、質、規模の改善につとめたい、こう考えておりますので、新たなる第二次五カ年計画に際しましては、その観点から計画を打ち立ててまいりたいという方針であります。
○北側委員 大臣、そう言われますが、たとえば、これは五カ年計画にしても、実際問題として、ことしの達成率で大体七一%でしょう。先般の予算委員会での大臣の答弁では、調整戸数二十七万戸のうち、できるだ公公営住宅を何とかしたい、これがあなたの答弁なんです。七一%、一年で二九%やる、これは大体不可能です。しかも二十七万戸の調整戸数のうち、公営住宅をできるだけたくさん入れたいというあなたの答弁なんです。これは来年になるとおそらく公営住宅七一%、あと二九%一年でやるのは無理ですよ、いままでの政府の姿勢では。しかし、答弁はそのようになさっておられるのです。だから、この公営住宅に関しては、あなたの言うことをなかなか信じがたいのです。私はあの答弁を聞いたときに、ほんとうにやるのかと、計算してびっくりした。二十七万戸のうち、かりに公営住宅を中心にしてどうなるか、おそらく私はできないと思いますよ。どうですか。
○大津留政府委員 その調整戸数を含めまして二百七十五戸、それに対して四十四年度で七一・八%の進捗でございます。したがいまして、残りが二八%、その中に調整戸数二十七万戸というのは入っておるわけです。したがって、二八%やったほかに二十七万戸残っておるというわけじゃございません。 そこで、五カ年計画というのは、各年度五分の一ずつではなくて、年々ふえてきておりますから、その年率をもって計算いたしますと、最後の年度は二六、七%なら自然の傾向になると思います。ところが、御指摘のように、なお二八・二%ばかり残っておりますので、いままでのやり方よりも一段と努力をしなければ一〇〇%までいかないということは、御指摘のとおりでございますが、この二六、七%を一段とがんばって二八%台、それほどできないことじゃないということで、いま大臣もおっしゃったと思います。
○北側委員 公営住宅は五カ年計画では五十二万戸ですね。調整戸数はもちろん二百七十万戸のうちに入っております。しかし、私の聞いた質問では、五十二万戸以外の調整戸数二十七万戸ということですよ。いま五十二万戸に対して、あなたが言うように七一・八%ですよ。なおかつ、二十七万戸の調整戸数のうち、できるだけ公営住宅を中心としてやっていきたいという御答弁なんです。五十二万戸のうち二十七万戸あるのじゃないのです。そこのところ、あなた、答弁がちょっとおかしいですよ。
○大津留政府委員 調整戸数のほかに五十二万戸——ほかにといいますか、公営住宅の一応の目標が五十二万戸で、これは調整戸数が入っておりません。これは御指摘のとおりだと思います。それで公的住宅の合計に対する進捗率を申し上げたわけでございますが、調整戸数というものは、公営住宅はじめ公団、公庫その他住宅を含めまして、最終年度までには全部消化しよう、こういうことでございますから、全体の進捗状況で申し上げたほうが御理解いただけるかと思ったわけでございますが、公営住宅に限って申しますと、改良住宅を含めまして確かに七〇%そこそこの進捗状況でございます。これは実は改良住宅というのが、御承知のように、スラム地区を除去いたしましてそこに建てます関係上、その地元の関係者との話し合いがなかなか進みがたいという事情もございまして、この改良住宅のほうが実は進捗が非常に悪いわけでございます。そういう関係で、公営住宅と改良住宅を含めました五十二万戸についていいますと進捗がおくれておりますけれども、改良住宅を除いて考えました狭い意味の公営住宅につきましては、順調といいますか、四十四年度までに七八%までいっているという実情でございます。そういうことから、公営住宅をはじめ、その他の公的住宅を含めまして、最終年度までにはとにかく一〇〇%に達成いたしたい、こういうことで努力しておるわけでございます。
○北側委員 私が申し述べることは、たとえば、いま数字が明らかになったように、努力します、そういう答弁は、実際問題として何にもならないと私は思うのです。これだけ住宅難で、いろんな悲劇も非常に起こっております。また、私たちが市民相談をいろんな方から受けるのは、北側さん、あなたは建設委員をやっているんだから、住宅を何とかしてくれ、こういう相談が非常に多いのです。また、見てみたら、事実、非常にたいへんです。そういう問題から見れば、やはり公営住宅について私はどうしてもここで政府の頭の切りかえというものをがっちりやってもらわなければいかぬと思うのです。宅地審議会だって、公営住宅が必要だということは知っておるのです。答申でもそういうことはたびたび出しております。ところが、事実上、予算関係を見ると、いつもたいしたことはない。これをずっと繰り返されるのだったら、私は何の審議会かと言いたくなるのです。審議をやって、毎度毎度発言者は同じことを言うておるのですから、そこらの腹をほんとうにきめてもらいたいと思うのです。 特に、いま各都道府県で昭和四十三年度の繰り越し建設戸数は大体どれくらいあるのですか。
○大津留政府委員 金額で約百億、戸数で一万二千戸程度でございます。
○北側委員 そうしますと、四十三年度公営住宅が八万八千戸ですか、そのうちざっと一万二千戸、一割以上ですね。一割五分くらいですか、それくらいが実際の繰り越しになっておるわけです。これは、聞きますと用地確保が非常にむずかしい、このように言われております。また、このままいきますと、来年の十万戸の分もおそらくはそのようになっていくんじゃないかと思うのです。相当数繰り越しが出てくるんじゃないか、そういう心配が出ているわけです。 そういう問題もとらえていきますと、先ほどから何べんも私お話ししておりますとおり、公営住宅については一番国民の要望が強いわけです。公団といったって、最近の公団はマンション並みですよ。家賃は御存じのとおりです。建てたって入る人がない。これが実態なんですから、やはり公営住宅がどうしたって重点になっていくのですから、その点しっかりやっていただきたいと思うのです。 それから、それはそれでおきまして、御存じのとおり、都市へ非常に人口が集中しております。特に四十年の国勢調査、この結果によりますと、全人口九千八百二十七万五千人、このうち、東京、大阪、名古屋、この三大都市を中心とする五十キロ圏の中に、大体三千六百六十四万四千人、全人口の三七・三%がひしめいておるわけです。資料によりますと、この五年間で人口の増加率のトップは神奈川、それから埼玉、千葉、このようになっております。神奈川が二八・七%、埼玉が二四%、千葉が一七・二%というように、非常に急激な増加率を示しておるわけです。ところが、こういう人口の流入の非常に激しい神奈川、埼玉、千葉、この方面の四十四年度の住宅達成率を見ますと、埼玉で五八%、千葉で五七%、このように非常に低いわけなんですね。こういうものに対しては具体的に何か措置をしておられるわけですか。
○大津留政府委員 先般もこの委員会でそういう御指摘が小川委員からございましたが、御指摘の東京近くの各県は、人口増が多いだけに、また反面、用地の取得も非常に難渋しておるような実情でございます。しかし、各県に指示いたしまして、各県ごとの五カ年計画の進捗の状況が非常におくれているので、一そうの努力をしてもらいたいということをお願いいたしまして、四十四年度におきましては、各県ともその点非常に努力をしてくれまして、四十四年度末におきましては、埼玉県が七二・四%、千葉県が六五・七%、それから神奈川県が六六・八%、まだまだ不十分ではございますけれども、四十三年度のいま御指摘になりました状況に比べましては格段の改善がはかられた状況でございます。
○北側委員 この現在の五カ年計画からいきますと、人口が非常に流動するので、確かにとらえるのも非常にとらえにくいと思うのです。しかし、そういう点はやはり県の当局、事業主体とよく話し合ってやっていっていただきたいと思うのです。特にこれからなお一そう人口の流動が激しくなると思います。このままでは、五カ年計画を立てても、そのつど相当の腹がまえで変更していかなければ、これはむずかしいんじゃないかと思うのです。 それと、先ほど吉田委員も聞いておりましたが、この融資制度、この改正法になると公営住宅の実際の建設戸数を渋るということが朝日新聞に書いてあったが……こういう質問を先ほどやっておられたわけです。やはり私思うのは、普通、国が補助金を出す事業に対しては、比較的オーバーしてあたりまえだと思うのですね。ところがオーバーしていない。特に今回改正されるということはすでにわかっておるわけです。その段階であなたのほうへ十万戸以上申し込みが、来た、その場合、建設戸数があったにかかわらず、事実やってみるとそれが下回っておる。これはやはり一つはこの改正法の問題点が浮かび上がってきておるのではないか、このように思うわけなんです。その点どうでしょうか。
○大津留政府委員 ある新聞でそういう趣旨の報道がございましたが、実は私どもは、どういう根拠でそういう数字が出たのか、理解に苦しんでおるわけなんです。建設省に対しまして各県からの要望は、今年度の予定戸数をオーバーしております。また、今回改正をお願いしております用地に対する融資にいたしましても、用地費の単価を七割以上アップいたしまして低利の資金を貸し付ける——補助が融資になったというマイナス面もございますけれども、実質的にはそういう必要な金に近い金を低利で融資をするということにいたしましたので、事業主体としてもこの点は非常にやりやすくなったということをみな言っておるわけなんです。したがって、この制度の改正のために事業主体が建設を渋って要望が下回ったというようなことは、これはどうも私どもとしては理解できない。そういう事実はございません。
○北側委員 そうすると、結局、新聞に載っている記事は間違いであるというわけですね。それはそれにこしたことはないのです。やはり今回の改正法案が出て最初の年度になるわけで、これは私は注目せざるを得ないわけなんです。 では、これから具体的に少し法案の内容に入っていきたいと思うのですが、いままでの用地補助がなくなりまして、融資制度に切りかえられたわけです。ここで一番私たちが心配するのは、地方債、公募債、このようなやり方でやっていくわけですが、たとえば公募債の場合ですと、償還期限が七年になっておりますね。地方債の場合、二十年か二十五年、こうなっておりますが、初めの間は超過負担が非常に軽く済むので、各都道府県も非常にいいと思うのです。その中でも、特に住宅を相当数、一万戸近い住宅を建てるようなそういう大都会の都市にとっては、私は当初の間は非常に有利だと思うのです。ところが、これが五年たち、民間の公募債を元金利子ともに返還していかなければならない、そうなった場合に、いま大臣の答弁ですと、大体昭和六十年をめどとして一応住宅難を解消したい、こういうお考えのようですから、そうすると、いまから十五年あるわけですね。そうしますと、元金及び利子返還、それが原因となって各地方公共団体はいままでもすでに持ち出しで相当赤字が累積しておるわけです。そこへ、いま一時楽になって、またそういう民間債を返還しなければならない。また、住宅難の解消は十五年先でなければならない。そういういろいろな事情を考えると、それが負担で公営住宅の建設がまたおくれてくるのではないか、そういう心配がなされるわけなんです。その点についてはどうでしょうか。
○坪川国務大臣 これの切りかえによりまして地方財政の財政負担、超過負担が解消されることによって、御指摘のとおり、私は十年程度はこの現行制度より少ないと見込んでおるのでございますが、それ以降におきますところの地方債の償還額が増加もしてまいるということにおいて地方財政が大きな圧迫を受けるという御心配、私も心配いたしてはおりますけれども、しかし、その時点に立ちまして地方財政はかなり充実するものと期待をいたしておりますので、十分これによって私は対処でき得る、こう考えておる次第であります。
○北側委員 いま十分対処できる、このようなお返事なんですが、これはやはりその場になってみないとなかなか明らかにならぬ問題なんです。やはりこれは見解の相違といいましょうか、そういう携わっておる者に聞きますと、その時分になると相当えらくなるでしょうな、こういう返事なんですね。こういう返事が私のほうには返っておるわけなんです。 そこで、この問題はいまここで議論しても始まりませんが、次に家賃収入の補助金として、一種三%、二種で四%、このようにやっておられるわけなんです。非常にいいと思うのですが、予算額が四億五千二百万円、このようになっておりますね。家賃補助が一種、二種で三%、四%、そのようになっておりますが、これはあくまでも用地を取得する標準基本額がはっきり定まり、これが実情に合ったものでなければ家賃補助にはならないと思うのですよ。その点どうでしょうか。
○大津留政府委員 御指摘のように、標準価額が低いままでございますと、御心配のような結果になってくると思うのです。そこで、今回融資に切りかえるに際しまして、そういう実情に沿わない単価は是正しようというので、従来の単価に比べまして七割以上の引き上げをいたしまして、その価額を基礎にして融資もするし、家賃収入補助もいたすということにいたしておるわけでございます。したがって、四十四年度は実際に公共団体が買う実額にほとんど近い額になるであろうというふうに思っておるわけでございます。将来また地価が上ってまいります際に、標準価額をそれに応じて改定をしていかないとまたずっと差ができてくるという心配がございますので、今後におきましてもそういう地価の動勢に応じた標準価額の改定を怠らずにやっていこう、こういう考えでおるわけでございます。
○北側委員 たとえば東京とか大阪は周辺部が非常に上がっております。これは御存じのとおりです。大体東京、大阪あたりで坪当たりどのぐらいに見ておられるのですか。
○大津留政府委員 従来持ち出しが一番大きかったのは、御指摘のように、東京とか大阪のようなところです。そこで、先ほど申しましたように、平均して単価七割以上上げたわけですが、従来持ち出しのひどかった東京とか大阪によりそれを振り向けるといいますか、その価額の是正をはかっていこうということで、たとえば東京都につきましては、昨年度の単価に比べますと——まだこれは最終的にはきめておりませんけれども、大体いまのところの計算では二・二倍、三・三平方メートル当たりにいたしまして約七万円にいたす予定にしております。
○北側委員 やる当事者にしますと——大体坪七万円ぐらいになりますと、そういう土地はいま大阪あたりでは周辺部にはないのです。大体六〇%ぐらいが七万いっておりますね。たとえば大阪にしましょう。大阪市では、公営住宅は大阪市内にあるわけです。そうすると、七万円ではたしてそれに見合うだけの——また、これの充当率八五%、そこへ向けて地価が上がってくる、標準価額がそのように下落すると、せっかくの家賃補助としての三%、四%も変わってくるわけなんです。そういう点、非常に心配なわけなんです。標準額が起債ですからね。私思うのですが、この際はっきりと実績そのものに見合うものをちゃんとやってあげたらいかがかと思うのです。たとえば坪八万円もかかった、八万五千円もかかった、それはそれに見合うそのままのものをやっていく、このようにやってあげたらどうかと思うのですよ。
○大津留政府委員 御指摘のような地価の現状でございますので、東京や大阪のような地区では、住宅の高層化を進めまして土地をできるだけ節約したい。高層化をいたしますと、坪当たり十万から十五万程度の土地を利用することができます。そういうことによりまして実情に合うようにいたしてまいりたいと思います。
○北側委員 ところが、局長さん、あなたは高層化と言われるが、ではお聞きするのですが、その高層化に対してのいわゆる補助率はいまどうなっておるのですか。
○大津留政府委員 補助率は、中層等と同じ、一種二分の一、二種三分の二であります。
○北側委員 そこに問題があると思うのですよ。高層化して十一階建てになりますと、エレベーターが要りますよ。そうでしょう。しかも中層と同じような補助率で、これは全部事業主体が相当の負担をしなければ、工事費にしましてもそこに非常に矛盾があると思うのですよ。そうだったら、十一階建てで建てるような、そういう土地を高度利用化して、そうして高層住宅を特にそういう用地の高いところについては建設さしていこう、こういう考えがあるんだったら、やはり補助率はもっと考えなければいかぬですよ。そうなると、どうしたって高層にすればするほど工事費は高くなる、しかも付属の設備が非常に大きくなる、これは当然なことですよ。それはやはり家賃に来るんです。公営住宅はまたマンション並みの公営住宅になる、こういう危険性があるんじゃないかと思うのですよ。どうでしょうか。
○大津留政府委員 高層公営住宅の場合、エレベーター等を含めまして、一戸当たりの建設費が二百二十万円程度でございます。これが中層でございますと百七十二万でございます。それを基礎にして二分の一、三分の二の補助をいたしますので、高層にいたしましたからといって、地方公共団体がそれだけ持ち出すということにはならないわけです。ただ、中層に比べまして建築費が五十万ばかり高くなりますから、それが家賃にはね返ってくるということは免れがたい点であります。ただ、高層の住宅の立地は、御承知のように便利な場所に立地いたしますので、交通費なりあるいは時間の点で相当有利なことになるという点がございます。
○北側委員 私も、それは交通費も要らない、そういう点で家賃が少し上がってもいけるんじゃないか、こういう見方ならやむを得ぬですがね。しかし、この補助率は中高層同じというのは、やはりそこに問題があるんじゃないかと思うのですよ。たとえば今度の改正法案についても、建てかえは二倍以上だったらよろしい、こういうことになっています。できたら二倍以上ではなくて、特にそういうりっぱな都心の——大体都心であるようなところが建てかえせんければいかぬようになっておるのです。そこらをこの際うんと高層にしてやらすべきだと私は思うのです。それにはやはりそれに見合うだけの方向というものを政府が各地方公共団体に与えなければ、財政の苦しい地方公共団体ではなかなかそういうものについていけないんじゃないか、こういう心配があるわけなんです。 それで、たとえば去年までの公営住宅の建設に対する工事費の起債充当率というんですか、それは何%ですか。
○大津留政府委員 工事費に対する補助裏に対しまして起債を認めておる、その充当率は八五%でございます。
○始関委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○始関委員長 速記を始めて。 次回は、来たる四月四日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時六分散会