決算委員会 第20号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/06/19
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 総理府所管中、総理本府、公正取引委員会、土地調整委員会、首都圏整備委員会及び宮内庁について審査を行ないます。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。浅井美幸君。
○浅井委員 総務長官にお伺いしたいのですが、沖繩の件でありますけれども、ことしの四月の三十日に新全国総合開発計画の答申が出されました。その答申の中に、昭和六十年を目標とし「長期的視点と広い視野に立って検討を加え、国土の総合的な開発の基本的方向を見定め」ることがうたわれております。なぜこの答申の中で、施政権返還の近い沖繩についての検討がなされていないのか。むしろ本土以上にこの計画の中で沖繩の位置づけを明確にすることが現状からして必要なことではなかったか、このように私は率直に疑問に感ずるのです。この点についてどうでしょうか。
○床次国務大臣 白書の中におきまして沖繩の計画そのものは書いてございませんが、しかし沖繩の返還ということを予想いたしまして、今後立案すべきことを中に指摘しておるのであります。したがって、沖繩自体におきましても、今度の開発計画全般を考えまして、沖繩自身もその一環としての立場に立ちまして、経済の開発を行なってまいりたいと思うのであります。現在復帰ということを対象といたしまして一体化計画をいたしておりまするが、この一体化計画は、とりあえず制度なり現在の経済情勢あるいは県民生活の一体化というところにあるわけでございまして、将来のビジョンから申しますると、きわめてその点は消極的なものでございます。積極的な将来のビジョンというものは、いわゆる振興計画というものを通じまして実現してまいりたい。これは復帰後の立場に立ち、過去の長い間の空白を埋めるばかりでなしに、新しい沖繩県という視野に立ちまして、しかも地理的に申しますると日本の一番南にあり、東南アジアに一番近いという点、また自然現象等におきまして、特に亜熱帯区域であるし、動植物等においても変わっておるというような状態を踏まえまして検討してまいりたい。したがって、今度の白書におきましても、沖繩県の返還の際におきましては同じ方針で扱う。沖繩県自体におきましてもこの基本方針に合致しました計画で動くという前提で考えておる次第であります。
○浅井委員 いま御答弁の中で、本土と同じようにというお話がございましたけれども、同じようであるならば、その答申の中にこれがうたわれていないということはますます私はおかしいと思うのです。現在沖繩返還問題が非常に大きくクローズアップされて、一日も早い本土復帰を願っておる沖繩住民たちの悲願、また政府の発表によれば、七二年に返還のめどを持って交渉を進めておるというふうにいわれております。しかるにこれは昭和六十年を目標としておる。口で一体化政策を唱えながら、やられておることは、いま長官のお話では、その計画だけは若干検討すきだということについては打ち出されておるけれども、具体的には何ら示されていない。私はほんとうに本土との一体化政策、一体化政策というふうに口で言われるならば、この全国総合開発計画の中においても一、沖繩の開発方式等も含めて、国土として——いま沖繩県とおっしゃいました。ほんとうに沖繩県という考え方があるならば、いわゆる本土並みの、日本の国土としての総合的の見地に立った基本的な方向を見定めることが、短期的な一体化政策とあわせて必要ではないのか、このように私は思うのです。
○床次国務大臣 ただいまの御意見のような趣旨に考えておるのでありまして、この白書の中におきましても、さような意味におきまして沖繩を取り扱っております。ページ数、具体的な字句は私、覚えておりませんが、沖繩というものが将来返還せられるということを予想いたしまして、やはりこの計画によって考慮されなければならないというような趣旨のことが入っておるのであります。現在入れておらないことは、現在まだわが国の施政下に返っておりませんので、現在の直接の対象にはしておらない。しかし御承知のごとくすでに復帰の問題が進んでおりますので、沖繩県の一体化政策、これを行ないますことは当然であります。復帰の際における摩擦をなくするという意味におきまして、これを行なうということは当然でありますし、なお受け入れの際におきましては、さらに振興計画を立てるということを私ども予定しております。その際におきましては、十分この白書の精神というものを考えながら、本土の一環としての沖繩県のあり方をきめてまいりたいと思う、かように申し上げたので、根本的な趣旨におきましては沖繩を除外するということはない、当然これは念頭に入れて私どもは扱っておる次第であります。
○浅井委員 念頭に入れられておったというあれでございますけれども、具体的には全然示されていないわけです。現在施政権下にないから、だから具体的なことを入れなかったという答弁でありますが、昭和四十三年の十一月五日の会議で、前田中総務長官は、この新全国総合開発計画の中で、沖繩の位置づけをしてもらいたい、このように強い要請があったと私は聞いておりますが、現在の床次総務長官は、この答申に沖繩を含めることについての努力をどれだけなさったのか、こう いうことをお聞きしたいのです。
○床次国務大臣 田中前長官が要望された趣旨をそのまま踏襲しておるのでありまして、今回の白書におきましても沖繩に対する配慮のある字句が加えてあるわけでありまして、私どもはその趣旨において行なわれるものと思います。ただ、先ほど申しましたように、現在は本土の直接の施政権下にありませんので計画の中からは除外してある。ただし将来はそういうことを当然考慮して行なうべきだということを本文の中にメンションしてある次第であります。
○浅井委員 私の言っているのは、総合開発計画の中での沖繩の位置づけということを要請をしているというわけですね。だから将来においてこういうふうなことを考えられるという、そういう字句が入っておるというのではなくして、沖繩の位置づけということに対してはもう少し具体的なプラン、具体的な計画、具体的な要望がなされなければならないのではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○床次国務大臣 この点はただいま進行しております一体化計画並びに今後の振興計画というものを検討いたしまして、これが具体化してまいりますと、この位置づけもはっきりしてまいるわけでありまして、今日、総合開発計画の関係者におきましても、沖繩の事情は知らないではない、十分その点将来のことを予想しておるわけでありますが、各論といたしましては今後の検討にまってまいりたい、今後の振興計画等を見ましてはっきりとした位置づけが出てくるというわけであります。
○浅井委員 私が一貫してこの問題を取り上げているのは、口で一体化政策ということは言われておるわけです。しかしその明確なビジョンをこの中でうたうべきではなかったか。将来においてそういうものが——いわゆる総合開発計画というその計画の中にある答申ですから、六十年をめどとしております。いわゆる昭和六十年という、そういうところを目標とした長期ビジョンの上に立った新総合開発計画なんですから、当然七二年の返還を予想されておるのですから、その点施政権がアメリカにあるとかないとかということを度外視して、そして一体化政策というもののその根幹の精神の上に立つならば、施政権返還の際にはこのようになるのだということを、いわゆる一体化政策の上から今度はもう一歩進めて、返還された場合の、返還のいわゆるめどを中心としたところの総合開発計画の中に含まれるべき問題ではないか、このように思うのです。
○床次国務大臣 御意見のとおりでありまして、施政権の返還までの間は一体化ということを実行してまいりたい。しかしめどがつきました後におきまして、今後の積極的な振興計画というものができるわけでありますが、この点は施政権が返っておりませんと、なかなか実行が困難であります。現実の計画を立てますまでの間にはいろいろと深い検討も要するし、なお、御承知のごとく基地のあり方その他におきましても、めどのつきます後におきまして、基本的な態様、あり方も想像できるわけでありまして、今日におきましては未確定な要素が非常に多いわけです。したがって、確立したものを今日持たないことは当然でありまして、今後めどのつきました機会を契機といたしまして、振興計画をすみやかに私どもはつくってまいりたい。そういうものが今後の総合開発計画の中に当然反映さるべきものである。ただ反映さるべきものであるということの精神が現在の白書にはうたってあるだけで、具体的のものをそれに書き込むまでには至っていないのは、ただいま申し上げたとおりであります。
○浅井委員 時間の関係で、あまりこの問題で繰り返されないのですけれども、どうか、口でおっしゃっていることをやられることとあまり差のないようにしていただきたいと思うのです。 次の問題でありますけれども、沖繩におけるところの金融、あるいはエネルギーの問題でありますけれども、御承知のように琉球銀行は沖繩最大の商業銀行ですね。全金融機関の融資の三分の一を占めております。株式の五一%は米民政府が持っております。またさらに琉球開発金融公社、開銀といわれていますけれども、沖繩唯一の長期資金の供給機関、これがまた民政府の出資に全額なっております。これらと、あるいは琉球水道公社、琉球電力公社、これらの資本金が民政府の出資になっています。このいわゆる出資に関して、利益率といいますか、純利益で返ってきているのが非常に高い。日本の一般の国内におけるところの企業の実績、純利益率に比べて、沖繩におけるところの純利益率、これが非常に高い。たとえば六七年度の一般資金の総資産は一億ドルをこえておりますけれども、一億ドルで千七百万ドルの収入をあげています。この純利益率は一七%、本土の全産業の総資本の利益率は三%そこそこという低いものです。この純利益率から見る限り、一般資金の独占利潤が非常に大きいのです。この辺に対する見解はどうでしょう。
○床次国務大臣 私、専門でありませんので、金融の問題には詳しくございませんが、今日ありまするところの開発公社というものは、御指摘のようにアメリカの資本が半分以上を占めております。その主権はアメリカの民政府の主導権のもとにあると言っていいと思います。したがって、将来のことを考えまする際におきまして、これをいわゆる一体化の原則のもとに本土側の金融機関に改組する必要があるのではないかということが論ぜられておるのであります。今日諮問委員会におきまして、この公社のあり方につきましては検討いたしておりまして、鈴木源吾氏を顧問といたしまして調査をいたし、不日その答申案が諮問委員会に出ることになっておりまして、その出ましたものにつきまして、諮問委員会で十分検討いたしまして、結論を出してまいりたい。しかし今後のあり方から申しますると、復帰の場合を予想いたしまして、その運営等は、ひとつ改善と申しますか、新しい時代に合うようにいたしたいということを基本的に考えております。 なお、金融の問題、概括的に簡単に申し上げますると、現地におきましては金融が非常に払底しておりまして、低利、長期の資金がないというのが現在の沖繩の金融面におけるところの非常な困難性であります。したがって、これを緩和するために、本土におきましては本年度において五十三億の政府資金を琉球政府に導入して援助いたしまして、そして琉球政府からそれぞれの公社にこれを貸与して、長期の金融に寄与するということにいたしました。これによりまして産業の開発を目ざしておるわけでございます。 しかし、この金融の各公社等も、本土におきますところの将来の開発銀行あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金あるいは農業機関というような各種の機関として活動し得るように、一体化政策におきましては漸次改組してまいりたい。そして復帰いたしました際においては、本土の公庫の支店としてこれが活動できるというふうな態様にいたしたいと思っておるのであります。そういう組織の編成がえと同時に、現在きわめて不足しておりますところの長期、低利の資金に対して特別な援助をいたしておるのが今日の状態でありまして、なお今後におきましても引き続きこの点に対しては配慮いたしたいと思います。
○浅井委員 その点は、実情はよくわかりますが、私の言っているのは、沖繩は御承知のように基地経済といわれております。ところが、その資本や金融関係は、アメリカの民政府のほとんど独占という形で、非常な純利益をあげている。ことばを変えれば、これは島民を大衆収奪といいますか、多くの人たちに利益の分配というものはなくて、そういう独占的なもので島民の生活向上を妨げているのではないか、こういうふうに私は感ずるわけなんです。琉球電力公社だとか琉球水道公社というものは全部民政府の出資で、財産や収入や経費については、これまた免税特権が与えられているわけです。そういう免税特権が与えられ、特別保護をされておるそういう公社の経営のやり方に大きな問題点があるのではないか。 さらに問題点としては、現在の石油供給についても米民政府が独占しております。沖繩の石油の輸入、販売は、米民政府の任命による五人の委員構成の石油審議会で決定される。この委員の構成は、二名が米民政府であり、一名が琉球列島の米陸軍であり、二名が琉球政府から選ばれる。沖繩における石油の自由輸入は禁止されておる。販売機関は琉球石油が取り扱っております。これは民間でありますけれども、この民間の国際入札にあたって米民政府によって許可をされておる。こういうふうに沖繩におけるこういう企業は一貫して全部民政府が握っておる。こういうあり方について、長官としてどういうふうに感じられるかということでございます。
○床次国務大臣 ただいま特殊な事業として、電力、水道、石油事業等をおあげになりました。全く特色を持っておりまして、これが現在のアメリカの施政下の一つの大きな特徴をなしておる。したがって、こういうものに対しては今後できる限り復帰の際の状態というものを検討すべきでありまして、電力、水道等、直接国民に関係のありますもの、民生に関係のありますもの、なお石油につきましても非常に関係が多い。これは今後の復帰後のあり方に対しまして本質的に検討をいたすべきものでありまして、御承知のごとく電力につきましても、水道につきましても、これは言えると思うのでありますが、元来軍の需要を中心として発展してまいったのであります。 例を電気のことについて申し上げますと、軍を中心とした発電所を中心としてものをつくる。その後、民需の増大に従いまして発電所を増設してまいりましたが、しかし全体の電力はプールしてこれを使っておるという形なのであります。今後返還後基地の態様ということによりまして、これをあるいは軍用と民需と分離するということが可能かどうかということも検討しなければなりません。これはなかなか複雑な状態であります。送電線もかなり共通のものを使っておるわけであります。なお、電力の需要の関係も、お互いにプールしているために補い合っているというような状態でありまして、今後の重要な問題であると思っております。 水道につきましても同様に考えております。 なお、石油につきましても、復帰後におきましては本土の石油業界のあり方というものとの一体化ということも考えなければなりません。これは復帰のめどがつきますときに、それから返還までの間にぜひとも解決しなければならない重要な問題と私ども心得ておりまして、いまからその心の準備をいたしておる次第であります。
○浅井委員 重要な問題なので私もお尋ねしているわけですけれども、返還にあたって基地の態様等いろいろといわれております。軍事問題に焦点が合わされていろいろな問題をいわれておりますけれども、いまのようないわゆる民間企業と類似するもの、そして沖繩島民百万人の生活に密着しておる水道あるいは電気または金融、これらは今後返還にあたって重要な問題なんです。これに対して具体的に七二年を返還のめどとしておる。いま一九六九年ですから、あと三年です。具体的な計画がなくて返還、返還ということを口にしておる、あるいは一体化政策ということを口にしておっても、その具体的な構想ができ上がっていなければ返還がますます延びるのではないかという懸念があるわけです。あとでまたもう一ぺん金融の問題でお聞きしますけれども、このことについて総務長官としての具体的な構想はお持ちなのでしょうか。
○床次国務大臣 先ほどの開発金融公社につきましてはすでに調査をいたしまして、諮問委員会に調査の結果を提出するというところまでいっておりますが、電力なり水道等の問題につきましては、やはり基本的に復帰の時期、めどというものとの関係があるわけでありまして、復帰の際におけるところの取り扱い等につきましては、復帰の問題と関連いたしまして解決すべきものと考えておるのであります。私どもはこういう問題に対しましても十分に復帰の時期に間に合うようにいたさなければならない、さような意味におきまして検討いたしておる次第であります。
○浅井委員 私どもは七二年が返還のめどというふうに伺っておりますけれども、この点について長官は一体どの程度に返還のめどを置いておられますか。
○床次国務大臣 この点につきましては外務大臣がすでに本会議におきましてお答え申しておるし、総理大臣も申し上げておるとおりであります。
○浅井委員 具体的にはどういうことですか。
○床次国務大臣 すでに愛知外務大臣がニクソン大統領と基本的な話をされておるのでありまして、七二年には返還を実現したい。なお、今後数回の会議によりましてこれの具体的な手段、方法等において詰めが行なわれまして、佐藤総理大臣の訪米によりましてめどが明らかになると信じております。
○浅井委員 ということは七二年がやはり返還のめどになっているわけです。先ほどあなたは返還のめどがわからなければ具体的に詰められないとおっしゃった。そうすると七二年が返還のめどになるといまあなたがおっしゃったのですから、七二年を返還のめどにしてなぜいま具体的にいろんな計画をしないのか。先ほどの新総合開発計画にしても同じでございます。いまの問題についてもどうなんでしょうか。
○床次国務大臣 私が申し上げましたのは、ことしの十一月に佐藤総理が訪米されますると返還のめどがつく、めどがつきますとアメリカのほうにおきましても返還する気になりますし、われわれのほうも受け入れをするという正式の手続が軌道に乗るわけでありまして、しかも返還実現の時期は、今日、目標としては七二年を目標としておりますので、めどがつきましたときから返還の時期までの間に具体的な結論を詰めてまいらなければならない、かように私ども今日から考えておる次第であります。
○浅井委員 それから高等弁務官の一般資金でございますけれども、昭和二十七年度に始まったところの沖繩に対するガリオア、いわゆる占領地救済援助資金の売り上げ代金を資本金として設置された琉球開発金融公社あるいは琉球水道公社あるいは琉球電力公社及び琉球銀行の運営収入、また油脂売り上げの収益金、これは高等弁務官の一般資金としております。これらの点について非常に純利益率が高い。こういうことを指摘してきました。ここで問題点として、これらガリオア資金というものは、日本がかつてガリオア、エロアを対米債務として返還したことがございます。沖繩の場合において、今後対米債務として施政権の返還後もこれをアメリカに返還することになるのでしょうか。
○床次国務大臣 かような各資金の取り扱いにつきましては、いずれ復帰の際における交渉によって明らかに処理すべきものと考えております。
○浅井委員 ぼくは疑問に思うのですけれども、沖繩返還ということがこれだけいろんなことで指摘をされ、あるいは強い要望があるのです。もっともっと積極的なこちらのプランを私は示していっていいのではないかと思います。日本側の意向というものを、もう少しめどがつくまでというのではなくて、めどに持っていくためにも、こういう問題点、こういう問題点といって、そういうことから強い要請をアメリカにしていくべきではないか、このように思います。 さらに問題を続けていくならば、ドルから円への切りかえの問題、沖繩の通貨の問題です。日銀法や貨幣法あるいは臨時通貨法というのが現在あります。ドルから円へ通貨を切りかえることになったならば、これは当然本土並みに沖繩にも適用されることになります。これらの施行に伴って外資法あるいは為替管理法あるいは金融、経済関係法を適用しなければならないのです。この点はどうでしょう。
○床次国務大臣 ドルの円への切りかえは住民といたしましてもまことに重大な関係がある問題でありまして、これは十分に慎重に取り扱うべき問題であります。その問題はやはり復帰ということに関連しておりますので、復帰の時期に実現するように配意いたさなければならない。したがって復帰までの間お互いに手続等におきましては十分検討すべきものと考えております。 それから先ほどお話がありましたが、めどのつかないうちにそういう問題についてもいろいろ話をしたらどうか、検討すべきではないかということでございまするが、やはり返すという立場に立ってからアメリカと話し合いが進むのでありまして、今日アメリカは返す返さぬとはまだ言っていない。本土側が返還を要求しておるのでありまして、この結果、やはり十一月のめどのついたときに正式な話し合いが行なわれるべきものだ、しかしいま現在におきましてもやはりそういう問題があるんだということは、私どもはずいぶん心得て、そうして今後めどの立ちました後におきまして処理してまいりたい。さような心づもりで準備をいたしておる次第であります。
○浅井委員 私は前向きにこのことをお聞きしているのであって、めどがついてから考えるのではなくして、このように考えているということを私はお聞きしたいわけです。ですからドルから円への通貨切りかえのことについてどういうふうに考えているのか。施政権返還前にこのような本土の金融行政権を沖繩に適用することはあなたのおっしゃるとおり非常に困難でしょう。しかし七二年が返還のめどである、こういうふうになるならば、この日程に沿ってその体制を進展せしめることが必要じゃないか、私はこのように思うのです。一体何年かかればドルから円へ切りかえることができるのか、このことについて私は具体的にお聞きしたいのです。特別地域連絡局長、あなたから答弁してください。
○山野政府委員 ただいま御指摘がありましたように、ドルを円に切りかえる問題は非常に重要な問題でございまして、政府としても非常に関心を持っておるわけでございます。しかしこの通貨の切りかえというのは、いま御指摘もございましたが、貿易、金融、住民生活一般に非常に大きな影響を与える問題でございまして、それだけに政府としても、ドルから円への切りかえ時期は慎重に検討していかなければならぬ。場合によれば、経済的な混乱も予想されるわけでございます。したがいまして、いま長官からお話がございましたように、私どもとしましては、現時点におきましては、沖繩が本土に復帰するその時点で切りかえていきたい。もちろんその場合にある程度暫定措置を講ずる必要もあるかもしれません。そういう問題も含めまして私どもは今後、現在もすでに一部政府部内では検討いたしておりますが、慎重に検討いたしまして、あやまちのないような方向に進めていきたい、かように考えておるわけでございます。 それからただいま御指摘ありましたガリオア資金等の問題につきましても、これは奄美の場合にもございましたが、沖繩のガリオア資金につきましては若干性格が違っておるようにも聞いております。この資金を沖繩住民の福祉のために使っていくんだという米側の意向も示されておるようでございます。したがいまして、いまガリオア資金を含めた一般資金その他の財産問題等も含めまして、今後慎重に復帰の時点に向けて米側と交渉をしてまいりたい、かように考えておるのが現段階でございます。
○浅井委員 そんな話はわれわれも本でも読むし雑誌でも読むのです。いまこうやって、わざわざこういう委員会で総務長官やあなた方にお聞きするのは、私は具体的な話を聞きたいからです。たとえば民間の保有ドルを円貨に切り冷える場合に、その具体的な方法はどのように実施していくのか、どのような計画あるいは考え方を持っているのか、これを私は聞いているのです。先ほどからの一貫した話は、そういう具体的な話を聞いている。一体考えているのか考えていないのか、この辺まで考えている、それを明確に私は答えてもらいたいわけです。また、日本の政府が円と交換したドルは、当然外資会計で保有することになりますし、アメリカからそのドルの引き渡し請求があった場合にはこれを無償で引き渡すのか、また沖繩の米軍施設の買い取り請求があった場合に円と交換したドルと相殺するのか、こういう具体的な話を聞いているのです。この点どうですか。
○床次国務大臣 さような面は復帰の実現のめどがつきました後、復帰の実現をいたしますまでの間米側と具体的に十分話し合いを詰めて、復帰の際におきまして切りかえが円満にできますように努力いたしたいと思います。具体的に今日どういう方法でやるかということを申し上げる段階に入っておりませんが、さようなことは十分に検討いたしまして、そして復帰いたします際におきましてはこれが実現できますようにいたさなければならない。またさようすべき心がまえで検討いたしておる次第でございます。
○浅井委員 私は、沖繩に行って琉球銀行の頭取とも会って話をしました。ドルと円との交換については、経済界の彼らの考え方では少なくとも数年かかる、三年から五年。当然そのような必要なものがいま明確な計画がなくて、そして一九七二年のめどだ。めどというのは、そういう話はおかしくないか。沖繩返還問題について一切の問題について切りかえあるいは移管、そういうようなことについて時日を要するものがたくさんあるのじゃないですか。それらについて今後検討する、いままだ具体的な方法を発表する段階でない、そういうふうなあいまいな姿勢でいいのか。沖繩返還に本気に臨んでおられるのか。積極的に日本政府としてアメリカに要求して、一日も早く施政権の全面返還を求めておられる姿勢があるのか、このように私は聞いておるのです。
○床次国務大臣 復帰の問題はこれから交渉が具体的に始まるわけでありますので、その交渉の進捗とともにただいまのような措置が進んでまいるというわけでありまして、今日におきまして具体的な措置を予定いたしまして発表するということ、これは経済界に非常な影響を与えることがありますので、私どもは十分に慎重を期していきたい。しかしいざ復帰となりまして混乱の生じないだけの措置はいたしたいという意味において、抽象的に申し上げたわけで、ものによりましては経過期間を要するものもあるし、あるいは復帰の時点をもちまして一挙に切りかえ得るものもある。非常に広範な問題がありますので、この点は私どもといたしましてもそれぞれの立場に立って検討をいたしておるわけであります。めどがつきました際におきましては、本格的に機構等も充実いたしましてこれに対処してまいりたいと思っております。
○浅井委員 先ほど、ドルから円への通貨の切りかえは、いわゆる返還の時期によって支障なく切りかえたい、こうおっしゃった。一九七二年まであと何年あるのか。秋に一九七二年の返還のきまった場合に、それでこれが間に合うかと、私は重要な問題だからこそ聞いている。これが間に合わないのではないかという懸念が非常に強いわけです。また現地の金融機関の人は、このいわゆる復帰計画、これについてはっきりとしてもらわなければ財界は混乱におちいる、このように言っているわけです。だからこのことについても、いまあなた自身が数年かかるといわれておる。政府は一九七二年が返還のめどだと言っておる。その差があるじゃないですか。これは返還と同時に直ちに切りかえるとは言っているけれども、やっていること、計画しておることと、実際問題とは少し違うのではないか、こういうように私は思う。
○床次国務大臣 これは問題によっていろいろ種類が、複雑さがあるわけでありまして、経過期間を要するものもあるし直接その時点をもちまして切りかえ得るものもあります。したがってこれは具体的にどのような措置をするかということに つきまして今日申し上げる段階ではありませんが、金融の問題につきましては、先ほども申し上げました開発金融公庫の問題につきまして調査を進めておるわけであります。今後ひとつ具体的になりますことを予想いたしまして調査できるものはどんどん進めてまいります。しかし具体的に返還の問題が、相手と折衝ができなければできない問題もあるわけであります。本土側におきまして予想だけいたしましても相手側のある問題でもあります。この点は日米間の交渉に待たなければならないものがあるわけであります。したがって日米間の交渉は、めどがつきました後において始まり得るのでありまして、めどがつかないうちに日米間の交渉というものはなかなかむずかしい。今日において行なわれておりますものはいわゆる一体化の施策として諮問委員会において取り上げられましたものを中心として考えて、それにつながるものとして私どもも引き続き検討いたしておるわけであります。
○浅井委員 いまの長官の答弁はよくわかるんですよ。だけれども私の言っていることもよくくんでもらいたい。実際問題、種々いろいろな問題がありますけれども、確かに返還はきまった。しかしいま経過措置をとらなければならないという問題がある。それはわかる。しかしその返還の時期がきまったときに直ちに一切のことが、返還のその実態ができるようにしてもらいたいわけです。こういう問題点、いまの財界の問題あるいは金融の問題、いろんな問題が山積されておるわけですけれども、その点特段の配慮を私はお願いしておきます。 時間がないので最後の質問になりますけれども、広報関係でございます。一体政府はいわゆる政府のPR費、広報の費用として昨年あるいはことしの予算はどのくらい組んでおられますか。
○中野説明員 お答えいたします。 昭和四十四年度の広報室の予算は十三億三千六百万円でございます。
○浅井委員 去年も言ったのですが、去年とことしと、その内訳をはっきりしていただけませんか。
○中川委員長 中野君に申し上げますが、委員長の発言の許可を得てから発言願います。
○中野説明員 昭和四十三年度は十二億一千九百万円でございます。内訳は、広報室のほうで、企画諸費、放送諸費、出版諸費、事業諸費、公聴諸費、世論調査諸費、こういうふうに大別されております。企画諸費というのは一般の管理事務でございまして、これは昭和四十三年度は一千九百万円。それから放送諸費、これは御存じのようにラジオ、テレビの関係でございまして、五億八百万円であります。それから出版諸費、これは私どものほうで出しております「フォト」並びに「時の動き」、そのほか新聞広告でございまして、これは四億八千百万円でございます。それから事業諸費でございますが、これは少額ながら地方に広報委託費を出しております費用、それから映画関係でございまして、一億五千四百万円でございます。それから公聴諸費でございますけれども、これは私どものいわゆる一日内閣の費用及び国政モニターの費用でございまして、七百二十万円でございます。それから世論調査の関係が四千八百万円。 それから四十四年度には、企画諸費が二千二百万円、放送諸費が四億九千百万円、出版諸費が六億九百万円、事業諸費が一億五千四百万円、それから公聴諸費が前年度と全く同じで七百二十万円、それから世論調査諸費が五千万円、以上合計十三億三千六百万円、こういうふうになっております。
○浅井委員 「今週の日本」というのは扱っておりますか。もし扱っているならば、この「今週の日本」の昨年度の予算あるいはことしの予算をちょっと言っていただけますか。
○中野説明員 私どものほうで、「今週の日本」は四十四年度におきましては二億七千三百万円を出して一応買い上げをする、こういうことになっております。 それから四十三年度でございますが、これは半年度分でございまして、一億九千五百万円でございます。
○浅井委員 この「今週の日本」の企画はどういうところに意義があるのですか。私はこの内容についていろいろな問題点が——いわゆる政府の広報ということについて、どういう考え方でこういうものを扱っておられるのか、これを明確にお答え願えませんか。
○中野説明員 「今週の日本」は、実は私どもと直接関係はないのでございまして、「今週の日本」は国の基本方針なり重要施策につきましてこれを広く国民に伝えるという趣旨で設立されておるわけでございます。したがいまして、私のほうは編集方針には直接全くタッチしていないわけでございますが、そういう趣旨でいろいろ取材に来るわけです。そうしますと、私どものほうでは一般の新聞社あるいは通信社に対すると同様に、資料の提供を求められた場合には拒むということでなく、進んでその趣旨に賛成しまして資料を提供しておるわけでございます。
○浅井委員 この内容を見ますと、これは自民党のPRですか。この内容は与野党ともにの平等性だとか、あるいは国会全体の問題を取り上げているのではないのです。この編集企画という問題は、あなた方チェックできるのですか。
○中野説明員 編集方針は先ほど申し上げましたように私どもはタッチしておりませんで、資料の提供だけをする、こういうことにしております。先生のおっしゃられますように、そういう批判もあろうかとは思いますけれども、今週の日本社は、先ほど申し上げましたように政府の基本方針なり重要施策なりを広く国民に伝える。それから「今週の日本」自体では時事問題に関するところの報道なりあるいは論説を載せているわけです。そして国民の関心の非常にある問題につきましては、今週の日本社独自でいろいろ書いているわけでございます。しかし、もちろん今週の日本社といたしましても、いろいろ論争点のある問題につきましては、たとえば先生のおっしゃられたように自民党なら自民党ということではなくて、あらゆる角度から反対論も掲載するようにという編集方針でございますから、一つの党だけのことではなくて、あらゆる角度から取り上げているはずだと思います。
○浅井委員 取り上げておるはずですか。取り上げておりますか。
○中野説明員 取り上げております。
○浅井委員 それでは、今度の六月十五日の日曜版の「国会運営のあり方と与党の立場」、この座談会をあなたはお読みになりましたか。
○中野説明員 これは、日本放送のラジオで放送したものを収録したものでございます。
○浅井委員 ラジオで放送したならラジオで放送したでけっこう。これは税金でもってやっているのです。ラジオは民間放送でしょう。番組を買うこともできる。時間帯を買うこともできる。これは国民一般の税金でまかなわれて、去年が一億九千五百万、ことしが二億七千三百万、こういう膨大な金額を扱いながら、この内容において何か自民党のPR紙のような印象を受けるかのような扱いの編集をしておる新聞を買うことについて、あなたとしてこれが正しい税金の使い方だと思いますか。
○中野説明員 「今週の日本」は前々申し上げましたとおり、そういう編集方針であり、編集内容でやっているわけです。私どものほうは、要するに政府の基本方針なり重要施策を広く国民に伝え、その協力と理解を求めるということでその新聞を買い上げ、配布しているわけでございます。その新聞は、四十四年度におきましては二十五万部印刷しまして、政府で買い上げておりますのは十八万七千五百部、こういうことになっておるわけです。ですから、今週の日本社自体でも一般購読者あるいは販路拡張をやって、駅でも立ち売りをしているわけでありまして、私どものほうは、編集目的がそういうものでございますので、その一部を買って国民に配布している、こういう現状でございます。
○浅井委員 一部を買うことが正しいか正しくないか、私はあなた方自身の判断がどういうことになっているのかわかりませんが、問題点が多いですよ。「今週の日本」なんという、こういうものが、あくまでも中立的な立場に立つ、あるいは国会全体の問題を取り上げる、あるいは政府のやっていることという中立的な意見で書かれるならばいいのですが、自民党のPRのような、与党の運営の立場だけを強調されるような新聞を税金でまかなうことについては——国民全体は、全部が与党ではない、過半数は与党を支持していない。したがって、このことについて、あなた方自身が編集方針までタッチできない、一般にも売られておるからたまたまその新聞を買い上げておる。じゃ一体、朝日新聞でも読売新聞でも全部一般に売られておるのだから、全部買い上げて配られますか。なぜ「今週の日本」だけをこうやって買い上げてやるのか、その意図をはっきり言ってください。
○中野説明員 お答えいたします。 朝日、読売、毎日、そういう新聞社と今週の日本社というのは、先生御存じのように、設立の性格が若干違うと思うのです。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、私どもは「今週の日本」がどういうふうに国民に受け取られておるかどうかという、効果測定というか、そういう調査もいろいろしておるわけでございます。そういうわけでございまして、政府の基本方針なり重要施策というもの、それを主として国民に伝えるというのに今週の日本社が一番適当であるというので、その「今週の日本」を買い上げておるわけでございます。
○浅井委員 「国会運営のあり方と与党の立場」で園田さんが出ておる。ほんとうに平等でやるならば、なぜ自民党、社会党、民社党、公明党の国対委員長と並べないのか。内容についてもいろいろおかしい問題がある。「社会党は公明党と一緒になって、共同闘争をやっているわけですか、これはどちらが強いんですか。」「よくわかりませんけれども、公明党のほうが強いんじゃないでしょうかね。」こういうふうなことが書いてある。こういう記事がいわゆる中立的な、中間的な記事だといわれるのですか。ではあなた、野党のほうに立っていうならば、この次の企画には野党の国対委員長に全部発言させますか。そういうことは私はいままで見たことはない。野党の書記長や委員長や、そういう人たちがこの「今週の日本」に扱われたことは一ぺんもない。あくまでも自民党のPR紙になるじゃないですか。ならないとおっしゃるのですか。扱っているなら扱った新聞を持ってきてください。
○中野説明員 先ほど申し上げますように、非常に国民の関心のある、それから論争点になっているのはあらゆる角度から取り上げる、こういう方針にしておるわけでございます。その新聞は出てまだ半年もたたないわけでございますけれども、だんだんとそういうふうな「今週の日本」設立の趣旨に沿った編集方針でやっていくと思います。またやっていかなければならないと考えます。
○浅井委員 やっていくと思うとか、やっていくと思いますとかという、そういうあなたの希望的な観測では困るのです。あくまでも完全中立的な立場に立つ新聞でなければならない。先ほどのあなた自身の発言もおかしいですよ。だから「今週の日本」をとっておる、またそれを政府の広報室として取り上げた最大の焦点は何か、時間がないので、長官どうでしょう。
○床次国務大臣 この「今週の日本」は、政府の行政を国民に周知させることを目的としてつくられた民間の会社であります。したがって、政府が行政広報の意味におきまして、行政を一般に周知せしめる手段としてこれの買い取りをいたしておるようなわけであります。したがって、私は政治的また行政の理解を促進するのに十分役立っていると思うのであります。
○浅井委員 行政の理解に役立てるのならば、なぜ立法府の国会運営のことが出ているのですか。
○床次国務大臣 この点は非常に各般のことを、ただいま申し上げましたことを中心としていろいろ取り上げておる民間の週刊紙である。したがって、掲げておりますことはかなり広範なことになると思いまするが、しかし、趣旨といたしましては政府の施策のPRに役立っている、かように考えましてこれを利用しておるわけであります。
○浅井委員 内容はあなたのおっしゃるようになっておらぬじゃないですか。政府のPRをするのに国会運営のあり方が必要なんですか。そういう趣旨になっておると思うけれども、実際は違うじゃないですか。これはどうなんですか。
○床次国務大臣 これはそのときそのときの話題を取り上げておりますので、そういうふうになったと思うのです。趣旨におきましては、先ほど申し上げました趣旨において、これを政府といたしましては利用しておる次第であります。
○浅井委員 そのときそのときの話題を取り上げたとおっしゃるならば、じゃこういう取り上げ方はいいと思うのですが、どうでしょうか。
○床次国務大臣 具体的にその内容をいま存じておりませんので、批判することはできません。
○浅井委員 そういう無責任なことを言ってもらっては困るわけです。これはやはりチェックしてもらわなければいかぬと思うのですよ。私がここで取り上げているのは、こういうふうな取り上げ方の新聞がはたして正しいのか正しくないのかということでいま話をしているわけです。言っていることとやっていることは違うわけです。政府のねらっているのは一体何なのか。自民党のPR紙ではない、これはないのですね。はっきりしてください。
○床次国務大臣 これは政府が国民に周知のために買い上げて頒布いたしておるのでありまして、自民党自体の経営するものでもなければ、また自民党のために行なっているものでもございません。
○浅井委員 その点私もはっきりしておいてもらいたいと思う。国民全体の税金を使うのに、自民党一党のPR紙にされたんでは、国民全体がたまったものではない。したがって、今後のいわゆる編集方針についてあるいはこういう買い上げ方について、今後厳重な監視あるいは指導、監督——税金を使う以上は、今週の日本社だけに編集をまかしておいて、その編集に対するチェックがない、そういうずさんなことでは困る、この点について今後ちゃんとおやりになるかどうか、御答弁願います。
○床次国務大臣 ただいま私の申し上げました趣旨が徹底できますように、この点は今週の日本社とよく話し合っていきたいと思います。
○浅井委員 私の質問はこれで終わります。
○田中(武)委員 議事進行。 いまの浅井委員の質問を聞いておりまして、私は重要だと思う。したがいまして、これは次の理事会で相談することになろうと思いますが、「今週の日本」の編集責任者を当委員会へ参考人として呼んでいただきたい。そうして編集の方針及び政府との関係等について質問いたしたいと思います。委員長においてお取り計らいをお願いいたします。
○中川委員長 理事会で協議しましょう。 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 長官に一点だけ伺いたいのです。二点まで時間があるかどうかわかりませんが、この間の結論です。 綱紀粛正につきましては、基本的に考慮すべき重要なものがある。この基盤となり背景となっておりまする行政改革、それから行政改革に伴います公務員制度のあり方並びに財政の改革、これがやはり相当改革もしくは整理されていくということが綱紀粛正の基盤になるんではないか、その辺を筋道を通して考慮していくということになれば、綱紀粛正の効果は非常にあがってくるんじゃないか、こう思います。その点につきましては、すでに臨調の答申もあって年久しいのであります。総理大臣からもしばしばこの推進には積極的姿勢を示すという答弁もあるわけであります。こういう際でありまするから、綱紀粛正を重視する以上は、根本的に行政の改革、公務員制度の改革、またこれに関連する財政の整理——予算、会計全体の制度を相当検討するという姿勢を並行して進めていくことが綱紀粛正の基盤を整備するゆえんである。基盤の整備なくして、どろ田に大きな鉄の機材を置くようなことになりましては目的を達し得ません。こういうふうに考えます。この点に対する基本的なお考え方を示しておいていただきたい。
○床次国務大臣 公務員が公務を執行いたしますにつきまして、適正にしてしかも厳正にこれを行なうということはまことに必要でありますが、お示しの点は、その公務員が公務を執行いたしますのにきわめて重要な背景であります。関連がまことに複雑、密接であります。単に官紀を厳正にというだけではほんとうの粛正にならないという御意見につきましてはごもっとものことと思います。私どもも十分にその全般的な背景というものが公務員の粛正また適正なる公務執行に役立つように、今後とも一そうの検討をいたしてまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 過去の依命通牒の結果指摘されました具体的措置の例といたしまして、たとえば責任体制の整備、責任の範囲、権限の内容を明確化すること、さらに許認可、検査、調査、物品の購入、工事契約、予算の使用等につきましても、監査が形式に流れるようなことのないように厳重に注意していくこと、あるいはまた人の関係においては人事の配置、同一のポストに長年在任するということの弊害、このような具体的な実施についての方法あるいは服務規律の確保、職務に関係のある業者との接触等の面について一そう厳戒すべき点、これは日常の指導につながってまいると思います。あるいは内部監査の制度を厳に行なう。職務上の秘密の保護の問題あるいはまた不祥事件が発生いたしましたときの処分の関係、これなども不祥事件の発生の原因、職場の実態を再検討するというような点、そしてまた綱紀粛正とのつながりにおきましていかにこの方針を立てるかというようなこと、あるいはまた一般の業者、部外への協力の要請等につきまして、これは当面のことでありますけれども、それぞれの省庁の具体的な措置の例として指摘してあるのでございますが、これらもやはり文章に終わることなく、具体的にいかに実践するかという方針をこれを踏み台にしてさらに立てて、そして各省庁との間で協議していくということがあすへの実効あらしめる適切な措置になってくるのではないか、こういうことも考えております。この点についてはいかがでございましょう。
○床次国務大臣 ただいまお示しになりました通牒でございますが、これはそれぞれ各省で実行せんとするものの最も適例と考えましたものを指摘いたしました。したがって、今後各省庁が自分の職場、職場におきまして最も適正なるものの一つの見本といたしまして採用し、また適当な修正を加えましてそれぞれ実行するということ、これはきわめて必要だ。今後は、何といたしましても、ただいま御意見のございましたごとく、この趣旨に沿って実行させるということ、また公務員の立場から申しますと、実行するという立場が必要であると思うのであります。したがって総理府といたしましては、毎月人事課長の会議がございますが、この会議を通じまして常に相互の研究、意見の交換等督励をいたしまして、この趣旨が十分に反映するようにいたしたいと存じております。
○吉田(賢)委員 結論的に申しますと、このような綱紀粛正を重視すべき時期におきまして公務員みずからがみずからの姿勢を正すということは非常に重要なかなめになってくるのじゃないだろうか。たとえば国会議員にしましてもその他の特別職にしましても、一般国家公務員ないしは地方公務員あるいはまた立法、行政、司法の各般にわたる公務員、こういったいろいろな角度から見まして、公務員の信用が失墜するということは、このような激動期におきまして、特にまっ白な人生深い体験のない青年に与える悪影響は非常に深刻だろうと思います。やはりこういうことが次の混乱というか、青少年問題につながっていくと思います。私は、かかる意味におきまして綱紀粛正の問題をとらえ、かかる意味におきまして公務員みずから自粛する、こういうことは人ごとにあらず、全体としまして非常に重要な基礎的な問題だ、こういうふうに考えております。こういうことについては別に異論のあろうはずはございませんので御同感と思いますが、この点は強くお互い自粛すべきことでございますので、あなたと問答するというよりはこちらも考えなければならぬと思います。格別御答弁は要りませんが、非常に大事な点と考えます。 〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕 それから第二点でございますが、青少年問題でございます。青少年問題は論議せられること相当年月を経てきております。やはり総理府といたしましても青少年問題は非常に重要な問題だ。佐藤総理も国会の施政演説でしばしばこの点は触れております。特にいまの世代におきましては重要でございます。 そこで、あなたのほうの青少年対策処理要綱で大事な考え方について指摘されておりますが、特に今後の施策の重要な根本といたしまして、「新たな精神文明の確立」あるいはまた「進歩する社会にふさわしい倫理観の確立」といったことが強調されております。この点は論すれば相当深く広いものになりますから、時間もないから申し上げませんけれども、新たなる精神文明の確立あるいは物質的に豊富、繁栄するいまの世代、進歩した技術文明の社会にふさわしいような倫理観の確立というようなことも単なる文句に終わっては何にもならぬと思います。ずばっと言えば一体何を、どんなバックボーンを青少年にほんとうに植えつけようとするのか。たとえば家庭の親子の間の価値観の相違、社会に瞬けるそれも同一。あらゆる現制度に対する否定とか打破とかいう思想も、やはりものの考え方、世界観あるいは倫理観、価値観等の相違からくる点が多いのではないかということを思いますと、こういう点は紋切り型の字句に堕するのではなしに、私はやはり何かもっと強いものを示す必要がある。強いものを示すことは文章ではだめであります。やはり身をもって行かねばなりません。いうならば命がけで示さなければなりません。したがってすぐ大衆化しますまい。すぐ全体社会化しないかもわかりません。しないかもわからぬけれども、やはり少なくとも明治百年というような一つの時期ですから、何か大きなものをずばっと出す手はないだろうか。しょせんはずばっと出なくとも、これをみずから実践するということ、もって青少年に範を示すということ、これは基礎でありましょう。それにしましても、せっかくの大事な問題をとらえて新しい倫理観とかあるいは精神文明とかおっしゃる以上は、どうしてもその点に触れていかないといけないと思いますが、何かもう少し具体的な、おのおの実践をするということを基本にいたしまして精神文明なり倫理観なりの確立を打ち出そうというかまえがあるんだろうが、ここがほんとうは知りたいのです。その点だけでもいかがでしょうか。
○床次国務大臣 ただいま御指摘になりましたところは、私は最も書少年対策の骨子になることだと思うのです。現在の青少年対策を見ておりますると、ここに欠陥があるのではないか、この問題を私どもはここに特に指摘をいたしておりまして、将来におけるところの新しい精神文明に対する必要なもの、倫理観等を打ち立ててまいりたいというわけであります。御指摘のように、私どももずばり一つほしいのでありますが、まだ私ども具体的な結論を得ておりません。今後、審議会その他におきまして十分ひとつ皆さま方のお知恵を拝借いたしまして、ほんとうに青少年の進むべき道をつくってまいりたいというふうに考えております。しかし、そういう基本的なものまでには至りませんといたしましても、ここに終わりのほうに書いてありますが、当面の課題といたしまして、疑問点にいたしますものに対しましても数点試案というものも考えまして、その目標をだんだん確立してまいりたいと考えておるのであります。今後とも審議会その他のあらゆる機関におきまして、これは大事な問題でありますのでしっかりやってまいりたいと思います。いままで私ども青少年対策本部におきましても、とかく各省各省におきましてばらばらに青少年対策というものを持ってまいったと思うのでありますが、御指摘のような骨子となるものを中心として、今後青少年の育成に当たりたい、この点は私ども御意見のように考えまして、今後とも一そうこれを的確に打ち出すことに努力いたしたいと思います。また広く御協力も仰ぎたいと思っております。
○吉田(賢)委員 長官、約束ですから、もうけっこうでございます。 それから人事院の佐藤総裁にお尋ねいたしますが、時間の関係でできるだけ要点にしぼりますから、どうぞそのつもりで、人事院の基本的な姿勢とか基本的な考え方ないしはいまの御方針、こういうものを明確にしていただきたいと思います。 公務員制度とその運用あるいは公務員自身どうあるべきかということは、非常に重要な課題だと思っております。その意味におきまして、人事院の持っておられる職責は重要だと思います。そこで、昭和三十九年の臨調の答申に公務員制度に関する改革意見が出ました。これに対しまして、各省庁に向かって所見、回答を要求いたしまして、その際に、あらゆる点について回答が寄せられております。そこで、この詳細につきましては、これもあなたとの問答は時間が足りませんのであとに譲るといたしまして、ずばり公務員制度のあり力ないしは問題点、公務員自身にまつわる諸般の問題等につきまして、何が最も重要であり、改革的な角度からどういう点が一番重要であるか、どういうふうにお思いになりますか。その点だけまずひとつはっきりしていただきたい。
○佐藤(達)政府委員 私どもの考えておりますところを率直に申し上げまして、いろいろお教えを受けたいということで臨みたいと思います。私どもの基本的な考え方は、おそらく吉田委員も御同感いただけるんではないかと思いますが、公務員制度の使命は、第一に適材を適所に導入していく、かくして導入された人々に安んじて適正な規律のもとに職務に励んでもらう、そして国民に対する奉仕の万全を期するということに尽きると私は思います。そういう点からあらゆるポイントをさぐってみますというと、実はどれもこれも私は重要だという考え方で臨まなければならないだろうというふうな気持ちでおるわけであります。したがいまして、ただいまお話しに出ました例の臨調の答申なんかも非常に網羅的に、しかもその中ではどこが重点でどこがそうでないというものはおそらくないのではないか、全部がこん然一体をなしたものとして全部が理想的にいかなければならぬものだという非常に欲ばった考えでありますけれども、私どもとしては、そのくらい欲ばった考え方で取り組むべき問題ではないかと考えております。 それから私どもの心がまえとしては、一応いまの姿は動いているように見えますけれども、これで満足だという気持ちを持ってはいけない。その刺激としては臨調の答申なども一つの大きな刺激でありまして、われわれは満足感ということに安んずることなく、徹底的に前進を考え改善向上をはかっていかなければならないという気持ちで臨んでいるわけであります。したがいまして、たとえばいま公務員制度審議会で検討されようとしておりますような非常に次元の高い基本問題がございますけれども、それらをのけて、私どものおあずかりしております公務員法の運用の問題としては、いずれも重点だという気持ちで臨んでいるということをとりあえず申し上げておきたいと思います。
○吉田(賢)委員 適所に適材を得ること、安んじて公務に専念し得ること、そうして国民の負託にこたえるということは当然のことであろうと存じます。しかし、世の中は非常に大きな変動期でございまして、戦後の日本は相当個人主義が発達しようとしております。法制全般を見ましても、個人の権利というものが強く規定されていく傾向がございます。したがって、義務感とか責任感というものは、人間の生活においては、若い世代には何かつけ足しの感じさえ受けるのではないだろうかというふうに考えるのであります。 そこで、公務員におきましても、憲法には広く国民に奉仕するのが公務員なりとありますけれども、ほんとうに一体奉仕者という考えで公務に専念する人が何%あるであろうか。以前は権力主義の横行時代もございましたけれども、しかし、おまえの命が大事か職場の責任を果たすことが大事かというときには、場合によったら職に殉ずるというくらいな、そういう気魄、精神をもって当たった時代もありました。しかし、いまの時代におきましては、それよりも少しでも楽しい生活を望む、個人の自由をもっと求めるといったような風潮が世の中を支配しているときでありますから、公務員はほんとうに出世できるなら公務につくが、ほんとうに出世できないなら会社に行く、民間で出世できるならそのほうがいいというような出世主義というものが就職する人を支配するのではないであろうか。そういうようなことを思いますと、いまのように適材を適所に求める、生涯安んじてその仕事に専念する、ほんとうに国民に奉仕するというような、純真な次元の高い公務員のあり方というものは、そう簡単には得られないと思います。そこが公務員制度、公務員に関する改革意見が起こります一つの前提になってくるのではないであろうか。またそういうことがいわゆる天下り人事ということになってくるのではないであろうか。言うならばこんなつまらぬ仕事に携わっておるよりも、もっと気のきいた物質的な社会に泳いでいきたいということが生ずるのではないであろうか。どうせ出世できないなら業者となれ合って、少々いいとか悪いとか批判はかってにしろ、これもおれの生涯のあり方というような、そういう考え方が生ずるのではないであろうか。この辺が公務員制度が論議せられる一つの原因になってくるのではないか。こう思いますと、やはり何をねらって取り組んでおられるかはともかくといたしまして、私は問題はなかなか深くして重大だと思います。そういう意味におきまして、どれもこれも大事です、どれもこれも大事であろうけれども、人事院というものは、ともかくあなたの主管事務は、公務員が最善の姿で仕事ができる場をつくることに私はあるのだろうと思うのです。年がら年じゅう人事院というのは公務員の給与だけ考えているところだというような国民的印象を与えるというのは、これはやはり一つの無理解だろうと思うのですが、もっと高い次元で公務員に対処するのが人事院の職務ではないだろうか、実はこういうふうに考えておるのであります。 ただいま申しましたような点、そういう点からくるというと、そこに相当なものをつかんでいかなければいかぬ、相当なものと取り組んでいかなければいかぬということが私は出てくるのじゃないだろうかと思うのですが、そこに公務員問題のいわゆる問題点がある。したがって、これからいかに対策を立てるべきかの問題も生ずる、こう思うのですが、どうでしょう。
○佐藤(達)政府委員 私も戦争前ずっと早くから公務員を拝命いたしまして、ことしで四十一年公務員をやっております。昔といまといろいろ比べ合わせてみますと、ただいま吉田委員のおっしゃるような批判も全然当たっていないとはいえないのじゃないかという考えを持っております。ただ、しかし、現在では憲法も変わりましたし、個人の幸福ということも一がいにこれは犠牲をしいるわけには、完全な滅私奉公を強制するわけにはまいりませんから、そこは広い度量で臨んでやるとしても、やはり公共あるいは全国民に対する奉仕の問題と、個人の幸福の問題は、そこに調和しつつ、そして本来の使命を遂げるべく邁進していただきたいというところであろうと私は思います。しかし最近特に遺憾なことは、公務員の汚職その他の非行事件がたびたび新聞に出まして、非常な世間の批判を受け、先ほどたまたまおことばにありましたように、公務員全体の信用が失われているのじゃないかというふうに非常に憂えるのであります。私どもがわれわれの立場で見ております限りにおいては、決して全体の公務員がそうであるわけではないのであります。先ほど滅私奉公ということを申しましたけれども、それに近い善行を重ねておる者も私どもの周辺にございます。これは人事院の職員ばかりのことではないのであります。各省各庁を通じて私の目にしておるところはたくさんございますので、私はその点についてまだ悲観はしておりませんが、遺憾なことは、ごく一握りの人の不心得のために、それら善良なる、誠実なる全体の公務員諸君の信用が失われておるということが残念であります、美談をたとえば新聞に書いていただきたいと思いましても、なかなか美談の面は出てこないということは、世間全体の公務員に対する一種の感情というものがそういうところに出てくるのじゃないかということから、われわれとしてはそういう面について重大な自粛自戒、反省を必要とするであろう。特に最近そのことを感じまして、これは今日では御承知のように人事局ができておりますから、私どもが独走するべき分野ではございません。人事局とも緊密なる連携をとってやっておることであり、御承知のように人事局では、昨今非常にこの辺に力を入れておられますので、われわれとタイアップしつつ励んでおるわけであります。たとえば公務員のいろいろな研修の機会がございます。そういう機会にもできるだけ私自身が出まして、そういう心がまえの問題、使命観の養成というようなことにも、少しでも力を注いで効果をあげてまいりたいというような気持ちで臨んでおります。その点は、大体私の心配しておるところと吉田委員の御心配のところと共通の面が相当あるのじゃないかというふうに感じます。
○吉田(賢)委員 昔の天皇の官吏の時代、滅私奉公の精神というものを、同様に現行憲法下の戦後に当てはめるということは、これは時代錯誤であることは申すまでもございません。同時にまた奉仕は奉仕として、同時にこれらのすべての公務員に対して適切な処遇を約束するということも、これまた当然でございます。その面は、豊かな物質の社会になれば、科学技術の進歩した社会になれば、それだけ人間としての幅と深さのある物質的な恵みも、これも当然必要であろう。武士は食わねど高ようじというようなことでいまの世界に臨んでいこうとすることは、これはおよそナンセンスでありますから、そういう意味のことは私はもちろん申しません。でありますから、奉仕は奉仕としてあくまでも奉仕であるべきだ、奉仕することがいやだということであれば、これはやはり別の社会で人生計画するということが私は適当でないかと思います。そういうふうに思いますので、この間もちょっとある新聞を見ましたときに、ヨーロッパを歩いてきた、至るところ金もうけの種ありということが談話に載っておりました。ある一流会社の役員の方でしたが、そういうような考え方もまた人生のあり方です。しかし公務員には適しない。だから、奉仕は奉仕、同時に処遇は処遇、また人生諸般の計画をもって、物心両面にわたって豊かな文化的な、そうして合理的な生活を約束する、これが今日の時代及び今後の社会における国家の責務であろう。こういう時代における国家の使命、任務というものはそういうところにもあるのではないか、こう思います。そういうふうな見方をいたしますので、一面的に義務、責任、奉仕をしいるということは、もう全く適しません。だからおっしゃったように、それとこれと、それぞれ区分、規律、筋を通しまして、公務員のあり方を整然と確立する、そうして人事院は人事院の立場において、総理府は総理府の立場において、国会は国会の責任において、それぞれの全部署からこれが目的に到達し得るように努力するという体制をつくることが大事ではないか。その起案、方針、問題点を指摘するということは、これはやはり人事院としては相当大事な立場だと思うのです。 そういう意味におきまして、公務員に関する臨調の答申への回答が人事院から十分出ております。再検討を要する事項がずいぶんたくさん出ておるのです。だから、再検討を要する事項の再検討をやはり当然やるべきです。みずから再検討を必要とするということをお書きになる以上は、これはもう当然再検討すべきだと思うのです。いまはすぐに総裁からこの御答弁は要りません。要りませんが、人事院といたしまして、昭和四十年の三月に各省から出た公務員に関する改革意見に対する回答がございます。この回答はずいぶんたくさんにわたって人事院から回答されておりまして、そのうちの要検討という事項もずいぶんございます。要検討につきましては、これは何らかの意見を出してもらいたい。手数ですけれども、ひとつ文書で当委員会に出してください。それは、詳細なものはよろしゅうございます、簡単でよろしゅうございますから、結論的なもの、結論が得られなければ得られないという程度でよろしゅうございます、内容のあるものは要検討でありますから、検討をしてしかるべきということになっておるのだろうから、もう五年目だから、いまも要検討じゃカビがはえてしまう、それじゃやはり生きた行政にならぬ、私はこう思いますので、適当に、ひとつ至急に委員長まで出してください。よろしゅうございますか。お出しいただけますか。
○佐藤(達)政府委員 ちょっとお話の節々に、何も検討せずに徒過している面もあるようなふうに承りましたが、そういうことは絶対にございません。要検討としておる事項は検討に検討を重ねております。結論を得たものもございますし、まだ残念ながらそこまで至っていないものもございます。結論を得たものはいずれ——いま書面でというお話でございますから、相当自慢話を申し上げてもいいようなものもございますから、それらもあわせて、文書でという御注文でございますから、承知したいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは次に、私は職階制の問題を少し伺ってみたいと思います。 おとといも伺ったのでございますが、職階制につきましては、これはやはり臨調の答申にも指摘されております。公務員制度のあり方、運営につきましては、重要な官職分類の手段とも考えます。これはあなたのほうの回答には出てこないです。臨調には指摘しておるけれども回答には出てこない。そこで、なぜかということをこの間伺っておりましたのですが、きょうはさらに進みまして、すでに国家公務員法の二十九条以下の規定を受けまして国家公務員の職階制に関する法律、地方公務員法によりましてまた同趣旨の都道府県並びに特別都市にこれを施行する、こういうことになっておるのです。 そこで、この国家公務員法の二十九条の第二項におきましては、「人事院は、職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて、分類整理しなければならない。」これは人事院の義務規定になっておりますね。これは昭和二十五年に制定されました。前回にも言ったのでありますけれども、この職階制に関する二十五年の法律は昭和四十年にまた附則の改正がございまして、これには、施行期日を九十日とするといった、言うなら限定をしております。こういうことにもなっておる。なかなかむずかしい問題と思いますけれども、やはりこれは、公務員制度に触れる以上は職階制に触れることなくしては目的を達しないのではないだろうか。詳しくは存じませんけれども、アメリカにおきましては、一九二三年でありますか、かなり広範な職階法ができたはずであります。人によって職務を分類する、人中心に官職そのものを分類するといういき方になってこない。だから、局長とか課長とか何とか長、長というような、そういうことになってくるんではないであろうか。これはまあ天皇の官吏時代にはそれでよかったかもわかりませんけれども、新憲法下におきましてはふさわしくない。そこでこういった官職の分類方法は、これは沿革的には二十二年でありましたか、公務員法が制定されて以来問題になったらしいですね。こういうこともありますので、やはりいまの公務員制度の問題がかくも世上に重大な問題となりつつあるときに、職階制の問題は、すでに法律制定後十余年を経過いたしまして、まだどうも海のものとも山のものとも、あるいはたなに置いてあるものやら実際にたたきつつあるのやら見当がつかぬというのでは、これは法律をつくった国民に対してもほんとうに責めを果たさないゆえんではないだろうか、こうも考えられるわけです。根本的に職階制につきまして総裁はどういうふうにお考えになっておるのか、そもそもどうしようとするのか、もしくはこれが十余年たってもまだ立案もできないというのであるならば、何がそうなさしめておるのかというような辺。これは公務員制度が非常に重大であればあるほど、もっと私は論議してしかるべきだと思うのです。法律があって行なっておらぬというようなこんな法律は、間の抜けたものは、これはおそらく汗牛充棟ただならぬ法律のある日本でもこの法律だけではないかと思うのですね。全くこれはなきにひとしいような存在、処遇しかされておらぬ法律、とんでもないことだと思うのですね。そういうように思いますから、ひとつ総裁の職階制に対する根本的な考え方、何ゆえに行ない得ないのかという辺、そこらをまず明確にお答えいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 最初に弁明を申し上げておきますが、いまのおことばの中に、昭和四十年の法律の附則に九十日でしたか、何か期限が切ってある、それをも無視しておるではないかということがございましたけれども、これは申すまでもなく、その実施期限というのは、当時公務員法が改正されまして、たしか職員の教育、訓練とかいうことばが研修に直りまして、それが職階に関する法律の中に同じことばがありましたものですから、公務員法とことばを合わせる意味で研修ということばに直した、その実施が公務員法の実施と同じ何カ月以内に実施されるべきだということでございまして、この職階制自身をいつまでにつくり上げろという意味のタイムリミットではないわけであります。 しかし、それはつけたりの問題で、お尋ねの重点をなしておりますのは、もう十年余もたっておるのに何ごとかとおしかりを込めてのおことばだと思いますが、これはそういうふうにごらんになるのは一応ごもっともであろうと率直に申し上げておきます。ただし、その間われわれは何もしないでぶらっと遊んでおったのかという点は、これはとくと御了解をいただかなければならないと思います。少なくとも私自身が総裁になりましたときにも、いま法律ではっきりうたわれておるものの中で実現していないものとしてこれが一番顕著なものである、いずれぐずぐずしておると、法律があるににかわらず人事院はなまけておるではないかという御指摘がきっとあるぞ、そういう御指摘に答えられるというようなことはつけたりでありますけれども、事柄の本質からいって、われわれとしてはこれを一日も早く確立すべく努力をしなければならぬということを申しております。途中で、これも御記憶かとも思いますけれども、その日本的職階制を人事院は検討しておるというような新聞記事が相当大きな活字で見出しになって出たことがあります。つけたりでありますけれども、この職階制というのは、公務員の組合の諸君からは非常に警戒をもって臨まれておりまして、そのときも人事院は職階制をいよいよやるそうだ、一体総裁、どういう考え方でそれをやるのだというようなかけ合いを受けたことがございます。一つの面からの誤解としては、やはり昔の身分制、階級制というようなものを職階制によって確立するのではないか、それから職務給をそれによって導入することから、いままでは相当幅広い給与制度になっておったものが、非常に窮屈な職務に即してのワクの狭い頭打ちの給与制度になるのじゃないかというような懸念が相当あられたように思います。しかしわれわれとしては、職階制が直ちにそういう結果に結びつくものではないのであって、職階制は一つの分類表である、分類表をいかに任用の面に結びつけるか、あるいは給与の面に結びつけるかということは、またそれに伴う別の作業の問題であるからして、職階制をつくったからといって心配されるような身分制の確立だとかあるいは給与の頭打ちを導入するというようなものではないということは弁明してきておるわけであります。その新聞記事をごらんになってもわかりますように、とにかくすでにその当時から努力しておるということであります。 そこで、私はいろいろなことを申し上げて、ことばの裏に私の気持ちをくみ取っていただきたいと思いますけれども、非常にいい機会だと思いますので、ことばは少しふえますけれども、お許し願いたいと思います。 ちょうど東京オリンピックの年に西ドイツの政府からたまたま招待を受けまして、私ども三週間でしたか四週間ばかり向こうの役所及び公務員、組合、その他つぶさに歴訪する機会を得ました。そこで向こうの制度をいろいろと検討したのでありますけれども、たとえば西ドイツでは職階制度というものはつくっておらない、つくらなくともりっぱにいくのだということを言っておって、これはアメリカから占領中に示唆を受けたらしいのですけれども、職階制はつくらぬ、私のところではあまり意味を持たぬものと考えているというようなことで、やっておらぬ。大体職階制の本場はアメリカ流のものであるわけであります。私どもはこの職階制というものはそんなに意味のないものかというと、それは決してそうではないと思います。ただいまのことばの中にもありますように、職務の分類というものは正確な分類をひとつつくって、これを表にして、その表をながめながらこの職務についてはどういう給与をあてがう、この職務についてはどういう任用方法をとるというたてまえを考えるということの意味において、相当意義深いものがある。ただしこれも前回私どもの局長からお答えしたと思いますけれども、実は昭和二十七年にこれをつくったわけであります。そうして告示もしましたし、国会にもこれを御提出申し上げた。ところが国会は全然御審議なさらないで、審議未了になってしまった。片やこの告示に基づいてわれわれののやった給与の規則とかなんとかというようなものにつきましても、今度は各省から猛反撃を食った。ちょうど私はそのころは人事院ではなしに、各省側にいたわけでありますけれども、何百という職種をつくって、まるで電話帳みたいなものじゃないか、それで一体実情に合うのかという批判を私自身が申したことがございます。そういう批判が各省から巻き起こりました。片や国会は御審議にならないというようなことから、これが実はたな上げの形になってしまった。 そこで第一にそういう経過から考えて、私自身が猛反省を加えなければいけないのは、これはアメリカ流そのままの直輸入のこまかい分類表などというものは、日本の実情には合わない。そこで先ほど新聞の見出しになったと申し上げましたように、われわれは新たなる構想によって日本的の職階制をつくる。それはまず最初から合理的なおそらくどこからもおほめを受けるような職務分類はできないだろう。しかし現実を考えてみれば、給与の制度の上においてもいろいろな職種を考える、また公務員法でありましたか、給与法でありましたか、職階法ができるまでは現在の給与法に基づく職務の基準、これが職階法にかわるべきものであるということを法律自身がオーソライズしてくれているわけであります。そういう点から見ても、インビジブルな職階制というものは、いまの制度のもとにおいてもある。あの俸給表をごらんになりましても、これは非常にラフな分け方でありますけれども、行政職、研究職、ちゃんと俸給は分かれておる。そうして研究職の中のどういう職種についてはこうと標準職務というものが規則でこまかくきまっております。これこれの標準職務の者についてはここからここまでの俸給をやる、これはある意味ではりっぱな職階制が給与の面でできておると思います。 今度は採用の面から申しましても、御承知のように公務員試験の種目というものは職種によって多様に分かれ、行政職あり、法律職あり、医療職あり、ことに理科系においては非常にこまかく採用試験の分類ができている。これもインビジブルな形の職階制といっていいのではないか。したがってわれわれはあまり大それた理想を追わないで、現実にインビジブルな職階制というものができている、それを一応表に出して、図にかいてみる。とにかくそれは法律の要請にも合う。いまのインビジブルなものをビジブルにするというようなことじゃ意味がないじゃないか。そういうわけじゃない、意味は十分ある。一つの表にとにかくつくってみれば、今度はそれを見ながら、現在の給与制度はこれで妥当かどうか、あるいは採用試験の分け方は妥当かどうか、そういう反省のこれは大きな地図として手がかりになるのじゃないかという意味でやろうじゃないかということで、いまも日本的職階制というものを私どもとしては確立すべくずっと努力をしているのであります。 しかしこれはかつての苦い経験というようなことから申しましても、軽々しく乗り出すべきものではない、よほど慎重に臨まなければならぬということで、これは決算委員会においては御承知と思いますけれども、数年来毎年この問題では百五十万円程度のそのための予算をいただいておりまして、大体そのうち約七十万円、これを調査旅費として、それに基づいて調査をいたしまして、大体一年当たり進捗率は、非常に人数が少ないものでありますから、目ざましくはありませんけれども、毎年大体六十程度の役所につきまして職務の実態調査をやって、そのつど調査結果をまとめております。もちろん民間でもやっていらっしゃる。沖繩がやっておられるわけでございますので、沖繩にも人を派遣して、先年、三年ぐらい前になりますか、一体どういうやり方をしているのかということで資料を集め、たびたび中間報告を私自身がとって話を聞いて、検討に検討を重ねておるわけであります。それだけの努力はしておりますけれども、先ほど来申しますようにこれはなかなか軽々しく踏み出すわけにはいかぬ。かつての苦い経験を顧みます場合においては、慎重に努力を重ねていくべきであるということでやっておるわけであります。 いろいろ申し上げたいこともありますけれども、一応そういう努力をしておるということだけは、御了解をいただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 一つはあなたが昭和二十七年ごろの職階制に関する案についてむしろ反対的な御意見もあったらしいので、そういう辺がまだ若干根が残っておるのではないかという印象を受けます。 もう一つ考えていただきたいことは、こんな激しい進歩の時代におきまして、公務員の事務の能率は一体望ましい状態にあがりつつあるのだろうかということもほんとうは考えなければいくまいと思うのです。大企業あるいは先進的な躍進する各企業界におきまして、人事管理は毎日のごとくに検討されていきます。人事管理が検討されていくという点から見ましても、言うならばたとえば科学的な管理はいかにありや、もっと合理的な管理ができないであろうか、一体いかに時間を労せず仕事を配分して能率をあげ得るか、もっと効率をあげ得るか、同じ予算の執行でありますから、財政の面から見ましても、財政投資と行政の効率というものは絶えず測定をされていかなければならぬ、ということは、いまの企業界におきましては、現実に死ぬか生きるかの戦いのごときすさまじさをもってやっておるのですよ。二十七年に失敗して苦い経験をしたというようなことにいつまでも膠着するということはちょっとどうかと思うことが一点であります。それからまた公務員の組合が猛烈な反対をした。各省からわき上がるがごとき反対が起こったというようなこと、そんなことは気にする必要はないと思うのです。反対する者があってもいいじゃありませんか。正しい意見、適切な意見があるということであるならば、堂々とそれは国会に審議を求むべし。私はそれでいいと思うのです。反対するから引っ込める、出さぬということであるならば、それは要するに外部の反対という圧力で行政を左右するということは、これはもういよいよつのっていきますよ。そんなことになりましたら公務員はその中におぼれてしまいますよ。日本の行政はその辺から骨を抜かれてしまうのです。私はそう思うのです。こういう意味におきましても、私はやはり最新の公務員制度のあり方について、特に一種の労務管理と申しますか、一種の職務管理と申しますか、そういう面につきましても相当な反省をせねばならぬことになっているんじゃないか。この辺から考えてみましても、もっとこの職階制という法律を生かすことを積極的にくふうしたらどうか。アメリカの制度が充実している。必ずしもそれをまねしなくてもいい。西独では職階制のそういう種類の分類なしに行政がうまくいっておる。うまくいったところがあり、うまくいっていないところもあり、それなら日本はどっちにするのか。どっちつかずであっち見たりこっち見たりして法律ができて十年間、それも何もしておらぬというわけじゃなしに百五十万の予算、七十万の調査費を使っていますが、総裁、そんなことではちょっと国民に申しわけないと私は思うのです。むしろそれならば、こんな法律はやめちゃったらどうかということを積極的に提言をするくらいな勇気があってしかるべきだと私は思うのです。ほんとうはそうだ。また、行政府は法律を改廃するという権限はないはずだ。これは国会の仕事でありますからね。とてもこれは今日の社会の実情に適しないという理由を堂々と国民に知らす必要があるのじゃないか。これがやはり一つの人事院の立場じゃないか。こういうふうにも考えられるのですね。だからこの職階制に関する法律によってみましても、人事院は相当重要な責任を負わされておりますよ。この職階法の第四条は、「人事院は、この法律の実施に関し、左に掲げる権限及び責務を有する。一 職階制を実施し、その責に任ずること。」ときちんと書いてあります。だからこの国家公務員法の二十九条以下三十二条まで、この職階制に関する法律の規定等々によりまして、人事院は双肩にこれが実施についての責任を持っておるということになりますから、この法律はだめな法律だというのならば、もっとやはり国民にだめな理由を明らかにする。抵抗があって困難だというのなら、その抵抗はどういう理由かということをこれも明らかにしてもらいたいのです。抵抗もおそろしい、反対の理由も明らかにせられないものを、単にほおかぶりしていくということであるならば、ものの改革というものは前進いたしません。断じていたしません。こんなに激しい時代でありますから、抵抗も少々受けるのは当然だというくらいな気魂を持って、ただし、公務員に心配することはない。その結果は何も給与だけをねらっている目的でも何でもない。いかに公務員が公務員本来の職責を全うし得るかということに、私はあると思うのです。それが人事管理の非常に重点だろうと思いますので、私はやはりこの制度がある以上は、公務員問題がこんなにやかましくなってくるときでありますから、いままさに再検討の時代に入ったんじゃないだろうか。それなら奮起一番再検討しなさいよ。総裁、あなたの御任務中に、あなたは今後十年も人事院総裁をやっておられるわけはないのですから、この段階でひとつ再検討なさいませよ。そうして、かつてはああして反対したけれども、時勢が変化した。公務員の科学的人事管理、労務管理はかくあるべし、こういうような官職の分類法が最も進歩的であるとか、何か一つ相当の結論を持ってあなたの時代にこれは進めてもらいたい。せっかく非常に重大な関心を持ってこられたところですから、打ってつけじゃないかというえらい妙な言い方をしますけれども、そう思うのです。だからこういうことについて、やはり確固たる一つの信念を持って国会に提案なさい。私はその必要があると思うのです。職階制の問題は国会で最近あまり論議されておりませんが、私は非常に重要な問題がちょっと逸脱しておったような感なきにあらずなんです。ましてや公務員法がやかましいおりから、公務員制度、綱紀粛正等々、あらゆる問題がやかましいおりから、特にこの国会におきましては天下り人事等々についてこれからさらに審議していくことになりますが、どうかそういう重要なときでありますので、丁々うこの職階制問題については関心を高めていきます。だから総裁、あなたのほうにおきましても、ひとつ態度をこの際はっきりしておいていただきたい。
○佐藤(達)政府委員 多少の御訓戒と御激励と両方受けた形になりますけれども、ただいまのおとばに対して返すようでございますけれども、私はとにかく人事院というのは中立機関であり、国会にむしろ直属するくらいの気持ちでおるものですから、私が国会に人事院総裁として出てきます場合は、ありのままに、疑問は疑問、おしかりを受けるようなことも、何もかにもざっくばらんにここで申し上げて御批判を受ける、これが誠実なあり方だろうと思いまして、多少甘えた気持ちであれこれよけいなことを申し上げたと思います。したがいまして、いまのおことばにありましたように、かつて私が反対したというふうに非常につづめておっしゃいましたけれども、私が反対したのは電話帳式の、あまりに精密過ぎて現実離れした職階の分類に対して反対した。反対したわけじゃありませんけれども、批判的な気持ちを持ったというだけでありまして、職階制自身が無意味であるとか、害があるとかいう気持ちは、公務員法自身私が手がけた因縁もございますし、愛着を持っておる法律でございますから、そんな気持ちは毛頭持っておりません。ただしそのあり方として、私ども人事院が責任を持って、何が一番適切な日本の実情に合った職階のあり方であろうかということで努力しているわけでございます。したがいまして、もう職階に関する法律をやめていただきたいという気持ちは毛頭持っておりません。この法律のもとにおいて現実に適した形をつくっていく。私どもとしては独善を戒めております。したがいまして、先ほど申し上げましたようないろいろな批判もやはり一応は謙虚に耳を傾けた上で、必要があれば取り入れるべきものは取り入れる、独善だけは戒めるべきだという心がまえでおりますから、いろいろな批判もありましたけれども、それに引きずられるというような気持ちは毛頭持っておりません。そこもひとつ御信頼をいただきたいと思います。 とりあえずそのようなことを申しまして御了承を得たいと思います。
○吉田(賢)委員 それではひとつこの職階制の問題につきましては、さらに積極的に取り組んでいかれるという決意はございましょうか。いままでのように、それは七十万円で調査しておられるか知りませんけれども、ともかく本気でやらないといけません。こういうときですから、人が足りなければ人を求める、予算が足りなければ予算を求める。国の重大な行政、公務員制度の根本に触れる問題でありますから、職階制と積極的に取り組んでいかれる御意思がありましょうか。そこらをひとつ明確にしておいてもらいたい。
○佐藤(達)政府委員 先ほど申し述べましたように、私どもとしては積極的に今日までも取り組んできたつもりでございます。またいまのおことばによりまして、さらにお励ましを受けたものとして、さらに意気を新たにして問題の解決に努力してまいりたい、この決意をはっきり申し上げさせていただきます。
○吉田(賢)委員 四十五年度予算の要求が一、二カ月のうちに迫っております。人事院総裁、そこまで腹をおきめになるならば、やはりしかるべく予算も要求するくらいのことをなさいよ。この点私からひとつ強く御要請申し上げます。そして適当な機会に職階制問題についてはこういうふうな計画を持ち、こういうふうな調査とか、あるいはまた準備とかをしつつあるというようなことも当委員会で報告していただけるようにできれば、たいへん私はいいと思いますから、この点も御要請申し上げておきます。別に答弁は要りません。 人事院総裁、それでよろしゅうございます。 だんだん時間がたってきましたので、次に進みたいと思います。行政管理庁おいでになりますね。まだ総理府が残っておりますので、あなたのほうへは簡単に質問しますから、そのつもりで答えてください。 あなたのほうでは毎年行政改革白書をお出しになっております。これは臨調答申以来国民の要望してきたところであります。本年度はまだ出ておらぬと思いますが、そういうこともあり、それからまたいわゆる行政改革三カ年計画もあります。これもそれぞれの準備がされておることと思います。そこで当委員会におきまして多くの時間を重ねて論じた行政改革の一環としての特殊法人の問題、それからまた行政改革自体に対する基本的な問題、この二つにちょっとしぼっておきたいと思います。 まず、あとのほうの基本的な問題でありますか、行政改革をもっと積極的に推進しなければいかぬということが最近また世論として起こりつつございます。あれだけ大げさな調査もありあるいは答申も出し、また国民の支持を受け、予算も使い等々して、ある種のたなざらしのような感じを受けぬでもない。行政管理庁何をしておるかというふうにもとれぬでもない。ことに監理委員会が活動しておられるのであります。きのうも行政監理委員会が行なわれたようでありますが、きょうさっそく昨日の状況がすでに日刊紙に伝わっております。これは非常に重要な点を指摘されておると思うのであります。 そこでこの行政改革に関しまして、きのう行政監理委員会はあらましどういうことを決定したのであろうか、何をしようとするのであろうか、この点は国民がかたずをのんで見ようとすることであります。同時にあしたへのステップといたしまして非常に大事な点であります。詳しくお述べはいただきませんですから、行政監理委員会の昨日特に協議いたしました結論、どういう方向で何をきめて、何をねらっていこうとするのか、それだけをひとつ明白にしておいてもらいたいと思います。
○河合政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘の昨日の行政監理委員会でございますが、議題といたしましては、「行政改革の現状と課題」と申します俗称行革白書、これの第三巻の編集方針につきまして監理委員会での御意見がありまして、それについての討議がございました。ただいま申しました「行政改革の現状と課題」と申しますのは、これは先ほど吉田先生は行政管理庁というふうに御指摘になったと思いますが、実は行政監理委員会が作成いたしまして今度のが出ますと三回目でございます。四十二年、四十三年にそれぞれ出ておりまして、四十四年の分につきまして担当の佐藤功委員から編集方針についての御披瀝がありまして、これについてのいろいろ御意見があった、これが昨日の行政監理委員会の議題でありました。 なお、これに関連いたしまして、ただいま御指摘のございましたけさの新聞紙上に出ております行革の基本問題についての意見も出てまいりました。これにつきましては、行政監理委員会が委員会の組織としてそういう新聞紙上に出ておりますような検討を行なうというふうな取り上げ方ではございませんで、現在政府が行なっております臨調答申以来の行革につきまして、現在のところでは、具体的には行革三カ年計画の第一次、第二次計画という形、また総定員法の実施に伴う定員管理の強化、合理化というふうな形をとっておりますが、そういうものにつきまして政府部内でのあるいは政府としての決定につきましては、政府機関、各省庁間の調整の問題その他いろいろの問題があるので、非常に自由な立場からひとつ考えてみる必要があるのではないか、そういう意味から、政府の組織である行政監理委員会という立場からは離れて、行政管理庁長官である委員長を除きまして、六人の委員の方々が、自由な立場で臨調答申以来の行革につきましてその重要な点についてよく検討してみよう、そしてそれをまとめまして、六人の委員の意見として、ひとつ各方面の参考にしてもらおうという意味で、勉強と申しますか、何回かの集まりを持って検討してみよう、 これは行政監理委員会としての決定ではございませんで、六人の委員の方々のお話し合いできまつたわけでございます。そういうことでございますので、六人の委員の方々が非常に自由な立場から思い切ってこういう大きな問題を取り上げるべきでないかというような御意見がいただけるというふうに思いますので、私どもの立場といたしましても、それはできるだけ参考にさせていただいて、大いに御意見、お知恵をいただくということで対処いたしたいと思っております。
○吉田(賢)委員 行政監理委員会は委員長があなたのほうの長官で、ことにこれは総理の諮問機関でありますかな、そういう意味からこの行政監理委員会のそのような方向は時宜に適した、最も重要な一つの課題の取り組み方だろうと思うのです。すでに三十九年に答申ができて、ことしで六年目でありますね。だから、同じことを墨守しているようなことでは——これは時勢の変化、諸条件の変化等がありますから、ことに公害問題、交通問題あるいは科学の進歩発達等々幾多の新しい行政需要が起こって予算も膨大になっていっておるおりからですから、全く形も変わりつつある際でもございますので、別の角度からも考えて、かつ答申の足跡を総点検してみよう、これは時宜に適した一つの方向の打ち出し方だと思うのです。これは委員長としまして積極的に行管の長官は見守っていくべきであると思うのです。個人ばらばらのようでありますけれども、決して個人ではありません。委員会の委員たる六人ですから、委員を離れての個人はないはずです。非常に重大な問題に取り組んでおられると思うのであります。その最終的なものは、あなたのほうの長官からも聞きますけれども、あなたのほうの事務的なお立場からいたしましても、かく監理委員会が奮起せざるを得ないというところに、その背景に感ずるものが相当あるのではないか。三カ年計画にしましても第二次案が今度できるのですか、まだ十分に熟してこない。閣議決定を見たのはおととしの二月でしたか、それがいまだにかなり末梢的な問題が多いはずですけれども、それすらもまだ実現してこないという現状でありますから、いわんや各方面にわたり行政改革についての推進は容易ならざるものがあると思います。しかし、それにいたしましても、積極的な姿勢を確立しようというのは時宜に適した方法と私は思うのであります。だから、これはじっと見ておるというのじゃなしに、どんどんと資料を提供するくらいにひとつ協力する、そして六人の委員が結論が出せるように、これは行政管理庁の本来の使命を達成するゆえんでもありますから、どんどん資料を提供するようにしてひとつ積極的に協力していく、こうあってしかるべきだと思うのです。その辺についてはどういうふうなかまえができておるのでしょうね。
○河合政府委員 お答えいたします。 ただいまの御指摘のとおりでございまして、行革問題につきまして政府といたしましても従来できる限りの努力をいたしてきておりますが、なかなか十分御満足のいただけるような結果がまだ出ていないという御指摘だと思います。そこでただいまの行政監理委員の方々のそういうお考えにつきましても私どももできるだけそれを力といたしたい、またお力にもなりたいということで、御趣旨のように対処いたしたいと思っております。
○吉田(賢)委員 白書が出るのは大体八月ですか。
○河合政府委員 きのうのお話では十月の予定になっております。
○吉田(賢)委員 去年は三月じゃなかったですかね。
○河合政府委員 お話のとおり去年は三月に出ております。
○吉田(賢)委員 私は何べんも指摘するように、できるだけわかりやすく、国民の白書になるような、親しみをもって見れるように、大切な問題をどんどん指摘していただいた、こういうふうに受けるような、そんな白書をつくるようにして、そしてもっとどんどんと出すように。去年は三月、ことしは十月、来年は翌々年になるのじゃないかというのではこれはちょっとどうかしておるのだと思うのです。その辺はひとつうんとそれらの諸君に勉強してもらったほうが私はいいと思うのですね。 それから行政改革に伴いまして特殊法人の問題であります。特殊法人の問題につきましては、これは一般に、また関係者の間におきましては何か単純な整理の対象にせられるような感じも持っているようでありますけれども、そうではないというような理解をせしめて、むしろ協力さすという手は打てぬものだろうか。何か受ける印象は、整理するのだか首切りをするのだか縮小するのだか廃止するのだか、そういうことが頭に非常にきつくきておるのじゃないだろうか。これに従事する諸君におきましても、さらに再就職の道、あるいはまた廃止するにいたしましてもあるいは統合するにいたしましても人間の問題については心配する必要がないというような安心感を持たさぬと、これはほんとうは進めにくいのではないだろうか。いろいろと改革案も出ますけれども、その辺のことをまず取り組んでいくときに、姿勢といたしまして十二分の配慮をしていくという必要があるのじゃないだろうか。この点をちょっと先に聞いておきたい。
○河合政府委員 お答えいたします。 ただいまのお話のとおりでございまして、特殊法人の整理その他に際しましても、そのあとの処置につきましては十分に検討をいたすべきであるというふうに存じております。また、従来の特殊法人整理に対しましても、たとえば北海道地下資源を民間会社にいたしました際にも、その後の職員の再就職につきましてはできるだけ努力をいたして遺漏のないようにいたしたような次第もございまして、今後の問題につきましてもそういう点につきまして十分に配慮していくべきだというふうに思っています。
○吉田(賢)委員 北海道地下資源を民間会社にするというあの問題につきましても、やはり人事問題の結末は必ずしも芳しくなかったと思うのです。いろんな批判がございました。やっぱりこういう点もありまするので、十二分にひとつ特に配慮して心配をさせぬように、むしろ協力をさす、こういうふうにする配慮が欠けるのではないだろうか。もう形が変わってしまうのだからあとめんどうを見ないのだというような冷たい感じを与えたのじゃないだろうか。またそういうふうな措置がされなかったのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。その点は、私は老婆心かもしれませんけれども、反対するゆえんのものはあげて反対する。賛成というのはほとんど出てきません。どこへ行ってもそうなんです。愛知用水のときに行ってもやっぱり同様であります。だから、そういう心配は要らないのだということの配慮をまずもってして、そしてこれに対処する必要があるのじゃないだろうか、これが一点ですね。その点は今後の問題でもありまするので、特にひとつ御要請申し上げておきたい、こう思うのであります。 そこで特殊法人の問題でありますが、特殊法人はいわゆる天下り人事との関連におきましてこの委員会におきましてもこもごも何かと問題が取り上がってくるわけであります。特殊法人のあり方につきまして、特に重要な地位にある方について、あるいはまた特殊法人そのものの整理とか充実とか統合とかいろんなものがございますが、重要役職員との関連におきましては、行政管理庁としまして、天下り人事的な臭気とか非難とかいうものを受けないようないろんな施策を用意して、そうしてそれを打ち出しておくということは、これは行政管理庁としては行き過ぎになるのですか。その点はいかがなものでしょう。
○河合政府委員 お答えいたします。 特殊法人の問題につきまして、その特殊法人のあり方でございますとか非常に基本的な検討すべき問題が残されていると思いますが、ただいま御指摘の人事の点につきましては、これは内閣の官房のほうにおいて処理をしていただいておりまして、私どものほうでの所管として扱っておりません。
○吉田(賢)委員 官房で処理しあるいはまたどこで処理するということは一応別にいたしまして、あなたのほうとして一つの所見を出して、こうあるべきだということは、これは出せないのですか。 そこまで行けないのかと私聞いているのですがね。
○河合政府委員 お答えいたします。 私どもの役所に与えられました職務の内容から申しまして、これについて行政管理庁として意見を述べるということは、やはり適当ではないというふうに存じております。
○吉田(賢)委員 監理委員会におきましては、整理とか統合等に並行いたしまして、たとえば役員の数とか任命の方法とかあるいは給与とか退職金とかそういった基準、つまり人事、予算関係というようなものまでも全面的に行政改革の対象とする必要がある、これは国民の要望でもあるからこういう点も実は指摘するわけなんであります。そういうことになりますと、あなたのほうの長官として、行政監理委員会としてそういう点を触れ得るものではないということにもなるのだろうか。少し行政監理委員会がそこまで触れていかなければ、そこまで並行していくのでないと、改革の趣旨に沿わないことになるのではないだろうか。長官というか監理委員長はそこまで触れていく、長官はこれをとる、内閣へこれを報告する、こういうことにもなってくるんじゃないかと思うのです。しかしそれなら越権ということになるのか、その辺のことははっきりしないのですね。
○河合政府委員 行政監理委員会設置法において規定されております監理委員会の所掌事務といたしましては、ただいまお話しのような点までは入らないというふうに理解いたしております。
○吉田(賢)委員 いずれその辺は、監理委員会の運営のこともありますし、長官はその委員長を兼ねておりますし、内閣につながりがあるし等々しますので、別の機会に長官からいろいろと聞いてみましょう、いろいろな角度から。特殊法人の件、三カ年の第二次計画についても何かともっと次に出てくるのを掘り下げてみたいのですが、委員長、これは次の機会にしますので、保留をしておきましょう。 ちょっと時間がなくなりましたので、次に総理府に伺います。 青少年問題審議会の審議の結果、たとえばことしの三月まで、十八回にわたっていろんな都市化進展に対する青少年問題を分析したり調査をしたりしておられますね。その結果は、家庭とか学校とか、あるいは職場とかあるいは環境とか、そういう部会をそれぞれ設置して、その結論を得ている。その結論を得ましたものに伴いまして、それぞれ方針を立てる、こういうことになっておるらしいのですが、この部会はある程度の報告はもうあったものでしょうか。いずれにいたしましても、青少年問題等、いまの四つの部会を受け持つということは、関連もあるし、重要な、根本でもあるし、非常に大事な点と思いますが、この点につきまして、部会からしかるべき報告あるいはまた対策の基本になるような一つの結論づけたものでも出たのでしょうか。その点いかがです。
○蝦名説明員 お答えいたします。 部会は三月に設置されましたが、現在まだ部会として審議中で、親審議会のほうへの報告はまだいたされておりません。
○吉田(賢)委員 日本の都市化が非常な勢いで進みつつあるということが、青少年の、特に精神的な生活、物質を伴う生活を一つの混乱のちまたに追いやる、これは顕著であります。 そこで、都市化現象からくる青少年対策というのは、十八回も調査したというのでありますが、部会に出る前に相当な結論でも出ておるんじゃないかと思うのです。たとえば最近どんなに激しく移りつつあるかということを青少年問題との観点からちょっと調べてみると、たとえば東京都にしましても、人口が千万ですね。周辺を加えますと千五百万といわれます。まさに規模において世界一です。それから過疎化状態のところはどうかということになりますと、ちょっとこの間も触れたのでありますけれども、びっくりしたのであります。私の選挙区におきましては、ある町で、これは一万の町ですけれども、総合病院を閉鎖した。なぜか。それは医師の給与が二十八万から約三十万でも、医者が来てくれない。何でそんな状態かとちょっと驚きますね。過疎化地帯におきまして、そんな現象もある。新幹線はどうかと見ておると、四十二年に運んだ人間が五千二百万、去年半年で三千百万も人間を運んでますよ。テレビの普及率は、二千万以上が毎日情報や知識をキャッチしています。経済生活を見ましても、国民所得が三十年から四十年までに三倍になっています。だから生活は豊かになっている。けれども反面、青少年の犯罪は三十年から四十年まで六倍なんです。たいへんですね。だからこういうような一種の混乱でありますよ。その中の青少年問題、だから、過密化、都市化が青少年に与えている影響は深刻、重大であります。何回もこれは調査をしているのです。この点は、青少年問題の今日及び今後を考える上におきましてきわめて重要な課題であろうと考える。いわんや、青少年の健全育成というような点から見ましたならば、当面の対策の重要な基盤といたしまして、このような社会構成の大変動期に際会する青少年の立場というものはきわめて不安定な立場に置かれているのじゃないか、まさにこれに対処する審議会の課題でありますので、十八回も調査したのなら、しかるべき調査の結論があってよかろうと私は思うのです。三月に部会を設置して、まだ報告なしというのでは、それはあまりに問題が簡単にすぎます。何か相当な資料がもう出ていると思うのです。どうですか。
○蝦名説明員 お答えいたします。 都市化に伴う現象は、いまも先生御指摘のとおりでございます。非常に複雑多岐にわたっておりまして、そのいろいろな問題点について審議がされてきたわけでございますが、まだその具体的な結論というものは出されるに至っておりません。三月以来、部会を設置いたしましたが、この部会の結論は近く出されるものと私ども期待いたしております。
○吉田(賢)委員 部会は部会ですけれども、部会の前に、審議会が十八回も調査したものを報告しています、昭和四十二年の十月から都市化の進展に伴う青少年対策について審議を開始しましたと。それならば、環境の問題にしても、職場の問題にしても、家庭の問題にしても、学校の問題にしても、かつ四者の関連の問題にしても、広範な膨大な資料が出ていなければいかぬと思う。だから、部会における結論はあと回しにいたしましても、資料をこの委員会に出してくれませんか。まとまった資料はありませんか。
○蝦名説明員 お答えいたします。 まとまった資料というのは作成されておりませんですが、いままでの審議の経過から見ますと、最近の青少年について一口に言いますと、全人格的な発達と申しますか、最近特に何か知識偏重的な傾向が見られる。これはやはり身体の発達はもちろん、情操面においても、あるいは意思、実行力という点について、最近の青少年にいろいろ問題があるように審議されております。それからなお、最近の社会連帯意識といいますか、こういうふうな点についても、最近の都市化の過程においていろいろ問題があるのじゃなかろうかと論議されております。これにつきまして、特に審議の経過において、家庭における両親の役割り、これは教育あるいは両親の感化力といいますか、そういう点が非常に大事だということが審議されております。 なお、青少年の健全な発達をはかるためには、家庭、学校あるいは社会環境、これらが相互に機能を分担し、協力し合って新たな対策を講ずる必要があるということが論議されております。 また、勤労青少年でございますが、都市に流入する青少年が非常に多くなっております。これらの青少年は、職場においてあるいは職場を出た生活におきまして、必ずしも安定してない、不安定な生活をしておることが見られる。これに対する福祉対策とか、その他の対策が必要になってくる。特に離転職が増加いたしまして、その中には安易な離転職も見られるというふうなことが問題点として指摘されております。 なお、環境面におきましては、青少年の健全育成につきましては自然との交流が非常に大事である。都市化に伴いまして非常に自然が失われているところで青少年が育てられる。これは非常に大事な点だということが指摘されております。その他青少年健全育成のための施設とか、あるいは団体活動の促進、あるいはこれらに要する指導者の養成、それから青少年がいろいろ学習する機会、これはいろいろな施設とかあるいは社会通信教育その他の問題がございますが、こういった青少年がみずから学習する、自分で学ぶことに必要な機会を一そう充実しなきゃならぬということが指摘されております。なお、都市化に伴いまして青少年の環境で青少年に好ましくない影響を与えておる環境も増大しております。これらについても適正な対策を講じなきゃならぬだろうというようなことがいままで論議されております。これにつきまして、特にまとまった報告というふうなものはまだ作成されておりません。
○吉田(賢)委員 審議会を十八回も開いて調査したのでありますから、いまおっしゃったように、部会を設置する前提としてのそれぞれの問題点は指摘されたと思います。したがって、その問題点をひとつ羅列していただきまして、われわれの青少年対策の調査研究の資料にしたいと思いますので、まとまった報告でなくてもよろしゅうございますから、早急にお出しくださいませんか。そうしませんと、この対策は出てこないと思います。それが前提になりまして初めて総合的な施策を打ち出す資料が整うことになります。環境にしても、家庭における両親の感化力が乏しいというけれども、感化力が乏しいというようなことだけでは資料にはなりませんから、これはやはり時代に対する事物の認識、価値観が違うとか、それは教育の影響があるとか、身体的な影響があるとか、環境の影響があるとか、何かといろいろあると思いますから、これは相当な日数を要していろいろな調査もされておりますから、あなたのほうとしては、まとまっていなくても、いまの資料の程度なら出してもらえると思いますので、問題点を指摘して、資料にしてこの委員会に出してくださいませんか。よろしゅうございますか。
○蝦名説明員 いままでの審議の経過から問題点となるべき事項を整理いたしまして提出いたします。
○吉田(賢)委員 至急に出してもらえますか。
○蝦名説明員 そのようにいたします。
○吉田(賢)委員 それではいずれまた資料がまいりましたら青少年に対する問題を掘り下げてみたいと思うのでありますが、私は、資料を提出していただくについて、あなたにちょっと注文しておきます。 前回にも床次長官にも言っておいたが、十五歳の少年が高校生の首を切り落としたというような事件もあったし、十九歳の少年が連続殺人犯として追及された事実もあったし、兄弟の殺し合いというようなこともあったし、とにかく異常な現象が生じておりました。だから、必ずしもそんな面だけを見ているのではないけれども、そういう背景も何かあるのではないかということさえ私は心配しておりますので、そこらもお含みの上資料を整理しておいていただきたい。もちろん知識を求めるという面の長所も出てきつつありますので、総合して健全育成の目的を達するようにしたいと思いますから、何も悪い面だけを資料にしてくださいという意味ではないから、それをお含みの上ひとつ資料を整理して出してください。それを御依頼申し上げまして、きょうはこれで終わります。
○丹羽(久)委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十五分散会