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61回国会衆議院1969/04/23

外務委員会 第15号

発言数
64
登壇者
6
会派数
3
開催日
1969/04/23

会議録

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 これより会議を開きます。  海外移住事業団法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本問題につきましては、過般来の各党間における協議の結果、その案文が委員長の手元に提示され、委員各位のお手元に配付いたしてあります。その趣旨について御説明申し上げます。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 政府は、昭和二十七年に戦後の海外移住が開始されるとともに、財団法人海外協会連合会及びその後身である海外移住事業団を通じて、昭和四十一年三月末に至るまで、中南米移住者に対し、渡航費として総計五十四億五千万円余を貸し付けてまいりました。  中南米に移住された方々の総数は昭和四十三年末現在で約六万人でありまして、そのうち九〇%以上が農業に従事しておるものであります。  これら農業移住者の現状を概観いたしますと、政府及び海外移住事業団の諸援護並びに営農確立のための現地の融資等の措置にもかかわらず、いまだに定着安定の域に達していない方々も多いのであります。  以上のような点にかんがみまして、政府は、昭和四十一年に行なわれた海外移住事業団法の一部改正により、昭和二十七年四月一日から四十一年三月三十一日までの間に事業団に貸し付けた五十四億円余の渡航費貸し付け金債権を免除するとともに、同年四月以降は事業団に渡航費を交付することとし、事業団も移住者に対して渡航費を支給することに業務内容を改正したのであります。  しかし、法改正後も、渡航費貸し付け金債権は依然として事業団と移住者との間に残っておりますので、事業団はその回収に努力してまいりましたが、四十一年四月以降は、渡航費を全額支給していること、同じ移住地に渡航費を貸し付けられた人と支給された人が混在して不公平が生じていること、さらには移住者の中に経済的に良好でない人もいること等の理由によって、回収状況ははなはだ芳しくないのであります。  一方、それに伴って債権管理費の累積が無視できない事情にあります。  また、戦後、米国難民救済法の適用を受けてアメリカ合衆国に移住した三百八十八名に対し、政府は三千百八十五万円余を渡航費として貸し付けておりますが、すでにその九五%が回収済みでありまして、残余の分は回収見込みが立たない状況でございます。  よって、このような渡航費貸し付け金の返済という移住者の心理的負担と、四十一年の法改正による不公平を除き、かつ、経済的向上をはかり、もって移住者の営農定着を実現させるため、次のような法的措置を講じようとするものであります。  すなわち、本改正案の第一点は、政府は昭和四十一年の事業団法の一部改正の際除外されたアメリカ合衆国向け移住者のため事業団に貸し付けた渡航費貸し付け金債権約四百六十万円を免除するものであります。  第二点は、事業団は、移住者に貸し付けた渡航費貸し付け金債権を一括して免除するものであります。  なお、本法案に対しましては、過去に渡航費を返済した者との間に不公平が生じますので、これに対処する方法として、海外移住事業団が現在特別勘定に保管している回収金を移住者全体の利益になるように使用することが適当と思われます。  よって、このような観点から、移住者の団体を選定し、これに対し、基金として回収金を寄贈することとし、あわせて貸し付け金を返済した移住者に対しましては、右団体より感謝状を贈る措置をとりたいと存じます。     —————————————

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 本件につきまして御発言はありませんか。——別に御発言もなければ、この際、本案は歳入の減少を伴うこととなりますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べ願います。愛知外務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 国が海外移住事業団に対してアメリカ合衆国移住者にかかる渡航費貸し付け金関係の債権を免除することにつきましては、すでに当該債権の大部分が回収済みであり、残余債権の回収が事実上不可能に近いことに顧みまして、やむを得ないものと考えます。  また、海外移住事業団が海外移住者に対して渡航費貸し付け金関係の債権を免除することについては、債務者たる海外移住者個々の返済能力を勘案することなく一律に免除の措置をとることに問題がないわけではございませんが、昭和四十一年以降海外移住者の渡航費が海外移住事業団を通じて本人に支給することに改められていること、過去の実績等から見まして、本債権の回収がきわめて困難であると考えられること等の理由によりまして、あえて反対いたすものではございません。     —————————————

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 おはかりいたします。  この起草案を委員会の成案として決定し、これを委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 きょうも時間が十分ありませんけれども、この前、当委員会あるいは本会議等におきまして、アメリカ偵察機が朝鮮に対する挑発的な情報収集に出た事件につきまして、これをわれわれ静観いたしておりましたところが、その後、ニクソン大統領の強硬な力の外交政策の発露として、警備つきの偵察を続けるだけでなくて、大艦隊を編成いたしまして、日本海における北朝鮮に対する非常な武力的な威嚇あるいは挑発を始めておるわけです。このことは、安保条約との関連においてわが国の平和、安全にも重大な関係がありますし、のみならず、極東地域全体の平和、独立の問題にも関連がありますので、緊急に今日本会議において各党の質問があるはずでありますけれども、本会議におきましてはいささか片側通行のうらみがありますので、それに先立ちまして、きょうは外務大臣から質疑応答の中で問題を明らかにしていただきたいと思っております。  なお、安保条約につきましては、あなたは今月号の文春におきまして、わが党の非武装中立政策を正確に理解されないで、何といいますか、はなはだ卑俗なことばで、われわれの非武装中立政策を誹謗いたしておられるのでありますが、はなはだ私は遺憾にたえない。このことは、これから論議いたします安保条約の危険性の問題とも関連いたしますから、あわせてお尋ねいたしたいと思っております。  まず第一、現在の偵察機撃墜後のアメリカの大空艦隊編成による偵察護衛と称する行動は、明らかに過剰警備でありまして、のみならず、前のフォーカス・レティナ作戦の大演習とともに、朝鮮に対する威嚇または挑発であると思う。この現在の状況を日本外務省としてごらんになって、これは少なくとも過剰警備ではないか、そこから起きる戦争挑発の危険がありはしないか、第一に、そういう現状認識について外務大臣のお考えを伺いたいのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず第一に、今回の事件につきまして、私どもの見解を申し上げたいと思いますが、それは公海上における偵察行動である。そしてこれが北鮮側によって撃墜をされた。これは事実であると思います。したがいまして、そういう環境の中、こういう事件が起こりましたあとにおいて、公海上における偵察行動を続け、その目的が達せられるようにこれを護衛するという目的でございますから、私はそういう観点からお答えをいたしたいと存じます。  ただいま申しましたように、偵察行動であり、いかなる意味でも領海、領空を侵していない、そしてこれが攻撃を受けて、撃墜されて三十一人の人命が失われた、この条件下において偵察行動を続ける、その目的を達しようとするならば、これに相当な警戒というものが考えられることは自然の姿ではないだろうか、かように考えるわけでございまして、また、そういう目的が累次のアメリカ側の公式、非公式の声明等を通じて明らかになっておりますから、そういうふうに事態を認識してよろしいと私は考えます。  ただ、これに対して、私どもは安保条約との関連でどう考えるかというお尋ねでございますが、安保条約は、脅威を受けるようなことがないように、未然にそういう脅威を防止するということが目的でございます。また、日本及び日本を含む極東の安全のために安保条約というものが結ばれておりますから、そういう観点からこの問題も理解してしかるべきである、かように考えておる次第でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いまの御答弁で、二つの点で問題があるわけですね。  一つは、前に撃墜されました米機がはたして朝鮮の領域を侵していないかということです。これは行くえ不明の米側の発表に対して相即応いたしまして、朝鮮領域を深く侵入した、だから撃墜したということの発表があるわけですね。それに対してあなたは、公海上における不当な撃墜である、こういうふうに規定されましたが、その事実は一体どこでお確かめになりましたか。それが一つであります。  それからもう一つは、撃墜された後の情勢の中においては、これは警備をつけて公海上からの偵察は当然であると言われますが、これは過剰警備ではありませんか。その二点、もう一ぺんお答えいただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この第一の点でございますが、これは前回の外務委員会におきまして、私は、事実についてこれを明らかにすることが第一であって、それなくしては、態度を表明し、あるいはコメントすることはできないということを申し上げましたが、私といたしましても、その事態の真相の追求ということには十分配慮いたしたわけでございます。前回の外務委員会が終わりましたあと、アメリカの臨時代理大使は、本国の訓令に基づいて私のところへも参っております。あらゆる根拠から、米国政府といたしましては、北鮮の沿岸四十マイル以内にいかなるときにおきましても入った事実はない、これを日本政府に対して保証をする、こういうことが本件についての米側の見解でございます。このことは、さらにその後も実は随時私ども通報を受け、あるいは意見を申しておるわけでありまするが、十八日のニクソン大統領の記者会見におきましては、たとえばこういうことも言うておるわけです。これは自分のほうの確実な情報だけではなくて、他の国のレーダーによってもそのことが実証できる、その中には北鮮側も入っているというような記者会見での言明でございます。こういったようなことから見まして、私の心証、日本政府の心証といたしまして、今回のこの飛行というものは、領空、領海を侵犯していない、撃墜された地点は沿岸九十五マイルの地点である、こういうことも判明いたしました今日におきましては、これは公海上の事件であった、こう見るのがしかるべきである、私はかように考えておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 今度の事件については、領海、領空、領域を侵犯したかしないかということについては、われわれも見ておったわけではありませんし、また、それほど多くの情報を手にしておるわけではない。しかしながら、出動のときの、米軍の出動機に対する命令は、領域を侵しではいけない、領海、領空よりははるかに手前の地域までの行動範囲を設定したということによって、領空を侵していないという証明にはならない。それでは、U2機その他、中国に対しましても、この数年の間にたび重なって領空侵犯をやっております。それがアメリカです。ですから、そのときには、一体領域を侵していいという軍事指令が出ておりますか。出ていないでしょう。出ていないにかかわらず、出ていないと称しておるにかかわらず、実際はやっておるわけですね。アメリカはそういうたび重なる前科者です。そうして朝鮮側は、おそらくはこれに対して抗弁する資料をやがてまた追加発表するでしょう。そのときに、日本政府は、一応アメリカ側の情報しか手に入らないから、それを前提とすれば、これは過剰防衛であるということの前提に立って言われるならばまだしもでありますけれども、その事実を断定されるということは、これは朝鮮に対しての非常な敵対政策であると思うのですね。外務省として、政府として、正式にそういうことを発表されることは、これはわれわれとしては納得ができないのです。  それから、いまの警備の第二の質問に対してはお答えになりませんが、これはアメリカ本国においてすら明らかな過剰防衛であると言われており、さらに日本国内における安全保障を支持しておる側に立つ軍事評論家の諸君も、これは明らかな過剰防衛であると言っている。これはフォーカス作戦と結び合わせて考えるならば、場合によれば挑発になる。戦闘行為の激発にならぬとは限らない。それを少なくとも誘導するものである、こういうことは、もう日本国内、アメリカ国内におきましても常識化しておるわけでしょう。なぜこれが過剰防衛でないでしょうか。これはわれわれが報道を通じて知っておるだけを見ましても、航空母艦四隻を含む二十三隻、それで出動し得る艦載機が二百五十をこえる、こんなばかばかしい警備と称する警備が、合法的に公海とはいえ人の窓口で、そういうことが行なわれることが、相手国に対して何の脅威も与えていない、何の威嚇も与えていない、何の挑発にもならない、そういうことで、合法性もさることながら、正当性、相当な警備であるということが言われましょうか。私はあなたの常識を疑うのです。あなたは最も好戦的なそんな答弁をしているのでしょうか。何が平和ですか。もう一ぺん答弁をしていただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、アメリカ政府として公式に日本政府に対して保証するということを申しますことは、これは非常な確信を持って言っていることと理解をするのが私は当然だと思います。そして、その根拠としてあげておりますことも、私は傾聴すべきことであると思いますから、その事件については、アメリカの見解というものをもとにすれば、北鮮側が不法な攻撃をした、これは非難さるべきことである、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。  それから、過剰防衛かどうかということについては、先ほど私申しましたけれども、やはり脅威を未然に防止するということが一番大きな目的であって、こういう不当なる攻撃を受けた、そして多くの人命が損傷された、失なわれたというこの事態のもとにおいて、国際法上も当然認められている正常な偵察行動という目的が達成できるように、また再びそういう不当な攻撃を受けないように、未然に防止するための措置というものは、私は当事者としては当然考えることではなかろうかと考えるわけでございます。そういうふうな理解を私はしておるわけであります。  それから、さらに申し上げたいのは、私は、こういう事態が起こることはきわめて不幸なことであると考えますけれども、どうしてこういう事件が起こるのだろうか、これはやはり朝鮮半島における緊張ということがその前提になっておる、こう言わざるを得ないのではなかろうかと思います。そして、そういう朝鮮半島における危機感というか、こういう緊急の状態というものは、わが国自身の安全にも非常に大きな関係がある。したがって、そういう点から申しまして、安保条約のメリットというものは、あらためて見直されてしかるべきではなかろうか、こういう角度に私は立っておりますから、いろいろと御意見はございましょうけれども、私の見解というものは私の見解としてお聞き取りをいただきたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いまの状態が相当する、妥当な警備体制であるというふうにお考えになっているのですか、もう一ぺんお答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず、二つの国が関係し、あるいはその他の国も関係しているわけでございましょうが、その一つの立場だけを前提にして、そしてお考えになるということは、私はこういう際に冷静ではないと思うのです。私は冷静に考えて、相当ということは、非常にけっこうなことということもありましょうし、やむを得ないということもありましょうが、そういう意味を全部含めまして、これは相当である、かように私は申し上げたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 あなたは、いま公海上における偵察行動の警備だけでなくて、この警備が一つは相手の戦闘行動を抑止する抑止力である、こういうことを言われるわけですね。そうなりますと、国際法上当然認められたものであると言われますが、自衛権行使の範囲にいたしましても、そして相手国から攻撃を受けましたときの報復の攻撃行動すら、これは制限されているのですよ。まして、いまのような偵察行動に対しまして、抑止力を発揮する必要がある、相手に威嚇を与える、それで抑止するんだ、そういうことまで国際法上認められている理念ではないわけです。特に日本は武力による威嚇または武力の行使をしない、そういうものによらないで平和を守ろう、国際紛争を解決しよう、こういうことでしょう。その立場に立っている政府が、武力による——いまのように言われれば、偵察機の警備だけではなくて、相手に対して威嚇を与えて抑止力を発揮するための出動である、これは平和のために効果のあることである、歓迎すべきことである——これはもういまの威嚇または武力行使というものは、国際憲章におきましても、安保条約においてすら、このことは冒頭に書かれておる原理であり、通念ではないでしょうか。抑止力とは一体どういう意味でしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 抑止力というのは、戦争とか現実の脅威というものが起こらないように未然に防止するということが抑止である、かように私は考えるわけでございます。  それから、先ほど来のお尋ねの中にいろいろ御意見がございますけれども、これは本会議で申し上げようと思っておりますけれども、四月十六日に公式に先ほど申しましたような見解をアメリカ側が表明したわけでございますが、直ちにそれに対しまして、わが日本の立場といたしましては、北鮮の行動が国際法上不法であり、非難さるべき行動であるということであるならば、かりにそれに対して実力で報復攻撃を加えることだって、あるいは根拠づけられるのかもしれないが、さようなことはとんでもないことであって、日本の立場としては、この事態が平和裏にすみやかに結着がつくことを強く要請する、その席で、私は、日本政府の立場におきましてアメリカに要請をいたしたわけでございます。  私は、ひとりよがりと言われるかもしれませんけれども、十八日のニクソン大統領の記者会見等にも公にされておりますように、アメリカとしてはきわめて冷静、そして平和的な処理で終結をつけたいという態度がにじみ出ておることは、日本政府のそういったような即時の申し入れというものも、私は相当の影響力があったものと、かように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 あなたは、私が一方の国、すなわち朝鮮民主主義人民共和国の側に立ってものを言っているように言われますが、私は、先ほど申しましたように、今度のことは明らかな過剰警備であり、威嚇であるということは、アメリカ国内においても出ておる。日本の国内において安保条約に賛成している諸君の間からも出ておるわけです。これは客観的な評価から見て、明らかな過剰警備であり、威嚇を伴うものである、こう言わざるを得ないと思うのです。そういう意味ですから、誤解のないように、もっと事実に即して認識をし、答弁をしていただきたい。したがって、これは私どもとしてみれば、明らかに威嚇になり、挑発になるということであります。この前の領域を侵しました偵察機の行動ですら、これは威嚇になるではないか。しかも、それが厚木の基地から出た。こういうことになれば、安保条約第一条からいたしましても、もう条約違反だと思うのですね。これはあとの事前協議の問題と関連をいたしましてお尋ねいたしますが、日本としては、安保条約を認める立場に立ちましても、これは武力による威嚇であり、過剰警備である、こういうふうに断定せざるを得ないわけです。そのことに対してはあなたは同じことしかお答えにならないとすれば、前に進んでその問題にも触れていきたいと思うのです。  続いてお尋ねいたしますが、いま大部隊が出ております。過剰警備、威嚇の艦隊または航空機が日本に寄港をする、あるいは着陸をするという場合には、これをお認めになりますか。そしてそれが再び日本海に出ていく。補給、整備あるいは休養、名目は何でもけっこうです。いずれにしても、着陸または寄港をお認めになりますか、お認めになりませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず、過剰防備ということを言われるわけですけれども、その前に、私は先ほどから申しておりますように、そういうことが起こってきたのはどういうところから始まってきたか。アメリカの見解からすれば、いかなる根拠からしても絶対的に公海上の偵察であった、これを日本政府に保証するのだということを申しております。それを前提にして言えば、私は、明らかに北鮮が国際法も守らないし、あるいは人道的に申しましてもたいへんなことをやったと思うのです。そういうことが事実あって、それから後の問題でございますから、こういうことが二度とないように、正常な偵察行動が行ない得るようにと考えるのは、私は自然じゃなかろうか、こう考えるわけでございます。十八日ですか、それ以降の米海軍の行動だけを目して、これを過剰防衛であるとかどうとかいうことは、その前の状態から論じなければならない。しかもその前の状態の中には、重要な要素として、北鮮が現にどういう態勢にあるかというようなことも認識をしてかからなければならないことではなかろうかと思います。  それから、今後のことは、実は二十二日の午前六時だったかと思いますが、正確な日時はまたあとで申し上げたいと思いますけれども、アメリカが日本海にこれだけの艦船を入れるということについては連絡を受けておりますが、それがこれからどういうふうに寄港を求めるか、どういうふうなことになるかということについては、現在わかりません。私は、先ほど申し上げましたように、十六日午後のオズボーンからの申し入れに対する即時に申しました日本の態度というものは、これは何としてもわれわれの基本姿勢だと思うのであります。ですから、これが日本国民の欲せざるような形に進展するというようなことは、もう絶対に阻止しなければなりませんし、また、そういう点についていまの私の心証としては、米側も十分に日本の考え方というものを了解しておる、かように思っておりますから、いまおあげになりましたいろいろなことは、仮定のことになりますが、私の申しました基本姿勢から割り出して、そういう場合の対処策を考えなければならないと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 もうその可能性、危険性というものは眼前に迫っておるわけですよ。二十三隻という大艦隊が出動しておるわけでしょう、狭い日本海に。それが寄港または着陸を求めた場合、それはいろいろな場合があるでしょうが、そのときに認めるか認めないかということを原則上の問題ですから伺っているのです。そのことを答えられぬということがありますか。国民に対する責任上お答えいただきたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 艦船につきましては、機動部隊というものがここに現存しているわけですが、それを構成するところの艦艇が日本の港に寄港をするということは、これは認めて一向差しつかえないことであり、かつ、これはいわゆる事前協議の対象となるものではないと、私はかように考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなりますと、いかなる種類の兵器でも寄港または着陸は認める、こういうことですか。機種だけでなくて、そのものが再び出先で戦闘行動に入る可能性、危険性のあるその地域にまた出動する、その任務についていく、戦闘行動に入る場合も予想される出動ですね、そういうものも認めるわけですか、フリーパスでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず、やはりその前提を申し上げなければならないと思いますが、偵察行動についての護衛という任務を持っているものについて、それが機動部隊でありましても、その中の艦艇が寄港するという場合は、私は、これはその目的からいい、それから趣旨からいいまして、先ほど申し上げたとおりの見解を持つわけでございますが、しかし、いまもお尋ねの中にございましたが、本則としての、たとえば事前協議にかかりましたような場合におきまして、たとえば核の問題というようなこと、あるいは直接作戦出動、攻撃——すでに戦争が始まっておって、そこに対してその戦争に加わっていく、あるいは攻撃をかける、そのために日本の基地を利用するというようなことについては、事前協議の対象でもあるし、これはしばしば政府が言っておりますように、ノーと申しますことは当然のことでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 事前協議は、御承知のとおり、戦闘行動の事前協議だけではありません。配置につきましても事前協議の対象になることは明瞭であります。しかも海軍につきましては、今度の七十一機動隊というものは、これがそっくり日本を基地として使うということになれば、事前協議の対象になりますね。それからまず伺っていきましょう。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 配置の変更ということになればそういうことになりますが、その場合の配置の変更ということは、この機動艦隊というものが、了解されている事項以上の規模でもって、たとえば日本の一つの港を根拠地にして、平たく言えば、母港にしてそこに駐留するということになりますれば、これは事前協議の対象でございますし、これに対しましてはノーと言うのが従来からの考え方であります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 七十一機動隊の編成は、これは日本の基地を根拠地とするということになった場合は、当然事前協議の対象になるべき部隊編成でしょう。それはお認めになりますね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この機動部隊は、現在のところは日本海——公海でございますね、そこで行動していると私は考えます。したがって、機動艦隊が日本の港を根拠地にして活動しているとは思いません、これは事実の問題として。その場合、その機動艦隊を構成しているところの個々の艦艇が補給その他のために日本の港に寄港するということは、これは事前協議の対象では扱わないというのが政府の見解でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 あなたは私の聞かぬことをかってに言う必要はないですよ。いまの七十一機動隊というものは、私どもの手にしておる情報では、大体部隊編成はわかっております。外務省でもむろんわかっておるはずだ。それが日本の基地を根拠地とする場合には、これは事前協議の対象になるべき編成ですね、どうですかと聞いておるのですよ。まず、それから聞いているのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ですから、いま私がお答えしたとおりなんです。別にすれ違ってお答えしておるわけではないのです。その機動艦隊が、了解事項に了解されているような規模のものが、日本の一つの港を、平たく言えば、母港としてとでも申しましょうか、一つの特定の港を根拠地にする、そして長い間そこで駐留をして活動をするというような場合は、これは事前協議の対象になりますが、日本海の中で活動していたものの一部の艦艇が補給その他のために寄港するということは、そうではございません、こう申し上げたわけでございまして、決してすれ違って申し上げているわけではないと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 次にお尋ねいたしましょう。部隊編成をしたのは、この日本の呉なり佐世保なり横須賀なりを配置の変更をしたのではなくて、編成を命じたのは公海、日本海の海上であった。ところが、そこに停留をして、そして集団として、機動部隊として一定の軍事的任務を行使しておるわけですね。それが今度は佐世保なり横須賀なりその他の日本の基地に対して、その一部が分離または反復して日本に寄港、着陸をするということになりますと、部隊の配置の場合と実質的には何ら変わりはないじゃありませんか。三海里を隔てました公海の目先で部隊編成をさしておいて、それで——それが常に二十三隻全部が一定の軍港に停泊しておるというようなことはほとんどあり得ないことでしょう。実際は作戦行動あるいは警備行動に出るわけですね。そうして日本の基地を分離してあるいは反復常時使うということになりますと、これはもう事前協議の対象として——何と申しますか、作戦行動に出る場合の危険性から見ましても、事前協議の対象とすべきであるとともに、配置の変更から見ましても、これは明らかに事前協議の対象にしなければ、配置の変更に伴う事前協議権なんというものはもうまるでかご抜けですね。考えられないわけでしょう。ただ、こういう場合があるでしょう。日本海で集結をいたしまして、事前協議の対象にしなければならないそれを越えた大部隊編成ができた。そのうちのある一隻または数隻がアメリカなりあるいは東南アジアへ行動をとるような命令が出た。そのときに、アメリカの基地へ帰港する前に、整備または補給のために一隻または二隻が佐世保の軍港に入った。こういう場合は、いまおっしゃるような御答弁でもいいでしょう。ただしかし、再びその部隊編成の作戦行動に帰ることが予定されて、その行動を強化するために、部隊の力を強化するために、日本に寄港して、そしてまた帰る。これはもう明らかに部隊編成の配置の変更として考えて、そしてその分離または反復して日本に寄港する寄港も、これは事前協議の対象にすべきものである、こう考えるのが、法理から見まして当然な解釈ではないでしょうか。この点は日本の利益のために——あなた、さっきから聞いていると、この間からそうですが、アメリカのために過剰弁護しておりますよ。過剰防衛どころか、過剰弁護しているんだ、あなたは。そして国際的には戦争の危険を挑発する役割りを果たしているわけだ。だから、そんなアメリカのために奴隷的な過剰弁護の答弁をなさらないで、日本の安全と極東の、平和のためにどういう考えを持つべきであるか、その立場に立ってこの第六条の事前協議の問題を考えていただきたい。そのことを御注意申し上げまして、もう一ぺん御答弁を願いたいのですが、その部隊編成は公海上で行なわれたが、その部隊編成の行動を強化し、またはその部隊編成の中へ帰るべきある一部の艦艇が日本に寄港する場合には、これは事前協議の対象としなければならない、そうわれわれは考えるのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 二つの点から申し上げたいと思いますが、まず第一は、今度のこの艦隊の目的というものは何か。これは偵察行動の護衛であると思いますから、それ自体が作戦行動というふうにお考えになるのは、私から言えば、問題の範囲外になっていると思うのです。その点を前提にいたしまして申し上げますと、先ほどのことを繰り返すようになりますが、作戦行動ということは別としても、配置の変更としてかねがね安保条約の適用について両国間に了解されておりますことは、一つの港にこの程度のもの、これは了解事項にはっきりしておりますが、この程度のものが入ろうとする場合には、これは入るといいますか、根拠地として使用しようとしている場合には、事前協議の対象になりますが、その機動部隊の中の艦艇が寄港するという場合におきましては、そういう事前協議の対象になる必要はない。つまり、いまの御質問の中には、戦闘作戦行動に日本の基地から今度は発進するという場合と両方一緒にお尋ねのようでございますが、私は、それを二つに分けまして、寄港の場合、それから戦闘作戦行動に出撃する場合、この戦闘行動ということは現在のところは考えられない、それから一方の場合におきましては、個々の艦艇の寄港は事前協議の対象ではない、これが政府の見解でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 もう一点だけちょっと関連してお尋ねしておきましょう。  いまのは、われわれは明らかな威嚇挑発だと思いますが、その偵察活動の警備のためについておる戦闘機がありますね。この戦闘機が反復して日本の空港、空軍の基地に着陸すること、これはお認めになりますか、なりませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 戦闘機ということでございますけれども、その目的が、先ほど申しましたように護衛という目的で、作戦をするためのものではない、こういう前提に立てば、これはこちらから出かけていく場合に別に目くじらを立てる必要はない、私はそう思いますが、同時に、実際問題として、護衛戦闘機が日本の基地から発進することはないということは、明白に米側から話を受けております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 これは場合によれば条約局長でもけっこうですが、事前協議の問題が一番問題になりますのは第五条との関係ですね。  そこで、お尋ねいたしますが、第五条の日本の作戦行動に移るべき義務、これについて、次のように分類してお尋ねいたしますから、その間の日本の義務について差別があるかないか。  第一は、日本の基地を使って事前協議にかけて作戦行動に出た。そのとき、日本政府はイエスと言った。すなわち、イエスと言って、作戦行動に出た。そして相手と戦闘状態に入って、日本の領域で攻撃を受けた場合、日本の基地から出ていって戦闘行動に入ったその戦闘行動の延長が、日本の領域の中で、その基地または米機が攻撃を受けた場合。  それから、出るときには偵察行動の名目を持って出ていった。だから、その発進をした事実は知っておるけれども、それも、いまの御答弁だと事前協議の対象にはならないから、何ら日本の意思は加わっていないと解釈する。それが戦闘行動に入って、日本の領域で相手国から攻撃を受けた場合、これが第二です。  それから第三には、日本の基地から出ないで、他のアメリカ本国あるいはその他の地域の基地から出動をした部隊または米機が戦闘行動に入って、それが日本の領域において反撃を食らった。  その三つの場合ですね。その三つの場合で考えまして、第五条の日本の作戦行動に入るべき義務に変化があるかないか。これは大事なことですから、まず先に、条約の解釈の問題についてお尋ねいたしておきます。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 第五条の発動の場合というお尋ねだと思いますが、すべての場合において、三つ御設定なさいましたが、五条の発動の場合には、前々から申し上げておりますように、日本国の施政のもとにある領域に対して武力攻撃が行なわれた場合という形になりますので、何と申しますか、敵機と言ってはいけないのかもしれませんが、その追っかけてきた飛行機の武力行使がいわゆる日本に対する武力攻撃、そういうふうに観念される場合には、当然第五条の発動になる、こういうことだと思います。その態様によると思っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなりますと、私が一応分類した一、二、三の場合、態様によって義務は変化はないわけですね。そう解釈すべきだと私は思いますが、そうですね。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 全くそうだと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなりますと、事前協議の理解、解釈ですね、これはもうチェックするものは何もないわけですよ。だから、公海で編成された。ところが、相手に対しては戦闘用意をしてやってきておる。それが寄港を始めた。寄港の途中で追いかけられて、領域内で爆撃をされた。そうしたら、もう事前協議の対象どころか、寄港の場合において許可するしない以前に、関係なく、日本は当然、いまの状態から何か一触即発すれば、第五条の義務に従って作戦行動に入らなければならないというわけですね。だから、事前協議の範囲は、あなたはアメリカに向かって過剰弁護をされないで、日本の立場に立ってこれは厳格にやはり解釈し、運営すべきものであると思う。それですらなおかつ、第五条によってわれわれが戦争に巻き込まれる可能性が幾らでもあるわけですよ。事前協議のチェックはなくても、ない場合でも。そういうのが現在の状態なんです。そうなりますと、安保条約によって戦争に巻き込まれる心配はないんだ、これは抑止するんだ——とんでもない話ですよ。アメリカのいままでの極東の作戦がインドシナ半島においておもに行なわれておったから、日本は地域的に離れ、あえて北ベトナムまたは人民解放戦線が日本の領域まで追いかけてくる意思と行動がなかったから、日本が戦争に巻き込まれないで済んでおったわけです。ところが、日本から発進しようとしまいと、いま申しましたとおり、日本に寄港する、あるいは日本の基地に配置がえをされたものであろうとされないものであろうと、同じことなんですよ、第五条の義務というのは。そうなりますと、アメリカの極東作戦戦略が対朝鮮、日本海に移ったということになれば、もうここはどうしてもその問題が出てくるわけですね。だから、事前協議によるチェックということばはほとんどしり抜けになっておるわけだ。きょうの質疑で、政府が九年前にわれわれ国民に向かって約束した、安保条約によって事前協議権という歯どめがあるから、したがって第五条の発動によるアメリカのアジアにおける戦争に巻き込まれる心配はないのだということを説明されたのが、それは全く事実に反するということ、またその防衛する意思もないということが、きょうの質疑応答で明確になったわけです。  そういう状態ですから、事前協議権の解釈について、アメリカ側に驚くべき不当な自由を与え、過剰な威嚇または挑発を正当化す、そういう答弁をなさいましたが、事前協議の問題を越えて考えましても、事前協議のワク外のいまの日本海における事態から考えまして、第五条による義務はいつでも起きるということですよ。そうなれば、日本としては、いまの事前協議権の対象にすべきかすべからざるか、かけたときにイエスと言うかノーと言うかという問題だけでなくて、いまの事態、アメリカの作戦事態、この事態が、もう日本にとっては第五条による戦争に巻き込まれる状態を目の前にしておるわけですよ。そのことはいまの条約解釈で明確になっておるわけです。そうなれば、日本としては、安保条約をたてにして日本の安全と平和を守るんだということであるならば、いまの日本海における事態に対して、日本が積極的にこれを抑止する、戦争の挑発あるいはそれに伴う第五条による戦争行動に入る義務、それが実現することを抑止することが、日本政府としていま一番なすべき政治的行動であると思うのです。それに対して外務大臣は一体どうお考えになっておられるか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は率直に申しまして、そういう御見解は御見解として、私はまた全然逆なことを申し上げなければならない。私は、日米安保体制というものがこういうふうにある。したがって、日本及び日本を含む極東の安全に対しまして、米軍としてはあらゆる努力をしておる。私は先ほど来くどく申し上げましたけれども、公海上における偵察行動というものが北鮮機によって襲撃されてこういう事件が起こった。まことに不幸なことではあるけれども、これが現実の日本の周辺の事態であります。したがって、こういう脅威が日本本土にふりかかってくるようなことが絶対にないようにする、その未然の防止策というものが安保条約の一番大きな目的であり、私はその実績は十分に達せられてきたと思います。  先ほど三つに分けて条約論としてお尋ねになりましたが、あるものによっては事前協議においてノーと言うことがあるということはもちろんのこと、さらに基本的な姿勢として、この事件が起こってから直ちに即刻、日本の立場というものは明らかにしております。アメリカも冷静に事に対処しております。したがって、これ以上どこかの国が攻撃あるいは脅威を現実に与えるようなことが防がれておるのだ、私はそういう認識に立ちまして、いまのような条約のいろいろの解釈から、まあ私は起こり得ない事態と思いますけれども、起こり得ないような事態を設問として御設定なさって、そうしてこれで戦争に巻き込まれる、巻き込まれると言われるが、私は、こういう体制にあることによって日本の安全が保たれているのである、ここのところは、まあ考え方あるいは政策論の非常な対立的なところだと思いますけれども、私はこういう見解に立っておりますということを申し上げて、御答弁にかえたいと思います。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 穗積君、お約束の時間を過ぎておりますから…。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 最後に一問だけ。  実はさっき予告しておいたように、あなたはわれわれに対して挑発的な誹謗をなさっておられます。しかも、現職の外務大臣としては非常に不適当な、何といいますか、粗野というか、下品なことばをお使いになって、われわれはすねかじりであるといって公党を誹謗なさいました。その問題については私もまだお尋ねしたいと思ったが、時間がなくなったので…。  ただ、これとの関連で一つだけ、いまの議論と両方重なりますから、最後にお尋ねしておきますが、あなたの立論というものは、安保条約というものは絶対な抑止力とまではいかぬにしても、事実いままでもそうだし、今後も永遠に日本の安全と平和のための抑止力になるんだ、それが安保条約である、その親の努力を心得ないのはばかだ、こう言うわけだ。  それじゃお尋ねいたしましょう。それではアメリカの核のかさのもとにおける軍事同盟体制にあった韓国が、かつてこの平和と安全がありましたか。南ベトナムの政権並びに人民は、同様にアメリカの核のかさのもとにおける安保体制の中に入っておる。それにもかかわらず、一番悲惨な戦争状態、破壊状態の中へ国民の生活が追い込まれていった。この事実は一体何によるものですか。安保条約というものは、戦争を抑止し、平和と安全を守るものだということの証明にはならぬじゃないですか、事実は。それはいまの御答弁で明瞭です。  われわれ、実はこの事件が起きましたので、しかも偵察機が厚木基地から出たというので、昨日基地へ参りまして、司令官にも会い、将校からも説明を聞いて、視察をいたしました。運営については全部ノーコメントですね、実態については。ただ宿舎とか、何か建物とゴルフ場を見せるだけだ。それ以外のことに対する質問は、日本の新聞に出ていることすらノーコメントです。したがって、あそこで何が行なわれているか、どういうものがあるか、どういうことが行なわれておるか、全部日本は知らない。そうして、それが今度第五条による戦争行動の中へ入る危険を招いてきたわけです。こうなってみまして、いまの御答弁を伺いますと、事前協議に対しても、その他アメリカのあの戦争挑発のような過当警備に対しましても、あなたのような答弁をしておられるとなると、日本は安全であるか安全でないかということは、韓国または南ベトナムと同様に、全くアメリカの極東における作戦計画によって安全であるか戦争に巻き込まれるかをきめられるわけですね。そうして、その司令官の恣意的な作戦行動によって、日本は、政府が何と言おうと、国会が何を決議しようと、国際条約の義務によって戦争に巻き込まれる、こういうことになっておるわけです。したがって、私がお尋ねしたいのは、そのような事実の認識に立って見るならば、いままでの韓国並びに南ベトナムに平和はなかった、安全はなかった、それが安保条約によって。今度はいよいよアメリカの作戦、極東戦略がインドシナ半島から朝鮮半島に移ってきたわけですね。そうなりますと、今度は三番目のその悲惨な運命の中へ巻き込まれるのが日本であるということは、もう明瞭になってきておると思うのです。何の歯どめもない。これに対する何の抑止的な外交政策もとらない。むしろこれを歓迎し、そうして国民に向かってはでたらめな抑止力による安心を強要しておるだけです。根拠はありません。そういうことから、韓国、南ベトナムの安保体制下における国民が、安全と平和がなぜなかったのか。極東作戦が朝鮮半島へ移ってきたときに、日本が第三の、韓国、ベトナムに次ぐ危険な植民地戦争に巻き込まれる、その心配がないという証明がどこからできますか。事実に即してやっていただきたいのです。  きょうは時間がありませんから、これで私の質問は打ち切ります。あなたはよく理解をされた上で答弁をしていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいまベトナム、韓国等のことに触れて、御意見がございましたが、私から言えば、ベトナムはたいへん気の毒な状況にあるから、一刻もすみやかにパリの拡大平和会議が成果をあげること、これをもうほんとに心からお互いに祈っているわけです。  次に、韓国は、私の見るところでは、経済の点においてもあるいは民生の点においても、着々国づくりができておる。このことは、いろいろの指標から見ても明らかでありますし、また、現に韓国内のいろいろな情勢を目に触れ、はだに触れてみるところで、私は、韓国の国づくりというものはりっぱにでき上がっておると確信いたしております。  さらに、日本が第三の、穗積さんのおことばからいえば、私はじめ奴隷扱いにされるわけ、だけれども、とんでもないことで、これは日本が現在自由世界の国の最も有力な国の一つになっている。何よりも、われわれが、言論その他から見ても、こんな自由を享受している国がありましょうか。あるいは経済の繁栄がこんなに急速に伸びたところがございましょうか。そして民主主義の政治が、いろいろ意見はありますが、とにかくうまく運営されている。(穗積委員「何を言っているのだ、五条のことを聞いているんだ」と呼ぶ)私は、これは証拠を示せとおっしゃるから、証拠は、何よりもこれは国民の認めているところではありませんか。国際的に各国が認めているところではございませんか。私は、そういう意味で、将来のわれわれの民族の念願は、平和が達成できる、憲法の精神が日本のほんとうの念願として世界的に…     〔発言する者あり〕

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 静粛に願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 こういう思想で平和な世界がつくり出されるように、あらゆる努力をすべきであるということは、われわれは常々主張いたしているところであります。しかし、現実の問題として、現実の国際情勢のもとにおいて、日本の安全と平和と自由を守ってきた。また今後も守りたい。現実の立場からいえば、この安保体制というものは、私は国民にとって国益の一番大きなメリットである、かように確信いたしております。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 宮澤喜一君から議事進行について発言を求められております。これを許します。宮澤喜一君。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 先ほど承っておりますと、穗積委員の御質問の中に、ちょっと私どもの耳なれない表現があったように思いました。聞き違いであれば幸いでありますが、この委員会の品位を高めるようなおことばではなかったように思いますので、意見として申し上げます。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 曽祢益君。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 どうも約束の二十五分が怪しくなって、まあ昼めしをひとつお互いにやめて国務に尽瘁いたしましょう。  私は、この前の外務委員会におきましても、今回の不幸なアメリカ偵察機の撃墜事件は、やはりアメリカ及び北朝鮮双方に過剰防衛的なことがあったと思われるのであります。現実の事態はなかなか正確にはわかりませんが、しかし、もしアメリカ側が、意図的にもせよ、あるいは意図に反してでもせよ、アメリカの偵察機が領空を侵しておったといたしましても、これをいきなり撃ち落とすということが過剰防衛であることは、これは国際法の通念から明らかだと思うのです。しかし、同時に、アメリカ側の偵察も、実際上領空すれすれでやっているということが、現実にアメリカと北鮮が、朝鮮戦争の停戦協定はできているけれども、まだ非常な緊張状態にあるおりから、その偵察行動といえども、相手から見れば非常に威嚇を感じているだろうことも想像できるのであります。したがって、双方のこの過剰防衛的なところに問題が起こったとわれわれは思惟しているわけであります。そういう意味で、われわれとしては、これは非常に関心を持たざるを得ないし、ことにいまの外務大臣と穗積委員との質疑にもありますように、わが国が日米安全保障条約のもとにあるために、日本の基地から発進するアメリカの戦闘作戦行動にはなるほど一応事前協議の歯どめがあっても、その他の行動については、たとえば偵察行動が現実には戦闘になったような場合に、わが国が極東のためにアメリカの配備を認めているという以上は、安保条約のもう一つの大きな危険な面というものが確かにそこにあるわけです。そういう意味で、私どもは、特に現実にあの偵察機は日本から発進したことは事実なのであって、戦闘作戦行動のためではありませんが、そういう意味で重大な関心を持たざるを得ない、かように考えております。  そこで問題は、その後の事態を見ておりますと、確かに、アメリカのニクソン大統領は、直ちに報復に出る、あるいは国連安全保障理事会を招集して政治的な攻勢に出るというような点においては自制したことは事実です。これは率直に事実は事実として認めるべきだと思う。しかし、世論の手前もありますし、国内のタカ派を押えるという意味かは別として、公海でやっている偵察行動であるから、しかも相手方が過剰防衛的な行動をやるという理由で、これにいわゆる戦闘機の護衛をつけるというので、非常に大きな機動艦隊を編成して、いま日本海にこの機動艦隊が乗り出して、そして北鮮の領空に非常に近いところで戦闘機護衛つきの偵察が行なわれるという事態になったと思うのです。そのこと自身がやはり実際上エスカレーションの危険が多い、かように考えます。ですから、基本問題としては、私どもはやはり安保条約が戦争の抑止力として日本の安全に寄与している面を認めつつ、しかし、同時に、その安保条約が持っている一種の過剰防衛的な面、これはすなわち極東のための駐留を認め、その基地の使用を認め、ただ戦闘作戦行動だけは押えている、こういうところに、共産諸国から見れば、彼らから見れば、これを脅威と感じ、日本から見れば過剰防衛になる危険を持っている。したがって、基地問題としては、安保条約が、いま穗積君の言われたように全部が危険とは私は考えていない。しかし、同時に、外務大臣の言われるように全部これが日本の安全のためにたいへんにけっこうずくめとも思えない。そこにやはり極東のための駐留がある限り、安保条約の第四条でよほどしっかりと極東の事態について両国の意思が合致して、その中には日本の平和への熾烈な意向というものが十分にアメリカの行動に反映をしない限り、そこに非常に危険がある、これは認めざるを得ないと思う。私どもは、安保条約の第六条の駐留、特に常時駐留、極東のための駐留、そこに非常に危険を感ずるわけです。その点について、安保条約が絶対にいいほうばかりだという考え方にはちょっと賛同しかねるわけです。その点をどう考えられるか、まず承っておきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど穗積委員にもお答えいたしましたように、私としては、日米安保体制、すなわち条約というものが、日本の安全に寄与しておることは甚大である、こういう基本的立場をとっているわけでございますが、しかし、同時に、いま曽祢委員が御指摘になりましたような諸点については、私も十分配慮していかなければならないと考えておるものでございます。  したがいまして、先ほど申しましたように、実はこの事件については、その起こりましてからあと、非常にひんぱんにいわば随時協議を行なっておるわけでございますが、その中の一番公式の接触は、やはり東京においてはアメリカを代表しておるオズボーン臨時代理大使であると思います。本国の訓令に基づいて、私が会いましたときに、すぐその席で、アメリカ側のアシュア、保証するということを前提にして考えてみた場合において、これは俗なことばで恐縮ですけれども、それだからといって、歯に報いるに歯をもってするというふうなことになるのはたいへんなことだ、これは日本政府としてもその点については重大な意見を持つものであるということを、即座に日本の立場として明確にしておいたような次第でございまして、政府の基本姿勢は、この問題に対してはもちろんでございますが、安保条約全体に対するわれわれの理解は、戦争の未然の防止であって、万々一にも戦争に引き込まれるということがないようにというのが私どもの立場でございますから、そういう点につきましては、今後におきましてもあとう限りの努力を傾けてまいりたいと思っております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 まあ、政府が直ちに報復措置等々のエスカレーションは絶対に困るという意思表示をされたことは、これは当然なことで、その点は私はいいと思います。ただ、そのあとで第二の過剰防衛に結果的になると思うのが、大がかりな護衛つきの偵察を続けること、これがもし長く続くならば、やはり極東の事態に対して非常に重大なエスカレーションの危険をはらんでおるわけであります。その点に関連して、これはまあ俗に言えば、仲の悪い牧場主が隣におって、そして現実に境を侵したかどうか知らないけれども、望遠鏡か何かで隣の牧場の家を見ている、そこで発砲事件が起こってけがをした、そうすると、今度は大ぜいの乗馬隊が護衛しにくっついてきている、そうすると、のぞかれるほうはさらに脅威を非常に拡大的に考える、その悪循環のきらいがやはりあると思うのですね。  そこで次に、報復措置をやめてくれということは了解しますが、偵察行動の護衛つきということも、実際問題として非常に危険があるわけです。そこで、この偵察行動が、先ほど穗積委員も質問されたところですけれども、第一、どこまでがいわゆる随時の寄港になるのか、どこに至ったならば配備の変更になるのか、この点については、私は必ずしも明確でないと思います。だから、はっきり機動部隊の司令部を日本に置いて、そこを反復使うという場合には、これは配備の変更にきまっていると思うのです。そこら辺の点で、やはり安保条約の適用上からいっても、第六条の適用からいっても問題がありはせぬか、この点はどう考えられるか、伺いたいわけです。つまり、ほんとうに根拠地と認めるのは、どの程度に反復したときか、あるいは地上に司令部を設けたら根拠地になるのか、配備と随時寄港との違いをどこに置かれるか。これは兵力の大きさばかりでなくて、基地の使い方として、私は非常に重大な問題だと思うので、伺いたいと思います。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 最後のお尋ねは、条約上の解釈の問題だと思いますから、私からお答えいたします。  本拠として駐留する、いわゆる俗にいえば根拠地というような形になりました場合には、それがもちろん一機動部隊全部ということになりますれば、配置の変更になるというふうに考えます。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 その機動部隊全部がということもありましょうが、それよりも、根拠地というのは、外形的の標準からどこが違うのですか。随時寄港と根拠地としてやるということの違いですね。いま戦闘行動は起こっていないんですよ。大体平時における一種の駐留、つまり配備か、それとも平時における修理等の随時寄港か、その違いですね。根拠地というのは何か。つまり、駐留配備ということと寄港とのけじめは、兵力の大きさではなくて、使い方にあると思うのです。どこでそれをきめるのですか。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 これはいろいろその形態によってあれだと思いますが、いままで政府が申し上げておりますのは、たとえば母港という観念、あるいは司令部があるというような場合は、当然そういうことになると思いますが、そういうようないわゆる軍の指揮系統及び実際に具体的な港の使用態様と申しますか、そういうふうなものを合わせまして、根拠地というふうに考えております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 そうすると、現状においては、そういう根拠地として基地司令部を置き、反復、常時そこを中心として活動していることはないと見ているわけですか。したがって、これはまだ配備の問題になっていないということですか。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 現状においてはというお話は、日本海におります機動部隊の問題であると思いますが、あの問題でございますれば、御承知のとおり、日本海において集結いたしまして、実際のところまだ日本の港に入っておりません状態でございますから、いまのところそういった形になっていないと思います。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 そこで、これは大臣に伺いますが、必ずしも明確とも思いませんが、少なくとも客観的に見て、横須賀ないし佐世保を常時根拠地として、そういう体制も指揮系統もはっきりきめて、そして常時不断にあそこから出入して行動をやっている——こういう状態でないので、いまのところでは、まだ兵力の移動、配備の変更ではないと見ておられるようですが、かりにそういう状態になったとして、当分の間七十一機動部隊を日本に置いて、これはもう純粋に公海における偵察行動に限っている、それの護衛つきなんだからということで、七十一機動部隊のそういったような寄港でなくて、当面の根拠地として常駐みたいなもの、これに対する事前協議が来たら、外務大臣はそれに対してどう返答されるか、それを伺いたいのですが…。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいま条約局長から答弁いたしましたように、まだいまのところでは、どういう形態になるか、それよりも先に、私は率直に申しますれば、こういうことはほんとうに一時的なものであってほしいと思いますから、私の希望をも入れて申しますと、いまお尋ねになるような事態が起こらないことを期待いたしております。しかし、かねがね条約の運用として了解するところに従って、機動部隊以上のものが、ある港にその機動部隊の司令部を置き、いわゆる根拠地として、そこから一切の指揮命令を発するというようなことで、母港として活用する、一時的な寄港でない、あるいはばらばらの艦艇の寄港ではない、まとまって艦隊以上のものが常時駐留する、しかもそこがいわゆる根拠地である、こういうことになりますれば、当然事前協議の対象になりますが、先ほど申しましたように、希望としては、そういう事前協議を受けるような状態にならざることを現在のところでは期待している、かように申し上げたいと思います。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 先ほども御議論がございましたように、とにかく日本政府の同意を得て日本から戦闘作戦行動に発進したアメリカの戦闘機なり艦隊の行動によろうがそうでなかろうが、いやしくも朝鮮半島における事態がアメリカ軍と北鮮との交戦状態になるということは、それがどういう形で日本に飛び火するか、わが国が直接火の粉をかぶる形はいろいろございましょうが、戦闘機が交戦しながら日本に来たのであろうがなかろうが、日本政府の考え方としては、その原因のいかんにかかわらず、いやしくも日本の領域に攻撃が加えられれば、それがアメリカの基地であろうがなかろうが、これは日本の自衛問題であるということで、自衛権の発動ということが考えられると思うのです。そこで、政治的に問題が起こるのは、どういう形であろうが、やはりアメリカのいまの北鮮とのけわしい対立状態から、この間の偵察機の撃墜事件があり、それは絶対に領海、領空を侵してないという立場で、民論の手前もあるし、いろいろの関係から、いま護衛つきで、大規模な護衛艦隊を出して、そうして空からの護衛をやっている。そういう状態が続くことは、何といっても一歩誤れば、これは北鮮とアメリカとの間の、制限されたか拡大するかは別として、戦闘行動が起こる可能性と危険性をはらんでおるわけですね。非常にあると思う。それはアメリカのほうが絶対に優勢であるからというふうに安心していることは危険だと思うのです。そういうこと自体が、安保条約下にある日本としては、実に耐えられないくらい危険なんですね。そして、第七十一機動部隊がそういう体制で日本に当面常駐留するということは、これは困る。のみならず、現在のような緊張状態のもとに、こういった過剰防衛と認められるような戦闘機つきのものものしい警戒体制、これは実は困る。そういう意味で、結局は第四条のことに条約から見ればなると思いますが、アメリカと日本がもっとほんとうに腹を突き合わせて、日本としては、そういう法律上の関係を乗り越えた政治的要請として、朝鮮半島においてアメリカと北鮮との間の交戦状態なんか絶対にあってはならないという意味で、はっきりと国民の欲するところをアメリカに強くこれを要請するのがほんとうだと思うのですが、その点はどうお考えですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 前段でお述べになりましたところに触れて、ちょっとだけつけ加えて申し上げますと、公海上で偵察行動に対して攻撃を加えるということは、それは国際法上ももちろん非難さるべきでありますし、これは違法なる攻撃である。それを前提にしてずっと考えてまいりますと、違法なる攻撃に日本国がさらされた場合に、これに対して自衛権を発動することは当然過ぎるくらい当然のことであろう、私はかように考えるわけでございます。  それから、後段のお尋ねについては、私もお考えについては同感でございまして、よく、今回の事件をめぐりまして、たとえば第四条に基づく随時協議はやったのかやらないのかというようなおしかりを交えた御意見がございますが、第四条は二つある。前段におきまして、安保条約の適用について随時協議するということは、私どもがこの十五日以来随時やっていることはもちろんその部類に入るものでありますが、これはいまの日米関係からいえば、御意見はございましょうが、政府といたしましては、何もあえて四条をかつぎ出すまでもなく、もう実はそれ以上にもっと緊密な連絡をしている、こういうふうに私は考え、かつ実行いたしておるわけでございます。その一つの例を先ほど申し上げたわけでございますけれども、いまのお気持ちや御主張については私も同感で、そういう趣旨に沿うて、これからもいわゆる随時協議あるいは四条前段の随時協議というものはできるだけ活用してまいりたいと思います。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 北鮮に対しては、日本とはむろん国交関係がないわけですから、したがって、直接に連絡はできません。ただ、今回の事件等を見ておりますと、ソ連の立場は、むろんアメリカに対する政治的な攻撃をやっておりますけれども、現実にこれは人助けの関係もあったかもしれないけれども、非常に冷静に捜索にも協力したということもあるので、やはり私は、国際紛争というものは相互の自制によっておさまるべきものだと思うのです。したがって、むろん大きいほうにわれわれが自制を求める分量が多くなる。友好国であっても一つも差しつかえない。しかし、同時に、北鮮側においても自制がなされなければいけない、かように考えるので、その点を含めて、ソ連との間にどういう連絡をとっておられるのか、今後ともおとりになるお考えがあるかを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ソ連につきましては、御承知のように、領土問題というような大きな問題を別にいたしますると、最近先方からも連絡がひんぴんとございますし、またこちらといたしましても、話し合う機会が一時よりも非常に多くなっております。これが懸案の処理の上にも相当の成果をあげておるように思いますので、まあ具体的にこの問題だけを取り上げてということはともかくといたしまして、十分ソ連側ともいろいろの問題について連絡を緊密にしてまいりたいと思っております。  なお、安全操業の問題等も具体的にございますので、そういうことも含めまして善処してまいりたいと思います。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 昼めしの時間が少なくなるといけませんから、これで中止いたします。

北澤直吉自由民主党

○北澤委員長 この際、本会議散会後に再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時四分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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