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61回国会衆議院1969/05/15

決算委員会 第14号

発言数
144
登壇者
12
会派数
3
開催日
1969/05/15

会議録

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため欠席されますので、指定により私が委員長の職務を行ないます。よろしくお願いいたします。  昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  会計検査院所管について審査を行ないます。  まず、会計検査院当局より概要説明を求めます。山崎会計検査院長

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 昭和四十二年度会計検査院所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。  会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二百九十一万六千円に対しまして、収納済み歳入額は五百八万四千九百七十八円であり、差し引き二百十六万八千九百七十八円の増加となっております。  収納済み歳入額の増加のおもなものは、建物売り払い代二百八万円であります。  次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額十四億六千七百三十六万九千円に、予備費使用額九百八十四万二千円、給与改善に伴う予算補正追加額七千三百七万七千円を加え、これから節約による既定経費の減少五百九十八万六千円を差し引いた予算現額十五億四千四百三十万二千円に対しまして、支出済み歳出額は十五億四千三百九十一万六百三十五円であり、その差額は三十九万一千三百六十五円となっており、これは全額不用額であります。  支出済み歳出額のうちおもなものは、人件費十三億二千四百十四万八千円、検査旅費一億九百二万二千円、物件費八千四百八万一千円、庁舎等施設費一千六百四十三万四千円となっております。  不用額となったおもな経費は、人件費であります。  以上、はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管の昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。高橋会計検査院第一局参事官。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高橋会計検査院説明員 昭和四十二年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございませんでした。  以上でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 これにて説明聴取を終わります。     —————————————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省にお聞きいたしたいと思いますが、公務員の給与の改善のベースアップの問題でございますけれども、今年度におきましては当初予算に五%アップ、七月実施ということでのせられまして、その後人事院勧告のあった場合には予備費の支出ということで考えられているようでございます。この問題につきましては重要な問題でございますので、いろいろ政治的な問題等につきましてもまた伺う機会があるかと思いますが、きょうはその計数につきましてちょっと伺っておきたいと思います。五%、七月実施ということで当初予算にのせられました、いわゆる給与改善費は幾らでございましたか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 四十四年度予算におきまして、四十四年度に行なわれるであろう公務員の給与改善のために、あらかじめ七月より五%引き上げるための所要額をそれぞれの所管の給与費に計上いたしてございますが、この額は一般会計予算におきまして四百四十三億円でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 この四百四十三億を計算されました基礎に基づきまして、今年は五%ということはもとよりないわけでございますし、最近の春闘等の結果、また昨日は公務員の現業職員につきまして決定を見たような問題もあるわけでございますので、人事院勧告は相当高いベースアップの勧告があるのではないかということも考えられるわけでありますから、お聞きしておきたいのでございますが、昨年が八%でございました。八%を七月から実施した場合、六月から実施した場合、五月から実施した場合の所要財源は幾らでございますか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 去年の人事院勧告が八%でございました。その八%を七月から実施するといたしますと、一般会計予算における負担は七百九億円と相なります。それから、ここからは仮定の問題になりますが、もし六月実施といたしますと八百四十億円、五月実施といたしますと九百一億円ということに相なります。

華山親義日本社会党

○華山委員 九%の場合には、七月実施、六月実施、五月実施について、所要額は幾らになりますか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 人事院勧告に基づきます給与改善が九%であると仮定いたしました場合に、七月実施といたしまして、一般会計の負担は七百九十七億円。以下、仮定の問題になりますが、六月に実施いたしますとしますと九百四十五億円、五月実施といたしますと千十三億円と相なります。

華山親義日本社会党

○華山委員 これも仮定の問題でございますけれども、一〇%というふうになった——決して空想ではない、あり得ると思いますけれども、一〇%になったといたしますと、七月実施、六月実施、五月実施についてどの程度の金額になりますか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 計算として申し上げますと、一般会計の負担は、一〇%の場合、七月実施で八百八十六億円、六月実施で千五十億円、五月実施で千百二十六億円に相なります。

華山親義日本社会党

○華山委員 私が計算すればできるわけでございますけれども、お手元にもしありましたらおっしゃっていただきたいのですが、いまあげられました九つの計数がございます。それにつきまして、四百四十三億だけはもうすでに計上済みでございますから、この差額が予備費ということになるわけでございますけれども、その差額は計上してございませんか。ありましたら……。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 まず、差額が必ず予備費になるというお話でございますが、人事院勧告が非常に高く出た場合には、やはりことしと同じようにいろいろと既定予算の節減その他を行ないますので、必ずこの差額全額を予備費で手当てすることになるかどうかはその時点において考えられることだろうと思いますが、いま申し上げました経費とあらかじめ給与費の中に組み込みました四百四十三億円との差額を申し上げます。  八%の場合、七月実施でその差額は二百六十六億円、六月実施でその差額は三百九十七億円、五月実施でその差額は四百五十八億円、九%の場合におきまして、七月実施でその差額は三百五十四億円、六月実施で五百二億円、五月実施で五百七十億円、それから一〇%の場合、七月実施で四百四十三億円、六月実施で六百七億円、五月実施で六百八十三億円と相なります。

華山親義日本社会党

○華山委員 わかりました。この数字に基づいて今後いろいろこの委員会なり、また他の委員会なりで論議する基礎資料にいたしたいと思います。  ただ、一言だけ申し上げておきますが、常識的に言いますと、七月実施の八%、それによって不足額二百六十六億、昨年の実績等から見ますと、予備費から出せる額はこの程度のものじゃないか。したがって予備費にのみ依存するということであるならば、七月実施の八%、こういうことになりまして、とうてい人事院勧告に応ずることや、一月でもこれを進めるというふうなことは非常に困難な問題、こういうふうに思わざるを得ません。この問題につきまして、事務当局としてどういうふうにお考えになっているのか、お考えになっている点でもありますれば承っておきたい。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 人事院は、昨日の大蔵委員会における人事院総裁の御答弁にもありましたように、現在調査中でございまして、これがどういうふうになるかということはわからないわけでございますが、最近までに判明いたしております春闘のいわゆる相場、これは主として大会社でございますので、必ずしもそのままが人事院の調査に反映してくるとは考えられませんが、相当に高いということは世間周知のところかと存じます。したがいまして、もし人事院勧告がそういったところを反映して相当に高い率で勧告されたといたしますと、政府といたしましてその処理には相当難渋するであろうということは予想されます。しかし、四十三年度から行なわれておりますいわゆる総合予算主義というものは、財政の本来あるべき姿としてその定着をはかっていきたいと存じますので、予備費の範囲その他既定予算の範囲内で、政府としては人事院勧告が出た場合にはできるだけ努力をいたしたい、そういうふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 きょうはここで論評や何かは控えることにいたしまして、私としましては大蔵省に対する質疑はこれで終わりたいと思います。  次に会計検査院長に伺います。抽象的な問題には相なりますけれども、私つくづく見るのでありますが、また会計検査院の方々にいろいろ自分のやりました行政上の検査を受けた経験もございますので、その経験等も考えまして申し上げ、お願いをいたしたいのでございますけれども、私は会計検査院の職員は一般公務員と相当違った点があると思うのであります。一つには、その仕事が専門的であって、私実態をよく存じませんけれども、おそらくは役人としての一生涯を会計検査に費やされておるのではないか。そしてほかに転進の道も少ない会計検査院の中で、仕事場は違うかもしれませんが、よほど会計検査ということに関心を持ち、興味を持って、職責の重大性を感ずる人でなければこれはなかなかできない仕事じゃないのか、こういうふうに考えられます。  それから、一面から申しますと、会計検査院の職員に対しては、世の中の人の見る目が一般職員よりもきびしいようである。その点は司法官及び司法官の書記的な仕事をなさる方にもいえることでございますけれども、まことに遺憾ながら、私このことを別に非難するわけではございませんけれども、地方等に一般の職員が出張するその際に、県庁なり市町村なりである程度接待をしても、世の中の人は決して悪いことは言わない、いいことでは私ないと思いますけれども、それが現在の一般の風潮だ。ところが会計検査院の方が参られまして、これに対して多少でもいろいろな供応じみたことでもございますというと、世の中の人はこれを非難する。また非難されてもいいことかと思いますけれども、そういうふうなことで、一般とは違った目で世の中では見ているわけです。  それから会計検査院は政府とは独立している。その所属の職員というものはまた特別な、一般職員とは違った独立的な地位を持っていると私は思うのであります。それからこの人たちは職務でいうならば出張をする、非常に出張の期間が長いわけなんです。これは一般公務員にもいえるわけでございますけれども、時間外勤務といいますか、超過勤務といいますか、そういうものは出張中にはつかない。本庁にいるときはつくけれども、出張中にはつかない。これが実態でありますし、会計検査院の職員も同様だと私は思うのであります。しかしこの人たちの出張中の検査の様子を拝見いたしておりますと特に災害等の場合にそうでございますけれども、きょうは時間がこれまでだから、これで打ち切るというわけにはいかないわけです。しかも出張期間というものがきめられて行っておるわけです。そういうわけでございますから、時間外の勤務、そういうものが長いわけでございますけれども、それに対しては超過勤務の手当がない、こういうふうな実態、そういうふうなもちもろのことを考えますと、また特に最近は物価高で旅館等の宿泊費も高くなっておる。おそらく現在会計検査院の職員の方々が出張されましても、私は一般の旅館にはおとまりになれないと思う。それですから、国家公務員の寮等におとまりになる。それはいいといたしましても、私はでき得べくんば、たとえば専売の関係の検査に行かれたときに専売の共済組合の寮とか、県庁に行かれたときに地方公務員の寮とか、そういうところに私はとまっちゃいけないなどということはとても申されませんけれども、でき得べくんば、私はそういうところにとまっていただきたくない。やはりき然として独立的立場をとっていただきたいと思うのです。これはしかし言うべくして実行されないと思うのでございますが、こういういろいろな特殊のことを考えますというと、私は処遇の面あるいは身分の面において、一般職員とは違った面が会計検査院の職員には与えられてしかるべきものじゃないのか、そのほうがまた院長としましても、独立官庁としてのき然たる態度で会計検査を実行させることに職員を督励する意味からもいいのではないか、こう考えますので、院長のお考えを承っておきたいと思うのです。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ただいまのお話しの次第ごもっともでございまして、私もかねがねこういう点はできるだけ実現するような仕組みにならなければいけないのではないかというふうに考えておったのでございます。結局は職員の待遇の問題、身分制度の問題ということに落ちつくと思うのでございますけれども、できるだけ現在の体制の中で優遇する方法をとりあえず考えなければいかぬと思うのであります。私は国会に長くおりました。当時議会の職員は官吏でしたが、これらの人々を国会職員に切りかえます際に、いろいろ検討して実行した経験などから見ましても、やはり結局は検査院の職員を特別職にしたほうがいいのではないか、これはまだ私だけの意見ではありますけれども、そういう点が考えられるのでございます。内閣から独立しているという点からいっても、やはり国会職員や、裁判所職員と同じように、特別職になるということがたてまえとしても自然でありますが、一方非常に数多くの、何十万という一般公務員のうちで一つだけ特別に考えるということは、実際にはなかなかむずかしいという問題があります。たとえばいまお話しのような、出張期間が長くなって、その間に時間外勤務しても超過勤務手当をもらえない。そうすると、現行の旅費ではどうもぐあいが悪いから、何か特別な手当というものも考えてもらえないかということを考えても、これは一般公務員の族費規程というものがございますので、検査院の職員だけが例外になるということは、なかなかむずかしい問題になるのであります。いろいろな点を考えまして、やはりそういうふうなことも何か考えなければいかぬのではないかということは、内部におきましても寄り寄り話しておりますが、何ぶんにもこの問題は職員自身の問題でありまして、組合の諸君もよく考えてひとつ検討したらいいのじゃないかといっておる次第であります。しかし長い間の伝統がございますし、やはり官吏として、また一般職公務員としていままできておりますから、急に右から左にというわけにもいかないと思いますけれども、よく考えて、そうして職務を実行するにいい体制を考えるように、これは組合自身の問題であるから取り上げて考えておいたほうがいいではないか、何も特別職といっても身分保障がなくなるような特別職ではないのだということを話して、寄り寄り研究してもらうようにいっております。しかし、そうかといって、これは根本的な問題でございますから、なかなか急にまいりませんので、さしあたりの問題としては、たとえて言いますと、俸給に調整額をつけてもらえないかということを、少しでも職員の身になって努力していく、こういう気持ちでおりますので、ただいまのお話の御要点一々われわれ気をつけなければいけないことでございますので、さらに今後は十分にそういう点御趣旨を体しまして検討してまいりたい、かように考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 この問題は、労働問題あるいは労働組合、必ずしもそういうふうな問題を考えていたわけではありません。勤務と受ける給料あるいは旅費等がそぐわないではないかというふうなことのみに私はとらわれているわけじゃない。会計検査院というものが政府から独立した機関であるという意味からいうならば、職員全体にもそういう一つの制度があっていいのじゃないかということでございます。しかし、それが全員であってしかるべきかどうか。私、考えるのでございますけれども、一般の補助職員、そこまでに及ぶかどうか。これは別の問題でありまして、その問題になりますと、これは労働の問題になります。その問題も私は重要だと思いますけれども、制度の問題から申しますと、独立して地方に出かけて、そして責任をもって検査をなさる人、そういう人々にはやはり特定の名称の地位というものを与えられたらどうか。この人だけでも一つの特別職として処遇されたならばどうなのだろうか。それから、現在課とか局とかいうものがございますけれども、局とか課という名称も、私は何らかの別の意味で直されたらいいと思う。それはことばによってどうということはないだろうと思いますけれども、とにかく検査官とかあるいは検査官補とか何らかのことで、やはり一つの独立したところの身分を代表するような名称、いまの私が申し上げましたことばは適当かと思いますけれども、何らかそういう意味で権威ある、したがってその権威にかんがみて、自分としても、地方等に行きました場合に、十分に気をつけなくてはいかぬというふうなものの考え方を与えられるような方途を、根本的に考えられたらいかがかと思うわけであります。現在のところでは、名前は違っておるかどうか知りませんが、検査官と申しますか、そういう方だけが何か独立した形で特別の地位におられるようでありまして、それを補助する者は一般国家公務員と同じだというふうなものの考えに立っていられるようでございますけれども、しかし各実地に検査をなさる人は、地方に行けば、これは地方の知事や部長と同等の権限をもって実施されるわけです。そういうふうな意味からいいましても、給料の問題もさることながら、とにかく何らかのもう少し権威のある地位と身分の問題を考えていただきたい。このことについて、私はだれも反対する者はないと思う。非常に抽象的でございますけれども、何らかのひとつ根本的なお考え方をしていただきたいと思いまして、御所見を伺うわけであります。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ただいまのお話の趣旨は私も十分わかると申しますか、同感と申しますと私としては言い過ぎかと思うのでございますけれども、きわめて納得のいく御質問だと思うのでございます。たとえて言いますと、現在実地検査の中心になっておりますのは調査官諸君でありますが、これは一般職の五等級以上で約七百名であります。そのほかの職員はやはり一般の行政職になっております。調査官が実際に充実していかなければ検査の実効はあがらない。そこで私たちも定員のやり繰りをできる限りいたしまして、調査官のほうに人を持っていきまして、実質的な検査の能力をあげるということを考えているわけでございます。いずれにしても、もしこれを特別職にする場合は法律改正が必要でありますし、調査官自体についての特別の俸給表をつくるということになりましても、やはり法律改正が必要だということになってまいりますので、もしそういうことを考えるとすれば、全体的な制度改正を考えて、それに合ったものを考える必要があろうかと思います。いずれにしてもこれはなかなか根本的な問題でございますので、すぐというわけにはまいらぬと思いますが、ひとつ私どもといたしましても十分前向きに検討させていただきたい、かように考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は口ぐせのように申し上げておりますので、おわかりと思いますし、申し上げるのもいかがかと思いますけれども、会計検査院は存在するがゆえにとうといのです。不適当な事項あるいは不正な事項が多く摘発せられたから、それで会計検査院の値打ちがあがるわけではありません。会計検査院が存在し、かつ実地調査をするということがどれだけ役に立っているのか。もちろん会計検査院というものがなくなるわけはないのでございますけれども、実地調査の面で後退をいたしますと、これは行政の適正の面に非常に影響すると私は思うのです。それは地方に参りまして——各省もそうだと思いますけれども、会計検査院に来られるということは、それはうるさいに違いない。そうですけれども、会計検査院の実地調査の割合、それが行政の拡大に対してだんだん低下していくというふうなことは、これは困る問題だと思うわけであります。前々からいろいろな計数等をあげまして、この割合が低下しているのではないかということを申し上げますけれども、低下しておらないということを常に言われますから、いまここで数字をあげてかれこれ申すことはいたしませんが、行政は非常に多くなっておる。しかし会計検査院の職員の数は、あまりこれに見合って多くはなっておりません。この意味におきまして、会計検査院が実地調査をなさる割合というものを低下させられないように、ひとつお願いしたいと思うわけであります。  それにつきまして一つ申し上げたいのでございますけれども、会計検査をなさる場合に、中央官庁も同じことだと思いますが、地方官庁には特に御注意をなすって、あまりたくさんの職員がこれに出てくるような、多くのわずらわしさをかけないようにすることにつきまして、特に各庁あるいは地方にでも御意見を申し述べられたり何かいたしまして、やっていただきたいと思うのですね。どうもあまりにも会計検査院ということになりますとぎょうぎょうしいのですね。実際はそんなことはないとおっしゃるかもしれませんが、たとえば私のことを言いまして恐縮ですが、山形県の副知事をいたしまして、私が出張する場合に、自動車の中に秘書と係官が一人くらいおりますけれども、自動車のお供なんていなかった。自動車一台に乗って道を進んでいきますと、何台かの行列が来るわけですね。それで、その中に県庁の人がおりますから、きょうは何があってこんなにたいへんなんだということを聞きますと、会計検査院からの検査なんです、こういうわけ、それだけの人が行かなければいけないものなのかどうか、私はたいへん疑問だと思うのでございますが、現在、国家公務員も地方公務員も減らせ、減らせというときでございますから、監査は厳格でよろしゅうございますが、それに立ち会う職員等につきましては、やはりできるだけ少数にとどめるように、ひとつ各庁には御注意願いたい。この点をお願いいたしておきますが、いかがでしょう。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ごもっともでございまして、実はこれは私ども幹部職員だけでございますが、よく昼食のときにも話すのでございますが、どうも立ち会いの人が多くて、何様みたいになって実に困ったものだ。大体、いまの局長、事務局の人は、みな検査院の実際の調査官をやられた人なのでございますので、昔のその経験等を話しますと、さっきおっしゃったように検査に行こうと宿を出ようと思ったら、自動車が何台も並んでくる、恥ずかしくなるくらいで、どういうわけか知らぬけれども、かえってこちらのほうで困ってしまう、汗をかいてしまう、これが実際こちらの検査院の職員の偽らざる心境でございます。どうしてこういうふうに大ぜい便乗というか、一緒にくっついてくるのか、かえってそういうふうに思うくらいでございます。お話もございましたので、何らかの方法をもちまして、できるだけ実効的に必要最小限度の人だけにしてもらうように、ひとつこちらのほうもその趣旨で、また相手の方にもそういうことをお願いしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから会計検査院にお願いしておきたいのですが、どうも地方の問題が、私長かったものですから気になるのかもしれませんけれども、会計検査院というのは国の立場をとられ、地方の立場をおとりにならないような気がしてしようがないのですね。補助金というものがあります。そしてたとえば二分の一の補助、三分の一の補助という場合に、実際は二分の一以上の補助をもらっていた、その際に二分の一をオーバーする分はこれは返せ、当然のことだと私は思う。ところが国の補助が二分の一となっているにかかわらず、二分の一に達していなくてもその点は一言といえども文句をおっしゃらない、私はどうもその点おかしいと思うのです。これが超過負担の問題に関係するわけです。超過負担の問題、これは非常にむずかしい。地方が一般の基準よりもかってに高いものをつくって、それで超過負担ということがあってもおかしい、また国のきめた基準、そういうものの基準が大きかろうとあるいは小さかろうと、これは問題がありますけれども、それ以上のものをつくって、そしてこれを超過負担だというのもおかしい、これは根本的に政府の問題として考えらるべきだと思うのでございます。たとえば、二分の一負担ということがきまっておって、その単価というものがいかにしても実態に合わない、実勢に合わない、そのために地方が超過負担をしておる、こういうことについては御指摘にならないのですね。私は、会計検査院が予算の単価が少ないなどというようなことはいうべきではないと思いますけれども、個々具体的な問題について検査をなすった結果、国の出している補助金は少額に過ぎるということを指摘なさることは、私は当然のことだと思うのです。そういう指摘が重なることによって政府も大蔵省も反省してくるのではないか、私はそういうふうな意味で会計検査院にも期待をするのでございますが、いかがでございますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 一般的に超過負担の問題に関連する御質問と存じます。やはり検査院が検査する場合には、どうしても権限がそうでございますので、国の経費にむだがないかどうかというような点が主眼になるのは当然でございますが、前前から補助金の問題につきまして、地方自治体の超過負担の問題がございます。いつぞや決算委員会で華山先生が、地方財政法に関連して御質問があったように思うのでございますけれども、結局こういうふうな問題に関しましても、要は国家財政と地方自治といいますか、地方財政と国家財政のバランスの問題、均衡の問題になってまいります。もちろんこれは極端に少ないという場合には地方財政法の精神にも反するわけでございます。また、余分な補助金がいくようなことはないでございましょうが、余分な補助金ということも、これもかえって実情に合わないということになると思うのでございます。しかし、現状におきましてはいま言った超過負担の問題がやかましくなるにつれまして、年々補助金単価が改善されてまいっておるという傾向にありますので、これは非常に喜ばしいことだと思っておるのでございます。ただ具体的な問題になりますと、おっしゃいますように標準よりもいいものをつくるか、あるいは土地を買うのでも、いいところを選ぶとかいうようなこともあるのではないかというような点、これは地方団体によって非常な格差があると思うのでございますが、なかなか一般的にはいえないと思うのでございまして、具体的に個々的に検討しなければならぬという場合がございまして、なかなかむずかしい問題なのでございます。しかし、御趣旨の点もございましたので、今後なお検討させていただきたい、かように存じております。

華山親義日本社会党

○華山委員 真実、超過負担であるのかどうかというふうなことは私はむずかしいと思うのです。ただ、政府の算定した予算単価が実態に合っておるかどうか、こういう点はわれわれは検査をしようと思ったって検査のできるわけはないのですね。大蔵省はなさらないでしょう。文部省だってしないでしょう。自分の悪いところを自分であばくようなことはしないから、会計検査院にたよるほかないと思うのです。それで、私は、会計検査院を一つの頼み神じゃありませんが、そのほかにないと思って申し上げておるわけです。  それから、私、これはいま会計検査院にはお尋ねいたしませんが、もしもお考えがあるならばお聞かせ願いたいのでございます。あとで大蔵大臣あるいは法制局等に聞いておきたいと思いますが、予算の範囲内において二分の一あるいは予算の範囲内において三分の一、こういうことばがありますが、あるいはそういうことが何も書いてないのもある。どこに違いがあるかということでございますけれども、私考えるのに、個々の問題については、私はやはり三分の一なり二分の一というものを予算の範囲内ということばが冠してあっても出すべきだと思っている。ただその合計が予算を越えてはいけないということであって、全国的の合計が予算を越えてはいけないということだと私は解釈すべきだと思っている。そうでなければ意味がありません。たとえば一応の単価として十カ所分の予定をした、ところがなかなか地方からの陳情が多くてこれを十五カ所にしてしまった、したがって、二分の一の補助金率のものが二・五%ぐらい減ってしまった、こういうことがずいぶんあるわけですね。そしてこれは地方が悪いと言うわけです。そういうことが許されるならば、二分の一なり三分の一ということをきめた法律の趣旨が没却されている。ですから、そういうものに該当すべきものが数カ所あるいは数十カ所あったとしても、その総額においては予算を越えてはいかぬぞという意味であると私は考えるのです。そういう意味につきまして、いま会計検査院の御回答をいただければなおけっこうでございますが、そうでないとすれば、ひとつ御研究を願いたい。  これで私の質問を終わりたいと思いますが、いまの問題につきまして何かお考えでもございますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ただいまの予算上のことに関しましては、研究させていただきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 では終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 会計検査院長に、会計検査院の所管と申しますか、検査の範囲等について若干お伺いいたしたいと思います。  それはもうすでに御承知と思いますが、当委員会では特殊法人の問題をいま掘り下げて検討いたしております。そこで、特殊法人のうちどのようなところまで決算委員会の審議対象としていくのか、こういうことも問題になり、あるいは通常国会の当初の国政についての調査事項として議長に承認を求める、そういうときにもいままでと違って、いままでは二分の一以上云々、こういうことであったのを、それを消したらいいじゃないかというようなことにも関連いたしますので、お伺いするわけなんです。  そこで、まず検査の範囲については、会計検査院法の二十二条、二十三条にこの趣旨について総括的に規定せられておるわけです。そこで、会計検査院の検査対象についてまず基本的にお伺いいたしたいと思います。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 いまの御趣旨は、国会の決算委員会の御審議に関連しておまえのところはどう考えているか、こういうことと思いますが、二十二条は六号までございますが、これは当然検査院が検査しなければならないし、権限もあるが義務もある、これは検査院の所管であるし、範囲であるしまた検査しなければいかぬことであるということになっております。  二十三条は、検査院が必要と認めて、これはひとつ検査しようということになれば、相手方に通知しまして、その範囲をきめて検査をする。こういうふうに検査院がこの中から選んで検査をやる。ですから、この中では、たとえて申しますと、七号などは、昔二、三の例はありましたけれども、現在全然指定がございません。また四号の「国が資本金の一部を出資しているものの会計」というものと五号の孫出資と合わせて、八法人を今度指定いたしましたけれども、これはとりあえず四十三年度の決算だけ検査しよう、こういう行き方をとっております。そういう趣旨で運用しております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 二十二条は検査を必要とするもの、こういうことです。二十三条は会計検査院が必要と認めたときまたは内閣の請求があったとき、こういうように区別しておることは、これはもう条文で明らかであります。  そこで行政管理庁がいわゆる行政管理の対象としておるのが俗に百八法人といわれております。ここで二分の一以上というのはどの程度あって、そして国が出資をしておるが二分の一に満たないという特殊法人はどの程度あるのか、そういうような点はお調べになっておりますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ここに表がございますが院法二十二条五号該当法人といたしまして合計が九十二でございます。もし御必要なら差し上げてもよろしゅうございます。  いまのは二十二条でございますが、それから二十三条関係で、二分の一未満の出資法人が七つ、それから二十三条の五号になりますが、これは孫出資法人といっておりますが、これが九十九、それから公社の孫出資法人が五十五、合計百六十一となっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その具体的な法人名等を書いた資料をあとでいただきたいと思います。  そこで二十三条で会計検査院が必要と認めたとき、こういうことなんですが、そしていまもちょっと答弁の中で言われましたが、八法人、日本自動車ターミナル株式会社外七社こういうのを最近指定しておりますね。こういう会計検査院が必要と認めて指定する、「必要と認める」というのは一体基準はどういうところにあるのか、基準をどういうところに置いてやられるのか、そういう点が一点と、それから内閣から請求があった場合、こういうことがあるが、いままでに内閣から請求があった例があるのかないのか、もしあったとすれば、どういう理由によって内閣から請求があったのか、そういう点についてはいかがでしょうか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 二十三条の特殊法人というのはずっと指定がなかったわけでございます。しかし国の大事な金が相当多額にいっている孫出資法人であれば、検査院としては、全然いままで検査していないけれども、この際したらいいじゃないか、忙しいかもわからぬけれども、見てもらおう、しかしそれのためにはずっと永久指定するのもどうかと思うから、本年度、四十三年度分についてだけとりあえず指定してみよう、またどういうふうなものさしでそれを選ぶかということになりますと、いろいろ検討したのでございますが、結局孫出資の場合には、国から出資したものや、公社等から出ている資本金がパーセンテージでいいますと五〇%以上、それから絶対額で、国の負担となるような経費が十億以上いっているもののうちから八つを選んでみた、こういうわけでございますので、とりあえず、これを検査対象にしたというわけでございます。  それから請求につきましてはいままでは一回もございません。今回の場合も内閣の請求ではなくて、検査院が自分で考えまして指定したわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それぞれの特殊法人が出資をするいわゆる孫出資については、それぞれの特殊法人は、その設立の目的あるいは業務の内容等々はすべてがその関係法律にきめられておると思う。したがってその出資が適当であるのかどうか、そういう点については会計検査院は検査をしておられるわけですね。そしてその検査の上に立って、孫出資に検査をなお進める必要がある、こう見たときに二十三条五号によって指定法人として検査をするんだ、そのように解釈してよろしいか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 そのとおりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこで、いま特殊法人がいろいろな面から問題になっております。人事の問題、役員の給与、いろいろあります。これは当委員会で今後もなお検討を進めることになっております。  しかし、もう一つは、いま言ったような出資をする、それは先ほど申しましたようにその特殊法人の目的、業務の範囲、これは法律できめられておるので、それを越えたり、あるいはその点から見てどうかと思う、こういうことについての出資も私あるのじゃないか、このように思うわけなんです。それを必要と見た場合に指定法人として二十三条五号によって検査をしておる。その場合に、もちろん会計検査ですから会計の面であって、人事の面まではあまり見ていないと思われます。しかし、それもやはり関連があるのです。その孫出資によって官僚が天下りというか横すべりというか、この際は横すべりというほうが正しいかもわかりませんが、中には渡り鳥的にということで、先日の浅井質問においてもだいぶ世論を呼んだようでありますが、今度はそのまた下に出資をして、そこからまたその出資をした孫法人に対して天下る、こういう事例もたくさんあると思うのですが、そういう点については検査院としては検査対象にしておられますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 お話のようにある法人が特殊法人に孫出資をする場合には、もちろんもとの法人自体の検査のときに見ているわけでございます。もちろんそれに問題があった場合には、真に不当なりとした場合には、国会に御報告すべきものとなるわけでございますが、現在までのところさような事例はないわけでございます。さらにその孫出資した法人の人事となりますと、やはりわれわれの仕事は会計経理の面でございますので、給与とか何かが正確に本人に払われておるかどうかという点はもちろん調べるわけでございますが、人事の面はちょっと所管外ということでございます。そこまでは考えておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 人事の面まで会計検査院がということは無理かもわかりません。しかし検査しておると大体役員なんかがわかるわけなんですが、そういう点。それからその孫出資法人の役員の給与、退職金等についてはいかがでしょう、検査しておられますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 これはもちろん孫出資法人はこれから見ていくわけであります。ですから当然給与面は決算にあらわれてまいりますので、やはり目を通すわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いままであまりしなくて、今度八つを見るということで、その会社名が来ておりますが、これは委員長に申し上げたいのですが、この点も調べる必要があるのです。いま問題になっておる人事とか給与の問題に関連して、天下るというか横すべり、この場合はまさに人事的に何らかの関係がある孫出資法人に天下る、こういうように思うので、この八つの法人、これについてこれからやるんだ、こういうことだから資料はないと思うのですが、会計検査院でこれを二十三条五号による指定法人として指定するにあたってのいろいろの資料等もあると思うのですが、そういうものはいただけますか。ということは、必要に応じて指定するんだ、こういうことは、いま言った、それぞれの特殊法人の目的あるいは業務の範囲を越えているか越えていないか、そういう点から見ると、これは具体的に、たとえば、日本自動車ターミナル株式会社、日本オイルターミナル株式会社以下六つですね、こういうものについて、同じ理由によって指定法人として取り上げたのか、そういうこと等も含めて、それからいままでに二十三条の五号による指定法人というのはなかったのですか。ということは、具体的に二十三条の五号によるところの指定法人の検査ということはいままでやっていなかったのかどうか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 孫出資は、皆さん御承知のように、帝都高速度交通営団だけが前から永久指定というような形でずっとやっておりまして、国会へも御報告申し上げております。それ以外に、地下鉄のような大きなものではないが、今度一般的な基準で選びまして八つを指定した。その場合に、基準が非常に大ざっぱでございますが、一つ一つの内容でなくて、別の面から見てみよういうわけで、孫出資額で五〇%以上、絶対額が十億、これはわかりますから、それで選んだ。お話しの点でバランスシートなどは、私こまかい点はわかりませんので、帰ってから調査いたしますが、私どものほうへきているのではないか、その程度ではないかと思うのでございます。こまかい点の資料はおそらく検査院にはきていないのではないか、これから検査するという段階ではないか、実際の事務当局もそうではないか、かように思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これはむしろ会計検査院ではなくて委員長に要望しておきたいのです。確認をしておきたいのです。と申しますのは、よく理事会等でそこまでやれるかどうか、こういうことが問題になります。そこで衆議院規則の九十二条、これは常任委員会の委員の定数と所管を定めた条文です。その十四に決算委員会の項目がございます。1、2、3、4、とそれぞれありまして、その5に、「その他会計検査院の所管に属する事項」というのがあるわけでございます。したがって、会計検査院が検査をした事柄、言いかえるならば、会計検査院の検査が行なわれる所管と申しますか、検査をする範囲すべてに決算委員会の審査の対象が及ぶ、そのように確認をいたしたいのですが、いかがでしょうか。先ほど来の質疑応答によって、ある程度明らかになったと思います。もちろんここで代理の委員長がそういたしますとは言えないと思います。これは次の理事会等で確認が行なわれると思いますが、私は会計検査院法二十二条、二十三条によって、会計検査院が検査をする対象がきまっておる、その会計検査院の検査の対象となる事項は、衆議院規則九十二条の十四の決算委員会の所管の事項としての5によってそれはすべてやるんだ、こういうことで私は確認をしていきたい、このように思いますが、どうでしょうか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 御発言については委員長に御報告いたしまして、研究の結果理事会で御答弁申し上げることにいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そのことによって、そこまで当決算委員会がやっていいのかどうか、あるいはまた、参考人、証人の招致等についてもいろいろと疑義があるような発言等もあるようでございますが、この点を今後はっきりしておきたい。こういうつもりで、あえて二十二条、二十三条について会計検査院長の所見を伺ったわけなんです。  次に伺いますが、「国の決算と検査」の四十四年版、これは四十二年度決算の縮小版とでもいいましょうか、これの四ページから五ページにわたって、会計検査院が検査の対象としている各種団体として、1から5まであがっているわけですね。まず最初が、二十二条の五号によるところの「国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計」として九十二あがっております。それから大体これは二十二条でいうところの五号と、その他はそれぞれの理由によっていまもやっておられると思うのですが、たとえば、3の欄の下のほうに、市町村千九百九十九、農業協同組合五百二十六、ずっとありまして、そのトータル五千三百二十があがっている。これらは全部検査の対象なんですね。ただし、これは国が補助した補助金なり交付した交付金、すなわち、国の金が使われた面にのみ限定せられて検査対象にしているのだ、したがって、言いかえるならば、当決算委員会においても、そのことについては審議の対象になるということはもちろん言うまでもないことだと思うのですが、この五千三百二十についてはどうなんですか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 市町村でございますけれども、さっきお話ししたように、補助金を出している場合でございまして、これはそのつど指定しておるわけであります。農林省所管の補助金とか運輸省所管の補助金で、どこそこの道路を見るといって知事に通知して、それを通じまして、そのつど市町村に指定する。これは数が非常に多うございますから、市町村なら何でもというわけではない。何の補助金、何の補助金といって検査に行くたびに指定しているということになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、もっと具体的に言うなら、このトータル五千三百二十というもの、市町村はじめ学校法人に至るまでの数のこの五千三百二十という団体、法人、これらは四十二年度の検査対象にしたものなのか、それとも検査対象となり得るものをあげたのか、どっちなんですか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 具体的にこまかい点になりますので、事務次長から答弁さしていただきます。

佐藤三郎会計検査院事務総局次長

○佐藤会計検査院説明員 いま御質問のありました点は、市町村等につきましては、四十二年度の検査に関しまして、そのつど指定いたしたものでございます。ところが、この3の中に入っている、その上のほうのいろいろな法人がございますが、これはそのつどでなくて、いわば永久指定と申しますか、過去において指定してずっとその権限に基づいて検査を継続してやってきている、こういう団体でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これも委員長と約束しておきたいのですが、先ほど言った衆議院規則からいって、当決算委員会は、審議対象は会計検査院の所管する事項なんです。これらすべてに、必要があれば、審議対象とする、参考人を呼ぶ、あるいは証人を呼ぶ、そういうことができると私は解釈いたします。これも理事会で確認をしておきたいと思いますが……。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 同様に研究の上で理事会でお返事することにしましょう。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は何も決算委員会は、会計検査院が検査結果を提出してきた、それだけに限られることはないと思います。いわゆる会計検査院の所管事項ということであるならば、あるいはその年度に具体的に検査をしておるかしてないか、いわゆる決算報告に出てきたか出てこないかということじゃなくて、会計検査院の対象になるものはすべて対象にする、できる、こういう解釈を持っているのです。このことはむしろ内部の問題でありますので、理事会等で検討する。そういうことにして次へまいりたいと思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 そうしましょう。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこでついでですから、午後大蔵省の四十二年度決算についてお伺いいたしますので、その前に会計検査院にお伺いしておきます。  これはいま申しましたこの四十四年版の八八ページ、これは八六ページから続くわけですが、ここに大蔵省の不当事項に対しての指摘があります。その一つに、国有財産の賃貸借といいますか賃貸し、この地代です、ここには土地貸借料を安く算定をしているということが書いてある。この内容を見ると、住宅の規模を大きくしたので、地代統制令の適用がなくなったものも、それ以前と同じように、統制令が適用せられたと同じようにやっておるために、もっと取るべき土地貸し付けの地代を安く見積もりをしておったのが九財務局の合計四百七十九件、そして金額にして二千六百四十七万円、従来取るべきものよりか少なく取っておる、こういう指摘ですね。  そこでちょっとお伺いしたいのですが、当然国有財産で賃貸借の対象になるのですから、これは行政財産ではない。行政財産も一部はやっておると思いますが、そういう点はどうであったか。それから契約の相手方、これは契約ですから、法人格を持つ法人、あるいは自然人、個人ですね。法人と個人とはその比率はどの程度であったか。それからなお、法人であるならば、どういう法人に目立ってあったのか。個人であるならば、特に大きな金額の差額が出てきておるのは、検査せられた結果、具体的に名前が出るなら出していただきたい。もちろん、法人の中には民間会社等もあろうと思います。そういうような点について、詳細に、この四百七十九件中、こういう性格のものが幾ら、こういう性格が幾ら、こういうのは出ておりますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 いま実際の仕事をいたしました局の方に聞きましたところ、こまかい分類表というようなものはないそうでございますけれども、一覧表がありますので、あるいはそれをごらんになりますと御質問の趣旨に沿い得るかと思います。もし必要ならばそれをひとつ出さしていただきたい、かように考えておりますけれども、よろしゅうございますか。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 詳細は、それではその一覧表をいただきたいと思います。しかし、ここで一、二の例をあげていただいたらけっこうかと思います。たとえば、ここに件数と金額があがっておるのですよ。この中に、本来ならば取らねばならない金額を安く取っておる。その差額の一番大きかったのは具体的にいってどこの土地で、どういう目的の住宅に対して宅地を貸しておったのか、相手方はどういう人なのか。これは、人というのは法人、個人を含めていますが、そういうことがわかりますならば、ひとつここで差額の大きいのの一、二の例をあげていただきたい、こまかいことは、一覧表があるならばそれを資料として要求したいと思います。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 ここの検査報告を出します際に、私たちもこの資料を見ながら審議したわけでございますが、いま覚えておりませんので、午後になりますと担当局長が参りますので御答弁できるかと思います。ひとつ午後に答弁させますので、さよう御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 実は午後大蔵省の四十二年度決算審議を行なうにあたって、あらかじめ会計検査院から、この九財務局、四百七十九件ということについて、ひとつ賃貸借契約の相手方を知っておきたい、こう思ってお伺いしたのですが、いま明らかにできないが、午後の会議までに明らかにできるということなら、至急——いま私が言っているようなすべてを満足さすものは後日でけっこうですが、二時ごろまでにできる範囲の資料をひとつ整えていただきたい。できますか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 二時半ぐらいにこの委員会を始めるつもりですから、始めたときに最初にできますか。——そういう意味ですね。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 何なら、こちらへもらったら、それによって大蔵省に聞きますから……。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 ここで答弁しないで書面で出れば、それでもいいのだろう。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、やはり議事録にもとどめたいと思うので、冒頭でもひとつ代表的なのを一、二言っていただく、その他は資料として手元にいただきたい。できますね。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 御趣旨に沿うようにいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、自後の質問は午後の質問に留保します。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 第一点、検査院長に伺います。  検査院から毎年予算執行の検査報告が国会に提出されます。これは、当委員会におきまして主として審査の対象になっておるわけでございます。私どもは、予算案が本会議を通じ予算委員会を通じまして全議員の注視のもとに審査されてまいります、それと比べまして、本会議の論議の場で十分に審議のやりとりができないということ、それを遺憾に思っておったのであります。つきましては、検査院の検査報告の趣旨内容等が本会議で審査されることに最近なったのを機会に、院長みずから本会議に出席して答弁する機会があることが適当であろうというふうにかねて考えておったのでありますが、どうもこれは国会法、検査院法によりまして義務づけておらないようでありますから、従来はそれなしにきております。非常に何か行き届いた問答ができないうらみがないではないのであります。  そこで、去る二月十二日の本会議に四十二年度決算が上程されました際、私は佐藤総理に対しまして、この際法を改正して検査院長が本会議に出て答弁に当たる、こういうふうに積極的にやってはどうか、それが審議を尽くす一つの有力な手段じゃないか、こういう質問をしたわけであります。せっかくの御提案でありますからこれはひとつ十分検討しますというのが佐藤総理の答弁だったのです。あなたのほうにそれが届いたかどうか、それは存じません。存じませんが、しかしこれはやはり検査院としましても、千数百名の有能な検査官以下職員を通して、膨大な全国に動いている国の財政の処理のあとを検討されて、その結果を憲法に基づいて国会に提出し、これが審査になるというのでありますから、一番重要な場である本会議に院長みずから出席して答弁に当たるということは最も望ましいのではないかと思うのですよ。でありますから、現行法上、解釈としましては、もし必要ない、不可能である等といたしましても、当然政府側の出席員として出られるようにすることが、この際最も適当であると思います。以上のような問答が本会議で先般行なわれたんでありますので、これに対するあなたの御所見を伺って、そしてでき得べくんば積極的な前向きのかまえでこの問題は早期解決する必要があるのじゃないか、こう思うのですがいかがでしょうか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 本会議でさような御質疑がございましたこと、承っております。これは本質的には国会がおきめになることと私は了承しているところでございまして、国会が国会の御審議の一つの形態としておきめになることでございますので、私がとやかく意見を申し上げるということもどうかと思いますが、私自身としては、従来の国会の中のお取りきめが決算委員会へ出席するということになっておりますので、それをありのままの姿で受けとめて、そのままの形で今日までまいっております。もちろん、国会におきまして国会法を御改正になりましてさようになりますれば、これはもう当然出席する義務があるというふうになるわけでございますが、あげて国会でおきめになること、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 法律を国会が制定して、それで出よということであれば出ます、従来はおきめになったとおり、今後もおきめになったとおりに出ますというのでは、これは実は答弁じゃないのであります。そんな法律の解釈、慣例をあなたからこの際伺うなら、別にわざわざ院長に伺わなくてもそんなことは先刻公知の事実であります。やはりあなたのほうも千六百名以上の職員を駆使して重要な国の財政の検査に当たっておる。これは憲法の規定から見ても、むしろ行政庁に独立するという趣旨で置かれた地位だろうと私は思うのです。それならば、みずからの使命がこれによっては全うされない、あるいはよりよい方法がさらにある、みずからの体質を改善するとか、この激しい世の中の激動、進歩、発達の時代でありますから、やはりみずからもその主張があってしかるべきだと私は思うのです。そういうことなくしては、それはやはり尺貫法によって寸法をはかりなさい、ますをはかりにしなさいという、それと同じことであります。それは明治時代の機械によって新しい高度の科学研究の機械に使いなさいというのと同じことになるおそれがあります。せっかくわれわれが決算審査の経験にかんがみましてこういう意見を出しており、行政の総責任者である総理大臣が、せっかくの御提案だからこれは検討いたしたいと思いますというふうに言っておるのですから、あなたが、おきめになれば出て答弁しますということでは、私は全くこれは何もない無答弁と同じだと思うのですが、御意見はどうですか、意見を出すこともはばかられますか。そういうことも委員会で発言することは許されないのでしょうか。あなたの御所見、御感想はいかがでしょうね。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 どうも御意に沿わないかもしれませんが、やはり公的な立場から申し上げます。おまえの考えはどうかということになりますと、いま言ったように国会でおきめになることでございますので、それにつきまして、国会の御要求があればもちろんわれわれ出席するのにやぶさかではないことでございますので、さようにひとつ御了承願いたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私はきわめて不満足でございます。一体検査院法にしましても財政法にしましても、明治憲法の趣旨が大部分踏襲せられておる。新憲法ができまして新しい会計法が制定される、その当時過去における法制の反省が十分なかったということは、また国会で明らかなんです。私はその詳細な経違につきましても佐藤達夫氏の報告も持っております。そういうことを考えてみますと、私はいまの財政法なりいまの会計検査院につきましてはもっと使命の重要性にかんがみまして、積極的なかまえでこれは取り組んでいく姿勢がなければならぬと思うのです。  それならば一転して伺いますが、第二点になりますが、私は四十一年の二月二十一日に予算委員会におきまして臨時行政調査会の答申に対する、つまり「予算、会計の改革に関する意見」、これに対する会計検査院の関連事項についての資料を要求いたしました。この資料はその後出たのでございますが、臨時行政調査会の「行政改革に関する意見」への回答であります。これによりますと、予算編成の合理化の問題、第二は事業別予算制度の導入の問題、予算執行の早期化及び弾力化の問題、決算の充実の問題、補助金等の合理化の問題、特別会計及び政府関係機関の整備の問題、政府関係機関の機能の明確化の問題、会計事務の効率化、契約の適正化、物品、国有財産の管理の効率化等々かなり広範にわたりまして、あなたのほうは本院においても検討を進めている、検討をする、意見は同じである、異論はない等々かなり意見が出てくるのですが、これは非常に重要なあなたのほうの御意見と見ておりまして、これらが総合的に検討せられまして、検査院の機能がさらに十全を期し得るように充実でき、実行することができましたならば、これはわが国の財政運営につきましても大きな成果がもたらされる、こういうふうに考える一人なのであります。これは一々全部詳しくは読みませんが、このようなことにつきましてその後相当御研究もされたかと思うのです。これはいま答弁してもらうのもお困りでしたら、私がいま申し上げました意見書につきまして、文書によって、この点はこうしたあの点はしなかった等々、その後の進捗、検討等、でき得べくんば結論的なものを出すことにしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうね。何か概要でも言えますか。ちょっと突然のことでお困りかと思うのですが、これは院長でなくてもどちらでもいいですよ。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 この臨調の予算会計の改善に関する意見で検査院に意見を求められたのであります。そのときは私はちょうど検査院に参ったばかりでございましたが、自分の思っていることはどんどん取り入れてもらったつもりでおります。さような経過で出しておりましたが、この中で検査院制度自体についてこういう点を直したらいいというような条項はなかったわけでございますので、これは主として大蔵省財政当局、予算会計に関する者が検討、処理すべきものでありまして、それにつきまして大蔵省のほうから意見を求められたので、大蔵省の参考に検査院としては出したという当時の経緯だったと記憶しておるのであります。  そこでいまお話しした点でございますが、意見を出した以上は検査院としてもそれはどうなっておるか、項目的にトレースしたほうがいいのじゃないかという御意見でございます。当然そうしていくべきことでございますが、さしあたって急にはございませんので、後刻ひとつお届けいたしますからさよう御了承願いたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 院長にお頼みしておきます。これは検査院におきまして大事な御回答であると思いますので、今後のこともありますから文書にして当委員会に出していただく、そういうようにお計らいいただけましょうか。——よろしゅうございますか。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 どうですか。前の意見を出すのなら問題はないが……。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは検討しますという事項もありますし、等々しますので、これきりとか、その後検討されておるがその進捗状況いかんということにつきまして適当な報告をしていただけばけっこうと思います。大事なことでありますから、ひとつ十分に御検討の上していただきたいと思います。どうですか。出せるでしょうね。項目別につくってもらってよろしいのです。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 必ず出すというのじゃありませんが、いま調べてみて差しつかえないもので参考になるものがあれば出すということです。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 参考になることは間違いありません。重要な参考になりますからぜひ出していただきたい。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 ちょっと速記を待って。     〔速記中止〕

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 速記を始めて。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 では次に進みます。  具体的にこの点はあなたとも何度も問答しておるのですけれども、たとえば四十二年の検査報告書を見まして、やはり私も実は多少がっかりする面がないではないのです。つまり予算の効率的使用ということを何かもっと積極的につかんでもらう方法はないだろうか。当、不当、違法か適法かという問題ばかりに執着しておりましたならば、検査院報告というものの関心がだんだん乏しくなってくると私は心配しております。たとえばいまの大蔵省所管事項の検査報告を見てみましても、大部分は税金を取っているのが少なかったというだけなんです。過不足なんて書いていますけれども、過は出てこぬです。取るのが少なかったということがずいぶんたくさんに並べてあるだけなんです。私はやはりこういう芸のないことではなしに、大切な国民の税金でありますから、いかに効率的に予算が執行されたかというあとを追及していく、こういう点についてもっと積極的なかまえができぬものだろうか。これは不可能か、不必要か、まずその点はいかがでございますか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 個々的な事項ということもこれは非常に大事なことでございます。検査院の本質的な任務というのは、あくまでも非合法あるいは不正事項を正すとか、むだなことを批難するということがもちろん中心でございます。個々的なことも非常に大事なことでございます。しかしながら、いまおっしゃいましたように予算使用の効率性、経済性というものは、これはだんだん世界各国でもそれに目をつけて検査するという趨勢にございます。昨年開催いたしました国際会議におきまして各国のいろいろな討論を聞きましても、やはり予算の効率性、経済性を見るには実地検査が非常にいいとか、そういうことをいっておりまして、これはやはり日本の検査院当局としても同感の点があるのでございます。私もそういう点はやはり先生と同じように、予算の効率的な執行という点は十分注意しなければいけないということを考えております。しかし何ぶんにもこの問題は、実際に指摘するということは非常にむずかしく、なかなか高度の経験等が必要でありまして、実際にその問題に取り組むところの調査官なりが、そういう問題について相当の理解をするためふだんから勉強しておかなければならぬ、端的にいってそういう点があります。いままで個々の検査につきましては、みなエキスパートであり、ベテランでございますが、さらにそういう問題につきましても、目を向けなければならないというのがここ数年来の趨勢といいますか、検査院職員全部の気持ちでございます。それで従来の検査報告においても、さような問題をさような見地からさらに検討し、指摘事項なり、あるいは改善意見において予算の効率性とか経済性とかいう見地から見ましたものを御報告申し上げている事例もございます。しかしおっしゃるような点がございますので、さらに今後はわれわれといたしましても勉強いたしまして、そういう方向に進みたい。しかしこれには一つの限界がございまして、予算の批判的なものにまで検査院としては足をすべらしてはいかぬ。予算そのものは、これは国会でおきめになったものでございまして、しかも国民の意思を代表する国会においていろいろと御議論、御検討の上きまったものでございますので、予算の批判までは足をすべらせないようにという限界がございます。そういう点をかみ合わせて、与えられた予算というものが効率的に使われているかどうかという点は見なければいかぬ、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 もっと検査院は姿勢を高くなさいよ。小心翼々として薄氷を踏むような気持ちでいかれないで、もっとごう然としてかまえていいと私は思うのです。と申しますのは、やはり検査院に期待するところは大きいのです。検査院がまるでこわれもののように扱われたり、検察庁が検察官を動員して、悪党を取り調べにいくというような印象を払拭して、検査院こそ財政の効率的使用のほんとうの道の発見者である。これのあとをついていくと、日本の財政が将来明るくなるくらいな、大きな期待と勇気を検査院に持たすくらいに、みずからの職責の重要性と高い使命を自覚していただきたい、こう思うのです。  最近におきましても、司法分野におきましても人間を処罰するだけが能じゃない。改過遷善ですか、ですから刑務所といえども、ほんとうに善良に回復して社会性を取り戻す。そうして社会の福祉に貢献する人生を歩んでくれるならばということを念願して刑務所生活を送らせております。こういうようなことをあれこれいたしますと、ましてや私は、財政につきましてはきわめて重要なその面の一つの指導的な理想を持っておられると思うのです。なるほど会計法四十六条の常時検査によりますと、財政の効率化の調査などを大蔵省が常時できるようであります。大蔵省はやれますが、私は、いま院長が言うておるごとくに、事業別予算制度、こういうものを導入するようなそういう見地から見ましても、費用と効果を総合的に比較検討するというような見地に立ちまして、一体どんな業績があるのだろうかということを検討し、実施の計画がどうだろうということを検討する、そのくらいのことをやってもいいだろうと思います。抜き打ち検査などをやっておりますが、大きなものを全部やる必要もございますまいから、大事な問題につきましては、計画なり実績なりをつかんで、そして費用と効果を対比する、これを総合的に把握していくということになりましたら、そこに効率性が出てくる。何も一々それが政策の批判になるということでびくびくする必要は私はないと思うのです。あなたの御心配になっておるようなことであるならば、大蔵省にしても実施するものは実施する、また政策批判すべき官庁でも何でもありませんということを思いましたならば、私はやはりその検査のかまえなり目標なりを、効率的に使われているかどうかということに置いて検査なさることはいろいろな点で可能であると思う。  であればこそ、私はあなたにも申し上げたと思うのですが、コンピューター時代に入っておるのでありますから、率先してコンピューターも活用し、消化するということを検査院はおやりになってしかるべきでないかと言いたいくらいなのであります。私は、あらゆる意味におきまして、検査においては、検査の神様は検査院なり、そこでほんとうに予算の効率いかん、使用のいかんというものは検討されるのであるというふうになってもらいたい。なるほどそれには高度の技術が要りましょう、知識も要りましょう、経験も要りましょうから、それに必要な機能の充実あるいは刷新あるいは訓練、指導、勉強すること、それぞれの設備を充実すること、うんとやればいい、やってほしいと思うのです。可能だろうと思うのです。そういう提案を積極的になさいませと言うのです。私がさきに臨調の答申をここに引き合いに出したのは、そういうところにもくるのです。一々従来のそればかりやっておりましたら間に合いません。自転車で速度を出しなさいというのと同じであります。アメリカと日本と、ニューヨーク−東京間は三時間で飛んでこようとする超音ジェット機の時代にもう入っておるのでありますから、この時代のすばらしい進展に即応するような検査官機能を発揮し得るようなことをいかにすればよいかというふうなかまえでいきますならば、私は予算執行の効率化を検査することはそう難問でないと思っております。随所に出てきます。なるほど改善意見も見ます。それはけっこうですけれども、そんなことよりも、一体、全体を見ました検査報告書の九割九分までは不当、違法の指摘に終始しておられます。不当、違法事項に終始するということではこの時代の間尺に合わぬと言っているのです。だから、初めは効率化のいかんは二割だったが、半分になってきたというくらいになりましたならば、私はほんとうに国民は手をたたいて検査院の活動を喜んでくれると思うのです。そういうような角度で言うのでありますが、その点について、あなたのほうは今後はひとつ新しい配慮をもって進んでいってもらいたいと思います。どうお考えになりますか。  かくして初めて私は予算の執行のあと、検査院の検査のあと、決算の審査のあとを次の予算の編成の重要な参考にできます。違法や不当やといったところが、それでは懲戒するとか免職するとか追徴するとか、そんなことに終わってしまいますよ。それでは交通違反事件の数字の計算と同じことです。そんなものは次の参考になりません。次の参考になるということは、やはり効率化いかんということの検討のあとを財政計画、予算編成の重要な資料として出すということが大事だと思います。それをお仕事になさい言うのです。いかがでしょう。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 予算の効率性、経済性の問題につきましては、さらにわれわれとして努力すること、これはもう私も同感でございますので、今後も一そう努力したい、できるだけ御趣旨に沿いたい、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 もう一点は、国と地方を通ずる財政の運営の総合的検討という見地に立って検査するということいかん。もっともこれは検査院だけではなしに、大蔵省の常時検査の場、それから行管との仕事の関連等もあろうと思いますけれども、私は財政運営というものが、たとえば国の財政にいたしましても七兆六千億円の一般会計等にいたしましても——御承知のとおり地方自治体の財政は三割行政といっております、あるいはまた一割行政ともいわれます、それほどに国の財政のウエートが大きい。国の財政いかんが地方財政を支配しております。したがいまして、地方財政全体のワクが中央の財政より大きくなっておるという現状を考えてみますと、中央と地方との財政の関連、これを総合的に把握していくということが大事ではないであろうか、こういう面に新しい開拓をせられてはいかがか。国の財政が地方へおりる、交付税しかり補助金しかり、等々いっております。こういうことになっておりますし、教育費にいたしましてもいろいろな面においてそうなっておりますから、それをぜひ総合的に検討するという角度で、検査院の機能を発揮してもらうように、新たに検査院機能をプラスするということを現行法の解釈としても可能な範囲でやってみる。なお不可能な面があるならば、法改正を要求するということまでいく、こう思わねばならぬのですが、これはいかがなものでしょうか。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 検査院の権限と地方自治との関係というような点もございますけれども、ひとつ検討させていただきたい、かように考えます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そこでぜひはっきりしておきたいことは、どうも委員会におきましても、本会議におきましても検討しますということばがずいぶんと出ている。それから次の機会に検討の結果いかんと御報告を求めますと、まだうんともすんとも何もないのです。検討しますということばが逃げ口上みたいな印象を与えてはたいへんであります。私はいつも言うのですが、しないことは言わないことです、言うたことは必ずする。お互いにこれだけの節度をもって国会の言論はなされるべきだと思います。検査院長はうそを言わない、検査院は偽りは言わないのでありますから、必ず検討せられまして、そして次のできるだけ早い機会に、八月は四十五年度予算の編成の準備が顔を出してきますから、今月済むのか済まぬのか、それは別といたしまして、できるだけ早い機会に基本的な姿勢だけでもまず報告せられて、さらに具体的な実践をどうするかということの報告もせられんことを強く要望申しておきます。  これは例をあげますと、たとえばいま一世帯一住宅、こういうようなことが一つの大きな夢にもなっておるし、国策にもなっておるし、国民の期待にもなっておる。ところが、これがなかなか実現をしない。というのは住宅対策費というようなものも、これは何カ年計画としまして大きな建設省予算等々もございます。各地方自治体におきましても同様でございますが、これを総合的に見るためには、たとえば公営住宅あるいは改良住宅、こういうものにつきましては一般会計及び地方の一般会計、また住宅金融公庫、厚生年金還元融資、雇用促進融資の住宅、雇用促進転職雇用者の社宅、国民年金の特別融資、地方債などの関連住宅、こういうものは財政投融資計画及び地方債計画、地方団体の設置しまするいろいろな地方の住宅公社あるいは住宅の供給公社、こういう独立の事業報告などをみな総合して見なければわからぬ、実態がつかめませんということになりますから、この重要な国策を推進するための膨大な予算の執行のあとを追及していこうとしますると、このような面を総合的に洗ってみなければわかりませんということになってきまするので、いかに国と地方を通ずる財政運営の総合的検討が必要であるかということは、これはもう明らかなんです。この総合的検討なくして、象のしっぽをつかんで象を批評するようなことになりましたら、これは国策論議にはならぬ、国会の審議にはならぬ、こういうことも思います。済んだことをあれもあれもと言っておるようなことばかりしておりましたら、ばかの一つ覚えみたいになってしまいます。そういうことをしたくないんです。そんな時代じゃありません。一つの例をあげたにすぎませんけれども、かかる見地から考えてみましても、いかに中央、地方の財政運営の総合的検討ということの重要性があるかということを如実に私どもに見せておる、こう思うのです。  こういう事情もありまするので、せっかく検討するとおっしゃっておるんだから、これはほんとうに前向きに検討してください。そして、何もあなたのほうだけに検討を求めるのではございません。強く政府にも求めます。われわれはわれわれの立場で研究もいたします。ぜひそういうふうにしてほしいと思います。御意見どうでしょう。

山崎高会計検査院長

○山崎会計検査院長 御趣旨の点、国と地方を通ずる財政運営の総合的検討についてのことでございますが、もちろんこれは必要なことでございます。しかし、検査院としてはどうかといわれますと、先ほども申しましたように、会計検査院の権限というものがございますので、それと地方自治との関係もやはり考慮しなければならぬ、そういう意味から、ひとつ研究させていただきたい、こういう意味でございますので、おっしゃる点はごもっともでございますが、少し検討させていただきたい、かようなことでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最後に院長、あなたとは何べんもここで問答はしないのですから、強く御要請しておきますが、私はやっぱり財政執行のあとを検査する検査院の地位の重要性というものを根本的に考えておるのです。そこから出発するのですが、裁判官と検査院の諸君との待遇は違います。こういう点から見ても、司法の独立を全うするためには裁判官の身分、それからその他の保障、かなり重にして厳ならねばならぬという立場から、わが国におきましては、諸外国よりも司法の権威が相当保たれております。みずからそのくらいな自意識を持ってこの仕事に当たる。院長はこういうことのそうそうたるベテランだ。司法は法秩序を守る、検査院は財政秩序を守る。かかる意味におきまして、私は三権分立は四権分立ぐらいの一つの地位を検査院に認めるほどの考え方でもいいのじゃないか。それは何も、いまの検査院がどうの、いまの検査官がどうのという、そういう個人的な意味じゃないのです。日本の憲法上の重要な機関としての検査院という意味なんです。そういう意味におきまして、検査院の諸般の待遇もぐんと充実して、そして職務、職責、地位を保障して、そのかわりに、おっかなびっくりのへっぴり腰で仕事をするようなことがもしありとするならば、それはもう断じて許されない。司法における昔の兒島惟謙のごとく、そのくらいな強さを持ってやっていただきたい。私はいまの日本の国政の審査、国会その他の国政担当者のすべての姿勢を正しくするということを叫び続けていますが、その立場におきましても検査院の使命は重要です。この重要な使命を担当するところでありますので、仕事につきましては徹底的に、積極的に、前向きに、そのかわりに、みずから守るべきものは守るべく国に求める、こういう姿勢で進んでもらわないと、あるかないかわからないような昼あんどんになってはたいへんです。ぜひ昼あんどんにならぬようにされたい。昼あんどんだとは思いませんよ。それはにじのごとく、太陽のごとく輝いていると思いますけれども、どうもここで承っておると、ひょうひょうとしておられて、それは心もとないのです。だから、こんな要らぬことを言うのですけれども、院長さん、ひとつお互いにやりましょう。何も個人のためじゃございませんので、強く御要望申しておきます。  これで終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 この際、午後二時三十分再開いたすこととして、休憩いたします。     午後零時五十八分休憩      ————◇—————     午後二時三十三分開議

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  大蔵省所管について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先日の当委員会におきまして、憲法八十七条二項の「支出」及び財政法にそれぞれ使われている「支出」「使用」「支弁」、これについてお伺いいたしまして、その後、内閣法制局と大蔵省の連名をもってそれに対する回答というか、これをいただいたわけなんです。これに対してはまだ私十分納得がいかないのであります。しかし、こまかいことはまたの機会に譲るといたしまして、一点だけこのことについてお伺いをいたしておきたい、こう思うわけなんです。  大臣、これこらんになりましたか。——これの一番最後を見ていただいたらいいわけですが、要するに一口で言うならば、財政法三十五条の「予備費の使用」、あるいは三十六条の「支弁」、さかのぼって憲法八十七条の二項の「支出」、ともに「特定の経費の財源に充てるため予備費から財源を出す」ということであって、それぞれ同じ意味なんだ、こういうように受け取るわけなんです。  そこで、憲法の「支出」は別といたしまして、その回答の(2)にもありますように、財政法三十五条の「予備費の使用」と三十六条の「支弁した金額」の「支弁」、これは結局同じものなんだ、こういう回答を受けたわけなんです。それならば、私こまかいことを言うようでありますが、いま事後承諾を求められている案件としての予備費の審査、これは憲法八十七条二項と財政法三十六条三項に基づくことであるので、むしろ「予備費の使用総調書」というよりか、三十六条の条文からいうならば「支弁金額の総調書」と呼ぶのが正しいのじゃないか。その三十六条三項については前にも御検討願うように申し上げておるわけです。それを御検討願って、何らかの方法を考える、そこまでいくなら、これもいままで使いなれたことではあるけれども、法律で基礎というならば同じことだという答弁です。ならば「使用総調書」といわずに「支弁した金額総調書」というのが法律上のことばだと思うのです。そうなすべきではなかろうか、こういうように思うのですが、これは大臣でなくとも、見えられました秀才局長、さっそくいかがです。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 少しおくれて参りまして失礼申し上げました。  「支弁」と「使用」あるいは「支出」ということばの問題だと思います。いま「支弁」ということばがいいではないかというお話でございますが、私どもこれはやはりニュアンスの違った表現と考えております。というのは、国費の支出に至ります段階で各種の段階があるわけでございます。予算ができてそれから支出に至るまでの各種の段階がありまして、総体としてこれが最終的に支出される、その各段階のどの点にニュアンスを置いていうかということによって、若干いろんな表現を用いておるわけであります。広く支出行為という場合と一つの最終的な過程としての支出ということと、この二つ使っておりますので、「支出」ということばでも、一応は、財政法の二条等でいっておるのは最終的な「支出」をいっておりますし、予備費の「支出」の場合には、総体の予備費を使うという意味で、非常に広い、ばく然とした観念で「支出」ということばを使っております。まあこの「支弁」ということばになりますと、やや特定の財源で使うとか、その財源との対比でもって表現している場合が多いのであります。これにつきまして、私ども今後いろいろ検討すべき問題を含んでおると思いますけれども、現在直ちにこの表現を変えなければ非常におかしいという、そこまで突き詰めてないわけであります。予備費の場合におきましては、普通の予算の支出のほかに、その支出に至るまでの状態にもっていく過程があるわけであります。予備費以外の経費は特定の目的を示して、その目的のために支出が行なわれるわけでありますが、予備費の場合はそういった目的をきめる、それから所管がきまるという、二つの特定化の段階があります。これを予備費を使うという意味で、最終的、厳密な「支出」ではないという意味で「使用」ということばを使って、これは財政法の段階でそういうことばを使われたと思います。でございますから、われわれが言っておる「使用調書」という意味では、予備費を特定の所管目的に充当するという段階の行為をもって予備費を使うというふうに解しておるわけで、その点はよく御了承いただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 鳩山さん、この前から何回か、私出席を求めたわけですが、きょう初めておいでになった。このことについても一言申し上げたいと思っておったのです。いまの答弁は途中から入ってこられたからそうなったと思う。あなたのいまの答弁は、私がかつて主張したのと同じことなんですよ。その答弁なら、この回答とは違うのですよ、ニュアンスが違う。しかも憲法のいう支出は一連の金だ、こういうような受け取り方でしょう。それはぼくが主張しておったのですよ。ところがいままでの回答は違っておったわけです。そこであらためて資料として要求して出てきたのがこれなんですよ。これによると、「使用」も「支弁」も同一のことだと書いてある。だからいまちょっと混線があるのです。むしろあなたのいまの答弁は、ぼくのいままでの主張に合っておる。私の言っておるのは、この答弁を法制局なり何なりで詰めたやつをもらった。それが(2)の(ロ)に、結局、「使用」というも「支弁」というも同一のものだ、こう書いてある。そうであるならば、いま行なおうとしておるのは、三十六条による予備費の事後承諾を求める件、こうなっておる。それなら、三十六条の条文からいうならば、「使用調書」といわずして、「支弁金額調書」というのがむしろ正しいのではないか、こう言うておるわけです。だから、こまかい議論をしておってもどうかと思うが、むしろ福田大臣は仲介者というか、審判者になってもらって——混線があるのです。いまの局長答弁は私がこの前言ったのと同じことを言っておる。ところがこの回答のほうは若干違うのですよ。それをいまやっておってもしょうがないので、三十六条三項の問題に関連していろいろ検討願う、検討いたしましょうということになっておるのです。そのときに、一緒なら、厳格に言って、私はそんなことばは「使用」であろうが「支弁」であろうがかまわないけれども、法律が三十五条では「使用」といい、三十六条では「支弁」と言っておる。しかもこれを出してきておるところの案件は三十六条による案件である。ならば「使用調書」と言わずして「支弁金額調書」というのがほんとうだろうと思うが、そういうところでむしろ用語を統一せられたらどうですか、こういっておるわけなんです。おわかり願えますか。だからそれはひとつ検討する、先ほども検討ということは一体何だ、こういうことの議論もあったようですが、あわせたほうがいいと思う。鳩山さん、あなたは出てこないからいけないのですよ。それは議事録を調べてごらんなさい。いまあなたが言ったことは、かつてぼくがこうではないかと言ったことと同じことを言っている。さすが秀才、私の見解とあまり変わりがありません。どうです、それもあわせて、どうせこれを検討することになっておるのですから、二十二年以来か何かの慣例でございますのでということでは、私は通らぬと思うので、もうそういうことを離れて、どうせやります、出し直すなら出し直しますということは、あらためて今度から検討しようということなら、そういう用語も訂正せられたらどうか。あるいはさかのぼって財政法の用語を統一せられたらどうか、そういうように思うわけですが——あなたの答弁はぼくのかつての主張なんです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 田中委員の御要求に対しましては資料として提出しておるわけですが、これを要するに、「支出」といい、「使用」といい、「支弁」ということばになっておりますが、いずれもこれは同意義である、こういう見解なんです。三十六条には「支弁」というふうにありますが、しかし三十五条のほうでは「使用」、憲法のほうでは「支出」、これはいずれも同義だ、こういうことで、おそらく「使用調書」、こういうことにいまなっておるかと思うのです。そういうことで統一見解を資料として提出してありますが、なお疑義がありますようなので、なお今後ともお互いに検討する、こういうことにしたらどうか、こういうように存じます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでいいですが、この回答であるとするならば、同じことなら、私は用語を統一するか、あるいは国会に提出してきておる、いま持ってきておりませんが、例の「調書」ですね。名前をかえるべきじゃないか、こういうことをいっておるので、その点はこの程度にしておきましょう。  せっかく大臣に来ていただいたので、大臣べースでお答え願うことをお伺いいたしたいと思うのです。そのまず第一点は、去る十三日の午前十時三十分から一時間にわたってスタンズ米商務長官と関税障壁問題とか、あるいは資本自由化問題あるいは貿易の輸入制限等について話し合いをせられたようですが、抽象的には新聞にも出ておりましたが、このスタンズ米商務長官との会談で特にどういうことが話し合いせられ、そうしてどのような印象を受けて、今後どう対処すべきか、そういうことについて所感がございましたら承りたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 スタンズ商務長官と私の会談は約五十分くらい、それでこれは通訳が入るものですから、ほんとうの中身は少ないわけなんですが、まず長官のほうからニクソン政権の経済政策について話があったわけです。御理解を願いたい、こういうことなんです。一つは対内経済政策。これはアメリカのいまの国内経済はむしろ過熱ぎみであるといったほうがよかろう。それでこの辺でどうしてもアメリカとすると、インフレ抑制政策、これをとって景気の上昇の高さを抑制するという政策をとりたい、そのためには増税政策を続ける。また、歳出の削減を大幅に行なう。また、金利引き上げ政策をとって資金需要の抑制をはかりたい、こういうことで何とか過熱ぎみを鎮静化させたい、こういうのですが、しかし、さらばといって、いわゆるリセッション、不況状態には持っていきたくない、そこまでは落としたくない、こういう非常にデリケートな政策がとられるであろう、こういうことを申しておりました。  それから対外政策といたしましては、一口にいうとフリーアー・トレード、こういうふうに言っておりましたが、国際間の交易をさらに自由にしていく方式を広めたい。ただ、それぞれの国では事情があろう。わが国でも事情がある。その事情でアメリカとして一番問題視しているのは繊維の問題だ。繊維の問題については通産大臣や外務大臣によく話したから私はここでは詳しいことは申し上げませんが、しかしこれはわが国の特殊事情がある。日本にもいろいろ特殊事情もあるようだが、わが国もこれが一番だ、こういう話なんです。いま日本でも、いわゆる残存輸入制限物資というようなものが多々あるが、これらは撤廃して、そうして世界の貿易を拡大するために日本も協力すべきではあるまいか。  それから第二は、いまお話しの非関税障壁ですね。この非関税障壁につきましても、これはお互いに検討しなければならぬ問題である。私のほうでも検討いたしましょう。しかし日本側でも検討してもらいたいものだ。  それから資本の自由化、これにつきましては、日本側で非常にかたく自由化を拒んでおる。しかしこれはアメリカとしては自由化にしておるので、日本としても、わが国同様自由に門戸を開放するという態度をとるべきである、こういうようなお話があったわけであります。それで、そういう考えだけれども、しかし他の国においてより自由なる貿易という政策にあまり同調しないということになると、アメリカの国会自身が非常にむずかしいことになります。保護主義的な色彩を固めるようなことになりかねない。それを私は非常に心配しております。何とかしてお互いの話し合いによって世界が自由になるような、交流が自由になるような方向で行こうじゃありませんか。これが向こうの話の大要であります。  私はそれに対して、わがほうの所管は、いまお話しの中で非関税障壁の一部と資本の自由化の二点だ。あとの残存輸入とかなんとか、そういう問題は所管が各省に分かれておりますので、わがほうとすると酒類、そういうようなものだけなんで、これはもうすでにかなりの自由化をしておるんで、非関税障壁について見解はどうかというと、アメリカ側にもあろう、わが国にもまだそういう問題はいろいろある、これはお互いに話し合う。そしてまた、いずれ七月の末には日米閣僚委員会が開かれるから、その場でお互いに勉強した結果をまたあらためて話し合うことにいたしましょう、こういうことです。  それから資本の自由化につきましては、わが国ではこの三月に第二次の資本の自由化というものをやった。第三次の自由化を来年の秋ごろには実行したいという考えである。それから第四次というか、最終的な段階を大体一九七二年と考えておる。そのころまでにはかなりの部分について自由化を断行する考えである。わが国は経済体質がアメリカとだいぶ違うので、その辺をひとつよく御了解願いたい。フリーアー・トレードという考え方については全く同感だ。この旗じるしはお互いにひとつ推し進めようじゃないか。推し進めるということは、この目標に向かって前向きで行くことである。繊維の制限を行なうとかなんとかいううしろ向きのことを考えていくんじゃないんだ、こういう話をしたわけです。  アメリカとしては、私の印象としては、国会対策がなかなかデリケートで、政府としても苦慮しておる、こういう状況か、こういうふうに見ておるわけです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 米商務長官の話も矛盾している点があるわけですね。貿易の自由なる拡大ということと、これは特殊事情があるということではあるが、繊維の自主規制をしている、これは相矛盾したことなんです。そこで、新聞等の記事から受ける印象とすれば、これはもちろんいまも大臣おっしゃったが、通産大臣なり外務大臣の担当ということになりますが、たとえばこの繊維の制限の問題についても、もし日本が自主規制をやらなければ、あちらの国会ということになるのか知りませんが、この輸入制限法、ミルズ法案をつくるかもわからぬ、こういうことで、ことばは適切ではないと思うが、ある種の圧力的な発言もあったかのごとく伝えられております。これは大蔵大臣よりか、通産大臣にまともに聞くべきだと思うのですが、私は自主規制ということとアメリカがミルズ法案を成立さすということとは話が別だ。アメリカの国会がどういう法律をつくろうと——それは希望はあるが、こちらの意見を言うにしても、あまり立ち入ると内政干渉ということになると思う。しかし、こちらが自主規制を押しつけられるということは、こちらの業界の自由なる意思によって云々ということになってくる。話が違うと思うので、自主規制をしなければわがほうは輸入制限法をつくりますよ、そういうことに対してよろめいてはならない、私はこう思っております。つくるならばつくったらいいじゃないか、こういう腹を持つべきだ、こう思うのですが、これはむしろ通産大臣でしょうが、大蔵大臣どう思われますか。向こうが法律をつくってもやるからおまえのほうはこれを聞け、聞かなければ法律をつくるぞという言い方、それだからといってこちらが自主規制をいたしましょうということになってはならないと思うのですが、そういう点いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 別に圧力を感じておるわけではありませんが、これはあくまでもわが国独自の裁量においてきめるべき問題です。向こうが圧力をかけたらそれに屈するというようなことは断じていたしませんので、広く日本の国益というものを中心といたしまして、世界全体の中でどういう態度をとるべきか、またさらに、世界の貿易をより自由にするという立場で、日本はどういう立場をとるべきであるか、こういうような点を考えて善処すべき問題であって、あくまでも自主的にきめるべきものである、そういうように考えておりますので、その点はどうぞひとつ御心配なくお願い申し上げます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 圧力ということばは、私もことばが当たらないということで前提を置いて言いましたが、やらなければこちらは法律で規制しますよ、こういう出方は私はいささか了解に苦しむ。したがいまして、このスタンズ米商務長官の来日はむしろマイナスであった、そういうようなことが一部の新聞にも出ていたようです。そういう評価は別といたしまして、いま大臣から言われた、あくまで自主的にやるのだ、そしてこちらがやらなければ法律をつくるというならば、どうぞおつくりなさい、このようなかまえで私はいいのではないか、このように思っておるわけなんです。  次に、フランとかポンド、ことにヨーロッパにおきましては通貨不安が続いております。ドゴールの退陣というか、これがより拍車をかけて相当な動揺が続いており、フラン、ポンドの切り下げあるいはマルクの切り上げ等々も論議せられているようでありますが、この通貨不安について大蔵大臣は将来どういう見通しを持っておられますか。ポンドなりフランあるいはマルクは近い将来どういうような変遷をたどるのか、その見通しと、もう一つは、そのことが日本の貿易あるいは国際金融等々についてどのような影響を与えるか、もし影響があるとするならばどのような対策を持つべきか、それらの点についてはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 今度のヨーロッパの通貨不安はポンドそれからフラン、こっちのほうから始まっておるわけです。フランにつきましては去年の五月ドゴール大統領がゼネスト収拾に際しまして、労働組合に対して一五%の賃上げを強要され、これに伴って消費者物価がかなりの高騰をしたわけであります。それと同時に、ゼネストでありますから生産の上において非常な損害を受けている。その生産の額は、いろいろの見方がありますが、多くの人は五十億ドルを失った、こういうふうに見ております。それと物価高で輸出はふるわず、輸入は増大する、国際収支にアンバランスが生ずる、そこへ持っていってことしもまた同じような賃上げ問題が起こってくる、一〇%という労働組合の要求に対し政府のほうは四%というもので対立をして、これはなかなか解決をしない。そこへドゴール大統領が国民投票で負ける、こういうような事態、政治的な不安が折り重なりまして、フラン逃避ということが出てきたわけです。これが通貨不安、フランの不安の根源である、こういうふうに見ております。  それから、イギリスは一昨年デバリュエーションによって一応収拾したのですが、それと並行いたしまして賃金、物価の凍結をしたわけです。この凍結に対する労働組合の協力、これが必ずしもうまくいかない、こういうようなことでまた不安が出てくる。それから輸出入の状態もきわめて調子がよくない、こういうことでポンド不安というものがある。そういうようなことで、ヨーロッパの通貨不安問題というのは英仏から起きてきたのです。ところが一方においてきわめて調子のいいドイツでありますが、隣の英仏のほうで調子が悪いものですから、フランやポンドがマルクに逃避するという現象が起こります。そこでマルクをこの際切り上げをすべきではないかというような空気も起こってまいる。そこへドイツのほうではマルクを切り上げるべきやいなやについて政府部内の意見が分かれた、こういうようなことがありまして、さらにスペキュレーションを誘発する、こういうことで多量のマルク買いが行なわれた、そういう事態にあり、最近のマルク買いは四十億ドルにものぼったというふうに伝えられております。ところがドイツにおきましては最終的にはドイツ首相が裁断をいたしまして、マルクは切り上げをいたさない、しかしながら過渡的にこれにかわる手段として、何らかの対策を講ずるということを発表いたしました。かたがたこれとほぼ並行して開かれておりました国際決済銀行がマルクの還流を進める措置を講じまして、四十億ドルもマルク買いがあったというのであります。かなりの額がまた還流を始めたというので一時小康状態を得ておるのでありますが、問題は、私は通貨不安の根源であるフランスとイギリスがどういう経済政策、国際収支均衡の政策をとるかというところにあると思うのです。両国の経済政策が均衡のために成功するという事態であれば、この問題はそれで収拾されるわけでございますが、その政策がうまくいかぬということになるとまたその問題が再燃しないとも限らぬ。人によりましてはいろいろな見方をしますが、六月に行なわれるフランス大統領の選挙後がまたその再燃の時期だという見方をする人もあります。いやそうじゃない、九月に行なわれるドイツの総選挙のあとがそういう時期じゃないかというような見方をする人もありますが、いずれにいたしましても国際収支の悪い国で通貨の価値の切り下げをするというようなことをいたしましても、根本的にその体質——つまり国際収支の均衡政策というものが成功しないと、さらにさらに第二、第三の不安というものが出てくるのではないか、そういうふうに思うのです。  わが国としてはこの推移を非常に慎重に注視していることは当然ですが、まずどういうことが起こるかわかりませんけれども、切り上げ、切り下げというような事態が起こった場合の債権債務がどうなるのかというのがわが国に対する影響の一つです。もう一つはその切り上げ切り捨ての結果、どういう通商上の影響がわが国にもたらされるか、こういうことなんです。切り上げ国に対しましては、わが国は有利な立場に立つわけですが、切り捨て国に対しましてはしばらくの間不利な立場にわが国は立つわけであります。それらの影響もありますものですから、非常に注意深く推移を見ているというのが現状であります。  いずれにしてもわが国は十大先進国の一つで、十カ国蔵相会議の一員でもありますので、この問題が円満に収拾されるためにはできる限りの協力をしていこう、こういう姿勢をとっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 御答弁を聞いておりますと、フラン、ポンドの動揺の大きな原因が労働者の賃上げストライキあるいは非協力にある、こういうような印象を受けるように伺ったのです。万国の労働者よ団結せよという労働者の連帯の上に立っての感じからいって、その答弁についてはいささか了解しかねる。  それはそれといたしまして、結果的にはフラン、ポンドの切り下げはなかろう、そしてドイツのマルクの切り上げはないだろう、こういう見通しですね。さらに日本としても十大先進国の一つとしてそのことに協力する。そういうことが結論ですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 結論はそういうふうに端的には申し上げにくいのです。どうもフランが切り下げになるだろうとかあるいはポンドがどうなるだろうとか、これは私の口から申し上げることはできません。またマルクの切り上げについても同様です。しかし私はどうなるだろうかという基本的な判断の資料という形で申し上げたわけでございますが、日本の大蔵大臣がそういうことを言っておるなんということになったら、国際的にかなり大きな問題になりますので、これがどういうふうなことになるか、これはわからない。わからないが、基本的にどうも国際収支が通貨体制の弱い国において安定対策が確立されないという限り、通貨不安状態というものは続きそうだ、当面を糊塗してもまだ第二、第三のこういうふうな状態が起こりそうだ、それが世界の通商にどういう波紋を描くか、これはまた日本としても重大な関心事だ、そういうことで推移を注目している、こう申し上げているわけです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 事態の推移を注目をし、そしてその事態に処するところの対策を立てる、そういうことであろうと思うのですが、そこでわが国としてこれら通貨不安を安定さすための協力ということになれば、いまどういうことがありますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これはたとえばどこかの国でどうも非常な不安が起こった、ひとつ十カ国蔵相会議を開催して、そしてこれの収拾方策を協議しようというような事態がありますれば、わが国もこれに参加して意見を述べ、またわが国でできるようなことがありますればこれに協力する、こういうことでしょう。当面ちょっと考えられるのはそんなことです。どういう事態が起こって日本にどういう協力を要請されるか、これは先にならぬとわからぬ、そういう状態でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 結局はどういう推移をたどるかを常に注目をしておる、そして要請をせられるならばそれに対して日本のできることなら協力する、そういった程度ですね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 日本は日本として日本の見解を述べ、またその見解に同調を求める、こういうこともあり得るわけでございます

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その見解というのは、そういう事態がなければ、ここで、じゃどういう見解を述べますかといっても出ないのじゃないかと思うのです。こういう場合はこういう見解ということを聞くのもどうかと思うのですが、特に日本として主張すべき点があれば主張するというのですが、この時点において大蔵大臣として何か日本としての見解ないし主張というものがありますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 その場になってその事態に応じた対策というものが論議されると思いますが、基本的なわが国の立場としては、赤字国というか通貨不安をかもし出す国の経済政策運営上の節度、これを強く要請する、これはわが国の立場として当然いかなる場合にも主張されなければならぬことではないか、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 次にいきたいと思いますが、そういうことでフラン、ポンドの動揺、不安定、それが日中貿易の決済方式を新たにしようという動き——これはいままでポント決済等をやっておりました。それを円と元建てにしてポンド決済をやろうというような動きがあるわけです。  これに対して必ずしも中国としては全面的に賛成しているのでもないような情報もありますけれども、それはそれとして、大体こういう方式が進められるであろう、新しい決済方式がとられるであろう、こういう上に立って考えていきたいと思うのですが、まずいま自主的に国際貿促とかあるいは覚書貿易事務所ですか、等々で検討しておるこういう決済方式については、政府としてはどういうように考えておりますか。決済方式はやはり最終的にはポンドということですが、円と元建てでいく、こういうようなことについてはどう考えておられます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 日中貿易が決済のゆえに阻害を来たすというようなことがあってはならぬ、こういうふうに考えまして、決済方式はなるべく自主的に両国当事者間できめられるということを期待して、政府としては干渉しない、こういう立場をとって今日に至ったわけです。数日前いまお話しのように日本の輸出は円建て、それから中共からの輸出は元建て、そして決済はポンドでやろう、こういうようにすることがほぼきまったように伝えられておりました。私どもはそれは両当事者間できめられたことならばたいへんけっこうじゃないか、こういうふうに思っておったところ、今度はまた中共側のほうから何か故障が出てきた。そしてまたそれを再検討しょうということになっておるのが現況であります。繰り返すようですが、政府としてはこの決済方式に干渉いたしません。なるべくその決済方式は両国間できまって、しかもこの決済方式のゆえに貿易を阻害されるようなことがあってはならぬという方針でやっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ポンドの不安で現実にいま何か商談がとまっているそうですね。そこでどういう方法でやるかということで話し合いをやっておる、そういうことであろうと思います。いま大臣のお話では、決済あるいは表示といいますか、こういうことで貿易が不利になったりあるいはとまったりするようなことがあってはならない。しかし政府としては特にどうせよという意見は持っていない。両当事者間できまったことを政府としては受け入れる、こういうように了解していいわけですね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 基本的にはそう考えております。わが国の政策に重大な支障のない限りこれに協力しようという考えであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、たとえばいま提案になっておる、問題になっておるのが実行せられるようになりますと、まず日本の銀行に一時的には円勘定、元勘定といいますか、これを設ける必要が出てくる。それから中国はIMFに入っておりませんので、元はいわゆる金の裏づけを持たない。こうなってくると、金の問題がまた——去年あたりだいぶやりましたが、そういうことは議論は別として、持たないのが、円という日本の通貨を媒介として元がIMF体制に結ばれる、こういうことになるのではないか。そういう点はどうでございますか。  それから円と元とのレート、これも自主的にきまるだろう、こういう程度のものかと思うのですが、大体一元が百五十円前後だ、こう聞いておるのですが、レートをどう置くかということと、それからIMFのいわゆる基金協定からいって、中国が入っていないが円を媒介としてIMF体制につながる、私はこう思うのですが、そういう点はどうなりますか。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○村井政府委員 多少技術的な点にもわたりますので、私から補足させていただきたいと思いますが、先生がおっしゃいますように、向こうの意見と申しますか希望は、円を日本の輸出に使うなら元も向こうの輸出に使うということのようでございます。そういたしますと、その元というものはこちらである程度調達してそれで払うという事態が起こることが非常に多いわけでございます。即刻外貨、たとえばポンドとかほかの通貨で、瞬間タッチ的なかっこうで元にして払うということもこれは可能かもしれませんが、なかなか実際的ではないという意味におきまして、先生のおっしゃるような一応元を持ってそれで払うというような事態が、実際問題といたしましてはそういう方式をとりますと起こりそうに私たちは考えております。したがいまして、東京で一応元勘定を開くというようなことにもなるかと思いますが、そういうことになりますと、非常に技術的にいろいろの問題を含んでくるのは先生の御承知のとおりでございまして、元がいわゆる国際場裏に登場しておりませんので、この元のリスクというものをどういうふうにカバーするかという問題が直ちに起こるわけでございます。その点につきまして、先ほど大臣がお答えいたしましたように、日本の業界あるいは銀行というふうなものがそういう方式を受け入れるかどうかということを、私たちとしては一応その検討をまちまして、またその方式を受けるという段取りになるわけでございますが、それが動き得る制度かどうかということが問題の中心におそらくなるのではないかというふうに思っております。  次に、IMFとの関係でございますが、元はそういうことでいわゆる平価、IMFに登録される平価ということではありません、IMFのメンバーではございませんので。したがいましてIMFの協定との関係でどういうふうになるのかということが一つ問題としてあるわけでございます。これも御承知のように協定の十一条であったかと思いますが、加盟国は非加盟国と取引をするときに、IMFの目的に反せないように注意しなければいかぬという規定があるわけでございますが、かりにこの元がいろいろなそういう困難を克服して使用されるということになりました場合に、直ちに先ほどの十一条の非加盟国との取引に関する規定に触れるかどうかという点につきましては、私たちは必ずしも触れないのではないかと考えます。したがって、IMF体制というものがその点について非常に障害になるといいますか、中国側にとっても障害になる、あるいは日本としても、加盟国としても障害になるという事態はその面からはおそらく出てこないのではないかというふうに考えておりますので、要は結局第一の点、つまりそういう円・元建てにして決済は第三国通貨で究極的にやるといたしましても、一時的にそういう円なり元なりの勘定を持つということから由来するいろいろな困難性、これを業界のほうでどういうふうに考えるかということにおそらく問題としては帰着するのではないかと考えておる次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 時間がありませんから簡単に聞きたいと思いますが、そこで大臣、どのような決済方法を話し合おうとも、政府としてそれに干渉したり、じゃまをするような気持ちはない、こうおっしゃる。実際問題として局長の答弁のように、IMFの問題からいっても問題はなかろう。しかし、銀行等がそういう元勘定を設けることについてどうだ、こういう問題も残るわけなんです。その点は、もしそういう問題が銀行間等であったとしても、政府は中国貿易の拡大という面から立って、大臣もいまおっしゃったのですが、政府の姿勢がこれを妨げるようなことのないような上に立つという精神で、もしそういう問題があっても、それが前向きといいますか、貿易拡大のために設置できるような指導というか、そういうことはひとつやってもらいたい、こう思うのですが、この点いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 日本の為替の政策、これに基本的な影響のあるような問題はこれは別ですけれども、しかしささいなことで、日中貿易が決済関係から阻害される、こういうことがないように気をつける、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 したがって、銀行等で何らか難色があったとしても、それは解決するように指導をしてもらえる、こう受け取っていいわけですね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 それは銀行行政というか、為替行政といいますか、そういう日本全体の立場から重大な支障のない限り、前向きでこの問題を処理していきたい、そういう考えであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 重大な支障というのはどういうことかわかりませんが、重大な支障がないように思いますので、ともかく前向きに解決する、そういうような指導をとられるものと了解します、いいですね。——  時間の関係もありますので、あと一点だけ伺っておきますが、その前に会計検査院のほうに、午前の質問で、本年度の大蔵省の不当事項として指摘した地代の問題、このことについて私が申しましたことについての答弁をひとつ伺いたいと思います。

高橋保司会計検査院事務総局第一局参事官

○高橋会計検査院説明員 午前中の田中先生の御質問でございますが、それにつきまして、二件顕著な例を申し上げたいと思います。  関東財務局管内のもので、東京都港区芝公園一号地の一の十七でございます。国有地が四百五十四平米ございまして、貸し付けの相手方は小名木茂というものでございます。当初六十一平米の住宅を建てておったわけでありましたから、地代家賃統制令に準じた扱いで計算いたしますと、その貸し付け料は四十二年度で五万七百七円になります。その後四十年五月に至りまして、この土地に百八平米の住宅を新築しています。そうしますと、基準によりましてこれは地代家賃統制令に準じて扱うことができませんので、通常の計算方法によることになります。それで計算いたしますと、十九万二千五百八十二円になりまして、差額十四万一千八百七十五円というものが出るわけでございます。  もう一件申し上げますが、東京都文京区西片町三の十外一件でございますが、合計しましてその土地の面積は五百一平米であります。貸し付けの相手方は祝正一というものでございますが、三十四年に貸し付けまして、貸し付け当初から建築面積が三百十二平米ということで、地代家賃統制令に準じた扱いができないものであったわけですが、それを適用いたしまして、四万八千百二十円の貸し付け料となっておりました。これを正式に計算いたしますと、十八万二千十二円という計算になりまして、十三万三千八百九十二円の差額があるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 会計検査院からの指摘事項は大蔵省は御承知なんですね。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○谷川政府委員 承知しております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 承知していますね。そこで、大臣、大臣のところまでいっておるかどうかわかりませんが、四十二年度決算結果として、会計検査院から土地の貸し付け料を安く算定しておるものがある。それは旧財務局を通じて件数として四百七十九件で、適正に取るべきやつを取っていないという金が二千六百四十七万円四十二年度にある、こういうことになるわけです。その原因は、従来その貸し付け土地に建っておった建物が小さいので家賃統制令、地代統制令の適用があったから安くしておる。その後改築等をして規模が大きくなって、当然地代統制令あるいは家賃統制令の適用を受けなくなった。そうすると地代を上げるべきだ。それを上げていない、こういうことなんです。これはこまかく、たとえばいまの例が出ましたが、それは一体いつ契約になって、それはどういう目的の建物であったのか、こういうことも伺いたいのですが、そういうことは後日に譲るといたしまして、そういう問題が指摘せられておるのですが、大臣、これについては、もちろん指摘を受けたことは速急に改めるべきだと思いますが、どういう態度をおとりになっておるのか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま田中さんの御指摘のような問題があることは承知しております。それは会計検査院からの指摘でありますので直さなければならぬわけですが、実際問題とすると、非常にこれは件数、対象物件が多いわけで、なかなか手が回りかねるという問題もあるのですが、この問題の処理につきましては、大蔵省は会計検査院とも緊密な連絡をとりながら、できる限り適正な会計というものに近づけるような努力をしておる最中である、かように御了承願います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 具体的な件につきましては後日に譲ることにいたしまして、会計検査院には午前中申しましたように、ひとつ資料をいただきたい。それに基づいて、この問題は大臣でなくて局長でいいと思いますから、後日行なうことにして、ちょっと時間が食い込んだかと思いますが、華山委員と交代いたしたいと思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 華山君。

華山親義日本社会党

○華山委員 ではちょっと伺いますけれども、最近の国際の通貨の不安で相当のユーロダラーが動いたわけであります。世界的にも高金利なわけでございますけれども、日本におけるユーロダラーの動向はどんなふうになっておりますか。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○村井政府委員 御承知のように、アメリカは従来とも引き締め政策をとっておりまして、その結果じわじわとユーロダラーが締まりぎみになっておったことは、一時百億ドルもユーロがアメリカに引き揚げられたということによってもわかる事態でございますが、その上に、最近のドゴール退陣後の国際、ことに欧州情勢を反映いたしまして、かなりユーロ市場というものがその上に引き締まってきたということがいえると存じます。したがって、ヨーロッパにおける引き締まりということが付加されたわけですが、さらにこれが先週末、投機的な様相を示しました場合には、さらにマルクの買いのためにユーロダラーがあるいは一部使われたのではないかと思われる節もあるぐらい、非常にユーロが引き締まってきたわけでございます。したがいまして、その当時の金利にいたしますと、もうすでに九分以上、九分半に近い異常な金利を露呈したということでございますので、私たちのみならず、世界各国はその高いユーロ金利に対しまして非常に一時的とは申せ、いろいろな影響を与えておるというのが現状でございます。  日本に対しましては、ユーロダラーというものを多少取り入れておったわけでございますので、四月、五月の二カ月におきまして、わずかの取り入れの中でかなりのユーロダラーが日本から流出した、あまりの高金利でございますので、そういう事態が起こったというのが最近の事情でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そのために日本には金融上何らかの影響はあったのか、また今後あり得るのか。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○村井政府委員 最近はドル一般あるいはユーロダラーというものが非常に金利が高うございますので、御承知のように一部円の金融に移り変わっておるという事態もあるわけでございますが、ことにドルの金融の中でユーロがまた一段と高いということもございまして、このユーロの部分が円に切りかわるという場面と、それから一段低い普通のドルの金融に切りかわるという場面もございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、四月、五月でかなりの金額が流出したのは、一部円、一部普通のドル——普通のドルと申しますのは、御承知のように輸入金融などに使われる普通のドル金融でございますが、そういったものに分散していったというふうに御理解いただいていいのではないかと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 大臣に一言だけ簡単に伺っておきますが、昨年の秋だったと思いますが、アメリカから中期債の要請があった。その際に、日本はアメリカの要請によって中期債を引き受けることはしないということをおっしゃっておったわけでございますが、その後日本の事情も次第に変わってきておるわけでございます。そういうふうなことがございますが、現在におきましても、そのことにつきまして、日本銀行とは別個にやっておるようでもございますけれども、政府としてはどういうお考えでございましょうか。アメリカの中期債の要請につきまして、日本政府の考え方はやはりこれには応じがたい、こういう考えでいらっしゃいますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま別にアメリカから中期債を買ってくれという要請はございませんです。この間もケネディ財務長官といろいろな問題で話しましたが、中期債に関する話はございませんでした。それから中期債のみならず、アメリカの国際収支に何らかの形で金融上協力してもらいたいという話もございません。しかし私どもの基本的な考え方は、日本の外貨をどういうふうに運用することがわが国の国益になるかという角度で、外貨の使用方法というものは考えます。その場合に、あるいはアメリカの中期債、これに運用するということがそのときの状況で有利だというような判断がつきますれば、自主的な立場において運用することもあり得る、かように御了承願います。

華山親義日本社会党

○華山委員 その点だけお聞きしておきます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 福田さんに伺いたいのですが、六十一国会の壁頭の本会議で、施政演説の際に、大蔵大臣として所信表明せられました際、重点施策の幾つかをお並べになりまして、そのうちの農林漁業に関する施策のうち、農業についてでありますが、食管にお触れになっております。食管会計、食管制度というものが日本の財政に与える影響の大きいことは申すまでもございませんし、四十二年度の例の財政硬直化の重大な原因として指摘された事情もあって、大蔵省としてはかなり食管を通してする財政政策に気を使っておられることはよくわかるのであります。そこで、お述べになりました趣旨は、要するに「農政の展開をはかるため所要の措置を講ずる」、「最近の米の需給事情を勘案し、生産者米価及び消費者米価を据え置く方針をとることとし、食糧管理特別会計への繰り入れを増額するとともに、米の自主流通を認めることといたしておるのであります。」こう断定しておいでになりますが、これは非常に重要なことでございますので、伺いたいのは、食管会計の赤字を相当重視せられる観点から生産者米価、消費者米価据え置きという基本線を打ち出しておいでになる。そして自主流通米の新しい制度も採用せられる、こういうことになっておるのですが、この基本線は堅持されていくのかどうか、これをぜひ伺っておかねばならぬと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 その基本的な考え方は、これを堅持してまいります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ところで、国会の空気も、生産者米価については引き上げる、消費者米価については据え置く、こういった空気もかなり濃厚であります。与党内におきましても多大の苦心の要るところかと思いますが、しかし半面から見ますと、財政全体に与える影響とまた国民生活に与える影響が非常に重大でございます。この基本線を打ち出される以上は、よほど精細な対策もしくは精密な調査、検討の上、計画、御方針をお立てになって進んでいかないと、財政硬直の原因になっておるから、もしくは一応は世論でもあろうから、あるいはまた受けるだろうからというようなことであってはたいへんだと思うのですが、この自主流通米の施策を打ち出すゆえんのものは、内地米の買い上げから配給に至るまでの各般の中間経費、これは集荷、運送、倉庫から、金利を合わせますと、トン当たり一万二千円をこえるということになるようでございますが、こういうような面もあわせまして、食管会計改善という面からくるのが自主流通米の施策の半面の理由でなかったかと思うのですが、それは一体そうなんでしょうかどうか。もっともこの点は、あなたのほうじゃなしに、農林省の主管事項ではございますけれども、もともと施策の根本には重要な財政関係がからんできますので、これは政府の国務大臣のお立場からしまして当然十分に御了承あってしかるべきだ、こう思うのですが、いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 それは食糧政策上の見地から案出をしたものでございます。つまり、いまの食糧管理制度は昭和十七年、戦時中に始まった。このころは米のないころです。ところが今日は米が二百万トンも余る、こういうふうに激変をいたしておるわけです。その中において食管制度というものをどういうふうにして維持してまいるか、そこに非常な苦心があるのですが、その苦心の一つが自主流通米だ。米が過剰な状態になってきておる。それにもかかわらず国民の側から言ったら、食糧管理制度下でどういう米を食べなければならぬか、これがわからないということで、それに対してとにかくうまい米を食べたいという国民、選択をする国民に対しましては、この自主流通米という制度をもってこたえていこう、こういう考え方なんです。これによって何がしかの財政上の改善はあります。ありますけれども、それは主たる目的じゃないので、問題は食管制度をどういうふうに合理化、改善をはかっていくか、それによって食管制度をどういうふうにして維持していくかという苦心のあらわれの一つがこれである、かように御理解いただきたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 あす十六日は閣議でこの食糧管理法の施行令の改正の案が出るとか、それならば自主流通米の案は具体化してくる。伝うるところによると、八月から店頭に出る、こういうふうにいわれております。  ところで、これには第一値段を押えていない。価格の統制をはずしておりますね。生産者から登録業者へ売り渡す価格、それから業者から配給の商人などを通しまして消費者へ売り渡す価格も押えないということが基本線になっております。そしてうまいものを選択する立場を国民に与える。うまいものを選択して価格を押えないということになりましたら、結果的にはうまかろう安かろうじゃなしに、うまかろう高かろうです。間違いないと思うのです。そういうことになりますと、そうでなくても消費者物価高で悩んでおるのがいまの国民の生活の実態なんでありますから、また米の圧迫、うまいものが店頭に並ぶ、うまいぞ、しかし多少値が高い、キロ百八十円するんだ、配給米なら百五十円ですか、多少高い。二、三十円高くてもうまいものがいい。これはいまの消費ブームのこの実態からごらんになれば、たやすく看取されると思うのです。といたしますと、少々高くてもうまいものに飛びつく。国民は選択をする自由は与えられたけれども高いものを食わされる。政府が管理を厳重にやっておるときは管理米で安いものを食わしていただいた。上げてもらっては困ると言ったら自主流通米ができたかもしれぬ、あるいは食糧の操作でそうやったかもしれぬが、高いものを食わされるということになると、一体この場合の国民は負担が大きくなるのじゃないだろうか、負担増になるのじゃないだろうか。国民は価格においてしわ寄せを食うということに結果するのじゃないだろうかということも考えられます。これは一体どうしたものか、やはり政府の財政的な見地からなるべく食管赤字を縮めていく、なくしていくということのねらいもあり、また食糧操作面から来る政策でありいたしましても、高いものを売りつけるということは、あなたのほうの物価政策は物価安定がこの内閣の重要な施策でなければならぬ、ことに大きな柱として打ち出しておいでになるのですが、これと逆行する結果になる。こういうことになり、しわ寄せは国民へということになりますので、もしさらに再転いたしまして、それならばこの高いものはボイコットだ、安い米を買おうじゃないか、配給米を買おうじゃないかということになりましたら、その結果はどうなりますか。配給米のほうが安い、それを買うということになりましたら、だぶつく食糧、鳥のえさにしなければならぬようなその食糧、これを何とか自主流通米に回される、操作の対象の米量をいま百七十万トンとか言っておるようでありますけれども、しかしそれも買わないということにもしなりましたならば、これは一体結果的にはどうなるのだろうか。そういたしましたらその目的は達しないということになりますね。私はその危険多分にありと思うが、多分に危険があることを考えずしてこれに乗り出すということは、そもそも一体食管問題の取り扱いが少し慎重を欠くのじゃないか。  食管会計の赤字を財政上防がなければならぬ、これも一つの問題です。去年二千四百二十億円でしたか二千億円をこえて、本年予定では三千億円まで出ようとするようなこの赤字を何とか食いとめなければならぬ。これは財政御当局としては当然です。当然でありますけれども、それも目的を達しないことになりはしないか。ことに一面から見ればこの自主流通米の数量は押えておりません。百七十万トンというのは一体どこを押えるつもりですか。北海道の米か、うまくないかもしらぬ。新潟の米か、近畿の米か。一体どこの米を押えようとするのか。そういう操作、管理、指導を一体だれがするのだろうか、こういう問題も起こってまいります。事実上不可能じゃないか。何となれば百姓は登録しているところへどんどん持っていけばいいのですから、うまいものを全部出します。うまいものを全部です。ここも出す、あの県も出す、この県も出すということになりましたら、百七十万トンに一応押えておりましてもうまくいかないという結果になるのではないか。そういうことになりましたら反面におきまして食管制度というものが相当くずれる危険もある。これがいいか悪いかの議論は別といたしまして、そういう問題も起こる。価格においては高いものを食わされて、国民がしわ寄せはいやだということになってきたら、これはまたたいへんだ。どうも結果的には財政の目的も達しないし、食糧事情に対して国民に適当なあたたかい施策をと思ったが、これも目的を達しない。両方とも目的を達しないということになるのではないだろうかという危険あり、こう思うのですが、この辺は緻密な頭の福田さんは十分に見通しておられると思うのです。一体どうでしょうね。はたしてあなたの堅持なさるものがほんとうに目的を達し得るのかどうだろうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 食管制度をなくしてしまうというようなことになりますると吉田さんの御心配のような問題が出てくるだろうと思うのです。しかし一方において食管制度というものはあるわけなんです。それに並行いたしまして自主流通米というものがある。しかも、政府管理米というものは価格をことしは据え置きをしよう、こういっております。つまり、一方において政府が非常に安く提供しようという政府管理米があるわけなんです。これに自由米も大きく価格が引きずられる、これはあると思います。それから、大体自由米のほうはそういう状態のほかに、もう一つは嗜好に応じてひとつこういうものを食べたいという需要者側のつける価格、これも一つの有力なる価格決定要因になるというふうに思うのです。そういうようなことでありますが、その価格が一体どの辺にいきますか、そういう要因を持っておる価格がどうなるか、これはまだ私ども予見はできません。できませんが、政府管理米というものがあってその価格がきめられるということでありますので、これにかなり大きな影響を受けるということを考えますると、そう心配した動きはないのではないか、私はそういうふうに見ておるのであります。いずれにいたしましても、国民生活にしわ寄せがいくとおっしゃられますが、とにかく米の大きな部分は政府管理米である、その価格は据え置こうとしておる、そこへわずかの自由米というものがあるわけであって、その価格は多少の上がり下がりはありましょうが、しかし、大勢としてこれが国民生活に大きな影響を及ぼすというふうには見ておらないのであります。しかし食管制度を何とかして維持したい。いろんなことが考えられるわけでありますけれども、この自主流通米という方式も国民の嗜好に応じて設けられる。そこで、食管というものはある、この制度を維持する、そういう中においてこういう弾力的な仕組みが行なわれるということは、食管制度を維持していくという上において、したがって国民の食生活を安定させるという上において意義のあることである、私はかような見解でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 食管制度というものは、昭和十七年にできまして以来、農業の上におきましてもないしは食糧の供給の面におきましても重大な功績があったことは何人も疑えないところであります。最近におきまして、量産一本やりになりました農業、こういった面からくる一つのくずれかも存じませんけれども、いずれにしても米はんらんという結果になっておりますが、財政の主官庁のお立場とそれから国政全般から見る重要食糧の需給、かつまた農政の将来、こういうような総合的な見地から見まして食管制度は堅持していく、食管赤字をなくしていく、しこうして米の需給関係は円滑にいく、こういうところにほんとの高いねらいが置かれなければならぬ。これにつきまして最も精密な諸般の検討と情勢の判断と、そして少々の希望意見がございましても、この大方針を貫くということでよほど腰をしゃんと据えて取り組んでいかないと、一方においてなしくずしでくずれていくのじゃないか。自主流通米、名前はともかく自由米制度、自由販売制度、何ぼでも売りほうだい、値段をきめておりませんということで、価格において、量において、方法において全部くずれていくおそれありということになります。というて赤字関係が解消する見通しはまだ立っておりません。事実立っておらぬということになりましたら、財政の圧迫は相当大きく被害をこうむっていくということになる。どこも何か喜ばれないようなことになるおそれあり、こういうことになりますので、食管制度を堅持して、食管会計の赤字をなくして、米の需給関係を円滑にするということの目的で、寸分のすきもない、誤算もない施策こそこの際肝要でないか。これはひとつ大蔵大臣のお立場で農林大臣とも一体の関係になって進めていかなければなるまいじゃないか、私はそう思うのであります。そういうことは考えようによっては不可能だ、水と油を一緒にして、うんと熱くしろ、うんと冷たくしろというのと同じで、不可能だというものの見方もできるかもおかりません。しかし、そこがやはり一つの新しいくふうが要るのではないだろうか。不可能ならば不可能なりとしてしまって、どうするかということをまた第二の考え方にするということも別の角度から考えなければなりません。しかし可能なりとする以上は、やはり最善を尽くすことがこの際必要じゃないか、こういうふうに考えております。そうしませんと、百姓にしましても、米主産地にしましても、農業一本やりというようなことになって、総合農政を忘れちゃったら、将来の百姓というものはだめになってしまう。これはもう日本の半値の米が、どんどんと準内地米なんか入ってくるようになりましたならば、どうにもいきません。世界は自由の波がとうとうと流れてきております。こういう際でございますので、百姓の立場も本質的にもう一ぺん基本法のできたときに考えたごとくにりっぱにしていくと同時に、国民生活の消費物価がこんなに上がってどうにもならぬという怨嗟の声なんです。両方とも解決せなければいかぬ政治の難問題ですから、これはしようがない宿命です。これは大蔵大臣としましてほんとに御努力になる対象であることを考えておりますが、いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 吉田委員のおっしゃるとおりでありまして、これはよほど緻密に事を運ばなければいかぬ、かように考えます。自主流通米という制度だけがものをいうというわけじゃございません。一番大事なことは、やっぱりその需給状態があまり大きなでこぼこがない状態、これが一番米穀管理上必要なことであるというふうに考えます。  それから同時に価格の問題ですが、これはやはり経済原則に合う価格ということでないとこれは長続きいたしません。需給価格、この考え方を逐次取り入れていくという考え方も必要になってくるであろう。  それからまた、それと並行していろいろなことを考えなければならぬが、自主流通米というように国民の選好も重要視しなければならぬ。食管制度があるがゆえにどうも希望する米にありつけないという状態でありますれば、これはきらわれる食管制度ということになるので、この点も改善しなければならぬ。非常にむずかしい問題でありますが、あらゆる努力をいたしまして、食管制度を維持し、農民にも安心していただきながら、消費者に対しては食生活の安定を確保するというむずかしい問題を解決していかなければならぬ、かように考えておりますので、今後といえどもわれわれは最善を尽くして努力をいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三分散会

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