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61回国会衆議院1969/05/08

決算委員会 第13号

発言数
127
登壇者
14
会派数
4
開催日
1969/05/08

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度決算ほか二件を一括して議題といたします。  本日は、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。浅井美幸君。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私は、いわゆる天下り問題についてきょうはお伺いしたいと思いますが、まず最初に官房副長官にお伺いしたいのです。今日まで衆参両院でこの天下り問題については何回か取り上げられておりますし、また年中行事のようになっておりますけれども、一向改善される姿がいままではございませんでした。だんだん年を追ってその傾向については悪くなっておるような感さえ受けるわけです。したがって、木村副長官は前内閣の当時からこの当事者としてこれに当たってこられましたけれども、その立場からどう考えておられるか、またその改善措置についてどのようにされるつもりか、まず伺いたいと思います。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 いまお尋ねのありました点でございますが、なかなか事が人事に関することでございます。また、したがって任期等の関係がございまして、いまだ浅井さんの御期待に沿うような成果をあげていないことはきわめて遺憾でございます。しかしながら政府といたしましても昭和四十年の閣議口頭了解以来その改善につきましては鋭意努力中でございますが、その具体的な詳細にわたりましてはまた御質問に応じてお答えしたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 一般職に関する人事院の審査が非常にざる法だというふうにいわれておりますが、この辺についてはどうでしょうか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 これは御承知のとおり人事院の承認にかかっております。国家公務員法第百三条に基づきまして人事院が承認することになっております。したがって政府としては一応人事院にお預けをしたという形になっております。しかしながら総体としてもちろん政府も責任を免れるものではございません。  そこで第一に御了承願いたいのは、国家公務員といえども退職すればこれは一個の国民でございます。憲法の規定する職業選択の自由を剥奪するわけにはまいりません。ただ、国家公務員の職にあったというために、在職中にその関係の民間会社とコネをつけるとかあるいは職務の内容が公正を欠くとか、そういうことであってはいけません。それを避けるために国家公務員法百三条に基づく承認措置がとられておるわけであります。しかしながら、その百三条の趣旨から申しまして、単にいま御指摘になりましたとおり何年には何名の承認があった、あるいは何年にはそれがふえたという数的な問題だけではこれは論じられないと思います。事がその在職中の公務の適正を期するという意味におきまして、それがもし弊害がなければ、公務員の第二の人生をはばむわけにはまいりません。ある年においては承認件数がふえることはこれはいたしかたのない現実だと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 先ごろ防衛庁の職員の天下りの問題についていろいろと強い批判がございましたが、このような防衛庁の職員についてのチェック、いまの一般職に対する天下りについてもチェックの問題がありますが、これについてはどのように考えられますか。またその防衛庁のチェックの機関として新しく第三者のチェック機関を設ける意思はないか、この点についてどうでしょうか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 防衛庁の職員について特別に人事院にまかせていないという理由は御承知のとおりであります。一般職と特別職の区別がございますので、防衛庁の職員の天下りの承認につきましては防衛庁にまかしております。しかしながら本質的にいいまして、防衛庁の職員の天下りと一般職の天下りとを区別する本質的な理由は、私はなかなか認めがたいと思います。ただ問題は、防衛庁の職員は一般民間営利会社を監督する立場でありまして、その点が一般職の場合と違っております。しかしながらいずれかといえば一般職の中にも会計課あるいは経理課のような立場の者もおりますので、その点については本質的な差異はないという観点から申しまして、将来の方向といたしましては防衛庁の職員を人事院の承認にまかせてもいいのではないかという考え方を持っておりますが、一般職と特別職の差異を離れて直ちにこれをそのようにいたしますことについては、まだまだ検討の余地があると考えます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いま、将来防衛庁職員についても人事院に移してもいいのではないかという前向きな御答弁なので、ひとつよろしくお願いしたいと思いますが、防衛庁をはじめいろいろな天下りについては非常に強い批判があります。やはりそういう人事についてはチェック機関を設けなければならない。これは私の持論であります。  さらに次の問題として、高級公務員といわれる人たちが民間会社に行く場合は、いまお話しのように人事院のチェッくがあるわけです。ところが、いわゆる特殊法人と称する公社、公団、協会等、これらに対する天下りについては、政府機関の補助機関といいますか、そういう代行しておるものだという考え方で何らチェック機関がなしにそのまま天下りをしておる。この実態について、天下り天国である、このようにいわれておりますけれども、これについての昭和四十二年、四十三年、四十四年の各省庁の局長以上の天下りの状態について御報告いただきます。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 政府関係機関の役員に就任いたしました数は、四十二年において総数が五十二人でございます。中で局長以上の者が二十三名。四十三年になりますと、総数が四十五人、うち局長以上が二十二人。こういう内訳でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 現在特殊法人の天下りは局長以上で各省庁別に四十二年度、四十三年度、四十四年度、どれぐらいおりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 まず四十二年度、会計検査院が二名、人事院が一名、内閣が一名、総理府が二名、警察庁が二名、行政管理庁が一名、防衛庁が一名、経済企画庁が二名、科学技術庁が三名、外務省がゼロ、大蔵省が四名、文部省が一名、厚生、農林両省はゼロでございます。通産省が一名、運輸省が二名、郵政、建設両省がゼロ、こういう数字になっております。また四十三年度になりますと、会計検査院はゼロ、人事院が一名、内閣がゼロ、総理府が二名、警察庁がゼロ、行政管理庁がゼロ、防衛庁がゼロ、経済企画庁がゼロ、科学技術庁が二名、外務省が一名、大蔵省が三名、文部省が一名、厚生省が二名、農林省が三名、通産省が一名、運輸省が三名、郵政省が一名、建設省が二名、こういう数になっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それは、それぞれ四十二年度に天下った数であり、あるいは四十三年度に天下った数でありますが、私のお聞きしておるのは、現在四十二年度にいわゆる各省庁にどれだけの人がいるか、いわゆる在籍ですね、四十二年度にもうすでに天下っている者は何人、それから四十三年度あるいは四十四年度。これはおたくのほうでいただいた資料ではちゃんと出ておるわけです。これについて各省庁別に数字をあげていただきたいのです。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 四十二年度から申しますと、内閣が三名、人事院が三名、これは局長以上でございます。総理府本府が一名、警察庁が二名、首都圏整備委員会が三名、行政管理庁が四名、北海道開発庁がゼロ、防衛庁が四名、経済企画庁が七名、科学技術庁が八名、法務省がゼロ、外務省が四名、大蔵省が十三名、文部省が四名、厚生省が十名、農林省が五名、通産省が七名、運輸省が六名、郵政省が三名、労働省が二名、建設省が五名、自治省が二名、国会がゼロ、会計検査院が六名。次に、昭和四十三年度で申し上げますと、内閣が二名、人事院が三名、総理府が二名、警察庁が三名、首都圏整備委員会が三名、行政管理庁が四名、北海道開発庁がゼロ、防衛庁が四名、経済企画庁が八名、科学技術庁が六名、法務省はゼロ、外務省が四名、大蔵省が十三名、文部省が五名、厚生省が八名、農林省が五名、通産省が七名、運輸省が七名、郵政省が二名、労働省が一名、建設省が四名、自治省が二名、国会ゼロ、検査院が七名、四十四年度を申し上げますと、これは当然四十四年度の初期でございます。局長以上で内閣が三名、人事院が三名、総理府本府が三名、警察庁が二名、首都圏が三名、行政管理庁が三名、北海道開発庁がゼロ、防衛庁が三名、経済企画庁が八名、科学技術庁が七名、法務省がゼロ、外務省が四名、大蔵省が十三名、文部省が六名、厚生省が八名、農林省が五名、通産省が八名、運輸省が十名、郵政省が一名、労働省が二名、建設省が五名、自治省が二名、国会がゼロ、検査院が七名、こういう数字でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまお答えいただいた教字をトータルいたしますと、四十二年度において在籍数が百二名、四十三年度が百名、四十四年度が百六名、こういう数字を見ますと、特殊法人に対する天下りへの世論の批判を外に少しも減っていないで、むしろふえております。また、課長等を入れますと、四十二年度は各省庁に合計百二十六名おりました。四十三年度は百二十七名、四十四年度は百二十五名、これをトータルいたしますと、四十二年度が二百二十八名、四十三年度が二百二十七名、四十四年度になりまして二百三十一名おります。これらの数字だけを見ておりましても全然滅っていないが、この点については、官房副長官どうでしょうか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたとおり、国民感情から申せば数が多いということはたいへん気にかかることでございます。ただ、いま申し上げました数字は現在在職中の数字でございます。これがたいへんなふえ方をすればこれは問題でございます。大体横ばいで推移しておりますのは、公社、公団、特殊法人の設立期限が短いために退職者がまだ出ていないことを示している、こう考えております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 数字は横ばいであるということについて、一省庁一局削減ということで事務の合理化、人員の削減、いわゆる経費の削減等をはかるためには、四十四年度はおっしゃいませんでしたけれども、四十二年度は局長以上で二十三名、合計して五十二名、四十三年度でも局長以上が二十四名、課長以上で合計四十五名、こうなってまいりますと、いまおっしゃったことは、反省して、そのような天下り人事はけしからぬというわけで、その意向を反映してだんだん減ってくるという数字ではなくて、横ばいの状況ということは現状維持でありますし、また、現状よりふえております。これは政府がこの天下り人事に対して何ら反省してないという結果になると私は思います。その点で、これだけの人数が交代しているわけです。だから、むしろこの交代のメンバーを置いておけばもっと減ってくるはずですが、その点はどうでしょうか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 いま御指摘のとおり数においては多少消長はございますが、たいへん人数が減ったという成果はあげておりません。  ただ、申し上げておきたいのは、御指摘の特殊法人、公社、公団、事業団、こういうものは一つの国家行政の延長のような業務をやっております。したがいまして、国家公務員として非常に熟練した者がこの公社、公団、事業団のような特殊法人に転出いたしますこと自体はそう問題はない。ただ、その弊害と申しますか、その特殊法人の役員の人事が各省のなわ張り的存在におちいりやすいこと、また、民間からの起用が非常に少ない、また、その在職年限が長い、こういう弊害は除去しなければならない、こう考えております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまの報告でもございましたけれども、そのような実態の中でさらにけしからぬのは、この特殊法人の役員の俗にいう渡り鳥——いわゆる職場をかえている。この数字は二回以上異動した者についてトータルができているはずでございますが、それはお認めになりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 渡り鳥という、いわゆる特殊法人の立場を変えて任命された者、この数につきましては、大体現在のところ、二つ以上が五十九人、三つ以上が十五人、四つ以上が一名、五つ以上がゼロ、こういうことになっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 五つ以上はゼロでしょうか。私の調べでは五つ以上はございますけれども、その点、どうでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 私どもの資料ではゼロになっておりますが、やや調査の材料が異なっておるのではないかと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 では、その問題、あとで出しますけれども、この渡り鳥が、天下りが非常にいけないという批判が強い、その上さらにこの人たちは二十年間役人をしておって、そして退職のときに退職金をもらう、そうして特殊法人に行く、わずか二年か三年で、二十年間つとめてきたときの、その公務員をやめるときの退職金と同額程度の退職金を取る、そうしてまた次の特殊法人に移っておる、こういうけしからぬことが行なわれております。  いま五以上がないとおっしゃったが、たとえば舟山正吉さんという方は大蔵省の勤務先で事務次官をやっておりました。二十八年に退官して、そのときの退職手当が二百万一千二百円もらっております。その次、二十八年九月、これは日銀の理事になっておる、そのときの退職金が三十一年までつとめて三百二十三万四千円もらっております。そうして直ちに三十一年の七月に専売公社副総裁、これが百九十六万の退職手当をもらっている。そうして三十三年の二月にこれまた退職して、日本輸出入銀行に行っている。その退職が三十七年の十二月で、千三十三万五千三百二十五円の退職手当をもらっている。そうしてまた新たに三十七年の十二月に中小企業金融公庫の総裁になっている。これを四十一年の十二月までやって、九百九十八万四千円退職手当をもらって、いま国鉄の非常勤理事をやっている。これは明らかに五回異動しているじゃないですか。そうして給料は非常勤理事でありながら十七万五千円もらっております。退職手当のトータルは、いままでもらっただけで五回で二千七百五十一万四千五百二十五円、こういう巨額にのぼっております。これは、一回退職するたびに大きな豪邸が建つ、そのようなうわさまで言われている。世論の批判があるこれらの点について、この五回移っております、さっきのあなたの報告では五以上はゼロだ、これはどうでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 私のほうではただ常勤のものだけを調べた結果に基づくものでございまして、いまの国鉄の非常勤の理事を数に入れば確かに五以上になります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 非常勤だって給料はもらっておるわけです。ですからこの点についてあなたがいまお示しの、二回以上は五十九人、三回以上は十五人、四回以上は一人、五回以上は一人、こうなってきたら、これだけでも七十六人になります。いまわかっているだけでも。非常勤を入れたらこの数字はもっと変わってくるはずです。もっとふえてきます。この点、どうでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 たとえばさっき御指摘になりました国鉄の非常勤理事、これは確かに非常勤としては相当多額の手当をもらっております。ほかの非常勤の役員につきましては日当その他でまかなっておりますので、必ずしもこのカテゴリーに入らぬと思います。その非常勤の委員その他を加えますと、確かにおっしゃるとおり相当な数になろうと思います。  ただ御了承願いたいのは、転々として移った場合においても、退職手当の支給基準は在職一カ月について給与月額の百分の六十五という数字になっております。これは全部そういう職を通じて通算いたしますから、これによって非常に多額にわたるということはございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 ですからいまのこのケースにおいて、五回も移ってきて、そうして非常勤理事だという名目でありながら給料は十七万五千円もらっております。そして、いま退職手当が事務次官級で二十五年勤続で約八百万と聞いております。それなのに、いままでトータルしただけで二千七百五十一万四千五百二十五円ももらって、まだいま給料をもらっておる。こういうことに対して、いわゆる国民に対してあなた自身としてどのようにこれを考えられるのか。こういうことは好ましい現象なのか、それともあなた自身としては、こういうことに対しては何らかの措置をしなければならない、そのように考えておられるのかどうか、その点を伺っておきます。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 一般的に申しまして、国民感情からいって、決して好ましいこととは思いません。したがいまして、そういういわゆるたらい回し人事につきましては閣議の口頭了解もございまして、これを私のほうで厳正にチェックはしておりますが、そのときのいろいろの人事の事情、また参ります公社、公団における適任者の選考という事情がございまして、まだ所期の効果をあげておりません。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その閣議のチェックの問題についてあとでお伺いしますけれども、さらに、これは一例だけではないのです。副長官に聞いていただきたいのですが、河野通一、これは元大蔵省の理財局長です。これは昭和三十二年に退官して退職手当を百九十九万円いただいております。三十二年の六月に日本開発銀行の理事に就職、三十六年四月に退任、このときに五百九十二万円、そして三十六年四月に同じく商工中金の副理事長になっている。これで四十二年四月までつとめられて千八百十万円の退職金です。そして現在は国民金融公庫の総裁です。現在の給料は四十一万円です。退職金のトータルは二千六百一万円、このようなことがございます。またさらに森永貞一郎、これは大蔵省の事務次官でした。三十四年に退官して二百四十万の退職金がございました。三十五年六月に中小企業金融公庫の総裁をやって三十七年十二月までつとめて退職金は五百三十三万九千五百七十円、そして三十七年十二月に日本輸出入銀行で総裁を拝命して、四十二年四月までつとめて、その退職金が千四百八十七万二千円、この退職金のトータルが二千二百六十一万千五百七十円、この中小企業のわずか二年七カ月、すなわち三十一カ月で五百三十三万の退職金です。この中小企業金融公庫の部長の退職金は一年で約一カ月分だ。部長クラスで給与は十万円、そうすると二年と七カ月であれば二十七万円程度しか入らない。であるのに片一方は五百三十三万円もある、これだけの差が出てきておる、これは一体どうお考えになっておるか。(「大蔵省ばかりじゃないか」と呼ぶ者あり)そうですよ。石田正、これまた大蔵事務次官、三十六年退官、四百五十五万七千八百円、そして三十六年六月に国民金融公庫の総裁になりました。四十二年の四月に退職ですね。この退職金が千六百十五万二千五百円。合計二千七十一万三百円。現在、日本輸出入銀行総裁で四十七万円の給料を取っている。さらに酒井俊彦、これまた元大蔵省為替局長で、三十五年に退官で二百七十万円の退職手当。そして三十五年の四月に日本輸出入銀行の理事。これの退職手当が百六十三万八千円。そして海外経済協力基金と日本輸出入銀行との兼務をやっておる。三十六年三月から三十六年六月までやっておる。そして三十六年の六月に国民金融公庫の副総裁、四十年の九月に退職して八百六十一万九千円の退職金。現在は北海道東北開発公庫裁の総裁です。給料は四十一万円。この人の退職手当の総トータルは千二百九十五万七千円。このような例がまだたくさんある。これは一部の代表的なものをあげただけであります。まだまだあなたがおっしゃった先ほどの七十六名、その中でたった二カ所か三カ所しか動いてなくても多額の退職金を手に入れておる、この事実に対してどうでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 御指摘のは非常に著しい実例であろうと思いますが、総体的に申し上げまして、先ほど触れましたように、決して好ましいことと存じません。ただ、いま御指摘の方々はきわめて有能な人材でございまして、その場その場の選考の際に必ず選考にのぼる方々を、いま御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもにおきましても、今後はできるだけひとつこういうたらい回し的な人事は、これを抑制しようという方針のもとにやっております。ただ退職金の基準その他につきましては、また各法律に従いまして大蔵大臣と協議の上主務大臣がきめる、こういうことになっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 このことについて、有能であったからこのように動いたのであったということでありますけれども、これは先ほどもあなたが御答弁になったように、国民感情からも非常に問題がある。こういうことを今後も続けられるのか。いわゆる議会のチェックなしにこういうことが行なわれておる、閣議の了解で行なわれておる。このことについてこのような姿がある。このような多額の金を一時金としてどんどん受け取っておる。またこの百分の六十五というような問題、この点について不合理な点が多々あるわけです。これを是正し、あるいはそのような批判的な問題に対して、あなた自身がその衝に当たられておる責任者として、これをどういうふうに解決なさるのか、その点を明快にお答え願いたいと思います。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村国務大臣 今後の方針といたしましては、そういうたらい回しになるような人事は、これを極力抑制したい、そういう方針でいきたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 では次のことに移りますけれども、いまの極力では困るわけですね。こういうものはやめてもらわなければいけない。幾ら有能なといっても、そういう古い人がどんどんいくことによって、その部内において人事が頭がつかえて、その公社あるいは公団の中から人材が上に登用されない、そういう批判のみが強いわけです。確かにたらい回しという表現どおり、ぴったりの行為がいままでこのように行なわれてきた、この点については強い規制を私は望んでおきます。あとでもう一度お伺いしますので、そのままお待ち願いたい。  大蔵省に移りたいのですけれども、いままでこのような実態があり、そしてこのような異動の状態がある、これについてまずその面からお伺いしたいのですけれども、この異動についても、給与は一般の国家公務員等よりも就職のときにずっとよくなっている。こういう給与が上がることについて大蔵省の見解は、どう考えられるか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 浅井先生がいまいろいろ御指摘されておられるこういう事実は存在すると存ずるわけでございます。給与の関係につきましては、民間の状態その他いろいろ諸般の均衡、バランスなどを考えて決定いたしておるわけでございます。給与関係の決定の過程につきましては先生も十分御案内のとおりでございますが、あるものにつきましては主務官庁、あるものにつきましては主務官庁から大蔵大臣のほうに協議する、こういうようなかっこうに相なっておるわけでございますが、大蔵省としましての、その御協議を受けた際の考え方としましては、いろいろなバランスあるいは民間その他の状態というものを考えて従来決定をいたしておる、こういうわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いま民間の均衡あるいはバランスとおっしゃいましたけれども、この公団、公庫、いわゆる特殊法人は第二官僚だといわれておるのです。実質は政府機関なんです。また出資も政府出資なんです。それがなぜ人事においてだけそういう民間のバランスあるいは均衡を考えなければならないのか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 実は政府の関係にきわめて密着したものであるということはお説のとおりでございますけれども、広く人材を他から求めるということもございまして、民間の状態を考慮しながら、従来決定してまいったいきさつになっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 広く人材を求めて、民間からどのくらい役員に就職なさっていますか。民間からは二、三人じゃないですか。ほとんど官僚じゃないですか。それをなぜ民間のバランスを考えなければならないのか。あるいは仕事の内容が民間と密着しておるとおっしゃるが、政府機関の仕事だって全部民間と密着しておる仕事なんで、国民大衆から離れたいわゆる官僚の仕事なんてありません。全部国民を対象にしたところの仕事です。いまあなたがおっしゃったことの理由をもう一ぺんはっきりおっしゃってください。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 給与関係を決定する考え方につきまして、従来とってきた態度につきまして申し上げたわけでございます。そうしたところが、結局民間からきた者は少ないじゃないか。結局官僚の天下りが多いじゃないかというようなことが、先ほど先生も御指摘になっておるように、また国民感情を非常に刺激しておる、こういうようなことで、先ほど木村官房副長官もいろいろおっしゃいましたように、いろいろ検討もし、反省もしなければならぬ、こういう状態に相なっておるかと存じますが、その給与の決定の従来の考え方、いきさつにつきまして申し上げたわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 次官、従来の考え方ではない。従来の考え方は、民間から人材を登用するので、それを勘案したとおっしゃる。ではその実態は民間からどのくらい登用しておるのです。私はいま従来の考え方をこういう委員会の場所で聞いておるのではない。給与の問題については、最高額は四十二年のときには四十万円、四十三年度四十万円、四十四年度に至っては最高は四十七万円。この最高額をもらっておるのは海外経済協力基金、動力炉・核燃料事業団、専売公社、輸銀、開銀、商工中金、電源開発株式会社、日航、国鉄、電電公社、国際電電株式会社、これらの長はこのような最高額を取っているじゃないか。このようなことについてのバランスは一体どのようにして考えられたか。その根本的な、いま言ったような従来の考え方が大きく行き詰まっておるということについて、あなたお考えになりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 実は、従来の決定のいきさつにつきまして御報告を申し上げたわけでございまするが、いろいろと御批判もあるわけでございます。そういう批判を踏まえまして、いろいろと将来検討すべき点もあるであろうというふうに存じまするが、従来の考え方その他につきまして一応申し上げたわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 だから、今後どうなさるかということです。やはり、いままで事務次官なら事務次官までやっておった、それが直ちに役員に就職する、これはノーチェックです。先ほど申し上げたように、民間会社へ就職する場合は、人事院規則によって二年間は役員に就職してはならぬという規定がある。ところが公社、公団という特殊法人の場合はチェックがない。そうして直ちに、きょうやめてあしたから次の会社へ行ける、そうしたら給料は直ちに上がる。その個人の能力というものは会社がかわったとたんに一ぺんに上がるのか。いままで二十万円なら二十万円の給料が一ぺんに四十一万円とか四十七万円になった場合に、これは個人の能力がたった一日でそれだけ上がるのかということなんです。そういう給与基準というものについて不合理を感じられませんかということです。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 先生の御指摘を承っておりますると、いろいろ考えなければならないという感じを起こすわけでございますが、少なくとも、ものの考え方といたしましては、そういうときの役員の給与に関しましては、広く人材を求めて、そうして有能の士を迎えていくというものの考え方をとりますれば、これは民間ベース、その他いろいろな点をも、バランスをも考慮して決定すべきものであろう。ただし、そこのポストへどういう人を入れていくかということにつきましては、因縁情実やいろいろな弊害というものは、これを除去していかなくちゃならぬ。しかしながら、給与の決定というものの考え方としては、広く人材を求めて、そうしてそこに有能の士を迎えていく、そのためにはそれ相応に民間なりあるいは他の方面とのバランスも考えていかなければならぬ、こういうわけです。いま先生も御指摘になりましたが、バランスというならば、旧来の公務員のべースもバランスじゃないか、それも考慮すべきものじゃないか、こういうようなお話にも相なるかと思うわけでございますが、それかといいまして、民間ベースをも全然無視していいということには相ならぬであろう。ただし公務員が従来のように全部天下りで重要なポストを全部占めてしまう、民間の人はそうおらぬじゃないか、それはおかしいじゃないか、こういう御批判につきましてはごもっともなわけである。だから従来も、公務員の天下り、高級官僚の天下りこういうものについては国民感情もいろいろと御批判もあるし、先生からも、また先回は田中先生からも大蔵大臣のほうへお話があったと承っておりますが、こういうわけでございまするので、先ほど木村官房副長官もおっしゃったように、閣議その他でもいろいろと取り上げられ、そして直すべきものは直し、弊害は除去しよう、こういうことに相なったかと思いますが、給与のものの考え方というものは、民間ベースというものも全然無視していいというようなわけにいかないだろう、こんなような感じを持っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 議論になりますけれども、あなたがいまおっしゃるような、民間ベースを考える、というその主張の中に、民間の人から広く人材を求めて、民間の人たちが実態として入っているならば、それは私も了承するのです。ところが実態は民間が入っていない、わずか二、三名にすぎない。そうして、事実上は第二官僚機構として、こういう公社、公団がある。そうして退職先の天下り天国だと言われておるような、そういう退職先の温床がある、そのことについて私はけしからぬ、こう言っておるわけてす。さらにいわゆる給与規程については、たとえば日本道路公団、この日本道路公団法によれば、第三十二条に、「公団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又は変更しようとするときは、建設大臣の承認を受け、なければならない。」第三十九条は、この三十二条を受けまして、「建設大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならない。」その中の二は、「第三十二条の規定による承認をしようとするとき。」すなわち、このような給与及び退職手当の支給基準を定めたりあるいは変更しようとするときは、大蔵大臣と協議しなければならぬ。大蔵大臣はこれを協議しておるわけです。ところがいまのような考え方で協議しておるから、世論の批判にこたえた改善が何ら行なわれていない。そのままカエルの顔に水みたいな形でどんどんどんどん進んでおる。だから平気な顔で、批判があるにもかかわらず、閣議で意思を決定したとか、いろいろなことを言っておるが、内容の事実上においては少しも変化をしていない。人数においても変わっていない、給与の実態においても変わっていない、このことを私はあなたにお伺いしておるわけです。従来の考え方を押されてそうして平気な顔をしておられるから、この点について指摘しておるわけです。この点はどうでしょう。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 いまの先生の御指摘はよくわかるわけでございますし、また委員会におきましてもこの高級官僚の天下りあるいは渡り鳥というような問題につきましては強く御指摘になっておりまして、この点はわれわれもよく反省しなければならぬ。また閣議でもそれを取り上げられておるというわけでございます。でございますが、先ほど民間のペースというようなものをも勘案をしていかなければならぬ、こういうことを申し上げたところ、それは民間の者をたくさん使っておるならいいけれども、そうでなくて、要するに高級官僚がたくさん来ておる、それなら従来官僚がもらっておる給料と、今度天下っていったところの特殊法人の役員の場合には、非常に比較にならぬほど、とたんに高額になるし、かも一日にしてそう頭が違うわけではあるまいが、こんなような御趣旨、そういうようなものの考え方というものが、結局世論からもいろいろな批判を受けておる点だと思います。  それでいま事務当局からちょっとあれされたのですが、民間出の者もだいぶ大ぜい役員に入っておるようでございまして、いま先生が三人とおっしゃいましたが、どの程度の三人かわかりませんが、資料に基づきますと、民間の有能な方々はだいぶ入っておられるようでございますが、少なくともいま先生が御指摘になっておられるような批判というものはあるわけでございますし、私もその国民感情はよくわかるわけでございますので、その弊害につきましては木村官房副長官から先ほども申し上げましたように、よくこちらとしても反省をして、そうして善処していきたい、こういうふうな考え方であるわけであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 大蔵大臣の関与するものとしては、公社三、銀行が二、公庫が九、公団が十三、事業団が二十一、その他の法人で二十、総トータルが六十八法人、これは確かに大蔵大臣のほうで関与しておりますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 さようでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 このような六十八法人が大蔵省の権限において、やはり予算においても調整するときに大蔵省は関与しておる。しかしながら大蔵省は、こういう給与規程あるいは次に申し上げますけれども、退職の問題ですね、これらについていままでチェックを全然しようとする姿勢はなかった、その点についてお伺いしたいのですが。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 御存じのように、六十八の法人は、法律によって、主務大臣が給与の承認を与えるに際して、大蔵大臣と協議しておるものと、それから予算の調整を通じまして大蔵大臣が関与いたしておるものと両方あるわけでございます。大蔵省といたしましては給与の基準につきましてそれぞれの仕事の重要性、あるいはその職務の複雑性等に応じまして、一応そういった政府関係機関別のランクを設けまして、その基準に基づきまして、協議に応ずるとともに、予算の調整を行なっているわけでございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許可いたします。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省の政務次官に伺いますが、民間給与との均衡ということをおっしゃいますけれども、民間の大きな会社のことをおっしゃっていると思いますが、そうでございますか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 お答え申し上げます。  初めに政府関係機関を設置いたしまして、それの役員の給与を決定いたします際には、その初めの政府関係機関が銀行業務に関与する法人であったために、日銀だとかあるいは銀行の役員の給与を参考にしてきめたわけでございます。ただ、その後民間のそういった銀行等の役員の給与の上昇をそのまま追ったわけではございませんで、その後の役員の給与の変更は大体におきまして政府関係のいわゆる特別職の上のほうの大臣とか、そういった方の給与の改定率及び一般職の上、すなわち前でいえば一等級とかそうした号俸、現在でいえば指定職、そういうところの給与のアップ率をとりまして改定をいたしてきております。したがいまして、現状においてその給与を比較する場合には、当初の民間との均衡をとったということは相当薄れてまいりまして、現在におきましてはたとえば輸・開銀の総裁の給与と日銀なりあるいは都市銀行の頭取の給与には相当の懸隔が生じております。初めの段階におきまして均衡をとりましたのは、確かにいま先生御指摘のとおりに、大会社といいますか、大銀行との均衡をとりました。それはそのときに発足しましたのが輸出入銀行という相当大きな銀行であったためでございます。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 御指名であったのに次長に先にやらさせまして失礼いたしました。  実は私ども承知しておりますのは、いま次長が申し上げましたように、新しくできた場合におきまして、大体それに相応するような民間というようなものを検討したりその地位などを検討してきめたようでございますけれども、いろいろと浅井先生も御指摘になるように、毎回の国会その他委員会でこの問題はいつも論議をされておるわけでございまして、そういうような点から、たとえば退職金の比率にしましても、御案内のように七〇%から現在の六五%に下がったというようないきさつもありまして、標準は多少当時の民間の相当のものよりも下がってはきておると思いますけれども、大体民間の状態をも勘案してきめておるようでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は、民間給与とかいろいろな会社との均衡ということを言われますと、おかしいなと思うことがある。私は大会社じゃございませんけれども、中小企業の社長をやったことがある。その際に、銀行から借り入れをした場合には、限界のない連帯保証をしなければいけない。そうして銀行から借りた金が返せないで会社がつぶれたという場合には、身代限りになるわけです。いまそういう人でかつては大蔵大臣までやった人が養老院に入っているという例もある。それだけ責任が重大なんですよ。それから社長となると自分のかかえている社員あるいは工員に全力を尽くしてでも給料を与えて、その家族とともに生活させるだけの責任がある。ところが公団というようなところになりますと、財政投融資ということについて連帯保証でもとっているのですか。とっていないのじゃないかと思うのですが、役員に何か連帯保証の責任でもありますか、お答え願いたい。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 そういう約定はないと思います。もしありとすましれば、民法上の七百九条の不法行為とか債務不履行とか、別な法律関係におきまして責任を持つということは別ですが、要するに連帯保証というような関係はないと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 民間会社におきましては、全力を尽くして倒産なら倒産というものを防止しても、金融機関に対しては全責任があるのですよ。そういうことと同じに考えるわけには私はいかぬのじゃないかと思う。  もう一つは、民間から人を採る場合、総裁が官界から行かれた、民間から普通の理事が来る、そういう理事の人が総裁よりも月給が高くたっていいじゃないですか。月給が高くなければ仕事ができないようなことじゃだめですよ。とにかくいままでの経験を生かして、世の中のために、日本のために尽くすということであるならば、民間から来た平の役員の人が自分よりも月給が高いなんて不満を持つような人は資格がない。その意味で、民間から人を採らなければいけないから高くしているとか、民間と均衡を保つとかいうことじゃないと思う。そういう意味で私は差別があっていいと思うのです。いやならばその人はならなければいい、まためやればいい。そういうことをよく考えていただきたいと思う。私はその点だけひとつ申し上げて御意見を伺っておきたい。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 いま華山先生からもいろいろ御指摘がございましたが、この問題につきましてはいろいろと委員会で従来いつも御指摘に相なっておりまして、その問題の焦点がどうあるかということにつきまして先生も率直にお話しになってこられました。その点につきましてよく検討をいたしていくべきだと思いますが、先ほど申し上げましたような一つのものの考え方のもとに、弊害を何とか除去していこうというような考え方でいま進んでおる、こういうわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いま華山委員からも、民間企業との関係の調整というものが非常に不合理だということを指摘されたわけです。  さらに私が申し上げたいことは、先ほどの局課長の出身別の調べで、四十四年で四十二名も大蔵省出身の人が天下っておる。これは非常に飛び抜けて多い。ですからそのような自分の省のほうからこれだけたくさんの四十二名も天下っておるために、給与についても自分たちでお手盛りをしておるのじゃないかというような疑いがあるわけです。この点はどうでしょう。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 決してお手盛りというわけではございませんが、先生も御案内のように、財政関係、あるいは金融とか会計とかいうような知識、経験のある者、あるいはそれに基づく識見というものを求める需要と申しましょうか、そういうものが強いというような関係もございまして、たまたま大蔵出身の者が多くなっておる、こういうふうに存じております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 大蔵省出身が非常に多いということもこれは強い批判の的ですよ。ですから、そういう大蔵官僚が四十二名も天下っておる。だから先ほど指摘した六十八ですか、これは大蔵大臣と相談すると言いながら、実態は相談をしていない。表面上だけは相談をしておるというけれども、内容については相談できないのは、自分自身にかかってくる問題がある。ですから、先ほど来何べんも言われておるように、真剣になって改善の策がとれない、こういうことだと私は思う。  そこで、退職手当の基準でありますけれども、百分の六十五という根拠は一体どこから持ってこられたか。何を一体基準になさっておるのか、この点の明確な根拠をお示し願いたいのです。普通の官僚の場合は、百分の五だとか百分の八だとか、こういう比率しかない。ところが、第二官僚機構であるといわれておるこの公社、公団に至っては、一度に百分の六十五にはね上がる。この根拠は一体どういうことになっておるのか、示してください。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 実は、特殊法人の役員の退職金の基準という問題につきましては、従来もいろいろと御指摘もあるし、御意見もあったわけでございます。これは昭和三十三年の二月以前におきまして、当初におきましては、この特殊法人の役員の退職金の支給というものは、きわめてあいまいな点もあったりいろいろしてはおりますが、民間の銀行等の役員の退職金の支給の割合等を参釣して、百分の七十というふうになっておったわけでございます。でございますが、いま先生方御指摘になっておるようないろいろな批判というものが強くまいっておるし、また、国民の考え方、一般の考え方もそうであろうというようなものを踏んまえまして、この支給の割合につきまして、三十三年四月から役員の給与の引き上げをするに際しまして、百分の六十五に切り下げた。要するに五%の切り下げをやっておる、こういうわけでございます。  しからば百分の六十五の根拠は那辺か、こういうことになりますが、結局当時の百分の七十というものにつきまして、いろいろと給与が上がっていったんだ、それを引き合いに五%程度を下げていこうというようなことに相なったかと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 百分の七十が六十五になったということについては、これは何も根拠にならぬ。現在百分の六十五になっておるのです。じゃ、いまの国家公務員は百分の幾つなんですか。それとの差を一ぺんはっきり出してくださいよ。なぜ百分の六十五でなければいけないのです。なぜまた百分の六十五を守っておるんですか。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 国家公務員の退職金の支給割合でございますが、それぞれの勤続年数について違いがございますが、非常に短いのもどうかと思いますので、一応十一年から二十年の場合には一年につき一・六五カ月、月に直しますと、百分の十三・八になります。それから二十一年から三十一年までをとりますと、一年につき一・八カ月、月に直しますと百分の十五に相なります。これは勧奨退職の場合でございます。  それから月に百分の六十五、初めに百分の七十という数字が出ましたのは、一番当初に政府関係機関、具体的にいえば輸出入銀行でございますが、それが設立されました際に、日銀その他銀行等の役員の退職金の基準を参考にいたしまして百分の七十ときめまして、その後五%の引き下げを行ないましたということがいままでの経緯でございまして、この百分の六十五が現在民間との関係でどうかということにつきまして、現在いろいろ調査中でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私は調査を聞いているんじゃない。百分の六十五はどの機関で——いままでの国家公務員のベースより急にはね上がっておる。これのいわゆる制定の根拠が非常にあいまいなんです。あいまいなままで来ている。これは私がきょう取り上げるのが初めてじゃないが、何回か指摘されて、そしてそれを改正する意思はないかとか、いろいろなことがいわれているはずなんです。  その前に、この百分の六十五について今後、将来改正する意思があるのかどうか、この点を先にお聞きしましよう。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 百分の六十五について将来改定する意思があるかどうか、こういう御質問でございますが、これはこの前に田中先生からたしか大蔵大臣にもその点につきましてお尋ねがあったかと思います。そのときに福田大蔵大臣は、検討いたすというような御答弁を申し上げたと承っておりました。それで、実は本日私こっちに参るに際しまして、その六十五%の検討という問題につきまして承りましたら、直ちに事務当局のほうへこの点の検討を命じておる、こういう状態でございまして、ただいまいろいろな点につきまして検討中であるというふうに申し上げておきたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 どのように検討しているのか、具体的に示されてほしいのです。この前大蔵大臣はこの点について検討するというふうにお話しになっておった。じゃその後時日も経過しておるのですが、具体的にどのように検討されておりますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 実は事務当局のほうに尋ねましたのでございますが、事務当局のほうとしましても、先ほど申し上げましたように民間の問題もございますれば、その他いろいろな基準、バランス問題などをいま検討中である、こう申しておりますので、実は係の者から答弁さしたいと思います。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 お答え申し上げます。  大臣からの御指摘がございまして、現在国税庁に依頼いたしまして、できるだけ多くの法人につきまして、役員の給与の実態と退職金の実態の調査を依頼しまして、それを現在国税庁のほうで調査を続けていただいている段階でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 すみやかに改善をしてもらわなければ——強い国民の批判があるわけです。給与は上がる、退職金は百分の六十五、いわゆる法外なベースになっておる。給与ベースが高いし、退職金ベースが高いんで強い批判がある。強い批判にこたえて、大蔵当局はもっとしっかりやってもらいたいと思います。  これはもうこれ以上言ってもどうしようもないので次の問題に移りますが、官房長官にお伺いしたいのですけれども、特殊法人の役員人事、これをいろいろと閣議で決定したり了解したりしておりますけれども、この人事のチェックのやり方とこの根拠、これについてお答え願います。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 役員の任命手続にはいろいろ態様がございます。まず内閣で任命する場合、内閣で承認する場合、また閣議で文書によって了解する場合と口頭による了解、この四つの場合がございます。  従来これは法律によるものでございますが、内閣で任命する者といたしましては国鉄の総裁、電信電話公社の総裁、副総裁、電源開発の総裁、副総裁、理事、監事、こういうものがございます。  また、法律による内閣承認にかかるものとしましては、国民金融公庫の総裁、監事、農林漁業金融公庫の総裁と監事、中小企業金融公庫の総裁と監事、住宅金融公庫の総裁と監事、こういうものがございます。  また閣議了解、これは法律上の根拠はございません。慣例によるものでございますが、閣議で文書によって閣議了解をいたしますものは専売公社の総裁、輸銀の総裁、副総裁、開銀の総裁、副総裁、東北開発の総裁、副総裁、こういうものがございます。  口頭了解によりますものは特殊法人のほとんどの部分の長でございます。これを閣議で口頭了解しております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 なぜそのような差があるのですか。内閣の任命と内閣の承認と閣議で文書による了解と口頭了解、その差はどういうわけでできているのですか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 内閣任命、内閣承認、これは法律に基づいております。国会で成立した法律によるもので、御説明の必要はないと思います。  閣議了解の文書によるものと口頭了解によるもの、文書による閣議了解は慣例でございまして、これに本質的な差はないと思いますが、公社あるいは特殊銀行の軽重といいますか、ウエートによるものと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 軽重、ウエートがどの辺に置かれているのか。慣例による文書による閣議了解が専売公社、銀行、会社、ほかのものはなぜ口頭了解なんですか。なぜこれは文書の了解なんですか。この辺を明確に教えてもらいたい。この人事に対して私たちは先ほどからいろいろな不満がある。強い批判がある。したがって、この役員の人事のチェックについて人事院のチェックもないのだから、内閣でやられておるそのやり方についてわれわれが納得のいくようなチェックをしてもらいたい。この人事、給与あるいは退職金等についてはわれわれ国会のチェックはない。したがって、国会を代行して内閣がやっておるとしたら、その内閣がやっておるのは重要な問題のはずだ。その重要な問題についてどういう根拠によってこれだけの十二公団、公庫を選んだのか、あとの百八つあるというその公団の残りのほうはなぜ口頭了解でいいのか、その点をお願いします。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 まず内閣任命、内閣承認によらないで、閣議で文書または口頭了解でやります場合、これは文書による閣議了解のものにつきましても、この四つの特殊法人、これはそれぞれ根拠法律がございます。その際に、国会の御審議を経た上で、これは特に内閣任命または内閣承認を要しないということに定まっておりますが、やはり専売公社といい、輸銀といい、開銀といい、東北開発といいましても、相当重要な政府機関の任命でございますので、これは内閣内の手続としましてやはり文書によったほうがよかろうという、理論的根拠はございませんが、そういうような慣例によっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 じゃお伺いしますが、日本住宅公団あるいは日本道路公団あるいは新東京国際空港公団あるいは石炭鉱業合理化事業団それから労働福祉事業団、定員が七千三百三十三人おる、雇用促進事業団、海外移住事業団、動力炉・核燃料開発事業団、帝都高速度交通営団、これなんか八千六百十四人もおる、国際電信電話会社、これは総裁は四十七万円の最高額もらっております、日本航空株式会社、ほかにもありますけれども、これらについてなぜ閣議の文書による了解にしないのか。いま私があげた公団、公庫とここにあげてあるものとどの辺が違うか、具体的にどのようにしてそういうランクがついておるのか、それを説明してもらいたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、理論的な根拠はきわめて薄いと思います。ただ御了承いただきたいのは閣議におきます文書による了解、口頭了解は、ただ文書によって行なうかいなかの違いでございまして、そのウエートにおいては同じようにわれわれは取り扱っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 じゃ、みんな文書でやればいい。なぜ文書と口頭という二つに分かれておる。文書と口頭では違うはずでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 これは慣例でございますので、いま浅井さんが御指摘のとおり、もう少しこの慣例を洗い直しまして、これは文書によるのが適当であるというものは文書による、その検討はもちろん必要であると思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 次に、役員の事前協議ということで、官房長官あるいは副長官はその当事者でありますので、いろいろと相談なさることがあると思います。その際拒否したことはございますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 それは人事でございますので、きわめて機密を要しますので、公表はいたしませんが、拒否した前例は数多くございます。特に拒否の実例といたしましては、在職年限が長きにわたる者、すなわちたとえば八年以上、十年以上、これはほとんど拒否をしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それがほとんど拒否されておるならば、十年以上の人はいないはずです。ところが長期の在職者は、松田商工中金の監事が十九年四カ月、現職が五年四カ月、それで現職以前が十四年、合計十九年四カ月つとめております。江沢東京中小企業投資育成株式会社の社長、これも十九年一カ月つとめておる、現職が五年一カ月、現職以前が十四年。内藤雇用促進事業団の理事は十九年六カ月、現職が七年六カ月で現職以前が十二年。中野電気計器検定所理事長は十四年七カ月、現職は四年で現職以前が十年余月。このように十年以上の者もおるじゃないですか。あなたは八年とおっしゃったけれども、八年以上だったら、もっとたくさんいる。この点はどうでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 いま御指摘の方々はいろいろ特殊の事情がございまして、長年にわたっておられますが、昭和四十二年以来私どものほうでチェックを強めてまいりました以後の長期留任というものは非常に少なくなっております。たとえば四十二年七月現在で、こういう役員を八年以上つとめておる人は六十四名でございます。その後この長期留任者につきましては極力整理につとめまして、本年三月一日現在では半分の三十二名ということになっております。御承知のとおり任期等もございまして、任期途中でやめさせるわけにもまいらない事情もございますが、漸次改善をしていきたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 じゃ、松田さんの任期はいつだったでしょうか。それから江沢さんや内藤さんや中野さんの任期はいつだったですか。現職五年四カ月、五年一カ月、七年六カ月、四年とこういうようになっていますが、これは任期はいつでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 いまおあげになりました具体的事例になりますと、なかなかいま申し上げた理想が通っておりません。これは正直に認めますが、それぞれ具体的な再任を認めた理由がございます。その点はしばらくの間御猶了願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私はこのような人事の任命にあたって、いろいろと閣議の決定やいろんな了解をなさる。人事のことについて秘密がある。秘密はけっこうですけれども、どういう点でチェックをなさるのか、どういう基準を非常に重要視するのか。いまあなたの答弁では、いろんな学識経験または有能な、そういうことによっての判断があったとおっしゃる。その判断の根拠になるものは一体何か。こういう人事を行なうに対して、それらの人事の根拠を私は明らかに示してもらいたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 先ほどの御指摘になりました松田さんと内藤さん、これは松田さんは本年八月十五日、内藤さんは本年六月三十日、それぞれ任期がまいります。これは再任を認めないことになっております。  いま申し上げました公団、公庫等の役員の選考につきましては、基準と申しますのは、大体閣議における口頭了解できめております。もちろんその役員を選考いたします各主務大臣が責任を持ってやっておりますので、まずその主務大臣の選考にまかせておりますが、ただ一般の選考として、適任者を広く募る、人選するということを、たてまえ上、まずいわゆるなわ張り的な配置はこれを避ける、またたらい回し的異動は極力これを押える、また清新な気風を反映させるために民間からの人材を極力登用する、また高齢者の起用はこれを避ける、役員の長期留任は特別の事情のない限りこれを避ける、大体こういうような基準でやっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それはいろいろと理由はあろうと思いますけれども、非常にいろんな面で情実がからまっておる、人事についてはいろんな力関係できまる、このようにいわれております。  そこで官房副長官に伺いたいのですけれども、実際に総理の答弁の中に、四十四年三月十七日の決算委員会のときの私の質問に答えられた、「実際は人事に目を通さないわけではありません。なぜそうしているかというと、省によりましてそれぞれの行き方がありますから、あまり均衡を失しないようにしたい。あるいはまたでき上がる公庫、それの関係する役所が二つ、三つある、こういう場合に、今回はどこの省から出す、その次の機会に他のほうの省が担当するとか、こういうことで振り分けをいたしたりしますものですから、ただいまのように一応どっかでまとめるというか、まとめの役をする必要がある。」というのでおやりになっておる。ところが大蔵省は、先ほどの数字では非常に多い。これはどういうわけでしょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 大蔵省からの人選が多いということは、先ほど上村政務次官からお答えしたとおりの理由であります。ただ先ほど民間人の起用についてちょっとお触れになりましたが、私どもは先ほどの一般基準に従って、相当民間人を登用しております。四十二年度の新しい法人の長、これは七つでございますが、そのうちで六つは民間人を登用しております。このような努力のあとはひとつぜひお認めいただきたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 このような人事のチェックについては、大蔵省にはいろいろとなわ張りがあり、たらい回しがある、そういうふうな懸念について相当強力な姿勢でもってやってもらわなければ、私は改善できないと思う。その点を強く要望しておきます。  それで行管庁に伺いたいのですが、役員の定数の点ですけれども、日本専売公社において、公社の法律によって役員を九名以上と定めておりますが、人員は現在十五名います。さらに国鉄においては、常務理事若干名とここにうたわれておりますけれども、十八名おります。この若干名というのは、どの程度をさすのですか。また日本住宅公団においても十一名以上とされておりますが、現在十七名以上というのは、百名まででもけっこうなんでしょうか。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 特殊法人の役員の数につきましては、古いものは、何人以上あるいは何人以上何人以下というようなこともあったわけでございますが、最近は、何人以下ということに統一している段階でございます。今後もこの方針でまいりたいと思うわけでございます。  役員の数につきましては、特殊法人の新設あるいは改組という場合、国民世論の動向等もございますので、その点はなるべく数を抑制するというような方針をとっております。できるだけ構成を簡素化してまいりたい、かように考えておるわけであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 この九以上とか若干名とか——以上というのは、日本住宅公団それから専売公社、若干名が、いまいった日本国有鉄道。それから商工組合中央金庫が六以上、農林中央金庫が七以上、帝都高速度交通営団が十以上、こういう以上というものについては、最近は以内に改めているならば、この以上についても改める意思があるかどうか。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 そういう方向で対処してまいりたいと考えておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 もう一つ伺いたいのですが、住宅公団については職員が四千百三名で、役員が十七名おります。日本電信電話公社が二十五万四千三百四名で、十四名、あるいは日本国有鉄道が四十七万五千二百十九名で十八名、この役員の数字についてのバランス、基準、これは行管庁としてどのように考えますか。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 明確な基準というようなことについてははっきりしたものは承知いたしておりませんが、人員構成は、機構とのからみ合いが重大な要素になるわけでございます。その特殊法人の担当する任務、また職能の内容等に即しまして、必ずしも人員が多いから役員も多くしなければならない、そうしたようなことではなしに、実態に即して機構をなるべく簡素化し、それに必要最小限の役員構成をするというようなことで、おのずから職務の内容あるいは運営の実態に即応しての人員構成、こうしたようなことになるわけでありまして、そういうことから御指摘のような等差が出てくるというようなこともあるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 等差が出ていることについて私は指摘しているのです。日本住宅公団なんというのは国有鉄道の百分の一じゃないですか。百分の一で、役員が一人しか違わない。この矛盾している問題について、行管としては指摘なさったことがあるのか。また行管として今後それをどうするのかと聞いているのです。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 ただいまも申し上げましたように、それぞれの組織機構の発展過程においての現段階、そうしたようなこと等もありますので、行管といたしましてはそれに対して指摘いたしたようなことはないわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 指摘しないのは怠慢ですよ。これはどういうわけですか、なぜこんな差があるのです。私を納得さしてくださいよ。あなたがおっしゃっていることではわからない。だれが見てもこれだけの差がある。そして役員がそんなにたくさん要るとは考えられない。そしてまたきめ方が十一以上なんです。職員というのはわずか四千百名しかおらぬ。それであるのにこんなにたくさんおるというのですね。役員がこれだけたくさんその事業内において要るのだという明確な根拠を、はっきり日本住宅公団なら住宅公団で言ってください。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 行管として審査を始めた、担当したというのが昭和三十九年からということでございまして、その以前のものにつきましては、それぞれの組織の発展過程においてそうしたようなことになっている、こうしたようなことに承知いたしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 大臣じゃないから、次官ですから無理なところがあるかもしれませんけれども、あなた方の行政管理庁のこの中の業務内容、設置法  の中にもありますけれども、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行うこと。」これがあって、第二条の十二号には「前号の監察に関連して、公共企業体」、これに対する調査、いわゆる「業務の実施状況に関し必要な調査を行うこと。」この中に日本住宅公団なんというのは  一番最初に出ておる。これを調査したかということです。この点はどうでしょう。

熊谷義雄自由民主党行政管理政務次官

○熊谷政府委員 いま浅井さんの御指摘の点は私もわかるわけでございます。ですが、従来の行管の監察方法においてはそのような面には触れておらなかった、こういうようなことでございまして、今後御指摘の点につきましては十分検討さしていただきたい、こう思います。     〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕

浅井美幸公明党

○浅井委員 最後に、官房副長官に伺いたいのですけれども、このように実態といい、あるいは異動の状態、渡り鳥ですね、それから長期滞留あるいは任命の件、また給与の実態、退職金の問題、これほど現在矛盾を感ずる問題はないわけです。今後官房副長官としていままで私がるる申し上げたことについてまとめて、どのような方向に改善なさるのか、あるいはこれらの人事についてどのようなチェックをなさるのか、また給与に関する点についてあるいは退職金についても、公正な第三者機関あるいは議会のチェック等についてわれわれは考えておりますけれども、その辺の点についてどうでしょうか、まとめてお答え願います。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村(俊)政府委員 いろいろ御指摘がございました公団、公社、事業団または一般の営利会社に対する天下り全部含めまして、これはいま最も国民世論の批判を受けておる問題だろうと思うのですが、政府といたしましてはあらゆる面からこれを検討いたしまして、国民批判に十分たえ得るような措置をとりたい、こう考えております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私の質問を終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最初に大蔵省に、やや事務的になりますが、少し伺っておきたいのであります。  一つは、国有財産管理の問題でございまして、これは二、三年前の当委員会におきましても指摘したその後の経過の問題になるわけですが、東京都内の国有不動産の管理の問題です。  一つは例の日比谷公園であります。これは十五万六千余平米もありますし、台帳価格も約四十億円なのでございまするが、この問題はたぶん三十九年か四十年に会計検査院が検査報告で指摘した事実でございまするが、その後の経過、最近の具体的な措置、これを伺いたいのです。  なお、同種類でありまする芝公園の敷地の問題です。これはまあ十万平米に足りないかと思いますけれども、これも重要な課題でありまするから、この二つにつきましてお尋ねいたします。

長谷川寛三大蔵省理財局次長

○谷川政府委員 先生から一昨年ですね、三十九年度の決算の御審査の際に御質問をいただいたところでございますが、そのお答えをします前に、ちょっと誤解があってはいけませんから、申し上げたいと思いますが、通常の未契約というのではございませんで、これは昔から公園として両方とも使っておったものでございます。つまりもとの内務省の時代におきましては、公園は国が管理をいたしておりました。内務省がやっていたのであります。戦後建設省になりましてから、建設省が引き続いてやることになっておりましたが、これを法律の規定に基づきまして東京都に管理を事務委任をしておる。その後三十一年になりまして都市公園法ができまして、これは公園の管理は地方団体でやるということになりまして、まあかっこうといたしまして普通財産でございますから、大蔵省にお引き渡しをいただいて、あらためて都市計画法の附則の規定によりまして無償貸し付けをするということになっておったのでございまするが、実態は公園として使っておったのでございますが、両方につきまして国と東京都の間におきまして境界争いがございまして、無償貸し付けの形式が踏まれていなかったものを、三十九年に指摘を受けた次第でございます。そのうち、芝公園につきましてはお話し合いがつきまして、昨年の三月十三日付で無償貸し付けの契約を終了いたしております。日比谷公園のほうはまだ双方互いに主張を曲げておりませんので、境界の問題が片づいておりませんが、私と東京都の建設局長さんとお話し合いをいたしまして、近くひとつ、まあ無用の疑いを起こしてもいかぬから、話し合いをして解決をはかろうじゃないかというところまでいっておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 芝公園がそのように解決しましたら、これはたいへんけっこうです。日比谷公園はかねて訴訟ざたになるとか等々、相当意見の食い違いがあったままきておる。一つは東京都の所有を主張し、大蔵省は国有を主張するという線があるようでございまして、非常に重大な関係であります。特に東京都でありまするから、もしこれが国有地であるとするならば、それは寸毫の広さも侵犯を許すべきではない。もし都の所有の分があるならば、それは都の所有を確認せなければいかぬ。いずれにしても数カ年間未解決ということは、まことにこれは遺憾千万であります。やはりこれは法律上の問題がからんでおるようでございますけれども、事務当局において解決難であるならば、都の代表者、都知事との間に大蔵省は直接折衝して、すみやかに解決すべきじゃないか。こんな問題を数カ年間解決未了でほっておくということはまことに遺憾な事態であります。ことに日本の国有土地というものが、法務省の所管事務から通して見ても、あるいは国土地理院等のいろいろな計画から見ても、各般の裁判所における民事的な争いの実情から通して見ましても、とかく不明確の問題がずいぶんあるように思いますので、これはひとつそういう全国的な諸問題をすっきりと解決して、そして国有財産のあり方、また利用の方法等につきましても最善の対策、方針を立てるべきではないかと思いますので、すみやかに責任者と——局長が責任者か知りませんけれども、やはり都の代表の美濃部知事との間に、直にかけ合って即時解決するというかまえでいかれたいと思いますが、いかがでしょうか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 先生の御指摘もございまするので、事務当局から従来までの事情をよく承りまして、すみやかに検討をしてまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 やはり利害がからんでまいりまするので、たとえば、見れば地上に民間者の所有不動産があるらしいです。こういう関係も一体どうなるのであろうか、いつからそれはあるのであろうか等々、内務省時代のものかも存じません。ともかく権利金の関係になりますと、東京都のごときは金と土地とどっちが重いかわからぬような場所さえあるのでございますから、相当筋は通すという線だけはきちっとやる体制はひとつこの際確立していただきたいと思います。これは強く御要望申しておきます。次のできるだけ早い機会に、よい結果を得たというような朗報が当委員会にもたらされましたら非常にしあわせと思います。  第二番目は、これも事務的な問題でございますけれども、やはりこの委員会におきましても、国会を通じまして最近行政の能率をあげる——能率をあげるということは予算の効率化とうらはらの関係でございます。当委員会におきましても、どの面に対しましても強く要請もし、あるいはまた直すべき点があればこれを指摘してまいっておりますのですが、新聞情報で、それ以上の知識は具体的にないのでありますけれども、電子計算機をもって入関事務を簡素化する、これは非常に簡素化、合理化されるような手段なりと、こういうふうに伝わっておるのであります。なるほどこれは、電算機の機能といたしましては、最近各方面におきまして非常に応用、活用する分野が広がってまいっております。コンピューター時代出現ということばさえいま行なわれようとしております。具体的にどのような計画があって、そしてどのような効果があるのだろうか。これには所要経費ないしは専門家の養成、そういった面もかなり具体的には問題でないだろうかと思います。伝うるところによりますと、これは世界的な一つの事務簡素化の手段である、他の諸国におきましても、先進諸国においても入関事務においてまだそのようにしていないというふうにも聞くのでありますが、その辺についてひとつ御説明いただきたいと思います。

上林英男大蔵大臣官房審議官

○上林説明員 御存じのように、わが国の貿易量が非常に増加をしております。また、これに対応いたしまして港湾地域も拡大をされてまいりました。したがいまして、税関が取り扱います、ことに輸入の件数もだんだんと高まってきておるわけでございます。これに対しまして、もちろんこれに十分な人数を充てることができますれば問題はないわけでございますけれども、やはりできる限り少ない人間で能率をあげていきたい、こういうのが私どもの考えているところであります。その観点から、できる限り人間がこれに当たらなくてもいいような、ことに電算機で処理できるような仕事につきましては、できる限り電算機でこれを処理していくということを考えているわけでございます。たとえて申しますと、いま御指摘ございました輸入審査にあたりまして、ある輸入申請がございますと、その品物が何の税表分類に該当するか、そうして税率が幾らであり、これを輸入するにあたっての所要の他法令、たとえば他法令関係の許可手続その他はどういうものがあるか、その結果の税額は幾らであるかというものを電算機に投入いたしますと、おのずから答えが出てくるというようなシステムをただいま研究いたしておるわけでございます。もちろん具体的にそういう品物が現物どおりであるかどうかという確認その他は人間がやらないとできないわけでございます。先ほど申し上げましたような電算機でできるものにつきましては、できれば電算機でやりたい、こういう計画を持っておるわけでございます。  このような計画は、たとえばロンドンのヒュースローの空港におきましては、ことに航空貨物が非常に増加いたしておりますが、航空貨物の管理を含めまして研究をしておるようでございます。具体的に私のほうの税関におきましては、かねてから東京の晴海出張所に到着いたします貨物につきまして、試験的にそういうことができるかどうかということをただいま研究をいたしております。もっとも、私どもの考えておりますのは、通常取引される商品名をキーにいたしまして、これを電算機に入れますと、先ほど申しましたようないろいろなデータが出てきて、行政の能率を向上させる、こういうやり方を研究いたしております。先ほど申しましたロンドンのヒュースローの場合には、税番をキーにいたしましたやり方をいろいろ研究をいたしておるわけでありますが、税番をキーにいたしますことは、その前に、通常取引されております品目をまず税番に直すために相当の労力が要るわけでございます。むしろ、私どもの研究のほうが、研究の方向としては進んでおると思っておるわけでございますけれども、なおそれだけに相当の問題があるわけでございます。目下それをさらに探求をいたしております。一時新聞等に出ておりましたのは、この研究が完成いたしましたならば、大体四十六年ぐらいから実行に移せるのではなかろうかということを考えたことがございます。  なお、その諸経費につきましては、そういうことになりますと、相当量の電子計算機を導入しなければなりませんので、ある程度の経費が要ることはもちろんでございますが、それに応じまして、相当の人員の節約も可能である、そういうふうに考えておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 かなり具体的な青写真をお持ちになっておるのかと思えば、さほどにあらずということなんですね。これは、経費は何ほど要るか。あるいはまた電算機に記憶さすいわゆる品目などはどのくらいになるのか。伝うるところによると、人員五分の一で足りるという結果を来たす。人員等々かなり画期的な効果があがるようにも伝えられるのですが、大体そのような青写真で研究しつつあるのではないだろうか。ヒュースローの空港の実績もあることでありますから、非常に素朴な研究から着手しなければならぬというほどでもないのではないか、こう思われます。ことに外国におきましては電算機をどんどん使っておるのでありますから、日本においても相当使っておる例が民間ではあるわけでありますから、専門家といえどもそう何年もやらなければいかぬというほどのことではないのではないだろうかというふうに思うのですが、再来年四十六年から実施に移せるというのは、少し気の長い話のように思うのですが、その辺はどうですか。  それと、もっと具体的に経費何ほど、それからどのくらいの実質的な合理化、簡素化ができるのか。人も労力も等々……。もうちょっと具体的な数字の御説明の段階に至っておりませんか。概略でよろしゅうございますが、また、詳しくは追って聞く機会もあろうかと思います。

上林英男大蔵大臣官房審議官

○上林説明員 この研究は相当いろいろな問題があるわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、電算機に入れますキーを、先ほど申しましたように、現実に取引されております商品名をもとに考えておるわけでございます。と申しますのは、わが国の関税率の分類表はブラッセルの統一分類表を使っておる。この品目の数は三千足らず、二千九百というふうになっております。現実に取引に用いられますいろいろの商品名はおそらく何十万とあるのではないか。それに税率その他を適用いたしますときに、何十万という品目を三千足らずの税表分類に当てはめる仕事がまず相当の熟練を要する問題でございます。したがいまして、これを私どもが考えましたのは、まず何十万とございます実際の商品名をキーにして、それを電子計算機に覚えさせる。そうすると三千のどれどれにぶつかる、こういうふうにやる。こういうことをまず考えておるわけでございます。ところが、晴海で計算をいたしました場合に、現実に出てまいりました商品名を電子計算機に入れまして、そして試験をやってまいったわけでございます。電子計算機が覚えていない商品名が出てまいりますと、私は知りませんという返事が電子計算機から出てまいります。そういうものを逐次追加をして新しい商品名を覚えさせていく。まずそういう記憶をさせる試験をどんどんやっているわけでございます。大体晴海の件数が一年に二万件ぐらい。大体五千件ぐらい覚えさせますと、私は知りませんという返事が出てくる回数が少なくなってまいります。これでまいりますと、おそらく全国で百万件ぐらいただいま輸入の件数がございます。いまの比率、これが単純に当てはまるかどうかわかりません。もし単純に当てはまったとすれば、二十五万件くらいの品目を電子計算機に覚えさせる、まずこういう基礎的な準備が要るわけでございます。そういうことのほかに、さてその覚えました品目がどういうデータをどういうとかうに打ち出してくるか、そういう準備、あるいはさらに先ほどちょっと申し上げましたけれどもヒュースロー空港の場合にはいま私どもが考えておりますようなめんどうくさいことをいたしません。いきなり税番を引いてそこからやるという簡単な道を選んでおりますけれども、もしそういうことを選ぶならば、あるいはさらに私どもの計画に加えまして在庫管理その他そういう荷物の流通過税や何かの管理に資するようなデータもおのずから打ち出してくれるような方法ということも、ヒュースロー空港では研究いたしておるようでございますが、私どももそういうことをやってみたい。いろいろ電子計算機に最初打ち込みまして流れ出しますと、これは相当の効果のあるものを打ち出してくれるのでありますが、そのかわりにその準備段階に万全を期しておいたほうがより能率のよいものが出てくることは当然のことかと思っております。そういうようなことからいろいろなことを考え、準備をいたしておりますために、相当の期間が要ると私どもは考えているわけでございます。  なお、どのくらいの効果があるか、こういうことでありますが、これは私ども一応の試算をしたことがございます。今度の試算の根拠になつておりますのは、一応四十六年から東半分の五千軒以上ある事務所につきましてやろう、四十七年からは西日本にまで及ぼそう、こういう計画を一応立てたわけでありますけれども、新聞に出おりました数字は、昭和五十三年のときになったならば、こういう機械化によって処理し得る節約できるであろうという人数が三百九十四名、そのかわり逆に電算機処理のために必要な人間がふえてまいりますのが百二十九名、差し引き二百六十五名ぐらい節約されるであろう、こういうような計画をしたことがございます。  もちろん金額的に申しましてもこういう電算機の処理のためには電算機の借料、それからテープ代その他に金額が要りますけれども、もちろんそれを相当上回ります人件費の節約にもなるであろう、こういうふうに考えた次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは将来の世界をつくる一つの大きな課題であると思われますので、せっかく前向きで積極的に研究せられて早く自信のあるものが実施に移されんことを、これも要望しておきたいのであります。  ことに私ども日常東海道新幹線などに乗ってみるときに、五秒か八秒でばっぱっと押えたときにすぐに座席ありという回答があらわれておりますす。お互い時間の節約はたいへんなものであります。みなが時間の節約になり事務の節約になり経費の節約になる等々いたしますので、こんな技術革新、科学時代におきましては、日本はやはり積極的な姿勢でこういう問題と取り組んでいくべきであろうと思います。行管の木村長官なども進んでそういうことを強く要望しておったこともあります。これは行政事務の簡素化のためであったのでございます。こういう点も私ども感じますのでで、まあ今後推進方を強く御要望申しておきます。いまのは終わりまして、次には第二でありますが、国民金融公庫に触れたいのであります。  国民金融公庫は、戦後日本の一般庶民階層の政府系金融機関といたしましてはかなり重視されて、大きな功績もあったものでございます。  そこでまず一点指摘してみたい点は、あなたのほうの報告書にもございますが、「更生資金貸付制度」というものがありますね。この「更生資金貸付制度」というのは、どうも最近は利用者ゼロみたようですね。四十三年三月三十一日付の公庫の業務報告書一〇ページによりますと、貸し付けが一件というようなことになっていますね。前期に引き続き減少ということになっております。当期貸し付けが一件しかない。ただし申し込みは十二件ありました。こういう貧弱なことなんです。これはやはり何とかせなければいかぬじゃないだろうか。一体貸し付けの限度は幾らか。金五万円であります。五万円で世帯更生資金の貸し付けというのでありますから、これは長くたなざらしにして、このような階層もあるんだというふうなおつもりで来たんではないだろうか、こう思うのであります。  私からくどくど言うまでもないのでありますけれども、御承知のとおりに、たとえば父のない母子福祉の更生資金はたくさんの種類がありますけれども、これは生業資金ですと限度三十万円です。仕事の運転資金でも十五万円でありますし、家を補修したいという場合には二十万円貸します。県が窓口になります。これは非常に簡単なのであります。試みに本年度の原資を調べてみますと、原資は十億円で、償還金が十六億円ほどありますので、合計二十六億ほどが使える金ということになっております。というようなものがあるのであります。だから、都道府県が窓口になりましたこのような低所得層の世帯の更生に関する貸し付けでも、限度三十万円というものなんですね。そしてそれは、たとえば兵庫県の実例を調べてみますと、ただいま現在では千件の申し込みがあります。兵庫県だけですよ。でありますので、限度三十万円といたしますと、やはり利用価値、利用方法が相当あります。それが五万円で煩瑣な手続でいろいろしていかなければならぬということでは、これは何か時代に錯倒したような感じがせぬでもないのです。これはすぐに再検討せられて、そうして五万円くらいならやめてしまったらどうかということさえ私思います。ただし、国民金融公庫といたしましては、そのような面における使命はなお存続すべきものと私は思いますので、これはむしろ限度を引き上げるという方向に向かって検討したほうがほんとうじゃないだろうかと思うのですが、これはどんなものでございますか。

河野通一国民金融公庫総裁

○河野説明員 いまお尋ねの更生資金の貸し付けは、先生御案内のとおり戦後の非常な荒廃の時期に、引き揚げ者の方々あるいは戦災を受けて非常にお困りの方々という、戦後の異常な事態に対処するために、いわば応急の措置として政府当局と御相談の上で始めた制度なのであります。私どもは、いま吉田さんがお話しになりましたような経緯をたどりまして、最近においてはその貸し出しはほとんど実行いたしておりません。私どもといたしましては、もうすでに五、六年前から、この制度はそういう創設の目的からいってすでにその目的を達成したということで、政府御当局に対しては、この制度の貸し付けを打ち切ることを早くやって、清算をいたしまして、その間私どもは非常に多くの貸し倒れ的なものをかかえておりますので、これをすみやかに整理を開始する。その整理方針を決定していただきたいということを、政府にすでに数年前からお願いをいたしてまいったのであります。その後お話し合いがだんだんつきまして、つい一月ばかり前に、ようやく政府の御当局から新規の貸し付けを停止するということをお認めいただきまして、本年の四月一日から以降、この制度の新規貸し付けの停止をいたしたわけであります。  いまお話のありましたように、こういう制度はやはり国民生活を維持していきますために制度としての意味があるというお話で、さらに拡充すべきではないかというお話がございましたが、私どもといたしましては、すでにこういった性質のものは私どもの本来の普通貸し付けの中において吸収されて必要な貸し付けは行なっておる。したがいまして、この制度はそういった設立の目的からいってすでにその使命を果たしたのでありますから、これを廃止して、いまお話しのような、社会の中で果たさなければならない金融は、本来の普通貸し付けの中においてこれを吸収して充実してまいりたい。こういう方針にいたしておる次第でございまして、すでにそういうことを決定いたしておりますので、御了承をいただきたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますると、従来の更生資金貸し付けの運用、それはそのまま移して普通の一般貸し付けと同じように扱っていく、その中に吸収していく。吸収すると相当厳格な選別をされるということではなしに、そのまま生かして吸収する、こういうことになるのでしょうか。その辺がまた別の要素、理由から、貸し付けたわ、こげつくわというようなことになっても困るので、貸し付けば困難だ、こういうふうになると、一般の貸し付け基準というものと更生資金というものとはもともと違うのでありますから、社会の谷間の——いまはもう戦後ではなくなったかもしれませんけれども、私が指摘したように母子家庭あり、寡婦家庭あり、そして三十万円も特殊な貸し付けをして福祉対策として国が施策をしておるのでありますから、吸収するなら、その趣旨を積極的に生かして吸収するなら話はわかりますけれども、吸収したわ、厳格に選別せられるわということになれば、これは一体どういうものか。吸収にあらずして単純な打ち切り。単純な打ち切りなら打ち切りで、またこれは表から議論をすべきであります。やはり戦後の遺家族の問題もまだ未解決のものがずいぶんございますし等々しまするので、当初の設けた趣旨とはよほどかけ離れた社会の情勢だという認識に立つのではあろうけれども、やはり社会の暗い谷間に光を差し伸べるという意味において、むしろ国民公庫などは進んでもっとはなやかにこの面に役割りを果たすということがあってしかるべきでないだろうか、そういうふうに思われます。でありますから、これは私もあまり大きな論議をいたしておりません。問題としては小さい問題ですが、大事な点だろうと考えるのです。しかしかさは小さいけれども性質は重要であります。ことにたくさん未払い償還がたまっておるということは苦にすべきではございません。戦時中の被害、戦後の事態、これからきたのでございますから、いろいろなあの当時の制度から見てみましても、救援物資の実情等々から考えてみましても、そういうことにあまりこだわることなしに、進んでこれはさらに建設的に拡充するか、吸収するのならその趣旨は十分生かして吸収するというふうにぜひともせられるべきではないだろうか、これなら私はやはり生きた善政の一つの典型だろう、こう思うのです。

河野通一国民金融公庫総裁

○河野説明員 いまお話しの点につきましては、この更生資金貸し付け的なものを一般の普通貸し付けに吸収すると申し上げましたのは、普通貸し付けの中で十分に対象となり得るものに限ることは当然なことでございます。したがいまして、いま吉田先生の御指摘になりましたような戦後荒廃の中で始まったこの制度と同じような趣旨のものを今後続けていくことが必要かどうかにつきましては、少なくとも私どものお引き受けをしておる現在の制度の中ではそれは実はないわけでございます。ただお話しのございました、母子の方々あるいは遺族の方々とかそういった方々に対しては、それぞれ給付された国債を担保とする貸し付けあるいは恩給を担保とする貸し付け等の、言ってみれば社会政策的な貸し付け制度は現在でも続けておりますし、現に盛んに需要があるわけでございまして、そういう制度は制度として今後も続けられてまいるべきだと思いますけれども、先ほど来申し上げましたように、戦災者あるいは引き揚げ者という方々がその当時非常に困っておられた状態というものは、現在でももちろん続いておられる方もありますが、大体ここでそういった方方を対象とした制度はもう打ち切っていいのではないか、そうして新しい立場からさらにそういった気の毒な方々に対して社会政策的な融資ということが新しい目で見て必要かどうかについては、さらに新しい見地から検討をしていく性質のものではないか、普通貸し付けの中に当然吸収されてくるものは、これは先ほど申し上げましたように続けてその中で大いに充実していく、こういう方針にいたしてはどうかということで、先ほどから申し上げているようなことにいたしたわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 大臣がおられませんので、次官にちょっと御希望かたがた申し上げておきたいと思いますけれども、この問題は、いま申したようにかさは小さいけれどもしかし性質は重要であります。したがいまして、もう用はないんだからぶつんと切ってしまうのだという簡単なものではないと思いますので、いま総裁も申されましたごとくに、やはり別の角度で積極的に検討するというようなことをせられまして、どこで吸収するかどうか形はともかくとして、その精神、趣旨はなお生かされていく、もうなくなったんだろうということではなしに、なくなっただろうけれどもまだまだというべきものです。でないと、やはりいまでも公務死かどうかということでそれぞれの府県に申し出があって、厚生省で審査にかかるという案件が相当たくさんあると私は思う。ですから、戦争のつめあとというものは、そう簡単に具体的になくなったと判断するということは、政治としては禁物であります。政治といたしましては、やはりそこに幅を持たして相当あたたかく見ていくことが必要でないかと思われますので、形はともかくとして、趣旨もしくは根本的な政治的精神を生かすという意味において大蔵省として進んで検討せられて、そして国民公庫との間においてひとつそごのないように、解決の方法を講じられたいと思うのです。ぜひともひとつ大臣と御相談になってしかるべく事務的にも検討せられるように御希望かたがた申し上げておきたいのですが、どうですか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村政府委員 いまの点についての御趣旨はよくわかりますから、そういうような方向の線におきまして検討してまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 次に国民金融公庫と中小企業金融公庫との機能の両者の関係の問題でございます。いずれも政府系の金融機関としてはきわめて重要な使命を持ったものでございます。そこで両者の関係をできるだけ一つの点に総合的にお互いに使命を達成し得るようにできぬものだろうか。御承知のとおりに国民金融公庫につきましては、これは比較的簡単に資金の借り入れができるようであります。担保のどうのあるいは経理のどうのということもあまりむずかしく言わないというのが通常でございます。ところが中小公庫になるとそうはいかない。かなり厳格に、たとえば経理担当者がおるだろうかどうだろうかということも、これは審査対象に事実上なっておるようでございます。しかし一方また考えますると、物価上昇の今日もしくは技術革新時代に設備投資というものの金額のかさが相当大きくなってきておることは御承知のとおりであります。そこで三百万円ではどうにもいかぬというような線がかなりございます。そんならそれは中小公庫にいかねばなるまい。中小公庫にいくと、それはこっちではまだ背たけが伸びてない、そういう表現を使う使わぬは別ですけれども、まだ国民公庫を卒業しておらないというようなものですね。しかし国民公庫でお世話になっただけでは設備投資一つできない。これは幾つかの例でありますけれども、たとえば兵庫県の三木に金物都市がございますが、ここにのこぎりを研磨する機械がございます。この一枚を研削する、いわゆる横型平面研削盤と普通称しております。一枚です。つまりやすりでするのです。やすりで一枚をすっておりますが、これは安いので百万円から二百万円です。ところが今度は縦型の自動平面の研削盤といいますが、十枚固めてこうすっておるものになりますと、これは私の見た例では、機械だけで三百七十七万円、付属品その他基礎整備なんかいたしますと四百万円でできないのです。一台ですよ。ですから普通四百万円かかるのです。十枚をとぐのに四百万円かかるし、一枚で百万円ないし二百万円かかる。ところが一枚だけでということでは今日の激しい競争には耐えられない、こういうことになります。そうすると十枚研磨しなければいかぬ。この研削盤は十枚を女性一人でやれます。そしてときどき監督していればいいのです。ですから女性一人が十枚を研磨するのです。こうやってやっています。それの能率の高いことはすばらしい。しかし四百万円する。こういうことになるのです。でありますから、三百万円という限度ですね、国民公庫の金ではどうにもいかぬわけです。  さらに、それだけではいけません。最近公害問題もございますから、音のするところはお隣としかるべき距離が要ります。それで少し離れたところということになりますと、土地を買わねばならぬ。そういうことになると土地代が要ります。また建てるということになると、従来のぼろ家ではいけませんから、しかるべきものを何かこしらえなければいかぬということになって、建設費が伴ってくるわけです。こういうことになってきますと、いまの時代に即応して、のこぎりを研磨していこうといたしますと、最低やはり四、五百万円はかかります。百万円ないし二百万円では、言うなら商売にならぬのですね。そこでそういう需要を満たすために、国民金融公庫と中小企業公庫、いずれもが協力すべきではないか。しかし、一々おまえさんのほうはどうしてくれるか、こっちのほうはどうしようかということは事務的にもとても不可能でありますが、これはやはり機能を十分に発揮し得る意味において、両公庫の運用上の基本方針はそういう需要を十分に満たすということにならねばいかぬのじゃないか、こう思うのです。こういうことにつきましては、地方におけるたとえば商工会とか商工会議所とかあるいは業者の協同組合とかあるいはそれぞれのグループ化しました工業団地等々におきまして相当みんな協力して事務的に公庫との間をあっせんしたり連絡したり、そういうことをやりつつありますけれども、それでは一番肝心な金が間に合いません。向こうへいきますと、それはこちらじゃないからということになりますと、そのすきにくるのは高金利の金も使う、場合によればそういうこともあり得ます。でありますので、こういうような地域産業といいますか地方産業、特殊な産業地帯におきましては時代の進運に即応したように進歩していかなければならぬ設備投資の関係におきまして、両公庫がいわずしてその需要を満たすという使命を果たしてもらうべきではないだろうか、私はこういうように思うのです。これは少数かと思いましてあちらこちらで聞いてみましたら、どこでも行き当たっていますね。ですから、周囲でいろいろなことを世話してもらっておりますけれども、肝心のそういうことになりますとかなり厳格な面が中小公庫にあります。中小企業公庫にいたしましても、こげつきのような貸し付けになっても困りますから、あるいは峻別なさるかわからぬけれども、いずれにしても伸びるべきものを伸ばすということが両公庫の使命じゃないだろうか。伸びようとするのだけれども、まだ若干手が届かぬぞといって落とされてしまうということになると、中小企業の悲哀はいつまでも続きます。労力不足、設備が悪い、収益が上がらず生産性は上がらぬから、みんないじけてしまう、こういうことになるわけです。それならば、大きなところは伸び、小さいところは切り捨てていこう、こういうことになります。それをずっと広げていきますと、昨年一年に中小企業の倒産一万ありというようなことを東京の商工会議所も発表しておりましたが、こういうようなことにも発展するのではないだろうかということも連想するわけであります。ですから、その機能を両者がお互いに話し合うというのではなしに、方針としてその需要を満たすというふうに落ち度なくすることはできぬものだろうか、こう思うのですが、これは中小企業公庫と国民金融公庫の両方から御答弁をお願いしたい、こう思います。

河野通一国民金融公庫総裁

○河野説明員 中小企業金融公庫と私どもとの間の業務の分野といいますか、この問題について御質問でありますが、第一にいま吉田先生から御指摘のように、私どもの対象といたしております小企業におきましても、その設備はだんだんスケールが大きくなってきて、耐用年数も長くなってきておるということでありまして、現在主務官庁といろいろ御相談をして、いまの三百万円の限度では実情に合わないという点が出てまいっておりますので、少なくとも設備資金についてはもう少し限度を上げてもらいたいということで現在いろいろ御相談をいたしております。ことに二年前に発足いたしました環境衛生金融公庫が、これは事実上は私のところで受託業務をお引き受けして大部分やっておるわけでございますが、窓口が同じ窓口でありますのに、このほうは企業の規模としては小企業であっても、設備について千万円まで貸せるということになっておるのであります。これらの間の権衡等も考えなければなりませんし、いま御指摘のように非常に強い業者の方々からの御要望もございますので、金額についてどの程度がいいということはなかなかこれは申し上げられませんけれども、ある程度限度の引き上げはぜひ行なう必要がある、かように私どもは考えて、現在主務官庁といろいろ折衡いたしておる段階でございます。  第二点の中小企業金融公庫と私どもとの間の問題につきましては、これはお互いにいろいろなルール等もつくっておりまして、できるだけ一方で重複は避けながら、しかも一方でブランクといいますか空白地帯が残らないようにという配慮で、その間の問題の調整ははかっておるわけであります。しかしながら、いま御指摘のような、場合によりましてはそういうふうな中間に空白的なところが残っておるということが現実にありますならば、それはどちらがそれを取り扱うことがいいか、これはいろいろ具体的に相談をしてまいらなければなりませんが、そういうことのないようにしてまいらなければならぬと思っております。私どもがいまの承知しておりますところでは、そこがブランクができて非常にぐあいが悪いということをそう強くは実は聞いておりませんけれども、ただ、いま申し上げましたように、私ども自体の限度を引き上げることをいたしますれば、そういう問題はある程度は解決できるのじゃないかと考えておりますので、それらの問題とあわせて善処をいたしてまいりたい、こう考えております。

佐久洋中小企業金融公庫総裁

○佐久説明員 ただいまの吉田先生の具体的な事例について私存じませんけれども、確かに設備資金として三百万円をこえる場合には国民公庫としては扱いにくいという点はまさにそのとおりだと思うのであります。そこで中小公庫の場合には、御承知のとおり融資の制度として直接貸しと代理貸しという制度がございます。直接貸しは確かに相当規模を持った企業で金額も相当張りますから、審査などもかなり厳重といわれ、場合によっては非難を受けるくらいの審査をいたします。金額の少ない場合は大体代理貸し制度を御制用いただいておるので、代理貸しの場合にはその銀行との取引が日ごろございますので、大体業容がどういう状態になっておるか、もう銀行で把握しておりますから、直接貸しほどの審査とかむずかしさはないと思います。現に現在の残高の金額として六〇%は代理貸しから融資されております。一件の平均でも四百七十万くらいですから、かなり金額の小さなものも扱われております。  なおただいま中小公庫と国民公庫との間の連携調整にもっと意を配れというお話でしたが、これは河野総裁からいまお話があったとおりでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは数が多くて、そして個々は無力で、団体的な力というふうにまだ十分に大きな成長はいたしておりませんということでございますから、これからもやはりできるだけ落ちなくこういう空白も埋めていくように、金融機関としての使命を全うしていただきたいと思います。これも御要望申しておきます。  それから次に、今度開発の関係になるわけですが、開発銀行にお尋ね申し上げたいのでありまするが、開発銀行は、従来業務報告書などを見てみましても、その使命が国際的に大きな任務を果たしつつあるということがよくわかります。国内におきましても、かなり大きな貢献をしておられることもよくわかるのであります。言うならば、一流企業が大きくクローズアップしてといいますか、一流企業に何か偏重しておるんじゃないだろうかという感じを受けるのであります。偏重しておるという見方が少しやぶにらみであれば、これは取り消してもいいんでありますけれども、私はやはりこの業務方法書などに書かれておるところの地域開発の問題、それから特殊な地域の産業の問題、こういった方面につきまして、金融の補完的業務を全うしていただきたい、私はこういうことを強く思うのであります。地域開発の面から申し上げますと、これは三十九年に、地域開発につきましては、工業整備特別地域というものが与野党一致で通過して立法化したことは御承知のとおりであります。この地域開発がおりからの社会開発の中核的な任務を帯びて、すばらしく発展しつつある地方もございます。あるいはところによりましては、行き悩み停滞しているところもなきにしもあらずでございます。これを思いましたときに、やはりぶつかってくるのが資金計画の問題でございます。兵庫県の事例をとってまことに恐縮でございますけれども、兵庫県における工業整備特別地域は、三十九年に発足して十一カ年計画と思いますが、県財政から六千八百億円を投じて、地域開発の推進をするということの計画が進みつつございます。また、関西電力あるいは電源開発などが合計しますると百万キロになりまするが、新たに発電所を現に設置しつつあります。一部動いております。そうして私の住まっている付近だけでも十二カ所ですか、工業団地ができます。そういうことになりますので、瀬戸内の埋め立ては、神戸製綱のごときは六百四十万平米、それから川鉄あるいは川崎電気などですね、そう大きくありませんけれども、やはり十二、三万平米の埋め立てをやります。海の埋め立て等々をいたしまして工業地域をつくる。陸地は十二カ所の工業団地ができる。発電は火力発電でありますけれども百万キロ出す。こういうふうに進む体制で、県は六千億円から投じるということになりつつあるわけです。  そこで、そういう方面に対しまして、開発銀行といたしましては、地域開発の資金にワクがございますから、積極的に地域開発における資金需要の実態をお知りになって——知っておられると思いますけれども、さらに具体的に精密に御検討になって遺憾なきを期していく、こういうふうにあってしかるべきではないだろうか。さっきも申しましたように、中小企業がずいぶんございますが、中小企業にいたしましても、これは個々でなくとも、たとえば団体ですね、あるいはまた、協同組合とかあるいは工業組合ですが、法人化したような組合の方法もあるわけですから、単に五千万円以上とかの中小企業の範疇に入らないという、そういう個々ではなしに、あるいは一億円の資本を持っているものもございましょうし、しますので、やはり団体的にそういうふうな可能な面があるし、そうすることが工業団地を育成し、つくっていく一つのねらいになっております。工場のグルーピングなどを見ましても大体そんな方向に進みつつあるわけでありますから、そういうことになってきますと、地域開発の面における開発銀行の任務が相当大きくなってくるのではないだろうか。そうしてそれは大阪に支店はありますけれども、ほかに支店もなし出張所もなし、開発銀行はどこか遠いところのような感じがしております。これはとんでもないことで、もっと身近にこの地域開発の計画と取り組んでいくという姿勢で、そうして中小企業金融公庫あるいはまた国民金融公庫などとも適当に連絡するという手を打ってしかるべきではないかと思うのでございますが、どういうふうにお考えになりましょうか。

石原周夫日本開発銀行総裁

○石原説明員 最初の日本開発銀行の融資が大企業に偏重しているではないかということにつきましてまずお答えをいたします。  大企業に偏重してやっているつもりはございませんが、国際競争力ということもございますので、やはり相当大きな企業というものが当然対象になっております。ただしかしながら、いまお話しのございましたような地域開発でございますとか、最近はだいぶ社会開発的なものもございますので、必ずしも大きなものにばかり貸しておるわけではございません。資本金十億というところで線を引いてみますと、最近における地域開発におきましては、八〇%が資本金十億円以下でございます。それから金額にいたしまして六割二、三分が同じく十億円以下の企業でございますから、したがって、地域開発の面におきましては、先ほどお話しございましたような中小公庫もおられますし、あるいは組合関係になりますと商工中金というのがおられますから、おのおのそういうような機関においてやっているわけでありまして、私どももそういうような機関とのなわ張りをきめております。それからのところにおきましては、いま申し上げましたように、相当地元の中規模企業に対して融資をいたしているということもまず申し上げていいかと思います。  全体の地域開発の融資は、先ほどお話がございましたように、工特地域について申し上げますと、お話しのように三十九年度から工特地域が始まっておりますが、工特地域に対する三十九年度から四十三年度までの貸し付けの累計額は二百二十四億五千万円という金額に相なっておりまして、私どものその期間における地域開発の融資総額が一千八百十七億でございますから一二%程度になっております。  なおこのほかに、御承知のように新産都市でございますとか、あるいは産炭地でありまするとかあるいは低開地域でありまするとか、いろいろな、私どもが地域開発をいたしまする関係の、おのおのの法律を持ちます融資がございまするので、そういうものとのにらみ合わせでございますが、大体一二%程度が工特地域に金が出ている、こういう状況でございます。  いまお話のございました地域開発に対する支店その他の関係でございますが、私どものほうは、北陸、中国、四国、九州、その四地域につきまして御承知のような地域開発の促進法がございます、その地域開発促進法に基づきまする地域開発の融資に対しましては、これは金沢である、広島である、高松である、あるいは福岡であるというところに支店を設け、出張所も山陰とか鹿児島に設けてあるわけでございますが、それ以外の地域につきましては、いまお話がございましたように、工特地域でございますとかあるいは各地域内におきまする未開発地域でありますとか、そういうようなものにつきまする事務はやはり近いところの支店で扱いをいたしておりますので、お話しのように、播州地域ということになりますと、大阪支店ということになるかと思います。しかしながら、そういうことでありまするために、工特地域に対する融資を怠っているわけではございません。これはできるだけ私どものほうの支店といたしまして、地域開発の課も持っておりまするし、そういうようなほうに十分力を入れてやってまいっておりまするし、今後も十分気をつけてやってまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから同時に地域開発の関係からも来まするが、最近の地域の特殊産業、これは全体の国際競争力の増強の趣旨にも通じ、あるいはまた設備の近代化等にも通ずるわけでございまするが、地元産業といわれておるいろんな特殊産業が日本にはございます。これがともしまするとやはり中小企業の弱点ばかりを漸次背負い込むというおそれがございます。でございまするので、この点は中小公庫あるいは国民公庫もさらにこれに向かっては積極的に取り組んで、その融資の使命を達成されると思いまするけれども、これもものによっては貿易の関係がございます。したがって、やはり貿易振興の点から見ましても、あなたのほうの地域開発と同じような特別なワクはお持ちなんでありまするから、貿易につながるような地元産業、地域産業につきまして——これはやはり時代の進運に沿って進んでいこうという、こういう姿勢にあるのがずいぶんございます。一例を申しますると、繊維産業につきまして染色というのがございまするが、機械染色は今度の特繊法の改正によって新たに承認を受けるようでございますけれども、機械染色にあらざる先染めとか糸染めというものは、これはまた膨大な量にわたっております。こういうものをやはり、関連産業でございまするから、構造改善の線にのせるというのが、今度のいわゆる近代化促進法ですか、あれの改正のねらいのようであります。この改正の暁には、それぞれクローズアップしてくるのかと思いますけれども、いずれにしても、問題はやはり資金面であろうと思うのでございます。特に資金面となりますととうしても——これは一例でありますけれども、先染めの染色等につきましても、中小公庫とかあるいは中小企業振興事業団あるいは設備近代化資金、こういう三本のようでございますけれども、中には無利子のものもある等々いたしまするけれども、やはりこの種の産業に対しましては、ちょうど繊維の、あなたのほうの実績もあるようでありますから、繊維の一例といたしまして、この染色が脱落しましたら、ほかの地方の小さな繊維業は構造改善が成り立たぬそうであります。あなたのほうの実績は、これは報告書によりますと、五件七億円ですか、こういうような報告書が出ておりますが、おそらくこれは一流の紡績会社でないかと思われます。設備近代化あるいは古い設備の廃棄等々に伴う資金のようでありますが、どうしてもこれは、この選に漏れておるところの中小のものが、あなたのその選に入り得るような体制を用意して進んでいく、これは可能であります。これはまた構造改善の一つの必須の条件になっておりますので、組合が法人化するとかあるいは大きく団体をつくるとか、あるいは国際競争力増加等々の計画を立てる等によりまして、通産大臣が承認するそうでありますから、そういうときには、これは開銀の立場から、他の金融とこれも協調をされまして、そうしてそれを推進する補完金融の任務をそこに見つけていく、こういうふうにせられることが適切な方法でないか。たまたま繊維につきまして五件七億という報告もありますので、この問題を取り上げた次第です。これは非常に重要な課題となっておりますので、これにつきましてもぜひとも善処していくべきだ、こう思うのですが、いかがなものでしょう。

石原周夫日本開発銀行総裁

○石原説明員 繊維の関係につきましては、ただいま吉田委員のお話のございましたように、構造改善の法律がございまして、この法律に基づきまして私どものほうは紡績関係をやっておるわけであります。ただいま四十二年五件七億とおっしゃいましたが、正確には六億五千万でございますが、その金額は構造改善の紡績関係につきまして出ました金でございます。これは、構造改善の法律が通りましてから準備に若干時間がかかりましたために、四十二年度はいまお話しのように五件七億というふうにとどまっておるわけでございますけれども、実は四十三年になりましてこれがだいぶ具体化をいたしまして、三十九件四十八億六千万円、約五十億の金を四十三年度になりまして融資をいたしております。今後もまだ引き続き出てくるかと思っております。いま申し上げましたのは一般資金と申しますか、地開の資金でございませんで、いわゆる体制整備のほうから出ました金でございますから、これ以外に、地方開発のほうの資金から四十二年度で三十件二十三億八千万円、四十三年度で二十五件二十五億二千万円という金が出ております。これは構造改善は御承知のようにある条件があるものでありますから、その条件に入りませんものを、紡績に限りません、織布、染色以下、合わせまして出しておるわけであります。  なお染色の点につきましては、いまお話しございましたように、四十四年度からは新規に体制整備の一環として取り上げることに相なっておるわけでございます。ただこれはグルーピング、あるグループをつくるということが条件になっておりますので、目下主務官庁を中心にして、どういうような規模であるかとか、その他の条件を御相談をいたしておるところでございますが、これがきまりました上でどういうような融資をいたしますか、いずれ要綱がきまりました上で、吉田委員がいまお述べになりましたように、できるだけ融資でございますとか、そういうような十分効果があるようなことを考えてまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと聞き漏らしましたが、いまの染色の場合は、機械染色はともかく、私が申しておるのは糸染め、先染めのほうでございますから、それは当然含んでいただく、こういうことを申しておるのですが、それはいかがでしょうう。

石原周夫日本開発銀行総裁

○石原説明員 私いまおっしゃいます先染め、糸染めの関係がどうなっておるかということにつきましては十分承知をいたしておりません。規模の関係、いまおっしゃいますような関係、あわせまして、あれは新年度から特別の利息がつく関係もございまして、相当条件は厳格にきめなければならぬと思っておりまするから、その点はきまりましたときにまた申し上げる機会があったらと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 終わりに臨みまして、あなたのほうの三金融機関、商工組合中央金庫、これは市中銀行などと違いまして、やはり政府系の金融機関としまして、別の使命にあるものと私どもは考えておりますので、この意味におきまして、お互いに補完するということは特に望ましいのでありますから、その点開発銀行におきましてもしかるべく積極的な姿勢で、そういうふうに運営されんことを強く御要望申しましてきょうは質問を終わっておきます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十分散会

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