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61回国会衆議院1969/06/11

外務委員会 第23号

発言数
146
登壇者
9
会派数
3
開催日
1969/06/11

会議録

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 これより会議を開きます。  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ連合共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 議事進行について。ちょっと人数は足りますかな。委員長の責任で委員会を開こうというのに、この間から国会正常化で申し合わせたように、定足数は常時守るというお互いの申し合わせだ。そうすると、委員会開会については、委員長並びにそれを助ける特に与党の理事において責任があるわけだ。開会する前にそのくらいの準備をしないで、開会だ開会だといって、こっちは迷惑ですよ、待たされて。きょうは予定どおりどんどんやろうということで、われわれのほうも用務があるから、果たすべきことは早く果たしたいと思っているのに、こんなていたらくでは、午後なら午後あらためてやりましょうか。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積君に申し上げますが、いま自民党の理事から、皆さんの了解を得たようなことで、開会よろしいという合い図がありましたものですからしたのですが……。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 かってにそんなことをきめたって——それは与野党の申し合わせたものだから……。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積理事のおっしゃるとおり了解しております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 委員長、自己批判が足らぬよ。とりきめどおりやらぬと、私は、私個人の主観や党のエゴイズムで言っているんじゃないんだ。だれがだれに入れかわったか、ちょっと委員長、報告してください。——委員部、だめだよ、この間きめたこと心得てやってもらわぬと。レギュラーの委員のだれがだれにかわったか、ちゃんと確認しておいてください。その報告もなしに……。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 現在までにかわったのは、公明党の渡部一郎さんが伊藤さんにかわっただけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 民社は。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 手続はまだ済んでおりません。  穗積委員に申し上げますが、先般のこの理事会の申し合わせば委員のおっしゃるとおりでありますが、ひとつ良識をもって運営に御協力願いたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 私の良識は、この前言ったとおり、その道理に従ってやるということです、わが名誉ある外務委員会の伝統に従って。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 委員のかわったのは、渡部一郎さんから伊藤惣助丸さんに。曽祢益さんから麻生良方さんに。宇都宮徳馬さんが渡海元三郎さんに。あとはレギュラーメンバーです。現在十六名出席があります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは委員交代の手続はとってありますね。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 とってあります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから、申し上げるまでもないが、スタートしたときだけでなくて、審議中も常時定足数に従って国会の権威を守ろうというのがお互いの申し合わせですから、それを実行していただくように。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 委員長において了承いたします。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、いま提案がありましたアラブ連合並びにベルギーとの二重課税防止に関する条約についてお尋ねしたいと思いますが、これは実は、もう条文そのものは国際的な定式に従ったものでありまして、さして問題はないと思うので、私は、これに関連をして、取り巻くところの諸情勢あるいは具体的問題等について、数点ちょっとお尋ねしたいと思います。  なお、政府委員に申し上げておきますが、先週にこの二つの条約はすでに審議が始まりました。ところが、私は、山口県下の市長選挙のために先週欠席いたしましたので、どういう質疑応答がなされたか、まだつまびらかにいたしておりませんので、もし質問が重複して、それに対して質問者が納得された答弁がもうすでに完了しておりますものについては、これはここで再答弁を求めませんから、そのことはすでに答えたので、あとで速記録でよく見てくれというふうにしていただいて差しつかえありません。それをあらかじめ申し上げておきます。  最初にお尋ねいたしますのは、現在わが国と国交回復している国で通商条約がまだ締結されてない国々の名前と、その締結されていない理由を、ひとつこの際明らかにしてもらいたいと思うのです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 いまこの席で通商航海条約を締結していない国、いる国、全部列挙する資料がございませんので、その点は御容赦願いたいと思いますが、まず類型的に申しますと、現在日本と国交のある国との間におきましては、まず第一番に、原則として通商航海条約を締結するという方針で臨んでおります。これは日本と当該国との経済交流の実態その他にかんがみまして、相手が必ずしも通商航海条約というような正式な条約を希望しない場合もございますので、そういう場合には通商協定、つまり、通商関係だけに関する権利義務を設定した協定を締結しております。一般的にマルチラテラルな状態といたしましてガットがあります。ガットに入っております国との関係におきましては、通商関係はすべてガットの関係において律せられますので、あらためて通商航海条約を設置しなくとも、通商関係は十分に律せられます。したがって、大まかに申しまして、この三つの類型に分かれますが、それにもかかわらず、全然ガットにも入っておりませず、またいかなる通商協定も締結しておりません国も若干ございます。これらの国との間におきましては、できるだけ協定締結のための交渉を促進するという方針で臨んでおります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 すべての国を列挙してもらうのが当然だと思いますけれども、そしてその通商航海条約が未締結の理由も明らかにしてもらうべきだが、きょうはその答弁がなければ審議を進めないという態度はとりません。しかし、これは大事な問題でもありますから、審議の責任を果たすために一応聞いておいたわけですから、これは追って資料で提出をしていただく。——委員長、よろしゅうございますね。委員会の名において要求いたしたいと思います。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 わかりました。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから、いまおっしゃるとおり、通商航海条約あるいは通商協定あるいはガット一般の、何といいますか、原則で運営をする場合と、三つの類型があるわけですが、これの中で、私は、やはり国交回復国というもので、日本は貿易国ですから、おそらくはとんどすべて貿易と人事の交流というものはあると思うのですね。そうなりますと、これはやはりきちっとした二カ国間の通商航海条約というものを締結して、他の国との間の差別がないようにするのが必要ではないか。これは後にお尋ねいたしますけれども、租税の二重課税を防止するということだけでなくて、課税そのものの公平をはかるためにも、この矛盾は解決すべきだと思うのです。大蔵省の御所感を伺っておきたい。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 国交が回復いたしますと、当然いろんな形で通商あるいは経済協力というようなことが行なわれるわけでありますので、そうした場合に、課税権につきましていろいろなトラブルが起こるとか、あるいは課税関係が不安定であるために思うような経済活動なり経済協力なりができないということを防ぐために、できるだけ多くの国と租税条約を結んでまいりたい、かように私どもは考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 私と同意見です。それであるならば、大蔵省、外務省においてよく協議をされて、これは国交回復国で貿易、人事交流、資本の流動等のある関係国においては、きちっとした、対等かつ平等、公平な通商航海条約をまず結ぶということの促進を要望いたしておきます。いいですか、高島先生。いいならいいと言いなさい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 私どもの方針は先生のおっしゃったとおりでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 次にお尋ねいたします。  通商航海条約を結んでおる国で租税条約を結んでない国がありますね。その不一致があるでしょう。私の理解では、ちょっとしろうと理解で間違っておったら教えていただきたいが、国交回復国で貿易その他人事、資本の往来のある国の間においては、通商航海条約をまず結ぶ。その国との間においては、いまの租税の公平、平等を期するための租税条約を結ぶ必要がある。こういう順序で私は理解すべきだと論理的に考えるわけですね。そうなりますと、国交回復国との間で通商航海条約がまだ結ばれてないというのは不自然なことだ。それはどこに原因があるのか。それを明らかにするし、政府の責任も明らかにしてもらいたいと思うが、それをあとで文書で答弁をしていただくということにして、今度は、通商航海条約が結ばれておるのに、まだ租税条約が結ばれてない、これはまたはなはだ食い違い、不自然なことですね。すなわち、通商航海条約による相互の経済交流、人事交流というものを円滑かつ公平にやろうとしておるのにかかわらず、租税条約がまだ結ばれてない、こういうことは非常な怠慢であり、手落ちであり、矛盾、不合理ではないかというふうに思うわけです。  そこで、続いてお尋ねすべきことは、通商航海条約がすでに結ばれておるのに、まだ租税条約が結ばれてない国々はどの国か、その理由はどこにあるのか、今後の展望並びに政府の方針はどうであるか、それを私はお尋ねしなければならぬ順序になるわけです。そういう順序でお尋ねするわけですから、どちらからでもいいから政府を代表してお答えをいただきたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 戦後、私ども一生懸命各国と交渉いたしまして、通商航海条約を締結いたしておりますけれども、現在ございます通商航海条約の大部分は、戦前に締結された通商航海条約でございまして、それを戦後そのまま復活せしめておるわけでございます。戦後締結しました通商航海条約では、日米、日英等若干のものがございますけれども、戦前の通商航海条約がそのまま復活しておりまして、なおかつ租税条約が締結されておらないという国で、若干の例を申し上げますと、たとえばオランダとの間には一九一二年の通商航海条約がございまして、これはそのまま現在でも生きております。ただしかしながら、租税協定は交渉は促進いたしておりますけれども、まだ妥結に至っておりません。それからさらにフィンランドでございますが、これも一九二四年の通商航海条約がございまして、いま生きておりますけれども、租税協定はございません。それからトルコが一九三 ○年の通商航海条約。すべてこのように戦前の通商航海条約というような関係もございまして、これと租税協定の締結とが必ずしも一致しておらないという面が若干ございます。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 ただいま御説明ありましたように、通商航海条約の締結されておる国で、まだ租税条約が締結されておらない国がかなり残っておるわけでございます。実際申しますと、十七の国が完全に締結を終わっておりますし、今回御承認を願っている国々を加えまして、これが二十一の国になるわけでありますが、そういうわけで、かなり残っておるわけでございますが、先生御承知のように、多くの新興国におきましては、国の主権の行使というのはまず課税権の行使ということで、なるべくそういうものにつきまして条約のようなものによって拘束されたくないという国が多いものでございますので、それらの国にはそれぞれ歴史的あるいは伝統的な事情もございまして、そういう国々に対して根気よく、お互いに経済交流を促進するために条約を結ぼうじゃないかということを話しかけておるのが実情でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 私はちょっと専門外なものですから、最近の租税上の不公平を調べておりませんが、いまいみじくも政府委員の細見さんがおっしゃったように、かの国とわが国の間で貿易その他の取引がありながら、租税上の不公平が生じておるわけですよ。これはあとでお尋ねしますけれども、それというのが、いま申しましたとおりに、条約でその国の課税対象を規制されたくないという、全く未整備状態の国におけるエゴイズムから始まっておるわけですね。これはちゃんとわが国とやるなら、外交の原則でありますから、平等の原則に従って、そしてわが国に来ておるかの国の在外国民、向こうに行っておるわが国の在外国民との間における租税上、課税上の平等原則というものは、これはやはりおろそかにせずに、一日も早く整備すべきものだと私は考えるわけです。ですから、相手国の国内事情によって、あるいは経済事情によって、結ぶべきものが結ばれてないというのが理由であり、それをいつまでも理由として結ばないことをジャスティファイして、結ばない状態を固定化していくというような態度が見られるとすれば、その態度はわれわれは承認するわけにいかない。おわかりでしょう。そうじゃないですか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 おっしゃるとおりで、私どももできるだけ多くの国と経済関係がある限り条約を結んでまいりたいということで、その意味で、やや蛇足になりますが、補足して申し上げますと、たとえば今回御承認を願っておりまするオーストラリアのように、通商航海条約としてはないものについて——オーストリアのように、まだ条約はないが、事実上租税条約だけはできておるという国もございまして、その間若干のそごはございますけれども、方向としては、通商航海条約なり租税条約というようなものによって、わが国の出てまいりました国民なり企業なりが、安定した環境において経済活動が行なわれるというふうにいたしたいということについて、決しておろそかに考えておるわけではございません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いまお話しのあれはオーストラリアですか、オーストリアですか。例をおあげになったのは……。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 間違いまして、オーストリアでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから外務省、どっちでもけっこうですが、わが国と近隣国、しかも非常に最近経済交流が多くなっておる国、たとえば韓国、中華民国——台湾ですね、それからフィリピン等々で、通商協定は結ばれておりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 日本の近隣国で経済関係の密接な国の中で、通商航海条約を締結いたしましたのはフィリピンだけでございますが、まだこれは未発効でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、結ばれていない。これはどういうわけですか。どうするつもりですか。原因と展望と政府の方針をこの際説明をしてもらいたい。というのは、ちょっと大蔵省も聞いておいてもらいたいが、最近、日韓条約ができましてから、台湾もそうですけれども、急速に日本の貿易並びに資本輸出が増大しておるわけです。したがって、それに伴って人の相互交流も多くなっているわけです。ところが、経済間における不均等といいますか、不均等発展が、民族問題とからんで最近台頭しつつあることは皆さんも御存じでしょう。われわれは韓国を訪問したことはかつてないものですから、情報によってこれを心得ておるだけでありますけれども、われわれの耳にすら、そういう内部矛盾があるいは敵対矛盾に発展しつつある、そういうものが強くなりつつあるわけです。そういう傾向のところで、いまだに通商航海条約すら締結されていない。これはおかしいことではないか。どこに原因があるのか、政府の今後の展望と方針をどう持っておられるのかということを、租税条約に入る前に、まず通商航海条約について、その経緯と原因と今後の方針についてお尋ねいたしておきたい。政務次官からでもけっこうです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 中華民国との関係におきましては日華平和条約、韓国との関係におきましては日韓基本条約、それぞれの中におきまして、今後の通商関係を安定したものにするために通商条約を結ぶという原則を定めております。したがって、これは日本及び相手国それぞれの基本方針であるべきものでございます。ただ、原則はこれらの基本条約の中にうたってはございますけれども、それぞれの、日本及び相手国との間の経済関係、経済交流の実態等にかんがみまして、相手国は、できるだけ早く締結したいという日本の要望に対して必ずしも好意的な回答を寄せてまいりませんので、いまだにその締結ができておりません。これは今後ともこの基本条約の方針に従いまして締結するという方針を実現したいというふうに考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 このことは、特にアスパックの会議が回を重ねるに及びまして、この矛盾は発展すると思うのです。最近、特にこれらのアスパックに加盟している近隣の反共色の強い国々においては、日本の高度成長で、いささかごね得みたいな態度で、無原則でやっている。そして日本側がおそらくいささかそれを利用しながら、いまの平等公平の原則を早く実現しようとしない。言いかえれば、双方が思惑で政治的にこれを利用しているわけですね。こういうことはわれわれ国民として許すわけにはいきません。だから、特に私が申しました諸国は、急速に経済、人事の交流が発展しておるのに、いまだに基本条約にある通商航海条約すら結ばれていない。それは相手のエゴイズムによるものである。こんなばかなことがありますか。あとでこれはお尋ねいたしますが、ベルギーあるいはアラブ連合との租税条約を急ぐ以上に、これらの国々との間における通商航海条約並びに租税条約というものは急ぐべきです。どうお考えでしょうか。しかもこれらの国に対しては、基本条約にはうたっておる通商航海条約すらない。したがって租税条約もない。それで経済、人事の交流はどんどん発展しておる。向こうはかってに課税でおどかしてみたり、あるいは警察権力を使っておどかしてみたり、捜査してみたり、それで、こっちはごねられて適当につまみでやっておる。こんなばかなことがありましょうか。御所感を伺っておきたい。まず基本原則から、田中政務次官に敬意を表して、発言の機会を与えておきましょう。

田中六助自由民主党外務政務次官

○田中(六)政府委員 基本的には、各国平等に経済交流、文化交流をやらねばならないという基本原則はあるわけでございます。したがって、この租税条約そのものも、結局経済交流、文化交流という基本的なベースはあるわけでございますので、そういう方針で政府としてはまいりたいと思っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 順次お答えください、三人とも。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先ほど申しましたとおり、通商航海条約というようなものは、韓国との間あるいは中華民国との間にございませんが、しかし、全然何も協定がないというのではございませんで、たとえば貿易支払い協定、取りきめというようなものが韓国及び台湾との間にそれぞれございまして、これによって貿易関係が律せられているというのが現状でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 租税についてはどうですか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 それらの国々とは実は数回にわたりまして、たとえば韓国でございますと、前後数回にわたりまして根気よく交渉を続けております。私も、実は先週行ってまいって、最終的なドラフトにしようじゃないかというところまでやっておるわけでございますが、フィリピンとも交渉を続けており、それぞれの国と根気よく交渉を続けております。  韓国との間には、これは行政協定でございますが、船舶及び航空機に関しましては相互免税というところまではこぎつけたわけでございます。先生御承知のように、課税権というのは固有の主権に属するものでございますので、経済交流がかなり一方的であるという場合には、長い目で見れば、この租税条約は相互に利益をするものであるということを根気よく説得はいたしておりますが、一時的にいかにも主権だけを制限されるというような感じを持っておりますので、その辺を説得するのに時間をかけておるというわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 政府を代表される田中政務次官にお尋ねしましょう。  これらの国とはいつごろまでに通商条約、租税条約を締結する方針でやっておられるか、外務省のプログラムをお示しください。

田中六助自由民主党外務政務次官

○田中(六)政府委員 客観情勢といたしましては、できるだけ早い機会にそういうことをやりたいと思っておりますが、穗積委員も御承知のように、いろいろ政治的な関係がございまして、それがどうしても経済交流並びに文化交流に波及しておりますので、スケジュール並びに展望という質問に対しましては、はっきりとした御答弁ができない現状でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 大蔵省、ちょっとこっちへ向いてください。実はわれわれは、党派的偏見あるいはイデオロギー的偏見を持って言うのではありません。ところが、日本外務省というのは——高島さんなんかは非常に良識あるリベラリストで、われわれとは違うけれども、とにかくリベラルに合理的にやろうという精神については、私はそれを認識しておりますよ。だから、個人を攻撃するのではない。ところが、最近、わが国の外交路線というものはひどい反共路線になっておる。非常な政治的な偏向を来たしつつあるわけです。したがって、その政治的な路線や政治的な力に屈服して、外務省というものは、いささか奴隷と言うとまたなんですから言いませんけれども、奴隷的盲従をしておる。そのときに、社会主義の立場で非難するのじゃないのです。資本主義の立場に立っても、大蔵省というものは、経済省というものは、経済合理主義の原則というものは持つべきですよ。そうお考えになりませんか、経済の交流並びに租税問題について。やはりこの際は、ややともすれば政治的偏向に圧力を加えられがちな外務省に対して、日本政府の機関の中では大蔵なり通産なりの経済合理主義を少なくとも貫いてもらわぬと困る。というのは、実はいまの韓国、台湾、フィリピン等々のアスパック加盟国との間で、非常に不合理な取引なり資本の投資が行なわれ、その間において、ややともすれば民族的敵対矛盾にまで発展しようとしておる事実を多少私は知っております。それを指摘して、実は外務省の反省を求めながら質問したいと思うけれども、きょうはそれを省略いたしますよ。だけど、そういう事実にのっとってわれわれ見たときに、われわれが黙視することのできない経済交流の中におけるこれらの国々との間の矛盾というものが、だんだんと発展しつつあるわけですよ。少なくともわれわれは一ぺんに社会主義の路線による政府の行政措置、外交措置を要求するわけではない。現在の段階においては、遺憾ながら資本主義体制の中でやっておられる官僚機構ですから、そのワクを乗り越えろとは私は言わない。言わないけれども、そのリベラルな立場に立って見れば、経済合理主義、すなわち、平等と公平の原則というものは貫いてもらわないと意味がないわけですよ。特にアスパック会議に参加しておるこれらの国々、近隣の国々、しかも貿易政策から見れば、通産省はきょうはおらぬけれども、非常に重要視しておる国々ですよ。それが政治的偏向に毒されて、そして取引その他において適当な妥協をやったり、そこに政治的な腐敗が国際的に生じておるわけだ。大蔵省の経済合理主義の良心に訴えながら、適切な答弁を求めます。これは国民の信頼を取り戻すための絶好の機会ですから、ひとつ自由に、政治的圧力を感じないで答弁してもらいたい。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 非常にむずかしい問題で、私どもがお答えできる問題ではないと思いますが、私ども税をやっておる者といたしまして、税金というものは、やはり納得して納めていただくということが第一で、納得するということは、やはり公平に課税されておるということが第一だと思います。ただしかし、その負担の重い軽いというのは、それぞれの国の事情もございますから、一概に言えないことであろうと思います。そういう意味で、私どもは公平な課税が行なわれるように望む、そういう方針は貫いていきたい、かように存じております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 だから、通商航海条約並びに租税条約が、一番一緒になってやろうというアスパック諸国の間において、政治的偏向によっていまだに結ばれていない。関係の薄いベルギーやアラブは急いで審議してこれを批准したいんだと、外務省は本末転倒しているわけであります。このことはほんとうは外務大臣に質問すべき事項です。しかし、きょうは田中政務次官に敬意を表し、高島参事官の良心に訴えて、私は答弁を求めておるわけだ。一体いつやるんですか。やれないというわけはないですよ。これは、経済の交流を発展させるためには課税条約の基礎というものがなければだめですよ。平等にして公平なる租税体制……。

田中六助自由民主党外務政務次官

○田中(六)政府委員 お答え申し上げます。  第一点の外交路線というもので、政治的な圧力を加えているのではないかということでございますが、私どもの考えは、やはり経済交流、文化交流というものは、イデオロギーを越えてなすべきことであるという基本原則はございますし、現実に、中共にいたしましても、あるいはソ連につきましても、経済の貿易量は年々増加しておりますし、中共の七億、ソ連の二億五千万の国民というのは、やはりわが国の経済の発展ともつながっておりますし、そういう基本方針から貿易、文化交流をやっておるわけでございまして、ココムの状況にいたしましても、アメリカの反対を押し切ってでも私どもはパリのココム会議で強硬な意見を出しておりますし、そういう例を見ましても、政治的な偏向を加えるという考えは少しも持っておりません。  それから第二点の、公平な租税原則から一日も早くやるべきじゃないかということでございますが、私どもも通商条約並びに租税条約というものは、公平な課税ということが基本方針でございまして、したがって、これを推進すべく努力しておるわけでございますが、これはバイラテラルの問題でございますし、相手国側がやはり私どもと同じような気持ちになって、初めてこの条約が結ばれるわけでございますので、やはり相手国側のほうも一緒に歩み寄ってもらいたい、そういう考えを持っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 大蔵省に要望しておきましょう。いまお聞きのとおりで、口先では外務省は、これらの国との間で早く通商条約、租税条約を結びたいと思う——その誠意があるなら、一体プログラムはいつまでだ。できるできぬを言うのではありませんよ。手形の期限のようなことを言っておるのではないんだ。どういうめどを置いてやっておられるかということを聞いたけれども、いま言ったとおり、政治的偏向ではないと言いながら、政治的偏向によってそのことがおくれておるわけだ。そのほかに理由はないですよ。そうなれば、大蔵省の経済合理主義による促進というものがないと、これは必ずトラブルが起きます。もうすでに矛盾が、あるいはわが国にとって不利が起きつつあるのです。もしそのことを見過ごすようなことになるなら、私はそのことについて具体的例を示しつつお尋ねをし、かつ証明をします。そういうことは言わぬでもわかっているでしょう、最近の事実は。わかっておるから、心を寛大にして、注意を促しただけで、実は審議を促進しようとしておるのです。誠意ある答弁をもってこれを終わろうとしているんだ。私は、このことについては、大蔵省はいまのようなふしだらな外務省をひとつ鞭撻をして、早く近隣諸国、しかもそれは先ほど言うように貿易、資本並びに人事の流動が非常に発展しつつある国々で、同時に、それに沿って矛盾が拡大しつつある国々、わが国にとっては不利も増大しつつある国々、これとの間に、アラブやベルギーよりもっと早く、もっと正確に、公平と平等の原則による二つの条約締結というものが必要である。それをぜひひとつ促進していただきたい。その御答弁をもって、具体的な矛盾についての指摘なりお尋ねは、あなたのほうへふろしきに包んでお渡しします。あなたのほうがよく御存じですから……。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 先生御承知のように、租税条約の交渉をいたしますときには、現地の大使、あるいは東京でございますと外務省を通じまして、いわば御一緒に、私どもはテクニカルなアドバイザーという形でかねてやっておるわけでございまして、私どもと外務省との間に基本的な考え方の違いがあるわけではなくて、外務省もそういう意味でいろいろな事例も御存じで、だからこそ、早く両国の課税関係は安定させたいというようにお考えになっているのだと私も確信しております。そういう意味で、今後外務省と一緒になりまして、一日も早くこれらの国と条約を結びたい、かように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 この問題は、きょうだけのことではなくて、本来は外務大臣に来てもらって、その点をはっきりして審議を終わるべきだと思いますけれども、それは次の機会にまた促進をし、いまの御答弁は、少なくとも前向きの確約を国民に対してしておられるわけですから、そのことをあとでまた点検しましょう。そういう条件できょうは前へ進みたいと思います。  その次にお尋ねしたいのは、ベルギーとの条約では十四条、アラブとの条約では十二条に、自由職業の問題がございますね。自由職業というのは、実は非常に大事なんですが、これに対してわが国の側における、それから相手国両国の側における禁止条項というものがありますか。経済活動について、相手国に対してこれこれの事業活動をすることは禁止するという条項がお互いにあると思うのです。それをわが国のとアラブとベルギーと示してもらいたい。そしてその制限条項は三カ国間で一致しているかどうか。これの取り扱いが、あとでお尋ねしますけれども、いろいろな自由業関係と思われる事業に租税上の不平等や怠慢が行なわれておるようですから、これは原則上の問題ですから前もってお尋ねしておきたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 日本の国内法上、医師あるいは会計士となることにつきまして、免許を取りさえすれば日本でできるというたてまえになっておりまして、先生のおっしゃるような制限ということは、この点についてはございません。また、両条約につきまして、この点につきまして何ら差別はございません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、これについては平等に行なわれていると理解してよろしゅうございますか。わが国で禁止または制限をする業種または経済活動、これは当然ありますね。公序良俗に反するようなものは当然国内法でも規制できるわけだ。でないけれども、そのほかにありますよ、いわゆる自由業と称する、ずいぶんエトセトラの経済活動。職業としてでなくて、ある貿易商社の人が来ておる。それは取り扱い品目は何と何である、あるいは資本を投下して合弁または単独で生産事業を始めておる。その中で働いておる人が、それ以外の業務あるいは経済活動についてサブワークとして行なう場合があるわけだ。それは合法的にまたは脱法的に。それらについては、国内法または国際法で禁止できるわけですね。そのときに、日本での禁止または制限の条項とこれら二カ国との間における制限または禁止条項とは食い違いがあるのかないのか、いままでの例はどうであるか、それを聞いておるわけです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 いまベルギー及びアラブ連合でそのような自由業につきましてどのような制限をなさっているかということにつきましては、直ちにお答えができませんが、一般的には、こういう問題につきましては、早く通商条約によって相互の不均衡その他を調整するというのが条約上のいままでの規律のしかたでございます。租税条約の中ではそのようなことは取り扱っておりませんので、もしベルギーと日本との間におきまして自由業の外国人に対する取り扱い上何らかの差別がございますといたしますれば、その点は租税条約によっては未調整のまま残るといわざるを得ないかと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、合法的な自由業、国際的に考えて、当然合法性が与えられるべきと思われる自由業の中で、たとえば医師、弁護士、公認会計士等々ですね。会計士は大蔵省の所管でございましょう。これらは当然合法性が相手国でも与えられますね。相手国の国民に対しても与えられますね。どうですか。どういうことになっておるか、この事実をお伺いしたい。医師、弁護士、会計士が、特に頭脳労働の事業としてわれわれちょっと当面具体的に考えられる自由業の中の業種あるいは経済活動ですけれども、それはどうでしょう。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 全体をカバーいたすお答えは実はできないのでございますが、公認会計士につきましては、資格等がここに書いております多くの国については、厳密にどことどことが排除してあるかは記憶ございませんが、日本で登録いたす限り公認会計士業務はやれるということになっております。登録いたすことを条件にしております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 医師、弁護士はどうですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 医師につきましては、国家試験を受けさえすれば、外国人であると日本人であるとを問わず、同じく医師になれます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 国内法で国家試験に合格しておる者、それから弁護士——弁護士はちょっと問題だと思うのですね。医師は、日本人の生理活動と相手国の人の生理活動と大体似ておるから、相互でいいと思うのだ。相手国の国家試験のテスト資格でいいと思うけれども、それはあるいは登録が必要だろう。手続上のことですから、許可事項ではないわけだ。ところが、弁護士については、これは問題になるでしょう。実は弁護士がまた非常に悪いことをしておるんだ。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積君に申し上げますが、通商条約は外務省では経済局長が所管なのです。いま経済局長を呼んでおりますから……。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 もういいですよ、あらましでいいから。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 経済局長で一ぺんにはっきりわかります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 田中さん、ちょっと。弁護士というのは悪いことをしておるのですよ、弁護士資格を利用して。そうして国内では一般国民、日本国内の国民ならば、相手が弁護士資格を持っておれば、日本の法律体系についても専門家だと思う。登録された国内弁護士と同様の取り扱いをするのです。それが非常な悪徳を働いておる。税金も脱税をしておる。これは相互の関係であると思うのですね。それだから、弁護士は一体どうなっておるかということです。

田中六助自由民主党外務政務次官

○田中(六)政府委員 非常に恐縮でございますが、はっきり確信はございませんが、私が多少勉強しておった過去のことから申し上げますと、アメリカ人は一時日本で許されたと思います。それ以外は許されていないというふうに記憶がございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 もし所管局長が来られるなら……。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 申し上げます。  所管局長が来ますから、そのときに……。  それではほかの問題をやってください。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 その次に、これは大蔵省に、技術的なことで、われわれ外務委員としてはお尋ねしてもしなくてもどうでもいいようなことですが、責任上ちょっとお尋ねしておきます。  配当、利子ですね。それから特許権、それから無体財産権等の使用料がありますね。これに対しては国内法、わが国の税法では両方とも二〇%くらいですか、そうして相手国はどうなっておりましょうか。それから——議事を促進するために、相手国と相手国の国民でこれらの所有権者——権利者ですね、権利者に対する日本国内における課税の取り扱い、これを一括してお答えください。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 これはそれぞれの国で実は税率が違っておりまして、たとえばアラブでありますと一七%でありますとか、ベルギーでありますと一五ないし一八・二でございますか、というようなことになっておりまして、それぞれ少しずつ違っております。いずれの国におきましても、総合所得税と申しますか、これはいわば日本でいう源泉徴収税率のようなものでございまして、これは一人の人に配当なり利子なりが総合されまして課税される段階では、多くの国は、それぞれ若干の税率の刻みは違いますが、累進税率によって課税いたしておるわけでございまして、日本におきましてもその点は同様でございます。この国際租税二重課税の回避に関する条約におきましてきめておりますのは、日本におらない、つまり日本人でない、あるいは日本の居住者でない人が日本の法人から受け取るときの配当でございますから、これは向こう側で総合される。それから日本人が外国から受け取ります場合には、そういう軽減された税率は税率といたしまして総合所得税をかけて、そのうち税として取られたものは差し引く、こういうことになっておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 ベルギーまたはアラブの法人の場合、どうですか。日本へ来ておる法人、在日法人の場合ですね。個人じゃなくて……。日本の会社から利子または配当を株主として受けておる場合と、預金者として受けておる場合と、それから法人として入国をして、その中における、日本にある自分の国の、ベルギーまたはアラブの法人から受けておる配当または利子の場合と、ちょっと違うわけでしょう。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 大体原則的には同じことでございますが、一部の国につきましては、親子間配当を一〇%という税率にしておりますが、いずれの国も、本店の所在地におきまして世界じゅうの事業活動を一括して課税するというたてまえになっておりますので、その場合に、日本で、この条約でごらん願っておりますように、恒久的施設があって、それに帰属する所得について日本で税金がかけられますと、その恒久的施設に属する所得は、一ぺんベルギー本国においてAならAという法人の所得になりますが、そのうち日本でかかった税金は差し引くというやり方と、それから国によりまして、その所得に入れないというやり方で二重課税を防ぐ国と、二つございますが、この場合は、日本の場合は全部差し引いて、ベルギーでかかった税金はその税金として日本の法人税から減らすというやり方をとっております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そこで、これらの運営の中で、自国民より相手国民のほうを税制度上優遇される場合が出てくるのではないかと思うわけです。私は税制についてはしろうとですから、この場合この場合と具体的にあらゆる例をあげて税制を調べていくといいのですけれども、たとえば二十四条に関係をしたところで見ましても、課税上は相互に内国民待遇ということになっていますね。ところが、この運営の場合によりまして、自国民よりは相手国民のほうに税法上優遇する結果になることが生ずるのではないかという不安を抱くわけです。それが平等公平に取り扱いができるかどうか。そうでなくて、この二十四条の規定に従う内国民待遇と平等であるということに反する場合が出るのではないかと思うわけですが、いかがでしょう。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 まさにそこが租税条約の一番問題になるポイントでございまして、この条約によりまして、いろいろ技術的にくしゃくしゃしたことを書いてございますが、それは要は、日本の国に外国人が来た場合に、日本人と同じ課税をする。しかし、外国人が、アメリカならアメリカ、イギリスならイギリスの本国で所得を得ていることもあるわけでございます。その部分については、またアメリカ人なりイギリス人なりとしての課税の公平ということがあるわけです。日本に住んでおるから日本人との間の公平、それからイギリス人であり、アメリカ人であるから、イギリス人、アメリカ人との間の公平、それをどういうふうに所得を分け合って課税するかということをいろいろ技術的に書いてございますが、基本的に、そういう意味で、アメリカ人であって、アメリカで発生しておる所得についてはアメリカ人と同じ課税を受けますし、日本で働いて日本で得る所得につきましては日本人と同じ課税を受けております。ただ、先生何もかも御存じでしょうから申し上げますと、一つだけ比較的優遇をしておりますのは、たとえばインドとか後進国に、みなし税額控除、タックス・スペアリングと申しておりますが、これはいろいろな国が資本を導入して経済復興をはかろうという場合に、そこで免税にすることが多いわけです。その場合に、税が現実にはかかっておらなくても、かかったものとみなしてあげましょう。と申しますのは、先ほども申しましたように、税の仕組みが、世界中での事業活動を総括して日本で課税するわけでございますから、そのうち、外国でそれぞれかかった税額を日本の税から引いてやろうというシステムでございますから、インドならインドでそういう事業活動をゼロにしましても、日本でその分の税金を取ってしまうということになりますので、そういう意味でスペアリングという制度を置いておりますが、その意味では、若干日本法人が日本で事業活動するより有利になるということがございますが、これも経済協力の一環という形でいたしております。それだけのことについて申せば、日本の中で事業活動を行なうのと外国で事業活動を行なう場合との差でございますが、これは後進国に限って——後進国ということばは適当ではありませんが、発展途上国に限ってそういう条項が入っておることがございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、アラブ、ベルギーの場合はそういう不均等はありませんね。  それから次に、またこまかいことですけれども、われわれしろうとの耳にも入ることですが、留学生手当の免除の問題ですね。免税の問題といいますか、これは免税になっているでしょう。これは期限、条件がありますか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 これは租税条約に二つの形がございまして、たとえば学生でございますと、年三千ドル以上のものは認めないというようなやり方をしておるものもございますが、この条約につきましては、学生が特に日本でいろいろな事業活動をやるということもないだろうという前提のもとに、制約は置いてございません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 制約を置いていないというと、事実上の取り扱いはどうなっておりますか。学生の身分で入ってきて、学生の身分で外国人登録をやっておる。それは無期限で、いつまでもある大学を転々としたとか、留年をしておるというようなことで、学生登録があれば、無期限にこれは免税でしょうか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 もちろん執行の問題は残りますが、相手国に一時的に滞在するものであって、その収入が「教育若しくは訓練に関連し又は生計のために必要」なものということで縛ることにいたしております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 これの実際の点検はどこでやっておられるわけですか。外務省でやっておるのですか。大蔵省でやっておりますか。法務省も関係するのですね、外国人出入国問題に関連するから。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 これは税務署及び国税局でいたしております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 たとえば学生身分で二年間留学ということで入ってきた。ところが、彼は病気その他の理由によって滞在学修期間が延びたという場合、期限の問題、条件についていえば、たとえば学生でありながら、ギターをやってお金をもうけておった。それからあるいはいろいろな業務をやることがあるでしょう、経済活動を。そのときに、受けておる本国からの留学生の給費あるいは日本政府の給付する留学生の給費手当については、むろん免税でいいのですよ。ところが、学生であるからという身分で彼の一切の収入となっている行為について、収入を伴う経済的行為について、無制限にこれを放任しておくわけにいかないと思うのだが、そういう場合が非常に多いわけですよ。それについては、一体どこでどういう点検をしておられるのか、どういう扱いをしておられるのか、また、この両国と日本との交流関係はどうなっておるか、これは外務省のほうにちょっとお尋ねしておきたい。この弊風が一般的に出ておりますから……。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 まず一般的に申し上げますと、学生として日本に滞在いたします場合に、もちろん出入国の関係のいろんな手続があるわけでございますが、およそ収入がある方についてはやはり税の関係というものは起こるわけで、そういう意味におきまして、国税局並びに税務署に外人係がございまして、そこへ詳細な届け出をしていただくということになっております。そして多くの学生でございますから、執行上あるいは問題があったものがあるのかとも思いますが、多くの場合は、調査官の調査によりまして、おおむね適正に学業をやっておるものだということで大多数は片づいております。現に私もその執行をやったことございますが、そういう学生で特にというようなことは、いままであまり聞いておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 この両国のみならず、他の国の留学生について、そういう矛盾というか、欠陥あるいは弊害の経験がおありでしょう。たくさんあるでしょう。ぼくら全国情勢を把握しておるわけではないが、ある。知っておるわけです。この二国については私はつまびらかでありません。この二国の国籍のある在日留学生については知らない。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 ここの条約以外のものにつきましては、たとえば交換公文とか覚え書きによりまして、この教育もしくは訓練に関連し、または生計のために必要であるというものは、たとえば年三千ドルというような縛り方をしておるものがございます。それは常識的に先生も私も考えるのでありますが、顔の色が似ておるとか、いろんな意味で働きやすい人たちにそういうことが起ころうかと思いまして、そういう国との間については、金額制限を設けておるのがございます。おっしゃるように、バンドマンでかせいだとかいう者もございますが、日本でも御承知の勤労学生控除という特別なワクも、すでに留学生に一万程度まで課税にならないようなことになっておりますので、それらとのバランスを見ながら、弊害のないように今後やっていきたい、かように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 在日留学生としてのステータスを決定するのは、その学生の生活の実態を調査の上で点検すべきだと思いますね。それはやっておられますか。いまの留学生については、入るときに、二年間なら二年間と初めから滞在期間の予定は大多数が期限つきでしょう。法務省、そうじゃないですか。それを延ばす場合があるですね。延ばす場合はそれを点検しますか。  それから、給費手当以外の所得があるかないかは大蔵省のほうでしょうが、それをいま伺うと、点検はしておる、こういうことですが、それで額の制限もあるということですけれども、その間の実態点検というものは、法務省でやっておるのか、外務省でやっておるのか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 権限的にどうなっておるかはしかるべき責任者からお答え願うといたしまして、税務の実際で申し上げますと、学校長の在学証明なり通学証明なりをとって点検いたしておりますので、そういう意味で学校に行っておるかおらぬかということは点検できておると考えております。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積君に申し上げますが、通商条約所管の外務省経済局長が参りましたから、もし質問されるなら……。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いまついでですから、ちょっと待ってください。これを済ましてしまいます。  それから、これはこの間問題になった河崎大使の文章の中にもあるが、日本を訪問する芸能人ですね。学生でなくて、芸能人として、これほど甘い国はないということが盛んにしるされておりますね。これについての取り締まりについて、税法上ちょっと手落ちありませんか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 税法上といたしましては、一般の勤労者とか、あるいは一般の、先ほどお話が出ました自由職業者につきましては、ある程度の滞在、たとえば六カ月というような滞在日数とか、あるいは事務所のようなものを設けるとかいうことを条件にして、初めて課税できるということにしておりますが、芸能人につきましては、そういうことはなくて、一回の公演に対してそのつど課税するということにいたしております。私どもとしましては、合法的な形でそういう金額が支払われております限り、われわれは課税の手落ちはないと思いますが、甘いという意味には、その実力以上に金額が支払われているというような意味もございましょうし、その辺は文章のことでありますからよくわかりませんが、私どもとしては、資料がいまの形で出てくる限りは、課税漏れということはないはずでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 外務省、どうですか、この芸能人。いま細見さんは芸能人だけで言いましたけれども、プロスポーツマンがいますね。あれも芸能人の意味ですからよろしゅうございますね。私のお尋ねはそれを包括しております。単なるギターひきや歌い手だけでなくて、スポーツもプロのほうは芸能人の中に入れて、私お尋ねしておるわけですから、外務省、どうですか。芸能人あるいは外国国籍のあるプロスポーツマンの所得あるいはステータス自身の取り扱いといいますか、それは不公平はありませんか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 外国人の日本におけるステータスにつきましては、これは法務省のほうで一括して取り扱っておりますので、その点につきまして、現在出入国管理令に基づく取り扱いは不公平があるというふうには私どもとしまして考えておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 税法上は……。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 一般的に税法上の問題につきましては、先ほど大蔵省のほうからお答えあったとおりだと私ども信じております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 これもいろいろ私どもの聞いている例があるのですけれども、この間、河崎さんの文章を読んでみて、私ども具体的事実の中で思い当たることがあるわけですよ。ルーズきわまるということを大使自身が外国人に向かって言っておられるわけですから、この点は注意を喚起しておきましょう。  それからもう一つは、外務省にお尋ねしますが、たとえばアメリカですね。アメリカは特に特徴的だと思うのですけれども、かの国のフルブライトの基金あたりから招待されているのは、一応のテストを受けて、向こうの管理にあるわけだ。ところが、日本から私費留学と称してネコもしゃくしも行って、それが非常な学生にあらざる経済行為もやっておるわけでしょう。学生とは名ばかりでね。あるいは学校の身分証明書くらいは持っておるかしらぬ、学生証くらいは持っておるかもしらぬが、彼らの生活の実態というものは、一体何であるかわからない。それで、いろいろな経済行為をやっている。その中にはひんしゅくすべき不当な行為もあるということで、この点検は、外務省で旅券の発行から第一問題になるわけですけれども、税金の場合でもどういうふうに取り扱われるか。かの国の事情というものはわれわれ一々わからないけれども、一般として、これはこの際私は注意を促しておきたいと思うのです。これはマイナスですよ。これは外務省に在外機関があるわけですから、それらの行為なり経済行為なりの実態については、向こうの税務署から摘発されたり指摘を受ける前に、日本政府としては自己点検をやる必要がある、私はそう思うのです。これは日本国籍の在外学生と称する者、私費留学生と称する者について、一々こっちから国内税法によって課税するわけではない。向こうが課税するわけですよ。これは相互問題とも関連をして、出ておる諸君のほうがよりマイナス面が多いし、イレギュラーな生活が多いようですから、これはちょっと注意だけ申し上げておきたいと思うのです。  それで、元へ帰ります。さっき私がお尋ねしたのは、次官、参事官からも私の質問の要旨はお聞きくださいましたね。——それならよろしゅうございます。私、質問を繰り返しませんから、あなたから答弁だけしておいていただきたい。

鶴見清彦外務省経済局長

○鶴見政府委員 一つの点は、いま政務次官から伺いましたが、近隣諸国との通商航海条約あるいは通商協定、貿易取りきめ協定の関係の御質問だったと承知いたしておりますが、それでよろしゅうございますか。——それともう一点は……。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それと十四条、十二条の自由業の中の弁護士業務の問題と、二つです。

鶴見清彦外務省経済局長

○鶴見政府委員 第一の点でございますが、近隣諸国と申し上げますと、さしあたり韓国とか台湾とかいうのが出てまいりますし、あるいはタイ、フィリピン等も入るかと存じます。御存じのとおり、フィリピンとの間では通商航海条約を締結いたしましたけれども、その後、フィリピンのほうの国内情勢がありまして批准に至らず、前々から催促いたしておりますけれども、現在のところまだ批准されていないという状況でございますし、タイとの間におきましては、古い条約の確認をいたしておりまして、したがって、そういう形で残っておりますが、問題は韓国でございます。この国との関係におきましては、通商航海条約といった一番基本的な条約関係というものはまだできておりません。ただ、貿易取りきめと申しますか、通商協定、貿易協定と申しますか、普通の貿易取りきめよりも若干関税面、出入面等におきまする最恵国待遇等を書いたそういった通商協定というものが、四十一年にすでにできております。現在それに従って貿易が行なわれておりまして、毎年、御案内のとおり、貿易会談というものを韓国あるいは東京交互に行なっております。ことしは東京で行なわれる番になっております。この貿易協定に基づきましては、ただ先ほど申し上げましたように、出入あるいは関税面での最恵国待遇ということでございまして、具体的な品目の金額等々を書いているようなものではございません。また、台湾との間におきましても、貿易支払い取りきめというのが三十六年にできておりまして、それに基づいて実行いたしております。そういうような状況でございまして、韓国との間におきましては、できればこれだけ通商関係も活発になってまいったわけでございますので、通商航海条約のようなものを締結したいと思っておりますけれども、現在の段階におきましては、先方のほうでこれにまだ乗ってくる状況になっていないという状況でございます。  第二段の御質問の自由職業の点につきましては、たとえばアメリカとの通商航海条約第八条によりまして、外国人のみを理由としてそういう自由職業につかせないということはしないということになっておりますけれども、あと個々のいろいろ弁護士その他の問題につきましては、私、実はどういうふうな状況になっておりますか、個々の法律によって若干違っているんじゃないかという感じがいたしますが、それ以上に現在のところお答え申し上げる材料を持っていませんので、御了承願いたいと存じます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 あとの質問者もありますから、なるべく急ぐようにいたしたいと思いますが、外国税額の控除方式ですね。これは外国税額の控除方式と、それからもう一つは外国所得免除方式と、両方ありますね。この間に矛盾や不公平を生じませんか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 二重に課税されないという意味におきましては、どちらもそれぞれの理由のある制度でございますが、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、特別に税金の安い国で事業活動をいたした場合に、いまの外国の税額は課税所得に取り入れないという免除方式でございますと、安い国で事業活動をしたほうが有利になるというような不公平ができますので、私どもは、あくまでも日本法人は日本法人、日本の事業者は日本の事業者として日本人と同じ税を払ってもらうようにする、それには外国税額控除がいい、かように考えておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 相手国が所得控除方式をとっている場合、それだと外国税額控除方式をとっている場合と違いますね。税金額だけでやる場合と所得でやる場合と、今度は税率が両国で違いが生じますね。それからまた、これだけではなくて、日本といろいろ通商条約を結んでおる国で、この国とこの国との間における違いもあるわけです。だから、そこはグローバルに見て、公平平等というわけにはいかないですね。そういう矛盾というか、不均衡が出ますね。それはやむを得ない、各国の国内の方針にゆだねるということでしょうか。日本は一本立てで税額控除だけでしょう。それと二本立ての場合と、そこに何か不均等が出るように思うのですが、その不均等の是正についてはどういう配慮が行なわれておるか、それをちょっと念のために伺っておきたいと思います。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、それぞれが同じ所得につきまして、つまり海外事業活動について二度税金をかけることがないようにしようというのが二重課税排除で、その場合に、その課税所得は国内におきまして税金をかけるときに含めないというのがやり方ですが、そういうやり方で国内的に公平か、それからいまの外国の事業活動も課税所得に入れて、ただし、外国でかけられた税金は引いてやろうというのが公平かというのは、これはそれぞれの自国民が自分の立場できめる問題でありまして、そういう意味で、日本のようにいろいろな植民地だとかあるいは特別な国を持っておらないような国と、それからヨーロッパ諸国で特別な経済関係があって、先ほど日本はインドにタックススペアリングをやっておると言いましたが、それに近いことをむしろやったほうがいいというように考えておる国と、その間に考え方の違いはございますが、日本人に関して不公平になるとか、あるいはフランス人ならフランス人についてそのフランスの中での不公平ということは生じないのではないか、かように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 だんだんとわかってまいりましたが、わが国は、先ほど申しましたように外国税額控除方式一本ですね。それで、いま審議しておりますアラブもベルギーも、納税額の控除方式と所得控除と両国とも二本立てでしょう。そうすると、どういうことになりましょうか。不均等と、手続上の問題も日本の場合とこの両国の場合と非常に違いますね。それから経済的な不均等、不均衡も生ずるのじゃないでしょうか。これはお互いに、各国の税制の自主権ということで、やむを得ざる矛盾として認め合っているわけですか。ちょっとそこらのお考えを後学のために承りたい。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 うまく御説明ができておらなかったようでありますが、二重課税の排除につきまして、二つの考え方がかなり古い時代からありまして、その一つが日本がとっております外国税額控除方式で、これは私どもとヨーロッパ諸国との間あるいはほかの国との間に税率の差というものがかなりあるというような場合には、私はこの税額控除方式のほうがより妥当性が多いのだろうと思います。ところが、それに反しまして、ヨーロッパ諸国のように大体同じような租税構造を持って、同じような税金をかけ合っておる国であれば、むしろ外国での所得は免除したほうが行政上やりいいというようなことがあろうかと思いますが、そのことによりまして、それぞれの国の自国の行政機関は、手続の違いはございますが、その事業活動がお互いに不公平になるということはないと思います。と申しますのは、日本の企業はどこまでいきましても日本の企業でありまして、ベルギーの日本へ来ておる企業と日本の企業との間の比較をする必要はないわけでございますから、そういう意味で、この間に自国民に対しての不公平というのは絶対生じないというわけでございまして、これは租税の二重課税を防止するために二つのやり方——こういう条約のように、相手方は免除でやる、自分のほうは控除でやるといいましても、その間に、これによって不公平が生ずるということはないというふうに申し上げられるかと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 ここらでやめておきますが、これは最後ですから、一括してお尋ねしておきましょう。お尋ねせぬでもよいようなことですけれども、論理的にお尋ねして締めくくっておくべきだと思ってお尋ねするわけですから、再度再質問しないで済むようにお答えをいただきたいのです。  第一は、この両国との間にこの条約を締結することによって生ずる経済的メリットですね。特に経済的——経済的な点だけではないのでしょうけれども、おもに税制の問題ですから、経済的なメリットをどういうふうに計算をして展望したらいいかということをお尋ねしたいわけです。それはたとえば貿易の発展にどういうふうにつながるとか、これはいままでの例もあろうと思うのです。それから税収入にどれくらいの影響が生じてくるか、それから相互投資の発展にどういう好影響があると見られるか、それからこの条約を相互批准することによって生ずる人の交流ですね。特にお尋ねするのは、経済的側面から見た両国に対するメリットはどうで、日本に対してはどうで、相手両国に対してはどういうふうな展望にいま相互の経済関係がなっておるかという点でございます。これが一点、これは外務省からでも大蔵省からでも、より具体的な分析なり展望を持っておられるほうから、政府を代表してお答えいただけばけっこうです。  第二点は、これは外務省へお尋ねいたしますが、相手国は一体批准に対してはどの程度のお見通しになっておられるのか。それで、わがほうは、これは非常に急いでおられるようですが、いつまでをめどにしておられるのか。相手のあることですから、相手の批准手続に対する最近の情勢あるいは見通しですね。念のために、この二点だけお尋ねして、私の質問は終わることにいたします。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 第一点の経済的なメリットの点についてお答え申し上げておきたいと思います。  ベルギーと日本との間におきましては、技術導入あるいは株式投資あるいは借り入れ金の状態というようなものが、若干わがほうが受け入れというか支払い超という形になっておりますが、行く行くはこれはバランスしていくものであろうと思いますので、その意味では、日本とベルギーとの間の条約は、これから——いま日本の本田とかあるいは若干の企業が出て現地で活動をいたしておりますが、そういうものにつきまして、課税関係が確定して、どういうそろばんで事業をやればいいかということがわかるようになる、その意味で、日本としては、今後どんどんEECの基地としてのベルギーが使えるようになる、そういう点のメリットがあろうかと思います。  それからアラブとの間で申しますと、何と申しましても経済関係がかなり一方的でございますので、この中で一番大きなメリットは、船舶、航空機につきまして、アラブ側が課税権を放棄しております。これは、いまの段階におきましては、アラブの飛行機が日本に来ておるわけでもございませんし、船と申せばほとんど日本の船が行っておるわけでございますから、これは一方的に日本に有利になろうと思いますが、しかし、アラブはそういうことを譲ることによりまして、日本との交流が活発になって、向こうが必要とする資本とか技術とかあるいは商品の売却ということが可能になって、その意味で、最終的にはアラブにとっても有利になるのじゃないか、かように考えております。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 アラブ連合との租税条約、ベルギーとの租税条約、いずれもこの発効規定におきまして、それぞれの国が手続を終わりまして批准書を交換すれば発効することになっておりまして、その発効の具体的な規定といたしましては、交換をした日の属する年の一月一日から日本については適用することになっております。具体的に申しますと、本年中に批准の手続が全部終わりますれば、租税上は別に差しつかえないという定めでございます。  なお、ベルギーにつきましては、夏休みに入る前に批准されるという見通しを持っております。アラブ連合のほうも、できるだけ早くということで、いまいろいろ情報をとっておりますけれども、幾らおそくとも本年中に批准されることは間違いないというふうに確信しております。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 伊藤惣助丸君。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 日本国とアラブ連合並びにベルギー王国との租税条約について、若干の質問を行ないます。  一九六七年の中東戦争以後満二年を迎えようとしておりますが、この中東紛争につきましては、国連の調停工作あるいは中東問題四大国会談の展開にもかかわらず、中東の和平の道はきわめて遠いように思われます。まず中東の情勢について、和平実現について、政府はどのような見通しを立てておるか、その点について伺いたいと思います。

野見山修一外務省中近東アフリカ局中近東課長

○野見山説明員 御説明させていただきます。  ただいまお話がございましたように、国連での安保理決議ができましたのがちょうど一昨年の十一月でございます。それ以後、その決議に基づきまして、国連事務総長からヤリング特使が任命されまして、精力的にアラブとイスラエル双方の橋渡しをしているのでございますが、なかなか話がまとまりません。それで、今年に入りましてから、それの動きとは別に、いわゆる四大国の調停工作というのが舞台裏で開始されております。これは最初ソ連が言い出したのでございますが、はかばかしくまいりませんでしたので、次いで、フランスがことしの一月に入りまして四大国会議というのを主唱したわけでございます。現在の四大国会議の調停工作の現状は、国連におきまして、その四大国の国連代表もしくはその次席が非公式に会合して、意見を交換しているという状態でございます。それの第一回が開かれましたのが四月三日でございまして、きょう、六月十一日に第十一回目が開かれるということになっております。  その具体的な話でございますが、内容はいろいろこまかなところまでやりとりされているようでございます。しかし、根本方針といたしましては、一昨年の十一月にできました安保理決議に基づいて、それをいかにアラブ側とイスラエル側がのみやすいような形で具体案をつくっていくかということで話が行なわれているようでございます。  で、わが国の方針でございますが、わが国は、この問題は、アラブとイスラエル双方に公正な、フェアな解決ができなければ永続しない、したがって、アラブもイスラエルも同意できるような案ができることが最も望ましいという立場で臨んでおります。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 この中東紛争、スエズ運河の封鎖は、アラブ連合にとっては年間二億七千万ドルをこえる収入源を失っているわけです。また、アメリカ、イギリス、西ドイツとの関係悪化からの観光収入等の減少も加わって、外貨の収入源の枯渇から、輸入引き締め政策がとられているようです。このような戦争状態継続に伴う国内の経済活動の低下は、アラブ連合の経済事情を深刻化させている、そういうふうに聞いておりますが、最近の実情について簡単に伺いたいと思います。

野見山修一外務省中近東アフリカ局中近東課長

○野見山説明員 御説明申し上げます。  先生から御指摘がございましたように、アラブ連合といたしましては、中東戦争によりましてかなり手痛い打撃を直接、間接にこうむっておるように思われます。直接的な戦争の被害と申します損害といたしましては、ただいま御指摘のございましたように、スエズ運河の通行料収入というのが一切途絶いたしております。これは一九六六年の数字では二億二千万ドルとかいわれております。それから、年間一億二千万ドル程度ございました観光収入が激減いたしております。ただし、これは二年たちましたので、観光客も世界じゅうからかなり集まっておりまして、だいぶ回復はいたしております。もとどおりではございませんが……。それからスエズ運河の収入の減でございますが、これは御承知のように、アラブ諸国の会議というのがスーダンのハルツームで行なわれまして、戦争による痕跡を払拭するまで、いわばイスラエルをつぶすまでということになるのでありますが、それまでの間無期限にクウェート、サウジアラビア、リビアで運河収入をナセルに対して保障してやるということで、何といいますか、非常に寛大な気前のいい決議ができまして、この三カ国が戦争の痛手が回復するまではエジプトに対して保障してやる。現実に過去二年にわたってこれが行なわれておりますので、この点ではア連合は非常に助かっておるわけでございます。それからソ連からの軍備の喪失でございますが、これもソ連が本腰になりまして軍事援助をいたしました結果、一説では戦前の八〇%、ある説では大体戦前どおりに装備が回復したといわれております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 この中東紛争によって、プロジェクト三カ年実行計画が困難となったアラブ連合は、長期開発計画を中止して、当面問題としているプロジェクト、完成間近いプロジェクトを中心として、限られた部門だけを投資の対象としておるように思われます。一九六六年、自民党の川島副総裁が特使としてアラブ連合を訪問したときに、二年間に五千万ドルの延べ払い輸出を承認する用意がある旨の表明がなされたのでありますが、こうしたアラブ連合の実情から、わが国は川島副総裁が特使として行ったときに表明したことを実行するのかしないのか、その点について伺いたいと思います。

上田常光外務省経済協力局長

○上田(常)政府委員 先生のただいま御指摘のとおりに、確かに川島特使がおいでになりましたときに、五千万ドルの延べ払いのワクを与えるお話が出たのでございます。しかし、これは第一にいわゆる政府から政府に特別の借款を与えるというものではなくて、いわゆる民間の延べ払いを政府としてなるたけ早く許可してやると申しますか、そういう程度の延べ払いのワクを認めたものでございまして、したがって、特殊な対象品目ですとか、あるいは金利をどうするとか、こういうようなことは一切何も話し合っておりません。一口に申しますと、延べ払いの一応のワクを認めまして、大体二年間に五千万というお話が出たのでございます。また形式的に申しますと、そのときお話があったのでございますが、それ以後、別に両国政府間で取りきめを正式に結んだというものではございません。片や、ただいまもお話がありましたように、その後、アラブ連合の経済状態が悪くなりました。したがって、いわばそのまま立ち消えになってしまったというのが現状でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 立ち消えで終わったわけですね。  わが国のアラブ連合への企業進出の現況について、全然わからないわけですが、簡単に伺いたいのです。

上田常光外務省経済協力局長

○上田(常)政府委員 ただいまここにこまかい具体的な数字は持っておりませんが、先ほど御説明いたしましたように、一九六六年の暮れぐらいからアラブ連合は債務不履行が起こりまして、債務の返済不能の状態が起こったのでございます。したがって、延べ払い輸出も輸出保険がかからなくなりました。そういうわけで、大きな投資はその後行なわれていないと承知いたしております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 さっぱりわからないのですけれども、アラブ連合については、いままでいろいろ技術援助とか、またはいろいろな形で日本から研修生とか技術者、こういう者を派遣したり、あるいはスエズ運河の拡張工事に調査団をやって、民間ベースでいろいろやっておるようですね。そういった点について、アラブ連合への技術協力状況はどうなっているか、その点を伺いたい。

上田常光外務省経済協力局長

○上田(常)政府委員 もし先生のお許しを得られれば、後ほど書類で御説明いたしますが……。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 じゃあとで資料を要求しておきます。  次に入ります。一九六五年度におけるわが国からベルギーへの配当及び利子の支払い額は三十六万六千ドルになっておりますね。それで、特許等の使用料は九十万五千ドルだったということでありますが、その内容について、簡単に知らしていただきたいと思います。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 かなり個々の企業の秘密にわたっておることもございますので、正確には申し上げかねますが、おもなものを拾ってまいりますと、たとえば電気工業技術関係でありますとか、食品工業技術関係でございますとか、化学技術関係、これはグリセリンの製造等がからんでおるようでありますが、そうしたもの、あるいは機械工業の自動サイクル旋盤といったようなものについてロイアルティーを受けております。  それから配当等の利子、債権等の関係につきましては、日本の企業は、御承知のように、丸紅、住友、日綿といったような商事会社、それから旭光学、本田技研といったような会社等が出ておりますので、それらの企業との間の債権債務関係がそのつど動いておりますので、これがどれであるということは、ちょっと御説明いたしかねる状態であります。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 一九六八年の三月末現在におけるわが国のベルギーからの証券取得は九件、三百七十三万五千ドル、ベルギーのわが国からの債権取得は三件、五百十六万二千ドルとなっておりますが、これもその内容について簡単に伺いたいと思います。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 これも先ほど申しました商事会社等が向こうのいろいろな会社に出資いたしておるものが大部分でございます。その中には、たとえば本田のように自分自身の子会社をつくっておるものもございます。一例で申し上げますと、本田でございますとか、宝椅子販売会社でありますとか、あるいは小松とかいったようなものがございますし、そのほかのものは、向こう側のいろいろな企業に商社が投資をいたしておるというのが主でございます。  それから、向こうから来ておるものでありますと、たとえば日本アーコスとか、あるいはライカライト・オリエント、日本アグファ・ゲバルトというような会社に、それぞれの親会社に近いものが出資しておるというのが実情でございまして、金額等はそのつど若干動いておるようでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 わが国からベルギーに進出している現地法人は九つと聞いております。また、ベルギーからわが国に進出している法人は三社あるということでありますが、その業種と規模について簡単に伺いたいと思います。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 企業の詳細は、あるいは資料ででも提出しなければならぬかと思いますが、いま手元に持っておりますのは、大商社というのが主として現地に出ておるようでございまして、向こうから来ておりますのは、先ほど申し上げました日本アーコスとかライカライトとか、そういう会社が子会社という形で来ておるというわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 ベルギーとの条約第六条、アラブとの条約第四条に不動産、こういうのがあるのですが、具体的にどういうようなものであるのか、その点をひとつ御説明願います。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 主としてビルを建てて、それを貸すというようなものがこうした場合の実例であろうと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 両条約ともに「所得」ということばと「利得」ということばが出てくるわけですが、これは同じなんですか、区別があるのですか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 事業の場合は、産業上、商業上の利得と申しておりますし、それからサラリーマンその他の場合には、あるいは配当といったようなものにつきましては、所得ということばを使っております。利得と出ておりますのは、逆から言いますと、産業上、商業七の利得ということになります。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 このベルギーとの条約の二条、またアラブとの条約一条で、この条約の適用される租税は、わが国においては所得税、法人税及び住民税の三税目ということになっておりますが、アラブとの第六条、ベルギーとの第八条によりますと、それぞれ相手国の国際運輸企業は、日本の事業税を免除されることになっているわけでありますが、これはどういう意味を持つのですか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 日本の事業税は、御承知のように、沿革的には、外形標準によりまして、所得にかからない、所得を課税標準とするいわゆる所得に対する税でないということが、比較的はっきりしておったのでありますが、その後の改正によりまして、税務執行の簡便さ等を考えまして、いまはいわゆる純所得を課税標準にいたしておるわけであります。いろんな国と租税条約をいたします場合に、外国側の一致して主張いたしますことは、事業税を所得に対する二重課税防止上対象税目に入れろということを言うわけでありますが、わがほうはたてまえとして、それは入れられない、相手国に事業税と同様の税目があるときに取り入れるということにいたしておるわけであります。しかし、現実の課税というものが所得を課税標準にいたしておることは、事業税の場合事実でございますので、航空あるいは運輸といったような所得につきましては、一切税をかけない。このかけないということは、もうおわかりのことかと思いますが、一体船が日本の港から物を持っていった、インドの港から物を持っていったという場合に、そのインドなり日本なりでどれだけ所得が出たかということは計算できない、そういうことで、一切の所得には税をお互いにかけぬようにしよう、そういうことになっておるわけであります。所得を課税標準といたしておりますこの事業税がかかるということは、実は一方的にやや相手に不利を課するという形になるものでありますから、そういう意味で、事業税も航空並びに運輸の所得については課しません。つまり、それによって生ずる所得については一切日本は税金をかけませんということにするために、事業税を特に明記してうたっておるわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 アラブとの条約第六条五項の交換公文はどんな内容のものか、簡単に伺いたい。  それでこの交換公文は、資料も前もって出してもらわないと、いろいろ審議をするときに支障を来たしますので、こういう点も、常に資料は早く出してもらいたいと思うのですが、その点も含めてお伺いしておきます。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 事柄は、この六条と全く同一のことを規定しておるわけでございます。したがいまして、航空機だけをいままで規定しておりまして、航空機と、この条約によって運送業ということで海運業が加わったという意味で、この前のほうの航空機と運送というところを、前のほうの条文から運送というのを取って、前のほうの条文一、二、三、四項までをそのままお読みいただけば、内容的に全く同じものであります。それを出す出さぬは外務省のほうからお答え願いたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この交換公文は、国内法に基づきまして政府が行政的に取りきめたものでございます。したがって、これは特にお出ししなくても何ら誤解の生じない、政府の権限の範囲内のものでございますので、あらためて御提出しなかった次第でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 内容は同じだからと説明があればなるほどとわかるのですけれども、何か特別な取りきめがあるように思うわけですよ。ですから、その点、誤解もしますし、今後はこういうことについては、とにかく資料は早めに出していただきたい、このことを要望しておきます。  それから、アラブ連合の法律第十四号の中の第三十六条あるいは一条、十一条、五条、六条というふうに条文が出てくるわけですが、これはそれぞれについて説明がないわけですね。それを簡単に伺いたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先生の御質問の意味がよくわかりませんので、おそれ入りますが、もう一度お願いしたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 この中に、アラブ連合の法律第十四号の中の第三十六条あるいは一条とか十一条とか五条、六条、こういうのが出てくるわけですけれども、それがどんなものか、さっぱりわからないわけですね。どういう意味の内容のものかというのです。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 あるいは大蔵省でお答えするのが適当かどうかわかりませんが、内容はわかっておりますので、これをつけ加えないで御審議を願うというのは、確かに不親切なやり方かとも思います。そういう意味で、資料をつけるなり何なりの方法をこの御審議にあたりて検討しなければならない問題かと、かように考えております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 要するに、内容は簡単だと思うのですね。いままでも条約の審議にあたっては、もう何も問題もない。多少の疑義があっても、内容を不明のままにして審議されてきたわけですよ。そういう点についても、私たちはもっと慎重に、たとえ賛成するものについても、多少の疑義があった場合には明らかにして、国会において審議をしていく、こういうたてまえが第一ではないかと思うのです。この際に、そのことを強く要望しておきます。  さらに、使用料の課税について、ベルギーとの条約には「船舶又は航空機の裸用船契約から生ずる所得」も入っているのに、アラブ連合との条約には入っていないわけですね。これはどういうわけなのか。また、このような所得は、国際運輸所得のほうに入れたほうがよいのではないかと思うのですが、その点についても簡単に……。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 裸用船の場合は、やはり国際的にロイアルティーの中に入れるというふうにお互いに観念いたしておりますので、この区分がいいかと思います。  それから、アラブとの間に入っておらないのは手落ちではないかということも、お考え方としてはあろうかと思いますが、私ども、このアラブとの条約を締結いたしました場合は、そんな状態がすぐ起こるとも考えなかったものですから、これには入っておらない。そういう意味で、この裸用船の規定は、入っておる条約と入っておらない条約とがございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 ですから、このような所得は国際運輸所得のほうに入れたほうがいいのじゃないかと思うのですがその点どうですか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 研究はいたしますが、いまのところは、使用料ということで国際的に統一しておるわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 次に伺いますが、租税条約でいろいろアラブ、ベルギーその他の国との締結が行なわれようとしておりますが、日本の医師とか弁護士あるいは公認会計士、こういった人たちは、これらの租税条約を結んだ国で開業できますか。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○細見政府委員 それは、それぞれの自由職業の資格を規定しておる国々の規定のしかたによろうかと思いますが、国によっては開業できるところもございます。その場合に、どう課税するかという問題が一つと、それからもう一つ、進出しておる日本の企業に対して、公認会計士なり弁護士なりとしていろいろな手続をとってあげるということに伴う課税関係ということもありまして、この条約のカバーしておるのは、両面をカバーしておるわけでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 現在わが国が通商関係の条約を結んでおる国は三十数カ国に及んでおると思います。また、租税条約については、この締結をしておる国が今回を含めて二十一カ国ですか、というふうにいわれておりますが、今後資源が乏しい、人口が多いわが国にとって、やはり国是として指向する道は貿易立国というほかないと思うわけです。そこで、貿易の振興をはかる上においては、さらに通商関係の条約を締結することが今後の大きな課題だと思うわけでございますが、特に各国との貿易関係、経済関係を一そう促進するために、租税条約と表裏一体となって、初めてその所期の目的を達することができる、こういうふうに思うわけです。その点について、少なくとも今後通商協定を結んでおる国とは積極的に租税条約を結んでいくべきではないか。その点について最後に政府の見解を伺って、質問を終わりたいと思います。

田中六助自由民主党外務政務次官

○田中(六)政府委員 伊藤委員のおっしゃるとおりでございまして、できるだけ平等公平に租税条約を結んでいって、各国との交流を円満にはかっていきたいという所存でございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 以上をもって質問を終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ連合共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上両件を承認すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、両件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 次回は、来たる十三日午前十一時三十分より理事会、十一時四十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十五分散会

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