決算委員会 第15号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1969/05/29
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 厚生省所管について審査を行ないます。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。水野清君。
○水野委員 公共用飛行場周辺の航空機の騒音について質問したいのでありますが、厚生省、運輸省、大蔵省の方においでいただいているようです。御承知のように、国際空港あるいはその予定地の周辺の騒音の問題というのは、各関係方面にいろいろな影響を与えておりますけれども、私のきょう質問したいのは、その中で騒音の補償に漏れている厚生省所管の養護施設、児童福祉施設についてであります。これをどうして騒音の対象にしないのかということを伺いたいわけであります。 具体的に例を申し上げると、新しく千葉県の国際空港の予定地になっております成田市の養護施設の螢雪学園、同じく養護施設のチルドレンパラダイス、もう一つは大阪の伊丹空港の近くに若草学園という養護施設があります。この三つの養護施設については、現在までのところ騒音の対象にならないというような見解のように聞いておりますが、その理由について伺いたいと思います。
○手塚政府委員 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律で、騒音防止工事の対象施設といいますのが第五条できめられております。その五条によりますと、これは先生御承知のとおりに三種類ございまして、一つは「学校教育法第一条に規定する学校」もう一つは「医療法第一条第一項に規定する病院」第三号に、「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」こういうふうになっております。そして第三号に基づきます政令といたしまして出ておりますのが政令第四条で、保育所、精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設、それから診療所でベッド数六人以上のもの、こういうのが対象にされておるわけでございます。ただいまのところ法律の規定に従いまして、いまの養護施設は対象にされておりません。
○水野委員 政府側で御承知のように、養護施設というものの法律的な背景は別にして、現象面から見ると、保育所あるいは精神薄弱児の施設あるいはいま申し上げたような養護施設、こういったものは大体似通った厚生省の所管の施設でございます。ところが精薄施設あるいは保育所などは騒音防止法の補償の対象になっているが、養護施設のほうは、これは何か住宅だというような観念をもって、むしろ補償の対象にならないという見解を政府ではとっているわけです。これを私は救済する道を政府に考えてもらいたい。法律上の非常に微細な問題で、ちょうど境界線にある。厚生省あるいは予算を支出する大蔵省としては、大体騒音の対象にするのは学校及びそれに類した教育施設は補償の対象とする。しかし住居はしない。一般住民の住宅までめんどう見きれないと、こういう感じのように私は見受けるのです。養護施設というのは、孤児その他を小さいときから預かって保育園のかわりもしている。あるいは小学校へ行くまでの家庭教育の場所にもなっている。あるいは学校に通学しても、実際には非常に知恵おくれの子供なんかが多い、教育の場所にもなっている、そういうところであります。非常にわずかな差なんですが、法律的には切り捨てになっているという感じがするのです。これに対して適当な措置を講ずることが法律上できないのかということを承りたい。
○手塚政府委員 騒音防止法で先ほど申し上げました騒音防止の対象にしております第五条の趣旨は、国民の生活の基本でございます教育の施設、それから病弱者の健康回復のための施設というように、特に静穏を必要とする施設を航空機の騒音から保護するというために対象をきめておるものでございます。養護施設につきましては、児童福祉法の第四十一条に定めておられますとおりに、保護者のない児童等で、先生のおっしゃるような児童を入所させてこれを養護するということを目的としておる施設でございます。すでに先ほど申し上げました指定をされておる施設ほど静穏を必要とする施設ではない、まあこれは程度の差かと思いますけれども、そういうような解釈、並びに防衛施設の周辺整備法による対象施設とのバランス、そういうものを勘案いたしまして、当面対象にしていないし、また対象にする必要はないというふうに一応考えておるということでございます。
○水野委員 ただいまの御答弁なんですが、騒音防止法の施行令の第五条の細目にございますが、「その他運輸大臣が指定する施設」とこうなっている。私は運輸大臣がその辺を拡大解釈をされて指定をされれば認定できると思うのです。それが一つ。 それから、ただいま病弱者の健康保持についての施設というようなことを言っておられた。現にこういう養護施設に入っている子供たちというのは病弱者が非常に多いわけです。病弱でない者もいるかもしれないけれども、病弱者が多い。孤児などでありまして、栄養失調とかそういうような者、非常に病弱な者が多い。こういうものを政治の姿勢として拾い上げてめんどう見ようとすれば見られる。現にこれに相当する施設というのは全国わずか三カ所なんです。しかも三カ所のうちの一カ所は別の方法でやろうというふうなことまでやっておるわけで、実質的には大阪に一カ所、成田の空港予定地に一カ所しかない。防衛庁の基地周辺の騒音防止に関する法律の中にも抵触するようなものはいまのところないというふうに聞いているわけです。そうすると、これは一体法律的な解釈でおやりにならないのか、あるいは予算上の問題としてこの辺はもう切り捨てていこうというお考えなのか。私はやや意地悪く考えれば、将来一般の居住施設までめんどう見るのはかなわないから、この辺でもう切り捨てていこうというふうな考え方のように感じるわけです。 大蔵省の厚生省関係の担当の方、いらっしゃると思いますから、一ぺんお考えを聞きたい。
○辻説明員 この法律第五条の助成の趣旨につきましては、先ほど運輸省からお答え申し上げましたとおり、学校でございますとか病院でございますとか、特に静穏を必要とする施設を対象にしているわけでございます。厚生省の児童福祉施設につきまして申し上げますと、現在御承知のように保育所、精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設は騒音防止工事の助成の対象施設になっております。学校、病院に準ずるものという考え方で対象にしているわけでございますが、養護施設は対象としていないのでございます。その理由は、養護施設は保護者のない児童等を入所させてこれを養護する施設でございまして、生活指導、職業指導等は行なっておりますが、学校教育を施設の中で実施しておりません。その点で精神薄弱児施設等と異なっておりますので、先ほど申し上げました法律の助成の趣旨から申しまして、現在のところ対象としていない、こういうことでございます。
○水野委員 ですからいまの点は、法律的な点はよく私はわかります。そういうふうなところで線を引いているということはかねて伺っております。しかし現実に私は、それもそうなんだが、要するに学校、病院等以外のものにそういう補償の対象を及ぼすことは、将来いろいろな問題に波及するということで押えておられるというふうにも聞いておるわけでありますが、そういうことについてどう考えておられるか。
○辻説明員 先ほどお答え申し上げましたとおり、助成の対象は学校、病院等の特に静穏を必要とする施設に限っておりまして、一般の住宅は対象にしていないわけでございます。
○水野委員 主計官にもう一度承りたいと思うのですが、航空局長でもけっこうです。いまのお話は実際はそれはしゃくし定木だと思うのですよ。法律論はおっしゃるとおりです。要するに親のない子供を集めて教育をしているわけです。学校教育というのは一日のうち何時間でもない。むしろ一般の家庭と違って子供のときの教育もかなりおくれている。それから大体知恵おくれの子供なんか非常に来ているわけです。それでこういう者の教育としては、養護施設の職員というのは特別な教育を受けてきた人たちである。その人たちが専門の教育をしているわけです。ですから私は、教育施設と生活の施設というものが、非常に限界は不分明であるけれども、同時に両方のものだと思う。ですからこれは法律の解釈のしかたで救えるわけなんです。私はそのことを伺っているわけです。
○手塚政府委員 法律の解釈の問題になりますと、先ほど来お話がありますように、学校、病院というものと、これに類するもの、こういうことに限定をされておるわけでございまして、養護施設はこの類するものというものに該当しない、こういうのがただいまのところの確定した解釈になっております。それでこの対象にはなり得ない、かように考えております。
○水野委員 それでは別な観点から伺いますけれども、これは千葉県の成田の国際空港の周辺でありますけれども、小さい病院がたくさんあるわけです。ところがこの病院は対象にならない。何か、施行細目には出ているかどうか知りませんが、ベッドの数が足りないということで騒音の対象にはしないというふうな扱いをしておられるそうであります。これは明らかに医療施設なんでありますが、その点どうなのか。
○手塚政府委員 医療施設につきましては、いわゆる医療法の第一条第一項に規定する「病院」、こういうことで、その第一条第一項には病院の定義がございますので、それに該当するものは対象になり得るわけでございます。問題は、おそらく診療所の非常に小さなものではなかろうかと思います。この診療所につきましては、やはり一定の限度を設けまして、運輸大臣が定める人数以上の患者の収用施設を有するもの、こういうことで、ベッド数六ベッド以上、こういうふうに限定をいたしております。これは防衛施設周辺整備法と同じたてまえをとっておるものと思います。
○水野委員 ただいまの六ベッド以上で線を引かれるという点についてはかなり問題があるわけです。実際に病院のベッドの数というのは、別に医療法で施設の認可のようなものを受けてやっておられるが、ふやそうと思えばふやせるわけです。三ベッドくらいしかないけれども、六ベッド以上というなら、三つか四つベッドを買ってきて廊下へでもどこでも置いてやろうと思えばできるわけです。現実に、この周辺で幾つかの医院あるいは診療所が対象にならないということで困っている。おそらく全国的に私は基地周辺や飛行場周辺では、そういう問題が起こっているだろうと思うのです。今後この六ベッド以上という問題をもう少し拡大解釈していく考えがあるかどうか伺いたい。
○手塚政府委員 航空機の騒音によります障害の及ぶ施設の範囲というのは非常に広範にわたると思います。先ほど先生もおっしゃいましたが、一般民家におきましてもやはり同様な騒音の被害があるわけでございます。日本の民家の実情等を考慮いたしますと同時に、この範囲というものも、ある程度の限度で一応の範囲を限定いたしませんと、全体に及ぶというだけで全体を対象にするというのはなかなか困難だということで、いろいろな制約を考えております。 ただいまの六ベッドという程度につきましても、助産所みたいなところになりますと、やはりこれなども対象にしてはどうかという話があるわけですけれども、助産所などは御承知のとおり、これまた一人でやっておるということになって、一般民家と変わりがないではないかというような話にもなっていくわけであります。そこで一応の線を引いたのが六ベッドということになるのであります。ただこういった範囲につきましては、やはり社会事情なりあるいはその中でいろいろ療養される方々の実態に対応した姿で進めていかなければならないと思うわけでございます。現状のところ、そういう実態についてはいまのようなことで進もうということになっておるわけでございますが、いろいろその辺のボーダーラインについては問題があるかとは考えております。
○水野委員 いま航空局長からお話があったから申し上げますが、助産所は医院であるかどうか非常にむずかしい問題で、助産所に農村の婦人がお産で入院している、ベッドといってもベッドじゃ、ないですよ、ふとんを敷いて畳の上に寝ているわけです。これはベッドじゃない、ベッドというのはスチールか何か知らぬが、足が四本ついていなければベッドになるのかならぬのか、極端に、言うとそういう問題まで私は波及すると思うのです。 これ以上申し上げてもしょうがないから、この質問はこの辺でやめますけれども、いまも申し上げたように、六ベッド以上というその線をどうして引くのか、あるいはさっき申し上げた養護施設をどうして切り捨てていくのか。理屈でなくて、ひとつ政務次官に前向で検討していただくように御答弁を伺いたい。
○粟山政府委員 水野委員の御質問の趣旨、私も非常に同感に思うところが多うございます。しかし法できめられている範囲内でいまは実施されておりますけれども、うちのほうでも検討いたしまして、関係各役所ともいろいろ話し合いはしてみる必要があるのではないかと思います。
○水野委員 次に、看護婦の問題についてお伺いいたしたいと思います。 看護婦の不足問題は最近非常に新聞などで取り上げて大きな社会問題になっているわけであります。看護婦さんの夜勤の問題を中心に最近ニッパチ要求というものが全国各地に広がっておりまして、私はきわめて見のがすことのできない事態になっていると思うのですが、最初に看護婦の需給の実情を厚生省当局から承りたいと思います。
○北川説明員 ただいま御指摘のとおり、看護婦の需給につきましてはだんだんと逼迫をしているような状況でございます。国民皆保険が達成をいたしまして以来、国民の受診率も急速にふえてまいりましたし、また医療施設も増加をいたしております。したがいまして病床数も急速にふえております。また新しい成人病でございますとかあるいは各種の職業病でございますとか、公害に関連するむずかしい病気でございますとか、疾病の構造そのものも非常に複雑になってまいっております。また、より基本的には医療技術が非常に進歩をいたしまして、看護業務そのものもきわめて複雑になり、また高度になっておりますことも事実でございます。こういった医療の需要面から見てみますと、看護婦の需要が激増をいたしておりますととは間違いのないところでございます。 他面私どもはこういった事情に対応いたしまして、できるだけ養成力の拡充をはかりますように、すでに数年前から養成施設に対するいろいろな助成でございますとか、また四十三年度からは特別地方債というものも加味をいたしまして、養成所の拡充、養成定員の増員、こういったことについてできるだけの努力をいたしてまいっておるような状態でございます。またさらに、現在約五十万といわれます有資格者の看護婦がいるわけでありますけれども、この中で約半数近くが実はいわゆる未就業、潜在化をしておるわけであります。こういった看護婦逼迫のおりからでございますから、そういった未就業のいわゆる潜在看護婦の就業を促進させますような措置を予算上も講じてまいっております。 しかしながら、そういった事情にもかかわらず、四十三年末で約三万人くらいの看護婦数が不足しているというふうに見込まれておりまして、ただいまお話しのございましたいわゆる夜勤体制の整備というような問題も、今後ますます施策を強化してまいらなければならない状態でありますので、そういう面を加味いたしますと、先ほど申し上げました一般的な医療需要の伸びとか、また疾病の複雑化、医療関連の看護業務のむずかしさということを考えますと、ますます看護婦はその養成を強化して数をふやしていかなければならないというような状態でありますので、現在、長期的に、あるいはまた、当面どういうふうな措置をしてこの需給関係のバランスを保っていこうかということについて、鋭意検討を急いでいるような状態でございます。
○水野委員 よくわかりましたが、統計資料によりますと、あなたのお話ですが、看護婦の数は毎年ふえている、新規就業者を考慮いたしますと、結局看護婦と准看護婦の養成をされて社会に出てくる数はどんどんふえている、ところが、現実には離職者があるために増加率が非常に鈍っている、片方では医療関係がますます複雑多岐になっている、看護婦の需要が非常にふえているという実態を私はもう少し把握をしてもらいたいのです。特に重点を置いて実態をよく調査、把握をしてもらいたいのは、看護婦さんと他産業の婦人の勤労者あるいはいろいろな職業を持っている人たちとの給料の差、それから勤務内容の格差、夜勤とか、そういったものを含めて、厚生省で調査といいますか、これに対する配慮が足りないのではないかと思うわけです。 そこで伺いたいのですが、去る四十年の五月、人事院の判定に、夜勤を二人制に、夜勤回数を月八日以内にというような、いまいわゆるニッパチ闘争といわれているニッパチ判定が出ている。全国に官・公・私立病院が七百余りありますが、勤務条件改善の目標となって、このニッパチ要求がかなり激しい形でいま爆発しようとしているわけであります。これについて、今日まで人事院判定すらも夜勤を二人制にしろ、夜勤の回数を月八日にしろということをいっているわけですが、厚生省は、昭和四十年の五月以来、これに対してどういう措置をとってこられたか、まずそれを私は伺いたいわけです。
○北川説明員 四十年の五月に、看護婦の夜勤に関する人事院の判定が出ましたことは、ただいま水野委員のおっしゃるとおりであります。この判定の内容は、御承知のとおり、夜勤の日数を大体月八回を一応の目標として計画的に実現をはかるようにすべきである、それから看護単位というものは、患者数で一律に規制することは適当でありませんけれども、また、全部の看護単位について必ずしも二人夜勤をすべて実施しなければならないというふうなものではない、しかし二人夜勤を必要とする看護単位につきましては、他に及ぼす影響等を考慮して計画的に二人夜勤の方向に向かって努力すべきであるというようなことが、いまおっしゃいましたいわゆるニッパチといわれている問題の判定の内容でございます。なお、この人事院の判定は、このほかに、たとえば休憩、休息時間の明示でございますとか、あるいはまた、夜勤についての環境の整備というようなことにつきましても判定を出しております。 厚生省といたしましては、この問題につきまして、その後、この判定の趣旨を尊重いたしまして、看護婦さんの仮眠室等の施設の整備の改善を行ないますと同時に、また、職員の適正な配置等につきましても次々と改善をし指導してまいったような状態でございまして、これを国立病院等についてその例を申し上げておりますと、夜勤の回数につきましては従来から相当改善をされまして、現在では大体月平均約九回までになっております。そのほか、いま申し上げました、その勤務環境の改善のための整備といたしましても、毎年度所要の経費をこれに充てておりまするし、また、四十年の八月以降は新たに夜勤看護手当というものを設けまして、これによって逐次判定の趣旨を実現するように努力してまいったところでございます。特に四十四年度におきましては、夜勤体制の改善をはかりますために、新しく国立病院、国立療養所を通じまして二百六十一名の看護婦の増員を行ないまして、ただいま仰せになりました、いわゆる夜勤体制の改善ということについて、人的な面につきましても改善の方向に施策の充実をはかってまいったところでございますが、なお今後この問題につきましては十分に改善ができますように努力してまいりたいと思っております。
○中川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————————————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕