建設委員会 第7号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/03/14
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 地価公示法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。坪川建設大臣。
○坪川国務大臣 ただいま議題となりました地価公示法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 近年における地価の高騰は、基本的には、産業、人口の急激な都市集中等による土地需給の著しい不均衡に基づくものでありますが、さらに、土地は、他の諸財と異なり、合理的な市場価格の形成がきわめて困難であることから、不当なつけ値による取引価格が容易に一般化し、実勢を越えた地価の高騰をもたらしている場合も多いものと認められます。 このため、公共用地の取得価格も公共事業相互間において必ずしも統一されているとはいいがたく、しかもこの公共用地の取得価格が周辺に影響を与えて一般の地価水準を引き上げているとの批判も少なくないのであります。 このような事態に対処するためには、土地取引がひんぱんに行なわれる都市地域の標準地について、その正常な価格を公示する制度を確立して、適正な地価の形成に寄与する必要があるものと考えられるのであります。 この制度の確立につきましては、昭和三十九年五月、衆議院本会議における地価安定施策の強化に関する決議で御指摘を受けまして以来、政府といたしましても種々検討を重ねてまいったのでありますが、昨年十一月住宅宅地審議会からの地価公示制度の確立に関する答申もあり、ここにその成案を得るに至りましたので、この法律案を提出することといたした次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、この法律は、都市地域において、標準地の正常な価格を公示して、一般の土地取引価格に対して指標を与え、及び公共用地の取得価格の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することをその目的といたしております。 第二に、土地鑑定委員会は、建設省令で定める市街化区域内の標準地について、毎年一回、二人以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その結果を審査、調整して判定した正常な価格を、標準地の面積、形状、利用の現況等とともに官報で公示し、あわせて関係市町村において一般の閲覧に供することといたしております。 第三に、公共事業の施行者が公共用地の取得価格を算定する場合及び不動産鑑定士等が土地を鑑定評価する場合には、公示価格を規準としなければならないこととし、収用委員会が収用する土地に対する補償金を算定する場合にも、公示価格を規準とした価格を考慮しなければならないものといたしております。 第四に、建設省に土地鑑定委員会を設置し、地価の公示に関すること及び不動産鑑定士試験に関すること等の事務を行なわぜることといたしております。この土地鑑定委員会は、委員七人をもって組織し、そのうち六人は非常勤としております。これらの委員は、両議院の同意を得て建設大臣が任命することといたしております。 第五に、標準地の鑑定評価等に伴う土地の立ち入り及びこれによる損失の補償、土地鑑定委員会の鑑定評価命令等、地価の公示に関して必要な事項を定めております。 第六に、この法律は、本年七月一日から施行することとし、最初に行なう地価の公示は、施行の日から十月をこえない範囲内において別に定める日に行なうことといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
○始関委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○始関委員長 公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。葉梨信行君。
○葉梨委員 公営住宅法の一部を改正する法律案を審議するに先立ちまして、二、三、住宅に関します統計数字並びにこれまでの国の住宅政策について伺ってみたいと思います。 第一に伺いたいことは、戦争が終わりまして足かけ十五年になりますが、昭和二十年の末期あるいは二十一年の初頭における日本の現在の領土内における人口並びにその当時における住宅不足戸数は何戸ぐらいであったか、お伺いしたいと思います。
○大津留政府委員 終戦直後の住宅の不足戸数でございますが、戦災によりまして滅失した住宅数が二百十万戸ございます。これに、建物疎開によりまして取りこわした住宅が五十五万戸、それに、復員並びに海外の居留日本人が引き揚げてまいりましたので、それによる需要が六十七万戸となっております。それに、戦争中住宅の建設がストップしておったような状況で戦争中の供給不足、そういうものを加えまして、終戦時におきます住宅不足数は四百二十万戸というふうに算定されております。
○葉梨委員 そういう状態から現在に至ったわけでございますが、昭和二十年の戦争を終わってから四十三年一ぱいくらいまでにどれくらいの住宅が建ったか、その数をお示し願いたいと思います。
○大津留政府委員 昭和四十三年度末、つまり今月末現在で、推定も含めますが、終戦以来約千四百六十万戸建設されたと推定されます。このうち、公的資金によるものが五百六万戸、それから民間自力によるものが九百五十六万戸の見込みでございます。
○葉梨委員 いまの御答弁からしますと、終戦直後いろいろな要因から不足したと見込まれていたのが四百二十万戸、それが現在に至ってみますと、結果としては一千万戸も多い千四百六十万戸ということでございますが、この住宅建設が年々行なわれた。統計的に見まして、その二十数年間のうち急激に建設がふえたとか、あるいはなだらかにふえてきたとか、その傾向はどうでございましょうか。
○大津留政府委員 終戦直後は、先ほど申しましたような住宅の絶対不足でございましたので、応急的な住宅建設が非常に盛んでございました。したがって、昭和二十一年、二十二年、二十三年という時期は、この数からしますと相当な戸数が建っております。昭和二十四、五年ごろからいわゆる恒久的な住宅建設が始まりまして、したがって戸数もそれほど建たないということでございましたが、それから年々建設戸数はふえて今日に至っておるというような状況でございます。
○葉梨委員 いまも申し上げましたように、最初の予測よりもずっと建設戸数がふえ、しかもいまもってまだ不足である、住宅に対する困窮者が非常におるという状況でございますが、そういう結果をもたらした原因、要因につきまして、大臣よりお話を伺いたいと思います。
○坪川国務大臣 葉梨委員御指摘になりましたその要因はいろいろございますけれども、御承知のとおり、都市に人口の集中が著しくなってきたこと、あるいは結婚適齢期を控えた人口が世帯数として非常にふえてまいっておること、また、それぞれの所得水準の向上によるところの質的な内容等を含めての需要が非常にふえてまいったというようなことが一つの大きな要因ではなかろうか、こう考えております。
○葉梨委員 いまの大臣のお話でございますが、そのほかに、家族制度に対する考え方が新憲法の施行によって変わってきた、そうしていままで親子二夫婦、三夫婦一緒に住んでいた家もみんな独立して、それぞれ夫婦単位で家庭を営み、家を要求するようになったというのも一つの大きな社会的な原因ではないかと思うのですが、いかがでありましょうか。
○坪川国務大臣 葉梨委員御指摘になりましたその点は私も全く同感でございまして、現在の新しい憲法下におけるところの各人の基本的人権の尊重というような立場から、また、各自の自由な立場からの欲求というようなものが、これらの需要に大きな精神的な影響を与えておるということは、全く同感でございます。
○葉梨委員 そこで、現在昭和四十一年から住宅建設五カ年計画が進行中でございますが、この第一次住宅建設五カ年計画を策定したのは何年ごろでございましょうか。
○大津留政府委員 四十一年からこの計画が始まっておりますので、それに先立ちます昭和四十年にこの計画は策定したわけでございます。
○葉梨委員 その四十年に策定された当時における住宅不足は何戸ぐらいに見積もっておられたか、また、計画戸数は何戸になさったか、そしてまた、その計画戸数の内訳といたしまして、公共住宅と民間住宅との実数、あるいはまた、考え方を別にいたしますと、一戸建ての住宅と集団住宅は大体何戸と何戸ぐらいの予想をしておられたか。
○大津留政府委員 現行の五カ年計画の策定にあたりまして見込みました住宅不足数でございますが、昭和三十八年の住宅統計調査をもとにいたしまして、そのときの住宅不足数二百七十八万戸をもとにいたしまして、それに加えて五年間にふえるであろう世帯の数、それからまた、五年間に老朽して取りこわすであろう住宅の補充分、それに社会的移動に備えましてある程度のあき家といいますか、余裕を見込みまして、合計六百七十万戸を必要とし、その期間中に六百七十万戸を建設するという計画にいたしたわけでございます。その内訳といたしまして、公的資金による建設が二百七十万戸、民間自力に期待する戸数といたしまして四百万戸をこの内容としております。 それから、一戸建てと共同住宅の割合という御質問でございますが、計画にあたりまして、そういう一戸建て何戸、共同住宅何戸という計画は実は立ててはいないのでございますけれども、今日までの建設の実績から見ますと、共同建てのものが約三五%、一戸建てのものが六五%の割合になっております。
○葉梨委員 ことしはその第四年度に入るわけでございますが、四十一年度、四十二年度、また四十三年度と、実績について伺いたいと思います。特に民間の建設計画に対する実績がどんなものであるか、お示し願いたい。
○大津留政府委員 四十三年度までの実績でございますが、公的資金による住宅百三十六万戸、民間自力による建設二百三十五万戸という実績になっております。
○葉梨委員 聞くところによりますと、民間分としての実績は計画を上回っている、ところが、公共住宅については、予定のとおりのテンポで進んでないという話を聞いておりますが、事実はどうでございましょうか。
○大津留政府委員 先生御指摘のように、民間自力建設は、民間の非常な御努力によりまして計画を上回る実績を示しております。公的資金による住宅の実績は、三年度を終えたところで五〇%をちょっとこえた程度でございます。民間に比べましてややおくれております。四十四年度にこれを回復すべく五十七万三千戸というものを計画いたしまして、これが予定どおりにできますならば、四十四年度末におきましては七一・八%まで達成できる。したがいまして、最後の四十五年度に二八%余を残すわけで、これはやはり相当な努力を要すると思いますけれども、何とかこれは一〇〇%達成いたしたいというふうに考えております。
○葉梨委員 単純に計画を五で割ってみますと、年間二〇%の率で伸びていかなければいけないのが、最終年度に二八%も建設しなければならないというのは、非常に無理な計画だと思う。計画自体が無理であったのか、あるいは計画は妥当だったけれども、何かいろいろな阻害要因があったのか、その点御説明願いたい。
○大津留政府委員 この計画の策定にあたりまして、各年度の建設戸数でございますが、これは御承知のように、民間におきましても、あるいは政府施策におきましても、過去の実績からいたしましても年々一定の割合で伸びてまいっておりますので、したがいまして、毎年度五分の一ずつというわけではございませんで、一定の率をもって伸びていくという計算でございます。したがいまして、最後の年度におきましては二〇%をこえる二七、八%という達成が、それほど無理な計画ではないというふうに考えております。
○葉梨委員 その点についてもう少し伺ってみたいのですが、最終年度に二八%建てなければならぬというのは、計画を策定したときから予想されておったことでしょうか。それとも、いまになってみて、算術計算で引いてみたら二八%残ったということでしょうか。
○大津留政府委員 この五カ年間を一定の伸びでいくといたしますと、最もなだらかなといいますか、自然な伸びからいいますと、最後の年に二六、七%残っておるならば、きわめて自然にいくと思います。二八%余でございますから、これはそれよりも一そうの努力をしなければいかない、こういうように思います。
○葉梨委員 いままでのお話を伺いますと、計画に実績がややおくれておるということだと思いますが、公共住宅と民間住宅の数の比率など、あるいは民間のほうはどんどん建っていくといういままでの実績からしますと、政府の住宅政策がおくれておって、どちらかというと、日本人は、庭のついた一戸建ての家に住みたいという、好みといいますか、欲求があると思うのですが、その欲求からして、民間依存の持ち家主義にもたれかかっているのではないか、こういうふうに感ずるのです。いいか悪いか別にしまして、そういうような傾向で現在に至っていると私は考えるのでございます。 そこで、民間自力建設というものについて少し伺ってみたいと思いますが、建て売り住宅がございます。建て売り住宅と申しましても一流の電鉄会社が分譲しております土地つきの非常に質のいい住宅から、群小の業者の住宅に至るまで、いろいろございますけれども、第一次五カ年計画で建ちました住宅のうち、建て売り分がどれくらいあるか、お示し願いたい。
○大津留政府委員 民間自力建設のうち、お示しのような建設業者が建てて分譲したその数、ちょっと資料を持ち合わせておらないのでございますが、推定で申し上げますと、約二割程度じゃなかろうかというふうに思います。
○葉梨委員 民間自力建設の住宅の理想的な姿、結局、敷地が何坪ぐらいで、間取りが幾部屋ぐらいあれば、憲法に保障された快適な暮らしができるか、建設省として考えておられる理想像はどんなものでございましょうか。
○大津留政府委員 適正な居住水準ということになろうかと思いますが、実はこの適正な居住水準につきまして現在住宅宅地審議会に諮問をいたしまして、いろいろ御研究をお願いしておるわけでございますが、その中間的な御報告によりますと、広さで申しまして八十五平方メートル、間取りにいたしましても、これは家族数によりますけれども、三人あるいは四人世帯で七十二平方メートル、四人ないし五人の家族になりますと九十一平方メートル、その程度のものが標準といいますか、適正な標準、こういう数字になっております。
○葉梨委員 敷地の面積がそういうことでございますね。それは建坪ですか。
○大津留政府委員 建物の面積です。
○葉梨委員 民間自力と申しますと、たいていは庭がついております。その庭がついた、建坪プラス庭、いわゆる敷地の面積で申しますとどんなことになりますか。
○大津留政府委員 ただいま申し上げましたのは住宅の面積でございますが、住宅一戸当たりの敷地面積は、これは建て方によって異なりますけれども、一戸建ての敷地面積といたしましては二百四十平方メートル程度が適正だと思います。
○葉梨委員 そういう一つの理想像があると思うのですが、それに対しまして、現実に民間自力建設の住宅の平均値でございますか、平均の実績はどんなものでございましょうか。
○大津留政府委員 現在建っております民間の建築の広さでございますが、四十二年に建ちましたものにつきまして統計を見てみますと、住宅の平均規模が六十八・八平方メートルとなっております。民間の建設の中で、いわゆる持ち家と借家に分けてみますと、持ち家のほうは比較的広いわけでございますが、借家のほうがどうしても手狭になる、一戸当たり三十九平方メートルというふうになっております。
○葉梨委員 いま伺ったのは建坪だろうと思いますが、建坪がそういうことですから、地坪でいったって理想像からはほど遠い状況だろう——ということは、民間自力で建てた人たちの大部分は、非常に狭く過密な状態に生活をしているということが言えると思うのでございます。当然、そういう状況で家が建っているところは、公営住宅と違って、いろいろな環境衛生施設とか道路とか、上下水道その他の公共施設も不備であるというのが現状であろうと思うのでございます。先ほど大臣から御答弁をいただきましたように、住宅を求める人が、われわれのかつての予測を越えて非常に多いというようなことからしまして、大都市あるいは地方の中小都市の近辺においてはどんどん地価が高騰してしまっているということで、今度はやはり勤労者として都市の中にはなかなか土地を買えない、そこで郊外へいく、その勢いが波となってどんどんどんどん広がっていくというのが現状であろうと思います。しかし、交通機関の整備もなかなか進んでいない。交通難、交通地獄というのがまた現状でございます。国鉄あるいは私鉄がいろいろと努力をしておられるけれども、その努力に追いつかずに、どんどん人口が郊外へ広がっていく、そうして遠距離通勤をしいられているというのが、現在までの状態であろうと思います。しかもそれが限度にきているのではないかと私は考えます。私の手元にこういう数字がございます。公営住宅でございますが、公営住宅を募集しますと、全国平均で十倍の応募者がある。ところが、東京都で第一種公営住宅については五十倍の応募者がある。あるいはまた、観点を変えますと、東京都の公営住宅の募集をしまして、東京の二十三区内で募集をしますと、三十四倍の競争率がある。ところが、郡部にまいりますと二倍になってしまうということは、公営住宅を求める人、公営住宅を必要とする層がたくさんおるけれども、もう遠くへ行ってはいやだ、通勤難、つとめを正常に果たすにはとうてい不可能なほどに遠距離、長時間の通勤をしなければいけないから、何とか町のまん中に建ててくれというような要求がこの統計数字にあらわれておると思うのでございます。これは、いまいわれております職住近接あるいは都市の再開発ということにつながると思うのでございますが、この声というのはまことに切実なものがあると私は考えるわけでございます。そこで、公営住宅をもっと建ててくれという、国民というか、庶民層の声はまことに強いわけでありますが、住宅難世帯ということばがございます。それから、住宅困窮世帯ということばがございます。このことばの定義をちょっと教えていただきたい。
○大津留政府委員 住宅困窮世帯と私たちが普通申しておりますのは、住まっておられる方のいわば主観といたしまして、住宅にいま非常に困っておる、たとえば狭いとか、あるいは家賃が高いとか、あるいは通勤に非常に時間がかかるというようなことで、いま住まっておられる方が住宅に非常に困っておる、何とかしなければならないというふうにお考えになっておる、そういう調査をいたしました数字を住宅困窮世帯と申しております。それから、住宅難世帯と申しておりますのは、一定の客観的な基準によりまして、たとえば、三人家族で九畳未満の部屋に住まっておられる方、あるいは四人以上の家族で十二畳未満の家に住まっておられる方、あるいは、一定の基準によりまして老朽度がはなはだしい住居にお住まいの方というのを計算いたしましたのが住宅難世帯、こういっておるわけでございます。
○葉梨委員 そうしますと、住宅困窮世帯よりも住宅難世帯のほうが、主観的にも客観的にもほんとうに困っておって、何とかしなければいけない世帯であるといえると思うのでございます。 そこで、住宅難世帯は全国でどのくらいあるだろうか、また、所得別の分布を簡単にお示し願いたい。
○大津留政府委員 所得階層別の住宅難世帯の数でございますが、所得の階層を、五分位と申しますか、五つの段階に分けまして、所得の下のほうから申しますと、第一分位という一番低い階層でございますが、この第一分位が百二十一万世帯、世帯数の二八・六%にあたります。第二分位が百一万世帯で二四%、第三分位が九十五万世帯で二二・五%、第四分位が七十七万世帯で一八・四%、第五分位が三十六万世帯で八・七%というように、所得の低い階層ほど住宅難が多いという数字が出ております。
○葉梨委員 第一分位、第二分位というようなむずかしい専門用語で言われますとぴんとこないのですが、大体月給何万円くらいという具体的な内容で申すとどういうことになりましょうか。
○大津留政府委員 これは昭和三十八年の調査でございますので、今日からいえば相対的に低くなっておりますが、いま一番低い階層の第一分位というのが、月収二万三千五百円以下でございます。第二分位は、それから三万一千円まで、第三分位は、三万一千円から三万八千円、第四分位は、三万八千円から五万一千円まで、第五分位は五万一千円以上、こういうぐあいでございます。
○葉梨委員 昭和三十八年の統計ということであれば、いまの給与ベースと単純に比較するわけにはまいりませんけれども、それにしましても、五万円以下というのは、一家の主人の所得としては現在では非常に低いと思うのでございます。その低い方々がこのようにたくさんの世帯が住宅難世帯として存在するということは、まことに遺憾なことでございます。 一体、公営住宅は終戦後いままでに何戸お建てになっておりますか。
○大津留政府委員 公営住宅は、昭和四十四年度の計画まで含めまして、終戦後百三十七万四千戸建てております。
○葉梨委員 住宅に困っている方はたくさんおられるとは思っておりましたが、四百万戸に近い世帯の方々が住宅難に苦しんでおる、しかも二十数年間に百数十万戸というような建設戸数ということは、一体国はどういう方針で、どういう見通しでいままで住宅政策を行なってこられたのか、はなはだ遺憾にたえないのでございます。 建設省が、最近の昭和四十一年から四十三年までの三カ年間に一般会計、特別会計その他財投等で投下しました公共投資額の実額の中で、一体住宅に何%振り向け、また道路に何%振り向けてこられたか、その数字をお示し願いたい。
○大津留政府委員 建設省関係の公共事業費、国費の中で住宅と道路に充てました予算の割合でございますが、昭和四十一年度におきましては、住宅に七・八%、道路に五七・六%、四十二年度におきましては、住宅に九%、道路に五七%、四十三年度におきましては、住宅に九・一%、道路に五六・六%、四十四年度は、住宅に九・二八%、道路に五七・五%というふうになっております。
○葉梨委員 この数字を伺いますと、ますますびっくりするわけでございます。国の経済の発展のために、道路をどんどんよくして流通機構の改善をはかるということは当然でございますけれども、あまりにもこの数字はかけ離れていると思います。いま局長が答弁された数字は、一般会計だけの数字でございましょうか。私が要求したのは、一般会計、特別会計あるいは財投等を含めた数字で、三カ年の累計でどんな割合になるだろうか、こういうことでございます。
○大津留政府委員 ただいま申しましたのは、一般会計、特別会計通じまして、国費でございます。そのほかに財投がございますので、国費と財投を合計いたしてみますと、四十一年度に、住宅に二九・八%、道路に四九・七%、四十二年度におきまして、住宅に二九・七%、道路に五〇・七%、四十三年度におきまして、住宅に三一・二%、道路に四九・六%、四十四年度におきましては、住宅に三二・三%、道路に四八・九%、こういうふうになっております。
○葉梨委員 いまの数字を伺いますと、住宅についてだんだんと予算の比率が上がってきたということは、たいへんけっこうなことだと思いますが、これから大臣はどういう方針で住宅問題に対処されるか、お伺いいたしたいと思います。
○坪川国務大臣 先ほどから住宅局長がそれぞれの御質問に対しましてお答えをいたしておるような数字でございます。いよいよ住宅政策の五カ年計画の最終年度を明年に控えまして、これらの状況を勘案いたしまして、私といたしましては、ぜひとも新たなる住宅新五カ年計画を策定いたしましてひとつこの補いをいたしてまいりたい、こういうような考えでおるような次第でございますので、先日住宅宅地審議会にも、新たなる五カ年計画の住宅政策のあり方等についてを中心としての諮問をいたしておるのでございますが、これの結論が、大体七月ごろ一応の中間的な結論が出ることを期待いたしておるのでございます。したがいまして、この答申を一つの大きな資料にいたしますとともに、過般、私は、新たなる五カ年計画の案といたしまして、いわゆる一つの素案を発表したわけでございますが、数字等におきましては、いまそれぞれの立場からの累計を調査いたしておりますので、これらの調査の資料を待った上において、戸数の問題等にもひとつ計画性を立ててみたい。したがって、私が想像いたします現時点における立場からいいますと、いわゆるいままでの五カ年計画の御承知のとおりの六百七十万戸、これを下回るというようなことは決してあり得べきでない、これを上回るところの年次計画を打ち立てたいという含みでおることも表明いたしておきたいと思いますとともに、量をふやすことをはかるとともに、先ほどから御指摘になりましたごとく、低層な所得者、一般の大衆勤労者に対するところの、切なる要求でありますところの公営住宅にウエートを十分置きまして、これらの問題点を公営住宅の面に中心を置きまして建設計画を立てたいということが第一。それから、先ほど葉梨委員が御指摘になりましたごとく、現在の都市状況を見ますと、いわゆる勤労所得者、大衆等を見るときに、非常に離れておるというようなことからくる職住近接というのが、私の新たなる五カ年計画の一つの大きな目標と柱にいたしたい。それには、御承知のとおりに、御審議をわずらわすことに相なりました再開発法の適用、また都市計画法の適用、運営等にも中心を置きますとともに、私はそれらの問題を含めまして、職住近接をはかってまいりたい。もう一つは、私は質の向上を一つの大きな柱にいたしたい。これは案ではございますけれども、私は、第一種の公営住宅等に対しましては本年度四十四年度からもう計画の中に入れてまいりたい、こういうような気持ちを持ちまして、四十四年度の公営住宅等の第一種その他の住宅の設計につきましては、四十六年度からのいわゆる質の向上の一つのスタートの準備としてこれをはかりたいということで、住宅局長その他と協議いたしておりますが、その内容の一端を申し上げますならば、昭和四十四年度の公営住宅等の質の向上をはかる意味から、私が先般発表いたしましたふろ場の問題でございますが、新たなる設計といたしましては、防水、防湿を配慮いたしまして、電線の配置あるいは水道の配置あるいはガスの配置というような、これがすぐ設置でき得るような、これらに必要とする電気、ガス、水道の設計等、線を一つの建物の中に入れました設計をいたして、そして勤労者、一般の大衆のあたたかいいわゆる住宅政策の内容の質の向上の準備といたしましては、私は、四十四年度から設計の面でもう着手していきたい、こういうような協議もいま関係当局と続けておるというようなことで、四十六年度からの一つの新たなる住宅新五カ年計画は、量と質と並行しながら、公営住宅を中心にし、そして一般の低所得者、勤労者のあたたかい日常生活のマイホームをつくっていきたいという発想のもとにいま準備をいたしておることを表明申し上げておきたいと思います。 ————◇—————
○始関委員長 葉梨君の質疑中でありますが、しばらくお待ちいただいて、この際、公聴会開会承認要求の件についておはかりいたします。 ただいま本委員会において審査中の公営住宅法の一部を改正する法律案について、この際、理事会の申し合わせどおり、右案について公聴会を開き、広く学識経験者、利害関係者等の意見を聴取いたしたいと存じます。 つきましては、右公聴会開会につき議長の承認を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。 なお、公聴会の開会日時、公述人の選定その他諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○始関委員長 引き続き質疑を行ないます。葉梨信行君。
○葉梨委員 ただいま大臣からたいへん熱のこもった、また、明るい未来を見通せるような御答弁をいただきましたが、具体的に第二次五カ年計画の戸数等はこれから算定をするというお話でございますが、実は保利建設大臣の当時に、住宅政策として、質よりも量であるということをおっしゃっておったわけでございます。それが、次の坪川大臣になられてから、質の向上をはかるという言明があったわけでございますが、長期的な施策としては当然であるし、職住近接ということも現下の喫緊事ではございますが、何か住宅政策がぐらぐらしているような印象を受けるわけでございます。何といいましても公営住宅の大量建設、公営住宅ということは、賃貸住宅を重点にしてこれからの住宅政策を展開していただきたいということを私どもは要望したい。そういう意味で、低所得者用の公営住宅は、若干質が落ちる——と言ってはおかしいけれども、質を犠牲にしても量一を確保するのがまず第一ではないだろうか。また、それ以外の政府施策住宅については質の向上をはかるというように、明確な体系づけと資金の配分計画をしっかりつくり上げていただきたい。そして強力なその裏づけとしては、地価対策、都市政策をもって進んでいただきたいということを申し上げたいわけでございます。 住宅政策につきましていろいろ申し上げたいのでございますが、あと三点だけ御質問申し上げます。 まず何といいましても、郊外へ郊外へと民間自力建設住宅が進んでいったのは、地価が高騰したからであります。その地価対策といたしまして、保利建設大臣のときに、住宅問題懇談会というものを設置されて諮問をされ、さらにりっぱな答申を得ておるわけでございます。当時の答申がどういう内容であったか、住宅局長からお伺いいたしたい。
○川島(博)政府委員 ただいま御質問のございました懇談会は、宅地ではなくて、土地問題懇談会という名称でございますが、保利前大臣がこの懇談会に委嘱をしまして、昨年の二月三日に初会合を開いたわけでございます。自来五月二十七日まで六回にわたって開催されました結果、懇談会といたしまして土地対策についての提言を保利建設大臣あて提出されたわけでございます。 その内容でございますが、まず全般的な問題といたしまして、やはり土地の公共性、社会性に着目いたしまして、公共優先の見地から今後の土地対策を考える必要があるという前提に立ちまして、具体的な問題といたしましては四点の問題点を指摘しているわけでございます。 まず第一点は、土地利用の調整でございますが、従来のごとく土地の利用を土地所有者または利用者の恣意にゆだねておることが土地の合理的な利用を阻害しているという現状に立ちまして、次のような施策を講ずべきであるとして、土地利用計画の確立、公的土地保有の拡大、さらに土地利用促進のための税制の改善について提言をいたしております。 第二点といたしましては、地価形成の合理化という表題のもとに、具体的な内容といたしましては、地価公示制度の実施を迫っておるわけでございます。 第三点といたしましては、土地の値上がり利益が、現在不労所得として地主の手に帰属していることは、社会的公正の面からも適当でないということで、土地の譲渡差益を他の所得から分離して相当高率の比例税率により課税することによって社会に還元すべきであるという提案をいたしております。 第四点といたしましては、土地需給の緩和をはかりますために、産業、人口の大都市集中を抑制するための措置を強化すべきである。また、宅地の供給を促進いたしますために、大規模な市街地開発の促進、それから公的機関と土地所有者その他の権利者との協調方式によって宅地の開発と住宅の供給を促進する新たな制度を創設することをはかるべきである。また、既成市街地における再開発を促進すべきである。 以上、大きく分けて四点の提言をいたしたわけでございますが、中でも、「公的土地保有拡大のための措置、土地税制の改善、地価公示制度の実施については、ただちに具体化しうる段階にあると考えるので、これらの施策をすみやかに実施に移すことを要望する。」ということばをもって提言を結んでおる次第でございます。 以上簡単でございますが、終わります。
○葉梨委員 ただいまの御答弁の中で、先ほどは坪川大臣から地価公示制度の法案も提案されましたし、いまのような提言がどんどん具体化していくように建設省当局の御奮起を要望する次第でございます。特に土地対策については、土地の値段を税制で押えるとかいうような面も必要でございましょうが、何といっても土地の供給をふやすとか、どんどん土地と上ものとが一緒に建っていくような、たとえば分譲地をつくっても、その分譲地が投資でございますというような投機家の手によって食われてしまって、実際に土地を必要とし家を必要とする人の手に渡らないとかいうようなことについて、もう少し促進策を考えていただきたいと思うのでございます。 あと二点御要望申し上げたいことがございます。 一つは、民間自力の住宅というものがむしろ公共住宅よりも多いけれども、一体民間建設の住宅に対してどれだけ政府が手を差し伸べてきただろうかという反省がございます。これから民間の建設に対して国としてできるだけ促進をはかり、住宅を建設する手をどう差し伸べていくか、対策を伺いたいのでございます。
○坪川国務大臣 あらゆる角度からの非常に建設的な御意見と傾聴いたしております。政府といたしましては、第一に宅地、土地の問題、これが住宅政策の優先する重要な問題でございます。したがいまして、われわれといたしましては、その土地の有効なる利用促進をはかるという立場から、公、国有地の活用が非常に大きな問題であろうと思うのであります。これにつきましては、御承知のとおりに、建設省みずから範を示すべきであるという観点から、過般発表いたしましたごとく、東京技術事務所の八万平方メートルに及ぶこの土地を活用していきたい、あるいは御承知のとおりに、基地などの返還に伴う土地を住宅政策に活用してまいりたいというような計画を立てておりますとともに、御承知のとおりの筑波学園都市に政府機関が約二十七、八の機関を移すということによるところのこれらの土地の利用という問題などに取り組んで、土地対策の解決の歩をなお一そう前向きに進めてまいりたい。それとともに、御審議をいただくことになっておる地価公示制度の活用をはかってまいりたいと思います。民間自力の問題については、先ほども局長が申しましたとおりに、現時点におきまして大体八一・五%の民間の住宅建設の進捗を見る場合において、これらの民間の住宅建築に対するところの減税の問題とか、あるいは住宅融資の問題とか、あるいは保険の問題というような財政的な面からも十分ひとつ援助措置を講じまして、そして民間の自力による建設の御協力に対する報いのある政策を財政面の上からも打ち立ててまいりたいと考えておる次第であります。
○葉梨委員 公共住宅は、公営住宅、公団住宅、公社住宅等ございますが、公共住宅についての問題としましては、早い時期に建ちました住宅は、町の中心から遠くないところにあり、家賃も安い。ところが、最近建った住宅は、だんだんと町の中心から離れていって、しかも家賃が高い。非常に不便でしかも高いというような不均衡がございます。その不均衡をやはり何かの機会に解消すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
○坪川国務大臣 これも非常に重要なことでございまして、都市計画法の可決を見まして六月からいよいよ実施いたしますこの段階においてのいわゆる住居専用地域の問題あるいは工業専用地域の問題等も考えますとともに、新たに御審議を願いますところの都市再開発法案の御制定をいただけますならば、これらの点から建物と住まいと土地の問題の三本立てにいたしました住宅というものの建築を急ぎまして職住近接の要望にこたえる対策も打ち立ててまいりたい、こういうような一貫性を持った土地住宅対策を今後推進してまいりたい決意でございます。
○葉梨委員 もう一つ中間層の問題がございます。ということは、公営住宅は、所得制限がございまして、比較的低所得層の方が入っておられます。それから公団住宅は、最近建ったものは家賃がだんだん高くなりまして、一万五千円、二万円、二万九千円、大体三万円近くの家賃のものもある現状でございます。三万円の家賃を取る公団住宅に入れる資格は、その四倍の十二万円の所得がなければいけないということになりますと、その中間層の方々はどちらにも入れないで非常に困難をしている。中間という中にはあるいは若い人もいると思いますが、そういう中間層に対してどういう対策をおとりになるか、何らかの適当な方策を考えていただかなければ、これは非常に大きな問題だと思います。
○坪川国務大臣 いわゆる中間所得層の方々を対象とする問題についても、私どもとして公営住宅法の改正を御審議願っておるゆえんもここにございますので、これらの法案の御審議をいただきまして制定をされました上において、中間層の方々の住宅欲求に対する不満解消の一つの大きな問題の解決点になるのではないかと期待もいたしておるのであります。新たなる住宅政策の立場から考えますときに、いわゆる土地の高度利用を促進することとともに、もう一つは、住みよい明るい生活環境の住宅政策という点から申し上げますならば、最近非常に問題になっており、また一般の人が要求されている日照の問題は、非常に大事な問題だと思いますので、近く提案をして御審議を願う建築基準法の問題等の中におきまして、低層の二、三階といいますか、十メートル以内の建物の第一種住居専用地域、あるいは第二種住居専用地域の十メートル以上の中高層というようなものに対する北側の斜線の制限等も行ないまして明るい住宅環境をつくって、いわゆる低所得者一般大衆の住みよい明るい住宅政策の推進をはかってまいりたいということも表明申し上げておきたいと思います。
○葉梨委員 ただいまの大臣の御答弁でございますが、いまおっしゃったことはそれぞれぜひやっていただきたいことでございますが、中間層に対する対策としてそれではたして十分かというと、まだ問題があるのではないかと思いますので、よろしく御検討をお願いいたします。 そこで、本改正案につきまして少しお伺いをしてみたいと思いますが、昭和二十六年に法律が制定されて以来とられてまいりました公営住宅の用地費に対する補助をこのたび廃止して融資に切りかえるという原案でございますが、これは原則的にどういう理由からそういうような方法をとられたか、また、補助のままであれば事業量が伸びないというようなこともあるのではないかと思いますが、具体的に、補助から融資に切りかえれば事業量が伸びるという結果が出ることをお示し願いたいと思います。
○坪川国務大臣 公営住宅事業の推進につきましては、公営住宅の建設五カ年計画の量を達成いたしたい、また地方の超過負担の解消をはかってまいりたい、また公営住宅の高層化あるいは不燃化等の質の向上をはかってまいりたいというのが、公営住宅の基本方針でございますが、これらの点の公営住宅の推進をいたす場合において、相当地方の公共団体に困難性もあります。したがいまして、この際、用地費については補助から地方債に切りかえまして、そして補助事業をさらに一そう推進いたしてまいりたいという点から、切りかえたようなわけでございます。
○葉梨委員 住宅局長から、もう少しわかりやすく、資金をどういうふうに使うから事業量も伸びるというようなことについて御説明をお願いいたします。
○大津留政府委員 この補助から地方債に切りかえます基本的な理由は、ただいま大臣が申されたとおりでございますが、これを計数的に申し上げますと、従来、公営住宅の建設費、その中の用地費に対する補助は、それぞれ、第一種につきましては用地取得造成費の二分の一、第二種につきましては三分の二ということでありますけれども、実際は補助単価が実情から非常に離れまして低くなっておる。したがいまして、実際にかかる経費というのは、補助単価の五割増しあるいはそれ以上になっておったわけであります。本来からいいますと、補助単価をそこまで上げて補助を継続すればこれは一番いいわけでございますが、それには相当な国費を要する、したがって、公営住宅の五カ年計画を達成するための経費あるいは質の向上等に回らないといううらみがございます。したがいまして、用地費の単価を実勢に合うように上げて、そのかわり低利の融資にしたほうが、地方としても実施しやすいじゃないかというわけでございます。 そこで、計数的なことを申しますと、四十三年度におきます公営住宅の建設の補助が百七億円、それからその補助裏に対します起債が六十億、合計いたしまして百六十七億というものを国からめんどう見たわけであります。しかし、実際はそれよりもはるかにかかるわけで、持ち出しが先ほど申しましたように四、五〇%に及ぶ。来年度四十四年度におきましては、これを地方債に切りかえましたかわりに、国といたしまして起債で認める額が二百八十六億円。百六十七億に比べまして七割以上の資金の手当てをするということにしておるわけでございます。四十三年度に比べまして四十四年度は建設戸数もふえておりますから、その分を考慮に入れましても、用地の単価として七割近い単価アップをいたしておりますので、地方としては、補助でなくて融資でありますけれども、資金としてはそれだけめんどうを見てもらったという関係で建設が促進しやすくなる、こういうことでございます。
○葉梨委員 いまのお話でまいりまして、単価を実額に近づけるというお話です、超過負担が残ることはございませんか。
○大津留政府委員 来年度の計画十万戸の建設、このうちすでに公共団体で用意しております土地に建てるもの等がございますから、実際に用地を取得いたしますのはこのうち九万戸ということで、九万戸の建設に対しましてその用地費が三百三十六億要るであろうというふうに計算いたしまして、それの八五%に当たります、先ほど申しました二百八十六億円を起債でめんどうを見ましょう、こういうことでございます。実際この土地の取得造成費が三百三十六億でおさまるかどうかという御指摘でございますが、やはり実際はいろいろな関係でこれをある程度上回るという結果になるのじゃないかというふうに私どもとしても心配しております。したがいまして、またその実績を見まして、将来そういう持ち出しがないように必要な単価の是正を逐年やってまいりたい、こういうふうに考えております。
○葉梨委員 用地費に対します超過負担の問題のほかに、工事費の超過負担の問題がございますが、工事費につきましてはどういう方策を考えておられるか、その点をまずお伺いいたします。
○大津留政府委員 工事費につきましては、先年、大蔵省と私のほうで共同で、実際にかかる工事費と予算単価とがどのくらいの差があるかというのを調査いたしまして、その差が四十二年度におきましては七%というふうに結果が出たわけであります。この七%の超過負担を四十三年度から三年で解消しようということで、これは大蔵大臣、建設大臣が国会で表明なさいまして、四十三年度の予算にはその三分の一の解消、それから四十四年度の予算におきましても同じく三分の一解消分として、二・三%の単価アップが見込まれておるわけであります。四十五年度におきまして全部を解消しようという計画で進めておるわけであります。
○葉梨委員 四十五年度になりまして実額と一緒になったといっても、いまのように物価値上がりの時期でございますから、また四十六年度になると単価が上がるということが起こるのはもうほぼ確実だと思います。そういうときにはどういうように対処されましょうか。
○大津留政府委員 年々の建築費の上昇は、それはそれを見た上に過去における実際と予算との差を埋めていこうということでございますから、たとえば四十四年度の予算におきましても、一年間の工事費の値上がりとして五・四%を見込んだ上に、過去の超過負担の三分の一解消ということで、合計して七・七%のアップを見ておるというわけでございます。
○葉梨委員 いまのお話で、超過負担が年次計画で解消するということ、それから事業量が格段にふえるということは、まことに朗報でございますが、一方において地方公共団体では借金がうんとできるわけでございます。はたしてこれが将来五年とか十年先に地方公共団体の大きな負担にならないだろうか、その点についてはどういうお見通しでございましょうか。
○大津留政府委員 借金でございますから、その負担が将来残る、そういうことは免れがたいことでございますが、地方といたしましては、年々の建設にあたりまして、予算単価の不足である超過負担を相当額持たざるを得なかった従来のやり方に比べまして、起債でその必要額をめんどう見てもらうということになりますので、当面の負担は非常に軽くなる。したがいまして、現在計画しております四十四年度の建設計画を今後その程度のものをずっと将来続けていくと仮定いたしますと、これから十年間ばかりはいままでの補助制度よりも当面の負担が軽く済む、十一年を過ぎてから起債の返済がふえていくということになります。地方公共団体といたしましては、年々財政力も強化されていっておりますおりから、将来の負担につきましては、現在持ち出しが多いよりは、将来の負担には耐え得るということを申しておりますし、私どもも、そのほうが事業主体に対する手当てとしては有効適切な方法であろうというふうに考えております。
○葉梨委員 あと残る問題は、起債のワクが年々増大するわけですが、確保できるかどうかという問題がございます。 それから、先ほども起債充当率が八五%だというお話でございますが、資金区分や償還期間はどんなことになっておりましょうか。
○大津留政府委員 補助を融資に切りかえるに際しまして、この趣旨、目的が、先ほどの大臣の御説明にありましたように、必要な実額を確保してやるというのが趣旨でございますから、この起債の額が確保できませんならば、この趣旨が生かされません。したがいまして、この法律におきましても、建設のための用地費に充当する資金について、国は適切な配慮をしなければならないということを規定いたしまして、その辺のことを抜かりのないように手当てをしておるわけでございますが、この起債の中で、政府資金を充てます分と、それから公募債による分とございます。今回の地方債につきましては、政府資金が六五・三%、公募債が三四・七%という割合になっております。これは用地費に対する起債と上ものの工事費に対する裏負担の起債と込みでございますが、この政府資金につきましては、返済は二十年と二十五年分とございますが、利率は六分五厘、公募債は七年で七分三、四厘程度でございます。
○葉梨委員 住んでいる人の立場からいいますと心配なのは、用地費の補助が打ち切られた場合に、補助金分だけ家賃が安くなっているわけでございますが、それが今度は高くなるんじゃないだろうかということがあるわけでございます。その点についてはどういうふうな対策をとられるおつもりでございましょうか。
○坪川国務大臣 お答えいたします。 この点の問題が予想されますので、御承知のとおりに家賃の補助制度を設けましたゆえんがここにあるようなわけでございます。
○葉梨委員 具体的に用地費に政令で定める率をかけたものを家賃収入補助とするとございますが、この政令の内容はどんなことか、また、用地費の標準価額の具体的なきめ方に「適正な立地条件」という字がございますが、これはどういうことであろうか、この二点をお伺いいたします。
○大津留政府委員 政令で定める率は、第一種の公営住宅につきましては百分の三、第二種公営住宅につきましては百分の四というふうにいたす予定でございます。この数字をかけましたものを補助いたしますならば、ただいま大臣から御説明がありましたように、家賃といたしましては従来と変わらない同額になる計算になります。 それから適正な立地でございますが、これは公営住宅として適当な環境あるいは通勤を考慮いたしました場所、そういうような通常の状況におきまして適当な立地条件を備えた場所に建てるものとして計算した額、こういうことでございます。
○葉梨委員 技術的な問題になりますけれども、家賃収入補助金を算定する場合の標準価額と起債の場合の標準価額にかりに食い違いがあった場合に、これをどう調整するかということをお伺いいたします。
○大津留政府委員 この家賃収入補助金の算定の基礎となる標準価額と、地方債の許可基準になります標準価額とは、これは同一にいたす方針でございます。
○葉梨委員 次に、高額所得者に対します明け渡しの請求の問題についてお伺いいたしたいと思いますが、民間の借家でございますと、家賃を払っていれば入居していられる。それが、所得の水準をきめて、それ以上の者は出ていけということは、人権問題にならないだろうかというような疑問があるわけでございます。あるいは、公営住宅をもっとたくさんつくればいいじゃないか、こういう議論もあるわけでございます。なぜ明け渡し請求の規定を設けられるか、その点をお伺いいたします。
○坪川国務大臣 非常に大事な問題でございます。われわれといたしましては、公営住宅のいままでの五カ年計画を推進いたしてまいりますとともに、さらに新たなる住宅建設五カ年計画の中に織り込む公営住宅を大量に建設いたしてまいりたいというのが、われわれの目標でございます。そうした立場を考えますときに、いままで建ちました公営住宅を十分活用するということも、これを補う意味においては大事な政策の一部ではなかろうか、こういうことを前提に置きまして、御承知のとおりに、公営住宅の中において、すでに長年お住まいいただいておる方々にいたしましても、もう十万円以上を所得されておるかなりの高額所得者もおられることも事実でございます。そういたしますと、この公営住宅の目標というものは、低所得者に対する住まいの提供ということが大きな目標であることを考えますと、会社あるいはその他の課長、部長クラスの方でこれらの所得をとっておられる方々がおられることを考え、また一方においては、非常に低所得者の方々が数多く入居できないことで不幸な住まい生活をやっておられることを考えるときに、私といたしましては、やはり低所得者に対する住まいの充当をするということが、正しい政策の一環であるというようなことから考えまして、私は、この明け渡し請求の制度を組み込みました制定をいたしました目標はここにあることを御理解いただきたい、こう考えるのであります。
○葉梨委員 もう一つの議論としましては、高額所得者に対しまして継続居住を認めて割り増し家賃をとったらいいじゃないか、こういう議論もあるわけでございます。これに対しましては、どうお考えになりましょうか。
○大津留政府委員 この法案を検討いたします段階におきまして、先生御指摘のような家賃を高くとることによって明け渡しにかえることはどうかという考え方もございまして、十分検討したわけでございます。しかしながら、現行制度におきましても、御承知のように、ある程度収入がふえました方からは割り増し家賃をちょうだいしておるわけでございます。この割り増し家賃というのも、公営住宅が低所得者のためということで家賃を低く押えておるということに対しまして、収入が上がった方に対しましてはそれほどの国の援助は必要ないじゃなかろうかというので割り増しをしておるのでございますが、しかし、これとても一定の限度がございまして、それだけで将来にわたって居住を継続されるということが、今日の社会情勢からいいまして、社会正義といいますか、公平の観念からいいまして十分であろうかということで、今回のような改正案になったわけでございます。したがいまして、それじゃ割り増しをもっと高くとったらどうか、二倍も三倍もとったらどうかという御意見も、一つの理論としては考えられることかと思いますけれども、実際上、家賃というのは住宅の効用に対する対価という性格を持っておりますので、そう高くとりましても、限度もございます。したがいまして、そういう相当の高額所得者に対しましては、今回の改正のような措置が最も適当な方法であろうという結論に達したわけでございます。
○葉梨委員 具体的な問題でお伺いいたしますが、明け渡しの請求は「政令で定める基準をこえる高額の収入のあるときは、」となっておりますが、この入居基準と超過基準というものを御説明願いたい。
○大津留政府委員 入居基準といたしましては、現在、第一種公営住宅につきましては、一定の控除をいたしました残りの月収が四万円以下、第二種につきましては二万四千円以下、こういうふうになっております。この一定のものを控除すると申しますのは、税法で定めました給与所得控除を差し引きまして、さらに、扶養家族があります場合には、家族一人当たり月三千円の割合で控除したもの、こういうわけでございます。 この明け渡し基準につきましては、ただいまのところ考えておりますのは、同じような控除をいたしました残りの月収が、これから入居される方につきましては月十万円、それから現に入っておる方々につきましては月十四万円の所得をこえる方、こういう基準を考えております。
○葉梨委員 具体的に、今度のこの法律が施行された場合に、高額の収入を得ている者は出ていってほしいという、その高額の収入は幾らでございましょうか。また、その算定の根拠、あるいはまた、物価が変動した場合にそれを固定するのか、物価変動に対応して額を上げていくのかどうか、その点をお伺いいたします。
○大津留政府委員 明け渡しを求める基準は、先ほど申しました、これから公営住宅に入ってくる方々が将来収入が上がった場合におきましては月収十万円、これは年収にいたしますと、標準家族の場合百五十八万八千円になります。それから、現に入っておる方々につきましては月収十四万円をこえる場合ということで、これも標準世帯の場合、年収に換算いたしますと二百六万八千円、こういうふうになります。
○葉梨委員 現在入居しております超過者及び高額収入者の実態はどういうことでございましょうか。それから職業上の特徴と申しますか、どんな職業の方が多いか、そこら辺のことをお伺いいたします。
○大津留政府委員 先ほど申しました基準をこえる所得のある方でございますが、公営住宅入居者のうち、現に入っておる方の中で年収二百万円をこえる方は、およそ一%でございます。これらの方々の職業でございますが、その大部分、八割以上の方は、会社の役員または会社員あるいは公務員という方々でございます。
○葉梨委員 この公営住宅に入っておる方々のうちで、むすこや娘さんあるいは奥さんも働いているといううちもあるわけであります。ところが、現在は合算すると非常に高額の所得になるけれども、間もなくむすこは独立する、娘は嫁にいくというようなことで将来減収になる家庭もあるかと思います。そこら辺に対します配慮はどんなぐあいになるわけでございましょうか。
○大津留政府委員 この収入の計算でございますが、同居の親族の収入を合算するというたてまえでございますが、いま御指摘のように、同居の家族の中でむすことか娘さんというような方はいずれ独立されるということも考えられますので、配偶者の所得は全額合算いたしますが、それ以外の方の収入は三分の一程度それを控除するという予定にしております。
○葉梨委員 明け渡しの請求を受けた者に対しましてどういう配慮があるだろうか。たとえば公団等を御紹介いただけるということもあるかとも思いますが、都市によっては公団住宅がないところがございます。そういう人に対してどういう御配慮がされるだろうか。 それともう一つは、そういうように公営住宅から出ていって間もなく定年になって収入ががた減りするという方に対してはどう考えたらいいだろうか、どう対処したらいいだろうかという問題があるわけでございます。
○大津留政府委員 明け渡しを請求いたします方々につきましては、ほかの住宅をあっせんするというたてまえにしております。東京のような場合には公団住宅、公社住宅その他がございますが、地方におきましてはそういう公団住宅等がないという場合もございます。これらの方々につきましては、公庫融資によりまして住宅をお建てになる資金のあっせん、あるいは住宅供給公社の賃貸あるいは分譲住宅をあっせんするということにいたしております。また、そういう高額の所得者でございましても、病気になっておるとか、あるいは、いまお話しのように職を失って収入がなくなったというような特別な事由がございます場合には、請求を延期するという扱いをすることにいたしております。
○葉梨委員 それでは最後に、建てかえの規定についてお伺いいたしたいと思いますが、政令で定める規模の団地に対して建てかえをする、その規模はどんな規模でございましょうか。
○大津留政府委員 建てかえの対象となります規模といたしましては〇・一五ヘクタールとする予定でございます。
○葉梨委員 木造の公営住宅がいま全国でどれくらいあるか、また、そのうちで建てかえを必要とする戸数が何戸くらいあるか。
○大津留政府委員 木造の公営住宅全部で四十七万戸ございます。この中で、場所柄その他からいいまして建てかえに適するものが約十五万戸程度ございます。
○葉梨委員 建てかえをされますと中高層になると思いますが、中高層の住宅は公団住宅と大体同じものができるのでしょうか。間数とか、ふろ場の有無とか、そういう点について御説明願いたいと思います。
○大津留政府委員 現在も中層または高層の公営住宅を建てておりますが、その規模は、第一種で四十二平方メートル、第二種で三十七平方メートル程度でございます。公団よりやや狭い。間数からいいますと、二DKないし三DK程度になります。
○葉梨委員 さしあたって四十四年度で何戸くらい建設される計画でございましょうか。
○大津留政府委員 来年度におきまして木造の住宅約三千戸を建てかえたいという計画でございます。
○葉梨委員 建てかえをするときに、必要なときには入居者に一応別の住まいを手当てして移すという規定がございますが、三カ月という期限はちょっと短いんじゃないかという感じもします。引っ越しの荷づくりをしたり、学校の手続をしたり等、いろいろ個人個人で問題があると思いますが、三カ月で短くないかどうか。
○大津留政府委員 建てかえの場合には、あらかじめ仮の住まいをつくって提供するとか、あるいは他の公営住宅のあいたところを用意いたしましてそして移っていただきますので、三カ月程度の準備期間があれば十分じゃなかろうかというふうに考えた次第でございます。
○葉梨委員 次の心配は、建てかえをするからというお話で移りまして、さて新しい中高層の公営住宅ができたときに必ず入れるという保証はございましょうか。
○大津留政府委員 必ず入れなければならないという規定にいたしております。
○葉梨委員 あと問題は移転料でございます。引っ越しの費用、たとえば東京で公営住宅に入っておって、しばらくのいてくれ、それじゃ、私の郷里は青森でございますから、青森の実家に行っておりますという場合に、移転料は持っていただけましょうか。
○大津留政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、建てかえに際しましては、仮に移っていただく住宅を提供いたしまして、ここにしばらくお移り願いたいということで提供いたしますので、そこにお移りいただく費用を補償するということで、御本人の希望で、いまお話しのように青森までお移りになる費用までは出しません。
○葉梨委員 青森までは出さないとしても、一定の額は出していただけるんでしょうね。
○大津留政府委員 そういう提供した場所にお移りいただくとして算定した費用だけは差し上げます。
○葉梨委員 最後にお伺いしたいのは、何といいましても、木造の公営住宅から中高層の快適な住まいに移るわけでございますので、家賃が高くなると思います。急激に家賃が高くなるというのは、低所得者にとりましては非常に大きな問題でございますが、それに対して経過措置とか緩和措置をおとりになる考えはございますか。
○大津留政府委員 建てかえによりまして建設される公営住宅に対しましても建設費の補助がございますから、その家賃は、一般の住宅に比べまして相当安くなっておるわけでございます。したがって、新たにお入りになっても、その負担ができないというほどの家賃にはならないと思いますけれども、ただ、従来の家賃が非常に安かったという関係で家計に急激な変化を与えるのもどうかということから、事業主体におきまして一定の期間ある程度の軽減措置をとるということが適当な措置であろう、そういうふうに指導いたしたいと思います。
○葉梨委員 長い間ありがとうございました。それではこれで質問を終わります。 ————◇—————
○始関委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 私が質問を申し上げますのは、全国総合開発計画の問題でありますが、経企庁の特殊な委員会がありませんので、国土総合開発法は建設省の関係になっておりますので、特に関連をして両大臣に御答弁願いたいと思います。 この質問をいたしますのは、実は昭和六十年度を目途とする全国総合開発計画は、昨年の十月に第一次試案が提出されましてから、これまで第四次まですでに出ておるわけであります。私は国土開発審議会の委員でありますけれども、その席では政治的な政府の責任を明らかにしてもらう場所ではないために、しかも質問の時間が十分とれませんので、国策としての政府の責任を明らかにいたしますためには、これほどの重要な問題についてはぜひ国会の場において政府の所信を明らかにしてもらいたい、実はこういう希望を持っておりますので、本日質疑をするわけであります。 すでに、全国総合開発計画の問題につきましては、二月七日の予算委員会におきましてわが党の阪上安太郎君から質疑をしておりますが、総理大臣及び菅野大臣は、一月二十七日の政府の施政方針の中に一貫してこの国土開発計画に対する所信を表明されております。同時に、建設大臣も、委員会におきまして特にこの問題に触れておられるわけであります。時間がございませんので、ここで結論を先に申し上げて両大臣おそろいの席でまず答弁を願っておきたいと思いますのは、実はこの計画の第四次案まで出ておりますが、いま三月中に最後の第五次案を出す用意をしていらっしゃると思います。なぜなら、この全国開発計画は事実上四十四年度からスタートすることになるのでありましょうから、年度内にたぶん最終的な案を審議会にかけて政府に答申をし、閣議決定をされるという展望の上に立っておられると思うのです。そこで、この最終的な段階にきまして、いま第五次案の中心になりますものは、一番最後に残されている第三部の「計画達成のための手段」という項目であります。第一部は総論でありまして、基本的な考え方であります。第一部について論議をいたす時間がありませんし、してみても、実はこれは読本なのであります。本来は政策でなければならないはずなのに、詰めていきますと、政策ではなく、全国総合開発計画に対する昭和六十年度までを展望したいわば読本的なものになってしまう。しかし、第二部は地方開発、全国七ブロックに対するそれぞれ開発の手段を立てておるのでありまして、この第一部、第二部に対する全責任を負う実施の計画というものが期待されるのは、第三部の策定であると思うのです。ところが、この第三部というものは、そう言うと申しわけありませんが、これは宮崎総合開発局長も非常に御苦労しておられることはよくわかるのですが、経済企画庁は、各省の持ち合いであるし、それから各省のいろいろな意見の調整をしなければいかぬから、肝心なところ、この重大な全国総合開発計画の実行手段については全部逃げておると言って差しつかえないと思うのです。だから、審議会あるいは総合部会の中では、第三部を全く削除してしまったらいいだろうという意見もあるわけです。しかし削除するわけにもいかない。まるきりでたらめな一と申し上げては恐縮ですが、実行の手段を明らかにしない方策を出したのでは、すでに昭和三十七年の第一次の全国総合開発計画が失敗に終わっている状態から見て、何かやはり実行の手段を明らかにするということで第三部がつけ加えられておる経過があるわけです。さてそこで、この第三部を実行するのにどういうような強力な実行方法があるのか。経済企画庁が中心になってこれをおやりですけれども、これは各省にまたがっておる。実際は、実施の面になりますとやはり建設省が最大の責任を負わされることになる。あるいは関連して運輸省、農林省、厚生省、自治省その他の関連が出てくると思うのですが、これらの総合的な政府の統一意見をひとつ樹立して、この計画が単なる読本に終わらないで、実施をする責任を負える体制というものがどういうことになるのかという点につきまして所見を明らかにしてもらいたいと思います。
○菅野国務大臣 新全国総合開発計画は、お話のとおり第四次まで試案ができております。これは第五次——私らももっと練るだけ練って完全なものをつくりたいという考えを実はしておるのでありまして、いよいよ最終案ができ上がりますと、閣議にかけまして閣議決定しまして、そして国会でまた御審議をお願いするということになっておりますが、最終案をつくる前にもちろん国土総合開発審議会にはかけまして、審議会で御審議を願うということになる順序だと思っております。そこで、せっかく皆さん方の英知を集めて、また貴重な時間をさいてつくっていただく新全国総合開発計画でありますから、これが単なる作文であればよしたらいいという私の意見です。つくったものを実行してこそ値打ちがある。また、委員の皆さん方に対して報いるゆえんである。作文をつくって喜ぶようなものであればよせというのが私の考え方であります。したがいまして、今度つくる開発計画というものは、つくったものは各省がこれに従って計画を立てるということ、そしてすべて今後の日本の開発計画はこれによってやっていくということ、そういう権威のあるものを今度つくらなければならぬということを私は言っておるのでありますから、それにはやはりできるだけ皆さん方の知恵を集めて、またいろいろ皆さん方の知恵をどんどん持ち込んでもらって、そして衆知を集めて完全なものにしたいということで、いま漸次試案をつくって練っておるわけであります。でありますから、そういう意味で、いま渡辺さんが御心配になるようなことはないようにしたい。もしそれで実行のできぬようなものであったら、私はもういまでもやめていいと思っておるのです。実行のできるものをつくるという考えでやっておりますから、その点において御協力をお願いしたい、こう思っております。
○渡辺(惣)委員 そういたしますと、第三部のこの開発計画達成のための手段というものについては、第五次案ではこの程度のことよりも前進をする方向が討議されておるのかどうか、提案されるのか、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のように、第三部は「計画達成のための手段」ということでございまして、ある程度制度的なことが書いてあるわけでございますが、特にこのうち基本問題として四つの課題をあげておりますが、この部分につきましてもう少し明確にしてはどうかという御意見をいろいろいただいております。私どもとしても、第五次案の段階でできるだけそういう方向でやってみたいと思っております。ただ、御承知のとおり、全国総合開発計画というものの性格論もございまして、具体的な制度をきめるということになれば、このあとに続く政府部内でのいろいろな検討、あるいは地域開発制度調査会議というものを政府の中に持っておりますが、そういったところでの検討ということを経て、具体的に法律なりあるいは制度として確立していきたいというふうに考えておりますが、第五次案におきましても、ただいまのようなことでできましたら、突っ込めることは突っ込んでいきたいと思っております。
○渡辺(惣)委員 この計画を達成されるということになりますと、民間投資を期待されておるようですが、公共投資の推定額、民間投資の推定額はどれぐらいでございますか。
○宮崎(仁)政府委員 今度の計画は、資金計画幾らというようなきめ方をいたさないで、具体的プロジェクトを積み上げて計画の達成をはかっていくというやり方をとっておることは、渡辺先生御承知のとおりでありますが、この間における公共投資なり民間投資がどの程度になるかという目安がなければこういったプロジェクトの積み上げもできませんので、それを計画のフレームという形で掲げております。第四次試案では二十二ページに書いてございますが、総体の投資額として四百五十ないし五百五十兆円で、そのうち、民間投資といたしましては、民間設備投資二百十兆円ないし二百六十兆円、民間住宅投資百十兆円ないし百二十兆円、それから政府の固定資本投資は百三十兆円ないし百七十兆円ぐらいに推定をいたしております。なお、幅がありますのは、御承知のとおり、フレームの作業におきまして上限下限的な二つのケースを考えておりまして、幅をもってこういった金額を考えておるということでございます。
○渡辺(惣)委員 膨大な国家の財政投資を必要とするこの計画をほんとうに責任をもって行なわれるということになりますと、政府はそれに応ずる体制を整えなければできるものではないと思うのですが、依然として、これは読本的な存在に終わると思うのです。長官が三十分ぐらいしかおられないものですから、長官のおられるうちに両大臣に伺いたいのですが、一体、政府はこれを閣議決定した暁に、これからの全国総合開発の実施をするのにどういう機構、プランでやられようとするのかという点が全くあいまいになっておるわけです。そのことは、現実に置かれております政府の方針の批判と反省から始まらなければならないことだと思うのです。概括的にいいますと、いまこの国土総合開発計画に関する国の機構は、直接的な点から見ますと、経済企画庁、建設省、北海道開発庁の三つの役所があるわけですが、開発計画に関する中で、特に首都圏整備委員会の委員長を建設大臣が兼務されております。それから近畿圏中部圏もおのおの建設大臣が長官を兼ねられておるという状態です。しかし、調べてみますと、首都圏整備委員会が、この七都県にわたる膨大な地域に首都圏の整備計画を立てて調査、計画をする役所に、実際は職員はたった五十一名しかいないのです。大臣は兼務しておられるのだから、一ぺんくらいのぞかれたかどうか知りませんけれども、東京都を含む神奈川その他の広大な地域の整備をする国家機関が、どのくらい精鋭な人を集めたか知らぬが、五十一名で、どこで何をしているのか。これは驚くべき機構だと思うのです。近畿、中部圏に至っては二十人ぐらいしかおらないのですよ。ところが、そういうような状態の機構ができておるということは、私は、政府の国民に対するごまかしだと思うのです。やっているのだぞという言いわけをするためにこういう役所をつくっておる。そして事もあろうに、大臣が兼務されて首都圏整備委員長とか中部圏の長官ということになっておるのです。そして、やっているのだということで、利用する人は利用するという程度にとどまっておるのだと私は思うのです。大体これは欺瞞政策であると思うのです。なくてもいい官庁であると思うのです。もし必要なら、これは経済企画庁の中に近畿圏班としてでも中部圏班としてででも設置すればいいのです。その程度の事務能力しかないんですよ。大体この五十一人が首都圏を整備したりする能力なんて何もないんです。ところが、肝心の経済企画庁に至りますと、もっとはなはだしいのです。特に企画庁の総合開発局などは、審議会を十三もかかえておるのです。大臣、おわかりだったら、数えてもらいたいのです。十三の審議会をかかえて、一年に一ぺんも招集しない審議会を十三もつくって、そうして総合開発局は、審議会の事務を処理するだけで精一ぱいで何も仕事ができないという状況にあるのですが、実際上、国民に対して隠れみのにこういう審議会を乱造して、ほとんど役所の仕事は審議会の運営だけにかかっているというような状態でありますから、これを整理統合いたしまして何らかの施策を打ち出さない限り、この総合開発計画はだめなんだ、そのことを第三部において明らかにしない限りこれはだめなんだ、これが言いたいところなんです。この点につきまして、これを実施するに足る十分の強力な施策があるのかどうか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○菅野国務大臣 この実施について渡辺先生にいろいろ御心配していただいておりますが、とにかく計画をつくってこれを実現するについては、しからば組織をどうするかということを考えるべきだと思うのです。ただ、いまの組織でやれというのは、仰せのとおり無理です。私は、計画をつくって実施するについてはどういう組織でいくかということはそのとき検討すべきではないかという考えを持っておりますので、現在の制度自体でいいか悪いかということもそのとき考えるべきだということです。これは相当大きな計画ですから、お話しのとおり、遊びごとでやるような計画なら、もう初めからやらぬほうがいいという考え方ですから、実行する計画をやるべきだということでありますから、したがって、実行するについて、いまの制度、人員を再検討してひとつ十分実行のできるような組織でいきたい、こう考えております。
○坪川国務大臣 御指摘になりましたこの問題につきましては、ほんとうに重要な問題だと私も感を同じゅうするものでございます。二十一世紀に残すわが国土の開発及び建設の基本線をなす重要な問題であります。したがいまして、いま菅野長官が御答弁になられましたごとく、政府といたしましては、これらの最終的な結論が一つのマスタープランとして出てまいることは当然でございますが、それが出てまいりましたときに、それぞれの関係官庁がその下部においてどうあるべきかということについて統一的に計画を打ち立てなければならぬ一つの重大な作業が出てくると考えるのであります。その時点におきまして、いま菅野長官が答弁されましたごとく——いまのいわゆる首都圏の問題、あるいは中部圏あるいは近畿圏等の問題もございますし、あるいは北海道の問題もございますが、しかし、この三圏のほうにつきましては、文化、経済、あらゆる面において重要な役割りを果たしている問題でありますとともに、過疎等の問題を考えると、単なるその三地区だけにおいて満たされるような一辺的な問題ではない。ことに過疎問題等も考えますときに、日本全土にわたるところの計画性と総合的なるところの計画がおのずから出てくるということも期待いたしておりますので、その時点に立って、いま菅野長官がおっしゃったごとく、それぞれ政府としてはこれらの総合対策をどう打ち立てるかという重大な仕事に取り組む覚悟でおることを表明申し上げたいと思います。
○渡辺(惣)委員 いま両大臣の所信の表明があったのですが、そうしますと、最終案を答申して閣議において決定する段階においては、第三部の方向に基づいて、これを実施に移す場合の、中枢部というものの意見を閣議において取りまとめ、実施の責任を負うという体制を示すことになりますか。
○菅野国務大臣 第三部の問題についてこれを実現するについてどういうふうな組織でいくかどうかというような問題については、いまのところ、やりますという御返事はできませんが、しかし、前向きにやらなければならぬと考えておりますから、いよいよこれが最後の閣議決定するときには、そこまで決意をして閣議決定をしなければならぬ、こう考えております。
○渡辺(惣)委員 残念ですが、大臣に迎えが来ておるというので……。 この問題について、国土総合開発計画の実施については、それぞれ各党で具体的に意見が出ているんですね。出てないのは政府だけなんです。それぞれ意見がすでに出尽くしているのです。たとえば、自民党の田中委員会、都市問題特別委員会は、結論を出して、昨年の五月二十六日に国土総合開発法の全面改定、そして実施機関としては総合開発省あるいは国土開発省をつくるべきだ、あるいは都市計画省、公共事業省——名前は未定の部分もありますが、そういう発想も出しているのです。同時に社会党も、昨年の五月二十九日には、国土総合開発省という機構を、それぞれ内容的な点も考慮いたして出しておりますし、六月の七日には、公明党は、国土省を設置しろと主張しております。民社党も翌六月八日に、国土開発省という方向を打ち出しているわけです。これは参議院選挙の直前だったから出したのですか。野党はそれぞれ政府の方針に対して対決しているのですから、政府のほうでは、現に建設省なり経済企画庁なりその他の役所がある。その与党の責任ある人物が——個人でないのです、委員会が、国土開発省という総合官庁をつくって、そして今日の全国の総合開発計画という機構を一元化しろということを与党の責任者が発表して、党議決定されておるのです。党議で決定されておることが、何で一体政府は決定し切れぬのですか。何でそれが決定できないのか、その方向が、政策が、具体的な問題としてなぜこの機会に取り上げられないのか。ちゃんと基盤ができておるのですから。その点につきまして両大臣はどうお考えになっているか、閣議の中でそういう統一見解を明らかにするかどうかを明確にしてもらいたいと思います。
○菅野国務大臣 この計画をまずつくって、その上で、これを実施するについては現在の行政機構でいいか悪いかということを検討していくものである、こう考えております。そこで、御承知のとおり、いまの日本の行政機構というものは非常に複雑でありまして、われわれが見ておっても、重複したり何かしているものがあるのでありますから、したがって、この際思い切って行政機構の改組というようなことも提言している人もおるのでありますが、私は、この総合開発計画というのは、とにかくいまから約十四、五年先の大きな計画でありますから、これだけの大きな計画を実施するについては、やはり相当の組織がなければならぬということを考えておりますから、まず計画をつくって、そしていよいよやるという段になってその問題については考えていいので、いまから考える、いまから出すということはちょっと早いのではないか。この計画はどういう計画ができるかということを待っておるわけであって、その上でひとつ制度問題は考えるべきではないか、こう考えております。
○坪川国務大臣 御指摘になりましたとおりに、各党がそれぞれの立場においてそれぞれの党としての方針を表明されておることも、私も聞いていおり、また、いささか検討もさしておるのでありますが、総合的な計画的な段階の立場あるいはそれを実施する立場の一元化等をも含めまして、われわれといたしましては、いま菅野長官のおっしゃったごとく、その時点において、これの実施その他計画というものを踏まえてこれらの機構の問題については慎重に検討を前向けの姿勢で行ないたい、こういう予定でございます。
○渡辺(惣)委員 そこで、経済企画庁というのは計画官庁ですね。いまの性格では実施官庁ではないわけですね。ところが、経済企画庁の四十四年度の予算を調べてみますと、経済企画庁の予算の中に、実施案にひとしい今年度六十九億円という調整費が入っているんですね。これは前年は六十二億円ですね。これは調整費だというので、まことにおかしいと思っているのです。何を調整するのか。各省は各省でそれぞれ予算を取っているのですよ。建設省にしても農林省にしても、厚生省にしても運輸省にしても。一体この調整費というのは、各省が縄張りをして、当然建設省がやるべきことを建設省がやらない、運輸省がやるべきことを運輸省がやらないで、どこかの役所が予算を持っていながら、各省間の利害関係やセクトのためにやらないところへ調整費を出すということになれば、予算の二重投下になるんですね。そういうことは本来初めから内閣の中で各省が統一されなければならぬのです。実施官庁でない経済企画庁が七十億近い金を握って、子供にあめ玉をくれてなだめるようなやり方をしているということは、これは予算の編成からもおかしくないですか。
○菅野国務大臣 経済企画庁は、いわゆる企画するところでありまして、総合調整をやるところです。その調整費というのは、これは具体的な例で局長が申し上げたほうがはっきりおわかりだと思うのですが、これは決して経済企画庁自身が使っている金ではありません。これは、建設省でやってもらいたいという場合には建設省へ渡す、農林省でやってもらいたいという場合には農林省へ渡す、それは、各省での仕事をより完全にするために、経済企画庁が調整する資金を持って、必要な資金を各省へ分けるというやり方でありますから、具体的な例を局長から申し上げたらすぐおわかりになると思いますが、いまちょっと私はいい例を持っておりません。そういう意味でありますから、決して経済企画庁が実施する金ではありません。
○渡辺(惣)委員 そういうことはわかっていますよ。わかっていますから、建設省がやる仕事なら、初めから建設省でそういうことを予算の中に組んで建設省がなぜ実行しないのか。運輸省が実行するのなら、なぜあとからあめ玉を配るように運輸省に調整費というものを出さなければならないのか。これは予算の組み方がもともと間違いなんですよ。経済企画庁自身が、実施機関でないのに、何て実施につながる予算を抱いて——それなら初めからもとへ戻せばいいじゃないですか。そういうこと自身、いわゆる各省分裂の問題があるのですよ。たとえば国土開発庁というものができれば、一本でやれるはずですね。経済計画、企画だけをする官庁が、実力を持たない、しかし計画は実施してほしい、そこでその問題点のところだけを別ワクにとって調整をしているということになる。計画と実施の分野が統合的に行なわれなければ効率があがらない、むだが多い。これはたった一つの例ですよ。だから、理屈をつければ幾らでもありますよ。決して、六十九億円むだ使いをしている、ただ使っているということを言っているのではないのです。そういうことを申し上げているのではないのです。計画官庁と実施官庁が分裂して、各役所のセクトでやらないから、そこの調整にこれを使っているんだというほど今日の行政機構が分裂し、調整がとれていないのかということを聞こうとしているのです。宮崎局長に答弁されると長くなりますし、二人はいつでも部屋の中で議論をしているのですから、きょうは大臣の答弁を要望します。
○菅野国務大臣 その調整する必要がある場合の調整金を経済企画庁は持っておるのでありまして、運輸省でも出せない、建設省でも出せない、しかし、そこに何か必要なものをつくらなければならぬという場合に、経済企画庁のほうで調整金を出してそれを完全なものに仕上げるという意味で持っておる。これによって総合調整ができるわけです。各省の仕事をまとめてそうして完全にするという意味でやっておる。これは各省各省でやると、そこに権限の争いや何かがいろいろあってまとまりにくいから、そこで経済企画庁が総合的な立場から判断をして、こういう道路をつくるという場合にはここへ道路をつくってあげようというようなことを考えて出すわけなんでして、行政の運営を円滑にする意味においてこの資金というものは非常に必要なものだと私は考えております。
○渡辺(惣)委員 経済企画庁長官、これは権力を持たない経済企画庁長官の顔立て料みたいなものなんですね、実際を言うと。各省調整ということで、手みやげを持たないで調整するといったってぐあいが悪いから、若干の手みやげを持って、建設省、顔を立ててくれとか、そういう話ですね。 それじゃ、この問題を打ち切りまして、どうしても両大臣に聞いておきたい問題が一つある。それは、今度総合開発計画は全国を七ブロックに分けられておるのですね。七ブロックに分けたうちで、北海道と首都圏と中部と近畿にはそれぞれの行政機構があるわけですね。ところが、この七ブロックに設定された東北と中・四国と九州地区には、こういうような中部圏とか近畿圏の行政機構のようなものが全然ない。私は、すでにあるものがむだだと言っているのですよ。すでにあるものが何らの行政能力を持っていない。そこにおる人はいやな顔をするかもしれませんが、実態的にその圏内の官庁、自治体を指導するような条件を整えることが欠如しておるということがすでに明らかになっておるのに、今度はこの全国総合開発計画が閣議決定になれば、残った東北と中・四国と九州にまた大臣兼任の長官ができたり委員長ができたりという結果が必ず出てくるのです。ようございますか。経企長官は首をかしげておりますが、現にそういう動きがあるのですから、おみやげ官庁をまた三つふやす。また、ふやさないと均衡がとれない。片方があるのにどうしてくれるということになりますよ。もうねらっていますよ。一体これは三つつくるのか、あるいはいままでのこの問題を総合統一するのか。この総合統一をしなければ、あとの三つをつくらなかったら、自民党の代議士さん承知しませんよ。(「大臣になりたい者ばかりだ」と発言する者あり)大臣になるより、役所をつくらなければ、自分のほうだけ後進地域ということでおこられて、政治力がないじゃないかということになりますから。一体そんなばかなことを考えているのかどうか。絶対にそういうことはしません、前向きで現存するそういう機構も統一をするということをここで明らかにしてもらわないと、さらに質問を継続しなければならなくなる。大臣、その程度のことはひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○菅野国務大臣 御心配の点につきましては、私は、とにかく新しい総合開発ですから、全国的にすべてを見たい、こう考えております。一部にあって一部にないというようなことではいかぬ。全国的に再検討をしたいと思っております。近畿圏、首都圏の問題にしても、全国的に見て地域的な所得の格差もなくするし、地域的な生活の格差もなくして、全国民がみなそれぞれ幸福な生活を送るような案を立てたい、こういう考えをしておりますから、したがいまして、その案ができ上がりますれば、そこでいまの近畿圏の問題あるいは広域行政の問題もあわせて研究する必要があると思っております。したがいまして、いまのところ、別に大臣を設けるとか、そんな考えは全然ありません。この案ができ上がったときには、それによって全国的に見も最も公平な案をつくるつもりであります。
○渡辺(惣)委員 それでは、質問を建設大臣に継続します。 私は、全国総合開発計画の実質上の担当をするのは建設省が柱である、こう考えます。 〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕 そこで、特にこの問題、全国的に新ネットワークをつくり、そして交通網の整備を行ない、情報化、スピード化、高度化、高速化をはかるということになりますと、その実施の責任というものはほとんど建設省にかかってくると思うのです。ところが、この総合開発計画の第四次案を大臣はお忙しいからお目通しないと思いますが、ここで一番問題が関連しますのは、建設省では道路計画と住宅計画というものは不可分の関係で全国的に影響してくると思います。ところが、この第四次総合開発計画の中には、道路計画はほとんど抽象的にしか書いていない。しかし、住宅計画については、道路計画に対してみると、非常にきめこまかく問題提起をしている。たとえば、この第四次試案の四十五ページによれば、「住宅の建設に関する主要計画課題」という一項を設けている。ここでは昭和六十年までの展望をしておりますが、人口が増大する、その結果、世帯数は現在より千百四十万世帯増加する、また、この増加した世帯の七〇%が都市に集中するということです。そうすると、その結果、昭和六十年度には住宅の総需要は千六百五十万戸に達する、そのうち東京、大阪、名古屋は千二百万戸から千三百万戸を占めるであろう、それからもう一つ、都市計画が進行したり再開発が進んだりして建てかえ住宅の需要が千三百万戸になるであろう、その結果、総住宅需要は三千万戸となる、これらの問題を解決するのに宅地の需要は二十五万ヘクタールに達する、こういうきめこまかい六十年度の試算を試みている。この点につきましては、そのとおりだと思われますか。
○坪川国務大臣 いまお読みになりました一応の住宅建設の今後の展望につきましても、私も、先ほどの質問にもお答え申し上げましたとおりに、長期にわたるところの住宅政策の計画を立案すべきである、しかし、住宅宅地審議会からの答申あるいはその他の点も十分勘案して、戸数の計画について十分慎重に検討を加えまして、その計画の戸数等にも一つの立案を急ぎたい、こういうふうに述べましたような次第であります。したがいまして、いま御指摘になりました点は、私は、展望としては当然の数である、そう考えております。とともに、これに対応するだけの宅地の問題をしからばどうするかというと、御承知のとおりに、この狭い国土、しかも宅地向けといいますか、宅地としての目標といたします宅地環境というものは全国土の五%にしか及ばないような人口と宅地との不均衡、アンバランス、これなどを考えるときに、われわれといたしましてはいわゆる宅地の造成ということがいかに必要であるかということを考えるときに、私は、総合開発の上において、道路と宅地を含めましての住宅政策というものが非常に重大な問題になると思う。 〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、最終的な審議会の結論がどう出るかということに対しては深い期待と関心を持っております。したがいまして、それらの結論が出ましたことによって、さらにわれわれといたしましては長期にわたるところの建築及び宅地開発構想を新たにひとつ打ち立ててもまいりたい、こう考えております。
○渡辺(惣)委員 そういたしますと、大臣がこの全国総合開発計画に指摘されております昭和六十年における展望が妥当なものだお認めになるとすれば、現在建設省で進行中の住宅年次計画は、この線に沿うて全面的に改定をする必要に迫られてきているかどうか、あるいはその改定をするという必要を感じておるかどうか、それとも、この計画はペーパープランだ、そんな全国総合開発計画に指摘されたからといってペーパープランに応じて政策は変えられない、政策は政策だ、現行のいわゆる住宅計画はそのまま進めるのだ、こうおっしゃるか。この閣議決定が行なわれた暁には、これに対応して、これからの五カ年計画あるいは十年計画、十五年計画というものをこの計画に合った施策に再改定するという用意を持っているのかどうか、これはこれだ、こちらは従来どおりの行き方をするのだということなのか、その点の計画とマッチした姿勢をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、第五次の最終的な答申というものが私はそう遠くないうちに出てまいると考えております。したがいまして、その最終的な答申が出てまいりました時点において、われわれといたしまして、現時点において考えている計画と、また新たにペーパープランとして出てまいった結論とを総合的、並行的にあらゆる角度から検討いたしまして、さきの総合開発の実施の問題にも答えましたごとき具体的、最終的な結論を出してまいりたい、こう考えますので、いま直ちにこれがノーとかイエスとか、あるいはこれでよろしいとかというような判断を下すのにはまだ時期が早い、こういうような判断をいたしております。
○渡辺(惣)委員 現在ここで判断を下すのは早いということは、現在一つの計画を持っているのですからね。しかし、閣議がこれを決定した暁、それは当然三月中もしくは四月ですね。最後の第三部が決定すれば、もうわずかの間に答申が出るのです。出たら、これは閣議決定なんですからね。そうすると、閣議決定と閣議決定が矛盾しないように——二つの閣議決定が出たのでは政策にならないのですよ。ペーパープランも、閣議決定になれば政策ということになるのです。そうすると、閣議決定の政策と現実の閣議決定を経過した計画とがマッチしなくなった暁には、いずれかの計画を改定しなければ、政策が矛盾をすると思うのです。われわれがこれから住宅政策の論争をするにしても、何を展望してしたらいいか。そうすると、総合開発計画の中における住宅政策の一つの展望が出てきた、その数字は誤りではない、大臣もそういう展望を認めるということになったら、その展望を踏まえて計画の改定をする必要があるのではないか。いまこの段階ではなるほど大臣は確信のある答弁はできませんが、これが閣議決定の暁には、現在の閣議決定政策に取り上げられている方針と矛盾が出てくるので、その暁には、現在の住宅計画を今度はこの総合開発計画に基づいて改定をするという意思と御用意があるのかどうかということです。
○坪川国務大臣 お気持ちはよくわかります。したがいまして、われわれといたしましても、出てまいりましたその答申の内容を見まして、そしてわれわれが考えておる案とこれが競合しない、いわゆる統合した、調整された結論という判断のもとにおいて閣議がおのずから決定される問題でありますので、その点においては、閣議決定がされましたならば、当然それは国の大方針として実施することは当然だ、こういうようなことを私は期待しておる次第でございます。
○渡辺(惣)委員 ということになりますと、大臣は、私が質問しているところの、これが閣議決定されたら、現行の住宅建設計画をこれに合わすように変えるということを意味するのですね。
○坪川国務大臣 私の先ほどから申し上げておりますのは、現行の五カ年計画はもうあと一年でございますから、このままこの現行の計画で推し進めてまいる。これから新たなる昭和四十六年度からの住宅建設計画、これをお互いに量の面からも質の面からもひとつ検討を加えて最終的に私はきめてまいりたい、こういうような方針でおりますので、閣議決定になることによっていまの五カ年計画が直ちに変更されるという想像は私はまだいたしておりません。
○渡辺(惣)委員 そうすると、昭和四十六年度からの新計画では、この閣議決定を踏まえてそしてこれとつながる政策を打ち出す、こういう御答弁ですね。
○坪川国務大臣 それはもう当然そうした方針でいかなければならぬ、私はこう考えております。
○渡辺(惣)委員 そうすると、時間の関係もありますので、もう一つ、具体的な問題を飛ばして質疑をいたしたいのです。 お目通しでないかもしれませんが、新全国総合開発計画の第四次の最後の第三部の中に提起されておりますが、この計画を遂行するにあたって、たとえば住宅政策の中になってまいりますが、幾つかの問題を指摘しています。これを要約してみますと、実行の手段としては、社会資本の形成に民間資金の導入をはかる、その民間資金の導入は公共投資の三倍くらいという意見が——ここではそれを具体的に書いていませんが、ほかの資料その他発表の経過の中でそういわれておるわけです。 もう一つ、第二点としては、政府と民間の混合方式による、共同出資による新しい事業体を創設する、それから新聞その他の報道では、工業コンビナートに進出する民間企業は、共同で新会社を設立する方式をとる、民間ディベロッパーの参加をさせる。こういう幾つかの計画達成、出資に関する財政の措置が出ているのですが、これらは、国の直接の公共投資を少なくして、大部分の建設を国の直接の責任でない他の手段に訴えて計画達成をしようとするのか、これらの計画を建設大臣は御承知なのか、抱いておられるのか、それを含めて住宅計画等についても今後もこの問題をそれぞれ取り入れて政策決定をされようとするのか、この点についての所見をひとつ伺いたいと思います。
○坪川国務大臣 いま渡辺委員が御指摘になりましたこの問題は、今後のわが国の住宅政策、土地発開等の問題に関連する重要な課題でもあり、また、検討事項でもあると私は考えております。したがいまして、私といたしましては、あらゆる角度からこれらの方法あるいは具体的な実績といいますか、外国におけるところのこれらの実績あるいは方針、また、日本におけるところのいまの時点に立っての態度、方針というものはいかにあるべきかということを総合的に大いに検討もし、勉強もして、そしてまた世論、また各党の意見等もいろいろと出てくると思いますので、それらの点を十分踏まえまして最終的な方針を推し進めてまいりたい、私はこう考えております。
○渡辺(惣)委員 前段で申し上げておりますように、どうも全国総合開発計画に対する政府の態度が明らかでないために、これらの総合開発計画というものは国がその公共投資を先行して進めていかなければ実行できないのに、第三部にいってしりすぼみになって、第一部、第二部では大きなふろしきを広げて、いよいよ実行の手段になりますと、役所の公共投資は全然何も具体案を示さずに、みな民間投資に期待するというところへ逃げているのです。これは宮崎総合開発局長の泣きどころであると承知をするのでありますが、問題は、そんなたやすいことで作文をつくられてはたいへんだと思うのです。 そこで問題になりますのは、民間ディベロッパーの登場であります。これはどういうことになるのか、私はいま考えておるのですが、いまや住宅産業ということがいわれてきている。おそらく、この計画が進めば、膨大な国家投資、民間投資を中心にして開発産業という産業形態が出てくるだろうと思うのです。ということになりますと、この場合どういう形態で——この計画に乗っていろいろな問題が提起されてくるのではないか。公共投資はちょっぴりだ。公営住宅なんか、言いわけに出しておる。一生懸命やっておられますが、大部分の住宅は民間業者でやることになると考えるのです。しかし、その場合における民間業者というものの性格が実は非常に私は心配になっておるのです。たとえば、ほんの一例として申し上げるのですが、最近の新聞を見ておりますと、東南アジア、ポストベトナム——すでに、まだパリ会談が終わらぬうちに、もう日本における巨大な独占資本がポストベトナムに目をつけて、戦後のベトナム開発をどういうふうにやろうかということで問題を提起し、行動に移っているわけです。これを見ますと、国際農業開発会社という会社ができまして、その国際農業開発会社の代表団が二月二十六日にサイゴンに出発しておりますよ。この国際農業開発会社というのは、いわゆるポストベトナムをねらう経済開発をする会社です。聞きなれないこの会社の実体が何であるかというと、これは三井物産、三菱商事、石川島播磨、東芝、三菱重工、商船三井、日本工営、これらの各界にまたがる最高の有力会社が、いち早くポストベトナムに目をつけて、ベトナムをめぐる東南アジアの開発に乗り出す、まことに目のつけどころが早いわけです。これは、このこと自身を、私は国際農業開発会社というものをここで爼上に乗せようとしているのではないのです。いかに日本の独占資本が金もうけに目がさといか、そして政府の援護のもとに行動する、こういうことが先行状態としてあらわれてきていると思うのです。そうすると、ディベロッパーの問題も同じ手法が出てくるのではないかということを心配しておりますし、あにはからんや、たいへんな計画が進んでおるようですね。大臣も御存じだと思いますが、けさの毎日新聞をお読みになりましたか。これによると、新しく住宅計画に対する住宅産業が各所でスタートしている。これは明らかに全国総合開発計画における三千万戸住宅が必要だという問題の提起から出てきたことだと思うのです。これによると、三菱グループは、三菱地所、三菱商事、三菱重工業、これらの十一社が集まって住宅委員会をつくって、今年四月から専門の新会社を発足させる。それから三井グループは、三井不動産、三井物産、三越、日本信販その他の会社で、同じくこれも住宅新会社をつくる。住友は、十六社を動員して住友ハウス委員会をつくる。松下は、松下電器産業、松下電工、ナショナル住宅建材等の住宅対策本部をつくる。日立は、日立製作所、日立化成その他の関連会社でここも住宅委員会をつくる。三洋電機が大和ハウス、積水ハウス三社間の提携を強める。住宅に関係のない八幡、富士製鉄、これも一グループ。神戸製鋼所が一グループ。貿易屋の伊藤忠、丸紅飯田、安宅産業、トヨタ自動車まで飛び出してきている。これは一体どういうことですか。これは全国開発計画で膨大な計画を立てたものだから——総責任を負わしているわけじゃないのですよ。しかし、こういう計画が出ると——自動車産業の昭和四十三年の日本全国の総収入は三兆五千億円だというのでしょう。ところが、来年度になると、住宅のほうが計画で四兆五千億円ぐらいの収益があがるという。そうすると、これからは住宅産業。自動車工業は立ちおくれだ。住宅産業をつくって乗り出す。その住宅産業が、おそるべき日本の独占資本、日本の最高の、いままで住宅なんかに何にも関係もなかったこれらのものが総ぐるみで突っ立って住宅計画をやる。この全国総合開発における最後の部面における実施計画の中で、ほかのことではぼかしておいて、ほかのことでは全部責任を逃げていて、ここに来て九八ページで特に項を設けて「これに民間ディベロッパーの参加を求める方式等大規模開発プロジェクトの内容に適合した」云々。非常に問題が出てくると思うのです。これは日本の総合開発計画に結んで日本のこれらの超大手の全産業が住宅産業に旗上げし、これが乗り込んでき、そして巨大な財力、資本力を背景としててんでんばらばらに競争を始める。おそらく、これは庶民住宅なんというものでない、利益のあがる、利益率のいい仕事に全面ぶち込んでいくと思うのです。もうかるところはみんなとっていってしまうと思うのです。もうからぬところはやりませんよ。中産階級以下の住宅なんかつくったって間に合いませんから、とてつもない計画をしていくと思うのです。ことに五五ページの指摘によれば、大都市における事務所の需要が指摘されております。全国都市化ですから、そういうことも想定されると思うのです。これによりますと、これは床面積ですが、東京都は約二千三百万平方メートルの事務所用の建物が必要であろうという。同じ方式で試算されたものは、大阪市で千百万平方メートル、名古屋で五百六十万平方メートル、札幌で三百三十万平方メートル、仙台で九十万平方メートル、広島で百二十万平方メートル、福岡では二百二十万平方メートル。膨大な立体的なビルがつくられる。そうすると、これらの問題は、政府の公共投資が先行しない限り、めったやたらに、この日本の独占資本、利潤を求めることに最もいち早いこれらのものが住宅政策になぐり込みをかけてくるということだと思うのです。まさに住宅政策戦国時代ですよ。その誘導しているのは、いまの総合開発計画へきちっとこういう民間企業を登場させるという位置づけを行なうところに問題が出てきたと思うのです。政府は、こういう無政府的な住宅政策に対するなぐり込み政策を規制して、政府の公共投資による、もしくは半官半民、政府が主導権を握った財政投資をして、規制のとれたきちんとした政策をするのか、それとも、この全国の財界がなぐり込みをやるのを座して見ているのか、あるいは歓迎しているのか、利権の対象になっていいのか。近く建設業法の改正を行なおうとしているという。これはみな土建屋に出てくるですよ。貿易会社や建材、製鉄会社、毛織会社から何もかもみんなが住宅になぐり込みをかけてくる。政府のすき間だらけな、政府の公共投資の足りないところを目がけてこれらのものがこの総合開発計画を全部食っていくということになる。私が冒頭に申し上げたのは、いわゆる住宅だけがなぜクローズアップしているのだということの疑問を申し上げた。なぜ一体住宅政策だけがこの中で非常に手ほどきが具体的に行なわれたのか。なぜ道路計画については触れてないのか。道路と住宅は一本の建設省の仕事ですよ。しかし、なぜなら、道路は、これは公共投資ですから、業者の介入の余地がないですよ。道路は公共投資ですからね。道路業者なんて、建設する業者はあっても、道路専門——高速道路をつくったらだんだん業者へ委任をするでしょう。関西経済連がそういう要求をしているでしょう。この計画が進行したら、あとの経営はおれにまかせろ、そういうものが道路においても出てきますよ。道路においても出てくるが、あまりに住宅計画だけ手法を詳しくしてこれを押し出してきたから、住宅のほうは、公共投資が中心でなくて民間投資が中心だから、こうかじってきたのですよ。政府は、既存の建設業者、ことに専業にしている大工さんや現実に仕事をしているそういう中小企業を抑制して許認可の拘束をして、そしていままで建設業者でも何でもない、とてつもなく巨大なものがのっこりとあらわれて、お株を全部取ってしまうという状態です。まさに、これに間に合わすように政府のほうも建設業法の改正をやって門戸開放をして、下を押えて上のほうを——いずれもこういう計画につながるのではないかと思うのですが、一体、大臣はこれに対してどういう御見解をとられておるか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○坪川国務大臣 私の基本方針を申し述べまして、後ほどまた局長からもお答えいたしたいと考えております。 いま渡辺委員が御指摘になりました今後の住宅政策の展望からくるところのあらゆる問題の御意見、私は非常に重大な厳粛な問題だと思います。いわゆる百花繚乱たる住宅花盛りというような気持ちで住宅問題を論議するようなことはできない。私は、国民生活に影響する最も真剣な厳粛な問題が現下の住宅対策であると思います。したがいまして、私は建設大臣に就任いたしまして以来、なるべく量をふやしながら質の内容も充実させて住宅政策を推し進めてまいりたい、しかも、その対象というものは、あくまでも低所得者の公営住宅というものをウエートの中に大きく踏まえまして、庶民大衆が求めている現時点における気の毒な住宅の欲求不満からくるところの人間の不幸というものに対して、私はあくまでも厳粛な気持ちになって、土地問題あるいは税制の問題、あるいは都市再開発の問題あるいは過疎問題、道路問題等すべてを踏まえまして、住宅政策をまじめに真剣に取り上げていくというのが、わが建設省の方針でございます。したがいまして、これらの第五次案などの結論が出てまいりますと、おのずからあらゆる角度の政策の総合的な答申が出てまいると思います。その時点において、佐藤内閣といたしましては、最終的な計画実施の問題を踏まえまして閣議決定をしなければならぬという時点に立ち至ると考えますので、その時点に立って、私はいま申し上げました方針を中心に置いてわが国の住宅政策と取り組み、しかもその長期の展望に立ってのあらゆる高度な立場からの住宅政策という意見もやはり総合的に織り込んでいかなければならぬ。こういうような問題を私は最終の目標に置きながら、現時点における問題点としては、庶民大衆の住宅を満たす政策を基本に置くというのは何ら変わっていないということを表明申し上げておきたいと思います。
○渡辺(惣)委員 実は質問がさらにあるのでございますが、本会議の振鈴が鳴りましたし、大臣、委員長、同僚委員各位が昼食もなさらずに私に発言の機会を与えていただいたことを感謝いたしまして、残余の点については後日また機会を得て質問いたしたいと存じますが、きょうはこれで終わらせていただきます。
○始関委員長 本会議散会後委員会を再会することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十五分休憩 ————◇————— 午後四時十四分開議
○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑を続けます。島上善五郎君。
○島上委員 私は特に基本的な問題について御質問したいと思います。 まず最初に申し上げておきますが、きょうは、本会議終了のあと、余すところ四十五分しかない時間でございますから、全部は終わらぬかもしれませんけれども、終わらない場合には、次回の冒頭にやらしていただきたいと思います。この大問題を四十五分でやれということは無理な話ですし、それに、きょうは公営住宅法を審議する最初の日ですから、最初から正常な運営を越えた、夜おそくまでやるというようなことはすべきではない、私はそういう信念を持っております。そのかわり、今後もちゃんと正常な運営には協力する、こういう考えですから、そういう前提の上に立って、私も所用があるし、皆さんもあるでありましょうから、五時になったらぴたっとやめます。 まず基本的な問題ですが、私は、公営住宅法の目的は、憲法二十五条を受けて、国が国の義務を果たすためのものである、こういうふうに考えますが、憲法二十五条と公営住宅法の目的について私の考えが正しいか、そうでないか、まず大臣のお考えを承ります。
○坪川国務大臣 島上委員の御指摘になりました憲法の二十五条、すなわち、国民は明るい生活を営む権利を有するという規定のことを御指摘になったことと思います。 われわれ日本国民は、明るくて、しかもしあわせな生活を営む権利を持っておることは、憲法によって明記されているとおりでございます。公営住宅法の目的も、やはりその線に沿いまして、国民の明るい住生活を営むことを保護するという目標においてのものであることは、私は島上委員と感をともにするところであり、また当然な意見であろうと思います。
○島上委員 私の考えと同じであるという御答弁をいただきましたので、これをもう少しはっきり申しますと、憲法二十五条は、御承知のように、国民の生存権と国の社会的使命ということをうたっているわけです。国民の生存権は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」これは国民の権利。国の使命のほうは、第二項に「国は、すべての生活部面について、社會福祉、社會保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」この二十五条を受けてということは、二十五条の二項を受けて、国民に健康で、文化的な生活ができるような住宅を提供するのは国の義務である、その国の義務を、憲法二十五条を受けて公営住宅法の目的に明記しているものである、こう理解するわけですが、これでよろしいわけですね。
○坪川国務大臣 そのとおりでございます。
○島上委員 そういうことになりますと、公営住宅法に基づいて国民に住宅を提供するというのは、雨露をしのぐ一時的な住居を難民に提供するのとは全然趣を異にして、健康で文化的な生活のできる安定した住居を国民に提供する、こういうことに当然なると思いますが、いかがでしょうか。
○坪川国務大臣 国民がいい生活環境の中で安定した生活を営むということは、政治の上において最も大事な政治の方策でもあり、また住宅政策の一環でなければならぬ、こう考えておりますから、住宅が単なる国民の仮住まいというような気持ちの上に立って公営住宅を建てておるようなことではございません。
○島上委員 御答弁は私もけっこうだと思いますが、それでは、今日、国がいま御答弁なさったような国の義務を十分に果たしていらっしゃるかどうかというところに問題があると思います。私は、十分には果たしてない、はなはだしく不十分である、あるいは怠慢であるといってもよろしかろうと思うのです。今日の百四万余り建っておる公営住宅がこのごろだんだんよくなってきていることは認めますけれども、はたして健康で文化的な生活ができるような住宅であるかどうか。私は、いま申しましたように、最近少しずつよくなってきたことは認めますよ。認めますが、現在ある百四万戸の大部分の住宅といってもよろしいと思う、はたして健康で文化的な生活を営むに足る住宅であるかどうか。これは御自信があったら、ひとつはっきりとお答えを願いたい。
○坪川国務大臣 その御指摘になりましたことは、明るい住宅の規模の内容の問題に入ると思いますが、御承知のとおりに、われわれといたしましては、一般の国民に、ほんとうに環境のよい、質の向上した、また充実した住まいを差し上げたいということは、最終の目標でもあり、またわれわれとしても果たさなければならない最大の仕事であろうと考えておりますが、その規模の内容の点については、やはり一度にそれらのものを築き上げていくということはなかなか容易なことでないということも、現実の事態を十分認識されている島上委員は御理解もいただけるんじゃないか。一歩一歩と積み重ねていくことでなければ、一気にすべての国民に、すべてのふしあわせな大衆にこれらの目標のものを差し上げるということがなかなか困難であるという政治のむずかしさも、また、日本の置かれているすべての事情も御賢察いただけますならば——お気持ちは私も全く同感でございますけれども、そのでき得ないところの悩みが政治の重大性でもあり、またこれからの大きな問題でもあろうと思いますので、その点は御賢察いただきたい、こう思います。
○島上委員 この公営住宅法は昭和二十六年にできたのですね。私は、この法律ができる前のことは言ってないのです。終戦直後の引き揚げ者住宅なんかのそれを言っているんじゃないのです。このりっぱな公営住宅法ができて、さっき私が指摘し、あなたがはっきり御答弁なさったように、憲法の二十五条にある国の義務を受けて、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を提供するというはっきりとりっぱな目的がうたってあるのですから、この法律ができた後の住宅——私は、最近はよくなってきたと言って、最近のことはほめているんです。しかし、この法律ができた後建てられた百万余りの公営住宅は、決して健康で文化的な生活のできる住宅でないということを、私はその現状を強調して政府にとくと考えてもらいたいと思っているわけなんですよ。私の言うことがうそだと思ったら、建設大臣、私がひどい都営住宅が一ぱいあるところを御案内しますから……。私はこれが一ぺんにできないこともわかります。わかりますが、これからだんだん指摘しますが、現状は、決してこのりっぱな法律にあるような、健康で文化的な生活のできるような住宅でないということを、ひとつよく御認識願いたいと思う。そうでないと、またぞろ、健康で文化的な生活ができないような住宅を次から次に建てられるということになっては困るわけですから、そういう意味で私は指摘しているわけなんです。 そこで、健康で文化的な生活ができるという住宅は、政府としてはどの程度のものを現在お考えなのか。
○大津留政府委員 居住水準ということになろうかと思いますが、この居住水準は、やはり国民の所得水準なり経済的な力の向上に伴ってだんだんと上がってくるだろうと思います。そこで、当面私どもが適当な居住水準としてどの程度のものを目ざすべきかということで、実は昨年住宅宅地審議会に諮問いたしまして、適正な居住水準はいかにあるべきかということで御審議を願っておる最中でございますが、その中間的な御報告をちょうだいいたしますと、一戸当たりの面積は、平均いたしまして八十五平方メートルくらいが適当であろう、こういう報告をちょうだいいたしておりますので、当面の目標といたしましては、その程度のものを目ざして、目標として進むべきであろう、こういうふうに考えております。
○島上委員 そうしますると、当面目標としている八十五平米と、本年度の計画とは、まだかなりの差がありますね。本年度の建設はどの程度の規模のものであるか。私は大体わかっていますけれども、かなり差がありますね。その点……。
○大津留政府委員 四十四年度の計画におきましては、第一種公営住宅の中層耐火建築物におきまして、一戸当たり四十三平方メートル、それから第二種におきまして、同じく中層耐火で約四十平方メートル、三十九・七平方メートルになっております。
○島上委員 政府の当面目標とする住宅規模と、ことしやろうとするものとでは、約半分であるということが、これではっきりいたしました。いま国の経済の水準とか収入とかおっしゃいましたが、もちろん、そういうことも無視はできないと思いますが、御承知のように、日本は鉱工業生産力が世界の第三位からまさに二位になったとか、なろうとしているとかいわれるんですね。それだけ国の経済力が急速に成長しているのですね。急速に成長しておるのに、これは総理大臣のことばをそのままかりていえば、住宅は著しく立ちおくれている、これはいま大臣の答弁でもはっきりしている。 そこで、これは大臣も御承知だと思いますが、一九五七年、ドイツのケルンで、世界の主要都市の学者が集まって、各国の政府が、その国民に対して、その収入のいかんにかかわらず保障しなければならない住宅の最低基準を協議しました。そこできめたいわゆるケルン基準というものがあります。収入のいかんにかかわらず政府が保障しなければならない住宅の最低基準ということですが、これによりますれば、寝食分離、つまり寝るところと食べるところを分離するということ、これが第一、夫婦の寝室の独立、これが第二、それから一定年齢以上に達した子供に対しては、性別で別々の部屋、それから家族共通の部屋——居間ですね、最小限これだけは必要だ、こう世界の権威ある学者たちがきめております。私もそうだと思いますが、この点に対しては大臣はどのようにお考えですか。
○坪川国務大臣 国民の大事な住まいの問題については、ほんとうにいま御指摘になったような水準を持った、しあわせな、豊かな内容を持った住生活を続け得る住宅対策を私どもとしては目標に置いており、また、その方向にぜひ持っていきたいというのが、私就任以来の大きな願いでもあるようなわけでございます。したがいまして、先ほど住宅局長が申し上げましたような審議会の答申等もかんがみまして、一人一個室、一世帯には一つの共同室を設ける、言いかえますならば、四人の世帯で部屋が五つとれるというような、いわゆる八十五平米を一つの基準に置いた内容のある住宅対策を打ち立てていきたいというのを水準として目標に置きながら、新しい五カ年計画の質の問題等におきましてもこれなどをそんたくいたしながら考えてもまいりたい、こういうような目標を置いておるような次第であります。
○島上委員 第二回目の新しい五カ年計画にはそういう質のものを目標にということは、具体的に言えば、昭和四十六年度からはそういう規模のものを建てるということですか。だんだんそれに近づいて、四十三平米から四十五平米になって、四十八平米になって、五十平米になってということなのか。もしそうだとするならば、これは八十五平米になるまでに十年以上かかりますよ。その次の五カ年計画でなくて、その次の計画でもどうだかわからぬということになる。ですから、だんだん少しずつ広げていくのか、第二次五カ年計画はこういう質のものをつくるというお考えなのか。
○坪川国務大臣 さっき申し上げましたとおりに、これを一つの段階としての目標に置くわけでございますが、これを新しい五カ年計画の第一段階として直ちに持っていきたいという願いは島上委員と一緒でございますが、現実はそう許しませんので、その願いのもとにおいて段階的にひとつ推し進めてまいりたいというようなことになるだろうということ——御承知のとおりに、住宅宅地審議会の答申も、ことしの七月、八月ごろには出ると思います。それなども勘案いたしまして、来年の予算編成の時点までにはこれらの方針をひとつ打ち立ててまいりたい、私はこう考えております。
○島上委員 どうもたよりない答弁です。これでは、八十五平米の住宅がいつできるか、私には確信をもってつかめない。悪いけれども、はなはだたよりない御答弁です。 質の問題と同時に、とかく質をよくすると量を下げるという心配があるのです。というのは、政府は大蔵大臣がしっかりとさいふを握っておって、金の出し惜しみをするものですから。質をよくして量を下げたのでは何にもならぬ。私たちは、質をよくすると同時に、量をもっともっとふやさなければならぬと思うのです。そういう点どうでしょうか。
○坪川国務大臣 欲の深い大臣かもわかりませんが、私といたしましては、量も質も漸次ふやしてまいりたい、こういうような意向を持ちまして、その一つの過程としまして、午前の委員会でも申し上げましたように、質の改善等におきましては、四十四年度の公営住宅の設計に際しましては、いわゆる水洗も、電気の線も、あるいはガスのぜんも、排水、排気、排湿等も考えた設計でやるように実施したい、こういうような新しい願いの一つの過程として積み重ねていきたいというのが私の考えでございます。
○島上委員 大いに欲を深くしてもらいたいのですよ。欲を深くしてもらいたいが、その欲の深い計画を実施するには、政府がもっと金を出さなければだめなんですよ。時間がなくて法律の内容にきょうはとても入れませんけれども、今度でも、地方に対する用地費の補助をしないということは、簡単にいえば、政府の金の出し惜しみでしょう。きょうはその内容には入りませんから、その内容の御答弁は要りませんけれども、政府がもっと金を出すことですよ。私たち社会党は、政府はすべからく総予算の一割ぐらいはこのひどい住宅問題を解決するために当面は出すべきだ、こう考えているのです。これは金の問題ですよ。あなたのことばをかりて言えば、欲が深くて熱意があって、そしてそれに政府が金の裏づけをすれば、これはできるのですよ。 そこで質問を進めますが、佐藤総理大臣が、昭和四十一年の五カ年計画の発足のときに、昭和四十五年までに一世帯一住宅を実現する、こう申しました公約は、これはみごとに裏切られていますね。(「これからだよ」と呼ぶ者あり)これからだとおっしゃいますけれども、この五カ年計画は、数字の上でことし七〇%ちょっとですね。四十五年までに一〇〇%はむずかしいと私は思うが、かりに九五%達成しましても、一世帯一住宅にならぬことは事実だ。あなた方だって認めざるを得ないのだ。一世帯一住宅になりませんよ。これは明白でしょう。したがって、一世帯一住宅と声を大にして選挙の前に公約した佐藤総理の公約は、昭和四十五年末を待たずして、から手形に終わるということは、決して私の言い過ぎではないと思うのですが、いかがですか。
○坪川国務大臣 いわゆる目標が何戸であるかということは、もう島上委員御承知のとおりの六百七十万戸、これの第四年度の年次計画の上においては、ある程度——順調とは申しませんけれども進捗状態はそう悪いほうではない。いわゆる公的のものと私的なもの両方を含めますと八一・五%に相なる。これを含めますと、もう残り一八・五ということになるわけでございますが、これは民間依存も含めてでございます。御承知の二百七十万戸と四百万戸これもはっきり最初から公約いたしておる戸数でございます。そうすると、私の決意といたしましては、六百七十万戸という四十五年度の最終目標はぜひとも実現したい、こういう決意でおることだけは御理解願いたいと思います。
○島上委員 だから、六百七十万戸のつじつまは、九五%か九八%か達するかもしれません。しかし、一世帯一住宅ということ、すなわち、住宅難の解消は依然としてできないと思うのですよ。問題は、戸数何戸建てるかということじゃなくて、佐藤総理大臣のことばをかりて言えば、ほかの社会開発に比して著しく立ちおくれておる、この住宅難を解消できないこと、すなわち一世帯一住宅に達しないことは事実だ、こう私は言っておるのです。数字のつじつまはある程度合うでしょう。これは建設省の住宅局の諸君が苦労してつくった数字です。そのつじつまを合わせようとする御努力は認めますよ。問題は、一世帯一住宅、住宅難の解消が依然として日暮れて道遠しという状態である。これを私は言っているのです。これは大臣もお認めにならぬわけにいかぬでしょう。
○坪川国務大臣 御指摘になりましたその点は、いま御指摘のとおりでございます。したがって、われわれといたしましてはさらに新たなる五カ年計画を打ち立ててまいりたい、こういうようなことで、ぜひともその最終目標は達成をいたしたい、この決意でございます。
○島上委員 達成をいたしたいというのは、これは念願です。願いです。しかし、達成するには、私は、いままでの政府の住宅政策のようなやり方では、二度目の五カ年計画の最終年度にも達成できないと思うのです。必ず達成できるという御自信がありますか。そうしていままでと相当根本的に違ったこういう計画だという構想でもあったら、ひとつお聞かせを願いたい。
○坪川国務大臣 島上委員も、やはり国民の立場を考えて、ぜひとも達成したいという悲願に燃えられての発言だろうと思います。私が答弁いたしますのも、その悲願に燃えての発言でございますから、結局私は一致するものだと思っております。
○島上委員 悲願は一致しても、実行する具体的な計画が違っては、悲願は実現されないのですよ。お互いに政治家ですから、悲願というものは実行しなければ値打ちがないんですよ。どんなりっぱな公約を選挙のときに言ったって、何とかの公約みたいになってしまったのではだめなんです、これは実行しなければ。四十五年に一世帯一住宅を建設する計画であったが、予想よりも人口の都市集中が多かったし、いろんなことで四十五年には実現できなかったが、四十六年にはできたというなら、そのくらいのことなら私ども話はわかりますよ。ところが、私は、二度目の五カ年計画でも一世帯一住宅が実現できないと思う、少なくとも政府のいままでのやり方では。なぜできないか。それは民間自力建設に重点を置いているからなんですよ。いま住宅に困っているのは勤労者ですよ。これは高度経済成長政策の結果、勤労者の都市集中——佐藤総理大臣は、勤労者だけじゃないと言ったけれども、それは勤労者だけじゃないです。勤労者が都市に集中すれば、じいさん、ばあさんが来たり、あるいは子供が来たりするから、そんな三百代言のへ理屈みたいなことを言っては困る。勤労者が来るに従って、それに付随して人間が来ます。それから、ひとり者、学卒が東京に来ても、これは住宅が必要です。たとえば会社の寮なんかにしても住宅が必要です。その勤労者が一番住宅不足に悩んでおるのに、いまの低賃金の勤労者に、住宅自力建設、建てろといったって、できない相談ですよ。大臣、そうでしょう。勤労者に自力建設をやれといったって、できない相談ですよ。この六百七十万戸のうちの六割も民間自力建設に置いて、六百七十万戸でございますと、上っらの数だけを合わせようとする、そこに問題があるのですよ。私は、最も住宅に困窮しておる勤労者に住宅を大量に提供すること、すなわち公営住宅を大量に建設するというふうに、住宅政策の重点の置きどころを——民間自力建設はとうでもいいなんて、私はそんな極端なことは申しません。勤労者に公営住宅を大量に建設するところに重点を置きかえなければ、次の五カ年計画でも、その先にもう一ぺん五カ年やっても、少し極端なことばで言えば、百年河清を待つようなものだと思うのですよ。公営住宅大量建設に置きかえなければ、一世帯一住宅はとうてい早急には実現できない。この考えには、大臣いかがですか。
○坪川国務大臣 午前の渡辺委員の御質問に対しまして私がお答えいたしましたあの気持ちをお聞き取りいただいておるならば、御理解もいただけると思うのでございます。新聞等に出ておる、いわゆる住宅花盛りのようなはなやかな記事を読むにつけましても、そうした厳粛な、国民の切な悲願に対しまして、私どもはもっと真剣に厳粛に考えなければならぬ。それは何であるかというと、一般大衆の低所得者、勤労者、庶民への公営住宅という問題を真剣に取り上げなければならぬということは、私、午前中の答弁でも表明いたした次第でございます。したがいまして、過般の予算委員会でも答弁いたしたことを記憶いたしておりますが、あの計画を立てるときの世論の調査を見ますと、いわゆる持ち家に対する世論の要望が五五%、貸し家に対する要望が四五%、その世論の要望等も踏まえましてあの計画を立案したことを考えますときに、いまの建設省がとっております貸し家政策等も踏まえまして、公営住宅などに対しましては私はもっと力を入れなければならぬということで、調整戸数の配分につきましても、あるいは新たなる四十四年度の私の責任において編成をいたしました予算配慮にいたしましても、私は公営住宅に主を置いておるということで御理解願いたいと思います。
○島上委員 公営住宅に主を置いておりませんよ。四十四年度は、五カ年計画の四年分をやるだけでしょう。この五カ年計画そのものが公営住宅に主を置いてないんですよ。民間自力建設は六割でしょう。これは主を置いてませんよ。だからだめです、あなた、そうおっしゃっても。 それから、世論調査をしたら、マイホーム五五%、こうおっしゃいますが、それは、世論調査をしたら、みんなうちを持ちたいですよ。持ちたいというその熱意が、それこそ悲願が数字に出ますよ。しかし、いま職場に働く勤労者——私は広い意味で申しますが、勤労者がマイホームを建てる力がありますか。勤労者にマイホームといっても、これは高ねの花か、幻想ですよ。これが現実なんです。勤労者は、無理して建てれば建てられないことはないでしょう。勤労者でも、百人に一人くらい建てている人もいますよ。五十年も働いた職場の退職金を全部つぎ込んで、その上に借金をして、その借金の支払いにまたむすこが三十年も苦しむような、そういう建て方なら勤労者でもできますよ。これでは、マイホームが生活に非常に不当にあるいは過当に重い負担をかけることになるのですよ。私は、住宅費は全生活費の中でそんなに二割も三割もかけるようなことであってはならないと思うのです。理想的にいえば、家賃は収入の一割程度がちょうど適当ではないかと私は思うのですが、どうでしょう、大臣。
○坪川国務大臣 家賃はおおむね二〇%以下、こういうように見ております。
○島上委員 ところが、もう二〇%以下じゃありませんし、現実にだんだん高くなってきます。その話は次回にしますが、とにかく、家賃が非常に高くて勤労者の生活を圧迫していることは事実です。 それから、あなたいま指摘しましたが、世論にあらわれた自分の願望を出したマイホームというものと、勤労者がマイホームを建てられる状況であるかないかということとをさい然と区別して政府の施策をひとつ考えてもらわなければならない。最も住宅を欲しておる人々は、マイホームなんといってもできない相談だから、政府が——私が前段に憲法を引き出してお伺いしたのは、健康で文化的な生活ができるような住宅を政府が提供する義務がある、そういう前提に立って議論を進めてきているわけです。ですから、住宅に困っている人々に対して幻想を与えることじゃなくて、政府が現実にそういう人々に公営住宅を大量に建設して提供する、これは政府の義務を果たすゆえんでもあるし、住宅問題解決の近道だと思うのです。とにかくいまの五カ年計画、来年まではだめですよ、民間自力建設に重点を置いているんですから。公営住宅五十上万戸で、六百七十万戸のうち七・七%しか公営住宅を建てないのですから、あなたが幾ら力を入れると言っても、あなたが大臣をしていらっしゃる期間ではとても転換はできないと思うのです。この五カ年計画に固執している限りはだめなんですよ。私は、少なくとも次の計画を諮問する際には、この現実をはっきりと見きわめて公営住宅建設を住宅政策の重点にする、こういうお考えでやってもらいたいと思います。これは御答弁要りません。 時間がなくなりましたので、もう一点だけ伺っておきますが、住宅困窮者と一口に申しますが、住宅困窮者とは何ぞや、こういうことについて伺いたいのです。来月結婚して世帯を持つから家がほしい、あるいは学卒で四月から東京へ出てくるから、そういう人たちの家がほしいということ、これはわかりますよ。これは狭い意味の住宅困窮者というか、住宅必要者というか、ですが、私は、住宅困窮者というのをもっと広く見る必要があると思うのです。新しく世帯を持つ人や新たに地方から東京に来る人だけではなくて——これは狭い意味ですが、それは現に狭いアパートを借りて、大阪で悲劇があったように、赤ん坊を押し入れの中に入れて、声が聞こえないようにふとんで囲ったら、その座ぶとんで赤ん坊が圧死したという悲劇がありましたね。ああいう狭小過密の部屋に住んでいるのも住宅困窮者ですよ。それから、不当に高い——いま一畳幾らしますかね、千五百円とか二千円とかいう、こういう不当に高い貸し間を借りている人も、私は住宅困窮者だと思うんです。それから、一時間半、二時間通勤にかかる、こういう人々は、現に家はあるけれども、一時間半も二時間も通勤にかかるのでは、これは生産性にも影響しますよ。そういう人々のことも考えなければならぬ。これはやはり住宅困窮者のうちだと思う。それから、老朽で片寄って危険な、あるいは環境が非常に悪いところに住んでいる、こういう人々もやはり住宅困窮者だというふうに、広い意味で住宅困窮者を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になった三点、これなどもすべてお気の毒な住宅困窮者だと思います。私も、昨年の暮れに、江東、墨田地区の、住宅環境の不良な非常にお気の毒な地区を見てまいりました。また、中京名古屋地区の住宅地区も見てまいり、私の国の福井等も見てまいり、よく知っておりますが、これなどの中にあってまことに気の毒な数多くの方のあることを知ってもおり、また、大臣就任以来参る手紙の多くは住宅問題であることも知っております。そうしたことを考えると、いま御指摘になった点等についてはほんとうに真剣に考えてまいりたい、こう考えております。
○島上委員 それじゃ、突然なのでたぶん資料がないと思うが——あったら出してもらってもいいのですが、ないと思うので、この次に出してもらいたいと思うのですが、いま私が分類したような住宅困窮者の推定の数字——もしここでわかったらここで答弁してもらってもいいし、わからなかったら、次回にその推定の数字をお出し願いたい。
○大津留政府委員 次回までに先生のお手元までお届けいたします。
○島上委員 それでは一分前ですから、本日はこれで私の質問は終わります。
○始関委員長 次回は、来たる十九日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会