決算委員会 第12号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/04/24
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十三年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。 これより審査に入ります。 質疑の通告がありますので順次これを許可いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 大蔵大臣、この前の当委員会の経過は御報告を受けておられると思うのです。実は若干の問題を質問したところが、大臣も主計局長も出席ができなくて、次長さんに言っておったのですが、その答弁で私は了承できないので、あらためて権威ある見解を伺いたいと思ってわざわざ御出席を願ったのです。 そこで、こまかいことは御報告があったと思いますので、要点だけをまず申し上げますが、まず第一点は、内閣から国会への提出書、昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件が書いてあって、右、日本国憲法八十七条二項及び財政法第三十六条第三項の規定によって事後承諾を求めるために国会に提出する、そうなっておりまして、憲法第八十七条第二項は支出ということになっております。財政法三十六条第三項は支弁ということばを使っておる。なお財政法の三十五条は使用ということばを使ってある。そこで、この財政法は憲法八十七条第二項を受けているわけなんですが、使用、支弁、支出、どうもはっきりしないと思うのです。そう考えてきたときに、この付託書によって当委員会はいま案件になっておる四十三年度については三件をやっておるわけです。したがって、この憲法第八十七条二項と財政法三十六条三項を見た場合に、われわれの行なおうとする事後承諾は何に与えるべきなのか。そういう疑問を持っているわけなんです。それをまずひとつ御説明願いたい。
○福田国務大臣 田中先生から憲法、財政法にわたる法律的な詳細にわたる御質問がありましたことを伺っております。ところが、私も法律の専門家じゃないものですから、一生懸命理解するようにつとめてはみたのですが、御承知のように、昼間は朝から晩まで委員会に出頭しなければならぬ、また夜は夜で国務を処理しなければならぬ、こういうようなことで十分そしゃくしきれないのです。そういうようなことで、私からこのむずかしい田中博士の御質問に対して御答弁をすることはできませんが、御質問がありましたので、大蔵省また法制局、いろいろ検討はいたしておりますので、ひとつそちらのほうから答弁をいたさせます。
○荒井政府委員 ただいま参りまして、御質問の趣旨をよくつかんだかどうかわかりませんけれども、もし足りなければ補足させていただきます。 財政法三十六条第三項で「内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」というその承諾は、何を対象として行なわれるのかというお尋ねが一つあったということでございますが、その点につきましては、財政法上はそれらの予備費の使用についての承諾を求めるということであると思います。
○田中(武)委員 いやいや、それは問いをもって問いに答えたということだ。まず憲法八十七条第二項には支出となっておるんですね。また財政法三十六条の第三項には支弁となっているわけです。それから使用ということばを使えるならば、三十五条に使用ということばが出ておるわけですね。したがって厳格にいうならば憲法八十七条二項の支出と財政法三十六条三項の支弁とは内容が違うのではないかと思うのです。したがってここに出てきておる使用総調書等はこれは財政法三十六条三項に基づくものだと思うのですが、ここに二つ書いてあるでしょう、憲法と財政法とが。一方は支出について事後承諾を求める、一方は支弁した金額についてと、こういうことになっておるんですね。三十六条のインデックス、見出しには、なるほど使用調書ということばが使ってある。しかし厳格にいうならば支弁調書でしょう。使用調書じゃないでしょう。使用ということであるならば三十五条にそのことばを使ってあるわけですね。したがってまずこまかいというか基本的に言うならば、支出と使用と支弁、これがどう違うのか。それに基づいて憲法八十七条二項の事後承諾を求めるというものの内容は何なのか。さらに財政法三十六条三項の、承諾をわれわれが与えるのは一体何なのか。こういうことで一つの承諾を求めてきて、われわれは一つの議題として議案として一本で承諾を与えるわけです。ところが憲法でいっているのと財政法でいっているのとは同一問題ではないじゃないか、一つの問題ではないじゃないかという一つの疑問を持っているわけなんです。したがっていまからわれわれが審議をし承諾を与えるのは一体何に対して承諾を与えるのかと伺っているわけです。その対象がなければいまから審議して承諾を与えるといったってどれに与えるかわからない。多分ここに出ている、これだと思う。これは財政法三十六条第三項にある使用総調書だと思う。これは厳格にいうならば使用総調書ではなくて支弁総調書となるべきじゃないかという疑問もあるわけです。そうでしょう、条文から見てごらんなさい。使用ということばは、それではどうかというと、さっきも言ったように三十五条に使用ということばが使ってあるわけですね。これはおそらく内閣内部の処理規定でしょう。三十五条は行政の内部の処理規定だと思うのです。そうしてみると、これはいままで何の気なしにここ二十年間か何かやってきておるんだけれども、与えた事後承諾の内容は一体何なのか、その性格は何なのかということに若干の疑問がわいてきた、そういうことなんです。
○船後政府委員 憲法八十七条による予備費支出についての国会の事後承諾の手続を規定しておりますのが財政法三十五条と三十六条、かように解しておるわけでございます。したがいまして、この憲法の要請するところの予備費に関連する国会の承諾は、財政法三十五条、三十六条の手続を経たものである。したがいまして、この財政法三十六条の第三項にございますとおり「予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」ということが、憲法八十七条二項の要請を満たしておる手続である、かように解しておるわけでございます。 ところで、憲法の用語と財政法の用語と違うのじゃないかという問題でございますが、その点につきましては、国会の承諾を求めますのは、予備費といういわば一種の財源留保の性格を持ったものでございますが、その予備費から何らかの予算の不足に充てるために使用を決定する、これは三十五条の手続でございますが、この使用を決定いたしまして、それによって新たな項の金額ができる、あるいはすでにある項に金額が増加される、そういった行為があったものを三十六条で受けまして、そういう予備費からまかなった金額というものを国会の御承諾を求めるということでございますので、三十六条にいうところの「支弁した金額」というものは、結局財政法三十五条にいうところの予備費の使用の金額と同じ意味である、かように解しております。
○田中(武)委員 そこで、ここの三十五条に使用ということばがある。これは内部規定だと思うのです。内部で大蔵大臣がどうとかこうとかという、こういうことですね。ことばの使い分けとしては、三十五条は使用書となっているのですね。三十六条は使用調書、調という字がちゃんと入っておるのですね。これは見出しがそうなっておるのです。しかし内容を見ると「支弁した金額」ということになっているのですね。そうするとわれわれがやろうとするのは、財政法三十六条三項によるならば、支弁した金額の調書ということになると思うのですね。そうでしょう。ところが憲法八十七条の二項は、支出ということばであらわしてあるわけです。その支出ということが、財政法では二条ですか、に書いてあるが、これとは意味が違うとも思われるわけですね。そうすると、憲法でいう支出と財政法でいう支出とはまた意味が違うんじゃないか。だから、憲法八十七条第二項の支出というのは一連の行為だと思うのです。もっと広いと思うのです。言うならば、三十五条も三十六条も全部ひっくるめたところの財政の処理、予備費の処理だと思うのですね。その手続だと思うのです。こちらのほうは支弁した金額。そうしたら、性格が違うんじゃないかと思うのですね。どうなんです。
○荒井政府委員 憲法八十七条で書いておりますところの支出は非常に大きい観点からものを見ておりまして、要するに国会の議決に基づいて包括的に設けられた予備費というものを現実に使うことができるんだ、それが内閣の責任で行なえるんだということを書いておりまして、その予備費を、大きくいいまして現実化するという手続でございますけれども、それには特定の歳出目的を限定して計上されていないという意味では、まずその目的を限定し、いわばその新しい項の創設ということ——歳出の国会の承認ということは、項という形で行なわれますけれども、その項に相当するものを創設するという行為と、その創設された項が、現実に、各省、各庁の長に配賦されて、その配賦された新しい予備費が現実に使用し得る予算化されたもの、それをもってその歳出の需要に充てるという行為と、二段がまえの行為が必要になると考えられるわけでございます。それを財政法の三十五条と三十六条とでは、それぞれ、使用ということばで表現し、その使用によって現実化され、その歳出予算の項と同じような立場において配賦されたものを財源として、その予算作成当時予見されなかったような経費の需要に充てるという行為をするものを支弁ということばで言いあらわしておりまして、財政法でいう予備費の使用あるいは予備費をもって支弁ということばは、憲法八十七条でいう支出ということばと異なる用語で表現されておりますけれども、それは手続を分解し、憲法の規定を順守する財政法の規定として、これを明確な手続の上に乗っけるというために書かれた規定であるというふうに考えられまして、その間に何らのそごはないというふうに考えております。
○田中(武)委員 手続上そごがあるとかないとぼくは言っているのではなしに、憲法のほうの八十七条の支出というのは幅が広い。それには、財政法からいうならば三十五条のことも三十六条のことも入っておるのではないか、そういう感じがするわけですね。しかし、現実に支出、使用、支弁と使い分けてあるならば、ぼくはそれに対する明確な区別がなければいかぬと思うのです。 そこで、私の言わんとするのは、大臣、ここで私はいじめるとか、そういうことでなくて、真剣にお互いに検討する必要があるのではないか、こう思っているわけなんですがね。前にぼくが疑問として一つ提出した、予算総則十一条に基づく使用総調書、財政法にそういう規定がないじゃないか、こういうことを申し上げた。これなんかも含めたのが憲法八十七条の二項じゃないのか、そういうふうにも思われるわけなんです。そして予備費使用総調書、これは一般各省庁のやつも含むんだ、こういうことの議論はあとにいたしまして、それから特別会計の予備費使用総調書、これが三十六条三項じゃないか。それを三つひっくるめたのが八十七条二項じゃないのか、そういう感じもするわけなんです。それはそれとして——大臣、それはここでやってもけりがつかぬと思うのです。大臣もいまの法制局ないし次長の答弁を聞いておられて、はっきりとおわかりになるかどうか、私も疑問なんです。私自体も、答弁がどうもすんなりとしたと思わぬわけです。 そこで、これもひとつはっきりと法制局なら法制局で、支弁とはこれこれをいう、使用とはこれこれをいう。それから、財政法の三十六条の見出しにはなるほど使用調書ということばを使ってある。だから、財政法三十六条の一、二項は作製等で、事後承諾を求めるのは三項なんですね。したがって、ここには明確に「支弁した総調書及び」こうなっているから、使用というより支弁というのが、財政法上、ことばとしては適当ではないか。それに、使用と支弁とがどうなのかということで、もしそれならば、一方の財政法上のことばを改めるということを検討するのも一つの手だろうと思うのですが、どうも支弁した金額とはっきりうたってあるのに、一方において使用総調書というのはおかしいじゃないですか。一緒だとするならば、三十五条に使用ということばが出ておる。それをよく見てみると、三十五条は使用書となっている。一方は使用調書、調べになっておるのです。これなんかの使い分けも私は何か基礎があるのだろうと思うのです。そういうことの説明がいまできますならば伺いましょう。そうでなかったら後日に譲ってひとつ御検討願って、いま言ったようなことについてひとつ文書か何かで書いていただきたい、そういうような気もするのですがいかがでしょう、大臣。
○荒井政府委員 ただいま田中委員お尋ねの中で、財政法三十六条では予備費使用調書の作成というような見出しがついているんだということを一つの根拠にしてお尋ねがございましたけれども、この財政法は昭和二十二年にできました法律で、見出しはないわけでございます。それは何か法令集の編さん者がそれぞれの法令集で違う見出しをつけておりまして、有斐閣の六法だとか大蔵省財務協会の六法だとかでみんな違うわけでございまして、財政法独自の規定として国会でつくられた条文としての見出しはないわけでございます。 それは別といたしまして、いま予備費の支弁というものがどういうふうに違うかという点、有権的な解釈を下してもらいたいということでございますけれども、予備費の使用というのは、予備費を憲法八十七条の規定に基づきまして支出する場合に、先ほど申し上げましたように、その支出の目的というものが、予備費においては国会の議決の段階できめられていない、包括的に計上されているというものを、その目的をつけ、一つの歳出の項としてつくる必要がある、そのいわば既定の項の予算金額を増加する措置というものをまずとらなければならない。それが財政法第三十五条にいうところの予備費の使用であるということで、それは間違いないところだと思います。 そのようにしていわば歳出予算の項の追加という形で計上され、それが各省庁の長に配賦されましたものを財源といたしまして、それを引き充てとして現実の歳出の需要に充てるということ。すなわちそれは憲法八十七条にいう予備費の支出の最終段階にあたりますけれども、それを行なうことが財政法第三十六条の支弁でございまして、その最終行為を完了した調書について承諾を求めるということは、その最終行為を完了する前提として歳出予算の項の追加をして、それに基づいて支弁をしたというその一連の手続といいますか…。
○田中(武)委員 ちょっと待てよ。それなら大蔵省のこの間の答弁とはまた違うぞ。
○荒井政府委員 そういう財源とするのは先ほど申し上げましたように支弁ということでございまして、その最終行為を行なったその内容たる調書というものを提出して承諾を求めるということであると思うのです。
○田中(武)委員 いまの答弁はこの前の次長の答弁と違いますよ。いまの答弁は、支弁ということは現実の支出のような感じを受ける答弁をしている。私の言っているのはまさにそうなんですよ。このカッコのところに使用調書とあるけれども、中身は使用調書ということばは使っていないのです。したがってこれはあとからつけたもので、いわゆる国会の承認を得たところの法律的手続をとられていない。そうすると、なおさらこの本文がほんとうの法律である、見出しは違うというなら、ここには使用総調書とせずに、支弁総調書とすべきである。普通のそのままの条文、三十六条は支弁した金額の調書云々と書いてあるでしょう。使用ということばは本文に一宇もないわけです。 それから先ほど法制局のほうは支弁を現実の支出のような答弁をなされた。これは違うのですね。これが現実の支出なのかということになってくると、これまた問題が大きくなってくるわけです。問題が違ってくるわけです。 そこで大臣、こんなことはやめておきましょう。大蔵省と法制局とが違った答弁をしたり何かしたら不細工です。そうすると私はそれに食いついていきますから、一波は万波を呼んでますます混乱した議論になる。したがって大臣、どうでしょう。こういう問題について統一見解というか、それを大蔵省と法制局の間でぴしっとして、支弁とは何ぞや、使用とは何ぞや、支出とは何ぞや、こういうことを次回までにひとつ文書でいただきましょう。そうでなければ、これはやっておると突っ込んでいきますよ。いったらあなた方の答弁が支離滅裂になってくることははっきりしておる。現に違った答弁をしている。だから大臣からそういうことについて総括した答弁をいただいたら次に行きますよ。
○福田国務大臣 私、いま政府委員の答弁を聞いておりまして大体わかるような気もしますが、田中委員においてはわからない、こうおっしゃいますので、なおこれは正確な文書にしたためまして御回答することにいたしたいと思います。
○華山委員 関連して。憲法の条文と第三十六条をちょっと見ますと、考え方が現実にもう出した金、そういう感じを受けるのです。私はそれでも困ると思うのです。それはたとえば予備費で款項目をつくったとしても現実に出すのはずっとおくれる、そういうこともありますからそれでも困ると思うのです。どうも支弁したというふうなこと、憲法の規定等を見ますと、いま法制局のほうでそうらしいようなことをおっしゃったのですけれども、どうも出した金だけ承諾を得るのだ、こういうふうにも見えるのです。それじゃ困るのですが、その点法制局はそういうふうにお考えになっているのですか。最終的に出した金とおっしゃるから、そうすればちゃんと切手を切って支出も済んだ、その金を承諾を求めるのだというふうにも聞こえるわけです。その点法制局はそういう意味でおっしゃったのではないというならひとつ…。
○船後政府委員 財政法で支弁したということばを使っておりますのは、財政法十二条に別にあるわけでございます。「各会計年度における経費は、その年度の歳入を以て、これを支弁しなければならない。」というところと、いま御指摘の三十六条のところでございます。この場合財政会計法規の体系におきましては、支弁という用語はある財源から金を払い出す、引き出すという意味、現実の金の支払いという意味ではなしに、リザーブされました財源、ともかく財源から金を引き出すというような、平たく申しますと何々をもってまかなうというような意味に使っておるのでございます。先ほど法制局のほうでお答えになりましたのも、憲法八十七条にいう支出と予備費の支出という行為を分解いたしまして、新たに項の金額を決定するということと、リザーブされました、留保されました予備費というそういった包括的な財源から金を引き出すということの二つの行為を分解いたしまして、この三十五条と三十六条に書き分けてあるというだけでありまして、現金支払いのところまで言っておられる意味じゃございません。
○田中(武)委員 もう大臣がああいうふうに言われたのだからやめにいたしましょう。議事録を調べたら、現実に支弁したという受け取り方の発言をあなたはしているのです。法制局のほうはしていますよ。議事録をあとで調べて何ならやってもいい。しかし大臣がそういうことで言っておられるのだから、私もとういう概念法学的な文言だけをとらえての議論をどこまでもやる気はないんです。しかしやろうとおっしゃるんならやりますよ。大臣がそうおっしゃっておるんだから、一ぺん書いてごらんなさい。そうして了解がいくのかいかないのか、その上でまた論議をする、そういうふうにしたほうがいいんじゃないか。大臣もそうおっしゃっているから、そうしましょう。まだ言いわけをするんなら聞きますが、それは議事録に残っておるのですよ。取り消せとか、そういうことは言いません。それでいいでしょう。 じゃ、委員長、次に入ります。 ————◇—————
○中川委員長 次に、昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 大蔵省所管について審査を行ないます。田中武夫君。
○田中(武)委員 次にもう一つ疑問として出しましたのは、いま私が写しを持っているのは四十二年度の決算書ですが、形式といいますか、フォームが必ずしも一定しておらぬということを指摘したわけです。 と申しますのは、たとえばこれは特別会計の弾力条項について、同じように一般会計から使った、そういう場合に、文部省の国立学校特別会計ですか、それには予算総則の規定による使用額という欄があげてあるわけだ。ところが、これは現実に昭和四十三年には使用したけれども、四十二年にはないんだからあげていない、こういうことも言えると思うのですが、建設省の道路整備特別会計の決算につきましてはその欄がないわけです。これからはこれにいま申しましたような予算総則の規定による使用額という欄を設けることにしております、というようなことであるらしいですが、私は、これは現実に使ったときはあげるが、使っていないときはあげないということも考えられるけれども、そうなれば、決算書を見た場合、全部ゼロでも欄があるわけなんです。使っていなかったらゼロであげても、その欄があるわけです。そうなれば、こういう決算書においても、必要な欄を設けて、その年にたまたまなければ上から下までゼロでいいんじゃないか、一つの統一したフォームにこしらえてはいかがですか、こういうことを申し上げたのですが、このことは大体結論が出たかね。
○船後政府委員 御指摘の四十二年度の場合には、文部省の国立学校特会におきましては、具体的に予算総則十一条による弾力条項を発動した。他方、建設省の道路特会ではそういうことがなかった。したがいまして、決算書の様式が変わっておるわけでございます。しかしその記載方法が不統一ではないか、弾力条項を使わなかった場合においても、その欄を設けてゼロという表示をしたらどうかというような御意見と思いますが、その点につきましては、弾力条項の扱い方の一環といたしまして、さらに検討いたしたいと存じます。
○田中(武)委員 ということは、大臣、これはおあずけしておる問題とも関連するわけですが、どうも弾力条項の処理のしかたと予備費の処理のしかた、これは財政法には、一方は基礎がある、一方はない等々もありますけれども、こうして一つの議案としてまとめて出てきておるのに、どうも感じが違うのじゃないか。したがって、これは提案なんですが、私は全部同じようなフォームにして、たまたまその年になければゼロ、ゼロ、ゼロでいいじゃないですか、こういうことを言っておるので、あっちを見てこれがあるのに、こっちはどうかなということで、実は繰っておるうちにそういうことに気がついて、調べてみると、なるほどその年はたまたま弾力条項は働いてなかった。そういうことであるけれども、やはり同じような性格を持たし——これは法律的には違います。法律的には違いますが、一括して議案として出てきている以上、同じように取り扱う意味においても、やはり予備費は使わなくたって、欄があってゼロ、ゼロであげるわけです。ではひとつ大蔵省のほうでそういう型をおつくりになっておやりになったらいかがですか、こう申し上げているわけです。だから、それは前の問題とあわせ検討していただくということで、ぼくはいいと思うのですが、どうでしょう。
○福田国務大臣 さようにいたします。
○田中(武)委員 もう一つは、これはちょっと問題が違うのですが、いま問題になっておる天下り人事とか特殊法人の役員の給与とか、そういうことに関連をするのですが、その前に、これは海堀次長からある程度の答弁を得ております。これを確認する意味において、あるいは大臣に一つ二つの提案もしてみたいと思う。 その一つは、まず政府機関、いわゆる特殊法人、公共企業体関係労働法の適用を受ける三公社を除いて、いわゆる公団、事業団等の職員の給与が、実際問題としては——いま春闘で一万何ぼの要求を出してストライキもやったりしておる。ところが最終的には人事院勧告を待って一般公務員の給与のアップ率がきまる。それがきまったあと、これに右へならえというかっこうが従来とられているわけです。そこにいささかの疑問を持ったのです。というのは、一般公務員と政府関係機関の職員とは性格が違う。その職員団体、一般的なことばでいう労働組合、これも法律上の扱いが違うわけなんです。いうならば、政府関係機関の職員団体、労働組合は、労働三法、憲法の労働三権の保障があるわけです。ところが、これが実際問題としてから回りになっている。それはなぜかというと、これらの使用者、理事者側といいますか、これと交渉をやってみても、結局は予算、主務大臣の認可、許可、最後は大蔵大臣、こういうことになるわけで、それで縛られておるので当事者能力がない。そのことは、それぞれの事業団、公団等の単独法において、大体において主務大臣の認可を受けるとか許可を受けるとかいうことばで縛られておるわけです。ところが一方は、憲法の保障する三権がから回りになる、たとえば団体交渉権が。そういうような問題について、一体どう考えるのか。これをひとつ検討し、いわゆる当事者能力を持たすようなことを考える必要があるのじゃないかということが一つなんです。 もう一つは、これは何回か問題になっておりますが、高級官僚がこれらの特殊法人へ再就職する、もちろん役員として。その役員給与は、事務次官、いわゆる一般職の公務員の最高を上回ること相当な金額である。同じ一つの企業体の中にあって、役員はいままで、たとえば次官、局長をやっておったときよりか、再就職した場合にうんとベースアップせられる、現実において四十七万とか。三十六万程度のやつもありますが…。職員のほうの給与は、最初は一〇%ないし一五%くらい一般公務員よりか上回るということで出発しておりますが、自後は人事院勧告に従っての右へならえということになる。その辺のところに役員と職員との給与の問題、ことにこれは何回も申し上げているが、百分の六十五という一カ月の退職金の積み立て等々を見た場合に、あまりにも職員の待遇と役員の待遇は違うのじゃないか、この辺にも一つの問題があるのじゃないか、こういうことを考えるわけなんです。 そこで、第一点は、労働三権のうち、たとえばこれはストライキもやれるし現実にやっておりますね。団体交渉権を保障せられているにかかわらず保障にならない、これが空回りしておるという結果になっておる。また労働三法の適用を受けるのだから、法律上は紛争あるときには労働委員会のあっせん、調停、仲裁までも受けられることになる。ところが実際は、これは仲裁になろうと思いますが、労働委員会が仲へ入ってみても予算云云ということでどうにもならぬという、空回りになるという問題、ここにおいては完全に労働者の権利、憲法によって与えられた労働三権が空回りしておるということ、このことについて一つ検討する必要がある。 さらに、いま言っているように、役員とそして職員との間に待遇、給与、退職金等において大きな開きがある。それでいいのか、そういう問題。 それとあわせて、これは何回も申し上げておりますが、いわゆる高級官僚の特殊法人への、天下りということばは適当かどうかしりませんが、俗に天下りと言うておるもの、これはもっと何らかの方法で制限する必要があるのではないかということで、これは決算委員会の委員長を中心にわれわれももっと真剣に考えようと思っておりますが、たとえば一般の公務員が民間にいわゆる天下る、民間の会社へ行くような場合は、これは人事院規則によって人事院によってチェックする、承認事項になっておる。ところが公社、公団の場合にはこのチェックがない。そこでこれをいわゆる制限に関するといいますか、チェックする方法。 それから、給与についてもこんなに大きな隔たりが、一般職の国家公務員の最高、次官との関係においてあまりにも高い。もちろん特に日銀総裁だとか、これは七十万ですが、そういうのは別としても、それは例外を設けるとしても、一定の給与を制限する、これこれをこえてはならないとか、もちろんそれは原則であるから例外もあり得ると思いますが、そういう問題。 それから、退職金が、これは輸銀か何かが出発だったと思いますが、百分の六十五毎月積み立てる。それがあとからできるいろいろな特殊法人がこれに右へならえしておる。これはどう考えても多過ぎる。これは民間からいい人を得るために民間の役員、重役の退職金に合わしたというが、これは一ぺん民間の退職金がそういうようになっているのかどうか——それはその会社のもうけ高によっても違うだろうが、とてもそこまでいっていないのじゃないか。 そういうようなことについて、総括して各種特殊法人の役員の就任といいますか、給与の制限に関する法律とかなんとかいうようなもので規制をしていくという行き方、いまこれは大きな一つの世論になっておりますので、考える必要があるのではないか、こういうような感じを持っているのでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 まず、高級官僚のというお話の問題ですが、公社、公団というものができる、これはいわば官庁の延長的な色彩を持つわけであります。しかし、これに対して、その運営を最も合理的に効果的にやらなければならぬということを考える場合に、これはもう全日本的な角度からその役員を選定すべきことは当然だろうと思います。そういう際に、その性格からいたしまして、官庁において多年蓄積を積んだ方が選考の対象になる、これは自然の勢いであろう、こういうふうに思うのであります。ですから、私は、高級官僚というか、公務員が公社、公団の役員になる、これ必ずしもそう排斥すべきことではない、それ自体、そういうことはあって当然のことであろう、こういうふうに思います。 ただ問題は、田中さんもそうお考えになられると思うのでありますが、問題はそれに伴って弊害が出てくるか、こういう問題だろうと思うのであります。その弊害、つまり役所によって何かそれに関連して、役所の仕事の執行が曲がった筋になってくるとか、そういうことがあっては断じて相ならぬわけでありますから、その点は規制するというか、お互いに十分気をつけていかなければならぬと思う。 それから、そういう公務員が公社、公団に就職した場合における給与の問題です。これはいまでも大体におきまして大蔵大臣と協議してきめるという仕組になっておりまして、大蔵省におきましては一つの基準をつくっております。その基準は公務員の給与、総理大臣、国務大臣、法制局長官だとかあるいは政務次官、事務次官、また外局の長官でありますとか、また局長でありますとか、さようなものを参考にし、それとのバランスを考慮しながら一つの基準ができておるわけでありまして、そうそう大きな格差というか、不合理は現状ではないように考えるのでありまするが、退職金とか何とかいう問題は、これはなかなか判定がむずかしい問題でありまして、議論の存するところかとも思います。さようなことからそういう問題につきまして、なお今後とも気をつけていかなければならぬ。 そこで、まず公務員の公社、公団に対する就職、これに対して一つの規制を要するかというと、私は、現在そう大きな弊害を認めておりませんので、各省大臣が気をつけますれば大体できることだ、こういうふうに考えるのであります。 第二の給与の問題につきましては、特に退職金の問題というようなことを中心に、なお検討してみたい、かように考えております。
○田中(武)委員 大体に局長、次官になる人は有能な人である。そういう人に、人材を登用という意味において、政府機関で退職後もいままでやってきた経験なり知識を生かしてやってもらうということは、私はこれ自体を排斥しておるのじゃないんですよ。しかしこの間もちょっと申し上げたのですが、たとえば防衛庁の元幕僚長が住宅公団の総裁になったり、もとの警視総監が農地開発公団の総裁になったりというのはどうも納得がいかないんですよ。 それからこの前大臣にも申し上げましたが、極端な場合には役員のポストにA省から何名とかB省から何名というようなことがあるということ、これなんかも私は問題があり、納得がいかない。 さらにもう一つは、やはりそれらの政府機関に働く職員の将来の希望ということもあるし、それは年限がそこまでいっていないから、まだそこにいくだけの経験のある人が少ないのだということもあろうが、できるだけ職員を役員に登用していく、こういう道を開く必要があるのじゃないか、そういうことも考えられるわけです。 それから一つの重要な地位の高級役人が、公務員が退職すること、勇退することによって、その下請人事のように、Aが勇退をしてB公団へ行った、したがってB公団のいままでの総裁がCの公団、特殊法人へまた移るというような、人事交流も悪くないと思いますが、そういうような人事が行なわれておる。こういうような、一般が見てどうも当然だとは考えられぬ問題があるわけなんです。 そういうことについての一つの改革、再検討が必要ではないかということと、もう一つは、先ほど言っているように、これらの職員のベースアップについては、人事院勧告、すなわち公務員に対する勧告に右へならえである。ところが役員については別個の方法で行なわれておる。たとえばまあ大臣認証官をとりましても、公社、公団の総裁、理事長の給料と比べて、大臣を上回る者はたくさんあります、あるいは公正取引委員会の委員長等も認証官ですよ、これを上回る者もたくさんある。こう考えた場合に、ある程度の制限——これも民間から人材を登用する場合、これは従来のその会社において得ておった待遇とあわせ考える必要がある。しかし、役所から行く場合に、いままでもらっておった次官なり局長の給料よりうんと上回る、これは確かにあるのですよ。そういうことについてはひとつ考え直す必要があるのじゃないか。そういう意味において、仮称ですが、政府関係機関、特殊法人の役員の採用というのか、就任というか、そこまでいくかどうかは別として、就任、給与等に関する法律といったようなものをひとつつくって、もちろん特にそういうことで押えることができない、押えないほうがいいという人には特例を設ける、あるいはそういうことが正しいのかどうかという、あるいは給料を改める場合に、あるいは人事について適正かどうかというために、その法律の中に何とか審議会とかいうようなものを設けるというようなことを内容とする一つの法律を考えてもいいのじゃないか、そういう気がするので申し上げているわけなんです。もう一度御答弁をお願いします。
○福田国務大臣 いま実際問題としますと、たとえば公社、公団につきましては、大蔵省ではA、B、C、C、D、E、こういうふうにランクをつくって、そのランクごとに四十七万以下の給与をきめておるわけでございますが、Aランクなんかになりますと、天井の四十七万ということになるわけです。同じ総裁でもBランクとなりますと四十一万である、こういうふうになる。それから理事長というような名前になりますと、これはCランクになるわけですが、三十六万、それからCの理事長ですと三十四万、Dランクの者でありますと三十二万五千円、こういうことになり、理事というふうになりますと、高いところは二十九万五千円から低いところになりますと二十三万円というところまであるわけであります。大体調整をとっておるわけでございまして、これは内規として現存いたしまして、これを順守いたしておるわけであります。しかしこれは私はいろいろなバランスでこうやっておりますが、退職金なんかになると判定が非常にむずかしいのです、ということで再検討したい、こういうふうに考えておりましたところですが、内規でとにかく厳正にやってみます。やってみまして、それでもできないという際に、また田中提案について考えてみたい、かように考えます。
○田中(武)委員 大臣約束の時間ですからもう一問で終わりたいと思います。 一問じゃなしに、もうすでに言うたことに御答弁がなかったわけですが、いわゆる職員と役員とのバランスの問題、それからもう一つは、これらの職員の団体、労働組合は、労働三権の保護を受けております。実質的には使用者側に当事者能力がないので、これがから回りしている問題、言うならば、憲法で与えられた労働三権と単独法によって縛られておる予算の問題との調整をどう考えるか。
○福田国務大臣 先ほど申し上げましたように、公社、公団というのは官庁の延長的色彩が非常に強い、そういう傾向でございますので、自然官庁に右へならへ、こういうことになっておりますが、それがいま、当事者能力との法的解釈ということにつきましては、政府委員のほうからお答え申し上げます。
○海堀政府委員 憲法に労働者の権利について規定があることはそのとおりでありますが、たとえば公務員につきましては非常に公的な使命を持っておりますので、これは団体交渉権も争議権もございませんで、給与は人事院勧告に基づきまして法律の規定で支給されておる。さらに、一般職はその人事院勧告という制度はございますが、特別職、特に防衛庁職員のごときは人事院勧告という代償の措置もなくて、ただ国会の承認を受けます法律の規定に基づいて支給されておる。それから、完全な国家使命というか、ちょっと事業的になりまして、三公社五現業というところになりますと、多少労働権のほうを認められまして、いわゆる公労委の制度によりまして措置がされている。さらに公的な使命を遂行しながらやや事業的な色彩が強くなっております公団、事業団等につきましては、一応労働三法の適用はしつつ、それを主務大臣の適正な判断である程度の規制を行なっていくということで、これはその従事している仕事の性格上、やはりそういった規制を受けざるを得ないのだろうと存じます。詳しいことは、法律立法論となりますと法制局のほうからお答えいただくのが適切かと存じます。
○田中(武)委員 いやそれは、あなたは実際のものをありのまま言っておるだけのことで、答えにはならないと思うのです。私の言っているのは、一方は憲法で保障せられた労働三権 一方は単独法の一つの条項によってからまわりになっておるような問題を、ではございますがこうでございますのでということでは、私はどうもおかしいのじゃないか。しかも、たとえば役員の給料が四十七万とか三十六万にいたしましても、次官よりか上でしょう。高いでしょう。高いはずですよ。にかかわらず職員はベースアップというか——職員は初めは一〇%ないし一五%上回るということで出発したのが、それが全部人事院勧告の政府実施に右へならえということになる。しかもそれが実施がおくれてくる、こういう問題をどう解決するのか。そうしますと、一方にはストライキ権は残っておるのです、ストライキはしますよ。そうしたら、政府関係の仕事で、あまり変わらないことをやっているのだということは、今度は違って、ストライキはどんどんやれるということだけが残ってくるのです。そういうような問題をあわせて検討する必要があるのじゃないか。交渉権はから回りになりますけれども、ストライキ権はあるのですからね。現にやっておるし、またやると言っておるのでしょう。公務員と同じような仕事をしておるというのなら、人事院勧告は、なるほど国家公務員法で争議権、団体交渉権等を取り上げた代償として置いたという、その経過はわかる。そういうような問題に矛盾が出てきませんか。事実上ストライキは何ぼでもやれるということだけが残るのですよ。だからといって無期限ストを打ってはおりませんけれども、しかしぶつことは違法じゃないのですよ。そうなってくるとある程度の弾力を持たす、これこそある弾力条項を持たしてやらなければ、ことしはどうか知らぬが、そうなってくるとだんだんと二十四時間スト程度ではおさまらない。長期ストはあり得る。ないと言うなら、私は違法じゃないからやりなさいと演説してもいいですよ。違法じゃない、扇動にはならないですね。そうなってきたら、公務員に準ずるとか、同じような仕事とかいう、いまのあなたの答弁とは全然変わった現実の問題が起こってくるわけですよ。ひとつこれも、ただそういうことだけでなくて考えてもらう、考えなくてはならない問題だと思うのです。これ以上申しません。もう大臣との約束の時間も来たから、これは大臣の答弁を求めているより、大臣に聞いておいてもらって、おまえの言うこと無理があるというなら何ですが、現実にそうなんですよ。ストライキ権だけが残るのですよ。だからやったからといって処罰も何もできないのです。適法行為、法に認められた行為としてストライキができる、無期限ストもできるわけですよ。そういうことになると思います。これは十分考えてもらう、再考を要望します。
○福田国務大臣 どうもたいへんありがとうございました。
○中川委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 大蔵省にちょっと原則的なことでお尋ねをいたしますが、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というのがありますね。この法律に基づいて、国が交付した補助金というものが正しく使われているかどうかということを、常に検証しなければならぬ責任は大蔵省にもございますね。いかがですか。
○船後政府委員 予算執行は、それぞれ所管の各省各庁の長の責任においていたしておるわけでありますが、大蔵省といたしましては、一般的に会計法第四十六条に、予算の執行の適正を期するために種々の報告を徴し、あるいは実地監査をするという規定がございます。この規定に基づきまして必要に応じ監査等もいたしておる次第でございます。
○武藤(山)委員 この法律に規定されている趣旨は、第二条にも各省各庁の長は「補助金等が法令及び予算で定めるところに従って公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない。」とあります。 それで、いま私がここで伺わんとする問題は、栃木県佐野市の都市下水路工事の問題であります。いま主計局にもちょっとごらんいただいた、昭和四十年度から四十二年度までですか、三カ年度で完成をするはずだった工事が、四十二年度までに完成しなかった。そこで事故繰り越しをやった。すると事故繰り越しというのは一年しかできないというので、四十三年度で終わるわけですね。ことしの三月一ぱいで期限切れになる。そういうような、地震や災害でなくて、事故繰り越しで年度内に完了しなかったから補助金を返すという例は、全国的にかなりあるのかないのか、大蔵省としてはどう承知されているのか、いままでの例はどうですか。
○船後政府委員 予算執行の補助金につきましても、原則はただいま先生からおっしゃったとおりでございまして、ある年度に予算がつきまして、それが明許繰り越しの規定がございますれば、明許になりますと繰り越しをいたします。ない場合には、いわゆる事故繰り越しの規定に該当する場合のみ事故繰り越しになります。事故繰り越しをいたしまして翌年度末までに完成に至る見通しがないという場合には、当然その予算の執行が不能におちいるわけでございますから、補助金でございますから返すということになるわけでございますが、具体的にどういう過去の事例があったかは、ただいま手元に資料もございませんので、ちょっとお答えするわけにはいかないのであります。
○武藤(山)委員 しかし過去に、事故繰り越しで期限内に工事が遂行できなかった。そのために補助金を返したという例はたくさんあるのでしょう。会計検査院どうですか。そういう例はありませんか。大蔵省もそのくらいのことはわかるはずだが、予算を交付するだけであとのことは全然検証していないのですか。
○船後政府委員 事故繰り越しをいたしまして、なおかつ翌年度末までに完成に至らないというのは、各省に照会いたしますれば、どのような事例がありまするかわかるかと思いまするが、主計局の段階ではそこまでは総括的に把握いたしておりません。
○武藤(山)委員 この佐野の例は、四十年度から三カ年度でやるわけのものを一年延長した。ところがどうしてもできない。この三月三十一日にできない。そこでいま市内でたいへん大騒ぎになって、市会は市長の責任追及でもめ、新聞はどんどん報道するということで、一体どうなるのか、こういうことで、きょうは、できれば建設省、自治省立ち会いの上で、こういう場合にどういう処置をするのが最も正しいのか、そういうこれからの処置についてお尋ねをしようと思ったのでありますが、大蔵省そういうことについてはほとんど各省庁にまかされているので、金は出したがそういうことについてはいままでの実例も知らぬ、こういう状況で、これは何とも答えを得られないのでありますが、それではこの適正化法の第七条の五号に、「補助事業等が予定の期間内に完了しない場合又は補助事業等の遂行が困難となった場合においては、すみやかに各省各庁の長に報告してその指示を受けるべきこと。」こうありますね。そうするとすでに一回去年繰り越しをし、またことしの三月でもうできない、地元の反対が強く、どうしてもこれは遂行できない、こういうことがはっきりしているのですから、大蔵省にもそういう連絡がすでにあってしかるべきだと思いますが、まだ連絡はないのですか。
○船後政府委員 補助金適正化法の第七条第五号の規定は、補助事業者が各省各庁の長に報告する規定でございまして、それを受けました各省各庁の長が何らかの指示をいたす場合に、場合によりましては法令の解釈手続その他につきまして大蔵省に相談があるということもございますが、御指摘の佐野の問題につきましては、実は財務局から、かような新聞記事が出ておりますという旨のただ事実の報告のみを受けました。私どものほうから建設省のほうに、事実の状況がどうなっておるか、また建設省ではどのような措置をおとりになる予定であるかといったようなことを、口頭で連絡しておるような状況でございます。
○武藤(山)委員 そうしますと、一般論としてお尋ねいたしますが、そういう期限内に完了しないから返せということになった場合に、返還する金は大蔵省にまた戻るわけでしょう。一般会計雑収入に入るのですか。何か返還金という予算に入るのですか。
○船後政府委員 具体的な措置につきましてはきまったわけではございませんけれども、あり得るケースといたしまして、四月中にこの金を返すということになりますれば、定額戻入をする措置がとれるわけでございます。歳出県のほうに返す。四月の時点を過ぎますれば、これは歳入のほうに回す。戻した場合には国の歳入のほうになるというかっこうになると思います。返納金収入になります。
○武藤(山)委員 その場合にはこの法律の第十九条のとおり百円につき日歩三銭の延滞金を取るのですか。加算金はやはり何が何でも取らなければならぬ規定になりますか。
○船後政府委員 第十九条は第十七条を受けた規定でございまして、各省各庁の長の返還命令を前提としておるわけでございますが、それがございますればやはり第十九条に該当せざるを得ない。そうでないような形で予算の返上ということが行なわれますれば、具体的に判断いたしたいと存じます。
○武藤(山)委員 そういたしますと、建設省なり県が返還命令を上から出した場合には加算金がつく。しかし命令が出ないうちに市自体が、このくらい返しちゃえば問題にならぬだろうというの一で、その計算をして自発的に市が返還する場合は加算金がつかぬと理解してよろしいのか。
○船後政府委員 非常にこまかい手続になるわけでございますが、当初建設省から交付を受けました補助事業でございます、その補助事業につきまして変更の申請を補助事業者のほうがいたしまして、それに基づいて概算払いを受けた金が不要になったので返すというような扱いがあるわけでございます。
○武藤(山)委員 概算払いが不要になったんじゃないんだ。あくまで工事は全体で三千四百六十メートルの水路をつくるわけですね。ところが、この事案は、市長と農民との間で、土手の高さをあまり高くすると耕うん機の出入りができなくなる、したがって二十センチ予定よりも下げる、そういう覚え書きをかわして円満に去年話し合いがついたものを、市長はそれを守らなかった。その二十センチ堤防を下げるのが、そのためにこじれて断固反対ということになって、とうとう年度内に事業ができない、こういう問題になった。ですからこれはやはり工事の一部七百メートルばかりがどうしても年度内にできなくなったわけですね。それで与党の森下代議士が地元なんですね。森下國雄先生が新聞記者会見で、これは事故繰り越しは一回しかできないんだから、それはもうたいへんなんだという談話を発表したわけですね。だからよけい地元では大騒ぎになって、結局国へ起債の分も一部分返さねばならぬ。補助金も返さねばならぬ。そうなれば結局市の一般財源でこの工事を完成するために出さなければならぬ、こういう問題にこれが発展しそうである。 そこで私はいろいろ聞きたいんだけれども、大蔵省だけではこれはわからぬということになってきて、もしここで三年継続のものを打ち切ってしまって、新たに残った七百メートルだけをまた新規事業として、来年度なら来年度そこだけを新規としてまた決裁をもらうことが可能なのかどうか。それとももう一回、最初の三年計画に入ったから、遂行できなかったものを新規というわけにはいかぬという判断になるのか。それによって一般の市の金を持ち出すかどうかという、市にとっては重大な問題なんですよ。大蔵省ではわかりませんな。
○船後政府委員 どうもただいまのお尋ねに対しましては直接の執行の責任である建設省がやはり判断すべき問題でございまして、私らのほうではいいかげんな返答もできませんので、答弁を差し控えたいと思います。
○武藤(山)委員 それでは会計検査院にちょっとお尋ねしてやめますが、大蔵省じゃこれは何ともわからぬから、建設省ともよく打ち合わせてどういう状況になっているか調べてください。 局長、この間会計検査院で栃木県佐野市に検査に行きましたね。その事実はございますか。
○増山会計検査院説明員 今月の十二日に検査に行っております。
○武藤(山)委員 その検査の際に都市下水道工事の問題についても進捗状況を調べましたね。
○増山会計検査院説明員 佐野市の下水道事業の検査を、全部ではございませんでしたが検査いたしております。
○武藤(山)委員 その検査をした結果、検査官から局長への報告では、どういう状況にあって、それが金銭的な国の補助の問題にどういうかかわり合いがあるという報告を受けておりますか。
○増山会計検査院説明員 検査に行ってまいりました者が実は昨日出てまいりまして、まだ十分に聞き終わったということでないかもしれませんが、一応報告を受けましたところでは、無進行工事がございまして、それが四十二年度の総合開発調整費の補助金でやっておる工事で、四十二年度から四十三年度に事故繰り越しをしておるのであるが、これが四十三年度、年度内に竣工に至らなかった。そして事故繰り越しをした経費なものですから、再繰り越しはできないということでいろいろ検討されており、地元でいかがしたらよろしいか、若干困難を感じて苦慮されておる、こういうことでございます。
○武藤(山)委員 通例の場合、検査官としては、そういう場合現地を見て一回事故繰り越しをし、その次また一年たっても三月三十一日に遂行できなかったその時点で、どういう指示を通例なされますか。
○増山会計検査院説明員 やはりこれは会計法規のたてまえ上、できてないものは、これはそれに対して補助金の支出を行なうということはいけないということを申しております。
○武藤(山)委員 それで大体うなずけたのでありますが、けさの東京タイムズに大きく、市は千六百五十万円を返す決意をしたという報道が出ているそうであります。私、電話で地元からけさ報告があったので、新聞それ自身は見てないのでありますが、そうなると、それは会計検査官が行って、年度内に遂行できなかったのは法的にはやはりまずい、どうしても補助金は返還しなければならぬぞということをほのめかしたに違いないと思いますが、そこいらの推量はいかがですか。私のそういう推量は間違いですか。それまでは返還のことは一切出てなかった。急に千六百五十万円を国に返すという新聞報道が出ている。
○増山会計検査院説明員 その辺のことは確かなところ聞いておりませんけれども、推量ということになるかもしれませんが、そういう相談を受ければ、それは支出すべきではないと答えただろうと思います。その辺のところ、確かには聞いていないわけであります。
○武藤(山)委員 そうすると検査官が行ってみても、なるほど期限内にできなかった、法的にきちっと処理するためには返還以外にない、法律のたてまえどおりいけば。しかしそういう場合何か、特別な事情、勘案すべき、情状酌量すべき特別な事由というものは何か。どういうものが特別の事由として返還をしなくてもよろしいというそういう特例は、補助金の扱い方について何かあるのですか。
○増山会計検査院説明員 いま先生が返還ということをおっしゃっておりますが、補助金の返還というのは補助金等の適正化法の十七条に該当するといいますか、非常にきびしい措置であります。その前に十六条で是正命令という条項がございます。そういうことで補助金交付を決定したということは、できるだけ目的を達したいという関係者の意向があるわけでございまして、急に返還というようなきびしい措置に至る前に、救済手段と申しますか、措置がございます。それで、私どもそういう会計法規の番人みたいな立場にありますから、そういうたてまえをくずすわけにいきませんが、本件の場合などもそういう救済の余地があるように私は個人的には考えておりまして、そういうたてまえを通しましても何らかの手段、補助の目的を達し得る道がある、そういうふうに私は考えておるわけであります。
○武藤(山)委員 適合させるような措置をとることが十六条に規定されていますね。しかし百六戸の農民が市長にだまされたというのでどうしても応じない、一たん約束したことをほごにしたものだから、市長が守らなかったために、感情問題になって、百六戸はどうしても買収に応じない、こういうことになってしまったわけですね。そこでおそらく検査官もこれはあかぬ、これは適合させるような措置をとるといっても、どうにもできぬという判断を持ったのじゃ、ないかと思うのですよ。そこで市も、これは命令が出ないうちに自分のほうから計算をして納めちゃおう、それで千六百五十万という数字が出たのじゃなかろうかと思うのでありますが、その辺はどういう状況だったか、検査官の復命書がきちっとあなたのほうへ出てないとなると、局長も責任を持った答弁ができないでしょう。だからあなたは何とか返さなくて済むような指導があり得るかもしれぬと言っているし、現地の新聞は千六百五十万と金額が出ているし、検査官がどういう指導をしたのか、そこらをひとつ確認してもらいたいのです。
○増山会計検査院説明員 おっしゃいますとおりなお十分に出張者から事情を聞きたいと思います。 返還ということばを、返さないと、というふうにおとりになったようでございますが、返還というのは交付の決定を取り消すというようなきびしい措置になりまして、それに基づいて返還ということばが出てくるわけでございます。これは返還というきびしい措置でなくて、できてないものに対して支出することはまずいということで、一応支出負担行為は終わっておりまして、市に対しても支出は終わっておりますが、返納というやわらかい意味の措置があるということでございます。 それからいま現地の事情を聞きますと、現地ではそういうような、できてないじゃないか、返すべきだというようなことは何も言っておらないということなんでございます。まあ県当局でもできてないことを調べられまして、いろいろどうすべきか考えておられたようでありまして、私のほうの担当官は現地では特別な指示はしておらない、こういう報告を受けたわけでございます。
○武藤(山)委員 そういう場合の検査に行った際に、検査官は出張旅費がちゃんと出て、原則として全部自費で宿泊したり飲食したりという規定になっているのですか。何かそのときの会計検査官は特定の料亭で、市長も出席してたいへんごちそうになったということで、新聞記者仲間が、会計検査院でもあまり信用できぬがと言って、ぼくに電話をかけてきたのです。そういうことは許されるのですか。そういう特別な事情を調査に行ったときの検査官のとるべき態度はいかがですか。
○増山会計検査院説明員 特別な調査とかそういうことを抜きにしまして、検査に行きました場合にはそういう接待は慎むように日ごろやかましく言っております。
○武藤(山)委員 日ごろやかましくしているのに、十二日、もし新聞記者が言うようなのが事実だとしたら、検査官に対して局長はどうしますか。
○増山会計検査院説明員 もしそのようなことがございましたら、事情をよく調べまして必要な措置をとらなければならないかと考えます。
○武藤(山)委員 委員長との約束の時間がまいりましたからやめます。そこできょうの質問は、建設省、自治省がおらぬと実態関係がよくわからぬということで、満足できる答弁を得られなかったわけです。したがって大蔵省もまた会計検査院も、どういう状況になっているかを早急にそれぞれの各省庁に連絡をとって、ひとつ私に御報告を願いたいと思いますが、いかがですか。——よろしゅうございますか。
○船後政府委員 建設省等関係各省と連絡をとりまして、その結果につきましては先生に御報告申し上げます。
○増山会計検査院説明員 しかるべくいたします。
○中川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時八分散会