外務委員会 第18号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/05/09
会議録
○北澤委員長 これより会議を開きます。 通商に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び千九百六十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。
○戸叶委員 ただいま議題になりました二案件につきまして、二、三質問をいたしたいと思います。 最初に、メキシコとの間の通商協定について御質問をいたしたいと思いますが、メキシコ以外に現在通商協定締結交渉中の国があれば、その相手国なり、それから協定の締結を予定しているものを説明していただきたいと思います。
○愛知国務大臣 現に交渉中になっておりますものはルーマニア国との間でございます。現に交渉中のものはそれだけでございます。
○戸叶委員 ルーマニアとは大体いつごろこれを締結する運びと考えていらっしゃいますか。
○愛知国務大臣 まだ的確にいっと申し上げる段階にまではいっておりません。
○戸叶委員 フィリピンとの間の関係はどうなっているのでしょうか。かつて国会におきまして、フィリピンとの通商航海条約というのが出されまして、私が、日本だけ批准して、フィリピンが批准しなかったならば、そのとき責任はどうするかと言いましたら、そういうことはあり得ない、大体フィリピンもすると思いますと、こういうことをおっしゃって、政府答弁をいただきました。ところが、それが日本だけ批准をいたしまして、私がたいへん警告を与えましたにもかかわらず、そのとおりにフィリピンはそっぽを向いてしまったといういきさつがございますけれども、その後どういう関係になっているかということを説明していただきたいと思います。
○高島説明員 先生のおっしゃるとおり、実はわがほうだけ批准いたしまして、国内手続を終わりまして、フィリピン側はまだ終わっておらないというのが現状でございます。したがいまして、日比通商航海条約はいまだに発効しておりません。主たる理由は、フィリピン側における特別な国内事情ということでございまして、フィリピン政府側といたしましては、この通商航海条約の批准のための前提条件といたしまして、国内経済体制を立て直すという観点から、六つの法案を考えまして、そのうち、五つの法案につきましてはすでに国会を通っております。最後に残っております銀行法の一部改正法案というのがございまして、これをいま審議中だそうでございます。たてまえから申しますと、この法案が通りますと、国内経済体制のたてまえからいって、批准をし得る体制になる。ただしかし、何ぶんにも大統領とそれから国内政治等のいろいろな関係もございまして、なかなかそう簡単に批准に進むかどうかという点については、まだ確実な自信を持っておりません。しかし、わがほうといたしましては、あらゆるつど、現地大使を通じまして批准の促進方を申し入れしております。ただ、いま申し上げましたような事情で、いつ向こう側が批准に踏み切り得るかという時点につきましては、まだ現在の段階でははっきりした見通しを申し上げ得ない状況でございます。
○戸叶委員 当時の政府の見通しの甘さを私は指摘したところでございますけれども、今日までまとまらないということは、たいへんに長い期間だと思います。あれは何年でしたか忘れるほど、ずいぶん長い前にあれを審議したことを私は覚えているわけです。そこで、これは参考までに伺っておきたいのですけれども、もしもいまお話になったように、一つの銀行法が国内法としてまとまればおそらく批准になるだろうけれども、それもなかなかむずかしいということでございますから、見通しを伺ってもちょっとむずかしいと思いますけれども、もしもそれを締結するようなことになりましたときには、内容ががらっと変わるわけですか、それともそのままの内容でいいわけなんでしょうか、ちょっと参考のために聞いておきます。 〔委員長退席、田中(栄)委員長代理着席〕
○高島説明員 内容は、日本が批准の国内手続を終わりました時点における現行の案文でございます。そのとおりでございます。修正ということは考えられません。
○戸叶委員 そうすれば、私はなおさら政府の見通しの甘さを言わざるを得ないのです。というのは、六つの法案があるのでなかなかむずかしいのだということは、その当時からわかっていたと思うのですよ、それと同じ内容なら。それをすぐにでも国内法が片づくと思ったということが、私は非常に甘過ぎたと言わざるを得ないと思います。 しかし、これはフィリピンとの関係ですから別にいたしまして、今度のメキシコとの間の協定を結びますと、貿易というものは盛んにならなければならないというふうに私どもとしては考えるわけで、協定を結べば、当然貿易は盛んになるだろうということを考えるわけでございますが、この協定が発効したあとどういうふうになっていくかということを望んでこの協定に取り組まれたか、どのようになっていくかということを希望しながらこの協定に取り組まれたかを伺いたいと思います。
○高良説明員 メキシコとの貿易状況は、御承知のとおり、従来メキシコからはなはだしい入超でございまして、ここ一、二年やっとメキシコ側のわが国の特に化学重工業品に対する認識が改まりまして、わがほうの赤字が減少しつつある状況でございます。この際、特にメキシコ側の国内開発計画で、相当政府需要というものがふえておりますから、貿易の通商の赤字の漸進的な解消と、それからもう一つのねらいといたしましては、わが国からの経済協力的な合弁事業その他の企業進出をねらいといたしまして、この協定をわがほうとしては結んだわけであります。その点が、今後この協定を機といたしまして改善されていくものと思います。
○戸叶委員 いまお述べになりましたように、メキシコからは入超である、それでこの協定を結ぶことによって、入超の傾向をなくして、輸出のほうも多くしていきたい、こういう御希望のようでございます。そういうふうなお見通しはこの協定によってあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○高良説明員 この協定自体によって、たとえば付属貿易計画をつくりましてどういう品目についてどういうことをするということは、何も書いてないのでございます。ただし、協定の内容には、政府の需要については、公共団体、政府側の買い付けについては従来どおり考えるというような趣旨のことも入れておりますし、従来全然無協定でございまして、いつ向こう側から一方的に締められてもどうにもならぬというような状況を、やはり協定の面によっていくことが可能になったわけであります。それとともに、もう一つは、特にここ二、三年来のことでございますが、メキシコ側の対日認識というものが、われわれから見ますと非常に改善されたように感じられておるわけでございます。従来いろいろ経緯がございました協定交渉にも、メキシコ側はむしろ喜んで乗るというような状況になっておりますから、この点を仲介といたしまして、一つの経済的な関係の緊密な雰囲気というものをつくり上げる効果も十分考えられると思います。
○戸叶委員 輸出入のアンバランスというものを是正するために、何か特別な措置を講じなくてもよろしいのですか。 〔田中(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 というのは、たしかメキシコでは輸入制限の手段として輸入許可制をとっているとか、あるいは特別品目については輸入割り当て制を併用しているというようなことを聞いておるわけでございます。そういうことが一体行なわれているかどうか。だとするならば、この輸出入のアンバランスを是正するために、そういうことに対しての交渉も当然されるべきではないか、こういうように考えるわけでございますけれども、そういうことについてのお考えはどうなっておりましょうか。
○高良説明員 御指摘のとおり、メキシコ側は比較的厳重な輸入統制をとっておりまして、大体現在の輸入品の六〇%ないし六五%はすべて輸入許可制になっておるわけでございます。 それからわがほうとの間のアンバランスの問題は、最近になってやや減りまして、一億ドル台をはるかに割ったのでございますが、従来は一億以上ずっとわがほうが赤字であったわけでございます。これに対しましては日本側から、常に機会あるごとに、もう少し日本品の買い付けをしてくれという方向で、メキシコ側に話を続けておったわけでございます。と申しますのは、わがほうがメキシコから買いますのは、御存じのとおり、大宗は綿花でございます。綿花は、日本の需要というものが非常に大きくて、どうしてもメキシコ綿を大きく買い付けざるを得ぬ、そういう貿易構造であったわけでございます。メキシシコ側は、これに対しましては正直なところ実にいやな顔をいたしまして、向こうの言い分としては、いや、その赤字ということはよくわかっておるけれども、貿易というものは何もバイラテラルな関係だけで律するものではないのではないかという、IMFの説明みたいなことを言いますし、それからさらに最近言っておりましたのは、赤字もだんだん少なくなりつつあるではないか、目に見えて赤字は小さくなりつつある、これはメキシコ側としても努力をしておるところだ、こういう問答を押し問答的に繰り返しておったわけであります。そういう状況で、現在比較的赤字が少なくなりつつありますが、さらにこの協定を契機といたしまして、わがほうからは常に向こうの輸入制限の緩和、それから単に政府ベースだけではなく、業界の方々との話し合いというような形で、メキシコ側に説得の努力を続けたいと思いまして、すでに日本とメキシコとの間には、政府ベースの白墨経済協議会というようなものが三年前発足いたしまして、実は今月の中旬から第三回目の会議をメキシコで開催することにいたしております。それから業界方面の接触といたしましても、やはり日墨経済合同委員会というものができまして、これは日本側の業界の、たとえば日商の会頭をしております足立さん、そういう方が委員になりまして、一年おきに向こうに行き、あるいは向こうから参りまして、話し合いを進めておる状況でございます。
○戸叶委員 メキシコはガットの加盟国になっていないと思いますが、そうしますと、それはどういう理由かということと、それから今後ガットに加入するような見込みがないかどうか、それからもう一つは、私どもが考えてみまして、一体加盟国と未加盟国との間の貿易の取引については関税上の不都合はないかどうか、こういうようなことがちょっと疑問に思うのですけれども、この点を伺いたいと思います。
○高良説明員 メキシコは、御承知のとおり一九二九年の末から三〇年代の初めにかけまして、一種のメキシコ的な社会主義国家となりまして、まあ社会主義国家と申しましても、東欧、ソ連あたりの社会主義国家とはいささか趣を異にするようでございますが、一応社会主義国家を標榜しているわけでございます。 それから、従来からラテンアメリカ諸国はすべてそうでございますが、アメリカ資本、ヨーロッパ資本による支配ということに非常に反発いたしまして、民族主義による独立を考え、努力しているわけでございます。そのリーダーとも申すべきものがメキシコでございまして、メキシコ現政府におきましても、常に国家を中心といたしました経済社会の発展計画というような点を努力しておるわけでございます。 そういうわけで、一種の独自の政策をとっておりまして、メキシコはとにかく自由貿易に踏み切るのはまだ早いという考え方が相当残っておりまして、現在のところは、ガットに加入してガット方針に全部ついていくというほどにまだいっていないと思います。近い将来にもまだそこまでにはいかないのではないかと思います。そういうわけでございまして、メキシコのガット加入を近い将来にわがほうが期待することは、ちょっとまだ時期尚早ではないかと思います。 第二番目の先生の御質問、私ちょっと御趣旨を取りかねましたようでございますが、どういうことでございましょうか。
○戸叶委員 ガットの加盟国と未加盟国との間の貿易取引については、関税上に何か不都合がないかどうかということです。
○高良説明員 メキシコ側の関税上ですか。
○戸叶委員 日本とメキシコ、両方の場合を言ってください。
○高島説明員 日本では、ガット加盟国との間におきましては、ガットに基づく協定税率を適用してきております。したがいまして、たとえばこの前のようにケネディラウンドが終わりますと、ケネディラウンドに基づきます譲許税率を一斉に適用しているわけであります。それからガットに加盟しておらない国につきましても、関税定率法に基づく便益関税というものがございまして、その便益関税の税率は、実際上日本では協定税率と同じでございます。ただ、協定がございませんので、協定上の税率ではございませんので、安定税率という観点から差はございますが、実際上の税率においては全く同じでございます。したがって、いままでメキシコと日本との間の貿易におきまして、メキシコの産品については、日本では他のガット加盟国と全く同じ税率を適用いたしておるのでございます。
○戸叶委員 私よくわからないのですけれども、この点は説明していただきたいのですが、日本の関税で、基本関税率とガット関税率と便益関税率とあるわけですね。その場合はどれが一番有利なんですか。これは私知識がないものですから、参考までに聞いておきたいのです。
○高島説明員 関税定率法に規定がございまして、協定税率と基本税率、それから便益関税と三種類ございますが、この便益関税というのは、関税定率法第五条の規定にございますとおり、「関税についての条約の特別の規定による便益を受けない国の生産物で輸入されるものには、政令で定めるところにより、国及び貨物を指定し、当該規定による便益の限度をこえない範囲で、関税についての便益を与えることができる。」ということで、政府に一つの大きな権限が与えられておるのでございまして、実際の税率がどのようなものであるかということは、そのつどいろいろ変わり得るわけでございます。実際上はこの便益関税の税率は、現在のところ協定税率と同じものを適用しているというのが実情でございます。
○戸叶委員 わかりました。便益税率というのは、協定税率と同じものであるということは了承していいわけですね。 次に、メキシコの国内産業と貿易の動向について説明していただきたいと思います。——もうちょっと詳しく言いますと、どんなものが国内産業としておもなものかということと、それから貿易としてはどんなものをどういうふうな国に一番送っているかということです。
○高良説明員 メキシコの貿易額を大体申し上げますと、輸出が六〇年代七億三千九百万ドル、それが六八年になりまして十一億八千、約十二億。それから輸入が六〇年代十二億が、六八年には約二十億という状況でございまして、常に大幅な入超を続けておるわけでございます。この大幅な入超を補ってまだ赤字でございますが、かろうじて赤字とんとんまでこぎつけるようにやっているのは、観光収入とそれから国外からの送金、こういうものでバランスを保っておるような状況でございます。 それから輸出品の大きなものは、何と申しましても綿花でございます。その次はトウモロコシ、それから砂糖、それから非鉄金属、もう一つ塩がございますが、そういうところでございます。こういうものが大体輸出品目の大宗でございます。 それから貿易の相手国といたしましては、北米合衆国でございまして、これは輸出入とも第一位を占めておりまして、大体金額から申しましても、五、六〇%を占めておるわけでございます。その次に輸出の面では日本、フランス、スイス、西独という順序になっております。それから輸入の面では、これは米国に次ぎまして西独、その次にやはり日本で、米国、西独、日本、フランス、英国、こういう状況でございます。 まあ、工業化などには最近非常に力を注いでおりまして、ある程度の工業力はできております。それに伴いまして、大体五五年くらいから、日本からも大きなものだけ数えまして十二のメーカーが現地に進出して、操業しておるところでございます。現在のところ、きわめて満足すべき操業結果をあげているわけであります。それに要しました投下資本は、まだみんな小口でございますが、約五千万ドルくらいはいっているのじゃないかと推定されております。
○戸叶委員 輸入品は……。
○高良説明員 メキシコの輸入品でございますが、これは日本側からは機械、重工業品、そういうものでございます。それから北米からもやはりそういうものを輸入しております。いわゆるデベロッピング・カントリーでございますので、一方において相当のものはつくりますが、大きな重工業品、機械類は日本、西独、米国あたりから輸入しておるわけでございます。 それから国民所得は、最近四百八十ドル、約五百ドルに近くなっておりまして、南米諸国ではベネズエラに次いで高いほうの国でございます。 大体そういう状況でございます。
○戸叶委員 メキシコからエビをたくさん輸入しているということを聞いているのですけれども、そのうちで、大部分がアメリカを通して輸入しているということも聞いているのですが、そうですが。何かそういう不満があるということを業者の人か何かから聞いたことがあるのですけれども、そういうことはないですか。ほとんどメキシコから直接に買っているわけですか。
○高良説明員 アメリカ経由の輸入ということは、私まだ寡聞にして聞きませんが、大体メキシコのエビと申しますのは、日本の漁船があの辺に行きましてとってきているのが大部分ではないかと思います。メキシコの近くの海の中では、カリブ海のほう、メキシコ湾のほうに相当日本の漁船が出ておりますので、太平洋のほうはエビはあまりとれないのかとらないのか知りませんが、マグロなどが多いようでございます。
○戸叶委員 そうじゃなくて、このメキシコから五千四百トンですか、何かよく知りませんけれども、そのくらい輸入しているそうですけれども、そのうちの大部分がアメリカの業者から買い付けているというふうなことを聞いているわけです。だから、いまのようなことじゃないのです、私が伺っているのは。メキシコのなんだけれども、アメリカの業者から買い付けているということを聞いておりますけれども、そういう事実がありますかありませんかということと、そういうことですと、値のほうも高いでしょうし、メキシコとしてもあまりおもしろくないのじゃないかというふうな気がするのです、自分のほうでとれるのをアメリカの業者を通して買わせるということは。そういうことがどういうふうになっているのか。ちょっと聞いたことがあるものですから、念のために伺っておきたいと思ったわけです。
○高良説明員 メキシコのエビでは、さっき申しましたように、直接日本の漁船がとる。ほかに、相当量のものは、アメリカのロサンゼルスあたりの商社でございますか、その手を通じて輸入されているものがあるやに聞いております。
○戸叶委員 それはどういうわけですか。直接業者から買うわけにいかないのですか。
○高良説明員 これはエビのみならず、ほかの品目についてもそうでございますが、たとえば綿、砂糖につきましても、大きな国際的な信用のある商社、あるいは日本側のインポーター、メーカーと従来コネクションのある商社を通じて輸入するというような関係がございまして、必ずしも直通で輸入しておるものだけじゃなくて、また、それを、特に非常な弊害がございましたら別でございましょうが、是正するということも、これは通産省の領分でございますが、なかなかそう踏み切れない事情もあるのではないかと思います。 ただ、従来からメキシコ側から、自分のところでとれたエビだから日本で直接買わないかというような話は、まだ私はそれほど聞いていないような気がいたします。
○戸叶委員 私よく知りませんが、聞いているので伺っているわけですけれども、いまおっしゃったように、たとえば大きな商社を通して買う、そういうことはわかるのですよ。日本だってそうだと思うのです。東南アジアなんかへ行きましたとき、大きな商社が行って貿易をやる。ただ、こういうような場合に、全部がそれならそれで商社を通せばいいわけです。ところが、大部分がアメリカの業者を通して買って、ほかの部分はメキシコから買うというふうになっておりますと、やはりメキシコとしてもあまりおもしろくないのじゃないかしら、どうしてそういうふうなことをするのだろうということを、私だけじゃないと思うのです。やはり疑問に思うのですよ。そのうちの何部分かを直接買って、何部分かを頼んで大きな商社にまかせるということになりますと、どういうふうな仕組みになっているかということがちょっと疑問になるわけです。それを聞いているわけなんですけれども、その辺はどうなっているのでしょうか。
○高良説明員 その辺は、それぞれの業界の事情もございますし、商社の関係もございまして、どこの商社に一まとめというようなことにもなかなかいかないような事情があるのではないかと思います。ただ、メキシコ側から自分のところのエビを直接買ってくれという話は、いま申しましたように、あるいは向こうがそういう考え方を持っておるのかもしれませんが、いままで去年の漁業交渉等でも向こうからそれほど出なかったと思います。ただ、メキシコ以外の国から要人がおいでになったり、あるいは業界の方が来られたときには、実は直接日本に売りたいがというような話を数回承ったことがあります。そういう場合にいろいろ調べてみますと、やはり日本とメキシコは最近になってお互いに非常に認識し合うようになりましたのですが、双方ともにいろいろな事情もわからないし、もう少し両方知り合って事情がわからないと、巨額の金の取引に一ぺんに飛びつくことはなかなか踏み切れないというような事情があるようでございます。メキシコにつきましても、おそらくは内心ではそういう考え方があると思いますし、あるいは日本の業界が直接輸入するということになれば、御指摘のとおり向こうが喜ぶことになることは間違いないと思うのです。そのためには、非常に時間がかかりますが、もう少しお互いに、ミッションをやったり、あるいは来てもらったりして、その辺の接触を高めていくのが、最も妥当な方法ではないかと思います。その意味で、さっき申しました白墨の経済合同委員会みたいなものを通じまして、両方の業界の方がともに出席して話し合っていただくことが非常に大きなあれになるのじゃないかというふうだ考えます。
○戸叶委員 大体わかりましたけれども、こういうふうに協定も結ばれることでございますから、ちょっと研究してみていただきたい。と申しますのは、そういうふうにメキシコ側が不満を持っているということも私聞いているわけなんです。ですから、不満を持っていて、お互いによくわからないから、腹のさぐり合いか何かしりませんけれども、それからだんだん貿易を進めていくということもあり得るでしょうけれども、やはり間に人が入りますと、どうしても高くなることは、これは流通の問題からいって当然ですから、そういうことを考えまして、どうせ向こうと商売をするならば、喜ぶような形でされたほうがいいんじゃないかと思いますので、研究してみていただきたいと思います。 そこで、もう一つメキシコで伺いたいのは、電気通信技術訓練センターというのがたしかできたと思うのですけれども、一体、それは日本がどの程度に協力をしたか、それはその後どうなっているかということを伺いたいと思います。
○高良説明員 一昨年メキシコの電気通信省の付属のメキシコ電気通信センターに日本から八千万円器材を供与いたしましてこれをやりまして、そして技術員八名を教育しております。
○戸叶委員 八千万円出して、そしてその協力というのは、どういう形でしているのですか。
○高良説明員 資材を供与した。
○戸叶委員 資材を供与したのですか。いつごろできるのですか。それはどういうふうな形で日本とメキシコとの間に利用されるのでしょうか。
○高良説明員 直接日本とメキシコとの間の通信に利用するものではございません。むしろメキシコの電気通信省の職員あるいは電気通信業界の技術屋をそこで訓練する一種の学校みたいなところであります。
○戸叶委員 それは去年ですか、おととしですか。
○高良説明員 おととしでございます。
○戸叶委員 もうできているわけですか。
○高良説明員 おととしの七月二十五日に話がきまりまして、十二月二十五日に開所されております。
○戸叶委員 もう一点だけ伺いたいと思うのですが、交換公文の二項に、メキシコは国家企業の資材の輸入にはいかなる国についても差別をしないということが書いてあるわけです。それで、資材の輸入とかなんとかということをこういうふうな交換公文に入れたからには、日本としては何か特に申し入れをするのじゃないか、あるいはしたのじゃないかということが考えられるわけですけれども、そういうことをなさいましたか、どうですか。
○高良説明員 これは、実は協定交渉にありましては、非常に大きなむずかしい問題の一つであったわけでございます。と申しますのは、メキシコはさっき申しましたように、政府需要が相当大きいわけでございます。そこで、これにいろいろな差別待遇をされては、せっかく協定をつくった意味がなくなるということで、ぜひ無差別で、むろん日本品を好意的に考えろというようなことを強硬にわれわれは入れさせようと思って当たったわけでございます。ところが、メキシコ側といたしましては、いや、いままでとにかく日本品は全然差別しないし、むしろ品質その他の点から考えて優秀だったから好意的に買っているのだ、だからそういう文言は一切入れる必要はないだろうということで、非常にもめまして、一時この点だけで全体がまとまらぬというような状況になったわけでございます。そこで、じゃひとついままでどおりに、好意的とは書いてございますが、日本品を歓迎するというような趣旨を入れてくれということで、話し合いの結果、このような文言になったわけでございます。それに基づきまして、われわれは、今後この協定を運営していく上の一つの大きな実質的なてこと実は考えておるわけであります。
○戸叶委員 じゃ具体的にはまだ何も話し合いをしてない。話し合いというのは、つまり、どういうものにどれだけのものを買ってもらうとかということはしてないということで、これからこれをてこにして交渉をしていくという程度のものでございますね。 メキシコのほうの協定についての質問は、私は終わります。 次に、砂糖協定のほうの質問に入りたいと思いますが、一九五三年と一九五八年に協定が結ばれたわけですね。その協定に加盟していた国が大体どのくらいあったかということを伺いたいと思います。
○溝口説明員 五三年の協定の輸出国が十七カ国、輸入国が八カ国でございます。 五八年の協定の輸出国三十八カ国、輸入国十四カ国でございます。
○戸叶委員 五三年よりも五八年のほうが輸出、輸入とも国がふえてきているわけですね。 そこで、今回の協定にアメリカもEECも加盟してないわけですね。それは前の協定はどうだったのでしょうか。それから今回の協定に加盟してないとすると、加盟しない理由、これを説明してください。
○溝口説明員 御指摘のとおり、五三年と五八年の協定にはアメリカも加盟しておりましたし、ヨーロッパ、EECの大部分の国も、たとえば五八年の協定でございますれば、ベルギー、フランス、オランダ、西独、イタリアが加盟国になっております。それで、今回の交渉におきましては、EECは共通砂糖市場が結成されましたので、今回の交渉では一つの単位として臨んだわけでございます。ただ、交渉の過程におきまして、EECといたしましては、共通の農業政策におきまして、今後の政策といたしましては、クォータといいますより、価格を中心に砂糖市場を組織していこうということで、これは、ここに御審議いただいております国際砂糖協定の、クォータを中心に輸出を統制していくということと基本的になじまない点がございまして、また、この交渉におきまして、EECの輸出クォータとしてかりにクォータを受諾しても、クォータとして協定上考えられました三十万トンというものがここに計上してありますが、EECは、将来のEECの砂糖状況から見て、この数字では不十分であろうという意見もありまして、この結果、EECは協定に参加いたしませんでした。ただ、EECとしましては、協定に参加はしないけれども、協定の目的を害しないように行動する用意はあるという態度は表明してございます。 また、アメリカにつきましては、五三年と五八年の協定後事態が変化いたしましたのは、一九六一年にキューバに革命が起こりまして、その結果、キューバからのアメリカへの特恵による輸出というものが一切中止されまして、その後は、キューバはもっぱら社会主義諸国へ輸出しております。この関係から、アメリカといたしましては、砂糖協定については、それがキューバを利するようなものであれば、アメリカの国内上の立場もありまして、これに同調できないという態度を表明いたしまして、結局アメリカも、今回の交渉には初めは参加しておりましたが、協定には最終的には参加しないという態度を表明しております。 ただ、アメリカにいたしましてもEECにいたしましても、この協定が規制することをねらいとしております砂糖の自由市場と申しますか、特恵市場以外の砂糖取引市場でございますが、この自由市場におきましては、アメリカもEECも大きな地位を占めておりませんので、砂糖協定の目的の運用を害するものではないというふうに考えられております。
○戸叶委員 この協定に加盟をしなくても、その目的を害しないようにするというお話でございましたけれども、そうすると、EECは輸入とか輸出をする場合には、無協定で自由にやれるわけなんですか。それで別に害がないということが言えるでしょうか。
○溝口説明員 協定に参加いたしませんので、協定がきめます輸出クォータというものの制約は受けないことになります。ただ、そのかわり、たとえば非加盟国でございますから、協定の最低価格ポンド当たり三セント二五を国際糖価が割りますと、この協定の加盟国は非加盟国からは買ってはならないという規定がございますので、その場合には、たとえば加盟輸入国はEECからは買えないということになります。国際糖価がポンド当たり三セント二五を上回っておりますときは、もちろんどこの国からも買えるわけでございまして、EECも輸出できるわけであります。ただ、EECのほうも、現実には砂糖政策がなお緒についた段階でございまして、実勢は必ずしも従来に比較して大幅に輸出を行なうという実勢ではございませんので、実際問題といたしましては、EECが協定に参加しないことによって国際市場が乱されるということは、当面考えられないのではないかと考えられております。
○戸叶委員 私も、砂糖の相場のことやらいろいろな動きのことは、研究しておりませんからわかりませんけれども、相当使用量の多いアメリカなりそれからEEC諸国——世界一使うのは豪州ですか、何かそういうふうに多量に消費する国がこの協定に入っていないということは、何となく市場の取引においてうまくいかないのじゃないかというふうに、しろうと考えかもしれませんけれども、考えるわけなんですね。いまの御説明を伺いましても、何となくちょっと不安感があるような気がするのですけれども、EECとアメリカはこっち側のほうに置いて、協定に入っている国が割り当てられた数字を輸出国として出して、それから今度輸入国は、そこから割り当てられたものを買ってくるというふうな形だけで、らち外に大きな消費国が置いておかれるということで、一体いいものか悪いものかということをちょっと疑問に感じるのですけれども、もう一度ちょっと説明していただきたいと思うのです。
○溝口説明員 御指摘のとおり、ただいま世界でソ連が最大の生産国であり、かつ消費国でございますが、その次はアメリカで、千万トンという膨大な消費をいたしております。アメリカはハワイ、プエルトリコあるいは国内で砂糖を生産しておりますが、同時に、それでは需要の全部をまかない切れませんので、四百万トン余の輸入を行なっております。これも非常に大きな量でございますが、ただ、この輸入はほとんど全量特恵取引に基づきます輸入でございまして、毎年米国の砂糖法に基づきまして割り当てをきめまして、そしてこの割り当ての中で、高い価格で中南米諸国あるいはフィリピン等の諸国から砂糖を買いつけております。これは特恵価格の買いつけでございまして、いわば統制された市場でございます。この協定の対象といたしております自由市場と申しますのは、こういう特恵市場以外の市場を対象といたしておりまして、したがって、アメリカのこの膨大な輸入取引は、この協定の目的としております自由市場とは別の市場でございまして、したがって、アメリカの非加盟になっていることは、この協定の運用を必ずしも妨げるものではないというふうに考えられております。
○戸叶委員 特恵市場の問題をあとで伺おうと思いましたが、そういう形で、結局、アメリカは特恵市場としての役割りと申しますか、アメリカは特恵という形でやっているわけですね、特恵取りきめみたいなもので。ですから、自由市場には関係ないということですね。 それでは次に伺いますけれども、砂糖協定というのは、一体いつごろできたのですか。私どもが知っているのは戦後からですが、戦前からもあったのでしょうか。
○溝口説明員 砂糖は十九世紀の末には、伝えられるところによりますと、五百万トンくらいの生産だったそうでございますが、その後、寒い国におきますてん菜糖の生産、あるいは熱帯地方におきます甘蔗糖の生産、両方が非常に伸びまして、世界の人口の増と所得の向上に伴って非常に躍進いたしまして、ただいま七千万トン弱という非常に大きな数字になっております。この急激に伸びております砂糖貿易の安定をはかろうということは、戦前からもそういう試みはございまして、たとえば一九〇二年には英国の主唱で——十八世紀の末にヨーロッパ諸国が補助金をつけて砂糖の輸出競争を行なったと伝えられておりますが、これを押えるために、英国の提唱でブラッセル協定という試みもございましたし、また、一九三一年に英国のチャドボンの提唱で、当時の大輸出国でございましたジャワとキューバの間の輸出競争を調整しようという試みがございました。また、一七年に政府間で初めて砂糖の生産及び販売の規制に関する国際協定というものがロンドンで署名いたされました。しかし、批准する国の数が足りませんでしたので、結局発効しませんでしたが、第二次大戦中、議定書でもって若干の国の間でこの協定が運用された実績がございます。しかし、本格的には、戦後一九五三年に、国連主宰のもとに砂糖会議が開催されまして、国際砂糖協定が結ばれました。それが今日の五八年と引き継がれまして、ここに御審議いただいております国際砂糖協定の母体となっております。
○戸叶委員 そうしますと、だいぶ古いころから砂糖協定というのはできているわけですね。そこで、戦後はたしか一九五三年、五八年ですか、これは五年の期間ですね。それで五三年、五八年と国会で承認しましたね。その次は五年たって六三年ですか、それから六八年というわけですね。それで六八年がいま出ているわけですね。そうすると、五八年から六八年までというのはどういうふうになっていたのですか。協定がなかったのですか。
○高島説明員 一九五八年の砂糖協定は、六三年十二月末で五年間の有効期間をもって失効しております。その後、砂糖協定の内容をなしております砂糖の需給調整という機能を完全に停止いたしまして、国際砂糖理事会という機関だけが存続いたしまして、その機関の存続に関します延長議定書というものを三回にわたりまして政府限りでもって取りきめいたしております。まず六三年の八月一日の延長議定書、その次が六五年十一月一日の再延長議定書、それから六六年十一月十四日のさらに再延長議定書、三回にわたりまして都合五年間、形骸だけの砂糖理事会だけの存続に関する取りきめをいたしております
○戸叶委員 そうしますと、五八年のと今度の六八年のとは関係があるわけですね。
○高島説明員 いま申しましたとおり、国際砂糖理事会というのは引き続いて存続しておりますけれども、いま申しました砂糖協定の実体をなします砂糖の需給調整というような機能は完全になくなっております。したがって、これは今度初めてこれから発足いたす次第でございます。
○戸叶委員 理事会の存続の議定書というのは、政府で取りかわしてはいるわけですね。政府にはあるわけですか。
○高島説明員 これは、正式の加盟は一八五八年の国際砂糖協定の有効期間の延長のための議定書という名前のものでありまして、そういう国際的な文書でございます。これに対しまして日本政府は政府限りで署名いたしましてこれに加入しております。その内容はすべて当時の官報に告示いたしております。
○戸叶委員 いま伺えばやっとわかったのですけれども、私たちは、五八年、それから今度六八年のがぼっと出てきたものですから、一体砂糖の協定というのは五年の期間なのに、その間はどうなっていたのだろうか、疑問に思うわけです。いま高島参事官がおっしゃった議定書を取りかわして、これは官報に載せたからいいとおっしゃってしまえばそれまでですが、この協定を審議するのだったら、そのくらいのことはお出しになっていいと思うのですが、それとも国会の外務委員会なんかろくに読まないのだからといって、なめてお出しにならなかったのですか。
○高島説明員 先生のおっしゃるような意味では決してございません。ただ、協定あるいは条約の締結について御承認いただく場合に、参考文として出します書類につきましては、やはり一つの基準が私たちのほうにございまして、条約または協定の締結に伴って不可分一体として締結されました諸文書を参考文書ないしは承認対象として提出しておりますけれども、それ以外の関係文書を集めますと非常に膨大になりますので、御要望に応じましてもちろん喜んで差し上げますけれども、国会に正式文書として提出いたします文書の中には、必ずしもそういうものは一緒に提出しておりません。
○戸叶委員 この説明を聞かなければわからなかったのです。わからなければそのままで済んでしまったかもしれませんけれども、伺ってきますと、だんだん疑問に思ったものですから……。結局そういうことになっていた。ですから、言われれば出しますけれども、言われなければ出しませんという態度は、私、外務省として考えていただきたいと思うのです。 そこで、参考資料として出すのは基準があるということですが、その基準というのは、一体どういうのですか。
○高島説明員 ただいま申しましたとおり、国会の御承認をいただく際に、条約ないしは協定締結交渉において、これと一体として締結された諸文書が必ずあるわけでございます。もっとも、協定本体だけで済む場合もございますし、それに付加しまして交換公文、議定書あるいは公式議事録、協定によりましてそういったいろいろなものがございます。そういったもののうち、承認の対象となるべきものは、当然協定本文と一緒に一体として出します。それから行政権の範囲内で政府限りでもって取りきめ得る、いわゆる行政取りきめというような内容のものにつきましては、参考としては提出いたしますけれども、承認の対象としては出さないというかっこうになっております。
○戸叶委員 いまのは行政取りきめみたいなものですから、そこまでもいかないかもしれませんけれども、こういうふうな形で廷期になったんだということを書かれているのですから、参考として出すに値するものじゃないですか。膨大なものになるから出さないといえばそれまでですけれども……。というのは、私、こういうふうな手続の問題は、いろいろなことでこだわるわけじゃないのですけれども、どうかしますと——いま私、例は持っていません。例ははっきりと何年何月のどういう事件ということを申し上げられませんけれども、二、三そういうことがありました。たとえば、参考資料として出せばめんどうくさいというよりも、うるさいから、出さないというような場合があったり、あるいは日韓問題のときに参考資料としてもっと出してほしいと言われても出さなかった問題、いろいろな問題があると思うのです。今後においては、沖繩の問題とかいろいろな問題が出てくると思います。そういうときに、出さないほうがいいというような基準をもってやられてしまいますと、ちょっと困ると思いますものですから、念のために、そういう手続の問題でもはっきりさせておきたい、こういうことを願うあまり申し上げるのですから、その点をはっきりさしていただきたいと思うのです。 それにこだわるわけじゃないのですけれども、そうしますと、条約ならその条約の審議をしていく上について、それに必要な書類、議定書、交換公文、そういうものは出しますね。そういう場合に、私たちは見ても見なくても、条約にどうせ付随しているというので、英文なりフランス文なり何語なりなんというのはみんな出てきますね。それは条約に付随して不可分一体ということで、そのときに審議されたことばというようなことで正文は出てくるわけなんですか。
○高島説明員 ちょっと御説明いたしますと、国会の御承認をいただく対象になりますものは、条約の本文ではございませんで、先生御承知のとおり、各案件の一番最初にございますとおり、「砂糖協定の締結について、日本国憲法第七十三条第三号ただし書の規定に基づき、国会の承認を求める。」という一枚の紙が承認の対象でございまして、つまり、憲法に基づきます内閣の条約締結権、そういう締結の行為について国会の御承認をいただくわけであります。したがって、これに付随してございます協定の本文及びそれの正文その他はすべて資料でございます。承認の対象となるものではございません。ただ、日本の国内法との関係におきまして、英文あるいは仏文が正文である場合におきましても、その英文ないしは仏文は官報に公布いたしませんで、もっぱら日本語だけを公布する次第でございます。これは当然のことで、国内法的な効果といたしましては日本語が効果を持つわけであります。ただ、国際的に申しますと、正文たる英語あるいは仏語、そういったものを基準にいたしまして国際的にものごとがきめられるというわけでございますが、国内法的に申しますと、日本語が正文でございます。
○戸叶委員 そうしますと、私たちのところに出されている中で、たとえば英文なり仏文というのが出された場合には、それは資料として出されるわけなんですね。日本語で出されているのを日本の国会で審議すればいいということ。そうしますと、英語とフランス語だけに限られているわけですか。
○高島説明員 たまたまこの国際砂糖協定につきましては、協定の規定にございますとおり、中国語、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、五つのことばが正文になっております。ただ、事務局の仕事の関係上、認証謄本というものが全部につきましてできませんので、日本政府が催促の結果、日本のために英語、フランス語だけについて認証謄本がかろうじて国会提出に間に合うようにできた。そのために、やむを得ずこういうかっこうで英語とフランス語だけの認証謄本の写しをお出ししてあるわけでございます。 これは、いままで国会で御審議いただきました条約案件の中で、過去に若干例がございまして、すべていろいろの事情はあったように思いますが、主としてはそういう事務局の事情によって正文で全部が出ませんで、一部出たという例は若干ございます。いま申し上げますと、かなり古いものでございますけれども、国際電気通信条約、これは英語、フランス語で作成されましたけれども、やむを得ずフランス語だけをお出しいたしました。それから世界保健機関憲章、これは砂糖協定と同様に中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語が正文でございますけれども、やはり英語だけをお出しいたしました。また、国際民間航空条約、これは英語、フランス語、スペイン語が正文でございますけれども、英語だけをやむを得ずお出しいたしました。それから同じく、一九五二年の国際電気通信条約では、五カ国語が正文でございましたけれども、英語とフランス語だけの正文を提出いたしました。これは先ほど申し上げましたとおり、本来ならば、そうじゃなくて、すべての正文を資料としてお出しすべきものでございますけれども、事務局の準備が間に合わず、どうしてもやむを得ない場合には、英語またはフランス語あるいはその両方だけの正文で間に合わしていただくということもございます。
○戸叶委員 さっき高島さんは、これは日本語だけでいいので、あと外国のは正文でも資料として出すのだとおっしゃったでしょう。資料として出すのならば、要求しなければ出さなくてもいいということになるんじゃないですか。しかし、この条約にはちゃんと正文は何と何と何というふうに書いてあるわけですね。さっきのおことばですと、資料として出すんだということですから、それなら要らないのかしらと思った。
○高島説明員 先ほど私が資料としてと申しましたのは、国会の御承認の対象になるのは締結について承認を求めるというこの一枚の紙だけでございまして、それ以外のものは、日本語を含めましてすべて資料であるというふうに申し上げたわけであります。
○戸叶委員 そうしますと、今回の場合は、正文は中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語だけれども、間に合わなかった関係もあって、英語とフランス語だけを出したということなんですね。そうすると、そのときによって英語なりフランス語なり一つを出せばいいということになるわけですね。たとえばよその国はどのようにしているのですか。参考のために……。
○高島説明員 これは日本ほどうるさい国はございませんで、他の国は会議で承認されました文書は英語だけしかございません。いままで署名し、批准したものは英語だけのテキストで、認証謄本でなくて、会議用に使われました文書をもとにして手続を進めております。日本はいままで国会の御承認をいただく関係から、すべて事務局が認証した謄本でなければいけないたてまえを貫いております。ただ、その場合に、すべての国語について認証謄本ができるのがもちろん理想でございますけれども、今回のようにどうしてもできないという場合には、これはいつまでも批准の手続をおくらせるわけにまいりませんので、やむを得ず今回のように英語、フランス語だけの認証謄本で間に合わせていただくことになったわけであります。
○戸叶委員 議事録は別ですけれども、議定書とか交換公文とか、いろいろな問題で国会の承認を当然得るべきではないかと私たちが思うものも、政府ではなかなか意見が違って、これは受ける必要がないとか、いろいろそういうふうにおっしゃるわけでございますけれども、この問題は根本的な問題として、前にも議論したことがありますけれども、あとの機会に譲りたいと思います。 そこで、砂糖協定のほうに戻りますけれども、たしか四月の一日だったと思いますが、新聞に、見出しをひょっと見ますと、国際協定への加入で砂糖の値上げと書いてあった。これを見ますと、私もちょっとびっくりしましたけれども、家庭の主婦はたいへん驚いたと思うのです。協定というものはそういうものかなと思うのです。協定に入れば値上げになるのなら、協定に入らなければいいじゃないかという気持ちを持たざるを得ないと思うし、国民は素朴にそういうことを感ずるのではないかと思います。現実に協定が成立して、輸出価格がじりじり上がっていって、そして農林省や日本精糖工業会でも、消費者価格も値上げとなってはね返るというようなこともまた言っているわけです。ですから、そういうことからいたしましても、ちょっと伺っておきたいことは、昨年のいまごろの消費者価格がどのくらいで、それから今月の消費者価格がどのくらいで、今年末の価格の予想というようなものを一ぺん聞かしておいていただきたいと思うのです。そして、この協定に入ったから値上がりはやむを得ないんだというような、一連の協定との関連性というものがないとかあるとか、はっきりさしておいていただきたいと思うのです。
○小沼説明員 御指摘の点でございますが、わが国におきましては、糖安法によりまして、輸入にかかる砂糖の安定上限価格というのと、それから安定下限価格というのをきめまして、その間に国内の砂糖が安定するようにという考え方で、輸入価格がかりに上限価格を上回ります場合においても、国内の糖価は一応安定上限価格内におさまるというふうに見ておるわけでございます。なお、国際糖価が下限価格を上回る場合におきましては、上下限価格の幅の中で国内糖価がある程度変動することはあり得ると思いますけれども、極端な変動はないというふうに見ております。 国際糖価の上昇は、基本的には、協定不在等のために、過去数年来、通常の生産コスト、ポンド当たり大体四セントと見ておりますけれども、それを著しく下回っておりましたので、それがようやくあるべき姿に返ってきたというふうに見ていいのではないか、かように見ておるわけでございます。現在、国際糖価は、糖安法上の価格の安定帯のほぼ中間のところにございまして、今後も協定の適切な運用を通じまして国際糖価の安定がはかられるのであれば、わが国の糖価の安定に資することになるというふうに見ておるわけでございますが、お尋ねの国内糖価でございますが、その中で、小売り価格について申し上げますと、一九六三年、暦年でございますが、小売り価格は、上白でキログラム当たり百六十七円でございましたのですが、一九六六年には百二十八円になりまして、現在、一九六八年で、小売り価格百二十九円程度というところに落ちついている状況でございます。今後も、糖安法がございますので、小売り価格に直接はね返るというふうなことでなしに、かなり安定的に推移するのではないか、かように考えております。
○戸叶委員 そうしますと、今年度末までもこの価格が大体維持されていくというふうな見通しを持っていらっしゃるわけですか。
○小沼説明員 相場商品でございますので、いろいろの影響を受けて変動があろうかとも思います。この百二十九円のままであるというふうには予測しがたいのでございますが、あるいは国際糖価の影響も含めまして、若干値上がりすることもあるかもしれないと思いますが、はっきりとした予測をし得る段階ではございません。
○戸叶委員 外務省と農林省からいただいた、たいへん参考になる資料があるのですけれども、これを見ますと、おもしろいなと思って見たことは、消費量ですね。一人当たりの消費量がここに出ているのをずっと見てみますと、キューバが一で、二が豪州、三が英国、四が米国、五がカナダ、六がソ連、七がドイツ、八がフランス、九がイタリア、十が日本というふうに大体なっているようです。それで、小売り価格のポンド当たりの米セントというところを見ますと、今度は、いままで一人当たりの消費量はキログラムで日本が十番目、ずっと低かったのですけれども、価格からいうとうんと高いのですね。これを見まして、たいへん驚きました。価格からいいますと一番高いのです、いま並べた国の中で。もっとも、わからない国が二つほどありますけれども、価格が一番高くて、消費量が一番低いという、おもしろいことを私発見したわけです。お砂糖が世界のあれに比べていかに高いかということがわかったのですけれども、日本は消費量があまり多くないということも聞いておりますけれども、これじゃ多く使うわけにいかないんだなということを結論的に私考えたのですが、この協定と消費価格というものはそんなに関係はないかもしれませんけれども、回り回ってはあると思いますので、こういう価格の問題ももう少し考えていただきたいということをこの際申し上げておきたいと思うわけです。これどういう関係なんでしょうか、おわかりになりますか。
○小沼説明員 先ほど申しましたように、いろいろ変動するわけでございますけれども、その中で、糖安法に基づきまして、安定帯の中に落ちつくようにという措置につとめておりますが、ただ、ここで国際的に比較をしていただきます際に、各国とも国内で生産される砂糖についての保護措置を含めていろいろの措置をとっておるようでございますが、わが国の場合には関税措置と消費税措置がございまして、それをてこにしてというか、特に関税措置をてこにしながら、国内産と輸入の砂糖の値段との調整をはかるようなことをやっておるわけでございます。そういう意味では、キロ当たり四十一円五十銭の関税、それから十六円の消費税というものがかかっているわけでございまして、この点ではほかの国に比べて割り高になっておるということでございます。
○戸叶委員 税金やいろいろな情勢もあることはわからないでもありませんけれども、こういう統計を見ますと、何か割り切れないようなものを感ずるのであります。 次に入りますが、三十五条以下に、英連邦砂糖協定に基づく輸出とか、社会主義諸国へのキューバの輸出、それからアフリカ・マダガスカル砂糖協定に基づく輸出、アメリカへの輸出、ソ連邦の輸出というようなことが出ているわけですね。これは何を意味するわけなんですか。何かこういうものによっていろいろやると書いてあるのですけれども、その中に書いてあることは、それぞれの国、たとえば英連邦砂糖協定というものに基づいての輸出とか、そういう内容は、主としてどういうことが書かれているのですか。大ざっぱでいいですから説明してください。
○溝口説明員 この国際砂糖協定は、自由市場の取引を規制するのが目的でございますので、すでに前から行なわれております特恵市場の取引は別でありますよということを明らかにするのが、この第十章「特別取極」の項の目的でございます。四十条に、各主要加盟の輸出国が自由市場に向けて何トン輸出してよろしいかという輸出クォータが記載してありますが、この輸出クォータはあくまでも自由市場に向けた輸出をここまでやってよろしいという限度を記載してございまして、特恵市場への取引は、この四十条にありますクォータのワク外でやってよろしいということがここに確認されておるわけでございます。各特別取りきめの国によって、大きなものはアメリカが中南米諸国とやっております取りきめ、それから英国が英連邦諸国、西インド諸島とか豪州とかとやっております英連邦砂糖協定に基づく取りきめ、あるいはキューバが社会主義諸国とやっております特別な取引の取りきめ、これは主として二国間でやっておりますが、こういう取りきめがおもなものでございますが、いずれもやや態様は異りますが、結局は国際市場価格よりも高い特恵価格、たとえば、現在の国際価格を三セント五、六〇くらいといたしますれば、特恵価格は総じて大体五セントから六セント程度になっているようでございますが、そういう国際市場価格よりも通常は高い価格で取引を行なうということが取りきめられておりまして、原則として年々改定いたしまして、その年に何トンその国から買い付けるかということを規定しているのが、特恵取りきめの主たる趣旨でございます。
○戸叶委員 日本の場合には、輸出はしませんけれども、特恵輸入ということには全然関係ないのですか。また、特恵輸入というようなことも、東南アジアの地域なんかを考えて考慮してもいいんじゃないかという意見もあるやに聞いておりますけれども、こういうことに対して日本はどういう態度を持っていらっしゃるのですか。
○鶴見政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、たとえば東南アジア諸国から砂糖というものを少しでも多く特恵的に買ってもいいのではないかというような議論も、最近あるいはここ一、二年の間に出ておることもございます。しかしながら、現在のところでは、わが国といたしましては、この国際砂糖協定のもとにおきまして協力をして、そのもとでもって砂糖の安定的な供給を確保するということにつとめてまいりたいと考えておりまして、現在のところ、東南アジア諸国から特恵的に買うということは考慮いたしておりません。
○戸叶委員 いま考えていないということで、わかりました。 二十八条に、非加盟国からの輸入が一九六六年から一九六八年までの三年度間の平均しか輸入することができなくなるということが書いてあるわけですけれども、日本はどこの国から輸入して、この三年間の平均というのは大体どのくらいになるかということを簡単に伺います。
○大石説明員 数字を申し上げます。四十一年、四十二年の数字で、通関統計の数字でございます。 四十一年につきましては、中共から八千二百九十七トン、タイから九百七十四トン、アメリカから二百九トン、計九千四百八十トンでございます。それから四十二年につきましては、アメリカから八十四トン。それから四十三年につきましては、モザンビークから四十九トン、レユニオン及びコモロ諸島、これはアフリカ東岸のインド洋にありますフランス直轄領でございますが、一万四百五十六トン、アメリカから百五十六トン、計一万六百六十一トンであります。この三年間の総計は二万二百二十五トンでございます。これを年で平均いたしますと六千七百四十二トンに相なります。これが一応のワクということになります。
○戸叶委員 わかりました。 最後に、もう一点伺いたいのですが、四十一条に、インドネシアの最大限が八万一千トンの純輸出権利数量を有するということがわざわざここに書いてあるわけですね。ここへわざわざインドネシアにこういう特恵を与えているのは、それはどういうわけなんでしょうか。インドネシアというのは、そんなにたくさんのお砂糖がいまでも生産されるわけなんでしょうか。
○溝口説明員 インドネシアにつきましては、ここに別に書いてございますのは、これは特殊な背景がございまして、この輸出クォータ、通常の国は四十条の第二あるいは第三欄に書いてございます。ただ、問、題になりますのは、この輸出クォータは、基準輸出クォータでございますから、毎年実際の輸出クォータは、この基準輸出クォータをもとにしまして、若干増減はございますけれども、基本的な考え方といたしましては、この輸出クォータ、砂糖理事会できめられます輸出クォータをこえては輸出はできませんが、同時に、それを下回る輸出をいたしますと、全体の市場のあらかじめの約束がくずれてまいりますので、自分の輸出クォータを大幅に下回る輸出しかできない場合には、罰則といたしまして、翌年度に自分の輸出クォータを削減されることになります。 それで、最近のインドネシアの輸出は非常に不安定でございまして、たとえば六五年には九万八千トンも輸出していましたが、六六年には三万三千トン、六七年には輸出がゼロで、むしろわずかの額を輸入しているという状況でございまして、非常に変動が激しゅうございます。こういう状況に照らしまして、あらかじめ輸出クォータをきめましても、これを満たし得ない場合には、かえって罰則を適用するとかいうことがございますので、しばらくこのインドネシアにつきましては別掲いたしまして、そういう一般の輸出クォータの増減に伴う罰則とかこまかい適用を受けないで、ここに別個にやっておきまして、八方一千トンまでは輸出できれば輸出してよろしいというふうな扱いを受けているわけであります。
○戸叶委員 いまの数字を伺っておりますと、インドネシアは輸出できない、むしろ輸入国になっているわけですね。それをインドネシアだけが特に——そういう国もあると思うのです。特にここに書かれているというのは、特恵的な意味もあるのじゃないですか。これはどこが主張してこういう条項を入れたのでしょうか。
○溝口説明員 特別な扱いになっておりますが、ここにございますように、四十一条では、フィリピンにつきましても、似たような取り扱いが掲げられておりますし、また四十条でこまかく、たとえばアルゼンチン等につきましても、基準輸出割り当てを毎年漸増していきますとか、国によっていろいろ違いますが、もちろん輸出国といたしましては、輸出クォータをふやすということが死活事でございまして、砂糖に依存するところが外貨収入の七割、八割という国もたくさんありますので、そういう国にとりましては、輸出クォータを少しでも多くしておく、あるいはできれば輸出クォータを満たさない場合には罰則を受けないということが、交渉会議に出ました担当の大臣なりその国の代表団の主張でございまして、もちろん、このインドネシアに関する扱いは、インドネシアの代表団の強い主張によりまして、こういう取り扱いが認められたことになっております。
○戸叶委員 大体わかりましたけれども、そういうふうなことをしますと、やはりちょっと市場がうまくいかないのじゃないかというような気もします。たとえば、これだけの権限はあるのだということを言っておきますと、実際のワクよりも何かそれだけを当てにするわけですね、割り当てを。ですから、実際にはそんなに輸出はできない。輸入国でありながら八万一千とか、相当大きいですね。だから、特恵の中で、そういうふうな声が強かったために、そういう文句をここへ入れておいたということで、特別な扱いをするというと、その国に対してはある程度日本がそれを認めるということは、特恵的なものを認めてやったというような形になるのじゃないか。それは悪いというのじゃないのですけれども、そういうふうに解釈されるのじゃないかというふうに私は思います。先ほど特恵市場というようなことに対しての考えはないとおっしゃいましたけれども、こういうところを認めると、特恵市場的なものにつながるのじゃないかというふうに考えるわけですけれども、それとは全然別だというふうにお考えでありますか。
○鶴見政府委員 先ほど特恵の問題につきましてお話し申し上げましたが、先ほど来申し上げておりますように、自由市場との対比での特恵市場、特恵という問題でございまして、特恵価格で、普通の国際市場価格よりも高い価格で買っている、そういう意味で申し上げたわけでありまして、したがって、いま先生御指摘のように、インドネシアの場合は、輸入国に変わっていっておりますが、輸出国にも変わり得る可能性が当然あるわけでありまして、特恵的な価格で買うという意味で、特恵的なことを考えていないということを先ほど申し上げたわけであります。その点は御了承いただけると思います。
○戸叶委員 けっこうです。これで終わります。
○北澤委員長 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)委員 初めに、日本国とメキシコ合衆国との間の協定について、若干の質問を行ないます。 この通商については、アメリカとの間ではもちろんのこと、ノルウェー、ソ連、ポーランド、ユーゴ、チェコ、パキスタン、インドネシア、イギリスなどとの間には通商航海条約が結ばれております。このメキシコに対しては、単なる通商協定でなくて、もっと幅の広い同じような通商航海条約を結ぶべきではなかったかと、この点は思うのです。特にわが国は貿易立国として、その将来を指向しているわけでありますが、できるだけいま言った通商航海条約を締結して、各国との間に幅の広い貿易ができるようにするのが政府のとるべき道ではなかったかと思うのですが、まずその点についてお伺いしたい。
○高島説明員 伊藤先生御指摘のとおり、外国との基本的な条約を結ぶ際には、原則として通商航海条約、こういうものを考えまして、これに基づいて交渉するわけでございますけれども、これは相手国の事情もございまして、経済交流が非常に一方的で、特にメキシコとの関係において、貿易につきましては、確かに日本は入超でございますけれども、実際に商社の進出その他いろいろな経済、現地における日本企業の進出ということを考えますと、日本にとっては、通商航海条約を結ぶことは、もちろん非常に利益があるわけでございますが、メキシコにとっては、一方的にただ恩恵を与えるだけで、メキシコの企業が日本に来るとか、メキシコ人が日本に住むというようなことはございませんので、そういう関係から、日本の希望にもかかわらず、やむを得ず通商協定という形になったわけでございます。
○伊藤(惣)委員 その問題については、今後積極的に、わが国としては、そういう幅の広い通商ができるように努力すべきである、私はこのように思うのです。その点の積極的な努力を要請したいと思うのです。 それから、公定歩合のことについて伺いたいのですが、最近の公定歩合について、アメリカ、イギリス、西ドイツともことしに入ってから大幅に引き上げた。またフランスは昨年の秋引き上げたわけですね。ところが、メキシコの公定歩合というのは、一九五三年以来四・五%となっているわけですね。メキシコの公定歩合が非常に変動がないということは、どのような理由によるのか、さらに変動のないということは、その国の経済が安定している、このようにも思えるわけですが、その点の御説明を簡単にひとつお願いします。
○高良説明員 御指摘のとおり、公定歩合は四・五%のまま続いております。メキシコの経済は、中南米諸国のうちで一番安定したものと言えようと思います。と申しますのは、根本的に三〇年代の社会主義革命を終えまして、国内建設を進めた。それから資源が比較的豊かでございまして、それに伴いまして、中南米諸国のいわゆるモノカルチュア的な経済構造ではなくて、つまり、いろいろなものができる国でございまして、事実ある程度の構造もできております。したがって、生産力も高い。国民所得も大体四百八十ドルないし五百ドルに達する状態であります。それから政治的にも、昨年はたまたまオリンピック期間を中心といたしまして、学生騒動等が起こりましたけれども、ずっと一九二九年のときから三〇年台、そして現在に至るまで、最も安定した国でございます。 そういう事情を反映いたしまして、物価の値上がりで、いずれもインフレに悩むところでございますが、メキシコは六三年から六八年までですか、これは記憶でちょっと不確かでございますが、約一四%程度、ブラジルとかその他の国に比べますと、インフレ傾向はありますが、きわめて安定している、こう言えると思います。そういうところを反映いたしまして、経済的にも、公定歩合も引き続いて安定しております。それから、いわゆるドル換算も大体一二・五でございます。
○伊藤(惣)委員 いま日本とメキシコとの間には経済協議会というものがございますね。これは政府間レベルのものか、あるいは民間レベルのものか、その点の性格がわからないわけです。この点を伺いたい。
○高良説明員 日本とメキシコとの間には、この種の経済協議会というものも、いま二つございまして、一つは民間業界レベルでございます。向こう側もこちら側も業界でございます。それからもう一つは政府事務レベルでございます。いずれも数回会合を重ねまして、今月の中旬から政府間レベルの定期的な会合をメキシコでやることになっております。
○伊藤(惣)委員 第二回の日本・メキシコ経済協議会は六六年の四月、東京で開催されたわけですね。このとき、メキシコの移民法の改正によって日本人の商用入国を容易にするよう働きかけるという共同声明を出したと聞いているわけですが、移民法の改正は行なわれておるのかどうか、また現在の商用入国の規制はどうなっておるのか、さらにわが国からメキシコへの移民はどのような現状にあるのか、また今後の見通しについて伺いたい。
○高良説明員 六六年の共同要望事項につきましては、私ただいまちょっと正確な記憶はございませんが、現在のメキシコに対するわが国民の入国状況を申しますと、これはほとんど実質的には何らの支障がないというふうに考えます。 まず、御指摘のございました商用、観光ないしはオリンピック、芸能、スポーツというような目的のものでございますが、これは六カ月の滞在をまず認められるわけでございます。よほど特別のことがない以上は認められている状況でございます。それから、向こうにもし六カ月以上おりたいという人であれば、さらにメキシコ政府の許可を得て更新になる。ただし、この更新は二カ年限りしかできないわけでございます。それから、経済協力の投資その他の目的で初めから六カ月以上、たとえば一年おりたいというような方は、向こうには準移住者という入国許可のカテゴリーがございまして、準移住者というのは、ことばがちょっとおかしいのでありますけれども、要するに、短期滞在でなく、六カ月以上、一年未満のものも認める。そういうことで滞在を認めてくれます。これもやはり更新が可能でございます。ただし、これは四回まで更新可能であります。したがって、準移住者という形で入りますと、五カ年間は滞在ができるということになるわけでございます。それからもう一つ、さらに移住者というカテゴリーがございまして、これはメキシコに五年以上滞在して帰化いたしたい人、そういうものは帰化を認めてくれるわけであります。帰化は、もちろん滞在の条件、入国の条件と若干違いまして、厳重な審査等がございますが、これも特に日本人なるがゆえにどうするということはないようでございます。
○伊藤(惣)委員 これはいま資料がないとおっしゃいましたが、それはいままでの方法ですね。この共同声明については、いろいろの話し合いがあったらしいですね。だから移民法の改正は行なわなくてはいけないというような話もあったらしい。それから商用入国規制も改正しなければいけない、こういうこともあったようですから、現在手先になければ、あとで資料として要求いたします。 同じこの経済協議会だと思うのですが、メキシコ側から、日本の中小企業のメキシコ進出ということについて、向こうの希望する中小企業のメキシコ進出というものをするならば、日本の出資は一〇〇%でもよろしいというふうに、向こうから強い要望があった、このように伝えられているわけです。この日本の中小企業の進出の状況について伺いたいわけです。
○高良説明員 現在メキシコに進出しております、いわゆる企業進出と申しましてわれわれが承知しておりますのは、大きなメーカーが大体十二社、それからその他の商社を含めまして、十七社というのが大きなところでございまして、その後、話はいろいろあるようでございますが、いわゆる中小企業的な企業進出という形はそれほどないようでございます。ただいま伊藤先生のおっしゃいました六六年の会議のあれというのは、私そのお話で思い当たりましたのですが、向こうの民間ベースの経済合同委員会の話し合いの席上で、確かにそのような話が出たように聞いております。わがほうからもメキシコに限らず、中米あるいは南米の、中小企業の移住と合体しました経済協力と申しますか、企業進出と申しますか、これはきわめて有望であり、大いに技術移住というような形で奨励すべきものであるという考え方でおるわけでございます。しかし、現実には、メキシコについては、特に目立ったような動きは現在までのところわれわれは承知しておりません。
○伊藤(惣)委員 資料がないせいか、非常にあいまいな答弁で、その点、資料としてもし出していただければ出していただきたいと思います。いずれにしても、日本が貿易立国としてどんどんこういう国との通商は積極的にやるべきだ、特に私たちはその行き方について基本的に強く主張しているところでありますが、どうも政府のそういう政策に対する姿勢というのがもう一歩強くあっていいんじゃないか、このように私は思うわけです。特に先ほどお話しありましたように、ことしメキシコで第三回の経済協議会というものが行なわれる、このように聞いておりますが、特にこの会議では、前回の共同声明にある、メキシコには新しい農業技術導入と農産物加工工業改善のために、日本に農業技術者の派遣と農産物加工工場の設置を求めるというようなことが向こうの日本に対する要望だ、このようにも聞いておるわけでありますが、この辺の状況を伺いたいのです。
○高良説明員 今年の協議会は今月の十六日から十七日にかけて開かれまして、議題の一番大きなテーマは、お互いの経済事情についてレビューいたしまして、さらに緊密化する方策はないかということを検討していくわけでございます。その中で特に経済協力ということが大きなテーマになっておりまして、その一環といたしまして、ただいま先生御指摘の点も、六六年以来の過去の実績も洗いましてディスカッスして、今後の方策を検討してまいりたいと思います。
○伊藤(惣)委員 これは多少農林省かあるいは通産省関係かもしれませんが、どうかこういう一つの向こうの要望のあったことに対しては、外務省当局としても積極的に援助して、これが早期実現のために努力していただきたい、こう思うのですが、最後に大臣から一言お願いいたします。
○愛知国務大臣 先ほどから伺っておりますが、私も原則的に御同感でございます。今回相当長い期間がかかりましたが、メキシコとの間の通商協定がいよいよ調印されたというようなことで、両国の関係が一そうやりやすくなった、こういうふうに考えますので、今後御趣旨のような点については大いに努力をいたしたいと思います。
○伊藤(惣)委員 次に、国際砂糖協定の締結についての質問を若干行ないたいと思います。 先ほど同僚委員からいろいろ御質問がございましたので、その点は省くといたしまして、砂糖については、日本は世界的に見れば非常に消費が少ない。しかもその砂糖の値段が一番高い。高いから消費が少ないのじゃないか、こういうようなお話がございましたが、私もそのように思います。ここ二、三年の砂糖の国内消費の伸び率を見ていきますと、約八%。それから六八年の総需要量二百十万トンが見込まれているようです。そしてそのうち、百八十万トン程度の砂糖を輸入に依存しておる。わが国はかつて国内産糖の育成政策を実施してきておりますけれども、今後この国内消費の伸びに対して、あくまでも輸入依存政策を優先にとっていくのか、その点についてまず伺っておきたいと思います。
○小沼説明員 お答え申し上げます。 砂糖の今後の見通しをいろいろいたしておるわけでございますが、いま先生から御指摘ございましたように、今後砂糖の消費が、所得水準の上がるに従ってやはり食生活も向上してまいりますので、五十二年には大体いまより四割ぐらい需要がふえるというふうにも見ておるわけです。一方砂糖の供給量は、これも御承知のとおりと思いますが、原料作物でございますてん菜とサトウキビを国内でもつくっておるわけでございまして、これは北海道と鹿児島の南西諸島方面、それから沖繩でございます。そういうところでつくっておりまして、これもかなり今後は生産がふえるだろうと思います。思いますが、需要の増大のほうが絶対量として大きいものですから、大体今後、自給率といいますか、国内で生産するものの割合でございますが、ほぼ現状程度で推移していくのではないか、かように考えておりまして、それ以外についてはやはり輸入にたよらざるを得ないのじゃないか、かように見ておるわけでございます。
○伊藤(惣)委員 その砂糖の供給の件ですが、今後わが国の砂糖の生産はどこまで伸びるのか、また、非常に生産コストが高いので、将来頭打ちになるというような見通しがあるのか、その点についてまず伺いたいのです。
○小沼説明員 国内産のものにつきましては、北海道と、先ほど青いましたような南の島の関係もございます。大体てん菜では約七割ぐらいふえるだろうと見ておりますし、またサトウキビでも約七割程度以上見ておりますけれども、しかし、絶対量としてのベースが低いものですから、また今後島輝関係では、面積をふやそうといってもなかなかふえないというふうな状況もございます。北海道でも比較的適地もございますけれども、輪作関係等でそう大きくふえるということにもならないというふうな状況でございますので、先ほど申しましたように、全体の中では、自給率としては大体現状程度に推移するのじゃないか。現在の自給率が大体二七・九%程度でございますが、その程度の自給度を保っていくのではないかというふうに見ておるわけでございます。
○伊藤(惣)委員 将来ますます消費が増大されますし、さらにまた、国内生産というのがあまり伸びない。要するに現状のままであれば、当然外国からの輸入が増大されると思うのです。いままでの輸入と国内生産の割合は八対二から九対一くらいの割合になっておるようです。これはいまの発言からしても、ちょっともう一歩積極的に国内生産のほうに力を入れるべきではないか、こう思うわけですが、この生産者の保護政策といいますか、具体的にどのようなことを行なっているのか、また将来どのようにしていく構想というものがあるのか。特に伺いたい点は、沖繩の砂糖の問題です。ことし年頭早々に沖繩へ行ってまいりましたが、宮古島だとかいわゆる先島関係では、砂糖とかパイナップルとかいうものが沖繩の経済の主体だといわれておりますように、つくっておるわけです。ところが、現状は、砂糖工場は、つくっても買ってくれない。一年のうちに動くのは三カ月くらいである。こういう状況を見てきているわけです。今後沖繩が返還され、また現在でもなお沖繩からの砂糖を相当量輸入しておるわけでありますが、こういう点についてどうなっているのか。また、いろいろ沖繩に対しては経済援助を行なっているようでありますが、今後そういった点で特に沖繩に対してはどのような援助あるいは対策というものを考えているのか、その点について伺いたいと思います。
○小沼説明員 国内産糖につきましては、現在は比較的割り高になっておりますが、それを事業団で購入をして、安い価格で売り渡す、その場合の差額を国の交付金なりあるいは調整金でまかなうということでやっておりますが、その際、単に現状のままということではなしに、国内産につきましても合理化していくということが必要でございますので、目標の生産費を設定いたしまして、年年それに接近していくようにということを、いろいろ施策を講じているという状況でございます。沖繩につきましても同様でございますけれども、面積の限られているところでどういうふうにすればいいかという場合に、主眼はやはり反当収量を上げていくということと、できるだけ労力を節約し、労働の生産性といいますか、その面で節約していくということが重要であろうかと思いますが、それを限られた、与えられた条件の中で何とか進めていこうということで努力をしているという状況でございます。 なお、沖繩につきまして、砂糖の面からいいますと、御承知のとおり、沖繩のサトウキビの生産農家が大体総農家の七割以上を占めているという状況でございますし、耕地でも大体面積で六割程度を占めているという状況で、きわめて重要な基幹作物であるわけでございますので、政府といたしましても、現在も糖安法に基づきまして措置をしておりますけれども、今後も糖価安定のメカニズムを通じて保護措置を講じながら、生産性を上げるなり合理化をはかっていくことを続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤(惣)委員 現在沖繩返還を目前にして、いろいろと沖繩の経済危機が訴えられております。特に先ほども申し上げましたように、パイナップルとともに沖繩の基幹産業の一つになっておりますこの砂糖について、特に先島等においては、島全体がそれしかないという一つの産業として自認されておるわけでありますが、砂糖の輸入についてはいろいろな規制や制限があるのかもしれませんけれども、特に沖繩についてはフル回転ができるように——一年のうちに三カ月ぐらい機械が動けばあとはもう出せないのだという、こういう一つのきびしい実情なんだということをわれわれ伺ってきておるわけです。そういう点からいっても、沖繩経済を徐々に確立するためにも、積極的にいまから前向きでそういう沖繩糖の買い付けをするのが妥当ではないか、そう思うのですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 沖繩の返還交渉を目前にしております現在におきまして、返還後のことも考えながら、沖繩の経済の、一口に言えば格差解消、本土並みということをぜひ実現したいということで、各省庁協力してさらに一段と努力をいたさなければならない。これは基本的な姿勢でございますが、砂糖の問題については、ただいまも説明がございましたように、農林省におかれても糖価安定事業団の買い入れというようなことを中心にいたしまして、沖繩の基幹産業であります砂糖の保護助成ということについては、政府一体となってさらに積極的な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○伊藤(惣)委員 どうかその点は積極的に推進していただきたい。要望しておきます。 先ほど何か協定が結ばれた後に相場が上がるかもしれない、今年末には上がるようなお話がございましたが、それは相場ですから非常に不安定だと思うのですが、いずれにしても、砂糖なんというのは、日本の場合は税金を食べているというくらいに関税、消費税が高いわけです。こういう点、アメリカと比べて、あるいはヨーロッパと比べて、どのくらい違うのか、その点、少し簡単に数字をお示し願いたいと思います。
○岩田説明員 アメリカ、ヨーロッパと比べまして、関税率、消費税等の現状でございますが、日本の場合には、関税率で粗糖の場合一キログラム当たり四十一円五十銭でございます。米国は一キログラム当たり五円四銭でございます。それからEECは、これは輸入課徴金制度でございますが、一キログラム当たり五十円四十銭でございます。それから消費税でございますが、日本の場合には砂糖消費税が一キログラム当たり十六円でございます。なおそのほか調整金があるわけでございますが、米国は砂糖税が一ポンド当たり〇・五三セントでございます。それからEECは、キログラム当たりに直しますと、各国によりまして付加価値の税率が違いますので、変動がございますが、たとえばイタリアは一キログラム当たり二十五円、フランスは約七円、西ドイツは約十一円でございます。ただいま申しました数字の中で、米国とEECの関税率につきまして従価換算を申し上げますと、米国が一〇%、EECが、輸入課徴金でございますがこれは二六七・六%、日本の場合は二一五・八%、こういう姿になっておるわけであります。
○伊藤(惣)委員 数字がいろいろの国のあれでちょっとはっきりしませんが、いずれにしても、日本の場合は相当高いわけですね。アメリカなんかと比べますと十倍以上ですね。非常に高いわけですよ。ですから、砂糖が一番消費が少ないといっても、そういう高い関税をかけられた高価なものだから、日本においては人工甘味がたくさん出回ったり、しかも、その人工甘味の中には人体に影響を及ぼすものが出たり、または最近ズルチン等が禁止になったりしているような、いろいろな問題も起こっているわけですね。 そこで、私がここで言いたいことは、今後消費の増大がますます強くなると思うのですが、その障害を除去するためには、やはり関税を引き下げることが一番大事じゃないか。値上がりした場合には、直ちに関税を引き下げて、その値段を安定させるべきじゃないか、こういうように考えるわけですが、その点について伺いたいと思います。
○渥美説明員 ただいまいろいろ御説明ございましたように、国産の糖価、これは地理的条件その他によりまして、日本の場合には非常に高くつく。輸入価格が大体トン当たり二、三万円くらいで、国産価格で買い入れておりますのは八万円とか、ものによって違いますけれども、かなり差があるわけでございます。したがいまして、どうしてもここで関税によって国産の保護をする必要がある、こういう関係になってくるわけでございます。もちろん、国産のほうも現在合理化目標を設定されまして、いろいろ合理化努力も続けておられるわけでありまして、そのような状態で、確かに非常に高い関税率にはなりますけれども、私どもといたしましても、そういう高い関税率でなしに済ませるような国産の合理化というものが進められることを期待しております。
○伊藤(惣)委員 現在の精糖業界は、一面過剰設備によって今日の低迷を来たしている、こういうふうにもいわれておりますが、これらの砂糖業界の企業の構造改善については、その早期実現が強く要請される。そして最大の業界の課題としては設備削減の問題がある。また、この問題については、業界の意見やあるいは政府の指導はどうなっているのかという一つの声があるわけですが、その点について伺いたいわけです。
○小沼説明員 御承知のとおり、精糖業の企業が全部で六十二社、七十工場あるわけでございますけれども、その中で、主要なものは大体二十六社、三十三工場というふうな状況でございまして、これで製造能力もかなり需要を大幅に上回っているという状況で、結果的に著しい設備過剰の状態に入っているということでございます。こういうふうな過剰設備と多数が乱立しているということに従いまして、過当競争も行なわれるわけでございますが、これが業界の不況の基本的な要因ということにもつながるわけでございまして、これらの対策といたしまして、やはり少数精鋭といいますか、企業を合理化していくというためには、工場もまとめていくということが必要でございます。そういうことをしなければ、これは全体が共倒れになりかねないという点が心配されるわけでございまして、昨年来構造改善ということが、精糖業界についてもいわれておりまして、業界方面で鋭意検討中でございます。中でも、数社はすでに業務提携をするとか、あるいは合併の準備をするという段階に現在入っております。私どもといたしましても、これらにつきまして鋭意指導に当たってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○伊藤(惣)委員 前に政府が音頭をとって奨励した東北、北海道方面のビート栽倍は壊滅したわけですね。農民は大きな打撃を受けたわけです。御存じだと思うのですよ。政府のこういう政策に対して、農民からも、農林政策の貧困と無策に対する責任は強く追及をするのだ、こういう意見もあるわけです。こういう声が上がっております。私たちは表面的な話を聞いただけで、深いことはわかりませんが、いかなる理由であのような結果になったのか。また、生産者が常に損するというような政府の行政策には納得ができないところがあるわけです。私は、今後こういうような中での行政指導は改めるべきであって、どうしても今後こういう問題で、砂糖についてはますます消費も増大するわけですから、長期的な展望を立てて、そして抜本的な対策を立てるべきである、こう思うのですが、その点について伺いたい。最後に大臣からもその点について……。
○小沼説明員 生産の対策を、原料でございますビートあるいはサトウキビについて大いに進めておるわけでございますが、同時に、その原料を使う精糖業、また輸入原糖を原料とする精製糖業に関しましても、これは私ども、農民の立場のみならず、全体の国民の立場で合理化を進めていく、あるいは合理化対策を進めていくということをつとめてまいりたい、かように思いまして、現在も鋭意指導中でございますが、今後も十分行政的に指導してまいりたい、かように考えております。
○愛知国務大臣 伊藤委員のお話、まことにごもっともでございますが、砂糖の問題については、国内糖の生産業者に対する保護の問題もあるし、また先ほど申しました沖繩の問題もございます。一方からいえば、糖価の安定というものもあるし、またそれに対する財政上の歳入というような問題もあるし、いろいろのアングルから総合的に対策を講じなければならない非常に大きな問題であると私は思いますが、ただいまお述べになりましたようないろいろの点について、なお一そう政府としても積極的な前向きな対策を講じていくということで進めてまいりたい、かように考える次第でございます。
○伊藤(惣)委員 最後に、先ほど答弁をいただけなかったのですが、砂糖の関税を引き下げる考えがあるかないか、その点を伺って、質問を終わります。
○渥美説明員 さしあたり現在のところ、国際糖価と申しますか、それと国産の糖価、先ほど申しましたように、非常にかけ離れております。なかなか関税を直ちに引き下げることは困難であろうというふうに考えておりますが、私どもは、関税は常に必要最小限度のものでいきたい、一般にそう考えております。砂糖につきましてもそういう状況が来れば、それは引き下げをする、こういうことになろうかと思います。
○伊藤(惣)委員 終わります。
○北澤委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○北澤委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 通商に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び千九百六十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件、右両件をいずれも承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、両件はいずれも承認すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○北澤委員長 次回は、来たる十四日午前十時より理事会、十時十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会