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61回国会衆議院1969/07/10

決算委員会 第25号

発言数
145
登壇者
12
会派数
3
開催日
1969/07/10

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  総理府所管中科学技術庁について審査を行ないます。  なお、参考人として動力炉・核燃料開発事業団より副理事長今井美材君の御出席を願っております。  参考人からの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので御了承を願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 科学技術庁の関係で、再処理工場の建設問題について、先般の委員会で木内長官にいろいろ尋ねました。  いま、原子力委員会のほうでは、この再処理工場建設の問題について、ちょうど射爆場などとの一関係もあったり、地元の反対などもあるという実情の中で、どういうように事業団を指導していられるか、また、どういうふうにこれを対処していこうと考えておるか、有津委員ひとつ……。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 再処理工場の建設につきましては、安全審査につきましての報告は安全専門審査会から報告を私どもは受けておりまして、もう私どもの決定をすることのできる準備はすっかり整っておる次第でございますが、何ぶんにも地元の反対がまだ現にあるわけでございまして、これは歴代の長官も、と申しますのは委員長でございますが、歴代の委員長もしばしば国会におきまして、地元の反対を押し切って強行建設を行なう意思はない、こういうふうに申してきたところであります。私ども委員会といたしましては、茨城県知事と御連絡をいましておりますが、知事さんのお考えでは、まだ射爆場の移転という問題が片づかない――片づかないという意味は、再処理工場の運転開始までにこの射爆場の移転という事実が確実であるということがはっきりしない間は、どうも県会といたしましてもこの再処理工場の現に行なわれております反対決議を取り消すわけにはいかない、こういう御主張のようでございます。私ども、地元の反対という意味で最も重要なのは県会の反対決議でございますから、この問題が片づくまでは再処理工場の建設を強行するという意向を持っておりません。ですから、もっぱら、一方におきましては、茨城県におきましてこの問題が円満に解決するように、他方におきましては、政府において射爆場の移転の問題を何らかの形において片づけていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう一つ質問は、再処理工場の建設については、スケジュールといいますか計画があるはずでございますから、そういう問題について実情を――使用済み燃料が重なってくると、当然やはりそういう東海村の事情がどうあろうと、それに関係なく、原子力政策遂行上再処理工場をつくらなければならない期限的な計画があるはずでございますが、その問題はどういうふうに考えておりますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 再処理工場は、御承知のようにわが国の核燃料のサイクルの問題から言いまして、たいへん決定的に重要な一つの施設でございます。それで私ども、もう二、三年前から、早くこの再処理工場を建設したいということで鋭意努力をしてまいりましたが、現状は先ほど申しましたような状況でございます。  ところで、御質問の使用済み然料の処理の問題でございますが、これは最初に出てきます使用済み燃料は東海発電所の燃料でございます。これにつきましては、もうすでに再処理工場の建設がおくれておりますので、私どもといたしましては、この東海発電所の使用済み燃料をいつまでも貯蔵しておくというわけにはまいりませんので、原子力発電株式会社とも相談をいたしまして、この使用済み燃料の最初に出てきてたまっている分につきましては、三年間を一つの契約期限といたしましてイギリスに送り返して、イギリスで再処理をしてもらうということに取り計らったのであります。その契約はもう締結されまして、第一回の使用済み燃料のイギリスヘの輸送はつい最近でございますが、すでに行なわれたところでございます。  それで、私どものいまの考え方から申しますと、もし大体ことしの十月ごろから再処理工場の建設が始まりますと、その再処理工場の操業開始がざっと四十八年の一月というふうに予想されます。そういたしますと、この東海発電所から出てくる使用済み燃料をはじめ、そのほか軽水炉に基づく発電所から出てくる燃料を大体操業能力に応じて操業する限り、全部処理していくことができる状況でございます。それで、もし十月にもなお着工ができないということになりますと、私どもはそういう事態にならないことを希望しておりますけれども、もしそういうことになった暁にはどういうふうに考えていきますか、考え方としては幾通りもあると思いますが、最も、何といいましょうか安易な考え方から申しますと、このイギリス公社との使用済み燃料の再処理の契約をもう二年追延長するということも考えられます。そのほかのことも考えられますが、まあ私どもは、状況の進展のぐあいにもよるところでございますが、もし万が一にもおくれるようなことになりますと、いまのような措置をとることも考えておるわけでございます。ですから、もう十月に着工ができなかったならば、使用済み燃料の処理の問題が何ともできないというふうな絶対的な条件というものはない。またそういう状態に追い込まれるということがあったならばたいへんな問題でございますので、いろいろ十分のアローアンスがとれるような措置を私どもは考えておる次第でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 まず、ただいまの三年間の契約というものはいつからいつまでの三年間であるかということ……。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 本年から始めて三年間で百六十トンの送り返し、こうなっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 本年から始めて百六十トンのものが三年間ということになると、それは原発だけのことですか。それともその他の炉から出るものも含めているのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 東海村の原発だけのことでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 先ほど、十月ごろに建設を開始して操業が四十八年一月ということになった場合には、大体軽水炉から出るものも操業能力に応じて処理し得る、こう言われた。その操業能力においてという操業能力というのは、どことどこの発電所のことを内容としておるのですか。それは操業能力といえば原発の操業能力もありましょうし、大熊の場合もありましょうし、だからその操業能力というのは内容はどこの炉のことを言っているのですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 私の申しました操業能力というのは、再処理工場の操業能力です。

石野久男日本社会党

○石野委員 それでしたら再処理工場の操業能力というのは一日〇・七トンということになるわけですから、それだけの処理はできる。それによりますと、いまの計画からすれば、その時点で出てくる使用済み燃料というのは原子力発電所としては大体どことどこぐらいがその能力の中に入るのですか。使用済み燃料の発生炉はどことどこぐらいを予想されていますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 最初のうちはむろん東海発電所だけでございます。そのうちに軽水炉の発電所が出てきますけれども、軽水炉のほうの使用済み燃料のほうは、これは相当長く貯蔵することはできるのです。ですからその貯蔵能力とその再処理工場の能力とのアジャストメント、調整でやっていけるわけですが、しかしいつまでも〇・七トンの再処理工場でやっていけるというわけにはいきません。やがて第二工場を建設しなければならなくなるということでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 順調に四十八年一月に東海に再処理工場の建設が終わって操業が開始されるとした場合に、第二再処理工場をつくらなければならないと考えられる時期はいつごろであり、どの程度のものをつくらねばならぬというふうに考えておりますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在の予想でまいりますと、五十二年以降になると思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 どのくらいの能力のものですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいま私が五十二年以降と申し上げましたのは、五十三年になるか四年になるか、その時点で使用量が出てまいりますが、その関係から一トン半にするか二トンにするか出てくると思います。その関係でどのくらいの能力にするかということはまだ決定されておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 有澤委員にお尋ねしますが、今後つくる工場として一応効率のいい再処理工場というのは、およそ一日処理能力どれくらいのものがいいと考えておりますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 本式の、つまり事業用の再処理工場ということになりますと、いまの湿式のものにもう少し改良を加えたもの、あるいは半乾式というふうなものを考えることもできるだろうと思いますので、つまりその処理の方式についても第二の工場については検討する必要があるだろうということです。それからその方式との関連もありますが、事業としてやろうとすれば二トン以上ということになりはしないかと私は考えておりますが、それにしてもこれは使用済み燃料がどれくらい、つまり再処理をしなければならぬ量がどれくらいどんどん増加していくかという、その将来の見通しとの関連も考えなければならぬ点だと思うのです。

石野久男日本社会党

○石野委員 もし十月に着工ができないということになるならば、それに対処する方法は幾通りもある。しかしそのうちで最も安易な方法として、イギリスでの再処理加工をあとまた二年ぐらい延期して、処理してもらおうという考えだ、こういうことの意味は、わが国における再処理工場建設ということはそれほど急いでない、こういうふうにとってよろしゅうございますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 急いでいないというわけじゃむろんないのでございまして、私どもからいたしますと、早く再処理を国内で行なってプルトニウムをとる技術を早くちゃんと確立いたしたい、こういうふうに考えておるわけです。それから燃料のサイクルの点から申しましても、ここからとれたプルトニウムをさらにサーマルユースといいましょうか、原子炉の中にブレンドして利用するという技術の開発も現にやっておるわけですが、いまのところは日本ではプルトニウムが全然生産されませんので、全部外国から輸入しなければならぬという状況になっておるわけです。輸入するということになりますと、少々の量ならばともかくも、ある程度まとまった量だということになりますと、ちょっといろいろ困難な事情も出てくるわけでございます。ですから再処理工場を建設するということは、要するに国内で一刻も早く使用済み燃料を処理する、そしてその中に含まれているプルトニウムを抽出する。抽出されたプルトニウムを燃料としてもう一ぺん使う。こういうサイクルの関係を一刻も早く確立したい、こういうことでございまして、その意味からいえば、一刻も早く再処理工場を建設し、再処理事業を始めたい、こういうふうに考えているわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 一刻も早く燃料サイクルの順調な成果をあげたいという意味ならば、十月に着工できない場合はということの、着工できないという理由はどういうことを考えるのですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 それは先ほど申しましたように、いまだ茨城県、東海村地元の反対を解消するに至らない。これさえ解消されますならば、私どもはいつでも着工できる、こういうふうに考えておるわけです。

石野久男日本社会党

○石野委員 そういう意味から見ますと、第二工場もまた東海村につくるという考え方ですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 第二工場をどこへつくるかということと、またこれを国がつくるかどうか、国といいましょうか、事業団がつくるかどうかという問題は、私どもはまだ決定しておりませんが、いままでの考え方におきましては、第二の再処理工場は民間が再処理事業としてこれを行なうという考え方になっております。しかしその後の事情、これはだいぶ前に一応そういう方向を打ち出しておりますけれども、しかしその後だいぶ事情が変わってきている点もありますから、いよいよ第二工場の建設という時期に先立ちまして、その方針を決定いたすつもりでおりますが、東海村につくるということは、まあほとんど見込みが立たないのじゃないかと私は考えておりますが、そこらあたりはまだ確定的じゃございません。

石野久男日本社会党

○石野委員 第二工場を東海村につくることは不可能だろうという見通しだということなら、日本の国のどこかへつくるということなんですね。――そうだとするならば、十月に着工できないという理由、なぜ十月に着工できないのですか。結局日本の国のどこかに再処理工場をつくるということを原子力委員会としては考えておるとするならば、いまの時点で東海村以外には考えることはできないのですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 考えられるという点から申しますれば、むろん考えられます。が、しかし、私どもの方針といたしまして、あそこの東海村のもとの公社の持っておった敷地、あそこに一つ着工したい、第一の再処理工場を建設しよう。そしてそのほうが研究開発の上からいいましていろいろの便宜を伴うことができる。場所としましても、地元の反対ということをどけて考えまするならば、非常に適当な場所でございます。そういう意味で、これが絶対にもうだめだということになりますれば、これはむろんほかの地域を考えざるを得ない。また考えようとすれば考えることもできるだろうと思います。しかし、従来の方針として、東海村で建設するということになって今日まできておるわけです。それで問題は、射爆場の移転が再処理工場の操業開始までに問題が片づくということがはっきりするならば、確定するならば、確実であるならば、地元の反対も解消する、こういうことでございますので、この射爆場の移転の問題につきまして、再処理工場の操業開始までにこれを移転するという問題が解決することが確実であるかどうかという問題をいま検討しつつあるところであろうと思います。私どもは政府にぜひ移転をしてもらいたいということを要望してありますが、政府におきましてもその努力を重ねているところかと思います。ですから、せっかくそういう努力が重ねられておるときに、ほかのことをおれたちは考える、そういうわけには、私どもはできません。それですから、その問題を、結末がつくまでは、ほかの敷地を実際に考えるというところまで至っておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 昨年、四十三年の四月に私は有澤委員に科学技術特別委員会でお尋ねして、当時の鍋島大臣とも話をして、結局従来は敷地選定について、東海村以外にほかにもさがしているんだということを言っている。(有澤説明員「私の頭の中にはある、こういうふうに申しました」と呼ぶ。)そうしますと、有澤委員は全然東海村以外にはいまさがさない、もうこれ以外にはさがさないという考え方ですね。そこをはっきりしてください。さがすのか、さがさないのか。これは地元民にとっては非常に大事なんですから。従来は、国会での答弁では、第一候補地として東海村を見ている。第二、第三の候補地をさがすということを確実に私は議事録でなにしている。ところが現在でも第二候補地はさがしていない。第一候補地だけしかさがしていないんだ。現在努力中だから、その結果が見えるまでは当局としてはさがさないんだということをここではっきり言ってください。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 さがすという問題でございますが、さがすということになりますれば、一々地元のほうと、つまり第二の候補地の地元のほうとある連絡をとらなければいかぬということです。私が科技特で申し上げましたのは、私の頭の中にあるというのは、あの地域は適当だろう、この地域も適当であろう、こういうことを考えておるということを申し上げました。だけれども、それだからその適当と考える地域に私たちがある連絡をとる、接触を保つという、そういうさがし方はやっていない、こういうことでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 頭の中にあるだけでは、議会で答弁したことの着実な履行にはならないんですよ。有澤さんの頭の中にあることならどんなこともあるだろうと思うんですよ。  第二候補地をさがせ、第三候補地をさがしてくれろということの地元の要求、私がまたそれをすべきだということを言ったのは、そういうことをせよということなんです。接触をせよということなんです。だが、接触はしてない、現在もなおしてない、これはそのとおりですね。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 接触はいたしておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 わかりました。  それでは、結局再処理工場は、事業団の諸君は非常に急ぐ仕事である、これをやらなければ日本の原子力開発は非常におくれるんだ、こういうことを地元民に言っております。しかし原子力委員会もあるいは事業団もこれは当然さがしてないんだろうと思うんですよ。そうなりますと、さがさないという事実があって、しかも地元には、急ぐんだからここへつくらなければいかぬのだ、これをやらなければ日本の原子力開発はおくれるんだ、こう言っている。しかし十月にめどがつかなくてもこれはほうりっぱなすんですね。あとまた二年間ぐらいはイギリスとの間の契約をして、そうしてその間は敷地を東海村なら東海村につくる状態ができるまではこれは待つという、裏で考えればそういうことになるんですよ。だから政府なりあるいは原子力委員会の考えていることは、東海村以外には、絶対にあそこで承知するまではもうほかはさがさないし、またさがす意思もないということなんですね。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 その問題は、先ほど来申し上げましたように、射爆場の移転の問題がどうなるか。ほかにもう移転の場所がないというふうになりますれば、むろんわれわれは第二の候補地を接触して、そこにきめなければならぬということです。その問題がまだはっきりしないうちは東海村の敷地を中心として私どもは考えていく、こういうことでございまして、絶対に東海村にやるんだとか、そういうことを申し上げておるわけではありません。つまり条件が一つあるわけです。この条件が満たされないとなるのか満たされるとなるのか、それがはっきりするまでは東海村でいきましょう。ほかの第二の敷地に接触を保って――まあ接触を保つのは非常にむずかしいと私は思います。とにかく接触を保つことは困難だと私は思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう見え透いたうそはつかないでくださいよ。とにかく射爆場を移転するかどうかの条件ができないまではと言ったって、いまのところ条件はないので、ただ、結局皆さんがその条件をつくるんですよ。そして、先ほども話があったように、操業開始までに射爆場が移転されるならばというこの仮定を置くわけですよ。その仮定を置いて仕事をしようとするのがあなた方の意図なんですよね。だからもうわれわれは射爆場の移転は、あなた方が移転ということを言うけれども、私たちは射爆場を撤去しろと言っているわけだ。これは日米安保条約の関係からいっても、アメリカの基地なんというものをあんなところに置くべきじゃないという考え方をしているのだから、当然日本が独立国である以上は、外国の基地なんかをこんなところに置いておくことは許さるべきことじゃないのだから、われわれのたてまえはもう撤去せよということを言っている。だからいずれはこれは撤去されるのだ。だから、そういうときまで――それじゃあ有澤さんの話を別なことばで言えば、その時期までは再処理工場はつくらない、こういうわけだから、そうなると再処理工場というものは日本ではそう急いでつくらぬでもいいのだ、こういうことになるのです。そうすると、地元では一日も早く再処理工場をつくらなければ日本の原子力開発はおくれるのだということで、何も知らない農民だとか地元民に対しては、おまえらがここで反対すると日本の原子力開発はおくれるんだよ、こういうことでいっているわけだ。もしそうならば、私どもの常識からすれば、東海村でできなかったらほかでやったらいいじゃないか、ほかの敷地を求めたらいいじゃないか、その努力を全然しないで、そうしてとにかく射爆場が移転される時期を待つということは、これはまあ事業団の考え方はそうだろう。しかし地元の考え方なんというのは全然考えてないわけですよ。それで有澤さんは、先ほど、地元の反対ということは、県会で表明された、やはり射爆場の併設では反対だ、こういうことだということでした。しかし県会の中ではそれだけじゃないのです。これは多数、少数の意見の差で、そういう結論になっておりますけれども、県会の中には非常に強い反対の意見があります。射爆場があってもなくても、再処理工場をあそこにつくることについて、あそこでは設備としてはもう非常に過剰であるし、これは困るという意見があるわけです。そして、県会を構成しているのは、あの地域の周辺よりもより多くのところから出ている議員さんたちが多うございますから、そういう結論が出ておりますけれども、東海村を周辺としたところの近隣の方々は、やはりほとんど反対という立場に立っている。東海村においても、賛成の方と反対の方とがおるわけです。那珂湊とか勝田になったら、射爆場があってもなくても反対という形が出ている。漁連の関係なんか特に強い。こういう形です。そういうことですから、あなた方が、ほんとうに地元民のということになれば、その周辺地ということをまず念頭に置くべきだと私は思うのです。原子力委員会としてはです。ところがやはり茨城県全体に広げていく、あるいは関東全体に広げていって、周辺地といえば、これはもう東海村やあるいは那珂湊だとか勝田というのはきわめてわずかなものになってしまうのです。しかし、たとえば水戸から以北ということになってきますと、これはものすごく大きなウェートを占めてきます。だから、ものは考えようです。その場合のいわゆる原子力委員会の考え方として、地域住民の意見というものを、茨城県全体でとるのか、あるいは那珂川以北の地域のところでとるのかということによって全然違ってきます。それこそ条件の違いです。あなたは、いまかいもくわからない射爆場返還という問題を当てにして、十月までの着工をほかに全然やらないという考え方、これは地元の人はいままでそう思っていなかった。しかしあなたがそうおっしゃるから、きょうはっきりこのことを地元の人はわかる。東海村以外にどこもさがしてないんだということがわかるはずです。しかも再処理工場が十月に着工できなければ、また二年間くらいは処理はイギリスに頼んでもいいんだ、こういう考え方だ。何でもかんでも急いで日本でやらなければならぬというそういう差し迫った考え方じゃないということもはっきりした。だからそういう範弁は使わないようにしてください。結果的にいうとそういうことになりますから。この点は明確にしておいていただきたい。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 地元の反対という問題につきましては、私、最初に県会の反対決議を申しました。とにかく県会の反対というものがある限りは、茨城県全体が反対ということだと思うのです。ですから、まずこの問題が解決することが必要だ、こういう意味でございます。私も、知事さんにお会いしたときもそう申しました。まず茨城県の県会が反対だ、これが一応撤回ということになりましたならば、次は、いま石野委員のおっしゃった地元との話し合い、漁連との話し合い、その段階にまいるつもりでおります。ですから、そのときには知事さんもひとつ十分再処理工場ができるようなほうに努力をしていただきたいということを私は申し上げました。ですから、ものは段階があり順序がある。まず県会の決議が問題だと思います〇それから進んで地元、狭い意味での地元にお話し合いをしたい、こういう考え方でございます。  それで、もう一つの再処理工場の建設がおくれるようになれば、イギリスのほうに使用済み燃料を送り返すということを含みにしておるから、急がないじゃないかというお話、急がないように私どもが考えているというお話しでございますが、そうじゃありません。これはとにかく一歩おくれれば、どうしても東海発電所の使用済み燃料というものは長くは貯蔵できないのですから、これを処理しなければいかぬ。その処理といったって、再処理工場ができない限りは国内では処理できないものですから、やむを得ずイギリスに送り返して、向こうで再処理をしてもらう、そういうことにならないほうが最も望ましいということを私どもは考えております。けれども、使用済み燃料をそのままほおっておくわけにいかないのですから、それでさらに二年間延長して、これを処理してもらうという方法をも頭に考えておるのだ、こういうことです。私どもとしては、むろん二年間延期してまでイギリスに使用済み燃料の処理をお願いする、そうならないことを最も希望しておるわけです。  その意味から申しますと、東海村にいつまでも固執しなくて、第二の候補地を考えたらどうかという御意見のようでございますが、それを決定する前にもう少し茨城県の努力、それから従来の話の進行、これは射爆場移転の問題についての進行の状況、こういうものをもう少し煮詰めていく必要があるのではないか。これが早く、今日にでも、移転の問題なんということはだめです、それからまた、安保反対からもうそういう軍事施設を置くということは――日本からみな軍事施設を撤去してもらうのだ、こういうことも早くきまれば、それで私どもはけっこうだと思います。しかしこの問題は、私どもが直接何ともできる問題じゃないのですから、政府に御努力を願っているわけですが、政府におきましても、努力をしているから待ってくれ、こういうふうなお話でございます。ですから、私どもはそれを待っておるのです。しかし、いつまでもそれで待っていていいかということは、私どもはやはり考えなければいかぬと思います。ですから、いつまでも再処理工場を東海村に置くというふうにあくまでも固執しているというつもりは、私どもはありません。ですから、適当な時期になりますれば、私どもが適当な時期であると判断いたしますならば、この問題については決着をつけるつもりであります。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう一ぺんお尋ねしますが、イギリスとの契約が三年間、百六十トン。三年間というと、その最終期限はいつですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 四十六年になっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 それから二年たつと、何年になりますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 四十八年でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 有澤委員にお尋ねします。  四十八年までの燃料の処理は、一応それでケリがつきますね。四十八年以後はどういうふうにするのですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 四十八年以降は、この東海発電所の燃料につきましては、さらにイギリスと交渉を重ねるということもできましょうけれども、私どもはそうそう長く延ばすつもりはありません。ですから、早く国内において再処理工場を建設したい、こういうふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 四十八年の段階で、東海村、大熊だとか、敦賀だとか、その他のところから使用済み燃料も相当出てくるだろうと思うのです。濃縮の場合はそうたくさん出ないかもしれませんけれども、出てくると思いますが、四十八年には日本に再処理工場を持っていなくてもいいのかどうか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 ちょうど四十八年に持っていなくても私は差しつかえない、四十九年、五十年くらいまでは持たなくてもいいかと思います。しかしその間はいろいろな形で貯蔵しなくちゃいけませんので、東海発電所以外の軽水型の発電所は、これはまだ貯蔵がわりあい長くききますので、貯蔵できると思いますけれども、しかしこれを貯蔵するにも、やはりポンドの設備も要ります。それから、使用済み燃料の中にあるプルトニウムという価値のあるものをそのまま寝かしておくということでございますので、そういうものは貴重な核燃料でございますので、すみやかに使えるような状況に持っていきたい。それですから先ほど申しましたようにいつまでも再処理工場の建設が行なわれない、そして国内から出てくる使用済み燃料を国内で再処理ができないというような状況に放置しておくわけにはまいりません。ですから私どもは非常に急ぐんだ、こう申しておりますのはそういう背景があるからでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 原子力燃料の調達という問題ですが、燃料サイクルの確立という問題は非常に大事だと思っています。ですから原子力委員会並びにそれに当たっている事業団などでも非常に真剣な配慮をしてやっているものと思うのです。それだから私はあえて聞くわけなんです。四十八年まではとにかく使用済み燃料はイギリスでやる。それ以後の問題は、再処理工場を日本に持つべき時期は、場合によれば五十年くらいまでは日本にはなくてもいいんだ。いま有澤さんがおっしゃった、それでもいいだろうと思うのです。ただやはり燃料サイクルなりあるいはプルトニウムを事実上効率よく使えるという経済的価値の側面からすれば、一日も早く持ちたいんだ、こういうふうにいまのお話を受け取ってよろしゅうございますね。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 はい、そのとおりでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 そうしますと、これは今井副理事長に私は申し上げておきたいのですが、あなたのところの従業員は東海村とか勝田市とかに行って、とにかく再処理工場をいますぐあそこへつくらなかったら日本の原子力開発は非常におくれてしまって、おまえたちの責任だぞ、こういうような言い方をしているのですよ。いまの有澤さんの意見では、とにかく再処理の問題はイギリスにも頼んだし、それから四十八年まで二年延長して、も五十年まではなくても、経済的な問題は幾らかあるけれども、そんなたいしたことないということになった。だから申し上げておきますが、今井さんのところの従業員が地域住民に対して、ここへつくらなかったら日本の原子力開発というものはおまえらの責任だぞというような意見は、こんりんざい言わないようにしてほしい。どうですか。ちょっと約束しておいてください、今井さん。

今井美材動力炉・核燃料開発事業団副理事長

○今井参考人 いま地域に行って、私どもの従業員が言い過ぎだというおしかりでございますけれども、私ども仕事をする立場の者から申しますれば、多分行き過ぎかもしれませんけれども、このくらい必要だということでお願いをいたしておるものとは思います。決しておどかしておるとかいう他意はあるわけではございません。そういうわけでございますから、どうぞ善意におとりくださいますようにお願いいたします。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は善意にとりたい。とりたいけれども、事実上やはり地域においては、ここでつくらなければだめなんだという意見がずっと強く出ているわけですよ。そしていまもお話があるように、やはりあなたのほうは、事業を進めるという立場からすれば、一日も早く仕事をしたいわけですよ。したければ、とにかく東海で問題がいろいろあるとするならば、ほかへ敷地を求めて一日でも早く仕事をするようにしたらどうですか。それをやらなければ日本の原子力産業の開発の意味からいっても、かえっておくれるのじゃないですか。怠慢じゃないですか。あなた方がほんとうに原子力平和利用というものを考えるならば、幾つかの場所を考えて、あそこがだめならここだ、またそこへ戻ってもいいでしょう。けれども、とにかくいまほかは全然さがさないで期待するんだ、条件を満たされればという考え方になると、これは別にたいして急いでないのだけれども、とにかくほかへ持っていくとめんどうくさいから、茨城なら何とかなるだろう、こういう考え方が頭にある。それが一つ。  いま一つは、やはり非常に作業効率がいい、そして経済的にも非常にいいんだ、こういうことで、ほかへ持っていくよりそこのほうがいいんだという、これは企業家意識が先行しておりまして、日本の原子力基本法の平和利用に対する三原則である自主、民主、公開の原則があなた方の頭には全然ない。特に民主という立場は、口の先では言っているけれども、実行の上では有澤委員もそうだし、また事業団のあなた方にもそのことは全然ないんだと私は断定してもいいのじゃないかと思うのですよ。だからもし私のこの断定にあなた方がそれは違うというならば、御意見言ってください。     〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 私ども三原則の一つの民主的でない、これはたいへん私ども遺憾に思います。そういうことは私自身としては民主的でない行動をとっているということは絶対にないと思います。民主的でないとおっしゃいましたのがどういう趣旨か私にはよくわかりませんが、地元の意見も聞いてやるんだということが民主的でないとは私は言えないと思います。どういうわけでそういうことを言われたか、ちょっと理解に苦しむところでございますから、私はその点申し上げておきたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 今井さんの意見はあとでまた聞きますけれども、有澤委員から、民主的でないと言われたことの理解に苦しむという話ですが、私はこういうように理解している。あなた方が地元の意見を聞くというならば、そしてしかも一方においては平和利用を非常に急いでおる、核開発についての燃料サイクルの上からいって、再処理工場の設置は非常に急がなければならぬものだ、こういうならば、土地の選定を――もうここに五年来ですよ。そうしても一の何年か前からほかの候補地もさがしますということを何べんも言っているわけです。ところがいまだにさがしてもいないんだ、候補地の見定めもしていなければ接触もしていない。そういうことになれば、地元の意見は口先では聞いておっても、何も実行には移していないじゃないですか。これをどうして地元の意見を聞いておるのだと言えるのです。私たちは、口先だけで言うような政治のやり方はもうあきあきしているのですよ。少なくとも有澤さんのような学者がそういう口先と実際と違ったようなことをやるべきじゃないんだ。国会で国民に対してそれだけのことを答えたなら、なぜほんとうにやらないか。やらないようなことを口先で言ったって、それは民主的だというように見ることはできない。やるべきことはやらなければいかぬですよ。全然やっていないということになれば、地元に対しては意見は聞きましたというけれども、何も聞いていない。聞いたということは押しつけの条件をつくるために意見を聞いたにすぎないのであって、地元の意見に合うような意見の取り上げ方、聞き方をしていないから、だから民主的でない、こう言うのです。違いますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 その問題は先ほども申し上げましたように、県会の決議といい問題を私はまず重んじているわけです。県会の決議を解消してもらうためには、知事さんのお考えでは、射爆場の返還という問題で、再処理工場の操業までに移転が確実であるということがなければ困る、こういう話があります。その上で、まず県会の決議が解けた上で地元と接触をしてお話をしよう、こういう考え方です。ですから、県会が反対決議をしているのに、地元で私がまずいきなり何か話をするというのは少し順序が逆であろうと私は考えておるのです。

石野久男日本社会党

○石野委員 有澤さんの論理の立て方は非常に巧妙というよりもごまかしの論法をやる、それではいけないと思うのです。少なくとも社会科学者として自他ともに許し、また私たちも尊敬しておる有澤さんが、地元の意見を聞くということは、地元と話するだけ。地元の意見が何を望んでいるか、どういうことを言っているのかということをそんたくしたら、それにこたえるような行為をすることが地元の意見を聞くことなんです。少なくとも私たちはそういうように思う。これは自然科学者だってそういうふうにものごとの処理をしていくと思うのですよ。だから地元で反対意見があったら、どこかで適切な場所をさがす努力をする、それが地元の意見を聞くことになる。これは幾ら言ったって水かけ論みたいになる。だから私はそれは言いませんが、いま地元の諸君は、大体第二、第三の候補地もさがしてくれているだろうと、あなた方の善意を期待しておったわけです。そういう中でものごとを見てきておるのだけれども、いままではほとんど第二、第三の候補地にはつばもつけていないんだということがはっきりしますと、地元の諸君はたいへんないままで見そこないをしたことになるわけなんで、そこからまた新しい形が出るだろうと思いますけれども、しかしよくわかりました。あなた方は全然ほかを考えていないということ。そしてまた再処理工場の問題についても、口では急いでいると言うけれども、まあ別に日本にそうたいしてつくらなくても、当分の間は何とかやっていけるんだということもわかった。だからそんなに再処理工場は急ぐ必要はない、こういうこともわかった。だから、事業団の諸君が仕事をやる上からいって、ここよりほかにないというようなことでもうほかを見ないでまっしぐらにそこだけに焦点を合わせているんだという、こういういままでのこの問題に対する対処のしかたというものは、今後一そう強くなってくるだろうということをわれわれは覚悟しなければならない。おそらく射爆場返還の問題とからんで、東海村に対して徹底的にあそこに設置する運動をあなた方はやるんだ。われわれはまたそれに対して、あなた方のそういう意図が那辺にあるかということをよく見てかからなければいけないことになるだろうと思う。だから、私は、有澤委員は結局東海村に権力的にあの敷地設定を押しつけておる。だから、原子力委員のあり方としては、いろいろなことば上の問題は言うけれども、ほかには全然目をくれないで、東海村まっしぐら、これだけしかない。そのためにはあらゆる工作をして条件をつくって、地域住民に納得させるようなやり方をするという意図である、こういうふうに見ておりました。あなたがどんなに弁解しようとも私はそのように取りましたし、またそう取るよりほかにないと思うのです。県会で話をつけたあとで地元に話をするというようなことなどは、これは押しつけるやり方ですよ。そうでなく、急ぐのならば、ほかのところをさがしたらどうだ。ほかのところは全然さがしもしないで、そこへだけ焦点を合わせていくという形は茨城県民をばかにしていることだ。この問題については地元の意見を聞く聞くと口では言うけれども、実際にはやらないことだということになるわけですから、私はそういうふうに受け取ります。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 私は、いろいろ御説明申し上げたわけでございますが、何が何でも東海村に押しつけてそこに再処理工場をつくるという、そういう権力的な考え方は私は持っておりません。ただ、先ほど申しましたように、第二の候補地といいましょうか、候補地につきましてはここの地域がいいじゃないかとか、そういう選定はしておりますけれども、しかしそれと接触するにあたっては、もし東海村がどうしてもだめならばひとつあなたのところでやってくれませんかというような接触のしかたはかえって第二の候補地の方々に対して、何というか二またこう薬をかけたような形になりはしないか、そういうことをおそれるゆえに、まず東海村の敷地問題が解決するかしないか、それがきまったあとで――そうかといって、いつまでもこれがきまらぬままに放置しておくわけにはいかない。いま、再処理工場の建設をそう急いでいないというように私の話をお聞き取りになったようでございますが、私どもは急いでおります。もしこういう問題がなければ、いまごろは大部分の工場ができていると思うのです。それぐらい急いでおりますけれども、しかしとにかく地元の反対がまだある。それを押し切ってやるというつもりはない。私はそこをるる説明申し上げましたけれども、石野委員はそうお取りになるというならば、これはやむを得ないことだと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 いつまでもほっておけないというのは、いつまでもといってもいつごろなんですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 だから、使用済み燃料処理をどうしてもしなければならぬというふうな時期は、先ほど申し上げましたように、イギリスに送り返すことによって若干の余裕があるということはいえると思います。問題は、東海村における敷地の問題です。いま私の理解は、県会の問題は、これは知事さんの話もそうですが、知事さんに一体ぎりぎりのところはどこですか、ぎりぎりの条件はどこですか、こう申しますと、まあ幾つもありますけれども、あとはたとえば敷地地帯整備であるとか、そういう問題はこれから大いにやれる問題でございますけれども、一等の難点になりますのは、射爆場の移転の問題です。その移転ということが確実であるということがはっきりしなければならない、こう言われるものですから、その条件がどの程度満たされるか、それの見定めを期しておるところでございます。それを見定めないで、もうそれは……。

石野久男日本社会党

○石野委員 違う。答弁が違うんだよ。私はそういう条件を聞いているんじゃないんだ。いつまでもほっておけないというから、そのいつまでという日時はいつなのかということを聞いているんです。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 これは三カ月とか四カ月ということではむろんないですが、しかしもう、そう一年も今後長くほうっておくわけにはいかないだろうと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 十月に着工して操業開始が四十八年の一月なんですよね。ですから四十八年まで、結局二年間延長してということになって、イギリスならイギリスに頼む。そのときに、やはり操業ができるのがちょうど四十八年なんですよね。だから十月以降になってくればそれだけおくれてしまうわけですよ。だからそれは言い方は幾らもあると思うのですよ。五十年までなくてもいいという言い方もあるわけだ。けれどもほんとうにあなた方が原子力の平和利用というものを、燃料サイクルの確立というものをまじめに考えて、日本でこれを自主的に開発していくということを考えるならば、やはりこういう時間的ラグの問題は十分詰めて考えていくのが当然だと思うのですよ。そうすると本年の十月にくわ入れをしなければ四十八年には仕事にかかれないわけですよ。それ以後になってくるとおくれただけまた仕事がおくれていくわけだ。だかないつまでもという期限が三月や四月じゃないんだ、一年以内だということになるともう一年延びるということですね。それだけ延びるだけ結局再処理工場はなくてもいいという結論になるわけだ。そういうふうに読み取っていいわけですね。そして有澤さんは、大体射爆場の返還があと一年ぐらいの間にできるかできないか、その間はほかはさがさない。こういうふうに腰を落ちつけている、大体こういうふうに見ていいわけですね。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 まあ一年ということを申しましたのは、もっと早くもう見切りをつけるということも、それはむろんあることですが、ぎりぎりといいましょうか、そう今後いつまでもということは、一年ぐらいの間見送っていくということは、こういうわけにはいかないだろう、こういうことを申し上げておるわけです。ですから私が申し上げておる条件の問題が早く決着がつきますならば、それはもうそれで私ども決着をつけなければいかぬ、こう考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 有澤委員にお尋ねしますけれども、地元の反対ということの中には、再処理工場と射爆場との併存の問題も一つありますけれども、しかしその併存の問題は抜きにして、再処理工場自体の設置反対の意見があるわけですね。そういう意見が地元にあるということは御存じなんですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 それは石野委員からもいままで承っておるところだし、またいつか地元の方々とお会いしたときもそういう御意見を承っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 この問題については、いずれやはりそれこそ三原則の民主の立場で十分話し合いをしなければならない問題だ。やはりこの諸君の反対というものが強い場合は、これはなかなかやれないと思うのですよ、実際問題として。ですから私はやはり射爆場返還ができればすぐ再処理工場ができるというような安易な見方をしておりますと、再処理工場建設の時間的な計画性にくずれがくる、そういうことの懸念を持つわけです。そういうことについては心配をしておりませんか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 私どもむろんこの再処理工場の建設が適当な時期までに終わるということが必要なことでありますので、先ほど来まあ一年以内には何とか結着をつけなければいけない、こういうことを申し上げているのも、その点でございます。いつまでもこの問題を放置するわけにはいきません。というのは、日本の燃料サイクルの確立のためにそうほうっておくわけにはいかない、こういう意味でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 地元の反対が強いとこういう問題の施設は非常にむずかしいわけですから、やはり原子力委員会はそういう原子力の平和利用――私は平和利用は積極的に協力したいと思うし、またやらなければいかぬと思いますけれども、安全性の問題を無視して、ただ営利的、企業的な意味だけでこれをやるということは非常にあぶないと思うのです。ことに産業公害の問題が、最近資本の側の強い要求でだんだんと地域住民に被害が大きくなるだけであって、小さくはなっていないわけだ。これだけ政治課題になっておっても、大きくなるだけなんです。原子力の被害の問題は、施設者が非常に注意をしておるから、ほかの施設のように簡単に被害が出るとは私は考えていない。けれども、一たびその人知の及ばないような事態において被害が出た場合には、他の産業公害の、とてもじゃない、比較にならないような危害を私たち地域住民に加えてくる。でありますから、この公害は石油コンビナートだとか何かの比ではありません。あるいは農薬の被害等の問題ではない。だから、この問題についての安全性の問題は、原子力委員会においても慎重の上にも慎重に考えてもらいたい。そういう意味で私は事業団ができるときに、いわゆる過度集中の問題なども提起したわけです。そうしてわれわれは、国会としては、その過度集中の問題を率直に尊重しなければならぬ。ただ、やはり表現については、これは適正配置ということにしましたけれども、その本意はやはり過度集中であってはならぬ、過密化してはいけないということを言ったわけなんです。だから、私は有澤委員のいままでの答弁については決して納得はしていないのですけれども、あなた方のやろうという考え方の中には、そういうものを無視する危険のある要素が非常に大きい。私はこれは日本人という立場で言うだけじゃなくて、その地域の住民という――私も住民だから、そういう立場でも訴えるし、やはり十年、二十年後のことも考え、百年後のことを考えなければならぬということで言うわけです。その配慮を十分していただきたい。しかも、いただきたいというだけじゃなしに、問題は困難になるし、むしろ原子力開発、再処理工場の設置という問題は、射爆場が返還になったからといって、すぐそれがスムーズにいくなどという状態でないということだけ、私はここで注意を喚起しておきます。  それから今井さんにお尋ねしますが、濃縮ウランの問題について、いま事業団としては、ガス拡散の方式と遠心分離法の方式とがあって、主として遠心分離の方向へ手をつけていこうという考え方であるようにも聞いておるわけなんですが、そういう仕事は事業としてはどういう形で、どのような計画でいまやろうとしておられるか。先ほど私があなたにお尋ねしたものと同時に、ひとつそのことについての答弁をお願いします。

今井美材動力炉・核燃料開発事業団副理事長

○今井参考人 濃縮の仕事につきまして、私どもが当面担当することになろうという問題は遠心分離でございます。このことは目下原子力委員会で御検討に相なっております問題ですが、そのような方向になることは間違いないと想像いたしております。  将来どういう仕事になるかというお尋ねにつきましては、私ども自身何の方向をきめておるわけでもございませんので、ここで想像を申し上げることは無理だと思いますけれども、しかし御承知のとおり、各国ともこの問題は特別な事情のある問題でありますゆえ、民間事業ということになっておりません。日本におきましても、たぶん当初におきましてはそのような事態からスタートするんではないかと思っております。  もう一つの問題と申しますのは、先ほどの地元説得の問題であったかと思いますが、私どもとしましては、説得などというよりも、地元と話し合いをいたしたいというその一丸の中でやっておるので、今後もそうやらしていただきたいと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 濃縮の問題について、結局この問題は民間でもあまりほかでやっていないし、日本でもおそらくそういうことはなるべくあなたのところでやらすような方向に行くんだろうと思うのですが、事業団自身としては、そういう計画はいまのところは全然持ってもいないし、考えてもいない――考えていないというわけではないだろうけれども、計画は全然ないということですね。

今井美材動力炉・核燃料開発事業団副理事長

○今井参考人 まだ政府の基本的な方針そのものが、昭和五十年ごろになりまして日本で濃縮をやるかやらぬかきめられるようにしようという程度の開発を私どもがお引き受けするのでございますので、したがってまだだいぶ先のことであり、そこの計画まではいたしておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 これは有澤委員にちょっとお尋ねしますが、いま核燃料の開発の側面からして、いわゆる使用済み燃料の処理も非常に重要なことです。しかし、濃縮の問題については、どの方式によるかは別としまして、今後の原子力の開発という側面からする重要度でございますが、この問題については、委員会としてはどういうふうに考えておりますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 ウラン濃縮につきましては、ただいま御質問がありましたようなガス拡散方式と遠心分離の方式、この二つの方式がありまして、これにつきましては、わが国においてもウラン濃縮の研究を進めるべきである、長期計画でそういう方針を打ち出されておりまして、それではウラン濃縮の研究開発を進めるのにはどうしたらいいかということで、実は核燃料問題懇談会を設けまして、そこで十分御審議を願いまして、その結果は、いま二つの方式があるから、この二つの方式の研究を進めて、大体昭和四十七年度ごろに、いずれの方式をもってウラン濃縮の開発を進めるか、そのチェック・アンド・レビューといいましょうか、評価を行ないたい。それまでは二つの方式の研究を進めてもらう。御承知のように遠心分離のほうは事業団のほうでやっております。ガス拡散のほうは理研のほうに研究補助金を出しまして、膜の製造からやってもらいました。幸いにことしの初めに公表されましたように、遠心分離のほうもまたガス拡散の膜のほうも、これでやると確かに分離が行なわれる。分離は、量はわりあい少ないのですけれども、それは膜も小さいしいたしますので、また遠心分離のほうもまだ機械が小さいですから、分離率はそう高くないにしましても、確かにしかし分離という現象はすっかりあらわれているという実験が成功したわけです。つきましては、この二つの方法の研究を、先ほど申し上げましたように四十七年度ごろにはいずれがまさっておるかという判断を、評価を下すことになりますので、それまでその評価に耐える程度の研究開発を進めてもらうという方針をとっておる次第でございまして、いま委員会の中に懇談会が設けられまして、との研究開発を四十七年度までにチェック・アンド・レビューができる程度に進めるのにはどういう組織、どういう方式で研究を進めるべきかという問題の懇談会が開かれておりまして、もう間もなく、今月の末ごろまでにはその結論が出ると思います。ですから、その結論に基づきまして、来年度の予算もそれにつけていきたいと考えております。そして四十七年ごろに、いずれかの方式のほうが技術的にまさっておるし、また経済的にも将来性が多いという判定を下されましたその方式につきまして、さらに開発努力を集中する、そういう方針で進んでおります。ですから、これもやがては一つのプロジェクトというふうな形でパイロットプラントをつくるというところまで進めていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 いま濃縮の問題で事業団にいろいろな仕事をさしております。これの来年度の予算化の問題は、事業団があらかじめ計画している予算とは別個な形でまた予算を組むのですか。それともやはり十年間二千億というこの中で処理させることになるのですか。どっちですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 ウラン濃縮の研究につきましては、一つは、おそらく遠心分離のほうは事業団の予算の中に組み込まれると思います。一方のほう、ガス拡散のほうはこれは理研のほうの予算になりますか、原研の予算になりますか、いまちょっとまだはっきりいたしませんが、いずれにいたしましても来年度はさほどの金額ではないだろうと思いますが、しかし四十七年度までの間には相当――私ははっきり数字は覚えておりませんけれども、数十億の研究費を必要とするわけです。ですから、そうなってまいりますと、いわゆる二五%の予算アップのワクの中にはまるかはまらぬかちょっとわからないのですが、しかし、私どもとしましてはその点は何か措置をしなければいかぬと思っておりますが、その必要な研究費を獲得いたすつもりであります。

石野久男日本社会党

○石野委員 そうしますとウラン濃縮の問題については、いまの段階では動力炉・核燃料開発事業団、この事業団があらかじめ予定している予算のワク内でのそういう処置の考え方でいまいくつもりでおって、別途プロジェクトをつくるという考え方はいまない。こういう予算措置ですか。それとも少額であるけれども、別途プロジェクトの方向へ、そういう要求として予算をつくるのか、どうなのかということです。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 プロジェクトということになりますと、四十七年度以降いずれかの方式を開発するというプロジェクトを立てて、それに予算を集中するということになろうと思います。それまでは研究の段階でございます。いよいよ開発する、その開発はいずれの方式をとるかということを四十七年度には終わりでしょうけれども四十七年度にきめたい、こういうふうに考えておりますが、それでもやはり濃縮ウランの研究ということになりますと、先ほど申しましたように数十億の金が四十七年度ごろまでには要ることになりますので、原研なら原研、事業団なら事業団の予算のワクの中にはまらないかもしれないということを、私どもは心配しておるわけです。そのときには一体どうするかという問題でございまして、それにつきましては適当な措置をそのときにとりたい、こういうふうに考えておるわけです。

石野久男日本社会党

○石野委員 もう一つだけで終わりますから。  最近あちこちの原子力の研究所などで被曝といいますか、ちょくちょく事故が起きている。こういう問題について原子力委員会は特にその関係のところへ注意を喚起するような処置をなさっておりますか、どうですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 そういう原子力放射能に関する事故がちょいちょい起こるということは御承知のとおりであります。私は、原研なら原研でそういう事故が起こるということはまことに原研として困ったことだ。事故は絶対に起こさないような万全の注意を払ってこの処理をしてもらいたいということを、やかましく申しておるわけでございまして、その事故が起きたつどその事情を聴取して、そして聴取すれば、いろいろそういう事故が起こった理由はあるのです。いわゆる無過失の事故であったということにもなりますけれども、しかしそういう事故がとにかく起こるということは原子力平和利用の上からいってもまことに好ましくないことであるから、起こらないように念には念を入れて配慮するようにということは絶えず申しております。この間の事故は何か管理区域内で起こった事故で、やはりちょっとした不注意のために起こったのだろうと思いますが、そういう不注意が、アイソトープならアイソトープ、原子力なら原子力関係の仕事をしている人にとっては、不注意といってもそういう事故が起こることは許されないのだから、その点は十分注意するようにということを、そのつど委員会の席上でも問題になります。委員会といたしましても一そうの注意を喚起して、二度とそういう問題を起こさないように努力していこうと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 持ち時間がだいぶ延びましたからこれでおきますが、最後に、原子力の作業をやる中で、公表はされていないけれども、幾つかの事故がよく起きている。これはやはり注意をしなくちゃいけないことですし、安全性の問題は原子力平和利用にとって一番大事に考えなければならぬ問題であるにもかかわらず、ややもすると企業意識が先行するとか、あるいは原子力産業を何とか早くしなければいかぬというようなせっかちな気持ちから、仕事の仕組みなりやり方なりというものが進んでいく傾向があります。特に平和利用三原則の問題で、地域住民の声を聞くということについて、ややもすると権力主義的に押しつけがましい――これには主として敷地選定の問題になるわけです。それ以外にはあまりありませんから、敷地選定の問題でそういうことが各地で起きているわけです。それの象徴的なものが東海に出ていると私は思っておりますから、ひとつあくまでも政府にしましてもあるいは事業団にしても、それは事業団自身としてはやりたい気持ちは幾らもあるに違いありませんけれども、地域住民の声を無視したやり方は絶対にやってもらっては困る、そのことだけを最後に委員と今井理事長にお聞きしておきまして、私の質問を終わりたいと思います。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 その点は私も最も重要視しておる点でございますから、御注意の点十分銘記しておきたいと思います。

今井美材動力炉・核燃料開発事業団副理事長

○今井参考人 ただいま御注意の点は重々留意するつもりでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 参考人にはお忙しいところ、審査に御協力をいただきましてありがとうございました。  吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 去る七月四日に総理府所管の海洋科学技術審議会の答申が佐藤総理になされました。これは四面環海のわが国といたしましては、現在及び将来にわたってきわめて重大な示唆ないしは問題を持った答申でございます。そこできょうは政府出席の関係もあるので私はぐっと問題を限定いたしまして、主として答申の第三項の「海中栽培実験漁場による栽培漁業技術の開発」という項目を中心に政府の所見を伺いたいのであります。  そこでその前提として二、三の問題を指摘いたしまして御意見を拝聴します。海洋開発が具体的に政策日程にのぼるようになるのはこれは各省庁に分かれていくかと思いますが、やや具体的な施設、政策の目標はきまっておるのであろうかどうか。少なくとも答申の内容にそこまで明らかになっておらぬとするならば、資料もしくは政府のかまえといたしまして、重要であれば直ちにある種の予算措置も必要でございましょうし、すでにまた予算関係は本年度からもつながった面もありますので、相当重要な関係と思いますので、これらの問題につきまして政府の大体のまとまった考え方を御説明しておいてもらいたい。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 ただいまの御質問でございますが、海洋科学につきましては、ただいま御指摘のように先般出ました答申の中で五つの重要事項を取り上げているわけでございます。  その一つは、海洋の開発につきましては、何と申しましても海洋そのものを詳しく知るということが重要でございますので、日本といたしましては日本周辺大陸だな海底の総合的な基礎調査を一つ計画しております。  第二には、日本周辺ばかりでなく、将来わが国の海洋開発が関係を持つでありましょう海洋につきましての海洋環境の調査研究及びその調査研究に基づきまして得られました情報を最も効率的に使い得るように管理をする体制を考えておるわけでございます。  第三は、海洋の資源の開発に関連しまして、特に御案内のようにわが国の国民生活の向上あるいは国民食生活の改善から動物たん白質に対する需要が非常に高まっておりますので、これに関連しまして海洋生物資源の開発をねらい、海中栽培実験漁業技術の開発という一つのプロジェクトを立てております。  それから第四は、海洋の海底に眠っております石油あるいは天然ガス、さらにそのほかの鉱物資源も含めまして、将来のわが国の産業、経済に対して長期的な鉱物資源の確保をはかるという観点から、その開発を可能にいたしますために大深度遠隔操作掘さく装置などに関する技術開発を取り上げております。  それから第五としましては、海洋の諸般の開発、このほかには沿岸の総合的な高度利用の問題もございますし、また少し長い目で見ますれば、海中空間の利用あるいは海底空間の利用というようなこともございますので、これらに共通いたしました海洋開発を進めるために、先行的に必要な技術でありかつ共通的な問題として、潜水技術あるいは深海の調査技術、大型共用実験施設というようなものを含めた開発を考えておるわけでございます。  そのほか、たとえば海水の有効利用技術、あるいは深海底に最近発見されておりますマンガン団塊瘤等の鉱物資源の開発、それから現在はくず魚としてあまり利用されておりません魚類たん白資源の高度利用並びに現在まだ未開発、未利用でございますそのほかの海洋生物資源の開発調査というようなものを含んでいるわけでございます。  そして、これらの先ほど申しました五つの大きな事項、それから最後に海水の有効利用以下に申し述べました四つの諸計画につきまして、それぞれ現在全然着手されていないというわけでございません。何がしかのものはこれまで海洋科学技術審議会の答申の線に沿いまして関係各省庁で実施をしてまいっている分もございます。これらも含めまして、新たに今後十カ年間にわが国ばかりでなく世界の海洋科学技術開発の動向を踏まえ、当面五カ年間にわが国としてこれだけのものをやる必要があるということを答申の中では第二部に「開発計画の展開としてうたわれておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、この関連しまする開発計画の実施官庁としましては、省庁どこどこになるわけです。それを指定しておいてください。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 先ほど申しました五つの項目によってそれぞれ関係官庁が違います。たとえば日本周辺大陸だな海底の総合的基礎調査になりますと、海上保安庁、それから通産省の地質調査所等が中心になります。それから第二の海洋環境の調査研究及び海洋情報の管理という点になりますと、運輸省の気象庁、それから農林省の水産庁、それから先ほど申しました地質調査所等も関係してまいります。そのほか建設省も関係いたしておりますし、それから海洋レクリエーションの関係では厚生省等も関係してまいります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 防衛庁も気象庁もみな入りますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 気象庁は入ります。防衛庁は直接はタッチしておりません。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 海洋開発は同時にやはり行政関連におきまして各行政省庁の関連もあろうと思うのですね。これは今後の財政計画等にもつながってまいりますし、それからその他の政策との関連がありますしするので、一応あげておかなければいけまいと思うのです。そうしないと今後の総合的な計画というものの全体をちょっと把握しにくいと思うのです。ちょっと名前だけでよろしいからあげてください。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 お答えします。  海洋科学技術の開発に関連しますのは、まず一つは大学関係がございます。それから第二は建設省でございます。これは土木関係がございます。それから第三は水産庁、それから第四は運輸省それから通産省、海上保安庁、文部省それから科学技術庁、防衛庁も幹事として入っております。それから工業技術院、建設大臣、厚生省、以上でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そこで十カ年の計画を持ち、さらに具体的に五カ年計画を立てた、こういうような御説明でしたが、財政規模はこれは総計どのくらいの見通しですか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 財政規模はまだ総額としては当方としては成案を持っておりません。ただいまのところでは、この答申に基づきまして各省庁でこの答申の線に沿った実行計画を立てることになります。その段階で財政規模が確定してまいると思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 としますというと、答申はやはり全面的に実施するというようなかまえで政府は臨むらしいのでしょうか、それともこれは科学技術庁なりの意見であろうか、あるいは閣議において相当もまなければいかぬことになろうと思いますが、過ぐる今月の四日に総理大臣に答申されたばかりですから、その辺についての見通しは政務次官、どうなんですか、これはそのままずばっと全面実施へ持っていこうというくらいな、このような自信があってするのかどうか、さにあらずして、幾多の答申は各審議会から出てきたことは従来御承知のとおりでありますが、この辺につきましても、政府内の消息でもいいですから、ひとつ述べていただきたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 ただいま答申をちょうだいいたしたばかりのところでございますので、直ちに関係各省全部集まりまして、この問題について現在慎重かつ非常に真剣に討議を進めております。どんどん予算化できるものから取り上げてまいりたい、こういう信念でやっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 この問題につきましては、別の角度から先般佐藤総理も記者会見におきまして、ずばっと今回の審議会の答申をさしたものと思えぬけれども、すでにみずからこれを諮問し、また幾多の予定されました案が伝えられたおりからでございますし、佐藤総理も積極的な姿勢で、これは実現する方向へ勇ましく発言したような記事も出ておったのでありますが、そういうことかとも思うのですけれども、これは皆さんと問答するだけではらちがあきませんのですが、大体において五カ年計画というものは相当実効をあげるようなかまえで進んでいくという見通しを持って準備するのであろうか、どうだろうか、その辺なんです。お答えができましたらどうぞ述べてください。でなければ、この問題はかまいません。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 答申の作成の段階で審議会から関係各省庁にかなりひんぱんに連絡をとりまして、そして答申をした以上、これが必ず具現化されるように答申の内容を検討いたしておりますので、各省庁ともこの答申の線に沿って相当のしっかりした施策が進められるというように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 何でこんな点を聞くかと申しましたら、実はかりに十カ年計画、五カ年計画、十兆円要る、二十兆円の財政を組まなければならぬということになるのか、それとももっと低い範囲で済むのか、日本の経済、財政の国力の関係もあるし、あらゆる面の政策の実践とのバランスもあるし、等々しますので、その辺を各省庁の横の連絡も事前にしながら、この答申に至ったというならば、何かそこらについてもっと――案だけでもよろしいが、実行するかしないかは第二のことにして、案だけでもいいですから、五兆円でできるのか、十兆円かかるのか、もっと国民総生産もしくは所得の何%、財投資金でもこれの引き当てという目安でもいいから、全然雲をつかむようなことでは、これは五年計画とか、十年計画じゃないです。やはり国のプロジェクトとして相当具体化していくという意気込みの場合は、財政の面も検討しなければ、これは単純にいま宇宙旅行、月旅行を日本で議論しているような、そんな問題と違いますから、日本におきましては、すぐあしたから実践の段階にいくものが幾多あると思うのです。ずいぶんあると思うのです。だから、いま御指摘いただきました各省庁の具体的な業務について考えてみましても、あしたから実践に移していく、計画を具体化するという点は相当あると思うのです。そういう意味におきまして具体的な財政規模というものは、何かもっと出なければ、科学技術庁その辺についていいのか、そんな国力不相応な、とてもそんなことはできない、なんとかかんとかそこらはもうちょっと――あなたの答弁するのは何かひっかけてくるようなことで、ちょっと無理だろうけれども、何か消息はわかりませんか、わからなければいいです。また別の機会にしますけれども、次官、その辺はどうでしょうな、ちょっとこれは専門的ですから、一応また別の機会でもよろしいから何か文書にして資料を出すようにしてくれませんか。委員長、しかるべくお計らい願います。資料で出してもらいましょう。財政計画……。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 ただいま御指摘の点につきましては、資料を取りまとてめおりますので、資料ができ次第お届けすることにいたします。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 はい、わかりました。  同時に、委員長せっかくの財政的資料でありまするから、各省庁における具体的な開発の体制、政策の具体的目標、こういうものをあわせてひとつ明らかにしてもらいたい。  そこで計画が実際化するというような、若干延びると思いますが、その辺をあわせて資料を出してくれませんか、よろしゅうございますか。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 承知いたしました。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それからその次に、これは前提になりますので、長くやれませんので、要点だけでよろしゅうございますから、ごく要点をかいつまんだ御答弁でけっこうです。  民間企業との関連が相当重要だと思うのです。たとえば海洋土木の問題でも、あるいは建設機械等の海洋工学的な面にいたしましても、国が基礎的なプロジェクトを確立するということと並んで、そういう大学の研究もよろしいが、民間企業との関連もやはり率直に立てていくということを積極的にせにゃいかぬじゃないか、これが一つと、もう一つは、さりとて民間企業はやはり営利追求が第一でありますから、しかしこの種のものは、これはばく大な財政投資をいたしましても、そう急に経済的な利益回収ということにならぬというほどに基礎的な問題を持っております。だから民間企業にずっと片寄るとか、たやすく安易に民間企業にたよるというようなことになりましたら、これはたいへんです。そんなことをしたら、アメリカあたりの技術の導入のほうが簡単ですね。経済的にいうならば技術導入をどんどんやっていけばいい。そうすると、自主的な解決はできない、こういうことになるわけですから、この二点ですね。民間企業との提携をして、協力を求め、これを必要とする。同時にこれに非常に大きにたよりにすることは危険である。政府みずから自主的に計画を立てる。そうしてともに前進するという体制が必要でないか、こういうふうに思うのです。いかがです。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 ただいま御指摘をいただきました海洋開発におきまして、民間企業の持っております技術的な能力をどのように活用するかということは、非常に大事なことでございます。したがいまして答申におきましても、序章の中に「プロジェクトを推進するためには、関係各省庁、大学をはじめ民間を含めた多くの機関の緊密な連携の下に総合的推進体制の確立を図る」必要があるというように意識をしておられるようでございます。また、海洋開発につきまして海外ですでに確立しております技術の導入も、もとよりけっこうでございますが、わが国の海洋開発は、やはりわが国の国情に即したものである必要がございます。先ほど申しました五つの大プロジェクトも、わが国として必要なプロジェクトが取り上げられておりますし、この五つのプロジェクトの推進につきましては、国が主導的な役割りを果たしつつ、各方面の総力を結集して行なうという態度をとっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 同時に基礎的な研究というものは、これはまた主として大学とか特殊な研究機関あるいは民間人、学者、技術屋に協力を要請し、動員せなければいかぬかと思いますけれども、基礎的な研究というものはかなり重要になるだろう。たとえばあとで触れていきますけれども、沿岸の利用というような場合、直ちに公害問題が頭に入ります。公害問題ということになると水質の問題もあります。水質汚濁の原因は何かということになると、かなり科学性を持ったものでなければいかぬ。とかくその辺が足並みが乱れておる。歩調がそろっておりません。言うならば研究調査開発がまだ非常に度が低い、こういうことも感じざるを得ないのであります。こういうような遅々として進まない面が多分にありますので、この辺はやはり相当な財政投資をいたしまして、基礎的な研究をうんと充実するということが、これは科学技術庁としてイニシアチブをとるべき重要課題である、こういうように考えます。どうでしょう。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 海洋開発が、一般的に申し上げますと、とかくすぐに実利に結びつくような意識で取り上げられがちでございますが、今般の答申の中では、海洋開発については、むしろ基礎調査といいあるいは基礎研究といい、きわめて重要なものであるという意識に立っております。したがいまして、先ほど御説明申し上げました五つのプロジェクトの中で、海洋環境の調査研究というものは、かなり基礎的な問題を含んでおります。また最後に申し上げました海洋開発に必要な先行的、共通的技術、この中もかなりの部面が基礎研究でございます。それからまた栽培漁業の技術開発におきましても、たとえば対象となります生物資源の生態あるいはその環境につきましての基礎研究がかなり盛り込まれておりまして、端的に申しますと、これがすぐに展開するというよりも、展開の素地をつくる基礎技術の確立というところが、全体としてはねらわれているというように私は解釈しております。  なお、沿岸の汚濁の問題でございますが、これは海洋ばかりでなく陸域からの汚濁の問題もございますので、これを海洋開発の科学技術だけで処理していいかどうかということにつきましては、委員の間にいろいろと御意見がございました。したがって、沿岸海域の広範な総合的利用というものは、さらに高い次元から各般の検討をするほうが、より適切であろうという御指摘をいただいております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 基礎研究につきましては、やはりもっと技術屋さん、専門家、学者、そういう人を積極的に優遇しなければいけません。そうしませんと、日本におきまして、たとえば医学的な相当の権威者が冷遇される。十分な研究機会を与えられないというような関係で、アメリカあたりに人材が流出していくということは、これはもう顕著な事実であります。そういうことから考えまして、基礎的な重要課題になればなるほど、そういう方面の人は外に出ましても、直ちに社会的な普通の活動はしにくい人が多いのです。そういうことでありますので、その辺について人材の養成、技術者の養成、確保というようなことについては、財政的、経済的に、給与の面において十分な配慮をしておかねばならぬ。場合によっては国際的水準も考えながら考えていかなければならぬではないか。そのくらいにして初めて日本においてほんとうの研究者、技術者、学者などもこの道に精進してもらえる、成果をあげられる。ドイツあたりにおきましては、おかしな話ですけれども、たとえばイーゲーの染料会社でしたか何かは、三十年でよろしいから一つだけ発明してください、あなたの給与は毎月お払いいたします。何せい、何せい、そんなことは絶対言いません。あなたがこの会社におる間に一つだけ発明してくださいというて、数十名、百名前後の学者を大切にしておった例があります。そのためにドイツの染料の開発というものはすばらしい成果をあげた。これは御承知のとおりであります。そんなことを思いますので、これも十分に考えておいてもらわなければいかぬと思うのです。いま結論は何も求めはしませんが、よろしゅうございますね。その辺のことをちょっと言うておいてもらいましょう。

有澤廣巳原子力委員会委員

○石倉説明員 ただいま御指摘いただきました研究者の処遇を改善し、また研究者に対して十分な研究の資金を与えるということは、科学技術の総合調整を担当いたします当庁としては、きわめて重要な事項でございまして、一つには毎年人事院と協議をいたしまして、国家公務員の中の研究職の処遇につきましては、各省の要望を集めまして、常に当庁から要望をいたしております。また研究費につきましては御案内かと思いますが、人当研究費というのがございまして、研究員一人当たりの研究費の配分につきまして、これも毎年見直しを行ない、この数年毎年二割くらいずつアップしているかと存じます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと大蔵省の方に伺いますが、すでに御承知のとおり大きくクローズアップされました今度の例の海洋科学技術審議会の去る七月四日答申のあの課題ですが、海洋開発ということは年来の日本の一つの政治課題にもなっております。そこであなたのほうとして――あなたに全部聞くわけではありませんが、あなたの担当の分といたしまして、この答申されました中には相当関連する予算があるわけでございます。これは全体としまして十年計画、実施五カ年というような一つの目標を持っておるらしいです。国の立てるプロジェクト推進のために、各省庁それぞれ具体的な政策を立てることになりましょう。そこであなたのほうのかまえ。もう一つは四十三、四でもよろしい、におけるこの種の予算。もう一つあとで触れていきまするが、水産庁の関係いたします海中の栽培実験漁場、これもまた栽培漁業の技術関係等の開発につきまして、若干の予算も四十四年も組んでいるわけでありますが、この辺の予算関係、要するに、財政計画、予算関係につきまして、答申をめぐりましてあなたの所管の範囲でよろしいからひとつ計画と、それから実施等について御答弁願っておきたい。説明してください。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 ただいま御質問のございました海洋開発関係の予算といたしましては、御答申をいただきましたのが最近のことに属しますので、昭和四十四年度の予算におきまして、この答申の内容に即してこれを編成したという手順ではございませんけれども、海洋におきますところの水産資源の開発の重要性につきましては、私どももかねて留意いたしておるところでございます。昭和四十三年度あるいは四十四年度の海洋水産資源開発の関係予算といたしましては、たとえば国の大型調査船によりますところの南太平洋の資源の基礎調査、あるいは民間漁業団体が実施いたしますところの北西大西洋、北東太平洋、南大西洋等におきますところの新漁場の開発調査等につきまして、昭和四十三年度以来実施いたしておりますところの国の助成あるいは調査の事業を、四十四年度におきましては一そう内容を充実いたしまして、継続実施したところでございます。さらに、四十四年度の新規の措置といたしましては、外国沿岸漁場におきますところのわが国の漁船の操業実績を確保いたしますために、民間関係団体に助成いたしまして海外漁場確保のための事業を行なわせることといたしております。  なお、このほかに私どもの関連する予算といたしましては、ただいま御指摘もございましたけれども、瀬戸内海におきまして水産資源の養殖関係、いわゆる栽培漁業関係の調査研究を実施いたしております。また浅海漁場開発と申しまして、陳腐化いたしておりますところの沿岸漁場につきまして、これに土木工事を試みることによりまして、漁場の更新、再開発をはかるというような事業につきましても、現在具体的に各地におきまして調査中でございます。  以上申し述べましたのが最近におきますところの海洋資源開発関係の予算でございますけれども、なお今後の措置につきましては、農林省、水産庁からの予算要求を待ちまして、内容につきまして十分検討をしてまいりたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、あなたのほうでは、海洋資源開発の予算、ただし、これはたとえば鉱物資源の開発、石油開発等々農林省所管以外の分についてもあなたのほうでやはり所管するのですか。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 私の担当は農林省予算でございますので、水産予算につきまして御説明申し上げました。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そういうふうに理解します。  ちょっと時間の約束がありますから、外務省の高島参事官に先に伺いましょう。  海洋科学技術審議会の答申が去る四日に出ましたですね。そのうちの劈頭、第一には、日本周辺大陸だな海底の総合的基礎調査ということが載っているわけですね。これは相当重要な課題として佐藤総理に答申をされております。これは御承知のとおりであります。  そこで、これについて若干伺ってみたいのですが、一体大陸だなというたら何を具体的にさすのですか。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 大陸だなと申しますのは、一九四五年にトルーマン大統領が宣言をいたしまして、それが契機になっていまや国際間の慣習法となっておるというものでございますが、この大陸だな条約によりますと、定義といたしまして書いてありますところを読みますと、「大陸棚」とは、海岸に隣接しているが領海の外にある海底の区域の海床及び地下であって上部水域の水深が二百メートルまでのもの又はその限度をこえる場合には上部水域の水深が海底の区域の天然資源の開発を可能とするところまでのもの並びに島の海岸に隣接している同様の減底の区域の海床及び地下をいう。」これは非常にややこしい表現でありますけれども、要するに、これは地理学上の単語でございまして、各沿岸国に隣接している海の部分の地下であって、その深さが二百メートルまでのたな状になっている部分をさすというふうに考えております。いま問題はなっております大陸だな条約の中では、この大陸だなが各国の主権に属するというのではなくて、この大陸だなにございます天然資源を開発する主権的権利を有するということでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、わが国におきまして、政府としては大陸だなと称する概念は、陸地から距離をさすのか、それとも海の深度をさすのか、陸地から離れた領海、その条件下の一定の深度以内をさすのか、その辺についてその概念の限界を御説明願いたい。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 陸地からの距離とは全く関係のない概念でありまして、要するに、陸地から続いている海の底の部分であって、その深さが二百メートルまでのものを一応大陸だなというふうに従来いわれております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、さっき領海と言っておられましたね。領海ということばが出ましたね。領海とは何ぞや、その点どうです。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 領海は大陸だなとは全く違う概念でありまして、これは陸地からはかりまして三海里までの範囲のもの、海の部分でございます、これを領海と称しております。領海につきましての沿岸国の権利は、この海の部分はもちろんのこと、その地下、海底の部分でございますね。一切そこにあるものを全部領土と同じように所有する権利があるというふうに考えられております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 国の主権の及ぶのは、その地理的概念からいたしまして――そうしますと、従来は領海に入ったから漁船を拿捕した、領海を侵したからこれを攻撃したということが戦争の発端になったようなことさえないではありますまい。領海はそういう意味におきましてやはり国民的に長く植えつけられた一つの概念でございますが、この辺について国際慣行もしくは条約概念、政府の考え方、もしくは確定した考え方があるのかどうか、国際的にきまっておるのかどうか。三海里とおっしゃいましたね。その三海里というのは一体何を意味するのか。逐次侵食されていく、そんな海岸は領海がだんだんと狭くなっていく。逐次拡大していく太平洋岸はだんだん広がっていくということになるのかどうか。そうしたら、たとえば極端にいうならば、ある国の漁船が来て、日本の領海でサンドポンプでも用いて、そうして土砂も一しょくたに魚を吸い上げてしまうというようなこと、そういうことがありとかりにしたような場合に、国際問題が起こらぬのかどうかということにもつながってきますので、そこでそんなしろうとみたいなことを聞くのですが、簡単でよろしゅうございますから、そういうことだけちょっと説明してください。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 領海に関しましては十八世紀の末以来国際間に一つの確立した慣行がございまして、沿岸から測定いたしまして三海里――測定する場合にどこから測定するかという問題はございます。これは昨年国会の御承認をいただきましてわが国が入りました領海に関する条約というのがございまして、どこからどういうふうにして測定するかという非常にこまかい規定がございます。したがいまして日本の場合も特定の沿岸につきましてはこういうふうにして基線をきめるということはもちろんございます。そこからはかりまして三海里というのが国際慣習法だとわれわれは考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 何か北方地域では十二海里侵入してきた、だから漁船を拿捕するという問題が起こっているようですね。そうしますと、各国で考えが違うのかどうか。南米のどこかの国、チリかどこか知りませんが、二百海里が領海なりというようなことを言ったとか言わぬとかいわれますが、そうなりますと、国際慣行あり、国際的にお互いが信じる点がありと言っても、どうも当てにならぬような問題ではないかとさえ考えるのですが、その点どうでしょう。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 先生のおっしゃるとおり、現在非常にそういう点につきましては混乱しております。非常に遺憾な状態であるとわれわれは考えております。したがいまして、これをできるだけ早い機会に国際会議を開きまして統一した制限をつくりたいというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 昭和三十九年に発効いたしましたといわれる例の大陸だなの条約の件ですが、この条約に日本は加盟しておらぬようですね。大陸だなの海底の基礎調査研究をやるというようなときに、鉱物並びにその他の資源開発等々をこれから行なっていこうというときに、ずっと具体化してまいりましたら、あるいはこれは企業化しますにしても、あるいは政府の仕事にいたしましても、ばく大な財政投資、人間投資、諸般の計画がそこで形成されていきます。物的にも立体的にも形成されてまいりますが、そういうふうなときにも、独占的にこれは利用できるできないというふうなことが、大陸だなの条約等に関連があるのかどうかということになります。大陸だなの条約は、その辺についての規制の一番の眼目は何かということと、日本はそれに入るのかどうか、入っていないのかどうかということ、政府は態度がきまっているのかどうかという点、それだけちょっと聞いておきたい。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 先ほど申しましたとおり、大陸だなにつきましては、慣習法としまして各国が鉱物資源を開発する権利を有するというふうに考えております。したがいまして日本としましては、この条約に入ると入らないとにかかわらず、日本の沿岸にございます大陸だなの内部の鉱物資源についてこれを開発する主権的権利を有するというふうに考えております。  他方、もしこの条約に入りますと、ソ連あるいはアメリカ等のように、カニまでも含めて、そういう生物までも含めて大陸だなの資源であるという主張が非常に強くございますので、わが国の漁業利益という観点から申しますと、非常に入ること自体が不利である、しかし他方いま申しましたように、入らなくとも慣習法として少なくとも鉱物資源についてはこれを開発する主権的権利があるということが、実はことしの二月の国際司法裁判所の判決ではっきり確定しておりますので、そういう点は何ら疑問の余地がないというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、瀬戸内は狭いようでありますが、たとえば土佐沖あるいは千葉沖等におきまして、新しい技術をもって裁培漁業をやっているというようなときに、かなり深度が深いところまでこれが拡大するかもわからない。あるいは海岸からの延長は相当延びるかもわからない。そういうようなときに、これは無主物として、法律で理屈をいうならば、一つの先占的な法理によって所有権がその先占者にあり、したがって国がするなら国に所有権あり、企業がやるなら企業者に所有権あり、公社、公団しかりということになっていくのであろうかどうか。それともさらにあらずして、やはり一定の開発がされる対象になっておってもならなくても、ともかくある範囲は日本国の所有なりというふうにきめてこれはかかっていけばいいのかどうか、その辺の限界を簡単に説明願いたい。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 大陸だなにございます鉱物資源については、沿岸国の主権的権利としてこれを開発する権利があるということでございますので、日本の沿岸にございます大陸だなにある石油資源あるいはその他の天然ガス資源等は日本の国自体が開発する権利があるわけであります。したがって日本政府といたしましてこれをどのように国民に行使させるか、あるいは外国人にどのように行使させるかということは、これは日本の国内法の問題であろうかと思います。したがいまして鉱業法等におきまして外国人には一切認めない、日本人だけに認めるということもできますし、また外国人にはある一定の条件を課して開発させるということも可能であろうかと思います。すべてこれは日本の主権的行使としていかようにもできるというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 深度二百メートルが限界であるとするならば、たとえば今度保安庁が「しんかい」という潜水艇をつくりましたね。これは深度六百メートルまで入るのでしょう。そういうふうに海洋開発は海底鉱物資源等々、あるいは漁業の技術革新が進んでいきましたら、二百とか三百とかいうのじゃなしに、場合によっては千――あるいは海上ホテルまでいわれているぐらいですから、どこまで陸地的な一つの社会が海の中で実現するかわからぬということになりますので、二百とか三百とかいうきめ方がどうも私にはぴんとこぬのです。そこいらについてとらわれる必要はないのじゃないであろうか、そんなことも思うのですが、あなたのほうのそれは間違いないのでしょう。いま六百メートルと私言いましたが、深度六百メートルの潜水艇をつくったのでしょう。

沓名景義海上保安庁水路部参事官

○沓名説明員 先ほどお話のございました潜水船「しんかい」は深度六百メートルまででございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 外務省関係でありますが、海洋開発が政府の行政的な作業として各省庁に分担されていろいろ進んでいくようであります。したがってこういうことが進んでいく過程におきまして、基礎的に国際的な関係が、平和的にもないしは軍事的にも相当重要だと思いますので、国際関係は条約面、慣習、国際司法裁判所等々いろいろな角度から外務省の立場において相当不明確な面は明確にする、積極的に明らかにすべきものはしていくというような姿勢をもって進んでいく必要が生ずるのではないであろうか。もしくは当然それは政府の一行政庁の任務といたしまして担当すべきでないか思うのですが、積極的にそういうふうに企画していかなければいかぬのじゃないか、計画を立てて進んでいかなければいかぬのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高島説明員 外務省の立場から申しますと、大陸だな資源の開発という問題に関します法的立場は日本としてはっきり確保しなくちゃいけない。条約に入るか入らないかということはもちろん政策の問題でございますけれども、法的立場ははっきり確保した上で進んでいくということでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 わかりました。  それじゃ農林水産庁に伺います。水産庁所管に属します以上述べました今回の答申のうち三項に裁培実験漁場というものがございます。この裁培漁業というものは、言うならば国民的にはまだ耳新しいことと思いますが、この栽培漁業が現に実験しつつある、あるいは事業として進みつつあるというのは瀬戸内海であることは御承知のとおりでありますが、瀬戸内海は相当真剣な取り組み方をいたしております。  そこで、あなたのほうに伺うのですが、栽培漁業のいまの段階もしくは次の時点におきまして、どのような方面において計画は立てるべきであろうか、もしくはどの水面、海面でこの実験あるいは事業を進めるべきであろうか、場所、環境の整備の観点から、大体どこをねらっていかれるのであろうかどうか。  もう一点は、さらにこれを企業的と申しますか、経済性を考えていくという進み方になった場合に、ずっと地域を広げていくということになるのであるかどうか。この二点をまず伺っておきたいのです。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 現在瀬戸内海で栽培センターを実験的に行なっておりますが、栽培センターの目的といたしましては、海の中の生物層の比率を最も人間に有利なものに変えていくというのが最終的な目的でございまして、現在一番多くやっておりますのはクルマエビをやっておりまして、クルマエビを何億という非常に大量に比較的閉鎖された海域に放流いたしまして、その海域の生物の層をクルマエビという非常に有利なものに変えていきたいという考えでやっております。これにあわせまして、ガザミあるいはマダイ、トラフグ、そういうものを研究いたしておる段階でございまして、いま直ちにこれが他のこういう海域がいいという段階にまでは達しておりません。したがいまして、いまお尋ねがありました、将来この海域、この海域という点は申し上げかねるところでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 瀬戸内はこのような高度の技術開発に活用されておりますというのは、瀬戸内の海が、海水が、もしくは海底と申しますか、場がそれに適するという条件があるわけでございますか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 瀬戸内海は御承知のとおり閉鎖された海域でございまして、大きな回遊をするものでなければ外洋に逃げていきませんので、幾ら大きく動きましても瀬戸内海の中だけというものが多いので、実験的には最も適しているところだというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 聞くところによりますと、瀬戸内の水は、えさですか、プランクトンですか、プランクトンが非常に豊富にあるということがいわれているようであります。そうなるとするならば、瀬戸内海は一万八千平方キロメートルの海面の面積で、四国に該当するくらいあるのかと思いますが、いっそ将来の飛躍を望む、言うならば次代をになっていくような一つのある種の漁業の開発でありますが、ぐっと大きく瀬戸内全体にそのような目標を持って、大規模の栽培漁場を設定するという目標に向かって進んでいくという手は考えられないのか、これは今日においては夢にすぎないのだろうか、その辺はどうなんですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 現在も、先生御指摘のような瀬戸内海全体を一つの大きな栽培漁場というふうにやっていきたいという目標でやっておりますが、現在の種苗の生産段階、あるいは放流の技術的な問題等でそこまで達しておりませんので、実験的な段階になっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 やはりこの種の将来性を持った、未来指向型の開発というものは、単なる実験に五年も十年も使っておるというのは、そんなことでは間尺に合わないので、そこでほんとうにそのようなかまえを持っていくのならば、たとえば研究施設の大体の目標、あるいは技術者、学者の養成とか、先にいろいろだんだんと問答いたしましたような人的な配慮を十二分にしていくとか、あるいは基礎的な調査研究もするとか、こういうふうにいたしまして、瀬戸内海というものをそのぐらいなかまえを持ってこれと取り組んでいく、こういうふうにしなければならぬのではないだろうか。ただしそれが直ちに事業化するとかいうことは私は考えにくいと思いますけれども、そういうような条件が瀬戸内海におきましては可能ではないだろうか。深度にいたしましても三十メートルないし百メートルでしょう。百メートル以上はないはずです。そういうところでございますので、海上交通が非常にひんぱんでありますから、これは別の方法で規制をしていかねばなりません。交通整理はもちろん必要でございますが、また二面におきまして陸上からの工場排出物、こういう関係もありますし、水質汚濁の問題、こういう面もありますけれども、ともかく瀬戸内というものは非常に有望なそういう対象として研究開発をしていくというかまえが必要ではないか。それならば別の意味における五カ年計画、別の意味における十カ年計画というものが立てられなければならぬ。水産庁も思い切ってひとつこのくらいのことを考えるという時代じゃないかと思うのです。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 先ほど科学技術庁のほうから御説明がございましたように、海洋開発の一つのプロジェクトにも栽培漁業というのがあげられておりますので、それによりまして技術的にも十分検討いたしまして御趣旨に沿うようにやってまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 香川県の屋島、それから愛媛県にまいりますと伯方島とかあるいは岡山の玉野あるいは大分の上浦あるいは鹿児島の志布志、鹿児島、大分、宮崎あたりまで全部含んでいるようでありますが、これは外洋に接近したところであります。だからこれらの場所は私は現場を見ておりませんけれども、もっとこれは充実していかぬとやはり間尺に合わぬじゃないだろうか、こう思いますが、かなり積極的な姿勢らしく思うのですけれども、これは大蔵省もちょうど見えているときですが、予算の要求は来月です。第一次要求の時期でしょう。相当具体的な予算要求でもあなたのほうは御計画をお立てになっているかどうか。去年、おととしの実績にかんがみて、今後このような答申の時期とにらみ合わせて相当積極的でなければならぬと思いますが、その辺のかまえはどうですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 現在の五カ所の事業場では実験的な種苗の生産、ふ化等をやっておりますと同時に、漁民の研修をあわせて行なっておりまして、それらの研修を受けた漁民が帰りまして栽培漁業というものをおのおのの地域で普及していくということをやっております。いま海洋科学技術審議会の答申がございましたので、それを十分尊重いたしまして、来年度の予算要求等を検討してまいりたいというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 松下主計官、あなたに伺っておきます。  あなたのほうは第一にいろいろと選択、選別をなさる非常に重要な場でございますが、やはり佐藤総理の姿勢にかんがみましても、海洋開発の問題、特に瀬戸内を中心といたしましたいまの養殖漁業ですな、まさにこれは画期的な漁業に間違いございませんですから、とにかく種から稚魚をつくって、そして幾らか大きくなったやつを何億というほど他へ分布いたしまして、それを育成していこうというのでございますから、まさに食糧資源といたしましてもきわめて重大な画期的なものであります。すでにあなたも万御承知のことと思いますけれども……。  ところで、政府がいま、地域にその事業をいろいろと委託してやらしておるようでございまするが、その稚魚の生産を委託したりしておるような経費が非常に少ないのでございますね。各府県のほうへ稚魚をさらに飼育するような経費がどのくらいあるのだとちょっと聞いてみたところが、各府県に百万円しかないとか、それはちょっと話がけた違いじゃないだろうかと言うたぐらいでしたが、そういうことからかんがみますと、ほんの顕微鏡的な実験段階にあるというような認識が前提になっているんじゃないだろうか。すでに将来の未来型の産業といたしましても、企業家は海洋土木、海洋工学等をめぐりまして、将来新しい開発をしていこうというような情勢も一方に見えるときであります。見えるときに、政府がせっかく一つの企画をして臨んでいこう、食糧問題の解決にもなろう、漁業問題の解決にもなろう、あるいは積極的な海洋開発になるということを企画しておりますときでありまするのですが、この辺については過去の予算を再検討する、そして今後は、ことし来年にかけまして、ことに何年計画ということにかんがみまして積極的な姿勢でこれを検討する、こういうかまえが絶対に必要なように感じるのですが、具体的にまだ案が出てきませんから、予算要求のないときですから、この問答は少し仮定を前提にした問答に終わりますけれども、かまえだけでも聞いておきたい。真剣なかまえで積極的に取り組むべきでないか、こう思うのですが、どうお考えになりましょうか。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 国民のたん白資源の確保という見地から申しまして、栽培漁業の実験事業は非常に有意義な事業であるという点につきましては、先生の御指摘のとおりだと考えております。瀬戸内海栽培漁業センターの予算につきましては、たとえば四十三年度一億三千万円の予算に対しまして、四十四年度は一億四千四百万円を国費としても計上したところでございますけれども、この事業はいまなお実験研究の段階でございますので、これがまだ大規模に事業化いたしておるというところまでまいっておりますん関係上、経費といたしましても、おおむね関係者の御要望の程度には研究を継続し得る費用と考えまして、計上いたしておるわけでございます。この種の事業は、将来これが成功いたしまして、企業化できるということになりますと、その利益は漁民なりあるいは関係地方公共団体なり、あるいは間接的には国なりそれぞれに利益があがってくるわけでございまして、そういう段階に立ち至ることができましたならば、あるいは企業採算的にこれを大規模に実施するということも可能になろうかと思うのでございますけれども、現在の段階では、なお試験研究という意味におきまして、四十五年度予算につきましても、水産庁の要求を十分検討をいたしてまいりたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 四十三年並びに四十四年の水産庁所管の予算書によって見ましても、事項といたしまして「瀬戸内海栽培漁業センターに必要な経費」といたしまして、一が、漁業の振興をはかること、そして漁業資源の保護に関する漁民の教育、二が、瀬戸内海栽培漁業の指導監督、こういう二つの説明がついておるようでございます。でございますが、やはりこれは直ちに採算が合うかどうかというそれに入る以前に、これはやはり国の施策といたしまして大きく取り上げた海洋開発の一環でありますから、こういう角度から見まして、政府は相当な財政投資をするというぐらいなかまえをもちまして、すぐに利益採算はどうだろうか、独立採算はどうだろうかというような辺に頭がいく、それも大事かもわかりません。けだしむだを省く、投資に対する効率は逐次測定なさることは当然の原則でありますから、大蔵省はその辺は厳密に行なわれることは当然であります。けれども、もうからぬからちびちび出していく、そして漁民の教育を行なうなんていうが、こんなものでは私はないと思うんだ。それから漁業の指導監督、栽培漁業の指導監督といいましても、これはさっきもだんだん問答がありましたように、技術者の養成が先決ですよ。そしてその実態調査も先決ですよ。それから公害が妨害しておりますね。公害が妨害というが、公害とは何ぞやということを決定しなければいけません。たとえば水がよごれている。よごれた原因は、これはよごれたから貝が死んだ、魚が死んだ、ノリが枯れた、一体その原因かどうか、これは一体何ものか、一体よごしている原因は何かということを追及しようとしましたら、まだ科学的に確定しておりません、そこらの試験場を聞いてみましても、専門家がいま一生懸命にやっておりますという段階です。ですから、そういうことにほんとうに力を入れるということは、との種の国策遂行上の行政庁の使命であります。企業ということに即結んでしまいましたならば、これは企業家の精神でありますから、即利益採算ということにつながっていく。利益採算を度外いたしまして、たとえばアポロ二号を上げるという問題にしましても、すぐに企業に結ぶことは不可能であります、何兆円の金を使いましても。だからそのくらいの意気込みをもって大蔵省は対処する必要があるのではないか。それほど重要性を持った使命がこの栽培漁業というものに与えられて、かつ将来の未来性がある、発展性がある。また日本はプランクトンは無限でありますから、こんな環海で魚を養成というのは、これは極端にいうなら、しろうとの考えをもってしましても、何ぼでもわきますよ。何ばでもわきますから、いまごらんになったらわかりますように、あっちこっちで電車の古手を持っていって魚巣をつくってみたり、何か知らぬけれども、コンクリを入れてみたりするようなことさえ行なわれるときでありますから、こんな幼稚なことはそれはそれでさせておいて、少なくとも栽培漁業というような、これは一つのパイロットファームみたような概念ですね。そういうものだと思います。だからパイロットファーム的なこのような事業は、やはり相当財政投資をして研究開発をするということに第一次的な目標を置く、ということに大蔵省の方針、態度を基本的に置かなければいくまいと思います。そうしないと、すぐに利益にならぬ、利益にならぬのだったらあまり投資したらいかぬ、また利益になるのだったらもうちょっと返せ、こういうけちくさいことではこんなものは伸びませんよ。その辺についての基本的なかまえについてしかるべく御答弁をいただいて、吉田がこんな要らぬことを言っているということを大蔵省で一ぺん御相談してください。いかがでしょう。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 栽培漁業の試験研究の重要性につきましては十分認識しておるつもりでございますので、明年度予算につきましても必要な経費につきましては十分研究の上、これを計上していくように考えたいと思っております。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 ただいま御指摘の御意見、全く私どもも考えているところでございますので、先生の御意見を尊重して来年度の予算要求を考えたいと思います。  ただ、大量の稚魚の確保という問題は、ただいまの技術段階ではそう簡単ではございませんので、その基本的な研究をもちろんあわせてやっていきたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから瀬戸内に限定いたしますと、大衆魚にあらずして高級魚というおそれがないではありません。私はやはり国民的視野に立ちまして、国民の福祉増進、たん白資源の供給、食糧問題の解決の一環として考えますときに、できるだけ可能な魚種類を育成していく、稚魚をつくる、こういう多角的な目標を持つべきでないか、こう思うのであります。そういう意味におきましてやはり相当大胆な放胆な門戸を広げました調査研究の機関を設置する、人材を養成する、そしてまた必要な経費を組む。もちろん、そうかといって、むだなことをしてもらっては困ります。海へ捨てるようなことをしてもらっても困りますので、その辺につきましては厳重に効果を考えながらやってもらいたい。これにつきましては、最近大蔵省が中心になって一生懸命やっておられる例のPPBS、この一つの計画を持ちました予算制度というものも一導入いたしまして、あなたのほうにおきましては特に基礎的な素材、資料が相当あるはずでございますから、一そう精密な資料を取りそろえて基礎的な研究調査、結論、資料を前提といたしまして予算を編成するということになりまして、ひとつ大胆な大がかりな計画を立てる、財政の裏づけをするような計画を立てるというところまで水産庁がやること、これを水産庁のここ当分の間の最大の使命ぐらいに考えておやりなさい。これは国民は絶讃します。私はそう思うのですが、どうですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 私どもも従来からクルマエビ、ガザミ、アワビのほかに可能な限りの魚種を放流すべく、種苗の生産の研究をいたしておりますし、技術者の養成につきましても漁民の研修施設をフルに活用いたしまして、今後ともやっていきたいというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最後にちょっと一点だけ言うておきます。魚のみならず例の植物の栽培につきましても相当可能性がある、こう思います。たとえばノリにしましてもワカメにしましても、そういう海洋植物の計画的栽培、養殖は可能なり、こういう前提に立ちまして、その可能性の限界について研究を進めてもらいたい。  もう一点は、さきに申しましたように、海上交通法がことしは出るかと思いますが、これとの調整の関係、交通規則の関係、これも相当重要でございます。  それからまた、ことにあの辺は兵庫県にいたしましてもあるいは岡山県にしてもあるいは大分県、愛媛県、香川県、徳島県におきましても全体が工業整備特別地域等々の地域開発の重要対象になっております。地域開発は申すまでもなく、工業開発が相当主軸をなしております。工業開発になりますと、工場の排水があります。排水は即悪水放流につながるおそれあり。したがって各種の工場が設備されていきますので、この辺の水質汚濁、これも厚生省等と積極的に取り組んでいく必要があるのではないか。そしてこの公害とか交通とかそういうものと調整しながら、新しい養殖ないし栽培漁業が進展するような計画を進める必要があるのではないだろうか。異常な故障が起こってきて、いろいろと弊害を生じた四日市の二の舞いになったらこれもたいへんであります。こういう点が一つ。  それから政務次官、これはあなたのほうの技術庁といたしまして、政府といたしまして重大な課題が一つあるわけです。この種の行政を推進するために、大プロジェクトを確立して推進するというために絶対的に必要なのはばらばら行政にならぬことであります。私は先般も予算委員会でありましたかで、諸政分裂の実態が日本の行政の実情である、諸政分裂があらゆる政策の破綻になる、行政の破綻になる、被害者は国民である。だから分裂しないように、分裂はなわ張りであります。なわ張りは独善であります。これは国民奉仕の体制じゃございません。ですから国民の福祉増進、国のために社会のためにという見地に立ちまして、総合調整の機能を十二分に発揮する。そのためには総理のほんとうの政治力の発揮といいますか、総理の権限の発揮ということに究極はつながると思います。いずれにいたしましても、科学技術庁としましては、さっきお述べになったような各省庁の関係がずいぶんと広範にわたりますから、この行政こそ総合調整の典型的なものとして実現し得るように努力をされたい。そういうことにひとつあなたのほうもせっかく庁内の意見を取りまとめるように御努力ください。その辺について一点だけお尋ねしておいて、これで終わります。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 ただいまおっしゃいましたように、当庁は総合官庁といたしまして、この海洋開発の技術的な問題を中心にいたしまして、大いに全般的な海洋開発の技術を高めることに努力いたしたいと思います。ことにありがとうございました。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十九分散会

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