決算委員会 第17号
- 発言数
- 272 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/06/10
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 厚生省所管について審査を行ないます。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。華山親義君。
○華山委員 最近非常にやかましい問題の看護婦の不足の問題につきまして、きょうなどの新聞で見ますと、自民党のほうもいろいろな方策をきめられたということでございますが、それですから、ちょっと私質問をする出ばなをくじかれた感じもいたしますけれども、準備をいたしてまいりましたのでお伺いをいたします。 ニッパチ制と申しますか、一病棟について夜間看護婦は二人、それから一月の夜間勤務は八日でなければいけないという人事院の判定でありましたか、何かあるわけでございますけれども、これを実現するためにいままでずいぶんこの判定が来ましてから長い間でございますけれども、厚生省はどういう努力をしてこられたか。
○松尾政府委員 昭和四十年ただいま御指摘のような人事院のいわゆる判定が行なわれたわけでございます。その中では看護婦の夜勤日数は一応八日を目標といたしまして計画的にその実現をはかる、こういう問題があります。それから二人夜勤につきましてはすべての看護単位が全部二人夜勤が必要であるとは考えませんけれども、必要なところについては他に及ぼす影響も考慮して、やはり計画的にこれを進めなければならない、こういうことが骨子でございますが、その際に、その判定の中には、単にそういう勤務の体系を直ちに実現するということの前に、看護婦のいろいろな業務範囲を明確にするとか、あるいは看護婦の使います器材、器具の導入、あるいは仮眠室とか休憩室その他の設備、要するに勤務環境の整備、特に夜勤者のためのそういう設備の措置、それから一人夜勤の場合でも連絡等を容易ならしめるところのいろいろな方策というようなことを具体的にやはり事前にきちんとすべきであるということがうたわれておったわけでございます。したがいまして、厚生省の所管いたします国立病院、国立療養所につきましては、御承知のようにかなり老朽した建物もございますので、四十一年、判定のできました翌年度から三カ年計画をもちまして、ただいまも申し上げましたような休憩室、仮眠室、あるいは連絡設備、インターホンの整備、あるいは夜間の勤務のための暖房等々の、いわゆる夜間勤務のために必要な環境の整備ということを三カ年間にわたって実施をしてまいりました。それに要しました予算が大体五千五百万程度でございます。それから、大体四十一年以来、三カ年計画でもってほぼ実施ができてまいりましたので、ことし四十四年から、それをさらに改善いたしますために具体的な人員の増加要求というふうに踏み切ってまいったわけでございます。
○華山委員 現在の配置状況は、夜勤の状況といたしましてどういうことになっておるのか。たとえば、一人夜勤は何%で、二人夜勤は何%というふうな数がおありでございますか。
○松尾政府委員 国立病院におきましては、看護単位の六九%が一人夜勤でございます。それから療養所におきましては六六・七%。平均いたしまして約六七%が一人夜勤の看護の単位になっております。
○華山委員 こういうふうな状況ということは、これは将来に向かいましては一〇〇%にするべきものなのか、あるいは病棟によってはそれほどのこともないと思われることもあろうかと思いますけれども、厚生省といたしましてはこのパーセントは大体どのくらいになればいいというふうにお考えになりますか。
○松尾政府委員 実は看護婦の配置をどういうふうに考えるかということは、なかなか患者の病状なり性質なりによりまして必ずしも一律にきめるということは妥当でないような性質を持っておるわけでございます。したがいまして、たとえば、ある病棟の中に重症患者が入っておるということであれば、その重症患者を中心といたしまして厚い看護の体制をしがなければならぬという必要性も起こってまいりますけれども、最近方々でも実施されておりますように、やはり看護婦の看護の適正化をはかるという観点からは、そういう患者さん方の性質に応じました収容区分を明らかにする、特に重症病棟、あるいは子供の病棟、あるいは手術直後の病棟、それにまた軽症の病棟、こういうふうにそれぞれ区分けをいたしまして、それぞれに応じた看護配置をするということが一番妥当ではないかと考えます。そういう意味から申し上げれば、すべての病院の看護単位が全部二人夜勤でなければならないということはなかなか言いにくいと存じます。特に慢性長期の疾患をかかえておられますような場合においては、一般の病院に比べまして病状の変化等も非常に少ない。またみずから用を便ずることができる患者さんも多いということもございますので、一律に全部がということは必要ではなかろうと思います。ただし、今後の国民の疾病像の変化ということを考えれば、一般の病院におきましては約九割近くまでのところはやはり二人夜勤を必要とするんではなかろうか。しかし、先ほど申し上げましたように、長期慢性のような疾患を収容する病院というところであれば、それほどまでの二人夜勤制は必要でないであろう。ただいまそういうふうな感覚を持って作業を進めておるところでございます。
○華山委員 端的にお答えいただきたいのでございます。先ほどおっしゃいましたが、これからも変化がございましょうが、現在の国立病院あるいは療養所、そういうところの実態から見て、この一人夜勤、二人夜勤の割合はどのくらいになるのが適当であるというふうにお考えになりますかということをお聞きしている。一〇〇%二人夜勤でいかなければいかぬということは、私よくわかりましたけれども、それだったならば、現在の状況から見てどの程度は一人夜勤で間に合うのか、二人夜勤は何%が今後追求すべき目標なのか、そういう点をお伺いしたのです。
○松尾政府委員 二人夜勤だけを基準に考えますならば、先ほど申し上げましたように、国立病院というような一般病院という性格を持ったところでは、将来の姿としてはやはり九割程度が二人夜勤の病棟で占められるべきであろうと思います。しかし、これは個々には、本来それぞれの病棟によって積み上げていかなければ正確のものは出ないかと思いますけれども、達観をいたしましてそういうふうな目標であろうかと存じます。ただ、この際には、やはり各施設におけるいろいろな実態というものがそれぞれございますので、二人夜勤というものを先にやれば、限られた人間では夜勤回数は非常に伸びてくる、こういう問題もございますので、実態としましてはそれに到達するまでにいろいろな曲折はあろうかと思います。
○華山委員 時間もありませんから端的に答えていただきたい。よくわかりますけれども、ただ、一体どういう目標でやっておられるのかわからぬもんですから……。 そうしますと、現在の配置七〇%、三〇%というものを是認しておられるわけじゃない、普通病院においては九〇%までもいかなければいけないというふうにお考えだということはわかりましたが、現在の配置七〇%、三〇%、いま正確な数字ちょっとおっしゃいましたね、大体そんな数字がありましたが、それで月八回の夜勤ということを実施するためにはどれだけの増員が必要でございますか。
○松尾政府委員 八日にとどめて、しかも九割の二人夜勤ということであれば、これはこまかい数字はちょっとまだここに持っておりませんけれども、大体五千名をこえる増員をしなければならぬことになります。
○華山委員 先ほどおっしゃいましたその現在の七〇%、三〇%としてはどのくらいの人員が必要でございますか。その実態をそのままにして、とにかく看護婦の健康とか環境とか、そういうことの改善にまず重きを置こうというふうなことでやりまして、現在月八回の夜勤ということを実施するためには何人必要でございますか。
○松尾政府委員 夜勤回数だけでございますれば大体二千人前後と存じております。
○華山委員 この二千人前後をとにかく何か計画的にでもその目標を達成するために努力をしていらっしゃいますか。
○松尾政府委員 最初に申し上げましたように、ことしからそのために必要な人員要求ということをいたしたわけでございます。
○華山委員 何人増したのでございますか。そのことのために二千名前後とおっしゃいましたが、その二千名に対しましてことしは何人増したのですか。
○松尾政府委員 実際にその看護体制強化というためには二百六十一名でございます。そのほか新生児関係あるいは重症心身障害児等の看護婦の増員等もございますので、結果的にはそういったものがすべて勤務の合理化には資すると存じますけれども、いま端的に御指摘になった点についていえば二百六十一名でございます。
○華山委員 二百六十一名では、これは七、八年かかるという計算ではありませんか。七、八年かかって、そうしてなおかつ七〇%、三〇%にも達しない。政府のほうでは、この人事院勧告を尊重し、これをやろうという意図が全く出てこないということになりませんか。とにかくあなたの考える理想にはなはだ遠い七〇%、三〇%としてことしは二百六十一名しか出なかった。そのために七〇%、三〇%とまことに心細いものに達するにも七、八年はかかる、こういうことでいいものでしょうか。看護婦の環境改善のためにこういうことでいいものなのかどうか、どういうふうにお考えになりますか。
○松尾政府委員 私ども、人事院判定も出ていることで、その実現のためには先ほど来申し上げましたような努力もしてまいったわけであります。私どもといたしましては、なるべく早く実現をしたい、こういう熱意を持っておるわけでございます。ただ、この過程におきましては、ただいまの古い国立病院、療養所等の新しい建築等が進んでおりますので、そういうことにより相当な合理化なり病棟集約なりといったことも一面はかられるはずでございますので、そういうことと関連しながらできるだけ早期に解決していきたい、そういうものとあわせて実現していきたい、こう私ども思っております。
○華山委員 しかし、出てこないですね。とにかく二人夜勤というものは九〇%にならなければいけない、これが目標だとおっしゃった。それが現在三〇%しかできておらない。それをそのままにおいても今後必要な人員が二千名前後だ。ところがことしは二百六十一名だけしか増しておらない。私はあなたを責めているんじゃない。政府の態度だと思うのですよ。人事院判定とか勧告なんてまるでみそくそじゃないですか。これでは私は看護婦さんがかわいそうだと思う。とにかくこのごろはお子さんを持った看護婦さんも来ていただかなければならぬという看護婦の不足の状態、そういう中で八回夜勤、もっと多い夜勤をやらせなければならないということは人道無視ですよ。労働基準法だって婦女子の深夜勤務は禁止している。しかし看護婦においては例外を認めておる。例外というものは厳格でなければいけないと私は思う。とにかくそういうふうな実態は全くおかしいと思うのですね。これから十年もかかるなんておかしいと思う。がんばってもらいたい。大臣がおらないけれども、政府の態度から変えていただかなければならない。 現在の定員が約千九百名と聞いておりますが、そうでございますか。
○松尾政府委員 約一万九千名でございます。
○華山委員 それで、人事院判定を完全実施するためには約何人要るのですか。
○松尾政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、こまかく積み上げなければなりませんけれども、概数で申し上げて五千人前後であろうと予想いたしております。
○華山委員 人事院勧告を完全実施するためには五千人でたくさんですか。
○松尾政府委員 現在約四七%ほどの施設が八日以内というような状態になっておりますので、そういったようなことと、先ほど申し上げましたようないろいろな病棟の新しい集約化等のことも含めて、詰めてまいらなければならぬ問題でございますので、五千名ぽっきりで完全であるというふうに言明することは困難でございますけれども、ただいまの段階ではその前後ということが目標になるのではないかと推察しておるということでございます。
○華山委員 それじゃあとで私も事務当局に詰めてみます。ここでは時間がかかりますから……。現在の定員は約一万九千名であるけれども、人事院の判定を完全に実施するためには、われわれの計算では約一万名が必要だ。いまニッパチといいますけれども、現在は先ほどおっしゃったとおり七〇%、三〇%ですが、これを五〇%、五〇%にした場合に約五千名が必要だ。私はこの計算につきまして、私の計算が間違いであるかどうか、もう一度計算し直してみたいと思いますが、事務当局のほうは、いま局長のお答えになったことでよろしゅうございますか。
○松尾政府委員 かりに全部を、先ほど来申し上げたいろいろな条件は別にいたしまして、二人夜勤にするといたしますれば、一万人くらいになります。
○華山委員 そういうふうな人事院勧告というものについて——勧告といいますか、判定といいますか、そういうことについてももっと減らすべき部分もあるかと思いますけれども、約一万名必要だという人事院の判定に基づいて政府の今年度増した人員が二百六十一名、二%半、これはどっちかが間違えていますよ。人事院勧告というものを全く無視したか、二%だけ認めたのか、あるいは人事院勧告というものは架空なものなのかどうか、とても実行のできないような判定を出したのか、どっちかでなければ私は判定がつかないと思う。どっちなんですか。人事院勧告というものはまるで架空なものなのか、実行もできないことを言っているのか、どうなのか。
○松尾政府委員 人事院におきましても、判定を出しましたときには、最初に申し上げましたようにいろいろな点を考慮して計画的に持っていかなければならぬ、こういうふうに判定にはっきり書いてございます。現在国立病院だけにつきましては、ただいま御指摘のようなマキシマムの数字が出てまいると存じますけれども、これは御承知のようにほかにもいろいろな影響を持っておるわけでございまして、かりに方々で現在妥結をしておりますような状況というものをこの数字をもとにして見ますと、約四割程度の増員というものが全国的に必要であるというふうに予想されます。現在二十五万の就業看護婦でございますので、四割ということになればあと十万人、二十五万の就業者に対してそういう平均的な見方をいたしますればさらに十万人は必要である。こうなりますと、直ちに実施できるかどうかということについては、非常に不可能だと申し上げるしかないわけでございます。
○華山委員 そうしますと、人事院勧告というものは幅のあるものであって、必ずしも一万人ということではなくてもいいのだ、いろいろな幅もあるから一万人は必要がないだろうということだと思いますけれども、それにしても、一万人が五千人になろうが八千人になろうが、二百六十一名というのはあまりひど過ぎやしませんか。聞くところによると、とにかく先ほどおっしゃいましたが、二千百名というものを三カ年計画として七百名を要求したけれども、結局大蔵省は二百六十一名しか認めなかった、こういうことだと聞きますけれども、どうなんですか。
○松尾政府委員 私どもとしましては、やはり二千百名程度のものを三カ年計画で実施をしたい、こういう希望を持って要求いたしておるわけでございます。
○華山委員 私はこれについては政府が根本的に考え直してもらわなければいけないと思うのです。私も重症ではありませんけれども、最近入院したが、それはひどいものですよ。真夜中に看護婦室にぽつんと一人いるだけじゃありませんか。私は心細いだろうと思いますし、ああいうものが一カ月に八日といえば三日に一ぺんは回ってくる勘定です。そういうふうなことは私はやはり人道的にも、労働基準法の精神からいってもおかしいと思うのです。例外は厳格に、こういいますけれども、それは看護婦について例外があるからといって何でもいいというものじゃないと思うのです。婦女子の深夜労働禁止ということはやはり厳然として存在すると思うのですよ。 それから看護婦さんというのは一人置きますとどのくらい人件費が予算上は増しますか。どのくらいかかるものですか。
○松尾政府委員 非常にこまかい数字はただいますぐに用意してございませんけれども、平均いたしまして、一人一カ月の給与額が大体四万円でございます。
○華山委員 四万円では済まないのじゃないですか。いろいろな寄宿舎の設備もありましょうし、実物の給与もありましょうし、いろいろなことがあると思いますけれども、どのくらいかかるものですか。予算的に聞きますけれども、看護婦一人を置くことについて、大体予算というものはそんなこまかなことをいっているのじゃない。一ぺん計算はするでしょうけれども、看護婦一人増せばそれにある単価をかけるというのが実態ですね。看護婦一人置くことについて、予算単価としてはどのくらい認められていますか。事務当局からでもけっこうですけれどもお答え願いたい。
○松尾政府委員 寄宿舎の費用とか何とかまでを計算に入れたものはちょっとございませんけれども、人件費を中心にいたしまして約一人年間七十万というのが平均でございます。
○華山委員 現在の予算に七十万ということがきちんと出ていますか。計算なすったことはありませんか。
○松尾政府委員 国立関係の平均が六十七万程度になっております。そのほかいま先生御指摘のようなほかの経費ということを大ざっぱに見込んで七十万と申し上げたわけでございます。
○華山委員 六十七万は何ですか。俸給ですか。
○松尾政府委員 看護婦の人件費でございます。
○華山委員 私はほんとうに結論的に申し上げたい。しかし厚生省を責める意味はございませんけれども、看護婦の処遇というものは一面からいえば患者に対する問題になるわけなんですけれども、非常に冷淡なような気がいたします。先ほどの数字で明らかなんです。しかし、私はあえて厚生省が冷淡ということは一がいにいえないのじゃないか。看護婦の数というものが少ないのじゃないか。増しようがないのじゃないか。こういう点に原因があるのじゃないかと思いますけれども、どうなんですか。
○松尾政府委員 基本的にはなお看護婦が非常に不足をしておるということが現状でございます。
○華山委員 看護婦を増すために、いままで厚生省はどういうことをやっておいでになりましたか。判定が出てから、四十年から三、四年たちますけれども、その間看護婦を増さなければいけない。そのことについてどういうことを予算的にあるいは施策的にやっていらっしゃいましたか。
○松尾政府委員 看護婦の増加をはかるということについては、厚生省もできる限りの努力をしてまいっているわけでございます。 第一番目には、何と申しましても看護婦を新しく養成する施設をつくっていかなければならない。このためには必要な補助金も計上いたしました。その他医療金融公庫等による民間の設備に対する融資ということもやってまいりましたし、また地方特別債でもめんどうを見る。いろいろな形で手当てをしてまいりました。過去十年間に、看護婦の養成の入学人員の増加というものは約二万四千六百名というような増加になっております。したがいまして、それだけ新しく養成力をふやしてきた、こういうようなことが第一点でございます。 それから、そういう学校に志望する方をなるべく多く確保したい、こういう意味でいわゆる看護学生の奨学制度ということで、各都道府県に補助金を出しまして、各都道府県がそれぞれそういう奨学制度を実施する、こういう制度もやってまいっております。 それから、もちろん国立病院や診療所みずからの機関でそういう養成力の確保をはかってきたことは当然でございます。 さらに、そういう養成のためには教える教官の増員、特に専任教官の資格を持った人の養成ということが肝要でございます。そういう専任教員の養成ということも逐次改善してまいっております。 そのほか、現在は有資格でいながら、資格を持っていながら家庭に入っておられるいわゆる潜在看護婦さんという方々もおられるわけであります。こういう方々もなるべく第一線の職業に戻ってほしい。そのためには、短期間といえども最近の新しい看護方法を教えることが必要である、こういうことをするために講習会の経費、かようなものを積み重ねまして、最終的にはただいま二万四千六百名の増加をはかったというふうに申し上げたような努力を続けておるわけでございます。
○華山委員 そういうことは従前からやっていらっしゃって、だんだん多くなったということも考えられますけれども、何か画期的なことはありませんか。こんないままでのやり方ではだめだ。そのほかにもっと画期的なことをしなければいけないというふうな御計画等はおやりになったことはありませんか。またこれからおやりになりませんか。
○松尾政府委員 ただいま私どもの当面しておりますのは、先生御指摘のような事態でございまして、いわゆる画期的にこの養成なり確保対策をはからなければならない。こういう段階にきていると強く認識をいたしております。したがいまして、私どもはただいま来年度を初めといたしましたさらに大幅な増員計画、養成計画を打ち出したい、こういうことで基本的には鋭意作業を進めておるわけでございます。その中にはもちろん養成施設の大幅な増加、あるいは効率的な養成のしかたあるいはそれに伴います実習病院というものの指定のやり方、あるいは専任教員の大幅な増員、相当の問題がすべて入ってまいりますとともに、また人口の構造も変わってまいりますし、若い女子の進学率等のいろいろな変化も出てまいります。そういったようなことも将来にわたって十分見通しまして、制度的にもそういうものに合うような制度を打ち立てなければ十分な確保ができないのじゃないか。そのほかに、基本的には看護婦というものが特殊な勤務条件に置かれておりますので、そういう特殊な条件に見合ったような処遇の改善をやはり大幅にはからなければならぬ。そういったことをすべて総合いたしまして、とにかく大幅な養成計画ということをはからなければならぬという態度で、ただいま検討を続けておるような状態でございます。
○華山委員 本年度の予算で厚生省が、どの程度のものか知らぬが大幅な看護婦の養成に乗り出した、その予算を大蔵省が削ったということをいわれますが、ほんとうですか。
○松尾政府委員 今年度私どもが要求いたしましたときの予算は、いま私が申し上げておりますように、非常に強い、また非常に長期の計画というものによって出されたものではございません。従来ベースによるものであったわけでございます。私どもは、そういうものではこういう問題の解決はつかないという態度で、全部いま洗い直しをしておるような次第でございます。
○華山委員 そういうことでは解決がつかないというわけで、大蔵省に出した予算を引っ込めたわけですね。
○松尾政府委員 引っ込めたというわけではございませんけれども、予算の振り分け方の問題でございますから、私どもも必要なものについては強く折衝を続けてまいりました。結果的にまとまったものについては、必ずしもそう飛躍的なものじゃないということだけは事実がございます。
○華山委員 全く私は、厚生省を責めるわけではありませんし、大蔵省を責めたってしょうがないけれども、看護婦対策というものは不誠実きわまるものだと思う。 伺いますが、私は山形県で、県立病院を見てきた。そこには看護婦の養成所がある、看護婦の養成所を出ても、県内にとどまる者はきわめて少ない、非常に多数の者が東京等に出てくる、県庁はそのためにただ金を出すだけの始末だ。そういう実態を一体どうお考えになりますか。地方自治体の看護婦養成費に出す金というものは地方自治体に返ってきておらない。そういう実態についてはどういうふうに認識しておられますか。
○松尾政府委員 特にいなかの地方におきまして、養成をいたした者が卒業いたしましてその土地に残らないという悩み、これは私どもも十分承知をいたしております。したがいまして、先ほどのような奨学資金というようなものを都道府県等を通じて貸与しております場合、法的に拘束力があるわけではございませんけれども、一定の奨学金というものによって、やはり気持ちの上でそこにしばらくはつとめる、こういう普通の習慣があるわけでございます。そういう奨学金制度というものも、ある意味ではそういう都会なり他の地方にいきなり流れることを防止する意味での効果も実は一面に持つという気持で組み立てておるわけでございます。しかしながら、御指摘のように、それが全部有効に働いているとは決していえない状態にございます。 問題は、地方公共団体が持っている費用で養成した者がほかへ行ってしまうという問題でございますが、もっと基本的には、ただいままでの看護婦養成の大きな主流が医療機関によって養成をされてきたという事実でございます。いわば極端に申し上げて、企業内教育とでもいうような、自分のために必要なものを自分が養成するという過去の伝統、こういうものが完全に払拭し切れない姿で今日まできております。したがいまして、都道府県が負担をするという問題もございますが、より前に、その医療機関が診療報酬の中でその養成費を出しておるという実態があるわけでございます。最近のように看護婦があらゆる方面で必要になっておりますし、またそれは地域を越えてそれぞれ流動しておりましても、全体としては必要不可欠な状態でございますので、やはりこういう問題については大幅に公的な資本というものがささえていくということが私は筋ではなかろうかと思います。
○華山委員 私、考えるのに政府のやり方というのはみみっちいですね。私は医務局長に御同情申し上げて、医務局長の味方として申し上げるのです。大規模の看護婦学校をつくったらどうなんですか。たいした金じゃないじゃないですか。大規模の看護婦学校をつくって、そこで養成するということを考えないと私は解決しないのじゃないかと思う。とにかく地方財政なんかでやったって、地方の病院にはいない。国立病院でさえもこういう状態なんだから、地方の病院はひどいものだ。そうすると、だんだん看護婦さん方の年齢もふけていく、家庭もお持ちになる、お子さんもできる、そして十日も夜勤をしなければいけない。夜勤のための託児所があるかと言えばそういうものもない。看護婦がかわるがわる夜勤のない日には同僚の方々のお子さん方を集めて見る。したがって十日の夜勤が十二日になり十三日になるという状態なんです。結婚生活にも影響してくるだろうと思いますし、この時代の要求が変わってきているのですから、もっと看護婦の養成、看護婦の処遇、そういうことに全力をあげていただかなければいけない。局長としては、私が声を大にして申し上げているよりも、もっと心の中では声を大にしておっしゃりたいのでしょうけれども、役人の悲しさでおっしゃれないだけの話だと私は思う。御同情を申し上げるのですが、ひとつがんばっていただきたいということだけを申し上げて終わりたいと思います。 自治省に伺いますが、こういうふうな状態で今後看護婦は増員されなければいけない。人事院の判定を実施するためには相当の看護婦の公立病院等における増員が——またそういうことでいろいろ協議あるいは交渉等で約束しているところもある。そういたしますと、公立病院にいろいろな経理上の影響があると思いますけれども、これにつきまして概念的にでもいい、自治省は病院の公営企業の経理につきましてどういうふうにお考えになりますか。倹約してそういうところに充てろとか、独立採算制の範囲内でやれとか、そんなふうにお考えになりますか。自治省に伺いたい。
○福島説明員 地方自治体の病院におきましても、おおむね昨年の春以来看護婦の増員交渉が病院当局と組合のほうとで持たれまして、相当数の病院において増員を計画的に行なうという妥結を見ております。この場合におきまして、看護婦の数の確保が直ちにできませんので、病院におきましては大体三年ないし四年ということで計画をつくっておるところが多いようでございます。その結果、まず看護婦の確保が一つ問題になってまいります。これにつきましては現在都道府県なり市町村なりで看護婦の養成所を持っております。これについて、そういう各団体が看護婦養成の計画をいたしてまいりました場合におきましては、現在地方交付税等でその経費について一部見ておりますので、それらの増員計画というようなものが出てまいりました場合には、これによって措置をいたしたい、かように考えております。 なお、看護婦の増員に伴いまして、いわゆる人件費が増加をすると考えられます。これはいわゆる病院の経常経費の増加になるわけでございます。この場合経費は、いわゆる一般の病院としてそういう看護基準をとるということでございますし、また勤務条件をそういうふうに改めるという病院の一般的な性格としての経費の増でございますので、それらの増高経費につきましては、本来の病院収入でまかなうのがたてまえであろう、かように考えております。
○華山委員 たてまえなんだから、まかなえない場合には、増員してはいけないということですか。
○福島説明員 これは職員の勤務条件に関することでございますので、病院当局が将来における看護婦の確保の見通し等を考えまして、個々の病院において組合と話し合って結論を出すべき問題である、かように考えております。
○華山委員 私聞いているのは、まかなえないならば増員してはいけないということなんですか、看護婦さんは。
○福島説明員 現在病院の基本的な収入につきましては、病院の診療報酬をもってまかなうというたてまえになっておるわけでございます。ただ地方公共団体の病院につきましては、公営企業でそういうたてまえはとっておりますけれども、いわゆる一般の行政事務を病院にしてもらっておるもの、たとえば看護婦養成等でございますが、そういうふうなもの、または高度の医療、または僻地の病院、さらに建設費というようなものにつきまして、一般会計と負担区分をつくっております。したがいまして、それらの負担区分というものは、年々検討をいたしてまいっておるわけでございますが、それらの負担区分を検討をいたしまして、自治体の病院全体としては将来とも経営が成り立っていくような措置を私どもとしては考えていきたい、かように考えております。
○華山委員 私は端的に聞いているのですよ。いまのような看護婦の状況なんです。あなた御存じのとおり、公営企業病院というものは、東京都は別だけれども、県立病院でもどこでもぎりぎりの線でやっているわけですね。いま看護婦の増員ということがある。人事院の判定に従って看護婦の増員をしなければいけない、そういうふうな場合に、先ほどおっしゃったような例外的な経費は別として、経常的経費も独立採算的なことができないという場合には、絶対に看護婦は増せないんですか。どうなんです。そうなったらもう公立病院の看護婦というのは増せませんよ。人事院の判定なんというものは一般の病院でできませんよ。それでいいのかどうかということです。
○福島説明員 病院の経営につきましては、病院の収入と負担区分によってまかなうことになっておりますが、御質問の件は、職員の勤務条件に関することでございます。したがいまして、これはその当該団体において職員団体との話し合いによってきめるべきものである、かように考えております。
○華山委員 だけれども、独立採算制をとってやる以上、当事者能力がないじゃありませんか。それを増すことによって独立採算がとれないという場合には、それは当然拒否すべきもの、こういうふうにお考えになるのですか。当事者能力がないわけです。そういう原則ですか。そんなことじゃ、人事院の判定は、これはできませんよ、地方の病院は。どうなんですか、原則だけ言ってください。
○福島説明員 繰り返し申し上げるようでございますが、医療の収入と負担区分によってまかなっております。したがいまして、看護婦の増員をすること即そのまま負担区分の増ということにはまいらないと思います。ただ負担区分の中におきまして、現在各病院と各地方公共団体の一般会計との間で、まださらに検討をし充実をし得る余地が残っておるものがあると思います。そういうものにつきましては、それらを充実し、検討することによって病院側が判断をして、一般会計と相談をして措置をするということになろうかと存じます。
○華山委員 病院で再建計画を立てているところがありますね。しかし、人事院判定に応ずるために看護婦を増したい。したがって再建計画の変更をしなければいけない。しかし、何ともならない。そういう場合には一般会計からの繰り入れでもやってもらうよりほかに方法がないというふうな案が出てきた場合には、それの実施は認めますか。
○福島説明員 現在具体的には再建団体の中で、この問題によって計画変更を求めてきておるものはございませんが、もし出てまいりました場合は、ただいま申し上げましたように、一般会計との間の負担区分をさらに十分整理、検討をいたしまして、その上においてこれは判断をいたしたいと存じます。
○華山委員 整理、検討といったって、私は養成のことを言っているんじゃない。人員を増すことを言っているんですよ。両方の会計で整理も何もないじゃありませんか。どうなんです。
○福島説明員 ただいま整理、検討と申しましたのは、負担区分には、御存じのように、高度医療でございますとか、看護婦養成の経費でございますとか、その他衛生指導の経費でございますとか、そういうふうなものがあるわけでございます。したがいまして、一般会計と病院の会計がそれらの負担区分の中身を検討して、それによって現在よりも見るべきものがあるということになりますならば、それらの措置を総合勘案して、その上において判断をいたしたい、かように考えております。
○華山委員 看護婦の増兵はその限度でしか認められないということですね。
○福島説明員 考え方としては、そうでございます。
○華山委員 そういうふうなことではできませんよ。看護婦の増員というものはできないということじゃないですか。いま実態から見るならば、私も公営企業はなまはんかなことを知っておりますけれども、一般会計で見るべきものはもうほとんど認めているはずだ。四苦八苦の経営をしているはずなんです。したがって、人事院の判定というものは、やろうとするなら、これはどうしたって独立採算のワクをはずさなければできないのです。一体、国立病院というのは独立採算でやっているのですか、どうなんです。厚生省に聞きたい。
○松尾政府委員 国立病院の会計が独立採算かという御質問でございますけれども、独立採算ということを全部診療報酬だけですべてよろずまかなっているか、こういうことにとりますならば、そうはなっておりません。特別会計でございますけれども、必要なものは一般会計でそれぞれ負担をするということで全体が成り立っているわけでございます。
○華山委員 国立病院はそういうふうなものであって、地方の病院は独立採算でやるというのは無理な話だ。人事院がいかに看護婦さんたちのために判定したって、地方病院ではできないという結論があなたから出てくる。この問題は長くなりますから、もう一ぺん地方行政で私は時間があればやりますから、よく勉強しておいていただきたい。そんなことでは国立病院ができたって地方の病院はできませんよ。とてもほど遠いものなんだから、人事院の判定の半分もできません。私はあまりこの点は人権無視のやり方だと思う。じゃ看護婦さんの問題はこの程度にしておきます。 それじゃ別の問題で、健康保険特別会計のことで聞きたいのですが、健康保険のほうで赤字、赤字と言われる数字と、それから決算に出てくるところの欠損、数字が違いますが、これはどういうことなんでしょう。われわれが受け取るところの会計の報告の欠損というものは一体幾らなのか、四十一年度、四十二年にかけて幾らなのか、あなたのほうで言う赤字というものは幾らなのか、その数字を言っていただきたいと思う。
○加藤(威)政府委員 当面四十二年度の決算の数字について申し上げますが、四十二年度は例の特例法が実施せられた年でございますが、特例法が成立の当時におきまして、政府管掌健康保険の単年度赤字は三百二十億というぐあいに見ておったのでございます。決算におきましては、それが五十八億と約二百六十二億減少、こういう数字になっております。
○華山委員 四十一年度について言ってください。
○加藤(威)政府委員 四十一年度におきましては当初の赤字見込みが二百二十八億、予算におきまして当時は二百二十八億という数字でございましたが、決算におきましては、赤字はややふえまして二百六十六億という数字になっております。
○華山委員 そうしますと、あなたのほうでよく言われる赤字、赤字というものは、この決算報告の欠損額と同じ額なんですか、同じ性質のものですか。
○加藤(威)政府委員 赤字、赤字と申します場合に両様ございまして、たとえばその年度当初におきましてその赤字が出るということを申し上げます場合には、もちろんその予想といたしましてこの程度の赤字が出るだろうという予想の数字を申し上げる場合もございます。それから過去の累積赤字というようなことになりますと、決算によりまして出た赤字の、過去ずっと出てまいりました赤字の集積分としての赤字ということになりますので、予想の赤字の場合とそれから決算を積み上げた赤字の場合と両方あるわけでございます。
○華山委員 どうでもいいけれども、そうしますと、厚生省のほうでよく言われる赤字というものと、この決算に出てくる欠損額というものは同じ額でなければいけないわけですね、予想でなかった場合は……。そういうものですか。これは違うのじゃないですか。
○加藤(威)政府委員 確かに会計検査院の決算で出てまいります場合の赤字というものと、私どもが申し上げます赤字というのは、私ども申し上げます赤字というのは、特に単年度赤字というものを申し上げておりまして、これは要するに保険料収入とそれから国庫負担、収入面ではそういうものを見ております。それから支出は、医療費、それから現金給付がございますが、そういうものとの単年度だけの赤字、その数字のバランスを見ている。それで赤が出ます場合に、その数字を赤字と申しているわけでございます。ところが、決算におきましてはいろいろ大蔵省なんかの借り入れで泳いでおるということで、決算では、そういうものも全部入れて決算を出します。そういうことで、その数字は確かに違うわけでございます。しかし、私どもがやはり健康保険の保険財政の建て直しとか、そういう場合に一番問題にいたしますのは、決算に出てくる赤字ではございませんで、要するに、ほんとうに純粋に保険の特別会計における収入と、それから支出、この差がどのくらいあるか、これが一番重要な数字であるわけでございます。普通私ども申し上げますのは、そっちのほうの数字を申し上げているわけござでいます。
○華山委員 あなたのお答えはちょっとポイントをはずれているようですけれども、この保険料は一体収納済み額で言っているのですか、これから取れるであろうというもの、収納未済はどっちに入るの。
○加藤(威)政府委員 予算におきましては、もちろんこれから入るであろうという数字で申し上げるわけでございます。ですから、たとえば四十四年度に赤字がどれだけ出るということで申し上げます場合には、その保険料というものは見込みでございます。 しかし、決算の場合におきましては、現実に入ってきました収納済みの保険料を基礎にして収入というものを算定しておるわけでございます。
○華山委員 債権が確定しておって、まだ入らないものはどうなるのですか。
○加藤(威)政府委員 それはたとえば四十四年度で四十三年度分がまだ入っていない、取りはぐれたものがございます。そういうものは四十四年度でさらに取るわけでございます。過去のやつは全部要するに取れるまで取っていく。しかしたとえば倒産してどうしても取れないというものにつきましては、不納欠損という処理をいたしますけれども、収納漏れのものは翌年、翌々年でずっと追求してまいる、こういうことでございます。
○華山委員 私はバランスの上から聞いているのですよ。権利が確定しておって、まだ入ってこないという収入の済まない額、そういうものは一体バランスの上でとっているのかとっていないのかということを聞いているのです。あなたはバランスをつくるでしょう。どうなっているのかということを聞きたい。
○加藤(威)政府委員 御質問は、あるいは私が若干取り違えておったかもしれませんけれども、貸借対照表をごらんになっての御質問かとも思いますが、その場合には未収保険料は資産のほうに入る、そういうことでございます。プラスのほうに入っております。
○華山委員 未収のものは資産に入っているわけですね。それから、これから出さなくちゃいけないのはどうなっているのです。何かまだ払っておらないものもあるわけですね、支払い未済額はどうなる。
○加藤(威)政府委員 それはマイナスのほうに入っておるわけでございます。
○華山委員 間違いありませんか。間違いないですか。
○加藤(威)政府委員 貸借対照表の中の貸し方のほうの支払い備金の中に入っておるわけでございます。
○華山委員 権利として入っているわけですね——。それで私から言うと、もっと研究いたしてあとからお聞きいたしますけれども、どうしても違うのですね。バランスの上でできたところの欠損、そういうものとこれからのことは考えなくてもいいけれども、既往に生じた赤字、そういうものについて額が違うのですよ、それで私は聞いている。どうも多くの数を言う、これだけの赤字でございます、そういうものが、決算に出てくるところの赤字と違った数が出てきておる。それで私は聞いておるのでございますけれども、私はなおひとつ勉強してみましょう。収入については現金主義、支出については発生主義をとっている。それですから未収保険料というものが少なく計算されているのではないか、それだから赤字というものが見せかけに多くなっているのじゃないか、こういうふうな気がいたします。 御参考までに申し上げますけれども、政府関係金融機関でも、受け取り利息、支払い利息についても、これは未収受け取り利息は利益に計上しない、未払い支払い利息は損失に計上されておる、これが従来の例だった。四十二年度からは発生主義に基づいて、そして未収受け取り利息も計上するように改められたし、赤字についても決算書に沿った計算方法になっているわけです。その点あなたの言われるところの赤字、この決算のものよりも多く言われている、多く言われたといったって、そう非常に違うわけじゃありませんけれども、私は矛盾があるように思います。いままでのをひとつ資料として御提出を願いたのですけれども、あなたのほうで発表されている赤字、あるいは累積赤字と称するもの、これは決算でいい、予算のことをあなたは言われますが、これからの予想のことは含めないでですよ、そういうものと、それから決算報告に出てきたところの欠損額、それを一覧にして見せていただきたいと私は思うのです。私は勉強してもどうしてもわからない点がある。 それから保健施設費等の収入というものは、これはバランスの上では財産に入るものだと私は思うのでございますが、これは財産に入ってないのですか、赤字に入れているでしょう。
○加藤(威)政府委員 先ほどの資料は提出いたします。 それから福祉施設につきましては、この貸借対照表の中では固定資産の中に入っているわけでございます。
○華山委員 あなたのほうでいわゆる赤字を出すときにはどうなるのです。
○加藤(威)政府委員 私のほうで赤字と申します場合には、その資産全体についてはもちろん入っておりませんので、私のほうで普通、赤字はどれだけあるということを申しておりますときは、要するに単年度の収入と、それから支出の場合には、その年度におきまして福祉施設費として出した十億とか十五億というものは支出の中に入れる、こういうことでございまして、全体としての資産という形では把握してない。その年度に出した具体的な十億とか十五億という金は支出面に出している、こういうやり方をしているわけでございます。
○華山委員 いろいろお聞きするところでわかったことは、あなたのほうで赤字というのは大福帳の赤字、どんぶり勘定の赤字だ。厚生省で発表する赤字というのはどんぶり勘定の赤字、大福帳の赤字なんだ。それから、この決算書に出てくるところの欠損あるいは赤字というものは、これは簿記的なものによる赤字あるいは欠損なんだ。そこに違いが出てくるということは私はわかりました、そういうことですね。
○加藤(威)政府委員 御指摘のとおりでございます。
○華山委員 それで、いままでずいぶん時間がかかってわかったのですけれども、おかしいですね。それで、かりにいろいろな施設をどんどんつくって赤字でございます、赤字でございますというわけだな、財産はふえていっても。そんなことで国民をごまかしてはいかぬじゃないか。取れるものはたな上げにしてしまって、そして赤字でございます、赤字でございます、おかしいじゃないですか。赤字にはきまっているのでしょうけどね。とにかく赤字だという以上は、どういうものかということをきちっとしてもらわなければおかしいですよ。国民にはわからぬかもしれないけれども、私のように、なぜ赤字かということを研究する者だっているのだ。こういうことを何か社労あたりで説明したことがありますか。
○加藤(威)政府委員 いま先生の御指摘のような御質問は、私四年ばかり医療保険部長をやっておりますけれども、出たことはございません。問題は、赤字のときにどんどん福祉施設でつくっておいて、赤字というのはおかしいという御意見でございますけれども、法律におきましても、健康保険におきましても、福祉施設をやることができるという規定がございまして、それにのっとりまして毎年せいぜい十数億程度の福祉施設、これは社会保険病院とか保養所というものを持っておりますが、そこで古くなったものを建てかえるとかあるいは修築するというような経費に充てておるわけでございますが、どんどん病院をつくったりあるいは保養所をどんどんつくっているということは、現実にはいま赤字の状態でございますから、ございません。ただ現在持っている財産を維持するために必要な程度の支出というものは出しておるわけでございますけれども、金額にいたしまして毎年十数億程度でございまして、それが致命的な赤字の原因になっているということはないと考えております。
○華山委員 その点は、やはり世の中に説明するときには、赤字でございます、赤字でございますと言わないで、これは大福帳の赤字でございます、どんぶり勘定の赤字でございますと、ちゃんと明らかにすべきですよ。これはいわゆる会社の赤字じゃないですね、会社でいう赤字じゃないわけです。会社と国のやる仕事の支出関係ですから、違うといえば違うかもしれません。その点はやはりぴしっとしていただかなければ困る。私は初めてわかりました、何でこういうふうに違うのかということをわからなかったのですが、お聞きしている間によくわかりましたけれども、そういう点は、やはり国会等で説明する場合は、きちっと説明すべきだと私は思いますが、どうですか。今度また始まるようですけれども、説明なさいますか。
○加藤(威)政府委員 その点は確かに、私ども、つい赤字というものについては、単年度収支というものについての収支がどうなっておるかという、これが一番重要だと考えて、それに焦点を合わせておるのでございますが、確かに健康保険特別会計で持っております全部の病院それから保養所、こういうものを財産に換算いたしまして、そして収支というものを見ればまた別の見方が出ると思いますけれども、しかし私たちは単年度収支というものに一応重点を置いて、健康保険の危機というものに財産を売っ払って黒字にしたらどうかというようなことでは、やはり健康保険の勘定を維持していく、健康保険制度を健全に維持していくというためには、そういうやり方では困るという考えで、単年度の収支に重点を置いたわけでございますけれども、見方を変えまして、先生御指摘のような見方ということについて、今後さらに正確を期してまいりたいと思います。
○華山委員 もう一点聞きたいのですが、時間もだいぶ過ぎましたので、それではあとで聞くことにしてやめます。たいへん御苦労さまでした。
○中川委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大臣の御出席がありませんので、厚生省の締めくくり質疑は次の機会にさせていただきたいと思っております。 若干伺ってみたいのです。 第一は、先ほど問答がありました、例の看護職員の不足対策の問題です。現状は一体絶対数不足ということであるのか、あるいはまた条件によっては自給完全なところないしは過剰なところありというのか、あるいは医療看護に支障を来たす程度に不足しておるのか、その辺はどういうふうになっておるのでございますか。
○松尾政府委員 私どものいま見ますところでは、結論的に申し上げますと、全国的に見て絶対数が足りない、こう考えております。ただ、先生御承知だと存じますが、病院の経営主体あるいは病院ごとに考えますと、確かに、たとえば四人に一人というような、標準を上回るような看護婦を持っておる病院も多数ございますし、またそれにはるかに及ばないという病院もございます。また地域的に見ましても、都道府県別にながめましても、一定の人口比率にいたしましてかなり高いところ、その半数程度しかないというくらいの差というような分布上のばらつきはございますが、しかしそれを全部ひっくるめまして、総体的にやはり看護婦の絶対数がまだ足りない、こういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 特殊な目的を持ってする医療機関、たとえば宗教的な団体による病院とかあるいはまた現在の国、公共団体の財政によらざる私的の病院、そういったところで、やはり満足して看護婦が充足されて、普通完全看護もやっておるようでございますが、その辺は何か処遇とかあるいはその他の諸条件に共通した、もしくは基本的な欠陥があるのではないであろうか。そういう辺が新たに看護婦を養成する場合においてもなかなか志望者が集まらずというようなかなりむらができ断層ができる原因になっておるのではないだろうか。この辺は厚生省としては非常に重大なことでありますので、根本的につかんでおられると思うのでありますが、満つるところの原因は何か、足りないところの原因は何か。これに対する基本的対策はどう立てるべきか、もしくは立てておるのか、どうなんですか。
○松尾政府委員 特定の医療機関では、先生御指摘のように、ある意味で満足したり気持ちの上でも非常に落ちついておるというようなところがないとは申し上げられないと思います。しかしやはり大きな不足になります原因の一つは、日本における医療の需要が非常に急速に伸びておりまして、それが端的に患者数の増加としてあらわれるわけでございますけれども、特に看護婦との関係で非常に密接な関係は、病院の病床数の増加、こういうものがあろうかと思います。大体現在一年平均いたしまして四万二、三千ベッドが年々ふえてまいるわけでございます。したがいまして、そういう点に次々に新しい看護婦を導入しなければならない、こういう要素が一つございます。それからなお看護婦自体の勤務上にいろいろな問題を及ぼす点といたしましては、昔に比べまして三交代あるいは基準看護、こういういったものの実現ということが非常に強く要望されておりますので、そういうことから来る人手の不足というものがやはり深刻に感じられてくるというファクターもあろうかと存じます。しかしながらまた一方そういう状態でございますので、看護婦さんの中には結婚をしながらもつとめておるという人の数も、国立病院や療養所でもかなりふえてきております。そういうようなことでございまして、そういったことから来るさらに勤務条件に関するいろいろな要求、こういうものも当然また昔と違って出てきているんではないかというふうに考えておるわけであります。しかしながら現在のところ看護婦というものに対する志望者はまだ相当多いわけでございまして、三年課程の高等看護学院におきましては昨年の平均競争率も約六倍でございます。したがいましていまだ看護婦になりたいという方が相当おられるというのが実態でございます。また准看護婦につきましても相当施設がふえておりますけれども、競争率一・五倍という率でございます。一般の若い女性の中に、学校を出まして看護婦を志望するという要素はまだ相当強く残っておると考えておるわけであります。したがいまして、一方そういうような条件の中で、看護婦は先ほど来申し上げましたように絶対的にはまだ不足をしておると私ども考えておりますが、いま申し上げました競争率の実態というようなことから考えまして、やはり養成力を急速に大幅にふやすということで、確保の対策が基本的には可能になってくるのではないか、それを強力に実現することがまず大事ではないかと考えております。
○吉田(賢)委員 近年急速に医療の需要がふえてきておる、こういうことは政府としては予知、予見されるべき事情ではないか。これは何か社会的に公害その他の原因があるのかどうか、それとも保険制度というものが乱診乱療というようなことになる制度運用上の問題でもあるのかどうか。そうにあらずして治療の目的を十分に果たさないというふうな現状にあるのかどうか。こういうような辺につきましては、需要が急速にふえつつあるということは、その御発言は見逃しがたいと思うのです。急速にふえるならば、ふえてからあとを追っかけるというにあらずして、ふえるべき原因を科学的に探究して、これに対処する方針を立てて行政施策を打ち出すということ、これはもう当然出なければならぬ。それからまたいま何か諸般の要求が出ておる、三交代云々が出ておるというような問題についても、何もきのうやきょうに始まった看護制度でもなんでもないのでありますから、そういうことはあらかじめ前もって十分に検討して、これに不備あり、これにもっと充実の要ありというようなことは、これはいろいろな角度から常時検討して対案を立てていくということが、当然であろうと思うのです。何か要求があってから追っかけられてあたふたするのは、とんでもないことであります。そういう辺が絶対数の不足ということ、なお志望者、競争率が多いにかかわらず不足を訴えるということも、何に原因があるのか、もっと深刻に検討して対策をお立てになる必要があろうと思うのです。 過般も大蔵省の決算において、たとえば幼児を抱く主婦看護婦、こういった児童を持つ主婦看護婦の児童に対する処遇の問題、税制上特別に損金として控除する必要があるのではないかということも尋ねてみたのでありますが、こういうようなことはほんの気のつく一点にすぎませんけれども、やはりこういう看護職員の制度、運用というような問題は、かなりきめこまかく事前にあらゆる資料を検討せられまして、これに対する問題発生前に方針を立てるというふうな、あなたのほうの行き方のほうが先行するくらいでないと、これはいくまい、こう思うのです。いたずらに社会が紛糾して国会の問題になるというようなことは、これは醜態です。そういうのは逆でなければならぬと思うのです。ですからやはりそこに相当な原因探究、対策樹立、抜本的な対策、そういったことについて確固としたあなたのほうの対策ないしは確信、そういったものがはっきりしないのじゃないだろうか、こういうことが、いまの数言の御答弁から受ける印象ですが、どうでしょう。
○松尾政府委員 ただいま御指摘いただきましたことは、まさに私どもそのとおりであるというふうに痛感をいたしております。したがいまして、将来長期にわたる医療の需要を正確に見るということは非常に困難かもわかりませんけれども、過去における相当安定した需要の伸びの数値も持っておるわけでございますから、そういったものも十分将来にわたって見込むということ、並びにこれからの社会の情勢によりまして、ただいまの養成制度におきましても、たとえば進学率が非常に変わりまして、高校進学あるいは大学に入る、こういう社会全体の傾向の中で看護婦の養成というものをいかに需要の動向にあわせて考えるべきであるか、こういうようなこと、あるいは家庭を持った方々がこれからどの程度ふえてくる、こういう勤務条件に対応いたしまして、そういう勤務者の増加に対応いたしまして、それにふさわしい勤務環境はいかにあるべきか、こういったようなことは、当然私どもも需要供給の計画の中に織り込むべきものだと考えております。私どもも、過去私どもがやってまいりました計算のしかた自体にはとらわれませんで、御指摘のような点を十分織り込んで今後の計画を立て、御迷惑のないような方向で進みたい、こういう決心をいたしております。
○吉田(賢)委員 具体的には指摘しませんけれども、二、三の宗教的な病院を私は視察したことがあります。それと公立の病院の看護職員を一見したところ、健康の状態あるいは労務の状況、労務管理の状況、そういったものは前者のほうがよほどよい、健康もよほど良好のような感じを私は受けました。なるほど後者の場合はたくましい、たくましいけれども少し過労ではないだろうか。したがって、そういう点につきましても、健康を完全に維持する、こういうことについても欠けるところがあるのではないか、健康を保っていくということは、この大事な仕事に重要な基礎条件ではないか、これはほんのしろうとの思いつきですが、看護婦、看護婦というようなのは、これはもっと呼び名はないのですか。一方専門医師は先生と呼ばれる、一方は看護婦と呼び捨てにしておる、こういうことが何か先入主があるのではなかろうかというようなことを私どもちらっと感じたことがあるのです。ですから処遇の問題は、それは経済的にも精神的にも家庭的にも健康的にもないしはそういった称呼の問題でも、いろいろな面からほんとうに手厚いきめのこまかい行き届いた施策を打ち出していくということでないと、この問題は厚生省は被害者でも何でもありません、むしろ国民が被害者になります。当の看護職員はもちろんでありますが、治療を受ける患者もしくは病院の経営体自体もかなり波及的な被害を受けるわけですから、こういうことも考えてしかるべく御検討を願いたい、こう思うのです。 もう一つは、ついでに聞いておきたいのですけれども、専門の医師のほうの問題ですが、これも地域によっては、過密地帯においてはむしろ過剰であるかどうかわかりませんけれども、相当豊富にある。過疎地帯においては物的施設あり、医師不足というのが現状らしい。なぜか聞いてみると、どうも学校の系統も相当根を張っておるような感じを受けます。こんなことが実際にあるんだろうか、しろうとのわれわれとしてはふしぎであります。しかし、それもある習慣があっていまのところすぐ打開ができないかわかりません。けれども、一体過疎地帯における医療機関に専門医師が不足するのか、物質的にかなり高額な給与で迎えようとしても得ること容易にあらず、しかしながら東京都あたりにおきましてはそんなに医師が不足ですかと聞いてみると、そうにあらずして過剰である。お医者さんの専門の委員の先生もおられますから、私しろうとの論議ですけれども、どうもその辺がやはり厚生行政の非常に大事な課題として早急に解決しなければならぬ問題の一つでないだろうか、こう思っておりますが……。
○松尾政府委員 医者の分布が非常に片寄っておりまして、従来から大都市偏重であるというふうにいわれております。現在でも総体的に見ましてその傾向は決して平均化しておりません。しかし、単に人口だけで見るのがいいのかどうか問題でございますが、人口だけにそういう現象があることは事実であります。しかし、特にいわゆる僻地といわれておるところの医療確保の問題はやはり私どもも率直に申し上げて一番頭の痛い問題であります。ただいま私どもやっておりますのは、いろんな、御指摘のように、大学のいろんな人事問題その他の問題も一つの習慣として残ってはおりますけれども、しかし、現実にはそういうものも活用しながらとにかく医療を確保するということが大切である。いま私どもがとっております僻地関係の対策は、そういう診療施設をつくってそこに医者を定着させるということももちろんやっておりますけれども、その僻地の性格なり人口の数なりあるいは交通事情なりその他のものをいろいろと現実的に勘案いたしますと、そういう方式だけでは決して解決のつかないという問題もあるようでございますので、特に道路事情あるいは交通通信というものの発達ということに着目いたしまして、ただいまもっぱら機動力を中心とした僻地対策というふうに切りかえておるわけであります。診療所の設置もいたしますが、同時に患者輸送車あるいは巡回車あるいは離島に対しては船、豪雪地帯なら雪上車、こういうものをそれぞれ補助対象として出しまして、そういう道路等を使って、その地区にはお医者さんはいらっしゃらなくても、毎日必ず患者はその近くのいろいろな病院のほうに行ける、こういうふうな施策を中心に次第に重点をそちらに切りかえておるわけでございます。言いますれば、そういう地区における医者自体を確保するということから、医療自体をその住民の方々に確保したい、こういう方向にかわっているかと思います。しかしながら、何といたしましてもなお不十分な点も免れません。私どもは御指摘のように若い方々その他の方々がいろいろな経済条件がいい、優遇されるのにもかかわらず行かないという、その実態をさらに踏まえまして、そういう御不満が解けるような道を講じながら、確保するような施策をこれからも検討していきたいと思っているわけでございます。
○吉田(賢)委員 最終的にはこれは政府として総合一貫的な施策が残されておりますので、そこへ持っていかぬと問題は解決しないと思います。私のほうで指摘しましたのは、いわゆる僻地、それから過密地帯の中間地帯のことがむしろ頭にきたのであります。それは相当な現状を知っておりますので、過密過疎の関係は、たとえば東京都は過密地帯、付近に過疎地帯あり、こういうことでありますので、ここいらはあなたらも僻地も見、それから過疎地帯も見、なるべく現地をできるだけごらんになって、こういう対策を立てるというふうになさる必要がないか。 それからまた交通のこともおっしゃいましたが、交通ということになりますと運輸省あるいは建設省の関係が多分にあります。道路事情も悪いし、その他の交通事情も悪いですし、それから海にしましても陸にしましてもかなり交通事情が悪い。その他あらゆる文化的施設にも恵まれておらぬ、こういうようないろいろな意味におきまして、今日の多くの人の望まない、もしくは望む条件が満たされない地域が過疎地帯以下です。この方面にはともかく施設あって人が得られない。だから重病患者なんか遠方へかついでいかなければならない。多大の経費負担がそこに伴う、こういうこともあるのでありますから、ここいらをできるだけ均斉のとれた厚生行政、医療行政もしくは医療施設というものが行なわれるということが、ほんとうの福祉的な傾向だろうと思うのです。福祉国家の目ざすところはそうあらねばならぬ。すばらしい施設あるいは機関があって、それは大部分もしくは多数は全く逆な暗い谷間にあるというのでは、これは福祉国家ではありません。その辺が大事なかなめになっていくのではないかと思います。これらはやはり現実を踏まえて対策をお立てにならなければならぬ。私が指摘しましたこともこれは決して単に議論をしておるのじゃないのであります。やはり厚生省の医務行政上の重要なかつ総合的な各省にまたがる課題でありますから、そのような見地から事務当局としていろいろと対策をお立てになることが望ましいと思うのであります。簡単にお答えを願っておきたいと思います。
○松尾政府委員 現状をよくつかまえろというような御意見はまことにごもっともでございまして、私自身も数少ない回数ではありますけれども、外へ出かけましたときにはたいてい僻地の診療所に足を運ぶということで、実態を把握したいと考えておりましたし、またわが局員もそのために方々に派遣いたしまして、その地方の実態を把握するという努力をしております。今後その実態を踏まえまして努力したい。さらに御指摘のように単に医療だけの問題ではございません。いわばそういう過疎対策あるいは僻地解消といったようなほかの施策がこの問題にきわめて重要であるという点、私どもも全く同感であります。事務的にも引き続き関係省とも十分連絡をさせていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 もう時間がなくなって要点だけで飛ばさぬとしようがありません。逐次追うていくようにして少し組織的、系統的に厚生行政をいろいろな角度から実は聞いてみたいと思ったのでございますけれども、これはあらためまして別の機会にさせていただきたいと思います。 では次に、簡単に例の献血問題を伺っておきたいのです。 わが国におきましても血清肝炎などで社会を騒がしたときもございますし、また献血、供血、売血等でいろいろ問題が発生したのでございますが、これは需給関係は相当好転しつつあると思っております。きょうは概要だけ伺っておきたいと思います。 一点は、現在において必要な輸血用の血液の量、これはかいつまんで言うたらどうなるのですか。
○坂元政府委員 献血の量でございますが、これにつきましては三十九年に献血制度が発足いたしまして以来、今日まで順調に伸びているわけでございます。献血による製造量は、全体の保存血液の総製造量のうち今日約九〇%近くまでまいっております。そこで、いまお尋ねの輸血の量として十分かどうかという点でございますが、これにつきましては、献血制度をやり始めましたころは、全国的に売血といわれるものが主体ではございましたが、大体五十八万リットルぐらいを使っていたわけでございます。 〔委員長退席、白波委員長代理着席〕 ところが今日の献血による製造量はそれよりも下回っております。献血といわゆる預血といわれるものを含めますと、四十七万リットルくらいになっているかと思います。この四十七万リットルという保存血液の量が現状において、あるいはまた今後いろいろ需要が増大いたすというようなことを勘案しまして十分であるかどうかという点につきましては、私ども必ずしも十分だとは思っておりません。したがいまして、まだまだ献血というものを推進する努力をなさなければならないわけでございます。私どもとしましては、大体五十五万リットル前後ぐらいまでまいりますならば、おそらく輸血に使います血液の量がそう極端に不足するという状態ではなかろう、かように考えているわけでございます。したがいまして、結論的に申し上げますと、現在の四十七万リットルというようなものでは、全国的に見ますとまだまだ十分な血液の量ではない、かように思っているわけでございますので、その点さらに一そうの努力をいたさなければならぬ、かように考えているわけでございます。
○吉田(賢)委員 たとえば東京都あたりにおきまして、聞くところによると、慢性的に血液不足状態である、したがって手術もあるいは延期したり中止したりというようなことがしばしばあるというふうに聞くのですが、そういうことを聞いておりますと、果然、約一カ月前でございましたか、都下の新聞にデカデカとそういった状況の報道があったのでございます。一体こういうことの原因はどこからくるのであろうか。それならば対策としましてはかなり恒久的に何か講じておられるであろうと思うのですが、なぜそういうふうな現象を呈するのだろうか。これはこの五月の十七日の読売で私は見たのであります。ちょっといま新聞を持っておりませんけれども、そういうふうに思いますと、これは単に一カ所もしくは数カ所というものではなくて、東京都のみならずあるいは大阪あたりもそうかもしれません。そんなことを思うのですが、原因と対策について、簡単でよろしゅうございますからお聞きしておきたいと思います。
○坂元政府委員 先ほど申し上げましたように、全国的にながめますならば、現在の採血による量というものはやや不足ぎみだ、かように思っているわけでございますが、地域的なアンバランスというものがあることもまた事実でございます。そこで、普通の県におきましては、大体現在献血による量で不足を来たしていないというような県が相当ございますが、問題はいま御指摘のございました東京をはじめとします大都市、大府県の血液事情が必ずしも良好でない。これはいろいろ原因があろうかと思います。交通事故等とかあるいは手術の件数というものが大都市等に集中しているというようなことも原因の一つかと思いますが、東京都の場合に見ますと、やはり季節的に若干血液の需給関係というものがこわれている面が非常に強いわけでございます。たとえば、年末年始とかあるいは夏季の時期とか、そういうような季節的な事情によりまして、血液事情というものがアンバランスを生じている場合が非常に多いわけでございますので、私どもとしましては季節的なアンバランスというものを今後解消していくことが大都市対策の当面の重点だろう、かように思っているわけでございます。したがいまして、今後そのような季節的な過去のアンバランスというものを反省をいたしまして、計画的に採血をしていくということ。特に、たとえば血液型のうちでO型が不足するというような事例も相当あるわけでございますので、そういう血液型の種別による不足あるいは季節的な事情による不足、こういうものを解消するためには、やはり計画採血というものを今後さらに一段と強化していかなければいかぬ。こういうような方針のもとで現在大都市対策というものを考えているわけでございます。
○吉田(賢)委員 赤十字社で各県単位の例の血液センターですね。これは独立採算制でやっておるようでございますけれども、採算面から見まして、かなり障害になっておるんじゃないだろうか。こういうようなことを思いますと、血液の融通問題やらあるいはまたそういう機関の現状の問題などもあわせまして、広範囲に何か各二、三の県のブロックでも、ブロック単位にお互いに融通し合うとか、あるいは独立採算制という問題に対しても再検討するとか、そういったことで、一種の補強対策を早急に立てるというようなことがこの際必要ではないであろうか、こういうふうにも考えますが、いかがですか。
○坂元政府委員 いまの点まことにごもっともでございます。日赤センターがやっております血液の運営状況を過去調べてみますと、確かに御指摘のように各都道府県のセンターごとの独立採算制というものが、全体的な運営の円滑さというものを阻害している面が多分にあることは事実でございます。したがいまして、私どもも従来からそういう独立採算制というものの障害を取り払うことというような方針で日赤当局を指導してまいったわけでございます。先般行ないました保存血液の価格の算定の場合にあたりましても、全国的にプール制というものを一部導入していこうという考え方のもとで価格の算定を先般きめたわけでございます。私どもとしましては、今後も日赤全体の運営をプールしていこう、そういうことによって効率的にこの事業を運営していかせるようにしようということで、今後もそういう線で日赤当局を指導してまいりたい。また、日赤当局も最近に至りましてはそのような必要性を逐次痛感しつつございます。今後できるだけ早急にこの独立採算制というものを解消していくように指導をしてまいりたい、かように思っております。 第二点の需給調整の問題、これも私どもも従来からそのような問題意識のもとに各県単位というもので血液事業というものをやるようなたてまえでは、どうも全体の運びがうまくいかない。全国的な立場において需給の調整をはかっていこうということでないと、この血液事業というものはうまくいかぬ、こういうような観点からいたしまして、いろいろな施策を現在講じているわけでございます。ブロック単位の需給調整機構というものも昨年から発足いたしております。まだまだ十分ではございませんので、そういう点をさらに軌道の上に乗せるように今後努力してまいりたいと思っております。
○吉田(賢)委員 献血が九〇%に達したという状況、それよりさらにまた一〇〇%近くなるかと思いますけれども、いまの赤十字社の実情を顧みまして、むしろ国営とか、それに近いような方法でも何かないものであろうか。そしてその辺について何の不安もなしに血液事業というものがこの需要を満たし、かつまた目的を達していくようにすることが、そうすることによって可能ではないだろうか。やはりいつまでも赤十字社におんぶ——おんぶではないだろうけれども、いまのような状態を進めていくというときに、方法としてもっと規模ないしは考え方を大にして、国本位というような持っていき方はできないものだろうか、もしくはそれに近いような方法は考えられないものだろうか、こういうようなことを思いますが、この点はいかがでしょうか。
○坂元政府委員 現在の献血制度の経営主体といたしまして、閣議決定以来日本赤十字社というものが中心となって採血を行なっているわけでございます。もちろん国なり地方公共団体というものも大いに責任を持ちながら、日赤と相協力いたしながら推進をはかってきているわけでございますが、今後どのような方向で血液の経営主体というものを考えていくべきかという点についてはいろいろな御意見があろうかと思いますが、私どもといたしましては、やはり今日まで日赤を中心としまして九〇%近くまで保存血液の量が順調に伸びてまいったわけでございますので、今後といえどもやはりこのような体制をさらにきめこまかく一方において運営をはかりながら、また組織化していくというような方向でいくことが、一番経済的な観点からいいましても効率的ではなかろうか。また運営自体も非常に民主的にやっていくべきでありますので、そういうような観点から考えてみましても、現在の体制というものを運営面においてきめこまかい配慮をしながら組織化していく、系統化していくということが今後やはり必要じゃなかろうか、私どもはこういうふうに考えているわけでございます。
○吉田(賢)委員 交通戦争といわれる時代に入っておりますので、かなり今後も交通被害による血液需要がその方面からも増していくことがしろうとながら感じられるわけであります。もう日本もこの段階におきましてやはり献血を基本にしました体制を、相当法体系でも整えて充実する必要があるのではないだろうか、こういうふうなことも実は考えられるのですが、そういうことにつきまして根本的に二、三伺っておきたいのですけれども、一体献血というのは基本的にはどういうふうに観念したらいいのですかね。 〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕 やはり日本では血というものは身体の一部というような以前からの考え方が入っておりますので、したがいまして、血を出すというようなことにつきましては、相当まだ国民の理解を深めるという余地があるのではないか。基本的に献血ということはどういうふうにその理念を確定すべきなのであろうか。こんなことを思うのですが、これはいかがなものでしょう。
○坂元政府委員 献血というものは、いま御指摘のように人体の一部でございます貴重なものでございますので、これを売買の対象にする、つまり商品化していくというような考え方は、これはやはり大いに問題がある。したがいまして、やはり人体の一部なるがゆえに、献血による血液というものはお互いに各個人個人慎重な配慮のもとにおいて考えていくべきである。したがいまして、献血というものは、国民各人が相互扶助の精神というものに脚立いたしまして、報酬なり給付というようなものを期待しないで血液を提供していく、困った方に血液を提供する、あるいはまた、将来自分自身がそういう災害なり病気等にあった場合に血液をもらう、そういうような貴重なものでございますので、この献血制度というものは、いま仰せのように、やはり国民的な理解のもとにおいて推進をはかるべきものであるわけであります。基本的な理念というものをもう少しはっきりさせて、そして一般の国民の方によくその趣旨を理解していただくということが献血制度を推進する一番根本だろう、かように私は思っておりますので、立法化等の問題も前向きに検討しておりますが、いろいろ技術的な点がございますので、今日まで残念ながらできておりませんが、将来の方向としてはそういうような考え方のもとにおいてものごとを考えていきたい、かように思っているわけでございます。
○吉田(賢)委員 時間もありませんのですが、こういう点について少し準備をしておいていただきたい。次回にずっと明らかにしまして立法化の議論を推進してみたいと、こう思うのです。 血液の利用の適正化と、それからまた被採血者を保護するということについて万全の措置が必要ではないだろうかというような点。それから血液の必要量の算出、こういうことにつきましても、かなり合理的な見地からこれを算出すべきではないであろうか。血液を確保し、あるいはまた確保のための手段をとり、あるいはまた実施するということについてはどういう方法が予定されるべきであろうか、こういうような点。それからまた、献血の思想の普及だとか、ないしは教育ということも大事な点ではないであろうか。あるいは血液の利用の範囲というような問題もあろうと思いますし、また採血の基準というものも相当厳正にやらなければいくまいということも思います。また、血液及び血液製剤の研究機関というものをもっと充実する必要があるのではないだろうか。それから血液の管理につきましても、これもやはり相当厳格に、かつ給与体系も整える。こういうような数個の点につきまして少し御用意をいただきまして、そしていまおっしゃったように、献血立法の方向へ相当前進し得るような準備を整えるべきではないかと思いますので、もしできますれば、次の機会までにいま指摘しました点につきまして厚生省の所見を当委員会までひとつ御報告でもしておいていただきましたら、それをまた踏み台にいたしまして、十分にお尋ねしてみたい、こうも思いますから、その点ひとつ委員長、お取り計らい願っておきます。よろしゅうございますか。
○坂元政府委員 血液制度の立法化の問題、確かに基本的な考え方としては私どももそういう考え方で従来まいったわけでございます。ただ、いま先生自身も指摘されましたいろいろな検討をしなければならない問題点がまだ相当残されておりますので、そういう問題点をやはり逐次一つ一つ考えながら立法化の方向に前進をするということが必要だろうと思っておりますので、私どももそういう点について厚生省としての考え方をまとめながら、また先生の御意見を十分参考にしながら、この問題については取り組んでまいりたい、かように思っているわけでございます。 〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕
○吉田(賢)委員 保育行政につきましては、これは児童家庭局ですか。保育行政の現状と問題点について少し伺ってみたいと思うのですけれども、時間の関係がありますので、私は要点を一応指摘しておきますから、これもあなたのほうでできましたら一応資料を出していただけませんか。 一点は、幼稚園と保育施設の実質的な区別は何に置くのであろうか。 それから保育の必要児童と施設の現状。これはもうわかり切ったことですけれども、一応数字だけ出してください。 それから、厚生省の整備五カ年計画がございますが、特に保育所の施設の全然ない市町村が四十二年の一月の統計によりますと七百九十一ございます。こういう問題がありますので、これに対する増設、施設の不足対策、これはどうなっておるか。 四番目には、無認可の保育施設の対策の問題でありますが、保育施設というものの需要がいま非常に盛んであります。したがいまして法律の所定する物的、職員的な要件に満たない無認可のものが漸増しつつあることは御承知のとおりの現状でありますので、これに対して一体どうするつもりなのか。たとえば国庫補助とかあるいは特別の融資の道でも開くことはいかがかというような問題。 それから零歳児童、乳児ですが、零歳児童の保育の問題、この点につきましても、家庭保育、それから集団保育につきましては大体厚生省の基本方針はどういうふうになっておるのであろうか。 それから保育時間が至るところでだんだんと問題になっておりまして、ことに勤労主婦の八時間以上労働をしておるような人、それで児童を保育所に預けておるような人が、時間が超過いたしまして、そして保育所も困り親も困る、こういうことになっておるのが現状でありますので、こういう点については保母なり親などの犠牲に事実なり、結局児童自身が犠牲になるのではないか、保育の目的を達しないという結果を来たすのではないだろうか、こういうふうな問題もあります。 それから年長児童の保育の問題ですが、これはともしますと、やはり幼稚園から小学校の関係、例の小学校の準備のようなことになり、あるいは上の段階への準備になるのみならず、本来の目的を逸脱してしまって、保育の目的を達しないおそれはないだろうか、そういうような問題。 それから、幼稚園と保育所は一元化してはどうかというような意見も出ておるようであります。こういう点についての見通しはどうであるか。最近非常に過疎地帯の保育所が経営難におちいる傾向がなしとしませんので、こういう対策があるのかどうか。 それからさらに中小企業の労働力不足対策としての保育施設、これにつきましては適切な施策をすぐに打ち出さねばならぬ、こういうふうに思うのですが、これについて国庫補助とか法的要件の整備とか、こういう問題が残っておるのではないだろうか。 最後に十番目でありますが、児児の健全育成とそれから教育の基本的の場としての保育施設、こういう考え方に沿って、日本の保育施設、保育制度というものが、この際抜本的に再検討の段階にきているようにも思われるのでありますが、この辺についてはどうか。ただし、これにつきましては、幼稚園の教育施設、つまり保育の厚生行政の観点とそれから文教の教育の観点と総合していかねば目的を達しないという考え方を私はいたしておりますが、いずれにいたしましてもこれらを抜本的に考え直すという段階にきておるのではないであろうか。十五歳の中学生が同級生の首を切ってしまったというような残酷無類な新聞記事も出たような時勢でありますので、私は保育行政の重要性をこういう角度からも考えておるのであります。こういう点につきまして、要点だけを明らかにしておきたい、こう思います。 これはさきに言いましたように、一応何か出してもらって、それをもとにして、また少し大事な点を問答するということにしてもいいと思います。いまの点はきわめて常識的なことでありますので、あなたのほうの専門的な立場からすぐに回答が出る問題ばかりでありますので、一応出してもらうほうがいいだろうと思います。そういうふうに願っておきたいと思います。 それから身体障害者の福祉対策の一環としまして義肢、装具の研究、開発施設が非常に重要であります。この問題は、基本的には私は厚生省が主管庁となるべきか文部省が主管庁となるべきか、なお問題はあると思います。いずれにしましてもしかし、非常に重大な問題であることには間違いない、こういうふうに思っております。 いまの交通災害あるいはその他の公害等の多い際でありますので、肢体不自由者が、あなたのほうの数字では、昭和四十三年度厚生白書では六十一万人、兵庫県では五万人に達し、そのうち手足のみの切断者は兵庫県だけで五千名に現在達します。そういう状態でございますので、この施設は非常に重要だと考えておりますが、一応概括的にお考え方を伺っておきましょう。
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。 いま仰せになりましたように、身体障害者全部で、目とか耳とかいろいろありますが、百五万といっておりますが、肢体不自由、手足切断はいま仰せのように、六十四、五万という数字でございます。これは交通災害のように非常にふえている部分、それから戦傷関係、これは減る一方でございます。しかし業務上はわりあいに横ばいということでありますが、交通事故関係というのは今後非常にふえるのではないか、こういうふうに考えます。 義肢の問題は、いま御質問ございましたように、実は身体障害者福祉法が二十四年につくられたわけでありますが、そのときに私も事務官でこれを担当しておったのでございますけれども、一番残念に思いますのは、終戦までは各国立病院その他で相当膨大な費用を使い、人を入れて、世界一流といってもいいくらいの義肢関係、補装具関係の工場は相当ございました。終戦直後に占領軍命令という形で、国立病院系統における義肢製作機構は傷痍軍人対策にすぎないということで、一応解散させられた、その影響が現在にも非常に残っておりまして、まだ先進の諸外国から比べますと追いつかなければならぬ点が非常に多いということでございます。現在の状況からいたしますと、大体地方公共団体が二十六カ所、公益法人が二十六カ所、国が八カ所、あとは二百六十一カ所が民間の会社あるいは個人営業というふうなかっこうで補装具をつくっておりますが、技術水準をどういうふうに高めていくかということが非常に大きな問題に最近なってきております。それで国立施設なんかは技術系統の人を諸外国に派遣しておりまして、四十四年度に若松町の東京第一病院の裏側に国立の身体障害者更生指導所がございますが、ここに約七千万で義肢の中央の研究所をつくろうじゃないかということで予算をいただきまして、これはこれから発足しようということでございます。それを中心にして各大学のいろいろな研究班、それから大学の義肢研究のいろいろな施設がございますが、その辺との連絡を緊密にして、現在の質をもっと向上させていきたい、こういうふうな考え方でいろいろやっております。今後ともこれは努力をしていかなければならないというふうな覚悟でございます。
○吉田(賢)委員 なかなかこの種の問題はむずかしいようでございますが、先般も去年の十月でございましたか、天皇陛下が兵庫県の但馬のじぎく園を特にごらんになったようであります。のじぎく園というのはこれは義手義足の研究というよりも、身体障害者特に肢体不自由者がたくさんにおり、これらに対するいろいろなリハビリテーション等の施設を持っておるようでございます。この研究に非常に熱心でございますけれども、いまの補装具の問題はこれは機能にもつながる問題でございます。それからまた私どもしろうとがあちらこちら見て回りますと、たとえば四歳の子供が交通事故で腕をなくした。それに義手をかりに着けるとしますと、われわれなら三年でも四年でも同じものでいけるわけですね。ところが四歳、五歳の児童は毎年発育していきます。そういうのを全部取りかえてしまう費用をだれが負担するのだという問題もどうもあるらしい、そういうことになってきますと、これは機能的な面からも研究の用意をしておかなければならぬのじゃないか。そういう義手義足というようなもの、そのものをずばっと研究していくという施設を積極的に持たなければいかぬのじゃないか。先般ちょっと私タイへ参りましたが、タイなんかも全然、これは少し極端にいえばゼロですね。それほどまだ気の毒な不自由な状態です。そんなことがあって人に話したところが、ある整形の専門のほうではやはり東南ア地域から、特にタイからも日本に対していろいろと開発に対する協力方を要請しているようですね。これは医療協力、技術協力の一面としてわれわれも取り上げていくべきだ、こう思っておりますのですが、いずれにしましてもこの需要は膨大なもののようにどうも感じられます。しかし、一方また非常にいいものをつけておりますと、私見たところでもここから下、両足ない人ですが、もうほとんど完全です。あなたはどこへ行ってきた。東南アジアを回ってきた、平気ですよというようなのもありますね。こう思いますと、私はこの義肢、装具の研究開発が完全に行なわれていきましたならば、その方面に対する福音は甚大であろうと思います。アメリカではニューヨーク、シカゴ、それからペンシルバニアなどでしたか、カリフォルニアも、等々の大学でこれは付置して研究しておるようでございますね。そういうふうなのでございますが、とにかくどうもおくれておるのが現状のようであります。中には自殺寸前に行ったのを私は現認しました。ただし、将来に見込みあるよい義足、義手が必ず君のからだにつくようになるというて、自信を得ましてから気持ち、精神が安定したという実例も私は見ました。こういうような面から見ましても義手義足の研究開発というものが焦眉の急に迫られている一面じゃないか、こう私は思っております。思っておりますので、この点につきましては相当私盛りだくさんに資料を持っておりますので伺ってみたいのであります。これはやはり一方文部省の関係も相当積極的にやってもらって、こんなことを言うと失礼ですけれども、なわ張りみたいな気持ちはお互いに起こさぬで、総合施策の重要な一環としまして進めていくように将来はありたい。まず厚生省自身もリハビリテーションのいろんな施設につきましてはかなり積極的な現状ですから、これは打ってつけの重要課題であろう、こう考えております。でありますので、ひとつ次は大臣も出ていただきまして、予算編成の前にもなっておりますから、八月には少しでも頭を出すところまでいくようなことまで進めるべきではないだろうか。患者側から見ましたならばこれはほんとに大きな福音ですよ。生涯の完全な義肢装具ができましたならば、ほんとの厚生行政の大きな福祉施策となる、こう思っております。おりますのですが、ちょっと中途はんぱなことになりそうですので、委員長、きょうはこの程度で保留させておいていただきます。局長、すみませんが、次の機会にいろいろと詳しい資料に基づきまして一つ一つ聞くことにいたしますから、きょうのところはあしからず御了承願います。
○鍛冶委員長代理 午後一時三十分より再開することとして、暫時休憩いたします。 午後一時四分休憩 ————◇————— 午後一時五十一分開議
○中川委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。 厚生省所管について質疑を続行いたします。浅井美幸君。
○浅井委員 いま健保財政が非常に赤字であるということが非常に問題になって、今国会においても健保の特例法の延長問題か出てきつつありますけれども、これに関連いたしまして、医療費が近年非常に高騰しております。そこでこのことに関連することを私はきょうはお伺いしたいと思いますけれども、まず最初に、医療費がこの七年間で約四倍になっておる。その医療費が非常にふえてきておる原因というものについて御説明願いたいと思います。
○松浦説明員 近年医療費が伸びております原因は幾つかあると思いますが、一つは世の中における医療に対する関心が高まったということで、医療機関にかかるということがえふる、それから保険が次第に普及してまいるとか、あるいは給付率が高くなるというようなことがございまして、医療機関にかかりやすいという状況ができたこと、それから新しいいろいろな医療技術が進んだり、あるいは薬が開発されたということによりまして、診療内容が充実して高度の医療が行なわれるようになったというようなことがそれぞれからみ合いまして、そしてその間診療報酬の引き上げということもございまして、それらが重なり合って医療費が伸びてきているということが起こっていると考えられます。
○浅井委員 近年医学が近代化されてきたことは私も認めますけれども、そのことについて医療費が非常に高騰してきている。国民にとっては喜ばしいことであると思いますけれども、その中で赤字の内容としてはいろいろと言われておりますけれども、まず水増し医療ということについて、医師の報告ですね。いわゆる診療請求といいますか、その結果について先ごろ四十三年度の保険医の監査結果の発表がなされたわけですけれども、その際の不正請求の実態がございましたけれども、その状況についてまず知らしていただきたいと思います。
○高木説明員 昭和四十三年度におきまして、保険医療機関に対しまして監査を実施いたしました件数は医科が五十六機関、歯科が三十四機関、薬局が六機関、合計九十六機関でございまして、不正請求による返還額は二千六百五十六万円でございます。このうち指定を取り消したものは医科が四十二機関、歯科が二十六機関、薬局二機関、合計七十機関でございます。
○浅井委員 その他個別指導によるものは全然ございませんか。
○高木説明員 ただいま申し上げました二千六百五十六万六千円は監査による返還額でございますが、このほか指導による返還額が三千八百万九千円ございまして、合計六千四百五十七万五千円が返還額になっております。
○浅井委員 この返還額が指導あるいは監査によって六千四百五十七万円にのぼったわけですけれども、これらは氷山の一角である、このように言われておりますけれども、この実態の把握あるいは厚生省が全国的に保険医の監査あるいは指導にあたってどのような点について注意をし、あるいは具体的に指導をしておるのか、まずそこから答えてもらいたいと思います。
○高木説明員 保険医療機関の不正の内容につきましてはいろいろなケースがあるわけでございます。普通その幾つかの例を申し上げますと、第一に架空請求というのがございますが、これは全く診療をしていないものについて診療を行なったごとく請求するというものでございます。それから第二番目につけ増し請求というのがございまして、これは診療を行った患者について実際に行ないました診療以外の診療も行なったように請求するものでございます。それから第三に振りかえ請求というのがございまして、これは実際に行ないました診療行為の全部あるいは一部を他の診療行為に振りかえて請求するというのもございます。それから医者が診察をせずに行なった投薬を請求する、これは無診投薬と呼んでおるケースでございます。それから医師にあらざる者が行なった診療について請求する非医師診療、こういったように不正内容は多様でございまして、またこの幾つかが重複しておる場合もございます。 これらの指導につきましては、厚生省といたしましてもかねがね十分に意を用いているところでございますが、何よりも保険診療におきまする不正を防止するためには、社会保険の診療の仕組みなり、診療報酬の請求手続について診療担当者の認識を深めるということが一番大切なことだと思いますので、従来からも関係団体の協力を得まして、講習会や個別指導等も実施してまいっておるところでございます。
○浅井委員 その仕組みや手続等、あるいは指導を関係団体からやっておられると言いますけれども、あまり減っていないですね。やはり年々いろいろな問題が起こっておりますし、昭和四十三年度だけでもこれだけの額が出ておる。これは全部不正がこういうふうに監査されあるいは指導されたとは見られない。従来から決算委員会において会計検査院がいろいろな不正を指摘してきておる。しかし、これも氷山の一角であるというように言われております。今回このように厚生省が全国約八十万人の厚生省の技官をもってしてやった指導監査の結果であっても、これだけが出てくるわけです。この点についてはどうでしょうか。
○高木説明員 私どもは大多数の医師は良心的に社会保険の診療行為に従事しておるというふうに考えております。そうしてこの医療機関に対する指導監査につきましても、やはり医師というものが人間の生命、健康をあずかるという非常に崇高な使命にある職業に従事しておられる方でございますので、何よりもまず医師のモラルを尊重するという態度で臨むべきだと思っておりますので、まず最初の段階におきましては、診療報酬の請求内容の点検を主といたしまする指導というものを行ないまして、その結果不正の疑いのある場合に監査を実施する。その際にも関係団体との連絡も緊密にし、十分に協力を得てやっている。こういう状況でございます。
○浅井委員 抽象的な話じゃ、納得できぬのです。そういうおざなりの話を私は聞いておるのじゃないのです。実態はもっとひどいものではないかと言っているのです。これは氷山の一角じゃないかと聞いているのです。これは全部かと聞いているのです。どうなんですか。
○松浦説明員 先ほど審議官からも御答弁申し上げましたように、私どもが行政当局としましてやり得る範囲のことはすべてやっている、こういうふうに考えております。 それ以外にあるではないかというような一つの憶測もあるわけでございますが、少なくとも私ども行政庁といたしましては、私どもの知り得た範囲内だけにおける監査というのが先生の先ほどおっしゃいましたその数字になっておるわけでございます。
○浅井委員 知り得たものについてはこうだというのだけれども、それは完ぺきなものかどうか聞いているのです。
○松浦説明員 確かに、私どもの手も限りあるわけでございますから、完全無欠かといわれると完全無欠だというふうなことまで言い切る自信はございませんが、ただ先ほども申しましたように、やり得た範囲ということで御理解いただきたいと思います。
○浅井委員 京都府においていままで一回もそういう指導監査を行なったことがない、この数年間こういうことをやらなかった、それにおいてはどうなんですか。
○松浦説明員 数年間やったことがないというお話でございますが、現に昨年度も京都府においては指導いたしております。その指導もほかと同じようにやっているわけでございますが、ただ監査が行なわれてないというのは、昨年度行ないました指導の範囲内においては監査に至るまでというような事例がなかった、こういうことでございます。
○浅井委員 それは厚生省の言い分としてはそのようにおっしゃるかしらぬけれども、こういうふうに町でいわれております。京都においては知事の圧力が非常に強くて監査は実際問題やらせない、あるいは京都の医師会は非常に強い、だから相当の高額な請求をしても監査は行なわれないのだということが平然と医師会の中でいわれている。それらのことが全然なければそういううわさが出てくるはずもなければそういう話が出てくるはずもない。ところが京都の知事がそのことについては監査をやらせないのだ、だから京都の医師会はそういうものについてはいろんな指導や監査がないんだから請求は思い切ってやりなさいというふうにいわれておる。だから他府県の医師よりも京都府の医師の一件の点数というものは非常に高い、こういうふうにいわれておる。高くないか、低いか、また他府県と同じか、一ぺん言ってくださいよ。
○松浦説明員 おっしゃるように一件当たりの請求金額が高いということは事実でございます。
○浅井委員 なぜ京都だけがいわゆる一件の請求点数が高くなっているのですか。
○松浦説明員 非常にむずかしい問題だと思うのでございますが、一つは京都というところで受診の状況がほかと違うのではないかということがいわれております。特に一件当たり申します場合に、入院と外来というようなものの平均というような形で出ておりますし、さらにまた京都ではある意味でいろんなことを十分行なっているということを京都のお医者さん方はいっておられるということは耳にいたしております。
○浅井委員 そんな抽象的な答弁じゃわからぬです。では、なぜ京都のほうの医師会の指導は十分に行なえという指導になっているのですか。他府県のほうでは十二分に行なわなくてよろしいという指導になっている。どういう差異になっているかということです。だから京都のほうの監査はいままでほとんどやられていない。あなたのさっきの答弁では去年指導をやったという話であります。明らかに不正のにおいがするといわれておる。その証拠としては一件当たりが上へ上がっておる。なぜ京都だけが特殊事情で上がるのか。その点の具体的な話をしてください。
○松浦説明員 おっしゃいますように、高いというのは平均的な数字で出ておるわけでございます。ですから具体的になぜか、こうおっしゃられますと私どもわからないのでございますが、先ほど申しましたように、京都の先生方のいわれるのは、ほかよりも十分なことをやっているんだ——これはどういうのが十分であり、どういうのが不十分であるということは各医師が診療される場合の判断ということになると思いますが、そういう意味で高いんだということを京都の方々はいっておられることを聞いております。 なお、京都の指導監査につきまして県の問題というようなことをおっしゃられましたが、先ほど申しましたように、昨年よりももっと前の段階ではあまり行なわれておらなかったということがございましたが、現時点におきまして、昨年もすでに普通並みに行なっております。それから本年度も行なうことは予定しておりますので、普通並みの指導なりあるいはさらにそこから事故が起これば監査というものも当然あり得るということに現在はなっておるわけでございます。
○浅井委員 なぜ京都だけが十分な医療をやって他府県は不十分な医療をやっておるのですか、その点を具体的に聞いているのです。
○松浦説明員 先ほども申しましたように、医療担当者の側が、自分らはこれで十分だというようなところまでやるんだというような考え方で医療機関が診療を担当しておられるということを聞いております。
○浅井委員 京都だけが十分に医療をする者が集まって、他府県は十分にやらない人たちが集まっているということですか。
○松浦説明員 十分か不十分かというのは外から見て判断するということではなくして、やはり診療を担当しておられる医療担当者の方が御自分で十分だというふうに思ってやっておられるわけでございますから、その他の地域におきましてもそこにおける医療担当者の方々は十分な医療というつもりでおやりになっているというふうに私ども推測いたしております。
○浅井委員 では医師の判断によって診療の方法が別々になっておるわけですね。その診療の方法が別々になっておるものが京都の場合は丁寧に診察もしあるいは投薬もし、そうして注射もなさる、そういう人がたまたま京都は多いというわけですね。他府県はそういう人は少なくて、医師の判断においては京都の人たちよりも、京都の医師たちの考え方よりも不十分な診療においてもこれで十分なおせるという判断の人が多いということですか。
○松浦説明員 先生のおっしゃるとおりだと思います。
○浅井委員 おかしいじゃないですか。京都だけにそういうのがどうして集まっていますか。京都だけそういう特殊になるのは、厚生省の見解はどうですか。
○松浦説明員 なぜ京都だけということは私どもよくわからないのでございますが、やはりその地域のお医者さん方が始めていかれますとぽつんと地域的な考え方というのが一応皆さん方に伝わって、その県ではある一定のパターンができるのじゃないか、そういうふうに考えます。
○丹羽(久)委員 関連。 医療課長さん、京都は架空だとか水増しだとか振りかえだとかいうのは出ていないのですか。
○松浦説明員 昨年指導した段階ではそういうものはございませんでした。
○丹羽(久)委員 それはいままでのうちには出ているのですか。去年出ていなかったというなら、一昨年はどうなんですか。
○松浦説明員 昔のことをよく覚えておりません。ここ二、三年はそういうことで監査という事例はなかったように記憶しております。
○丹羽(久)委員 それは先ほどちょっと聞いておると、不正申告だとか指導、返還だとかいうので、六千五百万近い金が一応返還させられたというのですが、こういうような不正事実が京都には——この中に含まれていなかったというわけだね。
○松浦説明員 監査を通じて行なったものは含まれておりません。
○丹羽(久)委員 そうするとやっぱり、浅井君の言うこともぼくはうなづける。それじゃもう一ぺん聞くけれども、先ほど浅井さんはこういうことを言っておる。知事の圧力でそういうことをやらなかったのじゃないかというのだが、私はそういうふうにまでは考えないけれども、どういうわけでやらなかったのか、ほかのほうはずっとやられておるにかかわらず、ここだけが残っておったというのは、ぼくは一まつの疑問を持つことは当然だと思うが、それは厚生省が監督の立場において調べてみたけれども、何ら出なかったのか、出たのか、どうなんだということなんです。出ればちゃんと出てくるはずだけれども、何もなかったのか、全然手をつけずにおいたのかということになる。あなたたちは全国を監督しておる立場で、京都だけをほったらかしにしておくということは、圧力を受けておるといわれてもやむを得ないと思うのですが、どう思う。
○松浦説明員 従来からの指導もしくは監査の実施に当たりましては、各都道府県の医師会と十分各都道府県段階においていろいろ連絡をいたして、そして実施をするということになっているわけでございます。昨年までの状態では、その間の折衝がなかなかうまくいきませんで、指導できなかったという事態がございましたが、先ほど申しましたように、昨年から指導ができるという状態になっておりますので、その中において、先ほど申しましたような不正という事実が、指導を行なった結果特になかったので、そのため監査を行なわず、監査による返還金がなかったという実情でございます。いま先生がおっしゃいましたいろいろな事情で、過去にはそういうことがあったかもしれないと思いますが、現在においては特にそういうことはございません。
○丹羽(久)委員 指導、監査はいままでは県がやるということになっているわけですね。厚生省が直接ということではないだろうと思うのです。(「直接やれるのだ」と呼ぶ者あり)だからある程度はやれるのであるけれども、一応県が中心になってやっていくのだから、そういう疑惑を持たれる点があったと思うのだが、いま聞いておると、六千数百万のうちに出てこなかったというのだけれども、たとえ京都であろうとどこであろうと、いま一般的な風紀の面からいくと、そういうことがあり得るような声があがっておるから、過ぎ去ったことはとにかくとして、今後は厳重に、公平にやってもらわなければならぬ、そういうような圧力的なものがもしあるとすれば、これは許すべからざることだ、それが国の指導機関であると思うのだ。県の知事が社会党であるとか、あるいは自民党であるとかによって公平を欠くようなことがもしあったとすれば、それは許されることではない。この点についてどう考えておりますか。
○松浦説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも、どの県であろうとすべて同じようなレベルで、そのような指導あるいは監査が行なわれるというのは当然だろうと思いますので、そのような方向で、私ども各都道府県に対しては指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○丹羽(久)委員 きょうは特に政務次官御出席ですから、政務次官の御意見も承っておきます。
○粟山政府委員 丹羽委員のおっしゃるとおり、これはあくまで全国どこであろうと、公平に厳格にやるべきものですから、そういうふうな方針でやるつもりでございます。
○浅井委員 いま丹羽委員から関連質問がありましたのですけれども、医療費が赤字になるということについての一つの原因で、先ほどの答弁もあったのですけれども、医師のモラルの低下だとか、いろいろなことを防ぎたい。しかしこういうことは公然の秘密みたいな姿で医療費の増高が叫ばれておるおりから、そういうような不正がいかなる社会においても、現代社会においてある。だから医師の側においてもそういうものがあるということについて、私は疑ってかからなければならないものだと思うのです。医師というものはいわゆる社会的あるいは世間的に尊敬される立場にある、そういう人たちがこれだけの数字の中に出てきておる。医療機関が九十六件で保険医が百十六人、これはあなた方の答弁では、私たちが不正を発見したものは全部やりました。これはあくまでも抽象論の話であって、現実はさらにもっともっと多いということは、これはだれでもが推測できるのです。全部が全部監査したわけではない、全部が全部指導したわけではない。ですから、それらを、私たちは不正を全部、一件も余さず見のがしてはいません、そういう考え方で、厚生省の指導、監査が現在の状態で事足りているというような横着な考え方であったならば、これはもっと悪質な不正があっても防げない、このことを私は指摘しておる。しかるに先ほどの答弁は、全部あったものはやって、気づいたものは私たちはやっております、こういうふうな姿勢であったならば、この問題に対する、いわゆる国民が負担しなければならない保険料の増高、その原因はと考えてみるならば、これは水増し医療の請求、不正請求ということにも一つの原因はあるということに思いをいたして、私はもっと徹底的な、不正を憎む、どんな人であろうと不正を憎んでいくという立場に立った、社会正義の上に立った、そういう立場から、この監査やあるいは指導を行なわなければならぬと思うのです。その端的な例として、京都が、いままでいわゆる日本医師会においてもあるいは日本歯科医師会においても、京都だけは特別なんだ、知事が革新系であるから非常に圧力が強い、またいわゆる府の衛生部の中に、厚生省の技官がいるからなかなか思うように監査ができない、そういうふうな弱腰の厚生省の姿勢であっては私はできないと思うのです。ですから、この点をあえて私はあげたわけです、この点どうでしょうか。
○松浦説明員 まことに先生のおっしゃるとおりで、私どもは、やはり不正は不正としてはっきりした決着をつけていかなければいけない、そうではなくて、正しく医療をやっている方々が損をして、そうして不正の者がはびこるというようなことは、これは絶対に許すべきではないと思います。そのような意味合いから、先ほど申しましたように、どのような県においてもそういう不正の事実というのがあったならば、これは直ちに監査をし、そうしてそれ相応の行政処分を行なうというのは先生のおっしゃるとおりだと思います。そのような方針で私どもも進めていきたいというふうに考えます。
○浅井委員 このような不正を防止する方策、今後どのように考えていらっしゃいますか。
○高木説明員 現在の医療保険制度が現物給付、出来高払いというやり方をとっております。この場合に一番大事なことは、この制度を健全に維持するために最も根底になるのは医師のモラルの問題だと思うのです。医師のビヘービアあるいはモラルというものがくずれましたら、現物給付、出来高払いという現行のたてまえが危殆に瀕する、あくまでもこれは大前提が、そういった医師の良心的な診療ということにあろうかと思います。私どもは、先ほど来医療課長も申しておりますように、不正を憎む、それからこの制度を健全に維持するためにも、不正は徹底的に、しかも全国府県の差別なく、またいかなる圧力があろうがはね返して、不正は不正しとして追及しなければならないという立場は堅持しております。しかし、根底におきましては、大多数の医師は良心的に保険診療に従事しておられるという確信がございます。その前提に立ちまして、先ほど申しましたように、各種の講習会等を通じまして、社会保険の診療報酬請求のやり方その他の手続につきまして、保険医療の担当者の認識を深めていくという努力を今後とも続けてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○浅井委員 よくわかるのですけれども、そういう抽象的な話では私はこれは解決しないと思うのです。モラルの問題、これは一部の人には違いないです。しかしモラルの低下というものが、社会不安あるいは政治の不信、そういう問題から、これはだんだんなくなるという傾向ではないわけです。一部の学生がゲバ棒を持ってあばれるような世の中であります。したがって、そのような世の中においてモラル、モラルということだけで、良心だけにおいてこれは解決するというふうな、そういういまの社会体制ではないと私は思う。したがってもっと厳格なチェック、厳格な審査あるいは監査、あるいは指導、それができるような方法を、厚生省として、医療費の赤字を叫ぶ前にできるだけのことをすべきではないか、私はこのように思うのです。その点はどうでしょう。
○松浦説明員 確かに先生のおっしゃるとおりで、私どもいま申し上げましたように、現在のシステムからものを考えた場合に、やはり国民が医師を尊敬し、そして十分な治療を受けるということは非常に必要なことだと思います。しかし不正なものは不正だということもまた一方あろうと思います。しかし私どもの考え方といたしましては、大多数の先生方はその良心に沿ってやっていただけておる。そしてまた、そういうふうな国民と医師との間の関係がそこなわれないということを十分確保しつつ、不正なものは不正なものということで取り上げていくという方針を、先生のおっしゃるとおりさらにさらに私ども十分力を注ぎまして、おっしゃるような方向で進めていきたい、そういうふうに考えております。
○浅井委員 たとえば私の言いたいのは、行政処分を受けた件数ですけれども、全国都道府県出ております。いろいろな処分を受けます保険医療機関、その四十三年度の行政処分を受けた状況の中で医科が四十二、歯科が二十六、薬局が二。保険医は、いわゆる医者が三十七名で、歯科医が二十三名、薬剤師が二名。この人たちはどのような行政処分になったのですか、またその後どうなっているのですか。
○松浦説明員 ただいま先生がおっしゃいました数字は、保険医療機関につきましては指定の取り消し、それから保険医等につきましては登録の抹消ということでございます。
○浅井委員 抹消になったままですか、また復活しているのですか。
○松浦説明員 このような取り消し処分を受けた者の復活と申しますか、再指定ということにつきましては、復活の申請がございまして、それについて各都道府県に地方医療協議会というのがございますが、その協議会における意見を聞きまして、それに基づいて都道府県知事が再指定する、あるいは再度拒否するということを行なっております。また保険医につきましては、二年以上登録を拒むことができないという法律の規定がございますので、その範囲内において都道府県知事が裁量して再登録ということを認めておるというのが一般論でございます。そしてその実態につきましては、私ども、これは各都道府県知事にまかせておりますので、そちらの状態については現在のところ的確にはつかんでおりません。
○浅井委員 たとえば今月取り消しになって、来月申請をすれば、またその登録ができるということですか。
○松浦説明員 いわゆる医療機関のほうにつきましては、そういう指定の申請がございましたならば、それを地方医療協議会にかけるわけでございます。それで、この地方医療協議会というのは、保険者、医療担当者、公益委員というような方から成り立っております協議会でございまして、ここにおいてどういうふうにすべきかという御判断をして、その御判断に基づいて、いま先生がおっしゃったような今月取り消しを受けて来月というようなことは実際には例がないと思いますが、そういうことがあったとしても、その医療協議会がそのようなものが適当である、こう判断されればそのような措置が行なわれる、そういうことになっております。
○浅井委員 では行政処分というのはざる法ですね。取り消したか取り消さないかわからぬ。要するに二年以内に医師の場合は全部復活するわけです。申請すればいいわけです。医療機関においても同じなんです。ですから医療機関は四十一年度において全部で八十二件、四十二年度は六十二件、四十三年度は七十件。保険医の場合は四十一年が七十八件、それから四十二年度は五十六件、それから四十三年度は六十二件、これらは実際に行政処分を行なわれておるわけです。しかし、ではこの人たちがまだ保険医の登録を取り消されたままであるか、ほとんどの人がまた復活しておるわけだ。それでは行政処分を行なったといってもざる法にひとしいじゃないですか、どうなんですか。
○高木説明員 国民皆保険下におきましては、保険医療機関の指定が取り消され、あるいは保険医の登録が抹消されるということは、この方々にとってはいわば一種の死刑に値するような処分であるわけです。そこでこれらの方々が、たとえば指定医療機関としての指定が取り消されたという場合に、先ほど医療課長申しましたように、都道府県知事が再指定するかどうかの問題につきましては、その前に診療担当者と支払い側と公益側の三者構成になっております地方医療協議会におはかりするわけであります。その場合には取り消しの原因となりました不正の実態なり、その後の医療機関の改善の措置、そういったものを勘案して地方医療協議会が判断を下し、そして意見を知事に出す。それに基づいて知事が再指定するなり、あるいは指定の取り消しのままの処分でいくなり、きめるわけであります。それから保険医の登録につきまして抹消された場合には、再登録の申請が出てまいりましても、二年間は拒むことができるわけであります。二年以上は拒めないということになっておりますが、二年間は拒むことができるわけであります。それらも登録の抹消になりました不正の実態、あるいはその後の当該医師の改善の状況、そういうものを勘案して地方医療協議会の意見を聞いてきめる、こういうことでありまして、手続はそういった三者構成の協議会の意見に基づいてやるというような構成になっております。その点はざる法といいますか、いいかげんなものだというようなものではないというふうに私ども思います。
○浅井委員 それでは四十一年、四十二年、四十三年の医療機関と保険医について、その内訳、現在復活しておる数字を一ぺん言ってください。
○松浦説明員 先ほど申し上げましたとおり、これは都道府県段階において行なっておることでございますので、私どものほうでは現在数字はつかんでおりません。
○浅井委員 先ほど私はざる法じゃないかと言った。取り消されて翌月復活されているものがあるのではないかと言った。そういうものはほとんどないと言いながら、つかんでいないとはどういうわけですか。
○松浦説明員 先ほど私がそういうことはないと思いますと申し上げたのは、今月取り消されて来月復活という一カ月くらいのものはないと思います、こう申し上げたわけであります。先ほど申しましたように、保険医につきましては二年をこえて拒否することはできないということがございますので、最長二年というのが実情でございます。医療機関につきましては、いま申し上げましたように私ども報告をとっておりませんので、実態をつかんでおらないということであります。
○浅井委員 だからつかんでおらないものが、今月解約になったものが来月再びなっているかもわからぬと言ったら、あなたはつかんでおらないのでしょう。実態をつかんでおらないものが、そういうことはないとかあるとか言えますか。
○松浦説明員 私がないだろうと申し上げましたのは、私どもの担当の者がやはり各都道府県をしばしば歩いておりますし、また都道府県からこちらにいろいろ来る方がおりますが、そのときにそういったいろいろな話の中で、一カ月で復活したという例は聞いたことがない、こういうことでそういう例はないと思いますがというふうに申し上げたわけであります。
○浅井委員 それではどうしてつかまないのですか。つかむ必要はないからつかまないのか。それから一番最短で復活した例は何カ月ですか。
○松浦説明員 私ども現在の段階では都道府県にまかせておるという考え方から特につかむ必要がないということでつかんでないわけでございます。ですから最短どのくらいの例があるか、こうおっしゃられても、現在それがどのくらいかというのはちょっと私わかりません。
○浅井委員 だから、私が言っているのは、そういうふうな極端な例では今月解任されてまた来月再任されるという例が出てくるのではないか。それでは、この法があっても幾ら地方に医療協議会があって、三者構成で厳格な審査をやっておるといったって、何ら不正に対するあとの制裁になっておらぬ。こういうことを私は言っているわけです。ですから、不正を再発させない、あるいは未然に防止するためには、それに対して徹底的な制裁処分が要るんじゃないか、こういうことを私は指摘しているわけですよ。その内容をつかまないで先ほどの答弁からは医者のモラルを上げるんだとか、そういうふうな指導をしていくんだとかいっているけれども、そんなことでははかどらぬからもっと厳格なチェックが必要じゃないか。チェックの一つの段階としては、そういうふうな再指定にあたってはこの二年間以内をこえないというようなことではなくて、一生涯、死刑にひとしいならば死刑にひとしいような厳格な処分をやれば、医者だってびっくりしてやらなくなる。そういうことを私は言っているのです。その点はどうですか。
○松浦説明員 現在行政処分として取り消しをするということは、私どもの考え方といたしましてはいわゆる制裁というようなことではございませんで、そのようなルールが守れないような医療機関とはいわば契約ができないと申しますか、そういう意味合いで指定はしない。しかしそういうルールは今度必ず守るということであれば、再び契約をするというような考え方のもとにおける指定というような考え方をとっておるわけでございます。
○浅井委員 診療報酬の請求書というのは公文書です。金券にひとしいのです。医師がペンで書いた数字がそのまま請求されてそれは銀行の振替の小切手と同じです。その金額どおり金がおりてくる。その公文書を偽造したにひとしいじゃないですか。不正をやったということは公文書の偽造と同じなんです。それが何ら制裁的なものがない。何らそれに対してあなた方厚生省としてそれに対するきちんとした厳格な処分がない。それではおかしいじゃないですか。
○松浦説明員 ただいま申し上げましたように、行政処分ということはあくまでもいま申し上げました不正な金額は返していただく、それから、そういうようなところはもう今後保険医療はお断わりするということ、いわば契約の解除というような形のものでございまして、先生のおっしゃるようなことになりますと、これはやはり別の刑事的な問題のほうで取り上げるべき筋合いのものかと思います。
○浅井委員 では、刑事事件として取り上げたものはあるのですか。
○松浦説明員 数は少のうございますが、現在でも幾つか刑事事件ということで取り上げられている例はございます。
○浅井委員 幾つ……。
○松浦説明員 ちょっと数ははっきり記憶しておりません。
○浅井委員 ことしだけでも合計六千四百五十八万円です。保険にして六十二名です。この中で刑事事件としてどれだけ取り上げられておりますか。
○松浦説明員 ただいま申し上げましたように、ちょっと刑事事件とこれとの関連においての数字はつかんでおりません。
○浅井委員 一般社会においては一円の金でも人の金を持ってきたって刑事事件になっておるのです。あなたが十円の金を持っていったって警察からいろいろなことを言われるわけです。医者の場合こういう不正をやっても刑事事件にもなっておらぬ。それで制裁はなくて、ただ不正な問題であったから行政処分において契約を解除するだけである。そんななまぬるいことでいいのですか。通りますか。
○松浦説明員 私ども保険のほうといたしましてはそういうような考え方であるわけでございまして、そこから先、刑事事件のほうとして取り上げるかいなかというのは、これは所管が違います。警察あるいは検察のほうの考え方ではなかろうか、そういうふうに考えます。
○浅井委員 そういうなまぬるいことを言っているから幾らモラル、モラルといったってくつの底から足をかいているみたいなものなんです。全然こたえておらぬ。だから毎年毎年あるじゃないですか。四十一年、四十二年、四十三年、この三年だけ見たってあるじゃないですか。これは氷山の一角だと私は指摘しておる。圧力によってやれないところもある。そういうようなことで国民は保険医療に対してあるいは診療請求に対して疑惑を持つ。その疑惑を一掃するために厳正なチェックをするのが、監督官庁である厚生省の役目ではないか、こう言っているわけです。この点はどうです。
○松浦説明員 ただいまの点につきましては全く先生のおっしゃるとおりでございまして、確かにそのようなものに対しては私どもも厳正に、さらに精力的にそういう仕事を遂行してまいりたい、こういうふうに思っております。
○浅井委員 その問題はこの辺で……。 それからさっきもあなたがおっしゃったのですけれども、京都のお医者さんは十分な治療をする、他府県のお医者さんはその医療のやり方でけっこうだ。それによって診療報酬の出来高払いが違ってくる。どこまでやれば十分な治療であるか、その医者の判断によって全部違う。そういう医師の診療報酬規程になっているんですか。最高限やれるようになっているのか、それとも最低限でいいのか。どの辺を指導しているか。適正な医療というのは一体どこなんですか。
○松浦説明員 具体的にこういうものが適正な医療だというようなことの指導はしておりません。ただ一般論といたしまして、御承知のように保険医療機関及び保険医療養担当規則という規則がございまして、この規則の中で一般論としてこのくらいの考え方でということが書いてございます。その中で特定の疾病の治療あるいは特定の薬剤の使用につきましては、いわゆる治療指針あるいは使用基準というものがございまして、そこに具体的に示しておるものがあるわけでございますが、それ以外につきましてはやはり現在の医学の水準で適当と思われるというようなラインがおのずとあって、それによって各都道府県における審査委員会における審査をされているものというふうに考えます。
○浅井委員 医療費に占めるところの薬剤費の割合は昭和四十二年において四〇%をこえておる。三十五年度までは二〇%だった薬剤費のその割合が三十七年から急カーブでふえて、最近では四五%に達しておる。だから現在の診療報酬の体系は投薬や注射をするほど医者の収入がふえることになっておる、こういうふうに書いてあります。これはどうなんです。ですからどんどん薬を出す、そして医者は収入がふえるようにはかる。注射をする。一本の注射でいいのを二本、三本する。乱診乱療といわれておる。これらは一体とめられるのか、とめられないのか。またそういう請求に対してはどのように指導できるのか。そういうふうな医者に対してはあなた方が監督官庁としてどのようにいままでやってきたのか。十分に行なえる医師とあまりやらなかった医師との差というのは一体どういうふうにできているのか。みな十分にやり出したらもっと医療費が上がってくる。この辺のあいまいな点については一体どうなっているか、私ははなはだ疑問なんですから、はっきり答えだてくさい。
○松浦説明員 現在出来高払い制というのがございますので、医療機関は御自分の思ったとおり行なう。それに対して先ほどの先生のお話で、薬が非常に多いということがあるわけでございますが、これはやはり一方では医学、薬学の進歩というようなことで、新しい薬がどんどん開発される、あるいは新しい薬はまた高いというようなこともございまして、そういうのがふえていくという現象が一方にあると思います。それからまた逆のほうの患者さんのほうの立場としましても、一般論として、日本の患者さんというのは比較的薬というものが好きと申しますか、薬がないと治療を受けたような感じにならぬというような患者さんもわりに多いという傾向があるように聞いております。そういうようなことが相まちまして、そして薬の使用というのがだんだんふえてきておるという状態ではないかと思います。 で、これに対する診療報酬のあり方というのが一方の問題でございますが、これは昭和四十二年の九月に中央社会保険医療協議会のほうから厚生大臣あてにいただきました建議の中でも、今後診療報酬の適正化というのを進めていくということがございますので、そちらのほうはその中央社会保険医療協議会においてこれからさらに審議されていかれるというふうに考えます。 また、現在実際に行なわれていることの指導ということでございますが、これは先ほどもございました例の集団指導あるいは個別指導という段階におきまして、やはり適正な薬の使い方はこういうものであろうというようなことで、そういうふうな機会を通じていろいろと説明し指導しておるというやり方をやっているわけでございます。
○浅井委員 医者は特権階級じゃないのです。ところが、あなたがいまおっしゃったようなことは全然実施されておらぬ。その地方地方の医師会によって決定された診療報酬というものにほかのものが見習うという、先ほどの京都の例みたいに、だんだん医療費が上がるようになっておる。ビタミン剤というものは健康を保持する必要以上の十数倍も投薬されておるという事実が出ておる。これらは、一体いまの日本の医療というものについて厚生省は何をやっておるのか、こういうふうに私は思うのです。ですから、私は一ぺんお聞きしたいのですけれども、二百数十万円の一カ月の診療費を請求したというのがある。これはどうでしょうか。そういうようなのをお聞きになっておりますか。
○松浦説明員 二百数十万円の診療報酬請求があったということは聞いております。
○浅井委員 一人で二百数十万円の保険料の請求ということは、確かに人命尊重の立場から、医療の最高の技術を発揮することはこれは大事なことでしょう、しかしあまりにもかけ離れておる。それが許される。そしてそういう例が新聞等にも出ておりますが、百三十八万円、波射は千百二十八回、血圧測定千三百八十五回、レントゲン検査が三十三回、一人の結核患者についての一カ月間のレセプトがこういうふうになっております。こういう診療方法、いまの無制限な診療といいますか、そういう診療も認められて請求をされる。医師の努力によって一生懸命やって、まじめな請求をしている医師もある。こういう差というものは、私は矛盾を感ずるのですが、あなた方は矛盾は感じませんか。
○松浦説明員 確かに、先生がおっしゃるように一件二百万あるいは百万という明細書があることも事実でございます。ただ、個々のケースにつきましてこれはどうであるかということで、いわゆるこれは十分過ぎるのかあるいはもっと低くていいのかというような判断を、個々のケースについて下すということは、私ども非常にむずかしいと思います。で、少なくも現在の診療報酬のあり方、立て方というものに基づきました上での考え方といたしますれば、やはりそういった治療がどうしても必要であったということであれば、それはそういうことで診療報酬の体系の上からお払いするということはいかんともしがたい、そういうふうに考えます。
○浅井委員 いかんともしがたいんで非常にあれですけれども、現在の出来高払いということについての問題、これを私はもう少し是正してもらわなければ医療の抜本改正にならぬと思う。ただ、赤字が出た、赤字が出たから保険料を高くするのだ、そういう解決の方法ではこれは解決しないということは前々からいわれておる。抜本改正の中にそのような診療体系といいますか、診療の具体的な方法というか、または一定の基準というか、そういうものを定めるべきではないか、私はこのように思うんです。無制限診療に近いようないまの医療のあり方というのは、これは大きく検討をしてもらいたいと思うんです。とともに、人命尊重の立場から万全の医療措置をとるのは当然であります。といってそれが行き過ぎないように、私はこの点についてもう少し厚生当局が真剣な戦いをしてもらいたいと思うんです。 ここで出来高払いの話でありますけれども、出来高払いというのは医者が請求するわけですけれども、この出来高払いという制度をもう少しドイツならドイツのように、いわゆる保険医療機関へ行って請求用紙をもらってくる、そして医者に出す、診療が終わったならばその用紙をもらって、自分の判こも押して保険医療機関へ持っていく、そういう制度というものはいま検討されておるのかどうか、その点どうです。答えてもらいたい。
○松浦説明員 ただいま先生がおっしゃいましたいわゆる官給明細書と申しますか、医療機関にかかりたい患者さんが事務所へ行ってそういう書類をもらってお医者さんにかかるということは、一つの健康保険の医療のシステムとしてドイツでも行なわれておりますし、私どもも検討しておるわけでございますが、これにつきましては、やはりそういうふうな非常に繁雑なことが患者さんにとって非常に不便であって、そのために患者さんの早期受診というものが抑制されて、国民の健康を守るという立場からはたしてどんなものであろうかというような疑問もあるわけでございまして、そのような点も十分考えなければならないというふうに現在考えている次第でございます。
○浅井委員 要するに、いまの審査員の手は回らないということを私は聞いております。いわゆる請求明細書の枚数が多くて、審査員というかそれを調べる人たち、チェックしていく人たちが少ない。やはりその内容については雑になってくる。それで、先ほど言ったような不正だとかいろいろな問題、無制限診療に近いような診療請求、これについてもチェックできない。したがって、それに対してのチェックというものは、出来高払いに一つの大きな問題がある。医者がストレートにいわゆる診療の支払い機関に請求することによって出てくるのです。これに対して何らかの方法を考えなければならぬというのがいまの大きな問題の焦点になっているはずなんです。自民党の医療懇談会では、この点についてはまだ検討の結果が出てないと思うんですけれども、次官もお見えになっていますから、自民党のお話も知っていらっしゃるでしょう、あとで私はお聞きしたいのですが、こういうことについてただ患者が繁雑である、だからできないんだというふうに一がいにきめる問題ではないと私は思うんです。さらにもっと検討を進めるべき問題ではないかと思うんですか、その点どうでしょうか。
○松浦説明員 おっしゃるとおりでございまして、いま申し上げましたのは、患者さんが不便であるということも一つのマイナスファクターであるということも含めてさらに検討を進めていくべきである。先生の御説は、まことにそのとおりだと思います。
○浅井委員 次官からどうぞ。
○粟山政府委員 おっしゃるとおり、医師のいろいろその請求についての問題が出てきているというのはたいへん遺憾なことだと思いますし、これをほんとうに正常な診察、診療、それから請求、そういうふうにしていただくために、これは厚生省として監督の官庁でございますから、十分に今後の抜本対策の上でもいろいろ問題として検討はしていかなくちゃならないことであると思っております。
○浅井委員 そのとおりだと思いますけれども、いま自民党の医療基本問題調査会というのがございますが、次官も自民党の議員でもいらっしゃるわけですから、この中でも抜本改革案の中で出来高払いには全然手をつけておられませんけれども、いまあなたが今後そういう問題についても検討しなきゃならないというのですけれども、厚生省として、ほんとうにこの出来高払いの問題に本気になって取り組まれますか。この診療報酬請求の矛盾点を解決するために、どうしてもこの辺の問題は手をつけなければならない大きな問題ではないかと私は思います。その点どうでしょうか。
○粟山政府委員 これはいろいろと問題を含んでおりますから、たいへんめんどうだろうと思いますけれども、やはり問題として取り上げるべきだと思っております。
○浅井委員 その次の問題でありますけれども、差額ベッドの話であります。最近差額ベッドは非常にふえておる、こういう傾向にありますけれども、この点についていわゆる公的病院といいますか、いわゆる私立ではなくて公的な病院においてもいわゆる収入をふやすために差額ベッドが非常にふえてきています。この差額ベッドがふえるということは、いわゆる国民大衆に非常に医療費がかさむ、月給より上回るような入院費がかかるという例が非常に出ておりますけれども、この点はどうでしょう。最近の傾向を数字をあげていただきたいと思うのです。
○松浦説明員 昭和四十三年の四月の調査が一番最近の数字でございますが、このとき調査いたしました病院のベッドが約八十五万ございます。そのうち十五万におきまして差額をとっておられたわけでございまして、その率は一七・八%ということになっております。なお最近ふえたという話でございますが、前回調査いたしましたのが昭和三十九年でございまして、このときは回収率があまりよくなかったわけでございますので、数で申しますとちょっとずれてしまうので、率だけ申しますと一三・七%が差額徴収をしていた病床数でございます。そのような関係をごらんいただきますと、おっしゃるようにある程度ふえてきたということがございます。なお数字的に申し上げますと、国立病院におきましては約九%、公立病院では一七・五%ということで、先生がおっしゃいますように公立病院におきましてはほほ平均並みというような差額病床の実態でございます。
○浅井委員 これは去年の例でありますけれども、最近の公立病院というのは、この差額ベッドが非常にふえてきています。これは一ぺん厚生省で調査してもらいたいと思うのです。ことし四月現在のを一ぺん出してもらいたい。最近建っておる病院、申請されておる病院というものは、差額ベッドが非常にふえてきています。こうしなければいわゆる病院の維持費がもたぬという話を私は聞いておる。厚生省はそのことはつかんでおられると思う。これは医療保障、日本の社会保障体系のうちの医療に対し、いわゆる国民に機会均等の平等な医療の実施という面から、そのような差額ベッドというものは逆行しておると思う。この点についてどうです。
○松浦説明員 厚生省の考え方といたしましては、差額ベッドというのはあってはならぬという考え方はとっておりません。と申しますのは、やはりそれだけのいい部屋へ入りたいという患者さんの希望があったときに、その方の希望にもこたえるべきであるから、そういうふうないわゆる上級の部屋というものを設ける、しかもそれから差額をとるということはあってしかるべきだという考え方を持っております。ただ今度は、差額ベッドしかないから普通の健康保険の料金だけで入りたいという患者さんがあった場合に、その患者さんはそれが響いて入れない、差額ベッドでなければ入れないということは厳に慎むべきであるというのが私どもの考え方の基本でございます。そのために三十九年にも通知をいたしたわけでございますが、第一点として、保険で医療を受けたい、差額が払いたくない、こういう患者さんに対しては差額のない部屋を十分確保しておかなければいけないということが第一点でございます。それから、そういうことも含みまして、病院におきましては差額ベッドの数は全ベッド数の四分の一ないし五分の一程度にとどめるべきであるという指導方針を伝えたわけでございますが、その後、このような調査の結果、やはり十分まだ守られていないという事情が判明いたしましたので、本年の一月にも再度同じような趣旨の通達を各都道府県に保険局長名をもって流しまして、しかもさらに各都道府県の課長会議等におきましても厳にそういう線を守るようにということを十分に連絡して指導、徹底を期しておるというのが現状でございます。
○浅井委員 いまの、一片の書類でもって通達をして事足れりと思っては私は困ると思うのです。現実に差額ベッドをとっておるのは、全国七千の病院の六割を突破しておるというのです。これが現在の実態だと思うのです。個室だと一日に二千円です。三人ないし四人部屋で五百円から千円が普通だ。中には一日に二万円、そのようなデラックスな病室がある。これは特殊な例でありましょう。大体個室、いわゆる差額ベッドでなければ病院のベッドがあいてないというのが現状なんです。だから通達やあるいはあなた方が、ちょっとした一片の指示を県当局から出したところで、現状においては、事実の上においてはそれは改まっておらぬ。それよりももっと公立病院なら公立病院で健康保険なら健康保険で、普通の健康保険料の千百五十円で入院できるような病室を大量につくるという方針を私はもっともっと具体化し、あるいは実施に移さなければならぬと思うのです。ところが、どんどんどんどんつくられておるけれども、差額ベッドの数をどんどんふやしておる実情なんです。あなたが通達した、ことしになってからまた通達したからそれが改まっておる、そういう問題でないのです。実際問題、国民はそれで困り、それで泣いておる人がたくさんおる。病気になったわ、部屋がない、差額ベッドならある。泣く泣く、命にかえられないというので、たくさんの金を積んでそういう病室に入っておる。これらの不合理性はどういうように改善しようと思っておるか。ただ通達でそれは解決できるか、どうでしょう。
○松浦説明員 私ども保険の立場といたしましては、いま申し上げましたように、たとえば差額ベッドしかない、しかし、患者のほうは差額ベッドを払う意思はないというような場合には、たとえ差額ベッドであってもその患者さんを入れるべきである、そうして差額をとるべきではないということをいっておるわけでございます。先生がおっしゃるように、一片の通知だけでそういうものが守れるか、こうおっしゃるわけでございますが、確かに一片の通達で守れなければ、私ども個々にいろいろ各都道府県にも話しておりまして、やはり一日でできなければ、どんどんいい方向へ進めていくということの指導は厳重に徹底してまいりたいというふうに考えております。
○浅井委員 その答弁は非常に抽象的なんです。厚生省の指導あるいは監督というものは非常に無力であると、私は答弁を聞いておって感ずるわけです。実際問題の政治というものあるいは行政というものは国民のためにあるのです。一般庶民のためにあるのです。金持ちのためにあるのではないのです。いくら高度経済成長政策で収入がふえたといっても、家族の中で病人が出て、そのような差額ベッドの多額な金を払えば大きな経済負担になる。現状は、そういうことがみすみすわかっておる。それをどらやって防ぎ、どうやってその人たちに楽しい暮らしを与えるかというのが行政であり、政治なんです。ですからそういうことが問題点としてたくさん浮かび上ってきておる。それを私はすみやかに、どうやって解決するのかという具体策を示してもらいたいと思う。ただ話し合っておる、指導はしておるといっても、それは守られていないし、現状は違うのだぞという強い認識の上に立った強い行政力を発揮しなければならないと思うのですが、どうですか。
○粟山政府委員 やはりいろいろベッドのデータをとりまして、そうしてその割合から見て差額ベッドが多過ぎる——病院を建てるとき、増築するとき、改築するとき、そういうときのベット数、そういうことなども統計をとっていきまして、そういう豪華なベットの率がふえるということなどをチェックすべきだろうと思います。
○浅井委員 次官にもう一ぺんお伺いしたいのです。 チェックだけではだめなんです。現状は非常にたいへんなんです。チェックして、よしもし現状においてそれがあった、困っておる、これは困った問題だなあでは済ませない問題だと思う。現状は、次官、どこのどんな病院へ行っても、大都市の病院だったら大体差額ベッドがあります。ほとんどの病院にあります。そこに入っておる人たちがほんとうに喜んで入っておるか、不平不満でありながらもやむを得ず入っておるのか、調べていただきたい。私はこれは大きな問題だと思う。ただ数字をとってチェックするだけでは困ると思うのです。そういう答弁では困ると思うのです。
○粟山政府委員 チェックして、そういう材料に基づいていまの差額ベットじゃないほうをふやすように指導するとか、どういうふうにしたらばこういう差額じゃないベットをふやすことができるかという対策を立てるようにすべきじゃないかと思います。
○浅井委員 公立病院あるいは国立病院の病院建設のお金を出すことですよ。どうするじゃなくて、お金を出すことだと私は言いたい。公立病院をどんどん国費で建ててふやさなければならない問題だと思う。それでなければ解決しないのです。ただ指導したって、あるいは通達したって、それは解決する問題ではない。 病院もいわゆる特別会計という会計上で縛られております。収支計算が合わなければならぬというので、いまの医療体系では、病院というものはいわゆる公共の施設ではありますけれども、やはりその経済的なものを考えなければならない。収入をふやすために差額ベッドをつくっておるのです。意識的につくっておるのですよ。やむを得ずしてつくっておる。ですから、そういう病院の研究あるいは設備、そういう点についての全面的な国庫の補助がなければならない問題ではないか、私はそう思うのです。次官だったらもっと詳しく御研究もなさっていらしゃるし、知っていらっしゃるだろうと思うのだけれども、私はその辺について、厚生省としてもっと強い姿勢で、あるいはあたたかい手を差し伸べるべきじゃないか、こう言っているのです。その点どうでしょう。
○粟山政府委員 仰せのとおりでございますから、予算の面でそういうベットをつくるために、そういう病院をつくるために努力をするようにいたしたいと思います。
○浅井委員 それから、話をかえて日本脳炎のことでお聞きしたいのです。 この日本脳炎という病気は法定伝染病の中に入っております。しかし、いまだに日本脳炎に対する抜本的な対策というものが日本の医療行政の中でとらえられていない。したがって、どういうふうな伝染経路あるいは伝播経路、あるいはコガタアカイエカというものが日本脳炎のビールスを持って越冬して、豚を通じあるいは牛を通じてといわれておりますけれども、蔓延してくる、その対策としては何もないから蚊にかまれないようにしましょう、こういうふうな話であります。日本はいわゆる世界でも有数な文明国であります。しかるに、日本脳炎が一たび流行いたしますと、何ら手の打ちようがない。こういう点について、日本脳炎に対する厚生省の態度あるいは対策、これをまずお伺いしたいのです。
○村中政府委員 日本脳炎の問題につきましては、名前のとおり外国にあまり例のない伝染病でありまして、これはビールスというばい菌の中の種類によって流行しておるわけであります。このビールス学そのものの発展も、学問的には非常に日が浅うございまして、したがって学者の層も細菌、バクテリアに比べますと非常に薄いわけです。そういう中で日本脳炎の研究なりあるいは体制を立てざるを得ないという客観的な実態がある面ではあるのであります。 戦後、日本脳炎の対策につきまして、ワクチンの開発にあわせましてビールス学的な究明が次第に行なわれてまいりまして、御承知のとおり二十九年に法定伝染病の中に入れられまして、ここで他の急性伝染病と同じような対策をとる、そういう状態が出てまいったわけでありますが、ワクチンが開発されるにつきまして、昭和四十二年から、特に疫学的に重要な年齢階層に対してワクチンの接種が行なわれまして、いまこれは日本脳炎の特別対策というふうな形で、特に流行の感染の危険の大きいと思われる年齢層に対して特別対策を実施しております。 なお、最初に申し上げましたとおり、ビールス学的な学問の進歩にあわせまして、日本脳炎の研究開発という問題も今後力を入れてまいらなければならぬ事項であると考えております。
○浅井委員 そのお話は私も大体知っておるわけです。実態として、日本脳炎に対する対策は一体どのようになさっていらっしゃるのか、あるいは研究開発に対してどのように力を入れられておるのか。厚生省としての研究、あるいはその処置に対して、予防に対しての実態を……。
○村中政府委員 私どもがとっております対策といたしましては、ただいま申し上げましたように、生後六カ月から十五歳、若年層が感染の機会が多く、従来も患者の集積性が高いわけでありまして、この年齢層と五十五歳から六十四歳の高年齢層、これに対して重点的にワクチンの接種をいたしております。これは、昭和四十二年からこの特別対策を実施いたしております。四十四年度についても引き続きワクチン投与による対策を続けております。 それから研究の問題につきましては、従来ワクチンの開発研究という形で過去においては研究費が計上された経緯もございますが、昭和四十四年につきましては、私どもまだ解明の行き届いていないビールスの型の分布状態がどんなようになっているか。言いかえますと、日本脳炎ビールスの中にもたとえばインフルエンザのビールスのように幾つかの型があるのではないか、その型によって流行の様相も違うのではないかというふうなところがら、ビールスの分布状態の研究を四十四年度で実施をいたしたいと考えておりますが、四十二年には、先ほどもお話しのビールスを媒介すると思われる豚あるいは蚊、こういったものの疫学的な解明の目的で、農林省と共同で、科学技術庁の研究費で研究いたしております。
○浅井委員 その成果は、どのようなものが出たのでしょう。 それから農林省にお伺いしたいのですが、農林省としてはこの点についてどのように協力なさっておりますか。
○村中政府委員 ワクチンの開発につきましては昭和三十二年ごろから大体軌道に乗り始めておりまして、現在昭和四十三年度は約一千二百万人の対象に対して特別対策として実施をいたしておりますが、四十四年度は一千五百万人の対象に対してワクチンの特別対策という形で、これは若年層と高年層でございますが、実施をいたしたいと考えております。 なお調査研究につきましてはただいま申し上げましたワクチンの開発が一点、それから科学技術庁の共同研究の中で私ども厚生省関係の研究機関が受け持った部分につきましては、豚に免疫を持たせるというふうなワクチンについて、これが毒力が復帰するかどうか、この点の研究が主でございまして、これについては報告書によりますと、一般状態に異常を起こすことなく、豚に対するビールスの弱毒化が証明された、こういう結論が出されております。 なお、四十四年度は約四千万弱でございますが研究費を計上いたしまして、ビールスの分布の状態を把握をいたしたい。これはすでに会合を持ちましたが、今後具体的な発生にあわせました分布状態の調査をいたしたい、こう思っております。
○浅井委員 農林省のほうにお願いしたいのですが……。
○平松説明員 日本脳炎は豚にも伝染をいたすということでございまして、私ども畜産の関係者といたしましても、畜産行政といたしましても非常に大きな関心があるわけでございますから、四十二年の研究の際には私どもも分担をいたしまして、なまワクチンの感染防御効果に関する研究、それから豚の体内感染に関する研究というものを四百五十万円ばかりの経費で分担をいたしたわけでございますが、なまワクチンの効果につきましてはまだ相当研究を要するというふうな結果が出たと承知しておりますが、体内感染の問題については感染時期について明らかにすることはできないという結果が出たというふうに承知しております。
○浅井委員 ことしまた流行期を迎えるわけであります。日本脳炎というのは周期的にいままでいろいろ起こってきて、去年もあまり大流行がなかったわけです。ことしになるか来年になるか、日本脳炎がまた起こりそうな気配は確かにわれわれだって考えられるわけであります。この研究でありますけれども、ビールスの分布状態の研究を四千万円かけてやっておられるのですけれども、ワクチンの実際的な効果あるいはその予防ということに対していま一段と力を入れなければならないのじゃないか、このように思います。大阪の衛研では大阪府の予算でもって日本脳炎については非常に力を入れております。 〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕 しかし全体的に見て科学技術庁の研究等にまかせておって、厚生省としてまだ一段の力が入っていないように私は思う。日本脳炎というのは先ほどあなたもおっしゃったように、日本におけるところの独特の病気であり、法定伝染病の中の一つなんです。したがってもっともっと積極的な研究開発を行なわなければ根絶ができないのではないか。これは死亡率が非常に高い病気であります。一たんこれにかかりますと、大体六割が死亡するともいわれております。人命尊重の立場から、こういう研究について、従来からいわれておる、これだけの技術が発達し研究体制が発達しておる今日において、もっと積極的な体制を組まなければならぬのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○村中政府委員 日本脳炎の死亡率の高いことは御指摘のとおりでございまして、幸いにも昨年はだいぶ発生も死亡率も下回ったのでございますが、しかし患者に対する死亡率というものは他の伝染病に比べて比較にならないような高い状態は依然としてあるわけでございます。私どももこの対策については十分力をいたす決心でおります。昭和四十四年度には約一億の特別対策費を計上しておりまして、その前年は八千七百万円、昭和四十二年には四千七百万円の特別対策費を計上いたしております。 なお研究体制につきましては先ほどちょっと触れましたけれども、過去においてはワクチンの開発ということで数年続いて研究費の計上が行なわれた。これは厚生省としてであります。なお四十二年には、ただいま申し上げました科学技術庁の研究費が約一千万計上されております。今回の四十四年度につきましては、厚生省独自の予算で先ほど申し上げました約四千万を計上いたしておりまして、今後の研究には大いに努力をしてまいりたい、こう考えます。
○浅井委員 いつごろまでにできるのでしょうか。研究開発だけではなくて、いわゆる成果として、種痘なら種痘のように安心して免疫になるという状態、日本脳炎もそういうふうな心配は全然なくなった、根絶された、そういうところへ私は持っていってもらいたいのですが、いつごろできて、いつごろまでにやられるのでしょうか。
○村中政府委員 ワクチンの開発の問題とからみましていまの研究の今後の見通しについての御指摘でございますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、インフルエンザが、これだけ学問が進んで、国際的に各国の学者が一生懸命この防遏に対してワクチンの開発なりあるいは研究の開発を進めていても、一たび流行するとなかなかこれが阻止できないというふうな実態にあることは御承知のとおりでございます。伝染病の発生ということのためには、第一点は、感染源の阻止ということが問題になろうかと思います。第二点は、その感染源を撲滅するということが問題でございます。第三点は、不幸にして体内に感染源が入った場合、それが発症、発病という形に至らないようなからだの抵抗力あるいは医療の開発という問題が出てまいると思います。いま私どもが重点的に力を入れておりますことは、ビールスの分布の状態を把握をして、同じ日本脳炎であっても、型によって種類がもしもあるとすれば、そういう型を早く発見して、いろいろな型をまぜたワクチンの研究というものを軌道に乗せる必要がある。これは個体の免疫度を高めるという点に役に立つわけでありますが、従来いわれております豚とか蚊とか、こういう周囲の環境状態の中にある感染源の撲滅ということも並行して進めていく必要があると私は考えております。そういう意味では、日本脳炎の対策につきましては、腸チフスの生活環境の整備と同じような周囲の環境の対策ということも、並行して進めていくということが一点。さらに考えられますことは、これは従来の発生においても経験している例でございますが、個体の全般的な抵抗力が落ちてくるにつれまして、体内に潜伏的な状態であるビールスが発病にまでいくという例が多いということで、特に夏場、人体の抵抗力の低下を阻止するという面の一般的に予防体制も手を抜くことなく進めていく必要がある、このように考えておりまして、環境の対策、それから感受性の問題、さらには一般的な抵抗力を強めるという点について今後もやってまいりたい、こう思っております。
○浅井委員 私の聞いたのはいつごろにできるかということで、インフルエンザはたいへんだということはわかるのですよ。けれども日本脳炎というのは日本における独特の問題なんですね。それでコガタアカイエカ、豚が媒体になって感染するということの経路までわかっておるわけです。これに対する根絶の方法というものは従来から何回もいわれておるわけです。それに対していわゆる分布状態の研究だけで済むものなのか、あるいはもっともっと積極的なそういう姿勢を——四千万の研究費でだいじょうぶなのか、その辺が私は非常に心配なんです。この重要な問題、ことしはまだこれからの流行ですから、これは死者が出るようになると新聞等でいろいろ大きくいわれる。その点についてそれらに対する万全の体制を——来年度なんか万博が控えております。世界各国から何万人かやってくる。そのときに日本脳炎が出てきた。いまあなたのおっしゃったように、夏場においてはからだの健康を保持して、病気にかからないような健康なからだをつくっておいてもらいたい、栄養をちゃんととっておいてもらいたい、あるいは蚊に刺されないようにといっても、かやの中に入ってめしを食ったり、かやの中で勉強したり、かやの中で仕事をするわけにいかないわけです。ですから、そういうことになった場合に、日本として法定伝染病でありながらそのまま放置しておったという汚名を全世界にわれわれが着なければならないようになる。だから、この点についての万全の対策を、来年なら来年までに私たちはこういうふうにとりたいと思っておる、したがってそういう研究体制についてはここまでの積極的な姿勢でやっておるんだ、四千万の予算では足りないと私たちは思っておる、しかしここまで私たちは進めておる、いままで四十一年、四十二年、四十三年とこのように進めてまいりました、こういうきちんとしたものの明確なスケジュール、計画というものを私は示してもらいたい。ただやっておる、やっておるでは私は困ると思うのです。その点どうでしょうか。
○村中政府委員 従来行なってまいりました研究については、第一点のワクチンの開発というもの、第二点の先ほど申し上げました増幅動物の体内におけるビールスの増殖状態、言いかえますと、現在のところ残念ながら原因がわかりませんが、どういう形でことし流行したビールスが年を越して翌年のあたたかくなったときに流行するか、この越冬という問題が感染源の追求の過程の中ではまだ未知数でございます。ただ春から夏場にかけた時点で特に豚の体内においてビールスが増殖をする、こういうことはわかっております。しかも、これとの関連で、この増殖したビールスを持っている豚を刺した蚊が体内にビールスを持っている。これが二次的に人間を刺して、ここで人間の体内にビールスが植えつけられるというふうな一連の関連がわかってまいりました。この動物、豚と蚊の関係、この究明が四十二年度の科学技術庁の研究となったわけであります。 一方、四十四年度の私どもの計上いたしました四千万の研究費は、これも先ほど申し上げましたが、たとえば同じ日本脳炎という形でも、やはりインフルエンザと同じように、そのビールスに種類があるのではないか。その種類を解明して、たとえば二種類、三種類という種類が出てきたら、その種類をもとにしたワクチンを接種すれば、たぶん日本脳炎の流行は押えられるんじゃないだろうか。感染の防御ができるのではないだろうかというふうな想定が出てまいりまして、これは四十四年度の研究ということになっております。 ただ御指摘の一体いつになったら全く一〇〇%効果があがるような対策ができるのかという点につきましては、少なくともことしの研究の成果あるいは今後の研究の過程をまたなければ、いまここで一がいには申し上げられない、こう考えております。
○浅井委員 私は四十年度のときも大阪府会においてこの問題については研究しました。それから大阪府は独自の予算をつけて大阪の衛研で研究している。いまあなたは四十二年に科学技術庁がやり出したと言っておりましたけれども、四十年のずっと前から、コガタアカイエカから豚に入って、そしてその豚で抗原、抗体反応が起こって、人間がまた刺されるということについてはわかっておるわけです。数年前からわかっておる。わかっておることを厚生省が本格的にいままでやってこなかったからおくれているんだということを私は言っているんです。そうでしょう。四十二年にわかったんではないでしょう。数年前からわかっておる、それをいままで放置しておるのです。だから、その研究開発が非常におくれておるんじゃないかと私言っておる。どうですか。——四十年に日本脳炎が暴威をふるったでしょう、大恐慌になったではないですか。
○村中政府委員 多少私の説明が足りなかったかもしれませんが、四十二年度からいたしましたのは豚、蚊、こういったものがどういう方法をとったならば免疫ができるか、すなわち、体内でビールスが増殖しないような抑制ができるか、豚に対するビールスの感染防止の研究を四十二年度で実施し、それとあわせまして、その豚の血液を吸った場合に、はたしてその蚊が体内にビールスを持つかどうか、その点の究明が四十二年度の研究で、豚の体内、それから蚊の体内にビールスがいることがわかったということでございます。
○浅井委員 だから、そのことについては四十年前からわかっておるというんです。いいですか。大阪府の衛研では独自に研究をやっておるでしょう。やっていませんか。その大阪府の衛研でやっておることについては、もう早くから大阪府会で指摘されて、取り上げたからやっておるわけです。全国的にいままでやってなかったんです。だから四十二年になってやり出した。やり出したけれども、そのことについては、私から言わせれば厚生省のやり方は非常に手ぬるいです。もっと早くやらなければならない問題ではないか。いつになったらこれは研究の成果が出るのか。十年先、二十年先に出るんじゃ困るというわけです。このように科学が発達し、医療が発達しておる今日において、これが五年先、十年先にならなければまだまだ原因もわからない、その薬もはっきりわからない、いわゆる一たび日本脳炎がはやれば死ぬのを待っておるような今日のような状態で、研究開発は進めておる、進めておるというんでは困るじゃないか、こう言っておるわけです。その点はどうですか。
○村中政府委員 私は四千万の研究費、これでもう十分だ、これ以上要らないというふうには考えておりませんが、さしあたって四十四年度の研究として、学者の御意見も伺った上でこの程度の研究費を計上されれば、先ほど申し上げました分布状態の把握はできるだろうということでございます。 なお、非常に手ぬるいという点についての御指摘がございますが、過去の問題は過去の問題といたしまして、私どもも精一ぱいの努力を現在いたしておるわけでございますが、念のために申し上げますけれども、昭和四十年から伝染病の流行予測というのを行なっておりまして、この中には日本脳炎の流行予測もいたしております。これをもとにして翌年の流行の予測を想定し、ワクチンその他の対策の計画を立てるというふうなことを現在いたしております。
○浅井委員 ほんとうだったら、四千万でなくて、予算はどのくらいほしいのですか。分布状態だけ調べればもうことしすぐ完成しますか。
○村中政府委員 繰り返しになりますけれども、一体日本脳炎のビールスに典型的な他の型が分かれているのか分かれていないのか。分かれているという予想が立ちますけれども、これの解明が現在できていないわけでございます。そういうところから、もしも型が一つであるならば、その型に合ったワクチンを製造して、これによって人体に免疫を与えるということが予防の相当の効果をあげることになるだろう。御指摘のように日本脳炎の予防接種をいたしておりますが、接種した者の中からの感染もやはりあるわけでございます。そういうことで分布状態の把握ということは、ワクチンの今後の研究になる基礎的な問題だとも考えております。しかし、これはワクチンの研究と分布の把握と並行してできる問題ではなくて、型の検討の結果の中からそういう問題の改良なり研究というものが出てくる、こういうふうに私は考えております。
○浅井委員 だから、そのワクチンをつくるためのビールスの分布だけで事足りるか。もっとほかにやらなければならないことがたくさんあるんじゃないか。それをことし一年間かかって分布状態を調べるだけでいいのかというのです。もっともっとほかに積極的な問題はないか。豚の問題についてはどうするんだ。豚の飼育方法についてはどういうふうにしたら蚊が入らないようになるか。あるいは蚊の生息状態はどうなっているのか。日本全体についてどういうふうに調べるのか。いろいろな角度で研究の結果というものをもっともっと成果の上げられるような形を、ことし四千万だけではなくて、もっとほかにやりたいことはないのか、ぼくの言うのはこういうことです。
○村中政府委員 御指摘のように日本脳炎は人にもうつりますし、動物の中でも流行のあるそういう病気であります。私どもはこの人畜共通の伝染病という形で考えておるところでございます。私が先ほど来申し上げておりますのは、私どもの研究するサイドの中で行なう研究というふうな考えでございますし、関係の省との話し合いも今後は出てくると思いますが、それぞれの関係省の中で必要な研究が行なわれるもの、こう考えております。
○浅井委員 結論を急ぎますけれども、ワクチンについてはこれは有料ですね。——幾らかかりますか。
○村中政府委員 一CC百九十六円でございます。
○浅井委員 どのくらい一回予防するのに打つのですか。
○村中政府委員 最初に間隔を置きまして、一CCずつ二度接種する。これは初回であります。その後、毎年一CCずつ接種をいたしております。
○浅井委員 一CC百九十六円を二回やるのですけれども、これについては非常に対象が多いわけです。子供さんたちあるいは老齢層が多いわけです。これに対して、やはり老人あるいは子供で生活が非常に困っている場合に、この予防ということについてのワクチンは無料になっておりますか。
○村中政府委員 低所得者階層ということで大体一〇%の無料を見込んでおります。
○浅井委員 いわゆる都道府県の負担においてこれをやっておるわけですか。
○村中政府委員 国と都道府県で持っております。
○浅井委員 いままでの例で、毎年、毎年のワクチンの投与はどのくらいになっていますか。
○村中政府委員 四十三年度で申し上げますと約五千万人分のワクチンが生産されまして、実際に供給されましたのは三千九百万でございます。四十四年度も約四千五、六百万くらいのワクチンが確保される見込みでございます。 なお、この中で特別対策という形で先ほどもちょっと触れましたけれども、子供と老人、これに対する特別対策は、四十三年度は一千二百万人実施をいたしました。それから四十二年度には八百七十万人、四十四年度は千五百万人強を一応予算的に見込んでおります。
○浅井委員 そのうち低所得者はどのくらいですか。一〇%ですか。——一〇%より上回った場合はどうするのですか。
○村中政府委員 予算、公費でございますので、国といたしましては一〇%が公費でまかなわれるというふうな形で都道府県に配付しております。
○浅井委員 一〇%だけで低所得者の分はまかなえますか。もしそれ以上上回った場合はどうなりますか。
○村中政府委員 生保その他につきましてはそれぞれの社会保障のワクの中で処理されますし、それをはみ出た部分で、しかもワクチンの費用を払うことが非常に困るというふうな場合には、その段階で実施主体の公共団体が処理をしていく、こういうふうに考えております。
○浅井委員 この点について望んでおきたいことは、いわゆる低所得者の人たち、これに対する予防接種については無料ということについての万全の措置をとってもらいたいということです。 次官に最後にお伺いしたいのですけれども、日本脳炎ということについては研究開発が進んでおりますけれども、対策という上においてはまだ非常に手ぬるい感じが多々するわけです。いま答えがあったように、まだ原因がはっきりしておらぬ。どこから感染源が出てきて、コガタアカイエカがどの辺で越冬して、そして伝染経路がどういうふうになっているのか、その点についてまだまだ不完全でありますし、そしてまた、では予防接種をやった者は完全に一〇〇%かからないかといえばそうでもない。予防接種をやった者でもかかる場合がある。そうするとワクチンがまだ不完全だということになる。これは研究開発しなければならぬ大きな課題です。わりあいに西日本にこの発生が多いために、これがなおざりにされがちであります。そしてこの点については一たん流行いたしますと非常に大きな問題になります。社会問題にもなるわけです。これが起こらないことが私たちは望ましいわけでありますけれども、このことについての研究開発は厚生省において格段の力を入れてもらいたい、そういうことを私は強く要望するのですけれども、次官としてどうでしょう。
○粟山政府委員 この日本脳炎についての対策研究がまだ十分な成果があがっていないのはたいへん厚生省として遺憾に思いますが、関係各省とも打ち合わせながらそれに要する予算というものは十分に要求いたしまして、早く問題の解明ができるように今後研究を続けたい、成果をあげさせたいと思っております。
○浅井委員 以上で私の質問を終わります。
○鍛冶委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十九分散会