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61回国会衆議院1969/06/19

科学技術振興対策特別委員会 第15号

発言数
109
登壇者
13
会派数
3
開催日
1969/06/19

会議録

石田幸四郎公明党

○石田委員長 これより会議を開きます。  去る四月三日、予備審査のため、本委員会に付託されました矢追秀彦君外一名提出の海洋資源開発振興法案を議題といたします。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。塩出啓典君。

塩出啓典公明党

○塩出参議院議員 海洋資源開発振興法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  今日、世界の人口の急速な増加に加え、国民生活の向上、産業経済の発展に伴いまして、各種資源に対する需要が増大してきております。  このため、最近海洋資源の利用が世界的に注目され、米ソ仏などの先進諸国においては、海洋開発について国としての長期計画を立て、多額の研究開発費を投入してこれに積極的に取り組んでおりますことは御承知のとおりであります。  これは、海洋質源が人類に残された未開発の重要資源であるとの認識によるものであり、また、それが豊富に賦存していることが確認され、投資すれば必ずそれに見合うものが返ってくるであろうとの見通しがほぼ確実視されるに至っていることによるものと思われます。  四面海をめぐらし、国土の七五%に当たる大陸だなを有し、しかも陸上資源に乏しいわが国としては、海中、海底に眠っている海洋資源の開発は、最も重要かつ緊急を要する課題の一つであると考えます。  最近における科学技術の急速な進展は、海洋資源の開発を可能にしております。すでに先進諸外国において海洋資源の開発が活発に行なわれておりますことは先述のとおりでありまして、しかも米ソなどでは日本海にまで調査の手を伸ばしてきております。  したがいまして、わが国としても海洋資源の開発に対しましては、早急にこれが対策を立て、国の施策としてこれを総合的、計画的に推進してまいる必要があります。  この法律は、こうした最近の海洋資源開発の重要性、緊急性、さらにはわが国における開発体制の立ちおくれなどにかんがみ、海洋資源の開発に対する政策の目標、基本的施策等を定め、それに基づき、開発のための機構を整備し、海洋の調査や開発技術の研究を強力に推進しようとするものであります。  次に、法案の要旨を簡単に御説明いたします。  まず第一に、この法律は、海洋資源の開発を推進することによって、わが国産業の振興、国民生活の向上に資すべきことを明示し、これを達成するため、海洋等の調査の推進、開発技術の研究とその成果の利用の推進、研究機関の整備、研究者、技術者の確保と勤務条件の適正化、情報流通の円滑化、国際交流の推進等の施策を講ずることとしております。  第二に、海洋資源の開発は、平和目的に限られ、しかも自主、民主、公開、国際協力の原則に従って行なわれるべきことの基本方針を明示するとともに、政府は、これらの施策を実施するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講ずべきものとし、政府が講じた施策及び海洋資源の開発の進展状況に関し、毎年、国会に報告すべきことといたしております。また、地方公共団体におきましても、国の施策に準じて施策を講ずるようにつとめなければならないことといたしております。  第三に、機構の整備につきましては、海洋に関する調査、開発技術の研究などに関する事項について企画し、審議し、及び決定する最高機関として海洋資源開発委員会を設置することとし、さらに、開発技術等の研究機関として、政府の監督のもとに海洋資源開発技術総合研究所を、また実際に開発の事業を行なう者に対する資金の貸付等を行なう機関として、海洋資源開発公団をそれぞれ設立することといたしております。  第四に、委員会は海洋資源の開発に関する基本計画を策定しなければならないこととし、しかも毎年、基本計画に検討を加え、必要があるときはこれを修正しなければならないことを定めております。  第五に、この法律は、海洋資源の開発に対し、調査、研究の推進から国際交流の推進に至るまで、広範な施策について規定を設けておりますが、特に、調査船の増強、自動調査機器装置の研究等、調査観測体制の整備拡充や開発技術等の研究の推進、さらには研究施設を充実し、大学に海洋学部を設置するなど、その研究体制の整備について特段の配慮をいたしております。  以上が、本法案の提案理由及びその要旨でございます。何とぞ御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上で終わります。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

石田幸四郎公明党

○石田委員長 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。  海洋開発に関する問題調査のため、本日、東京水産大学教授佐々木忠義君及び東京大学教授藤井清光君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田幸四郎公明党

○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

石田幸四郎公明党

○石田委員長 この際、佐々木参考人及び藤井参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ、本委員会に御出席くださいまして、ありがとうございました。どうか、それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べくださいますよう、お願いを申し上げます。  それでは、最初に佐々木参考人よりお願いをいたします。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 御紹介を受けました東京水産大学の佐々木忠義でございます。  御承知のように、ただいま海洋科学技術審議会におきまして、いろいろ海洋開発に関します科学技術につきまして審議を重ねておりますが、本来でありますならば、会長の速水が本席に出席をいたしまして、皆さま方にお話を申し上げる筋でございますけれども、のっぴきならない用事ができまして、出席ができませんので、まず、海洋審で行なっております内容の概略を、会長にかわりまして私がお話をさせていただきます。そのあとで、私個人の、時間が許されますならば私見としての海洋開発への考え方を述べさしていただきたい、このように存ずる次第でございます。  海洋審におきましては、まず審議の当初に、四つの部会を発足させまして、第一部会として海洋鉱物資源、第二部会として生物資源、第三部会として海洋環境部会、第四の部会といたしまして、以上の問題に関連をいたします共通技術並びに共通施設に関する部会、この四つの部会が発足をいたしまして、それぞれ部会長のもとに専門委員を委嘱いたしまして、何回となく部会を開いて、検討をいたしたわけでございます。私は、第四部会長を仰せつかりましたので、全体の御報告のあとで、特に第四部会の問題についても、お許しがありますならば、御説明をいたしたいと、このように考えます。各部会で専門委員を委嘱いたしまして、これらの問題を慎重に検討、審議をいたしましたものを何回となく総会に持ち込みまして、全体的な観点からこういう問題をどういうように取り扱っていくかという総会が、これまたひんぱんに招集をされたわけでございます。その総会におきまして、現時点で最終結論が出ておるわけではございませんけれども、作業はかなり進行いたしまして、近く総会としての、海洋審としての結論がまとまるものと思っております。  以上のような経過に伴いまして、海洋審でいま考えておりますごく大ざっぱの内容を申し上げますと、まず第一は、将来こういうものが取り入れられますならば、国の施策としてぜひお願いをしたいという幾つかの項目があるわけでございますが、その第一の問題は、とにかく日本周辺の大陸だなの海底をこの際徹底的に基礎的調査を行なう必要がある。ごく大ざっぱな内容は、海底の地形がどうなっているか、地質がどうなっているか、日本周辺の大陸だなに一体どういう程度の鉱物資源が賦存するかといったような、その資源の問題等を含めまして、日本周辺の大陸だな海底の徹底的な調査研究の推進をやる必要があるということが第一点でございます。  第二点は、海洋という環境を私どもがどのように把握し、それをわれわれの生活に役立てるか、海洋環境をいかに利用していくかという問題でございまして、したがいまして、海洋を、いろんな複雑な現象がたくさんありますけれども、きわめて迅速的確に把握するためには、いろいろな手段が必要でございます。たとえば、海洋の各海域にロボットブイ、つまりいろいろな海象を把握いたしますセンサーを積んだブイを設置いたしまして、そのブイから、時々刻々変転きわまりない海象をほかのステーションにテレメータリングで送ってくる、それをほかのステーションで受けまして、直ちにコンピューターにかけてそれを解析していくとか、あるいは、必要なデータをおかのほうからコールシステムで逆にこっちがコールいたしますと、直ちにそれに反応して、必要なデータがいながらにしてとれるとかいったような海洋の環境、複雑な海象を的確迅速につかんでいく、そうして、海洋開発の基礎の確立をしなければならない。そういうようなことをかりにいたしますと、エレクトロニクスとか、あるいは関連をいたしましたいろんな分野の科学技術が、当然の結果として、飛躍的に発展をすることが期待ができる、こういうわけでございます。  第三点は、わが国は、御承知のように、裁培漁業におきましてはおそらく世界第一の地歩を占めておる、そいう科学技術を持っておるというように考えられておりますが、まだまだこういうように資源の乏しい、人口の多いわが国でございますから、少なくともわが国周辺の大陸だなに、各地に裁培漁場というものをつくりまして、積極的に魚を養いとっていくという姿勢をこの辺で出さなければならないじゃないか、そのためには、一挙にそういうことができる段階にはまいりませんので、現在持っておるすぐれた科学技術を結集いたしまして、わが国の適当な、かなり広範にわたる海域を設定をして、それを実験海域として、周辺全体に及ぼすための基礎の技術をそこで積み上げていく、開発をしていく、そういったような家験栽培漁場というものを直ちに設定して、もちろん、それに伴います各種の機器、装置をあわせて研究開発をしていくということが必要ではないか。  それから第四点は、主として海底の石油、天然ガス等の鉱物資源の採取に関する問題でございますが、申し上げるまでもなく、これまでのわが国の石油産業は、遺憾ながらその技術その他の点において外国に多くのものを依存してきた。このままで推移いたしますと、諸外国ではさらに進んだ、すばらしい技術を開発しておりますので、この辺で私どもも思い切ってかなり長い先を見て、当然こうなるであろうと考えられる、先行的と申しますか、そういう技術を開発いたしまして、そして、石油掘さくの——現在五十メートルくらいでとっておりますけれども、将来は二百五十メートルぐらいのところの海底にそういう装置を設置して、そこからさらに数千メートルに及ぶ深度までのボーリングができる、そういったような、かなり長い先を見た先行的技術開発をいまにして行なわなければ、再び後塵を拝するはめにおちいるだろうといったようなことから、そういうような先導的な技術の開発をすべきではなかろうか。  それから、最後の第五点でございますが、以上のようなことをいろいろあわせ考えますならば、すべての問題に共通をいたします共通的な技術、共通的ないろいろな施設というものが当然出てまいるわけでございます。たとえば、ごく簡単に一例を申しますならば、これも十分御承知のように、アメリカ、ソ連、フランス、ドイツ、イギリスあるいはスコットランド等では、海中に作業基地をつくりまして、そうして、人間がそこに長期間滞在をして、そこで生活をしながら海洋資源開発の場所に出かけていって、そこで働いて再びわが基地に帰ってくる。船上から潜水いたしますと、潜水時間が非常に長くて、作業時間が非常に短い。一日のうちにわずか二、三十分しか海底で働けない。しかし、そういったような海中作業基地をつくって、そこに居を移せば、何十日に及ぶ長期間にわたって多くの人が資源採取に従事することができる、そういうことの可能性を見出すために、いま申し上げたような諸国では非常な力を入れて、その技術開発に邁進をしておるわけでございます。すでに皆さま方の御努力で、わが国におきましても、再来年を完成目途といたしまして百メートルの海底に海中作業基地をつくりまして、四人の海底作業員が約一カ月にわたって滞在をし、資源採取のためのいろいろな手法、手段を習得していく、それを受けまして、今度は、少なくとも大陸だなを少し越しました二百五十メートルくらいの海底にさらに規模の大きい海中作業基地を設置いたしまして、収容人員が十名、そこで日本じゅうの海底で働く第一線——私は先兵と申しておりますが、そういう先兵を入れかわり立ちかわりその共同利用施設を使ってそこで訓練をしていく。直接水圧を受けながら人間が悪条件下で働くということは、決してりこうな方法ではございませんけれども、いやおうなしにここかなりの長い間はそういう手法で資源開発にアプローチしなければならないというのが現状でございまして、それを見越して各国でも非常な力を入れてやっておる。そこで今度は、大陸だなを越えた二百五十メートルあたりのところに設置をして、そして、入れかわり立ちかわりそこでたくさんのそういう海底開発の先兵を共同利用施設を通して養成をしていく、そういう特殊技術者をつくっていく。そのためには、いきなりそういうことができるわけではございませんから、そういうことを行なう実験海域を求め、そして陸地には事前に高度の教育技術を持った人をさらに潜水シミュレーターという方法で、タンクの中に入れまして、実際に海の中に行かなくても、海の中に入ったと同じ技術が習得できるやり方があるわけでありまして、一例を申し上げますならば、航空機の操縦士がシミュレーターを通して操縦を習得し、ほとんど飛行機に乗らなくてもりっぱなパイロットになれると同じように、ほかの潜水シミュレーターで徹底的なそういう教育をする。その共同利用施設としての潜水シミュレーター並びにそれに関連するいろいろな施設がございますが、そういったようなものにすぐこれから手をつけなければならない。へたをすると青い目の先兵がわが国周辺の資源開発に従事する可能性があるのではないかというように私はかねがね考えておるわけでございますが、この共同利用施設、機器に関しましては、私が部会長をいたしております第四部会ですべてまとめたものでございますが、その中の一つとしてそういうものがあります。  それから、これも御努力によりましてようやくできました、わが国では最高の潜水深度を持っております潜水船「しんかい」、これは四人が乗って六百メートルの深さに潜水をして、いろいろな基礎的調査に従事をする特殊の潜水船でございますが、諸外国ではもう数千メートルが常識でございます。諸外国でやっておるからというわけではありませんけれども、世界の海洋の九五%は深さ六千メートルくらい。アメリカでスレッシャーという原子力潜水艦が沈没いたしましたが、その原因を調査するときに、どうしたかと申しますと、アメリカが持っておりますバチスカーフ、深海潜水艇を使ってたいへんな努力をしてやったわけでありますけれども、ああいう原理のものは機動力がない。いろいろな問題で非常に困りまして、その事故を契機として、アメリカは潜水船の研究開発に従事して、現在すでにアメリカでは十数社の各企業がそれぞれ独特なるものをつくっておる。大体海洋の九五%が六千メートルの深度を持っておりますが、先だってあれは「ぼりばあ丸」でございましたか、沈没をいたしましたのも六千メートル程度で、ああいうものの原因を追及するにいたしましても方法がないわけであります。世界の海洋の九五%を占める深度でああいう事故が起こった場合に、直ちにそれを調査する手段、今後のいろいろなことをあわせ考えますと、少なくとも六千メートルを目標とする新しい深海潜水船の技術開発がどうしても要る、といったような幾つかの項目がその中に包含をされておるわけでございます。  第一部会につきましては、御出席の藤井第一部会長が担当をされておりますので、御説明があるかと思いますが、以上私見をまじえまして、海洋審の今日までの審議の状態を御報告いたした次第でございます。  一度ここで話を打ち切りまして、あとに、もし必要でございましたならば、私の全く個人の見解を申し述べたい、このように考えます。  以上でございます。(拍手)

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次に、藤井参考人にお願いいたします。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 ただいま佐々木教授から、海洋科学技術審議会の概略、全般的なお話がございましたが、私は、第一部会長といたしまして、鉱物資源開発の問題を取り上げる委員会を進めてまいりました。それで、それに関しましてお話しいたします。  海洋の鉱物資源開発ということは、これは、具体的には最も最初に手をつけられましたのは、石油と天然ガスでありまして、すでにアメリカでは一九三〇年代からまず具体的な調査並びに開発を行なっておりまして、特に一九五〇年代になりますと、非常に石油の生産量がふえまして、現在におきましては、昨年あたりでおおよそ石油の生産量の一六%というものは、海洋の地域から産出しておるという状態であります。  これに比較しますと、わが国のそういう海洋鉱物資源開発ということは非常に立ちおくれておりまして、これは、一つには、地域的な自然条件という制約を受けておるのが原因ではありますが、石油もまた国産というものに関して海洋地区の開発というものは、非常に微々たる程度でしか行なわれておりません。わが国は、御承知のように、陸地の面積が非常に狭いということで、種類から申しますと、鉱物資源はあらゆるものを産出するのでありますが、量からいいますと、はなはだ貧弱でありまして、特に最近の工業技術が進歩しますと、その原料ははなはだしく不足しております。ところが、昔からわが国は海の国といわれておるのでありまして、周囲は全く海に囲まれております。地質学的にいいますと、現在陸地というのは、単に少し場所が高いというだけで陸地でありまして、海の部分と必ずしもそう大きな違いはない。したがって、その大陸だなが問題になるわけであります。すなわち、大陸だなというのは、準なる陸地の延長でしかありませんので、陸地において各種の鉱物が産出するわが国においては、海洋においてもやはり各種類の鉱物が産出すると推定することは決して無理ではありません。ところが、実際には、海洋に対する調査というものははなはだしく立ちおくれておりまして、自然の条件に恵まれておるにもかかわらず、いままでの実績というものははなはだ貧弱でありました。  それで、第一部会としましては、この鉱物資源開発ということに大いに力を入れるべきであるということで、それの基礎技術というものはいかにあるべきかということに重点を置いて審議してまいりました。それで、まず基礎的な調査が必要であります。これには地形、地質の調査ということ——これはもちろん海洋の地区でありますが、海洋の地形、地質を調査する、それを積極的に行なうということ、こういう調査は、陸地に比べますと非常に金がかかるということが一つ原因でありまして、いままで手をつけておらなかったわけでありますが、それをまず実行するということが必要であります。  次に、そういう調査技術を進歩、発達させるということ、これが必要であります。御承知のように、わが国の工業水準というものは非常に高いものでありますから、そういう進んだ技術を海洋のほうに応用しますと、このような調査というものは決してむずかしいことではありません。で、それを組織立てて行なうということがまず必要であります。それには調査船が必要であります。それから、船から海底に向かってボーリングをする装置、それから物理探査によって海底の地形を調査する装置、ボーリングによってとった地質のサンプルを分析する技術、そういったようなものをまず積極的に進めます。また、海洋というのは、特に日本海あたりでは非常に自然の条件が悪いのでありまして、特に日本海の冬季における天候というのは非常に悪く、常時作業を行なうのははなはだ困難であります。それで、かなり大型な装置を使って、以上のような試験をする必要があります。従来は、わが国では、アメリカの技術によりまして一つだけ海洋で掘さくをする装置を持っておりました。それで、ある程度日本海も調べまして、すでに幾つかの海底における油田を発見しております。かくのごとく、実行さえすれば日本近海の鉱物資源というものはかなり有望であると考えられます。  一方、世界の状況を見ますと、陸地の面積の十分大きなアメリカ、それからソ連といったような国ですら、海洋に対しては非常に積極的でありまして、国として非常に大きな金を使いまして開発しておるという現状であります。それよりややおくれましてヨーロッパ諸国というものが、やはり海洋の鉱物資源開発に乗り出しております。ヨーロッパの例を申しますと、北海におきましては、以前には、石油とか天然ガスの資源の存在というのは全く予想もされなかったのでありますが、数年前から調査を始めまして、これにはかなり経済的な犠牲を払ったのでありますが、最近は経済的に十分引き合う天然ガスを発見しまして、ヨーロッパにおけるエネルギー事情というものを全く変革させてしまうというところにまで至りました。  こういう諸外国の努力に比べまして、わが国が、国として何をしたかといいますと、非常に微微たるものでありまして、海の国といわれながら、ほとんど何もしなかったといっても決して言い過ぎではないような状態でありました。そういうわけで、一般的には、日本の工業技術水準というものは非常に高いのでありまして、現在では必ずしも外国から技術導入をしなくてもやっていける状態でありますが、海洋に対する関心が低かったということから、海洋におけるそういう技術の立ちおくれが非常に目立ったのであります。  それで第一部会といたしましては、このような立ちおくれを回復するために、各種の調査を行ない、また、必要な調査装置をととのえるということ、たとえば非常に大型な装置を使って海の深さ、まあ二百ないし二百五十メートル程度でもボーリングできるようなものをつくるといったようなことを含めまして、全般的な、今後日本としてやるべき技術の方針を決定する案を練った次第であります。  以上概略を申し上げまして、あと時間がございましたら説明をつけ加えたいと思います。  以上です。(拍手)

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 ちょっと私、言い落としがありますので、よろしゅうございますか。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 どうぞ。佐々木参考人。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 先ほど五つの基本的な大きな問題を申し上げましたが、以上申し上げました五つのプロジェクトのほかに、こういう問題も取り上げております。  それは、一つは海水の有効利用ということでありまして、申し上げるまでもなく海水の淡水化、それに要する技術の開発、それから、単に淡水をつくるということのみならず、海水中には約六十種類の元素が溶け込んでおりますけれども、現在われわれが利用しておりますのは数元素にすぎません。その数元素の中でも多量に輸入をしておるものがあります。したがって、大量の海水を処理するような時点になりますと、未利用な、未開発な海中に溶け込んでおります元素の回収、これも諸外国で非常に強力に進めておるわけですが、そういうものを当然取り上げなければならない。そういうものを含めまして海水の有効利用の技術の開発ということが一つと、それからたん白資源、主として水産動物たん白の高度利用の技術の開発、こういう大きな問題がございます。それからもう一つは、未開発、未利用生物資源の開発調査、こういったものをひっくるめまして、以上の五つのプロジェクトのほかに、さらにこういうことも強力に推進をする必要があるであろうということでございまして、大事な点を落としておりましたので、補足をさせていただきます。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。     —————————————

石田幸四郎公明党

○石田委員長 質疑の申し出がありますので、次これを許します。石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 参考人にはほんとうに御多忙のところ御苦労さんでございました。  きょう御説明を受けたのは、ほんとうの基礎的な問題だけだと思うのでありますけれども、いまお話を伺ってもわかるように、どうも海洋開発は、海国日本といわれながら宇宙開発以上に引き離されてしまうのじゃないかという危惧の念をわれわれは持っておるわけなんです。海洋科学技術審議会ではいまの四つの部門に分けていろいろ御検討くださっておるようでありますけれども、問題が非常に多岐にまたがる。大陸だなの賦存資源の基礎調査というふうなもの、地形あるいは地質の調査、海水の淡水化あるいは未利用資源というものの開発、海中作業基地、潜水調査船、気象観測船、栽培漁業センター、海中公園、たいへんな多方面にわたる問題がたくさんあると思うのであります。ここでこれを全部一ぺんにやらなければならぬという問題なのか。ある意見によると、これはひとつ目的というもの、問題をしぼって重点的にやらなければ効果というものは出てこないのじゃなかろうか、こういう意見もたまたま私は拝見するわけなんでありますけれども、こういういろいろな問題と一ぺんに取り組むというのには、日本は非常に立ちおくれ過ぎているという意味で、これを集約して重点的に取り組むという必要性があるのではなかろうか。先ほどのお話も大体わかるわけでありますけれども、そういう点では、どういう点に重点をしぼったらいいかという問題。  それから、民間の、たとえば経済同友会あたりの意見では、こういういろいろな海洋開発の問題について、いろいろ民間の企業でもって積極的に取り組んでおるのに対して、政府がやたらに介入するということはかえって妨害になる危険性がありはしないか。したがって、政府は民間の企業とよほど連絡調整というのをうまくとらなければいけないでありましょうけれども、政府側としてはどういう程度にこれを援助するという方法がいいのか。これは問題を掘り下げなければなりませんから、具体的にはなかなかむずかしいでありましょうけれども、政府がこれに対して側面的に援助をし得る良策、いい方法といいますか、そういうものをもし考えておられるとすれば、ひとつお知らせを願いたいと思うのです。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 私個人の考えでございますが、この海洋審で考えておりますのは、十年先を見通しまして当面五年ぐらいの範囲の中でこういうものをどうしても取り上げなければならないのではないかということでございます。十年先を見通して当面五年でありまして、その問題の設定のしかた、あるいは期間の設定等は、問題を十分御検討いただきまして、担当官庁でもそういう作業をおやりくださると思いますが、そういうような期間目標で考えておる。いま直ちにすべてを並行にということでは、可能であればけっこうでございますけれども、終局的には十年先を見通して当面五年の間にこういった問題を解決する必要があるのではなかろうか、こういうのが期間目標の設定の基本でございます。  それから第二点の、政府と民間の話でございますが、御指摘のように民間で断片的には海洋産業と申しますか、そういう方面に手が進められつつありますけれども、やはりお話がございましたように、海洋開発は宇宙、原子力どころではない、さらに大きなサイエンス、テクノロジーを要する。すでに国際間におきましても、一国だけで海洋開発ができるものではない。今後は国際協力をして海洋開発をしなければいけない。先ほど藤井第一部会長から北海の天然ガスの話もありましたが、天然ガスは小さい規模でありますけれども、一つのいい例で、これは四カ国が協力をしてああいう開発をしたわけであります。今後は国際協力を行なう、そういう立場でないと、なかなかできないんではないか、こういう考え方が、私の理解の範囲におきましては、多くの国々の考え方だと思います。したがいまして、日本が一国でやり得る範囲、ましてや民間の企業の方々がおやりになれる範囲、これはおのずと限定されてくるのではなかろうか。その一つの例といたしまして、フランスに国立海洋開発センターというものがございまして、これは国の機関でございますが、各省庁の調整機関で、一九六八年でそのセンターだけに四十三億二千万の金をつけております。そのセンターがあり、また現在フランスの民間企業団体約百社が加盟しておりますけれども、海洋開発科学技術協会というものをつくっております。アステオと申しますが、それはフランスのみならず、隣接諸国にも参加を呼びかけておる。そして、アメリカを決して排除するものではないと申しておりますが、私なりの考え方をいたしますならば、経済界のEECがヨーロッパの海洋開発のこのアステオを中心とした動きである、こういうように考えております。そして、フランスのアステオは、政府の金を受けて、各分担のそれぞれの持ち味を生かして、相助けて海洋開発に進んでいく。なお、さらに積極的には、海外のよその国からの調査委託を受けて、膨大な資金をもらって、フランスのアステオ並びに隣接諸国が一体となってその問題を解決していくという動きをしておるわけでございますから、一国でやりますのには限界がある。ましてや一企業、数種の企業でおやりになるのには限界がある。したがって、やがては日本の全企業の方々が、全く私の私見でございますが、お互いに自分の持ち味を生かされて、相協力をして、海洋開発に邁進をしていくという形が出てくると思います。  そういう観点において、国として何を民間に指導し、国として先導的な技術の開発に何を行なうかということが、民間と国との関係であるのではないか。民間企業はどこまでも企業でございますから、利益を追求しなければなりませんので、先導的な、五年、十年先を見たようなものになかなか金は出せないでしょう。それから、ほんとうに基礎的な研究はどうしても国の機関でやる必要があるでしょうし、そこにおのずと国としての持ち分というものが出てくるのではないだろうか、このように考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで具体的に、アメリカあたりですと、大企業がありまして、それぞれに潜水船をつくるというだけの力がありますけれども、日本の場合には、なかなかそういう期待はむずかしいのではないかという点で、具体的には、海底での通信技術の問題、それから海底居住研究室、それから海底測定船、それから先ほどおっしゃった地形地質調査、こういったものはどうも政府がやらないと、民間の協力ではむずかしいのではなかろうか、こういう感じがいたします。もちろん民間の協力は必要といたしますけれども、こういったものは政府でやらなければちょっと困難ではないかという感じがいたしますが、御所見を伺いたい。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 いまの御指摘の点は、そういうような問題があるかと思いますが、たとえば潜水調査船に一例をとりますと、先ほど申しましたように、アメリカでは十社以上がそれぞれの大きな資本力とすぐれた技術を駆使いたしまして進めております。しかし、わが国で六百メートル潜水の「しんかい」が建造されました。これが諸外国で非常な反響を呼びまして、現に外国からわが国にいろいろな問い合わせがたくさん来ております。ああいう一つの技術開発を通しまして、先ほど申し上げました、一挙に六千メートルの技術開発の可能性が出てきた、これは非常に大きな問題だと思います。わが国がそういうことをいたしませんでも諸外国はやります。やりますと、いろいろな動きを見ておりますと、直ちに外国の技術と提携をするとか、技術を導入するとかいうことになっていくのではなかろうか、そういうことを繰り返す限りにおいては、日本の自主技術は伸びないし、私の考える海洋開発は、資源をとることも非常に必要でございますが、今後の日本の海洋開発でほんとうに進むべき大きな目標は、海洋開発に必要な技術開発である、その技術開発を通して諸外国にわれわれはそういうのを売り出していく、諸外国に市場を求めるということでないならば、永久に後塵を拝するのではないか、そういう先導的な問題こそ国が思い切った投資をされて、そうして、先導的技術を開発をしていく。小さなものでもたくさんございます。水中テレビとか水中カメラ、いろいろなものがございますが、海洋開発というのは大企業だけではありませんで、ピラミッドの形になっておりまして、いろいろな分野が総合されなければ海洋開発はできない。その一つ一つが自主技術であり、先導技術であり、諸外国の技術を十分追い越し、向こうがそれに目をつけるような、そういう技術開発をしてこそ、今後の海洋開発があるのではないか、つまり、海洋開発に要する技術開発という点に大きな目標を置くべきではなかろうか、これは全く私個人の考え方でございます。むろん資源開発も必要でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私もその点は全く同感でありますが、アメリカではアポロの計画が二百四十億ドル、今後十年間で海洋開発は大体二百億ドルというのですから、宇宙開発に匹敵する非常な力をここに注入しょうという意欲が見える。ことしの予算でも、アメリカの予算は千八百六十億ドル、もっともこのうち国防関係が六〇%ぐらい占めておるようで、この点がちょっと気になるのでありますが、この調子でいって、日本ではことし三十一億円、これは全くお話にならぬ少額だということを、われわれ国会の場にいて非常にざんきの念にたえない気持ちで一ぱいなんです。ぜひこれから海国日本にふさわしい海洋開発を積極的にやらなければいかぬと思うのでありますけれども、国際協力の面で若干気になることが一つございます。  これは、言うまでもなく海洋法の関係です。これは、ジュネーブ四条約の中で、海洋法のほかに漁業条約、領海条約、公海条約、いろいろ形成されておるわけで、この四つが海洋四法ということになっておるわけであります。日本は、御承知のように、領海三海里説をとっておる。これは漁業の関係で、どうしても三海里でないと困るという立場はあるのですけれども、しかしながら、御承知のように、水深二百メートル沿岸国の主権的権利行使を認めるという第三条、この海洋法には日本は加入しておらないわけですね。日本の漁業の実態からいって、これはやむを得ないと思うのだけれども、しかし、このままでいいのだろうかという不安があるわけです。ということは、御承知かと思いますが、西日本石油開発株式会社というのがあって、三菱グループとシェルとが合弁会社をつくって、鳥取沖から五島列島にかけて六万一千キロ、この試掘の申請が出ているわけです。この三カ年の探鉱費六十億円のうち、三分の二はシェルが負担をするというようなことで、先ほどおっしゃった青い目の先兵というものがどんどん乗り込んでくるということが現実の問題として出てきておるわけです。こういうこととも関連をして、海洋法というものに対して、どう日本が対処するかという、これは御専門じゃないと思うので質問してたいへん失礼に当たるのかもしれませんけれども、まあいろんな意見がそれに対処して出ておるわけでございますけれども、その大陸だな条約に加入するということは、日本の現状としてはなかなかむずかしいという漁業の国内事情があるわけです。しかしながら、慣習法によって日本の管理のもとにある大陸だなの鉱物資源開発、これは何らかの方法で、国内法として規制しなければいかぬのじゃないか、こういう気持ちがするわけです。そうでないと、どんどん石油が——大体日本の大陸だなの中には賦存しているんだというようなことで乗り込んできて、また試掘の申請がどんどんこれから来るというふうなことになると、海洋開発も、やっと日本が軌道に乗ったと思われるときは、すでに日本ではもう採掘する権利はないんだ、こういうことになったのでは、一生懸命海洋開発を促進しても無意味になってしまうということすら考えられないことはないという点で、せっかく皆さん方が御苦労されておるこの前提条件としての大陸だな条約、この海洋法ですね、これにどう対処するか。これは責任ある答弁とお考えにならぬで、個人の御見解でけっこうでございますけれども、お聞かせ願いたいと思います。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 全く個人の考え方で、いま先生の御指摘、全く同感でございまして、私個人は、過去においては漁業等の関係でいろいろ困難な問題もあったと思いますけれども、いまの時点では、マイナスよりもプラスが多い。また、何としても、そういうような努力をいたしまして、少なくとも大陸だな法の宣言ぐらいはいたしませんと、いま言ったような問題が逐一実行される段階におきましても、すべてが大陸だな、領海を越えたところでやるものがたくさんございます。そういう問題が直ちにできなくなるというようなことでははなはだ困りますので、全く個人の、法律も何も知らない私の主観的な考えでありますけれども、これは可及的すみやかにそういう問題はひとつ御審議していただいて、そういう方向に持っていっていただくのがいいんではないかと思います。全くの私見でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 御質問したいことはたくさんあるんですが、あと、非常にこまかいことでたいへん恐縮なんですけれども、第一部会長さんにひとつ伺いたいんですが、海底の油田の産出量は自由世界の大体一六%といま伺いました。開発費が十年後には二十五億ドルぐらいになって、十年後は大体三三%ぐらいになるんじゃないか。二十年後は五〇%になるんじゃないか、こういうことまでいわれている。これに日本は立ちおくれてはならぬという焦燥に似た気持ちをわれわれは持っておるわけなんですけれども、この具体的な採掘の方法で、真空ポンプによる方法と、コンテナ式によるものと、二つある。こういう話があります。これは私も全然しろうとでよくわかりませんが、どうやらコンテナのほうが有利なんじゃないかという学者の説のように伺っておるわけであります。その点の御意見と、石油は、これは全く私もしろうとなんですけれども、石油をせっかく吸い上げても三分の二はむだになってしまう。三分の一しか生かされないのだ、これを燃やしてガスにして引き上げるというふうな方法も考えられておるのだというふうなことをちょっと読んだことがあるような気がするわけなんです。その点の現状はどういうふうになっておりますか、ちょっと伺いたい。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 いまの御質問にお答えしますが、最初の御質問は、実は私にもよくわからないのでありまして、石油の開発にはそう小細工はありませんで、かなり大きな装置を使い、もちろん大洋の中でありますから波の作用を受ける。それからまた、非常に海水の腐食を受けるということで、非常にしっかりした装置を使わないといけませんので、そういったような点が研究されております。それで、いまの御質問の点は石油のとり方ということなんですか。

石川次夫日本社会党

○石川委員 真空ポンプ、コンテナというのですが、石油とは関係ないんです。ほかのいわゆる一般の鉱物資源です。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 これはサンプルをとるということでありまして、私の考えでは、それほどどちらも大きな差はない。その条件に応じまして、どちらを採用してもよいと思っております。なお、こういつたような技術、相当深いところで確実にサンプルをとるというようなことを、やはり今後研究する必要があるだろうと思います。  それから、第二の御質問の件は、御発言のとおり、石油の回収率というものは元来非常に低いものでありまして、約三分の一しかとれない。それで、それをつとめて回収率を高めるために、たとえばガスを石油のある部分に送り込む、または水を送り込むということで、ガスまたは水で押し出すということをやっております。したがいまして、海洋の油田が見つかりました場合も、そういった新しい技術を採用する必要がありまして、現在三分の一程度といわれているものを少なくとも三分の二あたりまで持っていくという努力をしなければならないと思います。これはわが国でも行なわれたこともありまして、外国でもこれが現に盛んに行なわれておりますので、そういったような技術も今後わが国としては大いに開発する必要があると思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 この程度にしておきたいと思いますが、実は生物資源のほうの関係の方がおいでになっていないものですから、私、質問を保留しているわけですけれども、アメリカの国土科学アカデミーでしたか、で試算をした結果が出ているのですが、海洋科学技術研究へ二十年間投資をすると、同じ金を一〇%の複利で同じ二十年間投資した場合の四倍の利益があるのだ、こういうふうなことをアメリカではいっております。ケネディ以来ずっと今日ニクソン大統領に至るまで、海洋開発に非常な力を入れている。日本の場合は、海洋工学も非常におくれておるわけでございますけれども、肝心な海洋水産養殖の関係も非常におくれている。おくれているというか、ほかの国より進んでいるのでありましょうけれども、大体大陸だなの五%の海域でもって現在ある程度の倍は、海洋牧場、海底農場を設置することによってできるのではないか。それだけでも六百万トンになるというような、これからの動物たん白というものは非常に不足をするわけでありますから、どうしても陸上に依存し切るということは日本の場合には不可能であります。どうしても水中、海洋の水産資源にたよるほかないという状態では、この海底農場、それから海洋牧場、こういったものに相当な期待をかけておるわけであります。この現在までの研究といいますか、成果、どの程度の見通しがついているか、非常にしろうとの質問でたいへん恐縮でございますけれども、もしおわかりでありましたら、佐々木先生のほうから伺いたいと思います。  それと、あと一つ最後に、きょうは大臣がお見えになっておらないのでありますけれども、実は海洋開発というものは非常に問題が多岐にわたって、宇宙開発どころではないというふうな複雑な要素を持っている。これはどう重点的に政府が指導するか。海洋開発のほうの研究者自体もお考えをいただくのですけれども、政府がどうそれを指導し、側面的にこれを育成していくかという問題と、政府の中で一体どこの省がどう分担するのか、この問題が残るわけですね。現在のところは、各省がばらばらにやっておる。これを何とか一元化した形で、一元化しないまでも連絡調整のできる形でもってやらないと、けさの新聞にも、毎日新聞あたりは、通産省が体制を整備して海洋開発に積極的に乗り出すんだという。これはおそらく農林省のほうでも生物資源のほうでは始まるでしょう。文部省も研究開発ということで出るでありましょうし、運輸省もそうでしょう。これではまためちゃくちゃになっちゃう。一応宇宙開発は、軌道に乗ったというわけにはまだまだまいりませんけれども、宇宙開発事業団というものも発足をした。いよいよ来年からは積極的に海洋開発に乗り出さなければならないときにもう来ておる。もうおそいんです。おそきに失したとはいっても、まあ、いまからでもすぐ始めなければならぬというときに、政府側の体制がどうもどういうふうになるのやらさっぱりわからぬというような状態では、民間に対する指導なんというものはおぼつかないわけですね。そういう点も含めて、ひとつ現在の段階で所信があれば伺っておきたいと思うのです。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 いま御指摘のございました問題で、私の全くの私見でございますが、前後いたすかも存じませんが、先ほど、アメリカの研究投資に対するその回収のお話がございました。大体そういうような状態で、まあ、欧米で若干の相違がございますけれども、六五年あたりのデータでございますと、現在一ドル投資すると四、五年で五倍になって返ってくるというようなこともいって一おりますが、とにかく、その研究投資が非常に有効な、非常に有利な投資であるということは、数字の差こそありますけれども、指摘をしておるわけでございます。  それから、日本の大陸だなの五%を海中牧場にすれば六百万トンというお話が出ました。わが国においては、かなり進んだ栽培漁業の学問レベルから、そういったようなことを、いろんな仮定はあると思いますけれども、推定をしておることは確かだと思います。ところが、わが国の漁獲高というものは、昭和四十二年あたりで、たしか七百八十万トンぐらいでございますから、七百八十万トンに対する六百万トンという数は、これは非常に膨大な数になる。したがいまして、そういうことを強力に推進しなければならない。推進するための一つの前提としては、先ほど申し上げましたような、ああいうかなり思い切った実験海域というものを設定して、そこで実験的な海洋牧場の問題に取り組んでいくといったようなことから、そういう問題がだんだん解決をされていくんではなかろうか、このように考えます。  それから、政府の指導の問題でございますが、これは私、全く個人の考えでありまするが、かねがね、やはり国といたしまして、海洋資源開発と申しますか、海洋開発と申しますか、そういう研究所がどうしても要るんではないか。そういう研究所は、これは、まあ所管がどういうことになるか。そういうことはよくわかりませんけれども、そういう研究所こそ、各所管庁の間のいろいろなこれまでの困難の問題があったといたしましても、そういうものを通して、やはり一本化した推進体制が生まれるんではなかろうかというような考え方を持っております。かねがねそういう気持ちは持っております。海洋開発研究所と申しますか、海洋資源開発研究所。  それから、まあ、各省庁いろいろなあれがございますようで、御指摘のような問題がありますけれども、私は、詳細なことはわかりませんけれども、希望といたしましては、いま御指摘のとおり、こういう大規模な、国をあげての大問題を扱う場合に、各省庁ばらばらではとうてい強力な推進はできない。したがいまして、そういうことが許されるならば、何らかの形において、施策の上で一本化されたような形が生まれることは、はなはだ望ましいことではないか。ただ、承りますと、科学技術庁の中に、今度海洋室でございますか、だんだんそういうものが出てきて、調整機関としては、日本の海洋問題、海洋開発問題の中心におなりになるやに聞いておりますが、そういうことではたして御指摘の問題が解決つくかどうかは別でございますが、そういうふうなものも出てきて、だんだんそういうものが強力化されて、少なくともそこが日本唯一の海洋開発問題の窓口になるということぐらいはぜひ必要ではないか、このように考えます。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま先生から御質問ございましたように、この海洋開発につきましては、非常に多岐にわたりますので、私たちもこの点、従来から御指摘いただきまして、苦慮しているわけでございますが、現在、海洋科学技術審議会におきましても、この点を頭の中に入れまして、いろいろ御検討を願っているわけでございます。  私たち、当面、現在考えておりますのは、どこへ重点を置いて政府は施策を行なうのかという御質問でございますが、この件につきましては、先ほど佐々木先生からも御説明がありましたように、実質的な問題につきましては、各企業がすでに手をつけておるものもございます。しかし、その根本的なものといたしましては、まだわが国において自主的に開発されたものではなくて、ほとんどが外国からの技術導入的なかっこうで行なわれておるものも多いわけでございます。したがいまして、政府といたしましても、特にこの基礎的な問題に力を入れて実施していくべきではないか。たとえば、日本の周辺におきます地形、地質というものに対する図面というものもまだまだ完成していないような時点でございます。こういうものがなくして将来の総合的な開発ということはほとんど不可能でございますので、私たちといたしましては、まず、こういうような基礎的なものから手をつけていきたい。あるいはそれに必要な潜水調査船なりあるいは作業基地、さらにいろいろな測定機器、こういうようなものに手をつけて、将来の海洋開発の基礎をつくりたいというふうに考えているわけでございます。  それから、次の、政府の中での分担が非常にばらばらではないかというお話でございましたが、この点につきましても、再三御指摘を受けているわけでございますが、いま申しましたように、それぞれの所管の官庁におきましても、従来からの経緯によりましていろいろな研究をやっているわけでございます。したがいまして、現在、この研究をすぐ一元的に行なうとか、そういうようなことはかえって問題を複雑にするばかりでございますので、私たちとしましては、この審議会の審議を通じまして、また、そのほかに、政府内におきましても、現在の各省庁の行なっております海洋開発につきまして十分連絡をとっているわけでございます。この連絡につきましては、最近、非常に連絡がよくなってまいりまして、今度の答申の中にも、そのような意見の一致が見られた点が多多出てきているわけでございます。しかし、まだ不十分だと思いますので、今後はその点につきまして十分注意いたしまして、この各省庁間の連絡ということにそごを来たさないように努力する所存でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それじゃ、私、これで質問をやめますけれども、何回も繰り返すようですが、アメリカあたりはもう宇宙の技術も持ち込んだ上で海洋開発に相当な力を入れる、これは明らかであります。日本はもう宇宙開発以上にこれを離されてしまうという危険性が現状では非常に多いし、宇宙開発と海洋開発と比べることはどうかと思うのでありますが、実益という点からいえば、私は、何といっても、海洋開発に軍配を上げざるを得ないというふうに考えられますので、前提条件となる大陸だなの条約の問題なんかをどうするかという非常にむずかしい問題があるにしても、あるいは政府部内の調整をどうするかという内部事情、そういったものを克服して、来年からは積極的に、この宇宙開発のような立ちおくれのしないような体制をぜひつくってもらうよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 先ほど石川委員のほうからもいろいろな御質問があったわけでありますが、現在、わが国の海洋開発ということが非常に叫ばれるようになりまして、その点はわれわれとしても非常に喜んでおるわけでありますが、ムードばかりで中身がないじゃないかという声が非常に強いわけであります。この点について両先生から、まず御感想をお聞きしたいと思うのです。それで、どういうところにそう言われるところがあるのか、その辺のところを、お考えになっていらっしゃる点、あわせてお願いしたいと思うのです。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 近江先生の御指摘のとおりで、世の中にはどうもそういう、何かが出てきますと、すぐ、さあ、それだ、それだというような傾向がえてしてあると思うのですが、お話しのように、日本は海洋開発ということが、最近ムードが非常に高まっている。ところが、なかなか中身がない。企業でも私はそうだと思うのです。いろいろなことをおやりになっていますが、中身を見ますと、さあこれから何をやるかを考えるといったような状態です、全部がそうではありませんけれども。ただ、そこで、海洋審が出します答申の内容は、先ほど御指摘がありましたけれども、これは実は膨大なものになると私は思うのです。これはもし本気でやろうとすればなかなかたいへんなものだと思います。しかし、本気でやらなければならないのじゃないか。これを本気でやっていただくことが、ムードでなくて、ほんとうに実を結ばせるゆえんではなかろうかということでございますので、答申が出ました暁には、ぜひ強力に御推進をお願いしたい。私個人のお願いでございますが、よろしくお願いいたします。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 先ほどの御意見で、ムードだけではないかということでしたが、私は、その以前の状態を見ますと、ムードすらなかったということで、ムードが出たということは非常に喜ばしいことだと解釈しております。先ほども私申し上げましたが、日本は海の国ということを、特に昔のことを思い出しますと、私の小学校のころなんか非常に強調されたわけなんでありますが、現実にはどうかといいますと、海を利用しているというのは、水産資源に関してはやっておりましたけれども、鉱物資源に関しましてはほとんど手をつけておらなかった。それでありましても、石油の開発におきましては、約十年前から日本海で作業を始めまして、非常に苦しい、つまり金がかかるものですから非常に苦しい作業をしておったわけでありますが、そのころは全くムードすらなくて苦労しておったわけであります。最近はムードになったということは、これから実質的に動きが始まるというふうに解釈しておりまして、非常にけっこうなことだと思っております。  それで、外国の例を見ますと、アメリカ自体はもちろん国としても金を出しておりますが、同時に、民間としても非常に金を使っております。アメリカ以外の国は、海洋開発というのは非常に金がかかりますので、国として積極的に金を出しております。それで、おそらくかなりの部分は軍事費から支出されて、実際の海洋開発の事業または研究が行なわれていると推定されます。そういう外国の例を見ますと、わが国としましては非常に急いで積極的な方策を立てる必要がある。その一つのやり方としましては、原子力の開発、または宇宙開発という点で、すでに日本としては経験がありますので、あれと似たような形で進めるというのが一つの方法である、これは私の個人的意見でありますが、そう思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 両先生の御意見も、お聞きしまして、ほぼ一致しておると思うのです。要するに、海洋審で答申がなされたことを実行してもらいたい、さらには、それをやっていくためには、ビッグサイエンスとして宇宙あるいは原子力と並んだこれからのテーマとして取り上げなければならない、このようにおっしゃっておられるわけです。そうしますと、どうしても体制の整備なり、あるいは予算の問題ということが非常に大きな問題になってくると思うのです。もちろん、その基礎的な調査とか、項目としていろいろ海洋審でなさっておられる問題については、もう当然今後やっていただかなければならないわけでありますが、やる前に結局そうした体制の整備あるいは予算の問題、こういう点が非常に大きな問題ではないかと思うのです。その点、体制の問題については、先ほども石川委員のほうからお話があったわけでありますが、もう少し立ち入った、先生方がいろいろごらんになられている現体制についての御感想、あるいは予算の問題等について、もう少し突っ込んだところをお聞きしたいと思うのですけれども、両先生からお願いします。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 いまの近江先生の御指摘で、まず予算のことでございますが、御承知のように、四十四年度が三十一億二千万でございましたか、それでも昨年より八〇%ふえておるという御努力の結果が出ておるわけでありますが、諸外国の例はいろいろ申し上げるまでもなく十分御承知のようなわけで、私はけたが違うのではないかと思っております。ただ、ばく然とけたが違うと申しましても話になりませんけれども、少なくとも海洋審で出しておりますものがそのまま受け入れられて、これをお互いに本気でやろうとすれば、もう一けた違った金がかかるのじゃないかというように私は考えておりますが、これは全く個人の見解でございますから、その点お許しを願いたいと思います。したがいまして、いま五項目、それにその他を入れて六項目あるわけでございます。六項目を五年間でやる、そういうことにいたしますと、少なくとも三千数百億から三千億ぐらいの金がかかるのじゃなかろうか。しかし、国力のある日本で道路に兆というオーダーの金が出るという国でございますから、ほんとうに値打ちがあり、ほんとうにやらなければならなくなれば、そういう体制なりそういう考え方をすれば、日本はそういう金が出せる国力を持っておるのじゃないかというように、全く個人の見解でございますが、思います。  それから、体制の問題でございますが、いま局長からお話がありましたように、私も過去若干いろいろな点で官庁の方々とおつき合いをしておりますが、今度の海洋審の審議の過程を見ますと、いろいろ各省庁からも幹事として御出席になっておりますけれども、終局的にはお互いが調整をされて、まあ俗なことばでいうなわばり的な感じというものがかなりなくなって、お互いが相協調されてきておるということは、私は感ずるわけでございます。それでいいということではないと思いますけれども、では、そういう一つの雰囲気、情勢をとらえて、国としては今後一体こういう問題をどうするかという大きな問題が残されておると思いますが、幸い、さっきも申しましたように、科学技術庁の中に海洋室、やがては海洋課等をおつくりになり、あるいは海洋局というようなものができて、事海洋開発問題は一切そこで一本化されて処理するというようなことがもし可能であれば、よほど整備がされてくるのではないか。しかし各省庁で既存の研究機関をお持ちでございますから、それに必ずしも抵触するわけじゃございませんで、施策の立て方、運び方というものは一本化されてくるのではないか、こういうように私見としては考えております。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 ただいま佐々木教授からだいぶ発言がございましたので、ただ補足するような意味で申し上げます。  わが国の石油の使用量というのは年々非常にふえておりますが、国産としてわが国から出る石油は非常にわずかでありまして、現在では九九%以上が全部輸入によってまかなわれております。しかし、先ほど申し上げましたように、日本の近海には石油を産出する可能性のある地域がかなりあると考えられておりますので、積極的にそういうものを調査しまして、もちろん、わが国の必要な石油の量すべてをまかなうことはできませんけれども、相当量をまかなって経済的に安定した状態に持っていくということが非常に急務だと思います。  それで、それになすべきことは何かといいますと、やはり一言で言えますので、国として金を出すということに尽きると思います。海洋の仕事はすべて、陸上に比べまして非常に金がかかることでありますので、民間企業ではなかなか困難であります。そういう点で、国としてそういうわが国の経済の将来性を考えまして、積極的に海洋開発をする、そのために必要な金を出すということを実行しなければならないと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 佐々木先生の私見と言われたわけでありますが、佐々木先生をはじめ、やはり海洋審の方々も、科学技術庁が中心となって各省庁をまとめ、連絡調整していく、こういう御意見でありますか。その点、佐々木先生に、海洋審の方々のそうした大体の意向というものをお聞きしたいと思います。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 いまの審議会の進め方は、科学技術庁が世話役になられまして、あそこで推進されて、海洋審でいろいろな意見が出ますから、いろいろな考えもありますが、その調整は科学技術庁のほうでは各省庁に緊密な連絡をとられましてお進めになっておるというように理解しております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、その点は了承なさっているわけですね。方向としても、科学技術庁が中心となってやっていくほうがいい、このようにお思いになっていらっしゃるわけですか。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 各官庁のメカニズムを、私、十分理解をしておりませんので、どういう形がいいかということは、決定的な結論ではございませんで、私の感じといたしましては、幸いいまの海洋室が発足をし、やがて海洋局ですか何か知りませんけれども、そういったようなものがどこかにできまして——どこかにできるとすれば、やはり科学技術庁あたりにできるのが一番自然かと思います。そういうものができまして、そこが各省庁の連絡機関になる。フランスの場合は国立の海洋開発センターというものができまして、六六年に国会でその法案が採択をされて、発足したのが六八年でございますが、これは国立の独立した機関、それが省庁の連絡調整をやっているというわけで、やはりそういう連絡調整をいたす機関は必要だと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そこで、科学技術庁にお尋ねしますが、現在の海洋開発を担当しておるところですが、これは総合研究課の中の一部ですね。ちょっとお聞きしますが、総合研究課には何名おって、それぞれいろいろな分担、係をきめておると思うのです。それをまずお聞きしたいと思います。現在海洋に関するそれは何名で分担しておるか、その辺のところまでお聞きしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  ただいま総合研究課におきましては、総員十六名でございます。課長を除きますと十五名になるわけでございますが、この中で、直接海洋開発関係を担当しておる職員が二名でございます。それから、そのほかは、いわゆる総合研究課のいろいろなほかの防災関係あるいは公害関係あるいは環境、電子、こういうようなものを分担しているのが残りの人数でございまして、その意味におきましては、あまり大ぜいとは申し上げられないと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私はそれをお聞きしてことばもないわけですけれども、二名のスタッフで、人間の能力というのをどれだけ皆さん評価されておるのですか。少なくとも宇宙、原子力、海洋と並んだビッグサイエンスとして、これでどうやって科学技術庁が中心となって各省口をまとめて——手品ですよ、これは。その手品をどういうぐあいにやっているか、一回聞かしてください。たとえば海洋審だって二十名いらっしゃるのでしょう。その審議会があるときには、いろいろな資料をつくったりなにしたりいろいろな準備があるわけですよ。一体、そんな二名で何をやっているのか、これは一ぺん仕事を具体的に言ってください、私は魔術にかけられたように思いますから。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま御説明申し上げましたのは、いわゆる総合研究課の中の組織の分担ということで、正式の分担でございますが、実質的に、この海洋関係は昨年から非常に仕事量もふえてまいりましたので、私たちは、その範囲の中をいろいろやりくりをいたしまして、現在海洋関係の仕事に、直接は命令されておりませんが、いわゆる応援というような形でやっているわけでございます。それを合わせますと、先ほどは二名と申し上げましたが、実際は六名になるわけでございます。六名が現在実質的に海洋関係を担当しておるということでございます。  この内訳は、先ほど申しました二名のほかに、防災関係をやっております者、あるいは併任で来ておる者が二人おりまして、そういう者を合わせますと五名になりまして、そのほか調査官が、これは専任に海洋関係にかかっておりますので、それを合わせまして六名というかっこうになって、この六名が実際の海洋開発の仕舞をやっているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この総合研究課というのは、環境科学技術とか、電子科学とか、防災とか、海洋とか、総合とか——これは一つとしてゆるがせにできませんよ。では、ほかのは全部手を抜いていいのですか。しかも、ちょっと聞くところによれば、あなたはいま六名と言われたけれども、きょうは通産省の方も来られていますけれども、たとえば地質調査所から来ているとか、海上保安庁から来ているとか、そんなことはないのですか。それはどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 その地質調査所、海上保安庁から来ておりますのが、いま申しました併任というかっこうで来ているわけでございます。これが二名でございます。したがいましてその地質調査所、海上保安庁からの方も実際に海洋開発の仕事をやっていただいているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それでは、言うならもうほかの省から応援に来てもらっているわけでしょう。科学技術庁の職員ではないじゃないですか。そういう課の中でいろいろな応援を出したとしたって、実質は四名でしょう。こういうような状態で、今後幾らその審議会で出たことを受けて——先生方がみんな審議会に出たことを実行してもらいたいとおっしゃっている。予算の面でも機構の面でも、これでこれだけ、マスコミにおいても何においても世間の人々も海洋開発ということについては大きな夢を持って、それはもう期待をかけているわけですよ。実際に中心になって推進していかなければならないところが、こんなことでいいのですか。これだと国民をあざむくことになりますよ。私たちは、したがって、もう前から、この予算の編成のときにも、海洋開発ということについては力を入れてやってもらいたい。十分に力を入れます。それが、人員の点にしても、これで何を力を入れているのですか。国会でわれわれがいろいろ言うことをあまりにも無視していますよ、これでは。どう考えているのですか。局長と政務次官に一ぺん誠意ある答弁をいただきたいと思う。これは一体どう考えているのか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま近江先生から御指摘のように、数から言いますと、おまり大ぜいとは言えないわけでございますが、数ばかりでございませんで、やはりその集まっている人の能力ということが問題になると思います。私たちも、現在の海洋開発の仕事というものが、先年来非常に海洋開発が進んでまいりまして、能力の限界にある程度達しているというふうにも判断いたしまして、その組織についても従来から苦慮いたしまして、いろいろ検討しているわけでございますが、やはりいろいろな事情がございまして、なかなかその組織が思ったように実現しないわけでございます。しかし、私たち、じんぜんこれをほっておくわけにもいきませんので、できれば一つの室的な組織にして動かしていきたいということで、そういう構想も練っているわけでございます。したがいまして、この点につきましては、庁内におきましても、今後いろいろ検討が進められると思いますが、そのようなかっこうで今後も海洋開発に取り組んでいくという考えでおりまして、その際には、できる限り非常に能力のある人の人数をふやしまして、海洋審議会からの御答申を実現するような体制をとっていきたいというふうに考えておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 関連で、佐々木君。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)委員 どうもさっきから話を聞いていると、あまり意外なんで驚いているのですが、いま聞くと、科学技術庁はそういう程度ですか。たとえばアメリカではNASAと同じような組織をつくるとか、十カ年八十億ドルとか——八十億ドルといったら大体三兆ですよ。膨大な組織でこれからやろうというときに、わがほうはたった二人か三人で、これは一体何とするのですか。来年の予算などに対する抱負を聞かせてもらいたいのですが、どうでしょうか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、体制としましては、確かに私たちとしましても十分だとは言えないわけでございます。しかし、現在のわが国の海洋開発の状況から見ますと、各省庁にまたがって実施しておりますので、実際の実力部隊としましては、各省庁のを入れますと、これだけの人数ではないわけでございます。これを一カ所に集めますと相当な人数になると思いますが、科学技術庁の現在の立場といたしまして、各省庁間の調整連絡ということに従来は主眼を置いてあったわけでございます。しかし、今後の海洋開発の進みぐあいというものから見まして、どういう体制でやっていくのが一番今後の進め方がうまくいくかという点を考えて今後この組織についても十分検討していきたいと思いますが、現時点におきましては、佐々木先生から御指摘のように、あまり大人数とは言えないということは私たちも重々感じておるわけでございます。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)委員 たとえば宇宙開発局とか、局をふやすのがたいへんむずかしいのであれば宇宙海洋開発局とか、やっぱり独立のもので、そして真剣に取っ組んでいくような、そういう体制に中心部がならないと、みんな各自でやっているからいいんですということじゃ、これはおさまらぬ問題だと思うのです。そういう研究を進めておられますか。むしろ政務次官に答弁していただきたい。来年度予算の時期も近づいているから。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 この海洋の問題は、宇宙及び原子力の問題と少し性格が違う面がございまして、現実に適用される相手が各方面にまたがっておる。宇宙の場合は、一つの、衛星を打ち上げるというプロジェクト、あるいは原子力の場合は、原子力のエネルギー等の新しい炉の開発とか、一つのプロジェクトの問題がかなり煮詰まってきておるわけでありますが、海洋の問題については、現実にかなりばらばらな、いわば全体を統一するものというものがそれほどまとまっているわけではない。非常に広範にいろいろな分野にまたがっている問題でございますから、科学技術庁としては、従来はやはり共通技術、一番全体の中心になるのはやはり海の中に入るという、そのこと自身の技術というもの、それの最小公倍数というか、そのところの技術というものを中心に置いて、これを推進させようじゃないか。ほかの、個々の問題については各省庁の研究を大いに統合調整して推進させよう、こういう方針できておるのでありまして、その点は原子力、宇宙と必ずしも同じ体制でなくてもいいのじゃないか、こういう考えで従来おったわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、この海洋開発審議会の答申、これをいただきまして抜本的にひとつこれは考え直して、全般的な日本の各省庁の行き方というものをどうやれば一番推進できるか。これは一体、科学技術庁で全面的に統括するのがいいのか、それとも、各省庁にまたがっている問題を、少数精鋭でもいいから科学技術庁が強力な中央調整権限でやるのがいいのか、この点も諸先生方の御意見も大いに伺いまして研究をさしていただきたい、こう思っておる次第であります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これだけのビッグサイエンスを今後推進していくわけです。先ほどの先生方の御意見でも、やはり科学技術庁が中心になればいい、そ点は今後いろいろ論議してもらえばいいわけでありますが、しかし、いずれにしても、たとえ連絡調整という現段階においても、ましてや審議会からどんどん答申も出てくるのだし、それを受けるのは科学技術庁でしょう。現時点から考えても、こんな機構では国民の前にも恥ずかしくて言えませんよ。われわれはうそをついているように思われますよ。いまそういう気持ちに私はなりました。少なくとも、海外においては先ほどフランスの話、アメリカの話もいろいろ出てきておりますし、少なくとも海洋局がだめであるとするならば、海洋課でも早急に現時点においてやらないと、これは手おくれなんです。その辺のところを総理にも直接進言するとか、何らかの手を打って、早急にそういう機構を整備して充実していく、そのお考えがあるかどうか、具体的なお考えがあればお聞きしたいと思うのです。局長と政務次官にお願いしたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま近江先生から御指摘ございましたように、今後の海洋開発を進めるという体制につきましては、私たちとしましても不十分だと存ずる次第でございますが、今後の強化する形については、どういうふうに持っていくかということにつきましては、先ほど政務次官からも御答弁ございましたように、海洋科学技術審議会の答申というものも拝見させていただきまして、そうして、それに適合するような組織に持っていきたいというふうに努力したいと存じておる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 努力をしていきたいということは、私は何年——何年といっても、私はまだ国会に出て、そんなに何年にもなりませんが、しかし、科学技術委員に任命されて以来、このことを私は叫んできた。それについては同じ答弁を私は聞かされてきた。これだけのことがやはり明らかになった以上は、いままでと同じような答弁じゃいかぬと思うのです。ですから、それは局長の判断だけではいけない場合もあるかもしらぬけれども、局長の決意として、私としてはこのようにやっていきます、そのくらいの強いところを、担当局長として持ってもらわないと、言うがままに体制がきまるだろう、そんなことじゃこれはほんとうにいい結果なんか出るわけはありませんよ。あなたの意見として、考えとして、私はこうやりたい、そのところをもやもや腹の中で思っていることを、何も遠慮することはありませんから、私らもできるだけのことは、また応援できるところがあればやってもいきたいと思います。その辺のところを、あなたがほんとうにこうやりたいと思うことを聞かしてください。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この点につきましては、ただいま申し上げましたように、この開発計画という第三号の諮問というもので初めて今後の日本の開発計画というものが出てまいりますし、これが当面五カ年間の開発計画というものの意見になるわけでございます。したがいまして、いまの時点におきまして、こうしたい、ああしたいということを申しましても、それがもし合わない場合は困りますし、また、われわれとしては十分その答申を読ましていただきまして、そうして、その遂行に遺憾のないようにやっていきたいというふうに存じておる次第でございます。したがいまして、具体的に、いまどのような内容のものをつくるかという点については、まだ今後検討していきたいということでございます。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 海洋開発の重要性について、きょうは非常に力強い激励のおことばをいただきまして、また、おしかりをいただきまして、非常に私どもとしては、さらに、ことに科学技術庁が中心になってやれというおことばをいただきましたが、一番重要な問題は、やはり海の中の技術的な困難さ、その点におきましては、科学技術庁は各省に対しても強力に技術的な困難さを開発するのだという点では統一的な発言権があるのじゃないか、きょうお教えをいただきまして大いに今後とも抜本的な研究対策を進めていきたいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、予算の点でも、中心になっていく科学技術庁が三億四千六百万、もっと厳密に言えば三億四千六百五十三万六千円、総額として関係省庁全部入れて三十一億五千四百三万八千円。この予算のことをどう思いますか。海洋審議会が何も今度初めて答申を出すわけじゃないですよ。何回もいろいろな意見を出している。これについて皆さん方は予算のことをどう思っていますか、どう感じますか。担当局長と政務次官から予算の点について感想を聞きたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、本年度、四十四年度の予算額としては約三十一億六千万でございます。これは各省庁の海洋開発関連の経費を集めたものでございますが、私たちとしましても、まだ十分とは考えておりません。したがいまして、今後の予算、どういう計画をもって進めていくかということによって、予算については十分関係方面とも連絡しながら、さらに予算の獲得ということについては努力したいと思っております。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 ただいま局長から御答弁申し上げたとおりであります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 あとがいらっしゃいますので、次々行きますが、そこで、海洋についてはあまりにも未知な、そういう面が多い、皆さん方の先ほどの御意見でもありますし、そうしますと、どうしても調査というものを推進していかなければならない。ここで科学技術庁が約三億円の金をかけて「しんかい」をつくられたわけでありますが、この「しんかい」の性能等について簡単にひとつ話していただきたい。この「しんかい」については、非常に大きな問題点が出てきている。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 「しんかい」についての性能を申し上げますと、長さは、こまかくなりますが、十六・五二メートルでございます。これは全長でございます。それから幅は六・五九メートルでございます。喫れが三・九六メートル。それから排水量が水中では九〇・一七トンでございます。安全潜航深度、これが問題になるわけでございますが、これが約六百メートルということになっておりまして、安全率が二・五でございます。なお乗員数は四名。それから、水中におきます速力は、自分で走ります自航速力は二・二四ノットでございまして、水上では二・三五ノットというふうになっております。曳航されましたときの速力としましては約五・一ノットということになっておりまして、水中を二・二四ノットで四・六時間走れるわけでございます。距離にいたしまして一〇・三マイルになっております。水上では一・五ノットになりまして、約十時間の十五マイルということになっております。なお、動力源といたしましては油づけの蓄電池を使っております。主推進装置としましては十五馬力水中モーター駆動によるプロペラを一個つけておりますし、また補助推進装置としましては、三馬力の水中モーター駆動によりますプロペラを両わきに一つずつ一対持っております。そのほか、前後上下方向にも旋回が可能だというような性能を持っておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 先ほど佐々木先生のお話でも、諸外国からも、この「しんかい」については非常に注目を浴びておる。われわれとしても、そんないいものをつくってくれたということで非常に海洋開発の推進ということで喜んでおりました。しかし、いまこのように性能をお聞きしました。ところが、実際に、きょうは海上保安庁の方も来られておりますから、お聞きしますけれども、この「しんかい」は、ちょっとでも海が荒れたらローリングして曳航もできないでしょう。たとえば大阪から東京まで持っていくのに最低四十日かかる。ちょっと荒れた状態であればそれ以上かかる。私が言っているのは、私が聞いたことですよ。その辺のところが正確であるのかどうか、もう一ぺん再確認したいし、いろいろ「しんかい」について御心配な点があればいろいろ言ってもらいたい、私も聞いていることがあるから。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 確かに「しんかい」が引っぱられますときには、それぐらいなおそい速度しか出ませんので、これは世界じゅうでもそうでございますが、たとえば日本にアルキメデスが来ましたときも、バチスカーフが来ましたときも、フランスから東京まで船で運んできておりまして、それから目的地まで引っぱっていった。私たちも今年度は訓練でございますので、大阪湾の中あるいは瀬戸内海の中で訓練する予定にいたしておりますが、明年度になりますと実用段階に入りますので、その際には、たとえば皆さまがもし東京湾でお使いになるというなら、東京湾まで運んで、それは普通の貨物船で運んでまいりまして、そうして、そこでおろして、それから目的地に曳航していくという、そういう方法をとっていきたいと思っておりますので、別にずっと神戸から東京まで引いていくということは考えておりません。したがって、日本の周辺でございましたらば、それほどの日数がなくても目的地に行けるというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 当然充電をしたり、いろいろな装置、設備を整えたりするそういう母船というものが大事になってきますね。現在乙女丸をこれはチャーターしているわけですけれども、このチャーター料は幾らか。また、年間にかかる運営費、総額幾らなんですか。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 母船のチャーター費は年間約三千万円でございます。それから、本年度お認めいただきました予算の総額は約一億一千二百六十万ぐらいございまして、今後も大体この程度の経費が必要かと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうしますと、チャーター費はそれだけだけれども、充電装置とか相当な設備をやったわけです。それは幾らぐらいかかったですか。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 母船のための改造費が三千三百万ほどかかっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、六千数百万というのがその乙女丸にかかるわけです。しかも、その一億一千万プラス三千万の一億四千万が今年度かかっている。そうしますと、その乙女丸は「しんかい」を搭載する力もないそういうような小さな船だし、また、積めるようなそれだけのスペースも、能力もないわけですよ。そうした場合に、これだけ毎年一億一千万からの金をかけていくことを考えれば、どうして「しんかい」をつくったときに、そういう母船を、搭載もでき、あらゆる調査、そうした設備を整えた母船を開発していこう、そういう気持ちにならないのですか。科学技術庁に一ぺん先にお聞きします。それから保安庁。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 なるほどただいま使用しております母船の乙女丸というのはあまり大きな船ではございませんで、三百五十トン程度の船でございます。したがいまして、これを母船として今後ずっと使っていくという場合には、先生からお話がありましたようないろいろな問題点が出てまいります。私たちとしましても、今後ずっと母船としてこういうようなかっこうでいくかどうかということについては、いろいろ問題点があげられるわけでございまして、できましたら将来専用母船というようなものを考えたいとは思っているわけでございます。しかし、母船を建造する時点におきまして、現在そのほかからもいろいろ、海洋開発に必要でございます観測船の問題だとか、いろいろ船の問題がございます。したがいまして、そういうような観測的な機能を持たせるような、ある程度の多目的な海洋開発用の母船とするか、あるいは単能型の母船とするか、この点についてはいろいろそれぞれの機能の優劣もございますので、ひとつその点は今後検討しながら、なるべく早くこの「しんかい」を日本各地において自由に使えるようなかっこうに持っていきたいということを考えております。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 ただいま一つ私の足りないところを誤解をいただきましたが、一億一千万というのは用船料も含んだ値段でございます。ですから、あとの金は再計になります。私どもも、ただいま科学技術庁のほうと一生懸命煮詰めておりまして、どういう母船が一番いいのか、あるいはまた、ほかの方式がいいのか、その他についていま一生懸命研究いたしておるところでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 科学技術庁でつくったものを何で保安庁で持っているかという問題ですね。あなた方それを、言うなら科学技術庁から預かっているわけですよ。その辺の率直な——預かってありがたいのか迷惑なのか、その辺の正直なところを聞かしてほしいと思う。しかも、その「しんかい」の使用については、一体どういうシステムで動いているのですか。まず科学技術庁から、保安庁に預けたその理由を言ってください。科学技術庁は今後どうするか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  この「しんかい」というのは非常に特殊な船でございますし、乗り組み員もまた特殊な能力を持たなければいけないという船でございますので、私たち科学技術庁のほうでこれを管理いたしますと、また運航の面におきましていろいろ問題がございますので、なれたといいますか、そういうことになれておられる海上保安庁に運航についてひとつお願いしたいということで、海上保安庁にお願いしたわけでございます。  しかし、この「しんかい」をどのように運営して海洋開発に役立てるかという問題につきましては、現在科学技術庁の中に潜水調査船運用会議というものをつくっておりまして、この会議の構成メンバーといたしまして、関係しております各省庁が全部入ってこの会議をつくっているわけでございます。本年度は先ほど川上部長からお話がありましたように、もっぱら乗り組み員の訓練というものをやるわけでございますが、明年度からいよいよ実際の海洋開発に関係のある運営に入りますので、その項目等につきましては、いまからその計画につきまして検討を進めているわけでございます。その検討が済みまして計画ができ上がりますと、明年度からその計画に基づきまして、それぞれ必要な関係省庁においてこの「しんかい」を使っての海洋開発を行なうという段取りになっているわけでございます。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 私たちは昔からずっと海洋開発に御縁のあります海底地形測量とか、そういうことをずっとやっているものでございますので、この船もそういう一環において私たちの仕事として十分利用し、かつまた利用していただきたい、こう考えております。もちろん、さっき佐々木先生がおっしゃいましたように、日本で初めての船でございますので、いろいろな不安は持っておりますけれども、決して迷惑だというようなことは考えておりませんので、その点は御安心いただきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 海洋開発という大きな目的のために「しんかい」ができたわけですね。それを保安庁に保管を頼む。そういうことで「しんかい」が、いつの間にか知らないけれども保安庁のものになってしまった。だから預かっている以上は、うちのほうの仕事をおもにさせてもらわなくては困る、関係各省いろいろなことを言ってくるけれども、保安庁がこれだけ苦労してやっているんだから保安庁のことを優先してもらいたい、そういうようなことで肝心の——これは科学技術の振興のためにつくったのでしょう。それをあなた方強引に使う、そういうような気持ちは毛頭ないでしょうな。これはどうなんですか。

川上喜代四海上保安庁水路部長

○川上説明員 水路部はもっぱらそういう海洋の基礎的な資料をつくるということをずっと九十八年やっておりますので、やはり「しんかい」も、そういうことに非常に合った性格のものだと思いますし、それから、これはもうはっきりと共用船でございますので、さっき局長からも御説明がありましたように、私のほうも一つのユーザーであって、その会議ではほかの省庁の方と同じ程度の発言力しかないわけでございます。もちろん、運航の安全につきましては私たちが責任を持っておりますから、責任はございますけれども、利用という面については、科学技術庁の調整された計画に従って私たちは運航していくというつもりでございまして、決して特に——たぶん海難救助とか、そういうことをお考えだと思うのですが、実はこの船は初めから海洋観測あるいは海洋調査のためにつくられておりますので、そういう点には非常に不向きな船で、そういう点ではこの船は機能は持っておりませんので、この船の機能を生かす海洋開発にしか使えないと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 要するに、一年間に一億一千万。私はそのほかに、たとえば目的地まで積載していく、そういうような貨物船のチャーター料とかを入れると、まだまだばく大なものになると思うのです。言です。言うなら、最初からちゃんと母船を一隻つくっておけば、ちゃんと「しんかい」を載せて目的地まですっと行って調査ができるわけですよ。少なくともこれだけ関係各省がいろいろなことをやっているのですよ。要望は山ほどあるわけです。それをこなしていくためにはスピードが要る。だから、年間一億一千万、このままの状態でいけば国費のむだづかいだと言われてもしかたがありませんよ。先ほど、母船の建造については、局長は、前向きの姿勢で検討していきたい、こう言われたので、私はそれできょうのところはおいておきますけれども、これは当然これからの海洋開発の広範なそういう調査活動ということを考えていけば、母船をつくるのはあたりまえのことです。この点、両先生方の御意見と、さらに政務次官の、そういうこれからの取り組みの姿勢について、ひとつ感想なり御意見、決意をお聞きしたいと思うのです。

佐々木忠義東京水産大学教授

○佐々木参考人 いま近江先生の御指摘の母船でございますが、私は即刻最もふさわしい母船をおつくりになるべきだと思います。その内容についてはいろいろな問題がありましょう。いま「しんかい」だけの母船にするか、あるいは母船というものが年間を通じて稼働日数が非常に少ない。諸外国でもそうであります。したがいまして、「しんかい」のみの母船にいたしますと遊ぶ時間が多いので、遊ぶ時間にはいろいろな海洋開発に関連をする調査研究をやるといったような施設を含めることができればそのほうがいい。その内容の御検討は必要かと思いますが、即刻母船をおつくりいただきたい。これが結論でございます。  それから、先ほど運用部会というようなお話がありましたが、私どもは、これは現時点で日本でただ一つの共同利用施設、こういうように考えておりまして、したがいまして、今後海洋開発を推進するためには、海洋物理化学、あるいは生物、地質、いろいろな分野の研究者あるいは技術者があれを利用いたしまして、希望する場所に持っていって希望する研究を行なう。そういうためには、フランスのバチスカーフがそうでありますけれども、あれは海軍の所属でありますけれども、あれを運用いたしますためには文部省あるいはCNSR、いろいろな機関が入りまして、そうして学者と軍人さんを含めたコミッティーがある。毎年一月十五日に一年間の計を立てるわけです。プランクトン屋さんが何メートルどこで何回もぐるといったようなことをですね。将来海洋開発でこれを大いに高度に利用いたしますためには、そういう意味の、みんなが利用できる形の運用部会の運営が必要ではないか。いまお話を伺いますと、各省庁でおやりになっておるということでございますから、やがてその作業がいま申し上げたような各分野におりてくるのではないかという期待を持っております。

藤井清光東京大学教授

○藤井参考人 ただいまの佐々木教授の御発言と全く同じ意見でございます。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 国民の財産でございます。最も効果的な運用をいたすように大いに研究を進めたいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 非常に含みの多いことばでありまして、最も効果的な運用をはかっていきたいということは、両先生からいま御意見ありましたように、母船の建造等についても全力をあげていく、こういう意味でございますか。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 先生の御趣旨を十分検討させていただきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 こういう一つ一つの問題をついていけば一日くらいやったって一部しかできないのです。あと委員がおられますので、これでやめますけれども、要するに「しんかい」の母船の問題にしても、何も母船だけつくればいいのじゃないわけです。調査船にしても大型調査船はわが国には四隻しかないわけでしょう。しかも、大学の調査船であって、なかなか全般的には利用できないとか、いろいろなそういうような制限もある。実際に、そういう国が総力をあげて使っていくための、使えるような調査船というものはないわけですよ。そういうような点で、これから調査船も大量にまた建造しなければならないし、いずれにしても、海洋を研究しているのが二名だというような現状では、これはどうしようもありません。そういう体制の問題とか、さまざまな問題がたくさんあるわけです。これからまた情報の流通等についてもどうしていくか、さまざまなそういう問題に取り組んでいくためには、根本的に科学技術庁が真剣に——世論ですから、いまこれは世界の大勢ですから。それにただ、わが国は十年のおくれをとっていましたから——十年おくれるどころじゃない、これだったらまだまだこれから何十年もおくれますよ。そういう消極的なことでは、これは科学技術庁という名前が泣きますよ。そういう点で、原子力、宇宙と並んで、特に海洋開発については積極的な力を入れて推進をしていただきたい。きょうはこれで終わりますけれども、その点を特に要望して終わりたいと思うのです、また次の機会に十分やらせていただきたいと思っていますから。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次に、齋藤憲三君。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私は、きょうお見えになりました水産大学の佐々木先生には長年の間御教導を賜わって、そのせいか海洋開発に熱意を持つようになったのじゃないか、そういうように考えておるわけであります。  きょういろいろ御高説を拝聴いたしました両先生の海洋開発に対するお話は、いろいろお伺いいしたたい点がございますけれども、時間もございませんから割愛をさせていただきたいと思うのです。  ただ、きょうわずかな時間で、海洋開発に関連性を持つ一点だけ、ひとつ原子力局長、それから工業技術院長にお伺いをいたし、参考人としておいで願った先生方にもお聞き取りを願いたい、こう思うのであります。  これはたいへん私事にわたって恐縮でございますが、昭和二十九年度の原子力予算が初めて国会を通過いたしましたときに、読売新聞の社主をしておられました正力先生がアメリカから実業家、学者をまじえて六名の方を日本に招待をされた。これは原子力関係者だったわけです。その中にゼネラルダイナミックス社、原子力潜水艦をつくっておる会社でありますが、ゼネラルダイナミックスの社長の、いまはなくなられましたが、ホプキンスという方が見えておられました。私は正力先生に頼まれてその六名の方々の接待に当たった一人でありますが、羽田へ送ってまいりましたときに、ゼネラルダイナミックスの社長に、あなたは、一体原子力平和利用に関する最終の理想目標は何かという質問をしたのです。そうしましたところが、ホプキンスは、それはパーペチュアルモーションだ。どうしたら一体パーペチュアルモーションというものができるのか、こう質問いたしましたら、それは海水からウランをとればいいのだ、そういう答えを残してアメリカへ行かれて、行ってから私一度しか会わなかったのでありますが、ガンでなくなられたのです。そこで、海水中のウランというものは、これは夢物語かどうかは知らぬけれども、常に私の頭脳から海水中のウランというものが離れないわけなんです。  きょう佐々木先生のお話の中にも、海水の淡水化による淡水の活用はもちろんのこと、その中には六十種類の元素が含まれておるということ、海水の淡水化に伴い六十種類の元素をいかに将来活用するかということは、これは非常に大きな海の利用の問題だ、こう考えておるわけであります。私は九十二種類の元素というものは全部海水に溶け込んでおる、そう教えられておったのですが、先生は六十種類、これは九十二種類でも六十種類でもいいと思うのであります。特にその未開発の鉱物の開発利用ということは、これはいま非常に大きな問題じゃないかと思う。リチウムにいたしましても、セシウムにいたしましても、イットリウムにいたしましても、ベリリウムにいたしましても、いま半導体の世界においては、こういうものが非常に大きなウエートを占めてきておるのでありますから、どうしても、海水の淡水化をはかると同時に、それに溶け込んでおる元素の活用というものは、これができれば、もうこれで人類社会の生活不安とか、そういうものは一掃されるということになるのではないか、そこに海というものの魅力が大いにあるのではないかと思うのであります。  それにつきまして、いま日本でその問題を担当しているのが工業技術院であります。これはビッグサイエンスの一つとして、年々われわれも海水の淡水化に必要とする予算をなるべくたくさんとりたいということを努力いたしております。そういう問題は、これはいろいろ質問したり何かすると時間がありませんから、それはやめますが、ただ昨日のサンケイ新聞の夕刊に、「海水からウラン」というふうな大きな見出しが出たのです。この新聞を私は読んだときに非常に衝撃を受けたのです。これは外国の話ではないのですね。数年前に英国で海水からウランをとるいろいろな実験をやっているという記事は読んだのでありますけれども、これは英国のことで、英国でやっているのだから、日本でもやったらいいではないかという質問を私はこの委員会でやったことを覚えておる。ところが、今度は日本の問題として海水からウランがとれる。それが四国工業技術試験所、これは工業技術院の傘下の試験所だろうと私は思うので、きょうは工業技術院長に御出席を願ったわけなんですが、これに対しては御答弁を願うだけの資料をお持ちかどうか、それをひとつ……。あなたの頭の中にこれが全然入っていないというなら、幾ら質問してもむだですから、どうなんですか、これは。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 ただいま先生御指摘のように、新聞に報道されましたのですが、まだ試験所のほうから直接には聞いておりません。したがいまして、電話等でいろいろ話を聞いておりますが、こまかい報告になってわれわれの手元には参っておりませんので、先生の御希望のような御返事ができないかもしれないと思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 これは原子力局長にお伺いしますが、あれですか、四国工業試験所で海水からウランの抽出をやっている、この試験研究費は原子力に関する予算からいっているのですか、工業技術院の単独の予算ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 国立の研究所に予算を出します場合に、国立の研究所は大体標準予算というものを一般にお持ちになっております。それで標準予算内である程度のところにきましたのを、今度は原子力という目的をつけましてやる場合に、私のほうで御協力申し上げたい。そのときに、たとえば特定総合研究としてこちらが御協力することになると考えております。現在の四国工業技術試験所の関係につきましては、まだ非常に基礎的な研究かどうかというところを標準予算でおやりになっている段階でございます。したがいまして、これから先、私たちのほうにバトンタッチになってくる段階ではないか、そういうふうに考えております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうすると、これは工業技術院傘下の四国工業技術試験所が独創的な考え方で、自分の予算でもってやっている。そうすると、原子力局傘下の原子研究所とかあるいはその他の研究所では、海水からウランがとれるかとれないかという研究は、全然未着手ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 いままだそれに適した専門家がおりませんので、この関係につきましては現在未着手といいますか、まだ研究を実際にやっているということにはなっておりません。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 これはあまり文句を言うというわけじゃありませんけれども、イギリスのハーウェル原子力研究所では、ずっと前から、海水中のウランをどうしたらとれるかということをやっておって、これはチタンと活性炭か、そういうものでやっているということは公知なんだ。だから、そういうものをやっているということがわかっておって、日本のように、ウランというものが国内にないのに、そういう研究をやらないということになれば、原子力研究所というものは実にふかしぎな存在だというふうに私は考えるのです。しかも、私自身もそれはこの委員会で問題にしたことがある。それから、エネルギー対策のウラン資源というところに出ているガリ版なんかには、ちゃんとやはり海水のウランというものは重視すべきであるということが書かれているのですね。私はいま自分の部屋をさがせばその資料は出てくると思うのでありますが、そういうことをやらないで、そして、突如として、全く関係がないとはいえぬけれども、工業技術院の四国工業技術試験所から、海水からウランがとれるというような記事が出てくるということになったら、私は原子力研究所としては非常な恥辱じゃないかと思うのだ。そういう感に打たれませんか、原子力局長は、責任の地位にあって。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 実は海水からウランをとる、あるいはウラン鉱の山の中から出てきます淡水、川からとるというようなことは、前に名古屋の工業技術試験所でもやったことがございます。そういう関係で、いろいろ基礎研究としては、現在でも、私の聞いている範囲では、東大の生産技術研究所等、大学にお願いしてその研究を進めております。しかし、まだ、理論的やり方といいますか、その収率のよさ、そういう点については文献その他でございますが、問題点が相当競争的に研究されているという段階で、私たちのほうでこれを早くやればいいということは確かでございますが、原研で、これをたとえば特定総合研究ということで取り上げる段階にはまだ至っておりませんので、そういう関係としては、まだ静かに研究を進めていっていただいているという形でございます。その点、おくれておるといえば確かにそうでございますが、原子力研究所が何もかも全部ということではなくて、やはり国立研究所にもある程度やっていただきたいということの段階でいま進めておる段階だ。これは私は弁解しているわけでございませんが、もちろん、こういうものが早く日本でできるほうがいいという考え方は当然持っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 それはおっしゃるとおり、原子力研究所がオールマイティーじゃないんだから、東大でも研究しておるという記事が出ておりますから、それはそれでいいと思うのでございますけれども、やはり日本の実情から考えてみると、海水からほんとうにウランがとれる、ホプキンスというゼネラルダイナミックスの社長が言うたとおり、海水からエコノミカルにウランが抽出できるということになればほんとうのパーペチュアルモーションなんです。あとは何もエネルギー対策なんというものは要らなくなってしまうわけだから、世界的に日本というものはほんとうの意味において救われるということになる。いやしくも海水の中にウランがあるということになったら、原子力研究所の一つの大きなテーマの中には、この海水の中に含まれているウランをどうしてエコノミカルに抽出するかというぐらいは、当然浮かび上がる研究の大テーマでなければならぬと思うのです。それが、ほかのところからこういうふうに出されるということは、原子力研究所の設立の趣旨からいったら、大恥辱をこうむったんじゃないか。一本抜かれたということです。私はそう考える。だから、原子力局長としては、そういう点について今後万般の注意を怠りなく大いに戒心して、こういうことのないようにやってもらいたいと私は思う。  ここで、工業技術院長に伺いたいのですが、これはあなたの傘下の試験所が発表されたのですが、非常に大きな問題がここに出ているのです。これはほんとうならたいへんだとぼくは思った。実験成績によると、自然の海水から鉄一グラムについてウランが〇・〇〇六グラムとれると書いてある。ウランが〇・〇〇六グラムというと、何を標準としてウランといっているかわからない。U3O8の形でやっているのか、あるいは何の標準で〇・〇〇六グラムといっているのかわかならいのです。これは鉄とかアルミニウムから——これは酸化物ですね。これにも書いてあるとおり水酸化鉄ですね。どういう形の水酸化鉄か、ぼくはよくわからぬですけれども、それから水酸化アルミニウム、これを活性炭にまぜてやるんだという。ですから、水酸化鉄とかあるいは水酸化アルミニウムの表面活性の、いわゆる触媒作用を使っていると思うのです。そして、海水からウランの抽出をやる。私は、佐々木先生の言われた六十種類の海水に溶け込んでいるイオン系統の元素は、全部こういうふうな触媒でもって抽出できる物質というものであるだろう、こう思います。ですから、たとえば私の読んだ本の中に、アメリカでは、自動車の排気ガスの一酸化炭素を触媒でとるという目標を立てると、大体三千種類の触媒の検討をやって、そのうちから四種類の触媒を選んで、いま一酸化炭素、自動車から出てくる排気ガスの処置をしているという記事を読んだことがある。これも一種の触媒だ、こう思う。  そこで、こういうことが出ているのです。アルミニウム一グラムにつきウラン〇・一七グラムと書いている。〇・〇〇六グラムじゃない。鉄だと〇・〇〇六グラムなんだけれども、アルミニウム一グラムにつきウラン〇・一七グラムと書いている。ここに書いてあるとおりに、イギリスのハーウェル原子力研究所で研究しているチタンを使用した場合、チタン一グラム当たりウラン〇・〇〇〇二七グラムを抽出した数値より数段まさっている。すなわち、鉄を使った場合でイギリスの二十倍、アルミニウムを使った場合同じく六百倍の量を抽出できるというものである、こう書いてある。これはひとつ正確に調べてもらいたい。もしこれがほんとうだとすると、いままでイギリスのハーウェル原子力研究所でやっているチタンの六百倍よけいアルミニウムでとれるということになる。六百倍とれるというのは一体どういうふうになるのか。もしできるなら、いま御答弁願いたいのは、ここに書いてあるウラニウムというものは「炭酸ウラニウムの形で」と書いてある。ここでは「海水一トン中には炭酸ウラニウムの形で約〇・〇〇三グラムのウランが含まれており」と書いてある。だから、こういうのを、しろうとの私にわかりやすいように、ひとつ全部これを翻訳して、そうして、資料をつくってちょうだいしたいと思うのです。どうでしょう。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 非常に詳細なデータにつきましては、私どももまだ十分キャッチしておりませんので、後ほど調べまして申し上げたいと思いますが、先生いま御指摘のお話に関連いたしまして、金属水酸化物の一グラム当たりで実験しました結果が、二週間で〇・三ミリグラムのウランが吸着されたということでございます。一週間では吸着しないのだが、二週間で吸着したということを聞いております。ウランが、ウランの形か、あるいは炭酸ウラニウムの形かということについては、ちょっと確かめておりませんので、後ほど十分確かめた上で先生に御報告申し上げたいと思います。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 正確にひとつ研究の資料を取り寄せて、なるべく早くちょうだいをいたしたいと思います。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 承知いたしました。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 あと一問だけ工業技術院長に伺っておきたいと思うのでありますが、もちろん海水の淡水化ですね。これはビッグサイエンスとして、大型プロジェクトとして、今後も御推進なさるのだろうと思うのでありますけれども、これは、先ほど佐々木先生のおっしゃったような海水の有効利用という立場から淡水化をはかると同時に、淡水化をはかったあとの海水というものに対してどういうふうな考え方をもって立ち向かっておられるか、それをひとつ御説明願いたい。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 現在の大型プロジェクトで取り上げております海水淡水化は水をとるのを目的にいたしております。淡水を経済的にとるという観点から、その中から主要な成分を同時にとりまして、それが適当な値段で売れれば水のほうの値段は下がるという観点でやっておりますので、それを両方ともとるということになりますと、今度は水の値段が高くつくというようなこともありますので、その辺の経済性の問題は十分検討した上で海水に含まれる成分もできるだけとる、そうして、同時に、淡水を経済的な価格で供給できるようにするというのが目標でございます。現在の大型プロジェクトで目標にしておりますのは、淡水をとるほうを目的にいたしております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 それもあわせてひとつ資料をちょうだいしたいのですが、もちろん海水から淡水をとるんですね。それが主たる目的。そうすると、ナトリウム、硼素、弗素、いろんなものが、淡水の中には含まれないのだから、淡水をとったあとに残るんですね。その中からペイするものはもちろんとるわけですね。それはいろいろ価値あるものをさがすのでしょう。そうすると、淡水が安くなっていく。これはその元素をとるほうによけい金がかかれば、お話のように淡水は高くなっていく。元素をとってペイすれば、こっちのほうがそれだけ安くなっていく。そういうのは、工業的に考えればそういうことにはなると思うのですけれども、海水から淡水をとったあとは、それは海水のまま放てきされておるよりは元素はコンデスされておるわけです。そういう一切の元素をどうしたらば抽出できるかという、いわゆる海水の徹底的利用という点まで前向きになってプロジェクトの中に入っておるかどうかということを伺いたいと思うのです。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 プロジェクトの名前が海水淡水化と副産物利用ということになっておりますので、当然副産物の利用については考えるわけでございますが、当面の目標としては、海水を淡水化するほうを目的にいたしまして、そうして、先生のおっしゃるような副産物をなるべく経済的にとる方法につきましても、あわせてやることになっております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうすると、これはどうなんですか、この四国の工業技術試験所の海水からウランをとるという研究は。これは工業技術院として、海水から淡水をとるという大きなプロジェクトを持っておる。と同時に、その中に全部溶け込んでおる六十種類の元素というものを個別に抽出検討をやっておる。その一環としてこれがあるのじゃないですか。これはもう全然切り離して何かの思いつきでこれをやっておるのですか。というのは、工業技術院全体として海水に取り組んでおるという私は考え方を持っておる。そうすると、当然その中に含まれておるところの元素というものが研究のテーマになる。だから、四国工業技術試験所では、おまえのところではウランをひとつやれとか、また、ほかのところでは何をやれとか、全般にわたって海水というものに取り組んでおるテーマの一環として、こういう試験結果があらわれたのか、そうでなく、これは四国工業技術試験所が単独に思いついた簡単な研究からこういうものが生まれたのか、どっちなんです。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 この問題は、海水の成分を高度利用するということから四国の工業技術試験所で経常研究としてやっておりましたものでございますが、この研究はまだ実験的でございまして、これが経済的に成り立つかどうかというような点が十分見定められた場合には、大型の中に当然組み入れられるものと考えます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 それではやるつもりなんですね。海水を淡水化する、それからペイする元素というものは当然とっていく。ペイしない元素でも、将来、海水の中に含まれておるところの未利用資源の利用という立場から、そういうものに取り組んでいくという姿勢を持っておるわけですか。どうですか。それは昭和四十五年度の予算編成のときに、たとえば海水の淡水化に対して幾らの予算が要るという、そういうことをあなた方が要求される。それは必ずわれわれもその論議をしなければならぬわけですね。そのときに、これは工業技術院としては、海水の中に溶け込んでおる六十種類の元素、これを未利用資源として将来いかにして活用するか。たとえば、ウランの抽出というようなものも含めて、大いにこれはやろうという気がまえになっておるのだから、この予算は十分つけてやってくれ、こういうことをわれわれは主張したい、こう思う。だから、あなた方のほうとしては、将来六十種類の海水の中に含まれておる元素を未利用資源の対象として、その検討を加えていくという体制にあるのかどうかということです。それは工業技術院の考え方としてどうなっておるのかということです。

朝永良夫工業技術院長

○朝永政府委員 ただいまの対象になっております四国でやりました研究は、まだ基礎研究の段階でございまして、これも今後どういうふうに発展するかわかりませんので、現在すぐにこれを大型プロジェクトの中に取り入れるかどうかということにつきましては、まだちょっと検討を要すると存じております。しかし、これは研究が進捗いたしまして、十分大型プロジェクトの中に取り入れてしかるべき段階になりましたときには取り入れて、大がかりにやる必要があると思いますが、現状ではまだそこの段階までいっていないとわれわれは判断しております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 政務次官に最後にお願いしておきますが、この記事ですね。これはまあ他人はどう感じるか知らぬけれども、私にとりましては、この海水からほんとうにウランが経済的にとれるということになりますと、これは史上最大のニュースだと私は思うのです。これには五十億トン——これはどういう計算か、これもひとつ調べてもらいたいのですが、海水の中には五十億トンのウランが含まれている。われわれがいま心配しているのは二十万トンとか三十万トンのU3O8のウランで心配しているんです。五十億トンですよ。五十億トンのウランが含まれている。それがもしほんとうに経済的にとれるということになれば、これはもう私なんか極楽往生していいわけなんです。何もあとは心配ないのです。ですから、はたしてこれがどういう事態に進展すべきものであるか。これは未知の世界だと私は思うのですけれども、こういうものに取り組んでいって新しい境地を切り開くというのが科学技術庁設立の趣旨なんですね。  まあ私、くどいことを申し上げてはなはだ失礼ですけれども、やはり科学というものは、経験が知識を生み、知識が経験を生んで、宇宙の森羅万象未開のところにメスを入れてその真理を探求して系列化するというのが、科学のある一つの進歩過程だと思うのです。だから、海水の中にウランが含まれていて、ウランが抽出できるということ、これが現実の一つの真理として立証された以上は、あとは私は人間のブレーンでもって幾らでもやれる、何百何千の方法というものが案出されると思うのです。これに取り組んでいって、この問題を世界に先がけて解決すれば、私は日本は原子力平和利用において最優秀の地位に立てると思っておるのです。だから、ひとつこの点に政務次官の若き情熱を注がれて、必ず日本でもって世界に先がけてこれをものにするということで、ひとつ来年度の予算編成のときにがんばっていただきたいと思うのですが、御所見をひとつ伺って、これで私の質問をやめたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術政務次官

○平泉政府委員 全く同感でございます。工業技術院ともさっそく連絡をとりまして、当方の原子力研究所、そのほか原子力関係の機関もございますことですから、大いにこの検討を進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 どうもありがとうございました。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のため、たいへん参考になりました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十三分散会

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