外務委員会 第24号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/06/13
会議録
○北澤委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。穗積七郎君。
○穗積委員 愛知外務大臣にさっそくお尋ねいたしますが、きのう本会議で各党の総括質問がありましたが、やはり訪米の問題について率直に、少しお尋ね漏れのありました点について、具体的かつ詳細にお尋ねしたい。 きょうに、実は二時間あなたの時間があるということだったのですが、いまになってみると一時間しかない。だから、私の質問時間は二、三十分しかないわけですよ。ですから、あらかじめ申し上げておきますが、私はきょう二点だけにしぼってお尋ねいたします。 すなわち、われわれは、沖繩は民族固有の領土であるという観点ですけれども、政府の観点は極東作戦の共同の基地であるという点に重点を置いておられる。そこから出てくる返還に伴う新たなる軍事的義務を負わされる点が一番の焦点になっておると思うわけですね。そこで、あなたの方針は、沖繩を本土と特別視しないで、そして返ったときには、論理的かつ自動的に安保条約その他の取りきめが本土と同様に適用されるものである。そのときに基地の効用がどうなるかという問題の接着点が一番問題になっているわけですね。今後の宿題もそれであるわけだ。今度の訪問では、遺憾ながら、アメリカ側の何らかの反応というものは、全然これをサウンドすることはできなかったわけです。したがって、アメリカはどう考えているかということを、今度の訪問によってこれをわれわれ推測することは誤りである。だがしかし、日本政府のこの問題に対するアウトラインだけは大体読み取ることができたわけです。 そこで、お尋ねしますが、第一点がその問題、それから第二点は、沖繩返還後またはベトナム解決後の極東情勢に対する判断、それに伴う日本の外交路線、その二点にしぼってお尋ねをいたしたいと思います。 最初に、いまの安保諸条約の運用を適正に行なうことによって、沖繩の基地における米軍の果たしておる軍事的効用を阻害することのない方法が考えられるのではないかとあなたは物語っておられたわけだ。それが一番焦点になってくるわけですね。 それで、お尋ねするわけですが、一体それは、核あるいは自由使用の問題等々について、事前協議権三つの条項の運用の場合にイエスと言うこともあり得るということで、いまの二つの接点の解決にしようというお考えですか、そうでございますか。
○愛知国務大臣 端的に問題をしぼってお尋ねで、それに対して広範にお答えするのは失礼かと思いますけれども、ちょっとお許しをいただいて、私の考え方は、返還についての願望、考え方というようなものはくどくど申しません。これはもうお互いによく理解し合っていることだと思います。 基地の問題でございますけれども、これは施政権が返還されるということであれば、論理の必然からいいましても、それから感情的といっては悪いかもしれませんが、政府としても沖繩の人を差別してはならない、こういう感覚的なところから申しましても、憲法はもちろん、安保条約に限らず一切の法制というものは、そのまますなおに沖繩に適用されるべきものである、これがほんとうの施政権の返還である、こういう基本的な考え方から出ているわけでございます。したがって、基地の問題につきましても、たとえば地位協定等についても、あるいは労務者の雇用関係の問題にいたしましても、全部本土と同じような姿でなければ自然ではない、ぜひそういうふうにしたい、こういうふうな立場をとっているわけであります。
○穗積委員 そうであれば、いわゆる無条件返還ですね。沖繩だけに安保を適用しないという条件をつければ、これは除外される、あるいは沖繩だけに本土以上の軍事的義務を新たに負わせるということになれば、これも条件である。いずれにしても、いまのお話は無条件返還ということですね。 そこで、無条件返還をした場合に、アメリカ側がいま沖繩を核基地で自由使用しておるということが阻害されはしないかということが問題になっておるわけだ。そうなれば、それは特別取りきめはしない、きのうも総理も言われ、あなたも言われておるわけですね。そうなりますと、残る点は、事前協議権の運用の面でそれに弾力性を持たせる、これ以外にないではないかと思うのです。いかがでしょうか。それにしぼられるでしょう。
○愛知国務大臣 そこで、論理的に追ってまいりますれば、全くすなおに考えて、本土と同じだという形が一番望ましいわけですから、そういうことにいたしたい。それから今度は別のほうから見ていって、現在まで——今後もそうでありましょうが、沖繩の基地が占めていた重要性というもの、それからそのファンクションに期待するところがどういうものであって、われわれが主体的に考えれば、これが必要で重要であるという点からいったらどのような姿であり得るかということと結びつけて判断すべきものであって、私の考え方としては、頭から沖繩は基地なんだ、現状そのまま、すっぱりそのままでなければならないのだ、こういう考え方では、いま申しましたような論理の展開というものはできないのではないか。そこのところが十分まだ煮詰まっておりませんから、これからなかなかたいへんな仕事であろう、こう私は申しておるわけでございます。
○穗積委員 アメリカにどういう了解をとってきたとか、合意に達したとかいうようなことを聞いておるのじゃないのです。具体的交渉に入ったので、日本政府の方針を聞いておるのです。そんなこと期待しておりません、今度は何もなかったのですから。 そこで、それじゃ私は続いて具体的にお尋ねいたしましょう。 私の理解では、いま申しましたとおり、沖繩の軍事的効用というものと、それから安保の本土並み適用という問題との間に矛盾が生ずるわけですね。それから事前協議の場合に、運用上イエスと言う場合もあり得る、こういうことになってくるわけです。 そこで、もう時間がありませんから、私は具体的にお尋ねしましょう。沖繩返還の場合に、現在アメリカが対中国核兵器として置いておりますメースBというものの基地並びに武器は撤去されますね。撤去されるのが当然である。日本側の主張はそうあるべきだと思う。きのうも非核三原則は断じて曲げないということを言われるわけですから、核の持ち込みということは、沖繩返還に伴って考えられざることであるとの趣旨を首相もあなたも答弁しておられるわけですから、第一、メースBがわれわれに予測されて知られておる核兵器でありますが、これは当然撤去すべきものであるという態度で臨むべきですね。わかり切ったことですが、念のために聞いておきます。具体的に答えてください。
○愛知国務大臣 具体的にですけれども、非常に大事な問題ですから……。 まず第一に、何にもなかったのじゃないか、これに私は抵抗を感じますが、それはそれとして留保いたしておきます。 それから、いまのお話にしても前提を限定されておりますからね。それに対して直接にお答えはできないので、現在私が申し上げ得ることは、本会議でも申しておりますように、核はわれわれ民族として特殊の考え方と願望を持っているわけです。これは私は非常に大切な、またとうといことだと思います。(穗積委員「そんなことはどうでもいい」と呼ぶ)それが大事なことなのです。その基礎からいえば、どういう態度でなければならないかということは、私はおわかりいただけると思います。
○穗積委員 だから、メースBは撤去せしめることを要求する態度でいく、これを確認してよろしゅうございますね。それは言えないのですか。国民に約束できない……。
○愛知国務大臣 核は望ましくないということが基本の原則であり、考え方であると申し上げれば、もう明瞭だと思います。
○穗積委員 好ましくないというだけであって、好ましくないことであるけれども、相手の要求によってはやむを得ざる悪としてこれを認めるかもわからぬ、こういうことに逆戻りですか。きのうの質問者、きょうは戸叶、麻生、渡部三氏がおられますけれども、きのうの答弁は、非核三原則を堅持しておるから核の問題については心配御無用だ、こういうことを言っておるじゃないか。国民を欺瞞するものじゃありませんか。 〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕 そうすると、私が佐藤総理に去年の国会で聞いた。白紙です、相手のあることだから、話し合いの上でどっちかにする、こういうことを言われた。そうではなくて、今度は核原則はあくまで守る。核に対するものは願望を言っただけですか。それが交渉の基本方針でしょう。そこのところをはっきりしなさいよ。ひきょう千万だよ。そういうことは国民への欺瞞ですよ。
○愛知国務大臣 いまあなたのおっしゃったとおりで、交渉の基本線は、まさにそのとおりでございます。
○穗積委員 基本線はそのとおりであるけれども、相手の要求次第によっては、それに対して相談に乗る場合もあり得る、すなわち、認める場合もなきにしもあらずということを残しておるわけですか。最初の被爆国国民としての願望を強く言った。相手はそれを理解した。願望にすぎないとあなたはいま言った。そういうことであるならば、折衝の結果、とうしてもこれを認める——特にあなたの訪問中にも、ロジャーズが言っておる。ニューヨーク・タイムズの記事に関連をして言っておるし、軍部の意向も強いものがある。それから、たまたまいつでしたか、五月二十九日ごろかに、さらに上院のハリー・F・バード議員が、この核の問題、自由使用の問題について、強い軍事的な立場で主張しております。こういう点から見ますと、われわれはきのうのような、わけのわからぬ答弁で安心しておるわけにはいかぬから、細目にわたってお尋ねしておるわけです。どうですか。メースB、それからポラリス潜水艦、B52、これらは激しい攻撃核兵器としてもう当然撤去されるべきものでございますね。われわれそういう安心感を持っていいかどうか、もう一ぺん国民に対して、一番急所ですからお答えいただきたいのです。
○愛知国務大臣 交渉の基本線はまさにそこにあると申し上げている以上は、その基本線が通るように努力するのは当然のことであります。
○穗積委員 それではあやふやなものであるということが大体明らかになった。相手次第だ。 それからその次にお尋ねたしますが、非核三原則は、これはまだ捨ててない。だがしかし、これは政策上の問題であると言われた。そうすると、佐藤内閣は、現時点においては非核三原則は政策上堅持する方針である。しかし、情勢が変わり、条件が変わってきた場合には、核の持ち込みあるいはその他の核の問題についても変更があり得るという意味でしょうね。そういう危険な考えじゃないですか。きのうも、非核三原則は政策の問題だと言って、特に強調された。政策の問題ということは、政策は情勢いかんによって変更することがあり得る。憲法とは違います。その点についてのあなたのお考えを聞いておきたいのです。現時点において佐藤内閣は非核三原則を政策上堅持するということだけであるのか、そうではなくて、自民党政権というものは、自民党の党是というものは、永遠に日本国民の非核願望にのっとってこの政策原則は変えない、こういう意味でしょうか、どちらでしょうか。
○愛知国務大臣 政策として掲げております以上は、政策はできるだけ長続きをして守っていくというのが当然ではないかと思います。
○穗積委員 それから、自由使用についてちょっとお尋ねします。自由使用は、裏を返せば、事前協議権はわがほうの権利であり、事前協議権の放棄になるわけですね。これについては特別の取りきめが必要である。それをするつもりはないから自由使用はない。そうなりますと、あとは事前協議の項目のうちの第三、すなわち作戦行動に基地を使う場合、基地を使って発進する場合、これは事前協議の対象になるが、そのときの情勢、特にそのときの軍事的情勢によって日本の利益になると判断するならば、これに対してイエスと言うこともあり得る、こういう意味が含まれているわけですね。そのときに、一体この問題について向こう側の感触はどうだったでしょうか。全然ありませんか。どう判断しておられますでしょうか。
○愛知国務大臣 向こうがどうというよりも、私は自由使用ということは避けたいと思っております。といいますのは、昨日本会議でも申しましたように、日米安保条約は対等の立場で双方が結んでいる。こちらもりっぱな主権国です。その主権国が事前協議という制度をつくりました以上は、こちらの意思が反映せずして自由に使用するというようなことが認められるということは、私は、事の筋合いからいってもおかしいのではないか、こういうように考えますから、自由使用というものはあり得ないようにやりたい、これが交渉の基本線であります。
○穗積委員 そうなりますと、あとは、事前協議権はあくまで放棄しないで確保する、そして戦闘行動に発進する場合には、向こうから事前協議にかけてくるわけだ。そのときに、ケース・バイ・ケースでこれにイエスと言う場合もあり得るということが考えられるわけですね。すなわち、事前協議権を放棄したのではない。運用の上においてイエスと言う場合もあるということはあなたは相手に納得させようとしたわけだ。明らかにそのことを事前に示唆しているわけですよ。それで形は本土並み適用で認めてもらいたい、実際はどうかといえば、事前協議権はそうやかましく言いません、そういうことでしょう。そうなると、特にベトナムの後の朝鮮半島の緊迫状態なんかを一応想定してかからなければならないが、そのことの判断はロジャーズとあなたと食い違いがあるようだ。それから国防長官との間でも食い違いがあるようだ。 だからお尋ねいたしますが、そういうことが相互の意識にあるときに、これを一回一回でやるのか。そうすると、たとえばベトナム戦争の例を見ますと、アメリカ側は月に五千回から八千回の爆撃をやっておるわけですね。そういうのを月に五千回も八千回も一回一回事前協議にかけるということはまどろっこしい。そうすると、包括的にイエスをとろうということになる。これが第二に考えられる。 第三は、しかもそれは、たてまえは本土並み適用であるが、運用上イエスと言う場合もあり得る。状況によってはということで相手に安心させようとしても、この間あなたが滞在中にすでにそういうことの質問も意見も出ているように、これは内閣がかわったり、あるいは当事者がかわる、政党がかわるというようなことになれば、何の保証にもならないから、そこで、何らかの国としてオブリゲーションを感ずるようなものを向こうは求めるであろうということは予想されているわけです。そうなりますと、実質上の自由使用を認めたことになる。包括的なイエスの確約をする、あるいは状況によってケース・バイ・ケースでもイエスをやるということになる。そういう一般的な、しかも包括的な保証を相手に与えるということになりますと、事前協議権の重大な制限であり、放棄である、そういうように私は考えるわけです。その点については、お話し合いの中でどういう態度で臨まれたのか、今後どういう方針で臨まれるのか、私の提案いたしました三つの問題について、具体的に政府の方針をこの際国民に明らかにしていただきたいと思うのです。
○愛知国務大臣 本土並みに一切の取りきめが適用されるようにしたいということは、いまあなたがお述べになりましたように、何千回も出撃をするなどというようなことを予想しておるわけではございません。私は、同時に、そういう点につきましては、第一に、フォーミュラというと何か新しい取りきめでもあることを予想されるかもしれませんが、フォーミュラと私が言うのは、一種の考え方というか、方式というか、仕組みという意味ですが、まず、その仕組みが本土と同じようなことであるということで原則をつくって、そしてもうそういうようなことができるだけないようにするというのが、実質的にも私は本土並みではないかと思うのですが、そういう点については、ほんとうにまだまだ深刻に真剣に論議し合っていかなければならない点でございますから、そういう意味におきまして、私はこれ以上こまかい点で、これはどうだ、これはどうだとおっしゃられましても、オープンの席でございますから、いましばらく御容赦をお願いいたしたいと思います。
○穗積委員 それは愛知さん、逃げ口上ですよ。われわれは法理的かつ論理的に言うならば、さっきも言うように、無条件返還ですよ。そうすれば、安保条約が継続しておる以上は、自動的に安保条約の適用範囲に、沖繩も日本の領土でありますから、無条件であれば入るわけだ。そのときの問題で、そうであるならば、基本線としては無条件返還を要求する以上、これで論理は一切含んでおるわけです。にもかかわらず、本土並み適用でいきたい。そして同時に、あとは運用上沖繩の特別な軍事的効用は阻害しないようにしましょうということですから、もう事前協議権の譲歩あるいは自己制限、あるいは相手の要求によっては概略イエスを与えるという頭があるから、あなたは、運用上で沖繩の基地の効用は削減しないでも済むのだということをあえて言ったわけでしょう。すでにそういう構想があなたの頭の中にあるのですよ。なくて、いま言われたとおりであるならば、無条件全面返還だ。地域的にあるいは職能的に分離返還ではない。全面返還であり、安保条約との関係においては無条件返還です。それだけ言えばいいじゃないですか。そういうことも、基本線の中で本土並み適用といいながら、あえて沖繩の特別の軍事的基地効用というものをわれわれも深く認識しているから、それを削減しないために特別の運用を考えて、そこでできるではないか、問題を提起しているわけでしょう。提起している以上は、この事前協議権の制限または譲歩以外にはないですよ。もうすでにあなたの頭の中にその構想があるのですよ。なかったならば、なぜあんなことを言ったのですか。日本の立場を代表するものじゃないですよ。アメリカの立場に立ってあなたはものを言っているじゃないか。アメリカの側のためにものを言っているのでしょう。そうでないといってあなたは言い切るなら、これは無条件返還ですね。そして事前協議権の問題についても特別の提案をする必要はない。した以上は何かあるのですから、それに答えてくれと言っているのです。それに答えないならば、あなたは国民を欺瞞するものである、国会を軽視するものであるといわざるを得ないわけです。非常に論理的に私はお尋ねしていると思うのですが、どうでしょう、偏見はありませんよ。
○愛知国務大臣 こういうことは申し上げるまでもないと思いますけれども、あなたのおっしゃる無条件ということはどうなんでございましょうか。返還になれば、当然われわれのものだったのだからもう安保条約も何もないのだ、そういう意味でおっしゃっているのだとすれば、私は意味が違う。
○穗積委員 そんなことは言いませんよ。
○愛知国務大臣 いやしかし、私は、施政権返還ということは、施政権返還になるから基地というものも全部なくなってしまうのだ、そういう意味にはとっていないわけです。
○穗積委員 安保条約がある間は……。
○愛知国務大臣 安保条約があって、これはあなたと根本的に意見が違うけれども……。
○穗積委員 違いはありませんよ。
○愛知国務大臣 いいえ、安保条約はわが国の国益のためにあるのです。その必要の限度においては本土においても基地があるのです。沖繩にも基地が返還後においてもあるわけですね。その限りにおいては、沖繩においても軍事的の基地という意味がやはりあると私は思うのです。施政権返還後において置かれる基地の効用が、日本の安全及びこれに関連する極東の安全のために十分にして必要な程度に発揮し得るかどうかということを、どこに限界を置くかということの考え方を煮詰めてきめなければ、それから先のこまかいことについては、それから先にまたもっと煮詰めていかなければならないことでありますから、そういう点を私は申し上げておるわけなんです。
○穗積委員 わかりました。 時間がありませんから、以上質問したことをもう一ぺん総括して確認を求めておきましょう。 あなたの返還方針というものは、核の問題については、メースBの基地並びに武器の撤去、ポラリス潜水艦並びにB52の寄港または駐留、こういうものを必ず撤去せしめるという、その原則は譲らないということは確約できない。さっきからの御答弁ではあいまいであるわけですね。 それから、自由使用は認めない、特別取りきめはしないと言いながら、事前協議権の運営においてケース・バイ・ケースでやるか、包括でやるか、それもまだきまっていない。いずれにしても、そういうものに対して、これをイエスと言う場合もあり得る。そしてそれに対してアメリカが、保証するために特別の文書取りきめを要求すれば、それも断わらぬ場合もあり得る。いままでのあなたとの問答ではこういうことになるわけです。そういう理解でよろしゅうございますか。いままでのあなたの御答弁で、はっきりしたことはそういうことです。確認をして前に進みたいと思います。
○愛知国務大臣 核の問題については、先ほどはっきり申し上げているとおりです。交渉の基本線は、まさにあなたのおっしゃるとおり。基本線とするからには、これからその基本線が貫徹するように私はがんばります、こう申し上げておるわけです。 それから事前協議の問題は、前々から沖繩の問題と関連して議論されるから、この問題がことさらに複雑になるように私は思うのですけれども、事前協議というものの原則は、イエスもあり、ノーもある。それだからこそ協議である。そしてイエスを言うにしてもノーを言うにしても、これは主権国家としての立場で自主的に判断して、その態度をきめるものである。これは事前協議の原則論であると私は思います。 それから沖繩については、ただいま申しましたように、別途核については特に交渉の基本線として大事なことである。それからいわゆる伝えられるような自由使用というようなことは、主権国家として困ることでありますから、さようなことを原則としてオーケーするというようなことはやりません。これはきわめて明白だと私は思います。
○穗積委員 最後に残された問題は、事前協議権、特に基地発進の場合ですね。それに対する何らかの文書を求めた場合にどうするかということについてはお答えがなかったので、あとでお答えいただきたい。 それでは前へ進みます。もうあと時間が迫っており、迫るよりか、そろそろ過ぎるころじゃないかと思いますから……。 先ほど申しました第二の問題ですが、アジア情勢について、あなたと米側と、特にロジャーズとも、またレアードとも意見の食い違いがあったようですが、特に中国と北朝鮮の問題が出たわけですね。そのときの認識の相違は、一体どの点にあったのか。それを第一はっきりしていただきたいと思うのです。情勢判断、これはあとのわが国の路線に——あなたは自主的に運営すると言っているけれども、軍備拡張から、それからいまの事前協議権の運用の問題等々、すべてこの問題は情勢判断の路線の上に乗るわけですから、非常に大事な点だと思いますので、この際、国民の前に、話し合いの経過と問題点をはっきりしていただきたいと思うのです。
○愛知国務大臣 まず文書の問題ですけれども、これはいまも申しましたように、これから真剣にあれしていかなければならない状態ですから、将来そういうものがどういうふうな形で問題になるか、これについてはいまだ予測はできません。 それから情勢判断というのは、そもそも私思いまするのに、非常に幅のあるものだと思うのです。したがって、たとえば朝鮮半島に緊張ありやなしやといえば、これはおそらく相当部分の方があると言われると思う。要するに、あると見た場合の緊迫の見込みの度合いとか、あるいはタイミングだとか、あるいは規模の大きさの想定であるとか、いろいろの見方があろうと私は思うのです。相当幅が広いと思います。したがって、原則的にこれに大きな食い違いがあるとかないとかいうことは、あまりないんじゃないかと私は思います。ただ、私は、穗積さんとは、あるいはそういう情勢の認識においては非常に大きな幅があるかもしれません。
○穗積委員 食い違いはないと言われますが、食い違いは新聞の報道だけでもあったわけです。 それで、お尋ねいたしますが、このことは、今後の極東外交の上で重要な問題なんですね。そこで、時間がありませんから、内容はちょっときょうできないので、またに譲りますが、その情勢判断について食い違いがあった場合に、わが国は一体いずれの判断によってやるのか。当然自主的にわが国の判断によって政策は打ち立てられるべきものであると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。 それから、時間がもう参りましたから、さわせて質問しておきます。 この情勢判断に立って、沖繩返還に伴う基地の態様あるいは条件、これが一つからんでくるわけだ。それからもう一つは、今後の極東全体の安全保障体制の中における日本の軍備拡張の問題が出るわけです。それからもう一つは、ASPAC等でも示されましたように、今後の極東、東南アジア地域にわたる日本の経済援助のプランにも関係してくるわけですね。そこで、特にわれわれが関心を持ちましたのは、あなたがお立ちになる前に防衛庁長官とお打ち合わせになっていかれましたが、これはどういう内容を持っていかれたか、そしてロジャーズまたはレアードにこれを示されたのか。具体的でなくても、概括的にその方針を話されたのかどうか。もし話されたとするならば、国会を通じて国民にあなたの考えをこの際明らかにしておいていただきたいと思うのです。 その点は、情勢判断についての自主性の問題はどうされるか。それから日本政府が判断をした情勢に従っての軍拡計画並びに経済援助計画の中身並びに向こうとの話し合いの経過、これを国民の前に明らかにしていただきたい。それに対するあとの政策上の意見については、きょうは時間がありませんから、評論を避けまして、次に譲って、きょうはその点だけ、事実を経過報告の中で誤りなく国民にお伝えいただきたいのであります。
○愛知国務大臣 情勢判断につきましては、私はさっき申しましたように、これは人によっても幅がありますし、あるいは個人的にも想定される度合い等にはかなりの幅があり得るものだと思いますから、基本的にそんなにむちゃな幅があろうとは思いませんが、現在のところ、やはりある程度のものの見方の相違はあるようでございます。そういう場合におきまして、全体の、たとえば沖繩返還問題等について、あるいは将来どうするかというようなことについて、できるだけわがほうの主体的な見方あるいはそれを醸成し得る条件のつくり方等もあわせて、日本側の意見や行動に対して理解を求めるという努力を徹底してやらなければなるまい、かように考えておるわけでございます。 それから、その次のお尋ねでございますが、これは私国会でもしばしば申し上げておるつもりでありますが、日本は主権のあるりっぱな独立国として、いかに相互親密の関係にある国とはいいながら、それこそ防衛計画にいたしましても、あるいは対外援助計画にいたしましても、アメリカに何か事前に御承認をいただくというようなことがあり得てはいけないと私は思います。したがいまして、私は、そういう計画等について、ことに私の所管外のことでもございます。そういう点についてアメリカに説明申し上げる、そんな卑屈な態度は絶対にとりませんでした。 なお、つけ加えて申し上げますけれども、今回の折衝等におきましては、昨日も松本議員からお尋ねもございましたが、何かぺ−パーというようなお話もあるようですけれども、私は、そういうものは全然用いないで折衝をやっておりますことも、あわせてお含み願いたいと思います。
○穗積委員 この次にします。
○秋田委員長代理 戸叶里子君。
○戸叶委員 きょうはたいへん時間がないようですし、ほかの党の方も五分間ずつほしいというので、簡単に質問をして、この次に譲りたいと思います。 第一点は、きのうの本会議で、外務大臣がアメリカにおいて安保条約の自動継続ということを先に言ったということで、非難をされました。それに対して外務大臣のお答えを伺っておりましたところ、自民党内の多数の意見はこうだったというので、大体見解の表示というのではなくて、話を煮詰めるときの資料として出したまでである、アメリカは正式な提案として受け取っていない、こういうふうにお答えになったわけです。私はそれを伺っておりまして、二つの点を疑問に思ったわけでございますので、まずそれを質問したいと思います。 その一点は、そういうようなお気持ちでアメリカで発言されるとなれば、日本の国民に対して、今後自動継続でいくか何でいくかということをどういうふうな形で周知徹底させるのか、その方法はどういうふうになさるのか、まずこれを伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 いわゆる自動継続の問題は、昨日本会議で申し上げたとおりの経緯でございまして、安保条約を来年の六月以降どんな形にしたらいいだろうかということが当然話にも出るわけでございます。そこで、私の見るところ、安保条約堅持論者の中の多数の方々はいわゆる自動継続で、これは来年六月以降は一年ずつのノーティスで解消できる、同時に終局的には、国際の平和が確立されるまでこういうふうな姿にするのがよかろうというのが多数の意見のようであるということを申したわけでございますが、そういう話がこういうふうな正式の場で出たということは事実でございます。しかし、これは昨日申しましたように、日本政府の正式の提案として私から提出したわけでもございませんし、それからアメリカ側もそういうふうには受け取っておりません。今回の会談は議事録のようなものをとっておりませんけれども、先方の理解はそういうことに相なっております。 それから、これからどうするかということでございますが、率直に申しまして、先ほど佐藤総理が参議院の本会議でも申しておったようでございますけれども、最終的にきめるのにはまだもう少し時間をいただきたい。昨日の衆議院の本会議でも言っておられましたが、やはり政府の態度をきめました場合は、国会等を通じまして公式に見解を披瀝すべきであると思います。ただ、私の見通しといたしましては、何といいましても、十一月の総理訪米のときが一番の大事なところでございますので、その直前くらいまではいろいろの状況を見て判断をしていきたい、政府としてはそうせざるを得ないのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○戸叶委員 それで十一月の訪米直前には、どういうふうな形式をとるかということについては、国会に正式に報告をする、これはまず一つわかったわけですが、それでは今度はアメリカに対して日本の国会で報告したものを持っていかれるわけでございますけれども、その場合に、正式な提案としてお出しになるときに、黙示の承認としてなさるのか、それとも文書になさるのか、それとも口上のみでやっていこうとするのか、どういうふうな形を日米間でおとりになるのか、これも念のために伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま申しましたような関係でございますので、どういう形式にして煮詰めるかということまではまだ考えておりません。
○戸叶委員 どういうふうな関係にするかは煮詰めておらないということですが、まあ形はいろいろあると思います。たとえば文書を取りかわす場合もあるかもしれないし、それから口上だけかもしれないし、あるいは黙示の形でするかもしれない。そういうことは、そのくらいのことは何かお考えになっていらっしゃいませんか。
○愛知国務大臣 実はいま申しておりますように、いわゆる自動継続という方法が、まあだいぶ多数の方の御意見ではあるようでございますが、政府として正式にまだきめていないのですから、こういうかっこうで——まあ私どもは安保体系の継続をこいねがっているわけですが、どういう方式でこれをやるかということがきまっておりません以上は、それ以外の方法もあり得ようかと思いますから、それらの点もあわせまして、どういう文書で意思表示をするかというところまではまだきめられない状態にありますので、御了解いただきたいと思います。
○戸叶委員 じゃその問題は、また次に問題が出てきた段階において伺っておきたいと思うわけでございます。 それからもう一つ伺いたいことは、先ほど来、事前協議の弾力的運営といいますか、愛知外務大臣によりますと、自分は適正な運用だ、こういうふうなことをおっしゃっておられるわけでございますけれども、そういうことで私どもが一番気にかかりますことが、やはり何といっても核の問題と、そして日本からの戦闘作戦行動に出撃するという、この二つだと思います。先ほど来穗積委員の質問に答えられて外務大臣は、いまある沖繩の基地の核というものの撤去については、具体的に一々は言わない、しかし、そういう核を持ち込まないというふうな考え方の基本線で交渉するんだ、こういうこと以外に一歩も出ていないと思います。 そこで、私の伺いたいことは、事前協議の弾力的運営なりあるいはまた適正な運営、どっちでもいいですが、そういう場合を考えてもなおかつ、いままでの政府の答弁、つまり非核三原則、核は持ち込まないという考え方で交渉するんだ、こういうお考え方、それからまた日本の国益ということから考えて、自主的に事前協議というものでイエスを言う、こういうふうなことからずっと考えますと、今後いかなる場合にも核を持ち込むということに対してはノーと言うんだということができるんじゃないか、こう思いますけれども、この点を伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 核については、きのう帰国報告の中でも、特にまあ私の気持ちとしては項を別にして申し上げているわけです。核については、もう特別に日本国民として重大な問題であるから、これは要するに平たくいえば、大きらいなものである、こういう趣旨を強調しているわけでございます。これが一つ。 それから、事前協議のイエス、ノーということについては、これは私がその字にこだわるわけではないのですけれども、いつの間にか弾力的運営というようなことばが使われていることは、私は遺憾に思うのです。なぞかと申しますと、弾力的といいますと、本来の適正な運営に何か妥協的な風鈴がつくような感じを持つから、私は弾力的ということばがいやなんです。ですから、これは適当なことばがございませんけれども、適正にほんとうに自主的判断で、日本の国益のために日本としてどうしてもこれが必要であるという場合においてイエスであり、どうしても必要とせざる場合はノーである、こういう主体的な態度というものを堅持しなきゃならない。弾力的と申しますと、純粋に国益から考えてちょっとおかしいが、ノーと言ったりイエスと言ったりする、そういうふうな響きがありはしまいかと思いますので、昨日本会議場でも、私は弾力的運用ということばは使いませんと申しましたが、そういう意味でこれは運用すべきものであると思います。
○戸叶委員 いまの外務大臣の御答弁を伺っておりますと、弾力的運用ということに対しての考え方なり、意思といいますか、その説明は伺ったのですけれども、私がお聞きしておりますそのものに対するお答えはなかったように思います。たとえば、いままで申し上げましたような情勢から判断をして、また外務大臣が核はほんとうにいやなんだという、そういうふうなことから判断いたしまして、事前協議の対象に核の持ち込みがなったときには必ずノーと言うんだ、イエスと言うことはあり得ないんだ、こういうふうに理解してよろしいかどうか、この点をもう一度伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 そういうふうに御理解いただいてけっこうでございます。
○戸叶委員 核を持ち込むかどうかということは、必ずノーと言うんだということがはっきりされたわけです。 そこで、自由使用の問題でございますが、自由使用ということは、何も日本が本土の——というか、今度は日本に沖繩が返ってきますから、復帰してくるわけですが、沖繩から米軍が出ていくことに対して何も知らないで、自由かってに使えるというのが自由使用だと思うのです。そこで、今度は事前協議の対象にするというのですから、前もってどこどこへ行きますけれどもどうですかという質問をして、それに対して協議をして、私どもからいえばどうかと思うような場合でも、日本政府自身がしかたがないということでイエスということを言ったとします。そうすると、それもやはり自由使用、かってには使用しないけれども、ある程度使用を認める。つまり、どこどこでいま戦闘作戦行動に行っているなあということを知るということだけであって、そういう制限はあるけれども、やはり自由使用につながるものじゃないか、こういうふうに私どもは考えざるを得ない。ただ、自由使用というのは、かってに自由に行くんだということから考えれば、自由使用でないかもしれません。しかし、事前協議をしてイエスと言ったから出ていったといえば、日本がそれを認めて、そしてあそこへ行って戦闘作戦行動に入っているんだなあということを認める。こういう意味からいいますと、イエスと言うことによって、日本がアメリカと共同の責任を負わざるを得ない、こういうふうな結果になるんじゃないか、これが非常に心配になりますが、この点はいかがでございますか。
○愛知国務大臣 これは先ほど来由しておりますところで御了解いただきたいと思うのですけれども、日本の立場に立って、日本の国益から自主的に判断をして運用すべきものでございますから、いまおあげになりましたような観念的な例ですけれども、日本がいやだ、いやなんだけれども、向こうさんにいわば判断権を取られてしまうという結果になるようなことは、私は運用上は困ると思います。そういう意味で運用に当たるべきではないかと思います。要するに、しり抜けの、自由使用みたいになることはいけないことではないかと思います。
○戸叶委員 先ほど来の御答弁で、まあかって自由に使うということはあり得ない、しかし、事前協議によってイエスと言うことが適正な運営であるというふうなことになってまいりますと、やはりまだまだ私はいろいろな具体的な例を引きながらただしていきたいことがございますが、次の機会に譲りたいと思います。 そこで、もう一点だけ伺いたいことは、かつて安保条約が審議されましたときに、この委員会で、戦闘作戦行動の事前協議に飛び石論というものがあったと思います。たとえば日本から飛び立って沖繩を中継ぎとして、さらに戦闘作戦行動に出る場合、その場合には事前協議の対象にはならない、こういうことがいわれていたわけです。そこで、今回沖繩が返還されて、事前協議の適正な運営ですか、そういうこととして戦闘作戦行動を許したといたします。そういう場合に、本土から一たん沖繩を中継ぎとして戦闘作戦行動に進発する場合に、本土からの行動は事前協議の対象とならないものかどうか、こういうことも確かめておかなければならないと思いますが、これはいかがでございますか。
○愛知国務大臣 これはしばしば御議論のあったところだと思いますけれども、これは事前協議の対象にならないと、従来から政府としては解釈いたしておるはずでございますが、細部にわたりましては政府委員からも御答弁いたさせたいと思います。 それから、ここでひとつおおこりにならないで聞いていただきたいのですけれども、だんだんその議論をお互いにこの点について繰り返してまいりますと、率直に言わしていただきたいのですけれども、戸叶さんの御意見の中には、安保条約というものがわが国にとって害悪のあるものであるから、したがって、この憎むべきものは少しでも手出しができないようにすることが国益である、こういうふうなお考え方がおありになるように存じます。私は、それとは逆に、安保条約というものは第一義的に日本のためにあるものである。したがって、日本の国家の安危にかかわるようなことがかりに一そういうことを防ぐのが安保条約のメリットであって、危険が未然に起こらないようにするのがメリットでございますが、万々一にも身に振りかかるような危険の状態にさらされた、あるいはさらされそうになったというようなときには、私のいわゆる適正な、主権国家としての自主的な判断、国益に基づく判断というものがそこに非常に浮かび上がってくるわけで、どうもこの点は基本の哲学がお互いに違うものでございますから、結局のところは、論争を繰り返してまいりましても、あるいはかみ合わないかもしれません。その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○戸叶委員 私は初めのほうを質問したので、あとのほうは、別に質問をしていないことを大臣がこの機会に所信を述べられたのだと思いますが、私が伺ったのは、沖繩が返ってきてからですよ。返ってきて、日本の本土から沖繩へちょっと寄って、そうして戦闘作戦行動に出るときには、やはり事前協議の対象にならないなんということになると、決してこれは本土並みの返還ということにならないじゃないですか。やはり本土並みの返還になるとするならば、当然日本から戦闘作戦行動に出るときには事前協議の対象にしていかなきゃならないんじゃないですか。
○佐藤(正二)政府委員 御設定なさいましたのは、沖繩が日本の施政権の中に全く入ったという状態を御設定なさっておられると思いますが、それで安保条約が、これも観念的な話でございますが、いままで大臣から御説明いたしましたとおり、安保体制が全部沖繩に適用された、こういう形を設定しましたときには、沖繩から飛び立つこと自体が、これが戦闘作戦行動になるのでございます。したがって、ちょうどいまの日本で申しますれば、立川から横田に行って、横田から戦闘作戦行動が行なわれたというのと同じ形になるのでございますから、沖繩から出ること自体が戦闘作戦行動になると思います。
○戸叶委員 だから、沖繩へはちょっと用事があって寄っていくけれども、本土から飛び立っていくならば、本土から飛び立っていくときに戦闘作戦行動なんですから、事前協議の対象になるのはあたりまえですね。だから、飛び石論というものは絶対あり得ないということさえわかっておれば、それでいいわけです。
○佐藤(正二)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、立川から横田へ参りまして、横田から飛び出しましたときに、立川から横田に行くこと自体は、これは戦闘作戦行動じゃないと思います。横田から出てまいりますときに戦闘作戦行動が行なわれるわけでありますから、したがって、本土から沖繩へ参りますときには、これは戦闘作戦行動であるとは考えられないと思います。
○戸叶委員 ちょっとことばが足りなかったのです。初めから戦闘作戦行動に出るという目的で出ていくのだけれども、沖繩に寄るというような場合には、本土を飛び立つときに事前協議の対象にしていくということですね、寄りながら行くということは。いまの答弁ではそういうふうに解釈していいと思いますが、その点、念のために伺いまして、次の質問をいたしますと時間がかかりますから、他の党の方に時間を譲らなければなりませんので、その点だけ御答弁いただいて、私の質問を打ち切りたいと思います。
○佐藤(正二)政府委員 これはいまの本土でも当然行なわれる形でありますが、最初に本土を飛び立ちますときに、もうすでに戦闘作戦行動に入るということで飛び立ってまいり、そしてどこかで給油をされるとかなんとかいうような場合には、当然こちらから戦闘作戦行動が行なわれるわけでございますけれども、しかし、沖繩に寄るというその場合には、沖繩が返った場合には、今度は沖繩から飛び立つこと自体も戦闘作戦行動でございますから、当然事前協議にかかるわけでございますから、これは寄ること自体が別に何ら意味をなさないんじゃないかと思うのでございます。当然、どちらを見ましても、戦闘作戦行動が行なわれるという形になるわけでございます。
○戸叶委員 委員長、いまの問題で、極東情勢の判断等にからめて、いろいろ質問をしたかったのですけれども、時間がないので、次の機会に譲りたいと思います。
○秋田委員長代理 麻生良方君。
○麻生委員 時間がありませんから、二、三要点だけ質問いたします。きのう私の本会議における質問に対して、外務大臣が一括して答弁された問題の中で、部分的な点だけを取り上げて、もう少し御意見をお伺いしておきたい。 まず第一に、今度の訪米で先方と核の問題について話し合ったことがありますか。
○愛知国務大臣 この点は、昨日本会議場でも申し上げましたように、こちらは、言うべきことはほとんど言い尽くしたぐらい言ったわけでございますが、率直に申しまして、具体的な反応、これを的確に掌握するまでには至りませんでした。
○麻生委員 そうなると、あなたのほうはいろいろ注文をつけられたのだろうが、米側のほうは、一体現実に沖繩に核があることを認めたですか、認めないですか。 〔秋田委員長代理退席、田中(榮)委員長代理 着席〕
○愛知国務大臣 これは、何と申しますか、あるということは確かであると思います。
○麻生委員 外交問題ですから、あまり突き詰めませんが、それはアメリカのどこの筋が認めたですか。
○愛知国務大臣 これは私が直接ここでお答えをしなくとも、公表されておる資料もございますから、それで見ましても、あるということは国際的な常識だと申し上げて間違いないのではなかろうかと思います。
○麻生委員 そうすると、核を持ち込まないという、あなたの伝えられた要請に対して、米側から、いずれにしても、持ち込むか持ち込まないか、その意図があるかないか、明確な回答はいずれは出てくると判断してよろしいのですね。
○愛知国務大臣 これは先ほど戸叶委員の御質問にもお答えいたしましたが、私といたしましては、全力を尽くしてやりたいと思っております。
○麻生委員 次に、プエブロ号事件が起こったときに、沖繩のB52が戦闘作戦行動の態勢に入ったことは、外務大臣御存じだと思いますが、いかがですか。
○愛知国務大臣 これはアメリカの軍の行動上の問題でございますから、私からお答えすることは差し控えたいと思いますし、同時に、私は、率直に申しまして存じません。
○麻生委員 それは逃げられたのでしょうけれども、米軍の軍事委員会で、明らかにB52が戦闘作戦行動に入る態勢にあった、聞くところによると、一部の爆撃機が発進したということも明らかにされております。 〔田中(榮)委員長代理退席、秋田委員長代理 着席〕 これは外国のことですからとやかく言うことではありません。しかし、現実においては、それはやむを得なかったかもしれない。 そこで、お伺いしたいのは、プエブロ号事件及び米偵察機撃墜事件をいまから顧みて、外務大臣自身として、それが北鮮の日本に対する侵略的行為のあらわれだとごらんになりますか。
○愛知国務大臣 先般の偵察機の撃墜事件に例をとりますと、私も実にわからないのですね。その北鮮側の意図というものが、どういう意図で、どういう効果をねらったものやら……。したがって、これがまた将来の極東情勢を判定いたしますときのモチーフといいますか、これがおよそ掌握できるかできないかが相当の決定打に私なるのではないかと思いますので、外務省としてはもちろんでございますし、考え方、見方について私もいろいろの情報をとっておりますけれども、正確には結論づけられない。ただ、日本と韓国、あるいは日本とアメリカとの間に対する離間的な考え方も、その中には含まれているのではなかろうかというような見方をする見方も相当あるようでございます。
○麻生委員 離間的な見方があったかどうか、それはそれとして、しかし、そのことをもって北鮮の侵略行為であるという判定はにわかに下しがたい。 なぜ私がこういう質問を最後に申し上げるかといいますと、実際問題として、きのうの総理の答弁の中にも、そういう問題があったときには自主的に判断する。もしその行為が日本に対する侵略行為だとわれわれが判断すれば、当然のことながら安保の適用を受けるから、本土並み返還が実現された後においても、沖繩の基地が米軍の作戦行動に使用されることについて、当然イエスという答えが出るでしょう。これは当然です。しかし、問題はそこの判断いかんによる。しかし、米側は、いずれにしてもそれを使いたいと要請してくることは間違いない。そのときの自主的判断によってどう答えるかということが一番煮詰まってくる問題ですが、そこで、先ほど来出ているような極東情勢の分析が、穗積委員の質問のように非常に重要になってくるわけです。 私はもう一度だけ御答弁を願っておきたいのですが、その場合、いろいろわからない。しかし、わからないからほっておくというわけにはいかない。その事件が起こったときに、わからないからどうにもできませんというわけにいかないでしょう。米軍は使わしてくれと言うてくるから、イエスかノーかしかないのですから。あの事件の時点に立って、あの事件と同じ事件が起こって、あのときに沖繩が返還されていたと仮定して、外務大臣はイエスと言うか、ノーと言うか、明確にしておいていただきたい。
○愛知国務大臣 これは非常にむずかしい御質問であり、また仮定のことでありますから、もうしばらくとくと考えさしていただきたいと思います。
○麻生委員 もうしばらくというのは、いずれは明らかにされるということでしょうから、これは保留をいたします。いずれもう一度この問題は煮詰めるときがあると思います。 以上で質問を終わります。
○秋田委員長代理 渡部一郎君。
○渡部委員 私は、時間がありませんから率直に伺います。 ただいま沖繩に核があるというのは国際的常識であると言われました。 日本国内に核があると思っていらっしゃいますか、ないと思っていらっしゃいますか、その御判断をお伺いいたします。
○東郷政府委員 沖繩には御承知のようにメースBの基地があるということになっておりまして、弾頭がどこにあるかということは、アメリカはどこにも発表しておりませんが、問題は使い得る状態にあるということでございます。日本の本土にはないと判断しております。
○渡部委員 もし日本の本土内に核があるとしたら、安保条約の日本国内に対する適用というのは、そのまま核の持ち込みを実質的に認めるものとなると思います。これはもちろん仮定の議論でありますが、どうでありましょうか、お答え願いたいと思います。
○東郷政府委員 どうも御質問の趣旨がよくわかりませんが、旧安保条約の改定のときにも、現在のような事前協議の交換公文ができましたときには、核がないということを前提として、わがほうも問題にせず、アメリカのほうもそういう前提でこれができたわけでございます。したがって、あったとしたらということは、あったとしたら、現在の取りきめの姿があるいは変わっていた、こういうことになるのではないかと思います。
○渡部委員 それでは、きのうの本会議で、返還後の沖繩に非核三原則を適用するということを総理及び外務大臣は述べられたわけでありますが、重ねてくどく伺うようでありますが、核の持ち込みについては絶対にこれを認めないという、先ほどから言われておる交渉の基本方針を貫ける見通しでございますかどうか、その点お伺いいたします。外務大臣にお願いいたします。
○愛知国務大臣 貫いていきたいと思います。
○渡部委員 私は、外務大臣にもう一つ伺いたいのですが、前に私が当委員会におきまして、非核三原則というものは、憲法上による方針ではなくて、三つともこれは自民党の政策ではないか、こう追及いたしましたところが、外務大臣はずいぶんおこられまして、そんなことはないと大声を出されましたが、きのうは総理大臣みずからが、自由民主党の三政策である、三つの政策なんだ、こう述べられました。これは近々変わられる政策なのか、それとも当分堅持される政策なのか、その辺を外務大臣に伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 これは総理大臣がきのう申しましたとおりです。(「そういう答弁は失礼ですよ」と呼ぶ者あり)
○渡部委員 少し御答弁が短か過ぎるようですね。——ほんとうに失礼なんですけれども、よろしゅうございます。 基地の自由使用に関する事前協議事項の規定でございますが、事前協議事項、これについては、総理は特別な取りきめが必要であるし、そんな取りきめは別にしない、基地の自由使用については、そんなことはあり得ないという言い方をなさいました。ところが、特別な取りきめをしないということは、返還協定の中に盛り込まないという意味なのか、それとも交換公文、往復書簡、合意議事録、返還協定、秘密協定あるいは口頭の合意、そういうものは一切しないという意味なのか、その辺のところを明確にしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 いつも申しておりますが、安保条約に関連する一連の法体系、これらの中に特別の取りきめはしたくない、こう言っておるわけです。
○渡部委員 そういう荒い答弁だと、どうしてももう少し聞かざるを得なくなってしまうのですけれども、もうちょっと丁寧に答えていただけませんか。 これは話にならないじゃないですか。私は率直に申しますけれども、基地の自由使用について特別な取りきめをしないと言われましたけれども、その取りきめをしないというのは、協定のことを除いて言われておるのか、もし協定のことを除いて言われておるというなら、協定の中に盛り込む可能性があるかどうか、私たちは心配しているわけです。また、その協定もないというならば、交換公文や往復書簡や合意議事録、そういうような一切形になるものではやらないと確言していただけるかどちか、聞いておるわけです。その取りきめはどういう形になるか、私は伺っておるのです。そうでなければ、どういう形になるかわからないから言っておるのです。
○愛知国務大臣 私は、先ほど申し上げましたのが正確なお答えだと思うのです。簡単であっておおこりになっているかもしれませんが、要するに、条約、それに関連する一切の協定、あるいは声明、あるいは了解事項、一連の体系がございます。その中に特別の取りきめというものをつけ加えることはやりたくない、やらないのが自然である、これが本筋でございます。 ————◇—————
○秋田委員長代理 次に、旅券法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ————————————— —————————————
○秋田委員長代理 政府より提案理由の説明を聴取いたします。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 旅券法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 最近の国際間の人的交流は、航空機輸送の進歩と相まって、急激な増加を示し、邦人の海外渡航も昭和三十九年四月の観光渡航自由化後は、毎年約三十%に近い増加を示し、昨昭和四十三年におきましては三十三万余の多きに達し、今後もこの増勢は当分続くものと思われます。 現行旅券法は、戦前の旅券制度を参考にして定められておりますので、現在の渡航の実情に合致しなくなってきております。このため、旅券制度に関する国際的諸勧告及び諸外国の旅券制度を参照して国際的な渡航自由化の時代に適合するようわが国の旅券制度を改正し、国民の便宜をはかるとともに、増大の一途をたどる旅券事務の合理化と旅券制度の適正な運用をはかろうとするものであります。 改正法案の主要な点をあげますと、第一は、一般旅券の効力の拡大と渡航先の包括記載をはかったことであります。現行制度では、日本を出国してから帰国するまで有効ないわば一渡航ごとの旅券が原則であり、渡航のつど旅券の発給申請を行なうことは不便でありますので、わが国と承認関係にある国へ数次渡航する必要がある者に対しては、五年間はいつでも使用できる数次往復用旅券を発給し、あわせて旅券の渡航先は、全世界地域等包括的な記載方法も用いることとしております。なお、わが国と承認関係にない地域に渡航する者等に対しては、従来どおり一渡航ごとに有効な旅券を発給することとしております。 第二は、事務の地方分散と手数料の改訂をはかる点であります。現行では都道府県知事は、申請の受理及び旅券の交付のみでありますが、改正後においては、たとえば旅券の作成事務の一部を知事に委任できるように改め、また、手数料については、昭和二十六年以来据え置きとなっておりますので、五年数次往復用旅券の発給は六千円、一次往復用旅券の発給は三千円に改正するものであります。 第三は、その他の事務の合理化及び五年数次往復用旅券制度を実施するために必要な実務上の調整をはかった点であります。 主要な点を申しますと、申請時の本人出頭の緩和、旅券の二重受給の禁止、旅券の訂正方式の改善、旅券の合冊、査証欄の増補の制度の採用、滞在届け出の制度化、帰国専用の渡航書の新設、刑事事件関係者等に対する発給制限の改定及び返納事由の改定であります。 次に、罰則については、今回旅券の効力を拡大した関係上、従来の虚偽申請に対する罰則等による旅券法秩序維持がむずかしくなりますので、一般旅券の渡航先以外の地域に渡航した者に対しては、三万円以下の罰金を科することとしました。 最後に、附則でありますが、施行期日、経過措置及び関係法令の改正について規定しております。 以上が旅券法の一部を改正する法律案を提案する理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
○秋田委員長代理 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる十八日午前十時より理事会、十時十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五分散会