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61回国会衆議院1969/07/02

科学技術振興対策特別委員会 第17号

発言数
75
登壇者
8
会派数
3
開催日
1969/07/02

会議録

石田幸四郎公明党

○石田委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  原子燃料に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この前、本委員会におきまして、日立港より積み出しの使用済み核燃料の問題につきまして質問をしたわけですが、七月ということでございまして、その再確認の意味におきまして、日時あるいは量等、確定した問題についてお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 今回送ります量は約二十二トンでございます。燃料棒にいたしまして約二千二百本になります。これを十個の輸送容器の中に分割納入いたします。そして、日立港からこれを英国へ送り返すわけでございますが、その運搬作業といたしましては、七月四日早期から二台のトレーラーで一日一往復ずつやります。したがいまして、一日に二個ずつ運びますと五日間かかるわけでございます。それで、五回に分けましてキャスク十個を運搬いたしまして、それを船積みいたします。船積みいたしますと同時に、すみやかに日立港を船が離れるという予定で現在計画されております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 二十二トンといいますと、燃料棒にいたしますと、これは何本になるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 燃料棒にいたしまして二千二百本になります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これだけの大量のものを輸送されるわけでありますが、七月四日といいますと、あさってということになるわけでしょう。われわれとしてはこの安全という問題を非常に心配するわけでありますが、その前に、使用済みの核燃料棒一本当たり、実際にむき出しにした場合に大体どのぐらいの放射能があるのか。御承知のように、プルトニウム、セシウム、リチウムあるいはジルコニウムなど、いろいろそういう死の灰が多量に含まれておるわけでありますが、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたように、燃料棒を十個に分けますが、十個に分けますと、一個の中には二百二十本入るわけでございます。その一本当たりの放射能は、計算いたしますと約八千キュリーになります。八千キュリーになりまして、これがもしそのまま、いま先生おっしゃいましたように、人体にまともに受けたと計算いたしますと、致命的な量になると思います。  それで、この燃料は、それを使い終わりますと、鉄のパイプの容器の中に入れてポンドの中で冷やします。そして、冷やしてありますのを今回入れものに入れて送るわけでございますが、その容器は厚さ約三十七センチの鋼板でできております。それで、その鋼板でできています容器の中にこれを入れます。その基準といたしましては、その許容量が毎時二百ミリレム以上表に出てはいけないという基準になっております。それで今回の場合、現在までこれを実験しましたところでは、約六ミリレム出る可能性はあるということで、二百ミリレムに対して六ミリレム、その点十分に出ないような容器を考えてつくられております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 容器のことについてはあとでまたお聞きしますが、そうしますと、二千二百本ということだけ大量のものを輸送するわけですが、その安全性という問題について最も第一主義でいかなければいけない、このように思うわけですが、どういう態勢をとっておられるわけですか。まず、それをお聞きしたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 今度の場合、使用済み燃料を日立港まで送る陸上輸送がございます。その関係といたしましては、いろいろな規則がございます。まず、運輸省令で放射性物質車両運搬規則というのがございます。これを適用いたしまして行なわれます。これは運輸大臣の個別の許可を得てやる形になります。それから、陸上輸送でもう一つございますが、道路法と道路交通法、これに基づく運搬の規則がございます。それによって進めていく。もう一つ、容器につきましては、燃料核物質輸送容器の安全基準というのがございます。それに基づいてやるというような形になりますが、今回初めてでございます。したがいまして、科学技術庁はもちろん、運輸省、関係各省におきましてこれに立ち会いいたしまして、安全基準に入っているか、その輸送のやり方がうまいか、その点を全部とらえて進めるという形で進みたい、こう思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私も、この法体系については、ずっと調査をしてみました。大体まとめたものをここに持っておるわけでありますが、前委員会におきましても、基準等が非常にあいまいである、その辺の法体系の整備ということについては答弁されたわけでありますが、ここで、そういうような法令に基づいて実際にどのような一貫した運用というものがなされるのか、この点が私は非常に心配に思うわけです。ここで事故などはあってはなりませんが、陸上輸送、あるいは積み込み、あるいは海上輸送と、いろいろと分けて考えることができるわけですが、そうしますと、もしその途上において不測の事態が発生した場合には、どういう緊急体制がとれるのですか。事故想定のもとに、どういうような体制でその事故対策がとられるか、その辺のところを詳しくお聞きしたいと思うのです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 私たちのほうは、今度の運搬いたします要領をつくりまして、先般そのリハーサル等をいたしました。それで、絶対事故のないような形で進みたい、こういう形をとっております。それから、もちろん万全を期するために警察その他に立ち会いに出ていただきまして、それで緊急連絡ができる体制もそこに考慮して進めていきたい。しかし、事故が起こらないことという進め方で、現在要領その他を考えて進めていっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それはむちゃくちゃなんですよ。事故が起こらないことという考えを根本に進めておる。あってはならぬことであるけれども、事故があった場合にどうするか、これを考えるのがほんとうじゃないのですか。これをまず基本的にお聞きしたいと思うのです。これは大事な問題です。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 もちろん事故が起こらないことと、それから万が一のときと――私たちのほうに水戸に出張所がございます。そこと、それから今度の原電会社と、それから私たちのほうから本庁の人が行っておる。それから関係各省からも全部人が参ります。そして、警察その他の配備体制も全部整いまして、緊急連絡体制もできるという形を進めております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 関係官庁としては、警察、消防あるいは科学技術庁、原電――原電は会社ですが、いろいろそのように一貫してなさっておると思うのです。しかし、あくまでそれは原電側が協力を仰ぐという体制が根本になっているのじゃないですか。どうなんですか、その点は。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほどの規則で、まず私たちのほうからいきますと、輸送の容器そのものに対して、入れました場合、それの監査をいたさなければいけない。それから、船に載せて向こうにそれを出しますときに、どういうものが向こうの条件でちゃんと入ったか、どう入っているかという確認をして、その証明書も出さなければいけません。そういう形で、当然義務的な形の立ち会いというのが一つございます。  それから、先ほど申し上げました、今度が初めての経験でございます。したがいまして、今後法律を――規則その他でこれをやって、経験を生かしまして、十分なる体制を整えるという方針にしておりますが、そういう関係からいきますと、行政指導という立場がございます。その行政指導という立場から万全の配置をするという形で進めております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは原電のほうでも、消防体制とか、いろいろな体制はとっておられると思うのです。しかし、いまお話がありましたが、義務的な立場というか、そういう面で行政的な指導の立場から行なっていく、このようにおっしゃっているわけですが、もしも緊急事態が発生した場合、当然そこには一貫したそういう体制というものはとる必要があるのじゃないですか。これは、ただお願いをしたいという立場で、それぞれの所管官庁で、与えられたそれだけの範囲でお互いが領域を守っておるというだけであれば、必ずそこに穴が出ると思うのです。あるいはその敏速さ等においても欠けてくると思うのです。ですから、その辺、原電がいまたくさん原子力発電所の建設途上にあるわけでありますが、これからも急速にこれが増加することは考えられるわけです。輸送という問題については、これからも相当大量に増加してくることは考えられてくる。それを、ただ協力体制だけでやっていくということで、はたしてそれでいいかどうかということなんです。この中心は一体どこになっているのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 中心と申しますか、今度の場合は全体でまとまっていくという形でございますが、実際にその中で、もとのほんとうの中心になるといいますと、もちろんそれは業界側が中心というのが一つございます。それから、輸送関係でございますと運輸省が主体になります。それからいまの万が一の緊急というときには、連絡体制その他からいきますと警察関係になります。それを総まとめにして進めていく調整をいまわれわれのほうであっせんして、この前リハーサルをしたという形で、その総合協力体制、そのリーダーとなるのはどこかという、窓口その他につきましては、やはり責任者の原電、もちろん原電がどうということではございませんが、私たちの指導のもとに、原電をもとにしてやっていくという形になります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 確かに窓口はいろいろありますけれども、要するに、そのつどそのつどの協力体制を仰がなければならぬというようなことで、はたして今後それでいいかという問題なんです。その途上においてはこうこうしかじか、こうあるべきであると、その辺のはっきりとした体制というものを法に基づいて運営していかなければならぬ。ただ、いまのようなそれぞれの行政官庁に協力を仰ぐという体制はまずいと思うのです。ですから、その辺のところを今後何らかの方法を考えるなり、そういうことで一貫した体制をとっていくべきである、こういう考えを私は持っているわけです。この点についてはどう思いますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、先般の御質問のときにも運輸省が出まして、規則の改正等を考えております。それで、私たちもいま連絡をとっておりますが、何ぶんにも初めてのことで、今度の経験を生かしまして、そういう一貫した体制で進められるということで、直すべきところの規則は直すという考え方で、早急に確立していきたいということで準備を進めております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ちょっとニュアンスが違うのですよ。確かにそういう規則の点等において、こまかい点まできまっていないと前は認められて、さっそく改正の準備をしたい、こういうふうに言われたわけでありますが、私の言うのは、要するに、いかに連絡調整をして、それを有効に生かしていくか、この体制をつくらなければいけない、こう言っているわけです。個々の運輸省とかあるいは警察、消防等のそうした問題ではなくして、当然その辺のところの穴はチェックしなければいけませんし、改正するのは当然であります。もっと一貫したそういう体制づくりをしなければいけないのではないか、このように申し上げているわけです。その辺はどうですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いろいろ御質問があったようでございますが、私は、こういう問題はやはり各官庁が協力してやっていくのが最善だと思いますし、また、現行の制度においても、そういう点は十分に配意してあると思うのです。これは荷主は原電であり、これを輸送する担当の会社もあるでしょう。あるいは船に積み込めば船会社もあるでしょう。その間において、容器の問題あるいは輸送の取り締まりの法規その他、いま原子力局長からいろいろお話し申し上げたとおりでありますが、容器の点においても、輸送の点においても、万全を期してやっておる次第であります。私は、事故が起こるというようなことはないと、原子力局長の言うとおり確信を持っておりますけれども、万々一何か事態が起こってくるような場合におきましては、これは当然現行の法規のもとにおいて、消防関係は消防庁、あるいは警察、あるいは運輸省が取り締まる、各官庁がどんな法律をつくっても、これらの各官庁が協力してやっていく以外に方法はない、私はかように思っております。  そこで、現在の国内法の制度は、大体において私は行き届いておると思うのですが、いま原子力局長が申しましたように、これは初めてのことでもありまするし、それの経験を生かしまして、今後改正の必要のあるようなものがあれば、そういう点については国内的にも国際的にも十分考慮してやっていく、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 局長の答弁と、大臣の答弁とは全く一致しておるわけでありますが、確かにそのように協力を互いにしながら、そうした法の運用をはかっていく、これは当然でありますけれども、要するに、はっきりと締めくくる必要があると思うのです、義務づける……。この輸送にあたってはこうしなければいけない、運輸省はこう動け、消防署はこう動け、警察はこう動け、その辺のところの、一貫したそういう法のもとであれば動かざるを得ないわけですよ。そういう体制づくりが大事じゃないかと思うのです。今回の輸送にあたっても、初めてであるということですから、当然でありますけれども、もう方々のそういう出先のところへ行って頭を下げて――これから先大量の原子力発電所の使用済み燃料の輸送の問題がまた出てくるわけですが、将来のことを考えると、もうこういうことじゃたいへんだとやはり係の人も言っているわけです。したがって、各官庁の動くべきそうした点を義務づけた、一貫した何かそういうものを今後の問題としてやっていただきたい。これは圧倒的な声なんですよ。その辺のところを考えるのが必要ではないか、こう言っているわけです。この点はどうですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほど法律のことを申し上げましたが、もちろんこの作業をいたします場合には、たとえば輸送要領、それから輸送する場合の配置要領、これはすべて今度つくっております。それでそれに基づいて今度対処をしまして、その中の分担はどこが分担するか、この要領につきましては全部の人に見ていただきまして、その形をつくっております。したがいまして、一貫した体制で送る要領というものをつくって進めておりますが、その関係から、今度経験いたしまして、今後法律等で直すべきところがもしあれば直す。先ほど申し上げましたのは、当然いま先生のおっしゃるように、送ります場合、そこの一貫した作業の進め方、作業の行き方、その一貫した共通のやり方ということで周知徹底していくという形で、一貫取りまとめということ、一元化していくということは十分考えさせていただきたい、こう思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、ここで考えられることは、一つは陸上、それから船内と大きく分けられると思うのですが、ここで私、容器というものがはたしてだいじょうぶなんだろうかと、いろいろ資料をとって調べてみました。そうすると、この容器の耐え得るそうしたこまかい点でありますが、やはりその試験の基準をきめてあるわけですが、その基準を読んでみたわけです。一つは、九メートルの高さからの自由落下事故、もう一つは摂氏八百度で三十分間の火災事故、それからもう一つは十五メートル水中への水没事故等においても十分な安全性が維持できる強度を有している、この三項目の基準があるのですけれども、ここで私が思うのは、船内に持ち込んでからこれは輸送するわけです。英国まで行くわけですよ。御承知のように、日本は四面海に囲まれておる。もしもこの船舶が沈没した場合、水没試験十五メートルですよ。もちろんそれを上回る強度を持っておると私は思いますけれども、その返の、何メートルまでは持つかという試験をやっておるのですか、これは。もしも日本近海で沈没した場合、これだけの放射能を持っておる二千二百本の核燃料棒が水没したらどうなりますか。海域は全面汚染ですよ。その辺の強度試験というものはやっているんですか、どうですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 いまのおもなる試験の題目を先生おっしゃいましたがそのとおりでございます。これをきめましたときに、IAEAできめたわけでございますが、使用済み燃料を海上輸送する場合に、IAEAの安全輸送規則と、それからIMCOというのがございますが、IMCOのコードできめられております。それで、いまので計算いたしますと、いまの沈没した場合という場合でいきまして、先ほど先生おっしゃいました八百度で三十分、これを圧力で計算いたしますと、十七気圧以上になると思います。それ等でいきますと、二百メートル近くまでは安全という計算は出ると思います。しかし、いまの国際的なやり方でいきまして、船が万が一沈没した場合ということでの基準というのはやられておりません。そのかわりに――その点におきましては、技術的に非常にむずかしい点が一つございます。それから、それと一方、こういう廃棄物を海洋に投棄する場合がございます。投棄する場合に、二千メートル以上のところに投棄する場合でも、その容器は持つようにという研究は進めております。これと関連が出てくると思いますが、現在の国際的きめ方でまいりますと、先生おっしゃいました深海でも庭いじょうぶかどうかという試験をしたかと、こう言われますと、それは試験していないと御答弁申し上げるよりほかございません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは海岸の国のわが国にとっては重大問題ですよ。それはIAEAのほうでそういうような基準があるからと――もちろん海上輸送をやっておるかしらぬけれども、現状はほとんど陸上輸送だと思うのです。ですから、その辺の考え方というものが非常に浅いのではないかと私は思うのです。これから大量の使用済み燃料を各所から――いま再処理工場の建設ということが問題になっておりますが、ここしばらく、数年は、どうしたって英国をはじめ、海外での処理をお願いしなければならぬ。そうすれば当然海上輸送ということがこれから数年間の大きな課題になってくるわけですよ。それをこんな不安な水圧試験十五メートルまでというような、そんなゆるい基準試験で、はたしていいものであるかどうかという問題なんですよ。わが国としてこのままで、IAEAでこうきまっておるから、これでいい、ただそれだけで傍観しているのですか、これは。二百メートルなんて、大陸だな、特に太平洋側なんというものは非常に急傾斜ですよ。ですから、二百メートルまでは一応持つ。納得は十分でありませんけれども一応は了承したとしても、それ以上深くなった場合は、当然これはもう容器が破損するにきまっている。ただそのようにきまっているからそれでいい、そういう態度でいいんですか、これは。わが国として、当然これはまずいというならIAEAだってどこだって基準はこれでいいのかと、その辺のところは主張すべきじゃないですか。どう考えていますか、政府として、局長と大臣。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在のところ、海上輸送としては先ほど御説明したとおりでございます。もちろん、先生のおっしゃいました点がございます。それで、先ほどちょっと申し上げました海洋投棄という場合の研究とも関連いたします。しかし、やはり安全性ということの観点から、なお一そう研究なり改正をしていくということは、IAEAのやり方でもございます。したがいまして、われわれのほうは、もちろんこの問題につきましては専門家を十分検討いたしまして、その点、できそう、あるいはやるべきであるという場合には、国際機関に対して私たちのほうから検討してくれという申し出もする場合がある。その点、十分これから先早急に検討さしていただきたい、こう思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 大臣、何かありますか、いまのことで。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま原子力局長のお答え申し上げたとおりでありまして、IAEAのほうの規則に従ってただいまのところは十分だと思いますけれども、今後いろいろ専門家に研究していただきまして、必要のある場合にはこれを国際機関に持ち出すこともあり得る、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは、あり得るということじゃなくして、早急によく検討していただいて、これは問題点として国際機関へ提起してもらいたいと思うのです。そうしなければこの不安は消えませんよ。これだけ海面が汚染されておる。そこへもってきてこういう不安な状態が今後も続いていくということは問題ですよ、これは。まあそういうことで、いよいよこの四日の日には輸送されるわけでありますけれども、われわれとしては地域住民のそうした定全性というものについては非常に下安を持っておるし、これは第一回の輸送でもあるし、絶対に無事故の輸送体制というものを考えていただきたい。この点のことを特に要望しておきます。よろしゅうございますか、最後にこの問題について、大臣。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 ただいまの御意見、まことにごもっともでありまして、私どもも絶対に事故の起こらないように、そして、地域住民の方々に不安を与えることのないように――不安を与えることがないと思っておりますけれども、なお今後とも十分に注意をしてまいりたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう三木委員がお見えになりますので、それまでちょっとお聞きしたいと思います。  もう一点お聞きしますが、原子力研究所の東海村研究所、これのJPDR、動力試験炉の運転、これを前にして制御棒の一本が動かなくなっておる、こういうようなことをちょっと聞いておるわけですが、この辺の報告は入っておりますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 JPDRは、御存じのように、いま中の改造をしております。その関係から、当然JPDRはこれから使用するまでには使用許可をとりませんとできない。その関係で、いま整備中の間で制御棒の一本に欠陥があるということで、いまその修理を行なっております。その他万全をとるということで、全体の見直し等をいま進めておるところでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この原子炉は昭和四十一年の五月に炉の圧力容器にクラックが生じるという、そういうような非常に大きな事故を起こしておりますが、その解決方法などもまだはっきりしていないというふうに聞いておりますが、その点、どうですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいまおっしゃいましたように、あの炉の炉体にヘアクラックと申しますか、傷がございまして、それであれがうまく運転できるかということを安全審査会でいま進めております。いまのところ、私はこの八月ごろにはある程度の結論を出していただけるのではないかということで努力中でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 要するに、原因の解明ということをもっと真剣にやってもらいたいと思うのです。これだって、まだそういうように、結論が出るのがおそい。こういうことじゃ炉の運転についても非常に心配なわけです。しかも、燃料装てんの最終段階で制御棒が動かなくなる。これは非常に大きな事故の発生につながるようになるのではないか、ぼくはこのように思うのです。そういうわけで、こういう原因がはっきりと解明されない、この辺のところがぼくは非常に心配だと思います。したがって、炉の運転などというものは慎重を期さなければならない。したがって、その解明がいいかげんな状態で炉の運転をしてはならぬ、はっきりとするまでは待つべきである、このように思うのです。その点、どうですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 安全審査がおくれておりますのは、いま先生のおっしゃいました実験を進めているわけでございます。原因の究明と、それから、それがどのくらいの強度に耐えるか、それは模擬試験あるいは模型実験その他材料試験、それを進めたデータがないと安全審査もできないということで、それを進めていて、おくれているというのが現状でございます。当然、いま先生がおっしゃいましたように、そこを確認いたしまして、それでいいということでなければ、これはやはり運転できないし、いまのところ、それを努力中でございますので、結論待ちということでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そのようにひとつ万全を期して、そして、大きな事故につながらないように慎重にその点はやっていただきたい。これを特に要望して、私の質問をこれで終わっておきます。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 関連で、石川君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 東海から初めて再処理のために使用済み燃料が送られるということになったわけでありますが、私の地元でありますので、若干不安の点がありますので、確かめたいと思います。  これは二台のトラックで一日一往復で二十日間かかるというふうに伺いましたが、そのとおりですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 普通の場合、これから先は二十五トンでございますが、今般は二十二トンでございます。それを十に分けておりまして、毎日二個ずつでございますから、五日間でございます。したがいまして、四日から始まりますと八日で積み荷が終わって、八日に船が出る、そういう予定になっております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 その五日間は、そうすると、そこの交通は全部ストップしてその作業に従事するわけですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 これは五日間になぜ分けたかと申しますと、やはり交通が安全なときで、一番閑静なときというところで、早朝に二台一ぺんに運ぶということで、その日はそれで終えてしまう。したがって、非常に交通のひんぱんなときには運ばないという形で、五日にしているわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 わかりました。それは私も、五日間なら五日間だけ完全に交通をストップされますと、あそこは交通量が最近非常にふえているところであるし、そういう配慮がなされているかどうかという不安があったものですから、念のために伺ったわけです。  いま近江委員のほうから適切な提言があったわけですけれども、これからは、いろいろな法律を引き出していろいろ分担のところに頼み込むということでなくて、一貫的な体制ができて、安全が完全に確立されるような状態で、ひとつそういう作業ができるような方法をぜひ考えてもらわなければならぬ。これは近江さんからも適切に指摘がありましたから私から繰り返しません。  それで、これとの関連ではないのでありますけれども、実は私、地元におりますと、あそこの作業員が、もう放射能に当たっているのだからおれたちは寿命が長くないんだ、だから、もうやけ酒だというので、毎晩やけ酒をあおっているという笑えない話がある。私もこれを聞いて、実はそんなことがあり得るかと思ってびっくりしたのでありますけれども、事ほどさように非常な恐怖心にかられております。したがって、誇大に危険性があるのだというふうなことを宣伝するといいますか、そういうことになりますと、なおさら原子力産業の開発に非常な障害を来たすということで、私はそういうことは言いたくない。言いたくないけれども、再三いわれておるように、ことさらに隠蔽をしたり虚偽の報告をしたりしますと、やはりそこに何かあるのではないかという疑心暗鬼を生むという点で、この点だけはぜひひとつ注意してもらわなければならぬ。  そういう点で、この前、近江さんから御質問があったようなのでありますが、私はちょっと席をはずしておりましたためにはっきりしませんので、この点をひとつ確認しておきたいと思うのでありますが、プルトニウム二三九というのは、半減期が二万四千四百年の非常な猛毒性があるものであるというふうに伺っておりますが、その点は間違いありませんか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先生いま半減期とおっしゃいましたが、ちょっと私もこれから資料を調べますが、たしか六年か七年が半減期になると思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これはひとつ確かめてください。ものの本によりますと、私もちょっと合点がいかないのですが、二万四千四百年ということを書いてある本があります。それもちょっとオーバーではないかと思ったのですが、そういうふうに書いてある本もあるわけなんで、私もそう長くはないと思ったのですけれども、ひとつ念のためにこれは調べておいてもらいたいと思います。  しかし、いずれにいたしましても、プルトニウム二三九は、あらゆる放射能の物質の中で特に猛毒性のあるものであるということは、周知の事実であります。そこで、この前、近江さんからの質問で、動燃団の東海工場で核燃料再処理試験室の中における飛散事故、破裂をして飛散をしたという事故について虚偽の発表と隠蔽の事実があるわけですね。こういうことがありますと、あまり騒ぐなと私のほうで言いたくても、こういうことがあるではないかということになりまして、われわれとしては、いま笑えない喜劇だと言いましたけれども、もうどうせ寿命は長くないのだとやけ酒を飲んでいる連中、そういう連中を啓蒙することができないのですよ。そういう点で、念のために、繰り返すようなことになるかと思うのでありますけれども、伺いたいのですが、これは四月一日に起こった事故で、国会で追及される六月五日までは全然これは発表されなかったという事実が一つあるわけです。これは否定できないと思います。それと、汚染量は、人体に吸収された場合の許容量の十万倍にもなるということで、全然これはたいしたことではないんだという発表でありましたけれども、そういうのは事実ではない。それから、これは、偶発的な事故なんだというふうな説明をしておりますけれども、これを偶発というと、あらゆるものが偶発でありますが、これはインシデントじゃなくてアクシデントというふうに理解をして、これに対処するという決意を持たなければならぬと思うのです。そういう点で、こういうふうに隠蔽をしても、隠蔽をした事実が必ずあからさまにされるということは、これは過去何回も繰り返されておる。これは、御承知のように、佐世保の問題にしても、その隠したという事実から問題が大きくなった。したがって、こういうことはやはり、こういう事実があったんだということを公表すべきじゃないかと思うのです。しかも、たいしたことではないんだと言っておりますけれども、実はやはりこれをもろに浴びれば人体に相当の影響力があることは、これはまぎれもない事実なんです。こういうふうな隠蔽は今後しないということをはっきり――この前も確約をされたと思うのでありますけれども、念のために、あと一回念を押しておきたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいまのお話でございますが、確かに四月のことで、ここで問題になりますまでに時間がございました。そのときにも私はちょっと、弁解がましいと言われればそうでございますが、申し上げましたが、いわば今度起こりましたことは、研究する管理区域内でございます。したがいまして、その研究者が研究して、ここには普通の人は入っちゃいけないという中で、実は再処理のための標準の試料というのは、廃棄物の試料、これをしまっておきましたのがポリエチレンだったと思いますが、その入れものから割れて出たわけでございます。この点、今度はその口の操作、それから、入れる場所も別のところということをはっきりきめましたが、それは偶発と言われれば別でございますが、いままでの慣例として、大体そういうものは出なかった。ただ、金属物が不純物として入った場合に出る可能性がある。それは究明いたしております。  それで、すべて公表といういまの先生のおっしゃられ方で、私たちのほうは知る限りのことで、一般の方々に不安感その他を与える場合のものはできるだけいたします。しかし、研究者が研究を進めていく一つの管理区域内でやっています場合のもので、計画被曝と申しますか、あるいはその処置の途中の問題、これをすべて私のほうから出すという点の限界と申しますか、そういう点のところはある程度御了承いただきたい、こう思っております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 実は原研なども、事故がどのくらいあったか聞いてみますと、数限りないと言ってもいいくらい、こまかい事故はたくさんある。したがって、それらについて一々公表すべきだということまで私は要求するつもりはないのでありますけれども、今度の場合は、隠しておいたのが、事実はこういう事実があったんだということになりますと、非常な疑心暗鬼を生むという点で、同じ管理区域の中かもしれませんけれども、原研の問題にしても発表してもいいものがかなりあります、原研の事故の中で。バッジがまっ黒になっちゃったというような事故もあるんですよ。それから、中性子が一カ所から漏れて放置されてあったという事実もあるのです。私はあまりそういうことを委員会で取り上げたくないと思うから、疑心暗鬼を生むと思うから、私はあえて言わない。でありますけれども、かなり人体に明らかに影響があると思われるような事故がないわけではないわけです。そういう問題は、事前に、こういう問題があったということはやはり公表したほうが、私は疑心暗鬼を解くのにかえって効果があるんじゃないか。したがって、そういう点はよく、これからの対策として、隠しておいてあとからわかったんだということにならないように――まあ小さな事故はいいですよ。たくさんありますけれども、小さな事故はいいんですけれども、今度の場合なんか、やはり相当量の飛散があったわけでありますから、こういう場合は、やはりあからさまにして、ただし、管理区域であったし、こういう対策もとったんだということをつけ加えて、疑心暗鬼を生まないような対策を、今後はっきりさせてもらわなければならぬと思うのです。その点をぜひお願いしたいと思います。  それからあと一つは、虚偽の発表があった、こういう事実が、ある雑誌にすっぱ抜かれたようなかっこうで出ておるわけです。それはどういうことかというと、かぎのかかっておる保管室にあったのだ、その品物は。そういうふうに発表されたけれども、事実はそうではない。かぎのかからない分析準備室の品物であったということがあからさまにされているわけです。この点は、どうなんですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 管理区域内の、置いてありましたところは、かぎのかかる部屋でございます。これから早急に調べますが、かぎがかかっていたか、かかっていなかったか、いま先生の御質問でございますが、かぎのかかる部屋に、置くべきところにあのとき置いたということで、私は、それを虚偽の発表といいますか、知るままの発表をしたわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは長官もよく気をつけてもらいたいのですが、これは悪意の虚偽ではなかったかもしれないのですよ。しかし、これはかぎのかかっておる保管室ではなくて、かぎのかからない分析準備室だということがあからさまにされております。そういう点で、こういう虚偽の報告をしたではないかという憤りが出ておるわけです。  それからあと一つ、直ちに洗浄したからもう危険は除去できたんだというような発表になっておりますが、事実は、直ちに洗浄にはかかったでしょうけれども、四月の一日に事故があって、洗浄が終わったのが五月三十一日ですよ。五十日以上かかっておる。六十日、まる二カ月かかっておる。したがって、直ちに洗浄したからというが、なるほど直ちに洗浄にかかったかもしらぬけれども、実は二カ月もかかっておるという点では、若干国会における答弁とは実態が沿わないのじゃないか、こう思うのですが、その点はどうなっておりますか。事実、洗浄に二カ月ぐらいかかっているのでしょう。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 その点は、四月の、先生、一日とおっしゃいましたが、事件の発見が四月の十一日でございます。それから、十四日にその洗浄計画をすぐ打ち合わせいたしまして、それで十七日から二十四日の間に洗浄及び器具の搬出をいたしました。それから、二十四日からペイントを――それで、洗浄いたしてから、そのペイントのはがしを始めました。そのペイントはがしが五月二日までかかっております。したがいまして、あとから部屋をきれいにするところまで考えますと、五月の二十日までかかっているということでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 ですから、やはりそれだけ慎重な対策が必要だったと思うのでありますが、直ちに洗浄したからすぐにもうきれいになったんだというふうな印象を与えるかのごとき答弁であったと思うのですが、事実は五月一日ぱいぐらいあと始末にかかっておるということでありまして、やはり答弁のあり方としては、その点、何かごまかしがあったのではないかと思われるような答弁はひとつ気をつけてもらわなければならぬ。これはあなたが悪意でもってやったとは私は思いたくないのでありますが、これは事実は相当かかっておるのです。すぐに洗浄して、すぐに直ったという性質のものではないわけなんですね。そういう点で、今後の答弁の場合には、そういう点もやはりはっきり誤解を生まないような形で答弁を願いたいと思う。  それから、これは単なる廃液であった、こういうふうな答弁だったのですね。ところが、これは廃液じゃないですね。この硝酸プルトニウムの溶液が、高品位のものと低品位のものとに分離して、低品位のものをさらに高品位のものにこれからまた抽出していこうという、その低品位のものの容器が破裂をして飛散をしたわけなんであって、これは廃液ではないわけですよ。その点はどう御理解になっていますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 私の理解は、この廃液は廃液でございます。ただこの廃液は、高品位のプルトニウムを分離抽出するために保存しておいた廃液でございます。そう理解しております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 ですから、これは単なる廃液ではないのですね。そこら辺がちょっとおかしいと思うのです。低品位のものであって、廃液――ですから、いま答弁にもありましたように、その低品位のものの中から高品位のものを抽出するという任務を持っているというか、そういう性質のものですね。そういうことだとすると、これは廃液とはいえないと思うのですよ。やはり低品位のもので、それからさらに高品位のものを分離抽出するという、そういう性格のものだ、これは単なる廃液という答弁はおかしい。したがって、それは枝葉末節に類するようなことであるかもしれませんけれども、このように隠蔽をしたというふうな印象を与えた。それから、直ちに洗浄というのは、直ちに洗浄にはかかったかもしれませんけれども、実は五月一ぱいぐらいまでそのあと始末はかかっておる。それから、かぎがかかっておる保管室というのは、これはよくお調べ願いたいと思うのでありますけれども、かぎのかからない分析準備室であった。それから、廃液とはいうけれども、廃液ではなかった。これはそこからさらに高品位なものを抽出するために準備されたものであって、単なる廃液ではない、こういうふうに幾多の矛盾が出てきておる、こういう事実がありますと、やけ酒を飲んだというばかな話――これはおとぎ話だ、ナンセンスだといって、私は地元では、極力そういう動揺をさせないように努力はしておりますけれども、しかしこういうふうなことが次々と公の場で明るみに出されますと、何かあとから出てくる、たとえば再処理工場の問題なんかに備えて、ことさらに事を隠蔽しているという印象をどうしてもぬぐい去るわけにいかぬのです。そういうことがあったのでは、今後いろいろなことをやろうと思っても、まあ科学技術庁あるいは原子力局のやることはあぶなくて信用が置けないということになったのでは、どんな仕事もこれから進捗はいたしません。そういう点で私は、この前質問されたことをあえて繰り返したようなかっこうにはなりましたけれども、そういう事実があからさまにされた以上は、やはり今後も猛省を促しておかなければならぬと思うのです。そういう点で不安動揺のないような、誤解を生まないような、いわば率直に言うべきことはあらかじめ発表したほうがいい。あとから隠蔽したと思われては困ると思われるようなものについては、あらかじめちゃんと発表する。しかし、こういうふうな対策はしました、こういうことで心配がないとか、あるいはこういう点で実は不安があるんだということは、やはり率直に言ってもらわぬと、こんなことは隠し通せるものじゃないのですよ。私は調べようと思えば、あそこの研究者や何か全部知っていますから、作業員でも何でも。これを暴露しようと思えば幾らでもあるのですが、あえてそれを私が言わないというのは、いたずらに不安動揺を生みたくないという気持ちなんですけれども、これがあからさまにされれば非常な不安動揺を与えるという点で、よほど今後はこういう問題については慎重に対処してもらいたいということを要望しておきます。     ―――――――――――――

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次に、宇宙開発に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 六月の十八日、アポロ計画について、第十号の説明を加藤博男宇宙開発参事官から受けました。私は、この説明を受けましたことに対する質問は後日に、当日保留いたしましたので、きょう、ひとつ問題の焦点をお聞きしたいと思うのです。  私がアポロ計画に対しまして興味を持っておりますことは、まず、これだけの国費を投入して、ついに人間が月に到着するという、こういう、とても考えられないようなことをついに実現した、この米国の宇宙開発に対する熱意というものを私は非常に高く評価するわけであります。したがって、この事実から日本の国としては何を学び取るかということであります。いまも小宮山さんが科学技術を推進するための計画をいろいろ立てていただいておりますが、その中で相当の国費が必要だというようなことをきょう漏らされておりましたが、私も、日本は、日本の国力に合った、日本の国の予算に合った経費を堅実に積み上げなかったらいけないのじゃないかということであります。  それからもう一つは、これは科学技術庁長官にもお伺いいたしましたけれども、日本の技術がいまのままでスムーズにいけるだろうか、技術の開発が可能なんだろうかということの心配を持つわけであります。したがいまして、そういう観点からこのアポロ計画をひとつ見てまいりたいと思います。この前は、マーキュリー計画あるいはジェミニ計画等の、以前にありました計画から今度のアポロ計画に至りました経過を御説明いただきまして、非常に参考になったわけであります。そして、それに対するところの費用というものが八兆円または十四兆円、NASA全体の半分以上をこれに投入しておるという話を聞きました。さて、これはアメリカの話でありますが、こういうところから、局長、それから参事官は、この経費の問題や技術の面をどうお考えになるか、まず最初にこのことをお伺いしておきたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま先生から御質問ございましたわが国の技術の――技術と申しますか、現在開発されておりますいろいろな技術の経費面あるいは技術面というのものに対してはどう考えるかというようなお話でございましたが、確かにわが国の経済的な基盤は、何と申しましても、やはりまだ浅いという感じをぬぐい切れないわけでございます。これに必要といたします、いろいろなビッグサイエンスに必要といたします経費を十分まかなうというのは現在の国情から見ましてなかなか困難だとは思いますが、われわれはわれわれの国情に応じたような経費の使い方というものを考えてしかるべきではなかろうかと思います。ただ、私たちの行なっておりますのは、いわゆる技術開発という面からこの経費の面を見るわけでございますが、全般的に見まして、わが国の技術開発、特にビッグサイエンスの開発というものに対しましては、従来あまり経験がないわけでございます。したがいまして、その経費の使い方というものが、まだ円滑な経費の使い方という点については十分今後検討されるべき問題があると存じます。と同時に、また、技術面におきましても、ある部面においては非常にすぐれた技術を持っていると同時に、ある面においては、まだあまり発達していないという面がございまして、全般的な観点から見ますと、このような宇宙開発を含みましての技術開発というものにつきまして、私たちまだ全技術のバランスというものが必要ではなかろうかというふうに感じているわけでございます。これが、この宇宙開発などにおきましては、システムエンジニアリングというかっこうにおきまして、全般の総合的な技術のバランスをとりながら、こういうビッグサイエンスを開発していくということが必要だろうと存じておる次第でございます。

加藤博男科学技術庁研究調整局宇宙開発参事官

○加藤説明員 特別に補足することもございませんが、局長から申し上げましたような全体のバランス、それから、全体を統轄するシステムデザインあるいはシステムエンジニアリングというものがアポロ計画あるいは日本で考えております宇宙開発におけるいわば技術上の一つの特徴というとらえ方をしてもいいかと存じます。  なお、先生最初の御指摘にもございましたように、アメリカの意欲を高く評価するというお話もございましたが、こういう新しいものへの挑戦と申しますか、という段階においては、あくまでもそれをなし遂げる決意と、また、そのために国の総力をあげるという態度、これが技術以前にまた重要なものではないか、私もそう考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 当然こういう問題になってきますと、反省と同時に、わが国としての計画がやはりこの中から教訓として得られなければならぬと思うのです。そういう点を日本は日本なりにこまっちりとしたところの宇宙開発をやらなければいかぬのじゃないかと思います。こういう大きな計画はとても望むべくもございませんが、しかしながら、日本の計画としてやっていこうとしますならば、ここに国費をどういうぐあいに投入するかという、あなた方二人、それに科学技術庁長官あるいは官房長、一緒になって非常な熱意を持ってやっていただかなかったら、私はこの宇宙開発は後々しりすぼみにならないか、しりすぼみにならないとするならばアメリカの技術そのまま日本へ移す、こういう結果になりはしないかということを非常におそれるわけであります。  それから次に、十一号の計画がアメリカのフィリップス・アポロ計画部長から先般発表になりました。これは私たちが非常に期待をしております、人間が月面に到着して、そして十時間月面におって、二時間四十分ほど作業をやる。その間にテレビのカメラを写したり、それから月の砂をとったり、石をとったりして、これを地球上に持ち帰ってくるという、非常に画期的な作業をやるわけですね。これが発表になったわけであります。そして、いまもお話がありましたように、こういう計画、それから訓練、これに三週間ほどかけて、来月の――この月になりますね、七月の十六日の午後十時三十二分に打ち上げる、二十日に月を回る、二十一日にはアームストロングとオルドリンの二氏が月におりていく、月の静かの海におりていく、コリンズ氏が母船に残る、そして十時間月におっていま言うような作業をやる、そして母船が二十五日南太平洋へ着水する、こういうような作業を発表して――大体この間二百時間かかるということであります。そうして、その石が、五十日ないし八十日置かなかったら、これは公開できない、こういうぐあいにいわれております。それは一つは防疫体制が万全であるかということ、石の消毒ができたかということですね。このことに非常に気を使っておるようであります。  ここで私は、一つの教訓を得、そして、皆さんにお伺いしたいことは、こういう一連の計画がなされたのでありますが、この中に、マスコンというものが月にある、これは非常にこわいんだ、うっかり月におりると、密度の非常にこまかいところの砂でできておって、足をとられてしまうのだという説もあるわけなんです。これは私らにはわかりませんので、こういうことがどうなのかということと、それから、ちょうど月におりていくときに、逆推進をやって、時速一・六キロメートルに速度を落とす、そうでなかったら暴走してしまって月に激突をするということなんですが、こういう技術のやり方は一体どうなのかということであります。これは話としては、物語りとして読むのは簡単ですけれども、これはひとつ科学的に説明をいただきたいということ。  それからもう一つ、これを見ますと、十時三十二分に打ち上げて、そして帰ってくるのが二十五日の何時何分、南太平洋のどこに着水するという、こういうような正確な計算は一体どうしてやるのか。あなた方のお話では、総合的な技術を開発しなければだめなんだ、こういうことなんですが、これをひとつ御説明いただきたいと私は思うわけです。簡単でけっこうです。専門的なことはとてもむずかしいから、私にはわかりませんから……。

加藤博男科学技術庁研究調整局宇宙開発参事官

○加藤説明員 ただいまの御質問、三ついただいたと思いますが、最初のマスコンにつきましては、ちょっとただいまよくわかりませんので、後月調べましてお答えをさしていただきます。  二番目の降下速度でございますが、これは先生御指摘の時速一・六キロでございますか、私は秒速一メートル、そういう感じかと存じます。これは速度を落とす、速くするかおそくするかということ自体は、技術的には、本質的にはあまり差はないと存じます。あとは、いかに制御の技術が厳格にできるかということかと存じます。したがいまして、これがたとえば静止軌道に上げますときの誘導制御の精度と同じ精度でこれが可能なものであるのか、それ以上に一けた高度の技術であるのか、ちょっといまその点は私はつまびらかにいたしません。基本的には制御技術の精度の問題であろうと考えます。  それから、三番目の御指摘の計算でございますが、これは計算自体はさほどむずかしくないと存じます。基本的には、簡単に申しますと、月と地球との間の距離、その間を通りますルートと申しますか、軌跡を計算いたしまして、そこを飛びます速度を計算してまいりますれば、計算上はかなり正確に出てまいるはずでございます。ただ問題は、その予定速度を、あるいは予定軌道をそのとおり正確に飛ばし得るかどうかというところが、今回のこの計画のいわば成否を決定するゆえんであろうと存じます。その意味におきましても、やはりこれも制御技術あるいは誘導技術と申しますか、それの正確さがどれだけあるかということだろうと思います。  以上でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ちょっと私もいま正確に申し上げなかったわけですが、月面十五キロメートルの高さのところを飛ぶときに逆推進で一・六キロの速度にして、それから降下していくのには一秒間に一メートルの速度でおりていく、こういうことなんですけれども、その次に、地球上でいろいろな設備をやり、計算もきっちりやって打ち上げるときには、なるほど月に向かって打ち上げが可能ですけれども、今度は向こうでは、技術者ではない、乗組員であるところの二人が母船に向かって上がっていかなければならぬでしょう。そういうことを一体どうしてやるのかということを、大見当でけっこうですが教えていただきたいと思うのです。これができなかったらもう月に残されてしまう、捨て子になってしまうわけですね。  それから、今度母船に帰ってまいりますね。帰ってまいったときに、それからまた母船が噴射して、そして地球に帰ってこなければならぬわけなんです。それが宇宙速度にならなければいかぬわけですから、それだけの速度を一人、二人、三人の技術者でよくもマスターできたものだと思うのです。それは勢い基地からいま誘導制御のやり方でやっておるのだろうと思うのですね。その辺のところをひとつお聞かせいただいて、そして、私のきょうお聞きしたい問題点に入りたいと思うのです。

加藤博男科学技術庁研究調整局宇宙開発参事官

○加藤説明員 ただいまの御質問に正確に私どもお答えできるかどうかどうもあまり自信のない点もございますが、それからなお、お答えいたします中に若干の推測も入りますので、間違いがございましたら、ひとつ御容赦いただきたいと存じます。  アポロ自身の飛行並びに制御と申しますか、というものにつきましては、かなり自動化が進んでいるように聞いております。そのときに何を基準に自動制御なら自動制御のもとを出すかというあたりになりますと、私もつまびらかにいたしませんが、非常に自動制御が進んでおりまして、極端な言い方をいたしますと、ほとんど人間が触れなくても、たとえば、いま出発をするというときにボタンを押しまして噴射薬を噴射させれば、あとは中にそのシステムが組み込まれておりまして、だんだん噴射の速度の制御や何かが逐次できるというのが原則になっているように聞いております。なお、そういう場合でも、いわばそれが十分にいかない場合、いろいろございますので、また人工によっても動かし得る、あるいは修正できるというのも組み込まれておるわけでございますし、また、地上との連絡も、地上のいわば指令を受けまして、それによって内部で作動するということのようでございますが、基本はどうもかなり自動化が進んでおる。この点、私、非常に高度な技術かと思いますけれども、そう聞いております。  なお、そういう自動化が進んでおりますけれども、そういう人工による修正も必要でございますので、聞くところによりますと、何かスイッチが数百個あるという話でございますので、その意味では全体のシステムがいかにたいへんなものかという実感で私ども見ている次第でございます。  以上であります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いまお聞きいたしますと、非常に複雑な機械のようですね。それをこなすということはまた人間としてもたいへんなんでしょうと思います。  さて、そこで、この十一号計画からさらに次に  十二号計画を九月に持ち、十三号計画を十一月に持ち、六つの宇宙船をこの表面に順次長く滞在さすようにやって、そうして、アメリカはNASAの計画で、月から何を得ようとしておるのか。いま、万博にそのときの石を並べるだとか砂を並べるだとかいって興味を持っておりますけれども、しかし、何か目的なしにこれだけの国費を投じて月まで――一つのメンツだということで言う人もあります。また、ケネディ氏のように、こういうことよりもむしろ社会保障に力を入れよというような意見も出てくる。このアポロ計画をやめるとかやめぬとかいうことが論議になってくる。しかしながら、この月に到着して、また十二、十三と順次やるわけですね。長く滞在するというのですから、私は月に対してかなりの執念があると思うのです。その月たるや、いま申し上げました――これは後ほど研究していただくわけですが、マスコンの危険があるといわれておりますし、とても人間のおりて住めるようなところではありませんし、広漠たるもののようであります。何を目的にしておるかということ、これが一つ。  それから次に、アポロ計画に日本としては見学をするとか参加するとかいうような計画があるのかどうか。  それから、大臣、その後、日本の技術者を、このアポロ計画に参加した学者あるいは乗り組み員等から勉強さすというような計画があるのかどうかということ。  そして私は四番目に、一番申し上げたいことは、この誘導制御の技術、これをどのようにして日本がマスターするか。これを取り入れなかったら、日本の宇宙開発はとても間に合わぬのですね。外務省ないしは科学技術庁長官もこれについては相当御配慮になって御苦心なさっておるだろうと思います、ジョンソンメモの問題も非常に問題になりましたから。しかしながら、これについてはやはり日本はきっぱりした態度を持っておらぬと、お隣では非常にりっぱな開発ができておる。日本は依然として地面にひっついた開発をやっておる、地面から根から上へ飛び上がれぬということでは、滑走ばかり多くして、やがて立ち消えになってしまうのではないかという心配をするのですが、どこでアメリカの技術と接点を持つかということなんです。私は、科学者をやるのもいいだろうと思いますし、アポロ計画に参加ぐらいさしてもらってもいいだろうと思うのです、日本とアメリカとは非常に仲がいいのですから。そういうことをさえ思うのですが、このアポロ計画のお話を承ったのは、私は、そういう計画なり反省なり、そして、それから得るところの教訓というものが日本としてはあるか、科学技術庁として持っておられるかということに非常に興味を持っておったわけです。それで聞き方は悪いですけれども、お伺いしておるわけなんです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまいろいろアメリカのアポロの問題について御質問がありました。局長と参事官からお答えしたとおりでありますが、これはまことに雄大な計画でありまして、アメリカはもちろん威信のことも考えておるかもしれません。しかし、また、月に対する科学的の調査、このこともおそらくは深く考えておるだろうと思いますし、また、この開発によるところのいわゆる副作用といいますか波及効果、これは非常に高く評価しているだろうと私は思います。私どももこれを評価いたしております。  そこで、このアポロ計画に学者その他技術者をやって参画をして勉強させるかという話でありましたが、私どもは、実はこの規模の点あるいは国力の点など、いろいろ考えまして、アポロ計画のような月まであの大きなものを打ち上げるというようなことを、ただいまのところは考えておりません。将来、これが非常に進んできて、わが国の力も進んできてそういう余裕が出てくるということになれば、これは別ですけれども、ただいまのところはそういうことは考えておりませんが、しかし、いま御質問のありましたような、アメリカの非常な各種の科学的の進歩、この点は私は高く評価して、そしてこれは導入して利用すべきものは大いに導入すべきだ、私はかように考えております。  私どもこの明治百年のスタートの初めにおいて、われわれは科学のサイドが非常におくれておりました。それをわれわれの先輩が苦心惨たん、今日まで追いつき、そして追い越そうという努力を各方面で重ねておるのですが、この月のアポロの計画などにしましても私は同様だと思うのです。私どもは確かにおくれております。しかし、それを、個々の進んでいるものを取り入れられるものは取り入れ、さらにこれに自主開発を加えて、そして、場合によれば、ある方面においては技術においてはアメリカよりも進むくらいなものにもする面があってほしいと私どもも思っておるのです。それにつきまして、私どもはアメリカのほうに技術の導入についていろいろ打ち合わせをしておるのですが、私どもの計画はこれは非常に大事なことでありまして、どうしてもやはりこれを導入するものは導入しないと、スムーズにできないと、私どもの予定の計画にも多少の影響があるのではないかということを常々おそれております。先般もそのことを申し上げたわけであります。アメリカの技術導入を前提として私ども考えておるということをかねがねお答えしておることはその意味なんでありまして、その点についても十分に注意して、今後できるだけ優秀なる技術を導入できるものは導入して、そして利用してまいりたい、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣、そこまでのお話は、この間うちからもう何回も聞いておるわけですが、具体的にもう計画を立てておるか、あるいは人をやっておるか、どこへやるのか、こういうことなんです、私が聞いておるのは。それがあるかということを聞いたわけなんで、アポロ計画を日本が同じようにやるというようなことは、それは夢にも考えられません。そんなことのための技術でなくて――これだけ大きな技術の開発をやったのですから、いわば大鵬と小学校の一年生、いや、小学校の一年生よりもっと小さいかもしれませんな。はいはいの赤ん坊かもしれません。それを急に大きくするわけにいきませんけれども、何年かたてば何歳かになるのですから、そう大きくなったそのからだに合ったところの宇宙開発を今度はやらなければいけない。それには無手勝流ではできないのですから、やはりこの段階では技術を導入しなければ私はだめだと思うのです。東大にずいぶん私も食いついていろいろなことを言いました。しかしながら、今日なお、ラムダ、日の丸衛星なるということを言いましたけれども、いまだに何にも音さたないですね。そういうことですから、誘導制御の技術においては全くおくれをとってしまっておると思うのです。だから、なりふりはかまってくださいよ、あまり日本の国が屈従してしまって、そして、秘密条項まで背負わされるということになると困るのですが、大臣、その具体的な話は進んでおりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この問題を、先般来ときどき、形は変わっておりますけれども、御質問があったのですが、昨年の正月ジョンソンメモがありまして、それから十二月にこれに対して返事をして以来、外交ルートを通じましてこちらのほうで導入したい問題についていろいろ協議をしているわけです。私は、近くその結論を得るだろうと思っております。そうしましたら、これは、かねて申し上げておりますように、どういうものをどういう妥結を得たかというようなことはひとつ皆さん方に公表いたしたい、かように思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 これは大臣、皮肉ととらないでもらいたいのです。とかく科学技術庁というところは、いままでやられておるのを見ましたら、アメリカの原潜から放射能が出たということになりますと、それを隠蔽することばかり考える。前向きじゃありません、うしろ向きです。阿賀野川の水銀事件がありますと、全体的な科学調査をいろいろやった。その科学調査をやった結果、科学技術庁が故意に真実を曲げてしまう。いまの近江君の質問でもそうです。この放射能の問題につきましても、もう防戦に大わらわですね。これでは私は科学は前進しないと思うのです。今度でも、ジョンソンメモのやつをどう隠蔽してどうつくろおうとするかという形だけ整えるということしか進んでいないと思うのです。したがって、一月でしたから、今日の段階になればだれを留学生としてやる、このアポロ計画の中にだれを入れる、いや入れられない、そういうもう具体的な段階にこなければ、じんぜん日を過ごしてしまっておくれをとることおびただしいと思うのです。これだけりっぱな手本があるのです。そういう手本を目の前にしながら、それに対するところの取り組み方というものが私は非常に消極的であろうというような感じがいたしまして、きょうは具体的なものは何ぞあるのですかということをお伺いしておるわけです。近く結論を得るということですから、結論を得ましたら、ひとつだれを派遣するか、もう東大からも行ってもらっていいじゃないですか、科学者、技術者がたくさんおるのですから、もう満を持して日本の学者もおるのですから、それを国家の費用でやっていただくということになれば、喜んで行ってくれると思うのです。それだけの焦燥感をみな持っておるわけですから。そういうことにひとつ大いにファイトを燃やしていただいて、具体的な計画を立ててもらいたいと思います。それから、局長と参事官、先がたの私の質問に対してお答えいただきたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 初めに御質問ございました、何を月から得ようとしておるのかという問題でございます。  確かに先生の御指摘のように、アメリカといたしましては、メンツの問題もあったことと存じます。しかし、その問題はその問題といたしまして、このアポロ計画が成功いたしました暁には、どういうようなことが得られるのかということから考えてみますと、やはり各国ともアポロ計画が成功した暁にほしがっているもの、さらにアメリカがやはりそれを代表して得ようとしておるものということを考えますと、大体三つほどに分かれるのじゃなかろうかと思います。  といいますのは、従来前人未踏の地でございました月へ参りまして、月から地球を観測する、これは科学的観測でございます。そういうためには月というものは非常にかっこうの場所であるということでございます。では、観測というのはどういうものを観測するかということになりますと、いろいろ月と地球の間の空間の状況の観測もあると思いますし、また、地球そのものの観測というものもあると思います。地球そのものの観測の中には、たとえば気象の問題あるいはその周辺の大気の組成の問題その他科学的な問題があると思いますが、やはりそういうものを通じまして、今度は月の開発を通じましての地球の歴史、ことにこれは物理学的なものでございますが、地球がどういうふうにして従来生成されてきたかという問題については、まだ幾多の疑問がございますので、そういうことを解決するにはかっこうな観測ではなかろうかと思います。さらに、今度は月を基点といたしまして、その他の惑星あるいは宇宙空間、銀河系、そういうようなものの観測ということも、現在の地球で得られるよりもさらに多くのデータが月から得られるというふうに考えられるわけでございます。  このような面におきまして、アポロ計画が成就いたしますと、やはりNASAとしてはその次の段階へ取りかかっていくのではないかと考えておる次第でございます。  それに伴いまして、これは各国とも、アメリカの月アポロ計画の今後の開発というものにつきまして協力体制をとっていくと思っておりますが、やはりわが国におきましても当然どの程度――積極的になりますか、消極的になりますか、その点は今後の考え方によるわけでございますが、少なくとも学界方面におきましては、これと接触を保ちながら今後の研究を進めていくというふうに考えられるわけでございます。その一つといたしまして、万博のときに、月から持ってまいりました鉱物とか、そういうものが展示されるということもいわれておりますし、当然月から今般十一号で持って帰りますいろいろな鉱物というようなものもわが国に持ってきて、そういう分析も始めるということで、この計画に対しての協力体制というものができるものと思っております。  それから、誘導制御の技術でございますが、これにつきましては先ほど大臣からお話がありましたように、私たち鋭意その点について現在交渉中でございますが、私たちの誘導制御というものに対する考え方あるいは全般の技術というものに対する考え方としましては、先ほど申しましたように、どちらかといいますと、日本の技術というものはアンバランスがあるというふうに考えられるわけでございます。たとえば、この誘導制御なんかに使いますコンピューターのようなものでございますが、あるいは制御関係の技術というものも、部分的には確かに従来の日本の技術でそのまま導入しても使えるものもございますが、それを総合的に使いますと、やはりその間にいろいろな問題点が出てくるということで、先ほど御質問がございましたアメリカの技術との接点という点はどこに置くべきかということが非常に問題になってくると思います。したがいまして、日本で相当発達している技術については、その接点の部分は、接触部門というのは相当高いわけでございますけれども、部分的には、ある部門に限っては低くなる。このようなことではとうてい向こうの誘導制御の技術を受け入れましても、また受け入れ方自体がアンバランスになるということでございますので、われわれとしても、当然数年前からこの誘導並びに制御の技術については検討を進めているわけでございます。従来からわれわれで進めておりますこの技術と、アメリカから導入してまいります技術をいかに早く消化できるかというかっこうでわれわれ進めてきておりますので、この点につきましては、なるべく早く接触部門のポテンシャルを高めようということでございまして、高めれば高めるほどアメリカからの技術導入というものは少なくて済む、あるいは、導入しても、すぐそれを消化いたしまして自分のものとできるというようなことで、現在計画を進めているわけでございます。

加藤博男科学技術庁研究調整局宇宙開発参事官

○加藤説明員 ただいま局長が申し上げましたので、特別ございませんが、結果論になりますが、いま申し上げました天体問題のほかに、結果的に新しい技術などが芽ばえてきました。これが他への関連効果というものも非常に目ざましいようでございます。  これも若干受け売りになりまして、要するに、出ておるものからの引用でございますので、恐縮でございますが、二、三身近な例を申し上げますと、たとえば三十センチ角ぐらいの電子計算機がつくられるようになったとか、鉛筆のおしりについております消しゴムがございますが、あれぐらいの大きさの電池をつくるということでございます。あるいは非常に興味があると思いましたのは、一種のコンピューターシステムでございますが、名前はスター、星のスターという名前でございますが、このシステムでは、機械自体が自分でテストをいたしまして、不良部品がございますと、それを自動的に交換するというようなものも開発されたという話でございます。また、ちょっと話としてもおもしろいものといたしましては、視線、人間の目の動きでございますが、これでスイッチがオンになったりオフになったりするようなもの、これはどういう原理であるか、私よくわかりませんが、そういうものもあるそうでございますが、こういうものへの波及効果というものは、八兆円あるいは十数兆円の、評価としてどうかは別でございますが、産業に対する波及効果としては非常に高いものがあるのではないかという感じはいたしております。それだけつけ加えさしていただきます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大体、時間もありませんし、これぐらいでおきたいとは思うのですが、最後に承りたいのは、これは私のしろうと考えで、そんなことよりもっとほかのことが大事だとおっしゃるかとも思いますけれども、まず推薬ですね。固体か液体かは別にいたしまして、これの研究にアメリカに技術者をやらなければならぬのじゃないかと思うのです。  それから二番目には、どうしても問題はロケットですから、ロケットの技術、それから三番目には誘導制御、それから四番目には人間工学ということが非常にやかましくいわれておる、この問題、それからコンピューター、これだけぐらいに分けて技術者を送らなければいかぬのじゃないかと思うのです。これは科学技術庁が主導権をとってやってもらいたいと私は思うのです。大臣、もうこのままにすれば、おそらく産業界の言いなりに、産業界のほうが先行してしまうと思うのですね。政治が先行し、行政が先行しなければ、この科学だけはどうにもならぬだろうと私は思うのですよ。もうけ主義的に産業界にやられた日にはたまったものじゃありませんからね。産業界はおそらく、いま加藤参事官がおっしゃいましたスターシステムなんかというものについては、垂涎おくあたわずというような考え方を持っているのじゃないかと私は思います。それを何とか取り入れたいという意欲には燃えているかと思いますけれども、先がたおっしゃいました総合的な技術開発、それには役に立ちません。産業界だけにまかしておけば、それだけぽかんと一つの企業が向こうへ行ってとってきて、自分のものにしてしまいますよ。産業界も学界も、それから行政家も一体になって、その中からだれをやるというところまで私はしてもらいたいと思うのです。こういうりっぱなお手本があるのですからね。長官、ひとつその点で意欲をもってやっていただきたいと思うので、最後に御返事を賜わりたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 ただいまの御意見、ごもっともだと思うのでありまして、私ども今回、御決定によりまして、宇宙開発事業団をつくり、これも官、学、民、力を合わせ、そうして、それを結集してこの事業を遂行いたしたい、かように思っておりますので、いまの御趣旨のように、ある一部のものが抜いてしまうというようなことのないように、必要な場合には技術者も向こうへ派遣して、また、技術者を派遣しないでもできるものはこちらでやるということで、いまおあげになったような点について必要なものを導入いたしたいと思いまして、その点でせっかく交渉しているのでありまして、いま非常に積極的な意欲をもってやっているわけですから、その点はひとつ御信頼を願いたいと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 その点は非常に力強い積極的な御意見を得たわけですが、ひとつ具体化をしていただきたいと思います。この具体化をするのにはその次が問題で、予算ですよ。予算というものがとれぬ以上、何ぼ言うても絵にかいたもちになってしまうと思う。科学者を送るにしても、非常におおらかな気持ちで研究してこさすようにしてもらいたいと私は思うのです。大臣、科学技術庁の予算は、総理にも来てもらって、与党の諸君も野党の諸君も一斉に攻撃をかけて、そうして、科学の予算というものはこういう性格のものでなければならぬということを行政の最高責任者によく認識してもらおうと思うのです。そうでなかったら、これはだめだと思うのですね。  よく申し上げることですけれども、科学技術庁の予算というものは、新しい省庁ですから、次々にうんと要るにきまっているのです。それを節約せい、何%の節約だというようなことをやってみたり、科学技術庁はビッグサイエンスを、ナショナルプロジェクトをかかえるのですから、当然お金もかさが高いはずなんです。そうしたら、何%増になったというような、そういう計算の基礎の置き方、比較のしかたということには根本的な間違いがあると思うのです。この前のこの委員会で――宇宙開発事業団の責任大臣は、これはもちろん科学技術庁長官もですが、郵政大臣でしょう。そうすると、事業団それ自体は郵政省にも足を入れているわけなんです。それを科学技術庁の予算だなんて考えるところにすでに誤りがあるわけですから、そういうような比較のしかた、予算のとり方というものをひとつ具体的に進めていただいて、何ならこれは与野党一致の体制をひとつつくりたいと思うのです。これについて、大臣、大臣は前に宇宙開発事業団を設立されて、一つは大きな仕事をなさっております。しかしながら、仏さんをつくって魂を入れなければいかぬのですから、ひとつこれはよろしゅうがんばってもらいたいと思うんです。御見解を承って私の質問を終わります。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この科学関係の予算のことにつきましては、三木委員にはかねがね非常な御高配をいただいておりまして、私どもを後援、鞭撻していただいておりますことはまことに感謝にたえないのでございまして、いまの御説のとおりでありまするので、私ども、私をはじめ役所の者一致協力して、微力ながら最善の努力をして、御期待に沿うようにいたしたいと思うのですが、諸先生方におかれましても、この上ともひとつ御鞭撻、御支援を賜わりたいと存じます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 終わります。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次回は明三日木曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会

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