科学技術振興対策特別委員会 第21号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/23
会議録
○三木(喜)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 最初に、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における研究概要について、両所長よりそれぞれ説明を聴取することにいたします。 河田金属材料技術研究所長、次に、山内無機材質研究所長を紹介いたします。 それでは、河田所長お願いします。
○河田説明員 それでは、金属材料技術研究所の研究状況を、お手元の業務概要にのっとりまして御説明申し上げます。 金属材料技術研究所は、金属材料などの品質向上のために、昭和三十一年の七月に設置されまして、わが国の産業界及び学界との連携を基本といたしまして、金属材料に関します基礎、応用、それから開発に至るまでの広範囲にわたる研究を推進いたしております。 研究の基本方針といたしましては、一、金属材料の基本的性質に関する基礎的研究。二、金属材料の品質改善と新材料の開発研究。三、国として取り上げる必要のある先行的なプロジェクト研究。四、原子力、宇宙開発及び海洋開発などのナショナルプロジェクトの推進のために必要な新金属材料の開発研究。次のページに参りまして、五、大規模な設備を必要とし、国でなければ実施することのできないような高度な材料試験。 現在特に重点的に推進しておりますのは、第三番目の項目としましての連続製鋼技術の研究、それから第五番目のカテゴリーに属します疲れ及びクリープの試験に関する研究というようなことを強力に推進いたしております。 その次に、金属材料研究所の機構でございますが、所長のもとに運営委員と科学研究官がスタッフとしております。 運営委員会と申しますのは、産業界、学界のその方面の金属材料に関する権威の方、すなわち製鉄会社では八幡製鉄の副社長の湯川さんとか、日立製作所の副社長の橋本さん、それから原子力研究所の所長さん、工業技術院の院長さん、それから東京大学、東北大学の先生方、また非鉄材料では三菱金属の常務さん、そういった方を運営委員にいたしまして、研究所の運営に関しましていろいろ御指導、御協力を仰いでいるわけでございます。 それから、研究のラインといたしましては管理部がございまして、そのほかに研究部門として十四の研究部に分かれておりまして、合計五十五の研究室にその下が分かれております。 次のページに参りまして、それに対しまして予算定員といたしましては、管理部に百十一人、研究部門に残りの三百七十二名ということになっておりまして、主として研究職が大部分を占めておるわけでございます。 次のページに参りまして、四十四年度の予算の状況を申し上げますと、四十四年度には、試験研究に使います費用が三億八百万円でございまして、これは一人当たり七十二万円の人当研究費三百十人分と、それから特定装置運営費の三千九百万円強及び特別研究費の四千八百万円、合わせまして三億八百万円が試験研究に使える費用でございます。それから、研究設備整備費と申しますのは、新しい設備を購入いたしますために特別にお認めいただいた費用でございます。営繕施設費、それから管理経費、つまり庁費とございまして、大きな額を占めますのが人件費四億六千百万円でございます。なお、目下建設いたしております材料試験関係、すなわち先ほど申し上げました疲れ関係の設備、クリープ関係の運営の費用が一億九千二百万円いただいております。受託研究の費用としましては五十万円でございまして、合計十億九千万円。このほかに原子力関係の予算といたしまして三千六百万円をいただいております。 目下いたしておりますおもなる研究テーマを次に申し上げますと、七ページ以降にございますが、連続製鋼技術に関する研究等特別研究が四つございまして、そのまず第一は連続製鋼技術なのでございます。これは、現在の製鋼技術と申しますのが、いわゆる一つ一つのプロセスを一回一回分けて行ないまして、連続的に行なっていないわけでございます。すなわち純酸素の上吹で転炉でございますが、これはいわゆるバッチプロセスでございまして、連続プロセスではございません。化学反応その他は当然連続的なプロセスで行ないましたほうがはるかに合理的であるということは考えられますので、私どもといたしましてはそういったことから連続プロセス、連続操業というようなことを考えて研究をやっている次第でございます。こういった研究は、製鋼会社ではあまりにも未来の問題であり、あまりにも夢の多い問題でございますので、精神的の協力はしてくれますけれども、自分たちが取り上げてやろうというふうなことはございませんので、非常に先行的な研究といたして取り上げておる次第でございます。 その二番も同じようなことでございまして、予備還元原料を用いる新製銑技術に関する研究。これは原料の粉鉱をまるめましてペレットにいたしますが、そのペレットを前もって還元——いわゆる酸化鉄を酸素を除きまして鉄に戻すわけですが、水素その他の方法で還元いたしますわけで、それをある程度還元いたしておきまして、いわゆる還元ペレットといたしまして、これを原料といたしまして小型の製銑炉の中でいろいろな実験を行ないまして、製銑炉の中での反応の現象をいろいろと研究しておる次第でございます。 それから、三番目の片面溶接法の開発実用化に関する研究と申しますのは、大きな板材その他を溶接いたしますときに、片方側だけから溶接いたしまして、それで裏と表と両方から溶接したと同じような強さを出す方法はないかということで研究をいたしております。結局そのことは、いわゆる自動制御的な方法をとりまして、裏の状態と表の状態を、検知装置を置いておきまして、それによって検知いたしまして、その信号を溶接機のほうに入れまして溶接を自動制御していくというようなことで、片側からの溶接で裏と表と両方からしたと同じような強さを得るようにいたしております。 それから高融点金属と申しますのは、タングステン、タンタル、モリブデン、ニオブというような、非常に融点の高い金属を耐熱材料として将来使われるであろう、あるいは外国その他では使われておるところもあるように聞いておりますが、そういったものの基礎的な性質を十分調べておけば将来役に立つだろうということで、その基本的な性質を調べております。 以上が特別研究でございまして、次に原子力関係の研究といたしましては、八テーマほど御予算をいただいておりますが、そのうちここに書きましたのは、原子炉材料の腐食防食に関します研究、次のページへ参りまして、原子炉に使いますジルコニウム合金の研究、それから原子炉の材料の溶接をいたします研究、これは特に最近、溶接いたしますのに、メーザーでございますとかあるいはいろいろな新しい科学的な手段が見つけられましたので、そういった方法を使いまして、原子炉の非常な精密な溶接をいたしていこうというふうな研究でございます。 次に一般研究でございます。一般研究は大体七十くらいのテーマがございますが、一、二の例を申しますと、超強力鋼に関する研究、これは二百キロ程度の強さを持ちます、しかも強いばかりでなく靱性もあります材料をつくり出そうということでございまして、最近こういった方面の研究が外国でも進んでおりますし、また日本の将来の産業を考えましても必要だろうと思いますもので、そういったことは基礎的にぼつぼつ研究をしておりまして、来年あたりから大規模にこの研究を進めていきたいと思っております。 それから超電導マグネット材料に関します研究というのは、非常に低温にいたしまして電気抵抗が非常に少なくなる材料の開発研究でございまして、これは過去におきまして特別研究といたしまして、その終結を一般研究費ではかっているものでございます。 大体こういったふうな研究をいたしておりますが、それではこの研究所がどういった研究の業績をあげたかということでございまして、それは十二ページにございますが、私どもの研究所は科学技術庁にございますから、その業績というものは研究論文として発表されるかあるいは特許として獲得されるかの二つでございます。研究論文はこの十年間に千四百六十三件発表されまして、また特許は、ここにございますように国内で出願が百八件、国外が二十二件ございます。 そしてそれらのおもなものについて申し上げますと、十四ページにございますが、先ほど申しました連続製鋼の研究は、基礎的研究の段階ではございますけれども、三段の連続型のものを考案いたしまして、これの設計をいたしまして、それらにつきましてはすでに諸外国にも特許を出願して、目下鋭意研究を進めている状況でございます。 それから超電導マグネット材料につきましては、非常にダクタイルな、コイルに巻くことができますような材料をつくりますために、テープにメッキをいたしまして、それを拡散いたしまして化合物をつくるというような研究でございますが、これはすでに特許も取りまして、また外国でもこの研究は非常に高く評価されまして、アメリカあたりから一緒に共同研究しようじゃないかというふうな申し込みもございます。なお日本国内といたしましては、この特許を新技術開発事業団の開発委託課題といたしまして、目下日本真空技術で開発中でございます。 それから耐熱合金の研究。これは、たとえばモリブデンのようなものは非常に耐熱性はあるのでございますが、酸化しやすい金属でございますので、その表面を被覆いたしまして酸化を防ぐのが普通なんでございますが、その表面被覆の新しい方法、すなわち鋳ぐるみというような鋳造で使います技術を応用いたしまして、新しい表面被覆の技術を開発いたしまして、これも特許を取っております。 それから次のページに参りまして、超高圧電子顕微鏡の金属学への応用。日本は電子顕微鏡は非常に得意な国でございますので、すでにだいぶ古く五十万ボルトの電子顕微鏡を購入いたしまして、これを金属の基礎的な方面に適用したのでございますが、非常に新しい技術がこれによって見出されまして、諸外国からも注目を浴びておる状況でございます。 それからチタン合金の研究。これはチタン、アルミ、コバルトの合金を開発いたしまして、これの実用化を進めているわけでございます。 次に、金属粉末の製造方法。これは金属の粉末を、金属を小さい穴から吹き出しまして、そのときこれを水の中に吹き込みますと、金属の非常に小さい粒ができるわけでございます。その方法の吹き出し部分につきまして特許を取りまして、これが最近、粉末が非常に自動車部品あるいは電気のほうの材料に使われるような傾向がございますもので、いろいろな方面から注目を浴びておりまして、この特許は三社から使用の申し込みが現在ございます。 それから特殊溶接法の開発といたしまして、金属を摩擦いたしますと熱が出ますが、それを非常に早く押しつけて摩擦いたしますと金属が溶けてしまいます。この事実を利用いたしまして、摩擦で金属を溶かして、それが固まるときに金属をくっつけてしまうという、摩擦溶接法というのがございますが、それを非常に合理的にいたします方法を研究いたしまして、これも特許を取りまして、目下、新技術開発事業団を通しまして、豊田自動織機において開発いたしております。 それから片面溶接の研究、先ほど申しました研究であります。 それから、基礎的な研究の途中で傾角顕微鏡というものを開発いたしまして、これがユニオン光学で企業化されております。 非常に典型的な例をあげまして研究所の業績の御説明をいたした次第であります。 大体以上のような状況でございまして、目下所員一同張り切って研究を進めておるわけでございます。 非常に簡単でございますが……。
○三木(喜)委員長代理 次に、山内無機材質研究所長。
○山内説明員 山内でございます。 私どもの無機材質研究所というのは、できましてからことし四年度に入っております非常に新しい研究所でございます。名前から申しまして、無機材質研究所というのはなかなかわかりにくい名前かと思いますが、これについてちょっと御説明をつけ加えさしていただきます。 材料の中には無機材料と有機材料がございますが、その無機材料の中に金属材料と無機非金属材料がございます。その無機非金属材料を簡単に無機材料と一般に呼んでおります。その材料を構成しているものが無機材質でございます。どういうものかと申しますと、金属の酸化物——酸化物になりますと、鉄でも酸素がくっついたり、あるいは珪酸でも酸素がくっついたりいろいろなことになりますと、また、石灰でも何でも、金属に酸素、窒素あるいはカーボン、こういうようなものがくっついて化合物をつくりますと、これはもはや金属ではございませんで、無機材質でございます。こういういろいろな無機材質が合わさりまして、現在の代表的なものは窯業と申しますが、セメント、ガラス、陶磁器、耐火物、あいは研摩材あるいは炭素材料、こういう材料になっております。こういうもので既成の工業としてだいぶ発展しております。このほうも刻々進歩してまいりますけれども、材料の非常な特異性、非常にシビアーな要求から申しまして、どうしても天然原料に依存したのではいいものはできてこないという傾向になってまいりまして、この既成の材料も進歩しておりますけれども、そのほかに合成原料を主体とした材料が相当出てまいりました。特に最近はいままでの既成の無機材料と違いまして、新しい用途、たとえば最近やかましい原子力の問題、宇宙航空の問題あるいは特に電子技術の問題、この辺の材料としましては非常に特異な要求が出てまいりました。これに対しましては、やはり純な、あるいは純物にいろいろなものを添加しました材料でないと間に合わない、こういう状態になっておりまして、これがニューセラミックなどと呼ばれて、だいぶ盛んになってまいりました。そういう無機材質の研究をするというのがこの研究の仕事でございます。 そこで、この無機材質の研究と申しますと非常に範囲が広いのでございますが、そういう材質の化合物だけ考えてみましても二、三日もありますし、それが二つ組み合わさるとたいへんな数になる。三つ合わせるとたいへんになります。数限りありませんが、そういう材質の中で、特にわれわれが学問的に重要なものだ、あるいは実際の利用面で大事な問題だ、社会的な要求のあるものだ、あるいはそういう研究者はいるか、いろいろな問題から選びまして私の研究所は研究の対象にしております。 無機材質というものはそういうものでございますが、機関の概要を申しますと、一ページに、無機材質研究所は、非金属無機材質に係る超高純度材質及びこれに類する材質の創製に関する研究を行なう機関だ、こう書いてあります。超高純度材質をつくるということは非常に困難でありまして、たとえばアルミナ、酸化アルミニウムですが、これ一つ考えてみましても、ちょうど四十数年前にドイツでジンテルコロンドという商品名で出ましてから、その後いろいろ姿が変わりまして、あるときは耐火物、あるときは航空機の点火せん、特にB29なんかにつけていたああいう点火せん、あるいは工具の材料、研削あるいは透明体にしましいろいろな機械のほうに使う。これが刻々進みまして、年々歳々新しいアルミナ製品がいまでも出ております。 このように、一つの材料をとらえましても、そのようにたくさんのものができるということは、結局、純物の正体がわからぬ、したがいまして、発達しない時代には純度の低いものができますが、だんだん純度が上がっていくと性能が変わってくる。それに対する添加物の影響もはっきりするというわけで、だんだんいい、新しいものが出てまいります。性能も特異なものが出てまいります。そういう意味で、この研究所は超高純度材質及びこれに類する材質の創製に関する研究を行なう。アルミナ以外はほとんどまだ未知の天地でございます。四十一年に設置されましたこの研究所は、そういう一つの目標でもって研究していくという一つの研究所でございますが、機構の上から申しましてちょっと変わったところがございますので、説明させていただきます。 この研究所は新しい体制をとっております。グループ研究体制、客員研究官制度、研究員制度もとっております。そうして研究能率の増進と、研究の新分野の開発に一牛懸命になっておる。 そのグループ体制というのはどういうのかと申しますと、これはおそらくまだ世界にないんじゃないかと思いますけれども、思い切った制度でございます。事務関係は別ですが、研究関係は部課長制を採用しない。そして一つのグループを組織しまして、そのグループに最も適する研究能力のある、人間的にもりっぱな研究リーダーを置いて、研究に関してはこのグループリーダー、表向きには総合研究官と申しておりますが、これを置きまして、研究の全体の推進をはかっていく、こういう体制でございます。ですから、研究課題がきまりますと、およそのワクがきまります。そうしますとそのワクでもって、所員会議その他できめた題目でございますから、それを今度は各グループが持って帰って、そうしてそのグループのみんなで、その線でもって自分の能力に応じた研究の方向をきめる。そうして現在では大体五年間くらいにしておりますが、将来だんだん研究になれてきますと三年くらいでもいいかもしれませんが、その五年間で大体目標を達する。そのときの審査でもって、非常によくて続ける必要がある場合には続けますし、これでいいといえば切りますし、また十分進まぬ場合にはその面を切る、こういうふうなグループ体制をとっております。したがいまして、五年たちますとそのグループは解散しまして、新しいグループをつくるわけでありますが、このときの問題はどういうふうにするかということは目下研究中でございます。現在のところでは、無機材質の研究に携わっている者は、大体こういう切りかえをやってもどこでも応じるだけの能力を持っているものだ、こう考えております。その一つの目標、たとえばカーボランダムというSiC——次に述べますが、このものを置きまして、その中に物理化学、あるいは応用化学、鉱物、いろいろな専門家がおりまして、合成、組織、構造、物性、各分野の者が、自分自分鍛えながらそれに対して総攻撃していく、こういう体制でございます。ですから、違った研究者が同じところに机を並べて研究しながら、お互いにディスカッションし、あるいは研究の協同をしていくという体制でございます。 それから、その次のページの客員研究官制度。これは、研究グループをつくりますと、研究の題目によりましては、研究所員が少ないのですから、どうしてもそれを満たし得ない点があります。そういう場合にはそのほうの権威を全国さがしまして、大学あるいは国立研究機関あるいは民間の適当な方々をさがし出しまして、御了解を得られるならばその方をお願いして、そのほうの担当をお願いする。このことは一つにはそういう量の不足を補うという点もありますが、もう一つは外部から研究員が入ってくるということは研究体の老化を防ぐ、こういう観点からも非常にいいのではないか。なおまた研究員の教育にもなる、こういう意味で各方面から客員研究官をお願いしております。現在十二、三名おります。 その次に研究会というのがございます。運営会議は飛ばしまして三ページの上でございます。これは研究課題の遂行上、難問を解決するためにこういうものを置いたわけでございますが、ある研究を進めていきますと、どうしても解決できない問題が出てくる。その場合にはその道の一番の権威、そのことをやっている一番権威の人を集めまして、人数は小人数にしまして、その解決を一生懸命相談してもらう、そういう意味の研究会でありまして、これも各大学その他から相当見えて御協力願っております。 それからもう一つは運営会議。これは無機材質関係の学識経験者で、そして研究所の所員ではない方、これを十二名ほどお願いして、研究のいろんな問題、課題の問題、成果の問題、あるいは運営の問題についていろいろと相談し、また各方面との調整をはかっております。 最後に試料の提供という点がありますが、研究で得られた試料は、純なものができますと非常に貴重なものでありますために、各方面ともなかなかつくるのに骨が折れますので、いいものができた場合には、御要求があれば各方面にこれを分かって研究してもらう、こういうことでございます。 次に研究の概要は、さっき申し上げましたように無機材質の研究をする。その研究をするためには、四ページに(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)とたくさん書いてございますが、こういういろんな研究を基礎的にしなければ解決できない。研究者のめいめいは、とにかくこういう問題に対して相当な自信を持った人でなければならぬということでございまして、こういう研究を土台といたしまして新しい材質の創製、研究に取りかかっているわけでございます。 そうしまして、この研究所の仕事は各グループになっておりますが、横のほうでは合成関係、つくるほうと、できたものがどういう組織、構造を持っているかということを見るほうと、そういうものはどういう物性を持っているか、物性方面の人々がおります。縦のほうは各グループが固定しないようにしてございますが、横のほうは流通をよくするために、組織、構造あるいは合成、それから物性関係が自由に行き来をするように、風通しよくしてございます。 それから五ページの機構の大綱でございますが、これはここにございますように、各研究グループは現在八つございます。大体これは大蔵省のほうでこれしかないということで九人にきまったかっこうでございますけれども、各九人、企画課が六人、総務課が十五人、それから併任研究官二人、客員研究官が十一人で、合計九十四人でございますが、将来は十五グループぐらいお願いしたい、こういう希望でございます。人数も最初は四百名くらいというのが皆さんの設立のときの希望でございました。 それから予算は、今年はそこにございますように、四億五千三百万円。この中で、人当経費、人件費、それから研究設備整備費が一億三千六百万、それからその下の研究学園都市移転事業とありますが、私のほうで超高圧の装置をつくりました。これは非常に大きなもので、現在借家住まいでございますので置き場がない。そういう意味で、行く行く筑波に移るものならば筑波に建てたほうがよかろうということで、そこに実験棟を建設する、この費用として一億五千五百万。 それからその次に、主なる研究テーマとその概要というのがございますが、これは九ページにございます、主なる研究成果、このほうと重複する点もございますので、あわせて大体概要をお話し申し上げてみたいと思います。 一番の炭化珪素に関する研究と申しますのは、炭化珪素というのはSiとCの化合物でありまして、これは天然にはございません。人工でございます。このものは研摩材、あるいは耐火材料、発熱体、こういう面に広く使われておりますが、この炭化珪素は非常に結晶の形態が多いのであります。五十五、六、六十近い結晶形があります。ところがその結晶形が違いますと電気的その他の性質がだいぶ違ってまいります。そこで、もしこういうまじりけのない単結晶ができましたならば、これが電気的な半導体その他に非常に有望ではないか。現在もシリコン、ゲルマニウムは二百度以上は無理でありますが、これを使いますと五百度までいく、しかしその単結晶はどこでも成功していない、こういうことで、その単結晶をつくろうじゃないかということで始まりました。 もう一つの仕事は、最近ウイスカーといいまして、ネコのひげ結晶と申しますが、一ミクロン前後の非常に小さいひげでございます。これは非常に強度が強くて、一平方センチに対しまして二百トンぐらいの強さを持っております。ですから洗たくものを干すひもぐらいのもので二十トンぐらいの貨車がつれるというような強さでございます。これは日本でも昔私ども小さいうちに見つけたのでありますが、何しろ当時は測定装置がないためにその強度をはからなかったということがミスでございますが、そのように非常に強い無機の繊維ができた。で、私のほうでもSiCのウイスカー、ひげ結晶をつくっております。これも大体でき上がりました。 それから単結晶のほうはどうかと申しますと、単結晶は現在三ミリぐらいの大きさのものができております。五ミリもできますが、五ミリになると実用化されますけれども、およそ一万円ぐらいだと申しております。何しろ二千七百度という高温で操業しますため金がかかりますので、なるべく時間をかけないように三ミリにとどめておりますが、五ミリぐらいもできる予定でございます。非常に純度がよくて、GEのものからするとちょっと窒素が多いのでありますが、もうしばらくしますと大体落ちつくだろう、その辺まで参りまして、この研究は世界的には大体そうひけをとらないレベルまで参りました。これはみんな一緒になってやったおかげだと思います。このものが将来そういう発光ダイオードとがいろいろな半導体方面に活躍することだろうと思います。なお、この研究が従来のカーボランダム関係、SiC関係の工業に対する貢献も大きいと思います。 それから二番目の酸化ベリリウム、これは非常に熱伝導のいい材料でございまして、しかも熱の急変に強い、そういう材料でございます。その材料はまだ十分にいいのができておりません。そこでここでは、そういうBeOというものの単結晶だとか多結晶体をつくり上げたい、しかもその純度を上げていきたい、こういうことで高純度の原料の調製とか単結晶の作成、焼結などの研究をいたしております。大体そういうものもできてまいりましたが、何しろこれは毒性があるもので、まだバラックの借家でございますためにその設備が十分できませんもので、何かと支障を来たしておりますが、だいぶこの研究も進んでおります。まだ研究して一年ぐらいしかなりませんが……。 それから次の酸化バナジウムの研究、これはVO2を中心としたVとOの系の平衡図の決定、それからいろいろな合成をやっております。このものは、触媒とかあるいは窯業製品の中にこれが不純物と入り、あるいは添加物と入りますと非常におもしろい働きをいたします。いい性質、悪い性質が出てまいります。そういうものがわかりません。電気性その他もあります。そういうことからこの遷移元素と申しますか、鉄とかいろいろなものが入りまして、これが鉄系統になりますというとフェライトになりますが、そういう一連の研究と関係ありまして、VとOとは化合の比率が違ってまいります。そういうものをみんな一緒くたに考えておりますが、ここではそういうVO VO2V2O5も、その酸素の化合物がたくさんありますが、その幾つかのものをしっかりしたものをつくって、その本性をきわめていきたい。そうして他のものとの組み合わせをつくっていきたい。だからV−O関係の純粋なVとOとの比率のわかったものをつくること。もう一つは、そういうものと他を添加しまして、ちょうどフェライトと同じように鉄のかわりにバナジウムを置く、そういうふうな化合物も考えておる状態でございまして、これは大体そういう純なものができてまいりました。まだそういう電気的な性質のものまで得ておりませんが、いずれそういう磁性材料その他ができてくると考えております。これはなおV以外の遷移元素にも共通のものでございまして、この研究によって他のものが自動的に解決される点が多いだろうと思います。 それから、窒化アルミニウムというのは窒素とアルミの化合物でございますが、このものは耐火材料として非常に熱の急変に強い。それから侵食に強いという点がありまして、将来有望であります。なお、この薄膜として絶縁性が非常にいいので、強固な膜ができるというと、これはICなどの絶縁膜として非常に有効でありますが、その作成が、やっておりますが、なかなか困難でございます。それから螢光体としては従来の硫化亜鉛に匹敵する明るさを持っております。ですから電気を光に変えるテレビその他の材料としては将来有望でございまして、これもいろんな研究を進展しつつあります。将来のこととしましては、ICとかそういう方面に単結晶、薄膜を使って、もう少し機能素子の精度を上げていきたい、こういうふうに考えております。現在窒化アルミは高純度のものができておりまして、九九・七%、この程度までいっております。それから単結晶の合成もできましたが、薄膜のほうは、できてはおりますけれども、まだまだ研究の余地があります。 それから硫化鉄は、これは害Fe−S、十ページの上のほうでございます。これは磁性材料、そういうもののねらいが主体でございますが、ちょうど私のほうの研究員が司Fe3S4、グレギットというものを発見いたしました。このものはどういう性能があるかと申しますというと、ちょうどフェライトに似ておりますが、残留磁気がない。そういう残留磁気がないということは電子計算機の記憶装置その他に非常に望まれておりますので、その方面の利用を考えているわけでございますが、何しろ合成の純度がまだ九〇%近く。ですから純度を上げることと、もう一つは普通の状態ではつくったものが不安定でございます。これをどうして安定化するか、そういう問題と取り組んでおりますが、このほうは業界その他に十分御相談して進めていかなければならない問題だと考えております。これもまだ一年たっておりません。 それから次の鉛ペロブスカイト、このものはいろんな要素があると思いますけれども、大体強磁性あるいは強誘電性のものであります。なおこの単結晶は光を通しますので、レーザー関係の電子結晶体と申しますか、レーザーが入ってまいりますと、そこに入りますとそこである程度たくわえて新しい光を出していく、こういう方面で新しい通信方面の利用も出てくる材料ではないか、こう思います。ところがこういう鉛ペロブスカイトというのはPbと、Mのところにいろんな金属が入りますけれども、O3であります。なかなか常圧ではできませんので、高圧を使わなければならない。ところが幸い高圧装置が入りましたので、これをもって強力に進めていきたいというわけで、いま恥と酸素の系統から進めて、行く行くはこういうものの合成を進めていきたいと思います。これもおそらく七十ぐらい化合物がありますけれども、世界的にわかっているのはまだ十ぐらいだと思います。 そういう状態でございますが、そのほか今年度に入りまして、炭素と、酸化ジルコニウムのグループができました。これは目下研究計画を練っておりまして、近くスタートするつもりでございます。 以上のように、私の研究所はわずかに三年しかたっておりません。しかも最初の一年は借家住まいで、しかも道具が入らない。ほとんどできません。移転を始めまして、いま駒込のほうに借家住まいしておりますが、その借家住まいのところが狭かったり、いろんなことでまた隣を借りたりしまして移動もいたしましたが、最初のSiCグループというのが約二年足らず、それから第二、第三、第四グループは一年半あとのグループはわずかに一年くらいの間でございます。したがいまして、ここで申し上げるような、金材研みたいなたくさんなレポートや特許というものはあまりありませんが、報告は相当得ております。 以上の状態であります。
○三木(喜)委員長代理 以上で説明の聴取は終わりました。 —————————————
○三木(喜)委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。齋藤憲三君。
○齋藤(憲)委員 金材研の河田所長並びに無機材質研究所の所長さんにいろいろお話を承ったのでありますが、何ぶんお話しの映像、その映像を写す鏡が非常に小さいものでありますから、貴重のお話、どれほどたくさんの課題がありましても、私のほうではなかなかわからないところがたくさん出まして、御質問申し上げるのもいかがかと存じますが、せっかくのお話を承ったのでございますから、二、三、しろうとの立場でお伺いいたしたいと思います。 この技術革新時代における一番大きな問題は、新しい材質が見つかるということ、しかも一つの新しい材質をいかに活用していくかということが技術革新の大きなテーマであって、これの見通しはなかなかきかない。材質の見通しに対して十年先のことを想定し得る人というものはなかなかいない。でき上がったコンピューターの十年先のことというと大体これは見当がつく。あるいは交通機関に対する十年先の見通しというものは大体見通しつく。しかし材質だけはなかなか見通しつかぬということをよく聞いておるのでありますが、いまの金材研の所長のお話を承っておりますと、金材研は設立をされましてから十数年、もう予算も百億を突破したはずでありますから、その内容も非常に充実したと思っておるのであります。 ただいまお話を承りますというと、何か非常に主力を製鉄に向けられておるような感じがするのでありますが、この製鉄の目標は一体どういうふうにお感じになっておられるのですか。たとえて申しますと、いまの高炉法では、技術革新時代における鉄としての材質には欠陥が多い。これをもっと非常に高度化した品質のものにつくり上げなければならないというふうな観点から、いまここでやっておられる研究を実行しておられるのか、それともこの連続製鋼法というものを経済的に持っていこうという立場からやっておられるのか。量的に考えて研究をやっておられるのか、質的に考えて研究をやっておられるのか、どちらでございますか。
○河田説明員 私どもの研究所では、鉄と鉄以外の非鉄と両面ございますが、研究者の数から申しますと非鉄のほうが多うございまして、たぶん四〇、六〇くらいの割合になっておると思います。一方、設備並びに予算から申しますと鉄鋼のほうに六〇、七〇でございまして、非鉄のほうが四〇か三〇くらいの割合でございます。これは創立当時からいろいろのいきさつもございますが、大体鉄鋼関係の研究をいたします設備は大型の設備がよけい要りますので、どうしても予算その他は多いものを投入するようになったのだと思います。しかしながら、実際に日常われわれが使います材料は普通、量的には鉄が多うございますが、いろいろな目的から考えますと鉄以外のもののほうがはるかに多いわけでございまして、研究者の数その他は非鉄のほうが多くなったものと思います。 しからば、一体質の向上を第一目標にするのか、量の向上を目的にするのかということでございますが、鉄鋼に関して申しますと、一つは日本の資源の問題がございまして、近い将来粘結炭その他の入手が非常に困難になってくるのじゃないかということがございまして、そういったことに備えました研究というようなことで、先ほど申しました特別研究の二番目のようなものが出てきたわけでございます。しかし、大体におきまして、鉄の研究でわれわれが重点を置いておりますのはやはり質の向上でございまして、研究員の数その他から申しましても、いわゆる鉄鋼材料の質の研究に対する人数のほうが倍ぐらいおるわけでございます。 なお、先ほど御指摘の連続製鋼の研究でございますが、これは量の問題に対する研究でございますけれども、たまたま研究者が非常に新しい着想をいたしまして、そういったことが、われわれから考えましても鉄鋼の製造法の将来の合理的な操業法の一つのイメージと考えましたので、現時点におきましてはこれに相当の予算を投入しておりますけれども、私どもが本来の目的といたしますのはやはり質の向上でございます。
○齋藤(憲)委員 この連続製鋼技術に関する研究のいまのお話でございますが、質の研究ということになりますと、日本で一番大きな欠陥を是正するという研究目標になると私は思うのであります。七ページの表の研究テーマ、一番上に連続製鋼技術に関する研究、研究目的は「溶銑を多段式樋型製鋼炉中を流通させながら酸素吹精を行ない、」云々と書いてあるのですが、これは原料は銑鉄からいくのですか。
○河田説明員 さようでございます。銑鉄からでございます。
○齋藤(憲)委員 それから二番目の予備還元原料を用いる新製銑技術に関する研究、この予備還元原料を用いる新らしい製銑技術というのはどういうことですか。
○河田説明員 ペレットと申しますのは、先ほど申しましたように鉄粉を固めたものでございますが、鉄粉は酸化鉄でございます。これを固めました上で、あるいは水素の気流中を流しましたり、あるいはペレットにいたしますときに、その中に、炭素でございますが、還元材を一緒に入れまして固めまして、これを加熱いたしまして還元いたしますものを予備還元と申しますが、これを原料といたすわけでございます。こういったものは、純粋の鉄鉱石から還元いたしますよりは、半分くらい還元されておりますもので、その後の溶鉱炉その他の中での還元が非常に短くて済むだろうというふうに考えます。そういたしますと、溶鉱炉の中にたくさん積まないで、溶鉱炉のシャフトと申しますか、炉の高さを短くいたしまして、反応が起きている時間が短くても済むのじゃないかと思います。そういたしますと、そのために溶鉱炉の底部に挿入しますコークスが節約になるんじゃないか、そういった考え方でこういった研究をしております。
○齋藤(憲)委員 しろうとの質問ですからはなはだお気の毒に存ずるのでありますが、これは上欄の、銑鉄を原料として多段式に連続製鋼に持っていく、それには酸素を吹きこんでカーボンをとつていく、それで鋼鉄をつくる、これはよくわかるのです。しかしこっちは予備還元を行なって、ペレットをつくっておいて、そして電気炉で溶かしていくのに、どうして一体「銑」の字を使わなければいけないのですか。これはカーボンが入らぬから銑鉄にならぬわけでしょう。すぐ直接製鋼にいってしまうわけでしょう。ですから、わざわざ予備還元を行なったペレットを電気炉で溶かしていって一これはおそらく炭素の含有量は〇・〇二ないし〇・〇三ぐらいにとどまっていくんじゃないですか。だから、これは銑鉄の過程を通らないで、銑鉄のように、一ぺん入った炭素をまた酸素とかあるいはくず鉄を入れて一%以下に引き下げるという、あの工程を省略するから、ここで品質というものが構成されていくんだ、そういうふうに私は考えておったのですが、銑鉄の過程を経ていくのならば鋼鉄の品質というのはぼらないはずなんだ。だから銑鉄の過程を経ずして直接製鉄にいくんだ、直接製鋼にいくんだ、そういう多段式の連続製鋼法でもって、予備還元をやったペレットを使うんだというのなら、私は非常に大きな期待をかけて、金属材料技術研究所から日本の将来を支配する優秀な、スウェーデン鋼に匹敵する鋼鉄が生まれる、そういうふうに考えてもいいんですけれども、相変わらず銑鉄の過程を経るんだということになったら、私はやはりその研究というものはある意味においてはナンセンスではないか、そういうふうに考えるのですが、所長としての御意見ありますか。
○河田説明員 一番の連続製鋼でございますが、これは、溶鉱炉から出ました銑鉄を非常に合理的に製鋼しょうというのでございまして、いわゆる普通の、現在の製銑製鋼という技術を、その反応の原則はそういったふうな進め方をすることを認めました上での合理的な方法ということでございます。 第二のほうは、予備還元原料を用いますというのは、これは予備還元いたしましたペレットを原料といたしまして、それからはがねをつくりますのにいろいろな方法が考えられるわけでございまして、ただいま齋藤先生のお話しのように、それを電気炉へ入れまして、あるいは将来はこれを直接水素還元いたします方法もございますし、またもう一つの考え方といたしましては、現時点でいろいろいわれております強粘結炭の問題に結びつけた、要するに溶鉱炉の中の反応は持ちますが、溶鉱炉の形がずっと現在とは違いまして、その溶鉱炉の中の反応も現在とは非常に異なった反応をさしていく、しかしながら一応その途中の段階ではやはり銑鉄の過程を経るという二つの方法が考えられるのでございまして、現在私どものやっておりますのは、その現時点の溶鉱炉を非常に変えた形で一応銑鉄の段階を途中で通るという方法を、これはこの年度の研究といたしてやっております。しかしながら将来におきましては、ただいま先生のお話でありますように、これを、この還元ペレットを直接に水素でさらに還元してしまう、あるいは電気炉に入れまして直接に製鋼してしまうという研究のほうに進めていきたいというふうに思っております。現時点ではここに書いたようなことでございます。
○齋藤(憲)委員 その問題は、私もしろうとですからよくわかりませんからこれくらいにいたしますが、スウェーデン鋼はウィベルグ法でもスミス法でも、結局還元材料を用いてそして直接製鋼に持っていく、ですから最初から炭素が入らぬと私は聞いているのです。〇・〇二%くらいの炭素だ。ですからいわゆるバージニティというものは保存されるわけですね。それで〇・七とかあるいは一・二とか、そういうところまで炭素を加えていく過程において、他のバナジウムとかモリブデンとかタングステンとかを入れていくのですから、これは非常にすなおな特殊鋼ができていく。ですからそのベースとなるものがやはりいまの銑鉄の過程を経たのでは、私から申し上げるまでもなくこれは釈迦に説法ですけれども、どうしてもそれは思う存分優秀な特殊鋼というものはつくれない。ここにスウェーデン鋼が世界を征覇したところの原動力があるのだと思います。それを知りながら、いままで日本というものは直接製鉄法をやらぬのです。 私は、日本の鉄を中心とした、技術革新のキーポイントであるシャフトであってもあるいはナットであっても、もろく醜態をさらけ出すのはこの材質にあるのだと思うのです。その材質を是正して、日本の製品というものはあらゆる点において優秀であるという、そのベースをつくるのが金属材料技術研究所設立の趣旨なんです。ですから私は、いまのように大型溶鉱炉ができておって、酸素製鋼だとか転炉だとかいろんなことをやって、あのマンモス高炉から一日に何千トン何万トンと出てくる銑鉄、あれをいじくるような研究というものはもうやったってナンセンスだと思うのです。それよりも、世界最優秀のスチールというものは一体何であるかという研究をやっていただいて、これを確立して、経済ベースで大量生産の体制をつくり上げ得たときに、初めて鉄というものに対する技術革新が行なわれるのじゃないか、そう考えておるのですが、私の考えは間違いでしょうか、どうかひとつ御高見を拝聴いたしたいと思います。
○河田説明員 先生のお考え一々ごもっともでございまして、できるだけそういった考えで進めたいと思っております。しかし、現時点で研究者の養成とか育成とか、そういった問題もいろいろございますもので、長い目でそういった方向に向けていくように努力いたしたいと思っております。
○齋藤(憲)委員 あの日本刀は、結局方々の砂鉄をもって玉はがねをつくって、そうしてふいごでもって赤めて向こうづちでもって打っていく、一種の粉末冶金ですね。メルティングポイントの直前まで持っていって、そして鍛え込んでいく、いわゆる焼結させていくわけですね。しかもこれはあくまでも最初から炭素を入れていかない。いわゆる炭火でふいごにかげながら湯かげんでもって適当な炭素量まで体験的に持っていく。そこに日本刀の優秀性があるということを聞いておるのです。いま安来で日立金属がやはりウィベルグ法でもって、砂鉄を原料として海綿鉄から特殊鋼をつくって、これが日本における最優秀のはがねだということを私は聞いておるのです。 私、これはひとつきょうここへおいでになった機会にお願い申し上げておきたいのですが、この金属材料技術研究所には、拝見いたしますと相当大規模の連続製鋼研究の施設がおありだ、こう思うのです。ここでひとつウィベルグ法かスミス法か、いわゆる一酸化炭素でもいいし水素でもいいし、還元ペレットをつくって、そうしてエル炉で溶解して直接製鋼をやってどういう鉄ができるかということの研究をやっていただいて、はたしてスチールというものの本質はどこにあるのか、どれだけいいものをつくればいまの世界的なレベルに達するかという研究をしていただきたいと思うのでありますが、そういう御構想のもとに昭和四十五年度の予算要求をなさる御意思はありますかどうか、ひとつ伺っておきたいのです。
○河田説明員 四十五年の概算要求はすでに科学技術庁に出してございまして、その中にはただいま先生のお話しのようなものはございませんけれども、私ども四十五年度の一般研究費がございますので、その中からただいま先生のお話しのような方面の研究を強力に推進したいと思っております。
○齋藤(憲)委員 これは御関係があるのかどうかわかりませんが、いま原子力の世界におきましては濃縮ウランの問題が非常にやかましくなっております。ガス拡散法、これはニューセラミックスの、山内所長のほうの分野にも関係あると思うのでございますけれども、遠心分離法ですね。遠心分離機の大体の目安というものは一分間に二万回転、しかし二万回転じゃ足りない、これを一分間に二万五千回転に上げ得られればもっと遠心分離法の効率というものは上がるだろう、欲をいえば三万回転に上げたい、しかし材質がもたぬ、こういうのですね。おそらく私は、西ドイツ、オランダ、英国が、三国共同でもって遠心分離法に踏み切ったというのは、そういう遠心分離機の回転を上げられる材質ができたのじゃないか、そう考えるのです。 そういう点からいきますと、どんなに大きな技術革新が行なわれようとしても、材質の面で劣っておったのではこれはものにならないということは、私から申し上げるまでもないことだと思うのです。何でも、テレビで聞きますというと、今度のアポロ11号の全体の部品というものは一千二百万個だと、こういっておるのですね。それが九九・九九九九、シックス・ナインの確率を保つところにアポロ11号の成功率のベースがあるんだということをテレビで聞いたのです。 そういう点からいきますと、日本の材質というもの、いわゆる日本の技術革新というものは量的に見ているのか質的に見ているのかというと、技術革新は量的じゃないですよ、これは。質的から入ることは常道であって、質を度外視して技術革新というものはあり得べからざることなんです。そうしますと、金属材料技術研究所の任務というものが、これはたいへんなことになってしまうということですね。オーバーな言い方かもしれませんが、技術革新における材質の検討ということからいけば、世の中にたくさんの国立研究機関はあるけれども、金材研の帯びておるところの任務以上の大きな責任を負うているところはない、こう思うのです。 しかも、いまは鉄文明ですから、何といったって一番大きなウエートは鉄にかかっている。その鉄が、日本の材質というものは世界の鉄に比較するというと非常に劣等感を感じなければならぬ。第一、かみそりの刃一枚にしてもそうですね。英国のかみそりとか、あるいはアメリカのシック、そういうものは、われわれ残念ですけれども、毎朝使って二十回、三十回というものは切れるのです。自動車の欠陥車にいたしましても、やっぱり鉄の材質というものに大きなウエートがあるのじゃないか、そう思うのでありますから、どうか鉄に対して十分成果のあがるような研究をやっていただきたい、これをひとつお願い申し上げたいと思います。 あとはあまり私知識がございませんからあれですけれども、ただここにもう一つこれはお願い申し上げておきたいのは、この研究題目の六に、金属粉末の製造並びに焼結加工に関する研究というのがございます。もしデータがございましたらちょうだいいたしたいのは、金属粉末ですが、これは向こうで特殊の金属粉末をおつくりになるのですね。そうして、それを今度は温度を加えてプレスするのですか、そして板をおつくりになる。この粉末の大きさと温度と、このプレスして板になる、その関係のデータがございましたらひとつちょうだいいたしたい。というのは、たとえば〇・一ミクロンないしは〇・五ミクロン程度の小さな鉄粉でありますというと、焼結温度が大体四百度か五百度ということを聞いているのです。これが大体五十ミクロンくらいになりますと、やはり焼結温度は千二、三百度にのぼっていく。同じ鉄粉でも微粉末の程度によって何百度と焼結温度が違うということを聞いておるのですが、ここにあらわれた金属粉末の大きさと焼結温度、それと、プレスすると板になる、その状態に対する何か参考書類があったら、ひとつこれをお願いいたしたいと思います。ちょうだいできますか。
○河田説明員 最後の粉末冶金に関します資料は、先生のほうへ提供させていただきたいと思います。 それから、初めの問題でございますが、遠心分離機をつくりますための材質として、日本のものが非常におくれているという先生のお話でございますが、まさにそのとおりでございまして、日本の材料というものが、量的には非常に世界の高い水準を確保しておりますが、質的には先生のおっしゃるとおり非常におくれておるわけでございます。私どもといたしましてはこの問題に、先ほども申しましたけれども、相当多くの人数を鉄鋼といたしましては投入いたしております。ことに遠心分離機でございますとか、あるいは先ほどお話しのアポロ11号などのロケットのモーターケースでございますとか、そういったものはいずれも非常に引っぱりの強さの高い材料でございまして、われわれはこれをどうしてもすぐれたものをつくらなければいけないと思いまして、ここに書いてございますが、一般研究といたしまして超強力鋼に関する研究というのを昨年度までやってまいりました。これを四十五年度の特別研究といたしまして、概算要求のほうでいまお願い申し上げておる段階でございまして、そういうことを通じまして、まず強い——はがねというのは強くなけれぼ意味がないのでございますから、強いはがねをつくるという研究に一方努力しております。 もう一方、欠陥車のお話が出ましたけれども、日本の材料は、とにかく何かあると弱いのだということでございますが、いろいろと材料に基因すると思われます事故も続発しておりますので、私どもといたしましてはその原因が何であるかということなんでございます。いろいろの原因があると思いますが、一つの大きな原因は材料の疲れ、疲労によるというふうに思います。この疲労に関しますいろいろな試験研究というのは、これは日本の鉄を使いますいろいろな工業の非常に広い分野に大きな影響がありますので、私どもといたしましては四十四年度からこれは強力に推進いたすということにいたしまして、幸い四十四年度は予算をお認めいただきましたので、引き続き三カ年計画でこれを強力に推進していこうと思っております。 このように、私どもはとにかく強いはがねをつくるということが一つ、もう一つは、その弱点でありますところのいろいろな性質につきまして深い研究を進めていきたいというようなことで努力いたしておりますので、ひとつ先生の御指導をお願いいたしたいと思います。
○齋藤(憲)委員 あまり時間が長くなりますから、今度は無機材質研究所の山内先生に、これは全く私わからぬ世界でありますからたいへんに失礼なことを申し上げるかもしれませんが、まだこの設立を見ましてからわずか三年しかたっておらない新しい研究所において、非常にたくさんのテーマを取り上げて奮闘しておられます御努力には心から感謝を申し上げるわけでございます。 これは、しろうとながらこのお書きになりましたテーマを拝見いたしますと、広範多岐にわたる世界ですね。一言にニューセラミックスという中には、われわれが最初にぴんとくるやつは耐熱材、断熱材、これはいま、先ほどお話しになりましたSiCで、最高どれくらいの温度に耐える材質のものができておりますか。それから酸化ベリリウム、こういうものでどのくらいの温度に耐える材質のものができておりますか。
○山内説明員 いま高温の耐熱材料のお話がございましたが、SiCが大体二千八百度ぐらいで溶解いたします。ですから、大体現在安心して使えますのはせいぜい二千度ぐらいじゃないかと思います。それも表面コーティングいたしまして酸化いたしますものですから、SiのCが燃えましてSiO2になってしまいますから、その他に割れが入ったりいたしまして、耐火材としては長期の用途に耐えないという点もあります。しかしいま現在耐火材として使えますのは、もしその酸化による劣化がなければ、これは非常に優秀な腰の強い、温度に対しても非常に高い温度に耐える、急変に対して強い、非常に優秀な材料ですけれども、残念ながらSiCさのCが燃えますので、酸素気流中ですとやはり劣化いたします。それを防ぐためにいろんな、表面だけの問題ではなくて、添加物を加えまして酸化防止の研究をいたしております。大体そういうもので現在安心して使えるのがせいぜい千八百、九百度くらいじゃないかと思っております。一番危険なのは千百度くらいなんです。千百度を過ぎますと焼き締まりますので酸化が少なくなりますし、また中に添加物を加えておくと、その添加物の種類によっては酸化したSiO2とくっついて表面に被膜をつくるので、酸素が中に入らない。だから酸化が大いに防げます。そういうくふうが要りますけれども、温度に耐えることは二千二、三百、四、五百に耐えるわけでございますが、実際の用途はその辺でございます。 それからBeOにつきましては、これは耐熱材料として——耐熱と申しますと、これは熱の急変に耐えるという意味でございますが、大体千五百五十度くらいの溶融点を持っております。しかしこれは、一番のねらいは熱の伝導が非常にいいのです。高温になりますと、ちょうど金属の銅くらいに匹敵する伝導があります。そういう意味で、そういう熱伝導のいいものは無機材質としてはほとんどほかにないものですから、どうしてこういうものがそんなに熱伝導がいいのかということを調べることは一つの問題でもありますし、なおこれがそういう高温耐熱材料として焼結あるいは単結晶としてどうなっていくか、この辺はまだ十分な研究がないものですから、全く未開発の問題でございますから、これからデータを出すことが必要と思います。 私ども一番考えておりますのは、こういう材料をつくることよりも、できたものの純度とそれによる物性の測定——物性の測定によって新しい用途が開拓されますので、何を目当てにということでなくて、まず私のほうではその物性を十分調べて新しい用途に向けていこう、こういう考え方をしております。ですから、焼結材といたしましては二千度に耐えますけれども、何せこれは毒性がございまして、これを吸いますと肺炎症状を起こしますものですから、非常に懸念される材料であります。おそらく原子力の炉心部の熱伝導のいいところなんかに使えていくのじゃないかと思いますけれども、そういう用途で、熱のほうの用途も非常にいいのでありますが、そういう熱伝導がいいとか熱の急変に耐える、そういう意味でこの材料は有望だと思っております。
○齋藤(憲)委員 お話しのように、各元素が持つ物性による特性というものの追求、これはたいへんな世界だろうと私は思います。そういう専門的になると私もよくわかりませんが、窒化アルミニウムの薄膜をおつくりになるときは、これは真空蒸着ですか。
○山内説明員 現在は真空蒸着をやっております。ところがなかなかうまくいきませんで困っております。ですから、この薄膜ができますとさっき申し上げたように非常に用途が広いですから、何とか真空蒸着の方法以外でいい方法というわけで、新しいものを計画しております。そうしてこの薄膜をつくって、電子工業方面に活躍させたいという野心はあるのですが、これもやはり物性をよくはかってみないとわかりません。さっきおっしゃいましたように、その材料の将来というのは、そういう物性の測定によって全く新しいものを発見して出てくるので、われわれの予想を裏切る場合が非常に多いと思っております。ですから私のほうでは、何に使えるという概念を先に入れるよりも、物性をはかって、どういう方面に使えるかということを業界やその他の方々と御相談したほうが早いのじゃないかと思います。
○齋藤(憲)委員 私、三、四年前に日本化学工業という雑誌でしたか、読みましたら、アメリカのある会社が、自動車の一酸化炭素を除去するために三千種類の触媒の検討を加えておる。それはもういまのお話しのように、全部物性による特性に重点を置いて触媒作用を調べて、そのうちから四種類を選んで、アメリカの自動車の排気ガスから一酸化炭素をなくする仕事を始めた、こういうような記事を見たのであります。これはいろいろな分野において非常に大きな研究テーマ、それから多種多様な研究テーマがおありだろうと思うのでありますが、その重要性にかんがみて、われわれもできるだけの御助力を申し上げたいと思いますので、ひとつ不断の研究を継続されるようにお願いいたしたいと存じます。 過日、私ある職場で、ドイツ人が電気炉をつくっているところにぶつかったのです。私はそこで、つくっている会社の連中に、なぜいまごろ電気炉をドイツ人なんか雇ってきてつくっているのだ、こう聞いたら、断熱材が全然違うというのですね。どのくらい違うかと言ったら、私、耳を疑ったのでありますけれども、ドイツの電気炉を使うと電力量が三分の一で済むというのです。ドイツの断熱材を使うと、まあ組み立てにもよるのかもしれないけれども、その電気炉のわきを通ってもほとんど熱さを感じない、日本のやつは熱くてたまらぬというのですね。ですから、このニューセラミックスの世界においても、窯業というものをそういう点から考えて、これは非常に大きなことです。三分の一で済むというのか、三分の一違うと言ったのか、ちょっとそこはわかりませんけれども、もし三分の一電力量が違っただけでも、日本全体から考えると膨大な電力の空費をしているということになるわけですね。一つの窯業の世界においてもそれだけの影響があるのでありますから、こういう世界においてはこれはたいへんなことなんですね。どうも私はしろうとながら痛感するわけであります。ですから、私はお話よくわかりません、正直なところ、単結晶はどうのこうのとおっしゃってもよくわかりませんが、重大なことだけはわかるような気もいたしますので、十分ひとつ御努力をお願いいたしたいと存じます。 ただ、最後に一つ伺っておきたいのは、新材質の創製ということばを使っておられるわけですね。クリエーションですね。このニューセラミックスの世界というものは、いろいろな材質、無機材質を集めて、こうやって組み立てて、こねたり焼いたりして新しい特性を出そうという分野が非常にたくさんあるかどうかということと、もう一つ伺っておきたいのは、主なる研究の中の五番目のFe−Sです。Fe3S4、グレギットというものは、自然界にこういう形であるのか。こういう形をおつくりになって、これが非常な特性を持っておるということを発見されたというのですか。これは新たに発見した化合物——自然に化合物として複雑硫化鉱のようなものもありますけれども、自然にこういう形で存在しているものを新たに発見したというのですか、おつくりになったというのですか、どっちなんです。その二点、ひとつ……。
○山内説明員 先ほど、無機材質は非常にわからないが大事なものだ、大いにやれという激励をいただきましたが、御協力をお願いしたいと思います。 それから、ただいまの御質問ですが、第一点は創製ということ、これは、創製ということばは新しいものを見つけるというような意味で使っております。これはつくるときに検討委員会がきめたことばでございまして、私がつくったことばではございません。しかし私も参加しておりましたが、要するに無機材質のほうでは、たとえば材料としてさっきおっしゃいましたように、非常にドイツの断熱材がよかったとおっしゃいましたが、日本でも現実には、最近の酸素転炉、あの仕事というのはおそらく、河田所長もおられますけれども、われわれの関係の炉材がよかったという点に大きな功績があるんじゃないかと思います。これはドロマイトですか、世界的に優秀な炉材でございまして、それで初め二百回のが三百回、四百回、五百回、六百回、七、八百回、千回くらいまでいっております。それくらい材質が上がってまいりました。これなんかも新しい材質の創製になります。私どものほうはそうしていろいろなものを、必要に応じていろいろなものをまぜてつくるということもやらなければなりません。そしてその中から新しいものを見つけることもやらなければなりませんが、一面からは基礎的に掘り下げて新しいものをつくっていこう。なかなかしかし、頭が幾らよくても、これは合成するためにはそう簡単にまいりませんので、結局はこねまぜと頭のほう、理屈からと、両方からいかなければならぬと思っております。 要するに、無機材質を考えてみますと、現在の無機材質の範囲を広げまして、過去におけるフェライトとかステアタイプとか、そこら辺までまいりますと、これは創製という点はなかなかむずかしいかもしれませんが、他のアルミナ以外のものはほとんど純物はないのでございます。非常に純度が上げにくいです。たとえばある原料を持ってきますと、天然じゃいけませんから合成したものを使いますと、合成したものが純でありましても、途中のこねまぜの間に入ったり、あるいは調合の間に入ったり、あるいは手のあかがついたりして純度が下ったり、窒素が入ってきたり酸素が入ってきたり、なかなか純度が上がりません。ですから、この純度向上ということが金属ほど簡単な操作でないわけでございます。ですから高純度材質をつくるということは、結局なるべく純度の高いものをつくって、再現性のあるデータを出して、それをもとにして添加物を加えて性能の変化をはかっていくというのが一番りこうである。こういう意味で、大体過去においてできたものもつくるかもしれませんけれども、なるべく新しい材質をつくっていきたいというのがねらいで、そういう意味で創製ということばを使っております。ことばが少し穏当でないかもしれませんが、そういうことを目標にしております。 そういうことが結局は業界におきましても非常に希望されておりまして、普通のことはできるけれども、根本の解決になってくるとどうしてもその基礎がわからないから困るのだ、だから研究体が非常に弱いので、そういう基礎的なものはデータをなるべく早く出してくれという要求もありますが、純なものをつくるということは創製につながるんじゃないか。純なものに添加物を加えていくということによっても新しいものができていくんじゃないか。ちょうど先生あげられましたフェライトの問題、あれも結局は最初はそうであったのですけれども、最後はいろいろな添加物を加えて新しい進展を見たと同じことであります。そういう意味で創製ということばを使っております。 それからもう一つの問題は害Fe3S4、これはどこでもなかったわけですが、ちょうど山口成文という、御存じかもしれませんが、理研におりました主任研究員、その人たちがFe−Sの研究をしている途中で、電子回折でもってえたいの知れぬものが出てきた。電子回折から結晶構造を判定してみたところが、どうしてもそれがFe3S4になるということで、電子回折の面から構造判定でもってきめたわけでございます。 これは新しい発見でありまして、その後それをもとにしてアメリカの鉱山でもそれが見つかりました。日本のたしか小坂でしたか、そこでもそういうものが見つかりました。世界の所々方々で見つかりましたが、非常に少ない量であります。ですから、発見は最初に山口君が発見した。そして世界的に有名になっておりますが、そのものの利用の道は考えていないわけです。それが最近はいろいろ研究を続けておりまして、Fe3S4という、ちょうどマグネタイトと同じようになりますけれども、ちょっとマグネタイトより弱いようであります。フェライトと同じ程度でありますが、残留磁気はない。残念ながらFe3S4は天然にないものですから合成する以外に方法がありません。天然にあるものを調べてみますとごく微量であって、天然のものはどうもカーボネートと一緒に共存しておりますと安定がよいようです。単独だとないようであります。非常に少ない量のもので、これはどうしても合成によって創製する以外にはない、そういうものであります。まだどこにも出ておりません。今後、関係の深いものですから、ひとつよろしくお願いいたします。
○齋藤(憲)委員 厚かましいお願いですけれども、もし何か参考資料がございましたらひとつちょうだいいたしたいと思います。 大体これで私のしろうとの質問は終わりますが、政務次官がせっかくおいでになっておられますので……。政務次官は非常に勉強家で、おそらく金材研も無機材研も御視察願ったと思うのであります。総理もアポロ11号に刺激されて、日本の宇宙開発は総合的に、セクショナリズムを打破して、積極的に宇宙開発に挺身する体制をつくるんだというようなことを閣議で発言したとかなんとか、新聞で読んだのですが、あれは結局私から申し上げるまでもなく総合力なんですね。日本はどれくらいの規模のものを打ち上げるのか、部品がどれくらい要るのか、その一個の部品の材質から検討していかなければ私は成功しないと思っております。 こういうことを申し上げると失礼ですけれども、十何年も前に、自衛隊の飛行機はなぜ落ちるかというサンデー毎日の収録があった。それを読んでみると、アメリカから飛行機を買ってきたときは落ちない。日本で部品を取りかえると落ちるという。それで、アメリカではどういう部品の検査をしているか調査をしてくれぬかという依頼を受けまして、私は昭和三十二年だかに、ニューヨークの近郊にある、軍のライセンスを持っている部品検査工場を見たのでありますけれども、これはものすごい検査をやっておりますね。こんなことをやられたのではどんなものでもとても耐えられないだろうと思われるくらいの部品の検査をやっている。たとえば新しい部品でもって主要部分を組み立てて、二十メートルもあるようなポールの先にそれを持っていって、下のコンクリートのところにどしんと落っことして、それで解体、部品のテストをやるのですね。飛行機だけでもそうです。そして軍でそれを一年使う。軍で一年使って欠陥のないものを民間の飛行機に使うというくらいの用心さを持っているのです。 その当時日本の話を聞きましたら、そんな検査なんかどこでやっているものかということを聞きましたので、私は国内線には乗らないということを考えたことがあるのですが、これはロケットも同じだと思うのです。アポロ11号のケープケネディに私はおととし行ったのですが、テレビで見ていると静かに上がっているのですね。実に静かに上がっているなという感じを受けるのですが、あれだけの燃料を燃やして三千数百トンのアポロ11号が上がるときのバイブレーション、あの震動で弱い材質のものなら一ぺんにいかれちゃいますよ。そしてそこでおじゃんになるにきまっているのです。 ですから、結局そういうものの成功をはからんとすれば、やはり一点一点の材質が世界レベルに達しているかどうかという検討をやらなければならない。一体日本のどこでやるのですか。私はそういう組織がなければならないと思う。幾ら計画を立てて、人を集めて、物をつくってみたところで、材質に弱さがあったら成功しないと思うのです。ですから、もしほんとうに積極的に宇宙開発をやらんと欲するならば、それだけに一点一点が世界の水準に達し得られるところの材質の検討というもの、そういうものが日本でできるのかできないのか。できなかったら頭を下げて、いい材質のものを買ってきてつくったほうが賢明だということになると私は思うのです。そういう点が一体日本で、技術革新の世の中だとか、いやどうだこうだとか言いながら、できているかというと、残念ながら私はノーと言わなければならぬのじゃないかと心配しておるのです。そうでなければいいのですよ。行政的に一体どこの国立研究機関がそういうものに責任を持って検討を加えておるかということなんです。実に薄氷を踏むがごとき日本の体制じゃないかと私は思うのです。これで科学技術振興策を唱えて、宇宙開発だ、原子力だ、海洋開発だと言っても、これはお念仏になるのじゃないですか。お念仏にもお布施のたくさんもらえるお念仏ともらえないお念仏とがありますから、お布施のたくさんもらえないお念仏になったのでは私は目も当てられないと思うのです。 幸いここに金材研の所長さんと無機材質研究所の所長さんがおいでになっておりますから、こういう点には昭和四十五年度においても惜しみなき予算要求をされて、やはり金の面からも人の面からも十分に材質に検討を加えて、これでだいじょうぶだというところで宇宙開発なら宇宙開発の実質的な計画に積極的に乗り出さなければならないと思うのです。ひとつ、特に有能な政務次官にとくとこの際お願い申し上げておきたいと思うのですが、これに対する御所見を承って私の質問を終わりたいと思います。
○平泉政府委員 非常に貴重な御意見を伺いまして、御趣旨に従いまして大いに研究を進めさせたいと思っております。
○福井委員 関連。せっかく学者の御両所においでいただいておりますので、なおかつ三木委員長がよきおとりなしをしていただいておるやさきでもあり、若干の質問をさせていただきたい。予告してありませんが、時間をいただけますか。
○三木(喜)委員長代理 関連でどうぞ。
○福井委員 私は戦時中から技術研究のほうで、当時は軍需省——このごろあとで批判ばかりするが、当時の内閣技術院に私は技術者として行っておりました。その当時は陸海軍が予算をよけい持っておりましたので、戦時体制のどうのこうのということは別問題にして、予算が非常に裕福とは言いませんが、とにかくうまくとってきてあるおかげで、初代の井上国四郎さんのころから、困難ではありましたけれども、いろいろ日本の科学技術研究の推進をする役所の体系をその当時は整えつつあったと思うのです。その後戦争に負けたとなると、悪いことは戦時中の内閣技術院のようにというような引例をときどき私たちは活字に見ますが、それはしろうとの事務系統の連中が、陸軍、海軍の技術者並びに官庁の技術系統の者がつくったのに対して非常な圧迫を加えた結果が、PRの上手な活字に変わったといまでも私は確信を持っております。 それはいいとして、その後一時、今日の科学技術庁の前身である役所もいろいろ苦難の状態を経て、金属材料技術研究所が創設されるというころには私たちは議会に転出しておりましたが、今日のようにりっぱに研究されておるということを、無機材質研究所のほうも同様でございますが、わりあいに世間が知らずにおるようです。私たち技術屋は知っておるつもりです。国会にも技術屋があまりおらないので、私たちが技術のほうをやっておるつもりであります。おるのでございますが、世間にはあまり知られておらない。PRする役所ではございませんから当然であります。私はたまたま本多光太郎さんと郷里が一緒だものでございますから、私たちのようなものも日ごろ接触しておるというと、いろいろわからぬことも教えられて、そして啓発されたわけであります。八月にはいよいよ予算のときになりますので、齋藤委員がいま言われたことで、予算の時期というようなこともありますから、私たちも徹底的に御協力申し上げますから、ぜひお手抜かりなく——いままであまり相談を直接は受けておりません。科学技術庁のほうは非常に至れり尽くせりな運動はしているようでございますが……。私たちが直接見学を申し上げるのがほんとうですけれども、国会というところはなかなか時間がないので、ちょっと見学に行こうとしてもその時間がさけないというのが現状でございまして、心持ちはほかの委員もみなあるのですけれども、あまりにも忙し過ぎるので、研究所の見学について不勉強のことを非常に残念に思っておるやさきでございます。どうかしっかりやっていただくようにお願いいたします。 そこで平泉政務次官にお尋ねしたいのでありますが、いま世界じゅうあげてアポロの問題が活字にあらわれて、これにもう私たちは幻惑されておるのでございます。きょうぐらいからあまり幻惑されぬかもしれませんが……。日本の宇宙開発も科学技術庁が主導権を持って、大学のほうともいろいろうまく科学技術庁の調節によって進んでおるようでありますが、こういうような大きい事件があったときに、おくれてもいいから、たとえ種子島がどうなっておろうと内ノ浦がどうなっていようとも、関係者を、日ごろ学者の連中はぐずぐず言うから学者の連中もうんと動員して、二、三十人とにかくケープケネディや米国政府の研究機関に派遣してはどうか。いま新聞記者は何百人と日本から行っておる。これは活字でPRする、新聞の紙面によってやっておるだけで、間接的には日本の宇宙開発の躍進にはもちろん役に立つわけであり、大きい役に立っておるかもしれませんが、あなたのところの窓口がこれは責任官庁でありますから、歴代の最も有能な副大臣といわれる平泉さんがおられる間に現地視察団を派遣する御意思はありませんか、お尋ねします。
○平泉政府委員 突然のお話でございますので、ただいま計画はございませんが、随時関係の技術者はそれぞれ視察にはおもむいておるわけでございます。特にこの際大視察団をおもむかせるという計画はただいまのところございませんが、また研究をさせてみたいと思います。
○福井委員 時間がおそくなっておりますので、大体一時間ぐらい私は関連質問をしようという気持ちがありましたが、そういうことはいたしません。 やはりこういう熱が上がっておるときに、りっぱな大臣もおられ、バッテリーがそろっておりますから、くどいようでございますが、おくれてもけっこうです。アタッシェの一人や二人や三人じゃ、もう日ごろのレポートを書くのに精一ぱいでございます。こんなときには、総理もああいうふうに言ったりなさるのでございまするから、総理は腹づもりがあって、旅費の十億や二十億出すくらいの気持ちがあって言っておるのかもしれませんから、米ソ両陣営の中へくさびを打ち込むくらいのつもりで、いまどき考えておらぬなんて言わずに、中共でも何でもいい——中共は承認しないかもしれないが、ことばのあやから申し上げるわけで、米ソから中共から、そこらにひとつ行かせたらどうか。オリンピックでもそうですし、デビスカップのメンバーでも、毎年毎年行ってやっておるけれども、これはなかなかいい成績があがっておらぬ。ああいうふうなことですら、あれだけやってもなかなか成績があがらぬのでございますから、こういう科学技術躍進の、技術革新の時代には、われわれ技術系統の者から見るというと、ここら辺でこそこそぐずぐず言っておるよりは、やはり見ない技術者連中、学者連中にはどしどし、見るだけでもいいというようなことで行かせてはどうか。通常の予算の編成のときにはこんなものはやったってこれはだめです。こんなときにあなたの政治力をひとつ発揮していただければ、これはきっといけるという期待と予想を私は持っておりますから、答弁は要りませんが、どうぞそのように大臣とも御相談くださって、日本の宇宙開発のおくれを取り戻すようにお願いいたしたいと思います。 両所長の方には突然な感想を述べましたが、これも何も答弁は要りません。どうもありがとうございました。
○三木(喜)委員長代理 木野晴夫君。
○木野委員 金材研それから無機材研の両研究所長から、当面の、しかも重要な課題について努力しておられることを承ったのでございます。また、少ない人数で、それを補うために、あるいは大学、国立、民間等の研究機関と協調するために、いろいろな制度を考えてやっておられるということを承ったのでございますが、私も、二、三の点につきまして事情をお聞きしたいと思うのでございます。 一つは、特に無機材研の所長から話がございましたが、客員制度を扱っておるということでございました。しかも非常に努力のあとがうかがわれるのでございますが、一般に、無機材研の職員の方は国家公務員、総理府の職員だと思うのでございますが、この客員の方はどういった資格で、そしてどういった待遇で、たとえば給料は幾ら払っておるか、身分はどうだというふうな点を実はお聞きしたいと思うのでございます。それは、研究にあたりまして、たとえば機密の問題とか、その他公務員としてのいろいろな制限その他がございますので、客員の方は一体どういった給料で、そしてまた資格はどういった資格で当たっておるか、そしてまたどういった人が来ておるのか、まずお聞きしたいと思います。
○山内説明員 お答えいたします。 客員研究官制度というのは、日本でも流動研究員制度がございましたが、あれとは多少違うような気がいたします。大体これは非常勤でございます。地方ですというと旅費その他が伴いますから、旅費がありませんので月にそう何回も来れません。そんな関係で、遠い方はなるべく少数お願いしております。遠くは九州大学あたりからもお願いしておりますけれども、そういう数は非常に少のうございます。大体東京近辺が多いのでございますが、それも各グループで大体二人程度にとどめております。やむを得なければ共通のものもあります。そういうことで非常勤でございます。 それからもう一つは、どういう方々かと申しますと、大体、現在は大学の先生がおもでございます。これは官公私にわたっております。公のほうはありませんが、大体官で、私立が少しございます。そういう方々に来ていただいておりますが、一回来ていただきますと、一日大体二千円ぐらいの手当でございます。ですから、二回ですというと四千円。月に二回か三回しかおいでいただきません。その程度の手当をいたしております。
○木野委員 身分のことで非常にこまかくなるのでございますが、科学技術庁のほうでまとめてお答えいただきたいのでございます。ただいま私がお聞きしましたとおり、研究所長から、非常勤で大学の先生をお願いしているのだ、それには手当を出しているのだ、一回二千円ぐらいだ、ということは逆に言いますと給与は出していないのだ、こういうように承っているのであります。また、各グループに二名ぐらいだということで、大体の輪郭としてわかったのでございますが、国家公務員には一般職と特別職がある。そういった場合に、この客員というのは一般職の職員であるのか、特別職の職員であるのか。非常にこまかい話になりますが、そういった点をひとつまとめてお答えいただきたい。この客員制度というのは、研究所のほうで非常に研究されて、そうして効率をあげていると思いますので、こういった制度はどうなっているのかということをとりまとめてお話し願いたい。といいますのは、特別職だと思いまして見てみましたら、特別職の十何項かあるうちにこれだというものがないようでございますが、その点をはっきりしていただきたい。
○佐々木(学)政府委員 客員研究官は、これは国家公務員法第二条におきますところの一般職の公務員でございます。第二条に「一般職及び特別職」として一、国家公務員を一般職と特別職に分けまして、特別職を列挙してありまして、特別職以外のものを一般職とするということでございますので、この客員研究官は一般職の非常勤職員ということでございます。したがいまして、先ほど御質問のございました秘密を守る義務でございますが、これも一般職の非常勤国家公務員でありますから、国家公務員法の第百条に基づきます「秘密を守る義務」、これは当然課せられておるわけでございます。 この非常勤職員に対する給与でございますけれども、これにつきましては一般職の給与に関する法律がございまして、予算の範囲内で給与を支給するということでございますので、現在、予算を組みまして、非常勤客員研究官には手当が支給されているわけでございます。この手当は、一回出ますと、先ほど所長のお話のありましたように二千円。それから客員研究官が出張等の必要がある場合、あるいは会議に出るために地方から出てくるという場合もありますので、その際の用意に旅費も予算に計上してございます。それから、客員研究官のための研究費を別途予算で計上しておるような次第であります。
○木野委員 各研究所でいろいろな研究をなされるわけでございますが、効果が実りまして、たとえば特許権の実施になる。そうすると、特許はおそらく研究所で持つと思うのでございますが、それがたとえば民間で実施をする、特許実施料が入ってくるといった場合に、その関係はどうなっておるか。まだそこまで実は入っていないのだということかもしれませんが、そういった場合にどういうふうな仕組みになるのか、御説明願いたいと思います。
○河田説明員 特許は、特許権者は所長でございますが、国有特許ということになります。したがいまして、その特許を実施いたしますときには、実施いたしましたことによります利益のあるパーセントのものが国に入ることになります。そのうちから、また入った金額によりまして、あるパーセンテージが発明者にいただけるようになっております。ただし、その総額に限界がございまして、年間五十万をこえることはできないことになっております。以上でございます。
○木野委員 いまの年間五十万といいますのは一人についてでございますか、グループについてでございますか。
○河田説明員 一人でございます。
○木野委員 そういった場合に、特許の収入が入ってまいりますのが国に入るということでございますが、これは研究所のほうで、たとえば積み立てておくといいますか、研究所の収入にして、そして研究所がそれをさらにまたつぎ込んでいくというふうにならぬものだろうか。いまそこまで収入が入っておりませんからまだ先のことかと思いますが、実はそういった場合に、理研方式と申しますか、理研は特殊法人でございますが、理研の場合だと理研の収入に入る。そうして理研がさらにそれをもとにして研究を重ねていくというふうなこともできるわけでございます。いま両研究所の場合に、問題も問題でございますし、そこまで実用性その他の関係から入ってこない、収入がないということかもしれませんが、理研方式というものと、それからいまの研究所のこの方式といいますもの、この二つをひとつ研究していただいて、どっちがどういった長所があるんだ、どっちが短所があるんだ、そしてまた、現在取り組んでおられる問題につきまして、実はこちらのほうがいいんだというふうな点をまとめてひとつ簡単に御説明願いたい。そしてまたもう一つは、こういった問題をとらえての研究所でございますが、外国ではこういったのはどういったところでやっているんだ。日本と同じに科学技術庁の付属機関として研究所でやっているんだ、いや向こうでは財団でやっているんだ、特殊法人でやっているんだ、そういう外国の状態もあわせて御説明願いたいと思うのであります。両研究所長からでもけっこうでございますし、またまとめて技術庁の局長からでもけっこうでございます。
○佐々木(学)政府委員 これは科学技術庁の研究所に限りませんで、各省に付属の研究所がたくさんございます。その付属の研究所全体に通じて、同じ制度で現在適用されておるのでございますけれども、付属の研究所の中で発明が行なわれた場合には、職務発明ということで、かりにこれが権利になりました場合に、その権利は国に帰属するわけでございます。したがいまして、それから生じますところのロイアルティー、実施料、これは一応国庫へ——国の機関に対する収入は一応全部国庫へ納入するというたてまえになっておりますので、一たん国庫に納入いたしまして、別途予算でもちまして必要な研究費を各研究所に配る、あるいはかりにロイアルティーがあがった場合に、その発明者に何がしかの還元をする予算を別途組むわけでございます。 諸外国のことは必ずしも十分知っておりませんが、イギリスではDSIRでございますか、そこの機関がございまして、これは国有特許をDSIRが全部もらいましてDSIRの特許ということになりまして、そうしてDSIRがそれを民間に実施させる、そうしてそのロイアルティーはDSIRに入ってくるというようなことをイギリスではやっておるようでございます。 いま申しました、直接国に一たん歳入として入れて、別途また歳出予算で各研究所に予算として計上するのがいいか、あるいは各研究所にそのまま歳入として入れたらいいか、どちらがいいかという問題になると思うのでございますけれども、これはいろいろ考えようによるかと思いますけれども、第一には、最初申しましたように一応国の機関の収入というのは全部一たん国庫へ入れるという従来からの会計上の原則が一つと、それから試験研究所によりましてそういうロイアルティーの非常に多額に入ってくる研究所と、それから無機材研のようにまだできたばかりで、おそらくまだ全然入っていないかもしれませんけれども、そういう研究所もございます。その間にいろいろアンバランスもありますので、私は現在のところやはり一たん国庫に入れて、そうして必要なものは別途予算として計上したほうがいいんではないかというふうに考えておりますけれども、なお十分検討さしていただきたいと思います。
○木野委員 私はこういった問題につきましては専門外でございますが、非常に大事な問題ばかりだと思うのでございます。また研究所におきましても、現在八つのグループで研究しておるが、実は十五にしたいのだというふうに、これからしたい仕事もたくさんあると思います。ひとつ研究所におきましても、先ほど齋藤委員からも話がございましたが、非常に大事な、しかも科学の発展の基礎となるものばかりでございますので、一そうの尽力をお願いいたしまして私の質問を終わります。
○三木(喜)委員長代理 両研究所長、御苦労さんでした。 ————◇—————
○三木(喜)委員長代理 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりをいたします。 情報科学技術に関する問題調査のため、明二十四日参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三木(喜)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三木(喜)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次回は、明二十四日木曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十八分散会