決算委員会 第4号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/03/06
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。理事四宮久吉君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になりました。 これより理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認めます。よって、白浜仁吉君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○中川委員長 昭和四十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中行政管理庁について審査を行ないます。 まず、行政管理庁政務次官より概要の説明を求めます。熊谷行政管理庁政務次官。
○熊谷政府委員 昭和四十一年度行政管理庁関係歳出決算を御説明申し上げます。 昭和四十一年度における行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 行政管理庁の歳出予算現額は三十六億九千三百七十九万三千円でありまして、支出済み歳出額は三十六億八千九百二十五万九千円、不用額は四百五十三万四千円であります。 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額三十六億八千七十九万三千円、総理本府から移用した額一千三百万円であります。 支出済み歳出額のおもなものは、人件費十七億一千七十九万二千円、事務費二億七千二百六十六万三千円、統計調査事務地方公共団体委託費十七億五百八万四千円であります。 不用額を生じましたおもな理由は、職員に欠員があったので、職員俸給を要することが少なかった等のためであります。 以上、昭和四十一年度の行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
○中川委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。高橋会計検査院第一局参事官。
○高橋会計検査院説明員 昭和四十一年度行政管理庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 以上でございます。
○中川委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○中川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。華山親義君。
○華山委員 決算を見ておりますと、農業あるいは建設等につきまして会計検査院が不当事項といたしまして指摘しているものがあるわけでございますけれども、その原因についていろいろ研究し、またお尋ねをしておりますときにわかることは、補助事業につきましてその決定が中央においておくれたために地方における仕事始めがおくれ、そのために仕事が冬にかかってコンクリートが凍結するとか、そういうふうなことで不当事項になっているものが相当見受けられるわけであります。それでこの実態について考えてみますと、たとえば高知県等につきまして大きなことがあったのでございます。あの暖い地方でも雪の多い山地だそうでございますけれども、やはりアスファルト舗装を凍らせるというふうなことがありました。それは十一月に承認をされてそれから始めたというようなこともあるわけであります。そういうふうなことで、今日地方の県庁等におきまして、中央の承認を受けて決定を見るということが非常におくれているという傾向があるのではないかと思う。地方には各地に総括的な出先がございますし、そこを経てさらに中央にくるのですが、そういう間におくれてしまう。しかも今日地方庁の状態を見ますと、技術者を採用するということは非常に困難でございます。その貴重な技術者がそういうことのための東京への往復に相当の時日がかかっておりますが、そういうふうなことは技術者を使うゆえんでもないと私は思うのでございます。それで、今日このようにおくれてくるという状態はやむを得ない事情にあるのか、これを何とか簡素化し、合理化して、そして迅速にもっと早くできないものかどうか、私にはわかりませんが、その点につきまして行政管理庁で関係各省の実態をお調べになって、改むべきものは改めていただきたい。また、その結論がどういうふうに出るのか私わかりませんけれども、これは大きな人の使い道の問題でもございますし、不当事項を少なくするゆえんでもあろうかと思いますので、御努力を願いたいと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○熊谷政府委員 行政管理庁といたしましては、従来から補助事業の円滑な運営をはかるため行政監察を実施しまして、必要な事項については改善勧告をしてきたところでございます。今後におきましても、御指摘の御趣旨に沿って補助事業の円滑な運営がなされるよう推進してまいりたいと存じておるところでございます。
○華山委員 円滑ということばにもいろいろあろうかと思いますけれども、あまり仕事がめんどうにならないように中央と地方との間を簡素化するように、地方でできるものはできるだけ地方にまかせる、そういうふうな方向で、改善すべきところがございましたならば、ひとつ行政管理庁からも御勧告等をお願いしたいと思う次第でございます。 それからもう一つお聞きいたしておきますけれども、行政相談委員でございますが、これは国会で提出された法案のように伺っております。私はきわめて重要なことだと思うのであります。相当努力をしていらっしゃるようには思いますけれども、まだ一般には徹底してません。これが徹底するということは、そしてそれが非常によく利用されるということは、私は民主主義の根幹でもあるような気もするわけであります。そういう意味におきまして、この制度の拡大を私は望むわけでございますけれども、現在どんなふうに実績がなっておりますか。微細の点まではよろしゅうございますけれども、総計的な数字だけでもひとつお示し願いたいと思います。
○熊谷政府委員 実際面に触れますので、政府委員のほうから御説明申し上げます。
○諸永政府委員 お答えいたします。 行政相談委員制度は、御指摘のとおり、昭和四十一年の新しい法律をもちまして相談委員法ができまして、それに基づいて行政相談委員に活躍してもらっているわけでありますが、現在その数は全国で三千六百五名でございます。これは原則として一市町村一名、こういう配分でございますが、この数がはたして適当かどうかという点につきましては、当初は八百名くらいから発足いたしまして、現在三千六百五名に増強してまいっておりますが、大きな市では少なくとも三名ないし二名ということになりますと、現在約八十村くらいの、特に離島関係が多うございますが、ここにはまだ未設置のところがございます。これにつきましては、今後とも未設置の町村の解消を目ざしまして努力をいたしてまいりたいと思います。 それから相談委員の活動状況でございますが、四十二年度で行政相談の受け付け件数が行政管理庁が受けましたのが全体で大体十一万六千件ございますが、その中の八六%が相談委員さんが受け付けをしておられるものでございまして、相談制度の中で非常に大きな分野を占めておられるわけでございます。なおその八六%の中の約五、六〇%は委員さんが委員法に基づきましてそれぞれ自主的に問題を解決していただいておる、こういう状態でございます。 なおそのほかに、いまの委員法の問題としましては、委員さんの実費弁償金、これはああいう業務を委託しております関係上、またあの業務の性格上、給与または報酬を与えるということはできないわけであります。と申しますのは、端的に申し上げますと、報酬の額に比例した労務を提供するという性格のものではございませんであくまでも社会奉仕の念に燃えた名誉職的な業務でございますので、給与または報酬を与えない、こういう法律になっておりますが、ただ業務を委託しておりますので、その実費弁償はどうしてもしないと、業務を委託した効果があがらないという点から、実費弁償金を支給いたしておりますが、その額がいかにも少なくて、これは年々増額をいただいておりますけれども、四十三年度の予算では年間三千八百円の非常に少額でございまして、今年度の予算案では三百円アップをしてもらっておりますが、これにしましてもいかにも少ない。ただ、この相談委員の実費弁償は、ほかのたとえば人権擁護委員と性格には同じ業務でございますので、それとの見合いもございまして、若干ずつ年年御考慮いただいておりますけれども、必ずしも十分であるとは決して思っていません。実費弁償金の増額につきましても、今後ともひとつ努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○華山委員 平均で実態を見るというわけにはまいりませんけれども、一人当たりに相談を受けた件数はどのくらいになりますか。
○諸永政府委員 年間大体二十件から三十件くらいございます。非常に多い方は二百件以上の人もございます。いろいろでございます。
○華山委員 それにしても、ちまたには行政に対するいろいろな不満があるわけでございまして、大体代議士がそういうふうな相談を受けるということがどだいおかしい話で、私はそのときにはわからないことも多いので、行政相談委員のところにお行きになったらどうですかということで、お電話をしたりして行っていただいたりしたようなことも多いわけでございますけれども、ひとつもう少しこの趣旨を普及いたしまして、盛んに利用されるようになりますれば、そのなさること自体がどうあろうとも、そういうものが存在するということが私はとうといと思うんです。そういうものが存在しているということによって、各省庁も仕事を理由なく引き延ばすというようなことも私はなくなると思うので、この存在をひとつ高く掲げていただきたいと思うわけであります。 それから、三千八百円というふうなことは、なさる方々はほんとうに奉仕的な気持ちでなさるでしょうから、その人たちがそれをどうこうということは別におっしゃらないでしょうけれども、それにしても四千円にもならないような金が一年間ということは、あまりにも常識的でないような気が私はいたします。この点は人権擁護委員の方々にも当たると私は思うのでございますけれども、国が実費弁償でなくて、ある程度お礼心があっていいのじゃないかと私は思うわけです。どうぞひとつこの点は今後とも大蔵省等の関係もありましょうけれども、やっていただきたいと思います。 それから東京に三人ということでございますけれども、まことに少ないので、もう少しふやしていただきたいと思います。それにつきまして今後の人選でございますけれども、十分に心得られまして、人の信頼を受けるような人にひとつお願いいたしたい。保守党であると革新党であるとを問わず、政治に深くタッチするような人は選ばないでいただきたい。この仕事は一面からいいますと、とうとい仕事でもございますので、ひとつそういう点に留意されまして、りっぱな人を選んで——しかしそういいましても、一応行政上の知識を持たなければいけないでしょうから、むずかしいとも思いますし、場合によってはそういう筋でなければならないというような地域で、議員の肩書き、地方議員の肩書きを持っておられるような人を選ばれるような場合もないとは限りません、絶対にいけないとは申しませんけれども、そういう人をなるべく避けて、そうして政治的に人から誤解を受けることのないような人にひとつお願いをしたい、こんなふうに思います。 この制度は非常にとうとい仕事でございます。どうか発展をお願いいたしまして私は質問を終わります。よろしくひとつ頑張っていただきたい。何か御所見でもありましたら……。
○諸永政府委員 委員制度のPRにつきましては、まさに御指摘のとおりでございまして、われわれのほうもいろいろと努力をいたしておりますが、この委員制度に対する普及というのは必ずしも満足すべき状態でないと思っておりますので、今後とも努力いたしたいと思います。 なお、委員の委嘱の選考の問題につきましては、先生の御指摘の趣旨も十分勘案いたしまして、今後ともそのように慎重に検討いたしていきたいと思っております。
○華山委員 その他最近新聞等によりますと、天下り人事の問題等もございますし、いろいろな重要な問題、行政管理庁にお尋ねすべきことが多いのでございますが、大臣もお見えになっておりませんので、ここであとに譲りましてお終わりにいたしたいと思います。
○中川委員長 丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 それでは、委員長のお許しを得ましたので、行政管理庁の所管にかかる公社、公団、事業団等の整理統廃合について、二、三の質問を試みたいと思います。 この公社、公団等のいわゆる政府関係機関、特殊法人の運営改革については、昭和三十六年の国会で、与野党の圧倒的支持によって臨時行政調査会が設置されました。この調査会において、わが国の行政機構並びにその運営の実態に対しまして、民間有識者、各省庁の職員ともに合わせまして百余名の人々が、昭和三十七年の二月以来二年と七カ月、金額にいたしまして約一億数千万円の経費をもって、この実態調査をいたしたのであります。行政機構の改革、行政事務の簡素化、定員の削減等、幾多の有益なる改善勧告の答申を、昭和三十九年の九月に政府に対して行なったものでありまするが、この問題もそのうちの一つであったことは、すでに御存じのことと存じます。 この答申では、医療金融公庫、水資源公団等十八の機関について、その改編勧告がなされております。さらにこの答申を受けて行政管理庁に付置された、行政管理庁長官を長とする行政監理委員会で、再びこの改編についての審議が行なわれ、昭和四十二年の八月三十一日に特殊法人の改革に関する第一次意見となったことは御承知のとおりであります。 この第一次意見によると、その内容は、一、廃止すべきものとして、魚価安定基金、郵便募金管理会、日本蚕糸事業団、東北開発株式会社等十機関。もう一つは、統合すべきものとして、医療金融公庫、年金福祉事業団、環境衛生金融公庫、京浜外貿埠頭公団等十機関。もう一つは、資本の充実あるいは業務の縮小を行なえといって勧告したものには、日本鉄道建設公団、日本専売公社。もう一点は、民法上の公益法人に改組すべきものとして、高圧ガス保安協会、日本電気計器検査所、日本消防検定協会。それらについて、それぞれ改善の措置が要請されたのであります。 今日その結果を見ますると、最初に申しました統合されたものとしては、昭和四十二年の十月に原子燃料公社を改組して、動力炉・核燃料開発事業団に統合し、昭和四十三年十月に愛知用水公団を、水資源開発公団に統合いたしました。また、廃止されたものとしては、昭和四十三年の六月に魚価安定基金、同年七月に北海道地下資源開発株式会社、同年十月に郵便募金管理会がそれぞれ廃止されたのでありまするが、これら機関以外の措置としては、今国会に従来ある糸価安定特別会計を廃止して、その業務を日本蚕糸事業団に行なわせることを考慮いたしました繭糸価格安定法の一部改正をする措置をとった程度のことであります。 さらにこの公社公団の数については、行政機構の複雑化を理由に現在いまだ百八の数にのぼっておるのであります。これら公社、公団等の機関がほんとうに国民のために有効適切に運営がなされているかどうか、いま少しその実態をきわめなければならないと思うのであります。 そこでお尋ねしますが公社、公団、事業団等の設置について、どのような基準をもってこれが設置されるのか。たとえば、政府関係機関は従来専売、国鉄、電電の三公社、公庫としては八、そして輸出入、開発という二つの銀行になっていたが、環境衛生金融公庫を加えて、八から一つ加わったのでありますので、九公庫となったが、なぜに政府関係機関としたか。 また政府関係機関以外の公団、事業団、基金、振興会等いわゆる特殊法人のうちには、事業目的や事業の規模、投入資金の面、あるいは役、職員の数等においても、政府関係機関と比較して公共的、公務的な事業を行なっているものもあり、これを区別する理由が全く不明確であると私は思うのであります。これら機関の法的性格はどのようになっているのか。この点行政管理庁は同庁設置法の二条の四の二で、公社、公団等の新設、目的変更、改正、廃止について権限を定めているのであるが、この解釈を伺いたいと思う。 まずこの点でお尋ねをいたしますので、どうかここまでの点を、きょうは大臣御出席を要望いたしたのでありまするが、大臣御都合悪いということでありますので、特にきょうは政務次官の御出席をいただいております。政務次官にひとつ責任のある御答弁をお願いしたい。
○熊谷政府委員 特殊法人の設置基準及びその性格についての御質問のように伺ったわけでありますが、大臣の都合で政務次官が答弁申し上げることは恐縮でございますが、私から一応申し上げたいと存じます。 行政管理庁の審査につきましては、行政組織全般を管理するという見地からその新設の適否を判断するのでございますが、主として次のような点について検討することにいたしておるわけでございます。 第一は、業務の目的上公共性が強く、私人に行なわせることは不適当なものであるということ。二番目は、業務の内容から見て、行政機関に処理させるよりも特殊法人を設立したほうがより適切な運営ができるものであること。第三番目は、業務の能率的な運営をはかるため、財務、会計または人事面で、行政機関を律する法規で許される以上の弾力性を与える必要があること。四番目は、既設の行政機関や特殊法人の業務と重複、競合しないこと。五番目は、国が責任を持って政策を実施する組織全般から見て、著しく細分化しまたは複雑化するおそれがないものであること。 行政管理庁の審査の対象とする法人の法的性格は、法律によって直接に設立された法人、または設立委員を政府が任命して設立された法人であり、換言すれば、国の手によって設立された法人であるわけでございます。これらの法人は、また強度の国家的保護と監察を受けるものであるわけでございます。 一応基本的な考え方としてはこういうことによっておるわけでございますが、さらにいさいにつきましては政府委員から詳しく御説明を申し上げます。
○河合政府委員 御質問の点につきましてお答えいたします。環境衛生金融公庫につきまして、これの政府機関に入りました理由というお話でございましたが、政府機関は予算上の概念でございますが、政府関係機関に入っておりますものは、ただいまお話しのとおり、三公社並びに九公庫、二銀行でございまして、三公社は従前官業でございましたもの、また九公庫につきましては、全額国庫出資でございまして、しかも従来特別会計で処理しておりましたものが大部分でございます。そういう点から申しまして、いずれも非常に国の仕事と近いものというふうに考えておりますので、特に予算上政府関係機関という概念で処理をいたしておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 その問題は、あとからまたあなた方の答弁に基づいて質問いたしたいと思います。 この公社、公団、事業団等の業務報告、財務諸表等については監督官庁に毎年提出されているが、このうち政府関係機関についてのみ国会へ予算、決算を提出しているが、今日のごとく複雑な行政機構では、国民の税金や財政投融資等による資金がこれらの公社、公団、事業団等に使用されておる現状を考慮いたしますと、国会においても重大な関心を抱かざるを得ないのであります。したがって、これらの公社、公団、事業団等の業務報告あるいは財務諸表等を審議の参考になるようにあらかじめ提出すべきではないかということを考えたわけです。たとえば政府関係機関ではないが、昭和四十二年の十月まで存置されていた原子燃料公社は、公社法で業務報告の国会への提出を定めております。財務諸表についても内閣から国会へ提出を行なっていたのでありますが、この点についても、公社、公団等の統一した取り扱いを検討すべきではないかという点を一つ私は伺いたいと思っておりますが、この点どうですか。
○河合政府委員 御指摘のとおり、原子燃料公社は、従来業務報告、財務諸表を国会へ報告いたしておりました。ただ、原子燃料公社は、公社という名前になっておりますが、いわゆる三公社の中には入れてございません。そこで昭和四十二年度に動力炉・核燃料開発事業団に吸収されました際に、その規定を廃止をいたしております。これは、この事業団が他の事業団の場合と同様に、できるだけ自律的に運営、また能率的に運営が行なわれるようにということで、国会に対しては主務大臣を通して責任を負うという形が適当であると考えたのでございます。以上です。
○丹羽(久)委員 あなたのほうの話を聞いておりますと、あえて必要のないような簡単な答弁でありますが、私の言わんとすることは、こういうときであるから、そういうような国会へ提出を定めておる政府関係機関ではないけれども——いまでほもう原子燃料というのは合併したんですから、また廃止せられたんですから、ないけれども、それでさえそういうふうに出しておったのであるが、あとの公社、公団等は政府機関でなくても、国の命を使っておるのであるから、ひとつそういうものを出すことが必要でないかということを聞いておるのです。それはなくなりましたから、その必要がないというのか、そういうことは今後どういうふうに考えておるかということを私は聞いておるのですから、あなたのほうの立場で、なるほど相当たくさんの国費を使っており、出資をしておるのだから、そういうものは必要だと考えるのかどうだということを明確に御返答願いたい。こういうわけなんです。
○河合政府委員 おことばのとおり、国家の経費が入っておりますので、そういう意味からはできるだけ慎重な取り扱いをいたすべきだという点は御説のとおりというふうに存じます。ただ、特殊法人を設立いたします本来の趣旨の一つといたしまして、その内容から申しまして、できるだけ能率的にまた自律的な運営が適当なものというものがあると思いますので、そういうものにつきましては、国会に対しましては主務大臣を通して責任を負うという形が適当だというふうに考えている次第でございます。
○丹羽(久)委員 ちょっとわからぬですね。私の言うことは、そういうふうに法的にきめられているもののみを出せばいいというのでなくて、百八の公社、公団というものは国の金を大きく運営しておるから、この際もう少し法的措置を考えてみて、主務大臣に出し、その主務大臣がそれを受けて立って、大蔵大臣がそれを見て国会へ、あるいは総理が各委員会へ回付するというようなことによって、決算委員会でもそれをある程度調査をしていく。そうしてその収支決算を明らかにしてもらいたいという希望を持っている。そういうことに対する行政管理庁の考え方というのは、そんな必要はないという考え方を持っておられるのかどうだということなんです。
○河合政府委員 現在の考え方といたしましては、ただいまのお話の政府関係機関以外の機関につきましては、その自律性と能率性とを重んじまして、現在の形で主務大臣を通じて責任を負うという形が適当というふうに考えております。
○丹羽(久)委員 公社、公団に——政府機関として関係のない原子燃料でさえそういうものを出しておったのでしょう。そういうものを受けて、その当時国会に報告まで来ていたのでしょう。
○河合政府委員 原子燃料公社のできましたのは昭和三十一年でございますが、当時におきましての区別でそういうことにいたしましたけれども、当時におきましては、その間の区別につきまして、原子燃料公社につきましては、そういう点も判断いたしましたけれども、現在の基準から申しまして、これはただいま申し上げましたような運営にさしていただくのが適当かというふうに思います。
○丹羽(久)委員 その適当という理由は、そういうものを出すことがどんなに影響するかということなんだ。そんなことは、健全運営するとか能率があがるということに何も関係ない。どういうふうな経費を使って、どういうふうになって、どういうふうだということを国会審議のこの場へ持ち出したって、そのことは事業遂行の上において何も至難なことでもないし、影響することでもない。そんなことがなぜそんなにむずかしい。書類の上において、きちっとこういうふうに使いましたよ、こういうふうになりましたよといって出すことがなぜいけないの。それが事業を遂行する上においてはたして何の影響があるの。それを局長、明らかに言ってみなさい。
○河合政府委員 お答えいたします。 私どもの考えといたしましては、制度としてのそういう手続は確かに重大な意味を持つと思いますけれども、そういう制度としての手続をできるだけ簡素化して機動的、能率的に運営させるのが特殊法人をつくりました基本的な考え方の一つと思いますので、これは主務大臣の責任において考えるということが適当かというふうに存じます。
○丹羽(久)委員 一応主務大臣のところまで出すのでしょう。出さないの。国民のお金をそういうふうに利用しているんであるから、あるいは財政投融資の金も使っているんだし、そういう点から考えてみると、やはり所管大臣、主務大臣には収支決算というものを明らかにして出すでしょう。出すなら、今度それを写して、そうして国会に報告をして、国会で審議するくらいのことは何も手数や能率に支障を来たすというような関係はないと思うのですが、どうですか。そこで国民に、なるほど公社、公団は政府機関でなくてもこういうふうになっているのだ、こういうふうに使われているのだ、こういうふうなことが適当であったなというように、すべての点が明らかにせられて——主務大臣が国会に一々報告するわけではないんだから。だから、われわれが審議をしていく上において必要だと思って聞いている。だからこれを改革する——そういうふうにいままで来たんだけれども、これからはそのほうがいいと思うというふうな考えを局長は持たないの。あなたの責任でそれをはっきりするわけにはいかないだろうから、私は今度のとき重ねて大臣に聞こうと思うから、それはそれでいいでしょう。しかし、あなたがいつまでもそういうことで正しい——事業を遂行していく上で能率に関係するなんて言われると、そんなことばは最も不愉快だな。そんなばかな問題はないですよ。国会に報告するということで、そうしてわれわれ決算にしても、いろいろなところでその書類を見せてもらって、なるほどこういうふうに運営せられておるのかということを聞くことによって、そんなことが能率に関係することだとは私は思わぬけれども、局長は能率に関係するとか事業遂行のためにという表現を使われた。私はよう聞いておらなんだが、そういうふうに聞いておる。だから、私はあとで速記録を調べてみるけれども、それが大きく影響するだろうか。私は別にあなたのあげ足をとるわけじゃないが、少なくとも国民は公社、公団に対する関心というものは大きく持っていますよ。第一次答申のときには、統合すべきもの、廃止すべきもの、いろいろ意見がちゃんと出て、そうして一億数千万円の金を使って、与野党ともに全面的支持のもとにその委員会ができて、前の長官の松平長官に私がお尋ねしたときも、十分に調査をして整理統合いたしますと言っておるじゃないか。それがどれだけ減ったか。むしろふえているじゃないか。そういう点から国民の関心は、はたして公社、公団というものがほんとうに国民のしあわせのために運営せられておるかどうかという問題に大きな関心を持っていることをあなた方は知ってもらわなければならぬ。私は少なくとも与党の代議士ですよ。つとめてあなた方に協力すべき点は協力するだけの意思は十分持っておりますよ。しかし、いまおっしゃるように、そういうものは出せるか出せないかということは今後研究して、一ぺんよく相談して、そういう御希望があるとするならば、そのような線に沿いたいという答弁ならば私は十分理解できるけれども、事業遂行の上においてこのほうが適当だなんて言うけれども、書類を出すことがそんなに影響することじゃないと私は思う。もう一ぺんよくお考えいただいて、局長としての考え方を御答弁願いたい。
○河合政府委員 お答えいたします。 私、ただいままでの答弁で、書類を出しますことが、国会に報告いたしますことが、これが特殊法人の能率を害するということばをあるいは申し上げたかと思いますが、これは、決して国会に提 出いたしますことが能率を害するという積極的な意味で申し上げたつもりはございませんでしたので、その点はおわび申し上げます。 なお、ただいまの点につきましては、現在政府部内におきましても、これはもちろん税金を使うことでございますから、そういう意味で、できるだけ慎重を期すると同時に、また手続の簡素化という考え方で、できるだけ手続の簡素化をはかっていきまして、決定事項につきましても、内部的に下の者にできるものはできるだけ委任していくという形にいたしておりますので、そういう意味で手続の簡素化ということを考えておる次第でございます。もちろん、お話しの点につきましては十分御趣旨を検討させていただきたいと思います。
○丹羽(久)委員 私はあなたをどこまでも追及しようとは思っていませんが、もう一歩前進した考え方を持っていただきたい。私はこれはお願いするのです。書類を出すことが事務の簡素化に影響があるとおっしゃるが、公社、公団というのは、先ほどからくどいことを言っておるようだが、少なくとも国民の血税がそこに含まれており、それを国会へ報告するということ、これを事務簡素化したほうがいいなんて思うということ自体が私はおかしいと思う。これを明らかにして国民が納得をするなら、これは事務の簡素化じゃない、事務の遂行に万全を期したということばに変わってくると思う。議員たちがお互いに望み、国民が望んでおることは、やはり国会に報告していただくことがほんとうだと思うのですよ。それにどうしても支障があるというのだったら、どこにあるかということを明らかにしていただきたい。支障がなかったら当然やっていただきたいと私は思う。この問題はその程度にしておきますから、ひとつ十分にあなたのほうで——あなた方の権威のためにも、行政管理庁から書類が出てくるということなら、私どもは十分に検討さしてもらう。あなたのほうが十分に検討せられた書類が私どもの手元に来るならば、私どもも真剣にこれを見せてもらって、なるほどこの公団は好成績をあげた、存続すべきものだ、この公団はあまり成績がかんばしくないからもう少し統廃合してみたらどうだ、あるいは廃止してみたらどうだという、国会議員の立場に立っても、政府だけにおまかせせずに援助しますよ。言いにくいことを、われわれがあなた方の線に沿って協力を惜しまないという体制に持っていけると思うのです。それがつんぼさじきではできませんよ。実際どうですか。おわかりになりますか。だから、ひとつそういう点を考慮してもらいたい、こういうことを私は重ねて要望しますから、十分あなたのほうの庁内意見をまとめてください。これは私だけの意見ではないのですよ。決算委員として出席していらっしゃる、あるいは決算委員に席を持っていらっしゃる方の、大多数と申し上げましょう——そんな必要のないという方もあろうと思いますから、全員だとは私は言い切れませんけれども、大多数の方がそういうことが望ましいという考え方を持っていらっしゃるように思うのです。だから、その点をひとつ十分に考慮して、今後の考え方を新たにしていただくことを望んでやみません。 それじゃ、ひとつ具体的な問題に入りましょう。 公社、公団等の役員の定数は、それぞれ所管の法令によってその数が定められておりますね。たとえば国民金融公庫は総裁、副総裁、理事六名、監事二名で、専売公社は総裁、副総裁、理事五名以上、監事二名以上になっておる。理事、監事の増加は自由にできるようになっておる。日本住宅公団でも理事五名以上監事三名以上になっており、現在はなるほど理事五名以上だから三十人でかしても、五十人でかしてもいいということであるが、そんなむちゃなことはしないけれども、現実には日本住宅公団では理事は五名以上となっておるけれども十一名つくっておる。六名も増加されておる。これは極端な言い方であるが、法律が一度国会を通過すれば自由に役員の増加を認める形になっておるのですよ。しかもこれらの役員は各省庁の割り当てによる、えげつない言い方のようでありますが、高級官僚の天下り人事になっておる。違うとおっしゃるなら、明細表があるから説明申し上げてもけっこうですよ。当該の事業体から役員になるものはもうほとんどない状態です。こういうような天下り人事なんです。 役員の定数は事務量の増加という理由であるが、この点は予算の面だけでなく、法律の統一的整理と法律的改正の手続による取り扱いを検討するとともに、当該事業主体で実績をあげた者は役員にすることをひとつ考えてもらいたい、こういうことなんです。ということは、率直に申し上げまして、いかに努力をしてもその公社公団に働いている人は課長になって部長にまではなれるけれども、理事というのは上からぽつっと来てそれで理事になってしまう。だから職員のうちから努力して理事になることは不可能だということなんです。そういうような運営のあり方というものが、ほんとうに力を入れてくる根源をなす運営のあり方であるかということなんです。先ほどあなたのおっしゃった能率を向上させようというところに重点を持っていくとするならば、そういうような理事は上から来た人が理事になって、下から上がった理事になれないというような場合、ほんとうに能率があがるとお考えになるのですか。そういう希望の持てない——大蔵省の所管になるかわかりませんが、たとえば部長の給料と理事の給料というものは、部長の給料のほうが上で理事の給料のほうが下だという例がありますか。待遇においても部長の待遇のほうがうんとよくて理事の待遇のほうが悪いという例がありますか。それなら部長でも彼らは満足するでしょう。どうです。その点。いま申し上げましたように、五名以上と書いてあったら十一名の理事をつくってきた。まだ十一名で良心的だと思う。十五名つくっても、それは国会を通った法律であるから何ら違法行為でないといえばそれだけのものだ。そういうようなところに行管の指導というようなものはどういうような考えを持っておられるのか、これをひとつ私は伺いたいと思います。
○河合政府委員 お答えいたします。 御指摘のとおりに何名以上、何人以上という理事、監事の規定がついております特殊法人がかなりございます。これは実は古いものにつきましてはそういう表現のものがございましたが、最近のものにつきましてはすべて何人以下に統一いたしております。今後もこの方針でやっていく所存でございます。 なお、ただいまの理事の人選あるいはどういう人を理事に持ってくるかという問題につきましては、これは実は各省大臣のそれぞれの所管の問題になっておりまして、私どものほうからその問題について一般論としてお答えすべきものではないとも思います。 ただいまの御質問のうちで、理事のほうが部長よりも給料の低いのがいるかというお話がございましたが、私の知る限りではそれはないと思います。確かにそういう仕事の上で能率を増し、仕事のしやすい環境に持っていくという意味から申しますれば、私の個人の判断といたしましては、これはその所属の職員の中からもそういう幹部が出ていくほうが所属の一般職員も働きやすい道になるものだということは間違いないというふうに考えております。
○丹羽(久)委員 政務次官、いまの問題をどう考えております。あなたは大臣代理ですから、ひとつ私の質問に対してその責任ある所感を述べてもらいたい。
○熊谷政府委員 丹羽先生の先刻来の御発言の要旨につきましては、私も同じような考え方を持っておるわけでございますが、いま局長から申し上げましたように、行政管理庁の直接の所管でない関係になっておるわけでございます。そこで申し上げることも一応一般的な考え方になるわけでございますが、結局こうしたようなことに関しての丹羽先生の御意見は、国民各方面からの意見である、こういうふうに私も承知いたしておるわけでございまして、この点については丹羽先生発言の趣旨に沿ったように基本的には対処しなければならないものだ、かように考えるわけでございます。
○丹羽(久)委員 いま次官から私の考えに同感の意を表すると言っていただきましたので、非常にしあわせに思うのであります。もう一度局長さんにお尋ねいたしますけれども、最近は理事五名以上というのを五名以下に考えております、こういう話でしたね。そういうようなことが行管でできますか。それはどういう指導でやるのか。もしそういうことになれば、これは法律を変えなければならないですね。五名以上となっているのを五名以下にしなさいということになれば、それは各省庁法律を改正せよということでしょう。それはあなたはどういうふうに考えてそういう指導をせられるのですか。
○河合政府委員 お答えいたします。 私の表現が不適切であったかと思いますが、私が申し上げました意味は、古いものが五名以上という規定になっておりまして、現在それは法律の規定そのままの運用をすべきだと思っておりますが、最近の特殊法人の理事、監事、役員の定数につきましては、何名以下という表現をとっているということを申し上げたわけでございまして、前に何名以上と書いてございますものを何名以下の運営にいたすということを申し上げたわけではございませんでしたので、あるいは私の表現が不適切であったかと思いますので、おわびしておきます。
○丹羽(久)委員 そうすると、いまだ理事五名以上、監事二名以上となっておるが、それはそのまま生きておるということでしょう。だから、必要に応じてそういうようにしていくということでしょう。だけれども、あなたのほうではつとめてそういうことに対しては行政的というか話し合いで少なくしてくれ、それが事務の簡素化であり、そして運営上の能率をあげることだ、こういうような考え方でそう言うように指導している、こうおっしゃるのですか。
○河合政府委員 ただいまお話しの点につきましては、法制上は何名以上と規定しておりますものにつきまして規制する権限はないわけでございます。ただ事実上話し合いでできるだけこれは人数を押えていくような方針で私どもは相談をしていきたいと思っております。
○丹羽(久)委員 それはあなたのほうで法律上やれないということは私も知っているのです。各省庁が責任者ですからね。それからあなたのほうは総括的な事務の簡素化をはかる、そして万全の運営を期するというところでそういう組織的なものができたのですね。それは話し合いでけっこうだと思うのです。 そこでもう一ぺんさっきの問題に移るのですが、天下り人事ということばは表現が悪いかもしれない。あるいは高級官僚のそうした人事という問題ということもそれは表現が悪いかもしれないが、事実は高級官吏といっては失礼かもしれないけれども、かなり長年の間役所づとめをしていただいておった局長クラスの人たちがそういう理事に入っていらっしゃる。あるいは次官クラスとかそういう人が公団、公社には相当たくさん入っていらっしゃる。そこで、先ほどの話になりますけれども、事務能率を向上させるためにも、励みを持たせるためにも、やはり当該事業団体につとめた職員のうちからそういうところの地位にやるということに対しては、先ほど次官もそういう考えにしていきたいという話だが、いままでそういうような問題を検討せられたことがあるかどうか。いままでに整理統合するという前提に立ってみて、内容をいろいろ調べてみて、理事はほとんどの人たちが民間から来ている人たちはないんだ。ほとんどが役所からの人が多いんだ。理事あるいは総裁、副総裁しかりだ。これではいけないから、やはり上げてやらなければいけないということを考えられて、各省庁と話し合い、あるいは政府機関として取り扱っているその公社公団等と話し合いでもせられたことがあるのか。そういうふうなものは無関心でおられたかどうかということを、私は当面の責任者としてあなたにお尋ねしたいと思います。
○河合政府委員 お話の点につきましては、そういう個々の公社、公団の役員の選考につきましても、あるいは役員の選考自体につきましても、実は行政管理庁の所掌ではございません。 ただ、ただいまのお話につきまして私の知っております限りをお答えいたしますと、「公団公庫等役員の選考について」という昭和四十年五月十四日の閣議口頭了解、それから「公社、公団等役員の人事について」昭和四十二年二月七日の閣議口頭了解、こういう政府としての意思決定が二つございます。 この第一の閣議口頭了解は、これは「公団公庫等の役員の選考にあたっては、適任者を広く各界有識者から人選することを原則としているが、今後次の事項に特に留意されたい。」ということで、関係省庁の職員にとらわれず、広く適任者をさがすこと。これは公務員出身者から選考する場合には関係省庁の職員にとらわれずということ。それからたらい回し的な移動はこれを避ける、あるいは高齢者の起用は、常勤のポストについてはできるだけ避ける。あるいは長期留任は特別の事情のない限りこれを避けるというような閣議口頭了解をしております。 また四十二年の閣議口頭了解につきましては、「広く人材を登用するため、公社、公団等特殊法人の役員の任命については、事前に内閣官房長官と協議すること。」といたしております。またそれに基づきまして、同じ年の二月九日の次官会議の申し合わせがございまして、これはこれらの手続的なことでございまして、その官房長官に協議するということの手続について定めたものでございます。 以上のような点で、直接部内の一般職員から登用しろということをはっきりとは申しておりませんが、その趣旨にも合うような意味の閣議口頭了解もいいたしております。政府といたしましての意思決定といたしましては、そういう点につきましてただいま申し上げましたような了解をいたしております。
○丹羽(久)委員 そこでもっとこまかいことを聞くようで悪いのですが、業務運営というものと業績評価という点について、あなたのほうはお考えになっておるかどうかということを聞きたいと思うのです。 国民の税金あるいは財政投融資による資金、運用収入等で事業資金を得て、これが公共的立場で国民に還元されていかなければならないことを考えると、単なる官庁方式の運営では事務能率の点から問題で、事業の弾力的運営が必要である、この点が国民の最も望むところであると私は思っております。たとえば公庫の資金を借り入れる場合、申請から借り受けるまで事務の処理に長い期日がかかるのです。必要以上の手間、そういうことで非常にお役所仕事だといって借り受け人が不満が多いのです。これは再三私はほかの委員会でもそういうことを申し上げておるが、公庫、公団に対しても、きょうの決算委員会でどうしてもそういうことばをはさまなければならぬ、こういう必要以上の監督をしているということは、人員が一部多過ぎるという面もあるように考えらるけれども、こういうところを主務官庁だけにまかせずして、行政管理庁は何か統一的考え方というもの、これに対する一つ一つを検討するということは困難であろうけれども、ある程度はこれを検討してもらわぬと、国民は非常に期待薄になるわけです。問題は先ほども言ったように、資金を借り入れようと思って書類を出したけれども、なかなか審査でああだ、こうだといって——なるほど国の金で大切であるから、十分な審査の必要はあろうけれども、これを提出した後において何カ月以内には結論を出すとかなんとかいう形をつくってくれないと、請求の激しいものに対しては事務が進んでいくが、お願いして書類を出しておいても、その審査というのはとまっておる。事務の簡素化ということを先ほどから言っていらっしゃるけれども、これは主務官庁に対してそういうようにしろというような、ひとつあなたのほうの連絡会議とかなんとかいうようなことで、ここに初めて一元化的なものができてくると思うのです。そういうようなことに対してのお考え方はどうであるか、ひとつ承りたいと思います。
○諸永政府委員 各特殊法人の業績評価というのは、これは先生おっしゃるとおり、第一次的には主務省庁、主務大臣の権限事項であり、その責任事項であると思いますが、行政管理庁におきましても、各行政機関の業務の実施状況の監督の一環といたしまして、各特殊法人の監督状況の監察を通じまして業績評価を行なっておるわけでございますが、この業績評価というのは、基準的なことを端的に指標としてとらえるということは、御承知のとおり、各特殊法人の性格、目的、その業務の実施状況がそれぞれ異なっておりますので、一元的にいうことは非常にむずかしゅうございますけれども、われわれといたしましては、やはり特殊法人の設立の目的をはたして果たしておるかどうか。したがいまして、国が指示しまたは国が期待しているような経営成果を簡素にしてかつ能率的に果たしているかどうか、国民の利益になるようなサービスの向上につとめているかどうか、そういうふうな観点から総合的にその業績を判断しておるわけでございます。これを個々具体的に、しかも端的に業績、経営成果を把握するという指標というものは非常にむずかしゅうございます。われわれのほうもこういう業績評価を数量的に端的に把握するという基準ができますと、各主務省の特殊法人に対する監督のあり方としましては、いまのような複雑な監督をしなくても、経営責任者、総裁、理事長または理事の責任を追及できるということから、非常に大綱的な監督ができる。またわれわれ行管としましては、各特殊法人の業務の実施状況を見ます場合に一つの指標として非常に便利であるというふうに考えておりますが、遺憾ながらまだその基準的な業績評価、しかも数量的に端的に把握する指標としての業績評価というものの確立はできていない状況でございます。
○丹羽(久)委員 時間がありませんのでもう一、二点尋ねたいと思います。 そこでこれも具体的な例をあげますと、先ほど申し上げました公庫の問題でありますが、これは答申によりますと公庫は整理統合すべきものであるということ、あるいは公団もそのようにしよう、そして済んだものは廃止しようということは先ほどから申しております。そこで環境衛生金融公庫ができましたですね。これは非常に大衆的なものであって、飲食、理容、美容、旅館、クリーニング、浴場等十数種目に対する業種に対して設備施設資金の貸し付け、それが目的である。昭和四十二年八月に同公庫法の設立を見ましたことは御存じのとおりだと思います。そのときに政府資金として十億円をもって同年の十月だったと思いますが、営業を開始したのであります。これに対する貸し付けというのは従来国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、商工組合中央金庫が行なっておったのであります。しかし公庫の設立理由としては、私の知っている範囲内では、環境衛生設備の立ちおくれから独立した機関が望まれているといわれておりますが、その内容というのか実態を調べてみますと、中心をなす貸し付け業務の九七・七%は、国民金融公庫がその仕事の委託を受けて業務を実施しておるのですよ。残るわずかな二%ないし三%は、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫が委託を受けて、さらに市中金融機関に再び委託をしておるというようなことで、実際の審査決定権はいま言ったような市中銀行だとかあるいは国民金融公庫だとか商工組合中央金庫がやっておって、環境衛生金融公庫は、極端なことをいうと、報告を受けるというだけのような状態なんです。 また経理内容に少し融れてみたいと思いますが、昭和四十三年度ですか、予算上の支出額は四十一億円だったのですね。委託に要する経費は九億円払っておるのです。財政投融資による借り入れ金に対する支払い利息が三十億円、決算上の不足額として厚生省の一般会計から補てん繰り入れしたのは六億一千万円ということになっている。これができるときの役員は、理事長は厚生省出身、現在のところまだ規模が小さいからということで、理事三名のうち二名は厚生省の出身ですよ、そうしてもう一名は警察出身、監事はまたこれは大蔵省出身です。これを検討してみますと、この人々はもう実にりっぱな人ではあるけれども、お役人である。その方々がこういうところへ出られる。このような公庫はできてみたものの実際的な運営というものはほとんど委託している。その委託をしている金というのはばく大な金になっておる。今日これだけ強く行政管理庁に対して公庫のあり方について検討を加えてみよというこの際において、こういうようなあり方というのはいいだろうかどうだろうか、私は疑念を持たざるを得ない。 環境衛生公庫というものができることに対しては、大衆の資金面、あるいは営業そのものに対する建設というのか、店舗改造費等々を出していただくことに対しては、私は非常に感謝もいたしますし、大衆のそういうような零細企業者たちは喜ぶのですが、実態としてはどうも現在のままではあまり感心しないのです。こういうような点について、行政管理庁のほうでは、そういうような私の申し上げたことがほんとうとするならば、どのような見解を持たれるのかということをひとつお尋ねいたしたいと思います。
○河合政府委員 お答えいたします。 環境衛生公庫の創設の際の理由につきましては、先生も十分御承知のとおりでございまして、従来国民金融公庫の一部として行なわれておりましたものを、環境衛生の融資制度を特に発展させて、国民金融公庫の中でのほかの営業部門の融資条件と均衡をはかるというような意味で、これを独立させたというように私は理解をいたしております。そういう意味でこの環境公庫につきましては、現在もそういう事情は続いていると思いますので、これがありますこと自体については、御意見のとおり私も現在必要があると思っております。 また、お話の個々の内容の理事の人選につきましては、これは先ほど読み上げました閣議口頭了解の線に沿って処理さるべきものだというように考えております。関係省庁にとらわれることなく、一般論の原則で処理さるべきものだというように思っております。そういうことでできるだけ正確にこの閣議口頭了解の趣旨に沿った運営にしていただくことが必要というふうに思っておりますが、これは何ぶん担当省庁の所管の問題でございまして、私どもの所管として御意見を申し上げるべきものでないと思いますので、本件につきましては、一般論についてだけは閣議口頭了解の線で処理すべきものだというふうに思っておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 局長さんからいうと全く消極的ですよ。行政管理庁のあり方というものはそういうものでないと思うのですよ。事務の簡素化をするように指導をし、国民大衆の前に奉仕するということに対して、つとめて手数を省く。それは先ほどいう簡素化になるかもしれぬ。そうして公社公団の事業は、なるほど国のやっていることだから大きな利益をあげるというのでなくて、それの健全な運営をしてもらうよう、各省庁に対してあなた方が常に緊密な連絡をとっていかれる。それにどうしてもマッチしないものがあるとするならば、それはあなた方が断固としてさらに勧告をする。それだけの権限が、あるないは別として、そういう趣旨のもとにでき上がったものでしょう。だからどういうようなやり方をしておってもかまわないよというあり方でお考えいただくということは、私は納得できないのですよ。そんならば実際は行政管理庁がこんなくちばしをいれなくてもいいということなんです。答申するだけの権限は何もないじゃないか。答申してきたところを受けて立ってあなた方がやられるならば、やっぱり各省庁と話し合って、そして前回のときも松平さんが特殊法人改革に関する第一次意見というのを出していらっしゃる。それに基づいたというこの基礎的なものは、職員の方々やそれぞれの方々が百何十人集まって、あらゆる部門を独立したものでいろいろ調査をして、あげくの果てに結論を出したのでしょう。それで行政管理庁長官に対してこういうふうにしてもらいたい。そういうことからあなたのほうはそれを検討して、手を染めましょうと、一元化した責任を持った立場に立たれたのでしょう。運営はそれは知らないよとおっしゃるだろうけれども、私は今後の運営というものは、あなたのほうに相当の力と相当の指導力を持って意見の具申がしていけるような立場になってもらいたい。それはわれわれの望むところなんですよ。どこかにそういうかなめがなければ、やはりやりっぱなしにやられておっては、国民はたまったものじゃないですよ。そういう意味から、もしあなた方の権限というものが足らないというのだったら、国会としてももっと権限を付与するように考えてみようじゃありませんか。おそらく皆さん方、そういう御意見だろうと思う。もう一度よく検討してもらいたい。 そこで、いまのような環境衛生公庫というものができたそのものに対しては、私は決して反対するものじゃない、けっこうだと最初から申し上げておる。その運営方法というものが、委託する委託費はたくさん出す、そして人が足らぬのか何か、ほんとうに事務的な行動が開始できない、実態の審査がほんとうにできないとするならば、この公庫に対してもっと積極的なやり方を、どこの所管になるのか、厚生省になるのか大蔵省になるのか、その点を調査せられて、そして事実そういうような活動状態だったら、もっとしっかりやってくれなければいかぬというようなことは、あなたのほうから言われることが私は必要だと思っている。そういう権限は全然ないから言えないとおっしゃるのか、その点明らかにしてもらいたい。そういうことが言えないということだったら、われわれはもっと考えていかなければならない。行政管理庁というもののあり方に対しては、何にもならないものじゃないかと思う。どうですか、それは。
○諸永政府委員 行政管理局としては、新設あるいは廃止、あるいは目的変更等の審査だけの所掌事務でございますので、管理局の業務としましては、その権限はないと思います。行政監察局は、先ほども申し上げましたように、公社、公団、公庫、事業団の四十六特殊法人につきましては、調査権限を持っておりますので、業務の運営上の改善、勧告、これは主務大臣を通じてでございますが、改善、勧告なりあるいは目的を果たしてないというものについては、その整理、廃止、統合の勧告というものが当然できるわけでございまして、ただいま本年度以降少し長期的にこの四十六の特殊法人のうち事業団関係、これは御承知のとおり非常にバラエティーに富んだ業務内容を持っておりまするので、しかも金貸し事業団と称するものが相当ありまして、公庫との法律上の性格の相違などについてもまだ若干検討を要する点もございます。公団と事業団との実定法上の業務上の差違という点につきましても、もう少し検討する必要がありはしないか。なお個々の特殊法人の業務の運営の能率改善、あるいは民主的な運営のやり方というような改善につきましても、いろいろと改善をしてもらわなければいかぬという点もあろうかと思いますので、まず特殊法人のうち事業団関係の、たしか二十一あったと思いますが、事業団関係から逐次公庫、公団等の総合的な監察を実施いたしまして、運営の改善なり、あるいは整理するものは整理をするというようなことを推進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 それではもう一度申し上げておきますが、臨行調査会の改革意見において、設置されていたもの及び、ということで出ておるわけですね、前のときに。だから、私はあなた方を行政管理庁長官だと思ってお話しをしているのでありますから、十分にこの点をくみ入れてもらって、そしてより以上よく能率を上げてもらう。そして事務の簡素化も必要でありましょう。しかし国民は国会を通じて知ることができる、われわれがそれを知って初めて国民に知らすということになるわけです。だから、そういう内容的なものも、先ほどから言っておるように、もう一度御検討していただいて、そして政府機関だけでなくて、公社、公団のものも、そうたいして費用もかからずして、事務の複雑化でなかったらぜひ出してもらいたい。そしていまの環境衛生のような問題に対しては、一応所管大臣とも話し合ってもらって、そのような指摘をされておるけれどもどうだろうということもよく御研究していただいて、今後の万全を期していただきたいと思うのです。 きょうは特に政務次官も来ておっていただきますので、時間もだいぶ経過いたしましたから、どうぞ私の趣旨をくみ取っていただきますことをお願いして、これで質問を終わります。
○中川委員長 この際、委員各位の御同意を得て、私から数件お尋ねを申し上げます。 ただいまの丹羽委員の御質問に関連をいたしておりますので、その点は御了承願いたいと思います。なお大蔵省に御出席をいただきましたのは、先ほど来お聞きのとおり、公庫、公団、事業団に対する財政融資の問題等が今日非常な関心を持たれておりますし、さらに昨日の衆議院の議院運営委員会におきましても、御承知のとおり公庫、公団、事業団に対する高級官僚の天下り、こういう問題が大きく取り上げられたわけでございます。そういうような観点から、会計検査院からさらに閣議を経過してここに持ち込まれるものではありますが、決算委員会としては重大な関心を持たざるを得ないわけでございます。単に報告として受け取るわけにまいりません。そういう見地から特に昨日議運において問題になりました点については重大な関心を持たざるを得ないわけでございます。行政管理庁と大蔵省、きょうは主として行政管理庁関係でございますから、大蔵省に御出席を願うのはいかがかと考えたのでございますが、何といっても大蔵省に重大な関連のある問題ばかりでございます。いかに行政管理庁が厳重な処置をやろうと思っても、またいろいろな考えを持っておられましても、大蔵省でチェックされる場合がしばしばあるのじゃないだろうかと思うのです。これは単に行政管理庁だけでなく、各省に関連のあります公庫、公団、事業団等ことごとく大蔵省の了解を得なければできないのじゃないかとまでいわれておる。そういうことから大蔵省に特に御出席をいただいてよく事情を聞いていただく、こういうたてまえから御出席をいただいたわけでございますので、御了承願いたいと存じます。 いま申しましたとおり私から数点お尋ねしたいと思います。多少、いま丹羽君が御質問になりました点とダブる点があるかと思いますが、なるべくダブらないように質問いたします。 まず第一点は、公社、公団、事業団等について現在その数は百八にのぼっておるといわれる。これら機関が設置されるときは、昭和三十八年六月の行政管理庁設置法の一部改正により、新設、制度の改正または廃止について関係省庁は行政管理上庁と協議することになっております。したがって、公社、公団、事業団の新設等には設置基準がなければならないと思いますが、一体どのような設置基準に基づいてこれが設置されておるのか、また特殊法人という法的性格はどのような解釈に基づくものか伺いたい。これが第一点でございます。 第二点は、これら公社、公団等の業務実績並びに先ほど来問題になっておる業績評価については、どのような基準、方法によって評価検討をしておられるのか、これが第二点です。 第三点は、公社、公団、事業団等の役員の定数は、先ほど来しばしば質疑応答が取りかわされておりますが、法律に何名以内あるいは何名以上という規定があるが、定数の定め方が不統一であると思われます。これを法律上統一して、増加の場合は法律改正をして増加すべきではないか。御承知のとおり、公務員には定員法というのがございます。公務員ではございませんが、公社、公団、事業団は準公務員といっていいのじゃないかと思うのです。先ほどの丹羽委員との質疑応答を聞いておりますというと、古いものにはそういうのがあるが、最近はなるべくそういう点を是正するようにつとめておるというような御意見のように拝聴いたしました。古いものにそういうものがあるならば、これをすみやかに改正されるのが妥当ではないかと思いますが、御見解を承りたい、これが第三点です。 第四点は、公社、公団等への役員は、大部分が先ほど来問題になっておる高級官僚の天下り人事であります。昨日申し上げたように、議運で大きな問題になった点でございます。天下り人事が事業運営の能率化、合理化等の点から見てはたしていい成績をあげておるかどうか、非常に疑問でございます。百八にのぼる公社、公団、事業団等の役員の氏名、前歴、俸給等について調査をなさったことがあるかどうか。もしおありとするならば、本年一月現在で、過去五カ年間の変遷の資料を御提出願いたい。一週間以内に本委員会に御提出を願います。 第五点は、公社、公団、事業団の業務報告、財務諸表等については、現在これらの機関等の事業活動から見て、より国民的であり、資金構成も、税金、財政投融資の資金等の活用もありますので、いま丹羽君からるるお話がございましたように、国会としても重大な関心を持たざるを得ないので、年度ごとに前述の資料を審議の参考として国会に提出すべきだと考えますが、いかがにお考えであるか。 また、このためには、おのおのの特殊法人の法律を統一して改正するように検討すべきだと考えますが、御所見を承りたいのであります。 以上五点について、まず御答弁をお願い申し上げます。
○熊谷政府委員 中川先生の御質疑の点につきましてお答えを申し上げたいと存じます。 丹羽先生にお答えいたしました点と重複すると思いますが、重複する点等も御了承いただきまして、重ねて申し上げたいと存じます。 まず第一の問題でございますが、設置基準についての関係につきまして、行政管理庁の審査は、行政組織全般を管理するという見地に立ちまして、その新設の適否を判断するわけでございます。主として、次のような点について検討することにいたしておるわけでございます。 第一の点は、業務の目的上公共性が強く私人に行なわせることが不適当なものであること。第二点は、業務の内容から見て、行政機関に処理させるよりも特殊法人を設立したほうがより適切な運営ができるものであること。第三点は、業務の能率的な運営をはかるため、財務会計または人事面で、行政機関を律する法規で許される以上の弾力性を与える必要があること。第四点は、既設の行政機関や特殊法人の業務と重複、競合しないこと。第五点は、国が責任をもって政策を実施する組織全般から見て、著しく細分化し、または複雑化するおそれがないものであること。このような点について検討いたしておるわけでございます。 次に性格の問題でございますが、行政管理庁の審査の対象とする法人の法的性格は、法律によって直接に設立された法人または設立委員を政府が任命して設立された法人であり、換言すれば、国の手によって設立された法人である。これらの法人はまた強度の国家的保護と監督を受けるものである、かように考えておるわけであります。 さらに第二の問題について申し上げますと、各種特殊法人の業績の評価は、第一次的には当該法人の主務官庁が行なうべきものであるわけでございますが、行政管理庁としても、各省庁の監督行政の監察に関連して、行政管理庁設置法第二条第十二号により、必要に応じて公社、公団等の業務の実施状況を調査することになっておるわけでございます。その際の業績評価の一般的基準としては、当該法人が公共性と企業性を両立せしめ、設立の目的を果たしつつ能率的、企業的に運営され、かつ国の指示しまたは期待している経営成績をあげておるかどうかという観点から業績を評価しておるわけであります。 第三は、特殊法人の役員の定数の問題でございますが、お説のように区々になっておるわけでありますが、最近設立されるものにつきましては何人以下とするというように統一しているのが現在の実情でございます。今後もこの方針をもってまいりたい、かように存じているわけでございます。また、役員の数につきましては、特殊法人の新設や改組の場合は、現にその数を抑制する方針をとっておりまして、できるだけ簡素化するということの方針を堅持いたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 なお第五の問題でございますが、いわゆる各特殊法人の業務報告、財務諸表等を国会に報告することはどうかということでございますが、これにつきましては、特殊法人は公共性の強い業務を行なうものではあるが、一般の行政機関と異なりまして、できる限り自立性を認めて能率的な経営を行なわせるための制度であると考えますので、新しく制約を加えることはできるだけ避けたほうがいいのではないか。現在は、国会に対しましては、御承知のように主務大臣を通して責任を負う形をとっておるわけでございます。しかしながらお説のような考え方が世論的な方向にもあるように考えられますので、この面につきましては先ほども申し上げましたように、その方向について検討をいたしたい、かようにも私個人といたしましては考えておる次第でございます。 なお、先ほど御要求の資料の点でございますが、その点は行政管理庁の所管というよりも、内閣官房人事課のほうに御要求願うべき内容のように考えられるわけでございまして、この点についてはさようにお願いをいたしたい、かように存じます次第でございます。 尽くしないお答えになったかとも思いますが、基本的な考え方といたしましては、特殊法人に対しての国民的な期待なりあるいは要望、あるいは最近のそれぞれの現象に対しての意見というものは、相当きびしいものがあるわけでございまして、この点につきましては行政管理庁の立場からいたしましても、やはりその方向でその権限の範囲内において可能的にこれに対処していかなければならないもの、かように考えるわけでございまして、今後ともできるだけの努力をいたしてまいりたい、かように存じます次第でございます。
○中川委員長 もう一点重ねてお尋ねしますが、定数の定め方に対して法律改正をやられる御意思ございませんか。たとえば最近のものについては何名以下としておるが、古いものは限界がきわめてあいまいなものがある。まあこれからつくるもの、さらに最近のものはできるだけ何名以下というふうにしておるのだがということでございますが、そこが非常に不統一なんですが、これについて法律改正をやられて統一される御意思はございませんか。
○熊谷政府委員 ただいまの御質問、御意見につきましては現在のところ行政管理庁としてその方針は打ち出しておらないわけでございますけれども、御発言の御趣旨、また世論の動向等を考えました場合に、そのような方向に前向きで対処していかなければならないものと、かように考えるわけでございまして、今後行政管理庁の立場におきましてできる措置を心がけて対処いたしてまいりたい、かように存じます。
○中川委員長 それからもう一点ついでにお尋ねするのですが、第四点に資料の提出をお願いしたわけなんですが、もし行政管理庁だけでできない場合は、大蔵省なり——いまお話を聞けば内閣人事局ですか、そこで出すのが妥当だというお話ですが、そのほうに御連絡なさるか、大蔵省のほうでこれはわかりませんか。公社、公団、事業団の役員の氏名、前歴、俸給等、本年一月現在のものであって過去五カ年間の変遷……。
○海堀政府委員 もう御説明申し上げたかと思いますが、大体政府関係機関の要するに総裁ないし理事長というものは主務大臣の任命、監事につきましてもほぼ主務大臣の任命、それから理事につきましては規定によって違いますが、大体理事長ないし総裁が任命をして報告する場合と、あるいは承認を得て任命するような場合といろいろありますが、いずれにしても主務大臣のほうには詳細な資料はあるはずでございます。これを現在どこで取りまとめるということにはなってございませんが、私のほうにも全体のものはございませんので、やはり各主務大臣が協力をいたしまして、人事を担当いたしております総理府人事局で取りまとめていただくのが適当ではないかというふうに考えます。
○中川委員長 それね、海堀次長、財政投融資の分配は大蔵省でやっておるわけでしょう。ですから、その範囲だけでも大蔵省でわかりませんか。
○海堀政府委員 財政投融資あるいは予算で、政府関係機関の中には予算に関連しているものもございます。しかしその点はあくまで予算もしくは財政投融資という形で大蔵省は関与いたしております。 それから給与の基準につきましては、大蔵大臣に協議を受けておりますので、この基準につきましては、もちろん私のほうで明確な経緯を持っております。 ただ具体的な人選につきましては、やはり法令の定めるところに従って行なわれておりますので、私のほうでそこまで統一をとって資料をとってございませんので、これは私のほうが監督いたしております大蔵大臣が主務大臣であるものにつきましては、大蔵大臣その他各主務大臣がその経緯を承知しておるはずでございますので、それを人事局で取りまとめていただくのが適当かと思います。
○中川委員長 人事局のほうへ言いますけれども、いまお説のように、基準については大蔵省がタッチしておるのだから、報告くらいあるでしょう。基準だけ調べて、こうやれと言って、それに対して報告しないものは怠慢じゃないか。
○海堀政府委員 ある機関の理事者の職務の重要性に応じまして、こういう機関については、こういう準則によっていただきたいということは協議を受けて御返事申し上げているわけでございますが、その具体的な人選につきましては、先ほど申し上げましたように、一応長と、それから監事は大体主務大臣の任命が多いかと思いますが、主務大臣が任命する。それから理事につきましては、大体長が任命するということになっておりますので、そういう具体的人事について私のほうが関与するようには法律上の規定がなっておりませんので、事実また関与もいたしていないわけでございます。したがいまして、間接的にはいろいろと御指導をしていたり、あるいは予算のときに折衝いたしまして、こういう方がいらっしゃるということを事実の問題としては知っておりましても、法令上、私のほうが取りまとめたものを持てる形になっておりませんので、また資料もそういう形で整理いたしておりませんので、人事局で取りまとめていただくのが妥当かと存じます。
○中川委員長 あのね、そういう御答弁は、しろうとにはいいのだ。それはしろうとにはいいけれども、一つの報告を公社、公団がつくろうと思っても、大蔵省の了解がなかったら、実際問題としてできないのですよ。そうでしょう。あなたらはみなタッチしているのだ。だから、それはなるほど環境衛生金融公庫は厚生省の所管でございます、いや、なには通産省の所管でございますといってみたところで、大蔵省から、あなたたちの了解を得ないで、そういうものはつくられないのです。ということは、財政投融資の分配を受けられないから、だから各省は大蔵省へ行ったらば小さくなって頼みます、拝みますということでみな現状はやっているのです。だからそれに対してあなたは実際問題として知らないなんということはないんだ。これ以上追及しませんが、あなたの知っておる範囲内の資料を出してください。知っておる範囲内だけでよろしい。それを出してください。
○海堀政府委員 機関を設立する場合には大体予算ないし投融資が関連いたしておりますので、これは出資につきまして予算という形で大蔵省が原案をつくりますので、もちろん大蔵省が直接的に関与をしていることでございます。ただ具体的な役員の人事につきましては先ほど申し上げましたような形になっておりますので、私どもでいまわかっているものが非常に断片的であり系統的ではございませんから、やはりそこは統一して人事局なりでまとめていただくのが適当かとも思います。ということは、もし私のほうでわかっているだけを出しますと、そこに精粗があったりあるいは不備があったりというふうなことで、適切ではないのではなかろうかというふうに申し上げたわけでございます。
○丹羽(久)委員 大蔵省次長さんですか、少し申し上げておきたいと思いますが、公社、公団の政府機関の人事に対してはあなたのほうではわかるのでしょう。わかりませんかどうですか。
○海堀政府委員 先ほど申し上げましたように、各政府関係機関については主務大臣がございまして、そしてその理事長もしくは総裁、それから監事というものは六体その主務大臣の任命に法律上なっておると存じます。したがいまして大蔵省の権限というのは大蔵省が監督いたしております、たとえば専売公社とかそれから輸出入銀行とか、これはその面につきましては完全に大蔵大臣の任命でございますのではっきりいたしております。それから理事につきましては大体の法律上は総裁もしくは理事長が任命することになっております。しかし事実上はそれは主務大臣に内々意向を聞いてまいるのが常かと存じます。したがいまして大蔵省においては、大蔵大臣が主務大臣になっております機関についてはわかっております。ただその他につきましては私のほうに権限がございませんので、具体的な人につきましては事実上承知をしている面もあるかと思いますが、法令上調べる権限もまたその必要もないわけでございますので、各主務大臣のところではっきりしたものがわかっているはずでございます。
○丹羽(久)委員 大蔵大臣が直接管轄するところの公社、公団、政府機関以外はわからぬとおっしゃるのですか。私どもの解釈は、政府機関だけは大蔵大臣のもとに書類なんか出ると思うのですが、そうじゃないですか。
○海堀政府委員 たとえば、事業計画の承認に際しまして大蔵大臣に協議を受けるということは、大体の公団、事業団についてもそういうふうになっていると思います。その場合に理事長の名前をもってまず主務大臣に申請が出されます。これは参考までにつけまして大蔵大臣に協議されますので、したがってそういう意味におきましてその理事長の名前が事業計画の承認の際に長の名前としてついてくるという意味では承知できると思います。ただその場合に、その方がどういう方とか、そういうことは大蔵省に協議することになっておりませんので、そういう事業計画の承認の際に理事長名の書類がついてくるという意味では大蔵省はわかると存じます。
○丹羽(久)委員 そうすると政府機関として決算あるいは事業計画等をあなたのほうの承認を求めるとき、理事長名以外はあなたのほうで把握することはできないのですか。政府機関として大蔵大臣が直接に監督する機関以外は、あなたのほうに出てくるのは理事長名だけであって、あとの人たちは政府機関のものであっても、把握することはできないのですか。
○海堀政府委員 大蔵大臣が主務大臣になっておりますものは、先ほど申し上げたように大蔵大臣がわかります。それから大蔵大臣が主務大臣になっていないものにつきましては、法令上は先ほど申し上げました主務大臣が理事長なり監事なりを任命し、それから理事につきましては理事長なり総裁なりが任命するという形になっております。したがいまして、その具体的な人選につきましては大蔵大臣は何ら関与いたしていないわけでございます。ただ事業計画承認のときに、もしいろんなことで大蔵省が事実上資料を要求して出せと言えば、それは事実上の問題として出さないことはないと存じますけれども、そういうふうな形で具体的な人選に関与するということはいたしていないのが常でございます。したがいまして各所管の、たとえば道路公団は建設大臣のところに具体的な理事者のいままでの推移が明らかな書類があるはずでございます。
○中川委員長 そんなでたらめを言ったってだめなんだよ。君らは法令上法令上と言っているけれども、たとえば道路公団が財政投融資の金をもらうときに、詳細な事業計画を出させずにあなたたちは承認しますか。建設大臣がやっているから建設大臣にまかすということをやっていますか、やっていないでしょう。どの理事の俸給は幾ら、職員は何人、そうして人件費は幾ら、シビアーなところで全部チェックするでしょう。だからそんなしろうとに言うようなことを国会でどう答弁したってだめなんだ。わからないことはないんだから。そういうことがわからなかったら大蔵省は必要ありません。予算はどうして樹立したのですか。たとえば道路公団なら道路公団が建設省の所管であっても、財政投融資の金をもらおうと思ったら、今年度はこれだけふやしてください、いやこういうふうにしてくださいという場合には、詳細な事業計画をあなたたちは持って来さすんですよ。人件費が幾ら、事業費が幾ら、何が幾ら、交際費が幾ら、全部それはあなたたちのほうでもう厳重に審査しなければ出しはしないんです。ですから大蔵省所管のものだけはわかるけれどもほかのものはわからないんだ、建設省関係のものは建設大臣に聞けというような、そんなしろうとに言うようなことは国会では通じない答弁だね。
○海堀政府委員 私の申し上げておるのは、それは詳細な資料を財政投融資を出すときは取るだろうと思います。人件費につきましても理事が何名と、そのときに監事は一体欠員になっているかいないかということは取ると存じます。これは財政上必要がある。その予算なり財政投融資をきめる上で必要なものとして取ると存じます。
○中川委員長 わかるじゃない、取っておるんだから。
○海堀政府委員 取っておりますが、それは具体的な人を、この人がどうであるとか、どういう人だからということは普通は特殊なことがあれば別といたしまして、そういう場合でも取らない。理事さんは何名いらっしゃるかということは人件費の積算上必要であり、職員が何名いるかはもちろん必要であり、どういう部をつくり、どういうことをなにするというふうなことにつきましては、詳細な資料を取って検討いたします。ただ具体的な理事にだれを人選するかということにつきましては、これはもうたとえば建設大臣が主務大臣になっているものにつきましては建設大臣ということになっておりまして、そこで大蔵省は具体的な人選にまで関与いたしてはおりませんので、これはもう事実の問題でございます。
○丹羽(久)委員 私がお尋ねしたいと思うことは、事業計画を立てて、予算書をあなたのほうに送って検討してもらう、そのときに理事の費用が幾ら、交際費が幾ら、人件費が幾らというように区分してあることからいっても、たとえばあなたたちがそれの事業計画を承認する上において、大蔵省というのは微に入り細にわたって御検討になるのですよ。これはもう実に国家的財政の立場から非常に綿密にやっていただけるということを、私どもは知っておるのです。そこで予算、計画書が出てきたときに、これは理事は何名だ、その理事の費用は幾らだというようなことはいろいろ聞かれるだろうと思うのですからね。そういうことが大ざっぱにしてわからないということだったら、ひとつ恐縮ですが、あなたのほうにどういうような相談書、稟議書というのか合議書というのか、審査書というのを出されるか、ひとつ参考に出してくれませんか。われわれそれを勉強しまして、こんなずさんなやり方で大蔵省が承認するというのはおかしいじゃないか、これならばちゃんとわかっているはずじゃないかということをひとつ検討してみたいと思いますから、委員長その資料の提出方をひとつ皆さんにはかっていただいて、私はそういう資料を、どんな資料が出てくるか一ぺん参考までに見せてもらいたいと思います。ひとつ取り計らっていただきたい。
○中川委員長 これは委員長に御一任願いたいと思いますが、御意見ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 じゃそういうふうにいたします。 それじゃ委員長からあらためてお願いします。
○海堀政府委員 先ほどから私のほうで詳細に検討するのは当然であるという話で、もちろん理事が多過ぎやしないかとか、たとえば先ほどのお話のように、何名が必要な数であるかどうか、その点は十分検討いたしますが、具体的なだれであるということは、これは主務大臣の専管事項になっておりますので、たとえば一般会計予算について申し上げれば、各省の局長が何名であるということにつきましては、一つ局をふやすふやさぬという問題は非常に重要でございますので、これは予算の上で激烈な議論をして、それは一名減らすとかふやすというものは非常に慎重に検討いたします。ただそれがきまってしまっての執行は、たとえば行政管理庁の局長にだれを任命するかということは、あくまで行政管理庁所管の長官のきめることでございまして、大蔵省はその点には関与できないし、またすべきではないというのと同様じゃなかろうかと思います。
○中川委員長 もう一度海堀さん、署はうまいことを言うけれども、国会はごまかしがきかないのだよ。その証拠には、公庫、公団、事業団で、重要なセクションにはみんな大蔵省の者を配置しているでしょう。経理部長だとか、いや何とかというのをみんな配置しているのですよ。だからそれらを直接大蔵省は——なるほど主務大臣の専管事項だから、大蔵省がだれにどうということはないというけれども、みなどういう経歴の人だから、これは給料をこのくらい出してもいいということは、あなたたちのところでちゃんとチェックするのですよ。それを全部主務大臣にまかせっぱなしにしてくれたら、各省の主務大臣は助かるのだ。実際問題として喜ぶのですよ。ところが大蔵省へ行ったらそんなことは通じないのだな。だからそれは知らなければ知らぬと言い通すならいいですよ。これは調べる方法はあるのだからいいけれども、知らぬ知らぬといってしろうとをごまかすようなことは、国会では通じないということだけはひとつ了承しておってください。今度どういう理事を任命する、建設大臣なら建設大臣がどういう理事を任命する、経歴書を持ってこい、これは給料が多い、給料が少ないということは、あなた方のところでちゃんと検討するのですよ。大体の基準があっても、あなたのところでみんな検討しなければ、あなたたちの感情を害したらできやしない。どの公団だって事業団だって、大蔵省のあなたたちの先輩なんかが理事長だ、総裁だ、経理部長だ、みなやっているのだ、それは。だからそれらが間接にでもとにかくあなたたちとちゃんと連絡をとっておるのだ。ですからこれ以上追及しませんが、そういうことなんだ。だからもうよろしいよそれは、もう弁解なら……。 浅井君。
○浅井委員 きょうはいろいろと皆さん方からも意見が出ておりますが、私も公団、公庫に対する天下りの問題を中心にしたいのですけれども、まずお伺いしたいのです。来年度特殊法人の申請があるかどうか、この点について先にお伺いしたいと思います。
○河合政府委員 お答えいたします。 来年度の予算案の中に、宇宙開発事業団の予算案を組み込んでございます。新設でございます。
○浅井委員 この公団、公庫の数については、従来から何回か行監委員会あるいは行政管理庁から指摘をされて、いわゆる高級官僚の天下り先をつくるものだ、そういう話がございました。そうしてこの事業の内容について、税金のむだづかいではないか等々、いろいろな意見が今までも出ましたし、また国民もそのような点について非常に疑惑を抱いておる。四十二年においても統廃合問題が出た。ところがその後整理統合されたものの数が非常に少ない。四十二年八月三十一日の第一次意見あるいは臨時行政調査会の答申等の経過が一体どうなったか、これを御説明願いたいと思います。
○河合政府委員 お答えいたします。 臨時行政調査会におきましては、十八法人の統合廃止あるいは民間への委託、場合によっては強化というような答申をいただいております。またその後行政監理委員会が、二十五の法人につきまして、同じくこれは廃止、統合あるいはまた一部のものについてはその強化についての御意見をいただいております。こういう御意見に基づきまして、昭和四十二年三月七日の閣議申し合わせの方針に基づきまして、特殊法人の整理について、政府といたしまして検討いたしました結果、九つの法人につきまして措置をすることといたしまして、そのうち、四十三年度におきましては四法人につきまして措置をいたしております。四法人と申しますのは郵便募金管理会、魚価安定基金、この二つは廃止でございます。それから愛知用水公団につきましては、水資源開発公団と統合いたしております。また北海道地下資源開発株式会社につきましては、これを廃止いたしております。なお、その他の五法人につきましては、年次をきめまして整理をいたすことにいたしております。
○浅井委員 一省一局削減というのは、その当時佐藤総理も非常に力を入れて言われました。四十二年度においても行政改革を一そう強力に推進したい、こういう話であったのです。それが指摘されたのが最初十八、行監委員会では二十五、そのうちにまた九つと減ってしまった。これはどういうわけでこんなに滅ってしまったのか、私たちには納得いかないわけです。これではちっとも整理統合なんというのは進んでおらない。また九つのうちの四つはどうやら廃止はしたけれども、あと五つはまだ残っておる、そういう形になったならば、せっかく口では整理統合、整理統合、実績のあがらない、赤字の事業効果の出ないものについては、すみやかに税金のむだづかいとして整理をしなければならぬと何回もいわれておるのに、これがだんだんと骨抜きになってしまって、このような結果にしりすぼみになるのはどういうわけかということを私は詳しく聞きたいのです。
○河合政府委員 ただいま御指摘の点につきまして、これは他の臨時行政調査会あるいは行政監理委員会から御指摘を受けました法人につきましても、現在引き続き、所管業務の内容、その必要性につきまして検討を行なう所存でございます。なお残りの五法人につきましては、四十六年度に漁業協同組合整備基金、日本てん菜振興会が四十七年、日本学校給食会は、脱脂粉乳の牛乳への切りかえの終了する時期、これは四十五年度を予定しておりますが、その四十五年度をもって廃止する、それから東北開発株式会社につきましては、その再建が現在進捗中だという状況でございます。
○浅井委員 一つ一つ聞かないとあなた説明しない。私は一つ一つ聞きますけれども、行監委員会の指摘にあった廃止すべきもの、魚価安定基金、郵便募金管理会、日本蚕糸事業団、東北開発、日本学校給食法、ここまではいまあなたが名前を出した。漁業共済基金はどうなったのですか。森林開発公団はどうなったのですか。電源開発株式会社はどうなったのですか。
○河合政府委員 ただいまお答え申しました以外の特殊法人につきましては現在検討中でございまして、その存廃の問題につきまして検討を引き続き続行しているところでございます。
○浅井委員 そんな抽象的な答弁を私は求めているのじゃない。行監委員会が廃止すべきものだと、これをはっきりと言っておるじゃないですか。それを一年も二年もかかってまだ検討中なんて、いま何を一体検討しているのですか。検討している事項を詳して言ってください。毎日検討しているのでしょうから。なぜ廃止と決定したものが廃止にならなかったのか、どういう条件だからいま残しておるのか、それを明確に国民の皆さま方に知らしてもらいたいと私は思うのです。行監委員会が、何もないものを廃止すべきものだと答申するわけがないじゃないか。
○諸永政府委員 資料を持ち合わしておりませんので、詳しくはまた御要求によりまして資料を提出いたします。 まず監理委員会から統廃合等の意見が出ましたもので、現在行政管理庁において結論を得ていないものが相当ございますが、第一の高圧ガス保安協会、それから日本電気計器検定所、それから日本消防検定協会、この検査検定機関の特殊法人でございますが、これは現在、御承知のとおり検査検定業務を国が直接実施しているものがあり、あるいは特殊法人が実施しているものがあり、あるいは地方公共団体に委任しているものがあり、または一定の民間の法人に指定をしてやらしておる。こういうように検査検定業務自体が非常に複雑でございまして、単にこの三法人だけを取り上げて、その存廃を論ずるということでは総合的な所見になりませんので、現在行政監察としまして、検査検定業務全体を、各省所管のものを横断的に監察いたしておりますので、その結論としまして、以上申し上げました三法人についてもどうするかということを、各省とも協議をしながらきめていきたい、こういうことでございます。 それから、その次の日本専売公社の塩の専売制度の廃止の問題でございますが、これは塩の専売制度を将来において廃止するという基本的な方向については、大蔵省もおそらくそういうお考えであろうかと思いますけれども、いつ廃止するかという時期の問題だと思います。この点につきましてもなお実態をよく把握をしましてからでありませんと、若干政治的な問題でもありますので、慎重に検討いたしておる、こういう事情でございます。 それから首都高速道路公団、阪神高速道路公団を日本道路公団に統合したらどうか、こういうことでございますが、両公団とも四十六年度まではまだ建設予定の業務が残っておりまして、その完了までにその統合の適否を検討してもいいのじゃないかという点で、結論を出していない次第でございます。 それから京浜外貿埠頭公団、阪神外貿埠頭公団、これも四十九年度に建設工事が完了するという予定になっておりまして、その完了の時期までに統合または地方委譲の適否について検討をしたいというふうに考えております。 それから日本鉄道建設公団につきましては、これは国の出資の割合をふやせ、国鉄の出資を減らせ、こういう意見でございますが、これはその意見のとおり国の出資額の割合が漸増いたしておるような実情でございます。 それから漁業共済基金につきましては、これはいろいろな制度を考えてみましたが、結局いまの共済制度のほうが最も能率的であるという考え方から、早急に廃止することは適当ではないというふうに考えておる次第でございます。 それから森林開発公団につきましては、これは国有林野事業の公社化等の検討もなされておるわけでございまして、その国有林野事業あるいは国の森林施策のあり方について、総合的な検討が進められておるのを待ちまして、その上で慎重に検討したほうがいいのではないか。 それから電源開発株式会社につきましては、これは電力に関する非常に基本的な施策に関連する問題でございまして、なお慎重に検討したいということで研究中でございます。 それから医療金融公庫、年金福祉事業団、社会福祉事業振興会、環境衛生金融公庫、これは相当重複しておるので統合したらどうかという点でございますが、この政策金融機関が機能別に非常に細分化し過ぎておるということは確かでございまして、この点につきましてはさらに基本的に検討する必要があろうかと思いますが、当面厚生省所管のものだけを統合するということにつきましては、やはりバランスの問題もございます。こういう政策金融の特殊法人は約三十くらいあろうかと思いますが、それらも全部総合的に見ました上で結論をつけなければならぬということで、目下検討中でございます。 以上のようにそれぞれ検討はいたしております。
○浅井委員 いまあなたのおっしゃったように、最初の高圧ガス、日本電気、あるいは日本消防検定協会、これは民法上の公益法人に改組すべきではないかというのですね。これは全然進んでいない。あるいは検討されておるというふうに話を伺った。日本専売公社は塩専売制の廃止について指摘されたけれども、これについては進んでいない。日本鉄道建設公団は漸増しておる、いわゆる充実という項目の中にあてはまる。一つ一つの項目は、これはいろいろの理由があって進んでおるものもある。ところが廃止やら統合すべきものの残った分について、あるいは廃止すべきものが廃止されなかったというのは、相当の理由がなければならぬ。廃止が好ましいというのではなくて、廃止すべきものと監理委員会のほうは決定しておる。ところがそれが残っているということは相当な理由が——電源開発株式会社が国の基本的な施策なりということは監理委員会もわかっているはずだ。また監理委員長と行管庁の長官とは同じはずだ。当時は松平さん。その松平さんが監理委員会の委員長としておった。そして、管理庁長官としてまたこっちへ就任されておる。ダブって二重の役員をしておる。そして指摘をしてきた。そんなことはあらかじめ、いまあなたが言われたようなことは初めからわかっておるはずなんです。これは事業の内容が悪い、むだ使いがある、合理化が進められていない、いろいろな点からここに廃止すべきものだというようなことになってきたのではないのですか。
○諸永政府委員 監理委員会が独自の御判断に基づいて結論を出されておりますから、行政管理庁長官としましては意見はもちろん尊重いたしますが、実施するかどうか、つまり監理委員会の意見のとおり実施を進めるかどうかという点につきましては、さらに慎重な調査研究が必要でございまして、その調査研究をいまわれわれがいたしておる、こういうことでございます。
○浅井委員 あなたがそういうふうに言われるならば、これは私もあえて言いますまい。しかし、行監委員会の委員長に行管の長官であった同じ松平さんが就任しており、出してきたのは独自な意見、かってな意見であって、あなたの答弁を聞いていると、何か行政監理委員会は理想的なことをおっしゃるけれども、そんなものはできっこないんだ、行管庁としては独自の立場に立ってあらためて調べ直さなければできない問題だ。当てはずれな話を答申してきておるような、そういうような御答弁なんです。私は、行政監理委員会の意見というものは非常にとうとんでもらわなければならぬし、またそれが実施されるという行管庁の姿勢でなければならぬ。統廃合に対する行管庁の弱腰、慎重に検討という美名に隠れて、いたずらに整理統合を遷延している、そのように私には取れる。 ここでお聞きしたいのですけれども、高級官僚の天下りが問題になっている。先ほど委員長からもこれの問題について質問がございました。私は重ねてあまりくどくど申しませんけれども、この高級官僚の天下りの実態というものはどのように把握されておりますか。まずそれから、昭和四十三年度からお答え願います。
○熊谷政府委員 浅井先生の御質問の、特殊法人問題に関連して天下り人事問題はどうなっているか、と言われるわけでございますが、行政管理庁としましては、その所管のあれでないというようなことで、資料を持っておらないというのが実情でございます。
○浅井委員 あなたのほうで資料をお持ちでない。ではもう一点お伺いしたいのですが、昨年一年間に民間会社に、人事院の発表で高級公務員の天下りは百三十六人ある。これについて近く行政監理委員会も意見書を出したい、こういう話をきめておるそうでありますが、このことについてはどうでしょう。
○熊谷政府委員 行政監理委員会は、御承知のように独自の立場でいろいろと御検討なさるわけでございますが、仄聞といいますか、伝承といいますか、するところによりますと、いま委員の間でその問題について寄り寄りの話し合いは出ている、進んでいる、こうしたような段階でございまして、どのようなことをどういう方法でどうするかというようなことはまだきまっていない、かように私、承知いたしております。
○浅井委員 けさの新聞等でいろいろ報ぜれらておりますけれども、防衛庁関係からこの五年間で百六十六人、登録会社へ約四割、このようにいわれております。これらの点について天下りの実態がきのう参議院のほうへ資料として提出されたそうであります。三十九年度から四十三年度までの五年間に将官あるいは将官補で退職した自衛官は三百九十四人だった。うち四二%に当たる百六十六人が登録会社、すなわち防衛庁と取引のある会社のほうに就職をしておる。年度別に見たならば三十九年度が三十九人、それから四十年度が三十四人、四十一年度が三十八人、四十二年度が三十三人、今年度が二十二人、このようになっておる。このようないわゆる天下りの実態というものについてあなたとしてどのようなお考えをお持ちですか。
○熊谷政府委員 原則的な考え方、基本的な考え方といたしましては、いわゆる天下り的人事は避けなければならないということの基本的な考え方はきめておるわけでございますが、具体的にいまお示しになりましたような人事関係の所管は直接的、一次的には行政管理庁ではない、人事院のほうだというような関係にもございまして、行政管理庁といたしましては監督業務の関連に立って、二次的な間接的な関係に立つ、こうしたような性格もございまして、浅井先生いま御指摘のようなことにつきましては同じような考え方は感じ取りはいたしておりますけれども、以上のような事情下に置かれている、こういうふうに考えておる次第であります。
○浅井委員 行政の権威はこういう姿によってそこなわれている、このように強く指摘されておりますけれども、行政管理庁としては第二次的な問題であって、所管の人事院あるいは所管庁の防衛庁なら防衛庁がこの人事の許可権を握っておるのでどうしようもない、そういうようにあなたはおっしゃるか、それとも、行管の使命というものはあくまでも行政が明るく正しく行なわれなければならない、あるいは適正に行なわれなければならない、そういう意味において行政管理庁としての使命を達成する上において、この辺についての意見だけではなくて、チェックができる、そういうたてまえにはできないものですか。
○熊谷政府委員 この点につきましては、重ねて申し上げますが、行政管理庁の方向、方針といたしましては、お説のような世論動向にもございますし、また行政の効率的な運営というような面からいたしましても、そうした方向、方針をとるべきものである、かように考えておるわけでございます。したがって行政管理庁の権限の許す限り、また機能の許す限り、これに対しましては前向きに対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○浅井委員 前向きに対処されるわけでありますけれども、今回の自衛隊の問題ですね。いわゆる防衛庁の問題。これは防衛庁と登録会社で因縁のある会社が非常に目立っておる。四十二年の秋に地対空ミサイル、ナイキハーキュリーズ並びに同ホークの国産化が決定しているが、これらのメーカーが三菱重工、三菱電機、東芝であるところから、少なくとも何らかの関連があるんじゃないか、このようにいわれている。あるいは四十三年度の退職者は、空挺団関係者はパラシュートメーカーに、高射関係者はホークのメーカーに入っているというのがどうしても納得ができない。こういう立場になっております。これについて、行管庁として今後どのように措置をなさいますか。
○熊谷政府委員 御指摘の防衛庁関係の人事関係ばかりでなしに、在任中関係のあった特殊法人への人事関係、こうしたものも含めまして、先ほども申し上げましたように、天下り的人事といわれるようなことは避けなければならない、こうしたような基本的な考え方に立って対処していく、こういう考え方であります。
○浅井委員 それは私の意見でもあり、あなたの意見でもあるわけですね。具体的に管理庁として、たとえばきのうは規制立法へ動こうという話が与野党みんなの意見で出ております。行政管理庁としては、これに対してただ漫然と手をこまねいて見ておるのか、具体的に何かの措置をなさるのかということを私はお聞きしているわけです。
○熊谷政府委員 お気持ちはよくわかりますし、また御趣旨もわかるわけでありますが、ただ行政管理庁の権限、機能の問題があるわけでございまして、その面でこの問題を直接的に行政管理庁がかくかようにということを申し上げるところまではまだ割り切っておらない、また割り切れない面が権限、機能の関係からもあるということを率直に言わしていただきたいと思います。
○浅井委員 よくわかるのです。権限、機能がないのでできない。けれども、これは当然必要な措置ではないか。行管庁として当然やらなければ、あるいはタッチしなければ行政が正しく執行できないということはよくおわかりになっておる。それが権限あるいは機能がないから、万やむを得ないという解釈であるわけですね。したがって、そのところの権限、機能を何とかしよう、あるいは権限、機能を持たせよう、あるいはこの問題についてタッチできるように、いわゆる行管の内容を少しでも変えようという点についての御意思はございませんかというわけです。
○諸永政府委員 行政管理庁の所掌事務の中で、いまの天下り等の関係につきましては、行政監察局の業務でもそういうことをやれないか、こういうふうな御趣旨かと思いますが、行政監察局の監察業務は、あくまでも政府部内の監察でありまして、したがいましてその監察の機能、権限として、そういう各省の主務大臣の権限下にある任命権、人事権というものを左右するような監察上の権限を持たせますと、それぞれの主務大臣の行政の統一を乱すという点もございますので、そういう点も勘案いたしますと、監察業務の中でそういう人事権に介入するということは当を得てない、かように考える次第であります。
○浅井委員 私は、当を得ていないなんという答弁は求めていない。このようないまの状態を、行政管理庁として、行政の適正不適正という問題について、それを監察していく、あるいはそれを指導し、指摘し、そして直さしていくという使命の立場からいうならば、当然このような天下り人事によって起こるところの行政の阻害に対して、何らかのチェックができなければ、行管庁としての使命が達せられないじゃないか、こう言っておるのです。だから、私はそのことについて次官に——いままで権限、機能がない。ないからやれぬ。こちらの諸永さんのおっしゃるのは、私たちの権限外のことであって、余分なことをやったらかえって相手方に迷惑を及ぼす、こういうような話だ。そんなへっぴり腰で行政監察なんかできるわけがない。だから、権限や機能はいまの所掌事務の中にはないけれども、今後こういう問題についてまでのチェックをできるようにせぬか、こう言っているわけです。
○熊谷政府委員 よくわかるわけでございます。行政管理庁といたしましても、御承知のように行政改革につきましての第一次、第二次というような諸対策も進めつつある過程にもあるわけでございますし、根本的には、御指摘のように行政の明るい運営、効率的な運営、そうしたことを趣旨として考える。さらに、国民のための行政ということを考えなければならないということが根本的な考え方でございます。したがって、いま御指摘になっております点については、直接的には人事院がその主管するところであろうかとも存じますが、しかし、行政改革のその方向におきましては、関係する各省庁との間の協議というようなこと等もございますので、そうしたような方向等、適切な措置を考えてまいりたい、かように考えておる次第でございまして、他の直接的所管に対しまして、自分の所管であるというようなことで申し上げるというわけにはまいらぬわけでございます。その関連におきましては、先生の御承知のような内面事情というようなこともございますので、ただそれだけに拘泥し、とらわれることなしに、いま申し上げましたような行管としてのできる政治的なものも含めて対処する、こうしたようなことに御了承をいただきたいと思います。
○浅井委員 もう一点つけ加えるならば、行監委員会が近く意見書を出すのに、この中に、汚職等が起こった場合、事故が起こった場合、上司の監督責任もきびしく追及し、事件に直接関係なくても、責任体制の上から処分する、それから、汚職事件を起こした業者の入札参加は一定期間停止させるなどの具体案も盛り込む、そのような意見も非常に強かった、こういうようにいわれております。このような綱紀粛正のための意見書提出は行監委員としては異例のことだ。しかし、その異例のことをあえて、政府の審議機関であるところの、あるいは行政審議機関としての行政監理委員会がこのような積極的な姿勢まで出してきている問題です。このことについて、権限を越えてもきびしく追求する必要がある、こういう姿が行監委員会のほうではとられつつある。したがって、これらの姿勢について、行管庁として、もし意見書がこのように出てくるならばどのように対応なさいますか。
○熊谷政府委員 先ほども申し上げたと思いますが、行政監理委員会で委員の各位からそれぞれの意見が出されている。その中に、いまおっしゃったようなそれもあるということは伝承いたしておりますが、行政委員会としての方針が確定したということはまだ承知いたしておりません。どのような決定がなされるか、その決定に基づいて対処していく、こうとしか申し上げられない段階にあると思うわけでございます。
○浅井委員 特殊法人が整理できないのは、いわゆる行政管理庁自体に力がないということも一つでしょうけれども、問題はみずからの人事という問題も控えておる。行管の天下りの行き先がない、したがって自分たちのいわゆる天下り先をつくっておくために各省庁にあまり強いことが言えない、そういう声も聞くのです。あなた方は否定なさる、そんなことは肯定するわけはない。しかしそういうこともいわれておる。それはなぜかといえば、先ほどから言うような、一番最初に申し上げたように、この整理統廃合は進まない、あるいは弱腰である、ごきげんをとりつつやっておるからだ。そんなことでは正しい行政はできないと私は言いたい。 そこで最後に、行政監察局にお尋ねしたいのですが、タクシー料金の値上げの問題です。滋賀県で、最近タクシー料金の値上げを大阪陸運局は許可をするという方針がきまったそうでありますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○諸永政府委員 まだ私承知しておりません。
○浅井委員 いま物価の値上がり等の問題で、非常に国民世論は物価値上げに対する大きな反発がございます。私が仄聞した話でございますので、あなた方まだ御存じないかもしれませんけれども、滋賀県においてそのような料金の申請を許可する方針という大阪陸運局の考え方に対して、すみやかに行政監察をしていただいて、それらの物価値上げについてのストップといいますか、それらに対する姿勢を私は強めておいてもらいたい、そのことを要望しておきたいと思います。 ありがとうございました。
○中川委員長 委員長から、内閣官房の人事課長にお尋ね申し上げます。また御意見も伺いたいと思いますことは、御案内のとおり、昨日の衆議院の議院運営委員会で、天下り人事の問題が大きく取り上げられました。これは本院の決算委員会としても重大な関心を従来も持っておりましたし、また現在も持ち続けておるわけでございますが、この公社、公団、事業団等に対する高級官僚の天下り人事に関して、現在ある百八の公社、公団、事業団の役員の氏名、前歴、俸給等について参考にしたいと実は考えておるわけでございます。そこで本年一月現在における状況でございますが、過去五カ年間の変遷をあわせて御提出願いたいと思って、実はきょうは行政管理庁主管がおもな点で調査をしておるわけでございますが、大蔵省に御出席を願って、大蔵省にこういうことはわかっておるだろうからひとつ御提出を願いたいと言ったところが、大蔵省では、これは内閣官房人事課のほうで御提出になるのが適当だろうという御意見でありましたので、御出席をいただいたわけでございます。これについて、内閣官房人事課では、そういうことは一括して資料がございますかどうか、まずそれからお伺いいたしたい。
○秋富説明員 お答え申し上げます。 御承知のように公社、公団、事業団百八ございますが、その任命権者はそれぞれ各省大臣でございまして、それぞれ任命してこられたのでございますが、昭和四十年の五月の十四日の閣議におきまして、内閣といたしましては広く人材を適材適所に登用すべきである、こういう趣旨のもとに、閣議口頭了解におきまして、今後は各省の任命に際しまして事前に官房長官に御了承をいただくということがきまったわけでございます。これが昭和四十年の五月でございまして、今年の一月一日というものにつきましての役員の履歴というものは承知いたしておりますので、これは時間をいただきましたらば御提出できますが、委員長からの過去五年の推移というお話でございますと、いま申し上げましたように、こういった閣議口頭了解というものがそう歴史が長いものでございませんので、過去の推移ということにつきまして、過去の資料は内閣といたしても持っておりませんので、この点はちょっと御提出できかねるわけでございます。今年一月一日というものでございましたら、これは履歴、役員の経歴というものは提出できるわけでございます。
○中川委員長 重ねてお尋ねしますが、内閣官房人事離課ですから、各省に御連絡をとっていただいて調査していただけばすぐわかることじゃないかと思うのです。その権限はありませんか。
○秋富説明員 法的に申しますと、別に権限はないわけでございます。ただこれは国会に提出するについて、各省の協力を求めて、各省から内閣に提出させて、それをまとめるという意味におきましてはできるわけでございますが、権限と申しますと、あまりきびしく申しますとそれはございません。ただ任期もございますし、任期途中で死亡あるいは退職という場合もございまして、ある時点をつかまえてでないと、一月一日の分がすでに三月一日とも変わってきている点もございますので、ある時点をつかまえないと、たぶんむずかしいかと思うわけでございます。
○中川委員長 各省に対して出せということの権限はないというお話ですが、内閣総理大臣官房でしょう。各長官、各大臣はみんな総理大臣の使用人ですよ。それができないのですか。
○秋富説明員 お答えします。 いわゆる法的にはございませんですけれども、各省にそういった資料を内閣として取りまとめるという意味におきましてはできるわけでございます。
○中川委員長 法理論は別として、わかりました。それじゃとにかく各省に、あなたの言をもってすれば、頼むなり連絡をするなりして、それを至急に出していただきたいと思います。ちょうどいま問題になっておるときでございますから、先ほど申しました議運なんかでも、国会全般として大きな関心の的であるし、同時に国民としても大きな関心の的でございますから、先ほど私は一週間以内に御提出を願いたいということを言っておきましたから、できたらひとつその点——あまり長くなると国会は終わっちゃいますから、先ほどの答弁みたいに、検討中、検討中ということだと困りますからね、一週間以内に御提出願えますか。
○秋富説明員 その時点でございますが、私のほうでは、四十年の五月以降でございますとあれでございますが、たとえば四十一年、四十二年……。
○中川委員長 四十年五月以降でよろしい。
○秋富説明員 それにつきましては、その時点をまた一月一日とか合わせると、私のほうではある時点、時点ではありますので、それでございましたら、たとえばある時点が必ずしも一月一日と、各年、歴年になっていないものでもよろしゅうございましたら、できるだけすみやかに御提出いたしたいと思います。履歴につきまして出したいと思っております。
○中川委員長 重ねて申し上げますが、百八の公社、公団、事業団の役員の氏名、前歴それから俸給ですね。これをいまの四十年五月以降のものをずっと——四十年は幾らであったか、現在は幾ら、たとえば俸給なら俸給、そういうことでございますから、お含みの上、一週間以内に御提出を願います。 —————————————
○中川委員長 本日の行政管理庁に対する質疑はこの程度にとどめ、これより、文部省所管について審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許可いたします。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 きょうは、行政管理庁が主体でございますが、私は、ただいま委員長から特別な許しを得ましたので、文部省並びに大蔵省に少しお尋ねいたしたいと思います。 それは、国民が非常に関心を持っている問題でありますので、本来申しますと、大蔵大臣なり文部大臣においでいただきましてお尋ねをするというのが私の気持ちでありますけれども、予算が通過いたしまして参議院のほうに回っており、参議院のほうで御多忙のようでありますので、御出席をいただきました関係係官に責任を持った御答弁をいただきたい、前もって申し上げておきます。非常に国民の関心の深い問題でありますから、十分心して御答弁を願いたいと思います。 それは国有財産及び物品の管理者の賠償義務という点についてであります。 問題点になりますのは、国立大学の学生が暴力をふるって大学の建物等の施設、すなわちこれは国有財産です、あるいはそのうちにある調度品等の破壊、それを大学当局の管理者が黙って傍観した場合、その管理者に対して国のこうむった損害を賠償させることができるのか、あるいは他の方法によってこれに対する賠償をさせることができるのか、どのようなお考えかということについてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
○安養寺政府委員 いまお尋ねがございました大学の国有財産等の管理責任は、当該大学の学長が行なうことに現在なってございます。一般的には国有財産法の規定もございまして、故意または重過失というようなことの理由によりまして、財産の亡失、棄損等のございました場合には責任が追及されるということになるわけでございます。
○丹羽(久)委員 一つの例をとって聞きたいと思いますが、一月の十八日だと思いますけれども、東大の安田講堂におけるところの暴力的行為、破壊的行為、この問題については、文部省はどのような考えを持っておられるか、この点をお尋ねいたしたい。
○安養寺政府委員 東京大学におきましては建物の不法占拠を排除するということで、いまお話のございました一月の十九日に機動隊を導入いたしまして、占拠しております学生を排除し、あるいは逮捕いたしたわけであります。 現在とっております措置は、まず大学長名をもちまして、建物、物品の棄損に関する刑事の告訴をいたしております。いま一つ、物品の損壊等につきます民事的な損害の問題につきましては、関係各省庁ともいろいろと御協議をいたしまして、立証等種々用意すべき案件につき検討を進めておるという段階でございます。
○丹羽(久)委員 建物等に対する被害高というのはどのくらいなんですか。
○安養寺政府委員 東京大学におきましては、総額四億五千七百万円という額が一応被害額と見込まれます。そのうち二億一千万ばかりが施設でございます。
○丹羽(久)委員 一つのしぼった点で、東大だけの被害が四億五千七百万円施設が二億一千万円これはどこで算定したのですか。
○安養寺政府委員 大学当局におきまして、それぞれ財産もしくは物品の台帳に照らしまして、亡失、棄損等の額を克明に当たりました結果、文部省に対する報告としてその額が来ておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 文部省側に報告があったというだけで、文部省から実地踏査をし、そして台帳に照らし合わせる被害調査の調査団とか、あるいは綿密な調べ方というようなことはやっていらっしゃるのかどうですか。
○安養寺政府委員 ああいった不法な状態にあります間も、またございました直前、さらに今日に至るまで、調査団といったまとまり方はございませんですが、関係部局の職員がそれぞれ何度も大学へ参って実態を見ております。また、この被害の額に関連する報告の問題は、形式的に報告ということばを使いましたので、実地には現場も見ております。いろいろ台帳の当たりぐあいも克明に文部省と大学との突き合わせと申しますか、そういうこともいたした上の事実の確認の上に立っておるものでございます。
○丹羽(久)委員 私は飛躍的なことを聞くようでありますけれども、それでは、この学校側から提出してきたところの四億五千七百万円というもので原形に復するという自信がありますか。
○安養寺政府委員 いまのお話でございますが、現在復旧の計画につきましては大学当局と克明なる打ち合わせ、協議を進めております。さしあたり授業再開に必要と考えられる限度において、とびら、机、いす、窓、そういう点の補修をやろうというふうなことにしておりまして、大々的に全体の復元をどうするかということについてはまだ検討を進めていきたい、かように存じております。
○丹羽(久)委員 聞くところによりますと、この被害の四億五千七百万円、このうち施設は二億一千万円というお話でありますが、これは大学側の報告だけであって、実質的にはそれくらいの被害でないというのが世論であり、一部の人たちはそういうことを盛んに吹聴しておるけれども、これに対する十分な調査で、あなた方はそれだけの被害にとどまるという確信があるかどうか、この点ひとつ十分聞いておきたいと思うのですよ。 もう一点聞きたいことは、東大はこの一月の十九日ですか、このときに占拠を実力で排除した。しかし、その前にすでにもう安田講堂並びにいろんなものが破壊せられておったにもかかわらず、学校側からは一度もその被害というものに対する——文部省に対してこういうものがこわされました、ああいうものがこわされましたという報告はなかったという。しかも文部省のほうからは被害はありはせぬか、こわされているようなものはないのかどうなのかといっても、何もありません、そういうことであったが、現地を見たときには、その事前に相当大きく破壊せられておったというが、この点どうなんですか。
○安養寺政府委員 まず最初のお尋ねでございますが、被害の見込みにつきましては、現在大学事務局、各学部事務部局総動員いたしまして克明に当たりました結果、また、われわれもそれを確認しました結果として考えておるわけでございます。 第二番目のそういう大惨事になる以前における取り仕切りの点でございますが、私のほうから大学本部に、何度も現状の確認と災害の防止その他種々注意をしてもらうべき事柄を指摘をいたしまして、いろいろその時点において確認はいたしたつりでございます。多少弁解がましくて恐縮でございますが、昨年の六月に安田講堂が再占拠されました以降は、まことにふていさいなことでございますけれども、その中の状況を確認できないというふうな事情もございまして、しかし、その余のことにつきましては、事務局がそれぞれ注意をいたしまして、われわれのほうにも報告をもらっております。その限度におきましては、先ほど申しますような総額四億余に及ぶような実害はまだなかったわけでございます。残念ながら結果的にはそのようなことになりましてたいへん遺憾だと思っております。
○丹羽(久)委員 それではちょっと方向を変えまして会計検査院に伺います。 会計検査院はこの問題について報告を受けておりますか。
○石川会計検査院説明員 会計検査院のこういった事態に対する立場でございますが、御承知のとおり、会計諸法規にそれぞれ国有財産法でありますとか物品管理法、それに従いまして、これらに対する弁償責任、これを検討しなければならないわけでございます。 ただいまの報告でございますが、文部省を通じまして一応の報告は受け取ったわけでございますが、その内容につきましてまだ十分な心証を得ておりません。したがいまして、これはいずれ、と申しましても、実は今週も大学に出向きまして、それらの事実を調査する予定でございましたけれども、多分にまだ東京大学におきましても流動的な状態にあるというようなことを聞きまして、これを延期せざるを得ないというようなことになっております。文部省を通じての報告は受け取っておりますが、会計諸法規に定める正式な報告はまだこれを受けておりません。
○丹羽(久)委員 会計検査院法二十七条で、そういうような事実のあるときは届け出を待ってすぐ調査をするということになっていると思うのですけれども、すでに一月十九日以来きょうまでの間に、あなたのほうは国の財産に対してばく大な被害をこうむったという事実を知っていらっしゃるが、それをそのままにして、ただ単にあとまだ続くだろうから、それから締めくくりをすればいいというような考え方でいらっしゃるのか、どうなんです。
○石川会計検査院説明員 実は弁償責任の追及あるいは懲戒処分の要求等につきましては、役所の組織で申しますと、官房の検定参事官というところで検定するわけでございますが、むろん事実上は当該大学を検査する担当部局であります私のところにおいて、そういった事実もあわせて調査しなければならないわけでございますが、何ぶんにも規模が大きゅうございますし、文部省当局とも絶えず打ち合わせはいたしておる次第でございますが、ただいままでにわれわれが入手しておりますのは、先ほど申し上げましたような文部省を通じての報告、それをただいま検討している状況でございまして、大学に出向きましての調査ということは、先ほども申しましたような状況にございますので、これはむろん早急にいたすつもりでおりますけれども、現状はまだかかれないような状況になっておる次第であります。
○丹羽(久)委員 国が損害をこうむったとき、そういうような報告があったときの会計検査院というものの使命はどうなんですか。現実にこのような問題が起きて大きな損害をこうむったという実態は、すでに新聞、ラジオ、テレビ等で報道せられております。そしてあなた方は大きな関心を持っていらっしゃる。その責任、会計検査院の責任たるものはまことに重大だと思う。それで報告をもらったら直ちに行動を開始すべきだと思うけれども、その点どうですか。
○石川会計検査院説明員 私の説明があるいは十分でなかったかも存じませんが、会計諸法規に定める正式な報告というものはまだ受けておりません。しかしながら、事態は一日もゆるがせにするべからざるものでございますので、文部省当局を通じまして、先ほど文部省からお話のありました大学から文部省に対する報告、それをわれわれのほうへ取り寄せまして、それをもとにいたしまして実地に検討する、そういうことを考えているわけでございますが、弁償責任なりあるいは懲戒処分の要求をいたします場合には、その長であります文部大臣の正式な報告を待った上でなければ、さような点について判断を下すことはできないという仕組みになっております。
○丹羽(久)委員 それではもう一度文部省に戻りまして、会計課長にお尋ねいたしたいと思うが、先ほどの話を聞きますと、現在大学長名によって着々進めておるというお話であるけれども、これの物品の損害並びに施設の損害というのはだれが損害を与えたという判断に立っておられますか。
○安養寺政府委員 現実に損害を与えました者は、あそこで大学の建物を不法に占拠いたしておりました者どもだと思っております。
○丹羽(久)委員 その者だと思っておるということについての、これに対する調査はだれがやっているのですか。そしてこれが国に与える損害は、管理者であるところの大学長がこれに対する損害賠償並びに告訴をするであろうけれど、それに対しては文部省と相談するものであるか、ただ大学長の判断だけによって行なわれていくのか、どうなんですか。
○安養寺政府委員 刑事的な責任の追及につきましては、大学から文部省へ御相談もございまして、その上で告訴をいたしたわけでございます。他方の民事的な部分につきましては、これは現在の制度でございますと、大学におきまして加害者を追及するということに第一義的にはなってございますので、先ほども申しましたように、その加害の実態、相手方の確認、その他立証に必要な諸物件を調製すべく現在調査をしておるという段階でございます。
○丹羽(久)委員 それじゃお尋ねしますけれど、国有財産を破壊したる者、これは刑事事件として一面告訴をする、そしてこわれた品物に対しての賠償は民事訴訟でするという考え方でいま進めておられるのか、どうなんです。
○安養寺政府委員 刑事のことは、現在逮捕されまして、五百九人でございますか、学生その他全部を含めましてそれだけの人数の者が訴追を受けているわけでございます。民事のほうにつきましては、これは現在の制度でございますと、まず債権の管理をしております東大における関係職員が債権を確定いたしましたあげく、それぞれの加害者に対してその請求をいたすわけでございます。その結果限られた期日に納入がないということの上で、民事訴訟という手続に運ぶことに制度としてはなっておるわけでございまして、私の申し上げましたのは、そういうような一連の手続を一応想定いたしました上での調査をしておるという段階でございます。
○丹羽(久)委員 調査をしておるということはわかるのですけれど、それですでに踏み切って、そして告発手続をしたというような報告を受けておりますかどうですか。
○安養寺政府委員 民事のお話かと思いますが、民事につきましては文部省も相談に乗りまして、実際の加害の確認を要するわけでございます。これはなかなかめんどうなものでございますので、鋭意大学を督励いたしまして、その証拠をそれぞれ調製をしておるやさきでございます。
○丹羽(久)委員 それは率直にいうとまだ何も進んでおらないということですか。調査をしておる段階だ、こうおっしゃるのですか。すでに一月の十九日、その時点において逮捕すべき者は逮捕せられ、そしてそれによって検察庁へ回ってある程度起訴せられる者は起訴せられてきたのですけれど、民事のほうだけは、あれだけのものをこわされていまだに調査中であって、進んでいないというのですか、どうなんです。
○安養寺政府委員 私の口から言うのは変ですが、どちらが容易であるということを申すわけではございませんが、刑事のほうは一応起訴されておりまして、そのあとあとの手続が検察庁のほうで行なわれるということになるわけでございまして、民事のほうは、私どものほうで直接加害の実態等を把握いたしまして、当該相手方にその被害の確定しました金額の請求をするというような、十分の証拠を整えるという必要がございます。これがまたなかなかにめんどうなことでございますので、鋭意大学を督励いたしまして、そういう点についての準備を進めておるということでございます。
○丹羽(久)委員 それで非常にむずかしいという面はわかるのですが、常識的に判断して、あの時点において立てこもっておった生徒たちにこの責任の過半を負わせるということが常識論だと思う。ところが法律はそうはいかないということなら、それはやむを得ないのですけれども、国民は、少なくとも大学の中の、しかも国有財産、それをあのようにこわしたということが発表せられ、大切な資料が燃やされていった、そしてそれがいまだに民事的に賠償する踏み切りがつかない、しかもこれを調査するには相当困難だというようなことは、実際日がたってきた今日から見ると納得ができないですよ。全然そういうような証拠というものがつかみ得ないということなんですか。全部を把握することはできなくても、そこの中の特に悪い一部分に対してはもう当然そういうような民事訴訟が起きてきてもいいと思う。大学側と文部省がそういうようななまっちょろいやり方をしておったら、なかなかこれは解決でき得ないと私は思う。たとえば小さい例をあげてみるなら、小学校の校庭で子供たちがまり遊びをしておった。ガラスを割った。そういうようなときにおいては、先生はどういう態度をとるかというと、これは国から援助をもらい市の金で建てた学校のガラスだ、あなたのおとうさん、おかあさんにお話ししてガラスはすぐと入れ直しなさいという指導をしていきますよ。しかもエリート大学であるといわれている東大であのようなこわし方をしている。保証人もあるでしょう。あるいは本人自体の力もあろうし、学校の先生があのような事態に追い込んでいったということについては、だれに責任があるというよりも、中に立てこもっておったそれをもし先生がじっと見ておったという事態であるなら、先生にも責任があろうし、学生にも責任がある。そして保証人にも私は責任があると思う。そのような段階において、一つ一つを踏み越えていくならば、全員把握をしてこれを民事裁判を起こす前に、特に一つ一つ立証のあがっておるものから民事裁判を起こしていってもいいと思うけれども、きょうに至っていまだ取り調べ中の段階だということでは、何か私は手ぬるい感じがいたしますが、会計課長どう思っていますか。
○安養寺政府委員 まことに御趣旨そのとおりでございます。われわれも鋭意努力をいたしておりますが、何せ大学に入っておりました学生が全員が全員当該東京大学の学生でもございませんし、まことに繰り返して恐縮でございますが、そういった準備を進める努力はしておりますが、まことに困難でございまして、今後もひとつ十分調査を督励するようにいたしたいと思います。
○丹羽(久)委員 じゃ大蔵省にお尋ねいたしますけれども、大蔵省の考え方はどういう考えを持っていらっしゃるですか。
○船後政府委員 大学紛争により生じました国有財産の損害につきましては、民事上及び刑事上の責任を徹底的に追及するということにつきましては、全く先生の御意見と同じでございます。ただいま私どもも文部省に対しましてはその点の追及をすみやかに強力に進めるよう要望しておるところでございます。
○丹羽(久)委員 国有財産の管理というものは非常に厳格なものですね、大蔵省。しかも大学なんというところは学びの園である。そこへ暴力でもって破壊したというようなこと、しかもいま文部省の会計課長は、東大生ばかりではありません、外人部隊すなわちよその大学の生徒も入っておりますからというなら、まずよその大学の生徒が入っておったという事実があるなら、これから片っ端から民事訴訟に踏み切っていってもいいと私は思う。東大の学生はあと回しにしても、よその学生が入ってきて立てこもっておるなら、これから一応頭配分にしたってどうしたって——その事実がつかめなかったというが、こわれた事実というものはあるでしょう。そしてもしこわれた事実がありながら、これが犯人が十分でないということだったら、民事訴訟をやれないということですか。私はいま例をあげたように、小さい例でさえ厳格に守られておるのに、国立大学はこのように大きな損害をこうむり、大きな被害を与えられ、そして一月の十九日からきょうまでの日にちを指を折ってみるとどれだけになるか。刑事事件はさっさと片づいて、そしてもうすでに起訴するものは起訴し、そして当時の状況から判断して、帰すべきものは帰すという段階は次から次へ打たれておる。民事のほうだけがおくれているということは、文部省のほうから報告がどうだとか、そういう点については大蔵省の考え方はもっともだと思っておるとか言っておったって、日がたっていったらこの問題の解決というのは相当困難を及ぼしてくる。もっと手ぎわのいい始末をつけなければ、国民は何と言うのです。それこそ弱い者いじめで、全く無秩序な、そしてわれわれは批判を受ける。国民全体は大きな目でもって、この処理方法を一体どうするんだという考えを持っておりますよ。一体大蔵省は、これに対してどういう方向で、早く片づけようとして文部省を督励していくだろうか、その点一ぺん伺いたいと思います。
○船後政府委員 当然不法行為によって生じました損害につきましては、加害者に対して損害賠償の責任が追及できるわけでございます。 先ほど来、文部省の会計課長からも答弁いたしておりますように、問題は、この加害者の確定その他につきまして、事実問題としてかなり手間どっているようでございますが、私どもといたしましては、大学紛争が生じておりまして、被害の状況がわかりまして以来、本件の追及につきましては、文部大臣の責任において、われわれも同じでございますので、関係省庁との連絡を進めて、すみやかに所定の手続をとるよう要望しておるところでございます。
○丹羽(久)委員 文部省の会計課長に尋ねますが、東大だけでなく、全国的に波及しているこの大学問題に対する損害が、現在国有財産に対してどの程度あがっているか、少しこの際報告願いたいと思います。
○安養寺政府委員 いろいろなことで御承知だと思いますが、所々方々に残念ながら大学の紛争が起こってまいりまして、現在国立大学で紛争中のものが約三十校ばかりございます。あるいは現に占拠されておるというような状態が多いわけでございまして、このような加害のあった場合には、すみやかに文部省に対する報告をするというようなことを常々から求めておるわけでございますが、そのような形で正式にあがってまいりましたものはまだごく少数でございます。現在私のほうでほぼ確定というような実態をつかんでおりますのは、まことに少ないわけでございますが、先ほど申しました東京大学、それから先般やはり機動隊を導入しまして占拠を排除しました教育大学におきまして八百六十万ばかり、これまた同じく機動隊導入をやりました電気通信大学約一千万、これはなお現在も調査を続けております。それから京都大学、これは二月末現在での一応の報告でございますが、やはり九百万というようなものが、わがほうで一応現在知っておりますもののすべてでございます。
○丹羽(久)委員 そこで全国的に波及したこの大学問題というのは、あちらこちらで大きな被害をあげておるというのですが、東大の問題をもう一ぺん取り上げて聞きたいと思いますことは、東大問題では管理者の管理態度、これが諸般のいろいろの事情からいって、重大な過失があったというようにお考えになっておるのか、あるいはそういう過失はなかったんだというようなふうにお考えになっておるのか、どうですか。 私はなぜそのことを聞かなければならぬかというと、私どもの考えでは、あの状態から察していくと、もう管理者の管理状態というよりも、むしろ学生が立てこもってしまってほんとうに無謀な態度であちらこちらをこわしたのだ、こういう解釈をしている。文部省としては、国の財産を学校側に与える。そして国立は学長の考え方によって運営されている、こういうことでありますので、いま申したように、一体この管理の面はどうであった、こういう点について、東大問題を取り上げて文部省の見解を承りたいと思います。
○安養寺政府委員 いま直接話題になっております財産、物品の管理につきましては、東京大学当局、いろいろ苦労はいたしましたものの、大きな被害が現実にあったという点で、たいへん残念だと思っております。大学というのは、そういった物的な管理のほかに、教育、研究の秩序の正常化、維持というものがやはり大きな課題でもございまして、こういう両面をあわせてすみやかな解決、正常化というものに大学当局が鋭意努力を続けてまいったわけでございます。現在も努力をしておることでございますので、損害についての責任、これはたいへん遺憾ではございますが、なお東大も部分的には紛争が残っておるわけでございますので、文部省としてすみやかな正常化というものを督励しておるような次第でございます。
○丹羽(久)委員 すみやかな正常化というのは、学園に学ぶということのすみやかな正常化であることはもちろんであるけれども、この破壊せられたものに対する正常化は、国有財産であるからあくまで弁償させるという正常化を考えておるのですか、その点、どうですか。
○安養寺政府委員 現在のところは、いろいろ調査を完了したいということで努力をしているわけでございますが、全体といたしまして、東京大学はなお正常化に努力中でございますので、そういった経緯をわれわれとしては十分指導、助言して、すみやかな正常化の結論を出すことに全力をあげたいと思っておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 どうもその点はっきりしないのですが、まだこれに対する文部省の方針というものはきまっていないのですか。破壊された品々に対してはあくまで賠償させるという方針、あるいはそうでないとかいう方針、その方針はいまだに文部省内ではまだきまっていないのですか。
○安養寺政府委員 いまの段階では、まだそういうことはきまっていないと申し上げて事実かと思います。
○丹羽(久)委員 全く驚くですね。国有財産をこんなみじめなものにしておいて、まだ弁償させるかさせぬか、その点についての意見がまとまっていないなんということだったら、私は国民の前に何と言っていいのか、実際驚くべきことですよ。そんなものですか。少なくとも国有財産ですよ。そしてしかも、だれが火をつけたかわからない、だれがこわしたかわからないというような現状だったら、それは私は一応考えられる点があろうと思うが、あの時点において八千人近い警官が入って、しかも何百人かの人を逮捕しているでしょう。その連中は安田講堂のあらゆるものをこわしながら、ぶっつけた。しかも逮捕に踏み切って研究室に行ったときは、資料を燃やしているでしょう。それを文部省として、まだそれを弁償させるかさせぬかということに対しての一致した意見が出ておりませんということだったら、もう私は驚かざるを得ません。どうなんです。
○安養寺政府委員 学生、加害者等につきます民事的な責任の追及は、先ほど来何度もお答えしておりますような調査をいたしておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 調査の結果で、そういうようなことに踏み切るという方針はきちっときまっておるのですか。
○安養寺政府委員 当然そのようにすべきだと心得ております。
○丹羽(久)委員 大蔵省は、それは文部省の所管であるからということで、国有財産は文部省からの話がなければ活動しないということですか。どうなんですか。
○船後政府委員 大蔵省は、国有財産につきましては総括官庁という立場にあるわけでございます。具体的に、現に使っております国有財産は、各省各庁の長の責任において管理し、使用せられるわけでありますから、御指摘の問題になっております東大の財産につきましても、やはり文部大臣が行動をとるということが第一番目の段階でございます。
○丹羽(久)委員 もう一ぺん文部省にお尋ねしますが、それで、漸次復旧をしつついかなければならぬ状態にあるということですか。そのような方向で一応復旧をして進みつつある。それに対する入札あるいは物品の購入というようなものにもうすでに踏み切ったか、どうですか。
○安養寺政府委員 とりあえず、各学部の授業再開に必要な最小限の条件整備については、東大当局とも相談をいたしまして部分的に処理をいたしております。ただし、損害全体についての復旧のしかた、あるいは本年度において、これは最小限のものでございますから、なお本年度においてやるようなことがあるのかないのか、こういうことを克明に現在点検をしておるわけでございます。
○丹羽(久)委員 その金は、現在すでにどのくらい発注済みになっているのですか。
○安養寺政府委員 約五千万円強だと記憶しております。
○丹羽(久)委員 それは大学側の思いのままに入札も何もかもさせて、文部省との歩みというものは全然ないのですか。
○安養寺政府委員 先ほど来申し上げておりますように、われわれのほうも現状は逐一確認をしてございますし、大学当局も各部局の希望等をいろいろと選別をいたしまして、こういうことをしたいというようなことで、文部省に資料を持ち上げてまいっておりまして、それについての相談のまとまった限度においてやらしておるという状態でございます。
○丹羽(久)委員 この問題は、もっと深く掘り下げて聞きたい点がたくさんあります。文部省並びに大蔵省等々にもまだ聞きたいことがありますけれども、関連で鍛冶先生と浅井先生が少し聞きたいということでありますし、時間もだいぶ経過しましたので、私の質問を一応終わりますけれども、国民が考えていることは、国有財産というものがあのようにこわされ、あのような暴力によって示された態度というものに対しては、あくまで責任を持てということが国民の声ですよ。これは文部省も大蔵省も十分心の中に期してもらわなければならぬと思う。学校当局としても十分その責任は感じてもらわなければならぬと私は思っておりますから、どうぞその意味において、今後の動き方はわれわれも援助し、われわれも言うべきことを言い、皆さん方に協力したいと思っておりますから、十分な体制をもってき然たる処置をしてもらいたい。いいですか、会計課長。
○安養寺政府委員 私のほうもたいへん残念なことであると思う。東京大学に何も災害が起こってから注意をいたしておるわけではございませんで、現在いずれの大学におきましても、物品の管理等について遺憾のないようにという手はずを督励をしておるわけでございます。いまお話しのとおりに善処をいたしたいと存じております。
○丹羽(久)委員 これで質問を終わります。
○鍛冶委員 関連して。いま言われる責任の所在を明らかにするということについて関連して聞きたいのですが、先ほど言われました暴力学生が安田講堂を占拠したのは去年の何月何日でございましたか。
○安養寺政府委員 六月十五日でございます。
○鍛冶委員 それからいろいろなことがあったが、大体引き続いて占拠しておったわけですね。さらにまた、その後新聞紙上等で見ますと、ほかの教室もどんどん拡張占拠し、ことにひどいのは図書館を占拠して中にあった重要な図書、それから参考資料等を焼き払ったり持ち出したりしたという事実は間違いないと思うのでございますが、この点はどうですか。
○安養寺政府委員 六月十五日に乱入占拠をいたしまして、二日後警官隊の導入によって一たんは占拠を解除したわけでございます。さらに七月になりましてから再度占拠をするというような状態で、それ以後ずっと引き続いて占拠が起こったわけでございます。 いまお尋ねの重要な物件、学術資料の損壊の点でございますが、ことばは適当ではございませんが、中央図書館は幸いにして被害はあまりございませんでした。いま大学当局で学術資料として損壊のあったものとして二件をわれわれは承知しております。一つは、法学部の研究室にございましたマイクロフィルムをケースからほうり出し、あるいは一部ちぎり捨てるというようなことがございまして、過日新聞にもちょっと出ましたが、その大半は漸次修復をいたしまして、被害が最小限度にとどまったことは幸いに存じておるわけであります。その額は百万円程度で済むのではないかと思っております。 いま一つは、資料編纂所におきまして、明治、大正年間に撮影いたしましたガラスの貴重な資料がございますが、これはずいぶんたくさんの部分がこわされまして、取り返しのつかないことになりました。その他につきましては、各部局における研究室なりあるいは教官の部屋における図書の損害というようなものがございます。
○鍛冶委員 暴力学生が入ってどんどん占拠をしていけば、いまあげられたものは二、三にとどまりまするが、二、三にとどまらないであらゆる損害を及ぼすであろうということは何人といえども考えつくところでありますが、その点は占拠が進むに従ってふえていっただろうと思いますが、これはどうですか。
○安養寺政府委員 昨年の九月ごろからだんだんに占拠の状況、紛争の状態がエスカレートしたわけでございまして、機動隊の排除をまたなければ確かにお話しのようなおそれがあったと思います。
○鍛冶委員 現在は損害を及ぼしたものをどのようにして償うかという議論をしておられますが、大事な国有財産、大事な学問の研究資料、そういうものを頂かっている以上は、損害を及ぼしてはたいへんだということは、ことに大学を預かっている責任者、管理者としては当然に頭にこなければならぬものだと思うが、それはやっておりましたか、どうですか。あなた方はそれに対してどう考えられましたか。占拠した、それがだんだん広がっていって教室へ入った、研究室へ入った、参考資料室へ入った、大事なものがなくなるということは当然わかると思う。わかったら、これはたいへんだというので、これをとめることを考えなければならぬと思うのだが、私の考えておるところではそういうものはどうもあったように思われないのだが、これはどうです。どうやりましたか、あったら、どのようにあったか言ってください。
○安養寺政府委員 まず文部省におりますわれわれといたしましては、先生のお気持ちと全く同じでございます。現実に大学でやりました管理者の妨害排除の態度、あるいは努力の状態は、これはいろいろ御批判もあるかと思いますが、またわれわれもいろいろと督励をいたしたわけでございますが、まあ結果がああいう形で出ましたあげくは、これは遺憾であるという一語に尽きるわけでございます。
○鍛冶委員 ただ遺憾でありましたではあなた済まぬでしょう。国の宝ものですよ、研究資料というのは。私はいまそこでそう言われれば聞きたいのだが、そういうことがだれが見てもわかるのだが、わかった以上はこれを防御すべき責任者があると思うのです。責任者はあなたはだれだと思います。そしてその責任者はどのような責任をとりました。責任者がだれであって、どのような責任をとったか、聞かしてください。
○安養寺政府委員 大学の国有財産の管理の責任者は学長でございまして、文部大臣はその学長の取りしきるやり方あるいは職務の分掌、所掌の範囲等をきめまして学長を督励をしておるという意味での責任の場所にあるわけでございます。具体的に東京大学の学長あるいは評議会、各学部の学部長あるいは教授会等々がいろいろ意思決定をいたしまして、それぞれに学園の正常化につとめてまいってきたわけでございますし、またその努力は続けておったものとわれわれ見ております。
○鍛冶委員 具体的に聞きたいのだ、それは私は大問題だと思う。あなた努力をしておったと言うならどのような努力をして、文部省とどういう連絡をしてどのようにやりましたか、聞かしてください。私はそれがないと思うから聞いているのです。あるというならこのようにやった、このようにやったと、言って並べてください。
○安養寺政府委員 紛争の期間が長かったわけでございますし、お説のような状態も部局、部局によって区々でございますから、一々一がいに申し上げることができかねるわけでございますが、少なくとも大河内前学長、引き続いて加藤学長代行を中心とする大学の責任者が、留年防止あるいは入学試験の団交等々につきましてもいろいろ努力を続けておったわけでございまして、当然そういうための条件整備といたしまして、そのようなことが正常に行なわれる学園の場所を、秩序を取り戻すということに努力をしておった、かように見ておるわけでございます。一々申しましてもあれでございますが、大学のほうでは何度も学長の告示を出しまして、妨害排除あるいは一般学生に対する奮起を促す、あるいは父兄のほうへ連絡をいたしまして、それぞれの学生が大学に来て、学生の力で正常化を取り戻すというようなことについての奮起を促す、あるいは建物の保守、管理のために本部その他の事務局の職員を動員いたしまして、警備の体制をずっと引き続いてとっておった。結果がまことに思わしくございませんので、そういう努力が実を結ばなかったという点はまことに残念でございますが、そういう点についてのいろいろのやり方、努力についてはわれわれとしても克明に報告も受けておりますし、またわれわれも口をすっぱくして督励しておったということでございます。
○鍛冶委員 督励しておった、効果があがらなかった、そんなことを聞いておるのじゃないのです。どんなことをしたというのです。あなた方やられたでしょう、やられただろうが、学長は責任がある。責任者はどのようなことをしたか、具体的なことをあげてみてください。やったが、それはやられなかったか、何よりも具体的のことは暴力学生に占拠されたということでしょう。その占拠を解除せられぬ限りは、損害が累積していくことは当然じゃありませんか。その不法占拠を解除するにどのようなことをしました。それからひとつ答えてください。それが根本です。どのようなことをしたのです。あなた方はどのようにせよと言ってやられたが、彼らはどのようなことをやったか、それでもやられなかったのか。それを具体的にあげてください。ただ遺憾でございました、そんなことをわれわれはここで聞いておるのじゃないのです。現実的に起こった問題だから、どうしてこの結果があらわれたか聞きたい。具体的に聞かしてください。あなた方がそう言われるなら……。
○安養寺政府委員 繰り返して恐縮でございますが、大河内前学長当時からのいろいろ正常化の努力というものが続けられてまいっておったわけでございます。われわれとしては、何か奇抜なことを申し上げるつもりもございません。ともかくああいうような状態を早く解除して、学園らしい研究と教育の状態が一日も早く確保できるようにという、きわめて日常的、当然といえば当然でございますが、そういうことの努力を促しておったわけでございます。大学当局といたしましても、これは留年の問題あるいは入学試験の問題というような差し迫った、日程のきっちりきまりました行事があるわけでございますので、当然そのためにあらゆる努力をしておった、逐一は申しませんが、そういうぐあいにわれわれは考えておるわけでございます。
○鍛冶委員 あなた方の努力を認めましょう。ところが、その努力は一つも効果があらわれなかったですね。あらわれなかったらどうするのですか。やむを得なかったで、それで済むのですか。あなた方は言うたにもかかわらず、向こうはやらなかったのですか。あなた方の命令に反したのですか。それとも命令に服したのだが、効果があらわれなかったのか、どっちなんです。あなた方はやられたことは、私は認めましょう、やられたと言われるなら。それは結果が出ておるのだ。あなた方はそれをやったにもかかわらず、どういうわけでこのような結果が出たのか、その点を明瞭にしてください。
○安養寺政府委員 大学当局も、繰り返して申しますように、あらゆる努力をやったものだとわれわれは考えております。ただし、お説のように結果が出なかったという点がございまして、この点についてはわれわれも残念だというぐあいに考えておるわけでございます。
○鍛冶委員 そんなことでは済まぬじゃありませんか。出るようなことをしないから出ないのじゃないですか。暴力を排除するには何をもってやるものですか。それをやったのですか。やらずにおって、どうも結果が出ませんでした、残念でございます、そんなことで国民は承知しますか。私はあなたを責めるのじゃないのですよ。責任者がそれでいいのかということをあなた方に反省してもらいたい。 そこで私は聞きたい。先ほどから聞いておると、会計検査院ですが、会計検査院でも、先ほどから聞いておれば、そういうことがあれば会計検査院としてそれを調査し、これを防御する責任があるとおっしゃいました。どのようなことをなさいましたか。
○石川会計検査院説明員 私の申し上げましたのは、そういった事態がありました際に、会計検査院として、正式な報告を待ちまして、弁償責任なりあるいは懲戒処分の要求をするということを申し上げたわけでございまして、暴力を排除するというような行為は、ちょっと会計検査院として、この権限上なし得るかどうか、多少私も疑問に思いますし、通例の場合でしたら、その報告を待ちまして、客観的な損害が明らかになったときにおきまして責任の判定をする、こういうようなことでございます。
○鍛冶委員 私の言うのは、それはあとでいまそこへいきますが、それよりもっと前に、国有財産、大事な国有財産が破滅するということがわかった以上は、あなた方としてやるべき手段があるでしょう。私は、その手段をおやりになりましたかということを聞いておるんですよ。
○石川会計検査院説明員 財政法にも、「国の財産は、常に良好の状態において管理」しなければならないということをうたってございます。それに照らしましてただいまお尋ねの点につきましても、その良好な状態において管理するということを妨げる状態であるということは、おっしゃるとおりであろうかと思うわけでございます。それに対する意見としては、われわれ特にこれを表明はいたしておりませんけれども、検査の際にはさような心がまえで検査はしているということは申し上げられると思います。
○鍛冶委員 そうすると、私は文部省にもう一ぺん聞きますが、会計検査院に対するあなた方のやるべきことをやっておったんですか、やっておったにもかかわらず会計検査院はこう言われるのですか、それをやらなかったからこう言われるのですか、それはどうですか。損害があれば報告があるべきものだが、報告がなかった。会計検査院としては国の財産はどこまでも厳格に守らなければならぬ義務があるのだ。その義務が果たされるようなことをあなた方はしたのですかどうですか。それからひとつ聞きましょう。
○安養寺政府委員 東京大学の実情は、占拠をされまして、本部あるいは各学部の事務部局が本来あるべき場所から排除をされ、書類も思わしく持参しかねるというような状態でございまして、本年の初めに機動隊を導入いたしました結果、初めて克明に災害の状態を点検し得ることに相なったわけでございます。その間は、一々現状を確認するようなことはできましたわけですが、書類的に責任ある報告を会計検査院にお届けをするということもいたしかねる、こういうような実情でございます。
○鍛冶委員 それではやらなければならぬことをやってないのですね。われわれ国民から見れば大事なことを、会計検査院で職権を発動させるようなことをやっていなかった。いま言うとおり、機動隊が出て排除してもらった。機動隊以外に排除するものがないのです。それならばなぜに機動隊に排除させなかったのです、そういうことをわれわれはいま聞いておるのです。その責任からあなた方考えてもらわなければならぬ、それが第二番目ですよ。かねてこれは損害があると思えばそれを防御しなければならぬ、そのときに早くその損害がないようにこれを排除することをやられなかった。報告すべきところでも報告せられなかった。そういうふうに考えてみると、やるべきことをみんなやっていやせぬじゃないですか。それではできっこありゃしない。起こるのは当然じゃないですか。 その次は、いま言う損害が出た。損害が出れば——先ほどから丹羽委員から言われるように、国のものに損害があった。あなたを責めてもしようがないが、管理者の立場からいうと、私の管理しておる国の大事なものをいためられた。いためられたらいためた者に責任をとってもらわなければならぬ。責任をとってもらうには責任をとらせるようなことを準備しておかなくては、管理者としての責任は成り立たぬ。先ほどから聞けば、なかなか人をつかまえることはできない、原因を究明することはできない、そんなことではあなた申しわけ立つことではありません。そういうために管理者というものがある。それをやったけれどもできなかったのですか、やらなかったからいまわからないのですか、どっちですか。管理者としてどう思いますか。
○安養寺政府委員 管理者である学長が、学長並びにそれぞれの部局に事務文書により学部長等が該当しておるわけでございますが、それぞれの部局の管理の責任の督励方をしており、みずからもつとめておるということについては、もう十分やっておった。ただし先ほど先生から御指摘のように、国に対する管理者としての十分な責任が結果的に出なかったというような状態でございまして、この点についてはわれわれとしても、現在東京大学はまだ正常化をいたし切っておりませんので、そういうことを含めてなお正常化に努力しており、非常な努力を求めておるという実情でございます。
○鍛冶委員 いま言ったことを繰り返して申し上げますが、暴力を排除をするについてどのようなことをしましたか。ことしになって初めて機動隊の出動を頼んだんじゃありませんか。それまでは大学の自治と称して——自治とはみずからをおさめるということですよ。外部から乗り込まれて、自分の管理しておるものをたたきこわされて、国の大事な宝ものをめちゃくちゃにされて、自治どころの騒ぎじゃない、自滅だと思う。それを自治だなんということを言っておっては、国民に申しわけないと思うんです。あなた方、それを聞いているんでしょう。それをやっておった、やっておったと言われるから私はこう言うのです。それは遺憾千万だと言っておる。それをやらなければこんなことになるのは当然じゃありませんか。そうしてそれをやると同時に、これは損害を起こした以上は、賠償させなければならぬ。それには責任は負わせるだけのことを管理者としてやらなければならぬ。それをやっておるのですかどうですか。どのようなことかさっぱり答えられない。それがないからこのようなことになる。丹羽君の言うのはそれだろう。どうですか、やったのですか、やったけれどもできないのですか、やらないからできないのですか、どっちですか。
○安養寺政府委員 いろいろお話ございますとおりでありまして、こういう状態が遺憾であることはまことに事実でございます。どういうことをやったかどうか、繰り返してのお尋ねでございますが、同じようなことを言って恐縮でございますが、文部省といたしましても、学長の管理の責任を督励をいたしまして、いろいろにこの正常化の一刻も早かるべきことを申しておったのでございます。大学当局におきましてもそのためのいろんな努力をした。しかし結果的には卒業生も出せない、入学試験もできないというような、まことに残念な状態が現出いたしました。なおわれわれ正常化を含めてお説を体して努力をいたしたいと思っております。
○鍛冶委員 私は関連ですからもうこの程度にしておきますが、私が申し上げたようなことを、おそきといえどもやらなければならぬのですよ。やってもらいたいと思うのです。どうですか、やられなければしようがないけれども、それでやらなかったりすれば責任があるということを考えてもらわなくちゃならぬ。それを考えないで、遺憾でございました、どうもやむを得ませんでしたでは済まぬと思いますよ、どこまでもやってもらわなくちゃならぬ。もしそれに手落ちがあるとするならば、だれかが責任を負わなければならぬ。だれが責任を負うべきか。いずれ機会を見ましょうが、そこまで考えてもらうことを申し上げて、私の関連はきょうはこの程度にしておきます。
○浅井委員 いまいろいろと質問がありまして、私も関連してお聞きしたいことは、東大紛争における安田講堂の施設、建物、物品破損の責任ですが、先ほど来お答えにもなっていらっしゃいますが、私は大蔵省にお伺いしたいのです。 〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕 財政法の第九条で、先ほど答弁がありましたが、国有財産は良好な状態で管理する、こういううたいがございますけれども、いま良好な状態でないわけです。これに対する、良好な状態でなくなった責任、あるいは今後これをどうなさるのか、それを明確に伺いたいのです。
○船後政府委員 東大紛争によりまして多大の被害が生じたわけでございます。この損害につきましては当然加害者がその賠償責任に任ずべきである、かように考えております。他方国有財産法、物品管理法の体系におきましては、それぞれ所管の長、それぞれの各省各庁の長がその所管に属する行政財産、物品につきましては管理の権限と責任を持っておる。そういう意味の管理責任がこの場合どうなっておるかという問題でございます。これは財政法九条の精神に照らしましても、管理責任につきまして、重大なる過失あるいは故意といったものがあって、その結果物品に被害が生じたということが起こりますれば、そういった面の責任も当然問題としていくべきである、かように考えておりますけれども、何せ先ほどから文部省のほうでお答えのとおり、事実関係につきましては、なおかつ調査すべき点が多々あるようでございますから、そういった事実関係の調査を待ちまして、その方面につきましての私どもの見解もはっきりさせたい、かように思います。
○浅井委員 まだ管理の責任が明確になりますればということなんですけれども、事実上、新聞等の報道、あるいは現実にいろいろな破損があって、あれほど破壊をされたわけです。それに対する国有財産の管理の責任というものは、これはもう明確化しておるのじゃないかと思うのですが、なお加害者がいわゆる刑事上の、あるいは民事上の問題があって、加害者という点についてはなお一部問題は残されておるかもしらぬですが、管理するという責任においては、これは明確に破壊されたという事実はあるのです。これは明確になっているのじゃないでしょうか。
○船後政府委員 大蔵省といたしましては、一般論といたしましてそういった管理責任の問題があるということで、こう申し上げたわけでありまして、具体的にそれじゃ、この東大の紛争の際にだれがどのような管理責任を怠った事実があったか、これは事実問題でございます。この点は文部省のほうで調査中の由でございますので、それを待ちました上で、私たちのほうでも御相談にあずかるなり、あるいは検討するなり、そのようなことをいたしたいと思うわけであります。
○浅井委員 文部省にお伺いしますが、この管理の責任について、いま大蔵省が明確になりますればということですが、この点についての管理の責任者についてはどういうふうに先ほどから何回も繰り返されておりますが、ちょっとあいまいなんです。私は直蔵にこのことだけを明確にお答え願いたいと思うのです。
○安養寺政府委員 管理の責任者は学長でございまして、学長でいろいろと大学全体の国有財産の管理の責任を遂行しておるわけでございます。文部大臣はそれに対する指導、総括的な監督責任というものを持っておるわけです。今回の具体的な加害の結果に対する管理責任の問題でありますが、われわれといたしましては、先ほどお話もございましたが、いろいろ実情を調査もいたしまして、とりあえずできることは告訴する、あるいは債権の管理の確認をするというふうなことの努力をしておるような実情でございます。
○浅井委員 学長に対する責任に対しては、これはあなた方文部省としては、その責任の所在を今後も明らかにしていこうとしていらっしゃるけれども、いま起こっておる事実に対する、責任に対する追及、あるいは文部省の、文部大臣の、いわゆる監督におけるところの責任のその処分はどうするのですか。
○安養寺政府委員 学長が国有財産の管理について、その責任遂行の状態に懈怠があった、重大なる過失があった、あるいは故意があったというような点の問題になりますれば、われわれといたしましては、ずいぶんと物的管理とあわせて、学校としての機能の正常化、教育研究の場を一刻も早く取り戻すというようなこと、並びにそれの条件整備というような面からの全体的な努力は絶対にゆるがせにしておったわけではない、かように存じております。
○浅井委員 そうではなくて、いままでの学長に対する責任は今後どのようになさるのかということですね。その責任に対してどのように文部省としては、——東大の学長は、総括的ないわゆる東大なら東大の中の施設、建物におけるところの維持管理の責任があったわけですね。その責任を果たせなかったから結果が出てきたわけです。要するに一部暴力学生がおって、占拠をして破壊した、その事実がありますので、その管理に当たる者の責任、国有財産を管理する責任というものは学長にある、あるいは物品は経理部長にあるというふうな話を聞いておりますが、これらの責任に対して文部省当局はどのように考えておるのかということなんです。
○安養寺政府委員 国有財産は学長で、物品の管理につきましてはいまお話の経理部長がその責任者になるわけでございます。まあ繰り返して恐縮でございますが、大学の機能の正常化という面において、これは単に教育研究の計画の遂行に限らず、物的な条件整備という面も含めて大いに正常化に努力して、なお現に部分的に不正常な状態が残っておる。この点の正常化にも現在鋭意努力をいたしておるわけでございます。文部省としてもその努力の一日も早く結実することを願い、かつ督励しておるわけでございます。 いまお話しの学長の責任というのは、確かにこういう物的な加害というものが結果的に大きく出たということでございまして、たいへん遺憾であったというぐあいに考えております。
○浅井委員 今後、この巨額な、先ほども御発表になっておりましたけれども、東大だけで約四億五千七百万ですかの復旧費が必要と言われました。あるいは全国的に、各大学の紛争で、これもまたいろいろと破壊されております。これに対して、いわゆる加害者の弁償ということで考えておられるのか、それとも国有財産をすみやかに復旧するために、大蔵当局においてこれらに対する何らかの財政的な措置を今後お考えになるか。大学紛争というのは、一部の暴力学生、これは確かにけしからぬ。しかしその一部の暴力学生を発生させるいろいろな母体というものは、これは教育制度であり、あるいは文部省であり、あるいは政府当局であり、あるいは社会のいろいろな現象が今日の大学紛争を生んでおります。したがって、単なる一部学生にのみこの責任を負わせるわけにはいかないという微妙な問題であります。したがって、教育環境の整備ということで、すみやかに復旧しなければならぬ緊急な問題であります。ところが、これらの復旧費のいわゆる予算化、すなわち昭和四十四年度のそういう予算の中にこれは見込まれておりますか。またこの予算を、もし組み込まれていないならば、今後どのようになさるのか、大蔵当局の御見解をお伺いしたいのです。
○船後政府委員 大学紛争によって生じました国有財産の被害につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、不法行為によった損害につきましては当然加害者に対し損害賠償責任を追及すべきだと考えております。ところが、さしあたり、授業の再開のために最小限必要なる補修が要るわけでございますが、四十三年度の問題といたしましては、これは東京大学の既配賦予算の範囲内で、実行上の問題として措置することといたしております。 なお、本格的なる復旧につきましては、四十四年度以降の問題になるわけでございますが、これは当然のことながら、四十四年度予算にはそのようなことを前提といたしまして復旧費は組んでおりません。これをどのように、またいつの時期に復旧するか、どの程度の規模で復旧するかという問題とも関連するわけでございますので、その段階におきまして必要なる措置を考えたいと存じております。
○浅井委員 重ねてお伺いしますが、あなたの復旧する段階というのは、いまの大学紛争の状態がどのような程度になったときか、お聞かせ願いたいと思います。
○船後政府委員 これは財政当局がイニシアチブをとって申し上げるべき事柄ではないと思いますが、文部省のほうでそのような御判断になって、こういう復旧をしたいというような具体的なお話がございますれば、そのときどきの客観情勢をも勘案いたしまして判断いたしたいと存じます。
○浅井委員 では文部省はいつ復旧に踏み切っていきたいと思っていらっしゃるのですか。
○安養寺政府委員 四億五千七百万円の損害額がございまして、どの程度の復旧をするかという全体の計画につきましては、大学当局と検討したいと思っております。その時期、全体の規模等についてはまだ未定でございまして、さしあたり授業再開の部局に対しての、最小減の手当てをするということにとどめておるわけでございます。いずれ大学当局におきましても、紛争の全面的な正常化というような時点においての上での御相談がある、かように考えておるわけでございます。
○浅井委員 全面的な正常化というのはこれは非賞に微妙な問題でありまして、それはどの程度をそう判断するかというのは、これは非常にむずかしい問題であります。いまの学生のいわゆる要求の中にも、教育環境の整備ということを強くうたっておる項目がございます。破壊されたその建物の中で、荒廃されたそういう環境の中で教育するのではなくて、文部省当局が一日も早く原状に復帰させる方向に、この紛争の禍根を一日も早く絶つためにも、すみやかにその復旧に当たるべきではないか、私はこのように思うのです。ですから正常化ということについて、いまとりあえずとおっしゃいましたけれども、今後本格的な復旧に対するすみやかな取り組みがなされなければ、かえって大学紛争の禍根を将来まで残すのではないか、私はそのように思います。したがって、今後文部あるいは大学当局とお話になるわけです。全国的な問題もありますので、これに対する必要な財政措置をすみやかに立てられて、そうして復旧に向かう。少なくともいま異常なる状態にある、その異常なる状態から正常化へ向かう努力を文部当局がすることが、現在起こっておるところの大学紛争を鎮静化させる、あるいは解決する、その方向に踏み出す一歩ではないかと思うのです。この点はどうでしょうか。
○安養寺政府委員 留年、入学者が四十四年度はないといったような異常な状態でございまして、そういうものも含めて全面的な正常化ということを論議するのは、ちょっと縁遠いような感じもいたしますけれども、そういうことをあわせて、いまお話しの御趣旨は、私よくわかります。いい環境で学生に教育を授け、あるいは卒業者を出していただくというのは、大学全体に対してわれわれが要請している最も大なる点でございますので、お話の点もよくかみしめまして、今後大学と十分検討いたしたいと思っております。
○浅井委員 関連質問なんでこの程度で終わりたいと思います。どうか文部あるいは大蔵当局、すみやかにこのことに対する善処方を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○鍛冶委員長代理 華山親義君。
○華山委員 簡単に会計の面からお聞きいたしますが、文部省所管国立学校特別会計、この点につきまして予備費は一億でございます。間違いございませんか。
○安養寺政府委員 さようでございます。
○華山委員 予備費が一億であるから、この限度でやっておけということでは、一応紛争がおさまった際に大学の復旧がとてもできないと思います。そこで大蔵省に伺いたいのでございますけれども、この予備費一億の範囲内で四十四年度は済まされるおつもりでございますか。
○船後政府委員 四十四年度につきましては、大学紛争、これは東大だけに限らないわけでございまして、他大学でもかなりの被害があるように承っておりますが、それがどの程度の額になるか、またそれをどのような手順を追って復旧していくかというような問題は、一切未定でございますので、現段階では明確なることをお答え申し上げかねるのでございますが、ともかく仮定の問題といたしまして、すべて正常化いたしますことは、何よりも優先的にすべき事柄の一つでございますので、四十四年度の国立学校特別会計の予備費は一億でございますけれども、施設整備費はかなり多額のものがございます。実行上の問題として、文部省から相談がございますれば、その段階で検討いたしたいと存じます。
○華山委員 私はこのたびの大学の紛争についてかれこれここで言うつもりはございませんけれども、学生といたしましては学校のそういうふうな施設に対する不満も底に流れていたのではないかと思うのでございます。既存の予算は、一応個々の問題について積算されたところの計数だと思いますので、この中でまかなえということでは、ほかのいろいろな学校の施設にも影響すると思います。そういうふうなことも考えますと、この一億じゃできない、何か一般会計からの繰り入れということもその場合には考えられると思うのでございますが、一般会計からの繰り入れ、そういうふうなことは総合予算主義の立場からできないというふうにお考えになりますか。
○船後政府委員 すべて仮定の問題でございますが、理論的に申しますれば一般会計からの繰り入れを増加するということは、一般会計の予備費の範囲内では不可能ではないわけでございます。しかし先ほど来申し上げておりますように、四十四年度の実行がどのような姿になっていきますか、紛争の態様によりましては、他方におきまして正常なる授業がないわけでありますから、正常な授業があることを前提といたしまして計上いたしております経費のほうで、多少余裕を生じてくるというようなこともあるわけでありますから、すべてはその段階で判断し、適切に処置してまいりたいと思います。
○華山委員 一般会計の予備費から特別会計への繰り入れ、これはあり得るわけでございますね。それでいいと思うのでございますけれども、この復旧に対する経費、少なくとももとに戻す経費というふうなものは、これはまた大学問題解決への私はステップだと思います。そういうふうな意味からも、こいねがわくは一億の予備費でやれとか、相当多額な施設費が特別会計に組んであるから、その中でまかなえとか、そういうふうなことはやっていただきたくないと私は思うのです。復旧ということについては政府は誠意を示して、そして前よりもよくなるように、これは来年度はできなくともやるべきだ。それがまた大学問題に対する一つの方法だと思います。いまここでちびちびして、災害じゃありませんけれども、あのあとをいつまでも残しておく、そういうふうなことは絶対にあっちゃいけないのじゃないか。ただ紛争の見通しがつかない前にそういうことに取りかかりますと、危険な面もあるでしょうから、情勢を見ていかなければならないと思いますけれども、そうあってほしいものだと思います。何か、一時新聞に、今度の学校の紛争について、起きたことのあと始末について大蔵省はめんどう見ない、こういうことをいったというふうなことが出ておりますので、私はお聞きするわけでございますけれども、めんどうを見ないなどというお気持ちはいまではございませんですか。大蔵省ひとつ伺っておきたい。
○船後政府委員 先ほど来申し上げておりますように、大学紛争によって生じました国有財産の損害、不法行為によって生じた損害につきましては、当然加害者が損害賠償の責めを負うべきであると考えております。それはともかくといたしまして、とりあえずの復旧につきまして、そのような新聞記事があったかとも思うのでございますが、これも先ほど来申し上げましたとおり、四十三年度の問題といたしましては、東京大学でございますが、とりあえず授業再開に必要なるガラスの補修とか机の修理とか、こういったものにつきましては配賦予算の範囲内で実行することにいたしております。今後大学紛争によってこれ以上破壊が生じないことを心から願うものでございますが、やはり天然災害による被害と違うわけでござ旧いますので、国民の貴重なる税金を投入する関係上、本格的な復旧につきましても、国立学校特会の全体の予算二千億の規模をこえるものでございますが、この実行の中でできるものはやるという方針で対処いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○華山委員 私は、そういう大蔵省の態度には、反対であります。あそこの学校でこれから学ぶ人には何の責任もないでしょう。そういう人にりっぱな教育を施し、また、大学が国のために、国民のために、研究をさらに向上していくということは、当然考えなければいけないことなんです。財政的な都合からこの中でやれ、そういうふうなことがあってしかるべきものじゃない。私は、決していまの学校の問題について、一部の学生を弁護する意味は少しもございませんけれども、そういうところにでも学生の大学に対する反感があるんじゃないか。それでいまおっしゃったとおり、不法行為によって起きたものは、そのものによってまかなわなければいけないというふうなお話でございますけれども、そのことにつきまして私はかれこれ申しませんが、そういうことによって金が入ってくるものなら別ですよ。法理論は別にいたしまして、何年たったら入るか。これは父兄について財産を差し押えてみたところで、そんな金が入るわけはないじゃないですか。そういう、模様を見てから金を出そうなどという態度は私はとりたくありません。とにかく学校の紛争が終わったならば、一刻も早くそういうふうな悪い印象を除くような施設があってしかるべきだと私は思います。ほかのことは言いたくはありませんけれども、飛行機一台のことを考えてごらんなさい。別問題だといえば別問題かもしれませんけれども、いまここで五億や十億の金を、あるいは十億かからないかもしれないけれども、そのくらいの金を一般会計から出して、そして大学がりっぱになる。いいことじゃないですか。たいへん渋いお話でございますので、私はそういう面につきましては、反対であるということを表明いたします。責任問題は責任問題、学校の復旧は学校の復旧、別個の立場で考えなければいけない、私はそういうことを強く要望をいたしますけれども、何か大蔵当局から御所見があるならば伺っておきたい。渋っちゃいけませんよ。
○船後政府委員 私は決して渋っておるわけじゃございません。先ほど来申し上げておりますように、仮定の問題でございます。それからまた財源の問題といたしましても、四十四年度の国立学校特会の予算は授業が正常に行なわれるということを前提として組んでおりますので、授業が正常に行なわれなければ当然不用となる経費があるわけでございます。そういった経費の状況も勘案いたしまして、先ほど来浅井先生の御質問にお答えいたしましたとおり、文部省の御判断等もございましょう。この辺の段階でこういう規模て復旧に取りかかるということでございますれば、その段階で御相談にあずかりたい、かように申し上げておるのでございます。
○華山委員 先ほどから仮定、仮定と言われますけれども、私何か仮定のことを言っておりますか。仮定じゃないでしょう。とにかく現実に四億幾らという財産が消耗しておる。それを復旧するということは現実の問題ですよ。何が仮定なんですか。足りなかった場合ということは、私はそういうふうなことから大学特別会計の中からくふうすべきものじゃないということを申し上げているのであって、少しも私は仮定のことは言ってないつもりです。それからまた、学校騒動がおさまったならば、そういうことに踏み切るべきだということを言っているので、何もこれは仮定の問題じゃない。仮定の問題を私は言っておらないつもりです。現実の問題を言っておる。あなたは仮定の問題だと言われるけれども、どこが仮定なんですか。
○船後政府委員 仮定と申し上げましたのは、私のことば足らずのところがあったのかと思いますが、四十四年度予算を中心に考えますと、四十四年度予算は、当然かかる被害があってその復旧問題があるということを前提として組んだものではございません。それから、東京大学で現実に被害が生じましたけれども、これをいつ、どの時期で復旧するか、必ずしも四十四年度の問題であるときまったわけでもございません。そういう意味におきまして、私は仮定の問題として申し上げたわけでございます。
○華山委員 終わります。
○鍛冶委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時九分散会