科学技術振興対策特別委員会宇宙開発の基本問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/16
会議録
○小宮山小委員長 これより宇宙開発の基本問題に関する小委員会を開会いたします。 宇宙開発の基本問題に関する件について調査を進めます。 先般ワシントンにおいて開かれた国際商業通信衛星組織に関する暫定協定を恒久協定とするための政府間国際会議は、その目的とした恒久協定ができないまま三月二十一日休会となったのでありますが、この会議に出席された柏木電気通信監理官より、会議の経過等について説明を聴取することといたします。柏木電気通信監理官。
○柏木政府委員 郵政省の電気通信監理官柏木でございます。 御承知のように、インテルサットと通称されております国際商業通信衛星組織でございますが、これは一九六四年八月に成立したものでございます。この協定の中で、おそくとも一九七〇年の初めから恒久協定を発足させる、そのために各国は協力するという規定がございまして、その規定に基づきまして、ワシントンにおきまして、アメリカ合衆国政府が、現在のインテルサット加盟国六十数カ国と、それ以外にまだインテルサットには入っておりませんが、国連の専門機関に入っております加盟国をオブザーバーとして招待いたしまして、二月の二十四日から四週間ワシントンの国務省におきまして恒久協定を作成する会議が開かれたわけでございます。 この協定の審議につきましては、やはり現在の暫定協定に定めてあります条項に従いまして、現在のインテルサットの理事会に当たります通称ICSCと申しております十八カ国の主要メンバーが審議いたしましたインテルサット加盟各国に対する勧告が出ておりまして、この勧告案をもとにしまして審議を進めたわけでございます。 しかし、その結果は、ただいま御紹介がございましたように、今会期中には成立に至りませんで、一たん休憩いたしまして、本年の十一月十七日にさらに第二回——第二回と申しますよりも、再開をするということになりまして、また、その中間に中間委員会を設けましてこれも五月二十日以降のきめられる——まだ未定でございますが、ワシントンにおきましてこの年末の会議の準備を進めるということになって終わったというわけでございます。 それで、今回の会議におきましては、結論というものが一つにまとまって出たのは非常にわずかでございます。条約の案文もごく一部しか草案ができなかったのでございますが、その他の点につきましては、一応意見が対立したまま、総会で各委員会の報告をテークノートという形で終わったというわけでございます。 以下、おもな議事の内容につきましての概略を申し上げたいと存じます。 まず、このインテルサットは何を目的とすべきかということでございますが、これにつきましては、インテルサットは国際公衆通信用に使います宇宙部分、簡単に申しますと、通信用の衛星、それをコマンドする地上施設を合わせたものを宇宙部分と申しておりますが、この宇宙部分を能率的に商業的なベースにおいて各国に提供するということをおもな目的として、この点につきましては、参加国もほぼ原則的な一致があったということでございます。 それに続きまして、この問題に関係いたします問題といたしましては、日本でもいろいろ問題になりまして、わが国も提案をしているのでございますが、地域衛星の利用の問題というような問題もあるわけでございます。インテルサットの目的が、いまのように商業ベースで国際公衆通信用の宇宙部分を各国に提供するということになりますと、次の問題といたしまして、インテルサットと競合する他の組織に加盟国が参加するということについてはどうかという問題が出るようになったのでございます。これにつきましては議論がかなり分かれたのでございますが、どちらかといいますと、やはり原則的にはインテルサットと競合するような組織に加盟国が参加するのは認めるべきじゃないという意見が支配的な状況でございました。 これと関連しますのが地域衛星の問題でございます。地域衛星につきましては、国内でもいろいろ各方向の御意見、御心配がございまして、日本代表といたしましても慎重に対処しまして、現地に参りまして日本も提案をいたしたわけでございます。 この内容につきましては、まず、地域衛星にはいろいろの利用のしかたがあるわけでございます。一つは、ただいま申しました国際公衆通信用に使うという利用分野があるわけでございますが、そのほかに、今後いろいろ開発利用が期待されます、特殊衛星と私ども申しておりますが、一般公衆通信以外の利用分野、たとえば気象衛星でございますとか、航行衛星でございますとか、測地衛星でございますとか、そのほか、学術的あるいは海洋開発等いろいろの方面で応用分野の広いと思われます特殊衛星というものがあるわけでございます。それとあわせまして、国内衛星については、これはどういうふうなことになるかというような、三つの問題につきましての審議が行なわれたわけでございます。これにつきましては、残念ながら会期が途中で結論を得るに至りませんで、ここで明確にどうなるというふうには申し上げかねるのでございますが、日本の提案につきましてもかなりの反響がございまして、相当程度の同じような考えを述べた国もあったわけでございます。 参考のために申し上げますが、審議は最初からボートをとるということをしませんで、意見のあるものが順次時間の許す限り自分の国の意見を述べるということで、意見の述べっぱなしになっております。ほかの問題につきましては、さらにワーキングパーティーをつくりまして問題を煮詰めるという過程に入ったものもかなりあったのでございますが、この地域衛星の問題につきましては、そこまでの時間的な余裕がなかったということでございます。 それで、地域衛星につきましての、公衆通信分野の利用並びにに特殊通信分野の利用につきまして、日本といたしましは、これは宇宙条約にもあるように、なるべく各国の自由な利用ができるようにすべきであるという立場に基づきまして、この提案をしているのでございます。 ただ、もちろん、これらの衛星は、電波の利用あるいはスペース軌道の利用につきましては、他のインテルサットの星と必然的に物理的に競合することも考えられますので、この点につきましては十分な配慮が必要でございます。 そのほか、日本といたしましては、特に公衆通信衛星につきましては、この衛星利用が、いろいろの面でインテルサットの利用面と競合するという面が出る可能性があるのでございますが、この中でも特に、加盟国の直接通信網の設定というものに害がないということを条件として提案しているわけでございます。 御承知のように、日本といたしまして、国際通信分野におきましては、日本と諸外国との間に直接通信網回路を開きまして、料金も低廉に、またサービスのいい関係をすみやかに設定するというのが長年の願いで努力をしていたわけでございます。宇宙通信はこの目的にたいへん沿うものでございまして、宇宙通信の利用によりまして、良質低廉なる回線が、加盟国との間において直接回線が設定されることが促進されるというところに非常に大きいメリットがあるわけでございますので、これを害しないように配慮しながら、この条件に合致する限り、地域衛星の公衆通信分野への利用も許すべきであるという主張をしたわけでございます。 なお、もちろん、電波の混信とか、電波の利用、あるいはスペース軌道の利用につきましては、いろいろの条件をインテルサットにおいて調整の措置が必要になるわけでございます。これの措置についても具体的な提案をいたしておるわけでございます。 これに対しまして、各国の反応はどうかと申しますと、もちろんアメリカは、当初から、インテルサットに対しまして経済的に競合するような組織は許すべきではないし、そういうものに対して各国は参加すべきではないという強い主張をしております。アメリカといたしますと、今後インテルサット三号あるいは四号という強力な衛星が打ち上げられ、特に三号が本年インド洋に打ち上げられますと、特に商業的な世界的なカバレージを持つ強力なネットワークができ上がるわけでございますので、将来はインテルサットの星をもって国際公衆通信の分野についての需要は十分満たし得る、また、安価にし得るというたてまえで、そのような主張をしているわけでございます。 一方、これに対しまして、後進国側においても、かなり強くアメリカの立場を支持しているという国がございます。その一つの論拠といたしますと、やはり地域衛星として利用分野の多い国だけが独自の衛星を利用いたしますと、経済的にインテルサットがそれだけ打撃をこうむる。したがいまして、それだけ後進国側にとって経済的な負担になる。特に、インテルサットと別個に地域衛星を上げますときには、それぞれの国は、インテルサット向けの地上局のほかに、地域衛星を利用する場合には、そちらについても新しく地上局を設置しなければ利用できないわけで、このような経済的な負担ということもその主張の底にはあったと存じます。 これに対しまして、日本あるいはカナダ、オーストラリアというような、ヨーロッパ以外の中進国及びヨーロッパの中進国につきましては、やはり今後このような利用ができるようにインテルサットについても十分配意すべきであるということで、国際公衆通信分野においても一定の条件を設けましてこの利用を許すべきだという主張をしている国が多くございました。 しかし、どのような条件でインテルサットとの競合を防止するかというような条件につきましては、今後の討議が残されているわけでございまして、いままでのところでは、それらについての結論は得ておりません。今後とも、日本も、この間において行ないました提案に基づきまして、何とかして日本の主張が通るように努力を続けていきたいと思います。 なお、もちろん、地域衛星におきましても、特殊衛星分野につきましては、これはインテルサットとの経済的な競合という問題はほとんどないわけでございますので、これについては大多数の国が、これは自由に利用するようにすべきであるという意見でございます。 また、国内衛星につきましても、同じようにこれは国の主権の範囲に属し、各国が自由な分野にすべきであるという意見が支配的でございます。 ただ、もちろん、二つの星につきましても、技術的な条件につきましては、インテルサットといろいろな必要上実際的な協議をする、あるいはインテルサットの決定にまつ。いろいろ提案はあるわけでございますが、各案につきまして最終的な結論までは至っておりませんが、何らかの技術的な条件等におきまして、それらの問題について、地域衛星が、あるいは国内衛星が、各国自由に打ち上げができるというような方向に進みつつあるというわけでございます。 そのほか、おもな大きい問題といたしますと、インテルサットの機構の問題がございます。現在、御承知のように、インテルサットにつきましては、各参加国が全部集まってその意見を述べて、意思を反映させるという機関はございません。さっき申しましたように、ICSCという、持ち分をある一定比率以上持っているものだけが集まりまして理事会的な運営をしているわけでございますが、今後参加国すべてが参加し、それに意思を反映できるような機関をぜひ持つべきであるというような意見が支配的でございまして、日本もそのような提案をしているわけでございます。 この総会を設けるということにつきましては、ほぼ意見の一致を見ているわけでございますが、この総会がどういうような権限を持つか、あるいは議決の方法を持つかというようなことについては、まだ議論が残されているわけでございます。 それから、インテルサットの機構の中におきまして、ICSCに相当する、ガバニングボデーと申しておりますが、これの構成につきましては、ほぼ現在のICSCのような形で残しておくという線は強いのでございますが、ただ、その運営をどうするかは、総会の権限とも関連いたしますので、表決方法等についても、まだその論議が残されているわけでございます。 さらにまた、コムサットがインテルサットのマネージャーとして行動するということが現在の暫定協定には明示されているわけでございますが、インテルサット全体の国際化という問題を含めまして、このコムサットを将来どのようにするか、現在のまま維持するか、あるいはもっと別の形でマネージャーの役割りをする団体、機関というものを設定するかについて、いろいろ基本的な提案がございました。 もちろん、アメリカとしては、現在のコムサットをそのまま維持していきたいという強い方針を打ち出しており、また、今後数年間の宇宙開発あるいは研究ということにつきましてのアメリカ・コムサットの実力というものの評価については、各国とも高く評価をしているわけでございますが、将来はこれを国際的な編成にすべきである、あるいは事務総局長というようなものを設けまして、そのもとにおいてマネージャーの持っている機能の主要部分を吸収し、どうしてもインテルサット自体でできないものは、契約によりまして、コムサットなりほかの同じような能力を持つものが機能を継続するような体制をとればいいのじゃないかというような線に沿いました案がヨーロッパ諸国その他からも種々出ておりまして、これについても意見が対立したまま会議を終わっておるわけでございます。 そのほか、インテルサットに法人格を与える問題、あるいは特権免除を与える問題につきましても、アメカ側が現状維持を強く主張するのに対しまして、その他の諸国がほとんどこれに反対をしておりますが、これもまた妥協の線を見出すに至っておりません。 なおまた、インテルサットが利用いたします星の開発あるいは購買契約をどうするかという問題についても、特別の委員会を設けまして審議したのでございますが、現在行なっておりますのは、一応最良の品質を最低の価格で国際入札に付するという原則がございます。それと同時に、条件が同じであれば、できるだけ調達の国際的な分布がはかられるようにすべきである。つまり、アメリカだけで独占しなくて、その他の先進国も、この技術の開発に大いに役立つような方法を考えるべきだ、現在はそういうことになっておるのでありますが、これを維持するか、あるいはアメリカがいっておりますように、最良の品質、最低の価格及び最も有利な引き渡し時期を勘案した、それだけでいく国際入札にするかということにつきまして、かなり意見が対立をしております。 後進国の立場といたしましても、値段が安く早く利用できるということは、結局全体に利益になることである。特に技術開発についてそのチャンスのない後進国側は、アメリカ以外のところに入札がいって、そのために不利をこうむるよりも、いっそ国際入札の一本の原則でいくほかないという意見や、あるいは国際入札の結果、これをヨーロッパあるいは他の国に回して、入札後落札して費用のかかる分につきましては、それを後進国の技術援助に回すべきであるという意見も出たわけでございますが、これについても結論を得ることなく終わったわけでございます。 なお、恒久協定の今後の存続期間をどうするか、あるいは改正の条項をどうするかということにつきましても種々意見がございまして、適当な改正条項を設ければ、期限はつけなくてもいいという意見がかなり多かったのでございますが、まだ本条約に書かれる本文が決定しておりませんので、それに対する態度を保留したいという国も多数ございました。 以上、ごく大ざっぱな事項につきましての御報告でございますが、一応これをもって終わらせていただきます。
○小宮山小委員長 引き続き、山縣宇宙開発委員より、委員会における宇宙開発基本法案に関する討議経過及びわが国の宇宙開発の現状と将来の展望について、説明を聴取することといたします。山縣宇宙開発委員。
○山縣説明員 宇宙開発委員会におきましては、昨年委員会の設置法案の御審議にあたりまして附帯決議がございました。そういった事情もございまして、委員会におきまして、宇宙基本法につきましては何回か検討を重ねました。また、今後も必要がございますれば、検討を行なうというつもりでおりますが、ここに、これまでの経過の大体を申し上げます。ただし、この委員会といたしましては、いわゆる統一見解というようなことを正式に決定いたします段階にまだ来ておりませんので、そういう事情、それから、これから申し上げることは、私個人の説明的な所見と申しますか、そういったものも自然加わることと存じますので、あらかじめ御了解願いたいと思います。 宇宙開発というような大きな事業を巨額の国費をもって行なう、こういう場合に、その目的であるとか、基本方針であるとか、国の責務、いわゆるわが国における宇宙活動に関する基本原則、こういったものを、あらかじめ何らかの措置をとりまして明確にしようという必要性につきましては、各委員の一致した結論でございます。 御承知のように、わが国におきます宇宙開発の基本方針につきましては、昭和三十七年だと思いますが、宇宙開発審議会が諮問第一号に答えまして、平和、自主、公開、国際協力の基本方針を総理大臣に答申しております。それから、総理大臣並びに科学技術庁の長官などが、国会におきましてしばしば、原子力基本法第二条と同様な考え方によるということを表明しておられますが、まだその特別な立法措置というものはとられておりません。いわば唯一の法的措置というのですか、これはわが国が宇宙条約の当事国であるということだけだと思います。 御承知のように、宇宙条約は、いわゆる宇宙憲章であるとともに、宇宙軍縮条約的な性格を持っております。第四条におきまして、宇宙空間への核兵器その他の大量破壊兵器の配置を禁止、かつ天体の平和利用を規定しておるわけでございますが、私どもこれの条文を読みましてすぐ気がつきますことは、大量破壊兵器の配置以外の軍事活動というものは、天体を除く宇宙空間では禁止されていない。裏返しますと、天体以外の宇宙空間の軍事利用を合法化している、こういうように読めるわけでございます。したがいまして、この宇宙条約は、総理のこれまでの国会における御答弁あるいは宇宙開発審議会の答申に比べまして、平和利用に関しましてはきわめて限られた、狭い範囲を対象としておりまして、わが国の宇宙開発の現実に対しては、いわばほとんど縁のないという規定じゃないかと思います。 このような次第で、宇宙開発委員会設置法案に対する附帯決議のように、宇宙開発基本方針をつくるという構想が出てまいるわけでございまして、このような構想につきましては委員会の各委員も、少なくとも異議を申された方はございます。 そこで、今度は宇宙基本法でございますが、宇宙基本法ということば自体が非常に広い印象を与えますので、いろいろ話し合いがございました。たとえば、宇宙開発基本法にすべし、開発という字を入れろ、あるいはまた宇宙活動基本法とか、そういったいろいろな名称につきましては問題があると思いますが、ここでは宇宙基本法ということばを使わせていただきます。 まず、基本法のあり方でございますが、この法の内容、これは目的であるとか、基本方針であるとか、国の責務、そういったこと、要するに、わが国の宇宙活動に関する基本原則というものだけを規定せざるを得ないのが現状だろうと思います。いわゆる教育基本法的な憲章ともいうべきものになるのではなかろうかと思います。たとえば、委員会設置法はすでに制定しておりますし、また、宇宙開発事業団法が御審議を願っておる、こういう状況もございまして、いわゆる憲章的な基本法になるのではないかというふうに考えられます。 次に、宇宙基本法の中に利用ということを含めるかどうかということでございますが、衆参両院の附帯決議も「開発及び利用」ということばをお使いになっておられますし、われわれも当然これは利用を含まなければ非常に意義がなくなる、希薄になる、こう考えております。 もっとも、この利用につきましては、いろいろこまかく議論いたしますと問題が残っておりますが、簡単に申しますと、利用を二つに分けることができると思います。人工衛星並びに人工衛星を打ち上げますロケットの開発、これを必要とする利用と、これを必要としない利用があると思います。後者は、たとえば、ある、すでに開発されたロケットを使って開発された衛星を打ち上げる、たとえば電離層観測衛星、これは二年なら二年で寿命がなくなりますから、また同じようなものを打ち上げる、こういう場合でございますが、私どもといたしましては、この両者ともやはり、この基本法をつくるとすれば、この中に含めるべきだ、こう考えております。 それから、宇宙基本法の「宇宙」ということばの定義でございますが、御承知のように、「宇宙」ということばの定義は非常にあいまいであるわけでございます。一番一般に使われております「宇宙空間」、これは物理的あるいは天文学的に存在すると考えられる空間でございまして、その中には天体、それから種々の物質、それから輻射、ラジエーション、そういうものも含まれております。要するに、一番大きな宇宙という思想でございます。 それから第二番目の「宇宙空間」、これは普通アウタースペースといっておりますが、この場合太陽系内の宇宙空間、インターソーラースペース、これ以外の宇宙空間を「宇宙空間」と定義している場合もあります。 三番目には、これもアウタースペースでございますが、これは地球の大気空間、エアスペース、もしくは有効大気空間の外側の宇宙空間、ですから、地球がありまして、地球のまわりにいわゆる大気圏がございまして、その外側がアウタースペース、宇宙、こういうふうに定義する場合もございます。 そこで、先ほどの宇宙条約でございますが、宇宙条約の中には「宇宙」というものの定義を書いてございません。しかし第七条を読みますと、「地球上」、それから「大気空間」、それとアウタースペース、「宇宙」、こういう仕分けをして書いてございますので、宇宙条約の「宇宙」ということばは、いわゆるアウタースペース、大気圏、大気空間の外側のスペース、こういうふうに読み取られるわけでございます。 こういうような状況でございまして、宇宙の定義ははっきりしておりませんが、宇宙条約は成立しているというのが現状だろうと思います。これに関しましては、国連の宇宙空間平和利用委員会でもって、何とかそのアウタースペースを定義しよう、具体的には大気空間といわゆる宇宙の間をどうきめるかということでございますが、それを検討しておりますが、いまだにきめかねているというのが現状でございます。 次に、この基本法の目的でございますが、これは、現状におきましては、原子力基本法などと同じように、法の目的を抽象的に規定するということにとどめざるを得ないと思います。たとえば、アメリカの航空宇宙法第百二条でございますか、法の目的がございますが、その(a)項におきましては、「宇宙における活動は、全人類の利益のために平和的目的のみに貢献されるべきであることを、議会はここに宣言する。」と、こうございまして、(c)項に目標を八項目掲げております。しかし、これらもいわば抽象的な規定でございまして、われわれといたしまして、現時点におきまして基本法をつくるということになりますと、将来無限な可能性を持っております宇宙開発、宇宙利用、これを現在の時点におきまして法律でもって固定化してしまうということは将来のためによくないことである。したがいまして、目的はやはり抽象的に規定するという以外にないのではなかろうかと私どもは考えております。 次は基本法の基本方針でございますが、すでに前例として原子力基本法第二条に基本方針が示されておりまして、やはりこういった原則を踏まえるということになるのだろうと思います。具体的には平和、民主、自主、公開、国際協力、こういうことでございますが、ただここで問題になりますのは、これらの平和目的あるいは民主、自主、公開、こういったものの定義が非常にあいまいであるということでございます。 たとえば、先ほどの宇宙条約におきましても、平和利用の概念は公式に何も規定されておりません。御承知のように、この平和利用ということの意味につきましては、大きく分けまして、非侵略的という立場をとる、いわゆる国連憲章あるいは国際法一般におきましては非侵略的というふうにこれを解しております。それから、それに対しまして、もっと広く非軍事的というふうに解釈しておりますのは、たとえば国際原子力機関、IAEAの憲章などはこれでございます。この宇宙条約で平和利用の定義はわかりませんが、宇宙条約を全体にながめますと、この非軍事的という概念に近いものではないかと、こう考えられます。 こういうように、この平和、民主、自主、公開、こういったものの定義は非常にあいまいでございますけれども、過去において原子力基本法の国会審議あるいはもう十数年たちますか、原子力基本法の運用実績、そういったものがございますので、これを踏襲するということにならざるを得ない。結局は、はっきりした定義というものをこの基本法で新しく設けるということは困難である。たとえ設けましても、今度は原子力基本法との関係が出てまいりまして、二つの基本法の間にいろいろ問題が起こるおそれがございますので、ただいま申し上げましたような考え方でいかざるを得ないのじゃなかろうかというのがわれわれの見解でございます。 そのほか、原子力基本法ではいろいろな規制がございますが、これと同様な規制を宇宙基本法でやるといいましても、実際問題としては非常にむずかしい。その反面、この宇宙開発というものは、わが国におきましては国の機関あるいはこれに準ずべきものがやりますので、こういう規制というものをいますぐに規定するということはむずかしいと同時に、必要がないとは言いませんけれども、現時点できめなくてもやっていけるのではないか、こう私どもは考えております。 それからもう一つ、最後に、基本法と宇宙開発委員会設置法との関係でございますが、先ほど申し上げましたように、基本法は当然利用を含むというのがわれわれの考え方でございますし、委員会は、正面切っては利用というものをはずしておりますので、この間の調整が要るのだろうと思います。場合によったならば、現在の設置法を廃止しまして基本法の中に入れるということも考えられますが、いずれにいたしましても、基本法と委員会設置法との、何と申しますか、守備範囲を同じにいたしませんと、妙なものになるのではないか、こういうことを私どもは考えております。 それで、結論的に私どもが一応意見の一致をしておる点でございますが、ただいま申し上げましたように、わが国、それから世界におきましても、宇宙開発、それから利用ということについて、現在におきまして用語の定義が非常にはっきりしない。したがって、明確な定義づけをすることは困難であるというようなこと、それから、少なくともこの具体的な目標は、わが国におきましては現段階ではっきりさせるということは困難である、先ほど申し上げましたように、無限の将来性を持っております宇宙開発及び利用につきまして、現段階で目標をはっきり具体的に掲げるということは困難である。したがいまして、たとえ先ほど申し上げました憲章的な内容の基本法にいたしましても、これを現時点で立案制定するということは、実際問題としてなかなか困難な仕事ではなかろうかというのが私どもの考え方でございます。したがいまして、基本法を現時点でつくらないといたしますと、そこにまた何らかの措置が必要なのかもしれませんが、すぐ基本法をつくるということは、現実の問題としてはなかなか困難ではなかろうかというのが一応の結論でございます。 以上、宇宙基本法につきましての委員会のいままでのお話し合いの概略を申し上げたわけでございます。 そのほかに、宇宙開発の現状と将来のは展望は關先生にやっていただくことになっておりますので、以上でもって私は終わります。
○小宮山小委員長 關宇宙開発委員。
○關説明員 それでは宇宙開発の現状と将来の展望ということで申し上げます。 宇宙開発委員会におきましては、四十四年度の宇宙開発予算の見積もりに関して決定しました基本方針を基盤といたしまして、なおそれに今後十カ年程度の——と申しますと大体今後五カ年程度、四十八年でございますが、四十八年に実験通信衛星を打ち上げるということが審議会できまっております。その後さらに五カ年間にどういう発展をするであろうかというような展望をただいま検討しております。 それで、次の五カ年程度の間における宇宙開発の基本というものは、四十四年度の予算を勘案いたしましていま作業を進めておるところでございまして、まだ結論としては出ておりません。しかし近々その結論を出すべく努力しております。 その主要な点は次のとおりでございます。つまり実用の分野につきましては、四十六年度に電離層衛星を打ち上げ、また、四十八年度には、さっき申し上げたように実験用静止通信衛星を打ち上げることにいたしております。これは宇宙開発審議会で決定されたものをそのまま踏襲してわれわれも検討をしております。それからなお、それらを打ち上げるロケット、これも開発をすることにいたしております。 なお、もう少し詳しく申し上げますと、実用分野の宇宙開発のうち、電離層観測衛星の開発につきましては、昭和四十三年度からプロトタイプの人工衛星の試作試験を行なう段階になっております。また、その打ち上げ用のロケットでありますQロケットの開発については、すでに詳細設計に入っております。 なお、科学研究の分野におきましては、すでに第一号の科学衛星の開発が終わっております。これは文部省の担当でございます。今後第二号以下の科学衛星が順次打ち上げられることになっております。 それで十年後のことをさっきちょっと申し上げましたが、これはまだはっきり結論が出たわけではありませんけれども、さっき申し上げたように検討中でありますが、大体の方向としましては、国内の通信衛星、それの五百キロないし七百五十キロぐらいのものを打ち上げるのが最も有効であろう。つまり、将来地上の通信設備というものが一ぱいになってきますので、衛星を打ち上げたほうが、将来増加する通信情報を安く処理できるであろうということで、それの打ち上げになるであろうと思っております。 結論としては、さっき申し上げたとおりで、これ以上のところはまだ申し上げにくいと思っております。
○小宮山小委員長 以上で、説明聴取は終わりました。 —————————————
○小宮山小委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。
○石川小委員 きょうは、わざわざ御苦労さまでございます。 私の質問はたいへん素朴な、幼稚な質問なので恐縮なのでございますけれども、インテルサットの協定の会議に参加をされました柏木さんにちょっとお尋ねいたします。 いま、大体、われわれがたいへん心配をしておりました地域衛星の問題、それから一国一票制の問題、それからコムサットという組織の問題、この三つが主として大きな問題点になっておったということはよく理解できました。単純に御質問いたしますけれども、理事会の表決は何か出資金に応じて採決をする、総会のほうは一国一票というふうな主張をしておるんだというような説明を、ちょっと私聞いたことがあるわけなんですが、理事会の決定があっても、それは最終決定になるのかどうか、これは総会ではじめて最終決定であって、理事会のほうが何らかの決定をしても、最終的には総会でなければきめられないという性格のものかどうか。そして、総会のほうは一国一票ということで日本なんかは主張したと思うのですけれども、ヨーロッパなんかもおそらくそういう点で主張していると思います。その見通しとしては——決裂ということになっておりますが、このあと十一月に会合を持った場合に、一国一票ということではっきり押し切れるという見通しがあるかどうか。これはちょっとむずかしいんでしょうけれども、それに対して日本は、あくまでも一国一票でなければ困るのだ、最終的には総会で全部きめるということを前提として私は申し上げているわけでございますけれども、一国一票でなければ絶対に受け付けない、こういう決意をもって会議に臨まれようとしておるのかどうかという点が一つ。 それから地域衛星の問題ですけれども、ちょっと私もぼやっと聞いておったのではっきりしない点は、後進国もアメリカの言うことに協力をするというか、同調している向きが多い。日本とかヨーロッパ各国は地域衛星ということを強硬に主張しているわけですけれども、後進国でもアメリカの主張に同調しているという点での御説明を、私、うっかりしましてちょっとのみ込めなかったものですから、あと一回、はっきり、わかりやすく御説明をいただきたいと思う点が一つ。 それから、全部申し上げてしまいますけれども、さらに、国内衛星は特殊衛星——特殊衛星のものは、これはインテルサットとは直接関係がないということに一応なるのだろう、通信衛星じゃございませんから。地域衛星は当然承認できる見通しではなかろうかというふうに常識的に考えておるわけなんですが、その辺をひとつ明確に御説明願いたいと思います。
○柏木政府委員 最初の、総会の一国一票に関連いたします理事会との権限の問題でございますが、御承知のように、この世界商業通信衛星組織と申しますのは、各国が商業ベースにおきまして宇宙通信用の星の打ち上げを行ない、それを共同して利用する、それに対しましては大体利用に見合ったような出資をしてこれを運営する。したがいまして、その運営の原則といたしましては、株式会社というほどではございませんが、やはり能率的な運営という面からも、あるいは出資者に対して相当な発言権を持たせる必要があるというような点からも、強い発言権についての一つの原則というものがあるかと存じます。それと片一方は、各国はやはり今後の国際通信あるいは宇宙開発についての秩序をこれからつくっていくという両面があるかと存じますので、その面の主強をいかに調和するかということが、具体的にただいまの御指摘のような問題を解決する条約案をつくるという問題になるかと存じます。 それで理事会と申しますのは、いわば日常業務を商業ベースで能率的に運営をするということが一つ大きな要素になる。特に進歩発展の激しい技術の状態に適切に対処していくという点からいたしまして、商業的なベースでの一つの運営原則というものを認めるべきであるという主張は強いのであります。 ただ、総会におきましては、これは一国一票の原則で宇宙通信の今後のあり方なり秩序をきめるような考え方で運営すべきであるということでございますので、その点の調和をどうするかということで、まず、その任務を総会と理事会でどのように分けるかということが一つの大きな問題になっているわけでございます。 なおまた、総会につきましても、国、政府という立場で行動する範囲と、それから、日本のように国際通信事業という事業を民間会社がになっているのもございますが、通信事業者が国であるものも多くございます。その際に、その一国という国が通信事業者の立場でするか、もっと広い政府全体の立場でこれに関与するかということの問題から、総会も二つに分けて、一つは通信事業者である国でやる総会、もう一つは国全体の総会というような、さらにもう一つ総会を分けた提案も出ておりまして、一そうこの問題が紛糾したわけでございます。ただし、一国一票ということで国という立場でこの問題を処理すべきであるという意見は各国とも非常に強いのでございまして、日本ももちろんそういうことで今後ともできるだけ実現をするようにいたしたいと思っております。理事会につきましては、かなり商業的ベースと申しますか、各国の持ち分を比例させた発言権というようなことでの運営が強くなるという傾向でございます。 なお、参考のために申し上げますが、日本の発言権を今後強くするというのが一つの問題でございますが、今後かりに出資の比率を発言の力に比例させる場合、いろいろ出資比率のきめ方が問題になってくるわけでございますが、大体のところは使用の実績を基礎にしたいろいろの算定方式を幾つか提案されております。この結果によりますと、日本は大体三番目の大きい株主になるというような見通しでございます。まずアメリカ、その次はイギリス、その次に日本ということで、現在の一・七二幾らという比率が三%以上あるいは四%以上になるような計算の方式の提案がたくさんございますが、いずれの場合におきましても、現在よりは相当出資率も多くなり、したがってまた発言権というものは、全体の中で三番目を下らぬというような見通しになると存じます。 第二番目は、地域衛星の問題につきまして後進国がどういうような立場で反対をするかという御質問でございますが、後進国も——この暫定協定ができたときにはわずか十数カ国、おもにヨーロッパと日本、カナダ、オーストラリアというような国であったのでありますが、現在は六十八カ国になっております。そのうちで、地上局を現に運用している国といいますのは、まだ二十カ国前後でございますが、しかしインド洋衛星の打ち上げを控えまして、今後一、二年の間にこの地上局を開設するという計画を持ち、あるいは現に建設中のものは、ただいまの数のうち四、五十カ国になるかと存じます。非常に関心が強いのでございますが、これらの国といたしましては、なるべく自分の国内で、相当資金的な無理をして出資し、また、地上局を建設したものをフルに利用し、また、インテルサットが十分に利用されることによって経済的な利益も得たいという強い願いがあると存じます。一方、もしインテルサットと競合するような国際通信の組織、地域衛星というものができますと、たとえばヨーロッパの国が共同でそういうものを打ち上げて利用するというような場合には、世界の通信量の相当部分のものが、それらの国同士でやるということによりまして、インテルサット全体に収入その他経済的なはね返りが多いじゃないか、それは結局後進国多数の国にとって今後利益にならないという考え方をいたすわけでございます。さらにまた、インテルサットの星と地域衛星とアクセスいたしまして、両方に通信ができるような体制をとるようなことになってまいりますと、一局二十億前後かかります地上局を星の数だけそろえて持たなければ両方利用できない。したがって、世界各国とも直接公衆通信をやるということについても、相当な経済的な負担があるということをおそれるという、そういった立場からの反対があったわけでございます。 それから、特殊衛星についての御質問でございますが、御承知のように、特殊衛星と申しますのは、公衆通信衛星とは全然別のものでございます。したがいまして、かりにインテルサットのメンバーがそういうものをやりましても、経済的にインテルサットの星の利用と競合するということはないわけでございますので、しかも、宇宙条約等によります宇宙空間の利用についての各国の主権というものも認め合うべきであるという議論が相当なされまして、これにつきましては、ほぼ各国の自由——地域的に利用することも、あるいはまた自分一国でそういうものを利用するということも自由であるというような大勢でありまして、おそらくその線で結論が出るかと存じます。ただ、これにつきましてはもちろん技術的な条件、つまり周波数の利用あるいは混信の防止、あるいはスペース軌道の共存というような問題は、いずれ相談をしてきめなければお互いに不利益をこうむるという問題も残りますので、この辺の調整は、技術的な問題でございますが、どういうふうにするかという問題が条件として残るかと存じます。
○石川小委員 ありがとうございました。 あと一つ。ソ連がこれに参加しておる。おそらくオブザーバーの形なのだろうと思いますが、その中に正式に参加をしたいという意向を持っておるというようなうわさを、聞いただけで確認はできないのですが、そのソ連の動き、それから共産圏のほうの動き、今後これに積極的に参加をしようという態勢になっておるのかどうか、その点を念のために伺いたい。 それから、これは宇宙開発委員の方に質問したほうがいいかと思いますけれども、例のアメリカのジョンソンメモ、国内組織に使う場合に技術を提供するという意味のジョンソンメモがあったわけですね。必ずしもこれを全面的に受け入れたような回答はしておらぬわけですけれども、いまの特殊衛星というものは通信衛星だけじゃないわけです。同じ技術が特殊衛星に用いられることになるわけなんで、その場合に、アメリカのほうから技術を受けた場合、一体特殊衛星を地域衛星として使うことができるというふうになった場合に、はたして了解が得られるものかどうか。この点、私は今後も非常にデリケートなむずかしい問題になるのじゃないかと思うのでありますが、その辺の見通しの問題、これは宇宙開発委員のほうからひとつ見解を示してもらいたいと思います。
○柏木政府委員 最初の問題につきましてお答えを申し上げます。 このたびは、先ほど申し上げましたように、アメリカの政府から、オブザーバーといたしまして、ソ連圏を含む国々にも招請が発せられまして、結局三十二カ国がオブザーバーとして参加しております。そのうちにソ連並びにソ連圏がそろって出席しております。 それで当初は、ソ連はインタースプートニクという一つの地域的な宇宙通信利用組織を提案しておりました関係もありまして、この会議については自分の宣伝と申しますか、あるいは後進国と結んで会議の円滑な進行に、あるいはなかなかむずかしい点が出てくるんじゃないかという見通しもあったようでございますが、その点はきわめて協力的に、また非常に熱心に会議に参加しておりました。ただ、いまこの組織に参加するかどうかということについては、もちろんその意思表示はございません。いろいろこれについての判断がなされるわけでございますが、いろいろ今度問題になりましたインテルサットの条件というものをよく勉強し、また、全体の動きもこの機会に十分に調査いたしまして、自分のほうに有利な条件であると判断したならば、案外入るということも考えているんじゃないかというような見方をするものもあったようでございます。 いずれにしましても、このソ連圏がこのインテルサットというものを非常に排除していこう、あるいは、これに対して参加を拒否していこうというような動きは、全然見られなかったわけでございまして、今後条件次第によってはソ連も入る可能性もあるのではないかという、これはたいへん不確かなことでございますが、そういうような一るの希望も持って帰った代表も多かったのではないかと考えます。
○山縣説明員 石川先生にお答えいたします。 御承知のように、ジョンソンメモでございますが、その対象とするところは通信衛星の技術提携ということになっております。したがいまして、いま御質問のように、通信以外の特殊な目的の人工術星の技術ということには現在触れておりません。したがいまして、そういう必要が出ましたときには、あらためて日米間の交渉ということになるのだろうと思います。
○石川小委員 これは、いずれあらためて詰めた議論をしなければならぬだろうと思うんですけれども、ジョンソンメモは、表面的には通信衛星ということに限定されているわけであります。しかし、ロケットそれ自体の制御装置とかいうことになれば、これは、ロケットは通信衛星だけじゃないので、ほかの特殊衛星も発射をするということになって、それに伴う技術というものを導入した場合には、これは通信衛星だけということにはならないんじゃないかという懸念がなきにしもあらずなんですね。私は、衛星を将来どう利用するかということについて、いろいろ議論が分かれると思うのですが、後進国開発のための衛星というものは大いに可能性があると見ているんです。その場合に、そういうものは使えなくなるという制約を受ける可能性が出てくるとなると、これは将来たいへん大きな問題になるんじゃないかという心配をしているわけです。ですから、これは表面的にはインテルサットの条約にのっとった形で国内組織に利用させるというふうなことにはなっているのですけれども、どうも通信衛星だけにとどまらないという可能性が出てきそうに思えてしかたがないんですね。これはある程度はっきりしておかないと、将来大問題になるんじゃないか。場合によると、何のためにこんな苦労をして宇宙開発をやったかわからぬという場合も出ないとも限らないという心配をしておるわけです。これはいずれあらためて、その点については詰めた議論をしたいと思うんです。 それから、宇宙開発委員会のほうにあと一つ質問したいことは、基本法の問題で、むずかしいことはわかるのです。これはわれわれも非常に悩んでいるわけです。宇宙の定義からしてなかなかきめられないということで、たいへん悩んでおるのですが、しかし、何らかの形で平和原則というものを具体的に規定していかなければならぬ、こう思っているのです。その場合の平和というのは、非侵略的ということだけではわれわれは納得できないわけです。やはり非軍事的ということに規定をするという内容を持っておるものでなければならぬと思っているわけです。 そこで、利用が二通りあるという御説明がいまございましたね。利用といっても、ロケットと衛星、それを必要とする利用と、それを必要としない利用というのは、どうも私、聞いていてもちょっとぴんとこなかったのですが、その中身をひとつ御説明いただきたいのです。 それから、具体的に規定をすることは非常にむずかしいとはいうのですけれども、宇宙開発に使われた技術が、これはとりもなおさず軍事利用に転用される可能性があることは明らかだし、その点を実は一番心配していると思うのです。したがって、そういう目的を具体的に規定し、そういう利用開発というものを具体的に規定して、やはりそれは平和利用だということをきめていかないと、将来問題が残るのじゃなかろうか、これは基本法の一番の問題点になってくると思っているわけです。その規定のしかたができないものかどうかですね。これは、ここで私もどうもはっきりいえないので困るのですが、大気圏外というのは、大気空間を含めたそれ以外のものを宇宙というふうに規定をして、そこに出ていく物体というものを全部この宇宙開発の対象にするのだという具体的なきめ方をして、それが全部平和利用だというふうなきめ方をしていかないと、ばく然とした倫理憲章だけでは、やっぱり平和利用ということではない利用の余地が出てくるのじゃないか。宇宙基本法をつくるのに、われわれも、しろうとであるということもあるのですが、これは実は困っているのですよ。なかなかこの規定のしかたがむずかしくて困っているのだが、そこら辺を何かきちっと規定する方法があるかないか、そういう点についての御説明と、先ほどの利用の二通りということの御説明をお願いしたいと思います。
○山縣説明員 前段の、私が申し上げました人工衛星及びその人工衛星を打ち上げるロケットの開発を必要とする利用と、開発を必要としない利用と二通りある、この件でございますが、現在、先ほど来お話がございます実験用の通信衛星、こういうものは当然ロケットを開発して、そこで打ち上げるわけでございます。さて、それが打ち上がったといたしまして、これはNロケットといっておりますが、そのNロケットを利用して何かをやるという場合ですと、ロケットの開発は必要としないわけです。 それから、衛星につきましては、これはごく一部の改装で済むものもございましょうし、先ほど申し上げましたように、同じものを二度打ち上げるという場合、これは当然開発を必要としないわけですね。そういうことです。おわかりでございましょうか、説明は非常にまずいかもしれませんが。 それから、平和利用の件でございますが、これはお話のとおりに、非常に必要であると同時に、現段階においてはいろいろむずかしい問題があると思います。これに関しまして、現在の宇宙条約をきめる国際会議において日本が主張いたしましたのは、先ほど申し上げましたように、宇宙条約、これは最終的にはソ連、アメリカの現実を踏まえて、ソ連、アメリカの主張によってきまったのですが、日本の主張といたしましては、天体の平和利用のみでなしに、宇宙全体の平和利用を主張したわけでございます。したがいまして、そういう思想からまいりますと、基本法をつくるといたしますれば、宇宙条約のああいう考え方でなしに、当然アウタースペース、いわゆる大気空間の外の全部に対して平和利用、こういうことになると思います。 しかし、それに関連いたしまして、先ほど申し上げましたように、しからば宇宙とは何ぞやという問題がすぐそれにまつわってまいります。実際問題としては、法律をおつくりになる場合に、非常に定義に困難をされるんじゃないか、こういうふうに私どもは考えます。しかし、一面、日本といたしましては、宇宙条約を批准し、その当事国になっておるわけでございますから、一方においては、批准したということから考えますと、宇宙の定義をきめずに批准をした、こういう事実がすでにあるわけであります。したがって、そこらをどういうふうにするのか、実を申しますと、私どもにはよくわからないので、むしろ先生方にお伺いしたいのです。はっきりしない宇宙という定義、明確な定義なしに宇宙条約というものがすでに批准になってしまっておるのですね。それと、今度は国内法との関係になりますので、そこら辺は私どもはよくわからないのですが、やはり問題点としては残るんだろうと思います。
○小宮山小委員長 近江君。
○近江小委員 私も、軍事転用という問題でございまして、これは非常に心配しておるわけです。過日の委員会でも、それをどこでくくるか、結局、宇宙開発事業団も発足する、実施機関だけはどんどん進んでいく、しかし、どこにどれだけの平和なり、民主、自主、公開あるいは国際協力、そういう問題点が確約できるか。これに対して長官は、第一回の答申で、それを十分尊重していく、あるいは昨年の四月でしたか、佐蔵首相がそのことを明言されておる。代々の長官も、そのことについては十分尊重してやっていきます、こういうことで、結局明文化は避ける、そういう意向であったわけです。 いますっとお聞きしておりまして、確かに宇宙の定義等もきまっておらない。技術的に非常にむずかしい点はよくわかるわけであります。しかし、そういう点はみんな非常に心配しておるわけです。国会の附帯決議においても、それははっきりとうたっておりますし、それから、日本学術会議も、昨年にたしか宇宙基本法の制定の申し入れもやっております。これはもう国民みんなの声だと思うのです。したがって、いろいろな困難はあるにしても、この基本法の制定ということはどうしても急がなければならない問題であると思うのです。その点、非常に戸惑っておられるように感じられるわけですが、委員会として強力にこの基本法の制定をやっていくという、その辺の意思ですね、それが戸惑いのほうが非常に強いように私は思うわけです。その辺のところはどうでございますか、もう少し明確にお聞きしたいと思います。
○山縣説明員 近江先生のお話のとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、委員会といたしましては、国会の附帯決議もございますし、また、委員各位の御意見もございます。基本法というものを十分検討いたしまして、これの案文そのものを委員会でつくるということではないと思いますが、そういう方向に進むべきであるというのが各委員の皆さんの御意見のようでございます。 ただし、具体的に考えてみますと、いろいろ先ほど申し上げましたように、用語の定義づけが非常に困難であり、また、日本はむろんのこと、世界におきます宇宙開発及び利用というものが非常に急速に進んでまいりまして、たとえば、私どもよく使うことばでございますけれども、利用の開発ということも、われわれは当然やらなければならない。いままで考えておりました利用の面以外に、もっと新しい利用を考えるべきだ、こういう考えを私どもは持っております。したがいまして、現在におきまして基本法に目標というようなものを掲げるということは、むしろ将来を拘束するものでよくないであろうという意見は、大方の委員が持っております。したがいまして、基本法の内容そのものがもし問題になりまして、先ほども申し上げましたように、つくるといたしますれば、マグナカルタというのですか、憲章的なものにせざるを得ないだろう。しかし、それをつくるといたしまして、そういう憲章的なものにいたしましても、やはり問題はありますので、逆にまた、先ほど申し上げましたように、現在国内宇宙開発及び利用しようとするものは、国家機関かあるいはこれに準ずる機関でございますので、したがいまして、総理の御発言もございますし、いますぐこのあいまいないろいろな用語を使って、たとえ憲章的なものにしろ基本法をするのはどうかという大方の意見でございます。これは、先ほども申し上げましたように、委員会で決定したものではございません。したがいまして、さらに必要がございますれば検討するということを最初に申し上げましたが、現在中間的の御報告でございますが、そういう意向でございます。
○近江委員 この事業団法が、すでにいろいろと検討されまして今国会に提案されているわけです。そうしますと、基本法はとても間に合わない。しかし実際事業団の成立は迫られておる。そういうジレンマがあるわけです。そこで結局、先ほど申し上げた五原則といいますか、原子力基本法の第二条に盛ってありますそうした内容、それが、この事業団で今後推進していく上において、どこで保障されるかという問題なんです。ただ、答申だけを尊重しますというだけ、それだけでは、非常に不安を感ずるわけですよ。現実に基本法が、いまの段階では時間的に無理である。その辺の保障はどこでなさるおつもりですか。私たちは、そういう法的な面で何とかぴしっと規定すべきだと思うのですが、そこのところはどうですか。
○山縣説明員 冒頭に申し上げましたように、国内におきましては立法措置がないことはお話しのとおりでございます。そこで、何か立法措置をやるべきである。それが基本法につながってくるわけで、いま申しましたように、いろいろな事情で、私どもすぐつくるということは、立法技術的に無理なのではなかろうか、こういうことでございまして、さて、その保障をどうするかということでございますが、それにつきましては、先ほど最後に申し上げましたように、これは必要ならば何らかの方法をとらざるを得ない、とるべきであるということは、私ども考えております。 少し余談になりますけれども、科学技術基本法あるいは振興基本法というようなお話もございますけれども、そういった全般的なところへ入れていくというようなことも考えられましょうし、あるいは個々の法律にしかるべく入れていくということも考えられると思いますが、これは私ども委員会といたしましては、現在はそこまでは検討いたしておりません。
○近江委員 検討をそこまで——突っ込んだところまで検討してもらっていないということについては、われわれとして非常に困るわけですよ。ですから、早急にその辺のところを委員会として重要テーマとして取り上げて、何らかの基本法がいま無理とすれば、それにかわるべきものを早急に考える、こういう御意思はあるわけですか。
○山縣説明員 御趣旨に沿うて十分検討いたします。
○小宮山小委員長 三木喜夫君。
○三木(喜)小委員 柏木さんに二つお伺いします。 前にだれか質問されておったと思うのですが、あなたのお考えをひとつ聞かしていただきたいと思うのです。これは暫定協定から本協定にするということになりますと、やはり外交的な慣例に従わなければならぬと思うのです。それで、その条約が締結されたときに、国会の承認を得るとか、あるいは代表を出すときにやはりそうした方式で代表を出して検討すべきではないか、こう思うのですね。これは十一月の場合です。それが一つ。 それから、いまあなたのお話しでは、一国一票の問題につきましても、総会を政府関係でやる場合と、それから全体的な総会と二つに分けるようになるであろう、こういうようなお話でございましたね。そうすると、そういうことに対する日本の態度は一体どうなるのか、日本はどうするのかということですね。同じ日本の態度ですが、ソ連の問題、いま石川さんの質問で出てまいりましたが、ソ連がどういう態度であるかということは、これから後のことだというお話がいまありましたけれども、しかしソ連が入ることによって、インテルサットの前文に書いてある平和利用あるいは平和目的ということが一そう明確になってくるのじゃないか。ソ連はソ連ということで別になっておると、世界平和ということがやはり両方に分かれていく関係上、心配な点があるのではないかと思うのです。日本はそれについてどう考えるのか、この二つを御説明いただきたいと思うのです。 それから、ついでにみんな言っておきたいと思うのですが、山縣さんと次官がいまおいでになっておりますから、次官にお聞きしておきたいと思うのです。 先般ニュースで言っておったと思いますが、確かではないのですが、政府筋からはっきり聞かせていただきたいのです。それは、アメリカと誘導制御技術の提携をやる、それには秘密条項が付される、こういうふうに聞いておるのですが、そういうことを、いつ、どこの、だれがきめられたかということ、それから、これに対して宇宙委員会としてはどういう審議をなさったのか、これをひとつ聞かせていただいて、その上でまた質問をしてみたいと思います。一応その三点をお伺いいたします。
○柏木政府委員 今度できるでありましょう恒久協定につきましての国会での御審議を願うという問題でございますが、これは形式的に申しますと、その条約の内容にもよるわけでございますが、しかし、今度審議しております条項につきましては、たとえば国が特権免除をインテルサットに与えるというような、国として相当大きい権利義務を持つ新しい問題が入ってくるかと存じます。そういうことでありますれば、これは当然恒久協定は国会で御審議をお願いしなければならないというふうに考えております。また、主管大臣もそのような御答弁をされておるわけでございます。 なお、代表の選定につきましての問題でございますが、実は私も外務省の身分になって参りました。この関係は、外務省が主管してまいりますので、私からはお答えしにくいということを御了承願いたいと存じます。 それから、ソ連もインテルサットに入るという問題でございますが、これは単に日本だけでなく、アメリカも、そのほか各国も非常にこのことに対して関心を持ち、また、会議の席上でも、いまオブザーバーとして参加しておられる方はぜひ入っていただきたいんだというようなことを日本としても申しておりますし、また、こういうことを申し述べた国は非常に多くあったわけでございます。もしソ連がインテルサットに入ってまいるということになりますと、ただいま御指摘のような問題ばかりではなくて、国際通信を円滑に行なうという面でも、限られた周波数を有効に使用するとか、あるいは星の軌道を有効に役立てるというような面でも非常に利益が直接的に大きいかと存じます。私どもといたしましても、そのようなことが実現するように強く期待したいと思っておる次第でございます。
○平泉政府委員 ただいま御質問のございました誘導制御技術の導入に関しての問題でございますが、米側から機密保持を要求されたという事実は聞いておりません。 なお、局長のほうから補足して答弁いたさせます。
○石川(晃)政府委員 ただいま政務次官からもお話がありましたように、この点につきまして、私たちのほうからも、誘導制御について要求した事実もございませんし、また、米側のほうからも、それについては全然話がございませんでした。したがいまして、私たちとしても、私たちの宇宙開発技術につきましては、そのような点は考慮していないわけでございます。
○山縣説明員 ただいま政務次官並びに石川局長からお話がありましたとおりでございまして、私自身といたしましてもニュースというものをよく存じておりませんが、ただいま三木先生のお話しのようなことを委員会で相談し合ったということはございません。
○三木(喜)小委員 そうすると、私の聞きそこないだったかとも思うのですが、そういうニュースはお聞きになりませんでしたか。誘導制御の技術について、アメリカの技術を導入する、ついては秘密保持を約束させられた、こういうことです。
○石川(晃)政府委員 誘導制御の技術につきましては、私たち宇宙開発をやる上におきまして、ぜひアメリカからも輸入したいというふうに考えておるわけでございます。しかし、その内容につきましては、軍事機密にわたるものにつきましては、米側も出さないと思っておりますし、われわれも、そこまでは必要ないというふうに考えて、現在作業を続行中でございます。
○三木(喜)小委員 質問はそうではないのです。放送の点について……。
○石川(晃)政府委員 それで、放送については、私たちそういうふうにも聞いておりませんし、従来は誘導制御の技術というものをわれわれがほしいということをいっておりますので、それがそういうふうな記事になったのではないかというふうに想像されるわけでございます。
○三木(喜)小委員 それでけっこうなんです。 山縣さんにお伺いいたしますが、そういう場合に、やはりこういう秘密的な取りきめをするということは、自主、民主、公開の原則にもとるとお考えになりますかどうか。 それから、私の聞いておるのでは、中国、ソ連に出さない、こういうように聞いたわけなんです。国を指定しておる、こういうようなことを聞いたわけなんですが、そういう制約をつけられた場合、これははねのけるのですか、それとも、そういう制約をつけられた場合には、技術がほしいから技術というものに主体を置かれるのですか。愚問かもしれませんけれども、念のためにお伺いしておきたいと思います。
○山縣説明員 秘密ということを踏まえての技術の導入、これはわれわれは考えられないというのは当然だろうと思います。 それから、ジョンソンメモにございます、第三国に技術なり物なりをトランスファーする、これは契約といたしましてそういうことがあり得る、私はあって差しつかえないと思っております。
○三木(喜)小委員 その秘密条項をのんで技術を導入する、こういうことですか。
○山縣説明員 秘密条項ということの解釈でございますが、ただいま申し上げましたように、ある技術を第三国と申しますか、第三国に輸出する、トランスファーする、そういったことが秘密とお考えでございますか。
○三木(喜)小委員 ええそうです。
○山縣説明員 私はそういう第三国にトランスファーしては困る、いけないという前提でこの契約をするということは、私は差しつかえないと思っております。
○三木(喜)小委員 それは承っておきましょう。きょうは別に議論をするつもりではありませんが、しかし自主、民主、公開の内容がかなりあいまいである。先がたもお話しになりましたですね。そういう立場から考えまして、公開という原則をわれわれがはずした場合、これは一体どうなるのかということが考えられるわけです。私たちは、公開ということによって技術が非常に進歩する、こういう考え方ですが、秘密の条項を持たされるということによって日本の技術がさらに進歩するという考え方がその中に、いま山縣さんが言われた考え方の中にあるのではないか、そういう基本的な問題についてはどういうぐあいにお考えになるのですか。
○山縣説明員 私がいま申し上げたようなことは、かりに日米間といたしますと、第三国にトランスファーするということでありまして、アメリカからある技術を日本がある契約によって入れた、それそのものは、国内的にはAの会社が使う、あるいは今度AとBと相談の上Bという会社がお使いになることは、かれこれ言うべきものではないと思っております。第三国にトランスファーするということを言っておるわけなんであります。申し上げ方がまずいかもしれませんが、意味は、そういう意味でございます。
○三木(喜)小委員 終わります。
○小宮山小委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十分散会