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61回国会衆議院1969/05/07

外務委員会 第17号

発言数
91
登壇者
11
会派数
4
開催日
1969/05/07

会議録

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣、御苦労さまでした。  今度いよいよ沖繩の問題でアメリカへいらっしゃるのが近くなったわけで、いろいろと交渉の内容等につきましては、大体もう固まりつつあると思います。それに先立ちまして、先ごろ東郷アメリカ局長がアメリカへ行ってこられまして、いろいろ御報告があったと思います。私どもは新聞等に報道されたものを読んでいる程度の知識しかございませんので、それらの点につきましても、まずこの機会にお話しをしていただきたい。それをまずお願いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 アメリカに対する沖繩問題を中心にする交渉は、かねがね申しておりますように、非常にむずかしい問題であると考えておりますので、六月早々の私とロジャーズ長官との会談から始まって、十一月下旬を予想しております総理とニクソン大統領の会談、この一連の相当長い期間にわたる時間をかけて実りのある成果をあげたい、こういう心がまえでおりますので、六月の会談を始めるに際しまして、今後のスケジュールその他をも含めて、どういうふうな段取りで具体的に話を進めていくがよろしいかというような点について、東郷局長に打ち合わせをしてもらったわけございます。したがいまして、内容についてはともかくとして、今後どういう順で話をしていくか、どういう方法がいいか。六月の最初の週に私とロジャーズ氏との会談が行なわれますが、とうていそのときだけでこれだけの大問題が決着がつくものとは考えられません。したがって、その次に七月の二十八日を予想されておりますが、ロジャーズ長官が貿易経済合同委員会の機会に来日をいたしますから、これは経済問題が主である会議ではございますが、個別的な会談その他の機会もそのときに十分つくりまして、そこで第二回目の会談をやる。さらに九月、国連総会の機会に、また必要ならば第三の接触の機会を持つ、こうやって十一月に持っていこうというこのやり方については、当方の希望どおり、合意が成立をいたしておるわけでございます。したがって、今後、たとえば私が参ります場合にも、ロジャーズ氏とだけの会談でいいのか、今度は向こうの希望もあって、だれかほかの人とも会ったほうがいいのかということについても、この打ち合わせで十分抜かりなくやっておく必要があろうかと思いますが、そういう点につきましても、十分日程等の打ち合わせもいたしてまいったわけでございます。また、その間、アメリカ側も、担当の、日本で適切な比較ができますか、局長と申したらいいか、課長と申したらいいかわかりませんが、日本に関係の仕事をやっておる人たちも、現在も来日しておるかと思いますが、そういうふうな事務的な打ち合わせというものも双方において行なわれておる、かような現状でございます。  いかなる方法で、いかなる内容で、どういうふうに進めていくかということにつきましては、私といたしましても、ぎりぎりの時期まで十分情勢を判断いたしまして、どういうアプローチでどういう話の進め方をしたらいいかということを含めて、さらに十分に検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 東郷局長がアメリカ側と接しられて、外務大臣が行かれてのスケジュールについてはよくわかりました。  そこで、東郷さんがお帰りになりまして記者会見で言われたこととして報道されている中に、日本も墓地の態様を持っていかなれば話にならないというようなことも述べていられたようでございますが、私もそう思います。そのことから考えましても、愛知外務大臣はそういうことも考えて、大体基地の態様というものは腹の中におさめてお出かけになる、こういうふうに了承してよろしゅうございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私はかねがねこういうふうに考えておりました。というのは、これは国会の御論議を通しても一番明らかであることは、基地の態様ということが、そしてそれがどういう内容であるかということについては、十二分にいろいろな論議が行なわれたように思いますけれども、私は、いよいよアメリカ側との話し合いをするについては、この問題にずばりと結論づけていく場合に一番必要なことは、基本的なものの見方、考え方ではないかと思います。つまり、沖繩というところが軍事的に重要な地位であるということは理解できますけれども、どういう環境の中で、どういう見通しの中で、どの程度にこれが活用されなければならないかというような基本の問題について、まず十分に検討する必要があるのではなかろうか、かように考えますので、そういう意味におきましては、いろいろの場合を想定しながら話を進めていく、こういう考え方でございますから、いまお話しになりましたようなことも常に念頭に置きながら、そうして先ほど申しましたように、相当長い期間を粘り強く話し合いをしていかなければならないと思いますので、そういう点もお考え合わせいただいて御理解をいただきたいと思うのであります。要するに、対決的な姿勢でいくのではなくて、話し合いの姿勢で、十分その理解し合ったところで結論づけていくようにしたい、これが本件の取り扱いの特殊なやり方ではなかろうかと私は思いますので、そういうことを考えながら、私としても目的に沿うようなやり方を展開していきたい、かように考えているわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 東郷さんは、記者会見であるいは羽田に着かれての感想の中で、こういうことを言われています。アメリカのほうは自由使用で核つきを望んでいるようだというようなことを述べていられるように私は了承しているわけですけれども、その点をまず東郷さんに伺いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私、今度六月の愛知大臣訪米の準備ということで参りまして、アメリカ側のいろいろの関係の人に会ってまいったわけでございます。その全体の印象をワシントンにおける日本人記者クラブの方々にお話ししたわけでございます。幸い、私の申したことを日本の新聞に正しくお伝えくださったと私も思いますので、特にここである部分を訂正するとかそういうことはなく、ただ、いま先生おっしゃいましたように、基地の態様の案を持っていかなければならぬ、そこまで私は言った覚えはございませんが、全体の感じといたしまして、日本にも日本の事情があることは、アメリカ政府としてもつとに研究してよく考えておる、しかし、同時に、アメリカにもアメリカの中の事情がある、また、日本を含む極東の安全保障という問題にも、アメリカとしても重大な関心を持っておる、そういうこともよく考えてもらわなければ、このむずかしい問題の満足な解決ははかれないのではないか、こういうことを会った人たちが一様に申しておったわけであります。それ以上、しからば具体的の地位がどうである、あるいはアメリカのほうは現状維持でなければならぬ、こういうことは、むしろ今後大臣が行かれてからの話でございまして、私は、一般的に日本政府の考えを説明するにとどめました。具体的に基地の態様はどうでなければならぬというところまで話をしてまいったわけではございません。さいぜん申しましたように、大臣がいらっしゃるその準備という意味で、今日の日本政府の考えを向こうに説明した。それに対して、先ほど申したような一般的な考え方を向こうが述べたということでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま東郷さんのお話を聞いていますと、私どもが新聞を通して知りましたように、アメリカ側の考え方が固く、核つき自由使用というようなことを言われていたように、やはり肯定をされたわけでございますけれども、そこで、私どもはそれを見て非常に憤慨をさえ覚えたわけです。相変わらずアメリカが日本の沖繩に対して植民地的な扱いをしようとしている、変えようとしていないというふうなことで、非常な憤慨を覚えて、友好的ではないじゃないかと思いましたけれども、それは別といたしましても、東郷さんがアメリカ側に接しられる場合に——国会で佐藤総理がたびたび答弁をされている。これは国民の世論なりあるいは要望というものを背景にして、こういうふうな形でありたい——私どもから見れば非常に甘いもの過ぎると思いますけれども、ともかく佐藤総理が国会でこういうふうな国民の要望もあることであるからかくかくでありたいというようなことを答弁されております。また、外務大臣もそういうお考えを述べられてきました。そういうことをぶっつけに向こうにお伝えになったのか、この辺をはっきりさしていただきたい。佐藤総理なり外務大臣の考え方といいますか、国会で私どもに答弁されたようなことをはっきり向こうに言って、そして向こうと話し合ったのかどうか、この点をまず伺いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私は、大臣の訪米の準備に参ったものでございますから、日本政府がこういうことで交渉を始めるというようなこととは趣旨が違うわけでございます。また、アメリカ側の今日における考え方をできるだけ正確に知るということも重要な目的でございます。しかしながら、ただこちらの考えを何も言わないで聞いて回るという時代はもう過ぎております。私としても、交渉を始めるということではなしに、先ほど申しましたように、日本政府の考えを一般的に説明して、その背景のもとにアメリカ側の考え方を聞き出す、こういう努力をしてまいったわけでございます。しかし、これは交渉ではございませんので、私は政府の一員としまして、国会の内外において総理あるいは外務大臣の公にされておるところを背景にいたしまして、アメリカの考え方を確かめてきた、こういうことでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣が来月行かれるにあたっての下ならしみたいなことで、交渉とは言えないかもしれませんけれども、やはりある程度の全権的な役割りというものをするために行かれたのだろうと私は思うわけです。  そこで、どういうふうな方々にお会いになったかはわかりませんけれども、私どもが聞いております範囲では、国務省と軍部の考え方といいますか、一般の考え方と軍部の考え方というものの中には、考え方の違いがあるというように聞いておりますけれども、幅広くお接しになったかどうか、その点はわかりませんが、もし接しられたとして、そういうふうなことをお感じになったかどうか、この点をもう一度伺っておきたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私が会いました相手は、すでに日本の各新聞も正確にお伝えくださっておりますが、私の得た印象は、米国政府の考え方ということでございまして、どこの部門がこういう考えを持ち、こちらの部門では全然違う考えを持っておる、こういう印象はございませんでした。全体として沖繩問題をよく研究して、これから日本との交渉にいかに臨んでいくかということをよく真剣に研究しておる。その間、政府部門によって非常に考えが違うというような印象は特に受けておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣、いま東郷局長がおっしゃったとおりだと思いますけれども、ただ、私どもが聞いている範囲内では、いろいろな意見がある——いろいろな意見といいますか、さっき私が申し上げましたように、国務省と軍部との間には、私のほうはこうだ、私のほうはこうだという、意見でないまでも、ニュアンスの違いというようなものがあるやに聞いておりますけれども、まあ東郷さんのお会いになったのは正式に政府という形でお会いになったので、そういうところまではわからないと思いますけれども、外務大臣はそういうことをお聞きになっていらっしゃいませんか。この点もちょっとこの交渉に入る前にやはり聞いておかなければならない問題ではないかと思いますので、伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 御承知のように、六月からの交渉がまだ始まったわけではございませんだけに、私の承知しておりますところでは、アメリカ政府としても、向こうは向こうで日本側の出方の予想されるようなところを頭に描きながら、それに対応するいろいろの考え方をいま整理している段階ではないかと想像されます。したがって、アメリカ政府がこういう考え方であるという考え方は、六月になってから私とロジャーズ長官との間の話のときに出るのであろうと思います。ですから、東郷局長の得てきたいろいろの印象というものは、こちら側も非常に参考になりますけれども、これがどこのどういう意見だというのではなくて、それはアメリカ政府側としましてもいまの段階では、たとえばこうこういう人に会っても、これはアメリカ政府の意見ではないが、自分は個人的にはこう考えるとか、あるいはその人の言動からこういうことを考えているらしいなということを東郷君が掌握したとかいうようなものでございますから、あまり公の席でどうこう申し上げることは差し控えるべきかと思いますが、ただ、いま東郷君の説明いたしました中で、私も同様に非常に重要だと思います一点がございますのは、担当する仕事によって意見が異なるというのではなくて、アメリカが全体として問題の取り上げ方を非常に重要な問題であるとして取り上げている。それから、この沖繩問題について何とかひとつこれは受けとめて真剣にその処理方法を考えなければならない、こういう態勢にあるということだけは、私は十分くみ取れると思います。あるセクションがこういうふうなところに非常に執着してがんばっている、また別のセクションがそれとまるで違ったことを言っているというのではなくて、アメリカ全体が、日本のためあるいは両国のために、双方の満足すべき結論を出すにはどういう点に焦点を当てるべきかということについて、アメリカ側としても非常に苦心をしている。これは私も東郷君の報告から十二分に読み取れる点でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 東郷さんの先ほど来述べられた印象というものを、一応私どもをはじめ国民が間接ではございますが知りまして、たいへんにアメリカに対してもある程度の憤りを感じているわけです。まだ相変わらず沖繩に対してはこういう気持ちでいるのかというふうに考えているわけでございますが、ただいまの愛知外務大臣のお話によりますと、そういう印象を受けたようだけれども、それは一応参考にして、日本の外務大臣として考え方を十分に述べてくるというようなお話でございましたので、私もそういうふうに受け取りますけれども、ただ、外務大臣が先ほど来スケジュールのことはお話がございましたが、態様の問題はなかなかそこまでいけないで、はっきりここでおっしゃることはできないと思います。できないと思いますけれども、ただ、外務大臣が今日まで国会でこうありたいというような希望を述べられてきた、その考え方をずっとそのまま持って、そして交渉の任に当たられる、あらためて今後において会議をするなりなんなりして、違うような何かの考え方を持って行くんじゃない、こういうふうに考えていいかどうか、これも私どもは、いままで国会で答弁されたものでもちょっと屋良さんの考えよりも少し後退しているのじゃないかとさえ思うくらいなんですけれども、そういうふうな、いままで述べられたような形を堅持しながら、なおより日本の国民の願うような方向に持っていこうという気持ちで行かれるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 概括的に申しますれば、そのとおりでございますとお答えすることで十分かと思いますけれども、少し具体的に申しますならば、一つは、前々から申しておりますように、早期の施政権の返還、それから、沖繩の防衛的な意味から見ての重要性ということにかんがみまして、日本の安全、そして日本を含む極東の安全ということが十分守り得る目的に沿い得るような形、そして日本国民の全体的な要望というようなものが、国会の内外を通じても、総理のことばをかりれば、私なりに理解ができているつもりでございますから、それを踏んまえていくということ、それから念のためでございますが、安保条約の維持、その体制の中で本件の処理をするといったようなことが基本的な考え方でございまして、これは従来からもしばしば政府として明らかにしているところであると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの内容的な面でお述べになりました中に、ここで議論すればいろいろなことがございますが、私はきょうはそれをいたしません。ただ、安保条約の維持というおことばが出ましたから、その中の一点、二点についてお伺いしたいと・思いますけれども、その中で特に私どもが気にかかりますことの一つは、事前協議の弾力的運営ということだと思います。これに対しまして、いままでそのことについての御質問をいたしましたけれども、その質問に対しましては、それは弾力的運営だということばだけで濁されてしまっているわけでございますが、そこで、この弾力的運営の内容というようなことについてもお話しになるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほどから申しておりますように、沖繩の基地の扱い方については、基本的にアメリカとしての考え方というものももっと十分に私は承知をしたいと思います。また日本として、第一義的に日本の防衛ということからいって、非常に大事なところで、沖繩が本土になるわけでございますから、そういう点でどういうふうにこれをやっていったらいいだろうかということは、大きな問題というよりは、問題の一つの焦点であろうと思いますから、こういう点については、十分こちら側としてもいろいろの場合を想定いたしながら対処していく心がまえを練り上げてまいりたい、こう思っておるわけでございます。したがって、いきなりそのものずばりにこの点はどうかと仰せになりますと、そこまでに至るところの考え方というものが、双方にもう少しお互いの理解というものが煮詰まることがまず前提として必要であろうかと思いますので、その点も考え合わせて検討を加えつつあるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま外務大臣がおっしゃいましたように、アメリカ側も沖繩の基地についてはいろいろ考えている、そういう扱い方もいろいろ勘案しながら、外務大臣がいままで述べてこられたような形での交渉を始めていくということになりますと、その中で一番ひっかかりになってくるのが、そしてしかも安保条約を適用するということになると、事前協議の弾力的活用といいますか、そこいら辺が一番私はひっかかってくる問題だと思うのです。  そこで、いま外務大臣の御答弁の中にもそのことばをおっしゃいませんでしたけれども、その意味するところは、結局アメリカもいろいろ考えているのだから、そういうこととにらみ合わせてこの基地のあり方を煮詰めていくのだ、こういうふうにおっしゃっているところをずっと関連して総合してみますと、おそらく何か事前協議の弾力的運用ということについての話し合いに煮詰まっていくんじゃないかというように私は私なりに考えるわけです。したがって、そういうところに煮詰まっていった場合に、一体そういうふうなことに対しては口約束だけにするのか、口頭でなさるのか、それとも書いたものにするのか、こういうふうなことだけは私ははっきりさしていただきたい。私は口頭ですべきではない、こういうふうに考えるのですが、この点を外務大臣に念のために伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 非常に具体的な、もう条約ができたかのような、返還協定ができたかのようなお尋ねでございますので、まことに恐縮でございますけれども、先ほど来申しておりますように、まだこれから交渉する、そして先ほど申しましたように、早期返還、それから防衛という問題、そして国民世論というものを踏んまえて、安保条約のワクの中でこの問題を処理したい、これが基本的な考え方でございますだけに、これから交渉を始めるといいますか、むしろ話し合いを始めるといったほうがあるいはもっと実質にふさわしいと思いますけれども、前にも私申したかと思いますが、何と申しましょうか、いわゆる交渉、談判あるいは対決ということで、一枚の紙を持ってイエスかノーかと迫るような姿勢のやり方は、この問題については私は望ましくないと思いますので、その辺を御了察いただいて、そこまでまいりますのにはまだずいぶん前提としての話し合いについての合意というものが必要でございますので、その点については何ともまだ申し上げることができない段階でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私も外務大臣のおっしゃらんとするところはわかるのですよ。右か左かといって一枚の紙を持っていって協定にしちゃうという、こういうものでないことはよくわかります。これからいろいろ交渉をされるのだということもよくわかるのですけれども、そして基本的な考え方もわかるのですが、いままでの国会答弁をずっと総合して考えてみて、この条約ができたような形で申し上げるのじゃなくして、いままで私が申し上げたことは、みんな国会の答弁として出てきていることです。その中で一番気になることがこの事前協議の弾力的運営だ。そうふうな中で具体的にこういうときはどうするかということを私は伺いたいのじゃないのです。その中でそういう問題が出たときに、これを口頭だけでやってほしくないということを申し上げたい。と申しますのは、岸・ハーター交換公文で、事前協議の中身で、事前協議の対象にするということは表面にあります。そこで一体、戦闘作戦行動のときとか装備とか配置とかいうような内容はどうですかということを国会で追及をしていって、ようやくその内容がわかったわけですね。それじゃどこでそういう約束をしたのかといいましたら、口頭でそういう内容については約束をしていますということになったのです。これをもし国会できびしく追及していかなければ、その内容もわからなかったわけです。そういうふうな問題がございますので、私は、いまから弾力的運営というような内容については相当やはり国会ではかってもらうことがまず一つ。それから口頭でしてほしくないということが二つ。こういう点をはっきりさせておいていただきたいと思うわけでございます。その点についての外務大臣のお考えを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、先ほど来申しておりますように、安保条約のワクで処理をしたいというのが一つの基本的な考え方でございますが、その点は、お話のように、政府側としても、たとえば特別の定めなき限り云々という答弁をよく申し上げていたわけですから、仮定の問題として、もしも特別の定めというようなものがどうしても必要だということになった場合に、その特別の定めというのはどういうものであろうか。まあ、これはあるかないか、またどちらがいいかということは別といたしまして、そういう場合に、そのものがどうしても必要だというような場合がかりにありました場合に、それを国会の御承認を求めるべきような性格の問題であるならば、もちろん国会の御承認を得るような手続をするのは当然だ、私はそう考えておりますが、これは現在のところは仮定の問題でございます。また、特別の定めといっても、非常に軽いものもあり得ましょうし、ちょっと仮定論になりますのではっきり申し上げられませんが、要するに、国会の御意向を尊重するというか、国会の御承認を受けるような性質のものであるならば、それを故意に承認をいただかないでやっていくというようなことは、本来筋違いの態度ではないだろうか、こういうふうに一般論として申し上げたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 特別の取りきめというものができれば、万が一そういう必要があってできる場合には、これは国会の承認を得る、これは当然だと思いますし、これまでもそういう御答弁は伺っていたと思います。ただ、そうすると結局、事前協議の弾力的運営の中にこの特別の取りきめというようなものが含まれている、そういう取りきめをしなければならない場合には、弾力的運営の中にそういうものが含まれるんだということを了承していいわけですね。これがまず一点。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 どうもその弾力的運用というものがどういうものであるかわかりませんですけれども、その弾力的運用云々ということが、先ほど来申しておりますように、これから交渉、話し合いを進めるわけでございますから、そういうことに、何といいましょうか、もうそれに膠着したような考え方というものは、この際としては政府の当事者といたしましては申し上げる段階にはない、こう思いますから、弾力的運用というのが何かをきまったかのような前提で、その場合にどうするのかというお問いに対しましては、もうしばらくこの交渉、話し合いがある程度進みましてから申し上げる以外に方法はないのではないかと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 これ以上申しませんけれども、ただ、弾力的運用というのは、私どもが言い出したことばじゃないのです。佐藤総理みずからが弾力的運用によって云々ということをおっしゃったわけで、それがどういうものかわかりませんがというような御答弁は、ちょっとおかしいんじゃないかと私は思います。むしろ政府のほうからそういうことばが出てきたので、私は非常にその点が気にかかることでございますが、まあこれはこれ以上外務大臣に申し上げようとはいたしません。総理みずからがそういうことばを使われたので、私どもも、弾力的運営とはどういうのだろう、どういうのだろうということを今日まで考えて議論をし、質問をしてきたのですが、いま大体のことがばく然とつかめたような気がいたします。間違っているかどうかわかりませんが、つかめたような気がいたします。この点は、あとでまた外務大臣にお聞きしたいと思います。  もう一点の問題としてお伺いしたいことは、事前協議でなくて、四条の随時協議の問題でございますが、こういう問題は事前協議の対象にならないならばせめて随時協議をすべきじゃないか。たとえばプエブロ事件のときもそうだったし、B52機のときもそうだったと思います。この間のEC121偵察機の問題のときもそうでございます。そういうようなときに、それではせめて四条の随時協議くらいするのかという質問に対して、いや随時協議をするまでもなく、適宜に必要に応じてアメリカと話し合いをしております、こういうふうなお話でございますが、四条の随時協議ではっきりいたしておりましたのは、あの機関をわざわざつくったわけですね。安全保障協議委員会というものをつくって、そしてこの条約の運営の状態、あるいは日本や極東の平和と安全を脅かすような場合には、この安全保障協議委員会で話をするんだ、しかも、それには外務大臣と防衛庁長官と在日米大使と在日米軍司令官、こういうふうな方たちによってするのだということがはっきりきめられているわけですね。ところが、どうもこの随時協議が開かれたような様子もないわけでございまして、そうすると、こういうものば一体どうなっているのかということを非常に疑問に思うわけでございますが、深くお聞きする時間がなくて、この機会にお伺いしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 第四条の規定がありますことは、非常にこれは私は日本の国益からいってけっこうなことであったと思うのでございます。最近の偵察機の北鮮機による撃墜事件につきましても、非常に緊密な連携がとれております。これはわざわざ、たとえば外務省の会議室で会議を開いて、そして日米安保条約四条に基づくところの随時協議会というような看板をかけることをいたしませんでも、この条文があることが、ひんぱんな実質上の随時協議が行なわれる根拠になっている。これは、たとえばああいうことの起こりますようなときには、夜中といわず早朝といわず、非常にひんぱんな連絡を受けもし、こちらも意見を申し上げる。これはすなわち随時協議の非常な活用だと私は思っておるようなわけでございます。したがって、条約論的にいって必ずしも四条ということをいわなくとも、実際上の協議はどんどん行なわれておりますと申し上げたことが、それならおまえらは四条を援用しないのかというようないったほうがあるいはもっと実質にふさわしいと思いますけれども、前にも私申したかと思いますが、何と申しましょうか、いわゆる交渉、談判あるいは対決ということで、一枚の紙を持ってイエスかノーかと迫るような姿勢のやり方は、この問題については私は望ましくないと思いますので、その辺を御了察いただいて、そこまでまいりますのにはまだずいぶん前提としての話し合いについての合意というものが必要でございますので、その点については何ともまだ申し上げることができない段階でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私も外務大臣のおっしゃらんとするところはわかるのですよ。右か左かといって一枚の紙を持っていって協定にしちゃうという、こういうものでないことはよくわかります。これからいろいろ交渉をされるのだということもよくわかるのですけれども、そして基本的な考え方もわかるのですが、いままでの国会答弁をずっと総合して考えてみて、この条約ができたような形で申し上げるのじゃなくして、いままで私が申し上げたことは、みんな国会の答弁として出てきていることです。その中で一番気になることがこの事前協議の弾力的運営だ。そうふうな中で具体的にこういうときはどうするかということを私は伺いたいのじゃないのです。その中でそういう問題が出たときに、これを口頭だけでやってほしくないということを申し上げたい。と申しますのは、岸・ハーター交換公文で、事前協議の中身で、事前協議の対象にするということは表面にあります。そこで一体、戦闘作戦行動のときとか装備とか配置とかいうような内容はどうですかということを国会で追及をしていって、ようやくその内容がわかったわけですね。それじゃどこでそういう約束をしたのかといいましたら、口頭でそういう内容については約束をしていますということになったのです。これをもし国会できびしく追及していかなければ、その内容もわからなかったわけです。そういうふうな問題がございますので、私は、いまから弾力的運営というような内容については相当やはり国会ではかってもらうことがまず一つ。それから口頭でしてほしくないということが二つ。こういう点をはっきりさせておいていただきたいと思うわけでございます。その点についての外務大臣のお考えを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、先ほど来申しておりますように、安保条約のワクで処理をしたいというのが一つの基本的な考え方でございますが、その点は、お話のように、政府側としても、たとえば特別の定めなき限り云々という答弁をよく申し上げていたわけですから、仮定の問題として、もしも特別の定めというようなものがどうしても必要だということになった場合に、その特別の定めというのはどういうものであろうか。まあ、これはあるかないか、またどちらがいいかということは別といたしまして、そういう場合に、そのものがどうしても必要だというような場合がかりにありました場合に、それを国会の御承認を求めるべきような性格の問題であるならば、もちろん国会の御承認を得るような手続をするのは当然だ、私はそう考えておりますが、これは現在のところは仮定の問題でございます。また、特別の定めといっても、非常に軽いものもあり得ましょうし、ちょっと仮定論になりますのではっきり申し上げられませんが、要するに、国会の御意向を尊重するというか、国会の御承認を受けるような性質のものであるならば、それを故意に承認をいただかないでやっていくというようなことは、本来筋違いの態度ではないだろうか、こういうふうに一般論として申し上げたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 特別の取りきめというものができれば、万が一そういう必要があってできる場合には、これは国会の承認を得る、これは当然だと思いますし、これまでもそういう御答弁は伺っていたと思います。ただ、そうすると結局、事前協議の弾力的運営の中にこの特別の取りきめというようなものが含まれている、そういう取りきめをしなければならない場合には、弾力的運営の中にそういうものが含まれるんだということを了承していいわけですね。これがまず一点。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 どうもその弾力的運用というものがどういうものであるかわかりませんですけれども、その弾力的運用云々ということが、先ほど来申しておりますように、これから交渉、話し合いを進めるわけでございますから、そういうことに、何といいましょうか、もうそれに膠着したような考え方というものは、この際としては政府の当事者といたしましては申し上げる段階にはない、こう思いますから、弾力的運用というのが何かをきまったかのような前提で、その場合にどうするのかというお問いに対しましては、もうしばらくこの交渉、話し合いがある程度進みましてから申し上げる以外に方法はないのではないかと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 これ以上申しませんけれども、ただ、弾力的運用というのは、私どもが言い出したことばじゃないのです。佐藤総理みずからが弾力的運用によって云々ということをおっしゃったわけで、それがどういうものかわかりませんがというような御答弁は、ちょっとおかしいんじゃないかと私は思います。むしろ政府のほうからそういうことばが出てきたので、私は非常にその点が気にかかることでございますが、まあこれはこれ以上外務大臣に申し上げようとはいたしません。総理みずからがそういうことばを使われたので、私どもも、弾力的運営とはどういうのだろう、どういうのだろうということを今日まで考えて議論をし、質問をしてきたのですが、いま大体のことがばく然とつかめたような気がいたします。間違っているかどうかわかりませんが、つかめたような気がいたします。この点は、あとでまた外務大臣にお聞きしたいと思います。  もう一点の問題としてお伺いしたいことは、事前協議でなくて、四条の随時協議の問題でございますが、こういう問題は事前協議の対象にならないならばせめて随時協議をすべきじゃないか。たとえばプエブロ事件のときもそうだったし、B52機のときもそうだったと思います。この間のEC121偵察機の問題のときもそうでございます。そういうようなときに、それではせめて四条の随時協議くらいするのかという質問に対して、いや随時協議をするまでもなく、適宜に必要に応じてアメリカと話し合いをしております、こういうふうなお話でございますが、四条の随時協議ではっきりいたしておりましたのは、あの機関をわざわざつくったわけですね。安全保障協議委員会というものをつくって、そしてこの条約の運営の状態、あるいは日本や極東の平和と安全を脅かすような場合には、この安全保障協議委員会で話をするんだ、しかも、それには外務大臣と防衛庁長官と在日米大使と在日米軍司令官、こういうふうな方たちによってするのだということがはっきりきめられているわけですね。ところが、どうもこの随時協議が開かれたような様子もないわけでございまして、そうすると、こういうものば一体どうなっているのかということを非常に疑問に思うわけでございますが、深くお聞きする時間がなくて、この機会にお伺いしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 第四条の規定がありますことは、非常にこれは私は日本の国益からいってけっこうなことであったと思うのでございます。最近の偵察機の北鮮機による撃墜事件につきましても、非常に緊密な連携がとれております。これはわざわざ、たとえば外務省の会議室で会議を開いて、そして日米安保条約四条に基づくところの随時協議会というような看板をかけることをいたしませんでも、この条文があることが、ひんぱんな実質上の随時協議が行なわれる根拠になっている。これは、たとえばああいうことの起こりますようなときには、夜中といわず早朝といわず、非常にひんぱんな連絡を受けもし、こちらも意見を申し上げる。これはすなわち随時協議の非常な活用だと私は思っておるようなわけでございます。したがって、条約論的にいって必ずしも四条ということをいわなくとも、実際上の協議はどんどん行なわれておりますと申し上げたことが、それならおまえらは四条を援用しないのかというようなまして、今後新たなる軍事的義務、すなわち、この自由使用の問題が出てまいりますと、一そうその危険性が倍加する。だから、あなたの主観はそうであろうと、それを客観的に確かめるために私は条件を聞いているのです。だから、日本国民に対しては本土並み、アメリカに対しては事前協議における弾力的運営、すなわち、事前通告があった場合には、これに対してイエスと言う可能性を示唆しながら、沖繩問題を処理しょう。これがとどのつまりの焦点ではないでしょうか、率直に言って。それを私は伺っているのです。安保条約で戦争に近づかないように、事前に戦争の危険を防止するためであるというあなたの主観を伺っているわけじゃないのです。客観的に沖繩返還に伴う基地の態様についての煮詰め方といいますか、交渉に当たる心がまえ、あるいはあなたの持っていかれる方針について伺っているわけですが、もっと具体的にお答えをいただきたいのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いまもお話がございましたが、たとえば、かりに万一の想定ということでおあげになったんだろうと思いますが、北鮮機が日本の領空内で云々というようなお話もございましたが、そういうことが問題になるような環境であるということは、日本の安全に対してこの上ともに危険が起こらないように未然に防止する、これが日本の国益を守る一番大事なところではなかろうかと私は思うのでありますが、先ほど戸叶委員にもお答えいたしましたように、そういったような情勢を今後どういうふうに想定するか、どういう考え方で対処していくのか、日本の国益を守る第一義的なものとして必要であり、また、十分であるのかという点が、沖繩問題についても焦点であろう、かように私は考えるわけでございまして、日本が逆に危険に巻き込まれるというようなことを絶対に避けながら、そして国民世論を踏んまえて、日本国民の考え方、気持ちというものを貫徹していこうというのが私の考えでございます。したがって、その具体的な点について、先ほどもお答えいたしましたように、これはどうするんだ、これはイエスなのか、ノーなのかということについては、率直な意見の交換、将来の見通し、情勢判断等がほんとうに十分に煮詰まり、合意ができるということが基本的であろうかと私は考えておりますから、そのものずばりの具体的な方法論について、まだイエスとかノーとか申し上げる段階ではないと思うわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 最近、韓国の朴副総理が見えて、首相とも会って、沖繩の基地の問題について発言をしておるのですね。これは台湾政府も同様です。これらの諸国は同様にアメリカと安保条約を結んでおる諸国でございますから、したがって、日本政府の説明によれば、これは極東の安全保障については共同の友好国である、こういうお考えでしょう。しかし、この問題は、固有の領土としての沖繩返還の問題ですから、これについてとやかく言うことは、まさに内政の干渉だと思うのです、そのことに関する限り。領土の返還というものは、国際法的にいえば、言うまでもなく、即時無条件が原則でございましょう。そうして国民の世論を背景にして——即時無条件が圧倒的に強い。それに対して韓国の副総理が共同の安全保障を理由にしてそういうことを言うのは、はなはだしく内政干渉にわたることであるというふうに私どもは考えますが、日本政府はどういう態度でこういう発言を受けとめられたか、それを伺っておきたいのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど来申しておりますように、沖繩返還問題の処理は、日本とすれば日米間の交渉の案件でございます。そのけじめはきちんと守っていくべきである、こういうふうに考えております。同時に、近隣の諸国、友好国の懸念、これは、自分たちの安全にも関係することであるからという、そういう懸念を持たれているのではないかと思いますけれども、それだからといって、それを韓国側から日本の政府に対して正式に申し入れるとかどうとかいうことは現にやっておりませんし、関心のある問題であるという意向がいろいろの機会に表明されている、こういう事実を私も否定するわけではございませんけれども、取り上げ方としては、あくまで日米間の問題として取り上げる、かように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 韓国、台湾がアメリカと軍事同盟を結んでおると同時に、日本とは初めから非常な姿勢の違いがあるわけですね。すなわち、反共軍事体制を強化しよう、たとえばASPAC等におきましても、ASPACを反共軍事同盟体制に持っていくべきであるという、いわば反共トラブルメーカーといいますか、共産主義と対決しながら、問題を提起することによって政権の存在理由を保っていこう、こういうことで、非常に危険な外交方針を持っていると思うのです。そういうものが北朝鮮または中国あるいは北ベトナム等、アジアにおける共産主義勢力との武力的な対決の方向を差し示しておる。こういうものを友好国の願望だなどといって考慮する必要はないし、むしろそのことが危険である。ASPACについてもそうでしょう。第一回、第二回とも、冒頭の演説におきまして、両国代表とも、これを反共軍事同盟体制に持っていけ、あるいは反共政治同盟体制に持っていけというようなことで、当時の三木外務大臣とは意見の食い違いがあったわけですね。  念のために伺っておきますが、ニクソン大統領の就任後、ASPACを同様な方向に持っていくべきであるという主張がありました。これについてはまだ佐藤政府は従来の考えと変わっていないでしょうね。いまの御答弁で、要求ではない、内政干渉ではないが、友好国としての願望は聞きおくという態度でああいう発言を聞かれるならば、われわれ非常に不安を感ずるわけです。言い方は、いま言ったように内政干渉にわたらないような言い回しでありますけれども、明らかに、日本国有の領土の返還問題について、危険な、軍事的な条件をしょい込むことを認めることを要望しておるわけでしょう。これは内政干渉にわたる危険があるし、同時に、その要求の条件というか方針は、いまのASPACの反共軍事同盟体制への路線につながるものだと思います。内容においてさらに危険である。そういう意味で、こういうものは当然拒否すべきものであると私どもは考えております。ですから、ASPAC問題との関連において、もう一度あなたの考えを聞いておきたいわけです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これもしばしば申し上げておるところでありますが、まず第一に、日本の立場としては、憲法によって海外派兵というようなことはできない立場にあります。こういうような平和憲法のたてまえ、この精神というものは、日本としての一番重要なところであります。私の見るところは、漸次、この考え方というものが日本の基本的な姿勢として、友好国にも定着してきておると私は思います。したがいまして、従来どおりの主張を私としても続けてまいりますが、友好諸国におきましても、既存のASPAC等を防衛同盟にするというようなことは、最近、私も、常任委員会といいますか、運営委員会というのですか、各国の代表者でもって構成しておりますスタンディングコミティーを何回か自分も主宰してみましたけれども、私にはさようなおそれもないし、また、かりにASPACをそういうふうなものに変えようとするような意見が出ても、これは成り立たないようにする努力をいたす、また十分成果がある、かように私としては見通しを持っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 きょうは時間がありませんので、最後に、この問題についてお尋ねして、ほかにまだ質問したいことがありますから…。  これは政府を代表されるならば大臣でも条約局長でもけっこうでございますけれども、たとえば沖繩の基地の問題について、国民に向かっては本土並み、アメリカに向かっては事前協議権の弾力的運用、すなわち、必ずしもノーと言わない、イエスと言う可能性を示唆しながら、話を煮詰めていったと仮定いたします。そうなれば、アメリカとしては、条約第六条交換公文の事前協議権というものは、そういう口約束交渉——外務大臣なり総理なりですよ、そういうものによって、この内容がそういう条件を拘束されるものではないわけですね、内閣がかわれば。また内閣がかわり、方針が変われば、そういうものは何ら拘束されるものではないから、何か一札文書がほしいということになると思う。その文書の形式は覚え書きであろうと共同声明であろうと、あるいはまた協定であろうと、別でありましょう。それは問いません、しかしながら、それは第六条事前協議の運営に関する非常な内容の規制であるし、ある意味においては内容の修正にわたるわけですね。そういうのでなければ、アメリカ側は、そういう気休めのような事前協議権運用における弾力性を示唆した程度で、本土並みということは、いまの空気では望みがたい空気ではないかと思う。そうでありますならば、一そうわれわれはそういうことを懸念をするわけです。そのときには、そういうことがあり得るのかどうなのか、そのときには、その文書は、形式は別といたしまして、当然国会の承認を得なければ発効し得べきものではない、このように考えますが、その二点について率直にお答えをいただきたいのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたように、特別の定めがない限りは云々と従来から言っております。これはまず基本的な話し合いが非常に必要だと私は思いますので、ずばりとそこのところへいまいろいろな場合を想定しながらがんじがらめにみずからを自縄自縛にしてしまうのは、外交のやり方としてまずいのじゃないだろうか、私はこう考えますから、その点について明確なお答えはいま差し控えておきたいと思います。同時に、万一特別の定めというものが必要だ、またそれが日本としても必要だというふうなことになったとかりに仮定した場合に、国会に対してどうするかということについては、先ほど申しましたように、その内容、性格等からいって、国会の御審議を求むべきものであるということならば、それは当然御審議を願うことになる、さようにいたしたい、かように考えておるわけでございますが、現在のところはあくまでこれは仮定の問題、まだそこのところまでお答えをするほど問題は進んでおりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 条約局長、客観的に、ただ一般的に条約解釈の問題として伺っておきたい。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 大臣からお答えいたしましたとおり、まだ具体的になっておりません問題なので、非常にお答えしにくいのでございますが、抽象的に申し上げますれば、事前協議の交換公文を法律的に変更するような場合には、国会にかけなくてはならない、こういうことを申し上げるよりほか、いまのところ何とも申し上げようがないと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それは文書の形式を問いませんね。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 御承知のとおり、条約という形になります場合に、両国がサインいたしました一つの国際取りきめという形になります場合は、当然条約の承認という形で国会の御承認をとるということになるでございましょうし、そうじゃない場合には、その形は形式的にはとれなということは留保させていただきますが、法律的に変えるような文書は何らかの形で国会の御承認をとらなければならないという形になると思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 きょうは時間がありませんので、この程度にいたしておきますが、最後に、この点については要望だけ申し上げておきます。  東郷局長も最近行かれていろいろ努力されたことに対しては、これを多といたしますけれども、由来、一貫いたしまして、日本の佐藤内閣のこの問題に対する態度は、日本の世論を背景にしていない。極東の安全とかあるいは日本の防衛の利益とかいうことを持ち出して、常にアメリカ側の新たなる軍事的条件を許容するかのごとき、導き出すかのごとき——交渉する前からですよ。やはりその問題を核つきならば早く返る、核つきでなければ早く返らぬから、どっちを選ぶんだ式の言い方ですね。あなたは、今度の国会になりましてから、事前協議は必ずしもノーではないのだ、イエスもあり得るのだということを示唆して、事前協議権のみの中に隠れて、新たなる軍事的条件をしょい込もうとしておる。そういう態度は、日本国民としては、ことばはどう使われようと、あるいは説明をどうされようと、国民の最近の不安というものは、その点を見抜いております。ですから、日本国民を裏切るようなことのない態度で折衝をすべきである。沖繩返還というものをえさにしてぬぐうべからざる危険な条件を日本国民に押しつける、こういうことはわれわれとして断じて忍ぶことができないわけでありますから、事前に、特に最近お立ちになりますから、お立ちになる前には、またもう少しお考えがまとまれば国会でお尋ねいたしまして、その内容について意見も申し上げる、要望も申し上げますけれども、基本的な姿勢がそういうわれわれに非常な不満を抱かしめるものがありますから、念のために御注意申し上げておきます。  きょうは、あと簡単でございますが、ちょっと時間をいただいて、けさの朝日新聞はじめ各紙に、せんだって西ドイツで在独韓国関係者の蒸発事件がありましたが、それと似たような事件がこの五月一日に起きたということが報道されております。ただいま被抑留者の奥さんの名前で、人権保護の立場で東京地裁に提訴いたしました提訴文を、ここに参考資料として私ども手元に持っておりますけれども、この事件は非常に奇怪なことであって、最近特にわれわれがこういうことに対して神経質になるということは、政府が今度の国会へ出されようとしておる出入国管理法、これは内容を見ますと、もう驚くべき法律ですね。戦時中といえどもこんなばかばかしい法律というものは国会に堂々と出せるような内容のものではない。基本的人権を全く無視して、裁判権すら放棄し、三権分立の原則すら破って、法務大臣の独裁で一切ができる。そして黙秘権すら認めていない。それからスパイあるいは密告が奨励されておる。こういう驚くべき法律を今度の国会に出そうとしておる佐藤内閣です。この対象は在日外国人、特に韓国人で朝鮮側の人たちと接触しておる人、あるいは思想的に共鳴しておる人、それから北朝鮮関係の、これは総連に参加しようとしまいとそういう人、それから在日中国華僑、これらの人に甚大な影響があるわけです。そういう点から、私どもはこれを外交問題等も関連をして軽視するわけにはいかない事件のように受け取ったわけです。  そこで、簡潔にお尋ねいたしますが、法務省からも来ていただいておりますね。局長は何か御都合が悪いそうですから、課長にお尋ねします。この事件に対して、いままで政府で掌握しておられる点をまず外務省から、それから続いて法務省から簡潔に要点だけ報告をしていただきたいと思うのです。

須之部量三外務省アジア局長

○須之部政府委員 この事件につきまして、東京地裁にいま先生おっしゃいました救済申し立て書が四日付で出ていることは承知しております。  それから、その内容につきまして私どもが承知しておりますのは、もちろん新聞等にも出ておりますけれども、この尹という方でございますが、大使館に五月一日に出頭いたしました。そこで、大使館の人から、例の昨年の十一月でございますが、大阪で起こりましたスパイ事件に関連して、家族のことについて話があった。それで、御本人が、それでは直ちに一応ソウルに帰って自分の事情も説明したいということで、二日に再入国の許可をとりまして、そして二日の韓国航空で帰ったということを承知しておるわけでございまして、普通の出国手続をとって自発的に帰ったということを聞いておるのが現状でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 法務省、出入国関係はどういうことになっておるか、報告してください。

橋爪三男法務省入国管理局資格審査課長

○橋爪説明員 昨日の夕刻になりまして、在日韓国人の方の一人が韓国に帰った、その人をめぐって何か事件があったということを聞いたわけです。そうして、さっそく調べましたところ、新聞に出ておるようですが、ああいう内容のことを私ども全然存じませんでした。再入国の許可をもらっていったというその面だけは入国管理局に関係したことでありまして、その調べによりますと、五月二日、連休の始まる前の日の午後二時か三時ころ、東京入国管理事務所のほうにその御本人である尹さんという方が見え、同時にそのとき、韓国大使館の権参事官という方が付き添ったようなかっこうになって一緒に参りまして、そして国際電話で韓国におる本人の弟さんが病気で危篤であるというので、至急帰らなきゃならない、今夜の飛行機で帰るから、急ぐものだから至急許可をしていただきたい、こういうことで参ったわけです。本人は戦前から長くおられる方でして、一般に、御承知かと思いますけれども、日本にいる外国人が出て入る、再入国と申しておりますが、その場合におきましては、本人の日本における在留状況、平素の状況がいいかどうかということをちょっと調べるわけであります。この人の場合も普通のそういった調査が要るものですから、時間がちょっとかかるのですが、こういう緊急な人道的な問題で行く場合ですから、できる限り促進して事務を処理するわけですが、この方の場合、調べましたところ、すぐ東京地方検察庁のほうに電話で本人の犯罪歴なんか過去にあったかどうかということを聞くわけでございますが、普通書面で問い合わせいたしますけれども、こういうことであったものですから、早くいたしました。道路交通法の事件がたしか二、三件過失があったということで、前科といえば前科ですけれども、たいしたことではありませんから、それで調べた結果、その日のうちに、本人の再入国を、向こうに行ってから一年間のうちに帰ってくればいい、そういう許可証を発行したのでございます。韓国大使館から言ってくるということはよくあることでございまして、よく電話か何かでこういう人が行くから頼むということは、韓国大使館に限らず、あるいは中国の国民政府大使館、あるいはほかの在日公館におきましても、ちょいちょい口添えというものがあるわけです。このときは特に急いだ関係上、参事官みずからが同道してまいったわけであります。そういうことで審査いたしまして、許可して許可証を発給した。これが五月二日のことであったわけです。それで、昨日ああいうことが起きたということは、全然私ども、そのことが起こりまして、その点を新聞社の方々から伺うまでは何も知らなかったわけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それじゃちょっと伺っておきますが、一年間の期間中に再入国をする、こういう許可になっておるわけですね。

橋爪三男法務省入国管理局資格審査課長

○橋爪説明員 その許可というのは、人によりますが、二カ月とか三カ月とか区切って、その間行ってきていいということをよくいうのでございます。この人の場合、一番のきめ手になるのは犯歴でございますが、そうたいしたことは何もやっておりませんから、そこで、出入国管理令をごらんになると、普通一年間というのが最大の時限でございます。ですから、本人にとって一番有利な期間を与える、これは普通やっていることでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 外務省、法務省両方にお尋ねいたしますが、人権保護、不法不当な監禁をされて抑留され続け、または強制的に他に移されている危険があるという申し立て書がございます。これはもう御承知であり、内容もごらんになっていますね。それを前提として、法治国であります以上、尹さんは日本国憲法の法律下にあるわけです。裁判も同様でしょう。治外法権はありませんからね。そうなると、日本の法律による基本的人権は保護さるべきであると解釈する。そうでありますならば、この事件が起きましてから、外務省は一体韓国大使館に対してどういう折衝をなさっておられるか、それを伺いたい。  それから法務省に対しましては、この事件が起きまして、これを受理するかしないか、どういう調査をするかは、これは地方裁判所の問題になりますけれども、法務省は、いま言われたように、善意ではありますが、知らずして出国の許可を与え、再入国の許可を与えている。それがこういう事件のもとであった。権君がついてきたと言いますが、権参事官は、彼は大使館に抑留しておるのだということを、同じ会社の金社長に対してはっきり拘留の事実を認めているわけです。尹君はその会社の専務です。本人の意思ではなくて、大使館の権限による拘留の事実をこの申し立て書のとおり認めておるわけです。そうでありますならば、各新聞の記事も、大体地方裁判所への奥さんの申し立て書と、すべてではありませんが、内容の焦点は一致いたしております。でありますから、新聞とこの申し立て書と両方ごらんになっているはずですね。こういう事件が起きたときは、一体法務省は、出入国並びに交渉は外務省を通じてでしょうけれども、これは基本的人権の問題でありますから問題になると思うのです。どういう処置をとられ、これからとろうとするか、その二点の質問を外務省、法務省の両方の立場からお答えをいただきたいと思います。

須之部量三外務省アジア局長

○須之部政府委員 この事件を承知いたしましたのは、実はけさの新聞でございます。この裁判所の申し立て書等も実はいま入手したばかりでございます。ただ、新聞等を見ましたので、けさ一応事情は大使館のほうにもちろん伺っております。その内容は先ほど私申し上げたとおりでございます。それで、御本人が一応自発的に、また普通の手続を経て出国されたということで、それと異なる申し立て書もあるのは事実でございますけれども、私どもとしましては、少なくともいまの段階では、一応御本人が自発的に成規の手続で出国されたというふうに理解しておるわけでございます。もちろん事態の発展いかんによってはということでございましょうけれども、現在のところは、むしろそれ以外の、何ら私どもにも根拠もございませんし、一応韓国大使館の話をけさ承ったというのが現状でございます。

橋爪三男法務省入国管理局資格審査課長

○橋爪説明員 私たちに対しまして直接問題になるのは、弟さんが病気であるから行く、こういうことを言いまして、実はその実新聞にあるごとき事態であったとすれば、そこに虚偽の渡航目的の申請があったということでございます。その場合でも、これは裏はよくわかりませんが、韓国大使館の操作があったのかもわかりません。でありますが、あくまで表面では、これは私たちに関する関係におきましては、御当人の尹さんが言ってきておる、実弟の病気見舞いということで申請しておりますから、そこに虚偽の申請があったということになりますから、他日帰ってきたような場合に、この人に対して何か、制裁ということはどうか知りませんが、何か措置を要すればしなければならぬかとも思いますけれども、どういうふうにするかはまだ考えておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 先に法務省にお尋ねしておきましょう。ついてきた大使館の権君、これは本人を留置していることを会社の社長にも認めておるわけです。そして去年大阪で起きたスパイ事件、これはおそらく息子さんのことだろうと思うのです。東大阪市で総連系の小学校の先生を数年間やっておったこともあるという人、きょうの朝日の写真にも出ている尹勇球さんですね。そういうことで、大阪におけるスパイ事件の供述と食い違いがあるので、それを対決させるために大阪へ連れていくというようなことを言っておるわけです。そしてまた今度は、新聞発表によりますと、スパイ事件で誤解を受けておる、それは心外であるから、本国へ行ってあかしを立ててくるのだと、自発的に行った。それでさらに、参事官が言っておることですけれども、韓国に対して忠誠を誓うならば再入国を認めるという条件つきで行っておるわけです。そうすると、権参事官がついてきていますけれども、権参事官は、本人の虚偽の出国に対する申請書、内容は全部知っておるわけですよ。それを証言しながら助言をしたわけでしょう。わが政府に対して。こういう趣旨であるから特別に早くやってもらいたい——われわれこんなことを聞いたことがない。任意出国で一日で出国の許可が出たなんという例を聞いたことがないです。それはまさに韓国大使館の権君の証言かつ推薦の口添えが東京入管並びに法務省の裁決を動かした大きな理由であると思うのです。その権君は、これは虚偽の申請であるということを承知して言っておるわけですよ。しかも新聞発表にまで言っておるでしょう。これはスパイ事件に関係をしておりり、本国へ忠誠を誓うならば云々と、東商会社の社長に対しては、尹氏を強制拘留しているということをしゃべっておるわけですよ。日本政府に対して、韓国大使館を代表する権君が、本人の虚偽の申請を知っておる、むしろ事実は書かせたといって差しつかえないでしょう。しかし、形式は、法務省としては尹君の自主的なる出国申請であるわけですね。ですから、責任は尹君に問うべきものでありますけれども、事実この申し立て書あるいは新聞の記事等を見ましても、これは抽象的に書いたものじゃなしに、調べてお書きになったのでしょう、合致しておりますから。そうであるなら、明らかにもう虚偽の申請の事実を十分知っていて、それで特別なはからいをすることを政府に求めた。こういう問題が出て、こんなでたらめをやるような韓国の大使館なんというものを日本政府は信用するわけにいかぬじゃありませんか。法務省としては、本人の責任を追及する前に、この事実を外務省を通じて明らかにしていただきたい。信用できませんよ、政府機関であっても。政府機関であればあるほど、私は責任は重大だと思うんだ。お考えはどうでしょうか。あなたの御答弁を伺って、外務省のお考えをお伺いいたします。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積君に申し上げますが、約束の時間がきておりますから、その辺で答弁を求めて…。

橋爪三男法務省入国管理局資格審査課長

○橋爪説明員 けさの新聞に出ていること、実は私もそれをけさの新聞で知りました。実は何か事件が起きたということは昨日伺ったわけですが、確かに、権参事官が参りまして口添えをしたということが非常にその事務を、手続を早く終わらせたということになります。しかし、これはこのケースだけでなく、ときどき特典なケースにつきましてはその日に許可を出していることはあります。そればかりではございませんけれども、確かに仰せのとおり、権参事官のほうは、これはそのことは十分知っておったに違いないことでございまして、私たちのほうにはそうではなくて、あくまで弟の病気見舞いで行ったということでございます。ですから、ちょっと形の上では韓国大使館でうそを言っているような形になるわけですね。そういうことですが、私どもそれ以上ちょっといま申し上げられません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 賢明なことで、バトンは外務省へ渡りますから、それで時間がありませんから、外務省にも一問追加してお尋ねして、これでやめますから、あわせて続けて御答弁をいただきたいのです。  私は、先ほど言いましたように、明らかに在日韓国一般の市民でございますから、日本国憲法の統治下に従わなければならない権利と義務があるわけですね。こういう思わしくない事件が起きて、しかもいまお聞きのとおり、韓国大使館は虚偽の申請、虚偽の事実を承知しながら、日本政府に対してだましたわけだ。そして場合によれば、これが不当に強制送還をされた。彼が向こうの尋問に対してとる態度によっては極刑に処せられるかもわからない。あるいは人質にとられて、大阪におる息子を招致するために使うかもわからない。しかも何を根拠にして一カ年という再入国の期間、最大限の期限を許されたか、これを聞こうと思いましたが、これは時間がありませんが、そういうところにもくさいところがあるのです。そういうことでありますから、日本の第三国人の基本的人権を尊重する法治国の名誉のために、そしてまた、不当なこういう策動を今後押えるために——先般ドイツにおきましては、御承知のとおり、あれは軍用機で送還をされた。だから西ドイツ政府は強く韓国政府に対して、抗議を申し込んでいますね。今度は民航で行っておることは事実ですけれども、権君が不当な虚偽の証言をしたことは事実です。しかもいま言ったような条件で、出るときは法務省も外務省も事実を認知しておられなかったでしょう。ところが、出たあと、そういう事実が新聞記事のみならず地裁への申し立て書によって明瞭になっているわけですから、そういうことでありますならば、これは日本の名誉のためにも、本人の基本的人権を尊重するためにも、在日韓国大使館に向かって、早く安全に帰すように私は折衝してもらいたい。これが当然なことではないかと思うのです。その点もあわせて要望いたしまして、お答えをいただきたいのです。  これで私の質問を終わります。

須之部量三外務省アジア局長

○須之部政府委員 いまのお尋ねの点、まず第一に、事実関係がどうかということを明らかにすべきでありまして、その上に立っていろいろ情勢を判断すべきだろうというふうに考えております。はたして虚偽申告があったのかどうか、あるいは不法な強制退去があったかというような点も、それらの判断も、すべてまず先に事実をはっきりさせた上で判断すべきことじゃないかと思う次第でございます。  もちろん、在留の外国人に日本国憲法の適用が原則としてあるのはそのとおりでございます。ただ同時に同じく、大使館の建物の不可侵あるいは外交官に対する裁判権の免除等、いわゆる外交特権というようなものも尊重しつつ進めなければならぬ。いろいろな事実関係を明らかにすることも、それらの点も考慮しながら進めなければならぬという点も、またわれわれとしては考慮しなければならない点ではないかと考えておる次第でございます。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 曽祢益君。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 最初に、外務大臣にお伺いしたいのは、沖繩返還についての東郷局長の言うならば事前の地ならし的な使命が終わって、一応帰ってきたわけですが、いろいろ見方があると思いますけれども、先ほど戸叶委員が、いまごろになってまだアメリカが核兵器を置くとか、あるいは基地の自由使用というようなことを強く望んでいるらしいことに対して、怒りを感じると表現をされたのですが、私は、客観的に見れば、むしろもどかしさを感ずると言ったほうがいいのではないか。つまり、アメリカから見れば、理状になるべく固執したいのは人情としてあたりまえです。そこで問題は、アメリカのほうはきついんだということはわかっていることなんです。したがって、いよいよ外務大臣の本番の乗り込みの前に、いまの段階でまだ日本政府がどういう基本方針で臨むかということについて明確に——まず国民の言うならば総意である、核つき・自由使用は困る、いわゆる安保条約のそのままのフル適用の事前協議制を厳格に適用するという以外では、これはもう沖繩問題そのものの解決にならないんだということをこれからPRし、これからやろうというのでは、これはなかなかもどかしいのは当然じゃないか。そこで、外務大臣に伺いたいのは、東郷局長のリポートがどうであったにせよ、おそらくこれは予想されたとおり、アメリカがなかなかかたいなというのが真相じゃないかと思うのですね。それにもかかわらず、これから六月の初めにいよいよ国務長官との第一回の重要な接触をやられる外務大臣としては、基本的にはやはりこの日本国民の総意であり、またこの点は交渉の一種の原案ともいえるのではないかと思うのですが、核抜き・本土並み、基地の自由使用でない本土並みというこの基本線でやっていくべきだ。こういうお考えでいまおられるかどうか。東郷局長の使命を見て、この時点における進行はどうかということをお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 東郷局長の報告を聞きました感じは、いま曽祢委員がお述べになりましたとおりに私も感得いたしております。そこで、私がこれから始めます話し合いにつきましては、この報告によって、何といいましょうか、ますますこの問題のむずかしさというものを強く認識するとか、あるいはこれなら簡単にいきそうだとか、どちらの意味でも、変わりはございません。日本の立場というものを十分ひとつ説得していく必要がある。しかし、その前提として、やはり情勢の判断とか分析とか、あるいはこれからの広い意味においての日本の外交政策というようなことも踏んまえてやっていかなければなるまい。これは従来からの考え方に変わりはございません。同時に、具体的なこの沖繩問題につきましては、先ほども申しておりますように、世論の動向というものは私なりに理解ができておるつもりでございます。その判断の上に立って、安保体制の中で早期に返還を求め、そして日本の安全に必要にして十分な備えということでいくべきである、かように考えております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 交渉に当たる外務大臣の立場としては、私の申し上げるように、早期かつ核抜き・本土並み、つまり、自由使用ではないという意味に明確にやられることにちゅうちょされることはあたりまえかもしれませんが、しかし、そういう意味で、私は、この際ますます勇気をふるって、困難は承知の上で、あくまで説得につとめて国民の意向を実現されたいと思うのです。  そこで、前からこれは総理大臣にも本委員会を通じて申し上げたことで、あたりまえのことですが、一体いつになったら閣議決定——その前に、一体自民党としてはいつ党議を決定するのか。これは政府の問題じゃないかもしれませんが、いつまでも白紙だということは許されないはずである。外務大臣が渡米される前にむろん党議もきまるであろうし、また閣議もその時点において、内容は別ですけれども——われわれは望むらくは、基本方針はやはり国民の圧倒的多数が望む核抜き・本土並み、これでいこうというようなことじゃないかと思うのですが、これとあわせてやはり実際問題として、よその国がどうこうというのじゃなくて、日本みずからが、沖繩を返せという以上は、沖繩が返って日本側のできる限りの防衛等を考えることは私は当然だと思う。それならば、やはり防衛方針というものについても、日本として一体自主防衛をどの程度まで沖繩についてやるのだというようなこと、あるいはこれまた外国側から要請されるからではなく、日本自身がいわゆるエコノミックアニマルではないわけで、この間、外務大臣もそういう意味で東南アジアあるいは大洋州の外務大臣との話し合いの際にも述べられたように、日本としては極東及び東南アジア諸国に対する経済援助を飛躍的に増大するという形でアジア開発に寄与するといったような、その一連の、沖繩問題でいよいよ本番に臨む政府の根本姿勢というものが当然あると思うのですね。そういうものを含めて、一体、沖繩返還交渉に臨む政府の基本方針というのはどういうものであり、いつそれを固められていくのかということをお答え願いたいと思うわけです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいまお尋ねがございましたような問題点については、かねがねいろいろと準備を進め、また構想も固めつつあるわけでございまして、これは沖繩の問題について申しますれば、総理も言っておりますように、話し合いで解決をしていきたいという考え方でございますから、自縄自縛になってしまうような一つの線というものをあまり早期に固めるのはいかがかと、実は率直に申して考えておりますが、同時に、私は先ほど申しましたように、基本的なものの考え方というものがどうしてもこの際必要である。ことにアメリカにおいても新政権が発足してまだ日も浅いわけでございますが、いろいろの問題点について十分意見の交換をして、できるだけ合意を求めるようにすることが同時に必要であろうかと思っております。かねがね申しておりますように、またただいまもお話がございましたが、アメリカがどうこうというのではなくて、日本が主体的に考えて、たとえばアジアに対してどういうような経済援助がどういう方向でなし得るか、これらに対しましても、すでにある程度のものは発表もいたしたわけでございますが、さらにひとつできるだけ考え方を整理してまいりたい、かように考えております。  それから、日米間には経済問題も実は相当たくさんかかえておるわけでございます。その一つの問題については、スタンズ商務長官が二、三日中に来日することも…(曽祢委員「それはあとで私から伺います」と呼ぶ)そういったことについても、やはり基本的な考え方というものを整理しておくことがどうしても必要だろう。一つ一つをシングルアウトして当たるということは、必ずしも得策ではないのではないかと思います。  それから、自主防衛という問題につきましては、ともかく沖繩の返還ということについては、逆な意味でと申しますか、本土並みということが必要ではないかと思います。施政権が返還されれば、当然その防衛については自衛隊の整備ということも考えていかなければなりません。これは相当長期にわたることでありますから、こまかい点にわたってまでこの際としては必要がないかもしれませんけれども、おおよその心組みというものは固めていかなければならない。できますならば、ここ最近のうちに、そういったような問題について、いろいろの方面と、まず国内的に合意を求める、そして交渉のやり方については、ある程度のフリーハンドをひとつまかせていただいて、話し合いの中に入る、こういうふうな考えでおるわけでございます。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 もう一ぺん念のために伺いますが、沖繩返還だけについて、言うまでもなく、早期ですね、それから核抜き・本土並みという国民の希望の線に沿うて、少なくともその気持ちでやっていく。それから、むろん日米関係について経済問題等もあろうし、そういう問題もむろんこの機会に話されるであろうけれども、もっと沖繩返還に直接関連する問題は、やはり返ってくる沖繩に対する日本の防衛体制が、どういう長期的プラン、あるいは現状においてどう段階的に考えていくか、あるいは日本の対外援助をどう考えるか、そういうものが総合されたものを、それをやはりひとつしっかりと持って、国民の前にその概要をむしろ明らかにされた立場で、そして交渉者としては交渉のフリーハンドということは当然だと思いますけれども、そういうような順序であろうかと思うのですが、大体いつごろまでにそういったような大きな問題を含んだ政府の交渉原案というものができるのか、これをひとつお示し願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 一発勝負で六月の二日に話がまとまるというようなふうには考えませんですから、あるいは全貌について明らかにするということについては、多少時期がおくれることもあり得ると考えます。最終的には、これも総理がよく言っておりますように、総理の訪米前には、たとえば党首会談というようなものもお願いしたいというようなことも漏らしておるようなわけでございますから、その辺のところについては十分考えてまいりたいと思っております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 はっきりしたお答えがなかったのですけれども、時間の都合もありますので、これは必ず訪米前にそういうような政府の態度を伺っていきたいと思うし、その時点における政府の態度は、第一回であるという非常に重要な会談ですから、その次にもロジャーズ国務長官が日本に来る場合とかいろいろありましょうけれども、第一回の会談に臨む基本的態度は、これは国民の前に明確にされるのが当然じゃないかと思います。  そこで、次に、いまお触れになりました、十日にスタンズ商務長官が日本に来るわけですが、私ども見ておりまして、これはお互いに政治家だから、選挙中の公約ということは守らなければいかぬと思いますけれども、ニクソン大統領が、選挙公約の一つであった毛及び化合繊繊維製品のいわゆる自主規制という形の輸入抑圧政策をひた押しに押してきておるように思うわけであります。この問題について、これはあるいは少し神経質に過ぎるかもしれませんが、どうも国民側の感情からいうと、外務省はアメリカに対して、いろいろの問題をかかえているものだから、繊維製品の自主規制というような、これはまことに不合理であるし、おとなげないとでもいいますか、そういうような感じがする問題について、外務省の腰が非常に弱いんじゃないか、こういう不満を非常に持っております。これはいわゆる繊維業者関係というよりも、むしろ繊維産業に働く労働者の声を代表する全繊同盟の会長が非常な憤りをもって、外務省は一体何をしてくれるんだということを私にぶちまけておりました。私はそういうことがあってはならないと思うのです、たとえばアメリカが言っているような毛及び合成繊維の問題について、これは八億ドルの赤字だ、だからこれを自主規制なり、あるいはそれがどうしてもできなければアメリカの議員立法によるいわゆる輸入割り当てをやるんだ、これはあたりまえだというようなことを言っておりますが、そんなことを言えば、日米間の貿易の収支勘定からいえば、むしろ日本のほうが農林水産品全体としては十三億ドルの赤字で、向こうさんはそれだけ黒字だというのです。まあ貿易関係というものは、部分的なものだけを見て、繊維製品だけの問題でバランスを考えていくというのは実はおかしい、そういうことです。  それから、綿製品の場合に、協定は他の繊維製品には絶対及ぼさないというはっきりした確約がある。また、鉄の場合のごとく、非常に大きな業界が中心になってやれば比較的自主規制がしやすいような場合には、これはまたいろいろ考え方もあろうと思うのです。どう考えても、毛及び化合繊繊維製品の自主規制というものは無理だという感じがするのです。その点について、外務大臣はどういうふうなお考えであるか、伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この問題は、二月のニクソン大統領の記者会見から明らかにされてきた問題でありますが、その当時から内閣として非常にこれを重視しておりますことは御承知のとおりでございます。いま全繊等の話もあって、外務省はだらしがないという御批判を受けましたが、私は、実はよけいなことかもしれませんが、それらの方々ともお会いして、決意のほどは私は明らかにしているつもりでございます。というのは、政治的な問題は別といたしまして、経済問題として考えました場合に、綿についての自主規制が行なわれて以来の経過、あの当時の背景、これらと比べてみましても、今回のアメリカ側の希望する案というものは、私は根拠がないと思うのです。たとえばあの当事は、綿関係の業界が非常に不況であったということもいえると思います。ところが、現在は、さような状況は認められませんし、それから、ほかの各合繊等を含めて日本の輸出の現在量というものは、パーセンテージからいいましても低いものでございます。いろいろの関係から申しまして、今回のアメリカの考え方というものは、率直に言って根拠がない、あるいは少なくとも根拠に乏しいと思います。から、日本の事情も十分に説明いたしまして、そういう考え方を引っ込めてもらうように努力をいたしたいと思っております。  なお、ほかのことを申して恐縮なんでありますが、ただいまイタリアの貿易大臣が来日中でございまして、昨日も相当長時間会談いたしました。それから、二、三日前、日英定期協議のときに、別の席ではございますが、特にボード・オブ・トレードのプレジデント、日本でいえば通産大臣でございますが、会談を求められました。これらイタリアにおきましても、イギリスにおきましても、この問題に対しては非常に重大な関心を持っております。概して申せば、われわれと大体同じような意見のように見受けられるわけでございますが、こういったような状況でもございますから、私は、アメリカが大所高所から、友好国との関係ということからいっても、こういう提案は何とか考え直すようにしてもらうよう、最大限努力をいたしたいと思っておるわけでございます。要するに、自由貿易ということを大流にしておる現在の国際経済界から申せば、こういったような保護貿易主義に戻るというようなことは、全く世界全体のためにも望ましいことではあるまいと思いますので、そういう点で十分主張を続けたいと考えております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 外務大臣が非常に力強く、アメリカの今度のいわゆる自主規制の要求は根拠がない、特に綿製品の長期自主規制の協定の際と違って、繊維業界が不況どころか、現在においてはむしろ繁栄している、売り上げにおいても、利益においても、また雇用を見ても、非常に繁栄している、そういう点から見て、根拠がないという断言をされ、また、その点について十分に繊維組合等にも説明されるということは、たいへんけっこうだと思います。  そこで伺いたいのは、この間、イギリスでもスチュアート外相及びボード・オブ・トレードのプレジデントとお会いになったそうで、イタリアの大臣ともお会いになったそうですが、アメリカのスタンズ長官のヨーロッパ行脚、それによって西欧諸国がアメリカと多少何か妥協するのではないか。これはやはり商売ですから、何かと何かと交換するということはあり得るので、一面からだけ考えれば、アメリカのほうはごり押しだ。自由貿易のチャンピオンにもあるまじきということで、そうだそうだと言いながら、やはり各国はそれなりに自分の利益中心で考えますからね。それで、スタンズ長官がまず西ヨーロッパを回って、今度は日本に来るということがくさいといえば、そこが問題だと思うのですね。そういう点について、いま大臣は、イギリスあるいはイタリアの当局と会談された最近の知識もありましょうし、そのほか、その他の西欧諸国のこれに対する対応ぶり等について、在外使臣からの報告等もありましょうが、その辺はどうなんですか。日本だけが非常に不利な状態に追い込められるのか。もしガット等に出た場合には、あるいはその他いわゆる輸入割り当て制限法案等を出すというような場合に、いわゆる共同戦線が張られる、アジア諸国ばかりでなく、西欧諸国とも共同戦線を張れるというような見通しであるかどうか、この点についてさらに御説明を伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 スタンズ氏としては、アジアの諸国も回って、そのあとでおそらく結論を出すのであろうと想像されますが、イギリスやイタリアが最終的にどういう態度をとるかということはさだかでございません。しかし、繊維についての自主規制というものが持ち出されたことに関する限りは、私も先ほどちょっと触れましたように、大体同一の考え方で、非常に困る。大体自由主義を掲げておる現在として、巨人的な存在の御本尊からそういうふうな提案をされるということは非常に困る、こういう態度におきましては、私は最大公約数的に一致はすると思いますが、ただいまお話もございましたように、それぞれの国がそれぞれの利害関係を持っておりますから、最終的にどういうふうな態度をとるかということは、まだ私にも掌握ができない点もございますが、同時に、ガット等に本件を持ち出すというようなことも伝えられております。そういうやり方をすることについても、日本政府としては反対であるということは、私は明確にしてまいりたいと思っております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 それからアメリカの当局ですね。当局の中にスタンズ長官がむろん入るわけですけれども、国務省、それから当局でないにせよ、議会の有力筋、それから国論、世論等から見まして、どういうふうに現時点において判定されておるのか。たとえば、これも新聞で見ただけですけれども、政府から特使という形で、特にアメリカの南部諸州に行かれたのが主だったと思いますけれども、安西昭電社長のミッションがこの問題に触れて、いろいろアメリカ側と接触した印象等が新聞に伝えられておりますが、そういうふうな報告もあるいはあったかと思います。それらのアメリカ側の現時点における方向、決意ですね。これはやはりどうしても自主規制をやらなければとても輸入割り当て制限法案を議会において食いとめられないのか。たとえば、いま外務大臣が言われたように、これはけさの新聞ですけれども、むしろ日本政府側のほうからガット十九条の緊急措置ならまだしもだというようなサゼッションがあったとかあろうとかいうことが出ておりましたが、そういうことを含めて筋違いだというふうにはたして断言できるのかどうか、ここら辺のことについて、アメリカ側の現時点における決意といいますか、今後の見通しに関連しますが、何といっても主導権を持っているアメリカ側がどれくらいの決意というか、方向づけをやっておられるのか、この辺をどういうふうに見ておられるのか、お話を願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 安西調査団もいろいろの情勢をつぶさに検討してこられたようであります。安西氏にも、昨日とりあえず、きわめて短い時間でございましたが、一般的な印象は聴取いたしました。さらに商務長官が来られる前にもう少し時間をかけて、さらに情勢分折をしたいと思っておりますが、一言で申しますと、非常に強い態度であるように見受けられたようでございまして、よほど当方といたしましても強くかつ賢明な対策が必要ではないか、印象としてさように考えております。昨日一日だけのことでございますので、これから今明日なりこの両三日を有効に活用いたしまして、対処策をさらに固めて、スタンズ長官との会談に臨みたいと思います。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 この一問で終わります。  これは質問であるとともに要望になろうと思いますが、非常にやぼな言い方かもしれませんけれども、この問題についてはやはり日本はきちんと、いかぬことはいかぬというふうに言うべきであって、むろん自主規制は、これは言うならば約束違反でもあるし、これはいかぬ。かといって、割り当て法案は絶対によろしくない。それからガットについても、これはいま外務大臣が言われたように、十九条の緊急措置であるかどうかは別として、そういうこともいかぬ。しかし、それは腹でもって、基本的態度といいますか、そういう態度で十分に説得につとめていただきたいということになろうと思うのです。これは要望です。  それから、いまの十九条等のガット問題について、説明をしていただくことができるならば幸いだと思います。いかがですか、鶴見局長。第十九条の問題あるいは他のガットの場における問題の処理ということ、どういう意味であるか。これは基本的には外務大臣がそれも反対だと言われたと思いますが、ちょっと説明として承っておきたいと思います。

鶴見清彦外務省経済局長

○鶴見政府委員 けさほどの新聞に、政府筋では、どうしても必要であるならば、ガットの十九条に基づいて緊急措置をとったらどうだろうかというような説があるというように書いてございますが、これは先般前のガットの事務局長のウインダムホワイト氏が外務省の招待で参りまして、彼が記者会見をしましたときに、アメリカの今般動いております毛及び化合繊繊維製品の輸出自主規制あるいは輸入制限、これには根拠がない、どうしても非常に困るというならば成規のガットの手続をやったらいいではないか、それは十九条だということを言ったことはございます。これは先生も御存じだと思いますが、そういうことから端を発しているかと思うのでございます。ただ、御存じのように、ガットの十九条を見ますと、これは特殊な産品、この場合は毛及び化合繊繊維製品でございますが、それの輸入が非常に増大をいたしまして、その同種産品を製造しております産業に著しい損害を与えるか、また与えるおそれが非常にあるという場合にのみ適用できる措置でございます。ところが、先ほど来先生自身も御指摘ございましたように、アメリカの毛及び化合繊の繊維産業は昨年以来好況を続けておりまして、したがって、十九条を持ち出そうと思っても、具体的な裏づけはあり得ないかと思います。国際的に見ますと、ガットの十九条でございますが、それを裏づけるアメリカの国内的な法制措置といたしましては、通商拡大法にエスケープクローズというものがあります。この場合も、産業に非常な損害を与える、あるいは与えるおそれがあるという場合に発動し得るわけでございますが、その場合には、一応関税委員会のスクリーンを経なければなりません。御存じのとおり、昨年の一月に、アメリカのこの種繊維産業は好況を維持しているので、そういう根拠なしという報告を一応出しております。その後ろ状況を見ましても、昨年一年間好況を続けておりますので、したがって、エスケープクローズを実際問題として十九条を根拠に発動するという経済的な根拠はないであろうというふうに考えております。そういうふうに私どもは考えております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 これで終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 渡部一郎君。

渡部一郎公明党

○渡部委員 私は、東郷アメリカ局長が最近沖繩の返還の問題を中心として対米折衝をせられましたその労を多とするものでありますが、この際、国民の前に報告を求めたいと思います。  まず、沖繩返還の可能性についてはどの程度の印象を得られたか、また、米軍基地撤去の可能性についてはどの程度の感触を得られたか、あるいは日本国民の合意ともいうべき核抜き返還についてはどの程度の見通しを得られたか、そういったような問題について、アメリカ局長から直接御自分の判断をできる限りにおいて御報告を求めたい、こう思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私、今度外務大臣が六月に訪米されますのを控えまして、その訪米の際における大臣のアメリカ側とのお話が実質的に進むことができるようにということを目的としまして、また、この問題に対して最近の国会の内外において総理なり外務大臣なりが示しておられる日本政府の態度というものを背景といたしまして、米側のいろいろの責任者と会談の機会を得ました。  その第一の返還自体の問題でございますが、これは御承知のように、一昨年の日米会談の際に、返還の目的のもとに両政府間で検討するということが原則的に明らかになりました。すでに返還の原則自身では日米間に何らの問題もない。この判断といいますか、この見方は誤りなし。問題は、いかにして返還を実現させるかということでございますが、この点は先ほども戸叶先生に御説明申し上げましたが、第一には、米国政府のそれぞれの関係当局が沖繩問題の重要性をよく認識し、また、これから数カ月間予想される日本側との話し合いを真剣に進めようという気がまえが十分感じられました。いろいろな人に会いました一般的な印象といたしましては、日本側にこの問題についていろいろの問題があることは向こうも研究しており、十分承知しておるつもりである。しかし、アメリカのほうにも国内の問題あるいは日本を含む極東の安全の問題についていろいろ考えるところがある。その辺、日本政府としても日本の事情があるであろうが、アメリカの持っておる問題あるいは日本を含む極東の問題について十分話をして、問題を詰めていかなければならぬということでございますが、最初申しましたように、あくまでも大臣訪米のいわば準備ということでございまして、その意味では、六月外務大臣を迎えるアメリカ側の準備を進めさせるためにはいささかお役に立ったかと思っているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員 局長は、先ほど新聞の報道に関してはかなり交渉の真意を伝えるものであるというようなお話をなさっておりましたので、私は伺うのでありますが、日本側の考え方を御説明なさったそうでありますが、それは日本政府としての考え方をもう当然御説明にならなければ予備的な折衝にもならなかったと私は考えるわけでございます。したがって、その日本政府の考え方というものが、前に表明せられていたとおり白紙のままであったとしたら、これは交渉にも何にもなるものではなくて、ある程度白紙でない何かが整っていたと見なければならないと存じます。したがって、今回向こうに対して御説明になった内容というものがどういうものであったか、それは明らかに核抜きという方向で進んでいったかどうか、特にそういう問題が国民の大きな関心の対象であると存じます。この沖繩返還の問題がへたなまとまり方をすれば、日本国民としても、日米間の大きな災いとなるばかりでなく、日本の安泰をくつがえすような問題になることは当然でありますし、その問題について白紙ということばを設けて、外務大臣が渡米されるその直前まで国民の前には知らさないでおこうというようなやり方であったら、私はおかしいのではないか、こう考えるわけでございます。したがって、くどいようでありますが、どういう方針で対米折衝の際臨まれたのか、その内容は、いままでの白紙と言われていた内容そのままを繰り返すものとは思われないのでありますが、どういう方針で臨まれておったのか。これは局長と外務大臣と両方にお答えを願いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 誤解のないようにお答えいたしたいのでありますけれども、私は、今回、いまも申しましたように、大臣が六月にいらっしゃいます準備ということで参ったわけでございます。私が先月来、大臣がなさる交渉、その皮切りをやってきたということではないのでございます。その点どうも、重大なる問題に対して日本政府がどういうことで交渉を始めたかということは、ちょっと別の問題でございます。しかし、私の目的は大臣訪米の準備ということでございます。そこで、この時点におけるアメリカ側の考えを極力正確に知っておくことが一つの目的でございます。そのためには、先生も御指摘のように、ただ白紙で、おまえはどうかということでは、これは十何年前のアメリカとの関係はそういうことでもあるいはよかったかもしれませんが、しかし、今日はそういう時代ではないと思いますし、また私も政府の一員でございますから、公に政府の申しておるところを背景といたしまして、日本側の今日の考えを一般的に説明しつつ、向こうの考えを正確につかむという趣旨で行ったわけでございます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいま東郷君からお話し申し上げたとおりでございまして、実際の交渉というものについては、私が参りますのが皮切りでございます。いわば出かけてまいりますまでの、それからその後こちらが希望しておりますような日程で問題をしぼっていくというやり方等を含めて、いわば下準備に行ってまいったのでございますから、日本政府の囲った意見というようなものを紙に書いて持っていくというようなことは、まだその時期ではございません。したがって、アメリカの政府部内においてどういうふうな検討をどういう角度からしているであろうかということを私としても知りたかったし、また当然やるべき準備だろうと思いますので、そういう意味で派遣をいたしました。その限りにおきましては非常な成果があったものと考えております。  なお、御案内のように、また先ほど申しましたように、アメリカ側も現にフィン日本部長というような人が滞日しておりますことも御承知のとおりでございまして、やはり双方が本格的な下交渉を始めるにつきましては、いろいろと先方側の準備ぶりあるいは考え方なども事前に承知しておくために、十分の下準備をするということをやってまいりますことは当然のことかとも考えております。同時に、ただいま東郷君も率直に申しておりますように、何も言わないで相手方の状況を偵察するということにもまいりませんが、そうした点につきましては、もうすべて日本の国会におきまして、衆参両院を通じて本件については実にいろいろな角度からいろんな論議がかわされております。それに対して政府としての答弁、説明ということが国内ではもうすっかりわかっておりますが、念のためにそういうふうなことを背景にして、しかるべく先方の考え方などを引き出すことにできるだけの努力を傾けてもらったわけです。

渡部一郎公明党

○渡部委員 いま一般的に日本政府の立場を、国会審議の途中にあったいろいろな考え方を説明したと仰せになりましたけれども、ですから、具体的にひとつ伺ってみたいと思っておるのですが、核抜きの問題一つにしましても、当初の政府の説明は、核抜き反対の印象の濃いものでございました。ところが、後段に至りまして、核抜きということばを佐藤総理が強く印象づけるようなお話をなさっておりました。そうすると、今回の一般的な日本政府の立場を局長がアメリカに対して説明をなさった場合に、どちらの立場をとられたのか。外務大臣はどういうふうに指図をなさったのか。ほんとうの日本国民の要望である核抜き問題についてはどういうふうな態度であったのか。これだけでもひとつ、日本政府の考えというか、立場というものを表明していただきたいと存じます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、私どもの態度というものは、私は非常にはっきりしておるつもりなんでありますが、一つは、早期に施政権を返還してもらうことである。それから日本が今後とも末長く安全で自由で繁栄をもたらし得るような点からいいまして、沖繩の地位づけというものをどう考えていくのが一番よろしいかということ。そしてこれらについては、日本国民の感情、ものの考え方というものを私は私なりに理解をしておりますと先ほど申し上げたわけでございますが、そういう気持ちを体していくということ。そして安保体制の中でこれを解決する。これが基本的な考え方でございます。ですから、そういう考え方を頭に置き、そしてまた、沖繩だけの問題をいわばシングルアウトするのではなくて、日本の主体的な立場において、たとえばアジアの情勢分析をどうしていくか、また経済協力その他についてどういうかっこうで臨んでいくか、あるいは日米両国間のバイラテラルな経済問題等につきましても、十分検討し、構想を練って総合的に話し合いを進めることが適当ではなかろうかと考えておるわけでございます。大体向こうもそういう方向あるいはそういう取り上げ方でいくことについて、たまたま同様の考え方であろうかという想像がつく段階になっておるように見受けるわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員 そうすると、核抜き返還とか核つき返還の問題については、私は、その問題に限って外務大臣に御質問したわけであります。ただいまのようなお答えが出てくるということは、核つき返還もあり得るという意味でお答えになったのでしょうか。重ねて伺います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、何と申しますか、私なりに国民の皆さまがどういうふうなことを期待しておられるかということは理解いたしておりますといま申し上げましたが、そのとおりなんでございまして、基本的な話し合いを進めていく上において、だんだんその話を煮詰めていきたい。そして最終的に日本国民の御期待に沿うような結論を出すようにしていきたい、かように考えているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員 核抜き返還に関する日本国民の感情はわかるけれども、それはいまここで述べることはできないのであって、交渉の途中で煮詰めていく。煮詰めていって、なるべく核抜きの方向には持っていきたいと思うけれども、場合によっては煮詰める途中で、煮詰め方が核つきであるという場合もあり得る、こういう意味でございますね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、それに対しては、これから非常に大事な困難な折衝に向かおうとしているときでございますから、こうこういう紙をつくって、これでこれから六カ月間の長い交渉に臨むということをここではっきり申し上げることは、私としては非常に不適当だと考えておりますので、いま申し上げたところにとどめさせていただきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部委員 私は、その外務大臣の意見こそまさに不適当だと思うのです。こちらの立場が、日本国民の核兵器に対する強い反対の感情を無視して、初めから中間の妥協があり得るような考え方、そしていよいよとなれば核つきもやむなしと言い得るだけの素地を残したただいまの御回答というものは、初めから核抜きという日本国民の強い要請を裏切った姿であると私は思います。むしろ長い六カ月間の交渉であるからこそ、この問題に関しては、他の問題とは違って、強い態度を示さなければ、この交渉がせっかく行なわれても、さらに核兵器反対の大運動のために、日米関係が崩壊するばかりか、日本国民の中に大きな激突、衝突を招くのみであって、決して日本の平和のためにも、東洋の平和のためにもプラスにならないと私は考えます。私は、これについて外務大臣がお考えがあるなら伺いたいのですけれども、これについて私は強く要望を申し上げて、この核兵器に関する問題だけは譲ってはいただきたくない、これが日本国民の大多数の要望であることを私は強く申し上げておきたいと存じます。  それから、お答えがもつれておりますのであれなんですが、新聞の報道によれば、この条約の返還交渉の最終的な煮詰めはどこにあるかというと、安保条約の弾力的適用か、あるいは安保条約の第六条事前協議事項に対する特別の取りきめ、すなわち、事前協議の適用除外あるいは包括的承認などについての交換公文をかわすということが当然予想されるというふうに、東郷局長の談話あるいはその意向として報道が行なわれておるのでありますが、局長はそういう方針であるかいなや、その辺が交渉の最大の山場であると思っておられるかどうか、まず伺いたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私がワシントンに行っている間のことに関して、日本の各紙が非常によく——よくと申しますか、正確に書いてくださったと先ほど申しましたが、いまの御引用になったところは、おそらく私の申したことではなくて、その解説であろうと想像いたします。また、私の政策はどうかとお尋ねになりましても、私は政策をつくる立場にはございませんので、私の政策というのはちょっと適当じゃないと存じますが、いずれにいたしましても、そういう問題を含めてこれから交渉が行なわれるわけでございまして、わがほうからはアメリカの壁がかたいという表現がよく使われますが、アメリカ側から見れば、日本の壁がかたいということは向こうもよく承知しておるわけでございまして、その間に双方が満足できる解決、日本のほうから見ても、日本の利益、日本の安全ということから見て満足できる解決、こういうものが今後の交渉でできてこなければならぬわけであります。それをどういう形でおさめるかというのは、全く今後の問題でございますので、いまの御指摘の点については、ちょっと私からいまいずれともお答えしかねる問題でございます。

渡部一郎公明党

○渡部委員 この沖繩の返還に関する見返りというか、アメリカに対する反対給付というか、そういう形で、安保条約の弾力的運用あるいは事前協議に対する特別の取りきめ等のやり方で、安保体制をさらに日本にとって危険なものとするおそれというものを私はきわめて強く感ずるのであります。また、御報告の中に正確にはあらわれておりませんけれども、海外経済協力に関しては相当のものを提供する、こういう方針でおられるのではないかとも推察しておるわけであります。また、自主防衛についていろいろな申し入れをアメリカに対して行なう用意があるということも提示される段階ではないかと考えておるわけであります。というのは、こういったようなことが漏れてきて国民の前に提示されるというのは、あまりにも危険な関係でありますので、一括して外務大臣に、こういった問題についてどういう方針であられるのか、具体的に伺いたいと存じます。自主防衛についてどう考えられるか。また、海外経済協力に対してはどういうふうになさるのか。安保条約の事前協議に関する問題はどうなさるのか。これについて伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず第一、この点はどうも結論的に御意見が違うかとも思いますが、私といいますか、政府といたしましては、この安保条約というものは、日本の安全を守るために、危険が起こらないように未然に防止する、これを眼目にいたしておりますから、今後におきましても、万々一にもその目的に反するようなことは絶対にいたすべきでない、こういうふうに考えております。したがって、先ほど原則を申し上げましたが、この安保体制の維持というものの考え方の中で沖繩問題を処理する、これはもう当然のことではなかろうか。政府の態度としてはそういうふうな態度でございますから、安保条約によって、あるいは沖繩の返還を求めたことによって日本が戦争に巻き込まれる危険を増大するというようなことは、絶対に防がなければならない、また、そこに国民的な最大の眼目もあると思いますから、十分これを踏んまえてまいりたい、かように考えるわけでございます。  同時に、これから始まる交渉に際して、事前協議の適用についてどうこうだということを早回りして自縄自縛のようなかっこうになることは、そういう大目的から申しましても、厳に慎んでまいりたいというのが私の心境でございます。  それから、経済援助の問題につきましては、よく沖繩とひっからめられて論議される傾向がございます。しかし、私の考え方は、時間的にも御理解いただけるかと思いますけれども、日本としての現在の経済的な地位、それから従来の東南アジア等に対する経済援助というものは、賠償というようなことが根幹になっておったが、これは一段落しつつあるわけでございます。したがって、一九七〇年代、およそ一九八〇年を目標にいたしまして今後の十年間、開発途上国に対する平和的で効果的な民生の安定向上というものにお役に立つように、ひとつGNPの向上に即応して、海外援助の比率もだんだん上げていって、少なくとも終局的には一%というところを実現したい、こういう考え方は私も前々から明らかにいたしております。またそれを受けて、さらに具体的に大蔵大臣も、海外に出ました機会に明らかにいたしております。また、エカフェの総会におきまして、木内科学技術庁長官が政府代表として、さらにそれを受けてそういう考え方も明らかにいたしておるわけでございますから、こういう考え方は、日米間の話し合いにも話題に提供されることは当然であろうと考えております。現に、最近におきます日英定期協議におきましても、イギリス側としても非常な興味と関心を持って日本の態度に期待をかけておることを私ははだに触れて感じとったわけでございまして、やはりこの国際的な大きな期待をここまでにない得るような立場になったにつきましては、こうした問題の取り上げ方も、従来にも増して、知恵才覚はもちろんでございますが、平和目的に徹した民生の向上ということが、ひいては国際的な緊張緩和に役立つものである。こういう考え方で推進してまいりたいと考えております。  最後に、自主防衛のお話がございましたが、これは私から申し上げるのは必ずしも適当でないかとも思いますけれども、少なくとも沖繩返還の問題に対して、本土並みということばがこれほど国民的合意の上に使われている今日におきまして、返還されれば、沖繩には本土並みの自衛組織、自衛体制というものが展開されなければならぬということは、私はこれは自然の姿ではなかろうかと思いますので、この点につきましては、防衛庁を中心にいたしました研究が相当進みつつある、かように承知いたしております。

渡部一郎公明党

○渡部委員 それでは今度は、日米間の懸案になっておりますことの中に、日米航空協定に関する協議が近く行なわれるようでありますが、この問題に対してはどういうふうになっておるのか。また、沖繩の労働総合布令の撤廃について、今回アメリカ側に対して強く申し入れられる用意があるかどうか。また、B52の沖繩撤去については、現地屋良主席がストライキの回避の際に、日本政府側からB52の撤去に関する感触を得たという理由のもとに、ストライキを回避されたという事実がありましたが、こういうような感触を日本政府として与えられたのかどうか。また現地のアメリカ軍及びアメリカの本国政府に対して、B52沖繩撤去に対して申し入れをされたかどうか。またどういう方針で臨まれるか。そういったことについて、最後にお伺いしたいと存じます。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 パシフィックケースの問題については、御承知のような経過でございまして、この点についても、日米間の話し合いというか、申し入れというものをやらなければないと考えております。けれども、これは運輸省あるいは日本航空その他専門的な知識も相当必要でございますので、一応ただいまのところでは、私とロジャーズ国務長官の話し合いの議題にはのせてございません。別の交渉の場で取り上げることにいたしたほうが適当かと思っております。  それからB52の問題については、これは前にも申し上げておりますように、政府として、これはたいへん残念なことでございますけれども、何月には撤去いたします。何月にはというような時間的な約束あるいは向こうからの申し入れというものは取りつけておりません。  それから労働布令につきましては、御承知のような経過でございまして、これは現在のところはちょっと中絶している状態。詳細な申し入れを御承知のようにいたしておりまして、向こうがこれを研究しておる段階にあるわけでございます。  ところで、こうした具体的な問題は、やはり沖繩返還、施政権の返還というものをこうして具体的の日程にのせつつあるところの段階でございますから、全体的な問題としてこういうものも基本的に解決できる。たとえば労働布令を一例にいたしますならば、施政権返還ができれば、間接雇用になって、まさに本土並みになるわけでございます。そういう状況ができ上がるように基本的に施政権返還を実のあるものにしたい。それで、それを頭に置きながら、もうわずかの期間に沖繩の駐留軍労務者の人たちが本土に比べて差別的な待遇がより広がるというようなことはとんでもないことだと私は思いますから、そういう角度で問題の処理に当たりたいと思います。  話に出すのかというお尋ねでございましたが、もちろん話に出します。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる九日午前十時より理事会、十時十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時六分散会

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