科学技術振興対策特別委員会逓信委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1969/05/07
会議録
○石田委員長 これより科学技術振興対策特別委員会逓信委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 宇宙開発事業団法案を議題として、審査を進めます。 ――――――――――――― ―――――――――――――
○石田委員長 本案の趣旨につきましては、各位のお手元に配付してあります資料によりまして御承知願うこととし、直ちに質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 時間がございませんので、ごく簡単にまとめてお伺いしたいと思います。 当宇宙開発事業団法案の内容を勉強さしてもらいまして、いろいろ感ずるところがあるわけでございます。たとえば、これに対する予算的な今後の裏づけはどうなっておるのか、あるいはまた、宇宙開発に対しての先進国、アメリカ、ソ連というものの予算の関係と、これから本格的に着手しようとしておるわが国の予算の関係、あるいは、いままでたびたび問題になりました東大宇宙関係の問題と当宇宙開発事業団との関係、そういった問題等もあるわけですが、今回は、この法案にごく関係した問題について承っておきたい、こう思うわけでございます。 この事業団法の提案理由の説明並びに事業団法第一条に出てくるわけでございますが、宇宙とか、宇宙の開発、宇宙の利用、こういうことばがたびたび出てくるわけです。宇宙ということについての定義も、国際的にまだ十分完了してないということでございますが、当事業団法案の内容に出てきますところの宇宙の利用という問題、宇宙の開発という問題について、当局は一体どういう概念上の考え方を持っておられるか、まず第一に、これを承っておきたい、こう思う次第でございます。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 宇宙の利用と申しますのは、ロケットとか人工衛星というようなものの宇宙飛しょう体によりまして、宇宙空間並びに天体というものを探査するというようなことと、それから、人工衛星等を利用いたしまして、通信あるいは気象観測、測地、それから航空機及び船舶の航行の安全性の確保、それから地球資源の調査、こういうものに利用するということが、宇宙の利用というふうに考えておるわけでございます。 宇宙の開発と申しますのは、宇宙空間あるいは天体等を利用するための開発でございまして、これは人工衛星等の宇宙飛しょう体あるいはこれらの打ち上げ用のロケットの開発、打ち上げ、それから地上利用施設、設備の開発、こういうものまで全部含めまして、そして、その飛しょう体によりまして運ばれます、いろいろな装置とかあるいは人間-日本の場合は、現在まだ人間まで考えておりませんが、人間等に、宇宙におきます所要の機能を発揮させるためのすべての活動というものを考えている次第でございます。
○加藤(六)委員 開発と利用という問題がいつも大きく問題になって、われわれは一体宇宙を開発するのか、宇宙を利用するのかということで議論が出てくるわけでございますが、それでは、当事業団は、宇宙の開発ということを、名前のとおりやるわけでございますけれども、具体的に、宇宙開発の範囲といいますか、もう少し詳しく承っておきたい、こう思うわけです。
○石川(晃)政府委員 宇宙開発の範囲と申しますか、まず、宇宙というものでございますが、これにつきましては、広義の概念といたしましては、地球も含めましてあらゆる天体及び空間に及ぶわけでございます。そういうような考え方もございますが、人工衛星とか人工惑星等の打ち上げ、利用を中心といたします宇宙開発の分野というものにおきましては、地球及びその周辺は一応宇宙という概念に含めないというふうに国際的にも考えられているわけでございます。 それで、地球の周辺をどの程度まで考えるかということについては、いろいろ説があるわけでございまして、まだ国際的には一致した見解が出ていないわけでございます。 これの定義をいたしますとしても、これに対して、現在考えられております科学的基準といたしましてはいろいろございまして、まず、大気の組成というものによって区分をするか、これはいわゆる大気内の平均分子量とかあるいは大気温度、こういうようなものによりまして定義するか、あるいは気球、いわゆるバルーンでございますが、気球の上昇限度によって定義するか、あるいは航空機の飛行可能な限度というようなことでやるか、その他いろいろあるわけでございますが、事業団といたしまして現在一応考えておりますのは、地球を含めない宇宙の分野におけるいろいろな利用なり、人工衛星によります利用というものを当面考えているわけでございます。
○加藤(六)委員 そうしますと、事業団の当面の目標は、昭和四十六年までに電離層観測衛星を打ち上げる、四十八年までに実験用通信衛星を開発するというのを一つの大きな目的にしておりますね。そうしますと、これらの衛星打ち上げということについて、話は飛ぶわけでございますが、いまの日本の技術で完全にできるという判断なんでしょうか、それとも、先般読売新聞その他日本経済等の新聞を読みますと、アメリカの宇宙開発に対する協力について覚え書きが交換されておるということになって、米側提供の技術や機器が中国やソ連など第三国に移転されないということの保証を求めてき、そして、政府と米国側との話し合いで、それについては新たな立法措置をとらないようにしてこの技術開発協力というものをやっていこうということとし、科学技術庁は、技術導入を急ぐ必要があるとして、四十三年度予算分においても、国内メーカーに対して、技術導入について日米折衝する許可を与えているというような内容を承っておるわけですが、これをもう一歩突き進めていきますと、この宇宙開発事業団ができ上がっても、アメリカとの技術協力というものができないと、四十六年と四十八年にそれぞれの衛星打ち上げというのは実現できるのかできないのかということについて、まず第一に承っておきたい、こう思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 現在わが国におきます宇宙開発は、昭和三十年から東京大学におきまして進められてきたわけでございますが、その点につきましても、技術的にはまだ、米ソの状態に比べますと、相当おくれをとっているという事実はいなめないわけでございます。しかしながら、われわれといたしましても、いろいろな見地から、早急にこの人工衛星を打ち上げないといけないということで、三十九年から宇宙開発推進本部を設立いたしまして、その宇宙開発の技術開発というものにつきましても努力してきたわけでございまして、その技術も相当進んではまいりましたが、特に誘導制御の技術に関しては、やはりアメリカ、ソビエトに比べて劣っているわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、早急に打ち上げるということと、もう一つは、それを契機といたしまして、日本の技術をさらに向上させるという意味合いにおきまして、外国からの技術導入ということを考えたわけでございます。 先ほど先生の御指摘になりました、アメリカからの技術導入というものにつきましても、米国からの、日本における平和的宇宙開発というような意味において協力をしようという話がございまして、わが国におきましても、宇宙の平和利用という目的に対しまして協力を要請するというかっこうで、現在話し合いが進んでいるわけでございます。 したがいまして、この技術の導入を契機といたしまして、私たちは、計画されております衛星を打ち上げるよう鋭意努力中でございまして、その開発の中核的な機関といたしまして、今回宇宙開発事業団というものを設置したいということで、法案を提出したわけでございます。 したがいまして、この事業団が設立されました暁には、それが中核的な推進機関となりまして、早急に宇宙開発の技術が伸びるものと私たち期待しておりますし、また、そのように努力する所存でございます。
○加藤(六)委員 私が質問したのは、誘導その他の業務において、アメリカの技術協力が得られなければ、四十六年、四十八年の電離層観測衛星と静止衛星というものの打ち上げができるのか、できないかということを質問したわけです。
○石川(晃)政府委員 現在の時点におきましては、もしどうしても導入ができない場合には、あるいは予定を変更せざるを得ないかというふうにも考えております。
○加藤(六)委員 この宇宙開発事業団をつくる前提には、しからば、アメリカとの技術協力といいますか、技術提携というのが大きな前提になっているのか、なっていないのかという点をもう少しはっきり教えてください。
○石川(晃)政府委員 ただいま申し上げましたように、わが国におきまして一番おくれておりますのは、誘導制御の技術でございます。これにつきましても、数年来わが国におきましても、航空宇宙技術研究所においてこれの開発を進めておりますが、その目標の期限までに打ち上げるということになりますと、どうしても現在の技術ではもう少し時間をかしていただかなければむずかしいのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○加藤(六)委員 それで、いま石川局長の答弁で、一本化して大きくまとめてやれば急速に開発が進むだろう、前の前の前の答弁ですね、そういうお話があった。もちろんわれわれはそれを期待して、この宇宙開発事業団なるものをぜひつくり、アメリカあるいはソ連に追いつかなくてはならないという意気込みと馬力を持っておるわけですが、その前提に、アメリカの技術導入というものがなければできないというのでは、これは非常にさびしい、心細い。また、どういう条件をつけられるかわからない。日本は事業団までつくったんだから非常に要望しておるだろうということになってきますと、問題が起こるんじゃないか、この懸念があったので、あえて質問しておったわけですが、もう一つ突っ込んで技術協力の問題を承りますと、新聞によると、科学技術庁はメーカーに対して許可を出しておるということですね。そうすると、この技術協力といものは、事業団がその協力を受けるのか、日本の特定のメーカーがアメリカの技術協力というものを受けるのか、その問題について見解をひとつお示し願いたいと思います。
○石川(晃)政府委員 技術導入につきましての基本的な取りきめにつきましては、政府間で行なうわけでございますが、個々の導入のケースにつきましては、民間企業同士で相互に導入を行なうということになっておるわけでございます。
○加藤(六)委員 そうしますと、今後は政府並びに事業団が民間の企業に対して、この問題とこの問題について技術協力しろという指示をするわけですか、しないわけですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この技術導入につきましては、事業団のほうといたしましては、国内の民間に対して物を発注するわけでございます。その発注部分につきまして、会社同士が技術提携をして入れるということでございまして、政府としては命令いたさないわけでございます。
○加藤(六)委員 政府としては命令しない、しからば、事業団というのは、いまの技術協力の線がなければ、予定どおりの四十六年と四十八年に打ち上げできぬわけでしょう。おくれるかもわからぬと言われたでしょう、この技術協力をもらわなかったら。そうすると、政府はメーカーに対して特定の機器を発注するわけでしょう。そのメーカーが発注された内容について、つくる力がないわけでしょう。いまの段階においては予定どおりにはできないわけでしょう、誘導装置とかその他の問題について。そうしたら、どうしても技術協力を受けなくてはならないということになると、当然事業団あるいは政府は、この点については技術協力を受けなさいという指示をするのじゃないのですか。せずにメーカーが自発的に技術協力をするように、その品物を発注することによって、あるいは研究開発をメーカーにさすことによって、メーカーは技術協力をするのですか。それはどうなるんですか。
○石川(晃)政府委員 先ほど申しましたように、メーカーが直接契約するわけでございますが、現時点におきましては、少しおくれてはおりますが、導入できるという前提におきましては、非常に窮屈ではございますが、まだ目標の年度までには上げ得るというふうに私たち確信しておるわけでございます。メーカーに対しましては、事業団のほうから仕様その他を全部きめまして発注するわけでございまして……。
○加藤(六)委員 仕様書を書くんでしょう。
○石川(晃)政府委員 仕様書を書いて発注するわけでございます。その時点におきまして導入の内容というものが十分こちらの仕様に合うように、民間側で技術導入をするということになっておるわけでございます。
○加藤(六)委員 これに関連して、もう少し郵政省に聞きたいのですが、電気通信監理官が来ておられるようですが、これもまたあやふやな話で申しわけないのですが、この技術協力を受ければ、インテルサットの関係でいろいろな拘束を受けるようになるんじゃないかという話があるのですが、その点について柏木監理官の意見をちょっと承っておきたいと思います。
○柏木政府委員 お答えいたします。 技術協力協定の内容自体につきましては、私のほうは直接関与いたしておりませんですが、新聞に伝えられておるところによりますと、インテルサットの定めるワク内で、あるいはその関係でアメリカと日本が協定をいたしますその協定の条件によってというふうに伝えられておりますが、これによります場合、それじゃインテルサットにどういうような条件を課するかということが問題になるわけでございます。ただいまのところ、御承知のように、現在の時点においては暫定協定による。恒久協定が成立するのが早くて明年の一月ということになりますが、それ以降の時点におきましては新しい協定の内容によって定まるわけでございますが、御承知のように、恒久協定は現在交渉中でございまして、内容はまだほとんど確定しておりません。現時点におきまして、どういう内容ができるということを申し上げることはたいへんむずかしいのでございますが、たとえば地域衛星の問題でございますとかというようなことにつきましていろいろの意見を提出し、また、日本としても、地域衛星あるいは特殊衛星が今後各国の自主的な力によって開発ができるという主張をいたしているわけでございます。
○加藤(六)委員 この問題は十分突っ込んで質問させてもらおうと思っておったのですが、約束の時間ももうないような調子でございますので、せっかく木内長官においでいただいておるので、ちょっと一問質問しておきたいと思うのです。 最近天下りとか天上がりとか、あるいは役人の公団、事業団へ行く問題等がいろいろ新聞や、あるいはまた国会の決算委員会あるいは議運等で議論されておるわけでございますが、この事業団の役員構成を見ますと、理事長一名、副理事長一名、理事五名以内及び監事二名、そのほか非常勤の理事二名、こうなっておるのですが、これらの役員の産業界あるいは官庁あるいはいろいろな関係の構成というのは、もう予定されておるのでしょうか、どうでしょうか。
○木内国務大臣 お答え申し上げます。 いろいろ御配慮願っておること、まことに感謝にたえないのでありますが、この事業団は、御案内のように、また、説明でも申し上げておりますように、官、学、民の総力を結集して、有能な人々を集めて、そして有能なトップマネージメントを構成して、それによってこの目的を達成していこう、こういう趣旨でつくるわけなんです。 そこで、しからば、それに対してすでに腹案があるかと申しますと、大体考えないこともないのでありますが、この人事は非常にむずかしいことでありまして、有能な経営能力もなければなりません。また、信望もなければなりません。また、この大事業の管理能力もなければならぬというようなことで、非常にむずかしい問題でありまするので、これを御審議願いまして、この法案を通していただきますれば、四カ月ばかりありますので、その間に慎重にひとつ検討をいたしたい。 そこで、絶えず問題になり、また、いまもちょっとお触れになりました天下り云々ということでありますけれども、あまり非難のあるようなことをする、すなわち度を越してはいかぬですけれども、官、学、民の総力を結集する、有能な人を集めるという意味からいえば、官のほうも、これをいたずらに排除するということは私は適当でない、かように考えております。それにはほど合いがありまして、あまりに極端なことをやって一般の非難を受けるということはやりたくないと思います。
○加藤(六)委員 いまの長官の答弁で満足するものでございますが、どうぞいま御答弁のありましたように、官、学、民、いわゆるあらゆる知能と管理能力を結集して当事業団が所期の目的を実現されるように切望いたしまして、私の質問を終わります。
○石田委員長 次に、森本靖君。
○森本委員 それではさっそくこの法案の内容について質問に入りたいと思います。 まず最初にお聞きしたいと思いますことは、この宇宙開発事業団でありますが、ことばのあやということではございませんけれども、宇宙ということについての定義であります。先ほどもちょっとお触れになったようでありますけれども、どういうふうにお考えになっておるか、それからまず聞いていきたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 宇宙の定義につきましては、先ほどの説明を繰り返すようでございますが、広い意味としましては、地球を含めましてあらゆる天体、空間を宇宙ということでございますが、私たち普通考えておりますし、また、国際的にも一致している線といたしましては、人工衛星あるいは人工惑星の打ち上げ利用を中心とする宇宙開発の分野におきましては、地球とその周辺は宇宙から除く、含めていないというふうに考えているわけでございます。 地球の周辺をどの程度まで考えたらいいのかという考え方でございますが、これについてはいろいろ説がございまして、まだ国際的にも一致しておりませんし、現在国連の宇宙空間平和利用委員会において検討中でございます。しかし、その中に出てまいります定義に関する科学的基準といたしまして、幾つかあげられているわけでございますが、その一つといたしましては、大気の組成、いわゆる大気におきます平均分子量、あるいは大気の温度、こういうようなものから宇宙を定義するという考え方もございますし、また、気球の上昇限度あるいは航空機の上昇限度こういうようなものから宇宙の高さを定義するという考え方もございます。また、人工衛星が継続的に飛しょうできる高さはどのくらいであるか、いわゆる飛しょう可能な高度、これを基準とするという考え方もございますし、そのほか、静止衛星がいわゆる地球と同期して回れる高さ、三万六千キロの高さ以上を宇宙とする考え方、さらに月から向こうを宇宙とする考え方、いろいろあるわけでございまして、この点につきましては、先ほど申しましたように、宇宙条約に関しまして、国連の宇宙空間平和利用委員会において現在検討中でございます。したがいまして、いまの段階におきましては、私たち毛定義をどれにしたらいいかということについては、まだ確たる考えは持っていないわけでございます。
○森本委員 これはSF小説みたいなもので、大体宇宙の定義自体が広大無辺なものであって、われわれ人間としては、わかっておるものはほんのごく一分部である。そもそも宇宙というものについての考え方そのものが、まだ国際的にもはっきりきまっていないといっても私は言い過ぎでないというふうに考えるわけでありますが、しかし、いずれにしても、ここで宇宙という問題が事業団で出てまいったわけであります。もっとも、これは宇宙開発委員会を設置するときにもこの問題が出てきているわけでありますけれども、いま国際的にもいろいろ検討せられている問題でありますので、その程度にしておきたいと思います。 そこで、宇宙開発委員会設置法が当委員会において可決をせられましたときに、附帯決議がついておるわけでありますが、その中に「わが国における宇宙の開発及び利用に関する基本方針を明らかにするため、すみやかに宇宙基本法につき検討を進め、その立法化を図ること。」ということが入っておるわけであります。本来ならば、このいわゆる基本法ができ上がって、それからあとでこの宇宙開発事業団法ができるというのが穏当な順序ではないかというふうに考えますが、この点についてはどうですか。
○木内国務大臣 お答えいたします。 宇宙開発委員会設置法案のときに、いまお示しのような附帯決議がついていることはよく承知いたしておるのでありますが、この点につきましては、私どもの承知しておりますところによりますと、各党間におきましてこの基本法の問題についていろいろ御相談になっているようでありまして、そのお話がまとまれば、それの趣旨に沿って私どものほうはやっていきたい。もちろん、これに対しては、われわれのほうとしても研究していないじゃない、いろいろ研究はいたしておりますが、積極的にそれに御協力をしてまいりたい、かように考えておったわけです。 そこで、しかし、宇宙開発のほうは宇宙開発委員会を設けていただきまして、企画調整の部門はそれでできたのでありますが、そのかさのもとにおきまして、今後十年間くらいを展望して、そして五年間くらいな計画を立てていただいておったのでありますが、実施機関は何としてもその設置を急がなければならぬということで、今回その実施機関として宇宙開発の事業団というものの法案を出して御審議を願っておる、こんなようなわけでございます。
○森本委員 各党間でそれぞれ相談をしておるわけでありますけれども、しかし、政府としても一応の考え方というものを出してもいいのではないかというふうに私は考えるわけでありますが、そういう点については各党間に――これは原子力のときにも一つの見本、サンプルがあるわけでありますので、そういう点についても、政府としてもやはり、政府自体としてはこういうふうに考えるという一つの案を考えてもいいのじゃないかというふうに私は考えておるわけでありますが、そういうことでいま進んでおりまするから、この問題はこれでおきます。 そこで、この法案の条文でありまするが、第四条の第三項、これは今後しばしば出てくるわけでありますが、この法律における主務大臣というのは、一体何大臣に当たるわけでありますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ここに主務大臣と申しますのは、この法案の三十九条に規定されているわけでございます。この三十九条におきまして、主務大臣といたしましては、内閣総理大臣と郵政大臣ということになっている次第でございます。
○森本委員 「内閣総理大臣、郵政大臣」となっておりますが、それから「人工衛星等の開発に係る事項を所管する大臣で政令で定める」というのは、これはどの大臣ですか。
○石川(晃)政府委員 この政令で定めます大臣は、現在人工衛星の研究を行なっている各省の研究が開発の段階までに進みました時点におきまして、この政令で定める大臣として入るわけでございまして、たとえば気象衛星、航空衛星などの場合並びに測地衛星の場合には運輸大臣、それから測地衛星の場合は、建設省も測地関係の仕事をやっておりますので、建設大臣なんかも含まれるものと考えております。
○森本委員 そういたしますと、ここで、第三十九条でいわれるところの政令で定める大臣というのは、いまのところ、内閣総理大臣、郵政大臣以外に運輸大臣もしくは建設大臣、この程度ですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 現在予想されておりますのは、以上の大臣でございます。
○森本委員 それから、第四条の第一項の三、「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額、」こうなっておるわけでありますが、この事業団の設立に際して政府以外の者が出資するというものは、大体どういうものですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この「政府以外の者」と申しますのは、宇宙開発に対しまして協力的な態勢のとれるものというような意味合いを含んでいるわけでございますが、当面、試作とかあるいは製造、そういうものに対しましてメーカー等が関係するわけでございますが、そういう方々からは、協賛的な意味におきまして、今後の宇宙開発を推進していただくという意味においてお願いすることになると思うわけでございます。
○森本委員 だから、具体的に、「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」と、こうあるわけでありますので、これは事業団の設立に際して行なわれるわけでありますので、この法律案をいま審議をしておりまするから、この法律案が通ってこの事業団をいよいよ設立するという際には、政府は、政府以外の者が出資するというものについては、どういうものを考えておられるか、具体的に、その考えておられる者と金額を明示を願いたい、こういうことです。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この事業団法案が成立いたしますと、すぐ設立委員会を設置するわけでございますが、この出資につきましては、その設立委員会において検討されることになるわけでございまして、現時点におきましては、その出資先並びに金額というものについてはまだ決定していない段階でございます。
○森本委員 これは設立委員会においてやるということでありましても、現実にこの法案というものを出して、事業団というものに対する責任を持っておる以上は、具体的に大体いま考えておるものについてはこれこれであるという内容は明らかにしなければならぬと私は思います。そういうものはすべて設立委員会にまかしてあるからでは、これは事が済みません。
○木内国務大臣 いまお話しの点、まことにごもっともな点があるのでありますが、この民間からの出資は協賛的なものでありまして、きわめて少額の出資しか私どもは期待できないと思っているのですが、これはいま経団連などにも話をいたしまして、できるだけまとめてもらうように話をしているわけです。繰り返して申しますが、ごくノミナルな金額しか私どもはこの際には期待いたしておらないわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、この設立の際におけるところの資本金というものは、大体どの程度で発足をする予定ですか。
○石川(晃)政府委員 出発当初におきましては、五億円を予定しているわけでございます。
○森本委員 五億円を予定しておって、五億円で一体仕事が、何ができますか。私が聞いておるのは、宇宙開発事業団が発足をするという場合に、具体的にその宇宙開発事業団の出資というものがどの程度になるかということであって、五億円の出資で一体何ができますか。それはあと、土地、建物、そういうものについては現物出資するということが書いてありますけれども、しかし、現実に金がその程度では何もできないというふうに私は考えるわけでありますが、もっと親切に、発足当時にこの宇宙開発事業団というものはどの程度の出資金において行なわれるか、その出資金というものはどこどこが出されるのか、せめて政府関係機関についてはおわかりであろうと私は思いますが、どうですか。
○石川(晃)政府委員 この出資につきましては、四十四年度の計画におきましては二十八億円を予定ているわけでございます。設立当初におきまして五億円、これは設立当初において出す出資でございますが、この内容といたしましてはQロケットのシステムデザインとか、あるいは射場の設備関係、土地買収、それから電離層観測衛星関係、それから経常経費、あるいは事務所、宿舎、こういうようなものを含めて五億円でございます。そのあと二十三億円は逐次出資をしていくということになっているわけでございます。
○森本委員 その二十三億円というものの出資の内訳はどうなっておりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 二十八億円の、あとから追加出資いたします中には電波研から参ります約五億円を含んでいるわけでございます。その二十三億におきましては、このQロケットの試作、そういうようなものを含んでいるわけでございまして、そのほか、電波研から参りました五億円には、電離層観測衛星の試作というものを含んでいる、プロトタイプの製作費を含んでいるわけでございます。したがいまして、これは全部政府として一本で出資するということになっております。
○森本委員 そういたしますと、その二十八億円というものの中にはこの政府出資の五億円、それから残る二十三億円についてもすべて政府出資、こういうことですか。
○石川(晃)政府委員 そのとおりでございます。
○森本委員 これ以外に、政府関係機関以外で出資するというのはどの程度ですか。
○木内国務大臣 いまちょっと説明がごたごたしておりましたけれども、今回の出資は、そこにも書いてありまするように政府の出資、これは本年度の予算に計上してある二十八億円ですね。当初は五億円、あとの残り二十三億円は出資する。そのほかに、いま宇宙開発推進本部というものが現に宇宙開発の仕事をいたしておりますが、その資産を引き継ぐ。また、郵政省の電離層観測衛星の研究開発に従事しておりますそのほうの資産も評価をして出資に充てる、こういうことになっております。 しからば、一般の民間からの出資はどうかといいますと、これはきわめてノミナルの協賛的の出資にすぎないものである、かように御承知を願いたいと思います。
○森本委員 そういたしますと、この附則条項にありますところのNHKの四十四年度のこれに対するところの出資、それから、電電公社の出資はどうなっておりますか。
○木内国務大臣 いまお話しのNHKとか電電公社の出資は、今後開発された人工衛星をこれらの機関が利用する段階になって適当に出資をしていただく、こういうことになろうかと思っております。
○森本委員 そういたしますと、この四十四年度については、NHK並びに電電公社については関係がないわけでございますか。
○石川(晃)政府委員 四十四年度については予定していないわけでございます。
○森本委員 それから、国際電電についてはこの予定はありませんか。
○石川(晃)政府委員 国際電電につきましても、予定はございません。
○森本委員 そういたしますと、四十五年度以降については、いま私が申し上げました三つは、どういうことになりますか。これを私がなぜ聞くかといいますと、大体いまの三つは逓信委員会の所管事項でありますので、特に聞いておるわけであります。
○石川(晃)政府委員 NHK、電電、国際電電につきましては、現在郵政省の中におきまして通信衛星の研究開発を行なうという体制になっておるわけでございますが、この実験用通信衛星が開発の段階にまで進んだ時点におきまして、この出資の問題に関係してくるものと考えております。
○森本委員 そういたしますと、通信衛星の本体そのものについての開発、それから、それを試作するというふうなことについては、すべてこれは従来どおりそれぞれのいわゆる通信関係機関がやるということであって、いよいよこれを打ち上げるという段階になって宇宙開発事業団が行なう、こういうことですか。
○石川(晃)政府委員 この実験用通信衛星が開発の段階になりますと、これは宇宙開発事業団において引き継ぐことになっているわけでございます。
○森本委員 通信衛星の開発というのは、一体どの程度を考えておるのですか。
○石川(晃)政府委員 通信衛星につきましては、プロトタイプの段階になった時点において開発と考えておるわけでございます。
○森本委員 すでにこれは、通信衛星にしても、放送衛星にしても、それぞれ研究せられておるわけでありますが、それが実際に打ち上げる段階に至って宇宙開発事業団ということでなしに、宇宙開発事業団というものが、この法案にありますように、総合的に宇宙開発そのものを行なうのだということであるとするならば、これは、衛星の本体そのものを研究するときからこの開発事業団が行なうのが当然ではないのですか。これはやはり、そういう放送衛星なり通信衛星というものはそれぞれのものに一応やらせておいて、そうして、いよいよ打ち上げるという段階になってこの開発事業団が行なう、こういうことになるわけですか。
○石川(晃)政府委員 考え方といたしましては、基礎的な部品あるいは中の装置の研究というものについては、それぞれの所管のところで行なうということになりまして、それが総合されて衛星の形態をなす時点に至りまして開発というふうに考えているわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、通信衛星とか放送衛星とかいうものは、衛星の本体そのものについてはそれぞれの機関がこれをつくる、そうして、その打ち上げだけがこの宇宙開発事業団の任務である、こう解釈していいわけですか。
○石川(晃)政府委員 衛星をつくります時点におきましてはすでに開発となりますので、これは宇宙開発事業団で行なうわけでございまして、打ち上げだけではないわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、これは最初から、放送衛星にしても、通信衛星にしても、その部品からつくっていって、それぞれ研究段階へ入っている。あなたも郵政省におって御承知のとおり、それぞれの機関においてそれぞれつくっておる。それぞれの機関においてそれぞれ試作しておるものについては、これを宇宙開発事業団に移行していってやるのがほんとうじゃないのですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 各それぞれの所管において行なわれております研究の中には、先行的な研究が相当含まれているわけでございます。開発の段階になりますと、これは実用化の段階になってまいりますので、先行的な研究をそのまま開発事業団に移しました場合には、かえって開発をおくらせる場合もあるわけでございます。したがいまして、先行的な研究はそれぞれ所管の研究所等において行なっていただきまして、その成果を集めまして開発できるという段階に至った時点において、これを開発というふうに考えて、当事業団で行なうことを考えております。
○森本委員 それじゃ郵政省にお伺いします。いま郵政省が、事務次官を頂点として通信衛星に関するところの委員会というものをつくっておるわけでありますが、どの程度までこれが進んでおりますか。
○石川(忠)政府委員 お答えいたします。 四者の協議会を開発本部にいたしましていままで検討してまいったのは、一つは電離層観測衛星、もう一つはお話しの実験用通信衛星でございますが、この通信衛星の現在の研究段階というものは基礎研究でございまして、こういった研究を各機関で行ないまして、それが実ったところで事業団における開発へ持っていく、こういうことで、その各機関において行なっております基礎研究の取りまとめ、こういう協力機関的な性格に今後はなっていく、こういうふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 いままで電電公社、それからNHK、それから郵政省を合わせまして、宇宙開発に関するところの通信衛星あるいはそれに関するところの予算は、全部でどの程度使っておりますか。その数字をいま明らかにできなければ、それはそれでけっこうでありますけれども、私がいまなぜその数字をあげろと言ったかといいますと、相当の金額になっておるわけです。いま基礎的な研究というふうに言われましたけれども、現実に通信衛星なりあるいは放送衛星については確かに基礎的な研究でありますけれども、ほんとうにこれをつくろうということになるとするならば、衛星の本体そのものについては、私はつくれる段階に今日入っておるというふうに解釈をいたしておるわけでありますが、その点についてはどうですか。
○石川(忠)政府委員 私ども聞き及んでおるところでは、まだ基礎研究の段階であるということで、これをそのまますぐまとめて実験用衛星ができるという段階にはまだちょっと無理だというふうに聞いております。
○森本委員 聞き及んでいるというけれども、電波監理局長は電波監理局長で技術屋でないので、それじゃ郵政省で、技術屋でこれに関するところの問題を明確にお答えができる人から答弁を願いたい。私は、いま全力をふるってやろうとすれば、通信衛星の本体そのものについては一応でき得るところの技術能力を持っておる、こう解釈をいたしておるわけであります。そうでなかったならば、いままでの予算の使い方が私はほとんどむだ使いにひとしいというふうに考えるわけです。だから、実験用の通信衛星の本体――ロケット段階は別として、本体そのものについては、いまやろうと思えばでき得る能力を持っておる、私はこう解釈をいたしておるわけでありますが、その点どうですか。聞き及んでいるというような答弁をせられたのでは困りますので、ひとつ明確に答弁を願いたい、こう思うわけです。
○平井説明員 お答え申し上げます。 通信衛星の本体の開発につきまして、特に技術的な問題になりますと、まだ完全に現在の国産の技術でできると申し上げる段階には至っておりません。特に各衛星を打ち上げてもこわれない信頼性のある部品をつくれるという自信の段階にまだなっておりません。また、その他衛星関係の姿勢といいますか、誘導関係の技術についても、機械そのものあるいはその技術そのものについてもまだ全然――全然ではございませんが、自信を持った段階におりませんで、目下まだ研究の段階にございます。
○森本委員 そういうふうな答弁しか、いまこの科学技術特別委員会との合同審査の中ではできないということになるとするならば、いままで一体何をしておったかということを言いたいし、それからまた、たびたびのこういうことに関連をする質問においては、さも自信ありげな答弁をそれぞれしておったにもかかわらず、いまごろになって、全然自信がありませんというような答弁だとするならば、これはまた別の委員会でやりますけれども、一体、通信衛星開発委員会なるものを次官を頂点としてつくって、何をしておったか、むだ使いばかりしておったのかということを言いたいわけであります。これはまた、いずれ日を改めて逓信委員会で私は一つ一つ質問をしていきたい。それでは大体いままでぺてんにかけたみたいな答弁でその場を切り抜けておったという印象しか私は受けぬわけであります。もっとも、この段階になってきわめて慎重な答弁に変わってきたといえば別であります。いずれにいたしましても釈然といたしませんけれども、時間の関係で次へ進んでまいりたいと思うわけであります。 なお、それではちょっと資料として要求しておきたいと思いますが、郵政省のほうから、いままで衛星に関係するところの暦年度の予算をずっと明示願いたい。それから、実験用の通信衛星を上げる段階における技術的な内容がどの程度まで進んでおるかということも資料でお出し願いたい、こう思うわけでありますが、よろしゅうございますか、郵政省は。
○河本国務大臣 先ほどのお尋ねでございますが、御承知のように、四十三年度までは電離層衛星についての予算がついておったわけです。ことしから初めて、ごくわずかでございますが、実験用静止通信衛星についての予算がつき始めまして、ただいまのところ総額約七十億円を必要とする、かように考えておりますが、そのごく一部、一億円前後のものがついた、こういう段階でございますので、先ほど担当者からあのような答弁があったのだと思います。しかし、四十八年度にはぜひこれを予定どおり打ち上げる、こういう方針で全努力を傾けておるということについては御了承願いたいと思います。 なお、資料につきましては、提出をいたします。
○森本委員 それから、この事業団の役員の点についていまお話がありましたけれども、これは科学技術庁長官としても相当慎重に取り扱いたいということを言われておりまするから、私はあえて申しませんけれども、この点については、特に私はひとつ慎重な態度をとっていただきたいと思います。 ここでちょっと聞いておきたいと思いますが、この理事長、それから副理事長、理事、監事の待遇はどの程度を考えておりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この事業団の役員の待遇につきましては、まだ最終的にはきまっていないわけでございまして、これは、設立委員会ができましてから、そこにおいて決定されるものだと考えております。しかし、私たち考えておりますのは、従来科学技術庁の中にいろいろな事業団がございますが、大体それに見合うような待遇をしたいというふうに考えております。
○森本委員 考えていないということでありますけれども、大体こういうことは法律をつくるときには考えておいて、われわれのほうはこういうふうに予定をいたしておりますという答弁ができるのがほんとうでありますけれども、まあ合同審査でありまするから、あとは科学技術のほうに譲ります。 それから、第十九条の顧問という問題であります。こういう公団関係で顧問というのを正式にやってありますのはあまりないと思いますが、この顧問というのは、どういうふうな内容になるわけですか。
○石川(晃)政府委員 この顧問を置いた理由でございますが、宇宙の研究開発というものは、わが国においてはまだ非常に歴史が浅いわけでございまして、また関連分野は非常に広いわけでございます。したがいまして、学識経験のすぐれた人の英知を結集したいという考えでございまして、顧問を置くことによりまして、この事業団の運営が硬直化される、あるいは独善化されるということがないようにしたいという意味で、この顧問を置いたわけでございます。
○森本委員 この顧問は常勤制ですか、非常勤ですか。
○石川(晃)政府委員 非常勤でございます。
○森本委員 こういうものを置くというときには、かなり慎重に考えないと、ただむやみやたらに顧問を置いても意味がないということになりかねぬと思いますので、特にこれは私は発言をしておきたいと思います。 それから、この第四章の「財務及び会計」のところの決算の項でありますが、第二十七条でありますが、この決算について、会計検査院のほうの決算に対する検査というのはどうなっておりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 会計検査院の検査でございますが、会計検査院の検査の範囲は、会計検査院法第二十二条というのに規定されているわけでございます。この宇宙開発事業団は、国の出資金が二分の一以上になるという法人でございますので、したがって、この会計検査を受けるということになるわけでございます。
○森本委員 これは第二十二条の五号で、国が資本金の二分の一以上を出資している場合には、当然そうなるわけではありますけれども、かりに資本金の二分の一以下に国の出資がなった場合は、当然会計検査院がこれを検査することにはならぬわけであります。だから、そういう点で、正式にこれは法律条項として、会計検査院の検査を受けて云々というふうに入れておいたほうが無難ではないんですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この宇宙開発事業団は、いわゆる国のナショナルプロジェクトとして行なわれるものでございますので、将来とも国の出資が二分の一以下になるということは考えられないわけでございますが、かりにそういうことになりました場合でも、この会計検査院法の第二十三条によりまして、「会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」という条項が当てはまるわけでございます。
○森本委員 その条項を当てはめるよりかは、この条項の中にはっきりと、会計検査院の検査を受けて云々ということを入れておいたほうが、法律的には明確になっていいでしょう。
○木内国務大臣 いろいろ御意見ごもっともな点もあるのでありますが、いま政府委員から申しましたように、この政府の出資が半額以下になるというような場合は、私どもは想定いたしておらないのでございます。それと、いまの会計検査院法の関係からいいまして、私どもは、特にこの法律にそれまでの規定を入れなくても十分いまの段階では足りる、かように考えたわけであります。
○森本委員 国がそれだけの気持ちでやられるのは私はけっこうだと思いますけれども、将来の日本の宇宙開発を行なう場合、アメリカなんかが考えておるように、いわゆる月ロケットとか、あるいはその他のロケットとかいうことをやるよりも、日本の場合には、実用段階における、たとえば通信衛星とか、放送衛星とか、測地衛星とか、航行衛星とかいうふうに、そういう実用段階の利用方面に移っていくのが私は早いと思います。だから、アメリカのNASAあたりとはだいぶ違ったような形に、日本の場合はなると私は思います。そういう場合には、必ずしも――私は自分の専門的な分野からばかり見ておるわけでありますけれども、そうなってきますと、たとえば、いまの国際電電の問題を考えましても、これなんか将来国際通信の面ではこの衛星を使っていくほうがずっといいわけでありますから、必ずしも政府の出資金云々という点については、そうなっていくことが望ましいわけでありますけれども、その比重が変わってくる場合もあり得ると考えてもいいんじゃないかというふうに私は考えるわけでありますから、特にいまの会計検査院の問題を出したわけでありますけれども、特に内閣の請求があった場合という条項があるわけでありますので、もしもかりに三分の一ということがなくなっても、その条項を当てはめて会計検査を従来どおり行なうということが速記録に載るわけでありますので、その点で了承できますけれども、現実に考えまするならば、やはりこの際には、こういうふうな国がほとんど行なうという問題については、会計検査の条項をはっきりと入れておいたほうが明確になっていいというふうに考えますけれども、これは、いまさら立法上これを修正するというわけにもいきませんが、ただ意見として申し上げておきたいと思います。 それから、今度のこれによって郵政省から今回この宇宙開発事業団に移っていくという内容でありますけれども、これは具体的にどの程度の人員と、それから、どういう人たちが行くことになるわけでありますか。
○石川(忠)政府委員 お答えいたします。 電波研究所の研究所の研究職が二十三名移る、こういう予定をいたしております。
○森本委員 二十三名というのは、これは全部事務官ですか、技官ですか。
○石川(忠)政府委員 研究職でございますので、技官でございます。
○森本委員 そうすると、電離層のいわゆる衛星関係部門から行くわけですか。
○石川(忠)政府委員 従来持っている仕事を持っていけばいいわけでございますけれども、原則としてはそういうことになろうかと思いますが、研究所の中で、まあ電波研究所の方々は電離層の研究は十分いままでやっておりますし、直接、間接いままでの電離層観測衛星の開発にタッチしていることでもございますので、研究所の研究職の中から二十三名行く、こういうことでございます。
○森本委員 そうすると、その中で一番若い人は、勤続年数がどのくらいになりますか。
○石川(忠)政府委員 いまのところ、具体的にだれがということがきまっておりませんので、どの方が一番若いかということをちょっと申し上げることができません。
○森本委員 そういたしますと、公務員からこの開発事業団に移っていった場合に、共済年金、退職金、そういうものについては、どうなりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 現在私たちが考えておりますのは、この事業団に電波研究所並びに宇宙開発推進本部から引き継ぐ人については、本人の希望を聞いてこの事業団で引き継ぎたいと思っております。その希望と申しますのは、将来公務員としてまた帰るという復帰希望を持っているかどうかということで処置していきたいと思っております。その場合に、復帰希望によりまして再度公務員になった方につきましては、年金は継続されるわけでございます。それから、事業団に行ったまま公務員として再び戻ってこない方は、その場合には退職というかっこうになるわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、郵政省からかりに事業団に移っていった場合、一度いわゆる退職をした形になっていくわけでありますか。それとも、もう一回公務員として帰ってきたいという人の希望については、退職ということにせずに休職という形で行くわけですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 形式といたしましては、退職というかっこうで行くわけでございます。
○森本委員 退職ということになっていくとするならば、結局退職手当その他については、これは引き継ぐわけにはまいりませんが、現実に共済年金だけについては、その間の、いわゆる宇宙開発事業団におる年限についてはどうなるわけですか、もう一回帰ってきたとき。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 復帰希望者につきましては、その事業団におります期間は、将来公務員になった場合にも年数として計算されることになるわけでございます。
○森本委員 その場合、共済年金の場合には掛金をかけておらぬわけでありますが、これは減額支給になりますか、それとも、共済年金についてはあとから徴収する、こういうことになりますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 それはかけることになっておるわけでございます。
○加藤(六)委員 関連質問。いまの森本委員の質問に対して答弁がございましたが、私は逆に宇宙開発事業団の立場から見て、そういう両方の面をとって事業団へ行かすということについて非常に危惧の念を持ちます。事業団の名前は申し上げませんが、ある事業団で、二省以上の管轄によってできた事業団があります。最初のうちは本省の出向という形をとっておって、事業団が何か方針決定をしようとするときに、その団の人はそれぞれの本省に本省伺いをしないと、よう結論を出さないということで、一、二年間非常に運営がもたもたした実例を知っております。そういう観点から見ますと、いまの石川局長の答弁のような方法でやられるということは、宇宙開発事業団を何のためにつくったのか、わけがわからない、いまのままでいいのじゃないかという気持ちさえ持つのですが、もう一回はっきり、本人の意思を聞いて、そして将来は復帰するような方法も考えるとか、あるいは年金その他についてはそのまま事業団の中でかけさせておいてまた帰さすというようなあやふやな態度でこの事業団を構成していくかどうか、ちょっと疑義があるので、関連質問します。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 私たちとしましては、この事業団の将来というものを考えますと、現在この事業団に入る方は、そのまま続けて宇宙開発のために尽くしていただきたいということで、全員そのまま宇宙開発の事業を続けてほしいという気持ちでございます。しかしながら、一部の方でどうしても公務員としてもう一度帰りたいという希望の方は、その希望を聞き入れるということでございまして、根本的な考え方としましては、いま申しましたように、事業団でそのまま将来とも宇宙開発のために尽くしてほしい。ただ、研究者の能力ということを考えますと、場合によりましては、その研究成果の有効利用という面におきましてそういうような交流が行なわれるということも、ある場合にはやむを得ないかというふうにも存ずる次第でございますが、根本的には、先ほど申しましたように、宇宙開発事業団へ全部移っていただくということが望ましいわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、いま私が言いましたように、これは、要するに、宇宙開発事業団に一度は行って、また最後に帰ってきて共済年金を足してそれでやめるということができ得る、こういうことですね。
○石川(晃)政府委員 希望のありました場合はでき得るということでございます。
○森本委員 それから、この二十三名の電離層観測衛星関係の部門については希望をとっていくということでありまするから、希望がない人についてはやらない、こういうことですね。
○石川(忠)政府委員 先ほど答弁のありました希望というのは、戻るか戻らぬかという希望でございます。そういうことだと思います。
○森本委員 いや、そうでない。先ほど私が二十三名というものについては一体どうかと言えば、それはまだ希望をとってからやらなければ人員についてはわからぬ、こういうことだったでしょう。だから、その二十三名宇宙開発事業団に移っていく人については、将来戻ってくるということを条件にして行くという人もあれば、あるいは私はそういうふうなほうには行きたくないという希望もあろうと思うのです。だから、そういう希望をとって、その希望によって行かす、こういうことであるかどうかということを聞いているわけです。
○石川(忠)政府委員 そのとおりでございます。
○森本委員 そういたしますと、本人が希望しないにかかわらず無理やりにこれに出すということはない、こういうことですね。
○石川(忠)政府委員 そのとおりでございます。
○森本委員 終わります。
○石田委員長 次に、中井徳次郎君。
○中井委員 宇宙開発事業団法案をずっと一度読ましてもらったのでありますが、特に役員以下の項目につきましては、たいへん丁寧に書いてございますけれども、先ほども森本君からいろいろ御質問もございましたが、資本金の関係については、私はこの総則の第四条はどうも納得できません。こういう書き方でいいのかどうかというふうな疑問がございますので、おもにこの四条についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 最近公社とか事業団とか、政府関係の機関がたくさんできましたが、四条の一項三号のほうに、「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」というふうなことでこの資本金をきめておるというふうな事業団は、ほかにたくさんございますでしょうか。私ははなはだ不勉強でありますので、そういう前例等について伺ってみたいと思うのであります。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ただいまの、その例があるかというお話でございますが、これは、動燃事業団並びに原子力船事業団においてこのような例があるわけでございます。
○中井委員 そういう例は、私に言わせますと、全部間違っておると思うのであります。こういう四条のような形でいかれますというと、国会と政府との関係、行政と立法との関係の区別がはなはだあいまいになりまして、これまでは、法律でやるべきものを政令でやるということでずいぶん議論になりましたが、今度は、法律そのものの中でこんな大まかなことでございまして、私は先ほどから、森本君もこの点についてかなり詳しく質問をしておりまして、それを承っておりましたが、大臣の説明でようやくわかったというふうなことでありまして、私は「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」というのは、どこが出すのだろうと考えまして、おそらくNHKか国際電電か電電公社か、気象関係の会社とか、日本航空だとか、あるいは船舶とか、そういうものだろうと思い込んでおりましたところが、木内大臣のお話では、そうではなくて、これは何でも財界だそうでございまして、金額も非常に小さいというふうなことを聞いておりますが、それなら、なぜそれをはっきりここに書かないのです。私どもさっぱりわからぬ。 それから、その説明の中で、この事業団が、事の性格からいって、政府の出資が二分の一以下になることはありませんなんて、どこに書いてあるのです。二分の一以下になることはありません、なぜそういうことをはっきり書かないのでしょうか、私にはよくわかりませんが、ひとつ説明をしてください。
○木内国務大臣 お答え申し上げます。 この事業団の設立は、設立時期等からいろいろ複雑な事情がありまして、初めの予算では宇宙開発推進本部の予算、九月末までは宇宙開発推進本部の予算として計上してある、それから十月以降の必要な経費は、これはこの事業団に対する出資、補助金あるいは債務負担行為としていまは計上されているというようなわけでありまして、そこで十月以降のものとしては、しからばどれだけのものを予定しておるかというと、当初は五億円の出資ですけれども、二十八億二千万ばかりのものを予算でお認め願っておるわけであります。そのほかに、補助金として二億四千万円ばかりのものもありますし、さらにまた、債務負担行為として五十億円というものはこの運営費としてあるわけです。しかし、出費としては、先ほどから申し上げているように、二十八億円ばかり、そのうち当初五億円入れておいて、あとは予算でお認め願ったものは年度末までに順次入れていこう、こういうことになっております。 そこで、外部からの出資という問題は、これはこの事業団というのは、初めは大体そろばんがとれないものなんですね。採算に乗らないものなんです。そこで、これは民間から出資を要求するということは無理なんですが、せっかくこういうものができるのであるから、民間でも協賛的な意味をもって非常にノミナルなものだが出してもらおう、また、多少ならば出しましょう、こういうことでまだ金額もはっきり書き得ないような状態になっておるわけでございます。
○中井委員 いまのお話でございましたら、五億円と書かずに二十八億円とどうしてお書きにならぬのかよくわかりません。資本金は、第四条の一号に五億円と書かずになぜ二十八億円とお書きにならぬのか。
○石川(晃)政府委員 この五億円と申しますのは、これは私たちが大体予定しておりますのは、三カ月分の出資を考えておるわけでございます。したがいまして、その五億円のあとに二十三億円、これは先ほど大臣から話がありましたように、十月から来年の三月までの分として二十八億円出資を見込んでおりますので、その残りの二十三億円は、その試作品というものができ上がるに従いまして逐次出資していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中井委員 それは第二項なんですか、どうなんです。それはどこにあるんです、逐次出資したいというのは。
○石川(晃)政府委員 これは第四条の四項にございます「政府は、前項の規定により事業団がその資本金を増加するときば、予算で定める金額の範囲内において事業団に出資することができる。」これを受けておるわけでございます。
○中井委員 そんな、半年の間に五億が二十八億になるようなことを、どうして初めからそれを書いておかないのですか。私が申し上げるのは、皆さんが何か自分たちだけでわかって――この事業団というのは、これは国民にはっきりわからしてもらわなければどうにもならぬわけで、専門家やごく一部の人がわかっておっても、現に予算をやっておる私がよくわからなかった。五億円ばかりで宇宙開発がようできるなと思って、さっきから話を聞いておったのですがね。どうなんですか。これは、少なくとも百億とか二百億とか、政府がそれの目標を持ってやっておるなら、そのことをどこかにはっきりうたわないことにはいかぬじゃないですか。こんなずさんな、私に言わすと非常にずさんです。皆さんの、予算に合うておるだけというのでは、一体法律とは何ぞやということになると私は思うのですがね。経済で会社をつくるような、そんなものじゃなくて、とにかく日本の国の金を出して、そうして、宇宙開発事業団というものをつくるのですから、もう少しはっきりしないことにはいけない。大臣、あなたもこちらのほうはお詳しいのですが、特にこの三項のごときは国民をばかにしていると私は思うんだ。これは行政をやりたいために、行政の都合で、ちょっとそれじゃ法律にしておこうかというようなことでありまするから、こういうことになるんだ。そう思うのです。どうなんです。
○木内国務大臣 いろいろ御注意やおしかりを受けまして非常に恐縮いたしておるのですが、これは実は例文によったわけなんです。ほかの事業団を設立する際に、やはりこういうような規定があるものですから、その型に従ったのですが、この予算は、いまお話がありましたように、金額の面において五億円あるいは二十八億円ときめましても、そのほかに、宇宙開発推進本部が持ってくる財産もあり、また、郵政省のほうから電離層観測衛星に関係のあるものを持ってくるものもあり、金額を予算の面においてきめましても、この年度末までにこの金額は非常に動くわけなんですね。そんなような関係もあって、例文でなっておったものですから、その条文に従ったのですが、確かに御意見のような点はあると思うのです。今後におきましては、こういう問題については十分研究してみる必要があると思っております。
○中井委員 私は、科学技術庁には法律に詳しい人がおらぬのかなと思うているのです。法制局あたりともどういう折衝をなすったかよくわかりませんが、特に説明をしなければわからぬというような法律というのはないと私は思うのだな。君の言う二分の一をこたえるべからずなんというようなことは最も重要なことだ。これはどこを見てもちっともありはせぬ。これは私は常識としてどうも納得できないのです。 そこでこの三項ですが、木内さん、経団連あたりは幾ら持つと言っておるのですか。この三項をちょっと伺っておきます。金額はしょっちゅう変わるのかね。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ただいまの協賛出資につきましては、先ほど大臣からお話ありましたように、話は出ておりますが、その最終的な金額についてはまだ決定していないわけでございます。
○中井委員 そういうことは、国会における答弁としては私は認めるわけにはいかぬと思うのです。法律が通りましたらよく話をしまして、こう言いましてね。それで二分の一というのが二億五千万円なのか、二十八億の二分の一なのか。二分の一以上こえちゃいかぬというから、同額という意味なら二十八億までいけるのか、五億までいけるのか、そこもはっきりしません。 それから、私はきょうここへNHKの皆さんを呼んでおるわけです。NHKの皆さんは、この三項目によりまして出資せいと言われておるのじゃないかと思いまして私は呼んだのですが、どうも一向関係がないようですが、どうしてですか。これは放送、それからKDD、電電公社――NHKは民放がありますけれども、KDDと電電公社は、これは独占でございます。今後開発事業団と非常に関係がある。二つも三つもあるならば、そこへ幾ら入れようか、ここへ幾ら入れようかという議論があるでしょうけれども、これは受益団体ですね。受益団体で、限られておるわけです。皆さんのその五億円というのを見て、まことに貧弱な事業団だと私は思いましたが、電電公社は数千億の予算を組んでいまするし、NHKも一千億近い。しかも、こういうことについては非常な意欲を持っておるわけで、また、それでなければ事業の将来はない。KDDに至っては首根っこを押えられるようなことでありましょう。どうしてそういう人たちと一緒に、最初からこの資本金も十億、二十億と幾らでも出してもらってやらないのですか。私はそれがわからない。あなたのさっきからの説明を聞くと、何かぼつぼつやっていくという。それででき上がったら、この次にNHKも研究しているだろう、あるいは電電公社も研究しておるだろう、KDDもやっておるだろう。特に追跡の装置なんてありますが、現に国際電電はおわんみたいなものをたくさん持っているでしょう。追跡の装置でしょう。そういうものとの競合もあるし、どういうふうなお考えを持っておるのか。もっと政府として、一体になって、明るく、おおらかに大規模にどうしてやらぬか。資本金五億円、説明を聞いたら二十八億円になりますなんということを、なぜ堂々としてやらないか。官庁のなわ張り争いの結果ですか、どうですか。私はまことに遺憾にたえないと思うのですが、その辺のところの見解を伺っておきたい。大臣、いかがですか。
○木内国務大臣 いまお話しの点、ごもっともな点も確かにあると思うのですけれども、この事業は、御案内のとおり、非常に巨大な事業でありまして、また、多額の資金を要します。しかも、初めからこれは採算に乗らない性質のものなんですね。そこで、先ほどお話にありました、政府が半額以上出資するということをなぜ書かぬというお話がありましたけれども、これは当然当初は政府で出資すべきもので、民間の出資を期待することが無理なんです。しかし、ただ、せっかく事業を始めまするので、そこで協賛という名義で、ごくノミナルの資金を出してもらおうということで協賛出資ということを入れておったわけなんです。NHKその他の出資につきましても、これはいよいよ利用の段階になって、NHK、国際電電その他が深い関係を持つようになってくれば、その段階におきましては、NHKその他も出資をしてもらうことになるだろうと思うのです。そのために、あとのほうの条文でそういう道を開いておる、こういうようなわけでございます。
○中井委員 その二段がまえが私にわからないのでございます。打ち上げましてこれが成功しましたら、利用するところは、いまから限られておるのですから。あなたはそろばんがとれるとかとれぬとか言いますが、それは一億円になんなんとする電電公社、あるいは一千億円になんなんとするNHK、あるいは半期に二十億ももうかる国際電電、そういうところは、将来の布石としてこんなものに金を出すのはあたりまえでありまして、そんなもの採算がとれぬから金を出さぬなんて、そんなことは絶対ありません。それから、採算がとれないから財界の人はなんというお話もありますけれども、それは一応のそういう御議論でありまして、こういう日本の将来にわたる大きな影響のありますことについては、それは借金を質に置いてでも協力するというのがたくさんあります。まああなたのほうは十四条に、そういう「物品の製造若しくくち販売若しくは工事の請負を業とする者で事業団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員」、こういうものは理事になることはできないというふうに、こういうことはきわめて厳格に書いておいて、始まりの協力体制についておかしなもの一それで、いまの木内さんの話だと、「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」という、この中には、やはり十四条の二号に該当するようなものも、経団連なら経団連ということになれば入っているわけですね。逆に、この点はむしろ矛盾で、はっきりとこれを打ち上げたり利用するものから大いに金を出させたらいい。第一、二分の一以下というのも、これは政府出資が二分の一、その他にNHKやKDDや電電公社が入るということになりますと、なかなか予算のとり方はむずかしくなりはせぬか。こういう団体は二分の一の中に入れてもかまわぬ、私はそういうふうな判断をしたいのですが、その辺のところはいかがですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 NHK、電電その他につきましては、実はまだ実験用の通信衛星というものが研究の段階でございますので、これには現時点におきましては出資の対象としては考えていないわけでございますが、しかし、将来、このNHK、電電公社あるいはKDDというものが、通信用実験衛星が開発の段階になりまして、それが実用化されました段階においては、これら三者がその利用ということについて非常に密接な関係を持ってくるものだと思っております。しかし、ただいまの時点におきましては、そういうことで、まだ研究の段階でございますので、実ははっきりここにも書いてありませんし、また、出し得るというような条項を挿入してございます。
○中井委員 あなたの答弁は逆じゃないですか。それは、NHKやKDDや電電公社でそういうことを開発しておったら別に関係せぬ。まだできないから、大いにあなたのほうに出資をして一緒にやらなければ国のためにならぬのじゃないですか。何かその辺のところを二段がまえにしたことは私にどうしてもわかりません。そうして、こういう会社は独占会社で、事業団と同じように法律でちゃんときまっておる公社なんですから、ことにNHKのごときは、ほんとうに中立のああいう報道機関なんですから、政府の出資の中に含めてやる。そうすれば最初から金がたくさん集まって強力にやれる。もちろん、NHKでもKDDでも電電公社でも社内でやるということは自由でございましょうが、こういうところへ大いに出資させないことには、ぼくたちとしては、そういう会社に――これは毎年逓信委員会におきまして厳重に監督してやっておるわけですから、そういう面は大いに積極的にやってもらったらどうだ、こういうことでありまして、さっきのように、二分の一というようなことをいいながら五億円で、それで聞いてみたら二十八億だ。また何やら契約があるとか、翌年度の何があるとか、そういう非常にわかりにくい説明では私は納得できないのですが、これはどうですか。たとえば三号の「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」、これはこういうふうになっているのですから、いまのあなた方の御意見なら、近いうちに大臣でもかわりましたら、すぐ大臣がこの三号を利用して、電電公社、出せ、おいNHK、出せということも自由ですよ。あなた方の説明で私はわかったわけなんですが、この辺のところはどうなんですか。
○河本国務大臣 先ほど森本委員の御質問に対する答弁で、実験用通信衛星に約七十億の予定をしておる、星の部分だけでございますが、ということを申し上げました。当初の計画では、その七十億の事業計画の中の相当部分をNHK、電電あるいは国際電電、こういうところに出してもらう、こういう話し合いで進めておったわけでございます。ですから、今後も当然出してもらうわけでございますが、ただいまのところ、この事業団には、従前の電離層観測衛星に関する部分、この部分はもうすでに開発段階に達しておりますので、これは当初から出資をいたしますが、実験用通信衛星に関しましては、まだようやくことし、先ほども申し上げましたように、わずか一億前後の予算がついたばかりでございまして、研究がスタートしたばかりでございます。開発段階には至っておりませんので、開発段階になり次第、この部分も当然事業団に出資をいたしまして、その段階におきまして、当初の予定どおりNHK、電電その他からも出資をしてもらう、こういうふうに考えております。
○中井委員 個々の御答弁はわかるわけなのです。私はそれを否定するわけではありませんが、全体としまして、この事業団をつくって、その説明が、大臣の説明やら石川君の説明でないとわからないというような法案がどうも納得できないのです。この第四条、これは少し改める意思はおありじゃないですか。
○木内国務大臣 いろいろ問題の点もないじゃないと思うのでありますが、先例に従った条文でもありますし、私はこの条文でひとつお願いいたしたい、かように思っております。
○中井委員 それはいろいろ事情がありましょう。たとえば船舶の問題だとか、いろいろありましょうが、宇宙開発事業団ということについては、それに関連をいたします産業なんというものはもうきまっておるわけでございますから、それをなぜ初めからはっきりと書いて堂々とやらないのか。最初は五億円であるというふうな行き方は、どうも私は納得できません。特に、冒頭申し上げましたように、立法と行政の区別が、こういうことであるとつかなくなる。将来、何でもいいわい、ひとつこういうものをつくって、そのまま書き流していくわというのでは、どうも皆さんだけはわかっておるが、国民はわからない、こういう形であります。そういう意味で、私はこの四条の形については賛成するわけにはまいりません。 それで最後に、せめて、そういうことの私の気持ちでありますが、この「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」というのは、どれぐらいのものを予定しておるのか、そうして、どういう団体にお話しになるのか、これをちょっと聞かしてもらいたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 この政府以外の者の出資というものにつきましては、関係産業界とか、あるいはそれに類似するような団体ということを考えて、こういうふうな表現にしたわけでございますが、この点につきましては、出資につきまして設立委員会において検討されるわけでございます。しかし、先ほど大臣からも御説明がありましたように、協賛的ということになりますので、一億円以下という額になるのではなかろうかというふうに存じております。
○中井委員 先ほどから石川君から設立委員の話がしばしばありましたが、設立委員がお集まりになっても、やはり政府の意向はどうでございますかと、大ワクについてはお尋ねになるでしょう。それも世間の常識である。そのときに対するあなた方の答弁としては、それじゃ一億ぐらいでということを言われる、こういうつもりですね。もう一つ、念を押しておきます。
○石川(晃)委員 一億円未満というふうに考えております。
○中井委員 私は、先ほども申し上げましたように、NHKやKDDや電電公社が、設立のときからこれに参画をするのが当然であるという見解で、きょうは実はNHKの理事その他を呼んでおりまするからちょっと伺ってみたいと思うのですが、NHKの経理担当の理事さんに伺いますが、もしこの事業団からNHKのほうに向かって出資をしろというお話がありましたら、皆さんはどうなさいますか。
○志賀参考人 先ほどからお話がございましたように、NHKにおきましては、数年前から衛星に関しての研究をいたしております。特に放送衛星の開発に関しまして、その基礎的な研究をいたしておりまして、実は、先般逓信委員会で御審議をいただきました予算におきましても、約三億五千万円の研究費を計上いたしておる次第でございます。今回この事業団に出資の形で参加をする道が開かれておりますが、NHKにおきましては出資という形をいままでとることが可能になっておりませんので、これにつきましては郵政大臣の認可を必要といたしますので、本年度中にそういう問題が実行になるような場合が起きました場合につきましては、郵政省とよく相談をいたしまして実現をはかりたいというふうに考えております。
○中井委員 電電公社のほうはいかがでございますか。
○中山説明員 お答え申し上げます。 電電公社といたしましては、事業団への出資については、現段階におきましては、額、時期等についてははっきりいたしておりませんが、今後事業団の事業計画、電電公社の経理状況等を総合勘案の上、予算において御決定をいただいて、郵政大臣の御認可をいただいて、出資の必要があれば出資をさしていただく、かように考えております。
○中井委員 最後にもう一つ、いま一億円以下というお話がありましたが、それを出しまする民間の事業団体ですが、そういうものは一つの団体をつくって出させるというふうなお気持ちでありますか、その辺のところをちょっと伺っておきたいと思います。
○木内国務大臣 先ほど来御説明申し上げておりますように、この事業は初めは採算がとれる事業ではないのでありまするので、民間からの出資を期待することは無理だと思うのでありまするけれども、こういう事業団もできまするので、まあ協賛的の意味で、わずかながらでもひとつ出質してもらいたい、かように思いまして、経団連のほうにその趣旨を伝えておるわけで、経団連のほうでせっかく協賛出資のことをまとめるようにお骨折りを願っておるような次第でございます。
○中井委員 これで終わります。
○石田委員長 次に、吉田之久君。
○吉田(之)委員 せっかくの連合審査でございまして、科学技術庁長官と郵政大臣がお見えでございますので、私は、この事業団法をめぐりまして、特に第五章の監督の問題で両大臣にいろいろと意見を申し上げ、また、それに対する見解を承りたいと思います。 実はわれわれの考え方では、日本がこれからビッグサイエンスに取り組んでいく重要な一つの柱として宇宙開発を推進していこう、こういうことになりますと、画期的な研究開発をするためには、やはりどうしても組織ができるだけ一元化しておるほうがより望ましい、それから、資金もできるだけ集中的に行使することが望ましい、こういうふうに考えておるわけでございます。たまたまこの宇宙開発事業団に先行いたしまして、二年前に動燃事業団が発足いたしております。この動燃事業団法では、事業団の監督は内閣総理大臣が行なう、それは実質的には科学技術庁長官が主管される、問題によっては通産大臣と協議する、こういうたてまえになっております。したがってわれわれは、今度の宇宙開発事業団の場合も、おそらくそういうできるだけ責任体制の明確な方法でこの事業団が発足するのではないかというふうに考えておりましたが、この事業団におきましては「主務大臣が監督する」、その主務大臣とは内閣総理大臣、すなわち科学技術庁長官、そして郵政大臣、それから、先ほど森本委員の御質問に対してお答えになっておられるところを聞きますと、明らかに運輸大臣や建設大臣が将来これに加わってくるであろうということのようでございます。われわれはこの間科学技術委員会で、なぜこういうことになったのかということでいろいろ質問をいたしますと、どうも原因は、科学技術庁設置法ができましたときに、その権限、第四条におきまして、特に十五の二で「宇宙の利用を推進すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)」ということが明記されております。ここから科学技術庁が出発している以上、今度の宇宙開発事業団といえども、他の各省庁が所掌している部分には科学技術庁は直接タッチできないので、あくまでも共管という形でやらなければならないのだというふうないきさつを承りました。私はこういういままでの、しかも十数年前のいきさつにこだわってこれからの宇宙開発を推進していこうというふうなことでは間に合わないのではないかというふうな気がするわけでございます。いきさつはいきさつとしてわれわれは尊重はいたしますけれども、これから発足する宇宙開発事業団につきましては、もう少し問題を一元化していく、監督を強化していく、そういうことが非常に必要ではないかというふうに考えるわけでございますが、その点、郵政大臣のほうはどのようにお考えでございますか。
○河本国務大臣 根本的には、お話のように、完全な一元化ということが私は研究開発のために最も効果的であるし、望ましい、かように考えます。しかし、今回お話しのようなことになりましたのは、衛星の打ち上げは、従前は、御承知のように、ロケット部分は科学技術庁で、それから星の部分、衛星の部分は郵政省、こういう分担をきめまして相互に連絡をとりながらやってきたわけです。そういういきさつがございますので、いろいろ検討いたしました結果、御審議いただいております法律のような内容にするのが、現実においては一番いいのではないか、かような結論に達したわけでございます。
○吉田(之)委員 ところが、先ほどの森本委員の質問に対する御答弁を聞いておりますと、結局、衛星本体についても、その組み合わせに至る前の段階、各部分部分についてはほとんどこの事業団はタッチしないというふうに承りました。もしもそうだとするならば、わざわざこの事業団の主管大臣に郵政大臣を加えるというふうなことは、事実的にはあまり意味がないのではないかというふうな気がするわけなんです。要するに、組み立てて打ち上げる、それがこの事業団の主たる仕事になるのではないかというふうにわれわれは承りますけれども、いかがでございますか。
○河本国務大臣 なるほど基礎研究の段階におきましては、依然として郵政省の電波研究所が中心になりましてやることになっております。そして、基礎研究の段階が終わりまして、開発段階に入りましたときに事業団のほうに移す、こういうことでございますが、先ほど来の質疑応答にございましたように、郵政省といたしましても、電波研究所の人も設備もある程度は移していく、こういうことでございますので、私は、先ほど申し上げましたように、この原案にございますような内容で当分やっていったほうがいい、かように考えております。
○吉田(之)委員 当分とおっしゃいましたが、私も、いろんな過去のいきさつもございますから、この初期の段階におきましては一応こういう形でいかれるのも、あるいはやむを得ないのではないかというふうにも思いはいたしますけれども、しかし、いつまでもこういう複数の省庁にわたってお互いに並列に並んでやっていくということでは、非常にむずかしい問題が出てくるのではないかというふうな気がいたします。 そこで、それはそれとして、当面、各大臣あるいは各省庁間の総合調整には、科学技術庁長官が当たられるのか、あるいは郵政大臣が当たられるのか、さしあたりどういうかっこうで、そういう総合調整の一番中核になっていかれるのはどちらでございますか。
○木内国務大臣 これは、いまお話にありましたように、なかなか複雑な問題でありまして、そのために、科学技術庁の設置法におきましても、宇宙開発のことは科学技術庁でやる、ただし各省庁の所管のものは除くというふうに書いてある。その趣旨、そこまできておりまする原因を見ますというと、同じ人工衛星にしましても、あるいは通信もあり、放送もあり、あるいは航行関係もあり、気象関係もある、あるいは測地関係もあるというふうに、各省でいろいろな問題を取り扱っておるわけでございまして、各省所管がそんなわけでありまするけれども、私どものほうの科学技術庁としては、各省間の科学技術に関する調整をやるということになっておりまするので、この問題は主として私どものほうで調整をはかっていく、こういうことになるだろうと思います。しかし、主管大臣がたくさんありまするのは、いま申し上げたような従来からのいきさつもありまするし、また、所管事項の性質からもきておるのでありまして、これを直ちに一人の所管大臣にしたから、あるいは科学技術庁の所管にしたからそれでうまくいくというわけにいきませんし、また、そういうわけにもまいらぬだろうと思います。しかし、調整はできるだけとりまして、そして、国費もむだに使わないように、そうして、なるべく効果をあげるようにしていきたい、かように思っております。
○吉田(之)委員 そうなりますと、主として調整役に任ぜられる大臣はやはり科学技術庁長官である。将来は、私は、そういうことですから、結局これは内閣総理大臣の監督として、各関係大臣は協議を随時していくというふうな形になるべきだと思いますけれども、それはこれからの問題といたしましょう。 そこで、これからは、たとえば主務省令は、共同省令と各省別の省令とが出てくるわけでございますか。各省単独の省令は、他の省と協議せずにきめることができるのか、その辺のところを御説明いただきたい。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 その場合におきましては、全部共同省令になるわけでございます。
○吉田(之)委員 そうすると、宇宙開発に関する省令は今後すべて共同省令で出されるというふうに認識していいわけですね。 その場合、特にこういう宇宙開発を推進していくにあたりましては、大蔵大臣との協議事項もかなり多いだろうと思うのです。財政上の必要の範囲内にとどまるのか、あるいはそれ以上いろいろと大蔵大臣と協議していかなければならないことになるのか、その辺のところは、予算上の問題もございますので、今後どういう方針で臨んでいかれようとするのか承りたいと思います。
○石川(晃)政府委員 その件につきましては、法案の四十一条に「大蔵大臣との協議」ということで記載してあるのでございますが、これは大蔵省の権限に密接に関連のあるものについて協議するという考えでございます。この内容としましては、ほかの事業団におきます協議内容とほとんど変わりはないわけでございます。この協議事項のうちで、基本計画につきましては、わが国の宇宙開発の規模が国の財政上適当であるかどうかということについて協議をするわけでございます。それから、事業計画的なものにつきましては、出資金と事業計画との関連性の問題、あるいは出資の時期の問題、それから、事業計画から見た後年度の財政負担等についての協議を行なうという考えで、このようにいたしたわけでございまして、事業団の監督にあたって、ここに記載されておりますのは、やはり必要なものではないかというふうに考えております。
○吉田(之)委員 われわれが特に心配いたしますのは、結局予算内の問題は、これは協議しなければならないと思いますけれども、予算外の問題でも、絶えず大蔵省に伺いを立てなければならないのか、相当長期にわたる問題でございますから。そういう点のところがどうもわれわれわかりかねるわけなんです。だから、いまおっしゃったように、いわゆる基本計画を立てる場合に、国の財政上のバランスと科学技術との関連をきめる、そういう大ワクをきめる場合には、まず協議しなければなりません。その協議をしておけば、あとは年年の予算の問題だけで大蔵省と協議すればいいのかどうなのか、その辺はいかがですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 事業団の事業計画は単年度のものでございますので、そのときの出資の問題とか、いろいろございますので、やはりその点について、財政上の問題として大蔵省との協議ということになるわけでございます。
○吉田(之)委員 次に、先ほどからいろいろ承っておりますと、たとえば衛星本体の開発のピッチ、それから、誘導関係の技術の進みぐあい、あるいはロケットの技術、こういう非常に重要な何本かの桂、これの研究開発の進みぐあいにおいて、現状においてわれわれが感じますことは、いろいろとアンバランスが生じてきているのではないか。ある面ではある程度進んだけれども、一つの部門ではまだまだ全然海のものとも山のものとも見当がつかない。もしもそういう状態であるならば、私はどこかでいわゆるチェック・アンド・レビューをやらなければならないと思うのです。そういう点を、今度の宇宙開発事業団のほうでは、どういうふうに考えておられるか。原子力発電なんかの場合、動力炉の場合には、いろいろとそういう点を当初からきめておりますけれども、この宇宙開発の場合には、思い思いにそれぞれやって、やっとこの部分だけは組み立てられそうだわ、それではひとつ事業団で打ち上げてもらおうかというぐらいのことになったんでは、私はたいへんだと思うのです。その辺の調整、バランスのとり方、これを御説明いただきたいと思います。
○石川(晃)政府委員 確かに、従来の宇宙開発につきましては、先生御指摘のように、バランスがくずれている面もあったわけでございます。しかし、この事業団によりましてそのバランスを保とうということで、この事業団に非常に期待しているわけでございますが、事業団の実体的の組織の中におきましては、そのために企画部門をつくりまして、そこでいろいろシステムデザインというようなものを考えて、そのアンバランスをなくしようというねらいでございます。
○吉田(之)委員 三年ごとに見直しをするとか、そういう具体的なことをまだきめてないのですか。たとえば五年間で――今度四十六年には電離層観測衛星を打ち上げる、四十八年には静止通信実験衛星を打ち上げるというふうなことがいろいろと。プログラムの上には載っているわけなんです。そのとおり進んで行けるのかどうか。どこかでときどき点検、見直しをしなければならない、バランスをとらなければならない。その辺の一つの調整のしかたを、あらかじめ期限を切っておかないと、まぎわになって全然上がりませんわというふうなことでは、私は国民に相すまないと思うのです。
○石川(晃)政府委員 この宇宙開発計画につきましては、従来から宇宙開発委員会におきまして、この計画自体をチェックしているわけでございます。計画をつくりまして進めているわけでございますが、この事業団におきましても、その計画を受けまして、事業団としての計画をまたつくってやるわけでございます。したがいまして、その間にアンバランスができるというような時点におきましては、そのつどチェックしていくという方法を考えたいと思っております。また、そのようにしてアンバランスを早急になくしていきたいというふうに考えております。
○吉田(之)委員 そのつどというようなことでは、どうもわれわれは一そのつどというのは毎月やるのか、三年おきにやるのか、五年おきにやるのか、非常にあいまいだと思うのです。やはり全体の進みぐあいを見て、これが全部バランスがとれなければ、衛星を打ち上げることができないわけですから、この部分が非常におくれておる、こちらは大体進んだ、ならば、一応それはその辺でとめておいてでも予算を集中して、そして頭脳を結集して、おくれている部分を取り返していく。これは年々なら年々、あるいは二年おきなら二年おき、確実にやっていかないと、そのつどというようなことでは非常に私はあとで禍根を残すようになりはしないかという点を心配いたすわけでございますが、重ねてお答えいただきたいと思います。
○石川(晃)政府委員 少しことばが足りなかったわけでございますが、委員会におきましては、毎年度計画を立てて、それを進めていくわけでございます。事業団の中におきましては、そのために計画管理部というようなものをつくりまして、そうして、その計画管理部によって全体の事業団の進行のぐあい、たとえばロケット開発、衛星開発のバランスのぐあい、あるいはその他射場の問題、こういうものはその計画管理を担当する部門において絶えず検討をしながら、そのアンバランスをなくそうということでございます。
○吉田(之)委員 最後に聞いておきますが、そのチェック・アンド・レビューをやる担当はだれでございますか。だれがやるのか。各省庁のいわゆる主管大臣が全部協議してやるのか、それとも、どこかの省が一応中心となって、問題別に関係省庁とやるのか、その辺のところをお伺いいたしておきたいと思います。
○石川(晃)政府委員 大きなワクといたしましては、宇宙開発委員会でございます。しかし、実行の部門につきましては、その事業団の中の計画管理の部門で行なうわけでございます。
○石田委員長 次に、中野明君。
○中野(明)委員 時間がないようですから、けさほどからだいぶ各委員から議論が積み上げられておりますが、私も二、三点、要点だけ単刀直入にお尋ねしたいと思いますので、簡単に御答弁願いたいと思います。 かねがね議論が出ておりますが、この事業団をつくるにあたりまして、どうしても宇宙開発の基本法を先につくるべきだ、こういうことは、大臣の答弁も、そういうことをよく了承しているという御答弁のようですが、いつごろ基本法をつくられる目安を持っておられるのか、最初にそれを伺っておきたいと思います。
○木内国務大臣 先般、宇宙開発委員会設置法のときに、基本法の問題その他いろいろ附帯決議でお話がありました。一々ごもっともなことでございまして、科学技術庁におきましても、その点について大いに研究をいたしておりまするし、また、各党の間におきましても、いろいろ御協議になっておるようでありまして、私どものほうとしても、それに積極的に御協力を申し上げているわけでありまして、各党間のお話がまとまれば、なるべく早い機会においてその法案が成立することが望ましい、かように考えておるわけでございます。
○中野(明)委員 これはぜひ早く実現されることを最初に要望しておきます。 それから、この法律の内容を見てみますと、第一条の目的、この目的の中を読んでみますと、宇宙開発が、この法律によりますと、将来事業団によって一元的に行なっていかれる、このようになるのだというように読み取ることができますが、それでよろしいですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 ただいまお話しのように、一元化の方向に沿ってこの事業団を進めていきたいと存じております。
○中野(明)委員 それで、けさほどから議論が出て、はっきりしなかったようなんですが、ここでいうわが国での宇宙開発ということがありますが、宇宙の範囲、これについて、一般的に考えまして、狭い範囲と広い範囲と二つに宇宙というものは分けられると思います。大臣は、この宇宙ということ、この範囲について、どのように、どの点が妥当だ、このようにお考えになっているのか、これがはっきりしないとどうもと私ども思うわけですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○木内国務大臣 宇宙の範囲について御疑問をお持ちになるのはまことにごもっともかと思うのですが、けさほど来、先般来、政府委員から御説明申し上げておりまするように、昨年ですか一昨年ですか、宇宙条約を御承認願いましたですね。ところが、宇宙条約を御承認願いましたが、あの条約においても宇宙ということはまだ範囲、定義を下していないわけです。そこで、国連におきましても、宇宙空間平和利用委員会におきまして、せっかくいま宇宙というものの定義について協議をしている最中であります。まだまとまらないわけなんです。そこで、私どもとしても、宇宙開発事業団法というものをつくる以上は、宇宙というものについて定義を下したいと思いましたのですけれども、何ぶんにも最近の宇宙開発というものは非常に急速、急激に、非常なスピードで発展していくわけなんですね。そこで、いま国連でもきまらない、どこまでもきまっておらぬものに、われわれのほうで、ここでかたく定義を下したりなんかするということは、無限の発展性のある、その発展性を閉ざすような危険がありはしないかということで、私どもはこの宇宙というものについて定義を下しておらないようなわけなんです。なお、詳細のことは先ほど私どものほうの政府委員から説明いたしましたような次第でございます。
○中野(明)委員 大臣としては、個人的には見解を持っておられるのだろうと思いますが、やはりいまの御説明で、国連でもまだ検討中だということですから控えておられるのじゃないか、私はこのように考えます。いずれにしましても、定義がはっきりしないと、将来何かにつけてやりにくいのではないかというふうに私ども理解しているものですから、重ねてお尋ねをしたわけです。 それで、第一条の目的に関連しまして、過日も議論が出ておったのじゃないかと思いますが、私ども一番案じておりますのは、やはり平和利用の問題であります。この法律では、平和以外に利用してはならないということについては、どこの条文でも触れてないわけでありまして、少なくともこの宇宙開発に関しては、当初から平和利用ということについては各方面から期待されていることです。それについて、この目的の中にでもそのことをやはりはっきりうたわれるべきではなかったのかと私たちも考えるわけですが、この点、いま一度大臣から所見を承りたいのです。
○木内国務大臣 御質問の点、まことにごもっともでございますが、御案内のように、宇宙開発委員会というものがいまありますが、その前身の宇宙開発審議会というものがありまして、それが三十七年に第一号答申で宇宙開発推進の基本方策というものを答申しておるわけであります。その中におきまして、宇宙開発は平和目的に限る、あるいは自主、公開あるいは国際協力というようなことをうたっております。政府の方針はもうそれに尽きておるわけなんです。そこで、この法案の衆議院本会議における趣旨説明の際にも、質問に対して、総理大臣からも宇宙開発は平和利用に限るのだ、こういうことをはっきり言っております。また、私もたびたび繰り返しております。この法律にきめたほうがいいかどうかという問題はもちろんありまするけれども、とにかく政府の基本的な姿勢はそこにあるんですから、それをひとつ御信用願えば、私はそれで十分に尽きておるのではないか、かように思っております。それからまた、さらに、宇宙開発委員会というものは国会の承認を得ている委員会でもありまして、この委員会の議決を経て総理大臣は開発の基本計画を立てるということになっておりまするので、私はあれやこれや考えまして、それで十分に足りるのではないか、かように考えております。また、宇宙開発の基本法というようなものができますれば、原子力基本法みたいに、当然そこにあるいはそういうことを入れることも、立法論としては一つの議論だと思うのですけれども、今度の事業団法というものは、事業を行なう事業団の組織をきめるものでありますので、それに政策的なそういう大きな方針を入れるということは、むしろ立法論としては適当でないのではないかというふうにも私は考える次第でございます。
○中野(明)委員 平和利用という問題についてはいまの大臣の答弁では、それは一応あらゆるところで、総理も、また大臣も、その他関係方面で言われていることですから、これは私どもも疑う余地はない。そう言われればそうなんですけれども、やはり非常に関心が強いことですし、いろいろ細部にわたって私どもも疑問が起こってまいりますので、後ほど二、三お尋ねしてみたいと思いますが、そういうこともありますので、その精神がはっきりしているならば、やはり法律の中で明示されても別に差しつかえないのじゃないか、そのように私ども考えておるわけであります。それで、この平和利用のことについては後ほど二、三お尋ねしてみたいと思います。 そこで、次の問題としては、けさほどからも事業団の役員のことについてお話が出ておりましたが、これからの役員について官、学民、それで選んでいきたいというふうに答弁があったようですが、この官、学、民の割り振り、この点をどの程度にお考えになっているのか、そしてまた、選定される時期、これをお尋ねしておきたいのです。
○木内国務大臣 この役員の選任は非常に大事でありまして、これだけ多額の資金を使う大事業をやることでありますので、トップマネージメントをしっかりしなければならぬ。それには、事業の経営の才能もあり、また、各界の信用も十分ある、しかも、この事業の管理運営の能力があるようなりっぱな人を集めなければならぬ。そこで、私どもは心を砕いておるのですが、本案を御承認願いますれば、まだ四、五カ月ありまするので、その間においてひとつ慎重に人選をしてまいりたい、かように考えております。 比率等につきましては、別にどこから何名、どこから何名というふうには、いまのところ考えておりません。最も有能な人々を官、学、民から集めて、しっかりしたトップマネージメントを確立いたしたい、かように考えておるわけです。
○中野(明)委員 有能ということになりますと、片寄ってしまうというような心配も私ども一応するわけであります。それで官、学、民の比率配分、この点についても極力考慮を払っていただきたい。有能だけに限定しますと、一定のところから全部が集まるというようなことになりますと、事業団の趣旨から見てもどうか、このように思われるので申し上げたわけです。その点お含みの上で人選をお願いしたい、このように考えます。 次に、郵政省関係にお尋ねしますけれども、郵政省から今回の事業団に移されるのは、電離層の衛星関係になっておるようですが、将来はほかの部門も移るようになるのですか、どうですか、その点。
○石川(忠)政府委員 電離層観測衛星と並んで、次に四十八年度に実験用通信衛星を開発するという計画がきめられておりまして、これが開発の緒につく段階になりますと事業団でやる、こういうことになるわけでございます。
○中野(明)委員 いや、将来郵政省関係の別の部門も移っていくことになるかということなんです。
○石川(忠)政府委員 衛星の開発部門は全部開発事業団に移る、こういうことでございます。
○中野(明)委員 もう一度事業団のことについて、さっきの平和利用とちょっと関係があるのですが、今度の事業団の構成人員、これについてお答え願いたいのです。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 事業団のほうの四十四年度の計画といたしましては、役員を除きまして百五十一名というふうに考えております。
○中野(明)委員 その内訳はわかりますか。先ほど郵政省のほうから二十三名ということはわかりましたが……。
○石川(晃)政府委員 その百五十一名の内容を申し上げますと、現在の宇宙開発推進本部から八十五名を予定しております。それから、郵政省の電波研究所から二十三名を予定しておりまして、そのほか、科学技術庁の航空宇宙技術研究所から二名というふうに考えております。
○中野(明)委員 いまの人員を合計しますと百五十一名にならぬと思いますが……。
○石川(晃)政府委員 失礼いたしました。残りの四十一名につきましては、民間、学界からこの事業団に入っていただくように考えております。
○中野(明)委員 残りの、いま言われた四十一名ですか、この関係団体というのですか、そういうのは具体的にお考えになっておりますか。
○石川(晃)政府委員 この四十一名の内容につきましては、まだ具体的にきめていないわけでございますし、また、この四十一名の方々は、大学なりあるいは民間のメーカーなり、そういうところから、個々のその人の技術能力というものによってこの事業団に参加していただきたいと存じております。
○中野(明)委員 外人なんかは考えておられますか。
○石川(晃)政府委員 考えておりません。
○中野(明)委員 それで特に防衛庁関係ということも私どもある程度考えられるのじゃないかというような気がしたのですが、防衛庁関係はどうでしょうか。
○石川(晃)政府委員 防衛庁関係は考えておりません。
○中野(明)委員 それは今後も考えられないことかどうかということですね、現時点では考えていないけれども、今後は要請があれば、あるいは必要があれば入れていくのか、そういうことでございます。
○石川(晃)政府委員 現在宇宙開発に従事しておりますところがある程度限られておりますので、そういう意味におきましては、今後もないものと考えております。
○中野(明)委員 それで、情報の提供、おそらくこれもなさっていくんじゃないかと思いますが、そういう場合、外国から要請があれば当然情報の提供はなさるのかどうか、そういうことでございます。
○石川(晃)政府委員 今後宇宙開発が進みましていろいろ成果があがってきました場合には、成果は公開したいと思っております。
○中野(明)委員 それは、向こうから要請があればですか、それとも、要請がなくてもどんどん公表されていくのか。
○石川(晃)政府委員 成果は公開するということでございますので、要請がなくてもその成果自体は公開されるものと思います。 ただ、商業機密に属するものは、従来からの慣行によりまして、これは公表できないと存じております。
○中野(明)委員 宇宙開発ということについては、軍事面が非常に先行しておりますので、いろいろと私どもも、こういう情報提供ということについては、軍事面に利用される心配がないだろうかと、そういうことも懸念しているわけであります。そういう点で、どこまでも軍事に関係するような情報の提供というものは拒否しなければならないんじゃないか。これは、先ほど大臣の御答弁にもありましたとおり、その精神からいっても当然そうだと思うのですが、その辺、非常にいろいろと私どもも勘ぐって心配をする面もあるのですが、今後の問題として、ぜひそういう点もよく配慮していただいて、軍事に情報提供にならないように気をつけていただきたい、私、このように考えるわけですが、その点、大臣から……。
○木内国務大臣 その点、なかなかむずかしいところでありまして、皆さん方からは、これは平和目的に限る、しかも自主、民主、公開だ、すべては公開しろとおっしゃっておるんで、公開した先にこれをほかの人がどう利用するかということは、実は皆さん方もお考えにならないで、とにかく、いずれにしても、その開発の成果は公開しろとおっしゃっておるので、私どもは軍事利用にされないことを希望いたしますが、さればといって研究した成果を公開しないというわけにはまいりませんので、公開はいたしたい、かように考えております。
○中野(明)委員 では、最後にお尋ねしておきますが、事業団法の附則で、先ほど中井委員からも質問があったようですけれども、十五条、十六条でNHKとか公社もそれぞれ出資ができるというふうに規定されておりますが、四十四年度には、これはどうお考えになっていますか。
○木内国務大臣 先ほど来御説明申し上げましたように、四十四年度には、これは期待しておりません。考えておりません。
○中野(明)委員 では、四十五年度以降においては、当面さしあたって四十五年度ですが、これはどの程度お考えになっているか。
○木内国務大臣 これはむしろ私より郵政大臣から御答弁なさったほうがいいんじゃないかと思うのですが、先ほど郵政大臣から、将来これが開発され、利用の段階になれば、そのときにはそういう機関からもひとつ出資を考えてもらうようになるだろうというお話がありましたが、いま四十五年度の予算の要求、そろそろそういう時期になりますけれども、私どもとしてはいまの段階には考えておりませんが、郵政当局におかれて、これは適当な時期になってきているというふうにお考えになる時期においては、あるいはこれを予算に計上するようになるだろう、かように思っております。
○河本国務大臣 まだ実験用通信衛星は、先ほども申し上げましたように、ようやくことしからごくわずかの予算がついて、研究にスタートしたばかりでございまして、来年から開発段階にはまだ達しないのではないか、かように考えております。現実の予算要求はもうぼちぼち七、八月ごろからしなければなりませんので、来年度はNHK、電電から出資をしてもらわなくてもいい、かように考えております。
○中野(明)委員 けさほどからの審議を聞いておりまして、せっかく法律案が出てきたんですから、私どもも、もう少し内容が煮えているのではないかというふうに期待したのですが、まだまだ煮えていないところもあったようです。せっかく要望にこたえて事業団をつくられるわけですから、審議の過程でいろいろ問題になった点もよく含まれて、今後事業団ができて、その運営がスムーズにいくように私どもも心から願うわけであります。ときどき耳にしますが、せっかく事業団ができても、ごたごたして運営がなかなかうまくいかない、そういうような実例も間々、過去にはあったようにも思います。そういう点で私ども心配していることも一々検討いただいて、そうして、今後事業団がスムーズに運営できるように特に最後に要望いたしまして、終わりたいと思います。
○石田委員長 次に、田代文久君。
○田代委員 昨年の一月十七日にアメリカ側から、日本との平和的宇宙協力について日本政府に提案されて、政府は十二月の十三日に、この提案を歓迎し、日本政府の見解を発表しております。アメリカの提案並びに日本側のそれに対する回答というのは、わが国の宇宙開発の基本原則に一致しておるかどうか、この点を木内国務大臣並びに郵政大臣から、まずお答え願いたいと思うのです。
○木内国務大臣 いま御質問の点、両方のメモをごらんになってもう十分御承知だと思うのですが、アメリカのほうは、日本政府が希望するならば、一定の条件のもとにひとつ協力をしよう、こういうことでありまして、それを私どものほうで検討いたしまして、そうして、これを歓迎いたしまして協議をいたしたい。ただし、機密保護のために法律をつくるというようなことはわれわれのほうはしたくない、かように意思表示をしたわけです。これはわれわれのほうの基本原則、宇宙開発の基本的な態度に合致しているものだと思っております。
○河本国務大臣 ただいま木内長官のお答えになったとおりでございます。
○田代委員 いま両大臣から、宇宙開発の基本原則について、アメリカ側の提案も、それから日本の考えも基本的に一致している、こういうお答えでございますね。ところが、私は、実際はこれは一致してはおらない、こういう考えを持っているわけです。 大体、第一に、このアメリカ側が提案したいわゆるジョンソンメモ、これに明記されておりますように、「この協力は、日米両国政府がともに両国政府のインテルサットにおける約束に合致して引き続き行動するという仮定のもとに提案され、また、実施しうるものである。」ということをはっきりいっております。また、「この分野における技術の日本への移転は、既存の、または改定されるインテルサット協定と両立する実用国内組織、または純粋に実験的な通信衛星組織において使用される場合に米国によって承認されるであろう。」こういう条件がついております。 それから第二に、日本側との合意条件として(a)項、(b)項がありますが、(a)項では「相互に別段の合意がある場合を除き」というただし書きがついておって、平和目的以外の場合が含まれておる、そういう含みを持っておるということがこれは考えられるわけでありますし、また、(b)項で「米国との協力から生ずる技術または機器はいかなる方法によっても、またいかなる状況のもとでも」――実にこれはきびしくいっておるわけです。「中共またはソ連に移転されず、また、日米両国政府の共通の輸出政策に基づいて、相互に合意されない限り他の第三国へ移転されないこと。」ということを主張しております。この(a)項との関係で、中ソ両国等を主たる対象として軍事的秘密、軍事的利用が考慮されておるのとゃないかということが、こういうただし書き、条件から見て、これは明らかであります。こういうことを見ますと、私は、さっき両大臣とも確認されました基本原則、自主、公開、民主というような原則に――明らかにこれはただし書きがついておるし、明確な自主、公開の原則を忠実に政府自身がとっておるならば、私は、アメリカのこういう、いま言いましたような非常にきびしいただし書き、条件というものがそのまま、一致しておるという結論にならないと思うのです。これはどういうことですか。
○木内国務大臣 どうもちょっと誤解をされているんじゃないかと思うのです。それはアメリカのほうのメモをお読みになってのお話だろうと思うのです。アメリカはこういう意見だということをいってきておるわけです。ところで、私どもの返事のメモをごらんになれば、アメリカの条件をそのまま受けているんじゃないのです。アメリカは、ひとつこういう考えでやりたいという一方的の意見を述べたのです。それに対して私どものほうで言いましたことをよくごらん願いたいと思うのですが、私どものほうは、アメリカの言ったとおりの条件で技術の導入を受けるなんということは一言も言っていないのです。 そこで、第一に、たとえば、別段の定めのある場合を除き平和目的に限るといったって、別段の定めはしないのです、われわれは平和目的以外には考えておらないのですから。そのことは私どもの返事にもきわめて明瞭に出ていると思うのです。 それから、あとの第三国に対する問題につきまして、私どもはアクセプトしたという字は一言も使っておりません。それですから、私どもが向こうから言ったメモをそのまま受けて、それを条約にでもしたというならとにかく、そうじゃないのですから、その点をひとつ十分お読み願いたい、かように思っております。
○田代委員 もしそのとおりでありますならば、この日本側の回答に、第三のところでいまおっしゃったようなことが少し書いてあるんですね、この点との関係なんですけれども、もしアメリカのそういう提案、それを受け入れる、のむということなくしては、日本へのアメリカ側の技術協定はあり得ないことになるんじゃないですか。日本政府は、アメリカ側の提案に対して、大体その技術を受け入れる、あるいは協力するというような問題についてどういう態度、見解をもって話し合いに臨んでおられるのか、また、その経過、内容はどうなっておるか、御説明願いたいと思います。
○木内国務大臣 いまの点、当然御質問になるべきところだと思うんですけれども、私どものほうは、私どもの考えに従って、アメリカと現に交渉を継続しているわけです。そこで、われわれの考えに従ってアメリカからある程度の技術の協力は得ることができる、かように考えております。いま外交交渉の過程にありまするので、その内容を公表するわけにまいりませんけれども、その話がまとまった場合には当然これは公表いたしたい、かように考えております。
○田代委員 いまその経過、内容については発表できない、こういうことなんですね。しかし、それは発表できずして――私はその内容とこの法案とは、これは切っても切れない不可分の関係にあると思うんです。その内容を公表し、また、国会議員に説明されることもなくして、こういう法案を提出されるということができますか。
○木内国務大臣 それはむしろ私は話が逆じゃないかと思うのです。この法案をお認め願って、そして、宇宙開発事業団で宇宙開発をする場合に、必要なものはアメリカから技術を自主的にわれわれは導入する場合もあり得るというのでありまして、この法律の成立が前提に私はなるべきものだ。ことにまた、いま外交交渉でいろいろな問題を打ち合わせておりますが、これは外交の慣例上、話の過程においては発表しないということになっております。それで、私が申し上げておるのは、話がまとまって、まとまったらそれは当然発表すると私は申し上げているのですから……。
○田代委員 そうしますと、昨年の一月十七日のこのアメリカの提案、さっき申しました(a)項あるいは(b)項に対する政府の考え方はどうですか。
○木内国務大臣 それも先ほど来申し上げておりまするように、私どもは、私どもの考えに従って、この機密保護というような法律をつくってまで、そういうことをしてまで技術を導入するようなことは考えておらないということを、はっきり私どものほうの書簡といいますか、メモの最後に明記しておるのですから、その点もよくごらんおき願いたいと思います。
○田代委員 そういたしますと、結論的に政府はこの(a)項、(b)項については賛成できない、否定的な考えを持っておるんだ、こういうことになりますね。
○木内国務大臣 いや、そのまま全部賛成できないと言っているわけじゃありませんです。ただ、私どもは、自分たちのほうの主張に従って、向こうの言うとおりには私どもはアクセプトしていないというのが現状です。
○田代委員 じゃ、われわれのこの考え方というのは、大体どういうことです。いまこれは外交交渉だと盛んにおっしゃいますけれども、しかし具体的にアメリカが(a)項と(b)項をこれほど明確に、しかも、きびしく言っている、これに対する私どもの考え方というのは一体何ですか。
○木内国務大臣 私どもは、軍事機密保護の法律をつくってまで機密を守らなければならぬようなものは輸入するという考えはないということをはっきり書簡の最後にいっていることで御了解願えると思うのです。 そこで、アメリカとしては、軍事機密にわたるようなこと、出してはいかぬようなことは私どものほうへよこさないだろう。私どもはそれがなくてもやっていけると思うのです。そこで、その範囲内において私どもは必要な技術の導入を自主的にきめていきたい、かように考えております。 ただ、しかし、この事業団においていろいろな機器その他を事業団から商社その他に注文する場合に、商社が先方のメーカーその他とまたいろいろ協議をするでしょうが、その際に必要な商業上の機密というものは、これはある程度適当に保護されるべきものであるということは、これは問題ありません。
○田代委員 私は政府の考え方は非常に甘いと思うのです。アメリカは軍事上の機密とか、そういうことは言い出さないであろうというようなことを主観的に決定されておりますけれども、私は、アメリカをそんなふうに甘く見ちゃならないと思うのです。甘く見ちゃならないということがはっきりここの(a)項、(b)項に出ているのです。はっきりあなたがこの(a)項、(b)項について、これは全面的に賛成でもない、かといって全面的に否定でもない、こういうように言っておられます、そのことばに非常に逃げがあるんです。先ほど公明党の中野委員がこれに対して、はっきり平和利用以外には使わないのだということを入れるべきじゃないかと、国民が希望する当然の要望について質問されましたことに対しましても、これは何だか別にそれを入れて必要はない。すでにその初めの委員会において平和利用以外に使わないということになっているのだということでお逃げになりましたけれども、そういうこと自身が私は非常に危険だと思うのです、日本の立場に立って。政府は、この(a)項、(b)項に全面的に賛成できない点もある、かといって否定する面ばかりでもないんだ。じゃ、どこを大体賛成されるのですか、はっきり具体的にアメリカは(a)項、(b)項出しておるのです。
○木内国務大臣 先ほど来お話ししておりますように、それはアメリカの意見なんです。私どもは最後に、メモをごらんになっていただけばわかるように、その機密保護のために法律までつくる考えはないということをはっきりいっているのですから、そういう状態のもとにおいてアメリカは私どものほうに提供し得るものは提供するでしょう。 そこで、私の考えとしてはアメリカは軍事機密にわたるようなものはよこさないだろう、こう思っておるのですよ。アメリカのメモにはいろいろのことを書いてありましても、よこさないだろうと思う。また、私どもはそれまでのものはもらわなくてもやっていける、かように考えておる。そこにいまの(a)項、(b)項に対する考えがあるので、全面的にこれを拒否したわけでもない、全面的にアクセプトしたわけでもない。私どもは自主性をもって必要に応じて必要なものは導入する、こういう態度をとっておるのです。
○田代委員 非常に甘いと思うのですが、次の点から質問して明らかにしたいと思うのです。 ことしの二月にワシントンで、来年以降のインテルサットの恒久制度化を目的とする政府間の会議が開かれました。このインテルサットが地域衛星を認めないとしておることに対して、日本側は、地域衛星については権利を保留するということを明らかにされております。この態度、つまり、地域衛星については権利を保留するというこの日本政府の態度、これは私は正しいと思うのですけれども、この態度を堅持されるかどうか、この点をお尋ねしたいと思うのです。
○河本国務大臣 その方針を貫いていきたいと思います。
○田代委員 もしその地域衛星についての権利を保留するということを貫くという政府の態度でありますならば、そういたしますというと、アメリカのそういう技術協力はあり得ない、できない、アメリカは、このインテルサットのそれに合わないような日本側の主張に対しては、これは自分らと違うのだから、したがって、この協力は自分たちはしないのだということを明らかにするだろうし、また、事実これはメモそのものが実に明確にそういう点をうたっておるわけなんですが、もしそうだとすれば、アメリカ側の協力はあり得ないと思うのですが、それでもなおアメリカの協力があり得る、このようにお考えになるかどうか。
○木内国務大臣 いまのメモがそのまま固定的なものであるということになれば、あるいはそういうことも多少考えられるのじゃないかと思うのですが、これはものごとは外交の交渉ですから、アメリカはそういうことを言いましたけれども、私どものほうは、いま郵政大臣のお話がありましたように、インテルサットに対するわがほうの立場を主張しておるのです。それにもかかわらず、私どもは必要なる技術は導入することはできる、かように考えております。
○田代委員 現実にそういうことを堅持するということになりますと、私はやはりその限りにおいて協力は得られないと思うのです。ところが、そういうことが明確にならないうちに、具体的に既定の事実として、そういう日米協力という形が進められておるのじゃないですか。その点、どうです。全然そういうことは進められていないのですか。
○木内国務大臣 いま御趣旨の点はちょっとはっきり私は了解しかねるのですが、いろいろなことはありますけれども、一方において、並行的に、技術の導入に対する交渉は継続しておるということをさっき申し上げた。しかも、話がまとまればそれは公表する、こういうことを申し上げているのであります。これは、ものごとは、解決するまで一方は交渉をやっちゃいかぬというものじゃない。やはり並行して交渉をしていくべきものだ、かように考えております。
○田代委員 先ほど加藤委員の質問に対して、もしアメリカからの技術導入ができなければ、実際において打ち上げとかこの計画はできないのだとういような答弁があったと思うのですが、そうなんですね。
○木内国務大臣 いませっかく技術の導入について交渉しているのでありまして、全面的にその導入ができぬということになれば、多少の支障は来たすこともあり得るだろうと思いますけれども、いまの段階におきましては、私の了解しておる範囲では、まず大体予定どおりにものごとは進行している、かように私は考えております。
○田代委員 そうすると、端的に聞きますけれども、この日本の宇宙開発事業団の性格、開発の基本方針について、日本政府は地域衛星を自主的に開発して前進する方針なのか、アメリカ依存で、自主性を放棄して、実用国内組織あるいは実験的な通信衛星組織に限るのか、その方針をもう一度明確にしていただきたいと思います。
○河本国務大臣 先ほど来いろいろ質疑応答がございましたように、インテルサットの本協定は、これから交渉段階に入るわけでございますが、その場合におきまして日本政府のとるべき態度については、先ほど申し上げたとおりでございます。 一方、木内長官からお答えになりましたように、それと別個に、並行して技術導入の話を進めていく。かりに、万一その技術導入の話がいろいろな関係でうまくいかなくても、現在の日本の技術水準、研究能力からすてならば、おおむね間違いなく予定どおりやれる、こういうことを言っておられるわけでございます。
○田代委員 アメリカのメモが非常に歓迎される形で政府が受け入れていることは、日本政府のこの回答によっても明らかですが、とにかく私は、こういうメモが出されて、そして、それが歓迎して受け入れられる形で進められておる事業というものについては、いまいろいろ政府は逃げる形での答弁をなさいましたけれども、私は何もそういうアメリカとの関係で国産衛星の打ち上げを急ぐという必要はないと思うのです。これはやはりどの委員の質問によっても明らかなように、将来軍事的な問題とか、あるいは機密保護法の関係とか、いろいろな問題の疑義が残っていると思うのです。これはメモ自身がそうしているのですが、そういう中で私はアメリカとの関係でそれを急いで打ち上げる必要はない。日本が持っているほんとうの基本原則に基づいた自主、民主、公開、これを堅持しつつやって、あるいは幾らか期間が延びるということはあっても、それはやむを得ないし、また結局はこの節は十分……。だからそういう点は十分注意していただきたいと思います。 最後に、事業団の設置による一元化にあたって、先ほど来、科学技術庁の宇宙開発推進本部あるいは電波研究所等の定員が削減されるということで各委員から質問が出ましたが、森本委員の質問に対して、電波研究所の二十三名の定員の削減について、もしその二十三人の方々がこの事業団に行くということに対して希望しない場合には、それをやらせるというようなことはやらないということを答弁なさったのですが、もしこの二十三人が全員、自分はそういうところに行くことは希望しないということになった場合には、どういう処置をおとりになるのですか。
○木内国務大臣 いろいろな御意見がありましたが、いまの最後の御質問の前に、アメリカのあれを歓迎するというのはおかしいじゃないかというお話でしたけれども、アメリカは、もし日本が希望するならばこういうことにして協力しようという好意的な手紙というかメモです。これに対してはやっぱりお互いに、個人でも国家でも同じことで、それに対してお申し出は歓迎しますというのは、これは儀礼的に当然のことです。 そこで、さらに、しからば、いろいろ私どもは話をあいまいにしているというような話がありましたが、少しもあいまいにしていない。私どもの考え方はきわめて明確にこちらのメモで表示しているものであるということだけはひとつ申し上げておきたいと思います。 それから、いまの事業団を構成する場合に、こういう人を希望するならば各役所からひとつ入れよう、こういうことになっておる。それが全部来なかったらどうするかというような場合を私どもは全然想定しないのです。私どもは、ただ、無理なことをして、本人の意思に反してまで全部移すことはないということを申し上げておるのでありまして、私どもは、それらの人々が全部来ないというような場合はあり得ない、かように考えております。もしどうしても来ないという人があるならば、その場合にはまた、人員の増強ということに対して他のことを考えなければなりませんけれども、私どもはさような場合を想定することはできないのです。
○田代委員 想定することはできないともおっしゃいましたが、しかし、それはそうはいかないと思う。私は現実にこういう方々にも会って意見も聞いてみたのですが、非常に行くことに対して反対されておる方が多い。ですから、私ははっきり念を押したいのは、強制的に身分移管をやらないということだと受け取っていいわけですね、これは。 それから、最後に申しますけれども、先ほど非常に歓迎するというようなことでおっしゃいましたけれども、私自身日本の国民としては、こういう(a)項、(b)項といったような――もし平和という立場にはっきり立つならば、こういうわかり切った、しかも、名ざしでソ連とか中共とか、こういうことを明確にされておるようなこういうメモに対して、歓迎するというような受け取り方はできないです。明らかに私たちは、こういうメモが来たら、このメモはおかしいじゃないかということを一発やるべきが日本の立場だと思うのです。どんな不当なことをいわれてきても、向こうからいってこられたのだから歓迎します、その上でお話ししましょう、こういうことでは私たちは納得できないのです。 この点をはっきり申し上げて、質問を終わります。
○石田委員長 これにて本連合審査会を終了いたします。 午後一時二十五分散会