建設委員会 第5号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/02/26
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田之久君。
○吉田(之)委員 初めに大臣にお伺いいたします。 少し妙な質問になりますが、岸、池田、佐藤と三代の内閣が、いわゆる官僚内閣と申しますか、官僚政治をずっとわが国においてとってきておられるということは、一般的にいわれているところでございます。こういう官僚政治と申しますか、官僚行政と申しますものが、建設行政の中でどういうマイナス点を生じているとお考えになるか。そういう点について新大臣はいろいろとお考えになったことがありますかどうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
○坪川国務大臣 お答えいたします。 吉田委員の御質問は、岸元総理あるいは池田元総理、佐藤現総理みな官僚出身の総理という立場から、建設行政に対する一つの反映といいますか、というものをどう受け取るかという、要点はそこでございますね。非常に高度な政治の問題になるわけでございますけれども、岸元総理あるいは池田元総理、あるいは佐藤現総理にいたしましても、りっぱな自民党の政党政治家としての総裁、総理であるという気持ちから、御出身は官僚御出身の総理でありますけれども、政党政治家の自民党の総裁としてそれぞれのりっぱな役割りを果たされ、また、日本の国益の上に立っての政治を掌握されたりっぱな総理、総裁であると私は思うのです。まだ皆さんとしていわゆるすべてに賛同されないような部面もあるかもわかりませんけれども、そういうような意味においては、三人ともりっぱな政党政治家として、国益の立場からりっぱな政治をおやりになった各位である、こう私は尊敬もし信頼もいたしておりますので、これが建設省に、そうした立場からの反映が、また影響が大きく響いて建設行政の隘路になったというようなことは、私は就任以来全然考えていないような次第でございます。
○吉田(之)委員 お説のとおり、官僚出身の政治家であろうとも、現在においては政党政治の責任者としてそれぞれ大いに役割りを果たしておられることは認めるにやぶさかではありません。しかし、一般の国民は、いまの日本の政治は官僚政治だ、その証拠に、官僚出身の人たちが歴代総理大臣になっておられる、その背後には膨大な官僚グループというものがあって、それが実際の行政をやっているんだというふうに、いつの間にかそういう認識をいたしております。私が問題にいたしますのは、そういう認識が、実際の行政面の中で、いろいろなものごとにはプラスもございますけれども、マイナス面も生んでいるということを一つ御指摘申し上げたいと思うのです。と申しますのは、やはり官僚行政においては、特に人事面において、何か減点主義と申しますか、点数を減じていく、チェックしていくというふうな方法によって評価がなされる、あるいはそれによって人事異動が行なわれる、あるいは配置転換が行なわれるというふうな観念が一般化しているようにわれわれは受け取っております。そういうことでございますから、私どもからながめますと、いわゆる建設行政でも出先の末端のほうにまいりますと、やはり上のほうから絶えず何か間違いをおかすとチェックされる、点を減らされる、点を減らされるということが今後の昇進にも非常に大きな影響を与えはしないか、そういうふうな観念をずいぶん持ち合わせているのではないかというふうな気がするわけなのでございます。そうなってまいりますと、意欲の面で少し鈍ってまいりまして、たとえば百億の仕事をしよう——百億の仕事をした場合には、幾ら完全にやったって何%かミスが出ることが往々にございます。これが二百億の仕事でかかってまいった場合には、さらにそのミスの度合いというものが当然二倍になる可能性を持つわけなんですね。したがって、多くの仕事をかかえればかかえるほど、そういうミスがふえてきて減点が大きくなるかもしれない。それならば、あまり無理に仕事をかかえないでいったほうが無難なんじゃないだろうかというふうな気持ちがもしも末端にありとするならば、それはわが国の建設行政を進める上において容易ならぬ問題点だろうと思うのです。そういう点に、先ほど申しました、妙な表現でございますけれども、官僚政治というものが転化してそういうふうな心理的なマイナスの作用をあらわしていないであろうか。もしもそうであるとするならば、建設大臣新しく御就任早々でございますけれども、断じてそういうことはない、大いに仕事をやらなければならないんだ、もちろん、仕事を積極的に広げていくことによっていろいろとマイナス面もあるではあろうけれども、また同時に、より多くの上回ったプラス面があるはずなんだから、その点、勤務評定と申しますか、いろいろな評価については、プラスもマイナスも十分考えてやるぞよというふうな態度を、一度この辺で建設大臣として大きく打ち出していただくことが、いろいろな面で非常に勇気づけることになりはしないかというふうな気がするわけなんでございますが、いかがでございますか。
○坪川国務大臣 吉田委員御承知のとおりに、行政を推進していく場合には、それぞれの立場から職務規程がありあるいは服務規程があることは、御案内のとおりでございます。したがって、秩序ある行政を推進する場合には、その規程、また政令、法律等を含めまして、これを順守しながら職場に忠実であるという姿が、国民の奉仕者である公僕のまじめな姿でなければならぬ。しかし、上に立ついわゆる責任者という立場から考えますときに、その秩序の中に立って、政治的な責任は私が全責任を負って部下を掌握していく、この姿でなければならぬ、こういうようなことから、私は、地建の局長会議とか、土木部長会議あるいは出張所長会議、工事事務所長会議等の会議に出向きましてこれらの機会に要望し、あるいは私の方針を理解するにあたっては、やはり綱紀の粛正、また職場の行政の秩序というものを私は強く要請いたしますとともに、全責任は私が負うから、安心をして意欲的に責任と自覚の上に立って事業の推進、行政の推進に当たるべきであるという方向でいま建設行政の責任者として仕事に携わっているような次第でございますので、その点ひとつ御理解をいただきたいと思っております。
○吉田(之)委員 非常にけっこうな指導方針でおられることを聞きまして、私どもも喜んでおります。とかく上の顔色ばかり見て、あるいは、あわよくば早く中枢部へ戻してもらいたい、どうも末端出先にいては苦労ばかり多く、責任ばかり大きくて、そうしてへたをすればすぐに点数を減ぜられたりチェックされたりするというような戦々恐々たる状況では、特にこういう建設行政は前を向いて進むことはできないと思いますので、どうぞ安心してやれ、責任はおいらが持つという、やはりき然たる態度を今後十分に発揮して建設行政の指導に当たっていただくことを、ひとつ初めにお願いしておく次第でございます。
○坪川国務大臣 承知いたしました。
○吉田(之)委員 それから本論に入りまして、都市問題について御質問をいたしたいのでございますけれども、最近は人口大移動時代だといわれております。特に都市を中心とする人口の激増状態は、いろいろな予測を上回っている状態でございます。特に私どもが心配いたしますのは、昭和三十五年より四十年までの五年間に、人口集中地区への人口集中は一六%、人口集中面積は一九%増大したというふうに承っております。この急速に進行する都市化現象は、一方において都市の過密、他方において農山村の過疎を招いておりますことは、いまさら言うまでもないことでありますが、こういうことによって国土全体が激しく流動しておるという現実にございます。 そこで大臣は、こういう激しい困難な問題をかかえた今日のわが国土全体の流動の中でこの現実に対処するためには、激しい時間との競争の中で起こってきておる諸問題、幾つかの矛盾点を解決していかなければならないということで、さきの就任あいさつにもそのことを強く述べられたところでございますが、特に首都圏をはじめとする東京都中心の地域、並びに中京、それから京阪神圏の最近の人口集中の状態についてお伺いをいたしたい。いろいろと予測されたデータ等の変化がどんどん出てきているように思いますので、その辺のところを明らかにしていただきたいと思います。
○坪川国務大臣 吉田委員御指摘になりました点は、私も吉田委員とともに全く憂いをともにいたしておるような次第でございます。御承知のとおりに、私から申し上げるまでもございませんが、最近の著しい都市発展、都市進展に伴うところの都市への人口、産業の集中からくるところの著しい過密の現象、それによる無秩序な都市の環境あるいは交通の問題、住宅の問題等、すべてが大きな影響を与えておることは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、建設省といたしましては、この不幸な現象に対して、なるべくすみやかにこれらの解決に当たるという使命が大きく課せられておると思うのであります。したがいまして、昨年議決をいただきました、六月から実施いたしますところの新都市計画法の適切な運用をはかるということ、また、御承知のとおりに、この国会に御審議をお願い申し上げたいと思っております都市再開発法の制定によりまして、基本的な都市対策を打ち立ててまいりたいというのが、都市対策の基本であるとともに、これらの具現化を急いでまいりたい。たとえば副都心の設定とか、あるいは工場、流通業務等、これらの職場その他建物を適地に、郊外に配置転換をするとか、あるいは、御承知のとおりに、市街化区域あるいは市街化調整区域を設定いたしまして区画整理事業を推進してまいりますとか、その他、いわゆるターミナルあるいはいろいろの施設に対するところの配慮をいたす、こういうような都市対策を打ち立てますとともに、いまのお話のごとく、過疎対策の問題が大きな問題になろうと思っておるのであります。これにつきましては、過般も申し上げましたとおりに、三十二線を含むところの、五道を含むところの幹線高速自動車道路の大きな網を、一つの地方圏への綱といたしまして、その綱によっていわゆる過疎地帯の不幸をなくしていくという大きな柱のもとに、今度は地方におきましては、生活、生産の魅力ある形成をいたす意味から、地方道あるいは河川その他の配慮をいたしますとともに、学校とか消防署など、いわゆる住民に直接に大きな影響を持つ、管理すらむずかしくなってきているこれらの問題の過疎対策につきましては、一定の規模都市を中心にいたしまして、これらを結んだ生活圏の整備を行ないたい、こういうような気持ちで過疎対策を急いでおるような次第であります。とともに、いま御指摘になりました首都圏整備委員会、あるいは中部圏、あるいは近畿圏、あるいは北海道開発庁というような、一つのブロックにおけるところの整備体制の行政機構も大いに活用いたしましてこうした不均衡な国土開発の是正を進めてまいりたい、こう思っておるような次第であります。
○吉田(之)委員 大臣が十一時五分で御退席のようでございますので、特にこの機会に承っておきますが、いま申されましたように非常に広範な各種の対策を講じておられることはまことにけっこうでありまして、われわれもよく承知いたしているところでございます。しかし、ただわれわれが申し上げたいのは、対症療法的な計画ではなしに、もっとダイナミックな、あるいは戦略的な開発と申しますか、そういう積極的なものでないと、非常に急激な人口大移動に対しては、いまのペースではどうも対応できないのではないかというふうな気がするわけなのでございます。現に、首都圏整備委員会の委員長と申しますか、本部長と申しますか、これは建設大臣でございますね。大臣自身が指揮しておられるこの首都圏の整備につきましても、人口の増加が予定を上回っているようでございまして、したがって、昭和四十五年には三千八万四千人ぐらいだろうと想定していろいろな計画を進めておられますけれども、もう今日の時点で昭和四十五年ではとてもこの数字ではおさまらないというふうな現状のようでございます。こういうことについて、時々刻々の修正と申しますか、計画の変更というふうなものが絶えずとられていかないと、またまた後手に回ってしまう。結局、ますますスプロールが広がって、現在の都市の状態がそのまま大きくなってしまうだけだというふうなことになるような気がいたします。その点で、たとえば首都圏の整備委員会等においては具体的にどのような手直しを現在試みておられるかというふうな点を承りたいと思います。
○坪川国務大臣 この問題は、個々的に首都圏整備、あるいは中部、あるいは近畿、あるいは北海道というような問題の整備計画という総合計画も非常に必要でもあり、ことに東京都を中心とする、いま御指摘になりましたような、まことに過度な人口の上昇率というものが見られるときに、政府といたしましては、御案内のごとく、総合開発計画というものを打ち立てておりまして、そして第一次計画が発表になり、御承知のとおりの第四次試案も出てまいってきておりますけれども、現時点においては、まだまだいま申し上げました点の細部にわたる、また具体的に、しかも総合的な点において、無計画な、未完成のものが多くあることを考えるときに、政府といたしましては、いま第二次総合計画の策定の最終段階に入っておりますので、これらの総合策定が行なわれました段階において、われわれといたしましては新たなる一つの建設開発計画を立てたい、これに並行しながら持ちたい、こういうふうな気持ちであることを御了承願いたいと思います。
○吉田(之)委員 大臣にあと一点だけ御質問いたしておきたいと思いますが、そういういろいろな御検討の中で、昭和四十三年五月二十七日に、土地問題懇談会が土地対策についての提言をなすっております。この提言を読ましていただきますと、特に人口、産業の大都市集中抑制のための措置として、大都市の一定地域における工場、事務所等の新増設に対しては賦課金を課する等の措置をとり、人口、産業の大都市集中の抑制をはかるべきではないかというふうなことを提言しているわけでございます。こういうことにつきましては、その後建設省としてはいろいろとお考えになったことがございますか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました賦課金の問題につきましていわゆる整備をいたす場合の問題につきましては、建設省といたしましてはそれぞれ対応策を講じ、また予算の執行等に対しましても配慮をいたしてまいりたい、こう考えておる次第であります。
○吉田(之)委員 それでは大臣、けっこうです。 次に、新しい都市建設と申しますか、あるいは住宅対策も含んでいろいろと考えていかなければならない点で、われわれの考え方では、今後の新しい都市を形成していく手法としては、やはり三つの方法があり得るのではないか。その一つは都市再開発であり、一つはベッドタウンの建設であり、いま一つはニュータウンの建設なのではないかというふうに考えるわけでございます。ところで、都市再開発のほうは大体概念的にはお互いによくわかっているわけでございますけれども、ベッドタウンとニュータウンという概念の区別ですね、その辺が非常にあいまいに使われているようでございます。一体何がベッドタウンで何がニュータウンなのか、現在いっているニュータウンというものがほんとうの意味のニュータウンなのかどうかというふうな点で、いろいろな使い方の混乱を招いていると思うのです。われわれの考え方では、ニュータウンというのは、あくまでも自己完結的な機能を持つ、相当広範囲にわたる一つの都市でなければならないというふうに考えておりますが、その辺のところ、今日まで建設省としては、ニュータウンあるいはベッドタウンの構想について、あるいは実際の進め方について、どのような指導をしてこられたか、また、今後どのような構想のもとにこの建設を急いでいこうとなさっているのかという点につきまして、政務次官にお伺いしたいと思います。
○渡辺政府委員 ただいま吉田委員からの御質問でございますが、昭和六十年に七割以上の人口が都市に集中するということがいわれておるわけでございます。そのためには、いまお話しのような方法がありますが、ただ、日本の現状からまいりますと、イギリスのような独立をいたしました機能を持ったニュータウンということについては、相当問題があるのではないかというふうに考えておるわけであります。したがいまして、大都市圏構想というようなものに基づきまして、親都市と有機的あるいはまた機能的に密接な関係を持っておりました都市が拡大をしていくというような形でいわゆるニュータウンというものを考えていきたい。これは現在の基本的な考え方でございますが、具体的な問題につきましては、さらにまた局長のほうから御説明いたします。
○吉田(之)委員 いまの次官のお話では、結局日本においては、ニュータウンといえども、親子都市というふうなかっこうでの一つの新しい都市であって、それ自身が完全な自己完結機能を持つということは少し無理なのではないかというふうな御説明のように承りました。そうすると、局長からでも、あるいは官房長からでもお答えいただければありがたいのですが、ニュータウンとベッドタウンの区別がどうも釈然としないと思うのです。その辺は建設省としてはいかがにお考えでございますか。
○川島(博)政府委員 ニュータウンとベッドタウンの違いでございますけれども、私は、いずれの都市も、ある特定の大都市を母体として、これから分裂し発展した衛星都市であるということは間違いないと思うのでございます。ただ、その衛星都市の性格といたしまして、高次の中枢管理機能は、ベッドタウンであってもニュータウンであっても、母都市に依存することは間違いないことであろうと思います。ただその場合に、ニュータウンとベッドタウンの違うところは、日常の生活なりあるいは職場なりというものが、直接母都市と関係を持たずに独立をしておるかおらないかという点にあろうかと思います。現在日本が造成をいたしております町は、この分類からいえば、本質的にベッドタウンであるものが大部分でございますが、その中には一部、日常的な住居と職場が直結した部分を持つベッドタウンもあるわけでございます。その前提としては、ベッドタウンという性格で分類されるものが大部分であろうと思います。 しからば、このようなベッドタウンが今後の大都市開発あるいは再開発の一環として一体正しい行き方であろうかということでございますが、御案内のように、最近のような住居と職場の分離、遠隔化が通勤、交通をますます困難にするばかりでなく、また都心部の職場の環境を悪化していることは間違いないわけでございまして、でき得れば、職場と住居を一緒に持った郊外の文字どおりの自立的なニュータウンの造成に力を入れることが本筋ではなかろうかと思います。しかしながら、イギリスあたりにおきましても、そういう意図で始まりましたニュータウンが、必ずしも最初の意図を今日まで持ち続けているというわけでもございませんし、また、現実の日本の現在の社会経済環境におきまして、完全自立的なニュータウンを造成いたすことはなかなかやはり困難な面もございます。したがいまして、私どもといたしましては、当面やはり従来のような型のニュータウン、ベッドタウンの造成にもっと力を入れなければ、これだけ急増する大都市人口、産業を収容することはできないわけでございますけれども、これを徐々に職住近接という観点から、できるだけ職場に住居を近づけるという意味において、都内の職場の近くに住居を近づける、それにはある程度再開発による都心部の整備が必要でございますから、必ずしも都心にあることを要しない職場につきましては、これは出ていっていただく、出ていった先に、職場だけでなく、やはり住宅を近接して確保する、都市の内外におきましていずれも職住近接的な形における生活環境を整備していくということが、今後の大都市問題解決の基本的な方向ではなかろうか、かように考える次第でございます。
○吉田(之)委員 特に日本における日本式のニュータウンでもいいと思うのです。いまおっしゃったように、職住近接ですか、そういう一つの町づくりというものは、これからの日本においてはぜひとも必要な問題であるというふうにわれわれも感じます。 そこで、たとえば関西のほうで千里ニュータウンとか、あるいは大阪府の鋼東ニュータウンですか、それから明石・舞子ニュータウン等が現にできておりますけれども、われわれは、このニュータウンというのは、大規模なベッドタウンというべきではないんじゃないかというふうな気がするのです。それに引き比べて、首都圏を中心とする関東地方におきまして、多摩ニュータウン、あるいは筑波学園都市あるいは千葉ニュータウンというふうな新しい構想、あるいは港北ニュータウン、こういうものは、関西のいままでのニュータウンとは少し趣の違った新しい構想のもとに進めていかれているのではないかというふうな気がするのですけれども、この辺、建設省として、西と東のニュータウンのつくり方について、何か新しい構想を含めながら首都圏を中心とするニュータウン建設に取り組んでいっておられるのか、あるいは、旧態依然として、ベッドタウンのやや大がかりなものというふうなかっこうで進んでおられるのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○渡辺政府委員 ただいまの御質問でございますが、東京圏は御承知のように人口増加が非常に急激であったのでありまして、さらにその市街地周辺には、比較的広い平たん地といいますか、都市適地がございまして、そういうようなこともありまして、比較的中規模程度の団地開発というものによって処理をされてきた傾向があると思うのであります。しかし、その後の人口の急増によりまして東京圏というものが非常に拡大をいたしまして、都心からは三十キロメートル以上に及んでおるわけでありまして、郊外の丘陵地の大規模開発というものも順次行なわれております。現在は、御承知のように、多摩ニュータウンあるいは千葉ニュータウンというものの開発を進めておる段階でございます。さらに今後の宅地需要の増大等を考えますと、やはりさらに数カ所の大規模開発が必要になるのではないだろうかというような構想を持っておりまして、その実施につきましてただいま具体的に準備を進めておるという現況でございます。このような開発につきましては都心部からだんだんと遠くなっていくという状況でございますので、通勤交通整備等の問題もございまして、職住近接というような方針によりまして総合的なニュータウンを極力進めていきたい、こういうような基本的な考え方を持ちつつ努力をしておる、こういう状態でございます。
○吉田(之)委員 いま次官がお答えのようなことで、われわれも、新しい首都圏を中心とするニュータウンの建設については、非常な関心と期待を寄せてまいっておりました。特にわれわれが注目いたしておりましたのは、筑波学園都市でございます。こういう新しい研究機関や学園が集中的に集まり、そこに学生が集まり、また、そこに新しい都市が構成されていくということは特に画期的なことだというふうに期待をしておったわけでございます。承りますと、筑波学園都市のほうでは、用地買収もきわめて順調に進みまして、予定面積の八〇・二%まで用地が取得できた。おそらくことしの三月末には九〇%台に達するであろう。しかしながら、せっかくこうして用地が着々と準備でき、また地元の人たちもそれに大きな期待を寄せながら協力を惜しまなかったにもかかわらず、今日の時点においてその移転機関が暗礁に乗り上げたようなかっこうで一向にはっきりしないというふうな状態を新聞や雑誌等で見聞して、非常に心を痛めている次第でございます。この新聞にも「道は出来たけれど 筑波山ろく学園都市」「ガタガタの移転計画 しょせん夢かと地元憤概」というふうな見出しで、相当詳しく計画と実態とが合っていかない点をつまびらかにいたしております。特に東京教育大学におきまして、教授陣までが完全に二派に分かれて、筑波山ろくの学園都市に東京教育大学を移すべきであるか移すべきでないかというふうなことで、とんでもない政治問題にまで発展しかかっておるという現状でございます。文部省のほうから教育施設部長もお見えのようでありますが、ひとつその辺のところを、一体この建設省が考えている新しい計画に今後乗り得るものであるのかどうか、あるいは場合によってはこの計画自体も根本的にやり直しをしなければならない状態なのかどうかというふうなところをそれぞれお答え願いたい。
○渡辺政府委員 ただいまの吉田委員のお話はごもっともでありまして、従来そのようないわば停とんしておるような印象を与えておったことは事実だろうと思います。最近におきまして、建設大臣が非常な熱意をもちまして、筑波学園都市の建設ということについては、各省の積極的な協力を求めまして努力をしていきたいということは、御承知だと思っております。特に建設省といたしましても、あるいは建築研究所その他関係機関がございますので、まずみずから範を示すという概をもちまして非常な努力をいたしておるところであります。しかし、これにつきましては、関係者の住宅、通勤その他のこれに関連をいたしまする問題がいろいろございますので、やはり政府といたしましては誠意をもってこれらの問題を積極的に解決するという姿勢を示さなければ、なかなかむずかしいことも事実だろうと思っておるのでございます。しかし、これはぜひとも実現をさしたいという熱意と努力を続けておる次第でございますので、その点御理解をいただきたいと思いますが、具体的な問題につきましては、それぞれ関係者から御説明を申し上げたいと思います。
○菅野説明員 ただいま御質問のありました点につきまして御説明申し上げます。 文部省関係におきましても、都市疎開、特に学園を都市公害からむしろ環境のいいところへ移したいということにつきましては、かねがねそのような指導もいたしておりまして、全国的に移転統合などの指導も行なってまいったのでございます。 ただいまお話しの研究学園都市におきましても、文部省関係では最初から積極的に具体的にこれを進捗したいという気持ちを持ちまして関係大学を指導してまいったわけでございます。ただいまお話しの東京教育大学につきましても、実は文部省といたしましても非常にねばり強く、むしろ執拗といわれるほどに根気よく教育大学の筑波移転を指導してまいっております。ただ、大学は御存じのようないろいろな学内事情等もありまして、最近大学紛争等も起こしておりますことは、まことに残念なことだと思っております。しかしながら、文部省といたしましては、さきに閣議決定をした関係もありまして、さらに根気よくこの教育大学の移転関係につきまして進めてまいりたいと思っております。まだしかし、大学のことでございますから、内部事情もありますので、その辺につきましては、学内の事情の推移を見ながら、これについてあきらめないで指導を続けていきたいと、現段階においては考えております。 なお、このほか、文部省といたしましては、新設の研究所等におきましても、予算措置がつき次第この研究学園都市に建設したいと思っておるのもございますが、実現がむずかしいと考えられていました素粒子研究所などについても、最近明るい見通しが出てきましたので、予算上の措置が講ぜられるならば明年度からでも建設に着手したい、このようにも考えております。
○吉田(之)委員 特に東京教育大学の場合、まだあきらめないで推移を見たいというお話でございますけれども、そういうのんびりした——と言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、そういう穏やかな態度だけで、この種の問題が解決するんだろうか、あるいは、穏やかに見守っておって東京教育大学の内部問題が一年足らずで解決つくものかどうか、なかなか予断を許さないと思うのです。ここの大学紛争は、教授会が二分して、それにむしろ学生が巻き込まれてしまったというふうな感じさえ与えておる現状でございます。よほど強力な文部省の指導がなされないと、新しい学園都市なんかをつくっていこうとする最初のテストケースにおいて、その一番最初につまづきを見せてしまうということでは、今後非常に大きく尾を引く問題だろうと思うのです。いままでどのような指導をなさってこられたか、あるいは、この東京教育大学の問題について文部省としては今後どのようなき然たる態度で臨んでいこうとされるのか、あるいはこの問題が解決しない場合に、時限を切って、いつまでに見通しがつかない場合には根本的にこの計画を修正するというふうなことも考えておられるのかどうかということをさらに詳しく伺いたいと思います。
○菅野説明員 お話しの点、まことにごもっともなことでございます。私どもといたしましても、実は個人的にはしびれを切らしたいくらいの気持ちを持っておるわけでございます。しかし、大学のことでございますので、大学内の意見を無視してこれを進めるということはできないし、また、そうすべきでないというふうに考えておりますので、おっしゃるような御意見、非常にごもっともでございますが、現段階においては、大学としての意見をとにかく早くまとめてくれ、どういう形にするかを早くまとめてもらわなくては、こちらのほうでもしびれを切らしてしまうであろうということで、この辺を執拗に、かつ、早くきめることを望んでおるわけでありますが、御案内のような事情もあり、現在、大学の意向を無視してまで計画を進めるということにはいろいろ問題がありますので、その点もう少し推移を見た上で、さらに、現地のほうの土地取得についても相当進捗しているという状況もありますので、これについてはできるだけ早く、また内部の意見も固め、大学のほうも積極的に指導してまいりたい、かように考えております。
○吉田(之)委員 次官にお聞きしますけれども、この種の問題では、いまはやりのことばで言えば、タイムリミットはないのですか。
○渡辺政府委員 しいて言えば、これはできるだけ早くやりたいということでございますけれども、ただいま文部省のお話にもございましたように、それぞれの機関につきまして事情が異なっておるわけでありますから、それぞれの事情に適応いたしました誠意ある政府の施策と、また関係者の努力によりまして、一日も早くこれを実現するように努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○吉田(之)委員 教育施設部長さんにお聞きいたしますけれども、特に文科系の教授たちが、研究や資料集めに筑波山ろくのような離れた土地では非常に不便だというふうなことを申しておられまして、それが反対派の論拠、動機の中心になっておるように思うのです。理工科系のほうではあまりそういう異論はないようにわれわれは推察いたしております。だとするならば、一つの大学でも文科系と理工科系を分離して、こういう新しい研究学園都市には、理工科系を中心として研究機関とあわせ統合して一つの町を構成していくというふうなことも、場合によっては考えなければならないとお考えになるかどうか。
○菅野説明員 ごもっともな御意見でございます。筑波学園都市にいきます場合のいろいろな教育大学内部の問題点を率直に申し上げますと、移転に賛成している人々の意見は、現地では敷地狭隘であり施設設備も充実できないから、大学の将来を考えれば、個人としては不便であっても、この際移転に踏み切るべきであろうというふうに積極的な考え方の方がおるわけでございます。特にこの中で、国立大学でただ一つの体育学部にありましては、運動実技を実習する場合もただいまでは十分でないということで、この関係は積極的に賛成の学部にもなっておるということでございます。移転反対派のほうの中心は、いまお話がありましたように、文学部関係の先生方が多いわけでありますが、この方々の全体ではございません、一部でございますが、公式の意見としては、手続上昭和四十二年六月二十日の評議会は文学部としては認められないというようなこと、したがって、同年七月十三日付で土地取得の関係を文部省のほうに依頼してまいりました公文書は無効であるというような主張をしておるようでありますが、ただいまのは表面的理由でございまして、具体的理由としては、教育研究上不便であるということではないかと思われます。文科系の先生方は、やはり都市中心との連絡などがたいへん不便ではなかろうかというようなことを心配しているのだと思います。それで、私どものほうといたしましては、学園都市としての諸条件がいろいろありましょうが、一日も早く都市施設と移転機関のほうが並行して進まないと、パイオニア精神で行けということも必要ではありましょうが、その線でも若干の問題があろうかと思います。しかし、ただいまお話がありましたように、そういうことであれば、移転賛成の学部とそうでない学部とを分けて大学を二分したらどうかというような御意見もあろうかとも思うのであります。この点につきましては、大学自体の内部の問題といたしまして、そういうことに大学内部が踏み切るかどうかという問題もあるわけで、その点を含めまして、さらに大学を指導し、研究してまいり、推移を見て善処したい、かように考えております。
○吉田(之)委員 特にわれわれが残念に思いますことは、やはりこのくらいのことはいろいろな計画の最初において想定されるべき問題であったのではないか、やはり大学教授といえども、学生といえども、その新しい環境を求めたいという気持ちが半分と、残りはやはり便利なところにおって絶えず他とのいろいろな交流にもつとめたいという、相反する二つの要素を持っておることは、もう常識上明らかなことでありますから、そういうことを十分計算に入れて事前に学校当局とも協議をして、そしてこういう建設に移していかないと、建設省は計画はするが、いよいよになったらお客さんが来ない、地元では憤慨して、もう返上する、土地を返してくれというふうなことになったとすると、これはなかなかゆゆしい問題だと思うのです。したがって、文部省におかれましてもさらに積極的な努力を払われたい、同時に、建設省としても、ただ漫然と大学内部の事情の推移を待っているというふうなことではなしに、やはり早くこの計画にのせていくという一段の努力が払われなければならないということを特に感じますので、その点、建設省におかれましても、文部省におかれましても、この新しい日本の都市づくりという問題にさらに意欲と情熱を注いでもらいたいということを特に申し上げておく次第でございます。 次に、住宅建設について少しお伺いをいたしたいと思います。 住宅建設の五カ年計画も、この四十四年度で第四年度目を迎えることになりました。四十四年度の住宅関係予算を見ますと、一応政府の施策住宅の計画戸数二百七十万戸の達成率は、七一・八%となっている。四十五年度では七十六万二千戸を建てて、そして二八・二%残っております分を達成しなければならない、こういうことを考えておられるのでございますけれども、はたして四年度目に入った今日の時点において、当初の計画どおり完全にこの計画が達成でき得るものなのかどうかということをまずお伺いいたしたいと思います。
○渡辺政府委員 ただいまの住宅建設五カ年計画の進捗状況とその見通しについて御質問がございましたが、現在五カ年計画が進捗をいたしてまいりました段階におきまして、昭和四十四年度の末におきましては、大体、計画六百七十万戸に対しまして、全体として約五百三十万戸、すなわち約八割が達成できるという見通しを立てておるわけでございます。計画に対しまする残った戸数は約百四十万戸でございますが、昭和四十四年度の計画戸数は実はそれより多うございまして、約百五十七万戸になっておるのであります。したがって、昭和四十五年度末には、全体の戸数としましては、計画をいたしました六百七十万戸を若干でも上回ることになるであろうというふうに期待をしておるわけであります。 ただいまお話のございました公的資金による住宅でございますが、仰せのごとく、昭和四十四年度末では計画に対しまして七一・八%ということになっておるのでありますが、これは御承知のような非常に実施困難なために施工がおくれておりまする改良住宅等を除きますと、その進捗率は大体七三%ということになるのではないかと思うのでございます。したがいまして、それは当初計画に対しまして定率を伸ばしました四年目の進捗率に対しましてほぼ見合ったものになっておるのではないかというふうに考えておりまして、昭和四十五年度ではさらに御協力をいただきまして一段と努力をいたしますれば計画どおり達成できるであろうと、私どもは明るい見通しを持っておるわけでございます。なお、その改良住宅につきましてはいろいろ問題がございますが、さらにひとつ事業の実施を促進するように努力してまいりたい、かように考えております。
○吉田(之)委員 われわれの感じでは、建設省としては、特に民間自力の建設住宅の伸びが予想以上に上回っておるので、それでずいぶん気をよくして、結局全部で合わせて六百七十万戸はどうやらだいじょうぶのようだというふうな気持ちになっておられるのではないかというように思うのでございますけれども、しかし、この国の住宅建設の計画として、民間自力の伸びだけに甘えているというふうなことでは、今後いかがなものかと思うのでございますが、その点はいかがでございますか。
○渡辺政府委員 吉田委員のお説のとおりでございまして、私どももそのとおりに考えて努力をいたしておる次第であります。ただいまも御説明申し上げましたように、公的資金によります住宅につきましても、特殊な改良住宅等を除きますと大体七三%ということでありまして、四十五年度には目標が達成できるのだという確信をもって努力をいたしておりますので、ただいまお話しのような、民間建設の促進に隠れて、公的資金による住宅の建設をないがしろにしているというようなことはもちろんございませんし、今後もこの公的資金による住宅の建設にはさらに努力いたしたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○吉田(之)委員 特にその計画の中で二十七万戸の調整戸数というのがあるようでございますが、この調整戸数は、公営、公団、公庫のいずれかに配分されることになっているというふうに承っておりますけれども、その配分のしかた等についてすでに計画は明らかにされておるのですか。
○渡辺政府委員 ただいまお話しの調整戸数の配分につきましては、お説のごとく、いままでに何年度にどれだけの調整戸数を配分したかという数字的なものはございません。しかしながら、施工がおくれております改良住宅を除きまして、当初の計画戸数の定率によります年度別計画戸数と比較いたしてみますと、大体実績戸数は昭和四十四年度末までに相当な戸数になると思いますが、大体十一万戸強を上回っておるのではないかというふうに考えておるわけでありまして、これは一応調整戸数を配分した、そういうことに結果的になっておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、そのように考えました場合にも、定率を上回っております実績戸数としては借家のほうが多いという実情であります。なお、昭和四十五年度におきましても、公団、公営住宅等の賃貸住宅に重点を置くようにいたしたいということを考えております。さらに、改良住宅につきましては今後一そう努力をいたしまして、ただいま申しましたような状況でございますので、その進捗をはかっていきたい、かように考えております。
○吉田(之)委員 いまもお述べになりましたように、住宅審議会でも、公的賃貸住宅に配分の重点を注ぐようにということでございまして、われわれの考えでは、持ち家も非常に大事でありますけれども、現状においては、賃貸住宅というのが、多くのサラリーマンを中心とする市民にとっては非常にかけがえのない必要な住宅のように考えますので、その点については十分の配慮を払っていただきたいというふうに考える次第でございます。 次に、家賃の問題でございますけれども、建設費及び地価高騰による公的賃貸住宅の家賃上昇は非常に著しいものがあると思うのです。昭和四十四年度の公営住宅で、高層のほうは大体相場が七千円から八千円ぐらいです。それから公団賃貸住宅では、面開発の場合に二万三千九百三十一円、市街地一般では一万八千円にも達しているというようなことを聞いております。こういうことでは、今日非常に物価高騰に悩んでいる一般市民が、この高い家賃についていけるのかどうか、なお、この公営住宅の家賃というものが今後とも一そう上がっていくおそれはありはしないか、これをどのように抑制しようとする対策を講じていかれるのかという点につきまして、家賃問題について少し建設省の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○渡辺政府委員 私からこの問題につきましてはお答え申し上げます。 地価も高騰してまいりまするし、また、建設単価もそれぞれ上昇いたしておるわけでございまして、その結果公団住宅の家賃等が逐年高いものになっておりますことも、お説のとおりであります。特に面開発によりまする公団住宅は、都心に近い既成市街地に立地をしておるという関係等もございまして、相当高額な家賃になっておることも事実であると思います。そのために、お話のような低所得者にとりましては高ねの花と申しますか、せっかくいい施設ができましても入れないというような傾向にあることも事実であろうと思います。しかし、最近の家計調査その他の資料によりますと、勤労者の年収は大体年二二%程度伸びておるようであります。入居当初は家賃の支払いが非常に困難でありましても、数年を経ずして順次内容も充実をしてまいりまして、家賃支払い能力等もできてくることもあるのではないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、入居当初の家賃はできるだけこれを軽減いたしまして、順次後年にこれを繰り延べて、自然に家賃が後年度上がるというようなことによりまして、支払いができるようなことも今後制度化したらどうであろうかということを考えておるわけでございます。しかし、これを面開発住宅のみに適用すべきであるか、あるいはどの程度支払い繰り延べにするかというようなことにつきましては、なお慎重に検討しなければならぬと思っておりますので、今後十分ひとつ慎重に検討してまいりたいと思いますが、お説のような家賃高騰につきましても今後十分に検討してまいりたいと思います。
○吉田(之)委員 いまお話ありましたその家賃の傾斜制度と申しますか、この点が、傾斜家賃制度を採用しようということで建設省と日本住宅公団がいろいろと相談の上その実施要領をまとめられたということをわれわれも承っておりますが、大体まだ大蔵省との話し合いというものが十分に進んでいないようにわれわれは仄聞いたしております。むしろ懸念いたします点は、大蔵省がずいぶんこのことについては財政的に難色を示しているのではないかというふうにも仄聞をいたしております。しかし、この問題こそ——大臣お見えになりましたけれども、これから庶民に入居できやすい賃貸住宅を提供する、最初は非常に安くして、四、五年たてば大体一定の線にセットしていくというふうな方法をとるということは、非常に大事な問題だと思うのです。もう少し詳しく、大体初年度から何年間くらい、どのくらいの段階で家賃をだんだんに上げていって、どの辺でセットすべきかというふうな問題、あるいは今日までの建設省と大蔵省とのこの傾斜家賃制度についての交渉の経緯というふうな点についてお答えをいただきたいと思います。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました傾斜家賃方式、これは、低所得者大衆に対する住宅政策としては、私は、非常に貴重な、検討すべき方式であろうと考えておるのであります。したがいまして、いま建設省を中心にいたしまして一つの年次計画といいますか、具体的な、最初初年度は何千円とか、あるいは次の年度を二千円にするとかというような方途をひとつ制度化することが必要であろう、こういうような気持ちで、先ほど政務次官がお答え申しましたとおりの基本方針のもとにおいてこの制度化に私は十分ひとつ——大蔵その他関係当局と連絡をとりながら、目下それらの意見を調整している段階であることを申し上げておきたいと思います。
○吉田(之)委員 その調整の段階で、建設大臣から見て、大蔵省の手ごたえと申しますか、その辺はいかがですか。
○坪川国務大臣 関係局長の報告等を聞きますと、大蔵省のほうもかなり理解を持った考え方で建設省のほうに対して歩み寄ってきておるというような事態でございますので、これらの点はさらにひとつ大蔵省当局と話し合いを煮詰めまして、ぜひとも私は制度化を急いでまいりたい、こう考えております。
○吉田(之)委員 それでは、ちょうどいま次の質問者がお見えになりましたから、一応この辺で私の質問を終わります。
○始関委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 大臣の施政演説に対して若干御質問いたします。 この大臣の施設方針の中で、こういうふうに言われております。「特にきびしい倫理感と使命感をもって事業をやっていく」ということでございますが、この間は談合等のお話がありましたが、天下りについて御意見を承りたい。 それは、建設省の技術関係の技師さんたちが、建設省の発注する会社へ相当数横すべりなさっておりますが、こういう会社にいろいろと国から発注がある、また、われわれが知っているところでは、受注もなさっている、こういう点については、このきびしい倫理感、使命感について、大臣としてはこの天下りについてはどのようなお考えを持っておられるのか、また、今後どういう姿勢でなさっていかれるか、特にこういう中堅の方々が行かれた会社のほとんどは、建設省関係の仕事を受注なさっておる、こういう点についてまずお伺いしておきたいと思います。
○坪川国務大臣 私が最初に所信表明の中に申し上げましたごとく、建設省の仕事というものは、まことに大事な問題、また人命につながる非常に重要な問題等、あらゆるものを含めまして、ほんとうに使命感と倫理感に満ちあふれた気持ちでやらなければならぬということは、あらゆる機会に私は指示いたしておるような次第でありますが、いま小川委員御指摘になりました、職員が営利企業のほうに転職する問題、言いかえますならば、天下りの問題につきましては、御承知のとおりに、いわゆる人事院の審査を受けなければならぬことも御了承のとおりでございます。また、公務員としての人事管理、また退職する人々の今後の生活というようなこと、あるいはこれまでの知識、技術を役立たせるというような立場から、適正な企業への就職をいたすということの措置も、人間的な気持ちの上では、私はある程度許してやっていいことであろうとも思うのでございますが、その間における経緯、その間におけるところの具体的な主観的な条件というものは、慎重に検討をいたさなければならぬ、また審査もいたさなければならぬ、こういうような気持ちを持って、いま御指摘になりました企業会社への転出等につきましては、その内容等を十分検討いたしましてこれを許していくという方針をとっておることを御了承願いたいと思います。
○小川(新)委員 そうすると、現在と同じような姿勢ですか。
○坪川国務大臣 私、就任いたしまして以来、企業への転出あるいは天下り人事ということの具体的な問題は一、二名あったと思っております。そのときにも、当事者と責任者とよく協議いたしまして適正な判断を下しましたものですから、それを許したような次第でございますが、前段で申し上げましたように、今後も国民から不快な、あるいは疑点を招かないような人事の交流あるいは転職等の人事管理に十分厳重に監督また検討いたしながら処置を講じてまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 具体的な方策を大臣はいつもお述べくださらない。いつも、前向き——何か大臣のお話を聞いていると、われわれも非常によくなるように思えてしまうのですけれども、まあそうあってしかるべきだと思いますね。 次に、大臣はここで、「高度成長の経済下において、全国的規模で都市化の現象が進展し、国土も、われわれの生活も、」このあとが問題。「激動の波に洗われております。」という、この「激動の波」は、高度経済成長に対する大臣の批判なのか。こういう高度経済成長下においてのひずみが都市化の問題にあらわれてきたのであるか。であるから私は、池田内閣以来の佐藤内閣のこの高度経済成長のひずみに対しては批判的なのである、このように私は理解しているのですが、この点どうですか。
○坪川国務大臣 御案内のごとく、わが国の鉱工業生産の各国との比重というものは、まことに顕著なものをなし遂げておることは、小川委員御承知のとおりでございます。これに対して私が、高度経済成長に伴うひずみをもって、高度経済成長の現象の過去におけるところの経済政策、財政政策を否定いたしまして、この批判を下しておるようなことはみじんにもございません。そのとうといといいますか、ありがたい現象をとらえ、それを踏まえた上に立っての国土開発、いわゆる都市対策、過疎対策をわれわれがつとめることが、建設省の大きな使命である、こう考えております。
○小川(新)委員 一言に言って、この激動の波に洗われている都市化問題の最大のネックは何ですか。
○坪川国務大臣 最大のネックと申しますか、著しい都市化の進展に伴って、客観的な情勢から人口、産業が過度に集中するというこの現象というものは、やはりわが国の産業の発展に大きく基因することはいなめないとは思いますけれども、しかし、それによって一元的にすべての結論を出す——ネックというものは、あらゆる方面、あらゆる立場からの総合的な結果からこうした現象がくるということであろうと私は考えております。
○小川(新)委員 大臣は、この都市対策について、再開発に重点を置くのか、拠点開発に重点を置くのか、または両輪で進めていくのか、または全国総合開発計画の上位プランから判断して、首都圏、広域圏というようなブロック圏というものをもっとこまかく分けていきたいのか、一体建設大臣の大都市問題に対する考えは那辺にあるのか、まずお聞きしておきたい。 〔委員長退席、金丸(信)委員長代理着席〕
○坪川国務大臣 私といたしましては、いつも申し上げますごとく、均衡のある国土開発、均衡のある国土建設、これが私の基本方針でございますから、都市対策も過疎対策もお互い並行いたし、両輪といたしまして、並行的に進むべきであると考えております。
○小川(新)委員 一体この大問題をそういう抽象的なことでは解決できないのではないかと思うのですが、いままで全部それでやってきて、それで失敗しておるのですね。けれども、大臣がそういう姿勢で問題と取り組んでおられますから、あえて言いません。 そこで、具体的な問題で住宅問題をまず第一番目にお取り上げくださったことは、私は非常にうれしく思っておりますが、この住宅の五カ年計画が四十五年で終了いたします。昭和四十六年度からの青写真、これは当然あると思いますが、一体公営、政府施策住宅がどれくらい、また民間自力建設は何割、そして昭和四十六年度からの五カ年計画では最終何万戸の家をお建てになるのか。ちょっと新聞には片りんが出ておりますが、この建設委員会の席上、建設大臣からひとつ四十六年度からの住宅建設行政の青写真をお示し願いたい。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、五カ年計画はもう残り一年を残しておるような次第でございますが、この時点に立って新たなる五カ年計画、住宅政策というものの構想を準備し、打ち出すことが非常に重大な問題であろうと思いますので、私は就任以来、そうした観点から、いろいろの立場から検討を加えまして、そして過般新聞に発表いたしましたごとく、新住宅政策を打ち立てました。その基本につきましては、御承知のとおりに、住宅の量を確保するとともに、質の向上をはかってまいりたい。その次は、勤労者の立場に立ち、大衆の立場に立っての職住近接という積極的な方針を具現化するということが第二番目の問題であります。とともに、低所得者に対するところの公的援助を強化するということが第三番目。第四番目は、民間建設促進のための住宅金融施策等を行なうということ。第五番目といたしましては、土地所有者自身による住宅経営の促進をはかる。こういうような五本の柱を基礎に置きまして、当面すべき大きな事項といたしましては、いわゆる住宅金融公庫の個人貸し付け等の制度を改善するとか、あるいは公営住宅の設備の質の強化をはかる、たとえばおふろとか、あるいはエレベーターとかいう問題、また特定目的の住宅、御承知のとおりに、母子世帯、あるいは身体障害者の各位、あるいは老人世帯、これらに対するところの強化拡充をはかるということ、また、御承知のとおりに、公有地、国有地の活用というものを建設省みずからが範を示すべきであるという観点から、あの東京技術事務所の措置について新たなる構想を打ち立てまして、約二千五百戸の住宅の建設というような問題に取り組みますとともに、御承知のとおりに、学園研究都市の移転という問題も、いままでの現実を検討いたしますと二機関しか移転計画がないことを思うとき、この事態といりのは関係土地提供者に対しましても申しわけない問題であるとともに、住宅、都市対策の上においては重大な問題であるということに思いをいたしまして、過般閣議において発言もいたし、また首都圏事務局長をしましてそれぞれの指示をいたしてまいりました。おかげでここ四、五日の間に各官庁が移転計画というものの具体的な数について非常に真摯に検討を加えまして、その機関の数もふえたことを私は喜んでおりますが、この数字につきましては、また機関の名前につきましては、首都圏事務局長をして申し上げさせますが、こういうような問題をはかりますとともに、いわゆる新たなる住宅の技術刷新といいますか、一つの新たなる科学の伴うところの住宅政策を——一つの時代の技術を、労務対策の上からもコスト対策の上からもこれらの問題に検討を加えなければならぬということ等を含めまして、新たな住宅政策の基本構想を打ち立てたような次第でございます。これが決して最終的な最もよき結論とは思っておりません。私どもといたしましては、さらに思いを新たにいたしまして、総合的な客観的な具体的な立場からこれらの問題に取り組みたいと思いますとともに、いま御指摘になりました数字等の問題につきましては、十分その必要性、需要度というような問題を、総合的に、一つの高度な立場から、長期にわたっての立場から考え、制定化する必要がございますので、いま直ちに戸数あるいは量の問題につきましては言明する時点になっていないことを御了承願いたいと思います。
○小川(新)委員 よくわかりましたが、戸数の点は、大ざっぱでけっこうです、この間の七百五十万戸はどこが発表になったのですか。
○坪川国務大臣 御承知のとおりに、私が予算委員会で申し上げました長期計画の上に立っての住宅の需要度、供給度というものは、過般申し上げましたように二千七百万戸になっておるのでございます。その二千七百万戸に対する現時点におけるところの戸数は、御承知のとおりであります。したがいまして、七百五十五戸とかあるいは八百万戸とかいうような具体的な数字は、われわれ建設省当局としては最終的に煮詰めている戸数でないことを御了解願いたいと思います。
○小川(新)委員 予算委員会で言われた二千七百万戸というのは、経済企画庁が発表した十年間の住宅の不足を言われたのだと思うのですが、そこから割り出しまして七百五十万戸というのが出たと思うのですけれども、それは確かに予算委員会でお述べになったことなのですか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました七百五十万戸の新五カ年計画の目標を予算委員会で申したことはございません。
○小川(新)委員 そうすると、最終五カ年計画はまだ煮詰まっていない。新聞にはこう大きく出ちゃっているのですが、七百五十万戸目標ということがどこから出たかということは私も原因を追及いたしませんけれども、それで私どもは了解しておったのですが、煮詰めた段階においては住宅がさらに上回っていくと理解してもいいのですか。
○坪川国務大臣 それらの点につきましては政府委員をして答弁させます。
○大津留政府委員 ただいま大臣が申されましたように、次の五カ年計画におきます戸数というのは、まだ結論を得ておりません。長期の計画といたしましては、大臣が予算委員会でお述べになりました二十年間に二千七百万戸という数字を、建設省といたしましては長期国土計画といたしまして持っておるわけでございます。その後のいろいろな世帯の推移あるいは人口の推移等を見まして、二十年の長期計画につきましてもさらに検討を加えていかなければならぬじゃなかろうかと思っております。したがいまして、次の五カ年計画におきましては、おそらくその新聞に出ました推測記事の数字を上回る数字にはなろうかと思いますけれども、まだどの程度の数字という段階までは至っておりません。
○小川(新)委員 そうすると、この七百五十万というのは、あくまでも推測で新聞社が書いた、こういうものだということですね。そうじゃないのですか。(岡本(隆)委員「そうじゃないですよ。ぼくの質問にも答えた」と呼ぶ)
○大津留政府委員 予算委員会で岡本委員の御質問にお答えになったのは、二千七百五戸という数字を言われたわけです。それで、朝日新聞に先般出ました七百五十万戸というのは、これはあくまで推測記事でございまして、私どもとしてはそういう数字を考えておるというわけではございません。
○坪川国務大臣 小川委員御承知のとおりに、最近のいわゆる結婚適齢期といいますかの増、それに伴うところの世帯数の増という問題、あるいは都市への人口集中というような問題、あるいは建てかえ等の問題等、いろいろの条件が客観的にあることを考えますときに、われわれといたしましては、いわゆる質の向上をはかるとともに量の増大をはかってまいりたいということはもちろんでございますので、それらの点についてなるべく増大をはかりたいということが基本方針であることを御了察願いたいと思います。
○小川(新)委員 それで、私お願いしておきたいことは、もうあと一年しかありませんので、四十六年度からの青写真、これをすみやかに発表していただきたい。それは、まず第一点は、政府施策住宅と民間自力建設との問題であります。その次は、公営住宅、公団住宅、公庫住宅、融資住宅、これがどれくらいになるのか、前五カ年計画と同じ比率でいくのかどうか、こういう点がわれわれとしても非常に聞きたいところで、また問題としたいところであります。 なおかつ、大臣の新しい所信であるところの職住近接、これは非常に大きな問題を含んでいる。職住近接ということは、市街地再開発と考えていいのか、それとも、主十キロ圏あたりまでは職住近接ですか。拠点開発と大都市の問題はどうなるのか。また、この過大なる東京都の中に、この土地の高い中に、一体公団住宅や公営住宅が建てられるのか、こういう点、大臣いかがでございますか。
○坪川国務大臣 基本的な方針といたしましては、職住近接ということを私は基本に置きたい。いわゆる働く方の立場、もう私から申し上げるまでもない。一時間以上二時間もかかってようやく職場に着かれて、そしてまた帰宅の時間的なことを考えるときに、ほんとうに気の毒だと思います。そうしたことから、私は、職住近接という方針を打ち立ててまいりたい、こう考えておりますので、御承知の新たなる新都市計画法の制定、運用にあたりましては、これらの点を十分配慮いたしますとともに、先ほど申し上げましたような公有地、国有地の活用問題に私は大いに期待と希望を持っておるわけでございます。御承知のとおりに、三十八機関の移動、移転に伴うところの国有地の活用、これを私は住宅問題等の一つの最大の中心課題に置いて配慮いたしたいと考えておるような次第であります。
○小川(新)委員 そうすると、これは拠点開発になってしまうのですね。だから、一時間と言いますけれども、現在の一時間くらいはわれわれは何とも思っていないのですよ。私も、五十キロですから、一時間です。これはちょうど手ごろです。いまは二時間以上が非常に問題になっているのです。昭和五十年代は五十キロ圏から八十キロ圏の開発に入るのですね。いま三十キロ圏ですね。埼玉県でいえば大宮から浦和あたり、その次は上尾を越えて熊谷あたりまで、それからさらにいって高崎あたりまで、これが大体経済企画庁で考えている三十キロ、五十キロ、七十キロ圏です。でありますから、拠点開発というものが出てくる。いま大臣が言われている市街地再開発という問題の中では、国有地も限られておりますから、再開発が中心になるのか、拠点開発が中心になってくるのかということで聞いているわけです。
○坪川国務大臣 小川委員の御承知のとおりに、私どもといたしましては、これらの点で、単に都心に住宅の根拠地を持つというような拠点開発もある程度必要ではあろうと思いますけれども、それとともに、いわゆる工業専用地区、住宅専用地区等の区画整理事業の推進とともにこれらの制定を行ないまして、総合的な住宅の拠点政策を職住近接の立場から推進してまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 大臣にお尋ねいたしますが、宅地開発税と大蔵省の考えている税金の問題、それから建設省の考えている都市計画税、こういう問題は、考え方がみんなばらばらなんです。宅地開発というのを強行しますと、これは持っている地主が出さない。だんだんそういう傾向になってきます。そういう点の開発の進め方が——建設省、自治省または大蔵省個々ばらばらにいろいろな税金の問題、土地対策の問題を進めていきますと、一体拠点開発に全力をあげているのか、市街地の再開発に全力をあげているのか、われわれとしてはその一貫した方針がどうしてもわからないのです。その点について、一番の中心を握っている建設省が、こういう方向でいくんだという点を出せば、それに従っていろいろな行財政の面が裏づけられてくる。それがいまばらばらなんですよ。われわれ見ていると、どうしてもはっきりと理解できないのです。その点いかがですか。
○坪川国務大臣 御指摘になりました点、まことにごもっともな観点に立っての御意見であることは、私も同感いたしております。しかし、土地税制という問題は、土地開発税あるいは都市計画税、あるいはその他関連する税法を、総合的に、よりよき立場から、それぞれの観点から是正改善していくということが私は非常に大事なことであろうと考えますので、これらの総合的な改善の問題につきましては、大蔵省、自治省その他と十分連絡と協議を密にいたしながらこれからも取り組んでまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 ひとつよろしくお願いいたします。 土地の公示制度の法案が閣僚会議で問題になっている点は何ですか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました、閣僚会議で土地公示制度が問題になっておることはございません。
○小川(新)委員 そうすると、自民党の土地対策委員会か何かで問題になって法案の提出がおくれているのですか。
○坪川国務大臣 聞き及んでおるところによりますと、昨日の総務会において地価公示制度の問題の法案の審議が行なわれたのでございますが、公示制度の問題については、私が申し上げるまでもなく、各党共同決議によっての要望でもあり、また十年来の懸案事項でもある重要な問題でありますので、自民党の総務会においては、慎重にこれらの問題点を解明する必要から、審議の結論がおくれているということに聞き及んでおるような次第であります。
○小川(新)委員 建設大臣としては、それらの問題点について説得させ、なおかつ、あなたの御希望のとおりの法案を提出する覚悟でございますか。
○坪川国務大臣 私、就任以来、この法案の制度については大きな希望と期待をいたしておりますので、ぜひともこれを国会において御審議を願いたいと期待をしておるような次第であります。とともに、必ず御了承もいただき得るものと信じておる次第であります。
○小川(新)委員 それでは、都市再開発法案が前回参議院で流されましたが、この都市再開発法案にあらためて改正を盛り込まれたと聞いておりますが、どの点が変わったのでございますか。
○坪川国務大臣 都市再開発法案につきましては、過去において、いろいろの立場から、あらゆる角度から御指摘、御審議をいただいたような次第でありますが、目下、建設省といたしましては、それらの御指摘になりました点を重視いたしながら、いま改正の措置を講じておるような次第でありますが、大筋において大きな改正を見るというようなことはございませんが、しかし、御指摘になった点で重要な点につきましては、目下鋭意検討いたしておりますが、その細部の点につきましては政府委員をして答弁させます。
○竹内(藤)政府委員 参議院の審議で問題になりました点、いろいろありますけれども、その中で特に問題になりましたのは、再開発事業をする場合にもっと住宅を入れるべきじゃないかという御議論で、私どもといたしましても、市街地再開発事業を行ないます際に、その市街地再開発事業の中に住宅ができるだけ多く建設されるような施策をこの再開発法に盛り込みたいということで、ただいま内閣法制局あるいは関係各省と協議中の段階でございます。
○小川(新)委員 この席上では発表できませんか。
○竹内(藤)政府委員 まだ成案を得ておりませんので、だいぶ変わってくる可能性もございますので……。
○小川(新)委員 その変わった点、大体でいいです。
○坪川国務大臣 この基本的な問題は、住宅供給を促進するという問題点をわれわれは最も重要な点としていま勘案しながら検討いたしておる。基本的な問題は住宅供給の促進というところに置きたい、こう考えております。
○岡本(隆)委員 ちょっと関連して。都市再開発法の問題について、従来から、暮れの建設委員会でも新大臣にお願いをしておいたと思うし、それから保利さんの時分にもお願いをしておいたのでありますが、この前提案された再開発法については、再開発組合に住宅提供の義務を負わせてない、したがって、業務用の面開発がどんどん進んで、そのために人口のドーナツ化現象がより一そう促進される、そういう非常な欠点を持っておるから、今度はその再開発組合にも——御承知のように、再開発事業は公的団体もやれるし、また私的の民間のデベロッパーが再開発組合をつくって再開発をすることもできるということになっておりますが、公的な再開発事業はなかなかそう多くを期待できないとわれわれはにらんでおるのです。したがって、民間の再開発組合がどんどん出てきて、業務用の面開発をどんどん進める、そういうことになれば、都市の空洞化とか人口の空洞化が起こってくる、だから、そういうことがないように、そういうところの再開発組合にも、公的な住宅供給機関に対して、たとえて言えば、住宅公団とか、あるいは公営住宅を建設する公共団体であるとか、あるいは地方供給公社であるとか、そういうところへ、ある面開発をやれば、その上にそういうふうな住宅を乗っける義務を負わせなさい、そうでなければ、どんどん町は再開発されて、そこに住んでいた人は郊外へ押し出されて、そこにはいわゆるオフィスビルばかり建っていく、だから、そういうことがないようにしなさい、こういうことが一番問題になっておるのです。ところが、政府がいま考えておられるのでは、われわれが言っているような方向には進んでいないのです。だから、われわれとしては、もしそういうふうな形で出てくるとするならば、この国会でももう一度ペンディングになりますよということを御忠告申し上げているわけなんです。だから、その点、大臣としては、私がいま申しました考え方が妥当なものと思っておられるか。この考え方で進んでいただきたいとわれわれは言っておるのでありますが、大臣は、そういうわけにはまいりません、こういうことなのか、そういう方向で法律案をまとめて提案してくる、こういうお考えなのか。私はこの機会に、再開発問題については一番中心の課題についての大臣の御所信を承っておきたいと思うのです。
○坪川国務大臣 本法案に対しまして非常な関心と見識を持っておられます岡本委員のいま御指摘になりました点、私も十分拝承いたしており、また検討もいたしておるような次第であります。いろいろの立場からそれらの御期待に沿うような最善の努力また立法配慮はいたしておりますけれども、いまの段階において私が直ちにこれのとおりいたしますということの答弁を申し上げかねる点もひとつ御賢察いただきまして、また、非常に正しいといいますか、非常に見識のある御見解につきましては、私は貴重な資料としてなお今後も事務当局と相談してまいりたい、こう考えております。
○岡本(隆)委員 私がお伺いしているのは、どのようにいたしますというお約束をしてくれとは申しておりません。大臣は、いま進んでおるところの都市の再開発が、業務用の面開発ばかりが進んで、そしてそこに住んでおったところの人たちがどんどん郊外に押し出されて都市のドーナツ化現象が進んでおるということは、御承知のとおりです。だから、こういうようなことがあってはならない、都心から散らばっていこうとするものをそこへ引きとどめ、のみならず、郊外に散らばっている人たちを都市にまたさらに引き戻していく、こういうふうな方向での再開発というものを考えるべきだ、またそうでなければいけない、こういうようにわれわれは主張しておるのですが、それについての大臣のお考え、御所見、その意見が正しいと思われるか、間違っていると思われるか、それについての大臣の御所見を承っておきましたら、その大臣のお考えになる方向に従って今後努力していただけると思いますから、大臣のお考えを承りたい。
○坪川国務大臣 私は、岡本先生のその貴重な御意見の資料を頭に入れ踏まえて今後の法制定の作業を進めてまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 それが、大臣、職住近接なんです。私がさっきから言っている職住近接ということは、都市再開発が重大なかぎを握る。 もう一つは、六百七十万戸の建設のうち、四百万戸は自力建設に委譲させている。そこに、いま岡本さんがお話したように、郊外へ郊外へと、ヤツデの葉っぱのようにドーナツ化現象が伸びていく。これは私は政府の責任だと思うのです。そこで問題になってくるのは都市計画法。どこに市街化区域を設定するか、調整区域を設定するか、いま非常な政治問題に知事とか市町村長が追い込まれている。この都市計画というものは、市町村が上げてくるものを知事が認可する、そうですね。そうなってまいりますと、国がこれに対しては干渉しませんか。
○坪川国務大臣 政府といたしましては、地方公共団体事業遂行においてのこれらの大きな隘路を生じましてこれを強く進めるというようなことでなくして、やはり私は、地方公共団体と話し合い、納得をいたしながらこれらの事業の推進を考えてまいりたい、こう思っております。
○竹内(藤)政府委員 具体的な市街化区域、調整区域の設定の進め方は、県の段階におきまして——これは知事の決定でございますが、おそらく建設大臣の認可にかかると思います。したがいまして、具体的には、県の段階におきまして原案をつくり、それを市町村におろしまして十分に住民の意見を聞きまして、そしてもう一ぺん県が正式な案をきめたものを地方の審議会にかける、そして大臣に上がってくる。その間におきまして実際の作業といたしましては、建設省あるいは農林省というようなところとの具体的な打ち合わせというものが何回か繰り返されて、漸次固まってきまる、こういう形になろうか、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 それは現地では逆に解釈していますね。市町村が立てた計画を知事が認可する。けれども、市町村の都市計画、県の都市計画、それから広域圏、たとえば首都圏開発計画、それから国の総合開発計画、こういうように計画が四段階に分かれておる。そうしますと、国は最高の上から見ていくわけです。県はその中間を見るわけです。だから、そこにいろいろ出てきた場合に、市町村長は、市街化区域を広く広くとりたいと突き上げを食ってくるわけです。ところが、市街化区域になれば、十カ年の間にそういった公共施設を義務づけられてしまう。これはいまの貧困な地方財政ではできない。そういうところでいろいろのトラブルが起きてくるし、また土地問題がいろいろ起きてくる。そういうふうな問題がもう現に埼玉県で起きているのです。それに対して国はどういう指導をしていくかということなんです。どうなんです。
○坪川国務大臣 ただいま都市局長が申し上げましたごとく、知事、首長がその地方の詳しい具体的な状況を判断いたしましてこれを認定いたす、そしておろしてまいりました上に立っての地域住民との話し合いの結論を得ましたその報告を受けて立って私が判断いたしてまいりたい、こう考えておりますので、これらの点については、その事業あるいはその計画の進捗状態等の経過過程も私は十分検討いたしまして、そしてこれらの不幸が起きないように配慮いたしてまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 これはたいへんな問題だと思うのです。これは相当大きな問題に発展すると思いますから、よろしくお願いいたします。 それから、話を進めますが、土地基金はなぜ今度おやめになったのですか。
○竹内(藤)政府委員 御承知のように、都市計画法におきましては、国会の修正によりまして、都道府県及び指定都市に土地基金を設ける、その土地基金に対しまして、国は資金の融通またはあっせんその他の援助につとめなければならぬという規定があるわけであります。現在われわれといたしまして四十四年度において考えてまいりたいと思っておりますのは、一つは都市開発資金、これを強化してまいりたい。もう一つは、これは都市計画施設の用地費に特に限りませんけれども、先行取得事業債を拡大してまいりたい。それからもう一つは、そういうようなものを財源にいたしまして地方の土地対策を強化してまいりたい。もう一つは、地方交付税を財源として地方に土地開発基金というものを自治省が設けたい、こう言っておりますが、この土地開発基金のうちで都道府県及び指定都市に設けられるものは土地基金ということにして、都市計画法の土地基金の性格を持たしてまいりたい、こういうことで現在関係省と打ち合わせ中でございますけれども、そういうような考え方で四十四年度は臨んでまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、建設省案は大幅に後退して自治省案に近いものができてくる、こういうことに理解したいのですけれども、そうしますと、土地基金の第八十四条の第二項の解釈はどうなるか、なぜこれを予算請求なさったか、それでなぜこれが実現しなかったかということになりますと、八十四条の第二項の解釈がちょっと私にはわからぬのですが、説明していただきたい。
○竹内(藤)政府委員 八十四条第二項につきまして、四十四年度の手当てといたしましては地方交付税を考えているわけでございます。ただ、将来の問題といたしましては、私どもはこれに対しまして国の資金を流すことができるようにしたいわけでございますが、四十四年度の手当てとしてはそういうことを考えております。第二項は、財源確保のための援助措置でございますけれども、交付税をさしあたって考えておる、こういうことでございます。
○小川(新)委員 そうすると、この中央土地基金の考え方から後退して、これで万全だと建設省では考えているのですか。
○竹内(藤)政府委員 中央土地基金というものを四十四年度の予算要求で建設省は出しましたけれども、これは実体的には、地方公共団体に対して資金を供給するものでございますから、地方債でございます。その中で、都市計画用地の先行取得は特に大事だから、中央土地基金というもので民間資金も集めながらやろうという構想でございますが、同時に自治省のほうからも地方債としてこれの手当てをしたいということが出てまいったわけでございます。そこで私どもの区別のしかたといたしましては、都市計画で一番大事なのは計画制限でございます。したがいまして、計画制限に伴う土地の買い取りとか、あるいは大都市の既成市街地におきます工場あと地の買い取りというようなものを建設省でやる。それ以外の、いわば事業に先行して買い進んでまいります先行取得につきましては自治省で起債でめんどうを見ていただくという区分を明確にいたしまして、現在のところ必ずしも最終的に固まっておりませんけれども、区分を明確にいたしまして、地方債と土地開発基金と両方で地方の土地対策の手当てをしていったらどうだろうかというふうに現在のところ考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 予算要求までしてこれがけられたということは、われわれ建設省関係に携っている者は、都市局長の心中察して、まことに残念無念、口惜しい、私も非常に同情いたします、ほんとうのこと言って。とにかくわれわれとしては、予算要求までしたものをけとばされる、これはまことに情ないということです。おかしくなっちゃうんですね。その辺のことはまたの機会にお譲りいたします。 その次に、大臣、スラムの問題です。たとえば、東京には山谷のスラム、大阪の釜ケ崎のスラム、広島の原爆スラム、大阪の沖繩スラム、こういう問題がいま社会問題化しつつありますが、都市再開発計画のサイドから見て、これらの開発、特に山谷、釜ケ崎、原爆、沖繩の各スラムに対してはどのような予算措置を講じ、解決に当たっていくのか。特に一九七〇年の安保を前にして基地問題等があり、いろいろな問題で都市の治安という問題も考えられるときに、スラムクリアランスは何も外郭、周辺団地ばかりでない。先ほど岡本さんも申されましたように、市街地の中ほどスラムクリアランスをやらなければならぬ。そういうスラム街に対する考え方をちょっとお聞きしたい。
○坪川国務大臣 スラム街の住宅環境の整備ということは、住宅政策の中においては非常に大事な問題であろう、こう考えておる次第でありまして、小川委員と全く感をともにするのでございますが、御承知のとおりに、昭和四十一年、不良住宅地区の懇話会が建設省に学識経験者をもって設けられまして、その懇話会の結論の上に立って山谷あるいは釜ケ崎等の問題に取り組んでおるようなわけでございますが、釜ヶ崎の地区に対しましては、労働省、厚生省、文部省その他関係省と打ち合わせをいたし、また、地元の大阪府、大阪市等の協力もいただきまして過般起工式もいたしておるというような実情でございます。また、それに対しましての労働施設、医療施設等も、一体となって実施いたしております。山谷地区につきましては、東京都におきまして施設を設けてその対策が進められておるというような状態、また、沖繩スラムあるいは原爆スラムというような、大阪及び広島の中心部におけるところの不良住宅の問題につきましては、地元の府、市あるいは関係当局と打ち合せをいたしまして、住宅地区改良事業によって実施する運びに相なっておるというのが現在の時点でございます。
○小川(新)委員 住宅地区改良事業でやる、また市街地再開発法でやる、また公共施設改造法でやる、いろいろありますが、実際にはいつからどういう法律を使って、こういう山谷とか釜ケ崎、または、いま言った各スラムの不良住宅に手をつけられるか。
○大津留政府委員 釜ケ崎や山谷、それからいま御指摘の原爆スラムあるいは沖繩スラムというのと多少その性格が違うとも言えるかと思いますが、大体におきましては、住宅地区改良法に基づく改良事業といたしまして、それらの不良住宅を除却いたしまして新たな改良住宅を建設して、そこに入居していただくというやり方で進めておるようなわけでございます。全国に概数三十万戸のそういうスラム街があるという調査になっておりますので、これを逐次改良してまいりたいということで、さしあたりの住宅対策五カ年計画では改良住宅として織り込んだわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、改良住宅はいろいろ地元の調整に手間どるという性質上、これが計画よりおくれているという、のははなはだ申しわけないと思っておりますが、これをさらに強力に進めまして、将来は一掃すべく努力してまいりたい、こういう考えであります。
○小川(新)委員 将来一掃と言っても、いつまでも、将来一掃になってしまって、具体的にはいつかわからないのですが、これは具体的にまだ何年というふうには出ないのですか。
○大津留政府委員 五カ年計画でそのうちの十万戸は解消したいというもくろみでございましたが、なかなか進捗に手間をとりまして、そこまで行っておりませんが、次の五カ年計画においては、これを強力に進めまして相当数やりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 建築基準法改正について大臣にお尋ねします。 過般磐光ホテル、また有馬温泉、こういった温泉災害が起きまして、建築基準法改正についての法案が提出されることになっておりますが、一番大きな問題が一つ災害委員会から提起されました。それはこういうことであります。たとえば、旅館を新築し経営する場合に、許可の点なんですが、建築基準法ではパスした、しかし、消防法から見たときにはまだ不備な点が多々ある、大ぜいの人たちを収容する旅館に対して、建築基準法ではなるほど大体合格であるけれども、消防法の立場からいったらまだまだ不備である、そういった消防庁の意見が具申されてきた。ところが、旅館を許可するには、厚生省で通風、採光、衛生面でパスさえすればいいんだ、こういう面だけ建築から見た上で、厚生省のほうでよければパスをする。ところが、いま言ったとおり、建築基準の立場からいってはまだまだ不備な点がある。けれども、厚生省の分野からは許可になった場合には、片面だけで許可してしまうのです。それで磐梯の磐光パラダイスの事件が起きたわけなんです。これが、ここにおられる天野議員が痛烈に約一時間四十分にわたってこの問題を追及したわけで、会議録をお読みになればよくわかります。私はそんな詳しく言いませんが、こういうふうに総合的な見地から、これからは建築基準法の改正に伴うところの旅館等における人命の安全という点について大臣はどのような考え方を持っておられるか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました問題は、ほんとうに国民の人命尊重に関する重大な問題でありますとともに、御承知のとおりに、あの有馬温泉の不幸あるいは過般の磐梯における不幸等を考えますときに、われわれといたしましては、ほんとうに真剣にこの問題に取り組む必要性を一そう痛感いたしておるような次第であります。とともに、私も、閣議等における基準法の政令施行に関するときの発言、あるいはあの不幸な事件が起きました直後における発言等におきましても、十分国家的な立場からこれらの不幸の統一的な行政措置の必要性というものを主張いたしておるような次第でありますとともに、いま御指摘になりました厚生省あるいは消防庁その他いろいろと関連しておることを考えるときに、この問題につきまして、自治省はもちろん関連いたしておると思いますが、これらのものを含めまして総理からの指示もございましたので、関係閣僚が相寄りまして、これらの統一的方針、見解、及び検討を加えようということに閣議で了承いたしておるような次第であります。その場において私はいま御指摘になりました点への統一的な国の方針を進めてまいりたい。これを前段で申し上げますとともに、さしあたり、御承知のとおりに、建築基準法の政令もいよいよ五月から施行に相なりますので、これらに対する適用をはかりますとともに、この国会において建築基準法の改正をお願いいたしまして、そしてこれらの点を含めました改正立法措置を講じたいと思うのでありますが、それの基本は、いわゆる執行体制の整備拡充という問題でございます。いわゆる人口二十五万以上の市に法の執行の義務づけを行なうという執行体制の整備を行ないますとともに、違反建築物対策を推進するために、工事停止命令の手続の整備、及び建築士に対する監督権限の強化等をはかってまいるという第一の柱を打ち立てますと同時に、建築物に対する防災基準の整備を行なわなければなりませんが、ことに排煙、いわゆる非常電池の電源の設備というような、いわゆる防火避難に関連する重大な問題点を対象にいたしましてこれらの法改正の基準に盛ってまいりたい、こういうような考えでおりますので、御了承いただきたいと思います。
○小川(新)委員 それで了解いたしました。閣僚会議の席上まで話がいったということで、われわれ非常に意を強うしておるのであります。 戸山ハイツの件ですが、これは公営住宅法の一部改正に今度出てくる。要するに、いままでの古い一階建てのものを今度高層建築の都営住宅に建て直すのですが、いまだに解決できないで騒いでおる。これは大臣どういうふうに考えるか。この広大な戸山ハイツに対してどうなさっていきますか。
○坪川国務大臣 恐縮ですが、政府委員をして答弁させます。
○大津留政府委員 戸山ハイツは、御承知のように、都心の非常にいい場所に木造の平屋で並んでおりまして、約一千戸ございます。これを建てかえまして三千数百戸の新しい高層のアパートにしたいということで、事業主体である東京都が前々から計画を立て、実行に移すべく居住者の方々と話し合いをしておるわけでございます。聞くところによると、幸いに話し合いもほぼまとまりまして、本年度から一部工事に着工するという段階になっているように聞いております。ただ、この経過にかんがみまして、公営住宅の建てかえ事業をさらに円滑に進めるためにやはり法的な整備が必要ではなかろうかというので、住宅宅地審議会の御答申をいただきましたので、今回公営住宅法の改正をお願いし、それらの規定を整備いたしたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○小川(新)委員 そうすると、あの戸山ハイツは間違いなく話し合いで解決したのですか。
○大津留政府委員 詳しいことはあれでございますが、東京都から聞きましたところでは、ほぼ話がつきまして、一部仮住居に移っていただく、そして一部をこわしましてそこに新しいものの建設に着手するという段階に至っているというふうに聞いております。
○小川(新)委員 先ほどの大臣の新しい構想の中で、大都市の中心にあるところの国有地をみずから払い下げるということで、建設省が公団に払い下げをやられましたが、なぜこれは東京都の公営住宅のほうに回さなかったのですか。
○坪川国務大臣 公営住宅に対する私の方針といたしましては、あらゆる機会をとらえまして委員の皆さまにも申し上げておりますごとく、今後も公営住宅の建設にはウエートを置きながら鋭意建設をいたしてまいりたいという基本線は何ら変わらないのでございますが、このあと地に対するところの住宅につきましては公団によって行なうというような方針を打ち立てておりますが、公営住宅の建設につきましては、われわれといたしましては、残る一、二年の事業計画の上においても、新たなる五カ年計画の事業の上においても、これらの期待に沿うよう強く推進をいたしてまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 私が聞きたい要点は、建設省の移転した場合のあと地を、なぜ公営住宅の土地がなくて困っている東京都に払い下げないで、住宅公団のほうに払い下げたのかという点です。いま一番公営住宅を建てなければならぬときに、東京都は土地がなくてこの五カ年計画の達成ができない。各省に先がけて建設省が再開発の職住近接の原理に従って公有地の使用を有効にやるためになさったことはよくわかりますけれども、なぜその土地を公営住宅建設に必要な東京都に払い下げずして公団に払い下げたのか、公団住宅にウエートを置いたのか、そこを私は聞いておるのです。
○大津留政府委員 小川先生御指摘のように、公営住宅も公団住宅も、東京地区におきましては建設用地の取得に非常に苦労しておるわけでございます。どちらにウエートを置き、どちらを軽んずるということは全く考えておりませんので、どちらも必要で、もしこういうのが二つ幸いにしてあれば、もちろん、これは公団、公営それぞれ一つずつやっていただくということにおそらくなったろうと思いますけれども、今回の場合は、たまたま公団がかねてあの地区につきまして何とかそういうような計画ができないものだろうかということを検討もし、希望もしておりましたような関係で、公団にやらせようということにしたようなわけで、今度そういうようなケースがありますれば、また公営にもそういうことをやっていただきたい、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 私は局長に文句を言うわけじゃないんですが、公営住宅は、一種、二種といっても、低所得者ですよ。 〔金丸(信)委員長代理退席、委員長着席〕 公団はその上なんですから、どっちにするかといえば、やはり低所得者のほうに重点を置いて一種、二種のほうをやらして、なおかつこっちがあるから公団というのなら、話はわかりますけれども、公営住宅はあと回しにして公団を先にやった、その姿勢が私はわからぬ。両方あればやるでしょう。しかし、一つのときはどっちにするか。それは兄弟が五人いたら、一つしかなければ、一番小さい子供にお菓子をやるのはあたりまえなんです。一番足らないところに建ててやる。では、東京都はそういうところに何も要請がなかったか。それなら話は別ですけれども、その点について私は聞いたのです。その点どうですか。
○大津留政府委員 東京都も都営住宅の用地には非常に苦慮いたしておりまして、そういう国有地の余裕のあるところを都営住宅に利用さしてもらいたいという希望はもちろんございます。あの場所につきましては都のほうからもそういう希望がないわけじゃございませんけれども、公団のほうでかねがねそういうようなことで希望もし研究も進めておりましたような関係から、今回はたまたま公団にやらせようということになったわけでございますが、先生御指摘のように、公営住宅を低所得者のためにより一そう重点を置いて考えていくべきだという御指摘は、まさにそのとおりであると存じますので、今後ともこういう精神でやってまいりたいと思います。
○小川(新)委員 ではこれで終わりますが、最後に一点だけ、大事なことで大臣に。 昨日、日韓議員懇談会におきまして賀屋発言が非常に大きな問題になっておる。要するに、日本の安全のためには、韓国に米軍が出動するときには日本の基地を使ってもよいというようなことが新聞で報道されている。沖繩返還にからめて、その友好諸国であるところの韓国とか台湾の圧力がかかってきた。この一九七〇年を前にして日本の基地というものが非常にクローズアップされてきました。わが党はこれに対して基地の総点検を行ないましたが、埼玉県においても五カ所あります。これが都市計画に及ぼす影響は非常に大きなものがあります。キャンプ朝霞に例をとりますと、百万坪あります。正確に言うと百十二万坪ありますが、これは駅から歩いて五分のところに百十二万坪の米軍基地がある。そうしてその向こうには電波緩衝地帯がまたある。その向こうには所沢のジョンソン基地がある。こういう最も人口が入ってくるところの一連の首都圏の中で何百万坪という広大な米軍基地があるために、各自治体においては都市計画が非常に行き詰まっている。ところが、総合開発計画を拝見いたしますと、これら都市計画または総合開発の中で、米軍基地のことは一言も触れてない。こういう問題がネックになっておるということは、総合開発の中でも、首都圏整備委員会で審議されている首都圏開発計画のプロジェクトの中にも出ていない。建設大臣、一体こういう国土総合開発計画なるものが、この百四十五カ所の米軍基地または自衛隊の基地というものが都市計画に及ぼす影響を考えながらこれらの長期のマスタープランがなされておるのかどうか、この点をまずお尋ねしておきたい。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました基地の返還あるいはそれの活用という問題は、非常に重大な、また適切な御意見でございます。われわれといたしましては、これらに対しますところの基地の活用、返還ということにつきましても、建設省は建設省なりに、いろいろと考えるといいますか、期待の上に立って構想を練っておるような次第でありますとともに、政府といたしましても、日米合同委員会において、その返還の問題につきましても、外務大臣、防衛庁長官を通じていろいろと要請もいたし、話し合いの作業も進めておることも聞き及んでもおり、また報告も受けておりますので、これらの時点に立って、これらの活用というものを建設省は積極的に構想を進めてまいりたい、私はこう考えておるような次第でございますので、御了承願いたいと思います。
○小川(新)委員 具体的に申し上げますと、朝霞は、今度の五十カ所の基地の返還の中に入っております。幸いに入りました。ところが、この五十カ所の中で、サウスキャンプのほう、南側だけ約三千七百坪の返還が決定した。ところが、これはいま自衛隊が使っております。自衛隊にそのまま存続させるのか、朝霞市に返るかは、また日米合同委員会で煮詰めた段階でさらに決定されるという。その場合に、建設大臣としましては——朝霞市は、御存じのとおり、お隣が練馬区でございまして、東京のベッドタウンで、そのために、朝霞、大和、新座、志木、この東上線沿線の人口というものはものすごい過密で、埼玉県でも一番困っておるところです。これに対しては、建設大臣といたしましては、こういう返還が決定している地域、府県に対してまだその最終決定は煮詰まっておりませんが、こういう面に対しては、都市サイドの面から、建設省の立場から、今後閣僚会議、佐藤総理等にどのようにお話しいただけるのか、ちょっと御決意を承って、私の質問を終わらしていただきます。
○坪川国務大臣 小川委員御指摘になりましたとおりの気持ちで私もおるようなわけでございます。したがいまして、これらの問題が円満に最終的な結論を得次第、これらに対するところの建設、住宅行政の推進をはかってまいるように、事務当局においてはそれらの作業のめどを持ちながら計画等もひとつ具体的に考えておくように指示もいたしておりますが、これらは円満に妥結実現を見た上に実行に移したい、こう考えております。
○小川(新)委員 どうもありがとうございました。
○始関委員長 金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 だいぶ時間が過ぎてしまいまして恐縮でございますが、実は私のところにたいへんめんどうな事態が起こりまして、騒ぎが大きくなりそうな様子もありまするので、大臣にもお聞き取りいただいて何とか善処の道を発見していただくという意味において、ごく短時間お尋ねをさせていただきます。 その前に、実は私は前回の委員会におきまして大臣にお尋ねいたす点が若干残っておりました。したがって、それからさしていただくのが順序でありますが、私のあとの委員会での時間もありまするので、それは後日に譲らしていただきます。 きょう緊急にお尋ねいたしたいと思いますることは、あるいはもう大臣のお耳に入っているかもしれませんけれども、甲府建設事務所の管内におきまして使っておりましたところの労務者を全員三月三十一日付で解雇するというような話がありました。先般来関係の人たちと話し合いもしておったようでありますが、なかなかうまくいかないままに、ますますエスカレートしてまいりまして、私のところへもこれに関する訴えが来ました。これはきわめて要領よく書いてありますから、ここで読み上げます。大臣もお聞き取りをいただきたいと思います。 県民の皆様!私達は建設省の直営工事の河川及道路に従事して、すでに継続十年前後になります。此の間、水害から地域住民の生命財産を守るためと、国民経済の発展と文化の交流のためにと時には重傷を負ってまで勤めて参りました。だが雇用形態が不安定な為、昨年五月、人事院に対し身分保障をしてくれと行政措置要求を致しました。本年行政官が来るというので、当局建設省はあわてて四十四年度の予算があるにも拘わらず、年度替えの時期を狙って全員首切りをしようと、二月十五日正式に表明して来ました。これに対して我々は、何の理由なき首切に生活権擁護のため、不当解雇をたてに組合員、家族一丸となって斗う事を決意し、県労連を初め、諸団体からの強力なる支援を得て最後まで斗うものです。 以下省略いたしますが、こういうような訴えをするとともに、私も実はここにあるところの組合員及び家族から詰め寄られまして、こういうむごいことがあっていいのかということであり、何とか建設当局にもこれの善処方をお願いしてくれということでございました。私も何とか努力してみようという約束をいたしてこちらのほうに参ったのであります。しかるに、留守中に問題がだいぶ大きくなりまして、けさほど私のところへ使いが持ってまいりました現地の新聞によりますと、これは朝日新聞の地方版のところでありますが、あとでお目にかけます。「日雇全員に解雇予告」「効率化がねらい」「労組、不当解雇と闘争へ」というようなことでございます。もう一つは、これは山梨時事新聞という、あの地における有力なる地方新聞ですが、それは三面のトップで「現場職員を大量首切り」「七十八人に解雇予告」「工事はすべて業者へ発注」こうありまして、さらに「大労働争議に発展か」ということでございます。私は、この記事を見るとともに、これはたいへん困ったことになったと憂えておりましたらば、さらに追っかけて現地の友人から電話が参りまして、実はその問題について、きのう、県会議員や県労連議長——これは各県にございます労働組合の連合会でありますが、その組織の議長が、関係組合員の代表二、三人を連れて事務所長に会いにいったら、門を締めて何としても会ってくれない。一時間ばかりその締めた門を隔てて押し問答しておったが、門もあけない。その間地方の人々がいろいろ用で来たらしいのですけれども、その人たちをも追い返して、役所はもう全く締め切りの状況にあった。せっかく話し合いの機会も失っておるので、きょうはもう大動員をかけて、このような不当行動、役所としてあり得べからざる状況があっていいのかということで、非常に騒ぎが大きくなっている。こんなことでいいのか。何とかというのが私への要請でございます。 そこでお尋ねいたしたいのですが、こういうことについて耳に入っておりましょうか。また、こんな事態になぜなったのか、どうしてなったのかについて当局の御見解を承って、私もできるだけ騒ぎが大きくならないように努力いたしてまいりたいと思う。その間の事情を承らせていただきたい。
○坪川国務大臣 ただいま金丸委員御指摘になりました甲府におけるところの問題につきましては、先日官房長よりその実態の報告を受けておりまして、私もその推移を非常に憂慮いたしており、深い関心を持っておるような次第でありまして、何とかこれに対するところの円満な話し合い、あるいは率直な問題点について十分ひとつ検討を加えるように、官房長、それぞれの係官に指示いたしておるような次第でございます。これらの具体的な点につきましては、官房長から御説明、あるいは御質問にお答えもいたしますが、金丸委員が高度な立場からこれらに対するところの合意につきましての御指導をいただいておることに敬意を表しますとともに、何とぞひとつ今後もよろしく御鞭撻やら、また御支援などもちょうだいいたしたい、こう考えております。
○志村政府委員 甲府工事事務所におきまして労務者についてのいろいろな問題が起きていることにつきましては、先生御指摘のとおりでございます。今回問題になりました労務者につきましては、いわゆる非常勤の職員でございまして、業務の必要に応じまして、工事の進捗等において、その工事予算の範囲内において日々雇用するという形の職員でございます。仕事の内容といたしましては、主として河川における草刈りとか雑草の根抜き、あるいは道路における除草、側溝清掃というような、いわば季節的、断続的な仕事に携わっておられるわけでありまして、日々雇用の方でございます。こういった非常勤の職員につきましては、実は昭和三十六年に閣議決定がございまして、定員外職員が常勤化することを防ぐ必要があるのではないか、公務員の数がよけいふえることは差し控えるべきであるということで、常勤化を防止しなければならぬという趣旨で、雇用予定期間が終わった後に引き続き勤務させないように措置することになっておったわけでございます。関東の各事務所におきましては、おおむねこの閣議決定の方向に沿って実施してまいったのでありますが、一部の工事事務所におきましては、いろいろな事情で従来こういった措置がとられずに今日に及んでおります。しかし、かような状態は、閣議決定の趣旨からも好ましいことではございませんので、当工事事務所におきましては、今回、二月十五日を期しまして解雇の予告をいたしておる次第でございます。ただし、七十八人に及ぶ方々でありまして、仕事の内容も、先ほど申し上げたようなわけでございますけれども、解雇される方々の将来の生活という問題もございますので、それらにつきましては民間の企業等にあっせんを申し上げたい、全員あっせんできるという、われわれのほうとしましては心がまえを持っておる状況でございます。
○金丸(徳)委員 その考え方の基本になった閣議決定は、もう数年前のことであります。そこで、閣議決定に忠実なろうとしての態度につきましては、私もわかるわけであります。ただ、その当事者の立場からしますると、そういう閣議決定があったのにもかかわらず、現地における特殊事情から、また仕事などの特殊事情からいたしまして——河川なとにつきましては、いきなりだれでもができることでもなかろうと私は思います。河川の性質などをよくのみ込んで、どんな手回しになっているとか、どんな堤防の状況になっているとかなどについて、日々夜々にわたって愛情を込めて仕事をしておる者でないと、河川の管理などはうまくいかないという事情もあろうかと思うのです。そういう事情からいたしまして、閣議決定はあるにもかかわらず、ずっと継続雇用をされておったのが実情じゃないかと思うのであります。そうでなければおかしな話でありまして、何らの理由がないにかかわらず閣議決定をもぐっておるということはあり得ない。現地の管理者があえてそういうことをしたのにはそれなりの理由があったことと思います。そういう中において、この七十八人の人たちは、あるいはもう十年、多くは八年、短いのでも五年くらいずっと続けて同じ仕事を同じような条件の中でやっておるのです。それで、突然ことしになって、二月十五日ですか、全員解雇という方途を講じられた。ことしも仕事はあるはずです。予算も成立しております。せんだって大臣から伺いますと、前よりも相当よけいに、河川工事にしても道路工事にしても、成立しておるのです。仕事はあるのです。予算もある。条件も変わらない。なぜことし突如としてそういう措置を講じなければならない事情が起きたか。それをひとつ解雇される者の立場に立ってわかるように御説明が願いたい。
○志村政府委員 従来、建設省におきましては、所轄の事業は直営でやっている部面が相当多うございます。しかし、事業量もだんだんふえてまいりました。同時に、実際の技能的な仕事をやる方のほかに、設計の技術あるいは監督等の仕事をやる人たちも相当ふえなければならぬ。しかし、御承知のとおり、そういった技術関係の方々は不足いたしております。そういう意味で、漸次直営から請負というものに転換してまいりました。そういう意味で、ただいまのところ直営事業というのはほとんどございません。甲府事業所におきまして直営でやっております仕事といたしましては、先ほど申し上げましたように、河川の出張所におきましては、主として草刈りとか雑草の根抜き、あるいは天端の地ならしという程度の、何と申しますか、きわめて簡単な仕事でございます。また、道路の出張所におきましても、除草とか側溝を清掃するとかいう程度の、これまたきわめて単純な仕事でございまして、直営事業としてやらねばならないというような仕事の性質ではないわけであります。これらにつきましては、しかも常時的な必要性はないのでございまして、いわば季節的、断続的な事業だと思われるわけであります。そういう意味におきまして、日々雇用の非常勤勤務の方々にお願いするというのが筋かと思うわけでございます。そういう方々に一部お願いしておりましたけれども、これらにつきましても、さらに建設省の事務所が直営でやらねばならぬということもございませんので、逐次、先ほど来申し上げましたような閣議決定に従いまして、一応雇用予定期間の終了する年度末において勤務を解かしていただくというようなことにいたした次第でございます。
○金丸(徳)委員 私のお伺いするのは、そういう事情はずっと変わらないはずだ、にもかかわらず、なぜことしおやりになろうとするのかということであります。私はあなたの考え方の基本については若干異論を持っております。いまのような交通状況の中において、夜中にどんな大事故が起こらぬとも限らない。そういうことについての道路のあと始末その他について一々請負に出すとか何とかということはかえってまずいものですから、それは常勤的なこうした労務者によって、夜中だろうが、どんな小さな仕事だろうが、直営的にやるべきものが、ふえる傾向はあっても減る傾向はないはずです。河川に至ってはなおさらです。契約を待ってやるなどということは、河川が生きておるものだけに、まずいのです。そこに年がら年じゅう行っておって毎日監視する者によってのみ、そうした緊急事態に処することができるでありましょう。そうでなければならないと思います。しかし、これは議論になりますから、いや、これでやれるものだと言われれば、引き下がるほかない。私は、そうでないものがあろうと思うからこそ、今日まで十年も、あるいは終戦後ずっとその体制できたと思います。だから、そういう条件があるとすれば、なぜいまやらなければならぬか、なぜことしからそう変えなければならないか、その事情を教えてもらいたいということです。日々雇用とはいいながら、むしろ常勤的な、愛情を持ってやれる直轄的な仕事のやり方のほうがいいのではないか、そういう方向に進むものがよけい出てくるのではないかと思っておるやさきでありますから、あなたのほうでそういう措置をとったことに対して、私自身にもわかりません。どういうわけでことしそれをやらなければならないのか、端的にお示しが願いたい。
○志村政府委員 これらの仕事につきましては、先ほど来御説明申し上げましたように、季節的な断続的な作業でございまして、常勤的な仕事ではない、かように考えております。したがいまして、日々雇用の方々をお願いしておったわけでございますが、これらの方々につきましては、本来、閣議決定の趣旨によりまして、一定の雇用予定期間が来ましたならば、そこで一たん打ち切るというたてまえになっております。もちろん、その後、四十四年度におきましても、そういった断続的な季節的な仕事ができた場合におきましては、一部の日々雇用の方々をお雇いすることもあるわけでございますが、断続的にお雇いするということは、閣議決定の趣旨にも反しますし、実態にも反するのではないか、かように考えておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 言われることがよくわからぬのですが、たいへん、日々雇用、日々雇用、こう言われる。形の上ではあるいは日々雇用であるかもしれませんけれども、実態は日々雇用じゃないのです。先ほど申し上げたように、もう十年もずっと続けて同じ条件の中で働かしてもらっておる人たちなんですね。のみならず、健康保険におきましても、厚生年金におきましても、常勤職員と同じような体制の中でやっておるのです。さればこれ、期末手当などにつきましても、不満足ながらちょうだいしておるのです。その間におきましては、日々雇用とはいいながら、いうところのニコヨンではないのですね。それを、特別な事情がないにもかかわらず全員首切る、しかも話し合いもしないままで首切るということがわからないのです。何の必要、どんな事情でそういうことにしなければならなかったのか。いかがです。
○志村政府委員 先ほど先生もおっしゃいましたように、昨日でございますか、県会議員の方、地区労の代表の方がお見えになったが、面会を拒絶したということがあったように承知をいたしておりますが、これにつきましてはもっと話し合いをすべきじゃないかという趣旨かと存じます。実はそういった点につきましては、解雇予告に対する抗議ということでいわば部外の方々がお見えになったということで、とうとう面会しなかったというふうに聞いておりますけれども、しかし、甲府においては現場労務者の組合もできておりまして、人事院に何か届けもしておるように聞いておりますけれども、そういった現場労務者の組合の代表の方との団体交渉でございますれば、それに応ずる心がけでおります。また、県議の方もわざわざお見えになっておられるのでございますから、そういう場合には、県会議員には中に入っていただいてよく事情をお互いにお話し合いをするというような措置も考えるようにいたすように申しております。いろいろな話し合いはその場において行なわれることかと考えております。
○金丸(徳)委員 話し合いをする余地はあるというお話でありました。しかし、いままでなかなかそれがうまくいかなかったところに、問題をこんなにしてしまった原因があるのじゃないかと思います。先ほどのお話の中では、全員よそへ就職あっせんをする意欲を持っているんだ、またその可能性もあるというようなことであります。そうであるならば、それほど温情を持ってこの問題解決に努力されるとするならば、なぜその話し合いぐらいはひんぱんに丁寧におやりにならないのか。県会議員が代表として行ったにもかかわらず門前払い——門前払いどころか、締め切って、けんもほろろ、返事もしないというような中からは、あなたがいま言われるような、就職あっせんもいたしましょう、全員いいところへお世話もいたしましょうという愛情の措置は見られませんですね。もしそういうことがあるならば、もっと穏かな方法なり話し合いができるはずだと思うのです。あまりにもかたくなに、あまりにもしゃくし定木にいっておるのであります。あるいは本省のほうからのそういう通達で、外部の人たちとは会わぬようにというようなことであったかもしれない。もしそういう通達なり御指示に忠実ならんとしてこのようなことになったとするならば、むしろ私は現地の所長の苦衷に同情したいくらいなんです。しかし、所長にもよくわかってもらわなければならぬ、あなたにもよくわかってもらわなければならぬと思いますのは、現代の世相において、そういうかたくなな態度というものは、決して問題をうまく片づけるゆえんではないと思います。いかに内心に愛情を持っておりましても、ただ外部の人が一人二人おったから会わないとか、組合の代表者だけならば会おうというしゃくし定木、そういう表面冷たい態度からは、問題解決のかぎというものは決してつかみ得ないと思うのです。これについて、問題がこうなってきました、きょうは大挙押しかけると言っておりましたから、私は電話で、私も一生懸命何とか建設大臣にすがるから、そちらのほうでも、そう「大争議に発展か」などという新聞の第一面を飾るような事態に持っていかないようにしてもらいたいという願いは私なりにいたしておきましたけれども、あなたのほうでもこの事態について何かひとつもう少しかたくななものでない解決策を講じていただきたい。これはむしろ大臣にお伺いいたしたいと思います。
○坪川国務大臣 金丸委員が非常に真摯にこの問題の推移について憂慮もされ、また配慮もしていただいていることに私は深く敬意を表し、いま御指摘になりました点も私は深く傾聴もいたしておるような次第であります。何と申しましても、私は、信頼と理解の上に立って話し合いの場を持つということこそ、労使関係の一番基本的な姿勢でたければならぬ、こう考えておるような次第でありますので、ただいま官房長が申しましたごとく、話し合いの場の余地も残しておる、こう明言をいたしており、自分の気持ちも表明いたしておるような、建設省の方針も表明いたしておるような次第でありますので、私はいまのその気持ちの上に立って、この大事な問題については、理解と納得のいく話し合いの場をひとつ広げて、そして円満な解決と理解と納得を得ていきたい。私は、何といっても、愛情のある労働行政という立場からも、国民のしあわせの立場からも、この争いというもののとげとげしさをなくしてひとつ善処してまいりたい、こういうような方針で今後も建設省といたしましては善処もいたし、また誠意をもって配慮いたしたい。官房長におきましては、きょうもそれぞれの立場から話し合いを進める具体的な配慮もいたしておりますので、この点御了承願いたい。いま御指摘になりました点は、私は、ほんとうにそうした立場で基本方針を持って円満な妥結を持ち、また生活権の確保を維持してまいりたい、こう思っておる次第であります。
○金丸(徳)委員 あまり長くなるといけませんから、ただいまの大臣の誠意あるお答えに信頼いたしまして、話し合いの場を持って、結果的にみんなが満足するような成果を得られるようにお願いいたすところであります。あらためて申し上げるまでもございませんけれども、労働者は、首切りということに対してはもう本能的に神経質となり、きびしい姿勢をもってこれに立ち向かう。当事者はもとよりでありまするけれども、同じ運命にあるところの、同じ環境にあるところの労働者もろともに、非常な心配、非常な関心を持って見つめておるのでありますから、こうした問題についてあまりにへたな方法をとっていただかないことを私は念願いたしまして、せっかくここまでうまくまいってきたところの現場における情義あふるる雇用体制というものをくずしたくない。これは坪川建設大臣が当初所信表明の中に言われておるような人間関係の大事さを、今度この問題について口頭禅に終わったなどとの嘆きを私をしてさせないような解決をお願いいたしまして、この問題についてのお尋ねを終わります。
○始関委員長 次回は、来たる三月五日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会