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61回国会衆議院1969/05/06

科学技術振興対策特別委員会 第10号

発言数
55
登壇者
5
会派数
3
開催日
1969/05/06

会議録

石田幸四郎公明党

○石田委員長 これより会議を開きます。  宇宙開発事業団法案を議題として、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 事業団法が出てまいりまして、科学技術庁としては最近になってから審議をいたしました事業団法が、これで二つになるわけですね。いわゆる動燃事業団法と、それからこの宇宙開発の事業団法と、二つです。この二つを比較して検討してみたわけです。その中で若干心配な点がありますので、そういう点についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、この間、四月の二十五日にちょうどこの法律案を補足する意味で、政府のほうから理事会に提案がなされたようであります。宇宙開発事業団法案に対する修正案の案文として、第一条の「目的」のところに「平和の目的に限り」ということをつけ加えたらどうかという話が出ておるわけです。そういう点はわれわれがもとからずっと主張してまいったわけですけれども、なぜこの「平和の目的に限り」ということをはずしておったかということです。動燃事業団のほうは、これがはっきり「目的」のところに書いてある。まず、それをお聞きしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。動燃事業団のほうには平和の字句が入っているわけでございまして、この事業団法には入っていないわけでございますが、これは私たちこの事業団の法案を作成するにあたりまして、いろいろ考えてみたわけでございますが、次のような理由によりまして、この「平和の目的」ということをことさら中へ入れなくても十分確保されているのではないかというふうに考えたわけでございます。と申しますのは、私たちが従来宇宙開発の事業をやるにあたりまして考えてまいりましたことは、三十七年の五月に第一号答申というものが宇宙開発審議会から出たわけでございます。その中に「平和の目的に限り」ということがはっきりうたわれておりまして原則といたしまして、あとの自主的な問題、あるいは公開性の問題、国際協力の問題、こういうことがその答申に出ておるわけでございます。それによりまして——この宇宙開発審議会が発足をいたしまして、そういう構想のもとに進んでまいりまして、それが昨年宇宙開発委員会ができましたときに、その思想を受け継いだまま、宇宙開発の将来の方向というものをきめたわけでございます。したがいまして、私たちは、第一号答申というものによりまして、自主性とか公開、国際協力というものが相当に重視されているという点については疑う余地はないものと考えております。  さらにこの点につきましても、この法案が国会に上程されるにあたりまして、総理大臣のほうから、基本的な姿勢といたしまして、平和を尊重するということで御答弁されておられますし、また、宇宙開発事業団法の中の二十四条におきまして、この宇宙開発委員会の議決を経まして内閣総理大臣が基本計画をつくりまして、そうしてその計画に基づいて宇宙開発を行なうというふうになっております。したがいまして、この委員会の性格並びに委員の任命方法、こういうものから見ましても、私たちが考えております宇宙開発というものの基本原則が守られているというふうに確信している次第でございます。  また、基本的な考え方としまして、この事業団の組織とか業務というものをきめる事業団法よりも、むしろそういうような内容は基本法に盛り込まれるべきものではないかというふうに私たち考えております。この点につきましては、現在衆議院の科学技術振興対策特別委員会の中におきまして、宇宙開発の基本問題に関する小委員会というものが設けられまして、そこで宇宙基本法の問題について検討が行なわれているわけでございます。したがいまして、政府といたしましても、この基本法に関する諸問題につきましてさらに検討を加えまして、今後とも、国会における審議におきまして積極的に御協力を申し上げたい、こういうふうに存じておる次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 宇宙開発審議会第一号答申、宇宙開発推進の基本方策について、昭和三十七年五月十一日。第三章に「わが国の宇宙開発の基本原則「わが国の宇宙開発は、平和の目的に限り、次の基本原則の下に行うものとする。」「(1)自主性を尊重すること。(2)公開を原則とすること。(3)国際協力を重視すること。」こうなっております。しかし、これは一つの答申であって、法律というものではないわけです。法律というものがすべてのことを律し、優先するわけですね。そういう意味合いにおいて、平和の原則をここに入れたということは、私は賛成なんです。しかし、いまの御答弁は、これを書かなかった理由を説明なさったので、なぜ入れられたかということについての御説明はなかったわけですね。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 御質問の点、ごもっともな点もないではないのでありますが、ただいま政府委員のほうから御答弁いたしましたように、これは政策の問題でありまして、この問題は宇宙開発審議会の基本原則にも示されておりますし、総理大臣もこの政策をはっきり宣明しているわけです。それからまた、科学技術庁長官として私もそれを明らかにいたしております。立法論的に申し上げますと、この事業団法はむしろ事業団の組織あるいは事業というようなことを規定する法律でありまして、政策の問題はむしろ、いま政府委員から申しましたように、基本法、こういうものに盛り込むのが当然じゃないか。たとえば原子力の基本法にはっきりうたっておる。うたっておる以上はむしろ動燃のところに入れたことに、立法論的にいうと、むしろやや疑問があるのじゃないかというふうにさえ考えられないではないのでありまして、立法論としては、今回ここに入れなかったということは、私はむしろ正しいのではないか、かようなふうに考えております。さればといって、その方針については、先ほど来申し上げておりますように、基本原則、それから総理大臣の施政に対する宜明その他できわめて明らかになっておりますので、特にその必要はない、かように考えたような次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それはなかったときの理由ですね、それはわかりました。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 その理由は、いま申し上げましたように、これはむしろそういう政策の問題は、さっき政府委員がお答えしましたように、むしろ基本法の問題として考えるほうが、立法論的には正しいのじゃないか、私はかように考えておるわけです。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういう節も考えられるのですが、それなら何でこんなところに出してきたかということですね。入れます、入れたほうがいいだろうというように、この間の理事会では、私、出なかったのですが、お話しになっておるわけです。そういう提案が政府のほうからなされておるわけですね。立法論上も形をなさぬものをことさらになぜそんなところにつけ加えなさろうとするのですか、その理由がわからぬ。私たちは、それはっけ加えてもらっていいですよ。しかし、いまの御答弁なら、なくてもいいという御答弁ですが、それを出してこられて、ことさら政府から、これをつけ加えますということを提案になっておるようですね。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 何か私の解釈しているところとちょっと違うようですけれども、私のほうから別にこれを提案しているというわけじゃありません。しかし私の考えは、特にそこへ入れなくてもいいというふうに考えておるのですけれども、とにかく私の申し上げたようなことにもかかわらず、こういうふうなことのほうが、立法権者である委員の方々多数がこれは入れたほうがいいという御意見であるなら、これはわれわれとしても、またいま一度考えてみなくちゃならぬ点がないではないのではないか、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 わかりました。そこで、原子力基本法のほうにはこれが載っておるわけですね。今度の場合は基本法がないわけなんです。そこで、ない場合でもはずしたらいい、それから一方は、ある場合にはちゃんとついておる、こういうことでいろいろな点でバランスがとれていないわけなんです。そういうところでこの平和の目的というものをはっきりとあげておくことがいいのじゃないかと私は思います。  次に、この法律案についてずっと見てまいりますと、心配な点が三、四点あるわけです。その点について質問をして明らかにしていきたいと思うのです。  まず、この提案理由の一枚目の裏のところに「これを成功させるためには、政府はもちろん学界、産業界から広く優れた人材を結集するとともに、弾力的な事業運営を行なうことが必要であり、このために、中核的な開発実施機関として、新たに特殊法人宇宙開発事業団を設立し、宇宙開発を総合的、計画的かつ効率的に実施しようとするものであります。」ということが書いてあります。ここで私が心配いたしますことは、人材がどのようにして集められるのか。説明によりますと、この人材というのは大学と連絡をとって、そして人材養成の計画を立てていく、こういうことになっておるわけであります。この人材の問題についてお伺いしたいと思います。  それからもう一つは、この宇宙開発事業団と研究機関との関係はどうなっておるか。このために、私は、科学技術庁の傘下にある航技研の人にも来てもらってお話を承りました。それから、推進本部のほうへも行ってお話も承ってみたいのですが、しかし、やはり研究と事業団というものがどんな関係にあるのか、これが一つ心配になりました。  それから、これは政府のほうでも考えておられるようですが、政府の職員が事業団に移行するときに、その身分、待遇は一体どうなるのか。推進本部はいま政府の仕事になっておりますが、ここから事業団のほうに移りますと身分が違ってくるわけであります。推進本部は発展的に解消されるようでありますから、前の原子力関係の、原研に居残る、あるいは動燃事業団に行くというような関係にはならぬと思うのです。そういう関係がまず心配になりますので、人材養成の問題と研究機関との関係、それから、政府の職員が事業団のほうへ移行する場合の身分の問題について、まず、お伺いしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  初めにまず人材の件でございますが、人材につきましては、現在のところは、宇宙開発関係の研究に携われる人は、大学をはじめといたしまして、科学技術庁の推進本部並びに、科学技術庁の内局、それから、衛星関係につきましては電波研究所、それから、先ほどお話しの航空宇宙技術研究所、こういうようなところに研究者自体散らばっているわけでございます。そのほか、民間関係でも、このような技術につきましての有識者は相当散らばっているわけでございます。私たちのほうといたしましては、この宇宙開発というものが国家的な事業であるという面におきまして、できるだけ一本にまとまって、その総合的な力を結集して発揮していただきたいという考えでございまして、そのために、この事業団にそのような人材の方が何らかのかっこうで入っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。  大学のほうにつきましては、すでに十年来の歴史がございまして、研究部門におきましては相当進んでおるわけでございます。その大学の方は、この法律案の中にもございますように、いろいろなかっこうでこの仕事にタッチできるような形にしてございます。  また、民間の方も相当数、この事業団が発足いたしました暁には、この宇宙開発タッチしてもらえるようなかっこうになっております。  そのほか推進本部、電波研究所、航空宇宙技術研究所、こういうようなところからも入ってきていただくわけでございますが、具体的に申し上げますと、現在、推進本部の中には大体八十五名程度の宇宙関係開発の仕事に従事できる人がいるわけでございます。さらに、電波研究所から二十三名ほど、それから、航空宇宙技術研究所からも二名ほど、こういう方が直接公務員から入ってくるわけでございますが、そのほかにまだ四十名ほど人員に余裕があるわけでございます。ここに大学の研究関係の方あるいは民間の方、こういう方が入っていただきましてその宇宙開発の事業をやっていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  次に、事業団と研究機関との関係でございますが、この事業団でやります仕事は、この法案にありますように宇宙開発——開発の事業でございまして、開発と申しますのは、いわゆる研究とは趣を異にいたしまして、大体いままでの研究結果とか、あるいはそのような実際的な技術を実際のものに実用的に移していくという仕事が開発でございます。大学等におきます、いわゆる研究機関におきます研究といいますのは、その基礎的なものでございまして、大学並びに各国立機関の研究所で行なっておりますのは、将来とも基礎的な研究に従事していただくわけでございまして、この事業団におきます開発は、先ほど申しましたように、実際の人工衛星打ち上げ用ロケットあるいは人工衛星、そういうものを実用化するために作業に従事していただくということになっております。したがいまして、内容的にはそのように違いますが、この研究の結果というものを生かさなければこの開発という仕事ができませんので、今後とも、その点につきましてはきわめて密接な連絡のもとに宇宙開発を行なわなければいけないというふうに存じておる次第でございます。  その次の、政府職員の身分でございますが、これにつきましては、推進本部から事業団に入ります場合は、公務員の資格を離れまして事業団の職員として入るわけでございまして、この点につきましては、当初におきまして政府職員から入ってまた公務員として政府機関に帰りたいという復帰の希望を出している者につきましては、そのように努力する所存でございます。また、待遇につきましては大体ほかの事業団並みの待遇ができるのではなかろうかというふうに存じております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私が主として心配する観点は、この事業団というのは、要するにロケット打ち上げ、そして、人工衛星はどこかで開発を主としてやらして、それを乗せて打ち上げる、いわゆる打ち上げ屋にならないかという心配を持つわけです。それから、研究はおのずから、あなたのおっしゃるように、大学の研究とかあるいはまた航技研の研究とはおそらく質が違ってくるだろうと思うのです。一〇〇%研究の興味といいますか、意欲をそれに生かそうという考え方で大学なり航技研は研究が行なわれる。それから、こちらは一つの目的的研究になってきますから、ワクがはまると思うのです。しかしながら、ワクがはまるけれども、その中で研究がしっかり行なわれなかったら、事業団が単なる打ち上げ屋に終わってしまうということになって、これはたいへんなことだと思うのです。それに対するところの人材がどのようにして集まるか、大学からこちらに来てくれるのだろうか、これは後に触れたいと思いますけれども、一元化の問題と非常に関係が深いわけです。これがもし不成功に終わるなれば、相も変わらず二元的な問題が残るということになりまして、前々からいわれておった、宇宙開発に対する一元化の計画がくずれるのではないだろうかという心配をするわけです。  そこで、あなたがいまおっしゃいましたように、なるほどこの事業団では役員を除いて百五十一人の人員を必要とし、うち八十五人は推進本部から持ってくる、二十三人は郵政省の電波研から連れてくる、それから航技研から二名、それでもなお四十一名不足いたしますから、したがって官、学、民、新規卒業、そういうところから補う、こういうことになっておりますが、さて官、学、民からどのようにして事業団の職員として迎えられるのか。これも問題になると思いますので、あなたの御答弁に対しまして再質問のかっこうでこの三つお聞きいたしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 初めに、この事業団が打ち上げ屋にならぬかという御心配でございますが、この点につきまして、事業団といたしましては、人工衛星打ち上げ用のロケットと人工衛星、この二つの開発を進めることになっているわけでございます。確かに、ロケットだけでございますと、打ち上げ屋ということもいえるわけでございますが、人工衛星とロケットというものはきわめて緊密な関係にございまして、人工衛星の目方、構造、目的、そういうものによりましてロケットの大きさとかいろいろなものが変わってくるわけでございます。したがいまして、この衛星もロケットとあわせて開発しなければいけないという趣旨によりまして、事業団の中にロケットの開発と衛星の開発というものを一元的に結びつけようとしたのがこの法案の根本的な考え方でございます。したがいまして、そのような趣旨からいたしまして、この事業団の運営というものが一元的に行なわれるものと考えております。  なお、先ほどございましたように、大学から来なければ二元的になるのではないかというお話でございましたが、この点につきましては、大学も将来の宇宙開発というものに対しては現在協力的な態勢にありますので、いますぐというわけにはまいらぬかとも存じますが、考え方としましては、一元的にできるように、研究内容なりそういうようなものにつきましては緊密な連絡をとって進めているのが現況でございます。  次に、新しく事業団に四十一名の人間がとれるかというお話でございますが、これにつきましては、現在すでに推進本部と申しますか、宇宙開発事業団に入るというような希望をもちまして、ことし大学を卒業した研究者も幾らか入ってきております。さらに、民間、大学から入ってくる人につきましては、これは事業団が発足した時点において決定されるべきものではございますが、しかしながら、民間におきましても、現在におきましてこの宇宙開発について協力したいというような考え方も相当強くございますし、また、大学のほうにおきましても、この際宇宙開発について協力するという態勢ができておりますので、この事業団が発足いたしました時点におきまして、実はその点をいろいろ考えて決定したいと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 事業団の発足は十月になっておるようですが、その時点でまず考えていくというのが本筋だと考えております。しかし心配は、そこでそういう人が集まるかどうかということをお伺いしておるわけですし、それから、新規の人がいま入る場所は、事業団の八十五名の中で入っておるのか、あるいはその外にあるのか、その辺わかりませんけれども、いずれにいたしましても、新規の人がいま用意ができておるということはいいことですから、これはとやかく申し上げるものではありません。しかし、十月段階でやるのですということなんだけれども、この事業団というものが、大学から、あるいはまた推進本部から、あるいは民間から移行する場合に、そういう人があるかどうか。これは原子力の場合もその心配を私たちはしたわけなんですね。理事長についても来てくれる人があるだろうかというふうな心配を持ったわけですが、職員についてもそういう心配を持つので、そういう見通しが立つかどうかということをお聞きしておるわけなんです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 宇宙開発事業団の発足にあたっていろいろ御心配いただきまして、まことに感謝にたえない次第でございます。これはどうしても集めなければなりませんし、私は、この法案を可決していただきまするならば、数カ月の準備期間がありまするので、その間に、いまお話しのようなことを十分に注意いたしまして、有能な士を集めたいと思います。しかし、最近宇宙開発に対して非常な関心がありまして、財界等におきましても非常に関心がありまするので、私は集め得ると思っておるのでございますが、御注意の点もありまするので、十分注意をいたしまして遺憾なきを期してまいりたい、かように思っております。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 人材養成の件につきましては、やはり現在のわが国におきます宇宙開発技術というものの基盤は、まだ何と申しましても浅いわけでございます。したがいまして、相当早急に人材の養成をやらないといけないわけでございますが、すでに過去の実績から見まして、数は少のうございますが、相当な実力を持っておる人もどんどん出てきておりますので、先ほど申しましたような新しい頭のやわらかい、そういう能力のある人によってなるべくすみやかに養成していただくということを考えております。このためには、いろいろ国内におきます研修並びに国外におきます研修、こういうものを含めまして、この宇宙開発については遺憾のないようにしたいと存じております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 この法文の順序を追うて御質問を申し上げますが、動燃事業団におきましては、役員の数なんですが、副理事長二、理事八、監事三人、こういうことになっております。この事業団は動燃事業団と比べると事業が小さいと思っておられるのか、あるいはまた、天下り人事というと語弊がありますけれども、そういう観点からこれくらいの数でいい、こういうふうにお考えになっておるのか、何も両方バランスをとらなければならぬことはありません。しかしながら、動燃事業団と違っておるところがありますのでお伺いをしておきたいと思うのです。——非常勤の理事三名です。こちらは二名になっておりますね。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  動燃事業団の場合は、二つの事業団が合併しましたために非常に数が、先ほど申されました二人、八人、三人というかっこうになっておるわけでございますが、この宇宙開発事業団におきましては、理事長一名、副理事長一名、さらに理事五人以内と監事二名以内というふうに九名になっておるわけでございます。  この理事の分担というものは、どういうものを考えたらいいかということを検討しているわけでございますが、大体考えられますことは、総務経理関係と企画管理の関係、ロケット開発、衛星開発、それから打ち上げ、追跡、大体大きく分けますと、こういうような業務に分かれるのではなかろうかと思っております。  しかし、この事業団が、この法案が通りますと、十月に発足という段階におきましては、規模そのものはまだそう大きくないわけでございまして、したがいまして、当面理事五名ということで間に合うのではないかと思いますが、今後の宇宙開発の推移によりましては、相当理事の増員ということも考えられるのではなかろうかというふうに存じております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それは、事態によっては弾力的な運用をなされなければいかぬのですけれども、一応法律案をつくる場合には、十年くらいな見通しをもってつくらなければならぬと思うのです。四十六年に科学衛星、四十八年に静止衛星、こういう大体のスケジュールがきめられておりますしいたしますと、こういう役員の問題につきましても、一応きまった考えを持っていただくほうがいいのじゃないかと思うのです。  と申しますのは、先がたのお話しの中で、動燃事業団は寄せ集めだったからやはり人数を多くしなければいかぬ、こういうお考えのようだったのですが、これはまことに事業と、そういう役員の行き場所というようなことも考え合わせての配慮のように思いますけれども、やはりあなたのおっしゃるように、事業と合わせてこういう役員はきめていただかなければいかぬのじゃないかと思うのです。  したがいまして、いまおっしゃいました事業の内容なんですが、これはそういうような内容になるだろうと私も思います。そういたしますと、前の推進本部の中身とどういうように結合していくのか、いままで推進本部はそういうことを見通してやっておったのじゃなかろうかと思うわけです。これを見ますと、推進本部では管理部長を置いて、その下に総務課長、契約課長、企画課長とあります。これは、仕事は先がたおっしゃられた企画担当だろうと思います。それから総括開発官として主任開発官、これはシステム担当、それから同じく主任開発官、ロケット担当、それから主任開発官、誘導制御担当、それから同じく主任開発官で人工衛星担当、それから今度は追跡部長、実験部長、こういうことになって一応推進本部の形ができておったと思うのです。この中に研究がいろいろ盛られておったわけでありますけれども、今度はそういう詳しい内部の所掌分野というものについては、おそらくこの法律案のしまいのほうに政令できめるような逃げ場所が用意してありますけれども、しかしこういう構想については、いまちゃんと持っておる必要があると思うのです。そこで、あなたがおっしゃられたその構想で、前の推進本部の所掌事務と一体どんな関係になるのか、これをお伺いしておきたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  初めに、ちょっと先ほどの発言の追加でございますが、動燃事業団の場合はただ算術的に役員が合併されたという意味ではございませんでして、二つの事業団が合わさったために、また合わせる必要があったので、業務としては非常に幅が広くなったということでございますので、その点、御了解願いたいと思います。  それから、ただいま御質問の件でございますが、推進本部におきましては、いま先生のおっしゃいましたように、管理系統と開発系統、それに付随いたします実験、これは打ち上げ、追跡がございますが、その系統とあったわけでございますが、その開発の考え方そのものについては、たいして大きく変わったわけではございませんが、ただ、開発を本腰を入れてやるという段階になってまいりますと、当然今後考えられることは、相当多額の経費を必要とする、開発に関係する人数がふえてくるというようなことも考え合わせまして、現在の管理系統のほかに、契約関係というものも相当重要視されるべきではなかろうかというふうに存じております。また、このような宇宙開発が始まりますと、ロケットの実験その他に伴います安全管理という面にも当然相当重点を置かなければいけないというふうに存じております。また、開発関係につきましても、システム、ロケット、誘導制御、こういうものにつきましては、従来どおりその仕事の幅が広くなっていくわけでございます。  ただ、人工衛星につきましては、従来推進本部で考えておりました人工衛星といいますのは、基礎実験衛星でございまして、これはロケットを上げますときにダミー衛星と称しておるものでございます。しかし、今度は衛星の開発、ことに本年度からは開発事業団の中に電離層衛星の開発も入るということになりますので、衛星の開発につきましても本腰を入れていかなければいけないのではなかろうかというふうに存じますので、その衛星部門は、従来よりも相当大きくなるというふうに考えております。  そのほか、追跡、実験でございますが、これも今後ロケットの打ち上げ、こういうものが本格的になってまいりますと、この面につきましても、先ほど申しました安全も含めまして、いろいろ充実していかなければいけないのではなかろうかというふうに存じております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私が重点を置いて言いたいことは、この内容について推進本部の中に誘導制御担当という部門がございます。これに重点を置く、わが国の衛星が上がるためには、むしろここに重点を置かなければいかぬのではないかと思うのですが、この次の所掌事務の中ではこれが消えておる。当然ロケットの担当のところにこれが行くのだろうとは思います。東大は大体無誘導でやろうとしておりますけれども、科学技術庁は鍋島長官が米国に行って、技術導入をしたい、技術提携をしたいという重点は少なくともここにあったと思うのです。四段とも誘導制御をやって打ち上げなけりゃいかぬのじゃないかと思うのです。ここに重点を置いてやるという考え方に立つと、いまのお考えではたいへんぼやけてくるのじゃないか。これはおそらく郵政省もあるいは他の省庁におきましても、統括してこちらでやるほうがいいのじゃないかと思うのです。各自ばらばらに誘導制御の研究をやるよりも、当然一元化するところの技術的な重点はここに置かなければならぬと私は思うのです。それがちょっとぼやけてくるような感じがするわけです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 先ほどのは少しことばが足りませんでしたが、この人工衛星を打ち上げるためには誘導制御というものは不可欠のものでございます。したがいまして、これがなければ人工衛星が上がらないということはもう常識でございますので、私たちこれに重点を置くことはもちろんでございます。ただ、組織といたしまして、従来は総括開発官の下に誘導制御のグループというものが置いてあったわけでございますが、今度は理事の下にその誘導制御のグループがつくわけでございます。したがいまして、誘導制御というものも一つの大きな目的というかっこうで入ってくることは、私たち現在そういうような構想を持って進んでおるわけでございます。各省におきます誘導制御も、当然いま先生がおっしゃいましたように、将来の宇宙開発事業団において一元的に行なうものと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 了解いたしました。  それから、次の問題ですが、誘導制御ということになってきますと、勢いさきのジョンソンメモに返ってくるわけなんですが、政府としては、この誘導制御の技術をわが国で開発するという強い意図があるのか、鍋島長官が行かれてすでに、誘導技術についてはしっぽを巻く、よって、アメリカから導入しなければならぬのだ、こういう立場をとっておられるのか。いまの御答弁を聞いておりますと、その気魂が感じられない。どういう考え方で行くのか、この事業団によってぜひやるという強い意図があるのかどうか、お伺いしたい。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 誘導制御につきましては、現在すでにわが国におきましてもこの研究は進めているわけでございます。ただ、現在私たちが考えております四十六年あるいは四十八年を目途にいたしまして人工衛星を上げるということになりますと、その期限までにはいま少し時間が足りないかというふうに考えられるわけでございまして、そのような目的からしますと、やはりこの際外国から誘導制御の技術というものを入れまして、そして、外国で失敗した二の舞いを踏まないように、私たちそれを開発して、今後の宇宙開発の誘導制御の技術というものを確立したい、こういうふうに考えている次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そこで、その誘導制御の技術を入れるといたしますと、これは政府間のベースでやられるのか、あるいは企業間にこれをまかして、政府はその責任をのがれようとするのか、その辺を明らかにしてもらいたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 技術導入の基本的なものにつきましては、政府間の協議ということになると思いますが、その個々の具体的なものにつきましては、民間のベースにおいて行なわれることになるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 個々の具体的なものというのはどういうものですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 誘導制御の機械的な部分とか、そういうものでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 要するに、米国としては、これをほかに漏らしてはならぬというのは、どちらかというと、米国で開発した特許的なものである。そこで、こまかいものということになってくると、それはそうないんじゃないですか。全体一貫したものじゃないですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 誘導制御の機器につきましては、これは特許はあるといたしましても、その特許を民間ベースにおいて購入するということはできると思います。したがいまして、民間のベースにおきましてそのような技術の導入ということが可能になると私たちは考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣、ジョンソンメモの蒸し返しになるようなんですが、これについては秘密条項というものがやはり考えられると思います。それについて政府の見解をこの際はっきり聞いておきたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 御質問のジョンソンメモのことですが、昨年の正月にジョンソンメモが来まして、これに対しましていろいろ研究した結果、十二月にこれに対する一応の回答を出しております。向こうから協力しようということに対して、これを受けまして回答したわけですが、その際に、われわれとしては、アメリカから受け入れたところの技術の機密保護のために特に法律を制定するような意思はないということを、はっきり一項加えてやっておるわけなんです。そこで、さようなことをいたさなくても足りるだろうと私どもは考えているのですが、いま政府委員からも御答弁申しましたように、いろいろな部面におきまして向こうの技術を民間において導入しなければならぬ場合もあるかと思うのです。急ぐためにですね。そういうような場合におきましても、アメリカのほうでは、これは第三国に漏れては困るというような、保護を必要とするような機密というものは、私どものほうにはよこさないだろうと思いますし、私どものほうは、そういうものが来なくても十分にやっていける、かように考えております。  ただし、いま政府委員からも御答弁申し上げましたように、商業上の機密の保護、この程度のことは当然私どもはやらなければならない、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私は、やはり政府の基本姿勢、あるいは国会においても、技術協力を求めるということになれば、はっきりした姿勢をここでとる必要があると思うので、いま大臣の言われたのも一つの姿勢だと思います。しかしながら、宇宙開発の分野では国内に基本法はないのですから、そこで平和利用の義務づけを国際的にはスペース全体の平和利用ということでやられてはおるものの、この条約では軍事利用のミサイル開発を禁止していないわけです。そういう考えに立ちますと、前々からよくいわれておりますように、ミサイル、それからロケットというものは紙一重です。これはずっと前から論議されておるのですが、男湯と女湯の下の湯は連なっておるとまでいわれておるのですから、日本の国が技術を導入するという場合、ここにはっきりした立場をとらなかったら、日本の未来というものが潜在的な戦争の能力だ、こういうように評価されておるわけです。そこで、このジョンソンメモを受ける政府側の姿勢というものが、私は、問題になってくるのじゃないかと思います。これが、基本法をつくってはっきりしておるならば、その点はいいんじゃないかと思いますけれども、この際誘導技術、制御技術というようなものを導入するということになれば、その点を明確にしておいてもらわなかったら、これは兵器のほうに移行するおそれもなしとしないわけです。その点は、政府としてはどういうように考えておられますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまいろいろ御意見がございましたが、紙一重の点もあるかもしれませんけれども、とにかく、わが国の政府としては、平和目的に限って宇宙開発を進めていく、こういう姿勢でまいりまするからして、そういう点は、法律の有無にかかわらず、私は御心配はないもの、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 この宇宙開発ハンドブックの中に、最初のほうに「わが国の宇宙開発計画」というのが載っております。これを克明に読んでみますと、あるときは四十三年に、もはや科学衛星を打ち上げなければならぬ時期がありました。しかしながら、今日この計画が変更になって、四十六年になって、それから四十八年に静止衛星を打ち上げなければならぬ、こういうかっこうになっておりますが、今日非常にいろいろなことでおくれてきておるわけなんです。したがって、そういう計画が遂行できるかどうかという心配も私たち持つわけです。それについての政府の見解をひとつ聞かしておいていただきたいと思います。この意見につきましては、小委員会で、宇宙開発委員もおいでになりますから、そこでよく討論をしてみたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。人工衛星打ち上げの計画につきましては、現在宇宙開発委員会におきまして、現在までの技術的な内容を踏まえまして検討しているところでございます。検討の内容といたしましては、今後十年間の先を見て、今後五年間の具体的な開発計画をつくろうということで進んでいるわけでございまして、昨年の十一月に宇宙開発委員会から四十四年度の予算見積もり方針が出た時点におきましては、四十六年に電離層観測衛星、四十八年に実験用の静止通信衛星という計画で進んできたわけでございます。しかし、実態から申しまして、種子島周辺におきます漁業対策の問題などがございまして、打ち上げを相当期間中止せざるを得なかったというような状況がございましておくれているわけでございますが、私たちといたしましては、今後この事業団を足がかりといたしまして、国の総力を結集いたしまして、所期の計画どおりに上げたいというふうに努力する所存でございます

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それにしては、先がたお話のあった目的的研究をやる研究の機構が弱いのではないか、そういう気がいたします。人材の養成の問題、あるいは事業団にそういう人材を吸収するというそのやり方、こういうものをめぐりましてそういう心配が非常にありますので、これについては、事業団ができましたら、これではいかぬという観点に立たれるならば、私はそこを強化する必要があると思うのです。それをやらなかったら、五年たち、十年たって、一番最終的にはどうにもならなかった、アメリカによって打ち上げてもらい、アメリカに全面的にお世話になったということになれば、宇宙開発、一体何をした——これを見ますと、三十五年五月に宇宙開発審議会が設置されて十年たとうとしておるわけですね。そういうかなりの年期が入っておるのですから一番重点的なところに力を入れていただいて、所期の目的を達していただかなかったら、日本の宇宙開発というものは世界の笑いものになるという心配があるわけなんです。それはまた、さっきの話に戻りますけれども、決意だけでなくて、私はやはり研究の機構というものを強化する必要があると思います。そういうように考えます。これは意見ですから、その点については事業団ができたらよく検討していただきたいと思います。  それからもう一つ、念のために伺っておきたいのですが、これを読みますと、欧州の宇宙開発機構の中には、ELDOとESROと二つに分かれております。ELDOのほうは、要するに技術的に打ち上げる、あるいはロケットを開発する、衛星を開発するというように、これは事業団式のものであります。しかしESROのほうは、宇宙空間の科学の分野における共同研究というものがなされておるわけなんです。これをはずしたら単なる打ち上げ屋になり、日の丸衛星を打ち上げるだけが目的になる、それから通信衛星とか航行衛星とか、そういう目的を果たすだけのことに終わってしまって、非常にあじけないものになると思うのです。日本の国の科学というものの将来性と未来を開くためには、少なくとも欧州のとっておるESROの体制をこの際考えるべきではないかと私は思うのです。これは一路東大におまかせしておるでは、これは科学技術庁としては芸のないやり方じゃないかと思います。この点、どう思っておられますか、伺っておきたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 わが国の宇宙開発におきましては、十年前から東京大学が中心になって、科学衛星というものに重点を置いてやってまいりました。また、その意味におきまして、東京大学におきます宇宙研究というものも相当進んだわけでございます。しかし、それ以外の、たとえば気象庁とかあるいは郵政省、こういうふうなところにおきましても、東大よりも少しおくれてスタートはいたしましたが、やはりその面については非常に強い関心を持っておりますし、また、その面におきます研究におきましても、各国と連絡をとりながら、最近は非常に進んできているわけでございます。したがいまして、今後のわが国の科学研究というものは、単に東大の科学衛星のみに限らず、各種のこのような研究用の衛星によりましてわが国の宇宙研究というものは進んでいくものと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 局長さん、進んでいくのではなくて、そういう機構を一つにまとめてやられたらどうですか。各省庁でもそういう研究は、各国と連絡をとってやっておられるということなんですから、欧州では、欧州が一丸になってESROという機構の中で結集してやっておるわけです。日本の中でもやはりこの際そういうことをひとつ考えに入れてやってもらったらどうか。事業団というのが、私どもが考えますと、単なる事業を非常にせいておられる感じがいたしまして、非常にふくいくとした学問の研究という、そういう部面が二の次になって、あと追いをしておるような感じがするわけであります。そういうことで、何とかそういうことも考えに入れていただいたらどうだろうか、できるだろうというのでなくて、やっていく必要があるのじゃないかとこの際思うわけです。  それから、ヨーロッパにおきましてもこういう連合をやっておるのですが、わが国も、国際協力は、アメリカとだけ、技術ほしやのかっこうで追随しておるだけではなくて、そうした同等のレベルにあるもの同士がこういう国際協力をするということがいいのではないかと思うのです。これはここにもお書きになっておりますが、具体策がないわけなんでお聞きしたいわけなんですが、これには、最初に読みましたように、前の審議会設置の場合、平和の目的、自主、公開、そして国際協力ということをやはりうたい文句にしております。国際協力はただ技術ほしやの技術アニマルになってしまっては、これは意味がないと思いますので、そうした協力の考え方、不幸にして日本の周囲には、日本と同等の技術というような国は見当たらぬように思いますけれども、しかし何とかか、そういうことについてもヨーロッパあるいはその他の国と協力する道はないのだろうか、こう思うわけです。その点はどうですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 基礎的な研究におきましては、すでにいろいろな国際的な学会がございまして、それを通じてデータの交換というようなものを行なっておるわけでございます。ただ、実質的な面におきましては、まだあるいはその程度まで達していないかもわかりませんが、これは従来からの宇宙開発審議会並びに宇宙開発委員会におきましても、この国際協力という点につきましては相当重要視しておりますので、私たちも、この点につきましては今後十分協力していきたいと思います。  また、いま先生のおっしゃいましたように、どの国と国際協力をしたらいいかというお話がございましたが、その点につきましては、やはりフランス、ドイツ、あのELDO関係、ESRO関係、これに関係している国々も相当レベルは上ががっていると思いますので、その点につきましても、今後科学技術庁並びにこの宇宙開発事業団というような組織を通じまして、それぞれデータ交換をやっていきたい、そういたしまして国際協力の実をあげたいというふうに考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 石川さんが参りましたから、私、一応これで中止いたします。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次に、石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私、時間の関係であまり長い質問ができないので、あしたの小委員会に譲ろうと思っているのですが、この小委員会のほうで質問すべきことなのか、きょう質問していいのかちょっとわからない事項がたくさんあるのですが、その点はひとつ御了承いただきたいと思うのです。  私は前から、宇宙開発委員会ができましたときからいろいろ御要望申し上げておるわけでありますけれども、宇宙開発はなぜやるのだということが一般国民にはなかなか理解ができない。アメリカでは、御承知のような偉大な成果をあげておるけれども、これは問題にならない膨大な予算を使って、日本ではとうてい考えられないという予算を使った上でのああいう成果であって、日本であれを直ちにまねをするということはとうてい不可能であります。したがって、そういうばく大な金をかけて一体宇宙開発をなぜやるんだという疑問が、私は、いまだに国民の中には非常に根強くびまんしておると思うのです。  それで、昭和四十三年九月に研究調整局のほうから出された「宇宙開発はなぜ必要か」というのを一応私は拝見をいたしましたけれども、これだけではなかなか私は納得できないのじゃないかと思う点がたくさんあるわけです。それを一々申し上げても時間がとうていございませんので、一応宇宙開発ということについて、まず具体的な衛星としては通信、放送関係である、あるいは気象衛星が必要である、航行衛星も、どうしても日本も世界の情勢に順応してつくらなければならぬ、あるいはまた、測地衛星も日本独自の立場でもってやはり必要なんだというところまでは一応のめどが立ったわけであります。このほかに、御承知ように、アメリカが宇宙開発を行なったための成果としてのフォールアウト、いわゆる技術の波及効果という問題が相当あるのではなかろうかという点で、波及効果の面もこの中には触れておるわけでありますけれども、先ほど申し上げたように、アメリカの予算と日本の予算では格段に違う。一けた違いではなくて二けた違う。一%くらいの予算です。アメリカの波及効果というものが出ておるというのは、たとえば十五兆円くらいの全体の衛星の予算、それから、アポロ計画だけでも大体九兆円というような予算、こういう予算を使っておるわけです。そういうところから生まれてきた波及効果というものが、そのままここに書いてあるわけです。ですから、このまま書いてありますけれども、おそらくこの一つ一つは、それぞれ日本にもそれ独自に持ってきて使えるものがたくさんありますけれども、日本が宇宙開発をやることを通じて、こういう技術的な波及効果が期待できるというのは一体何があるのだろうか。たとえば、この中で医学用のどうのこうのといっておりますけれども、宇宙船に人が乗っておればそういうこともありますが、宇宙船に人を乗せるなんという計画は、とうてい日本ではできない。したがって、そういう医療効果なんかはとても期待できない。それから、貢献度の度合いというものも、アメリカにおいては一から六まで分類をして出しておるようでありますけれども、それをそのまま引き写して持ってきたところで使えないものがたくさんある。したがって、日本の宇宙開発をやる場合には、一体どこからどこまでをめどにして、一つには具体的に、たとえば先ほど申し上げた航行衛星あるいは測地衛星、そういったものをいつまでにやるのだ、どういうふうなかっこうでやるのだ、こういう計画がまずできておらない。それから、技術の波及効果としては、一体どういうものをねらうのだ、こういうものもきわめて明らかではないと私は思うのです。そういうふうに明らかでないものを前提として宇宙開発をやるのだといっても、国民は、ただ何かやたらに金を使っただけでたいした効果はないのじゃないかという不安が一つある。あと一つの不安は、軍事用に転化する目的ではないのかという不安、この二つあるわけなのです。軍事用の問題については、これは別の機会に譲りますけれども、この波及効果というものを、一体どういうふうに調整局あるいは科学技術庁として考えておるのか、この点をまず伺いたいのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  宇宙開発の波及効果というものにつきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、いろいろな具体的例というものは出ているわけでございますが、この宇宙開発だけではなく、このような大きないわゆるビッグサイエンスと称するものにつきましては、いろいろな面においての波及的な効果が出てくるわけでございます。と申しますのは、このような大きなものになりますと、その対象の範囲というものが非常に広くなりますし、また、相当先導的な技術というものを総合的に活用しなければ、このビッグサイエンスというものが進んでいかないということは事実でございます。そういうことによりましてその国の技術水準というものが進んでいくわけでございますが、その技術水準によりましてまた新しい技術が進んでいくということがいわゆる波及効果の大きな特徴になるわけでございます。昔のように、いわゆる学問というものが分化されまして、物理とか数学あるいは天文学、化学、生物学というようなかっこうになって、それぞれが別々に進んでいけるときでございますと、このような波及効果というものは少ないわけでございますが、最近のような新しい技術になってまいりますと、その学問というものを相互に網の目のような組み合わさなければその成果をあげることができないというところに最近の技術の特徴があるわけでございます。  その一例といたしまして、この宇宙開発におきましても、そのようなあらゆる技術が総合的に駆使されると同時に、総合的に発達していくということが、この波及効果というものを生むもとになるわけでございまして、この宇宙開発によりまして、大まかに申しますと、たとえばロケットなりあるいは衛星に使います材料の問題というのが非常に進んでまいったわけでございます。たとえば、材料にいたしましても、非常な高熱に耐える材料、あるいはきわめて低い温度に耐える材料、こういうようなものは、従来それぞれの分野においても研究はされておりましたが、このような実際面に使われるということになりますと、それの信頼性という問題にまで発展しますと、なかなかこの開発というものがむずかしくもなりますし、また、一たん開発されますと、それがあらゆる面に応用されるということになるわけでございます。  さらにこの宇宙開発の特徴でございますが、搭載のいわゆるペイロードと申しますが、その搭載の重量によりまして、どうしてもその搭載の機器というものは小型化しなければいけない、小型化してさらに信頼性を高めないといけない。それから温度、熱というものに対してもきわめて信頼性の高いものを搭載しなければいけないというようなことがありまして、この機器の小型化ということが非常に進んでまいったわけでございます。  さらに相当な高さのところまで、衛星軌道として二百キロあるいは三万六千キロというようなところまで上げるということになりますと、そこへ上がったあとのデータの測定という測定技術が、またこの宇宙開発によって非常に進歩してきたわけでございます。有人衛星の場合は、中に人間がおりますので、その点において測定もできるわけでございますが、無人の場合、ことに科学観測というようなものになりますと、測定器だけに信頼を置いているわけでございまして、その測定技術、さらに測定されたものを地上までそのデータを送り届けるという技術がまたこのような宇宙開発によって促進されたわけでございます。  さらに大きな効果といたしましては、このようなビッグサイエンスというものをどのような手段によって、どういうスケジュールによって開発していくかということが、非常にこのビッグサイエンスには大切なことでございますし、また、従来このような進め方によってこのような大きな事業を進めるということはなかったわけでございますが、最近のビッグサイエンスによってこのような新しいシステム管理というものの技術が確立されたわけでございます。  非常に抽象的でございますが、ただいま申しましたような波及効果がございまして、これに付随いたしまして出てまいりましたのが、このパンフレットの一六ページに載っているような非常にこまかいものとなって具体的には出てきているわけでございます。これを見ますと、われわれの生活に非常に直結したようなものばかりが書いてあるようでございますが、しかし、こういうようなこまかなものになるまでの過程というものの間には、研究の積み重ね、技術の積み重ねというものがこのような製品となって出てきたわけでございまして、その途中の研究開発の効果というものが、さらにほかのものに今後とも進んでいくということは当然考えられるわけでございます。  そのような意味合いにおきまして、この宇宙開発並びに今後さらに新しく出てまいりますビッグサイエンスというものにおける波及効果というものは私たち大いに期待もしておりますし、諸外国におきましても、宇宙開発と同じくらいのウエートをもってこの波及効果というものを重要視しているわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 その議論をしますと、たいへん時間がかかるし、あまりしたくないのですけれども、波及効果の一つ一つについて、実は私も専門じゃありませんので、いろいろな技術者にいろいろな意見を聞いてみましたけれども、それ単独で、もうすでに日本で取り入れることがほとんど可能ですね。宇宙開発を初めて日本でやってみて、それで初めてこれから開発をされるのはほとんどない。ということは、たとえばロケットを打ち上げて、それを測定するための地上のいろいろなマネージメント、これなんかは確かに一つの新しい分野を開くと私は思います。それから、その他の材料の関係だとか、それから、いろいろな波及効果がたくさんこう並んで、分類をされてありますけれども、材料、加工法、動力、メカニズム、コンピューター、それから試験器、測定器関係というふうな分類でいろいろ書いてありますけれども、これは宇宙開発を日本でやらなければこういうものはできないというものは、ほとんどないような感じを私は受けております。ただ、IBMの関係で、ロケットを打ち上げた場合に、地上でどうそれを観測し、測定し、その情報を受け取るかというようなものは、これは実際にやってみなければなかなか得られない新しい技術ではなかろうか、その他のものは分類をして、分析をしてみますと、これらの宇宙開発をやったからできるというようなものではなかろう、こういうようなものが大部分だというふうに私は判断する。  それで、私があえて申し上げたいのは、いま三木さんが質問したことを関連をするわけですけれども、ほんとうにこのロケット関係、衛星関係をやっている技術者の意見をあちこち全面的に聞いたわけではありませんから、全体の意見をほんとうに把握しているかどうか保証はできません。保証はできませんけれども、もし種子島でロケットを上げる場合は、日本の技術でどうしても上げたいという意欲が非常に強い、これはひとつくんでもらわなければならぬと思うのです。アメリカから技術導入をして、特に慣性誘導装置でありましょうけれども、向こうから導入した技術で種子島で上げるということは何としてもたえがたい、日本の技術で上げてみたい。一つの提案としては、いまやろうとしておる政府の方針に対して非常に逆行するようなことを私は提案をするわけなんですけれども、提案といっても私の一つの着想として申し上げるのだけれども、昭和四十八年にどうしても通信用の静止衛星を上げたい、しかしそれには間に合わない。間に合わないけれども、慣性誘導装置も、若い日本の科学ではあるけれども、若い技術者が寄って、集まって、何とか四、五年のうちにめどがつくであろう、また、つけなければならぬ、こういう気魄に燃えてこれに取り組んでおるということは事実なんですね。しかし四十八年に間には合わない、したがって、四十八年はアメリカのロケットで上げてもらっていいじゃないか、こういう意見が一つ出ている。ということは、向こうから技術を導入することによって——彼ら技術者の言うのには、その技術を生み出すためにいろいろな苦心を重ねるところで初めて日本の独特の波及効果の期待できる技術というものが生める、向こうから持ってきたのではこれは力にならない、日本の技術開発、技術向上のほんとうの力をたくわえることにはならぬのではないだろうか、したがって、もう非常に恥ずかしい話だけれども、ヨーロッパはほとんどどこでもやっていることなんで、アメリカに上げてもらったらどうだ、しかし今度種子島で上げるときは日本の技術で絶対に上げる、こういう目標を立てて民間に指令をしたほうが、日本のほんとうの技術開発の促進になるのだ、こういう意見がかなり強く出されておるという点は、長官や局長、御存じですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 石川委員のお話、まことにごもっともで、そういう意見も確かに一部あるのです。しかし、わが国の今日まで明治百年の歩んできた過程を見ますと、今日はわが国の科学技術の水準もここまで高まってきたのですけれども、いまお話しのように、すべて自分でイロハからやってきたというものはほとんどないのですね。大体は向こうから技術を輸入してきて、それにさらに開発を加えて、そして追いついて、まさに追い越そうとしているのがいまの日本の姿じゃないかと思うのです。  そこで、いまお話しのように、外国から輸入しないで、すべてここで開発してやってみたらどうか、こういうお考え、これも確かに一つの行き方だと思うのですけれども、それではやはりあまり時間がかかり過ぎるのではないか、さように考えまするので、いろいろな点を考え合わせて、四十八年に少し無理でもひとつそこまで努力をしたい、多少向こうから技術を輸入するにしましても、それにさらに開発を加えて、向こうのものよりもさらにいいものにして、そうして追いついて、追い越していこうというのが、まあ今日のわが国の科学技術界におけるところの現状ではないかと思います。そういう点も、どうも全然これを投げ捨ててやっていくというわけにもいかないのじゃないか、かように考えておるところです。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これはほんとうに議論の多いところでして、確かに原理、原則は向こうから導入をし、それで応用開発を進めてきたということは事実でしょう。しかし、私がかつて籍を置いた日立製作所というところは、絶対に外国の技術は入れない、こういうことで歯を食いしばって終戦前まではやってきたわけです。外国の特許もある程度は入れておりますけれども、ほとんど国産の技術でやる。最近はそれが転落しちゃって、そういうわけにはいかなくなっています。あまりに格差が開いてそういうわけにいかなくなってきておりますので、非常に情けないと思っておりますけれども、しかし、最近は新たな情勢として資本の自由化という問題が出てまいりましたね。資本の自由化ということは、技術を伴って資本を持ってくるということが条件ですよ。そのために、日本の技術導入というのは、これからはそう簡単なものではないということは、これはもう身にしみてわれわれは記憶しなければならぬ問題だと思うのです。そうなると、やはりどうしても独自の技術で自分でやるのだという気力を持たないと、資本の自由化と一緒に設備と向こうの技術を持って、たとえばICが日本にあがってくるなんていったら、日本はたいへんな混乱を起こしたわけですね。ICの技術でも、これは宇宙開発の副産物ですよ。そのほか、副産物もたくさんございますけれども、何とか、誘導技術だけは日本でどうしてもやりたい、こういうことから日本の技術の向上というのは相当望めます。ただ、残念なことには、政府はもう政府ベースでアメリカと相当話を進めておるのではないかと思うのです。いま私が言っても蟷螂のおのみたいな感じもなきにしもあらず、そういう感じはします。しかし、そういう気がまえでひとっこれからやってもらわないと、技術者は非常に切歯扼腕しているという事実です。何とか自分でやりたい、もう五、六年たったら、石川さん、やってみせますよ、こういう非常に頼もしいことを言っておるわけですよ。ただ、四十八年とめどを立てられたものだから、これにはちょっと間に合わない、種子島でやるのを、向こうの技術を持ってきてやるというのはきわめて残念だ、こういう意見がきわめて強い。これは単に宇宙開発の問題だけではなくて、そういう技術者の意見も十分に聞いて、資本導入という新たな情勢に即応して、どうしても日本が、たとえば一〇%しか技術輸出をしていない、もう一〇〇%の導入に対して輸出は一〇%、こんなていたらくでは、今後日本のほんとうの発展というのは望めない。ただ額に汗して、勤労精神だけでもってやっていくということでは限界があるわけですから、この点は、科学技術庁としては、相当責任が重大だと思うのです。そういう点で、私は、ほんとうならもう上げてもらってもいい、恥ずかしくてもそれで上げてもらう、日本で、種子島で上げるものは、日本の技術でやる、こういうことにしていただけたら、ほんとうに幸いだったと、いまにして思うのですけれども、ちょっと時期がおくれたような感なきにしもあらず、しかし、この意見は十分に尊重してもらわなければならぬ、今後の問題が相当ありますから。そういうことで、それがたとえば、非常に膨大なビッグサイエンス、イコール、ビッグプロジェクトになるわけですけれども、これに対していわゆる新しい産業革命ともいえるようなシステムマネージメント、こういうものができてきたわけですね。それからシステム産業、こういうものも宇宙開発の成果だと思うのです。これも、先ほど申し上げたように、膨大な予算をつくってアメリカがやったということの一つの成果なんであって、ささやかな日本の宇宙開発の中からは、このようなシステムマネージメントとか、システム産業なんというものは、これはとうてい生まれないですね。これはすでに入ってきたもので十分だということにならざるを得ないという限界があることは、非常に残念なんで、何とかその限界を打破していくということのためには、自分の技術で何とかやっていくという、この体制をつくり上げていくということがぜひ必要じゃなかろうか、こういうことを痛感するのです。  こまかい点については申し上げる余裕がないので申し上げません。そのくらいにいたしますけれども、ただ、日本のただ一つの利点は——ビリオンダラーという会社がアメリカにはかなりあって、そのうちの三社、四社というのは、もうほとんど十億ドル以上の注文を——宇宙開発だけでもって一つの会社に出しておるわけです。一段、二段、三段と、全部分担をしておるわけですね。一段がボーイングですか、二段がノースアメリカン、三段がマクダネル・ダグラス、これは十億ドル以上の受注をしている。そのほかにもいろいろな面で、宇宙船はノースアメリカン、着陸船がグラマン、月探検機具がベンディックス、こういったところが膨大な産業として、それだけでもってりっぱにやっていけるという体制があるわけですすが、日本の場合には、そういうふうに一つの宇宙開発でもって産業が成り立つというふうなことはとうてい期待できない。ただし、それだけに民間の、ほかの商品をつくっておる会社がやるということで、そこから出る波及効果というものは期待できるのではなかろうか。これはささやかな私の救いなんです。そういうことはあると思う。ただし、アメリカあたりでは専門にやっておるところばかりですから、それがほかの、われわれの民生の安定に役立つような商品に応用させるということは、非常に感度が鈍くなる。日本の場合には、同じ会社でほかのいろんな製品をつくっておりますから、すぐ波及するのではなかろうか、こういう期待は持てると思うのです。しかし、そういうことはいえても、原則的には、波及効果ということは、あまり声を大にして言える状態では、宇宙開発の場合には、ないのではなかろうかということだけは、私は申し上げたいと思うのですが、その中で、ほんとうに誘導制御技術だけは開発効果が相当多い。したがって、これだけは日本でぜひやらせてもらいたかった、こういう気持ちがしてならないのです。そのほかは、単独に成果だけ持ってくればとることができる性質のものが多い。誘導制御だけはどうしても自分でやって、自分で一つの技術の成果というのを獲得すれば、これはたいへんな技術の進歩に役立ったのではなかろうか。これは全体を見渡しての私の偽らざる感想であるということだけは御記憶にとどめてもらいたいと思う。  時間がありませんので、法案のほうに直ちに入ります。  法案の第一条ですけれども、平和の目的に限るという点については、三木議員のほうから質問がありましたから省略いたします。この第一条の中で、「打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、」ということになっておるわけです。ところが、私の率直な希望を申し上げるならば、一元的にやるということは書けないかどうか、こういうことです。それは、どういうことかというと、この宇宙開発事業団をつくって、たとえば二十二条などは、「委託に応じて」やるとかなんとかいうことも書いてあるわけですけれども、「委託に応じて」ということは、どこかほかでも何か開発をやるというようなことになるという可能性も出てくるのではなかろうかというような感じもいたしまして、何とか宇宙開発事業団で一元的にやるのだ、総合的ではなくて、一元的にやる。その下には研究所みたいなものがある。たとえば、前から問題になっております東大とかなんとか、ばらばらになっておるのを、それを総合的に技術を全部集約をするというねらいがあるわけですね、宇宙開発事業団ができたというのは。それがただ単にこれだけでは、将来の日本の持てる宇宙開発関係の技術を集約する、一元的に持っていくということが、この法文ではちょっと読み取れないのではないかという感じがするわけなんです。将来は、東大の宇宙航空研究所があるのですけれども、こういうものを全部集約をして、宇宙開発事業団で全部一元的に調整をはかるということにしなければならぬと思うし、それからまた、その下にも研究所というものがなければならぬが、研究所のことはこれに書いてないわけですね。そういうものを置いて、打ち上げの仕事もやって、国でやるものは全部宇宙開発事業団で一元的にやるのだ、こういう体制がとられなければいけないのではないかと思うのですけれども、その点についてひとつ御意見を伺いたいと思う。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、この法案の中には一元的という字句は使っていないわけでございますが、考え方としましては、宇宙開発というものは非常に広範多岐にわたるものでございますし、また、あらゆる総力を結集しなければ、いわゆる一元的に考えていかなければ宇宙開発というものが進まないということは、もう当然その根本的な考え方の中に入っておるわけでございます。それをあらわしましたのが、この第一条にいわゆる「総合的」ということばを使っておりますが、これは観念的には一元的というつもりで使ったわけでございます。  それからさらに、二十二条の「業務の範囲」の中に——範囲を読んでいただきますと、この中にも、やはり一元的に開発というものを行なっていくという趣旨を盛り込んでおるわけでございます。  さらに、三十九条で主務大臣というものをきめておりますが、これも宇宙開発事業団が行なう仕事を各省の協力によって行なおうというようなかっこうで、こういうような思想を打ち出してきたわけでございます。  先ほどの委託の件でございますが、この委託というものは、各省庁で研究とか、あるいはそういうものを行ないます衛星というものは、いろいろその用途によりましてまちまちでございますが、本来は、この衛星の開発も一元的に当事業団で行なうということになるわけでございますが、委託を受けることができるというようなことで、完成品を持ってくれば、それを打ち上げもできるということになっておるわけでございます。  それから研究所の問題でございますが、この研究所の研究内容というものにつきましては、やはり宇宙開発委員会のかさの中に入っておりまして、どこの研究所でどういう研究をやっておるかというようなことも、宇宙開発関係の研究は全部大体委員会のほうで承知しているわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 時間がないので、あしたの質問に譲るほかないのですけれども、一応簡単に要点だけ申し上げておきます。  いまの二十二条では、一元的にやるということはどこからも読み取れないと思うのです。あなたはそうおっしゃいますけれども、一元的にやるということにはならないのじゃないですか。ただ、こういう仕事をやりますということが書いてあるだけであって、これを一元的にやるのだということにはならないのではないかと思うのです。ですから、民間であちこちやるということじゃなくて、すべて打ち上げ業務といものは宇宙開発事業団でやるのだということは、この全体を通じての法文からは読み取れないと私は思うのです。ですから、もしそういう意味であるとすれば、そういうふうに法案を修正するということもわれわれのほうとしては考えなければならぬという気持ちがするわけです。  それからあと一つは、この研究所は宇宙開発委員会のもとにあるというのですけれども、これは期限をつけてもよろしいのですけれども、将来の方向としては、各大学などにあるものとの調整や何かは、この宇宙開発事業団でもって運営調整に当たるというようなことが、これは全部を支配するのだというのじゃなくても、そういう方向づけは何とかこの法案の中に明示しておかなければいけないのではなかろうか。それでなければ、宇宙開発事業団がそういう衆知を集めてやるのだということの期待には沿い得ない、こういう感じがするわけです。  それで、あと一つは、第一条の「目的」の中に「利用の促進」ということになっております。促進というのも、考え方がいろいろあるのですけれども、「促進」じゃなくて、「利用の促進」とそれから「利用の運営調整」、こういうものに寄与することを目的として設立されるというふうに書かないと、「利用の促進」だけで、ほんとうに総合的に日本全体のいろいろな利用というものの計画を——運営調整をやっていくんだという性格は、この事業団の目的の中に入ってこないのではないか、そういうものも一つ含めて考えていく必要があるんじゃなかろうか、こういう感じが強くするわけなんです。そういう点の問題も、まだこの法案の中にはあちこち残っているのではないか、こう思うわけなんですけれども、それはあした以降の委員会で、いろいろまた問題点がそのほかにもありますので、申し上げたいと思うので、その点、一応御意見を伺っておきたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 初めの研究の問題でございますが、宇宙開発に関係いたします研究としましては、いろいろ多方面の研究があると存じます。ただ、開発の段階になりますと——研究そのものがすぐ開発に直結するというものではございませんでして、研究の分野というのも非常に広いわけでございまして、中には、すぐそのままでは開発に使えない。しかし、ほかのほうと関連性があるというのもございますので、この研究と開発というものを直結するということは非常に困難でもございますし、また、逆の意味におきまして、研究というものは、なるべく幅広く、基礎的な研究をやっていただきたいという考えでございます。したがいまして、私たちとして研究そのものにタッチはいたしませんが、企画調整という面におきまして、たえず宇宙開発に役立つ研究というものは伸ばしていくという方向で進んでいきたいと存じておる次第でございます。  それから次に利用でございますが、この利用につきましても、それぞれの衛星の機能によりまして、それぞれのところでその利用面を考えるわけでございますが、衛星そのものというよりも、地上の施設との組み合わせによりまして衛星の効果というものはあがるわけであります。したがいまして、利用という面も、そういう面におきまして、一元的に事業団でその利用まで入れますと、かえって複雑な組織になる場合もございます。したがいまして、そのようなことを考えますと、この利用面におきましても、今後の衛星の利用という面を考えながら、慎重に委員会において検討を進めていただくのが至当かと存ずる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは国会で法案を審議するわけですから、皆さんの意見もあとで調整したいと思うのですけれども、利用の促進だけではなくて、やはり運営調整というものを入れていかないと、ほんとうの一元化という目的に沿わないのではないかという気がしてしかたがないのです。  それとあとは、「総合的」ということだけで、ほんとうの一元的ということの目的に沿い得るかどうかという疑問は、いまの御説明でもいまだに残るわけです。それと、研究所の関係は、いろいろ問題はあるでしょうけれども、開発委員会の下にあるんだというふうなことだけでこれは明示しないということも、ちょっと問題があるのではないか。やはりそういう点は、はっきりさせておいたほうがいいのではなかろうかという感じがするという問題点が一つ。  それで、この事業団全体を見ていきますと、何か、仕事をする主体ではなくて、一元的にやるのではなくて、相談があったら受けるようなボード的な感じの印象を受ける面がたくさんあるのではないか。何か非常に力の弱いものになっているのではないかという気がしてならないのです。開発委員会との関係も必ずしも明確ではない。これはそのぐらいにしておきます。  それから、役員の任命も、先ほど三木さんからいろんな御意見がありましたから、重複は避けますけれども、理事長が副理事長及び理事を内閣総理大臣の認可を受けて任命するということになっておりますけれども、これはやはり開発委員会の意見を聞いたほうがいいのではないかという気がするのです。そういう点は一体どうお考えになりますか。その点だけちょっと意見を聞かしていただきたい。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 理事の選出の問題でございますが、これは事業団法案の十二条の二項でございますが、これで理事長が総理大臣の認可を受けて任命するということになっておるわけでございます。これは、最高責任者でございます理事長は、宇宙開発委員会の同意を得て任命するということでございまして、その任命されました上は、理事長のもとに執行機関の一体性を確保する、同時に、トップマネージメントを確立しようという考えでございます。理事の任命は当然理事長が行なうのが適当だと考えております。それで、理事長が理事を任命いたします場合に、関係各方面の御意見を聞いて理事を選任するということは、私たち当然だと考えておる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そのほか質問したいことがだいぶあるのですけれども、実は時間がございませんので、先ほど申し上げたように、宇宙開発事業団がほんとうに総合的、一元的にここでまとめてやる、実行部隊であるという形を整えるためにちょっと力足らず、表現不足という点があちこち見られますので、この点については、あらためてまた御意見を申し上げたいと思います。きょうはこのくらいにしておきます。      ————◇—————

石田幸四郎公明党

○石田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  宇宙開発事業団法案審査のため、日本放送協会専務理事野村達治君及び志賀正信君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田幸四郎公明党

○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、参考人からの意見の聴取は、明七日逓信委員会との連合審査会において行なうことといたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会

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