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61回国会衆議院1969/04/15

決算委員会 第9号

発言数
122
登壇者
17
会派数
3
開催日
1969/04/15

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十三年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。  これより審査に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 いま議題となりました四十二年度並びに四十三年度の予備費の使用のあとを点検いたしてみますると、大部分が災害復旧に伴うもの、その次は食管会計の関係等が金額的には大きな部分を占めております。そこで、この災害復旧の関係におきまして、自然災害を中心として、運輸省関係、気象庁の方あるいは大蔵省の方面に若干伺ってみたいのであります。  時間の関係もありますので、気象庁の方の御説明にわたるかと思いますが、わが国の自然災害につきまして、被害の実態を、物的被害、人的被害について最近の統計を、ごくあらましでよろしゅうございますから数字だけお示しを願っておきたい。気象庁が適当かと思いますが、あるいは運輸省がこれを掌握しておるのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 気象庁といたしましては、自然災害全般につきましての物的被害、人的被害というものを、正直申し上げまして、被害そのものの統計はとっておりませんので、残念ながらいまここで正確にお答えできません。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 おそらく被害の実態は、物的被害だけでも毎年数千億円にのぼるのでないかとさえ推定いたしております。去年の八月でしたか、例の飛騨川でバスが濁流に転落いたしまして百二名の犠牲者を出したような事実、ああいうものを見るとがく然として、自然被害の重要さとこれの防止対策の重要性を感じるのでありますが、しかし、少し時を経ますと国民は忘れがちでございます。どこかで自然災害の被害の集約ができておるはずですが、この点大蔵省の主計局、どうなんですか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 被害の額につきましては、手元に資料がございませんので、調べました上で御報告申し上げます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 主計局としまして、予備費使用についての承認を一々与えておるわけなんですが、大体常識的な推定はいまできませんか。正確にはあとで資料をもらっていいですが、何かありませんか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 私どものほうで、災害関係で予算に関連のあるものでございますが、いわゆる公共災害でございますが、これがたとえば四十一年の被害報告の総額が千六百三十億、四十二年では被害報告の総額が千九百六十七億というような数字を把握いたしております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは、将来の財政の計画の面においてもあるいは予備費の使用の過去の実績にかんがみても、あるいは国策樹立の観点から見ても、非常に重要なことと思いますので、ぜひとも被害の実態を物的人的に統計のとれたものをひとつこの委員会にあてて提出するように御要望申しておきます。よろしゅうございますね。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 公共災害につきましては、私どものほうで各省から報告を受けておりますけれども、それ以外の物的被害あるいは人的被害ということになりますと、関係各省庁とも相談いたしました上で、先生のほうへまた御相談に参りたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 古来災害の国といわれた日本、災害発生はあとを断ちません。地震、台風、豪雨などあらゆる面におきましての自然災害は、これは国民の生活から見ても、文化の向上から見ても、産業の発展の将来から考えましても、非常に重要な関係がございます。そこで、気象庁の角度からして、この自然の災害を予知したり予報したりする方法は、どういう手段があるのであろうか、この辺についてひとつ、詳しくは必要ありませんけれども、要点はここだという御説明はできないものでしょうか。あるいはどういう手段を強化することによって一そう被害を減少するとか、そういうことはいかがなものであろうか。その辺につきまして気象庁のお考え方並びに現在の施設の実態、そこらをひとつ御説明願っておきたいと思います。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 現在のところ気象庁といたしましては災害を軽減いたしますためには、いわゆる自然現象の常時監視体制を一そう強化すること、それに伴いましてのいわゆる予報、注意報等の警報を適時適切に発表して、公衆あるいはその他情報伝達機関に周知せしめるというところに根幹があるのではないかと思います。その意味合いにおきまして、私どものほうでもいろいろ計画を立てまして、地上観測網のより一そうの近代化、あるいはかなり空の高い分野になりますと、上高層あるいは超高層のほうの大気の動きをよりつかむために、そのほうの観測網の充実、あるいは現在空白となっております太平洋上の観測点の整備等々、そういった観測網の整備につとめますかたわら、あらゆるこういう気象現象の把握の基礎となります研究のより一そうの推進強化等々をはかることによりまして、今後より一そう、たとえば天気予報等につきましては一そうの予報制度の向上等をはかっていきたい、こう考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは気象庁の分野かどうか存じませんけれども、気象関係が地殻の変動との関連もございましょうし、あるいは日本の河水にしろ、四面環海の状態にしろ、水との関係は非常に重大でございますが、こういったたとえば地象、水象とかいう関連におきましても、いまの気象庁の使命とか任務、機関としての働きの分野というものも相当重大に考えるべきじゃないかと思うのでありますが、その全体の総合はどこでこれをやるのがいいのであろうか、気象庁だけではなかなか手も届くまいと思いますが、しかしいずれもその三者の関係があるようにしろうとながら考えるのですが、津波あるいはまた河川のはんらん、豪雨、これは水でありますが、あるいは地震の関係は地殻の変動でありましょうか、そういうことは気象にすぐに敏感にあらわれてくると思いますけれども、気象庁はそこまで広く任務の分野、機関としての機能は活用し得るのであろうか、こんなことを思いますと、これはどういうふうに規定すればいいのであろうか、われわれとしてどう認識しておけばいいのであろうか、その辺はいかがなものでありますか。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 当庁の名称は実は気象庁となっておりますが、いまいろいろ先生御指摘のとおり気象庁という名前ではございますけれども、気象、水象、地象、すべての自然現象の把握につとめる官庁として気象庁はございます。したがいまして、地震は残念ながら現在のところまだ予知できる段階にはなっておりませんが、そういう可能性も含めましての地震の業務あるいは火山業務あるいは河川の洪水予報業務、こういったものは、たとえば河川の洪水の予報業務等につきましては建設省といろいろ共同業務をやっておりますけれども、水、土地、空気全般を含めまして一応当庁の業務として当庁はそれを総合的に発展せしむべく努力しておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 同時に地球上のたとえば陸あるいは海の関係を見てみましても、太平洋ありインド洋ありそしてまた大陸との関連、日本のような島国、こう見ますと、かなり地球全体に、陸と海との関連、それから各国との関係、そういうものが密接な連絡をとって、それぞれと情報の交換でもすることが当然行なわれておると思いますけれども、こういう分野から観察していく必要があるのではないであろうか。より一そう国際性を持った機関業務のような感じがいたされますが、としますと、これはたとえば国際連合なんかを通じまして気象観測の交換とかあるいはお互いに協力するとか、何かそういった面の作業が進んでいって、日本の災害予知、予防、気象観測を全うする、こういうことになり得るんでないだろうか、こういうふうにも考えるのですが、これはしろうとの一つの判断が加わりますけれども、どういうことになりましょうか。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 わかりやすくいたしますために話を一応気象現象だけに限りますれば、御承知のように気象現象というのは非常に広い地域の大気の動きというものから根ざしていろいろ発展してくるものでございまして、その観点からいろいろな意味合いで国際協力が必要でございましょう。先生御指摘のとおり国際連合の下に世界気象機関というものがありまして、ほとんど世界各国が全部それに加盟いたしまして相互に相協力しまして、世界的にそれぞれの地域の気象情報を相互に把握してより的確な予報制度の向上を各国ともはかってきておる現状でございます。特に最近のように通信機器が発達してまいりましたりあるいは人工衛星を打ち上げて気象をつかんでいくというような時代になりますれば、ますますそういうことで国際協力が必要となってまいります。そういう点に着目いたしまして先ほど申し上げました世界気象機関でも世界気象監視計画というものをつくりまして、これを全世界的に推進していって、全世界的に気象というものをよりワールドワイドに把握していこうという機運が高まってまいっております。日本も当然これに参加いたしまして、協力していっておる現状でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 あなたのほうから「今日の業務」というものをもらったのでありますが、これによりますと、何か五カ年計画があって、四十二年から発足しつつあるかのような——もっとも努力中というのでまだ十分に内容的な説明はないのでありますが、五カ年計画というのはあるのですか。

坂本勁介気象庁次長

○坂本政府委員 実は、運輸省の了承を得ましたが、気象庁限りでつくりました気象庁の五カ年計画というものはございます。これは、昭和四十三年度から出発いたしまして、昭和四十七年までに、観測網の充実とか研究の推進とかいろいろ気象業務の発展をはかっていこうという計画でございます。要するに、根本的には、予報制度の向上と気象情報の迅速、的確な伝達ということを目的といたしまして設定されました計画でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと主計局の次長に伺いたいのですが、どうも公共的な明らかな被害が四十一年度に千数百億円も数字の上で出ておるのですが、これは、おそらくは、民間の被害、私的被害を加えますと数倍になるものと思いますが、人的被害に至りましては、これはまた傷害等を加えたら相当なものになると思いますが、この自然の災害を防ぐということは日本の国策の一つの大きな目標になってしかるべきだと思うのですが、こういう観点からいたしまして、この技術、科学の発達しました現在、国際的な距離感がずっと狭くなりました現在、あるいは宇宙時代という、こういう空間も圧縮されたような時代でございますので、かなり綿密な周到な広い意味における気象業務というものを行政機関として確立する必要があるんでないだろうか、こんな時代にもう来ておるんでないか、こういうふうにもちょっと感じるのでございますが、そうしますと、いまあまり内容的なものはまだ整備されておらぬらしいけれども、気象庁はかなり意欲的な五カ年計画をみずから持っておるようでありますが、これはひとつ予算作成の見地から、こういった方面を充実していくということに一歩前進をする必要があるんじゃないかと思いますが、そういう態度で対処されてはどうだろうか、こういうふうにも考えます。これは、ひいてはこの膨大な災害予備費の使用を少なくするゆえんでもあるし、またあらゆる国民の福祉の被害を少なくするゆえんでもあるし、日本を災害国の汚名から救い出す道に通じるのでないだろうか、こうも考えるのでございますが、大蔵省としまして、ひとつ事務的でもいいですから、そういう辺について何かこの際に一歩前進し得るようなお考えを進める、こういうことにしてはどうかと思うのだが、どんなものでございましょうね。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 災害発生の予防、災害の拡大を防止するという非常に大切なことでございまして、災害対策基本法にもそういった基本的な方向につきまして国及び地方公共団体の努力義務を規定しておるわけでございますが、従来からこういった方向で、ただいま御指摘のございましたたとえば気象関係の業務の充実等につきましても配慮してまいった次第でございますが、なお今後とも十分努力してまいりたいと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 少し方面が変わるのでありますけれども、警察庁に伺いたいのですが、予備費の場合は、四十三年度の一般会計予備費使用総調書(その1)、組織、警察庁のところに、物的な自然災害施設の復旧に要する経費の項がございます。これと関連して、十勝沖地震による災害の経費の問題が出ておるのでありますが、最近の現象としまして、例の大学騒動の問題につきまして、新聞その他の報道によりますと、またあなたのほうで出された資料等によって見ましても、大学騒動について警察官がその警察任務に服しておる業務のさなかに負傷して死亡した事故が去年から二名あるようでございますね。ずいぶんと負傷者もあるようです。最近は、過日十二日に岡山の大学におきまして、石を投げられて警察官が死亡した。記事としても、非常に国民にある衝撃を与える記事でありますが、しかし死亡のみならず、石を頭に投げられ顔に投げられ、死に至らないような重傷者も相当あるやに聞いておるのであります。こういった面につきましては、警察官はどのような処遇を受けることになるのでありましょうか。

渡部正郎警察庁長官官房会計課長

○渡部政府委員 職務上負傷ないしは殉職した者に対する処置についてのお尋ねだと思いますが、いろいろなものがございますが、まずけがあるいは病気をした場合の医療につきまして療養補償というのがございます。これは公務員の災害補償法によってきめられているものでございますが、これによりまして補償の費用は災害補償の基金から支出されることになっております。それからまた、けががなおりましても何らかの障害があとに残るという場合におきましては、いま申し上げました同じ法律によってございますが、障害補償という制度がございます。そのほか、死亡いたしました場合には遺族の補償というのもございまして、これも同じ法律によって処置されております。  そのほか、本来の給与につきましてちょっと申し上げますと、公務によりまして負傷いたしました場合には、病気がなおるまではほとんどの給与がそのまま支給されることになっております。  そのほか、内閣総理大臣から特別ほう賞をもらう場合がございます。これは三十六年の六月の閣議決定によりまして、内閣総理大臣から特別ほう賞として功労の程度に応じましてほう賞金が出される制度になっているものがございます。  そのほか、警察庁長官の表彰といたしまして、これは国家公安委員会で表彰規則で定めておるのでございますけれども、それによりましていろいろのものが出されますが、たとえば殉職、不具、廃疾等になりました場合は、功労の程度に応じて警察庁長官の賞じゅつ金というのを出すことになっております。またそのほか警察庁長官の賞揚金というのを、これは負傷の程度に応じて出すことになっておりますが、そういう制度もございます。  以上申し上げましたのは、大体全国的な基金あるいは中央のいろいろな処遇について申し上げたのでございますけれども、そのほか各県におきましてはそれぞれ条例等をもちまして規定しておりまして、知事の賞じゅつ金が事柄、負傷の程度に応じて出されるという制度になっております。  ちょっと落ちがあるかもわかりませんけれども、一応概括的に申し上げました。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 大学騒動が暴動化するというような現象につきましては、国民はひんしゅくしております。のみならず、法秩序を維持するということは、その大学騒動の原因に対する対策とは別個の観点から国として当然守らねばならぬ重要な秩序であること、これは申すまでもございません。  そこで、その任務の一環としての警察が、このような場合に、これを特に重視すべき現象と見、あるいはまたこれに対する対策を考える、そういう特別な観点から扱うというような手は別にないのでございますか。

渡部正郎警察庁長官官房会計課長

○渡部政府委員 御承知のとおり一般の警察職員は都道府県の職員になっておりますので、給与その他の関係は都道府県がめんどうを見ていく場合が大部分でございます。ただ先ほど御説明した中にも申し上げたのでございますけれども、額はそうたいした額ではございませんが、国の立場でもいろいろ考えなければならないという趣旨を含めまして、従来長官の報償費から出しておりました公務でけがした人に対する見舞い金、これがお説のように最近大学生、学校の紛争その他によりまして死傷者が非常にふえてきておるということでございますので、その財源につきまして、報償費でございますけれども、大蔵のほうにお願いいたしまして、四十四年度の予算においては相当の増額を認めてもらっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 去年の例の大学騒動が始まりまして以来今日まで、警察官の負傷者の総数というのは全国的に大体どのくらいになるのですか。

渡部正郎警察庁長官官房会計課長

○渡部政府委員 統計が不十分でございまして、大学紛争だけの警察官の負傷者を集計したものが残念ながらございませんので、その他のいわゆる警備実施といわれておりますものを全部含めました集計しかないのでございますけれども、全体の年間の数はそういうことで申し上げられませんが、ただ最近の学校のいろいろな紛争の中で、例示になりますが、特に目立っているものだけについての負傷者をちょっと申し上げてみたいと思います。  たとえば日大の紛争、これは四十三年六月から十一月にかけまして相当長期間にわたって行なわれたわけでありますが、それが重傷、軽傷全部入れまして警察官の負傷が三百十七名でございます。うち一名死亡しておりまして、これは先ほど先生御指摘のとおりでございます。次に東大紛争でございますが、これはことしの一月に行なわれたものでございますが、この負傷者が六百八十三名という数字が出ております。それから関西学院大学の紛争におきましては、同じころ、ことしの二月でございますが、負傷者の数が二百十名。それから京都大学の紛争、これがやはりことしの一月から三月にかけてでございますが、これは負傷者が三百二十四名というような数字が出ております。  なお学校の問題だけでございませんで、警備実施一般の負傷者は羽田事件以後急増しております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 反面におきまして人権を守らねばならぬ。国民の福祉を守らねばならぬ。同時にみずからの職務を果たさねばならぬ。これはこの際たいへん重要な立場にあることはもちろんでありますので、それらにつきましては物的あるいはまた精神的あるいは死亡者に対する遺族関係等につきましては、これは遺憾なきを期して、その士気も衰えないように、適正な職務を行ない得るような体制はくずすことはできない、こう思うのでありますが、これらにつきましてあなたのほうにおいては、いまお述べになりましたような重大な膨大な被害が出ておる際でありますから、一段とくふうを新たにして進んでいかれんことを強く御要望申し上げておきます。警察庁はよろしゅうございます。  それから食糧庁関係に移りますが、食糧庁の予備費の使用は年々膨大にわたっておりますのは、これは申し上げるまでもなく、主として国内米の管理に関連する諸費用のようでございます。何しろ二兆円からのぼるところの支出に伴うのでございますので、大きくなるのは当然でございます。そこでできるだけ中間経費を少なくし合理化するということは国民の要望でもあるし、当委員会におきましてもしばしば指摘し、論議してきたところでございます。この四十二年度、四十三年度の特別会計における予備費使用総調書について見ましても、食管会計の占むる分野は非常に膨大な割合になっております。  そこでこれらの食管会計をできるだけ合理化するという観点、中間経費を少なくするという観点、こういう点から見ても効果が期待されるだろうと思われるところの例の自主流通米の制度のことでございます。これにつきまして農林省といたしまして配給米の制度であるとかあるいは自主流通米の試案等をすでに出しておいでになるのですが、大体の概要でよろしゅうございますから、まず自主流通米の構成、構造を概要だけ御説明いただいて、これと、特別会計における支出がどう合理化し、事実上節減し得る結果になるのであろうか、この関連をひとつ述べていただきたい。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 自主流通米制度を食糧庁、農林省としまして構想するに至りました動機といいますか、目的と申しますものは、最近の米の需給事情から見まして、明らかに供給過剰の状態になっておる。そういう事情のもとでは、消費者は一定の価格で一定の量を政府が標準的な配給米として分配をするということにあきたらなくなってまいっておるのであります。消費者の中には、自分の選考に応じた米を購入いたしたいという傾向が非常に強くなっておるのでございます。これに対応いたしますためには、現在の画一的統制の方式では対処できない性質のものでございますので、食管制度の根幹は堅持しつつ、消費者の選考に応じた米の流通を認めるという意味で、食管特別会計を通さない米の流通の道を認めようというものであります。  仕組みといたしましては、生産者は現在指定をされております指定集荷業者に委託をして、その集荷業者の全国団体が樹立いたします自主流通米の流通価格に従って販売をする場合には、これを食管法施行令第五条の五の改正によって合法化する道を考えたいということであります。  この自主流通米の流通については、当然食管の運営の中で行なわれるわけでございますので、農林大臣の許可にかからしめることを考えておるのでございます。生産者から販売の委託を受けた指定集荷業者またはその団体は、販売し得る相手方としては、食管法に基づきます米の卸売り販売業者もしくは農林大臣の指定する特定の実需者に対して販売することができる。卸売り業者は、行政的な指示に基づいて小売り販売業者を通じて消費者に提供をしていくということを考えておるわけでございます。  この自主流通米につきましては、事の性質上、価格については生産者段階あるいは各流通段階、末端消費者価格、いずれも格別の価格規制は行なわないという考え方でございます。  大体そういうような概要でございますが、食管特別会計との関係では、政府買い入れをいたしません結果、政府買い入れを行なった場合に生ずるいわゆる諸経費並びに売買差損というものが生じないということに相なりますので、本年の自主流通米の量は、年間約百万トンというふうに見込んでおるのでございますが、そのために、自主流通制度なかりせば必要とされる食管の経費、結果的には赤字欠損ということになるわけでございますが、欠損額の減少は約百六十億程度というふうに見込まれております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これは百万トンというのは、地域的割り当てとか、あるいは何か別の角度からして数字を固めるのですか。それはどうしてきめるのですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 百万トンというのについて、何か客観的なあるいは科学的な根拠があるかという御質問と思いますが、そういう性質で算定したものではございません。ただ現在の米の流通につきまして総理府が調査いたします家計調査で見ますると、都市消費者の家庭において非配給米の購入をしておるというものの率が全都市で約三〇%ばかりあるというふうに記帳されておるのでございます。私は、それがはたして真実の非配給米であるかどうかという点には若干の疑問がありますけれども、少なくとも消費者の意識としては、自分は自分のほしい米を買いたいのだという意思が表示されていることは確実であると思うのでございます。そういうことにいたしますと、大体選択購買をしたいという米の数量は、推算では二百万トン近いものになるわけでございますが、それを直ちに充足するというわけには私はなかなかまいるまいというふうに考えておるのでございます。百万トンを見込みましたのは、流通業界の意見あるいは集荷団体の意見等を徴しました上で、まず本年度の需給事情のもとでは百万トン程度の一般消費者向けの自主流通米の流通はあり得るであろうということでございます。また現在、自主流通の道が開かれるということで、販売業者等の団体でも末端からの希望、需要というものを取りまとめておりますが、大体百万トン前後になりそうであるということでございますので、御趣旨の客観的な計算基礎というものではございませんが、ほぼ間違いはなかろうというふうに思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それで中間経費の節減百六十億とおっしゃったのですか。そうですね。——そこで、かりに百万トンとすると、ちょっとこれは私理解しにくいのですが、たとえば北海道あり新潟あり、あるいは愛知あり福岡ありというような、地域ですね。その辺について、自主流通米は、これは価格措置というのは、生産者の販売価格も、それから卸から小売りへ、小売りから消費者への販売価格も販売価格は規制しないんですね。そうですね。販売価格を規制しないということになると、うまい米を値段を高く売れるかもしれぬですね。そうするとかりに従来の例から見て最高二百万トンと押えようとしましても、値段が高くなればそのほうへどんどん流れていくのではないか、このうまい米はどんどんと寄ってしまうのではないかということになれば、これは百万トンと思っておりましても二百万トン、三百万トンになるやら、また北海道の米はまずい、新潟の米はうまいということになれば、そのほうの米はどっと出るわけです。特に都会消費者のごときはうまい米を欲する、少々の値段にかかわらずというようなこともあり得ましょうし、等々しますと、百万トンと二百万トンの押え方が従来のそれから推算をしてされておるようでございますが、何か地域的にでも押えるめどでも立つのだろうかどうだろうか、その辺は全然野放しになっていくのだろうかどうだろうか。たとえば百姓が農協から農協へ登録しますね。値段がよさそうだから全部出してしまおうということになるのじゃないだろうか、というようなこともちょっとしろうとながら推察をされるのですが、特にこの価格規制がないというところから、それから品質に上下があるというところから、そういうふうにも考えられるのです。したがって、最終的な押えは何百万トンになるというふうな辺はわからないというのがほんとうじゃないだろうか、その辺はどうなんですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 自主流通米の本質が、米の需要の動向というものに対応して流通をする性質のものであるという意味から、お話しのように、必ずしもどれだけの量が確実に行なわれる、またそれ以上には絶対にならないというようなことを申し上げるわけにはまいらないと思うのでございます。私どもは野放しに流通をさせるという考え方はございませんで、集荷団体は現在二系統あるのでございますが、大部分、九四、五%というものは農協系統で集荷をいたしておるのでございます。ほかに商人系が約五、六%のものを集荷をしておる。この集荷団体に、末端の集荷業者がこういうふうな自主流通の販売計画を持っておるというものをまとめさせまして、そうして地域的に販売計画というものをつくったものから、全国的な自主流通米の販売流通計画というものを立てさせ、それについて農林大臣が政府の需給計画に支障がないかどうかという観点とにらみ合わせまして、承認をいたしました範囲内で自主流通を認めようという考え方でございますので、全く野放しにするという考え方はございません。ただ、御指摘のように、自主流通米に流れ得る米の適格性というものは、第一には消費者の需要動向に合うものでなければならないということと、それから一定の市場条件が必要であると思います。したがいまして、全国どの県でもあるいはどの地方でも同じような率で自主流通米が販売流通するというようなことではなく、ある程度地域性が出てくることは必然的なことであろうというふうには思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 もともとは生産の増大と政府の保管米がどっと予想外にふえてきたということに、一つは端を発したかと思います。もう一つは、中間経費をどうして節約するかということにもあるんではないであろうか。食管会計の合理化という面からも立案されたものでないだろうかと考えるのですが、そこで、たとえば中間経費にいたしましても、トン当たり金利を加えたら約一万四千円になるような御説明を聞いたのでありますが、そういうような中間経費の節約ができるということ、いま百万トンについて百六十億が節約になるというようなお話なんでありますが、野放しにしないとおっしゃるけれども、ある程度野放しにしなければ自主流通の実は伴ってこないのではないかとも考える。あまり窮屈にしてしまったら、それなら管理しなさいということにまたなってくるのではないだろうか。事実小売り販売の登録もなくしたり、価格もきめないでいくということになるんですから、およそ自然の流通現象的な観点から百万トンと押えておっても、どっとふえる可能性もある。窮屈にすればまたそうでなくなる可能性もある。といって政府が管理し、保管料も出し、運賃も出す等いろいろなものを出すということでいくんですから、これは食管会計の立場から見たら、当然合理的な前進になってけっこうでありまするけれども、あまり窮屈にしたらうまくいかぬし、といって野放しにするとほんとうはできないんじゃないだろうかということにもなって、結局だんだんとくずれてしまうのではないか、食管会計の基本を堅持しながら、食管制度を堅持しながらとはいうものの、ほんとうはくずれていくんじゃないだろうかというふうにも考えたりするんです。これは少し思い過ぎかもしれませんけれども、要するに、食管会計の観点から消費者の立場あるいは生産者の立場、配給機関の立場等すべてを全うしようという意図があることには間違いないと思うのですけれども、どうも数字のつかみ方がはっきりしないというふうにとれるのです。これはあとの議論になりますけれども、大体においていまは百万トンぐらいで、幾らふえても二百万トン以内で規制していくだけに、政府は行政指導をしていこうということで臨んでいかれるのですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 食糧管理制度というのは、申し上げるまでもなく国民食糧の確保、国民経済の安定のために政府が責任をもって米穀の管理をするということでございますので、したがって、自主流通米制度の道を開くということを考えましても、いかなる事態にも備え得るだけの政府の管理体制をくずすわけにはまいらないと思うのでございます。でございますので、自主流通米といえども、先ほども申し上げましたように、その流通の量あるいは販売先、配分のルートというものは政府の統制のもとに置くという考え方でございます。したがって、その間に、自主流通の実際の運営についての行政指導が加わることも当然避けがたいことであろうというふうに私は思っておるのでございます。  なお、流通量につきましては、私どもは予算上百万トンというふうに見込んでおりますが、それが百万トンぴったりになるかどうかということは私にもわかりません。やってみなければわからぬことでございますが、この数字が大きく上下に変わるというようなことは、まずいまのところそういう可能性はないようでございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許可いたします。華山君。

華山親義日本社会党

○華山委員 この前の決算委員会で、次長がおいでになったのでそのときに伺ったことでございますけれども、当面の重要なことでございますので長官からもひとつ伺ってからもひとつ伺っておきたいのですが、農民にとりまして非常に重要な当面の問題は予約概算の問題でありまして、今度自主流通米と政府が買い入れる米との二つになります。したがって、それが決定するのは検査のところにいかなければわからない。そういうことになりますと、概算払いというものは、自主流通米とそうでない政府の買い入れるものに区別して出すというわけにいきません。出さないならば全体に出さなくなるでしょうし、出すならば全体に出す以外に方法はない。しかし、決算的立場からいいますと、初めから相当の分が予約のとおりにならない、予約が解約されるという考え方に立たなければならないわけです。そうすると、全体に出せないというふうなことにもなりますので、私はそれを心配いたしまして、出すべきだし、また、出すことにつきましてあとから決算上かれこれ文句の言われないようにちゃんとしておきなさいということを申し上げたのでございますけれども、長官といたしましても、法令その他の整備をされて、予約の概算は全部について出す、こういうことを長官からも当面の問題でございますので確かめておきたいと思うのですが、いかがでございますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 自主流通の制度を開きましても依然売り渡し申し込み制度は継続するつもりでございます。御指摘のように、事前売り渡し申し込み、通称予約制度というものは、米の収穫期以前にすることでございますので、その段階でどれだけの量を自主流通に回し、どれだけを政府買い入れを申し出るかということはまだ決定をいたしておりません。したがって、農林省といたしましては、農家の保有量を差し引いた数量の範囲内でならば、無制限に予約を受けつけます。受けつけました予約については、生産者が希望する限り全量について予約概算金を支払います。検査を受け、いよいよ販売の段階になりまして、これだけのものは自主流通に回すということに相なりますと、これは政府への売り渡しの量の削減をする必要がございますので、政令の改正によって、その場合には市町村長に申し立てれば、政府売り渡しの数量というものの削減ができるということにいたしたい。その場合に予約金は、いわば通常の場合、つまり政府買い入れの場合の予約金は手付金的性格を持ちますが、自主流通に回す分については一種の融資の性格を持つように相なりますから、したがって、適当な金利を付して返還をしてもらうということにする考えを持っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 その点、金利の話は私、伺いませんでしたけれども、新しいこととしてわかりました。大蔵省のほうにお聞きしたところが、大蔵省のほうも農林省の方針を認めていられるようでございます。ひとつそういうふうな方向で進んでいただきたい。金利につきましては、私、それでいいというわけじゃございませんけれども、いま全部についてやれないということになりますとたいへんでございますので、その点だけひとつ念を押しておきたい。  もう一点だけ。これは私、どうもわからないのですけれども、酒米ですね。酒米をなぜ自主流通米にしたか。酒米というもの、あれは財政的に一般会計に影響ありませんね。それが入れてありますのですが、ああいうものは自主流通米にしなくたっていいのじゃないか。自主流通米にしないでおいたほうが、中小の地方の醸造業者のためにもいいし、それからひょっとすると寡占の形態が出てきて、酒の代金が上がるというふうなことを考えられますので、いまからでもできることでございますから、酒の米は自主流通米に移さないほうがいいのじゃないか、私はどうもそういうふうに考えられてしかたがないのでございますけれども、いま改められませんか。次長は改められませんとこう言っておりました。次長としてはそうだと思いますけれども、ちょっと長官に御再考をお願いしたい。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 自主流通米の基本的な考え方は、先ほど申し上げたようなことでございますが、元来食糧管理の立場からいたしますと、酒米のような工業用原料は、国民食糧の確保、一般国民の生活上必須な食糧としての米、それに不安がある場合には、きびしい統制のもとに入れるべきものであろうと思いますが、そうでない事情、需給の緩和した事情のもとでは、むしろ食糧管理の立場からすれば、統制の対象としては第二次的なものであろうと私は思うのでございます。そういう考え方が価格の上にもあらわれておるわけでございまして、酒米については御指摘のとおりコスト価格で売っておりますから、食糧管理特別会計はまず損得はない。赤字の原因にはなっていないわけでございます。そういう性質のものは、私はむしろ自主流通米に最も適格な米であるというふうに思うのでございまして、むしろ自主流通米ということから、実質的に好適な酒米の確保ということが、需要者と生産者との間で契約栽培的な性格に持っていくことのほうが安定するはずである。また必要な質の、必要な量の米が安定的に供給できるようになってくるはずであるというふうに思うのでございます。  ただ二十数年にわたりまして政府が管理をいたしまして、米の配分量ということが酒の生産量を規制しておるという形で、やや本末が逆になった形で生産規制というものが行なわれておったというふうに理解いたしますが、その点につきましては酒造行政の立場からいろいろ御研究を願っておるようでございますし、また酒米の手当てにつきましては、私どもも国税庁と十分連絡をいたし、また全酒造業界の団体と集荷団体との協議というようなことで、各県ごとの売り渡し量の全国的な調整というものも実行させ、また私どもそれを指導していきたいというふうに思っております。  なお政府が買い入れました米の中で酒造好適のもの、また掛け米のごときものは通常の品質のものでよろしいと思うのですが、そういうものについて、一部の酒屋さんに原料の手当てに困難があるというような場合には、もちろん政府からの売り渡しもあわせて考えるつもりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 関連ですからこの程度にしておきますけれども、モチ米の二十万トンについても、一体現実に二十万トン実質売ったのでしょうけれども、いま日本で二十万トンの米で、ああいうモチ米の需要というものが満たされるとは思われない。相当のものはやはりいままでのやみ米で出ておるのではないかというふうにも考えられますし、このやり方いかんによっては、またいろいろな業者の口実になるとは考えませんけれども、モチ米を使うお菓子、そういう面にも影響があるのではないかというような気もいたしますので、物価の点から考えますと、モチ米や酒米というものは、やはり理屈はおっしゃるとおりでしょうけれども、ひとつ統制のもとにしばらく置かれたほうがいいのではないかというふうな気もいたします。ひとつよろしく物価に影響のないように慎重に御処置を願いたい。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 食糧庁はよろしゅうございます。またひとつ別の機会に伺います。  自治省の所管ですけれども、消防庁に伺いたい。  新潟県下の集中豪雨の際、職務遂行中死亡した消防団員の賞じゅつ金支給を、予備費で出しております。この消防団員は民間から任意に出まして、任命の形式をとりますかいたしましても、かなり払底をいたしておりますのは事実でございます。消防団員をそろえるということはなかなか容易でないのが最近の現象でございます。そこで消防団員が、団の、たとえば消防作業あるいはこれに関連する作業に動員をかけられて、そして職務中に、職務によって死亡した、こういうふうな場合には、この殉職に対しての経済的な報いは大体どういうふうな形になっておるのですか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 消防団員等が公務に従事した場合、これによりまして殉職する、あるいは傷害を受けるといった場合におきましては、一般的には公務災害補償といたしまして、消防団員等公務災害補償等共済基金から補償を支払っておるのでございます。特別の場合——特別の場合と申しますと、災害の場合に危険を顧みずに職務を遂行いたしまして、その結果殉職をされる、また不具廃疾になられまして、功労があった場合におきまして、消防庁長官が特別功労章とかあるいは顕功章または功績章を授与して表彰いたします。表彰いたした場合におきましては、賞じゅつ金といたしまして最高二百万、最低五十万の額を支給することといたしておるのでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 その経費は、これは国費ですか。これは例の消防組織法の十五条でございましたか、あの規定からくるのかと思いますが、これは国費でございますか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 消防団員は、これは市町村の非常勤の特別職公務員でございます。いわゆる地方公務員特別職でございます。でございますので、一般の公務の災害補償は市町村が払うのがたてまえでございます。しかしこういった災害の性質上、全国的に共済的に行なう必要がございます。そういう意味で全国的に基金を設けまして、そして支払っておるのでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 基金は、これは何の基金ですか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 消防団員等公務災害補償等共済基金と申します。これは特殊法人でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 基金の財源はどういう構成ですか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 市町村の掛け金によってまかなっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 だから結局市町村の負担に帰する、国の負担にあらず。これは市町村の災害の防止、火災その他の防止に当たる役でありますから、それは市町村の財源によってまかなうということも、それもわかるのでありますけれども、としますと、市町村の条例でその地方、地方は額をきめるということになっておるようでありますね。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 ただいま申しましたように、基金で支払う場合におきましては、掛け金をとっておりますが、その掛け金は、もちろん市町村はその財源から払うわけでございます。この場合、市町村の財源といたしまして、地方交付税で掛け金の額を見込んでおるわけでございます。もちろん一般財源でございますが、その基礎的な額といたしましては、交付税に見込まれておりまして、市町村に負担をかけないというふうなたてまえになっておるのでございます。またこの補償につきましては、もちろん条例できめられるわけでございますが、これにつきましては全国的に消防団員の公務災害補償の額を一定にする必要がございます。そういうわけで、政令でもって補償の基礎額を定めておるのでございます。本年度、四十四年四月一日からは、団員が最低千五百円、最高が、消防団長におきまして二千三百四十円という、これは基礎額でございます。その死亡の場合におきましては、いわゆる千日分でございますので百五十万、二百三十四万円が支払われるというふうになるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最近の交通事故なんかによりましても任意保険——強制保険にあらざる任意保険に入って保険給付を引き当てておるような事例によりますと、死亡者に対して五百万円はざらであります。その上さらに自賠法によりまして補償されておる、こういうことになりますので、人間の生命が最高二百万円という規定のしかたは、少し時代錯誤じゃないか、こう思うのですが、その辺はもっと引き上げるということにしなければ、とかく消防団員というものが、大体において無償、労務供出、地方におけるそういう一つの奉仕的な業務、こういう観念すらあるわけでございますので、したがって、ただいまのような農村地帯あるいはまた地方の小さな市あたりにおきましては、だんだんと団員が少なくなる、影が薄くなりつつあるのは目に見えるようであります。機械化の時代でありますからそれもいいかもわかりませんけれども、しかし、どうもその辺がもう少し生命を大切にするという観点からすれば、一時金にしろ年金にしろ、もっと増額することが適当ではないかというふうにも考えられるのでありますが、最高二百万円にしておるというのは、あの屈強な若盛りの、家計の柱を失うというような家庭にとってはたいへんな打撃だと思いますが、その辺については大蔵省あたりとも積極的な折衝をするというような案でも持って臨むようなことはなかったのでしょうかね。どうなんですか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 御指摘のように、補償の基礎額が非常に低いということでございますが、市町村は、ただいま申しましたように条例を定める場合は政令の基準に従って制定することになっております。その政令でわれわれが基準として示しておる額が、先刻申し上げたとおりの額なのでございます。実は、この政令を最初につくりました昭和三十一年当時におきましては、最低三百七十円から最高七百六円でございました。それがその後、四回にわたって増額改定を行ないまして、先ほどは四十四年四月一日からの額を申し上げたのですが、その以前までは最低千三百円、最高千九百八十円であったわけであります。これを四十四年四月一日から適用する政令を改正をいたしまして、いま申し上げた額にいたしたのでございます。もちろん人の命が最高二百三十四万円というわけではないのでありまして、補償基礎額を設けるにあたりまして、大体同種の職務、類似の職務を遂行する警察官の給与というものを一つの標準といたしまして、警察官になってから三年ないし五年の巡査の日額の金額、これを大体標準にしてきめまして、そうして団長に及ぼしておるわけなのでございます。私たち、決してこの額が適当である、十分満足すべき額であるというふうにも存じておりませんが、そういった関連もございまして、今回、先生御指摘のようなささやかではございますが、補償基礎額を増額をいたした次第なのでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 一々、日当を払ってするというのでなくていいというようなものの、こういう時代でございますので、しかるべき労働収入の日額をきめるというふうな方向に積極的に進んでいくのでないと、消防団の目的とするところがだんだんと影が薄くなっていくのではないかという心配さえないわけではございません。さりとて消防署の常勤の人のみをもってその任務を全うできないことは当然でございますので、この辺のことも十分にお考えいただいて、大蔵省とも折衝せられて、さらに補償あるいは救じゅつ、報償ないしは賞じゅつ金などの額、遺族の補償、遺族の年金、そういったようなものにつきましても一そうこれを充実強化していく必要があるのではないかと思われますので、一段と善処せられんことを御希望申し上げておきます。消防署はそれでよろしゅうございます。  それから、総理本府の関係になるかと思いますけれども、具体的には厚生省の関係か、あるいは外務省の関連になってくるかと思いまするので、これらのいずれかにわたると思いながら伺ってみたいのでございます。  過日、私は海外技術協力の医療協力の視察にちょっとタイに行ったのでございます。外務省の方やら厚生省の方とともに行ったのでございますが、たまたまタイに山田長政がかつて日本町をつくったというその地で、その史跡を顕彰するという一つの目標を持った事業の管理の立場におる人ですが、向こうで医者をしております中山という方でございます。この中山武男さんという方は、出征して、インドとビルマの間の山の中で少数の一隊で終戦を迎えたそうであります。そこでみんなばらばらになっちゃって、命からがらタイに逃げ延びてきた、こういう方であります。のどにはたまを横に貫かれたあとがあり、腕もたまでやられて、足も剣で傷つけられたという人で、医者であります。こういう人でございますが、旧軍人には間違いない。戦争に行ったことも間違いない。終戦を外国で迎えていまなお生きておる。ただし、これが日本人の籍があるかどうかにつきましては、いま大使館のほうに問い合わしておるのですが、まだ回答が来ておりません。したがって、籍をタイに移したかもしれません。  こういう人がございますので、こういったような場合に、旧軍人の戦傷者としての扱いで、しかるべき補償はできないものかどうか。何の補償のあともなさそうでありますが、国籍を日本から失ってタイ国にあるというふうになりますと、どうなるのであろうか。かりにタイ国にありといたしましても、そのような間違いのない一つの功績と申しまするか、戦争の大きな被害者と申しまするか、そういった人がおるし、山田長政の事跡の顕彰ということになりますと、日タイ関係の国交の親善の上につきましても有効な効果をあげ得ることも間違いなく、そういったことに努力している人でございます。例を、たまたま個人の名をさして悪いのでございますけれども、中山武男と申しまして、現にかの地で医師をしております。  こういった人でありますが、国籍のいかんによって結果は違うかと思いますが、大体におきまして厚生省並びに総理府は、このような人に対する報償と申しまするか、救援と申しまするか、何かの手はないものであろうか。国はそれに報いる手はないものであろうか、こう思うのですが、どうしたものでしょうかね。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○大屋敷説明員 ただいまのお話の旧軍人の処遇でございますが、これは恩給制度といたしましては恩給局がやっております。それから、そのほかに援護法関係の援護というのがあるわけでございます。  恩給について申しますと、先ほどお話のございましたように、国籍があるかないかというのがやはり支給条件になっておりますので、ただいまのお話によりますと、この点がはっきりしておらないようでありますが、もし日本の国籍をお持ちでございましたら、恩給権が発生するということが考えられるわけでございます。

山縣習作厚生省援護局援護課長

○山縣説明員 厚生省で所管をいたしております戦傷病者戦没者遺族等援護法も恩給と同様でございまして、国籍がこちらにあります場合にはなお請求の道は残されておると思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 国籍がタイ国に移っておるとかりにいたしましても、しかし戦争に参加した軍人であったことと、重大な戦傷病者でありますることと、もしくは、それはその後受けた傷かもわかりませんけれども、私的な傷とは思われませんし、同時に外交的な将来への大きなプラスになるような事業に参加しておる人、こういうことでございます。出生地も茨城県の石塚町でございまして、それも明らかでございますが、何かそういったような人がなおほかに多く散在しておるのではないだろうか、こうも思われるのです。そしてその人に対して何かあたたかい手を国が差し伸べるという手段があるならば、同時に、これはこの人のみならず、国交親善の上におきましても、あるいはまた多数の他の報われない未帰還者等におきましても、これは相当プラスになる一つの道が開けるのでないだろうか、こう思われるのであります。したがいまして、もし現在の法律の制度上この人に対して何かの報いる手を差し伸べること不可能なりとかりにいたしましても、これは外交的手段かその他の行政手段か等によりまして、方法を発見するという努力は必要でないか、こう思うのであります。外務省所管かとも思いますが、それぞれの関係省庁は横に連絡をとってこの種の問題に対処していくべきでないか、こう思うのですが、そういうふうな道を新たに調査研究するというふうにせられてはいかがかと思いますが、いかがでございますか。総理府と厚生省と外務省のほうからひとつ……。外務省かもわかりませんけれども、現に韓国に対しましても、外国人でありますけれども、日本の国費を使ってそれぞれ親善のためになさっておる行政業務もあるわけであります。こういうような時代でありまするし、特に日タイ関係はこの上とも開発途上国と日本との技術提携その他等々から見ましても、非常に重要な対象国でありますし、こういう土地に活躍しておる人であります。でありまするから、三省の間で横に連絡をとっていくというふうにせられることを強く御要望いたしておきます。ひとつ帰ってから省で、総理府のほうは本府において、厚生省もしかるべくおやりいただいて、三省庁の間で横に連絡をとって、ただいま申しましたような線に沿うて御協議をしかるべく願いたいと思いますが、いかがでございましょう。

大屋敷行雄総理府恩給局恩給問題審議室長

○大屋敷説明員 恩給制度と申しますのは、先ほど申し上げましたように、公務員の身分があるということがどうしても前提になっておりますので、恩給という形で国籍を喪失した方に処遇するということは、現行法の上では非常に困難であろうと私どもは考えておるわけでございます。そのほかに一般の処遇として何か名案がないかというお話でございますが、これにつきましては厚生省等いろいろ御意見があろうかと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 吉田君、ちょっとお待ちください。厚生省や外務省御意見ないのですか。

小林俊二外務省アジア局南西アジア課長

○小林説明員 ただいまのお話につきましては遺跡の保存という事業面における措置と、それに関係しておる旧日本人あるいは現日本人でありますか、旧軍人の処遇の二つの問題が同時に含まれておるようにうかがえますが、その遺跡の保存の問題につきましては、実はアユタヤの遺跡は昭和八年に日本人の学者が発掘いたしましてから徐々に発掘保存の措置がとられてきたものでありますが、戦後はタイ日協会というのがバンコクにございまして、それが中心となって現在民間の事業としてある程度の限度においてこの遺跡の発掘保存を進めておる。その管理人として現在先ほど御指摘のございました旧軍人の方が現地に居住しておられるということでございます。  そこで、その遺跡保存並びに発掘の事業につきましては、これは現在まで民間の仕事として現地における商社を中心とする日本人会及びタイ側を含めましたタイ日協会が中心となって進めておりまして、この点につきましていまだ政府レベルでは、タイ国政府に対しても日本政府に対しても援助の申し出がきたことはないのであります。実は日本にも佐藤喜一郎さんがやっておられます日タイ協会というのがございまして、この日タイ協会の副会長が昨年の日本人学校の設立祝賀式のために現地におもむきました際に、タイ日協会のほうから援助の要請がありました。現在日タイ協会においてその要請にどうこたえるかという点について検討中であるという段階でございまして、実はいままでのところ政府のほうにはまだお話がまいっておらないのであります。この問題はもともとはタイ側、要するによその国におけることでございますから、日本とはもちろん深い関係のある事業でございますけれども、現地政府及び現地の人々の考えを主として進めざるを得ないことでございますので、私どもといたしましては、たとえば日タイ協会から政府に対して援助の要請があった場合には、タイ側と協議いたしまして、この点についてタイ政府側の意向も確認の上で、もちろん総体的にはけっこうなことでございますから、何らかの予算措置を講ずるのであれば、その基礎の上において検討を進めたいと思います。  ただ、この問題は、先ほどの御指摘がございました旧軍人の方の救済の問題とは直接結びつかないかも存じません。しかしながら、その事業がある程度本格的に進められるならば、その観点において何らかの処遇も考えられるかもしれません。しかしながら、それは個別のケースの救済措置でございまして、一般的に旧軍人で日本国籍を失ったものをどうするかということには必ずしも一般論として結びつけることは困難かも存じません。その点はやはりケース・バイ・ケースと申しますか、その個別のケースに従って最も適当な方法を考えるほかないのではなかろうかと感ずるような次第でございます。

山縣習作厚生省援護局援護課長

○山縣説明員 厚生省におきましては未帰還者の調査究明に努力しておるわけでありますが、お示しの点に関しましては外務省の協力をあおぎまして、その究明に努力いたしたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それでは後日に期しまして、この問題はこの程度に一応とどめておきます。いずれ何らかの新しい情報がまた出てくると思いますから、その上で聞きたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 委員長から注文があります。いまの国籍の違う点ですね、援護の手が伸べられないという点、これは援護法を改正するか何かして救う道を考えてもらいたい。方法はぼくはあると思う。国籍が違うからといっても日本人であることには間違いないですから、やむを得ず現地にとどまらざるを得なかった状況ですから、これはひとつ援護法を改正するなりして、それから外務省も向こうから申し出があったら考えるというのではなく、もっと積極的な態度で臨んでもらいたいと思うのです。むしろこちらのほうからこれはこうしてもらいたい、こうすべきじゃないかという積極的な措置を講じてもらうことが親切なやり方じゃないかと思う。向こうから申し出があったらこちらは何とか考えようというのではどうかと思うのですが、それらの点についてひとつお考えを願いたいと思います。援護法の改正の点もあるのじゃないかと思うので、恩給の問題につきましても総理府とよく御研究になって、何らかの救う道があるのではないかと思う。御検討願います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 国会の所管に属する図書館関係でございますが、図書館の機能というものがだんだん重要になってきたことは申すまでもございません。万巻の書籍を持ち、あるいはまた衆参両院の要請に応じまして、国内的、世界的な視野に立ちまして国政の審査に必要とするところの調査資料などを準備せられるという機能が非常に重要なことは申すまでもございません。  そこで私ども常に感じますことは、一そうこの機能を発揮するという上においてもっと対策がないだろうか、こういうことを実は考えるのであります。たとえば諸外国においてこういった制度がだんだんと行なわれておる。例をあげれば、アメリカの国防省内におけるPPBSの制度にいたしましても、これは日本で経済企画庁も研究し、アメリカへそれぞれ研究メンバーを派遣いたしまして、向こうの資料を持って帰り、大蔵省も同時にいろいろな翻訳もいたしまして、防衛庁のごときもシステム分析などを積極的にやるようになったわけでございますが、そういうようなことを思いますと、図書館のこういうような激しい時代の移りかわりと技術革新の時代に対応する体制というものは、一そう整備充実される必要があるのじゃないか、こういうように考えるのであります。  そこで最近のコンピューターの活用でありますが、図書館に何十万巻の本があるのか知りませんが、私はしろうとでありますけれども、これにある符号をつけてぱっと二十秒くらいの間に、これはどこそこのたなのどの書物にその事項がある、こういうようなことを指摘して、そして午前に注文したら午後の国会にぱっと間に合う、その資料が出てくるような手はできぬものだろうか。これは少し欲の深い何かもしれませんけれども、何かそういう機能を発揮し得るように電子計算機でも用いるというふうにできぬものだろうか。それならば非常に便利だがというふうなことも考えまして——電子計算機というものが唯一の手段という意味ではないのです。いかにして図書館の重要な機能の発揮をなし得るか、その対策はいかん、すでにこれは研究、調査もされておることと思いますけれども、私は特にこの国会の予算なり、予備費なりを考えますときには、常に感ずる点でございましたので、この機会にぜひひとつそうような対策についての所信とか所感とか、そういうものをお述べいただきまして、具体的な調査資料にしてほしいと思うのです。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○岡部説明員 ただいま吉田先生がお述べになりましたことは、私ども図書館人として平素描いております理想でございまして、今日のこの情報はんらん時代におきましては、学者の研究時間の五二%は資料の検索にとられているという統計もございますので、私ども図書館の資料をできるだけ迅速に正確に利用できるようにすることが私どもの最大のつとめだと存じております。したがいまして、この図書館サービスの機械化あるいはさらにオートメーション化と申しますか、これは全世界の図書館が協力していま努力しておるところでございまして、迅速な資料の利用、その終局的な形は情報検索の機械化、すなわちインフォーメーションリトリーバルということでございますが、これがいま吉田先生がおっしゃった必要な資料を電子計算機にかけて数分のうちにすぐ取り出せるようにするという方向でありまして、これが私ども図書館のオートメーション化の究極の理想でございます。そしてそのことは今日の理論と技術においてはすでに可能になっているのであります。可能になっているのでありますが、一つはそこに至るまでにまだいろいろな書誌類の編さんその他の機械化による人手を省く仕事を迅速にするというようなことがいろいろ残っております。そういう方面にさしあたり力を注ぐ。  それからいま理論的には解決しておりますインフォーメーションリトリーバル、情報検索は、私どもの考えにおいては五年後あるいは十年後を目標としてやっているというのが正直なところであります。と申しますのは、すでに世界の最大の図書館でありますアメリカの議会図書館におきましても一九六一年か二年あたりから十年計画でこのオートメーション化をやっておるのでありますが、それもまだああいう総合的な図書館におきましては、いまのインフォーメーションリトリーバルまではいかないのであります。今日においてインフォーメーションリトリーバルの可能なのは、ある特定の限られた、大学のある図書館であるとか専門図書館においてだけそういうことが可能でございますが、総合的なあらゆる部門を含んだ、きわめて複雑多種な資料を何百万と持っておりますところにおきましては、理論的には可能でも実際においては金と現実の時間がかかるというような状態でございますので、これをもっと迅速に、かつ金のかからないようにすることについて世界の図書館が考えておりますし、私どもも世界のいろいろな図書館と連絡してその方向に努力しております。  また現に国立国会図書館といたしましても、昭和四十年から機械化に関する調査会を設けまして、外部の方々の御意見も聞いておりますし、また職員の研修その他もはかり、それから実際に機械化の実験を数年間試みておりまして、最初からあまり機械に飛びつくというようなことでなしに、実験に実験を重ねて、いよいよコンピューターを導入いたします場合においてはこれを一〇〇%有効に使えるようにという考えでございましたが、次第にその準備が整いましたので、昨年からは館内に機械化推進本部も設けまして、四十五年度からコンピューターを導入するというような計画で大蔵省と折衝しております。大蔵省の財政当局においてもこの点について相当な理解を示していただいておりますので、四十四年度まではまだ実験段階でございますが、四十五年度からは大幅な機械化の実施に取りかかる。それによって各方面の図書館資料の利用に一そうの便宜を供与することができようかと考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 次長に伺っておきたいのですが、やはり国会の能率をあげるということは行政能率をあげるゆえんだろう、こう思うのであります。国会が停滞しますと行政能率はあがりませんです。国会の能率をあげようと思うと議員の能率をあげなければならぬ。議員の能率をあげようと思いますと議員の頭の整備を正確にしかもすみやかにしなくちゃならぬ。これと相通ずるわけですね。その一つの宝庫としての機関としては図書館でございます。したがいまして、いままでの平面的な図書館観察じゃなしに、図書館というものを縦横に使うということは国会自身がほんとに活発な機能を発揮するゆえんであろう、道であろう、こう考えるのです。国会自身がだらだらしちゃったら行政も停滞するし、結局日本の国の政治自体が停滞してしまうゆえんですから、国会がうんと働こうと思うならば頭脳はやはり図書館であります。アメリカの図書館が世界一番か知りませんけれども、私もアメリカの図書館をちょっと見せてもらったこともあるのですけれども、しかしいまのお説のとおりです。やはり私どもには食い足りない面がたくさんありますが、せっかく日本がここまで経済成長もした時代ですから、やろうと思ったらやれると私は思うのです。この機会に、非常に意気込みが積極性を帯びてきておる際でありますので、大蔵省におきましても積極的に財政的に図書館充実をはかる。そしていまのようにいかにして効率をあげるかという面につきまして積極的にともに協力するということ、同時に大蔵省自身も例のPPBSの面を通じましても財政の効率化ということについては相当鋭意積極性をいま示しておる際ですから、この際に図書館の運営に一段の飛躍的な機能発揮への体制に協力する、こういう姿勢で大蔵省は予算編成に臨んではいかがでしょうか。四十五年の予算の第一発は八月に参るのでありますから、もう間もなく来ます。こんな際でありますから、相当いま心の準備だけでも具体化する段階ではないかと思うのですが、その点どうでございましょうか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 図書館業務の機械化、能率化の重要性は先生も御指摘のとおり私どもも異存のないところでございます。ただ技術的に非常にむずかしい問題がありますことは先ほど図書館当局からお答えがあったとおりでございますが、最近国会図書館のほうでも御研究、御検討が次第に進んでおるようでございまして、今後具体的な御相談がございますればできるだけの配慮をしてまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これはそこまでどうかと思いますけれども、みな憂秀な有能な人ばかりでありますが、世界的に視野を広げて足を運んで、いまどこにどんな研究、どういう実態があるかというようなことは、じっとおって書物や雑誌やら等々によらずして、有能なところを世界に派遣するというような手も打ってみる。そしてその人材の養成ですか、人間をつくらなければならぬ。機械ばかりりっぱになりましたらベトナム戦争みたいなものですからだめです。ですからほんとの人をつくり、技術者をつくり、そしてそれの運営可能な状態をあらゆる角度から条件を整備していく必要がありますから、そういうふうにどこであろうと、アメリカならアメリカへでもやって調べさす、調査させ研究させるというような積極的な企画をなさったらどうかと思うのですね。これはやはり国会の運営と一心同体の関係ですから私は切にそう思うのです。強く御要望を申しておきます。もう予算編成期に入っておりますから、この点につきましては図書館長にも私は先般も若干言った点があるんです。どうぞお帰りになりましたら、館の内部におきましても首脳部がしっかりとした姿勢で積極的な計画を進めてほしいと思います。強く御要望申し上げておきます。  これはよろしゅうございますから、次に最高裁にちょっと伺いたいのです。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 この際、おはかりいたします。  国会法第七十二条の規定により、最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 裁判所には、予備費のほかに予備金というものが制度上ございます。検査院と同様でございますが、この使われている予備費というのは、災害復旧の諸経費のようでございます。  そこで、私は別の観点からいたしまして、裁判所の裁判経費の不足を補うために必要な経費というものをお使いになっておる面について、この関連においてひとつ聞いてみたいのであります。と申しますのは、裁判費の不足を補う経費、これはたまたま刑事補償が増加した、検察官が起訴を失敗した事件、こういうことになるんでありますか。刑事補償金を出さなきゃならぬことになった、こういうことによる裁判経費の不足というような問題じゃなしに、もっと裁判を迅速に正確に、そして法秩序の最高の維持者としての権威と機能を十分に発揮していくという趣旨におきまして、裁判所はもっと財政的にも考えておかねばならぬのではないであろうか。もっと別の角度から申しますというと、いまなお裁判所は書記官が手でちょこちょこ書いてござる。一々手で書いているという、それは書記官が頭で書くという場合もありますので、つい正確性を欠く。要約するので正確を欠き、手間取るというようなことになりまするので、どうもこういう機械化時代に入りまして、何か知らぬけれども、時代錯誤の感がないではない。たとえばゼロックスを必要とするようなことはしばしばございますけれども、どうも裁判所ではそのような経費もないようでございます。こういう点から考えまして、一体これは裁判所あるいは裁判官一人一チームと申しまするか、どのくらいの負担分量なのか。裁判事務の負担分量が多過ぎるのではないかという点、事務を敏捷にやるためにもつとほかの機械を導入する必要があるんじゃないかという点、そもそも根本的にその辺の機械化について、財政、予算が不足しておるので余儀なくこの状態で停滞しておるというのか、そうではないのかということをあれこれ考えますというと、私は裁判経費の不足を単純な刑事補償の金が足りないというような問題だけじゃなしに、もっと広範な角度から考えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのでございます。  そこで、最高裁の方にぜひはっきりしてもらいたい点は、現在の裁判事務の負担分量は一体どうなのか、多過ぎて困るということであるのか、適当であるのか、あるいは仕事が少ないのか、諸経費について事務について改めねばならぬ面があるのかどうか、改めることによって、一そう敏速化し、正確化し、専門化し、そして合理化していくという余地が相当あるのではないか、研究しておられるかどうか、そこらについてひとつはっきりしておきたいと思うのです。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま吉田委員からお尋ねがありました問題につきまして、ごく一般的なことを申し上げたいと存じます。  裁判官の負担件数がどうなっているかというお尋ねでございますが、この件数をこまかく一々申し上げることはややわずらわしくなると思いますけれども、大体戦後の数年間としてはそう大きな変動もなくまいっているというのが実情でございます。ただ、負担が、たとえば諸外国と比較してどうであるか、あるいは戦前と比較してどうであるかということになりますと、なかなかむずかしい問題でございまして、制度も違いますし、手続も違いますために、これをただ数字的に比較いたしましても必ずしもそれによって結論が出てまいるわけではないわけでございます。しかしながら、私どもの一般的な実感といたしましては、現在裁判官にいたしましても、裁判所の職員にいたしましても、かなりの負担をしょっております。したがいまして、これをもう少し軽減と申しますか調整をいたしますことは、単に裁判官の事務量を減らすというような意味ではなくて、訴訟を適正、迅速に処理するという高い見地から必要なことであろうと考えるわけでございます。  それから同時にまた、いま吉田委員からも御指摘がございましたように、先年内閣に設けられました臨時司法制度調査会におきましてもいろいろ御意見が出たわけでございますが、こういう問題を解決するために、単に裁判官なり裁判所職員を増員するという方法でやることが最も望ましい方法とは限らないので、そのほかにも、いまいろいろお話しのございました機械化でございますとか、あるいは手続の合理化でございますとか、その他人的、物的な諸方策をあわせてとるべきであるという御指摘を受けているわけでございまして、その点につきまして法制的措置の必要なものにつきましては逐次法制的措置もできつつありますし、また、予算的措置を必要とするものも逐次予算的措置を講じてまいっておるような状況でございます。  ただ、特に機械化という点にしぼって申し上げますと、先ほどお話しのございましたコンピューターでございますが、すでに実は裁判所におきましても、小型の年間賃料千三百万円程度のものでございますが、これを導入いたしまして、統計のほうに用いているわけでございます。裁判所の事件は年間約七百万件ございますが、これによります統計の迅速な処理ということはこのコンピューターによってやっているわけでございます。しかし、もう少し進めまして、裁判事務にもう少し密着した面にコンピューターを利用できないであろうか、たとえば、アメリカで行なわれておりますように、判例学説の検索でございますとか、あるいはまた速記の反訳というようなことについても利用できる面があるのではないかということで、四十四年度の予算ではコンピューターの研究費が少額ではございますが計上されまして、裁判所の内部にその準備会を設けましていま着々と準備を進めているような状況でございます。  それからゼロックスのお話も出ましたが、ゼロックスはもとより利用いたしておりますし、なおこれと比較的よく似た電子リコピーというようなものもございますが、こういうものも各裁判所に相当程度配付しているわけでございます。そういうようないろいろな事務的な面にある程度の機械化をいたしますが、同時に、裁判そのものはやはりある程度裁判官なり裁判所職員の増員という方法をあわせてとらなければ非常にむずかしい面もございまして、今年度予算でも総計約百六十名につきまして増員を認めていただいているというような実情でございまして、いろいろな方法をあわせ講じながら裁判の適正、迅速をはかってまいりたい、かように考えておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 いま御説明がございましたけれども、たとえば書記官が手で書いているようなことは——ゼロックスと申されましたけれども、なかなか行き渡っておらないで、ほんの一部分ではないかというようなこと、コンピューターの導入を統計に若干試みるとおっしゃっておるけれども、これとても全体から見ますというと、まだほんの試験的な状態ではないか、こう思いますので、私申しまするのはやはりこういう時代でございますから、とかく裁判所はそういう面につきましては失敗をしたくない、あやまちをしたくないという、そういう謙虚な気持ちも伴うのか、なかなか石橋をたたいて渡るという式でふん切りがつくのは実はおそいです。でありますので、もっと積極的に全体として検討するというような規模で、各地方からそれぞれの専門家が寄って、研究調査会でも設けるというぐらいなことまでおやりにならぬと、何か私は五年も十年もの後になって、そのときはすでにまた別の進歩したものがほかではどんどん行なっておる。裁判所はあとからのこのこついていくことになりはしないかと実はそれをおそれます。十年も十何年も裁判がかかっておるという実例もなしとは申せませんので、一体何だろうというふうに実は思うのです。一体、裁判官というのは、あまりせぬでも月給をもらえるのかと悪口を言う人さえおるのです。そういうことでございますので、判例とかそういうものの検索をアメリカあたりではぱっと一時間もたたぬ間に全部やってしまいますから、いま裁判官が自宅に調書をふろしきに一ぱい持って帰って、新婚の細君もほったらかしても徹夜で勉強せぬならぬというようなことは情けないです。ですから、そういうことでなしに、もっと何かほかに全体としてそれこそ総点検をおやりになって、そして技術革新、科学の進歩の時代に即応したような事務の進捗対策いかん、ひとつこういうテーマを打ち出しておやりになったらどうかと思います。そうすることによって私は経費が最も有益に、有効に、適切に使い得る道が新たに見つかることになりますから、われわれの立場としましては、その面から強く御要請したいのであります。ですから、そういう角度から一ぺんいわゆる総点検をやってごらんなさい。それは悪くは言いはしませんわ。そのおつもりでひとつ進まれんことを希望しておきます。よろしゅうございますか。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり裁判所と申しませず検察庁、弁護士会も含めまして、司法部というところは、どちらかと言えば保守的のところであろうかと思います。ただ、しかしながら私どもとしても絶えず新しい技術を取り入れて時代にマッチするようにしなければならないということでやっておるわけでございまして、またいま全国から知恵を集めてというお話につきましては、御承知のとおり裁判官につきましても、あるいはその他の職員につきましてもたびたび中央での会同というものがございまして、その機会にいろいろ検討いたしておるわけでございます。それからなお書記官が一々手で書いておるというお話がございましたが、これは御承知のとおり現在裁判所では速記制度が相当大幅に導入されておりますが、この速記制度は国会のような手書きではございませんで、いわゆる機械速記でございます。そういう点ではむしろある意味では裁判所のほうが進んでおるということが申せるかとも思います。そういう面もあるわけであります。  それからなお大きな書類をうちへ持って帰るというようなお話、これも確かに一部その面はございますけれども、しかしながら先年来いわゆる研究庁費というものを一億数千万円計上していただきまして、それによって逐次裁判所の裁判官室が整備されてまいっておりまして、本年度、四十四年度で五年目になりますけれども、相当程度整備されてまいりましたので、全然みな判決を書くときにうちへ持って帰らないというわけにもまいらないと思いますけれども、かなりの程度まで裁判所の中で執務できる体制になりつつあるわけでございますが、しかしながら吉田委員御指摘の点はまことにごもっともでございますので、私どもといたしましても御趣旨に沿うように十分検討してまいりたい、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私はやはりたとえば地方裁判所なり、高等裁判所、高等裁判所管内の全地方裁判所、簡裁に至りまするまで、判決は大体一つのある模範的な事案に対しましては同一の結論を得る裁判ができるというような、そういうふうな資料、それぞれすぐにつかめるような体制にせにゃいかぬと思うのです。そうしないと、同じ事案についてここの裁判所とここの判決は違う、上へ行ったらまた違う、こういうようなことでは、これはいわゆる判例の検索というようなものは全然しておらぬわけであります。そんなことをするだけのひまもないかもわからぬ。——やっているのかもわからぬ、えらい悪い言い方ですけれども。——機械化したところの速記をやっているとおっしゃいますけれども、機械化する速記官を一人呼んで来ようと思うとえらいことですね、みんなとりがちですから。人員が足らぬです。言うなら、十希望があって、一つしかまだないのですから、こんな状態ですからね。ですから、どうかしまして、ひとつ一億円の金は一億円の成果があがるように予算を使えるようなシステムにやってください。それを強く御要請申し上げておきます。  それから、検査院と大蔵省にちょっと聞くのですが、一体、予備費の使用につきまして検査とか、監察とかいう面について、これは内部的にこれをなすべきなのか、あるいは外部検査という手でいくのかどうか。予備費総額は一割予算を組んである。それを使う場合に大蔵省は承認する、使ったならば国会承認を経るという順序、段階になっておるようでありまするから、深く予備費の使途についてこれを追及し、ないしは予備費の効果を測定するというような、そういうような手が打たれておらぬのではないかとも思うのですが、その点については一体どちらが、内部か外部か、いつどこがその予備費というものの使用のあと、その効果を測定するのであろうか、検査するのであろうか、こういう点については、どういうふうになっておりますか、運営上は、いかがです。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 予備費の検査につきましては、予備費の使用決定が、財政法の三十五条でなされますと、三十一条の予算の配賦がなされたということになりますので、それぞれの各省庁の予算ということになりますから、その予算の執行について検査は検査院としていたしております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、使用決定しまして、これは予算化するだけですから、支出ではありませんわね、それで予算のあとは検査院で一々調べていく、こういうことになるわけですか、そうですか。——そうしますと、いま申しましたように一々調べる、外部でありまするから、抜き打ち検査ということになるのかもしれませんが、かねて申しておりますように、効率化の検査というものは、これは実際やるのですか、やらぬのですか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 これはやはり他の予算の執行と同じことでございまするので、たてまえとしては効率化の検査も当然やっておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 たとえば食管会計の問題ですが、予備費の大部分は食管会計なんですね。それから災害復旧なんです。したがって物量からいたしますと、食管会計について検査院はどの程度までこれは追及していくのか、こういうことになりますと、かなり私ども、もどかしく思うのですが、食管会計の膨大な赤字ということは年々問題でございまして、どうして中間経費を節約するかということが一つの課題でして、決算委員会におきましても、その点は相当努力しておるわけでございます。そんなような次第でありますから、お聞き及びと思いますけれども、自主流通米につきましても、私はその観点から伺っておった次第であります。そういうことでございますので、その辺は食管会計の使用状況等についても、検査院はそう手が届いて検査できるのでしょうか。どうなんですか。

斎藤実会計検査院事務総局第一局長

○斎藤会計検査院説明員 先ほども申し上げましたように、使用決定がきまりますと、そこでそれぞれの各省庁の予算ということになりますので、災害等でございますれば第三局、食管会計につきましては第四局が所管しておりまして、私、直接担当しておりませんのでお答えいたしかねる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 わかります。各省庁に分かれて予算化する。したがって各省庁担当の局でこれは検査なさる、こういうことになるわけです。ただ予備費という観点からすると、一本になってあなたのほう、第一局でございますね。一応各省庁で予算化して各省庁で使って、各省庁でそれぞれ抜き打ちにしろ何にしろお調べになる。しかし予備費という観点からしますと、一応は締めくくり的に予備費の角度からずっと監察して、一体予備費として法制的に適切であったかどうかという問題もあろうと思います。あわてて予備費を出した、それは適切な効果をあげただろうかどうだろうかという問題もあろうかと思いますが、そういう点については、また予備費としまして全体を集約するというのは、これはあなたの第一局じゃないか、こう思うのです。検査院の立場からしたら、各局でそれぞれ各省の分を検査するけれども、予備費という点からすれば一本ですから、もう一歩そのほうから調べてみるということをやること、これが完全を期するゆえんでないか、こう思うのですが、その辺はどうでございましょうか。実際はそれはやらないんですね。これはやってないでしょう。  大蔵省に聞きますが、財務局ありますね。財務局はともかくとしまして、大蔵省は常時検査をやっているたてまえになっていますね。しかし大蔵省は使用決定しただけで、その後のことは知らないということになり、先般福田さんも、それは常時検査をやっているとおっしゃいましたけれども、事実はそうなかなか手が届いておりません、しますので、結局予備費というやつは——やつはということばは悪いですけれども、予備費という観点からは、どこの機関も、これを予算執行の途上、各項目は別ですが、予備費として検査、監察、測定などはいたしておりません。どうですか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 予備費は予見しがたい予算の不足に充てるものでございまして、この予見しがたい予算の不足が、具体的にどういうふうに発生するかということになるわけでございますが、事項によりましては、たとえば既定の予算に不足を生じた、たとえばいわゆる生産的な経費に不足を生じたというふうな場合もございます。また年度途中で新しい財政需要が発生いたしましたので、それに充てるために予備費を使用するということもあるわけでございます。いずれにいたしましても予備費の使用が決定いたしますと、自後、予算の配賦があったものとみなしまして、その後の手続は先ほど検査院当局からお答えになりましたとおり、当初予算あるいは補正予算、それぞれの経費と同じように取り扱われまして、内部監査あるいは会計法四十六条の監査あるいは会計検査といったものが行なわれるわけでございます。  そこでこの予備費だけを取り出して、特に監査の対象にするというのは、事項によりましてはそれが可能なものもあろうかと思いますけれども、大部分はもとの予算と一体となって執行されている経費でございますから、どの部分が予備費に該当するかということを区別することはなかなか困難ではないか、かように思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それは予備費というのは財政法の特例によってできておるものでありますので、国会の審議を経ないところの経費でありますから、総額はきまりましても、何に使うか、何の目的に使うかということは、それはその使う省と大蔵省できめるだけなんです。あと承認を求めるというだけのことになりますから、したがって冷たく申しましたならば、はたしてその必要があったかどうかわからぬではないか。当初から予算化しておったならば、国会審議の俎上にのぼるべきなんだけれども、それがなしに、ただ数字だけが予備費として載っただけですから、あとでこうやって審査の対象になるということに財政法上なっておる次第で、したがいまして途中において一般的な経費と同じようにとおっしゃっておるけれども、予備費という性格を持ったものとして相当検査があってしかるべきもののように思うのですがね。それは別だと思うのです。予備費と一般予算とは違うのです。国会の審議を経ないところの経費をあとで事後審査するだけの話なんですからね。だからその辺について一般経費と同じような扱い方で、大蔵省がずっとやっておられるということがどうも私にはふに落ちないのですがね。それでいいのですか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 予備費支出につきましての国会の事後承諾は、憲法八十五条の例外であるというところから、八十七条の規定によりまして国会の御承諾を求めておるわけでございます。ところが財政法三十五条第四項の規定によりますと、予備費使用が決定いたしましたときは、三十一条第一項の規定により予算の配賦があったものとみなしまして、自後は当初予算と同じようにして執行されていくわけでございますので、決して予備費であるがゆえに自由自在に使っておるというわけのものではございません。すべて財政法に規定するとおりの手続によって、執行、監査、検査が行なわれておる、こういうことでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。別の機会にいたします。終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 華山君。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵大臣がお見えになるまでということでありますので、見えましたらやめますけれども、少し時間が短過ぎるようでありますから、おいでになっておる政府委員の方にはお気の毒でありますが、この次にでも終わりましたあとでお願いしたいと思います。  警察庁で今度新しい賞揚金に関する訓令というものをお出しになるようであります。そういたしますと、公務の災害、公務の負傷あるいは死亡というようなことがありますと、公務員あるいは地方公務員の災害補償のいろいろな制度がある。そのほかに賞じゅつという制度がある。今度は警察庁のほうでは賞揚というふうなもので、その中には死亡とかそれから負傷の場合も書いてある。もう三段階にそういう人々に対して国から金が出る、こういうふうなことになるわけですけれども、そういうふうな複雑なやり方というものはどういうものでしょう。やはり一本にしぼって——しかし一本にしぼったために、法律でやるだけでは非常に冷たいものだということであるならば、特に賞じゅつというふうな多少のことはあってもいいと思いますけれども、そういうふうに三段階にもなるということは、一体どういうものでしょうか。警察庁どう思っていらっしゃるのですか。制度を複雑化することを。

渡部正郎警察庁長官官房会計課長

○渡部政府委員 ただいま御指摘の賞揚金でございますけれども、従来先生御承知のとおりに警備事案等で負傷いたしました場合に警察庁長官が報償費の中から、これは見舞い金というような趣旨で幾ばくかの金を支出していたものでありますが、今度の国会でいろいろ御審議いただきましたように、最近非常にけが人もふえておりますし、けが人だけではなくて、危険を顧みず一身を顧みず非常な労苦があったという場合に、ねぎらうという趣旨で、わずかでございますけれども、国の治安を預かります警察庁長官の立場から激励の意味で幾ばくかの金を出したいということでお願いしておったわけでございます。先ほど御指摘の、今度の訓令、実は昨日づけで施行したわけでございますが、この訓令によりまして、従来やっておりました負傷者に対する見舞い金と、それから四十四年度から実施したいと思っております、負傷しなかった場合でも個々の労苦を考えて、特例的に報償金を支出したいということを一本にまとめまして訓令ということで施行したわけでございますが、いま御指摘の、三段がまえで出すということはどういうことかという御指摘でございますが、午前中吉田先生の御質問でもちょっとお答えしたのですが、公務員災害補償法による手当がいろいろございます。それから国家公安委員会の規則による賞じゅつ金、これは額は相当多うございますが、賞じゅつ金を出しております。今度の、賞揚金を訓令で見舞い金ということが出たわけでございますが、支給されます対象がダブる場合もございます。しかし、その三つのうち一つだけをもらうという場合もあり得るわけでございまして、必ずしも個々の警察官について全部三つがダブっているという趣旨ではないと思います。また賞揚金につきましては、先ほど申し上げておりますように、けがをした者あるいは非常な労苦のあった者を警察庁長官の立場で見舞いをし、労をねぎらうという趣旨でございますので、そのほかのものとは性格上やや違った面がございますので、われわれといたしましては、三つの制度が並行的に運用されても現在のところ特に支障はないというふうに考えておりますけれども、考え方としてはほかの考え方に立ち得ることは十分あると思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 こういうふうな三段階に、いろいろな事故等のあった場合に政府から、あるいは地方公務員に対して政府から出る場合もありますけれども、こういうふうなことに警察はなっておりますけれども、防衛庁のほうはどういうことになっておりますか。

麻生茂防衛庁人事教育局長

○麻生政府委員 防衛庁関係を申しますと、隊員が公務で死亡いたしました場合でございますが、これにつきましては防衛庁職員給与法で公務員災害補償法が準用になっております。したがいまして、一般の国家公務員の災害補償法の適用を受けてそれから補償が出せるわけでございます。  それ以外に警察と同じように賞じゅつ金の制度と特別弔慰金の制度がございます。賞じゅつ金と申しますのは、いずれも一身の危険を顧みることなく職務を遂行し、そのために死亡または不具廃疾になったときに功労の程度に応じて賞じゅつ金を授与するという賞じゅつ制度がございます。  もう一つは、特定の危険な勤務につきまして、たとえば飛行機とかあるいは潜水艦とかあるいは空挺隊が飛行機から降下する、あるいは機雷、不発弾等の危険なものを処理する、そういう本来その職務が危険である、その職務に固有な特有な事故によりまして死亡または不具廃疾になりましたときに、やはりそのときの状況によりまして賞じゅつ金を出すようにしております。  それからもう一つの特別弔慰金は、先ほど飛行機のことを申しましたが、これはジェット機以外の飛行機でございまして、特別弔慰金の場合はジェット機によりまして死亡した場合に特別弔慰金というものを出しております。しかしこれは賞じゅつ金と特別弔慰金とはダブらないように規定がされておるわけでございます。すなわち賞じゅつ金は、特別弔慰金の対象になりますジェット機による死亡の際の特別弔慰金が支給される場合においては、除外をしておる、こういうことになっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 消防関係はどうなっておりますか。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 消防関係につきましては、まず一般的には公務災害補償制度がございますが、これは消防吏員と団員と違います。消防吏員は一般と同じように普通地方公務員の公務災害の補償を受けます。非常勤の消防団員は、先刻申し上げましたように、これは非常勤の消防団員の補償をきめる政令がございます。その政令に準じまして各市町村条例でもって公務災害補償をするわけでございます。しかしこれは実際は全国的に基金をつくって基金から支給しておるということでございます。  それから次に警察庁あるいは自衛隊側からも答弁がございましたように、災害の場合に一身の危険を顧みることなく職務を遂行いたしまして、そのために障害を受け、その結果殉職するあるいは不具廃疾が残る、こういう場合におきまして功労の程度に応じまして賞じゅつ金を支給することになっておりますので、賞じゅつ金はそういった功労のあった場合、特別功労章とかあるいは顕功章とか、または功績章が授与されます。その場合において消防庁長官がこれは一種の表彰でございますが、支給するということでございます。  なお賞じゅつ金の支給に至らないような場合でございます。その程度の場合におきましては報償金を支給することにいたしております。この額はもちろん賞じゅつ金よりはずっと低うございます。賞じゅつ金は死亡の場合は最高二百万から五十万、それから障害では賞じゅつ金は最高百五十万、最低二十万となっております。その他のそれに至らない程度の功労があった場合におきましては、大体一万円ないし五万円、その功労の程度において報償金を支出するということになっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 ほかにもいろいろあると思うのですよ。厚生省のアヘン取り締まりに関する係官とかほかにもいろいろあると思いますけれども、こういうことにつきまして金額なり標準なりそういったふうなものは、これは内規等をつくる場合に国といたしましてどこかで統一しているんでございましょうか。大蔵省にお聞きしておきたいと思います。あるいは内閣からおいでになっておるならばお聞きしておきたい。これはばらばらにやっておりますか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 公務災害のほうは、これは法律上損害賠償的な性格のものでございますから、法律によって支給がきめられております報償費から支弁せられております賞じゅつ金でございます。これは国に対して何らかの寄与があった場合に、その労に報いるあるいはそういった行為を表彰するという性質のものでございますので、それぞれの省庁の特殊性に基づきまして、内部の規約的な基準をおきめになっておる。しかしこれも一定の基準でございますからケース・バイ・ケースできめる、かような扱いになっておるわけでございます。全体としての基準を統一しておるというわけのものではございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 統一してない。統一してないほうがほんとうだ、こういうことでございますね。統一すべき性質のものではない、こういうことですか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 予算の積算といたしましては、報償費の金額のバランスは考えておりますけれども、具体的にどういうケースに対してどういう賞じゅつ金を出すのが妥当であるか、これは大蔵省の問題ではないわけでございまして、なお検討いたしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省でなくてどこの問題ですか。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 どこの所管になりましょうか。やはり閣係各省庁で御相談になるべき筋合いのものかどうか、私よく存じませんけれども、主計局といたしまして、こういった経費の性格上具体的な基準まで統一すべきものではないわけでありますから……。

華山親義日本社会党

○華山委員 大臣お見えになりましたから、私やめますけれども、結論的に申し上げますと、こういうふうな同じ国家公務員、地方公務員に対しまして、いろいろな点で何か災害があった場合に違うことをやっておるということは、私はおかしいと思うのですよ。こういうふうなことについては、やはり人事院なり何なりで一応統一されたものの考え方があっていいと思うのです。防衛庁だからたくさん出るとか、消防庁だから出方が少ない、そういうことじゃないと思う。  それからもう一つだけ伺いますが、部内の賞じゅつ、そういうものにつきましては、会計検査院ではこれを簡易検査にしておらない、全部調べておりますね。それで私ちょっとだけお聞きいたしますが、大臣もお見えになったようですから、なおいいのですけれども、そういうふうにして、たとえば今年度からの予算では一人当たり三百円という積算で部内のこういうふうな経費に充てる、そういうふうなことで報償の予算が組んである、こういうふうな説明を前から各省庁言っておられるわけでありますが、そういうふうな金が片方で余った、報償費の中で部内の賞じゅつとして金が余った、そういうことで一応査定したというのですから、大蔵省は一応そういう査定をしておると思う。余った場合にそういうものを今度は別の報償のほうに回す、私はおかしいと思う。やはり余ったならば、それは不用額としてその分は立てられるべきものじゃないか、そういうふうに私は考えるわけです。これは報償費の中ですけれども、やはり一つの事務費的なものですから、人件費なんですから、私は、人件費的なものは部内のものが余ったから、今度はそれをどう使ってもいいんだ、こういう性格のものじゃないと思うので、その点について御検討願いたいのでございますけれども、大蔵大臣お聞きになっておるとすれば、大臣からでもひとつ……。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 警察の四十四年度の報償費三百円の積算云々の問題でございますが、これは前回田中委員の御質問に対しまして公安委員長のほうからもお答え申し上げましたとおり、そのようなことはございません。(「積算の基礎としてはやりましたと言っておる」と呼ぶ者あり)積算の基礎をいろいろ考える場合に、警察庁のほうではめどにされたようなこともございますけれども、最終的に予算を決定いたす場合におきましては、三百円かける何人というような積算にはいたしておりません。  なお、報償費はその性質にかんがみまして、当然他の経費と同様不用になりますれば、不用を立てるべき筋合いのものでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私、その点ちょっと違うようですから保留しておきます。またあらためて三百円の問題やります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大蔵大臣以外の方はどうぞ御退席を自由にしていただいてけっこうです。  大臣、昨夜、海外からお帰り早々御苦労ですけれども、お帰りになりまして、るす中の当委員会の経過等はお聞きになったと思うのです。と申しますのは、先日、予算委員会で、私が予備費の使用調書の問題と財政法三十六条三項その他について質問し、指摘したわけなんです。ところが、いま現実にそれの承諾を求めるということで当委員会に出しておられるわけです。そこで、私はここでこの問題について大臣と決着をつける、論争をしようと思っておりません。しかし、私はあの際、すなわち予算委員会のときに、大臣はもっともな点もあるので、財政審議会等にもはかって検討する、こういうような意味の御答弁があったことを記憶いたしております。そうならば、これの提案にあたって、こういう点が指摘せられたが、これは現在こういうように検討しておる、したがって、本年は従来の例にならって、いままでどおりの形式で出しておるが、検討の結果、改めるべき必要があれば来年から改めます、言い方はどうでもいいですが、その程度の付言があってしかるべきではなかったか。それが何も大臣その他提案者からその程度の付言がなくして、指摘したものがそのまま出ておりますので、ここであらためてその経過それからどのようにお考えになっておるのか承っておきたい。これは先日、大臣おるすだったので、政務次官からも若干の答弁をいただきました。しかし、これはやはり約束せられた大臣から、提案の責任者である大臣から一言聞いておかないと前に進みようがないので、その意味で特にきょう御出席を願ったわけです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま田中委員からの御指摘はまことにごもっともと思います。この問題は去る三月四日の本院予算委員会におきまして、田中委員から御指摘に相なり、私はあの席で、あの書類を見まして、実はこういう問題があるんかなということを初めて認識をいたしたわけであります。とっさのことでありますので、十分なお答えができませんので、十分検討いたします、こういうふうに申し上げたのでございますが、さて決算委員会において提案をされるという際に、そのことの付言がなかった、こういういきさつになっておりますことはまことに遺憾なことでありまして、この席をかりましておわび申し上げます。  そこで、今後の問題でありますが、これは一応田中委員の御指摘の理由があるようなふうに思いますが、事が法制上の問題になりますので、十分に検討いたします。次回は前向きに検討の結果を御披露いたします、こういうことにいたしますので、何とぞひとつ御審議をお始めのほどをお願い申し上げます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そう率直に言われるとあとのけんかがしにくくなるわけです。  そこで、もう一つ疑問に思うのは、これはあくまで私もよくわからぬ、したがって、検討を願うということになるのか、はっきりした回答があるなら示していただきたいのですが、この一冊の書類なんですが、これには四十二年度の一般会計の予備費使用総調書とそれから特別会計の使用総調書の二つあがっておる。そしてあとに二つ、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書及び第十一条に基づく使用調書があがっておるわけなんです。これは私は前の二つとあとの二つは若干性格が違うのではないか、このように思うわけなんです。もっと端的に言うならば、前の二つは衆議院で承諾を与える、承諾をいたしましたら参議院へ送らねばならない。あとの二つはいままではこれと一緒に参議院へ行っておったようですが、普通の決算のように別個に参議院は参議院、衆議院は衆議院でやってもいいのじゃないか。いままでは一緒に行っておったわけですが、若干性質が違うのじゃないか、そういう疑問を持っておるわけです。と申しますのは、この予算総調書第十条というのを見ますと、いわゆる特別給与の支出という点ですね。それから十一条はいわゆる弾力条項に関連する支出の問題なんです。これはともに法律的に提出をきめられたものではない。予算総則はあくまでも予算内規といいますか、そういった性格だと思うのです。そういう点から見た場合に、いままで承諾を求めておるのを求めるなとは言っていないのです。私はその事の性格から財政法等にその根拠がないということは、むしろ弾力条項等については——もう一つの十条のほうは給与法に基づくと思います。法律があると思います。十一条のほうは、弾力条項等についてはむしろ補正すべき性格じゃないか、そういうように解釈しておるわけなんです。これも私自体もまだ法律的にきょう論争をしようとは考えておりませんが、これはどうでしょう。いままでそういうように一緒にくっついて衆議院から参議院へ行っておったわけだ。しかしこれは性格が違うのじゃないか。したがってこれは扱い方を変えるべきじゃないか。そして承諾を求めなくてもいいというのじゃなくて、十条のほうは給与法という支出についての基礎がある。法律がある。十一条のほうについては基礎がない。ということは、弾力条項については補正すべき性格じゃないか、そういうような考え方を持っておるのですが、これはいかがでしょう。何なら前の問題と一緒に検討してもらってもいいのです。きょうここで私は論争しようとは思っておりません。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これも法律的ななかなかむずかしい問題のようでございますので、予備費使用総調書と一緒に検討いたしまして、次の機会に、次の国会でお答え申し上げたい、かようにさしていただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣がそのようにおっしゃったのですから、私もこれは読めば読むほど、実はどうすべきかということについていま研究、検討しておるわけなんですが、何かありますか。特別会計の十条、十一条予算総則についての承諾云々ということについては、これはもちろん予備費の使用ですからひっくるめてということであるなら、あとの問題とも関連してくるのです。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 特別会計予算総則の十条は、国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法第五条、いわゆる業績賞与の規定でございまして、規定があるわけでございます。これに基づくものでございます。それに対しまして予算総則第十一条のほうは、これは財政法の規定といたしましては、直接にそのものを規定したものはないわけでございます。そういったことからいたしまして、扱いが違ってもいいのじゃないかという御質問の御趣旨かと思いますけれども、この両者をくるめまして、いわゆる弾力条項の発動に基づくものの手続につきましてなお検討すべき問題が多々ございますから、今後財政審議会等にはかりまして十分検討いたしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 誤解をしてもらっては困るのですが、承諾を求めなくてもいいというほうにウエートがくるのじゃなくて、むしろこの種のものは、財政法に基礎がないということば補正の性格を持っているのじゃないか。そういうふうに申し上げているわけなんです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 わかりました。とにかくこれは次の国会までの宿題にさせていただきます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 けっこうです。  そこで、せっかく大臣に来ていただいたのですから、許される時間の範囲内において若干の質問を続けたいと思います。  大臣は先日インドネシアのスハルト大統領と会われまして、本年度一億一千万ドル程度の援助を約束をせられたように新聞に記事が出ておりましたが、その会見をせられたとき、海外援助についてはどのようなお話になっていましたか。お伺いいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 スハルト大統領とは、アジアにおきまする政治、社会、経済諸問題について非常に幅の広い話し合いをいたしまして、そういう個々具体的な援助問題については一切話をしておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 新聞等で伝えるところでは、前から一億一千万ドル程度ということをいわれておった。そして今回大臣行かれて大統領と直にお話しになって、一億一千万ドル程度を約束をせられたというような記事が出ておりました。それはいまおっしゃるように具体的な数字等は話さなかったと言われるならそれでけっこうですが、そういたしますと、インドネシアに対する本年度の援助総額はどの程度に考えておられますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 去年は八千万ドル援助ということを約束をいたしたわけです。そのほかに将来にわたって三千万ドル程度のプロジェクトの検討をいたしましょうということになっておったわけであります。ことしはそれが七千五百万ドル約束をしてもよろしいというふうにオランダにおける会議へのわがほうの代表に指示をいたしております。その内訳は、BE援助というのがあるわけです、これを五千五百万ドル、それからプロジェクト援助一千万ドル、KR援助というのがあるのですが、これが一千万ドル、そういうふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 具体的に本年度予算措置との関係で、海外援助については、これはインドネシアだけではございませんが、四十二年度(その2)、四十二年度(その1)でも予備費を使っておられるわけですね。四十二年度においてはアジア開銀の技術援助基金として三千六百万円ですか、十万ドルですね。それから四十三年度ではナイジェリア連邦共和国難民救済に三千二百四十万円予備費を出しておるわけなんです。四十四年度におきましては、海外援助関係で予備費を支出するだろうと思うのですが、その点はどうでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま申し上げました範囲におきましては、ただいまのところでは予備費の使用ということは考えておりません。ことし全体でこんなかっこうになりそうだという中で、これは主として海外経済協力基金の融資になるわけでございますが、これは大体予算の範四内である、かように御了承願います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこで海外援助ないし協力、これに対して、私はいままで何回か予算委員会あるいは当委員会等でも同じことを申し上げたのですが、どうも予算を見ましても、決算を見ましても、外務省あり、大蔵省ありあるいは輸銀あり、基金あり、通産ありというように、全部ひっくり返して見ないとよくわからない。そこで窓口の一本化と予算の一本化はできないものか、これが一つ。  もう一つは、いずれにいたしましても基金、輸銀を通じて行なうにいたしましても、結局は国の金であり、国民の金であります。そこで、私は、その協定の形式が何であれ、どのようであれ、新たな債務の発生ないし国庫の支出、国費の支出ということで、憲法に基づく国会の議決が必要だということを常に申し上げておるのですが、そういう点についてはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 まず第一に機構の一本化という問題ですね、これは私どもそう思うのです。思うのですが、協力の態様というものが非常に多岐多様になっておりますので、なかなか実際問題とするとむずかしい問題なのであります。しかしこれは今後とも機構をはっきりさせるという方向の努力はしていかなければならぬだろうというふうに考えております。  それから第二の、国会にこれをおはかりすべきかという問題につきましては、私どもは割り切った考え方を持っておるのですが、予算を通じて国会の御承認をお願いする、こういうことで現にお願いをいたしたわけでございまするが、相手国ごとに、またそのときどきの借款の額ごとに、予算以外の形において御承認を求めるということは、これはなかなか不可能ではあるまいか、そういうふうに考えておるのです。とにかくわが国は、いまアジアのただ一つの先進国だというようなことで、ほとんどのアジアの国々に対しまして経済協力の関係があるのです。これを一つ一つ国会にかけなければならぬ、しかもその協力の額については先方の希望もあり、額についても条件についてもずいぶん話し合いということが続けられるわけであります。そういうようなことで国会にはかり、それでその態度はこうだというふうにきめて交渉に臨むというわけには実際問題としていかぬだろう、こういうふうに思います。あしからず御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 論争は避けたいと思うのですが、いままでの例を見ますと、協定という、まあ名目はいろいろありますが、国会の承認をそれ自体得る、批准を得るという形式をとった場合ととらない場合とある。それは条約であるのかどうかということ、あるいは憲法上のいわゆる外交行政であるのかどうかということにかかるのですが、中の文言を見てみますと、予算の範囲内あるいは法律の範囲内ということばが入っておると入っておらぬとの違いだと思うのです。したがって、形式的に法律に基づきとか予算の範囲内とかいうことを入れるとか入れないということでなくて、事の性格で、私どもすべてとこう言いたい——憲法の八十五条からいえば、そう私は言いたいのですが、それはできないとしても、一つの基準は設けて、こういうのは憲法八十五条による承諾ないし条約の形式をとるべきだ、そういう必要はあると思うのです。  もう一つは、これもいつも申し上げておるのですが、結局は国民の金である、したがって、これがどう使われておるのか、これは先方の主権との関係もありますが、やはり追跡調査が必要じゃないか。ことし若干の調査団というのが出ましたが、これは外務大臣の諮問機関か何かのような形式で出たようですが、これは追跡調査というよりか、むしろほかに任務があったようです。ひとつこれは大蔵省あるいは会計検査院等で真剣に私は考えてみる必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 協定などの形で国会の承認を求めるべきじゃないかという御意見でありますが、海外経済協力を行なうにあたりまして将来を拘束するような協定をいたすならば、たとえば一九七〇年には幾ら、七一年には幾ら、こういうような協定をいたす、われわれがそれに拘束されるというような性格のものをいたそうとするならば、これは国会の承認を要する、かように考えます。しかしいまやっているのは、そうじゃなくて、当年度の問題です。予算の範囲内において、しかも義務づけられるわけじゃない、当方の意思によってやる、こういう性格のものでありますので、予算において御承認を得るということで御了承願うほかあるまい、こういう考えでございます。  それから、借款を与えるなどの経済協力をしたあとの状況につきましては、これはできる限り追跡、フォローというものをしております。おりますが、相手国も独立国家でございますので、独立国家の立場というものも考えなければならぬというので、わが国において補助金の追跡調査をいたすというようなわけにはなかなかまいりませんけれども、わが国の経済協力がいかなる効力を発揮しておるか、またその協力のやり方等につきまして反省を要するところがあるか、こういうような点はこれは全力を尽くして見定めるというふうにいたしておりますが、この上ともそういうふうにしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あと一点だけで終わりたいと思いますが、大臣御承知のように、いまや一つの世論として高級官僚の天下り人事ということがいわれております。そこで、昨年度人事院が承認を与えたいわゆる関連産業への再就職といいますか、俗に天下り白書といわれているものです、それを見ても大蔵省が一番多くて、三十四件になっております。他の役所の倍以上になっておる。それから特殊法人、公社、公団等々に対しましても、出身省庁別に見ると大蔵省が一番多いわけだ。これは聞くところによると、いわゆる新しい公社、公団、特殊法人をつくるときに予算折衝がある、その段階で大蔵の関係者を入れろ、あるいは総裁にしろ、副総裁にしろ、こういうようなことが行なわれているかに伝えられておるわけなんです。そういうことについてどうお考えになっておるかということ。  それからこの問題については当委員会でもなお引き続き高級官僚の天下り人事等について追及をしていくということになっておりますが、もう一つ問題になっておりますのは、公社、公団等の役員の給与が高過ぎるんじゃないかということです。われわれの歳費につきましてもよくお手盛りとこういわれるのですが、われわれ以上の——有能な人はいいと思いますが、それらの人は一応局長なり次官等をやられて、巧成り名を遂げた人なんです。したがって、いままで自分が役人当時にやっておった、たとえば住宅、たとえば道路、たとえば中小企業金融等に余生といいますか、これは五十歳では早過ぎますが、余生をそこにつぎ込むんだということで、そういう関係の公社、公団、事業団に行かれることについては私はいいと思う。しかし給料が在官当時の倍だ、こういうことについてはいささかどうかと思うわけです。  もう一つは退職金なんです。退職金は、政府関係の百八の特殊法人すべてそうだと思うのですが、役員の退職金は一カ月給与の百分の六十五積み立てる、そういうことになっているのです。そうするとたとえば五十万円の給与の人なら一カ月三十二万五千円ですか、という貯金をしておるのと同じ結果になる。だから二期もやれば一千万円を優に突破する退職金を受け取るということなんです。これすべて大蔵大臣あるいはその他の関係大臣の承認を必要とする事項になっておると思いますが、結局は予算等において大蔵大臣が全部コントロールせられる立場にあると思うのです。そういう点についてどのように考えておられるかどうか、これもついでにお伺しておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 まず天下りという問題でありますが、大蔵省、数はお話しのように多うございます。多うございますが大蔵省の職員の数が多いのです。ですから、職員の数の割合から見るとそう多くないだろうと思いますが、それはそれといたしまして、やはり公務員の退職の時期が、いまはだいぶ年とるようになってきましたけれども、それでもなお五十歳というところくらいでやめるという慣習になってきておる。そういうようなところで、有能な人材がそういう無職という状態になる。これは国家的に見てどうだという問題もあるだろうと思うのです。そういうようなことで、私は一がいに天下りだということでこれを排斥してしまうという考え方はどうも少し狭きに失しやしないか。しかし、天下りというようなことで、これが弊害が起こるというようなことになっては申しわけないことであり、たいへんなことです。ですから弊害の排除、これには厳粛な態度をとらなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、とにかく広く天下の人材というか、それは働ける限り日本国のために働いてもらう、こういう広い角度で考えていただきたいものだな、こういう気持ちがしておるわけであります。  また給与並びに退職金、それらの問題につきましては、なおよく検討させていただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は三十九年に大蔵委員をいたしておりまして、現在の田中幹事長が当時大蔵大臣だったのですが、この種の問題を総ざらいにしてやったことがあるのです。そのときに高級役人のうちでAクラスの人は公社、公団へ行く、そのほうが経済的に一番いい。Bクラスが民間会社へ天下り、国会議員になるのは下の下だ。大きなギャンブルともいうべき選挙をして出てきてこの調子ですからね、と申しましたら、そこにたまたま前次官が四名ばかりいて、ひどいことを言う、こういうことであとで笑ったのですが、これはともかくといたしまして、前の田中大蔵大臣のときにももっと長く質問したのですが、いまのような趣旨のことを申し上げたわけです。今度もまた給与、退職金、その他について天下り人事を含めて先ほど来検討願いたいとか等々で宿題ばかりを出しておるようでございますが、今度は次期総裁の本命といわれておる大蔵大臣ですから、ほんとうに口先だけの問題でなくして、真剣に一ぺん検討してみてください。要望いたしまして終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十五分散会

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